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( ^ω^)ブーン系オレンジデー祭り2024 本スレ
87
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:47:18 ID:n/BUvMv60
【2千万と産みの両親】
第二土曜日は学校が早く終わるけど、屋敷に来る愛人の相手をしなければいけない苦行がある。
アタシは、血の繋がった自分の両親が大嫌いである。
(;、;トソン「ごめんなさい……あなたに母親らしい事をしてあげられなくて、本当にごめんなさい」
( ・∀・)「大丈夫だよトソン、ミセリは僕が責任持って面倒を見るよ」
(;、;トソン「ごめんなさいモララー、あなたに甘えてばかりで……私ったら本当にダメな人……」
( ・∀・)「そう気に病むなよ、君だけが悪いんじゃないんだから」
ミセ*゚ー゚)リ(そーだね、浮気するアンタも悪いよ)
娘の様子見を名目に月2回会いに来る愛人(遺伝子上の母)は、会うたびにしおらしく啜り泣いて、自分の不甲斐なさを泣きながら謝っている。
それを屋敷の当主(つまり遺伝子上の父)が甘〜く薄っぺらい言葉で慰めて、泣くだけの愛人を落ち着かせるのだ。
ミセ*゚ー゚)リ(毎っ回毎回、よく飽きずに同じやりとりするよね)
高級ロングソファーに横並びに座って愛人の肩を力強く抱く当主と、当主にしなだれかかる愛人の目の前で、不平不満を一切顔に出さず可愛い娘を演じている。
所詮は扶養される子供だから、親にとってのいい子でいなければいけない。
ミセ*゚ー゚)リ(世間一般じゃアタシの方がクソ娘なんだろうなー)
衣食住不自由なく暮らしている分際で、内心親をボロクソ言う性根の腐りっぷりは、誰譲りだろう。
(;、;トソン「同じ家で暮らせなくても、私はあなたの幸せを願っていますよ」
( ・∀・)「ボクも、トソンの幸せを願っているよ」
ミセ*゚ー゚)リ(あー、早く地下室行きたい)
(;ー;トソン「愛していますよ、私の可愛いミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ(今日の夕ご飯はなにかなー)
ミセ*^ー^)リ「アタシも、お母さんとお父さん大好きだよ」
うぅっ! なんて気持ち悪いぶりっ子を極めた笑顔と声!
88
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:47:46 ID:n/BUvMv60
(;、;トソン「ミセリっ!」
( ;∀;)「ああトソン! ミセリはこんないい子に育ったんだ! 僕達の事情を分かってくれてるさ!」
愛人が感極まって泣き崩れるのも、いつも見ているお約束の光景だ。
パッ見は頭良さそうなヒトなのに、奥さんいる男性と浮気して子供を産んだり、作り笑いに騙されるものなのかな?
もしかしてアタシの腐った性根と演技を見抜いていて、わざと愚かな女を演じているのだろうか。
(゚、゚トソン「ふぅ、自分は賢いと思い込んでいるバカ娘を騙すのは快感です」
(゚、゚*トソン「ちょっと泣くだけで大金を貢いでくれるボンボン最高ですね」
とか実は自宅でタバコ吸いながら、アタシ含め周りを心底バカにしているかもしれない。
ミセ*゚ー゚)リ(そうだったら、少しは好きになれそうなんだけどなー)
この2人の脳内では自分たちは家などのしがらみで引き裂かれた悲劇のカップルで、アタシは悲劇の副産物であり悲劇のバカップルの絆ってヤツなのだ。
ミセ*゚ー゚)リ「!」
('、`#|壁
ミセ;゚ー゚)リ(うへぇ、本妻さんがまだいるのにイチャつくなよ)
見てよ、この隠れてるつもりで隠れてない本妻さんの憎しみに満ちた表情!
スキがあれば全員2tトラックで轢き潰してやるってオーラがすごいってなんの!
( ・∀・)「どうしても行ってしまうのかい?」
(゚、゚トソン「まだ、2週間後に会えますから……」
(;・∀・)「待ってくれ!
お淑やかに帰ろうとする愛人の(よーく手入れされた白魚のような)手を、当主は未練がましく掴む。
(゚、゚*トソン「あっ」
引き止められた愛人も、満更でもない様子だ。
( ・∀・)「やっぱり君がいないこの家は、とても息苦しいよ」
ミセ*゚ー゚)リ(アタシはアンタたちのせいで息苦しいけどね)
89
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:48:42 ID:n/BUvMv60
(゚、゚;トソン「ダ、ダメです! あなたには奥さんがっ」
('、`#川 ))
これ見よがしに当主と愛人がイチャつくから本妻さんは怒って贔屓のバーへ行きました、あーあ。
( ・∀・)「ペニサスのやつは年下のバーデンと交際しているからね、アイツを追い出せる日も遠くないさ」
(゚、゚トソン「奥さんも、寂しい人なんですよ……」
ミセ*゚ー゚)リ(コレ、どっちの浮気が先だろーなー)
偶然聞いた探偵の調査結果では、長岡って年下バーデンは他に交際している巨乳女性が複数いるとのこと。
しかも元カノは赤ちゃんできてるけど、長岡は逃げたみたい。本当だとしたら、すっげぇ優秀な探偵だな!!
しかし、うーんこのドロドロ具合、まいっちゃうね!!
90
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:49:11 ID:n/BUvMv60
【2千万・地下に逃げ帰る】
ミセ*’A`)リ「た、ただいまぁ〜」
( ・-・ )っ[お帰りなさい]
(´・_ゝ・`)「おかえりミセリ……ひどくつらそうだね」
ミセ*’A`)リ「ずーっとニコニコするのつーかーれーたー」
( ・-・ )っ[お疲れ様] ペラッ
シーンさんが入れてくれたホットココアを飲んで、少し元気が出る。
ミセ*゚ー゚)リ「シーンさん、ありがとう」
アイツら+本妻さんに対して感謝の気持ちは1mmも湧かないが、シーンさんは別だ。
ミセ*゚ー゚)リ(あーあ、シーンさんがお母さんだったら、よかったのに)
なんとなく、この願望は口に出していけない気がする。
もしかしたらシーンさんは、ヒミツと自分の間に入ってきたアタシを本当は大っ嫌いかもしれないから。
ミセ*゚ー゚)リ(そうだったら、立ち直れないなー)
アタシは早く大人になりたい。
ミセ*゚ー゚)リ「大人になって、シーンさんとヒミツを連れて、この家を出てってやる」
三人で暮らすためのお金を、もらったおこづかいからムダ遣いしないようにコツコツと溜めている。
ミセ*゚ー゚)リ「大きすぎなくて地下室のない家がいいなぁ」
大人になったアタシは働いてお金を稼いで、シーンさんがご飯を作って待ってくれて、ヒミツは庭で好きなだけ日向ぼっこできる、そんな家が欲しい。
だけど大人になりたくない、そんなムジュンした気持ちもある。
シーンさんもヒミツもアタシに優しくするのは、アタシがバイトすらできない無力な子供だからだ。
しかも母親に売られ、この家の本妻には毛嫌いされている不倫の子だ。
ミセ*゚ー゚)リ「あーあ、ずっと子供のままで、シーンさんとヒミツに可愛がられたい」
でも不老不死になると、ヒミツみたいにしょっちゅう体を切り刻まれて食べられてしまう。
ミセ*゚ー゚)リ「嫌いな連中の血肉になるのは絶対ヤダ」
91
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:49:36 ID:n/BUvMv60
【2千万、旅行に行く】
ミセ#^ー^)リ (・∀・*(゚、゚*トソン
っ【◎】
今アタシはバカップルの撮影係をしている。親子水入らずの旅行だとさ、くたばれゴールデンウィーク!!
アタシは子供用スマホとデジカメで撮るものを分けている。
( ・∀・)「どうしてわざわざデジカメを使うんだい?」
ミセ*゚ー゚)リ「だってトクベツな思い出でしょ?」
ミセ#゚ー゚)リ(アンタたち不倫バカップルをスマホに残したくねーからだよ!)
ミセ*゚ワ゚)リ「キレイな海! 宝石みたい!」
シーンさんとヒミツに見せたいモノだけ、アタシのスマホで撮影する。
最初当主に旅行に誘われた時は、仮病かガチで病気になろうか悩んだ。しかしカゼをひいてシーンさんに迷惑をかけたくないし、ヒミツはアタシが治るまでものすごーく心配する。
( ・-・ )っ[ペニサスが男を連れ込むと言っていたから、行った方がいい]
ミセ;゚ー゚)リ「あのバーデン、シーンさんをヤラシー目で見てるよ? シーンさんも行こうよ!」
( ・-・ )っ[私は彼が心配だから行けない]
( ・-・ )っ[他にやる事がある] ペラッ
シーンさんの説得でアタシは、家族水入らずGW旅行に参加することになったのだ。
そして予想通り、当主と愛人は人目を気にせずイチャイチャしている。こいつらサメに食われてくれないかな。
(・∀・*(゚、゚*トソン ミセ*’A`)リ
おみやげ屋さんで、お互いにコレが似合うだの、アレが似合うだの、不倫でなければ熱愛夫婦のようだ。
アタシは誘拐されたり、迷子にならないように、嫌だけど不倫バカップルからはぐれないようにしている。
ミセ*’A`)リ(いいなー、大人は好きにお金を使えて)
夜空の夫婦茶碗と書かれた商品が目に入る。まるでヒミツとシーンさんみたいな、キレイな黒だ。
ミセ*゚ー゚)リ(あの2人に使って欲しいな)
ミセ;゚ぺ)リ(げ!高っ!! シーンさんがくれたお金がほとんどなくなるじゃん!)
だけどあの2人へのおみやげを、アイツらの金で買われたくない。
アタシの自己満足だけど、アタシはあの2人が大好きだから。
92
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:50:01 ID:n/BUvMv60
ミセ*^ー^)リ
つ□
財布は薄くなったけど、いい買い物をした。心の底からゴキゲンなアタシに、当主と愛人もなぜか得意げだ。
ミセ*^ワ^)リ「連れてってくれて、ありがとう!」
不倫でアタシを作ったことは許すつもりはないが、感謝は伝えておく。
シーンさんとヒミツのところへ帰れる旅行最終日、当主がやたら慌てている。
(;・∀・)「僕は先に帰るから、トソンとミセリは予定通りの便で帰って!」
(゚0゚;トソン「ちょ、ちょっとモララー! 私を置いて行かなでください!!」
とりあえずチェックアウトして予定通りの便に乗っている間、アタシはひたすらさめざめと泣く愛人をずっと慰めていた。
(;、;トソン「モララー……モララーっ」
ミセ;゚ー゚)リ「アタシたちのためにパパがんばってるんだよ、急なお仕事に入ってもしょうじゃないよ」
どっかのドラマで見たような薄っぺらいセリフを、ひたすら繰り返していた気がする。
帰ったらバカデカ屋敷が全焼してるとか思わないじゃん!アタシも先に帰りたかったよ!
ミセ;゚0゚)リ「シ、シーンさんは? シーンさんはどうしたの!!?」
火事で地下は危ないとテレビで知った。地下から出れないヒミツと、ヒミツが大好きなシーンさんに何かあったら、アタシはこれから何を楽しみに生きればいいの!?
お金なんていらないから、2人を返してよ!!
(lli ∀)「シーンは無事だよ……ペニサス達に追い出されてビジネスホテルに泊まっていたそうだ」
ミセ;゚0゚)リ
ミセ;゚ー゚)リ
ミセ ∀ )リ
憔悴した当主の言葉に、アタシは、こんな都合のいいことが起きていいのだろかと思った。
93
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:50:23 ID:n/BUvMv60
【2千万と後始末】
出火の原因は、バーデンの寝タバコらしい。あとバーデンはゲロが詰まってたそうだ、お酒って恐いね!!
バーデンと本妻さんは邪魔なシーンさんを追い出して、飲めや歌えの大騒ぎをした末に酔い潰れて寝た上に、火の不始末で自分ごとお屋敷を燃やしちゃったのだ。
つまり当主は(不倫)旅行中に妻の浮気で家を焼かれた、カワイソーな男になったのだ。
色んな保険はおりるけど、もうとくにかく色々と面倒臭そうな話し合いや、手続きがあるそうだ。
地下については、誰も不自然なほど触れようとしない。
憔悴当主が警察のすごーく偉い人に電話をかけて、長時間お話したからだろう。
シーンさんは口止め料として、マンションとか株とか大金をもらった。本妻さんに追い出されたけれど、屋敷を不在にして火事を起こした責任だとさ。
ミセ;゚ー゚)リ(一緒に暮らすって叫んでシーンさんに抱きつきたいけど、シーンさんはどうなんだ?)
( ・-・ )っ[ミセリちゃんは私が面倒を見ます]
(゚、゚;トソン「お願いします、私は今の弱ったモララーから離れられませんから」
(lli ∀)「あ、ありがとうシーン……助かるよ……」
ミセ;゚ー゚)リ(マジで? 明日隕石がアタシに直撃しないよね!?)
シーンさんは、アタシの手を握ってくれた。シーンさんから微かに血の匂いがしたけど、アタシにはどうでもいい。
94
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:50:49 ID:n/BUvMv60
【2千m……ミセリとシーンと】
シーンさんはマンションも株も高く売って、アタシを連れて遠い所に引っ越した。まずは地下室よりせまいけど、なかなかきれいなアパートだ。もう少し落ちつたら、もっと遠くへ移動するそうだ。
転校は寂しいけど、シーンさんが一緒なら地獄だって平気だ。シーンさんだけじゃない、ヒミツだって一緒にいる。
ミセ*゚ー゚)リ「ヒミツ、ちっちゃくなったねー」
シーンさんが見せてくれた血の匂いの元は、脈打つヒミツの心臓だ。
シーンさんがヒミツの体からえぐり出した心臓は、少しずつだけど肉や血管が再生している。
( ・-・ )[私と彼でやった]
ミセ*^ー^)リ「知ってる」
すっごく簡単な話。シーンさんはヒミツの血と肉を、調理して本妻さんとバーデンに食べさせた。
中毒性の高いヒミツの血肉とアルコール度数の高い酒を、たくさん飲ませて、たくさん食べさせるように仕向けて、わざと火をつけたままにして”追い出されてやった”たらしい。
本当はもっと何かをしたらしいけど、詳しい話は刺激が強いと教えてもらえなかった。
シーンさん以外の異母兄弟や、バーデンとの子供ができたお姉さんたちも、協力してくれた。株やマンションを売ったお金は、お礼として協力者に配られた。
色々深入りできない汚い事情があって、【不倫の末の火事で死亡事故】で片付けられたそうだ。不幸中の幸いにも、本妻さんとバーデン以外は死んでいない。
( ・-・ )
つ◯と
どんな姿でも愛している、そうシーンさんの唇が動いた気がした。
心臓をえぐり取られたヒミツの本体はまだあるらしいけど、どうなるか分からない。
心臓から再生しても、アタシたちの知っているヒミツのままか分からない。
だけど
(* - -)
つ◯と
ヒミツの心臓に愛おしそうに口付けするシーンさんは、旅行で見た海より美しかった。
95
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:51:11 ID:n/BUvMv60
【声が出ない女の回想】
初めてこの屋敷に来たあの子は、あまりにも哀れな姿だった。
伸びっぱなしのベタついた長い髪、何日も変えていない汚れた服、5歳にしては小さな子供だった。
感情を押し殺し虚ろな瞳は、まるで肉を削がれるだけの彼のようだった。
「すごく可哀想な子だろ? 助けておくれよ」
異母兄モララーは言いたい事だけ言い、泣いているだけの女の肩を抱いて外に出た。闇金にその女の借金を返済しに行くそうだ。
小柄な子供は兄が妻以外の女性に産ませた子供、つまり私と同じ妾腹の子だ。
私の母は私を産んだ翌月に亡くなったので、モララーの母親が哀れんで娘のように育ててくれた。
この子の母……先ほどの泣いている借金女は、まだしぶとく生きている。
私は泣きも暴れもしない子供の小さな手を引いて、地下室に降りた。
義姉のペニサスに見つかると、罵詈雑言を喚きながら最低1時間暴れるので厄介だ。夫の義妹である私をひどく嫌っているペニサスからすれば、夫と他の女との子供などおぞましい存在に違いない。
「そのこは だれだい?」
座敷牢に繋がれた、虚ろな真っ黒い瞳の彼が訊いてくる。私は自分を指差し、「同じ」のジェスチャーをする。
「ほんさいさん、おこるね」
困ったと呟く彼に、私も頷く。
そろそろお昼が近い、黙ったままのこの子になにか食べさせなければいけない。
[わたしはシーン、あなたのおなまえは?]
スケッチブックに大きく字を書き、子供の名前を問うてみる。
「アタシ、じ わからない」
子供の声は、他人への不信感に満ちている。困っていると、彼が助け舟を出してくれた。
「シーンおねえさんは、きみのおなまえのしりたいんだ」
「……なんで、しゃべらないの?」
「シーンおねえさんは、こえがでないんだ。 ぼくも、ここからうごけない」
「………………ミセリ」
スケッチブックに「ミセリちゃんは、カレーはすき?」と書いて、彼が読み上げてくれる。ミセリは質問にたいして、蚊の鳴くような声でわからないと呟いて下を向いた。
彼にミセリの相手を任せ、昨日作ったカレーを、子供用の味付けにする。中辛カレーにハチミツや野菜ジュースを入れて、弱火で煮る。
96
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:51:48 ID:n/BUvMv60
「シーンおねえさんのつくるごはんは、おいしそうなみためで、いいにおいがするんだよ」
彼はミセリに根気よく話しかけているが、ミセリは無言で部屋の隅で膝を抱いて蹲っている。
食事の準備が整ったので、ミセリを招く。彼が繋がれている牢屋の前に食卓が置かれていて、ミセリは変な顔をした。
「…………おにいさんのごはん、ない」
「ぼくはね、ごはんがいらないんだ。 しあわせそうなシーンおねえさんとミセリをみるのが、ぼくのしょくじなんだよ」
「…………へんなの」
ミセリはそう呟いて、いただきますと小さい声で食前の挨拶をした。スプーンを握り、甘く味付け直したカレーを口に入れた。
「…………これ、おいしい」
幸いにもカレーは口に合ったようで、ミセリは夢中で食べてくれた。急いで食べるから、喉を詰まらせないかと心配した。
デザートに昨日買ったオレンジチョコケーキをあげたら、目を丸くして「これもつくったの?」と訊く姿が可愛らしかった。
腹が満ちたミセリは、彼としりとりで遊ぶ余裕ができたようだ。
急いで上の母屋に行って、幼い子供のための下着や服を探す。育ての母が記念として、私の古着が保存されていて良かった。「シーン5歳・春物」と丁寧な字で書かれたダンボールを抱え、地下に戻った。
[ふるいのでごめんね、あした あたらしいふくを かいにいこうね]
彼が読み上げるとミセリは頷き、大人しく着替えた。ミセリは年齢より少し小柄なだけで、極端にやせ細っておらず、傷もない体で安堵した。
「……くさくない」
なるべく綺麗な状態で残っていたオレンジ色のワンピースを着たミセリが、微笑んだような気がした。
しばらくして眠くなったはずなのに、ミセリは檻に寄りかかって眠ろうとしない。彼に「おひるねしようよ」と言われても、いやいやと頭を振り近付いた私の服の裾を掴んだ。
「ママみたいに、ねてるうちに、どっかいかないよね……」
そんなミセリを見て、モララーの母が私の世話をした気持ちがわかるような気がしてきた。
私はただただミセリを抱きしめるしかできなかった。
97
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:52:24 ID:n/BUvMv60
【小娘の独白】
とても静かなひいおばあ様の隣には、穏やかに微笑む青年がいます。
ミセリおばあ様は、その青年はひいおばあ様の何より愛しい人だと教えてくれました。
ミセリおばあ様が子供の頃からひいおばあ様と青年は恋仲だそうですが、私にはよく分かりません。
ノリ, ^ー^)li「あの男の人は、ひいおじい様の血縁ですか?」
そう聞いてもミセリおばあ様はヒミツと笑うだけです。
私はその青年が食事をするのを、見た事がありません。
青年が私を庇って犬に噛まれた時、噛まれた傷はどこにもありません。
ひいおばあ様のお葬式で再会した青年は、あの時から全く姿が変わっていません。
ノリ, ^ー^)li「あなたは誰?」
私が聞いても、青年は微笑んで穏やかな声でこう言うだけでした。
(´・_ゝ・`)「秘密」
終
98
:
◆mzr18G4QOc
:2024/04/21(日) 00:53:41 ID:n/BUvMv60
【作品名】(´・_ゝ・`)ヒミツのようです
【作品URL】
>>81-97
【コメント】不倫などの迷惑な恋愛や、心臓に口付けするほどの恋愛を書いて楽しかったです
99
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 01:28:52 ID:1SV9gucE0
乙乙
好き
100
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 01:30:28 ID:nLXH03ds0
乙乙
面白かったぁ!
好き!!
101
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 08:09:05 ID:QZ3OBpck0
乙
このレス数でこの濃さ、凄すぎる
面白かった
102
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 09:46:18 ID:kxPGxSRc0
乙です
103
:
◆JeuQiOyU3U
:2024/04/22(月) 15:26:46 ID:X3LLbvTE0
【作品名】んじゃめき様の言う通りのようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713765725/-100
【コメント】んじゃめき様の言う通りです
104
:
◆eGnLqfyqwY
:2024/04/23(火) 15:10:10 ID:RRaBmWig0
【作品名】('、`*川あたしの親友のようです从'ー'从
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713850725/
【コメント】面倒臭い女、いいと思います
105
:
◆gSMF7Mrmu.
:2024/04/23(火) 17:49:07 ID:3xD1iQk20
【作品名】101回目の朝のようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713773981/-100
【コメント】同性同士の恋愛の為、閲覧にはご注意ください。
恋愛物を書くのは苦手でしたが頑張りました。
106
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:41:52 ID:dUOiKSxA0
投下します
107
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:42:49 ID:dUOiKSxA0
( -ω-)スースー
( -ω^)「んお?」
( ^ω^)「なんか外がうるさいお」
( ^ω^)「おはようかーちゃん。外がうるさいけど何かやってるのかお? 」
J( ´ー`)し「おはようブーン」
J( ´ー`)し「お隣に引っ越してくる人がいてそのせいでうるさいのかもね」
( ^ω^)「へーどんな人が引っ越して来るのかお? 」
J( ´ー`)し「さあねぇ。まあ今度挨拶に来るでしょう」
( ^ω^)「それもそうおね」
.
108
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:43:42 ID:dUOiKSxA0
('、`*川「こんにちは」
( ^ω^)「お? こんにちは……」
(; ^ω^)「えっと……」
('、`*川「ご挨拶が遅れました。最近こちらに引っ越して来たものです」
( ^ω^)「これはどうもご丁寧に」
('、`*川「ご近所という事でよろしくお願いします」
( ^ω^)「ええ。よろしくお願いします」
('、`*川「申し遅れました。私はペニサスといいまして」
('、`*川「こちらが姪の」
ξ゚⊿゚)ξ「ツンと申しますわ」
ζ(゚ー゚*ζ「デレと申します」
ξ゚⊿゚)ξ「「よろしく、お願いいたします」」ζ(゚ー゚*ζ
109
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:44:10 ID:dUOiKSxA0
( ^ω^)「僕の名前はブーンだお。よろしくだお〜」
( ^ω^)(小さいおね。小学生ぐらいかお? )
(; ^ω^)(それにしても凄いファッションだおね。ゴスロリとかいう奴だったかお? )
('、`*川「この子達二人とも海外の生まれでね、日本語がおかしかったらごめんなさいね」
( ^ω^)「あっそうなんですかお。だから髪の毛の色が金なんですおね」
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚ー゚*ζ
(; ^ω^)「んお? どうかしたかお? 」
ξ^ー^)ξ
ζ(^ー^*ζ
ξ゚ー゚)ξ「さあさあ叔母様行きましょう」
ζ(゚ー゚*ζ「さあさあ叔母様帰りましょう」
('、`*川「ん? そうかい? じゃあ行こうか」
('、`*川「引き留めてすみませんでした。ではこれで」
( ^ω^)「あっはい。さようならですお」
110
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:44:31 ID:dUOiKSxA0
( ^ω^)「ただいまだお〜」
J( ´ー`)し「お帰り」
( ^ω^)「さっきお隣さんに会ったお」
J( ´ー`)し「あんたも会ったのね」
( ^ω^)「だお。まさかの外国人とは恐れ入ったお」
J( ´ー`)し「それにしては日本語ペラペラだったけどね」
( ^ω^)「でも、双子の方は喋り方が特徴的だったお? 」
J( ´ー`)し「どんな風にさ? 」
( ^ω^)「うーん……なんかリズムに乗ってるというか歌ってるみたいというか……」
J( ´ー`)し「ふーんあっちの喋り方と混じっちゃってるのかもね」
( ^ω^)「だお」
.
111
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:45:16 ID:dUOiKSxA0
('、`*川「あらこんにちは」
( ^ω^)「あっどうも」
('、`*川「今日はお休みなのですか? 」
( ^ω^)「ええ。大学がしばらく休みでして、ブラブラしてたんですお」
('ー`*川「あら羨ましい」
( ^ω^)「学生の特権って奴ですね」
('、`*川「なら今は時間を持て余してますか? 」
(; ^ω^)「持て余すって……」
( ^ω^)「まあそうですね」
('、`*川「だったらうちの姪たちの話し相手になって貰えないかい? 」
('、`*川「やっぱその国の人と話すのが上達の近道だと思うからねぇ」
(; ^ω^)「上達って……あの子達ペラペラだったと思うんですけど」
('、`*川「それが、変な風に覚えちゃったから、ね」
('ー`*川「ま、ちょっと上がって行きなよ。お茶ぐらい出すからさ」
( ^ω^)「はぁ……」
112
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:45:42 ID:dUOiKSxA0
('、`*川「ただいま。ブーン君連れてきたよ」
( ^ω^)「お邪魔しますお」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらいらっしゃいませブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあいらっしゃいませブーン様」
(; ^ω^)「ぶ……ブーン様……? 」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、ええあなたはブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「そうそうあなたはブーン様」
(; ^ω^)「なんかむずがゆいから呼び捨てにして頂けると」
ξ゚ー゚)ξ「ダメです。ブーン様と、呼ばせて下さい」
ζ(゚ー゚*ζ「私達の、ブーン様と呼ばせて下さい」
(; ^ω^)(圧が凄いお……)
(; ^ω^)「解ったお。好きに呼んでくれお」
ξ゚ー゚)ξ「「ではではではではブーン様、これからどうぞよろしくお願いいたします」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ^ω^)「よ、よろしく……」
.
113
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:46:06 ID:dUOiKSxA0
( ^ω^)「ただいま〜」
J( ´ー`)し「おかえり」
(; ^ω^)「いや〜お隣さんの双子達の会話相手になってくれって言われちゃったお」
J( ´ー`)し「あら別にいいんじゃないの? どうせ暇してるんだし」
(; ^ω^)「そうなんだけど」
J( ´ー`)し「なんか不満でもあるの? 」
(; ^ω^)「いや〜」
J( ´ー`)し「ハッキリしない子だねぇ」
J( ´ー`)し「まあ人助けだと思ってやるんだね」
(; ^ω^)「うん……」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようございます。ブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「おはようございます。ブーン様」
(; ^ω^)「お、おはようだお」
(; ^ω^)「じゃ、じゃあ今日はなんの話をしよっかお」
ξ゚ー゚)ξ「ブーン様の、事を教えて、下さい」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン様の、話を聞かせて下さい」
(; ^ω^)「ええ……僕の事かお? 」
(; ^ω^)「えっとぉ……」
( ^ω^)「じゃあこんな話はどうかお」
114
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:47:11 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「なるほどなるほどブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「よくよく解りましたわブーン様」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたがあなたのご家族を」
ζ(゚ー゚*ζ「とてもとても大事にしている事を」
(* ^ω^)「そ、そう言われるとちょっと照れるお」
ξ゚⊿゚)ξ「家族の仲がいいことは」
ζ(゚ー゚*ζ「とてもよろしい事なのですよ」
(* ^ω^)「そうだおね」
(; ^ω^)「おおっと、もうこんな時間かお」
( ^ω^)「じゃあ僕はそろそろ帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうそうそうそうブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「ねえねえねえねえブーン様」
ξ゚⊿゚)ξ「「最後に、一つ、聞きたいことが」」ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)「ん、なんだお? 」
ξ゚⊿゚)ξ「もしも、もしも、あなたの家族が」
ζ(゚ー゚*ζ「もしも、もしも、いなくなってしまったら」
ξ゚⊿゚)ξ「「あなたはあなたは、悲しいですか? 」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ^ω^)「? そりゃ悲しいお」
ξ゚⊿゚)ξ「「なるほどなるほど、わかり、ました」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「「それではそれではブーン様」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「「今日は、ありがとう、ございました」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ^ω^)「ふぅ。終わったかお」
(; ^ω^)「それにしても最後の質問は何だったのかお? 」
115
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:47:47 ID:dUOiKSxA0
J( ´ー`)し「そういやお隣さんの事なんだけどさ」
( ^ω^)「んお、なんかあったのかお? 」
J( ´ー`)し「いや、なんかあったって訳じゃないんだけど」
J( ´ー`)し「最近双子ちゃん達をよく見かけるからね、気になったのよ」
( ^ω^)「へぇ」
( ^ω^)「って言っても近所だし見かけるのも当然じゃないかお? 」
J( ´ー`)し「まあそうなんだけどねぇ……」
( ^ω^)「あの二人目立つ格好をしてるから嫌でも目につくんじゃないのかお? 」
J( ´ー`)し「かもしれないねぇ」
( ^ω^)「じゃあ今日も呼ばれてるから行ってくるお」
J( ´ー`)し「いってらっしゃい。あまり迷惑をかけないようにするのよ」
.
116
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:48:09 ID:dUOiKSxA0
( ^ω^)「今日は呼ばれてないからちょっと一人でブラブラしてくるお」
J( ´ー`)し
(; ^ω^)「かーちゃん? 」
J(; ´ー`)し「ん。ああごめんね」
(; ^ω^)「なんかあったのかお? 」
J(; ´ー`)し「前も言ったけどあの双子ちゃんをよく見かけてねぇ」
( ^ω^)「ああ、前も言ってたおね」
J(; ´ー`)し「気のせいだと思うんだけど……」
J(; ´ー`)し「あの二人、こちらを見て嗤ってた気がするのよね」
(; ^ω^)「ええ……怖い事言わないでくれお」
J(; ´ー`)し「ごめんごめん」
( ^ω^)「まあ今日はとーちゃんも家にいるし安心するお」
J( ´ー`)し「だねぇ」
J( ´ー`)し「じゃあまあ行ってらっしゃい」
J( ´ー`)し「引き留めて悪かったわね」
( ^ω^)「いいおいいお」
( ^ω^)「じゃ、行ってくるお〜」
.
117
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:48:29 ID:dUOiKSxA0
(; ^ω^)(何だお? 家の前に人が集まってるお……? )
('、`;川「あっ! ブーン君! 」
( ^ω^)「どうもペニサスさん」
('、`;川「あなたは無事だったのね!!? 」
(; ^ω^)「無事って……何かあったのですかお? 」
('、`;川「……君に何も連絡は行ってないの? 」
(; ^ω^)「連絡……? 」
('、`;川「君の家に……強盗が入って……」
(; ゚ω゚)「……は? 」
('、`;川「君の……ご両親が……」
(; ゚ω゚)「……は? 」
('、`;川「と、とにかく! こっちに……!! 」
('、`;川「警察の人が、詳しい話をしてくれるから……」
.
118
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:49:51 ID:dUOiKSxA0
(; ω )(とーちゃんとかーちゃんが……殺された……? )
(; ω )(死因は全身を滅多刺しにされた失血死)
(; ω )(そんなに恨みを買ってたのかお……? )
(; ω )(いいや! そんな訳ないお!! )
(; ω )(だったら……誰が……? )
('、`;川「その……ブーン君……今回は……ご愁傷様……というか……」
(; ω )「気を使って頂いてありがとうございますお」
('、`;川「その……良かったら、落ち着くまで、家に……来ない……」
(; ω )「……え? 」
('、`;川「君も一人じゃ大変だろうし、私達も女所帯だから、心細くて、ね? 」
(; ^ω^)「う、うーん…」
(; ^ω^)(確かに……ペニサスさんと幼い二人だけど……)
(; ^ω^)(そんなに甘えて良いものなのかお…? )
(; ^ω^)(それに……)
ξ゚ー゚)ξ
ζ(゚ー゚*ζ
(; ^ω^)(あの二人は何で葬式なのに笑ってるんだお……)
('、`;川「ね。ブーン君」
(; ^ω^)「あっはい」
('、`;川「頼むから、ね? 」
(; ^ω^)「わ、わかりました」
.
119
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:50:16 ID:dUOiKSxA0
(; ^ω^)(なんだかんだ押し切られて一緒に暮らすことになったお……)
(; ^ω^)(んお、話し声が聞こえるお)
「「クスクスクスクス」」
「これでこれで、上手くいった」
「これでこれで、上手く出来た」
「「これでこれで邪魔な、人は、消えた! 」」
「「彼は彼はひとりぼっち」」
「「彼の家族は、もういない! 」」
「だって」
「だって」
「「私達が、処理を、したから! 」」
「「邪魔だったから、仕方、ないの」」
「「ブーン様だけいれば、いいの!! 」」
「「クスクスクスクス」」
.
120
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:50:39 ID:dUOiKSxA0
(; ω )
(; ω )「さっきの話……本当なのかお……? 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあら聞かれて、しまいましたわ」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ聞かれてしまいましたね」
(# ω )「答えろお!! 」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、ええ。そうですそうですわ」
ξ゚ー゚)ξ「私が、あなたの愛する父を」
ζ(゚ー゚*ζ「私が、あなたの愛する母を」
ξ゚ー゚)ξ「何度も」
ζ(゚ー゚*ζ「何度も」
ξ゚ー゚)ξ「「何度も刺して! 」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「刺して」
ζ(゚ー゚*ζ「刺して」
ξ゚ー゚)ξ「処理を、しました」ζ(゚ー゚*ζ
121
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:51:22 ID:dUOiKSxA0
(; ω )
(; ω )「け……警察に……」
(; ω )「警察に通報しなきゃ……」
ξ゚ー゚)ξ「クスクス」
ζ(゚ー゚*ζ「クスクス」
(# ω )「何がおかしいお!! 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「証拠は、おありで、ござい、ますの? 」
ζ(゚ー゚*ζ「私達が、殺した証拠が」
(# ω )「今、お前たちが自供しただろうがお! 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「それでは、証拠に、なりま、せんわ」
ζ(゚ー゚*ζ「それでは、子どもの、いたずらですと」
ξ゚ー゚)ξ「「そう、思われて、しまい、ますわ」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「クッ……」
ξ゚ー゚)ξ「小学生に、こんな、犯罪、出来まして? 」
ζ(゚ー゚*ζ「それを、誰が、信じ、まして? 」
ξ゚ー゚)ξ「「あなたは、誰にも、信用されない」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ^ー^)ξ「「クスクスクスクス」」ζ(^ー^*ζ
122
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:51:47 ID:dUOiKSxA0
(; ω )
(; ω )「僕が…こいつらを……何とかしないと……! 」
.
123
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:52:17 ID:dUOiKSxA0
(; ^ω^)「何か……手は……」
(; ^ω^)「取り押さえるかお……? 」
(; ^ω^)「いや、ダメだ……あいつ等に騒がれたら不利になるのはこちらだお……」
(; ^ω^)「ペニサスさんに相談するかお……? 」
(; ^ω^)「ダメだお……あの人を信用することが出来ないお……」
(; ω )「くそっ……」
(; ω )「何か……何でもいい……何か証拠になるものでも……」
(; ^ω)「んお? ここは……物置かお」
(; ^ω^)「何か、犯罪にでも使われてた物でも見つかれば……」
(; ^ω^)「ん…? これは……」
「毒…………薬…………? 」
(; ω )「これを……これを使ってあいつ等を……」
.
124
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:52:40 ID:dUOiKSxA0
('ー`*川「わざわざありがとうねブーン君」
( ^ω^)「いえいえお世話になっているのですから紅茶の一つぐらい淹れさせていただきますお」
ξ゚ー゚)ξ「ありがとう、ございますブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「とっても、嬉しいですわブーン様」
( ^ω^)「いいんだお。気にしないでくれお」
( ^ω)「じゃあ僕は自分の分を淹れるくるお」
( ^ω)「僕の事は気にせず先に飲んでてくれお」
('ー`*川「じゃあお言葉に甘えて」
ξ゚ー゚)ξ「お先に、頂きますわ」ζ(゚ー゚*ζ
( ω゚)
.
125
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:53:12 ID:dUOiKSxA0
(; ω )「な…何で……」
ξ゚ー゚)ξ「あらあら」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ」
ξ゚ー゚)ξ「「ブーン様」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「ち…違う……! 」
(; ω )「こんなはずじゃあ……」
( 、 *川
(; ω )「何で……」
(; ω゚)「何で……!! 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあら動揺、されてます? 」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ動揺、されてます? 」
ξ゚ー゚)ξ「「どうか、落ち着いて、ブーン様」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ゚ω゚)「何でお前たちが生きているんだお!! 」
ξ゚ー゚)ξ「おかしな事を言いますわ」
ζ(゚ー゚*ζ「全くですねお姉さま」
ξ゚ー゚)ξ「あなたがいれた飲み物に」
ζ(゚ー゚*ζ「毒でも入っていたとでも? 」
ξ゚ー゚)ξ「だからこうして私達」
ζ(゚ー゚*ζ「生きているのが、おかしいと? 」
126
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:53:34 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「代わりに、叔母が死んでるの」
ζ(゚ー゚*ζ「理由は解って、おりますね? 」
(; ω )「……」
ξ゚ー゚)ξ「あんな、幼稚なトラップでは」
ζ(゚ー゚*ζ「私達は、殺せません」
(; ω )「……」
ξ゚ー゚)ξ「まあまあそんな悲しげな」
ζ(゚ー゚*ζ「顔をしないでブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「たった一度の失敗で」
ζ(゚ー゚*ζ「諦めてしまっては、いけません」
ξ゚ー゚)ξ「でもでもここで残念な」
ζ(゚ー゚*ζ「事実が一つございます」
ξ゚ー゚)ξ「気付いていましてブーン様? 」
(; ω )「な…何を……だお? 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらあらあらブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあまあまあブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「気付いていない、ふりをしてますの? 」
ζ(゚ー゚*ζ「ホントは気付いているのでしょう? 」
(# ω )「だから、何をだお!! 」
127
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:54:19 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「あなたは今、この時に」
ζ(゚ー゚*ζ「私達と、一緒になったのです」
ξ゚ー゚)ξ「「そう、あなたは人殺し」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「「私達と同じ、人殺し」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「ち……違う……!! 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあら照れてるのですか? ブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ恥ずかしがらないでブーン様」
(# ゚ω゚)「お前たちと同じにするな! 」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらならばこの遺体」
ζ(゚ー゚*ζ「一体どういう事でしょう? 」
ξ゚ー゚)ξ「私達の大切な」
ζ(゚ー゚*ζ「家族の遺体、なのですよ? 」
ξ゚ー゚)ξ「私達がブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたの家族を、殺したように」
ξ゚ー゚)ξ「あなたも私達の、家族を」
ζ(゚ー゚*ζ「殺してしまいましたのよ」
ξ゚ー゚)ξ「でもでも心配しないで」
ζ(゚ー゚*ζ「これは私、達が処理しましょう」
ξ゚ー゚)ξ「だからだからブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「一緒に堕ちて行きましょう? 」
128
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:54:39 ID:dUOiKSxA0
(# ω )「ふ……ふざけるな!! 」
(; ω )「僕は……僕は……」
ξ゚ー゚)ξ「あらあらあらあらブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあまあまあブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「今はとても動揺を、していられるご様子で」
ζ(゚ー゚*ζ「でしたら今、この時は、一旦席を外しましょう」
ξ゚ー゚)ξ「「それではそれではブーン様」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「「どうかどうかお元気で」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「僕……は……」
.
129
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:55:01 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「あらあらブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「「おはようおはようございます」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「何故平気な顔をしているんだお……? 」
ξ゚ー゚)ξ「変な事をおっしゃるブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「何か何かありました? 」
(; ω )「僕は君たちの家族を……! 」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、ええブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたによって殺された」
ξ゚ー゚)ξ「「でもでもそれは、いいのです」」ζ(゚ー゚*ζ
(; ω )「いいって……」
ξ゚ー゚)ξ「私達には、ブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたが、いて、くれるのです」
(; ω )「僕は……君達の物にはならない」
ξ゚ー゚)ξ「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
ξ^ー^)ξ「「クスクスクス」」ζ(^ー^*ζ
(; ω )「な……何がおかしいんだお……! 」
130
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:56:13 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「ええ、ええブーン様」
ζ(゚ー゚*ζ「勿論勿論そうですわ」
ξ゚ー゚)ξ「あなたは私、だけのもの」
ζ(゚ー゚*ζ「いいえ、あなたは私、だけのもの」
ξ゚ー゚)ξ「「半分こなんて許さない」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚ー゚)ξ「私、達はいつでも二人で一つ」
ζ(゚ー゚*ζ「どんな、物でも半分こ」
ξ゚ー゚)ξ「それでは満足、出来ません」
ξ゚ー゚)ξ「私はあなたの全てを手に入れたい」
ζ(゚ー゚*ζ「私はあなたの全てを受け入れたい」
ξ゚ー゚)ξ「「どちらもなんて、いやですわ」」ζ(゚ー゚*ζ
131
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:56:38 ID:dUOiKSxA0
ξ゚ー゚)ξ「さあさあどうか、ブーン様」
ξ゚ー゚)ξ「どうか」
ζ(゚ー゚*ζ「どうか」
ξ゚ー゚)ξ「私を」
ζ(゚ー゚*ζ「私を」
ξ^ー^)ξ「「選んで下さい」」ζ(^ー^*ζ
132
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:57:43 ID:dUOiKSxA0
( ω )「そうかい、それでも君たちを」
( ω )「家族を奪った、君たちを」
アイ
( ω゚)「僕は両方殺して見せるよ」
ξ゚ー゚)ξ「まあまあなんて強欲で」
ζ(゚ー゚*ζ「素敵なお方なのでしょう」
ξ゚ー゚)ξ「でしたらいつかその時が」
ζ(゚ー゚*ζ「来るまで永久に」
ξ^∀^)ξ「「愛し、あいましょう!」」ζ(^∀^*ζ
二人は囀り歌うようです
133
:
◆8gwSzhoaP.
:2024/04/23(火) 20:59:34 ID:dUOiKSxA0
【作品名】二人は囀り歌うようです
【作品URL】
>>107
〜
>>132
【コメント】双子のセリフはリズムを取りながら読んでいただければ楽しめる……かも
134
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 01:05:21 ID:hvXHBD460
乙
最も強力な魅了のやり方だな……
ラスト3レスでぞっとした
135
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 02:07:11 ID:zkhT1IbA0
>>2
とても今更なんだが4月30日って火曜日では?どっちが正解だろう?
136
:
◆NGYeHpCrH2
:2024/04/24(水) 17:34:16 ID:ptx9OVrQ0
【作品名】( ・∀・)「毎日好きと言うようです」
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713943554/
【コメント】ラブコメです。初投稿です。楽しんでください。
137
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/24(水) 21:18:26 ID:xhU/psxE0
【作品名】指輪は婚姻を依り代にするようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713543089/
【コメント】時間のある時に読んでいただければ幸いです
138
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:19:04 ID:fxxmM97w0
投下します
139
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:19:32 ID:fxxmM97w0
ミセ*゚ー゚)リ「ん」
ミセ*゚ー゚)リ「金木犀の匂い」
ミセ*゚ー゚)リ「もうそんな時期かぁ」
ミセ*゚ー゚)リ「?」
ミセ*゚ー゚)リ「あれ??」
ミセ*゚ー゚)リ「木がない」
ミセ*゚ー゚)リ「なんだ?」
140
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:20:01 ID:fxxmM97w0
香気芬芬良い気分のようです
,
141
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:20:27 ID:fxxmM97w0
(-@∀@)「誰かのハンドクリームとかの匂いだったんじゃないの、それ」
たまのオフの日にやってきたミセリ嬢が、家に着く手前で金木犀の匂いを嗅いだが肝心の木がなかった、不思議だよねなんて話すものだからそう返してみれば何やら低く唸っていた。動物か。
ミセ*゚ー゚)リ「さっすが、眼鏡はダテじゃないね!」
なんだそれ。
ソファーに深く座って足をパタつかせている彼女の表情を窺えばニコニコと笑っているのでどうやら悪口ではないらしいが、なんとも言えない。
彼女が手土産で持って来てくれたドーナッツはもちもちとした生地にクリームがたっぷり入っているそうなのでお茶はあっさりとしたものを選んだ。
透明の急須に湯を入れ、ゆっくりカップに移すとふんわりいい匂いが鼻を擽る。綺麗な黄金色の茶だ。
カップを渡してやると、向こうも明るい顔になった。
142
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:20:52 ID:fxxmM97w0
(-@∀@)「流行ってんじゃなかったっけ。周りでも使ってる子いた気がする」
金木犀の香りの香水やハンドクリーム、シャンプーなどをよく見かける。ふわりと香りのする方を見れば同僚がそれを使っていたことを思い出した。
カップをふうふう冷ましながら、ミセリが口を尖らせて言う。
ミセ*゚ー゚)リ「キンモクセイってふわって匂いがすると秋がきたなーって思ってたけど、その匂いが流行っちゃうと季節関係なくなっちゃうね」
ミセ*゚ー゚)リ「秋はキンモクセイ、あとは春はサクラの匂いが人気だよねえ」
ミセ*゚ー゚)リ「私サクラの匂いあんまりわかんないんだよねぇ、あれって桜餅の匂いじゃない?どっちかって言うとさー」
話しながらずずずと紅茶を啜る彼女を見て器用ですこと、なんて思った。
143
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:21:41 ID:fxxmM97w0
(-@∀@)「僕はサクラの香り好きだけど」
ミセ*゚ー゚)リ「旭ヶ丘くんのハンドクリームか何かもサクラの匂いじゃなかった?夏とかにも匂いして、なんかずっと春だなぁって思ってたんだよね」
言い当てられて少しギョッとする。何も気にしなそうな顔をしておいて実は結構気付くとか何だこいつ。
確かに使ってるハンドクリームはサクラの匂いだった。ペーパーレスが騒がれているご時世なんのその、書類を扱う仕事をしているためカッサカサだと気になるのでハンドクリームは必需品だった。サクラだったから買ったというよりはパッケージが可愛くて買ったらサクラでラッキーだったやつだ。
ただ量が多くて春先に買ったというのにいまだに使いきれていない。
(-@∀@)「あ、そうだ」
ハンドクリームを取り出して、そのままニュッと中身を出した。
144
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:22:04 ID:fxxmM97w0
(-@∀@)「手ぇ出して」
なんで、と訝しげな顔でこちらを見ながらちゃんと手を出すので偉い。
ミセリの意外に綺麗な手を両手で包んでやる。ハンドクリームでぬるぬると滑る。
ミセ*゚ー゚)リ「うひゃ、くすぐったぁ〜」
これでもかとばかりにダメージを食らった声を出す。ささくれすらもない手は確かに瑞々しい感じがあり潤いなど不必要だったかも。
(-@∀@)「はい、これがサクラの匂い」
145
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:24:18 ID:fxxmM97w0
パッと手を離してやる。手だけじゃ無くてその辺も少し甘いようなサクラの香りが漂っていた。
手の甲を嗅いだミセリが、あーと唸っている。
ミセ*゚ー゚)リ「んふふ、旭ヶ丘くんの匂いだ」
(-@∀@)「何それ」
ミセ*゚ー゚)リ「旭ヶ丘くんからたまーにする匂い。サクラの匂いはよくわかんないけど旭ヶ丘くんの匂いだって思って覚えちゃった」
何だそれ。
綺麗に笑う姿にぐっときてしまってひたすら悔しい。
146
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:24:56 ID:fxxmM97w0
(-@∀@)「……このハンドクリーム終わったらキンモクセイの匂いのやつ買おうかな」
ミセ*゚ー゚)リ「春先にキンモクセイの匂いするやつじゃん」
(-@∀@)「季節ズレてたらまたなんか、気付いてもらえるんでしょ」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*^ヮ^)リ「んはは、理由が不健全だね」
ニコニコというよりかはニヤニヤに近い、含んだ笑みを向けられる。
季節外れの香りがするすべすべの手の人間が2人、金木犀みたいな綺麗な色の紅茶を飲んで、これから不健全なことでもしてやろうかしらなんて、こっそり考えたのだった。
,
147
:
名無しさん
:2024/04/24(水) 23:27:24 ID:fxxmM97w0
おわり
【作品名】香気芬芬良い気分のようです
【作品URL】
>>139
〜146
【コメント】桜の匂いは好きです
148
:
名無しさん
:2024/04/25(木) 00:11:59 ID:PHOGceZ20
乙!
149
:
名無しさん
:2024/04/25(木) 00:35:45 ID:So5vA2AI0
乙
甘いねえ良いねぇ
150
:
◆lNG3w0QzVU
:2024/04/25(木) 00:58:10 ID:tvn7TCl.0
【作品名】
川 ゚ -゚)おもしれー女になりてーようです
【作品URL】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713971756/l30
【コメント】
('A`)書いててやたら楽しかったです('A`)
151
:
◆5iBw4nf/rQ
:2024/04/25(木) 13:48:52 ID:ZPauPgZc0
【作品名】
ファイナルのようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1714014292/l30
【コメント】
ドクオ、部活やめるってよ
152
:
◆eGnLqfyqwY
:2024/04/25(木) 20:28:07 ID:EkFX4cAI0
【作品名】('A`)恋不知のようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713965822/l30
【コメント】誰かを好きになるって本当に素晴らしいことですね
153
:
名無しさん
:2024/04/25(木) 22:42:07 ID:ZPauPgZc0
>>146
乙乙可愛かった!
お菓子の桜味以外経験した事無いけどハンドクリームはどんな香りがするんだろう
154
:
名無しさん
:2024/04/25(木) 23:21:45 ID:p8FEjxmI0
>>98
乙
ミセリが魅力的な主人公で好き
155
:
◆Li8T0MJ.FA
:2024/04/26(金) 23:49:46 ID:Rokf0h860
皆さんお疲れ様です
中間過ぎたので今のところのまとめになります(敬称略)
◆aw0I91K7dE
【作品名】神マチアプでアポしたらホントに神が来ちゃったようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713530141/
【コメント】
ねえ、しってる?最近めっちゃ話題の神マチアプ。なんかすごいんだって。神に出会えるらしいよ。え、わたし?わたしはぜんぜん、マチアプとかやったことなくて。友達がすごい詳しいから話はよく聞くんだけど、わたしみたいな可愛くない子にはちょっとむずかしいかな、なんて。えっ、やだ、うそでしょ?なんでこんなとこで爆発するの、やだ、やめて、しにたくない
◆eGnLqfyqwY
【作品名】ξ ゚⊿゚)ξ 隣の席の内藤くん のようです (^ω^ )
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1705730112/34-57
【コメント】チョコレートが大好きなので書きました!
◆HYmb1.Al4Y
【作品名】ξ゚⊿゚)ξは愛を語られ語るようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713590866/
【コメント】恋愛ジャンルは苦手、というより嫌いなジャンルでしたが頑張って挑戦してみました。
◆XDgq1n/mJY
【作品名】四月馬鹿たちのようです
【作品URL】
>>66
〜
>>76
(
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1705730112/66-76)
【コメント】春の恋祭楽しみです
◆mzr18G4QOc
【作品名】(´・_ゝ・`)ヒミツのようです
【作品URL】
>>81-97
(
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1705730112/66-76)
【コメント】不倫などの迷惑な恋愛や、心臓に口付けするほどの恋愛を書いて楽しかったです
156
:
◆Li8T0MJ.FA
:2024/04/26(金) 23:50:40 ID:Rokf0h860
◆JeuQiOyU3U
【作品名】んじゃめき様の言う通りのようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713765725/-100
【コメント】んじゃめき様の言う通りです
◆eGnLqfyqwY
【作品名】('、`*川あたしの親友のようです从'ー'从
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713850725/
【コメント】面倒臭い女、いいと思います
◆gSMF7Mrmu.
【作品名】101回目の朝のようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713773981/-100
【コメント】同性同士の恋愛の為、閲覧にはご注意ください。
恋愛物を書くのは苦手でしたが頑張りました。
◆8gwSzhoaP.
【作品名】二人は囀り歌うようです
【作品URL】
>>107
〜
>>132
(
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1705730112/107-132)
【コメント】双子のセリフはリズムを取りながら読んでいただければ楽しめる……かも
◆NGYeHpCrH2
【作品名】( ・∀・)「毎日好きと言うようです」
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713943554/
【コメント】ラブコメです。初投稿です。楽しんでください。
157
:
◆Li8T0MJ.FA
:2024/04/27(土) 00:05:38 ID:eOQE3FBo0
◆O7/3vokCH2
【作品名】指輪は婚姻を依り代にするようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713543089/
【コメント】時間のある時に読んでいただければ幸いです
トリップ無し
【作品名】香気芬芬良い気分のようです
【作品URL】
>>139
〜146(
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1705730112/139-146)
【コメント】桜の匂いは好きです
◆lNG3w0QzVU
【作品名】川 ゚ -゚)おもしれー女になりてーようです
【作品URL】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713971756/l30
【コメント】('A`)書いててやたら楽しかったです('A`)
◆5iBw4nf/rQ
【作品名】ファイナルのようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1714014292/l30
【コメント】ドクオ、部活やめるってよ
◆eGnLqfyqwY
【作品名】('A`)恋不知のようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713965822/l30
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1713965822/l30
【コメント】誰かを好きになるって本当に素晴らしいことですね
>>135
申し訳ありません、30日は火曜日ですね
29日(月)いっぱいが投下期間で30日(火)に日付が変わったタイミングで投下期間の終了になります
紛らわしい間違いをしてしまいましたので重ねてお詫び申し上げます
158
:
名無しさん
:2024/04/27(土) 00:19:55 ID:ySSVV.pU0
まとめ乙ですわ
159
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:14:34 ID:9AGNVBw.0
投下します
160
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:16:11 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)帰って来たようです
(,,゚Д゚)「ここら辺、か? 」
(,,゚Д゚)「折角の春休み、趣味に走るのも悪くはないってな」
(,,゚Д゚)「ネットの情報によれば、ここら辺りに神社があるはずなんだが……」
(,,゚Д゚)「うーん…」
(;,゚Д゚)「昔ここら辺に住んでいたとは言っても、記憶がなぁ……」
(,,-Д-)「まさか元地元がオカルトスポットになるとはわからないものだなぁ……」
(,,゚Д゚)「おっ! あれかな!? 」
(,,゚Д゚)「おお…寂れているから余計に雰囲気があるじゃあねぇか」
(,,゚Д゚)「ここが噂の神社……」
(,,-Д-)「誰も居ないはずなのに声が聞こえてくるだの、入って来た鳥居を振り返ると、違う景色が見えるとか、誰かに捕まれたって噂もあったっけか」
(,,^Д^)「はっはっは! いかにも眉唾な話だがそれがいい! 」
(,,^Д^)「オカルトってのはこうでなくっちゃな! 」
(,,゚Д゚)「さてさて、まずは鳥居でも調べてみるとするか」
161
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:17:19 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)「いやあ汚れちゃってるなあ誰も手入れとかしてくれてないのか? 」
「まあねえ。こんな辺鄙な場所に来る人なんて少ないからさぁ」
(,,゚Д゚)「んでこの鳥居の何処から見れば別の景色ってのが見れるんだ? 」
(,,゚Д゚)「うーーーーーーーーーーーん」
(゚Д゚,,)
(,,゚Д゚)
(,,-Д-)「ワカラン……」
(,,゚Д゚)「だが、しかし! そう簡単に諦める俺じゃあない!! 」
162
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:18:05 ID:9AGNVBw.0
「あっはっは! 相変わらず元気だねえ」
「でもだぁめ。それじゃあ見ることは出来ないよ」
(,,゚Д゚)「何か条件でもあるのか…? 」
(,,゚Д゚)「時間、場所、向き、もしくは人数…とか? 」
「どれだろうねぇ? 」
(,,゚Д゚)「人数だったら、詰むな」
(,,-Д-)「まあ出来ない物を可能性に考慮してても仕方ない」
(,,゚Д゚)「他のを考えよう」
「うんうん。色々と考えるのはいい事だよ」
「そういうのは子供の頃から変わってないねぇ」
(,,゚Д゚)
(゚Д゚,,)
(,,゚Д゚)
163
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:18:59 ID:9AGNVBw.0
(,,-Д-)「ううむ……」
「おっもう諦めちゃうかい? 」
(,,゚Д゚)「わかんねーなー」
「私が見えれば見れるんだけどねぇ」
(,,゚Д゚)「えっ、そうなの? 」
「えっ」
(,,゚Д゚)「えっ? 」
「えっ? 」
(,,゚Д゚)「いや、何後ろ見てんのさ」
「えっ、見えてる? 」
(,,゚Д゚)「あたり前じゃん」
(;*゚-゚)「うっそ…」
(,,゚Д゚)「マジ」
(;*゚-゚)「マジ? 」
(,,゚Д゚)「マジマジ」
(;*゚д゚)「えーーーーーーーーーーー!!!? 」
(;,゚Д゚)「うるせえ! 」
(;*゚-゚)「あっごめん」
(;*゚-゚)「ホントに見えてるんだ……」
(,,゚Д゚)「そりゃそこに居るんだしあたり前だろ」
(;*゚-゚)
(;*゚-゚)「じゃあ何で無視してたのさ」
(,,゚Д゚)「知らん人にいきなり馴れ馴れしく話しかけてこられたら警戒するだろ普通」
164
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:19:38 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「知らない人、か」
(,,゚Д゚)「んあ? 」
(*゚ー゚)「ん〜ん。何でもないわよ〜」
(,,゚Д゚)「そっかぁ? まあいいや」
(,,゚Д゚)「んであんたが見えれば見えるってどういう事だよ? 」
(*゚ー゚)「あたしが見えるって事は、ここと縁があるって事なのさ」
(*゚ー゚)「君、昔ここら辺に住んでた事があるかい? 」
(,,゚Д゚)「ん。まあ子どもの頃は住んでたな」
(*^ー^)「そうだろうな」
(,,゚Д゚)「それとこれと何の関係が? 」
(*゚ー゚)「まあまあそう慌てないで」
(*゚ー゚)「もう一つ聞きたいんだけれどぉ」
(*゚ー゚)「子供の頃って友達はいたのぉ〜? 」
(;,゚Д゚)(口調が安定しない奴だなぁ)
(,,゚Д゚)「そりゃあいたが…? 」
(*゚ー゚)「友達の事全員覚えてる? 」
(,,゚Д゚)「そりゃあ覚えてるし、まだ連絡とってるぞ」
(*゚-゚)「そっか」
(* - )「……そっか」
(;,゚Д゚)「……? 」
(*゚ー゚)「それで何でまたこんなとこまで来たんだい? 」
(,,゚ー゚)「ふふふよくぞ聞いた! 」
(,,゚Д゚)「俺はオカルト関係を調べるのが趣味でな」
(,,゚Д゚)「ここら辺りに面白そうな情報があったから確かめに来たんだ!! 」
165
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:20:02 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「それがさっき呟いてた事なのね? 」
(,,゚Д゚)「そういうこった! 」
(,,゚Д゚)「それであんたが何か知ってるんだろ? 」
(*゚ー゚)「あんただなんて他人行儀な」
(;,゚Д゚)「いや、あんたの名前知らんし…」
(*゚-゚)
(*゚-゚)「しぃ」
(*゚ー゚)「私の、名前は……しぃ。だよ」
(,,^Д^)「しぃかよろしく! 」
(,,゚Д゚)「俺はギコだ! よろしくな!! 」
(*゚-゚)
(*゚-゚)「……よろしく」
(*゚ー゚)「それでギコくんはここの話はどんなことを聞いているんだ? 」
(,,゚Д゚)「誰も居ないはずなのに声が聞こえてくるだの、入って来た鳥居を振り返ると、違う景色が見えるとか、誰かに捕まれたって所だな」
(*゚ー゚)「なるほどなるほど」
(*^ー^)「その内二つはもう解決しちゃったねぇ〜」
(;,゚Д゚)「ええ? 」
(*^ー^)「声と捕まれたっていう話の原因は」
(;,゚Д゚)「原因は……? 」
(*^д^)「何とこの俺様が犯人なのでしたぁぁ!! 」
(;,゚Д゚)「ナ、ナンダッテー! 」
166
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:20:41 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)「ってんなわけあるかい」
(*゚3゚)「信じてないわね〜? 」
(,,゚Д゚)「あたり前だろ」
(,,゚Д゚)「何で普通の人間がそんな噂になるんだよ」
(*^ー^)「ふっふっふ……」
(*゚-゚)「まあ色々あったのです」
(;,゚Д゚)「何だよ色々って」
(*゚-゚)「まあここで話しても信じられないだろうし」
(*゚ー゚)「君の知ってるもう一つの噂を体験させてあげましょう」
(,,゚Д゚)「鳥居の〜って奴か? 」
(*^ー^)「そうそうそれだぜ! 」
(,,゚Д゚)「しぃが見えれば見れるって言ってたけど、どういう事なんだ? 」
(*゚ー゚)「それはね〜ぇ」
(*゚ー゚)⊃「はい! 」
(,,゚Д゚)「……? 何だ急に手を出して」
(*゚ー゚)「私の手を握って下さい」
(,,゚Д゚)「手を? 」
(*゚ー゚)「そうすればわかるんだよ」
(,,゚Д゚)「ふ〜ん?」
(*゚ー゚)⊃⊂(゚Д゚,,)
(゚Д゚,,)「これでいいのか? 」
(*゚ー゚)「うん! オーケー! 」
(*^ー^)「ではこちらをご覧ください」
(,,゚Д゚)「えっ? 」
167
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:22:24 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)
(;,゚Д゚)「…………鳥居に囲まれてる場所だけ古びた風景が見える」
(*゚ー゚)「なあ!? 凄いだろう!!? 」
(,,*゚Д゚)「すっげっすっげ!! 」
(,,*゚Д゚)「あん中どうなってんだ!? 」
(*^ー^)「行ってみたいのかしら? 」
(,,^Д^)「おう!! 」
(*゚ー゚)「じゃあ私の手を握ったまま一緒に通ってみましょう! 」
(*゚ー゚)「手を離しては行けませんよ? 見えなくなってしまいますからね」
(,,^Д^)「おう!! 」
(;,゚Д゚)「うおおお……すげえ……」
(;,゚Д゚)「俺が入ってきた場所と違って古臭い風景に変わりやがった」
168
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:24:04 ID:9AGNVBw.0
(*゚-゚)「ここはさっきとは次元が違う場所なのさ」
(,,゚Д゚)「これは……凄いなぁ……! 」
(*゚ー゚)「気に入ったかしら? 」
(,,^Д^)「おう! 色々調べてきたが、実際に体験するのは初めてだからな!! 」
(*゚ー゚)「気に入ってくれたのなら何より」
(,,゚Д゚)σ「あそこから入って来たって事はあそこに行けば戻れるのか? 」
(*゚-゚)「まあ、そう、だね」
(*^ー^)「でも、折角来たんだからすぐに帰らないでブラブラしてみましょう? 」
(,,^Д^)「おっ! いいねえ行こう行こう!! 」
(*^ー^)「じゃあこっち! 」
(*゚ー゚)「へぇ〜じゃあギコくんはここ以外にもいろんな所に行ってるんだぁ」
(,,゚Д゚)「ああ。気になるなら今度連れて行ってやるよ」
(*゚-゚)「うん。まあ。機会があったらな」
(,,゚Д゚)「そういやしぃはここら辺りに詳しいんだろ? 」
(,,^Д^)「なんか面白い話はあるのか? 」
169
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:25:36 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「えっ…」
(*゚ー゚)「そうだなぁ〜」
(*゚ー゚)「ギコくんが調べた噂の中でも知られてない話があるんだけど、そんな話はどう? 」
(,,^Д^)「おっ! いいなそれ! 聞かせてくれよ! 」
(*^ー^)「わかったわ! 」
(*゚ー゚)「じゃあちょっと長くなるからそこの家に入ろっか」
(;,゚Д゚)「おいおい良いのかよそんな勝手な事して」
(*^ー^)「大丈夫大丈夫」
(*゚-゚)「誰も使っておりませんので」
(*^ー^)「さて、じゃあそこに座ってくれ」
(*^ー^)「お茶と何か摘まめる物を持ってくるからさ」
(;,゚Д゚)「お……お構いなく」
(;,゚Д゚)(何の疑問もなくここまで来ちまったが、勝手に人様の家に上がりこんで良いのか? )
(;,゚Д゚)(それにこれって泥棒なんじゃないか? )
(;,゚Д゚)「な、なぁしぃ」
「どうかした〜? 」
(;,゚Д゚)「勝手にそんな事して大丈夫なのか? 」
「そんな事って〜? 」
(;,゚Д゚)「俺たち不法侵入で泥棒じゃないか? 」
「………大丈夫」
「ギコくんは気にしないでいいよ」
「僕はここでそんな事で罪に問われた事なんてないよ」
170
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:26:02 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)「そ、そうなのか? 」
「うん。だから気にせず飲み食いしてね」
(;,゚Д゚)「お、おう」
(;,゚Д゚)(突拍子もない話だが、そういやここってやっぱ異世界って事になるのか……? )
(;,゚Д゚)(オカルトネタだと、こういう場所で飲み食いするとその世界の住人になってしまい元の世界に戻れなくなるって話だが……)
(;,-Д)(まさか、な)
「待たせたな」
(;,゚Д゚)「お、おう」
(*゚ー゚)「遠慮せずに食べてくれたまえ」
(;,゚Д゚)「お、おう」
(*^ー^)「この果物とかは絶品なんだ! 一度食べれば病みつきになるわよ!! 」
(;,゚Д゚)「へ、へぇ〜そいつは楽しみだなあ〜」
(;,゚Д゚)「そ、それで、しぃの知ってる話ってのは何なんだ? 」
(*゚ー゚)「ん。じゃあ話すとしようか」
(*゚-゚)「誰からも忘れられた少女の話だ」
(*゚-゚)「今から十数年度前、君が住んでいた場所に一人の少女がいた」
(*゚-゚)「名前は……まあ別にいいでしょ」
(*゚-゚)「その少女には友達がいた。家族がいた。そして……好きな人がいたの」
(*゚-゚)「だけど、彼らは誰も少女の事を覚えていない」
(*゚ー゚)「何故かって? 」
(*^ー^)「それをこれから話していくのよ」
(*^〜^)
171
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:26:34 ID:9AGNVBw.0
(,,゚Д゚)(しぃは何の躊躇いもなく食べ物を口にしている)
(;,゚Д゚)(俺は……やめておこう)
(*゚-゚)「さて、と…この世界には、ずれというものが存在しているの」
(*゚-゚)「それがいつ、どこに存在するのかは誰にもわからない」
(*゚ー゚)「よしんばその場所にいたとしても大体は知覚する事なんて出来ないからな! 」
(*゚-゚)「でも、偶に波長があってしまいそのずれを感知してしまう人がいるんだ」
(*゚ー゚)「そして迷い込んでしまう」
(*^ー^)「それが所謂神隠しって奴ね」
(*゚ー゚)「でもそれは帰って来ることが出来た人の話だ」
(*゚-゚)「その世界に取り込まれてしまった人は元の世界から存在が消えちゃうのさ」
(;,゚Д゚)「存在が消えるってのは……? 」
(*^ー^)「そのまんまの意味だよ」
(*゚-゚)「誰の記憶からもなくなってしまうの」
(*゚ー゚)「記憶どころかいたっていう事実がなくなるんだぜ」
(*- -)「さらには元居た世界に干渉する事すら出来なくなっちゃってさ」
(;,゚Д゚)「干渉……? 」
(*゚ー゚)「うん。目の前で大騒ぎしても触ろうとしても何をしようとも物に触ろうとしても……」
(*^ー^)「すり抜けちゃうのよ」
(;,゚Д゚)
(*゚ー゚)「でも世の中には例外ってのがあってね」
(*^ー^)「波長があう人なら多少は干渉できるの」
(*゚-゚)「だからギコくんが聞いた噂話ってのは実際にあった事なんだ」
(*゚ー゚)「まあ鳥居の下りは触れられてる時に偶々そっちに目を向けたら見えたんだろうねぇ〜」
(*゚-゚)「じゃあ干渉出来る人を探しに行けばいいじゃねぇかってなるだろ? 」
172
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:27:04 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)「だなぁ」
(*- -)「それがそう簡単な話じゃなくてな」
(*゚-゚)「ずれた世界に迷い込んだ場所から遠くに行けないんだ」
(*゚ー゚)「なんて言えばいいのかな? 見えない壁に阻まれちゃうって感じなのよ」
(* - )「だから私は……」
(*゚ー゚)「さて、ここでギコくんは一つ心配な事が出来たと思うの」
(;,゚Д゚)「おっ? おう…? 」
(*^ー^)「そのずれた世界に囚われてしまう条件は何だってなぁ」
(;,゚Д゚)「おう。そうだな」
(*゚-゚)「僕もよくわからなかったんだ」
(*゚ー゚)「でも、時間制限って訳じゃあないっぽいよ」
(*゚-゚)「だってそうだったら神隠しにあった人たちの帰って来た時間が大きく差が出来るわけないよね」
(*^ー^)「それにしてもギコくん? 」
(;,゚Д゚)「な……何だ? 」
(*^ー^)「さっきから一口も食べてないじゃないか」
(*^ー^)「言ったでしょ? 遠慮しなくていいって」
(;,゚Д゚)「あ、あ、ああ」
(;,゚ー゚)「そ、そうだな」
(*^ー^)「うんうん。毒なんて入ってないから安心していいよ! 本当に美味しいんだぜ!? 」
(;,゚ー゚)「そ、そいつは楽しみだ」
(;,゚Д゚)
(;,゚Д゚)「! 」
173
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:27:33 ID:9AGNVBw.0
(;,゚ー゚)「そ、そうだ、しぃ! 」
(*^ー^)「どうしたの? 」
(;,゚ー゚)「俺としたことが忘れてたことがある」
(*^ー^)「何を忘れたの? 」
(;,゚ー゚)「いや〜食べ物を食べる時は手を洗わないと汚いだろ? 」
(;,゚Д゚)「ちょっと洗ってくるぜ!! 」
(*゚ー゚)「そっか、それもそうだね」
(*^ー^)「部屋を出て右手の突き当りにお手洗いがあるからそこでどうぞ」
(;,゚ー゚)「悪いすぐ戻る」
(;,゚ー゚)「しぃの話に夢中になり過ぎちまって肝心な事を忘れちまうとはな」
(;, ゚)
.
174
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:28:06 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)(ヤバいヤバいヤバい!! )
(;,゚Д゚)(あいつこの世界の住人だ!! )
(;,゚Д゚)(執拗に食べ物を進めてくるってのは、そういう事だろ!!? )
(;,゚Д゚)(に、にげ、逃げるんだ!! )
(;,゚Д゚)(た…多分さっき入ってきた場所から戻れるはず! )
(;, Д )(あいつにばれる前に、早く!!!!!! )
「どうして……」
(;,゚Д゚)「うわっ! 」
(;,-Д-)ドサッ
(;, Д)「いてて……」
(;,゚Д)(何かに足を捕まれた……? )
「どうして……」
(;,゚Д゚)「ひっ…… 」
(* - )「どうして……」
(* -゚)「逃げたの……? 」
(((;,゚Д゚)))(あ…あいつ……あんなに遠くにいるのに何で声がはっきり聞こえるんだ……? )
(;,゚Д゚)(そ……それに俺の足には何もないのに捕まれてる感覚があるんだ……? )
175
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:28:57 ID:9AGNVBw.0
(* -゚)「長くこの世界にいるとなこういう事も出来んだよ」
(* -゚)「……で、何で俺から逃げたんだよ? 」
(;,゚Д゚)
(*゚-゚)「……答えてはくれないのね〜? 」
(*゚ー゚)「じゃあ先に私の目的を終わらせよっか」
(*^ー^)「全く遠慮なんてしなくていいって言ったでしょ? 」
(;, Д )(やばいやばいやばい! あいつの手に持ってるの……)
(*^ー^)「美味しいよ? 」
(;, Д )(食わせる気だ! 俺に!!! )
(;, Д゚)「う……おおお!! 」
(*゚ー゚)「おいおい足掴まれてるのに無理に這いずろうとすんなよ」
(*^ー^)「ケガしちゃうよ? 」
(;, Д゚)「うああああ……! 」
(*^ー^)
(* -゚)「動くな」
(;, Д )
(;,゚Д゚)(か……体が……動かない……!? )
(*^ー^)「えへへへ〜動けないでしょ〜? 」
(*^ー^)「はいクルリン」
(;,゚Д゚)(体が仰向けに……!? )
(*^ー^)「ほら、口開けろ? なっ? 」
(;,゚-゚)
176
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:29:42 ID:9AGNVBw.0
(*^ー^)「何をそんなに怯えてるのかしら〜? 」
(*^ー^)「ただあたしは美味い物をごちそうしたいだけなんだが」
(*゚ー゚)「だから食わず嫌いしてないで食って見ろって」
(*^ー^)ねっ? 食べて?
(*^ー^)「お願いだから、な? 」
(;, -゚)
(*^ー^)「ねっ? 」
(;, - )
(*゚-゚)「口を開けろ」
(;, - )「! 」
(;, д )
(;, Д )
(*^ー^)「はい。召し上がれ」
(;, Д )「ムゴッ」
(*^ー^)「よく噛んで」
(;, 〜 )
(*^ー^)「はい。飲み込んで」
(;, - )「ゴクン」
177
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:30:16 ID:9AGNVBw.0
(;, Д )(くっちまった……! 食っちまった!!!! )
(;, Д )(こいつの言葉に逆らえなくなって……体が勝手に……! )
(*^ー^)「そろそろかな〜? 」
(;, Д゚)「な、に、があああああああああ!!? 」
(;, Д )(か、体が熱い!? )
(*^ー^)「うんうん良かった良かった」
(*゚ー゚)「これで君も僕と一緒」
(*゚ー^)「この世界に囚われた」
(;, Д )「はぁ……はぁ……」
(*^ー^)「じゃあ君が落ち着くまで少しだけ昔話をしようか」
178
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:30:42 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「今から十数年ほど前、一人の少女がおりました」
(*゚ー゚)「少女には優しい両親と素敵な友人達に囲まれ幸せに暮らしてました」
(*゚ー゚)「そんなある日の事、少女は友人と共に神社に遊びに行きました」
(*゚ー゚)「子供らしく駆けっこしたり、かくれんぼしたりと遊んでいるとある事に気が付きます」
(;*゚д゚)「何と鳥居の中がいつもと違った景色になっているではありませんか!! 」
(*゚ー゚)「興味を惹かれた少女はついそちらへと足を運んでしまいます」
(*゚ー゚)「その鳥居をくぐると見たこともない場所へと辿り着きました」
(*゚ー゚)「好奇心を抑えられない少女はどんどん先へと進んで行きます」
(*゚ー゚)「まっすぐ行ったり曲がってみたり、後先考えずにどんどんと……」
(*゚ー゚)「ふと少女は立ち止まり振り返ります」
(*゚ー゚)「すると……」
(;*゚д゚)「何と帰り道がわからなくなってしまっているではないですか!! 」
(;*゚д゚)「不安に駆られた少女は走り出します」
(*゚-゚)「ですが、いくら走っても帰り道がわかりません」
(*゚-゚)「疲れ果てた少女はその場にへたり込みます」
(*゚ー゚)「すると目の前に何と美味しそうな果物が実っているのに気が付きます」
(*゚ー゚)「疲れお腹も減らした少女はその果物に齧り付きました」
(*^ー^)「まあなんて美味しい果物! 」
(*゚ー゚)「少女はたちまち上機嫌に」
(*゚ー゚)「気分を良くした少女は再び歩き出します」
(*^ー^)「すると自分が通って来た鳥居が見つかったではありませんか!! 」
(*^ー^)「少女は喜び駆け出します」
(*^ー^)「鳥居をくぐり元の場所に戻れた少女は家へと帰ろうとします」
(*;゚ー゚)「ですが……! 」
(*;゚ー゚)「見えない壁に阻まれ進むことが出来ません……」
179
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:31:40 ID:9AGNVBw.0
(*;゚ー゚)「壁を必死に叩き声をあげますが、誰も来てくれません」
(*゚-゚)「仕方なく神社に戻った少女は人を見かけます」
(*゚ー゚)「その人は少女が幼いながらも恋心を抱いていた少年でした」
(*゚ー゚)「喜びのあまり彼に抱きつこうとしますが……」
(*゚-゚)「少女の体は彼の体をすり抜けました」
(*゚-゚)「何が起こったか理解できない少女は何度も何度も同じことを繰り返します」
(*゚ー゚)「しかし何度やっても結果は同じ」
(*゚ー゚)「体に触ろうとしても、いくら声を張り上げても気が付いてくれる事はありませんでした」
(*゚ー゚)「そうして少年は帰ってしまいました」
(;*゚д゚)「少女は不安のあまり泣き出してしまいましたが誰も少女を気にかけてくれる人は居ません」
(;*゚д゚)「それどころかいないものとして扱われている気がしました」
(*゚ー゚)「それでもすぐに両親が来てくれると信じ待ち続けます」
(*゚-゚)「その時の少女は気が付いていませんでしたが、もう彼女は空腹を感じていませんでした」
(*^ー^)「そしてある日の事、待ちに待った少女の両親が現れました」
(*゚-゚)「ですが、やはりと言いますか、少女の両親にも彼女の事は見えていないようでした」
(*゚-゚)「そして少女の両親は神社に願い事をしました」
(* - )「その願いの内容は……」
(*^ー^)「自分たちには子供がいないから子宝に恵まれますように、と」
(*゚ー゚)「少女は絶望します」
(*゚ー゚)「自分は二人の子供だと」
(*^ー^)「手を変え品を変え両親にアピールしますが、目を向けてすらしてくれません」
(*゚ー゚)「そう、全く気が付いてはくれませんでした」
(* ー )「そうして少女は……」
180
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:32:08 ID:9AGNVBw.0
(;,゚Д゚)
(*゚ー゚)「おっと、どうやら体がこの世界になじんだようだな」
(*^ー^)「おめでとう」
(*゚ー゚)「さて君はあたしを思い出してくれたのかい? 」
(;,゚Д゚)「お前なんて……知らない……! 」
(* - )「……そっか」
(*゚ー゚)「まあそれならそれでいいわよ」
(*^ー^)「君が私を忘れても私があなたを覚えているから」
(;,゚Д゚)「お前は……」
(*゚ー゚)「でも、ここに来れたのがお前で良かったよ」
(*゚ー゚)「色々試して調べたんだけど、僕の事を感じる程度の事は出来る人はいたけど」
(*゚ー゚)「あたしを完全に認識出来る人なんて居なかったのよ」
(*^ー^)「それが子供の頃好きだった人だっていうんだから、運命を感じちゃうよね」
181
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:32:58 ID:9AGNVBw.0
(*゚ー゚)「子供の頃は気が付いてくれなかったけど」
(*^ー^)「大人になったことで何かが変わったのかもしれないね」
(*^ー^)「だから私に気が付いてくれた」
(*^ー^)「ギコくんオカルト好きなんでしょ? 」
(*^ー^)「だったらここにいれば好きな事をずっと楽しめるよ」
(*゚ー゚)「一人でいたらきっと狂ってしまうけれど」
(* - )「ううん」
(*^ー^)「一人でいたら狂ってしまったけれど」
(*^ー^)「二人ならば乗り越えられる! 」
(*^ー^)「これから私達は幸せになるのだから」
(*゚ー゚)「そうだ! ここに……」
(*゚ー゚)「いや! 私の所に帰って来たギコくんに伝えたいことがあるの」
182
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:33:31 ID:9AGNVBw.0
(*^ー^)「おかえりなさい! ギコくん! 」
.
183
:
◆NFemm8pDso
:2024/04/27(土) 20:36:15 ID:9AGNVBw.0
おしまい
【作品名】(,,゚Д゚)帰って来たようです
【作品URL】
>>160
〜
>>182
【コメント】知らない人について行ったらダメでしょ!
184
:
名無しさん
:2024/04/27(土) 20:58:13 ID:oVheSVEU0
オツ
185
:
◆48WTRPZhs.
:2024/04/27(土) 22:31:52 ID:ySSVV.pU0
【作品名】
('A`)吊るされたガーベラのようです
【作品URL】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1714049726/
【コメント】
禁忌を犯した庭師は、因果の縄目に吊るされ
ジャンル:ミステリ テーマ:恋愛
186
:
名無しさん
:2024/04/28(日) 00:11:30 ID:Ba/TXaoY0
>>183
乙乙
無邪気に喜んでる場合じゃなかったな…
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