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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』其の二

1『誰かさん』:2017/09/12(火) 01:53:18



願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃

2『一彩合彩』:2017/09/12(火) 23:33:28
ミッションのあらすじ

夜。硯と斑鳩はある店のシャッターにスプレーを吹き付ける夏目慶という少年と出会った。
そして夏目慶を追って『ストリート・サグ』を名乗る集団が現れる。
「俺の喧嘩につき合ってもらえませんか?」
ストリート・サグの集まるバーで三人と四人の喧嘩が始まった。

3『一彩合彩』:2017/09/12(火) 23:36:38
>>998 (硯 前スレ)

ピアスは冷えている。
この店の空調などによって冷やされているのだろうか。
指先から伝わる感覚は冷たいものであった。

球体の操作。
それが集中を必要とするものだと考える。
がら空きのロックの背中に『オーバードライブ』の蹴りがめり込んだ。
みしりと彼の背が曲がり、その勢いで彼は倒れた。

>>999 (斑鳩 前スレ)

悲鳴は上げない。
例え悲鳴が生物の進化であったとしてもだ。
代わりに拳が握られる。
まだ動く左腕。その二本が迫りくる塊を迎撃する。
はずだったが、塊は来なかった。

>>ALL

『オーバードライブ』の蹴りによってロックはうつぶせに倒れた。

ロック:「ぶはぁ!」

彼が大きく息を吐いた。
塊はまだ存在するがぼろぼろと破片が零れ落ち始める。

ロック:「疲れるなぁ……」

    「ちょっと待ってよ。あぁ、命乞いじゃない。俺だけが逃げるつもりはない」

ゆっくりとロックが姿勢を変える。
胡坐をかいた姿勢。
肩で大きく呼吸をしながらロックは言う。

ロック:「K。お前、まぁサポートなんだろうけど、もうちょっと頑張りな。喧嘩するならな」

    「冷蔵庫の中にポカリが入ってる。そこの兄ちゃんに渡しといてくれ」

    「それと! 車輪の兄ちゃんにはパイナップル・エード。鎖の兄ちゃんにはコンクラーベだ」

    「ノンアルコールカクテル。作り方教えたろ? 作ってやれよ。慶」

塊がゆっくりと動き出す。
彼の周りを反時計回りに旋回する(パスCB)。
パズルのピースが回転の勢いでさらにはがれていく。
徐々に輪が広がる。それは射程を広げていく行為。
斑鳩達の方向へ塊が迫っていく。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□□□□□□□フ●●
◇□□□□車□□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□塊□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

4硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/13(水) 20:47:51
>>3(GM)


   「やっぱりだ」

   「ロックさん、君は優しい人間だ。
    俺が君ならば、あんな『不意打ち』をした俺を汚く罵る。
    その潔さ、美しさすら感じる――」


「翔ちゃん、
 真剣勝負に『割り込んだ』俺を汚い人間だと思うかい?
 俺はとても『卑劣』な行為だと思う。
 
 だから、『ロック』さんとの決着は君が付けるといい。
 もっとも『G9さん』は俺が貰うがね」


    シュババババババッ!!!

『ロック』との決着は『斑鳩』に任せ、
弧の軌道で飛来する『塊』を『オーバードライブ』のラッシュで迎撃したい。
パス精BAE

5斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/13(水) 22:12:18
>>3

影と自分の拳が空を切る
ボロボロと崩れる塊を眼前に鎖の中の眼が見開かれる

(塊が崩れた……僕の拳じゃあない『能力』が解除された?)

闘争の空気が霧散したのを感じて
何とか体を起こそうとする 右腕を使おうとして走る痛みに、咄嗟に動かすのをやめた

(右腕を動かすは出来ないな……全身も痛い
何とか足3本で立てるか……?)

――影の足を支えに立ち上がろうとする
立とうとする姿は酷く不器用な生き物のように見える

(僕がいる場所は元バーカウンターの場所だ…が
ここからどいたほうが良い……かな。)

「――喧嘩は、終わりですかロックさん。」

(遠くから聞こえるのは研一郎君の声か……?)

6『一彩合彩』:2017/09/13(水) 23:34:21
>>4 (硯)
>>5 (斑鳩)

ロック:「よせよ。優しかったらこんなことしてねぇ」

ロック硯の顔も見ずにそんなことを言った。
硯は斑鳩に決着を任せることにした。
回転する塊の前に立ちラッシュを放つ。
向かってくるものを殴るだけだ精密性も塊の大きさからすれば大した問題は無い。
それは粉々に砕かれた。

一方の斑鳩はロックに言葉をかけた。
その言葉にロックは笑う。

ロック:「終わりって言うのは俺がお前達を店から出すか、俺が倒れることを言うんだぜ」

「すっとろい」

『ジグソー』が動いた。
真っ直ぐに立ち上がろうとする頭に向かってカカト落としを放つ(パス精CBB)


□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□□□□□□□フ●●
◇□□□□車□□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□□□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

7斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/14(木) 00:42:06
>>6

(――悲しいけど、男なんだな僕達。)

「……殴られて解った、貴方のスタンド スピードと精密さは有るけどパワーは人並だ。」

眼前に迫るかかと落としの位置を、肩にずらしつつ前に出ようとする
直撃してもそのまま体を起こそうとする

「その速さ、僕に回避は出来ない、だから避けられないのは『黙って受ける』」

右腕の鎖を解除する、同時に影の右腕の拳を固く握る

「僅かでも前に出ながら受ければ蹴りの打点は浅くなる、鎖の耐久力なら十分致命傷は避けられる」

3本の足で痛みにふらつく体を支えながら
左腕の二本と右腕の一本を『ジグソー』へのラッシュの為に構える


「――『ロスト・アイデンティティ』」

『ジグソー』へ再び3本の腕でラッシュを叩き込む
(パス精CCC)(パス精CCB)

「――aaaAAAshuraaaaaaaaa!!!」

8硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/14(木) 03:17:47
>>6(GM)


「翔ちゃん、
 邪魔してくれるなよ」


ゆらり      ゆらり

『ロック』の相手は『斑鳩』に任せた。
カウンターの奥で呑気している『G9』に、
ゆっくりとゆっくりと近づいていく。
 

              「G9さん」

「これで残るは君と俺だけだ」

9『一彩合彩』:2017/09/14(木) 23:22:02
>>7 (斑鳩)
>>8 (硯)

『ジグソー』の踵落としが斑鳩の左肩に命中する。
それは重みを持った一撃だがそれが勝負の決定打にはなっていない。
斑鳩は右腕の鎖を解除する。
影の腕のヴィジョンが揺らぐ。
本体の右腕の状態が良くないからかヴィジョン自体も少し傷ついたような様子である。

ロック:「ふぅ」

『ロスト・アイデンティティ』のラッシュがロックを襲う。
彼は防御の体勢を取らない。
両腕を後ろに回し、背中側で手を組んでそのラッシュを食らう。
体を中心にラッシュが叩き込まれ、ヴィジョンが消えると同時に彼が膝をついた。

ロック:「ごほっごほっ……疲れたよ」

二度三度咳ごみそのまま床に倒れた。

G9:「……」

G9はそれをただ見ている。
助けに行くでもない。彼らをけなすでもない。
ただ静かにその場に立っていた。
しかしそれも硯の接近を確認するまでだ。

G9:「ストリート・サグは俺の国だ」

   「こいつらは俺の事をどう思ってるか知らねぇが」

   「俺はこの場所を手放す気はねぇ」

スタンドを解除する。
そして尻のポケットから何かを取り出した。
それにつけられたケースを取り外す。
ナイフだ。彼の右手でナイフが光る。

G9:「出来るかなじゃねぇ。やるんだよ」

ナイフが突き出される。
およそ人の速度で。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇□九□■□□□□□□□フ●●
◇□□車□□□□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□□□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

10硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/14(木) 23:54:33
>>9(GM)


「俺は『暴力』の沼に沈んでいるのか。どうなんだ?
 なぁ、それとも『狂気』の風か?ええと。なァ?どうだ。
 知らずに『安全』という泥水に肩まで浸かっているのか?
 きちんと『己』を『鎧』で護れているか…いや、
 今日の俺はどうにも『ポエット』だな。これは、駄目だ…」

              
「けれど、君達が俺をそうさせた」


「G9さん、もう1度尋ねる。
 だから頼む。きちんと答えてくれ」
 

            「なぁ」


「G9さん、俺は狂っているのかな。
 君の目には――俺はどう映る?」


            ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴーッ!!


破れかぶれに『ナイフ』を持って向かってくる『G9』。
あちらも全力ならばこちらも出してやるのが道理。
『オーバードライブ』の全力のラッシュを『G9』へと叩き込む。

11斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/15(金) 00:16:55
>>9

倒れたロックを斑鳩は見つめる、僅かに微笑みながら。

(――『恨み』だとか、『怒り』だとか『僕』は彼らにそんな感情は『まったく無い』)

 (もし、彼らが『復讐』して来たらその時僕は更に大きく『恐怖』するだろう)

(『恐怖を乗り越える時、人は成長する』感傷は単なる心の傷、成長とは真逆だ。)

 (だからここにきた、『未熟なスタンドの成長と完成』それが僕の求める『奇跡』に近づく手段だから)

(『悪意』を踏み台にして、『幸運』に手を引かれれば……何方一方よりは早く掴める筈だから。)

 (そうして『完成したスタンド能力』が発生する『重力』が僕の『奇跡』を引き寄せるだろうから)

(感傷を挟まず、全てを踏み台に『両親を救うための周り道』かつ『最短距離』、そして勝った……だのに。)



「……殴った方の拳も痛いなあ。」


――そう呟きながらロックから目を離してG9の方に向き直る
肩の赤いマフラーを外しながら。

12『一彩合彩』:2017/09/15(金) 00:41:49
>>10 (硯)
>>11 (斑鳩)

斑鳩はロックを見ている。
そして斑鳩の思考は現実との答え合わせの中でどうなるのか。
それは分からない。
ただ拳の痛みだけが分かる。

G9:「……」

G9はあくまで人間だ。
後出しじゃんけんでも『オーバードライブ』が動けば彼の行動は成功するかどうかわからない。
それでも動いたのは彼なりの意地だったのかもしれない。

G9:「馬鹿言え」

硯にG9はそう言った。
迫る拳のラッシュを前におびえるでもなく逃げるでもなくそういった。

G9:「テメェなんぞ、狂ってねぇ」

   「暴力の沼に足を入れちゃいるが狂えちゃいねぇ」

   「人の狂気、力の狂気を語るにしちゃあまだまだお優しいぜ。ボケが」

彼の体に、顔に拳がめり込んだ。
抵抗することもなく吹っ飛んだ彼は酒の棚に当たり、いくつかの酒瓶が倒れて割れる。
あたりにアルコールの香りが漂う。

終わりだ。闘いは終わった。

慶:「……」

慶が無言で近づいてくる。
それから深く頭を下げた。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□□□□□□□フ●●
◇□□車□□□□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□慶□□□□□敵敵
□□□□□□□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

13斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/15(金) 00:58:14
>>12

「……慶君か、見ての通り終わったよ『喧嘩』は終わった。」

「――勝ったよ。」

(――勝った気しないなんて『侮辱』だ だから言わない。)

肩から外したマフラーを影の左腕で再び首に巻く
寒気を感じたのではなく、ただ『何か』を振り払いたかった為に。

「うん――こうしてアドレナリンも切れて冷静になると人間……全身すっごい痛い、特に右腕」

「顔に傷がつかないのは流石僕の『スタンド』って所だけどさ
いや研一郎君が大体倒して僕大体殴られて、だけだけどさ。
……もう誤魔化し効かない上に傷害とか器物破損とか右腕のイカレ具合どうしよう。」

表情が苦笑いしつつ少し青ざめている

「祖父母に言い訳できないかなあ!ねえコレ、(腕を)スタンドで動かせば
だますの嫌だけど……いけると思うぅ〜?」

「――やっぱ無理かなぁ どう慶君!研一郎君!」

――痛みを誤魔化すため、早口にさらりと苦笑いしつつ腕時計のゼンマイを再び巻く

14硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/15(金) 05:00:56
>>12>>13(GM・斑鳩)

「慶さん、終わったよ。
どうやらG9さんは俺に勝利とこの組織を譲ってくれたらしい」

『RXオーバードライブ』を解除し、
自身の怪我の具合を確認する。

「翔ちゃん、大丈夫だろう。
バイクか何かに轢き逃げされたとか言えば誤魔化せるだろう」

15『一彩合彩』:2017/09/15(金) 22:55:32
>>13 (斑鳩)
>>14 (硯)

慶:「えぇ見てました。全部」

二人の体は傷だらけだ。
斑鳩は右腕を明らかに骨折しているし
硯は腕や服で見えないが腹などにも打撲痕がある。

慶:「腕は……まぁ転んで折ったとかにすれば……」

曖昧に慶は答えた。

慶:「さて……後始末を……」

慶の足がロックの脇腹をつつく。
それに彼の体がびくりと反応した。

ロック:「今いい具合にやられてたろうが……」

慶:「後始末」

ロック:「あいあい……ビッグとかの治療の手配とG9の連れてきた客は帰してやる」

ロックは立ち上がりG9の連れてきた男たちの顔を平手打ちする。
能力の効果が抜けて切っていないのか誰も彼もがぼんやりとした顔だ。
そんな人たちを彼が誘導する。

慶:「どうぞ……」

慶が椅子を持ってきた。
その後はカウンターに引っ込みカウンターの下に備えてあった冷蔵庫から何か取り出して混ぜ始める。
カクテルを作っているのだろう。

16硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/15(金) 23:09:50
>>15(GM)

        
               「ロックさん」

               「ビッグさんとフックさんを
                優先して見てくれないかい。

                つい熱くなったとは言え、
                明らかにやりすぎた気がする」


ガタッ

後始末は『ロック』に任せて、
慶が用意してくれた椅子に座り
慶がカクテルが出してくれるのを待つ。


「恥ずかしい話だが、
 俺は高校生にもなって喫茶店にも行った事すらないんだ。
 いきなり階段1段飛ばした気分だよ」

17斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/16(土) 00:07:09
>>15
>>16
   「バイクか転ぶかか……うーん悩ましいな、バイカーの皆さんに厳しい世の中だ。」

苦笑いのまま肩をすくめ 真剣に言い訳をどうするか考え始める

   「スタンドで骨を折りましたって言っても信憑性0だものなあ。」

  ストン

右腕を使わないようにしながら右腕を鎖で巻き付けて固定し
そのまま慶君のもって来てくれた椅子に腰かける

――頭部の鎖を解除して出した影の頭部で言い訳を考えながら



「まあ研一郎君、控えめに言っても見た目金髪ヤンキーだしね
 僕もこんな喧騒のバーに入るの初めてだけど
 ……喫茶店、今度一緒に行くかい? 多分ガラガラに席が空くと思うんだよね。」 ――ニッ

18『一彩合彩』:2017/09/16(土) 00:29:01
>>16 (硯)
>>17 (斑鳩)

ロック:「んー。医者にも選ぶ権利ってのがあるからなぁ」

    「俺が治す訳じゃないし」

G9とフック、ビッグを引きずって一所に集めた。
その横に座り込みスマホをいじりはじめる。
疲れた顔のロックは静かに一つ一つ行動をとる。

慶:「喫茶店なら、あの店に行けばいいじゃないですか。『Cafe Carnival』だったか」

  「家の隣なんですから」

慶が二つのグラスをカウンターに置いた。
硯の元には黄色い色のもの、斑鳩には白い色のものを。

慶:「パイナップルエードとコンクラーベです」

二人で喫茶店に行くのもいいだろう。
ただそれは少なくともこの夜が明けてからだろう。

19硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/16(土) 17:40:30
>>18(GM)

「そうか、そうだった」


ハッとした顔をする。
そして差し出された『パイナップルエード』のグラスを手に持ち


「何はともあれこれで一件落着、かな。
この後お巡りさんがやって来て色々訊いてくるかもしれないが。
大丈夫、『尻尾』と『マッポ』と『ベロ』を巻くのは得意だ。
帰って泥のように眠りたいが、とりあえず」

「乾杯」

ーーゴクッ

20斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/16(土) 19:54:13
>>18

「ありがとう、慶」

 (コンクラーベ、か牛乳に木苺のシロップとオレンジジュース
   何方にしろアルコールはまだ早いな。)

  「――終わってみたら色々あったけど
   しばらくは殴るのも殴られるのも勘弁、かな
   警察よりは祖父母と2人が心配だし……結構長い夜だったな。」

初めて人を殴るという経験だが
それで後悔をしない、というのも貴重な経験だろう

   「乾杯。」

影の右腕で肘をつきつつ
白いカクテルをそっと喉に流しこむ。

21『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:15:33
>>19 (硯)
>>20 (斑鳩)

乾杯を交わしノンアルコールカクテルを飲む二人。
その二人に慶は再び頭を下げた。
ロックはそんな三人を見つつあくびを一つ。

夜は更ける。
しかし明けない夜はない。
二人が交わったこの夜も明けていく。
そうすればまたいつもと変わらない日々が返ってくる。
ほの暗い世界から離れていくのだ。

後日、二人の家の郵便受けに茶封筒が入れられていた。
表には夏目慶。
そして中には金と一通のお礼状と書かれた手紙があった。

『一彩合彩』→終了

斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』→『右腕骨折』
                       『全身打撲』全治一か月二週間。
                       『30万円』獲得

硯 研一郎『RXオーバードライブ』→『全身打撲』全治二週間。
                      『30万円』獲得

G9/ダドリー・アーント『カルト・オブ・パーソナリティ』→『肋骨骨折』
                                  『顎骨骨折』
                                  『右腕骨折』
                                  『鎖骨骨折』
                                  『鼻骨骨折』他

ミスタービッグ/クリス・モリッシー『アウトキャスト』→『顔面裂傷』
                                『表情筋損傷及び一部断裂』

フック/三舟海『スターシップ』→『頭がい骨骨折及び脳挫傷』
                   『歯の損失』
                   『脊椎骨折』
                   『右腕粉砕骨折』
                   『一部臓器損傷』他

ロック/譲治・ジェームス『ジグソー』→『全身打撲』
                       『肋骨にひび』

22『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:30:04
★氏名―G9/ダドリー・アーント
★スタンド―『カルト・オブ・パーソナリティ』
★能力―煽るマイク
★性別―男 ★年齢―24 ★血液型―A
★おうし座生まれ ★髪の色―金 ★瞳の色―黒
★趣味―大食い
★好きな映画―ウエストサイドストーリー ★好きな色―緑
★性格―勝気。侮られることを嫌う。
★外見―背丈は小さく、モヒカンのような形で髪の毛を上げている。
    ジーンズにタンクトップを着て、ジーンズに黒地に緑柄のバンダナを巻いている。
★備考―ストリートギャング、『ストリート・サグ』のリーダー。
    戦闘能力は一番低く、背も一番低い。

【ヒップホップ・ギャングスタ】G9ことダドリー・アーントの持つスタンド。
心臓とコードで繋がるコンデンサーマイクのヴィジョン。
他人の感情を『煽る』能力。

人間が持っている感情を増幅させる。
それによってG9への小さな信頼を増幅させ妄信的なまでのレベルまで引き上げることもできる。
ただし付き合いが長ければボロも出る。

思い込みの力を起点とするためか『疑念』や『強い意志』に弱い。

『カルト・オブ・パーソナリティ』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:なし
持続力:C 精密動作性:なし 成長性:D

23『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:30:27
★氏名―ミスタービッグ/クリス・モリッシー
★スタンド―『アウトキャスト』
★能力―範囲内の物事のスピードやテンポを合わせる。
★性別―男 ★年齢―24 ★血液型―B
★やぎ座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―音楽鑑賞
★好きな映画―ブルーズブラザーズ ★好きな色―緑
★性格―口数は少ないが冗談好き。
★外見―背が高い。黒い髪をコーンロウにしている。
      ジーンズにタンクトップ、頭に黒地に緑柄のバンダナを巻いている。
★備考―ストリートギャングである『ストリート・サグ』の一員。
      G9とは幼馴染でなんだかんだで一緒にいる。

【音の裁縫】ミスタービッグことクリス・モリッシーのスタンド。
ヘッドホンの象徴ヴィジョン。
周囲の行動のスピードやテンポを合わせる能力を持つ。

彼の半径『10m』以内に存在する生物、非生物のスピードやテンポを合わせる。
範囲内に時速60kmで動く車があった場合、彼の指定した人間や動物も時速60kmで動くことが可能になる。
能力の発動には基準となる対象の動いている姿やスピードを認識していなければならない。
単純にスピードを合わせるだけでなく、他人の歩く時のリズムを音楽のリズムと同調させることもできる。

『アウトキャスト』
破壊力:― スピード:― 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:C 成長性:E

24『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:31:01
★氏名―フック/三舟海
★スタンド―『スターシップ』
★能力―物体を物体や空間に固定する錨を発現する。
★性別―男 ★年齢―21 ★血液型―O
★いて座生まれ ★髪の色―金髪 ★瞳の色―こげ茶
★趣味―ブレイクダンス 大食い
★好きな映画―ファイトクラブ ★好きな色―緑
★性格―アップダウンの激しい性格。
★外見―ジーンズにタンクトップ。右腕に黒地に緑柄のバンダナを巻いている。
      短髪で目の上に傷がある。
★備考―ストリートギャングである『ストリート・サグ』の一員。
      喧嘩が好きだが頭は悪い。

【闘争本能の男】フックこと三舟海の持つスタンド。
水兵服を思わせる纏うタイプのスタンド。
『錨』を発現することが出来るが、本質は『錨』によって固定する能力。

『錨』は手のひらサイズから身の丈ほどのサイズまで発現できる。
一度に発現できる数は『5つ』まで。
『錨』を物体に触れさせることで『鎖』で『錨』と対象を繋ぐことが出来る。
本体は『錨』を固定することが可能。
固定は空中に固定するか物体に『錨』を透過させて固定するかの二通り。
『錨』を固定することで物体と『錨』は衝撃によって移動することがなくなる。
『鎖』の長さは最大『3m』
固定の解除方法は『錨』自体を解除するか『錨』を引き戻して『鎖』を縮めるか。

『スターシップ』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:C

25『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:34:03
★氏名―ロック/譲治・ジェームス
★スタンド―『ジグソー』
★能力―物体をパズルに変え成形する。
★性別―男 ★年齢―28 ★血液型―AB
★牡牛生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―こげ茶
★趣味―飲酒
★好きな映画―デッドプール ★好きな色―白
★性格―おちゃらけた性格でいつも余裕がありそうに振る舞っている。
★外見―ジーンズにタンクトップ。左腕に黒地に緑柄のバンダナを巻いている。。
★備考―ストリートギャングである『ストリート・サグ』の一員。
      日本人と外国人のハーフである。
      普段はバー『Parade』を運営するバーテン。
      最近『Cafe Carnival』という喫茶店兼ケーキ屋の運営も手伝っているらしい。

【すかしたバーテン】ロックの持つ人型スタンド。
触れたものを『パズル化』させて成形する。

『ジグソー』の触れたものは表面に線が現れる。
それを『パズル化』と呼ぶ。
『パズル』となった物体は本体が意識することで自由に操作が可能。
『パズル』を組み合わせて違う形を作ることもできる。
ただし『パズル』の操作には集中を要するので複数の物体を動かすときはおおざっぱな動きになる。

『ジグソー』
破壊力:C スピード:B 射程距離:D
持続力:C 精密動作性:B 成長性:D

26『一彩合彩』:2017/09/16(土) 23:34:36
★氏名―K/夏目慶
★スタンド―『クラウンシティ・ロッカーズ』
★能力―空間や物体に色を吹き付け、描いた絵に命を吹き込む。
★性別―男 ★年齢―17 ★血液型―B
★おとめ座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―カラオケ グラフィティ
★好きな映画―スーサイド・スクワッド ★好きな色―青
★性格―丁寧な言葉遣いを意識しているが内心的には面倒だと感じている。精神的に無礼
★外見―オールバックにした髪。動きやすい服を好む。
★備考―元『ストリート・サグ』ロックと話し合い、入れ替わりで組織を抜けた。
      抜ける際にG9から恨みを買い、彼らとの喧嘩に巻き込まれ友人が負傷したため
      『ストリート・サグ』とG9に強い嫌悪感を抱く。

【スプラッシュ・カートゥーン!】Kこと夏目慶の持つスタンド。
彼の手に発現する一本のスプレー缶のヴィジョン。
空間にスプレーで着色し、それに生命を吹き込む。

スプレーから出る塗料の色は自由に決めることが出来る。
また何もない空間に放つことで狙った空間を着色することが出来る。
完成した作品に本体が手で触れることでその作品には生命が吹き込まれる。
生命を吹き込まれた作品たちは単純な指示を聞くことは出来るが細かい動作は出来す、非力な存在でもある。
壁に描かれたものは壁や床などの繋がっている空間を自由に進んでいく。

元が塗料であるが故か、ハゲたり塗り潰されたり弱い。
特に空中に描かれたものは水で流されやすく、熱によって乾燥し行動不可能になりやすい。
壁や床に描かれたものは水や熱に多少の耐性があるが、塗りつぶされたり汚されることで傷ついてしまう。

『クラウンシティ・ロッカーズ』
破壊力:― スピード:― 射程距離:E(能力射程:C)
持続力:D 精密動作性:― 成長性:C

『カートゥーン』
破壊力:D スピード:C 射程距離:C
持続力:D 精密動作性:C 成長性:C

27名無しは星を見ていたい:2017/09/26(火) 01:08:26
前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1459695075/

28『便利屋一座、取引中』:2017/10/04(水) 02:04:35
ttps://www.youtube.com/watch?v=b_j0LjvTQLw

「ストリート・サグ、やられたって」

暗い部屋の片隅でそんな声が現れた。
ベッドに座った少女の高い声だ。
天上の真ん中に吊られた裸電球がオレンジ色の明かりを部屋に広げる。
ただしもう切れかけなのか光は弱く、部屋の隅には闇があった。

「ねぇ、どう思う? あいつら、いけ好かない奴らだったし、接点も特にないけど」

       「羽振りは良かった。だろう?」

少女の背後からの声。
部屋の闇に隠れた男が発した。
どうやら少女は彼を椅子代わりにしているらしかった。

「そう! 羽振りは良かった。どこから出てきたのかは知らないけど」

       「でもお前好みじゃなかった」

今度は別の男だ。

「うん。全然。でもあいつらを乗せて遊ぶのは楽しかったね」

       「趣味が悪い」

また別の男が言って、その男を少女がぽかりと叩いた。
三人の男を少女ははべらしている。
満足げに笑いながら。

「私思ったの、そろそろ私達も何かしない? 雇われ稼業だけど、たまには遊んでみない?」

       「それはいい。やるか?」

       「やろう」

       「野蛮だ」

「いーの。野蛮でもなんでも」

       「それで、どうする?」

       「何が必要だ」

       「殺しはなしだ。話が大きくなる」

「大丈夫。私もうちゃんと目星はつけてるの」

三人の男が顔を寄せ合い、少女が耳打ちをする。
少女の話を聞いて男たちは頷いた。
また満足げに少女は笑い男たちに口づけした。

「奪いましょ。白い本を」

「きっと面白いものだから」

29『European Swing、分析中』:2017/10/04(水) 02:35:53
ttps://www.youtube.com/watch?v=aUKz3KgGbMo

四人の男が拳を突き合わせる。
全員が制服のようにモッズコートを羽織っている。
髪型やコートの下の服は全員バラバラだが。

「いいニュースと悪いニュースがある」

「なんだ? いいニュースってのは」

「いいニュースは我々の総資産が増えたこと」

「悪いニュースは」

「ストリート・サグが倒れた。悲しいことだ、かつての仲間が負けるとは」

いかにもといった感じで一人の男が顔を伏せる。
しかし二人の男はそれをにやにやと笑いながら見ている。

「しょうがないな。あんなチンピラじゃあな」

「違いない」

「まぁ待ちたまえ」

笑う二人に声をかけたのはこれまで話さなかった男だ。
品のいい感じの腕時計が光る。

「世界の新秩序に彼らは不要でした。ですが一応隣人です。この瞬間だけは家族のように思ってやりましょう」

「それと話は変わりますが見つかりました、秩序をなす道具が」

男の言葉に三人の目が開かれる。

「世界を変えましょう。この世をより良くするために」

30『月蝕愚連隊、祭り支度中』:2017/10/07(土) 23:55:59
ttps://youtu.be/x7FHSd8oFnM

道が開けた。
夜の街、赤い顔をした酔漢やきらびやかなドレスを身にまとった女がいる。
しかしモーセが割れた海を進むかのように道の真ん中を進む彼らはそのどれとも違う。
揃いのオレンジのツナギ、黒の安全靴。
そして各々のバラバラのフェイスペイント。
一人はスマホを耳に当て誰かと会話をしているようだ。

「おう、譲治か。どないした。おいなんやいきなり謝んなよ。あ? フック? あぁ三船か」

男達は三人。
皆周りの目を気にしない。

「あー? ったくしゃあないなぁ。別に構わんわ。他人に貸したもんが同じ状態で返ってくるなんて思わへんし」

その時反対側からも人が現れた。
派手なスーツ、酔っているらしい赤ら顔、そして胸元のボタンホールには代紋。
いかにもスジモノでございと言わんばかりの男とその周りにお付きのチンピラ数人。

「ちゅうかなんや、そんなやられるくらいのやつと喧嘩したんか。そっちのが驚きや」

お互いに相手をかわさない。
ツナギの彼らは余裕から、スーツの男達は酔った勢いから。
どんと親分の方と通話中の男の方がぶつかる。

「おいなんだテメェ」
「この国で出来る喧嘩はもうちんけなもんくらいやと思うとったけどなぁ」
「テメェ耳ついてんのかおい!」
「すまんのう。今電話中じゃ。ちぃと黙っててくれんかのう」

絡み出す男に待ったをかけたのはツナギを来た男の一人だ。
通話中の彼は構わず話し続ける。

「おん、分かった。心躍るな。それは……でなんや、オッサン」
「なんやじゃねぇ。テメェどこに目ぇつけてんだ」
「お互い様やろ。それは」
「テメェ、俺を誰だと思ってる」
「誰や。カーネル・サンダースさんか」
「ちゃうよぉ。このお人さん、スジモンやね」
「スジモン?」
「うんうん。でもあかんよ。上の組はえらい大きぃとこやけど、この人の組は末席も末席。まぁ世間一般ではそれでも通用するけどぉ、うちら相手はねぇ」
「はぁ……しょうもな」

そのまま行こうとする彼らの前にチンピラが立って邪魔をする。
この男達の見た目を冷静に見られたなら絡む必要のある相手ではないとわかるはずだろうに。

「テメェのお陰で肩が痛くてよォこれは慰謝料がいるよなァ?」
「ほら、えらい組の組員さんが当たり屋する思う?」
「せんな」
「せんじゃろうな」
「……ま、治療費はなんとかしたるわ。その前にマジの怪我してもらうけどな?」

次の瞬間、男のスマホが親分の首元に叩き込まれる。
呼吸と動きが止まった相手を蹴り飛ばし、それが合図となった。

「そろそろ刺激が欲しなってきたところや」

喧嘩が始まる。

31『劇団Guroriasu、上演準備中』:2017/10/07(土) 23:57:32
ttps://youtu.be/E7oMBq1vkCM

「へぇそれで?」

「便利屋一座とEuropeanSwingから取引連絡っすね。本を回してくれって」

「あたし回し読みってきらーい」

声の主はプレハブハウスにいた。
二階建てで二階を住居スペースにしている。
一階はガレージのようになっているのか一枚の壁がシャッターになっている。
そんな場所の床にマットを敷き詰めソファーやら何やらを置いている。

「月蝕愚連隊は?」

「彼らは特には……一応話は聞くと」

「へぇ、今までなら話も聞かなかったのにねぇ」

けらけら笑った女性がソファーの上から転げ落ちる。
その様子を青年は静かに見ていた。

「ま、仕入れは安定してないし向こうさんにも効果を見せてやらないといけないわけだ」

「そうっすね」

「種はまいたんでしょー?」

「もちろん」

「狙いは?」

「星彩亭一門」

女性はへらりと笑って首を捻る。

「なにそれ」

「落語家さんっす」

「へぇ。ま、とにかくとにかく結果を見ないとねぇ」

立ち上がった女性はソファの上に立ち指を一本立てた。
そしてその指を目の前の青年に向ける。

「やるわよ」

「うす」

「『エクリプス』に雇われた『便利屋一座』よりも『エクリプス』を見限った『EuropeanSwing』よりも『エクリプス』から分かれた『月蝕愚連隊』よりも」

「『エクリプス』を塗り替えようとした『ストリート・サグ』よりも」

「一番ホットはあたし達、『エクリプス』を演じきった『劇団Guroriasu』よ」

32『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/13(金) 01:41:49
「ちょ、待って! 待ってって!」

「待ってって言われて待つ気分でもないのさ」

三人の男が走る。
それぞれが金銀銅の派手な上着を着ている。
彼らが走るのに合わせて上着のフードが揺れている。
三人は誰かを追っているらしい。

追いかけられているのは一人の子供。
薄い金の髪に汚れのない真っ白なリボンをつけている。
子供は身軽に走っていく。その子の動きに合わせて長いカーディガンが揺れる。

「俺達は君に危害を加えない! 約束する!」

「保証がないのさ。それに、ちょっとしつこいよ?」

ポロリと男の一人の金の上着、そのポケットから鍵が滑り落ちた。
それをあなたが拾うかどうかは自由だ。
彼は鍵が落ちたことに気付いていない。呼び止めて拾わせるのも自由だ。

ミッション詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453051014/145

33夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/16(月) 21:55:07
>>32

「お芋さんうめー」

ついさっき見かけた移動販売車で買った焼き芋を食べながら歩いていた。
やっぱ秋はイモだよね。
そんなことを考えていると、四人が追いかけっこしている光景が視界に入る。

「お?お、お?」

珍しいことに出会えそうな匂いを感じ取り、サングラスの奥の瞳がきらりと輝く。
なんか面白そうなことやってるじゃない。
私も混ぜてもらお。

「――不思議の国へのショータイジョーかな?」

鍵を拾い上げてポケットに入れる。
そして、溢れる好奇心に従い、四人を追いかけて走り出す。
彼らのジジョーは知らないけど、とりあえずついて行こう。

34『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/16(月) 23:29:43
>>33

焼き芋を食べていた君の前に飛び出したのはおかしな四人だ。
瞳が輝き、鍵をポケットに入れる。
君は四人についていくことにした。

子供:「しつこいなぁ……タマキが起きちゃうよ……」

銅:「ほんとになんにもしないからさぁ!」

銀:「止めとけよ。あんまり大きな声出すとマジで変質者と思われるぞ」

そうこうしているうちに子供が角を曲がる。
それを追いかける君達。
行き止まりだ。高いコンクリートの壁がある。
前後左右、防がれてしまった。

子供:「うそ……」

銅:「やっと、落ち着いて話せる」

子供:「酷いよ四人で追いかけるなんて」

銅:「ごめんごめん。え、四人?」

金銀銅の男三人の視線が後ろの君に注がれる。
それぞれが君と初対面だ。
そして彼らは後ろを見ていたから気付いていない。
君だけが気付けたことだ。

子供が舌を出して目の下を指で引っ張った。あっかんべーだ。
その時、子供の傍に小さな地球のヴィジョンが現れる。
それは半透明であり、君はそれが『スタンド』だと理解できた。

子供が飛び、壁を蹴る。
すると子供の体がまっすぐに男たちの方へと進んでいく。
一人の後頭部を踏み台に大きくジャンプした。

銅:「あいたっ!」

子供:「ごめんね。ボクも色々あるんだ」

金:「あーどうするよ」

  「とりあえず、あんたもちょっと手伝ってもらえるかな」

あんたとは君の事だ。

35夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/16(月) 23:53:42
>>34

「よっ」

まるで町で偶然知り合いに会った時のように、気さくな調子で四人に挨拶する。
挨拶はコミュニケーションの基本だっていうし。
あっちにコミュニケーション取る気があるかどうかは置いといて。

「ん?おお?」

「三角飛びだ!!」

「――合ってる?」

誰に聞くわけでもなく、最後に付け加えた。
うん、スタンドだ。それは分かった。
何かよくわからんけど、スゴイ動きができるらしい。あと、足癖が悪そう。
あれを捕まえるのは大変そうだ。
別に私が捕まえるわけじゃないんだけど。

「手伝ってもいいんだけど、あんたらナニモン」

36夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/16(月) 23:58:52
>>35

「あと、あの子だれ?」

「なんで追いかけっこしてんの?」

「まず、そこら辺を説明してくんない?」

「なんなら走りながらでもいいけど」

とりあえず状況が分からないと手伝いようもない。
タマキとか言ってたけど、人の名前だろうか。
私の知り合いじゃないのは間違いないね。

37『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/17(火) 01:17:49
>>35

銀:「よ、じゃない」

  「誰?」

金:「三角っていうか四角」

そうこうしている間に子供は走っていく。
先ほどよりも軽やかな動きだ。
話の続きは走りながら聞くことになりそうだ。

銅:「俺達は『大江山3M』っていうなんだろうチーム?」

金:「名を名乗って、名を。俺は……エッジでいい」

銀:「じゃあ、俺、ラッキー」

銅:「俺は九鬼誠。セイって呼んでくれたらいい」

どうやら彼らはチームのようだ。
金銀銅のフード付き上着は彼らなりのユニフォームなのだろう。

セイ:「正直言って、俺達はあの子の名前を知らない」

ラッキー:「でも、あの子の持ってる白い本、知りたいことがある」

      「あの子、なんか勘違いしてる、から」

セイ:「まず冷静に話し合わないといけない」

エッジ:「だけどそうも言ってられないから。まずは『逃げる気』をなくしてもらわないといけない」

白い本。ラッキーは確かにそういった。
彼らの顔は真剣でその言葉に嘘はない。
また子供を傷つけようとする気もない。信じるか信じないかは君次第だが少なくとも彼らの中での彼らの認識は悪人ではないようだ。

エッジ:「ところで、あなた。これが見える?」

エッジの隣に人型の形。
これもまたスタンドだ。

38夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/17(火) 22:09:35
>>37

「ふんふん、チームねー」

なんのチームなんだろう。
チーム名もヘンテコだし。
詳しく知りたい気持ちもあるけど、今は子供の方を優先しよう。
子供との距離はどれくらいだろう?
それと、子供と私らの走るスピードに差はあるだろうか。
もしかして、子供の方が速かったりする?

「じゃ、私のことはアリスって呼んでね」

名乗られたら名乗り返すのが礼儀ってモンだし、こちらも名乗っておこう。
自分で自分に付けたニックネームだ。
この三人に混ざるには、なかなか悪くない名前なんじゃない?

「これのこと?」

こちらもスタンドを出してみせる。
両手に鋭い爪を持った盲目の人型。
そのスタンドは、何か呟いている。
意思を持つのではなく、ただの独り言だ。
傷の付いたレコードのように、一つの単語を切れ切れに、無機質な声で呟いている。

『 L 』 『 I 』 『 G 』 『 H 』 『 T 』

「名前は『ドクター・ブラインド』」

39『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/17(火) 22:59:23
>>38

エッジ:「なるほど。運がいい」

ラッキー:「スタンド使いは、惹かれ合う」

セイ:「だから君の力を貸してほしい」

子供との距離は8mほどだろうか。
だが少しずつ離されている。
子供のスタンドの力か先ほどより速く、君達よりも少し速く移動している。

セイ:「とにかく今は追うしかない」

    「どっかのタイミングでなんとか出来ねぇか試してみる」

今の所策はない。
ただし、追い続けなければ目標は達成できない。

(能力詳細URLをレスに付けてください。次レスにてお題が出ます)

40夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/17(火) 23:18:01
>>39

「おいおい」

「これさあ、向こうの方が速いんじゃないの?」

「このペースじゃ、さっきみたいなラッキーでもないと――」

「あ、ラッキーってラッキーのことじゃなくて」

「あの子、最初からコレ使ってりゃあ楽に振り切れたと思うんだけど」

走りながら考える。
どうして最初から使わなかったんだろう。
ずっと使ってられるわけじゃないとか?
だったら、いつかはペースが落ちるはずだけど。
うーむ、わからん。

「ま、とにかく――」

「今は白ウサギを追いかけるしかないよね」

「あとさ、三人ともスタンド使いって思っていいの?」


☆★☆★能力詳細☆★☆★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

41『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/17(火) 23:42:36
>>40

ラッキー:「そう、向こうが速い」

エッジ:「なんか向こうにも事情があったんじゃないかな」

     「もしくはこっちが三人ともスタンド使いだと思わなかったか」

子供の足が少しぎこちなく動いている。
あのスタンドに何か一筋縄ではいかない部分があるのかもしれない。

#1 『かくれんぼ』

君達が子供を追いかけていると交差点に出た。
信号は赤だ。

セイ:「チャンスか」

だがその赤もちかちかと点灯する。
子供も律儀に信号待ちをしている。
どんどんと距離が縮まっていくが、後5mといったところで信号が青に変わった。

ラッキー:「違うみたい」

交差点を抜けると今度はアーケード。
なにやらわらわらと人がたくさんいる。
どうやらこの辺り一帯の店がバーゲンをしているらしい。

子供:「はぁ……はぁ……」

子供は一度立ち止まって振り返ったが君達を見るとまた走り出す。
その時だった。

子供:「うわっ!」

人の塊だ。
向かい同士で売り上げを競い合っているのかなぜかそのあたりだけが異常に人が集まっている。
その中に子供が飛び込んだ。
文字通り、大きく飛んだのだ。

エッジ:「マジか」

ラッキー:「どうするの。あんまり目立つことしたくないけど」

セイ:「服装がまず目立ってんだよなぁ!」

    「いいか。人にぶつかるとその分タイムロスだ。だがぶつからない様に慎重になるとそれもタイムロス」

    「『人にぶつからないように進む』それが必要」

エッジ:「待った。人の塊に飛び込んで、それから姿が見えてない以上、どこかに隠れてるかもしれない。店の中とかにね」

     「『人にぶつからないように進む』が難しいなら『子供がどこかに隠れているか確認して欲しい』」

エッジ:「アリスさん、任せられる?」

追跡を続けるのなら『人にぶつからないように進む』必要がある。
探索に切り替えるのならば『子供がどこかに隠れているか確認する』必要がある。
どちらを選ぶかは君次第だ。

(どちらが正解というわけではありません。お好きな方をお選びください)

42夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 00:04:51
>>41

「でも、スタンド出したのはあの子が先でしょ?」

「だったら、私らがスタンド使いだって知らなかったんじゃないの?」

「あの子の前でスタンド出したことがあるってんなら別だけど」

なんか走り方がぎこちない?
自分で走ってるっていうより、まるで誰かに背中を押されて無理やり走らされてるような……。
なんかわからんが、そこに秘密があるな!
まあ、単にスタミナ切れかもね。
なんにしても、あのスピードを保つのは長続きしなさそうだ。

「よっしゃ、止まっ――」

「え?バーゲン?私も行ってくる!!」

子供のことを忘れて店に突っ込もうとしたが、セイとエッジの言葉を聞いてギリギリで足を止める。

「オーケー、エッジ!探すのは得意だ!」

「でも、この場所がなあ……」

「まあ、やってみるか」

子供が消えた方向に近付きつつ、耳を澄ます。
『ドクター・ブラインド』の超人的な聴覚で子供の足音とか息遣いとか声とか探したい。
ノイズが多すぎるなら、少し人だかりから離れて探知してみる。

43『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/18(水) 00:17:44
>>42

セイ:「細かいことは後から説明するよ」

子供のスタンドや子供について考えるが答えはまだ分からない。

セイ:「女ってのはみんなバーゲンが好きなのか?」

バーゲンに行こうとした君を見てセイが頭を掻く。
しかし君は引き返せた。
それは大事なことだ。

#1 『かくれんぼ』→Great!

超人的な聴力は『ドクター・ブラインド』の特権だ。
他のスタンドにはない機能。それを君は使って子どもを探すことにした。
ノイズ。当然、店員や客の声が聞こえる。
だが離れてしまえば、子供の吐息などすぐにかき消されてしまう。
……見つけた。

店の中から子供の吐息が聞こえる。

44夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 00:36:04
>>43

「――アリスからは逃げられないぜ、白ウサギちゃん」

ニヤリと笑う。
そして、子供の吐息までの方向と距離を確認する。
それと、そこはどんな感じの店なんだろうか。
別に何か買おうとは思ってない。
たぶん。

「場所はわかった。やっぱ店の中に隠れてるみたい」

ひとまず、子供の居場所を三人に教える。

「で、どうする?二手に分かれて挟み撃ちとかしてみる?」

「かたっぽが入り口の近くで待ち構えて、もうかたっぽが店に入って追い込む」

「そんなんでどうよ」

「他に作戦があるなら聞くけど」

音を聞き逃さないように集中しつつ提案してみる。

45『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/18(水) 00:45:46
>>44

店は洋服屋のようだ。
アーケード、商店街の店ゆえかあまり若者向けの服はないように思える。
そんな店の中に少年がいる。

セイ:「OK。挟み撃ち。了解了解」

    「理解したぜ」

子供は動いていない。
行くなら今だ。

46夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 00:57:38
>>45

「うーむ」

あまり自分の趣味じゃない店だった。
ガッカリはしてない――はず。

「よし、じゃ私とエッジは入り口で待ってる」

「エッジ、それでいい?」

「セイとラッキーは店に入って、あの子を入り口まで追い込んでよ」

「あの子が店から出ようとしたところを、前と後から通せんぼする」

「今度は頭踏まれないように注意してね」

三人に他の意見がないなら、これでいこう。
入り口近くに身を隠して待機する。
その間も子供の息遣いや音には注意しておく。

47『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/18(水) 01:29:00
>>46

セイ:「あいよ」

エッジと君が入り口。
ラッキーとセイが誘導だ。
さながら追い込み漁の如く子供を誘導し捕まえるのだ。

子供:「わ。びっくりした」

子供の声が聞こえる。
それと足音もだ。こちらに寄ってきている。

エッジ:「……成功かな」

その時、足にぐっと強い感覚が現れる。
まるで植物の蔦のようなしかし色は赤黒く筋肉や血管を思わせる謎の触手がエッジと君の足に絡まっている。

エッジ:「アリス。君の能力じゃないよね」

ぐっと足が後ろに引かれ体勢が崩れる。
そして地面を張っていた触手が一本、ぐいっと持ち上がる。

子供:「……! 響」

触手を踏み台に子供が大きく跳躍。
それと同時に足元の触手の拘束が緩む。

#2 『とおせんぼ』

子供が跳んだ方向を見ればそこにはもう一人子供がいた。
色素の薄い肌。結んだ黒髪。まるで尻尾のように短い髪の塊が首筋に当たっている。
その子供は響と呼ばれていた。

響:「カレン。ここは任せて」

カレン:「え、大丈夫なの?」

響:「時間稼ぎくらいは出来るから」

  「スタンドで走ると危ないからね。いつもみたいに跳べばいいのに」

カレン:「目立っちゃうよ」


ハイタッチをする二人。
カレンはそのまま逃げていった。傍らに地球儀のヴィジョンはない。
今はスタンドを使っていないようだ。

響:「すいません。ちょっとだけ、お邪魔をさせてもらいます」

  「『モンスター』」

響は顔をしかめる。
何か痛みに耐えている顔だ。

響:「……」

いくつもの触手が君達へと向かってくる。

エッジ:「アリス。彼をなんとかしないといけない」

     「倒すまでいかなくていい。無力化するまでもいかなくてもいい。ここをなんとか通り抜けよう」

     「攻撃を一撃一撃叩き落してもいいけど、あの数だと手数が問題だ」

     「『なるべく手短に彼をすりぬける』それか『彼を無力化する』」

     「任せられる?」

48夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 20:09:07
>>47

「おおおッ!?」

なんかグロテスクなのが足に絡まってる!?
これが映画だったら、私は悲鳴を上げながら引きずられていくんだろう。
そんで、その終点で見るもムザンな死体になってることだろう。
そうならなくて良かった。
映画だったらつまんないけど、現実だからコレでよし。

「なんだなんだ!?『エイリアン』か!?『ザ・シング』かッ!?」

どうやら名前は『モンスター』というらしい。
シンプル・イズ・ベストって感じだ。
とりあえず態勢を立て直そう。
新手の出現は想定外。
うまいこと逃げられてしまった。

「エッジ、ちょっとの間だけ盾になってくんない?」

「触手の相手しながら、あの響って子に向かって進んでよ」

「私のスタンドが後ろからついていくから」

「そんで、触手に隙ができた瞬間に『ドクター・ブラインド』が突っ込んでムリョクカする」

エッジに小声で耳打ちする。
エッジが了解してくれたら行動開始する。

49『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/18(水) 22:51:21
>>48

エッジ:「あんまり時間ないので、手早く終わらせる」

     「『クラック・ア・ボトル』」

再び、エッジの傍に人型のヴィジョン。
まるで瓶の首のような突起が背中や腕に存在する。
そのうち右腕の突起から何かが漏れ出す。
それは霧のような見た目である。
そして辺りに甘く、それでいてアルコールの混ざった匂いがする。

エッジ:「勝負は一瞬だ」

エッジのスタンドが触手を弾いていく。
力負けしていない。
そして彼まで近づき、そのまま右腕を前に突き出した。

響:「……!」

響の動きが一瞬止まる。
彼の腕から生えたいくつもの触手も精細さを欠いた動きをしている。
これは隙だ。
明確な隙。

50夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 23:22:22
>>49

「――もらった!!」

その一瞬の隙を突いて、『クラック・ア・ボトル』の背後から『ドクター・ブラインド』が飛び出す。

「ごめんね、ちょっとチクッとするよ」

すぐさま響の肌に爪で軽く触れて、目で見ることが難しいくらいほんのちょっとの傷を付ける。
こっちも本気の殴り合いがやりたいわけじゃないから、できるだけ手加減する。
そして行動が成功したなら、『存在しない視覚』を移植して、響の視界をブラックアウトさせる。
その間に通り抜け、エッジ達にもジェスチャーで移動するよう合図しよう。
周りにはバーゲンの騒音がある。
視力がなくなれば、こっちの居場所を知ることはできなくなるはず。
10秒後には解除されるけど、その間に振り切ってしまえばいい。

脱出と同時に超聴覚でカレンの息遣いや足音を探し、現在位置を掴みたい。

51『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/18(水) 23:38:29
>>50

#2 『とおせんぼ』→Good

君は響に存在しない視覚を移植する。
被害を最小限の傷にとどめつつだ。

響:「え」

見えない敵を攻撃するには大雑把な攻撃しかない。
手数の多い彼ならばなんとかなるかもしれないが、精彩さのない触手には無理なことだ。

聴覚をもってカレンを探す。
いた。
前方にいる。少し遠いがスタンドは出していない。
全力で走れば近づけるだろう。

52夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/18(水) 23:52:24
>>51

「今、あの子は目が見えてないから今の内に遠ざかろう」

「10秒経ったら元に戻っちゃうから」

「それと、あのカレンって子は前方にいる。距離もそんなに離れてない」

エッジ、セイ、ラッキーにカレンの居場所を伝える。
これ以上距離を離されないように走りながらだ。
響からも離れなければいけない。

「どうする?このまま四人で固まって追いかける?」

「それだと、また同じような展開になりそうなんだけど」

「どっか回り込めそうな場所があったら、また二手に分かれた方が良くない?」

またスタンドを使われたら厄介だ。
とりあえず、今は距離を詰めるしかない。

53『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/19(木) 00:24:46
>>52

エッジ:「俺は残る」

     「この子が追ってこないようにしないといけないし、それに話して分かってもらわないと」

エッジがその場にしゃがみこむ。
『クラック・ア・ボトル』の右腕から霧が放出される。
周りの客の足取りが少しおぼつかなくなる。

セイ:「じゃあ、俺とラッキーで別のルートを探す」

    「アリスはそのまま追ってくれ」

再びラッキーとセイが回り込む形だ。
走ろう。
時間はない。

54夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/19(木) 00:37:07
>>53

「よし、任した」

エッジの提案に従い、彼に響を任せる。
話し合うことは大事だ。
それに、もし響がこっちの事情を理解してくれたら、カレンを説得してくれるかもしれないし。

「しっかし、その匂い……」

「もしかしてアルコール?」

「こっちまで酔っ払いそう」

『ドクター・ブラインド』は嗅覚も超人的だ。
もしかしたら、普通よりも効くかもしれない。
もし匂いが『クラック・ア・ボトル』の能力に関係しているなら、吸わないように気をつけよう。

「オッケイ!!」

サムズアップでラッキーとセイに応じる。
そして突っ走る。
アリスは白ウサギを追うものだ。

55『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/19(木) 00:55:38
>>54

エッジ:「そう。『クラック・ア・ボトル』」

     「『酒気帯び』が能力」

君はエッジに見送られ走り出した。
セイとラッキーは途中、アーケードから出る道があったので別れることが出来た。
カレンを追う。

カレン:「はぁ……はぁ……しつこいって……」

流石にペースが落ちてきたのかカレンが立ち止まる。
ぜぇぜぇ息を吐いていると服から何かがぽろりと落ちた。
真っ白な本だ。何も書かれていない。

セイ:「いたぁ!」

カレン:「も、やだぁ」

本を拾うとカレンは近くのビルの中に入っていった。

セイ:「アリス! 追ってくれ、戻ってきたところをなんとかする」

セイとラッキーは入り口で待ち伏せだ。
どうやらこのビルは使われていないビルらしい。
三階の一室に飛び込んだカレンを追いかけ、君も部屋に入った。
片付けが終わっていないのか置いて行かれたのかごちゃごちゃと物が転がっている。

カレン:「はぁ……はぁ……」

本を片手にカレンが君を見ている。
カレンの手が窓を開けた。

#3 『たかおに』

カレン:「何者ですか……あなたは……」

カレンが窓枠に足をかける。
そしてまた小さな地球のヴィジョン。
顔には玉のような汗が流れている。

カレン:「はぁ……はぁ……さよなら」

カレンが軽くジャンプすると空中でその体が止まる。

カレン:「『フィール・インヴィンシブル』」

空中。それが彼の逃走経路らしい。
宙に浮いた彼を捕まえなければならない。
時間はない。距離を詰めるなら一気に詰めるしかない。
物を投げたりした後では間に合わないだろう。
連続した間があれば逃げられてしまう。

『彼をここで捕まえる』必要がある。
それは急がないと無理なことだ。

56夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/19(木) 01:31:39
>>55

「白ウサギを追いかけてる通りすがりのアリス」

「こっちにも深いジジョーがあってさ」

「別に何かしようってわけじゃなくて、ちょっとお話したいだけ」

「喉渇いてるでしょ。その辺のカフェでドリンク奢るから」

「おいおい、子供が危ない遊びをしちゃいけないって教わらなかっ――」

「――なあにいいいッ!?」

こいつはヤバイぜ。
このままだと逃げ切られちまう!
ああもう、こうなったら腹くくるしかねえッ!

「セイ!ラッキー!今から落ちると思うから、なんとか受け止めて!!!」

下にいる二人に呼びかけながら窓に向かってダッシュする。
そしてジャンプしてカレンに飛びつき、体でも服でもどこでもいいから掴みたい。
同時に超嗅覚で汗の匂いを探知して、成功する確率を少しでも上げたい。

57『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/19(木) 01:46:09
>>56

#3 『たかおに』→Great!

君は嗅覚で精密さを補助しながらカレンに飛びついた。
予想外の事だったのかカレンが目を丸くする。

カレン:「キミも落ちたらどうするつもりなんだい……」

落ちない。
二人は重力に逆らうように浮いている。

カレン:「『フィール・インヴィンシブル』」

     「『自分にかかる重力を操る』」

下からセイの声が聞こえる。

カレン:「降参だよ。でも、この本は絶対に渡さない」

響:「カレン!」

響とエッジも追いついたようだ。

58夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/19(木) 02:10:09
>>57

「どうするって……まあそこは下にいる二人を信用してたってコトで」

「あいつらとは長い付き合いだから」

「初めて出会った時のことを思い出すなー。あの頃は私も荒れてて行きつけのクラブで喧嘩を……」

ありもしない過去の思い出を語りつつ、下にいるセイとラッキーにスタンドで手を振る。
内心落ちたらどうしようかと思ってたことは黙っとこう。
けど、こうして空にいるのもオツなもんだね。
傘はないけど、メリー・ポピンズみたいだ。

「いや、だから私らはお話したいだけだって」

「さっきも言ったけど、どっかのカフェでさ」

「ほら、あの店なんか良くない?」

空中から町の一角にあるカフェを指差す。

「お、グッドなタイミング」

「おーい、そっちはどんな感じー?」

響とエッジに声を掛ける。

59『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/19(木) 22:34:01
>>58

カレン:「嘘はつかないでもらおうかな」

ため息気味にカレンがいう。
子供の割には落ち着いた雰囲気だ。

カレン:「ボクはどこでも」

ゆっくりと地上に下りてきた。

響:「カレン。また無茶して」

カレン:「ごめん。心配かけたね」

響:「べ、別に?」

エッジ:「ありがとう。アリス」

エッジが傍に来て頭を下げた。
ラッキーとセイもその場で礼をする。

エッジ:「とりあえず話そう」

カレン:「この人がそこの喫茶店なんかはと」

エッジ:「じゃあそこにしよう」

君達は喫茶店に入ることにした。
案内され店の奥の席についた。

カレン:「それでボクらはどうすればいいのかな」

セイ:「その本」

カレン:「渡しません」

セイ:「いやそうじゃなくてさ」

60『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/19(木) 22:34:15
>>59
メ欄ミス

61夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/19(木) 23:53:51
>>59

「すぐに見破るとは、白ウサギちゃんは天才か?」

「よし、そんじゃ行こう」

地上に下りて他のメンバーと合流する。

「なーに、どうってことないよ」

「ま、アリスにとっては楽な冒険だったね」

「最後のはちょっとヤバかったけど」

見たことのないスタンドもいくつか見られて、色々と珍しい経験もできて、なかなか楽しかった。
挨拶もそこそに、喫茶店に向かう。

「――じゃ、私これにしよ」

カレンとセイのやり取りを横目で見つつ注文する。
ミルクたっぷりのカフェオレに生クリームを乗せてチョコレートパウダーをかけたやつだ。
運動して疲れた後は甘いものが必要だ。

「支払いは奢りでいいよね?体張って手伝ったんだから」

さて、話を聞こう。
思えば、私も詳しいことは何も知らない。
カレンと響のこととか、白い本のこととか、なんで『大江山3M』がそれにこだわるのかとか。
興味津々な表情で話に集中する。

62『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/20(金) 00:27:23
>>61

ラッキー:「奢るよ。セイが……」

ラッキーもエッジもパフェやらなにやらを頼んでいる。
財布は基本的にセイ持ちらしい。

セイ:「その白い本がどういうものなのか、知ってるのか?」

カレン:「よくは知りません。でも、これを探してる変な人達がいるというのは知ってます」

セイ:「それであってるけど……その本は『スタンドを作る本』だ」

    「なにが引き金でスタンドが作られるかは分からないが、それはガチだ」

    「お前らは……いや、対抗できるかも知んねぇけどさ」

63夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/20(金) 00:46:38
>>62

「よし、セイに任せた」

「あと季節限定のパンプキンパイも追加で」

奢りなのが分かると更に注文する。
一つくらいヘーキでしょ、たぶん。

「なッ――!?」

オーバーな仕草を付けて派手に驚いた。
あやうく店内で大声を上げそうだったけど、そこはなんとか我慢した。
迷惑な客認定されて冷たい視線を浴びなくて良かった。

「まー、そんなもんがあったら絶対狙われるね……」

「ブガイシャの私でも分かるもん、うん」

「っていうか、カレンはなんでそんなもん持ってるの?」

「あと、セイ達はどうする気?」

「その白い本を探してる人達ってのは別人っぽいけどさ」

64『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/20(金) 01:09:32
>>63

君のオーバーな仕草に反応したのはエッジの方だ。

エッジ:「何を急に……」

頼んだものが次々とテーブルの上に置かれていく。
ちょっとしたバイキングのような様相だ。

カレン:「ボクはこれを預かっているんです」

     「星見町のはずれにあるお屋敷……古本堂って呼ばれてるんですけど、そこのご主人から」

カレンが白い本のページをめくるが表紙同様中にも文字は書かれていない。

セイ:「俺達がこの本について知ったのは一か月前だよ」
  
    「旅行でこっち来てたんだがエッジが『千羽書房』って古本屋からこれを一冊譲られてきた」

エッジ:「そしたら、突然これに文字が浮かんで化け物が」

     「まぁ、倒したけどね」

セイ:「で、これはやべえってことでこの街に戻ってきた。分かったことは千羽書房の店員もこれについては深く知らないってこと」

    「千羽書房はその古本堂から本を卸していること」

    「最近この本を大量に譲ってくれと言ったやつがいること」

    「俺らの推理ではこれを使ってなにかしようと考えている奴らがいる。そいつらが悪事を働くのであればそれを阻止する」

セイの目は本気だ。
エッジとラッキーはそれに頷きながらパフェを頬張っているが。

セイ:「見つけ次第本は焼却するつもりだったが、お前らが渡さないってのなら責任をもってそれを扱って欲しい」

カレン:「はい。渡せません。この本がスタンドを生むという事はこれまで何となくだったけど、今ので確信した」

     「これを悪事には使わない。約束する。この本がどういう本なのかの分析も出来たらそっちに情報を渡すのもアリだ」

65夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/20(金) 01:29:16
>>64

「いや、だってそんな話聞かされたらビビるでしょ」

「ぜんぜん驚かない方がどうかしてると思うね、私は」

まあ、それはいい。
カフェオレを飲みつつパイを食べる。
もちろんメインディッシュは白い本についての話だ。

「思うんだけどさ」

「その本が狙われてるんなら、古本堂のご主人が真っ先に狙われるんじゃない?」

「本の大本なんだし」

「あと、その人は白い本がスタンドを作れるって知ってるの?」

「そのご主人は悪者じゃないってことでいいいんだよねえ?」

そのご主人っていうのも、本を狙うやつらと同じく、私にとっては謎の存在だ。
本の秘密を知っていて卸してるなら、何か目的があるとも思える。
まあ、卸しちゃった後で気付いたのかもしれないけど。

「でさ――」

「その白い本のことでなんかトラブったら、私も協力するよ」

「グーゼンとはいえ、ここまで首つっこんだよしみってことで」

また好奇心が強くなるのを感じる。
目の前に不思議な世界があれば迷うことなく飛び込んでいく。
それがアリスだ。

66『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/20(金) 01:57:33
>>65

ラッキー:「俺らは、知ってるから」

      「エッジも、最初は驚いてた」

エッジ:「いらないことは言わなくていいから」

君の反応ももっともなのかもしれない。

セイ:「さあね。古本堂の主人手のはスタンド使いじゃない。それに古本堂ってのはでけぇ蔵に山ほど本を置いてるらしい」

カレン:「あの人を狙っても特になることはないかな。まぁ、狙われてるかもしれないけど、そもそも世界中飛び回ってる人だから……」

     「白い本も変な本って認識しかしてないと思う。悪人じゃないよ」

主人がどうとかその辺りは彼らにも分からない部分らしい。

セイ:「……そうしてくれるとありがたいよ」

ラッキー:「でも、危険」

セイ:「無茶はしないでくれ。それだけは言える。俺らだってこの件については分からない事のが多い」

    「いざっていう時に力になれるかも分からない」

好奇心。
それが君と彼らを繋いだ。
しかし好奇心は猫をも殺す。
危険な目にも遭うかもしれない。その本を探しているものがどんなものか分からない以上は。

セイ:「ただ、そう言ってくれたことはありがたい。協力者は多い方がいい」

    「それとこれはお礼。生で悪いが」

財布から四枚一万円札を取り出し、折って机に置いた。
謝礼らしい。

67夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/10/20(金) 02:20:21
>>66

「ふーん……」

とりあえず主人の方はそんなに気にしなくもいいらしい。
まだ分からないことはあるけど、ひとまず今は納得した。

「もちろん危ないことは分かってるつもり」

「でも、私は協力したいと思ってる」

「まあ、なんか分かったら連絡してよ」

私が入れば三人にとっては戦力になるはず。
そして、私にとっても好奇心を満たすという意味がある。
たとえ先に危険が待っているとしても、関わるだけの価値がある。
冒険に危険はつきものだ。
少なくとも今この時は、私の意志が揺らぐことはない。

「おお」

「さすが、セイ。気前がいいねえ」

「そういうとこが好きだな、私は」

ありがたく四万円を受け取って自分の財布に入れる。
ついでに連絡先とか交換しとこう。

「さっきも言ったけど、なんかあったら教えてよね」

「『大江山3M』feat.アリスってことで」

そういえば、なんか忘れてる気がする。
なんだっけ。
――ま、いいか。

ポケットに入れていたエッジの鍵?のことはすっかり忘れていた。

68『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』:2017/10/21(土) 01:08:22
>>67

強い好奇心。
それを根に持つ意志は揺らぎはしない。

セイ:「金は払うぜ」

    「気前よくな」

連絡先も交換しオープンチャレンジは幕を閉じる。
ポケットに忘れられた鍵を残しながら。

『オープンチャレンジin星見町』/『白い本をめぐって……編』

一件落着

夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』→『4万円』獲得
                         『古びた鍵』獲得

69『シャープセンセーション』:2018/02/27(火) 00:01:42
「よし、出来た……そっちは?」

「こちらも準備出来た。いけるよ」

「あいよ。今日はオレたちが来訪者だ。いくぜ、弟」

「うん。いこうか姉さん」

70『シャープセンセーション』:2018/02/27(火) 00:20:50
>>ALL

宗像征爾と一抹貞世の二人は自分たちがいつの間にか知らない場所にいることに気付いた。
それまで自分が何をしていたのかは思い出せるが、どうやってここに来たのかは分からない。
気が付けばここにいた。それだけは確かだ。

ここは薄暗い部屋だ。
天井から一つだけ電球が吊り下げられており、それだけが視界の助けをしてくれた。
スポットのライトのような光の下に人がいる。
黒い革靴。暗い紫色のズボンにジャケット。黒いシャツとワインレッドのネクタイ。
手にはステッキ。頭にはハット。顔には髭を蓄えた男。
いかにも胡散臭げな雰囲気。
だが男はにこにこ笑いながら話しかける。

「お待ちしていましたお客様。私(わたくし)の事はロッキーまたはミスターをお呼びください」

「本日は皆さまにある挑戦をしていただこうと思いまして、お呼び出しさせていただきました」

帽子を押さえながら軽く男が頭を下げた。

(・簡易的なプロフィール ・能力詳細のURL ・持ち物 ・外見情報 などを併記の上レスをお願いします)

71宗像征爾『アヴィーチー』:2018/02/27(火) 01:52:32
>>70

俺の仕事は配管工事だ。
道路の下や建物の中に管を敷設し、点検し、修理する。
それが俺の仕事であり、俺にとっての全てだ。

今の俺には、生き甲斐と呼べるものが何もない。
だが、仕事をしている時だけは、仮初の目的を得ることができる。
だからこそ、仕事は俺にとって何よりも大切なものだ。

ところが、今日はそれがない。
何故なら、仕事が休みだからだ。
この休みというものには、いつも悩まされる。

俺には仕事以外にすることがない。
よって、仕事がない日は何もすることができない。
困ったことだ。

こんな時、俺は特に目的もなく街を歩き回ることにしている。
気休めにもならないが、形ばかりの慰めという奴だ。
今日も、いつもと同じ――筈だった。

「今日は酒を飲んだ覚えはないが――どうやら意識は正常のようだな」

目だけを動かして、自分の周囲を確認する。
見覚えのない場所、見覚えのない男、そして見覚えのある少年。
それらを確かめてから、再び男に向き直る。

「では、ロッキーと呼ばせてもらう。
 今の状況に対して質問したい気持ちはあるが、ひとまず話は聞こう。
 丁度することがなくて困っていた所だ」

訳の分からない状況だが、挑戦とやらが仕事の代わりになるかもしれない。
そう考えると、あながち悪い状況でもない。
ロッキーに話の続きをするように促しつつ、自分と同じく呼び出されたであろう少年に顔を向ける。

「一抹――君と会うのは二度目だったな。
 まさか、こんな奇妙な状況で再会することになるとは思わなかった」


■簡易プロフィール
 元殺人犯。
 婚約者の命を奪った相手を復讐のために殺害し、懲役二十年の刑期を終えた後に出所した。
 愛する者も憎むべき相手もいなくなり、生きる目的を失ったことで、生きていることに大きな虚無感を抱いている。

■能力詳細
 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/71

■所持品
 財布、携帯、かつての婚約者の写真

■外見
年齢44歳、身長185cm、
屈強な体格、黒髪の短髪、抜き身の刃物のような鋭い双眸、
カーキ色の作業服、セーフティーブーツ、革の手袋

72一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/02/27(火) 02:50:58
>>70
学校が終わり日課の自販機巡りをすべく寄り道もせずに家まで走った。
絶対に誘拐される隙はなかったし、不審人物と遭遇した記憶はない。

「あっ、私は一抹 貞世です。 よろしくお願いします」

反射的に名乗り返し頭を同じように下げる。
背負ったランドセルの重さで前のめりになりながら周囲を確認。
ランドセルにねじ込んだリコーダーを取り出そうとして宗像おじさんに気づく。

「そのやさぐれた感じは宗像おじさん! また会えた!
そちらのロッキーおじさんとは初対面のようですね」

警戒をするがスタンドは出さない。
宗像おじさんの隣に走り合流しよう。

『簡易的なプロフィール』
教会の老夫婦に拾われた元捨て子。
臆病でマイペース。自販機が好き。
爪が甘く騙されやすい。

『外見情報』
血管が薄っすらと見える透き通った肌、淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳が特徴。
小学六年生。上下ともに制服。安めの運動靴。

『持ち物』
使い古したランドセル(教科書入り)、リコーダー、縄跳び用のロープ(2.7m)

『能力詳細』
手で触れた者の悪感情を、触れている限り『鎮静』する。
また手の甲から『刃』を伸ばし、『苦痛を伴わない』斬撃が可能。

『インダルジェンス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(1m)
持続力:B 精密動作性:A 成長性:B

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/66

73『シャープセンセーション』:2018/02/27(火) 23:00:08
>>71 (宗像PC)
>>72 (一抹PC)

それぞれの生活の中に挟み込まれた異常。
ロッキーは一抹の自己紹介に帽子を上げて答える。
少なくともロッキーに敵意はなさそうだ。

「では話の続きを……」

「挑戦というのはいたって簡単。あなた方にあるスタンド使いと戦っていただきたいのです」

「別に相手は悪人という訳ではありません。しかし、挨拶としてこの町のスタンド使いに挑戦したいと考えている」

ステッキを持っていない手がジャケットの内ポケットに突っ込まれる。
手を出した時には一つの鍵が握られていた。
ロッキーはそれを宙にかざすと鍵を開けるように動かした。

     ガチャリ……

何もないはずの空間から音がして、次の瞬間にはロッキーの手の鍵が一台のタブレット端末になっていた。

「この二人です。どうぞ近くにお寄りください」

近づけばタブレット端末には少年と少女がうつっているのがわかるだろう。
少年はスーツを着込み、青いネクタイをしている。
少女は和服を着崩し、癖のあるぼさぼさの髪を整髪剤で後ろに上げている。

74一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/02/27(火) 23:41:21
>>73
言われた通りタブレット端末に近寄る。
これはこれで貴重な体験となるだろう。
おそらく自分と同じ力を持つ者だろうから。

「目覚めたてのスタンド使いでもよろしければ、挑戦を受けます。
何とも風変わりなスタンドですが頑張ります」

「招いた理由からして宗像おじさんもスタンド使いですね?
流石に一人では、ちょっと、困るので…」

宗像おじさんのスタンド能力が如何なるものか。
意外とファンキーな見た目のスタンドだったりするかもしれない。

75宗像征爾『アヴィーチー』:2018/02/28(水) 00:18:30
>>73
>>74

「ああ、俺はスタンド使いだ。
 とはいえ、俺もスタンドに目覚めてから、まだ日が浅い。
 君の足を引っ張らないという保証はしかねるな」

一抹少年に言葉を返し、再びロッキーの話に耳を傾ける。
ロッキーの動作を目で追い、その言葉通りに近付き、タブレットに写る少年と少女の姿を確認した。
そして、先程聞いた挑戦の概要を大まかに把握する。

「大体の事情は理解した。
 言ってみれば親善試合といった所か。
 仕事の代わりとしては悪くはないな」

当然だが、まだ色々と疑問はある。
ここは何処なのか、ロッキーと名乗る男は何者なのか、少年と少女は何者なのか、
どうやって俺達を呼び出したのか、何故俺達が選ばれたのか。
だが、そういった疑問は、脇に退けておくことにした。

既に異変の中に身を置いている以上、細々とした謎に拘るよりも、動き続ける現状に向き合うことを優先すべきだ。
事態が進む内に分かることもあるだろうし、何より俺自身そういったことに対する関心が薄い。
よって、今は流れに身を任せることにした。

「話によると、君達が挑戦者という訳か。
 礼儀というものに従って、まずは挨拶させてもらう。
 宗像征爾だ。無理にとは言わないが、君達の名前を聞かせてもらえないか?」

淡々とした口調で、そのように言葉を告げる。
まずは軽く相手の反応でも見させてもらおう。
だからどうだということもないが。


■能力詳細
 『ノコギリザメ』の意匠の右腕を持った人型スタンド。
 なんらかの相手による傷害(損害)をスイッチに、右腕を自動操縦スタンドの『ノコギリザメ』として分離することができる。
 分離した『ノコギリザメ』は『シャークトレード』(悪徳交換)を強制し、等価以上の傷害(損害)を相手に与えるまで暴れまわる。

 『アヴィーチー』(人型)
 破壊力:B スピード :C 射程 :E(1m)
 持続力:C 精密動作性:C 成長性:C

 『ノコギリザメ』
 破壊力:A スピード :B 射程 :A(100m)
 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C

 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/71

76『シャープセンセーション』:2018/02/28(水) 00:54:28
>>74 (一抹PC)
>>75 (宗像PC)

「親善試合! まさにそんな具合でございますお客様!」

疑問を胸に持ちつつもロッキーの話は進行していく。

「ま、お二人ともご参加いただけるという事で。結構結構」

そんな風に彼は頷いている。

『ご丁寧にどうもありがとうございます。初めまして、私は……』

「おっと、折角ですしここでご対面と行きましょう」

今度はズボンのポケットに手を突っ込み鍵を取り出す。
鍵の先でタブレットの液晶を二度叩く。
すると液晶が水面が揺れるように波紋を生み出し、鍵が中に差し込まれた。
再びの開錠。
ロッキーがタブレットを天井に向かって放り投げるとタブレットの代わりに少年と少女が落ちてきた。

「ロッキー。いきなりは止めろ。あー……えっと、そうか。オレは和国眞白」

着物の少女が言った。

「私は和国玄と申します」

今度はスーツの少年が言った。

「お前らが相手してくれんだ。よろしくな」

二人が右手を差し出す。
握手をしたいのだろう。

77宗像征爾『アヴィーチー』:2018/02/28(水) 01:31:54
>>76

差し出された手を一瞬だけ見つめる。
何もないとは言い切れないが、何かあるとも思えない。
おそらく他意はないだろう。

「――ああ、宜しく頼む」

俺の両手は、仕事用でもある革の手袋で覆われている。
握手というのは、手袋を外してから行うのが礼儀だそうだ。
本来であれば、俺もそうするべきなのだろう。

しかし、俺の手は穢れている。
汚れた手で触れるというのは、それこそ礼を失するというものだ。
だから、俺は手袋を外さず、そのまま二人と握手を交わす。

「君にも言っておこう。宜しく頼む」

続いて、一抹少年にも同じように言葉を掛ける。
二対二という状況であるなら、言わば俺達はチームメイトという訳だ。
最後に、再びロッキーに視線を向ける。

「それで、これから行う親善試合の内容というのは、具体的にはどんなものなんだ?
 細かい事をあれこれと聞く気はないが、最低限の説明はしてもらいたい」

78一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/02/28(水) 01:40:10
>>76
差し出される手を前に躊躇する。
接触発動するスタンド使いなのではないかと。
ヴィジョンらしきものは見えないが安易に手を握って大丈夫なのだろうか?

「一抹 貞世です。お二人とも、よろしくお願いします。
真正面から戦うのは怖いけど頑張りますね」

少し迷ったがスーツの少年と握手をする。
正直、私は頭の良いタイプではないので出せる手札を考えておこう。
『インダルジェンス』の精密性を活かせる戦場であることを祈るしかない。

「なるべく痛くないようしなきゃ…!
宗像おじさんのお役に立てるように頑張ります」

「そういえば、貴方たちは何処から来たのですか?」

ロッキーの口振りからして星見の住人ではない気がした。

79『シャープセンセーション』:2018/02/28(水) 23:21:23
>>77 (宗像PC)
>>78 (一抹PC)

少年少女と君たちは握手をした。
手を離しスーツの少年が頭を下げると、色素の薄いおさげにした髪が揺れた。

「どこから? 私はデトロイトからでございます」

そんなことをさらりと言ってのけてロッキーは笑う。
玄と眞白は答えない。

「ルールは簡単。これから移動する場所でお二人を探してもらいます」

「しかし見つければ勝ちという訳ではありません」

「二人が持っている鍵を回収していただきます。またお互いに相手を殺さないように気を付けてくださいね」

それがルールらしい。
他に聞きたいことがあるのならば聞いた方がいいだろう。

80一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/02/28(水) 23:57:42
>>79
ほんの一瞬だけ表情が固まる。
このおじさんが相手だったら罪悪感を持たずに殴れたのに。
人生とは難しいものである。

「出身地の話題はなかったことにしましょう」

「飛ばされる場所はどんな所でしょうか?
鍵を私たちが二つとも奪った時点で勝利した扱いになりますか?」

殺す殺されるの話は物騒だが不安要素でもある。
上手く戦って奪えるだろうか…?

「鍵とやらはロッキーがポケットから出していたものと同じ?」

ルールが単純で聞くことが思い浮かばない。
宗像おじさんが質問を終えるまで待とう。

81宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/01(木) 00:13:13
>>79

(――何もなしか)

やはり、本当に握手だけだったらしい。
もっとも、それほど気にしていたという訳でもない。
仮に何かされたとしたら、運が悪かったと思って諦めるつもりだった。
だが、今回は運があったようだ。
ここで運を使い切ったという可能性もあるが。

「なるほど。単に面と向かって殴り合いをするという訳ではないようだな」

要するに、この二人から鍵を奪うのが最終的な勝利条件と考えていいようだ。
そのためには、まず発見する所から始めなければならないだろう。
しかし、『アヴィーチー』の能力では、少々難しいものがある。
そういう意味では、俺のスタンドには余り向いていないのかもしれないな。
一抹のスタンドが、こういった分野に秀でた力を備えていることを期待させてもらうか。

「それは無論だ。俺も殺されたくはないからな」

言葉の内容とは裏腹に、その口調には感情が篭もっている様子は見られない。
事実、別に殺されたくないなどとは思っていないからだ。
生きる目的を失った俺の命に価値はない。
何時何処で死んだとしても、そこに大きな違いが生じることはない。
だからといって、今すぐ殺されたいと願っている訳でもないが。

「ルールは理解した。俺からは特に質問はない。
 そちらに問題がなければ、早速始めさせてもらおう」

ロッキーと二人に告げ、後は黙る。
そのまま一抹少年の質問が済むのを待つことにする。
始まった時、どう動くか――実の所、これといった考えなどは何もない。
まず、実際に自分自身が事に当たる。
考えるのは、そこからだ。

82『シャープセンセーション』:2018/03/01(木) 01:07:13
>>80 (一抹PC)

「貴方から聞かれましたのにつれない事ですね」

ニコニコ笑っているロッキー。
その尻に眞白の蹴りが叩き込まれた。

「場所は……スーパーにするか。もの多いし。棚あって、嫌いじゃない」

「おう。奪われた段階でオレたちは脱落だ。それ以上攻撃はしない」

「あと、鍵はこいつが持ってたんと同じだ。こいつの作りもんだし」

ロッキーの代わりに少女が答えた。
一抹は宗像の質問の終わりを待つ。

>>81 (宗像PC)

何もしない。
それは余裕ではなくする必要がないからだろう。

「えぇ。私たちはこの町のスタンド使いの方と勝負をしてみたかったのです」

「でも、力任せな殴り合いではスタンドの強みが分からない事もある」

ロッキーの代わりに少年が答えた。
そして殺されたくないと言葉と頭の中が少しだけ離れる。
宗像は質問の終わりを待つ。

>>ALL

二人の質問が終わる。
それを確認して少年と少女は顔を見合わせて頷く。

「では始めましょう。ロッキー」

「お前、今度はちゃんとやれよ」

「はいはい」

三度、ロッキーの手に鍵が握られ今度は床を二度叩いた。
湖面のように表面が揺れる床。
差し込まれる鍵。開錠され床に網目状に線が走り、ばらばらと床が抜けた。

「では行きましょう。お互いいい勝負をしましょう」

「玄ちゃん。真面目……」

83『シャープセンセーション』:2018/03/01(木) 01:12:47
ttp://download2.getuploader.com/g/goldenrectangle/88/Superflykogane.PNG

君達は気が付けばスーパーにいた。
怪我はない。着地した覚えもないが確かにここに立っている。

二人がいるのはレジ付近(M-8)だ。
少年と少女の姿は見えない。
どこか別の所にいるのだろう。

(一マスは2m×2mとして扱います)

84宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/01(木) 01:58:06
>>83

いつの間にか別の場所にいるという奇妙な感覚。
あるいは、最初に俺達が呼び出されたのも、この能力によるものかもしれない。
だが、それは今はどうでもいい。
重要なのは、これから始まる戦いに集中することだけだ。
何しろ、俺にとっては仕事の代わりとなるものなのだから。

「――ここが会場か。広くはないが狭くもないな」

普通なら、買い物客や従業員が行き来している筈だ。
その場所が、今はスタンド使い同士の争いの場になっている。
これがスタンドによる空間でなければ、大騒ぎになる所だろう。

「確かに遮蔽物は多いようだ。だが、それだけで隠れ続けていられるというのも考えにくい。
 もしかすると、何か身を隠すのに都合がいい能力でも持っているのかもしれないな」

店内を見渡しながら、独り言のように呟く。

        ドドドドドドドドド

その背後に、自身の精神の象徴であるスタンドヴィジョンが佇んでいる。
右腕にサメの意匠を持つ人型スタンド――『アヴィーチー』だ。
本来であれば、右手には『ノコギリ』が備わっているが、今は発現させていない。
この戦いは、まだ始まったばかりだ。
こちらの手の内を曝け出すのには、まだ早い。

「これが俺のスタンドだ。名は『アヴィーチー』。
 俺から離れられる距離は短い代わりに、人間以上のパワーがある。
 それ以外は並程度といった所だ」

一抹少年に対し、自分のスタンドについて簡潔に説明しておく。
同時に、レジ後ろにあるテーブルに視線を向ける。
そのテーブルが、『アヴィーチー』の片腕でも振り回せそうかを確認したい。

85一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/01(木) 03:44:28
>>83
転移する前に蹴られたロッキーに視線を向ける。
聖職者の息子として暴力を見過ごせないが今回は話が別だ。

「ヨシ、イイゾ…あちらでまた会いましょうね!」

転移後、近くを見渡してチャッカマンと使い捨てカイロを探す。
殺虫スプレーも有ると楽だが過度な期待はしない。

「身を隠しながら攻撃する類のスタンド使いでしょうか?
それとも応用力が高いタイプかもしれません」

「逃げられないように毒ガスでも炙り出しますか?
砂糖と使い捨てカイロを適当な容器に入れて簡易煙幕玉も作れますが。
あっ、巻き込まれるから簡易煙幕玉の方が良さそう」

毒ガスと勘違いして出て来たところを叩く考えだ。
都合良く出て来るはずがないと思うけど提案しておく。

「私の『インダルジェンス』は自販機をギリギリ持ち上げる怪力。
高精度な機械に匹敵する器用な動きが可能です。移動速度は人間と大差ありません」

「そして、肝心の能力が『悪感情』の鎮静。触れないと無意味らしいです
隠し武器に両手の甲から伸びる小包丁ぐらいの刃。切れ味はそれなりにあるようです。
これは斬撃に苦痛を伴わないのだとか。折られた場合は前腕の骨が使えなくなります」

十字架の意匠が各部に見られる人型のスタンドを発現させる。
提案を伝えて上記の探し物が置かれていそうなコーナーを探そう。

86『シャープセンセーション』:2018/03/02(金) 00:23:57
>>84 (宗像PC)

店内に人はいない。
不気味に静かな空間である。
スタンドの発現、説明。
そして近くのテーブルを『アヴィーチー』の片手で扱える確認した。

『アヴィーチー』の膂力を持ってすれば持ち上げるのは問題ない。
ただ問題があるとすればサイズだ。
かなりの長物であるテーブル。
持ち上げ、振り回せるが細やかな扱いは難しいだろう。

>>85 (一抹PC)

佐藤と使い捨てカイロの簡易煙幕について話し、場所を確認する。
スーパーの天井から平たく薄い看板が吊り下げられている。
看板を確認すればどの位置に何があるか確認出来るだろう。

現在地
宗像:レジ付近(M-8)
一抹:レジ付近(L-7)

>>?

(どうする玄ちゃん)

(お互いの居場所はわかりませんから……探しましょうか)

(『ティーンエイジドリーム』)

87宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/02(金) 01:26:46
>>86

「まだ何とも言えないが、可能性はある。ただ、それに拘っていても足元を掬われかねない。
 今は頭の片隅に留めておく程度でいいだろう」

「煙幕については君の判断に任せる。君が必要だと思ったのなら試してみてくれ。
 生憎、俺は教養がある方ではないからな。そういった知識に関しては、君の方が得意そうだ」

言葉を返しながら、値踏みするようにテーブルを見下ろし、頭の中で考えを巡らせる。

「重量は問題ないか。しかし、この長さでは少々持て余しそうだ」

大雑把な使い方さえできればいいと思っていたが、やはり使いにくさは否めない。
『アヴィーチー』は器用なスタンドではないことは分かっている。
それを補うためには、多少の工夫をする必要がありそうだ。

「君のスタンドは、俺のと似たタイプのようだな。
 基礎的な性能の面だけでなく、武器という点でも似通った部分がある」

そう言って、『アヴィーチー』の右腕から『ノコギリ』を生やす。
長さは『50cm』程度でいいだろう。
残る左腕で、テーブルを掴んで固定する。

「俺のスタンドも武器を持っている。見ての通り『ノコギリ』だ。
 長さは、最大で今の二倍程ある」

言葉を続けながら、『アヴィーチー』の『ノコギリ』でテーブルを切断して、扱いやすい長さに詰める。
見たところ4m程ありそうだが、ひとまず3mの長さに詰めることにする。
それが済んだら、『アヴィーチ』の片腕で軽く素振りして、少しは扱いやすくなったか確認したい。
まだ扱いにくさを感じるようなら、さらに1m長さを詰めて、2m程にしておく。
扱いにくさの度合いが大きくなければ、テーブルの長さは3mに留めておき、『アヴィーチー』の左腕に持たせる。

「だが、君のスタンドと俺のスタンドは、大きく違う部分もある。
 俺のスタンドには、沈静効果や苦痛を与えないような力はない。
 むしろ、その逆だな。俺のスタンドは、苦痛を与えるために存在しているようなものだ」

「――俺の能力は『復讐』だ。
 俺に傷を負わせた相手に、それと同等以上の傷を与えるまで追跡し、自動的に攻撃し続ける。
 それが『アヴィーチー』の能力だ」

「正直に言うと、この場で使うべき能力ではないと思っている。
 本体である俺が言うのも妙な話だが、危険すぎるからだ。
 さっき、『殺してはいけない』という話が出たが、一歩間違えば、そのルールを破ってしまう可能性すらある」

「俺は、まず店の中を一通り見て回るつもりだ。
 何か異常があれば、すぐ君に知らせよう。構わないか?」

一抹少年に声を掛けてから、一旦レジの方へ向かいたい。

88宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/02(金) 01:30:35
>>87

テーブルを詰める作業が済んだら、『ノコギリ』は消しておく。

89一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/02(金) 16:28:55
>>86
取り出しておいたリコーダーの先端を『慈悲の刃』で斜めに斬り落とす。
斬り落とした部位は本体がキャッチして落下音を防ぎたい。
長さは心許ないが槍の代わりになるはずだ。さらに切っ先の内側を削り刺さりやすく改造。
勿論、『慈悲の刃』の露出は最低限に抑える。

「私たちは精神の在り方が似てるのでしょうか…?
有り余る憎悪がスタンドのヴィジョンにわかりやすく出たとか」

「宗像おじさんのそれは並大抵のスタンドが退けられるものではないと思います。
痛みという薪を焚べることで往時の勢いを再現するのですから」

「『インダルジェンス』の負の感情を徹底的に削ぐ方向性も、きっと憎悪に根ざしたもの。
やり過ぎないように気をつけなきゃ駄目ですね」

『慈悲の刃』を収納した後は、レジの棚に隠れながらタバコ置き場まで移動したい。
ライターが狙いで本命は敵の位置を探ることだ。 

「離れすぎないことを心掛けます。先にタバコ棚の方向に行きます
異変を察知した場合は合図か、声に出しますので」

今度からは校則違反だろうがスマホを持ち歩こう。
折角、メアドを交換したのに活かせないとは…

90『シャープセンセーション』:2018/03/02(金) 23:40:33
>>87 (宗像PC)

右腕から現れる『ノコギリ』
恐ろしくも強力な武器だ。
一抹に『ノコギリ』や自身の能力について話してテーブルの切断を行う。
テーブルは2mほどの長さに切断された。
これなら問題なく扱えるだろう。

切断を終え、宗像はレジの方向に向かう。
今は一番近いレジに向かった。
(どのレジかが明記されていなかったのでMAP上のレジ1付近にいる状態です。訂正があれば修正します)

>>89 (一抹PC)

リコーダーの先端を『慈悲の刃』にて切り落とす。
まるで竹槍のように斜めに切断され、切っ先が生まれる。
リコーダーとしての機能は失われるが楽器でなく武器に変わった。

そして煙草の棚を目指して進む。
隠れ、周囲を伺いながらのため進む速度は遅い。
しかしあと少しで煙草の棚だ。

現在地
宗像:レジ付近(M―8)
一抹:レジ付近(J―11)

91宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/03(土) 00:28:15
>>89
>>90

「――これを現実でやったとすれば、疑う余地もなく『犯罪』だな」

一番近いレジに歩み寄り、そこから小銭を失敬する。
五百円でもいいが、一枚毎の大きさよりも枚数を重視したかった。
よって、百円玉か十円玉を一掴み手に入れたい。
入手できたら、それを『アヴィーチー』の右手に握らせておく。
小銭がなければ、電池のコーナーにあるであろう『ボタン電池』で代用することにする。

「ああ、お互いに気を付けなければならないな。
 もし、俺がやり過ぎてしまいそうになったら、君が止めてくれ。
 その代わり、君がやり過ぎそうになった時は、俺が止めよう」

一抹少年の言葉に対し、呟くような口調で返答する。
精神の在り方が似ている――か。
もしかすると、そんなこともあるのかもしれない。

あるいは、こうして出会ったのも何かの縁なのか。
罪を犯した人間と聖職者の息子。
客観的に見ると、全く正反対の存在だ。

普通に考えれば奇妙な巡り合わせだろうが、俺達の精神に共通する何かがあったとすれば、
そう不思議なことでもないかもしれない。
俺には、確かなことは何も言えない。
だが、今この場所で、俺達が同時に立っていることは事実だ。

「俺は店内の外周を一回りして、目で見える範囲にいないか探してみることにする。
 そう簡単に見つかるとも思えないが、念の為に確認しておきたい。
 それと同時に、俺が向こうの注意を引く役も引き受けよう」

「俺の方から離れてしまうかもしれないが、相手が何か罠を張っているとしたら、
 余り近くにいすぎても都合が悪いかもしれない。
 近くにいる場合でも、ある程度の距離は保っておいてくれると有り難い。
 そうすれば、何かあったとしても被害は抑えられるし、いざとなれば君に援護して貰うこともできる」

「『インダルジェンス』と言ったか。
 その高精度な動きなら、遠距離からの投擲の精度も完璧だろう。
 俺のスタンドにはそれが出来ないから、囮になるなら俺の方が適切だと考えているが、
 君の考えを聞かせてくれないか」

大まかな作戦を提案しながら、一抹少年に続いて自身も歩き出す。
レジとテーブルの間にある通路を通り、惣菜コーナーの端辺り(K―21付近)を目指して移動したい。
現時点では積極的に使う気はないとはいえ、『自動追尾』の発動条件から言っても、
俺が最初に攻撃された方が都合はいい。


(レジの位置に関しては、こちらも同じ認識なので問題ない。配慮に感謝する)

92一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/03(土) 00:46:35
>>90
買ってくれた義父には勿体無いことをしたと思う。
縄跳びの縄をランドセルから取り出し、ランドセルのかぶせに生じる隙間にリコーダーを突っ込む。

(見つからない。奥の方で物騒なものを拵えてないだろうか)

身を隠しつつタバコ棚に接近。ライターを回収しよう。
ここまで来て二人組が見つからない場合は、さらに奥の酒コーナーに向かう。
宗像おじさんの位置を見失わないように振り返るのを忘れない。

(見つけてしまえば、先に手傷を追わせられるはずッ…!)

H16の位置から様子を見たい。僅かな物音で拾えればチャンスに繋がるだろう。

>>91
「えへへ、私も銃刀法違反で捕まりそうです。
下手なものを投げても無駄ですから、相手に刺さる物を用意しました」

「宗像おじさんを囮にするのは、かなり嫌ですが掩護役に向いているのは事実。
ちょっと後ろの方から追う感じで物色します」

93『シャープセンセーション』:2018/03/03(土) 02:18:16
>>91 (宗像PC)

人はいないもののレジは正常に作動した。
右手に十円玉を握りしめる。
左手にテーブル、右手に小銭で両手が塞がっている状態だ。

刃を生み出す能力。
その性質は違うがスタンドが精神に関わるものならば二人には似ている所があるのだろう。

歩き出すが目的地は少し遠い。
また、二人の姿は見えない。

>>92 (一抹PC)

縄跳びを抜き、代わりにランドセルへリコーダーが差し込まれる。
そしてライターを確保し、また動き出す。
何かが視界の端で動いた。カップ麺の棚の方だ。

現在地
宗像:レジ付近(M―14)
一抹:酒棚付近(H―16)

94『シャープセンセーション』:2018/03/03(土) 02:23:47
>>?

(姉さんコッチに)

(分かった)

(スタンドはまだ戻ってきてませんから。こっち来てたら対応お願いしますよ)

(あいよ。『ブルー・マンデイ』)

95一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/03(土) 03:39:53
>>93
買い物客が一人も訪れないスーパーの怪し気な気配。
やはり、二人組の片方だろう。離れて行動はしないはずだ。
こちらは二人共が近距離に対応可能だが、あちらがそうであるとは限らない。

(宗像おじさん…! 怪し気な動きがカップ麺の棚の方で見えました!
ですが、敵の罠かもしれません。監視を続けて隙を狙います)

そう遠くまで宗像おじさんは移動していないはずだ。
スタンド会話で敵らしき存在の動きを察知したと伝えつつ、酒置き場側からF17に移動。
ひっそりと様子を探りたい。

(悪名高きスピリタスの悪用はやめよう。
うっかり落としたら何をされるか分からない)

天井から看板を吊す紐が切断可能な物であるか確認。
棚の方は『インダルジェンス』の怪力で倒せるだろうか…?

(可能ならスタンドのヴィジョンも拝見したい
それで奇襲の方法を決められる…! )

96宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/03(土) 16:39:57
>>93
>>95

≪分かった。あまり深追いしないように注意してくれ。
 範囲内に踏み入った時点で、何らかの能力が発動することも考えられる≫

スタンド会話で返答しつつ、移動を続行する。
一抹が見たというものも気になるが、今は移動が最優先だ。
念の為、カップ麺の棚がある方向には注意を払っておく。

目的地に辿り着いたら、西側を警戒しながら北上していく腹積もりだ。
店内を移動していた何かというのは、十中八九あの二人の内のどちらかか、あるいはそのスタンドと見て間違いない。
俺が囮の役割を始めるより先に一抹の方が攻撃されてしまった場合、作戦を変えなければならなくなるだろう。

(『アヴィーチー』の能力なら、隠れている相手の居所も掴めるが、最初にこちらが攻撃を受ける必要がある。
 今は相手から仕掛けてくるように仕向けて、出方を待つしかないか。
 俺の能力を使う必要がなければ、それが一番だが)

97『シャープセンセーション』:2018/03/03(土) 23:33:07
>>95 (一抹PC)

スタンド会話によって宗像に意志を伝える。
ただし気を付けなけなければならない。
スタンドでの会話はスタンド使いであれば感知できる。
この場合、敵もスタンド使いであれば敵にも聞かれかねないということだ。

無事移動が終わる。
天井から吊られた看板はチェーンで繋がれているようだ。
切断できそうだが高さが足りない。
本来脚立などを使って整備するのだろう。
固定はされていないため、棚に足をかけたりすれば動かすことは出来るだろう。
なお、看板と看板は十字を描くような状態である。
棚の側から動かせるのは看板の横側だ。

酒の棚からは冷気が漏れている。
二人のスタンドは高いパワーを持つが商品がしっかりと入ったこの棚は動かせないだろう。

……カップ麺の棚の方に何かが浮いている。
丸い、球のようななにかが。
突然、球が膨らみ爆発した。

>>96 (宗像PC)

一抹の言葉にスタンド会話で返答する。
そして移動の継続。
警戒をしておくが距離があるため大きな動きでもない限り見つけにくいかもしれない。
目的地に到着。そして北上……
敵の姿はまだ見えない。

>>ALL

            ズドンッ

爆音。
音はカップ麺の棚の方からだ(C-15)
そして次にカラカラと何かが落ちる音が聞こえる。

現在地
宗像:レジ付近(H―21)
一抹:酒棚付近(F―17)

98宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/03(土) 23:50:46
>>97

「――相手が動いたか」

爆発音のようなものを耳にして、一瞬だけ立ち止まる。
どうやったかは知らないが、爆破のようなことができるらしい。
十分に警戒すべきだ。

現在地から、さらに移動を続ける。
突き当たった後は、そのまま壁に沿うような形で、精肉コーナーを西に進んでいきたい。
爆音が聞こえた辺りからは目を離さない。

「爆破したのは何の為か。問題は、そこだ」

自分から居場所を教えるような真似をしたのが、単なるデモンストレーションである訳はない。
何かしらの目的がある筈だ。
あるいは、それは俺達を誘き寄せるためなのかもしれない。

「動くように仕向けられているのは、こちらの方かもしれないな」

仮にそうであったとしても、進むしかない。
爆発のあったらしい場所からは、俺よりも一抹の方が近い。
そちらで何か起こらないかが気掛かりだ。

99一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/03(土) 23:56:49
>>97
即座にD17まで引っ込み爆風から身を守る。
何らかの破片が飛散してもランドセルが盾代わりになるはずだ。

(これはッ! 宗像おじさんの言う射程圏内に入ると発動する罠!? )

爆風が止んだ後は、第二の爆弾が設置を疑い周囲を見渡す。
同一の物体が近寄って来る、もしくは異常を感じ取れたら酒棚の位置に退避。
追撃の気配を感じ取れない場合は棚の隙間から爆心地を覗きたい。

100『シャープセンセーション』:2018/03/04(日) 01:05:40
>>98 (宗像PC)

敵の攻撃を認識しつつさらなる北上。
その時だ。

《次はぁ〜『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』 『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』》

声。遠くからの音。そしてまた音が来る。

ドウッ!

今度は先ほどとは違う。近い音を言うとすれば発砲音。
しかし自分になにかが向かっている様子はない。
何処かから音は自分の上だ。
近く(E-21 F-21)を覆うように真黒な幕のようなものが揺蕩う。

ドウッ ドウッ ドウッ

立て続けに三度。
今度は先ほどとは違う。近い音を言うとすれば発砲音。
しかし自分になにかが向かっている様子はない。
真黒な幕に飛んできた何かは飲み込まれる。

幕の中は無数の煌めきがある。
まるで宇宙のようだ。

>>99 (一抹PC)

前方に飛び込む。
爆風は訪れない。爆発の性質が違うのかもしれない。
移動の際にカップ麺の棚の中が見える。
爆発の影響か棚の一部が円形に削られた様な痕が残っている。
それと床にカップ麺がいくつか散乱している。
棚同士にに隙間はなく棚から向こうを見ることは困難そうだ。
また、何かが接近してくる様子はない。

《次はぁ〜『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』 『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』》

爆発が起きた場所より奥から声がする。
続いて発砲音が四つ。しかし自分を狙ったものではない。
異変に対して反応し酒棚の近くに移動した。

現在地
宗像:パン棚付近(G―21)
一抹:酒棚付近(F―17)

101一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/04(日) 02:22:54
>>100
爆発の痕跡を見るに削り取られた印象を受ける。
迂闊に声の持ち主が待ち構える場所に近寄れそうにもない。
宗像おじさんが心配だ。攻撃を受けていないだろうか…?

(発砲音ってことは拳銃っぽいスタンドの使い手?
だとすれば、尚更のこと正面突破は難しい)

酒棚を物色し、なるべく度数の高い酒を持てるだけスタンドに持たせる。
声が聞こえた辺りに曲射の要領で棚を超え、上方から酒瓶を落下させられる位置に移動。
到着後、声の主が居るであろう位置を狙い酒瓶を投擲(パス精:BCA)
上手く投げられたなら、敵の頭上周辺に酒瓶が落ちるだろう。

(『インダルジェンス』の精密性を駆使しようとも正確な位置が分からぬ相手だ。
そう簡単には当たらない。宗像おじさんを狙ったであろう銃撃の妨害が目的だ)

もし、宗像おじさんが銃撃を受けたら『復讐』の能力を発動するかもしれない。
彼が簡単に使うとは思えないが必要になるなら、使われる可能性がある。

102宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/04(日) 02:35:07
>>100

「これは――俺を狙ってきたのか?」

黒い幕の位置は、自分の目と鼻の先だ。
幕から遠ざかるために、その場から飛び退いて後退する。
正体は不明だが、先程の爆発と関係している可能性もある。
そうでなくとも、未知の存在に対して不用意に距離を詰めるべきではない。
これが相手の能力と関係している事だけは確実なのだ。

「だが、俺を狙っているのなら、それはそれで悪くはない」

注意すべきは、今しがた聞いた発砲音だ。
何も自分に向かってこないというのが、逆に緊張感を煽る。
あれが前兆であるとすれば、すぐに攻撃が来たとしてもおかしくはない。
相手に関する情報が少ない今は、次に起きる事態を予測することは難しい。
だが、最低限の対処はしなければならないだろう。

「これで防げればいいが」

『アヴィーチー』が左腕で持つテーブルを盾のように構える。
すぐに何かしらの攻撃が来るようであれば、ひとまずこれで凌ぐ。
防ぎきれるかどうかは定かではないが、一撃で行動不能にされなければそれでいい。
すぐに攻撃が来なかった場合は、暗幕を警戒しながら後退する。
パン棚の端まで後退し、飲料側に回り込みたい。

103『シャープセンセーション』:2018/03/04(日) 23:23:45
>>101 (一抹PC)

敵のスタンドの正体は分からない。
現在分かるのは爆発の結果なにが起きたかという事だ。

いくつかの瓶を掴み投げつける。
数にして四本だ。ウォッカなどの度数の高いものを選んだ。
通常投擲には狙いを定める必要があるが、『インダルジェンス』の精密性からすれば大きな問題はない。
投擲後、割れる音。

少女:「玄ちゃん!」

少年:「問題ない。跳ねたお酒にぬれただけ」

「聞こえてますか? 今から解体を始めます」

「まず一、私のいた位置にしっかりと合わせて投げられるその精密性。五段階評価でA判定と言ったところでしょうか」

少年の声が聞こえる。
徐々に声が遠ざかっていく。
話しながら移動しているようだ(現在声がするのはD―11)

少年:「二、いくつかの瓶を一斉に投擲する膂力。少なくとも五段階評価C以上」

少女:「オッケーオッケー続けて?」

>>102 (宗像PC)

飛びのく。
暗幕は揺らめいているがまだ何も起こらない。
そして左手のテーブルを盾のように構えた。
回避は出来ないがダメージを追うことはない。
後退しようとしたその時だ。

   ドムッ

テーブルへの衝撃。
めり込むような感覚。防げたがヘビィだ(パB)

《外れェ〜……》

暗幕から声がする。
テーブルを少しずらせば暗幕の中が見えるだろう。

現在地
宗像:パン棚付近(H―21)
一抹:酒棚付近(F―17)

104宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/05(月) 00:57:11
>>103

「――なかなか重いな。まともに当たれば軽くない傷を負わされただろう」

テーブルを構えたスタンドの腕を通して、瞬間的に強い衝撃を感じた。
あの飛び道具には、『アヴィーチー』のパワーと同等の威力があるようだ。
咄嗟に防御の体勢に入ったのは、どうやら正解だったらしい。

「この盾がなければ危ない所だった。俺だけではなく、お互いにな」

もし、さっきの一撃を食らっていたとしたら、その瞬間に『自動追尾』の発動条件が整うことになっていた。
そうなれば、俺が発動の意思を念じると同時に、
人型スタンドという枷から解き放たれた遠隔自動操縦の『ノコギリザメ』が、
血に飢えた凶暴性を剥き出しにして、銃弾並みの速度と銃弾以上の破壊力で敵めがけて突っ込んでいただろう。
それをすることが出来なくなったのは、俺にとっても相手にとっても幸いだったと言える。

構えているテーブルを幾らかずらし、暗幕の様子を確認する。
それと同時に、前方を警戒しながら後退も行う。
パン棚の端まで移動し、その後に飲料側へ回るという考えは変わらない。

盾に受けた衝撃からして、命中したのは一発のようだったが、それだけで終わりとも思えない。
先程、発砲音は四回聞こえていた。
音の数だけ飛んでくると仮定すれば、まだ三発は残っていることになる。
この狭い通路で何度も撃たれてしまえば、防御しきれる保証はない。

(現時点で分かっていることは三つ程ある。
 まず、発砲音が聞こえた後に、何かが飛んできた。
 そして、おそらく何かは暗幕から放たれている見込みが強い。
 さらに、何かの威力は見過ごせない程度であるということだ)

この分では、一抹の方でも争いが起きているだろうということは予想できた。
そちらが気にならないと言えば嘘になるが、こちらにスタンドの片割れが現れている以上、
現在の状況は、ほぼ一対一になっていると考えられる。
そうであるなら、俺の取るべき行動は、目の前の相手に集中する事だけだ。

105一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/05(月) 01:28:10
>>103
当たりはしなかったが移動の強制はできたらしい。
今の投擲で居場所も大雑把だが知られてしまったはず。
二人組の後を追いたいところだが…

(無闇に追いかけるのは危険。しかし、見失って銃撃を受けるのも怖い)

C12棚の上に段ボール箱が置かれていないか確認。
置かれている場合は手頃な酒瓶を投擲し、C11に落下させて逃げ場を塞ぐ。
段ボール箱が無い場合はランドセルを粉の棚に投げつける。
投擲する前にリコーダーを抜き取り、衝撃で品物が落下するであろうD11に接近。

(手と足。どちらの自由を奪うべきか。先に厄介な銃を使う手から潰すべきか?
やはり、得体の知れない銃を使う手を使えなくしよう )

撃たれぬようにD11を通り過ぎながら銃を持つ者を探す。
確認が出来次第、その手を狙って槍リコーダーを投げつける(パス精:BCA)

106『シャープセンセーション』:2018/03/05(月) 02:09:34
>>104 (宗像PC)

自分の身を守れた必然。
そして相手の身を守れた偶然が生まれた。
ノコギリザメの一撃は強力過ぎるほどの力を持っている。

暗幕の様子を確認すると、暗幕中に何かがいる。
人工衛星に腕と顔がついたようなヴィジョンを持っている。

《デブリはまだあるんだぜェ〜》

人工衛星の手が何かを掴んだ。そしてそれをこちらに投擲する。
熱を帯びた球体らしきものが飛来しまたテーブルにぶつかる。
ひとまず飲料棚まであと少しだ。
棚に隠れて暗幕の側がどうなっているのかは確認できない。

>>105 (一抹PC)

「三、先ほどの瓶の欠片を拾っておきました。アルコール度数が高いですね。とりあえずで取ったか、作為的か。手札もある程度、わかる」

声は遠ざかっていく。
リコーダーを抜き取り、ランドセルを投げる。
棚にぶつかるが、距離の問題か商品は落ちない。
小麦粉など中身の詰まった商品が多いからだろう。

そしてD-11まで移動しようとするが。

少女:「ははっ。いらっしゃい」

右から球が飛んできた。
それは一抹の目の前で止まる。
ふわふわと浮いているそれが赤みを帯び始めた。

少女:「いい子だ玄ちゃん」

現在地
宗像:飲料棚付近(I―19)
一抹:カップ麺棚付近(E―15)

107一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/05(月) 03:29:13
>>106
設置型だと思い込んでいた球体の接近に目を見開く。
どうやら攻撃を最初に受けるのは自分なのかもしれない。

「お邪魔しましたッ! また来るから! 」

あの真っ暗な部屋でのやり取りを思い出す。
二人組に真正面から行くのは無理だ。強行突破も難しいだろう。
だったら、手段は選んでいられない。
スタンドを背後に立たせ、防御体勢を取らせながら酒棚に避難。

108宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/05(月) 18:29:51
>>106

「デブリ――聞いた事のある言葉だな。宇宙のゴミの事だったか」

スタンドが人工衛星で、飛ばしているのがデブリだとすれば、あの暗幕は見た目通りの宇宙という事のようだ。
銃声の方は、もう一人のスタンドか。
銃を所持しているのは、この国では警官か猟師か犯罪者くらいなものだが、
スタンドであれば誰が持っていようと不思議はない。

「その飛び道具は確かに厄介だ。だが、一方で俺の方が有利な点もある」

「俺はそちらの能力の片鱗を見ているが、そちらは俺の能力を知らない」

どうにか急場は凌いだが、問題はこれからだ。
今の形勢を覆すためには、こちらから打って出る必要がある。
つまり、反撃しなければならない。

まず、棚の反対側に注意を払いつつ、現在地から北西方向(H―18)へ移動する。
先程の人工衛星のスタンドが、どの方向から攻撃してきても対処出来るようにする為だ。
この短い距離なら、すぐに移動を終えられるだろう。

(最初の銃声は、あのスタンドを呼び出す為のものだったと見ていいだろう。
 その後に三発飛んできた。今の時点で二発防いでいる。
 そうなると残りは一発か。俺の考えが間違っていなければだが)

何時でも盾を構えられるように警戒しながら、敵スタンドの動向を窺う。
同時に、『アヴィーチー』の右腕に意識を向けておく。
必要が生じた際には、速やかに『ノコギリ』を展開するつもりだ。

(それにしても、いくらパワーがあるとはいえ、ただ投げ続けるだけというのは考えにくい。
 最初に聞いた爆発音を考慮すれば、あのデブリが爆発しないとも限らない。
 あくまで可能性の段階だが、警戒には値する行動だ)

盾で防いだデブリは、その後どうなっていただろうか。
見る事が出来た範囲で、思い出してみたい。

109『シャープセンセーション』:2018/03/05(月) 23:26:08
>>107 (一抹PC)

少女:「いや、もう来る必要はねぇよ」

「オレの方からそっちにいくのも考えってから」

「玄ちゃん!」

爆発。後に走り去る音。
声の場所からして少年の方が移動しているらしい。
退避しに行くが何かが当たったのか腕に痛みが走る。
骨折には至っていないようだ。

走り込んだ先の近くには宗像がいた。

>>108 (宗像PC)

《そうだなァ。俺はお前の能力は知らねェ》

《だけをお前を相手してるのは俺じゃねえ。俺達なんだぜ》

移動し、相手の動向を伺う。
暗幕の中がきらきらと煌めていている。
また酒棚の近くに一抹が走ってきた。

宗像に向かって放たれた一撃について思い出す。
盾で防いだデブリは移動中に落ちた形跡はない。
つまり、めり込んでいるか無くなってしまっているかのどちらかだ。
しかし燃えていたという事を考えれば燃え尽きたという可能性の高いかもしれない。

《あいあい。行きますかァ》

スタンドの手がきらめきを掴み取った。

《よーく狙って》

投擲体制に入る。

現在地
宗像:飲料棚付近(H―18)
一抹:酒棚付近(E―17)

110宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/05(月) 23:40:43
>>109

現在、暗幕の位置はどうなっているのだろうか?
空中に浮かんでいると考えているが、床からの高さはどれくらいだろうか。

111『シャープセンセーション』:2018/03/05(月) 23:42:58
>>110
暗幕の位置は動いていない(E―21 F―21)
床からの高さは3mほどで棚の上あたりに浮いている。

112一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/06(火) 00:14:55
>>109
ほんの一瞬だけ球体をスタンドで殴り飛ばす事も考えたがやめてよかった。
下手に刺激した球体に腕まで消し飛ばされては困る。

「 宗像おじさん! 敵本体が追いかけて来ます!」

C17に移動。縄跳びをスタンドに渡して少年を待ち構える。
姿勢を低めに保ち、足音が追いかけて来るなら方向を指で宗像おじさんに示す。

(テーブル盾に頼るより挟み撃ちにした方がいい。
それに集まると一網打尽にされるかもしれない)

113宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/06(火) 00:24:13
>>111

回答感謝

>>109

「その通りだ。俺が相手にしているのは、お前だけではないな」

「そして、お前が相手にしているのも俺だけではない」

暗幕に注意を向けたまま、視界の端で一抹少年の姿を捉える。
やはり向こうで一悶着あったようだ。
そして、こちらのそれは今も進行中だ。

「あの暗幕の中にいるスタンドは、デブリという飛び道具を放ってくる。かなりのパワーだ」

一抹に対し、手短に注意を促しておく。
人工衛星が狙っているのが俺ばかりとは限らない。
あのデブリが一抹の方に飛んでいく事も有り得る。

「ああ、よく狙え」

デブリが俺の方へ飛んできたなら、先程とは違い、防ぐのではなく回避する。
回避する方向は現在地から北方向だ。
回避できたのなら、そのまま通路を走って、暗幕と対峙出来る位置(F―18)を目指したい。
避けられそうになければ、先程までと同様に盾で防御し、その後で北上する。
少なくとも、まともに食らうという事だけは避けなければならない。

もし一抹の方を狙うようなら、暗幕と一抹の間に走って割り込み、盾でデブリを防ぎたい。
距離的に間に合うかどうか少々怪しいが、左腕を大きく伸ばす事で可能な限りリーチを稼ぐ。
その場合も、暗幕と対峙出来る位置に立つという目的は変わらない。

114『シャープセンセーション』:2018/03/06(火) 01:00:29
>>112 (一抹PC)

縄跳びをスタンドに渡す。
スタンドは右手にリコーダー。左手に縄を持っている状態だ。
そして移動。宗像に声もかけておく。

足音がする。
しかし出てきたのは少年ではなく少女だ。

少女:「よっ!」

周りには五つの球体。
いや、近くで見れば分かる。これは惑星だ。
教科書や図鑑で見られる写真にそっくりだ。

そして惑星の一つが一抹と少女の間に飛んだ。

少女:「プレゼント、ふぉーゆー」

>>113 (宗像PC)

《そう。俺じゃない。俺じゃあない》

デブリの投擲、それに回避で対応する。
デブリは床に命中。粉々に砕けた。
敵に退治できる位置に移動したが、変化が起きた。

《次はァ〜『フィア・ファクトリー』 『フィア・ファクトリー』》

暗幕の中のスタンドが声を発する。
平坦な声だ。
その声と共に暗幕とスタンドが消えた。

キュッ キュッ キュッ キュッ キュッキュッ キュッキュッキュッキュッ

音がする。何かがこちらに近づいてきている。
遠くから、こちらへ。

現在地
宗像:飲料棚付近(F―18)
一抹:コーヒー棚付近(C―17)

115宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/06(火) 01:32:20
>>112
>>114

「――なんだと?」

スタンドが発した声と、その後に起きた消失を目の当たりにし、目を見開く。
何かしてくるだろうとは考えていた。
しかし、これは予想外だ。

「さっきは『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』とか言っていたな。
 今度は『フィア・ファクトリー』か。
 一人で複数のスタンドを持っているとでもいうのか?」

音の方向に視線を向ける。
おそらくは、そこに『フィア・ファクトリー』とやらがいるのだろう。
まず、その姿と位置を確認する。

「分かった。悪いが、そちらは君に任せたい。俺は、このスタンドの相手を務めよう」

一抹少年に声を掛け、現れるであろう『フィア・ファクトリー』に意識を集中する。
本当に別のスタンドに変われるというのなら、相当に厄介な相手だ。
『アヴィーチー』の能力を使いたくはないが、場合によっては考慮しなければならないかもしれない。

116一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/06(火) 02:00:15
>>114
暗幕とやらに惑星。組み合わせからして宇宙空間の再現が能力だろう。
宇宙空間が少女のスタンド能力であれば、少年の使うスタンドは拳銃…?

「うわぁァァァ!! 惑星をプレゼントする少女とか狂ってるでしょう!?」

能力の全容と少女がつき従える惑星の数に絶望する。
だが、近寄ることもできなかった相手が近寄って来てくれたのだ。
危機をチャンスにせねばなるまい。

(待てよ、私に飛んできたのは惑星だ。デブリじゃないぞ…?
破壊力は有れどもパワーは感じられなかった)

(宗像おじさんがデブリを飛び道具と称したのも気になる。
惑星の爆発は盾テーブルで防げる威力じゃないはずだ)

惑星に走りながら牽制代わりに槍リコーダーを少女の足に投げつける(パス精:BCA)
この時点で少女に縄跳び縄が届く場合は鞭の如く使い、少女の足に絡ませて引きずり込む。
流石に敵との自爆を避けて惑星を解除するはずだ。
縄が届きそうにない場合は『インダルジェンス』に惑星を掴ませて少女の方に投げ返す。

(宗像おじさんの説明的にデブリを別のスタンドが投げていた可能性がある。
つまり、『インダルジェンス』でも投げ返せる可能性がある…!)

この惑星を避けようが残りの惑星が殺到してくる。
一か八かの賭けだ。このままではジリジリと嬲り殺しにされては困る。
 
「貰ってばかりじゃ悪いです! 直接、お返しさせてくださいよ!」

117『シャープセンセーション』:2018/03/06(火) 02:36:19
>>115 (宗像PC)

キュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッ

                            キュッ

音が止まる。
そこにいたのは少年だ(H-18)。
床を滑るように走ってきた。足元にはぬるっとした液体。
身体には無数のボルトのヴィジョン。
捲くられた袖から覗く腕には傷。手にはガラス片。

少年:「お待たせしましたぁああああああ! 姉さん!」

驚いたような声を上げる。
何かあったのだろう。

少年:「……さて、まずは貴方からといきましょう」

「貴方のスタンドの力はまだ未知数ですし……」

ガラス片を腕に突き立て肉を引き裂く。
また傷跡が増える。
傷跡からどろりと液体が落ちる。それは血ではない。
彼の足元にあるものと同じ。それはグリースによく似ている。

少年:「では、参ります」

少年が床を滑ってくる(スB)
姿勢を低く、宗像に迫る。

118『シャープセンセーション』:2018/03/06(火) 03:08:37
>>116 (一抹PC)

少女:「素敵だろ? 玄ちゃんなんか目ぇきらっきらよ」

リコーダーの投擲。怪力と精密性の合わせ技。
少女の右足を貫いた。
紅い血が噴き出す。

少女:「いってぇ!」

続いて縄での捕縛を狙う。
が、リコーダーの投擲と合わせて少し時間が経っている。
それは十分な時間だった。
惑星の爆発から逃げたあの時。退避した次の瞬間には爆発が起きた。
相手が爆発の射程に入れば爆発を嫌がる。
確かにそうかもしれない。しかしそれを確かめる時間と爆発するまでの時間はどちらが短いだろうか。

少女:「『ブルー・マンデイ』」

「一手見誤ったな。惑星爆弾の性質をどこまで理解してる?」

爆発。飛び散る破片。
続いて爆発した空中に異物。
黒く、渦を巻くようなそれ。光を飲み込もうとする黒いもの。

少女:「……ツゥ〜〜〜!」

リコーダーを引き抜き黒い渦に投げた。
リコーダーは渦に飲み込まれ見えなくなる。
そして投げつけられた縄も浮き上がり中に引きずり込まれる。
縄から伝わる力(パスBC)
少女の身体が浮かび上がる。

が、黒い渦の消失と共に床に下りる。飲み込まれた縄の部分はまるで削られてしまったかのようだ。

少女:「どうするよ。足の分、責任とってもらうぜ」

床を這いながら棚の影に隠れる。

現在地
宗像:飲料棚付近(F―18)
一抹:コーヒー棚付近(C―17)

少年:飲料棚付近(G―18)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

119一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/06(火) 05:34:35
>>118
質問です。冷凍食品コーナーに有るのは冷凍ショーケースでしょうか?
有るとしたらスタンドで持ち上げられるサイズですか?

120宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/06(火) 16:03:16
>>117

「それが『フィア・ファクトリー』か」

現れた少年の姿を目視する。
見た所、『アヴィーチー』や『インダルジェンス』とは違い、本体自身に発現するスタンドのようだ。
タイプが異なる分だけ、行動の予測は立て辛くなるだろう。

「君のような少年の自傷行動を見るというのは、あまり気持ちのいいものではないな」

流れているのが血液ではないのが、せめてもの救いだ。
今のところ分かっている事は、本体の血液を潤滑剤に変えるという事。
変化させられるのは潤滑剤に限らないかもしれないが。

「――宜しく頼む」

距離が近い上に、スピードは向こうの方が上だ。
動きの大きな行動を取れば、隙を曝してしまう事になる。
可能な限り最小限の動きで対応しなければならない。

少年の動きに合わせるようにして、左腕に持つテーブルの盾を前方に構え、その行動を妨害したい。
おそらく少年と肉薄するまで一秒か二秒だろう。
かなりギリギリではあるが、この程度の動きならば何とか間に合うのではないかと思う。

防ぐ事が出来たなら、そのまま盾で突き飛ばすようにして、左腕を押し込む。
これによって幾らかの距離を取ると同時に、相手のパワーを計りたい。
だが、本当の狙いは別にある。

盾の陰になるようにして、右腕の『ノコギリ』を伸ばす。
伸ばす長さは『50cm』程度に留める。
次に少年の姿が見えた瞬間に、『ノコギリ』による斬撃を浴びせるつもりだ。

『ノコギリ』を振るうのが間に合わないと判断した場合は、少年の次の攻撃を『ノコギリ』で受ける。
上手くすれば、少年が自ら『ノコギリ』に当たってくれるだろう。
その後に『ノコギリ』を引けば、それなりのダメージを与えられる筈だ。

(もっとも、潤滑剤が流れ出るだけでダメージは負わないのかもしれないが、
 スタンドによる攻撃なら有効とも考えられる。
 試してみるしかないな)

121『シャープセンセーション』:2018/03/06(火) 19:19:07
>>119

冷凍食品の棚は扉で中のものを取り出せるショーケースとなっている。
しかしスタンドで持ち上げられるサイズではない。

122一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/06(火) 20:02:41
>>118
生きてる。何とか惑星爆発の直撃を免れたようだ。
我ながら無謀で愚かな試みだったが敵スタンド『ブルー・マンデイ』の能力は明らかとなった。

「星が死ぬ際に発生する超新星爆発。これが惑星爆弾の正体だと予想しています。
そして、今の黒い渦はブラックホール。大して自信はありませんが…」

「惑星を起爆すると被害を被るのは私だけではないはず。
惑星だけに限らずデブリも発現するそうですね? 恐ろしいものです」

運悪く引きずり込まれていたら消し飛んでいた可能性が高い。
ブラックホールは厄介だが超新星爆発の破片の方も目障りだ。

(私は、今の今まで常識に囚われすぎていた。
スタンド使いを出し抜くには真っ当な武器じゃ駄目だ)

冷凍食品コーナーに置かれたショーケースの硝子扉。
この硝子を『慈悲の刃』で円形に切り取り、端を鋭利に削ぐ。 

(私が武器を使い切ったことを彼女は知っている。
だが、こんな斜め上の飛び道具を用意しているとは思うまい。
普通は予測できない。自分もやられたらビビる)

フリスビーを投げる要領で切り取った円形硝子を、手負いの少女が潜む地点に回り込む軌道で着弾するように投げる(パス精:BCA)
少女が飛び出すようなら円形硝子を縦にし、回転を加えて無事な片方を狙い投げる。
薄い硝子を縦にして投げる事で見えづらくするのが狙いだ。

123『シャープセンセーション』:2018/03/06(火) 23:29:22
>>120 (宗像PC)

少年:「いかにも、こちらが『フィア・ファクトリー』」

「先ほどの『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』とは別物です」

少年が選んだ行動は飛び蹴りであった。
テーブルの盾を構える。
勢いがついた蹴りはそれなりの威力はあっただろうが『アヴィーチー』の膂力で耐えられないものでもない。
押し込まれた力を受けて彼の身体が後方に飛ぶ。
猫のように体を翻し四つん這いで着地する。
その間に『アヴィーチー』はノコギリを伸ばした。

追撃はまだだ。
しかしじきに来るだろう。
四つん這いの彼の腕からグリースが流れている。

>>122 (一抹PC)

少女:「デブリ? いや、それはしらねえけど。あれか破片か?」

少女が言葉を返す。
慈悲の刃でガラスを刳り貫いた。
そしてその端を削っていく。精密性があるが当然削る分だけの時間がかかる。

少女:「もう一つやるよ。そこにいるんだろ?」

「追ってこねえからな……離れてるんなら話は別だが」

少女が顔をのぞかせる。
そして惑星が一抹の足元に飛んだ。
足元にやってきた惑星。円盤はすでに完成済み。すぐにでも投擲は可能だ。

現在地
宗像:飲料棚付近(F―18)
一抹:コーヒー棚付近(C―17)

少年:飲料棚付近(H―18)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

124一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/07(水) 00:19:45
>>123
てっきり合体技の類と考えていたが違うらしい。
宗像氏の語ったデブリは少年のスタンドが発現するものだろうか?
投擲をする戦法からして自分と同じ近距離に特化したスタンドだと思うが。

「本当に足を狙ってくるとは人の恨みって怖いものですね。
でも、相手が私じゃなく宗像おじさんだったら足が斬り飛ばされていたかも…?」

後退しつつ物陰から顔を覗かせる少女の肩を狙う。
肩が見えないのであれば、真上から彼女に硝子フリスビーが落下するように投擲(パス精:BCA)
流石に気がついて這いずりながら避けるだろう。死にはしないはず。

「多数の惑星爆弾が待ち構える場所に普通は突っ込みませんよね。
まだ、切り札とか隠しているのでしょう…? 」

投擲後は急いで後退。爆発の範囲は大雑把だが分かったはず。
巻き込まれない位置まで逃げて殺到する欠片をスタンドに防御させる。

125宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/07(水) 00:24:10
>>123

「そのようだな。そして、これは『アヴィーチー』と言う」

今の感覚からして、パワーに関しては俺の方に分があるようだ。
だが、あのスピードは侮れない。
体勢を立て直される前に、こちらから仕掛ける必要がある。

左腕に持っているテーブルを、少年めがけて投げ飛ばす(破ス精BCC)。
これに対して少年がどう動くかは分からないが、少なくとも何かはするだろう。
その際に生じるであろう隙を狙う。

テーブルを投げると同時に接近し、『ノコギリ』のリーチに入るまで距離を詰めたい。
そして近付き次第、少年に『ノコギリ』の斬撃を浴びせる(破ス精BCC)。
もし足を狙えるようであれば狙いたいが、それが困難であるなら、薙ぎ払うように『ノコギリ』を振るう事で、
広い範囲を攻撃したい。

無論、致命傷を与える気はないので、全力で急所を狙うような事をするつもりはない。
可能ならば、この攻撃も程々の加減が出来ればいいが、『アヴィーチー』の精密性では少々難しい所だ。
行動の際に余裕があるなら、酒の棚を目で確認して、出来るだけ大きな瓶を見つけておきたい。

126『シャープセンセーション』:2018/03/07(水) 01:21:12
>>124 (一抹PC)

少女:「足? 知るかよ。オレはお前の対処が仕事」

「それと、逆だぜ順番。お前のスタンドの精密性なら逃げながらでも投げられただろうに」

少女は顔だけをこちらに向けている。
上から下に落ちるように投擲。少女は顔を隠し避ける。
だがリコーダーの時もそうであったが、投擲の時間は爆発まで十分すぎる。
ただちに退避する。しかし惑星爆弾の爆発後になにが残るか。
当然、ブラックホール。

   ドムッ

少女:「切り札? ねえよ」

「ブラックホールってのは切り札が必要なほど弱いものなのか?」

吸引。
人の力を超える力だ。破片が命中しまた両腕に痛み。
その次にはブラックホールの吸引。引きずられる。引きずり込まれる。
右足を巻き込む。圧縮。痛み。だが血は出ない。

足は失われていない。
しかし圧縮されたような傷跡が残った。

少女:「玄ちゃーん。あとお願いねー! ちょっと疲れた」

>>125 (宗像PC)

少年:「あわわっ」

一気に横に跳んだ。
体勢を立て直すがその隙に接近は成功。
薙ぎ払うノコギリの一撃が少年の背を引き裂く。
血の赤の代わりにグリースが流れる。

少年:「あー……」

顔をゆがめる少年。
そのまま床を蹴り、グリースを床にまきながら宗像の横をすり抜ける。
通り抜ける時にグリースにぬれた右の手が足に触れた。

少年:「グリースは潤滑油」

「全てを潤沢に動かす。だけれど潤沢でなくすものでもある……」

現在地
宗像:飲料棚付近(G―17)
一抹:コーヒー棚付近(C―17)

少年:飲料棚付近(F―18)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

127一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/07(水) 01:44:07
>>126
念入りに絞られた雑巾の如く使い物にならない状態になるよりマシなのか。
普通に歩くことは困難。走るのは確実に無理だろう。

「いちち、言われれば確かに。それに外しちゃったか」

避けようがない。だから、少女の元まで歩く。
居場所は分かっているのだ。スタンドだけでも先行させて鳩尾に一撃。
横隔膜が痙攣し呼吸ができなくなって気絶するだろう。
迫りくる惑星爆弾は掴んで精肉コーナーに投げ飛ばす。

「あんまり宗像おじさんの役に立てなかったな。
意識がある内は戦うけどね。もうちょっと強気で行くべきなのかな…?」

128宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/07(水) 02:02:12
>>126

年端も行かない少年に対して『ノコギリ』で斬り掛かるなど、普通なら正気の沙汰ではない。
だが、これが勝負である以上、ある程度は本気にならなければならない。
そうでなければ、挑んできた相手に対して礼を失するというものだ。

「やはり、傷から流れるのは潤滑剤か」

少年の背中を一瞥して、淡々とした口調で呟く。
どうやらダメージがないという訳ではないようだ。
攻めに転じた行動が無駄にならずに済んだのは幸いだった。

「そして、今しがた君に触れられたようだな」

軽く足を動かして、何かしらの異常がないかどうかを確認する。
通常通りに動けばいいが、その点では余り期待はしていない。
さらに、『アヴィーチー』の左腕を伸ばして、自分と隣接している酒棚から、
出来るだけ大きい瓶を一本確保しておきたい。

この際も、少年からは目を離さない。
少年が再び肉薄してくるようなら、その攻撃を『ノコギリ』の刃で受ける。
その状態から続けざまに右腕を引く事で、少年に傷を負わせるという算段だ。
防ぎきれないと判断した場合は、『ノコギリ』を縦にして面積の広い部分で受け止める事にしたい。
距離が近過ぎる事に懸念が残るが、腕を動かす程度の動作であれば、
どうにか合わせる事も不可能ではないだろうと思う。

129宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/07(水) 11:22:16
>>128

選ぶ余裕があれば、酒瓶は出来るだけアルコール度数の高い物を手に取りたい。

130『シャープセンセーション』:2018/03/07(水) 23:33:04
>>127 (一抹PC)

少女:「うわ、マジかよ。でもそいつ近距離型だろ?」

『インダルジェンス』の一撃。
が、それを少女は腕で防ぐ。
鈍い音と共に腕がひしゃげる。

少女:「ここがお前の限界の射程」

少女が身体を丸め、惑星が飛ぶ。

>>128 (宗像PC)

少年:「血を潤滑油に変える。それが能力ですから」

つまりは傷を負うのに変わりはないのだろう。

少年:「ええ、触れました。今確かに」

足を動かすと異常なほどに足がよく滑る。
急に走ると足を滑らせるかもしれない。
そして『アヴィーチー』に瓶を一本掴ませた。

少年:「ツルツルです」

背中を床につけ、仰向けになる。
そして床を蹴り、回転。
そのまま反転し少年は体中に潤滑油を纏った。

少年:「では、行きましょう」

少年が四つん這いの姿勢で床を蹴る。
大きく右側に回り込むように動く。

現在地
宗像:酒棚付近(G―17)
一抹:コーヒー棚付近(B―17)

少年:酒棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

131宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/08(木) 00:11:16
>>130

少年は、現在何か持っているか教えていただきたい。
最初に持っていたガラス片はどうなっただろうか?

132『シャープセンセーション』:2018/03/08(木) 00:31:08
>>131

テーブルをさける際に手放したらしく今は何も握っていない。

133『シャープセンセーション』:2018/03/08(木) 00:31:31
>>132

少年の両手はあいている状態である。

134宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/08(木) 00:48:51
>>132
>>133

回答感謝

>>130

「成程、概ね見立て通りの能力だったようだ」

「最初に腕を切り裂いた時、割かし平気そうな顔をしていたように見えたのが気になっていた」

ダメージがあるのなら余計な事を考える必要はない。
遠慮なく斬れると言うのもおかしいが、これで戦いに集中できるというものだ。
今度は、もう少し深く斬るべきか。

「この状態では、迂闊に走り出すと足を滑らせてしまうだろうな」

「――それでは滑らせる事にしよう」

その場で力強く床を蹴る事で、スライディングの要領で滑り込み、少年と擦れ違いたい。
擦れ違いざまに、少年の身体を『ノコギリ』で斬り裂く(破ス精BCC)。
出来れば足を狙いたいが、困難であれば腕を狙い、それも無理そうなら当たれば何処でもいい。
少年が咄嗟に避けようとした場合は、『ノコギリ』を更に伸ばしながら斬り裂く事でリーチを稼ぐ。
その際は最大の『1m』まで伸ばすつもりだ。

こちらの攻撃と同時に、恐らくは少年も何らかの攻撃を仕掛けてくるとは思うが、
今は防御よりも攻撃を優先する。
先程の攻防で向こうのパワーは把握済みだ。
武器を手にしていない状態の攻撃なら、仮に直撃を受けたとしても、
一発や二発では大きな負傷にはならないと判断した。

それでも、顔面に拳が飛んでくるというような事になれば、顔をのけぞらせることで幾らか回避はするつもりだ。
だが、大きな痛手を負うような攻撃でもない限りは、こちらの攻撃に集中する。
滑り込みが成功したなら、そのまま少年と距離を取った後で立ち上がり、体勢を立て直したい。

135一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/08(木) 01:27:10
>>130
ここまで来たら避けるも何もない。どっちが速いかの問題だ。
射程圏内に少女を収めるべく気力を振り絞り、彼女に向かってジャンプする。

「私だって宗像おじさんに君の相手を任されてる。
手足を犠牲にしようが彼の役に立ってみせるッ!」

両腕の『慈悲の刃』を最大限まで伸ばし、無事な腕と脇腹を刺す(切れ味:B相当)
そのまま根本まで突き刺してヴィジョンの拳を少女に接触させたい。
ここで悪感情の『鎮静』を発動。対処とするのは焦り、怒り、恨み、軽蔑。

「これ以上は殺してしまう。貴女が死んだら少年が悲しむ。
大人しく鍵を渡してください。私も動けませんし…」

説得を試みるが上手くいくだろうか?
こればかりは分からない。ただ、これ以上は本当に殺してしまう。
そうなれば、宗像おじさんを悲しませてしまう。

136『シャープセンセーション』:2018/03/08(木) 23:21:13
>>134 (宗像PC)

スライディング。
グリースは潤滑油だ。よく滑る。
しかし途中でズボンがなにかに引っ張られたような違和感が伝わる。
勢いの乗り切らない不完全なスライディング。
少年は体をめいいっぱい伸ばして跳んだ。
体をこちらに預けるような一撃。
足を切られグリースを撒き散らしながら少年の体が宙を舞い、顔面に衝突した。

少年:「そのグリースはただのグリースじゃありません」

「潤滑油を失ったものは誠に動きが悪い」

少年が四つん這いのままこちらを向いている。
顔に当たった衝撃で宗像はまだ体勢を立て直せていない。

>>135 (一抹PC)

痛む足で飛び込む。
右足に走る痛み。左の腹部を爆発のエネルギーとブラックホールが捉える。
内臓ごとえぐり取られるかの痛み。
だが慈悲の刃は命中。
腕を通して脇腹を貫き拳が触れる。
悪感情の沈静。しかし手応えがない。
どうやら彼らには悪感情がないのかもしれない。
親善試合、あるいは力試し。
沈静される悪意がない。

少女:「渡すってお前、無事な腕も無事じゃなくなったわ」

「帯、挟んでるから取れよ」

「この先は勝つとこねぇし」

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:コーヒー棚付近(B―16)

少年:酒棚付近(G―18)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

137宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/09(金) 00:19:59
>>136

「――してやられたな」

潤滑剤を得たものは、少年のように滑らかに動ける。
だが、潤滑剤を失ったものは俺のように動きが鈍り、動作に支障が出る。
大雑把に言うと、そういった能力のようだ。

「だが、俺の攻撃も命中している」

少年の負傷を確かめると同時に、今の一撃で自分が受けたダメージを確認する。
衝撃は強烈ではあったが、『フィア・ファクトリー』のパワーを考えれば少なくとも致命的なものではないだろう。
むしろ厄介なのは、この潤滑剤だ。

現時点で、その影響をどれだけ受けているのか。
今の状態で、どこか動かしにくい箇所はないだろうか。
それについても分かる範囲で確認しておきたい。

「つまり君も無傷ではない」

左腕に握っている酒瓶を少年に投げつける(破ス精BCC)。
少年の体勢は、すぐにも飛び掛って来れる構えだ。
それに対して、こちらは未だ体勢が崩れた状態にある。
ここで無理に体勢を立て直す事を優先すれば、その隙を狙われて更に追撃を受ける可能性が高い。
従って、ここは防御を優先する。

酒瓶を投げる事によって少年の反撃を誘い、恐らく来るであろう攻撃を『ノコギリ』の刃で受ける。
それが困難であれば、『ノコギリ』を縦にして、面積の広い部分で受ける事にする。
そして、もし可能であれば、受けた直後に少年を蹴り飛ばしたい(破ス精BCC)。
その後に改めて体勢を立て直すというのが理想的な流れだ。
もっとも、上手く事が運べばの話だが。

酒瓶の投擲後に、もし少年がすぐに仕掛けて来なかった場合、少年が動いた隙を狙って、
続けて右手の小銭を投げつける(破ス精BCC)。
やや苦し紛れの牽制だが、当たれば多少のダメージにはなるだろう。
その間に体勢を立て直したい。

138宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/09(金) 00:25:50
>>137

酒瓶および小銭を投げる際は、共に顔面を狙う。

139一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/09(金) 00:27:05
>>136
恐怖の感情が感じられない。私は足の痛みで頭がおかしくなりそうなのに。
実は本気を出してなかったとか…?

「いっったい! いっったァァ!! モツが絞られたァ!」

今に至るまで経験したことのない激痛に身悶えする。
派手な出血がないだけマシかもしれないが酷い痛みだ。

「あっ、うん、ごめんね。親善試合だったの忘れてたよ」

刃を引っ込めて帯に挟まれてるらしい鍵を探す。
鍵を奪い取るまでは気を抜けない。

「あっちはどんな状態やら…?」

商品棚を支えに方向転換した後に、宗像おじさんの様子を見る。
出来れば敵のスタンド能力も把握したい。

140『シャープセンセーション』:2018/03/09(金) 01:34:22
>>137 (宗像PC)

少年:「潤滑と滑り止め、それだけの能力。でも傷つくほどにグリースの量は増える、それだけ」

先ほどの一撃で彼の足に切り傷が増えた。
自分は顔面にグリースがついた状態だ。
鼻の骨は折れていないが顔全体がずきずきと痛む。
触れられた右足は少し滑りが悪い。スライディングなどは出来ないかもしれないが、その分立った時の姿勢は安定するだろう。
それ以外の場所は問題ない。

『アヴィーチー』が酒瓶を投げる。
不完全な体勢での投擲だがその腕力であれば威力は問題ない。
姿勢を低くして前進する少年。
潤滑油で滑る素早さ。顔面を狙った投擲の着弾地点をずらし、体の上を滑らせていく。

少年:「貴方のスタンドのパワーはすさまじい。しかし速さと精密性は人並み」

「それでノコギリを扱う能力? 違う。まだなにかあるはず」

滑っていく少年。
スライディングでのキック。ノコギリで受ける。
そして蹴り飛ばし……が、考えたことは少年も同じ。

少年:「当たらなければ……!」

受け流し。足が彼の身体の上を滑っていく。
その間に少年は曲げた足を伸ばし戻っていく。
しゃがみこんだような状態になれた。
立ち上がることも出来るだろう。

少年:「ちょっとかすちゃった……」

少女:「玄ちゃーん! 負けた!」

少年:「えー!」

>>139 (一抹PC)

少女:「うるせぇ! こっちは足にも腕にも穴開いてんだよ! 腕も骨折だし、しばらく断筆だバカ!」

帯に挟まれている鍵を見つけ、手に入れた。
これで少女は終わりだ。

少女:「脱がすなよ」

宗像の方を確認すれば敵のスライディング気味の蹴りをノコギリで受け止めていた。
少年の傷口からは何か血ではない液体があふれている。
その液体の上を滑って移動している。

少女:「玄ちゃーん! 負けた!」

少年:「えー!」

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:コーヒー棚付近(B―16)

少年:酒棚付近(F―19)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

141宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/09(金) 02:27:43
>>140

「俺の能力を披露したい所だが、些か難しい注文だ」

「確か『相手を殺してはいけない』というルールだったな」

「それを破ってしまう可能性がある」

『アヴィーチー』の『自動追尾』は殺傷力が高過ぎる上に加減が効かない。
戦いとはいえ、仮にも親善試合で持ち出すような武器ではないだろう。
よって、今の所は能力を使うつもりはない。
その必要があれば使う。
だが、少なくとも今はまだその時ではない。

「外したか。そう上手くはいかないものだ」

「しかし、悪いという訳でもない」

蹴りは命中しなかったが、距離を離す事には成功した。
ひとまず立ち上がり、体勢を立て直す。
そして、『アヴィーチー』の左腕で大きな酒瓶を一本手に取る。

「俺としては、君の機動力をどうにかする必要がある」

「そこで、多少動き辛くさせて貰う」

少年の動向に注意を払いつつ、『アヴィーチー』の蹴りを酒棚に叩き込む(破ス精BCC)。
陳列されている酒瓶を割り砕き、周辺に瓶の破片をばら撒く事が目的だ。
その状態の床を滑れば、身体に傷を作る事になるだろう。
同時に、アルコールによって多少なりともグリースの効果が低下する事を期待したい。
自分は、散乱したガラスと酒の海の中に立ち、『ノコギリ』を構える。

「――どうやら、向こうは終わったようだな」

「つまり、一対一から二対一になったという事になる」

「だが俺としては、君とは一対一で決着をつけたいと考えている」

もっとも、これは俺の個人的な意見に過ぎない。
一抹がどう思うかは彼の自由だ。
この少年にとっても、それは同様だろう。

142一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/09(金) 02:59:28
>>140
総合的に見ると傷は少女の方が深い。出血の量も半端ではない。
これをやったのが自分なのだから恐ろしい。

「えへへ、穴だらけにしてごめんね。刃の傷は痛まないから大丈夫だよ。
止血するから暴れないでね。暴れられないだろうけど」

罵倒に笑顔を返す。制服を刃で切り裂き包帯代わりにすることで少女の出血を抑える。
その間に少年の纏う液体を観察する。宗像おじさんは返事をする余裕もないだろう。

(あれはワックスっぽいな。よく分からないものに手を出すのは怖いし)

先ずは少女の罵倒から逃げるべく冷凍食品コーナーに這って行く。
手出しをするまでもなく勝ちそうな感じだが。

143『シャープセンセーション』:2018/03/10(土) 00:07:07
>>141 (宗像PC)

少年:「それは本意ではありませんね」

「ロッキー。しくじった時は強制退去をお願いしますよ」

「私も本気でやって欲しいという気持ちがあります」

酒瓶を叩き割れば周囲には瓶の欠片。
床を這うグリースでの移動は困難だ。

>>142 (一抹PC)

制服で止血を行う。
そして少年を観察。液体は非常に滑りやすいようで立ち上がろうとした少年自身転んでしまっている。

>>ALL

少年:「一対一、ですか……私もそれを望みます。ですが、貴方のパートナーがどう思うかは分かりません」

「それと、その対策はこのスタンドに有効です。ですから、手を変えます」

少年が立ち上がろうとするが、グリースで踏ん張りがきかないのか滑って転ぶ。
ため息をつき、上げた手には一枚の切符。

「『ティーンエイジドリーム』」

《次はぁ〜『イフ・6・ワズ・9』 『イフ・6・ワズ・9』〜》

スタンド音声と共に少年が纏うものがグリースからライダースジャケットとブーツ、手袋に変わる。
そして頭部はフルフェイスのヘルメットのようなヴィジョンが覆う。

「貴方のスタンドは純粋な力と速度で対抗しないといけない。あのスタンドでは足りない」

「まぁこのスタンドでもガラスの上で転べば体に刺さりますけど」

「……行きます」

ドンドンと二度胸を叩く。
心臓の鼓動が聞こえるようだ。彼の身体から出てくるリズムだ。
少年が構えた。攻撃が来るだろう。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:酒棚付近(F―19)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

144宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/10(土) 00:51:57
>>143

「本意ではない――か」

「これが真剣勝負である以上、能力を使わないのは無礼だったようだ」

「ならば、機会があれば使う事にしよう」

「そちらの能力を見せて貰った礼を兼ねてな」

だが、発動に慎重を要する事に変わりはない。
まともに当たれば、手足の一本や二本は軽く斬り飛ばしてしまう。
万が一、急所に命中したなら命を奪う事にもなりかねない。

「一抹、君に頼みがある。このまま一対一で戦わせてくれないか」

「無論、君が加勢に入ったとしても俺は文句は言わない。どうするかは君の判断に任せる」

目の前の少年に視線を向けたまま、一抹に声を掛ける。
その間、『アヴィーチー』の左腕に握っている酒瓶に力を込めておく。
瓶に軽く皹を入れる事が狙いだ。

「どうやら、また未知のスタンドを相手にしなければならないようだな」

「だが、君も俺の能力は知らない」

「その点では、お互いの条件は似たようなものだ」

そうは言ったものの、情報の面で不利なのは明らかに俺の方だ。
こちらはスタンドの基礎性能を知られている。
対して、こちらは相手のスタンドの力や速度、精度を知らない。
だが、ダメージの総量は少年の方が多いのも確かだ。
今後の動き次第では、まだ結果は分からないだろう。

左腕の酒瓶を宙に放る。
そして、その瓶めがけて『ノコギリ』を振り抜き、力任せに叩き付ける(破ス精BCC)。
空中で破片を拡散させる事で、広い範囲を攻撃したい。
何しろ、今は相手の情報が皆無な状態だ。
まずは、これで『イフ・6・ワズ・9』の性能を確かめさせて貰う。

145一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/10(土) 01:16:19
>>143
スタンドを次から次へと変える少年の能力に声も出ない。
鋸や刃のオプションが有ろうとスタンドの能力は一つだけ。
そう思っていたが少年は例外らしい。

「『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』に『フィア・ファクトリー』。
条件を満たしたスタンドに乗り換えるスタンドっぽい。
私のスタンドにも乗り換えできちゃうかな…?」

明らかに近接型らしきヴィジョンに苦笑いが隠せない。
ボロボロの自分が出て行っても絶対に勝てない相手だ。

「宗像おじさんが一対一を望むのであれば尊重しましょう。
片足は雑巾絞りにされたり、他もボロボロです」

戦闘の被害を受け流すためにスタンドは発現したまま二人を見つめる。

146『シャープセンセーション』:2018/03/10(土) 01:58:56
>>144 (宗像PC)

ノコギリザメの一撃はただの一撃ではない。
一撃で四肢を奪うことは保証付きだろう。

少年:「ふぅ……ふぅ……」

一抹に声をかけ、攻撃が始まる。
瓶に入れられたひび。ノコギリでの攻撃によって割れる。
散弾の如く舞う欠片。
それに対して動く少年。突っ込むと同時に両手を振るう。

少年:「まだまだッ!」

素早い、それでいて精密(ス精BB)
欠片を連続して返していく。
宗像に向かって破片が飛ぶ。

>>145 (一抹PC)

少女:「あれは相手のスタンドの能力知らねぇと乗り換えられねぇ」

「まぁ解体が進めばお前のスタンドにでも乗り換えられるだろうけどよ」

相手の意志を尊重し一対一の状態でいさせる。
静かに二人の闘いを見届ける。

少女:「玄ちゃんファイトー!」

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:酒棚付近(G―18)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

147宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/10(土) 02:32:00
>>146

「――速度、精度共に並以上だな」

それが分かった事は収穫だ。
だが、今は弾き返された破片に対処しなければならない。
このまま何もせずに突っ立っていれば、全身に欠片の散弾を浴びる事になる。

『アヴィーチー』の射程距離は極めて短い。
よって、今も俺の至近距離に存在しているだろう。
俺の前に『アヴィーチー』を立たせる事で、飛んでくる破片を防御したい。
スタンドである『アヴィーチー』なら、破片によるダメージを負う事はない。
もっとも、間に合えばの話だが。

可能であれば、同時に『ノコギリ』で前方を薙ぎ払い、接近する少年を牽制したい(破ス精BCC)。
それが難しいと判断したなら、両腕を交差させて防御に専念する。
恐らく、次に少年は直接攻撃を仕掛けてくるだろう。
それに対しての防御も兼ねた体勢だ。
余り気は進まないが、自らの身体で相手のパワーを計る事になるかもしれない。

だが、ただでやられるつもりはない。
仮に少年の直接攻撃を食らった場合、俺は少年の腹を蹴り飛ばすつもりだ。
もし、逆に俺の方が吹っ飛ばされたなら、その勢いを利用してタバコ方向へ移動する事を意識しておく。

148一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/10(土) 10:06:49
>>146
力強く素早い近接特化のスタンドでありながら精密動作性も高い。
理想的なスペックのスタンドだ。勿論、弱点はあるはずだが。

「『インダルジェンス』は交渉向きのスタンド。
玄ちゃんさんは欲しがるかな…?」

「宗像おじさんがスタンド能力を使ったら同じのが来ちゃうのか。
本人さえ使いたがらない恐ろしいスタンド能力が二つも…」

背筋が寒くなるifの話だ。最後の最後に使わないと不味い相手だ。
この後、『復讐』が行われるタイミング次第で勝敗が決まるだろう。

149『シャープセンセーション』:2018/03/10(土) 23:09:50
>>147 (宗像PC)

『アヴィーチー』を自身の前に立たせる。
防御態勢。ただしダメージフィードバックがある以上右腕以外へ痛みがやってくる。
上半身に刺すような痛み。
続いて少年の一撃。精密さスピード、共に人間越え。
防御をすり抜け腹部への蹴り(パC)
人並みだが勢いと当たった箇所ゆえ、息が漏れ内臓がせりあがる。
痛みを噛みしめるが蹴りには行けない。
また、吹き飛ばされるほどの威力はなく、その場から移動は出来ていない。

少年:「防御からの一撃ですか。それともノコギリですか」

また胸を叩く。
彼の身体から血のような赤い煙が上がっている。
彼の心臓の鼓動のような音が辺り一面に響いている。

>>148 (一抹PC)

少女:「交渉向き? いや、拷問向きの間違いだろ」

「痛みもなく切り刻めるんだからよ」

もしかしての出来事に背筋が凍る。
もしも同じスタンド同士で叩けば、復讐に対する復讐が行われるのだろう。
復讐の連鎖というものだ。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:酒棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

150宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/10(土) 23:25:41
>>149

スタンドである『アヴィーチー』でガラス片を遮れば、それによるダメージはないものと考えていたが、
本体に破片のダメージはあったのだろうか?

151『シャープセンセーション』:2018/03/10(土) 23:32:39
>>150

レス内でも提示したように『アヴィーチー』が本体への『ダメージフィードバック』を持っているため
破片がスタンド自身に命中し、そのダメージを本体も受けている。
『アヴィーチー』のダメージは本体のダメージである。

能力詳細(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/71)
>5.右腕以外は本体へのダメージフィードバックを持つ。
>6.右腕に本体へのダメージフィードバックはない。

スタンドは受動的透過によって物体を透過できるが
それではスタンドを通り抜けて本体に命中するため、本体をかばうことは出来ない。
そのため、スタンド自身がガラス片を受けて防いだと判定している。

152一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/11(日) 00:10:06
>>149
少し押されただけだ。まだまだ大丈夫、と思いたい。
意外にもパワーは人並みらしいが肝心の能力らしきものが分からない。

「痛みが生じた方が器用に身体をバラした時、良い感じにね…?
この刃は所詮、オマケみたいなものだから」

うっかり喋りすぎたかもしれない。能力を知られては乗り換えられてしまう。
自分以外に『インダルジェンス』を使われるのは困る。

「血煙っぽいのに心臓の音。ニチアサなら加速してますね」

冗談だが冗談で済まない気がしてきた。逆にパワーを上げるものだったら…?
あんなに心臓を酷使させたら反動も生じるはず。やはり心配だ。

153宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/11(日) 00:14:38
>>151

回答感謝

>>149

一瞬の間、呼吸が詰まった。
力は並程度とはいえ、速度と精度の合わさった一撃は強烈だ。
接近戦が不利である事は間違いないだろう。

「――今の一撃は思ったよりも効いたぞ」

「だが、こちらも君のスタンドの基礎性能を計る事が出来た」

「勝負は、まだこれからだ」

『アヴィーチー』の左腕で少年の身体を引っ掴み、酒棚に叩き付けたい(破ス精BCC)。
それが困難であれば、今の体勢から突っ込み、少年に体当たりを仕掛ける(破ス精BCC)。
いかに速く動けたとしても、これだけの至近距離にいるのであれば何処かしらに当たるだろう。
そして、膂力では勝っている分、当たったならば多少は弾き飛ばせると思う。
それによって、まず距離を取りたい。

今の攻撃で『自動追尾』の発動条件は満たされたが、まだ能力は発動しない。
重要なのは、使用するタイミングだ。
最も相応しい機を狙って使う必要がある。
まだ相手の能力も判明していない。
今しばらく機会を待つべきだろう。

あの胸を叩く動作は、先程もやっていた。
どうやら、あれは必要な動きのようだ。
そして、この煙と音についても、まだ掴めていない。
能力に関係している事は間違いないが、その能力が未知数だ。
あるいは、俺が気付いていないだけで、既に使っているのかもしれないが。

154『シャープセンセーション』:2018/03/11(日) 00:39:53
>>152 (一抹PC)

少女:「気にすんなよ」

「もうあのスタンドで最後までやるだろ。切り替える隙もねぇだろうし」

切り替えにかける時間はないだろう。

少女:「ニチアサっつーか、もう加速してるだろ」

>>153 (宗像PC)

少年:「そうですね。まだ終わりじゃないようで」

左の腕が少年を掴む。
そのまま酒棚へ叩きつけるが、インパクトの瞬間、彼の拳が肘に打ち込まれる。
肘への痛み。関節を逆に曲げられる衝撃だ。
可動に問題はないが連続で受ければそれも危うい。

少年:「……!」

しかし棚に命中した痛みはたしかに加えられた。

少年:「あー……面倒ですね」

酒棚を蹴り、少年が足を腕に絡ませる。
コアラが木にしがみつくように腕にしがみついている。

少年:「……」

少年が拳を握る。
宗像を狙って構える。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:酒棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

155宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/11(日) 01:18:30
>>154

「俺から言わせて貰えば、君の方が遥かに面倒だ」

右腕を少しだけ動かして『ノコギリ』で追撃するように見せ、次に来る少年の攻撃を右腕で防御したい。
『アヴィーチー』の右腕には、本体へのダメージフィードバックが存在しない。
その特性を利用し、右腕を一時的な盾として攻撃を防ぐのが狙いだ。
もっとも、先程やられたように防御の隙間を通り抜けて命中させられる可能性が高い。
その為に、右腕を動かす事によって少年の注意を右腕に向けさせ、右腕に攻撃が来るように誘導したい。

防ぐ事が出来たなら、思い切り左腕を振って少年を振り解き、飲料棚の方へ投げ飛ばしたい(破ス精BCC)。
あるいは、今にも殴りかかってくるような動作は見せ掛けで、
腕にしがみついた状態から関節技のように腕を損傷させる気であるとも考えられる。
もしそうであった場合は、右腕による防御ではなく、左腕を振って少年を振り解く事を最優先する。

棚に叩き付けた際のダメージは、どの程度ありそうだろうか。
それによって、『イフ・6・ワズ・9』の防御力を確かめておきたい。
また、煙と音は今も続いているだろうか。

156一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/11(日) 01:25:38
>>154
どうにも素のスピードで負けてる分だけ押されてしまう。
止めるには足を削ぐしかないが相手も分かっているので狙いにくい。
それにスピードと精密動作性が相まって器用な反撃も返ってくる。

「最近は当たり前のように加速する奴が増えましたからね。
中盤に登場した割に終盤の強敵さえ瞬殺するのもいますし…」

傍から見ると間抜けな光景だ。実際は顔面を殴られるかもしれない状態だが。
既に加速を続けているとすれば、心臓に負荷が掛かっている可能性がある。
あれほどの心臓の音に蒸気。何かしらデメリットはあるのかもしれない。

「私なら頭突きで応戦するかもしれません。
当りどころが悪いと終わりですが…」

157『シャープセンセーション』:2018/03/11(日) 02:05:18
>>155 (宗像PC)

壁に叩きつけたことで少年はダメージを受けている。
スタンドのそのものに防御力はないらしく、背中には割れた瓶のかけらがいくつも突き刺さっていた。
また心臓の鼓動も煙も出続けている。

右腕を盾にするが拳は飛ばない。
そのまま右腕を振る。
拘束がほどかれ彼の身体を宙を舞う。その時、彼の右腕が光った。

左足に熱と衝撃。焼かれたズボン。
一方少年はまともに飲料棚に叩きつけられる。
立ち上がろうとするが、片膝をつく。
煙と鼓動は聞こえない。

少年:「まだ……まだ……姉さんの分も僕がやる……」

自分を鼓舞する様に胸を叩く。
しかし鼓動と煙は起こらない。
それでも何度も胸を叩きやっとの思いで立ち上がった。

>>156 (一抹PC)

少女:「まぁ、そういうのは負担も半端ないとか効果時間が短いとかあるだろうが」

「特撮だとあんまり関係ないけど。ま、その辺はあの子の方が詳しいし……」

『アヴィーチー』が腕を振るい、少年を無理やりに投げ飛ばす。
その時だった。
少年が右の拳を突き出す。同時に右手が光を放ち、まっすぐな火を吹きだした。
まるでバーナーの如きヴィジョン。青い炎は宗像の足に打ち込まれる。

少女:「やっべぇ……」

少年は棚に叩きつけられた。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:飲料棚付近(H―19)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

158宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/11(日) 02:34:47
>>157

現在、こちらはどのような体勢なのかを教えていただきたい。

159『シャープセンセーション』:2018/03/11(日) 02:37:35
>>158

直立した状態でいる。

160一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/11(日) 03:37:25
>>157
心臓をフル稼働させて蓄えたエネルギーの放出。
予想していた火事場の馬鹿力的な強化とは違うが火力は恐ろしいものだろう。
宗像おじさんの足はどのような状態だろうか…?

「なるほど、しがみついて時間稼ぎをした後の必殺技。
私なら死んでましたね。あれを受けた宗像おじさんは歩けないでしょう」

「ですが、そろそろ宗像おじさんは能力を使うでしょうね。
かなり危険な能力だとか。足一本の傷なら手足の一本は持っていかれるかもしれない」

宗像おじさんの傷は心配だが『復讐』のスタンドが如何なるものか。
傷を負わせた相手に、それと同等以上の傷を与えるまで追跡し、自動的に攻撃し続ける。
それが『アヴィーチー』の能力。

「宗像おじさんより少年が心配です。スタンドの様子もおかしい」

あれほど宗像おじさんが使用を忌避した『アヴィーチー』の『復讐』。
『アヴィーチー』そのものが凄まじい力を得て実行するのか。
それとも異なる『何か』が復讐を代行するのか。

161宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/11(日) 04:01:38
>>159

回答感謝

>>157

「――ぐッ」

全く予想外の反撃を受け、足に苦痛を感じる。
当然、何らかの攻撃を仕掛けてくる事は予想していた。
だが、このような形で来る事を想定していた訳ではなかった。

「それが『イフ・6・ワズ・9』の能力らしいな」

まだ全貌を把握している訳ではないが、一見した所では炎を放つ能力のようだ。
炎の射程は、それ程長いものではないように思える。
そして、少年の様子から見て、恐らく連発する事は出来ないのだろう。

「そして、それは『ティーンエイジドリーム』の一部でもあるという事か」

まずは足の負傷を確認する。
恐らく走る事は出来ないだろう。
だが、少年の方も相応の傷を負っている事は事実だ。

「君は一人で複数のスタンドを扱う事が出来る」

「奇遇だな」

「実の所、俺も似たようなものだ」

たった今受けた『傷害』をスイッチに、『アヴィーチー』の能力を発動する。
スタンドの右腕が切り離されると同時に、備わっている『ノコギリ』が高速で回転を始める。
一呼吸分の間を置いた後、『遠隔自動操縦スタンド』の『ノコギリザメ』が、自らの標的を認識する。

   『 S H A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A ! ! ! ! ! 』

次の瞬間には、『復讐』に飢えた凶悪な『ノコギリザメ』が、少年めがけて突っ込んで行くだろう(破ス精ABE)。
少年が上手く対処してくれればいいが。
生命に関わるような負傷を与えそうになった場合は解除するが、それが間に合わなかった時は、
ロッキーの強制退去とやらに期待するとしよう。

更に行動する余裕があれば、残っている『アヴィーチー』の左腕で、手近な酒瓶を掴んでおきたい。
先程の蹴りと叩き付けで大半は割れてしまっているだろうが、出来るだけ原型を留めている物を手に取る。
それが出来なかった場合は、ひとまず『ノコギリザメ』の行方と少年の対応を見届ける事にする。


【『ノコギリザメ』は自動操縦であるため、以後の動きはGMに判定していただきたい】

162『シャープセンセーション』:2018/03/11(日) 23:20:57
>>160 (一抹PC)
>>161 (宗像PC)

少年:「オーバーヒートが能力……」

ズボンを焼き切り、円形のような傷跡が残っている。
動かすと痛みがあり走るのは困難だろう。

そして復讐のノコギリザメが動き出す。
臭いを感知する一拍の間の後、少年を目指して進む。
ごまかしも騙しもない。邪魔をする者はないのだ。
少年は先ほどのようなスピードを見せていない。
煙も鼓動も聞こえない。

少年:「冷却時間がある以上、逃げきれない……なら」

少年がサメに左手を差し出した。
床を這っていたサメが飛び上がり、指先から肩口まで彼の腕を切り裂いた。
抉られ、彼の腕が落ちた。

少年:「あああああああ!!!」

何度も彼が胸を叩く。
肩から鮮血を吹き出しながら煙と鼓動が噴出する。

少年:「まだ……まだだ……!」

少年が足を踏み出す。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:飲料棚付近(H―19)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

163宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/11(日) 23:34:06
>>162

攻撃を終えた『ノコギリザメ』は戻ってきただろうか。
また、左手で瓶を掴むことはできただろうか。

164『シャープセンセーション』:2018/03/11(日) 23:41:35
>>163

戻ってきているし、掴めている。

165一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/12(月) 00:08:45
>>162
想像より速く力強い『復讐』のヴィジョンに眉をひそめる。
並大抵のスタンドでは力勝負にすら持ち込めない圧倒的なパワー。

「説明から想像してた以上に恐ろしい。あんなのから逃げられるわけがない」

『復讐』を受けた少年の出血が激しい。あれは非常に不味い。
あの能力の性質上、さらに出血を強いる状態だ。

「これ以上の追撃は無いようですね。さて、どうなるか」

片腕を失ったからには身体のバランスが歪なものとなるはず。
となれば、噴炎を仕掛けてくるはずだが…?

166宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/12(月) 00:37:58
>>162

「凄惨だな。全く酷いものだ」

「――見るに耐えない」

少年の腕が斬り飛ばされる光景を見て、平常と変わらない淡々とした口調で言葉を発する。
だが、言葉とは異なり、その表情は陰りを帯びていた。
年端も行かない少年の腕を容赦なく切断したとあっては、流石に平然としてはいられない。
例え過去に殺人を犯した人間であっても、そういった感覚というものは存在している。
それこそが、まだ俺が人間である事の証でもあるのだろう。

「これでも俺は礼儀を重んじる方だ」

俺の足もそれなりに負傷しているが、少年が負った傷は誰が見ても明らかな重症だ。
今すぐに止血しなければ、このまま失血死も有り得る。
本来なら、もう戦いを終えるべきなのだろう。

「だから君の言葉を聞いて本気で戦うべきだと考え、俺自身が危険だと認識している能力を使った」

だが、一方で別の思惑もある。
戦いを中断する事は、少年に対して無礼に当たる行為なのではないかという考えだ。
俺自身が一対一で決着をつけると口にした以上、それを果たすべきなのではないか。

「そして、君に敬意を表して最後まで相手を務めさせて貰う」

よって、俺は戦いを続行する事を選択した。
それが、この誇り高い少年に対して俺が示す事の出来る最大限の礼儀というものだ。
無論、余り時間を掛ける事は出来ないが。

「――決着をつけよう」

再び『ノコギリザメ』と一体となった『アヴィーチー』を自らの前に立たせ、臨戦態勢を整える。
そして左腕を振るい、少年の足元を狙って酒瓶を投擲する(破ス精BCC)。
床に命中させて砕けさせ、その破片を足元に飛び散らせる事で、少年を牽制する。
その後で、右腕の『ノコギリ』を構え、距離を詰めてくる少年を迎撃するつもりであるように見せておきたい。
実際は攻撃の為ではなく防御の為だ。
恐らく、少年は先程の炎を使ってくるだろう。
その炎を、ダメージフィードバックのない右腕で受け止め、その直後に左の拳を叩き込む事を狙う。

167『シャープセンセーション』:2018/03/12(月) 01:21:13
>>165 (一抹PC)
>>166 (宗像PC)

少女:「ロッキー! ちゃんと見てんだろうな!」

「マジでヤバい時はちゃんと抜けさせろよ……家族死なせたらテメェを殺すぞ」

服はズタズタに切り裂かれ左の腕は床の上で血の池を作る。
息も絶え絶え。
放っておけば失血死も十分にありうる状態だ。
それでも少年は前に足を踏み出し、宗像は行動した。

少年:「同じ技を連続して出すのは……単純で簡単なことだ……」

「それが洗練された一撃でなければするべきでは、ありませんね」

「……決着を」

顔を歪ませながら走り出し、少年が跳躍する。
足元を狙った投擲は狙いの足が消えたことで床に叩きつけられ破片を散らせる。
身体を捻り、回転するように跳躍した。体中の負傷。足にも負傷がある。しかし痛みを承知で跳躍する。
回転の勢いで腕からあふれた血が飛ぶ。
その精密性で持って血は宗像の顔面に向かって飛ぶ。血の目つぶしだ。
少年の着地。
次の一撃の準備はすでにできている。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:飲料棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

168一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/12(月) 02:04:29
>>167
大量出血を逆手に取り血飛沫の嵐にするとは。
あのように追いつめられて窮地を活かす判断力。良いセンスだ。
重体と言えど手を拔けるような相手ではない。

「そっか。タブレット端末を持ってたし、こちらの様子は見えて当然。
何かあればロッキーのせいですね。全ては彼の責任となる」

さらっと全ての責任を擦りつけておく。
あのような出血の量だ。すぐにでも傷口を塞がねばならない。

「…………」

このままでは宗像おじさんは火炎を浴びる可能性が高い。
私が少年の行動を教えてあげれば、避けられるかもしれない。
だが、それは許されない。尊いものは敬わなければならないからだ。

「あれだけ暴れたからには酒瓶の欠片が落ちてるはず。
着地時に硝子を踏みつけた音を拾えているなら…!」

血の匂いを頼りに鋸を最大限に伸ばすか、身体の何処かを犠牲に凌ぐか。
心臓の音を頼るのも悪くないが相手の動きに追いつけるだろうか…?

169宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/12(月) 02:05:56
>>167

「どうやら俺にも油断があったようだ」

「君に一つ教えられた」

「最後の瞬間まで気を抜くものではないとな」

視界は封じられたが、それに関しては今更どうにもならない。
着地した音で、少年の大体の位置は掴めているだろう。
あの状態では、足音を殺して移動するのも難しい筈だ。
つまり、少年の位置は着地した音の聞こえた場所という事になる。
その方向に神経を集中させ、頭部を守る為に『ノコギリ』を構えた状態で自ら踏み込み、体当たりを仕掛ける(破ス精BCC)。

これで少年の攻撃が多少なりとも軽減出来ればいいが、余り期待はしていない。
少なくとも一撃で意識を飛ばされなければ上出来だ。
少年の身体も限界が近いだろう。
冷却時間とやらを考えても、次の攻撃が最後の一撃となる可能性が高い。
そして、その時に俺の意識がまだ残っていれば、再び能力の発動が可能となる。

170『シャープセンセーション』:2018/03/12(月) 02:21:20
>>168 (一抹PC)
>>169 (宗像PC)

少女:「オレの怪我はお前の責任だけどな?」

血の目つぶし。
しかし居場所は心臓の鼓動が告げている。
宗像の対応は体当たり。
『アヴィーチー』の金剛力であればぶつかったとしても潰れるのは相手だ。
衝突の感触。少年のうめき声。
斜めに動いて回避をしようとしたようだが負傷でかわしきれなかったらしい。
右のあばらに確実にダメージを与えている。
仰向けに倒れている。

少年:「……疲れたよ。姉さん」

身体を起こし、右の手でピストルサインを作る。
それを宗像に向けている。

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:飲料棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

171宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/12(月) 02:43:39
>>170

「自慢ではないが、俺にはユーモアのセンスが不足している」

「不都合がなければ、そのサインの意図を説明してくれると有難い」

ひとまず目にかけられた血を拭い、視界を取り戻したい。
こちらとしては身体を焼かれる覚悟をしていただけに、些かの当惑を感じる。
その反面、再び能力を使う事にならずに済みそうだという事に安堵する思いもあった。
とはいえ、正式な戦いの終了を確認するまでは気を抜かないつもりでいる。
その点に関しては、先程この少年に教わったばかりだからだ。

「傷に響いて喋るのが辛いようなら、君から話してくれても構わないが」

そう言いながら、少女の方を一瞥する。
同時に、一抹の具合も確認しておきたい。
少なくとも、少年よりは負傷は少ないだろうが。

172一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/12(月) 12:14:00
>>170
放たれない火炎とピストルサインを見やり考える。
戦闘中に聞こえた発砲音からして少年は拳銃のスタンドも使えるはずだ。
次はそれを使うのではないかと。ほんの少し不安になる。

「女の子なんだから愚痴愚痴しないの! 根性! ウッ…」

雑巾絞りにされた腹部の傷を抑えて呻く。自滅である。
あちらと違ってなんと醜いことか。悲しくなる。

(宗像おじさん。それは最初に聞こえた発砲音のスタンドを使う構えでは…?
鍵を奪うのです。奪わないと諦めてくれません)

スタンド会話で警戒を促す。大声は傷に響くからだ。
真っ黒の暗幕を展開するスタンドかもしれない。

173『シャープセンセーション』:2018/03/12(月) 23:47:35
>>171 (宗像PC)
>>172 (一抹PC)

少女:「シュートサインだよ。『ガチ』って意味だけど」

「決着付けるっつっといてそいつから目を離すってのはどういうつもりなんだ?」

「またあれ使いたいのか。流石に次やったら死ぬぞ」

一抹の様子を確認する。
腹部と足首がねじられたようになっている。

少女:「それと、聞こえてんぞ。その」

   ドジュゥ

少女:「スタンド会話」

宗像の腹に熱が広がる。

少女:「鍵、取ってくれよ」

現在地
宗像:酒棚付近(H―17)
一抹:冷凍食品棚付近(D―17)

少年:飲料棚付近(H―17)
少女:コーヒー棚付近(B―16)

174宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/13(火) 00:16:24
>>173

「――今のが本物のピストルだったら俺は死んでいたな」

「この一撃は俺自身に対する戒めとして受け取っておく事にしよう」

余りにも少年が呆気なく倒れた事に気を取られていた。
だが、今の一撃で能力の発動条件は整った。
あの状態からでは、少年に避ける術はない。

「そういえば鍵を奪うという話だったな」

腹の傷を確認する。
仮に能力を使ったとすれば、四肢の一本程度で事足りるだろうか。
慎重に歩み寄り、『アヴィーチー』の『ノコギリ』を突きつけて、少年に言葉を告げる。

「俺は君の攻撃を耐えた。だが、君はどうだろうな」

「その状態で、もう一度あれを食らえば命はない」

「鍵を渡して貰おう」

175一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/13(火) 00:23:52
>>173
当たってほしくない方向で予想が当たったらしい。
飛び道具のスタンドに切り替えたのはスタミナの限界を考慮しての判断だろう。

「大きな声を出すほど元気が無いんです。同じ体勢もつらいですし」

雑巾絞り状態の腹部を庇いつつ、寝転がるとしよう。
次の『復讐』は少年の死を招くかもしれない。
鍵を取るまで彼らは止まらない。

「シュートサインの意味。知らなかった…」

やはり、大人が子供を傷つけるのは抵抗があるのだ。
鍵を奪うために手足を徹底的に潰す自分がおかしいのだろう。

「素直に出してくれるかな」

176『シャープセンセーション』:2018/03/13(火) 00:47:06
>>174 (宗像PC)
>>175 (一抹PC)

『イフ・6・ワズ・9』の火炎。
腹に受けた傷。
火傷は深刻であり、肉の焼けた臭いが辺りに広がっている。
ノコギリザメによる復讐を行えば腕の一本は確実に持って行くだろう。

少年:「はぁ……もういいや」

少年のスタンドヴィジョンが消えた。

少年:「もういいです。余所見も余裕も、いいや……」

青い顔をして息も絶え絶えだ。

少年:「ロッキー」

ロッキー:「はいはい。そろそろ不味いですからね。鍵、渡しますよ」

少年:「うん……」

何処かから現れたロッキー。
少年の上着のポケットから鍵を取り出し、ロッキーがそれを投げる。
そして少年を抱き上げると落ちた腕を拾い、鍵でどこかに落ちていった。

少女:「終わりだな」

177宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/13(火) 00:58:28
>>176

ロッキーが投げた鍵を受け取り、『アヴィーチー』を解除する。
これで終わりか。
随分と血生臭い親善試合だった。

「ところで俺達も元の場所に戻して貰いたいが」

負傷したのは少年だけではない。
彼ほどではないにしろ、傷は軽くはない。
早めに適切な治療を受ける必要がある。

178一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/13(火) 01:10:54
>>176
飛び道具ではなく、レーザーのようなの火炎放射だったらしい。
自分だったら詰んでいたかもしれない恐ろしいスタンドだった。

「もうちょっと早く出て来て欲しかった。こちらの方も出血多量なので早く」

総合的に見ると少年並に血を垂れ流しているはず。
止血はしたが酷い傷であることに変わりはない。

「スタンド使い同士が戦うと凄いね。うん」

鍵を取り出してロッキーを待つ。
かなり無茶苦茶な戦いをしたと思う。

179『シャープセンセーション』:2018/03/13(火) 01:40:45
>>177 (宗像PC)
>>178 (一抹PC)

ロッキー:「はいはい。お待ちくださいね」

「今腕くっついたので」

床に網目状の亀裂が入る。
正方形に床が区切られ、パズルのように落ちていく。
床が抜けていき、自分たちの身体も真っ逆さまに落ちていく。

ロッキー:「はい。どうも。こちら応急処置室」

一番初めに着た場所だ。
椅子に少年が座っている。
切り捨てられた腕は接合されている。
ロッキーも同じように座り、その横には白衣を着た女性がいた。

ロッキー:「とりあえず応急処置は致しますよ。それから先は病院に行ってくださいね」

女性は手際よく傷口の処置をしていく。
しかしあくまで応急処置だ。当然このままでは生活に支障が出るだろう。

少女:「ロッキー。あれ持ってるか」

ロッキー:「ふむ。持ってますよ」

一通りの治療が終わり、ロッキーは封筒を二人に手渡す。
厚みのある封筒だ。

少女:「賞金。謝礼。迷惑料。治療費。好きなように取れ。勝ったのはお前らだしな」

180宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/13(火) 01:57:19
>>179

「腕は戻ったのか。死ななかったのなら幸いだ」

封筒を受け取ってポケットに仕舞い込む。
これが終わったら、さっさと病院に行くとしよう。
明日以降の仕事に支障が出ては困る。

「お陰で良い退屈凌ぎが出来た」

「後は出口の場所を教えて貰えれば助かる」

未だに彼らの正体は不明なままだ。
だが、彼らの正体が何者であろうと俺には関係がない。
それは、俺が何者であろうと彼らには関係がないのと同じ事だ。

181一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/13(火) 02:27:23
>>179
戦いを終えたことに安堵し、『インダルジェンス』を解除。
初のスタンドバトルとスタンドの本格的な行使は興味深い体験だった。
刃を使った加工と切断は様々な使い道があるだろう。

「も、もしや! これってお金? やったぁ!
戦闘で武器にしたアレコレを買い替えられる!」

「宗像おじさんも随分と傷が多いです。お仕事は大丈夫でしょうか?」

大人は色々な事情があるはずだ。戦いの後が面倒そうだ。
私も凝った言い訳を考えておく必要がある。

182『シャープセンセーション』:2018/03/13(火) 22:41:07
>>180 (宗像PC)
>>181 (一抹PC)

ロッキー:「お帰りは……まっすぐ歩いていけば外に出られますよ」

ロッキーはそう言った。
嘘はないだろう。闇の中を歩いていけば戻れるということだ。

少女:「もう帰んのか。ま、別になんでもいいが」

少年:「本日はありがとうございました。私たちも勉強になりました」

「この町の人間の傾向というか、一つの数字のようなものが」

椅子から立ち上がる少年。
少女と共に頭を下げた。

183宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/13(火) 23:20:09
>>182

「ああ、こちらこそ有意義な時間だった」

短い間ではあったが、目的のある時間を過ごす事が出来た。
生きる目的のない空白の時間を埋められた事が、俺にとっては金よりも大きな収穫だ。
もっとも、受け取った封筒の中身が治療代程度にでもなれば、更に有り難いが。

「――感謝する」

その場で姿勢を正し、少年と少女に対して同じように頭を下げる。
それが済んだら踵を返し、闇の奥に向かって歩いて行く。
ロッキーの言葉を信じる根拠はないが、だからといって疑う理由もない。

「一抹、君も今の状態のままで帰る訳にはいかないだろう」

「ひとまず一緒に病院へ行った方が良さそうだな」

傷は相応だが、救急車を呼ぶのも大袈裟だ。
外に出たら適当なタクシーでも捕まえるとするか。
それで近くの病院まで行くとしよう。

184一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/14(水) 00:24:24
>>182
戦った二人組にお辞儀を返し、宗像おじさんの後を追うように暗闇を突き進む。
出た場所次第だが病院行きは確定だ。タクシーを拾えると楽だが。

「お二人共、元気でね。ロッキーは、まぁ、いいや」

「正直、私達は変わり者だから参考にしない方がいいでしょうね。
二人揃ってスタンドが刃物持ちですから」

此処に集う全員がスタンド使いなのだから、探せばスタンド使いはいるのだろう。
少数派だが独りではない。それは自分にとっては細やかな救いだ。

(なし崩し的にタクシー代を宗像おじさんに…)

185『シャープセンセーション』:2018/03/14(水) 01:37:16
>>183 (宗像PC)
>>184 (一抹PC)

ロッキー:「あんまり生意気な事言うとマグマの中に移動させますよ」

少女:「うっせぇ馬鹿」

三人が二人を見送る。
目の前には闇が広がっている。
部屋の壁にぶつかるかと思われたがそんなことはなかった。
歩いていくうちに気が付けば二人はいつもの街に戻っていた。
振り返ってもそこに彼らはいない。
まるでふとした時に見た夢のようであった。
しかし二人が手にした鍵を見ればそれが夢でないという事は明らかだった。

『シャープセンセーション』→終了

宗像征爾『アヴィーチー』→『二度相当の火傷』全治一か月
                 『30万』獲得

一抹 貞世 『インダルジェンス』→『足首骨折』
                     『腹部筋断裂』全治二か月
                     『30万』獲得

186『シャープセンセーション』:2018/03/14(水) 01:38:14
宗像征爾『アヴィーチー』→『古びた鍵』獲得
一抹 貞世 『インダルジェンス』→『古びた鍵』獲得

187『シャープセンセーション』:2018/03/14(水) 01:44:03
【ミスター】ロッキーのスタンド。
本体の手中に鍵を生み出す能力。
鍵で叩くことでそこを扉とし、別の場所につなぐことが出来る。

ロッキーは常にどこかに誰かがいる感覚を持っている。
それが何かは分からないが、ロッキーはその存在を自分の持つ人型のヴィジョンと信じて疑わない。
それは幼い頃の経験からである。

『アイ・フィール・フォウ・ユー』
破壊力:? スピード:?  射程距離:∞
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?

188『シャープセンセーション』:2018/03/14(水) 01:48:15
【雅号・妖甘】少女が作った親善試合用スタンド。

本体の周囲に浮く七つの惑星のヴィジョン。
空中で移動、制止することが出来る。
制止した惑星を本体の意志で爆発させることが出来る。
爆発後、そこにはブラックホールが出来る。

『ブルー・マンデイ』
破壊力:B スピード:B  射程距離:D
持続力:C 精密動作性:E 成長性:C

【道具屋】少年の持ち出した親善試合用スタンド。

本体の手中に現れる一枚の切符。
それを使用することによってスタンドを呼び出せる。
しかし能力はスタンドの呼び出しではなく『乗り換え』である。

『ティーンエイジ・ドリーム』
破壊力:― スピード:―  射程距離:E
持続力:A 精密動作性:― 成長性:C

本体の右腕に設置される。望遠鏡を模した大砲のヴィジョン。
弾丸を用いて宇宙にいる人型スタンドを呼び出す。
人型のいる場所にゴミを打ち込むと、デブリを投げ返す。

『ヴィヴァ・ラ・ヴィダ』
破壊力:C スピード:B  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:B 成長性:D

本体の体に現れるボルトの象徴ヴィジョン。
本体の血を『グリス』に変える能力。

『フィア・ファクトリー』
破壊力:― スピード:―  射程距離:E
持続力:B 精密動作性:― 成長性:D

本体が纏う、ライダースジャケットとブーツ、ヘルメットのヴィジョン。
胸を叩くことでギアを上げることが出来る。
ギアを上げることで身体能力向上を行い、また排熱によって攻撃をすることが出来る。

『イフ・6・ワズ・9』
破壊力:C スピード:C〜B  射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B  成長性:D

189『一斤染めの夢』:2018/12/28(金) 00:31:07
一日目
千羽書房からの帰り、駅に向かっていると知らない場所に来ていた。
どうやら町のようだけれど、やはり覚えはない。
少なくとも星見町の景色では、はい。

追記
この町の人間は良過ぎる程に人がいい。

三日目
宙に浮かぶ人間を発見。
何か知っているかと思って声を出すも、接触失敗。
スタンド使いである可能性を考えて『ショットガン・レボルーション』の銃声で察知させるのも検討。

追記
今日も宿を得られた。なんの損失もなく。

四日目
銃声を発するも未だ接触ならず。
銃の音に警戒するのは当然のこととも言える。
何かほかの手段を考える必要アリ。

八日目
あの子に連絡を入れる。
外部との連絡が途絶えていないのは幸運だった。
そこに気付けなかったのは不運だったけれど。
ひとまず、脱出の手立ては得られた形だけど、この町が何なのかという謎は残り続ける。
どうしたものかしら。

190『一斤染めの夢』:2018/12/28(金) 01:01:53
>今泉PC
>ヨロズPC

気がつけばそこは知らない町だった。
路地裏に入り込んだとか、曲がり角を曲がったとか、まばたきをしたとか―――
そういう何でもない行動をした次の瞬間、自分の周りはどこか別の場所。
それが第一の発見である。
第二の発見は自分の隣に誰かがいるということだ。
今泉はヨロズをヨロズは今泉を認識出来た。
お互いに面識があるかどうかはお互いのみが知る。

―――ここがどこかはお互い知らない。

191今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/12/28(金) 01:18:40
>>190(GM)

まったくフツーじゃないことが起きちゃった。
私はどういう気持ちになったらいいのか分からなかった。
困った。んだと思う。

……それからすぐに、隣にいる人に気づいた。

「あ」

「あれ、『芽足さん』! こんにちはっ」
「今日いっしょに帰ってましたっけ?」
「帰ってないですよね?」

同じ学年の子なら名前は知ってる。
でも、なんでここにいるんだろう?

「……あれ〜っ」
「なんだか、これ、『フツーじゃない』ですねえ」

【外見】
こげ茶色のツインテールと二葉のようなアホ毛が特徴。
顔はフツー。学生服もフツー。髪留めは『〇と×』の形。

【能力詳細】
『コール・イット・ラヴ』
破壊力:C スピード:B  射程距離:C(10m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:D
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/82

【持ち物】
通学カバンに筆箱と、ティッシュとハンカチ。メモ帳。
筆箱の中はシャーペン、消しゴム、マスキングテープ、テープカッター。
(他にも入っててフツーのものは色々あるけど使わないのでナシで!)

それと、ポケットにスマホとイヤホン。

【備考】
>ヨロズPL
もし16歳で高2だったり清月生じゃなかったら訂正しますごめんなさい!

192ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/12/28(金) 01:49:52
>>190
>>191

    パチリ

「……」

『芽足萬』は周囲を見渡し、小さく首を傾げる。


「ええ、一緒に帰ってはいない、はずです『今泉さん』」ウィーン

若干不自然に思えるような、滑らかな動きで『今泉』の方を向く。


「私は『通常時は1分間に20回瞬きをする』ように設計されていますが」
「先程、1分間に『21回目』の瞬きをしましたし、ここは私に登録されている場所ではないようです」

「ええ、これは『フツーじゃない』可能性があります、ね」




・能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/218

・持ち物 小さめのショルダーバッグ
 中身『人感センサーライト』『B6サイズのスケッチブック』
 『スマートフォン』『筆記用具』『財布』

・外見
 黒髪おかっぱ。
 学生服の上に茶色のコートを羽織っている。
 右耳に白色のワイヤレスイヤホンを着用。

193『一斤染めの夢』:2018/12/28(金) 02:39:11
>>191 (今泉PC)

フツーじゃない。
人間生きていればそういうこともある。
出来ればそういうことがない方が面倒がないのだけれど。
あるいはそういうことがあった方が冒険に満ちた人生になるのだけれど。

芽足萬、それが隣にいる人物だ。
いや、隣にいるロボットだったか。

>>192 (ヨロズPC)

今泉に言葉を返す。
1分間に20回の瞬き。
いわゆる周期性まばたき、無意識の行為。
それを意識的に行うという設定。
普通の人ならば、その無意識のまばたきの回数を数えられない。
普通の人ならば、まばたきが20回より増減したことに疑問を抱けない。
だから、ヨロズの疑問は機械的というか、ロボット的なものなのかもしれない。

>>ALL

町には明るい日の光が降っている。
辺りの人通りは少なく建物も少ない。
見てみればここは位置の高い場所らしい。
山から町を眺めたような、広い町並みが遠くに見える。
一瞬、日の光が遮られる。
雲ではない。
雲のように太陽全てを覆うのではなく、一点だけ影になるような感覚。
鳥というには大きな影。
空を見上げるのか、それとも移動するのか。
会話を続けるのかも自由だ。

194今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/12/28(金) 03:39:49
>>192(ヨロズさん)
>>193(GM)

「へーっ、まばたき数えてるんですかっ!?」
「あ」「『カウントされてる』のかな」
「そこんとこどうなんです?」

ロボット、だったかな。
フツーに人間だと思うけど。
たまにロボットっぽい気はするけど。

「うーん」
「そもそもここ、どこなんだろ」
「『星見町』じゃないですよね」
「ネット繋がるかな」「地図アプリとか」

          スッ

スマホを出しておく。
芽足さんが調べるならそれでもいいかな。
ロボットだし、調べるの得意だったりするかも。

「というか、何かへんな空」
「曇りって感じじゃないし」

「なんだろ、とにかく『フツーじゃない』感じで」

疑問が、あふれかえってくる感じなんだ。

自分は空を見上げることにしてみた。
歩き出すより前に、今自分がどういう状況か知っておく。

195ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/12/29(土) 13:42:05
>>193(GM)
>>194(今泉さん)
軽く周囲を見渡す『ヨロズ』。

「高台、或いは小山、ですかね。郊外の……」

そして感じる、日を遮るモノ。

  「──!」

「ええ、『カウント』です、よ」
「それより」

『今泉』の問いに軽く答えながら、顔を上へ向けて上空を見る。

「『フツーじゃない』、いわゆる『イレギュラー』が重なった時は」
「さらに重ねて『イレギュラー』が発生するかもしれませんね」

身構えるように半歩下がりながら
一瞬だけ感じた『日陰』を作り出した要因を探す。

196『一斤染めの夢』:2018/12/29(土) 15:16:52
>>194 (今泉PC)

スマホを取出す。
電波は入っているようだ。

>>ALL

二人が空を見上げる。
太陽に重なるように一つの影。
飛行機ではない。
鳥でもない。
翼の代わりに腕を広げている。
それは人だ。
誰か空を飛んでいる人がいるのだ。

197今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/12/29(土) 15:43:15
>>195(ヨロズさん)
>>196(GM)

「へえー、やっぱりハイテクなんですねっ」
「郊外、郊外。あ〜、っぽいですね」
「都市ではなさそうっていうか」

「あっハイテク繋がりで、ネットは繋がってるみた」

「い……」「えっ、あれ人じゃ?」
「ほんと、『フツーじゃない』ですよここ」

腕を広げて飛ぶ、人。

         ズギュ

反応するように先生が『出て来る』。

人がフツーじゃないとしたら、多分スタンド使いだ。
スタンド使いなら、飛べるとしてもフツーだと思う。

「どうします芽足さん、声かけます?」
「いやそもそも、声、届くかな」「オホン」

どれくらいの高さにもよるかな。
大声が、苦手ってわけでもないし。

「危なそうなら走って逃げましょうね」

一応周りの道というか地形は見ておく。
気持ち上を見ながら周りを見回す感じかな?

198ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/12/29(土) 18:20:12
>>196(GM)
>>197(今泉さん)

「ええ、『飛んで』ます、ね」

目測でおおよその高さを把握しようとする。
声が届く範囲かどうか。
そして、『ボーダー・リーヴァー』の射程内か。

左手はバッグの中に入れて、『ボーダー・リーヴァー』を『起動』。
自分の『スマートフォン』に接続し、上を見上げたまま『操作』する。
『電波状況』の確認後、
『地図アプリ』を起動して現在位置を確認しようとする。

「そうですね」
「向こうから反応がなければ、声をかけましょうか」

『今泉』に答える。

199『一斤染めの夢』:2018/12/29(土) 22:18:54
>>197 (今泉PC)

『今泉サン、コレハ、キミョーデスネ』

現れる先生。
『コール・イット・ラヴ』の名を持つ人型のヴィジョン。
周囲には建物と木々。
建物が三割、植物が七割といったところ。
塀によって建物は囲われており、中がどうなっているのかは分からない。

>>198 (ヨロズPC)

対象の高さ。
正確には分からないが10mを少し超える。
マンションの4階くらいの高さで、声は恐らく届くだろう。
明瞭に伝わるかは発声次第だが、周りに大きな音を出すものはない。
スマホだが、電波は通じている。
ただし、地図アプリの具合は悪い。
星見駅の辺りに現在地が表示されるが、駅の傍の範囲で現在地を示す針が飛んで移動している。
そして、エラーの表示。

『今泉サン、コレハ、キミョーデスネ』

隣の今泉の傍から声がした。

>>ALL

「……」

飛んでいる人の動きが止まる。
白いワンピースの下に黒いズボンを履き、黒い髪に白いリボンを結んでいた。
あぐらをかくような体勢になってから逆さになる。
その状態でこちら側を見上げる。
位置的には見下ろされている形だ。
相手は二人の方を見ている。

「……」

攻撃などの意志はない。
ただこちらをじぃっと見つめて観察しているようだった。

200今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/12/29(土) 22:30:09
>>198(ヨロズさん)
>>199(GM)

「あっ! 先生、こんにちはっ」
「フツーじゃないですよね」「フツーじゃ」

先生はフツーに出るみたいだ。
ヨロズさんにも見えてたりするのかな。
フツーじゃない状況に巻き込まれてるし。

「芽足さん、あの子こっち見てますね」
「なんだろ」「見てるっていうか、ガン見だけど」

とにかく今は、空の人だが大事だ。

「『シンニュウシャ、ハッケン!』」
「とか、言い出したりして」

「反応っぽい反応も無いですし」
「声かけてみますねっ」

こういうのは早くするのが良いと思う。
無視されてると思われて、どっか行かれちゃう前に。

             すぅーーっ

「あのーっ、すみませ〜〜〜〜ん」
「ここに住んでる人ですか〜〜〜〜〜っ!?」

と息を吸って、大声で呼びかけてみた。
もう見つかってるんだし、危ない人なら呼ばなくても危ないし。

でももし芽足さんが何かする気で、止められたら、声は必死に飲みこむんだ。

201ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/12/30(日) 08:16:24
>>199(GM)
>>200(今泉さん)

>『今泉サン、コレハ、キミョーデスネ』

>「あっ! 先生、こんにちはっ」


「……『力』ですか」ウィーン

発現された『それ』の言葉を聞けば視線をそちらにむける。
容姿を確認すれば、すぐさま上方に意識を戻す。


「ええ、声をかけてください、今泉さん」

「今、スマートフォンで地図アプリを確認しましたが」
「私たちは座標上は星見駅近辺にいるようです」

「しかし、私たちはこの景色に見覚えは無い、ですよね」
「『何か』が起こってます」
「現状把握をしましょう」


逆さに浮かぶ人影を見上げながら会話する。

左手の『ボーダー・リーヴァー』は接続したまま待機。

202『一斤染めの夢』:2018/12/30(日) 12:12:09
>>200 (今泉PC)

「……『力』ですか」ウィーン

『コンニチハ』

『コール・イット・ラヴ』が会釈をした。
その姿はヨロズにも見えているようで先生に視線が移された。
また、地図アプリによると星見駅に座標上はいることになっているとの情報が話される。

「……」

宙に浮いた相手がこちらに何かする様子はない。

>>201 (ヨロズPC)

『コンニチハ』

声の方を向くと体にマスキングテープを巻いたような女性的な人型ヴィジョン。
自分の意志を持っているようでこちらに会釈をした。
地図アプリの情報を伝えている間も、相手は何かをする様子はない。

>>ALL

「あのーっ、すみませ〜〜〜〜ん」
「ここに住んでる人ですか〜〜〜〜〜っ!?」

叫ぶ今泉。

「違うけどー」

相手が叫び返す。
徐々に徐々に相手が近づいてくる。
ゆっくりと落下してきている。
地面に当たる前に宙返りで着地した。
まだ幼い姿をしている。

「喉いた……お姉さんたち誰?」

「ボクは……んー……まぁいいか。カレンっていうんだけど」

「何か用かな?」

203今泉『コール・イット・ラヴ』:2018/12/30(日) 14:50:23
>>201(ヨロズさん)
>>202(GM)

「力というか……先生というか」
「芽足さんにも、見えるんですねっ?」

なんとなくそんな気はした。
フツーじゃないことだけど。
周りもフツーじゃないんだから。

「どう見ても駅には見えませんもんね」
「アプリのバグとも思えないし」

「……あれ? というか、スマホ、見てなくないです?」
「あー、もしかして」「それもそういう機能ですかっ」

頭の中にスマートフォンが、搭載されてたりするのかな。
イマドキのロボットだったらそれがフツーなのかも。

「住んではないんですね! 私達もだけど」
「えーと」「私は今泉 未来っていいます」
「あ、先生も自己紹介してください!」

言わなくても、先生なら自己紹介は欠かさないけど。
とりあえずこの子、『カレン』と話してみる事にしよう。
人が珍しい、って感じの態度じゃないし、他にも人はいるのかな?

「用というか、飛んでたのが見えたので」
「なんで飛んでるのかな〜っていうのと」

「それと、ここ、どういう場所なのかな〜って!」

知らないかも、しれないと思った。
同じように迷い込んだ人なのかもしれない。

けど、空から見てたこの子は私達よりここを知ってそうだ。
こっちが来たばっかりだった教えるのは危ないかもしれない。
けど、知ったかぶりをして、大事な話を聞けないのはもっと危ない。

204ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2018/12/30(日) 22:02:34
>>202(GM)
>>203(今泉さん)

>『コンニチハ』

「ええ、こんにちは」
「あなたは『今泉さん』の『力』ですか?」

意思を持つであろう人型のヴィジョンに問いかける。

>「……あれ? というか、スマホ、見てなくないです?」
>「あー、もしかして」「それもそういう機能ですかっ」


「スマートフォンに今『接続』しているからです」
「一旦、詳細は省かせていただきます」

上を見上げながら答える。


>「喉いた……お姉さんたち誰?」

>「ボクは……んー……まぁいいか。カレンっていうんだけど」

>「何か用かな?」


「私は『芽足 萬』です」
「あなたは、何をしているのですか?」

左手を『スマートフォン』に接続したまま簡潔に問う。

205『一斤染めの夢』:2019/01/01(火) 00:02:55
>>203 (今泉PC)
>>204 (ヨロズPC)

『力。ソウデスネ。正シクハ先生デスケガ』

ヨロズの言葉にスタンドはそう答えた。

カレン:「今泉未来さんと芽足萬さん……で」

『コール・イット・ラヴ。先生カ、アイ、ト呼ンデクダサイ』

カレン:「先生って馴染みない言葉だなぁ……じゃあアイって呼ぶね」

黒い髪を指先で触りながらカレンが話す。

カレン:「一つずつ答えるよ。ここがどこか、それはボクにも分からない」

「何をしてるのかって言うと、『家族を探してる』」

複雑そうな顔だった。
目を伏せて、眉がハの字に歪む。

カレン:「タマキっていう小さい女の子なんだけど、多分ここ……このよく分からない場所と関係があるのは間違いないんだ」

206今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/01(火) 02:05:10
>>204(ヨロズさん)
>>205(GM)

「じゃあ今度、また教えてください!」
「『秘密機能』ならいいですけど」

多分、そういうスタンドなんだろうな。
今これ以上追及するのはやめておく。

「へー、タマキさんですか」
「…………」

        ニコ

「大切なっ、家族、なんですねっ」
「もし見かけたらきっと教えますよ!」
「見た目とか、教えてもらえればですけど」

それが、フツーのことだから。

「それにしても……」
「よく分からないですよね、ここ」

「上から見た感じ、どうでした?」
「『スカイモール』とかは見えない感じです?」

見えないなら本当に、星見町じゃない。
どこか『何も分からない』場所なんだろう。
教えてくれないかもだけど、味方になれる事は伝えたつもりだ。

「私たちはとりあえず、フツーにここから出たいんですけどっ!」
「あ」「出たい、ですよね。芽足さんも?」「住めば都かもしれませんけど」

207ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/01(火) 13:48:15
>>205(GM)
>>206(今泉さん)

>『コール・イット・ラヴ。先生カ、アイ、ト呼ンデクダサイ』

「『アイ』、ですか。なるほど『ラヴ』、とかけているのですね」
「……なるほど」

納得したように一人で頷く。


カレンと今泉の会話を聞きながら周辺を見渡すヨロズ。
何かを探しているようだ。

「でしたら、私と今泉さんの目的は『ここから出る』」
「そして、カレンさんの目的も合わせて『タマキさんを探す』」
「という事で如何でしょう」


「それでよければ、カレンさん」
「そこから見て『防犯カメラ』はありますか」
「あれば、『タマキさん』を探す手掛かりを見つけられるかもしれません」

上空のカレンに問う。

208『一斤染めの夢』:2019/01/01(火) 18:55:24
>>206 (今泉PC)
>>207 (ヨロズPC)

カレン;「灰色のボアコートを着てる。フードがうさぎの耳になってるやつ」

「ボクが着るには小さかったからあげたんだけど」

両手を頭の上に掲げて兎のポーズ。
それからハッとして。

カレン:「それと、多分白い本を持ってるんだ!」

ヨロズが辺りを見渡すが周囲に変化はない。
白い建物と木々が見える。
建物の中に人がいるかどうかは分からないが、生活している人は見えない。

カレン:「『スカイモール』……? あぁ、あの高い建物か。未来たちも星見町から来たの?」

「ここにはそういうのはないよ。この街は大きな島にあるんだ。下に降りるほど活気がよくなる」

カレンの話をまとめるとこうだ。
自分たちがいる場所は島である。
山の坂にに沿うように街が作られ、その多くが大きさなどに違いはあれどおおむね白い建物である。
麓に降りていくほど活気があり、降り切ると白い砂浜と青い海に着く。

カレン:「それから、これは多分なんだけど、この島は徐々に大きくなってる」

カレンは神妙な顔でそう言った。

カレン:「僕はその目的で構わないよ。ボクもこの場所から出たいけど、タマキを見つける方が先」

ヨロズの言葉にカレンが頷いた。
あくまでカレンにとっての目的はタマキを見つけることのようだ。

カレン:「申し訳ないけど、この島にそういうのはないと思う」

「見たことがないし、ここは安全を保証されているというか、人が良すぎる」

「そういうものを設置する必要がないから、ないんだ」

209今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/01(火) 22:20:30
>>207(ヨロズさん)
>>208(GM)

「みたいです。先生は、そう呼ばれるのが好きなんですって」

芽足さんのひとり言?にひそひそと反応しておく。

「じゃ、決まりですね! それで行きましょう」
「特徴は、白い本?」「それから」
「兎耳のコート、グレー色の……っと。ですね!」
「服のプレゼントだなんて、仲良しなんですねえ」

「灰色、ウサミミ……しっかり覚えとこ」

どうせ何も分からないんだ。
ついでに人助けもできるなら良い事だ。

「うん、そうですよ。星見町を歩いてたんですが」
「突然、ここに迷い込んでたんです!」

「その言い方だとカレンさん達も、星見町から……え? 島?」

星見町から来たんだろうけど。
ここは星見町じゃない……どころじゃないみたい。

「島って」「えぇっ……しかも大きく!」
「大きくなるって、生き物でもないのに」

思わずってわけじゃないけど、声が出た。
あまりにもフツーじゃないから。

「それじゃ、ただ歩いてるだけじゃ出られないですよねえ」
「海に着けばゴール、って話でもないんでしょ」「うーん……」

人が良すぎるっていうのも気になる。
イナカは人が穏やか、みたいな話なのかな。
それとも、またフツーじゃない話なのかな。

とりあえず芽足さんの質問の答えを待って、
タマキさんと出口を探すために動くのが良さそうだ。

210ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/01(火) 22:50:25
>>208(GM)
>>209(今泉さん)


「灰色のボアコート、うさぎ耳のフード、白い本」ウィーン
「……なるほど。出会えばすぐにわかりそうですね」


「『この島』の情報、ありがとうございます」
「少し情報処理します」

カレンを見ながらそう言うと少しの間沈黙する。

(情報をよく知っている)
(『タマキさん』がこの『島』と関係がある事を知っている)
(今が何日目?それとも何回目?)
(いずれにしても、『タマキさん』が、鍵)

「……なるほど」


>「みたいです。先生は、そう呼ばれるのが好きなんですって」

「そうですか」
「ちなみに、『先生』は『人探し』が得意ですか?」
「勿論、私にその様子を見せたくないのであればさせなくても結構ですが」


暗に今泉の『力』がタマキの捜索に使えるものか問う。

その後、もう一度カレンの方を向き口を開く。

「防犯カメラの件、承知しました」
「それでしたら、私には直接探すしか手段はありません」
「早速、麓へ向かってみようと思うのですが」

「その前に、お尋ねしたいのですが『タマキさん』とはぐれたのはこの島ででしょうか」
「この島の外へいらっしゃる、ということはありませんか?」

左手をバッグに入れたまま、問う。

211『一斤染めの夢』:2019/01/02(水) 05:01:44
>>209 (今泉PC)
>>210 (ヨロズPC)

カレン:「プレゼントって言ってもお下がりのお下がりだよ」

「今はまだ着れてるけど、その内女の子の服はぜーんぶタマキにあげないといけなくなっちゃくかも」

不満げに長い黒髪をいじると、白いリボンがそれに合わせて揺れた。

カレン:「アイって人探しができるのかな? 未来なら分かる? あ、本人に聞けば早いかな?」

カレンが小首を傾げた。

カレン:「島の外にはいないよ。断言出来るのは、あの子がこの島を作ったから」

「あの子の持ってる白い本はそういうものなんだ。スタンドを生み出す本」

「だからタマキを見つけて、本をなんとかしないと」

「タマキの安全はこの島で保証しちゃいけないから」

212今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/02(水) 10:54:23
>>209(ヨロズさん)
>>210(GM)

「お下がりのお下がり……そうだったんですねえ」

カレンさん、カワイイ格好が好きなのかな。
そういう趣味の親か、お姉さんがいるのかな?
そもそも男の子? 女の子? どっちでもない?
どっちにしても、今はフツーに似合いそう。

けど、あんまり深く突っ込まないどこ。
なんとなく、嫌そうに見えるし。
今じゃなくていつかの話なんだろうし。

「あは、見せるのは別に良いですけどっ」
「人探しは……得意でもないですよね、先生?」

「あ、先生と私は『物が壊れた』事と」
「……『人が怪我した』事が分かるんですけど」

「分かるのは今、ここで壊れたってことだけ、なんですよね」

タマキさんが今この場で怪我したとか、本が破れたとか、なら分かる。
けどそれが起きたって事は、あんまり良いことじゃない、と思う。

「それに、分かるのは……えーと」
「10m」「かなっ? それくらいの範囲なので」

「フツーに足で探すしかないですね!」
「もちろん、もし反応があったら言いますよ」

とりあえず、動き出すのが良いと思った。
芽足さんが言うように、山の麓の方へ行こう。

213ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/02(水) 13:05:40
>>211(GM)
>>212(今泉さん)
>カレン:「島の外にはいないよ。断言出来るのは、あの子がこの島を作ったから」

 「あの子の持ってる白い本はそういうものなんだ。スタンドを生み出す本」

 「だからタマキを見つけて、本をなんとかしないと」

 「タマキの安全はこの島で保証しちゃいけないから」

>「フツーに足で探すしかないですね!」
「もちろん、もし反応があったら言いますよ」


「承知しました」
「では、我々は早速麓に向かうとして、カレンさんは如何しましょう」

「こちらで上空から探し続けるのであれば、携帯番号など教えて頂いたほうが」
「お互いにとって良いかと思います」

『ボーダー・リーヴァー』(左手)を解除。
バッグからスマートフォンを見せる様に取り出す。

このやり取りが終わったら麓へ向かう。

214『一斤染めの夢』:2019/01/02(水) 21:17:33
>>212 (今泉PC)
>>213 (ヨロズPC)

カレン:「物が壊れた時……なぁるほど」

カレンが頷いた。

カレン:「ボクは……もうちょっと飛んでみようかな。島の広がった所をまだ確認できてないんだ」

そう言って自分の着ているワンピースのポケットに手を突っ込んだ。
ずるりと引きずり出したのはたくさんの携帯電話。
ストラップでひとまとめにされ、携帯同士がぶつかり合ってガチャガチャと音が鳴っている。

カレン:「ボク、自分の電話は持っていんだ。こういうのでいいんだよね?」

カレンが恐らくそのたくさんある携帯の内、一つの電話番号を口頭で伝えた。
これで連絡が取れるだろう。

215今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/02(水) 21:44:34
>>213(ヨロズさん)
>>214(GM)

「わーっ、コレクションしてるんですかっ!?」
「いいなあ、私もスマホ、もう一つ欲しいかも」
「片方しか使わなくなりそうだけど」

大量の携帯は、流石に驚いた顔になった。
ともかくマスキングテープで飾ったスマホを出す。
それから電話番号を聞いて、アドレス帳を増やす。

「タマキさん見つけたら電話しますね」
「近くにある物とか」「地名とか? 教えますんで」
「カレンさん、それじゃまた!」

「……さてっ」
「行きましょうか、芽足さん」
「先生は、一旦おしまいでお願いします」

カレンさんが行ったら、動き出そう。
そこは芽足さんもきっと同じ気分じゃないかな。

それととりあえず先生は解除しておくことにする。
傷ついた感覚は、先生を出してなくても分かるし。
もしかしたら、出してるせいで、目立つかもだし。

216ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/02(水) 23:38:34
>>214(GM)
>>215(今泉さん)

「ええ、ありがとうございます」

カレンから教わった番号を自分のスマートフォンに登録する。

「それではいきましょうか、今泉さん」

スマートフォンをバッグにしまい、麓へ向かう。

217『一斤染めの夢』:2019/01/04(金) 00:21:02
>>215 (今泉PC)
>>216 (ヨロズPC)

カレン:「コレクションっていうか……あはは……知らない方がいいことってあるよね」

そんなことを言って笑って、カレンがポケットに携帯を突っ込んだ。

カレン:「あ、言い忘れてた。タマキってよく寝ちゃう子なんだ。どこかで昼寝してるかもしれない」

「起こしてもいいけど気をつけて! あの子、癇癪持ちなんだ!」

カレンの傍に小さな地球儀のヴィジョンが浮かび、足が地面から離れる。
そのまま太陽に近づこうと飛び上がり、止まってから前方に進んで行った。

『ワカリマシタ。何カアレバ呼ンデクダサイネ。力ニニナレルカモシレマセンシ』

『コール・イット・ラヴ』が消える。
そして、二人は長い下り坂を降りていった。

■■■■■■

白い塀に囲まれた白い建物。
恐らく住居なのだろう。
建物が増えるにつれて人の数も増えていく。

「あら、こんにちは��」

「元気かい? あ、ビスケット食べる?」

「このパンうちの新商品なんだけど貰ってくれるかい? シキョーヒンってやつさ」

なんというか……人がすごく絡んでくる。
目が合ったら声をかけられるか、頭を下げられるのが常だ。

目の前には人だかりが見える。
塀がなくなった道は商店街のようだ。
聞き込みをしたりや商店を覗いてみるのもいいかもしれない。

218今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/04(金) 02:15:56
>>216(ヨロズさん)
>>217(GM)

「カンシャク持ち、ですって芽足さん」
「どうします?」「もし寝てる所を見つけたら」
「起こさずに運んだ方がいいのかな」
「フツーに難しいとは思いますけども」

芽足さんは人を抑えたりできるのかな。
先生はそういうの、あんまりしてくれない。

とにかく今は『商店街』だ!

「あっこんにちは」「フツーに元気です」
「もらっていいんですかっ! いただきますね」
「ビスケットも」「パンも!」

挨拶は返す。それがフツーだ。
もらえるものはもらっておく。
食べるのは今はやめておく。
お腹空いてるわけでもないし。

「にぎやかな町ですね。人が良すぎるってこれかあ」

          キョロ      キョロ

芽足さんに話しかける。
監視カメラとかはない感じらしいけど……
それ以外の『機械』とかはフツーにあるのかな?
電信柱があれば分かりやすいんだけども。
 
「あのーっ、すみません」
「ふもとの……えーっと、海の方に行きたいんですけど」

「この道、まっすぐで良いんですかねっ」

それから一応、通りがかった商店とかで軽く聞いてみよう。
あとから違いました、っていうフウになってもいやだと思う。
こっちから話しかけたらどうなるのかと、店の様子も気になるし。

219ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/04(金) 20:43:16
>>217(GM)
>>218(今泉さん)

「コレクション、ですか」

    ワガドウホウ
「確かに携帯電話はカッコいいですからね」ウィーン
「多岐にわたる仕事も正確ですし」

なぜか得意げに頷きながらタマキに関する注意事項を聞く。

「起こさずに運ぶのは私は得意ではありません」
「カレンさんを呼んだ方が良いと、私は思います」
「ともかく、行きましょうか」

『コール・イット・ラヴ』が消えるのを確認しながら坂を下っていく。


────

「いただきます」ウィーン
「ええ、良好です」シャキーン
「お気づかい感謝します」プシュー

人々に順序良く正確に対応するヨロズ。


「さて、この島が『住民が人が良すぎる』『防犯カメラが必要ない』ということは」モグモグ

「小さな女の子が一人でいたら、気にするはずですよね」
「だから、『タマキさん』の事を尋ねたら」
「『あっさり教えてもらえる』か『例外的な対応をされる』のどちらかだと思います」

住民からもらったパンを食べながら今泉に話しかける。

「ですが、そうですね。まずはいろいろ質問してみましょうか」

今泉について歩き、今泉に質問された住民の様子を伺う。

220『一斤染めの夢』:2019/01/04(金) 23:09:19
>>218 (今泉PC)
>>219 (ヨロズPC)

今泉が声をかけたのはクレープ屋だった。
白基調の綺麗な制服の店員。
即ち、ウエイターの女性が二人。
短髪の女性がテキパキと客をさばいていく。
もう片方は調理担当なのか黙々とクレープの生地を焼いていた。
今泉の言葉に答えたのは調理担当の女性だ。
相方とは対照的に長い髪をポニーテールにまとめていた。

ポニー:「いらっしゃい! ってあらら、お客さんじゃない感じかな?」

「海? うんうん、ここの坂をぐーって下りてったら海に着くよ」

「綺麗だよー今の時期ならまだ泳げるかなー」

街の中に電信柱らしきものはない。
ただ文明的な生活をしていそうではある。
一応スマホの地図アプリが起動したからそういう通信が不可能ではないのだろう。
このクレープやが営業できる程度には設備もある。

ポニー:「他になにかあるかな? お姉さんお話聞くよ」

短髪:「バッカお前、トッピングそれじゃねえバカ!」

ポニー:「え? ほんとー? あ、ホントだー。あはは」

短髪:「お前追加の生地は?」

ポニー:「もうあるんだなーこれがー……あ、これいる? どうせ出せないし」

221今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/04(金) 23:34:27
>>219(ヨロズさん)
>>220(GM)

「そうですねえ、例外っていうのは怖いですけど」
「見た感じ『フツー』の人たちに見えますし」
「どんどん聞いても良さそうですね」

芽足さんに返事して、クレープ屋さんと話す。

「あっ、お客さんでもあります!」
「ちょうどクレープ、食べたくって」

甘いものは美味しい。
フツーに好きだ。

「へぇ〜、いいですねえ」
「芽足さん、耐水性とか大丈夫ですよね?」

芽足さんに冗談を言う。
ロボジョークって感じだ。
それにしても。

「あ、そもそも私、水着持ってないやっ」

……『泳げる』?
それ、フツーじゃない気がする。
今って、冬じゃなかったっけ?
ここは日本とは気候も違うってこと?

「他だと」「えーと、『小さい女の子』見ませんでした?」
「これこれこういう見た目なんですけど……」

タマキさんの見た目を教えて、聞いてみる。
知ってたら話が早いけど、まあフツーに知らないかも。

「わ! いただいてもいいんですかっ」
「……あ」「芽足さん、これいります?」

「芽足さんがいるなら私、新しく好きな味買いますけどっ」
「私はそっちでも嬉しいんで、どっちでもどうぞ!」

クレープは貰うけど、芽足さんも欲しいかもしれない。
もし欲しそうならあげちゃって、自分の分は自分で買っちゃおう!
いらなそうとか、芽足さんこそ何か別の味が欲しそうなら、これは私が食べちゃえ。

222ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/04(金) 23:52:05
>>220(GM)
>>221(今泉さん)
>「へぇ〜、いいですねえ」
 「芽足さん、耐水性とか大丈夫ですよね?」

「ええ、勿論」
「耐水性は『我々』にとって長い間、課題ではありましたが」
「それも今や昔、です」ウィーン

回答するヨロズ。

今泉が店員と会話している間に店内に視線を走らせるヨロズ。
パソコン、或いは固定電話の様な通信機器を探しているようだ。

「クレープは、結構です。先程パンを頂きましたので」
「どうぞ、今泉さん」

「ところで、店員さん」
「あなたたちはいつからこちらにいらっしゃるのですか」

今泉の質問とは別に、ヨロズも店員に問う。

223『一斤染めの夢』:2019/01/05(土) 00:57:30
>>221 (今泉PC)
>>222 (ヨロズPC)

ポニー:「たい……すい……? 人、ん?」

そんな風に小首を傾げてから、今泉の手に向かってクレープを差し出した。
トッピング間違えで売れない品物。
リンゴのソースにシナモンパウダー。
それからちょっぴりのホイップクリームを添えた一品。
甘い香りがほのかに漂う。

ポニー:「小さい女の子……うーん、見たことあるかもだけど、見かけるところバラバラだしなぁ」

「ランちゃんなんか知ってる?」

短髪:「ん? あぁ、商店街とか海とかでたまに見かけるよな。他人の家の子か?」

ポニー:「ややや。あの子、駅から来たんじゃないの?」

短髪:「駅? お前それ本気で言ってんの? あ、いらっしゃーせー」

ポニー:「ホントホント。信じられないけど、話してるの聞いたもん。はい、イチゴとチョコソースのクレープでーす」

店内を確認するヨロズ。
壁に固定電話の受話器が掛けられているのは見える。
パソコンは見つからない。
電話での注文も受け付けているのだろう。

ポニー:「え? いつからって、いつから? 生まれた時から、だけど?」

224今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/05(土) 01:30:37
>>222(ヨロズさん)
>>223(GM)

「流石、最新鋭ですねえ」

冗談っぽく、返事しておく。

「駅? フツーじゃないんです?」
「私、この辺はあまり詳しくなくって」

ここが島なら、駅なんてある理由が分からない。
だからフツーじゃないんだろうけど、一応聞こう。

ここの出身じゃないってバレそうだけど。
まあ、それは道を聞いた時点でバレてるよね。

「それじゃあ遠慮なく!」
「ありがとうございますっ」

とりあえず、クレープを受け取って。

「いただきまーす」

        ムシャムシャ

食べてみるのだ。

味は、フツーなのかな?
においはアップルパイみたいで美味しそうだ。

「芽足さん、じゃあこのまま海行きますかっ?」

海でも見かけるみたいだし、それが良い気はする。

225ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/05(土) 13:25:41
>>223(GM)
>>224(今泉さん)

「……」

店内の固定電話を見るヨロズ。

(会話の傍受が手掛かりにならない事も無いですが……)

『ボーダー・リーヴァー』での『潜伏』を断念し、店員に向き直る。


「……『駅』、ですか」ギュインッ
「もう少し詳しく教えて頂けますか」


新しく現れた単語『駅』に反応する。
『駅』に関しての更なる情報を得ようとしている。


>「芽足さん、じゃあこのまま海行きますかっ?」

「ええ」
「このまま、特に優先すべき行き先がなければ行きましょう」

肯定する。

226『一斤染めの夢』:2019/01/05(土) 21:31:44
>>224 (今泉PC)
>>225 (ヨロズPC)

ポニー:「フツーじゃない? え? あ、外からの人なんだ。そうでしょ? たまに居るよね、そういう人。うんうん」

勝手に納得したように頷いている。
外からの人。
そう彼女は言ったがその様子は前までと変わらない。
特に驚くでもなく、特別な感情を抱く様子はなく。
物珍しいものでは無いらしい。

ポニー:「えっと、駅の話だったよね? この島には駅がないの……島だしね」

「でもね、本当はあるかもってみんな思ってる。私もあの子も、ね」

存在しない駅。
しかし、住人はその存在を信じている。
短髪のウエイターの手が一瞬止まり、視線がこちらに向けられる。
小さく頷き、ポニーテールの女性の言うことを肯定したあと、視線を外してまた仕事に戻る。

ポニー:「だからその女の子が駅から来たって話を聞いて、びっくりしちゃった。だってそれってお城から来ましたって言われてるみたいで、現実感ないなーって」

「けど本当だったら凄いよね! 皆探してるんだよ、駅。いろんな人が探して手がかりがあるのかないのかって駅から来たんだよ!?」

だんだん興奮してきた。

ポニー:「駅がある方がフツーじゃないんだよー! でもその駅から来たってすごくなーい!?」

このままだと長引くかもしれない。
切り上げて海に向かうのもいいだろう。
何か聞きたいことがあるなら聞くのもいい。
もちろん、駅についてでも。

227『一斤染めの夢』:2019/01/05(土) 21:37:13
>>226

「あ、お代はいらないよー」

クレープのことらしい。
柔らかい甘みが今泉の口の中に広がる。
あっさりとしたリンゴソースには細かく切られたリンゴの身が入っており、シャリシャリしている。
シナモンの香りと共に食欲を大きくしてくれるスパイスだ。
滑らかな口当たりのホイップクリームは主張し過ぎずクレープの味に変化をもたらしてくれていた。

228今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/05(土) 22:39:00
>>225(ヨロズさん)
>>226-227(GM)

「あ、わかりますっ?」
「私も外から来たんだと、思うんです」

外と中って関係なのかは分からないけど。
とりあえず、言って問題はないみたいだ。

「そうですね……すごいと思います」
「無いはずのものがあるなんて」
「とっても、フツーじゃなくって」

「駅なんて、あったらすぐ分かりそうですしねえ」
「誰も見つけられない駅から来た……うーん」

この人たちも、外に出たいのかな。
駅を見つけたら、私たちも帰れるのかな。

「あっ、タダでいいんですかっ!?」
「ありがとうございます! 美味しいですね〜これ」

           ムシャムシャリ

クレープはフツーに美味しい。
味覚があってよかった。

「それじゃあ、私たちはとりあえず海に行ってみますね!」
「もし後でここに戻ってきたら、またお話聞かせてくださいっ」

駅についていろいろ聞いてもいい。
手掛かりにはならなくても、噂とかを聞いてもいい。

けど、タマキさんは駅から来たんだ。
だからタマキさんを見つければ、駅についてもわかる気がする。
これで『タマキさんを探す』のと『ここから出る』のは一つになったんだ。

229ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/05(土) 23:38:14
>>226-227(GM)
>>228(今泉さん)

「……なるほど。外からの人、たまに居るのですね」

頷きながら言葉を反芻するヨロズ。

「そして、あるかもしれない『駅』」
「どうして『あるかも』と思っているのでしょう」
「無い物を『あるかも』、と」

店員に問いかける。

「今は、簡単に答えていただければ結構です」
「詳しい話はまた、後ほど伺いに来るかもしれません」

「まずは海を、見てきます」

今泉がクレープを食べ終わるのを待ちながら、
スマートフォンを開いて地図アプリを開く。
この島に来た時の位置から動いているかどうか確認しようとする。

「では、ありがとうございました」
「行きましょう、今泉さん」

海へ向かう。

230『一斤染めの夢』:2019/01/06(日) 01:45:35
>>228 (今泉PC)
>>229 (ヨロズPC)

ポニー:「?」

「だって、あるかもしれないから。というか、なんとなくだけど駅って多分どこかにあるんじゃないかって思ってる」

そういう概念らしい。
雲の向こうに天空の城があると信じている、という感覚とは違う。
本気で思っている。
フィクションの中の存在ではなく、現実の存在として駅を認めながらも、見たことは無い。
見たことがないからない、ないと言われてるからない、じゃなく、見たことがないからあるかもしれないという感覚。
いや、本当はもっと別の理由があるのかもしれないが、そういう感じだった。

ポニー:「はーい、行ってらっしゃいー!」

笑顔で手を振って見送ってくれた。
仕事の手を休めないまま、二人が見えなくなるまでり

■■■

海に着いた。
太陽が暖かい。
空気の寒さをカバーしてあまりある暖かみ。
それは不自然なものでは無いが、それでも泳ぐのに適しているかは謎だ。
海は透き通るように青い。
宝石を水に溶かしたようである。

「……」

黒く長い髪。
しかし、カレンとは違い髪には何もつけていない。
いや、というか体格から違う。
高校生くらいの体。

「……」

浜風を受けながら髪を撫でる。
白い肌。
波打ち際に立って、足首あたりまで波を受けている。
そして、特に目を引くのは彼女の右手に握られた『ショットガン』
明らかな異物。
それはスタンドなのだと質感で理解出来た。

231今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/06(日) 01:59:28
>>230

「なんだかおとぎ話みたいですねっ」

ジュブナイルっていうのかな。
この島自体がそんな感じだ。
本が作った島だから?

そして私達は海に着いた。

「うわーっ、綺麗な海ですね!」
「それに、なんだろ。あったかい」
「テレビで見た『沖縄』みたい」「あ、いや」
「どうせなら『ハワイ』の方がお得ですかね!」

などと芽足さんに冗談を言っていた。
そうしたら、知らない人がいた。
私達と同じくらいの年に見える。
なんだか、綺麗な人な気がするかな。

「……あのーっ、すみませーん」

それで、あれはスタンドだと思う。
先生を出すか迷う。
けど、出してもあんまり意味ないか。

「私達」「人、探してるんですけど」
「ここで『小さい女の子』見かけませんでしたかーっ!」

とりあえず……いきなり驚かせたら撃たれたりするかも。
駅とか、外とか、銃とかには触れず、それ以外で聞きたい事を聞く。

232ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/06(日) 13:40:28
>>230(GM)
>>231(今泉さん)

>「だって、あるかもしれないから。というか、なんとなくだけど駅って多分どこかにあるんじゃないかって思ってる」

「ふむ……そうですか」

店員の目を見据えながら、応えるヨロズ。
それ以上追求することなく、海へ向かおうとする。

道中、スマートフォンを取り出して地図アプリを起動する。
この島に来た時に示された位置から移動しているか確認しようとする。


────

「ええ、綺麗で『いい海』ですね。理想的な『海』に近い」
「冷たさや厳しさよりも、温かさや美しさが全面に現れている」

明るい様子の今泉と言葉をかわしながら
他の島が見えないか、周囲を見渡そうとするが

「……」

『ショットガン』を握った少女を確認すれば
少し腰を落とし、身構える。
右手は身体の横、指先をピンと伸ばし
左手はバッグの中でスマートフォンを持つ。

今泉の問いかけに付け加える。
「私は『ヨロズ』と申します」
「あなたのお名前を教えて頂いてもよろしいですか?」

相手の返答を待つ。

233『一斤染めの夢』:2019/01/06(日) 20:02:51
>>231 (今泉PC)
>>232 (ヨロズPC)

スマートフォンの地図アプリに表示される座標は、やはり安定しない。
星見駅の近くにいる事実だけは変わらない。
星見駅の周囲から逸脱しない程度のブレが起きている。
現在位置を表す地図はやはり瞬間移動するように飛んでは消えてを繰り返す。

■■■

「あら、何かしら」

「そゆなに身構えられるとこちらも緊張してしまうわね。それとも、どこか体の具合が悪いのかしら」

女性が振り返る。
鋭い目。
薄く笑み、落ち着いた雰囲気のある人だった。

「私は小鍛治明(こかじあきら)」

「ヨロズさんと、貴方は?」

今泉に声を投げかけた。

「それと小さい女の子……見た気もするけど。どうだったかしら、思い出す必要があるわね」

そういった所で、着信音が鳴る。
出どころは小鍛治明だ。

「……出てもいいかしら?」

234今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/06(日) 21:42:31
>>232(ヨロズさん)
>>233(GM)

銃を持ってるんだし警戒はすると思う。
けどそうだ、こっちが見えてるのは分からないんだ。

「私は今泉 未来(いまいずみ みらい)です」
「思い出すまでフツーに待ちますよ!」
「海って、ちょっと久しぶりだし」

海が久しぶり、っていうのは私が外から来たから。
この『島』なら、それはフツーじゃないと思う。
だって、こんなに街と海が近いんだから。

……電話の音。
私のじゃない。

「お電話ですか? どーぞどーぞ!」
「私は……砂の城でも作っておきますねっ」

座り込んで、砂を集め始める。
待てる、ってことが分かりやすいと思う。

「あっ、芽足さんも一緒に作ります?」
「何か別のことのがいいかな」「水遊びとか」

235ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/06(日) 23:01:07
>>233(GM)
>>234(今泉さん)

ヨロズはスマートフォンの反応に変化は無い事を知る。

「手掛かりは、まだ少ないですね」
「……タマキさんを探せば解決、するといいのですが」


───

「調子は悪くありません、ええ」
「電話、どうぞ」

注意深く『小鍛治明』を見ながら言葉を返す。

(『ボーダー・リーヴァー』で彼女のスマートフォンに『潜伏』すれば)
(今後の行動で優位には立てるかもしれない)
(通話中の隙を狙えば、高確率で成功するだろう)
(しかし、その行動が原因で明確に『敵対』する可能性も、あり得る)

結局、そのままの体勢で彼女を見ていたが──

「ええ、砂の城、作りましょうか」

スマートフォンをバッグにしまい、左手をフリーに。
顔を小鍛冶に向けたまま腰を落として、左手で砂を集める。
その動きは人間としては少しだけ不自然で、何となくロボットぽかったかもしれない

236『一斤染めの夢』:2019/01/07(月) 00:01:24
>>234 (今泉PC)
>>235 (ヨロズPC)

「そう、申し訳ないわね」

「……そ。貴方たちはそういう人なのね。いい事よ。親切も警戒も」

そう言って通話を開始する。
依然、右手にはショットガン。
何を思っているのかは分からない。
ただ、解除はされなかったという事実がある。

「もしもし、ええ、相も変わらず変な島よ」

「それにしても昨日はごめんなさいね、急に電話をしてしまって」

「ふふ、声が聞きたかったからなんていうのは、もっと親しい女の子に言ってあげなさいな」

にこやかな雰囲気だ。
リラックスしている。

「ええ、来て欲しいのよ。正直困ってるわ。もう九日目だし」

「円山さん? ……そう、分かったわ」

通話終了。

「……ごめんなさいね、お待たせして」

「ええっと女の子の話よね?」

「何度か見た事があるわ。街中を駆け回ったり、どこかで昼寝をしていたりしてたから印象に残ってるわ」

「ええっと海小屋のあたりかしら……案内するわ」

237今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/07(月) 00:28:44
>>235(ヨロズさん)
>>236(GM)

「そこもうちょっと砂盛りません?」
「屋根の形を整えたいというか」
 
       バサバサ

砂の形を整えてたら、電話が切れた。

「……あ、お電話終わりましたっ?」

九日目。
私達よりずっと長い。
でも、それだけ長い事生きてるんだ。
汚れてたり、突かれてたり、充電切れてたりもしない。

「いえいえ、大丈夫ですよ」
「友達との電話ってフツーに大事ですし」

「それで、そう、女の子なんです」

知らないかも、と思ってたけど。

「えっ!? ほんとですか! 是非案内お願いします」

「見つかると良いんですけど」
「他に手掛かりも、少ないですしねえ」
「海小屋でかき氷でも食べてたらいいな、タマキさん」

芽足さんに声を掛けつつ、小鍜治さんに着いていく。
海小屋もあるんだ。ビーチボールとか売ってないかな? そんな場合でもないか。

238ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/08(火) 00:42:39
>>236(GM)
>>237(今泉さん)

「こんな、感じでしょうか」

砂の城を見ずに作りながら(勿論あまり出来は良くない)
小鍛冶の言葉を聞きとる。

通話が終われば、今度は今泉と小鍛冶のやり取りを無言で聞く。


「……案内していただけるのであれば、助かります」

話を聞き終えれば、小さく頷いて同行する。

239『一斤染めの夢』:2019/01/08(火) 03:23:13
>>237 (今泉PC)
>>238 (ヨロズPC)

砂の城の建設。
通常の城では考えられないスパンでの建築は小さなサイズと砂浜という材料が潤沢である環境あってこそだ。

「思うのだけれど、普通はこの時期にも海小屋ってやっているものなのかしらね」

「シーズンオフですもの、人が来ないからやらないのが普通じゃなくて?」

「……ここで普通ということが通じるのかは知らないけど」

手の中からショットガンが消える。
波打ち際の方まで小鍛治が歩いていく。
裸足のまま二人に近づき、方向転換。
向かう先には木造の建物があった。
あれが海小屋なのだろう。
隣には寂れたレンガ造りの建物だ。

「いるといいわね」

240今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/08(火) 03:41:50
>>238
>>239

「どうなんでしょうね」「開いてたらいいなあ」
「町の人が、海開きしてるみたいに言ってましたし」

              ざっ…
 
        ざっ…

「ここはフツーじゃなさそうですし」

スニーカーで砂浜を歩いていく。
帰ったらちゃんと洗わないとだ。

「あ、お城はこのままにしときましょう!」
「良い感じになりましたねえ」

砂の城を背にして、海小屋へ。
あれは壊れたら先生でも直せなさそうだ。
壊れるまでが砂の城、なのかもしれないけど。

「ここですか〜。フツーの海小屋ですね」
「横は……物置とかかな」

「それじゃ、行きますか芽足さんっ」
「小鍜治さん、案内ありがとうございました!」

とりあえず海小屋の様子を見てみる。
何か売ってても、タマキさんがいるか見てからかな。

何も無さそうなら、横の建物も見る事になるかも?

241ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/09(水) 00:00:20
>>239(GM)
>>240(今泉さん)

『警戒』を緩めるヨロズ。
小さく息を吐き、手に着いた砂を払い、言葉を発する。

「さあ、どうでしょう、か」
「暖かくて綺麗な水場があると」
「何故か『人間』は泳ぎたくなるらしい、ですし」ギュインッ

上半身をぶらさずに真っ直ぐに立ち上がって見せると
『ショットガン』が『消えた』事もあってか、
少しリラックスした様子で言う。

「案内、感謝します」
「あなたの目的が何かは知りませんが」
「双方にとっていい結果が待っている事を望みます」

そう言いながら見据えた先には木造の海小屋とレンガ造りの建物。
カレンの探し人は、そして今泉とヨロズの帰還方法は
この先で待っているのだろうか。

242『一斤染めの夢』:2019/01/10(木) 00:16:55
>>240 (今泉PC)
>>241 (ヨロズPC)

「一応海小屋もやってるみたいよ」

「海の水は暖かかったし……さむさとはふつりあいなほどに」

海小屋は営業中らしい。
砂の城を背にし、歩き出す。
形あるものはいつか崩れる。
先生は傷つくものを認識できても、天珠を全うするものは分からない。
もしかしたら、崩れる砂の城は破壊ではなく、ひとつの終着なのかもしれない。

「私の目的? ここから出ることよ。もう出る方法というか目処のようなものもたってきてるし」

「それじゃあ頑張ってね」

海小屋の窓から中をのぞくと、カウンターの中に店員らしき男性。
扉の前には休憩中の看板が立っている。
レンガの建物の方は高い位置に窓があってのぞけそうにない。
どちらの扉も鍵はかかってなさそうだ。

243今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/10(木) 01:06:26
>>241(ヨロズさん)
>>242(GM)

「あは、芽足さん『人間』に詳しいですねっ」
「確かに、泳ぎたくなってきたかも」

芽足さんに冗談言ってたら、海小屋は開いてた。
それに……レンガの建物も。

「とりあえず、行ってみましょうか!」

「手分けとかします?」「うーん、でも」
「フツーに一緒に行った方が安全かな」
「タマキさんが暴れ出した場合とかに」

建物が二つでこっちは二人。
先生も入れたら、三人だけど。
でも、わざわざ分かれる事も無いよね。

「海小屋は店員さんしかいない、ですねえ」

窓から見た感じ海小屋にはいなさそうだ。
それなら、後で良いんじゃないかな。
先に店員さんに話を聞くのはアリかもしれないけど。

「それにしても……」「『出る方法』、ですか」

小鍛治さんの言ってる事も気になる。
あとで聞いてみたいけど、教えてくれるかな。

「タマキさんを見つけたら、私達もきっと分かりますよねっ!」

そういうわけで、芽足さんが止めないならレンガの建物に近付く。
そしてほんの少しだけドアを開けて、中の様子を見てみる。

「……お邪魔しまーす」

                 ソロォォ〜〜〜〜〜・・・

244ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/10(木) 23:15:09
>>242(GM)
>>243(今泉さん)

>「私の目的? ここから出ることよ。もう出る方法というか目処のようなものもたってきてるし」

「……そう、ですか」
「私も脱出は望んでいますが、その前にやる事がありますので」

淡々と告げ、小鍛冶と別れる。


「ええ、詳しいですよ」

「『人間』と良い関係を築くことは」
 ロボット
「 我々 にとってとても重要なことですから」

今泉の言葉に答えながら、建物へと進んでいく。

「出る方法とタマキさんを探すことは『繋がっている』と考えます」
「ただ、そうでなくとも、私はタマキさんを、カレンさんの元に連れ戻します」
「そう、したいので」

手についた砂を払い
真っ直ぐに建造物を見ながら、告げるヨロズ。


「そう、ですね」
「二人で行動し続けた方が、良いと思います」
 ・・・・
「少しだけですが、私にも『物理的制圧力』がありますので」
「一緒に居た方が、安心かと」

両腕を指先までピンと伸ばしながら
今泉の背後から、煉瓦の建物の中をのぞこうとする。

245『一斤染めの夢』:2019/01/11(金) 01:44:18
>>243 (今泉PC)
>>244 (ヨロズPC)

「そう、私にはその子たちのことは分からないけど」

「大切なことね」

「頑張ってね、お嬢さんとロボットさん」

そう言って小鍛治明は笑った。

レンガの建物に鍵はかかっていない。
ゆっくりと開く扉。
太陽が窓から光を投げ込んでいる。
整備されていない内部。
奥にはたくさんの木箱が積まれて、いくつかの山が出来ていた。
その一つの中に誰か乗っている人がいた。
それはカレンの言っていたタマキの特徴に合致していた。

?:「……」

木箱の上で横になり、体を丸めて寝ているらしい。

246今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/11(金) 02:06:04
>>244(ヨロズさん)
>>245(GM)

「ええ、頑張ってみます」「それじゃあまたっ」

小鍛治さんに別れを告げた。
帰りに会うかもしれないけど。

「私達も良い関係を築きましょうね」
「明日お弁当一緒に食べません?」

今までそこまで仲良しでもなかった。
けど、こういうのはいい機会なのかも。
明日帰れてるのは、信じたいことだ。

「あはっ」「私も、そう思いますよ」
「困ってる人を助けたいのは、フツーですもんね」
「人間でも、ロボットでも……ねっ」

そして……私はドアの中を覗く。

「……私も先生も『制圧』とかは苦手ですので」
「あ、私が叩いたり蹴ったりは出来るけど」

先生は、まだ出さなくっていい。

「芽足さん、いざという時はお願いします」「……あっ」

『修理』はいくらでもする。
それが先生の能力だから、フツーだけど。

「……!」

        しーっ

口元に手を当てて、静かにのサイン。
あれ、どう見てもタマキさんだよね。
寝てる。起こしたらまずいんだよね。

「……どうします、芽足さん」
「とりあえず、『カレンさん』呼びます?」

自分達で起こすのは、ちょっと不安だ。
スマートフォンを出す。ついでにマナーモードにしておく。

247ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/13(日) 01:24:56
>>245(GM)
>>246(今泉さん)

「ええ、フツーです」
「それでも、『困っている人を助けたいのはフツー』と」
「言える貴方を、私は好ましく思います」

小さな笑みを今泉に向けて応える。


「……」

そして建物の中に、『タマキさん』は居た。
聞いていた特徴とは合致しているが、
『白い本』を持っているか確認する為に凝視する。

「そうですね、カレンさんを呼んでみましょうか」

小さな声で答えると、建物の中を見ながら三歩後退し、
スマートフォンを取り出して、カレンに電話をかける。

248『一斤染めの夢』:2019/01/13(日) 02:35:39
>>246 (今泉PC)
>>247 (ヨロズPC)

普通。
それを通すのは普通でありながら時に難しい。

タマキ:「……んん、カレン……」

箱の上で寝返りを打つ。
落ちそうになるが、ギリギリのところで持ちこたえている。
服の一部が膨らんでいる。
上着の中に本を入れているらしい。
本の形が浮き上がっている。

カレン:「はいはーい。タマキ見つかった? 今どこ? すぐ行くよ」

249<削除>:<削除>
<削除>

250今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/13(日) 03:17:20
>>247(ヨロズさん)
>>248(GM)

「あはは、そうですかねえ」

「でも」

だって私は、フツーにしてるだけだから。
それがフツーだと思うから、それをするんだ。

「芽足さんがそう言ってくれるなら」
「それは」「うんっ」「フツーに嬉しいですねっ!」

フツーの事をして、みんなと、フツーに楽しく生きるんだ。

「……あはっ」

嬉しいって気持ちで、絶対間違いない。

「外で『合図』とかしてた方がいいんですかね」
「お〜〜い、って大きく手を振るとかかな」

カレンさんへの電話は芽足さんに任せて、
私はタマキさんの様子を見ておくことにする。

「カレンさんが空から見やすいように……あ」

そしたら。落ちかけてるし。

「そんな場合じゃ、なさそうですねこれ!」

タマキさん……落ちたら流石に大変な事になるよね?
私もベッドから落ちて起きたら痛くて、多分嫌な気持ちだと思うし。

「先生、タマキさんが今にも落ちて怪我しそうなんですけど」
「落ちそうになったら支えてあげる、とか出来ますかっ!?」

どうせ危ないなら先生に出てもらっておく。
能力とは関係ないけど、お願い出来たりしないかな。

あと、もちろん声は抑えてるし、それが原因で起きたりはしないようにする。

251ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/13(日) 21:53:48
>>248(GM)
>>250(今泉さん)

>カレン:「はいはーい。タマキ見つかった? 今どこ? すぐ行くよ」


「海小屋の隣にあるレンガ造りの建物です」
「お願い、します。これで解りますか?」

短く答えながら、今度は前方に足を進める。

「この距離では、無理です」
「直接、受け止めるしかありません」


マイクから口を離すと、スマートフォンを渡しながら今泉に小声で告げる。

「近づきます」

足音に注意はしながらも速足でタマキさんに近づく。
なにかあればすぐに、『ボーダー・リーヴァー』を『起動』出来るよう、
右手を前に突き出しながら。

252『一斤染めの夢』:2019/01/14(月) 00:54:56
>>250 (今泉PC)
>>251 (ヨロズPC)

カレン:「オッケー。ジェット機ぐらいのスピードで向かう」

電話口から風を切る音が強くなって伝わる。
そして速足で近づくヨロズ。

『コレハ……』

現れる『コール・イット・ラヴ』

『私モ、行キマショウ』

先生は先生だ。
生徒の頼みを無下にはしない。
本体であろうとなかろうと、先生は優しい。
タマキとヨロズの距離が約1mといったところで、彼女の体が傾いた。
落ちる。
高すぎることはないが、それでも落ちることに変わりはない。

253今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/14(月) 13:47:58
>>119(ヨロズさん)
>>120(GM)

「先生流石っ! 戻ったらすぐ宿題やります!」
「あと予習と復習も」「国語も後回しにしないし」

先生は自分で動いて治すことが能力。
私が勝手に動かしたり、そういうのは出来ない。
でも『先生』として必要なお願いは聞いてくれる。
分かってはいたけど、ありがたいと思った。

「この距離からじゃそれこそ……」
「私が割って入っても邪魔になりますよねえ」

「芽足さん、先生っ、お願いします……!」

先生は速くて、きれいな動きをする。
きっとタマキさんを優しく受け止めてくれる。

「私は」

じゃあ、私は何をするの?ってことになる。
フツーに考えて何もしないのはありえない。

「外にいます」

でも、『何も出来ない』なら無理にやる事はない。
走っても投げても叫んでもフツーに意味がない。
外に出て、扉を手で押さえ開けっぱなしにしておく。

「先生は私が見てなくても、先生ですけどっ」
「私が寝ちゃったりしたら帰っちゃいますもんね!」

タマキさんの寝起きがどんなものかは知らない。
けど、いきなり『攻撃』してくるかもしれない。
その攻撃は『眠らせる』ようなものかもしれない。

先生だけなら……きっと、避けられると思う。
けど私がそれに当たって気絶したら先生は消える。
だから二人にお任せして、外にいるのが正解だ。
もちろん10mを超えちゃいそうならやめておく。
その場合、建物の中からドアを開きっぱなしにする。

254ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/16(水) 01:09:51
>>250
>>251
「この距離ならばなんとかなる、ですかね」
「『先生』、よろしくお願いします」

「『ボーダー・リーヴァー』」
パカァッ
ドバシュゥッ

ヨロズの右人差し指が真っ二つに割れ、中からコードが射出される。
狙うはタマキの衣服。

「『巻き取り』」

無事に刺さったのであれば、巻き取りながら右腕を引く。

「私では、優しく受け止められないかもしれませんので」

コードで引っ張って、タマキを導く先は『先生』だ。

255『一斤染めの夢』:2019/01/16(水) 04:34:40
>>253 (今泉PC)

『イイ心ガケデスヨ。ユックリナラ、国語モ問題ナク、解ケルハズデス』

今泉はヨロズと先生に対応を任せて扉へと向かう。
扉に手がかかり、それを開いた瞬間。

カレン:「よっ……と」

何かが外から降ってきた。
砂浜の砂が少し浮き上がり、扉の向こうにカレンがいた。

>>254 (ヨロズPC)

『承知シマシタ』

『ボーダー・リーヴァー』が伸びる。
素早く精密なそれはタマキの服に刺さり、巻き取りを開始する。
引っ張られるように動くタマキを『コール・イット・ラヴ』が受け止めた。
どちらも人間離れした挙動が可能であったが故に、タマキの落下は驚くほど安全に実行された。

>>ALL

カレン:「タマキ……! やっと会えた……!」

思わずカレンの顔から笑みが零れた。
嬉しそうに『コール・イット・ラヴ』に抱かれたタマキに駆け寄る。

タマキ:「……ん」

ゆっくりとタマキの目が開く。
それと同時に扉の前に人影が現れる。
今泉にはそれが誰だか分かった。

「……」

小鍛治明だ。
近くには和服を着た少年と、作務衣の女性がいる。
その二人は今泉たちの記憶にはない人物である。

256今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/16(水) 22:37:26
>>254(ヨロズさん)
>>255(GM)

「わぁーっすごいですっ、芽足さん、先生!」
「約束はフツーにちゃんと守ります」
「今日は国語からやります!」「ほんと、ですよ」

先生たちが頑張ってくれた。
それに、ちょうどカレンさんも来たみたいだ。

「……カレンさんっ」

感動の再会、ってやつなんだろうな。
私のことじゃないけど、きっと私も感動だ。

「いや〜、よかったですねえ」
「お二人が再会できて」

それを扉の前で見守っていたら、人が来た。
小鍛治さん……と、誰だろう? 外の知り合い?
それとも、この町に住んでる人? 謎だ。
ドアの傍に戻って、話しかけてみることにする。

「えーっと、はじめまして」
「ですよねっ」「小鍛治さん以外のお二人は!」

3人の目当てはタマキさんの本、なのかな。
それともこの建物自体に何か用があるのかな。

「小鍛治さん、案内ありがとうございました」
「おかげで探してた人が見つかりましたよ〜」

「それで」
「みなさんもこの建物に用事ですか?」

乱暴な人たちじゃないとは思う。
小鍛治さんが、そういう感じに見えないし。

けど一応気はつけておこうと思った。
もしもの事があったら、一番近くにいるのは私だ。

257ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/18(金) 00:04:38
>>255(GM)
>>256(今泉さん)

「先生、ご協力感謝します」

カレンを『先生』が無事にキャッチしたのを見届ければ
『ボーダー・リーヴァー』を解除して、入口の方へ振り返る。

カレンが到着すれば、再会の様子を笑顔で見ていたが

     ギュインッ

入口に人影が見えれば表情を戻し、
部屋内と、各々の様子を一瞥する。

タマキの場所を知っていた彼女が
このタイミングで来るということは──

「ひょっとして、あなたはカレンさんを探していたのですか」
「『小鍛冶』さん」

問う。

258『一斤染めの夢』:2019/01/18(金) 00:51:14
>>256 (今泉PC)

カレン:「ホントによかった。ありがとう」

弾んだ声が返ってくる。

少年:「鈴元涼ぉ言いますぅ」

作務衣:「鈴元家お手伝い、円山です」

そういう円山の手には線の繋がれていない黒電話。
それが彼女の右手の上に乗っていた。
攻撃的な雰囲気は三人にはない。

>>257 (ヨロズPC)

『ドウイタシマシテ』

『コール・イット・ラヴ』が小さく頭を下げた。

タマキ:「カレ……ン……」

カレン:「ボクだよタマキ。探したよ、とっても探したんだ」

徐々に意識が覚醒していくタマキ。
カレンはそれに対して笑みを浮かべて話しかけている。

明:「そうね、そこの子を探してたの。ここに迷い込んで、最初に見つけたスタンド使いよ。何か知ってるのかと思ってね」

「……もし私が何か良くないことを企んでるのだと思っているのなら、大間違いよ」

259『一斤染めの夢』:2019/01/18(金) 01:05:22
>>ALL

カレン:「タマキ、一緒に帰ろう」

タマキ:「……なの」

カレン:「え?」

タマキ:「嫌、なの……!」

その言葉にカレンはショックを受けたようだった。
静止、その表現が正しいリアクション。
言葉の意味が理解できないという感じで、だけどどこかそれに納得しているようでもあった。

タマキ:「カレンはまた、私を駅に連れて行くのだわ」

カレン:「な、なに言って……そんな……」

タマキ:「神様に誓えないのだわ。カレンは絶対に、絶対に……!」

するりとタマキが『コール・イット・ラヴ』の腕からするりと抜ける。
着地の勢いで服の間からずり落ちてきた本を掴む。
真っ白い白紙の本。
そこに『Sleeping On The Sidewalk』の文字が浮かぶ。

タマキ:「私は駅になんか行かないのだわ! 私はどこにも行かない! こんな島だって……こんな島にだって……ホントは……!」

空間が歪む。
CGを被せたように倉庫内の風景と何か別の風景が混ざり合っている。
倉庫内から別の建物内に変化し、また元に戻る。
ぐにゃりと倉庫の壁が歪み、そこから別の何かが見えた。
大きな看板だ。
そこに書かれた文字は―――星見駅

タマキ:「嫌! 嫌! 嫌!」

倉庫の壁に向かってタマキが走り出す。
変化していく空間。
今泉の側に存在するはずの扉が見える。
世界そのものが歪んでいる。

260今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/18(金) 02:50:54
>>259(GM)

質問その①
私の側にあるはずの『扉』はなくなっているんでしょうか?
もしくは、見えなくなっているのでしょうか?
それとも、見えているけど、別の壁にも出ているのでしょうか?

質問その②
タマキさんが走っていく先の壁に『扉』が出てきたんでしょうか?

261『一斤染めの夢』:2019/01/18(金) 15:57:19
>>260


今泉PC側の扉はタマキ側にあった壁に変化しつつある。


その認識で正しい。

262今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/18(金) 20:51:59
>>257(ヨロズさん)
>>258-259(GM)

「きっとっ」

「お話を、しないといけないんだと思うんです」
「カレンさんと」「タマキさんと」
「何かあったなら、スタンドとか抜きで、フツーに」

「だから……」

せっかくここまでやってきた事なんだ。
それをなかったことにしちゃ、いけないんだ。

         ギャリリ
            リ

               ガリリリッ!!

ドアに立てた(>>256メール欄)爪を振り下ろす。

「先生、タマキさんを止めてください!」

タマキさんが走っていくところにドアが出る……
それなら、それを『傷がついた』ドアにすればいい。
小さくて浅い傷しかつけられないかもしれない。
それでいい。傷さえつけば、『補修』される。
口でお願いするより早く、先生が向かってくれる。
人間よりずっと速く、先生がタマキさんの行く先に行く。

もしこれで爪が割れたって、あとで治せばいい。
だって先生の能力は、元通りフツーに治す事なんだから。

263ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/19(土) 22:52:49
>>258-259(GM)
>>262(今泉さん)

一連の状況を見て、思案するヨロズ。

「……」

小鍛冶、鈴元、円山は、自分たちと同じように
ここから脱出しようとしている者らしい。
──彼らの言葉を信じるのであれば、だが。


逃げまどうタマキを見て思案するヨロズ。

「……」

先程、タマキの衣服に『接続』した。
つまり、衣服から数秒間ならば
ヴィジョンを出して取り押さえる事も出来るだろう。
──だが今泉は「フツー」に話し合うべきだという。


      ロボット
「やはり、『 私  』は心の機微に鈍いようです」
    
「……『私』に出来ることは、皆さんを」
「小鍛冶さんたちを」
「カレンさんとタマキさんを」

「何より、今泉さんを」

右手を下ろし、そう呟いて

「信じる事だけのようです」

事の成り行きを見守った。

264『一斤染めの夢』:2019/01/20(日) 00:20:46
>>262 (今泉PC)
>>263 (ヨロズPC)

ヨロズは静観を選んだ。
間違いではない。
ロボットが心の機微に鈍いと感じるのならば、それは正しい選択なのだろう。
しかし、この場で取り押さえるという行動をとらなかったこと、他の人を信じるという道を歩んだこと。
それは一つの見方において、優しさと捉えることも出来るものだ。
よしんば鈍くとも、ヨロズは優しい選択をできたのかもしれない。

今泉は行動を選んだ。
間違いではない。
先生のことを今泉は理解している。
壁に出来た傷、爪は……大丈夫、割れていない。
二つの扉が一つに統合され、タマキの前のものだけが残る。
しかし、それは傷つけられた扉。

『今泉サン、イケマセンヨ。爪ニモ、環境ニモ、ヨクアリマセン』

瞬間移動したように先生が扉の近くに現れ、マスキングテープを張る。
それで修復は開始される。

タマキ:「え……」

思わぬ移動にタマキが立ち止まり……いや、ブレーキをかけ損ない尻餅をついた。

タマキ:「コ、『コメトス』!」

カレン:「止めてタマキ!」

タマキの傍に人型のヴィジョンが立つが、動かない。

カレン:「大丈夫……大丈夫……ちょっと寝起きで混乱してるんだよね? 大丈夫だから……」

また、倉庫内の空間が歪む。
ゆっくりと上昇していく感覚がある。
エレベーターの中にいるようだ。
しかし、空間はエレベーターではなく、寂れたホテルの一室のように変化していく。

明:「……これは、整理が必要、かしら」

265今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/20(日) 00:42:21
>>263(ヨロズさん)
>>264(GM)

「いててっ」
「タマキさんごめんなさい、先生が道塞いじゃって」

爪は割れなかったみたいだ。
痛いのは嫌だし、よかった。

私も、フツーに人間だけど。
こころとか、フツーにしか……わかんないけど。
それでも、これはきっとフツーで、おかしなことじゃない。

「先生も、ごめんなさい。これしか思いつかなくって」
「それなら、こうするのがフツーかなって」

タマキさんの『コメトス』を見る。
先生は戦うのは得意じゃない。
殴るための手じゃない。蹴るための脚じゃない。

「わっ、これ」「『エレベーター』!」「じゃなくてっ」
「ホテル……うーん、ますますフツーじゃないですねえ」

「窓の外は海なのかな」

けど、戦うことにはならなかった。
けど……話すにもなんだかフツーじゃない。

窓があったら外を見てみよう。

「えーと」「これ、誰かのスタンド能力ですか?」
「私と芽足さん、あとカレンさんは違いますよねっ?」

「それとも」「……この町だとフツーの事だったりします?」

少し前からこの町にいる小鍛治さんに話を振ってみる。
状況を整理をするためにも、話の中心になってもらいたいのもある。
カレンさんとタマキさんは、まだちょっと落ち着く必要がありそうだし。

266ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/20(日) 22:42:57
>>264(GM)
>>265(今泉さん)

「……」

上昇の感覚。
周囲の空間の変化。
これは『コメトス』の能力によるものなのだろうか。

ともかく、ヨロズはカレンがタマキを
『フツー』になだめられる事に賭けている。
強引に取り押さえたり、言いくるめたりするつもりは無い。

だが、それでもただ成り行きに任せるだけというつもりも無かった。

「整理とは何でしょう、小鍛冶さん」ギュインッ

首だけで小鍛冶の方を向いて問う。

267『一斤染めの夢』:2019/01/21(月) 04:17:46
>>265 (今泉PC)
>>266 (ヨロズPC)

タマキ:「はっ……はっ……はぁ……はぁ……」

タマキが呼吸を整える。
ゆっくりと彼女の呼吸が整うにつれ、『コメトス』が消えていく。
そして、倉庫は完全にホテルの一室に変化した。
今泉は窓から外を見る。
そこには砂浜や海小屋の姿がある。
どうやら先程までいた倉庫がホテルに変わってしまったらしい。

明:「状況と心の整理よ。バタバタしてるとまともに話し合えないですもの」

「それと私たちのスタンドはこういう変化はさせられないわ。それといきなり建物が増えるのは普通じゃないわね」

そう言って小鍛治がベッドに座る。
あの三人のスタンドではない。
だとすれば。

明:「質問するわ。そこの貴方に」

小鍛治の視線がカレンに向けられた。

明:「貴方のスタンドは違うわよね? 空を飛んでいたもの」

「この世界を自由に操れる能力、なら話は別だけど」

その言葉にカレンは首を振る。

カレン:「……本だよ。さっきの本」

268今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/22(火) 00:05:24
>>266(ヨロズさん)
>>267(GM)

タマキさんはとりあえず、落ち着いたのかな。

「芽足さん、外はフツーみたいです」
「この建物だけ変わっちゃった感じで……」

窓の外を見ながら一応伝えておく。

「本……あの『白い本』ですか」「なるほど」

この『島』を作ったのがあの本なら、納得だ。
世界を作る事が出来るなら変える事も出来る。
とんでもないことだけど、それはフツーだ。

問題は本が勝手に世界を作ったのかどうか、だけど。
タマキさんが何か理由があって本の力を使ったなら?
その理由を聞いて、きっとお話しなきゃいけない。

「どうして、この島が生まれて」
「私達がここに迷い込んじゃったのか」

「その本を読んだら分かるのかな」「うーん」
「見てみていいです?」「なんて、軽い物じゃないですよねえ」

今は本はどこにあるんだっけ。タマキさんが持ったまま?
貸してくれるようなものじゃないんだろうけど、一応話に出しておく。

269ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/22(火) 23:20:36
>>268(今泉さん)
>>267(GM)

「なるほど」
「やはり本、ですか」

頷きながら会話を聞く。

「それで、問題はその本を」
「だれがどうやって制御しているかですね」

「『コメトス』が関係しているのですか?」
「それとも、別の第三者の能力でしょうか」

事情を訊きだす。

270『一斤染めの夢』:2019/01/24(木) 00:03:55
>>268 (今泉PC)
>>269 (ヨロズPC)

タマキ:「……いやなの」

覇気のない様子でタマキが白い本を抱きしめる。
落ち着いているが、同時に少し落ち込んでいた。
相変わらず本には『Sleeping On The Sidewalk』の文字が浮かんでいる。

明:「誰が制御してるかって、まぁ私は後乗りでここに来るまでの状況というのを知らないけど」

「私たちも貴方たちもその本を扱えない」

カレン:「『コメトス』は人を眠らせるのが能力です……」

タマキ:「カレン」

カレン「ごめん……」

少しの間静寂が部屋に流れる。
俯き気味に口を閉じるタマキ。
心が移ったのか不安そうな顔をしているのが鈴元と円山だ。
鈴元は懐から出した巾着袋をごそごそとやりだした。

明:「となると消去法的にカレンさんかタマキさんね」

しかし、カレンが本を操っているのだろうか。

明:「私はそこの二人とは面識がないんだけど」

「今泉さんとヨロズさんは何か聞いていないかしら。何があって、こうなったのか、とか」

「私は駅に行こうとしたらここに迷い込んでしまったから、詳しくは分からないのだけど」

271今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/24(木) 01:43:57
>>269(ヨロズさん)
>>270(GM)

「私達もここの事はよく分からないですねえ」
「迷い込んだのは小鍛治さんと同じですし」

「ここに来る前にカレンさんから聞いたのは」

「……あ、言っちゃっていいですよね?」
「言うなとか、言われてないですし」「えーと」
「『タマキさんが作った島』って事くらいですけど」

フツーに、ここで黙ってはいられない。
消去法だから、隠してもすぐわかる事だし。

「なんで作ったのかとか」「どうやったのかとか」
「そもそも偶然作ったのか作ろうとしたのかとか」

「なんで関係ない人が入ってきちゃうのかとか」
「本をどうすれば出られるのか、とかっ」

「そのあたりは聞いてないんですよね〜」
「『何があって』とかは、特に」

タマキさんが悪いとかそういうのじゃない。
もちろん、カレンさんも小鍛治さんも悪くない。

みんなフツーのことをしてるだけなんだと、思う。
私もフツーに帰りたいから、今話すべきことは話す。

272ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/24(木) 23:14:14
>>270(GM)
>>271(今泉さん)

「私が認識していることは」
「今泉さんと同じく、タマキさんが作ったらしいという事と」

「『住民が良い人』」
「『住民が『駅』の存在を信じている』」
「『この空間が星見駅近辺にある』」

「と、これぐらいでしょうか」

スマートフォンを取り出しながら答える。

「これが、タマキさんの意思によるものでしたら」

「まだ、解除していただく為の何か必要な『鍵』が」
「足りていないのでしょうか、ね」

273『一斤染めの夢』:2019/01/24(木) 23:57:40
>>271 (今泉PC)
>>272 (ヨロズPC)

「……そう」

静かにそう呟いて、小鍛治が立ち上がる。
歩みを進め、その先にはタマキとカレンがいる。
小鍛治の冷たい顔がより一層冷たい色を持つ。

「追及を行うわ。貴方たち二人に」

「なんだったかしら、いつか見た記事の話なんだけど、八百ページの長編小説は銃弾を防げるらしいわよ」

小鍛治の右手がピストルの形を作る。
その形は小鍛治明にとって冗談でもなんでもない。

「弾とか銃の種類にもよるとは思うけど、貴方の白い本はそれだけのページ数はなさそうね」

小鍛治が言葉を続ける。

「その本を壊せばいいのかしら? それとも大本から? ごめんなさいね、ことと次第によっては強硬手段でやらせてもらうわ」

「私の目標はすでに、脱出から解決に変化しつつある」

「手段を選んであげるほど、私は優しくもないし、貴方たちを信じる心も薄いわ」

274『一斤染めの夢』:2019/01/25(金) 00:12:51
「証言一『タマキさんがこの島を作った』」
                                        「証言二『住人は人が良い』」
    「証言三『住人は駅の存在を信じている』」
                           「証言四『この駅は星見駅周辺にある』」

                        「復唱完了」

一度口を閉じ、再度小鍛治が話し始める。
カレンとタマキは緊張した面持ちでそれに相対する。

「ここから先は私の見たものと知っていることを言わせてもらうわ」

「『この島に駅はない』」

「『タマキさんはカレンさんが駅に連れて行くと言って逃げた』」

「『住人は駅に向かいたい意志がある』」

一つ一つ確かめるように言う。

「今泉さん、ヨロズさん、現状分かっていないのは何もかもという感じだけれど」

「案外、何があったのかというのは重要だと思わない?」

カレン:「ま、待って……ボクが悪いんです……」

「そう、何が悪いのかも私は分からないのだけど」

小鍛治の態度にカレンたちは委縮しかけているようだ。
話し合いをするためにもカレンたちにこちら側から話しかけるのもいいかもしれない。
現状、小鍛治の立ち位置は良いとは言えない。
もしもその手のピストルがスタンドのショットガンに変わることがあれば、より面倒なことになる。

275今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/25(金) 00:25:25
>>272(ヨロズさん)
>>273-274(GM)

「小鍛治さん、落ち着いてください」
「本を壊して済めば早いですけど」
「逆に出られなくなったりするかもですし」
「本の持ち主を傷つけたりしたらなおさら」

「そういうのは怖いと思いますし」
「そういう流れになるのも怖いんでしょうし」
「怖いと、ちゃんと話せなくなるかも」
 
        スタスタ

「二人とも、フツーにまだ子供ですしねっ」

小鍛治さんの気持ちもフツーなのかも。
けど、ここから出るには逆効果な気もする。
だから間に割って入る。……もし撃ってきたら?
銃なら手足がちぎれたりはしないと思う。
だから、先生がいれば治せる。

それでもまだ攻撃してくるなら先生がやっつけてくれる。

「それで!」

「カレンさんは一体何をしちゃったんです?」
「話し辛いことでも、出来たら話してほしいんですけども」

カレンさんに振り向いて、強引に話を進めちゃおう。
流石に話し出したら小鍛治さんも気が変わってくれるかも。

276ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/25(金) 23:57:36
>>273-274(GM)
>>275(今泉さん)
「私も今泉さんに同意見です」
「暴力はまだ無し、で」

「事情に詳しいのはカレンさんなのだから、カレンさんの話を聞きましょう」

「どうぞ、カレンさん続けてください」
「何故、自分が悪いと思うのです?その経緯は?」

カレンに続きを促す。

277『一斤染めの夢』:2019/01/26(土) 00:20:11
>>275 (今泉PC)
>>276 (ヨロズPC)

鈴元:「明ちゃん」

明:「……じゃあ、貴方たちが追及を。私より貴方たちの方が親しそうだしね」

鈴元:「明ちゃん、言い方ってあるんよ?」

手が下ろされる。
小鍛治は鈴元に服を引っ張られて後ろに下がっていった。

カレン:「……ボクがタマキを駅に連れてこうとして……」

「それが必要だと思ったんだ」

タマキ:「……」

カレンの意志はタマキに拒絶された。
タマキが駅に向かいたくないと言っていたことからも明らかなことだ。

カレン:「……タマキ、いい? 話して……」

タマキ:「好きにするといいのだわ……いつもみたいに好き勝手してたらいいのだわ……」

カレン:「あー……」

「えっと、デリケートなことで、その、あのお姉さん二人だけに話したい……」

「明とかが信用できないとかじゃなくて、えっと」

明:「別にいいわよ、それで」

明と鈴元、円山の三人が壁際により耳を塞ぐ。
それを確認してからカレンが二人に走り寄った。
そして、小さな声で言った。

カレン:「タマキの両親がなくなったんだ」

278今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/26(土) 00:56:35
>>276(ヨロズさん)
>>277(GM)

タマキさんは拗ねてるのかな。仕方ないと思う。
けど、私たちもここから出なきゃいけない。
それも、きっと、仕方ないことだ。

「しっかり聞いておくんで安心してください!」
「もちろん」「言い触らしたりもしませんよ」

「それではお聞きしますっ」

小鍛治さんたちは離れてくれたみたい。
私と芽足さんは、カレンさんの話を

「…………………………………………………………」

「…………へえ」「それは」「とても」
「悲しい気持ちに、なりますねえ」

フツーのことだ。

「…………」

「ゆっくりで……いいので」
「続きも、教えてください」

「『駅』に行って、何をする気だったんですか?」

もしかするとこの場所は。
それでも。
それだから。
そうじゃなくても。

私はフツーに帰りたい。だから話の続きを促す。

279ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/27(日) 21:43:36
>>277(GM)
>>278(今泉さん)

「……」

無言でそれぞれの言葉を聞くヨロズ。

合理的な、あるいは直接的な答えを得るには──

「──。一つずつ、読み解いていくしかなさそうです、ね」

「なるほど」
「ならば」
「何故カレンさんは駅に行くべきと考え」
「タマキさんはそれを拒否した、のでしょうか」

カレンに問う。

280『一斤染めの夢』:2019/01/28(月) 23:30:37
>>278 (今泉PC)
>>279 (ヨロズPC)

カレン:「お迎えが来るんだ」

子供が一人で生きていくのは現実的な話ではない。
カレンはそれを知っている。

カレン:「タマキは両親との折り合いが悪くかったんだ」

「ボクとボクの友達とか、知り合いのお爺さんのお世話になることが多くて……」

所謂家出少女だ。

カレン:「だけど、ご両親が事故で亡くなられて、親戚の人がタマキの面倒を見るって」

「そういう連絡が来て……会いに行くために電車に乗って町から出ようとしたんだ」

「タマキは嫌がってた。でもなんとか説得して、渋々ついて来たんだけど、駅に着くころにはもう我慢が出来なくて」

それで、この島が出来たらしい。

カレン:「白い本はボクが持ってたんだ。あの本の管理をしてた」

「急に文字が出てきて、タマキの手元に飛んでいったと思ったら、もうこの島にいたんだ」

281今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/29(火) 02:01:37
>>279(ヨロズさん)
>>280(GM)

「お話ありがとうございます! それにしても」
「フツーに、難しい話ですねえ」

駅ってそういうことなんだ。
この世界に駅がないのも、当然なんだ。
ここはタマキさんか、タマキさんの気持ち?
それが作った世界なんだから、あるわけない。

それにしても。

「うーん」

「無理に連れて行くのもよくないですし」
「かといって、行かないのも困るんでしょうしっ」
「やっぱり難しいなあ」

これ、私が決めていいことじゃないよね。
アドバイスとか思い付けるかな。

「タマキさんと親戚の人との仲はどうなんですか?」
「いくらお世話してもらえるとはいっても」
「その人達とも折り合いが悪かったら……って」

「それか、星見町に何か思い残しがあるとか……どうですかね?」

親はともかく他の人たちとの関係はどうなんだろう。
知り合いの家にも泊めてもらったりしてるみたい。
それなら新しい人に会うのが嫌!とかじゃなさそう?

タマキさんのことを私は全然知らない。改めて思った。難しい話。

282ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/29(火) 22:38:47
>>280(GM)
>>281(今泉さん)

「…………」

「………………」

「…………………」

「ウ、ウィーン」

黙ってカレンと今泉の言葉を聞いていたヨロズだが、
その顔はいつの間にやら『歪んでいる』。

人間に例えるならば

『喉に何かを詰まらせた様な』 『どうしても納得できない様な』

そんな時の表情に近いだろうか。


「ええ」

「ええとそうですね」
「いくつか質問させてください」
「不快にさせてしまいましたら申し訳ないですが」
「必要な質問だと、考えますので」

顔の形を戻し、カレンに問う。

「本を管理している、と言いましたが常に持ち歩いてらっしゃるのですか?」

「本は、タマキさんの気持ちを反映してこの世界と住民を作ったと思いますか?」

「急に出てきた文字は、読めましたか?」


「そして、ええ、本当に言い間違いや言葉のあやでしたら」
「本当に、本当に申し訳ないのですけれども」

「『お迎えが来る』のに『電車に乗って町から出ようとした』んですか?」

283『一斤染めの夢』:2019/01/30(水) 04:20:29
>>281 (今泉PC)

「ほとんど会ったことはないみたいだよ」

「悪い印象はないけど、いい印象もない、悪い印象がないから行くと決めたけれど、いいんしょうがないから、不安もある」

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、とは言わないけどさ」

カレンはそう答えた。
タマキではない以上、全てを把握している訳では無い。

「思い残しは……どうだろう。ボクはそれが分からないんだ」

>>282 (ヨロズPC)

「別にいいよ。ムッとする話でも答えないと先には進めないからね」

カレンはそう言ってヨロズの質問に答えた。

「外に出る時は持ち歩いてる。あれが大変なものだとボクは聞いてる。だから盗まれないように持ってた」

「ただ、あの本が能力を発動する瞬間を見たのはあれが初めてだ」

カレンは白い本のことを情報として知っていたが、実際にどういうものかは知らなかった。

「あの本がタマキの心を反映したかどうかというのは、ボクの予測ではあるけどイエスと答えるよ」

「どこかに逃げたかったのか、本当はこんな所にいたかったのか」

だが、白い本は島の一部をこのホテルに変えてしまった。

「出てきた字で読めたのは表紙のあれだけだよ。えっとスリーピング云々ってやつ」

白い本の表紙に浮かんでいる文字だ。

「あぁ、お迎えが来るのに町から出ようとした。正しく言えば、お迎えが来るから町から出ようとした」

「タマキが出したお願いなんだ、タマキは町を出たことがないから、ボクと一緒に途中まで行って欲しいと言った」

「町を出て、ほんの数駅向こうに行く。その間にボクと最後の話をする」

タマキはそういう約束をしたのだ。
そこにどんな気持ちがあったかは分からない。

「そして、その数駅先の駅で親戚と合流して挨拶をする」

だから彼らは町を出ようとした。

284今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/30(水) 15:54:44
>>282(ヨロズさん)
>>283(GM)

「芽足さん、悩むとき『そういう音』するんですねえ」
「コンピュータールームのパソコンみたい」
「パソコンも機械ですもんね」

そんなことより。

「タマキさんのこころ」「まあ」
「いい人しかいなくて、綺麗な景色で」
「確かにこんな所、フツーに憧れますけどっ」

フツーの日常の方がいいとはとても言えない。
ずっとここにいたら、そう思うようになるかもしれないけど。

「タマキさんはこの島がすごく好きってわけでも、なさそうでしたよね」
「それに、この世界のひとたちもタマキさんの心を反映してるなら」
「フツーに『駅を探してる人たち』がいるってことは」「そういう事じゃないですか?」

そういうことを言ってた(>>259)よね。
それに、この世界の人たちはみんな『駅』を探してもいる。
永遠にここや、星見町に留まりたいってきもちなら、そんな風になるかな。
町が星見町の見た目になったり、駅なんて探してない人たちになったりしないかな。
真っ白な町は『まだ見たことが無い新しい町』なんじゃ、ないかな。
私にはタマキさんの『こころ』がないから、わかんないけど。

だけど、タマキさんはどこかで『未来』もちゃんと見てる、気がする。
じゃあ『過去』は? 聞いてる限りこの町にすごい愛着がある、っていう感じじゃない。

タマキさんが思い残す『なにか』――――『だれか』がいるとしたら。

「思い残しが、もしあるとしたら」
「ここは『ずっといるための場所』じゃなくって」
「『思い残し』をなくすための場所なのかも」

「最後の話の時間を、少しでも長くするための」「つまり」

「カレンさんっ、やっぱりカレンさんがタマキさんとお話するのが、良いと思うんです」

あらためて、最初に考えていたことを言う。これは、ふたりの問題で、ふたりのお話だと思う。

285ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/01/30(水) 23:36:43
>>283(GM)
>>284(今泉さん)


「ええ、ごく稀に異音がするのです」
「ごく稀に、ですけど」

今泉から少し目をそらしながら答える。

「申し訳ありません」
「『お迎えが来る』という言葉でどうしても」
「シニガミ(音声ボリューム極小)」
「を、想い起こしてしまいましたので」

カレンに深く頭を下げる。

「確かに、今泉さんのいう通りに」
「駅へ行くことを完全に拒否しているようには思えません」

「何か心残りがある、というのが一番妥当な推測だと思います」
「ここまで聴いた限りでは、カレンさんは特別な存在な様ですし」
「我々には解らない様な深い繋がりもあるのかと思います」

「それをここで曝け出すことも、そうしない事も受け入れたいと思います」
「ただ、お二人が後悔しない幕引きである事を、望みます」

286『一斤染めの夢』:2019/01/31(木) 02:46:18
>>284 (今泉PC)
>>285 (ヨロズPC)

カレン:「……」

「……ボクはタマキに幸せになって欲しくて」

カレンはそう呟く。

「この島のことはわからないけど、もしかしたらキミの言う通りなのかもしれない」

揺れる瞳にはなにか感情がこもっている。
それを否定するように頭を振り、笑う。

「やっぱりこれはボクらの問題で、ボクらで話し合わないといけないことなんだね」

287今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/01/31(木) 16:52:51
>>285(ヨロズさん)
>>286(GM)

「奥深いですねえ、ロボットって」

逸らした目は、追わないことにした。

「きっとこの問題には」

「正解とかは、ないと思うんです」
「人間のこころの問題には、正解とかは」

「だけど」

「私達が決めちゃうのは、違うかなって」
「あ。二人が話し合うための手伝いなら、いくらでもしますよっ」

邪魔が入らないようにするとか。
話し合うための場所を探すとか。

そういうことなら、いくらでもしていいと思う。
でも、私達がこの二人の人生を決めるなんて。
少なくとも私には出来ないし、フツーにやらない。

288ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/02/02(土) 00:35:32
>>286(GM)
>>287(今泉さん)

「……まあ、ともかく」

「我々はカレンさんとタマキさんを再会させました」
「ここから先は貴方達がどうするか、と思うところもありますが」
「今泉さんのいう通り、手伝いならばいくらでもしましょう」
「それとも、まだ何か解決していない問題があるならば、仰ってください」
「単純にじっくり時間をかけたいという事ならば、私はゆっくり待ちますよ」

カレンに告げる。

289『一斤染めの夢』:2019/02/02(土) 23:50:04
>>287 (今泉PC)
>>288 (ヨロズPC)

カレン:「正解はない、か。はは……ボクもまだまだ子供だなぁ」

「いや、時間はかけない。これ以上かけたくないからね」

「だからボクはボクのすることをするから見てて。タマキが怒っちゃったらフォローしてくれたら嬉しいけど」

カレンがタマキの元へと歩いていく。
そして、彼女の前に座り込んだ。

カレン:「……ごめんね、タマキ。ボクが悪かった」

タマキ:「カレンはいつもそう言うの。何が悪いかも分かってなくてもそう言うの」

カレン:「うっ……」

普段の行いが悪いらしい。

カレン:「ま、まぁ、無理強いするようなことをしてたのは本当だからさ……」

「タマキはどうしたい?」

タマキ「……カレンといたいの」

290『一斤染めの夢』:2019/02/03(日) 00:12:39
タマキ:「……どこかでカレンがさらってくれる気がしてたの。またいつもの場所に帰ってこられる気がしたの」

「でもそうはなりそうにないから……カレンは私と離れ離れになるのを選んだのだわって……」

白い本に浮かぶ文字が滲む。
はっきりした文字から水が染み込んだような文字へと変わっていく。
それに反応する様に、この一室の輪郭もぼやけていくようだった。

カレン:「……」

タマキ:「カレンは私のこと嫌いなのだわ……」

カレン:「違うよ」

タマキ:「じゃあ、なんでカレンは私の思うことをしてくれないの?」

カレン:「ボクと一緒にいるのは、普通じゃないんだよ。ずっと、死ぬまで今みたいな生活は出来ないんだ」

「面倒を見てくれる人はいるけど、一生は面倒見切れないんだよ」

カレンの言葉が力なく零れる。
二人は向き合えたが、まだ解決には至れていない。
カレンのフォローをするか、それとも行く末を見守るかは自由だ。

291今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/03(日) 01:11:45
>>288(ヨロズさん)
>>289-290(GM)

「…………」

私がでしゃばるのはきっと違う。

違うけど。 

フォローを、頼まれたし。
それに。

「あのっ」

「た」
          ゲホ

「大切なっ、人、同士なら」

「電車でいくつか離れた駅でも」
「違う町でも」
「また、会えるんじゃないですか」
「カレンさんからでも」「タマキさんからでも」

「今は離れなきゃいけなくっても」

「いつか」「いつでも」

「『ひとりだち』した大人の人が、地元に帰るみたいに」
「なつやすみとかに、親戚の家に遊びに行くみたいに」
「また、フツーに会えばいいんじゃあないですかね」

話を聞いてる限りタマキさんは『二度と会えない』みたいに思ってそうだ。
でも、親戚に引き取られたからって『会えない』なんてこと、ないはずだ。
もしそんなこわい人たちなら、その話をタマキさんはしてるはずだ。

カレンさんから縁を切ろうとしてるなら? 『それはおかしい』。
ずっと一緒にいちゃいけないっていうのは、なんとなくわかる。
それじゃあ、フツーの大人になれない、ってことなんだと思う。
けど、どんなに自立したフツーの人でも、だれかといっしょにいるものだ。

だから助け舟を出さないと良くない気がした。
ゴールを決めちゃいけないけど、隠れてるゴールは見つけなきゃだめだ。

292ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/02/03(日) 22:25:50
>>289-290(GM)
>>291(今泉さん)

「……」

じっとカレンとタマキを見ながら沈黙。

(難しい、ですね)
(やはり、苦手ですね)
(正直なところ、『全然わからない』)
(言語化出来ない)

しかし、今泉の言葉に「正しさ」を感じているのか、
時折頷いている。

293『一斤染めの夢』:2019/02/04(月) 09:52:24
>>291 (今泉PC)
>>292 (ヨロズPC)

カレン:「未来……」

今泉の発言はカレンにとって間違いなく助け舟だった。
ヨロズのとった静観も、間違いではない。
まだ分からなくてもいずれわかる時が来るのかもしれない。
それは機械的なアップデートではなく、人間的な成長だ。

カレン:「また、会えるよ。約束する」

タマキ:「結局誰かのヒントでそんなこと言うの。でも、いいのだわ」

二人が小指を絡めた。
ここで二人が今生の別れをする訳では無いことを信じて。
いつかの日にまた会えるのを誓って。

カレン:「ずっと一緒だよ、タマキ」

そう呟いたカレンの声は涙で少し濡れていた。

294『一斤染めの夢』:2019/02/04(月) 10:09:48
◆◆◆◆◆

ゆっくりと景色が崩れていく。
まるでアイスクリームか溶けるように、どろどろになって消えた。
気付けば、そこは星見駅の前。
人通りは少なく、暖かな太陽の光が辺りを照らしている。

カレン:「あれ」

タマキ:「戻って……きたのだわ……」

明:「まぁ、帰ってこられたのならいいけれど、ねぇ?」

円山:「ぐすっ……」

鈴元:「……」

明:「他人の人生で泣くのはあまり良くないわよ」

各々好きなことを口にしている。

カレン:「これはこれで、オッケー、なのか、かな……?」

295今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/04(月) 20:58:22
>>292(ヨロズさん)
>>293-294(GM)

助け舟は出したから、私はそこまでだ。
カレンさんとタマキさんにはそれ以上何もしない。
二人が、きっと感動するような約束を交わすのも。
何も言わずに、笑顔にして見守っていて……それで。

「やったっ、戻ってこれましたね!」
「フツーの街並み」「フツーの人通り」

「それにフツーに冬」「寒っ」
「い、けどお日様はよく照ってますねえ」

周りを見渡す。
そうだ、ここは私たちの星見町だ。

きっと白い本が、満足してくれたんだ。

「オッケーだと思いますよ!」
「少なくとも、本はそう思ったんでしょうし」

「それで、みなさんはこれからどうします?」
「フツーに解散ですかね」

「というか今って何時くらいなんだろ」
「時間とかどうなってたのかな、あの町」

スマートフォンの時計を見てみる。
あの白い町で過ごした時間は、現実だったのかな。
少なくとも太陽は出てるくらいの時間みたいだけど。

296ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/02/04(月) 23:56:53
>>293-294(GM)
>>295(今泉さん)

「………」

ヨロズは、ただ黙って変わっていく風景を見ていた。

見知らぬ景色が、見知った星見町へと戻っていく。


「変わらぬ物は無い、ということでしょうか」

星見駅の駅舎を見上げながら、ぽつりと呟く。

「親愛も、幸福も」
「寂しさも、不安も」

「変わっていく物だから」

見知らぬ島の冒険は終わったのだ。
そこには恐怖も楽しさも、少なからず確かにあった。

「きっと、望む未来を自分で引き寄せていかなければならないのかもしれない」

「……」

「それでも」ギュイーン

首だけを動かして今泉を見る。

「あなたの『フツー』は、とても素敵ですから、変わってほしくないですね」

少し『ロボット』らしくないような、クシャっとした笑顔を向ける。


「さてカレンさん、タマキさん」
「改札まで送りましょうか?」

表情を戻して二人に問いかける。

297『一斤染めの夢』:2019/02/05(火) 00:39:16
>>295 (今泉PC)
>>296 (ヨロズPC)

明:「私たちは帰るつもりだけど」

今泉はスマホを確認する。
あの街での時間が反映されているのか、時間は進んでいる。

タマキ:「そうなのかもしれないのだわ」

ヨロズの言葉にタマキが小さくうなずく。
変わらないものはない。
時の流れと共にあらゆるものは形を変えていく。

タマキ:「少なくとも私の気持ちは変わったのだわ」

カレン:「お誘いはありがたいけど、いくらボクでもこういう時は二人きりでいた方がいいってことは分かるさ」

そういってカレンがタマキの手を握る。
見送りは必要ないのだろう。
だとすれば、ここでいったんお別れになるだろう。
何かかけたい言葉があるのならば、そうするのもいいだろう。

298今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/02/05(火) 07:25:45
>>296(ヨロズさん)
>>297(GM)

時間は進んでたみたいだ。今日中に帰れてよかった。

「…………ありがとうございますっ」

芽足さんにお礼を言う。

「なんだか、今日で芽足さんの印象変わりました」
「そういう顔もするんですねえ」「いい笑顔っ」

                 ニコ ッ

笑顔を返す。芽足さんと同じくらい自然な笑顔を。

私は、『フツー』のままで生き続ける。
それだけは『変わらないこと』じゃなきゃ、いけない。

「ですよね、私も帰り道でしたし」
「それじゃあ……ここで、解散ですね」

小鍛治さんには、そう答えた。
それから目を向けるのはカレンさんとタマキさんの方。
『永遠の別れじゃない』けど、きっと今は二人がいい。

「それじゃあ」

「また、いつかどこかでっ」
「あ! あの携帯の番号、変えないでくださいね!」

そして私とこの二人も、永遠の別れだとは思わない。
だからおおげさなお別れはしないで、今日はここでさよならだ。

299ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/02/05(火) 22:28:27
>>297(GM)
>>298(今泉さん)

「……では、私もこれで」

カレンとタマキに小さく手を振り、
他の人物達には軽くお辞儀をして

「今泉さん」
「ええ、こちらこそありがとうございました」

今泉には、普段の表情のまま
一際深くお辞儀をして

「また、会いましょう」

帰路へと一歩踏み出した。

300『一斤染めの夢』:2019/02/06(水) 02:24:30
>>298 (今泉PC)
>>299 (ヨロズPC)

カレン:「さようなら」

タマキ:「さようならなの……カレンのお友達のお姉さんたち」

カレン:「あ、番号は変えないよ。ていうか、変えられないし」

タマキ:「カレン……?」

カレン:「あっ……! またねっ!」

二人が手を振って駅へと向かっていく。
別れを告げ、帰路につく。
誰もが帰る場所を持つ。
どれだけ変化しても、自分の場所だけは変わらずそこにある……のかもしれない。

___________________________

「ねぇ、カレン」

「なに?」

「あの街での時間が本物なら、一週間は約束をほったらかしにしたことになるのだわ」

「……ちゃんと、連絡できてる……はず……」

___________________________

301『一斤染めの夢』:2019/02/06(水) 02:46:07
……

     ……

              ……

その後、二人はタマキと優しそうな夫婦を街で見つけることになる。
もしかしたら遊びに町に来たのかもしれない。
それともタマキは親戚ごとこの星見町に引っ越してきたのかもしれない。
答えは分からないが、タマキがこの町のどこかで生きているのは確かだ。

今泉とヨロズはある日、ポストに自分あての封筒が入っているのを見つけた。
その中には手紙と写真と商品券。
手紙には『ありがとう』の文字とカレン、タマキの署名。
写真にはタマキとその家族、それから照れくさそうに笑うカレンの姿がある。
それから、5万円分の商品券。
必要ならば換金してしまうのもいいだろう。

星見町は今日も緩やかに変化しながらも、穏やかに時間が流れている。

今泉『コール・イット・ラヴ』  →『5万円分の商品券』獲得

ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』→『5万円分の商品券』獲得

白い本『スリーピング・ オン・ザ・サイドウォーク』→解除

302『一斤染めの夢』:2019/02/06(水) 22:15:22
『白い本』から生まれたスタンド。
永遠に拡大する『街』のヴィジョン。
タマキの優しい人から離れたくないという気持ちを反映しているのか、住人は皆親しげである。
スタンドによる異世界ではあるが、内部と星見町が一部で繋がっている。
拡大するごとに繋がっている部分が多くなる。
いずれは街そのものと一体化してしまうのかもしれない。
あるいは街そのものよりも大きくなるのかもしれない。

その性質は『理想郷』
タマキの行きたい場所、あるいはいたい場所を作り出そうと作用する。
そのため、タマキの精神状態に応じて街自体が変化することがままある。
このスタンドの世界からタマキが抜け出すことは、今いる場所がタマキにとってのいたい場所であることに他ならない。

『スリーピング・ オン・ザ・サイドウォーク』
破壊力:- スピード:-  射程距離:A
持続力:A 精密動作性:- 成長性:-

303『一斤染めの夢』:2019/02/06(水) 22:24:19
【眠る少女】タマキの人型のスタンド。
触れたものを眠らせる能力を持つ。

このスタンドが触れた対象は眠らされる。
この場合の眠るとは一般的な睡眠の状態である。
電子機器などは電源が切れた状態がこれにあたる。
眠った対象は対象への接触で目覚める。
この時、本人の寝起きの良しあしは関係なく、皆普段の覚せい状態と全く同じ状態で目覚める。
電子機器は眠る前の作業状況に戻る。
スタンド発現中に眠らされたなら、発現したまま眠ることになる。

『コメトス』
破壊力:B スピード:C  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:D  成長性:C

304『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/03(水) 23:26:04
于時、初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香

305『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/03(水) 23:58:06
その日のアリーナは熱気に満ちていた。
金網の外、安全な観客席から多くの声が降り注ぐ。
危険が満ちていたこの場での闘いはすでに終わって、司会が自分の名を呼ぶ。
汗ばむ手。
それでも自分の魂をしっかりと握りしめて拳を天に突き出した。

『祝福しろ! 勝利にはそれが必要だッ!』

聞きなれた声が聞こえる。
司会からマイクを奪ったのだろうか。
いや、どうでもいい。
大事なことではない。

『新年度早々来場御苦労。今、諸君の目の前にいる男がアリーナの新たな時代を作る男である!』

『【運命開化】の大槻正を倒したこの男が、諸君の脳に衝撃と興奮をもたらす。退屈な人生の救世主!』

大事なことは。
そう、大事なことは――――

『【ASCENSION CLUB】の超大型新人!』

『【閃く紫電】新元令和』

この手が勝利を掴んだことだ。

306『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/04(木) 00:06:14
ある日、日沼流月はメインストリート内の喫茶店に来ていた。
食事をしに来たのではない。
別に食事もできるが。

『高収入! スタンド使い募集!』という怪しげな張り紙を発見した。
そこに指定されていたのがこの喫茶店だったわけである。
怖いもの見たさか、それとも収入欲しさか、とにかく日沼はここに来た。
書かれていた席にはすでに人がいる。
窓際の席だ。
二人いる。
片方は髪を一つ縛りにした線の細い青年。
もう片方は青年の隣、奥に座って頭にバンダナを巻いた強面の男性である。

多分、あれを書いたのは彼らなのだろう。
別人という可能性もあるが、時間などの指定も間違っていない。
彼らだ。

307日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/04(木) 01:19:00
>>306(GM)

「ども〜っ、もしかして遅れちゃってました?」

      イヒヒッ

  ヒヌマ ルナ
「『日沼 流月』で〜す。
 例の、お仕事の話で来たわけなんですけど」

顔色をうかがう。金に釣られたのが半分――――『好奇心』が半分。
反骨の荒野を歩むことに決めた日沼は、裏社会への興味を隠せない。

「あのぉ、これって合法なやつです?
 流月も法に『背く』のはNGっていうかですね、
 というかお二方――――カタギの人ですよね?」

             「なんて。ぷぷ、ウケる……」

               チラッ

顔色を、うかがう。
今多弁になっているのは、この場の雰囲気への焦りもある気はした。

――――――――――――――――――――――――――――――

【外見】
金と銀の中間程度の色の髪。前髪はぱっつん。後ろ髪は背中まで。
数か所が重力に逆らうように跳ね上がっているのが特徴。
服装はオーバーサイズのパーカーに、デニムパンツ。

【持ち物】
財布、スマホ。

【能力詳細】
長ランを着たような人型のヴィジョン。
殴ったものに『痕』を付け、『叛逆の意志』を芽生えさせる。
現在の『叛逆』は『反転』

『サグ・パッション』
破壊力:B スピード:C  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:D 成長性:C
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/104

308『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/04(木) 01:39:26
>>307

青年:「僕はカタギですよ」

そう青年が返した。
白いシャツにスラックス。
古めかしいループタイをつけた姿は線の細さも相まって文学青年といった感じだ。
奥の男は青年と違ってラフな感じだ。
日沼同様、オーバーサイズの服を身にまとっている。
笑うと金歯が見える。

青年:「合法……合法、ですよね?」

強面:「興行だから決闘罪にはならないだろ」

青年:「ですよね……?」

何やらこそこそと話している声が聞こえる。
隠すつもりでやっているのなら台無しであろう。

青年:「だ、大丈夫ですよ! とにかく、お座りください。何か注文しますか? ごちそういたしますよ」

309日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/04(木) 02:30:12
>>308

「へへっ、どーもどーも」

                 ス トン

「カタギならよかったでェ〜す!
 カタギで合法ならもっといいワケですんで、
 大丈夫ってことで信じさせて貰いますねっ!」

とりあえず、椅子に座る。
青年は……裏稼業の人間、という雰囲気には見えないが、
チーム『桜裏悲鳴』のOGにも地味に見えて怖いヒトはいる。

強面は……どうも、『裏の人間』な気がするが、
青年があえて明言しなかったのだから、
あえて突く気はない。そういう逆張りは趣味じゃない。

(やばいとこ来ちゃったかなァ……
 なんか決闘とか言ってるし! まじ?
 でも30万はめちゃくちゃでかいし、
 ちゃんとした裏の人間がやってるなら、
 『逆に』裏の秩序みたいなので安全かも?)

それに、素人が開く危険なイベントよりは、
本職が興行でやる集会のほうがマシな気もした。

「オッいいんですか! にへ、じゃあお言葉に甘えて〜。
 えっとね、流月はクリームソーダがいいです!
 もしそれがなかったら……『逆に』ミルクティーあたりかな」

            「ミルクティーもなかったら〜〜〜」

                     「……どーしよっかな? ぷぷ、
                       一番高いのにしちゃおうかなァ」

もし自分の近くにメニューがあるなら、手に取っておこう。何か面白いのはあるだろうか?

310『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/04(木) 03:01:58
>>309

日沼の前の二人は通常であれば一緒にいるような雰囲気ではない。
ライオンとシマウマが隣り合わせに過ごさない様に、住むジャンルや区分が違う雰囲気である。
反逆という道の日沼は男のようであり、だが踏み外さなければ青年の側にも身を置いているようでもある。

青年:「あ、申し遅れました。僕はコハル・トランプです。隣の方が新元号(しんげん ごう)さんです」

お近づきの印に、とコハルが花束を日沼の前に置いた。

手に取ったメニュー表にはクリームソーダがある。
ミルクティーもある。
他にも軽食のほかにハンバーグやオムライス、手作りのハンバーガーなどもある。
『ウルトラスーパーデラックス・ミックス・トッピング』『ジューシービックチーズバーガー』など赤字で書かれている。
前者はクリームソーダなどにつけるタイプのトッピングらしい。
詳しくどういうものかは書かれていない。
多分ウルトラスーパーデラックスなんだろう、知らないけど。
後者はチーズバーガーだ。
多分ジューシーだ。
他にも『常識知らずサンドイッチ』や『恥知らずおにぎり』『親知らずケーキ』などがある。

コハル:「新元さんどうします? 僕は『熱烈歓迎ティラミスセット』にしようと思うんですけど」

新元:「ハムカツサンドのセットで」

311日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/04(木) 03:39:37
>>310

「コハルさん、新元さんどーもでェす。
 今日はゴチになりまぁ〜〜〜す。
 えーーーっとね、じゃあ流月はクリームソーダと、
 『ジューシービッグチーズバーガー』1つでぇ〜」

「あ、これセットにしたほうがお得じゃん! やっぱセットで!」

とりあえず先に注文をしてしまおう。
核心に入るのは、ウェイトレスが行ってからでも遅くはない。

「とゆーか、このメニュー名……ぷぷっ、ウケる。
 親知らずケーキとかさぁ〜〜〜ッ……へへへ。
 嫌な名前過ぎて『逆に』気になっちゃうワケですよ。 
 食べたら一発で虫歯になる的なヤツなのかな」

                 「注文はしないけど〜」

「ちなみに、ハムカツサンドはハムカツサンドなんです?」

などといいつつ、メニューからそれらしいものを探してみる。
ウェイトレス(ウェイター)が注文を取り終えたら、メニューは閉じるつもり。

312『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/04(木) 12:17:42
>>311

コハル:「『ジューシービックチーズバーガー』とクリームソーダのセットですね」

「ここのメニューの名前、やっぱり変ですよね」

新元:「個性をはき違えてる」

メニュー表はハムカツサンドを含め、それらしい名前のものが並ぶ。
明らかに異物感のあるものがちょくちょくカットインしてきているが。
割合で言えば7:3くらいだろう。
そうこう言っているうちにコハルがウエイターを呼んだ。
よどみなく注文は完了し、ウエイターは厨房の方に戻っていく。

新元:「ここのハムカツサンドは普通のハムカツサンドだよ」

「マスタードとソースのバランスがいいんだこれが。マジで逸品だぜ」

新元が笑う。
お気に入りらしい。

コハル:「で、えーっと、何から説明しましょうか」

313日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/04(木) 23:03:51
>>312

「メジャーに『反すれば』イイってもんでもないですもんね。
 『逆に』置いてるもの自体はメジャーそのものっぽいですし?」

     「『外したい』のかどーなのか」

「味のほうは『外さない』みたいで安心ですけどねェ〜」

メニューを閉じた。
まあ、うまければべつにいい・・・そういうものだ。

「ん〜。流月、なんも知らないから、
 最初っからお願いしてい〜ですか?」

      「『何と決闘するのか』とか」

          「『どこで決闘するのか』とか」

             「『いつ決闘』……ぷぷっ」

「なァ〜んて、決闘するとは限らないワケですけど。へへ、早とちりでした?」

決闘罪、という言葉は、やはり耳に残っていた。
『参謀』を自称する日沼だが、争いごとにすごく抵抗があるというわけでもない。

314『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/05(金) 00:25:23
>>313

新元:「あえて外すこともあるわな」

基本的にはメジャーである。
この異物もアクセントと見れば悪くない、のかもしれない。
親知らずカップケーキだけど。

コハル:「日沼さんにはスタンド使い同士の戦いをして頂きます。私たちは『アリーナ』という組織、あるいは興行のスタッフです」

コハルは仕事の内容についてそう答えた。

新元:「俺の甥っ子の相手を探してる。アリーナの闘士から選んでもいいが……組織内政治的に色々問題もあったりする」

コハル:「日沼さんには関係の無いところです」

新元:「『アリーナ』じゃ、コハル派の地位は低い……」

コハル:「派閥の長とか無理ですって……」

それも日沼からすれば関係の無いところだ。

コハル:「いつ、と言われると少々困ってしまいますね。日沼さんが望むなら今日にでも」

「こういう仕事ですからね、やっぱり辞めたとなることもあります。意思決定のための時間を用意しています」

だから、そう遠くないなら都合のいい日で大丈夫なわけだ。

315日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/05(金) 01:10:07
>>314

「『あえて』って言うなら……
 『ジンギスカンキャラメル』とか?
 ウケ狙いで外すのはありますよね〜ッ」

厨房のほうに何げなく視線を向けたが、
それで異物混入を防げるわけでもない。

「『アリーナ』……『闘技場』ってワケですね。
 スタンド使いの闘技場、それもちっとも『違法』じゃない。
 へへっ、『裏社会感』バッチリしてきたワケですけど」

違法じゃないのは希望だが。

「へえ、『甥っ子の相手』――――」

        「なんかこう、ちょっと、
         お見合いみたいですね!
          ぷぷぷっ…………ウケる」

などと言いながら、少し考えるそぶりを見せて。

「う〜〜〜〜ん」

「あのあの、日にちの前に一応確認ですけどもォ〜〜〜、
 身内同伴で、メシまで奢ってもらって、おカネも出て。
 それで、対戦カードに『政治的』問題アリってコトですけど」

日沼はアリーナの仕組みを知らない。

「これってさ、『勝ち負けは忖度してくれ』ってワケじゃないですよね?」

           「そーいうのとは、逆ですよね?」
 
「『裏』とかなしで甥っ子さんをボコるか、イヤだけどボコられるか、
 勝ち負けは実力次第で、ガチで『戦う』――――それでいいんですよねェ?」

だが、『ケンカ』がある種の『ビジネス』になることは知っている。
そして、そうした種のビジネスには、『黒い疑惑』がつきものだ、ということも。

正々堂々は日沼流月の哲学ではない――――が、『後出しのルール』には『反骨』する。
なので万が一ということも考えて、いまのうちに『勝てばいいのかどうか』は明らかにしておく。

316『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/05(金) 01:33:28
>>315

コハル:「……です」

「ジンギスカンキャラメルは……美味しい、です……」

新元:「お見合いしたけりゃ紹介するけど、止めとけよ。お前と合わんよ。クソ真面目だから」

考えるそぶり。
それから質問。
コハルと新元はそれに頷いた。
疑問は最もだと言うように。

新元:「忖度の必要はねぇ。アイツは真剣勝負で三連勝してる」

「むしろ負けて欲しいくらいだぜ、挫折を知るって意味ではな」

まぁ、そう負けはしないがと付け加えた。

コハル:「僕はアリーナという組織がどんなものかは興味があまりないですけど、自分の管理する場所くらいはクリーンなものにしたい」

「そこは信じてもらって大丈夫ですよ」

317日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/05(金) 02:37:51
>>316

「……まじ? ウケる、味覚って人それぞれですね。
 サルミアッキとかも地元だと美味しいっていうらしいですしね」

あれを美味しいとはお世辞でもうなずけなかった。

「あ〜っ、流月もお見合い婚よりは、
 恋愛結婚希望してるタイプなんで!
 この話は破談ってコトでお願いします」

そして、紹介も受ける気はない。

「な〜るほどね! 強すぎて相手が見つからないってワケ?
 それじゃ、流月がそいつのことボコって挫折させたげますよ」

     ヘッヘッヘ
             「『負けはしない』とか言われると、
              『逆に』勝とうって気になるんですよね〜〜っ」

なにせ今からぶちのめす相手だ。
徹頭徹尾・徹尾徹頭ひっくり返してやるつもりだ。

 「まっ、勝負が始まる前から
  こういうこと言ってるとですよ?
  負けるってのがお約束ですけど――」

              ズギャン!!

「――――流月と『サグ・パッション』は、
 お約束ってヤツを『裏切る』のが好きなんですよね」
 
              「あそうそう、他何かルール説明とかあります?」

318『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/05(金) 21:29:40
>>317

新元:「……やってみな」

金歯を見せながら新元はそう言った。
意に介さず。
慣れたことに対処することのように。
まぁ、闘うのは自分ではない。
あくまで彼の甥である。

コハル:「心強い」

「そうですね。アリーナ、闘技場内に設置する道具などはある程度用意します」

「冷蔵庫とかなら大丈夫です」

319日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/05(金) 23:39:46
>>318

「やってやりますよ。流月、嘘あんまつかないんで!」

やる気にあふれたセリフ――――

「てゆーか、『道具』ですかぁ〜。う〜ん。
 あんまごちゃごちゃすごい仕掛けあっても、
 敵の人の能力次第で『逆用』されそうですしぃ〜
 シンプルなのがいいかな〜とか思うワケですけど」

から一転、スタンドヴィジョンを消し頬杖をつくような姿勢に。

「『柱』とか、そーいう障害物とか?
 あんまケンカの経験とかはないケド、
 なんとゆーか完全に真っ平なステージだと、
 さすがに『策士っぷり』魅せられないかなぁ〜とか」

     「へへ、なんでもイイってなると、
      『かえって』考えるの難しいですね」

正直なところ『スタンド戦』には慣れていない。
自分にぴったりな『ギミック』の考案などは、
日沼にはまだ、すぐに思いつくものではないが・・・

「冷蔵庫――――はナニ? メジャーなんですか?
 試合中に冷やしてるドリンク飲める、みたいな〜〜〜?」

             「ぷぷ、それはないですよねぇ」

あえてコハルが提示した『冷蔵庫』という妙なチョイスに、食いついた。

320『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/06(土) 01:46:23
>>319

やる気のある言葉。
そこから、一見消極的にも見える頬杖の体勢。
自然である。
ケレン味というよりも、日沼流月という個人の持つ自然体。

コハル:「なければないでも大丈夫ですよ」

それもまた選択の一つだ。
『サグ・パッション』は剛力のスタンドだ。
同時に大雑把なスタンドでもある。
大抵の障害物なり設置物は動かせるし、破壊できる。
それは強みである。
相手が仕込みを行うのが得意なら、その準備段階から潰しにかかれる。
あるいは、隠れるという行動を抑制できる。
同時に、細やかな動作が出来ないという弱みも抱えているが。

コハル:「いつだったか、冷蔵庫を用意した対戦があったはずですね」

「ステンドグラスの衝立とかも扱いましたね」

新元:「こっちは刃物を闘技場に用意してもらってる」

「刀をな」

321日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/06(土) 15:30:28
>>320

「ほんとに何でもありってワケですね。
 じゃあ流月も、『パーテーション』とかを〜〜……え?
 はも……刀?? それヤバくないですか〜〜??
 いや、流月、30万円で命売る気はさすがにないってゆーか」

             「『逆』のほうも」

    キョロッキョロッ

          「ほら、だって、『刀』」

話題が剣呑すぎるので声を抑える。

「っ使ってくる相手に、『加減』とかできないですしぃ。
 『サグ・パッション』ってコンクリとか砕けるんで、
 それで刀振り回す相手を思いっきり蹴ったりしたら、
 どっちが勝ってもどっちか死にそうなんですけど〜〜」

「その辺、安全とか大丈夫なワケです?
 いや、『逆に』そのエグさが観客にウケまくってて」

格闘技でも『事故死』はある。
それは、まあ、イヤだが、理解できる。

「それで、『アリーナ』っていうのがこう、
 『裏社会』パワーみたいので揉み消したり?」

「そーいうのセンパイの持ってる漫画で見たんですけどぉ〜……」

だが――刃物など持ち出せば毎回のように死人が出かねない。
興行なら犯罪ではないとは言っていたが、さすがにまずいと思い疑問をぶつけた。

322『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/06(土) 16:37:28
>>321


新元:「こっちが頼んでるのは闘技場内に刀を設置してくれってことだ」

「刀は自前のがある……お前さんが使ってもいいってことだぜ」

それでも刀を相手にするという事実は揺るがない。

コハル:「……治療は致しますよ。スタンドによる治療なので大抵の怪我は治せます」

裏返せば、アフターケアだけが万全の状態。
戦闘中の安全は当然保障されない。
スポーツ化された競技、と言い切れるものではない。

コハル:「痛みや負傷はともかく命は保障させていただきます」

「我々は殺し合いをしているのではないので」

そう言ってコハルが微笑む。
少なくともこういう状況ではそんな風に笑ってみせる必要はないはずだが。
それでもこの青年は不安を和らげるためなのか、笑ってみせた。

新元:「刀で首斬りゃあそりゃ死ぬが、お前ので頭ぶっ叩かれりゃ死ぬだろ」

「加減をしてくれるってのなら、話は別だが」

「俺の知ってる闘士の中には腹切られても死ななかった奴がいるから安心しろよ」

323日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/06(土) 17:01:03
>>322

「えぇ〜〜〜流月、剣道したことないんですよ。
 それに刀って、なんかちゃんとしたやつだと、
 漫画みたいに振り回せる重さじゃないって噂だし」

(『自前の刀がある』のに、『刀を設置』?
 それ、流月に武器くれるだけじゃん。
 騎士道精神みたいな? なんかのゲームで見た!
 ウケる。……いや、怪しい。ぜったい『裏』があるでしょ)

刀をふるう自分がイメージできない。
それで有利になる自分も、だ。
そのあたりは、まあ、『見極める』しかない。

「あ、けがを治すスタンド、ってのもいるんですね。
 よかった〜、とりあえず死にはしないなら。
 死ななくても斬られたりするのは嫌ですけど。
 ……死にはしないってコトで信じますんで〜!」

そういうルールでやっていて、
まじめな性格だというのなら、
首をハネにきたりはしないだろう。
そこは『紳士協定』として信じよう。

「てゆーか流月この前チャリで事故ったとき、
 けっこうな勢いで壁に突っ込んで、
 一瞬死ぬかと思ったんですけど……
 斬られるのってそれより痛いですかねぇ?」

        「斬られずに勝ちたいですねえ。
         観客も斬られるの期待してそうだし」

             ギシ

    「それを裏切りたいですよね」

椅子にもたれかかり、自転車事故で若干残ったあざを見る。
切り傷が目立つところに残ったりすると、本当に嫌だなあと思った。

324『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/07(日) 00:03:27
>>323

現状、刀の設置の理由は不明である。
向こう側からすれば何か仕掛けがあるのか、それともただ武器を提供しているだけなのか。

コハル:「えぇ、絶対に殺させません」

彼らの所属する組織は確かに裏社会といっても過言ではない。
だが、少なくとも映画や漫画のような裏の人間でもない。
……コハルはあくまで自身を裏社会ではないカタギの人間だと認識している。

新元:「存分に裏切ってくれ」

「……多分、自転車よりも数倍は痛いだろうしな」

俺は事故ったことは無いけど、と新元が呟いた。

その辺りで、ウエイターが商品を持ってきた。
新元の元には厚みのあるハムカツサンドと軽いサラダとコーヒー。
コハルの元には『熱烈歓迎ティラミスセット』―――ティラミスとババロアの盛り合わせ。
そして日沼の注文である『ジューシービックチーズバーガー』である。
岩を切り出したような大きめのハンバーグに、マグマのようなチーズが溶けている。
横にはセットのクリームソーダだ。

325日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/07(日) 02:16:59
>>324

「相手の人も死なない感じでお願いですよ」

(とりあえず『刀』は迂闊に触るとヤバいか。
 これで何の仕掛けもなかったら逆にウケるけど)

「おっ、来ましたね〜メニュー。
 超おいしそうじゃないですかぁっ」

          スッ

「カロリーヤバそ〜〜〜。写真撮っていいです?
 このメニューとか『機密事項』だったりします?」

「ぷぷ、普通の店だしそれはないですよね〜」

スマホを取り出しつつ、
クリームソーダを手元に引き寄せる。
写真は、許可されるまでは撮れない。
勝手に撮ってキレられたことがあるのだ。

「対戦は、今日はいきなりすぎるんでぇ〜っ、
 明日か、明後日くらいでお願いできますか?」

      「別に何を準備するワケでもないですけど」

326『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/07(日) 03:10:32
>>325

コハル:「いいですよ」

コハルの店という訳では無いが。

コハル:「では明日で」

「」時間は追って連絡しますから、連絡先交換しときましょうか

327日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/07(日) 03:48:58
>>326

「やたっ。じゃあ撮りまぁ〜す」

           「チーズ」

       パシャ

「あっ駄洒落みたいになっちゃったじゃん!
 ぷぷぷ……そっちのチーズじゃないんですよぉ」

               パシャ            

チーズバーガーを画面に収めつつ、
フォークなりで解体しながら胃にも収める。

「んじゃ、明日ってことで」

「集合場所は、明日もここでいいんですかね〜?
 それか、闘技場の場所に直で行ったほうがいいですかぁ?」

328『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/07(日) 12:14:10
>>327

新元:「何も言ってねぇよ……」

そう呟き、それぞれが自分のものを食べ始める。
チーズバーガーは非常に食べごたえのある一品だ。
何種類かのチーズが混ぜ合わされており、ソースの味も合わさり濃厚な味が口に広がる。

コハル:「明日またここに来てください。闘技場までお送りします」

329日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/07(日) 21:27:35
>>328

「言われるかと思いましたんで〜。
 んじゃ、明日ここに徒歩で来ますです」

         「これウマッ」

             スッスッ

手元や服を汚すことなく、
ハンバーガーを食べ終える日沼。

「あ、メイクとかしてきたほうがいいですかね〜?
 それか、試合前に『メイクさん』とかいたりします?」

「ぷぷ、どうせ汚れますけど……いや笑いごとじゃないですか」

今日は帰ったらセンパイに借りていた『格闘漫画』を読み、
あとYoutubeで『格闘動画』を見るなどしてテンションを上げておこう。

330『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/10(水) 13:33:40
>>329

コハル:「英気を養って下さいね」

ビッグでジューシーなハンバーガーは日沼によって平らげれた。
次は対戦相手を平らげるか、敵の攻撃を食らうか。

◆◆◆◆◆◆

翌日、呼ばれたのは少し遅い時間だった。
格闘漫画と動画による予習は完璧である。
既に来ていたコハルは黒服に身を包んでいた。
正直、似合ってはいない。
そして今回のアシとなるのは黒塗りの高級車だ。
黒服の彼と合わさると怪しさ、あるいは剛力な雰囲気が増す気がした。

コハル:「どうぞ、お乗り下さい。日沼さん」

コハルが後部座席のドアを開けた。
乗り込めば闘技場まで案内されるだろう。

331日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/10(水) 19:01:43
>>330

「こんちゃ〜〜っす。
 うわ、『マフィア』みたいな車ですね〜」

昨日とさほど変わらない服装で現れた。
実際のところは、安物や古い服が中心で、
汚れても問題ないよう心構えはしている。

       「そのスーツ制服です?
         私物じゃないですよね?」

            スィッ

「うわ〜ッほんとに『裏社会』っぽ〜〜〜い」

そういうわけで、車に乗り込む。
シャンデリアとか、ついてたりするんだろうか?

332『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/11(木) 00:16:57
>>331

コハル:「僕がお世話になった方がこういうのが好きみたいで……厳めしい感じですよね」

「これは……半分制服ですかね。派閥の長になる人とかは割と自由だと思いますけど」

座れば体に感触が伝わってくる。
バスや電車といった公共交通機関や自家用車とは明らかに違う座り心地。
良質という概念を切り取ったような品質だ。
シャンデリアこそないが車内は明るく、ポータブル冷蔵庫の中では炭酸飲料が冷やされている。

コハル:「クリームソーダもご用意しています。お好きでしょう?」

「それと、資料にお目通しをお願いしますね」

運転席に座ったコハルが渡したのは折りたたみ式のバインダーだ。
それを開くと中には闘技場の写真と対戦相手の資料らしいものが挟まれていた。

333『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/11(木) 00:33:11
ランカー名:新元 令和
スタンド名:『レイ・レイ・ワウ』(Lay Lay Wah)
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:強くなる
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=VeUQk7O-1E4

『ASCENSION CLUB』の新人。
新元流という剣術を扱うスタンド使いです。
その太刀筋は稲妻ともいわれる居合術。
ストレートな人ですよ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。

コハル:「今でしたら闘技場内に新しく物を置いたりできますけど、どうしますか?」

「これで大丈夫でしたら、このままで闘えますよ」

334日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/11(木) 01:31:08
>>332

「ふ〜〜〜ん、そういう感じなんですね・・・」

あまり面白くはなさそうに、
制服について聞きながら、
シートに思う存分背中を沈める。

「高級車はいいですね〜っ。
 うわ、冷蔵庫までついてるし!
 ウケる……あ、クリームソーダ。
 いや〜至れり尽くせりすぎますけど、
 こーいうのは『逆らって』も仕方ないんで」

「うん、好きです! いただきま〜す」

           ジャリジャリ

素直に好物を食べさせていただきつつ、資料を受け取る。
逆らうのは、自分が逆らいたいと思った時だけでいい。

「ん……令和? ぷぷ、ウケる。ノリノリな名前ですね。
 あ〜そ〜ですね、ギミックとか正直よくわからないですし」

「う〜ん、『障害物』が多いと『かえって』戦いにくいんで。
 あんま刀振り回せないように『柱』並べてもらうとか、
 そーいうのも考えないでもないワケですけども〜」

      「初戦から物に頼るのもシャバいでしょ?
       流月の『知略』をアピールするにしても、
       『結局モノ頼りかよ』って思われるよりは、
       あるものを利用する方がカッコいいっていうか〜っ」

これは、明らかに格闘漫画と不良文化の影響を受けた発言だ。

335『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/11(木) 02:00:59
>>334

コハル:「じゃあ、このままで試合が出来るように伝えておきますね」

「シャバいかどうかは人それぞれですけど」

口の中にクリームソーダの味が広がる。

コハル:「そういえば、日沼さんはレディースか何かなんですか?」

「いえ、何となくそう思っただけですけど」

336日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/11(木) 02:26:47
>>335

「そーですね、流月的にはどうかなってだけなんで〜」

         「『レディース』ってゆーか、
          まあ、そんな感じですね。
          『桜裏悲鳴』ってチームで」
 
            「流月頭いいんで、『参謀』的なね〜」

質問に軽く答えつつ、車が目的地に着くのを待つ。
さすがに車内をスマホで撮ってSNSに上げる気はしないし。

337『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/11(木) 22:41:50
>>336

車が到着して、日沼は控え室らしき場所に通された。
ロッカールームのようになっているそこにはパイプ椅子が置かれている。
先程のシートに比べれば幾分座り心地が悪い。

コハル:「それでは最後にこちらを」

渡される書類。
それは『アリーナ』にランカー、闘技者として登録するためのもの。

【ランカー名】
【スタンド名】
【異名】(必要なければ空欄でよい)
【入場曲】

338日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/12(金) 00:23:50
>>337

「車はめっちゃ豪華だったのに、
 こっちは庶民的な感じなんですね」

    「『かえって』落ち着きますけど」

          ギィ

パイプ椅子に体重を預けつつ、
書類に目を通し、必要事項を記入する。

         ヒヌマ ルナ
【ランカー名】日沼 流月
【スタンド名】『サグ・パッション』
【異名】『逆作姫(サカサヒメ)』
【入場曲】ttps://www.youtube.com/watch?v=qNBrTOnw0Gw

「別に『ジャニーズ』も『逆裁』も、
 特別好きってワケじゃないですけど〜
 流月にぴったりだと思うんですよね」

              「タイトルとかですよ」

異名については特に触れない。
これについては『自然に出てきた』から、自慢も照れも今はなかった。

339『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/12(金) 22:53:21
>>338

コハル:「なるほど逆転」

「……頑張ってくださいね」

書類をチェックし、コハルが頷く。
どうやら受理されたようだ。
どこかから音が聞こえる。
興行は着々と進んでいるらしい。

コハル:「では、日沼さんの試合の準備が出来たらお呼びいたしますね」

「それまでお待ちください」

頭を下げて、コハルが部屋から出て行った。

340『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/12(金) 23:00:50
アリーナの控室。
日沼の部屋から離れた場所にあるそこに一人の男がいる。
名は新元令和という。
座禅を組み、瞑想をしていた。
傍らには鞘に納められた日本刀。
目の前には蝋燭が立てられている。
薄暗い部屋の中で蝋燭の火が空調の風で揺れていた。

「時間だぜ」

扉の前から声がする。
自分の叔父の声だ。
ゆっくりと立ち上がり、鞘を掴む。

「今行きます」

そう答えて、男は刀を抜いた。
居合。
蝋燭の火を切り裂き、部屋の中は完全な暗闇になった。

「今日の相手は?」

「日沼流月って女の子だよ」

「……女性は苦手です」

扉が開かれた。

341『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/12(金) 23:11:59
時間が来た。
日沼の控室にコハルがやってきたのだ。
扉を開け、長い通路を歩いていく。
徐々に熱気が増していくのが分かる。
人の声が聞こえる。
観客の声だ。
日沼を待っている。
日沼流月の闘いを待っている。
人々の持つ熱量が本物の熱のように伝播してくる。

コハル:「あ、僕はここで失礼しますね。解説とか実況もしないといけないので」

そう言って途中でコハルはいなくなった。
一人で歩く。
道の先にひと際明るい場所がある。
入場口だ。

コハル:「あぁ、すいません。普段なら日沼さんに先に入場してもらうんですけど……」

「今回に限っては赤コーナーから入場していただきます」

確か、コハルは別れる時にそう言っていた。
だから今できるのは相手の入場を観察するのと、どんなふうに入場するかを思案することだ。
他にも、闘技場の観察なども出来るだろう。

342日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/12(金) 23:40:34
>>339-341

           ザッ

「流月さあ、部活とかやらないから、
 こーいう『大舞台』って初めてなワケですよ」
 
         ザッ

コハルと別れる前に、そういった。
それから、一人で通路を歩きながら、
誰に言うでもなく言葉に出していた。

「だから、後入場で良かった。
 さすがにちょっと緊張するし〜」

           ピタ

「どういうものなのか、基準も見ときたいし」

               「さ」

足を止めて――――『令和』を名乗る男を見やる。

343『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/13(土) 00:55:44
>>342

闘技場に立っていたのは新元号であった。
着崩したスーツを身にまとい、手には一本のマイク。

「アリーナにお越しの紳士淑女の皆様方、本日もわざわざご苦労!」

「『ASCENSION CLUB』及び『新元流剣術』が誇りをもってお送りするファイターはこの男!」

音が鳴り響く。
新元令和の入場曲だ(ttps://www.youtube.com/watch?v=VeUQk7O-1E4)
その音響に負けぬほどに新元が声を張り上げる。

「二十四時間、一週間、十二ヶ月、即ち三百六十五日、人生の全時間を武に捧げる男!」

「『大槻正』『昭山和』『平成美』の三人をことごとく切り捨て目下三連勝」

「この男の紫電一閃の一太刀の前にすべての者は一・刀・両・断!」

観客も一刀両断と声に出して斉唱する。
明らかに入場口から感じる熱が増していた。
大きな歓声がうるさい。

「176cm、82kg『閃く紫電』新元令和ァ! 新時代を切り開く令和維新だ!」

来る。
対角線の入場口。
新元令和は叔父の熱に反してゆっくりと歩いて出てきた。
既に抜かれた刀を右手に、鞘を左手に持っている。
袴を履いた和装の男。

「それでは今日の相手にご入場頂こうかァ!」

そう言って新元号が去っていく。
さぁ、入場だ。

344日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/13(土) 15:24:07
>>343

「えっ。身長体重とか言わなきゃダメなやつなのこれ!
 流月、その辺はトップシークレットにしてるんだけど〜っ
 あいつが勝手に言ってるだけだよね。そういうことにしとこ」

              ザッ


         ザッ

「とゆーか観客もノリノリじゃん」 

        「流月、アウェーなのかな」

                「『ひっくり返し』甲斐あるじゃん」

   ――――ザッ


(……あの異名とか、流月で名乗らなきゃなのかな?)

何かアナウンスなどはあるのだろうか――――あるならそれから。
特に無さそうであれば、『入場曲』が流れ始めてから。
入場口から、観客から見えるところまで歩み出る。
そのへんの『きまり』を破るのは『反骨』ではなく、
単なる無秩序……ルールだから破るんじゃない。

    『破りたいルールだけ破ってやる』。

逆巻いた金の髪、オーバーサイズのパーカー、デニムパンツ。
キメた恰好もせず、素のままでいかにもな『サムライ』の相手になってやる。     

      ズギュン

「『サグ・パッション』――――」

「『四連勝』を見に来たヤツらには悪いんだけどさぁ〜〜〜〜〜〜ッ」

          「今日は流月の華々しいデビューを見てもらうからね!」

マイクもない声が聞こえるかは知らないが、自分に言い聞かせる意味もある。
叛逆は無意識から湧く感情ではない。この世界の予定調和にノーを突きつけるため燃やす炎だ。

345『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/13(土) 22:46:12
>>344

『解説という立場でありながら言わせていただきます』

『彼女は今、圧倒的なアウェーの中にいます』

コハルのアナウンスが響く。
観客の声援も若干のトーンダウン感が否めない。

『ですが! ですが、だからこそ彼女は輝きを放ちます!』

『流れに逆らう、空気に逆らう、逆境の中で何かを掴む!』

『三連勝の侍に挑むのは一人の少女』

『彦星と織姫が出会うような衝撃的な一幕を生み出すのはこの新人!』

『逆作姫』

『日沼流月ァァァァァ!』

曲が鳴り響く(ttps://www.youtube.com/watch?v=qNBrTOnw0Gw)

《やってやれお嬢ちゃーん!》

《ぶった切られろォ!》

《カワイー!》

《ヒュー!》

様々な声が鼓膜を揺らす。
対する新元令和は日沼に頭を下げ、鞘に刀を収めた。
戦いが始まる。

346日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/13(土) 23:22:59
>>345

「ね、ね。聞いた? 今可愛いって聞こえたよ。
 ま、流月も自分の見た目に自信なくはないけどね。
 でも、今日そんなにメイクとかしてきてないワケだしさ」

「それに、『やってやれ』って」

             ズギュン


「『アウェー』は『裏切る』」         

「期待は『裏切らない』」

スタンドを発現して、一歩前に出る。
頭を下げ返したりはしない。
『武道』をしに来たんじゃあないからだ。

(刀、出してたのになんでしまったんだろ。
 『居合切り』ってやつだったりする?
 でも、それなら設置してる刀が抜き身なのは変でしょ)

ステージに目を走らせる。
刀が刺さっているタイルに『損傷』はあるだろうか?
つまり、『もともと使っているタイルにそのまま刺してる』のか、
それとも特注の『刺すための穴があるタイルなのか』を見たい。

347『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/14(日) 00:22:29
>>346

『実況、解説はコハル・トランプが送ります』

『それでは、はじめっ!』

日沼は闘技場内に視線を巡らせる。
白い砂がまかれているから分かりにくいが、しっかりとつき立っている。
恐らく、穴を開けられた特殊な床なのだろう。
特殊な刀、という感じではなさそうだ。

「では、一太刀を」

ゆっくりと新元令和が近づいてくる。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□新□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

348日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/14(日) 01:55:22
>>347

(無理やり突き刺した感じじゃない。
 つまり『昨日今日用意した床』だ。
 そんな変な『工事』なんてする時間ないでしょ)

「――――よし、やってみよう」

        (……つまり)

             ブンッ

唐突に、前方の地面に『サグ・パッション』の手を振るう。
床を砕いて『剣士』の戦いを牽制するのもだが、
ほかに、確実にしておきたいことがあるのも理由だ。

それは――――『床』が、どのような性質なのか、ということ。

もっと具体的には・・・『床タイル』は『剥がせる物』なのかどうかだ。
その可能性を、考えていた。いわゆる『ギミック』を設置する都合、
床の材質は一定であってはならない。切り替えやすい必要がある。
例えば『冷蔵庫』を置くなら『電源』をどこかから引く必要があるが、
そのために、わざわざ『工事』をしていては『商売』にならない。
今回のように『穴の開いた床』を用意するなどは、なおさらそうだろう。

もちろん『床の性質を変えるスタンド使い』がいる可能性はあったが、
派閥という概念の存在を考えれば、『ステージ』をそれに依存する可能性は低い。
・・・これももちろん、『考え違い』の可能性はあるが、リスクも薄い。試す価値はある。

(どっちにしろ、一手目は『床を砕く』って決めてた。
 『武器』を手に入れながら、相手の強みを奪う。
 ついでに『今後』の布石も打つ。流月やっぱ頭いいわ〜!)

「一太刀もいいけど、『1タイル』なんてのはどう?」

手をふるう位置はタイルの『端』だ。
タイルが土台に『接着』『固定』されている可能性を考え、
それを無理やり『引きはがし』て『サグ・パッション』に持たせるため。

もしアテが外れても、それはそれで床の砕ける破片が生まれるだろう。
その場合は大き目の破片を手に取ればいい。『1タイル』は、『フカシ』になってしまうが。

349『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/15(月) 23:29:28
>>348

       ガゴォン

『サグ・パッション』の腕が振り下ろされる。
床タイルはその膂力によって砕かれた。
柔らかくはないが、少なくとも『サグ・パッション』のパワーからすればその辺りのものと変わらない。
タイルと床を繋いでいたのはボルトだ。
しかし、『サグ・パッション』は無理やりにその拘束を引きはがし、パネルをぶっこぬいた。
宣言通り、一タイル。

《何という金剛力でしょう! 床パネルを引き抜きましたァ!》

「では、太刀とタイル、どちらが、はやいか……」

新元が鯉口を切った。
その瞬間だった。
彼の刀が光った。
恐らく紫の色だったように思える。
そう思った時には、彼は深く、深く踏み込んでいた。
目にもとまらぬ速さの踏み込みである(スB)

「どうしますか?」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□新□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

350日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/16(火) 02:30:43
>>349

「よし、上出来――――」

(ってやばい! いきなりこっち来てるし!
 いや、そりゃ刀なんだから来るんだけど。
 来るって知ってるからタイル剥がしたんだ)

           「――――じゃん!」

   トッ

(いや違うっもっと落ち着け流月、
 『いきなり来た』……そうだ、速すぎる。
 いくらサムライでもあんな早く踏み込めないでしょ)

(出来ないはずのことが出来てる。――――じゃない。
 『逆に』考えればいい、あいつの出来る事のひとつはこれだ)

スタンドにはタイルを『前に突き出させる』。
振るうとか、持ち変えるとかはいらない。
引きはがしたまま、それを前に突き出させる。
精密動作性の低さを補うには単純な動作がイイ。

「『速い』のはそっちかもしれないけど、
 『早い』のはこっちなんじゃない?
 『攻撃する準備』の話だけどさぁ〜〜〜ッ」

     「自慢の刀も届かないうちなら棒と同じッ」

(だから『当てるため』にもう一手くらいあるかもしれないし、
 それを見とくためにも、迎え撃つので間違いない、間違いない)

位置変えも考えたが、迎撃と両立すると半端になるし、
タイルを捨ててまで全力回避するよりは、この方が次につながる。

力任せに、タイルを突き出し、接近してくるのを迎え撃つ。
常人ならこれで死んでもおかしくないが、まあ、『小手調べ』になるだろうか。

351『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/16(火) 03:12:04
>>350

《日沼選手、スタンドにタイルを突き出させます!》

        《刀を扱う新元選手相手には有効な牽制です》

「確かに……」

刀という武器の性質上、接近しなければならない。
殴打も接近を必要とするが、投擲などの手段によって射程をカバーできる。
それに、『サグ・パッション』のパワーなら、生身の人間に一撃与えるだけでもかなりのダメージになる。

「……ならばこれにて」

新元令和は跳んだ。
立体的な動きで、日沼の視界の中の新元が大きくなる。
彼が着地したのはタイルの上だ。

《八艘跳びもかくやという華麗な跳躍! 両選手が一気に急接近!》

『サグ・パッション』のパワーであればタイルを問題なく支えられる。
人ひとりが乗ったところでそれは変わらない。
故に、新元は足場にそのタイルを選んだ。

「届けば棒でなく刀と知りなさい」

刀が抜かれる。
抜きながら斬りにかかっている。
先ほど同様なら人を超えた速度の斬撃が訪れる。
距離が詰められたからか、日沼の目にははっきりと彼の刀の変化が見えた。
光ったのは彼の刀そのものではない。
彼の刀は電気を纏っている。
相手は紫電を纏った刀を持っているのだ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□新□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

352日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/16(火) 05:26:02
>>351

(やばっ!? 速いだけじゃあないっ運動神経やばい!!
 これ能力? 素でやってる? 速いのは能力だけど、
 こういうの『古武術』とかやってたら出来てもおかしくないし)

             (能力なのはこの電気みたいなのだ!)

  (でも)  (この間合いはめちゃ怖いけど)  
 
          (良かったかも。こいつが運動神経よくて。
            普通の相手ならこの手は使えなかったでしょ)

タイルを、迷わず手放させる。そしてスタンドとともに下がる。
手放したことで空いたスタンドの手は――――『拳を握り』構える。

「そういやさ! 『アセンションクラブ』?」

       「『上昇』だっけ、上昇……」

タイルをはがすとき、なぜ『砕いた』のか。
最初から剥がしに行くのではなくなぜ砕いたのか。
――――固定を外すために? それ『も』ある。

「そんなに上昇志向強いならさ〜!
 流月の手が届かないとこまで昇っちゃえ」

         「『サグ・パッション』」

だが、もう一つある。『サグ・パッション』はタイルから手を放した。
タイルは『新元』の体重で床に落ちる。『普通なら』。

           ギュッ

――――『サグ・パッション』には能力がある。
布石は、打った。タイルに叩き込み、印した。(>>348メ―ル欄『印』)
タイルを砕くための打撃は同時に、叛逆の印……『痕』を『刻印』するための物だ!

そして拳を握れば……発動させる。『叛逆』の力を。
上からかけられた体重で、順当に地面に落下するはずのタイル。

       「『叛逆』の旗印だッッ!!!」
 
                        ギュゥゥゥゥッ

体重をかけ続ける限り、『下への力』を入力する限り、『上昇し続ける』タイルになれ。

もし仮に何かの理由で能力発動がうまくいかないとしても、『タイルが落ちて敵の姿勢は崩れる』し、
『サグ・パッション』が拳を構え、下がって多少対処の余地をとれるのも事実としてある。それはそれでいい。

353『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/17(水) 00:21:12
>>352

相手の刀に纏った電気を能力と予想する日沼。
その答えはどうだろうか。

「ん」

手を離し、手を握る。
一見意味のない動作のように見えるがそうではない。
既に刻まれた『痕』がある。
上昇。
与えられた新元の自重によって落ちるタイルが逆にせりあがる。

《こ、これは……! 複雑怪奇!》

「ほう……これは」

下向きに振るわれた刃。
『サグ・パッション』の腕をかすめるがダメージを与える程ではない。

「面白いスタンドをお持ちで」

《まるで重力に逆らうようにタイルが上昇します! これが逆作姫の生み出す叛逆の狼煙!》

不味いと思ったのか後方に新元が飛び退いた。
刀を納め、地面に転がって衝撃を分散する。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□新□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

354日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/17(水) 01:45:11
>>353

「っつ! あっぶな! 斬れたかと思ったじゃん……!」

(こいつの能力は『電気の刀』!
 だと思ったけど、それじゃあ、
 刺さった刀はほんとに何?ってなるし)

    「しかも余裕しゃくしゃくだし」

          「面白い〜ッ?」

      (電気……『電磁力』?
        だめだめ、まだ考えても無駄)

「いやいや〜ッ、それほどでも。あるけどね〜ッ
 でも、『令和』クンのスタンドもウケるんでしょ?
 もう4戦目なのにこんなにお客さん来てるんだし」

単純な刀の強化だけで『3連勝』出来るとは思えない。
まだ先があるのだろう。が、それを今判断できる材料はない。

「流月も、エレベーターだけの一発屋じゃないワケだからさ」

「面白いだけで済むかどうか、まだまだこっから『ひっくり返す』」
 
               ブォンッ

新元令和が『降りた』のだから『入力』がなくなり、
タイルは――――日沼と『サグ・パッション』の前に落下してくるはず。

そこに向けて、1歩踏み込みながら、スタンドでパンチを放つ。
砕くためのパンチではない。砕けてもいいけど。狙いは『前に飛ばす』こと。
精密な狙いなんて当然つけられるはずはない(パス精BCD)
けれど、パンチが当たれば、前に飛ぶ。それはまあ、期待していいはず。
手に持つ武器、エレベーターと酷使したタイルを、次は『飛び道具』にするのだ。

355『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/18(木) 01:25:37
>>354

「私も斬ったかと思いましたが……なかなかどうして」

「面白い」

控えめに、新元令和は笑う。
お互いにまだ万全の状態である。

《先ほどまで重力に逆らっていたタイルが落ちてきます》

《日沼選手、そのタイルを打ちぬいたァ!》

タイルは変形しながらも新元に向かって飛んでいく。

「……では最短距離にて」

床に手がつくほどに姿勢を低くし、タイルを避ける新元。
姿勢を起こしながら刀を抜きつつ、再び神速の踏み込み。

《新元選手、再度の接近!》

「逆作姫……日沼さん……」

「ともかく、お覚悟を」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□タ□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□新□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
タ:タイル。現在も飛んでいる状態

356日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/18(木) 21:46:10
>>355

「斬られる覚悟なんかするわけないでしょ!
 ま、でも、覚悟はちゃんとしてるから。
 『逆』のだけどね…………本気でブン殴る覚悟ッ」

スタンドと共に、やや後退する。
『攻撃』が到達するまでの時間を少しでも稼ぐため。

      「『サグ・パッション』!」

   ギュッ

拳を固く握り締め、迎え撃つように、低く掬うような軌道で殴る。
相手の方が速いにせよ、何もせず斬られる事にはならないだろう。

それに・・・・・・

「それによ」

「そういう『精神論』より『策』で戦う!
 それが、流月の『参謀』たるゆえんだからさァ」

そして、握った拳は再び……発動する。
打撃にて刻む印、叛逆の証(>>354メール欄)
後方に飛んだタイルを…………ブーメランのように引き戻す!
これにより発生する挟撃。もし斬られても、いや斬られたくないが、
それに匹敵するか……それ以上のダメージを負わせてやる。

後退は・・・敵の攻撃だけじゃあない。
この『攻撃』が届くまでの時間を稼ぐ意味もある。

357『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/18(木) 23:14:09
>>356

「精神論?」

「これは心構えというもの」

後退しつつ、拳を振るう。
間違いのない力を行使する。
それに対して新元が取った行動は深追いをしないことだった。

「まさか遊びに来た訳でもないでしょう」

一度上がった姿勢がまた下がる。
刀は完全に抜かれ、低い姿勢のまま新元が右手に持ったそれを構えた。
低い姿勢であれば必然、戻ってくるタイルはそのままに。

《タイルのブーメラン……!?》

新元の頭上ギリギリをタイルが掠める。
日沼に向かってそのまま返ってきている。

「逆作姫、逆さ姫。逆さ……上昇……ふむ」

「では参謀殿、次はそのタイルを掴んで再び投擲しますか?」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□新□□□□□■∴
∴■□□刀□□タ□□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
タ:タイル。現在も飛んでいる状態

358日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/18(木) 23:51:17
>>357

(背中に目でもついてるみたいに!
 『読まれた』? それともただの偶然?
 これが能力、って感じはしないけど)

回避された『タイルのブーメラン』。
その『叛逆』を取りやめさせ、
戻ってきたそれをつかみはしない。

「そういう予想されちゃうと、
 『逆らい』たくなっちゃうじゃん!」

実際には逆らうというより、精度の低さを自覚している。
この危急の状況で、わざわざ難しいことはしない。
やることは右手でタイルを床に『打ち下ろす』ことだ。
低い姿勢で突っ込んでくる敵に対する、壁にするかのように。
一応、この時もタイルに『痕』を刻印はしておこう。
動きを止められれば御の字だが、敵も未だ『技』を見せていない。

「そっちはどーすんの?
 また『サーカス』みたいに飛び乗る!?」

(斬られたらまじでやばい……『覚悟』してても痛いものは痛い)

          (けど)

              (刀……狙う価値はある)

だから、左手は空けてある。
先ほどのようにタイルの上を超えてくるか?
それとも迂回するか、タイルを吹き飛ばしてくるか?

上を超えてくる場合、打ち下ろしたタイルを『上昇』させて防げばいい。
迂回と、突破。意識をそこに絞って――――最悪、『反撃』も視野に入れておく。

359『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/19(金) 01:27:06
>>358

敵は三戦を勝ち抜いた闘士である。
戦いの勘というのがあるのだろう。

《日沼選手、自らに返ってきたタイルを叩き落とす!》

タイルがひしゃげて床に落ちた。

《両者決定打を打てないでいます!》

新元は右手側に回り込む。
直線的な前進だ。
刀は既に抜かれている。

《しかしそれは両者が警戒し、力が拮抗していると……あァ!》

横薙ぎに刀が右腕を狙う(スB)。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□タ新□刀□□■∴
∴∴■□□□□日□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
タ:タイル。現在も飛んでいる状態

360日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/19(金) 02:44:03
>>359

(来たっ――――右から!
 いや、そりゃそうじゃん。
 左手残してる相手に、
 左から来るわけないんだし)

     (これなら避け――――)

られなくは、ないだろう。
タイルを回り込むように動けば、
当たったとしても刀の振りはタイルに阻害され、
少なくとも腕が飛ぶような重傷は避けられるはず。

(られるけど)

     ダンッ

(ちょっとは当たるかも……!)

そう、動こう。地面を強く蹴飛ばし左上のタイルへ。
直撃は避けたい。カウンターを狙うには敵の攻撃の性質が不明瞭すぎる。
そして――――

(しかもあの刀に近づくことになるッ、警戒しない理由とかない!)

マップ左下の刀。これは、警戒しておく。
当初考えていたような『電磁力による刀身操作』の可能性もある。
あるいは、単純に、何か罠が仕掛けられている可能性だってある。
挟み撃ちのようになれば危険だ。『サグ・パッション』の腕はいつでも振るえるように。

361『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/21(日) 00:41:02
>>360

地面を強く蹴る。
敵の攻撃は未知数。
どんな一撃が来るのかはまだ分からない。


        ブンンッ

《日沼選手、新元選手の一刀をかわすゥ!》

「否、二刀なりや」

そのまま、新元が回転する。
まるで踊るように足を運び、日沼めがけて鞘が振られる。
踏み込み。
日沼との空間を埋めるように新元が動いた。

   バチッ
            バチチツ

衝撃。
痛み、そして痺れがやってくる。

《二段構えの一撃が日沼選手を捉える!》

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□日新□□刀□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
タ:タイル。床に落ちている。

362日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/21(日) 02:06:26
>>361(質問)
・鞘の攻撃を受けた部位は、刀で狙っていたのと同じ右腕でしょうか?

363『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/21(日) 03:32:53
>>362

その形になります

364日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/22(月) 08:49:52
>>361

「いッ……」

(斬られてない! 殴られただけ! 斬られてない!
 殴られただけ!? ……違う! 今なんか痺れた!
 電気……刀に電気を帯びさせるだけじゃなくて、
 鞘にも電気を帯びさせられるんだ。そういう能力)

(とにかく…………斬られてはない!!)

       「たァァッ!!!!」

殴られた勢いのまま、スタンド諸共体勢を崩す。
実況の言葉……たしかに『二段構え』と聞こえた。
刀と、鞘。そういう二刀流といったところか。

(…………二刀流なら刀二本じゃダメなの?
 せっかく他に四本も刀置いてるんだし、
 最初から二本刀持って戦う事もできるはず。
 鞘があるのが大事なのかなぁ…………ああ痛ッ)

右腕は動くだろうか?
過度に確かめることはしないが、
感覚は確かめておきたい。痺れの影響もある。

「…………こんのッッッ!!」

言葉がうまく口から出て来ないのを自覚する。
ヒートアップし過ぎているのかもしれない。

(ちょっとクールダウンした方がいいかな……
 ……落ち着きすぎても『逆に』良くないけど!)

ともかく、反撃は……『スライディングキック』だ。
体勢を崩したのは痛みから逃げるためだけじゃない。
敵の視界から消え、滑り込むような蹴りで足を狙うためだ。

それに・・・左腕は敵と逆側、右腕の動きは怪しい。
ゆえに、敵に一番早く攻撃が届くのは脚、というのもある。

365日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/22(月) 08:50:36
>>364(メール欄追記)

366『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/22(月) 21:42:11
>>364

右腕の痛みと衝撃。
筋肉の中に刺すような痛みがある。
痙攣というか、腕がこわばっているのを感じる。
徐々にその感覚は薄まっているが、受けた直後なら行動は難しいかもしれない。

「痛いですか? 痛いのは苦手ですか?」

「だとしたら、申し訳ないですが」

《日沼選手、ダウンか!?》

日沼は体勢を崩す。
攻撃によってでは無い、自発的にだ。
放送席のコハルや新元はまだ気づいていない。

《アァー》
《逆作姫ー!》

観客の声。
まだ、気付いていない。
故に。

ゴウッ

その行動の意図に気付けない。

「んっ!」

新元の左足にキックを叩き込む。
その攻撃や崩した体勢の都合上、日沼は床に体を預けることになった。
新元が後方に弾け飛ぶ。
たしかに当たった、少し手応えが薄い。

「……折れたかと思った」

《これはッ! 知略の一撃!》

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□日□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
タ:タイル。床に落ちている。

367日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/23(火) 00:12:22
>>366

(センパイがケンカでスタンガン食らった話してた。
 どーでもいいから忘れちゃってたけど、
 こういう感じなのかな……! これは確かに痛い)

          (どーでもいいけど……)

(『逆に』どーでもいいことを、
 『あえて』考えた方が、
 クールダウンする気がする)

        ふぅーーーーっ ・ ・ ・

息を深く吸い込み、スタンドの右腕で地面を叩く。
どれくらいのパワーが出るか、一応確かめておきたい。
全力が出るならタイルを砕くことができるはず。
いずれにせよ、殴打の際は『痕跡』を残しておく。

(スタンガン……なら、一発で動けなくなるよね。
 『暴漢』とかに襲われたときに使うんだし、
 ちょっとしびれるだけとかそんな風にはしない。
 スタンド……スタンドで、できる事がスタンガンより弱いことなくない?
 流月の『サグ・パッション』は、人間にも道具にも出来ないことができる)

         (やっぱこいつの能力、まだ『奥』があるでしょ……)

「折るつもりで蹴ったんだけどね〜」

そして、立ち上がる。
この体勢のまま戦うのはさすがにヤバいし、動ける場所で戦いたい。

「流月の『知略』と、『サグ・パッション』の『戦力』!
 今の流月は、一人で『桜裏悲鳴』を体現してるってワケ」

              「いやむしろ超えてるかも。『強さだけ』なら!」

可能であれば、上にタイル2マス〜3マス分くらい動きたいところだ。
刀に囲まれることになるが、それよりは端に追い詰められる方が不味い。

368『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/24(水) 22:10:51
>>367

スタンガン。
サイズ的に言えばスタンバトンといったところだろうか。
スタンガン程度の能力であれば、スタンガンを使えばいい話ではある。
だから現状において相手の力が未知数であるということは間違いではないのだろう。

「ですが、折れなかったのは幸いですね」

刀を納め、日沼の移動を見つめている。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□日□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

369日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/24(水) 23:45:37
>>368

            ザッ
 
「そこは『鍛えてるから効かない』とか、
 ツワモノ感出してくれた方が、
 絶望感で『逆に』盛り上がらない?」

       ザッ

「効いてなかったら困るワケだけどさぁ〜ッ」

(追ってこない、まだ動けないんだ。
 でもこっちも体制整えたかったし、
 無理攻めするよりはまだ堅実でいい!
 無理するのは、勝負所だけでいい……)

無駄口をたたきながら位置を変えた。
叩いた床はどうなっているだろうか?
そもそも腕がまだ動かなかった可能性もあるが。

(刀を……なんでまた納めたの?
 鞘と刀で二刀流がスタイルでしょ。
 居合術とかそういう感じじゃないじゃん)

           (……『充電』してる?)

   ぶおんっ

スタンドに地面を思い切り、蹴り砕かせる。
砕くことはできるはず。粉々は、無理だろう。
つまり、精度の低さゆえ不揃いに砕けるはず。
小さくてもいい、『破片』を飛ばして隙を作りたい。
無理でも『砂』をまき散らして、隙を作りたいのだ。
隙を作り――――刀を抜かせずに接近したい。

なお、スタンドの腕は胸の高さ。最悪、敵の攻撃を右腕で受けられるように。

370『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/25(木) 00:50:22
>>369

叩いた床は歪んでいる。
パワーは戻っているようだ。
『痕』も残せた。

《両者再びにらみ合いの形―――》

「では、少し拍の付くことでも言ってみましょうか」

《先に仕掛けるのは一体どちらか……!》

「鍛えていようとなかろうと、斬れば紙切れ同然」

「すでに三度、実証済みですよ」

新元が鯉口を切る。
『サグ・パッション』が床を蹴り砕く。
それはほぼ同時。
粉々の破片と砂。
それを新元の刃が処理していく。
砂と破片の霧を刃が切り裂き、視覚を確保している。
さばき切れなかった破片が彼の服と肌を切る。

《日沼選手仕掛けた!》

《剛力によってまるでショットガンのように破片を打ち出します!》

「この程度では」

再度の納刀。

「まだ」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□日□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

371日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/25(木) 16:31:14
>>370

「言うじゃん! それを流月が『反証』するまでが1セットだけどねぇ〜ッ」

(あっまた納めた! 別に抜いた瞬間速くなってるとかもないし、
 今みたいに防御するのにも毎回抜かなきゃいけないのに納める!
 多分、これが『電気の能力』のキーになってるんだ……
 ……まさか『裏をかく』ためにわざとやってるなんてないでしょ?)

なってたからどうというわけではない。
どういう能力かもよく分かっていないし、
納刀しなければ電気が使えないとしても、
正直身体能力が高い『剣士』というだけで怖い。

が、ポイントは……『納刀と抜刀』があること。
この敵はいかなる理由かはまだ分からないが、
戦いながら納刀と抜刀を繰り返しているのだ。
そこは事実だ……そこに『勝ち筋』がまず一つ。

(そこに繋げるためには…………攻めて攻めて対応を押し付け続ける。
 こいつが自分の好きに刀を使えないようにすれば良いってワケでしょ)

「これならどうよッ」

      (刺さった刀とか気になるけど、使われる前に……倒せばいい!)

刀を振り終え、納刀した、ごく僅かでもそこに隙の存在を見出して。
思考や言葉より早く、スタンドとともに接近し、特に工夫なく…………腹めがけてブン殴る!

372『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/25(木) 21:02:07
>>371

接近。
先程の攻撃をさばく際に新元は下がらなかった。
あるいは身をひるがえしての回避を選ばなかった。
距離を離すことを嫌った行動なのだろうがこの場合は逆効果だった。
日沼は容易に敵を射程内に収められる。

《新元選手に間を取らせない連打です!》

《今度はその手で一手を打とうとしている》

「正解です」

自嘲気味に新元が言う。
言い終わるが早いか鯉口を切る。
抜かれる刀。
雷を纏った刃が現れる。
だが、抜ききらない。
途中まで刀を抜いた状態で構えられる。

「もう一度、格好つけましょうか」

「その程度の攻略は既に通過しているッ!」

後ろに下がりつつ、腹めがけて飛んでくる拳に刃を合わせに来ている。
衝突すればお互い―――――!

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
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∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

373日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/26(金) 00:02:47
>>372

『サグ・パッション』を身に着けたとき、
『日沼流月』は『喧嘩』の必勝術を既に考案していた。
暴力はたいして好きでもないし、抗争をする事もまずない。
だが『叛逆の人生』を歩む中で必要になるだろうから、考案していた。

(嫌だけどこれで決めたらそれ以上痛いのはないし!
 これもそこまで痛くないかもしれないし!
 勝てるかもしれない手をビビッて使わないとかダメでしょ!)

それは『対スタンド使い』を考慮に入れたものではない。
より身近に存在する『危険』――――『対武器使い』。

「にへっ、ノリいいじゃん!」

「だったらついでにさぁ〜〜〜!!
 『サグ・パッション』の能力も攻略してみる!?」

          ガッ

打撃の狙いは『鞘で防がせること』。
それによって『鞘に痕をつけること』。
>>371メール欄『鞘 痕』)

それは『抜き切らない』ながらも、
刃によって迎え撃たれた事で『瓦解』した。
だが――――それなら、『刃を殴ればいい』。
抜き切られていれば振るい返されかねないし、
それはさすがに不味かったが――――
これなら『拳骨に食い込む』くらいで済むだろう。

「『レイ・レイ・ワウ』がどんな能力かは知らないけど〜〜〜ッ」

         「本領発揮まで待つなんて『王道』ッ!
           流月の『外道』でぶっ壊してやるッッ」

『サグ・パッション』の右腕で刃ごと、殴りぬける。
より厳密には『インパクトは刃に当てて』『痕を付け』、
それから拳を上か下に滑らせるように胴体を狙う。
低い精度では難しいかもしれない動き――――いや。
『まっすぐ刃を殴り抜ける』よりは『ブレる』方がやりやすい、と信じる。
しびれて腕の動きが止まれば、胴体ごとぶつかりに行ってやる。

『武器』に『痕』をつけ敵による『入力』に合わせ『叛逆』させる。
シンプルだが『一撃見舞う』に十分な隙を作れる。
これが――――『対武器使い』の必勝喧嘩術の一つだ。

付けた痕は、抵抗されなければそれでいい。
だが『押し返そうとする』とか『切り返そうとする』とか、
余計な『反抗』をするあならば、その刃につけた『痕』を起動し、
その動きを『反転』させる――――『切腹』はさせられないが、『峰打ち』には十分だろう。

374『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/26(金) 01:11:13
>>373

人間が手を握ることで拳を固めるように、スタンドの拳も固められる。
具体的に言えば、自分の放つパワーに負けない程度には硬化出来る。
だから『サグ・パッション』の力ならそれは不可能じゃない。

「ぐッ……! あぁ―――」

《め、命中ー! 日沼選手、一撃を叩き込んだァ!》

よろめくように新元が下がっていく。
日沼の右の手に痛みが走る。
軽く手に刃が突き刺さっていた。
新元令和は一切の抵抗をしなかった。
刃を挟んで拳と彼の腹部がぶつかり合った感触と、先ほど同様の痺れが残っている。
通常、押し込めない位置まで腹を押し込んだような気がする。
が、まだ彼は倒れない。

「おぇ……はは、流石に……近距離型の力はまともに受けると痛いですね」

左手に鞘を持ち続ける。
右手にはもう何もない。

「差し上げます、よ……その刀……今まで……そうしてきました……」

「それと『サグ・パッション』の攻略……ですか……」

「その能力は……『逆さま』にする……力、なら……その刀はすでに……術中……」

「……ひゅぅ……ひゅぅ……」

新元の手が傍の刀を掴んだ。
それをタイルから抜き、鞘に納めようとしている。

「投げますか……? またブーメランを……? それとも、接近……?」

「『レイ・レイ・ワウ』……その攻略を知っておいて、私が刀を納めるのを見送りますか……?」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
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∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
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∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

375日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/26(金) 01:24:25
>>374

「まずは『一撃』」

「でもここまでは今までの3人も1人くらいはやってるでしょ!
 『刀』をあんたから一本、受け取っちゃうとこまではさ」

「みんなが見たいのはこの先じゃない? どーよっ!」

(いだだだだだっっやっぱ『斬られる』ってヤバイ!!
 いや斬られたんじゃなくて自分からいったけど、
 どっちにしてもやばい! 落ち着いてられない!)

       フゥーーッ  フゥーーーッ 

息をやや荒げつつも、余裕を見せて敵と観客を煽ってやる。

刀はスタンドの、左手に持たせる。
右の拳は振って当てれば鈍器にはなるだろうが、
この状態で剣を握らせるのは不安のほうが強い。

いずれにせよ、刀は持った。
もちろん今から電流が流れるとか、
敵の攻撃の布石であるとか、
そういう可能性も『ゼロ』ではない。

が、ここは彼の『武士道』を信じる。
『不意打ち』は『悪いことじゃない』が、
彼のようなキャラで売るなら『不味い』だろうし。

「それと・・・流月の『叛逆』はまだ見せ切ってない」

         「底見せてないのは――――――
          『レイ・レイ・ワウ』だけじゃあないワケよ」

痕がついているであろう刀を構え、再びの接近を試みる。
この時気を付けるのは『レイ・レイ・ワウ』にはまだ『底』があることだ。
『二本目の刀』――――解釈次第だが『床から抜刀』するようにも見える。

視線の先の敵だけではない、周囲からの攻撃もありえる・・・
特に他の刀を警戒しながら近づき、『猪突猛進』になるのは避ける。

376『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/26(金) 02:16:20
>>375
      《オオオオオオオオーーーーーー》
                        《オォォォォ!》
  《オオオーー》
                      《やっちまえ逆作姫ー!》
         《もう一発! もう一発!》

    《カワイー!》  

《会場の空気を日沼選手が掌握しています》

《新元選手、巻き返せるか?》

手には確かな痛み。
フィードバックによって日沼の手にも血がにじむ。

「ふぅ……」

新元令和は真面目な男らしい。
勝負事の世界であるこの闘技場でも彼は彼の意志を貫き続ける。
……日沼は刀をスタンドの左手に持たせて接近する。
刀にはきっちりと『痕』がつけられている。

「では、底を出していただきましょう」

納刀……鞘に刀が納まろうという瞬間に新元令和が視界から消えた。
余りにも早い動きであった。
人ではない。
それ以上の速度(スB)
半円を描くように、彼の体が地面を滑る。

「いざ……!」

彼の動きが止まる。
納刀はすでに、終わっている。

「今度の刀は一層―――素早く―――」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
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∴■□□□□□□□新□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
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∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

377日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/26(金) 22:41:18
>>376

「ウケてる! 流月、パフォーマーの才能あるのかな〜っ」

痛みをごまかすためにも余計なことを言っておく。

高速移動――――速度も敵の強さの一つだ。
だが、あの滑るような動きは『速いだけ』じゃあない。
おそらく、本当の意味での『能力』なのだろう。

(よくわかんない……電気関係なくない?
 『リニアモーターカー』みたいな原理?
 四本刺してた刀の位置は『レール』を作るため?)

       (謎解いてどうにかなる能力でもないけど)

  (気になりはする)

              グッ

迎え撃つ。

下手に動いても一瞬で詰められるだけだろう。
高速の移動術を持つ相手に『動き回る』よりは、
パワーで勝っている事を活かすため、『迎え撃つ』。

つまり、この状況を・・・『受けて、断つ』。

「『サグ・パッション』」

「観客の期待はッ……『裏切らない』!」

               ブォォンッ

剣士・新元令和のいる方向に向けて思い切り、
回るかのように横薙ぎに刀を振るって――――『迎え撃つ』!

378『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/27(土) 00:42:19
>>377

《踏み込む新元選手! 詰め寄る日沼選手!》

《お互い必殺の間合い!》

迎え撃つ。
力任せな一撃。
対する新元は流れるように洗練された一撃。

「いえ、貴方は裏切る」

「私に負けて……!」

鯉口を切る。
一気に刀が抜かれる(スB)
抜くのと切る動きが一体化している。
斜めに切り上げる動作で新元の刀が横薙ぎに振られる攻撃を迎える。
刃が腕に食い込む。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
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∴■□□□□□日□□□□□■∴
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∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

379日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/27(土) 01:16:55
>>378

「いやいや裏切らないッ! 裏切るって言われたら、
 よけい裏切らない気分になってきた――――だからッ!」

今。
スタンドは刀を持たない側の手を握った。

『叛逆』の力を――――今!
刀への『入力』・・・『振るう力』を『反転』!
回るかのような横薙ぎの斬撃、その軌道を『反転』!
普通の人間には不可能な、予備動作ゼロの『反転』!

つまり――――『意志に反して動く刀に引っ張られる』ように、
いきなり無理やり体を『逆回転』させて『無理やり攻撃を避ける』。

腕に当たっている斬撃なのだから、
逆回転により腕が令和の刃から離れれば、空振る。
腕に傷は出来るが、斬り飛ばされる前に斬撃から逃れられる。

そして・・・こんな無茶、斬撃をかわすためだけにするわけがない。
そのまま振るう力の入力を続け、『刀に引っ張られ』その場で一回転!

「  『裏斬って』やるッ! 」

                 ・・・その勢いで、『逆側から再度斬り付ける』!!

380『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/27(土) 01:42:27
>>379

全ての動きが逆さまになる。
叛逆の証を媒介し、あらゆるものは反旗を翻す。
根性焼きをしたような痕が消える。
すでに叛逆は始まっている。
独楽が回るように、力強さはそのままで反転する。

《これは! 日沼選手、先ほどまでは確かに振っていた動きが―――》

《逆に!》

「やはり、逆……!」

「ですが、これは無理ですね」

二人の刃が空を切る。
しかしその意味合いは違う。
新元は空振り。
日沼は裏切り。

       ゴシャッッ

新元の体に日沼の刀が叩き込まれた。

381『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/27(土) 01:53:39
新元令和の体が宙を舞った。
といっても、打ちあがったのではない。
まるでダンプカーにはねられたかのように横に低い弾道で飛んだのだ。
体を両断することは叶わなかった。
峰打ちの形になったわけではない。
新元はインパクトの瞬間、刃の前に鞘を差し出した。
それがクッションになり衝撃の身を体に伝えさせた。
新元は突き刺さった刀にぶつかって止まる。
刃が食い込んだらしく、赤い血が彼の服ににじんでいく。
地面に倒れた新元は起き上がれない。

《新元選手、起き上がりません……! 決着か……?》

「は……はは……ははははは!」

笑った。
新元令和が笑った。
血にぬれた背が起き上がっていく。
右腕からも血が多く流れている。
鞘はひび割れていた。
起き上がったものの、明らかにダメージが立ち姿に現れている。
足腰がまともではないのだ。

「強いですね、本当に」

納刀。
左手の親指で鍔を押さえ、残りの指で鞘を支える。
杖のように右の手で背面の刃を掴んだ。

「ますます、斬りたくなってきました……そうすれば新元流は成り上がる。斬り上がる」

「私たちの剣術が強いのだと証明できる……!」

彼が咳ごむと赤黒い塊を吐き出した。
まだ彼は倒れてはいない。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□新□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月

382日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/27(土) 02:47:46
>>380

僅かでも斬られた腕のダメージは無視できない。
だから、慢心せずに、刀を持ち換える。

「ウケてるし……そうだよ、流月は強い!! みたいね」

実戦の経験なんて、ロクにない身の上だ。
それでもここまでやれた。あとは、最後までやるだけ。

「いくらあとから治るっていってもさぁ〜〜〜っ、
 こんなに人のことけがさせるの初めてなんだけど!」

         「でも流月も斬られてるし、
           へへ……ごめんねとは言わない」

              「てか試合だしね!」

   フゥーーーーッ ・・・

ネコ科動物の威嚇のような、
長い息を吐きだして、姿勢を直す。

「それと、流月は特に証明したいものとかないけど!
 でも、『超えるべき壁』だと思われてるなら『超えさせない』」

       「ファンの期待は裏切らないけど、
         『ライバルのファン』は裏切ってやる」

血みどろで笑う『新元令和』を、見据えて立つ。

(後ろの刀と、今持ってる刀で『二刀流』!?
 できてもおかしくはないけど――――
 何にしても、もうあいつは体力残ってないはず。
 あと一撃入れるか、しのぎながら細かいのを当てるか!)

回復する隙を与えるわけにはいかない。
距離を置いて得するのは機動力に優れた令和のほうだ。

ゆえに――――再び。刀に軽く拳を当て『痕』を付けた上で、接近を試みる。

383『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/27(土) 11:04:45
>>382

「私の前に越えるべき壁はない」

日沼と同じように新元も大きく息を吐く。
口の端から漏れる血も気にはしない。
刃に『サグ・パッション』の痕を付ける。
接近。

「切り伏せるものがあるのみ!」

右手に持った刀を振り上げる。
どちらが速いか、変化が起きた。
鞘に納まっていた刀が飛び出した。

《刀の弾丸……?》

その場にいる殆どの人間が弾丸が飛ぶのを実際に見たことは無いだろう。
ただ、そういう感覚だった。
それは速く(スB)、まっすぐに日沼に向かっている。
視界の中の刀が大きくなる。
新元が右手の刀を納刀するのが見える。
刀が間もなく到達する。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□新□□□■∴
∴■□□□□□□飛□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
新:新元令和
日:日沼流月
飛:飛んでくる刀

384日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/27(土) 22:13:58
>>383

         「ちょ、ちょ、これっ」

  (『レールガン』だ!!!)

   「これじゃさ!」

         (いややばい、やばい速い! 考えてる時間ない!
           たぶんしゃべり終えた瞬間には……流月に当たる!!)

「これじゃ、『切り伏せる』じゃなくって、『刺し貫く』じゃん!
 にへへっ、『武士道』も嘘つくことあるんだ……ッ」

軽口を叩きながらも精神は極限まで引き絞る。
むしろ、引き絞ったからこそそういうカルさは口から飛び出たと言うべきか。

             シャッ

ここから生半可な回避など望めるはずはない。『速度』で負けている。
だから『間に合わせる』ために少しでも小さな動きをするしかない。

刀を持つ手を上げ、『その刃で防ぐ』。
打ち返すとかそういうのは考えない。
ただ『刀身で受けて防ぐ』事だけ考える。
だが・・・『ただ受けるだけ』なら、まず失敗するだろう。

高速で飛来する刀を受け止める。それはまだいい。
だが、受け止めたあとそのまま押し込まれたり、
あるいは受け止めた際に弾いた刀が跳ねたり、
そういう『イレギュラー』な要因に対処する? そんな精度あるわけない。

が、当てて、受けるだけならかろうじて出来るだろう――――!
自分自身では打ち返すとかそういう工夫は何も考えず――――ただ受けるだけなら!

             グググッ

そして刀を受けた瞬間、その『衝撃力』の『入力』を『反転させる』ことによって、
『刀を押し込む力と完全に真逆に動かし』――――『自分の意志と関係なく打ち返す』ことなら!

『日沼流月のサグ・パッション』のスペックや判断速度に関係なく――――『弾き返せる』可能性はある!!

385『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/27(土) 23:20:14
>>384

「刺した後に切ってさしあげましょう」

新元は笑ったままそう言った。
迫る刀。
切っ先こそ向いていないものの危険に変わりはない。

《日沼選手何とかこれを弾き……あぁ!》

入力に対しての反逆。
来たものを返す行為。
『サグ・パッション』の能力で刀を打ち返した。
入力された力によっては届かない可能性もあったが、この距離ならば問題は無い。
刃が新元へと戻っていく。
一転して有利な状況。
処理に追われれば隙が生まれる。
だから新元令和は逆に前進した。

《刃に向かって前進したァ!》

左手に鞘、右手に柄。
今までに何度も見たその姿勢のまま新元が踏み込む。
最小限の動きでの開始。
彼の体を抉り、服が破れ、右の肩が露わになった。
だがそれでも踏み込んでいる。

「貴方は、斬られずに勝つつもりでしたっけ?」

「では、次の一撃はどうします?」

既にお互いの間合い。
鞘のヒビから雷が漏れ出ている。
彼の右の手が震えていた。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
右上の物は落ちている。
新:新元令和
日:日沼流月

386日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/28(日) 14:43:49
>>385

上手いこと防げた……のはいいが、『一手』だ。
まだ次の手、その次の手、その次の次の手がある。
一転して『対応を強いられる』側に回らされている!

(やっぱこいつ甘くない……刀がいっぱいあったのは、
 こういう風に刀を使い捨てる技があるからってことだ)

幸いなのは、『手』を介する必要があるということ。
ずっと警戒していた『背後の刀を操る』ような技は、
この敵の性格からしても能力からしても無いと見る。

「流月のこと詰めたつもりでしょ」

(詰められてるけど)

「まだまだ余裕ってとこ、見せたげなきゃね!」

ダメージは圧倒的に相手の方が上だ。
武器は強いが、『手』が無くなれば使えない。
鞘も使う新元令和なら、『両手揃って』初めて本領。
手が潰れても足を使えばいい自分とは重みが違う。

(…………右は無い! 一発目に鞘で動けなくして、
 そこに刀振ってくるはず……全力出せるならともかく、
 あんな風になってる右手じゃそうしないと自信出ないでしょ!)

「流月も…………『サグ・パッション』もッ!」

         「まだちっとも疲れてないってとこ!」

だから、こちらの手は…………出足、初撃は受ける。
その覚悟はする。ダメージのある右手を翳し盾にする。

         ザリ

そしてまずは左の手で、刀を振るって斬りかかる!
軸でない足が振り上がるほど勢いよく踏み込んで、斬る!
この局面、『サグ・パッション』の『能力』は使えない。
拳で打つという動作が隙になる。能力に頼らず……攻める!

387『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/29(月) 01:36:29
>>386

選んだのは右腕での防御。
新元の鞘のヒビから漏れる雷が大きくなる。
右手が震える。
鯉口がカチカチと音を鳴らす。
『サグ・パッション』が左腕を振り上げる。

「いざと言う時ほど……まっすぐに」

そんなことが聞こえた気がした。
構えた右腕……その先、手首に痛みが走る。
当たったのは鞘ではない。
この痛みは、この痛みこそが、『刀』だ。

《斬った!》

日沼の耳に観客の声が聞こえるが、どれも遠く詳細には分からない。
構えた『サグ・パッション』の右手は確かに繋がっている。
が、フィードバックで分かることは、日沼流月の右手首は切断に近い状態であることだ。
『サグ・パッション』が右腕に力を込めた状態故に硬化していたのか、刀の問題か、それとも新元の負傷によって完璧な一撃ではなかったのか。
ともかく、切断には至らない。
しかし日沼の右手首から勢いよく血が吹きでているのは間違いではない。

「まだ……終わりでは……」

虚ろな目をした新元が刀を構えようとしていた。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
右上の物は落ちている。
新:新元令和
日:日沼流月

388日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/29(月) 02:50:11
>>387

鞘ではなかった。腕をかざしていて、よかった。
読み間違えたという暗い思考は今はいらない。
結果として右腕が実際どうなったのか。考えない。
怪我の功名で致命傷を避けた、そのプラスだけ考える。

「おッ……お、お、おぉぉぉぉーーーーーッッッ!!!!!!」

(手 を、 見たら、 止まる)

    (流月は気付いてないッだから動ける!!!)

           (動いて終わらせてやれッッ)

ほんとはなんて言おうとしてたのかは、分からない。
言葉の形を取らせようとしたら『痛い』にしかならない。
だから喉は思考に『逆らって』意味のない声を上げた。

思考は、まとまらない。
行動は、もう決めていた。

先に決めていた。考えられなくなってもいいように。
だから腕の状態はあえて気にしなかった。忘れた。
それでも、冷たい痛みは好き勝手に追い付いてくる。
だから追い付かれる前に『決めていた攻撃』を放った。
半ば動作も終わった、あとは放つだけの一撃を。

踏み込み動作に伴って振り上げた足で、
そのまま、何も工夫せず、前向きに蹴り付ける。
>>386メール欄 『上げた足で蹴る』)

普通なら決まらない、単純すぎる攻撃かもしれない。
だが、新元令和はすでに負傷しており、攻撃直後で、
かざした腕と刀を振るおうとする腕も無視できないはず。

だから、このフォームとかなんとかの正しさをブチ破る力任せの蹴りを当ててやる。

389『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/29(月) 04:57:59
>>388

「は……はは……次はお腹を斬りましょうか」

日沼は手を見なかった。
生物的本能からの反逆、あるいは痛みからの反逆。
それは逃避ではなく前進。
身にまとわりつくものを振り切る行動。
足を前に出す。
踏み込むためではなく、蹴り込むために。
吸い込まれるように出された足が確実に体を撃ち抜いた。

《止まらない! 日沼選手はまだ止まらない!》

新元の動きが止まる。
彼ももう退かない。
この距離、この距離感こそが両断の間合い。
故に下がらずそこに立ち続ける。
だが、彼の前進は明確な隙を作った。

「まだ……まだ……」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□刀□□□□□刀□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□新□□□□■∴
∴■□□□□□日□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□刀□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□痕□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
刀:日本刀。切っ先が床に突き刺さるようにして設置されている。
右上の物は落ちている。
新:新元令和
日:日沼流月

390日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/29(月) 12:57:36
>>389

もう切られたくないな、と思った。言葉にはならない。

日沼流月は『武士道精神』を持ち合わせない。
不良であること、反骨の精神に燃えていること、
そして生まれた家・・・全てが『武士道』とは反発する。
潔く散る事を美徳する気は人生のどの瞬間にも無かった。

だが・・・『瀕死』でありながら前進を続ける、
明らかに薄くなった勝機でも手放そうとしない、
新元令和の姿には・・・『敬意』を払わざるを得ない。
日沼にはその感情の正体は、性格には分からなかったが。

(もうやめときなよとか言えないじゃん。
 流月だってもうやめたいくらい痛いけど、
 これが『戦い』なんだ。ちょっとだけ分かった)

(やっぱ喧嘩はあんま好きじゃないけど)

生まれた明確な隙を逃さない。
日沼流月が望まない『逆転』は無い。

(ちょっとだけ…………『分かった』)

「――――これでッ!!!! 」

        「ッッッ!!!!!」

振り上げていた刀、左腕の刀、蹴りの布石とした刀をそのまま振り下ろす。

               ――――新元令和を、斬り付ける!

391『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/29(月) 18:52:54
>>390

反逆の道。
世の中から見ればそれは曲がった道なのだろう。
きっとこれまでの人生であれば日沼と彼は出会わなかった。
どちらかの大きな曲がり角がどちらかの道の上に重なったのだ。
ある種の敬意を持ちつつ、日沼は刀を振るう。
新元とは異なるその太刀筋。
荒々しいその一撃が彼の右肩から胴に向かって振り下ろされる。

「ッッッ……」

ぐらりと、新元の体が揺れる。
片膝を着き、虚ろな瞳が天井を向いていた。
そのまま体を闘技場の床に預けそうになったものの、彼は踏ん張った。

「まだ……まだ、で……す……」

「新元流」

もはや逆転などない。
彼の手から鞘が消える。
立ち上がり、掴みかかろうとするが手が空を切った。
そのまま新元令和は意識を失った。

《け、決着! 決着です!》

《勝者は、【逆作姫】の日沼流月! 新元令和を斬り伏せて、いま勝利を手にしました!》

叫ぶコハルの声をかき消さんばかりの声援が日沼に飛ぶ。
まるで爆発するかのように発せられる声が混ざり合い、打ち消しあうが日沼を賞賛するという意味合いでは一致していた。

〈凄ェ!〉
〈やったぜ、おい!〉

〈最高だぜー!〉
〈かわいー!〉

何かアピールをしてもいいし、そのまま戻って治療に向かってもいい。

392日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/30(火) 00:00:18
>>391

「――――――これで」

                「おしまい・・・」

「『期待』は裏切らない。
 ……やったでしょ! 流月って最高でしょ!」

       フラァ〜っ

             「あーでも」

「『逆転劇』を期待してたヒトだけは『裏切っちゃった』」

                    「かなッ」

倒れた新元令和ではなく、
観客たちを見て、片目を閉じる。
ウィンクのつもりだったが……あまり余裕はなかった。

               ザッ  ザッ

歩けるところまで歩いて、治療に向かおう。

「こんなこと言っても『逆撫で』するだけかもしれないけど。
 令和クンも強かったよ……………何回も死ぬかと思った」

         「これは『逆』とかない、本気……んじゃ、バイバイ」

それでも、新元には何か言葉を言いたくなって、それだけ口が動いていた。

393『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/30(火) 02:00:04
>>392

閉じた片目。
チラホラと男性客が立ち上がるのが見える。
女性客も称賛の拍手を送る。
雷がなったようなその音に見送られて医務室らしき場所に向かう。
途中でコハルが降りてきて案内と安否の確認に来た。
医務室で白衣の女が立っていて、日沼をベッドに促した。

「コハル、こういう患者の時は応急処置しろと言ったはず」

「まぁ、一瞬だ」

右の手に触れる。
尋常ではない痛みが走ったあと、気づけば右手は完全にくっついていた。

コハル:「お見事でした、日沼さん」

394日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/30(火) 02:37:46
>>393

「イダダダダダッッ、えっ痛すぎ、何、痛すぎ!!!」

           「――――あ、治ってる?」
 
                ブンブン

ろくに状態も見ていなかった右手を振る。
治療に向かってからこの瞬間までの記憶は、正直言ってあいまいだ。

「いや〜〜〜〜痛かった、ほんとに痛かった」

「でも、けっこう……気分よかった。勝てたからね!
 逆に負けてたら最悪な気分だったかな……そうでもないかな」

手首を眺めつつ、そのようなことを、半ば独り言のように返す。

「ともかくさ……にひ、『時代』を塗り替えてやっちゃった」

            「『令和』から『流月』にさァ〜〜〜〜ッ」

                       ヒヒヒッ

395『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/30(火) 02:57:55
>>394

視線を逸らしていた右手首は今までと何ら変わらない形でそこにある。
縫合の跡もなく、なんの問題もなく動いていた。

「勝った方が気分はいいだろうな」

女はそう言った。
本当のところはどうなのかは戦ったことのある人間のみが知っている。
少なくとも医務室の人間は戦いとは無縁の存在だった。

コハル:「じゃあ、四連勝五連勝を狙ってみますか?」

「それこそ一時代を築けますよ」

コハルが笑う。
その時に医務室の扉が開いた。
そこに立っていたのは新元令和と新元号である。

「そっちに向かわせたスタッフはどうした」

号:「令和が帰しやがった。帰る方もどうかと思うぜ……」

令和:「お手を……わずらわせるわけには……」

フラフラとベッドに倒れ込んだ。

396日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/30(火) 04:09:41
>>395

「いや〜流月、ほんとは参謀だからね。
 直接戦うとかは、ま、本業じゃないわけよ、
 まあ、適正はあるのかもしれないけどさ?
 これっきりにするとか言うわけでもないけど」

「時代作るのはほかの人に任せるよ。
 流月は、作るより『ひっくり返す』方が得意だし」

アリーナのファイターとして生きる、という気はない。
痛いのは嫌いだし、殴るのが楽しいとかもない。
戦うのは……悪いことばかりじゃあない。
それにいつか戦う『必要』もあるかもしれない。

ただ、しばらくはいいかな……と独り言ちて、
開いた扉の方を見る。新元令和……生きていてよかった。

「あっ生きてた!? よかった〜〜っ!
 最後思いっきり斬っちゃったから、
 いや斬ったのは試合だから仕方ないケド……」

「もしかして……ってのはちょっと思ってたワケよ!」

フラフラだが、生きているなら何よりだ。
自分もフラフラだったし必要以上に気遣いはしない。

397『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/30(火) 11:49:21
>>396

コハル:「そうですか……」

「残念ですけど、参謀ですから仕方ないですね」

この場での戦いは非日常の中にある。
ここに来るということは、自らそこに身を投げること。
事件に巻き込まれるのとは意味合いが変わっている。

令和:「まだ……しねません……から……」

浅い呼吸を繰り返したあと、無理やり立ち上がり、日沼の方に近づいてくる。

令和:「思えば……まだ、握手を……」

女:「治療が先だ」

女が令和の体に触れると、傷が消えていく。
流れた血も全てが無かったかのように。

令和:「ありがとうございます……改めて」

新元令和は右手を差し出した。

398日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/30(火) 15:41:59
>>397

「これっきりとは言ってないけどね〜。
 まあ、たぶんしばらくはしないけどさぁ、
 お金貰えるし、声援とかはちょっと気分良かったし、
 痛いのが喉元過ぎたころにまた来ちゃうかも!」

などと言いながら、令和に向き直る。
そして……特にタメとか、フリとか無しで、
差し出された手を素直に握り返す。

「こちらこそありがとね!」

            ギュッ

「ね、ね、こーいう『勝負の後に握手』みたいなのさあ!
 昔からちょっと憧れてたワケよ。リスペクトってゆーか。
 体育の授業とかで形だけ、やったことはあるんだけどさあ〜
 それだと『逆に』シラケるっていうか、やらされてる感っていうかね」

「だからさ……手の中に、自分の気持ちってやつが、
 ちゃんと入ってる気がするのは今回が初めてなワケね」

        「そういう『ありがとう』だから」

戦いそのものは別に好きじゃあない。
痛いし、暴力とか自体そんなに好きじゃないし。

だけど戦いに伴う熱とか、声援とか、高揚感とか。
それから――こういう『達成感』『充実感』みたいなのは悪くない。

399『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/30(火) 17:18:26
>>398

手を握り返し、感謝を述べる。
身を削り、危険に身を投じたが故に湧く感情がある。
形だけではなく嘘偽りもないもの。

令和:「で、でしたら良かったです」

号:「照れんなや……」

令和:「わ、私としても少し肩の荷が降りたような気がします」

新元の手がするりと抜けて二人の手が離れた。
はにかむように笑う新元令和は、穏やかで闘技場で見た血に濡れた視線はもうなかった。

令和:「ではこれで、これから反省会ですので。また勝つために、ね」

日沼やコハル達に頭を下げた。
特に用事がなければ彼は帰っていくだろう。
あとはコハルからギャラを受け取れば自由だ。
またいつもの日々が続いていく。

400日沼 流月『サグ・パッション』:2019/04/30(火) 22:05:07
>>399

「んじゃ、またね〜ッ」

何げなく『また』とは言ったものの、
済む世界の違う人間だと思った。
自分ならああも斬られて、次の戦いを考えられるはずもない。

(戦ってなかったらフツーのヒトって感じなのに、
 どーいう人生してたらああいう風になるんだろう。
 流月とはほんとは絶対交わらない線なんだろうな……)

いつもの日々に戻ったら、『新元令和』のような人間はいないし、
自分からそんな世界に飛び込むことも――――まあ、しばらくはないだろう。

「そだ、コハルさん『ギャラ』! 『ファイトマネー』!
 流月さ、『30万のバイト』しにきたワケですよ。
 敬語使うのともども、ちょっと最初のこと忘れちゃってたけど!」

        「それ貰ったら今日は帰っていいんです?
          これ、しばらく安静とかしなくていいワケですかね」

                スッ

手を差し出し、『手首』に視線を一瞬落としてから、そのようなことを尋ねた。

そして・・・

「どっちにしろ……いやぁ〜〜〜〜ッ、濃い経験、しちゃったなぁ」

そう、誰に言うでもなく息とともに吐きだした。

401『ある日のアリーナ-令和-』:2019/04/30(火) 22:42:14
>>400

日沼流月の人生があるように新元令和の人生がある。
ほんの少しの奇跡的な偶然で今日巡り会った。
彼がこの街にいるのなら、またいつか会えるかもしれない。
もしくはまたここに来れば会えるのかもしれない。

コハル:「ギャラはこちらに用意してます」

そう言って、コハルが封筒を手渡した。
厚みのあるそれには確かに30万が入っている。

女:「私の『スティール・ユア・ハート』の治療は即座に終わる。安静にする必要も無い」

「時流に乗って言うなら『葛西百合江、私は失敗しない』」

安静にする必要はなさそうだ。

日沼流月が吐き出した息と言葉が医務室の中に溶けて消えていった。

日沼流月『サグ・パッション』→『治療済み』『30万』獲得

新元令和→『治療済み』

402『ある日のアリーナ-令和-』:2019/05/01(水) 00:13:27
★氏名―新元 令和
★スタンド―『レイ・レイ・ワウ』
★能力―『蓄電』し『放電』する『鞘』
★性別―男 ★年齢―21 ★血液型―A
★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―特になし ★身長―176cm 
★好きな映画―座頭市 ★好きな色―黒
★性格―受け継がれた剣術である『新元流』に対して強い誇りを持っている。
★外見―黒い髪のオールバック。
★備考―剣術家。修める『新元流』は大正時代にまでさかのぼると言われている。   

【鞘走る稲妻】新元 令和のスタンド。
鞘の形をしたスタンド。
鞘の内部でスタンドの電気が発生しており、納刀することで刀に電気を纏わせることが出来る。
また抜刀状態では、鞘外部に電流が漏れ出て、本体の能力を向上させる。

長時間の納刀を続けると、行き場を失った電流が暴発することがある。
新元令和はこの爆発的エネルギーを使って最速の抜刀を実現する。

『レイ・レイ・ワウ』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:E

403荒国派、その在り方:2021/08/06(金) 18:25:18
アリーナとはこの町の盾なのか
それとも悪意に対する矛なのか
それは各々の判断に任せられる
そして俺たちはバラバラである

考えは様々で好き勝手している
だから時折、盾や矛が内を向く
派閥というものの必然だろうな
それはどの分野においても、だ

だがそれでいいんだよ、コハル
『平時の混沌』というものもな
『緊急時の秩序』になればいい
俺はそれを美しいとすら思うさ

バラバラのパズルピースを組み
山も海も風景も混ぜて一枚絵に
それこそが、アリーナの強みだ
少なくとも俺はそう思っている

「……あの『アセンション・クラブ』は……」

あいつらはお前に任せておこう
我が派閥の中の混沌としておく
何か問題があれば逐一報告しろ
状況によって俺が秩序を与える

「……分かりました、和国さん」

その名前で呼ぶのはやめてくれ
クソ兄貴を思い出しちまうから
ここでの俺は『和国』ではない
荒国と呼んでくれればいいんだ

404『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/11(月) 21:30:58
ある秋の日のことである。
君は、倉庫街に来ていた。
はじめに君が見たのは、張り紙だった。
その紙に書いてある文言を見て、君はここにやってきた。
そして、なんとなくだが君はここに来ることができるものが限られていることを認識している。
それはこの倉庫街に来ることの難易度の高さ、という意味ではない。
『紙に書かれた文字の性質』によるものである。
スタンド、君はその超常たる能力のもので張り紙の文字が書かれていることを知っているのだ。

「……」

君が倉庫街に来ると、待っていたかのように一人の男が立っていた。
長い黒髪をオールバックにしている、少々強面の人物。
袴に羽織、和装……のようにも見えるが、襟のないシャツを着物の下に着こんでいる。
いわゆる文士スタイルのようだ。

「……」

……君がここに来た理由は彼なのかもしれない。

405真白『ユキカゼ』:2021/10/11(月) 21:58:29
>>404
「ふゥん・・・」

面白いコトが出来るかも、と、期待してここまで来た。
どうやらその考えは、裏切られることはなさそうだ。

「こんにちは」

ウキウキした調子で、男に声をかける。

「『張り紙』を見て来た・・・ッて言えば、良い?」


本体設定:
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/160

スタンド詳細:
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1611147374/400
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1518530384/132

持ち物:
スマートフォン、財布(小銭、ポイントカード等)

406『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/11(月) 22:10:29
>>405

「……お名前を聞きましょう」

男は君のほうに視線を向けて、そう言った。
黒い、そこのない沼のような色を持っている瞳。
そこには一切の光がなく、何もかもを飲み込んでいくようだった。

「先んじて名乗りますが、私のことは荒国(あらくに)と呼んでください」

視線を外さず、そう言って。

「……アリーナを知っていますかな?」

407真白『ユキカゼ』:2021/10/11(月) 22:18:39
>>406
(こっわい瞳。思わず息をするの忘れちゃいそう。
 もうドキドキしてる。来てよかった!)

「功刀 真白(くぬぎ ましろ) と、申します」

芝居がかった、大げさな礼をする。

「『アリーナ』・・・ちょっと、聞いたことはないわ。
 ああ、勿論、単語としては知っているけれど。そういうコトじゃないんでしょ?」

408『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/11(月) 22:31:29
>>407

「これはどうも」

返すように跪いて礼をする。
その時になって、やっと彼は君から視線を外した。
なのだが……
彼の周りにある空気はより冷たくなる。
君の身にしみた感覚から思い当たるものは……『抜刀直前』
一太刀が現れる、その瞬間の気配や感覚に近いものが満ちている。

「功刀様、ですね」

「……アリーナとは町の裏。秘密のもの……ですが、漫画や小説の秘密結社とは少し毛色が違うと、私は考えております 」

「……どうぞ。見た方が早いでしょう」

彼が歩き出した。

409真白『ユキカゼ』:2021/10/11(月) 22:42:32
>>408
「ッ〜〜!!」

思わず笑みが浮かび、『ユキカゼ』を発現しそうになる――が、抑える。

(落ち着け落ち着け! 『そういう機会』じゃないんだから、今回は。
 あぁ、でも、こういう人が案内してくれるなら――本当に楽しめそう!)

「そうですね、『百聞は一見に如かず』。
 その言葉通り、まずは見させてもらうとしましょう、荒国さん」

足取り軽く、荒国の後についていく。

410『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/12(火) 00:52:33
>>409

「失礼、少々気が巡りすぎました」

彼について行くといつの間にか君はよく分からないルートでよく分からない場所に着いていた。

「アリーナとは組織の名前であると同時に、ひとつの場所の名前です」

扉を開ける。
するとそこには。



熱気が満ちていた。



言葉として認識できないような叫び声や歓声、落胆の声が聞こえてくる。
そこにいるもの達はメガネやサングラスをかけている。
それはスタンドを視認するために必要なものだ。
だから、それをかけずにいる君と荒国は彼らとは違う存在で、それを周囲は認識していた。
君のいる観客席の向こうにはフェンスで囲まれた闘技場。
そこでは二人のスタンド使いがお互いの攻撃を受けあい、かわしあい、命のやり取りをしていた。

「ここが、アリーナ」

「功刀様は、あそこに立つご自身を想像出来ますか?」

411真白『ユキカゼ』:2021/10/12(火) 07:38:24
>>410
「へぇ・・・!」

フェンスを掴み、顔をギリギリまで近づける。
一目で分かる。『スタンド使い』同士の戦い。
それも、本気の戦いだ。それがショーになっている。

「ええ、ええ。出来る。想像出来るわ。
 とても『楽しそう』! あの張り紙を見てよかった・・・。
 この町にこういう事があるのを、知らないまま過ごすところだった」

フェンスから顔を離して、荒国に話しかける。

「今から『スタート』するの? 私、殆ど飛び込みみたいなものだけど・・・。
 相手も、これから来るのを待つのかな」

412『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/12(火) 21:28:41
>>411

戦っているのは血管のような赤いラインを持つ髑髏の人型スタンドと刀を持った少年だ。
少年が一太刀くわえようと近付いた瞬間、返すように人型スタンドの腕が刀のような形に変化する。
すれ違いざまの決戦を制したのは人型スタンドを扱う方のスタンド使いだった。

「いえ、アリーナもある種の興行。功刀様には闘士としての登録を済ませて頂かなければなりません」

そう言われ、今度は控え室のような場所に移動させられる。
そして、そこに用意されていた諸々の書類に目を通させられた。

「お名前とスタンド名……それから必要でしたら二つ名も……格闘技なんかによくあるあれです」

「試合は早くて明日にはご用意できるかと……」

413真白『ユキカゼ』:2021/10/13(水) 05:41:52
>>412
「む・・・」

折角盛り上がっていたのに・・・と思ったが、仕方ない。
コンディションを整えるなり、やれることをやろう。

「仕方ない。パパっと済ませて、体を休める事にしよう」

カキカキ

   功刀 真白

     『ユキカゼ』

          カキカキ


「二つ名・・・二つ名ねえ。
 うーん・・・私、真白だから・・・マシュマロ・・・『ユキカゼ』で・・・『雪見だいふく』」

  ジュルリ・・・

「おっと、ヨダレが・・・。これは『二つ名』じゃないね・・・」

「えーと、そうだなァ。
 白、雪・・・私の『スタンド』――。
 うん、『銀世界』――で、行こう」

カキカキ

   『銀世界』

       カキカキ

414『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/13(水) 10:27:53
>>413

「承りました」

君の顔色を荒国はうかがわない。
しかし、何となく彼自身即日で決戦を行えないことをもどかしくしているような雰囲気があった。
黒服、アリーナの裏方でありながらも完全に裏方に徹せる性格ではないのか、それとも彼自身が裏方向きでないのか。

「では、これから功刀様はアリーナの闘士と……」

ガチャ

「ん? 使ってたのかよ」

誰かが、入ってきた。
咥えタバコに無精髭の男性。
彼の姿を見て、少し荒国の眉間に皺が寄ってすぐに消える。

「煙原(たばはら)……失礼、少し順序がズレました。彼はアリーナの闘士」

「ひっひっ、荒国の旦那。そう言いなさんな。そこのお嬢ちゃん、闘士候補なんだろ? 見たところかなりやる。座り姿勢からして違う」

ドン、と机が叩かれる。
煙原が君に言う。

「相手が決まってないなら、おじさんとやらないか」

415真白『ユキカゼ』:2021/10/13(水) 21:07:20
>>414
「いいね」

ニヤリと笑みを浮かべて、煙原に返答する。

「そのつもりでここに来たんだ。
 私は何時でも行けるよ」

416『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/14(木) 08:57:56
>>415

「おう、いいじゃねぇか。今日の試合終わりにエキシビションでも……」

煙原がそう言った時だった。
机の上に置かれた煙原の腕を掴む。
掴んだのは荒国だ。
彼はいつの間にか椅子から立ち上がっている。

「……失礼、順序がズレた分を取り戻させていただきます」

「アリーナという組織は一枚岩ではありません。我々のような黒服が派閥を作りそれぞれが興行を行っています」

「彼は私の派閥……『荒国派』が抱える闘士です」

まただ。
また、荒国からあの気配が現れる。
抜刀直前、攻撃的な気配。

「両者の合意が取れましたので功刀様にはここで待機していただきます」

「時間になればお呼び致します……なにか飲み物などが必要でしたら外にいる黒服にお声がけ下さい」

視線が君から煙原へと移る。

「煙原、ここは禁煙だ」

そんなやり取りの後、彼らは控え室の外に消えていった。

417『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/14(木) 09:02:12
それからしばらくして、荒国が再び部屋に戻ってきて。

「失礼、話の途中で忘れていたことがひとつ」

荒国は君の前に写真を差し出す。
それは君が見た闘技場だ。

「能力の関係上などで必要な場合、闘技場に道具などを設置できますが……」

八角形のリング。
そこに道具を設置することができるらしい。

「一応、柱などを用意する予定ですが……功刀様からのご要望があれば」

418真白『ユキカゼ』:2021/10/15(金) 10:30:57
>>417
「うーん・・・今回は初回だし、下手に色々考えるよりもこのまま行ってみたいかな」

「私のスタンドも、道具を使うようなタイプじゃないしね。
 要望は特に無いよ」

こちらから、希望する道具などは特に無い・・・が。

「ああ、相手方の希望した道具とかは先に聞けたりする?
 もちろん、後から要望を変えたりはしないから」

419『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/15(金) 22:13:40
>>418

「いえ、煙原も特に物品の指定はしていません」

「別に教える義務はありませんが、教えない義務もありませんから」

そういって、荒国は控室から消えていった。

……

それから、二十分ほどが経ったあたりだろうか。
コンコンとドアがノックされ。

「功刀様、お時間です」

荒国の声ではない、別の黒服なのだろう。
ともかく君が戦う時間が来た。

さぁ、いこう

420真白『ユキカゼ』:2021/10/16(土) 20:59:48
>>419
「ふぅん」

(あのオジサンはベテランのように見えた。
 それでなお何も希望しないのだから、何もなくてもある程度やりあえる能力か・・・。
 相当な自信家か。後者はないかな〜)

「よし、行きましょう!」

気合十分! 試合場に足を進める。

421『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/16(土) 21:47:52
>>420

通路は静かだ。
黒服は帯同しない、君一人が闘技場に向かって歩いている。
薄暗い通路の中、光が満ちる場所がある。
それは、闘技場。
君が向かう場所。

《本日のスペシャルエキシビジョン》

荒国の声だ。
実況の方にでも回っていたのだろう。

《今日この日この場に来て、対戦相手の誘いを二つ返事で引き受けた》

《今日この日この場に来て、すぐにでもやると了承した》

《そんな闘士を待っていたのでしょう皆様方!》

《闘争とはいついかなる時にでも訪れる! それを理解(わか)っている者!》

呼び込まれている。
君は足を進めるべきなのだろう。

《『銀世界』 功刀真白!》

行こう。
じきに鐘が鳴るのだから。

(指定があれば任意の入場曲が流れているものとします)

422真白『ユキカゼ』:2021/10/16(土) 22:15:33
>>421
ttps://youtu.be/Mbd8Jt4gEBw

『ユキカゼ』を発現し、大きく上に掲げながら入場する。
ここの観客は、そういうパフォーマンスを求めているはずだ。

「始めまして! 観客の皆々様! 私は功刀 真白・・・。
 どうか、私の刀から目を離すことのないよう、お願いします!」

423『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/16(土) 22:43:01
>>422

《ウォォォォォアアアア!》

初めに聞こえたのは歓声だった。

《功刀ー!》
《真白ちゃーん!》
《いいとこ見せてくれー!》

次に聞こえたのは君に向かって投げられた声。
君はその大音響を全身で浴びていた。
ビリビリと肌が震えているのが分かる。
そして、照明が少し落ちて……

《そして、相対するのはこの戦いの仕掛け人》

《皆さんも知っているであろう人物》

《『愛煙気炎の男』 煙原燻!》

ttps://youtu.be/Opwq0C0hjOg

敵が来たる。
その音とともに、観客たちは床を踏み鳴らしている。
それはこの男が積み上げたものなのだろう。

「よう、待たせたな」

424『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/16(土) 22:49:29
《いざ尋常に……始め!》

荒国が発する。
それと同時に煙原は来ていたスーツのネクタイをゆるめる。
そして、傍には人型のヴィジョンが立つ。
戦闘開始だ。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□白□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□煙□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原

425真白『ユキカゼ』:2021/10/17(日) 20:43:29
>>424
「期待されてるね。
 お互い、裏切らないようにしよう」

『ユキカゼ』の鞘を左手に持ちながら、ゆっくりと煙原に近づいていく。

(人型スタンド・・・どうだろう。
 私より早いかな。まずは一手、打ち合ってみたいけど)

近づいてこないか、物に触れないか。
人型スタンドの動きは注視しておく。

426『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/17(日) 23:39:00
>>425

「ケツポケにロージンバックっと……」

煙原の傍の人型が腕を振るう、その瞬間だった。

《キタッ》

そして、君の目の前を覆うように煙が立ち込めてた。
真っ白なそれは君の視界を塞いでいる。
敵のいるであろう位置が見えないのだ

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□白□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□柱????柱□□■∴
∴∴■□□□????□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

427真白『ユキカゼ』:2021/10/18(月) 18:09:22
>>426
「むッ・・・」

(煙を生み出す能力・・・だけじゃないだろうけど。
 シンプルに『強い』ね! 五感のうち、視覚と嗅覚を封じられるか!)

移動するスピードはそのままに、MAP中央右側に進む。

(何はともあれ、近づかないと手が出せないのはお互い様・・・のハズ。
 あの煙をどう使って『手を出してくるか』・・・)

428『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/19(火) 01:23:04
>>427

《愛煙気炎の男、それはただの洒落や言葉遊びだけではない!》

《煙原にとっては馴染みの行動、即ち》

《勝ちも負けもいつもここから》

君は進んでいく。
敵の能力の一端を見たのは確かだがどうだろう……
煙が晴れていく。

……

そこに、敵の姿はない

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□白□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

429真白『ユキカゼ』:2021/10/19(火) 19:20:23
>>428
「消え・・・ッ!」

(まさに『煙のように』!
 なら、私も手の内を隠している場合じゃないね)

『ユキカゼ』を腰だめに構えて、深呼吸・・・。
一度、二度・・・。
『深い集中』の元、『理想的な抜刀』の前準備をする。

「私の『一閃』! 入り込むなら、覚悟して!」

430『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/19(火) 22:43:21
>>429

「するってぇとあれか」

ミシ

「それは抜刀ってことかねぇ」

ミシリ

音と共にそれは現れる。
バゴ、と鈍い音がした。
それと同時に『柱が割れた』のだ。
君の体にコンクリートの瓦礫が飛ぶ!(ス精BD)
柱の影からは煙原。
隠れていたらしい。

《圧倒的膂力の一撃! さぁ、功刀様の対応は如何に!》



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□白□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□煙□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

431真白『ユキカゼ』:2021/10/20(水) 21:21:21
>>430
「そっちか!」

『理想的な抜刀』の準備は完了している。
展開された『色のない範囲』、
そこに入り込んで『ゆっくり』になった『瓦礫』の軌道を見切り、
大きく、直撃コースの瓦礫を『ユキカゼ』の鞘で受ける。

432『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/21(木) 09:28:59
>>431

ズッ……
初めに君が感じたのはそんな感覚だった。
そして次に、骨の奥でミシリと鈍い音が鳴った気がした。
折れた訳では無い。
ただ、受けた鞘から伝わるエネルギーはかなりのものだったということだ(パB)
鞘で受ける、その選択は間違いではなかった。
確かにこの威力の瓦礫を受けていれば再起不能にはならないとしても、かなりのダメージは残っただろう。
しかし『色のない世界』を維持するための構えを解いたとみなされたのかインパクトの瞬間にそれは本来の速度を取り戻したように思えた。
飛距離による威力の減退、それがあった上でその瓦礫は重かった。
君の体は『大きく仰け反った』のだ。

《これはッ! 今のはッ!》

《先に仕掛けたのは煙原だが、功刀様もまた能力の一端を見せるッ!》

そうなってやっと、君の耳に実況の荒国の声と歓声が耳に入ってくる。
皆好き勝手思いも思いに君の能力について話した。
しかしそれもすぐに静寂に変わる。
君の一手に静かな期待が乗せられていく。
そして……

「OKOK」

攻勢、肌が粟立つ感覚。
君が体勢を崩している隙をつくように煙原が突っ込んできている。

《さぁ、勝負はまだまだ始まったばかり》

《進む煙原! では功刀様の一手は……》

《如何に! 如何に! 如何に!》

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□白□□□■∴
∴■□□□□□煙□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

433真白『ユキカゼ』:2021/10/22(金) 08:35:40
>>432
「スゥー・・・フゥー・・・!」

想定の範囲内――ではある。
柱を容易に砕くほどのパワー、こうなることも考えられた。
『のけぞる勢い』には抗う事をせず、無理に体勢を維持せずに、片膝をつく。

「――勝負、だね」

そして、その片膝をついた体勢で煙原を迎え撃つ。
そも、『居合術』とは、着座の『体勢不利』な状況で勝つための技術。
再度、自らの能力を使うために、『納刀』のまま『瓦礫』を受け、タイムロスも無くした。

(でも、タイミング的にはギリギリかな――!)

鞘は左手に。右手を柄に添え、集中! 再度『色のない世界』の展開を試みる。

434『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/22(金) 23:17:40
>>433

体勢を整える。
能力が発動するまでには少しばかりの時間を要する。
しかしまだその正確な時間は煙原には気付かれてはいないはずだ……

《これは……》

再度、展開。
君の周囲が色のない世界へと変わっていく。
だが、そこに割り込むように煙が漂う。
煙原がそれを放たせるタイミングのほうが早かったらしい。
広がるスピードはその能力のおかげでゆっくり(スD)だが。
君の周りを包み込もうと煙が広がってきている。

「ご気分どうかな」

カチッ

「さぁ、勝負だよ」

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□?白□□□■∴
∴■□□□□□???□□□■∴
∴■□□□□□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

435真白『ユキカゼ』:2021/10/22(金) 23:49:03
>>434
「――受けて立つッ!」

煙に紛れて移動、攻撃――それが煙原の戦法と見た。
となれば、自分に出来る、自分だからこそ出来る攻撃!

「斬るッ!」

『視界を塞ぐ』。
これは攻防一体となった手段だ。
目に見えぬ攻撃が恐ろしいのもさることながら、なにより目に見えぬ防御――これが案外、曲者。
思いがけぬ場所にある盾を打ち据えることほど、衝撃を受ける事はない。

(先程の一撃で『コンクリート片』の一つでも手に入れて、盾にしようとしてるの『かも』。
 だけどそれは通用しないよ――!)

立膝の状態から煙の中を狙うのは足を薙ぐ、一閃。(ス精BB
地面スレスレの一撃、例え掠っても、機動力も抑え込める。

436『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/23(土) 02:03:34
>>435

「愛煙気炎ってのは」

「ただの言葉遊びじゃねぇんだよなぁ」

白煙が目の前。
君は地面スレスレに刀を振るう。
それと同時に君の目はとらえた。
大きな、目の前に広がる炎を。
煙が燃焼している。

《気炎万丈!》

《戦う時は力強い!》

姿勢を低くしたため君の的は小さい。
君は刀を振っている途中だ……一応、まだ手応えはない。
今ならまだ切り替えせるか……?

437真白『ユキカゼ』:2021/10/23(土) 10:11:22
>>436
「煙を広げた時から考えてた。
 私の『スタンド』はただ斬るだけ。
 カタチの無いものをどうにかする腕は無くてね」

「薄ぼんやりと手のツテはあった。
 その為に必要なモノはあなたが用意したッ!」

(>>433>>435のメル欄より)
切り替えし、狙いを変える必要はない。
さっき自分が『受けた』コンクリート片。 それ『も』狙いだ!
地面スレスレを狙う刀にて、その表面を削ぐ。(精B
強度に関係なく、薄く斬られたそれは、『煙』を払う『扇』になる!

「ちょいと曲芸じみてるけど、派手な立ち回りは好きでしょう!」

『ユキカゼ』の『刀と鞘』、それで薄く斬った『コンクリート片』を挟み込んで、振り回す。(パス精CCB

(・・・恐らく音的に、ライターで着火してる筈。
 だったらこっちも風で吹き飛ばせる筈だ!)

438『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/23(土) 17:30:03
>>437

振られる刀、豆腐を切るような薄い手応え。
コンクリート片を切断し、君はそれを刀と鞘で挟み込んだ。

《これは……ッ!》

「野暮だぜ旦那」

君がコンクリート片の扇を振り回そうとした時だ。
炎を突っきるように拳が飛んだ(スC)
ぐり、と胃の腑がせり上がる(パB)
腹を打たれたと君が気づいた時にはその体が後方に飛んでいた。
《マシロ!》
観客の誰かがそう叫ぶ。

「お前さんのやることは間違っちゃないよ」

人型のヴィジョンの背後に煙原が立つ。
着崩したスーツ姿の男が頭をかいていた。

「ただまぁ、間に合わなかったねぇ……」

炎は塵のように散っていく。
そして、消えていく。

《火のないところに煙が立つか?》

《煙あるところに火を立てるッ!》

また煙原が距離を詰めてきている。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□□白□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□煙□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

439真白『ユキカゼ』:2021/10/24(日) 21:10:16
>>438
「ぐ・・・う、が、あ・・・」

吹き飛ばされる体。肺から押し出された空気が言葉にならない音を立てる。

(し、しくったァ! 火をつけるだけが狙いじゃないのか!
 そのまま殴ってくるとはね・・・!)

「・・・まだまだァ!」

『ユキカゼ』の鞘を使い身を起こして、煙原を迎え撃つ体勢を取る。

440『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/25(月) 01:09:43
>>439

距離が詰まる。
煙原が体勢を立て直した君の前に立っている。
人型のヴィジョンもだ。

《強烈な一撃を受けつつも立ち上がる功刀様》

《立たねば勝てぬ、しかし》

《煙原が彼女の壁となるか!?》

「……」

ステップイン。
君の顔を狙って人型のヴィジョンが蹴りを放つ。
下から蹴りあげるように脚が迫る(パス精BCC)

441真白『ユキカゼ』:2021/10/25(月) 20:03:55
>>440
「接近戦で遅れを取るつもりはないよ!」

鞘で蹴りを受ける。
ただ、先程のコンクリート片でそのパワーは理解している。
ただ受けただけでは、体勢を崩されるのは間違いない。

(こっちには真正面から『受けない』技術もある!)

刀での攻防において単純な受けは通用しない。
受けた刀ごと斬られる事もある。正に、今の状況に似ている。

鞘で『斜め』に受け、下から迫る蹴りを『上』にそらす。(パス精CCB
そうしたなら、体勢を崩すのは相手の方だ。
その隙を狙い、刀の方で斬り付ける。(パス精CCB

442『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/26(火) 01:09:16
>>441

敵の一撃は重い(パB)
君の技術を持って対応しないと危険であろうことは間違いない。
折れてしまうかと錯覚するほどの力を受けつつも、君はそれを受け流す。
敵の足が空を舞う。
その隙を一太刀が敵の体を狙う。
そして、それに割り込むように。

「そうら、もう一回」

煙が君の視界を包んでいく。
しかし、確かに手ごたえはあった。
……浅い感覚、まだ敵を倒すに値しない域。
先ほどよりも近く、煙が君の体や顔にまとわりついている。
視界が防がれる。

443真白『ユキカゼ』:2021/10/26(火) 19:31:12
>>442
「ッ・・・!」

(恐らくだけど、煙越しでも相手は私を見る事ができる!
 だから煙の中からこちらの動きを察して、殴りつける事が出来た。
 となれば煙イコール相手の領域だからと距離を置くのは間違い!
 今、確実にそこにいるのだから!)

身を低く、前傾姿勢にしつつ、前に踏み出す。
両手にそれぞれ構える刀と鞘は、十字の形に交差させる。

(攻撃を両手で『受ける』カタチ。
 そしてもし、これを抜けて殴りつけられたとしても即座に斬り込める!)

444『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/27(水) 09:34:59
>>443

ごり、と衝撃が来た。
君が構えた位置に蹴りが来た。
煙の壁が足の軌道にそって広がっていく。
打撃は重いが受ける体勢が整っているのなら問題なく受けられる。

《功刀様、今度は受けきる……次の一手は……!》

スタンドの足が君に押し付けられている間、煙原は動いた。

「はぁ……」

着崩したスーツのジャケット。
その袖のボタン。
照明の光を反射する、その金のボタンがぶつかり合う。

カチッ カチッ

445真白『ユキカゼ』:2021/10/27(水) 21:35:55
>>444
「それが火打ち石代わりかッ!」

また火が来る。離脱・・・の前に、一つ決めさせてもらおう。

(十字受けの『利点』、攻防一体ってコト!)

交差する刀と鞘を狭めれば、それは直ぐに間に挟むものを斬り付ける動作になる。(パス精CCB

(悔しいけれど、能力の駆け引きでは相手が上だ。
 だけどこの距離での攻防なら私も負けてないよ!)

身を引きながら、その動作を行う事で、煙から離脱しつつも攻撃を行いたい。

446『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/28(木) 00:32:28
>>445

《危険を察知したか功刀様、後退!》

《……いや。これは……攻防一体!》

敵の足が切りつけられる。
決着には至らないものの相手を確実に削っている。
しかし、敵もただでは転ばない。

「ふぅ」

着火。
煙を燃焼させながらそれが進んでいく。
蹴りでかきわけられた煙達が燃えて消えていく。
君の顔や服に燃え移る、ということは無いがそれでも燃焼にもろに巻き込まれると危険だろう。

「おじさん、ちょっと疲れてきたなぁ。さっさと終わらせよう」

煙原は距離を広げさせない。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱白□■∴
∴■□□□□□□□□煙□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

447真白『ユキカゼ』:2021/10/28(木) 16:48:16
>>446
「運動不足なんじゃない? タバコ吸ってると体に悪いよ!」

『鞘』を持つ手を前に出して、受ける姿勢を取りつつ『納刀』。
そのまま、バックステップで柱を回り込むように移動して、煙の燃焼を避ける。(MAP的に言えば、柱の上を目指す)。
足を切りつけているから、後退と前進の差はあれど、即座に距離を詰められる事はない筈・・・。

(お互い、削られてる。私も何度か攻撃を食らって、今はまだ動けてるけど・・・。
 良いのを食らうか、防御してても、腕が持たなくて、上から潰されるかも。
 『そろそろ決着をつけたい』のはお互い様だね!)

448『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/29(金) 00:27:23
>>447

「いやぁ、燻ってるもんで」

「こう、削りあうのも……つまらねえ」

君は柱の裏に回る。
煙原は無理に追いかけては来ない。
しかし、そのままで済ませるということも無いだろう。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□白□■∴∴
∴■□□□柱□□□□柱□□■∴
∴■□□□□□□□□煙□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
柱:コンクリート製の柱
∴:観客席。
白:真白
煙:煙原
?:煙

449真白『ユキカゼ』:2021/10/29(金) 01:29:54
>>448
「お互い手の内は探り合った訳だし、そろそろ決めるつもりでしょう?」

追いかけてこない、なら行幸。『三度目』の『集中』、その為の時間が作れる。
柱を正面に見据え、呼吸を整え――『色のない世界』を展開する。

450『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/29(金) 17:41:45
>>449

「そうだなぁ」

煙が流れる。
柱の向こうから、柱ごと君を包むように。

《両者柱を挟み向き合う形》

《近距離での戦闘を得意とするであろう二人……ここからは決まる手があるのか……?》

《決着の時は……近い!》

荒国の声も届かないほどの集中。
再度、色のない世界が展開する。
銀世界に舞うは雪ではなく、白煙。
ミシリ。
そんな音も観衆の声も、どこか遠い位置で鳴っているようで。

「……」

451真白『ユキカゼ』:2021/10/29(金) 21:32:36
>>450
「スゥー・・・フゥー・・・」

(今ッ!)

音がした。柱の軋む音か。
抜刀。切り抜けるのは『柱』の下部、土台に近い部分。(ス精BB

煙原に柱を破壊するパワーが有るのは知っている。
そこから読み解いて、この状況、理想的な一手は何か?
・・・『煙で退路を塞ぎ、柱を破壊してぶつける』。

(・・・と、私は読んだッ! ならばッ!)

先程はパワーによって破壊されたコンクリート片がすっ飛んできた。
だが今回、先んじて土台付近を切っておけば・・・。

(物を殴る、斬る。私も経験があるから分かる。
 『固定されていないもの』は『壊し辛い』。
 必要なのはスピード! だが彼にそれはない!)

『壊す』ではなく『押される』形になる筈だ。

(私の狙いは・・・)

抜刀の勢いのまま、横に転がる。
それは『柱』を、『倒れる柱』を回避する為の動き。

(あなたに押されて『倒れた柱』!
 『重いもの』が倒れ込んだ時、
 その衝撃で巻き起こる風が『あなたの煙』を吹き飛ばす『一瞬』だッ!)

452『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/30(土) 00:51:54
>>451

土台を斬る、それは問題なく成立する。
そして、柱をかわすための移動も。

「ま、そうだわな」

カチ、と音がした。
金のボタン同士がぶつかる音。
炎が広がる。

「居合系のやつってのはだいたい構えからなんかしてくるもんだと思ってた」

「これで、詰みかね?」

君の前で真っ赤な花が開いていく。
熱を発する、火の花だ。

453真白『ユキカゼ』:2021/10/30(土) 22:35:35
>>452
「う・・・そ!?」

(『読んだ』以上に『読まれた』!? 柱には手もかけてないのか。
 これまでの攻防で、『直接』煙に対処する方法がないのは見抜かれてたと思ったけど)

(どちらにしろ柱の向こうを攻撃出来るなら、余計なことしなけりゃ良いって訳ね・・・くっそう!)

煙と熱は高い所に上りやすい。
スタンドのそれに適応されるかは兎も角・・・。
地面に伏せて火を回避したい。

454『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/30(土) 23:00:50
>>453

タイミングが遅れて柱が倒れていく。
読み違いがあるとするならば着火するものと柱を倒すものは別だったということだけだろう。

「……」

《炎! ついに炎が至った!》

地面に伏せる、その瞬間君の体に熱がやってくる。
背や腕の一部に流れ込む痛み。
炎自体は燃焼が終われば消えていく。
しかし痛みや傷は残る。
意識はある、まだ戦うことはできる。

「降参するかい? おじさんそれでもいいと思うけどねぇ」

煙原が君を見下ろしていた。

455真白『ユキカゼ』:2021/10/30(土) 23:22:39
>>454
「いやー・・・」

首を横に振る。

「・・・引き際を弁えないのは駄目でしょ。
 今回は私の負けです。参りました」

両腕でバツを作る。これ以上は見苦しいだけだ。

456『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/30(土) 23:36:45
>>455

「だってよ、荒国の旦那」

《では、決着です》

吊るされていた実況席から荒国が飛び降りてくる。

「では、後は煙原に任せましょう……」

「医務室へお連れします」

※※※

医務室。
ベッドが規則的に並べられている部屋だ。
白衣を着た女が君を迎え、その体に触れるとスタンド能力なのか君の体に着いた傷が消えていく。

「……今回は残念でしたね」

そう、荒国は言った。
言葉以上の意味はなさそうな雰囲気だ。

457真白『ユキカゼ』:2021/10/30(土) 23:44:01
>>456
「文字通り癒される〜って感じ」

「いやー、本当に・・・『スタンド』の何たるかを教わったよ。
 初めてこれを握った時は、自分が最強になったつもりだったんだけどなあ」

がっくりと首を落とす。

「もっと色んな事に対処できるようにならないと。
 勉強になりました」

458『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/30(土) 23:51:27
>>457

「そういうこともあります。スタンドには相性というものがあり今回はあまり噛み合わせが良くなかったかと存じます」

そんな話をしている間にバタバタと担架を持った黒服たちが医務室へと入ってくる。
担架に乗っていたのは煙原だ。

「むちゃくちゃ脚いてぇんだけど。治して?」

ズボンの下から覗く足からは血が流れていた。
フィードバックの傷だろう。

「よう、お疲れさん」

「で、お前さん。うちに来んの?」

459真白『ユキカゼ』:2021/10/30(土) 23:58:20
>>458
「お疲れサマー。
 いや、完敗でした」

深々と頭を下げる。

「うーん、どうかな。私は『楽しかった』けど。
 これって興行なワケで。
 荒国さん、正直盛り上がった? 観客席まで気を回せなかったよ」

460『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/10/31(日) 00:27:14
>>459

「……新人にしてはなかなかだったかと」

「まぁうちの派閥の観客は割合何でも受け入れられますから」

「別の派閥、別の闘士が相手ならまた変わるかと」

荒国はそう言った。
さて、特に用がないなら帰るのもいいだろうし何かしたい話があるならするのもいいだろう。

461真白『ユキカゼ』:2021/10/31(日) 00:47:31
>>460
「色んな派閥があるなら、他の所も見てみたいし。
 それからかな」

一先ず、ここに所属するってことはやめておこう。
自分はこの世界に足を踏み入れたばかりだ。

「修行もしないといけないしね。もう少し腕を上げてきます」

さて、このまま帰れるなら、礼を言ってこの場を後にしよう。

462『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/11/01(月) 00:28:41
>>461

君は礼をし、彼らはそれに応じて言葉を発する。

「気が向けばまたお越しください」

荒国は君にそう言った。
彼の纏う雰囲気は会った時と何も変わらなかった。

君は日常に帰る。
また君は強くなるのだろう。
この合縁奇縁の出会いを経て。

真白『ユキカゼ』→負傷なし

『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』→終了

463『ある日のアリーナ:愛煙気炎の男』:2021/11/02(火) 20:06:41
【愛煙気炎の男】煙原の持つスタンド。
手から煙を発生させる。
煙は摩擦や火による着火が可能

『イッツ・オーケー』
破壊力:B スピード:C  射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C  成長性:E


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