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貧困スレ

879とはずがたり:2018/09/10(月) 09:21:30
貧困もまあ重要な問題だけど奈良・和歌山が沖縄と並んで下位3位を占めてる!?なんでだろ・・。

大竹先生が橘木先生を論破したのは格差拡大に見えるけど本当は人生の結果が出て格差が大きい老人世代が増えたからだって論理だったけど40代だけで見ても格差は拡大している様だ。

今回の結果だと,アラフォーの所得中央値を見ると和歌山は中〜下位で奈良は中〜上位なので奈良はその辺が違うのかも。

2018年9月8日土曜日
40代前半男性の相対的所得ギャップ
http://tmaita77.blogspot.com/2018/09/40.html

… 7月14日の記事>>878では,40代前半男性の所得が,90年代初頭に比してどう変わったのかを明らかにしました。所得分布から出した中央値は,1992年では524万円だったのが,2017年では472万円です。この四半世紀で50万円以上の減少。「失われた25年」にかけて,アラフォー男性の所得は大きく失われました。

 あまりに衝撃的な事実のためか,当該記事では本ブログで最も読まれています。今の40代前半といったら,世紀の変わり目に大学を出たロスジェネですが,この世代の関心をひいたのでしょう。76年生まれの私も,この世代に属します。

 今回は,両年の所得分布表を加工して,別の事実を浮き彫りにしようと思います。アラフォー年代内部での所得格差がどう変わったかです。所得が減っていることに加え,同世代内部での格差も広がっているのではないか。こういう仮説です。

 格差の指標といえばジニ係数で,これまで何度も計算したことがあります。ちょっとややこしい指標ですが,これよりもシンプルな尺度もあることを知りました。相対的所得ギャップというものです。
https://resemom.jp/article/2016/04/14/30905.html

 所得の下位10%値が中央値に占める割合です。下から10番目の人(プア)の稼ぎが,ちょうど真ん中の人(普通)の何%に当たるかです。

 両方とも,所得の度数分布表から割り出せます。2017年の40代前半男性の所得分布表から出してみましょう。出所は,同年の『就業構造基本調査』です。

 所得が分かる439万人の分布です。左端は人数,真ん中は全体を100とした相対度数,右端はそれを積み上げた累積相対度数です。

 累積相対度数から,下位10%値が200万円台前半,中央値は400万円台の階級に含まれることが分かります。按分比例を使って,それを推し量りましょう。もう慣れっこですよね。

下位10%値:
 按分比=(10.0-7.9)/(14.4-7.9)=0.3243
 下位10%値=200万円+(50万円×0.3243)=216.2万円

中央値:
 按分比=(50.0-37.4)/(55.0-37.4)=0.7169
 中央値=400万円+(100万円×0.7169)=471.7万円

 下位10%値は216.2万円,中央値は471.7万円と出ました。よって,上記の意味の相対的所得ギャップは,前者を後者で割って45.8%と算出されます。アラフォー男性でみると,プアの稼ぎは普通の人の半分弱というところです。

 1992年の所得分布では,下位10%値は253.4万円,中央値は524.1万円なので,所得ギャップは48.3%となります。プアが普通に占める割合は,この四半世紀でちょっと下がってますね。すなわち,所得格差が拡大している,ということです。

 これは全国値ですが,地域別の数値も出せます。47都道府県別にみると,相対的所得ギャップ値には幅があります。下の表は,高い順に並べたランキングです。

この四半世紀にかけて全国的に,プアの所得が普通に占める割合が下がっています。アラフォー男子の所得格差が開いている,ということです。

 1992年では31の県で50%(半分)を超えてましたが,2017年ではそういう県は10県しかありません。3分の1に減っています。逆に,プアの所得が普通の4割にも満たない県が出てきています(沖縄,奈良,和歌山)。奈良は,陥落が大きくなっています(51.3%→37.1%)。

 1992年では,分布の幅は「60.4%〜42.8%」でしたが,2017年では「55.4%〜36.6%」とやや広がっています。格差の大きい県と,そうでない県の分化が進んでいます。



880とはずがたり:2018/09/10(月) 09:29:26
色々統計的な扱いがヌルいので叩かれてる舞田さん。
それにしても非常勤講師の委嘱が終わってしまったせいなのかもしれないけど「元」教育学者は酷いだろ。
今も頑張っていらっしゃる。

因果関係を恣意的に取り上げてグラフで可視的に思わせるのは嫌う人は嫌うよねえ。。その辺の厳密さを棄ててマスコミ・言論に生きてくのか?

頑張ってるんで応援してあげたい。いくつか本買ってみるかねえ・・。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9E%E7%94%B0%E6%95%8F%E5%BD%A6
舞田敏彦

舞田 敏彦(まいた としひこ、1976年 - )は、元・教育学者(博士(教育学))[1]。2015年まで半期1コマのみ武蔵野大学非常勤講師[1]を勤めていた。

略歴
1976年生まれ。鹿児島大学大学院修士課程を経て、東京学芸大学連合大学院博士後期課程に進学。陣内靖彦に師事。2005年に『高等教育就学機会の地域間格差に関する実証的研究』にて博士(教育学)。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80-%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%82%B9-%E7%8A%80%E3%81%AE%E6%95%99%E5%AE%A4-%E8%88%9E%E7%94%B0%E6%95%8F%E5%BD%A6/dp/4794970323/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1536538921&sr=8-1&keywords=%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80+%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%82%B9
データで読む 教育の論点 (犀の教室) 単行本(ソフトカバー) ? 2017/8/3
舞田敏彦 (著)

『教職教養らくらくマスター』&『教職教養よく出る過去問224』のご案内
http://tmaita77.blogspot.com/p/blog-page_28.html

881とはずがたり:2018/09/10(月) 09:42:59
ちゃんと相関があることと自分の予想を峻別して判ってるけど時間ないし統計的にちゃんとあるのは大変だし論説レベルだしえいやと行くよってスタンスでやれば叩かれないのかもしれないけどそれだと歯切れ悪いし信者が付いてこないか。。

よっき含めて頑張る不安定な40代を熱烈に応援するぞっ。

舞田氏のツイートも良く流れてくるけど(直接フォローはしてなかったような),フォローしてる馬氏も京大の社会学?の院卒みたいだ。しらんかったが奥さんもツイッターしててこの前公開夫婦げんかしてて知ったw
結婚して6年とか云ってたし40代にはなってなさそう(もっと若そう)だけど文系院卒非正規雇用組は基本応援したい。
そんな一人と思ってた『高学歴ワーキングプア』の水月昭道氏だけどなんと家業が筑紫女学園で今はその経営陣に収まってるようだ。なんだボンやんけ,とちょっとがっかり。まあ問題提起なんかは評価してるし学校法人評議員なんかに収まらずに活躍して欲しいところ。
筑紫女学園に高学歴OD沢山採るとかしたってくれ。

エクセル統計学者・舞田敏彦の光と影 - Togetter
https://togetter.com/li/1103576

舞田さんのミニ記述統計は面白いんだけど、何で折れ線グラフにするのかね。普通、棒グラフだと思うんだが. 山本一郎(やまもといちろう@告知用) @kirik 2017-07-29 14:29:06. また舞田敏彦さんか。交絡因子ばっかで相関語るのいい加減やめてくれねえかな.
舞田敏彦 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

【舞田敏彦】舞田敏彦のデマに気がついた500人の人たち - Togetter
https://togetter.com/li/1187992

まとめました。舞田敏彦のデマに気づいて、そのことをツイートした人だけで、500人ぐらいいます。実際に気づいてツイートしていない人も加えれば、数千人が舞田敏彦のデマに気づいていることでしょう。ブロッ..

水月昭道
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9C%88%E6%98%AD%E9%81%93

水月 昭道(みづき しょうどう、1967年 - )は、日本の環境心理学者・評論家・浄土真宗の僧侶、筑紫女学園評議員。福岡県生まれ。

882とはずがたり:2018/09/10(月) 14:29:36
https://twitter.com/OECDTokyo/status/1037811490789699585
OECD東京センター
認証済みアカウント
@OECDTokyo
フォローする @OECDTokyoをフォローします
その他
各国平均に対する可処分所得の比率にみる地域差を比較したところ、メキシコの連邦直轄地とトルコのアンカラの平均所得は、それぞれチアパス、東アナトリアと比較して3.3倍高くなっています。「世界の地域格差2016」は医療、雇用など多様な分野を地域差の視点で分析しています??https://bit.ly/2Ch5rHj

14:15 - 2018年9月6日

883とはずがたり:2018/09/10(月) 14:30:43
https://twitter.com/OECDTokyo/status/1037454108410699776
@OECDTokyo
フォローする @OECDTokyoをフォローします
その他
【高齢者の貧困????】相対的貧困にある高齢者の割合を比較したところ、韓国(46%)、ラトビア(27%)、オーストラリア(26%)で高いことがわかりました。日本は19%、OECD平均は13%でした。また、調査国すべてで相対的貧困にある女性の割合は男性を上回っています??https://bit.ly/1NnijEq

14:35 - 2018年9月5日

884とはずがたり:2018/09/12(水) 18:01:02

二つの戸籍で不正受給…「いい生活したかった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180911-OYT1T50018.html
2018年09月12日 17時39分

 不正に取得した戸籍名と、出生時の戸籍名を使い分け、生活保護費を不正に受給したとして、東京都町田市が市内在住の80歳代の男性を詐欺の疑いで、町田署に刑事告訴していたことがわかった。被害は計約1014万円に上る。市は生活保護費の返還を請求し、男性は分割での返済を始めているという。

 市生活援護課によると、男性は2009年9月から16年8月まで、約60年前に取得した戸籍の名義で年金を受け取る一方で、出生時の戸籍の名義を使い、市から生活保護を受けていた。年金の受給額は生活保護の対象基準を超えており、男性は本来、生活保護を受ける資格はなかったという。

 16年9月、男性が交通事故で市内の病院に入院した際、2種類の名前を使っていたことが判明。市は今年7月5日付で刑事告訴した。

 男性は一人暮らし。市によると、都外の裁判所に約60年前、出生時の戸籍が存在しないとする虚偽の申し立てを行い、新たな戸籍の取得を認められたという趣旨の説明をしている。市の調査に不正受給を認め、「少しでもいい生活をしたかった」と話したという。

2018年09月12日 17時39分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

885とはずがたり:2018/09/12(水) 18:18:25

二つの戸籍で不正受給…「いい生活したかった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180911-OYT1T50018.html
2018年09月12日 17時39分

 不正に取得した戸籍名と、出生時の戸籍名を使い分け、生活保護費を不正に受給したとして、東京都町田市が市内在住の80歳代の男性を詐欺の疑いで、町田署に刑事告訴していたことがわかった。被害は計約1014万円に上る。市は生活保護費の返還を請求し、男性は分割での返済を始めているという。

 市生活援護課によると、男性は2009年9月から16年8月まで、約60年前に取得した戸籍の名義で年金を受け取る一方で、出生時の戸籍の名義を使い、市から生活保護を受けていた。年金の受給額は生活保護の対象基準を超えており、男性は本来、生活保護を受ける資格はなかったという。

 16年9月、男性が交通事故で市内の病院に入院した際、2種類の名前を使っていたことが判明。市は今年7月5日付で刑事告訴した。

 男性は一人暮らし。市によると、都外の裁判所に約60年前、出生時の戸籍が存在しないとする虚偽の申し立てを行い、新たな戸籍の取得を認められたという趣旨の説明をしている。市の調査に不正受給を認め、「少しでもいい生活をしたかった」と話したという。

2018年09月12日 17時39分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

886とはずがたり:2018/09/25(火) 09:37:49
厚労省
生活保護世帯子ども部活動 領収書なし精算可能に
毎日新聞2018年9月4日 18時27分(最終更新 9月4日 18時42分)
https://mainichi.jp/articles/20180905/k00/00m/040/048000c

 10月から生活保護世帯の子どもの部活動にかかる費用が定額支給から実費精算に変わるのに伴い、厚生労働省は4日、領収書がなくても精算は可能との見解を自治体向けの説明会で明らかにした。学校からの配布資料などで金額を確認できればOKという。「学校側から領収書をもらわねばならなくなると、子どもがみじめな思いをする」と与党内でも懸念の声が上がっていた。

 給付は小中高校生のいる世帯が対象で、部活動で使う用具や楽器の購入費、合宿費、部費などに使える。これまでは毎月定額の受給だったが、申請で上限額(高校生なら年間8万3000円)まで精算する制度に変更する。

 厚労省によると、申請には学校から配布されるチラシなど金額の分かる資料か領収書が必要。ただし、例えば遠征などの際に集団行動の中で一人だけ領収書をもらうのは難しく、交通費は経路を申請書に記載すれば認めるとした。部費についても、子どもが教員に領収書を求めるのは心理的な負担になるため、領収書は不要とする。【熊谷豪】

887とはずがたり:2018/10/01(月) 14:02:17
>今回は2018〜20年の毎年10月、3回に分けて見直す。
三回に分けて下がるって事らしい

生活保護、67%世帯で減額
10月から、食費や光熱費
https://this.kiji.is/417582440517813345
2018/9/26 16:23
c一般社団法人共同通信社

 生活保護のうち、食費や光熱費といった生活費に当たる「生活扶助」の支給額が10月から変わる。受給世帯のうち26%が増額となる一方、67%で減る。都市部の単身高齢者世帯や子どものいる世帯への影響が大きい。

 厚生労働省は5年に1度、一般の低所得層の消費支出額と比較し生活扶助を見直している。今回は2018〜20年の毎年10月、3回に分けて見直す。現在の支給額と比べ今年10月に最大1.7%、20年に最大5%の減額となるケースがある。

 65歳以上の単身世帯の76%、子どものいる世帯の43%で引き下げられる。受給者からは「さらに生活が苦しくなる」との声が相次いでいる。

888とはずがたり:2018/10/21(日) 17:52:46
>金にならない車も「資産」と言い張る厚労省の理不尽。

https://twitter.com/tetsurokokubo/status/1053610378620354560
小久保 哲郎
@tetsurokokubo

日本の特に地方には生活保護以下の収入で歯を食いしばっている母子世帯がいっぱいいる。それは生活保護を受けるとどんなポンコツ車でも処分しろと言われるから。金にならない車も「資産」と言い張る厚労省の理不尽。詳しくは→これがホントの生活保護改革 https://www.amazon.co.jp/dp/4750347167/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_neXYBbR5YANKW … @amazonJPさんから

4:34 - 2018年10月20日

https://twitter.com/shin2_ota/status/1053621719817060352
太田 伸二
?@shin2_ota

東北の方が生活保護の申請を躊躇する大きな理由の一つが自動車です。
鉄道は本数が少なく、バスは路線が減っています。子供や高齢者が居る世帯では必要性が高いです。
自動車か生活保護かを迫られている世帯が数多くあり、捕捉率を下げています。

889とはずがたり:2018/10/21(日) 19:29:02
https://twitter.com/tetsurokokubo/status/1053275587207282689
小久保 哲郎
@tetsurokokubo

日本は保護費1ヶ月分以上の預貯金があると生活保護は受けられない。でも仏、スウェーデンは預貯金を問わない。英国は約250万円、韓国は500万円以上(都市部)持っててもOK。破産しても99万円はOKなんだから、せめて保護費3ヶ月分位認めるべき。詳しくは→https://www.amazon.co.jp/dp/4750347167/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_rHDYBbYR5723G … @amazonJPさんから

6:24 - 2018年10月19日

890とはずがたり:2018/10/30(火) 21:16:13
生活保護、67%の世帯で減額 10月から「生活扶助」の支給額が変更
http://news.livedoor.com/article/detail/15360095/
2018年9月26日 16時23分 ライブドアニュース速報

生活保護のうち、食費や光熱費といった生活費に当たる「生活扶助」の支給額が10月から変更される。受給世帯のうち26%が増額となる一方、67%で減額。都市部の単身高齢者世帯や子どもがいる世帯への影響が大きいとされている。共同通信が報じた。

65歳以上の単身世帯の76%、子どもがいる世帯の43%で引き下げられる。受給者からは「さらに生活が苦しくなる」との声も出ている。

891とはずがたり:2018/11/06(火) 22:17:49
家賃が払えない場合に家賃を給付してもらう方法!〜住宅支援給付制度のすすめ〜
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20141225-00041793/
藤田孝典 | NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授
2014/12/25(木) 12:33

892とはずがたり:2018/11/09(金) 08:59:27
2018年11月03日 12時00分 サイエンス
遺伝子研究で「才能ありで生まれるよりも金持ちに生まれる方がいい結果を生む」という結果が発表される
https://gigazine.net/news/20181103-born-rich-or-gifted/

893チバQ:2018/12/04(火) 17:26:32
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181202-01527252-sspa-soci
年収300万円未満の“ほぼ貧困”層におちいる3つの要因
12/2(日) 9:00配信 週刊SPA!
年収300万円未満の“ほぼ貧困”層におちいる3つの要因
(日刊SPA!)
 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。

◆“ほぼ貧困”に陥ってしまう家族の共通点とは?

「すでにギリギリの生活を強いられ、少しのトラブルがあれば、一気に深刻な貧困状態に陥る。そんな瀬戸際にいる家庭は確かに増え続けています」

 世帯年収300万円未満の“ほぼ貧困”層の増加について、そう指摘するのは、社会福祉士の藤田孝典氏。その背景として「雇用の劣化」を藤田氏はまず挙げる。

「昨今、求人自体は正社員も含めて数多くありますが、あまりにも質が悪い。終身雇用を前提とした、いわゆる日本型雇用とは性質の異なる“名ばかり正社員”が大半。昇給も昇進もなければ、身につくスキルもない。会社側には長期にわたって雇い続ける気もありません」

 そうして20代のうちにまともな職を得られなかった人はその後、よくて現状維持。多くはより劣悪な就労環境を余儀なくされる。

「いまや共働きでなければ、まず家庭を支えられない社会環境にもかかわらず、いまだに30〜40代男性が『家族を一人で支えて一人前』といった旧態依然とした価値観にさらされる機会があります。そういったプレッシャーが家庭不和の原因となり、深刻な場合は家庭内暴力へと繫がってしまいます」

 さらに家族とのコミュニケーション不足もまた貧困を加速させる。

「本来は収入が十分でない人ほど周囲とコミュニケーションをとり、支え合う必要がある。にもかかわらず、知人はおろか家族とのコミュニケーションをとらず、残念ながら家計の計画的な運用がままならないケースもあります」

 さらに貧困化へのもう一つの引き金が予期せぬ病気だ。

「自分や家族がいつ働けなくなるかは誰にもわかりません。日々のストレスが多いのならなおのことです。介護のために離職を強いられることもあります。そうして収入を失うと、貧困化が一気に悪化することも」

 そして、何より恐ろしいのがこれらの要因が2つ以上合わさり、事態をより深刻化させ、困窮から抜け出せなくなることである。

「どこかの歯車が狂いだすと、ほかの問題も連鎖することは珍しくありません。貧困の芽は早めに取り除く必要があります」

 すでに一つでも身に覚えがあれば、“ほぼ貧困”は他人事ではない。

《貧困に至る3要因》

1.20代の就活失敗

2.自分or家族の病気

3.家庭内のコミュニケーション不足

 “ほぼ貧困”に陥ってしまうケースとして「20代での就活失敗」「家庭内のコミュニケーションの欠如」「自身or家族の病気」が数多く見受けられた。要因が複数になってしまうと貧困化に拍車がかかる傾向にある。

【藤田孝典氏】

社会福祉士。NPO法人ほっとプラス代表理事。貧困、ブラック企業問題に取り組む。著書に『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』などがある

― 年収300万円家族の苦悩 ―

894チバQ:2018/12/04(火) 17:27:28
https://nikkan-spa.jp/1517662
2018年10月16日
新卒での就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者「年収240万…娘の進学希望も叶えられない」
 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った――

新卒就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者
…遠山浩二さん(仮名・44歳)/世帯年収260万/家族構成:妻+子供(16歳)

 総務省の労働力調査によると、今年8月の時点で正社員として働く機会のない非正規雇用者は35〜44歳で約365万人。現在、埼玉県で非常勤の塾講師とアルバイトの家庭教師をかけ持ちする遠山浩二さん(仮名・44歳)もそんな非正規雇用者のひとりだ。

「今、満足に妻と娘を養うことができていないのは、関西大学時代、就職氷河期の影響で就活に失敗したのがすべての始まり。内定は1社ももらえず、卒業後にようやく見つかったのは、学習塾の非常勤講師でした」

 2年後には正社員として登用されたが、毎年のように生徒集めのノルマを課せられ、「講師なのに営業活動に割く時間のほうが多かった」と当時を振り返る。

年収300万円家族の苦悩
関西の人気私大に進むも’90年代後半の就職氷河期の影響で就活は全滅。教員免許を持っていたため、卒業後は特に興味のなかった塾講師の仕事を始めてはや22年。現在は埼玉県の県営住宅(3DK、家賃4万9000円)に住む

「志望校合格率や難関校への合格者数のノルマもありましたが、同じ地域には大手の学習塾や個別塾が次々と進出し、規模の小さなウチはジリ貧。ノルマは達成できないことのほうが多く、毎週本部に呼び出されてはダメ出しされるし、あまりのストレスで円形脱毛症ができるほどでした」

 当時は毎日、朝から深夜まで働いても年収はピーク時で400万円弱。次第に体の不調を訴えるようになり、逃げ出すように35歳でほかの学習塾チェーンに転職。だが、そこも似たり寄ったりのブラック職場だった。

「しかも、40歳のときに経営難を理由に複数の教室が閉鎖となり、リストラされてしまったんです。年齢的に正社員として採用してくれる塾はなく、非常勤講師の職を確保するのがやっと。家庭教師のアルバイトも始めたが、年収は240万円までダウンしました」

 スーパーでパートとして働く妻の収入を合わせても現在の年間収入は約260万円。

「その妻の勤務先がセルフレジを導入することになり、パートの削減を予定しているらしいんです。クビを想定して新しいパート先を探しているようですが、そこに頼らなければ生活できないのがツラい。夫として情けないばかりです」

 マイホームはとっくに諦め、ずっと団地住まい。遠山さんには高校生の一人娘がいるが、「このままでは娘が本当に志望する大学には行かせられない」と嘆く。

「娘は生徒会役員で学年でも成績上位の優等生ですが、『奨学金で看護学校に行くから』と言ってくれています。でも、本当は学校の先生になりたがっていたのを知っているんです。娘のそんなささやかな願いすら後押しできないのは親として失格ですよね。家計が苦しいのはお互いに知っているので、妻とも娘ともどこか遠慮がちで、家族なのによそよそしい会話をしてしまうのも辛いです」

年収300万円家族の苦悩
リクナビで条件を入力して調べたところ、塾講師で検索結果に引っかかったのは1社。これも異業種転職を考える理由になったという

 今さら営業やガテン系の肉体労働が務まる自信はなく、塾や家庭教師も若い人材が好まれる業界ゆえにこのまま続けるのも難しい。

「消去法で残ったのはタクシーの運転手くらい。でも、努力次第で稼げるとも聞きますが、実際はかなり不安定そうだし、そもそもペーパードライバーの自分に務まるかどうかも不安で……」

 しかし、転職しなければさらなる収入減は必至。もはや迷っている時間はない。

<遠山さんの苦悩>
今の仕事を続けるのも地獄、別の業種に転職するも地獄

【1か月の収支】
月収 19万5000円
家賃 4万9000円
食費 4万5000円
外食費 1万5000円
水道光熱費 1万円
通信費 1万5000円
その他雑費 2万5000円
ローン・借金 2万円
こづかい 4万円
収支 -2万4000円
(※こづかいは夫婦と娘の3人分)

<取材・文/週刊SPA!取材班>
― 年収300万円家族の苦悩 ―

895チバQ:2018/12/19(水) 11:42:11
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181219-00254453-toyo-soci
「ないない尽くし」非正規公務員の悲惨な実情
12/19(水) 5:30配信 東洋経済オンライン
「ないない尽くし」非正規公務員の悲惨な実情
東京都のある自治体で非正規公務員として働き、2年前に雇い止めに遭ったというリョウさん(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「私も非正規公務員として、司書の隣接資格である社会教育主事の資格で自治体の社会教育施設で働いてきましたが、パワハラなどでうつ病になり、次年度の雇用更新申し込みを拒否されました。これからどうすればいいのでしょうか」と編集部にメールをくれた、34歳の独身男性だ。

■「正規」と「非正規」を隔てる、大きな格差

 東京都内のある自治体――。正規公務員には、90日間の病気休暇に加え、3年間の休職が認められている。この間の収入は、傷病手当金などで8〜10割が補償される。

 これに対し、非正規公務員にあるのは、30日間の病気休暇だけ。収入は6割にダウン。休職制度はない。復職に向けた産業医のカウンセリングも、非正規公務員は受けられない。

 「正規」と「非正規」を隔てる、大きな格差。この自治体で、1年ごとに任用更新される社会教育指導員として働いていたリョウさん(34歳、仮名)が、こうした格差を知ったのは職場のパワハラなどが原因で、うつ病を発症したときだった。

 病気休暇を使い切った後は、欠勤扱い。一時は、少しずつ出勤できるようになるまで回復したが、結局、その次の更新時、雇い止めにされた。2年前の出来事である。

 リョウさんは「上司から指示された仕事を全力で誠実にやってきたのに、体調を崩したからといって、はい、おしまい、と言われるのは納得できませんでした」と言う。

 総務省によると、リョウさんのような地方自治体の非正規職員は、2005年の約45万6000人から、2016年には約64万3000人に増えた。10年余りで、4割も増加したことになる。また、この統計は、対象を「任用期間6カ月以上」に限定しているため、同6カ月未満の非正規職員も含めると、その実数は70万人を超えるとされる。

 いずれにしても、行政の現場はいまや、「5人に1人が非正規」。規模の小さい町村などでは、「3人に1人が非正規」「半数が非正規」というところもある。

 非正規職員が増えた背景には、自治体の財政難がある。2007年には、地方自治体財政健全化法が制定。都道府県や市町村などは、目に見える「成果」を求められるようになり、正規職員を、“安価”な非正規職員へと置き換えるようになった。

 自治労(全日本自治団体労働組合)の実態調査によると、非正規職員の7割が年収200万円以下のワーキングプアだという。ボーナスなどがある正規職員の3分の1以下である。低賃金で、いつ雇い止めに遭うかわからない「官製ワーキングプア」を、自治体自らが増やし続けているのだ。

896チバQ:2018/12/19(水) 11:42:35
■毎月の勤務日数は16日間で、月収は約20万円

 話をリョウさんに戻す。リョウさんは私大の大学院を修了。自治体で社会教育や生涯学習に関わる仕事に就きたいという希望はあったが、このころすでに、社会教育指導員の採用はほとんどが非正規だった。一方、当時はリーマンショックの直後で、周囲の友人たちは内定が取れずに苦戦していた。

 就職活動に、いたずらに時間と気力を奪われるよりは、非正規雇用でも、やりたい仕事に挑戦してみようと決意。雇い止めにされた自治体とは別の自治体の採用試験を受け、社会教育指導員として働き始めた。

 毎月の勤務日数は16日間で、月収は約20万円。フルタイムで働いても、ワーキングプアという典型的な非正規公務員と比べれば、年収はかろうじて200万円を超えた。仕事の面でも、高齢者や若者向け講座の企画、運営に携わるなど、着実にキャリアを重ねることができたという。

 数年後、社会教育行政に力を入れているという評判を耳にしていた、別の自治体に転職。リョウさんは「ステップアップのつもりでした」と話す。

 ところが、勤続3年を過ぎたころ、ある新規事業の立ち上げを任されることになり、業務が急増した。通常の仕事に加え、新規事業に必要な備品や消耗品のリストアップや、民間事業者との打ち合わせ、職員向けマニュアルの作成など、果ては議会に提出するための資料作りまで命じられた。

 転職先の自治体でも、リョウさんの勤務日数は、要綱で「16日以内」と規定されていた。連日で出勤できるとは限らず、正規公務員のように、その日に終わらなかった仕事を翌朝に片づけるといった、やり繰りができない。このため、いったん出勤すると、長時間勤務にならざるをえなかったし、休日のたびに持ち出しても支障がない資料を持ち帰っては、仕事を続けた。帰宅する電車の中でもパソコンを開き、作業に追われたこともあったという。

 後になって、こうした残業時間を計算したところ、1カ月で60時間を超えた月もあった。しかし、残業代などの手当は一切、支払われなかったという。

 「仕事の内容は、非正規の職務や責任の範囲を超えていました。仕事の量も、16日勤務でこなせる限界を超えていました。社会教育指導員には、昼過ぎから夜間までの遅番勤務があるのですが、休み明けの昼過ぎに出勤すると、夕方までに資料を作成しろという命令が下りてきているんです。到底無理。事業のスタートが近づくにつれ、期限に余裕のない、思いつきのような指示がポンポンとふってくるようになりました」

897チバQ:2018/12/19(水) 11:43:26
 次第に寝つきが悪くなり、酒量が増え、ついに限界がきた。

 またしても急な命令で開かれることになった会議で、資料作成や会場準備が間に合わなかったのだ。結局、会議のスタートが遅れるなどの支障が出た。さらに、後日、開かれた研修会の席で上司から「準備不足」「時間の無駄」などと叱責されたという。

 そしてある朝、布団から起き上がることができなくなった。初めての無断欠勤――。病院でうつと診断された。

 リョウさんの場合、残業が月60時間とはいえ、もともとの勤務日数が少ないので、過度の長時間労働があったとまでは言えない。ただ、残業代の未払いは法令違反だし、16日勤務ではこなせない量の仕事を押し付け、叱責するのは、典型的なパワハラのひとつ「過大な要求」に当たる。

 リョウさんは「限られた条件の下で、懸命に期待に応えてきたつもりです。(叱責した上司は)非正規の働かせ方も知らないんですよ。プライドが傷つきました」という。体というより、心が壊れた、ということなのだろう。

■「1カ月の勤務日数は16日以内」の違和感

 病気休暇に入ると、正規公務員の同僚の中には、リョウさんを心配してくれる人もいた。しかし、いったん雇い止めが決まった後は、それ以上抗議の声を上げてくれることはなかったという。

 要するに、メンタル不調に陥った場合、非正規公務員は事実上、即クビということだ。正規公務員なら、ブランクを重ねながらも、働き続けている人は少なくない。職場環境によるとはいえ、復帰を目指せる職場があるか、ないかとでは天と地ほどの差がある。

 話は少しずれるが、私が官製ワーキングプアの現場を取材していて、違和感を覚えることの1つは、「1カ月の勤務日数は16日以内」という、一部の非正規公務員に適用される勤務形態だ。これは、「勤務時間は、常勤職員の4分の3を超えない」という人事院規則に準じ、自治体側が持ち出した規定である。

 しかし、非正規公務員の中でも、「主たる家計の担い手」が増えるなか、自ら16日勤務を望む人がどれだけいるだろうか。一人暮らしをしたい、貯金をしたい、結婚をしたいと思えば、せめて任用期間中はフルタイムで働き、もっと稼ぎたいと考えるのではないか。

 実際、16日勤務の非正規公務員の中には、ダブルワークやトリプルワークをしている人もいる。いずれにしても、地方自治体はこんな中途半端な雇用を生み出し、いったい、どこへ向かおうとしているのか。

 リョウさんに話を聞いたとき、彼がいちばん初めにしたことは、自分がこれまでに執筆した記事が載っている専門誌や冊子などを、テーブルいっぱいに広げたことだった。

 男性を対象にした本連載では、自身が手掛けた書籍や論文、作品などの“成果物”を私に見せてくる人が時々いる。「履歴書代わりに」「私のことを知ってもらうために」など、理由はさまざまだが、担当編集者に尋ねたところ、女性の貧困を取材する現場では、そのような場面にはまず出合わないという。

 男性はプライドが高い、と言いたいのではない。

■かつて理不尽な差別に遭うのは「女性」だった

 かつて、非正規公務員として働き、理不尽な差別に遭うのはもっぱら女性だった。それがいつの間にか、公務職場に限らず民間でも非正規雇用で働かざるをえない男性が増えた。個人の努力や能力の問題というより、社会の構造が変わったのだ。

 取材で話を聞いた男性の多くが無能ではないことを、私は知っている。彼らが過去の成果物を見せるのは、彼ら自身が、いまだに『男は働いて家族を養うべきだ』といった、ジェンダー規範に呪縛されているからではないか。理想と現実のギャップが大きければ、雇い止めに遭い、貧困に陥ったことへの敗北感は強烈だろう。

 この2年間、リョウさんは傷病手当金を期限まで受け取った後、現在は失業保険を受けている。実家暮らしのため、生活は何とかなっているが、失業保険もまもなく受給期限を迎える。その後は、なんとか障害年金を受けられないか、考えているという。

 「就職活動もしています。でも、まだ働く自信がないんです」。そう語るリョウさんの表情は乏しく、怒りもなければ、覇気もないように見えた。心は今も、打ち砕かれたままだ。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

898とはずがたり:2018/12/30(日) 19:33:27
先進国で最悪レベル…。7人に1人の子どもが貧困状態な日本。
勉強する機会を奪われた子どもたちの現実とは?
http://gooddo.jp/nf/article-katariba-3/?from=gooddo_twt_nf3_pc_b_1

899とはずがたり:2019/01/08(火) 15:26:30
2016年の記事だが流石イタリア

2016年05月12日 00時28分 JST | 更新 2016年05月12日 00時35分 JST
「飢えた時、食べ物を少し盗むのは罪ではない」イタリア最高裁の判決とは
まるで「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンのようなストーリー。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/05/11/stealing-small-amounts-of-food-when-in-need-is-not-a-crime_n_9900552.html?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter
Dominique MosbergenThe Huffington Post

900とはずがたり:2019/01/10(木) 09:12:09
生活苦で税滞納、差し押さえで口座0円に…提訴
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190109-OYT1T50002.html?from=tw
2019年01月09日 11時18分

 生活の困窮により国民健康保険税などを滞納していた宮城県大崎市のパート女性(63)が、給料を口座から全額差し押さえられて生存権を侵害されたとして、県と市に220万円の損害賠償を求める訴訟を8日、仙台地裁に起こした。

 訴状によると、この女性は無職の40歳代の長男と2人暮らしで、1か月の収入は8万〜11万円程度。2017年5月時点で国保税や軽自動車税などを計約197万円滞納していた。

 これに対し、県と21市町村で構成される「県地方税滞納整理機構」は17年9月15日、女性の口座に振り込まれた給料約8万8000円全額を差し押さえ、滞納税金の納付にあてた。これによって女性の口座残高は0円になった。

 原告側弁護士は、生活保護が必要なほど困窮した世帯の財産を差し押さえることは生存権を侵害していると主張。また、国税徴収法では月収10万円以下の給料の差し押さえを禁止しており、支払い当日に給料を預金として差し押さえるのは「脱法行為」だと訴えている。

 提訴後に記者会見した女性は「給料が全部差し押さえられてどうしたらいいかわからず、死のうかと何度も悩んだ」と当時の心境を明かした。一方、機構は「現時点で訴状が届いていないため、内容が確認できない」とした。
2019年01月09日 11時18分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

901とはずがたり:2019/02/03(日) 22:39:46

赤木智弘2019年02月03日 11:12企業活動は福祉を達成できるのか 1/2

https://blogos.com/article/355410/


大手コンビニチェーンのファミリーマートが「こども食堂」を実施するという。

902とはずがたり:2019/02/07(木) 20:40:41
生活保護 約164万世帯で過去最多 高齢者の貧困対策が課題
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190207/k10011806411000.html
2019年2月7日 4時07分

生活保護を受けている世帯は昨年度、およそ164万世帯とこれまでで最も多くなりました。1人暮らしの高齢者世帯が増加しているためで、高齢者の貧困対策が課題となっています。

厚生労働省のまとめによりますと、生活保護を受けている世帯は昨年度の1か月平均で164万854世帯と、前の年度に比べておよそ3800世帯増加し、これまでで最も多くなりました。

世帯の類型別では、「高齢者世帯」がおよそ86万4700世帯と最も多く、前の年度よりおよそ2万8000世帯増え、その90%余りが1人暮らしでした。

「障害者世帯」や「母子世帯」などそのほかの世帯では減少傾向が続いています。

国の研究所の予測では、日本の全世帯に占める1人暮らしの高齢者の割合は今後も増え続け、2040年には高齢の男性は5人に1人、女性は4人に1人が1人暮らしになるとされています。

家族の支援を受けられず貧困に陥りやすい人が多くなるとも指摘されていて、将来を見据えた高齢者の貧困対策が課題となっています。

903チバQ:2019/02/24(日) 23:55:00
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190224-01527574-sspa-soci
一度辞めると再就職先がない…地方在住・20代の悲鳴
2/24(日) 9:00配信 週刊SPA!
一度辞めると再就職先がない…地方在住・20代の悲鳴
家賃2万5000円のアパートで貧困生活を送る西田さん。3万円で買った中古のパジェロミニが仕事場と自宅を結ぶライフライン
 全国平均の有効求人倍率は上昇傾向も東京との格差が広がり続け、地方では職に就けないまま毎日をすごす若者たちの悲鳴がこだましている。

「東京に出たいけれど、そのお金も仕事だってない。この先どうしたらいいのか、正直考えたくない」

 そう語るのは茨城県在住の西田敏文さん(仮名・27歳)だ。高校を卒業後、憧れだったバイクの修理店に就職。しかし、そこで彼を待っていたのは過酷な現実だった。

「労働時間は一日20時間ほどで、仕事が終われば家で3時間ほど寝てまた仕事に、という生活でした」

 月の給料は8万円と交遊費すらままならなかったが、修業だと自らを奮い立たせ耐え忍ぶ日々を続けた。しかし、先に悲鳴を上げたのは体のほうだった。

「作業中、いつもなら簡単に締めているネジの回し方がわからなくなってしまって。どうしたら回るのかがいくら考えても出てこなくなった」

 病院で医師から告げられたのはパニック症候群。修理店も退職せざるを得ない状況になり、現在は近所の農家の畑仕事を手伝い、月10万円程度の給料でやり繰りしている。

「本当はバイク屋に戻りたいですが、地方では仕事がない。東京で仕事を探そうにも貯金もできないし引っ越すお金もない」と西田さんは言う。

 次の本橋良樹さん(仮名・22歳)も地方で苦しむ一人だ。

「工場などでバイトをしながら就活をしていますが、採用はゼロ」

 新潟県の高校を卒業後、そのまま地元のエンジン工場で契約社員として働くが、体を壊して離職。現在は趣味である車の運転を生かしたいとトラック運転手を目指し、就職活動をしてはいるが……。

「書類審査で落とされることがほとんどです。正直、就職活動を始めたときは2年以内には仕事が決まるだろうと思っていました」

 本橋さんもまた、東京での就職を夢見てもがき続けている。

「今は実家暮らしなので両親からも『就職活動は?』と聞かれるたびに申し訳なさで精神的にキツくなってしまって。とにかく東京で一人暮らしがしたいのですが、仕事が見つからない以上、そんなお金もなく、ここにいるしかない」

 ビッグイシュー基金が2014年に発表した調査報告書によると、未婚で年収200万円以下の20〜30代の約8割は実家に住んでいるという。本橋さんのような若者は日本全国、至るところにいるのだ。

― [若者の貧困]どん底ルポ ―

日刊SPA!

904チバQ:2019/02/25(月) 21:58:41
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190219-01551829-sspa-soci
月収20万円以下、20代独身OLが借金してまで東京で暮らしたい理由
2/19(火) 16:00配信 週刊SPA!
月収20万円以下、20代独身OLが借金してまで東京で暮らしたい理由
(日刊SPA!)
 物価の高い東京で暮らすのにはお金がかかる。単身女性の貧困問題などが取り沙汰されて久しいが、たとえ有名な企業に就職しても“満足に”生活できない場合だってある。

  某保険会社に務めるOLのなおみさん(27歳・仮名)は、「まるで、息をしているだけでお金がかかっているような気がして……」と溜め息をつく。給料だけでは生活レベルを維持できず、キャッシングにも手を出した。

 身長165cmで細身の美人。大学時代はイベントコンパニオンやレースクイーンをこなした経験もあるなおみさん。一見、何不自由なく暮らしていそうな彼女がなぜ?

◆手取り20万円以下、20代OLが借金してまで東京で暮らす理由

 なおみさんは高校卒業をきっかけに秋田から上京し、東京六大学を卒業。新卒で大手と言われる企業に就職するも生活は苦しいという。

「大手といっても手取りは20万もいきません。福利厚生はしっかりしてますが、家賃補助はないので、とにかく毎月手元にお金が残らないんです」

 現在、なおみさんは東京都内でユニットバス付き家賃6万円のワンルームマンションでひとり暮らし。彼女が困窮するようになったのは、就職して両親から“一人前”扱いされるようになってからだ。

「大学までは親から仕送りを貰っていました。月の家賃とは別に5万円。それでイベントコンパニオンやサロンモデルのバイトをしてたから、お金にそんなに困ってなかったんです。就職してからは仕送りがなくなったのですが、東京でひとり暮らしをするのにこんなにお金がかかるなんて思ってもいませんでした」

 月に20万の手取りに6万円の家賃。普通に計算すると暮らすのに困らないような気もするが……。

「毎月の美容院にネイルケアにまつげエクステにスポーツジム。これだけですぐに3万円は飛んじゃう。我慢すればいいのかもしれませんが、ずっとやってきてるから辞めれないんです。洋服やバックも女性は流行の移り変わりが早いじゃないですか。今、ファストファッションが流行ってるなんていっても、結局みんなどこのブランドのいつ買った服だとかはチェックしていて、自分より上か下かマウント取り合っているんですよ。カースト上位にはなれなくても真ん中ぐらいにはいたいなって……つい、無理しちゃうんです」

 まわりの目を気にしながら生きてきた彼女にとって、こうした美容・ファッション代は“必要経費”といっても過言ではないのかもしれない。必要経費はそれだけではない。

◆問題は、見栄を張りたい女性同士の付き合い

「彼氏や男の上司や先輩なら奢ってくれるからいいんですけど。問題は女のコとの付き合いなんですよね。同僚との女子会やランチ会のお金もバカにならない。会社以外にも友達はいるから、それも含めると本当にキリがない。給料日前のランチなんてカップラーメンとかで済ませたいのが本音ですが、あんまり断りすぎるのも気が引ける。でも、なんといってもSNSの問題が大きいですね。今、みんなインスタやってるじゃないですか。インスタに自分だけ写真が載ってないのって、寂しいなって。仲間外れみたいな感じがするというか……」

 なおみさんに限らず、インスタ映えする写真を撮影したいがためにお金を使う女性は少なくないだろう。一緒に女子会に参加している同僚も給料は変わらないはずだが、どうやりくりしているのだろうか。

「実家暮らしの子もいれば、いまだに家賃だけ仕送りしてもらってる子が多いんです。ひどい子は実家暮らしのうえに、お小遣いまでもらってます。家賃だけでも誰かが負担してくれたら本当に楽ですよ。私だって給料まるまるお小遣いなら余裕で生活できるのに」

 まわりの生活に合わせ続けた結果、なおみさんの収支はマイナスとなった。それでも断りきれない誘いを幼少期からの貯金を切り崩して支払っていたが、あっという間に底をついてしまった。そして、ついにはキャッシングに手を出してしまったという。

「ノリで週末2泊3日で同僚と台湾旅行に行く話が出て。もう『何の予定もない』って言っちゃってたから、断る理由がなかった。それがキッカケでキャッシングに手を出しました。最初は5万円。次のボーナスで返せば大丈夫だろうな〜って。安易でしたね」

905チバQ:2019/02/25(月) 21:59:06
 すぐ返すつもりの5万円だったが、ついつい利子を返してはまた数万円を借りて……を繰り返すうちに、50万円近い借金へと膨れ上がってしまった。

「キャッシングが癖になちゃってましたね。『1万円ならいっか』って。その繰り返し。途中から借金している感覚や罪悪感すら薄まっていった。で、“自分がどれだけキャッシングしているのか”ってことから、無意識に目をそらしていました。気がついたら満額近くなっていて。それで初めてヤバイなって」

◆借金が膨れ上がり、キャバクラで副業

 自身の借金額を知り、間もなく副業を考えた。

「風俗やパパ活はなんだか怖い気がして、キャバクラで働き始めました。うちの会社は副業禁止だし絶対にバレたくないから、あえてすごい田舎の店です。時給は2500円と安いんですが、週末中心に月4〜6回出勤して、約8〜10万円ほどにはなります。タクシー代飲み……いわゆる“ギャラ飲み”もたまにやってるんですが、これだと確実に最低月いくら稼げるっていうのが読めないから、アテにならない。だから、とりあえずキャバクラに在籍しておきたいなぁって」

 キャバクラのアルバイトを始めて2年。キャッシング分はほぼ返し終わった。そして「やっと東京で人並みの生活ができるようになった」と語るなおみさんだが、ここまでして東京で生活することに執着するのは何故なんだろうか――。

「何だかんだ東京の華やかな暮らしが好きなんでしょうね。親に頼ったら『地元に戻って婚活しろ』って言われるのが目に見えているというか。それも悪くはないかもしれないけど、田舎って刺激がないじゃないですか。東京に慣れてしまったからか、田舎暮らしはもう嫌なんです。かといってまだ遊びたいから、彼氏と結婚も考えられない。東京で特別何がしたいってわけでもないんですけどね、ただ東京にいたいんです」

 刺激をとるか、安定をとるか――。

 たしかに、東京は魅力に溢れた街だ。しかし、高額な美容代を支払い、インスタ映えを気にしながら、常に「お金がない」と口にする彼女の表情はとても幸せには見えない。彼女が求めるものは、一体どこにあるのだろうか。<取材・文/吉沢さりぃ>

日刊SPA!

906とはずがたり:2019/03/19(火) 12:20:27

ファミマが(企業イメージなど迄含めて)損しない形でやる事とボランティアを一緒にされて,ボランティアがダメだ(=サービス提供水準が低い)等と批判を受けるとなると危惧する権利があろうかと思う。

企業もこども食堂の商標がどこも保持してないから好き勝手出来るかというとそんな事は無い筈である。

とはいえ最終的には子どもが出来るだけ救われるのが最優先であり,親子同伴や店のアルバイトの体験とか貧困対策と直結するのかどうか疑問の余地もあるが,やるべきであるし貧困への対策が世間的に評価される事になるならいいだろうから,或る程度の調整しつつ断行して欲しいところ。

その後どうなったのかな?

ファミマがこども食堂やることに何故か文句つけた藤田孝典氏へ様々な批判が集まる
https://togetter.com/li/1315501?

907とはずがたり:2019/04/26(金) 22:34:54
2016年05月12日 00時28分 JST | 更新 2016年05月12日 00時35分 JST
「飢えた時、食べ物を少し盗むのは罪ではない」イタリア最高裁の判決とは
まるで「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンのようなストーリー。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/05/11/stealing-small-amounts-of-food-when-in-need-is-not-a-crime_n_9900552.html?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter
Dominique MosbergenThe Huffington Post

908チバQ:2019/05/27(月) 22:25:35
https://toyokeizai.net/articles/-/278638
日本のおかしさ映す「東京貧困女子」の問いかけ
幸せな青春を送った世代は現実に気づいてない
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印南 敦史 : 作家、書評家
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2019/04/30 16:00
『東京貧困女子。――彼女たちはなぜ躓いたのか』(中村淳彦著、東洋経済新報社)の著者は、1990年代半ばから20年以上、AV女優や風俗の取材をしてきたというフリーライター。2006〜2007年あたりから、「もしかして日本はおかしくなっているのではないか?」という違和感を抱くようになったそうだ。

自分のあられもない姿の映像を世間にさらして売るというリスクを抱えたAV女優に、「出演料が安すぎて、とても普通の生活ができない」という層が現れたというのだ。2000年代半ばから援助交際や売春の代金が大幅に下降し、体を売りたい女性が急増。その結果、価格が急降下したためだ。

人々が貧しくなる、お金がなくなることは恐ろしく、誰かを陥れるいがみ合いや犯罪が当たり前のように起こる。急激に景気が悪くなった裸の世界では、関係者が関係者を恐喝するみたいな事件が頻発して、私はウンザリして圧倒的な需要があると注目されていた介護事業所をはじめた。
介護という福祉事業に逃げれば、醜い諍いから逃れられると思っていたが、介護の世界はそれまで見たこともないような困窮した人々の巣窟だった。
介護福祉士という国家資格を持つ専門家が、行政の監視の下で手取り14万〜16万円程度の低賃金で労働をさせられて、「ご利用者様のありがとうが報酬です。高齢者様に感謝しましょうね。みんな、本当に素晴らしい仕事に就けてよかったですね」などといった信じられないロジックが正論として定着していた。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)
そんな現実を目の当たりにしたことから、最終的に中村氏は介護職から身を引く。しかし、社会と隔絶されたAVや風俗業界というグレーゾーンビジネスの渦中で取材を繰り返し、そこを抜けてからも目先の介護に忙殺されたその経験が、中村氏の内部に「(本当に)日本がおかしくなっている」ことを実感させたというのだ。

3年間の取材で明らかになった貧困の現実
かくして「女性の貧困」を目の当たりにすることになった中村氏は、古くからの知り合いである女性編集者との再会をきっかけとして、2016年4月から東洋経済オンラインで「貧困に喘ぐ女性の現実」をスタートさせる。いうまでもなく、本書のもとになっている連載である。

この連載では、女性、特に単身女性とシングルマザーの貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて取材している。貧困に苦しむ読者からの取材申し込みを随時受け付けており、その中から取材先を選定している。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)

貧困は生まれや育ち、家庭環境、健康状態、雇用、政策や制度、個人や配偶者の性格、人格など、さまざまな要因が重なって起こるものだ。現実は十人十色であり、同じ事例が重なるようなものではないということ。

だからこそ、問題解決の糸口を見つけるためには、ここの生活をつぶさに見ることで真実を浮かび上がらせるしかないと中村氏は考えた。取材は3年間に及んだ。

909チバQ:2019/05/27(月) 22:26:05
国立大学医学部の現役女子大生、その現実
読んでみてまず衝撃的だったのは、最初に紹介される国立大学医学部に通う現役女子大生の事例だ。「お金のためにパパ活をし、それとは別に歌舞伎町の風俗店でも働いている」とだけ聞けば、多くの人は「欲しいものを買うためのお金が欲しいから、好きでやってるんじゃないの?」というようなイメージを抱くかもしれない。

パパ活というものにかねて不快感を覚えていた私も、最初はそう感じた。ところが現実は、もっとシビアなものだった。

父親は数年前にリストラされた。両親は非正規の共働きだ。世帯収入はせいぜい500万円程度で、弟が2人いるので「高校と大学、私立は絶対に無理」と母親に何度も言われていた。小学校時代から必死に勉強して挫折することなく、高偏差値をキープしている。
国立大学なので医学部でも学費は高くはない。入学金28万2000円、年間授業料53万5800円で、学費は日本学生支援機構の奨学金を借りている。学費は奨学金、そのほかの費用はアルバイトで稼いでほしいというのは両親の意向だ。
入学前は実家からの通学なのでなんとかなると思っていたが、体育会系の部活に所属したことと、教科書や雑費が予想以上に高額で、時間とお金が足りなくなった。(30〜31ページより)
大学は朝9時の1限からで、部活は夕方から週2〜3日。スーパーマーケットでもアルバイトをしているが、部活のない日にしかできない。ただし大学の同級生や友人はみな家庭が裕福なので、経済的な苦境は誰にも理解してもらえない。だが、勉強では味わえない達成感がある部活は、大学でも続けたかったのだそうだ。

ところが、すぐ経済的に苦しくなる。大学1年の夏に教材費がかさんだうえ部費の支払いがあったため、どれだけ節約しても3万円が足りない。親に頼んで乗り切ったものの、すぐに夏合宿が待っている。親にはもう頼めないと悩み、高額求人サイトで風俗の仕事を見つける。

無駄遣いしないし、なにも欲しいものはないし、部活をやって大学を留年しないで無事に卒業したいだけです。それだけ。やっぱり月3万円くらい、どうしても足りない。風俗は気持ち悪くなってしまうので、本当はすごくやりたくない。やらなくていいなら、すぐに辞めたいです。なんていうか、自分がやっていることが気持ち悪い。自己嫌悪です。全然知らない人と裸で寝ているとか変だし、おかしいことをしているなって。彼氏にも悪いし、なにもいいことはないです。(36ページより)
この女子大生の話を読んでいて、わかることがいくつかある。まずは、貧しい家庭環境にありながらもきちんと勉強し、学生としての本分を全うしようとしていること。そして、風俗に嫌悪感を持っていること。

それでもやらざるを得ないのは、唯一の心の拠り所になっている部活を続けたいからだ。それが、彼女をギリギリのところでつなぎとめていることが、文字を追っているだけでもわかる。

誹謗中傷で埋まったコメント欄
ところがこの取材記事が東洋経済オンラインに掲載されると、コメント欄が誹謗中傷で埋まったというのだ。

売春の是非は論点ではなく、国の未来を支える優秀な学生が望まない換金をするしか勉強を続けられない、という現実に問題があるのだ。日本に取り返しのつかない異変が起こりつつあることに、幸せな昭和を送った世代を中心に大多数は気づいていない。
コメントをしている人々の年齢はわからないが、おそらく上の世代の男性の方々としよう。日本の1800兆円の個人金融資産(日本銀行調べ)の6割は60歳以上の高齢者が所有し、世帯平均貯蓄は2000万円を超えている(総務省調べ)と言われている。一方、奨学金を利用する大学生(昼間部)は半数近くになっている(日本学生支援機構調べ)。
さらに、貧困に苦しむ若者たちが学生生活の継続のために「選択肢がそれしかない」と誘導されている風俗や売買春の利用者は中高年層がメインだ。
妹、または娘や孫の世代にローンを背負わせた挙げ句、性的奉仕をさせる社会になってしまっている。自分たちが絶望の淵に誘導した娘や孫のような次世代を担う女の子たちに、気分に任せて誹謗中傷を浴びせて、自分がさらに気持ちよくなっている。どこまで都合がいいのだろうか。異常としか言いようがない。(43〜44ページより)

910チバQ:2019/05/27(月) 22:26:45
大学生の親世代が青春時代を送った30年前と比べ、現在は可処分所得が減り、子どもに必要なお金を出すことができないという状態になっている。そして、日本の未来のため若者たちに対して教育に投資すべき国も、奨学金制度、国立大学の運営交付金の削減による学費高騰、定員の厳格化など、大学生の貧しさに拍車がかかる政策をどんどん進めている。

当然の結果として大学生たちは困窮に陥っているが、大学時代に幸せな青春を送った親世代は、その苦境に理解を示さないまま、自分たちの価値観だけで判断し、若者をさらに追い込んでいるのだ。

テレビもパソコンもない家賃5万円の福祉物件
しかも、困難な状況は学生だけを苦しめているわけではない。たとえば読了後も頭から離れなかったのは、非正規雇用の図書館司書として働く37歳の女性のケースだ。図書館で働く司書の8割前後は非正規雇用で給与は安く、しかも未婚で一人暮らしであるため、毎日不安と焦りばかりだという。

給与の総支給額は17万円。所得税、住民税、社会保険料を引かれ、手取り金額は13万3442円。賞与はなく、年収204万円で手取りは160万円程度。東京で一人暮らしをするには厳しい金額だ。

その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろうって。(190〜191ページより)
最寄り駅から15分で築年数も古い、福祉物件と呼ばれる家賃5万円の部屋で暮らす。仕事帰りには、割り引かれた食材や総菜をスーパーマーケットで買う。低賃金でお金が貯まらないので、部屋にはテレビもパソコンもない。調べ物は、分割で買ったスマートフォンでしている。

不安しかない日々に悩んだ結果、学芸員の資格を取得しようと、通信制大学の科目履修生になった。中村氏によると、公的機関の非正規雇用に悩み、貧しさから抜けたいのに学芸員の資格取得を目指すというのは、真面目で貧しい人の行動パターンなのだそうだ。

図書館司書は専門職だ。「私は子どもたちのための児童書や児童文学に詳しくて、たまに自分が企画してフェアみたいな企画をやっています」という言葉からも推測できるように、彼女は自分の仕事にプライドを持って臨んでいる。

ところが、現場職員がどれだけ業務にプライドを持って前向きに取り組んだとしても、雇用主である自治体はそれを認めない。非正規は安く使える駒にすぎず、期間に上限のある有期雇用なので、決まった期間働いてもらえばいいだけだという考え方だ。だから彼女のような立場にいる人は、どうあがいても貧困から抜け出さない。

役所は誰でもできるって考えているし、いくらでも交換ができる部品くらいにしか思われていません。だから、非正規なのでしょう。私は司書の仕事をどうしても続けたくて、いまここが2カ所目です。前は他県の図書館で働いて、満期5年で契約が切れてしまったので都内に引っ越しました。また、あと1年半しか仕事ができないって考えると不安で、たまに眠れなくなることもあります。(196ページより)

911チバQ:2019/05/27(月) 22:27:12
結婚も出産も、貧しい自分には関係のないこと
悩んでしまうのは、あと何年でクビという不安から逃れたいから。ひとり暮らしで貯金がゼロなので、働き続けないとホームレスになっちゃいます。だから、本当に、働ける期限があるのは怖いです。(198ページより)
単身で暮らす20〜64歳の女性の3人に1人(32%)が貧困状態(国立社会保障・人口問題研究所)にあり、さらに65歳以上の単身女性になると47%と過半数に迫るのだという。そうでなくとも図書館は、財政難の自治体にとってはお荷物的な存在だ。女性が1人で生きていくには困難な材料がそろいすぎているが、そんな渦中にいる彼女に対して、中村氏は結婚する意思はないのかと尋ねている。

結婚すれば生活が変わるみたいなことはよく言われていますが、非正規で低収入な自分にまったく自信ないし、誰かが見初めてくれるとはとても思えない。やっぱり結婚とか出産は、普通以上の収入がある人の特権というか、自分にかかわることとはとても思えないです。(201ページより)
一緒に働く2割くらいが正規の公務員の方々です。正規の方々が職場で話していることは、買い物とか旅行とか、子どもの教育とか、そういう話です。正規でちゃんとしたお給料があって、家族で暮らしている人たちは、子どもにたくさん習い事をさせて、年に何度か海外旅行に行くんだ……って。なにか別世界というか。私は飛行機代がなくて、いまの職場で働き出してから一度も実家に帰れてないのに。この差って、なんなのでしょう? 仕事を真面目にやっているだけではダメなのでしょうか。(201〜202ページより)
とても真面目な人なんだなということがよくわかる。裏を返せば、いまの日本は真面目な人にとって生きづらいということになるのではないだろうか。

いったい日本は、東京は、どうなってしまうのだろうか。
たぶん、どうにもならない気がする。
東京の貧困女性のさまざまな声に耳を傾け、こうやって文章化することで一通り検証したが、ほぼほぼ国の制度と法律改定が原因だった。あとは男性からの暴力と精神疾患だ。自分なりに一生懸命に生きてきたが、理不尽に追い詰められてその絶望を「自己責任」という一言で封をしているのが、現状だ。(333〜334ページより)
貧困は、「欲しいものが買えない」「食べたいものが食べられない」という消費活動の鈍化だけでは終わらないと中村氏は指摘している。貧困が貧困を生み、世代を超えて苦しみが続き、逃れることができなければ、最終的に死という領域が見えてしまうとも。

つまり日本は、「安全と安心」などではなく、「不安と恐怖」を駆り立てることを推奨する社会になってしまったということだ。

やがて中年男性にシフトチェンジする?
しかも、見逃しがちなポイントがある。本書は女性に焦点を当てているものだが、それは現在、女性をターゲットに貧困化が進行しているからにすぎない。だから、中村氏の次の言葉をひとごとと考えるべきではないのだ。

国民の誰かを転落させなければ国がやっていけないならば、どこかのタイミングで女性から中年男性にシフトチェンジするかもしれない。私自身、取材で出会った彼女たちと遠くない未来の自分の姿がダブって怖くなった。(335ページより)
「母親から虐待を受けてうつ病になり、生活保護を受けて暮らす25歳」


『東京貧困女子。──彼女たちはなぜ躓いたのか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「有名女子大卒業後、上場企業に就職するも、精神的な問題を抱えた姉の介護のため離職をしたことで転落した53歳」

「冷暖房がなく、満足に光も入らない屋根裏部屋で暮らす、55歳のキャリア官僚元夫人」

「東京大学大学院卒という肩書きを武器に仕事をするも、パワハラで病に倒れ、電動車椅子の生活を余儀なくされる45歳」

本書に登場する女性たちはみな、こちらの想像をはるかに超える日常を生きている。だから読み進めていくうちに、どんどん気持ちは沈んでいった。しかし、それでもわれわれは、こうした現実から目を背けるべきではないのだ。なにしろ、決してひとごとではないのだから。

912チバQ:2019/05/27(月) 22:28:21
https://diamond.jp/articles/-/201832
貧困に喘ぐ大人たちの「10連休サバイバル」、働けず生存の危機に
みわよしこ:フリーランス・ライター
働けないと生活できない
大型連休が危機につながる人々
 2019年のゴールデンウイークは、4月27日から5月6日の10日にわたる大型連休となった。旅行などの消費によって、4月から6月までのGDPが0.2ポイント上昇するという試算もある。大型連休には、予算を必要としない景気対策としてのメリットも期待されている。

 しかし、10連休を喜ぶわけにはいかない人々もいる。たとえば貧困状態の子どもは、学校が休みになると、給食を食べる機会を失う。連休明け、家族で楽しんだ旅行やレジャーについて語るクラスメートの中で、肩身の狭い思いをするかもしれない。貧困状態の子どもたちの休暇中の生活は、数年前に比べると注意を向けられやすくなってきたけれども、まだまだ不十分だ。

 子どもたちよりも、さらに忘れられているのは、大型連休が生活や生存の危機につながる大人たちだ。彼ら彼女らは、今回のゴールデンウイークをどう生き延びたのだろうか。

 仙台を拠点に活動する個人加盟の労働組合「仙台けやきユニオン」は、連休中の5月1日と4日、「大人食堂」を開催した。時間帯は夕食時の2時間、食事と相談の機会が無料で提供された。対象者は、「18歳から65歳までの労働者および失業者とその家族」である。とはいえ、高校を中退して働いている16歳の少年や、無年金のため身体に鞭を打って働き続けている72歳の高齢者が訪れたとしても、歓迎されたことだろう。

 仙台けやきユニオン代表の森進生さんは、「大人食堂」を企画した意図について、次のように語る。

「ゴールデンウイーク中、派遣社員やアルバイトの方が、シフトに入れないという問題が起こるのではないかと考えました」

 実際に「大人食堂」を開催してみると、集まった人々の抱える困難は「お金がない」「働かなきゃいけないのに、働けない」といった単純明快な問題にとどまらなかった。

「本当に困っている人」でないと
助けてもらえない社会で良いのか
「大人食堂」を訪れた人々は、5月1日は3名、4日は10名だった。年齢層は幅広く、男女比では60%が女性だった。中には、森さんたちが当初想定していた「お金がない」「働けない」という状況にある人々もいた。

「所持金が1000円しかなくて、この数日、カップ麺しか食べていないという方がいました。この方は就労しているのですが、勤務先までの往復に1200円必要なので、連休後は仕事を続けられなくなるところだったんです」(森さん)

 この参加者には、連休明けまでの食糧などの緊急支援も行われた。

 ゴールデンウイーク中の勤務予定がなくなってしまった人もいた。労務担当者は休暇を取っているため連絡がつかず、日払いの仕事を探そうにも探せなかったということだ。でも、「大人食堂」を訪れた人々の多くは、「今すぐ生活が破綻しそうな方」(森さん)ではなかった。また、いわゆる「ネットカフェ難民」は、予想より少なかったという。

「生活が苦しいことは苦しく、『身体がきつい』『借金が』といった問題を自覚しているけれども、今のところ顕在化した問題はないという方が多かったです」(森さん)

913チバQ:2019/05/27(月) 22:29:10
 問題が顕在化して路上生活者になれば、行政のホームレス支援の対象になる。18歳未満なら、貧困状態の子どもとして支援対象になる。実際に生活が破綻すれば、生活保護の対象になる可能性がある。しかし公的支援は、顕在化した生活困窮者、言い換えれば「本当に困っている人」に対してもまだまだ不十分だ。

「来られた方々のほとんどは、非正規雇用でした。今、困っているわけではなくても、不安なので悩みを共有したい、というニーズが多かったです。宣伝に『なんでも相談』と書いてあるので来てみた、という方もいました」(森さん)

 孤立の解消は、行政も課題として認識している。しかし、「大人食堂」を訪れた人々の中には、親と同居している人々もいた。少なくとも、家に帰れば言葉を交わす相手がいるはずだ。とはいえ、親は老いていく。必要な医療費は増加するだろう。介護が必要になる可能性も高い。介護離職を強いられれば、高収入の正社員でも容易に貧困に陥る。低賃金の非正規雇用ならば、なおさらだ。

「かつて、成人して就労しているのに親と同居している子どもが“パラサイト・シングル”と呼ばれていました。現在も、親と同居している非正規雇用の子どもは、“パラサイト”の延長と見られていることが多いです。でも、親の経済状況も低下してきたので、子どもが親を支えている場合もあります。親も子も、老いが不安です。『親と子が助け合いながら縮小している』というのが実情で、“パラサイト”と呼べるものではありません。それが、はっきり見えてきた感じです」(森さん)

「今後も継続して欲しい」
大人食堂に寄せられた声
「お金がない」「仕事がない」といった困難は、背景によって生み出されている。はっきりした困難に達していないボンヤリした困難や、困難を生み出す背景への対策は、現在の日本にはほぼ存在しない。「大人食堂」は、そのニーズの一端を捉えた。

「参加者の方からは、『今後も継続してほしい』という嬉しい声がありました。今回、居場所を提供して孤立を解消するだけではなく、労働問題や貧困問題というところで皆さんとつながれたことは、良かったと思います。ふわっと集まりながら、対等にフラットに支え合ってエンパワメントしながら、具体的な困難の解決につなげられる場として継続できればと思っています」(森さん)

 気になるのは、「大人食堂」を実施するための人員だが、普段と同じように交代で休みを調整することで、無理なく行えたということだ。仙台けやきユニオンでは、30人ほどが運営にあたっており、連休中も労働相談や面談などの予定が組まれていた。「大人食堂」はその一部として開催された。連休明けには、必要に応じて生活保護申請などのフォローも行った。

シングルマザーたちの困惑
「しんどいゴールデンウイーク」
 非正規雇用かつ子どもを抱えているシングルマザーは、大型連休によって自分の減収と子どものケアの必要性の両方に直面する。特に、日給月給(月払いの日給制)の仕事に就いている場合、連休は収入減少に直結する。収入が激減するのは次の給料日以後ではあるが、子どものための出費が重なる3月・4月を必死で乗り切った彼女たちは、連休前に余力を失っている。

 シングルマザーと子どもたち・女性たちの支援を続ける「シンママ大阪応援団」は、今年の大型連休に向けて、数多くの取り組みを準備していた。連休前の4月24日には、食料品や子どもの本を含む物資を発送した。

 連休に入るとまず、母親たちに対する自尊感情プログラムを実施した。母親たちがプログラムに参加している間の子どもたちの保育、その夜の親子夕食会もセットだった。ランチ会や夕食会は、数回開催された。他地域のシングルマザー母子を拠点に迎えての「お泊まり会」もあった。また、貸切バスでの日帰り自然体験も行い、総勢約50人が参加したという。

 日帰りでの自然体験が企画されたきっかけは、寺内さんのところに、シングルマザーたちからの声が、数多く寄せられたことだった。「お金がないので、子どもたちをどこにも連れて行ってやれない。長期の休みなんてない方がいい」「連休には、親子連れが街にあふれて辛い」「休み明け、子どもたちが日記や作文を書かせられるときに、書くことがない」という声に応えた企画は、今年で2回目になる。

914チバQ:2019/05/27(月) 22:29:43
 これらの企画は、1つ1つが「食事」「回復プログラム」「小旅行」といった機会の提供であるとともに、孤立しやすいシングルマザーたちが互いに交流し、安心しておしゃべりを楽しむ機会でもある。子どもたちは、理解ある大人のもとで伸び伸びと安全に過ごすことができる。そういう信頼関係のもとで、やっと「生活が苦しい」と訴えられるシングルマザーたちもいる。

 もちろん、連休による給料激減の問題もある。連休中も母親の仕事がある場合には、子どもたちをどこに預ければよいのかという問題もある。保育所も学校も学童保育も休みになってしまうので、結局、子どもたちだけで留守番させるしかない。

「いずれにしても、しんどい連休であったことは確かです」(寺内さん)

 追い打ちをかけたのは、役所も10連休だったことだ。困窮して4月24日に生活保護を申請したシングルマザーは、連休のため5月20日まで決定を待つようにと言われたという。

辛い連休を打破するための
キーワードは「想像力」

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 もともと、年末年始に行政の窓口が開いていないことは、生存の危機に近い人々には深刻な問題だ。長年、支援活動を行っている団体は、今年のゴールデンウイークに際し、数ヵ月前から危機感を表明していた。

 厚労省は4月19日の事務連絡で、連休中も福祉事務所を輪番制や緊急連絡網などによって対応可能にしておくこと、衣食住の緊急支援、窓口の臨時開所などを求めていた。

 東京を拠点に活動するグループ「ホームレス総合相談ネットワーク」は、ゴールデンウイーク中も、フリーダイヤルでの電話相談窓口を稼働させていた。またSNSで、厚労省の「連休中も生活困窮への対応は受けられる」という事務連絡の周知を行っていた。同ネットワークの後閑一博氏(司法書士)によると、連休中も電話相談はあった。また、SNSで情報を見たという人からの連絡もあったという。

 電話相談だけとはいえ、連休中もストップしないことの意義は大きかったようだ。東海地方では、緊急に生活保護を必要としていた人が、連休中に最低限の支援を受けられた。役所の守衛を通じて、緊急連絡網で連絡を受けた福祉事務所職員が対応したのだった。

 誰かが笑えば誰かが泣くことは、世の中の摂理かもしれない。大型連休を誰もが笑える期間にすることは、不可能なのだろうか。想像力を少しだけ広げてみれば、異なる可能性が見えてくるはずだ。

915チバQ:2019/05/27(月) 22:31:28
https://www.asahi.com/articles/ASM4T747JM4TULZU017.html
40代、貧困ポスドクの悲哀 時給バイト以下、突然クビ
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編集委員・真鍋弘樹 2019年5月15日05時00分
ロスジェネはいま
 《大きな研究成果を上げ、将来を期待されていたにもかかわらず、多くの大学に就職を断られて追い詰められた女性が、43歳で自ら命を絶った。そんな記事が4月、朝日新聞に掲載され、大きな反響を呼んだ。自らも教育学で博士号を取得している舞田敏彦さん(42)は、その気持ちを「痛いほど分かる」と語る。大学院で学び、研究職に就くことを望みながらも、安定した職と生活が得られない。ロスジェネ世代の博士たちもまた、不安定雇用の壁に苦しんでいる》

 たいへんショックを受けました。私自身、大学院で博士号を取った後、5校ほどで非常勤講師を務めながら、40校以上の大学教員の職に応募しました。しかし、30代も後半になるとなかなか難しい。

 「貴意に沿えず」という返事を何度も受けていると、精神的に追い詰められます。方向転換するよう親に諭されましたが、諦められませんでした。

 1990年代の大学院重点化政策で博士が急増したのに、大学での働き口が絞られている。今、大学で教える人の3人に1人は非常勤講師と言われています。大学は人件費削減のために常勤の教員を減らしたわけで、その意味では非正規雇用に苦しむロスジェネと重なるかもしれません。

 非常勤講師の採用面接では、給与について怖くて聞けないんです。「もし給与について知りたいなら、他の人に頼みます」と言われたことすらある。

 現実は、週1コマの授業を月に4回担当して、月収3万円です。授業の準備をし、学生の質問に応じる時間を合わせると、学生アルバイトの時給以下で、ボランティアや名誉職に近い。

就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。

916チバQ:2019/05/27(月) 22:32:16
https://digital.asahi.com/articles/ASM4T7R8LM4TULZU01C.html?rm=932
使い捨て中年フリーター、雇用の流動化も「狙いは解雇」
有料記事

編集委員・真鍋弘樹 2019年5月14日06時30分
ロスジェネはいま
 《「中年フリーター」という言葉を広めた労働経済ジャーナリストの小林美希さん(43)は、同じ世代の一員として多くのロスジェネに話を聞いている。自ら就職氷河期の「厳寒」を体験した立場で、自己責任論は欺瞞(ぎまん)だと否定する》

 大卒就職率が6割を下回った2000年に大学を卒業しました。就活では金融、メーカー、食品など、業種を問わず約100社にエントリーし、50社の面接を受けました。男子よりも女子学生が特に厳しく、最終面接までしているのに、「女子は採用ゼロ」という方針だった会社もあったことを後に知りました。実際は採らないのに、女子を採用するふりをしていたわけです。

 周囲でも精神的に病んだり、引きこもったりする女子学生がいました。私たちが小学生の頃に男女雇用機会均等法が成立し、実際に女子の方が成績がいいことも多かったのに、就活で差別を受けたという思いでした。

 結局、内定は消費者金融の1社だけ。同じ大学でも男子ではメガバンクや商社に内定した人がいましたし、当時は社会のせいだとは気付きませんでした。当事者だった当時は、何が起きているのか、分からなかったのです。

 内定した消費者金融を辞退して証券専門紙の「株式新聞社」に入り、その後、毎日新聞の「週刊エコノミスト」誌で記者をしました。そこで企業の決算や会計の取材を続けているうちに、正社員の比率を下げている企業が多いことに気づいたのです。

 これは、企業が人件費を削って利益を確保しているだけではないか。そう考えて特集記事の企画を提案しましたが、なかなか採用されなかった。当時はまだ「若者の考えが甘い」「仕事を選んでいるだけだ」といった見方が根強かったためだと思います。小泉政権下で、いわゆる自己責任論が広がった頃です。

 諦めずに何度もデスクに企画の提案を続けて、04年にやっと、フリーターの実態に迫る特集が組まれました。これが、非正規雇用にこだわるジャーナリストとしての原点です。

 《就職氷河期と非正規雇用の増加について警鐘を鳴らした記事から15年。その後も継続してロスジェネ世代を取材してきたが、事態は悪化する一方だった。このままでは手遅れになりかねない、と小林さんは語る》

就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。

917名無しさん:2019/05/27(月) 22:32:32
取材で長年、話を聞いている40代半ばのフリーター男性で、もう正社員になることも家庭を持つことも諦めている人がいます。そんな「心が折れた」人たちの話を聞いていると、この世代にいったい何ができるだろうか、と絶望的になります。

 非正規で働いている人たちは、正社員並みに仕事をし、能力を向上させていても、次のキャリアにはなかなかつながらない。何か手を打たないと、不安定なまま、高齢化していきます。その結果、20兆円近くの追加の生活保護予算が必要になるという予測もあるほどです。

 派遣で働く女性たちもまた、使い捨てにされています。ある派遣の女性が妊娠したことが分かると「不良品」と陰で呼び、「返品したい」と派遣元にクレームをつけた、という話を取材で聞きました。この女性は妊娠中にもかかわらず、雇用継続のために100時間以上の残業を強いられました。

 第1次安倍内閣の「再チャレンジ」をはじめとして、いくつかの政策が打ち出されましたが、結果として就労支援の委託事業者が利益を得たに過ぎなかったように見えます。フリーターが食い物にされただけです。年齢を重ねると非正規労働者の支援は手遅れになりかねず、政治がもっと本気でやっていたらどうなっていただろうと思います。

 著書「ルポ 中年フリーター」の反響で、人手不足の中小零細企業の経営者から、そのように困っている人たちがいるならうちで働いてほしい、という連絡がありました。働き手が足りない企業があるのだから、行政によるマッチングなど、まだ手は残されているのではないでしょうか。

雇用流動化、企業の真意は?
 《ロスジェネ世代が生まれた背景にあるのは、新卒一括採用と終身雇用という日本型雇用システムだ。欧米のように流動性の高い雇用市場が実現すれば、非正規労働者は救われるという議論があるが、それに小林さんは反論する》

 企業側が主導する「雇用の流動化」の議論は、単に不要な人を簡単に解雇するのが目的だと見ています。経団連幹部などへの取材では、バブル世代やうつ病になった社員を切りたいという本音が聞こえてきました。実際、有能な人材はすでに流動化していますから。

 企業が自分たちの責任を棚に上げて、雇用の流動化を求めるのはおかしい。上の世代が既得権益を握っているからロスジェネが苦しんでいる、といった世代間格差をあおるような考えも間違っています。

 中国などへの工場移転によって産業が空洞化する日本で、新自由主義的に、低コスト低賃金によって労働条件を引き下げる流れよりも、好待遇で働いてもらい、高付加価値商品を生む方がいい結果につながるはずです。

 大手企業は、いい人材はいくらでも採れると最近まで思っていたのだと思います。嫌なら辞めてもらって構わないという態度でした。

 一方で、派遣労働が浸透したことで、経営者に人を見る目がなくなりました。派遣やアウトソーシングという形で人材選びを任せて、駄目なら代えればいいという考えが、人の「目利き」を失うことにつながり、現在の状況を呼んだのです。

 私の取材では、昔ながらの企業に業績がいい社が多い。それは、社員を大切にするからです。生活の安定がなければ、人は安心して働くことはできません。明日どうなるか分からないような働き方では、力を発揮できるはずがない。責任を持って雇用を維持することができないような企業は、市場から撤退してもらうしかないと思います。

     ◇

 小林美希(こばやし・みき) 1975年生まれ、労働経済ジャーナリスト。神戸大法学部卒、株式新聞社、エコノミスト誌編集部記者を経てフリーに。著書に「ルポ 保育崩壊」(岩波新書)「ルポ 中年フリーター」(NHK出版新書)など。(編集委員・真鍋弘樹)

918チバQ:2019/05/27(月) 22:33:15
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190501-00000002-moneypost-bus_all
博士号でも生活困難 非常勤から抜け出せない「貧困ポスドク」の実態
5/1(水) 15:00配信 マネーポストWEB
博士号でも生活困難 非常勤から抜け出せない「貧困ポスドク」の実態
博士号を取得しても就職難にあえぐ研究者が後を絶たないという(写真は東京大学・安田講堂)
 大学院を卒業し、博士号を取得しても常勤の職にありつくことができない──。いま、そんな“高学歴ワーキングプア”として苦しむ研究者が後を絶たないという。平成に入って「大学院重点化」の施策が講じられて以来、博士課程修了者の人口が増加する一方で、研究者の就職難という問題が浮上している。

 博士号を取得したのち、常勤職が得られるまでのあいだ非常勤講師などで生活している研究者を「ポスドク(ポストドクター)」という。そんな非正規雇用の研究者が日本の大学教育を支えている状況だ。研究活動以前に、「文化的な生活すら困難」と語るのは、近代日本文学を研究するポスドク・Aさん(男性・31)だ。

「大学院博士課程に入ってから日本学術振興会の特別研究員DC1という職に採用され、毎月20万円ほどの給与を得ていました。それが3年間続き、その間はどうにか生活することはできたのですが、DC1の任期が終わってからが地獄の生活でした。何年も非常勤講師を掛け持ちする生活を送ってきましたが、常にお金がない節約の日々。専門分野はアカポス(アカデミックポスト)が非常に少なく、文学部縮小の動きもあり一層就職が困難になっています。

 一番大変なのは、非常勤の給与だけでは資料が購入できないこと。地方出身なので東京で家賃を払って東京で生活するのは苦しいですし、もちろん恋愛や結婚など、研究以外の支出につながることは極力避けています。『文化的な生活』ができない、それを切り詰めて生活している自分が、豊かな日本の文学について研究することができるのか? そう自問自答で苦しむ日々です」(Aさん)

 歴史学系で非常勤講師を続けてきた研究者Bさん(男性・35)は、今年から非常勤講師の契約が切られたという。

「僕は東京大学の大学院を卒業してから、昨年まで非常勤講師を掛け持ちしてきました。講義は1コマ5000〜1万円あたりが相場。週にどれだけ頑張っても5コマか6コマが限界です。複数の大学と契約できていた年は良いのですが、突然、次年度の契約を切られることもある。非常勤講師は先輩研究者や教授からいきなり頼まれることもあり人脈がものを言う世界ですが、仕事が振られなければ収入もなくなります。

919チバQ:2019/05/27(月) 22:33:33
 でも、コマが増えても地獄。非常勤のコマ数が増えるとその準備に時間を取られ、自分の研究時間が確保できなくなる。とくに500人クラスの講義を複数担当すると、期末には膨大な量の採点が待っている。周囲の研究者は“採点地獄”と呼んでいます。

 そんな有様ですから当然、研究成果も出せません。学術誌への査読論文の掲載数、学会発表、書籍の執筆など成果の蓄積がなければ常勤職にはつけません。食べていくために非常勤を掛け持ちすると、自分の研究者としての未来が先細っていくジレンマがある。今年は、中学受験専門の塾に面接に行って、そこで新しくアルバイトを始めました」(Bさん)

女性研究者「結婚してすぐ別居生活というのは避けたい…」
 高学歴ワーキングプアとして苦しむ研究者は男性だけではない。妊娠、出産というライフイベントがあるという点で、女性研究者にはまた別種の困難が待ち受けている。映像文化に関する研究をしているというCさん(女性・33)はこう語る。

「現在、東京の大学に“任期なし”の常勤講師として就職するのはほぼ不可能。とくに初職の場合は、良くても地方のあまり知られていない大学への就職になります。私は29歳のときに大学時代の同級生と結婚したのですが、相手の職場が都心部なので、どうにかして都内で職を得たいと思っていました。でも指導教員には『そんな贅沢なことを言っていたら就職できないよ』と釘を刺される。

 私自身、子どもが欲しいので、結婚してすぐ別居生活というのは避けたいです。それでも研究者として生きていきたい。小学校から私立の有名進学校に通わせてくれた親のことを思っても、ここで夢を諦めるのは嫌です。ただ現実問題、このままでは研究する場が得られない」(Cさん)

 Cさんの悩みの種はほかにもある。それは研究生活の生命線ともいうべき「科研費」、つまり科学研究費に採択されないという現状だ。

「研究者は自分の研究に費用を出してもらうために科研費に応募します。それは理系も文系も同様。研究には資料購入、分析のコスト、執筆、出張費用など多くの費用がかかるため、自分のポケットマネーで払うのはほぼ不可能です。科研費は研究者の生命線となるものなのですが、ここ数年は応募しても採用されないため、研究するお金がないという辛い状況です。『お金を取ってくる研究者』が今の大学が求める人材ですが、それは研究者個人の自己責任論に結び付けられる危険性もある。制度で守らない限り、路頭に迷う研究者も増えつづけるでしょう」(Cさん)

 グローバル系学部の新設など大学改革が進められている日本の大学だが、それを支えているのは非正規雇用で研究生活もままならない“高学歴ワーキングプア”の研究者たちだ。この現状は、大学制度の基盤そのものの不安定さを露呈させているのではないだろうか。

920とはずがたり:2019/06/15(土) 17:02:41
これはひどい。海外のどっかで巧く行ってると聞く先ず家を与えるという方向性と真逆

https://twitter.com/fujitatakanori/status/1139459184909381634
藤田孝典
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その他
生活困窮者が生活保護を受けて入所する埼玉県の無料低額宿泊所。入所者は保護費から月額約10万円支払う。「健康で文化的な最低限度の生活」を保障している施設ですかね?あなたはこんなところで生活できますか?福祉事務所も共犯関係。貧困ビジネスと非難されても仕方がない実態。

921とはずがたり:2019/06/16(日) 19:59:45
2019年06月16日 09時17分
給料の大半が家賃に消えてしまう…日本の住宅政策は大丈夫か? 藤田孝典さん持論
https://www.bengo4.com/c_23/n_9766/
藤田孝典さん(2019年6月12日、東京都内、弁護士ドットコム撮影)

生活に苦しむ人やシングルマザーが懸命にお金を稼いでも、収入の大半を住居費にもっていかれてしまう。日本の貧困は、住宅政策に問題があるせいではないかーー。

こうした問題意識を共有し、社会全体に課題解決の動きを広げようとする活動を「住まいの貧困に取り組むネットワーク」(世話人・稲葉剛さん=立教大学大学院特任准教授)などが続けている。

6月12日、同ネットワークらが東京・永田町の衆議院第2議員会館で会合を開き、貧困問題に詳しい藤田孝典さんが「現代の貧困と住宅問題ー課題と政策を考える」と題して講演した。

●英仏など欧州各国は手厚い住宅支援
藤田さんは、NPO法人「ほっとプラス」の代表理事で、年間500件前後の生活困窮者による相談を受けている。そのなかで「家賃さえなければ助かる」という声を聞く機会は多いという。「人間の生活に必要な住宅を、市場任せにしないことが大事だ」と述べた。

また、英仏など欧州各国は、日本よりも格段に手厚い住宅関係の支援政策を実施していることを紹介。「日本は、住宅は自分で確保するものという意識があるが、それを転換する必要がある」とした。

貧困問題と向き合ってきたなかで、住宅を確保できずに河川敷に暮らすことを余儀なくされる人たち、ネットカフェ難民、友人宅を転々とする人たちが少なくなかったということも指摘した。



●努力ではなく、社会の仕組みが足りていない
さらに、多くの人が非正規雇用で働き、実質賃金が上がらず、昇給も見込めない厳しい実態があることを問題視。日本の貧困率(相対的)はOECD諸国のなかで高い方で、特にひとり親世帯の貧困度合いは深刻な傾向にあるとした。

具体的には、狭い劣悪なワンルームに子ども2人と同居するシングルマザーがいたり、住むところが他にないため暴力を受けつつも女性が男性と同居したりするケースもあるという。

「貧困は、住宅政策が突破口になる。働いても働いても苦しんでいる母子家庭は少なくない。怠けているわけではないし、努力が足りていないのではなくて、社会の仕組みが足りていないということだ」

922とはずがたり:2019/06/21(金) 19:55:10
京都・向日市職員の死体遺棄容疑逮捕、市も問題を把握
毎日新聞2019年6月20日 18時37分(最終更新 6月20日 18時41分)
https://mainichi.jp/articles/20190620/k00/00m/040/222000c
京都府
事件・事故・裁判
社会
速報

女性の遺体が入れられていたとみられる冷蔵庫をアパート2階の部屋から運び出す捜査員ら=京都府向日市上植野町で2019年6月12日午後5時25分、添島香苗撮影
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 京都府向日(むこう)市のアパート駐車場で女性の遺体が見つかり、生活保護受給者の男と市の職員が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、市は1年以上前から、男が元暴力団員だと話し、職員に威圧的な言動をしていると把握していたことが捜査関係者や市への取材で判明した。上司は複数で訪問させるなどの対応を取ったが、2人が主従関係に陥ったことはつかめず、事件を防げなかった。市は体制の不備などを検証し、再発防止策をまとめる方針だ。

923チバQ:2019/07/10(水) 00:36:09
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/524966/
社会
氷河期世代 遠い「普通」 派遣40歳「私って使い捨て?」
2019/7/7 6:00
西日本新聞 社会面
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福岡県中高年就職支援センターが開いたセミナー。履歴書の書き方や内定のこつを教える講師の話に、参加者が耳を傾けた


 「私って、使い捨てなんでしょうか」

 派遣社員として遊興施設の受付を担ってきた西日本地区の女性(40)から、あなたの特命取材班に落胆の声が届いた。6月下旬に突然、2カ月後の契約打ち切りを告げられた。経営難のあおりで「不要」になったらしい。インターネットで求人情報を探す女性の頭に、20年前の「悪夢」がよみがえってきた。

 女性が短大を卒業し、社会に出た1999年は「就職氷河期」だった。30社以上の採用試験を受けたが、内定にたどり着かない。深く考えずに短大の掲示板にあった求人に応募した。

 どうせ落ちると思っていたら、スーパーの正社員の内定を得た。業務はレジ打ち。入社式でわれに返った。「ここで全く働く気がないのに何やってんだろ」。その日に退社を申し出た。

 次の仕事は、大手化粧品メーカーの有期契約社員。週5日、ドラッグストアで接客し化粧品を売った。手取りは月13万〜14万円。担当する店舗の化粧品販売額を月30万円から200万円に伸ばしても、手当も月収も増えなかった。

 10年余り勤める間に結婚、出産、離婚を経験。退社したのは、小学生になった子を放課後に預かってくれる場所がなかったからだ。

 再び就職活動を余儀なくされた今、40歳の「壁」を実感する。条件に合う求人はなかなかない。その日はネットで10社ほど応募して疲れ果てた。「だめ人間の烙印(らくいん)を押されているみたい。普通に安定した職がほしいだけなのに」

      ■

 バブルが崩壊し、就職難に直面した30代後半〜40代前半は「就職氷河期世代」と呼ばれる。35〜44歳で派遣社員やアルバイトなど非正規で働く人は約371万人。この世代全体の約22%に上る。

 日本総研によると、この世代は正社員であっても解雇されて転職を繰り返したり、昇格ポストが空かずに昇給が抑えられたりしたことで、家庭を持つ世帯主の月収は、上の世代が同年齢だった時と比べ約3万〜5万円少ないという。

 政府は6月に閣議決定した骨太方針で、氷河期世代の支援策を打ち出した。だが、対象は非正規雇用や引きこもり状態にある人で、目標も3年間で正規雇用を30万人増やすにとどまる。就労支援のノウハウを持つ業者に教育訓練を委託したり、運輸や建設など人手不足の団体と連携し、短期間での資格取得を支援するといった内容だ。日本総研の下田裕介・主任研究員は「人手不足への対応として氷河期世代の人たちを労働力に使おうという政府の思惑が透けてみえる。一人一人の実情に寄り添う支援策が必要だ」と指摘する。

      ■

 非正規でビル清掃など二つの仕事を掛け持ちする福岡県内の男性(45)は半ばあきらめ顔だ。「政府に何か期待できるんだろうか」。平日は朝9時から夜10時まで、土曜も日中は働いて手取りは月20万円だ。

 高卒で勤めたアパレルメーカーが福岡から撤退し退職。清掃会社の現場監督として不規則な生活を送っていた29歳で、人間関係に悩んで心を病んだ。両親に退職を告げられず、「働かなければ」と思いつつも、公園や図書館で時間をつぶした。やがて面接も怖くなり、その後の10年間は短期のバイトで食いつないだ。

 同居していた両親の最期をみとり、何かが吹っ切れた。行政の相談窓口を訪れ、清掃の仕事に就いた。

 ただ持病を抱え、「今の働き方がいつまで持つか…」。正社員で働き、家庭を持つ生活はかすんで見える。歯車が一つでも狂うと「普通の暮らし」を送れない社会。そこで苦しんでいる同世代は、自分だけじゃないと思う。

924 チバQ:2019/07/13(土) 22:37:46
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190713-00010000-kyt-soci
少ない年金と「人生100年」 74歳、求職活動の風景

7/13(土) 10:20配信��
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年金を頼りに一人で暮らす女性。老後の安心を実感できない日々が続く(京都府福知山市内)

 また、断られた。「年齢不問って書いてあるのに」。京都府福知山市の女性(74)は電話を切って肩を落とした。求人情報誌で見つけた清掃のパートに応募したが、「その年で立ちっぱなしはしんどいやろう」と門前払い。調理や介護などさまざまな職を探すが、最近は年齢ではじかれてばかりだ。  年金頼みの1人暮らしが続く。2カ月に1度、介護保険料が天引きされると手元に残るのは5万2千円。光熱費の支払いもままならず、近くに住む娘や親類の援助でしのぐが、やり切れない思いが胸に残る。

【写真】葛藤 赤裸々にノート7冊

 30歳のときに夫が自死した。営んでいた飲食店を引き継ぎ、切り盛りしながら2人の子を育てる日々だったが、「国に勢いがあって、地域も人でにぎわっていた。老後はバラ色やと気楽に思ってた」。しかし、50歳手前で体調を崩して店を売却。数年前に両親も見送った。
 家族構成や働き方が変わる間、年金のことは深く気にしなかった。今になって支給額の少なさを疑問に思うが、「どこに何を聞けば良いかも、ややこしくて分からん」。制度の複雑さの前に立ちすくむ。
 年金への不満がくすぶる中、老後資金「2千万円」問題が起きた。金融庁報告書の受け取りを拒否し、「(私自身は)年金受給の記憶がない」とまで言い放った麻生太郎金融担当相の態度に、女性は「人ごとのよう。議員や官僚は国民の生活を知らない」と憤る。テレビで年金問題を目にすると不安がかき立てられるため、チャンネルを変えるようになった。「長生きの家系で、母は97歳まで生きた。でも私は長生きしたいとは思えない」
 暮らしの安心を求める声は世代を問わない。安倍政権は社会保障を高齢者重視から「全世代型」に転換すると打ち出したが、だれもが「人生100年」を不安なく見通せる社会には、ほど遠い。

奨学金を利用すると利子の返済 子どもの未来と重荷と
 滋賀県栗東市の主婦奥村知子さん(42)は昨年、当時高校3年だった長男(19)と電卓をたたいて驚いた。長男が望む柔道整復師の専門学校に通うには、奨学金を利用すると利子の返済を含め550万円必要で、学資保険でためた250万円の倍以上になった。「返せるかな」。話し合いの末、長男は就職を選んだ。「親が借金をしてでも学校に行かせるべきだったか」との思いが頭をよぎった。
 奥村家は5人きょうだい。長男は2010年に導入された高校無償化の恩恵を受けたが、次女(8)と次男(5)の幼稚園費が重なり、夫の収入の半分を教育費に使った。今年10月からは幼児教育・保育無償化が始まる。知子さんは「親の収入による教育格差をなくせる」と政策の流れは歓迎するものの、次男が通う幼稚園は開園日数などの条件で無償化の対象外だ。
 漫画家、パン屋さん、電車の運転手…。子どもたちは口々に夢を語る。「子どもが増えれば喜びも増えるのに、教育費は不安でいっぱい」。おなかにいる6人目の子が成人を迎えるとき、知子さんは還暦を過ぎる。「教育費さえためられないのに、自分たちの老後までとても考えられない」  今を生きる世代だけでなく、未来の担い手にも安心をもたらす給付と負担の姿をどう描くのか。責任ある政治の出番だ。
◇ 参院選では安倍政権の6年半をどう評価するかが問われる。年金や景気、憲法改正や教育…。争点となっている政策課題の現場を訪ねる。

京都新聞

925チバQ:2019/07/18(木) 11:40:03
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071802000162.html
<参院選>隠れ住む「貸倉庫難民」 非正規労働者「ここは底辺」

2019年7月18日 朝刊


雑居ビル内の貸倉庫。ドアの向こうは2畳ほどのスペースで、人が寝泊まりしている=一部画像処理

写真
 階段を上り、二階のフロアに通じるドアを開けると、狭い通路の両側にドアがずらり。二畳ほどのスペースが薄い板で仕切られている。「グオーン」と空調の鈍い音が響き、踊り場にある共用のトイレや洗い場からはカビの臭いが漂う。

 ここは東京二十三区内にある三階建て雑居ビル。にぎやかな商店街にひっそりたたずみ、「レンタルルーム」や「レンタルスペース」と呼ばれる貸倉庫となっている。

 「非正規労働者が増え、貸倉庫にまで住むようになった」。生活困窮者の支援者からそんな話を聞いた。窓がない、仕切りの素材が燃えやすいなど住居としての建築基準を満たさないが、利用料金の安さから住み着く人が出てきたという。

 夕方、仕事終わりとみられる作業着姿の人や、弁当を手にする人がビルの鍵付きの玄関に吸い込まれていく。運営会社から住むのを禁じられており、利用者の口は一様に重いが、「絶対内緒ですよ」と、二十代の利用者が鍵を開けてくれた。

    ◇

 午後六時すぎ。幾つかの部屋から物音が聞こえる。Tシャツ、短パン姿の中年の男性はリラックスした様子で用を足しに出てきた。

 招き入れてくれた男性によると二十四時間出入りが可能でほとんどの部屋に人が住んでいるという。部屋の中を見ることは拒まれたが、ホームページによると約百室あり、窓がない部屋もある。一部屋の契約額は月三万円程度だ。

 運営会社は「物置」や「休憩室」としての用途を示し、住むことは禁じている。だが利用者にとってはアパートより月の支払いが安く、敷金や礼金もない。毎日、入退室手続きが必要なインターネットカフェに比べても、月単位で借りられ、荷物を置いて仕事に行けるため便利。職場の口コミなどで広がり、住む人が増えているという。

 男性は道路整備のアルバイトで日銭を稼いでいる。「住んで一カ月ぐらいだが、ここは底辺。狭いし、汚いし、早く抜け出したい」と吐き捨てるように言った。

 後日、都内で同じ会社が運営する同種の雑居ビルを訪ね、一階のコインシャワーから出てきた四十代男性に話を聞いた。定職がないため不動産屋からアパート契約を拒まれ、一年前から住んでいるという。今は知り合いの親方の下で建築現場で働き、月の収入は二十数万円。「親方からの仕事がなくなれば、働く場所もなくなる」と、髪を拭いていたタオルで顔を覆った。

 雇い止めされた非正規労働者らが寮などを追われ、インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、世間に知られるようになって十年以上がたつ。生活困窮者を支援してきた立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん(50)は「今はネットカフェだけでなく、貸倉庫やサウナ、二十四時間営業のファストフード店などに居住が広がり、実態が見えづらくなっている」と指摘する。

 安倍晋三首相は、完全失業率が民主党政権下の4%台から2%台に改善したことを「アベノミクス」の成果だと強調しているが、昨年の国の調査では、雇用者のうち四割が非正規だ。

 「団塊世代の大量退職で働き口はあるけれど、労働者は相変わらず低賃金で、雇用も不安定」と稲葉さん。「狭い部屋で寝泊まりすれば体を壊すし、孤立感からうつっぽくなる。生活保護に至る前に、低家賃の公営住宅や家賃補助制度を設けるなどの住居対策が選挙のもっと大きな争点にならないと」と訴えた。

 コインシャワーで出会った四十代男性は「頭が悪いから政治はわからない」と投げやりだが、将来は不安だ。最近、同じ現場で働く高齢者に自分の未来が重なる。「物覚えが悪く、作業も遅い。それでもうちで働けなくなればホームレスになると親方も分かっているから、クビにできない」

 「俺はそうはなりたくないけど、酒や遊びを控えても金はたまらないし、体もきつくなってきた。どうやってこの生活から抜け出せばいいのか」。力なく話し、倉庫への階段を上っていった。 (原田遼)

<生活困窮者の住居> 「オフィス」「倉庫」などとして貸し出され、実際には多人数が寝起きしている建物を、国土交通省は、住居の建築基準を満たさない「違法貸しルーム」と定義。昨年は防火や採光の設備が足りていないとして、全国の都道府県などが1458件の貸主に是正指導した。一方、東京都は2016年度にネットカフェやサウナなど夜通し営業する店舗で実態調査し、住居を失い寝泊まりしている利用者が都内に1日4000人いると推計を出した。

926チバQ:2019/07/26(金) 18:51:46
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190726-00293822-toyo-soci
「高学歴ワーキングプア」39歳独身男性の悲哀
7/26(金) 5:40配信
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

今回紹介するのは「大学教員になってしまったがためのキャリアの断絶もあり、再就職活動に悩んでいます」と編集部にメールをくれた、39歳の男性だ。

■席に着くなり、矢継ぎ早に話を始めた

 都内の有名私大を卒業後、大手銀行に就職したものの、双極性障害の父親のせいで退職に追い込まれたこと。最近まで、大阪の大学で専任講師をしていたが、母親の手術のため、東京に戻らざるをえなかったこと。「知的に遅れのある」兄の行く末が心配だということ。現在は都内の大学で客員教授をしており、月収は15万円足らずであること――。

 マコトさん(39歳、仮名)は喫茶店の席に着くなり、話を始めた。口が付けらないままのアイスティーのグラスが次第に汗ばんでいく。そしてこう言うと、ようやく一息ついた。

 「私のキャリアは家族のせいで失われました」

 珍しいな、と思った。本連載で話を聞かせてくれる人の多くは最初、口が重い。自分はどのように書かれるのか、取材を受けたことが周囲にばれるのではないか――。まずはそうした疑問や不安を口にした後、ようやくぽつりぽつりと自らの人生を語り始める。

 初対面の人間に自らの貧困について話すのだから、慎重になるのは当然のことだ。マコトさんのように、こちらが尋ねる前に、デリケートな家族関係にまで踏み込んだエピソードを、矢継ぎ早にしてくれる人は、多くはない。

 ただ、話を聞くにつれ、マコトさんの話には少なからず“ほころび”も見えてきた。

 新卒時は就職超氷河期時代。そんな中、希望通りの銀行に就職することができた。しかし、同じ頃、会社員だった父親の病状が悪化。突然、英語教室を開くと言ったり、選挙に出ると言い出した。実際に選挙に出馬、落選して供託金を没収されたという。

 双極性障害を患う人の躁状態は、同居する家族にも重い負担をかけるという。実家暮らしだったマコトさんはこのとき、父親の言動が家族に与えた影響について多くを語ろうとしない。ただ、「毎日毎日、狂った人の相手をするんですよ。心身ともに限界でした」。マコトさん自身、朝、突然、出勤できなくなるなど、勤怠に支障をきたすようになったという。

 「会社には『実家を出たいので寮に入れてほしい』と頼んだのですが、『この状況で仕事を続けるのは無理。まずは父親を入院させなさい』と言われました。だから、私は母に入院させようと言ったのに、世間体を気にする母は聞く耳を持ってくれませんでした」

 銀行では、PPPやPFIといった公民連携を進めるための投資業務に携わりたいと思っていたのに、異動で法人営業の担当になった。マコトさんに言わせると、その異動は家族のトラブルの影響を受けたものであり、また、その銀行ではいったん営業畑勤務になると、改めて投資部門に異動できる可能性は低い。結局、5年足らずで銀行を辞めた。

927チバQ:2019/07/26(金) 18:52:03
■前向きとは言えない転職が続いた

 その後、いくつかのシンクタンクなどに勤務。希望通り、地方自治体のコンサルティング業務や、アジア各国の公民連携事業に関わった。雇用形態は正規のことも、非正規のこともあったが、この間、働きながら大学院で経営学の修士号も取得。ただ、いずれも1年から5年で辞めている。それぞれの退職の経緯を、マコトさんは次のように説明する。

 「会社にとってよかれと思って大学院に行ったのに、社内にはよく思わない人もいたみたいでした。ちょうどリーマンショックの影響で会社の業績が悪化して、上司からは『君が辞めればいいんじゃないか』みたいなことを言われて……」

 「(アジア関連の仕事を任されたとき)航空券の手配や、現地での段取りがうまくいかないことがありました。周囲から『力不足』という評価を受けてしまい、次年度の更新は私から辞退しました」

 いずれにしても、前向きなステップアップのための転職とは言えないようだった。

 この後、霞が関官庁の非常勤職員に。それまで、かろうじて500万円前後をキープしてきた年収は、ここで一気に約200万円にダウンした。

 幸い、大阪の大学で任期付き専任講師のポストを見つけることができた。しかし、ここもマコトさんが思い描いていたような職場ではなかったという。

 着任時、学校側から「授業に出ない学生などは呼び出して説得してください。中学や高校の担任と同じだと思ってください」と言われ、耳を疑った。しかし、実際に一向に授業に出てこない学生や、試験でカンニングがばれた後も呼び出しに応じない学生は少なくなかった。そうした学生を捕まえるため、彼らが選択している授業の教室や、アルバイト先まで出向いて待ち伏せするという、およそ大学教員とは思えない仕事に忙殺された。

 「原因は、大学が学生を集めるため、合格水準に達していない学生まで入学させてしまったことです」とマコトさん。同僚との人間関係がうまくいかなかったことや、うつ病と診断されたこともあり、勤続3年目で、東京の実家へと戻った。1年前のことだ。

 あれ?  最初、母の手術のために仕事を辞めて東京に戻ったと言っていなかったか――。私がそう尋ねると、「タイミングがたまたま重なったんです」。

928チバQ:2019/07/26(金) 18:52:28
■目下の心配ごとは「兄の将来」と言うが…

 すでに父親は他界。実家では、母親と兄と同居している。今、マコトさんはこの兄の将来が心配でたまらないという。

 「兄は社会的なことが何もできない。『大人の発達障害』だと思うんです。仕事も、ハローワークで100社応募してやっと決まるという感じ。今のアルバイト先は月収20万円ですが、深夜まで働いても給料が変わらないようなブラック企業です。長く働き続けられるようなところじゃないんですよ。障害者手帳を取るべきだと思って、私が自治体に相談したりしてるのに、やっぱり母は協力的じゃない。家族は私の話を全然聞こうとしない」

 確かに、深夜手当を払わない悪質企業は許すべきではない。ただ、現時点の収入だけを比べたら、マコトさんよりも兄のほうが多いのも、また現実である。

 いずれにしても、現在の月収15万円では、マコトさん自身「どうしようもない」。大学の専任教員になりたいという夢はあるが、博士号がなければ難しいこともわかっている。そう思って、民間企業の転職サイトにも登録をしたが、早々にショックを受けた。

 「提案されるのが、中古車販売店の店長とか、警備員とか、チェーンの飲食店とか、工場内のクリーンルームでの作業とか――。そんな(自身の専門分野とは関係ない)仕事ばかりだったんです。長年、公民連携というテーマを持ってやってきたことを否定されたようで……。現実の厳しさに愕然としました」

 この後、大学での講義があるというマコトさんの予定に合わせ、取材を終えようとしたとき、マコトさんがこうつぶやいた。

 「川崎と練馬の事件以来、突然動悸がしたりして。あまり体調がよくありません」。

 「川崎と練馬の事件」とは、神奈川・川崎市で児童らが殺傷された事件と、東京・練馬区で父親が長男を刺し殺した事件のことだ。これらは、「中高年のひきこもり」が一気に注目を集めるきっかけともなった。

 「ひとごとじゃない。一度失敗すると、次は希望から外れた仕事しかなくなる。家族のために、私なりに考えてやってきたのに、うまくいかないことが重なって……。それなのに、(事件に対する)ネットのコメントを見てると、『努力が足りない』とか『甘えてる』とか、そんなのばかりで、つらい状況に対する理解や思いやりがないと感じます」

 マコトさんのキャリアのつまずきは、もしかすると「家族のせい」ばかりではないかもしれない。ただ、家族に問題があるなら、適切な距離を取るべきだったとか、転職先でもっと頑張るべきだったとか、“外野”が言っても、それは詮ないことだろう。

■再チャレンジ自体がままならない時代の課題

 何より、マコトさんが家族を心配する気持ちは本物だったし、しきりに「家族の問題」を持ち出すのは、マコトさん自身が誰よりも「自己責任」の呪縛にさいなまれていることの表れにも、私には見えた。

 話は少しずれるが、社会的ひきこもりの背景には、家族主義と儒教文化があるといわれる。子どもの面倒は親がみる、老いた親の面倒は子どもがみるといった家族観が、ひきこもりという状況を生み出すのだ、と。

 傾向として、日本と同じく中国や韓国などでも、ひきこもりが社会問題になっているのに対し、欧米では比較的少ないとされるのは、こうした価値観の違いがある。ただ、イギリスやアメリカなどで、若年層の問題がないかというと、そんなことはない。学校を卒業した後は、実家を離れるのが当たり前の社会では、会社などで不適合を起こした若者は「ヤングホームレス」になるしかない。

 ひきこもりか、ホームレスか――。どちらがよいとは簡単にはいえない話である。ただ、いったんつまずいた子どもが家族の元でやり直す機会を得ることができた日本の“システム”は決して悪いものではなかった。

 家族を見捨てられないマコトさん、ひきこもりの子を抱え込もうとする親。再チャレンジ自体がままならない時代、家族を思う気持ちがかえって足かせになっている。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

929チバQ:2019/07/26(金) 18:53:23
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190726-00010002-nishinp-bus_all&pos=5
認知症女性、かんぽに月25万円 収入13万円、貯金底つく…「これは犯罪だ」次男怒り
7/26(金) 12:08配信 西日本新聞
認知症女性、かんぽに月25万円 収入13万円、貯金底つく…「これは犯罪だ」次男怒り
女性宅に届いた約38万円の保険料の督促状。もう1枚の督促状と合わせると、請求額は約42万円に上った(写真の一部を加工しています)
 昨年6月、山口県山陽小野田市の女性(71)宅を訪れた親族男性が、郵便受けにあった2通の督促状を見つけた。送り主はかんぽ生命保険。滞納分の保険料約42万円の支払いを求める内容だった。

 女性は軽度の認知症を患い、小学校時代から引きこもりがちだった長男(42)と2人暮らし。親族男性が女性宅を探すと、保険証書が次々と見つかった。2017年5月に一度に5件、その後も契約を繰り返し、1年間で11件の保険に加入させられていた。うち5件は、ほとんど同じ内容の終身保険だった。

 女性の収入は年金など月約13万円。保険によって死亡や入院時の保障が受けられるとはいえ、月額保険料は支払い能力を大幅に超える25万円以上に上っていた。

 「分からない。郵便局の人に任せているから」と女性。通帳を確認すると、1年間で支払った保険料は200万円以上。貯金残高は底をつき、かんぽ生命から保険を担保に75万円の貸し付けまで受けていた。それでもすぐに残高不足に。そして督促状が届いた。

 近くに住む次男(37)は郵便局に抗議したが、担当者は「資産家だと思っていた」と釈明した上で「さらに貸し付けを受ければ、お支払いできますよ」と開き直った。半年間交渉した結果、かんぽ生命は昨年12月にようやく非を認め、全額返金に応じた。

 女性の亡くなった夫は郵便局の配達員だった。「郵便局員が人の財産を奪うようなことをするとは思わなかった。これは犯罪だ」。次男の怒りは今も収まらない。

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西日本新聞社

930とはずがたり:2019/08/11(日) 11:11:06

「貧困は暴力や薬物のせいだから自己責任? 日本を見よ!真面目だけど貧困だらけだ」米国メディアの記事に反響
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190807-00010000-finders-bus_all
8/7(水) 12:03配信
FINDERS

アメリカに蔓延する自己責任論を否定

アメリカの大手金融・経済メディアである『Bloomberg』に掲載されたオピニオン記事が、日本国内で大きな注目を集めている。

タイトルは「Stop Blaming America’s Poor for Their Poverty(アメリカの貧困を自己責任にするな)」。執筆したのは、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の准教授のノア・スミス氏だ。

アメリカの保守派は「人々が一生懸命働き、薬物や暴力に依存しなければ貧困にはならない」と自己責任論を展開するが、スミス氏はこの意見に、日本を例に挙げ異論を唱えた。日本人は真面目であるにも関わらず「日本は貧困な人で溢れている」と訴えた。

日本人の勤勉さを数字で解説

スミス氏はまず世界各国の10万人当たりの殺人件数を比較。アメリカは5.3である一方、日本は0.3。日本は暴力から縁遠い国であることが分かる。

また、日本で薬物の訴追は年間1万3000件に過ぎず、しかもこの内3000件は海外で合法化が進む大麻によるもの。片親の世帯も少なく、シングルマザーは約71万2000人で全世帯の2%未満。一方、アメリカは約850万人だ。就業率も77%以上であり、アメリカを上回っている。

真面目な国民性の日本は貧困率が低いと保守派は考えているかもしれないが、実際は真逆であるとスミス氏。日本は国民所得の中央値の半分未満しか稼げない人の割合、つまり相対貧困率が15.7%もあると指摘。この数字はアメリカ(17.8%)より多少低いものの、カナダ(12.4%)、オーストラリア(12.1%)、ドイツ(10.4%)、と比較するとかなり高い水準だ。

日本の抱える貧困問題がSNS上で話題に

スミス氏は「日本の貧困は静かな問題」と明かす。街を見ると一見清潔だが、貧困で苦しんでいる人が大勢存在していて、全体の約14%にあたる350万人の子供が貧困状態にあると述べた。

また、社会福祉に充てる国内総生産の割合を世界で比較すると、日本はほぼ中央にランクインしているものの、その多くは健康保険制度によるもので、福祉に関して日本はヨーロッパに大きく遅れを取っているという。

スミス氏は「アメリカの高い貧困率に対する解決策は、自己責任や道徳的な誠実さとは関係ないでしょう。アメリカは解決策のアイデアをヨーロッパやオーストラリア、カナダに求めるべきです。強力なセーフティネットに代わるものはありません」と結論づけた。

この記事は日本国内でも大きな話題を呼んでおり、SNS上には「貧困は自己責任じゃない」「日本は一部の富裕層を除いて、貧困国に入りつつあると思い知らされた」「こういう取り上げられ方をされる国になってしまったか」「貧困を根性論で片付けたい人もいますが、根本的な元凶は構造の問題」などの意見が挙がった。

世界第3位の経済大国である日本にとっての貧困問題は、とどのつまり格差社会の問題だ。大企業や高所得者優遇の政策は、問題をさらに深刻化させるだろう。貧困問題は政治が真っ先に対策を講じなければならない問題だ。

岩見旦

931チバQ:2019/09/04(水) 17:31:56
https://toyokeizai.net/articles/-/300119
「生活保護でも幸せ」を訴える33歳女性の半生
必要のない洋服や小物をつい買ってしまった
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中村 淳彦 : ノンフィクションライター
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2019/09/04 5:20

この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「生活保護受給者の30代独身女性です。私も声を上げることで、何かの力になれないかと思い、送らせて頂きました」と編集部にメールをくれた33歳の女性だ。
鬱病の症状が悪化して入院
西田朋美さん(仮名、33歳)からメールをもらって、彼女の住んでいる神奈川県のある駅前にきた。西田さんは2年前から生活保護を受給、この駅から徒歩圏のアパートで一人暮らし。古い木造住宅で、家賃は住宅扶助の上限よりだいぶ安い。月3万8000円という。

「先月、鬱病の症状が悪化して入院をしたんです。死のうと思っていたのに、いろいろ人に助けられ、退院してからすごく元気になりました。先週、新しく仕事も見つかりました。記事を読んでいると、貧困に苦しんでいる女性たちには本当に苦しそう。でも、お金がないからって絶望しなくていいし、大丈夫だよって。そう、伝えたいんです」


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鬱病が悪化して、生活保護になった。この2年間は、月8万円弱の生活扶助で日々の生活をするが、どうしてもお金のやりくりが苦手だった。必要のない洋服や小物などを買ってしまって、お金を使いすぎてしまう。

いつもギリギリだったが、先月、月の半分もいかないうちにお金がなくなった。電車賃すらなくなって、食べるものをなにも買えなくなった。そのとき、絶望感に襲われて強く死にたいと思ったという。

「本当に死のうと思って、さあって直前に就労支援センターに電話したんです。すぐに駆けつけてくれて精神科の病院に連れていってくれた。手首の動脈を切ろうって決意して、切る直前でした。死なないで済みました。あぶなかった。それで入院して退院して、元気になって仕事が見つかった。再来月には生活保護から抜けることができそうです」

笑顔だった。退院後、希望が見えたようだ。生活保護受給になって、生涯、弱者として生きなければならないと絶望していたが、希死念慮をきっかけに就労支援施設のスタッフに支えられた。支えてくれる人の存在を知ることで、「自分は生きてもいい」と思えるようになったという。

死にたくなる希死念慮は鬱病の症状だ。自殺行為をしてしまって、本当に死んでしまう人も多い。西田さんにとって先月の自殺願望は大きな出来事だった。そのときの状況を詳しく聞く。

「お金がなくなって、もう死にたいと思いました。こんな人生いやだ、なんでこんなに苦しいんだ、もう死にたいって。私の人生、いつもお金がないことで苦しくなる。本当に苦しいことばっかりだって思ったんです。子どもの頃から一時期は回復したけど、ずっと病気があって人生が苦しかった。ずっと、自分ばっかりが苦しいって」

死のうと決意して、小さな包丁を持って洗面所にいった。水を出しっぱなしにして、手首の動脈を探して思いっきり切ろうとした。

932チバQ:2019/09/04(水) 17:35:45
就労支援センターにSOSをだした
「いま思いだしても、最初は本気で切ろうと思ってました。でも水がジャージャー流れているのをみながら、ちょっとだけ、いまおかしいんじゃないかって気持ちが芽生えた。いったん思考をストップして、落ち着こうって、就労支援センターに電話したんです」

平日の夕方だった。電話には職員がすぐにでた。西田さんは電話に出た相談員に「いま、死のうと思って包丁を持って洗面所の前にいます」と、そのままの状況を伝えた。

「その相談員さんは、もう、それはあぶないからすぐに病院に行きましょうって。家まで来てくれた。それで、病院に同行してくださった。診察されて、先生から入院したほうがいいって、即入院になりました。対応してくれた相談員さんがたまたま福祉歴が長くて、希死念慮があぶないって知っている方だったんです。本当に死んだ人も何にもいるって言っていました」

希死念慮は本当に死にたいけど、本当は死にたくない複雑な状態という。まだ、1カ月前の出来事なので記憶が鮮明にあった。

「どう死ぬのが一番きれいに死ねるか、みたいなことは鬱病になってから常日頃考えていました。希死念慮がはじまると、いつも手首を切る自分の姿が浮かぶ。浅はかな考えだけど、自殺するなら手首を切るって思っていました。あのときは自分には存在価値がない、そんなことを強く思っていた。だから死にたかった」

西田さんは就労支援センターにSOSをだした。そして、職員の適切な行動によって助かっている。彼女の命をつないだのは、人とのつながりだったといえる。

貧困は経済的貧困だけではない。人間関係を失う状態に陥る「関係性の貧困」がある。関係性の貧困は虐待、不登校、引きこもりなどで、家庭や学校、社会に居場所がない人々が陥りがちだ。経済的な貧困と関係性の貧困が合併すると、深刻な貧困状態に陥って命を失いうこともある。それが現代の貧困である。

彼女は生活保護になっても、通っていた就労支援センターに居場所があった。身近な人に電話でSOSの言葉を伝えただけで、自死を思いとどまり、治療する方向にむかった。

入院中、担当医を筆頭に、看護師やソーシャルワーカー、就労支援センターの職員たちが、状態が悪化した西田さんを支えた。すごく感謝をしていることが伝わる。

「生活保護まで落ちてしまって、ずっと自分には存在価値がないと思っていました。でも、そんな私のためにみんなが一生懸命動いてくれて、考えてくれた。入院しながら自分1人ではない環境があるってことに気づいて、だんだんと考えが変わったんです」

病院では服薬をしながらゆっくりと過ごした。彼女は就労支援センターでは最も優秀な利用者のようで、退院して就職活動を勧められた。先日、面接があり、ある企業の障がい者枠で採用が決まった。

933チバQ:2019/09/04(水) 17:36:04
10歳のときに両親は離婚
いま、駅前のカラオケボックスで話を聞いている。両隣から学校帰りの高校生たちが盛り上がる声が漏れてくる。テンションが高い。ここだけでなく、駅前や駅ビルには髪の毛をブリーチして化粧、短いスカートの女子高生がたくさんいた。男子も髪型を決め、制服を着崩している。東京から電車で1時間ほど、若者たちの雰囲気は東京とはまったく違った。

西田さんは子どもの頃から、この街で育っている。母親も近くに住んでいる。「子どもの頃から人生が苦しかった」という。10歳のときに両親は離婚。シングル家庭になって、母親は離婚をきっかけに福祉の仕事をはじめた。現在はケアマネジャーを統括しているという。

「離婚後、小児不安神経症になってしまったんです。母親から離れることができなくなって、仕事を休ませたりしていました。ある日、母親が怒った。ちょっと来いって大きな声で呼ばれて、アイロンを持って私の腰を焼こうとしたことがあった。泣いて家を飛びだして、お友達のお母さんの家に逃げました。母親がちょっとでも離れると、もうそれだけで不安でパニックになるっていう。母親は、本当に迷惑だったと思います」

小児不安神経症とは「子どもが親と離れ離れになることを極度におそれる」疾患で、家のなかでは母親に四六時中ついて歩き、トイレまでついて行ったという。朝、仕事にでようとすると泣いて暴れた。小学校にも行けなくなり、不登校になった。

「学校に問題はなかったけど、大人がいる場所にいたかった。大人が近くにいないと不安になる。学校に行くのもこわくて、不安になってしまう。だから保健室に行って、保健の先生に甘えてたというか。小学校5年、6年は不登校。よく覚えているのは、駐車場で母親だけ買い物に行って、不安になってしまって窓開けて『お母さん! 』って大きな声で何度も何度も呼んだ。それは記憶に残っています。結局、児童養護施設に行くことになりました」

児童養護施設には職員がたくさんいる。不安になる症状はおさまった。高校時代に自宅に戻って、学校にも普通に通学した。無事に卒業した。医療系の専門学校に進学、学費はすべて奨学金を借りた。借りたお金は元金だけで600万円を超えた。

児童養護施設以降は平穏な日常を送っていたが、再び問題が起こったのは専門学校に進学し、スナックでアルバイトをはじめてから。時給1800円で週5日働き、月10万円ほどを稼ぐようになった。

「自分で働くようになってから金銭感覚が崩れました。必要なお金は払ってたけど、お洋服を買うようになったんです。服をすごく買うようになった。貯めたりとかすることなく、全部使う。1万円前後の服をバンバン買って、お金のことはまだ苦しんでいます」

働いたお金を全部使ってしまうのは誰でもある一般的なことだが、本当に苦しんでいるようだ。専門学校を卒業していくつかの仕事を転々として、アパレルメーカーで働くようになって再び買い物に拍車がかかった。

雇用はずっと非正規で、どんな仕事をしても月15万円程の収入しか得ることができない。クレジットカードを使うようになって、奨学金の返済と洋服の買い物で少しずつ赤字家計になった。つねに借金を抱えていたが、アパレルメーカーで社員割引など購買意欲をそそられる環境になって破綻までいく。

934チバQ:2019/09/04(水) 17:36:27
1年間で100万円以上の借金をつくった
「店員は服をいくらか買わなきゃいけなくて、また洋服を買う日々がはじまりました。本格的におかしくなったのはそこから、1年間くらいで100万円以上の借金をつくって、夜スナックとかでバイトしていても追いつかなくなった。母親にバレて、そのときは母親が借金を全部払ってくれました」

借金を肩代わりした母親に徹底的に怒られたが、それでも買い物癖は治らなかった。


クレジットカードで200万円くらいの借金を作っていしまい、自己破産をした(編集部撮影)
「またクレジットカードで200万円くらいの借金を作ってしまって自己破産です。アパレルの後にチェーン系の飲食店で働いたんですけど、連日の長時間労働で重い鬱病になってしまって、カラダが動かなくなった。収入がなくなって、もうどうにもならなくなって2年前に自己破産して生活保護です」

就労支援センターは精神障害や発達障害をなどを抱えている者が、さまざまなとレーニングを受けながら就労を目指す通所施設である。挨拶からビジネスマナー、接客、文書作成、パソコンなどのトレーニングメニューがある。障害の重さはそれぞれなので通所して自主的に学ばなければならない。

「週6日、毎日通ってSSTというソーシャルスキルトレーニングやエクセルの勉強をしました。3カ月前に一度企業に就職できたのですけど、上司にイジメられて辞めました。3週間くらいしか続かなくて、そのストレスでまた鬱病の状態が悪くなって希死念慮が再発した。お金もうまく管理できなくて、どうしても余計な買い物をしてしまう。先月はスピリチュアル系の指輪を買ってしまって、まあ5000円くらいですけど。それで月半ばまでお金がもたなかった。それで自殺しようみたいな感じになってしまいました」

生活保護は8万円弱の生活扶助に家賃補助、就労支援センターへの支払いは教育扶助がでている。8万円弱の金額で光熱費、通信費、衣料、食費などを賄わなければならない。最低限度の生活ができる金額であり、無駄使いをしてしまうと、最低限の生活もできなくなる。

生活保護だと1000円、2000円の無駄使いがダメージが大きく、彼女のように命を捨てようとまで発展してしまうこともあるのだ。

最も問題視されたのは「お金使い」
最も問題視されたのは「お金使い」だった。先日、就労支援センターのセンター長、病院に同行した相談員、生活支援センターのソーシャルワーカー、それに西田さんが集まってカンファレンスが行われた。


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「月のお金の用途をすべて書きだして、1つひとつを検証するみたいなことをしました。携帯を格安に変えようとか、コンビニ弁当ではなく自炊とか。モバイルWi-Fiは解約するとか。それと2000円以上の物を買うときは、必ず誰かに報告して許可をもらうとか。いろいろ心配してくれて、助言してもらって、私はまだ生きていていいんだって前向きな気持ちになれました。自己肯定感がでた、というか」

彼女は貧困で苦しむ女性に、諦めないで誰かに頼れば救われることもある、ということを伝えたがっていた。

「就労支援センターの方々に支援をされたことで、お金があろうとなかろうと、生きていればそれでいいのかな。そう思えるようになりました」

洋服の物欲はなくなった。あとは細かい無駄使いをなくすだけ。就職も決まって、もう少しで生活保護から抜けて普通の生活ができる。生きていいと気持ちがポジティブになってから、日々が充実しているようだった。

935チバQ:2019/09/04(水) 18:15:32
https://toyokeizai.net/articles/-/295722
パワハラですべてを奪われた56歳男性の絶望
子会社へ転籍を命じられ、年収は200万円に
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/08/08 5:30

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「以前より、この記事に取材していただいたら?と提案していた友人が、昨年12月に貧困とパワハラの果てに脳出血を発症して重度の障害者となってしまいました」と、友人の女性が編集部にメールをくれた、56歳の男性だ。
こわばった右手を、一回り小さな掌が包み込む。むくんだ指を1本1本もみほぐしていく。都内の、あるリハビリ病院の一室。右手の主である男性が「あーっ!」と声を上げると、マッサージをしている女性が「痛かった? ごめんね」と語りかける。

親しげな2人の様子は、父娘にも、恋人同士にも見えた。

会社にも社会にも居場所を失った
「友人が昨年12月、貧困とパワハラの果てに脳出血を起こして重度の障害者になってしまいました」


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編集部にこんなメールをくれたのは、会社員のミノリさん(39歳、仮名)。20年来の友人で、IT関連会社のシステムエンジニアだったマキオさん(56歳、仮名)は脳出血により、右半身麻痺や失語症などの後遺症が残り、今も会話が難しい状態だという。大病を患った友人が会社にも、社会にも居場所を失った顛末を、ミノリさんが代わって語ってくれた。

「理不尽だ。労働組合なんて、組合費だけ取って、何にもしてくれない」

いつもミノリさんの愚痴を聞いてくれるマキオさんが、仕事への不満を口にするようになったのは、2005年頃。関連子会社への一方的な転籍を命じられたことがきっかけだった。これにより、月数回の夜勤など業務内容は変わらないのに、600万円ほどあった年収は50万円以上ダウンしたという。

長引く不況の影響もあったのか、転籍後も、収入は右肩下がりの一途。そして、マキオさんは40代半ばで大動脈解離を発症する。さいわい、2カ月足らずで職場復帰できたものの、50歳を過ぎたとき、1度目の脳出血に見舞われた。このときは目立った後遺症はなかったが、会社側の産業医の復職許可が下りず、1年間の休職を余儀なくされたという。

ストレスを受けると、飲食が不規則になる傾向があったマキオさんは、ピーク時で体重が100キロほどあった。休職中は、日々の食事やリハビリ内容を事細かく上司にメールで報告するよう、求められていたという。

ミノリさんは「(会社からマキオさんへの)メールには『起きて行動している間の内容はすべて記載するように』と書かれていました。それに、何かとケチをつけては、報告のやり直しを命じていました」と話す。

あわよくば、このまま退職に追い込みたい――。ミノリさんには、会社側のそんな思惑が透けてみえたという。

936チバQ:2019/09/04(水) 18:15:50
復職したものの年収は200万円に落ち込んだ
なんとか復職を果たしたものの、配属先はマキオさんの専門とは無縁の庶務部門。実際の仕事はトイレットペーパーの補充やポットの給水、郵便物の発送といった雑用だった。400万円近くまで減っていた年収は、夜勤がなくなったことで、さらに200万円に落ち込んだ。

この間、マキオさんは出費を抑えるため、より安い賃貸アパートへの引っ越しを繰り返し、もともと7万5000円だった家賃を、最終的には6万3000円に切り詰めた。それでも、通院費用や薬代がかさんでいたようで、アパートの更新料の支払いや、定期券の購入など物入りの月は、ミノリさんからお金を借りることもあったという。

何より負担だったのは、配属先の職場が自宅から片道2時間もかかる場所にあったこと。病気で体力が落ちていたマキオさんにとって、往復4時間の通勤は相当にこたえた。ミノリさんはこの頃、マキオさんが「体がしんどい。会社は『もっと職場に近いところに引っ越せばいい』と言うんだけど、『引っ越し代は出るんですか?』と聞いたら、『それは出せない』って……」と途方に暮れていたように話していたことを覚えている。

そして、昨年暮れ、2度目の脳出血――。会社からは、病院で付き添うミノリさんの元に、同僚が1人、マキオさんの入館証の回収に訪れたきり。その後の休職手続きなどは、人事部と書類をやり取りするだけで、上司や同僚が見舞いに来ることはなかったという。

「比較的大きな会社なので、通勤時間がもっと短くてすむ職場はあったはずです。針のむしろのような職場に、どんな思いで通っていたのかと思うと……」。なんらかの配慮があれば、2度目の脳出血は防げたのではないか――。そんな思いがぬぐえないという。

ミノリさんは取材のために、マキオさんが元気だった頃の写真や、日記帳代わりにしていた大学ノート、給与明細、業務に関する書類などを持参してくれた。いずれも、マキオさんが倒れた後、自宅を整理していたときに見つけたものだという。

マキオさんが就職したのは、バブル景気真っただ中。ミノリさんが、健康的に日焼けした男性の写真を示しながら、「若い頃のマキオさんです。社員旅行で行ったグアムでスキューバダイビングをしたときのもので、費用はすべて会社持ちだったそうです」と説明する。

超氷河期時代に就職活動を強いられ、派遣社員として働くしか選択肢のなかったミノリさんにとって、会社が費用負担をしての海外旅行など、まるで別世界の出来事だった。マキオさんの旅先での写真は、このほかにもたくさんあったが、家計が厳しくなるにつれて減っていき、ここ10年はほとんどなかったという。

ショックだったのは、大学ノートに走り書きのような文字で「元に戻りたい」「不安」「プレッシャー」などと書かれているのを見つけたとき。「休職していたときのものだと思います。このころは、(上司らによる)面談の後、『能力不足だと言われた』『いつ復職できるのか、教えてくれない』と不安がっていましたから」。

また、給与明細や、賃貸アパートの契約書に設けられた年収欄の記載を年代順に眺めると、年収が次第に下がっていく様子が一目瞭然。直近の預金通帳を見ると、毎月振り込まれる給料はわずか15万円ほどで、さらにクレジットカードのキャッシングなどによる借金が200万円ほどあることもわかったという。

ミノリさんは「(脳出血で倒れてからは)夜勤のない職場になったとはいえ、あまりにも安すぎると思いませんか」と憤る。

マキオさんの意識が戻って以後、ミノリさんはほとんど毎日、会社帰りに病院を訪れ、リハビリを手伝ってきた。手指をマッサージしたり、一緒に童謡を歌ったり。最近は「ありがとう」などの言葉を発することができるようになったほか、箸を使って食事ができるようになったという。

937名無しさん:2019/09/04(水) 18:16:04
両親によって地方都市の施設へ転院
話を聞きながら、私が最も気になったこと。それは、マキオさんとミノリさんの関係だった。2人は20年ほど前、SNSを通じて知り合った。悩みを打ち明け合ったり、一緒にコンサートに行ったり。多くの時間を共にしたかけがえのない存在だが、恋人ではないという。

自分の両親との関係がうまくいっていないミノリさんにとって、17歳年上のマキオさんは「幼い頃に甘えられなかった父親のような存在」。出会った当時は、マキオさんがミノリさんを無条件に甘やかすことで「育て直し」をしてくれ、そして今は、ミノリさんがマキオさんを「赤ちゃんを育てるように」看病しているのだという。

ミノリさんは、あえて表現するなら2人は「大親友」だという。ユニークではあるが、そんな関係があってもいい。ただ、それは法制度の下では、はかなすぎる絆でもあった。

7月はじめ、マキオさんは、両親によって実家がある地方都市の施設へと転院させられた。リハビリ施設も豊富で、何よりミノリさんが毎日、看病できる東京のほうが、回復が見込めるというミノリさんの主張と、早く地元に連れ帰りたいというマキオさんの両親の主張は平行線のまま。両親は意見がかみ合わないミノリさんを敬遠したのか、最後は、転院の日取りすら教えてもらえなかったという。

リハビリの付き添いという日課がなくなってから10日あまりが過ぎた7月20日、参院選の選挙戦最終日。ミノリさんはふいに思い立ち、「れいわ新選組」の演説会に足を運んだ。同党が比例代表で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者である舩後靖彦さんと、脳性マヒで重い障害のある木村英子さんを擁立したことに興味があったという。

ミノリさんはこのときの光景をこう語る。「(演説後)ほとんどの人は、微動だにしない舩後さんをスルーして、山本さん(山本太郎代表)や、健常者であるほかの候補者のところに集まっていきました。中には、舩後さんの足元にぶつかりながら通り過ぎていく人もいて。すぐに山本さんが気がついて、スタッフに舩後さんの足元をガードするように指示してましたけど……」。

ミノリさんは「重い障害のある人が国会に行く。それだけですばらしいことだと思っています」とも言う。一方で、自分の大切な友人は障害を負ったことで、やりがいも、生きがいも奪われた。

もしかすると、人々が舩後さんを「スルーした」のはほんの一瞬のことだったのかもしれない。それなのに、その光景ばかりがやけに脳裏に浮かぶ。そして、会社からも、同僚からも、まぎれもなく冷たくスルーされた、友人の無念を思わずにはいられない。

938名無しさん:2019/09/04(水) 18:16:47
https://toyokeizai.net/articles/-/282822
12年勤続のアルバイト男性が笑顔を見せるワケ
発達障害で人間関係ではつまずいてばかり
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/05/30 5:10

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「僕は高い能力がないので低収入です。大学の初任給が20万円を超えてましたが、年齢の割には一般よりずっと低いです」と編集部にメールをくれた、36歳の独身男性だ。
「どうして彼は生活保護と障害年金(の両方)をもらえるのか?」「(一般枠で採用された会社で働けないなら)障害者雇用枠のところで働け、と言いたいです」――。

コウタさん(36歳、仮名)は、以前、本連載に登場した、ある男性を批判するメールを編集部に送ってきた。この男性はアスペルガー症候群。子ども時代からいじめに遭い、働き始めてからも人間関係がうまくいかず、当時は生活保護と障害年金で生計を立てていた。

一方のコウタさんは20歳代のころに自閉症スペクトラムと診断。同じくいじめられた経験がある。正規雇用の仕事に就くことができず、現在は月収約19万円のアルバイトをしており、このままでは十分な貯金も、1人暮らしも無理だという。

理不尽な生きづらさを抱えている人が、なぜ、同じような生きづらさを抱えていている人をバッシングするのか――。本人に聞きたいと思い、取材を申し込んだ。

「暗黙のルール」がわからない
取材相手とは普通、数回メールをやり取りして日時と場所を決める。ところが、コウタさんからは取材前、10本近いメールが送られてきた。ほとんどが長文だが、論理的。中には、自らの生い立ちや仕事への不満だけでなく、好きなタレントの話や、待ち合わせのときの目印になるようにと、鞄に着けているマスコットの特徴などが書きつづられていた。


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初対面の相手に対する独特の距離感の近さは、発達障害の特徴の1つである。私は面食らいながらも、懸念していたような攻撃的な人ではなさそうだと思い、ホッとした。

実際に会ったコウタさんも人懐っこく、話好きな印象。「大人の発達障害」と言われる人たちの多くが言うように、コウタさんも「(周囲の人間の)本音と建前がわからない」「『空気が読めない』と言われる」「暗黙のルールを察することができない」と言う。

小さいころから、私物を隠されたり、無視されたりするなどの陰湿ないじめを受け続けた。中学では、仲のよい者同士で集まって弁当を食べる習慣があったが、コウタさんはどのグループにも入れてもらえなかったという。「子ども時代にいい思い出はないです」。

専門学校を卒業しても、正社員になることはかなわなかった。やむを得ず、いくつかの会社でアルバイトをしたが、いずれも時給は最低賃金水準。雇い止めに遭ったこともある。

社会人になってからも、人間関係ではつまずいてばかりだという。

友人の長話に付き合ったことについて、SNSに「本当は早く家に帰りたかった」と書いたところ、後日、その友人から「直接言えばいいだろ」となじられた。友人らと食事をした帰り際に「また会おうね」と言われたので、具体的な日時を決めようとしたら、引かれた。女友達にLINEで「貧乳だね」と言ったら、ブロックされた――など。


穏やかな様子で取材に応じてくれたコウタさん(筆者撮影)
自分がされたら嫌なことをしなければいいのでは――。私がそう言うと、コウタさんは同じことをされても、自分は必ずしも不快ではない、という。確かに、コウタさんはいじめや雇い止めの経験を話すときも、どこか穏やかで、時に笑みさえ浮かべていた。よくも悪くも根に持つことがないのか。ただ「ほかの人にとって何が嫌なのか、ピンとこない」。

コウタさんは自らに言い聞かせるように「『またね』は『バイバイ』と同じ、ただのあいさつ。女性に外見のことを言ってはダメ」と話す。失敗のたび、学ぼうとしているのだ。

939名無しさん:2019/09/04(水) 18:17:02
仕事でも発達障害が妨げに
現在は、大型スーパーの物流倉庫内の作業を請け負う会社で働いている。細かいミスを繰り返し、上司からはたびたび「発達障害を言い訳にするな」「できないなら努力しろ」と叱責される。

例えば、荷物を搬送するベルトコンベヤーが停止してしまったときの対応が、コウタさんは苦手だという。コウタさんによると「(停止の原因になっている)荷物を取り除くとき、中でもある程度の重さのある荷物を選んで動かさなくてはならないのですが、その重さの目安がわからない」。軽すぎると、ベルトコンベヤーが正常に動かなかったり、最悪、荷物がつぶれるなどのトラブルにつながってしまう。

「何キロ以上という具体的な決まりがあれば、ちゃんとできると思うんです。でも、上司は『長年やっているんだから、わかるだろう』と。臨機応変な判断が苦手という発達障害の特徴を伝えているのに、配慮をしてくれません」

結局、ベルトコンベヤーの担当を外され、ピッキング作業に回された。
コウタさんはすでに勤続12年だが、この間、時給は下がったことはあっても、上がったことはない。

当初、時給は1000円だったが、大型スーパーが委託先を別の会社に切り替えたとき、コウタさんら従業員もその別会社に移籍、同時に時給が900円台に下げられた。下請け会社がより安い委託料で業務を受注し、労働者の雇用ごと居ぬきで引き継ぐ代わりに賃金をカットするのは、下請け現場の悪しき構図の1つでもある。

その後、しばらくして時給は1000円に戻ったが、再び900円台に。ミスが原因だと思う、という。いずれも事実上の「一方的な労働条件の切り下げ」である。労働契約法で規制された行為だが、いつ雇い止めされるかわからないコウタさんにしてみると、従うしかない。

940名無しさん:2019/09/04(水) 18:17:20
糖尿病が仕事の効率を悪化させる
また、コウタさんは1型糖尿病患者でもある。生活習慣と関連がある2型と異なり、自らの免疫が誤って膵臓を攻撃することで、インスリンが正常に作られない。1日4、5回、インスリン注射の必要があり、医師からは食間を4時間空けるよう言われているが、職場では、荷物の到着時刻に合わせて食事を早めにとるよう指示されることがたびたびある。さらに「怖がる人がいる」との理由で注射はトイレで打つよう命じられているという。

「(食間が短いと)高血糖状態が続くので、ボーッとします。注射のたびにトイレに行くのでその分、休憩時間も短くなります」

ミスが多いことはコウタさんも認めている。一方で、判断に迷ったときは、同僚や上司に確認するなど、彼なりに努力もしている。コウタさんは「優秀な人材」ではないかもしれないが、10年以上勤めても、貯金も、1人暮らしもできない賃金水準に据え置くのは、「障害者は生かさず殺さずでいい」と言わんばかりの処遇なのではないか。

ただ、コウタさんの主張で、1つだけ共感できなかったことがある。

ピッキング作業では、毎日荷物の取り扱い個数が違う。多い日はスピードを上げなければならないが、コウタさんはそのペース配分がわからないという。作業は数人1組で行い、コウタさんは最初にベルトコンベヤーに荷物を投入する係。荷物が多い日も、いつものペースで仕事をしていると、その先で待ち受ける同僚らからもっと急げと、文句を言われる。

私が、持ち場を交代すればいいのではと言うと、「荷物の投入作業は運動代わりにもなり、血糖値が下がるので、交代はしたくない」と訴える。さらに「同僚は、僕が糖尿病だって知ってます。なのに、『仕事は、あなたの血糖値を下げるためにあるわけじゃない』と言うんです」と続ける。私が、さすがにそれは同僚が正しいと思うと言うと、「うーん、そうでしょうか」と黙ってしまった。表情から納得してないのがわかる。

子ども時代に発達障害の専門支援を受ける機会を逸したコウタさんが、周囲の人たちの心情を忖度することは容易ではないのかもしれない。悪気があるわけでも、身勝手なわけでもないが、一緒に働く人もまたストレスを感じているだろう。

途中、気になっていたことを聞いてみた。なぜ、同じ発達障害の人を批判するのか――。

すると、コウタさんは、かつて本連載に登場した男性が生活保護を利用したうえで、さらに障害年金も受給している、つまり二重取りをしていると思い込んでいたことがわかった。また、生活保護は住む場所がない人が利用する制度だという誤解もしていた。

私が、生活保護は地域などによって金額の上限は決まっており、その男性は障害年金を受給し、足りない分を生活保護で補っていたことや、生活保護後は原則定住者しか利用できないことを説明すると、あっさりと納得した。コウタさんは2年前に障害年金の支給を打ち切られた。理由はわからない。そのことも「不公平感」に拍車をかけていたという。

結局、批判は「無知」や「誤解」によるものだった。ただ、「知らないこと」はすべての局面で、免罪符たりえるのか。コウタさんは、勤務先についてこんな話もしていた。

「あるとき、親に『有給休暇はないのか』と聞かれ、初めて有休というものを知りました。今の会社はブラックなので、そんなこと、一度も説明してくれたことがありません」

941とはずがたり:2019/09/06(金) 08:14:12
2018年10月2日 / 11:51 / 7時間前更新
*コラム:イタリア政府予算の「落とし穴」
https://blog.goo.ne.jp/amane-87saki/e/e86a5c96c42a0bc172a5cd9b1fb76965

942チバQ:2019/10/11(金) 10:11:00
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190929-00000004-moneypost-bus_all
ロスジェネ世代の貧困事情、40代ゲイ男性・ダイスケさんの場合
9/29(日) 16:00配信マネーポストWEB
ロスジェネ世代の貧困事情、40代ゲイ男性・ダイスケさんの場合
貧困を感じる時とは…
「ロストジェネレーション」と呼ばれる、就職氷河期世代(現在30代後半〜40代前半)の貧困が指摘されている。非正規雇用でなんとか食いつないでいるが、将来の展望が見えてこない──40代前半の男性・ダイスケさん(仮名)もその一人だ。ダイスケさんの場合、ゲイであることが「日々のむなしさに拍車をかけていると感じる」という。

 アメリカのデータだが、「全米家族調査」によると、異性愛女性の貧困率は21.1%、異性愛男性が15.3%であるのに対し、レズビアンは22.7%、ゲイは20.5%と、同性愛者のほうが若干貧困率が高くなっている。アメリカでは特に、いわれなき差別に遭いやすい地元を飛び出し、職がないまま都市部に流れ込む若年層の同性愛者が多いという事情もあるだろう。

 日本ではアメリカほどの事態は起きていないかもしれない。性的指向によって差別されることはあってはならないが、日本でも現実には、レズビアンにも、ゲイにも、相対的に余裕のない生活をしている人たちはいる。

 ダイスケさんは、年収約120万円とされる「貧困ライン」よりは少し上だが、年収は同年代平均の半分未満だ。

「とりあえず生活には困っていません」
 その日は彼の休日だった。カゴに溜まった洗濯物を持って、アパートの前にあるコインランドリーに向かう。

 ダイスケさんは渋谷区のはずれに住んでいる。家賃5万円のワンルームで、洗濯機置き場がない。ここには20歳頃から住み始め、もうすぐ25年経つ。

「引っ越すのが面倒というのもあるけど、引越代を工面するのが難しくて」

 古着が好きでよく買いに行く。オシャレな見た目で、そこそこモテるようだ。部屋の中もよく整理されていた。

「古い家のわりには小ぎれいでしょ? 家で友だちと飲むこともよくあるからね」

 そう言いながら、少し照れたように自分の坊主頭をなで回した。頭は自分で刈っているらしい。

 部屋にはテレビと大きめのコンポが1台ずつ。電気は床置きの間接照明のみだ。ユニットバスではシャワーを浴びる程度で、湯船に浸かりたいときは銭湯に行く。ひと口の電熱線コンロしかないので、自炊はあまりせず、夕食は牛丼屋やコンビニで買っている。

 台所に、巨大なプラスチックの容器が積まれていた。

「輸入ものの安いプロテイン。5kgで1万円弱」

 体はかなりデカい。トレーナーの上からでも筋肉の太さがわかるほどだ。ジムに行くのが日課で、用事がない限りは毎日足を向ける。東京都内に複数ある、月額1万円弱の24時間ジムだ。ほかに趣味もないし、やることもないから、と力なく笑った。

 ダイスケさんは、就職氷河期真っただ中に大学を卒業し、就職戦線で「敗北」して正社員になることができなかった。派遣社員や契約社員をわたり歩いて、気づけば40代になっていた。30代まではそれでもいくつか正社員の口を探していたが、いまや諦めの言葉ばかりが脳裏をかすめている。

 いまは、コールセンターの契約社員として雇われている。給料は手取りで17万円ほど、ボーナスはない。

「ぜいたくはできないけど、とりあえず生活には困っていないです」

943チバQ:2019/10/11(金) 10:11:14
「友だちの誘いは断りたくない」
 職場の同僚は20代の若者や女性が多く、話も合わないので、特に仲良くはしていない。

 40代の男が独身だと、ゲイなのかと執拗に勘ぐってくる人もいて面倒くさい。必要以上に体を鍛えていることを、ネタにされるのも嫌だ。そうした事情もあって、事務的な会話以外はしないようにしていた。

 ジムに行っても誰ともしゃべらず、黙々とトレーニングする。ゲイの出会い系アプリにメッセージが来て、帰りがけに会うこともあるが、ほとんど「処理」感覚だ。

 もう何年も恋人はいない。そもそも恋愛したいという気持ちになれない。だから、毎日のようにメールや電話のやり取りをする相手はいない。

「年下が好きなんだけど、ほかの40代より稼いでいないし、恋人との時間ってなんだかんだお金かかるから」

 そう言いながら、出会い系アプリの通知を消した。

 ストレスが溜まると、くだらない話をしたくなる。そういう時は、同じくゲイの友だちと居酒屋に飲みに行く。だいたい週1回程度だ。

「同世代でつるみます。そのせいかわからないけど、学生が行くような安い居酒屋にはみんな行かないんですよね。1人5000円はします」

 そのあとはもれなくゲイバーに寄る。そんなこんなで、ひと晩で1万円使ってしまうこともあるようだ。

「ほんとにつまんないことだと思うんですけど、安いところに行こうよとか、今日はバーに行かないで帰るとか、言いづらいんですよね。見栄っていうか。みんなと同じ土俵で生きている感覚でいたいっていうか」

 今月は少し金銭的に厳しいと感じても、誘われたら断れない。断りたくない。生活が苦しくなることはもちろんわかっている。ゲイバーで飲んでいるときは楽しいが、生産的な時間ではない。翌日、むなしさが襲ってくる時がある。

「居酒屋で自分がクレジットカード払いにして、その場をしのぐこともあります。その月は生活費が赤字ですよね」

背くらべからおりられない
 つい周りを気にしてしまうのは、居酒屋での支払いだけではない。

 同じ年代の友だちのなかには、都心の分譲マンションを購入していたり、広い部屋で彼氏と同棲していたりといった人もいる。まとまった休みには海外旅行をし、ブランド物の「かわいい」服を自由に買っている人を見て、うらやましくも思う。

「楽器をやっている友だちとか、カメラが趣味の人とかもいて、いいなあとは思うんですけど。どれもだいたい初期投資にお金かかるし、自分には無理ですね」

 自分の年齢から新しく趣味を始めるのにも、どこかハードルを感じる。「きらきら」とした周囲の生活に憧れ、嫉妬する自分がいる。くらべるものが無いのに、一生懸命背くらべしようとしてしまう。

「なんとなく生きてこられちゃった。でも、趣味もないし、このまま独りで大丈夫かなって漠然と考えることは増えた」

 ダイスケさんの友人に、急病で倒れて思うように動けなくなった人がいる。生活状態が悪くなり、実家に戻らざるを得なかった。何かがきっかけで仕事ができなくなったら、今の生活すら維持できなくなる怖さを感じた。

「自分の生き方のことでケンカしてから、何年も親とは疎遠。実家を頼ることはできない。不安が止まらない夜は、パタッと倒れて死ねたら楽になれるかなと思う」

 笑いながら言う彼の手は、固く握られていた。

◆取材・文/石田翼(ライター)

944チバQ:2019/10/21(月) 11:19:18
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191021-01611848-sspa-soci
マクドナルド難民になった40代、年収は頑張って110万円。求人はブラック企業ばかり…
10/21(月) 8:54配信週刊SPA!
マクドナルド難民になった40代、年収は頑張って110万円。求人はブラック企業ばかり…
ブラック企業を渡り歩き、中年マクドナルド難民に…平田正治さん(仮名・43歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

リアル天気の子の末路は中年マクドナルド難民
 世の中に報われない努力があるのは事実だ。しかし、貧しい生活を強いられる状況は「努力不足による自己責任」と言い切れるのだろうか。日雇い労働などの不安定な雇用と低賃金を理由に、本来なら寝泊まりが禁止される貸倉庫やゴミ屋敷化したネットカフェに住む人々の存在を報じ、読者から「貧困は自己責任」、「役所を頼れ」といった厳しい声が多数寄せられるなど、多くの反響を呼んだ。

 貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏は、雇用の質の低下が漂流に繫がっているとも話す。

「中高年の貧困者の多くは、職を失う恐怖があることから仕事に対してまじめな人が多い。しかし、有効な求人票はブラック企業ばかりなので、職場環境に耐えきれず、うつ病を発症したことで難民化するケースは数え切れません」

 大ヒット映画「天気の子」でも、主人公がネットカフェやマクドナルドを漂流するシーンが描かれていた。平田正治さん(仮名・43歳)は、運命の女性と出会わなかった場合の主人公の20年後か……。平田さんは専門学校卒業後、契約社員として複数のブラック企業を渡り歩いた。4年前、ついにうつ病を発症。現在、昼は派遣バイトで働き、夜はマクドナルドで寝泊まりしている。

=====

<平田正治さんの漂流年表>

20歳 専門学校卒業後、契約社員に

25歳 初めての転職を経験

26歳 ブラック企業を渡り歩く

38歳 パワハラが原因でうつ病に

40歳 シェアハウスに移り住む

42歳 マクドナルド難民を始める

=====

 マクドナルド難民といえば、’06年頃にコーヒー1杯で24時間営業の店で朝まで過ごす生活困窮者が増えたことで社会問題化したが、まだ根深い問題として残り続けているのだ。

「年収は頑張って110万円ぐらい。深夜の日雇い仕事を入れたいけど、ない場合は24時間営業の店で100円バーガーと水だけで過ごす。初めの頃は渋谷センター街にいたんだけど、早朝に『大丈夫ですか?』と声をかけてくるボランティアが苦手で……」

 そこで下北沢のマクドナルドを“定宿”にしたが、店内で寝泊まりする難民客が増え、深夜は着席できないシステムに変更されてしまった。ほかの店舗も続々と24時間営業を中止しており、平田さんはまたすみかを失いかけている。

「朝までいられる店があっても、横になると店員に起こされる。だから座ったまま寝ないといけないんで、首も肩もボロボロ。頼れる人もいないから、この生活を続けるしかない」

低所得者への家賃補助もない実情
 貧困に苦しみながらも貯金もなく民間の賃貸住宅を借りられない中高年。そんな彼らが公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 藤田氏はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

貧困な人間関係が人生を追い詰める
 また藤田氏は、中高年の漂流者たちの“孤立化”についても指摘する。

「難民化する人の多くは、実家・親族と折り合いの悪い人が多く、人間関係も貧困。友人もなく、身近に救いの手を差し伸べてくれる人がいないんです」

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

【社会福祉士・藤田孝典氏】
NPO法人ほっとプラス代表理事、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書に『下流老人』など多数

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

―[年収100万円の絶望]―

日刊SPA!

945チバQ:2019/10/28(月) 14:27:07
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191027-01613588-sspa-soci
「車中泊難民」50代で家がない…年収100万円、介護離職の過酷
10/27(日) 8:54配信週刊SPA!
「車中泊難民」50代で家がない…年収100万円、介護離職の過酷
車上暮らしを始めて1年が過ぎた篠原雄二さん(仮名・52歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

⇒【写真】3年前25万円で購入した軽自動車

介護離職から家を失い、車上暮らしに
 貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏はこう語る。

「失業しても、家さえ失わなければ生活を立て直すことは可能です。しかし、一度ネットカフェ暮らしや車中泊を始めて住所不定となると新たに住宅を契約することは難しく、そこから這い上がるのは困難なんです」

 日雇い仕事で糊口をしのぐ埼玉県出身の篠原雄二さん(仮名・52歳)は、母親の介護のため正社員として勤めていた自動車工場を離職したが、母親の死後は25万円で購入した中古の軽バンで暮らしている。「車中泊は一時しのぎだ」と飄々と語るが、ストレスの多い車上暮らしも1年がたち、辛さが身にしみる。

「週の大半は、通勤に便利な大宮公園で車中泊してる。夕焼け空を眺めながら公園の水道で体を拭くのが日課だけど、冬は辛いね」

激狭シートで寝る“軽バン”車中泊難民
 愛車に家財道具と母親の遺骨を積み込んだ、篠原さんの車上生活。この夏は2度、熱中症になりかけた。公園の水道は、風呂代わりにも飲料にもなる生活必需品。猛暑日の夜は道の駅の障害者トイレにタオルを敷いて寝たこともあるという。

=====

<篠原雄二さんの漂流年表>

12歳 両親が離婚し、母子家庭に

15歳 中学卒業後、他県で溶接工になる

22歳 建設の現場を渡り歩く

46歳 介護のため退職。地元に戻る

49歳 母が他界し収入が消える

51歳 車中泊を始める

=====

 日雇い仕事には波があり、収入は10万円に満たない月もある。年収は100万円程度。節約のため、1箱のカロリーメイトを朝・晩の2回で分けて食べたり、ドラッグストアの格安菓子パンを食べ、ガソリン代を確保する。不衛生な環境での生活で虫歯も悪化しており、慢性的な歯痛に悩まされている。

生活保護の申請も門前払い
「生活保護の申請もしたけど、『もう一度ハローワークへ行って、それでダメならまた来い』と門前払い。もう行かないね」

 篠原さんのように、介護離職が漂流の引き金になるケースが増えていると藤田氏は指摘する。

「高齢者の介護保険は低所得者ほど利用料負担がのしかかり、自宅での介護が欠かせません。子どもが離職し収入がなくなれば、年金に依存した生活となり、親の死後は生活に困窮。廃墟化した実家からのSOSは後を絶ちません」

946チバQ:2019/10/28(月) 14:27:25
年間9万3000人が、介護・看護離職している
「介護離職ゼロ」を目標に掲げている安倍政権だが、実情は厳しい。平成29年に介護・看護のために離職した人は9万2900人で、10年間で2倍に増えている(厚生労働省「雇用動向調査」/平成29年)。男性3万5800人、女性5万7100人で、年齢では50代がもっとも多い(同)。
 
 費用負担の少ない公営の特別養護老人ホームに入れるのは「要介護3」以上で、都市部では数年待ちもザラだ。民間の有料老人ホームは、月20万〜30万円台かかる施設がほとんど。
 やむなく、親を自宅介護するために仕事を辞める人も多い。だが、50代で離職してしまうと、次の仕事を見つけるのは至難のわざだ。篠原さんのような「介護離職貧困」は、まったく他人事ではない。

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

【社会福祉士・藤田孝典氏】
NPO法人ほっとプラス代表理事、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書に『下流老人』など多数

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収100万円の絶望]―

日刊SPA!

947チバQ:2019/10/28(月) 14:28:21
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191013-01611690-sspa-soci
空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困「ネットカフェにも泊まれなくて…」
10/13(日) 8:54配信週刊SPA!
空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困「ネットカフェにも泊まれなくて…」
太田龍二さん(仮名・48歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

息を潜めて眠る……やむにやまれず空き家に住む人たち
「NPOに届くSOSの中には、空き家から発せられたものも少なくありません。彼らは家賃も税金もかかないからと、勝手に住みついてしまうんです」

 と、社会福祉士の藤田孝典氏が話すように、実際に半年前から神奈川県東部のとある空き家に住みついているのは太田龍二さん(仮名・48歳)。飲食店の経営失敗による借金で首が回らなくなり、知人宅を転々とした後に、空き家に住むことを思いついたという。

「住居侵入罪ではあることは、重々承知している。ただ、家を借りるお金はなく、ネットカフェに泊まるのすら厳しい。逮捕されるのは怖いので、寝袋とリュック一つの『素泊まり』程度に滞在し、1か月住んだら次の空き家に移動しています。

 夜中にちょっと物音がするだけで、スグに起きるという習性が身についてしまいました。だから雨の日、台風の日などは誰も出歩かないから、ぐっすり眠れるんですよ(苦笑)」

 鍵のかかっている空き家が大半のため、ピッキング道具を安く買いそろえたという。

「自転車の鍵を開けるのと、コツは同じです。指紋を残したくないから、ビニール手袋をつけるのだけは忘れないようにしています。こんな生活は一刻も早く抜け出したい。宿泊料は“無料”だから、日雇いで敷金・礼金を貯められるように頑張りたいです」

 貯蓄に成功するのが先か、捕まるのが先か。追い詰められた彼の選択肢は少ない。
 

低所得者への家賃補助もない実情
 貧困に苦しみ貯金もなく民間の賃貸住宅を借りられない中高年。そんな彼らが不法行為に流れる前に公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 藤田氏はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

 平成30年、全国の空き家率は過去最高の13.6%で846万戸に上り、東京都だけで81万戸もが空き家なのである(総務省「平成30年住宅土地・統計調査」概数集計)。各自治体は空き家の活用を検討しており、生活困窮者の支援に使えないだろうか、という声も挙がっている。
 そうすれば、やむにやまれず不法侵入する人も減ると思うのだが、実現への道のりは遠そうだーー。

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

日刊SPA!

948チバQ:2019/10/28(月) 14:28:51
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191008-01610869-sspa-soci
1時間200円のネットカフェに住んで2年目…年収100万・41歳の生活
10/8(火) 8:55配信週刊SPA!
1時間200円のネットカフェに住んで2年目…年収100万・41歳の生活
仮住まいのはずが……ネットカフェに2年定住!
年齢を重ねるほど過酷さが増す「住所不定」の中高年に密着!
 世の中に報われない努力があるのは事実だ。しかし、貧しい生活を強いられる状況は「努力不足による自己責任」と言い切れるのだろうか。週刊SPA!9月10日号に掲載された特集「年収100万円の衝撃」では、日雇い労働などの不安定な雇用と低賃金を理由に、本来なら寝泊まりが禁止される貸倉庫やゴミ屋敷化したネットカフェに住む人々の存在を報じ、読者から「貧困は自己責任」、「役所を頼れ」といった厳しい声が多数寄せられるなど、多くの反響を呼んだ。

⇒【写真】食事は専らスーパーの値引き品だ

「派遣や契約社員を含め非正規労働者は労働人口の約4割と年々増加しています。特に現在の30代後半〜50代は就職氷河期世代だけに、その割合は高い。中年フリーター、日雇いなど低賃金で厳しいけれど食べられる状況にはありますが、“定職”ではないため、何年働いても技術や知見がつかない、通称『非熟練労働者』なんです。

 そんな人たちが就職できるか、と問われたら難しい現状がある。彼らは高給な仕事を奪い合う残酷な椅子取りゲームに参加させられ、競り負けて貧困に陥った人たち。こんな社会状況で“自己責任”と切り捨てられるのはおかしなことです」

 と語るのは、貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏だ。

「失業しても、家さえ失わなければ生活を立て直すことは可能です。しかし、一度ネットカフェ暮らしや車中泊を始めて住所不定となると新たに住宅を契約することは難しく、そこから這い上がるのは困難なんです」

低賃金を捨て上京しても貧困暮らしは続く
 都内のネットカフェを転々とし漂流生活を送っている山形県出身の森和也さん(仮名・41歳)は、まさに当事者の一人。高校卒業後に就職したホテルが倒産し肉体労働を転々とするなか腰を痛め、38歳から中年フリーターに。

=====

<森和也さんの漂流年表>

18歳 高校卒業後、地元のホテルに就職

27歳〜 両親が相次いでがんにより他界

30歳 ホテルが倒産。肉体労働に転職

34歳 椎間板ヘルニアで入院。貯金が底を突く

38歳 夜勤バイトを始めるが腰痛が悪化

40歳 新天地を求め上京。日雇いで働く

=====

「地元では仕事もないから東京に出てきました。ネットカフェは本来1〜2週間程度の“仮住まい”のはずでしたが、正社員にはなれずもう2年目を迎えます」

 彼の“自宅”は、1時間200円という価格の安さをウリにした店で、森さんのような“その日暮らし”の漂流者が多く集まるスポットだという。

「この店、シャワーが無料で利用できるし、ドリンクバーだけではなくアイスも食べられちゃう。部屋にジュースを持ち込んで、ペットボトルに詰め替えもしていますね(苦笑)。便利なんですけど、年齢的に体がキツい。ベッドで寝る暮らしがしたいですね」

 ネットカフェのシャワーでは、体と同時に服も洗うという。いま持ち歩いている荷物は「服ばかり。現場用の作業着も2着ある」。ほかの生活用品はネカフェで賄えるそうだ。

 現在は日雇いで時給1200円を稼ぐものの収入は安定せず、家を借りるお金は貯まらない。

「年収は100万円ぐらいだから食事は24時間営業のスーパーで、深夜になると半額になる200円弁当や50円のおにぎりです。増税でネットカフェの料金も上がるし、ますます生活は厳しくなりますね」

 森さんは今日も彷徨っているが、公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 社会福祉士の藤田氏(前出)はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

日刊SPA!

949チバQ:2019/10/30(水) 22:26:09
https://toyokeizai.net/articles/-/310708
54歳男性の貧困は本当に誰のせいでもないのか
新聞配達を手伝わされ、高校も行けなかった
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/10/30 5:25

「学校に行きたい」と言うと殴られた
いつの時代の話? それとも小説の中の出来事? そう思ってしまうほど、タロウさん(仮名、54歳)の少年時代は壮絶だった。

7人兄弟姉妹の長男。新聞販売店を営んでいた父親に、中学2年生のときから朝夕刊の配達を手伝わされた。父親は柔道の有段者で、ささいなことで子どもたちを殴る蹴るしては、止めに入る母親を投げ飛ばしたという。タロウさんにとって、部活も友達付き合いも、別世界の話。学校は休みがちで、なんとか入った高校も、父親から集金や営業の仕事もこなすように言われ、夏前には退学させられた。


この連載の一覧はこちら
「『家族のために子どもも働かないと食べていけない』というのが父の口癖でした。台風の日に自転車ごと倒れたことや、40度近い熱を出しながらマンションまで行ったこととか、新聞配達には、苦しい思い出しかありません。『学校に行きたい』と言っても、殴られるだけ。顔や頭が腫れて登校できないこともありました。

父は酒もよく飲んだし、外に女の人をつくっては、家にお金を入れないこともしょっちゅう。給食費の滞納はざらでした。DVなんて言葉もなかった時代、母は『私さえ我慢すれば、いつかは……』という希望にすがるしかなかったと思います。いろんな宗教団体に入ったり、出たりを繰り返しては、(父に負わされた)ケガや腰の痛みに耐えながら仕事に出かけていった姿を覚えています」

結局、両親はタロウさんが18歳のときに離婚。当時、母親が入信していた新興宗教の関係者が父親を取り囲み、なかば無理やりに届けに判を押させたという。

「父は離婚を渋り、しばらく母に付きまとっていました。下の弟たちはかなり年が離れているのですが、今考えると、父は次々と子どもをつくっては、母が別れられないようにしていたのかもしれません。最低な人間でした。でも、今は憎しみとか、恨みとか、そういう感情はありません」

父親の消息は、何年も前、窃盗で逮捕されたという連絡が、ある温泉街の警察から寄せられたのが最後。タロウさんは「今は生死もわからないし、関心もない」と淡々と話す。

とにもかくにも、20歳を前に再出発の機会を得たタロウさん。学歴などのハンデもあったが、数年間の工場勤務を経た後、希望していた編集の仕事を得ることができた。ゲーム雑誌などを発刊する小さな出版社で、やがてライター業も任されるようになったという。

ただ待遇は劣悪だった。何週間も、社内で寝泊まりすることが当たり前だったが、毎月の手取りはたったの16万円。次第に不眠や倦怠感などメンタルに不調が現れ、ある日、下着1枚で車道を歩いているところを、警察に保護された。覚えていたのは「相模湖で入水自殺する」という目的だけ。なぜ半裸になり、どうやって自宅を出たのかといった記憶はまったくなかったという。仕事にも支障を来し、5年ほど勤めた会社をクビになった。

950チバQ:2019/10/30(水) 22:26:33
付き合っていた女性との間に子どもができた
しばらく体を休めた後、交通警備などを行う警備員として勤務。正社員がちょっとしたミスで解雇されるなど優良とはいえない会社だったが、月収は約30万円と悪くなかった。

このころ、付き合っていた女性との間に子どもができたことをきっかけに結婚。子育てがしやすいという評判の近隣都市に引っ越すため、独学でパソコンの知識を身に付けると、収入水準は維持したまま、コンピューターの保守管理などを担う派遣社員へと転職した。

教育格差も、貧困、暴力の連鎖も何とか断ち切ったかのように見えた。しかし、新たなつまずきは夫婦関係のほころびから始まった。

タロウさんによると、専業主婦の妻はほとんど家事をしなかった。絵を描くことや、ミニチュア模型作りなどの趣味に精を出す一方で、万年床に、洗濯は1週間に1回、台所には汚れた食器が山積み――。話し合いをしても、それらが改められることはなく、口論のさなか、タロウさんは妻を平手打ちしてしまう。結局、タロウさんから離婚を切り出し、親権も手放すし、養育費も払うからと告げて家を出た。10年足らずの結婚生活だった。

妻の反対を押し切って離婚を決めた理由について、タロウさんは「罪悪感」だと説明する。「嫁さんに暴力を振るってしまった。実は、子どもが幼かった頃にも、一度、おしりをぶったことがあるんです。どちらもひどくたたいたわけではありません。でも、衝動的に手を上げていた。私も父と同じ種類の人間だとわかってしまったんです」

いつか、自分も父親と同じ仕打ちをしてしまうかもしれない――。その恐怖と不安に、打ち勝つことができなかった。「幸せでいてくれれば。私のことは、忘れてくれていればいいなと思います」。今は音信不通だという妻子について語るタロウさんの口調は、またしても淡々としていた。

離婚後、タロウさんの暮らしが安定することはなかった。月収30万円の派遣先は、派遣期間が3年を越えるという理由で雇い止めにされた。新たな派遣先では、収入が半減。養育費の支払いは滞り、自己破産を余儀なくされたという。その後、業務委託契約に切り替えることで、収入はいったん持ち直したものの、再びメンタル不調に陥ってしまう。

取材で話を聞いたタロウさんは語彙(ごい)も話題も豊富で、立ち入った質問にも終始穏やかに答えてくれた。尋ねてみれば、派遣先などからの評判は悪くなかったという。タロウさんの人柄もあり、仕事自体は順調だったのだ。にもかかわらず、メンタルは悪化した。リストカットを繰り返し、前回と同じく夜道をさまよっていたところを、警察に保護された。

「カッターで傷をつけて血が出ると落ち着く。落ち着きたいからカッターを手にしてしまう」。タロウさんはそう言って、傷跡が何本も交差する左腕を見せた。

業務委託契約の更新を諦め、蓄えが尽きたころ、生活保護の利用を申請。ケースワーカーの勧めで精神科を受診したところ、「重度のうつ病」と診断された。

さらに、不運は続く。40代後半になったころ、脊髄を支える靭帯の一部が骨のように硬くなる難病「後縦靭帯骨化症」であることが判明したのだ。手術は成功したものの、下半身に麻痺が残った。現在、タロウさんは歩行が難しく、杖が手放せない。日々の暮らしは、毎月約12万円の生活保護で賄っている。

タロウさんは自らの半生をこう振り返る。

「(メンタル不調のたびに)自分は『ぐうたら病』だと思ってきたので、うつ病とわかってよかったです。ただ、うつ病と父親の虐待は関係ないと思っています。派遣社員だったときは、人並みに稼ぎもありましたから、貧しい生い立ちや学歴のせいでちゃんとした仕事に就けなかったわけでもない。難病は不運としか言いようがないです」

だから――。タロウさんは、自らの貧困は「誰のせいでもない」という。

951チバQ:2019/10/30(水) 22:26:48
非正規労働は働き手のメリットがない
はたして本当にそうか。私は専門家ではないので、貧困状態に陥るきっかけとなったうつ病と生い立ちの関係については言及しない。しかし、派遣や業務委託といった非正規労働は、タロウさんの生活を大いに脅かしたのではないか。

タロウさんは、勤続3年で待遇のよかった派遣先を雇い止めにされたが、労働者派遣法が派遣期間の上限を3年までとする目的は、雇用の安定である。同じ労働者を常態的に働かせるならば、企業にも直接雇用の責任を負ってもらおうという趣旨でもあり、3年を越える前にクビにしてよいということではない。

業務委託契約にしても、労災も時間外手当も最低賃金規制もない個人事業主契約である以上、実態が労働者であれば、働き手にとってのメリットは、まずないといっていい。

もし、タロウさんが正社員だったなら、いきなりの収入半減や、うつ病になったからといって即失業といった事態に至る可能性は低い。休職制度や傷病手当金を利用すれば、自己破産や生活保護以外の選択もできたのではないか。私が知る限り、現代の貧困の背景には、必ずといっていいほど、脱法的で、不安定な働かされ方がある。

そう指摘すると、タロウさんは、給与が高く満足していたので、自分が脱法的な働かされ方をしているという自覚はなかったという。ただ、同時に「正社員であることのメリットも感じなかったんです」と話す。

たしかにそうだった……。タロウさんが派遣社員になる前に働いていた工場や出版社、警備会社はいずれも正社員だった。しかし、ここでも、過労死レベルをはるかに上回る長時間労働や、サービス残業、安易なクビ切りは横行していたのだった。

取材中、タロウさんは「私は父と似ている」と繰り返した。父親は暴力を振るう一方で、海で溺れたタロウさんを必死の形相で人工呼吸したり、子どもの1人が幼くして亡くなったときに家族の誰よりも涙を流したりするような一面もあったという。

私には、タロウさんは暴力的な人間には見えなかった。ただ、ゆがんだやり方で“家族”に執着した父と、その父の二の舞になるまいと“家族”を遠ざけた息子と。親子の呪縛は、思うほど容易には解けないのではないかと思った。

うつ病の処方薬を飲みながら、漠然と死にたいと思う「希死念慮」をやり過ごす日々。不自由な体と、生活保護に頼る暮らしは「おそらく一生このままだと思う」と話すタロウさんは今、小説と短歌を書きためているという。

誰かを責めることなく、一貫して優しい語り口で話をしてくれたタロウさんの心の内を知りたくて、タロウさんが短歌を載せているネット上のサイトを訪ねてみた。先日、東日本に大きな被害をもたらした台風の後だろうか。こんな歌が詠まれていた。

「窓を打つ 激し風雨の 音は皆 我を責めると 思い止まらず」

952とはずがたり:2019/10/31(木) 14:35:33
シェアハウスはシングルマザーの助けになる? 母子家庭の厳しい賃貸事情
SUUMOジャーナル2019年10月31日 07:00 0
https://www.excite.co.jp/news/article/Suumo_168170/

シェアハウスはシングルマザーの助けになる? 母子家庭の厳しい賃貸事情
母子世帯は、公的な住まいの支援策も乏しく、収入が不安定とされるため賃貸の入居を断られるケースが少なくないという。そんななか、母子世帯の貧困や孤独を防ぐために、不動産事業や介護事業を担う企業や、自治体などが、空き物件などを活用してシングルマザー向けシェアハウス事業に乗り出している。実際のシングルマザーの住まい事情や、専用のシェアハウスについて、住宅福祉に詳しい日本学術振興会特別研究員の葛西リサさんにお話しを伺った。

953チバQ:2019/11/08(金) 16:58:18
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/556646/
期末手当新設で月給減 非正規公務員、悲痛な声 来春新制度 遠い待遇改善
2019/11/4 6:00
西日本新聞 一面 斉藤 幸奈
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自治体では非正規職員が多様な業務を担っている=福岡市の中央区役所

 「月給が減らされて生活ができなくなる」。福岡県内の自治体で非正規職員として働く女性から特命取材班に悲痛な声が寄せられた。いまや市町村で働く職員の3人に1人は非正規雇用。保育現場や図書館など住民とじかに接する職場に多く、非正規なしに公共サービスは維持できないのが実態だ。何が起きているのだろうか。

 女性は週5日フルタイムで働いて月給は10万円台半ば。来春から勤務体系が見直され、月給が1万〜2万円減る方向だという。「新たに期末手当(ボーナス)を出すから年収は変わらないと言われるけど、月給が減ると日々の暮らしが立ち行かない。正規職員並みの業務を担っているのに…。私たちは都合よく働くロボットじゃない」

 地方の非正規職員の制度は来年4月から大きく変わる。地方自治法などが改正され、期末手当が支給できるようになる。経験年数に応じた昇給も可能だ。「同一労働同一賃金」が進む民間以上に格差が指摘される非正規公務員の待遇改善が目的だった。

 給与体系を具体的に決めるのは各自治体で、制度設計が大詰めを迎えている。福岡市は期末手当を正規並みの2・6カ月分支給する。一方、月給は3万円ほど下がる職員もいる。市の担当者は「正規職員と業務内容を比較して適正な金額にした。年収で見ると改正前を下回らないようにしている」と説明する。

 期末手当を支給する代わりに月給を下げ、年収は変わらない-。

 「全国の自治体でこうした動きが相次いでいる。年収維持か、アップしてもごくわずか。待遇改善にはほど遠い」。非正規公務員の実態に詳しい地方自治総合研究所(東京)の上林陽治さんはこう指摘する。

 人件費上昇を抑えようとフルタイムをパートに切り替えるほか、正規と比べて初任給を低く設定したり、昇給を抑えたりする自治体が多くあるという。

 自治労総合労働局長の森本正宏さんは「年収がもう少し上がると期待していたが現状は厳しい」と話す。

    ◇    ◇

 自治体側にも事情がある。行政改革で正規の人員削減を求められる中、業務負担は増すばかり。人件費の安い非正規を増やすことでしのいできた。今回、国が先導する「待遇改善」だったはずだが、開始まで半年を切っても財源確保の具体的な形は見えてこない。

 長崎県佐々町は非正規(192人)の割合が日本一高く、全体の6割強を占める(2016年総務省調査)。来年4月以降、期末手当を支給し、試算では最大約5500万円負担が増える。町の予算規模は約60億円。担当者は「国の補助があるのか注視している」。

 他の市町村からも「財源が示されないまま待遇改善と言われても、対応には限界がある」との声が漏れるが、総務省の担当者は「補助については検討中」との説明にとどめる。

 上林さんが提唱するのが、自治体の貯金とも言える「財政調整基金」の活用だ。税収減などに備えたもので、16年度末で全国の基金総額は約7兆5千億円。10年間で8割も増えた。

 上林さんは「このままでは大事な役割を担う非正規職員が辞めてしまい、必要とする人に公共の支援が届かなくなる。待遇改善は公共サービスの質を維持する上での生命線だ」と強調する。 (斉藤幸奈)

【ワードBOX】自治体非正規職員の新制度

 自治体によってさまざまな任用がされていた非正規職員の大半を新設の「会計年度任用職員」に移行し、期末手当が支給できるようにする。2017年に地方公務員法や地方自治法が改正され、施行は20年4月。自治体の非正規職員は約64万人(16年総務省調査)で05年と比べて4割増えた。フルタイム勤務の年収は約200万円で正規職員の3分の1以下とする試算がある。

954とはずがたり:2019/11/14(木) 14:13:36
預貯金ゼロの世帯、単身だと5%超 日銀などが初公表
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https://www.asahi.com/articles/ASLC95216LC9ULFA01L.html
湯地正裕 2018年11月9日20時43分

 預貯金を含めて金融資産を全く持っていない世帯が、単身では5・6%、2人以上の世帯で1・6%にのぼる。金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)が、そんな調査結果を9日発表した。

 この調査は「家計の金融行動に関する世論調査」。6〜7月に計6079世帯から回答を得た。預貯金さえ全く保有していない世帯率を公表したのは初めて。

 預貯金はあるが、当面の引き落…

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955チバQ:2019/11/18(月) 11:09:48
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191118-00010000-nishinp-soci
郵便局の過剰ノルマ、死選んだ配達員 自殺の翌日に届いた自腹の購入商品…妻「何でここまで」
11/18(月) 9:34配信西日本新聞
郵便局の過剰ノルマ、死選んだ配達員 自殺の翌日に届いた自腹の購入商品…妻「何でここまで」
亡くなった夫の勤務状況について説明する女性=9日、大阪市
9年前、苦しんだ末に自殺
 「夫の死を無駄にしないでほしい」。9日、大阪市内であった郵便局員有志による集会。マイクを握った埼玉県の女性(52)が切実に訴えた。9年前の2010年12月、郵便配達員だった夫=当時(51)=は勤務局の4階窓から飛び降りて亡くなった。年賀はがきの販売ノルマ達成や時間内の配達を執拗(しつよう)に求められ、苦しんだ末の自殺だった。

 夫の様子が変わったのは06年。23年間勤めた埼玉県内の郵便局から、郵便物の取扱件数が首都圏有数の大規模局に異動したのがきっかけだった。

 「今日も昼ご飯が食べられなかった」。職場では残業を減らすよう求められたが、慣れない道で配達が思うように進まないと悩んでいた。交通事故などのミスを起こした局員は「お立ち台」と呼ばれる台に上がり、数百人の局員の前で謝罪させられた。「怖い。絶対に上がりたくない」と夫は漏らしていた。

真面目な夫、転売「俺にはできない」
 毎年、年賀はがき7千〜8千枚の販売ノルマが課せられた。金券ショップに転売する同僚もいたが、転売は禁止されており、真面目な夫は「俺にはできない」。自宅には、自腹で購入した年賀はがきが山積みになっていた。歳暮や中元、母の日…。歳事のたびにゆうパック商品も購入。夫は「時間内に配達するので精いっぱい。営業なんかできるわけがない」とこぼした。

 夫は次第に笑わなくなり、休日も外出しなくなった。心配した女性は08年、夫を心療内科に連れて行き、うつ状態と診断された。休職と復職を3度繰り返し、毎年異動希望を出したが、上司からは「病気を治さないと異動させられない」と告げられた。

「何でここまでしないといけなかったの」妻は涙
 10年12月、主治医が再度の休職を勧めたが、夫は「同じ班の人が2人も辞めたので、今は休めない」と断った。それから1週間後の朝、駅で姿が見えなくなるまで手を振って見送ったのが夫の最後の姿になった。

 亡くなった翌日、自宅に荷物が届いた。差出人は夫。自腹で購入したゆうパックの商品だった。「何でここまでしないといけなかったの」。女性は受け取りのサインを書きながら、涙が止まらなかった。

 女性と子ども3人は13年12月、夫が自殺したのは仕事上の心理的負担による精神障害が原因として日本郵便を提訴。会社側は「業務と死亡に因果関係はない」と争う姿勢を示したが、16年10月、異動希望がかなわなかったことや自殺に至ったことに遺憾の意を示した上、解決金を支払うことで和解が成立した。

 9日の集会では、今年3月に局内で自殺した関西の男性配達員=当時(29)=の問題が話し合われた。同僚の局員によると、男性は上司から業務上のミスについてたびたび叱責(しっせき)され、自殺直前に交通事故を起こしていた。

 女性は「社員を追い詰める会社の体質は、全く変わっていない。家族のため、一生懸命働く社員が報われる会社になってほしい」と語った。 (宮崎拓朗)

西日本新聞社

956とはずがたり:2020/01/19(日) 19:18:05

https://twitter.com/miyatachikaa/status/1218553150195585027
宮田知佳
@miyatachikaa
学校での生理用品の無料支給がイングランドとウェールズで開始。英国では女性は生理用品に生涯約55万円支払っているのだそう。生理用品が買えず、生理中に学校に行けない学生が増える近年のイギリス。
毎月くる生理。生活に欠かせない生理用品。毎月かかる出費。だからこそとても重要。#FreePeriods

957名無しさん:2020/01/23(木) 22:13:44
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-326106.html
43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳 翻弄された氷河期世代の今も続く塗炭の苦しみ
2020/01/23 05:35東洋経済オンライン

43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳 翻弄された氷河期世代の今も続く塗炭の苦しみ

43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳

(東洋経済オンライン)

「雨が降る中での渋滞に集中力が切れ、ふと気がついたら急ブレーキをかけて、原付バイクがスリップしてしまった」。昨年7月、飲食店の宅配代行「ウーバーイーツ」の配送員の男性Aさん(43歳)は、東京・世田谷区の環七通りで、転倒事故を起こした。

幸い後続車にひかれるようなことはなかったものの、自宅近くの整形外科に駆け込むと、右肩の亜脱臼、左手首の捻挫、そして全身打撲で全治2週間と診断された。別の病院でのCTスキャンなども含めて、1.7万円程度の治療費の支払いを余儀なくされた。その後社内規定に従い、ウーバーの担当部署宛に事故報告を提出すると、思いもかけない内容の返信メールが届いた。型どおりの見舞い文の後、こんな記載が続いた。

「不注意による事故の場合、配達パートナー様はウーバーシステムへのアクセスを失うことにもなりかねません。厳しい注意喚起ではございますが、今回のようなことが再度あれば、あなたのアカウントは永久停止となるかもしれませんのでご注意下さい」

1月20日発売の『週刊東洋経済』は「『氷河期』を救え!」を特集。バブル崩壊後の不況期に学校を卒業し、長年、就職や生活に苦しんできた就職氷河期世代の置かれた現状を多角的に取り上げている。

配達員は無権利状態
Aさんはこのメールを見たとき、「失笑するしかなかった」という。

「ねぎらわれているのか、脅されているのか……。いずれにせよ、配達中の事故への対応とは、到底思えなかった」

配達員はウーバーとは雇用関係にない個人事業主として扱われている。そのためAさんのように配達中にケガをしても、労災保険の対象外とされる。健康保険や年金など、社会保険料も全額自己負担だ。また警告のようにアカウントが永久停止となれば即座に仕事を失うことになるが、雇用保険の対象にもならない。

昨年10月からは代替策として配達員のケガを補償制度の対象としたが、他方で同11月末には報酬体系を見直して、基礎報酬の単価を引き下げた。Aさんは「ウーバーは手当の引き上げで補填できると言うが、手当は会社側が一方的に決められるもので、何ら収入保証とはならない」と憤る。

Aさんが大学を卒業した1999年は、まさに就職氷河期の真っただ中だった。学生時代のPCショップでのアルバイトをそのまま続け、その後は新聞広告の代理店へと転じた。アルバイトとはいえ、平日、土曜午前のフルタイムで働き、手取りは月に20万円超。社会保険も完備していた。

この仕事を長らく続けたが、業界環境が厳しくなったこともあり、30代半ばで転職を決意した。年齢のこともあり、安定した正社員の仕事を探そうとハローワークにも通ったが、結果は芳しくなかった。

「やってきた仕事内容には関心を持ってもらえても、正社員ではなくアルバイトだったと話すと、面接官はみな態度を一変させた。フルタイムであっても、職歴とは認められなかった」(Aさん)

958名無しさん:2020/01/23(木) 22:15:16
人としてみられなかった
介護業界に飛び込んだこともあった。ホームヘルパー2級(当時)の資格を取得し、デイサービスで入浴や排泄の介助、利用者の送迎の補助などに携わった。「気を抜くと人が死ぬ職場」という緊張感の一方、アルバイトのため手取りは月12万円程度で、貯金を切り崩しながらの生活を余儀なくされた。

精神的に追い詰められ、自転車で都内の職場に向かっていたはずが、気がついたら遠く相模湖にいたこともあった。しばらく欠勤が続くと、所長から携帯電話に連絡があった。「辞めるなら、私物を取りに来て」とだけ告げられた。

「大学を出てからずっと非正規労働者、そして個人事業主として働いてきたが、結局、人ではなく単なる労働力としてしかみられなかった。時代が悪かった、とだけで済まされる話なのか」(Aさん)

Aさんのように、雇用環境が厳しかった1993年から2004年の間に高校、大学を卒業した就職氷河期世代には、希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事を余儀なくされている人は少なくない。Aさんが卒業した1999年などは、未就職卒業者数は実に10万人を超えていた。

大卒以上に希望する就職やその後の転職が難しいのが、高卒や高校中退で社会に出たケースだ。

「高卒はそうとう不利なんだと痛感したのは、正社員の仕事に就こうとしたときだった」。

いまはフリーランスのデザイナーと訪問介護ヘルパーの掛け持ちで働く女性Bさん(42歳)は話す。

いじめが原因で私立高校を2年で中退したBさんは、最初はコンビニのアルバイトとして働き始めた。20歳になって深夜も働けるようになると、時給のよい居酒屋でのアルバイトへと移った。日中時間が空いたこともあり、単位制高校に通い、2年間で卒業した。

高卒資格を得たことで、25歳に初めて派遣会社に登録した。深夜の居酒屋が時給1000円だったのに対して、派遣の時給は日中の事務職で1500円前後。「月収ベースでは同世代の正社員よりもらっていたし、派遣ってすごい、と当時は思っていた」(Bさん)。

数年後、20代後半になり派遣の仕事が契約更新されず雇い止めされたときに、将来に不安を感じるようになった。そこで正社員の仕事を探したが、興味を持った仕事の求人はどれも大卒以上を条件とするものばかり。「このときに、皆が無理してでも大学に進学する理由がよくわかった」(Bさん)。

959名無しさん:2020/01/23(木) 22:16:24
あなたに戻る席はない
小規模な居酒屋チェーンの本部に正社員として雇われたが、終電近くまで働いても残業代はいっさい出ないうえ、試用期間に示された月収15万円が本採用になっても続く始末だった。

30代となり、また派遣社員に戻ったが、2008年秋のリーマンショックに見舞われる。事務職の時給の相場は大幅に下がり、新たな仕事もなかなか紹介されなくなった。「稼いでいた時代の貯金がみるみる減っていくのが怖かった」とBさんは当時の不安な心境を語る。

30代後半にはパチンコホール運営会社の事務職についたが、体調を崩し、急性気管支炎で10日間入院。退院して出社すると退職届が用意されており、「あなたに戻る席はない」と上司から退職を強要される形で職場を追われた。

今はダブルワークで月収15万円程度。メニエール病を患いめまいがひどく、「20代、30代の頃のように、あくせく働くのは難しくなった」(Bさん)ためだ。

社員でも派遣でも、面接のときには決まって結婚、出産の意向を聞かれることにも辟易とさせられた。

「女性が働いて1人で社会生活を送っていくことに、いったい何か問題があるのでしょうか」

リーマンショックによって、Bさんのような事務職以上に甚大な被害を受けたのが、製造現場の非正規労働者たちだ。

2008年秋以降、名だたるメーカーで急激な生産調整が行われ、派遣・請負労働者や期間工など、非正規の人員削減が容赦なく実施された。契約期間の途中で派遣を打ち切るような企業も続出し、「派遣切り」と大きく社会問題化された。

仕事と住まいを同時に失う
「その後もさまざまな仕事に就いたけど、あのクビの切られ方はいちばんショックだった」。現在50歳の男性Cさんは話す。当時、派遣会社から自動車部品メーカーに派遣されていたCさんは、契約期間途中での解雇を通告され、年の瀬に仕事と住まいを同時に奪われた。39歳の時だった。

従来から軽いうつ病だったが解雇後に症状が悪化。福祉施設で働き始めたが2度ほど倒れ、統合失調症と診断された。その後も、生活保護を受給しながら求職活動を続けたが、保護を抜けられる水準の仕事には就けていない。親との折り合いが悪く身元保証人を立てられないこと、そして40代という年齢も大きなハンディとなった。今は地元の福祉作業所に通っている。

「えり好みしなければ仕事なんていくらでもあるといわれるがそれは違う。派遣切りされてから10年強、自分のように今も苦しんでいる人は、少なくないはずだ」

『週刊東洋経済』1月25日号(1月20日発売)の特集は「『氷河期』を救え!」です。

著者:風間 直樹

960チバQ:2020/02/18(火) 15:43:28
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200216-01642744-sspa-soci

年収800万円から生活保護へ。38歳で「ゴミ屋敷から這い上がれません」


2/16(日) 8:55配信

週刊SPA!







年収800万円から生活保護へ。38歳で「ゴミ屋敷から這い上がれません」


大森雄二さん(仮名)38歳


 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。年収100万円台の人たちは、家すら失う事態に陥っているのだ。貧困に苦しむ人たちの住宅事情をリポートした。

⇒【写真】玄関脇の台所
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家賃4万円の木造アパートは腐乱臭が漂うゴミ屋敷

▼大森雄二さん(仮名)38歳 生活保護

「本当は社会復帰したい……でも、這い上がれないんです」

 蓄積した疲労は、思わぬ貧困をもたらすことがある。食品会社の正社員と配送業のWワークで年収800万円を稼いでいたという大森雄二さん(仮名・38歳)。人生が激変するきっかけとなったのは、10年前、残業が続いた冬の雨の夜だった。

「重い荷物を担いだまま路上で転倒し、股関節を骨折したんです。昼の職も失い、いまは生活保護を受給しています」

 大森さんの自宅を拝見するため、板橋区・大山駅からほど近い住宅街に佇む築51年、家賃4万円の木造アパートを訪ねた。天井からはクモの巣が垂れ、床にはなぜかビニール傘が散乱。壮絶なゴミ屋敷とは真逆の爽やかな笑顔で微笑む大森さんの姿は、雑なハメコミ写真を見ているようだった。

「物が多い部屋なので、土足で入っていいですよ〜」

 その言葉通り、玄関から続く4畳二間の部屋は間仕切りの戸が倒壊し、奥の部屋までビッシリとビニール袋や衣類が積み上がっている。ゴミの頂上に座るよう勧められるが、部屋中に漂う腐った卵のような臭いが気になる。

 玄関脇の台所には段ボール箱と衣装ケース、衣類が交互に積み上がる。洗い場の洗面器に入った濁った水は、いつのものかわからないという。

「東日本大震災のときに歪んで閉められなくなった窓のせいで、暖冬の今年でも部屋の中は極寒です。修理したいけど、生活保護にゴミ屋敷だから、大家さんとなるべく接触したくないんです……」

 過酷な環境でも大森さんが飄々としていられる理由は何なのか。
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後遺症と毒親に追い詰められうつ病に

「ここに住んで10年くらい。以前は自営業で年金未払いだった両親に仕送りをするために、がむしゃらに働いていました。今は受給額14万円とバイト代2万円を合わせても年収95万円程度。当然、仕送りできるはずもなく、100円おにぎりをかじる暮らしです」

 だが、働けなくなっても家族から仕送りの催促がやまず、ストレスでうつ病を発症。家族とは絶縁した。

「仕送りのため蓄えがなく、ケガの治療が終わった頃には無一文でした。ハローワークで求職活動は続けていますが、ブラック求人ばかり。昨年ようやくありついた不定期バイトで、糊口をしのいでいます」

 大森さんが“捨てられない”状態になったのは、現在のアパートに住んでからだ。後遺症の関節炎もあり、片づけられない家財道具とゴミが混然一体に積み上がる一方となった。ほかの住民も「全6室のうち5部屋は生活保護受給者。皆、声を潜め生きている」らしく、悪臭が漂っても苦情などはこないという。

「生活保護から抜け出したいけれど、若い頃のようには働けない。求人票を見つめる日々です」

 将来への不安とゴミが、今日も大森さんの部屋に積み上がる。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!2月4日発売号の特集「[年収100万円ハウス]の惨状」より

961チバQ:2020/03/29(日) 22:47:33
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200329-00010001-suitsw-life
【貧困女子】新型コロナウイルスで月収は1万2000円に…貯金ゼロインストラクターの生活崩壊
3/29(日) 10:04配信Suits-woman.jp
女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです 。

鈴木萌奈美さん(仮名・37歳)は、大手スポーツクラブのインストラクターをしており、今回の新型コロナウイルスの問題で、3月の収入が激減したといいます。

「それまで月18万円くらい振り込まれていたのに、3月分は1万2000円くらいになるそうです。しかも、私たち現場のインストラクターには、ジムが休業するとか、閉鎖されるとかそういう連絡が一切ないんです。会社は対応に追われていて、私たちまで手が回らないみたいでした」

それにしても1万2000円は、ひどい話です。

「会社は『お客さまと従業員の健康と安全のため』とか言っているけれど、従業員は収入がなければ死にますよね。その後、微々たる手当などで補填されるのでしょうが、次の支払日に入るお金が1万2000円では、生活できない」

萌奈美さんは離婚したばかりで、一人暮らしのために東京・練馬区内にアパートを契約しました。その直後のコロナショックで、現在、貯金はないとのこと。

「結婚していた元夫もジムインストラクターで、この人は誰にでもいい顔をして、優しい人だからめちゃくちゃモテた。8年間結婚していたのですが、お客さんが家に来たり、元夫のストーカーが、ウチの自転車やペットのワンコに危害を加えたりして、最悪でした。しかもだらしがないから生活費を入れてくれない。暴力も振るわれたし、子供も何回もあきらめた。やっと自由になった先のコロナです。泣くに泣けない」

【貧困女子】新型コロナウイルスで月収は1万2000円に…貯金ゼロインストラクターの生活崩壊
体育大学卒のインストラクターよりも、アメリカの専門学校で学んだインストラクターの方が人気があり、そのことに不満を持っていた。
元夫は別の女性との間に子供ができ、その女性の家でマスオさん状態で生活している
萌奈美さんの両親も離婚しており、どちらの家も遠くお金がないといいます。

「千葉県市原市で兄が食品関連の仕事をしているのですが、この兄も借金まみれ。前から節約に節約を重ねて生活していましたが、これ以上はどうやって切り詰めていいかわかりません」

ここ数年は1度も自宅で風呂に入らず、家の滞在時間を少なくしたり、ティッシュペーパーや砂糖などの消耗品は会社から余剰分を失敬していると語る萌奈美さん。コストがかさむ米は食べず、うどんか水戻しパスタが主食。まとめ買いした卵、胸肉、もやしばかりを食べているそう。

「同じものばかり食べてうんざりしても、それしか食べるものがない。学生時代の友達にも、お金がないことが知られているから、気の毒がって誘われない。友達はオゴってくれるんでしょうけれど、私は施しを受けるのが大嫌いだし、プライド的にも許せない。がんばって生きてきたのに、こんなことになるなんて……正直、死にたいです」

小柄で筋肉質、スリムな萌奈美さんは、37歳という実年齢より若く見えます。胸もお尻もキュッと上がって、スタイル抜群。それなのに肌はガサガサ、ボロボロ。ネイルアートは奇抜なものですが、セルフでやっているからガタガタ。

「生活に余裕は全然ありません。ぶっちゃけますけど、お金がなくて、ホームレス同様になったこともあります。元夫との生活でパニック障害になったこともあり、今でも定期的な診療は欠かせない。スポーツをハードにやっていたので、体はガタガタ。腰痛なども持っているので鍼に定期的に通うなど、メンテナンスも必要なんです」

今までのキャリアについて伺うと、高校生まで陸上をやっており、体育大学に進学。大学時代にダンスに目覚めたのだそう。

「勉強を全くしていないし、陸上もダンスもご飯は食べられない。柔道や剣道なら、警察庁に入る可能性もありますが、ダンスはムリ。同級生で優秀な人は、学校の先生や公務員、教育関連の仕事で正社員で働いていますが、ほとんどが私みたいな非正規です」

学費を出した祖父母から、「莫大な学費がかかったのに、リターンは少ない」と言われたそう。

「結局、私は邪魔者なんですよ。それ以来、祖父母とは絶縁しています。小学校の時、『好きなことや、やりたいことを仕事にしなさい』と言われて育ったけれど、あんなのうそっぱちですよね。好きなことをしていたらみじめな未来が待っているだけ」

不安定な雇用、身体を使う仕事の摩耗感、悪化する持病の腰痛、利用者のストーキング……スポーツインストラクターは、社会的な弱者だと感じている。続編に続きます。

962チバQ:2020/04/02(木) 13:21:53
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00010008-nishinpc-bus_all

「仕事、今年はないかも」収入途絶え…女性の憤り コロナで“派遣切り”再来


4/2(木) 10:44配信

西日本新聞







「仕事、今年はないかも」収入途絶え…女性の憤り コロナで“派遣切り”再来


イメージ(写真と記事本文は直接関係ありません)


 新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで、派遣社員やパート従業員など非正規労働者の雇用環境が急速に悪化している。観光業や製造業では、自粛による需要の「蒸発」で雇い止めや派遣切りの動きが出ており、労働組合への相談も急増。感染拡大の影響が長期化することで、2008年のリーマン・ショック後より厳しい状況に陥りかねないとの見方も出ている。

【写真】「侍マスク」口コミで広がり…静かな反響

 「今年は仕事がもうないかもしれない」。こう不安を吐露するのは、海外旅行の添乗員歴約25年の女性(55)。大手旅行会社の派遣社員として働いてきたが、3月に入ってからは予定していたツアーが全て中止になり、収入が途絶えた。

 旅行会社の傘下にある派遣元から補償の説明はなかった。掛け合うと、代わりに家電製品やランドセル販売員や引っ越しといった不慣れな仕事を勧められた。「派遣社員だからといって都合よく使うのか。一定の補償をしてほしい」と、女性は憤る。

 労働組合には、非正規雇用の人からのこうした相談が止まらない。3月30、31日に連合(東京)が行った緊急電話相談では168件のうち7割が非正規雇用。電話はひっきりなしに鳴り続け、取れなかった電話も約400件に上ったという。

 相談で目立つのは、無給で出勤停止にされるといった法令違反が疑われる事例。インターネットで加入できる「ジャパンユニオン」(東京)の菅野存(あり)執行委員長は「コロナ対策を名目にした不当な扱いは許されない」と語気を強める。

 非正規雇用はリーマン直後の09年の1727万人から増え続けており、19年は2165万人。近年は高齢者の割合が2割とリーマン時よりも増えている。

 厚生労働省によると、新型コロナ関連で解雇されたり雇い止めされたりする見込みの人は30日時点で正規雇用も含め1021人。日本総研の山田久氏は「リーマンよりも影響が長期化する可能性がある。1年はみておいた方がいい」とした上で「年金が少ないシニアもおり、政府はセーフティーネットをしっかりと張り巡らせる必要がある」と指摘する。 (一瀬圭司)

963チバQ:2020/04/08(水) 21:43:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9529c2056cc7fc1f46d30102e2d1604ccb8c8fc
このままでは4000人が行き場を失う。新型コロナ、東京都の住宅支援は500戸のみ
4/8(水) 16:22配信

BuzzFeed Japan
AFP=時事

政府の緊急事態宣言に基づき行われる東京都の緊急事態措置。ネットカフェに休業要請が出た場合、そこで生活する4000人が行き場を失うおそれがある。東京都は4月6日、補正予算12億円を計上し、住居を失った方への一時住宅等の提供を行うと発表。だが、この予算で確保できる一時住宅は500戸だけだ。今後さらに、職と住まいを失った人が増加することが見込まれる中、路上生活者や生活困窮者支援を行う現場では、500戸では「全然足りない」と懸念する声が上がっている。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

ネットカフェで暮らす人も対象と都知事は言及

小池百合子東京都知事が4月6日、223億円の補正予算で取り組むことを発表した6つの支援策。そのうちの1つが、新型コロナウイルスの影響による失業等に伴い住居を失った方への一時住宅等の提供だ。

小池知事は会見で「今回ウイルスの影響で失業される方が多数出ておられる。住む場所も失ってしまう。そういった方々に一時住宅等を提供する」と説明した。

ネットカフェが休業した場合に行き場を失う4000人も今回の事業の対象となるのかという質問には、「まさしくご質問にありましたようなところで、実は寝泊まりもされておられるという方々がいる。こういった方々が仮の住まい、滞在できる場所を確保することを念頭に置いたものでございます」と回答している。

今回の一時住宅提供の対象には、現在生活保護を受けている人など、新型コロナウイルスの影響を受ける以前から失業していた人は含まれるのか?

BuzzFeed Newsの質問に対して、東京都福祉健康局の内藤淳局長は「今回のことはあくまで、コロナウイルスの関係でお住まいを失った方への措置です。そこに何らか区別をつけることはできないのかなと思っております」と答えた。

12億円、確保できるのはプラス400戸

12億円という限られた予算で都はどこまで対応することを想定しているのだろうか。

都の福祉健康局の担当者は、すでに確保している100戸にプラスして400戸確保し、合計で500戸の一時住宅を用意すると語る。

都はこうした一時住宅の確保を急ぎ対応しており、これまでの取り組みの中で連携してきた先や都営住宅の空室などを活用する方向で進めているという。だが、「まだ契約には至っていない」と担当者は取材に明かした。

東京都では「合計500室確保できるまでは、一旦ビジネスホテルを借り上げる形で対応を予定」しており、「現在、新宿区のビジネスホテル借り上げのめどが立っている」という。

路上生活者の支援団体は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、仕事と住まいを失う人が今後増えると警鐘を鳴らす。そんな中、確保を予定している500戸だけでは、行き場を失うことが予想される4000人に対しても支援の受け皿が足りない状況だ。

都の担当者も「昨日の会見で発表された補正予算でできる対応では足りない。足りない部分は増やさざるを得ない」と認めている。

964チバQ:2020/04/08(水) 21:43:30
支援受けるため、収入減少の証明も?
時事通信

担当者によると今回対象となるのは、「都内に直近6ヶ月以上滞在している方たち」。「すでに路上生活を送っている方は別のホームレス対策の支援で、生活保護を受けて生活している方もそちらの仕組みで対応する」という。

一方で、「ネットカフェで新型コロナウイルスが感染拡大する以前から収入不安定だった人はどうするのか。その点については線引きが難しいところ」と認識を示した。

「収入減少の証明については、ある程度聞き取りで確認する形になると思われます。ただし給与が手渡しだと確認できないためケースバイケースになると思われます」

「別々の枠組みで支援するのは非合理的」
4月3日、東京都に緊急要望書を提出する稲葉剛さん

一般社団法人つくろい東京ファンドの代表で、路上生活者の支援を続ける稲葉剛さんが指摘するのは、「東京都の住居喪失者への聞き取り調査でも、ネットカフェ以外に寝泊まりをしている場所として『路上』をあげている人は4割以上いる」という実態だ。

そのため、「両者を別々の枠組みで支援するのは非合理的」だと語る。

「支援策が従来の住居喪失者対策(東京チャレンジネット事業)の枠組みを踏襲しているため、都内に6ヶ月居住などの要件を満たすことができず、実質的に利用できない人が続出してしまう危険性があります」

「従来の枠組みに固執するのではなく、住まいに困っている人全般が活用できる対策にしてほしいと思います」

ネットカフェが休業した際、行き場を失う人を減らすために一般社団法人つくろい東京ファンドが他の支援団体とともに作る東京アンブレラ基金では、緊急宿泊支援費用を従来の「一泊3000円」から、ビジネスホテル利用を前提とした「一泊6000円」まで引き上げることを決めた。

公的支援が追いつかない中で、路上生活者支援の現場では、新たな取り組みが始まっている。

4000戸確保しても「全然足りない」
時事通信

認定NPO法人もやいの代表理事で生活困窮者の支援を行う大西連さんも、支援策が「足りないのは間違いない」と話し、支援の受け皿は最低でも4000人分は確保する必要があると強調する。

「これから経済状況が悪くなると、新たに住まいを失う人も一定数出てくることが予想されます。その点を踏まえると、4000戸でも全然足りません」

こうした取り組みは本来、緊急事態宣言が発令される4月8日までに準備をしておく必要があった。

「準備をしていないことで生じるタイムラグ」で、不利益を被るのは、「より困難な状況で暮らす人々」だ。大西さんは「そうした人々への想像力が欠けている」と言う。

大西さんはより一層の支援策が必要だと訴えている。

「いま支援にアクセスし始めているのは、日雇い労働や非正規雇用の方々。正規雇用で働いていた人の中から生活が困窮する人が出てくるのはこれからです。ゴールデンウィーク明け頃に実際に困り始める人が現れることが見込まれます」

「この先、困窮する人が出るのは間違いない。それを見越して、今からでも遅くないので行政は宿泊場所をちゃんと確保する必要があるのではないでしょうか」

千葉雄登

965チバQ:2020/04/09(木) 02:56:11
https://news.yahoo.co.jp/articles/74f6376b42955b8a6537a440ec05cff72373ff38
ブラック職場の隠れ貧困女子。電気代も払えず、冷蔵庫が使えない日々…
3/29(日) 8:55配信

週刊SPA!
日々の激務で疲れ切ってしまい、気力のない日々を過ごす……介護士の小谷香さん(仮名・34歳)

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。貧困に喘ぎ苦しむ人たちの劣悪住宅事情をリポートした! 今回は普通のアパート生活でも光熱費が払えず電気が止められている女性を取材した。

ブラックな職場で疲弊し孤立…“普通の部屋”に住む隠れ貧困女性
▼小谷香さん(仮名) 34歳 非正規介護職員

 群馬県在住の介護士、小谷香さん(仮名・34歳)も貧困にあえぐ女性の一人。彼女が住む部屋は木造アパートの1階にある、家賃4万8000円のワンルームだ。

「狭い部屋ですが、ここが唯一安心できる場所。お金には困っているけど住む家がある分、私はマシなほうです。でも実は光熱費が払えず電気は止められています。冷蔵庫が使えないので、食事はスーパーの見切り品ばかり。ネットは隣の部屋のWi-Fiに無断接続しています」

 小谷さんの手取りは、資格手当込みで月15万円程度だが、その業務内容は過酷そのもの。

「夜勤は月3回、17時〜翌10時までの17時間勤務です。夜勤のときは一人で40人の施設利用者を見ているので、仮眠も取りづらい。暴言や暴力も日常茶飯事ですね。体力的にきつく、休日は夕方まで寝て終わってしまいます」

 日々の激務で疲れ切っており、仕事以外の時間は家で横になって過ごしているという小谷さん。新たな出会いを探す気力もなく、隣の家のWi-Fiを無断で使って見るYouTube動画が今の小谷さんの唯一の心の癒やしだという。

結婚なんて夢のまた夢……今日生きていくので精いっぱい
 異性との出会いはおろか、女友達に会う機会も激減、休日は常に一人で過ごしている。

「学生時代の友達は、結婚して育児やパートに忙しく、疎遠になってしまいました。女子会があっても着ていく服がないし、話題にもついていけないので肩身が狭い。“家の電気が止まっている”なんて絶対に言えません」

 電気が通っていないため、冷蔵庫はただの食料庫。菓子パンだけで空腹をしのぐこともあるという。

可視化されにくい女性の貧困
 脱法シェアハウス、ゴミ屋敷、車中泊……と劣悪な環境で生活する低所得者たち。女性の貧困の場合はまた違う事情がある。『東京貧困女子。』の著者で、これまで数多くの貧困女性の取材を行ってきたノンフィクション作家の中村淳彦氏は「貧困女性の住宅問題は男性よりも可視化されにくい」と指摘する。

「男性は住む場所がなくなれば、ホームレスになる人もいるので、かえって行政の支援も届きやすい。一方、貧困女性はどんなに困窮していても、セキュリティの問題から部屋だけは死守しようとすることが多いんです」

 彼女たちは、たとえば2階建ての小さな普通のアパートのようなところで暮らしており、一見すると生活に困っているようにはとても思えない。しかし、実際には、給与のほとんどを家賃にもっていかれ、生活が崩壊しているパターンも多いという。

「よくよく聞いてみると、公共料金を滞納して電気を止められていたり、洗濯機が壊れていて、洗濯板で衣類を洗っていたりと悲惨な状況でしたね。そうした女性の多くは、介護職や地方の団体職員として働く低賃金労働者でした」

 職場と家の往復のみの生活から人間関係が希薄になり孤立してしまうのは、小谷さんに限ったことではない。

「僕はこれまで、ラブホテルを宿代わりにしてカラダを売る中年女性軍団など極端な例も見てきました。それ以外にも月1万円強の公営団地に住むシングルマザーもいましたが、彼女たちは自分たちのコミュニティの中で助け合って暮らしているぶん、貧困女性の中ではいいほうかもしれません」

966チバQ:2020/04/09(木) 02:56:28
孤独な低賃金女性、結婚での貧困脱出も困難?
 一方、普通のアパートに暮らす低賃金労働者の女性は、孤独と過重労働のストレスで、人知れずメンタルを病んでいくのだという。

「圧倒的な孤立状態のせいで、生活保護制度を知らなかったり、そもそも自分が貧困であることを自覚していない女性もいます。結婚して貧困から脱する手段もありそうなものですが、疲弊しきっていて、そもそも結婚という発想に至らないようです」

 真面目に働いている女性が安く買い叩かれる――。彼女たちの貧困は、そんな歪んだ社会構造によって生み出されたものなのだ。

【中村淳彦氏】
ノンフィクション作家。貧困から介護、AV女優や風俗、虐待、借金などさまざまな社会問題について取材・執筆を行う。『東京貧困女子。』など著書多数。座右の銘は「口下手こそ成功する」

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収100万円ハウスの惨状]―

日刊SPA!

967チバQ:2020/04/10(金) 15:45:42
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200410-00234300-diamond-soci

コロナ失業と30万円給付の壁に悲鳴を上げる「夜の街」の女性たち


4/10(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン







コロナ失業と30万円給付の壁に悲鳴を上げる「夜の街」の女性たち


新型コロナの影響は、夜の街で働く女性たちにも脅威を与えている。生活不安の実態とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA


● コロナ禍で収入半減、そして休職 ベテラン風俗女性の3カ月

 カオリさん(仮名・41歳)は、18歳の時から九州の大都市の歓楽街で働いてきたベテランセックスワーカーだ。ヘルス、ソープを含め、幅広い形態の職業経験を積んできたが、近年はデリヘルを中心に働いている。新型コロナウイルスによる影響は、当初、客の変化として現れた。

【この記事の画像を見る】

 「お客さんが職場でコロナ対策やクレーマー対策に追われたり、失業するかもしれない状況だったりして、ストレスいっぱいで。それで私たちのところに癒しを求めに来る、みたいな」(カオリさん)

 日本初の患者が確認されたのは、1月15日だった。1月中旬から下旬にかけての報道は、日本企業の中国工場の閉鎖、中国との輸出入の困難化が日本にもたらす影響、そして中国での徹底した都市封鎖や移動制限に集中していた。テーマパークなど接客業の一部では、従業員のマスク着用が認められ始めていたものの、いまだその是非が取り沙汰される状況だった。

 2月に入ると、マスクをはじめとする衛生用品の買い占めと品不足、そして高額での転売に注目が集まった。また、豪華クルーズ船内での集団感染が注目されたのも、同月であった。もしかすると、カオリさんの仕事にも影響していたのかもしれない。売上は1月の半分程度にまで減ったが、「もともと2月は閑散期だから、気にしていなかった」という。

 ところが、3月に入っても客足は回復しなかった。接客を全くしない日が、2日続いたりもした。

 「3月の始めは少しだけ持ち直したんだけど、新型コロナ騒動がニュースで取り上げられるたびに、お客さんが減っていった感じ。そのうちに新規のお客さんが全然来なくなって、本指名(リピーター)のお客さんがほとんどになった。気がついたら、お店全体のお客さんの数も減っていって、1月の半分くらいになっていて。『これは尋常じゃない』と気がついた」(カオリさん)

 報酬は、完全出来高払い。ベテランで常連客が多数いるカオリさんは“稼げる“風俗嬢だ。手取り収入は、1月が80万円、2月は落ち込んでも40万円だった。しかし、3月も40万円程度だったそうだ。

 「お客さんの数にも収入にも波のある仕事なのは、当たり前。2月は毎年のことだったから凌げたけど、3月になっても回復しなかったのは痛かった」(カオリさん)

 それでも、一般的には「高収入」と言ってよいはずだ。問題は、あまりにも不透明な先行きにある。

968チバQ:2020/04/10(金) 15:46:29

● 相手は正体不明のウイルス 志村けんさんの死で本当に怖くなった

 努力と工夫を重ね、平均して月70万円を稼いできたカオリさんにとっても、コロナウイルスの影響は、季節や時節による想定範囲の収入の波を超えていた。3月に入っても収入が回復しなかったことから、精神状態も悪化した。さらに、濃厚接触そのものである風俗の仕事に対して強い不安を抱くようになり、働き続けることが困難になった。

 「コロナのことはニュースで知っていたけれど、かかってもお年寄りが死ぬだけという認識だった。本当に『怖い』と思ったのは、3月29日に志村けんさんが呆気なく亡くなったとき」(カオリさん)

 相手は、いまだに正体が充分に判明していないウイルスだ。人間の平常時のプロ意識が通用するとは限らない。

 そして3月30日、東京都の小池知事は、バーやナイトクラブなど「夜の街」の産業の営業自粛を求めた。4月8日、東京都・大阪府・福岡県を含む7都府県を対象とした緊急事態宣言が発効するにあたり、東京都はバーやナイトクラブに休業を要請する方針とした。働けなくなったカオリさんは、このまま働く場も失う可能性がある。
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● 1世帯あたり30万円の給付に 立ちはだかる多くのバリア

 新型コロナウイルスの感染拡大により、減収や失業に直面している人々は少なくない。日本の「コロナ失業」の実態はいまだ明らかになっていないが、政府は多様な支援を用意している。「ツッコミどころ」は多いものの、とにかく、支援メニューは存在する。このことの意義は、過小評価すべきではない。

 収入が減少して生活が困難になった世帯に対しては、1世帯あたり30万円を給付する支援策が用意された。また、3月の臨時休校で仕事を休まざるを得なかった保護者に対する賃金保障は、早々と創設され3月18日から受付が開始された。

 当初、風俗業に従事する人々は対象外とされていたが、当事者団体をはじめとする団体の働きかけにより、見直しが行われた。本稿を執筆している4月9日現在は、いずれの制度も風俗業に従事する人々を排除していない。しかし、安心するのは早すぎる。

 政府への働きかけの中心となったSWASH(Sex Work And Sexual Health)代表の要友紀子(かなめ・ゆきこ)氏は、申請する手続きに含まれる多数のバリアを指摘する。

 「たとえば休校に伴う補償だと、就労場所や報酬の算出方法を具体的に書く必要があります。セックスワーカーの場合、まず、どう書けば良いのかという問題があります」(要さん)

 デリヘルのカオリさんの場合、就労場所は待機する店舗の事務所なのだろうか。それとも、接客を行うラブホテルなのだろうか。さらに報酬にも、同様の混乱が発生し得る。

 「『60分1本、8000円』とか書けばいいんでしょうか。刺激的な追加サービスは『オプションサービス3000円』とか……。そのままでは、役所に提出する文書に書けませんよね。しかも休校による補償では、子どもの氏名や通っている小学校や幼稚園の名前を書かなくてはならないんです」(要さん)

 役所は住民の個人情報を守ることになっているが、個人情報の漏洩や悪用は、しばしば起こっている。さらに、役所で業務に就いているのは、近所の顔見知りや、子どもの同級生の親かもしれない。それ以前に、「どう書けば良いのか」という具体的なバリアがある。

 要さんは厚労省に対して、「業務遂行の場はデリヘルの事務所で良いのか」「報酬算出方法はどう書けば良いのか」といった問い合わせを続けている。明確にならないと、セックスワーカーたちに「こういう制度がありますよ」と広く知らせるわけにはいかないからだ。

 「支給申請書が『こう書けば通ります』、あるいは『支給を認められた人がいます』と言える状態になれば、『自分にもできるかも』『申請してみよう』と思ってもらえます。そこまで、バリアを取り除く必要があります」(要さん)

 さらに、風俗業界には多様な業種があり、雇用形態も様々だ。大規模店舗に雇用されている場合もあれば、個人によるネット売春もある。同じ業種でも、経営者の方針や従業員の都合により、被雇用者であったり個人事業者であったりする。多様な事例のそれぞれで、適切な申請を行うこと自体が、巨大なバリアとなっている。

969チバQ:2020/04/10(金) 15:46:51
● 忘れられがちな人々を 非常時に完全に忘れ去らないために

 国際的な動きもある。4月8日、国際セックスワーカー団体であるNSWP(Global Network of Sex Work Projects)は、国連合同エイズ計画(UNAIDS)とともに、各国政府に対し、新型コロナウイルスの感染拡大に際して、セックスワーカーを置き去りにしないことを要求した。

 他のあらゆる人々と同様に、セックスワーカーも権利と健康を守られる必要がある。現金給付を含む政府の支援対象となるのは当然である。より忘れられやすい存在であるからこそ、救済のための臨時措置の対象外としないため、より一層の努力が政府に求められる。SWASHも、NSWPの加盟団体としてこの動きに加わった。

 しかし、支援を受けるにあたって申請手続きが必要だと、実質的に誰かを置き去りにすることになる。軽度知的障害のセックスワーカーもいる。支援者が寄り添えば申請できるかもしれないが、必要なときに支援者に近寄れる当事者ばかりではない。日常的に差別や偏見にさらされている人々は、困っているときほど、助けを求められなくなりがちだ。


 いずれにしても、申請手続きという高いバリアを乗り越えられない人々は、「自己責任で経済的支援を利用しなかった人」とみなされる。

 「そこですよね。結局は『一律給付しかない』と思っています」(要さん)

 いずれにしても、困窮の中にあるセックスワーカーたちが給付や補償を受け取れない状況が続けば、国連からの圧力が強まり、国際問題に発展する可能性もある。

● 社会における職業の1つとして セックスワークの健康と安全を

 1956年に制定された「売春防止法」は、おおむね制定時のまま、現在の日本に生き残っている。そこに「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない」と明記されている以上、売春は罪悪ということになる。しかしセックスワークに就く権利は、すでに国際的に確立された基本的人権の一部だ。1999年に設立されたSWASHは当事者団体として、身体的・精神的・性的な健康と安全を追求し続けている。

 その観点から、感染症や暴力被害や労働問題にも取り組む。あらゆる意味での健康と安全は、当然どのような職場でも追求される。セックスワークを例外にする必要はない。しかし、セックスワーカーに対する認識や支援は、あまりにも手薄だ。

 「お店の同僚でも、店長でも、ホストでも、困ったときに連絡を取れる人が誰かいれば、生き延びられると思います。人間関係は大切です。でも、現金給付は必要です」(要さん)

 人間を等しく襲う脅威に対して必要不可欠なのは、人間を差別しない普遍的な支援だろう。

 (フリーランス・ライター みわよしこ)
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みわよしこ

970チバQ:2020/04/14(火) 12:00:27
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00000068-mai-soci

「生きていく上で欠かせない場所」 ネットカフェ難民、休業要請に不安の声


4/13(月) 21:16配信

毎日新聞







「生きていく上で欠かせない場所」 ネットカフェ難民、休業要請に不安の声


路上生活を送りながらインターネットカフェを時々利用する男性(右)。「安心して過ごせる場所を失い、不安しかない」と漏らした=大阪市で2020年4月13日午後3時26分、隈元雄太撮影


 新型コロナウイルスの緊急事態宣言から1週間となる14日、午前0時から大阪府による休業要請がスタート。対象の一つがインターネットカフェだ。安定収入がなく自宅のない人にとって、夜を過ごすだけではなく、自分の空間を確保できる貴重な拠点でもあった。大阪府は同程度の料金で宿泊できる施設を用意するが、利用者らの不安は消えない。

 「生きていく上で欠かせない場所。なくなるのは寂しい」。大阪市内で路上生活を送る50代の男性はネットカフェへの休業要請を知り、ため息をついた。

 警備会社に勤めていたが、人間関係に嫌気が差して退職。蓄えを失って家賃が払えなくなり、2年ほど前から路上で過ごす。今は路上生活者の自立を支援する雑誌「ビッグイシュー」を販売した利益が唯一の収入。その中から費用を捻出し、週に1、2回、ネットカフェを利用してきた。

 エアコンで室温が管理されてシャワー室も使え、野宿の疲れを癒やせる貴重な場。体を伸ばせる「フラットシート」を2000〜2500円で9〜12時間使うのが唯一のぜいたくだった。「我々は社会から切り離されて生きている。何が起きているのか、情報収集の場所でもあった」。新聞や雑誌を眺め、インターネットを閲覧するのはささやかな楽しみとも言えた。

 「感染拡大を防ぐため、やむを得ない」。大阪府の休業要請には理解を示す。だが、これまで身を寄せてきた場を失うことには「不安しかない」と頭を抱える。

 店側にも戸惑いや反発はある。大阪市内のある店の男性店長は13日、「運営会社から休業方針に関する説明がない」と話した。この店では2週間ほど前まで、店内で何日も過ごす客が複数いたが、最近は見かけなくなっていたという。「新型コロナによる不況で、利用する余裕もない人が増えているのかもしれない」

 一方、別の店は7日の緊急事態宣言を受けていったん自粛した営業を13日に再開したばかり。除菌剤なども用意して感染防止に努めてきただけに、40代の男性店長は「どういう基準で休業しないといけないのか。休ませているアルバイトへの補償もなく、納得できない」とこぼす。対応が間に合わないため14日も営業を続け、オーナーとも話して休業時期を決めるという。

 大阪府には府が把握するだけで115店ある。府は13日、それらネットカフェで夜を過ごす人たちのため、1泊2500円以下で宿泊できる施設の紹介をホームページ(HP)で始めた。吉村洋文知事が10日に施設を募集し公表する考えを示しており、13日までに受け入れ先となるホテルや民泊施設の計約1600室を確保した。13日午後5時半現在、1500円からの施設もある。府は宿泊施設の追加募集もしており、HP上で随時更新していく。

 ただ、ホームレス支援などに取り組むNPO法人「ホームドア」(大阪市北区)の松本浩美事務局長は「店でネットを使って職を探していた人もいる」と指摘。「休業により、仕事を得る機会が失われることもある」と懸念している。2007年の厚生労働省の調査ではネットカフェに週の半分以上泊まる人の数は大阪市で約1000人と推計された。【隈元悠太、上野宏人、藤河匠、柴山雄太】

971チバQ:2020/04/15(水) 23:06:52
https://digital.asahi.com/articles/ASN4H3R4SN42ULFA035.html?pn=9
コロナ生活苦で「給料の前借り」、ヤミ金並み利息が横行

笠井哲也、新屋絵理

2020年4月15日 19時00分
 新型コロナウイルスの影響でお金の悩みが増えるなか、ネット上などで広がる資金提供策「給料ファクタリング」に要注意だ。「給料の前払い」「ブラックでもOK!」などと手軽さをうたうが、多額の手数料をとられたり、違法な取り立てにあったりする被害が目立つ。「生活が破綻(はたん)する恐れがある」として、金融庁も警戒を呼びかけ始めた。(笠井哲也、新屋絵理)

 闇金被害などの相談に応じる「しもひがし法務司法書士事務所」(東京都)では3月以降、給料ファクタリングの相談が急増した。1〜2月の月50件ほどが、3月は112件に膨らんだ。

 「十数社取引してしまい、給料の額以上になった」「取り立てが闇金のようで怖い」などの声があり、新型コロナの影響で収入が不安定になって使う人が増えたという。下東洋介司法書士は「利用してはいけないと思いつつ、選択肢が他にない人もいる」とみる。事務所で確認している業者は現在60社超にのぼるという。

 3月30日〜4月3日にあった東京の弁護士による給料ファクタリングの被害相談には、全国から40件超の電話があった。「新型コロナの影響で残業手当などが減り、(お金を)返せなくなった」など感染拡大の影響を訴える人も。釜井英法弁護士は「給料ファクタリングは闇金並みの『利息』を払うことを頭に入れてほしい。借金があって苦しければ弁護士に相談してほしい。国の貸付制度もある」と訴える。

年利換算 利息1840%超
 ファクタリングのルールを直接定めた法令はなく、法的な位置づけがあいまいだ。昨年ごろから広がる資金提供手法で、業者は「合法」との立場。貸金業法などの規定の上限利息を超す「手数料」をとっている。

 全国の消費生活センターには昨年以降、相談が相次ぐ。「5万円借りる申し込みをして口座に2万4千円振り込まれた。差額は手数料と言われた。信用できる業者か」(50代男性)、「7万円受け取って半月後に12万円振り込んだ。会社や家族に知らされ、困った」(40代男性)などの声だ。

 トラブルから訴訟になるケースもある。この問題で関係者から注目された判決が、東京地裁(男沢聡子裁判長)で3月24日に出た。「給料ファクタリングの仕組みは、『貸し付け』に該当する」との司法判断だ。

ここから続き
 東京都内の業者が、利用者に未払い手数料を払うように求めた訴訟。利用者はネット上で給料債権買い取りを申し込み、4万円を受け取った。4日後に7万円を業者へ払う約束だった。

 地裁判決は、もともと業者は給料を払う会社からでなく利用者からお金を回収するねらいだったと指摘。このしくみは「貸し付けと同じ機能」とした。年利換算で1840%超の利息の契約となって貸金業法の年利上限を大幅に超え、「無効」と認定。「出資法にも違反し、刑事罰の対象となる」との判断を示した。

 業者は判決を不服として控訴しているが、今後、業者の敗訴が確定すれば、貸金業の登録が必要で、手数料も上限金利(15〜20%)内に抑える必要が出てくる。

972名無しさん:2020/04/15(水) 23:07:04
金融庁も異例の言及
 給料ファクタリングが貸金に当たるとの見解は金融庁も3月6日に公表。「高金利に加えて違法な取り立てもあり、悪質。個人が食い物にされていた」(担当者)と対策に動いている。

 金融庁が法解釈にまで言及するのは異例のこと。目をつけたのは、給料は会社が労働者に直接払うとする労働基準法の定めだ。給料日前に債権として譲渡しても、業者は会社に支払いを求められず、労働者に求める。金融庁はこの構図が「経済的に貸し付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの)と同様の機能を有しているものと考えられる」と指摘した。東京地裁の判決でも使われた論理構成だった。

 参議院厚生労働委員会では3月24日、平木大作氏(公明)が「給料ファクタリングはこれまで法的な位置づけがあいまいで、野放しになっていた」「きちんと貸金業法の対象として規制すべきだ」と指摘。金融庁は「捜査当局などと緊密に連携し、厳正に対処する」と答弁した。

 業者は今後どうなるのか。司法や行政の「包囲網」により、撤退を迫られるとみる関係者もいる。少額の貸し付けが多く、法律の上限金利内だと事業として成り立ちにくいためだ。利用者から不当利得返還請求訴訟を起こされると、利用者が払った全額の返還を求められる可能性もある。

 ただ、一部業者は金融庁の見解後も「(自社は見解に)当てはまらず、貸金と言いきれない」「具体的なスキームは様々」「司法の場で自らのサービスの適法性を訴える」などと主張する。業者のホームページには「勤務先にばれません」「スマホ一つで完結」などの文言が今も並ぶ。

お金に困ったら社協や弁護士に相談を
 生活資金に困った際、まず考えたいのが行政の給付金や貸付金制度の利用だ。

 各都道府県の社会福祉協議会は3月下旬から、新型コロナの影響で失業や休業した人への緊急の貸し付けを始めた。無利子で保証人不要。休業者向けは1世帯最大20万円、失業者向けは原則3カ月間で1世帯最大月20万円(単身世帯は月15万円)を借りられる。市町村には、お金や就職の悩みの無料相談窓口もある。

 東京の3弁護士会の弁護士は先月末にファクタリング被害対策弁護団を結成した。4月20〜24日午前10時〜午後6時には、ホットライン(03・5951・8555)で相談を受け付ける。(笠井哲也、新屋絵理)

給料ファクタリングを巡る考え方
【主な業者の立場】

○利息はとらず、金銭の貸し借りにあたらない(手数料は発生)

【金融庁の文書(3月6日公表)】

○給料ファクタリングの業者は貸金業に当たる

○この見解は捜査機関の判断や司法判断を拘束しうるものではない

【厚生労働省の国会答弁(3月24日)】

○賃金は労働者の生活の糧。使用者(会社)は直接労働者に払わなければならない。賃金債権の譲り受け人(業者)が使用者に支払いを求めることは許されない

【東京地裁判決(3月24日)】

○業者から労働者への債権譲渡代金の交付だけでなく、労働者からの資金回収が一体となって資金移転の仕組みが構築されている

○この仕組みは貸金業法や出資法の「貸し付け」に当たる

    ◇

〈給料ファクタリング〉 現金を早く手に入れるため、企業は販売先から代金を受け取る権利(売り掛け債権)を業者へ売ることがある。ファクタリングと呼ばれるこの取引を給料にあてはめ、給料をもらう権利を労働者が業者へ売り、お金を「前借り」する仕組み。手数料を引いた額を手にし、給料額を業者に後日払う。「貸金業ではない」として年利換算1千%超に当たる手数料をとる業者もある。

973チバQ:2020/04/17(金) 18:44:05
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e7%a6%8f%e7%a5%89%e3%81%ae%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%89%e3%80%81%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e9%9b%a3%e6%b0%91%e3%81%8c%e8%bf%bd%e3%81%84%e3%82%84%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%80%8c%e6%9c%ac%e5%bd%93%e3%81%ae%e8%a1%8c%e3%81%8d%e5%85%88%e3%80%8d/ar-BB12LAEJ?ocid=ientp

新型コロナ福祉のダークサイド、ネットカフェ難民が追いやられた「本当の行き先」







週刊女性PRIME [シュージョプライム]

2020/04/17 18:00
東京都は10日、緊急事態宣言を受けてネットカフェに営業停止を要請したため、都内では多くの店舗が休店。いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる、住む家を持たず、ネットカフェなどに寝泊まりする人たちが今、行き場を失って困っているのをご存知だろうか。

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 都内でネットカフェなどに寝泊まりしている(いた)人は4000人ほど。圧倒的に男性が多いとされているが、なかなか声をあげにくくて調査などからは漏れてしまう女性も多くいて、特に若い女性が目立つ。年代別では30代が最も多く、50代や20代と各年代に散らばる。

 そうした人たちはもともと、正社員で働いていたのに会社が倒産したり、派遣の雇い止めに遭ったりして、そこにたどり着いた。そういう事態は今や、誰にとっても他人事ではないだろう。

劣悪な環境に人を収容

 そこで東京都は、その人たちを一時的にビジネスホテルなどに無料で宿泊してもらう措置をとると発表し、やれやれこれで一安心……と思っていたら、実はそうは動いていないんだという話を、生活困窮者の支援活動を行っている一般社団法人『つくろい東京ファンド』の小林美穂子さんから聞いて、驚いた。小林さんはスタッフやほかの支援団体の人たちと一緒に、10日から支援のためにずっと忙しい日々を送っている。

「今、いちばんの問題はネットカフェから出されて福祉事務所に助けを求める人たちが、次々に無料低額宿泊所に送り込まれていることです。そこがどういう所かの説明も受けず、『迎えの車が来てるから、さぁさぁ』と連れていかれ、契約書にサインをさせられています」

 無料低額宿泊所。

 聞きなれない言葉だが、小林さんの説明によると、無料低額宿泊所、通称・無低は、生活保護受給者を中心に受け入れる、施設で、良心的な施設もいくらかはあるものの、その多くは、悪名高き「貧困ビジネス」の場になっていることが多いという。大部屋にぎっしり二段ベッドを並べたり、6畳ほどの部屋を3つに区切って敷きっぱなしの布団に寝かせるだけといった、劣悪な環境に人を収容する施設が多く、以前から問題になっている。

「しかも入居者が受給された生活保護費のほとんどを持っていかれます。門限もあり、外出外泊には許可も必要。場所によっては長くそこに逗留する牢名主みたいな人がいて、小銭やタバコをかすめとられたりもしますし、弱いものいじめはあたりまえ。人間トラブルから死亡事件が起きたこともあります。

 一般の人たちは、こんなところを役所が重宝しているなんて、とても信じられないでしょうが、そこに留め置かれ、いつまでもアパートへの転宅を許されない人達が全国で3万人いるといわれています」

 生活保護費のほとんどをむしり取り、自由も制限し、高齢者が多くて心身ともに治療が必要な人も放置される。これまで何度かニュースになってきたのに、現在も生活困窮者救済の対策として大手を振ってド真ん中にいる。福祉のダークサイドだ。

「大雨が降った月曜日、ネットカフェを出た青年が福祉窓口を訪れて、生活保護の申請をしたんです。ネットカフェを出てから2日間、野宿をしたあとだそうです。すると、何の説明もされないまま、彼は無低に連れていかれました。

 連れていかれた先は衛生面もひどく、高齢者がたくさんいて誰もマスクなんてしていない。咳き込む人も多い中、もちろん相部屋。そして風呂、トイレは共同。メンタルの問題も抱える青年は出された食事をひと口も食べられず、一睡もできずに朝を迎え、私たちにSOSの連絡をしてきました。しかも所持金がない彼に一週間分の昼食だとして福祉事務所の担当者から渡されたのは、ウイダーインゼリー2個だったそうです。こうした例は彼だけではありません」

974チバQ:2020/04/17(金) 18:44:22
東京都の“逃れよう”とする姿勢

 それでは感染防止のためにネットカフェをクローズした意味が全くない。東京都はビジネスホテルを2000室確保して、ネットカフェから追い出された人たちを無償で泊まらせると発表したのではないか。

 そもそも元からその無低を家として住んでいた高齢の人たちのところへ、もしや無症状で感染しているかもしれない新規の若い人たちを送りこむことは、感染リスクを高める最悪のやり方だ。クラスターになりえる。

「そうです。コロナ感染拡大を防止するためにネットカフェへの休業要請が出て、ネットカフェから出てきたみなさんが福祉事務所に行くわけですが、逆の結果になっています。

 なぜ、そんなことが起きるのかは、東京都が23区や市の福祉事務所に『一義的に無料低額宿泊所を使うべし』という通達をしているからです。感染拡大を止める気があるんでしょうか? ビジネスホテルを確保しているというのに、そこを使わせない。意味がわかりません。

 相談者からのSOSは日に日に切迫してきています。そこで私たちが何度も、何度も、何度も同行するわけですが、この動きを増やせば増やすほどに、感染は拡大します。そのリスクを何倍にも膨らませます。日本の医療にも、経済にも与える影響は甚大です」

 そこで『つくろい東京ファンド』代表の稲葉剛さんが東京都へ強く抗議し、16日夜になって東京都は「本人とのやり取りにおいて民間施設(無料低額宿泊所)等が困難と判断した場合は、ビジネスホテルを使う。民間施設を使う場合も、施設の感染症対策を確認した上で、可能な限り個室で対応する」と新たに発表したそうだ。

 しかし、予断は許さない。“困難と判断した場合は”とか“可能な限り”とか、逃れようとする姿勢が端々から見え、そこに“無低”がある限り、なんとしてもそれを利用しようとするんじゃないか。

 われわれ一般の都民からしたら、なんでそんなことをしたいのか全く意味がわからない。福祉事務所とは、いま困ってる人を助けるのが仕事だと思い込んでいたが、そうじゃないのか? せっかく泊まってもらうためのビジネスホテルを用意したのに、なんで使わないんだろう? ただ「やりました」感を出したいだけなのか? しかも、いざビジネスホテルに泊まれても、それは5月6日まで、それ以降はまた無料低額宿泊所へ逆戻りしろと福祉事務所の窓口担当者は迫るんだという。あまりに、ひどい話である。

「それならばアパートへ転宅をさせてくださいと話を進めますが、もう、いちいち闘わなくてはならない不毛さにウンザリします」

 小林さんとスタッフは、すでにクッタクタだ。家にいなければいけないこの期間、家にいるために取られたネットカフェ休業の措置から、逆に多くの人が東京中を駆けずり回らなくなっているなんておかしい。すみやかに全員をビジネスホテルに移動させてあげてほしいと強く願う。

新型コロナがパンドラの箱を開けた

 それでも小林さんたち支援者たちは屈しない。週末にはネットカフェを出た若い女性からのSOSも受けた。

「ネットカフェ暮らしだった若い女性は、前日から何も食べてないというから、ファミレスでご飯を食べてもらいましたが、『ジュースが飲めるのがうれしい。甘いの久しぶり』って。『もう首吊るしかないと思ったんですけど、私も人間なんですかね、生きたいと思ってしまったんです。それで連絡しました』と言われました。

 こんな思いを若い人にさせていること、こんなことを言わせてしまってることを、私たち年長者は心底、恥じなくてはいけないと思います。この過酷な日々がいつか過ぎたら、日本の人々が異なる価値観を持ち、これまでと違った形の社会形成を始めてほしい。

 そうならなかったら日本人に希望などありません。自己責任で弱者を見捨てることも、生産性で人の価値をはかることも、弱者同士を争わせる既得権を持つ者たちが責められることもなく、権力や経済力の上にあぐらをかき続けるさまも、ぜんぶ霞んで消えればいい」

 本当にそうだ。

 この新型コロナウイルスを生き抜くには、自分だけが助かればいい、では成り立たない。今は会えない人たちとも心の手を結び合い、物心共にシェアしていく以外、この時代を築いていくことは無理だ。自己責任論は最も忌むべき敵だと思う。

「コロナ禍を転機に、福祉を正常化させましょう。今後はネットカフェに暮らすような人がいない社会にしましょうよ」

 と、小林さんは言う。

975チバQ:2020/04/17(金) 18:44:35
「逆を言えば、新型コロナウィルスがこれまで行政が開けようとせず、私たち支援者も開けられなかった“パンドラの箱”を開けたんです。ネットカフェに暮らし、これまで毎日うつらうつらとしか睡眠は取れず、医療にもかかれず、節約のためにシャワーも毎日は使わず、カップラーメンばかり食べながら足も伸ばせずにいた人たちが、ふつうに人間らしい暮らしができるようになれば、禍も福と転じます。

 社会は、少し救われる。もっと早い段階で、支援しなくてはいけなかったことなんです。行政も、前線にいる都の職員も、福祉事務所のスタッフもいまは大変だと思う。でも、それは、これまでのツケが一斉に回ってきただけだから。もう、後戻りをしてはいけない。同じ過ちを繰り返したらダメ。社会もそうした人々をお荷物だと思わないで、一緒に生きていける未来を模索するようになってくれたらいいです」

 災い転じて福となす、にしよう! と必死に頑張る小林さんたちの活動は、いま、これからどうなるんだろう? と不安におびえる私たちに、こんな言い方はおかしいかもしれないが、勇気のようなものをくれる。

 人のためにいま動く人がいる。それを知るだけで少し安心し、よし、私も頑張ろうと思える。共に生きる方法を探れる。なお小林さんたち『つくろい東京ファンド』はホームページに、“相談受付フォーム”を開設しているのと同時に、広く寄付金を募っているのでチェックしてほしい。クレジットカードも使用可能だ。

<取材・文/和田靜香>

976チバQ:2020/04/20(月) 14:06:06
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00010001-nishinpc-soci

「お米も買えない」1日1食…困窮するシングルマザー、涙の訴え


4/20(月) 9:56配信

西日本新聞







「お米も買えない」1日1食…困窮するシングルマザー、涙の訴え


支援団体から無料で食材を受け取るシングルマザーの女性(手前)。3月以降、食材を求める家庭は増えているという=3日、福岡市内


 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、ひとり親家庭の暮らしを直撃している。勤務先の休業や雇い止めを受け、日々の食事すらままならない家庭も出始めている。生活困窮者らを支援するフードバンクの関係者からは、懸念する声が上がっている。

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 「お金がなく、お米も買えない」。3月中旬、北九州市のシングルマザー(41)は区役所に駆け込み、泣きながら窮状を訴えた。

 コロナ感染が深刻化するまでは、身体障害がある長男(19)を市内の介護施設に預け、パーキングエリアの売店でパートをしていた。ところが3月以降、施設側から「感染の恐れがある」と預かりを拒否された。長男は手足が不自由で突然けいれんを起こすこともあるため、付きっきりの介護が必要。やむを得ず一時的に仕事を休んでいる。
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自身は1日1食

 離婚した夫から養育費はもらっておらず、借金もある。フードバンクからの食材を少しでも長持ちさせるため、自身は1日1食で済ませているという。

 次男(17)は通信制の高校に通い、今月末には授業料十数万円の支払いが迫る。「在宅ワークの仕事も見つからず八方ふさがり。どうやって生きていけばいいのか」と途方に暮れる。

 中学2年生と小学6年生の娘2人と暮らす福岡市のシングルマザー(41)は、勤務先のホテルの利用客が半減し、3月中旬から出勤が週1、2日に。9万円程度だった給料はさらに減る見通しだ。消費者金融からの借金も考えるが、返済に苦しんだ過去があるだけに二の足を踏む。「極力借金はしたくないが、このままでは先行きが見えない」

 「辞めてほしい」。小学生の長男(10)と保育園児の長女(5)を持つ熊本市のシングルマザー(34)は、勤務先の飲食店から退職を促され、職を失った。ハローワークに通うが、次の仕事が見つからない。小学校の臨時休校で給食がなくなり食費もかさむ。政府は1人10万円の現金給付を検討しているが、「一時的には助かるが、仕事が見つからなければ生活を立て直せない」とため息をつく。

「どこに頼ればいいのか分からない」

 コロナ感染拡大を受けた公的支援制度は、事業者対象が中心。臨時休校に伴う休業補償制度も、実際に従業員が補償金を受け取れるかどうかは企業側の対応にかかっている。社会福祉協議会の無利子の貸金制度もあるが、限度額がある上に返済も必要。食材を無償で配るフードバンクや子ども食堂がない地域もあり、熊本市のシングルマザーは「食費が浮くなら助かる。でも、どこに頼ればいいのか分からない」と訴える。

 NPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」(北九州市)によると、食材を提供する生活困窮家庭の世帯数は3月に入って約3割増えたという。同法人の白浜貴子副理事長(58)は「以前はおやつなどのニーズが高かったが、今は米を求める家庭が増えている。企業に食材提供の協力を積極的に呼び掛け、支援態勢を強化していきたい」と話した。 (御厨尚陽)

977チバQ:2020/04/20(月) 15:32:25
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00000006-jij-soci

バイト代激減、学生困窮 食費1日300円でしのぐ 学費払えず退学視野


4/20(月) 6:38配信

時事通信



 新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの出勤が減らされた大学生らが困窮している。

 学生団体が実施した緊急調査では、複数の大学生が「学費が払えず、退学を検討している」と回答。収入が激減する事態に直面した学生は「1日300円程度の食費でしのいでいる」と深刻な状況を訴えた。

 埼玉県草加市の大学4年の女性(23)はアルバイト先の飲食店の営業日が少なくなり、3月下旬ごろから勤務に入れなくなった。同月の収入は3割減だったが、「4月はこのままだとゼロになる」と嘆く。

 現在は貯金を切り崩し、食費を1日200〜300円に抑えている。買うものは菓子パンや冷凍うどんばかりで、「野菜は高いので手が届かない。トイレットペーパーなどの値段も上がり、生活に響いている」と話す。

 生活苦から両親のいる山形県への帰省を検討したが、「同居する70代の祖母に感染させるかもしれない」と断念。「妹も大学生なので両親からの援助を受けずに生活してきたが、この状態が長く続いたら相談するつもりだ」と打ち明けた。

 関西圏の大学で構成する「大学スポーツコンソーシアムKANSAI」の実態調査によると、回答した大学生約1400人のうち、4月以降にアルバイト収入が減る見通しだと答えた学生は74.8%に上った。親など家族の収入が減少するとした人も55.6%を占める。

 学生団体「高等教育無償化プロジェクト」が実施中のアンケート調査では、「アルバイトや実家の収入減で退学を考えているか」との質問に数人が「考えている」と回答した。「自営業の父の収入が8割減った。大学を辞めざるを得ないか不安」などと切実な声が寄せられている。

 奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和中京大教授は「緊急事態宣言で学習塾や飲食店など、学生アルバイトが多い業種に大きな影響が出ている」と指摘。「このままだと学費が払えないまま学籍を失う人が出てくる。大学側は延納や分納など柔軟に対応するべきだ」と訴えた。

978チバQ:2020/04/20(月) 20:35:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/96ddadff96e03175ae2cac4f22cf35b377e3a577
バイト激減...嘆く学生 新型コロナ休業、収入断たれ「貯金崩す」
4/20(月) 15:07配信

福島民友新聞
アルバイトのシフトが削られ、収入が減少した男子大学生。今後に不安を抱えている=福島市内

 新型コロナウイルス感染拡大により、飲食店などが苦境に立たされる中、学生たちの間から「アルバイトができず、収入が減っている」といった声が聞かれる。次のアルバイト先を探そうにも働き先がなく、貯金を切り崩して生活する学生も。政府は一律10万円の現金給付をする方針だが、先の見通しは立たず、学生は不安な日々を過ごしている。
 「掛け持ちでアルバイトをしていたけど、両方とも出勤停止状態で...」。県内の大学2年の女子学生(19)は戸惑いの声を上げる。県内のレストランと居酒屋でアルバイトをしていたが、3月下旬ごろからシフトを削られるようになり、今月の出勤日はなし。居酒屋からは「次のアルバイト先を探してもいいよ」と言われているが、レストランからは今後に関する説明はなく、次のアルバイト先も見つかりそうにないことから「どうしたらいいのか」と悩みを抱えている。
 現在はアパートで1人暮らし。家賃は親が支払い、月に7万円程度のアルバイト収入を生活費などに充てていたが、今はゼロ。「仕送りと貯金を切り崩して何とか生活している」といい、「5〜6月くらいに終息すれば何とかなるけど、それを超え、長引けばどうしよう」と不安を口にする。友人たちも同様で「この状況では実家にも帰れない」という。
 県内の大学4年の男子学生(22)は小売業で週3〜5日のアルバイトをしていたが、現在は週1日あるかどうか。月の収入も2万円を切るまでに減少した。「(実家暮らしのため)生活できなくはないけど、かなり厳しい」と漏らす。一律10万円の給付は「もらえる分には良い」というが、「2カ月か、節約しても3カ月しか持たない」と話す。


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