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艦娘がいない鎮守府のようです

312 ◆HS4z8y6JHc:2016/08/20(土) 22:28:05 ID:Eod.UO4Y0
|::━◎┥「……」


電はやや距離を取り、響の邪魔にならない位置からその姿を見守った
心優しい響にとっては、この試練は余りにも酷とはわかっていたが
艤装を背負い、海に立つ以上、『殺し』からは逃げられない。飲み込み、慣れる他無い

良心の激痛は、率先して敵陣に斬り込み、誰よりも多く『殺す』隊長に科せられた罰として受け入れた
いずれ、人間としての自分を殺す『毒』と知りながら


〔 §圭 〕「……」


響は剣を逆手に持ち、心臓の位置に狙いを定める
チ級は観念したのか、抵抗の素振りすら見せない。それが、響にとっては途方もなく辛かった
せめて、最後まで殺意の念を向け、化け物らしく足掻いてくれた方が事を済まし易かったからだ

かつて、『無抵抗』を説いた偉人がいた。彼の意見は、賛否分かれるものであるだろうが
この期に及んで言えば、『無抵抗』ほど有力な手段は無かった


〔 §圭 〕「ご……ッ……!!」


口から謝罪の言葉が漏れ出す前に、響は口を閉ざした
それを言ってしまえば、自分の行為は間違っていると認めてしまうからだ
認めた先に、自分自身が、後ろで見守る旗艦が、肩を並べる仲間が、望む結末は訪れない


これが『戦争』。お互いの主張を、暴力に変えて認めさせる、最低最悪の武力解決方法なのだ


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