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大正冒険奇譚 臨時避難所
256
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/11(月) 03:36:28
了解しました。毎度の事ですが5日ルールはもう守れそうにありません
とても申し訳ないです
……あれ?もしかして1レス代行し忘れてました?
重ね重ねマジで申し訳ないです
257
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/08/11(月) 21:22:37
>>256
こちらこそ5日ルールどころか、いつも長らくお待たせしていて申し訳ありません。
本当に心苦しい限りです。
お盆帰省のシーズンでもありますし、無理のないようにじっくりどうぞ〜
258
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/15(金) 03:39:33
「よっし、いい感じ。じゃ、今の内に……ねえ、そこのお姉さん!あなたも術士だよね?土行か金行って得意?
もし得意だったらさ、そこら辺に矢倉を立ててよ。
アイツら動きは鈍そうだし、高いとこに上っちゃえば当分は安全だと思うんだよね」
視界に映った冬宇子に、リウが声をかける。
「あ、お仲間さんがいるんだっけ?だったらそっちもなんとかしないとね」
それから右足を空中に、まるでそこに見えない階段でもあるかのように、踏み出した。
続けて左足を同じように動かす――彼女の右足は、宙に浮いたままだった。
そのままリウは空中を一足ずつ登っていく。
釘の『留める』性質を応用して、自分の足を空中に適時固定、解除を繰り返しているのだ。
「んーと……一、二、三……五人でいいのかな?」
高所から戦場を見渡し、それらしき人影や戦闘の余波を見て取ると、リウは右手を頭上に掲げた。
呪力が滾り、生み出されるのは、やはり無数の釘。
不死の法そのものと化し、存在の時間を固定された彼女の呪力は、底なしだった。
金色の閃きが豪雨のごとく戦場に降り注いだ。
数え切れない程の動死体が、見る間に身動きを縫い止められていく。
戦場の一部が、まるで切り取られたかのように静止した。
「……これは、誰の術なんだ?」
異変を察知して咄嗟に盾にした動死体の陰から、双篠マリーが呟いた。
「誰でもいいぜ。今一息つけるなら、あのガキが地の底から追ってきたんだとしても歓迎してやらあ」
地面に倒れ込んだ生還屋が、息も絶え絶えな様子でそう返す。
数秒かけて呼吸を整えると、二人は周囲を見回し――空中に立っているリウの姿を発見する。
「ありゃ確か、あの腐れ道士の……なんてえおっかねえ女だよ」
「……とにかく、助かったんだ。まずは皆と合流しよう」
この時点で――冒険者達の生存はほぼ確約されたようなものだった。
倉橋冬宇子はまだ何枚か補助符を残している筈だし、リウだって釘以外の金行がまるで使えない訳ではない。
即席の矢倉や砦を築き、その上に退避すれば、釘による隔壁を乗り越えたとしても動死体共は冒険者達に触れられない。
矢倉の強度も、補完する術はいくらでもある。
当面の安全さえ確保出来れば、清王の事だ。
事がどう転んでもいいよう、後詰め兼、確認用の部隊を送るくらいはしてくれるだろう。それはまず間違いない。
なにせ――遺跡付近の交戦状況を知る事の出来た彼が、この事態を想定していなかったのは少々不自然だからだ。
259
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/15(金) 03:39:52
それから暫しの時間が流れ、
「おい、そろそろ馬車が来るぜ。これでやっと、この忌々しい荒野からおさらば出来るぜ」
不意に、だらしなく寝転がっていた生還屋が体を起こした。
「けどその前に、一つハッキリさせとかなきゃならねえ事があるよな」
鋭い視線――矛先は、フーに向けられている。
「お前らよぉ、その女ぁどうするつもりなんだよ」
リウは、不死の法そのものだ。
清王の眼に隠し事は出来ない。
このまま北京へ帰れば彼女がまともな扱いを受けられるのか、保証がなかった。
「……このままじゃ清には帰れないとは、思っていたよ。
王を裏切る訳じゃない……けど、不死の法をちゃんと解読して、リウを元に戻すまでは」
「だよなぁ。けど俺としちゃ、あの胡散臭え王様の機嫌を損ねていいこたぁねえからよ。
お前をさっとふん縛って、有無を言わさず北京まで連行してやりたい所なんだが……」
生還屋が周りの同業者達を見回した。
「そうは思わねえ奴らもいるだろ?なぁ?短い付き合いだがよ、そんくらいは分かるぜ」
視線が双篠マリーへと向けられて、止まる。
「……私は反対だ。お前が今言った行為は、私の中では悪だ。
それにあの王が不老不死と言うのも……なんだか座りが悪い」
「だろ?こういうお固え奴もいる訳だ。当然、コイツら当人も反対に決まってら。
けどよ、ここまで生き延びてきて、最後の最後に仲間割れの同士討ちってのもアホ臭えじゃねえか。
その女は死なねえが、腐れ道士はそうじゃねえしな」
この状況下で、生還屋の勘は絶対的な強みと言えた。
他の誰かがもしも事を起こそうとしても、彼の勘はそれを事前に察知出来る。
つまり確実に先手が取れる――不死の法確保の障害となるフー・リュウをいつでも殺せる状態にあるという事だ。
無論、その直後に別の誰か――マリーかリウに殺される事も間違いないだろうが。
「つー訳でよ、ここは平和的にどうするか決めようぜ。文句言いっこなしの多数決って奴よ。
今んとこ、連れて帰るが一人。逃してやるが一人だ。
あぁ、オメーら当事者にゃ投票権はねえからな。これは俺達がどうするかって話だ」
260
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/15(金) 03:40:08
そして生還屋は、まずあかねを見た。
「……フーはん。アンタは、ウチらを騙してくれたなぁ。それに冬宇子はん達を殺そうともした」
あかねが静かに、そう切り出した。
「けど、ええわ。全部忘れたる。ウチはもう、人の罪をとやかく言えるような人間やあらへん。やりたいようにやったらええよ」
「けっ……甘え奴だ。金髪、オメーはどうすんだ」
生還屋は次に、ブルーに問いを向けた。
「……俺には、どっちが正しいのかとか、悪だとか、まだよく分かんねえわ。
だから、好きにしてくれ。俺はどっちにも付かないし、手を出さない」
「……そういうのが一番困るんだが、まぁしかたねえ。これで一対二か。
となると……後はオメーら次第だな。どうすんだ、え?」
フーとリウを連れ帰るか、見逃すか――君達はどちらを選んでもいい。
【どうする?】
261
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/15(金) 03:40:55
連投規制に引っかかったのでこちらに置いておきます
多分次でラストターンです
森岡さんとかブルーさんとか、いるんですかねえ
262
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/15(金) 23:59:16
まさかの代行被り。どなたか分かりませんがありがとうございました
263
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/08/16(土) 00:10:50
うわ!すいません!!代行かぶった!!
余計な事をして投稿をダブらせてしまいました。まことにすいません。
全キャラ入り乱れの凄い戦闘ボリュームに、思わず読みふけってしまいました。
リウさんが思った以上にキャピキャピだったので驚いたw
いよいよラストターンですか……本当に感慨深いですね。
冬宇子というキャラクターは非常に捻くれていて
普通の物語なら不人気でフェイドアウトか背景でチョロチョロしているのが関の山といいますかw
動かす側としても扱い辛く、GMさんとしてもネタが振りにくかったのではないかと
今になって反省しきりです。
倉橋の捻くれたレスを受け止めて素晴らしいシナリオを展開させてくださったGMさんには
言葉に尽くせないほどに感謝しています。
思えばGMさんの好みにズバッと嵌るようなレスは中々出来なかったかなぁと
そこがちょっと心残りであったりします。
264
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/16(土) 20:23:04
いやぁこちらこそ、もっと上手くやれた部分が沢山あった気がします
それはそうと冬宇子ちゃんの生きる事や自分のあり方に対する貪欲とも言える真摯さとか、自分はかなり好きですよ
265
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/08/17(日) 19:57:16
あ、ところで今回
鳥居さんと自分どちらが先にレスした方がいいですかね?
266
:
GMです
:2014/08/17(日) 20:09:53
自分的にはどちらでもOKですので
お二人の都合に合わせてどうぞなのです
267
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/17(日) 23:00:50
お疲れ様です!
死王くんと倉橋さんの名前のくだり、すてきでした!
ふ?っていうか、はぁ?っていうか
感慨無量で胸がいっぱいになりました!
それとレス順なのですが
今現在何にもてをつけてなくって
やる気になれてない感じです
数日後になったらかけるかもです。
すいません。時間が必要かもです。
268
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/17(日) 23:03:22
すいません。
〜←が文字化けしてるみたいです。
?ではなくって〜ー伸ばしてる記号です。
269
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/23(土) 22:25:49
御手数ですが代行をお願いいたします。
正直、名残惜しい気持ちもありまして、
心にぽっかり穴が空いてしまいそうな気も…。
自分としてはあんまりたいしたことは書けてきませんでしたが
皆さんの素晴らしいレスを読ませていただき
そこに鳥居というものも織り混ぜていただいてたことに
感謝の言葉もありません。
そしてお二人のキャラに色々と鳥居が考えさせてもらえたことは苦しくもあり嬉しいことでした。
GMさんに倉橋さん、本当にありがとうございました。
270
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/23(土) 22:27:43
>「ごめんな、こんな事して……でも、嫌なんや。ウチは、鳥居はんに、生きてて欲しい」
あかねの生き血が鳥居の口に流れ込み、白い喉がひくりとなる。
生きてて欲しいと鳥居が思われたのは、母親の他に二人目だった。
だから鳥居はあかねに抱き締められながら安らぎを感じていた。
死から逃れるのもこれで二度目だった。
鳥居は薄く目を開き、掠れた声であかねに囁く。
「……ありがとう」
そんな言葉が口から出たのも
鳥居が救われた気持ちがしたから…。
生きていて欲しいと思ってくれる人とまた出会えた。
生きてゆくことを許してくれる人に。
それはサーカスの拍手喝采とも違う特別な気持ち。
歌って踊る自分ではなく、そのままの自分を認められた。
戦う自分でもなく、鳥居の命そのものを…。
――そして物語は最後の選択をもって、終わりへと近づいてゆく。
>「……そういうのが一番困るんだが、まぁしかたねえ。これで一対二か。
となると……後はオメーら次第だな。どうすんだ、え?」
生還屋に、フーとリウを連れ帰るか見逃すか、という選択を迫られる二人。
思わず鳥居は倉橋の顔を見たが、見逃すに一票を入れるためすぐさま口を開く。
「ぼくは、フーさんとリウさんに幸せになってもらいたいから、見逃すに一票です。
そりゃああとから清王との問題が色々と起こるかも知れませんが、
そこは自己責任でなんとかしますので…」
今、鳥居の頭に浮かんでいたのは武者小路頼光のこと。
もしかしたら怒った清王に殺されるかも。
いや、それほどの価値もない?
頼光のことを思えば心配がつきない鳥居だった。
だがその瞳に陰りはなく、寧ろなんとかしてみせるという自信に満ちていた。
それも今までの冒険が…、人との出会いや別れが、
彼を成長させてくれたからかもしれない。
271
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/08/23(土) 22:32:05
鳥居さんどんな具合でしょー?
どちらが先に書くか順番だけでも決めておきませんか?
本編でのあかねちゃんと鳥居君の絡みすごくいいですね〜
やはり同じ不死者同士気持ちが通じたんでしょうね
そうえば今まで冬宇子って心理面までガッツリ絡んだキャラクターって
殆どいないですね
272
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/08/23(土) 22:43:52
すいません!またニアミスでリロードする前に書き込みしてしまいました。
代行してきました。
>>269
ちなみに鳥居さんがこのスレでしたかったけど書けなかったことって
どんなことですか〜?
妄想の糧によかったら教えてくださいw
273
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/23(土) 23:22:49
前も感じたことなのですが
倉橋と鳥居って平行線で
互いにわかりあえない感じ?
鵺のときに壁と話してるみたいと言われてたり
それをなんとなくなんとか書いてみたい気持ちもありました。
でも、自分でもどうなるのかわからない感じです。
本編では話かけても邪魔になるのかなぁと思っていました。
あと個人的には
おしっこチビりそうな敵のGMさんより生還屋さんみたいなGMさんと
倉橋さんと肩の力を抜いてる日常みたいの、
血走ってる倉橋さんじゃなくって、
こたつの倉橋さんと絡んでみたくもありました。
何気ない会話にも本質とかある気もします。
今もってTRPG って難しいです。
274
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/08/23(土) 23:28:57
あ、代行ありがとうございました。
275
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/08/29(金) 05:33:23
投下お疲れ様でーす
非日常じゃないパート、確かにもう随分と長くやってませんねえ
次の章とかどうしましょう。もし出来るのなら国内で金持ちの屋敷を舞台にするか、欧州辺りに進出してみるか、とか考えてるんですが
>>271
倉橋冬宇子は良くも悪くも我がしっかりしてますからねー
その生い立ちや価値観も相まって、共感しあうよりかは衝突する方が多くなりがちですよね
でもそういう相手がいるとキャラの言いたい事考えてる事を沢山喋らせられるので、とても助かっています
あかねは、元は森岡さんのキャラクターですが
その能力や生い立ちを見た時から、これ絶対面白くなるわ!誰と絡んでもどう転んでも美味しい!って思ってたんですよね
途中で放棄されてしまったのはとても残念でしたが、森岡さんに申し訳の立つ展開に出来たと思います
276
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/09/04(木) 21:42:48
お待たせしてすいません。
レスはもうちょっと待ってください。
>>275
欧州いいですね〜
外国人でやってみたいという方も参加しやすそう。
個人的には舞台がミクロなほど萌えてくるのでお屋敷ものというのも
非常に心惹かれます。
277
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/09/06(土) 19:44:00
お疲れ様です。
お屋敷、面白そうですね〜
278
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/09/12(金) 03:35:33
毎度ながらお待たせしてすいません。投下しました。
それにしてもこのパーティって不死者が三人もいるんですね。
不老不死の大安売りって感じがしないでもないというw
279
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/09/14(日) 07:05:37
投下しました。ちょっとあっさりしすぎたかなって気もします
次の舞台はお屋敷にします。多分
280
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/09/15(月) 21:54:34
GMさん投下お疲れ様です。
中国大陸編もいよいよ残り僅かですか〜感慨深いですね。
ちょっと確認をば。
冒険者一行はもう日本に帰ったというていで
エピローグに入っちゃってよいものでしょうか?
清王は転生術の検体を手に入れたとのことですが
頼光君は連れてかえれないのかな?
>>279
新章突入の前に改めてルールやテンプレの確認なんかして
新規さんを募集してみるのもいいかな〜なんて思います。
281
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/09/16(火) 02:17:35
>>280
はい。エピローグっちゃって下さい
頼光君は、またの機会にって事で一つ
新規さんですかー
確かに欲しくないと言えば嘘になりますし、そうしますか
282
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/09/21(日) 12:38:26
お疲れ様です。
もしかして自分待ちでしたらすいません。
レスは新章が始まったらする予定です。
今後とも宜しくお願いします。
283
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/09/22(月) 04:42:48
あい了解しました。倉橋さんはどうしましょう
ルールとテンプレはとりあえず昔の物を、特に改定するような所もないかなと思ったので本スレに貼っておきました
284
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/09/24(水) 21:17:36
時間的な余裕がなくて返事が遅れてすいません。
先に進めていただいた方がよいかなとは思うのですが、
2年近く続いたシナリオですので、エピローグ無しというのも寂しいなと思いつつ
一人で書くのも味気ないななんて思ったり…
すいませんがあと一週間ほどお待ちいただけないでしょうか?
>>283
テンプレ&ルールはもともと完成度が高いのでこれで大丈夫だと思います〜!
285
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/09/25(木) 18:54:31
お疲れ様です。
エピローグ、いちおう書いてみました。
エピローグって自分なりのまとめみたいなものですよね??
一人で書く小説って張り合いがなくって自分は苦手ですw
なんとなく完成度の低さがもろに出てしまう感じ……
↓エピローグです。非公式な感じでもよいかも。
286
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/09/25(木) 18:56:11
宵宮。この日はサーカスも休み。
今宵だけは何もかも忘れたい。
それは忘れてはいけないこともあるのだけど。
鳥居は雑踏に紛れて御神輿を見ていた。
提灯の灯りと電灯の灯りのコントラスト。
神社の背景に屹立するビルヂング。
共存している和と洋が帝都の夜を装飾している。
見世物小屋では蛇を食べている女。
人だかりにはエレキテル人形。
何故かその瞳には憂いがあって何処かしら悲しげ。
それは不完全な人の認識をこえ
無意識の完全さをもつ人形の憐れみか。
神の視線か。
そのガラス細工の瞳に吸い込まれそうになった鳥居は
何故かそのエレキテル人形と死王の姿が重なってみえ背筋がぞくりとした。
それはまるで虚空に独り浮かぶような恐怖、神に対する恐怖にも似ていた。
所謂畏怖なのかもしれない。
「……君って、僕の心の中にも残っててくれてたんだ」
鳥居は高い所から突き放すような笑顔で
無表情の人形を見上げる。
すると
からん。ころん。からん。ころん。
暗がりから聞こえてくる下駄の音。
ひょっとして倉橋か、もしくはあかねか。
そう期待した鳥居は顔面を普通に戻し振り返った。
そうだ。何を隠そう鳥居は、あかねの血の味が忘れられないでいたのだ。
それは若い魔性の血の味だ。
あれを吸えば鳥居は無敵。力で敵うものなどこの世にいるものか。
そんな錯覚にさえ陥ってしまう。
だが下駄の音の主は知らない子連れの中年女。
「……愉快でおじゃるのぉ。おほほほ」
鳥居は、変なしゃべり方と思いながらショボくれた老猫のように親子連れを見送った。
世の中、そんなに都合よく出来ていないものだ。
会いたくもない人間とは鉢合わせしたり、
不倫デイトしている知り合いの真後ろを偶然歩いていたりすることもあるのにだ。
「まあ、冒険者の誰かとこの場所でバッタリ出会えたら、それはそれはとてつもなく幸運な出来事ってことで……」
鳥居は、てへっと笑って自分のオデコを手のひらで叩いた。
その後はしばらく親子連れの後ろ姿を見つめながらあの女たちの血の味を想像する。
そして結論としては年増女や未成年の血は吸いたくないことに気がついたのだ。
それよりも見ず知らずの者の血を吸うことには抵抗があった。
やはり吸うのなら若いあかねのような気心の知れている者だ。
勿論、倉橋やマリーの美貌も捨てがたい。
彼女たちの血はいったいどんな味がするのだろう。
そんなほの暗い気持ちを宿したまま、鳥居は帝都の闇に消えるのだった。
287
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/09/26(金) 05:29:38
代理投下してきました
こういう全てが終わった後で実は不安の種がまだ残ってるぜみたいな展開、好きなんですよね
特に今回はホラー(にしたかった筈なのにどうしてこうなった)テイストでしたし
その為にフー君にはかわいそうな事をしましたが
288
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/09/27(土) 00:17:41
代理投下ありがとうございます。
あかねちゃんの血のエピを使用させていただきました〜
289
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/09/27(土) 05:02:16
まとまった時間が出来たのでマリーとあかねのエピローグを捏造してみたり
ちなみにエデンの果実は双篠マリーの元ネタのゲーム、アサシンクリードに登場するガジェットです
個人や国に栄華をもたらし得るほどの力を持つアイテム全般を指すような言葉です
同ゲームには暗殺教団やテンプル騎士団と言った実在した組織が登場するので
大正世界においても形を変えて色々出来るよなーと前々から妄想してた次第です
あかねは、森岡さんが使用していた時点で「一度死んでる」的な伏線があったのと
茜の花言葉の中に「私を思って・嘘」なんてものがあったので、そこからノリでやらかしました
とても楽しかったです。二人とも再登場させようか迷うところです
>>288
いいですね。半端な存在故の美味しさを以前語ったような気がしますが、今回のレスがまさしくそれでした
290
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/09/30(火) 21:44:27
鳥居さんも、GMさんもエピローグ投下乙です!
私は書いている途中ですので申し訳ありませんがいま少しお待ちください。
>>286
薄暗く怪しい雰囲気でいいですね
お祭り見物の鳥居君にちょっと絡みに行ってみようかな〜?
>>289
あかねちゃんとマリーさんのエピもいいですね〜
あかねちゃんが反発していた後妻さんが、なんと実のお母様だったとは!
リングのように最初に戻って完結する凄くいい結末です。
再登場については、あかねちゃんは綺麗にまとまってしまった印象があるけど
マリーさんはタブーを解かれてさあこれからどうなる?って所なのでまだまだいける感じですね。
ところで頼光君は清においてきてしまったという体で書いていいのでしょうか?
それとも彼のことにはあえて触れない方がいいのかな?
291
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/01(水) 00:00:18
お疲れ様で〜す。
>289
ありがとうございます!
新しい視点で続けられたらよいなって思っています。
>290
絡んでいただけたら
鳥居も喜ぶと思いますw
292
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/01(水) 00:29:51
>>290
頼光君は清に残りました
別になんかこう、しこりが残っているが故の結末ではないです、ホント
ただ、PCでない頼光ならそうなるだろうなってだけなので、描写の有無は自由であります
293
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/02(木) 22:38:32
お待たせしました。投下しました。
冬宇子が情報を仕入れた『ある筋』、まあ陰陽寮なんですが
そっち目線のレスも書こうとしたんですが力尽きました。
294
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/03(金) 23:22:06
あ、そうだ
新章開始の前に
新規さん募集のテンプレをも一回投下したほうがいいですかね〜?
ついでに何かの役に立つかもしれないので
以前投下した年表を貼っておきますね。何か加えたいものが加筆してもいいし。
ややこしくて却って敷居が上がりそうであれば使わなくてもいいです〜
全くの余談ですが家の犬の股関節形成不全が悪化して
こっちまで腰が痛いです。30キロを抱っこはしんどい。
295
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/03(金) 23:25:53
【大正冒険奇譚妄想年表】
1868年(慶応4) 上野戦争
※江戸鬼門守護の寛永寺が焼け落ちる。黄泉断層の出現。
1868年(明治元年)神仏分離令
※国家守護のために皇祖神の神格を高める。
神祇院(神社本庁)設立。
1869年(明治2) ※陰陽寮の解体と再編。陰陽寮、霊的護国機関「降魔鎮魂府」と提携。
1894年(明治27) ※日明戦争
1895年(明治28) 日明戦争終結。下関条約調印。
三国干渉(露・独・仏)により、日本は遼東半島を返還。
ロシア、三国干渉の見返りに満州北部の鉄道敷設権を獲得。
ロシア、旅順への強行入港を契機として満州支配を強める。
1902年(明治35) 日英同盟
1904年(明治37) 日露戦争
1905年(明治38) 日露戦争終結。ポーツマス条約調印。
ロシア、満州から撤退。
※露・独・仏・英・米・日は、小国勃興、群雄割拠の大陸の騒乱に干渉しない内約を交す。
1910年(明治43) 日韓併合
1912年(明治45) 明治天皇崩御。大正天皇践祚
1914年(大正3) 第一次世界大戦勃発
1917年(大正6) ※ロシア帝国、革命軍を鎮圧。帝政続行
1919年(大正8) 第一次世界大戦終結。ベルサイユ条約締結
1921年(大正10) 原敬首相、東京駅頭で暗殺。日英米仏四カ国条約成立。これにともない日英同盟廃棄
1923年(大正12) 関東大震災
193?年(大正2?)現在…★実歴史の大正時代は15年で終わっていますが
このスレの世界ではもう少し長く続いているようです。
このスレの舞台は実歴史でいうと昭和5〜10年くらいをイメージしていただくと良いかと。
296
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/03(金) 23:26:16
実歴史との大きな違い
※中国
中国大陸は、明治中期まで『明』が治めていました。
日清戦争ならぬ『日明戦争』後に明朝は崩壊。
大陸は小国群雄割拠の状態が続いています。
『清』はその小国の一つという位置づけ。もうすぐ大陸を統治できそうなくらい勢いがあります。
従って、大正冒険奇譚の世界では、中華民国は存在していません。
日露戦争後で、欧米列強と日本は、大陸の分割を巡った諸々の対立を防ぐために
『みんな、ひとまず騒乱状態の中国は手をつけないようにしよう!』という取り決めをします。
もちろん表向きのことで、列強諸国は、
各々目をつけた小国に武器供給やら資金援助やらやって大陸統一後の利権を得ようと必死。
日本も清に協力する一方で、滅亡した明の前帝の嫡子を擁立し、
満洲に傀儡国家を建国しようと画策中だったり。
※ロシア
大正冒険奇譚の世界では、ロシア革命は鎮圧されています。
従って、ソビエト連邦は存在せず、ロシア帝国が存続しています。
ロマノフ家のアナスタシア皇女はロシア革命の裏で暗躍し、革命を打破した中心人物。
その功績で東方に広大な所領を賜り、東方領姫と呼ばれています。
ついでに心霊特殊部隊スパッツナズの隊長であられたりもします。
297
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/04(土) 21:57:03
お疲れ様です。
GMさんの文体が動みたいな感じとしたら
倉橋さんのは静みたいで
どちらも素敵と思いました。
わんちゃんも倉橋さんもお大事に。
298
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/06(月) 06:32:17
GMなのに「おぉ、こんな年表なのかこの世界」と思ったりしてません。してませんとも
新規さん、欲しいなぁとは思うものの、来るのかなぁとも思ってしまったり
まぁ、もう少し時間を置いてから次章を始めます
ウチにも犬がいますけど、30キロって随分デカいですね。お大事にして下さい
299
:
名無しさん
◆PBGJytd9pw
:2014/10/10(金) 17:13:57
参加って可能ですかね?
許可頂けるなら、こっちでテンプレ投下しますが
300
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/11(土) 03:08:51
もちろん可能ですよ!
http://www43.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/97.html
こちらのページにこれまでに参加して下さった方々のテンプレもありますので、参考までにどうぞー
301
:
名無しさん
◆PBGJytd9pw
:2014/10/11(土) 09:57:37
>>300
ご丁寧にどうも。余り板で活動しませんし文章は拙いので
お目汚しになる部分もあると思いますが・・・
名前:波留 京香(はる きょうか)
性別:女
年齢:19
性格:熱血 単純
外見:白い柔道着、上に桜色の袴を纏っている
黒目、黒いショートヘア。そばかすのある童顔、肌は日焼けしてる。
額には兄から貰った花鳥風月を刺繍した鉢巻を身につけてる
装備:女なら素手一本で掛からんかい!(無いですよ)
戦術:古武術
(実家で開く波留式流、柔術・合気を基礎とした武術
鍛錬を極めれば気を纏い内部から相手を倒す事
内臓等の怪我を癒す事も可能と言われている)
職業:武闘家
目標:女だって男と同じように道場を開いたり指南が
出来るようになったって良いじゃないか!
(世間に女の価値を認めさせる)
うわさ1:行方不明の兄がいるらしい
うわさ2:祖先は鬼退治の経験があるらしい
うわさ3:いままで重い病気や怪我を負った事はないらしい
302
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/12(日) 20:53:59
>>301
わお〜いらっしゃいませ!
武道派の女の子!いいキャラクターですね!!
倉橋冬宇子をやっております。
いつもレスの投下が遅くてご迷惑をおかけするかと思いますが
できるだけ善処しますのでよろしくお願いします。
とりいそぎご挨拶のみ。
303
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/10/12(日) 21:09:47
新章開始との事で、こちらで参加意思の表明しておきます。
>>302
初めまして、倉橋様の大正冒険奇譚でのロルの流れは
全体的に丁寧且つ風靡があって尊敬する所です。
先人の方達のように余り洗練された文章が出来るかは不安ですが
宜しくお願いします。
304
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/14(火) 02:06:55
>>301
目標が実に大正時代っぽくてなんだか申し訳なくなります
ともあれ、よろしくお願いします!
新章は導入が書け次第開始します
書け次第です
305
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/14(火) 19:55:00
わあ新規さんがきたぁ!
でも初対面、ちょっと緊張……
なんちゃって、
よろしくお願いします!
306
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/15(水) 01:35:48
という訳で投下しましたー
何か質問等ありましたら言ってやってください
307
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/10/15(水) 10:47:03
>>305
(鳥居様)
宜しくお願いします。前もって言いますが、こう言った板はほぼ
初めてですので、何かとずれた文章を書く事もあるかも知れませんが
そう言った場合は遠慮なく他の皆さま含めて助言して貰えればと思います
>>306
(GМ様)
投下お疲れ様です。幾つか質問させて頂きます。
クエストに登場する『華族』ですが、これは分類すると
公家家族・大名華族・新華族・皇親華族のどれに当たるでしょうか?
また、新参ですので当然ながら武勇伝を話すとしてもオリジナルの
類しか進呈出来ませんが。波留PCの過去を掘る、PCの設定背景を
深めると言う意味合いで過去の家族の話や波留PCが家を出る切っ掛けと
言ったような武勇伝とは異なる話をしても問題ないでしょうか?
(※クエストの華族の心象を害する確率が高くなると言った弊害が
出る可能性が生じるならオリジナルのクエスト話を作成します)
また、これはGМの進行で未だ情報規制してる内容でしたら返答は
結構ですが『富道』NPCが所持してる『青い表紙の冊子』は
『生還屋』が話を渋った所から推察するにPCに影響を及ぼす
魔術的な本でなのでしょうか?
308
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/16(木) 00:51:18
>>307
新華族です。爵位は男爵です。受願所設立の際に多大な援助をしていますし、そこら辺が理由でしょう
富道君はきっと面白そうな話ならなんでも満足してくれる事でしょう。つまりOKです
冊子はなんだか良からぬものである事は間違いないでしょう。それもキャラクターの技能次第では察知出来ます
309
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/18(土) 23:43:15
すいません。
リアルの影響で頭がまわらない状態で
もうちょっとしたら書けるかもです。
なのでレスの順番は飛ばしていただいても
けっこうなのです。
ごめんなさい〜。
310
:
波留n?ちb30d
:2014/10/19(日) 10:29:00
〉〉309
わかりした。では先に
投下させて頂きます
311
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/20(月) 20:04:55
波留さん投下乙です。
富道男爵の身分についての質問も乙です!
ちなみに冬宇子は公家華族の係累なんですのよ〜
中の人も最近まで忘れていたことなんですがw
>GMさん
富道男爵は何歳くらいですか?
見た目いくつに見えるかで大丈夫ですので教えてください。
それと青表紙の冊子は何か表紙に模様などありますでしょーか?
312
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/21(火) 21:41:43
>>311
30手前くらいです
冊子にはよく見ると裏表に一本ずつ抜身の刀の模様があるようです
313
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/23(木) 00:53:57
倉橋冬宇子とデェトした次の日は何気に忙しかった。
用心棒のヤクザもんにお酒を持っていったり
団員の一人の卒業パーティーを開いたり、頼光の祖父に会いに行ったりと…。
彼の話では頼光は密偵として働いているらしい。
(鳥居にはそう説明された)
なのでそれを聞いた鳥居は少しだけ安心する。
「ああ、頼光とはまだつながってる……」
夜空の月をまなこに映して鳥居は呟いた。
彼とはまたどこかで会えるような気がする。
それが数年後、何十年後になるかはわからなかったが……。
そして清での冒険から一週間ほど経ったある日、受願所から使者が来た。
あの受付嬢だった。
「え〜!」
胸に手のひらを当ててのけぞる鳥居。
今回はなんだろう?
期待か、不安か、鼓動がはやくなる。
だが今度の嘆願は富道という華族の懇親会に参加して冒険譚を提供するということだった。
三日後、送迎車が来る。
だが流石に一人に一台というわけでもなく
三人で相乗りだ。
同乗者は倉橋冬宇子。それに波留京花。
初見の彼女は将来有望な冒険家なのだそうだ。
鳥居は波留に自己紹介をすると普通に大人しくしていた。
倉橋のいるこの場では普通でいようとしていたのだ。
それは照れ隠しのようなもの。
たぶん、倉橋冬宇子の指すデェトという言葉は「ごっこ」に近いもの。
鳥居もカフェーの客の一人のように御褒美デェトをしたのだと思う。
だから恋人気取りで調子に乗って膝枕でもしようものならオデコに握り拳固を一発おみまいされてしまうかも知れない。
(……でもあのデェトって変な感じでした。
現実感がなくって夢みたいな感じ。
ほんとにデェトしたのかなって思います。
そんなことを思うのもニセモノのデェトだったからでしょうかねぇ)
自分でもよくわからない。
それはそれで人形芝居のように優麗で、その一時だけ時を共有しあえた尊い経験だったのかも知れないし
形だけの意味のないこと。と、思ってしまえば思いに反比例するかのように虚しくも思える。
例えれば綺麗な着物の裏と表を着間違えてしまったようなこと。
とらえかた次第では何とも残念なことに変貌してしまうのだ。
(うん。でも贅沢はダメです。あの約束は前渡しとして少しだけ果たされたのです。それはそれとして尊いことと考えましょう)
勝手に自問自答しながら鳥居は二人の会話に耳を傾けていた。
314
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/23(木) 00:55:22
富道の御屋敷に着くと沢山の招待客のなかに生還屋を発見する。
彼は恐ろしいほどの量の料理を食べていた。
鳥居は生還屋があんなに食べるものとは思わずに驚きながらも、
自身は給仕からミルクココアをもらう。
それとテーブルからワツフルの小皿を1つ、
リンゴのジャミ(ジャム)のかかったものをいただいて皆と行動を一緒にすることにした。
話を聞くと、生還屋は清での出来事は話さないと言う。
やっぱり……と、鳥居もそんな気持ちだった。
もとより上手く話せる自信もなかった。
(む〜…。僕はいったい何を話したら……)
心のなかは不安でいっぱいだ。
話が長すぎても語り尽くせないだろうし生還屋の言うような後味の悪いのもダメかもだ。
なんせ富道は冒険者たちを援助してくれているのだから
彼が楽しめない話では申し訳が立たないのだ。
そして……
>「おっと、また初めて見る顔だね。君達は、一体どんな冒険譚を聞かせてくれるのかな?」
そう言われて最初に語り始めたのは波留京花。
>「あっ、へ!? わ わ わわ…っ!!」
京花は慌てながらも初々しい感じで見事に語り終わった。
訛りが酷かったが彼女が話したのは出会いに感謝して生きなさい
と言う兄の思想を大事にしていると言う事と、
己が世間に認められるほどの武術家になると言う夢の語りだった。
(わあぁ。すごい純朴な方です)
それに明確な目的を持っている。
鳥居のように本職も遊びのようなものなら、
嘆願も興味のあるものを選ぶとかとは明らかに違う。
そんな無い物ねだりからか鳥居は京花に好感が持てたのだった。
315
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/23(木) 00:56:53
「素敵でしたよ波留さん」
彼女は混じりっけなしの純粋だ。と、鳥居は思う。
これからの冒険で彼女のたぎった血はいったいどんな味を醸し出すのだろう。
微笑する鳥居の白い顔はまるで仮面のようにその危うい本性を隠している。
そして鳥居は富道の前に出た。
「はじめまして、僕の名前は鳥居呪音と言います。
本日はこのような晴れやかな場所にお招きいただき、誠にありがとうございます」
そう言って鳥居は深々とお辞儀。
「えっと、なんて言ったらよいのか。
他の冒険者の方々と比べてしまったらお恥ずかしいのですが
僕は趣味的に楽しく冒険をさせていただいております。
これもみな、富道さまのおかげです。
ほんとうにありがとうございます」
こほんと一つ咳払いをし
「そんな僕の話はとある男の昔話を聞いて欲しいという嘆願でした。
依頼人は自称落語家で名前を柳家永六と言いました。
彼の御屋敷はなかなか立派なもので、咄家さんも結構お金になるものだと内心驚いたものです」
その日は小雨が降っていました。柳家邸に呼ばれたのは僕一人。
永六は実年齢よりも年老いて見え、骸骨のような顔から目玉がこぼれ落ちそうなほど窶れてはいましたが
微笑しながら座布団の上に正座をしていました。
彼は数多くの冒険者のなかから子供のような僕を聞き手に選んだそうです。
……永六は昔話をしました。青春時代の恋ばなしから始まって
何故か十年以上昔の誘拐事件の話にまで至りました。
なので僕は知ったかぶってしまって
「あの事件って、身代金が紙切れにすり替えられていて、お子さんが殺されてしまった事件ですよね?」
僕は彼にそう質問してしまいました。
(犯人は現れずお金だけがすり替えられていて、そのあと人質の子供は殺されしまったという怪事件でした)
それと同時にピンときて、顔色を変えてしまって……。
その様子に察した永六は寂しく笑いながら
「あの事件の犯人は父親の門井伝助でんがな。
あの状況で身代金をすり替えられるのはあの男しかおらん。
ん?実の父親が子供を殺すような真似をしますのかって?
……まあそこが一番の盲点ゆうか味噌なんやわ。子供のあんたには言いにくいことなんどすが、、
所謂、種違いやったんですわな。
せやから門井は子供を餌に実の父親を探して殺そうとしていたわけですねん。
身代金はそのついで。婿養子の伝助の懐には自由になる金が転がり込むっちゅうことですわ」
「ですがそのあと、子供を失った奥様は気が狂って自害してしまって、門井屋も経営難で破綻してしまったのですよね」
僕がそういうと柳家永六はとても悲しい顔をしていました。
そして悲痛な目で僕を見つめて何かを呟こうとしたその時、
雨が本降りになって、激しい雨音で彼の声はかきけされてしまうのでした。
「なので、僕は彼の最期の言葉を聞けず仕舞いなのです。
残念なことに永六さんは、正座をしたままおなくなりになられていました」
語り終えた鳥居は一先ず安堵する。
何の話かはよくわからないような気もするが、
富道が喜んでくれるものかと静かに胸を高鳴らせていた。
316
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/23(木) 01:04:07
波留さん、投下乙です。
みなさまもお疲れ様です。
お手数ですが代行をお願いします。
いつもすいません。
我ながらキャラを立たせるエピソードが書けなかったw
317
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/23(木) 05:09:28
投下しました。
レス内にも書いている通り、
冬宇子の話は『夢幻紳士』という漫画の『水妖』という話を引用しています。
ものすごく好きな話なんですがマイナーなので、こんな機会にでも紹介したかったんです〜!
というのは言い訳で、オリジナル話を考える労力を節約してしまいまいした。
もう一つ、前回のエピローグに関わる話が無くもないんですが、
宴はまだ長いようですし、それはまた機会があればということで。
318
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/23(木) 05:12:05
うわ!被った!!
鳥居さんごめんなさい。
319
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/23(木) 19:37:35
大丈夫です。
上のレスはポシャして
ぼうけんたん書いてみま〜す。
ちなみに僕も話を迷ってしまって
宮部みゆきのあやしに収録されてるお話と
推理小説を合体させて書かせていただきました。
どっちも心に巣食う鬼の話で
鬼がみえるようになったらあんたも人間らしくなってるんだよとか
人を食らう鬼でも自分までは喰えないもんさみたいなのが
お話のきもなのでした。
320
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/24(金) 21:58:13
お疲れ様です〜
鳥居さん、私のチェックミスでほんとすいません。
ボツにしなくても会話順とかをGMさんに調整お願いすれば
そのまま大丈夫かと思いますよ〜
GMさんどんなもんでしょう?
……でも冒険譚のほうも読んでみたかったりw
321
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/25(土) 01:56:47
珍しい事もあるもんだけど、まぁどうとでもなるよなと思ってたんですけど
>>319
を見てしまった今となっては冒険譚が楽しみって気持ちは禁じ得ませぬ
322
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 00:03:30
富道の御屋敷に着くと沢山の招待客のなかに生還屋を発見する。
彼は恐ろしいほどの量の料理を食べていた。
それにお酒の量も尋常ではなく倉橋も呆れ顔。
>「まァ、嫌な縁だよ。大陸から帰ってまだ間もないのに、またあんたに会うことになるなんてね。
生成り小僧……こんな行儀の悪い男の真似をするんじゃないよ!」
鳥居も一緒に呆れ顔で、生還屋を見下すように自身は給仕からミルクココアをもらう。
それとテーブルからワツフルの小皿を1つ、
リンゴのジャミ(ジャム)のかかったものをいただいて皆と行動を一緒にすることにした。
話を聞くと、生還屋は清での出来事は話さないと言う。
やっぱり……と、鳥居もそんな気持ちだった。
もとより上手く話せる自信もなかった。
(む〜…。僕はいったい何を話したら……)
心のなかは不安でいっぱいだ。
話が長すぎても語り尽くせないだろうし生還屋の言うような後味の悪いのもダメかもだ。
なんせ富道は冒険者たちを援助してくれているのだから
彼が楽しめない話では申し訳が立たないのだ。
そして……
>「おっと、また初めて見る顔だね。君達は、一体どんな冒険譚を聞かせてくれるのかな?」
そう言われて最初に語り始めたのは波留京花。
>「あっ、へ!? わ わ わわ…っ!!」
京花は慌てながらも初々しい感じで見事に語り終わった。
訛りが酷かったが彼女が話したのは出会いに感謝して生きなさい
と言う兄の思想を大事にしていると言う事と、
己が世間に認められるほどの武術家になると言う夢の語りだった。
(わあぁ。すごい純朴な方です)
それに明確な目的を持っている。
鳥居のように本職も遊びのようなものなら、
嘆願も興味のあるものを選ぶとかとは明らかに違う。
そんな無い物ねだりからか鳥居は京花に好感が持てたのだった。
「素敵でしたよ波留さん」
彼女は混じりっけなしの純粋だ。と、鳥居は思う。
これからの冒険で彼女のたぎった血はいったいどんな味を醸し出すのだろう。
微笑する鳥居の白い顔はまるで仮面のようにその危うい本性を隠している。
と、次に冒険譚を披露したのは倉橋冬宇子。
こちらは波留とは違い、なんというかおんなおんなしてるというか、お金持ちの富道を確実に狙っているといった感じで
鳥居は何故か遥かな気持ちになって遠い目。
だが彼女の語った話はとても不思議な話で、それは対幻想ってやつだね。なんて生意気にも鳥居は思う。
「……」
>「今度はこの坊やが、正真正銘の冒険譚をお話しますから、堪忍してくださいまし。
子供と侮るなかれ、この子は三百年も前から生きているんですのよ。きっと面白いお話が聞けますわ」
(え〜!)
カッと目を見開き焦燥する鳥居。
323
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 00:05:00
(さっきの赤帽さんみたいに裸になっても傷一つない綺麗なつるりんとした体だし
頑張った感なんてそんな出ないし)
と、鳥居の頭のなかは真っ白になりかけていた。
が、とりあえず深呼吸をし……
「は、はじめまして。鳥居呪音というものです。
いちおう三百年以上、生きてます。
その理由は齢十歳で病で死んでしまいそうな僕を、
魔術師のお母さんが不老不死にしてくれたからです。
お母さんの望みは僕が死なないで面白おかしい人生を歩むことでした。
きっとそれは、何の楽しみも知らないまま死んでしまう僕を不憫と思ったのでしょう。
……でも、なかなかどうして、面白いを好きなまま続けてゆくのも難しいものです」
「あ、本日はお招きいただき、誠にありがとうございます」
一礼をしたあと、鳥居は冒険譚を語り始める。
__それは、人探しの嘆願でした。
依頼人は三十路の女性。名前を白山月子。
まん丸く、横に大きな体をしている方で、彼女の依頼は
今から十年前に夜盗たちに襲われた自分を助けてくれた子供を見つけて欲しいというものでした。
僕はその依頼が、何故か頭から離れなくなって引き受けることにしました。
最初、僕を見た白山さんは驚いていました。
それは僕が探していた子供と瓜二つだったそうだからです。
もしかして、と思って僕は白山さんが夜盗に襲われた場所を聞いてみたのですが
それが徳島市のS地区。僕は一度も行ったことのない地区でした。
彼女は上京する前日に襲われそうになったそうですが
路地裏から手招きする子供に導かれ、何とか逃げきれたとのことでした。
そして、それって何かの記憶違いでもないのかな?
と、何とも腑に落ちない気持ちになった僕たちは、
その場所に向かうことにしたのです。
機関車に乗って僕たちは移動しました。
目的地に到着する途中、僕は夢を見ている気持ちになりました。
何故なら徳島市のS地区に向かう道中は僕のよくみる夢のなかにそっくりだったからです。
どうして、僕の夢のなかがここにあるのだろう?
こんなことってあり得るのだろうか?
するとお供をしていた者(頼光)が
人間の頭のなかじゃどんなことでもありえるんじゃねぇの?
と語るのです。
324
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 00:06:54
お話はまだ続きます。
夜になってS地区に着いた僕は、さらに驚きます。
そこには僕の夢に出てくる街の景色と同じ場所があったからです。
そこで僕は思い出しました。
夢のなかで助けたうら若き乙女の姿を。
まさか、夢のなかで人助けをしていたなんて……。
すると、驚いている僕の背に白山さんの声が投げかけられました。
「なるほどねぇ。私はかぐや姫みたいなもんかぁ……ありがとね坊やたち」
振り向いたら白山さんは消えていました。
妖しい月光のなかで僕たちはたたずんでいました。
今思えばそれって、この世の法則から外れた僕の産み出した呪のようなもので
そこで死んでしまう運命の白山さんを、ずっと路地裏は待っていたのだと思います。
本来の運命に修正するためにです……。
話終え、鳥居はフーとその恋人のことを思い出す。
本来は、鳥居もこの世に存在しないはずの存在なのだ。
そんなものから命を助けられた者がいるとしたら、運命はその者を許すのだろうか。
325
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 00:14:34
お疲れ様です。
御手数ですが代行をお願いします。
違うタイプのお話にしようと思ったのですが
書いていたら似てる感じになってしまいました……
326
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/26(日) 02:52:32
鳥居さん乙です〜
ジョジョの上条君を思い出してしまったw
余談ですが
今回レスを書いてて思ったことなんですが、一人称の文章ってものすごい難しいですね。
地の文で説明できないのがこんなに不便だとは思わなかったです。
327
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/26(日) 04:15:10
投下お疲れ様です。いいですねえ!
最後の一文でかなりグッと来ました
とても面白い着眼点だと思います
>>326
認識外の事が書けないって超不便ですよね
バトルとかとも相性悪いですし、私も苦手です
328
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 15:47:21
お疲れ様です。代行ありがとうございます♪
一人称、難しいでした。
書こうと思ったことが書けなかったりして表現が変わってしまう感じでした。
最後の一文は同じキャラを続けてきたおかげで自然と滲み出せた感じです。
ありがとうございます♪
329
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/26(日) 18:16:32
そういえば乙です〜
よく考えると一人称ではなく伝聞調でしたねw
完全な一人称はもっと難しいんだろうなあ
TRPGwikiに波留さんのテンプレ追加しました。
他にwikiに追加したいことがあったらお知らせください。
http://www43.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/97.html
>>328
たしか異能者の上条時人君も夢の中でひとみさんを助けてくれましたよね?
なんだか懐かしい気持ちになりました。
330
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/26(日) 22:44:04
はい。そうでした。懐かしいですね。
思い出してみると無茶ぶりと
拙い感じで顔から火がでそうですw
331
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/26(日) 23:30:47
あまりに懐かしくってキュンときちゃいましたw
過去レスを読みに行っちゃいましたよ〜
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/18.html
332
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/29(水) 21:56:59
読み返させていただいたら
ひとみさんを初々しく感じました。
今回の偶然みたいのを含めて
まるっと不思議でした。
なりきり型って大正世界を通じて無意識でリンクしているような
ちょっと怖い気持ちにもなります。
333
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/10/30(木) 02:22:23
たいして成長してるという気はしないけど
以前のレスを読み返すのってものすごい気恥ずかしさがありますよねw
ところで今回の月子さんとひとみちゃんの時も使った
『幻の少年の手招きで殺人鬼の難を逃れる』という話は何か元ネタがあるんでしょうか?
波留さんも京花ちゃんのキャラクターには何か元ネタがあるのかな?
富道男爵は?
皆さん良かったら教えてください。
334
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/10/30(木) 20:26:26
>>333
元ネタと言う程のものでは無いですが、方言キャラに
影響を受けた作品ですと『いなかっぺ大将』ですね。
直情的で真っ直ぐで、困難な場面に直面しても腕ずくと
生来の大らかさで全部乗り切ってします。そんな昔ながらの
女性としての頑健さをイメージして作ってみました。
335
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/10/31(金) 02:15:37
富道には特にありませんが、最近「シグルイ」なる漫画を読みまして
武士道をテーマにした漫画で刀を扱うのですが、読んでいる内に「刀かっけえ!」と
そんな訳で久礼ちゃんを登場させました。単細胞と呼んで下さい
本編の方はもう少しだけ時間をくだせえ!
336
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/10/31(金) 22:20:28
宮部みゆきの「とり残されて」という本に収録されてる「たった一人」という短編です。
自分でいうのもあれなんですが
ひとみちゃんの解決法もかっこよかったし
月子さんはファンタジックに味付けできたし
落語のようにそれぞれアレンジしたような感じには仕上がってるとは思います。
本編の件、了解です。
337
:
倉橋
◆FGI50rQnho
:2014/11/01(土) 20:12:35
>>334
波留さん
なんと!風大佐衛門君!
子供の頃うちの地方では夕方よく再放送していたので懐かしいw
おおらかで真っ直ぐで、おまけに訛りがすごいところも、なるほどという感じです。
余談ですが、最近はニャンコ先生というと別のキャラクターを指すらしいんで驚きました。
(夏目なんとかという漫画を知らなかったので)
これからの波留さんとの絡みが楽しみです。
>>335
GMさん
GMさんの戦闘描写はいつも格好良くて
戦術戦法がきちんと描かれて尊敬します。
久礼ちゃんとか赤帽君とか、今回もすごい濃いキャラが多くて楽しみです。
>>336
鳥居さん
元ネタ宮部みゆきさんでしたか〜
クロスファイア、鳩笛草、火車は読みました。
宮部さんの作品はすごく面白いんですが、
せつなすぎて読後にどっと疲れが出てしまうんでちょっと遠ざかってました。
最近は江戸ものの「ぼんくら」を読んでみたいなと思ったりしてます。
今回のお話とっても素敵でしたよ。
月子さんが消えていってしまう辺りの透明感なんてとても素敵だと思いました。
338
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/03(月) 21:16:46
たしかに、どっと疲れが出てしまうかも…。
余談なのですがアニメのブレイブストーリーではうるうるしてしまいました。
観賞したあと、悲しくって鬱っぽくなるのは困りものですよね。
と、それはそうと、前から気になっていたのですが
黄泉断層って何ですか?
あの世とこの世の境界線がなかった頃の地層とか?
お暇なときにでも教えていただけたら嬉しいです。
339
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/11/04(火) 03:39:51
投下しました
なんでこんな長くなったんや
何か気になる事がございましたら質問ください
340
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/11/04(火) 10:33:48
>>339
妖怪青行燈の登場とは御見それしました。
まず質問として帆船の臼砲は動いてるものを反応して砲撃してるのか
それとも規則性のない動きなのか?
また帆船に大蛇
奇形の大鳥と犬の仮面を被ったミイラと自分達の立ち位置と距離
それと青冊子は自分たちでも直ぐに捕獲出来る位置にあるのか?
そのような事を聞きたいと思います。
341
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/04(火) 23:46:08
>「仮に……君の言う運命ってものが本当に存在して、君に関わった人間の帳尻合わせをしているんだとしたら。
何故君はまだ冒険者を……人の嘆願を叶えようとするんだい?
君がどれだけ頑張って人を助けても、それは波打ち際の砂の城のようなものだとは思わないのかい?」
「たとえ同じ結果になっちゃったとしても、僕は人に干渉していること自体が面白いのかもしれません」
それはある種、無人島に漂流した者が、完読した書物を繰り返し延々と読書し続けることに似ている。
結果がわかっていても、人のぬくもりを感じるためには読書を続けるしかないのだ。
と、しばらくして……
とんでもないことが会場に起こってしまう。
なんと富道が冒険譚を書き込んでいた書物が式の効果を宿していたのだ。
ゆえに書物からは闇が噴出し、鳥居に襲い来るのは鉄道を想起させる巨大な蛇。
その迫力に鳥居は脱兎の如く逃げ出した。
と言っても闇雲にではなく、円を描くように同じ場所を何度もだ。
それは地を削るような重量の巨体なら、同じ場所を周回することによって地面にめり込ませることが可能と考えたからだ。
それが無理でも倉橋と波瑠のまわりを周回していれば鉄の防御壁が完成する。
しかし一体、この怪異の正体はなんなのだろうか。
冒険譚を書き記したあの青冊子から生まれた怪異だということは想像できるし
鳥居を追いかけているということは鳥居の冒険譚から生まれてきたものだとも推測できる。
「僕を追いかけてくるもの……。それっていったい……。
……倉橋さん、これってなんなんですか!?波瑠さん、大丈夫ですか!?」
鳥居は駆けながら叫んでいた。
342
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/04(火) 23:55:06
GMさん、投下お疲れ様です。
御手数ですが代理御願いいたします。
無茶苦茶に逃げ回ったら被害が出るし
同じ場所をぐるぐると逃げ回ってます。
たぶん、鉄道くらいの大きさの相手を止めるとしても鳥居はグッチゃりいきそうだし…。
でも、もし波瑠さんに良いアイデアとかあったらレスの取り下げも可です。
343
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/11/05(水) 15:43:55
>>340
所詮は臼砲ですから精密な狙いではありません
数撃ちゃ当たるです
他の怪異は別の冒険者達を狙っていますので、基本的には遠くにいます
ですがかえって、どこに逃げても危険な状況となっているでしょう
青冊子を狙うのは面白いですね
武芸者の足なら走れば十秒足らずの位置にあります
が、もし青冊子に近づいた場合は帆船から、臼砲ではなく旋回砲による狙撃を受けるものとします
旋回砲は、砲にしては威力の低い非対物用のものです
344
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/11/06(木) 00:06:45
>>343
>もし青冊子に近づいた場合は帆船から、臼砲ではなく旋回砲による狙撃を受けるものとします
と言う事は。鳥居さんが大蛇を誘導して少し走り青冊子を中心に
大蛇を走らせるような動きが出来れば。その間に青冊子の確保
および確保の間の隙を大蛇による防壁による危険性の低下及び
帆船の旋回砲を大蛇にお見舞いして弱体化、最高で倒せる策も可能・・・と考えてよいでしょうか。
もっとも、この作戦は鳥居さんが青冊子まで短時間で移動出来る
脚力および青冊子のほうまで移動する過程で
他のNPCの妨害や(GМさんが別の怪異は離れてると書かれてるので
その可能性は低いかもしれませんが)青冊子自体の特異な障害も想定されるので
鳥居さんと倉橋さんの了承を得てからでなければレス投下は出来ませんか
345
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/06(木) 17:55:53
お疲れ様です。
自分としてはぜんぜんOKです。
じわじわと解決の糸口を皆で探しだす感じで面白いです。
いちおう確認なのですが
順番は波瑠*鳥居*倉橋ですよね?
346
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/11/07(金) 15:06:16
>>344
面白い事考えますね!
勿論そういうのもアリです
347
:
波留
◆PBGJytd9pw
:2014/11/07(金) 22:23:56
鳥居さんからも許可が下りましたので、倉橋さんの了承得れましたら
レス投下しようかと思います。旋回砲が仮に電車サイズの大蛇を
越して砲撃してくるとしても。十中八九この異界を引き出してる力の源は
青冊子ですから、その青冊子を破壊するような上斜め方向からの攻撃は
多分来ないだろうと言う理由も兼ねて、上記で書いた通りの行動を
実行しようかと思います。少し投下に日にちを置くかと思いますが
よろしくお願いします。
348
:
倉橋
:2014/11/07(金) 23:05:09
連絡遅れましてすいません。
波留さん仰るようにして頂いて大丈夫です。
急なんですが通勤時間がぐんと伸びまして、ちょっと参加が厳しくなるかもしれません。
できるだけレスは早めに用意したいと思っていますが長くお待たせしそうな時や
いよいよ投下が厳しいときは倉橋の行動はGMさんに一任したいと思うのですが可能でしょうか?
349
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/11/09(日) 02:10:45
>>348
おっけーですよ
事前に冬宇子の切れる手札を述べておいてもらえるととても助かります
350
:
倉橋
:2014/11/16(日) 17:57:06
すいません。次って自分ですか?
あと一週間くらい待ってもらうこと可能ですか?
351
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/16(日) 23:50:18
すいません。
倉橋さんの前に加筆修正したものを
投稿したいと思います。
352
:
GM@外出先
:2014/11/17(月) 00:52:11
もっと早く何か呼びかけしとくべきでしたね。すみません
それでは鳥居さんお願いします
353
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/17(月) 01:29:14
みなさんお疲れ様です。
すいません。先週はリアルがたて込んでいて
本スレの確認をしてませんでした。
御手数ですが代理をお願い致します。
354
:
鳥居呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2014/11/17(月) 01:29:43
>「仮に……君の言う運命ってものが本当に存在して、君に関わった人間の帳尻合わせをしているんだとしたら。
何故君はまだ冒険者を……人の嘆願を叶えようとするんだい?
君がどれだけ頑張って人を助けても、それは波打ち際の砂の城のようなものだとは思わないのかい?」
「たとえ同じ結果になっちゃったとしても、僕は人に干渉していること自体が面白いのかもしれません」
それはある種、無人島に漂流した者が、完読した書物を繰り返し延々と読書し続けることに似ている。
結果がわかっていても、人のぬくもりを感じるためには読書を続けるしかないのだ。
と、しばらくして……
とんでもないことが会場に起こってしまう。
なんと富道が冒険譚を書き込んでいた書物が式の効果を宿していたのだ。
ゆえに書物からは闇が噴出し、鳥居に襲い来るのは鉄道を想起させるほど巨大な蛇。
>「おまはん、おねげぇしまはす。あん浮かぶ青本の所まで囮なっちゅてくれまへんか!?
こぅ、ぐるぐるぐるぐる青本の回りで走るような感じで!!」
「わかりました!」
京香の言葉に鳥居は迷わず疾駆する。
何故なら鳥居の進む前方には旋回砲の洗礼が待っていたからだ。
でも鳥居はそれが四肢を貫通しようとお構い無しに前進できる。
あとは青冊子のまわりに巨大蛇による防壁を作り上げ後から続く二人を守るだけだ。
彼女たちが安全に青冊子と対峙できる空間を確保するのだ。
「僕を追いかけてくるもの……。それっていったい……。
……倉橋さん、これってなんなんですか!?波瑠さん、大丈夫ですか!?」
鳥居は駆けながら叫んでいた。
355
:
◆u0B9N1GAnE
:2014/11/18(火) 23:41:37
投下しておきましたー
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