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貧困スレ

578とはずがたり:2016/02/27(土) 13:05:57
>>576-578

日本では今、上位1%の富裕層が、国富のおよそ1割を持つようになった。豊かな「1億総中流社会」が終わりつつあることは、国民も気づいている。何かと外国人を非難したり、かと思えば「日本はやっぱりすごい」と自画自賛したりする近年の風潮にも、もうすぐ「繁栄の終わり」がやってくるという心細さがかかわっているのだろう。

不安を紛らわそうとするように、日本政府は「トリクルダウン(富の浸透)が起きるから、心配はいらない」と連呼してきた。グラスタワーのてっぺんに注がれたシャンパンは、グラスのふちから溢れ出し、やがて最下層まで流れ落ちる。同じように、大企業が潤えばカネは末端まで行きわたり、庶民も豊かになる、と。

だが、アベノミクスの主唱者の一人、元経済財政担当相の竹中平蔵氏が、この年明けに突如「トリクルダウンはない」と発言。安倍総理以下、政権幹部もトリクルダウンを否定するようになり、国民を唖然とさせた。

ノーベル経済学賞受賞者の、ポール・クルーグマン氏が解説する。

「トリクルダウン説を支持する保守派の政治家や学者は、『富裕層の税金を軽くして、貧困層への福祉は削るべきだ』『さもないと、富裕層は働くのがバカバカしくなり、経済全体の成長が妨げられる』と主張してきました。

しかし、時が経つにつれて、トリクルダウンなど起きないということが次第に明らかになってきています。かくなる上は、高額所得者に重税を課し、その税収を貧困層支援に回すしか手はありません」

例えば、今春から所得の低い65歳以上の高齢者に配られる「臨時福祉給付金」は、予算額およそ3600億円。これで1250万人に一律3万円を支給できるというのだから、柳井氏が持つ2兆3000億円のうち、何分の1かだけでも召し上げて国民のために使うことができたなら、救われる人もいそうなものだ。

カネを転がすだけの人たち

とはいえ、相続で億万長者になった富豪ならまだしも、柳井氏のように、自らの才覚で富を築いた人物からウン千億円も巻き上げるのは、少し理不尽な気もする。日本の格差研究の第一人者で、京都大学名誉教授の橘木俊詔氏が指摘する。

「私は、自力で成功した経営者は世の中に貢献しているから、たくさんもらう資格があると思います。彼らは大きな会社を作り、何万人という雇用を生んでいますからね。

ただ、日本では所得税の最高税率が下がり続けています。30年前は最高で70%取られていたのが、今は45%。金持ちが税金を払うことを嫌がり、政府も彼らの言い分を認めているのです。

海外の富豪のように寄付をするなど、儲けた分だけ社会に還元するという文化が根付いていないことが、日本の金持ちの最大の問題点でしょう」

いつからか、日本人の間でも常識となった「自己責任」という考え方。これはつまり、「オレが手に入れたカネは、オレの才能のおかげだから、独占して当然だ」という論理の裏返しである。

しかし、どんな億万長者も、その事業にカネを払ってくれる庶民がいるから暮らしてゆける。それに、汗水流して働かず、他人のカネを転がして大金を得ているような人々は、本当に世の中を豊かにしていると言えるのか。格差・貧困研究が専門で、昨年度のノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン氏も言う。

「大富豪といえども、全員が自分の力だけで地位を築いたわけでは決してありません。たまたま金持ちの家に生まれた人もいる。単に運がよかっただけの人もいる。逆に、彼らに劣らぬ才能を持っていたのに、環境やチャンスに恵まれなかったために、消えていった人もたくさんいます。

このまま格差が拡大し続け、すでに地位を得た富裕層だけが世の中のルールを作るようになるのは、非常に危険です」

ごく少数の人々が、圧倒的な富と力を独占している??世界を覆うテロの恐怖も、そんな庶民の怒りが形を変えて噴出したものだとも言える。

少なくとも、この「異常な社会」がまだまだ続くことは、目の背けようのない事実である。

「週刊現代」2016年2月27日号より


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