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艦娘がいない鎮守府のようです

259 ◆HS4z8y6JHc:2016/05/22(日) 23:35:41 ID:EJ36E4A.0
川  - )「しかし……酷い天気だな」


(;´∀`)「ええ、全く……うおおっ!?」


カーブを曲がった先、道路に何かが落ちていることに気づき、運転手はブレーキを踏んだ
ライトに照らされた落下物の正体を理解した彼は、頭を振ってため息を吐いた


(;´∀`)「ああ、またか……」


川  - )「また?」


(;´∀`)「『捨て艦娘』ですよ。こういう人気のない道には多いんです。ちょっと、待っててください」


ハザードランプを付け、助手席に置いてあるビニール傘を手に取った
艦娘は『物』の分類であることは、世間にも知れ渡っている
万が一『轢いてしまった』としても、運転手に処罰が下ることはない
しかし、やはり人の姿形をしているモノを轢くのは気分と目覚めが悪い


(;´∀`)「提督ってのはこれだから……」


国と海軍は、流出する艦娘の問題に対して打開案を講じていると言うが
一向に解決される気配は見えず、むしろ捨て艦娘の数は増える一方であった
何せ、『提督』の数が余りにも多すぎるのだ。現段階で数万人、応募が殺到しすぎて着任は抽選になっているとも聞く
母数が多ければ多いほど、取り締まりが難しくなるのは理解できるし、この国を深海棲艦から守ってくれているのも知っているが
だからと言って民間に迷惑を掛けていいワケではない。市民にとって提督とは、『奴ら』と並ぶ悩みの種となっていた


(;´∀`)「おい、お前」


つま先で軽く蹴とばすと、うめき声が聞こえた
息はあるが、長くはない。そういう印象を抱いた


(;´∀`)「悪いが、今からそこを通るモナ。動けるならどいてもらいたいモナが……」


うつ伏せの状態のまま、動く気配はない。当然だ、動けるならこんな悪天候の最中、行倒れていないだろう
運転手は人並みの良識を持ち合わせてはいたが、仕事中に艦娘を病院に連れて行けるほどのものではなかった
そうでなくても、捨てられるほど酷使された死にかけの艦娘を引き取る物好きはいないのだ


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