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竜神信教スレッド

1言理の妖精語りて曰く、:2007/08/07(火) 19:19:22
竜神信教に関する記述を行うスレッドです。

2言理の妖精語りて曰く、:2007/08/07(火) 19:30:28
カンダル・ミント「竜神信教は、竜神信仰の中でも最も謎めいた宗門である。」

3言理の妖精語りて曰く、:2007/08/07(火) 20:27:10
九柱の創生竜

一位 界竜ファーゾナー
二位 調停竜エル・ア・フィリス
三位 守護竜クルエクローキ
四位 威力竜オルゴー
五位 龍帝ガドカレク
六位 矛盾竜ロワスカーグ
七位 魔竜レーレンターク
八位 焔竜メルトバーズ
九位 大機竜オルガンローデ

4言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 00:38:36
「んあ〜電波が伝播してきたきたきたー。 ピコペコポ」
ゆらゆらと。危うい足取りで板張りの廊下を渡る巫女姿。右袖に矛、左袖に盾の意匠が描かれた、
真紅を基調とした派手な色の礼服。頭部に束ねられたお団子頭に小さめの鈴が幾つかつけられ、
巫女の少女がゆらふらと歩むたびにりんりんと軽やかな音を鳴らしている。
「ナット! ナットとボルトがポニーでぎゅんぎゅん!! ドキッ! 巫女さんだらけの大運動会?!」
まともな理性が存在すれば決して言わないであろうその奇怪な言動の数々。しかし通路を擦れ違う人々はそんな
巫女には頓着せず、さも当然の日常であるかのように無視して通り過ぎていく。
否、その中には少なからず「かかわりたくない」という意思が隠れているようだが、しかし。
周知であった。
その少女が、電波なるものを常に受信し、奇々怪々な言動を繰り返す竜神の巫女のひとりだということは。
「ぴこぴこ、納豆パンおいしいよピコピコ」
「六位様っ」
鋭い声。背後から駆け寄ってくるのは、年若い青年だった。少年を出たばかりといった軽やかでいて幼げな風貌、
変声がなされなかったかのような高い声域、女性と見紛うばかりの美貌。
その黒生地の男装がなくば、彼が巫女を守護する従者であることなど誰も思い至るまい。
「いけません。 勝手に出歩いては皆に迷惑がかかりますよ。 さ、帰りましょう」
「おやつがオレンジドーナッツ?」
「ピポパ。おやつはおまんじゅうですよ」
「ぴこぴこ。行く行く」
奇妙な言動にも慣れたもので、冷静に対処する従者。
名を持つことを許されぬ竜神のしもべ、九頭竜の巫女たちはその位階か役職で呼ばれる。
しかし、従者たる青年には名前があった。
彼の名前は・・・・

5言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:07:49
六位の巫女。矛盾竜ロワスカーグの巫女。

矛と盾。攻撃と防御、破壊と維持、戦いの象徴たる竜と交信する巫女。
余りにも優秀な交信能力ゆえに、常時簡易竜接中の巫女になってしまった。
竜覚状態になったときの安定度は最も高く、常時軽度の竜覚になっているといっても
過言ではない。
電波を発することで周囲の人間の闘争能力を高めることができる。
cp/40 指定範囲(12マス):DEF25%up ACT25%up

初っ端がロクィたんという罠
界竜の巫女やクィもよろしくなんだぜ。

6言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:41:19
>>5
続きに期待

7言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:42:48
cpってなんだ?

8言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:51:08
>>7
巫力。
訳は適当に考えてください。

誰か他の巫女のことも書いてあげてください。一位とか九位書いてた人まだいるかなあ。
ハミハミ。

9言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:54:04
巫力が変換できんw
巫、ってどう読むんだ

10言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:55:50
たぶん「ふりょく」。
でもうちのIMEだと変換できない。

11言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 01:57:50
>>10
オレのPCもできない。
常用漢字なんだよな?

12言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 02:10:07
「ぬこきゃわいいよぬこ」
「いや貴方仮にも竜神の巫女でしょう」
「ぬこー。 ぴこぴこ」
「おーい」
「猫神の巫女に転職する!」
「やめなさい」

13言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 16:31:15
巫力は「みりょく」とも読める。

14言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 20:49:30
巫女たちは自らのみりょくを代償に力を行使する。
彼女達が力を振るえば振るうほど、その身はやつれ、老いていくのである。

15言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 20:52:25
>>14は若者にしか興味がないと見える。

16言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 20:53:47
ふむ。
やつれ老いたものに「みりょく」が無い、とする理由は無いな。

17言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 22:12:46
竜神信教のとある神官はとてつもないロリータコンプレックスであった。
彼は巫女たちの特殊な能力を解き明かすのに多大な貢献をしたが、
その研究はひどく彼の思想に影響を受けていた。
彼は、老いた者にはみりょくは存在しないと断言し、力を使い果たし衰えていく
巫女たちを容赦無く切り捨て、新たな若い巫女を次々と登用し、ついには巫女の候補を
養成する機関まで設立してしまったのだ。

18言理の妖精語りて曰く、:2007/08/08(水) 22:33:54
「ねえ、パトゥーサって知ってます?」
「・・・異教の太陽神でしたね。 自然崇拝のひとつの形であり、また非常によくある人名でもあると理解していますが、それがなにか」
「いやさ、それがなんか、最近本殿の近くにその信者たちが集まってきてさ、すっごいバッシングを」
「? 何故そのようなことが?」
「うん。なんか、この土地は古来より至高神パトゥーサのものであり、竜神などという不確かなものを崇める者が居ていい場所ではない、
うんたらかんたら、うんぬん」
「・・・・・・なんです、最後のは」
「いや私もよく聞いてなかったんだけど。 たださあ、ヤバげだよね。ただでさえ竜導師長最近キレ気味なのに」
「確かに、それは私も感じていた事です。此度の竜零祭、あるいは大荒れになるやもしれません」
「うわーやっだなあ。めんどくさいー」
「まあ、大丈夫ですよ。 いざとなれば我らが何とかします故」
「きゃーかっくいー、惚れちゃいそう、火傷するぜ!」

19言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 02:22:21
「…えっと、最近、他信教の方の抗議運動が頻繁で、本当に参りますね」
「そうですか」
「その所為で、竜導師長様も機嫌が悪くなる一方ですし」
「そうですか」
「…そ、そういえば、あの騒がしい少年を最近見ませんね」
「そうですか」
「え〜と、なんていったかな、一位様と仲の良い…」
「閃樹さん」
「……え?」
「名前、閃樹さんです」
「あ、そうなんですか…数日前、この門から急いだ様に出て行ったんですが…あ、彼とは親しいのですか?」
「いえ、まったく面識無いです」
「は、はあ、そうなんですか…あ、でも、名前は知っているんですね」
「先日、八位さんと九位さんが噂していました」
「噂、ですか?」
「何でも閃樹さんを近頃、見かけないのは浮気相手に会いに行っているからだと」
「う、浮気!?」
「男性は目を離すと、すぐに浮気をするから頻繁に会って監視していなければと…」
「え、ええ!? いや、そんな事は…というか、えっと閃樹君?も、浮気目的で居ない訳じゃないですよ多分」
「そうですか」
「え、ええ…何となく、そういう雰囲気ではなかったので…いえ、まあ確信は出来ませんが」
「そうですか」
「……えっと、もしかして信じてません?」
「いえ、護弥さんが言うのなら、そうなのでしょう」
「……」
「どうしました」
「あ〜、いえ、自分なんかの名前を巫女様が知っていたのが少し以外で…」
「……人の名前を覚えるのは得意です」
「は、はぁ、なるほ…ど?」
「………」
「えっと……」
「……時間です」
「えっ?」
「今日は帰ります」
「あ、はい、お気をつけ…って、もう行っちまったかぁ、しかし毎日毎日こんな場所に巫女様が何の用なんだろうなぁ…」
「お〜い、護弥、そろそろ交代の時間だぞ!」
「ん、ああ、もうそんな時間か、そんじゃ、今日もお疲れ様でしたっと…」

何故かある日を境に、正門前に頻繁にやって来ては決まった時間まで、そこに居座るという謎の行動をとる三位の巫女と、そんな彼女に微妙に困惑気味な門衛の青年とか。

20言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 12:41:26
三位は他人の言う事を何でも鵜呑みにしてしまう素直な娘
あと、無表情属性持ち、でも無感情では無い。

口癖は「そうですか」

21言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 12:54:54
門番の方は名前が無くてもいいんじゃ。新ジャンルの「男」みたいに「彼」「あいつ」「貴方」「門番」などで一括するとか。

22言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 12:55:29
竜神の巫女達のキャラがいまいち判らないんですが

23言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 14:36:05
>>22
自分で決めればいいと思うよ
・・・とか言うと意味が無いので、とりあえずまとめ。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1149017164/56
ここを参照してみてもいいかもしれない。

一位 界竜の巫女 九頭竜の巫女のリーダー格。祭儀や対外向けの活動の際に面に出て活動する。冷静沈着で自他共に厳しく、常に敬語。
その発言の一つ一つが巫女のイメージそのものを左右しうることを自覚している為、滅多に己の意思を見せず、竜神信教の教義に乗っ取った杓子定規な意見しか述べない。
そのことから、信教の狗だの鉄面皮の人形だのと揶揄される事が多い。また極めて優秀な武人でもあり、界竜より賜った特殊な異能を保有する。

二位 調停竜の巫女 生真面目で潔癖。仕切り屋で感情的。教義から外れた事を何より嫌う、典型的な「竜的信者」である。竜神信教の教義を過度に盲信する傾向があり、
その点では理想的な信徒といえるのだが、たまに信仰が行き過ぎて暴走する事もある。何よりも秩序を重んじる。 ちなみに視力が悪い。

三位 守護竜の巫女 >>20  追記:写真記憶の能力を持つ。 語学に堪能であり、喋るのは苦手だが、読み書きならばほぼ大陸全土で通用するレベル。

四位 威力竜の巫女 御主たる威力竜オルゴーの敬虔な信徒。極めて優秀な交信能力を持ち、月に一度の感覚で極めて的中率の高い予言を行っていた。
御主たる威力竜の信徒らしく、自らに弛まぬ鍛錬と苦難を課し、自らを磨く事をけっして怠らなかった。尚威力竜と親交が深いとされるゼオート神群のセラティスに
対しても彼女は深い理解と信仰を持ち得ている。ヴィジターが一、虫神ダレッキノに仔の胎盤とされ、死亡した。

五位 竜帝の巫女 自分が九頭竜の巫女に選ばれた事に過度の自尊を抱いており、他の一般巫女や神官を見下す傾向にある。自らの特権的立場を誇示したり、
竜帝の権威を傘にするような発言が目立つ影には、養成機関で巫女候補生たちから嫌がらせを受けていたという背景がある。ツンデレらしい。

六位 矛盾竜の巫女 極めて高い交信能力を持った為に常時頭が竜と接続され、電波受信中な巫女になってしまった。
従者は御主たる矛盾竜ロワスカーグを一度殺したという戦士であり不信人ものであるが、矛盾竜に関しては何をしても許容されるのでOKらしい。
全ての創生竜の中でもっともいい加減な竜と巫女と従者、それが六位である。

七位 魔竜の巫女 実は竜より猫が好き。巫女たちの中では交信能力が低く、そのことにコンプレックスを抱いている。軽い鬱状態になることがあり、常に周囲に絶望しネガティブな思考を展開しては
後ろ向きなことを呟き続ける。リストカッター(縦)であり自殺未遂を幾度も繰り返しては周囲に止められる。ヤンデレらしい。
幼少のころ共に過ごした幼馴染の影響で自分のことを男性形一人称Ⅱ型(ボク)と呼称する。幼馴染とは巫女になって以来会っていないとか。

八位 焔竜の巫女 幸福感、喜怒哀楽の「喜」と「楽」が欠落した巫女。権力を欲した貴族が娘を巫女にしようと当時の竜導師の一人と癒着し、適性の無い貴族の娘が巫女着任の儀を受けてしまう。
不適格者として竜神の裁きを受けた貴族の娘は死亡し、焔竜の魂は相応しい器を求めて周囲を破壊し尽くし、最後に分娩間近の胎児の中に入り込む。母親はショックで死亡し、生れ落ちた赤子は
強引な竜性受け入れによって感情の一部を失ってしまったのだという。失った感情を埋め合わせるべく、自分の感情を偽る演技に秀でるようになった。

九位 大機竜の巫女  能天気、破天荒、アホの子。端的に言えば、子供っぽい。天真爛漫で感情豊か。明朗快活はた迷惑。戒律を破っては一位や二位の頭を悩ませている。
竜神巫女ネタはこの巫女から始まった。竜墓守ダイロとはアルキュトの如くいちゃついている。クィって呼んでいいのはダイロだけです。
ちなみにこのクィとダイロの記述が出たとき、九頭竜の巫女はじまったな、とか思った。一番好き。

24言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 15:15:06
皆表面的なキャラ付けのレベルを脱していない、というか記述が全然無いから当たり前か。

25言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 15:34:10
文化は純和風な感じがするが、西欧的な要素も大分含まれている。
煉瓦と瓦が違和感無く組み合わさった寺院は一見の価値アリ。

26言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 17:33:17
現在の竜神信教総本山を武力で侵略しようとしても無理くさいよな
一位、従者、閃樹と、伝説級の力を持つ人物が最低でも三人は居るし
廻転竜、螺旋竜、吸血竜みたいな上位紀竜とも繋がりがあるし
キャラ的に竜導師長あたりなんかが、こっそり強力な私兵集団とかを持ってそうだしw

それが分かってるから、周辺のゼオーティア教国家は口を出しても手は出さないのかも、とか。

27言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 18:04:49
実際の所少数の人間が強くても戦争で効率的に活用できるかっていったらそりゃ無理なわけで、
一位とかが強いのは象徴としての側面が強いんじゃ。
相当数の信者が各地に存在しているわけだから、当然竜神信教が国教の国もあるだろう。
そういった国を敵に回す可能性がある以上手出しは出来ないはず。
国は宗教の後ろ盾を、宗教は国の後ろ盾を得るってのはこの世界と一緒。
ただ決定的に違うのは、竜神信教が竜という種族を実際に崇めていて、味方に付けている事。
この所為である程度独立した戦力が確保できているわけで、その分だけ立場は強いんじゃないかと予想。

28言理の妖精語りて曰く、:2007/08/09(木) 18:26:32
ゼオーティア教にとって目の上の瘤のような存在である竜神信教総本山。
周りを列強国家に囲まれながらも、周辺に広がった大自然による天然要塞や
強大な力を持つ紀竜に護られ、頑なにゼオートの教えを受け入れようとしない祖国。
この様な存在に対し、とあるゼオーティア司祭は明確に憎しみを覚えていた。
もちろん、一度ならず大神院へと報告を送りはしたが未だに返答は無く
ただ時間だけが無益に消費されてゆく状況に、彼の黒い感情は沸々と溜まっていく。
そんな折に、彼のもとに一つの情報がもたらされた。
異端の神の一柱である虫神ダレッキノと九頭竜の巫女との間に産まれた魔獣、竜頭の虫。
その魔獣は、邪神の仔でありながらも巫女の持つ竜覚を喰らった為に、神性と竜性という
二つの紀性を孕んだ類稀な存在であるのだという。
さらに彼にとって僥倖であったのは、竜頭の虫はその性質の為か竜の力を殆んど
受け付ける事が無いという、まさに紀竜にとっての天敵であったという事だ。
こうして竜頭の虫の存在に目を付けた信仰に狂いし一人の司祭は、その日のうちに姿をくらませたという。
その後、彼がどういう行動を取り、どのような結果を招く事になるのかは未だ誰も知らない。

29言理の妖精語りて曰く、:2007/08/10(金) 21:09:02
四位(威力竜の巫女)は虫神ダレッキノに無惨に殺された。
だが、何ゆえ竜神信教はそれを許してしまったのか。
仮にも竜の威光を借りる巫女に、たかだか下賎の虫神などが手を出すことを、何故
誰一人として察知できず、止める事も出来なかったのだろう。

30言理の妖精語りて曰く、:2007/08/11(土) 01:13:39
アザミ機関の陰謀を疑う声もあった。
候補者探しや情報提供等で多くの利益を与えてはいるのだが、
彼らへの反発もないわけではないのだ。

31言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 08:28:13
何も、信者だけが彼らの味方ではありません。

彼らを守護するものは、真なる意味では信仰を持たぬものたちなのです

32言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 13:03:29
数百年前の竜神信教について。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/37735/1180380288/83-84

33言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 18:06:50
『涎』とは精神をある状態に変容させる薬物だとも言われている。
その製法は謎に満ちているが、当該の寓話を解してみるならば、
巫女たちによって作られていたのだろう。

34言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 18:15:42
現代の竜神信教においても、竜との交信には主に涎を用いるという。
真偽の程は定かではない。

だが、部外秘である竜との交信方法は噂だけが人々に広まり、民間伝承となったそれは
竜との交信を目論む愚かな者たちによって大いに用いられてきた。
即ち、涎狩りの始まりである。

35言理の妖精語りて曰く、:2007/08/22(水) 01:02:51
停滞・行動・花瓶・私/融=割った。
鳴・音/から=金属的。水=落下。
四位=威力竜の巫女・行動・机/上=触った>雑巾・私/融=探した・行動。
視認。
掴・布=感触/四位/向/床=拭き取る=回る。
嘆息=吐息=疲労蓄積。
四位=訓練=連日>疲労。
空間/融=視・呆然=疲労>表面。
四位・意/行動・自室>四区画/離=遠<帰る。
雑巾・被/行動・濡れる>絞る>乾す。
待機部屋>帰還>私/発=無人=違和感。
無人・視・周囲。
悪寒。
四位・恐怖・感/氷的=背。
羽音。羽音。羽音。虫的。
禁/行動=振り向く。恐怖>危機。
禁>禁>禁>背後!
私/融=背後/空間>振り向く。






・・・・・・・・・・・・蟲。

36言理の妖精語りて曰く、:2007/08/23(木) 21:53:58
物・視・陽。色=橙的赤・染・地面。
砂・在・黄>赤=麗。

37言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 09:39:01
巫女が夜伽、で考えた。


ドラゴンファック!!

38言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 10:18:46
竜神信教は数人の「涎巫女」たちがある存在と交信を行える事が発見されたことから始まります。
当時は九人も巫女はいませんでした。竜導師(神官)たちを名乗り、巫女を担ぎ上げて宗教を作り上げようと
考えたのが当時の竜導師長である綜簾であり、巫女長を一人擁立して竜神信教のおこりとなりました。
巫女長と竜導師長の間に力関係の差は無く、頂点となる地位は存在しない,ということになっています。
頂点は実在する神である竜神であると定められているからです。
実質は竜導師長が全体の実権を握っていますが、巫女たちの託宣を中心に行動指針を決定する為、
平の竜導師たちより巫女たちのほうが発言権などに関しては上になります。
権力と言うか、階級というか、そういう系統が竜導師と巫女で二つに分かれていると考えられます。

39言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 11:37:01
ドラゴニックファックの方がいい。

40言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 13:54:55
その光景を前に、彼は目を疑った。
今や彼の友人であり、そして七天八刀最強とも謳われる黒猫武士道。
無双朧月の二つ名で知られる夜彦が、自身の愛刀と同じ名であるという理由で彼に付き纏うようになってから数年が経つが、これまで、夜彦の刀が相手に受け止められるなどと言う事は初めての事であった。
今まで夜彦と立合った人間は、相対した次の瞬間には目にも止まらぬ速さの居合いに反応どころか意識する間もなく地に倒れ伏す事になっていたのだ。
もし此れが現在の彼等が追う人物――大陸東部において生ける伝説と化し、彼の所属する組織では第一級災役者に指定された殺戮者、夜彦と同じく七天八刀に数えられる武士道でもある通称【鏖殺戦鬼】の名無し――であったのならば、彼も納得する事が出来ただろう。
しかし今現在、夜彦の放った壱の太刀を受け止めているのは、最凶の剣鬼ではなく名も知らぬ少年武士道であったである。
唖然とする彼の目の前で、しかし彼の友人である黒猫は何故か楽しそうに笑みを浮かべていた。

「その身のこなし…てめぇ、伐辰のジジイに連なる輩だな?」

41言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 14:15:03
伐辰一刀斎が幼少の頃に出会った神の名は山神ツカバネである
現在、この神は崇り神として先代の界竜の巫女によって調伏され
竜神信教総本山に置かれた小さな祠に祀られ、時に使役されている

42言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 17:36:11

「おいおい、夜彦だって?
Night Johnをそう訳すとは、お前も愉快なことをやってくれるな」

「まあそう言うなよ。
そもそもこのNight Johnって名前にしたところで似たようなもんさ。
何をどう訳してこうなったかなんて誰も知りやしないっていうのに」

43言理の妖精語りて曰く、:2007/09/03(月) 19:41:45
>>42
ひょっとして42の記述者は?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1187448762/14
これ、書いた人?

44言理の妖精語りて曰く、:2007/09/04(火) 17:15:31
訳出の癖や傾向を抽出してその翻訳者を特定しようと言う試みが当時アマチュアらの間で流行した。
翻訳者、即ち異界文や海外の文などを翻訳する職業は希国では恥ずべき行為とされ、
翻訳者についての情報は秘匿され、名前を明かされることが無かった。
それに反発した翻訳者たちのファンは翻訳者たちにも脚光を浴びせるべきだと主張し、
その特定を開始した。結果としてそれは確証の得られない、非効率的な試みになったのだが、
その行為が反動となりあの忌まわしき翻訳者弾圧の引き金の一要因となったことは確かである。

希国にて最終的に翻訳行為そのものが廃絶されるようになることについては、また別の段で語る。

45言理の妖精語りて曰く、:2007/09/04(火) 18:03:15
翻訳が希国で禁忌とされているのは、大量に流入して文化侵略を行う竜神信教の脅威に
対抗して文化鎖国政策を取った為です。

46言理の妖精語りて曰く、:2007/09/04(火) 19:51:48
>>44
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1153030084/131
44がかつて書いたものか?

47言理の妖精語りて曰く、:2007/09/04(火) 22:14:13
竜神信教の信徒は「竜神」ではなく「竜神信教」を信仰している。
この辺が他国からきたものには戸惑いの元になるようだ。
まあ、御神体である竜神像が野ざらし雨ざらしで苔むして、信仰組織本部は三重造りの御殿なのだから、妙だといわれても仕方あるまい。

48ダメ巫女と言理の迷子:2007/09/04(火) 22:52:01
『祖国』、鋸山脈(別名ヴーアミタドレス山脈)
竜神信仰最果社(そとやしろ)
創世竜とは別に信仰を集める高位の紀竜達を祭る神宮から脇道にはなれた場所にその社は有る。
ドマイナー……もとい知名度がそれほど高くない紀竜達を祭る社である。
その社は小さく、すすけた様な木の柱に瓦は何枚か皹割れている。
よく言えば素朴な社、悪く言えば地味。
比較してしまえば絢爛な九頭竜院や竜奉院とは比べ物にならないみすぼらしさである。
する仕事といったら全く知られていないような紀竜の像の錆落としと境内の掃除である。
そのためだけではないが最果社の巫女、瞑(めい)はやる気がない。
元々此処の社の管理は創世竜の巫女の選別とは違い世襲制で
神主や巫女で代々受け持っていて、よほど何かやらかさない限り役目を解かれる事も無い。

49ダメ巫女と言理の迷子2:2007/09/04(火) 22:52:35
「めんどい……」
瞑がどういう巫女か説明しよう。
ショートへヤーに蓮っ葉な言葉遣い。
それでもってやる気は一位の巫女の胸よりも薄い。
ひたすら仕事を良くサボる。
何故なら彼女の信仰心は限りなく薄く竜神の教えに懐疑的だからである。
他にやるべき事も無いからただなんとなく、家の仕事を継いだのみ。
それを口に出したりはしないが。
そんなやる気のない彼女も…、流石に一位、二位の巫女が見回りに来る直前や竜零祭直前くらいは働く。
事件は彼女が社の真ん中に据えられた像に付いた錆を乱暴に落としている時に起こった。
隻眼の黒竜を象った像だった。名前も由来もちゃんと合ったはずだがやる気のない瞑が覚えているわけがない。
「くっそー。なかなか此処の汚れがとれねーな」
思いっきり乱暴な手付きで竜像の目をゴシゴシとこする。

――ガシャン
小気味良い破砕音が辺りに響いた。
それに混じってかすかにささやきが聞こえる。

―のろいはたしかにはじまった

50ダメ巫女と言理の迷子3:2007/09/04(火) 22:53:06
紅い波璃で作られた竜の眼が外れ、床に落下して割れていた。
「……やべ、こわしちゃった……納豆でくっつかねーかな?」
「……ダメ竜を祭るのに相応しいダメ巫女だな」
何処からか、瞑を揶揄する声が。
「あ、いや。これはその!不幸な事故っす!」
一位の巫女や竜導師が来たかと思い慌てふためき、割れた竜の眼を隠そうと、祭壇の下に無理矢理押し込む。
辺りには誰も居ない。
「あ、あれ?」
キョロキョロと再度確認するがやっぱり誰も居ない。
「も、もしかして全く信じてないけどマジで竜神様がいたの…?わーん仕事サボってごめんなさいいぃぃ」
「阿呆、この竜の像の由来を知らないのか。
この竜…魔眼竜は自分が崇められようが貶されようが興味の欠片も示さん。
食うことにしか興味がないんだよ」
「竜神様じゃない?……隠れてないで出て来なさいよ!」
「隠れるも何も俺は既に此処に居る」
「意味が分からないわ。あんた誰なのよ!」
「人に名前を尋ねるなら、まずは自分から名乗ったらどうだ?」
しばし沈黙が社に落ちた後、瞑は口を開いた。
「……私は瞑(めい)最果社(そとやしろ)の巫女よ」
「俺様はウィアド・ヴィジランディエ。言理の迷児(メイジ)」
「???」
「かつては言理戦争に参加した深飛鳥の128人の言理魔術師の一人だ」
「言ってる意味が良く分からない…て言うか良い加減に姿を見せなさいよ!」

51ダメ巫女と言理の迷子4:2007/09/04(火) 22:54:52
「俺は自らの肉体を持たない。数千年前に自らの肉体を言理と情報に変換して半永久の命を得たからだ」
「言ってる事の半分も分からないけどよーするに…幽霊ってこと?」
「まあそういうことだ」
「その幽霊が何でこんな所に?」
「俺は肉体を持たない代わりに他者の観測が有れば存在でき情報量がポテンシャルに反映する。
つまり俺様を知る人間が居る限り俺は存在できる…しかし有るとき中枢情報核…つまり魂、だな。
だが、魔眼竜の傍にあった食物の構成情報を喰らったのが不味かった。
キレた魔眼竜の眼光を受けた為紅い石にされてしまってな。
石化の解除を行おうとしたが力の根源の周辺情報が経年劣化により散逸して…
ようするに俺を知ってる人間が時代の流れとともに皆死んじまったからな。
力が弱まって自力では封印を解けなくなった……で、魔眼竜に纏わる物品として
赤い石は此処に飾られた訳だ」
「よくわからない」
「分かりやすく言うと……お前が魔眼竜赤い石を割って俺の封印を解いたのさ」
「ふうん…まあ、封印された幽霊ならこわかないや。一位様には敵わないだろうし」
「……俺様は弱いが殺すのは無理だな。『ウィアド』は魂と記憶に感染する言理にて情報。
知った時点で呪いは確かに始まったのだ。
『ウィアド』を知った物の頭の中に、紀憶のなかに住んでいる。
俺を抹殺しようとするのなら、『俺の事を知らずに』俺を知った人間を皆殺しにして露出した中央情報核が他者に憑依する前に破壊するしかない。
具体的な手段としてはセラティスの槍などによる領域ごとの殲滅などが上げられる。もしくは魔眼竜の凶視による封印や天眼竜の聖眼による滅殺だな」
「……私ってひょっとして魔眼竜が封じたとんでもないやばい物の封印を開放しちゃったのかしら?」

52ダメ巫女と言理の迷子5:2007/09/04(火) 22:58:10

「…ま、それはともかく」
「?」
「お前の恐れる『一位様』とやらがお前の仕事振りをチェックするついでに竜神信仰の知識を問いに来るみたいだぞ」
「うわああああああやべえええええ!!!目の前の変な幽霊よりこっちの方が百倍やばああああいい!!」
ジタバタと床を転がる瞑。
「今度こそサボってるのがばれたら殺されるー!
竜像を壊したのがばれたら殺されるー!
お仕置きはいやああー!一位様に殺されるー!死にたくないー!」
「……その情報なら教えてやれるぞ」
「マジで!…そういえばなんであんた一位様が来る事が分かったの?」
「ほう、妙な所で察しが良いな。俺様は『言理』であり『情報』だ。依代の周囲の情報を吸い上げる事など造作もない」
「とにかく、この周辺で起こったことは知ってるのね」
「理解が早いな。こちらとしてもお前と情報をやり取りする事は存在の強化に繋がるので教えるのはやぶさかではない」
「でもこの壊れた像ときったない境内どうしよう」
「そのくらいなら幻覚で誤魔化せるさ…周囲の構成言理情報に干渉してな」
境内にはくもの巣は張っていない。落ち葉もゴミも落ちていない。
壁も柱も賽銭箱もちゃんと掃除がしてある。
新品同様といかないが竜像は丁寧に磨かれ、オンボロの薄汚れたやしろは小さいが落ち着いた佇まいの清潔感のある社となった。
「すっ…ごーい!!!便利便利!」
「あくまでも重要度の低い情報に対する誤魔化しに過ぎん…
さあ、今度はお前に見せてやろう。竜神信仰の情報を。
知らなければ成らない情報、知ってはいけない情報。人の会話、言理の妖精の囁き、場所の紀憶……色んな物をな」
「ほむー、よろしく頼むわ」

53ダメ巫女と言理の迷子6:2007/09/04(火) 23:09:53
ウィアドは瞑に語り始めた。
「まず『竜神信仰』とは何か。
竜を神と考え、崇め奉る信仰で有り宗教だ。
界竜ファーゾナーを主神とし、調停竜エルアフィリス、守護竜クルエクローキ、威力竜オルゴーの三柱がその下に付く。
ちなみに界竜ファーゾナーなる竜は現在確認されておらず、信者達の想像上の竜だとする説が有力である。
まあ、ファーゾナーは存在している。ただ人間に認識されていないだけでな」
「そうなんだ」
「ファーゾナーを見つけるには竜か猫の協力が必要不可欠だ」
「ほむう」
「次に【竜環教】の説明だ。
竜神信仰の一派で、界竜ファーゾナーを円環竜と呼び、頭と尾が融合した巨竜であると信じる。
ファーゾナーの体によって全宇宙が支えているとされ、ファーゾナーの姿が見られず
信じられていないのは、あまりにも巨大で人の想像を絶した存在であるから、とする。
この説は半分当たっている。ファーゾナーは巨大すぎて地上から存在確認する事はほぼ不可能だからな……」
「ねむい・・・・・・」
「竜神信教で『創世竜』と呼ばれる残りの八頭の竜はファーゾナーの仔であり、
円環となったために牙を失ったファーゾナーを守護するとされる
竜環教は、竜神信仰系宗教の中でも輪廻転生を説き、これを強く打ち出していることで知られる。
この宗教の影響は一時期ヘレゼクシュにも届いていた。その地でリーグス系アルセス教と
結びついてできたのが、リーグシル派と並ぶアルセス教系カルトの雄『ギランディアン派』である。
この宗派では前世が重視され、今生での不幸は前世での本人の悪や不信心のためとする。
不治の病や重病等のシャレにならない事柄ですら過去生での不法の罰であると本気で説いてしまう」

54ダメ巫女と言理の迷子7:2007/09/04(火) 23:10:18
「突き(憑き)抜け具合から「西のリーグシル派、東のギランディアン派」と呼ばれる。

竜環教の教団はヌアランダーラの『株』をかくまい、彼らとのつながりを持つようになった。
しかしこのことでナルマミンガ(ヌアランダーラと同類の生物)の『株』によって
甚だしい害を受けていた大神院やキュトスの姉妹から敵視されていた時期がある。
ヌアランダーラやその『株』と接触をもった以降の伝承文書には
メビウスゼロやウロボロスなど聞き慣れない単語が現れるようになる。
猫の国の言葉でメビウスゼロ。或いは、ウロボロス。
その中には未だ意味が判然としないものも少なくない。
「zzz」
竜環教の教団はかつてヌアランダーラらとつながりを持ったものの、
信者がみな手放しに良い感情を抱いているわけではない。ヌアランダーラが語ったという
『天地に比類なき力をもつがゆえに退屈に苛まれ、心の底で自分の破滅を望む超越神』
(一説には、これがメビウスゼロだという)の神観の影響を受けた異端宗派が生まれたからである。
またヌアランダーラとの関わりがきっかけで大神院やキュトスの姉妹との対立が
起こったという事と合わせて、ヌアランダーラと『株』を疫病神のように考えるむきもある。
その異端が生まれたのは、終末思想の流行する乱世だった。
破滅を試練に、世界の死を楽園という形での再生に結びつけるその宗派は、
ヌアランダーラの語った神観の影響がなくても生まれていたかもしれない。
「あ、ごめん寝てた」
「……次いくぞ」

55ダメ巫女と言理の迷子8:2007/09/04(火) 23:46:58
「じゃあ次は【アザミ機関】と【巫女】そして【竜覚】について説明しようか」
「うい、お願い」
【アザミ機関】【浅見】とも呼ばれる東亜大陸に存在する九頭竜の巫女候補生育成組織だ。
アザミ機関はかつては竜神信教とは別個の組織であったが、
竜神信教に取り込まれる(あるいは入り込む)ことでその一部となった。
各地の施設で才覚を持つ巫女候補生達が数々の試験を経て総本山に送られる。
基本的に巫女候補生は番号で呼ばれる。
「ほむー」
「ほんとやる気ないなお前」
「アザミ機関本来の目的を話す前に【竜覚】について説明せねばな」
「あ、それは知ってる。確か創世竜と意思を交わすのに必要な素質でしょ」
「そうだ。巫女。即ち、神子。
それはつまり、神を降ろす為の器。
この宗教における神とは何か?それは竜だ。
彼女たちは、竜を降ろす為の器なのだ。
「竜が降りる」という事は「竜の戦闘力」を身につく事ではなく、ましてや「竜に変身する」でもない
彼女達の「ドラゴニックトランス」、俗に言う「竜覚」とは即ち「竜の紀性をその身に宿す」という事なのである。
【竜覚】(ドラゴニックトランス)とはそのための素質だ。
これによって巫女は創世竜からの託宣を受けるわけだな。
「ふうん…そういえば、創世竜の巫女様の名前がなくなるのはどうして?」
「九頭竜の巫女着任の儀式によって「竜覚」した巫女は、創生竜の紀に触れる事によってその身に内在する
『人』性を『竜』性へと上書きされる、その際に世界に記されていた彼女達の人としての「名」も失われる事となるからだ。
人間の名はすべからく紀元槍に記され死ぬと削除される。……紀元槍に名前のない奴もいるがな」
「どゆこと?」

56ダメ巫女と言理の迷子9:2007/09/05(水) 00:24:34
「……迷子どもには名前がないのさ。迷子は紀元槍ではなく紀元錘に名前が記されているからな」
「迷子?」
「脱線するが構わないか…それにお前もいずれは知っておくべき事だ」
「……どうぞ」
「迷子ってのは九人の【人間】だ。九匹の創世竜創生猫…九姉でも紀神でも紀人でもない……
紀元錘の「稀」性を帯びた人間……端的に言えば『魔人』ちょっぴり竜神にも関係が有る」
「どんな?」
「迷子は紀性を帯びた物の反存在だ。迷空、迷語、迷時、迷威、迷精、迷歪、迷夢、迷熱、迷機」
「………それぞれの創世竜が持つ紀性?」
「迷子たちは……それぞれの創世竜が持つ、世界を支える主要な九つの属性、論理、概念、秩序を破壊改変する事で力を振るう。
創世竜、創生猫、そして紀神と紀元槍がしいた世界を支える秩序に従わぬ。
当然だな……紀元槍ではなく紀元錘から力を得るエアルを目指すものなのだから。
迷威メクセトはやりすぎて自らの破滅を招いたがね…
高みを目指す魂の衝動と定められた人間の限界を破壊し何処までも成長するのがその力だった……
…アルセスの策謀も彼の死の一因だが、な。だが紀元錘に触れていればあの戦いの結末はどうなっていたか分からん」
「………」
「己が迷子と知る奴も知らない奴もいる。迷子は代替わりする奴もしない奴もいる。
迷空、迷語、迷時はその反紀性により永遠を生きるが……他の六人の迷子はわりと早死にする。
反紀性である「稀」性は魔人の如き強大な力と引き換えに、紀によって創造された物質である肉体をも蝕むのよ。
減る寿命は宿る反紀性の強さによっても違うがな。
これを回避するには他の迷子を押しのけ錘に触れて、世界変革のときをむかえるしかない」
「………いいの?そんなこと私に喋って」
「かまわん。お前も既に言理の迷子だ…ようこそ歴史に語られぬ迷子達の世界へ。
ウィアドの依代、225番目の言理の迷子の代行『瞑』よ」
「まじっすか。キャンセルできない?」
「言っただろ?のろいはたしかにはじまった。とな」

57ダメ巫女と言理の迷子10:2007/09/05(水) 00:33:29
「てゆーか私も早死にするの?」
「いや、単に永遠の歴史の語り部になるだけさ…迷空、迷語、迷時は不老であって不死ではない。
死ねば他の人間に転移するのみ」
「ふーん、ま、とりあえず死なないなら良いや」
「軽いなーお前」
「さ、続き話してよ」
「こほん……続きは竜覚の話だったな。
儀式を迎えた巫女の名が消えるのはこれはむしろ、
創生竜の竜性のコピー、巫女の『器』というファイルに紀されていた『人性』
というデータに上書き保存する為の『竜性』という名のバックアップデータなのかもしれない。
あるいは竜覚を持つ、他とは違う生命に『竜』性が原初的な興味を覚えたのか、
それとも竜覚自体に『竜』性を引き寄せる性質があるのか。不明な点は多い。
「ほむ」
「ならば竜覚が強いものを選び出し、人為交配を重ねれば、やがては創世竜をも従えられる者が出るかもしれないな。

竜覚を創世竜の恩寵とし宗教的に尊いものとする竜神信教
竜覚を人が持つ潜在能力の一つとし研究の対象とするアザミ機関
竜神信教は竜が人の上に立つというケールリング的思想。
アザミ機関は人が竜を従えるというヨンダライト的思想。
これには、本大陸東部全体に蔓延る人間種の苦境と、東亜大陸における人間の繁栄とが関係している。
竜覚探求の意義、それは竜神信教の一部となる前からあった、アザミ機関本来の目的にも合致している。
「なーんか立場的にヤバイ話聞いちゃったなあ……浅見の目的が竜の隷属なんて話したら殺されるよ」

58ダメ巫女と言理の迷子11:2007/09/05(水) 00:52:31
「次いくぞー。重要度の低い情報なので読み飛ばしても構わんぞ」
「ういー」

【ラギル・ナ・ケブーヌ】
『祖国』に移住し、竜神信教に改宗したボーステンタクス人を祖先に持つ男。
竜神信教の総本山にいる兄は2枚目だが、彼自身は2,5枚目くらいでやや老け顔。少し狐っぽい。
アザミ機関の一員として東亜大陸で九頭竜の巫女の候補者を探している。
候補者を指導する任もおっているため、指導に必要な知識と武術を中心とした技術も修めている。
仕事柄、多くの夢に敗れた候補者たちを見てきた。創生竜を受け入れるために必要な『竜覚』を
持たないために夢に挑むことすらできないことを彼女たちに告げてきた。

「残念ですが……あなたに巫女着任の儀式に参加させるわけにはいきません。」
「そんな……私は、これまで儀式のために文武の鍛錬に励んできました。
自分で言うとおこがましい感じがすると思いますけど、剣術なら他の候補者にも負けません!」
「でも最も重要な部分が欠けている。
       ドラゴニック・トランス
われわれが『竜 覚』と呼ぶ、創生竜と意志を交わすための才が……
あなた自身も薄々気付いていたはずです。もし貴女がそれでも儀を受け、
創生竜をその身に降ろそうとするなら、間違いなく『壊れ』ますよ。
あなたは別の意味で『器ではなかった』のです。」
「そんな……私はいったい何のために……どうすればいいの!?」
「辛い役回りをさせてしまいましたな、西のお方。それで、もう行ってしまうのですか。
今夜ぐらい泊まって行けばよろしいのに。」
「ええ。それが我らの規則ですから。それに、彼女と顔を合わせるのも辛いんです。
九頭竜の巫女になるという彼女の目的を潰してしまったのは間違いないのですから。
それでは、お祖父さん、失礼します。どうかお達者で……」
「そちらこそ元気で。西のお方。」

59ダメ巫女と言理の迷子12:2007/09/05(水) 01:00:07
「何か…その時の光景が頭に流れ込んできたー」
「こんな風に一気に詰め込んでいくぞ!次、八位、焔竜の巫女について」
「ほむ……竜神信仰の結構陰惨な事件だね……」
『九頭竜の巫女』となった者はそれまで持っていた名前を失う。
竜神信教やアザミ機関の膝元で生まれ、生まれながらに強い『竜覚』がみられた場合は
最初から名前をつけられることすら無い。
九頭竜の儀式を行った際、その巫女のもつ器の容量が少しでも、宿される
『竜』性の大きさを下回った場合、文字通りその巫女は『壊れる』事となる。
竜神信教の歴史において一度だけ巫女が『壊れる』という事件が起こった、
本来ならば厳選に厳選を重ね、竜覚の才が特に強いものに儀式を施すはずが
ある貴族の一人が自らの名声の為に、当時の竜導師と癒着し自身の娘を九頭
竜の巫女に仕立て上げようとしたのである。
だが、娘に宿された『竜』性は、その器に収まりきらず溢れ出すと娘の身体はその場で四散。
世に放たれた剥き身の『竜』性は、周辺の人、物を問わず破壊し続け三日三
晩暴れ廻った後、とある分娩間近であった胎児の娘の中へと納る事となった、
しかし、創生竜を源にする『竜』性に母体が耐え切れる筈も無く、その結果、
母親はその場で肉片と化し、ただ一人生まれたばかりの娘だけがその場に残される事となったのである。
その竜性の凶暴さに耐え切った胎児は、しかし精神の一部が壊れてしまった。
強引な受け入れに胎児の未熟な精神は傷を負ったのだ。
そうしてその巫女は感情のある一部分を欠損して生まれる事になった。
竜神信教”第八位”焔竜の巫女には欠落している感情がある
それは「幸福感」、喜怒哀楽でいうところの喜と楽が存在しないのである。
この障害によって彼女には一生『幸せ』にはなる事は出来ない筈だった。
「わたしゃー創世竜の巫女だけには成りたくないわねー」
「…安心しろ。お前に竜覚は無い…有るとすれば魔眼竜や天眼竜との相性や適性はあるだろうな」
「それって役に立つの?」
「…………」

60ダメ巫女と言理の迷子13:2007/09/05(水) 01:07:19
「続き、いくぞ」
「――またこれか」
瞑は頭を抑えてうずくまった。
誰かの心が見える。誰かが心の中で喋っている言葉が聞こえる。

幸福の定義だ。
愛は要らない。安らぎも要らない。
幸福感など、所詮は常識に縛られただけのもの。
彼女の怒りは他者へ発散する事で安堵となっていった。
彼女の悲しみは被虐的な快感を彼女に与えるようになった。彼女は、与えられるように自分自身に適応した。
【幸せの定義】を、彼女は自ら捻じ曲げた。
そして、異なる幸せの価値観で生きるニンゲンが、誕生した。

(これは、八位様の記憶なのね)

61ダメ巫女と言理の迷子14:2007/09/05(水) 01:09:53

場面がまた、変わる。
今度は竜神信仰の総本山で行われた会議の様子だ。
(お偉いさんたちが喋っているみたい……)
「失くしてしまったのなら取り戻せばいい。そうでなくとも、他のところから代わりを
探してくれば良い。違いますかな?」紳士のような、山師のようなあの男が祖国に現れた。
異端の疑惑により総本山への出頭を命じられた、竜神信教の聖職者であった。
そして彼は『きっかけ』を彼女に与えた。このことにより、彼の異端疑惑は取り下げられることになる。
全ては裏で行われ、表に出ることは無かった。
「幸せは心が死なないためにある。死に屈することを防げれば、最低限の定義は満たせていると言えましょう」
このとき件の男『竜参属・大潤』が施したと言う『西方の秘術』
これが一体何であったのか、詳しいところはよくわかっていない。
英盛人である彼は、まもなく祖国の山中にて消息を立った。
遭難したと記録は伝えるが、秘密漏洩を防ぐため、総本山の手の者によって殺されたという説もある。
そしてもう一つの説、これは彼が再び西方に向かい、竜環教のある異端宗派の発祥に関わったというものである。
「六歩進んで五歩下がる。感情を確かめるためとはいえ、今のままでは
このような状態です。成長に従い、下がる歩みのほうも増えてきています。
当然ですね。ここでいう下がる歩みとは良心や他者への配慮でもあるのですから。
ですが、このままではじきに人生の前進が止まるということにもなりましょう。
最終的には自己の感情を確かめるために自分の心を押しつぶすことになるのです」
「だから彼女の心のある部分をそぎ落としてしまうと?それでは彼女が……」
「巫女は聖女でなくてもいい、と仰ったのは貴方がたではありませんか。
ご存知の通り九頭竜の巫女はそう易々と替えのきく存在ではありません。これでも
潰れるよりはましですし、何よりも彼女が心から幸せを噛み締める事ができます。
そして、これ以外に彼女が生きる方法はありません。」
「うむ。焔竜の巫女の生存と幸福と……世界の安寧のため、大潤殿の方策を認めるとしよう」
「……殿、そして皆様の賛同に感謝します。私も必死です。全身全霊でやらせていただきますよ」

―場面がまた転換する。


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