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製紙産業スレッド

1荷主研究者:2003/12/03(水) 00:45
業界の再編が進み、世界市場への進出と世界の上位を伺う日本の製紙産業。国内2強の王子製紙と日本ユニパックホールディングを筆頭に個性的な製紙メーカーも多い。また原料から製品まで鉄道貨物輸送との関連も深く興味深い産業である。

日本製紙連合会
http://www.jpa.gr.jp/

印刷関連リンク集(製紙メーカー、商社、インクメーカー等ある)
http://www.idek.jp/print/link.asp

683とはずがたり:2015/06/17(水) 21:08:54

大王製紙グループに追徴課税へ
創業家支配の子会社に利益移転
週刊ダイヤモンド編集部 2013年4月16日
http://diamond.jp/articles/-/34705

 不正会計疑惑、インサイダー取引疑惑が次々と噴出している大王製紙グループに、新たな疑惑が浮上している。

 今年1月、高松国税局は大王製紙グループの税務調査に入った。少なくとも10社弱のグループ会社を対象にした大がかりなもので、「子会社である東京紙パルプインターナショナル(TPI)との取引をしつこく調査した」(大王製紙関係者)という。

 問題視されたのは、TPIがグループ会社から過剰な利益を得ているのではないかという点だった。TPIはグループ内の取引を中心とした、原材料、紙製品の商社であり、取引に伴う口銭が異常に高く設定されていたという。

 例えば、大王製紙の工場で製造されたパルプ(紙の中間原料)をTPIが購入し、持ち分法適用関連会社の大宮製紙などに販売する取引。TPIは帳簿上、間に入っているにすぎないにもかかわらず、1キログラム当たり市価55円程度の針葉樹パルプを、「大宮製紙、大成製紙は10〜15円も高く買わされていた」(同)という。

 高松国税局はこうした取引が大王製紙からTPIへの贈与に当たるとして、当初は脱税容疑も視野に入れていたが、最終的には過去3年分の贈与税を追徴課税する方針だ。課税額は十数億円の巨額に上るとみられる。

 一連の取引に対し、高松国税局が厳しい姿勢で臨んだのは、大王製紙の創業家で今も専務として残る井川英高氏がTPIの代表取締役を務めているからだ。大王製紙の連結子会社ではあるが、兄の井川俊高氏との合計持ち株比率は48%(昨年末までは53%)を占め、英高氏の“個人商社”の色合いが強い。

 またパルプの輸入取引では、海外のサプライヤーからTPIの与信に問題があるとして数量を絞り込まれたため、大王製紙がパルプを輸入し、TPIを通じてグループ各社に販売するという商流に変更した。普通なら、TPI抜きで販売するのが筋である。実力者である英高氏の息のかかったTPIは、「グループで過度に優遇されている」(同)ことから、高松国税局がターゲットにしたとみられる。

 ただ、大王製紙側にも抵抗の跡が見える。4月にコンプライアンス委員長に就いた社外取締役の伊藤齊氏は、元高松国税局長。国税の大物OBを据えることで古巣に無言の圧力をかける狙いがあったのではともみられている。伊藤氏は週刊ダイヤモンドの取材に対し「税務調査のことは知らない」と否定したが、額面通りには受け取れない。

 大王製紙は「通常の税務調査にすぎず、特段、問題はないと認識している。調査にも協力している」(広報部門)としているが、不透明感はぬぐえない。疑惑のオンパレードで 大王製紙グループの信頼回復はますます遠のいている。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

684とはずがたり:2015/06/17(水) 21:09:05

大王製紙の社長解任も視野 北越紀州製紙、株取引問題で
>>552
2013年5月2日(木)19:18

北越紀州の要求拒む大王製紙
強気の裏に創業家株買い増し
http://diamond.jp/articles/-/35842
週刊ダイヤモンド編集部 2013年5月14日

 巨額の追徴課税疑惑、インサイダー取引疑惑、不正会計疑惑と数々の問題が浮上している大王製紙。今度は、筆頭株主である北越紀州製紙にも相談せずに、創業家一族関係者らがひそかに自社株式の買い増しに動いていることが、週刊ダイヤモンドの調べでわかった。「疑惑を追及している北越紀州製紙に対抗する狙いがあるのでは」(製紙業界関係者)との見方もあり、新たな火種となりそうだ。

 大王製紙株式を取得したのは大王海運という名前の会社で今年1月以降、発行済み株式総数の1.3%を約10億円で取得した。社名に「大王」と付くが子会社ではなく、「大王製紙会長を務めた井川俊高特別顧問が実質的なオーナー」(証券業界関係者)だという。

 この比率自体はたいしたことがないように見えるが、全体像は違う。実は創業家一族の持ち株比率は合計で19.4%にまで上っているもようで、筆頭株主である北越紀州製紙の19.6%に肉薄する。

 内訳を見ると、創業家一族が巧みに株式を保有している実態がうかがえる。

 例えば、愛媛製紙4.1%、カミ商事3.6%、兵庫パルプ工業2.1%、兵庫製紙1.8%などと関連会社が分散して大王製紙株を保有し、創業家一族がこれらのすべての会社の幹部に就いている。その他、大王製紙取引先持株会や、創業家10人強の持ち株も合計すると19.4%に上る。

株主提案は見送りに

 今回の株式買い増しに、北越紀州製紙は困惑の度を深めている。

 もともと、業界再編に色気を示していた北越紀州製紙が大王製紙の株式を引き受けたのは、偶然もあった。特別背任事件で会長だった井川意高氏が会社を追われた際、その父親の井川高雄顧問と大王製紙との関係がこじれ、昨年、「両者から仲裁を請われる形で株式を引き取った」(北越紀州製紙幹部)からだ。

 意高、高雄両氏の持ち株を合わせると筆頭株主だったため、北越紀州製紙が必然的にその座に収まったが、いまだに残っている創業家一族が経営の実権を握っている実態は変わっていないどころか、影響力を強めつつある。

 北越紀州製紙側が恐れるのは、大王製紙の自浄作用が働かなくなることである。

 本誌が4月20日号で指摘した巨額の追徴課税疑惑をはじめとして、大王製紙は疑惑のオンパレードだ。これに対して、北越紀州製紙が経営改革を求めているにもかかわらず、大王製紙側は社内調査で「問題ない」と発表。現在、再調査に入っているが、「調査の範囲が限定されており、客観的な結果は期待できそうにない」(北越紀州製紙幹部)とみている。

 北越紀州製紙は一時、6月の大王製紙の株主総会で疑惑解明のため取締役を送り込むなどの株主提案も検討していたが、今回は見送った。

 創業家一族関係者による水面下での株式買い増しで、簡単には提案が通らない可能性があると踏んだからだ。

 裏を返せば、株主の論理が、大王製紙の強気の姿勢を支えているともいえる。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

苦境の製紙業界、再編のカギを握る大王の迷走…創業家内の争い、北陸紀州との対立
>>590
ビジネスジャーナル 2013年7月19日 05時55分 (2013年7月19日 12時08分 更新)

685荷主研究者:2015/06/26(金) 23:14:29

http://www.sankeibiz.jp/business/news/150529/bsc1505290500002-n1.htm
2015.5.29 06:13 Fuji Sankei Business i.
北越紀州製紙、大王の社長再任に反対検討 三菱には賠償請求も

 売り上げ規模が業界3位以下の製紙各社の間で、経営方針や統合協議をめぐる思惑の違いが鮮明になっている。大王製紙が6月の株主総会で佐光正義社長を再任する方針を打ち出しているのに対し、大王製紙株を2014年3月末現在で21.79%保有する大株主の北越紀州製紙は反対を検討。一方、北越紀州は4月に販売子会社同士の統合協議を中止した三菱製紙への損害賠償請求も検討している。王子ホールディングスと日本製紙の国内上位2社に業績で後れをとる「第3勢力」の間に立った波風は当分収まりそうにない。

 「(北越紀州の再任反対は)直接聞いていないが、株主の判断だ」。大王の佐光社長は28日、東京都内で開いた中期事業説明会でこう突き放した。

 関係者によると、大王に対して北越紀州が社長同士の面会を求めたところ佐光社長が拒否。大王は「当社の事業とは関係ないテーマだったので断った」(幹部)とするが、北越紀州は「株主と対話するのは当然だ」と意見の隔たりは大きい。

 背景には大王に対する北越紀州の不信感がある。昨年8月から将来の統合も視野に三菱と販社の統合協議を始めたが、今年4月に中止した。実現しなかった社長会談は北越紀州と三菱の統合がテーマだったもようだ。

 経営路線の違いも影響している。北越紀州は再編に意欲的だが、ティッシュペーパーなど家庭用紙が好調な大王や、感熱紙を軸とする三菱は独立路線をとる。大王の佐光社長は「市場が縮小する中、3〜5年の単位でみれば当然変化が起こる」としながらも、「大王の成長分野は家庭用紙などだ」として北越紀州などとの統合には否定的だ。

686荷主研究者:2015/06/26(金) 23:21:34

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520150601cbal.html
2015年06月01日 日刊工業新聞
王子HD、青森で燃料チップ加工-自社バイオマス発電に安定供給

 王子ホールディングス(HD)は、青森県むつ市にバイオマス発電用燃料チップの加工会社を設立した。原木ヤードとチップヤードを含め約9000平方メートルの敷地を確保し、6月中に加工工場建設に着手する。10月に完成、11月に本格操業する。王子HDは16年1月、特殊紙製造の王子エフテックス江別工場(北海道江別市)内で、国内3基目となるバイオマス発電設備を稼働する。燃料は主に道内の山林未利用材チップを使うが、降雪などによる集荷障害も懸念されるため、自社供給体制を整えて安定稼働させる。

 新会社「下北王子林産」は、林産事業子会社の王子木材緑化を通じて設立する。王子木材は長年、青森・下北地方で林産事業を手がけており、国内製材向けの「A材」や合板原料の「B材」として販売できない低品質の原木「C材」を、燃料チップに破砕加工して有効活用する。年間3万トン程度の生産を見込む。

689荷主研究者:2015/07/20(月) 23:04:30

http://logistics.jp/media/2015/07/06/241
2015/07/06 物流ニッポン新聞
丸三G物流連絡会、巻取原紙の荷役実践 作業手順を再確認

 【福島】丸三グループ物流連絡会(鎌田武雄会長)は6月27日、乗務員研修会を開き、巻き取り原紙の荷役作業の手順を確認するとともに、荷崩れや転落防止の実技訓練などを通じて安全作業の徹底と意識高揚を図った。

 同会は、丸三製紙(三田計社長、福島県南相馬市)が生産する紙製品や古紙原料の安定輸送を目的にした輸送協力会で、会員は8社。毎年、巻き取り原紙の荷役作業やドライバー教育、健康管理などに関する研修会を開いている。今回は幹事会社の丸カ運送(佐藤信成社長、同)の本社倉庫を会場に実技指導を行った。

 鎌田会長は「運送業界では荷役作業中の転落・墜落事故が多発傾向にある。基本に徹する作業を実践し、安全で安定した輸送サービスで顧客の信頼に応えていこう」と呼び掛けた。

 丸三製紙は今春、新型マシーンが稼働し、年間6万5千〜7万トンの生産体制を構築。原料となる古紙供給量も増え、東日本大震災以前より輸送需要が増大している。

 はじめに、熱中症予防対策とグルーブ製紙工場内で起きた荷役事故事例などを説明。再発防止に向けた安全管理体制の強化と作業手順を再確認した。

 続いて、1ロール1トンを超える巻き取り原紙の荷役作業を実践。レンゴーロジスティクス福島営業所の作業担当者が指導役を務め、ジョロダー棒を使った積み下ろしや電柱積み(並列横積み)を行いながら作業手順を解説し、安全確認の徹底を促した。特に、荷台後方からの荷下ろしでは、最後部より1.5メートル手前でテコ棒や歯止めを使いいったん停止。安全確認後、次の作業に移るなど、基本手順の励行に心掛け、転落や手足の巻き込み事故を未然に防ぐよう注意を喚起した。

 鎌田会長は「物流センターなどでは荷役作業の機械化が進んでいるが、配送先によってはスペースが狭かったり、荷役機械が少ないこともある。いまだに手作業での荷下ろしも多く、新人だけでなくベテランにとっても手順を再確認する絶好の機会だ。今後も内容を充実させていきたい」と話した。(富田久男)

【写真=ジョロダー棒を使い積み下ろしを指導】

694荷主研究者:2015/09/13(日) 12:29:35

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150826cbaj.html
2015年08月26日 日刊工業新聞
日本製紙、フライアッシュ再資源化進む-宮城にプラント、“地産地消”で廃棄物削減

すでに加工処理プラントのメーン設備が据え付けられた(石巻工場内)

 日本製紙は石巻工場(宮城県石巻市)で、自家発電用ボイラの副産物であるフライアッシュ(石炭灰)を高品質のコンクリート混和材にする加工プラントの建設を進めている。東北地方では東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県を中心に復興工事が急ピッチ。大部分が最終処分されているフライアッシュを建設資材として生かす“地産地消による廃棄物の削減”が目標だ。(編集委員・青柳一弘)

 フライアッシュはセメントに一部代替することで、コンクリートの耐久性を増す効果が知られている。だが、フライアッシュを混ぜると生コンクリート状態での品質管理が難しくなり、それが普及の妨げになっていた。日本紙はフライアッシュの有効活用を模索する中で、大分大学発ベンチャーのゼロテクノ(大分市)が持つ加工処理技術に注目。2014年夏、共同出資で「日本製紙ゼロテクノ東北有限責任事業組合」を立ち上げ、石巻工場内で加工プラント建設に着手した。16年1月稼働に向け、すでにメーン設備の加熱改質装置(外熱式キルン)が据え付けられた。

 石巻工場で自家発電用ボイラのフライアッシュを材料に生み出される製品が、次世代コンクリート用混和材「CfFA」(カーボン―フリー・フライアッシュ)。通常、フライアッシュに5%程度含まれる未燃炭素分を加熱改良装置内で燃焼させ、1%以下にする。

 未燃炭素分1%以下なら生コンの性状にほとんど影響せず、セメントの10―20%をCfFAに置き換えられるという。CfFAを使うと打設時の流動性確保と同時にセメントの水和発熱が抑えられ、乾燥初期の膨張・収縮ひび割れを防ぐ。さらにフライアッシュの主成分であるシリカとアルミナが、セメントの水和反応で生成される水酸化カルシウムと常温でゆっくり化合していくポゾラン反応により、緻密な組織に仕上がる。

695荷主研究者:2015/09/22(火) 11:59:52

http://www.at-s.com/news/detail/1174232916.html
2015/9/13 10:18 静岡新聞
リニア工事後、南アルプス緑化に製紙堆肥 特種東海製紙

 特種東海製紙は12日までに、同社島田工場で発生する製紙汚泥を原料とした乾燥堆肥を、JR東海のリニア中央新幹線工事予定地となっている南アルプスの社有林で工事後の緑化事業に活用する意向を明らかにした。今春から堆肥の運搬を開始していて、来年秋までに約1万7千立方メートルを南アに運び込む計画。

 乾燥堆肥は農林水産省の登録を受けていて、これまで農業関係者向けに販売していた。堆肥は緑化事業に加え、社有林内で実施する新たな農業用地の造成にも活用する方針。リニア工事の発生土(残土)置き場の候補地の一つ、燕(つばくろ)沢の平地に仮置きするという。

 同社は南アルプスのユネスコエコパーク(生物圏保存地域)登録やリニア建設工事計画を受け、約2万5千ヘクタールの社有林の将来像などを示す経営計画を策定中。自主的に保護地域を設けるほか、活用地域では観光事業の強化や採水事業の可能性などを検討している。

 同社幹部は静岡新聞社の取材に対し、「JR側から具体的な工事内容や環境保全策についてまだ示されておらず、堆肥を使用するかは未定」とした上で、「建設現場は広大で、工事後の緑化は不可欠と考える。今後、JR側の考え方を聞いた上で社有林の経営計画を決定したい」と話している。

 堆肥運搬について調査した県の担当者は「成分に問題はなく、(仮置きによって)周囲に特段の影響を与えることはないと考える」と話している。

 JR東海はこれまでに工事で発生する建設残土約360万立方メートルの処分地として南アの7カ所を候補に挙げ、燕沢への集約の可能性も示している。

 <メモ>製紙汚泥を活用した堆肥 特種東海製紙は製紙過程で出る製紙かすに尿素などの成分を混ぜて攪拌(かくはん)し、発酵させて肥料として製品化している。肥料取締法に基づき、成分量や栽培試験の実施など規格をクリアした上で「トーカイみどり1号」として農林水産省の登録を受けている。

697荷主研究者:2015/10/12(月) 11:29:01

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150924cbab.html
2015年09月24日 日刊工業新聞
セルロースナノファイバー、実用化段階に入る-機能性向上添加剤での用途先行

 次世代のバイオマス素材、セルロースナノファイバー(CNF)がいよいよ実用化段階に入った。CNFは木質繊維(パルプ)を処理してナノサイズまで細かく解きほぐしたもの。低比重・高強度で、ガラス繊維に代わる樹脂やゴムの補強材(複合材)として大きな期待を集める。だが、複合化技術はまだ開発途上にあり、増粘・消臭といった機能性を高める添加剤などの用途が先行している。(編集委員・青柳一弘)

(上)三菱鉛筆の「ユニボールシグノUMN-307」

(下)日本製紙が発売する大人用紙おむつ

 三菱鉛筆は第一工業製薬と共同で、CNFをゲルインクボールペン用インクの増粘剤として実用化した。第一工薬が2013年に開発したCNF増粘剤を、三菱鉛筆が今春発売の海外仕様製品「ユニボール シグノUMN―307」に初採用。ボールの回転によりCNFを添加したインクの粘性が下がり、速記しても描線が乱れず、ボテ(インク垂れ)も生じにくくした。

 王子ホールディングス(HD)は日光ケミカルズ(東京都中央区)と共同で、CNFを化粧品原料にする用途開発を進めている。基礎化粧品に適用するとCNFの保水・増粘性により、べとつかず、水をまとうようなみずみずしい感触になるという。

 日本製紙は化学処理したパルプを原料とするCNFの酸化した表面に、金属イオンや金属のナノ粒子を高密度に付着させられる特徴に注目。抗菌・消臭効果のある銀などの金属イオンを大量に担持させてシート状に加工することに成功した。この機能性シートを採用した大人用紙おむつ「肌ケア アクティ」を10月1日に発売する。従来品に比べ3倍以上の消臭力があるという。

699荷主研究者:2015/10/12(月) 12:13:11
>>698
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/159511.html
2015/10/8 10:01 静岡新聞
段ボール原紙の販売統合 特種東海、日本製紙と合意

 特種東海製紙は7日、製紙業界2位の日本製紙と2016年10月をめどに段ボール用原紙とクラフト紙の販売事業を統合することで基本合意したと発表した。段ボール用原紙は国内の需要が堅調だが、燃料価格の上昇などで事業環境は厳しい。統合で物流などの費用を削減する。品質の向上も目指す。

 両社の段ボール用原紙の販売部門を統合し、新会社を設立する。出資比率は日本製紙が50%超、特種東海製紙が33・4%以上としている。段ボール用原紙のほか、百貨店などの紙袋向けの用紙、石油化学製品や農産物を運ぶ産業用の袋も扱う。両社を合わせたシェアは約20%となり、最大手の王子ホールディングスグループに次ぐ規模となる。

 製造事業でも提携する。特種東海製紙は島田工場(島田市)を子会社化し、新製造会社を設立する。日本製紙が33・4%以上を出資し、生産力を強化する。今回の提携に伴う両社の生産設備の統廃合はないという。

 特種東海製紙の三沢清利社長は日本製紙の馬城文雄社長と東京都内で記者会見し、「少子高齢化などで市況は厳しい。今回の提携で勝ち残る工場にしたい」と述べた。

700荷主研究者:2015/10/28(水) 22:46:59

http://www.sankeibiz.jp/business/news/151012/bsc1510120500002-n1.htm
2015.10.12 08:02 Fuji Sankei Business i.
実用化進むセルロースナノファイバー 強度は鉄の5倍、重量5分の1

王子ホールディングスと三菱化学が開発したCNFの透明シート

 夢の素材といわれるセルロースナノファイバー(CNF)の実用化が進んでいる。植物から作られるCNFは、環境負荷が少ないうえ、鉄よりも軽くて強いといった、さまざまな特長を備え、幅広い分野で利用が見込まれている。森林資源の豊富な日本の企業にとって、原料調達が容易というメリットもある。2030年には関連市場が1兆円に達するとの予測もある中、製紙会社などが研究開発や用途開拓を加速している。

 CNFは植物繊維を化学的、機械的に解きほぐしたものだ。繊維1本の直径は数ナノ〜数十ナノ(1ナノは10億分の1)メートルしかないが、鉄の5分の1の軽さで強度が5倍と、炭素繊維に迫る性能を備える。しかも透明で、熱を加えても膨張しにくいほか、化粧品などに加えると粘りを出すこともできる。

 このため化粧品以外にも、ソフトクリームの形を保ったり、ガラスの代わりに利用するといった、さまざまな利用法が考えられている。中でも樹脂と混ぜて自動車部品に使えば、1台当たり20キロの軽量化につながるといわれる。

世界で初めて商品化

 この分野の研究で世界をリードしているのが日本だ。9月29日には、森林分野のノーベル賞といわれる「マルクス・バーレンベリ賞」を磯貝明東大教授ら日本人研究者3人が受賞。特定の酸化反応を使い、木材繊維を20分の1以下のエネルギーでナノレベルまでほぐす方法を発見したことが評価された。

 こうした中、とりわけ実用化に熱心なのが製紙会社だ。

 日本製紙は、傘下の日本製紙クレシアからCNFのシートを挟み込んだ大人用紙おむつを1日に発売した。CNFに含ませた銀などの金属イオンが、不快な臭いを吸着する仕組みで、消臭機能を従来の3倍に高めた。CNFを使った商品の発売は世界で初めてだ。

 販売開始に伴い、生産体制も強化。これまで山口県岩国市の工場に年間30トンの試験生産ラインはあったが、16年度に初の量産ラインを設け、生産能力を10倍程度に拡大する方向で検討している。

 CNFは紙の原料である木材パルプから作れるため、関連ノウハウのある製紙会社は有利な立場にある。早くから磯貝教授や京大の矢野浩之教授と研究に取り組み、商品化で一番乗りを目指してきた同社は「まずは消臭機能を活用したが、今後は他の特長も生かしつつ、さまざまな分野に広めたい」と意欲をみせる。

 王子ホールディングスは今年3月、CNFを使った透明なシートを三菱化学と共同開発した。高温状態でも縮みにくく、薄くて折り畳めるため、曲げられる次世代のディスプレーや太陽電池に使えるとして、16年以降に実用化する計画だ。さらに8月には、化粧品の原料を手がける日光ケミカルズと、CNFを使った新たな原料の開発で合意している。

 製紙大手では、九大と研究を進めてきた中越パルプ工業も生産増強を計画しているほか、大王製紙も愛媛大と包装材料などへの応用を探っており、一気に普及しそうな気配だ。

 もっとも、CNFは夢の素材といわれる分、技術的課題が少なくない。たとえば、樹脂とCNFをなじませることは、水と油を混ぜるようなもので、高度な技術が求められるという。また、現在の製造コストは1キロ当たり数千〜1万円と、炭素繊維の3000円程度より高い。

 ただし、価格については量産効果で一気に下がる可能性がある。実際、20年ごろには1000円程度まで下がるとの予測があるほか、潜在的には500円以下に抑えられるともいわれる。

森林資源の有効活用

 日本は国土の7割を森林が占めているにもかかわらず、ほとんど活用されず、眠ったまま。CNFの普及は、森林資源の有効活用や過疎化の防止に道を開く。

 一方、製紙各社は人口減やIT普及によるペーパーレス化を背景にした紙需要の減少に苦しんでいる。日本製紙連合会によると、紙と段ボール原紙の板紙を合わせた国内需要は、00年の3196万トンをピークに減少を続け、14年は2743万トンまで落ち込んでいる。安価な輸入紙の流入や、円安による原材料費の上昇にも苦しむなか、海外進出や低コスト化を進めつつ、新たな事業の柱を育てて「紙頼み」から脱却することが不可欠だ。

 政府が昨年打ち出した日本再興戦略で研究促進が明記されるなど、CNFの重要性は広く認識され始めている。製紙各社としては、追い風が吹く間に夢を実現させたいところだろう。(井田通人)

702荷主研究者:2015/11/15(日) 15:21:52

http://lnews.jp/2015/10/h102311.html
2015年10月23日 SCM・経営
大日本木材防腐/会津工場を閉鎖

 大日本木材防腐は10月23日、福島県会津若松市の会津工場を3月31日で閉鎖すると発表した。

 会津工場は1957年から防腐加工木材の製造・供給を行ってきたが、近年設備の老朽化が目立つようになった。

 防腐事業の継続を前提に検討したが、業界を取り巻く経営環境は厳しいことと、JR只見線西若松駅の駅前という環境を考慮し、閉鎖を決定したもの。

 会津工場所在の会津営業所は移転の上営業を継続する。工場の土地の活用方法は、現在検討中。

■概要
名称:会津工場
住所:福島県会津若松市城西町8-61
敷地面積:7590.97m2
事業内容:木造住宅用防腐土台および鉄道用枕木の製造
従業員数:6名

703荷主研究者:2015/11/15(日) 16:09:33

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20151107/201511070826_26063.shtml
2015年11月07日08:26 岐阜新聞
ハビックス、海津工場増強へ 衛生用紙生産を3割増

衛生用紙を増産するハビックスの海津工場=岐阜県海津市海津町平原

 ハビックスは2016年6月をめどに、紙オムツ向け衛生用紙を生産する海津工場(岐阜県海津市)の生産能力を現在の約3割増の月産1150トンに高める。約5億円を投じ、加工設備の増設などを行う。中国で高品質の日本製紙オムツの需要が拡大しているほか、中国人旅行者による「爆買い」効果もあり市場が拡大。大手メーカーが国内生産を増強しているのに対応する。

 同社は国内で数社ある衛生用紙メーカーの一つで、海津工場と穂積工場(瑞穂市)で生産。大手紙オムツメーカーと取引があり、全社の衛生用紙の生産能力も約1割増の月産2450トンとなる。

 海津工場ではスリッターと呼ばれる設備を1台増設し計2台となる。これにより前工程の紙をすく抄紙機がフル稼働となり、生産効率が高まる。敷地内に製品を保管する平屋建て面積約1400平方メートルの倉庫も建設する。

 中国の紙オムツ市場は、安全・安心志向の高まりで人気が継続する見込みのほか、一人っ子政策の撤廃で今後も需要拡大が予想される。日本でも高齢化で大人用紙オムツのニーズが高まっている。

 こうした動きを受け同社は、8月に紙オムツ向け不織布を生産する本巣工場(本巣市)の設備増強を完了させ、生産能力を倍増させるなど積極投資を展開している。

704荷主研究者:2015/12/12(土) 23:39:53

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/11/09-22452.html
2015年11月09日 化学工業日報
大王製紙 CNFの安価製法開発 年数十トン規模で実証へ

 大王製紙は、セルロースナノファイバー(CNF)の製造効率を高める技術を開発する。同社最大の三島工場(愛媛県四国中央市)に、年間数十トン規模の実証生産設備を設置。2016年前半にも稼働を始め、コスト競争力を高めるための足場を築く。将来の飛躍につながる安価なCNFを作り、まずガスバリア包装材料や増粘剤といった用途で20年をめどに事業化を目指す。紙市場の国内需要が伸び悩むなか、影響を受けにくい事業構造への転換を急ぐ。

【写真】実証設備を設置する三島工場(愛媛県四国中央市)。

705荷主研究者:2015/12/19(土) 20:13:12

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151127_12029.html
2015年11月27日金曜日 河北新報
<石巻火力>日本製紙 エネ事業の収益源に

起工式でくわ入れをするエネルギーセンターの東藤社長(中央)ら

 日本製紙と三菱商事が宮城県石巻市雲雀野地区に建設する火力発電施設「石巻雲雀野発電所」の起工式が26日、現地であった。12月1日に工事に着手し、2018年3月の稼働を目指す。日本製紙はエネルギー事業を新たな収益源に育てる計画を進めており、電力は小売り向けに販売する。

 両社が共同出資して設立した発電事業会社、日本製紙石巻エネルギーセンター(石巻市)が事業主体となり、日本製紙石巻工場の隣接地11ヘクタールに施設を整備する。総工費は約400億円。日本製紙グループとしては国内3カ所目の火力発電施設で規模は最大となる。

 建屋は鉄骨造4階、延べ床面積は約5470平方メートルで、出力は14万9000キロワット。燃料は石炭が主だが、間伐未利用材などの木質バイオマスを取り入れ、環境負荷に配慮した発電に取り組む。年間発電量は一般家庭約30万世帯分の消費量に相当する。

 工場で培った発電設備運用技術や木材・燃料調達にノウハウを持つ日本製紙と、売電実績がある三菱商事が手を組んだ。

 式典には両社社員や工事関係者ら約130人が出席。エネルギーセンターの東藤芳臣社長は「安全で環境に配慮した施設にする。雇用や未利用材利用を通し、石巻地域に新しい事業の形を示したい」と話した。

707荷主研究者:2015/12/19(土) 20:48:08

http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/176352.html
2015/12/4 17:04 静岡新聞
原木を相互供給 富士山麓の資源有効活用 小山、山梨の組合

 小山町の「静東森林経営協同組合」と山梨県の「やまなしウッドチップ協同組合」が、互いの地域で産出する原木を融通し合い、双方が必要としている木材を安定供給する取り組みを始める。県境を越えて組合間で原木を相互供給する例は全国的に珍しく、関係者は「木材の流通拡大だけでなく、富士山麓の広範囲で森林整備が進む」と期待する。

 ■流通量拡大、間伐促進も

 静東森林経営協同組合は、同町内の原木流通センターで原木の集荷や最新鋭の3Dセンサーによる高精度な選別作業などを行い、協定先の業者へ主に住宅材を供給している。ただ、ウッドチップの原料になる原木の入荷が多く、柱材などに用いられるスギやヒノキの調達に苦戦している。

 一方、やまなしウッドチップ協同組合は製紙の原料や木質バイオマス発電などに使うウッドチップを製造しているが、材料が不足している。住宅建材も入るが、県内の需要が少なく、森林資源を活用し切れていなかった。

 こうした課題を解消するため、両組合は11月30日、互いに足りない原木を補い合い、効率的な供給体制を構築する協定を結んだ。原木の流通量を増やすことで、森林の間伐を促進し、風水害時の倒木、流木による被害拡大を防ぐ効果も見込む。

 静東森林経営協同組合は、原木流通センターを通じて出荷した木材を「富士山―金時材」と名付け、ブランド化を進めている。小寺孝信理事長は「山梨県から入った住宅建材も富士山―金時材として売り出し、首都圏の展示会などにも積極的に出品したい」と述べた。

 やまなしウッドチップ協同組合は、小山町が進めている工業団地などの開発区域に、伐採要員を派遣することも視野に入れる。古屋武仁代表理事は「森林資源の有効活用に県の枠組みは関係ない。富士山麓の地域同士、協力して林業を発展させたい」と語った。

708荷主研究者:2015/12/19(土) 20:48:41

http://yamagata-np.jp/news/201512/05/kj_2015120500102.php
2015年12月05日16:35 山形新聞
協和木材の集成材工場、新庄中核団地内に 鳥越地区には木質チップ工場

 新庄市への進出を予定している国産材製材大手の「協和木材」(東京)が、集成材工場の建設予定地を新庄市鳥越地区から新庄中核工業団地内に変更、鳥越地区には新たに木質チップの製造工場を設けることが4日、分かった。

 新庄市が同日、市議会全員協議会で説明した。市と県によると同社は当初、国道47号と広域農道に近い鳥越地区の山中30ヘクタール余りに集成材工場などを建設する予定だったが、現地の土質が大規模な工場を建設するには問題があり、改良しながら造成したものの、操業開始の遅れと費用がかさむ可能性が出てきたため、新たに工場用地を求めることにしたという。造成済みの鳥越地区の用地は、チップ工場と貯木場用地として活用する。

 同工業団地内では、市が未分譲だった約5ヘクタールの区画を2億円で同社に売却するほか、道路を挟んだ約6.6ヘクタールの区画で1993年に東京の会社に売却したものの20年以上空き地のままになっている民有地も利用する予定。未分譲分の売却契約は、開会中の市議会12月定例会最終日の15日に追加議案として提案する。

709荷主研究者:2015/12/30(水) 13:23:46

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00368932?isReadConfirmed=true
2015年12月23日 日刊工業新聞
日本製紙、コンクリ用混和材製造設備完成

 【仙台】日本製紙は22日、石巻工場(宮城県石巻市)に、コンクリート用混和材の製造設備を完成し、竣工(しゅんこう)式を開いた(写真)。関係者ら約120人が参加した。同工場の石炭ボイラから排出する石炭灰を再利用する。製品名「CfFA(カーボンフリー・フライアッシュ)」として2016年春から販売する。

 生産能力は年間約1万トン。長谷川敏之工場長代理は生産能力について「年間3万トンを視野に入れる」と語り、「東日本大震災からの復興のための建設資材として活用してもらいたい」とあいさつした。その後、煙山寿執行役員石巻工場長が点火ボタンを押し、設備を起動した。

(2015年12月23日 素材・ヘルスケア・環境)

711とはずがたり:2016/01/03(日) 15:42:09
なんかすげえ!発明スレかなぁ。。

エプソンが実現した「オフィス製紙機」とは? 4年越しで生み出した水を使わない新技術
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%82%A8%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%8C%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BD%A2%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E8%A3%BD%E7%B4%99%E6%A9%9F%EF%BD%A3%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F-4%E5%B9%B4%E8%B6%8A%E3%81%97%E3%81%A7%E7%94%9F%E3%81%BF%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E6%B0%B4%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%82%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E6%96%B0%E6%8A%80%E8%A1%93/ar-BBo8QB1#page=2
東洋経済オンライン
渡辺 拓未
7 時間前

 「”紙は使って終わり”という時代は終わる」ーー。

 12月1日、セイコーエプソンが発表したのは、世界初となるオフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」。同日に開かれた記者会見で、碓井稔社長は力強く語った。

 ペーパーラボは、使用済みのコピー用紙を入れると、その場で新しい紙に再生する、すぐれものだ。A4用紙の場合、1分間に14枚、8時間稼働すれば、6720枚の再生紙を作ることができる。

 しかも、再生には水を使わない。一般的に、A4用紙を1枚作るためにはコップ1杯分の水が使われているというが、エプソンは水なしで再生する技術を編み出した。それでも、文書を紙繊維まで分解するため、情報は完全に抹消されるという。

 使い方も簡単だ。結合材をセットし、使い終わった用紙をトレイにのせ、タッチパネル操作でスタートするだけ。設定を変更すれば、色や厚さ、香りまで変えられる。オフィス用紙から名刺、色付きの紙など、ユーザーは必要なときに紙を「生産」することができるのだ。

 ただ、エプソンはインクジェットプリンタを中心とした印刷機の会社だ。なぜ使用済み用紙の再生に取り組むことになったのか。

 プロジェクトの始まりは、2011年夏にさかのぼる。きっかけは、プリンタメーカーとしての危機意識だった。碓井社長は語る。「エプソンは紙に印刷するための努力は続けてきたが、プリンタに使う紙のコストやエコなどの問題には取り組めていなかった。こうした課題を払拭しなければと思っていた」。

 社長肝いりのプロジェクトを誰に委ねるべきか。ちょうどこの頃、エプソンはインクジェットプリンタに集中するために、レーザープリンタ開発の縮小を進めていた。そこで、白羽の矢が立ったのは、技術開発本部でレーザープリンタの開発をしていた市川和宏氏(現Aプロジェクト部長)だった。

 「突然、福島米春常務から『コストやエコの面で、紙に印刷することにためらいを持つ人がいる。それを解決したい』という旨の電話がかかってきた。そこからすべてが始まった」と市川部長は振り返る。

 市川部長はレーザープリンタの事業を進める傍ら、碓井社長とともにコンセプトを固め、1カ月後には実現に向けて動き出したという。メンバーは市川氏を含め、たった2名だった。

 製紙機を作るという発想は、当初からあったものだ。簡単に紙を再利用できるようになれば、もっと気軽に印刷ができるようになると考えたからだ。ただ、オフィス機器として製紙機を作るには大きな壁があった。

712とはずがたり:2016/01/03(日) 15:42:22
>>711-712
 古紙を再生するためには、紙を水でほぐす行程が不可欠のため、給排水設備が必要になることだ。「水を使った方法ではオフィス内で場所を選ばずに設置できない。まったく違う発想をしなければいけなかった」(市川氏)。

 この壁を超えるべく、苦労の末生み出したのが「ドライファイバーテクノロジー」という技術だ。この技術では機械的衝撃を与えることで紙を一瞬で繊維化した後、色素を取り除く。

 そうしてできた綿状の繊維に結合剤を加えて加圧し、再び紙にする。水を使わずに紙を再生する技術を生み出したことで、オフィス向け製紙機の実現に大きく近づいた。

 ドライファイバーテクノロジーの技術構想ができてからは、開発はシナリオ通りだったという。2人で始まったプロジェクト規模はいつしか10人以上に膨らみ、その過程でさまざまな分野からメンバーを集めていった。プリンタ事業の印字技術、ロボット事業の精密機械技術など、社内にある技術をフル活用したことで、スムーズに開発を進めることができたという。

 そうして実用化への見通しが立ったが、すぐに市場には投入せず、社内への供給という形での利用を開始した。エプソンには、当時からすでに機密文書を再生し、インクジェットプリンタの部品として使われる廃インクの吸着剤を作る活動を行っていた。

 その過程にドライファイバーテクノロジーの技術を用いることで、古紙再生のノウハウを積み上げた。こうして、社内で1年以上技術を磨き、満を持して今回の発表に至ったというわけだ。

 ペーパーラボは2016年内の販売を目指しているが、導入先として狙うのは、金融機関や公的機関といった、機密文書を扱う機関だ。外部業者へ委託する場合、印刷物1キログラム当たり50円〜150円ほどかかるが、今回の技術は社内で紙を繊維単位まで分解できるため、機密情報処理に伴うコストを下げ、リスク面の課題も解決できる。

 ただ、機密文書の処理用途のみでは市場は限られる。その点に関して、碓井社長は「単に機密文書の処理ができるようなったから出したわけではない。機械の償却費を含めたトータルコストで見ても、紙を買うよりも安くなるメドがついたから今回発表した」と、通常の印刷物を再生してもメリットがあることを強調している。

 今後の課題は小型化だ。現状の製品は高さ1.8メートル、横幅2.6メートル、奥行き1.2メートルと大型で、一般的なオフィスに簡単に設置できる大きさとは言いがたい。将来的には複合機の横に置ける大きさにしていくという。市川部長は「今回は大量の文書を処理するために大型化した。小型化への技術的なイメージはすでにできている」と展望を語る。

 社長直轄で、4年の歳月をかけて投入された今回の新技術。期待は大きいが、その新しさゆえ、どれだけ市場が発展するからは未知数だ。”紙は印刷して終わり”の常識を変え、新境地を切り開くことができるのか。エプソンの新しい挑戦が始まった。

713とはずがたり:2016/01/07(木) 09:50:52

製紙会社が紙から撤退へ…ガス関連事業に集中
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151228-OYT1T50154.html?from=yartcl_outbrain1
2015年12月29日 10時50分

 製紙業の讃州製紙(高松市)は、来年3月で紙事業から撤退すると発表した。

 主力となる新聞用紙の発行部数が減っており、古紙価格の高騰も影響したという。

 同社は1951年創業。新聞用紙や広告用紙などの製造、販売を手がけ、全国紙や地方紙8社と取引がある。だが近年は、事業の85%を占める新聞用紙の発行部数が減少し、円安で原料となる古紙の価格が高騰。コスト増が負担となり、2011年12月期から4年連続の赤字が続いていた。

 今後は、産業ガス関連事業が好調なグループ会社に経営資源を集中する。讃州製紙の会社組織は当面存続させて工場の整理を行い、社員約100人には再就職をあっせんするという。

714とはずがたり:2016/01/07(木) 13:48:47
山行がの掲示板に貼ってあった。
すげえw

四日市製紙専用鉄道の大型吊橋・富士橋
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00902/2003/23-0083.pdf

中身を適宜wiki等で補いつつ抜粋。

王子エフテックの前身の王子系四日市製紙は水力立地(当時,原材料のボロ・ワラから木材へ石炭蒸気から水力(水車動力)へ動力が移動(退行?)したという・・山林立地という訳らしい)で現在地(富士川と芝川の合流点)を選択1898年に工場設立とのこと。一方の富士製紙は入山瀬に工場を建設(1890),鈴川〜入山瀬に富士馬車鉄道を敷設する(1890)。富士は1898年以降王子を抜いてトップ企業になる(その後王子も巻き返して1912年にはトップに返り咲き,更に結局富士製紙と樺太工業も吸収し,その後の戦後の3分割に至るのはご承知の通り)。四日市製紙はそのライバル,富士身延鉄道+富士製紙連合に対抗すべく岩渕〜芝川に専用鉄道敷設を計画,実際に芝川付近に架橋したものの,第一次大戦の影響でイギリスより蒸気機関車が到着せず,馬車鉄道として建設した。

身延線の建設に関しては西岸の富士川鉄道のち駿甲鉄道更に甲駿鉄道(岩渕から興津へ起点変更,岩渕は四日市製紙専用鉄道に期待)vs東岸の富士身延鉄道の争いになったが富士川鉄道が日清戦争後の混乱で免許を失効する一方で富士馬車鉄道を買収して先んじた富士身延鉄道の勝利となる。

技術上の面もあり,1914.3着工で1915.1に開通した馬車鉄道は芝川工場〜有無瀬川西岸に止まり,残る岩渕迄の2/3の行程は牛馬車による代行輸送を強いられている。一方で富士身延鉄道とは1913.12に協定が結ばれる事になった。1915.3には芝川駅まで延伸開業がなり,貨物輸送は身延線経由となってしまう。

その後,毎回申請して認められてきた専用鉄道竣工期限の延伸願が原内閣に依って拒否されてしまい,富士橋も1919.9に台風対策に落橋させられてしまい,更に富士製紙と四日市製紙が合併する事になり(この辺も暴れん坊だらけの製紙業界の伝統に違わず色々あったようである。)結局廃止されてしまう。王子を三井に追われて辞めた大川氏だが結局最終的に富士製紙・樺太工業を王子に譲る形になった。wikiに依ると浅野セメント(後の日本セメント、現・太平洋セメント)、札幌ビール、東洋汽船、日本鋼管など80余の企業経営に携わり「大川財閥」を作り上げた,とあるのでピンと来たが調べると矢張り鶴見線の大川駅は大川氏由来であった。

715とはずがたり:2016/01/07(木) 13:57:17
しかも競馬の大川慶次郎は平三郎氏の孫だそうなw

【大川家】
平兵衛(農民出身ながら川越藩剣術師範)─修三─平三郎(渋沢の元で書生をする。日本の製紙王)─義雄(母照子(渋沢栄一女)・高千穂製紙社長・オーナーブリーダー・農地改革で牧場は手放す)─慶次郎(競馬の神様)─智絵(競馬評論家)

716とはずがたり:2016/01/07(木) 14:06:14
新富士製紙が新富士製紙百年史と云う社史を出していて其れに載っていた様だ。新富士製紙という社名は富士製紙から取った壮大且つ意欲的なものと云う訳だったか?

王子エフテックス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%82%A8%E3%83%95%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9#.E6.96.B0.E5.AF.8C.E5.A3.AB.E8.A3.BD.E7.B4.99.E3.83.BB.E5.AE.89.E5.80.8D.E5.B7.9D.E8.A3.BD.E7.B4.99.E5.90.88.E4.BD.B5.E5.BE.8C

沿革[編集]
新富士製紙[編集]
1984年(昭和59年)4月1日 - 富士加工製紙・芝川製紙・東洋製紙が合併し、新富士製紙株式会社設立。
富士加工製紙は第一工場、芝川製紙は芝川工場、東洋製紙は富士工場(1938年(昭和13年)5月操業開始)を運営していた。第一・芝川の両工場は旧王子製紙の工場で、太平洋戦争中に供出・閉鎖されていた。
2002年(平成14年)10月1日 - 王子製紙の完全子会社となる。

安倍川製紙[編集]
1935年(昭和10年)9月 - 安倍川工業株式会社設立。静岡工場操業開始。
1969年(昭和44年)11月 - 王子製紙が資本参加。
1971年(昭和46年)12月1日 - 安倍川工業と佐野製紙が合併し、安倍川製紙株式会社に社名変更。
1981年(昭和56年)2月 - 販売を王子製紙に委託。
2002年(平成14年)10月1日 - 王子製紙の完全子会社となる。同時に、王子製紙の安倍川製品営業部を統合、生販一体化。

新富士製紙・安倍川製紙合併後[編集]
2003年(平成15年)1月1日 - 新富士製紙が安倍川製紙を吸収合併、富士製紙株式会社に社名変更。
2004年(平成16年)10月1日 - 王子製紙の特殊紙部門と富士製紙が統合し、王子特殊紙株式会社設立。王子製紙より江別・岩渕・中津・滋賀の4工場を移管。
2008年(平成20年)7月31日 - (旧安倍川製紙の事業所)静岡製造所の閉鎖。設備の一部は特種製紙三島工場へ譲渡。
2012年(平成24年)10月1日 - 王子エフテックス株式会社に社名変更。

717とはずがたり:2016/01/07(木) 14:18:23
馬車専用鉄道の終点の有無瀬川はこれ。新東名と東名の間の山は険しそうだが,その手前迄,もう一寸南進出来そうなものだが。
http://river.longseller.org/rc/8303080007.html

718荷主研究者:2016/01/16(土) 15:01:51

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160107_12031.html
2016年01月07日木曜日 河北新報
石巻が母港に 商船三井の木材チップ船

船尾に「ISHINOMAKI・石巻」と記されたプログレイス号

 宮城県石巻市の石巻港整備・利用促進期成同盟会は、商船三井(東京)所有の木材チップ船「プログレイス号」が船籍を英国領ケイマン諸島から日本に変更し、併せて船籍港(母港)を石巻港にしたことを記念するプレートを同社に贈った。

 プログレイス号は全長203メートル、幅37メートルで、約4万6000トン。日本製紙専用船としてベトナムやオーストラリアなどから日本国内の同社工場に木材チップを運んでいる。

 同船は2007年就航。船名は日本製紙石巻工場で生産する上質紙の製品名に由来する。東日本大震災後の11年11月末、震災後第1号の木材チップ船として石巻港に入港した。

 市役所で昨年12月下旬にあったプレート贈呈式で、同盟会会長の亀山紘市長が、雄勝石製のプレートを商船三井の蓮実学・木材チップグループリーダーに手渡した。

 亀山市長は「石巻を(母港に)選んでいただいてありがたい」と感謝した。蓮実リーダーは「石巻の名に恥じないよう安全運行に努める。日本製紙の生産量が増え、今まで以上に石巻港に入港できればいい」と話した。

 日本籍船の数は1970年代から減少が続き、政府は所得ではなく船舶のトン数で課税する減税制度を導入し、船舶の日本籍化を促している。

 プログレイス号の船籍変更は昨年8月3日。船尾に母港石巻の名を記した。固定資産税は入港する港のある自治体に納付される。

 石巻港を母港とする日本籍船は震災前の11年2月末で31隻だったが、現在は25隻に減少。震災後に石巻港を母港に日本籍化された船は、プログレイスを含めて7隻という。

720荷主研究者:2016/01/16(土) 15:38:37

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00370581?isReadConfirmed=true
2016年1月12日 日刊工業新聞
三菱紙、医療機器を深耕−印画紙・製版材の技術活用、爪飛散防止ジェルなど投入

胚・卵子凍結保存用デバイス「ディアムール」

爪・角質研磨用の飛散防止ジェル「フォルディアジェル」

 三菱製紙は医療機器製品分野への事業展開を進める。2014年4月に発売した第1弾の留置針固定用テープ「ダイヤエクール」に続き、1月中にもフットケア外来における爪・角質研磨用の飛散防止ジェル「フォルディアジェル」、4月をめどに胚・卵子凍結保存用デバイス「ディアムール」を製品化して発売する。写真印画紙や印刷製版材料で培った広範な技術をシーズに、成長が見込まれる医療機器分野へ展開していく。

 爪・角質研磨用のフォルディアジェルは、聖マリアンナ医科大学東横病院生活習慣病センター長の太田明雄教授の指導を得て商品化した。フットケア外来を訪れる糖尿病患者は爪白癬(はくせん)が多く、周囲に炎症が広がらないように、厚くなった爪の研磨処置が行われる。ジェルを爪に塗って作業時することで、白癬菌を含んだ研磨粉の飛散を防ぐ。

 グルコマンナンにエタノールや増粘剤などを配合し、飛散防止とともに殺真菌効果を持たせた。こうした機能を備えた商品は初めてで、美容分野のネイルケアサロンの需要も見込んでいる。

 一方、胚・卵子凍結保存用のディアムールは、北里大学獣医学部の桃沢健二講師らと共同開発した。体外受精をはじめとする生殖補助医療に用いられる胚は、水分をガラス化液に代替して凍結保存される。

 胚周辺のガラス化液を最少にして急速に凍結することが求められ、デバイスの胚を載せる部分にガラス化液の吸収層を設けて作業性を高めた。

 生殖補助医療で先行する海外市場展開も視野に入れている。

(2016年1月12日 ヘルスケア)

722荷主研究者:2016/02/07(日) 10:56:08

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160121/bsc1601210500015-n1.htm
2016.1.21 05:00 Fuji Sankei Business i.
紙出荷量、ピークの2割減 15年国内1.5%減 過去2番目低水準

 日本製紙連合会が20日発表した2015年の紙と板紙の国内出荷量は前年比1.5%減の2494万1000トンだった。減少は2年連続。比較可能な統計のある1988年以降、88年(2394万2000トン)に次ぐ過去2番目の低水準となった。

 少子高齢化や電子媒体へのシフトなどが響いているためで、ピークの00年(3053万2000トン)に比べて2割近く減少した。

 このうち印刷や衛生用紙などに使われる紙は2.5%減の1393万4000トン、段ボールや包装資材などに用いられる板紙は0.2%減の1100万7000トンとなった。

 同時に発表した15年12月の国内出荷量は、前年同月比1.1%減の213万6000トンだった。

 16年の見通しは、国内出荷量に輸入量などを加えた国内需要で、前年比1.1%減の2657万5000トンとした。

 東京都内で記者会見した進藤清貴会長(王子ホールディングス会長)は「もっと(減少率が)緩やかになっていいのではないか。ある程度、情報通信技術(ICT)も行くところまで行ったのではないか」と述べた。

724荷主研究者:2016/02/07(日) 11:51:10

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2016/01/21-23283.html
2016年01月21日 化学工業日報
大王製紙 セルロースナノファイバー普及に挑む《上》

 ▲ CNFによって事業領域を広げ持続的な成長を後押しする(写真は分散液)

 大王製紙が次世代先端素材として注目を集めるセルロースナノファイバー(CNF)の技術開発に取り組んでいる。ありとあらゆる原料を使い、パルプから紙までを一貫生産する三島工場(愛媛県四国中央市)の強みを活用。CNFの原料は化学パルプにとどまらず、機械パルプや古紙パルプも揃えた。一般的とされる化学パルプ由来では出せない働きも加わり、顧客との接点の広がりを見据える。サンプル提供を進め、2020年をめどに事業化を目指す考えだ。内需縮小で本業の洋紙は新興国に活路を見出す同社だが、持続的な成長に向けてCNFが果たす役割は決して小さくない。
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 2万種類に及ぶ製品やパルプを年に約200万トン生産する三島工場。工場内の研究所に、CNFを含む新規事業の種を探る技術開発部がある。

 そもそもCNFは、木材成分の約5割を占めるセルロースをナノレベルの細さにした高機能材料。鉄の5―6倍の強度で重さは5分の1程度と軽い。どんな製品に結実するのか。例えば樹脂に混ぜることで強度が出せるほか、酸素を通しにくくするガスバリア性も付与できる。透明性が高く、熱による伸び縮みも小さい。

 大王製紙の場合、元のパルプ原料は、化学パルプ(広葉樹漂白品)、同(針葉樹漂白品)、機械パルプ(漂白品)、古紙パルプ(雑誌古紙パルプ・漂白品)がある。用途に応じて、どの原料を選択するか決め、さまざまな性能を持たせることができる。

 例えば薬品による化学処理で得られるパルプを原料としたオーソドックスな化学パルプ由来は、疎水性のリグニン含有分が少ないため保水性が高く、親水性材料と相性が良いのが特徴だ。

 機械パルプ由来は、物理的な力で木材チップを粉砕したパルプを原料とする。リグニン含有量が多く脱水性に優れており、加工効率が良いことや疎水性材料との混合性の向上が期待できる。

 もう一つの古紙パルプ由来は、CNF中に微細化された無機粒子を含むため、樹脂と複合した際には安価に補強効果が見込めるという。

 これらの出発原料を揃える大王製紙だが、CNFの研究に着手したのは10年ごろからで日本製紙などのライバルに比べて取り組みが遅れていた。そこで、愛媛大学や産業技術総合研究所(産総研)中国センター(広島県東広島市)などと連携。研究を一気に加速する。

 13年12月には用途を検討している企業の要請に応じ、実験室レベルで作った少量のCNFのサンプル提供に踏み切った。より多くの企業や研究機関に評価してもらい、用途に最適なCNFを開発することで実用化の時期を早めたいと考えている。

725荷主研究者:2016/02/07(日) 11:51:38

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2016/01/22-23299.html
2016年01月22日 化学工業日報
大王製紙 セルロースナノファイバー普及に挑む《下》

 ▲ CNFを使ったガスバリア包材(左)や自動車部材の試作品

 2014年6月、経済産業省や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、企業や大学など160機関が参加する協議会「ナノセルロースフォーラム」が発足。技術トレンドの調査はじめ共同研究開発の提案や実用化、CNF規格化など、オールジャパンで計画が動き出した。大王製紙も将来の実用化につなげるための用途開発に入る。

 例えばガスバリア包装資材の開発。食品などの包装には、酸素を通さず、中身を保存しやすい化石資源由来のフィルムが用いられているが、バイオマス由来への転換が可能となる。現在は製造技術の確立を目指して研究開発を深めている。

 ほかに樹脂に混ぜて、強度を高めたり軽くしたりする用途が挙げられる。実際にポリプロピレン(PP)にCNFを混ぜて複合樹脂を作製した。機械パルプ由来のCNFは、化学パルプ由来や古紙パルプ由来に比べて優位性が高かったという。射出成形によって自動車部材(インストゥルメントパネル)も試作した。

 一部の用途開発案件については成果が見えつつあるが「高い機能性を求めながら、適切な価格で(市場に)提供できるCNFの開発を目指している」。統括する技術開発部の玉城道彦部長はこう力を込める。

 言うまでもなく「いいものであっても高ければ顧客は使ってくれない」。大王製紙のCNFは繊維幅が20―60ナノメートルと、競合他社よりやや粗い。これは「さらに小さくしようと手間やエネルギーをかければコストが上がってしまう」ためだ。

 NEDO)から助成を受け、実証生産設備を設ける準備にも入った。低エネルギーな製造プロセスを確立し、製造コストを低減させるためのテストプラントと位置づける。

 具体的には三島工場(愛媛県四国中央市)に、年間数十トン規模の実証生産設備を設置。16年前半にも稼働を始める構想を描く。

 これに加え、実用化のスピードを上げるには「(当社のような)川上だけでなく、川中や川下との協力関係をいかに築き、一体となって研究開発を進めていくことが重要になる」とみる。素材と最終製品をどう結びつけるかが数年後の競争力を左右する。

 一方で技術的な課題もある。大王製紙のCNF分散液は、製法上の制約から「濃度が1?2%程度と非常に低い」。このため「水系の用途であれば問題ないが、樹脂のように乾燥したものにしようとすると水分を98―99%飛ばさなければならない」という。「環境負荷の面でも課題となり、もう少し濃度の高いCNFを作る必要性がある」と話す。

 現在のCNFのコストは1キログラム当たり5000―1万円程度。高付加価値素材の普及の目安は同1000円といわれ、「量産効果と製造技術の革新で、将来は500円くらいを狙っていきたい」と意欲をみせる。

 製紙関連の高度な技術を磨く大王製紙だが、CNFの事業化に向けた道のりはこれからが正念場。その行方は同社の次の成長を占う上で重要な意味を持つことになりそうだ。

(おわり)

726荷主研究者:2016/02/11(木) 14:21:30

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160204_12006.html
2016年02月04日木曜日 河北新報
木材・資材のザイエンス 宮城・富谷に移転

ザイエンスが立地を決め、造成工事が進む高屋敷工業団地

 防腐木材、住宅資材製造販売のザイエンス(東京)は3日、宮城県富谷町の高屋敷工業団地に仙台製造所を建設すると発表した。東北の拠点の塩釜製造所(宮城県塩釜市)を移転する。

 5月着工、来年3月完成、来年夏以降の本格稼働を見込む。同工業団地への進出決定は、米国系の会員制倉庫型量販店コストコホールセールジャパン(川崎市)に続き2社目。

 仙台製造所の敷地は約1万5000平方メートルで、土地区画整理組合から購入する。建物は工場や倉庫など6棟で、総床面積は計5565平方メートル。投資額は16億〜18億円。従業員は塩釜の10人が移り、受注が増えれば新規採用を検討する。

 塩釜からの移転は道路拡幅工事で操業継続が困難となったため。同社は交通アクセスの良さ、10月の市制移行など地域の将来性から富谷への立地を決めた。

 町役場で記者会見した荒井浩社長は「事業を成長させ雇用増に貢献したい」と説明。若生裕俊町長は「町も支援する」と歓迎した。土地区画整理組合理事長の一力敦彦東北放送社長は「資材供給が住宅再建など震災復興につながればうれしい」と話した。

 高屋敷工業団地は全4区画で、残り2区画も数社が進出を検討しているという。

728荷主研究者:2016/03/13(日) 11:33:50

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160229/bsc1602290500003-n1.htm
2016.2.29 06:32 Fuji Sankei Business i.
“夢の素材”五輪へ実用化加速 炭素繊維しのぐか「セルロースナノファイバー」

産業技術総合研究所が開発中のセルロースナノファイバーを添加したスポーツシューズと靴底=1月、東京ビッグサイト【拡大】

【世界へ 日本テクノロジー】

 鉄の5分の1の重さで5倍の強度を持つとされる植物繊維由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の実用化に向けた動きが加速している。産業創出に加え林業を活性化する波及効果が見込めるため政府も開発を後押ししており、スポーツ用品メーカーをはじめ関連企業は炭素繊維強化樹脂に代わる夢の素材として新市場創出に意欲を見せている。

 「1グラムでも軽く」

 「軽くて強靱(きょうじん)」な性質を使い、スポーツシューズの靴底軽量化に取り組んでいるのは、産業技術総合研究所(産総研)。開発に関わる企画主幹、岩本伸一朗さんは「アドバイザーのアシックスなどからは『1グラムでも軽くしたいというのが長距離選手の希望だ』と聞いています」と話す。試作品では、同じ性能を通常の靴底より10%軽くできたという。目標は2020年東京五輪で日本選手に履いてもらうことだという。

 産総研では、素材そのものの性質分析、加工法、用途開発など多面的に取り組み、研究を主導している。CNFは親水性が高く、疎水性のプラスチックとの相性があまりよくなく、いかに均一に分散させるかなど研究課題は多い。しかし、同じプラスチック強化素材として先行する炭素繊維は型に骨組み用の繊維を敷き詰めてからプラスチックを流し込むという作業が必要なのに対し、CNFはプラスチックに数%混ぜて通常の射出成型機で加工でき、既存の設備をそのまま使えるメリットもあるという。

 産総研とともに、地域連携プロジェクトで、CNFの自動車用ゴム製品への利用を研究している、丸五ゴム工業(岡山県倉敷市)のグループ会社で、作業靴などを製作する「丸五」が、靴底にCNFを混ぜて耐摩耗性を向上させた作業靴を試作。自動車用部品や作業靴の底などではゴムの表面が劣化して剥落するのを防ぐ効果があるという。作業用手袋の指先にも適用してみたが、いずれにしてもコストアップと耐久性向上の兼ね合いが今後の課題だという。

■巨大市場創出 政府も後押し

化粧品や塗料に活用

 1月末に東京ビッグサイトで開かれたナノテクノロジーの展示会「ナノテック2016」でも多くのブースでCNF関連の出展があり、活況を呈した。

 CNFには、大手製紙会社や化学品メーカーのほか、工作機械切断装置も参入している。素材としてのCNFも販売するモリマシナリー(岡山県赤磐市)では、路面に敷くプラスチックブロックなどさまざまな製品への適用を試している。また、スギノマシン(富山県魚津市)は超高圧水で物を切る「ウオータージェット」の技術を使った湿式微粒化装置に加え、自ら作製したバイオマスナノファイバーも販売。CNFだけでなくカニ由来のキチン、キトサンのファイバー素材や化粧品のサンプルを展示し、増粘材としての利用を呼び掛けている。セルロース分子には保湿効果のある水酸基と呼ばれる原子配列が多いため、医薬や化粧品などで求められる生体親和などの機能性も期待できる。

 モリマシナリーでは、経年劣化によって塗料の表面が剥がれるのを防ぐための用途についても検討。CNFがネットワーク構造を作るため、これが割れないように支えているとみている。

 昨年9月には、第一工業製薬と三菱鉛筆が「世界初の実用化」と銘打ってCNFをインクに使ったボールペンを欧米で市販開始したと発表している。シングルCNFをゲルインクに入れることで、低粘度のインクのようにサラサラとした書き心地でありながら、インクのかすれを防いでいるとしている。

729荷主研究者:2016/03/13(日) 11:34:26
>>728-729 続き

大規模化でコスト減

 木材だけでなく稲わらなど廃材からも作れるCNFだが、作製にはエネルギーを使うため現状では1キロで数千円程度と素材としては決して安くない。しかし、大規模化によるコスト低減も可能で、「臨界点」を超えれば一気に拡大する可能性がある。産総研では、産学官連携コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」を組織しており、282会員(うち法人176社)が参加。政府の後押しも受けて、産業界は巨大市場への道をまっしぐらに進んでいる。(原田成樹)

【用語解説】セルロースナノファイバー(CNF)

 木材などを綿のようになるまで分解(解繊)すると現れてくる微細な繊維。物質に混ぜて性質をナノレベルで改良できる。CNFの基本単位は、セルロース高分子「(C6H10O5)n」が数十個でできた非常に強固な微細繊維。直径約4ナノメートル、長さ数十マイクロメートルで、「ミクロフィブリル」や「シングルCNF」と呼ばれる。これを水に分散させて乾燥させると、紙の10倍の引っ張り強度を持つ透明なシートができる。電子基板材料や医薬用包装材などへの応用も期待されている。シングルCNFに分解される手前で、シングルCNFが数十個単位集まった直径数十ナノメートル、長さ約数十マイクロメートルの構造用CNFは、素材の強化に使われる。

730とはずがたり:2016/03/19(土) 11:30:21
頑張ってるなぁ。。

2016年03月10日 07時00分 更新
板紙の生産工場で木質バイオマス発電、電力の2割をCO2フリーに
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1603/10/news045.html

100年以上前に日本で初めて段ボールを生産したレンゴーが全国各地の工場に再生可能エネルギーを拡大している。新たに埼玉県の板紙生産工場に木質バイオマス発電設備を導入して運転を開始した。発電能力が9MWの大規模な設備で、工場内で使用する電力の2割を供給できる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 段ボールや板紙で最大手のレンゴーは埼玉県の八潮市(やしおし)にある工場に木質バイオマス発電設備を導入した。八潮工場は段ボールなどの素材になる板紙を年間に80万トン生産する日本で最大の板紙工場だ。

 導入したバイオマス発電設備は建築廃材から作った木質チップを主燃料に利用して、9MWの発電能力がある。年間に320〜330日の稼働を予定している。1日24時間の連続運転を実施すると、年間の発電量は約7000万kWh(キロワット時)にのぼる。

 発電した電力は売電しないで工場内で使用する。八潮工場で消費する電力の約2割を供給できる。生物由来の木質バイオマスを燃料に使うことによって、CO2(二酸化炭素)の排出量を年間に約6万5000トン削減できる見込みだ。

 八潮工場のCO2排出量は2014年度の実績で20万5000トンだった。木質バイオマス発電の導入効果でCO2排出量が一気に3割も減る。基準年の1990年度の排出量と比較して60%近い削減率になる。

 この工場では10年前の2006年にもバイオマス発電設備を導入している。製紙の工程で発生するペーパースラッジと呼ぶ廃棄物を燃料に利用できる発電設備だ。発電能力は4.2MWで、年間に4200トンのCO2排出量を削減する効果がある。

バイオマスのほかに太陽光発電も拡大中

 レンゴーの工場では板紙や段ボールの生産時に大量のエネルギーを消費するため、各工場に自家発電設備を導入している。1990年の時点ではCO2排出量の多い重油や石炭を燃料に利用する割合が65%にのぼっていたが、エネルギー効率の高い都市ガスとLNG(液化天然ガス)の比率を高めてCO2排出量を減らしてきた。2014年には全体の55%がガスで、バイオマスと廃棄物の比率も7%に高まっている。

 全国各地に展開する生産拠点のうち、現在までに八潮工場を含めて4カ所にバイオマスと廃棄物による発電設備を導入した。さらに太陽光発電を実施している工場が8カ所ある。太陽光による発電量は2014年度に532万kWhに達した。

 太陽光発電では2010年に開設した福島矢吹工場の設備が最も大きい。工場の屋上と地上を合わせて8500枚の太陽光パネルを設置して、1.5MWの発電能力がある。晴れた日の昼間には工場で使用する電力をすべて供給できる。年間の発電量は145万kWhを見込んでいる。

 レンゴーは2020年に向けて、事業活動による環境負荷を低減する「エコチャレンジ020」を実施中だ。その中で生産部門におけるCO2排出量を2015年度に1990年度比で30%、2020年度には32%削減する目標を掲げている。

 2014年度のCO2排出量の削減目標は26%だったが、それを上回る29.4%を達成した。新たに八潮工場に導入した木質バイオマス発電設備の導入効果は約6%に相当することから、2020年度の目標達成も確実になった。

732荷主研究者:2016/04/09(土) 22:10:58

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160325/bsc1603251753006-n1.htm
2016.3.25 17:53 Fuji Sankei Business i.
王子HDと中越パルプ工業、紙袋事業で中間持ち株会社を設立へ

 王子ホールディングス(HD)と中越パルプ工業は25日、紙袋を製造、販売する両社のグループ企業を傘下に収める中間持ち株会社、O&Cペーパーバッグホールディングス(東京)を共同出資で5月1日に設立すると発表した。

 紙袋の需要は国内では縮小しているが、新興国では経済成長で増加している。国内生産の合理化と海外事業の拡大を協力して進める狙い。王子の100%子会社、王子産業資材マネジメント(東京)が55%、中越パルプが45%を出資する。

 傘下に入るのは王子製袋(東京)と中部紙工(愛知県半田市)、中越パッケージ(東京)。王子HDは中越パルプに20%超を出資している。

734とはずがたり:2016/04/20(水) 08:56:17

10月 3rd, 2012
王子ホールディングス-未利用木材をバイオマス発電燃料に使用する新ボイラー設置へ。発電事業強化
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1227192268/2215-2216

【バイオマスボイラー】
売電と自家消費で新設ラッシュ再燃
王子は富士工場含めた三カ所で新設
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1227192268/2217
古紙ジャーナル 2015年7月27日 1141号

735とはずがたり:2016/04/22(金) 21:26:32
王子は三菱を吸収かな?
三菱自工と三菱製紙は再編対象やろ。三菱石油は高く売った訳だが三井直系の王子製紙が金曜会に出る様になったらインパクトでかいな。三菱自工はトヨタ(まあ三菱銀行繋がりでホンダかなぁ)に売ればええねw

三菱製紙、王子HDと共同バイオマス発電事業
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1227192268/2236
バイオマス 2016年4月2日 バイオノーツ編集部

736荷主研究者:2016/04/24(日) 16:41:09

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160330/bsc1603300500006-n1.htm
2016.3.30 06:32 Fuji Sankei Business i.
インク、スピーカー…製品次々と 1兆円市場に挑む“夢の素材”セルロースナノファイバー

三菱鉛筆が5月に発売するボールペン。セルロースナノファイバーをインクに混ぜ、滑らかな書き味を実現した【拡大】

 夢の素材といわれるセルロースナノファイバー(CNF)の実用化が進んでいる。植物から作られるため環境負荷が少ない上、鉄より軽くて強いといった多くの特長を備える。森林資源の豊富な日本では、原料調達が容易というメリットもある。2030年に関連市場が1兆円に達するともいわれる中、製紙会社などが研究開発や用途開拓を加速している。

 CNFは、植物繊維を細かく解きほぐしたものだ。繊維1本の直径は数十ナノ(1ナノは10億分の1)メートル以下にもかかわらず、鉄の5分の1の軽さで強度が5倍と、普及で先行する炭素繊維に匹敵する。透明で、熱を加えても膨張しにくいなどの特徴もあり、開発では日本がリードしている。

 三菱鉛筆は、インクにCNFを配合したボールペン「ユニボール シグノ307」(税抜き200円)を5月26日に発売する。CNFがインクの粘り気をコントロールする性質を利用、滑らかな書き味を実現した。

 北米や欧州では昨年から先行販売しているが、「スキップフリー(速く書いても筆跡がかすれない)」と評判は上々。5月に開催される伊勢志摩サミットでは「応援アイテム」として会場で配布される予定で、同社は「日本発のモノづくりを世界にPRしたい」と意味込む。

 一方、CNFは紙の原料である木材パルプから作れるため、関連ノウハウのある製紙会社も開発に力を入れている。

 日本製紙は4月1日、傘下の日本製紙クレシアから、尿漏れ対策用として下着の内側に貼る女性用吸水パッド「ポイズ 肌ケアパッド」(オープン価格)を6種類発売する。CNFと銀などの金属イオンをくっつけ、パッド内部に挟み込んだシートに配合。金属イオンの作用で不快な臭いが軽減されるという。CNFを使った商品の発売は、昨年秋の大人用紙おむつに続き2商品目。事業拡大に伴い、16年度に初の量産ラインを設ける方向で検討している。

 関連製品は、オンキヨーも年内にスピーカーを発売する。振動板の素材に中越パルプ工業のCNFを使うことで、「強度が高まり、高音域の音質も向上する」という。

 CNFは他にもさまざまな用途が想定されているが、本命視されるのが自動車の素材だ。炭素繊維のように樹脂と混ぜて使えば、1台20キロもの軽量化につながるといわれる。現状では1キロ数千〜1万円と、炭素繊維の3000円程度より高いが、日本製紙の馬城文雄社長は「ポテンシャルでは負けない。まずは(吸水パッドなどへの採用で)生産量を増やし、コストを引き下げたい」と普及に期待する。

737荷主研究者:2016/04/24(日) 17:01:12

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2016/03/29-24124.html
2016年03月29日 化学工業日報
セルロースナノファイバー普及に挑む 中越パルプ(上)

 国産竹由来のセルロースナノファイバー(CNF)が本格的なビジネスの段階を迎えようとしている。仕掛け人は中越パルプ工業。音響機器を手掛けるオンキヨーが、2016年中に発売予定のスピーカーに中越パルプ工業のCNFを採り入れることを決めたためだ。竹資源の活用は、放置竹林から起こる竹害解消にもつながることからCNFを巡る競争で異彩を放つ。差別化できる特徴を強みに、有望市場で確固たる優位性を築こうとする新たな挑戦が動き出した。

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 中越パルプ工業がCNFの研究を始めたのは5年ほど前。九州大学大学院の近藤哲男教授が発明した水中対向衝突(ACC)法と呼ぶ製造法を使って、植物繊維をナノメートル単位まで細かく解きほぐす。高岡本社(富山県高岡市)内にある研究開発拠点では8人の研究員がCNFの技術開発に日々精を出す。

 繊維幅は20ナノメートルから、手間やエネルギーをかけずにコストを重視した200ナノメートルまで揃える。13年3月からサンプル提供を始め、用途を検討している企業が求める性能や品質改善に取り組んできた。

 CNFは軽く、樹脂に少量を混ぜれば軽量で丈夫な部品が作れる。だが、CNFは親水性が高いことから疎水性の樹脂との相性はあまり良くない。均一に分散させるには、化学反応によってCNFを疎水化する必要がある。

 これに対し、近藤教授のACC法を使うとCNFに疎水性を持たせることができるため、樹脂になじみやすくなるのだという。疎水化の工程を省ける技術でコストの低減が見込める。原料として利用する竹についても疎水性の付与が容易であり、他社と差別化できるCNFの特徴を引き出した。

 そもそも同社は、20年近く前から放置竹材を原料にした竹パルプという他社にはない製造技術を持っている。このためCNFの原料は一般的な針葉樹や広葉樹のみならず、国産の竹を選ぶことが可能だ。竹由来は強度が出やすく透明度は非常に高い価値も生み出す。

 独自の集荷ルートを通じ、具体的には1998年から川内工場(鹿児島県薩摩川内市)で竹材の受け入れを開始。九州一円から年間で約2万トンの竹が集められ、製紙用の竹チップに加工されている。09年には国産竹100%からなる特徴のある紙の販売にも乗り出した。商品名は「竹紙100」。主に印刷用紙や封筒、箸袋などに使われているという。

 一方で竹資源の活用は、別の意味合いも持つ。成長の早い竹が自然林を侵食する竹害に悩む自治体の支援につながるほか、放置竹林の防止という点からも環境保全に役立つというわけだ。その分、竹を原料とするCNFにかかる期待は一段と大きくなる。

738荷主研究者:2016/04/24(日) 17:01:32

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2016/03/30-24140.html
2016年03月30日 化学工業日報
セルロースナノファイバー普及に挑む 中越パルプ(下)

 天然資源である樹木のセルロース繊維をナノメートル単位にまで微細化してセルロースナノファイバー(CNF)にすると、紙・パルプとは違う新たな可能性の芽が見え始めてきた。とくに中越パルプ工業にしかできない竹を使ったCNFは、疎水性が顕著に発現。強化プラスチックへの応用をはじめ、さまざまな展開につながると期待される。サンプル出荷や生産能力の増強に取りかかり、CNFの市場で大きな存在感を示そうとしている。

 「ポリオレフィンに竹由来のCNFを混ぜた複合材の提案に関しては本気で勝負していく」。開発本部長の高岸伸取締役はこう話し、市場の創出を目指す姿勢を改めて強調した。

 中越パルプ工業は2015年、出光ライオンコンポジットとポリプロピレン(PP)にCNFを均一に分散させた複合材料の開発に成功している。出光ライオンコンポジットの販売網を活用して、このサンプル出荷を4月にも始める計画だ。将来への課題を洗い出し、17年の本格販売を目指す。

 ポリオレフィン樹脂は自動車部品や電機・電子材料などに広く利用される。一方のCNFは鉄の5分の1の重さで5倍の強度を持つ特徴がある。少量のCNFを混ぜるだけで強度を高めたり軽くしたりする使い方のインパクトは大きいとみる。

 ほかにもCNFは可視光の透過率は90%程度と高く、ガラスに比べて熱膨張が50分の1とゆがみにくい。こういった特性を兼ね備えていることから、スマートフォンやウエアラブル端末の液晶画面で表面ガラスからの代替需要も見据える。

 完成品メーカー側の動きも活発になってきた。音響機器を手掛けるオンキヨーは、中越パルプ工業の竹由来CNFを使ってスピーカーの実現にこぎつけた。

 CNFは高密度なため、音楽や音声を出すスピーカーの振動板に使うと振動がうまく伝わり高音の再現性が高まるのだという。CNFを使用した世界初のスピーカーとして16年内の販売を予定する。

 量産設備を稼働させるための準備も進める。これまでは小型プラントで年数トンのCNFを生産してきたが、量産設備は同数十トン規模に設定。立地場所は高岡工場(富山県高岡市)か、川内工場(鹿児島県薩摩川内市)を軸とする方向だ。

 来春をめどに稼働させる方針で、需要が増えれば、その後の設備拡充も視野に入れる。量産化に向けて調製条件を最適化し、成形加工先と共同で信頼性テストや安全性などの確認も急ぐ。

 現在のCNFのコストは1キログラム当たり5000―1万円程度とされる。高岸取締役は「まずは2000円を切るのが目標」と抱負を述べる。売り上げについては「20年には少なくとも数億円を目指したい」と意気込む。

 植物由来の次世代素材として製紙各社や化学メーカーが技術開発にしのぎを削るなか、「いかに安く作れるか」(高岸取締役)が将来の競争を左右することは言うまでもない。直面するこれらの課題がクリアできれば、他社にはない竹由来のCNFに一段と注目が集まりそうだ。

(おわり)

741荷主研究者:2016/04/24(日) 17:16:04

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160408_43013.html
2016年04月08日金曜日 河北新報
<秋田工場火災>林業復権の途中に…衝撃

 秋田市向浜1丁目の秋田プライウッド向浜工場で起きた火災は、秋田県の林業関係者に衝撃を与えた。近年、生産量を拡大する県内林業の原動力が同社を筆頭とする合板メーカーだからだ。焼けた2工場は営林業者にとって県内最大の原木供給先で、関係者は「復旧には時間がかかるだろう。林業が復権してきたところだったのに」と影響を懸念する。

 秋田プライウッドは合板大手セイホクのグループ企業の中核に位置づけられ、向浜第1、第2と男鹿の3工場で建材用などの合板を製造している。県林業木材産業課によると、昨年の県内の原木生産量は約122万立方メートル。うち約2割が向浜の2工場で使われた。

 県内の原木生産量はスギを合板に使う動きが広がったことから急伸した。2013年は合板向けの原木生産量が全体の半分近くを占めるまでになった。

 県トップの原木販売量を誇る県森林組合連合会(秋田市)は昨年度、秋田プライウッドの3工場に13万立方メートルを納入した。安田浩参事は「間伐材も含まれるため森林整備が進んだ。同社が果たす役割は大きく、早期復旧を願う」と話した。

742とはずがたり:2016/05/02(月) 22:50:51

バカラの帝王「大王製紙」創業家VS経営陣「お家騒動」の行方
http://www.jiji.com/jc/v4?id=foresight_00180_201604190001
Foresight-新潮社ニュースマガジン

門前払いされた筆頭株主
大西康之

 業界4位の大王製紙との合併を狙う同5位の北越紀州製紙と、徹底抗戦する大王製紙――。複雑な因縁と怨念にまみれた両社の争いは目下法廷闘争にまで発展し、その攻防は業界で「仁義なき戦い」と呼ばれ、関係者は固唾を飲んで成り行きを注視している。

 上場企業の現職会長による100億円以上のバカラ賭博借金をめぐる特別背任という、世間を驚愕させた前代未聞の事件から4年半。息子・意高(もとたか)の事件で会社を追われた大王の「中興の祖」、井川高雄は北越紀州側に付いた。一方「脱創業家」を掲げる大王の現経営陣を支えるのは、高雄・意高親子を除く「井川一族」の面々だ。血で血を洗う抗争の果てに、生き残るのはどちらか。東京地裁で争われている複数の関連訴訟は、いままさに佳境を迎えている。



今年1月28日、北越紀州が大王の経営陣を相手取って起こした損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開かれた。

 焦点は、大王が昨年9月に発表した2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行(300億円規模)である。この社債が株式に転換されると、希薄化により、現在21.23%である北越紀州の大王に対する持ち株比率は20%未満になり、大王は北越紀州の持分法対象会社から外れる。そうなると、北越紀州にとって、大王の決算内容を自社の連結損益に反映できなくなり、株式取得に多額の費用をかけた効果が薄れることにもなる。

 この社債発行を、北越紀州は「株主の利益を毀損する買収防衛策」と判断。筆頭株主の反対にもかかわらず発行を強行した佐光を含む13人の大王取締役に対し、任務懈怠(けたい)などを理由に株価下落で被った損害、88億145 万円の賠償を求めた。…「社債の発行は買収防衛ではなく、紙オムツ工場の設備投資などに必要な資金の調達」というのが大王の主張である。

 裁判の結果は、「製紙業界再編」に直結する。もし大王が負ければ、北越紀州との統合に反対してきた佐光ら現経営陣の退陣は避けられず、4位、5位の統合に向け一気に局面は動くだろう。北越紀州と販売部門の統合を検討したこともある三菱製紙が加わり、王子製紙、日本製紙の2強に対抗する「第3極」誕生の動きが加速することになる。

 一方、裁判で大王が勝てば、佐光ら現経営陣は当面安泰ということになる。逆に、再編の動きには大きなブレーキがかかる。

 しかし、混乱はそこで終わらない可能性もある。佐光に会社を追われたが、今も大王の大株主トップ10に名を連ねる「中興の祖」井川高雄が不穏な動きを見せているのだ。

 高雄の長男、井川意高は大王製紙の社長だった当時、香港など海外のバカラ賭博で作った巨額の借金返済に子会社の金100億円以上を不正流用した疑いで2011年に特別背任に問われ、その後有罪の判決を受けた。

 高雄は意高の後任に、自分が育てた「番頭」の佐光を選んだ。これが高雄にとっては大きな誤算だった。

 佐光は社長に就任すると、手のひらを返したように、高雄に牙をむいた。マスコミや金融機関の「創業家バッシング」に乗じ、最高顧問の高雄を解嘱した。

 高雄は反撃に転じ、2012年10月に1度は顧問に復帰したが、高雄が週刊誌などで大王の現経営陣を批判すると、2年後に佐光は再び高雄を解任した。2度目の解任の4カ月前、高雄は最初の解嘱を不服とし、「(意高のバカラ賭博)事件に関与していない自分を不当に解任した」と、佐光個人に対して約1億円の慰謝料を求める裁判を起こし、現在も争っている。

743とはずがたり:2016/05/02(月) 22:51:18
>>742-743
 高雄の執念は凄まじい。バカラ賭博事件の後、高雄は意高の賠償金(大王への未返済金)約60億円を支払うため、保有していた大王株の大半を北越紀州に売却した。その時の価格は1株400円程度である。

 現在、高雄は佐光を追い落とすため、再び大王株を買い集めているが、平均買いコストは1株1200円程度。それでも高雄は私財を投げ打って大王株を買い集め、すでに3%を超える個人大株主に復帰している。

 高雄と北越紀州の岸本には浅からぬ因縁がある。

 バカラ賭博事件で大王の創業家ガバナンスが揺らいだ時には、王子製紙、日本製紙の2強による「大王買収」が取り沙汰された。このとき大王に助け舟を出したのが岸本だった。高雄の持ち株を買い取って安定株主の役回りを果たし、列強から大王を守った。

 この出資には「恩返し」の意味がある。2006年、王子製紙が北越製紙(当時は紀州製紙と合併前)に敵対的買収を仕掛けたとき、「列強嫌い」の高雄は市場で北越株を買い進め、北越を守ったのだ。

 当時、副社長として北越の防衛に奔走した岸本は、この頃から高雄と気脈を通じ、「いずれ両社で製紙第3極を作ろう」と話し合っていた。

 高雄は社長時代から「製紙業界が王子製紙と日本製紙の2強に支配されるのは良くない」と公言しており、その意味では「第3極」を唱える岸本と同じ立場をとっている。

 自分を解任した佐光が「許せない」と怒りを募らせる高雄と「製紙第3極」を目指す岸本は、今や完全な「同志」である。大王が転換社債を発行して北越紀州の持ち株を希薄化させても、その分を高雄が買い増せば、佐光の防衛策は破綻する。筆頭株主と中興の祖を敵に回した佐光は、絶体絶命のピンチにあるように見える。

 だが一介のサラリーマン社長である佐光はあくまで強気だ。それを支えているのが、大王製紙グループの複雑怪奇なガバナンスである。それを理解するには、大王の創業まで遡らねばならない。

 大王製紙の創業者、井川伊勢吉はリヤカーを引いて古紙を回収するところから事業を興した。地元で「いせきっつぁん」と慕われた伊勢吉は昭和18年、愛媛、香川、高知の機械すき和紙メーカー14社を統合し、大王製紙を設立した。社名には「業界最大手の王子製紙を超える」という野心が込められた。

 伊勢吉には長男・高雄を含めて6男2女の子どもがある。大王本体の経営は一時期を除いて基本的に高雄、意高と長男が引き継いだが、こうした親族も本体や兵庫製紙、カミ商事、大王海運といったグループ企業で要職を占めている。

 高雄は「エリエール」ブランドで知られるティシュペーパーの価格破壊で王子製紙や日本製紙をきりきり舞いさせ、「四国の暴れん坊」と呼ばれた。3代目の意高も東大出の秀才で、経営者としての評判は悪くなかった。

 だがバカラ賭博事件をきっかけに、「長男総取り」に対する一族の不満が噴出した。一族は佐光側に付いて、独裁者の高雄を追い落とした。佐光が見せる自信の背後には、「高雄以外の井川家は自分の味方」という確信がある。関係者によると、「高雄以外の井川一族が持つ大王株は、北越紀州と高雄の持ち株に拮抗する」。

 高雄を除く井川一族が佐光に付いている以上、北越紀州も敵対的TOBなど手荒なことはできない。主要なグループ企業が離反したら、大王グループのサプライチェーン(原材料の調達から商品販売までの流れ)が破綻するからだ。

 北越紀州と大王の裁判は現在も月1回のペースで口頭弁論が開かれており、双方が自社の主張を繰り広げ、一歩も引かない構え。互いに和解に応じる気配もなく、大王は「経営陣と筆頭株主が係争中」という異常事態のまま6月の株主総会を迎えることになりそうだ。(文中敬称略)

744荷主研究者:2016/05/04(水) 11:55:22

http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160414/news20160414249.html
2016年04月14日(木)愛媛新聞
四国中央11年連続首位 パルプ・紙加工品出荷額

2014年の市町村別パルプ・紙・紙加工品製造品出荷額で、愛媛県四国中央市が11年連続で日本一になったことが13日、市のまとめで分かった。経済産業省の工業統計調査市区町村編を基に、データを集計した。

加工賃収入額や消費税などを含む同市の出荷額は5283億8712万円(前年比8.9%増)。2位は静岡県富士市の3848億1984万円(2.3%増)。3位は新潟市の1564億8010万円(5.6%増)で、順位は前年と同じ。

03年までは富士市が1位だったが、四国中央市は市町村合併で発足した04年から首位を維持している。

746荷主研究者:2016/05/22(日) 20:33:09

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00383985?isReadConfirmed=true
2016年5月5日 日刊工業新聞
究極の紙「セルロースナノファイバー」量産へー補強材・新機能に期待

セルロースナノファイバー液(ビーカー内)と実証生産設備(日本製紙提供)

ナノファイバー(多孔シート透明、王子ホールディングス提供)

 次世代のバイオマス素材、セルロースナノファイバー(CNF)が実用化段階に差し掛かり、製紙業界で量産化に向けた動きが活発になってきた。これまで増粘・消臭といった機能を高める添加剤などの用途が先行したが、最も期待されるのは樹脂・ゴムの補強材(複合材)や、低環境負荷のバイオマスで実現する新機能。紙を極めた木材化学の“たまもの”だけに、サプライヤーとしてのポジションは譲れない。(編集委員・青柳一弘)

【中越パルプ、PP複合材を開発】

■熱変形小さい

 CNFは木質繊維(パルプ)を処理してナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで細かく解きほぐしたもの。セルロースミクロフィブリルと呼ばれる最小単位の繊維素は、直径が髪の毛の1万分の1、3ナノ―4ナノメートルしかない。鉄鋼に比べ5分の1の低比重(1立方センチメートル当たり1・5グラム)でありながら、同等の曲げ強度と、5―8倍の引っ張り強度を備える。さらに石英ガラス並みに熱変形が小さい。こうした特性が自動車部品などの分野で、新たな複合材として大きな期待を集める。

 中越パルプ工業は3月末、川内工場(鹿児島県薩摩川内市)にCNFの量産設備「第1期商業プラント」を建設すると発表した。約12億円を投じて2017年4月に年産能力100トンで稼働する。さらなる需要拡大を見込んだ設備増強も視野に入れている。

■用途開発を加速

 中越パルプ工業は13年3月にCNFのサンプル供給を開始。用途開発を加速するため自ら動き、15年1月には出光ライオンコンポジット(東京都台東区)および三幸商会(名古屋市千種区)とともに、ポリオレフィン樹脂に均一分散させることで高分散したポリプロピレン(PP)複合材の開発に成功している。

 こうした取り組みが奏功し、3年間で100社以上にCNFのサンプルを供給。「顧客との意見交換を通じ、量産化のめどが立った」(中越パルプ工業管理部)ため16年度の設備投資を決めた。「PPを中心とした樹脂複合化が主用途になる」(同)という。

■複合化に生きる

 CNFの製法には九州大学の近藤哲男教授が開発した水中対向衝突法(ACC法)を採用している。ACC法は水の衝突圧でパルプを解きほぐすシンプルな手法で、繊維素が多少絡み合った直径10ナノメートル程度までの解繊になるが、処理過程で油にもなじむ両親媒性を備えるのが特徴。それが樹脂との複合化に生きた格好だ。

747荷主研究者:2016/05/22(日) 20:34:05
>>746-747 続き

【王子HD、薄膜ガラス代替狙う】

■用途開発

 王子ホールディングス(HD)は15年11月、化粧品にも使われている安全な薬品であるリン酸による化学処理でCNFを製造する「リン酸エステル化法」を確立し、王子製紙富岡工場(徳島県阿南市)で量産化に向け年産能力40トンの実証生産設備建設に着手した。今秋にも稼働する。王子HDはこれに並行し、日光ケミカルズ(東京都中央区)と共同で、CNFを化粧品原料にする用途開発も進めている。

■折り畳める

 また、王子HDは三菱化学と共同で13年3月、CNFの透明連続シート製造に成功した。東雲研究センター(東京都江東区)に専用設備を設置し、薄膜ガラスの代替や電子デバイス向けにサンプル供給している。透明シートは紙のように折り畳むことができ、大型ディスプレーや太陽電池などへの応用も期待されている。

【日本製紙、紙おむつに利用】

■高密度に付着

 日本製紙は13年10月、業界に先駆けて岩国工場(山口県岩国市)に東京大学の磯貝明教授らが開発した触媒「TEMPO」を使って化学処理する年産能力30トンの実証生産設備を導入し、サンプル供給を本格化。その一方、TEMPO処理によるCNFの酸化した表面に金属イオンや金属のナノ粒子を高密度に付着させられる特徴に注目し、15年10月に自社で抗菌・消臭効果のある銀などの金属イオンを大量に担持させた大人用紙おむつも商品化した。

■投資額100億円

 このため、実証生産設備の余力がなくなり、サンプル供給への影響も懸念される状況になってきたことから、16年度中の量産設備整備を検討している。設備能力を最大で10倍、年産300トン規模まで高める青写真を描く。立地場所は原料パルプが豊富で拡張余地がある主力拠点の石巻工場(宮城県石巻市)が有力。投資額は100億円近くになる見通しだ。

 日本製紙は自社でのCNF実用化以前に200社超にサンプルを提供。だが、「新しい素材だけに複合材としての加工は難しく、さまざまな性状でサンプル提供を繰り返している」(河崎雅行CNF事業推進室長)という。

(2016年5月5日 素材・ヘルスケア・環境)

748荷主研究者:2016/05/22(日) 20:44:48

http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160510/news20160510656.html
2016年05月10日(火)愛媛新聞
大王製紙 新素材CNF試験生産

【写真】CNFのパイロットプラントが稼働した大王製紙三島工場=9日午後、四国中央市三島紙屋町

 大王製紙(愛媛県四国中央市)は9日、植物由来の新素材セルロースナノファイバー(CNF)を試験生産するパイロットプラントを同市三島紙屋町の三島工場内に設置し、稼働を始めたと発表した。工場で生産するパルプからCNFを製造する最適な過程を研究し、低コストの製造方法確立を図る。2020年に商業プラントを建設し、事業化を目指す。

 発表によると、パイロットプラントは4月から稼働しており、CNF生産能力は年間最大100トン。投資額は3億円超。

 CNFは紙原料のパルプなどをナノレベルまで細かく解きほぐしてつくるが、実用化には製造コストの大幅低減が課題。現在は1キロの製造に数千円かかるといい、国は20年に1000円、30年に500円に下げる目標を掲げている。

 大王は、薬品などを用いた前処理工程をプラントに追加設置し、電力だけでほぐす従来方法に比べエネルギー使用量を10分の1に削減する実証を6月に始める予定。樹脂やゴムなどに混ぜて使うのに適したドライパウダー状CNFの供給に向け、17年春に乾燥設備も設置する計画だ。

749荷主研究者:2016/06/06(月) 22:58:24

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160519_12030.html
2016年05月19日木曜日 河北新報
<日本製紙>木材パルプから新素材大量生産へ

パルプ(右)を化学処理でナノレベルまで細かく解きほぐして液状にしたCNF

 日本製紙(東京)は18日、木材パルプから取り出す新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を大量生産する設備を石巻工場(石巻市)に導入すると発表した。年間生産能力は国内最大の500トンで、来年4月に稼働を始める。

 CNFは木材パルプに特殊な化学処理を施して製造する繊維。髪の毛の1万分の1の細さで、結晶性が高くて強度があり、熱による変形が少ない特性がある。

 表面に金属イオンが大量に付着する性質があり、消臭効果を高めた紙おむつの素材として実用化されている。粘性や滑らかな触感を生かし、化粧品や日用品、透明フィルムなどの添加剤として幅広い活用が期待される。

 技術的なハードルは高いが、樹脂に混ぜて自動車部品の補強材としての用途も検討されているという。

 需要拡大を想定し、同社は石巻工場で大量生産できる体制を組む。設備投資額は16億円で、将来的に20人程度の新たな雇用を見込んでいる。

 石巻工場の煙山寿工場長は「発展性、将来性が魅力の新素材。石巻が東日本大震災から復興するのに歩調を合わせ、力強く前に進みたい」と話した。

 同社は2007年からCNF製造技術の開発に取り組み、13年11月に山口県の岩国工場に年間生産能力30トンの実証設備を設置。グループ会社が世界で初めて、紙おむつなどヘルスケア商品を販売した。

750荷主研究者:2016/06/06(月) 23:19:40

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160524/bsc1605240500006-n1.htm
2016.5.24 06:13 Fuji Sankei Business i.
製紙や鉄鋼、売電事業強化 国内縮小の中、新たな収益源に

昨年6月に稼働した日本製紙八代工場のバイオマスボイラー=熊本県八代市【拡大】

 素材各社が相次ぎ売電事業を強化している。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の導入や電力小売りの自由化で販売機会が拡大しているのに加えて、人口減で本業の国内市場が縮小すると予想されることも取り組みを後押ししている。紙や鉄といった素材は生産に大量の電力が必要で、各社は多くを自前でまかなってきた。自家発電で培ったノウハウをいかし、新たな収益源に育てたい考えだ。

 素材の中でも売電に積極的なのが製紙業界だ。最近は、木材チップなどの原料調達ノウハウを生かしつつ、木質バイオマス(生物資源)を使った発電に力を入れている。

 日本製紙は2018年3月、300億円弱をかけて石巻工場(宮城県石巻市)に近い保有地で発電能力14万9000キロワットの火力発電所を稼働させる。石炭と木質バイオマスを燃料に使う仕組みで、来春にはタイの製紙大手とバイオマスの使用割合を高める新技術の実験にも乗り出す。

 昨年6月には、八代工場(熊本県八代市)でも5000キロワットの発電所を稼働させた。関連事業では直近で年百数十億円を売り上げているが、中期的には500億円規模に増やす考え。

 バイオマス発電は、王子ホールディングス(HD)も三菱製紙と3月に合弁会社を設立。三菱製紙八戸工場(青森県八戸市)に約240億円をかけて7万5000キロワットの設備を導入し、2019年に稼働させる。FITを利用して年間5.3億キロワット時の電気を電力会社に販売、年間約110億円の売り上げを目指す。

 王子HDは北海道と静岡で水力発電所の改修も進める。電力事業の17年3月期の売上高(見通し)は211億円で、矢島進社長は「19年度には1.5倍程度に拡大したい」と話す。

 製紙各社が売電に力を入れる背景には、国内の紙需要が少子化やデジタル媒体の普及で減るなか、多角化を進め、新たな収益源を開拓する狙いもある。

 一方、売電は鉄鋼大手も強化している。神戸製鉄所は、19〜20年度に栃木県真岡市のアルミ板工場隣接地で125万キロワットのガス火力発電所、21〜22年度に神戸製鉄所(神戸市灘区)の高炉跡地に130万キロワットの石炭火力発電所をそれぞれ建設。

 合計投資額は3000億円程度に達する見通しだが、「(電力は)長期電力供給契約を結ぶため、鉄と違って市況変動の影響を受けにくい」として、鉄鋼、機械と並ぶ、経営の柱に育てる。

 鉄鋼大手では、新日鉄住金も電源開発(Jパワー)との合弁会社が20年の稼働を目指して鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)に石炭火力発電所を建設中だ。

751名無しさん:2016/06/11(土) 10:35:02
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160610-00006237-sbunshun-soci
パチンコ、競馬、株に愛人宅購入 24億円使い切った元部長の「欲」
週刊文春 6月10日(金)7時1分配信

 食欲、財欲、色欲、名誉欲、睡眠欲――。仏教では人間の欲望をこの5つに分けて教えることがある。これらの欲望を克服していけば悟りへの道も開けてくるのだが、その真逆を一つ一つこなしていこうとした男がいる。警視庁が6月1日、北越紀州製紙の子会社「北越トレイディング」のカネを着服したとして業務上横領容疑で逮捕した同社元総務部長、羽染(はそめ)政次容疑者(60)。会社から引っ張り出した金額は、しめて24億7000万円。

「羽染は経理担当として北越紀州製紙から出向し、2000年から15年間にわたり会社のカネを着服していました。この子会社には担保などにあわせて一定金額まで自由に借り入れることができる口座があり、ここから小切手を振り出しては、換金していたそうです。この口座の存在をある時期から会社に隠し、経理書類も誤魔化していたことから、いわば内緒の『打ち出の小槌』を手に入れたようなもの。銀行側の問い合わせで昨年ようやく発覚して解雇されました」(警視庁担当記者)

 この羽染容疑者、出向当初の1999年ごろはまじめに働いていたというが、ひとつだけ、弱点というか趣味があった。パチンコだ。パチンコで作った借金の穴埋めに着服を始めたというのだ。欲の追求は、そのころから始まったという。

「当初はパチンコの借金の穴埋めで金額もたかがしれていましたが、何しろ会社が一向に気付かない。そこで競馬、株投資と段階を踏み、さらには性格もだんだん大胆になっていき、愛人を複数もうけました。愛人とは10万円単位のランチを重ね、ついにはマンションを買うまでに。周囲には『競馬で儲けた』とうそぶいていたようですが」(同前)

 ロマンスグレーの髪型に清潔な身なりで、社内ではそれなりに人望があったという。製紙業界では11年に大王製紙の御曹司がカジノに会社のカネを数十億円注ぎ込んだ事件に絡んで逮捕されたのも記憶に新しい。今回の子会社は自動車教習所の運営が主体だったとはいえ、製紙業界周辺はどうもどんぶり勘定が度を越しているようだ。

 発覚後、妻からは離婚を突きつけられた羽染容疑者。逮捕で名誉を失い、留置場で眠れぬ夜を過ごすとすれば、五欲克服までの道は意外と近いかもしれない。


<週刊文春2016年6月16日号『THIS WEEK 社会』より>

「週刊文春」編集部

754荷主研究者:2016/06/19(日) 12:01:20

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160528_12061.html
2016年05月28日土曜日 河北新報
<タカカツ>製材工場完成

高性能製材機を備えるタカカツの新製材工場

 住宅関連事業を手掛けるタカカツ(大崎市)が宮城県加美町の雁原工業団地に建設を進めていた製材工場が完成し、27日、現地で落成式があった。

 工場は敷地面積1万6500平方メートル、床面積1828平方メートル。総工費は約11億円。製材機とリングバーカーと呼ばれる皮むき機などを完備する。県産スギの丸太を年間2万立方メートル加工する計画。住宅約400棟分に相当する。8人の従業員は新規採用した。

 製材機は、センサーで丸太の形状や重さを測定し、柱1本と板4〜6枚を一度に製材できる高性能タイプを県内で初めて導入した。1分間に丸太3本の加工が可能。加工時に出るチップは製紙工場で原材料として使われる。おがくずは畜産農家に提供する。

 タカカツは住宅建築やリフォーム、建築材の販売、プレカット加工などを手掛ける。高橋勝行会長は落成式で「製材工場の完成で、住まいの川上から川下まで一貫して担えるようになった。地元の森林資源活用と環境保全、雇用創出にも貢献できる」と話した。

757とはずがたり:2016/06/27(月) 19:56:10
大王のクソめ,第三極は絶望的じゃあないか。もうアリエールかわねえ。あれ,なんか違うぞと調べたらエリエールだった(;´Д`)

まあ王子にはこのまま商事と王子の橋渡しの役割を果たして貰って王子を世界企業として成長して貰う方がいいのかねぇ。。

758とはずがたり:2016/06/27(月) 20:58:14
>>756>>750
知らんかった,ではなくて忘れてた。。王子は江別15MW・富士28MW・日南15MWでそれぞれバイオマス発電進行中
八戸は75MWと大きめ。持ち分は55%だから41.25MW。併せて99.25MWとなる。

三菱製紙、売電事業に参入 王子HDとバイオマス発電所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1227192268/2295

三菱製紙、王子HDと共同バイオマス発電事業
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1227192268/2236

760荷主研究者:2016/07/17(日) 11:24:18

http://www.kensetsu-sinbun.co.jp/menu/Daily_kensetsu_jyouhou.htm
2016/06/30 建設新聞
宮城野区仙台港北・山伝商店 仙台港工場・延べ3562㎡の新築
日本建設の設計・施工で9月着工めざす

 古紙回収などの山伝商店(仙台市若林区卸町東1の9の37 山田和広代表取締役)は、仙台市宮城野区仙台港北で「仙台港工場」(仮称)の新築を計画しており、日本建設の設計・施工を決め、9月にも着工する。

 建設場所は仙台港フェリー乗り場の北側に位置する仙台市宮城野区仙台港北2の15の1ほか地内の敷地7261.35㎡。計画ではここにS1F延べ3562㎡の工場を建設する。用途は倉庫・事務所となる。

 完成時期は2017年3月末をめざすとしている。

 なお、同社は津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)の第5次公募採択事業者に選定されている。

2016/06/30付一面に掲載

761荷主研究者:2016/07/23(土) 12:33:01

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00391274?isReadConfirmed=true
2016年7月4日 日刊工業新聞
特種東海製紙、特殊紙の輸出拡大 19年度海外売上率40%超へ

ガラス合紙は製造工程で常に入念な検査を実施

 特種東海製紙は2019年度までに特殊紙事業の海外売上高比率を、15年度実績比10ポイント増の40%超へ引き上げる。同事業では15年度に220億円を売り上げており、海外向けは薄型ディスプレー(FPD)用ガラスの輸送・保管時に使われる合紙(機能紙)が大半を占める。同製品の輸出拡大とともにファンシーペーパー(意匠紙)を中国など海外市場に展開し、特殊紙事業で19年度に250億円を売り上げて海外比率40%、100億円を目指す。

 製紙業界は国内紙市場の縮小を受け、海外展開へ動いている。特種東海も6月24日付の組織変更で「海外事業本部」を設置し、三菱商事のドイツ現地法人社長を務めていた柳川勝彦氏を取締役海外事業本部長として迎え入れた。競合他社と差別化できる製品として特殊紙に焦点を絞り、海外市場展開を進める。

 ガラス合紙は極限まで紙に混入する異物を排除し、ガラスの間に挟み込んで表面を保護する特殊機能紙。特種東海はFPD用で70%以上の世界シェアがあり、「新規顧客との取引も始まり、さらなるシェアアップが見込める状況にある」(松田裕司社長)という。

 一方、ファンシーペーパーは抄紙時に染色繊維を混ぜ込んだり、エンボス加工したりして意匠性を持たせた特殊印刷用紙。装丁やパッケージが主用途で、偽造防止や耐水・調湿といった機能紙とともに特殊紙事業の柱になっている。中国や東南アジア諸国で経済発展に伴い市場性が高まっており、資本・業務提携先の台湾メーカーの代理店網を通じ、まず中国市場へ展開することを決めた。

 「提携先の販売ルートを生かせる中国を足がかりに偽造防止用紙などの機能紙を含め、海外事業展開を推し進める」(同)方針だ。

(2016年7月4日 素材・ヘルスケア・環境)

763荷主研究者:2016/07/30(土) 13:02:26
>>615 >>694
http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00392996?isReadConfirmed=true
2016年7月18日 日刊工業新聞
ニュース拡大鏡/日本製紙、石炭灰加工品を初受注 東栄コンクリに30トン

コンクリート混和材「CfFA」を使って製作された縁石ブロック(側面にCfFAのロゴマークも)

 日本製紙は自家発電用ボイラの副産物、フライアッシュ(石炭灰)の有効利用に乗り出した。フライアッシュを加工して製品化したコンクリート混和材「CfFA(カーボン―フリー・フライアッシュ)」を初受注。コンクリート2次製品メーカーの東栄コンクリート工業(山形市)に初期ロットとして30トンを納入した。CfFAはコンクリートの耐久性を高める効果があり、東栄コンクリートは塩害の影響を受けやすい縁石ブロックなどの土木資材に使っていく。(編集委員・青柳一弘)

【地産地消で削減】

 原料となるフライアッシュは、日本製紙石巻工場(宮城県石巻市)にある火力発電設備の副産物。これまでほとんど最終処分されていたが、大分大学発ベンチャーのゼロテクノ(大分市)の技術を導入し、石巻工場内に加工プラントを設置して2016年4月に本格操業した。通常、フライアッシュに5%程度含まれる未燃炭素分を加熱改質により1%以下に抑え、生コンクリートに混和した際の品質管理を容易にしている。トンネルなどの現場打設工事を含め、震災関連の復興工事に幅広く適用してコンクリート構造物を高耐久化し、同時に“地産地消による廃棄物削減”を実現する狙いだ。

【東北大が参画】

 CfFAの事業主体として設立した日本製紙MFA東北有限責任事業組合(仙台市青葉区)には、地域への普及と使用条件に則した施工のため東北大学大学院工学研究科の久田真教授が参画。東栄コンクリートは久田教授を通じてプレキャストコンクリートへの適用を検討し、採用を決めた。

【流動性増す】

 同社はセメントの15%程度をCfFAに置き換えて縁石ブロックなどを製作。CfFA30トンはコンクリート2次製品で約1200トン分になる。「現状では原材料費(生コンクリート)で約6%のコストアップになる。だが、CfFAを使うと打設時の流動性が増す効果もあり、生産効率改善でかなりカバーできる」(新田裕之社長)としている。

(2016年7月18日 素材・ヘルスケア・環境)

764荷主研究者:2016/07/30(土) 13:05:40

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160720/bsc1607201724012-n1.htm
2016.7.20 17:24 Fuji Sankei Business i.
参院選で紙の需要が急増 6月の国内出荷、27カ月ぶりプラスに

 日本製紙連合会(製紙連)が20日発表した6月の紙の国内出荷量は、前年同月比1.8%増の112万トンと、27カ月ぶりにプラスとなった。製紙連では、参院選でポスターやパンフレット向けの需要が増えたことや、低調に終わった昨年の反動増が要因とみている。

 紙と板紙の合計の出荷量も、2.0%増の207万5000トンと2カ月連続で増えた。製紙連の馬城文雄会長(日本製紙社長)は同日の会見で、「いい方向には向かっているが、構造的に良くなっているわけではなく、状況をみていく必要がある」と述べた。

766とはずがたり:2016/08/15(月) 08:48:57

前から気になっているサイズ剤という名前だけどsizeだそうな。調べたかったのはサイズの方だったけどagentに剤って意味もあるのか?

サイズ剤(sizing agent)
http://www.kpps.jp/papermall/knowledge/YOGO/KNP0000062

紙に筆記性や印刷適性、軽度の耐水性をもたせるために添加する薬品の総称。酸性抄紙に用いる酸性サイズ剤と中性抄紙に用いる中性サイズ剤があり、添加方法によって内添(パルプスラリー中に添加)および表面(コーター、サイズプレス、カレンダーなどで塗工)サイズ剤に大別される。酸性抄紙においては主にロジン系サイズ剤が用いられるが、近年は弱酸性?中性領域での抄紙に対応したタイプも開発されている。また、中性サイズ剤としてはAKD(アルキルケテンダイマー)系やASA(アルケニル無水コハク酸)系のサイズ剤が用いられる。

出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社


寸法剤って何だと思ったけど英辞郎に拠るとsizeに
>サイズ、陶砂◆織物や紙のにじみ止め用の糊。でんぷん、膠などをゼラチン状にしたもの

とある。
何と日本語があるとわ。陶砂とはなかなか素敵な感じだw

更に陶砂を調べると<どうさ>と音(よ)むらしい。

大辞林 第三版の解説
どうさ【礬水・礬砂・陶砂】
https://kotobank.jp/word/%E7%A4%AC%E6%B0%B4%E3%83%BB%E7%A4%AC%E7%A0%82%E3%83%BB%E9%99%B6%E7%A0%82-338514
膠にかわとミョウバンを溶かした水。紙などに引いて,墨・インク・絵の具のにじみ止めとする。

767荷主研究者:2016/08/28(日) 16:11:04

http://toyokeizai.net/articles/-/114559
2016年04月20日 東洋経済
また震災被害の日本製紙、今度は早期再開へ
八代工場の復旧を急いだ理由とは?

大滝 俊一:東洋経済 記者

 東日本大震災では主力工場の一つ、石巻工場(宮城)が津波で壊滅状態となり、製紙業界で最悪の震災被害を受けた業界2位の日本製紙。今回の熊本地震でも、熊本県八代市にある八代工場が被災している。

 地震の影響により、紙を造る巨大設備である抄紙機(しょうしき)の全機稼働停止を余儀なくされた。4月15日中には4台ある抄紙機がいずれも再稼働に至ったが、16日未明の“本震”で再び全機が停止する。余震や悪天候が続く中で手こずったものの、19日には新聞用紙向け抄紙機を皮切りに再度の稼働へのメドをつけた。数日内に、4台すべての再稼働にこぎ着ける公算だ。

 最初の抄紙機が再稼働するまで半年かかった石巻工場に比べ、八代工場の再稼働は数日単位。日本製紙は「同じ震災でも性質が違う。石巻は津波で動力部分が全滅し、がれきも流れ込んだ。石巻でも地震後は抄紙機を止めたが、津波がなければスムーズに再稼働できたはず」と説明する。

■新聞用紙では九州唯一

 日本製紙にとって、石巻工場と八代工場には復旧を急がねばならない共通点があった。

 石巻工場は、印刷・情報用紙の生産量では、北越紀州製紙の新潟工場(新潟)や大王製紙の三島工場(愛媛)に次ぎ、国内有数の規模。中でも単行本、文庫本、コミック本向けなどの「出版用紙」は大きなシェアを誇る。

 東日本大震災では、石巻工場同様に出版用紙でのシェアが大きかった三菱製紙の八戸工場(青森)も稼働停止となったため、『週刊少年ジャンプ』が発行延期に追い込まれるなど、出版業界に大きな影響を与えた。

 一方、八代工場は印刷・情報用紙の生産量では日本製紙内で四番手にすぎず、同じ九州域内でも王子製紙(王子ホールディングス傘下)の日南工場(宮崎)や中越パルプ工業の川内工場(鹿児島)と、規模は大して変わらない。

被災した八代工場の全景

 しかし、新聞用紙の生産拠点としては、八代工場は九州で業界唯一の存在だ。地元の新聞業界への供給責任を果たすためにも、まずは新聞用紙向けの抄紙機を立ち上げることは不可欠だった。

 今回の熊本地震の業績に対する影響について、日本製紙は「現時点で不明」と発表。八代工場は建屋に若干の損傷を受けたものの、「窓が外れるなど、抄紙機の再稼働には影響しない程度のもの」(同社)という。

■業績への影響は限定的か?

 抄紙機は通常、一度止めると再開までに時間がかかり、生産効率も落ちるため24時間動かしている。それを今回、一時的に止めたことによる生産ロスなどが発生した可能性はある。ただ、直接的な損失は、東日本大震災時の820億円(2011年3月期〜2012年3月期に計上した震災損失特損の合計額)に比べれば、極めて限定的な金額にとどまりそうだ。

 八代工場の再稼働のメドはついたものの、今後大きな余震があれば再度の稼働停止となる可能性もある。万一、稼働停止が長引いた場合は、北海道の釧路工場がバックアップ体制を取って、新聞用紙の供給責任を果たすことになりそうだ。

 また、生産再開にこぎ着けても、製品を顧客にスムーズに届けられない事態もありうる。九州域内での物流はトラックが主流だが、高速道路も一般道も寸断される中、物資の輸送は生活必需品が優先されており、「物流の手配には苦労している。消費地の倉庫にある在庫も使いつつ、運べるものは運んでいく」(同社)という。

 八代工場の生産活動が正常化するには、今しばらくの時間が必要といえそうだ。

768荷主研究者:2016/08/28(日) 16:25:14

http://mainichi.jp/articles/20160806/k00/00m/020/119000c
毎日新聞 2016年8月5日 20時36分(最終更新 8月5日 20時36分)
ユニ・チャーム
乳幼児用紙おむつの新工場  福岡・苅田

 衛生用品メーカー、ユニ・チャームは5日、福岡県苅田町に乳幼児用の紙おむつなどを製造する工場を新設すると発表した。2018年夏の稼働開始を目指す。投資額は非公表。国内工場の新設は1993年以来で、九州・山口への進出は初めて。「メード・イン・ジャパン」の信頼が高い中国などアジアでの需要の高まりに応じ、生産体制を強化するのが狙い。

 同社は今年10月、周防灘に面し苅田港に近い福岡県の工業団地にある約16万平方メートルの土地を約35億円で取得する予定。新工場は輸出拠点としての役割を担う。紙おむつのほか、生理用品などの生産を検討している。従業員数は未定。

 同社によると、同社のベビーケア関連商品はアジアでシェア1位。同社は上海など中国の3都市に工場があり、紙おむつは日本と同じ「ムーニー」や「マミーポコ」のブランドで生産している。

 だが、特に中国で日本製のニーズは高く、同社製品の中国への輸出は今年上半期で前年同期比30%増加。訪日中国人観光客による紙おむつの“爆買い”などが一時話題になった。【石田宗久】

770荷主研究者:2016/08/31(水) 22:40:33

http://www.kensetsu-sinbun.co.jp/menu/Daily_kensetsu_jyouhou.htm
2016/08/19 建設新聞
宮城野区港2・中国木材 荷捌工場・S1F1万3425㎡の新築
東亜建設工業の施工で12月末の完成めざす

 中国木材(広島県呉市広多賀谷3の1の1 堀川智子代表取締役社長)は仙台市宮城野区港2丁目に「中国木材東北センター荷捌工場」(仮称)の新築を計画しており、東亜建設工業の施工を決め、着工した。

 建設用地はキリンビール仙台工場の東側で同社敷地内となる仙台市宮城野区港2の1の2一部地内の敷地2万3425.62㎡。計画によると、ここにS1F延べ1万3065.82㎡の荷捌き工場を建設する。完成は12月末を予定している。

 なお、設計は魁設計(仙台市青葉区)が担当した。

2016/08/19付一面に掲載。

772荷主研究者:2016/08/31(水) 22:48:01
>>771
http://www.sankeibiz.jp/business/news/160819/bsc1608190500002-n1.htm
2016.8.19 05:00 Fuji Sankei Business i.
日本製紙、島根に新繊維量産設備

 日本製紙は18日、植物由来の新繊維「セルロースナノファイバー」の量産設備を江津事業所(島根県江津市)に設けると発表した。投資額は約11億円で、2017年9月の稼働開始を予定している。当面の生産量は年間30トン、将来的には100トンを目指す。生産するセルロースナノファイバーは食品や化粧品に粘り気を持たせる添加剤として販売する。セルロースナノファイバーの量産設備は石巻工場(宮城県石巻市)に続き日本製紙として2カ所目となる。

774とはずがたり:2016/09/16(金) 16:02:10
創業家の元社長と和解=顧問解嘱めぐる訴訟―大王製紙
時事通信 9月15日(木)21時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160915-00000159-jij-bus_all
 大王製紙は15日、創業家の井川高雄元社長が顧問を解嘱されたことをめぐり同社に賠償を求めた訴訟で、和解が成立したと発表した。和解では、井川氏が同社の発展などに貢献したことに会社側が謝意を表し、顧問契約が円満に終了したことを確認した。井川氏側の弁護士によると、同氏も自身の名誉が回復したと判断した。

775荷主研究者:2016/09/22(木) 12:14:17

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00398862?isReadConfirmed=true
2016年9月7日 日刊工業新聞
日本製紙、酸素・香り通さない紙製包材を量産へ 水系塗工で環境負荷低減

シールドプラスを使った各種パッケージの試作品

 日本製紙は水系塗工により酸素や香りを通さないバリアー性を付与する紙製包材「シールドプラス」の量産加工技術を確立した。原紙に特殊顔料と水溶性樹脂を混ぜた塗工液をコーティングすることで空隙(くうげき)を埋め、バリアー性を持たせる。化石資源由来のバリアーフィルムの機能を代替し、各種パッケージの環境負荷を低減する。10月4日から東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる東京国際包装展「TOKYO PACK 2016」に出展し、サンプル供給を始める。

 シールドプラスは印刷用塗工紙の製造技術を応用し、加工にも抄紙機に取り付けられている既存の塗工設備(コーターヘッド)が使える。パッケージの包材は用途により、アルミ箔や各種フィルムを多層構造にしてバリアー性を確保しており、紙自体にバリアー性を付加することで構造を簡素化できる。

 顧客の環境負荷低減ニーズの高まりに応えるとともに、紙製品の付加価値向上を狙った。コストについては「サンプル供給段階では同じ性能の既存品よりも割高になってしまうが、量産時には同等レベルに抑えられる」(内村元一企画本部パッケージング・コミュニケーションセンター技術調査役)としている。

 また、紙が基材(重量比50%以上)になると、容器包装リサイクル法に基づいて課金される重量当たりの再商品化委託単価がプラスチックよりも低くなる。各種加工食品メーカーのほかファストフード店(テークアウト用)、トイレタリー分野にも訴求していく。

(2016年9月7日 素材・ヘルスケア・環境)

780荷主研究者:2016/10/29(土) 15:27:08

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00403094?isReadConfirmed=true
2016/10/14 05:00 日刊工業新聞
北越紀州製紙、CNFをサンプル供給 不織布・多孔体の2形態

 年内にもサンプル供給を始めるCNF(エアロゲル㊨とガラス繊維シート複合体)

 北越紀州製紙は次世代のバイオマス素材として注目されるセルロースナノファイバー(CNF)について、年内にもガラス繊維シート(不織布)との複合体およびエアロゲル(多孔体)の2形態でサンプル供給を始める。研究所でA3判(297ミリ×420ミリメートル)までのシート材加工と親指大のエアロゲルを作製できる体制を整えた。17日に静岡県富士市のふじさんめっせで開かれる「第2回CNFサンプル企業展示会」(日刊工業新聞社など後援)で初公開する。

 CNFは木質繊維(パルプ)を処理してナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで細かく解きほぐしたもの。セルロースミクロフィブリルと呼ばれる最小単位の繊維素は直径が髪の毛の1万分の1、3ナノ―4ナノメートルしかない。鉄鋼に比べ5分の1の低比重(1立方センチメートル当たり1・5グラム)で同等の曲げ強度と、5―8倍の引っ張り強度を備える。樹脂やゴムの補強材(複合材)として大きな期待を集めている。

 ただ、CNFは親水性が高いため扱いにくく、製紙大手などが始めたサンプル供給は水の中に1―2%分散させたゲル状や、添加剤を混ぜた粉粒体が中心。親水性がネックとなって、複合材の用途開発も遅れているのが実態だ。

 こうした状況を踏まえ、北越紀州はエアフィルター濾材に使われる自社製品のガラス繊維シートとCNFを複合化。ガラス繊維の隙間にCNFをクモの巣状に張り巡らし、ナノサイズまで捕集性能を高めた。「従来、はがき大のシートまでしか加工(複合化)できなかったが、A3判に対応したことでフィルターユニットに取り付けた実証試験が可能になる」(根本純司北越紀州製紙研究所主任研究員)としている。

 一方、比表面積が極めて大きくなるCNFエアロゲルは超高性能の断熱材や触媒の担持体、吸着材への利用を想定。分散媒として水に親水性のアルコールを混ぜ、乾燥時のCNF凝集を防いでスポンジ状のエアロゲルを作製する。

(2016/10/14 05:00)

782荷主研究者:2016/11/12(土) 18:51:40

http://www.sankeibiz.jp/business/news/161024/bsc1610240500003-n1.htm
2016.10.24 05:00 Fuji Sankei Business i.
シャンプー詰め替え30秒以下で 日本製紙「革命的パッケージ」が話題

日本製紙の詰め替え容器「SPOPS(スポップス)」。シャンプーを30秒以下で移し替えられる【拡大】

 日本製紙が、新タイプのシャンプー用詰め替え容器を10月から販売し、話題を集めている。「詰め替え」というより、「差し替え」に近く、中身を素早く移し替えられるのが特徴だ。紙はプラスチックなどの石油由来の素材を使わず、環境にやさしい。「パッケージの革命」と自負する同社は、シャンプー以外の用途開拓も図る構えだ。

 「生活者のみならず、メーカーや流通業界の関係者にも価値を提供し、環境にも配慮した開発を進めてきた」

 日本製紙の金子知生パッケージング・コミュニケーションセンター長は、販売を始めたシャンプー詰め替え容器「SPOPS(スポップス)」の出来栄えに胸を張る。

 スポップスは、ポンプ付きの専用ボトルと、牛乳パックに似た詰め替え用の紙パックから成る。最初にボトルの下側を引き抜いて分割し、上下逆さまにした紙パックをセット。後はボトルの上側にはめ込み、再び合体させるだけで、中身の入れ替えが完了する。

 詰め替え容器の底の部分には特殊加工が施され、あたかもストローをさすように、力を入れなくてもポンプを突き通せる。

 現在の方法では、パウチと呼ぶプラスチック製詰め替え容器の端を切り、ボトルに自ら注ぎ入れることが多い。しかし、この方法だと注ぎ終えるまでに時間がかかるうえ、手元が狂ってこぼすことも少なくない。これに対し、スポップスは約4分の1の30秒以下で済む。

 シャンプーの中身は、シャワーを浴びているときに初めて、なくなったと気づくケースが多い。しかし、中身を移し替えようにも、大抵は手が滑って手元が狂いやすい。スポップスはそうしたイライラとも無縁だ。

 一方、環境負荷が少ない点でもスポップスは優れている。箱形で、段ボールに隙間なく詰めることができるため、パウチに比べて必要なスペースが容積ベースで45%も少なく、二酸化炭素(CO2)の排出を削減できる。紙に置き変わることで化石資源の使用量も減らせる。

 同社は今年4月、紙容器を含むパッケージ事業を強化するため、社内に「パッケージング・コミュニケーションセンター」を新設。スポップスはこの部署から生まれた。製紙業界は、電子媒体の普及や人口減による紙需要の減少という、深刻な問題に直面しているが、新規需要を開拓する貴重な存在となりそうだ。


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