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艦娘がいない鎮守府のようです

296 ◆HS4z8y6JHc:2016/06/27(月) 23:32:42 ID:BwmDOLZA0
ショボンはタバコを靴底で擦り消し、携帯灰皿へと捨てる
立ち上がり、尻についた砂を手で払った


(´・ω・`)「もういいぞ、心配かけたな」


その数メートル後ろでは


('A`)「……」


ドクオが、警戒のために構えていた短槍を砂浜に突き立てていた


(´・ω・`)「今、逝ったよ」

('A`)「そうかい」


生身の左手と、艦娘用資材で作られた義手の右手をポケットに突っ込み、ショボンと並んで亡骸を見下ろす
目は完全に色を失い、開け放しの口からは、唾液とも血液とも取れない黒ずんだ粘液が垂れ流れている


(´・ω・`)「お前らが?」

('A`)「いや、今週の北方海域担当は艦娘部隊だ」

(´・ω・`)「なるほどな、納得だ」

('A`)「……そんで、何か得られたか?幼女の姿をした、人間を殺すだけのバケモノと接して」


遠慮も、配慮もない皮肉だった。『アンカーシステム』を使い、戦闘に出るドクオにとっては見慣れた光景なのだろう
幾度となく殺されかけた相手。例え姿形が違えど、彼にとってはその他大勢の『奴ら』と変わらない


(´・ω・`)「……『いつか、楽しい海で、いつか』」

('A`)「あん?」

(´・ω・`)「最後、そう言ったんだよ」


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