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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』其の二

84宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/01(木) 01:58:06
>>83

いつの間にか別の場所にいるという奇妙な感覚。
あるいは、最初に俺達が呼び出されたのも、この能力によるものかもしれない。
だが、それは今はどうでもいい。
重要なのは、これから始まる戦いに集中することだけだ。
何しろ、俺にとっては仕事の代わりとなるものなのだから。

「――ここが会場か。広くはないが狭くもないな」

普通なら、買い物客や従業員が行き来している筈だ。
その場所が、今はスタンド使い同士の争いの場になっている。
これがスタンドによる空間でなければ、大騒ぎになる所だろう。

「確かに遮蔽物は多いようだ。だが、それだけで隠れ続けていられるというのも考えにくい。
 もしかすると、何か身を隠すのに都合がいい能力でも持っているのかもしれないな」

店内を見渡しながら、独り言のように呟く。

        ドドドドドドドドド

その背後に、自身の精神の象徴であるスタンドヴィジョンが佇んでいる。
右腕にサメの意匠を持つ人型スタンド――『アヴィーチー』だ。
本来であれば、右手には『ノコギリ』が備わっているが、今は発現させていない。
この戦いは、まだ始まったばかりだ。
こちらの手の内を曝け出すのには、まだ早い。

「これが俺のスタンドだ。名は『アヴィーチー』。
 俺から離れられる距離は短い代わりに、人間以上のパワーがある。
 それ以外は並程度といった所だ」

一抹少年に対し、自分のスタンドについて簡潔に説明しておく。
同時に、レジ後ろにあるテーブルに視線を向ける。
そのテーブルが、『アヴィーチー』の片腕でも振り回せそうかを確認したい。


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