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神聖にして呪われたる生贄
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【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2008/08/18(月) 23:07:49 ID:???0
私は巷でよくラストシーンにいたるまでが絶賛の対象となっている論考
を目にすることがある。しかし、果たしてそれが絶賛される対象であろ
うか?私には悲壮としかいいようがないくらいなのだが・・・。なにか
それには本来みもふたもないことをさらけ出されることへの恐怖からく
る、是が非でも無意味な妥協と擁護を試みようとする人間性の必死さが
見受けられるのだ・・・。
バタイユは、そこに起こっている事象にかつ目することこそ重視する
が、弁証法的な思索は一切認めようとしない。かれは人間の心理が抱
えるテーゼとアンチテーゼの衝突からくる葛藤に、直接まなざしを向
ける。この葛藤のなかで人間の心理に傷口が生じ、「裂け目」が生じ
る。この裂け目をバタイユは表現しようとしている、というのだ。
バタイユの分析方法によれば、アスカという少女ほど自分を裸(ら)
にして曝け出している女性はいない。見るにも痛々しいのだが、彼女
はまるで彼の表現からすると「襤褸切れ(ボロきれ)」のようである。
彼女の場合、自分の内面と外面の葛藤があまりにも激しすぎて、その
裂け目もまたビリビリに破かれていくかのように、止め処もなく引き
裂かれていく。
ここに悲壮さこそあれ、絶賛や擁護論の妥協の介入など、本来ないは
ずである。描き出された以上、それはそこに存在してしまった。我々
は、そのように生成された存在にかつ目して、それをどう捉えるかし
かできない。ましてや、この「襤褸切れ」の「裂け目」を、アスカ自
身は自分でそれを押し広げ、シンジに直に見ろ、というのだ。
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