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貧困スレ
850
:
チバQ
:2018/07/11(水) 11:58:13
もちろん、2008年当時と現在の政府の動きは異なる。特に2012年末の政権奪還後、政府は大きな一歩を踏み出した。法律制定に向け動いたのである。
生活保護の基準切り下げを進めるための弥縫策(びほうさく)としての意味もあったが、あしなが育英会などの当事者団体の声にも耳を傾けざるをえなくなっていたのであろう。
2013年6月、子どもの貧困対策法が、すべての政党が賛成して成立した。
法律制定のインパクトは大きかった。
それまでその存在すら知らない人々の関心を、法律の制定、それに伴うマスコミ報道等がひきつけていった。
私はある自治体の幹部から、「法律制定以前、うちの市に貧困な子どもが存在するはずがないと思っていました」と吐露されたことがあった。根拠はあまりないイメージはやはり存在していたのだと思う。
子ども食堂を始めた動機は?
もちろん、法律によって刺激を受けたのは行政関係者だけではない。一般市民も触発されている。
その代表格が子ども食堂の活動だろう。法律制定の翌年2014年ごろから、子ども食堂は全国各地で作られ一般市民の方を中心に運営がなされている。
現在では、小さいものまで含めれば1000近く(またはそれ以上)に及んでいる可能性がある。一種のブームと言っていいだろう。
子ども食堂(またはそれに類似の活動)を始めた方に会うといつも感じるのは、草の根的・自発的に動いたのは初めてという方ばかりであることだ。
また、みなさん「いてもたってもいられなくなった」と自分たちの活動の始まりを語ることが多い。子どもの貧困をめぐるマスコミ報道に触れて、内発的な思いに突き動かされたという。
子ども食堂は批判を浴びることもある。「それで子どもの貧困を解決できるのか」とか「子ども食堂に本当に困っている子どもは来ない」とか。
しかし、子ども食堂などをやっている人はそうした批判はあまり気にしていないように見える。それは、彼らが子どもの貧困問題とも深くつながるある危機感を持っているからではないかと思う。
ある子ども食堂を始めた年配の方からその活動動機としてこんなことを聞いたことがある。
「俺たちが小さい時もご飯に困ることはあった。でもそうした時、昔は隣の人がご飯を食べさせてくれた。隣がダメだったらその隣だった」
子どもの貧困は、ここ数年急上昇してきたわけではない。80年代から長期的な上昇トレンドにある。それと並行して進行しているのは、親族網の急速な縮小と地域コミュニティの関係の希薄化だろう。
確かに、かつての地域や親族間には閉鎖的な縛りがあり、息苦しさを感じる場合も多かった。しかし、その協力関係があったから生活がなりたっていた部分もあったのである。
今、親族はともかく地域のつながりは必要性そのものが薄まり本当に小さくなっている。子ども食堂はそうした地域社会が抱える課題を新たなムーブメントを起こすことで逆に照射しているようにも見える。
少なくとも、子ども食堂を始めた人々はしんどい子どもたちの問題は自分の地域にもあるはずなのに、それが見えなくってしまったことに対する「やばさ」のようなものを感じているのではないか。
一方で、経済的に困窮している方からすれば、このことは折り重なるハンディを彼らが抱えていることを意味する。
先に述べたように、子どもや家族に対する公的支援(公助)は少ない、それに加え地域や親族網(共助)の減少が襲っている。
共助は、全体でも減ってきたが、特に貧困を抱える家族に集中して少ないことが後述する沖縄などの各地域での子どもの貧困調査では見える。貧困な家族ほど、相談相手や頼りになる人が少なく孤立と向き合っているのである。
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