貧困撲滅を掲げるオックスファムは、「世界経済フォーラム(WEF)」年次総会(ダボス会議)がスイス・ダボス(Davos)で開幕するのを前に、報告書「最も豊かな1%のための経済(An Economy for the 1% )」を発表。「悪化の一途をたどる不平等は、62人が所有する富と、世界人口のうち所得の低い半数の人々が有する富とが等しい世界をつくり出した」と述べた。
2007年の米シンクタンク調査「The Pew Global Attitudes Report」によると、「自力で生活できない人を政府が助けてあげる必要はない」と答えた日本人は38%。ドイツや中国の10%程度、28%の米国をも超えて、先進諸国ではダントツに高く、弱者を支え合おうという意識の低さが見える。日本のこの「不寛容」さが、貧困を加速させる大きな要因ではないか。『下流老人』(朝日新書)の著者でNPO法人ほっとプラスの藤田孝典代表理事は、日本の貧困支援に対する絶望感を露(あら)わにする。