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貧困スレ

1チバQ:2009/10/21(水) 21:46:08
労働運動スレより独立
非正規雇用・母子家族などなど貧困にかかわるさまざまな話題を収集するスレ
主にルポ系の記事がメインになりそうな予感

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102002000236.html
日本の貧困率15・7% 07年 98年以降で最悪
2009年10月20日 夕刊
 厚生労働省は二十日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。二〇〇七年は15・7%で、七人に一人以上が貧困状態ということになる。十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、一九九八、〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。〇七年の全体の貧困率は九八年以降で最悪、子どもは〇一年に次ぐ水準だった。
 長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
 政府は六〇年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付け増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合。
 全体の貧困率は九八年が14・6%、〇一年が15・3%、〇四年が14・9%。〇七年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。


関連しそうなスレ
労働運動
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1114776863/l50
社会福祉総合スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1225898224/l50
農業総合スレ(限界集落もこのスレの対象かも・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165378/l50
人口問題・少子化・家族の経済学 (母子家庭など)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1148427444/l50
文部スレ (新卒採用問題なども・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116734086/l50

839とはずがたり:2018/05/30(水) 21:19:54
これで人が育つ? 生活保護、3年で160億円カット 安倍政権で続く減額
https://mainichi.jp/articles/20180508/ddm/041/010/123000c
会員限定有料記事 毎日新聞2018年5月8日 東京朝刊


子育て世帯の生活扶助費の推移
 <access>

 政府は2018年度から、生活保護の生活費相当分を3年かけて減額する。その一方、「人づくり革命」の一環として、保護世帯の子どもの大学進学を支援する方針を打ち出した。こうした見直しは「子どもの貧困」にどう影響するのか、調べてみた。【佐藤丈一、西田真季子】

 見直しによる生活費本体部分の削減は180億円。加えて1人親世帯を対象にした母子加算を平均2割カットして20億円減らす。総額200億円を削減しつつ、中学生までの「児童養育加算」(月1万円)を高校生まで拡大するため40億円増額。全体では17年度比で年額1・8%、国費で160億円分のカットとなる。

 一方、安倍政権は昨年12月に経済政策パッケージを決定。人づくり革命で「子育て世代、子どもたちに政策…

この記事は有料記事です。

残り931文字(全文1263文字)

840チバQ:2018/06/05(火) 21:23:44
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180605-00223343-toyo-soci
48歳「市の臨時職員」、超ブラック労働の深刻
6/5(火) 15:00配信 東洋経済オンライン
48歳「市の臨時職員」、超ブラック労働の深刻
昼休みが10分しか取れないことも珍しくないというヨシツグさん(編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは、「市の臨時職員として働いているが、市長が変わっても正規職員に登用される見込みもなく不安になっている」と編集部にメールをくれた48歳の男性だ。

 「すみません。年度末は時間が取れそうにありません」

 「今週、来週ですが、(4月に)異動してきた正職員の指導や、引き継ぎなどがあり日程的に厳しいです」

 首都圏のある地方自治体に勤める臨時職員のヨシツグさん(48歳、仮名)に、最初にメールで取材のお願いをしたのは2月下旬のことだった。仕事が立て込んでいるなどの理由で、何度か日程のキャンセルと再調整を繰り返した。ようやく会えたのは5月の連休明け。年度の変わり目とはいえ、非正規公務員もここまで忙しいものなのか。

 「忙しいです。昼休みが10分くらいしか取れないことも珍しくありません。弁当をかきこんで終わりです。昼ご飯を食べる時間もないような民間のひどい会社に比べたら、まだマシと言われてしまうかもしれませんが……」

■典型的な「官製ワーキングプア」

 税務部門で、土地や家屋に関する税額を算定する仕事に携わっているヨシツグさんはさらにこう続ける。

 「2月、3月は申告関係の書類が集中して提出され、案件によっては記載内容が正しいかどうかを電話などで確認しなければなりません。4月は記載に誤りがあったり、駆け込み申告されたりしたケースについて、納税通知書の差し替え作業に追われます。年度によっては(正規の)新人職員が配属され、教育係を任されます。残業時間はそう多くはないのですが、日中はつねに時間に追われている感じです」

 勤続10年以上。フルタイムで働きながら、年収は190万円に届かない。典型的な「官製ワーキングプア」である。

 ただでさえ忙殺される年度末、ヨシツグさんには、さらに非正規公務員ならではの大きなストレスがある。この時期、契約更新のための面接を受けなければならないのだ。「4月以降も自分はここで働けるだろうか――。毎年、不安で仕方ありません。3月中旬に面接が行われた年もあり、このときは本当に胃が痛くなりました」と振り返る。

ヨシツグさんにとっていちばんの不満は賃金の低さである。

 働き始めて1年目、上司から給与の引き下げを打診された。年収ベースで約20万円のダウン。このとき、「(引き下げに)同意するなら契約を更新する」と告げられた。一方的な賃金カットは法律でも原則禁止されているが、失業したくない非正規労働者にとって拒絶するという選択肢はない。ヨシツグさんもはらわたが煮えくり返る思いを押し隠し、賃下げを受け入れたという。

 ヨシツグさんは「正規職員と同じ仕事をしているんですから、同一労働同一賃金を守ってほしい」と訴える。

 総務省が実施した「地方公務員給与実態調査」に基づくデータによると、ヨシツグさんが勤務する地方自治体の職員の平均年収はおよそ700万円。1800近い自治体のうち上位100団体にランクインしている。残業は主に正規職員が担っているとはいえ、彼の年収は正規職員の4分の1ほど。「あまりにも差がありすぎます」。

841チバQ:2018/06/05(火) 21:24:03
■公務員試験合格は格差の根拠となるのか? 

 正規職員の中には、難関とされる公務員試験を突破したことをもって格差の根拠とする人もいるが、ヨシツグさんはこう持論を展開する。

 「肝心なのは、非正規も正規も日々の仕事に違いはない、ということです。試験に受かったのは事実でしょうが、それは通過点にすぎない。ここまでの格差を正当化する根拠にはなりません」

 正規職員の同僚らはボーナスの支給時、さりげなくその話題を避けるなど気を使ってくれるという。職場の人間関係には恵まれているが、それによって賃金格差への不満が和らぐことはない。「(職場には)1000万円プレーヤーもいます。私たちのような臨時職員を安く使いながら、彼らにさらにボーナスを支給する必要がありますか」とヨシツグさんは怒る。

 大学を卒業後、地元の金融機関に就職。年収は350万円ほどあったが、別の金融機関に吸収合併されたのを機に辞めた。

 ヨシツグさんに言わせると、合併相手の金融機関は、地元では融資の回収方法が強引などと評判が悪かったほか、同業者の間でもノルマが厳しいとのうわさがあった。合併に向けた準備は先方の金融機関社員の指示の下で進められ、このときは連日深夜までのサービス残業と休日出勤を強いられた。わずか数カ月で体重が10キロ落ち、これは体がもたないと、退職を決めたという。

 現在は両親と同居。自分の雇用形態や給与については詳しく話していない。自宅から電車の最寄り駅まで、バスなどを乗り継いで1時間以上かかるため車は必需品だと言い、車両の維持費や実家に入れる「家賃」などを差し引くと、貯金をする余裕はない。「1人暮らしは到底無理」。

 結婚については「願望がないわけではありませんが、今のままでは(相手に)絶対に迷惑をかけます」と躊躇する。結婚する場合、共働きが条件となる。ヨシツグさんは「生活のために働いてもらわなくてはならないというのが、どうにも申し訳なくて。どこかに、“家計を支えるのは男”という古い考えの自分がいるんだと思います」と分析する。

 また、子どもを持つことは「ギャンブルでしかない」と言う。「今の仕事だっていつまで続けられるかわからない。その先はもっとわからない。(非正規労働者にとって)子どもを育てることは、危険すぎるギャンブルです」。

 現在も定期的にハローワークに通うなど就職活動を続けている。条件は「生活できるだけの給料と、うつ病にならない程度の(業務の)密度」。誰もががむしゃらに働き、仕事で自己実現したいと思っているわけではない。ヨシツグさんの希望は当然で、簡単なことのはずなのに、実際にはこれらの条件を満たす仕事を見つけるのは難しいのが現実だ。

■「労働組合には不信感しかない」

 ヨシツグさんに話を聞く中で、どこまでも平行線をたどった話題がひとつあった。職場の労働組合をめぐる評価である。

 実は、ヨシツグさんの給与は今年4月から大幅にアップした。年収で約20万円の増加。自治体の正規職員らでつくる労働組合が市と交渉した結果だという。しかし、彼は「労働組合には不信感しかない。まったく信用していない」と突き放す。なぜなのだろう。

 「(勤続1年目で)賃下げされたとき、労働組合に匿名で投書をしたのですが、無視されました。世間で“非正規の待遇がひどい”と騒がれるようになってようやく動くなんて遅すぎます。それに、今回は(一部の嘱託員など)賃金が上がらなかった職員もいます。それなのに、労働組合はまるで非正規職員全員の賃上げを勝ち取ったかのように、ビラなどで大々的にアピールしたんです」

842チバQ:2018/06/05(火) 21:24:21
 ヨシツグさんによると、給与は今回の賃上げにより、10年前の水準に戻ったにすぎない。一方で職場の労働組合に加入している非正規職員はゼロで、彼自身も組合員ではないという。

 私はあえて彼に「正論」をぶつけてみた。

 ――労働組合は基本、組合員の利益のために賃上げや労働環境の改善に取り組む組織である。そして賃上げは本来、働き手が労働組合に入るなどして、自らが要求して勝ち取るものだ。今回、労働組合は自分たちの『取り分』を削り、組合員ではない非正規職員のために賃上げを実現させたのであり、ヨシツグさんは、組合に入って声を上げることもせず、組合費も払わず、利益だけを享受したということになるのではないか――。

 すると、ヨシツグさんはこう反論した。

 「労働組合なんて、入れるわけないでしょう。そんなことしたら即雇い止めです」

■「非正規」で働くことの現実

 十数年前、私が非正規労働者の過酷な働かされ方について記事を書くと、正社員を中心とした、主に企業内労働組合の組合員から「まずは正社員が直面している賃下げや不当解雇の問題について書くべきだ」「正社員の待遇が上がれば、それと連動して非正規社員の待遇も改善される」と指摘され、議論になったことが何度かあった。そして現在――。本音は知らないが、さすがに表立ってそのような物言いをする労組関係者はいなくなった。

 多くの労働組合が非正規労働者の組織化や待遇改善に取り組むようになった「変化」を、私は肯定的に眺めてきた。しかし、当の非正規労働者から見える景色は少し違うのかもしれない。長年にわたり無視され、冷たく見放されてきた恨みは簡単に払拭できない。「10年前の賃下げを行ったのは自治体であり、労働組合ではない」という「正論」はヨシツグさんにとってはさして重要ではないのだ。

 ヨシツグさんと会ったのは、彼の希望もあり、職場の最寄り駅からは5駅ほど離れた場所だった。理由は「職場の人に見られるとまずいから」。

843チバQ:2018/06/05(火) 21:26:02
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180515-00220027-toyo-soci
40歳非常勤講師、「夫婦とも雇い止め」の深刻
5/15(火) 16:00配信 東洋経済オンライン
40歳非常勤講師、「夫婦とも雇い止め」の深刻
ヒロキさんは2013年4月に採用され、1年ごとに契約更新を繰り返してきたが、今年3月に雇い止めされた(編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

■2018年3月をもって一律雇い止め

 昨年10月末のことだった。大学構内にある非常勤講師の控室。フランス語の授業を終えたヒロキさん(40歳、仮名)が、いつものようにコーヒーを飲みながら一息ついていたとき、顔見知りの中国語講師から突然、こう言われたという。

 「さっき新しいフランス語の先生が大学の中を案内されているのを見かけたんだけど。大丈夫なの?」

 まさか自分はクビなのか――?  すぐに担当の専任教員の部屋に駆け込み、学科長も交えた席で説明を求めた。動揺するヒロキさんに対し、彼らはこう説明したという。

 「2013年以降に採用した非常勤講師は2018年3月をもって一律雇い止めとなります」

 来年3月となると半年もないではないか。生まれて間もない子どもや、初めての子育てに奮闘しながら共働きをしている妻の顔が頭をよぎった。次年度に向けた非常勤講師の求人件数が最も多いとされるのは8〜9月。転職のタイミングとしても最悪だ。

 「どうしてもっと早く言ってくれないんですか。こっちにも生活があるんですよ。よくそんな非人間的なことができますね!」

 ショックのあまりいつになく口調が激しくなった。しかし、学校側は「すでに契約書で合意がなされていること。もう決まったことだから、どうにもならない」と言うばかり。形ばかりの話し合いは30分ほどで打ち切られた。

 2018年3月をもって雇い止め――。実は全国で、ヒロキさんと同じような目に遭った非正規労働者は少なくないと言われている。背景にあるのは、改正労働契約法18条による「無期転換ルール」だ。

 労働契約法18条は、2018年4月から勤続5年を超える有期雇用労働者は、使用者に無期雇用への転換申し込みができると規定している。しかし、一部の企業や団体は、非正規労働者が無期転換申込権を獲得する前に雇い止めを強行。いわゆる「無期転換逃れ」である。ヒロキさんが採用されたのは2013年4月。そして、5年後の2018年3月、まさに無期転換申込権が発生する直前でのクビを宣告されたのだ。

 ヒロキさんの勤務先は首都圏のある短大で、1年ごとの契約更新を繰り返してきた。あらためて過去の雇用契約書を確認してみると、2014年4月以降、「2018年3月31日を超えて(契約を)更新することはできない」との文言が突然追加されている。これ以降の契約書も同様で、大学側はこれを根拠に「すでに合意済み」と主張しているのだ。

 不更新条項の新設は、働き手にとってきわめて重要である。しかし、このくだりが追加された理由などについて、大学側からヒロキさんら非常勤講師への説明は一度もなかったという。彼は当初、この文言が加えられたことに気がつかなかった。更新手続きは毎年なかば自動的に行われており、「隅々まで(契約書を)読んでいなかったんです」と打ち明ける。

 気がついたのは、2017年4月の更新時。驚いたものの、契約書とは別に交付される「労働条件通知書」には「契約を更新する場合がある」との記載があったほか、周囲には勤続10年以上の同僚がいたこともあり、まさか本当に雇い止めにされるとは思わなかった。幼い子どもを持つ自分がクビになるなんてありえないと信じたい気持ちもあったという。「どこかで事態を楽観視したい自分がいました」。

 しかし、仮にもっと早い段階で不更新条項を知っていたとしても、契約を更新するには、大学側が示した条件に従うよりほかはなかっただろうと、ヒロキさんはいう。一般的にも労働者個人と使用者の力関係は対等とはいえない。この時も一抹の不安を抱えながらも、契約書に署名、捺印をしたという。

844チバQ:2018/06/05(火) 21:26:40
■「人をモノ扱いするようなやり方は許せない」

 ヒロキさんは、ある地方都市で生まれ育った。高校生のとき、1990年代のフランス映画『ポンヌフの恋人』を観てパリにあこがれる「早熟な子どもだった」という。東京の有名私大に進み、フランス文学を専攻。大学院を卒業後、パリに留学した。勉学に費やした時間は充実していたが、博士号を取得するまでには至らなかった。

 30代半ばで帰国し、短大でフランス語を教える非常勤講師の職を得た。その後はこの短大を中心に複数の学校を掛け持ち。授業は合わせて週5コマで、年収は150万円ほどだった。私生活では、留学時代に知り合った女性と結婚、ほどなく子どもが生まれた。妻は都内の国立大学で非常勤職員として働いており、年収は約200万円だという。

 「専任教員になりたいわけではないんです。大学院時代の優秀な先輩たちもほとんどが非常勤講師のままですし」とヒロキさん。博士号を取っても専任教員になれない「ポスドク」や、「高学歴ワーキングプア」が社会問題となる中、高望みするつもりはないという。

 とはいえ、雇い止めを知ったのは、これから勤務する大学や授業のコマ数を増やし、翻訳などの副業にも力を入れ、収入を安定させていきたいと考えていた矢先の出来事だった。「ずっと雇ってくれとは言ってない」と話すヒロキさんは無期転換を心待ちにしていたわけではないという。「人をモノ扱いするようなやり方は許せなかった」。

 ヒロキさんは学科長らと話をした直後、大学非常勤講師らでつくる労働組合・首都圏大学非常勤講師組合に加入し、大学側と団体交渉を続けてきた。しかし、両者の主張は平行線のままだった。

■ヒロキさんの妻も9月末で雇い止め

 はたしてヒロキさんは3月末で雇い止めされた。これにより収入は半分以下に。さらに間の悪いことに、妻も9月末で大学非常勤職員の仕事を雇い止めになる。彼女の場合は、契約期間の上限は3年というのが採用時の条件となっており、その期限が9月なのだ。

 ただ、妻によると、3年上限について知ったのは勤務初日。面接などでは長く働き続けたいとの希望を伝えていたのに、おかしいなと思ったという。が、就職にあたり、世の中の子育て世帯の多くがそうであるように保育園探しには苦労した。ようやく子どもの預け先と仕事が決まったのに、初日から採用条件をめぐってもめる気にはなれなかった。

 不安を抱きながら働き続けてきたが、最近になって、上司から契約更新はないとあらためて告げられたという。「今の保育園はやっとの思いで見つけたんです。失業したら、追い出されるんでしょうか。また保育園を探しながら、仕事を見つけなくてはならないんでしょうか。正直、やっていける自信がありません」。彼女はそう言って涙を流した。

845チバQ:2018/06/05(火) 21:26:57
 ヒロキさんのケースは、短大側の「無期転換逃れ」に当たるのだろうか。

 改正労働契約法が施行されたのは2013年4月。大学側が「2018年3月をもって雇い止め」との文言を契約書に加えたのは2014年4月である。また、外国人向けに英語で書かれた契約書には、2018年4月以降は契約を更新しないなどと記した文章の冒頭に「In response to the 2013 labor law(2013年の労働法を受けて)」との記載がある。大学側が改正労働契約法の施行を受け、新たに不更新条項を設けたことがうかがえる。

 無期転換などに関する労働相談を受け付けてきた日本労働弁護団によると、使用者側が契約更新の際に突然、不更新条項を盛り込んでくるのは無期転換逃れの典型的なパターンのひとつであり、裁判では違法と判断される可能性が高いという。

 また、ヒロキさんの妻のケースは一見、無期転換逃れとは無縁に見えるが、そうとは言い切れない。彼女は上司から雇い止めを通告されたとき、契約終了から6カ月が過ぎれば再雇用が可能だとも言われたという。さらに「その場合は6カ月後に“たまたま”“偶然”もう一度働きたくなったという体裁を取ってほしい」との旨を念押しされたというのだ。

 改正労働契約法18条は、契約終了後に6カ月以上の期間が空いた後に再雇用された場合は、勤続5年の通算はリセットされるとしている。しかし、このクーリング制度を無期転換逃れのために悪用することは法律の趣旨に反する。彼女の話が事実なら、こちらも脱法行為の可能性が高い。

■社会にとって初めての試みの「無期転換ルール」

 改正労働契約法18条が制定された背景には、2008年のリーマンショックが引き起こした「派遣切り」がある。非正規労働者の大量雇い止めという深刻な事態を受けてつくられた法律が求めているのは、非正規労働者の雇用の安定であり、無期転換させないために雇い止めをすることではない。ヒロキさん夫婦が、この法律ができたばかりに仕事を失い、貧困へと陥るのだとしたら、本末転倒も甚だしい。

846とはずがたり:2018/06/05(火) 21:47:39

40歳非常勤講師、「夫婦とも雇い止め」の深刻
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1256129168/843-845
5/15(火) 16:00配信 東洋経済オンライン

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。…

■2018年3月をもって一律雇い止め

 昨年10月末のことだった。…まさか自分はクビなのか――?担当の専任教員の部屋に駆け込み、学科長も交えた席で説明を求めた。動揺するヒロキさんに対し、彼らはこう説明したという。
 「2013年以降に採用した非常勤講師は2018年3月をもって一律雇い止めとなります」

 来年3月となると半年もないではないか。生まれて間もない子どもや、初めての子育てに奮闘しながら共働きをしている妻の顔が頭をよぎった。次年度に向けた非常勤講師の求人件数が最も多いとされるのは8ー9月。転職のタイミングとしても最悪だ。…しかし、学校側は「すでに契約書で合意がなされていること。もう決まったことだから、どうにもならない」と言うばかり。

 2018年3月をもって雇い止め――。実は全国で、ヒロキさんと同じような目に遭った非正規労働者は少なくないと言われている。背景にあるのは、改正労働契約法18条による「無期転換ルール」だ。

 労働契約法18条は、2018年4月から勤続5年を超える有期雇用労働者は、使用者に無期雇用への転換申し込みができると規定している。しかし、一部の企業や団体は、非正規労働者が無期転換申込権を獲得する前に雇い止めを強行。いわゆる「無期転換逃れ」である。ヒロキさんが採用されたのは2013年4月。そして、5年後の2018年3月、まさに無期転換申込権が発生する直前でのクビを宣告されたのだ。

 ヒロキさんの勤務先は首都圏のある短大で、1年ごとの契約更新を繰り返してきた。あらためて過去の雇用契約書を確認してみると、2014年4月以降、「2018年3月31日を超えて(契約を)更新することはできない」との文言が突然追加されている。これ以降の契約書も同様で、大学側はこれを根拠に「すでに合意済み」と主張しているのだ。

 不更新条項の新設は、働き手にとってきわめて重要である。しかし、このくだりが追加された理由などについて、大学側からヒロキさんら非常勤講師への説明は一度もなかったという。彼は当初、この文言が加えられたことに気がつかなかった。更新手続きは毎年なかば自動的に行われており、「隅々まで(契約書を)読んでいなかったんです」と打ち明ける。

 気がついたのは、2017年4月の更新時。驚いたものの、契約書とは別に交付される「労働条件通知書」には「契約を更新する場合がある」との記載があったほか、周囲には勤続10年以上の同僚がいたこともあり、まさか本当に雇い止めにされるとは思わなかった。…30代半ばで帰国し、短大でフランス語を教える非常勤講師の職を得た。その後はこの短大を中心に複数の学校を掛け持ち。授業は合わせて週5コマで、年収は150万円ほどだった。私生活では、留学時代に知り合った女性と結婚、ほどなく子どもが生まれた。妻は都内の国立大学で非常勤職員として働いており、年収は約200万円だという。…

847とはずがたり:2018/06/05(火) 21:47:55
>>1752
 ヒロキさんは学科長らと話をした直後、大学非常勤講師らでつくる労働組合・首都圏大学非常勤講師組合に加入し、大学側と団体交渉を続けてきた。しかし、両者の主張は平行線のままだった。

■ヒロキさんの妻も9月末で雇い止め
 はたしてヒロキさんは3月末で雇い止めされた。これにより収入は半分以下に。さらに間の悪いことに、妻も9月末で大学非常勤職員の仕事を雇い止めになる。彼女の場合は、契約期間の上限は3年というのが採用時の条件となっており、その期限が9月なのだ。

 ただ、妻によると、3年上限について知ったのは勤務初日。面接などでは長く働き続けたいとの希望を伝えていたのに、おかしいなと思ったという。…

 ヒロキさんのケースは、短大側の「無期転換逃れ」に当たるのだろうか。

 改正労働契約法が施行されたのは2013年4月。大学側が「2018年3月をもって雇い止め」との文言を契約書に加えたのは2014年4月である。また、外国人向けに英語で書かれた契約書には、2018年4月以降は契約を更新しないなどと記した文章の冒頭に「In response to the 2013 labor law(2013年の労働法を受けて)」との記載がある。大学側が改正労働契約法の施行を受け、新たに不更新条項を設けたことがうかがえる。

 無期転換などに関する労働相談を受け付けてきた日本労働弁護団によると、使用者側が契約更新の際に突然、不更新条項を盛り込んでくるのは無期転換逃れの典型的なパターンのひとつであり、裁判では違法と判断される可能性が高いという。

 また、ヒロキさんの妻のケースは一見、無期転換逃れとは無縁に見えるが、そうとは言い切れない。彼女は上司から雇い止めを通告されたとき、契約終了から6カ月が過ぎれば再雇用が可能だとも言われたという。さらに「その場合は6カ月後に“たまたま”“偶然”もう一度働きたくなったという体裁を取ってほしい」との旨を念押しされたというのだ。

 改正労働契約法18条は、契約終了後に6カ月以上の期間が空いた後に再雇用された場合は、勤続5年の通算はリセットされるとしている。しかし、このクーリング制度を無期転換逃れのために悪用することは法律の趣旨に反する。彼女の話が事実なら、こちらも脱法行為の可能性が高い。

■社会にとって初めての試みの「無期転換ルール」

 改正労働契約法18条が制定された背景には、2008年のリーマンショックが引き起こした「派遣切り」がある。非正規労働者の大量雇い止めという深刻な事態を受けてつくられた法律が求めているのは、非正規労働者の雇用の安定であり、無期転換させないために雇い止めをすることではない。ヒロキさん夫婦が、この法律ができたばかりに仕事を失い、貧困へと陥るのだとしたら、本末転倒も甚だしい。

848チバQ:2018/06/21(木) 08:46:19
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20180620-00000042-nnn-soci
月給5万、除染作業…苦悩する外国人労働者
6/20(水) 14:23配信 日テレNEWS24

Nippon News Network(NNN)

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「1年間で休み7日、でも我慢我慢」――福島県の一軒家、ここで寝泊まりしているのは、ベトナムから来日した14人の外国人たち。不当な賃金の未払いやパワハラを受けるなどしたため、職場を逃れNPOが運営する施設に駆け込んできたといいます。

生活する1人の過去の給料明細を見せてもらうと、1か月で19日間働いて、支給額が5万円という人も。基本給が低いだけでなく、天候不順などで現場が休みになったのに欠勤扱いにされ、給料を天引きされたことも低賃金の理由だと主張します。

建設会社の実習生として来日したカインさん(24)。両親を残して3年前に実習生としてやってきましたが、十分な説明もないまま福島第一原発の除染作業を命じられたといいます。

カインさん「直接、福島に行って、除染を手伝っていました」「(除染と知っていたら)絶対に日本に来なかったでしょう」

彼らは日本で働きながら、技術や知識を身につける技能実習制度で来日しました。しかし、この制度のもとでは、原則、職場を変えることはできず、仮に不当な扱いを受けても泣き寝入りせざるを得ないのが現状だといいます。

このような事態を受け政府は今年3月、技能実習生による除染作業を禁止。近い将来、日本の職場に本格的に加わることになる外国人労働者たち。課題への対応も急がれます。


【the SOCIAL viewより】

849チバQ:2018/07/11(水) 11:57:50
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180711-00056289-gendaibiz-bus_all
この10年で日本の「子どもの貧困」を取り巻く状況はこう変わった
7/11(水) 11:00配信 現代ビジネス
この10年で日本の「子どもの貧困」を取り巻く状況はこう変わった
写真:現代ビジネス
「子どもの貧困」再発見から10年
 2008年は、「子どもの貧困・再発見」の年と呼ばれることがある。

 拙著『子どもの最貧国・日本』をはじめ、数冊の子どもの貧困に関する書籍が、この年偶然同時期に発表されたこともあって、新聞やテレビなどマスコミがこの問題に注目を始めた。

 一方、今から振り返って見れば、社会的に刮目を浴びた理由のひとつには、当時の日本社会において「子ども」と「貧困」というふたつの言葉が、どうしても合致しないという思いが多くの人の中にはあり、ちょっとした驚きがあったからではないだろうか。

 日本は、先進国であり、教育制度は整備され、保育所はあり、医療は皆保険であり、子どもがいれば児童手当も利用できる。

 2000年代半ばにはワーキングプアや格差の問題がクローズアップされても、せめて子どもには優しい社会であるはずだという、(もしかしたら根拠はあまりなかったかもしれない)認識があったからではないか。

 しかし、現実は7人にひとりの子どもが貧困であり、ひとり親世帯ではその数値は半分に及び先進国で最も高いことがOECDの数値を基にエビデンスとして提示された。

 ただ、この数値がOECDのものであり、政府の公式発表のものではなかったことも今から見ると不思議なことだ。

 先述のように2008年にこの問題が関心を集めても、当初政府の反応は鈍かったのである(後述するが、現在はその姿勢は異なる)。

 すでに多くの人の記憶から落ちてしまっているように思えるのだが、公的な貧困率の発表すら政府は必要がないとして拒否していた。貧困率を政府が発表をするのは、2009年の政権交代後のことである。

 2008年当時の政府は、貧困率そのものを否定しようとやっきだった。

 現代の日本には格差は存在するが貧困は存在しないとか、貧困率だけで議論するのはいかがなものかとか(昨年貧困率の改善が発表されると、首相は自分の成果だと強調したのだが)、貧困率には資産の面が反映されていないとか(反映した指標を作るともっと厳しい子ども間の不平等が目立つのだが)。

子どもの貧困対策法のインパクト
 もう一点、政府が主張していたのは、貧困率にのみ目を向けると児童手当など現金給付サービスだけが焦点化され、教育や保育などの現物給付の施策の充実が反映されないというものであった。

 ただ、OECDによって指摘されたのは貧困率の高さだけでなく、日本の子どもや子育て家庭をめぐる予算の少なさでもあった。

 欧州などと比較すると、貧困率を下げるために有効な手段である現金給付に加え、現物給付サービスもかなり少ないことが示された。

 OECDの指摘を意識してのことだろうが、現物給付(公的教育支出)の少なさについては2009年の文部科学白書が特集として取り上げ、マスコミも貧困率の高さと同時にこうした点も報道し始める。子どもには優しい国と思われていた日本社会のさらなる暗部が見え始めた。

 確かに、ここ数年政権与党は、こうした教育費の私費負担の高さを意識した選挙公約や政策案を練り始めている(10年前には考えられなかった点である)。

 そのひとつが保育・幼児教育の無償化である。

 一方で無償化ではなく、待機児童問題など保育へのアクセス面を先行するべきだという反論もある。

 ただ、どちらを優先するのであれ、保育や幼児教育にかけられている資源量の少なさについての共通認識を持っておく必要はあるだろう。

 先にも触れたように、これまで日本社会は子どもや家族に税金をかけることに消極的だったのである。

 図1を見ても、保育や幼児教育に対する公的な社会支出は先進国の中ではまだまだ低いのである。

 確かにここ数年保育予算は増加している。保育は成長産業と言えるだろう。にもかかわらず世界的にみればまだまだ予算的には制約を受けている状況にある(逆に言えば、他の先進国は日本以上に保育の予算が増えているのである。その理由は別の機会に譲りたい)。

850チバQ:2018/07/11(水) 11:58:13
もちろん、2008年当時と現在の政府の動きは異なる。特に2012年末の政権奪還後、政府は大きな一歩を踏み出した。法律制定に向け動いたのである。

 生活保護の基準切り下げを進めるための弥縫策(びほうさく)としての意味もあったが、あしなが育英会などの当事者団体の声にも耳を傾けざるをえなくなっていたのであろう。

 2013年6月、子どもの貧困対策法が、すべての政党が賛成して成立した。

 法律制定のインパクトは大きかった。

 それまでその存在すら知らない人々の関心を、法律の制定、それに伴うマスコミ報道等がひきつけていった。

 私はある自治体の幹部から、「法律制定以前、うちの市に貧困な子どもが存在するはずがないと思っていました」と吐露されたことがあった。根拠はあまりないイメージはやはり存在していたのだと思う。

子ども食堂を始めた動機は?
 もちろん、法律によって刺激を受けたのは行政関係者だけではない。一般市民も触発されている。

 その代表格が子ども食堂の活動だろう。法律制定の翌年2014年ごろから、子ども食堂は全国各地で作られ一般市民の方を中心に運営がなされている。

 現在では、小さいものまで含めれば1000近く(またはそれ以上)に及んでいる可能性がある。一種のブームと言っていいだろう。

 子ども食堂(またはそれに類似の活動)を始めた方に会うといつも感じるのは、草の根的・自発的に動いたのは初めてという方ばかりであることだ。

 また、みなさん「いてもたってもいられなくなった」と自分たちの活動の始まりを語ることが多い。子どもの貧困をめぐるマスコミ報道に触れて、内発的な思いに突き動かされたという。

 子ども食堂は批判を浴びることもある。「それで子どもの貧困を解決できるのか」とか「子ども食堂に本当に困っている子どもは来ない」とか。

 しかし、子ども食堂などをやっている人はそうした批判はあまり気にしていないように見える。それは、彼らが子どもの貧困問題とも深くつながるある危機感を持っているからではないかと思う。

 ある子ども食堂を始めた年配の方からその活動動機としてこんなことを聞いたことがある。

 「俺たちが小さい時もご飯に困ることはあった。でもそうした時、昔は隣の人がご飯を食べさせてくれた。隣がダメだったらその隣だった」

 子どもの貧困は、ここ数年急上昇してきたわけではない。80年代から長期的な上昇トレンドにある。それと並行して進行しているのは、親族網の急速な縮小と地域コミュニティの関係の希薄化だろう。

 確かに、かつての地域や親族間には閉鎖的な縛りがあり、息苦しさを感じる場合も多かった。しかし、その協力関係があったから生活がなりたっていた部分もあったのである。

 今、親族はともかく地域のつながりは必要性そのものが薄まり本当に小さくなっている。子ども食堂はそうした地域社会が抱える課題を新たなムーブメントを起こすことで逆に照射しているようにも見える。

 少なくとも、子ども食堂を始めた人々はしんどい子どもたちの問題は自分の地域にもあるはずなのに、それが見えなくってしまったことに対する「やばさ」のようなものを感じているのではないか。

 一方で、経済的に困窮している方からすれば、このことは折り重なるハンディを彼らが抱えていることを意味する。

 先に述べたように、子どもや家族に対する公的支援(公助)は少ない、それに加え地域や親族網(共助)の減少が襲っている。

 共助は、全体でも減ってきたが、特に貧困を抱える家族に集中して少ないことが後述する沖縄などの各地域での子どもの貧困調査では見える。貧困な家族ほど、相談相手や頼りになる人が少なく孤立と向き合っているのである。

851チバQ:2018/07/11(水) 11:59:23
過労死ラインを超えて働く父親たち
 では、公も共も薄いのであれば、残りの「自助」はどうなのだろうか? 
 典型的な自助の方法とは、簡単に言えば働くことである。

 十分に働いていれば、貧困に陥らないで済むのではないか? 
 子どもを持つ家族の労働ということでは、日本社会は先進国の中ではやや異質だ。親たちは本当に良く働いている、つまり失業率が最も低いことが分かっている。にもかかわらず貧困率は高い。

 親たちの働き方の調査分析を試みているのが、国の補助金を活用し、各地で始まっている子どもの貧困調査の一部である(こうした調査も法律の成立がもたらした成果である)。

 これらの調査の嚆矢となったのは2015年から始まった沖縄での調査であるが、そこでは初年度、税務調査を基に貧困率を29.9%と提示し全国的にも注目を浴びた。

 沖縄の調査では親たちの働き方の調査を試みてきたが、3年目の乳幼児調査では、父親たちがかなりの長時間労働に従事していることがうかがえた。

 例として、図2において5歳児を持つ父親の1週間の平均労働時間を示す。全体と貧困ライン未満の世帯(低所得層Ⅰ)と貧困ラインの1倍から1.5倍の世帯(低所得層Ⅱ)、1.5倍以上の世帯(一般層)で区分して分析している。

 すると、全体では、週60時間以上(過労死ラインである)という極端な長時間労働をする父親が4分の1近くに及ぶことが分かった。

 さらに、こうした労働時間の長さには階層差があることもはっきり見える。低所得になるほど長時間労働に従事しているのである。

 低所得層Ⅰでは過労死ライン以上に働く父親は約3割に及んでいる。異常な数値ではないだろうか。

 これは沖縄という地域のみの問題ではないだろう。子どもを抱える親たちは日本社会では働きに働いているのである。自助による努力はもうこれ以上無理なのではないか。

 今、政府は働き方改革に取り組んでいる。しかし、こうした子どもを持つ世帯の経済状況ごとの分析などのエビデンスは寡聞にして聞かない。

 子どもを持つ親たちの場合、育児にかかる費用の高さのために長時間働かざるを得ないのである。

 だとしたら、彼らの労働時間を短くし(特に父親の)イクメンを促進するには、育児費用や教育費があまりかからないようにするなど経済的な支援(公助)を高めるのは必須ではないか。

852名無しさん:2018/07/11(水) 11:59:36
「何とかならないでしょうか」(高校生の声)
 さて、この10年で見えてきたことの最後に当事者や若者の声を上げてみたい。

 これは先述したように、法律制定にも影響を及ぼした。

 沖縄の高校生調査における自由記述欄(公表を前提に記述願った)からも、高校生自身のこの問題に対する関心の高さがうかがえた。いくつかを引用してみたい。

 「私の周りに進学してやりたいことがあるけれど、経済的に苦しく進学をあきらめる・自分のやりたいこととは違うものをする子が多い。ひとり親で多い。私も、家計が苦しいため、最悪夢は諦めて就職しないといけないかもしれない。これから沖縄を変えられる人材もいるかもしれないのに、経済的な理由で潰されるのはもったいないと思います」

 「なぜか不安になることがたまにあります。家計が苦しくて大学に行くべきか悩みます。親に無理させてまで夢を叶えたいのかどうかも分からないです」

 「私は両親にとても愛されていると自覚しているし、経済的にもあまり不安はありません。自分の環境がとても恵まれている事は十分理解しています。周囲の知り合いには、そうではない人がたくさんいます。助けてあげてください」

 「進路に不安はつきないけど、私は今のゆめを実現させたいです。ゆめがやっと決まったからです。ただお金がかかるとなると、このゆめもあきらめなくてはなりません。だから、そこに悩んでいます。支援があれば、私だけでなく、多くの人がゆめを叶えて、国のために良い働きをしてくれると思います」

 「私は県外の国立大学に行きたいと考えています。母は仕事を2つ掛け持ちして土日も働き、私の大学費用と兄の予備校費用を稼いでくれています。私もバイトをして自分の大学費用のためにこつこつ貯金しています。給付型の奨学金制度がもっと充実していれば…と、いつも思います。何とかならないでしょうか」

 「沖縄の貧困がいつかなくなってほしい」

 彼らは自分のことだけを問題としているのではなく、そこから仲間たち、親の暮らし、さらには社会や国全体のことを射程にしているのである。

 私たちは彼らの声にきちんと答える必要があるのではないだろうか。それができる土台はこの10年で少しずつそろってきたと思う。

山野 良一

853チバQ:2018/07/13(金) 20:39:35
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180713-10000001-mbsnews-l27
【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
7/13(金) 15:07配信 MBSニュース
働く親にとって、放課後子どもを預かってくれる「学童保育」は欠かせない場所ですが、そこで働く人たちの処遇は決していいものとは言えません。

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
多岐にわたる仕事内容
大阪・西淀川区にあるたんぽぽ学童保育。この学童で働くのは、44歳の森岡恵治さん。この道24年のベテラン指導員です。出勤は午前10時。子どもたちが来る前に事務作業に取りかかります。

「子どもたちが来る時間と帰る時間を(パソコンで)管理している」(森岡恵治さん)

この施設には、小学3年から6年までの12人の子どもたちが通っています。夏休みでも学童保育はあるため、アルバイトの指導員と夏の予定を打ち合わせします。

「プールじゃなくて、あそこ行ったらどうやと思って。ドラゴン公園のある川西市の川」(森岡恵治さん)

落ち着いて仕事ができるのは昼過ぎまで。ここからが本番です。

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
午後3時。放課後、次々とやってくる子どもたち。

<算数のプリントを前にして>
「ここが真っすぐな線やとしたら?こっからここまでなんぼ?」(森岡恵治さん)
「むずかしい」(男の子)

指導員としての森岡さんの仕事は多岐にわたります。1人1人の宿題を手伝だったり、外へお出かけして、みんなで遊ぶことも。

午後4時。子どもたちのおやつも用意します。きょうは手作りのホットケーキ。週に3日はおやつを作ります。

Q.どんな先生?
「やさしい。いろいろ教えてくれる。宿題とか」(男の子2人)
Q.好き?
「うん」
Q.どれくらい?
「(両腕を広げて)これくらい」

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
夕暮れ時の午後6時、ようやく子どもたちを家に送ります。

「ほんまに一生懸命生きてる子どもたちと関われる。すごく楽しい仕事で、やりがいのある仕事やと思ってます」(森岡恵治さん)

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
手取り月18万円、休みは日曜と祝日だけ
森岡さんが暮らしているのは大阪・西淀川区の市営住宅。結婚はまだ。家賃3万円の部屋にひとり暮らしです。

Q.給料はどれくらい?
「明細あるけど、これになります」(森岡恵治さん)

24年間働いてきた森岡さんの給料は、手取りで月18万円、年収は250万円ほどです。休みは日曜と祝日だけ、ほとんど遊びには行けません。

「自分はまだこの年やけど独身なので、単身やからこそ給料安くても生きていければいいかという感じでできてますけど。将来的な不安とか…すごく不安になってくる」(森岡恵治さん)

なぜ給料が安いのか。それは国が設定する運営費の低さにあります。例えば、19人の児童を預かる施設で常勤1人非常勤1人の指導員の場合、これに対し設定された運営費は約500万円で、補助金と保護者が支払う保育料で賄います。これが給料の元となるため、おのずと支給額は低くなります。

854名無しさん:2018/07/13(金) 20:39:57
「奥さんの理解があって仕事をさせてもらってる」
7月8日、年に一度の学童関係者が集まる研究会が行われました。

「インフルエンザにかかったときは、どう対応するつもりだった?」(男性指導員)
「週末については月曜からを乗り切るために調整する。熱出すのは土曜の晩みたいな」(男性指導員)

それぞれの学童の労働環境など話し合いましたが、ここでも指導員の処遇の悪さが浮き彫りとなりました。

「正直生活は贅沢はできないし、しんどい部分はありますけど。やり続けたいと思ってますので、この給料(20万円弱)でも頑張っていくしかないかな」(大阪市の指導員・39歳)

「手取りで13、14万円くらい」(寝屋川市の指導員・37歳)
Q.子どもは
「1人で、もうすぐ1人生まれるんで2人。奥さんの理解があって、なんとか仕事をさせてもらってるかな」

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
学童需要は高まるも…
そもそも学童は放課後の子どもたちを預かってほしいと地域の保護者が共同で作ったもので、当時は自らの家を開放し指導員を保護者が見つけ出して雇っていました。しかし時代は流れ、核家族や共働き夫婦も増え、子育て環境は大きく変わりました。学童保育は今の社会にとって欠かせない存在になっています。

「私にとっても子どもにとっても、よりどころ」(保護者)
「(年齢が)下の子の面倒をみたり、お兄ちゃんのいうことを聞いたりとか。小さな家族みたいな役割」(保護者)
「子どもを育てるチームの1人として、大事な機関だと思ってます」(保護者)

国も3年前から指導員の処遇改善のため新たに補助金を出すなど、動きはじめました。それでも高まる学童需要に追い付いていないのが現状です。そこには学童に対する根本的な意識の差があると専門家は言います。

「学童に対する見方。国の意識の低さ、自治体の意識の低さというところがあるのでは。指導員のやりがい思いが、行政に伝わっていないんじゃないかな」(労働法に詳しい 遠地靖志弁護士)

【特集】44歳で手取り月18万円…学童保育を支える指導員の現実
MBSニュース
指導員たちの努力でギリギリ成り立っている学童保育
再び、たんぽぽ学童保育の森岡さん。午後7時。子どもたちが帰った後も仕事は続きます。

「きょうの1日の活動の日誌です」(森岡恵治さん)

日本の子育て社会を支えてきた学童保育。それは今、指導員たちの努力によってギリギリのラインで成り立っています。

「『預かっている』ということの責任ある仕事なんで、その責任に見合う、働き続けられるような、せっかく思いをもってやってる指導員は多いと思うんで。指導員が安心して働き続けられるような職場にしていけたらなと思います」(森岡恵治さん)

MBSニュース

855とはずがたり:2018/07/16(月) 22:28:40

実はみんな読み切れない トマ・ピケティ『21世紀の資本』を簡単図解 恥をかかないために
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1046080617/1923-1925
週刊現代講談社

ポイント1『21世紀の資本』におけるピケティの3つの功績。

(1)最大の功績は、それまであまり注目されず、データも不十分だった「格差論」を歴史的なデータに基づいて示したことだ。約15年もの歳月をかけて、世界の税務データを収集した。

(2)そのデータを惜しみなく、インターネット上の「世界トップ所得データベース(WTID)」において無料公開している。これは、格差についての議論がより活発になることを願ってのことである。

(3)ピケティ教授は格差を是正するために、富裕層への累進課税を提唱している。いままさに、この是非を巡って世界中で大きな論争が巻き起こっているのだ。

ポイント 2財産の成長率は、労働によって得られる賃金の成長率を上回る。

株や不動産、債券などに投資することで財産は増えていく。こうした財産の成長率は、給与所得者の賃金が上がる率よりも、常に高くなる。これがピケティ教授の理論の核心である。(とは註:算術級数的にしか労働所得は増えないけど幾何級数的に資産は増えるという指摘ですな。食糧生産は算術級数的にしか増えないけど人口は幾何級数的に増えるから飢餓が発生する,故に晩婚と節制せよとマルサスは説いて予想を外した。)

では、財産の成長率が賃金の成長率を上回ると何が問題なのか。

主に資産運用によって財産を築いている富裕層は、株や不動産を保有しているだけで、多大な利益を獲得できる。一方、平均的労働者は働けども賃金はゆるやかにしか上がらない。賃金を貯蓄したところで大きく増えるわけでもない。こうして格差が広がってしまう。(とは註:労働者階級も貯蓄出来るなら同じ率で増える筈である。そうなってないとするならば利率が100万円よりも100億円の方が良いか,19世紀の労働者みたいに生存賃金で貯蓄が出来ないか,貯蓄出来ない性格のものが富裕層になれてなくてできる家計が富裕層になってるかのどれかである。此処はそう大した指摘でないような気がする・・。)

ポイント3「持てる者」はより豊かに、「持たざる者」はより貧しくなる。

こうした状況は今後も続 くのか。カギとなるのは技術革新である。将来的にバスが自動操縦になれば、運転手は不要になる。会計ソフトの導入で、経理事務員は減っていく。このよう に、最新技術を導入すると作業効率は上がるが、労働者は職を奪われる。富裕層はそうした技術に投資して、ますます儲かるばかりだ。(とは註:此処だな。儲かるなら投資すれば良いだけだが,労働者が失業して投資が出来ないまま固定化してる可能性がある。)

ポイント4 21世紀は「相続」によって格差がさらに肥大化していく。

「重要なのは、格差の大きさそのものではなく、格差が正当化されるかどうかだ」

ピケティ教授は、後述する東大の講義でも、そう強調していた。たしかに、機会が平等に与えられた上で、努力して得た財産に差が生まれるのは仕方ない。しかし近年は、働かずとも相続によって利益を増やしている層が増大している。

特に、先進国では少子化が進んでおり、祖父母や両親の財産を子息が一身に受け継ぐことも少なくない。裕福な家庭に生まれた人は、さらに裕福になることが約束されているということだ。こうした事態は、真面目に働いてきた労働者の不満につながる恐れがある。(とは註:日本は相続税が高いのに再配分効果が薄いそうな。相続税への信認はどうなのか?)

ポイント5 1910~1950年代は格差が小さかった例外的時代。

昔はそんな格差はなく、いまが「たまたま」格差社会なのだという意見もある。だがピケティ教授は、2度の世界大戦があった'10年~'50年代こ そ、「たまたま」格差が小さかったに過ぎないと反論する。インフレや急激な経済成長によって格差が拡大することを恐れた政府が意図的に経済に介入した結果 だというのだ。

856チバQ:2018/07/19(木) 16:17:26
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/433587/
「まさか」身近な貧困に衝撃 子ども食堂開設した主婦の思い [長崎県]
2018年07月18日 06時00分
子ども食堂の開設に向けて準備をする立石さん
子ども食堂の開設に向けて準備をする立石さん
写真を見る
 子どもたちの第2の家に-。食事を十分に取っていない小学生がいることを知った佐世保市内の主婦が18日、同市三浦町に子ども食堂を開く。「都会のことだとばかり思っていた」子どもの貧困が身近でもあることに衝撃を受け、「温かい食事を出すことはできる」と主婦の経験を生かすことを決意。食事はもちろん、宿題や読書などもできるような場所を提供する。

 主婦は同市万津町の立石多恵子さん(60)。子ども食堂「宝ハウス」を毎週水曜日に開き、放課後の子どもを受け入れる。夏休み中は午前11時から午後2時まで開放する。

 きっかけは昨年11月、市内の小学校の教員から「育児放棄や経済的な問題で1日の食事が給食だけという児童がいる」という話を聞いたことだった。「まさか佐世保で」。身近にこんな悲しい現実があることにショックを受けた。

 1人で食事をせざるを得ない子どもや貧困で満足な食事ができない子どもに低額や無料で食事を提供する子ども食堂があることは知っていた。「ご飯を作ることはできる」。夫に相談すると「できる範囲でやりなさい」と理解を示してくれた。

 アパートの2室を借り、6月に改装。食事用のテーブルのほか、宿題や読書をするスペースを設けた。運営は主婦や元教員など5人ほどで分担。できたての食事の提供にこだわり、食器の片付けや掃除などは子どもたちも手伝ってもらう。

 月1回が多い子ども食堂だが「困る子どもがいるはず」と毎週開催。子どもに対する偏見を避けるため、誰でも来られるようにした。

 「その中に本当に困っている子どもが交ざってくれたらと思う。長く続けられる場にしたい。おばあちゃんたちと話す感覚で来てほしい」と立石さん。小中学生の食事は無料。大人は「気持ちで料金をいただく」。ボランティアや支援を募っている。

=2018/07/18付 西日本新聞朝刊=

857とはずがたり:2018/07/22(日) 21:49:36
勿論こんな男性職員言語道断で懲戒免職ものだが,女性としての魅力を持った女性が申請者だったと云う事だろうということで思い出したが,ほんとは愛人として扶養して貰ってるのにそれを隠して生保申請する連中も居るらしい。東大阪とか多いとか聞いた。そういうのってどうやって摘発すれば良いのかねえ。

生活保護受給の女性に「胸が大きいですね」。江戸川区の男性職員がセクハラ発言
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180722-00010001-huffpost-soci
7/22(日) 12:00配信 ハフポスト日本版

東京都江戸川区は7月20日、生活保護受給者を支援する男性職員が担当する複数の女性に、「胸が大きいですね」などとセクハラ発言をしていたと発表した。区は男性職員を停職3カ月の懲戒処分とした。(浜田理央 / ハフポスト日本版)

区によると、ケースワーカーを務めていた50代の男性職員は2016年4月から18年5月、生活保護受給者の女性6人に対して、性的な発言や業務に関係のない電話・メール連絡を繰り返した。

産経ニュースによると、「胸が大きいですね」と発言したり、食事に誘ったりしていたという。


被害を受けた女性が5月24日、「前担当者から言葉による性的な嫌がらせを受けていた」と区に相談し、事態が発覚。区は男性職員をケースワーカーの業務から外した。

NHKニュースによると、被害にあった女性の中には「生活保護が打ち切られてしまうと困るので言えなかった」と話している人もいる。

男性職員は事実関係を認め、「親しくなるための冗談だった。相手が不快になると思わなかった」「恋愛感情をもっていたのでやってしまった」などと話しているという。

江戸川区の岡村昭雄福祉部長は、「被害に遭われた方に誠に申し訳なく思います。今後は再発防止に向け、職員に対する指導を徹底し、信頼回復に努めてまいります」とのコメントを出した。

浜田理央 / ハフポスト日本版

858チバQ:2018/07/31(火) 22:16:21
有料記事だから、最初しか読めないけど美談系の記事なのか?これ
https://mainichi.jp/articles/20180704/dde/001/040/054000c

多様化する貧困 路上生活減り「ビッグイシュー」部数減
会員限定有料記事 毎日新聞2018年7月4日 東京夕刊
ホームレス状態にある人の生活再建を支える雑誌「ビッグイシュー」の販売者が減少している。求人倍率向上や生活保護の利用増で、販売する路上生活者が減少したことが主な理由だが、東京都府中市の駅前に立つ小沢佳子さん(69)は全国唯一の女性販売員として奮闘している。「お客さんとの交流で心が豊かになる」と生きがいを感じている。【蒔田備憲】

 「元気かい?」「今日も頑張っているね」。京王線府中駅前でビッグイシューを並べる小沢さんに通行人から…

859とはずがたり:2018/08/01(水) 18:23:37
60代女性が熱中症で死亡 電気止められ冷房使えず 札幌
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180731/k10011558201000.html?utm_int=all_side_ranking-access_004
2018年7月31日 20時08分

29日、札幌市西区のアパートで1人暮らしの60代の女性が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。警察によりますと、死因は熱中症で、部屋にはクーラーや扇風機はありましたが、料金を滞納していたため電気を止められていて使えない状態だったということです。

29日午前11時半ごろ、札幌市西区琴似のアパートの部屋で、この部屋に住む60代の女性が倒れているのを、通報を受けて駆けつけた警察官が見つけました。

女性は病院に搬送されましたが、その後死亡が確認され、警察が死因を詳しく調べたところ、熱中症によって29日の午前に死亡したことがわかりました。女性は激しい脱水の症状が見られたということです。

警察によりますと、女性は5階建てのアパートの4階の部屋で1人で暮らしていて、部屋にはクーラーや扇風機はありましたが、料金を滞納していたため電気を止められていて使えない状態だったということです。

気象台によりますと、札幌市では29日は最高気温が前日より2度4分高い31度まで上がり、真夏日となっていました。

860チバQ:2018/08/08(水) 18:10:16
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180808-00010002-asahit-soci
【平成家族】非正規シングル女性、収入12万円の「充実」と「取り残され感」
8/8(水) 12:13配信 朝日新聞デジタル
【平成家族】非正規シングル女性、収入12万円の「充実」と「取り残され感」
女性の趣味の水彩画。テーマを決めず、思いのまま筆を運ぶ=滝沢美穂子撮影
【アーカイブ:内容は2018年1月6日の初出時点のものです】

 非正規雇用で未婚、親と同居。収入は少ないけれど、友人はいて「生活は充実している」。平成に入り「男性稼ぎ主モデル」から「女性活躍」への変化の波があります。取り残されていると感じる非正規シングル女性の内なる声に耳を傾けました。(朝日新聞記者・山内深紗子)

【写真特集】産め圧力・男性不妊・タワマン保活……多様化する「平成家族」の風景

【平成家族】非正規シングル女性、収入12万円の「充実」と「取り残され感」
新しいお弁当袋をミシンで縫う女性=滝沢美穂子撮影
弁当作ってもらうのも負い目
 関西地方の一軒家。契約社員の女性(45)は、年金暮らしの両親と同居している。

 昨年12月上旬の夕食後、食卓で母(78)が父(78)に漏らしたこんな言葉が偶然、耳に入ってきた。

 「あの子、弁当袋を新しく縫ったんよ。まだ私に作らせる気やわ……」

 女性は大手菓子店で働いている。短大卒業後に就職した会社は、女性の総合職がなかった。正社員だったが、29歳で退職した。その後、正社員としての再就職先を探し続けているが、年齢や経験不足が壁になり、ずっと非正規職を転々としている。いまの給与は、手取りで月12万円ほどだ。

 非正規になってから、母は「私が弁当を作るから、貯金にまわしなさい」と言って、弁当を作り続けてくれる。定番は、好物の卵焼きと俵型のおにぎり。それに、前の晩のおかずが入る。「500円弁当を買うから」と伝えても、母は用意してくれていた。

 母が漏らした言葉を耳にした日の夜、両親が眠っているのを確認して、食卓に置き手紙をした。

 「ダイエットにつき、もう弁当は必要ないです」

 それでも翌朝、食卓に少し小さな弁当箱が置かれていた。その日は無言で朝食を囲み、出勤した。

 「口実だったのに、心がズシンと重くなった」

【平成家族】非正規シングル女性、収入12万円の「充実」と「取り残され感」
非正規シングル女性の数の推移
孤独ではないが、焦りも
 40歳を過ぎて、両親とけんかすることが多くなった。入浴する時間や掃除のタイミング……。生活のリズムが異なり、お互いの将来の不安も重なって、こらえきれずに感情をぶつけ合ってしまう。さっぱりした性格の母も、何かと心配してくれる父も、最近は疲れが目立つ。「もっとしっかりして」という小言に、返事ができない。

 本当は同居をやめて、自立したい。でも、この給料では家賃を払えない。自分が「半人前」のように感じ、現実逃避から休日は眠って過ごす日が少し増えている。

 半人前なのは、パートナーがいないからなの? 女性は35歳を迎えてから、こんな思いにとらわれるようになった。結婚願望は薄かったはずなのに。

 2004年に、酒井順子さんのエッセー「負け犬の遠吠(ぼ)え」がベストセラーになった。「30代以上、未婚、子どもなし」の女性を「負け犬」と呼び、論争を呼んだ。女性の生涯未婚率は上昇し続け、15年には14.06%になった。結婚することは、当たり前の時代ではなくなっている。

 女性は非正規で働くようになって給料は減ったが、時々行く一人飲みで20代から60代まで幅広い年齢層の友人ができた。決して孤独は感じない。美術を学んでいたので、仕事の傍ら版画や水彩画の制作も続け、充実していると思っていた。だが正社員の仕事につけない年月が長くなると、焦りもでてきた。

 恋愛は苦手で、男性とお付き合いをした経験は少ない。10年前から、インターネットの結婚相談サイトや婚活イベントで出会いの機会を増やす努力をしているが、成果はない。

 「婚活は、好きになれる気持ちがあるのかどうかのイメトレ」と言う。最近は婚活を「もはや実験」と考えるようになり、人を好きになるという意味が分からなくなってきた。

861チバQ:2018/08/08(水) 18:10:29
老いれば、経済力のない自分は
 実家から徒歩15分離れたところには、4歳上の姉夫婦が5年前に建てた住まいがある。天然木のドアを開けながら「ただいま〜」と声をかけると、小学生のめいとおいが「おかえり〜。待ってたよ!」と出迎えてくれる。

 正社員で働く姉の夫(47)も交え、週に1回は5人で夕食をともにする。両親との食事は年々軽めになり、女性には物足りなくなった。総菜を買うと高くつくし、栄養が偏らないようにと、姉が誘ってくれるようになった。

 姉の家では、めいやおいたちとトランプをしたり、宿題を見たり。習字の発表会に一緒に出かける機会もできた。めいは月に1回は実家に泊まりに来る。子どもたち2人は慕ってくれる。でも最近、それがつらい。もしこのまま独りで老いれば、経済力のない自分は、あの優しい子どもたちに迷惑をかけるのでは、と思ってしまうから。

 数年前、姉から真顔で「結婚しなくてもいいから子どもを産みなよ」と言われたことがある。必要とし、必要とされる人間関係にあこがれがある。だが、踏み込めない。心の中では「ネコみたいにひっそりと死にたい」と願っている。だが、めいやおいの顔が浮かび、すぐに打ち消す。

 食卓では、仕事のことや、子どもたちのその日の出来事が話題にのぼる。

 「店長が25歳の男性になって。うまく差配できずに現場は混乱よ」。一番キャリアの長い自分が、店長と契約社員をつなぐ役目になった。

 「どうしてこの給料でそんなことせんとあかんのかな」。ビールを飲みながら姉夫婦に愚痴ると、「うまく立てながら動かすしかないね」と率直な助言が返ってくる。硬くなっていた体や心が、「まぁいいっか」とゆるんだ。

【平成家族】非正規シングル女性、収入12万円の「充実」と「取り残され感」
35〜54歳の非正規シングル女性に聞いたアンケート結果
非正規、主婦からシングル女性に拡大
 総務省の労働力調査によると、35〜54歳で非正規のシングル女性は2002年の約24万人が12年には約60万人に。この10年間で2.5倍と、大幅に増えた。

 16年の労働力調査では、働く女性のうち56%が非正規で、その約半数が35〜54歳だった。かつて非正規は主婦パートが中心だったが、製造業に派遣労働が解禁されたこともあってシングル女性にも広がった。

 公益財団法人「横浜市男女共同参画推進協会」などが実施した同じ条件の女性を対象にした調査(15年)では、年収250万円未満が約7割を占めた。非正規の理由を「正社員で働ける会社がなかった」と回答した人は約6割にのぼった。

 調査した福岡女子大の野依智子教授(ジェンダー)は「経済困難だけでなく、未婚や非正規であることで心理的な圧迫を受けている人が多かった」と指摘。そのうえで「国は最低賃金の引き上げ、非正規単身世帯への家賃支援、最低限の年金保障をすべきだ」と求める。

862チバQ:2018/08/20(月) 22:51:08
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180801-00176130-diamond-soci
副業でAV出演しても食べるだけで精一杯、地方出身OLのマイルド貧困
8/1(水) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン
副業でAV出演しても食べるだけで精一杯、地方出身OLのマイルド貧困
写真はイメージです Photo:PIXTA
 格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第3回は、本業だけでは生活が苦しく、副業としてAVに出演している、地方出身のOLたちを追った。(ライター 根本直樹)

● “ギリギリ女子らしい”生活が したくてAVに出演する女性たち

 昨年あたりからさまざまなメディアで取り上げられるようになった「AV出演強要問題」によって、アダルトビデオ業界を取り巻く状況は厳しいものになりつつある。だが、そんな世間の風潮に困惑する女性たちもいる。いわゆる「企画モノ」と呼ばれるジャンルのAV作品に出演する、素人女性たちだ。

 これまで20本近くの作品に出演したことがあるという、看護師の女性は言った。

 「だまされたり、脅されたりして出演させられる女性がいるのは事実だと思います。でも、大半の女性は必要に迫られて、自ら望んで出演しているんです。強要問題が騒がれ過ぎて仕事が減ったりしないか、すごく不安です」

 副業で企画モノ女優をしている女性の多くは、地方出身の首都圏在住者。OLなどの本業だけでは経済的に厳しく、AVの仕事を月に1〜2本入れることで「ギリギリ女子らしい生活が送れる」のだという。しかし、現実はそれすら厳しいようだ。

● 年収200万円の派遣OL キラキラ女子に囲まれる憂鬱な日々

 渋谷区に本社を構える、中堅IT企業に勤務する派遣OLの葉山瞳(仮名・27歳)も、そんな“副業企画モノ女優”の1人だ。

 「本業の月収は、だいたい手取りで18万円前後。家賃とスマホ代を払ったら、ご飯を食べるだけの生活しかできない。これじゃ、何のために東京に出てきたか分からないじゃないですか」

 彼女は訴えかけるような口調でそう言うと、すぐに寂しそうにうつむいた。

 目鼻立ちのはっきりとした、どちらかといえば美人だが、どことなく地味で暗い雰囲気が漂う。女優歴は約1年半。本業の派遣OLの仕事は週4日勤務で、年収は200万円強だという彼女の暮らしぶりを聞いてみた。

 「OLとしての仕事内容は、サイトの記事を入稿する作業です。社員の人から次から次へと送られてくる文章や写真データを、フォーマットに合わせて配置するだけ。慣れれば誰でもできる単純作業ですよ。毎日10時から18時まで、ひたすらパソコンに向き合うだけの退屈な仕事です。会社行って、帰って来て、冷凍庫にストックしてあるご飯をチンして食べたら寝るだけ。以前は、結構残業があって助かっていたんですが、最近は働き方改革っていうんですか。そのせいなのか残業がどんどん減っちゃって、貧乏になる一方です」

 西新宿の自宅は築30年近くで、外壁がけばけばしい原色に塗装されたマンションの一室。家賃は6万2000円。窓を開けると、隣の雑居ビルの壁がすぐ目の前まで迫り、エアコン室外機の鈍い音が流れ込んでくる。5畳半のワンルームにはベッドと机、ソファが置かれ、大量の洗濯物が…。

 「ほとんどゴミ屋敷ですよね。お金に余裕がなくなると、何もする気が起こらなくなっちゃうんですよね」

 北海道内陸部の地方都市で、3人姉妹の末っ子として生まれた彼女は、地元の高校を卒業するとすぐに札幌に出て、配管工事会社の事務職に就いた。

 「父親が、水道工事の仕事をしている関係で紹介されたんです。社員15名ほどの小さな会社でした。正社員採用でしたが、給料は手取りで16万円ほど。でも、家賃2万円の社員用アパートに住めたので、今より生活は楽だったような気がします。彼氏もいたし、わりと楽しかったかな。何より精神的に楽でしたね。私以外に女性は経理のおばさんが1人しかいなかったので、気を使わなくてよかった」

863チバQ:2018/08/20(月) 22:51:30
 彼女は、そう振り返った後、今の心境についてこう語る。

 「こっちに来てからは、周りはキラキラ系の女子社員ばかり。とくに実家住まいのOLとは大きな格差を感じます。自分だけが貧乏で、かわいそうな子みたいな気分になって、それがすごく辛いですね」

 札幌の会社には約5年間勤務したが、当時、付き合っていた彼氏が川崎の工場に働きに出たのを機に上京した。23歳になっていた。

 「当初は、蒲田にあった彼の部屋に転がり込んだ形ですね。貯金は300万円ほどありましたが、彼氏が職場で上司とケンカして仕事を辞めてしまい、最初の1年で貯金はほぼ底をついてしまいました。今ですか?私にもうお金がないとわかったら、すぐに別の女のところに行っちゃいました。いまさら田舎に帰る気にもならなくて、だらだらとこっちに居着いちゃった感じですね。今、恋人はいません」

● ハンド&フットのモデル面接 実はAV出演の勧誘だった

 そんな彼女が、AVの世界に入ったのは約1年半前のことだ。

 「同僚から女子会や合コンに誘われるたびに、今度はなんて言って断ろうと考えるのが辛くて。実際はお金がないだけなんですが。仕事して食べるだけの毎日じゃ生きてる意味がない。洋服やアクセサリーもほしいし、化粧品や美容院代だってかかる。月々数万円でいいから余計にあれば、少しは余裕のある生活ができるのになぁってずっと思っていて、ネットでアルバイトを探していたんです」

 働く女性の副業といえば、風俗やキャバクラなどが思い浮かぶが、本業でくたくたになった後、そうした店でさらに働く自信が彼女にはなかった。

 「だから、なるべく短時間でそれなりに稼げる仕事を探していたんです」

 あるとき、求人サイトで「ハンド&フットのみの写真モデル、日当3万円以上」という広告を見つけた彼女は、胡散臭いと思いながらも申し込みメールを送り、面接を受けたのだという。

 「清潔でオシャレな感じの事務所で、面接担当者はキャリアウーマン風の女性。それで安心していたら、私の手と脚を見て、『残念だけど、パーツモデルはちょっと厳しいかな。でも、もっと稼げる仕事がありますよ』と言って、AV作品への出演を勧められたんです」

 ここ数年、ありがちな「AV勧誘」の手法の一つである。

 「最初はびっくりしましたが、無理強いしてくる雰囲気でもなくて、安心感がありました。話を聞いているうちに、月に1、2回我慢して働けば10万円くらいになりそうだと思って、その日のうちに契約書にサインしちゃいました」

● 裸をさらしても生活は楽にならず 親や友人バレにおびえる毎日

 彼女は、現在までに計9本の作品に出演した。

 「毎月、最低でも2、3本は出演依頼があると言われていたんですが、土日の撮影は人気が高くて、申し込んでもあぶれることが多いんです。結局、2ヵ月に1本か2本ほどの仕事しか入らず、本番NGの私の出演料は、1本3万〜5万円。“脚フェチモノ”とか“マッサージモノ”なんかに出演しました。お金的には、完全にアテが外れちゃいましたね」

 生活費の足しになればと軽い気持ちで始めた副業だったが、次第に大きな不安に取りつかれるようになったという。

 「本番なしといっても、顔出しで全裸になるわけです。いつか、会社の人や田舎の友人、親にバレるんじゃないかと、それを考えると胃のあたりがきゅーっとしてきて、心臓がドキドキし始めるんです。普段はなるべく考えないようにしているんですが、AV始めてからは常に精神が不安定な状態。精神安定剤を飲まないと眠れなくなりました」

 裸をさらしてもなお生活は楽にならず、しかも“バレ”を恐れる毎日。

 「安易に足を踏み入れなければよかった」とも思うが、それでも彼女は「生活のためにも、もう少し続けるつもり」と語る。

 先の見えない、不安だらけの日々はいつまで続くのだろうか。

根本直樹

864チバQ:2018/08/20(月) 22:52:05
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180808-00176761-diamond-bus_all
59歳・年収500万円、突然雇い止めされた非常勤講師のマイルド貧困
8/8(水) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン
59歳・年収500万円、突然雇い止めされた非常勤講師のマイルド貧困
写真はイメージです Photo:PIXTA
 格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第4回は、突然雇い止めを通告された59歳の非常勤講師を追った。(ライター 黒田透)

● 日大の2学部で突然 非常勤講師15人が雇い止めに

 アメリカンフットボールの危険タックル問題で注目を浴びた日本大学。だが、実は、もう一つ大きな問題を抱えている。スポーツ科学部と危機管理学部で、英語の授業を担当する非常勤講師15人が、2018年3月で雇い止めとなったのだ。

 この二つの学部は、16年に新設されてばかり。非常勤講師らは採用時、16年4月から4年間の雇用を約束されていたにもかかわらず、昨年11月に大学側が突然、雇い止めを通告。首都圏の非常勤講師らで組織する「首都圏大学非常勤講師組合」を通して抗議したものの、最終的には解雇されてしまったのだ。

 背景には、今年4月以降、非常勤講師たちを容易に切れなくなるという“ルール”が適用されたことにある。そのルールとは、通算5年を超えて働く有期契約労働者が希望すれば、無期雇用にしなければならないというもの。そこで慌てて、雇い止めを強行したものとみられている。

 非常勤講師たちにとっては、突然、雇用を奪われ、収入が絶たれるのだから死活問題。現在、雇い止めにあった非常勤講師らが大学を相手取り、裁判を起こしている。

● 59歳にして2度目の雇い止め 収入は大幅ダウン

 真砂久晃さん(59歳)も当事者の一人。日大スポーツ科学部と危機管理学部で、非常勤講師として英語を教えていた。

 「昨年11月の説明会で唐突に通告されました。そんな時期に言われても、既にどの大学も翌年度の非常勤講師の枠は埋まってしまっています。失った収入をカバーするのは厳しい。住民税も、前年度の収入で計算されますから大変です。書類には、『20年3月まで継続して担当してください』と書かれてあったのに…」

 真砂さんは、昨年、約30年間勤めた日大の工学部でも雇い止めに遭っている。工学部から突然、「来年度は、契約を半期空けてくれませんか」と言われたのだ。理由はやはり継続雇用による無期転換を避けるためと見られる。 “クーリングオフ”を伝えてきたのだった。

 「嫌ですと断ったら、『お疲れ様でした』と記念品を送られてきました(苦笑)。こちらはクーリングオフが嫌だと伝えただけで、働くのが嫌と言ってはないのに。30年近く働いてこんな目に遭うとは…」

 工学部に続いて、スポーツ科学部と危機管理学部を雇い止めされた分、真砂さんの収入は大幅ダウン。それでも日大の別の学部や、他の大学で英語の授業を合計14コマ教えているため、現在は月給42万円ほど。年収にして500万円ほどだ。

865チバQ:2018/08/20(月) 22:52:20
 とはいえ、非常勤講師はしょせんバイト扱い。額面の数字ほど、いい生活は期待できない。

 「国民年金や国民健康保険など合わせて、年間50万円くらいの負担になります。また、家のローンが75歳まで残っています。非常勤講師なので、ボーナスが出るわけでも、退職金が出るわけでもありません。そういう意味で、老後はやはり不安です。年金も少ないでしょうし。ただ非常勤講師は、大学によって75歳や80歳まで働けます。私は70歳までは働くつもりです」

 既に、子どもが社会人になり働いてることもあり、学費や子育てにかかる費用はないのが救いだ。

● 研究を志して非常勤講師から 専任講師を目指すがかなわず

 真砂さんが非常勤講師の世界に入ったのは、大学時代に専攻していた英文学の研究者を志したから。ただ、周知のとおり、大学で研究者になるのは狭き門だ。その入り口となる専任講師にならないと、准教授や教授といったその先が見えない。非常勤講師として大学で働きながらそのチャンスをうかがった。

 「1990年、31歳のときに非常勤講師になりました。指導教授が、知り合いの日大工学部の先生から『うちに英語の授業に来てくれる人はいませんか』と聞かれ、私に話がきたのです。キャンパスが福島県郡山市で、自宅のある所沢市から遠かったので迷いましたが、結婚することが決まったので決断しました」

 当初は、非常勤講師勤めも待遇がよく、遠方からの通勤ということもあってか、グリーン車代が出ていたという。

 「郡山で朝、2コマ教えて、夜は東京の予備校で教えていました。平成の初め頃はまだまだ学生が多くて、大学の学部が次々と新設されていたこともあり、英語の非常勤講師の仕事は引く手あまたでした。その後、順調に他の大学でも担当することが決まり、非常勤講師として食べていけるようになりました」

 しかし、専任講師の夢には届かなかった。

 「論文を書いたり、何度か大学の専任講師に応募したりしたのですがダメでした。40代くらいまで頑張ってみましたが無理で、非常勤講師でやっていかざるを得ないなと思いました。不安ですか?そりゃ、少しはありましたが、ある程度授業のコマ数を持っていたので、なんとか食っていけるかなぁとは思っていました」

 それでも、非常勤講師の立場は不安定だ。雇用契約は基本的に1年契約、毎年更新するという。通常であれば、よほどの問題を起こさない限り更新されていくが、カリキュラムの変更でせっかく得た授業を失うこともあるし、今回のように突然雇い止めに遭う可能性もある。

 「例えば、月曜日に行っていた英語の授業を水曜日に変更しますと言われても、簡単には対応できません。他大学の英語の授業と被るケースもあるからです。過去に何度かそういうことがあり、担当コマ数が減りました」

● 30歳前からのスタートで 年収200万〜300万円がゴロゴロ

 非常勤講師の道を選ぶ人の多くが、研究者を志している。ただし、大学院の修士課程や博士課程で学んだ後に非常勤講師になるため、ほとんどの人が30歳前のスタートとなる。

 英語など語学系の講師ならコマ数をもらえるチャンスも多いが、それ以外の専門科目となると、そもそも担当できるコマ数自体が少ない。そのため、年収200万〜300万円の非常勤講師はゴロゴロいる。しかも、教授はおろか専任講師にすらなれる保証はない。

 「研究者、非常勤講師という選択をしたころ頃は、まだ若いってこともあったんでしょうね、楽天的でした。今、過去の自分に何か伝えることができるとしたら、『そんなに甘くないよ』と言いたい」(真砂さん)

 真砂さんはまだ恵まれている方だが、それでも常に不安が付きまとう。そのため老後の生活に備えて節約を心がける。

 「昼飯はコンビニ弁当を買うこともありましたが、今はウィダーインゼリーとかソイジョイといったもので空腹をごまかしています。交通費も出ますが、回数券を買うようにしていますし、買い物はポイントが貯まるものを使っています。服はほとんどユニクロです」

 仕事終わりの一杯がささやかな息抜きだったが、今では自宅飲みが多い。

 60歳は目の前だが、働き続けないといけない。「日々の授業で喉はかれますし、腰も痛めます。それでも働かないといけません」

 日大との裁判も続いている。真砂さんに、身も心も休まる日はまだまだ訪れそうにない。

黒田透

866チバQ:2018/08/20(月) 22:52:42
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180815-00177157-diamond-soci
年収420万円非正規、「キャリア断絶転職」を続けて陥ったマイルド貧困
8/15(水) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン
年収420万円非正規、「キャリア断絶転職」を続けて陥ったマイルド貧困
Photo:PIXTA
 格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第5回は、会社の経営危機などから異業種に転職せざるを得なくなった契約社員の男性を追った。(ライター 横山薫)

● 企業の経営不振をきっかけに スタートした転職人生

 埼玉県の地方都市に住む森田哲司さん(仮名・36歳・独身)は、ビルメンテンナンス会社で働く契約社員。ボーナス60万円を合わせた年収は420万円と決して「下流」や「ワーキングプア」ではないが、「中間階級」ともいいがたい。まさにその“狭間”でもがく「マイルド貧困」の1人だ。

 森田さんは大学卒業後、22歳で中小の広告代理店に入社した。森田さんは当時をこう振り返る。

 「年収は1年目から400万円でした。しかも経費も多少使えていたため、夜は『営業先の接待』と称して食事に行ったり遊んだりすることもあって、楽しい会社員生活だったし、ゆとりもありましたね」

 ところが、最初の転機は5年目に来た。

 「働いていた会社の経営危機がささやかれ、早期退職者を募集したり、実質クビになったりした上司や先輩もいました。僕も『このままこの会社にいても未来はない』と思い、転職を考えていました。そんなとき、東京の地元の友人が不動産仲介会社を起業するという話を聞き、友人と一緒に働きたいと思うようになったんです」

 27歳のとき、森田さんはこの友人の会社で働くことになった。

 「不動産業界での経験はもちろん、知識もまったくない、正直いって興味もありませんでした。でも、友人の会社で友人と一緒に仕事するなんて若いうちにしかできないから、今しかないと思って転職を決意しました」

● 休みは月に1日だけ 残業代なしで深夜まで働き詰め

 この会社の給料は、年俸300万円プラス歩合だった。

 「だいたい年400万〜500万円くらいもらっていて、年収400万円を切ったことはないですね。収入的には前職よりも増えていますが、経費を考えると実質的に使えるお金は減ったと思います」

 不動産仲介業は全くの未経験だったが、森田さんには「この世界でのし上がりたい」という“山っ気”があった。

 「不動産仲介の営業マンは、仲介手数料・管理手数料の一部を歩合としてもらえる仕組みになっています。自分が担当する物件を多く持てば持つほど収入も増えるので、担当物件を積み上げて地盤をつくり、報酬を上げていきたかったんです」

 休みは月に1日だけ、残業代もなしで深夜まで身を粉にして働いていた森田さんだが、またも5年後の32歳のときに転機が訪れる。

 「収入に対する不満は少しあったものの、仕事への不満はまったくありませんでした。楽しかったしやりがいもあった。でも、あくまで、友人の会社で働く非正規社員。自分も不動産仲介会社を経営してみたいという思いが強くなったんです」

 そんなとき、同じ会社の同僚と一緒に起業しようという話が出たという。

 「同僚の父も不動産仲介会社を経営していて、その関連会社としてスタートすることで、経営もスムーズにいくと思っていました。ところが、同僚が独立すること怖気づいてしまったんです…」

 結局、この同僚とも仲違いしてしまった。何事もなかったように同じ会社で働き続けることは可能だったが、「一度は社長を志したわけで、今さら同じ会社で働き続けるのもおもしろくない」という思いがあったという。

 「仕事に対する悩みが大きくなっていたころ、大学の部活の先輩に相談したんです。その先輩はビルメンテナンス会社を経営していて『ウチで働いてみないか?』と誘ってくれました。不動産仲介で一旗揚げたいという未練はありましたが、『転職するなら、楽しさを感じなくなった同業じゃなくてもいいかな』という思いもあり、転職することにしたんです」

867チバQ:2018/08/20(月) 22:53:02
● 半額になったスーパーの総菜に 自分でご飯を炊く節約生活

 現在の森田さんの月給は30万円で、手取り額は23万円程度。家賃6.5万円(駐車場代込み)の1DKに住んでいる。森田さんの収入の使い道は次のとおりで、1人暮らしのため確かに余裕をもってやり繰りできている。

 家賃=6.5万円
水道光熱費=約1万円
ケータイ・通信費=約1.4万円
ガソリン代=約1万円
食費=約5万円
交際費・遊興費=約5万円
貯蓄=約3万円
---------------------------------------
支出合計=約23万円

 「今は週に2日の休みがあるし、残業もなく毎日17時半に仕事が終わって家に帰っています。昔は毎日外食でしたが、今は週に5日は自炊しています。といっても、スーパーで値引きされている総菜を買ったり、レトルト食品を温めたりするだけですが。ご飯はお米を炊いて少しでも節約しています。総菜は揚げ物が多いし、米とパスタが主食なので、健康と体重が気になりますね(笑)」

 森田さんが現在働くビルメンテナンス会社は、オフィスビルや工場、マンション、学校、病院などの設備管理、掃除、警備などを請け負う企業だ。

 「毎日が同じことの繰り返しではなく、喜ばれることもあれば、クレームをもらうこともある。でも、そのクレームにも真摯に対応すれば喜ばれるし、業務も改善され、それなりに仕事にやりがいを感じています」

 生活に関しては、こんなふうに語る。

 「何か買いたいものがあるわけでもないから、月々わずかながら貯金をしています。結婚、住宅購入など考えられない。来年も再来年も、今と何の変化もなく同じ時間を過ごしているのではないか、という不安はありますね。唯一の楽しみは、月に数回、池袋や埼玉県内の繁華街で飲みに行ったり、遊んだりすることだけですね」

● 人材の流動化が避けられない 社会構造が生んだ「マイルド貧困」

 収入面について、森田さんは「まだ4年目だから不満はありません」と話すが、こんな不安も口にする。

 「ちょっと心配しているのは、僕は一つの会社に5年より長く働き続けたことがないということなんです」

 確かに森田さんは、1度目と2度目の会社は5年で転職、現在の会社は4年目だ。今は転職の意思はまったくないそうだが、もし次にまた未経験の業種に転職でもしたら、ますます「マイルド貧困」の泥沼から抜け出すことは難しくなる。

 昨今、「働き方改革」が声高に叫ばれ、「副業」も認められる時代になった。企業側も社員の一生の面倒を見ることが難しくなったり、大企業といえども経営破綻に追い込まれたりすることだってある。そういう意味で、定年まで一つの会社に勤め上げるだけがキャリアではなく、人材の流動化は社会構造上、避けがたい状況だ。

 とはいえ、22歳で広告代理店、27歳で不動産仲介業者、32歳でビルメンテナンス会社と転職を繰り返した森田さんのように、勤続年数が短くキャリアが断絶した転職を繰り返してしまうと、キャリアアップどころか収入増にもつながらず、「マイルド貧困」に陥ってしまう。そういう意味では、社会的な構造が「転職型マイルド貧困」を生み出しているとも言えるのだ。

 「今は建物の管理・保守の仕事がメーンですが、今後は営業もやって、管理・保守を請け負うビルの新規開拓もしたいと思っています。不動産仲介業のとき、たまに地主のおじいちゃんのところに顔を出して挨拶をしに行って、その関係がきっかけで、その方が所有する物件の仲介を任せてもらったことがありました。そういう意味で、広告代理店や不動産仲介業での営業経験は、今の会社でもきっと生かせるはずだと思います」

 そう仕事への意気込みを語る森田さんだが、果たして明るい未来は待っているのだろうか。

横山 薫

868チバQ:2018/08/20(月) 22:53:45
https://diamond.jp/articles/-/173993
018.7.4

国立大合格でもバイト生活、結婚もできない27歳の「マイルド貧困」
横山 薫 
格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、「新たな貧困層」が生まれてきた。それは、生活に困窮するほどではなく、好きなことに多少のお金を掛けることはできるものの、上の階級へ這い上がることができず、将来に希望が持てない「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第1回は、地方国立大学に合格したものの2年で中退し、アルバイト生活を渡り歩いている27歳の男性の実態に迫った。(取材・文/ライター 横山 薫、ダイヤモンド・オンライン編集部 田島靖久)

手取りは18万円でも
カードゲームに興じる金はある
 都内のキャラクター関連ショップに、3年近く勤めている遠山健二さん(27歳・仮名)。以前はキャラクター関連のカフェで働いていたが、新規開店スタッフの募集を見つけ、新天地で頑張ろうと応募し採用された。雇用形態はアルバイトで、時給900円からスタートし、今ではバイトリーダーのようなポジションで1200円台まで上がったという。

「主な業務は販売、接客、レジ、荷物管理、電話対応などの店頭業務全般に、キャラクターに関するイベント設営・運営なども行っています。9〜17時で働いて、残業もたまにします。それで額面23万〜24万円、手取りは18万円くらいですね。築35年、3DK(44平方メートル)、家賃12万円の部屋に彼女と同棲しています」

 手取り18万円は決して多くはないが、彼女が定職に就いており収入があるので折半していて、収入の中でうまくやり繰りしているという。

「僕の支出は家賃6万円、携帯代1万円、光熱費1万円弱。それ以外に共通の食費や生活費、自分の食費などで消えますが、毎月3万〜5万円くらいは残って、その範囲内で自由に使っている感じです。残ったら翌月に持ち越したり、貯金に回したりもしています」

遠山さんが毎月1万〜2万円は散財しているというカードゲーム
遠山さんが毎月1万〜2万円は散財しているというカードゲーム。レアカードをゲットするために、数万円つぎ込むこともあるという Photo by Kaoru Yokoyama
 遠山さんは、自由に使えるお金のうち1〜2万円を、幼少期から好きな「カードゲーム」のカードの購入に充てているという。

「DSもWiiもプレイステーションも持っていて、人気ゲームはだいたい購入して遊んでいますが、今ハマっているのがカードゲームです。1〜2ヵ月に1回、新キャラクターが出るから、そのたびに購入していますね。レアカードが出るまで数万円買ったりしたこともあります。スマホゲームの“ガチャ”と同じですよね。でも、形に残るだけマシかなと思っています。友達と対戦しているときが一番熱くなれます(笑)」

彼女との結婚を考えると
正社員登用されたい
 好きなキャラクターに囲まれて仕事をし、好きなゲームに興じて暮らしている遠山さん。しかし、将来に対しては漠然とした悩みを抱えている。

「3年付き合ってる彼女と将来は結婚も考えているけど、先の見通しは分かんないですよねぇ。僕の貯金は20万円弱。早く100万、200万と貯めて、指輪とか結婚式の費用をつくりたいと思っているのですが、手取り収入からの資金繰りを考えると、全然足りないんです…。そのためにも早く社員登用試験を受けて社員登用されたいし、将来は店長を目指しています。いずれは、本社勤務で企画などに携わりたいですね。親の面倒とかは、大変なのかなぁって漠然と思いますが、10年、20年以上先のことなんで、真剣には考えていません。あまり意識もしていませんよ」

 ただ、たまに連絡を取る地元や大学時代の友人の話になると、どこか偏屈さを感じさせる。

869チバQ:2018/08/20(月) 22:54:15
「大学を卒業した地元の友人の中には、公務員や大手企業で働いている友だちもいるけど、ソイツはソイツ、僕は僕です。僕は働いてきた経歴から、周りにはバイトとか、バイト上がりの社員とかが多いから、そんなに焦りは感じていませんよ。ただ、数年ぶりに友達と電話して、“昔と変わっていない”のを知ると、ちょっと安心する自分もいますね」

 かつての若者の貧困問題と比べると、遠山さんはわずかながら自由なお金もあり、生活にさえ困るような深刻な困窮状態には陥っていない。しかし、仕事や結婚といった将来への不安は感じつつ、「考えても意味がない」と真剣に考えることは避けている。これこそが、新たな問題として生じている「マイルド貧困」の実態である。

きっかけは大学中退
一念発起して上京するが…
小さいころからゲーム・アニメ・キャラクター好きで、今はアニメキャラクター関連ショップで働く
ゲーム機は一通り持っていて、人気ゲームはだいたい遊ぶという遠山さん。小さいころからゲーム・アニメ・キャラクター好きで、今はアニメキャラクター関連ショップで働く Photo by K.Y.
 遠山さんが、こうした状況に陥った原因は大学時代にある。遠山さんは西日本のある地方で生まれ育ち、地元の国立大学に進学する優秀な高校生だった。ところが、大学でサークルにのめり込みすぎて勉強がおろそかになり、2年生が終わったときに留年するか退学するかの選択を迫られたという。

「これといって大学で学びたいこともなかったし、留年したら学費が余計に掛かるから、退学することを決断しました。漠然と『このまま地方にいてもダメだ』『今の状況から脱したい』『人と同じことはしたくない』との思いから、中退して1年間フリーターをやって、上京資金を貯めたんです」

 遠山さんの両親は、準公務員と保育士の共働き世帯だが、決して裕福な家庭ではない。そのため、100万円の上京資金は実家に住みながらアルバイトで貯めたという。

「割烹料理店とチェーン系飲食店の掛け持ちで週5日、働いていました。割烹といっても調理補助で、盛り付けたり、配膳したり、食材の説明をしたり。料理なんてしたことなかったんですが、チェーン系の飲食店だったこともあってすべてがマニュアル化されており、それほど難しくはなかったので苦になりませんでしたね。昼間の時間帯はチェーン系飲食店で、その後18時から23時まで割烹で働いて月16万〜17万円、多いときで20万円くらい稼いでいました。それで年間100万円を貯めたんです」

 遠山さんは、100万円が貯まった段階で思い切って上京する。

「もともと東京に行こうと考えていたわけじゃないのですが、アニメキャラクター関連の専門学校の広告を見て、『これだ!』と。ただ、引っ越し代と学費で、100万円では足りなくて…。親に相談したところ、『やりたいことをやれ』と不足分を援助してくれたのは、ありがたかったですね」

 手元資金はほぼゼロの状態で、東京での生活をスタートさせた。東京ではカラオケ店でバイトをしながら専門学校で学び、無事2年で卒業。卒業後はキャラクター関連のカフェに就職することができたが、やはりここでも雇用形態はアルバイトだったという。

「正社員にはあまりこだわっていませんでした。小さいころからアニメやキャラクターが好きだったので、関連する飲食店で働けるという喜びだけでしたね。夢をつかんだような。しかも、立ち上げスタッフとして入店したため、まだ誰も接客や発注業務の経験がなかったんです。そんな中、発注業務や接客マニュアルの作成を任され、アルバイトという立場でしたが、やる気に満ちていました(笑)」

 売り上げ状況を見て、翌日にどんな食材をどれくらい仕入れなければいけないかなど、すべて手探り状態。ところがこの発注業務において、地元の割烹料理やとチェーン飲食店で働いていた経験が生かされたという。

「定職に就いたことがない僕ですが、アルバイトの経験だけは人一倍多い。それが生かされるとは思ってもいませんでした。3ヵ月もすると店長代理みたいな立場でリーダー的存在になり、多くの仕事を任されるようになって満足でした」

 キャラクター関連のカフェでやりがいを感じ、3年間働いた遠山さんだが、あるとき、冒頭で紹介したキャラクター関連ショップが新規開店することを知って応募した。今は、小さいころから好きだったアニメキャラクター関連ショップで働くことができている遠山さん。

870チバQ:2018/08/20(月) 22:54:35
「人手が足りず忙しかったり、人間関係の板挟みにあうこともあったり、つらいこともあります。でも、小さいころからの夢だったし、と自分に言い聞かせて頑張っていきたいですね」

困窮するほどではないが
這い上がれない「マイルド貧困」
「1億総中流」と呼ばれた時代は、はるか昔。「格差社会」も通り越して、今の日本には「現代版カースト制」さながらの「階級社会」が到来している。生まれた家庭や、就職時期の経済状況によって「階級」が決まり、しかも固定化してしまう。「格差社会」どころではない状況だ。

 早稲田大学の橋本健二教授によれば、一握りの富裕層である「資本家階級」(254万人、就業者人口の4.1%)を頂点に、エリート層である「新中間階級」(1285万人、同20.6%)、ホワイトカラーであるものの所得が低い「労働者階級」(2192万人、同35.1%)、そして最下層の「アンダークラス」(929万人、同14.9%)という階級が固定化しているという。

 シビアなのは、資本家階級を除き、今は新中間階級や労働者階級であっても、滑り落ちる可能性が極めて高いこと。そして、「大学をきちんと卒業し、新卒でいい会社に就職し、正社員として働き続ける」という“レール”から一度でも外れると、元に戻ることは難しいという、やり直しがきかない社会であることだ。

 こうした階級に加えて、『ダイヤモンド・オンライン』では、生活保護を受けるまでではないものの、その“予備軍”である「マイルド貧困」という階級があり、確実に増えているのではないかと考えている。橋本教授の区分でいえば、「労働者階級」の下の層と、「アンダークラス」の上の層とを合わせたイメージだ。

 ぜいたくこそできないものの、困窮するほどは切羽詰まってはおらず、趣味や好きなことに多少のお金を掛けることができる。だが、いったんこの階級にはまってしまえば、最下層に落ちることはあっても、社会構造上、決して上の階級に這い上がることはできない。それこそが「マイルド貧困」だ。

 ある意味で夢をつかんだ気もする。そう思い込みたい――。

 そう言い残して去って行った遠山さんの言葉から、新たに生まれた「マイルド貧困」の根深さが感じ取れる。今日、明日を生きることはできる。しかし5年後、10年後の将来は描くことができず、目を背けてしまう。そんな「マイルド貧困」の実態を、さまざまな角度から取り上げていくことにする。

871チバQ:2018/08/20(月) 22:55:18
https://diamond.jp/articles/-/174992
2018.7.18

年収350万円、子どもができて慌てる契約ライターの「マイルド貧困」
黒田透:ライター 
格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、「新たな貧困層」が生まれてきた。それは、生活に困窮するほどではなく、好きなことに多少のお金を掛けることはできるものの、上の階級へ這い上がることができず、将来に希望が持てない「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第2回は、結婚して子どもができたために、今後の人生を迷っている契約ライターを追った。(ライター 黒田透)

今のままでいいのか悩む
出版社の契約ライター
 国末融さん(36歳、仮名)は、都内の出版社で雑誌の契約ライターとして勤務する。既に5年近く、契約ライターとして仕事をしているが、この1年で取り巻く環境が大きく変わり、今のままでいいのか悩んでいる。

「仕事内容は、自分で提案した企画記事を執筆したり、担当の編集者から依頼のあったテーマを取材して記事にしたりします。また、不定期発行のムック本も年間数冊関わっています」(国末さん)

 そんな国末さんの収入はこんな感じだという。

年収は350万〜400万円
業務委託で定職に就けたと喜ぶ
「現在は、年収ベースでいうと350万〜400万円。業務委託契約なので、残業代やボーナスなどは出ません。ここから、国民年金、社会保険料、住民税など税金が引かれるので、月単位でいうと実質手取り22万〜23万円くらいでしょうか。業務委託契約なので、他の媒体の仕事も受けることはできるのですが、仕事が忙しくてそんな余裕はないですね」

 31歳の時、知人の紹介で、ある出版社の雑誌編集部に関わり始めた。当初は、提案したテーマで記事を書き、採用された場合だけお金を受け取る形だった。1本当たり1万6000円で、週に2〜3本書くことこともあれば、採用されず全く書けない週もあったという。収入の浮き沈みが激しい厳しい世界だ。

 国末さんは、1年間こんな形で働いた後、業務委託契約の提案を受け、受け入れた。

「編集部から、ムック本の制作で人が足りなくなったので手伝ってほしいと言われ、契約しました。こちらも“定職”に就けたと、願ったり叶ったりだと思いました。また、政治、経済、事件、スポーツ、芸能、生活とあらゆる取材をする機会がありますし、有名な方とお会いする機会もあるので、仕事自体は楽しいです」

 業務委託契約となれば、書いた記事の本数で給料が左右されるわけではなく、会社と取り決めた年間の固定給が月割りで銀行口座に振り込まれる。一見、会社の給与を受け取っている感覚に近い。だから国末さんが“定職”と感じるのは無理もない。

 だが、現実には業務委託契約なので、ボーナスが出るわけでもない。毎年契約を更新し、その都度、年棒を交渉する。編集部の責任者が、1年間の働きぶりがよかったと判断すれば年棒は上がるし、期待に沿えていないと判断されれば年棒は下がってしまう。

 さらに大変なのは、評価基準がそこまで明確ではないこと。つまり、気に入られるかどうかも重要な要素だということだ。となると、たとえどんな無茶な依頼でも断りにくい。

872チバQ:2018/08/20(月) 22:55:44
 本来、国末さんのような契約ライターは正社員ではないので、自分が持つ人脈や知識の中で記事化するのが難しいと思った場合は断ることができる。しかし、1回でも断ってしまうと、次の仕事の依頼がこなくなるのではないかと不安に感じ、結局は受けざるを得ないのが実態だ。その結果、それなりの記事はできるかもしれないが、浅く薄っぺらいものになってしまう可能性も高く、最終的には誰も得しないにもかかわらずだ。

実家暮らしで甘えて
30歳で貯金も人生設計もなし
 ライターになるまで、国末さんはどんな道を歩んできたのか。

 国末さんは都内の大学を卒業後、地方にあるメーカーの工場に就職した。ただ、仕事環境がブラックすぎて1年で退職。その後、実家のある都内に戻り、バイト生活を始めた。なぜバイト生活を選んだかというと、大学時代から一緒にやっていたバンド仲間たちと、プロのミュージシャンを目指そうという話になったからだ。バイトをしながら、日々スタジオを借りて練習し、ライブをするという生活を続けていた。

「苦しいとか考えてなかったですね。それにバイトは、保険会社のテレフォンオペレーターだったんですが、夜勤だったこともあって時給が高く、週3〜4日ペースで月に25万円以上は稼いでいました。稼ぎの大半はスタジオ代で消えていきましたが。ただ、年数を重ねていくにつれ、仲間内で『本気でプロになりたい派』と、『趣味で楽しむ程度でいい派』に分かれてしまい、結局自然消滅してしまいました。そんなフラフラした生活を見かねて、知人がライターとして声をかけてくれたのです。確かに30歳にもなって貯金はなく、人生設計も特になかった。実家暮らしということもあって、親に甘えていたんです」

 業務委託で契約ライターとして働き始めた国末さんだが、仕事の面白さを感じる半面、正社員たちとの格差や壁を感じることもあった。

「編集部に自分の席があり、正社員と肩を並べて仕事をしていますが、同じ仕事をしていても収入が倍以上違うことを知りました。残業することも多いのに、残業代が出るわけでもありませんし。また、出版社のデータベースや資料を調べる時など、正社員は自由にアクセスできても、私のような立場だとアクセス制限されます。初めてそれを知った時は悲しくなりました」

 待遇や職場環境が悪いとわかれば、その職場を離れてもいいと思うのだが、続けてきてしまったのには国末さんの育った環境もある。

「自分で言うのもなんですが、父親が大企業で働いていたこともあって、中流家庭で育ちました。小学校から大学までずっと私立でしたし。だからなのか、ハングリー精神があまりないんです。出世したいという欲も、お金を稼ぎたいという欲も、いい女を抱きたいという欲もなかった」

 年齢に対しての収入の低さや、契約ライターという不安定な立場を考えると、貧困層に足を踏み入れつつあると言わざるを得ないが、実家暮らしであったため危機感はあまり感じなかったという。

半年前に結婚して子どももでき
今の状況を変えたいと考え始める
 しかし、そんな国末さんも変わらざるを得ない状況になった。半年ほど前に結婚し、さらに奥さんが妊娠中なのだ。それまでは自分1人が生きていければよかったが、これからは家族3人の生活になる。

「守るべきものができて、さすがに意識が変わりました。これまでは、収入が少なくてもどうにかなるという楽観的な考えを持っていましたが、子どもができるとなると、少しでも収入があった方がいいし、会社が半分払ってくれる厚生年金に加入できるなど、さまざまな保証で守られている正社員の方がいいと考えるようになりました。もっといえば、妻も実は契約社員でして、育休や産休が取れないことも初めて知りました」

 国末さんが指摘するように、正社員と契約ライター(契約社員)では、例え毎日同じ職場で同じ時間働こうが、会社から受けられる保証が違う。例えば、国末さんが契約している出版社の正社員は、健康診断を年間2回受けることができる。しかし、国末さんは受けることができない。自分で予約し、1万円以上支払わないと健康診断さえ受けられないのだ。

「結婚し、生まれてくる子どものためにも、今のような状況を変えたいと思い始めています」

 こうした状況は、なにも契約ライターだけではない。派遣社員や契約社員に加え、パートやアルバイトといった非正規労働者は、2017年、2133万人となり過去最多を更新している。人手不足の折、非正規とはいえ仕事はあるため、生活自体は困らない。だが、結婚や子どもが生まれるといったライフイベントに遭ったとき、それまでの収入では到底足りない現状が待ち受けている。そうした「マイルド貧困」たちの将来は視界不良と言える。

873とはずがたり:2018/08/26(日) 20:00:31
日本の子どもの7人に1人が「貧困」…私たちができることとは?
https://www.excite.co.jp/News/column_g/20180826/TokyoFm_98auoF6nZR.html
TOKYO FM+ 2018年8月26日 19時00分

秋元才加とJOYがパーソナリティを務め、生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすく伝えるTOKYO FMの番組「秋元才加とJOYのWeekly Japan!!」。8月25日(土)の放送では、内閣府・子どもの貧困対策推進室参事官の牧野利香さんに「子どもの貧困」をテーマに伺いました。

「貧困」と聞くと、一般的には食べるものや着るものがない状態をイメージしがちです。日本では、そういった目に見える貧困は少ないそうですが、政府が発表している子どもの貧困率は13.9%、「およそ7人に1人が貧困である」というデータがあります。「健やかな成長に必要な生活や教育の機会に恵まれない子どもは、日本でも相当数いる」と牧野さん。

さらに、数字上は貧困の枠に入っていない家庭でも、経済的な理由で進学をあきらめている子どもや、労働のために親が家にいないことが多い貧困家庭では、子どもが「居場所がない」と社会的に孤立してしまうことも多いのだとか。

また、「経済的理由で子どもの視野を広げる機会や人とのかかわりが少なくなることで、子どもが将来観を持てなかったり、自分の可能性に気付かないまま進学や就職のチャンスを逃してしまうことも問題の1つ」と、牧野さん。「進学のチャンスが乏しい子どもは、就職しても収入が低い可能性が高い」と貧困の連鎖についても説明します。

牧野さんは、こうした貧困状態に置かれている子どもを救うために、「国は経済的な支援をはじめ、就職や教育支援などさまざまな体制を整えている」と言います。しかし、保護者や子ども自身が貧困であるという自覚がない、自覚があっても周りを気にして声をあげられない、周囲が支援の必要な子どもの存在に気づいていないという課題も多いのだとか。

子どもたちに確実に支援を届けるためには、社会全体で子どもたちを支えていくネットワークを作り、情報を伝えていくことが大切だと牧野さん。そこで政府と民間企業などが連携して生まれたのが「子どもの未来応援基金」です。これは、企業や個人から寄付を募り、そのお金をNPOなどの民間団体の支援に充てる取り組みです。

例えば、塾に通えない子どもたちのために、無料もしくは低料金で学習をサポートする団体や、温かい食事と団らんを提供する子ども食堂を運営する団体があります。そのほか、絵を描いたり、物を作ったりと子どもたちに「体験」の機会を提供する団体、虐待にあった子どもや児童養護施設退所者に向けたキャリアサポートをする団体などさまざま。

民間企業だけでなく、個人がクレジットカードや銀行振込みで寄付ができたり、本や物、着られなくなった子ども服などを送ると換金され、基金として活用されたりする仕組みもあるそうです。

最後に牧野さんは「子どもの貧困をなくすことは子ども本人はもちろん、私たちの明るい未来を作るために大切なこと。できる範囲で参加してほしい」と協力を呼びかけていました。

JOYは「(約7人に1人の子どもが貧困と)日本も多いんだね……」と現状に驚き、「ちゃんとサポート体制があるということがわかった。すべての家庭がそれを知っているかと言えばそうではないと思うし、知るきっかけになってくれれば」と期待を寄せます。秋元は、「せっかくそうした体制があるので、受けられる支援は受けていただきたい。自分たちにできそうなこともあったので、できることから始めたい」と話していました。

874とはずがたり:2018/08/31(金) 16:18:32
京都は特殊事情やな。大家がガメっとる。

収入が減る一方で家賃は上がる──日本が過去20年で失った生活のゆとり
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/20-52.php
2018年7月18日(水)16時50分
舞田敏彦(教育社会学者)

家賃が若年層の生活を圧迫しているのは都市部だけではない nopparit/iStcok.

<生活費のうち家賃が占める割合は、93〜13年の20年間で大きく上昇し全国平均で2割近くにまで達している>

生活の基盤である住居は、持ち家と借家(賃貸)に分かれる。2013年の統計によると持ち家は3217万世帯、借家は1852万世帯となっている(『住宅・土地統計調査』)。比率にすると「3:2」で持ち家世帯の方が多い。しかし若年層では借家が多く、世帯主が20代の世帯の9割、30代の世帯の6割が借家に住んでいる。

持ち家は住宅ローン、借家は家賃という固定費用が発生する。生活のゆとりの度合いは収入と支出のバランスで決まるが、後者の代表格は住居費だ。食費や遊興費のように節約はできず、毎月定額を払わないとならない。住居費が収入に占める割合は、生活のゆとりの度合いを測る指標になる。

上記の資料から、借家世帯の月平均家賃と平均年収がわかる。2013年のデータだと前者が5.4万円(I)、後者が358.3万円(II)だ。家賃の年額が年収に占める割合は,(I×12カ月)/II=18.1%となる。20年前の1993年の12.9%と比べて大きく上昇している。収入が減る一方で(414.6→358.3万円)、家賃は上がっているためだ(4.5→5.4万円)。

地域差も大きい。地方より都市部で家賃が高いのは誰もが知っている。都道府県別に「家賃/年収」比を計算し、3つの階級で塗り分けた地図にすると<図1>のようになる。左は1993年、右は2013年のマップだ。

この20年間で地図の色付きのところが増えている。1993年では色が付いているのは都市部の9県だけだったが、2013年では全県に色が付いている。両端の値を示すと、1993年は8.6%(島根県)〜17.2%(東京都)、2013年は13.1%(青森県)〜22.3%(東京都)、となっている。

どの県でも収入は減り家賃は上がっているので、こういう結果になる。収入は減るが生活費は上がる。借家世帯に限ったデータだが、国民の生活にゆとりがなくなっていることがうかがえる。今年は『住宅・土地統計調査』の実施年だが、「家賃/年収」比が2割を超える県が多くなっているかもしれない(2013年では東京、京都、大阪のみ)。

これはあくまで全体平均で、分布をみると「家賃/年収」比が4割、5割を超える世帯もある。若年層では、こうした無理をしている世帯が多い。2013年の若年の借家世帯(世帯主が25歳未満)でみると、月平均家賃が4.6万円、平均年収が157.2万円なので、家賃年額が年収に占める割合は34.8%になる。地域別に見るともっと凄まじい値が出てくる。<表1>は、47都道府県を高い順に並べたランキングだ。
最高の京都府では、若年の借家世帯の「家賃/年収」比が50%を超えている。収入の半分以上を家賃で持っていかれることになる。その次が東京都の45.0%で、北陸の2県も4割を超える。京都府や東京都は単身の学生が多いためだろうが、勤め人であれば家賃を払うために働いているようなものだ。

住居費がここまで生活に重くのしかかると、実家を出て世帯を構えることは難しく、親元にパラサイトせざるを得ない。若者の自立を促し、未婚化・少子化に歯止めをかけるためにも、「住」への公的支援が必要だろう。

875とはずがたり:2018/09/02(日) 07:47:54
「冷房使用は福祉」 猛暑続く韓国、電気料金を値下げへ
https://www.asahi.com/articles/ASL874PSDL87UHBI00G.html
ソウル=武田肇2018年8月7日19時51分

 韓国で「暴炎」と呼ばれる猛暑が続いていることを受け、韓国政府は7日、7〜8月の住宅用電気料金を引き下げると発表した。国民が安心してエアコンを使えるための措置だとし、値下げで生じる見込みの減益分2761億ウォン(約273億円)は政府の予算や基金で補うことを検討する。

 今夏、ソウルで観測史上の最高気温を更新する39・6度に達するなど韓国でも記録的な猛暑が続く。熱中症による死者も42人まで増えていることから、文在寅(ムンジェイン)大統領はこの酷暑を「特別災難」と位置づけ、「冷房の使用は基本的な福祉」として引き下げを指示した。

 今回の措置で1世帯当たりの電…

876とはずがたり:2018/09/02(日) 09:57:27
乙武洋匡 作家
生活保護の受給者は、本当に「ラクをしている」のか?
https://www.huffingtonpost.jp/hirotada-ototake/welfare-japan_a_23312714/?utm_hp_ref=yahoo
2017年12月20日 19時25分 JST | 更新 2017年12月20日 19時25分 JST

生活保護の受給費削減について、思うところをつぶやいた。



かいつまんで言うと、生活保護は国民一人ひとりにとってのセーフティーネットであり、保険である。日本国憲法においても、私たち国民は「健康で文化的な最低限度の生活」を送ることが保障されているのだから、そこはあまりケチるべきではないのでは、という意見だ。

これに対しては、「その通りだ」と賛意を示してくださる方もいれば、「今までがもらいすぎなのだから、下げられて当然」という意見もあった。実際に生活保護を受給している人々からの悲痛なリプライを読むにつけ、彼らが「もらいすぎ」だと断罪する気にはなれないが、しかし、批判をする人々の意見にも耳を傾けるべきものがある。

「あいつらは仕事もしないで、苦労もせずにカネをもらっている」

働けども、働けども、生活がラクにならない人々の心にこうしたネガティブな感情が芽生えることは、とても自然なことだと思う。その感情を真っ向から否定する気持ちに、私は、なれない。ただ、そうした感情を、そのまま生活保護叩きへと向けることには、「ちょっと待ってほしい」と思うのだ。

そもそも、生活保護受給者の人々は、本当に「ラクしている」のだろうか。私は、そうは思わない。もし、彼らの生活が本当に苦労のないものであるなら、生活保護叩きをしている人々もこぞって仕事を辞め、みずからが生活保護の申請をしているはずだ。だが、ほとんどの人はそれをしない。なぜか。それは、日本ではまだまだ生活保護を受給することがスティグマ(負の烙印)とされているからだ。

本来、生活保護の受給は、恥じるべきことではないように思う。ツイートでも書いたように、体を壊したり、精神を病んだりして仕事ができなくなる可能性など、誰にも等しくあるからだ。だから、そうした状況に陥ってしまった場合は、恥じることなく生活保護を申請できる社会にしていくべきだと思う。

だが、いまの日本では、そのスティグマを恐れて、多くの方が「ギリギリまで」頑張ってしまう。生活保護を受給することは一般社会からの「転落」と捉えられてしまい、それによって大いに自尊心を傷つけられてしまう可能性があるからだ。

だから、「生活保護の受給者はラクをしている」という考え方に、私は賛同できない。あらゆる出費を切り詰めて、切り詰めて、それでもどうにもならなくなった時に、仕方なく受給の申請をしている方がほとんどだろうと思うのだ。もちろん、一部にはそうした努力さえすることなく、安易に生活保護に頼っている方もいるだろう。しかし、だからと言って、受給者全体を指して、「あいつらはラクしている」と批判するには無理があるように思う。

もう一つ、散見された批判のなかには、「あいつらも頑張れば働けるくせに」というものがあった。これも気持ちはわからないではないが、ある意味、危険な考え方だと感じた。それは、相手が自分と同じ健康状況、精神状況であることを前提としているからだ。だが、「あなた」と「彼ら」は違う。健康状況も、精神状態も、さらには能力も。

立場を変えてみよう。必死に働けども、経済的に苦しい思いをしている人に、高所得者が「もっと給料の高い仕事に就けばいいのに。努力が足りないんじゃない?」という言葉をかけたとしたら、はたして前者の人々はどう思うだろうか。おそらく、怒り心頭。「それができたら苦労しねえよ」とでも吐き捨てたくなるだろう。

勤勉なことで知られる日本国民。ほとんどの人が、与えられた環境のなかで最大限に努力している。その時点での健康状態、精神状態、能力などを踏まえた上で、できるかぎりの努力をしている。しかし、所与の状況が異なるのだから、努力の結果が異なってくるのも当然だ。だから、高所得の人、そうでない人、働くことができない人が出てきて当然だと思うのだ。

さて、ここまでつらつらと長文を書き連ねてきたが、結局は"感情"の問題なのだろうとも思う。「おまえの言っていることは理解できなくもないが、それでも生活保護を受けているやつらが、どうしてもムカつくんだよ」という方もいらっしゃるだろうと思う。もう、それは仕方がないですよね。感情ですもん。理性とは別のところの。

でもね、最後にこれだけ。生活保護叩きをして、彼らの受給額を下げさせることに成功しても、結局は誰も得しないんですよね。一円の得にもならない。だったら、「生活保護ふざけんな」と叫ぶのではなく、「最低賃金を上げろ」と主張するほうがよっぽど建設的だし、私たちの利益につながると思うんですよね。

以上、無職のオッサンによる戯言でした。

877とはずがたり:2018/09/07(金) 10:19:06


生活保護の母子加算削減をやめて、ひとり親家庭にやさしい社会にしよう
https://news.yahoo.co.jp/byline/ohnishiren/20171220-00079495/
大西連 | 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい 理事長
2017/12/20(水) 8:00

生活保護の母子加算削減をやめて、ひとり親家庭にやさしい社会にしよう
現在、生活保護基準の引き下げの議論が進んでいます。

報道等によれば、12月18日に政府内での大枠の議論がまとまり、生活保護に関しては総額で160億円の削減方針が示されました。

生活保護費:年1.8%削減へ 18年10月から3年かけ - 毎日新聞

東京新聞:生活扶助、3年で160億円削減へ 政府決定 母子加算も減額:核心(TOKYO Web)

まだ、詳細な資料は公開されていないのですが、報道によれば以下の点が大きな変更です。

・生活扶助分(生活保護の生活費分)は180億円削減(平均1.8%減)

・母子加算は20億円削減(平均19%減)

・児童養育加算については3歳未満は15000円から10000円に減額。一方で、15歳から18歳までにも適用範囲を拡大(40億円の増額)

・削減幅は最大5%にとどめ2018年10月から3年かけて段階的に新基準を適用。

削減というのはつらい話です。削減幅が数百円の人から1万円以上になる人もいますが、当事者からすれば、みな一様に生活水準を下げることを強いられます。

生活保護基準の引き下げの全体の話は下記の記事で書きましたので、今日は母子加算の話をしたいと思います。

なぜなら、今回、最も削減されてしまうのが「母子世帯」だからです。

そして、この「母子世帯」こそが、もしかしたら日本で最も生活が苦しく、かつ、支援が届いていない人たちです。

そこを支援するのでなく削減するというのはやっぱりおかしい。そのことを解説したいと思います。

全体の話はこちら。生活保護基準の引き下げはやめてほしい(大西連) - Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/ohnishiren/20171215-00079311/



878とはずがたり:2018/09/10(月) 09:18:20
バブル崩壊直後は未だ給料が高かったんだなあ。。デフレで実質所得が下がってるとはいえ名目値でこんなに下がってる。
名目でやるとどうなるんだ?
40代前半は引用は省略したけど舞田さんも指摘してるけどロスジェネ世代。
人手不足とか云ってるけど単純労働層が人手不足で安定した仕事は人手不足になってないのが不十分だな。ちゃんと働き過ぎを改善して行かないと。まあ一部のエリートが猛烈に働くのはアメリカやフランスでもそうだけど日本はエリートじゃ無くても猛烈に働かされる。

2018年7月14日土曜日
40代前半男性の所得中央値
http://tmaita77.blogspot.com/2018/07/40.html

 2017年の『就業構造基本調査』の結果が公表されました。昨日の14:30でしたが,私は10分ほど前からパソコンの前にへばりついて,今か今かと待っていました。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/index.html

 このブログでは幾多の官庁統計を分析していますが,『就業構造基本調査』は最も活用しているものの一つです。この調査の目玉は有業者の所得を調査していることで,所得をキーにしたクロス集計表も多数アップされています。性別・年齢層別の所得分布,所得階層別の未婚率など,いろいろなことを明らかにできます。

 本調査でいう所得とは,「賃金,給料,手間賃,諸手当,ボーナスなど過去1年間に得た税込みの給与総額」をいいます(用語解説)。税引き後の年収とは区別される概念です。

 私は,2017年のデータが公表されたら,今の自分の世代の所得がどうなっているかをまず明らかにしたいと考えていました。私の世代は,2017年では40代前半になっています。原資料の度数分布表に当たって,40代前半男性の所得分布を整理してみました。今の特徴を浮き彫りにすべく,過去との比較もします。そうですねえ。バブル末期の1992年と比べましょうか。

 所得が分かる40代前半男性有業者は,1992年では521万人,2017年では439万人ほどです。この人たちの年間所得分布を整理すると,以下のようになります。カテゴリーがちょっと粗いですが,1992年の原統計の区分に依拠しています。

 バリバリの働き盛りの男性ですが,この四半世紀で所得分布に変化が見られます。500万超の層が減り,代わって低所得層が増えています。所得200万未満には灰色をつけましたが,この層の割合は,1992年では4.8%でしたが,2017年では7.9%となっています。ワーキング・プアが微増しています。

 この分布から,フツーのアラフォー男性の所得がナンボかを,一つの代表値で可視化しましょう。高い順に並べた時,ちょうど真ん中にくる人の所得がいくらかという,中央値がベストです。右端の累積相対度数から,1992年は500〜600万円台,2017年は400万円台の階層に含まれることが分かります。

 按分比例を用いて,累積相対度数が50ジャストの値を推し量りましょう。

1992年:
 按分比=(50.0-46.3)/(77.0-46.3)=0.120
 中央値=500万円+(200万円×0.120)=524.1万円

2017年:
 按分比=(50.0-37.4)/(55.0-37.4)=0.717
 中央値=400万円+(100万円×0.717)=471.7万円

 はじき出された所得中央値は,1992年が524万円,2017年が472万円です。この四半世紀で,40代前半男性の所得中央値は50万円以上減ったことが知られます。蛇足ですが,私の所得は2017年のメディアンに遠く及びませんね。



投稿者 舞田敏彦 時刻: 14:58

879とはずがたり:2018/09/10(月) 09:21:30
貧困もまあ重要な問題だけど奈良・和歌山が沖縄と並んで下位3位を占めてる!?なんでだろ・・。

大竹先生が橘木先生を論破したのは格差拡大に見えるけど本当は人生の結果が出て格差が大きい老人世代が増えたからだって論理だったけど40代だけで見ても格差は拡大している様だ。

今回の結果だと,アラフォーの所得中央値を見ると和歌山は中〜下位で奈良は中〜上位なので奈良はその辺が違うのかも。

2018年9月8日土曜日
40代前半男性の相対的所得ギャップ
http://tmaita77.blogspot.com/2018/09/40.html

… 7月14日の記事>>878では,40代前半男性の所得が,90年代初頭に比してどう変わったのかを明らかにしました。所得分布から出した中央値は,1992年では524万円だったのが,2017年では472万円です。この四半世紀で50万円以上の減少。「失われた25年」にかけて,アラフォー男性の所得は大きく失われました。

 あまりに衝撃的な事実のためか,当該記事では本ブログで最も読まれています。今の40代前半といったら,世紀の変わり目に大学を出たロスジェネですが,この世代の関心をひいたのでしょう。76年生まれの私も,この世代に属します。

 今回は,両年の所得分布表を加工して,別の事実を浮き彫りにしようと思います。アラフォー年代内部での所得格差がどう変わったかです。所得が減っていることに加え,同世代内部での格差も広がっているのではないか。こういう仮説です。

 格差の指標といえばジニ係数で,これまで何度も計算したことがあります。ちょっとややこしい指標ですが,これよりもシンプルな尺度もあることを知りました。相対的所得ギャップというものです。
https://resemom.jp/article/2016/04/14/30905.html

 所得の下位10%値が中央値に占める割合です。下から10番目の人(プア)の稼ぎが,ちょうど真ん中の人(普通)の何%に当たるかです。

 両方とも,所得の度数分布表から割り出せます。2017年の40代前半男性の所得分布表から出してみましょう。出所は,同年の『就業構造基本調査』です。

 所得が分かる439万人の分布です。左端は人数,真ん中は全体を100とした相対度数,右端はそれを積み上げた累積相対度数です。

 累積相対度数から,下位10%値が200万円台前半,中央値は400万円台の階級に含まれることが分かります。按分比例を使って,それを推し量りましょう。もう慣れっこですよね。

下位10%値:
 按分比=(10.0-7.9)/(14.4-7.9)=0.3243
 下位10%値=200万円+(50万円×0.3243)=216.2万円

中央値:
 按分比=(50.0-37.4)/(55.0-37.4)=0.7169
 中央値=400万円+(100万円×0.7169)=471.7万円

 下位10%値は216.2万円,中央値は471.7万円と出ました。よって,上記の意味の相対的所得ギャップは,前者を後者で割って45.8%と算出されます。アラフォー男性でみると,プアの稼ぎは普通の人の半分弱というところです。

 1992年の所得分布では,下位10%値は253.4万円,中央値は524.1万円なので,所得ギャップは48.3%となります。プアが普通に占める割合は,この四半世紀でちょっと下がってますね。すなわち,所得格差が拡大している,ということです。

 これは全国値ですが,地域別の数値も出せます。47都道府県別にみると,相対的所得ギャップ値には幅があります。下の表は,高い順に並べたランキングです。

この四半世紀にかけて全国的に,プアの所得が普通に占める割合が下がっています。アラフォー男子の所得格差が開いている,ということです。

 1992年では31の県で50%(半分)を超えてましたが,2017年ではそういう県は10県しかありません。3分の1に減っています。逆に,プアの所得が普通の4割にも満たない県が出てきています(沖縄,奈良,和歌山)。奈良は,陥落が大きくなっています(51.3%→37.1%)。

 1992年では,分布の幅は「60.4%〜42.8%」でしたが,2017年では「55.4%〜36.6%」とやや広がっています。格差の大きい県と,そうでない県の分化が進んでいます。



880とはずがたり:2018/09/10(月) 09:29:26
色々統計的な扱いがヌルいので叩かれてる舞田さん。
それにしても非常勤講師の委嘱が終わってしまったせいなのかもしれないけど「元」教育学者は酷いだろ。
今も頑張っていらっしゃる。

因果関係を恣意的に取り上げてグラフで可視的に思わせるのは嫌う人は嫌うよねえ。。その辺の厳密さを棄ててマスコミ・言論に生きてくのか?

頑張ってるんで応援してあげたい。いくつか本買ってみるかねえ・・。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9E%E7%94%B0%E6%95%8F%E5%BD%A6
舞田敏彦

舞田 敏彦(まいた としひこ、1976年 - )は、元・教育学者(博士(教育学))[1]。2015年まで半期1コマのみ武蔵野大学非常勤講師[1]を勤めていた。

略歴
1976年生まれ。鹿児島大学大学院修士課程を経て、東京学芸大学連合大学院博士後期課程に進学。陣内靖彦に師事。2005年に『高等教育就学機会の地域間格差に関する実証的研究』にて博士(教育学)。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80-%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%82%B9-%E7%8A%80%E3%81%AE%E6%95%99%E5%AE%A4-%E8%88%9E%E7%94%B0%E6%95%8F%E5%BD%A6/dp/4794970323/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1536538921&sr=8-1&keywords=%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80+%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%82%B9
データで読む 教育の論点 (犀の教室) 単行本(ソフトカバー) ? 2017/8/3
舞田敏彦 (著)

『教職教養らくらくマスター』&『教職教養よく出る過去問224』のご案内
http://tmaita77.blogspot.com/p/blog-page_28.html

881とはずがたり:2018/09/10(月) 09:42:59
ちゃんと相関があることと自分の予想を峻別して判ってるけど時間ないし統計的にちゃんとあるのは大変だし論説レベルだしえいやと行くよってスタンスでやれば叩かれないのかもしれないけどそれだと歯切れ悪いし信者が付いてこないか。。

よっき含めて頑張る不安定な40代を熱烈に応援するぞっ。

舞田氏のツイートも良く流れてくるけど(直接フォローはしてなかったような),フォローしてる馬氏も京大の社会学?の院卒みたいだ。しらんかったが奥さんもツイッターしててこの前公開夫婦げんかしてて知ったw
結婚して6年とか云ってたし40代にはなってなさそう(もっと若そう)だけど文系院卒非正規雇用組は基本応援したい。
そんな一人と思ってた『高学歴ワーキングプア』の水月昭道氏だけどなんと家業が筑紫女学園で今はその経営陣に収まってるようだ。なんだボンやんけ,とちょっとがっかり。まあ問題提起なんかは評価してるし学校法人評議員なんかに収まらずに活躍して欲しいところ。
筑紫女学園に高学歴OD沢山採るとかしたってくれ。

エクセル統計学者・舞田敏彦の光と影 - Togetter
https://togetter.com/li/1103576

舞田さんのミニ記述統計は面白いんだけど、何で折れ線グラフにするのかね。普通、棒グラフだと思うんだが. 山本一郎(やまもといちろう@告知用) @kirik 2017-07-29 14:29:06. また舞田敏彦さんか。交絡因子ばっかで相関語るのいい加減やめてくれねえかな.
舞田敏彦 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

【舞田敏彦】舞田敏彦のデマに気がついた500人の人たち - Togetter
https://togetter.com/li/1187992

まとめました。舞田敏彦のデマに気づいて、そのことをツイートした人だけで、500人ぐらいいます。実際に気づいてツイートしていない人も加えれば、数千人が舞田敏彦のデマに気づいていることでしょう。ブロッ..

水月昭道
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9C%88%E6%98%AD%E9%81%93

水月 昭道(みづき しょうどう、1967年 - )は、日本の環境心理学者・評論家・浄土真宗の僧侶、筑紫女学園評議員。福岡県生まれ。

882とはずがたり:2018/09/10(月) 14:29:36
https://twitter.com/OECDTokyo/status/1037811490789699585
OECD東京センター
認証済みアカウント
@OECDTokyo
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その他
各国平均に対する可処分所得の比率にみる地域差を比較したところ、メキシコの連邦直轄地とトルコのアンカラの平均所得は、それぞれチアパス、東アナトリアと比較して3.3倍高くなっています。「世界の地域格差2016」は医療、雇用など多様な分野を地域差の視点で分析しています??https://bit.ly/2Ch5rHj

14:15 - 2018年9月6日

883とはずがたり:2018/09/10(月) 14:30:43
https://twitter.com/OECDTokyo/status/1037454108410699776
@OECDTokyo
フォローする @OECDTokyoをフォローします
その他
【高齢者の貧困????】相対的貧困にある高齢者の割合を比較したところ、韓国(46%)、ラトビア(27%)、オーストラリア(26%)で高いことがわかりました。日本は19%、OECD平均は13%でした。また、調査国すべてで相対的貧困にある女性の割合は男性を上回っています??https://bit.ly/1NnijEq

14:35 - 2018年9月5日

884とはずがたり:2018/09/12(水) 18:01:02

二つの戸籍で不正受給…「いい生活したかった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180911-OYT1T50018.html
2018年09月12日 17時39分

 不正に取得した戸籍名と、出生時の戸籍名を使い分け、生活保護費を不正に受給したとして、東京都町田市が市内在住の80歳代の男性を詐欺の疑いで、町田署に刑事告訴していたことがわかった。被害は計約1014万円に上る。市は生活保護費の返還を請求し、男性は分割での返済を始めているという。

 市生活援護課によると、男性は2009年9月から16年8月まで、約60年前に取得した戸籍の名義で年金を受け取る一方で、出生時の戸籍の名義を使い、市から生活保護を受けていた。年金の受給額は生活保護の対象基準を超えており、男性は本来、生活保護を受ける資格はなかったという。

 16年9月、男性が交通事故で市内の病院に入院した際、2種類の名前を使っていたことが判明。市は今年7月5日付で刑事告訴した。

 男性は一人暮らし。市によると、都外の裁判所に約60年前、出生時の戸籍が存在しないとする虚偽の申し立てを行い、新たな戸籍の取得を認められたという趣旨の説明をしている。市の調査に不正受給を認め、「少しでもいい生活をしたかった」と話したという。

2018年09月12日 17時39分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

885とはずがたり:2018/09/12(水) 18:18:25

二つの戸籍で不正受給…「いい生活したかった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180911-OYT1T50018.html
2018年09月12日 17時39分

 不正に取得した戸籍名と、出生時の戸籍名を使い分け、生活保護費を不正に受給したとして、東京都町田市が市内在住の80歳代の男性を詐欺の疑いで、町田署に刑事告訴していたことがわかった。被害は計約1014万円に上る。市は生活保護費の返還を請求し、男性は分割での返済を始めているという。

 市生活援護課によると、男性は2009年9月から16年8月まで、約60年前に取得した戸籍の名義で年金を受け取る一方で、出生時の戸籍の名義を使い、市から生活保護を受けていた。年金の受給額は生活保護の対象基準を超えており、男性は本来、生活保護を受ける資格はなかったという。

 16年9月、男性が交通事故で市内の病院に入院した際、2種類の名前を使っていたことが判明。市は今年7月5日付で刑事告訴した。

 男性は一人暮らし。市によると、都外の裁判所に約60年前、出生時の戸籍が存在しないとする虚偽の申し立てを行い、新たな戸籍の取得を認められたという趣旨の説明をしている。市の調査に不正受給を認め、「少しでもいい生活をしたかった」と話したという。

2018年09月12日 17時39分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

886とはずがたり:2018/09/25(火) 09:37:49
厚労省
生活保護世帯子ども部活動 領収書なし精算可能に
毎日新聞2018年9月4日 18時27分(最終更新 9月4日 18時42分)
https://mainichi.jp/articles/20180905/k00/00m/040/048000c

 10月から生活保護世帯の子どもの部活動にかかる費用が定額支給から実費精算に変わるのに伴い、厚生労働省は4日、領収書がなくても精算は可能との見解を自治体向けの説明会で明らかにした。学校からの配布資料などで金額を確認できればOKという。「学校側から領収書をもらわねばならなくなると、子どもがみじめな思いをする」と与党内でも懸念の声が上がっていた。

 給付は小中高校生のいる世帯が対象で、部活動で使う用具や楽器の購入費、合宿費、部費などに使える。これまでは毎月定額の受給だったが、申請で上限額(高校生なら年間8万3000円)まで精算する制度に変更する。

 厚労省によると、申請には学校から配布されるチラシなど金額の分かる資料か領収書が必要。ただし、例えば遠征などの際に集団行動の中で一人だけ領収書をもらうのは難しく、交通費は経路を申請書に記載すれば認めるとした。部費についても、子どもが教員に領収書を求めるのは心理的な負担になるため、領収書は不要とする。【熊谷豪】

887とはずがたり:2018/10/01(月) 14:02:17
>今回は2018〜20年の毎年10月、3回に分けて見直す。
三回に分けて下がるって事らしい

生活保護、67%世帯で減額
10月から、食費や光熱費
https://this.kiji.is/417582440517813345
2018/9/26 16:23
c一般社団法人共同通信社

 生活保護のうち、食費や光熱費といった生活費に当たる「生活扶助」の支給額が10月から変わる。受給世帯のうち26%が増額となる一方、67%で減る。都市部の単身高齢者世帯や子どものいる世帯への影響が大きい。

 厚生労働省は5年に1度、一般の低所得層の消費支出額と比較し生活扶助を見直している。今回は2018〜20年の毎年10月、3回に分けて見直す。現在の支給額と比べ今年10月に最大1.7%、20年に最大5%の減額となるケースがある。

 65歳以上の単身世帯の76%、子どものいる世帯の43%で引き下げられる。受給者からは「さらに生活が苦しくなる」との声が相次いでいる。

888とはずがたり:2018/10/21(日) 17:52:46
>金にならない車も「資産」と言い張る厚労省の理不尽。

https://twitter.com/tetsurokokubo/status/1053610378620354560
小久保 哲郎
@tetsurokokubo

日本の特に地方には生活保護以下の収入で歯を食いしばっている母子世帯がいっぱいいる。それは生活保護を受けるとどんなポンコツ車でも処分しろと言われるから。金にならない車も「資産」と言い張る厚労省の理不尽。詳しくは→これがホントの生活保護改革 https://www.amazon.co.jp/dp/4750347167/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_neXYBbR5YANKW … @amazonJPさんから

4:34 - 2018年10月20日

https://twitter.com/shin2_ota/status/1053621719817060352
太田 伸二
?@shin2_ota

東北の方が生活保護の申請を躊躇する大きな理由の一つが自動車です。
鉄道は本数が少なく、バスは路線が減っています。子供や高齢者が居る世帯では必要性が高いです。
自動車か生活保護かを迫られている世帯が数多くあり、捕捉率を下げています。

889とはずがたり:2018/10/21(日) 19:29:02
https://twitter.com/tetsurokokubo/status/1053275587207282689
小久保 哲郎
@tetsurokokubo

日本は保護費1ヶ月分以上の預貯金があると生活保護は受けられない。でも仏、スウェーデンは預貯金を問わない。英国は約250万円、韓国は500万円以上(都市部)持っててもOK。破産しても99万円はOKなんだから、せめて保護費3ヶ月分位認めるべき。詳しくは→https://www.amazon.co.jp/dp/4750347167/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_rHDYBbYR5723G … @amazonJPさんから

6:24 - 2018年10月19日

890とはずがたり:2018/10/30(火) 21:16:13
生活保護、67%の世帯で減額 10月から「生活扶助」の支給額が変更
http://news.livedoor.com/article/detail/15360095/
2018年9月26日 16時23分 ライブドアニュース速報

生活保護のうち、食費や光熱費といった生活費に当たる「生活扶助」の支給額が10月から変更される。受給世帯のうち26%が増額となる一方、67%で減額。都市部の単身高齢者世帯や子どもがいる世帯への影響が大きいとされている。共同通信が報じた。

65歳以上の単身世帯の76%、子どもがいる世帯の43%で引き下げられる。受給者からは「さらに生活が苦しくなる」との声も出ている。

891とはずがたり:2018/11/06(火) 22:17:49
家賃が払えない場合に家賃を給付してもらう方法!〜住宅支援給付制度のすすめ〜
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20141225-00041793/
藤田孝典 | NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授
2014/12/25(木) 12:33

892とはずがたり:2018/11/09(金) 08:59:27
2018年11月03日 12時00分 サイエンス
遺伝子研究で「才能ありで生まれるよりも金持ちに生まれる方がいい結果を生む」という結果が発表される
https://gigazine.net/news/20181103-born-rich-or-gifted/

893チバQ:2018/12/04(火) 17:26:32
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181202-01527252-sspa-soci
年収300万円未満の“ほぼ貧困”層におちいる3つの要因
12/2(日) 9:00配信 週刊SPA!
年収300万円未満の“ほぼ貧困”層におちいる3つの要因
(日刊SPA!)
 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。

◆“ほぼ貧困”に陥ってしまう家族の共通点とは?

「すでにギリギリの生活を強いられ、少しのトラブルがあれば、一気に深刻な貧困状態に陥る。そんな瀬戸際にいる家庭は確かに増え続けています」

 世帯年収300万円未満の“ほぼ貧困”層の増加について、そう指摘するのは、社会福祉士の藤田孝典氏。その背景として「雇用の劣化」を藤田氏はまず挙げる。

「昨今、求人自体は正社員も含めて数多くありますが、あまりにも質が悪い。終身雇用を前提とした、いわゆる日本型雇用とは性質の異なる“名ばかり正社員”が大半。昇給も昇進もなければ、身につくスキルもない。会社側には長期にわたって雇い続ける気もありません」

 そうして20代のうちにまともな職を得られなかった人はその後、よくて現状維持。多くはより劣悪な就労環境を余儀なくされる。

「いまや共働きでなければ、まず家庭を支えられない社会環境にもかかわらず、いまだに30〜40代男性が『家族を一人で支えて一人前』といった旧態依然とした価値観にさらされる機会があります。そういったプレッシャーが家庭不和の原因となり、深刻な場合は家庭内暴力へと繫がってしまいます」

 さらに家族とのコミュニケーション不足もまた貧困を加速させる。

「本来は収入が十分でない人ほど周囲とコミュニケーションをとり、支え合う必要がある。にもかかわらず、知人はおろか家族とのコミュニケーションをとらず、残念ながら家計の計画的な運用がままならないケースもあります」

 さらに貧困化へのもう一つの引き金が予期せぬ病気だ。

「自分や家族がいつ働けなくなるかは誰にもわかりません。日々のストレスが多いのならなおのことです。介護のために離職を強いられることもあります。そうして収入を失うと、貧困化が一気に悪化することも」

 そして、何より恐ろしいのがこれらの要因が2つ以上合わさり、事態をより深刻化させ、困窮から抜け出せなくなることである。

「どこかの歯車が狂いだすと、ほかの問題も連鎖することは珍しくありません。貧困の芽は早めに取り除く必要があります」

 すでに一つでも身に覚えがあれば、“ほぼ貧困”は他人事ではない。

《貧困に至る3要因》

1.20代の就活失敗

2.自分or家族の病気

3.家庭内のコミュニケーション不足

 “ほぼ貧困”に陥ってしまうケースとして「20代での就活失敗」「家庭内のコミュニケーションの欠如」「自身or家族の病気」が数多く見受けられた。要因が複数になってしまうと貧困化に拍車がかかる傾向にある。

【藤田孝典氏】

社会福祉士。NPO法人ほっとプラス代表理事。貧困、ブラック企業問題に取り組む。著書に『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』などがある

― 年収300万円家族の苦悩 ―

894チバQ:2018/12/04(火) 17:27:28
https://nikkan-spa.jp/1517662
2018年10月16日
新卒での就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者「年収240万…娘の進学希望も叶えられない」
 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った――

新卒就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者
…遠山浩二さん(仮名・44歳)/世帯年収260万/家族構成:妻+子供(16歳)

 総務省の労働力調査によると、今年8月の時点で正社員として働く機会のない非正規雇用者は35〜44歳で約365万人。現在、埼玉県で非常勤の塾講師とアルバイトの家庭教師をかけ持ちする遠山浩二さん(仮名・44歳)もそんな非正規雇用者のひとりだ。

「今、満足に妻と娘を養うことができていないのは、関西大学時代、就職氷河期の影響で就活に失敗したのがすべての始まり。内定は1社ももらえず、卒業後にようやく見つかったのは、学習塾の非常勤講師でした」

 2年後には正社員として登用されたが、毎年のように生徒集めのノルマを課せられ、「講師なのに営業活動に割く時間のほうが多かった」と当時を振り返る。

年収300万円家族の苦悩
関西の人気私大に進むも’90年代後半の就職氷河期の影響で就活は全滅。教員免許を持っていたため、卒業後は特に興味のなかった塾講師の仕事を始めてはや22年。現在は埼玉県の県営住宅(3DK、家賃4万9000円)に住む

「志望校合格率や難関校への合格者数のノルマもありましたが、同じ地域には大手の学習塾や個別塾が次々と進出し、規模の小さなウチはジリ貧。ノルマは達成できないことのほうが多く、毎週本部に呼び出されてはダメ出しされるし、あまりのストレスで円形脱毛症ができるほどでした」

 当時は毎日、朝から深夜まで働いても年収はピーク時で400万円弱。次第に体の不調を訴えるようになり、逃げ出すように35歳でほかの学習塾チェーンに転職。だが、そこも似たり寄ったりのブラック職場だった。

「しかも、40歳のときに経営難を理由に複数の教室が閉鎖となり、リストラされてしまったんです。年齢的に正社員として採用してくれる塾はなく、非常勤講師の職を確保するのがやっと。家庭教師のアルバイトも始めたが、年収は240万円までダウンしました」

 スーパーでパートとして働く妻の収入を合わせても現在の年間収入は約260万円。

「その妻の勤務先がセルフレジを導入することになり、パートの削減を予定しているらしいんです。クビを想定して新しいパート先を探しているようですが、そこに頼らなければ生活できないのがツラい。夫として情けないばかりです」

 マイホームはとっくに諦め、ずっと団地住まい。遠山さんには高校生の一人娘がいるが、「このままでは娘が本当に志望する大学には行かせられない」と嘆く。

「娘は生徒会役員で学年でも成績上位の優等生ですが、『奨学金で看護学校に行くから』と言ってくれています。でも、本当は学校の先生になりたがっていたのを知っているんです。娘のそんなささやかな願いすら後押しできないのは親として失格ですよね。家計が苦しいのはお互いに知っているので、妻とも娘ともどこか遠慮がちで、家族なのによそよそしい会話をしてしまうのも辛いです」

年収300万円家族の苦悩
リクナビで条件を入力して調べたところ、塾講師で検索結果に引っかかったのは1社。これも異業種転職を考える理由になったという

 今さら営業やガテン系の肉体労働が務まる自信はなく、塾や家庭教師も若い人材が好まれる業界ゆえにこのまま続けるのも難しい。

「消去法で残ったのはタクシーの運転手くらい。でも、努力次第で稼げるとも聞きますが、実際はかなり不安定そうだし、そもそもペーパードライバーの自分に務まるかどうかも不安で……」

 しかし、転職しなければさらなる収入減は必至。もはや迷っている時間はない。

<遠山さんの苦悩>
今の仕事を続けるのも地獄、別の業種に転職するも地獄

【1か月の収支】
月収 19万5000円
家賃 4万9000円
食費 4万5000円
外食費 1万5000円
水道光熱費 1万円
通信費 1万5000円
その他雑費 2万5000円
ローン・借金 2万円
こづかい 4万円
収支 -2万4000円
(※こづかいは夫婦と娘の3人分)

<取材・文/週刊SPA!取材班>
― 年収300万円家族の苦悩 ―

895チバQ:2018/12/19(水) 11:42:11
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181219-00254453-toyo-soci
「ないない尽くし」非正規公務員の悲惨な実情
12/19(水) 5:30配信 東洋経済オンライン
「ないない尽くし」非正規公務員の悲惨な実情
東京都のある自治体で非正規公務員として働き、2年前に雇い止めに遭ったというリョウさん(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「私も非正規公務員として、司書の隣接資格である社会教育主事の資格で自治体の社会教育施設で働いてきましたが、パワハラなどでうつ病になり、次年度の雇用更新申し込みを拒否されました。これからどうすればいいのでしょうか」と編集部にメールをくれた、34歳の独身男性だ。

■「正規」と「非正規」を隔てる、大きな格差

 東京都内のある自治体――。正規公務員には、90日間の病気休暇に加え、3年間の休職が認められている。この間の収入は、傷病手当金などで8〜10割が補償される。

 これに対し、非正規公務員にあるのは、30日間の病気休暇だけ。収入は6割にダウン。休職制度はない。復職に向けた産業医のカウンセリングも、非正規公務員は受けられない。

 「正規」と「非正規」を隔てる、大きな格差。この自治体で、1年ごとに任用更新される社会教育指導員として働いていたリョウさん(34歳、仮名)が、こうした格差を知ったのは職場のパワハラなどが原因で、うつ病を発症したときだった。

 病気休暇を使い切った後は、欠勤扱い。一時は、少しずつ出勤できるようになるまで回復したが、結局、その次の更新時、雇い止めにされた。2年前の出来事である。

 リョウさんは「上司から指示された仕事を全力で誠実にやってきたのに、体調を崩したからといって、はい、おしまい、と言われるのは納得できませんでした」と言う。

 総務省によると、リョウさんのような地方自治体の非正規職員は、2005年の約45万6000人から、2016年には約64万3000人に増えた。10年余りで、4割も増加したことになる。また、この統計は、対象を「任用期間6カ月以上」に限定しているため、同6カ月未満の非正規職員も含めると、その実数は70万人を超えるとされる。

 いずれにしても、行政の現場はいまや、「5人に1人が非正規」。規模の小さい町村などでは、「3人に1人が非正規」「半数が非正規」というところもある。

 非正規職員が増えた背景には、自治体の財政難がある。2007年には、地方自治体財政健全化法が制定。都道府県や市町村などは、目に見える「成果」を求められるようになり、正規職員を、“安価”な非正規職員へと置き換えるようになった。

 自治労(全日本自治団体労働組合)の実態調査によると、非正規職員の7割が年収200万円以下のワーキングプアだという。ボーナスなどがある正規職員の3分の1以下である。低賃金で、いつ雇い止めに遭うかわからない「官製ワーキングプア」を、自治体自らが増やし続けているのだ。

896チバQ:2018/12/19(水) 11:42:35
■毎月の勤務日数は16日間で、月収は約20万円

 話をリョウさんに戻す。リョウさんは私大の大学院を修了。自治体で社会教育や生涯学習に関わる仕事に就きたいという希望はあったが、このころすでに、社会教育指導員の採用はほとんどが非正規だった。一方、当時はリーマンショックの直後で、周囲の友人たちは内定が取れずに苦戦していた。

 就職活動に、いたずらに時間と気力を奪われるよりは、非正規雇用でも、やりたい仕事に挑戦してみようと決意。雇い止めにされた自治体とは別の自治体の採用試験を受け、社会教育指導員として働き始めた。

 毎月の勤務日数は16日間で、月収は約20万円。フルタイムで働いても、ワーキングプアという典型的な非正規公務員と比べれば、年収はかろうじて200万円を超えた。仕事の面でも、高齢者や若者向け講座の企画、運営に携わるなど、着実にキャリアを重ねることができたという。

 数年後、社会教育行政に力を入れているという評判を耳にしていた、別の自治体に転職。リョウさんは「ステップアップのつもりでした」と話す。

 ところが、勤続3年を過ぎたころ、ある新規事業の立ち上げを任されることになり、業務が急増した。通常の仕事に加え、新規事業に必要な備品や消耗品のリストアップや、民間事業者との打ち合わせ、職員向けマニュアルの作成など、果ては議会に提出するための資料作りまで命じられた。

 転職先の自治体でも、リョウさんの勤務日数は、要綱で「16日以内」と規定されていた。連日で出勤できるとは限らず、正規公務員のように、その日に終わらなかった仕事を翌朝に片づけるといった、やり繰りができない。このため、いったん出勤すると、長時間勤務にならざるをえなかったし、休日のたびに持ち出しても支障がない資料を持ち帰っては、仕事を続けた。帰宅する電車の中でもパソコンを開き、作業に追われたこともあったという。

 後になって、こうした残業時間を計算したところ、1カ月で60時間を超えた月もあった。しかし、残業代などの手当は一切、支払われなかったという。

 「仕事の内容は、非正規の職務や責任の範囲を超えていました。仕事の量も、16日勤務でこなせる限界を超えていました。社会教育指導員には、昼過ぎから夜間までの遅番勤務があるのですが、休み明けの昼過ぎに出勤すると、夕方までに資料を作成しろという命令が下りてきているんです。到底無理。事業のスタートが近づくにつれ、期限に余裕のない、思いつきのような指示がポンポンとふってくるようになりました」

897チバQ:2018/12/19(水) 11:43:26
 次第に寝つきが悪くなり、酒量が増え、ついに限界がきた。

 またしても急な命令で開かれることになった会議で、資料作成や会場準備が間に合わなかったのだ。結局、会議のスタートが遅れるなどの支障が出た。さらに、後日、開かれた研修会の席で上司から「準備不足」「時間の無駄」などと叱責されたという。

 そしてある朝、布団から起き上がることができなくなった。初めての無断欠勤――。病院でうつと診断された。

 リョウさんの場合、残業が月60時間とはいえ、もともとの勤務日数が少ないので、過度の長時間労働があったとまでは言えない。ただ、残業代の未払いは法令違反だし、16日勤務ではこなせない量の仕事を押し付け、叱責するのは、典型的なパワハラのひとつ「過大な要求」に当たる。

 リョウさんは「限られた条件の下で、懸命に期待に応えてきたつもりです。(叱責した上司は)非正規の働かせ方も知らないんですよ。プライドが傷つきました」という。体というより、心が壊れた、ということなのだろう。

■「1カ月の勤務日数は16日以内」の違和感

 病気休暇に入ると、正規公務員の同僚の中には、リョウさんを心配してくれる人もいた。しかし、いったん雇い止めが決まった後は、それ以上抗議の声を上げてくれることはなかったという。

 要するに、メンタル不調に陥った場合、非正規公務員は事実上、即クビということだ。正規公務員なら、ブランクを重ねながらも、働き続けている人は少なくない。職場環境によるとはいえ、復帰を目指せる職場があるか、ないかとでは天と地ほどの差がある。

 話は少しずれるが、私が官製ワーキングプアの現場を取材していて、違和感を覚えることの1つは、「1カ月の勤務日数は16日以内」という、一部の非正規公務員に適用される勤務形態だ。これは、「勤務時間は、常勤職員の4分の3を超えない」という人事院規則に準じ、自治体側が持ち出した規定である。

 しかし、非正規公務員の中でも、「主たる家計の担い手」が増えるなか、自ら16日勤務を望む人がどれだけいるだろうか。一人暮らしをしたい、貯金をしたい、結婚をしたいと思えば、せめて任用期間中はフルタイムで働き、もっと稼ぎたいと考えるのではないか。

 実際、16日勤務の非正規公務員の中には、ダブルワークやトリプルワークをしている人もいる。いずれにしても、地方自治体はこんな中途半端な雇用を生み出し、いったい、どこへ向かおうとしているのか。

 リョウさんに話を聞いたとき、彼がいちばん初めにしたことは、自分がこれまでに執筆した記事が載っている専門誌や冊子などを、テーブルいっぱいに広げたことだった。

 男性を対象にした本連載では、自身が手掛けた書籍や論文、作品などの“成果物”を私に見せてくる人が時々いる。「履歴書代わりに」「私のことを知ってもらうために」など、理由はさまざまだが、担当編集者に尋ねたところ、女性の貧困を取材する現場では、そのような場面にはまず出合わないという。

 男性はプライドが高い、と言いたいのではない。

■かつて理不尽な差別に遭うのは「女性」だった

 かつて、非正規公務員として働き、理不尽な差別に遭うのはもっぱら女性だった。それがいつの間にか、公務職場に限らず民間でも非正規雇用で働かざるをえない男性が増えた。個人の努力や能力の問題というより、社会の構造が変わったのだ。

 取材で話を聞いた男性の多くが無能ではないことを、私は知っている。彼らが過去の成果物を見せるのは、彼ら自身が、いまだに『男は働いて家族を養うべきだ』といった、ジェンダー規範に呪縛されているからではないか。理想と現実のギャップが大きければ、雇い止めに遭い、貧困に陥ったことへの敗北感は強烈だろう。

 この2年間、リョウさんは傷病手当金を期限まで受け取った後、現在は失業保険を受けている。実家暮らしのため、生活は何とかなっているが、失業保険もまもなく受給期限を迎える。その後は、なんとか障害年金を受けられないか、考えているという。

 「就職活動もしています。でも、まだ働く自信がないんです」。そう語るリョウさんの表情は乏しく、怒りもなければ、覇気もないように見えた。心は今も、打ち砕かれたままだ。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

898とはずがたり:2018/12/30(日) 19:33:27
先進国で最悪レベル…。7人に1人の子どもが貧困状態な日本。
勉強する機会を奪われた子どもたちの現実とは?
http://gooddo.jp/nf/article-katariba-3/?from=gooddo_twt_nf3_pc_b_1

899とはずがたり:2019/01/08(火) 15:26:30
2016年の記事だが流石イタリア

2016年05月12日 00時28分 JST | 更新 2016年05月12日 00時35分 JST
「飢えた時、食べ物を少し盗むのは罪ではない」イタリア最高裁の判決とは
まるで「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンのようなストーリー。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/05/11/stealing-small-amounts-of-food-when-in-need-is-not-a-crime_n_9900552.html?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter
Dominique MosbergenThe Huffington Post

900とはずがたり:2019/01/10(木) 09:12:09
生活苦で税滞納、差し押さえで口座0円に…提訴
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190109-OYT1T50002.html?from=tw
2019年01月09日 11時18分

 生活の困窮により国民健康保険税などを滞納していた宮城県大崎市のパート女性(63)が、給料を口座から全額差し押さえられて生存権を侵害されたとして、県と市に220万円の損害賠償を求める訴訟を8日、仙台地裁に起こした。

 訴状によると、この女性は無職の40歳代の長男と2人暮らしで、1か月の収入は8万〜11万円程度。2017年5月時点で国保税や軽自動車税などを計約197万円滞納していた。

 これに対し、県と21市町村で構成される「県地方税滞納整理機構」は17年9月15日、女性の口座に振り込まれた給料約8万8000円全額を差し押さえ、滞納税金の納付にあてた。これによって女性の口座残高は0円になった。

 原告側弁護士は、生活保護が必要なほど困窮した世帯の財産を差し押さえることは生存権を侵害していると主張。また、国税徴収法では月収10万円以下の給料の差し押さえを禁止しており、支払い当日に給料を預金として差し押さえるのは「脱法行為」だと訴えている。

 提訴後に記者会見した女性は「給料が全部差し押さえられてどうしたらいいかわからず、死のうかと何度も悩んだ」と当時の心境を明かした。一方、機構は「現時点で訴状が届いていないため、内容が確認できない」とした。
2019年01月09日 11時18分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

901とはずがたり:2019/02/03(日) 22:39:46

赤木智弘2019年02月03日 11:12企業活動は福祉を達成できるのか 1/2

https://blogos.com/article/355410/


大手コンビニチェーンのファミリーマートが「こども食堂」を実施するという。

902とはずがたり:2019/02/07(木) 20:40:41
生活保護 約164万世帯で過去最多 高齢者の貧困対策が課題
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190207/k10011806411000.html
2019年2月7日 4時07分

生活保護を受けている世帯は昨年度、およそ164万世帯とこれまでで最も多くなりました。1人暮らしの高齢者世帯が増加しているためで、高齢者の貧困対策が課題となっています。

厚生労働省のまとめによりますと、生活保護を受けている世帯は昨年度の1か月平均で164万854世帯と、前の年度に比べておよそ3800世帯増加し、これまでで最も多くなりました。

世帯の類型別では、「高齢者世帯」がおよそ86万4700世帯と最も多く、前の年度よりおよそ2万8000世帯増え、その90%余りが1人暮らしでした。

「障害者世帯」や「母子世帯」などそのほかの世帯では減少傾向が続いています。

国の研究所の予測では、日本の全世帯に占める1人暮らしの高齢者の割合は今後も増え続け、2040年には高齢の男性は5人に1人、女性は4人に1人が1人暮らしになるとされています。

家族の支援を受けられず貧困に陥りやすい人が多くなるとも指摘されていて、将来を見据えた高齢者の貧困対策が課題となっています。

903チバQ:2019/02/24(日) 23:55:00
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190224-01527574-sspa-soci
一度辞めると再就職先がない…地方在住・20代の悲鳴
2/24(日) 9:00配信 週刊SPA!
一度辞めると再就職先がない…地方在住・20代の悲鳴
家賃2万5000円のアパートで貧困生活を送る西田さん。3万円で買った中古のパジェロミニが仕事場と自宅を結ぶライフライン
 全国平均の有効求人倍率は上昇傾向も東京との格差が広がり続け、地方では職に就けないまま毎日をすごす若者たちの悲鳴がこだましている。

「東京に出たいけれど、そのお金も仕事だってない。この先どうしたらいいのか、正直考えたくない」

 そう語るのは茨城県在住の西田敏文さん(仮名・27歳)だ。高校を卒業後、憧れだったバイクの修理店に就職。しかし、そこで彼を待っていたのは過酷な現実だった。

「労働時間は一日20時間ほどで、仕事が終われば家で3時間ほど寝てまた仕事に、という生活でした」

 月の給料は8万円と交遊費すらままならなかったが、修業だと自らを奮い立たせ耐え忍ぶ日々を続けた。しかし、先に悲鳴を上げたのは体のほうだった。

「作業中、いつもなら簡単に締めているネジの回し方がわからなくなってしまって。どうしたら回るのかがいくら考えても出てこなくなった」

 病院で医師から告げられたのはパニック症候群。修理店も退職せざるを得ない状況になり、現在は近所の農家の畑仕事を手伝い、月10万円程度の給料でやり繰りしている。

「本当はバイク屋に戻りたいですが、地方では仕事がない。東京で仕事を探そうにも貯金もできないし引っ越すお金もない」と西田さんは言う。

 次の本橋良樹さん(仮名・22歳)も地方で苦しむ一人だ。

「工場などでバイトをしながら就活をしていますが、採用はゼロ」

 新潟県の高校を卒業後、そのまま地元のエンジン工場で契約社員として働くが、体を壊して離職。現在は趣味である車の運転を生かしたいとトラック運転手を目指し、就職活動をしてはいるが……。

「書類審査で落とされることがほとんどです。正直、就職活動を始めたときは2年以内には仕事が決まるだろうと思っていました」

 本橋さんもまた、東京での就職を夢見てもがき続けている。

「今は実家暮らしなので両親からも『就職活動は?』と聞かれるたびに申し訳なさで精神的にキツくなってしまって。とにかく東京で一人暮らしがしたいのですが、仕事が見つからない以上、そんなお金もなく、ここにいるしかない」

 ビッグイシュー基金が2014年に発表した調査報告書によると、未婚で年収200万円以下の20〜30代の約8割は実家に住んでいるという。本橋さんのような若者は日本全国、至るところにいるのだ。

― [若者の貧困]どん底ルポ ―

日刊SPA!

904チバQ:2019/02/25(月) 21:58:41
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190219-01551829-sspa-soci
月収20万円以下、20代独身OLが借金してまで東京で暮らしたい理由
2/19(火) 16:00配信 週刊SPA!
月収20万円以下、20代独身OLが借金してまで東京で暮らしたい理由
(日刊SPA!)
 物価の高い東京で暮らすのにはお金がかかる。単身女性の貧困問題などが取り沙汰されて久しいが、たとえ有名な企業に就職しても“満足に”生活できない場合だってある。

  某保険会社に務めるOLのなおみさん(27歳・仮名)は、「まるで、息をしているだけでお金がかかっているような気がして……」と溜め息をつく。給料だけでは生活レベルを維持できず、キャッシングにも手を出した。

 身長165cmで細身の美人。大学時代はイベントコンパニオンやレースクイーンをこなした経験もあるなおみさん。一見、何不自由なく暮らしていそうな彼女がなぜ?

◆手取り20万円以下、20代OLが借金してまで東京で暮らす理由

 なおみさんは高校卒業をきっかけに秋田から上京し、東京六大学を卒業。新卒で大手と言われる企業に就職するも生活は苦しいという。

「大手といっても手取りは20万もいきません。福利厚生はしっかりしてますが、家賃補助はないので、とにかく毎月手元にお金が残らないんです」

 現在、なおみさんは東京都内でユニットバス付き家賃6万円のワンルームマンションでひとり暮らし。彼女が困窮するようになったのは、就職して両親から“一人前”扱いされるようになってからだ。

「大学までは親から仕送りを貰っていました。月の家賃とは別に5万円。それでイベントコンパニオンやサロンモデルのバイトをしてたから、お金にそんなに困ってなかったんです。就職してからは仕送りがなくなったのですが、東京でひとり暮らしをするのにこんなにお金がかかるなんて思ってもいませんでした」

 月に20万の手取りに6万円の家賃。普通に計算すると暮らすのに困らないような気もするが……。

「毎月の美容院にネイルケアにまつげエクステにスポーツジム。これだけですぐに3万円は飛んじゃう。我慢すればいいのかもしれませんが、ずっとやってきてるから辞めれないんです。洋服やバックも女性は流行の移り変わりが早いじゃないですか。今、ファストファッションが流行ってるなんていっても、結局みんなどこのブランドのいつ買った服だとかはチェックしていて、自分より上か下かマウント取り合っているんですよ。カースト上位にはなれなくても真ん中ぐらいにはいたいなって……つい、無理しちゃうんです」

 まわりの目を気にしながら生きてきた彼女にとって、こうした美容・ファッション代は“必要経費”といっても過言ではないのかもしれない。必要経費はそれだけではない。

◆問題は、見栄を張りたい女性同士の付き合い

「彼氏や男の上司や先輩なら奢ってくれるからいいんですけど。問題は女のコとの付き合いなんですよね。同僚との女子会やランチ会のお金もバカにならない。会社以外にも友達はいるから、それも含めると本当にキリがない。給料日前のランチなんてカップラーメンとかで済ませたいのが本音ですが、あんまり断りすぎるのも気が引ける。でも、なんといってもSNSの問題が大きいですね。今、みんなインスタやってるじゃないですか。インスタに自分だけ写真が載ってないのって、寂しいなって。仲間外れみたいな感じがするというか……」

 なおみさんに限らず、インスタ映えする写真を撮影したいがためにお金を使う女性は少なくないだろう。一緒に女子会に参加している同僚も給料は変わらないはずだが、どうやりくりしているのだろうか。

「実家暮らしの子もいれば、いまだに家賃だけ仕送りしてもらってる子が多いんです。ひどい子は実家暮らしのうえに、お小遣いまでもらってます。家賃だけでも誰かが負担してくれたら本当に楽ですよ。私だって給料まるまるお小遣いなら余裕で生活できるのに」

 まわりの生活に合わせ続けた結果、なおみさんの収支はマイナスとなった。それでも断りきれない誘いを幼少期からの貯金を切り崩して支払っていたが、あっという間に底をついてしまった。そして、ついにはキャッシングに手を出してしまったという。

「ノリで週末2泊3日で同僚と台湾旅行に行く話が出て。もう『何の予定もない』って言っちゃってたから、断る理由がなかった。それがキッカケでキャッシングに手を出しました。最初は5万円。次のボーナスで返せば大丈夫だろうな〜って。安易でしたね」

905チバQ:2019/02/25(月) 21:59:06
 すぐ返すつもりの5万円だったが、ついつい利子を返してはまた数万円を借りて……を繰り返すうちに、50万円近い借金へと膨れ上がってしまった。

「キャッシングが癖になちゃってましたね。『1万円ならいっか』って。その繰り返し。途中から借金している感覚や罪悪感すら薄まっていった。で、“自分がどれだけキャッシングしているのか”ってことから、無意識に目をそらしていました。気がついたら満額近くなっていて。それで初めてヤバイなって」

◆借金が膨れ上がり、キャバクラで副業

 自身の借金額を知り、間もなく副業を考えた。

「風俗やパパ活はなんだか怖い気がして、キャバクラで働き始めました。うちの会社は副業禁止だし絶対にバレたくないから、あえてすごい田舎の店です。時給は2500円と安いんですが、週末中心に月4〜6回出勤して、約8〜10万円ほどにはなります。タクシー代飲み……いわゆる“ギャラ飲み”もたまにやってるんですが、これだと確実に最低月いくら稼げるっていうのが読めないから、アテにならない。だから、とりあえずキャバクラに在籍しておきたいなぁって」

 キャバクラのアルバイトを始めて2年。キャッシング分はほぼ返し終わった。そして「やっと東京で人並みの生活ができるようになった」と語るなおみさんだが、ここまでして東京で生活することに執着するのは何故なんだろうか――。

「何だかんだ東京の華やかな暮らしが好きなんでしょうね。親に頼ったら『地元に戻って婚活しろ』って言われるのが目に見えているというか。それも悪くはないかもしれないけど、田舎って刺激がないじゃないですか。東京に慣れてしまったからか、田舎暮らしはもう嫌なんです。かといってまだ遊びたいから、彼氏と結婚も考えられない。東京で特別何がしたいってわけでもないんですけどね、ただ東京にいたいんです」

 刺激をとるか、安定をとるか――。

 たしかに、東京は魅力に溢れた街だ。しかし、高額な美容代を支払い、インスタ映えを気にしながら、常に「お金がない」と口にする彼女の表情はとても幸せには見えない。彼女が求めるものは、一体どこにあるのだろうか。<取材・文/吉沢さりぃ>

日刊SPA!

906とはずがたり:2019/03/19(火) 12:20:27

ファミマが(企業イメージなど迄含めて)損しない形でやる事とボランティアを一緒にされて,ボランティアがダメだ(=サービス提供水準が低い)等と批判を受けるとなると危惧する権利があろうかと思う。

企業もこども食堂の商標がどこも保持してないから好き勝手出来るかというとそんな事は無い筈である。

とはいえ最終的には子どもが出来るだけ救われるのが最優先であり,親子同伴や店のアルバイトの体験とか貧困対策と直結するのかどうか疑問の余地もあるが,やるべきであるし貧困への対策が世間的に評価される事になるならいいだろうから,或る程度の調整しつつ断行して欲しいところ。

その後どうなったのかな?

ファミマがこども食堂やることに何故か文句つけた藤田孝典氏へ様々な批判が集まる
https://togetter.com/li/1315501?

907とはずがたり:2019/04/26(金) 22:34:54
2016年05月12日 00時28分 JST | 更新 2016年05月12日 00時35分 JST
「飢えた時、食べ物を少し盗むのは罪ではない」イタリア最高裁の判決とは
まるで「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンのようなストーリー。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/05/11/stealing-small-amounts-of-food-when-in-need-is-not-a-crime_n_9900552.html?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter
Dominique MosbergenThe Huffington Post

908チバQ:2019/05/27(月) 22:25:35
https://toyokeizai.net/articles/-/278638
日本のおかしさ映す「東京貧困女子」の問いかけ
幸せな青春を送った世代は現実に気づいてない
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印南 敦史 : 作家、書評家
著者フォロー
2019/04/30 16:00
『東京貧困女子。――彼女たちはなぜ躓いたのか』(中村淳彦著、東洋経済新報社)の著者は、1990年代半ばから20年以上、AV女優や風俗の取材をしてきたというフリーライター。2006〜2007年あたりから、「もしかして日本はおかしくなっているのではないか?」という違和感を抱くようになったそうだ。

自分のあられもない姿の映像を世間にさらして売るというリスクを抱えたAV女優に、「出演料が安すぎて、とても普通の生活ができない」という層が現れたというのだ。2000年代半ばから援助交際や売春の代金が大幅に下降し、体を売りたい女性が急増。その結果、価格が急降下したためだ。

人々が貧しくなる、お金がなくなることは恐ろしく、誰かを陥れるいがみ合いや犯罪が当たり前のように起こる。急激に景気が悪くなった裸の世界では、関係者が関係者を恐喝するみたいな事件が頻発して、私はウンザリして圧倒的な需要があると注目されていた介護事業所をはじめた。
介護という福祉事業に逃げれば、醜い諍いから逃れられると思っていたが、介護の世界はそれまで見たこともないような困窮した人々の巣窟だった。
介護福祉士という国家資格を持つ専門家が、行政の監視の下で手取り14万〜16万円程度の低賃金で労働をさせられて、「ご利用者様のありがとうが報酬です。高齢者様に感謝しましょうね。みんな、本当に素晴らしい仕事に就けてよかったですね」などといった信じられないロジックが正論として定着していた。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)
そんな現実を目の当たりにしたことから、最終的に中村氏は介護職から身を引く。しかし、社会と隔絶されたAVや風俗業界というグレーゾーンビジネスの渦中で取材を繰り返し、そこを抜けてからも目先の介護に忙殺されたその経験が、中村氏の内部に「(本当に)日本がおかしくなっている」ことを実感させたというのだ。

3年間の取材で明らかになった貧困の現実
かくして「女性の貧困」を目の当たりにすることになった中村氏は、古くからの知り合いである女性編集者との再会をきっかけとして、2016年4月から東洋経済オンラインで「貧困に喘ぐ女性の現実」をスタートさせる。いうまでもなく、本書のもとになっている連載である。

この連載では、女性、特に単身女性とシングルマザーの貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて取材している。貧困に苦しむ読者からの取材申し込みを随時受け付けており、その中から取材先を選定している。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)

貧困は生まれや育ち、家庭環境、健康状態、雇用、政策や制度、個人や配偶者の性格、人格など、さまざまな要因が重なって起こるものだ。現実は十人十色であり、同じ事例が重なるようなものではないということ。

だからこそ、問題解決の糸口を見つけるためには、ここの生活をつぶさに見ることで真実を浮かび上がらせるしかないと中村氏は考えた。取材は3年間に及んだ。

909チバQ:2019/05/27(月) 22:26:05
国立大学医学部の現役女子大生、その現実
読んでみてまず衝撃的だったのは、最初に紹介される国立大学医学部に通う現役女子大生の事例だ。「お金のためにパパ活をし、それとは別に歌舞伎町の風俗店でも働いている」とだけ聞けば、多くの人は「欲しいものを買うためのお金が欲しいから、好きでやってるんじゃないの?」というようなイメージを抱くかもしれない。

パパ活というものにかねて不快感を覚えていた私も、最初はそう感じた。ところが現実は、もっとシビアなものだった。

父親は数年前にリストラされた。両親は非正規の共働きだ。世帯収入はせいぜい500万円程度で、弟が2人いるので「高校と大学、私立は絶対に無理」と母親に何度も言われていた。小学校時代から必死に勉強して挫折することなく、高偏差値をキープしている。
国立大学なので医学部でも学費は高くはない。入学金28万2000円、年間授業料53万5800円で、学費は日本学生支援機構の奨学金を借りている。学費は奨学金、そのほかの費用はアルバイトで稼いでほしいというのは両親の意向だ。
入学前は実家からの通学なのでなんとかなると思っていたが、体育会系の部活に所属したことと、教科書や雑費が予想以上に高額で、時間とお金が足りなくなった。(30〜31ページより)
大学は朝9時の1限からで、部活は夕方から週2〜3日。スーパーマーケットでもアルバイトをしているが、部活のない日にしかできない。ただし大学の同級生や友人はみな家庭が裕福なので、経済的な苦境は誰にも理解してもらえない。だが、勉強では味わえない達成感がある部活は、大学でも続けたかったのだそうだ。

ところが、すぐ経済的に苦しくなる。大学1年の夏に教材費がかさんだうえ部費の支払いがあったため、どれだけ節約しても3万円が足りない。親に頼んで乗り切ったものの、すぐに夏合宿が待っている。親にはもう頼めないと悩み、高額求人サイトで風俗の仕事を見つける。

無駄遣いしないし、なにも欲しいものはないし、部活をやって大学を留年しないで無事に卒業したいだけです。それだけ。やっぱり月3万円くらい、どうしても足りない。風俗は気持ち悪くなってしまうので、本当はすごくやりたくない。やらなくていいなら、すぐに辞めたいです。なんていうか、自分がやっていることが気持ち悪い。自己嫌悪です。全然知らない人と裸で寝ているとか変だし、おかしいことをしているなって。彼氏にも悪いし、なにもいいことはないです。(36ページより)
この女子大生の話を読んでいて、わかることがいくつかある。まずは、貧しい家庭環境にありながらもきちんと勉強し、学生としての本分を全うしようとしていること。そして、風俗に嫌悪感を持っていること。

それでもやらざるを得ないのは、唯一の心の拠り所になっている部活を続けたいからだ。それが、彼女をギリギリのところでつなぎとめていることが、文字を追っているだけでもわかる。

誹謗中傷で埋まったコメント欄
ところがこの取材記事が東洋経済オンラインに掲載されると、コメント欄が誹謗中傷で埋まったというのだ。

売春の是非は論点ではなく、国の未来を支える優秀な学生が望まない換金をするしか勉強を続けられない、という現実に問題があるのだ。日本に取り返しのつかない異変が起こりつつあることに、幸せな昭和を送った世代を中心に大多数は気づいていない。
コメントをしている人々の年齢はわからないが、おそらく上の世代の男性の方々としよう。日本の1800兆円の個人金融資産(日本銀行調べ)の6割は60歳以上の高齢者が所有し、世帯平均貯蓄は2000万円を超えている(総務省調べ)と言われている。一方、奨学金を利用する大学生(昼間部)は半数近くになっている(日本学生支援機構調べ)。
さらに、貧困に苦しむ若者たちが学生生活の継続のために「選択肢がそれしかない」と誘導されている風俗や売買春の利用者は中高年層がメインだ。
妹、または娘や孫の世代にローンを背負わせた挙げ句、性的奉仕をさせる社会になってしまっている。自分たちが絶望の淵に誘導した娘や孫のような次世代を担う女の子たちに、気分に任せて誹謗中傷を浴びせて、自分がさらに気持ちよくなっている。どこまで都合がいいのだろうか。異常としか言いようがない。(43〜44ページより)

910チバQ:2019/05/27(月) 22:26:45
大学生の親世代が青春時代を送った30年前と比べ、現在は可処分所得が減り、子どもに必要なお金を出すことができないという状態になっている。そして、日本の未来のため若者たちに対して教育に投資すべき国も、奨学金制度、国立大学の運営交付金の削減による学費高騰、定員の厳格化など、大学生の貧しさに拍車がかかる政策をどんどん進めている。

当然の結果として大学生たちは困窮に陥っているが、大学時代に幸せな青春を送った親世代は、その苦境に理解を示さないまま、自分たちの価値観だけで判断し、若者をさらに追い込んでいるのだ。

テレビもパソコンもない家賃5万円の福祉物件
しかも、困難な状況は学生だけを苦しめているわけではない。たとえば読了後も頭から離れなかったのは、非正規雇用の図書館司書として働く37歳の女性のケースだ。図書館で働く司書の8割前後は非正規雇用で給与は安く、しかも未婚で一人暮らしであるため、毎日不安と焦りばかりだという。

給与の総支給額は17万円。所得税、住民税、社会保険料を引かれ、手取り金額は13万3442円。賞与はなく、年収204万円で手取りは160万円程度。東京で一人暮らしをするには厳しい金額だ。

その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろうって。(190〜191ページより)
最寄り駅から15分で築年数も古い、福祉物件と呼ばれる家賃5万円の部屋で暮らす。仕事帰りには、割り引かれた食材や総菜をスーパーマーケットで買う。低賃金でお金が貯まらないので、部屋にはテレビもパソコンもない。調べ物は、分割で買ったスマートフォンでしている。

不安しかない日々に悩んだ結果、学芸員の資格を取得しようと、通信制大学の科目履修生になった。中村氏によると、公的機関の非正規雇用に悩み、貧しさから抜けたいのに学芸員の資格取得を目指すというのは、真面目で貧しい人の行動パターンなのだそうだ。

図書館司書は専門職だ。「私は子どもたちのための児童書や児童文学に詳しくて、たまに自分が企画してフェアみたいな企画をやっています」という言葉からも推測できるように、彼女は自分の仕事にプライドを持って臨んでいる。

ところが、現場職員がどれだけ業務にプライドを持って前向きに取り組んだとしても、雇用主である自治体はそれを認めない。非正規は安く使える駒にすぎず、期間に上限のある有期雇用なので、決まった期間働いてもらえばいいだけだという考え方だ。だから彼女のような立場にいる人は、どうあがいても貧困から抜け出さない。

役所は誰でもできるって考えているし、いくらでも交換ができる部品くらいにしか思われていません。だから、非正規なのでしょう。私は司書の仕事をどうしても続けたくて、いまここが2カ所目です。前は他県の図書館で働いて、満期5年で契約が切れてしまったので都内に引っ越しました。また、あと1年半しか仕事ができないって考えると不安で、たまに眠れなくなることもあります。(196ページより)

911チバQ:2019/05/27(月) 22:27:12
結婚も出産も、貧しい自分には関係のないこと
悩んでしまうのは、あと何年でクビという不安から逃れたいから。ひとり暮らしで貯金がゼロなので、働き続けないとホームレスになっちゃいます。だから、本当に、働ける期限があるのは怖いです。(198ページより)
単身で暮らす20〜64歳の女性の3人に1人(32%)が貧困状態(国立社会保障・人口問題研究所)にあり、さらに65歳以上の単身女性になると47%と過半数に迫るのだという。そうでなくとも図書館は、財政難の自治体にとってはお荷物的な存在だ。女性が1人で生きていくには困難な材料がそろいすぎているが、そんな渦中にいる彼女に対して、中村氏は結婚する意思はないのかと尋ねている。

結婚すれば生活が変わるみたいなことはよく言われていますが、非正規で低収入な自分にまったく自信ないし、誰かが見初めてくれるとはとても思えない。やっぱり結婚とか出産は、普通以上の収入がある人の特権というか、自分にかかわることとはとても思えないです。(201ページより)
一緒に働く2割くらいが正規の公務員の方々です。正規の方々が職場で話していることは、買い物とか旅行とか、子どもの教育とか、そういう話です。正規でちゃんとしたお給料があって、家族で暮らしている人たちは、子どもにたくさん習い事をさせて、年に何度か海外旅行に行くんだ……って。なにか別世界というか。私は飛行機代がなくて、いまの職場で働き出してから一度も実家に帰れてないのに。この差って、なんなのでしょう? 仕事を真面目にやっているだけではダメなのでしょうか。(201〜202ページより)
とても真面目な人なんだなということがよくわかる。裏を返せば、いまの日本は真面目な人にとって生きづらいということになるのではないだろうか。

いったい日本は、東京は、どうなってしまうのだろうか。
たぶん、どうにもならない気がする。
東京の貧困女性のさまざまな声に耳を傾け、こうやって文章化することで一通り検証したが、ほぼほぼ国の制度と法律改定が原因だった。あとは男性からの暴力と精神疾患だ。自分なりに一生懸命に生きてきたが、理不尽に追い詰められてその絶望を「自己責任」という一言で封をしているのが、現状だ。(333〜334ページより)
貧困は、「欲しいものが買えない」「食べたいものが食べられない」という消費活動の鈍化だけでは終わらないと中村氏は指摘している。貧困が貧困を生み、世代を超えて苦しみが続き、逃れることができなければ、最終的に死という領域が見えてしまうとも。

つまり日本は、「安全と安心」などではなく、「不安と恐怖」を駆り立てることを推奨する社会になってしまったということだ。

やがて中年男性にシフトチェンジする?
しかも、見逃しがちなポイントがある。本書は女性に焦点を当てているものだが、それは現在、女性をターゲットに貧困化が進行しているからにすぎない。だから、中村氏の次の言葉をひとごとと考えるべきではないのだ。

国民の誰かを転落させなければ国がやっていけないならば、どこかのタイミングで女性から中年男性にシフトチェンジするかもしれない。私自身、取材で出会った彼女たちと遠くない未来の自分の姿がダブって怖くなった。(335ページより)
「母親から虐待を受けてうつ病になり、生活保護を受けて暮らす25歳」


『東京貧困女子。──彼女たちはなぜ躓いたのか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「有名女子大卒業後、上場企業に就職するも、精神的な問題を抱えた姉の介護のため離職をしたことで転落した53歳」

「冷暖房がなく、満足に光も入らない屋根裏部屋で暮らす、55歳のキャリア官僚元夫人」

「東京大学大学院卒という肩書きを武器に仕事をするも、パワハラで病に倒れ、電動車椅子の生活を余儀なくされる45歳」

本書に登場する女性たちはみな、こちらの想像をはるかに超える日常を生きている。だから読み進めていくうちに、どんどん気持ちは沈んでいった。しかし、それでもわれわれは、こうした現実から目を背けるべきではないのだ。なにしろ、決してひとごとではないのだから。

912チバQ:2019/05/27(月) 22:28:21
https://diamond.jp/articles/-/201832
貧困に喘ぐ大人たちの「10連休サバイバル」、働けず生存の危機に
みわよしこ:フリーランス・ライター
働けないと生活できない
大型連休が危機につながる人々
 2019年のゴールデンウイークは、4月27日から5月6日の10日にわたる大型連休となった。旅行などの消費によって、4月から6月までのGDPが0.2ポイント上昇するという試算もある。大型連休には、予算を必要としない景気対策としてのメリットも期待されている。

 しかし、10連休を喜ぶわけにはいかない人々もいる。たとえば貧困状態の子どもは、学校が休みになると、給食を食べる機会を失う。連休明け、家族で楽しんだ旅行やレジャーについて語るクラスメートの中で、肩身の狭い思いをするかもしれない。貧困状態の子どもたちの休暇中の生活は、数年前に比べると注意を向けられやすくなってきたけれども、まだまだ不十分だ。

 子どもたちよりも、さらに忘れられているのは、大型連休が生活や生存の危機につながる大人たちだ。彼ら彼女らは、今回のゴールデンウイークをどう生き延びたのだろうか。

 仙台を拠点に活動する個人加盟の労働組合「仙台けやきユニオン」は、連休中の5月1日と4日、「大人食堂」を開催した。時間帯は夕食時の2時間、食事と相談の機会が無料で提供された。対象者は、「18歳から65歳までの労働者および失業者とその家族」である。とはいえ、高校を中退して働いている16歳の少年や、無年金のため身体に鞭を打って働き続けている72歳の高齢者が訪れたとしても、歓迎されたことだろう。

 仙台けやきユニオン代表の森進生さんは、「大人食堂」を企画した意図について、次のように語る。

「ゴールデンウイーク中、派遣社員やアルバイトの方が、シフトに入れないという問題が起こるのではないかと考えました」

 実際に「大人食堂」を開催してみると、集まった人々の抱える困難は「お金がない」「働かなきゃいけないのに、働けない」といった単純明快な問題にとどまらなかった。

「本当に困っている人」でないと
助けてもらえない社会で良いのか
「大人食堂」を訪れた人々は、5月1日は3名、4日は10名だった。年齢層は幅広く、男女比では60%が女性だった。中には、森さんたちが当初想定していた「お金がない」「働けない」という状況にある人々もいた。

「所持金が1000円しかなくて、この数日、カップ麺しか食べていないという方がいました。この方は就労しているのですが、勤務先までの往復に1200円必要なので、連休後は仕事を続けられなくなるところだったんです」(森さん)

 この参加者には、連休明けまでの食糧などの緊急支援も行われた。

 ゴールデンウイーク中の勤務予定がなくなってしまった人もいた。労務担当者は休暇を取っているため連絡がつかず、日払いの仕事を探そうにも探せなかったということだ。でも、「大人食堂」を訪れた人々の多くは、「今すぐ生活が破綻しそうな方」(森さん)ではなかった。また、いわゆる「ネットカフェ難民」は、予想より少なかったという。

「生活が苦しいことは苦しく、『身体がきつい』『借金が』といった問題を自覚しているけれども、今のところ顕在化した問題はないという方が多かったです」(森さん)

913チバQ:2019/05/27(月) 22:29:10
 問題が顕在化して路上生活者になれば、行政のホームレス支援の対象になる。18歳未満なら、貧困状態の子どもとして支援対象になる。実際に生活が破綻すれば、生活保護の対象になる可能性がある。しかし公的支援は、顕在化した生活困窮者、言い換えれば「本当に困っている人」に対してもまだまだ不十分だ。

「来られた方々のほとんどは、非正規雇用でした。今、困っているわけではなくても、不安なので悩みを共有したい、というニーズが多かったです。宣伝に『なんでも相談』と書いてあるので来てみた、という方もいました」(森さん)

 孤立の解消は、行政も課題として認識している。しかし、「大人食堂」を訪れた人々の中には、親と同居している人々もいた。少なくとも、家に帰れば言葉を交わす相手がいるはずだ。とはいえ、親は老いていく。必要な医療費は増加するだろう。介護が必要になる可能性も高い。介護離職を強いられれば、高収入の正社員でも容易に貧困に陥る。低賃金の非正規雇用ならば、なおさらだ。

「かつて、成人して就労しているのに親と同居している子どもが“パラサイト・シングル”と呼ばれていました。現在も、親と同居している非正規雇用の子どもは、“パラサイト”の延長と見られていることが多いです。でも、親の経済状況も低下してきたので、子どもが親を支えている場合もあります。親も子も、老いが不安です。『親と子が助け合いながら縮小している』というのが実情で、“パラサイト”と呼べるものではありません。それが、はっきり見えてきた感じです」(森さん)

「今後も継続して欲しい」
大人食堂に寄せられた声
「お金がない」「仕事がない」といった困難は、背景によって生み出されている。はっきりした困難に達していないボンヤリした困難や、困難を生み出す背景への対策は、現在の日本にはほぼ存在しない。「大人食堂」は、そのニーズの一端を捉えた。

「参加者の方からは、『今後も継続してほしい』という嬉しい声がありました。今回、居場所を提供して孤立を解消するだけではなく、労働問題や貧困問題というところで皆さんとつながれたことは、良かったと思います。ふわっと集まりながら、対等にフラットに支え合ってエンパワメントしながら、具体的な困難の解決につなげられる場として継続できればと思っています」(森さん)

 気になるのは、「大人食堂」を実施するための人員だが、普段と同じように交代で休みを調整することで、無理なく行えたということだ。仙台けやきユニオンでは、30人ほどが運営にあたっており、連休中も労働相談や面談などの予定が組まれていた。「大人食堂」はその一部として開催された。連休明けには、必要に応じて生活保護申請などのフォローも行った。

シングルマザーたちの困惑
「しんどいゴールデンウイーク」
 非正規雇用かつ子どもを抱えているシングルマザーは、大型連休によって自分の減収と子どものケアの必要性の両方に直面する。特に、日給月給(月払いの日給制)の仕事に就いている場合、連休は収入減少に直結する。収入が激減するのは次の給料日以後ではあるが、子どものための出費が重なる3月・4月を必死で乗り切った彼女たちは、連休前に余力を失っている。

 シングルマザーと子どもたち・女性たちの支援を続ける「シンママ大阪応援団」は、今年の大型連休に向けて、数多くの取り組みを準備していた。連休前の4月24日には、食料品や子どもの本を含む物資を発送した。

 連休に入るとまず、母親たちに対する自尊感情プログラムを実施した。母親たちがプログラムに参加している間の子どもたちの保育、その夜の親子夕食会もセットだった。ランチ会や夕食会は、数回開催された。他地域のシングルマザー母子を拠点に迎えての「お泊まり会」もあった。また、貸切バスでの日帰り自然体験も行い、総勢約50人が参加したという。

 日帰りでの自然体験が企画されたきっかけは、寺内さんのところに、シングルマザーたちからの声が、数多く寄せられたことだった。「お金がないので、子どもたちをどこにも連れて行ってやれない。長期の休みなんてない方がいい」「連休には、親子連れが街にあふれて辛い」「休み明け、子どもたちが日記や作文を書かせられるときに、書くことがない」という声に応えた企画は、今年で2回目になる。

914チバQ:2019/05/27(月) 22:29:43
 これらの企画は、1つ1つが「食事」「回復プログラム」「小旅行」といった機会の提供であるとともに、孤立しやすいシングルマザーたちが互いに交流し、安心しておしゃべりを楽しむ機会でもある。子どもたちは、理解ある大人のもとで伸び伸びと安全に過ごすことができる。そういう信頼関係のもとで、やっと「生活が苦しい」と訴えられるシングルマザーたちもいる。

 もちろん、連休による給料激減の問題もある。連休中も母親の仕事がある場合には、子どもたちをどこに預ければよいのかという問題もある。保育所も学校も学童保育も休みになってしまうので、結局、子どもたちだけで留守番させるしかない。

「いずれにしても、しんどい連休であったことは確かです」(寺内さん)

 追い打ちをかけたのは、役所も10連休だったことだ。困窮して4月24日に生活保護を申請したシングルマザーは、連休のため5月20日まで決定を待つようにと言われたという。

辛い連休を打破するための
キーワードは「想像力」

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 もともと、年末年始に行政の窓口が開いていないことは、生存の危機に近い人々には深刻な問題だ。長年、支援活動を行っている団体は、今年のゴールデンウイークに際し、数ヵ月前から危機感を表明していた。

 厚労省は4月19日の事務連絡で、連休中も福祉事務所を輪番制や緊急連絡網などによって対応可能にしておくこと、衣食住の緊急支援、窓口の臨時開所などを求めていた。

 東京を拠点に活動するグループ「ホームレス総合相談ネットワーク」は、ゴールデンウイーク中も、フリーダイヤルでの電話相談窓口を稼働させていた。またSNSで、厚労省の「連休中も生活困窮への対応は受けられる」という事務連絡の周知を行っていた。同ネットワークの後閑一博氏(司法書士)によると、連休中も電話相談はあった。また、SNSで情報を見たという人からの連絡もあったという。

 電話相談だけとはいえ、連休中もストップしないことの意義は大きかったようだ。東海地方では、緊急に生活保護を必要としていた人が、連休中に最低限の支援を受けられた。役所の守衛を通じて、緊急連絡網で連絡を受けた福祉事務所職員が対応したのだった。

 誰かが笑えば誰かが泣くことは、世の中の摂理かもしれない。大型連休を誰もが笑える期間にすることは、不可能なのだろうか。想像力を少しだけ広げてみれば、異なる可能性が見えてくるはずだ。

915チバQ:2019/05/27(月) 22:31:28
https://www.asahi.com/articles/ASM4T747JM4TULZU017.html
40代、貧困ポスドクの悲哀 時給バイト以下、突然クビ
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編集委員・真鍋弘樹 2019年5月15日05時00分
ロスジェネはいま
 《大きな研究成果を上げ、将来を期待されていたにもかかわらず、多くの大学に就職を断られて追い詰められた女性が、43歳で自ら命を絶った。そんな記事が4月、朝日新聞に掲載され、大きな反響を呼んだ。自らも教育学で博士号を取得している舞田敏彦さん(42)は、その気持ちを「痛いほど分かる」と語る。大学院で学び、研究職に就くことを望みながらも、安定した職と生活が得られない。ロスジェネ世代の博士たちもまた、不安定雇用の壁に苦しんでいる》

 たいへんショックを受けました。私自身、大学院で博士号を取った後、5校ほどで非常勤講師を務めながら、40校以上の大学教員の職に応募しました。しかし、30代も後半になるとなかなか難しい。

 「貴意に沿えず」という返事を何度も受けていると、精神的に追い詰められます。方向転換するよう親に諭されましたが、諦められませんでした。

 1990年代の大学院重点化政策で博士が急増したのに、大学での働き口が絞られている。今、大学で教える人の3人に1人は非常勤講師と言われています。大学は人件費削減のために常勤の教員を減らしたわけで、その意味では非正規雇用に苦しむロスジェネと重なるかもしれません。

 非常勤講師の採用面接では、給与について怖くて聞けないんです。「もし給与について知りたいなら、他の人に頼みます」と言われたことすらある。

 現実は、週1コマの授業を月に4回担当して、月収3万円です。授業の準備をし、学生の質問に応じる時間を合わせると、学生アルバイトの時給以下で、ボランティアや名誉職に近い。

就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。

916チバQ:2019/05/27(月) 22:32:16
https://digital.asahi.com/articles/ASM4T7R8LM4TULZU01C.html?rm=932
使い捨て中年フリーター、雇用の流動化も「狙いは解雇」
有料記事

編集委員・真鍋弘樹 2019年5月14日06時30分
ロスジェネはいま
 《「中年フリーター」という言葉を広めた労働経済ジャーナリストの小林美希さん(43)は、同じ世代の一員として多くのロスジェネに話を聞いている。自ら就職氷河期の「厳寒」を体験した立場で、自己責任論は欺瞞(ぎまん)だと否定する》

 大卒就職率が6割を下回った2000年に大学を卒業しました。就活では金融、メーカー、食品など、業種を問わず約100社にエントリーし、50社の面接を受けました。男子よりも女子学生が特に厳しく、最終面接までしているのに、「女子は採用ゼロ」という方針だった会社もあったことを後に知りました。実際は採らないのに、女子を採用するふりをしていたわけです。

 周囲でも精神的に病んだり、引きこもったりする女子学生がいました。私たちが小学生の頃に男女雇用機会均等法が成立し、実際に女子の方が成績がいいことも多かったのに、就活で差別を受けたという思いでした。

 結局、内定は消費者金融の1社だけ。同じ大学でも男子ではメガバンクや商社に内定した人がいましたし、当時は社会のせいだとは気付きませんでした。当事者だった当時は、何が起きているのか、分からなかったのです。

 内定した消費者金融を辞退して証券専門紙の「株式新聞社」に入り、その後、毎日新聞の「週刊エコノミスト」誌で記者をしました。そこで企業の決算や会計の取材を続けているうちに、正社員の比率を下げている企業が多いことに気づいたのです。

 これは、企業が人件費を削って利益を確保しているだけではないか。そう考えて特集記事の企画を提案しましたが、なかなか採用されなかった。当時はまだ「若者の考えが甘い」「仕事を選んでいるだけだ」といった見方が根強かったためだと思います。小泉政権下で、いわゆる自己責任論が広がった頃です。

 諦めずに何度もデスクに企画の提案を続けて、04年にやっと、フリーターの実態に迫る特集が組まれました。これが、非正規雇用にこだわるジャーナリストとしての原点です。

 《就職氷河期と非正規雇用の増加について警鐘を鳴らした記事から15年。その後も継続してロスジェネ世代を取材してきたが、事態は悪化する一方だった。このままでは手遅れになりかねない、と小林さんは語る》

就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。

917名無しさん:2019/05/27(月) 22:32:32
取材で長年、話を聞いている40代半ばのフリーター男性で、もう正社員になることも家庭を持つことも諦めている人がいます。そんな「心が折れた」人たちの話を聞いていると、この世代にいったい何ができるだろうか、と絶望的になります。

 非正規で働いている人たちは、正社員並みに仕事をし、能力を向上させていても、次のキャリアにはなかなかつながらない。何か手を打たないと、不安定なまま、高齢化していきます。その結果、20兆円近くの追加の生活保護予算が必要になるという予測もあるほどです。

 派遣で働く女性たちもまた、使い捨てにされています。ある派遣の女性が妊娠したことが分かると「不良品」と陰で呼び、「返品したい」と派遣元にクレームをつけた、という話を取材で聞きました。この女性は妊娠中にもかかわらず、雇用継続のために100時間以上の残業を強いられました。

 第1次安倍内閣の「再チャレンジ」をはじめとして、いくつかの政策が打ち出されましたが、結果として就労支援の委託事業者が利益を得たに過ぎなかったように見えます。フリーターが食い物にされただけです。年齢を重ねると非正規労働者の支援は手遅れになりかねず、政治がもっと本気でやっていたらどうなっていただろうと思います。

 著書「ルポ 中年フリーター」の反響で、人手不足の中小零細企業の経営者から、そのように困っている人たちがいるならうちで働いてほしい、という連絡がありました。働き手が足りない企業があるのだから、行政によるマッチングなど、まだ手は残されているのではないでしょうか。

雇用流動化、企業の真意は?
 《ロスジェネ世代が生まれた背景にあるのは、新卒一括採用と終身雇用という日本型雇用システムだ。欧米のように流動性の高い雇用市場が実現すれば、非正規労働者は救われるという議論があるが、それに小林さんは反論する》

 企業側が主導する「雇用の流動化」の議論は、単に不要な人を簡単に解雇するのが目的だと見ています。経団連幹部などへの取材では、バブル世代やうつ病になった社員を切りたいという本音が聞こえてきました。実際、有能な人材はすでに流動化していますから。

 企業が自分たちの責任を棚に上げて、雇用の流動化を求めるのはおかしい。上の世代が既得権益を握っているからロスジェネが苦しんでいる、といった世代間格差をあおるような考えも間違っています。

 中国などへの工場移転によって産業が空洞化する日本で、新自由主義的に、低コスト低賃金によって労働条件を引き下げる流れよりも、好待遇で働いてもらい、高付加価値商品を生む方がいい結果につながるはずです。

 大手企業は、いい人材はいくらでも採れると最近まで思っていたのだと思います。嫌なら辞めてもらって構わないという態度でした。

 一方で、派遣労働が浸透したことで、経営者に人を見る目がなくなりました。派遣やアウトソーシングという形で人材選びを任せて、駄目なら代えればいいという考えが、人の「目利き」を失うことにつながり、現在の状況を呼んだのです。

 私の取材では、昔ながらの企業に業績がいい社が多い。それは、社員を大切にするからです。生活の安定がなければ、人は安心して働くことはできません。明日どうなるか分からないような働き方では、力を発揮できるはずがない。責任を持って雇用を維持することができないような企業は、市場から撤退してもらうしかないと思います。

     ◇

 小林美希(こばやし・みき) 1975年生まれ、労働経済ジャーナリスト。神戸大法学部卒、株式新聞社、エコノミスト誌編集部記者を経てフリーに。著書に「ルポ 保育崩壊」(岩波新書)「ルポ 中年フリーター」(NHK出版新書)など。(編集委員・真鍋弘樹)

918チバQ:2019/05/27(月) 22:33:15
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190501-00000002-moneypost-bus_all
博士号でも生活困難 非常勤から抜け出せない「貧困ポスドク」の実態
5/1(水) 15:00配信 マネーポストWEB
博士号でも生活困難 非常勤から抜け出せない「貧困ポスドク」の実態
博士号を取得しても就職難にあえぐ研究者が後を絶たないという(写真は東京大学・安田講堂)
 大学院を卒業し、博士号を取得しても常勤の職にありつくことができない──。いま、そんな“高学歴ワーキングプア”として苦しむ研究者が後を絶たないという。平成に入って「大学院重点化」の施策が講じられて以来、博士課程修了者の人口が増加する一方で、研究者の就職難という問題が浮上している。

 博士号を取得したのち、常勤職が得られるまでのあいだ非常勤講師などで生活している研究者を「ポスドク(ポストドクター)」という。そんな非正規雇用の研究者が日本の大学教育を支えている状況だ。研究活動以前に、「文化的な生活すら困難」と語るのは、近代日本文学を研究するポスドク・Aさん(男性・31)だ。

「大学院博士課程に入ってから日本学術振興会の特別研究員DC1という職に採用され、毎月20万円ほどの給与を得ていました。それが3年間続き、その間はどうにか生活することはできたのですが、DC1の任期が終わってからが地獄の生活でした。何年も非常勤講師を掛け持ちする生活を送ってきましたが、常にお金がない節約の日々。専門分野はアカポス(アカデミックポスト)が非常に少なく、文学部縮小の動きもあり一層就職が困難になっています。

 一番大変なのは、非常勤の給与だけでは資料が購入できないこと。地方出身なので東京で家賃を払って東京で生活するのは苦しいですし、もちろん恋愛や結婚など、研究以外の支出につながることは極力避けています。『文化的な生活』ができない、それを切り詰めて生活している自分が、豊かな日本の文学について研究することができるのか? そう自問自答で苦しむ日々です」(Aさん)

 歴史学系で非常勤講師を続けてきた研究者Bさん(男性・35)は、今年から非常勤講師の契約が切られたという。

「僕は東京大学の大学院を卒業してから、昨年まで非常勤講師を掛け持ちしてきました。講義は1コマ5000〜1万円あたりが相場。週にどれだけ頑張っても5コマか6コマが限界です。複数の大学と契約できていた年は良いのですが、突然、次年度の契約を切られることもある。非常勤講師は先輩研究者や教授からいきなり頼まれることもあり人脈がものを言う世界ですが、仕事が振られなければ収入もなくなります。

919チバQ:2019/05/27(月) 22:33:33
 でも、コマが増えても地獄。非常勤のコマ数が増えるとその準備に時間を取られ、自分の研究時間が確保できなくなる。とくに500人クラスの講義を複数担当すると、期末には膨大な量の採点が待っている。周囲の研究者は“採点地獄”と呼んでいます。

 そんな有様ですから当然、研究成果も出せません。学術誌への査読論文の掲載数、学会発表、書籍の執筆など成果の蓄積がなければ常勤職にはつけません。食べていくために非常勤を掛け持ちすると、自分の研究者としての未来が先細っていくジレンマがある。今年は、中学受験専門の塾に面接に行って、そこで新しくアルバイトを始めました」(Bさん)

女性研究者「結婚してすぐ別居生活というのは避けたい…」
 高学歴ワーキングプアとして苦しむ研究者は男性だけではない。妊娠、出産というライフイベントがあるという点で、女性研究者にはまた別種の困難が待ち受けている。映像文化に関する研究をしているというCさん(女性・33)はこう語る。

「現在、東京の大学に“任期なし”の常勤講師として就職するのはほぼ不可能。とくに初職の場合は、良くても地方のあまり知られていない大学への就職になります。私は29歳のときに大学時代の同級生と結婚したのですが、相手の職場が都心部なので、どうにかして都内で職を得たいと思っていました。でも指導教員には『そんな贅沢なことを言っていたら就職できないよ』と釘を刺される。

 私自身、子どもが欲しいので、結婚してすぐ別居生活というのは避けたいです。それでも研究者として生きていきたい。小学校から私立の有名進学校に通わせてくれた親のことを思っても、ここで夢を諦めるのは嫌です。ただ現実問題、このままでは研究する場が得られない」(Cさん)

 Cさんの悩みの種はほかにもある。それは研究生活の生命線ともいうべき「科研費」、つまり科学研究費に採択されないという現状だ。

「研究者は自分の研究に費用を出してもらうために科研費に応募します。それは理系も文系も同様。研究には資料購入、分析のコスト、執筆、出張費用など多くの費用がかかるため、自分のポケットマネーで払うのはほぼ不可能です。科研費は研究者の生命線となるものなのですが、ここ数年は応募しても採用されないため、研究するお金がないという辛い状況です。『お金を取ってくる研究者』が今の大学が求める人材ですが、それは研究者個人の自己責任論に結び付けられる危険性もある。制度で守らない限り、路頭に迷う研究者も増えつづけるでしょう」(Cさん)

 グローバル系学部の新設など大学改革が進められている日本の大学だが、それを支えているのは非正規雇用で研究生活もままならない“高学歴ワーキングプア”の研究者たちだ。この現状は、大学制度の基盤そのものの不安定さを露呈させているのではないだろうか。

920とはずがたり:2019/06/15(土) 17:02:41
これはひどい。海外のどっかで巧く行ってると聞く先ず家を与えるという方向性と真逆

https://twitter.com/fujitatakanori/status/1139459184909381634
藤田孝典
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その他
生活困窮者が生活保護を受けて入所する埼玉県の無料低額宿泊所。入所者は保護費から月額約10万円支払う。「健康で文化的な最低限度の生活」を保障している施設ですかね?あなたはこんなところで生活できますか?福祉事務所も共犯関係。貧困ビジネスと非難されても仕方がない実態。

921とはずがたり:2019/06/16(日) 19:59:45
2019年06月16日 09時17分
給料の大半が家賃に消えてしまう…日本の住宅政策は大丈夫か? 藤田孝典さん持論
https://www.bengo4.com/c_23/n_9766/
藤田孝典さん(2019年6月12日、東京都内、弁護士ドットコム撮影)

生活に苦しむ人やシングルマザーが懸命にお金を稼いでも、収入の大半を住居費にもっていかれてしまう。日本の貧困は、住宅政策に問題があるせいではないかーー。

こうした問題意識を共有し、社会全体に課題解決の動きを広げようとする活動を「住まいの貧困に取り組むネットワーク」(世話人・稲葉剛さん=立教大学大学院特任准教授)などが続けている。

6月12日、同ネットワークらが東京・永田町の衆議院第2議員会館で会合を開き、貧困問題に詳しい藤田孝典さんが「現代の貧困と住宅問題ー課題と政策を考える」と題して講演した。

●英仏など欧州各国は手厚い住宅支援
藤田さんは、NPO法人「ほっとプラス」の代表理事で、年間500件前後の生活困窮者による相談を受けている。そのなかで「家賃さえなければ助かる」という声を聞く機会は多いという。「人間の生活に必要な住宅を、市場任せにしないことが大事だ」と述べた。

また、英仏など欧州各国は、日本よりも格段に手厚い住宅関係の支援政策を実施していることを紹介。「日本は、住宅は自分で確保するものという意識があるが、それを転換する必要がある」とした。

貧困問題と向き合ってきたなかで、住宅を確保できずに河川敷に暮らすことを余儀なくされる人たち、ネットカフェ難民、友人宅を転々とする人たちが少なくなかったということも指摘した。



●努力ではなく、社会の仕組みが足りていない
さらに、多くの人が非正規雇用で働き、実質賃金が上がらず、昇給も見込めない厳しい実態があることを問題視。日本の貧困率(相対的)はOECD諸国のなかで高い方で、特にひとり親世帯の貧困度合いは深刻な傾向にあるとした。

具体的には、狭い劣悪なワンルームに子ども2人と同居するシングルマザーがいたり、住むところが他にないため暴力を受けつつも女性が男性と同居したりするケースもあるという。

「貧困は、住宅政策が突破口になる。働いても働いても苦しんでいる母子家庭は少なくない。怠けているわけではないし、努力が足りていないのではなくて、社会の仕組みが足りていないということだ」

922とはずがたり:2019/06/21(金) 19:55:10
京都・向日市職員の死体遺棄容疑逮捕、市も問題を把握
毎日新聞2019年6月20日 18時37分(最終更新 6月20日 18時41分)
https://mainichi.jp/articles/20190620/k00/00m/040/222000c
京都府
事件・事故・裁判
社会
速報

女性の遺体が入れられていたとみられる冷蔵庫をアパート2階の部屋から運び出す捜査員ら=京都府向日市上植野町で2019年6月12日午後5時25分、添島香苗撮影
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 京都府向日(むこう)市のアパート駐車場で女性の遺体が見つかり、生活保護受給者の男と市の職員が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、市は1年以上前から、男が元暴力団員だと話し、職員に威圧的な言動をしていると把握していたことが捜査関係者や市への取材で判明した。上司は複数で訪問させるなどの対応を取ったが、2人が主従関係に陥ったことはつかめず、事件を防げなかった。市は体制の不備などを検証し、再発防止策をまとめる方針だ。

923チバQ:2019/07/10(水) 00:36:09
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/524966/
社会
氷河期世代 遠い「普通」 派遣40歳「私って使い捨て?」
2019/7/7 6:00
西日本新聞 社会面
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福岡県中高年就職支援センターが開いたセミナー。履歴書の書き方や内定のこつを教える講師の話に、参加者が耳を傾けた


 「私って、使い捨てなんでしょうか」

 派遣社員として遊興施設の受付を担ってきた西日本地区の女性(40)から、あなたの特命取材班に落胆の声が届いた。6月下旬に突然、2カ月後の契約打ち切りを告げられた。経営難のあおりで「不要」になったらしい。インターネットで求人情報を探す女性の頭に、20年前の「悪夢」がよみがえってきた。

 女性が短大を卒業し、社会に出た1999年は「就職氷河期」だった。30社以上の採用試験を受けたが、内定にたどり着かない。深く考えずに短大の掲示板にあった求人に応募した。

 どうせ落ちると思っていたら、スーパーの正社員の内定を得た。業務はレジ打ち。入社式でわれに返った。「ここで全く働く気がないのに何やってんだろ」。その日に退社を申し出た。

 次の仕事は、大手化粧品メーカーの有期契約社員。週5日、ドラッグストアで接客し化粧品を売った。手取りは月13万〜14万円。担当する店舗の化粧品販売額を月30万円から200万円に伸ばしても、手当も月収も増えなかった。

 10年余り勤める間に結婚、出産、離婚を経験。退社したのは、小学生になった子を放課後に預かってくれる場所がなかったからだ。

 再び就職活動を余儀なくされた今、40歳の「壁」を実感する。条件に合う求人はなかなかない。その日はネットで10社ほど応募して疲れ果てた。「だめ人間の烙印(らくいん)を押されているみたい。普通に安定した職がほしいだけなのに」

      ■

 バブルが崩壊し、就職難に直面した30代後半〜40代前半は「就職氷河期世代」と呼ばれる。35〜44歳で派遣社員やアルバイトなど非正規で働く人は約371万人。この世代全体の約22%に上る。

 日本総研によると、この世代は正社員であっても解雇されて転職を繰り返したり、昇格ポストが空かずに昇給が抑えられたりしたことで、家庭を持つ世帯主の月収は、上の世代が同年齢だった時と比べ約3万〜5万円少ないという。

 政府は6月に閣議決定した骨太方針で、氷河期世代の支援策を打ち出した。だが、対象は非正規雇用や引きこもり状態にある人で、目標も3年間で正規雇用を30万人増やすにとどまる。就労支援のノウハウを持つ業者に教育訓練を委託したり、運輸や建設など人手不足の団体と連携し、短期間での資格取得を支援するといった内容だ。日本総研の下田裕介・主任研究員は「人手不足への対応として氷河期世代の人たちを労働力に使おうという政府の思惑が透けてみえる。一人一人の実情に寄り添う支援策が必要だ」と指摘する。

      ■

 非正規でビル清掃など二つの仕事を掛け持ちする福岡県内の男性(45)は半ばあきらめ顔だ。「政府に何か期待できるんだろうか」。平日は朝9時から夜10時まで、土曜も日中は働いて手取りは月20万円だ。

 高卒で勤めたアパレルメーカーが福岡から撤退し退職。清掃会社の現場監督として不規則な生活を送っていた29歳で、人間関係に悩んで心を病んだ。両親に退職を告げられず、「働かなければ」と思いつつも、公園や図書館で時間をつぶした。やがて面接も怖くなり、その後の10年間は短期のバイトで食いつないだ。

 同居していた両親の最期をみとり、何かが吹っ切れた。行政の相談窓口を訪れ、清掃の仕事に就いた。

 ただ持病を抱え、「今の働き方がいつまで持つか…」。正社員で働き、家庭を持つ生活はかすんで見える。歯車が一つでも狂うと「普通の暮らし」を送れない社会。そこで苦しんでいる同世代は、自分だけじゃないと思う。

924 チバQ:2019/07/13(土) 22:37:46
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190713-00010000-kyt-soci
少ない年金と「人生100年」 74歳、求職活動の風景

7/13(土) 10:20配信��
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年金を頼りに一人で暮らす女性。老後の安心を実感できない日々が続く(京都府福知山市内)

 また、断られた。「年齢不問って書いてあるのに」。京都府福知山市の女性(74)は電話を切って肩を落とした。求人情報誌で見つけた清掃のパートに応募したが、「その年で立ちっぱなしはしんどいやろう」と門前払い。調理や介護などさまざまな職を探すが、最近は年齢ではじかれてばかりだ。  年金頼みの1人暮らしが続く。2カ月に1度、介護保険料が天引きされると手元に残るのは5万2千円。光熱費の支払いもままならず、近くに住む娘や親類の援助でしのぐが、やり切れない思いが胸に残る。

【写真】葛藤 赤裸々にノート7冊

 30歳のときに夫が自死した。営んでいた飲食店を引き継ぎ、切り盛りしながら2人の子を育てる日々だったが、「国に勢いがあって、地域も人でにぎわっていた。老後はバラ色やと気楽に思ってた」。しかし、50歳手前で体調を崩して店を売却。数年前に両親も見送った。
 家族構成や働き方が変わる間、年金のことは深く気にしなかった。今になって支給額の少なさを疑問に思うが、「どこに何を聞けば良いかも、ややこしくて分からん」。制度の複雑さの前に立ちすくむ。
 年金への不満がくすぶる中、老後資金「2千万円」問題が起きた。金融庁報告書の受け取りを拒否し、「(私自身は)年金受給の記憶がない」とまで言い放った麻生太郎金融担当相の態度に、女性は「人ごとのよう。議員や官僚は国民の生活を知らない」と憤る。テレビで年金問題を目にすると不安がかき立てられるため、チャンネルを変えるようになった。「長生きの家系で、母は97歳まで生きた。でも私は長生きしたいとは思えない」
 暮らしの安心を求める声は世代を問わない。安倍政権は社会保障を高齢者重視から「全世代型」に転換すると打ち出したが、だれもが「人生100年」を不安なく見通せる社会には、ほど遠い。

奨学金を利用すると利子の返済 子どもの未来と重荷と
 滋賀県栗東市の主婦奥村知子さん(42)は昨年、当時高校3年だった長男(19)と電卓をたたいて驚いた。長男が望む柔道整復師の専門学校に通うには、奨学金を利用すると利子の返済を含め550万円必要で、学資保険でためた250万円の倍以上になった。「返せるかな」。話し合いの末、長男は就職を選んだ。「親が借金をしてでも学校に行かせるべきだったか」との思いが頭をよぎった。
 奥村家は5人きょうだい。長男は2010年に導入された高校無償化の恩恵を受けたが、次女(8)と次男(5)の幼稚園費が重なり、夫の収入の半分を教育費に使った。今年10月からは幼児教育・保育無償化が始まる。知子さんは「親の収入による教育格差をなくせる」と政策の流れは歓迎するものの、次男が通う幼稚園は開園日数などの条件で無償化の対象外だ。
 漫画家、パン屋さん、電車の運転手…。子どもたちは口々に夢を語る。「子どもが増えれば喜びも増えるのに、教育費は不安でいっぱい」。おなかにいる6人目の子が成人を迎えるとき、知子さんは還暦を過ぎる。「教育費さえためられないのに、自分たちの老後までとても考えられない」  今を生きる世代だけでなく、未来の担い手にも安心をもたらす給付と負担の姿をどう描くのか。責任ある政治の出番だ。
◇ 参院選では安倍政権の6年半をどう評価するかが問われる。年金や景気、憲法改正や教育…。争点となっている政策課題の現場を訪ねる。

京都新聞

925チバQ:2019/07/18(木) 11:40:03
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071802000162.html
<参院選>隠れ住む「貸倉庫難民」 非正規労働者「ここは底辺」

2019年7月18日 朝刊


雑居ビル内の貸倉庫。ドアの向こうは2畳ほどのスペースで、人が寝泊まりしている=一部画像処理

写真
 階段を上り、二階のフロアに通じるドアを開けると、狭い通路の両側にドアがずらり。二畳ほどのスペースが薄い板で仕切られている。「グオーン」と空調の鈍い音が響き、踊り場にある共用のトイレや洗い場からはカビの臭いが漂う。

 ここは東京二十三区内にある三階建て雑居ビル。にぎやかな商店街にひっそりたたずみ、「レンタルルーム」や「レンタルスペース」と呼ばれる貸倉庫となっている。

 「非正規労働者が増え、貸倉庫にまで住むようになった」。生活困窮者の支援者からそんな話を聞いた。窓がない、仕切りの素材が燃えやすいなど住居としての建築基準を満たさないが、利用料金の安さから住み着く人が出てきたという。

 夕方、仕事終わりとみられる作業着姿の人や、弁当を手にする人がビルの鍵付きの玄関に吸い込まれていく。運営会社から住むのを禁じられており、利用者の口は一様に重いが、「絶対内緒ですよ」と、二十代の利用者が鍵を開けてくれた。

    ◇

 午後六時すぎ。幾つかの部屋から物音が聞こえる。Tシャツ、短パン姿の中年の男性はリラックスした様子で用を足しに出てきた。

 招き入れてくれた男性によると二十四時間出入りが可能でほとんどの部屋に人が住んでいるという。部屋の中を見ることは拒まれたが、ホームページによると約百室あり、窓がない部屋もある。一部屋の契約額は月三万円程度だ。

 運営会社は「物置」や「休憩室」としての用途を示し、住むことは禁じている。だが利用者にとってはアパートより月の支払いが安く、敷金や礼金もない。毎日、入退室手続きが必要なインターネットカフェに比べても、月単位で借りられ、荷物を置いて仕事に行けるため便利。職場の口コミなどで広がり、住む人が増えているという。

 男性は道路整備のアルバイトで日銭を稼いでいる。「住んで一カ月ぐらいだが、ここは底辺。狭いし、汚いし、早く抜け出したい」と吐き捨てるように言った。

 後日、都内で同じ会社が運営する同種の雑居ビルを訪ね、一階のコインシャワーから出てきた四十代男性に話を聞いた。定職がないため不動産屋からアパート契約を拒まれ、一年前から住んでいるという。今は知り合いの親方の下で建築現場で働き、月の収入は二十数万円。「親方からの仕事がなくなれば、働く場所もなくなる」と、髪を拭いていたタオルで顔を覆った。

 雇い止めされた非正規労働者らが寮などを追われ、インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、世間に知られるようになって十年以上がたつ。生活困窮者を支援してきた立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん(50)は「今はネットカフェだけでなく、貸倉庫やサウナ、二十四時間営業のファストフード店などに居住が広がり、実態が見えづらくなっている」と指摘する。

 安倍晋三首相は、完全失業率が民主党政権下の4%台から2%台に改善したことを「アベノミクス」の成果だと強調しているが、昨年の国の調査では、雇用者のうち四割が非正規だ。

 「団塊世代の大量退職で働き口はあるけれど、労働者は相変わらず低賃金で、雇用も不安定」と稲葉さん。「狭い部屋で寝泊まりすれば体を壊すし、孤立感からうつっぽくなる。生活保護に至る前に、低家賃の公営住宅や家賃補助制度を設けるなどの住居対策が選挙のもっと大きな争点にならないと」と訴えた。

 コインシャワーで出会った四十代男性は「頭が悪いから政治はわからない」と投げやりだが、将来は不安だ。最近、同じ現場で働く高齢者に自分の未来が重なる。「物覚えが悪く、作業も遅い。それでもうちで働けなくなればホームレスになると親方も分かっているから、クビにできない」

 「俺はそうはなりたくないけど、酒や遊びを控えても金はたまらないし、体もきつくなってきた。どうやってこの生活から抜け出せばいいのか」。力なく話し、倉庫への階段を上っていった。 (原田遼)

<生活困窮者の住居> 「オフィス」「倉庫」などとして貸し出され、実際には多人数が寝起きしている建物を、国土交通省は、住居の建築基準を満たさない「違法貸しルーム」と定義。昨年は防火や採光の設備が足りていないとして、全国の都道府県などが1458件の貸主に是正指導した。一方、東京都は2016年度にネットカフェやサウナなど夜通し営業する店舗で実態調査し、住居を失い寝泊まりしている利用者が都内に1日4000人いると推計を出した。

926チバQ:2019/07/26(金) 18:51:46
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190726-00293822-toyo-soci
「高学歴ワーキングプア」39歳独身男性の悲哀
7/26(金) 5:40配信
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

今回紹介するのは「大学教員になってしまったがためのキャリアの断絶もあり、再就職活動に悩んでいます」と編集部にメールをくれた、39歳の男性だ。

■席に着くなり、矢継ぎ早に話を始めた

 都内の有名私大を卒業後、大手銀行に就職したものの、双極性障害の父親のせいで退職に追い込まれたこと。最近まで、大阪の大学で専任講師をしていたが、母親の手術のため、東京に戻らざるをえなかったこと。「知的に遅れのある」兄の行く末が心配だということ。現在は都内の大学で客員教授をしており、月収は15万円足らずであること――。

 マコトさん(39歳、仮名)は喫茶店の席に着くなり、話を始めた。口が付けらないままのアイスティーのグラスが次第に汗ばんでいく。そしてこう言うと、ようやく一息ついた。

 「私のキャリアは家族のせいで失われました」

 珍しいな、と思った。本連載で話を聞かせてくれる人の多くは最初、口が重い。自分はどのように書かれるのか、取材を受けたことが周囲にばれるのではないか――。まずはそうした疑問や不安を口にした後、ようやくぽつりぽつりと自らの人生を語り始める。

 初対面の人間に自らの貧困について話すのだから、慎重になるのは当然のことだ。マコトさんのように、こちらが尋ねる前に、デリケートな家族関係にまで踏み込んだエピソードを、矢継ぎ早にしてくれる人は、多くはない。

 ただ、話を聞くにつれ、マコトさんの話には少なからず“ほころび”も見えてきた。

 新卒時は就職超氷河期時代。そんな中、希望通りの銀行に就職することができた。しかし、同じ頃、会社員だった父親の病状が悪化。突然、英語教室を開くと言ったり、選挙に出ると言い出した。実際に選挙に出馬、落選して供託金を没収されたという。

 双極性障害を患う人の躁状態は、同居する家族にも重い負担をかけるという。実家暮らしだったマコトさんはこのとき、父親の言動が家族に与えた影響について多くを語ろうとしない。ただ、「毎日毎日、狂った人の相手をするんですよ。心身ともに限界でした」。マコトさん自身、朝、突然、出勤できなくなるなど、勤怠に支障をきたすようになったという。

 「会社には『実家を出たいので寮に入れてほしい』と頼んだのですが、『この状況で仕事を続けるのは無理。まずは父親を入院させなさい』と言われました。だから、私は母に入院させようと言ったのに、世間体を気にする母は聞く耳を持ってくれませんでした」

 銀行では、PPPやPFIといった公民連携を進めるための投資業務に携わりたいと思っていたのに、異動で法人営業の担当になった。マコトさんに言わせると、その異動は家族のトラブルの影響を受けたものであり、また、その銀行ではいったん営業畑勤務になると、改めて投資部門に異動できる可能性は低い。結局、5年足らずで銀行を辞めた。

927チバQ:2019/07/26(金) 18:52:03
■前向きとは言えない転職が続いた

 その後、いくつかのシンクタンクなどに勤務。希望通り、地方自治体のコンサルティング業務や、アジア各国の公民連携事業に関わった。雇用形態は正規のことも、非正規のこともあったが、この間、働きながら大学院で経営学の修士号も取得。ただ、いずれも1年から5年で辞めている。それぞれの退職の経緯を、マコトさんは次のように説明する。

 「会社にとってよかれと思って大学院に行ったのに、社内にはよく思わない人もいたみたいでした。ちょうどリーマンショックの影響で会社の業績が悪化して、上司からは『君が辞めればいいんじゃないか』みたいなことを言われて……」

 「(アジア関連の仕事を任されたとき)航空券の手配や、現地での段取りがうまくいかないことがありました。周囲から『力不足』という評価を受けてしまい、次年度の更新は私から辞退しました」

 いずれにしても、前向きなステップアップのための転職とは言えないようだった。

 この後、霞が関官庁の非常勤職員に。それまで、かろうじて500万円前後をキープしてきた年収は、ここで一気に約200万円にダウンした。

 幸い、大阪の大学で任期付き専任講師のポストを見つけることができた。しかし、ここもマコトさんが思い描いていたような職場ではなかったという。

 着任時、学校側から「授業に出ない学生などは呼び出して説得してください。中学や高校の担任と同じだと思ってください」と言われ、耳を疑った。しかし、実際に一向に授業に出てこない学生や、試験でカンニングがばれた後も呼び出しに応じない学生は少なくなかった。そうした学生を捕まえるため、彼らが選択している授業の教室や、アルバイト先まで出向いて待ち伏せするという、およそ大学教員とは思えない仕事に忙殺された。

 「原因は、大学が学生を集めるため、合格水準に達していない学生まで入学させてしまったことです」とマコトさん。同僚との人間関係がうまくいかなかったことや、うつ病と診断されたこともあり、勤続3年目で、東京の実家へと戻った。1年前のことだ。

 あれ?  最初、母の手術のために仕事を辞めて東京に戻ったと言っていなかったか――。私がそう尋ねると、「タイミングがたまたま重なったんです」。

928チバQ:2019/07/26(金) 18:52:28
■目下の心配ごとは「兄の将来」と言うが…

 すでに父親は他界。実家では、母親と兄と同居している。今、マコトさんはこの兄の将来が心配でたまらないという。

 「兄は社会的なことが何もできない。『大人の発達障害』だと思うんです。仕事も、ハローワークで100社応募してやっと決まるという感じ。今のアルバイト先は月収20万円ですが、深夜まで働いても給料が変わらないようなブラック企業です。長く働き続けられるようなところじゃないんですよ。障害者手帳を取るべきだと思って、私が自治体に相談したりしてるのに、やっぱり母は協力的じゃない。家族は私の話を全然聞こうとしない」

 確かに、深夜手当を払わない悪質企業は許すべきではない。ただ、現時点の収入だけを比べたら、マコトさんよりも兄のほうが多いのも、また現実である。

 いずれにしても、現在の月収15万円では、マコトさん自身「どうしようもない」。大学の専任教員になりたいという夢はあるが、博士号がなければ難しいこともわかっている。そう思って、民間企業の転職サイトにも登録をしたが、早々にショックを受けた。

 「提案されるのが、中古車販売店の店長とか、警備員とか、チェーンの飲食店とか、工場内のクリーンルームでの作業とか――。そんな(自身の専門分野とは関係ない)仕事ばかりだったんです。長年、公民連携というテーマを持ってやってきたことを否定されたようで……。現実の厳しさに愕然としました」

 この後、大学での講義があるというマコトさんの予定に合わせ、取材を終えようとしたとき、マコトさんがこうつぶやいた。

 「川崎と練馬の事件以来、突然動悸がしたりして。あまり体調がよくありません」。

 「川崎と練馬の事件」とは、神奈川・川崎市で児童らが殺傷された事件と、東京・練馬区で父親が長男を刺し殺した事件のことだ。これらは、「中高年のひきこもり」が一気に注目を集めるきっかけともなった。

 「ひとごとじゃない。一度失敗すると、次は希望から外れた仕事しかなくなる。家族のために、私なりに考えてやってきたのに、うまくいかないことが重なって……。それなのに、(事件に対する)ネットのコメントを見てると、『努力が足りない』とか『甘えてる』とか、そんなのばかりで、つらい状況に対する理解や思いやりがないと感じます」

 マコトさんのキャリアのつまずきは、もしかすると「家族のせい」ばかりではないかもしれない。ただ、家族に問題があるなら、適切な距離を取るべきだったとか、転職先でもっと頑張るべきだったとか、“外野”が言っても、それは詮ないことだろう。

■再チャレンジ自体がままならない時代の課題

 何より、マコトさんが家族を心配する気持ちは本物だったし、しきりに「家族の問題」を持ち出すのは、マコトさん自身が誰よりも「自己責任」の呪縛にさいなまれていることの表れにも、私には見えた。

 話は少しずれるが、社会的ひきこもりの背景には、家族主義と儒教文化があるといわれる。子どもの面倒は親がみる、老いた親の面倒は子どもがみるといった家族観が、ひきこもりという状況を生み出すのだ、と。

 傾向として、日本と同じく中国や韓国などでも、ひきこもりが社会問題になっているのに対し、欧米では比較的少ないとされるのは、こうした価値観の違いがある。ただ、イギリスやアメリカなどで、若年層の問題がないかというと、そんなことはない。学校を卒業した後は、実家を離れるのが当たり前の社会では、会社などで不適合を起こした若者は「ヤングホームレス」になるしかない。

 ひきこもりか、ホームレスか――。どちらがよいとは簡単にはいえない話である。ただ、いったんつまずいた子どもが家族の元でやり直す機会を得ることができた日本の“システム”は決して悪いものではなかった。

 家族を見捨てられないマコトさん、ひきこもりの子を抱え込もうとする親。再チャレンジ自体がままならない時代、家族を思う気持ちがかえって足かせになっている。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

929チバQ:2019/07/26(金) 18:53:23
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190726-00010002-nishinp-bus_all&pos=5
認知症女性、かんぽに月25万円 収入13万円、貯金底つく…「これは犯罪だ」次男怒り
7/26(金) 12:08配信 西日本新聞
認知症女性、かんぽに月25万円 収入13万円、貯金底つく…「これは犯罪だ」次男怒り
女性宅に届いた約38万円の保険料の督促状。もう1枚の督促状と合わせると、請求額は約42万円に上った(写真の一部を加工しています)
 昨年6月、山口県山陽小野田市の女性(71)宅を訪れた親族男性が、郵便受けにあった2通の督促状を見つけた。送り主はかんぽ生命保険。滞納分の保険料約42万円の支払いを求める内容だった。

 女性は軽度の認知症を患い、小学校時代から引きこもりがちだった長男(42)と2人暮らし。親族男性が女性宅を探すと、保険証書が次々と見つかった。2017年5月に一度に5件、その後も契約を繰り返し、1年間で11件の保険に加入させられていた。うち5件は、ほとんど同じ内容の終身保険だった。

 女性の収入は年金など月約13万円。保険によって死亡や入院時の保障が受けられるとはいえ、月額保険料は支払い能力を大幅に超える25万円以上に上っていた。

 「分からない。郵便局の人に任せているから」と女性。通帳を確認すると、1年間で支払った保険料は200万円以上。貯金残高は底をつき、かんぽ生命から保険を担保に75万円の貸し付けまで受けていた。それでもすぐに残高不足に。そして督促状が届いた。

 近くに住む次男(37)は郵便局に抗議したが、担当者は「資産家だと思っていた」と釈明した上で「さらに貸し付けを受ければ、お支払いできますよ」と開き直った。半年間交渉した結果、かんぽ生命は昨年12月にようやく非を認め、全額返金に応じた。

 女性の亡くなった夫は郵便局の配達員だった。「郵便局員が人の財産を奪うようなことをするとは思わなかった。これは犯罪だ」。次男の怒りは今も収まらない。

SNSで調査報道の依頼を受付中!

 西日本新聞「あなたの特命取材班」は、暮らしの疑問から地域の困り事、行政や企業の不正告発まで、SNSで寄せられた読者の情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指します。ツイッターやフェイスブックの文中に「#あなたの特命取材班 」を入れて発信してください。

西日本新聞社

930とはずがたり:2019/08/11(日) 11:11:06

「貧困は暴力や薬物のせいだから自己責任? 日本を見よ!真面目だけど貧困だらけだ」米国メディアの記事に反響
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190807-00010000-finders-bus_all
8/7(水) 12:03配信
FINDERS

アメリカに蔓延する自己責任論を否定

アメリカの大手金融・経済メディアである『Bloomberg』に掲載されたオピニオン記事が、日本国内で大きな注目を集めている。

タイトルは「Stop Blaming America’s Poor for Their Poverty(アメリカの貧困を自己責任にするな)」。執筆したのは、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の准教授のノア・スミス氏だ。

アメリカの保守派は「人々が一生懸命働き、薬物や暴力に依存しなければ貧困にはならない」と自己責任論を展開するが、スミス氏はこの意見に、日本を例に挙げ異論を唱えた。日本人は真面目であるにも関わらず「日本は貧困な人で溢れている」と訴えた。

日本人の勤勉さを数字で解説

スミス氏はまず世界各国の10万人当たりの殺人件数を比較。アメリカは5.3である一方、日本は0.3。日本は暴力から縁遠い国であることが分かる。

また、日本で薬物の訴追は年間1万3000件に過ぎず、しかもこの内3000件は海外で合法化が進む大麻によるもの。片親の世帯も少なく、シングルマザーは約71万2000人で全世帯の2%未満。一方、アメリカは約850万人だ。就業率も77%以上であり、アメリカを上回っている。

真面目な国民性の日本は貧困率が低いと保守派は考えているかもしれないが、実際は真逆であるとスミス氏。日本は国民所得の中央値の半分未満しか稼げない人の割合、つまり相対貧困率が15.7%もあると指摘。この数字はアメリカ(17.8%)より多少低いものの、カナダ(12.4%)、オーストラリア(12.1%)、ドイツ(10.4%)、と比較するとかなり高い水準だ。

日本の抱える貧困問題がSNS上で話題に

スミス氏は「日本の貧困は静かな問題」と明かす。街を見ると一見清潔だが、貧困で苦しんでいる人が大勢存在していて、全体の約14%にあたる350万人の子供が貧困状態にあると述べた。

また、社会福祉に充てる国内総生産の割合を世界で比較すると、日本はほぼ中央にランクインしているものの、その多くは健康保険制度によるもので、福祉に関して日本はヨーロッパに大きく遅れを取っているという。

スミス氏は「アメリカの高い貧困率に対する解決策は、自己責任や道徳的な誠実さとは関係ないでしょう。アメリカは解決策のアイデアをヨーロッパやオーストラリア、カナダに求めるべきです。強力なセーフティネットに代わるものはありません」と結論づけた。

この記事は日本国内でも大きな話題を呼んでおり、SNS上には「貧困は自己責任じゃない」「日本は一部の富裕層を除いて、貧困国に入りつつあると思い知らされた」「こういう取り上げられ方をされる国になってしまったか」「貧困を根性論で片付けたい人もいますが、根本的な元凶は構造の問題」などの意見が挙がった。

世界第3位の経済大国である日本にとっての貧困問題は、とどのつまり格差社会の問題だ。大企業や高所得者優遇の政策は、問題をさらに深刻化させるだろう。貧困問題は政治が真っ先に対策を講じなければならない問題だ。

岩見旦

931チバQ:2019/09/04(水) 17:31:56
https://toyokeizai.net/articles/-/300119
「生活保護でも幸せ」を訴える33歳女性の半生
必要のない洋服や小物をつい買ってしまった
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中村 淳彦 : ノンフィクションライター
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2019/09/04 5:20

この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「生活保護受給者の30代独身女性です。私も声を上げることで、何かの力になれないかと思い、送らせて頂きました」と編集部にメールをくれた33歳の女性だ。
鬱病の症状が悪化して入院
西田朋美さん(仮名、33歳)からメールをもらって、彼女の住んでいる神奈川県のある駅前にきた。西田さんは2年前から生活保護を受給、この駅から徒歩圏のアパートで一人暮らし。古い木造住宅で、家賃は住宅扶助の上限よりだいぶ安い。月3万8000円という。

「先月、鬱病の症状が悪化して入院をしたんです。死のうと思っていたのに、いろいろ人に助けられ、退院してからすごく元気になりました。先週、新しく仕事も見つかりました。記事を読んでいると、貧困に苦しんでいる女性たちには本当に苦しそう。でも、お金がないからって絶望しなくていいし、大丈夫だよって。そう、伝えたいんです」


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鬱病が悪化して、生活保護になった。この2年間は、月8万円弱の生活扶助で日々の生活をするが、どうしてもお金のやりくりが苦手だった。必要のない洋服や小物などを買ってしまって、お金を使いすぎてしまう。

いつもギリギリだったが、先月、月の半分もいかないうちにお金がなくなった。電車賃すらなくなって、食べるものをなにも買えなくなった。そのとき、絶望感に襲われて強く死にたいと思ったという。

「本当に死のうと思って、さあって直前に就労支援センターに電話したんです。すぐに駆けつけてくれて精神科の病院に連れていってくれた。手首の動脈を切ろうって決意して、切る直前でした。死なないで済みました。あぶなかった。それで入院して退院して、元気になって仕事が見つかった。再来月には生活保護から抜けることができそうです」

笑顔だった。退院後、希望が見えたようだ。生活保護受給になって、生涯、弱者として生きなければならないと絶望していたが、希死念慮をきっかけに就労支援施設のスタッフに支えられた。支えてくれる人の存在を知ることで、「自分は生きてもいい」と思えるようになったという。

死にたくなる希死念慮は鬱病の症状だ。自殺行為をしてしまって、本当に死んでしまう人も多い。西田さんにとって先月の自殺願望は大きな出来事だった。そのときの状況を詳しく聞く。

「お金がなくなって、もう死にたいと思いました。こんな人生いやだ、なんでこんなに苦しいんだ、もう死にたいって。私の人生、いつもお金がないことで苦しくなる。本当に苦しいことばっかりだって思ったんです。子どもの頃から一時期は回復したけど、ずっと病気があって人生が苦しかった。ずっと、自分ばっかりが苦しいって」

死のうと決意して、小さな包丁を持って洗面所にいった。水を出しっぱなしにして、手首の動脈を探して思いっきり切ろうとした。

932チバQ:2019/09/04(水) 17:35:45
就労支援センターにSOSをだした
「いま思いだしても、最初は本気で切ろうと思ってました。でも水がジャージャー流れているのをみながら、ちょっとだけ、いまおかしいんじゃないかって気持ちが芽生えた。いったん思考をストップして、落ち着こうって、就労支援センターに電話したんです」

平日の夕方だった。電話には職員がすぐにでた。西田さんは電話に出た相談員に「いま、死のうと思って包丁を持って洗面所の前にいます」と、そのままの状況を伝えた。

「その相談員さんは、もう、それはあぶないからすぐに病院に行きましょうって。家まで来てくれた。それで、病院に同行してくださった。診察されて、先生から入院したほうがいいって、即入院になりました。対応してくれた相談員さんがたまたま福祉歴が長くて、希死念慮があぶないって知っている方だったんです。本当に死んだ人も何にもいるって言っていました」

希死念慮は本当に死にたいけど、本当は死にたくない複雑な状態という。まだ、1カ月前の出来事なので記憶が鮮明にあった。

「どう死ぬのが一番きれいに死ねるか、みたいなことは鬱病になってから常日頃考えていました。希死念慮がはじまると、いつも手首を切る自分の姿が浮かぶ。浅はかな考えだけど、自殺するなら手首を切るって思っていました。あのときは自分には存在価値がない、そんなことを強く思っていた。だから死にたかった」

西田さんは就労支援センターにSOSをだした。そして、職員の適切な行動によって助かっている。彼女の命をつないだのは、人とのつながりだったといえる。

貧困は経済的貧困だけではない。人間関係を失う状態に陥る「関係性の貧困」がある。関係性の貧困は虐待、不登校、引きこもりなどで、家庭や学校、社会に居場所がない人々が陥りがちだ。経済的な貧困と関係性の貧困が合併すると、深刻な貧困状態に陥って命を失いうこともある。それが現代の貧困である。

彼女は生活保護になっても、通っていた就労支援センターに居場所があった。身近な人に電話でSOSの言葉を伝えただけで、自死を思いとどまり、治療する方向にむかった。

入院中、担当医を筆頭に、看護師やソーシャルワーカー、就労支援センターの職員たちが、状態が悪化した西田さんを支えた。すごく感謝をしていることが伝わる。

「生活保護まで落ちてしまって、ずっと自分には存在価値がないと思っていました。でも、そんな私のためにみんなが一生懸命動いてくれて、考えてくれた。入院しながら自分1人ではない環境があるってことに気づいて、だんだんと考えが変わったんです」

病院では服薬をしながらゆっくりと過ごした。彼女は就労支援センターでは最も優秀な利用者のようで、退院して就職活動を勧められた。先日、面接があり、ある企業の障がい者枠で採用が決まった。

933チバQ:2019/09/04(水) 17:36:04
10歳のときに両親は離婚
いま、駅前のカラオケボックスで話を聞いている。両隣から学校帰りの高校生たちが盛り上がる声が漏れてくる。テンションが高い。ここだけでなく、駅前や駅ビルには髪の毛をブリーチして化粧、短いスカートの女子高生がたくさんいた。男子も髪型を決め、制服を着崩している。東京から電車で1時間ほど、若者たちの雰囲気は東京とはまったく違った。

西田さんは子どもの頃から、この街で育っている。母親も近くに住んでいる。「子どもの頃から人生が苦しかった」という。10歳のときに両親は離婚。シングル家庭になって、母親は離婚をきっかけに福祉の仕事をはじめた。現在はケアマネジャーを統括しているという。

「離婚後、小児不安神経症になってしまったんです。母親から離れることができなくなって、仕事を休ませたりしていました。ある日、母親が怒った。ちょっと来いって大きな声で呼ばれて、アイロンを持って私の腰を焼こうとしたことがあった。泣いて家を飛びだして、お友達のお母さんの家に逃げました。母親がちょっとでも離れると、もうそれだけで不安でパニックになるっていう。母親は、本当に迷惑だったと思います」

小児不安神経症とは「子どもが親と離れ離れになることを極度におそれる」疾患で、家のなかでは母親に四六時中ついて歩き、トイレまでついて行ったという。朝、仕事にでようとすると泣いて暴れた。小学校にも行けなくなり、不登校になった。

「学校に問題はなかったけど、大人がいる場所にいたかった。大人が近くにいないと不安になる。学校に行くのもこわくて、不安になってしまう。だから保健室に行って、保健の先生に甘えてたというか。小学校5年、6年は不登校。よく覚えているのは、駐車場で母親だけ買い物に行って、不安になってしまって窓開けて『お母さん! 』って大きな声で何度も何度も呼んだ。それは記憶に残っています。結局、児童養護施設に行くことになりました」

児童養護施設には職員がたくさんいる。不安になる症状はおさまった。高校時代に自宅に戻って、学校にも普通に通学した。無事に卒業した。医療系の専門学校に進学、学費はすべて奨学金を借りた。借りたお金は元金だけで600万円を超えた。

児童養護施設以降は平穏な日常を送っていたが、再び問題が起こったのは専門学校に進学し、スナックでアルバイトをはじめてから。時給1800円で週5日働き、月10万円ほどを稼ぐようになった。

「自分で働くようになってから金銭感覚が崩れました。必要なお金は払ってたけど、お洋服を買うようになったんです。服をすごく買うようになった。貯めたりとかすることなく、全部使う。1万円前後の服をバンバン買って、お金のことはまだ苦しんでいます」

働いたお金を全部使ってしまうのは誰でもある一般的なことだが、本当に苦しんでいるようだ。専門学校を卒業していくつかの仕事を転々として、アパレルメーカーで働くようになって再び買い物に拍車がかかった。

雇用はずっと非正規で、どんな仕事をしても月15万円程の収入しか得ることができない。クレジットカードを使うようになって、奨学金の返済と洋服の買い物で少しずつ赤字家計になった。つねに借金を抱えていたが、アパレルメーカーで社員割引など購買意欲をそそられる環境になって破綻までいく。

934チバQ:2019/09/04(水) 17:36:27
1年間で100万円以上の借金をつくった
「店員は服をいくらか買わなきゃいけなくて、また洋服を買う日々がはじまりました。本格的におかしくなったのはそこから、1年間くらいで100万円以上の借金をつくって、夜スナックとかでバイトしていても追いつかなくなった。母親にバレて、そのときは母親が借金を全部払ってくれました」

借金を肩代わりした母親に徹底的に怒られたが、それでも買い物癖は治らなかった。


クレジットカードで200万円くらいの借金を作っていしまい、自己破産をした(編集部撮影)
「またクレジットカードで200万円くらいの借金を作ってしまって自己破産です。アパレルの後にチェーン系の飲食店で働いたんですけど、連日の長時間労働で重い鬱病になってしまって、カラダが動かなくなった。収入がなくなって、もうどうにもならなくなって2年前に自己破産して生活保護です」

就労支援センターは精神障害や発達障害をなどを抱えている者が、さまざまなとレーニングを受けながら就労を目指す通所施設である。挨拶からビジネスマナー、接客、文書作成、パソコンなどのトレーニングメニューがある。障害の重さはそれぞれなので通所して自主的に学ばなければならない。

「週6日、毎日通ってSSTというソーシャルスキルトレーニングやエクセルの勉強をしました。3カ月前に一度企業に就職できたのですけど、上司にイジメられて辞めました。3週間くらいしか続かなくて、そのストレスでまた鬱病の状態が悪くなって希死念慮が再発した。お金もうまく管理できなくて、どうしても余計な買い物をしてしまう。先月はスピリチュアル系の指輪を買ってしまって、まあ5000円くらいですけど。それで月半ばまでお金がもたなかった。それで自殺しようみたいな感じになってしまいました」

生活保護は8万円弱の生活扶助に家賃補助、就労支援センターへの支払いは教育扶助がでている。8万円弱の金額で光熱費、通信費、衣料、食費などを賄わなければならない。最低限度の生活ができる金額であり、無駄使いをしてしまうと、最低限の生活もできなくなる。

生活保護だと1000円、2000円の無駄使いがダメージが大きく、彼女のように命を捨てようとまで発展してしまうこともあるのだ。

最も問題視されたのは「お金使い」
最も問題視されたのは「お金使い」だった。先日、就労支援センターのセンター長、病院に同行した相談員、生活支援センターのソーシャルワーカー、それに西田さんが集まってカンファレンスが行われた。


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「月のお金の用途をすべて書きだして、1つひとつを検証するみたいなことをしました。携帯を格安に変えようとか、コンビニ弁当ではなく自炊とか。モバイルWi-Fiは解約するとか。それと2000円以上の物を買うときは、必ず誰かに報告して許可をもらうとか。いろいろ心配してくれて、助言してもらって、私はまだ生きていていいんだって前向きな気持ちになれました。自己肯定感がでた、というか」

彼女は貧困で苦しむ女性に、諦めないで誰かに頼れば救われることもある、ということを伝えたがっていた。

「就労支援センターの方々に支援をされたことで、お金があろうとなかろうと、生きていればそれでいいのかな。そう思えるようになりました」

洋服の物欲はなくなった。あとは細かい無駄使いをなくすだけ。就職も決まって、もう少しで生活保護から抜けて普通の生活ができる。生きていいと気持ちがポジティブになってから、日々が充実しているようだった。

935チバQ:2019/09/04(水) 18:15:32
https://toyokeizai.net/articles/-/295722
パワハラですべてを奪われた56歳男性の絶望
子会社へ転籍を命じられ、年収は200万円に
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/08/08 5:30

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「以前より、この記事に取材していただいたら?と提案していた友人が、昨年12月に貧困とパワハラの果てに脳出血を発症して重度の障害者となってしまいました」と、友人の女性が編集部にメールをくれた、56歳の男性だ。
こわばった右手を、一回り小さな掌が包み込む。むくんだ指を1本1本もみほぐしていく。都内の、あるリハビリ病院の一室。右手の主である男性が「あーっ!」と声を上げると、マッサージをしている女性が「痛かった? ごめんね」と語りかける。

親しげな2人の様子は、父娘にも、恋人同士にも見えた。

会社にも社会にも居場所を失った
「友人が昨年12月、貧困とパワハラの果てに脳出血を起こして重度の障害者になってしまいました」


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編集部にこんなメールをくれたのは、会社員のミノリさん(39歳、仮名)。20年来の友人で、IT関連会社のシステムエンジニアだったマキオさん(56歳、仮名)は脳出血により、右半身麻痺や失語症などの後遺症が残り、今も会話が難しい状態だという。大病を患った友人が会社にも、社会にも居場所を失った顛末を、ミノリさんが代わって語ってくれた。

「理不尽だ。労働組合なんて、組合費だけ取って、何にもしてくれない」

いつもミノリさんの愚痴を聞いてくれるマキオさんが、仕事への不満を口にするようになったのは、2005年頃。関連子会社への一方的な転籍を命じられたことがきっかけだった。これにより、月数回の夜勤など業務内容は変わらないのに、600万円ほどあった年収は50万円以上ダウンしたという。

長引く不況の影響もあったのか、転籍後も、収入は右肩下がりの一途。そして、マキオさんは40代半ばで大動脈解離を発症する。さいわい、2カ月足らずで職場復帰できたものの、50歳を過ぎたとき、1度目の脳出血に見舞われた。このときは目立った後遺症はなかったが、会社側の産業医の復職許可が下りず、1年間の休職を余儀なくされたという。

ストレスを受けると、飲食が不規則になる傾向があったマキオさんは、ピーク時で体重が100キロほどあった。休職中は、日々の食事やリハビリ内容を事細かく上司にメールで報告するよう、求められていたという。

ミノリさんは「(会社からマキオさんへの)メールには『起きて行動している間の内容はすべて記載するように』と書かれていました。それに、何かとケチをつけては、報告のやり直しを命じていました」と話す。

あわよくば、このまま退職に追い込みたい――。ミノリさんには、会社側のそんな思惑が透けてみえたという。

936チバQ:2019/09/04(水) 18:15:50
復職したものの年収は200万円に落ち込んだ
なんとか復職を果たしたものの、配属先はマキオさんの専門とは無縁の庶務部門。実際の仕事はトイレットペーパーの補充やポットの給水、郵便物の発送といった雑用だった。400万円近くまで減っていた年収は、夜勤がなくなったことで、さらに200万円に落ち込んだ。

この間、マキオさんは出費を抑えるため、より安い賃貸アパートへの引っ越しを繰り返し、もともと7万5000円だった家賃を、最終的には6万3000円に切り詰めた。それでも、通院費用や薬代がかさんでいたようで、アパートの更新料の支払いや、定期券の購入など物入りの月は、ミノリさんからお金を借りることもあったという。

何より負担だったのは、配属先の職場が自宅から片道2時間もかかる場所にあったこと。病気で体力が落ちていたマキオさんにとって、往復4時間の通勤は相当にこたえた。ミノリさんはこの頃、マキオさんが「体がしんどい。会社は『もっと職場に近いところに引っ越せばいい』と言うんだけど、『引っ越し代は出るんですか?』と聞いたら、『それは出せない』って……」と途方に暮れていたように話していたことを覚えている。

そして、昨年暮れ、2度目の脳出血――。会社からは、病院で付き添うミノリさんの元に、同僚が1人、マキオさんの入館証の回収に訪れたきり。その後の休職手続きなどは、人事部と書類をやり取りするだけで、上司や同僚が見舞いに来ることはなかったという。

「比較的大きな会社なので、通勤時間がもっと短くてすむ職場はあったはずです。針のむしろのような職場に、どんな思いで通っていたのかと思うと……」。なんらかの配慮があれば、2度目の脳出血は防げたのではないか――。そんな思いがぬぐえないという。

ミノリさんは取材のために、マキオさんが元気だった頃の写真や、日記帳代わりにしていた大学ノート、給与明細、業務に関する書類などを持参してくれた。いずれも、マキオさんが倒れた後、自宅を整理していたときに見つけたものだという。

マキオさんが就職したのは、バブル景気真っただ中。ミノリさんが、健康的に日焼けした男性の写真を示しながら、「若い頃のマキオさんです。社員旅行で行ったグアムでスキューバダイビングをしたときのもので、費用はすべて会社持ちだったそうです」と説明する。

超氷河期時代に就職活動を強いられ、派遣社員として働くしか選択肢のなかったミノリさんにとって、会社が費用負担をしての海外旅行など、まるで別世界の出来事だった。マキオさんの旅先での写真は、このほかにもたくさんあったが、家計が厳しくなるにつれて減っていき、ここ10年はほとんどなかったという。

ショックだったのは、大学ノートに走り書きのような文字で「元に戻りたい」「不安」「プレッシャー」などと書かれているのを見つけたとき。「休職していたときのものだと思います。このころは、(上司らによる)面談の後、『能力不足だと言われた』『いつ復職できるのか、教えてくれない』と不安がっていましたから」。

また、給与明細や、賃貸アパートの契約書に設けられた年収欄の記載を年代順に眺めると、年収が次第に下がっていく様子が一目瞭然。直近の預金通帳を見ると、毎月振り込まれる給料はわずか15万円ほどで、さらにクレジットカードのキャッシングなどによる借金が200万円ほどあることもわかったという。

ミノリさんは「(脳出血で倒れてからは)夜勤のない職場になったとはいえ、あまりにも安すぎると思いませんか」と憤る。

マキオさんの意識が戻って以後、ミノリさんはほとんど毎日、会社帰りに病院を訪れ、リハビリを手伝ってきた。手指をマッサージしたり、一緒に童謡を歌ったり。最近は「ありがとう」などの言葉を発することができるようになったほか、箸を使って食事ができるようになったという。

937名無しさん:2019/09/04(水) 18:16:04
両親によって地方都市の施設へ転院
話を聞きながら、私が最も気になったこと。それは、マキオさんとミノリさんの関係だった。2人は20年ほど前、SNSを通じて知り合った。悩みを打ち明け合ったり、一緒にコンサートに行ったり。多くの時間を共にしたかけがえのない存在だが、恋人ではないという。

自分の両親との関係がうまくいっていないミノリさんにとって、17歳年上のマキオさんは「幼い頃に甘えられなかった父親のような存在」。出会った当時は、マキオさんがミノリさんを無条件に甘やかすことで「育て直し」をしてくれ、そして今は、ミノリさんがマキオさんを「赤ちゃんを育てるように」看病しているのだという。

ミノリさんは、あえて表現するなら2人は「大親友」だという。ユニークではあるが、そんな関係があってもいい。ただ、それは法制度の下では、はかなすぎる絆でもあった。

7月はじめ、マキオさんは、両親によって実家がある地方都市の施設へと転院させられた。リハビリ施設も豊富で、何よりミノリさんが毎日、看病できる東京のほうが、回復が見込めるというミノリさんの主張と、早く地元に連れ帰りたいというマキオさんの両親の主張は平行線のまま。両親は意見がかみ合わないミノリさんを敬遠したのか、最後は、転院の日取りすら教えてもらえなかったという。

リハビリの付き添いという日課がなくなってから10日あまりが過ぎた7月20日、参院選の選挙戦最終日。ミノリさんはふいに思い立ち、「れいわ新選組」の演説会に足を運んだ。同党が比例代表で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者である舩後靖彦さんと、脳性マヒで重い障害のある木村英子さんを擁立したことに興味があったという。

ミノリさんはこのときの光景をこう語る。「(演説後)ほとんどの人は、微動だにしない舩後さんをスルーして、山本さん(山本太郎代表)や、健常者であるほかの候補者のところに集まっていきました。中には、舩後さんの足元にぶつかりながら通り過ぎていく人もいて。すぐに山本さんが気がついて、スタッフに舩後さんの足元をガードするように指示してましたけど……」。

ミノリさんは「重い障害のある人が国会に行く。それだけですばらしいことだと思っています」とも言う。一方で、自分の大切な友人は障害を負ったことで、やりがいも、生きがいも奪われた。

もしかすると、人々が舩後さんを「スルーした」のはほんの一瞬のことだったのかもしれない。それなのに、その光景ばかりがやけに脳裏に浮かぶ。そして、会社からも、同僚からも、まぎれもなく冷たくスルーされた、友人の無念を思わずにはいられない。

938名無しさん:2019/09/04(水) 18:16:47
https://toyokeizai.net/articles/-/282822
12年勤続のアルバイト男性が笑顔を見せるワケ
発達障害で人間関係ではつまずいてばかり
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/05/30 5:10

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「僕は高い能力がないので低収入です。大学の初任給が20万円を超えてましたが、年齢の割には一般よりずっと低いです」と編集部にメールをくれた、36歳の独身男性だ。
「どうして彼は生活保護と障害年金(の両方)をもらえるのか?」「(一般枠で採用された会社で働けないなら)障害者雇用枠のところで働け、と言いたいです」――。

コウタさん(36歳、仮名)は、以前、本連載に登場した、ある男性を批判するメールを編集部に送ってきた。この男性はアスペルガー症候群。子ども時代からいじめに遭い、働き始めてからも人間関係がうまくいかず、当時は生活保護と障害年金で生計を立てていた。

一方のコウタさんは20歳代のころに自閉症スペクトラムと診断。同じくいじめられた経験がある。正規雇用の仕事に就くことができず、現在は月収約19万円のアルバイトをしており、このままでは十分な貯金も、1人暮らしも無理だという。

理不尽な生きづらさを抱えている人が、なぜ、同じような生きづらさを抱えていている人をバッシングするのか――。本人に聞きたいと思い、取材を申し込んだ。

「暗黙のルール」がわからない
取材相手とは普通、数回メールをやり取りして日時と場所を決める。ところが、コウタさんからは取材前、10本近いメールが送られてきた。ほとんどが長文だが、論理的。中には、自らの生い立ちや仕事への不満だけでなく、好きなタレントの話や、待ち合わせのときの目印になるようにと、鞄に着けているマスコットの特徴などが書きつづられていた。


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初対面の相手に対する独特の距離感の近さは、発達障害の特徴の1つである。私は面食らいながらも、懸念していたような攻撃的な人ではなさそうだと思い、ホッとした。

実際に会ったコウタさんも人懐っこく、話好きな印象。「大人の発達障害」と言われる人たちの多くが言うように、コウタさんも「(周囲の人間の)本音と建前がわからない」「『空気が読めない』と言われる」「暗黙のルールを察することができない」と言う。

小さいころから、私物を隠されたり、無視されたりするなどの陰湿ないじめを受け続けた。中学では、仲のよい者同士で集まって弁当を食べる習慣があったが、コウタさんはどのグループにも入れてもらえなかったという。「子ども時代にいい思い出はないです」。

専門学校を卒業しても、正社員になることはかなわなかった。やむを得ず、いくつかの会社でアルバイトをしたが、いずれも時給は最低賃金水準。雇い止めに遭ったこともある。

社会人になってからも、人間関係ではつまずいてばかりだという。

友人の長話に付き合ったことについて、SNSに「本当は早く家に帰りたかった」と書いたところ、後日、その友人から「直接言えばいいだろ」となじられた。友人らと食事をした帰り際に「また会おうね」と言われたので、具体的な日時を決めようとしたら、引かれた。女友達にLINEで「貧乳だね」と言ったら、ブロックされた――など。


穏やかな様子で取材に応じてくれたコウタさん(筆者撮影)
自分がされたら嫌なことをしなければいいのでは――。私がそう言うと、コウタさんは同じことをされても、自分は必ずしも不快ではない、という。確かに、コウタさんはいじめや雇い止めの経験を話すときも、どこか穏やかで、時に笑みさえ浮かべていた。よくも悪くも根に持つことがないのか。ただ「ほかの人にとって何が嫌なのか、ピンとこない」。

コウタさんは自らに言い聞かせるように「『またね』は『バイバイ』と同じ、ただのあいさつ。女性に外見のことを言ってはダメ」と話す。失敗のたび、学ぼうとしているのだ。


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