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貧困スレ

592チバQ:2016/06/17(金) 23:37:34
■ 中学生も働く、未成年専門の「抜き屋」

 「近くに18歳以下の子供ばかりの抜き屋がありますよ。場所教えましょうか?」

 上地氏は、そんなことを言う。白看板のピンサロから歩いて2分ほど、セクシー系の店舗が営業する同じようなビルがあった。空テナントのような白い看板の店が、その未成年専門店のようだった。はやっているのか、キャッチと男性客の出入りは多い。

 「あそこは未成年専門の抜き屋、当然、本番もさせている。未成年の中には、中学生もたくさんいますよ。沖縄では18歳以下の子供を雇用するのは、本当に簡単なの。口コミですぐに広がって、沖縄中から働きたいって女の子が集まる。違法店はそもそも地下に潜っているから、子供を雇用するかしないかは経営者の判断。未成年だからって値段が高いわけじゃない、うちと同じ40分1万円だよ。逆に女の子を安くたたいている。リスクある営業ってことで店側の立場が強いわけ」

 未成年ばかりの本番ピンサロは、沖縄以外には基本的に存在しない。2000年代半ば以降、全国的に摘発されているからだ。事実上の治外法権となっている松山でも未成年だけは即摘発のリスクがあり、極めて危険な営業だ。ここ数年はヒエラルキー下位の職種である違法ピンサロに未成年が集まっているという。

 「シングルやネグレクト家庭が多いから、一部の子供たちはどうしても中学生で自立を迫られる。中学生は普通のアルバイトはできないので、どうしても夜に流れる。10年くらい前まではキャバクラがそういう未成年の働く場所になっていたけど、条例(青少年保護育成条例)が厳しくなって、ちゃんと看板を掲げるキャバクラは未成年を雇用しなくなった。だから違法ピンサロに、どんどん流れるわけ。結局、中学生を雇うところは少ないから集中する。賃金を安くしてもほかに移る店がないし、辞めないから買いたたく」

 早くに自立を迫られる貧困世帯の未成年たちは、ピンサロや援デリ(売春組織)、個人売春などをして、なんとか収入を得る。16歳を超えれば飲食店やコンビニなどの仕事がある。未成年の中でも、特に貧困家庭の中学生が経済的に困っているという。

 「キャバクラが昔みたいに未成年を囲えば、売春する未成年は減りますよ。子供はカラダ売るより、キャバクラのほうがまだいい。いろいろな人との会話、接客することが勉強になるわけだし。一度、中学生を雇用しちゃうと、県全体から集まる。一人が働くとその友達に口コミで広がるから読谷の子が多い年もあれば、コザや宜野湾が多かったり、バラバラ。未成年は松山だけじゃなくて、仕事ができる場所と店に集まる」

■ 中学生の娘を売る母親も珍しくない

 貧困と格差が蔓延する沖縄の現実は、とんでもないことになっていた。本土で生活するわれわれには信じられない話だったが、上地氏は当たり前のように語っていた。

 「10日くらい前、うちで働く母親が娘を連れてきましたよ。中学2年だったかな。“娘がおカネを返さない、働いて返してもらう”って言っていた。もうメチャクチャですよ。未成年を雇うのは簡単だけど、うちはできるだけ長く営業したいから手を出しません」

 沖縄は産業と雇用の多くを米軍基地やその周辺のサービス業、観光業などに頼ってきた。民間投資が多くはないため、圧倒的におカネが足りない。いびつな状況は、すぐに繁華街の現実に表れる。違法店舗を摘発しても、経済的に困る女の子たちは別の場所に流れるだけだ。大人の女性はもちろんだが、特に子供たちには、売春してほしくない。それを止める手段は、今の沖縄のどこにあるのだろうか。

本連載では貧困や生活苦でお悩みの方からの情報をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。 

中村 淳彦


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