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艦娘がいない鎮守府のようです
241
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:03:57 ID:DdbW2JR20
('A`)「消費アイテムである間宮と伊良湖を同時使用することによって、瞬時にキラ付け出来る」
('A`)「1-1を周るのが面倒くさい、時間がない人にはお勧めだな。ただ、基本的には課金アイテムだから、先立つ物は必要になってくるがな」
( ^ω^)「間宮と伊良湖って、アレだお?おやつ作ってくれる人」
('A`)「うんそう。ウチにはオッサンがいるからいないけど」
(´・ω・`)「俺が艦娘の戦意高揚に一躍買ってるってことか……俺の料理人道は間違ってなかったんだよ!!」
( ^ω^)「所々で別アニメのセリフ入れるのやめるお」
('A`)「よっ!!オッサン!!日本一ィィィ!!」
(´^ω^`)「褒めてもケツシバくくらいしか出来ねえぞオラァ!!」ガルッパァァァァン!!!!
(;゚A`)そ「シンザブロォォォ!!!!!」
:(; A ):「それ以外の……選択肢……」
(´・ω・`)「他の候補は何が残ってた?」
( ^ω^)「全力の腹パンか全力の乳首抓りか、完武・兜砕きだお」
(;'A`)「一つだけ命に関わるダメージが出る奴じゃねーかいいよわかったよケツでよろしく頼むわ!!」
(´・ω・`)「最初からそう言ってりゃいいんだよ八位ごときが」
( ^ω^)「選り好みしてんじゃねーぞ八位」
('A`)「っあー、釈然としねぇー」
242
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:04:36 ID:DdbW2JR20
('A`)「次は精神面での心得だ」
・戦闘勝率の流れを読んでくだされば幸いでございます
( ^ω^)「下手にへりくだってるのも腹立つお」
('A`)「もう俺どうすればいいの?」
(´・ω・`)「一発行くか?」
('A`)「いいえ行かないです。これは、あれだな。簡単に言うと『今日は無理だと思ったら休め』ってことだ」
('A`)「連続して負けがかさむと、資材の消費や艦娘の疲労などのデメリットが発生する。それに提督のストレスもだ」
('A`)「嫌な流れの状態で無理に出撃をしても、良い戦果は期待できない。なら、一旦寝ちまって翌日改めて出撃した方が気分もリセット出来てお勧めだ」
( ^ω^)「これって逆に『良い流れの時はガンガン行っとけ』とも言えるんじゃないかお?」
('A`)「モロチンだ。円滑にクリアできることに越したことはないからな。まぁ、どちらもほどほどに切り際を考えてプレイしてほしい」
(´゚ω゚`)「ガンガン行こうぜェェェ!!!!!」ルッパアアアアアアン!!!!
(;゚A`)そ「ジゲンッ!!!!!!」
:(; A ):「間隔が……短い……」
( ^ω^)「そろそろウンコでも漏らさないと、視聴者の皆さんが飽き始めるお」
(;'A`)「俺はどこまで辱めを受けないとダメなんだよ!!!!」
(´・ω・`)「需要あるって」
(;'A`)「どの層に!?」
( ^ω^)「どの層……?」
(´・ω・`)「どの層……?」
(;'A`)「適当なこと言うから答えに詰まるんだろうが!!!!」
243
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:05:54 ID:DdbW2JR20
(;'A`)「はい、そろそろ俺のケツも限界なんであと一つ紹介して終わりにします」
( ^ω^)「別世界のお前なら三日三晩ケツをシバかれても大丈夫なのに……」
(;'A`)「そいつ本当に人間?」
・手に入れた艦娘はロックしましょう
('A`)「編成画面の艦娘一覧を見てほしい。名前の横にハートマークがついた南京錠があるはずだ」
('A`)「これをクリックすると、艦娘が保護される。誤解体や近代化改修のミスを防ぐことができるぞ」
(´・ω゚`)「軟禁錠……だぁ……?」
(;'A`)「『南京錠』!!つーか実際に鍵かけるわけじゃねーから!!」
( ^ω^)「オッサンってホント過保護だおね」
(;'A`)「イベント毎に新艦娘を誤解体する提督が後を絶たない。苦労して手に入れたのに自分の手で捨てるとショックが大きい」
(;'A`)「ロックは忘れずに必ずしておけよ。死にたくなるぞ」
( ^ω^)「終わりかお?」
(;'A`)「アッハイ」
(´゚ω゚`)「八位オラァ!!」ブオンッ!!
(#'A゚)「見切った!!」シュンッ!!
(;´゚ω゚`)そ「避けやがっただとぉ!?」
(#'A゚)「タイキックだオラァ!!!!!!」ドッパァアアアアアアン!!!!!!
(;´゚ω゚`)∴「ブルァアアアアアアアアアア!!!!???????」
244
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:06:53 ID:DdbW2JR20
(#'A`)「ブーン特製の義足の威力はどうだ?ええ?」
:(;´ ω `): ビクンビクン
( ^ω^)「やっべ」ダッ
(#'A゚)「逃がさん!!」シュババァ!!
(;^ω^)そ「うわっ!!俊敏なブサイク!!」
(#'A゚)「よくもテメェら人のケツをパァンパァンパァンパァンしてくれたな?ええ?オイ」
(;^ω^)「ゆ、許してくれお……ほんの、ほんのおふざけだったんだお……?」
(#'A`)「ほぉ〜〜〜〜〜〜?」
(;^ω^)「な、なぁ……ぼ、僕ら、親友だおね?」
('A`)「……」
(^A^)「モロチンだ」ニコッ
(;^ω^)=3 ホッ ワライガオブッサ
(#゚A^)「だがそれとこれとは話は別だろ?」
( ^ω^)「ですよねー」
<オラァァァァァァァ!!!!!!
<ギエピーーーーーーーィィィィ!!!!!!
.
245
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:07:15 ID:DdbW2JR20
―――――
―――
―
( ・ω・)「……何して遊んでたのかは知らないけどさ」
( ・ω・)「なんで君ら中腰なん?」
('A`)「八位だから」
( ^ω^)「八位だから」
(´・ω・`)「八位だから」
( ・ω・)「……」
( ・ω・)「そうなんだ……」
完これ
246
:
名無しさん
:2016/05/05(木) 23:09:06 ID:ur41G9dU0
そうなんだ……
247
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/05(木) 23:14:37 ID:DdbW2JR20
イベント進捗どうですか?僕はまだ出撃すらしていません(忙しくて)
明日から本格的に深海棲艦をファックしていきます。旅行は楽しかったです
248
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 01:20:34 ID:gMbWSLVk0
頑張れよキングダムカデ八位
249
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 02:32:05 ID:rok5KFpE0
たんにキラ付けしたいなら演習って手もあるぞ
自分は1-1にわざわざ出撃させるのが面倒だから(ついでにデイリー依頼のために)演習でキラキラさせてる
250
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 14:34:12 ID:bjTsomVU0
そういえばムカデは刀の方もやってるんだっけか
そっちの方はどんな感じなん
251
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 21:34:14 ID:Exz14iHs0
あれ男もやるもんなん?
オフパコ狙いか?
252
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 21:38:56 ID:rok5KFpE0
艦これしてる→刀剣もやってみるって人なら男性でもけっこういるよ
刀剣だけしている男性はあまり知らんなあ
253
:
名無しさん
:2016/05/06(金) 21:40:04 ID:2GgegoCs0
けっこうかわいい子いるからとうらぶもやろうかちょっと気になった
254
:
名無しさん
:2016/05/07(土) 13:19:37 ID:IGc95XSIO
刀は公式がパクりやらかしたせいでアレルギー発症した人もいるから注意しろよって腐った姉が
ちな秋からアニメやるらしい
255
:
名無しさん
:2016/05/14(土) 12:00:07 ID:DwRqSphE0
刀は男向けの方もあったよ確か
あまり話題には上がってないけど
同時期リリースだった気がする
256
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:31:56 ID:EJ36E4A.0
大戦初期から中期にかけて、日本は一つの社会問題を抱えていた
『艦娘の不法投棄』である
日夜増殖する敵対勢力に追いつくために、海軍は指揮官である『提督』を条件を問わず大規模採用
その結果、戦況は五分にまで持ち込めたものの、『物』として扱われる艦娘に対しての不当行為も後を絶たなかった
資源と設備さえあれば短時間で作れる『美女』であり、指揮官に服従する『兵士』でもある彼女たちは
人間の『欲望』のはけ口としてはこれ以上なく都合の良い存在であった
心無い提督の間では『鬱憤担当艦』などと不名誉な名で呼ばれ、劣悪な環境に置かれる艦娘もいた
弄ばれるだけ弄ばれた彼女たちは、遊び尽くしたゲームソフトのように売りに出される
歪んだ性癖を持つ資産家や、艦娘のみを取り扱う風俗店。最悪の場合、『美食家』の胃の中へと収まる
そして、心身ともに壊れた彼女たちが最後に行き着く場所は
道端の『ゴミ捨て場』だ
257
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:33:19 ID:EJ36E4A.0
―――――
―――
―
(;´∀`)そ「うわっ!!」
タクシーの運転手は、鳴り響いた雷に思わず声を上げた
車の窓には激しく雨粒が叩き付ける。ワイパーが忙しくそれを拭うが、視界は一向に良くならない
道路の脇の排水溝からは、あふれ出た雨水が飛沫を立てていた
(;´∀`)「近いですねぇ今のは」
運転手はミラー越しに、後部座席の客に話しかける
客はさして興味も無さように『ああ』と短く答えた
(;´∀`)(勘弁願いたいモナ……)
彼がこの夜に拾った客は、『幽霊』を思わせる風貌をしていた
センター分けにした長い黒髪と、血の気が通っていなさそうなほど白い肌の美女
服装が黒スーツではなく白いワンピースだったなら、アクセルを踏んで逃げ出していただろう
川 - )「……」
しかし、不気味とは言え無視を出来る客でもなかった
襟には錨と桜をモチーフにしたバッヂが付いている
海軍所属軍人、それも将校にのみ与えられる証である
258
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:33:58 ID:EJ36E4A.0
(;´∀`)(解せないモナ……)
海軍内でもそこそこの立場にある人物が、軍の送迎ではなく民間のタクシーを使い
艦娘出撃施設、通称『鎮守府』へと向かっているのに疑問を感じた
当然ながら口には出せない。気安く話しかけられる雰囲気ではなかったからだ
しかし、だんまりなのもどうも気まずい。ラジオは流れているが、雨音がかき消してしまう
なんとか話題を探そうとして、ふと気づいた
( ´∀`)「お客さん、海外の方ですか?」
街灯に照らされた目の色が、日本人にはない『青白』だった
川 - )「何故そう思う?」
ハスキーな声で返され、運転手は会話の手ごたえを掴む
( ´∀`)「いやぁ、とても綺麗な瞳をしているので」
川 - )「……いや、こう見えても生粋の日本人だ」
川 - )「ちょいと、ワケありでね」
(;´∀`)「そ、それはとんだ失礼を致しました」
客はクスリと笑うと、『良い、慣れている』と運転手の発言を許した
259
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:35:41 ID:EJ36E4A.0
川 - )「しかし……酷い天気だな」
(;´∀`)「ええ、全く……うおおっ!?」
カーブを曲がった先、道路に何かが落ちていることに気づき、運転手はブレーキを踏んだ
ライトに照らされた落下物の正体を理解した彼は、頭を振ってため息を吐いた
(;´∀`)「ああ、またか……」
川 - )「また?」
(;´∀`)「『捨て艦娘』ですよ。こういう人気のない道には多いんです。ちょっと、待っててください」
ハザードランプを付け、助手席に置いてあるビニール傘を手に取った
艦娘は『物』の分類であることは、世間にも知れ渡っている
万が一『轢いてしまった』としても、運転手に処罰が下ることはない
しかし、やはり人の姿形をしているモノを轢くのは気分と目覚めが悪い
(;´∀`)「提督ってのはこれだから……」
国と海軍は、流出する艦娘の問題に対して打開案を講じていると言うが
一向に解決される気配は見えず、むしろ捨て艦娘の数は増える一方であった
何せ、『提督』の数が余りにも多すぎるのだ。現段階で数万人、応募が殺到しすぎて着任は抽選になっているとも聞く
母数が多ければ多いほど、取り締まりが難しくなるのは理解できるし、この国を深海棲艦から守ってくれているのも知っているが
だからと言って民間に迷惑を掛けていいワケではない。市民にとって提督とは、『奴ら』と並ぶ悩みの種となっていた
(;´∀`)「おい、お前」
つま先で軽く蹴とばすと、うめき声が聞こえた
息はあるが、長くはない。そういう印象を抱いた
(;´∀`)「悪いが、今からそこを通るモナ。動けるならどいてもらいたいモナが……」
うつ伏せの状態のまま、動く気配はない。当然だ、動けるならこんな悪天候の最中、行倒れていないだろう
運転手は人並みの良識を持ち合わせてはいたが、仕事中に艦娘を病院に連れて行けるほどのものではなかった
そうでなくても、捨てられるほど酷使された死にかけの艦娘を引き取る物好きはいないのだ
260
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:36:52 ID:EJ36E4A.0
川 - )「良いか?」
(;´∀`)そ「うおお!?お、お客さん!?」
音も無く隣に立っていた乗客に、運転手は悲鳴を上げてしまう
(;´∀`)「あ、あー!!大丈夫です。こちらで処理して置きますんで……」
川 - )「いや、少し話がしたい」
(;´∀`)「へっ!?」
川 - )「構わないだろうか?」
(;´∀`)「も、もちろんですとも!!」
声色は穏やかではあるが、有無を言わせぬ圧力に運転手はすぐさま後方へと下がる
ノイズのように降りしきる豪雨。彼女の風貌は、ますます人外を思わせた
川 - )「……」
(;´∀`)(話と言っても……)
運転手の経験上、捨てられた艦娘とはまともに会話ができない
大抵はただうめき声を上げるか、人間に対する恨み言を吐くだけだ
一度、駆逐艦と思われるまだ幼い艦娘を助け出そうとしたこともあったが
間もなく息を引き取り、後味の悪い思いをしたこともある
市民が捨て艦娘を救助出来た例は、今のところ存在しない。手も足も出ないため、放置する他無いのだ
261
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:40:00 ID:EJ36E4A.0
川 - )「……」
从 ∀从
川 - )「『天龍』か」
名を呼ばれた艦娘の指先が微かに動いた
乗客は立て続けに話しかける
川 - )「貴様、どこへ行くのだ?」
再び雷が光ると、豪雨でも洗い流せなかった泥の筋が道路を横切っているのが見える
捨て場から這いずり出て、どこかへと向かおうとする『天龍』の意思の表れだった
从 ∀从「き……まってん……だろ……」
微かな返事を聞くために、乗客は片膝を着き耳を近づける
从 ∀从「海に……往くんだよ……」
川 - )「海で、何をする?」
从 ∀从「ハッ……こんな……ナリで……海水浴とでも……?」
从 ∀从「死にに往くんだよ……海でな……」
目的を口にしたからか、天龍は再び、ナメクジのように這いずりだす
川 - )「わざわざ海に往かなくとも、すぐにでもくたばりそうに見えるがな」
从 ∀从「そりゃ……ご挨拶だな……だけどよ……」
从 ∀从「陸で死ぬなんざ……まっぴら御免だ……」
262
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:40:29 ID:EJ36E4A.0
从 ∀从「捨てられて……人間に玩具みてーに扱われながら……俺はずっと機会を窺ってた……」
川 - )「……」
从 ∀从「もう一度、海に出て……戦いの中で死にてえって……」
遅々にではあるが確実に。天龍は前へと進む
从 ∀从「どこの誰かもわかんねえ奴の……小便を飲まされてても……ケツに焼き鏝突っ込まれても……俺はただそれだけを願ってた……」
从 ∀从「やっと……やっと死ねる……クソみてえな陸じゃあなくて、心焦がす戦場の海でな……」
川 - )「……」
乗客は立ち上がると、天龍の進む方向へと回り込んだ
从 ∀从「邪魔……すんじゃねえよ……」
跳ね除ける力も残っていないのだろう。文句を一つ零しただけだ
乗客は何も答えず、胸元からあるモノを取り出し、彼女の目の前へと置いた
川 - )「ここから海までは、車でももう少々掛かる。その状態だと、たどり着く前に『お迎え』が来るだろうな」
川 - )「まぁ、その方が楽だとは思う。死んでしまえばその願いすら、どうでも良くなるだろうしな」
从 ∀从「アァ……?てめぇ……何が言いてぇんだよ……」
川 - )「その『スキットル』の中には、経口摂取タイプの『高速修復剤』が入っている」
从 ∀从「ッ……!?」
263
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:41:07 ID:EJ36E4A.0
川 - )「死にたいと言う願いを、私は否定しない。わざわざ『生きろ』と説得するのも、面倒だからな」
从 ∀从「じゃあこいつはっ……!!」
川 - )「結末の提示さ、天龍。ここでのたれ死ぬも良し、それとも……」
川 - )「私のためにもう一度、艤装を背負って海で散るも良しだ。早く選べ、私は雨が嫌いだからな」
从 ∀从「……」
高速修復剤。入渠ドッグの有無に関わらず、艦娘を治療できる液薬
天龍の答えは既に決まっていた。『海で死ねる』という提案は、千載一遇の幸運だったからだ
スキットルに手を伸ばす。が、その前に確かめねばならないことがあった
从 ∀从「……」
天龍は乗客の姿を見上げる
視界は霞み、右目の中に遠慮なく雨粒が入り込む中でも
川 ゚ -゚)「……」
見覚えのある『青白い瞳』は、はっきりと捉えることが出来た
从; ∀从「てめえ、深海ッ……!!」
川 ゚ -゚)「ああ……厳密には、『なりかけ』だが」
264
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:41:57 ID:EJ36E4A.0
从; ∀从「冗談じゃねえ……誰が『敵』の手下になんか……」
川 ゚ -゚)「……」
伸ばした手を引っ込めたのを見て、乗客は目を細めた
そして再びしゃがみ込み、天龍の耳元へ顔を近づける
川 ゚ -゚)「貴様の敵は、『深海棲艦』か?それとも……」
雷が、光った
川 ∀ )「『人間』か?」
从; ∀从「ッ!?」
一瞬の雷光に浮かび上がった、恐ろしげな彼女の『笑顔』
川 ゚ -゚)
雷鳴が響いた時には、元の無表情に戻っていた
从; ∀从「俺は……」
川 ゚ -゚)「……ま、最後まで艦娘の意地を突き通すのもいいさ」
乗客がスキットルに手を伸ばす
265
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:43:18 ID:EJ36E4A.0
从; ∀从「待て……待て!!」
川 ゚ -゚)「……」
从; ∀从「……ク、クク……艦娘の、意地……笑えるぜ」
天龍は今度こそ、高速修復剤を取る
从; ∀从「提督に売られて……知らねえ男のケツを舐めて……最後はゴミみてえに捨てられて……」
从; ∀从「そんな俺が……この期に及んで……そんなくだらねえモンに縛られちまうとはな……」
おぼつかない手つきで蓋を回し開け、どろりとした緑色の液体を流し込む
从; ∀从「オッ……アアアア……!!!!」
急速に体に熱と力が宿る。血液が頭に巡り、再び生気を取り戻す
艦娘の馬力でスキットルを握りつぶし、道端へと放り投げた
从 ゚∀从「いいぜ、乗ってやろうじゃあねえか。『ル級』よォ」
天龍は、乗客の『呼称』を言いながら立ち上がる
その目には、爛々と戦意の光が籠っていた
从 ゚∀从「てめえが俺たち艦娘を率いて、何を成そうとしているのか。この右目で確かめてやろうじゃあねえか」
川 ゚ -゚)「フン、期待していろ。決して飽きさせやしないさ」
川 ゚ -゚)「さぁ、乗れ。地獄すら生ぬるい戦場が、我々を待っているぞ」
从 ゚∀从「そいつは願ってもねえ。俺の望みは」
266
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:43:51 ID:EJ36E4A.0
「戦いの海で死ぬことだからな」
.
267
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:44:33 ID:EJ36E4A.0
かつて、海軍が行った大規模な『艤装適合実験』
大勢の死者を出しながらも、たった一人だけ、『龍田』の艤装に適応した者がいた
しかし、『彼』も、そして実験を行った海軍すらも知らない『適応者』が、もう一人いた
(;´∀`)「ちょっと困りますお客様!!」
川 ゚ -゚)「許せ、料金は倍払う」
从#゚∀从「テメー、俺は客だぞ?死にてえのかアアン!?」
(;´∀`)「ひいい!!」
その適応者も、『彼』と同じく提督となり、艦娘を率いた
この国を腐らせている、『海軍』という存在を滅ぼすために
これは、『アカツキ』の裏で暗躍した、とある鎮守府の話
捨てられた艦娘達の、復讐の物語
268
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:45:08 ID:EJ36E4A.0
『捨て艦娘がいる鎮守府のようです』
.
269
:
名無しさん
:2016/05/22(日) 23:48:46 ID:8AX8u9eo0
お?
270
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/22(日) 23:51:49 ID:EJ36E4A.0
続か……ないッ!!!!!!
艦娘がいない方がヒーロー物だとしたら、こっちはダークヒーロー物です
この世界では基本的にブラック鎮守府が多いので、こんな部隊も出来たんじゃないかなと仕事中に思いつき書きました
捨て艦娘が来て、ブラック提督を殺す。テイトクスレイヤーですワッショイ
ところでイベントどうですか皆さん。僕ですか?まだE5もクリアしていません
アイオワどうでも良くなってきたんですが、親潮は絶対に欲しいです。親潮ニーがしたいです。僕は親潮ニーがしたい
僕は親潮ニ―がしたい
271
:
名無しさん
:2016/05/22(日) 23:55:38 ID:ln9uTTDk0
つづきかけよー
272
:
名無しさん
:2016/05/23(月) 15:14:38 ID:JLrrJXOg0
続き書けよ!!
273
:
名無しさん
:2016/05/23(月) 16:38:52 ID:vTsjFyj.0
そこまで書いたんだから続きなんていくらでも書けるよなあ?
書いてください
274
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/23(月) 21:32:25 ID:WA8l8dcQ0
続かないって!!!!!!!!!!!!言ってんだろ!!!!!!!!!クソが!!!!!!!!!!!
と一蹴したい所なんですが、皆さんの後押しのお陰で入賞できたのも事実
ご期待に沿いたいのは山々なのですが、何分仕事が忙しく、現行もそろそろ再開したい
なので、ここで一つ賭けをします
現在開催されている艦これイベントでドロップ艦の「親潮」が手に入ったら、捨て艦娘を書こうと思います
投下はいつになるかわかりませんし、もしかしたらシリアスに嫌気がさして途中放棄するかも知れませんが、それでも良ければなんとか捻り出します。ウンコみたいに
そもそもアレですよ?ドロップしなかったら書きませんからね?
そりゃ僕だって提督の端くれなんで全力尽くしますけどね?こればかりは運ですからね?期待しないでくださいよほんと
あとこの話は艦娘がいるのが前提なんで、鎮守府みたく知らなくても大丈夫とか無いですよ?いいんですか?予備知識いるかも知れないですよ?
それでもいいなら書きます。親潮が手に入れば
賭けの結果は艦これイベント終了時に発表しますので、今しばらくお待ちください
275
:
名無しさん
:2016/05/23(月) 21:34:43 ID:bzDIy5b60
分の悪い賭けは嫌いじゃないんだぜ?
276
:
名無しさん
:2016/05/23(月) 22:22:54 ID:JLrrJXOg0
おう気張れや
277
:
名無しさん
:2016/05/23(月) 22:30:53 ID:VKcIBVVk0
ああああああたあああああああれえええええええええ!!!!!
278
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 02:26:10 ID:sctS/eWc0
やったぜ。
本編も頑張ってな
279
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 20:10:52 ID:jUMlw1dgO
書けば出るって噂もあるからな
頑張れよ八位
280
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 20:12:36 ID:ytTXi8JE0
艦これは知らんが楽しみにしてるぞ金八
281
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 20:26:36 ID:NrZTtZhg0
こうやってブーン系の女AAで配役してくれるなら読める
282
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 21:33:23 ID:zwtBQY6s0
俺なんかE2ボスで削り切れなくて躓いている奴だから……
誰がどのAAに配役されるのか楽しみだ
283
:
名無しさん
:2016/05/24(火) 22:11:09 ID:T0OaSZ5g0
もうみんな書いてもらう気満々でワロタ
高雄ちゃん出演させてね
284
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/31(火) 09:34:42 ID:rh4HtbSs0
おはようございます。さっきFateのソシャゲで一万飛ばした僕です。礼装いらねえっつってんだろクソが
艦これイベント終了日なので、少し早いですが結果をご報告します
https://pbs.twimg.com/media/CjvmzPkUYAAODcF.jpg
https://pbs.twimg.com/media/CjvmzSDUoAEyRcL.jpg
https://pbs.twimg.com/media/CjvnsseUgAAS31o.jpg
捨 て 艦 娘 が い る 鎮 守 府 制 作 決 定 ※公開未定
いやね、ドロ率は結構あったんですよこの子。丙で5%くらい
多分二十回行ったか行ってないかくらいで出てくれました
出た瞬間飛び上がって何も知らない妹とハイタッチ決めましたからね。磯風以来ですよあの興奮は
アイオワですか?別にシコくないんで途中で諦めました。だってあいつテリーマンじゃないじゃん
もしかしたらテリーマンじゃないかと思ったけど、テリーマンじゃないじゃん。ただのおっぱいおっきいメリケン女じゃん
あと別にシコくないじゃん。最初からおっぱい出してる奴より中破した時に下着が見える方が興奮するじゃん親潮然り萩風然り早霜然り五十鈴然り
と言うわけで、約束通り捨て艦娘をとりあえず書きます
書きますけども、前にも言った通りいつ投下できるかはわかりませんし、途中で挫折するかもしれませんけども
とりあえずはやれるだけやってみようと思います
じゃあ僕は念願の親潮ニーしてきます
285
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/05/31(火) 09:41:43 ID:rh4HtbSs0
イベント最終日明日でしたすいません
286
:
名無しさん
:2016/05/31(火) 10:02:32 ID:0NoKgwv.0
おつかれ、親潮GETおめでとう
書き上げ頑張ってな
287
:
名無しさん
:2016/05/31(火) 15:11:38 ID:VOV/xRtg0
やったー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やるからには完結させてくれよ????
288
:
名無しさん
:2016/05/31(火) 21:43:17 ID:c6Pprk2.0
よしっ
ドロップ祈願したかいがあったんだぜ
289
:
名無しさん
:2016/05/31(火) 21:44:50 ID:uk53r5IcO
おめでとう、ありがとう
作者GOもやってたのね
290
:
名無しさん
:2016/06/05(日) 22:51:07 ID:k/YxVBtg0
親潮おめでとう球磨型出せコラ
291
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:26:42 ID:BwmDOLZA0
海は、砂浜に
飲み込んだものを、吐き出す
(´・ω・`)「……」
流木、ゴミ、藻屑
手紙を入れた瓶、もはや抱かれることのないぬいぐるみ
宿主を静かに待つ巻貝の殻、息絶えた海月
(´-ω-`)「……」
死にかけた、『深海棲艦』
292
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:27:23 ID:BwmDOLZA0
『アカツキ』の鎮守府のようです
Side story → Mamiya
.
293
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:29:49 ID:BwmDOLZA0
駆逐イ級、軽巡ホ級を、仮に『歩兵』とするならば
その砂浜に流れ着いたそれは、『将』の役割を持つ深海棲艦だった
(´・ω・`)「……北方棲姫、だっけか」
強くなれば強くなるほど、より人間らしい姿と成る『奴ら』
その中でも、最も幼い容姿をしている北方海域の主が
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「手酷く、やられたようだなぁ」
下半身及び左腕を損失、顔の左半分が爛れを通り越して黒く燻り
橙色の濁った瞳を、ショボンに向けながら弱々しく呼吸を繰り返しながら横たわっていた
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「悪いなぁ」
砂浜に腰を落とし、胸ポケットから愛煙しているアメリカンスピリットを取り出し、火を着ける
294
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:30:23 ID:BwmDOLZA0
(´・ω・`)y-~「俺の家族達は、お前らをぶっ殺す為に命を懸けて戦ってる」
(´・ω・`)y-~「そんな連中がいる中で、俺の独断で『敵』に情けを掛けるわけにはいかねえんだ」
(´・ω・`)y-~「だから、だからせめて……」
タバコを吸い、空に向けてぷかりと吐き出す
見えているのか定かではないが、橙色の瞳も紫煙を追いかけたように見えた
(´・ω・`)y-~「お前が『楽』になるまで、ここにいてやるよ」
(´-ω-`)y-~「それがお前にとって良いことなのか悪いことなのか、わかんねえがな……」
それ以上何も言わず、ショボンは黙って煙草を吸った
(´-ω-`)y-~「……」
喪に服すかのように、目を閉じ、黙ったまま
295
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:31:06 ID:BwmDOLZA0
「……」
「……カ……ミデ……」
「………イツカ………」
(´-ω-`)y-~「……」
(´-ω-`)y-~「そうか」
(´-ω-`)y-~「お前らにも、『次』があるのなら」
(´・ω・`)y-~「行けるといいな、その『海』とやらに」
296
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:32:42 ID:BwmDOLZA0
ショボンはタバコを靴底で擦り消し、携帯灰皿へと捨てる
立ち上がり、尻についた砂を手で払った
(´・ω・`)「もういいぞ、心配かけたな」
その数メートル後ろでは
('A`)「……」
ドクオが、警戒のために構えていた短槍を砂浜に突き立てていた
(´・ω・`)「今、逝ったよ」
('A`)「そうかい」
生身の左手と、艦娘用資材で作られた義手の右手をポケットに突っ込み、ショボンと並んで亡骸を見下ろす
目は完全に色を失い、開け放しの口からは、唾液とも血液とも取れない黒ずんだ粘液が垂れ流れている
(´・ω・`)「お前らが?」
('A`)「いや、今週の北方海域担当は艦娘部隊だ」
(´・ω・`)「なるほどな、納得だ」
('A`)「……そんで、何か得られたか?幼女の姿をした、人間を殺すだけのバケモノと接して」
遠慮も、配慮もない皮肉だった。『アンカーシステム』を使い、戦闘に出るドクオにとっては見慣れた光景なのだろう
幾度となく殺されかけた相手。例え姿形が違えど、彼にとってはその他大勢の『奴ら』と変わらない
(´・ω・`)「……『いつか、楽しい海で、いつか』」
('A`)「あん?」
(´・ω・`)「最後、そう言ったんだよ」
297
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:33:40 ID:BwmDOLZA0
(´・ω・`)「まさかなぁ、深海のクソビッチが、んなこと漏らすたァ……」
('A`)「楽しい、ね……」
(´・ω・`)「……俺はなぁドクオ、ガキが好きだ」
('A`)「……」
(´・ω・`)「うるせえし、鬱陶しいし、悪さもする……けど、純粋にその瞬間瞬間を楽しんで生きる、ガキが好きなんだ」
('A`)「……ああ」
(´・ω・`)「……こんな事、仮にも大隊長であるお前の前でするのもなんだがよぉ」
ショボンはしゃがみ込み、手のひらでそっと亡骸の瞼を閉じた
(´・ω・`)「こいつもまた、俺の好きなガキと変わらねえ存在だったんじゃねえかって……思ったんだ」
('A`)「……」
(´ ω `)「ク、クク……な、なに言ってんだろうなぁ俺ァ……敵に向かってよぉ……」
俯くショボンの肩に、ドクオは左手を乗せた
('A`)「俺は……俺達『戦う人間』は、そのあたり麻痺しちまってんだが」
('A`)「オッサンのそれは……多分、人間が忘れちゃいけねぇ……『哀れみ』ってやつなんじゃねえの?」
298
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:34:50 ID:BwmDOLZA0
(´ ω `)「……」
('A`)「だから、オッサンの抱いた感情は、ある意味じゃ当然のもんなんだと思う」
('A`)「決してわかりあえない『敵』に対しても、慈悲を見せるってのは……人間が、人間であるために必要なんじゃねえかな……?」
(´ ω `)「……」
ショボンは肩越しに振り返り、少し躊躇い交じりに
(´・ω・`)「墓……っつっても、埋めてやるだけだが」
ドクオに、提案をした
('A`)「……ま、このまま掘っといても直ぐに海水に溶けて消えるんだけどよ、放置も後味悪いし」
ドクオは頭を掻くと、両手で砂を掘り始めた
ショボンもそれに続き、海水で湿った砂浜に、二人で小さな墓穴を掘った
(´・ω・`)「……」
('A`)「……掛ける言葉は?」
小さな山に両手を合わせ、ショボンに言葉を促す
(´・ω・`)「……」
ショボンは、まるで父親が寝かしつけた娘に語り掛けるような優しい口調で
(´・ω・`)「おやすみ、楽しい夢を」
と、告げた
('A`)「……風が吹いてきたな。戻ろう」
(´・ω・`)「……そうだな」
299
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:35:49 ID:BwmDOLZA0
海風は波を起こし、二人が残した足跡と
墓と呼ぶにはお粗末な砂山を飲み込んだ
埋めたはずの亡骸も、無かったかのように飲み込んだ―――――
Side story → Mamiya END
300
:
名無しさん
:2016/06/27(月) 23:36:39 ID:TEKz7ZME0
おぴょお
301
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/06/27(月) 23:37:38 ID:BwmDOLZA0
捨て艦娘はもうちょっと待ってください話固まりつつあるんで
302
:
名無しさん
:2016/06/27(月) 23:48:11 ID:MiGvuot60
おつ
ぽっぽちゃん(´;ω;`)
無理せんどいてやー
303
:
名無しさん
:2016/06/28(火) 00:02:51 ID:6kWKyDrw0
ショボン様……(´;ω;`)
304
:
名無しさん
:2016/06/28(火) 00:08:01 ID:pi.ppjlQ0
切ない。おっちゃん情を捨てきれないいいやつだ
305
:
名無しさん
:2016/07/01(金) 15:11:00 ID:wAsfUydw0
いいなあおつ
306
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:14:54 ID:Eod.UO4Y0
これは、『禊』だ
〔 §圭 〕「……」
『人間』が、『兵士』として生まれ変わるための
|::━◎┥「どうした?」
それは、『兵士』としての道であり、『人』としての道を外れるということ
人としての『外道』に、足を踏み入れることであった
307
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:16:16 ID:Eod.UO4Y0
『アカツキ』の鎮守府のようです
Side story → Hibiki
.
308
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:21:53 ID:Eod.UO4Y0
〔 §圭 〕「で……出来ません……」
|::━◎┥「……」
『響』の初陣は、製油所地帯沿岸から燃料を持ち帰る遠征任務であった
鎮守府海域からそれほど遠くない場所であり、敵艦隊と出くわさない限り、問題なく終わる仕事の筈だった
|::━◎┥「あー、悪い。砲撃でまだ耳がバカになっちまってるみてーだ。聞こえなかった」
|::━◎┥「今、何つった?」
帰還途中のことであった。敵水雷戦隊の襲撃に遭い、これを迎撃
旗艦『電』。随伴艦三隻の内、『木曾』及び『島風』が小破
獲得燃料の内、凡そ二割を消失。多少、手痛い損失を被った
敵水雷戦隊は、旗艦『雷巡チ級』及び随伴艦駆逐三隻。規模自体は大したことがなかった
内、駆逐三隻を撃沈。チ級を砲撃、航行不能の大破状態まで追い込んだ
チ級は仰向けに浮かび上がり、間近に迫った電と響から逃げ出すことも出来ない
そんな、沈むのを待つばかりの敵に対し、アカツキの最古参は
|::━◎┥「早く殺せ。てめえが腰にぶら下げてる剣は飾りか?」
〔 §圭 〕「……」
新入りに、『殺し』を経験させようとしていた
〔 §圭 〕「ど……どうしても……やらなければならないのですか?」
響は、腰の近接戦闘用艤装である剣の柄を掴んではいたが
震える腕でただカタカタと鳴らすばかりで、抜き取ろうとはしなかった
309
:
名無しさん
:2016/08/20(土) 22:23:16 ID:GwWaxKrE0
きたか!
310
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:24:18 ID:Eod.UO4Y0
|::━◎┥「俺は言ったよな?お前がアカツキの門を潜った時も、艤装に適応した時も、新人訓練課程の時も、そして今朝も」
|::━◎┥「『躊躇わず殺せ』と。お前は、今の今まで忘れてたのか?それとも、話を聞いていなかったのか?」
〔 §圭 〕「い、いえ……ですが」
響の抗議は、フェイスガードに飛んできた拳によって遮られる
彼の顔面を殴りつけた電は、顎を掴み引き寄せた
|::━◎┥「『ですが』、なんだ?女の姿をした敵と戦うとは思ってなかったか?」
|::━◎┥「見ろ、よく見ろ!!」
顎から手を放し、今度は首筋を掴みチ級へと近づける
駆逐艦や軽巡と比べ、この艦種は人に近い姿をしているのだ
その見た目が、響の行動を躊躇わせた
|::━◎┥「俺らが戦っている敵の主力のほとんどが人と変わらぬ姿であり、その全てが女だ!!だが、こいつらが人間を襲い、喰らい、海を支配しようとしている!!」
|::━◎┥「てめえは『女の姿だから』と言って、こいつらを逃がすのか!?あーあ、それはそれはおりこうさんだ!!優しい野郎だ!!ノーベル平和賞だって狙えるだろうさ!!」
|::━◎┥「だがな!!てめえが逃がした一匹が、何百、何千人もの人間を殺し!!艦娘を沈め!!また支配に一歩近づける!!お前の優しさは、敵にとって『都合が良い』行為でしかない!!」
〔 §圭 〕「うっ……うう……」
|::━◎┥「だから今!!ここで!!てめえの中にあるくだらねえ『慈悲』を殺せ!!その剣で、深海棲艦の喉笛をかっ斬ってな!!」
311
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:26:44 ID:Eod.UO4Y0
電はあえて、主砲や魚雷を使わず近接武器で殺すことを求めた
彼を始めとした『アンカーシステム』適合者は、それぞれが槍、剣、グローブ等の近接艤装を持つ
特に、速力、回避能力に優れてはいるが、主砲の火力が心もとない駆逐にとっては主力級の武器であった
ただし、残酷なことに
『槍』や『剣』は、使用者本人に『殺す感覚』というものをダイレクトに伝えてしまう
だからこそ、殺すことの意味と重みを学べることができる
〔 §圭 〕「……」
響は、ちゃんと理解していた。この戦争がどういうものなのかも
厳しい言葉を投げかける、旗艦の真意も
死に掛けの敵に、あえてトドメを刺させる意味も
これは、『禊』だ
〔 §圭 〕「……」
正義の為に、存続の為に、大義の為に、仲間の為に
『人』から『兵士』へと、生まれ変わる儀式なのだと
〔 §圭 〕「……」
震えは止まらなかったが、柄を握る妨げにはならなかった
抜いた剣は重たかったが、持ち上がらないほどではなかった
〔 §圭 〕「う……」
仰向けに浮かび、弱弱しく息を吐き出すチ級
この痛々しい敵の姿に対して、これから自分が成そうとしている行為に、思わず目を瞑ろうとした
しかし、響は自身の『臆病さ』から発せられたその欲求を真っ向から跳ね除け、彼女を凝視する
『殺し』から逃げず、『殺す者』から目を背けぬ事こそ、今の自分が表せる最大の敬意だと思ったからだ
312
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:28:05 ID:Eod.UO4Y0
|::━◎┥「……」
電はやや距離を取り、響の邪魔にならない位置からその姿を見守った
心優しい響にとっては、この試練は余りにも酷とはわかっていたが
艤装を背負い、海に立つ以上、『殺し』からは逃げられない。飲み込み、慣れる他無い
良心の激痛は、率先して敵陣に斬り込み、誰よりも多く『殺す』隊長に科せられた罰として受け入れた
いずれ、人間としての自分を殺す『毒』と知りながら
〔 §圭 〕「……」
響は剣を逆手に持ち、心臓の位置に狙いを定める
チ級は観念したのか、抵抗の素振りすら見せない。それが、響にとっては途方もなく辛かった
せめて、最後まで殺意の念を向け、化け物らしく足掻いてくれた方が事を済まし易かったからだ
かつて、『無抵抗』を説いた偉人がいた。彼の意見は、賛否分かれるものであるだろうが
この期に及んで言えば、『無抵抗』ほど有力な手段は無かった
〔 §圭 〕「ご……ッ……!!」
口から謝罪の言葉が漏れ出す前に、響は口を閉ざした
それを言ってしまえば、自分の行為は間違っていると認めてしまうからだ
認めた先に、自分自身が、後ろで見守る旗艦が、肩を並べる仲間が、望む結末は訪れない
これが『戦争』。お互いの主張を、暴力に変えて認めさせる、最低最悪の武力解決方法なのだ
313
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:29:18 ID:Eod.UO4Y0
〔 §圭 〕「フッ、フッ……」
だから、『間違っていない』
最低最悪な交流の中では、最低最悪の方法を取る必要があるのだと、自分自身に言い聞かせた
〔 §圭 〕「お、お……」
〔 §圭 〕「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
雄たけびと共に、チ級の胸に刃を突き立てる
血しぶきが、フェイスガードのカメラを汚し、すぐさま自動的に拭き取られた
手ごたえは呆気無かったが、その感触は残響のように手から腕へ、全身へと広がり、こびり付く
チ級は、口から血反吐を溢れさせ、二、三度痙攣をすると、全身から力が抜け落ちた
死亡と同時に体細胞の分解はすぐさま始まり、体は徐々に海へと溶けていく
響は、そこからすぐに動き出すことが出来ず、チ級の全身が消え逝くまで、しばし固まったままであった
〔 §圭 〕「……」
全身が消え、チ級が身に纏っていた鋼鉄艤装も海の底へと沈んだ時、彼は海面に膝を折り蹲った
〔 §圭 〕「う……う……ああああああああ……」
そのまま、身を包む『艤装』の中で涙を流し嗚咽を漏らす
瞳から零れ落ちる滴を拭うことも出来ず、ヘッドギア内のスクリーンを目視することもままならない
先ほどまで戦火と轟音を交えていた海面は、波の音と響の泣き声しか聞こえなくなった
314
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:32:45 ID:Eod.UO4Y0
|::━◎┥「……よくやった。さぁ、帰ろう」
打って変わって、優しい声色となった電は
蹲る響を立ち上がらせ、肩を担ぎ、ゆっくりと航行を始めた
〔 §圭 〕「ああ、ああ……うああああああ……」
|::━◎┥「……」
泣き止まない響に、電は叱咤をしなかった
今し方済ませた『禊』の辛さは、電もかつて経験したからだ
泣き止まない響に、電は慰めの言葉も掛けなかった
『禊』を強要した自分に、その資格は無いと思ったからだ
|::━◎┥「……」
しかし電は、司令官として、隊長としての威厳を保っていられるほど、成熟してはいなかった
|::━◎┥「クソ、気分、悪いよなぁ……俺も、初めて『人間型』を殺した時は、眠れなかった」
|::━◎┥「全く、悪質だぜ深海棲艦ってのは……どいつもこいつも化け物らしい見た目をしてくれりゃあ、もうちょいやり易いんだがよ……」
〔 §圭 〕「ヒクッ、グスッ……た、隊長もですニカ?」
しゃくりあげながらも、響は言葉を交わす
まだ足腰に力は入らないらしく、肩を借りたままであった
315
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:35:58 ID:Eod.UO4Y0
|::━◎┥「どんなに覚悟を決めていても、いざその時になると揺らぐもんさ……死にたくねえ、殺したくねえは人のサガだ。躊躇うのは、『当たり前』の事なんだよ」
|::━◎┥「だがなぁ、俺もアカツキに……鎮守府に身を置いて戦い続ける中で、『兵士』の役割を自覚したんだ」
自身の近接艤装である『槍』を眺める
この日の海戦では、敵駆逐艦の右目から頭を貫き、沈めた
|::━◎┥「俺らが矛を振るうから、矛を振るう必要のない人生を歩める人たちがいる……ってのをな」
|::━◎┥「お前に、今日の行いを後悔するなとは言わない。ただ、これだけは忘れるな」
|::━◎┥「お前が今日戦ったことで、戦いに巻き込まれる人間を増やさずに済んだってことを」
〔 §圭 〕「……」
|::━◎┥「敵を殺したことで、人類の平和に一歩近づけたことを誇れ。兵士としての役割に従事したことを誇れ」
|::━◎┥「……俺が今日、お前に教えることはそれだけだ。そろそろ、一人で走れるか?」
電は話し終えると、響からゆっくりと離れる
既に響の足腰はしっかりと力が入っており、自立航行を行えていた
〔 §圭 〕「……」
『誇り』。体の良い言葉であり、間違った行いを正当化する為の方便でしかない
しかし、その方便に縋らなければ、兵士は人を救えないのだろう
316
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:37:44 ID:Eod.UO4Y0
〔 §圭 〕「……司令、折り入ってお願いがありますニダ」
|::━◎┥「なんだ?」
〔 §圭 〕「今夜は、眠れそうにありません」
〔 §圭 〕「強い酒を一杯、奢ってください」
声に湿っぽさは残っていたが、力強さを感じさせた
また一人『兵士』が誕生したことに一喜一憂しながら、電は軽く笑い声を上げる
|::━◎┥「ああ、今夜は浴びるほど酒を飲もう」
|::━◎┥「落ち込んだ日のシメは、騒ぐに限る。少し飛ばそう。先行させた二隻に追いつかないとな」
二人は主機を唸らせ、海面を矢尻のように掻き分けながら帰路を急いだ
暁型二番艦、アンカーシステム第三世代、駆逐艦『響』
大隊長である電から『矛』を学び
アカツキ艦娘隊、守護部隊長古鷹から『盾』を学ぶ事となる新兵は
後に『副隊長』を務め、長きに渡って大隊長とアカツキを支える武勲艦となる
そこには、二人しか知らない兵士の起点があった―――――
Side story → Hibiki END
317
:
名無しさん
:2016/08/20(土) 22:42:11 ID:GwWaxKrE0
うおおおお!乙!
318
:
名無しさん
:2016/08/20(土) 22:46:02 ID:YSup0QMk0
おいこの糞ケツムカデ野郎、次はまだか?
319
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/08/20(土) 22:50:08 ID:Eod.UO4Y0
ブラピ主演の『フューリー』という戦争映画に、このようなワンシーンがありました
タイプライターしか打ったことのない新兵に、無理やり銃を握らせ敵兵を射殺させるシーンです
艦これは女の子を侍らせてキャッキャウフフするゲームですが、やっぱやってることは戦争なんでこういう場面もあったんじゃないかなぁと思います
それより劇場版楽しみですね。予告観ました?青葉がしっかり映ってましたよ
観てないって人は今すぐ観てくださいはいこれ
https://www.youtube.com/watch?v=FVQxNMJZvZs
捨て艦娘は順調に難航しています
320
:
名無しさん
:2016/08/21(日) 00:02:59 ID:y2JqdCig0
響お前かよ
ドシリアスなのに語尾が出てきた瞬間吹いたわ
321
:
名無しさん
:2016/08/21(日) 00:40:33 ID:7z125wPw0
クソおもろいぞケツムカデ8位
次も期待してる
322
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 07:53:25 ID:PWZ18VnA0
深海棲艦の言葉は、人間には理解できない
彼女達がその口から発する音は、全てノイズのような不協和音として聞こえる
これが、艦娘だと『言葉』や『鳴き声』として認識出来るのだ
兵士クラスである駆逐イ級や空母ヲ級などは『鳴き声』として
将クラスである『姫級』や『鬼級』などは『言葉』として、耳に届く
内容は主に恨み言や煽りの類だ。艦娘と人類に対して明確な憎しみを露わにする
それが、どうして今
『人間』である私に、理解できるのだろうか
323
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 07:54:37 ID:PWZ18VnA0
■■■■■■■■■■■鎮守府のようです
Epilogue
.
324
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 07:56:19 ID:PWZ18VnA0
いや、理解っている筈だ。私はもう人間ではない
あの愛おしい我が家に着任したその時から、別のモノに作り替えられてしまった
だから今、私は男性でありながら『龍田』の艤装を背負イ
鎮守府近海を埋メつくす、深海棲艦の群れと
たった一人で戦争ヲしているのダカラ
「■■■ッ!!!!」
龍田専用近接艤装であル『矛』で、ル級の首を刎ねた
勢いヨく吹き出す血飛沫を身に受ケナがら、背後に迫っていたハ級に裏拳ヲ見舞う
「■■■■■ーーーーーーーーーーッ!!!!!」
最後の魚雷を撃ち、弾薬が尽キタ。この分だと燃料モ直に底を着くだロう
殺さねば。私が、俺が殺サレるまで、目の前にいる大軍を殺シつクサねば
【オウ】
うルサい
【おう】
黙レ
【王よ】
「■■■■っ■■■■■ーーーーーーー!!!!」
何故俺ヲ、『王』ト呼ブ
325
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 07:58:06 ID:PWZ18VnA0
ホ級のクビを切り裂キ、チ級の頭蓋を握りツブス
「■■■■ッ!!」
タ級の背骨を腹から抜き取り、ヲ級の顎ヲ引キ裂いた
殺さねば
【王よ】
殺サネば
【王よ】
殺サネバ
声ガ聞こエなくなるマデ
「■■■……!!」
駆逐棲姫の首をオル、北方棲姫ヲ真っ二ツにスル
海中カラ足首を掴モウとしタソ級の顔面を踏ミ砕イタ
戦艦棲姫ニ向けて投ゲツケた矛は、額から脳を串刺シニした
「■せ■……!!」
レ級の尾ヲ引き抜キ、振リ回シてツ級の頭を吹っ飛バス
マダ息がアッタレ級の腹にソレを突き刺シテ返シテヤリ、そこで
艤装ハ動カナクナッタ
326
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 07:59:27 ID:PWZ18VnA0
殺した、殺した、何人も、何隻も
かつテ俺が立った陸の戦場で、奴らがソウシたように
それなのに、何故
「殺せよッ!!」
「俺を殺せェッ!!!!」
奴らは、砲弾の一発も撃たなイノダろウか
【王よ】
【王よ】
【愛おしき我らが王】
身体が重たイ。燃料が切れタからだロうか
違う、そんなものじゃない。背中ニ、艤装とは違ウ別のモノが圧し掛かッテいる
【嗚呼、なんて羨ましい】
【王の身になれるなんて、羨ましい】
【果報者だわ。彼女たちは】
背中から、尾ガ伸ビルかのように
俺が殺シタ深海棲艦ノ屍ガ、一塊ニなって繋ガッテイル
327
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:00:46 ID:PWZ18VnA0
「あ」
「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
【嬉しい、嬉しい】
【我が身は王の肉に】
【幸せだわ、幸せだわ】
濁った瞳が、俺ヲ見ル。薄い唇カラ、膿のヨウナ液体と共ニ嗤いゴエを吐キ出ス
矛ヲ投ゲ捨テナケレバ良カッタ。容易ク自害デキタ機会ヲ自分カラ手放シテシマッタ
【王よ、王よ、愛おしき我らが王】
腕、上ガラナイ。顎、閉ジラレナイ
自分デ首ヲシメルコトモ、舌ヲ噛ミ切ル事スラ出来ナイ
【人間が我らを作った】
【人間が艦娘を作った】
【そして、嗚呼、我が王。貴方すらも作り上げた】
「殺せ……殺せよ……」
【嗚呼、王が!!王が!!我々にお声を掛けてくれた!!】
【王!!王!!なんて麗しいお声!!お姿!!】
【人間の醜い声を捨てて下さったのだわ!!我々の為に!!】
328
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:01:58 ID:PWZ18VnA0
俺ハ、俺、俺、おれ、オレ……
人ノ言葉スラモウ、話スコトガ出来ナイノカ
【さぁ、参りましょう。我らが王】
【艦娘を葬りに】
【人間を根絶やしに】
葬リ……根絶ヤシ……
【屍の上に、貴方の玉座を作りましょう】
【醜いガラクタを積み上げましょう】
【我らの怨念を晴らしましょう】
馴染ジンデ、ユク、深海ノ、青イ血ニ、白イ、肌ニ
血液ガ 巡ル度 俺ガ オレデハ ナクナッテイク
【さぁ】
【さぁ】
【さぁ】
深海棲艦ノ 冷タイ手ガ オレノ身体ヲ、海ノ中ヘト引キズリ込ム
思考モ ボンヤリト ナッテイキ キオクスラモ―――――
329
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:04:06 ID:PWZ18VnA0
「クソ……■■■共がァァァ……!!」
手放シテ、ナルもノか
オレが、俺が鎮守府で過ゴした四年間の思イ出ヲ、失ッテたまるモノか
この身、この魂を支配サレても、あいつらの事を忘れて堪るものか
「覚え■け……てめえらと■をブチ■■のは……」
【まぁ、なんて醜いお言葉】
【引きずり込んでしまいましょう】
【海の底で癒して差し上げましょう】
多数の手が、身に圧し掛かる大量の屍が、海へ海へと落としていく
暗い海面から覗き込む、ゾッとするような無数の笑顔が俺に向けられていル
「俺の■娘■と……まだ見ぬ漢達だ……ッ!!」
冷タイ海水ガ、首元マデ迫ッタ
最後ニ、鎮守府ノ方向ニ顔ヲ向けタ
届カ無イダロウ 伝ワラナイダロウ ソレデモ 最後ニ
ワカレ ダケハ
.
330
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:05:13 ID:PWZ18VnA0
「■■■■■■■■■■■鎮守府、万ざ―――――」
.
331
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:06:02 ID:PWZ18VnA0
ごぽり。
.
332
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:08:21 ID:PWZ18VnA0
【嗚呼、なんたる幸せ、なんたる悦び】
【ご生誕なされた。我が王が】
【深海の王が】
「」
【始めましょう】
【ええ、始めましょう】
【私たちの戦争を】
【『禁じ手』を使う戦争を】
.
333
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:10:32 ID:PWZ18VnA0
―――――
―――
―
『りん』
脛にすり寄ってきた白猫を抱き上げる
首輪の鈴の音が、不気味なほどに響き渡った。この場所も、静かになったものだ
「そうだね。飲み込まれてしまった」
私に止める術は無かった。深海棲艦化が始まった段階で、既に彼女達の策中に嵌っていたのだ
『彼』ならば或いは……という期待も、たった今砕かれた
「渡してしまった……『プログラム』にはない、チートにも匹敵する戦力を」
あるいは、『バグ』とでも呼ぶべきだろう。この世界には、この『ゲーム』には、本来ある筈のないユニットなのだ
「本当に、現れるのかな……」
その『バグ』を打倒できる戦力が。彼が言い残したような
「『漢』という、戦士は」
猫は応えない。ただ、我関せずと言いたげに顔を洗っただけだった
「……また暫く、静かになるね」
応えない。既にうとうとと船を漕ぎ始めていた
「そうだね。少し、眠ろうか」
334
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:12:03 ID:PWZ18VnA0
「この呪われた鎮守府に招かれる、可哀想な提督と艦娘が現れるまで」
.
335
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:13:29 ID:PWZ18VnA0
■■■■■■■■■■■鎮守府のようです
END
.
336
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:15:11 ID:PWZ18VnA0
.
337
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:16:48 ID:PWZ18VnA0
(;'A`)「あっれー?合ってる?ここで合ってる?」
.
338
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:20:45 ID:PWZ18VnA0
「……」
爽やかとは言えない目覚めだった。軋む廊下の音と、マヌケな男の声
どれほど眠っていたのかはわからないが、どうやら漸く『替え』が着任したらしい
『りん』
猫が急かすかのように尻尾を振る。思わず、顔が綻んでしまった
それがまるで、私の『期待』をそのままそっくり表現しているかのようだったからだ
「そうだね」
帽子を被り、襟を正す
「会いに行って、見極めよう」
『チュートリアル』の始まりだ―――――
「新入りが、『彼』の意思を継ぐ者かどうかを」
.
339
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:21:18 ID:PWZ18VnA0
■■■■■■■■■■■鎮守府のようです → 艦娘がいない鎮守府のようです
.
340
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/10/29(土) 08:27:20 ID:PWZ18VnA0
ラノベ祭りが盛り上がろうとしている中、まーだ紅白作品に引き摺ってんのかこの一発屋はとお思いでしょうが榛名は大丈夫です
ラノベ祭り用の作品は既にほぼ完成しているので大丈夫です。意識高いんで大丈夫です
じゃあ秋刀魚乱獲してきます
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