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鉄道総合スレッド

8034チバQ:2020/04/27(月) 09:36:05

JR四国の「言い分」

 この経緯があるにもかかわらず、6億円の赤字を試算した2020年度事業計画である。国としては裏切られたも同然だ。監督官庁としては厳しく指導する必要がある。

 もし、あなたがプロジェクトリーダーだったら、「無理難題といえる目標を掲げさせられ、がんばった。それでもダメだった。これ以上どうすれば……」と涙目になるかもしれない。本当に同情を禁じ得ない。

 JR四国にとっても言い分はあるだろう。発足時からの環境変化は金利だけではない。筆頭は高速道路の整備だ。

 瀬戸大橋の本四備讃線開通はJR四国にとって追い風だったけれども、バスやトラックの隆盛を招いた。2000年に四国縦貫自動車道が全通し、四国横断自動車道が延伸中だ。すでに高松・徳島・高知・松山の県庁所在地は結ばれ、瀬戸大橋で岡山に通じている。

 次に人口の減少だ。1987年時点の四国4県の人口は423万人だった。しかし2017年時点で379万人と1割以上の減少だ。2030年には349万人まで減ると予測されている。高速バスに削られた乗客数は、人口推移と連動して減っていく。

 そこでJR四国は沿線人口に頼らない集客戦略を始めた。交流人口、つまり、他の地域からの観光客の誘致だ。

 そのためにJR九州で成功した観光列車を開発した。2014年の「伊予灘ものがたり」、2017年の「四国まんなか千年ものがたり」、そして2020年から運行開始予定の「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」だ。このほかに予土線では「しまんトロッコ」「海洋堂ホビートレイン」「鉄道ホビートレイン」を運行する。どれも好評だ。

 これらの観光列車はJR四国の中でも閑散区間を走っている。特に予土線は空港から離れている。観光列車に乗りに行くなら、JR四国の他の路線に乗った方が便利。つまり、観光列車は閑散区間のテコ入れとJR四国全体の乗客増を狙っている。
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JR四国に突きつけられた「残酷な処方箋」…哀しき赤字路線の行方


JR四国の経営安定化基金積み増し状況


赤字路線を切り捨てる覚悟

 ここまでやってもダメなら、筆者にとって、これ以上の本気の示し方はひとつしかないと思う。「赤字路線の廃止」だ。

 赤字路線を切り捨て、多角経営に勤しめば、JR四国の業績は向上しただろう。

 他のJRを見れば、JR北海道は発足以来、12線区と1航路(青函連絡船)を廃止し、現在、さらに「単独では維持できない路線」の廃止を検討している。すでにJR東日本は17線区、JR西日本は20線区、JR九州は10線区を廃止した。

 この廃止線区のなかには、第三セクターに移管するほか、BRTとして運行を維持している事例もある。合わせてこれだけの合理化は行われた。

 それに対して、JR四国の廃止線区は中村線と1航路(宇高航路)だけだ。中村線は土佐くろしお鉄道に移管された。これは国鉄時代に決まっていた。宇高航路は瀬戸大橋の開通にともなって廃止された。JR四国として廃止を決定した路線はない。それが冒頭に書いた「JR四国はがんばった」と称える理由だ。

 国や自治体の支援を受けるためには、事業継続性を示す必要がある。それはJR四国だけではない。他のJR、地方鉄道でも同じだ。

 たとえば滋賀県の近江鉄道は、鉄道事業を分離して自治体の支援を受けるために、使わないまま保存していた電気機関車や電車の解体撤去を決めた。鉄道ファンにとっても、日本の近代産業史にとっても貴重な資料だった。

 しかし、鉄道事業本体には直接の関係がなく、保管費用がかかる。土地も有効活用できない。無駄な資産を除却して本気を見せたわけだ。


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