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('A`)はドクトラセブンのようです
1
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』
地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が
( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」
( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」
( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」
( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」
このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。
432
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:46:06 ID:0Sx6YJI20
翌日。
(;^ω^)「やべー…昨日宇宙人取り逃がしたどころか光線銃紛失しちまったよ…」
_
( ゚∀゚)「おいおい隊長がまたブチギレるぞ!『光線銃をなくすとは何事だ!!日頃のたるみが!!』みたいな感じかな。」
(,,゚Д゚)「ご愁傷様。」
prrr
('A`)「おっと携帯に電話だ。」
('A`)「はいもしもし……了解!」
('∀`)「ちょっとパトロール行ってくるからしっかりご説教受けとけ。」
(;^ω^)「クソォ…みんな他人事だと思いやがって……」
そんなこんなしている作戦室にフォックスが入ってくる。
(,,゚Д゚)「隊長、ブーン隊員がお話したいことがあるそうです!」
(;^ω^)「あ!ちょっと!」
爪'ー`)「なんだ?」
_
( ゚∀゚)「ではではお二人でごゆっくり!」
そう言って二人から離れるギコとジョルジュ。
(;^ω^)「いや、それがその……光線銃を紛失してしまいまして……」
爪#'ー`)「なに!!光線銃を紛失しただと!!」
あっという間に怒りが頂点。
いつも通り怒鳴り散らすかと思われたときにフォックスは昨日の出来事を思い出す。
自分もヴィプトラ警備隊にあるまじき行為をしていたあの出来事を。
爪;'ー`)「ま、まぁそういうときもあるさ。今後気をつけるように……」
何という歯切れの悪さ。
_
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「???」
予想外のことで動揺する隊員たち。
それから数日フォックスはどんなことでも怒ることはなかったとか。
433
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:46:31 ID:0Sx6YJI20
昼間どこかの駅周辺の屋台。
('A`)「おら食いに来てやったぞ。」
( `ハ´)「イラッシャイ!」
( `ハ´)「味噌ラーメン一つネ!」
('A`)「いやー今日も食えるなんて幸せだな!」
('A`)「ん?」
ξ*゚⊿゚)ξ「おおドクオじゃん!」
昼間だというのに一杯やりながらラーメンを食べているツンヌ。
(゚、゚*トソン「なになにツンヌの知り合い?」
(゚、゚*トソン「ってブッサイクな面してんじゃん!!」
ξ*゚⊿゚)ξ「これが前に言ったグロテスクな新人よ。」
(゚、゚*トソン「マジで人間?同じ生物とは思えないんですけどwww」
ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」
(;'A`)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと二人とも失礼でしょ!!」
(*'A`)「あ!デレさんこんにちは!」
ζ(゚ー゚*ζ「すみませんドクオさん、二人ともだいぶお酒飲んでるみたいで。」
ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオお前も一杯飲んでけよ!」
(;'A`)「いやまだ勤務中だから……」
ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」
( `ハ´)「ハイヨ味噌ラーメンアル!」
宇宙一のラーメン。今日もどこかで開店中。
もしかしたらあなたの街にもやってくるかも。
第十四話『宇宙一のラーメン』
終わり
434
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:46:59 ID:0Sx6YJI20
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
435
:
名無しさん
:2018/11/15(木) 01:03:18 ID:u9Yed/qM0
乙!面白かった
めっちゃ味噌ラーメン食いたくなったわ……
436
:
名無しさん
:2018/11/15(木) 01:15:14 ID:WXIaQmec0
おつ
この時間に飯テロもどきはやめてくれよ…
437
:
名無しさん
:2018/11/16(金) 20:14:25 ID:YvO5tpUE0
乙です
438
:
名無しさん
:2018/11/16(金) 22:21:22 ID:ShRt8KvI0
シナーさんが無事でよかった。
439
:
名無しさん
:2018/11/16(金) 22:26:30 ID:ShRt8KvI0
おつんつん
シナーさんが無事でよかった
440
:
名無しさん
:2018/11/17(土) 02:14:13 ID:MBRIr2TY0
これだいすき
441
:
名無しさん
:2018/11/21(水) 19:42:03 ID:NEGEHMnk0
ツンが完全に人間やめてて草
442
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:08:09 ID:cGkZm8J.0
第十五話『正しさこそ正義』
ある日、日本列島では宇宙人に襲われるという事件が多発した。
不細工な女「白い全身タイツみたいな羽の生えたやつに襲われたのよ!」
不細工な女「『正義のヒーロー』のなんちゃらマンだって言ってたけど、そいつの光線浴びたらこんな顔にされたの!!」
不細工な女は涙ながらに語ると光線を浴びる前の写真を見せる。
そこにはすごい美人が映っていた。今は見る影もない。
( ^ω^)「こいつはひでぇ。」
ハゲたイケメン「俺はフサフサだった自慢の髪の毛がこのありさまだよ!」
その頭は無残にもハゲ散らかしていた。
('∀`)9m「プギャー!ざまぁ!イケメンざまぁ!」
胸が断崖絶壁の女「アーン、Fカップあった私の胸がぁ!!」
_
(#゚∀゚)「これは許せん事態だ!!」
_
( ゚∀゚)「ちなみにお嬢さん、俺は貧乳も大好きだよ!」
低身長の男性「180以上あった俺の身長が……」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはいはい。」
低身長の男性「ちょっと俺の話聞いてます?」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるせぇな!いまアプリのパワプロやってんだから黙ってろよ!」
ξ#゚⊿゚)ξ「あ!このクソビッチレイリー!読心術失敗してんじゃねぇぇぇ!!」
低身長の男性「……」
女「私の自慢の彼ピッピがマッチョマンになっちゃった……」
女「ぽっちゃりが好きでいい感じに脂肪がついてたのにぃ!!こんなのヤダ!」
マッチョマン「……」
(,,゚Д゚)「君いい体してるじゃん!いつもどんなトレーニングしてるの?」
マッチョマン「あ、わかります?僕はいつも――」
女「ヤダヤダこんなマッチョマン!!前みたいな豚ちゃんに戻ってよー!!」
そんなような被害が多発していた。
443
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:08:39 ID:cGkZm8J.0
( ^ω^)「しかし、自称『正義のヒーロー』がひどいことしやがるよな。」
_
(#゚∀゚)「まったくだ。おっぱいに手を出すなど男としてあるまじき行為だぞ。」
('A`)「だが目的がわからんな。『正義のヒーロー』とやらがなぜ人間を醜くしようってんだ?」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!自分で『正義のヒーロー』を名乗るやつに碌なのはいねぇよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「知ってるか?絶対英雄になれない条件。」
('A`)「?」
('A`)「そんなのあるのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「おぉよ!その条件ってのが……」
('A`)「うんうん。」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
('A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
('A`)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、なんだっけ?」
ξ゚⊿゚)ξ「おい、ウンチク博士!」
_
(;゚∀゚)「いや、俺もそんなの知らないよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ、こういう時に使えねぇ。」
爪'ー`)「あー、いいか諸君。現在『正義のヒーロー』と名乗る不届き者が事件を起こしている。」
爪'ー`)「我々ヴィプトラ警備隊の威信をかけてこれを排除するぞ!!」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」
444
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:09:08 ID:cGkZm8J.0
必死の捜索もむなしく、なかなか『正義のヒーロー』とやらを発見することができなかった。
そして後を絶たない被害者たち。そんな日が続いたある日、ドクオが一人でパトロールと街中で男の悲鳴が聞こえた。
急いで路地裏に向かうと一人の女性の格好をした人物がうずくまっていた。
('A`)「大丈夫ですか?」
(;'A`)「う……」
そのうずくまっている女性の恰好をした人の顔を見るとまるでおっさんのような顔になっていた。
さらにその声は野太い男の声。
うずくまる女性「ひどい…こんなんじゃ人前に出れないよ……」
(#'A`)「なんていうことだ!許せん!!」
(#'A`)「君をこんなにしたやつはどこに行った?」
スッと指をさす。
('A`)「必ず捕まえてやる!」
指をさされた方に走っていく。
ある程度行くと行き止まりになっていたが『正義のヒーロー』とやらの姿がない。
('A`)「逃げられたか。クソォ!!」
見失ったと思った時であった。
???「もしやこの私をお探しかな?」
トォッという掛け声とともにスーパーヒーロー着地を決めるその全身が白いタイツ。
着地をすると同時に決めポーズをビシッと決める。
(☆)「はるか遠くスター星からやってきた一つの流れ星!」
(☆)「『正義のヒーロー』ジャスティスマンここに見参!!」
445
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:09:46 ID:cGkZm8J.0
全身が白いタイツで覆われ、白い羽を生やし顔には大きな星が一つ。
そう彼こそがスター星からやってきたスター星人で『正義のヒーロー』ジャスティスマンなのだ。
('A`)「どちらかというと○ンタゴンでは?」
(☆)「?」
(☆)「何のことを言っているのかわからんが、このジャスティスマンの前では偽りの姿は許されない!!」
(☆)「必殺ジャスティスビーム!!」
そう言うと顔の星のマークからビームが発射されドクオに命中した。
(;'A`)「うわ!!」
(;'A`)「ってあれ?」
ドクトラアイを使っていないのにドクトラセブンに変身した。
(☆)「私のジャスティスビームはどんなものも本当の姿に戻すことができるのだよドクトラセブン。」
('A`)「そういえばスター星人にはそんな技があったな。」
('A`)「ん?」
('A`)「ということは……」
(☆)「まさかこの『正義のヒーロー』が地球人どもを醜い姿に変えたとでも思っていたのか?」
(☆)「逆だよ。化粧などで自分の顔を偽ったり、カツラでハゲ散らかした頭を隠したり。」
(☆)「シリコンで胸を大きく見せたり、シークレットシューズで高く見せたり。」
(☆)「脂肪の塊のような肉襦袢でマッチョな身体を隠したり、身体は男なのに心は女で性転換手術や整形で外見だけ女になったり。」
(☆)「そういった嘘をついた者を本来の姿にしただけさ。」
(☆)「そして私が解除するか死なない限りジャスティスビームを受けた地球人は嘘偽りがつけない。」
('A`)「なるほど。」
('A`)「しかし、ちとやりすぎなのでは?」
446
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:10:22 ID:cGkZm8J.0
(☆)「何を言っている。真実が一つのようにこの宇宙でも正義は一つなのだ。」
(☆)「この宇宙では嘘が多すぎる。それを正しに来たのだ私は。」
(☆)「そう、正しさこそが正義!!故にジャスティスマンは『正義のヒーロー』なのだ!!」
('A`)「いやだからやりすぎだって。化粧だとかそれくらい許してやれよ。」
(☆)「そうはいかんのだよ。地球のような未開でサルしか住んでないような星が宇宙連盟に認められるには正しくなくてはいけない。」
(☆)「だからこそこのジャスティスマンが嘘を排除して正しい星へと導かなくてはならない。」
('A`)「排除ってどうするつもりだよ。」
(☆)「嘘や偽りをするような奴は悪だ。私のこの警告も無視するような奴らは始末するに決まっているだろ。この『正義のヒーロー』に逆らうというのだからな。」
(☆)「悪は滅ぼさねばならない!!」
(;'A`)「始末ってやりすぎだろ!!そんなんじゃ侵略者と変わらないぞ。」
(#☆)「テメー!!誰が侵略者だ!!俺は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ!!」
今まで優しそうな感じでしゃべっていたジャスティスマンが怒鳴り散らす。
(#☆)「こちらとらこんな宇宙でも端の端、辺鄙な地球とやらに来てやってんだぜ。感謝こそされど侵略者扱いとは何事だ!!」
(#☆)「ぶちのめすぞテメー!!」
(;'A`)「ちょっと落ち着けって……」
(#☆)「チッ!」
煙草を一本吸って少し間を置く。
怒り狂っていたジャスティスマンも落ち着きをとり戻した。
(☆)「やはり宇宙ケシの実入りの煙草はうまい。」
('A`)「始末とかじゃなくてもう少し穏やかな方法とかないのか?」
(☆)「……」
(☆)「ドクトラセブン、君はなんでそこまで地球人ごときに肩入れするんだ?」
447
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:10:59 ID:cGkZm8J.0
('A`)「俺も最初はこんな星とか思っていたよ。」
('A`)「でもこの星を守っているうちに悪くないなって思うようになってさ。」
(☆)「ならばなぜ君は自分の存在を偽る?」
(;'A`)「え?」
(☆)「諸星ドクオとはなんだ。偽りの存在で接していてそれは本当に仲間だとでもいうのか?」
(;'A`)「そ、それは……」
(☆)「君もわかっているのだろ。所詮地球人など排他的で宇宙人を受け入れられないのだと。」
(;'A`)「……」
何も言い返せなかった。
正直なところ自分の正体をみんなに教えようかと考えたことは何度かある。
しかしそれが受け入れられなかったらと考えると……
初めてできた仲間に拒絶されるのが怖かったのだ。
(☆)「所詮地球人との絆なんてそんなもんだろ。」
(;'A`)「……」
(☆)「お互いスター星人とヴィプトラの戦士の仲ではないか。」
ヴィプトラの星とスター星はそれなりに友好的な関係なのだ。
(☆)「私が執行する正義を邪魔しないでくれ。」
('A`)「そうはいかん!!たかが化粧や嘘程度のことで地球人を始末なんかさせないぞ!!」
(☆)「おいおいマジかよテメー!」
448
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:11:25 ID:cGkZm8J.0
(☆)「俺はさっさとこんな星とおさらばしたいんだよ。こんな何もない星。」
(☆)「だかかもう少ししたら大々的に粛清したりして嘘をつくような連中は排除するつもりだ。」
(☆)「そうしてこの星を正しい方へと導いてやれば他の星でも正義が執行しやすい。」
(☆)「なにより私達スター星の評価がうなぎのぼりだ。そしてこの俺は称賛や名声を手に入れられる。」
(☆)「これこそが『正義のヒーロー』!!ドクトラセブン、君もだから目指しているんだろ『正義のヒーロー』を。」
('A`)「……」
('A`)「確かに目指していたな。そんな『正義のヒーロー』を。」
('A`)「かっこよくて強くてモテて人々から尊敬されてもてはやされる。そんな『正義のヒーロー』になろうだなんて思っていたな。」
(☆)「だろだろ!もう少しでそんな『正義のヒーロー』になれるんだぜ俺達は!だから手を貸してくれよ。」
('A`)「憧れていたよ。でもさ気づいたんだ。この星を守るために戦っているうちに。」
('A`)「昔憧れていた『正義のヒーロー』ってのはただ薄っぺらいだけの言葉だってことに。」
(☆)「は?」
(#☆)「テメー喧嘩売ってんのか!!『正義のヒーロー』が薄っぺらい言葉だと?取り消しやがれよコラァ!!」
(#☆)「所詮自分の正体を偽るような奴はこの地球人どもと同じで悪でしかないんだな!」
(#☆)「まずはテメーから排除してやるよ!!」
('A`)「短気すぎるのはよくないぜジャスティスマン。どうだ俺と少し地球を守ってみないか?」
(#☆)「こんなカスみて―な星守る価値なんてないだろ!!」
('A`)「やってもいないのに決めつけるのはよくないぞ。きっと驚くような経験ができるぞ。」
449
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:11:55 ID:cGkZm8J.0
(#☆)「真実が一つのようにこの宇宙で絶対的なことがある。」
(#☆)「この俺ジャスティスマンは『正義のヒーロー』で俺こそが正義なんだよ!!」
(#☆)「つまり俺に逆らうやつはみな悪なのだ!!」
(#☆)9m「その『正義のヒーロー』が断言する!お前は悪だドクトラセブン!!」
(;'A`)(こいつめんどくせぇ)
そんな風にドクトラセブンが思っている時だった。
冒頭で出てきた不細工な女がたまたまその近くを通りかかりジャスティスマンを見つけたのだ。
不細工な女「あ、テメーは!!」
(☆)「!」
ドクトラセブンの後方にいた不細工な女は猛ダッシュでジャスティスマンに向けて走っていく。
詰め寄っていろいろ文句を言おうとしているのだろう。
ジャスティスマンは面倒なのがきたとしか思っていないようだ。
ドクトラセブンも後ろをちらりと見てジャスティスマンに掴みかかるようなら引き離さないとな程度にしか考えていなかった。
地球人程度ではどんなに頑張っても宇宙人にダメージを与えられない。例外の人物を除いて。
それこそ武器がなければ無理な話だ。ただの一般市民がそんなものを持っているはずがない。
二人ともそう思って油断していた。それは一瞬だった。
不細工な女「テメーだけは許さねぇ!!」
ドクトラセブンとすれ違うその一瞬だった。
直感なのか本能なのなのかはわからないが、ドクトラセブンの頭アイス・ラッガーをつかみ取るとそのままジャスティスマンののど元に切りつける。
(;☆)「ガ……」
(;'A`)「!」
完全に油断していた。
緑色の血がジャスティスののどから噴き出した。
450
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:12:37 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「き、貴様何をする……わ、私は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ……」
地面でのたうちながら必死に切られたのどを抑えるジャスティスマン。
(;☆)「私は嘘をつく地球人を正しく導こうとしていただけなのに……」
(;☆)「本来あるべき姿で他人と接しなくては何事も正しくないのだ……嘘偽りなど……」
不細工な女「確かにお前の言うことには一理あるかもな。」
(;☆)「そうだろ……私は『正義のヒーロー』絶対に正しいのだ……」
不細工な女「だがな!!テメーのそのくだらねぇ考えはテメーだけでやってろ!!他人にその考えを押し付けてんじゃねぇ!!」
(;☆)「正しいことを広めるのが『正義のヒーロー』の役目でもあるのだよ……」
不細工な女「なにが『正義のヒーロー』だ!!そんなの小学生のごっこ遊びで卒業しとけ!!」
不細工な女「大人になっても『正義のヒーロー』なんて言ってるやつはなぁ、心が子供のままの子供大人か」
不細工な女「ただ『正義のヒーロー』って言葉に酔いたいだけの自分が大好き野郎だけなんだよダボがぁぁ!!」
不細工な女「それにテメーが本当に『正義のヒーロー』だってんならなんで本当に困ってる人間を助けに行かねぇ!!」
(;☆)「困ってる人間……?」
不細工な女「紛争地域だとか災害地だとかで本当に困ってる人たちだよ!!」
不細工な女「なんでそういう人たちを差し置いて自分のくだらねぇ考えを強要してんだよ!!」
451
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:13:11 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「いや……」
地球人を完全に見下していたジャスティスマンにそんな考えは全く浮かばなかったのであった。
不細工な女「要するにテメーは後者なんだよ。『正義のヒーロー』に酔いしれてるだけの自己中!」
中指を立てながらまくしたてる。
不細工な女「私によくわからんビーム当てたときも長々と正しさがだとか正義がどうたらとか」
不細工な女「上から目線で説教しやがってよぉ!!テメーのくだらねー価値観なんてどうでもいいんだよ!!」
不細工な女「押しつけこそが悪だと知れよカスが!そんなに嘘つかれんのが怖いんならよぉ引きこもってろよ!!くだらねー考えもそのクソッタレの頭ん中で完結させとけ!!」
(;'A`)(AAも名前もないようなモブがやたらとしゃべるな……)
(;☆)「ゴ……」
(;☆)「」
『正義のヒーロー』は何も言い返せることができずに無様にも息を引き取った。
(;'A`)「……」
ジャスティスマンが死んだと同時に今までジャスティスビームを浴びた地球人たちが戻っていく。
偽りの姿に。
化粧で超絶美人「やった!元の顔に戻った!!」
フサフサなイケメン「俺の髪(カツラ)が戻ったぞ!」
女「やったあ!私の彼ピッピが元のぽっちゃりデブに戻ったあ!」
肉襦袢で覆われたマッチョマン(お!肉襦袢が元に戻った)
被害者たちは喜びの喚起を上げる。
化粧で超絶美人「よかったよかった。」
ニコニコしながら喜んでいる。
その近くをフサフサなイケメンが通りかかる。
452
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:13:46 ID:cGkZm8J.0
フサフサなイケメン「お!かわいいこちゃん見っけ!!」
それに気づいた化粧で超絶美人は慌てて手に持っていたアイス・ラッガーを捨ててフサフサなイケメンの元へと駆け寄る。
化粧で超絶美人「アーン、宇宙人に襲われて怖かったぁー!」
そう言いながらフサフサなイケメンに抱き着く。
化粧で超絶美人「ドクトラセブンがいなかったら危なかったのぉ!怖くて動けなーい!」
フサフサなイケメン「仕方ないな。どうこの近くで休んでかない?」
化粧で超絶美人「うん!どっかで休んでこ!」
そうして二人は手を握りながらどこかへと去っていった。
嘘や偽りがあろうと世の中というのは問題なく回っていくのだ。
そんなに無理して正そうなど無駄な労力でしかない。
('A`)「……」
ただ一人残されるドクトラセブン。
('A`)「だから言ったろ、驚くような経験だできるって。」
('A`)(そういえば真実はいつも一つだとか言っていたな)
真実が一つというが本当にそうなのだろうか?
車は道の左側を通る。
だがそれは日本での話だ。世界では右側が主流。
('A`)(そして宇宙では左だとか右だとかはない)
('A`)(弱い者が強い者に道を譲るのだ)
そういった様々な見方をすれば真実は本当に一つなのだろうか。
('A`)「だがお前の言う通りかもしれないな。」
そう、自分が諸星ドクオと偽る限りみんなと本当の仲間だといえないのかもしれない。
でもいつか本当の自分をみんなに打ち明けられる時が来るのだろうか……
いやうち開けなくてはならないのだ。地球人と本当の友になるためには。
そう遠くない未来に。
第十五話『正しさこそ正義』
終わり
453
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 02:14:20 ID:cGkZm8J.0
今回は短いですが以上です。
いつもありがとうございます。
454
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 07:43:46 ID:5kWSKTJM0
不細工な女ツンヌかと思ったわwww
乙!
455
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 08:20:55 ID:.RMH2c2A0
>>454
たぶんつんぬだぞ
456
:
名無しさん
:2018/11/23(金) 12:50:47 ID:gX7HjT0Y0
恐らくツンヌ星人とかオーガ星人とかそんなのが混ざりまくってるだろ戦闘力高すぎだわ乙
457
:
名無しさん
:2018/11/24(土) 07:38:00 ID:rzLVRc5k0
おつ
458
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:15:01 ID:QOpG40xs0
第十六話『氷点下零度の戦い』
皆さんは人間の一番の武器は何だと思いますか?
知能を挙げる人がいれば道具を使えること挙げる人もいるでしょう。
現代ならば兵器だったり爆弾、核など凶悪なものも。
しかしそういった恐るべき兵器も悪天候だったり天災の前では無力だったりします。
さらには最新鋭の戦闘機であっても飛行中、エンジンにただの鳥を吸い込むだけで簡単に壊れてしまいます。
どんなものも使いようなのです。
今でこそ使い勝手のいいインターネットも元は軍事目的で開発されました。
それがあっという間に誰でも使えて便利なものに。
過去の戦争では殺虫用のガスが恐ろしい毒ガスに。恐ろしい毒ガスだったものが殺虫剤になったりしたのです。
どんなものでも生活に欠かせないようになったり、生活に欠かせないようなものが恐るべき侵略兵器にも――
今回はそんなお話。
459
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:15:51 ID:QOpG40xs0
ときは12月31日の大晦日、年の終わりに地球の危機が迫っていた。
('A`)「あー、今日で今年も終わりかー。」
('A`)「でもさすごく気になるんだけど、なんで今日は俺たちしかいないの?」
雪が降り積もる富士山。ここの地下数百メートルにヴィプトラ警備隊の基地がある。
いつもは数千人の隊員たちが忙しく働いているのだが、この日は静まり返っていた。
爪'ー`)「毎年恒例で大晦日は我々だけが防衛任務に就き、一般隊員はお休みだ。」
そう、この日は作戦室にいるフォックス、ドクオ、ブーン、ジョルジュ、ギコ、ツンヌのみなのだ。
(;'A`)「地球防衛に休みの日とかあっていいんですか?!」
爪'ー`)「一日くらいな。どうせ侵略者だって今日くらいは休みだろ。」
(;'A`)「いやいやいやいや!」
( ^ω^)「まあ、今日何か起きてもいいように我々がいるんじゃないか。」
(;'A`)「マジかよ……」
爪'ー`)「その代わり我々はクリスマスが休みだったんだからいいだろ。」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに今年のクリスマスは楽しかったなー。」
_
( ゚∀゚)「俺、ツンヌ、デレさん、トソンさん、佐藤君、人さんでだいぶ飲んださわいだしたよな。」
ξ゚⊿゚)ξ「人ってやつずっとチョウチンアンコウの着ぐるみ着てて笑うわ。」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
_
( ゚∀゚)「本当に楽しかったよ。」
460
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:16:16 ID:QOpG40xs0
(;'A`)「え……」
(;'A`)「何それ聞いてない……」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、すまん!ドクオに言うの忘れてた。」
(#゚A゚)「おまえ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな過ぎたこと怒ってんなよ。今日は大晦日だぜ、のんびりしようや。」
(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」
( ^ω^)「いやー今年のクリスマスは久しぶりにハッスルしたから子供が増えるかも。」
(,,゚Д゚)「それはよかったじゃないか。俺はヴィプトラホーク2号に彼女と乗って宇宙ステーションVIP3で一晩明かしたよ。」
( ^ω^)「ヒュー!宇宙旅行とはやるじゃん。」
(,,゚Д゚)「そりゃぁもちろんヤりましたよ。」
( ^ω^)「おいおい、何の話だよ!」
ワハハハハハハ!
(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」
リア充が憎い!!
クリスマスだとかバレンタインとかそんなイベントは地球のローカルな行事でしかないのだ。
V78星雲でもそんな都市伝説があるようだが俺は知らん。
所詮は都市伝説なのだ!!だって俺は体験したことないんだもん……
461
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:16:42 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「つーかなんか寒くない?」
(,,゚Д゚)「確かに寒い。」
( ^ω^)「外は雪も降っているみたいだしな。」
爪'ー`)「そもそも暖房止まってない?」
_
( ゚∀゚)「そういえば最近ボイラーの調子が悪いみたいなこと誰かが言ってたな。」
爪'ー`)「そうなると誰かが直してこないとな……」
突如として静まり帰る作戦室内。
さっきまで暖房が効いていたこの部屋でも寒くなってきたのに、暖房が全く効いていないであろうボイラー室に行くなどと……
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していた。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。
ξ゚⊿゚)ξ
ツンヌだった。
ξ゚⊿゚)ξ「エーン、ツンヌボイラーの直し方がわかんなーい!ツンヌが下手に触ったらもっと悪くなっちゃうよー!」
ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」
突然のブリッ子だった。
(,,゚Д゚)「え?」
(#'A`)「は?」
_
(;゚∀゚)「うわぁ……」
( ^ω^)「スタンド攻撃でも食らったか?」
爪'ー`)「これは悍ましい。何と悍ましい。」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、というわけで私を除いたお前らだけで何とかしてこいよ。」
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」
462
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:17:14 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「仕方ない。こうなったら最年長である俺が行ってくるか。」
( ^ω^)「流石隊長!!」
('A`)「さす隊!!」
爪;'ー`)「う!」
爪;'ー`)「ゴホッゴホッ!」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)「?!」
爪'ー`)「いやー最近の激務とこの寒さじゃ年老いたこの体じゃムリかなー。」
わざとらしい咳をしたかと思うと頻りに四人の方をチラチラと目線を送る。
(,,゚Д゚)「あー、はいはいはい。」
_
( ゚∀゚)「チッ」
('A`)「マジ老害。ホント老害。」
( ^ω^)「上司が仮病使ってくる件について。」
爪'ー`)「そういうわけだから若い連中でどうにかして。」
にらみ合う四人。
爪'ー`)「ボイラー室から戻ってきたら暖かいコーヒーを淹れてやるよ。」
463
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:17:44 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「なぁ、世の世で最も公平なものを知ってるか?」
( ^ω^)「ジャンケンだ。ジャンケン。」
( ^ω^)「これでけりをつけよう。」
('A`)「ほう、この主人公補正ありありなドクオ様にジャンケンで勝負を挑むというのか。」
('A`)「この№1主人公ドクオに!」
( ^ω^)「ジャンケンなんて所詮運よ運。」
( ^ω^)「いつだってこのラッキーマン・ブーンは幸運ですべて乗り切ってきた!!」
(,,゚Д゚)「ジャンケンをなめんな!これはれっきとしたスポーツだぜ!」
(,,゚Д゚)「反射神経といえばギコの動体視力をなめんなよ!」
_
( ゚∀゚)「主人公補正だとか幸運だとか動体視力とか無駄なんだよ!」
_
( ゚∀゚)「ミスターデータベースこと、このジョルジュに蓄積されたデータをもとにすれば塵に等しいぞ!!」
再びにらみ合う四人。
戦いの火蓋が切られた。
ジャーンケーン―――
地下深くにあるヴィプトラ警備隊の基地。
その廊下を一人の敗北者がボイラー室に向けて歩いていた。
その口はひたすら負け惜しみを吐いてより一層みじめさを醸し出していた。
そして寒さなのか負けて悔しいのか身体が小刻みに震えている。
464
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:18:10 ID:QOpG40xs0
('A`)「そもそも隊長やツンヌが参加してないのがおかしい。」
('A`)「全員参加でやるべきだったんだよ。」
('A`)「なにより機械いじりならジョルジュが行けばいいじゃんかよ。」
ブツブツとひたすらに文句を言っている。
('A`)「まあいい。さっさと直せば暖かいコーヒーが俺を待っているんだ。」
(('A`))「うぅ寒い。」
廊下の壁に取り付けられた温度計は零度を示していた。
('A`)「?!」
敗北者ドクオは廊下にある物が置かれているのに気付いた。
コタツだ。冬といえばこれがあればなんとかなる日用家具。
なんて変哲もないコタツが廊下に置かれている。
どう考えても罠だ。人が少ない今日を侵略者に狙われたのだ。
('A`)「うおぉぉぉぉぉ!!」
急いでコタツに近づく。
罠なのだからよく調べなくては。
('A`)「ふう。」
なんなくコタツに入りくつろぎだす。
何という恐ろしい侵略兵器だ。
一瞬にしてどドクオを無力化してしまった。
( <●><●>)「フッフッフ!貴様らがコタツを見つければ本能的に入ってしまうことはワカッテマス!」
凶悪な侵略者ワカッテマス星人だ。
( <●><●>)「愚かな地球人よそのコタツに入ったら最後、このバリア発生装置がある限り外には出れないのだよ!」
( <●><●>)「フハハハハハ!!泣いて喚いてももう遅いぞ!!」
('A`)「お!お茶あるじゃん!」
('A`)「茶がうめ―。」
( <●><●>)「……」
465
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:18:44 ID:QOpG40xs0
ドクオが出てからすでに数十分が経過していた。
( ;<●><●>)「お前もう少し焦りとかないの?」
('A`)「冷蔵庫に簡易トイレにテレビもあるしここから出る必要ある?」
( ;<●><●>)「ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」
('A`)「むしろ俺ここに住むわ。」
( ;<●><●>)「?!」
( ^ω^)「おいおいドクオ、まだ直らんのか?」
直るのが遅いのでしびれを切らしたブーンが様子を見に来たようだ。
( ^ω^)「!」
(#^ω^)「貴様ァァァ!!」
ブーンが猛ダッシュで向かってくる。
( ;<●><●>)「し、しまった!バリア発生装置はボタン一つで簡単に解除されてしまう!」
焦るワカッテマス星人。
まったく動揺しないドクオを相手していて次の作戦に移れなかったのだ。
(#^ω^)「オオオオオオ!」
雄たけびを上げながらコタツめがけてスライディング決める。
( ^ω^)「ふう。」
( ^ω^)「お!ミカンあるじゃん!」
( ;<●><●>)「……」
466
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も
(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」
(,,゚Д゚)「!!」
(,,゚Д゚)「オラァァァ!」
(,,゚Д゚)「ふう。」
('A`)「せんべいあるけど食べる?」
(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」
爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」
( ;<●><●>)「……」
コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。
爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」
( ;<●><●>)「あの…みなさん?」
( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」
( ^ω^)「隊長!!」
爪'ー`)「どうした!」
( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」
爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」
( ;<●><●>)「こいつらマジ……」
467
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。
( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」
少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。
( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」
一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。
( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」
( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」
身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。
( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」
ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」
(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」
(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」
爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」
(*'A`)「あー、コタツ最高!!」
( <●><●>)「……」
ジョルジュの元に魔の手が迫る!
468
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
_
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
_
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」
一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
_
(;゚∀゚)「?!」
謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。
( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」
手に持った端末からその様子を眺めている。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」
(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」
(*'A`)「俺も。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)
仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
_
( ∀ )「……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)
そうナイフで突き刺そうとした時だった。
_
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」
ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」
あっけなくその場に倒れこむ。
( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」
469
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
_
( ∀ )「何故だ……」
_
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
_
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
_
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
_
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
_
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
_
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
_
( ∀ )「許さねぇ!」
_
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」
ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。
470
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」
( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」
('A`)「あいつやべえな。」
(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」
( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」
爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」
(,,゚Д゚)「了解!」
ブッ
オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!
( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」
( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」
そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。
(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」
(*'A`)「眼福眼福!」
(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」
そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。
ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」
(*'A`)「いいね注文しよう!」
(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」
471
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
_
( ゚∀゚)「!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」
悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
_
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」
あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
_
( ∀ )「何故だ……」
_
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
_
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
_
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry
先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。
( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」
( #<●><●>)「もう何も信じれん!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」
( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」
( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」
濃厚な接吻をし始める二人。
472
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」
(#'A`)「ケッ!リア充が!!」
(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」
爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」
ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」
( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ
すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
_
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」
有無を言わさず光線銃で打ち抜く。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
_
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
_
(#゚∀゚)「ペッ」
死体に唾を吐きかける。
( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」
( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」
( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」
(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」
(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」
( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」
473
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」
ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
_
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
_
(;゚∀゚)「え?コタツ?」
そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。
( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
_
(;゚∀゚)「?!」
一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
_
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」
( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」
(,,゚Д゚)「つ、強い!」
( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」
ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」
爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」
('A`)「おら立て!殴り返せよ!」
('A`)「もっとこう……ああ!」
爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」
('A`)「俺も。」
( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」
(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」
474
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
_
(;゚∀゚)「うぅ……」
何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。
( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」
( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
_
(; ∀ )「……」
一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。
ξ゚⊿゚)ξ
ツンヌのおっぱいだった。
('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」
('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」
ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」
アァ!ヤメテェー!!
オラァァァ!!
ウギャァァァァ!!
475
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
_
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
_
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」
( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
_
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」
ジョルジョが全力で殴りつける。
( ;<●><●>)「グォ!!」
地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
_
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「漢の!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」
( ;<●><●>)「グワァァ!!」
( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)
壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。
( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」
( <○><○>)「」
_
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
_
(;゚∀゚)「やったぜ!」
_
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」
バリア発生装置のボタンを押して解除する。
_
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」
476
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」
( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」
(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」
('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」
ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」
「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
_
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」
みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。
ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」
(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」
爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」
(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」
(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
_
(;゚∀゚)「あの……みんな?」
爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」
ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」
(; A )「OH……」
ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
_
(;゚∀゚)「え……?」
477
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」
(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」
爪'ー`)「いいねぇ乗った!」
ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
_
(;゚∀゚)「……はい。」
一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。
心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。
(,,゚Д゚)「ん?」
(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」
( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」
爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」
('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」
さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。
ξ゚⊿゚)ξ
ツンヌだった。
478
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」
ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」
突然のブリッ子。
爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」
爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」
爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」
突然の仮病。
( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」
('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」
(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」
( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」
いくぞ!ジャーンケーン――
( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」
( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」
( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」
( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」
ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。
( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」
( <●><●>)「フハハハハハ!」
( ;<●><●>)「?!」
ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。
('A`)
ドクトラセブンだ。
479
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」
必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。
('A`)「デュワ!」
必殺のドクリュウム光線を発射する。
( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。
こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……
どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。
第十六話『氷点下零度の戦い』
終わり
480
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。
481
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0
乙
482
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ
483
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね
484
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 19:30:14 ID:2BFQNR..0
乙です
485
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:04:40 ID:SCd38K/s0
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
これから投下していきます。
486
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:05:19 ID:SCd38K/s0
第十七話『怪しい老人』
(´・_・`)「ああ、今日も疲れた。」
夕方、一人の社畜が帰路についていた。
今日も嫌いな上司に罵倒されこき使われて肉体も精神もボロボロだ。
しかし、そんな彼にも支えがあった。
(´・_・`)「今日も君のおかげで一日何とか頑張れたよタチャンカ!」
そう言いながら彼はスマホでアイドルの画像を気持ち悪い顔でニヤニヤしながら覗いていた。
タチャンカ、ゲームのキャラクターだ。
普通の人が見れば気持ち悪いだろうが、彼からしたら唯一心の支え。
そしてそのゲームを通じて知り合った人たちだけが彼の数少ない友達なのだ。
だから彼からしたらタチャンカこそが人生のすべてである。
(´・_・`)「でもいやだなぁ、あのうるさい上司さえいなければ……」
そう愚痴をこぼしながらいつも通る公園を歩いていると、見知らぬ老人がどこからともなく現れた。
/ ,' 3「もし、そこのお方。何かお困りのようですね。」
その老人は小汚い恰好をして、フードを深々とかぶっていたのでシワシワで歯が何本も抜けた口元くらいしか見ることができない。
しかし、この辺では全く見たことがない。ホームレスか何かか?そう思った。
(;´・_・`)「な、なんですあなた?」
/ ,' 3「あっしはしがない商人です。この地球をフラフラ回りながら商いをしてましてね。」
/ ,' 3「あなたのような方にとっておきの商品があるのですよ。」
どこからともなく飴の入った袋を取り出すと、それを手渡してきた。
487
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:05:49 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「その飴をなめると幸運があなたに舞い降りるでしょう。」
/ ,' 3「一袋三十個入りなので毎朝忘れずに舐めてくだせぇ。」
(;´・_・`)「いやこんなのいらないよ。」
/ ,' 3「それはお試し品ですからお代は結構。次の袋からお代をいただきますので。」
/ ,' 3「それではあなたに幸あらんことを。」
(;´・_・`)「ちょっと!」
(;´・_・`)「?!」
スッと霧のように消え姿が見えなくなってしまった。
(;´・_・`)「なんだったんだ今の……?」
夢のような出来事であったが、確かに手にはあの飴が入った袋が握られていた。
(;´・_・`)「……」
不気味ではあったが、不思議とその飴を捨てることはできなかった。いつか必要になる気がして。
そのまま家に帰ったが、その飴をなめることはないまま数日が過ぎていく。
何も変わらない日常。仕事では上司に怒られては叩かれての繰り返しだ。
ただそんな仕事が忙しい日々を送っていたある日、珍しく寝坊をしてしまった。
朝食を用意している時間もなく急いで支度を済ませたが、何かエネルギーになるものをと思ってずっと置いてあったあの飴玉を一つなめることにした。
(;´・_・`)「変なもの入ってないよな?」
少し警戒したが時間が惜しいのでそのまま口の中へ。
なんともいえない味がしたが食えないことはない。
(´・_・`)「幸運が舞い降りる……か。」
488
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:06:17 ID:SCd38K/s0
数日前だが不思議とあの老人に言われたことを鮮明に覚えている。
しかし、ただの戯言だと思いそのまま出社した。
どうせ今日も上司にいろいろ言われてしんどいんだろうな――
そう思った。
(;´・_・`)「え?上司が事故で入院?」
会社に着くなりみんなその話題でもちきりだ。
何やら信号無視をした上司が車にひかれて大けがを負ったようだ。
命に別状はないようだが、当分会社には来れないそうだ。
それを聞いて小さくガッツポーズをした。
その日は本当にいい日であった。
いやな上司はいなくなり、休憩時間にたまたま会社に偉い人と雑談をする機会があるとえらく気にいられたのだ。
そのまま別の部署に異動することとなった。自分がずっと行きたかったところだ。
その後はあの飴をなめて会社に行くことにした。
それからはいいことばかりの毎日だ。
どこからどう見ても地味でさえてない上にキモオタの代表なような自分であったが、新しい部署の仲間は親切に接してくれた。
それどころかよく遊びに誘ってくれ、服のコーディネートまでやってくれたのだ。
彼らはどう見てもリア充で自分とは真逆な存在なはずなのに、なぜか会話が弾むのだ。頭の中に次になんてしゃべったらいいのか浮かんでくる。
これもあの飴の効果なのかな?
飴をなめるようになってから人生がまるで変った。
仕事終わりや休みの日はリア充の仲間たちと遊びに出かけ、ついには女の子ともデートに行くようになっていた。
今までの自分では考えられないようなことだ。女の子との会話もベストなセリフがスラスラ浮かんでくる。
そして頭に浮かんだことを行動するとすべて大正解というようになんでもうまくいった。
(´・_・`)「なんて幸せなんだ。」
これが幸せなんだということがよくわかる。
だが、その反面失われた時間があった。
今まで心の支えにしていたタチャンカだ。
タチャンカのゲームや動画を見る時間はなくなったし、そのつながりの友達ともまったく連絡を取っていなかったのだ。
489
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:06:43 ID:SCd38K/s0
(´・_・`)「……」
(´・_・`)「まぁいいか。」
(;´・_・`)「?!」
タチャンカのことをふと思い出した拍子に大事なことに気が付いた。
飴がもうないのだ。この飴がなくなったら自分はどうなるのだ?そう思うと恐怖でいてもたってもいられなかった。
夜遅かったが、慌てて家を飛び出してあの老人がいた公園へと向かう。
(;´・_・`)「はぁはぁ…」
真夜中の公園をひたすら探す。
だが冷静に考えればこんな時間にいるはずがないのだ。
(;´・_・`)「あ、明日の夕方ならいるかな?」
なんとしてもあの飴を手に入れなければ……
そう考えていた瞬間だ。
/ ,' 3「あっしをお探しですかいお客さん?」
突然背後から声がした。
(;´・_・`)「ヒッ?!」
馬鹿な周りには誰もいなかったのに?!
/ ,' 3「へっへっへ。お客さんはこれをお求めですかな?」
そう言うとあの飴の袋を取り出した。
(;´・_・`)「あ、あぁそれだ!それを売ってくれ。」
/ ,' 3「ええ、お売りしやしょう。でも今度はただじゃありやせんぜ。」
(;´・_・`)「いくらだ?」
たとえ数万だろうが払うつもりだ。それだけ出す価値があるのだあの飴には。
/ ,' 3「お金はいりやせん。」
(;´・_・`)「金は要らないだと?」
490
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:07:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ええ。たった一つの物をいただければこの飴を一生分差し上げやすよ。」
(;´・_・`)「何が欲しいって言うんだ?」
/ ,' 3「あなたの大事なものでっせ。それは命より大事なもの。」
命より大事なものだと?
何かとてつもなく恐ろしいものを盗られるのでは?
恐怖のあまり身体が強直する。
/ ,' 3「そう、あなたの心の支えの等身大のタチャンカフィギュアですな。」
(;´・_・`)「な!」
等身大のタチャンカフィギュア。
これは自分の人生で唯一誇れる持ち物だ。
世界でたった数体しか存在せず、一体数百万した代物だ。
借金をしてでも購入し、これのおかげでヴィプマス仲間ではかなり有名になれた。
背中のボタンを押せばタチャンカのメイン曲が流れそれ以外にもタチャンカやカリンカも聞くことができる。
毎日これを眺め、辛いときは何度も話を聞いてもらった。
一人暮らしも彼女がいれば寂しくなかったのだ。それくらいに自分にとって大切なものでこれこそ自分の誇りそのもの”だった”。
(;´・_・`)「……」
(;´・_・`)「……」
(;´・_・`)「ほ……」
(;´・_・`)「本当に”そんなものでいいのか”?」
/ ,' 3「あっしはそれさえいただければ十分でっせお客さん。」
(´・_・`)「いやー助かる。最近はむしろ邪魔だったんだよあれ。無駄に場所取るし。何よりあんなのあったら女の子を家に上げられないよ。」
/ ,' 3「では取引成立でございますな。」
(´・_・`)「これでずっとあの飴が手に入るなら最高だよ!」
/ ,' 3「これから毎月この飴があなたの元へと届きますよ。たとえどこに引っ越そうそとね。」
ニヤリと笑う怪しい老人。
491
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:07:51 ID:SCd38K/s0
地味な青年の小練ショーンは喜んで自分の家へと帰っていった。
きっと彼のこれからは何一つ困らないで幸せな人生を歩んでいくことでしょう。
あの飴のおかげで。
そして気づくことなく一生を終えることでしょう。これから歩む人生は本当の彼自身のものではないことに。
何より彼は一番大切なものを永遠に失ったことに。
/ ,' 3「しかし困った。こんなデカい物どうしたものですかね。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「ネットで売りやすか。」
そんな怪しい老人がいることも知らずに今日もヴィプトラ警備隊の作戦室は騒がしい。
('A`)「!!」
('A`)「オイ見ろジョルジョ!タチャンカの等身大フィギュアがネットオークションで売ってるぜ!!」
_
( ゚∀゚)「な、なんだってー!!」
_
( ゚∀゚)「ウオォォォ!!マジじゃん!」
('A`)「しかし今すでに500万円か……」
_
(;゚∀゚)「ぐぅむ……だがたとえ借金をしてでも手に入れなければ!」
('A`)「二人で力を合わせれば行けるか?」
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「お前ら仕事中に何してんだ?」
('A`)「隊長!仕事どころではありませんよ!なんたってあのタチャンカのフィギュアですよ!」
_
( ゚∀゚)「地球防衛より大切なことです!!」
爪#'ー`)「あぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「フィギュアとかお前ら何キモイことしてんだよ。」
(#'A`)「お前にタチャンカの何がわかる!!ジョルジョ言ってやれ!」
492
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:09:10 ID:SCd38K/s0
_
(#゚∀゚)「本当、タチャンカのタの字もわからないやつが我々の高等な会話に入ってくるというのがおこがましい。タチャンカとはヴィプマスタ―という大人気アイドルプロデュースゲームに登場するキャラクターの一人。
出身はロシア・サンクトペテルブルクでアイドルで公表されている年齢17。しかし本当の年齢は29だ。声優はヴィプ坂すみれ。タチャンカは愛称で、本名はアレクサンドル・セナフィエフ。男の名前だが、
それは男のようにたくましく育ってほしいという軍人の父親の願いが込められてつけられた。事実、女であっても厳しく育てられ現在は身長/体重:183cm/99.8kにまで育つ。その肉体はまるで肉の鎧。
偉大な父の跡を継ごうとロシア軍に入隊。そして特殊部隊:スペツナズに長年所属。彼女に転機が訪れたのは日本での作戦実行中にたまたま見たヴィプ海やヴィプ月が行うライブを見て心を奪われる。
その後周りの反対を押し切り日本語を勉強して来日。念願だったヴィッププロダクションに所属するようになる。本名のアレクサンドル・セナフィエフではあまりにもイカツイということでヴィプ槻にタチャンカ
の愛称を名付けられた。それからの彼女の活躍はすさまじく軍隊で鍛え上げた肉体から繰り広げられるダンスは誰よりも機敏でパワーあふれるパフォーマンスをする。コサックダンスを得意とするが、
一番の得意なダンスはタチャンカダンス。密輸した彼女専用装備のRP-46軽機関銃をステージにセットして激しく銃身を上下左右に振りまくる。このキレッキレっぷりは彼女の人気の高さの秘訣だ。
普段は空包だっが、アンコールやハイテンションの時は実弾をぶっ放して会場を沸かせる。ただこのタチャンカはステージ上だけでなく普段からフルフェイスマスクを被っており素顔を見たものはいない。
そういったお茶目な面やミステリアスな一面のおかげでヴィプマスでも常に人気上位。そのため、彼女をメインに置いた映画が上映され賛否を呼んだ。なぜ賛否かというと、映画終盤でライブを行うはずであったが、
ライブ会場がテロリストたちに占拠されてしまう。タチャンカはテロリストを皆殺しにしようとしたが、ヴィプ海やヴィプ月といったメンバーが歌で彼らの心を救おうと提案して対立。甘っちょろいことを言う他のメンバーに
タチャンカがブチギレ乱闘騒ぎ。なお一方的にタチャンカが他メンバーをボコボコにしたもよう。そのせいで大量のタチャンカアンチを作ってしまったのだ。その後はたった一人でテロリストたちを一人一人始末していくが、
ボロボロになった他のメンバーたちが最後の力を振り絞りライブを始める。それを聞いたタチャンカやテロリストたちは涙して心が浄化され手を取り合いステージ上の他のメンバーを応援した。
その時に最初に見たアイドルのライブの光景を思い出したタチャンカは自分が間違っていたことに気が付いて他のメンバーに謝罪。アンコールでタチャンカダンスを披露。だがダンス中、間違って実弾で改心したテロリストたちを射殺。
初の素顔見せをテヘペロっと最高の笑顔で締めた。銀髪で色白、透き通った青い瞳で頬には以前の戦闘で負った傷があるが、その傷を隠すためにマスクをしているのではなくただ単にいつ戦闘があっても頭を抜かれないようにするためと、
大勢の人に見られるのが慣れておらず恥ずかしいからなのだ。映画自体は繁盛したが、ボコボコにされた他のメンバーファンがタチャンカを許せずにタチャンカファンと壮絶なレスバトルを長年続けた。さすがにまずいと思ったスタッフや
タチャンカの中の人が謝罪して、DVDではその暴力シーンがカットされる事態が発生して終息した。今も大量のアンチはいるが、甘っちょろい考えに唾を吐きかけるくらい気嫌いして割と短気なところがタチャンカの魅力の一つ。
最近あったテレビアニメシリーズでも生意気な後輩に対してはロシア方式のけじめをつけさせ病院送りにしたり。抜けているところはとことん抜けているが、いざというときは頼りになる。そういったところがおれは大好きですね。
いつかタチャンカの故郷を聖地巡礼したいとは思うんですがなかなか時間が取れなくて。でも自分なりにタチャンカの機銃、RP-46軽機関銃を自作してみたりはしましたよ。ファンなら当たり前のことですが。でもタチャンカで一番重要な
エピソードといえばあれは外せないですね。スマホのアプリでタチャンカに追加された一番最初のエピソードで――――
493
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:09:41 ID:SCd38K/s0
_
(#゚∀゚)「―――」
(;'A`)爪;'ー`)ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;゚Д゚)「……」
その後もジョルジョはしゃべることしゃべること。
よくその早口で下噛まないなとかお前いつ呼吸してんだというくらいしゃべる。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、うん、すごいねー、タチャンカすごいねー。」
あのツンヌが引いた。
いやさすがのツンヌでもこれは何も言う気になれないようだ。
_
(#゚∀゚)「まったく何にも知らない素人風情がタチャンカのことで口を挟むな!これくらいむしろ一般常識だぞ!」
_
(#゚∀゚)「だよなドクオ!」
(;'A`)「!!」
(;'A`)「……」
(;'A`)「……」
(;'∀`)「あ……あぁ、そうだな……」
必死の作り笑いをするしかなかった。
今まで自分はヴィプマスにおいてかなりのオタクだと思っていたのに……
ひょっとしたら上位にいるのではとか考えていたが間違いだったようだ。
494
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:10:18 ID:SCd38K/s0
(;'A`)(俺はただのニワカだ…)
(;'A`)(下手したら一般人に毛が生えた程度か?)
(;^ω^)「あ、隊長!ここの防衛範囲について質問がありまして……」
爪;'ー`)「うん、なにかな?」
_
(#゚∀゚)「でもいいかタチャンカは―――」
いまだに一人で語っている。
仕方ないのでみんな違うことをし始めるのだ。
(,,゚Д゚)「よ、よし!ドクオ、パトロールに行こうぜ!」
('A`)「あぁ、行こう!」
ギコからの助け舟だ。
面倒な奴はほっとくのが一番。
ヴィプンターで適当にパトロールをして公園で一休み。
(,,゚Д゚)「フーッ平和はいいぜ!」
「もし、そこのお方。」
(,,゚Д゚)「?」
/ ,' 3「あなたはヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃありやせんか。」
495
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:10:50 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「何か用かじいさん?」
薄汚い老人がギコの前に現れた。
かなり匂うが、顔色一つ変えずに接するギコ。
/ ,' 3「あっしはしがない商人です。どうですギコ隊員にいい商品がありやすぜ。」
(,,゚Д゚)「?」
老人は懐からおもちゃの光線銃のようなものを取り出しギコに差し出す。
/ ,' 3「これは不思議な銃でして狙った相手はたとえどんな奴であろうと一発でしかも確実に当てて仕留めることができる銃でございます。」
(,,゚Д゚)「は?」
/ ,' 3「これはお試し品ですから弾は十発。でももしギコ隊員のお持ちのその光線銃をいただけるなら無限に撃てる正規品をお渡ししやすぜ?」
(,,゚Д゚)「……」
ボケた老人のたわごとか?
いやだが目は本気だ。
(,,-Д-)「フーッ。」
(,,゚Д゚)「いいかじいさん、あんたの話が本当だったとしても俺はそんなものいらない。」
/ ,' 3「?!」
/ ,' 3「なぜですかい?!」
(,,゚Д゚)「もし俺がその銃で活躍したところでそれはおれの実力じゃない。その銃の力だ。」
(,,゚Д゚)「その銃に頼りきってちゃそれがなくなったとき俺は何もできなくなる。」
(,,゚Д゚)「だからいらない。むしろそんなものに頼らなくてもその銃に負けないくらいにならないとな。」
(,,゚Д゚)「何より俺の銃はヴィプトラ警備隊に入った時からの相棒だ。」
(,,-Д-)「こいつとはいくつもの死闘を戦って来たからな。血と汗が染みこんでるんだ。」
(,,゚Д゚)「これこそ俺の誇りなんだよ。そう簡単に誰かに渡せないね。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「へっへっへ。あなたは本当のことを仰ってますね。目を見ればわかりやす。」
496
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:11:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ではこちらの缶ジュースはどうです。今喉乾いてるでしょう。」
(,,゚Д゚)「おお、ありがたいね。いくら?」
/ ,' 3「500円です。」
(,,゚Д゚)「は?ちょっと高くない?」
/ ,' 3「いえいえ、あっしのような浮浪者はちょっと値を釣り上げて物を売らないと生きていけないのですよ。」
(,,゚Д゚)「いやでもそれくらいなら自販機で……」
/ ,' 3「そうですかい。ギコ隊員は地球は守っても、あっしのような弱者までは守るつもりはないということですかい。」
/ ,' 3「あぁ、今日も残飯をあさらなきゃなぁ……まともな食い物なんてもう何日も……」」
(;゚Д゚)「グググ……」
(,,゚Д゚)「ああ、もう仕方ない買ってやるよ!はい500円!」
/ ,' 3「へっへっへ。毎度ありギコ隊員。」
そう言うとスッと姿を消す老人。
(,,゚Д゚)「ちくしょういいようにやられたぜ。」
('A`)「どうしたギコ?」
トイレを済ませたドクオがギコの元へとやってきた。
(,, Д )「はぁ…カモられた……なんでああいう時ノーと言えないんだ……」
('A`)「?」
('A`)「ん?あれは?」
遠くへ歩いていく怪しい老人の背後が見える。
('∀`)「ほぅこれはこれは。」
497
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:12:31 ID:SCd38K/s0
夕方先ほどの公園。
/ ,' 3「今日はもう商いは終いにしやしょう。」
あの老人が商売をやめて片付けをしている。
('∀`)「やあやあ、アラマキ星人さんよぉ商売繁盛かい?」
/ ,' 3「?!」
('A`)「おっと妙な動きをするなよ。この地球になんのようだ?侵略にでも来たのか?」
光線銃を構えながらドクオが問う。
/ ,' 3「これはこれはドクトラセブンの旦那、あっしのことはご存知じゃありやせんか?」
('A`)「ああ知ってるとも。アラマキ星人、宇宙で最弱な肉体を持ちどんなやつにもこびへつらう。」
('A`)「まさに下っ端も下っ端。強者や上の者たちに不思議な道具を売りながらなんとか生かしてもらえている哀れな連中さ。」
/ ,' 3「ええ、おっしゃる通りですよ。ですからこの星を侵略するつもりなんてこれっぽっちもありやせん。」
/ ,' 3「ただこの星で商いができればいいんですよ。」
('A`)「フーム、どうしたものかな。」
/ ,' 3「なら旦那にとびっきりの商品を差し上げましょう。」
('A`)「ほう、なんだ?」
/ ,' 3「このヴィプトラブレスレットですよ。」
('A`)「なんだこれ?」
/ ,' 3「これを付けたものは無敵になれるんですよ。」
/ ,' 3「あなたの同期にヴィプトラマン弱って方がいたでしょう。」
('A`)「ああいたな。」
/ ,' 3「その方はヒーローランキングで最下位争いをする程度だったんですが、これをつけたとたんに上位争いに食い込むほどの実力者になられたんです。」
498
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:13:03 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「な!まじか!」
('A`)「え、ちなみに俺はヒーローランキングで何位?」
/ ,' 3「旦那はランキング外でっせ。」
(;'A`)「え?」
/ ,' 3「圏外も圏外。存在自体知られてないんじゃないんですかい?」
(;'A`)「は、はー、ランキングとかどうでもいいし……そんなのにこだわってるのはまちがいだしー」
必死の負け犬の遠吠え。
/ ,' 3「それはさておきこのヴィプトラブレスレットを差し上げますからあっしが地球で商いするのを許してくだせぇ。」
/ ,' 3「もし少しでも侵略していると思ったのならその時始末してくれて結構ですから。」
('A`)「それならいいだろう。じゃあそれは貰っていくぞ。」
/ ,' 3「でも旦那、忘れないでくだせぇあっしとの約束を。」
/ ,' 3「商売において一番大切なことは信用でっせ。それがなきゃ商売できやせん。」
/ ,' 3「だからあっしは絶対地球を侵略しませんよ。なんで旦那もあっしが侵略していると思わない限り……」
/ ,' 3「あっしを攻撃したりするのはなしですよ。」
('A`)「OK、それでいこう。」
/ ,' 3「それではあっしは失礼させてもらいやす。」
/ ,' 3「でもお忘れないように。約束は絶対ですよ。」
とくにその時のことを気にしないで返事をした。
すでに左腕につけたヴィプトラブレスレットのことで頭がいっぱいだったのだ。
いいものを手に入れた。
それからのドクトラセブンの活躍はすさまじかった。
499
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:13:38 ID:SCd38K/s0
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」
一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」
町では忍者の宇宙人が建物を破壊していた。
|/゚U゚|「今日からこの星は拙者のものでござる。」
激しく忍者をする忍者星人。汚いなさすが忍者きたない。
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民D「いや待てあれを見ろ!」
('A`)「デュワ!」
一般市民ABCD「ドクトラセブンだ!」
(#'A`)「ダァァァ!!」
有無を言わせない先手必勝。
アイス・ラッガーを忍者めがけて投げつける。
|/゚U゚|「ギャアァァ!!」
一瞬にして盾に真っ二つ。
がしかし、ボンッと音とともに丸太に変わる。
変わり身の術だ。
(;'A`)「な!」
慌てて左右を見渡すが忍者の姿がない。
その時ドクトラセブンの影が動き出す。
|/゚U゚| ニヤリ
激しく忍者が影に化けていたのだ。
さっさと後ろから羽交い絞めにするとドラゴンスープレックスを決める。
(;'A`)「グワァァ!!」
すぐさまドクトラセブンと距離を置きクナイを大量に投げつける。
少しずつ削っていく作戦だ。
汚いなさすが忍者きたない。
500
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:14:15 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「ウググ……」
なかなか反撃できないドクトラセブンだがここで動いた。
左手首に付いているヴィプトラブレスレットを外し高々と掲げる。
ピカッと一瞬光ると激しく忍者の動きを封じる。
|;/゚U゚|「な、なんだ体が動かん?!」
('A`)「デュワァァァ!」
そして激しく忍者めがけてヴィプトラブレスレットを投げる。
投げられたヴィプトラブレスレットは光の刃となって激しく忍者をバラバラに解体した。
|;/゚U゚|「サヨナラーーー!!」
しめやかに爆発四散。
('A`)「ふぅ。」
('A`)「デュワ!」
一息つくと空へと旅立っていく。
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」
一般市民C「今回もあっという間に瞬殺だったな。」
一般市民D「やっぱヒーローはこのくらい強くあってもらわないと。」
それから数日後。
一般市民A「うわー怪獣だ!!怪獣がでたぞー!」
一般市民E「ひぃぃいすごく寒いぃ!!」
雪だるまの怪獣「ゴオォォォ!!」
町で暴れる雪だるまの怪獣は冷凍ガスを吐き続ける。
雪だるまの宇宙人「いいぞ!我が雪だるま怪獣ユーキダルーマ!このまま地球を氷の星へと変えるのだ!!」
雪だるまの怪獣の足元には人間サイズの雪だるまの星人がわめいている。
どうやらこの雪だるまの宇宙人が連れてきた怪獣らしい。
そしてこの冷凍ガスのせいで町中は氷漬けだ。
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民D「いや待てあれを見ろ!」
501
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:14:43 ID:SCd38K/s0
('A`)「デュワ!」
一般市民ACDE「ドクトラセブンだ!」
ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」
有無を言わせない先手必勝。
雪だるまの怪獣の政党ガス攻撃だ。
(;'A`)「グワァァ!!」
一瞬にして氷漬けにされるドクトラセブン。
一般市民C「あぁドクトラセブンが…」
一般市民D「地球の終わりだぁ……」
雪だるまの星人「フハハハハハ!どうだ地球人ども!」
雪だるまの星人「お前たちの頼みの綱のドクトラセブンはこの様だ絶望するがいい!!」
雪だるまの星人「さぁユーキダルーマよ!氷漬けのドクトラセブンを粉々に粉砕してやれ!!」
ユーキダルーマ「ゴオォォォ!!」
勝利を確信した雪だるまの怪獣が氷漬けのドクトラセブンを攻撃しようとした時左手首のヴィプトラブレスレットが光る。
一瞬にして解凍されるドクトラセブン。
('A`)「デュワ!」
一般市民A「やった!ドクトラセブンが生き返ったぞ!!」
一般市民E「そうだよ怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」
ユーキダルーマ「ギギギ…」
ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」
もう一度強力な冷凍ガスを噴き出す。
('A`)「デュワ!」
サッとヴィプトラブレスレットを盾に変身させて冷凍ガスを吸い始めるドクトラセブン。
502
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:15:12 ID:SCd38K/s0
ユーキダルーマ「!!」
('A`)「デュワァ!」
吸い込んだ冷凍ガスを何倍にも強力にして盾から放出する。
ユーキダルーマ「ギィヤァァァ!!」
今度は逆に雪だるま怪獣ユーキダルーマが氷漬けになる。
(#'A`)「ダァァァ!」
盾に変身させたヴィプトラブレスレットを元に戻して怪獣めがけて投げつける。
エネルギー弾となったブレスレットが怪獣に当たると大爆発を起こした。
雪だるまの星人「バ、バカな!俺のユーキダルーマが……」
跡形もなく吹き飛んだ。
('A`)「デュワ。」
仕事を終えたブレスレットは投げつけたときよりも早くドクトラセブンの左手首に戻る。
('A`) ギロッ
雪だるまの星人「ひっ……」
(#'A`)「ダァァァ!」
ドクトラセブンの指先から放たれたレーザー光線が雪だるまの星人に直撃して焼き尽くす。
雪だるまの星人「ヒギィィィィ!!」
これがドクトラセブン必殺のハンドビームだ。
('A`)「デュワァ!」
一仕事終えたドクトラセブンは颯爽と空へと飛び立っていく。
503
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:15:40 ID:SCd38K/s0
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」
一般市民C「しかし今日は焦ったよ。危なかったんじゃないか?」
一般市民E「馬鹿言え怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」
一般市民E「大事なことだからもう一度言うが、怪獣ごときの冷凍ガス氷漬けにされて体をバラバラにもぎ取られるヒーローがいてたまるか!」
このようにドクトラセブンはあっという間にして無敵のヒーローに早変わりしたのだった。
そしてそれはドクオでいる時でも同じである。
爪'ー`)「素晴らしいなドクオ!最近の活躍は身を見張るものがあるぞ!」
('∀`)「いやーそれほどでもないですよ!」
気持ち悪い顔をニヤケ笑いすることでさらに気持ち悪くするドクオ。
( ^ω^)「ここ数週間の宇宙人撃破数ダントツの一位だからな。スゲーなおい!」
(,,゚Д゚)「いつの間にそんな努力してたんだ?」
('∀`)「ただ単に眠っていた俺の力が目覚めただけだよ。」
('∀`)「なんて言うか頭で考えた理想の動きに体がついてきてるって言うか……あーこのレベルの話をしてもみんなには無理か。」
( ^ω^)「おぉ、言ってくれるじゃないか。」
(,,゚Д゚)「こりゃあ負けてられない!俺もドクオに習って努力しなくちゃな!!」
('∀`)「俺のレベルに来ようったってそりゃぁ無理な話だな!」
('∀`)「ハハハハハ!」
_
( ゚∀゚)「クソォ、ちょっと前まで俺より成績悪かったのに……」
('∀`)「そうできる人間をひがむなってジョルジョ!」
_
(;゚∀゚)「グググ……」
爪'ー`)「まぁみんなもドクオに追いつけるよう頑張ってくれたまえ。」
('∀`)「フハハハハハ!やっと俺の時代がきたんだ!!」
504
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:16:11 ID:SCd38K/s0
左腕で光線銃を撃てば目をつぶっていたって百発百中一撃必殺。
敵を追っていてもブレスレットからエネルギーが常に補充され疲れることなく全力疾走でどこまでも追える。
重いものを持つ時ですらブレスレットの力で軽々持ち上げる。
そんなパーフェクトドクオに成ったのだ。
('∀`)「これが……これがおれの実力なんだ!!どんな奴が相手でも負ける気がしねぇ!!」
天狗になったドクオ。
そんな天狗なドクオがいる作戦室にボロボロになったギコが運ばれてきた。
(,, Д )「」
(;^ω^)「馬鹿!いくら何でも無茶しすぎだって!!」
_
(;゚∀゚)「もう少し戦う相手は考えようぜ……」
ブーンとジョルジョが肩を抱えながら運んできた。
('∀`)「どうしたギコ、侵略宇宙人ごときに敗北したか?まったくダサいな!」
(,, Д )「」
ξ゚⊿゚)ξ「まったくだ。ギコ程度の分際でこの私に格闘訓練の相手を頼むとは百年はえぇ!!」
(;'A`)「え?」
( ^ω^)「なんでも最近ドクオに追いつくために必死でいろいろトレーニングとかしてるみたいだぜ。」
_
( ゚∀゚)「でもいくら何でもツンヌはまずい。」
ξ゚⊿゚)ξ「つまらんサンドバックだった。」
ξ゚∀゚)ξ「おいドクオ今度はお前が相手になれ!ここんところ調子いいんだろ?」
(;'A`)「い、いや……」
ちらりとブレスレットを見つめる。
すごい勢いで振動していた。
どうやら『戦うな!』と必死で訴えているようだ。
ブレスレットでも勝てないのか?ブレスレットでも勝てないなと納得した。
(;'A`)「ほら、格闘戦なんてほとんどないだろ。だからそんな意味ない訓練しても意味ないさ。」
必死に言い訳をしておく。そうだ今は銃撃戦がほとんどなのだから生身で格闘する必要なんてない!
(,, Д )「意味ないことなんてないさ……」
(;'A`)「!」
ボロボロだったギコが口を開く。
505
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:16:39 ID:SCd38K/s0
(,, Д )「もし光線銃が使えない状況で戦わないといけない状況がきたとしたら?」
(,, Д )「お前は尻尾をまいて逃げるのか?」
(,, Д )「そうじゃないだろ!武器がなくても挑まなきゃいけないんだぜ俺たちは!!」
(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「弱いくせに吠えるじゃん。」
(; Д )「こ、これからツンヌにも負けないように頑張るんだよ……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!それならもう一ラウンドやるか!!」
(; Д )「今はちょっと……」
( ^ω^)「そういう意気込みは大事だが、人類最強にいきなり挑むのは無謀だろ。」
('A`)「まったくだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「人類最強?私がか?」
('A`)「え?違うの?」
ξ゚⊿゚)ξ「私より強い奴は少なくとも私が知ってる限り数人はいるぞ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)('A`)(,, Д )「は?!」
ξ゚⊿゚)ξ「親父や兄貴にはまだ負け越してるしな。他にも二、三人ほど負け越してるし。」
(;'A`)「もうその人たちが防衛隊になればいいんじゃない?」
ξ゚⊿゚)ξ「お前その気持ち悪い頭には何も入ってないのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「結局のところ対宇宙人戦はほとんどが銃撃戦だぜ。生身の格闘戦なんて一割もないだろ。」
('A`)「いやでもツンヌいつも素手で倒してんじゃん。」
ξ゚⊿゚)ξ「ありゃー『この俺が地球人ごときに素手で負けるはずがな!!』って考えてるアホな奴らだからな。」
506
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:17:21 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「実際、巨大化できる奴に巨大化されたら手も足も出ねぇよ。だから私が相手してんのは頭に血が上った馬鹿ばかりになるな。」
ξ゚∀゚)ξ「おかげでいつも死闘を楽しませてもらってるがな!カッカッカッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「むしろ下手に実力差を感じて遠距離戦に徹される方が面倒だ。一応距離を詰めて戦おうと思えば戦えるんだろうけど面倒臭すぎる。」
ξ゚∀゚)ξ「そういうやつが相手の時は誰かに任せて私は飲み行くけどな!」
( ^ω^)「おま!!じゃあこの前の宇宙人はそういうやつか!!道理で連絡があった場所に行ってもツンヌの姿がないと思った!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、そうやって実戦を積みながら人類最強を目指しているわけよ私は!ついでにストレス発散にもなるし。」
('A`)「君は地球を守る目的でヴィプトラ警備隊になったんじゃないわけ?」
( ^ω^)「おいおい!ツンヌがそんな崇高な考えしてるわけないだろ!」
('A`)「そりゃそうだ。」
_
( ゚∀゚)「むしろそういう理由の方が安心するぜ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)('∀`)「ハハハハハ」
それから数週間後。
爪'ー`)「さすがドクオだな!今週もトップの成績じゃないか!」
爪'ー`)「そしてギコ!頑張ったな。ドクオと並ぶ成績だ!」
('A`)「……」
(,,゚Д゚)「いえいえ、俺のトレーニングに付き合ってくれたみんなのおかげですよ。」
(,,゚Д゚)「それにドクオ一人に頼りきりじゃドクオに何かあった時に何もできなくなりますからね!」
('A`)「……」
('A`)(こいつマジか?地球人でこの俺に並ぶだなんて……)
( ^ω^)「あれだけ頑張ってりゃな!」
_
( ゚∀゚)「ドクオとギコのエースさえいれば安泰ですね!」
爪'ー`)「馬鹿言え。お前ら二人もそのエースと同じくらい頑張るんだよ!!」
_
(;゚∀゚)(;^ω^)「ゲッ……」
507
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:17:53 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「宇宙人撃破数はよくても格闘戦は全然だけどな。」
ξ゚⊿゚)ξ「あれぇー?私に負けないように頑張るんじゃなかったのぉー?」
(;゚Д゚)「それはまだこれから……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!オゥ早くしろよ!」
(;゚Д゚)「そうだドクオ、パトロール行こうぜ!」
('A`)「あぁ。」
そうして二人はヴィプンターでパトロールに出かけた。
何事もなく巡回をしているとあの公園にたどり着く。
少し休もうと公園を散歩することにした二人だが……
/ ,' 3「おや、ギコ隊員お久しぶりです。」
(,,゚Д゚)「ああ、いつしかののじいさん。元気にしてたか?」
/ ,' 3「えぇ、おかげさまで。ところでギコ隊員、またジュースでも――
そんな会話をしている時、その公園でサッカーをしていた少年たちが蹴ったボールがアラマキ星人に当たった。
/ ,' 3「おっと……」
よろけて倒れた拍子にかぶっていたフードが捲れた。
(,,゚Д゚)「大丈夫か?じいさ――
(,,゚Д゚)「!」
そのフードはアラマキ星人を人間に擬態させるものであった。
それが捲れた今、アラマキ星人の本当の顔があらわになる。
赤鬼のように真っ赤な肌で頭には二本の角。
それを見た一般市民たちは騒ぎだす。
(,,゚Д゚)「貴様宇宙人だったのか!!」
すぐさま光線銃を構える。
どちゅん!
アラマキ星人が煙球を地面に投げつけ、その煙に紛れて逃げ出す。
(,,゚Д゚)「ゲホゲホッ、ドクオそっちに行ったぞ!仕留めるんだ!!」
('A`)「ん?」
508
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:18:28 ID:SCd38K/s0
なんと間の悪いことでしょう。
アラマキ星人の逃げた先にはちょうどドクオがいたのでした。
/ ,' 3(旦那、約束ですぜ)
(;'A`)(……!)
あの時の約束を思い出す。
が、こうもギコや一般市民が見ている前でやすやすと宇宙人を見逃すわけには……
なにより最近はギコに追いつかれてきた。ここらで少し差を作らねばと考えていた時だったのだ。
(;'A`)「うおぉわぁぁぁ!」
ヤケクソ気味にアラマキ星人を打ち抜いた。
あっさりとその場に倒れ絶命する。
(; A )「はぁはぁ…」
(; A )(しまった勢いで……)
(; A )(や、約束が…)
(,,゚Д゚)「流石ドクオだな!」
(;'A`)「え…や……まぁな…」
爪'ー`)「お前なら必ず仕留めると思ったぜ。」
(;'A`)「え?」
( ^ω^)「そりゃぁあのドクオだからな。」
_
( ゚∀゚)「あんな弱っちい宇宙人逃がすはずないよな。」
ξ゚⊿゚)ξ「これからも必ず宇宙人を仕留めてくれるんだよな。」
(;'A`)「な…なんでみんな……?」
ギコと二人できたはずだ。
フォックスやブーン、ジョルジョ、ツンヌがここにいるはずがない。
509
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:18:55 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「どうしたんだいつもみたいに天狗になれよ。」
( ^ω^)「凶悪な侵略者を倒せたんだぞ。」
ξ゚⊿゚)ξ「きたねぇ顔で笑えよ。」
_
( ゚∀゚)「地球に平和が訪れたんぜ。」
爪'ー`)「それがお前のやりたいことだろ。」
<(;'A`)>「やめ……」
みんな頭を抱えうずくまるドクオを取り囲む。
「喜べよ。」
「やったじゃないか。」
「うれしいだろ。」
「成りたい自分じゃないか。」
「強くて羨ましいな。」
<(;'A`)>「やめてくれぇぇぇ!!」
『そうだろ俺すごいだろ』
(;'A`)「!」
聞きなれた声がした。
この声は……
『だって俺は無敵で最強のヒーローだもん』
『どんな奴だって瞬殺だぜ』
(;'A`)「アァ……」
('A`)『それがこの俺ドクトラセブン様だ』
510
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:19:23 ID:SCd38K/s0
自分だ。自分がいた。
ゆっくりとこっちに歩いてくる。
('A`)『弱かった俺なんていなかった』
('A`)『いたとしたらそいつは偽物』
('A`)『なぁそうだろ』
(;'A`)「お前は誰だ!!」
('A`)『俺は俺だよ』
ヴィA`)『お前がよく知っている俺だよ』
(;'A`)「?!」
ヴィプトラ`)『無敵のスーパーヒーロードクトラセブンだ』
ヴィプトラブレスレット『だからもうお前は必要ない』
ヴィプトラブレスレット『さようなら』
(; A )「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(,,゚Д゚)「大丈夫かドクオ?!」
(;'A`)「はっ!!」
気が付くとそこは基地の医務室だった。」
(,,゚Д゚)「老人に化けていた宇宙人を始末したら突然倒れたんだ。」
(;'A`)「はぁはぁ…ゆ、夢だったのか?」
(,,゚Д゚)「だいぶうなされてたぞ。」
511
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:19:59 ID:SCd38K/s0
(,,-Д-)「……」
(,,゚Д゚)「すまないドクオ。」
(;'A`)「え?なにが?」
(,,゚Д゚)「どうやら今まで俺たちはドクオに頼りすぎたようだ。」
(,,゚Д゚)「その分の疲れが一気に出たんだろう。」
(,,゚Д゚)「ドクオにすべて任せるわけにはいかないと思ってたんだがな……」
(;'A`)「いや……」
疲れなのか?
まるで現実のような夢だった……
いや夢というのはそういうものか。
(;'A`)「大丈夫だ…もう大丈夫だ。」
ビーッ!ビーッ!
突如として基地の警報が鳴り響いた。
『V地点I市にて巨大宇宙人出現、隊員は至急現場に急行されたし!!』
『繰り返す――
(,,゚Д゚)「やれやれ忙しいな。それじゃぁ行ってくるぜ。」
(;'A`)「待て俺も……」
(,,゚Д゚)「今日くらい休んでいろって。たまには俺たちだけでやり遂げてみせるさ!」
ドクオを置いて行ってしまった。
(;'A`)「馬鹿言え地球人だけで倒せるわけないだろ!!」
懐からドクトラアイを取り出す。
∞⊂('A`)
(∞)「デュワ!」
ドクトラセブンに変身して現場へと向かう。
512
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:20:31 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「フハハハハハ!これからこの星は俺様ポセイドンの物となるのだ!!」
町では侵略宇宙人が暴れていた。
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」
一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民F「待てあれを見ろ!」
一般市民ABCF「ドクトラセブンだ!」
('A`)「デュワ!」
一般市民A「これでもう安心だな。」
一般市民G「パパっとやっつけてくれ!」
一般市民F「いやー生であのドクトラセブンの戦いが見れるだなんて最高だよ。」
一般市民B「頑張れドクトラセブン!!」
(゜3゜)「来たかドクトラセブン!ここがお前の墓場になるのだ!!」
ポセイドン星人が逆水平チョップを仕掛ける。
(;'A`)「ぐぉっ」
(#'A`)「なんの!!」
ドクトラセブンも負けじと逆水平チョップを返す。
激しいチョップの応酬が繰り広げられる。
両者の実力は均衡しているようだ。
(;゜3゜)「グゥゥ、ならば!」
チョップ攻撃と見せかけてのラリアット。
(;'A`)「うげぇぇぇ」
派手に吹き飛ぶ。倒れたところに今度はエルボードロップだ。
(; A )「ギャアァァァ!」
513
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:20:57 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「どうしたその程度かぁ!!」
ポセイドン星人は空に飛び立つとそのままドクトラセブンめがけて急降下。
フライングボディプレスで攻撃。
(; A )「あ……が……」
一般市民A「いつもの調子はどうしたんだよ!」
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民B「負けるなドクトラセブン!!」
一般市民H「早くブレスレット使えよ!いつもそれで倒してたろ!!」
(゜3゜)「フーッ!!俺様の勝ちだ!!」
勝ち誇るポセイドン星人は両手を高々と掲げて勝利の余韻に浸りながらドクトラセブンの周りを歩き回る。
その油断しているスキを突く。
('A`)「デュワ!」
咄嗟に左手首のブレスレットをつかむ。
が……
(;'A`)「……」
ブレスレットを掴むが固まるドクトラセブン。
(;'A`)「……」
514
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:21:27 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「!」
(゜3゜)「テメー今何しようとしやがった!!」
(゜3゜)「クソがァァァ!」
何度も何度もドクトラセブンを蹴りつける。
(;'A`)「グワァァ……」
一般市民D「なにブレスレット使うのためらってんだよ!!」
一般市民A「あー、こりゃ無理だな。」
一般市民C「さて逃げるか。」
一般市民I「前みたいなザコに戻ってね?」
一般市民B「が…頑張れ頑張れ!!」
(;'A`)「うがぁ!」
(;'A`)(ブレスレットを使えば勝てるだろう)
(;'A`)(だがそれだと……)
ドクトラセブンの額のランプが激しく点滅しだす。
(゜3゜)「フヒーッヒッヒッヒ!!」
勝利の雄たけびを上げ始める。
(; A )「……」
それまで見ていた一般市民たちも殆どが逃げ出していた。
一般市民B「あぁ……そんな負けないで……」
(゜3゜)「これでこの星を手に入れたぞ!!フハハハハハ!」
515
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:21:55 ID:SCd38K/s0
一方その頃現場へと急行するヴィプトラホーク1号。
_
( ゚∀゚)「もうすぐで目的地に着くぞ。」
(,,゚Д゚)「まったく誰かさんがトイレにこもってなければもっと早く行けたんだがな。」
( ^ω^)「いやー、すまんすまん。おかげででっかいのがひねり出せたよ。」
_
( ゚∀゚)「だが情報によるとすでにドクトラセブンが交戦中みたいだぞ。」
( ^ω^)「お、なら俺たちの出番はなしか。良かった良かった。さっさと戻ろうぜ。」
(,,゚Д゚)「いや待て。どうやらまずい状況のようだぞ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)「!!」
(; A )「……」
(;^ω^)「あらら、撃沈してらっしゃる?」
_
( ゚∀゚)「となると我々だけでどうにかするしかないな。」
(,,゚Д゚)「ドクトラセブンがやられるくらいだ。相当強い奴だぞ。何か作戦を考えよう。」
( ^ω^)「よしきた!なら久しぶりに『アレ』やるぞ!!」
_
( ゚∀゚)「『アレ』と言うと……」
(,,゚Д゚)「『アレ』だな!よし乗った!」
( ^ω^)「そうと決まれば二人とも準備しろ!」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!!」
516
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:22:29 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「さあさあ哀れな地球人の奴隷たちよお前らの守り神ドクトラセブンを公開処刑してやるぞ!」
一般市民B「やめてくれぇぇぇ!!」
(゜3゜)「うんうん、心地の良い叫び声だ!」
(゜3゜)「ウハハハハハ!!」
(゜3゜)「うん?」
ちょうどポセイドン星人の視界にヴィプトラホーク1号が入る。
(゜3゜)「ヴィプトラ警備隊のザコどもめ。無駄なあがきをするつもりか?」
(゜3゜)「これでも食らえ!!」
口から怪光線を発射した。
( ^ω^)「そんなすっとろい攻撃が当たるかよ!」
一瞬にしてα号β号γ号の三機に分離して回避した。
(;゜3゜)「な!!」
三機それぞれからミサイルやレーザーで攻撃する。
圧倒的弾幕。その弾幕の前にはいかなるものも防御するだけで手いっぱいだ。
そして見事な連係。二機で注意をひき、残る一機でスキを突く。
(;゜3゜)「グギギギギ!!ちょこざいな!!」
(; A )「う……」
(;'A`)「はっ!」
気を失っていたドクトラセブンが目を覚ました。
そこには分離したヴィプトラホーク1号に手も足も出ないポセイドン星人がいた。
(,,゚Д゚)「いまがチャンスだぜドクトラセブン!」
ギコが合図を送る。
('A`)「デュワ!」
(;゜3゜)「げっ!」
517
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:22:58 ID:SCd38K/s0
後ろからつかみかかりリフトアップする。
そのまま必殺のドクトラハリケーンで投げ飛ばす。
(;゜3゜)「うげぇ……」
(#'A`)「ダアァァ!!」
トドメに必殺のドクトラショット。
(;゜3゜)「アアアアアアア!!」
情け容赦なしに爆発四散。
(;'A`)「はぁはぁ…」
ヴィプトラ警備隊の援護がなければやられていた。
ギリギリの戦いであった。
分離していたヴィプトラホーク1号も合体して基地へと帰還する。
そしてドクトラセブンも。
一般市民B「……よかった。」
戦いが終わり一般市民たちも戻ってきた。
一般市民A「やっと終わったみたいだな。」
一般市民D「ここ最近すごく強くなったと思ったがそんなことなかったな。」
一般市民C「ただの確変気だったのか?」
一般市民J「えー!またあのクソザコに戻ったの?!幻滅しましたファンやめます。」
一般市民A「面も悪いくせにそのうえ弱いときたらいいとこないだろマジ。」
一般市民B「でもいつも必死に戦ってくれてるよ!」
一般市民A「そうかもしれんが……俺が求めるヒーローって強くてカッコよくないと。」
一般市民D「そうそう。」
一般市民B「……」
518
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:23:27 ID:SCd38K/s0
その日、夜の公園にドクオが一人でいた。
('A`)「……」
ずっと左手首のヴィプトラブレスレットを見つめている。
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……」
決心がついたのかそれを外すと地面に置き光線銃で撃ち抜いた。
ヴィプトラブレスレットはパチパチと燃え上がって燃えカスだけが残った。
「旦那よかったのですかい?」
背後から聞いたことのある声がした。
('A`)「やはり生きていたか。」
/ ,' 3「そりゃぁもちろんでっせ。それなりに修羅場は乗り越えて来やした。」
/ ,' 3「死の偽装くらいお手の物ですよ。」
('A`)「そうか……」
/ ,' 3「代わりのヴィプトラブレスレットを用意しやしょうか?」
('A`)「いやいい。」
('A`)「……」
('A`)「きっとあれに頼っていたら俺は俺じゃなくなっていたんだと思う。」
('A`)「もう少しで俺はヴィプトラブレスレット掛け器になるところだった。」
/ ,' 3「……」
('A`)「なによりあれがあったところで俺が強くなってるわけじゃないんだ。」
('A`)「下手したら前より弱く……」
('A`)「ブレスレットをこの先使い続けたとして、もしブレスレットが無い状態で戦わないといけなくなったら」
('A`)「『クソォ、ブレスレットさえあれば……ブレスレットさえあればこんな奴に!!!』って俺は喚いていたと思う。」
519
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:24:01 ID:SCd38K/s0
( A )「俺は弱いよ……」
/ ,' 3「旦那は確かに弱いですよ。」
/ ,' 3「それも最弱。ホントにヴィプトラの戦士なのか疑うくらいに。」
/ ,' 3「マジでクソ雑魚なめくじ。いやそれ以下。クソ雑魚微生物?もっと下か。」
/ ,' 3「あんたヴィプトラ養成学校卒業したんだよね?それでその弱さはヤバイ。」
/ ,' 3「こんなにクソ弱くてダサいの初めて見た。」
/ ,' 3「記念に写真撮ってもいい?SNS乗っけて友達に自慢したい。クソダサ最弱野郎とツーショットって。」
(;'A`)「ちょっと辛辣過ぎない??」
(;'A`)「え、なに?俺に罵声浴びせるために出てきたの?」
/ ,' 3「旦那ダメですぜ現実逃避は。事実はちゃんと受け入れなきゃ。」
(;'A`)「もうちょっとオブラートにお願いしたいんだけど。」
/ ,' 3「それが甘えで逃げだといってるんですよ旦那。」
/ ,' 3「まぁ少々脱線しやしたが、話の続きです。」
/ ,' 3「長年この宇宙で商売してきやしたが、こんなに弱い方は始めてです。」
(;'A`)「……」
/ ,' 3「旦那、ヒーローで一番大切なものは何だと思いやす?」
/ ,' 3「強さですよ。」
('A`)「……」
('A`)「そうだろうな……」
/ ,' 3「勘違いしないでくだせえ。肉体的な強さじゃありやせん。」
/ ,' 3「心の強さですよ。」
('A`)「!」
520
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:24:36 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「肉体的強さってのはそれはヒーローとしたら前提として当たり前ですよ。」
/ ,' 3「今までに肉体的に強い方は腐るほど見て気やした。」
/ ,' 3「旦那と比べ物にならないほどに強い方たちですよ。」
/ ,' 3「でもそういった方たちはすぐに新しい力に飛びついて来やした。」
/ ,' 3「強化アイテムなんてこぞってね。」
/ ,' 3「そして力に溺れていった。その力を求めて争いを始めるなんてよくある話なんてレベルじゃないくらいに。」
/ ,' 3「やがてそういうヒーローだった者たちが宇宙の平和を脅かすものへと変わっていきやした。」
/ ,' 3「そして力を求める方はすぐ勘違いしやす。」
/ ,' 3「あれはヴィプキュアという商品を少女たちに買っていただいたときでしたかね。彼女らはそりゃぁもう楽しそうに自分たちの敵対する勢力と戦っていやした。」
/ ,' 3「今日かアイテムも喜んで使っていただきやしてね。でも闘いが続く中ある日のことでした。ヴィプキュアのサービスを提供する会社が潰れてしまいましてね。」
/ ,' 3「彼女たちは変身できなくなってしまったんです。そしたら彼女たち敵が目の前にいても尻尾巻いて逃げ出しやしてね。まぁその後どうなったか語る必要はないですね。」
/ ,' 3「結局のところそれは彼ら、彼女たちの本当の力じゃないんです。ただの道具の力に過ぎないものだったんですな。」
/ ,' 3「それを自分たちの力だと思い込み、それがなくなればなにもできなくなる方たちばかりで。」
/ ,' 3「少し話がそれやすが、あっしの話をさせてくだせえ。」
旦那も知っての通りあっしは宇宙でも最弱と呼ばれるアラマキ星人です。
そらぁ生きるために必死で周りに媚を売りいろいろな商品を売ることで何とか生きながらえてきやした。
そうして長年生きていろいろな経験を積んだあっしは商売で少し面白いことをするようにしたんです。
人生を満たしていない方に過ぎた力や道具を与えてその方の人生を180度変えるように。
最初の方はなんてことのない料理人でした。でも先祖代々料理屋をしてやして地元の人たちからも愛されてやした。
しかし、心のどこかではもっと店を大きくだとか知名度を上げたいとか考えてたんでしょうね。あっしが最高の料理ができる包丁を差し上げたら喜んで使いなさりましたよ。
店も大賑わいで宇宙でもその名前を知らない人はいないくらいにね。でもそんなに繁盛していても地元の人たちはその店に寄り付かなくなったんです。
気づいたときにはその店の主人はもう作れなかったんですよ。代々受けづいて地元の人たちに愛されていた料理の味を。
あっしはそうやって商品を売った方からお代よりもその方の誇りをいただくことにしやした。
そしたら面白いこと面白いこと。どんな方でも喜んで誇りをお代として渡してくださいやした。
底辺にいたあっしはその光景を見ることに生きがいを感じていやした。
521
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:25:08 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「これまでの星でそうやって商売してましてね。あっしの商品を断る人なんていやせんでした。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「この星に来るまでね。」
('A`)「?」
/ ,' 3「この地球で初めて出会いましたよ。あっしの商品を断った方に。」
/ ,' 3「あっしの人生で初めてでしたよ。」
/ ,' 3「でもあの方はわかってやした。そんなものに頼っていてはだめになると。自分の力でそのレベルにたどり着かなきゃいけないのだと。」
/ ,' 3「そういう心の強さが必要なんですよ。」
('A`)「やっぱすごいな地球人は……」
/ ,' 3「でもその方は旦那の身近にいますぜ。」
('A`)「え?」
/ ,' 3「ギコ隊員ですよ。ギコ隊員。」
('A`)「あぁ、あいつか。そりゃそうだよな。あいつ自力でヴィプトラブレスレットを使う俺レベルまで来たもんな。」
('A`)「あいつスゲーよ……」
( A )「なのに俺は……」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「旦那、あっしはこの地球でもう一つ初めての経験をしやした。」
/ ,' 3「今まであっしが商品を売った方は誰一人その商品を捨てる方はいませんでしたよ。」
/ ,' 3「むしろ何が何でもその商品にしがみつく方ばかりでね。」
/ ,' 3「旦那も初めての方ですよ。あっしの商品を自分の意思で捨てた方は。」
522
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:25:35 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「一度手に入れた強大な力を捨てるのもまた、心の強さが必要なんですよ。」
/ ,' 3「だから自信を持ってくだせぇ。旦那は自分が思っているよりお強いお方だ。」
(*'A`)「え、そう?」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「一応言っておきますがあくまで心の強さでっせ。」
/ ,' 3「肉体的強さは――
(;'A`)「あー、わかってるから。もうそれ以上言わなくても!」
/ ,' 3「忘れないでくだせぇ旦那。一番大切なことを。」
/ ,' 3「それさえしっかりわかっていればこの先大事なものを失わないですみますよ。」
('A`)「忘れないように今回のことは。」
/ ,' 3「あっしはこの星にすごく興味がわきました。他にも心の強い方がいるんじゃないのかと。」
/ ,' 3「だから今一度宣言させてもらいましょうか。」
/ ,' 3「あっしは地球を侵略する気はまったくありやせん。」
('A`)「今度はその約束守るよ。」
/ ,' 3「祈っておりやす。この先旦那が自分の実力で戦えることを。」
/ ,' 3「ではあっしは行きますぜ。またどこかでお会いしやしょう。」
('A`)「あぁ、また会おう。」
('A`)「後悔しないよ俺は、ヴィプトラブレスレットを捨てたこと。絶対にだ!」
そう固く誓う。
523
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:26:03 ID:SCd38K/s0
それから数週間後。
爪'ー`)「あー、まぁどうしたと言うか。」
爪'ー`)「あの調子がよかった時期は何だったんだドクオ?」
(;゚Д゚)「大丈夫かドクオ?まだ調子が悪いのか?」
(;゚Д゚)「ひょっとしてスランプとかかな?」
( ^ω^)「確変終了!確変終了!いつも通り平常運転に戻っただけだよな!」
_
( ゚∀゚)「いやー、良かったっ良かった。」
(#'A`)「ギギギギギギギギ!!!!」
ドクオもドクトラセブンも以前通りの実力に戻り今まで通りの評価に戻った。
ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!こいつマジクソ雑魚ナメクジ!!!」
ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!」
(#゚A゚)「キィィィィィィィ!!!!」
(#゚A゚)(クソォ!ヴィプトラブレスレットさえあれば!!)
(#゚A゚)(ヴィプトラブレスレットさえあればこんなことにぃぃぃ!!!)
ヴィプトラブレスレットを捨てたことを全力で後悔するドクオであった。
第十七話『怪しい老人』
終わり
524
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:28:43 ID:SCd38K/s0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
今後の予定としてあと二話通常回をやった後、前編後編の最終回になります。
あともう少しですが、お付き合いいただければ幸いです。
525
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 04:03:53 ID:EPoWiCx.0
どう転ぶかと思ったけどええ話じゃった
526
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 09:40:28 ID:IdqEt8vc0
乙!!
527
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 00:21:13 ID:T3.6Y97Y0
ツンヌが負け越すとかどんな化け物だよw
乙でした
528
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 05:02:20 ID:EL2kZmRw0
おつ
ツンヌが最強じゃないの…?
こいつらを巨大化できる装置を開発したらどんな宇宙人でも勝てるだろ
529
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 05:36:25 ID:9eam0mbw0
>>528
そうだな…………
色々と滅ぶんじゃね?
530
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 20:23:30 ID:5txTNqUg0
明けましておめでとさんさん
いつも楽しく読んでます。今年も期待してまっせ
531
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:50:38 ID:djBPHcOU0
第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』
prrr
( ^ω^)「はい、こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうなされました?」
( ^ω^)「!!」
( ^ω^)「なに!ふむふむ!分かった!」
ガチャリッ
( ^ω^)「隊長!」
爪'ー`)「どうしたブーン?」
( ^ω^)「今、モララー星人を目撃したとの連絡が……」
爪'ー`)「……」
(;'A`)「……」
作戦室にかかってきた電話。
その電話一本で忙しそうにしていた作戦室は静まり返る。
みな黙ってフォックスの方を覗いていた。
表情はいつも通りではあったが、その瞳には怒りが感じられるのだ。
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「場所は?」
( ^ω^)「AA地点にある小さな村の古い駄菓子屋だそうです。」
爪'ー`)「そこはジョルジュとギコが謎の怪電波を探知して調査しに向かった場所だな。」
爪'ー`)「なるほどそういうことか……」
爪'ー`)「HAHAHAHA!!」
爪'ー`)「よし残りの連中も出発するぞ!」
( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解。」
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