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貧困スレ

928チバQ:2019/07/26(金) 18:52:28
■目下の心配ごとは「兄の将来」と言うが…

 すでに父親は他界。実家では、母親と兄と同居している。今、マコトさんはこの兄の将来が心配でたまらないという。

 「兄は社会的なことが何もできない。『大人の発達障害』だと思うんです。仕事も、ハローワークで100社応募してやっと決まるという感じ。今のアルバイト先は月収20万円ですが、深夜まで働いても給料が変わらないようなブラック企業です。長く働き続けられるようなところじゃないんですよ。障害者手帳を取るべきだと思って、私が自治体に相談したりしてるのに、やっぱり母は協力的じゃない。家族は私の話を全然聞こうとしない」

 確かに、深夜手当を払わない悪質企業は許すべきではない。ただ、現時点の収入だけを比べたら、マコトさんよりも兄のほうが多いのも、また現実である。

 いずれにしても、現在の月収15万円では、マコトさん自身「どうしようもない」。大学の専任教員になりたいという夢はあるが、博士号がなければ難しいこともわかっている。そう思って、民間企業の転職サイトにも登録をしたが、早々にショックを受けた。

 「提案されるのが、中古車販売店の店長とか、警備員とか、チェーンの飲食店とか、工場内のクリーンルームでの作業とか――。そんな(自身の専門分野とは関係ない)仕事ばかりだったんです。長年、公民連携というテーマを持ってやってきたことを否定されたようで……。現実の厳しさに愕然としました」

 この後、大学での講義があるというマコトさんの予定に合わせ、取材を終えようとしたとき、マコトさんがこうつぶやいた。

 「川崎と練馬の事件以来、突然動悸がしたりして。あまり体調がよくありません」。

 「川崎と練馬の事件」とは、神奈川・川崎市で児童らが殺傷された事件と、東京・練馬区で父親が長男を刺し殺した事件のことだ。これらは、「中高年のひきこもり」が一気に注目を集めるきっかけともなった。

 「ひとごとじゃない。一度失敗すると、次は希望から外れた仕事しかなくなる。家族のために、私なりに考えてやってきたのに、うまくいかないことが重なって……。それなのに、(事件に対する)ネットのコメントを見てると、『努力が足りない』とか『甘えてる』とか、そんなのばかりで、つらい状況に対する理解や思いやりがないと感じます」

 マコトさんのキャリアのつまずきは、もしかすると「家族のせい」ばかりではないかもしれない。ただ、家族に問題があるなら、適切な距離を取るべきだったとか、転職先でもっと頑張るべきだったとか、“外野”が言っても、それは詮ないことだろう。

■再チャレンジ自体がままならない時代の課題

 何より、マコトさんが家族を心配する気持ちは本物だったし、しきりに「家族の問題」を持ち出すのは、マコトさん自身が誰よりも「自己責任」の呪縛にさいなまれていることの表れにも、私には見えた。

 話は少しずれるが、社会的ひきこもりの背景には、家族主義と儒教文化があるといわれる。子どもの面倒は親がみる、老いた親の面倒は子どもがみるといった家族観が、ひきこもりという状況を生み出すのだ、と。

 傾向として、日本と同じく中国や韓国などでも、ひきこもりが社会問題になっているのに対し、欧米では比較的少ないとされるのは、こうした価値観の違いがある。ただ、イギリスやアメリカなどで、若年層の問題がないかというと、そんなことはない。学校を卒業した後は、実家を離れるのが当たり前の社会では、会社などで不適合を起こした若者は「ヤングホームレス」になるしかない。

 ひきこもりか、ホームレスか――。どちらがよいとは簡単にはいえない話である。ただ、いったんつまずいた子どもが家族の元でやり直す機会を得ることができた日本の“システム”は決して悪いものではなかった。

 家族を見捨てられないマコトさん、ひきこもりの子を抱え込もうとする親。再チャレンジ自体がままならない時代、家族を思う気持ちがかえって足かせになっている。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト


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