発見から絶滅までは100年足らずで、その間、ドードーの習性をじっくり観察し、その生体構造を正確に記録しようとした人は誰一人として現れなかった。そのため、この鳥のことについては「ほとんど何も知られていない」と南アフリカ・ケープタウン大学(University of Cape Town)の生物学者、デルフィーヌ・アングスト(Delphine Angst)氏は指摘する。
アングスト氏と英ロンドン(London)自然史博物館(Natural History Museum)の研究者らは24日、ドードーに関する研究論文を英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表。これまで知られていなかったこの鳥の成長サイクルなどに光を当てた。
一方、日本の研究チームも2011年、シベリア凍土から冷凍状態で発見されたマンモスの死骸から採取したDNAを用い、6年以内にもマンモスを復活させると発表した。英国ではオックスフォード大学(University of Oxford)のチームが、インド洋(Indian Ocean)のモーリシャス(Mauritius)島で1680年までに絶滅した飛べない巨鳥ドードーの博物館所蔵標本から遺伝子情報を得た。
英ロンドン大学経済政治学院(London School of Economics、LSE)の社会学者キャリー・フリーズ(Carrie Friese)氏も、絶滅種の再生を急ぐあまり、倫理が脇に追いやられていると懸念する。「再生した生物をどう扱うかではなく、絶滅種の再生は可能かという点に関心が集中しすぎていることが心配だ」。多くの生き物が絶滅していった原因は、まさに自然の生息環境が破壊されたためにほかならないとフリーズ氏は指摘する。
「ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)」の実験では、ヒアリが洪水などのストレスに晒されると吸着盤を使って個体同士がしがみつくことが明らかになっている。こうすることでヒアリが本来持っている“水をはじく性質”が強化され、群れは弾力のある布のようになって水に浮くことができるのだという。また出来上がった布の隙間には空気泡が形成されるため個体が窒息することはないそうだ。
画像は『Mike Hixenbaugh 2017年8月28日付Twitter「Pro tip: Don't touch the floating fire ant colonies. They will ruin your day. #Harvey」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
研究に参加したオーストリア・ウィーン大学(University of Vienna)の花の形態の専門家、マリア・フォン・バルタザール(Maria von Balthazar)氏は「今回の結果には、本当にわくわくする」と話す。「あらゆる被子植物(花を咲かせる植物)の初期進化における花の正確な想像図が得られたのは、今回の研究が初めてだ」
論文の共同執筆者で、仏パリ第11大学(University of Paris-Sud)のエルベ・ソケ(Herve Sauquet)氏は、AFPの取材に「花は、ただ1種類の植物(で)のみ咲いた。これがすべての現存する顕花植物の祖先種だ」と今回の研究について語った。「これがどのような種類の植物かという疑問について調べた人はそう多くないが、過去の研究によれば、それは小型の樹木か低木だった可能性が高い」
今回の復元図は、これまでで最も花の祖先に近い姿を提示しているが、今後の研究で解明すべきことがまだ数多く残っていると、研究チームは強調している。(c)AFP/Mariette Le Roux