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貧困スレ

917名無しさん:2019/05/27(月) 22:32:32
取材で長年、話を聞いている40代半ばのフリーター男性で、もう正社員になることも家庭を持つことも諦めている人がいます。そんな「心が折れた」人たちの話を聞いていると、この世代にいったい何ができるだろうか、と絶望的になります。

 非正規で働いている人たちは、正社員並みに仕事をし、能力を向上させていても、次のキャリアにはなかなかつながらない。何か手を打たないと、不安定なまま、高齢化していきます。その結果、20兆円近くの追加の生活保護予算が必要になるという予測もあるほどです。

 派遣で働く女性たちもまた、使い捨てにされています。ある派遣の女性が妊娠したことが分かると「不良品」と陰で呼び、「返品したい」と派遣元にクレームをつけた、という話を取材で聞きました。この女性は妊娠中にもかかわらず、雇用継続のために100時間以上の残業を強いられました。

 第1次安倍内閣の「再チャレンジ」をはじめとして、いくつかの政策が打ち出されましたが、結果として就労支援の委託事業者が利益を得たに過ぎなかったように見えます。フリーターが食い物にされただけです。年齢を重ねると非正規労働者の支援は手遅れになりかねず、政治がもっと本気でやっていたらどうなっていただろうと思います。

 著書「ルポ 中年フリーター」の反響で、人手不足の中小零細企業の経営者から、そのように困っている人たちがいるならうちで働いてほしい、という連絡がありました。働き手が足りない企業があるのだから、行政によるマッチングなど、まだ手は残されているのではないでしょうか。

雇用流動化、企業の真意は?
 《ロスジェネ世代が生まれた背景にあるのは、新卒一括採用と終身雇用という日本型雇用システムだ。欧米のように流動性の高い雇用市場が実現すれば、非正規労働者は救われるという議論があるが、それに小林さんは反論する》

 企業側が主導する「雇用の流動化」の議論は、単に不要な人を簡単に解雇するのが目的だと見ています。経団連幹部などへの取材では、バブル世代やうつ病になった社員を切りたいという本音が聞こえてきました。実際、有能な人材はすでに流動化していますから。

 企業が自分たちの責任を棚に上げて、雇用の流動化を求めるのはおかしい。上の世代が既得権益を握っているからロスジェネが苦しんでいる、といった世代間格差をあおるような考えも間違っています。

 中国などへの工場移転によって産業が空洞化する日本で、新自由主義的に、低コスト低賃金によって労働条件を引き下げる流れよりも、好待遇で働いてもらい、高付加価値商品を生む方がいい結果につながるはずです。

 大手企業は、いい人材はいくらでも採れると最近まで思っていたのだと思います。嫌なら辞めてもらって構わないという態度でした。

 一方で、派遣労働が浸透したことで、経営者に人を見る目がなくなりました。派遣やアウトソーシングという形で人材選びを任せて、駄目なら代えればいいという考えが、人の「目利き」を失うことにつながり、現在の状況を呼んだのです。

 私の取材では、昔ながらの企業に業績がいい社が多い。それは、社員を大切にするからです。生活の安定がなければ、人は安心して働くことはできません。明日どうなるか分からないような働き方では、力を発揮できるはずがない。責任を持って雇用を維持することができないような企業は、市場から撤退してもらうしかないと思います。

     ◇

 小林美希(こばやし・みき) 1975年生まれ、労働経済ジャーナリスト。神戸大法学部卒、株式新聞社、エコノミスト誌編集部記者を経てフリーに。著書に「ルポ 保育崩壊」(岩波新書)「ルポ 中年フリーター」(NHK出版新書)など。(編集委員・真鍋弘樹)


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