これまで「日本の観光列車」といえば、水戸岡鋭治氏のデザインした車両が主流だった。たとえば、「ななつ星 in 九州」を頂点とするJR九州の観光列車戦略は、水戸岡氏の斬新な車両デザインと客室乗務員の“おもてなし”が両輪となって成り立っている。「ゆふいんの森」「海幸山幸」「いさぶろう・しんぺい」など彼のデザインした観光列車が、九州全域を走り回る。
このラウンジのデザインも「TRAIN SUITE 四季島」の車両と同じ、奥山清行さんが代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当します。奥山さんは高級スポーツカー「フェラーリ」などのデザインで知られるほか、秋田新幹線E6系「こまち」や山手線の次期車両E235系のデザインにも関わっている人物です。
また「TRAIN SUITE 四季島」の車内で提供される料理について、日本人で初めてミシュラン一つ星を獲得した中村勝宏さんが監修すること、また中村さんに師事し、「北海道洞爺湖サミット(2008年)」でも料理制作に参加した岩崎均さんが車内調理における総料理長になることも明らかにされました。JR東日本は「中村、岩崎両名の力により、こだわりを持った地域とのつながりや特別感を随所に演出した料理を『TRAIN SUITE 四季島』のお客さまにお届けいたします」と述べています。
50000形は、2005年にデビューしたロマンスカー車両。ドーム型の天井を持つ車両という意味の「VSE」(Vault Super Express)の愛称を持つ。1987年デビューの10000形「HiSE」以来となる展望席つきロマンスカーとして設計され、2016年までは各座席で車内販売の注文を受け付けるシートサービスを提供するなど、ロマンスカーの顔としての立ち位置となっていた。