…あ、御免なさい!
(今日は朝から会議が入って居ない為、護衛を2人付けてハートの女王の国Queen of Heartsに出向いていた。支配者の証としていつも付けているティアラを外し、たまには気分を変えてみるのも良いだろうと普段下ろしている髪を巻いて後頭部上に上げ結び白い大きなリボンで留めた。淡いピンク色が基調のフリルやリボンがあしらわれた膝丈のドレスに編み上げの茶色いブーツを履いて。護衛も軍服等では無く用意した燕尾服を身に纏い、3人並べば「何処かの高貴なお嬢様と執事」という様な感じで変装は完璧。馬車に数十分揺られ昼前に到着した其処で、白い日傘を片手に買い物を楽しんでいた。街の中に咲き乱れる薔薇の花に活気溢れる街の中、護衛が後ろで眼を光らせて居るのも知らず足取りは軽やかに眼を輝かせながら辺りを見て回る。赤、白や黒が目立つ其の国の中で其の姿は住民達の視線を引くもので。そんな事は気にせず良さげな店を見付けては覗き買い物をし、見付けたカフェでアイスを食べたりと支配者という肩書きを捨て1人の少女として楽しんで居た。護衛に買った物を持たせ次に向かう先は――、とふと目に留まったのは小さい雑貨店。店先には装飾品がずらりと並んでおり、近付けば目移りしてしまう。其の中でふと見つけたのは羽と宝石のチャームがついたペンダント。どうやら手作りらしいが凝った作りで細かく装飾が施されている。他のものも見てみたものの其れが脳裏に焼き付いて居た、言わば一目惚れ。まだまだお金は有るし――、と其れを手にすれば購入しようと店内へ入ろうとし、近くに立っていた人物にぶつかって振り向き)