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( ^ω^)冒険者たちのようです

1名無しさん:2024/08/19(月) 00:43:58 ID:28mrGroE0

何物にも縛られることなく、自由の風に吹かれて生きる。
”冒険者”という生業に、そんな理想像を抱く者たちは多い。

だが実のところ、命と日銭を天秤にかける日々を送る、難儀な稼業だ。

英雄の冒険譚を聞いて育った腕自慢の中には、胸を躍らせて出立しては、
たった一人で名を上げようと、鼻息を荒くするものも後を絶たない。

この大陸では今、空前の<大冒険者時代>の世と謳われていた。

あらゆる病を打ち消すと噂される、奈落に一度だけ咲く花。
希代の彫刻家が残した、魔力さえも宿すと言われる天球儀。
その血によって不老不死を得るとも言われる、伝説の龍伝承。

そのどれもが、胡散臭い眉唾もののおとぎ話とも思われるだろう。
だが事実として、大陸各地で未曽有の大発見を齎したものたちは、
莫大な富を築いたり、人々の間に語り継がれるだけの栄誉を手にしてきた。
そんな果報者たちも、数える程度にはいるのが現実だ。

しかし、この大陸の未踏区域の厳しさたるや、そう甘いものではない。

自然発生的に現れては、村を襲う妖鬼。
人を食い物として、亡骸をも弄ぶ巨躯の人鬼。
血の通う肉体を求めて夜毎さまよう、屍鬼の類。
商隊を付け狙い、金品を奪うような野党の輩も絶えない。

冒険者とは、そのようなものたちと時に相対することもある。

309名無しさん:2024/10/10(木) 03:15:08 ID:Si4yTBmk0

 /____\  
〈 (℃_;) 〉「グ………!」

ローブのゴブリンもまた、自分が放った光の矢が避けられた事に動揺を見せていた。
運良く同士討ちとなってくれた事もあり、残るゴブリンは雑魚を含めても3匹。

再びあの魔法が来るよりも早く攻め込めば、勝利は目の前だ。

(#^ω^)「させるかお!」

全身の痛みを庇うより先に、再びローブのゴブリンの元へ駆ける。
ごつごつとした岩場で挫いてしまいそうな足を、気にも留めず前へと走らせた。

(#℃_°#)「ギキッ!ギキッ!」

そのブーンの進路へ、また一匹が立ち塞がる。

(#^ω^)「……邪魔だおッ!」

重心が損なわれ、剣ごと左腕に全身が振り回されながらも、一息にその首を刎ねる。
大きく体勢が崩れたが、まだそこに立ち尽くす首から下だけのゴブリンを肘で押しのけた。

 /___\  
〈 (℃_;) 〉「【سيل من القوة السحرية يجري ――】」

また、先ほどと同じようにあの言葉を紡いでいる。

既にゴブリンは眼前───剣の届く距離にある。
際どい状況に、会心の一撃を繰り出すには左腕の力だけで振るうのでは、足りない。

やがて至近距離で相対し、互いに目と目があった。
ゴブリンの手からは再びあの光が、発現し始めていた。

 /___\  
〈 (℃_;) 〉「【في جسدي، يشكل قوتك】」

(; °ω°)「────ふぅ……ッ!」

310名無しさん:2024/10/10(木) 03:17:06 ID:Si4yTBmk0

ブーンもまた、左腕に握った剣を肩越しに背中へと回していた。
上体を弓のようにしならせて、左腕一本で背中に剣を預けた。
そこから一気に振りかぶった勢いを、そのまま振り下ろす力に換える。

魔法が発動するのと、自分が斬りかかるのとは、ほぼ同時だった。


 /___\  
〈 (℃_;) 〉
       「────ッ!」
(;`ω´)

身体を貫かれる恐怖に抗うようにして、何かを叫んだような気がした。
そして────白い閃光は視界を奪い、目の前全てを塗りつぶしていく。

数舜、呼吸を忘れていたように思う。


──────



────────────


──────────────────

311名無しさん:2024/10/10(木) 03:17:35 ID:Si4yTBmk0

(;^ω^)「はは、は………生きてるお」

やがて光が晴れた後、その場にへなへなと尻からへたり込んだ。
まだ周囲に残っていた雑魚のゴブリンは、リーダーが崩れ落ちるのを目にして逃げ去ったようだ。

打ち漏らしたとはいえ、今回の依頼の達成には、全てを倒す必要はないだろう。
これほど群れを叩き潰されれば、人間への恐怖もしっかりと刻み込んだはずだ。
あとはせいぜい大人しく生きていけばいい。

傍らで、天を仰ぐローブのゴブリンの表情を、じっと覗き込む。
まだ息はあるが、自分に切り落とされた右腕の肩口から大量に出血しており、瞳は空ろ。
死ぬのも、時間の問題だろう。

(;^ω^)(たかが、ゴブリン……その認識を改める必要があるおね)

あの魔法が自分を貫くであろう一瞬、剣を振り下ろしながら半身になって、身をよじったのだ。

迸った閃光の矢が革鎧の腹を掠めて焦がしながらも、すんでの所で腕を両断した。
一撃で絶命させるには至らなかったが、それにより狙いも逸れた事が大きかった。

一人で洞窟に侵入し、待ち受けるゴブリンの殆どを撃破して、勝利を収める事が出来た。
最後に控えていた、この魔法を使う一匹には心底驚かされたものの。

 / ___\  
〈( C_;) 〉「アァァ……ウヴグゥ」

( ^ω^)「………」

魔術を使うほどの妖魔の頭の出来ならば、自分の死が迫っているという事も理解できるはずだ。
苦痛の声を漏らしながら、時折もぞもぞと身体をよじって立ち上がろうとする姿に、複雑な感情を抱く。

312名無しさん:2024/10/10(木) 03:18:08 ID:Si4yTBmk0

絶対的な悪として、いつからか大陸各地で確認されてきた妖魔たちの存在。
決して相容れる事なく、共生の道を歩むことなど無い、人と妖魔。

だが、この大陸が人の統べる地として決めたのは、一体誰が最初なのか。

もしかすると、妖魔こそがこの大陸の先住民であり、その彼らの住まう土地を荒らし、
辺境へと追いやって繁栄を続けてゆく人間こそが────

( ^ω^)(───僕もまた人間。同じ人間の悪口を言う資格は、ないおね)

そこまで考えて、思考を中断した。

死に逝こうとしているゴブリンの姿を目にし、安っぽい感傷に浸りかけたのを、拭い去る。
誰の事であろうとも、つい深く首を突っ込んでしまいたくなってしまうのは、悪い癖だ。

彼らの境遇には同情を禁じえないが、妖魔とて人を襲うという事実を思い浮かべ、重い腰を上げる。
石斧で叩かれた右腕を軽く回してみると、どうやら感覚も戻りつつあるようだ。

( ^ω^)「……せめて、もう苦しまないようにしてやるお」

つかつかと目の前にまで歩み寄ると、両手でゆっくりと長剣を振りかぶる。

 / ___\  
〈( C_;) 〉「………」

もはや、抵抗する気力も無いらしい。
このゴブリンにとってはブーンは憎悪の対象でしかないだろうが、止めを刺してやるのは、
たとえ種が違えど、自分にとってのせめてもの情けだった。

(  ω )「………」

”どすっ”

313名無しさん:2024/10/10(木) 03:18:45 ID:Si4yTBmk0

鈍い音を立てて、長剣はゴブリンの心臓を確実に貫いた。
最期には目を見開き、驚愕しきったような表情のまま、瞳は光を失い、完全に濁ってゆく。

これにて、ゴブリン退治の依頼は達成─────
仲間達も、もうこの洞窟へと帰ってくる事はないだろう。

死んだゴブリンに、そっと踵を返した。
剣先に塗れた血を地面にふるい落とすと、肩へと担ぐ。

だが、どうやら最後にもう一つだけ、片付けなければならない仕事が残っているようだ。

( ^ω^)「さて………」

さっきも、一度だけちらりとその姿を目にした、最後の一匹。
それがブーンの目の前に立ち、獣のように唸っていた。

ζ°ゝ) 「うがううぅぅぅッ……!」

( ^ω^)「────君が、"ロベルト"君だおね?」

ゴブリン達とブーンがやりあうのを、先ほどからずっと遠巻きに眺めていた、彼。
だが、金色がかった髪の生えたゴブリンなど、この大陸全土を探してもいる訳がない。

なぜなら彼は、人間なのだから。

( ^ω^)(まさか……)


────話は、フランクリン宅で依頼の理由を確認していた時にまで遡る。



──────



────────────


──────────────────

314名無しさん:2024/10/10(木) 03:19:33 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)「なぜ、あなたがたはそれほどゴブリン退治にこだわるんだお?」

聞けば、今現在近隣でこのリュメに対してゴブリンたちが被害をもたらしている訳ではないという。
しかし、フランクリン夫妻の意思は巣穴の駆除が必要だと、確固たる意志で語る。

それには、何か理由があるはずだとブーンは感じていた。

ノ|| '_')「……あなた」

( '_/')「それは、私の口から……」

( ^ω^)「聞かせてもらえるかお?」

どうやら、フランクリンは良識のある方の依頼人らしい。
話半分には聞いておいて、それが自分にとって納得のいく理由であるかどうかが問題だ。


( '_/')「……私達には、息子がいます。
     やっとの思いで授かった、太陽のような存在です。

     いや──居た、と言うべきなのか……」

妻のマディはフランクリンが話し始めると少し伏目がちになり、どこか遠くを見ていた。
フランクリンの話に頷きながら、少しだけその様子が気にかかった。

( ^ω^)「その、息子さんは?」

( '_/')「二年前の……ある日の事です。妻と息子は、北の森を散歩していました」

( '_/')「まだ三つだったあの子は、久しぶりの散歩にはしゃいでしまっていたのでしょうね……」

ノ||;_;)「……ロベルト」

( ^ω^)「………」

妻、マディが目に涙を浮かべて顔を手で覆う。
その様子からある程度の察しはつくが、またフランクリンの目を見据えて、話に耳を傾ける。

315名無しさん:2024/10/10(木) 03:20:32 ID:Si4yTBmk0

( '_/')「突然横手の茂みから現れたゴブリンに、妻は襲われました。
     必死の抵抗をして、なんとか命の危機は彼女に訪れなかった……でも」

ノ||;_;)「ですが! その私の代わりに、あの子が……ロベルトが攫われた!」

( ^ω^)「───それから、2年も……?」

依頼に関して、大体の理由は分かった。
そこから黙り込んで、手を膝の腕硬く握り締めながら視線を落とす夫妻の様子から、
彼らの心情は、痛いほどに伝わってくる。

どうして、それを誰にも助けを求める事が出来なかったのか。

( '_/')「恥ずかしながら、私の仕事は人様の靴磨き……それしか出来ません。
     ──この通り、生まれつきに足が不自由で、どうにか歩く事がやっとです」

そう言って椅子から立ち上がって見せたフランクリンは、確かに傾いて姿勢を保ち、
先ほど案内してくれた時にも歩き方が普通でなかったのにはすぐに解った。

貧しい街にあって、仕事が無い事は死活問題だ。
靴磨きなどは、それこそこの街で見かけた子供でも出来る仕事だ。
体の不自由さや貧しさから、食うにもやっとの始末なのであろう。

( ^ω^)「その間、誰にも助けは求められなかったのかお?」

( '_/')「他所の街からわざわざこの街へ遊びに来る酔狂な冒険者など、そうはいない。
     稼ぎも少ない中、この街の荒くれもの達に頼む事も考えはしました。
     ですが──私も、マディも、信頼に足る集団とは思えなかったのです」

316名無しさん:2024/10/10(木) 03:21:17 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)「──彼らは、意外に話せる奴らだお」

ノ|| ;_;)「そうなのでしょうね……けど、人づてに聞く話からは、良い噂ばかりじゃなかった。
    私たちの生きていく糧を守るためにも、公権を持った方々にばかり助けを求めていました」

確かに酒場であった男は話の通じる男だった。
全体がそうであるとは限らないし、頼み事をして、金があると知れば何か行動に走られるかも知れない。
自分たちとは違う毛色の人々の事を、信じる気にはなれなかったのだろう。

( '_/')「私と同様、妻もそれほど体が強い方ではありません。
     息子が居なくなってしまってからは、ふさぎ込むようになってしまって……
     ですがようやく前を向こうと思い、今回この依頼をお願いしたのです」

結果として、領主らからは袖にされ、長く日が経ってしまってから、
こんな駆け出しの冒険者にまで頼らざるを得ない事態になった。
生きていくためを第一と考えるなら、それは苦渋の決断だったろう。

( '_/')「だから日に3枚から、多くても5枚の銀貨を稼ぐのがせいぜいの私達にとって、
      やっとの思いで貯めた、あなたにご依頼する為の200spは、全てなのです」

お世辞にも繁栄を謳歌しているなどといえない、リュメの街。
誰も助けてはくれず、日々を耐え凌ぎながら生活し続けている彼らにとって、
冒険者を雇って依頼を頼むという事がどれほど大変な事なのか、理解する事が出来た。

( '_/')「だから……お願いします、あの子を───」

夫妻は恐らく必死で息子を探し、誰かに頼ろうともしたのだろう。
それでも、体や心の弱さから、それを出来る状態ではなかった。

息子の無事を、どれだけか祈った事だろう。

ノ|| '_')「あの子の、形見になるだけでも……。
    ロベルトを、せめて生まれたこの家に帰してやりたいんです」

冷静さを取り戻した妻の瞳が、しっかりとブーンの瞳を見据えていた。

彼らの頼みごとは、よく分かった。
一介の冒険者などに、よくぞここまで自分達の心情を吐露してくれたものだ。

( ^ω^)「分かったお」

なら────後は、自分がその気持ちに応えてやるだけだ。

317名無しさん:2024/10/10(木) 03:22:05 ID:Si4yTBmk0

( '_/')「それでは……!」

( ^ω^)「えぇ、依頼はお引き受けいたしますお」

ノ|| '_')「どうか、あの子の事をお願いします」

( ^ω^)「だけど……こっちにも言っておかなければならない事があるお」

( '_/')「それは、何でしょう?」

( ^ω^)「僕は、今回が初の依頼。まだ、駆け出しの冒険者……なんだおね」

ノ||;'_')「え……そ、そうなんですか?」

( ^ω^)「だけど、必ずロベルト君の痕跡を取り戻して、ゴブリンを殲滅してきますお」

( '_/')「……」

( ^ω^)「───こんな駆け出しの冒険者を、信じてくれますかお?」

わざわざ自分から、ずぶの素人だという事を露呈するのは愚策かも知れない。

自分の依頼が初めての冒険者などと知れれば、本当に難題を抱えた依頼人ならば、
受注する冒険者に怪訝な眼差しを向け、依頼を取り下げたくなるのが普通だろう。

そんな事をわざわざ明かしたのは、ブーン自身、隠し事が苦手だった事もある。

依頼人から本当の意味での信頼を得ること。
そこで初めて、依頼を達成するために、自分の全力を傾ける事が出来ると思った。


( '_/')「……勿論です。信じて、いますよ」

ノ|| '_')「私も、夫と同じ気持ちです」


─────


──────────



───────────────

318名無しさん:2024/10/10(木) 03:22:56 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)(まさか……生きていたとは驚きだお)

亡骸を見つけて、息子の形見だけでも手に入れるつもりだったフランクリン夫妻。

その夫妻の愛息子は、今自分の前に居る───
2年の空白の歳月を経て、確かに生きながらえていたのだ。

体格から、年の頃は5〜6歳といったところだろうか、失踪した年齢とも重なる。
だが、明らかに飢えて栄養が足りていない貧相な体つきをしていた。

年齢にはおおよそ見合わないほどに、体格が伴わず小柄だ。
血走った眼。そして、獣のように吼え声で唸るその姿に、一目でピンと来た。

育てられたのだ───ゴブリンに。

そうでなければ、今こうして生きていられる訳などない。
ゴブリン達の子育てなど聞いた事もないが、さっきの言葉を話す個体のように
知恵を持ったゴブリンが居る群れでならば、存外あり得る話なのかも知れないと思った。

( ^ω^)「ロベルト! 助けに来たんだお、君を!」

ζ°ゝ) 「ウ、ガウウゥッ!」

( ^ω^)(正気を、失っているのかお?)

名前の呼びかけにも、応じる事はない。
その様子から、こちらに完全な敵意を向けているのが見て取れた。
育ての親を殺された事に、憎悪を燃やしているのだろうか。

だが、並のゴブリンと比べても体格のさほど変わらぬ、人間の子供。
もし襲い掛かってきても、相手にするのはたやすい。

問題は、彼を大人しく連れて帰る事が出来るのだろうかという事だ。

319名無しさん:2024/10/10(木) 03:23:47 ID:Si4yTBmk0

ζ°ゝ)「ふぅぅッ!!」

視界の端から一瞬で消えると、闇の中へと紛れ込んだ。
その気配を目で追うが、大した速さを身に着けているようだ。

闇の中をジグザグに走りながら、手にした石斧で自分の首を狙いに来ている。
ゴブリンなどよりよほど素早い身のこなしだが、かといって彼を斬る訳にもいかない。

ζ°ゝ)「うがぁッ!」

(;^ω^)「くっ!」

飛び掛ってきたその手を、辛うじて払いのける。
そのまま上半身に纏ったぼろな布切れの胸倉を掴むと、多少乱暴に地面へと引き倒した。

ζ; ゝ)「あ……あうっ」

(#^ω^)「大人しく……するおッ!」

剣を傍らに投げ捨て、彼の腕ごと腹の上に乗りかかった。
細い子供の割りには大した腕力、それでもブーンの体格の前には抗うべくもない。

(#^ω^)「君自身がゴブリンにでもなったつもりかお!?」

ζ#°ゝ)「ギヤァアイッ!」

瞳を真っ直ぐに見据えながら、言い聞かせるようにして頬を何度も強く張る。
だが、その顔はますます憎しみに皺を刻んでいくばかりだ。

(;^ω^)(これじゃ……こんな状態で……連れ帰っても)

歯をガチガチと強く噛み合わせ、威嚇しているのか。
獣と寸分違わぬ姿の彼、ロベルトの顔を覗き込みながら、ブーンは肩を落とす。

320名無しさん:2024/10/10(木) 03:25:59 ID:Si4yTBmk0

もう一度人の世界に放り込んだとして、それがこの子の幸せになるのだろうか。

息子はもう帰ってこない、そう覚悟を決めていたフランクリン夫妻。
その彼らに、獣のように変貌してしまった彼を差し出しても、両親にとっては
果たして本当に喜ばしい事なのだろうかと、己に問うた。

募る疑問は、依頼達成への最後の障害となって、降りかかっていた。

(;^ω^)「………」

傍に転がっていた長剣を拾い上げると、その柄に手を伸ばしてみた。
ここで彼は死すべきなのだろうかと、暗い考えがよぎる。

口の周りには赤黒い汚れがいくつもこびり付いている。
それは野生動物のものか、はたまたゴブリン達と共に人間を襲って喰らっていたのか。

まるで人が変わってしまったであろうこの子を、本当に解放してやるべきなのか分からない。
ゴブリンに育てられた彼が、また元の普通の子供に戻れるのだろうか。

もっとも、こんな考えも当の本人にとってはただ身勝手な、周囲による傲慢でしかないのだろう。

ζ#°ゝ)「ぎぃぃぃぃーッ!」

考えても、良い方法は浮かばなかった。
両親の喜ぶ顔を見ようなどという甘い幻想は、一旦この場において置く事にする。

ロベルトの上体を踏みつけながら、剣を手にその姿を見下ろす。
あいも変わらず拘束から逃れようと四肢を暴れさせるが、ブーンの持つ長剣を目にして、
若干その顔色が変わったようだった。

321名無しさん:2024/10/10(木) 03:26:22 ID:Si4yTBmk0

ζ;°ゝ)「………う、うぁあ?」

ゆっくりと振り上げられてゆく剣に、ロベルトの身が強張り、表情が曇ってゆくのが分かる。
やがて後頭部にまで高く剣を掲げると、その剣先をぴたりと止めた。

ブーンの無表情から何かを感じ取ったのか、ロベルトの表情もまた、完全に凍りつく。

(   ω  )「化け物ごっこは、もう終わりだお」

ζ;°ゝ)「あ、あぅ……い……あ」

────────そして、剣は唸りを上げて振り下ろされた。


──────────────────


────────────



──────

322名無しさん:2024/10/10(木) 03:28:41 ID:Si4yTBmk0

一瞬の火花を伴って、轟音が少年の耳を劈いた。
振り下ろされる瞬間に横を向いて目を瞑ったロベルトの、その眼前へとつき立てられた剣。

ζ;ゝ) 「……あ……ひぐっ」

彼の目には、本気の殺意を持って振り下ろされたものに見えただろう。

ブーンの剣は、確かに力強く突き立てられた───だが、それは頭一つ分方向を外れた、地面にだ。
それでも、年端もゆかぬ少年の下半身は、度を超えた恐怖によって湿っていた。

静寂の中で堰を切ったようにして響き渡るのは、ロベルトの嗚咽。

それは、確かに彼がまだ人間である事。
恐怖を覚える人としての感情がある事を、証明してくれた。

たとえ人里に彼の身がうつされようとも、妖魔に育てられた彼だ。
受け入れられるどころか、周囲の人間達からは迫害されるかも知れない。

しかしそんな心配事も、彼の泣き顔を見た瞬間にどこかへと飛んでいってしまった。
この子供らしい元気な泣き声を聞いている内、きっとすぐに元の生活に溶け込める、そう感じた。

それに、たとえ周囲が白い目で見ようとも関係はないだろう。
この子の帰りを一番に待ち望んでいるのは、両親だけだ。

( ^ω^)「ロベルト……目を覚ますんだお」

泣き止まない少年の傍らにしゃがみ込み、その頭にぽんと手を置いて、言い聞かせる。
先ほどのように怒気を孕んだものとは対照的に、優しく、語りかけるように。

( ^ω^)「君はゴブリンじゃない―ー”人”、なんだお?」

ζ;ゝ)「うぅ……うああぁぁぁぁぁんッ」

ぽんぽんと彼の頭の上で、手のひらを優しく上下させ続ける。
その作業は、やがて彼が泣き止み、大人しくブーンに手を引かれるようになるまで続けられた。

323名無しさん:2024/10/10(木) 03:29:16 ID:Si4yTBmk0

        *  *  *



彼の手を引き、洞窟の入り口を抜ける頃には、すっかり大人しくなっていた。

外はもうとっぷりと日が暮れ始めており、今からリュメに帰れば夜だろう。
今晩は一晩ゆっくりとリュメで休息し、明日の朝ヴィップに発とう。

そう思い、出てきた洞窟の方へと何気なく振り返ってみた。

(#℃_°#)「………」

すると、洞窟の入り口の真上に位置する茂みの奥に、一匹のゴブリンの姿があった。
敵意を向けるつもりはないのか、立ち尽くすブーン達を、ただ黙って見下ろしている。

さっきの戦闘から逃げおおせた、生き残りのゴブリンであろう。
沈みゆく夕日を背に、ゴブリンとブーンはしばし見つめ合っていた

それを傍目に、突如ロベルトが言葉を発する。

ζ・ゝ)「───ば、い」

彼もまた、茂みのゴブリンの視線に気づいていたようだった。
手を振りながら、人間流の別れの挨拶を岩場のゴブリンへと送った事に驚いた。

324名無しさん:2024/10/10(木) 03:29:49 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)「お前たちが心配しなくても──この子はきっと、元気に暮らしていけるお!」


ブーンも、見下ろすゴブリンに対してそう叫んだ。

ロベルトに対しての、親や兄弟としての感情。
もしかするとそんな情深さが、彼らの間には宿っていたのかも知れない。

洞窟の攻略は、時間にしてみればものの一刻に満たぬ間だった。

たったそれだけで、そこに暮らしていたゴブリン達の生活を全てぶち壊した。
さっきの獣のようなロベルトは鳴りを潜め、帰途に就く今ではしおらしいものだ。
思えば、親兄弟の仇を目の前にしたのならば、自分もさっきの彼のようになっていたかも知れない。

ロベルトにしてみれば育ての親である彼らを残酷に殺したのは、外ならぬ自分だ。
その事実と向きあうにはロベルトには酷であろうと、ブーンの心はずんと痛んだ。

(#℃_°#)「………っ」

口を動かし、何か呟いたようだが、ここまでは聞こえてこなかった。

ゴブリンが自分達に背を向けて去っていったのを確認すると、自分もまた洞窟へ背を向ける。
依頼達成の報告をフランクリン夫妻へと届けるため、あざ道を帰路へと目指した。

ζ ゝ)「ばい、ばい」



        *  *  *

325名無しさん:2024/10/10(木) 03:30:30 ID:Si4yTBmk0

────【リュメの街 フランクリン宅前】────


街に入り、人の姿が目に入ると、ロベルトは急にブーンの手を振り払って暴れようとする。
だが、この子の両親の元へ連れていくまでは、決してこの手を離すつもりはない。

手甲に噛り付かれたりもしたが、痛そうに口を開けて泣きそうな顔をするのは、まだまだ子供の証だ。

( ^ω^)「さ……着いたお?」

ζ・ゝ)「………?」

どこか、懐かしいと感じているのかも知れない。
ドアの向こうで灯された明かりに、吸い寄せられるようにフラフラと歩いてゆく。

そこを、自分がノックしてやった。

「………はい!」

ブーンだと思ったのだろう、ドアの向こうで慌しく、こちらへと駆けてくるフランクリン。
がちゃ、とドアが開けられた時の彼の表情は、この時のブーンの脳裏に深く刻み込まれた。

( '_/')「待っていました、ブーンさ───」

ζ・ゝ)「………あ」

(°_/°)「────ん」

( ^ω^)「戻ったお、フランクリンさん。
       ─────約束通り、”ロベルト君を連れて”」

326名無しさん:2024/10/10(木) 03:31:20 ID:Si4yTBmk0

その後のフランクリンの歓喜の様子は、凄まじいものだった。
夜分にも関わらず、近隣にも轟くほどの大声で、けたたましく妻を呼びつける。

( ;_/;)「マ……マディーッ! マディッ!」

ノ|| '_')「何ですか、あなたそんなに………って、え!?」

玄関口に立つ、少しばかり背丈の大きくなった愛息子の姿を目の当たりにした瞬間、
彼女もまた口を手で押さえて、溢れ出す言葉をどうにか抑えとめていたようだ。

言葉をかける間も挟ませず走り出すと、ロベルトの前に膝をつき、その身体を力強く抱きしめた。

ζ>_ゝ)「あうっ!」

ノ|| ;_;)「あぁ……ロベルトッ! 私達の、ロベルトなのね!?」

最初、暴れだすかとも思って待機していたが、意外にも母親に抱きとめられ、
その身をだらりと投げ出し、されるがままになっていた。

多少苦しそうではあるが、その表情にも次第に変化が見て取れる。

( ;_/;)「……まさか、まさか生きていてくれただなんてッ!」

目頭を押さえて、そこからも大粒の涙が伝うフランクリン。
その、両親ともが号泣している状況に釣られてか、あるいは───

ζ;_ゝ)「あ”ぁぁぁぁッ」

ついにはロベルトも泣き出し始めた、リュメの夜空。
フランクリン親子の泣き声の、三重奏が響き渡っていった。

生家に戻った事で、様々な記憶が蘇ったのだろう。
ロベルトは両親の事をやはり忘れてはいなかったようだ。

だが彼の涙には、もしかすると共に暮らしたゴブリン達の死を悼むものでもあるかも知れない。

327名無しさん:2024/10/10(木) 03:32:11 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)(良かった……本当に、良かったお)

寄り添う三人に踵を返し、邪魔者は消える事としよう。
今夜は二年越しの親子水入らずを、ゆっくりと楽しんで欲しいものだ。

冷たい夜風が、火照った頬を撫で付ける。
心地よい涼しに、はたと星空を見上げてみる。

( ^ω^)(どこへでも繋がってるんだおね……この、空は)

空で光り輝く星たちに、一抹の思いを馳せる。
柄にもなく詩的な一節が口から出てくるのは、依頼を無事達成した事に対して
熱を帯び、どこか舞い上がっている自分がいるのだろうか。

( ^ω^)(ならブーンも、どこへでも行けるお………どこへでも)

そして彼の足は、今も背後で聞こえる泣き声に振り返る事も無く、再びヴィップへの帰路へと踏み出した。



        *  *  *



────かに思えたが、唐突に何かを思い出して、フランクリン宅へと駆け戻った。


(;  ω )「………ッ!!」

(; °ω°)「いっけね!!」

(; °ω°)「成功報酬!!」

(; °ω°)「もらってねぇおぉぉぉぉぉぉッ!!」


───そして、すぐにばつの悪そうに顔を合わせる事となった───

328名無しさん:2024/10/10(木) 03:33:10 ID:Si4yTBmk0

        *  *  *



それから、宿泊を促すフランクリンから成功報酬だけを受け取ると、泊めてもらう事は遠慮しておいた。
代わりに夫妻から、幾度もの感謝の言葉と、力強い握手を何度も交わし、この胸はそれだけで満足だ。

( ^ω^)「親子水入らずを、楽しんで欲しいお」

それだけ告げ、最後に泣き疲れて眠ったロベルトの寝顔を見て、安心して再び帰路へと発った。

夜分にも関わらず、街を後にするブーンの姿が見えなくなるまで手を振ってくれていた。
胸にロベルトを抱いたそんなフランクリン夫妻の姿が─────印象的であった。


そして、二日後。


────【交易都市ヴィップ 失われた楽園亭】────


(’e’)「───言葉を喋るゴブリン、ねぇ」

マスターは知っていたらしい。さすがは、様々な冒険者が集まる宿を切り盛りする店主だ。

ゴブリンの中にも様々な種類が居て、自分が相対したのは、数百匹に一匹の割合で
人間並みの知能を兼ね備えた、”ゴブリンシャーマン”というものらしい。

それならば、ロベルトを育てて仲間へ引き入れようとしていた行動にも、納得がいく。

329名無しさん:2024/10/10(木) 03:34:33 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)「いやぁ、もうびっくりしたお! ま、ブーンの敵じゃあなかったけどお、ね」

(’e’)「ま、所詮ゴブリンだしな」

(;^ω^)「いやいや、それが十……数匹? ものゴブリンに囲まれたブーンには、
       聞くも苦労、語るも苦労のドラマがそこにはあったんだお!」

(’e’)「おーおー、そりゃすごい」


────辟易とした表情で、店主は頬杖を突きながら相槌を打った。


(’e’)「ま……俺の店の馴染みにゃあ、オーガ三匹に囲まれたとて、
   涼しい顔して剣一本でブッ倒しちまう奴もいるぐらいだからなぁ」

( ^ω^)「オーガって、あの……人鬼のオーガかお? それは話盛ってないかお?」

(’e’)「こないだ俺の店に来てただろ。あのジョルジュって奴、あいつさ」

(;^ω^)「あの人……そんなに強い冒険者だったのかお?」

(’e’)「ま……勝てない相手に喧嘩を売るのが、あいつの生き方だからな」

ヴィップに戻るなり、世話になった店主に冒険談を聞かせたいがため、いの一番にカウンターへと座り込んだ。
武勇伝を盛って話すブーンに対して、マスターからは淡々とあしらわれるような返し方をされ続けている。

だが時折、少しだけマスターも嬉しそうな笑みを浮かべてくれるのが、ありがたかった。

330名無しさん:2024/10/10(木) 03:35:05 ID:Si4yTBmk0

(’e’)「ま、そんな事よりも」

( ^ω^)「?」

エールグラスを磨く手を止め、じっと顔を覗き込んできたマスター。

(’e’)「お前さん……こないだよりも、いい顔になったな」

(*^ω^)「止すお、マスター」

(’e’)「本心さ。これで一皮向けて、冒険者になったな」

そう言って、背を向けたマスターは樽からエールをグラスへと注ぐ。
注ぎ終わったあと、再びブーンの方へと振り返ると、目の前へと置いた。

(’e’)「オゴリだ。こいつは俺からの、門出の祝いさ」

( ^ω^)「! ………ありがたく、頂きますだお!」

そのやりとりを見ていた一人の酔っ払いが、ブーンの首元へと手を回して、後ろから組み付いてきた。
まだ昼間だというのに赤ら顔で、何献酒を平らげたのか、吐く息は思わず顔を背けたくなるほどだ。

爪*'ー`)「よぉぉぉぉッ! 奇跡の再会だなッ、友よぉぉぉぉッ!」

(;^ω^)「な……なッ」

(’e’)「うるせーぞ、フォックス!」

爪*'ー`)「んぅ、おカタい事言いなさんなよぉ、マスターぁあん」

331名無しさん:2024/10/10(木) 03:35:45 ID:Si4yTBmk0

(;^ω^)「……フォックス。もう楽園亭に、来てたのかお?」

(’e’)「ん?お前さん、こいつと知り合いか?」

(;^ω^)「ん、まぁ……知り合いには違いないけどお」

(’e’)「お前さんが出立してから、入れ違いでヴィップに来たんだとよ、こいつは。
   店の客の迷惑も考えねぇで女は引っ掛けようとするし、酒は底なしだし、全くかなわんよ」

爪*'ー`)「んむむ………デレちゅわ〜ん!」

ζ(゚ー゚*;ζ「あの……フォックスさん……他のお客さんの迷惑になるんで……」

(’e’#)「てめぇッ! ウチの看板娘に手ぇ出しやがったら、叩き出すぞ!」

爪*'ー`)「……ちぇっ、分かったよ」

爪*'ー`)(今度あのハゲ親父に内緒でデートしようぜ、デレちゃん)

ζ(゚ー゚*;ζ「いや……あの……あはは」

(’e’#)「聞こえてんだぞ……」


苦笑いで何を逃れた店娘のデレは、客に呼ばれたのを良いきっかけに、卓へと駆けていった。
その後ろ姿に鼻の下を伸ばしていたフォックスが、またブーンのもとへと歩み寄る。

爪*'ー`)「依頼さ、達成したんだってな。おめでとさん」

( ^ω^)「大変だったけど、何とかこなせたお」

332名無しさん:2024/10/10(木) 03:36:48 ID:Si4yTBmk0

爪*'ー`)「やるねぇ、このこの……実はさ、俺も冒険者になるぜ!
    とは意気込んではみたものの、俺そういうのぜーんぜんわかんねぇんだわ」

( ^ω^)「ブーンもよく読んでた手引き書の内容を、曖昧に覚えている程度だお?」

爪*'ー`)「注意力とか洞察力、あとは手先の器用さには自信があるんだけどさぁ」

爪*'ー`)「どうにも、俺みたいなタイプが一人で一匹狼気取るのは、ちっとキツイんだわ」

( ^ω^)「確かに……ブーンもゴブリン相手とは言え、一人っきりは辛かったお」

爪*'ー`)「そこで、だ……パーティー組まないか? この、俺とだ」

( ^ω^)「パーティー?」

爪*'ー`)「あぁ、損はさせねぇさ。ブーン&フォックス! あいつらがあの伝説の───!」

爪*'ー`)「……なーんつって言われるようになるかも、知んねーだろ?」

フォックスからの突然の申し出、頭に手を置いて、ブーンはじっくりと考えてみた。

危険な旅は、人数が多いほうが良い。それも、信用できる人間ならなおさら有難い。
フォックスの人間性については、ここまでで数度しか会話を交わしていないが、
ある程度自分に近い感じを受け、受け入れやすい人柄だと思っていた。

依頼の報酬は減るが、背中を任せられる相棒が出来るのは、頼もしい事だった。

( ^ω^)(ずっと一人って訳にも行かないし、良い機会……かも知れないお)

爪*'ー`)「……どうだ?」

333名無しさん:2024/10/10(木) 03:37:30 ID:Si4yTBmk0

( ^ω^)「その申し出、喜んで引き受けるお」

爪*'ー`)「……よっしゃ!今日から俺とお前は仲間だ、ブーン!」

(’e’)「おいおい、こんな奴と組んじまっていいのか?」

( ^ω^)「ブーンの目に、狂いはない!……と信じたいお」

爪*'ー`)「まーまー、損はさせねぇってば。
    あ、改めて自己紹介しとくぜ」

爪*'ー`)「”グレイ=フォックス”、生まれはどこだか忘れちまった。
     が、当分はヴィップを根城にする。楽園亭に骨を埋める覚悟だ、よろしくな」

(’e’)「おいおい……勘弁してくれねぇかな」

( ^ω^)「”ブーン=フリオニール”、生まれはサルダの村だお。
       まだまだ駆け出しだけど、こっちこそよろしくだお!」

無事依頼を達成したブーンの元へ現れた、フォックス。
偶然にも再会した二人は、旅を共にする事となった。

酒を酌み交わし始める二人の姿を見ながら、これまでよりも煩い店内になってしまった
失われた楽園亭のマスターは、頬杖をついて厄介そうにため息をついていた。

だがこの翌日、さらにこの店を騒がしくしてしまう来訪者が訪れる事を、マスターはまだ知らない。

334名無しさん:2024/10/10(木) 03:38:04 ID:Si4yTBmk0


        *  *  *




(´・ω・`)「───見えてきたね、ヴィップが」

ξ;゚⊿゚)ξ「や、やっと……柔らかいベッドの上で寝られるんだわ……」



    ( ^ω^)冒険者たちのようです

            第6話

        「名のあるゴブリン」


             ─了─

335名無しさん:2024/10/10(木) 03:41:02 ID:Si4yTBmk0
>>278-334が、ゴブリンをよく狩る人には怒られそうな第6話となります。
 焼き直し作品ですので基本sage進行でかまいません。

336名無しさん:2024/10/11(金) 23:21:30 ID:58yxKtJ20
乙津

337名無しさん:2025/01/26(日) 16:15:09 ID:sTdmUGKk0
飽きるの早すぎんか…

338名無しさん:2025/02/17(月) 15:38:41 ID:GsdDy/eU0
クオリティ高いな。
カードワース題材というのもしぶい。


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