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アラム語(シリア語・アッシリア語)スレッド

1さーひぶ。:2003/08/31(日) 19:26
「アラム語のページ」を開設しました。
http://arabic.gooside.com/aramaic/

アラム語(Aramaic)は、シリア語(Syriac)・アッシリア語とも呼ばれ、
アラビア語と同じ「中央セム語」に属する言語です。
アッシリア帝国・ペルシア帝国などの公用語、国際語として広まり
ユダヤ教の聖書にも使われ、イエスも話していたといわれています。
現代の話者が「アッシリア人」を自称するため「アッシリア語」ともいいます。
イラクの副首相だったターリク・アズィーズ(アジズ)もアッシリア人です。
アラビア文字は、アラム文字から派生したので両者はよく似ています。

Windows XP 以降ではアラム語の文字が使えるようになったのを記念して、
ページを作ってみました。
関心のある人、詳しい人、ご自由に書き込みください。

2& </b><font color=#FF0000>(QPzIYpiU)</font><b>:2004/02/24(火) 12:36
ܫܠܡܐ/shlama/shlomo

はじめまして。
スレッドの開設以来半年近くも書込みがないというのはどうも寂しいので書き込ませていただきます。
その後、アラム語・シリア語の勉強の方はいかがでしょうか。
私はこの何年間かシリア語文献の研究などということをやっている者です。
主に古典・中世シリア語の方で、現代シリア語・アッシリア語はあまりわかりません。
一応、
http://syrcom.cua.edu/Hugoye/Vol6No1/HV6N1Takahashi.html
なんてところに論文を掲載したりもしています。

ܗܼܝܕܸܝܡܼܝ ܬܲܟܲܗܲܫܼܝ

3さーひぶ。:2004/03/03(水) 22:04
&さん、はじめまして。

スレッドをご心配いただき、わざわざ書き込んでいただきありがとうございます。
ちょうどレスをいただく前の休日に、書店で奇特にもシリア語訳の『聖書』を発見(未購入)いたしまして、
エステランゲロ字体で書かれた聖書でした。
ちょうど良い題材が見つかったので、本格的に勉強をしようかと思っていたところでした。

古典アラム語では、飯島紀さん著の『アラム語』(国際語学社)という最近の本は購入したのですが、
文法を学ぶテキストとしてはあっさりしすぎているかなあと迷っているところです。

倒産した泰流社の『アッシリア語(現代アラム語)』が図書館などにあり、初級テキストとしては
詳しそうなので、聖書を目標とするなら、現代アラム語から始める手もあるかなと感じています。

古典語と現代語、どっちを優先するかちょっと足踏みしている状態ですが、もっと良く資料などを
しらべてみたいと思います。いずれにしてもユニコードが使えるようになったので、学んだことを
少しずつウェブ化したいと思います。

&さんは研究者の方ですか。論文、参考にさせていただきます。
私はこの先2chのスレの方にも書き込むつもりですが、いろいろご教授願えれば幸いです。

4さーひぶ。:2004/03/05(金) 18:38
Windows Me だとシリア文字が化けるようです。

5さーひぶ。:2004/05/23(日) 22:07
先日、シリア語(アラム語の一種)訳のキリスト教『聖書』を購入したのですが、
どうも読めないなと思ったら、ユニコード化された「エステランゲロ」文字ではなく、
キリスト教「ヤコブ派」の文字であることが判りました。
ヤコブ派の文字もユニコード化してくれないかな>ユニコード・コンソーシアムさん
どうせユニコードは「アメリカ人の趣味」と云われているんだから。

6さーひぶ。:2004/07/02(金) 23:35
「帝国アラム語の文字」をUPしました。
http://arabic.gooside.com/aramaic/moji_imp/imp_hyou.html

それに合わせて、従前の「アラム語の文字」は、
「シリア語の文字」へ改題・移動しました。
http://arabic.gooside.com/aramaic/moji_syr/syr_hyou.html

7匿名さん@サラーム:2004/07/25(日) 23:41
たしかメル・ギブソンの「パッション」は、ラテン語とアラム語ともうひとつ、
当時の現地の言葉をそのまま使っているということでしたよね。だから何でも
吹き替えにしてしまう(それゆえ字幕文化が事実上存在しない)アメリカの映画
としては極めて異例なものになったと……。
(それにしても、「キリストの受難」という原題を「パッション」だけにしてしまった
日本の配給会社はひどすぎる。「情熱」だと勘違いされたらキリストが浮かばれないよ……。)

8さーひぶ。:2004/07/26(月) 22:36
シリア語まじりのアラム語、ヘブライ語、イタリア訛りのラテン語
が使われているようです。
せっかく原語を用いても、時代考証が雑では困りますねぇ。

9さーひぶ。:2004/08/04(水) 21:20
映画「パッション」のアラム語・ラテン語
http://arabic.gooside.com/aramaic/lema/sabaqtani.html

をUPしました。
すでに上映終了したところが大半ですが、
8月は、静岡・大阪・沖縄で、
9月は、愛知・岐阜で
短期間ですが上映されます。http://www.herald.co.jp/theater/passion/

10ヘブル語研究者:2004/08/31(火) 23:52
はじめまして。最近アラム語の歴史について文章をまとめたのですが、
どうしても「パッション」をつかみで出したかったのでネットで調べてたら
ここにたどり着きました。
「パッション」のアラム語とラテン語のページも拝見しました。
すごい力作ですね!でもその「アラム語」がシリア語、聖書アラム語、
そしてヘブル語のごちゃまぜというのはひどいですねぇ。
これは私もネットでオリジナル?のページにたどり着いて確認しました。
年代的にはシリア語と聖書アラム語の中間なので、
せめて死海文書のアラム語くらいを参考にして欲しかったもんです。
欲を言えばBeyerの本あたりで中期アラムの西方言をちゃんとやって欲しかった。
もっとも母音が付いてないから、母音が付いているシリア語と聖書アラム語で
やっちゃったという感じなんでしょうね。
「パッション」実はまだ見ていないのですけどDVD化されるのを待ちます。
すいません。初めてなのに長々と書いてしまいました。
アラム語の歴史をまとめてみて、現代アラム語「アッシリア語」「カルデア語」
そして「マンダ語」に俄然興味を持ったヘブル語研究者です。
「ヘブライ」ではなくて「ヘブル」で失礼しました。

11さーひぶ。:2004/09/03(金) 09:12
はじめまして。お褒めいただいて光栄です。

>シリア語、聖書アラム語、そしてヘブル語のごちゃまぜ
映画館に通って台詞を聴き取って記し、文献の「Jewish Palestinian Aramaic」の
項と毎日にらめっこしたのですが、「どうも変だな」と思って調べたら、そんな訳
でした。
ラテン語の先生によると、ラテン語は古代ローマではなく中世カトリック教会の
発音でやっていたらしいです。Caesarを「チェーザレ」なんて、チェーザレ・ボル
ジアじゃないんだから(笑)。時代考証よりも教会がどう感じるかを優先している
印象です。東方教会の人も観ることを考えたら、パレスチナ方言をわざわざ使うよ
りは、聖書アラム語や教会公用語であるシリア語を使ってあげた方が、教会の人が
喜ぶという宗教的配慮なんでしょうかねぇ。十字架の吊るし方ひとつを見ても、史
実ではなく宗教画を意識していたようですし。

そんな裏の事情ですから、駆け出しの素人がまとめた(恐らく母音ミスだらけの)
拙い語彙集ですが、「ごちゃまぜアラム語」にはちょうど良いんじゃないかと思っ
ています。DVDが出るころまでにはもうちょっと勉強して、改訂したいです。

>現代アラム語
クルド人から圧迫されているなんて話も聞きますし、話者が非常に少ないので、
保存運動がたいへんですよね。なんとか保存に協力したいです。

>ヘブライ、ヘブル
「ヘブル」の方が学術的には適切なのかもしれませんが、「ヘブライ」の方が検索
されやすいので後者にしているだけです。お気になさらないでください。
ヘブル語の方も駆け出しなので、勉強しなくては。

12さーひぶ。:2004/09/11(土) 09:13
米国で「パッション」のDVDが発売され、売れ行きは好調のようです。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200409010026.html

脚本本、とくにアラム語・ラテン語で書かれたものは出るのか?
興味あるところです。

13さーひぶ。:2004/10/09(土) 07:09
映画「パッション」が意外なロングラン。

2日から岡山で、16日から東京(調布)・兵庫で上映されます。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5083/

14サアデア:2004/10/12(火) 17:53
へブル語、アラム語ごちゃ混ぜとありましたが、2000年前のパレスチナではヘブル語もまだ日常語として使用されていたことが死海写本の研究で分かっていますし、パッションの中でヘブル語が使われたのは良く分かる気がします。母マリアがイエスが捕らえられるとき、マー・ニシタナー・ハライラハゼ・ミコルハレイロット(この夜は全ての夜とどう違うの?)と過ぎ越しの祭りで唱えるヘブル語の言葉を言うところは良く時代考証をしたなと思いました。それからイスカリオテのユダに子供達がカリール(呪われた者)と叫びながら追っかけるところも臨場感あったと思います。ま映画ですから全て学問をするようにはいかないでしょうね。

15さーひぶ。:2004/10/19(火) 00:37
サアデアさん、はじめまして
遅レス、すみません。

やはりヘブル語のわかる方は、あの映画の多くの台詞を聴き取れたんですね。
ただ「時代考証」以前に、あの映画は「史劇」ではなく、
宗教関係者に見せるための「時代劇」だったということですね。

16さーひぶ。:2004/11/30(火) 23:54
サーバーが一時不調だったようで、更新しようとしたらかえってページが表示できなくなってしまいました。
やっと更新できました。
アラム語話者の著名な人たちの画像を載せました。(アズィーズ元副首相がアラム語を話すかどうかは判りません)

映画「パッション」の日本版DVDは、12月23日発売予定のようです。
アラム語字幕がないのが残念。

17おか:2004/12/15(水) 00:52
はじめまして。皆さんの中に「アッシリア語辞典」とか「アラム語辞典」
などをお持ちである方はいらっしゃいますか?勉強したくは思っているのですがなかなか資料がみつかりません。お持ちであればどこで入手できるか教えてください。よろしくです・・・

18さーひぶ。:2005/01/06(木) 21:30
おかさん、遅レスですみません。
アラム語といっても時代と地域によりかなり方言差がありますが、
どのあたりをイメージしておられますか?

アラム語を含んだセム語の辞典らしきものは日本語でも発行されていますが、
学術的確かさを考慮するとあまりお勧めできません。英語かドイツ語になります。
リサーチしましたので、近日公開の予定です。

アラム語辞典等を購入しやすい所といえば、東京・銀座の「教文館」洋書部になるかと思います。
http://www.kyobunkwan.co.jp/


映画「パッション」のDVD、発売直後に買って正月にでも観ようかと思ってましたが、
正月は温泉漬けだったので、まだ観ていません。

19babystar:2005/01/13(木) 10:47
始めまして。妻がヘブライ語を勉強していて&最近パッションのDVDを購入したものですから,検索していてここに行き当たりました。passion forumという公式っぽいページでも書き込んだのですが,映画で字幕のほうでなく,実際に役者さんが発生しているアラム語,ラテン語等を日本語,または英語に訳して掲載しているサイトや情報源などはないでしょうかね。(パッションに出てくるアラム語単語集は参考になりました^^)
またちょくちょく遊びに来たいと思います。

20さーひぶ。:2005/02/09(水) 19:57:07
>>17-18
日本で購入しやすいアラム語辞書のリストをUPしました。

アラム諸語の参考文献
http://arabic.gooside.com/aramaic/reference/bibliography_aramaic.html

>>19
babystar さん、はじめまして。遅レスすみません。
映画「パッション」はもともとの脚本が英語らしいので、英語のシナリオ本は発売されると思います。
アラム語訳については、上の方のレスでも書かれているように、ごちゃまぜアラム「造」語なので、
商業ベースと考え合わせても難しいかと推測されます。ラテン語部分だけ出すのも変ですし。
情報源は翻案されたFulco教授当人に期待するしかないでしょうね。

パッションのDVD、まだ見そびれていますが、パッケージにちゃっかり
「ラテン語、アラム語、ヘブライ語」とヘブライ語が追加されているので笑ってしまいました。

21歌い手:2005/03/23(水) 12:28:16
シリアのアレッポで、現代Syriac のウルファ版を一ヶ月ほど習ったものです。
エストランゲロ文字を見るとヘブライ語のようですが、Western Syriac の文字は、
文字同士の微妙な違いが結構厄介で、いつも「ここが開きすぎ」「ここが長すぎ」
などと先生に注意されていました。ああ、大変。唯一、よく覚えているのは、
「シュローモー」(サラーム、シャローム)ぐらいですね。失礼しました。

22さーひぶ。:2005/03/25(金) 22:05:37
歌い手さん、Syriac学習、うらやましいですね。
アラム語は方言差が大きく、またシリア語だけでも文字が3種類もあるから、
文字を覚えるだけでもたいへんですね。
エステランゲロ文字だけでなく、西方シリア文字や東方シリア文字も
Unicode化して欲しいところですが。

23さーひぶ。:2005/03/27(日) 07:32:03
Wikipediaで、11世紀の西方シリア語(Western Syriac)の文字(Serto)の
写本画像を見つけました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Serto.jpg
http://en.wikipedia.org/wiki/Syriac_alphabet
http://en.wikipedia.org/wiki/Aramaic_language

シリア語を調べている猛者がいて、精力的に執筆しているようです。
パブリックドメインなので、日本語版にもコピーしておきました。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/シリア文字

24さーひぶ。:2005/04/23(土) 02:29:30
ただいま、TBSテレビの「CBSドキュメント」(司会:ピーター・バラカン、吉川美代子)で、
イエスの兄弟ヤコブ(英語名ジェイムズ)の遺骨の石棺についてのニュースを報じていました。
石棺にアラム語で「ヤコブ、ヨセフの息子、イエスの弟」と刻まれていて大騒ぎになったものです。
この話については、『イエスの弟―ヤコブの骨箱発見をめぐって』
(Hershel Shanks, Ben,3 Witherington共著、舩渡佳子・菅野圭子訳、松柏社刊)
を最近買ったので、私も知っていました。
大々的に宣伝されたために、多くの人々がこの石棺を信じ、各地で展示されました。
空輸の途中で、ミスにより石棺にひびが入ったりして話題になりました。
しかしながら、最近ではどうも贋作ではないかという意見が強くなっています。

一方で、エルサレムのイスラーム教の「岩のドーム」やユダヤ教の「嘆きの壁」
がある丘の所有権を記したたいへんな石版が発見されたのですが、これも真贋
論争になり、石棺と発見者が同じであることから問題視されています。
番組ではこれらについて真贋の結論は出していませんが、発見者が
スケープゴートではないかという見方も紹介されていました。

しかし、こういう良質な番組がこんな時間帯に放映なんて、とても残念!

25Augoeides(さーひぶ。が転記):2005/09/23(金) 21:43:20
ゲストブックに寄せられた、Augoeides さんの質問(2005/09/13)を転記します(管理人)。

はじめまして、
いまレポートを書くために『ユダヤ人のデモノロジー(悪霊?悪魔?学)』
という参考資料を翻訳している者です。

この文章自体は英語で書かれたものなのですが中に英語ではない単語が出てくるので梃子摺っています。

3. The Minions of Sitra Akhra. Sitra Akhra could be translated "the other side".
Some philosophers believed that all things were created by and subject to God (including demons),
but others wondered if the things which were so unspeakably evil had
their origins in another realm outside of God's command, or at least
if there was a place forsaken by God, or where the inhabitants had no respect for God at all.
This produced the idea of Sitra Akhra, which I suppose is the closest

I've seen to a classical Hell in the Christian sense, where the inhabitants are purely evil
and have completely forsaken God, existing only to satisfy their perverted whims. The demon Samael
(who is often equated with Satan) is sometimes said to live here.
Anything from Sitra Akhra would be completely evil, malevolent, and very dangerous.

『SitraAkhraの手先』という題名がついているこの文章なんですが、
このSitraAkhraというのが英単語ではなくどうやらアラム語らしいという事が調べてわかったのですが
この文章を訳してみるとSitraAkhraは" 他の側面" と翻訳されることができた。と書いてあります。
そして悪魔を全ての物が神によって作られたが、神に見捨てられた場所、神の命令以外の
別の王国に住む人々が口に出来ないほど邪悪な場所があるとある哲学者はそう信じて、
それがSitraAkhrというものの考え方を作り出したとも、
邪道に陥り気まぐれしか満たさないためにキリスト教の古典的な地獄であり、
サマエル(サタン)が其処に住むとも書いてあります。

SitraAkhraというものがthe other sideという英単語と同じ意味で
住民が邪悪でサタンが住む神に見捨てられた地獄のような所という大体の意味は理解できたのですが
そもそもこのSitraAkhraとはなんなのでしょうか?
どのように発音すればいいのでしょう?英語読みだとシトラ(サイトラ)アクラでしょうが・・・
アラム語に関する文献が手元になく、先日書店で聖書アラム語語録・用例集というのを購入して
調べてみたのですが、日本語の意訳はあるのですが発音記号などは載っていませんでした。

他の物は高価すぎてちょっと手が出そうになくて困っています。
SitraAkhraをはじめとしたアラム語の単語の発音のしかたや意味を調べるのにはどのようにすればいいのでしょうか?
初めてのメールでいきなりこのような質問をして大変失礼だと思いますが、
なにかよい方法はないでしょうか?よろしくお願いします。長々と大変失礼しました・・・。

26さーひぶ。:2005/09/23(金) 21:59:07
Augoeides さん
ユダヤ人の悪魔学には詳しくありませんので、とりあえずアラム語についてのみお答えします。
Sitra Akhra はアラム語のような単語で、そのまま発音するなら「スィトラ・アフラ」のようになるでしょう。
聖書アラム語の辞書などを引きますと、
 seTar(「セタル」、Tは息をこもらせてtを発音)が、英side,endの意味の男性名詞、
 'aHoran(「アホラン」、Hはかすれたhのような音)が、英anotherの意味の形容詞、
となっています。Sitra Akhraはアラム語の方言あるいは訛った形と見て良いと思います。

アラム語の語彙集で比較的廉価で入手しやすいものとしては、
An Aramaic Handbook PART I/2 GLOSSARY, edited by Franz Rosental, 1967. \4180+税?
があります。銀座の教文館書店5F洋書コーナーなら常備しているでしょう。
ただ、これに限らず、古典アラム語の辞書・語彙集はヘブライ文字で表記・配列されていることが
多いので、ヘブライ文字を読めることが必須になります。

27Augoeides:2005/09/30(金) 16:16:49
>>26
さーひぶ。さん詳しい解説をどうもありがとうございます。
本当に助かりました。

これから自分でもヘブライ語の勉強をやってみます。

28ミヤ:2007/03/01(木) 00:57:34
ルカによる福音書23:43のイエスのセリフで「楽園」と訳されている言葉はアラム語では何と言うのですか?どうか教えて下さい。ヘブライ語では「ガン・エデン」でしょうか?

29さーひぶ。:2007/03/07(水) 23:50:09
>>28 ミヤさん
ご承知と思いますが、福音書の現在まで伝わる元の文章は古典ギリシア語で書
かれています。その大元は、ヘブライ語やアラム語であったとも考えられます
が、史料的には確かなものが伝わっていないと思います。
旧約・新約聖書は、イエスよりも後世のアラム語方言であるシリア語に翻訳さ
れています。シリア語の聖書では、お尋ねの「楽園」の箇所には
「パルダイーサ(ܦܪܕܝܣܐ)」
とあります。これは古代ペルシア語で庭園を意味する「パイラダイサ」に由来し、
「楽園」を意味する英語のパラダイス(paradise)、仏語のパラディ(paradis)
と語源が同じです。ちなみにアラビア語では「フィルダウス(الفردوس)」です。
ヘブライ語にも「パルデス(פּרדּס)」という単語がありますが、「庭園・果樹園」
を意味する程度のようです。

新約聖書の現代ヘブライ語訳を私は持っていないのですが、辞書等で見ますと
「ガン・エデン(גן-עדן)」(エデンの園)
で妥当なようです。ちなみにアラビア語では「ジャンナ・アデン」(جنة عدن)
という言葉が対応します。

パラダイス http://en.wikipedia.org/wiki/Paradise
エデンの園 http://en.wikipedia.org/wiki/Garden_of_Eden
ガン・エデン http://he.wikipedia.org/wiki/%D7%92%D7%9F_%D7%A2%D7%93%D7%9F
ガン http://www.websters-online-dictionary.org/translation/farsi/%25D7%2592%25D7%259F
エデン http://www.websters-online-dictionary.org/translation/farsi/%25D7%25A2%25D7%2593%25D7%259F

30ミヤ:2007/03/10(土) 13:35:11
さーひぶ様、御教示を感謝いたします。アラム語(シリア語)の「パルダイーサ」はギリシャ語の「パラデイソス」の影響によるものではなく、共通の原語であるペルシャ語「パイラダイサ」がシリア語に直接入ってきた外来語ということなのでしょうか?
ところで、映画の「パッション」のアラム語のセリフですが、これはシリア語訳聖書(これは「ベッシータ」というものだそうですね)を参考にしたのでしょうか?
映画「パッション」の十字架の場面で、イエスが自分の左側の犯罪人に語りかけるルカ23:43のセリフをDVDで繰り返し聴いたのですが、何と言ってるのか聴き取れませんでしたが、
楽園を「パルダイーサ」と言っているなら、シナリオ作成に「ベッシータ」が使われている可能性が高いということでしょうね。よろしければもう一度コメントをお願い致します。

31さーひぶ。:2007/03/10(土) 22:25:10
>ベッシータ
ペシッタ(Peshitta ܦܫܝܛܬܐ)のことですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Peshitta

私もDVDを聴いてから後日お返事します。

32匿名さん@サラーム:2007/03/26(月) 17:43:47
「アッシリア(Assyria)」はアラム語では何と表記されていたのでしょうか?
ヘブライ語はずっと以前に囓っただけなので、ローマナイズ=ラティナイズ
表記にて御教え頂ければ幸甚です。
なおまた、古代オリエント関係でお訊ねしたいことがございます。
「アジア(ギリシア語のアシアー)」の語源となったヒッタイトの言葉を
ローマナイズ表記すると、「Assiuva」「Assuwa」あるいはその他いづれの
表記が最も適切なので御座居ましょうか?
よろしく御教示のほど、お願い申し上げます。

33ミエ:2007/03/26(月) 17:45:55
「アッシリア(Assyria)」はアラム語では何と表記されていたのでしょうか?
ヘブライ語はずっと以前に囓っただけなので、ローマナイズ=ラティナイズ表記にて御教え頂ければ幸甚です。
なおまた、古代オリエント関係でお訊ねしたいことがございます。
「アジア(ギリシア語のアシアー)」の語源となったヒッタイトの言葉を
ローマナイズ表記すると、「Assiuva」「Assuwa」あるいはその他いづれの表記が最も適切なので御座居ましょうか?
よろしく御教示のほど、お願い申し上げます。

34さーひぶ。:2007/03/26(月) 22:30:40
ミエさん

アッシリアは、アラム語では「アトゥール(At&ucirc;r)」と呼ばれていたようです。
現代アラム語(「アッシリア語」)でも「アトゥール」のようです。
ちなみにアッシリアの母語であるアッカド語では「アッシュール(Aššur)」です。

「アジア」の元々の語源となったのは、アッカド語で東方を意味する「アス(Asu)」
だったと思います。ヒッタイト語については存じません。

35ミエ:2007/03/27(火) 10:50:24
さーひぶさん
早速に御回答頂きまして、まことに有り難うございました。
ここに厚く御礼申し上げます。

ヒッタイト語に関しては、どこで伺えばよいでしょうか?
よいURLをご存じでしたならば、是非とも御教え下さいませ。

36さーひぶ。:2007/03/27(火) 22:53:25
ヒッタイト語については、専門の語彙集や辞典(洋書)に当たる必要がある
かも知れません。取り寄せて買うと高額でしょうから、大きな図書館などで
閲覧してみたらいかがでしょうか。

37匿名さん@サラーム:2007/03/29(木) 01:34:26
古代オリエントの女神アスタルテー、アシュタロテ、etc.は、アッカド語では“As-tar-tu”と、またアラム語では“Attar”とローマナイズされるのでしょうか?
また、古代ペルシア語・中期ペルシア語でこの女神を何と表記したのか分かっているのでしょうか?
もしも、知られているのでしたら、是非ともお教え下さい。
なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

38さーひぶ。:2007/03/29(木) 02:00:50
とりあえず、レスしておきます。

アスタルテに相当するのは、アッカド語の「イシュタル」ではなかったでしょうか。

また、これに対応するイランの女神は「アナーヒター」だったと記憶しています。


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