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仮投下スレ

1偽ひろゆき★:2012/09/25(火) 02:28:45 ID:???0
仮投下スレです
ちょっと不安……とか冒険しました! なSSは一度ここに通しておくといいかもしれません。

2 ◆m8iVFhkTec:2012/09/25(火) 07:44:28 ID:7YtTKxoY0
ギコ猫、一条三位を仮投下します

3 ◆m8iVFhkTec:2012/09/25(火) 07:44:59 ID:7YtTKxoY0
   ____∧∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 〜' ____(,,゚Д゚)< ハッ…ここは…?
   UU    U U   \________

森林公園の草陰で、一匹の黒猫が目を覚ました
いかにも災いを運んできそうな、何か不吉な印象を受ける真っ黒な毛並みを持つ猫、名前を「ギコ」と言う
彼は自慢の鍵尻尾をピンと立てて伸びをし、眠気を振り払おうと努めた
そしてぼんやりとした頭を奮い起こし、自らの状況を確認する

確か、気がつけば妙な場所にいて、突然ひろゆきが「殺し合いをしろ」とかふざけたことを抜かして、それでまた意識を失って…
ということはだ、今俺がいる場所はその「殺し合い会場」っつーわけか

ギコ猫は大きくため息をついて愚痴をこぼす

もうね、アフォかと、バナナかと…
なんだってそんな物騒なお祭りになんぞに参加しないといけない訳ですか
今の俺の心境は「ひろゆき、逝ってよし!」の一言だな…

面倒に巻き込まれたことに心底うんざりしながらも、とりあえず付近を見回した
デイバックが落ちている…例のこれが支給品とか言うやつだろう

中を適当に探ってみる
サバイバルナイフにクマのぬいぐるみ、あとこれが忍法帳とかいうやつだな…


と、ここまで確認したところで気配を感じたので顔をあげる
そこには真っ白な顔面にきらびやかな着物を纏った、派手な格好の男の姿があった
あいつは…zipを求めるのに必死乙な江戸の貴族…
確か磨呂とか言ったか

磨呂こと一条三位はギコ猫の姿を確認すると、突如目をカッと見開き声を張り上げた

「お主!麿のために今ここで死ぬのじゃ!」
「ハァ…?」

いきなり不条理なことを言われ、思わずポカーンとした表情を浮かべる

        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ∧∧  | 何言ってんのお前…
   (,,゚Д゚)< ひろゆきの妄言に乗るとか
   ⊂  ⊃ | 正気かよゴルァ!
  〜|  |  \_____
 ,,  し`J

        ___|二ニー-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
        /rヽ三三三三三─‐-- 、;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
        ',i ,-三三三三三、   _,.ニ、ー-、!;: -‐二 ̄彡′
        ',、、ヾ三三'" ̄ ̄   `ー‐"    ヾ-'"  .〉′
        ヽ ヽヾ三,'    :::.. _,,.,,_:.:.:.:..  _j_ .:.:.:.、,'
         `ー',ミミ     : ',ィでiンミ、:.:.、__, -,ィも=、',′  「黙りゃ!!!」
         /:l lミミ     ´ ̄`゙`ラ .:. 三 f"´ ̄`','    
      ,.-‐フ:::::| |,ミ     `二ニノ ,、 jl ',` ―''"
     /r‐'":::::::::| |ヾ       ,ィ'"     ト、    /
 _,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',.        / `^ヽ,_ノi    /ヽ,_
"    l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ.    /  _,,...,_,,..,、l  /l |
     ',\\:::::::::::::::ヽ  /  ,ィiTTTTTト, ,} /::| |
     \\\;::::::::::::\ {  ,/⌒'ー'‐'‐'‐',リ /::::::::l |
       ヽ \`ー-、::::::ヽ l  {,ゝ、‐r‐'ン-i/ ,/::::::::::ノ ./
          `ー-二'‐丶 ヾ                ̄` ` ` ‐ -- ‐'"" ̄      /


磨呂は大声で一括し、ギコ猫を横っ腹を蹴飛ばす

4 ◆m8iVFhkTec:2012/09/25(火) 07:47:15 ID:7YtTKxoY0
「ガハッ…てめぇ…」

「麿は!恐れ多くも帝より三位の位を賜り、中納言を務めた身じゃ!
そのような麿の望みは、お主ら平民風情が望むようなたった一枚の画像では収まらぬ!
zipの画像、それすなわち麿の望み!それが速やかに貼られるようなスレこそが(ry」

「つまり何が言いたいんだよ!三行でまとめろ!」
長々と説明する磨呂に、ギコ猫は改めて問いかけた

「この戦で麿が優勝し、
常に迅速にzipの貼られる、
より良い掲示板を作るのでおじゃる!!」

あぁ、コイツという奴は…
まともな神経の奴なら、例えば死にたくないだとかでそういう理由で乗っちまうかもしれん
だがコイツはそんなのじゃなくて、純粋に性よk…野望のために殺し合いに乗るつもりでいやがる…
これだから人間って言うのは信用出来ねぇんだ

ナイフはバックの中だし、とりあえず今は逃げるとする
掴みかかってくる磨呂の腕からひらりと身をかわし、一目散に逃げ出した

「おのれ、待てーい!」
待つわけ無いだろ、悪いが俺は死にたくないんだ

森林公園を飛び出し、深夜に大通りを黒猫は走る
闇に溶け込む彼の姿は、前述した通り見る者に不吉な印象を抱かせる
ゆえに、彼はこれまで常に人間達に忌み嫌われていた

今まで何人もの人に追い回され、石を投げられ、そのたびに何度も修羅場を潜り抜けてきた
今さらエロ貴族ごときに捕まる俺じゃない

よく考えたら「殺し合い」と銘打たれているが、俺にとっちゃなんら普段と変わらないじゃないか
俺には仲間なんて煩わしいモンはいないし、命の危機なんざ日常茶飯事だ
むしろ武器がある分、ここの方が幾分かマシかもしれない

ひろゆきに従って殺し合いに乗るのは癪だが、俺はこんなところで大人しく野垂れ死ぬつもりはない
せいぜい、本能に従って足掻かせて貰うぜ

自らの方針をまとめ終わった頃には、麻呂の姿はとうに見えなくなっていた


【C-2 森林公園/1日目・深夜】

【ギコ猫@AA(フラッシュ「K」)】
[状態]:打撲(小)
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[道具]:基本支給品一式、忍法帳、コロちゃん@家族が増えるよやったねたえちゃん、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本:生存優先
1:本能に従って生き残る
2:仲間なんて煩わしいので作るつもりはない
3:磨呂を警戒
4:ひろゆきはマジで逝ってよし

※どこへ移動したかは次の書き手の方にお任せします

【一条三位@AA】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:優勝して、zipが安定して貼られる掲示板を作る
1:おのれ、逃げおって…
2:支給品を確認する
3:zipが欲しい


【支給品紹介】
コロちゃん@家族が増えるよやったねたえちゃん
               , r::':::::::::::::..ヽ 、
             /::::::::::::::::.:::::..::::::::ヽ、
                /:::イ::N、..iv、..:..:..:.:.::::::::vr−、
/⌒ヽr−、  _    /i::;;;:/十ヾN-、Ni:::i!:::::/    i
たや i! ::.'´ / ・ヽ  ' Y:::i ⌒ , ⌒`}::N)::i ふ家 .!
え っ i!     ,, `●,/N:::!.'' r-v, '' ,}rrノ::| え.族 |
ち.た i!  r−、 ーrイ:/ .i!N;;>`ニ イ/ト;;;< る.が |
.ゃね > ヽ :::、==´=}   _,.r'r'| ,./ ` >! .よ  .|
ん  i!ヽr=>   `ヘ>V⌒)|| ,iト、_,/  ノ/、 !!  /
! ./  |'/,フ7   /⌒i:/ト、ト` ヾ三テイ'  .iー'
`ー'   、' ' レi     ノ'::i`ーi  ヽ´ ./.:   |
上記のAAの左のぬいぐるみの名前
原作のように言葉を話すかもしれない

5 ◆m8iVFhkTec:2012/09/25(火) 07:51:12 ID:7YtTKxoY0
以上で仮投下終了です
見た感じAAは大丈夫そうだ

ちなみにタイトルはどんな感じにつければよいでしょうか?
やっぱり、パロディ系ですかね

6ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/09/25(火) 18:54:50 ID:l/JEWUnsC
乙です
AAは問題ないと思いますが、状態表からPDAが抜けてます
気になったのはそこだけですね
タイトルは何でもいいと思いますよ

7 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:11:15 ID:eZQbASKA0
クラウドさん、レベル男、MSKK、モララーを仮投下致します
仮タイトルは「MSKK「不遇キャラってレベルじゃねぇぞ!」」です

8 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:12:03 ID:eZQbASKA0

           レベル男
          ___
         /  _ノ  \
       / ,、 (●) ヽヽ       MSKK
      /  ^  ,    (●)      ____
     /       >ー 、_) /     /ヽ       \
     /      /r┬ノ  /     (<)        \
   /      廴/  /     (_) ゚        ヽ
   /            ノ       ^,/       ;u   i
   i     n^^^.i   `ヽ    (⌒´           ノ
   |    l   !   ノ     ヽ    ,) ∠    ,。    ,/
   ヽ  ヽ/  /   /ヽ  \/ (⌒ヽミ ⌒ヽ  _/
   / \     /  /  \    ./\ '\l   |   ヽ
  /   \_ノ  /    ヽ__/   /\  ,ノ     }
  /          /         /   ̄~     /
「おい!アンタ大手ゲーム会社なんだろ!なんとかしろよ!」
「し、知らないお…ていうかそれ、SCEに聞くべきだお…」

近鉄百貨店近くの路地にて、レベル男ことベルジャネーゾ氏はMSKKと名乗る男に掴みかかっていた
何故ベルジャネーゾはこれほどまで憤慨しているのか?それはこの殺し合いが始まる前に遡る…


ベルジャネーゾ氏は新発売のゲーム機「プレイステーション3」を買いに、早朝のビックカメラの行列に並んでた
…だが、そこでは同じようにプレステを求める大量の人々が押しかけたため、その場は混乱の渦に飲み込まれていた
ゲーマーたちによる行列はもはやカオス極まりない状況、「行列なんて関係ねーよ!」という怒号や女性の喘ぎ声まで聞こえてくる始末
たまたまテレビカメラの近くにいたベルジャネーゾは、そんな暴動寸前の状況に思わずこう叫んだ

「もう、物売るっていうレベルじゃねぇぞ!オイ!」

その直後、彼の意識は遠のき、気がつけば殺し合いに巻き込まれていたのであった


「徹夜して待ってたのに、全部無駄になったじゃねぇか!仕事しろよMSKK!」
「えー、じゃあXーBOXでも買って我慢すればいいお」

ベルジャネーゾの八つ当たりに対してなげやりに答えるMSKK

「なんでそうなるんだよ!ていうか、もう一つ納得できないことがあんだよ!」
そう言って彼はMSKKから手を離し、デイバックから取っ手のついた四角い機械を取り出した
それは任天堂から発売されたハード「ゲームキューブ」である

「なんで任天堂とマイクロソフトがあるのに、SCEだけ無いんだよ!不条理ってレベルじゃねぇぞ!」

常識的に考えて、不条理なのはMSKKの方である
そんな訳でMSKKも適当に返事を返す

「それも面白いからいいじゃん、ボクも仕事の時間をスマブラに費やした結果5日で全キャラ揃えました(キリッ」
「仕事しろよ!!」

と、二人のゲーマーが小競り合いをしている中、金髪をなびかせた変な生物が駆け寄ってきた

「みんな〜」

なごみボイスを上げながら、ポカンとしてる二人のそばへ行き、おもむろに自己紹介を始めた

「大丈夫だった?ボクはクラウドと言いま…」
「今取り込み中なんだよオイ!邪魔するんじゃねぇ!」
「勘弁して欲しいお。我が社に一切の責任はありません」
「うるせー!」

MSKKの対応にキレたベルジャネーゾは、ゲームキューブの取っ手を掴み、ブンブンと宙で振り回した

「コレ危ない!危ないよコレ!」
「確かに危ないお!暴力反対だお!」
「なら保証してくれよMSKKー!!!プレステ3をよーーー!!!!」

9 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:12:29 ID:eZQbASKA0

  |ヽ∧_
  ゝ __\
  ||´・ω・`| > やめなよ
  /  ̄ ̄  、ヽ
 └二⊃  |∪
  ヽ⊃ー/ノ

興奮するベルジャネーゾに対し、冷静な声が投げ掛けられる
そのままクラウドさんは静かな口調で続けた

「MSKKさんのが正論だよ。普通にひろゆきのせいだし、SCEじゃなくてむしろビックカメラさんの不手際だよね」
「うっ…」

クラウドさんに諭すような口調で言われ、ベルジャネーゾは我に返る

「そうだお!うちにクレーム付けるなんてめちゃくちゃだお!」
「す、すまなかった…怒りのあまり、自分を見失っていた…」
「まぁ、いきなりこんな場所に飛ばされたわけだし、混乱するのも仕方ないよ
 とりあえず落ち着いて、三人で協力してこの殺し合いから脱出する方法を考えようよ」




クラウドさんの冷静な対応によってその場は丸く収められた
彼らはお互いに自己紹介をし、そしてそれぞれの支給品を確認することにした

「みんな何が入っていたお?」
「ボクのには、エルメスのティーカップに牛丼の大盛りねぎだくギョク、あと…」

そこでクラウドさんはデイバックから鉄の棒を取り出した
先端が赤く塗られており、なおかつフック状になっている

「何て言うんだろう?このバールのようなもの」
「他二つが正式名称言えるのに、それだけわからないのか…」
「なんだよ、武器らしいものが入ってるじゃねぇか!俺の支給品なんて、殺し合いしろってレベルじぇねぇぞ!」

そう言って彼がバックから取り出したのは先ほどのゲームキューブとお守りだった

「ゲームキューブの時点で武器ってレベルじゃねぇし、お守りとか気休めレベルじゃねぇか!」

またしても憤慨するベルジャネーゾに対し、MSKKは沈んだ表情をしていた

「二人ともまだマシだお…ボクなんて、きゅうりと『イオナズン』の巻物だったお…」


そう言ってデイバックをひっくり返すと、バラバラと10本ほどのきゅうり、
そして達筆で『いおなずん』と書かれた紙が出てきた

「こ、これでどうやって戦えばいいんだお…」

MSKKはorzの体勢でシクシクと涙を流す
その様子を見たベルジャネーゾはため息一つついて、デイバックに手を突っ込んだ

「…ほら、こんなのしかないがよければ使えよ」

ベルジャネーゾはゲームキューブの取っ手を掴み、MSKKに差し出した

「さっきは本当にすまなかった、これで許してくれないか」
「えっ…で、でも…」
「気にするな、俺が欲しいのはプレステ3だけだ」
「いや、ていうか個人的にライバル社の製品は使いたくないお」
「わがままってレベルじゃねぇぞ!!」

またしてもしょうもない小競り合いが起きようとしていた
しかし、残念ながら彼らのアホらしい争いは二度と繰り返されることは無かった

           ____  ・
       /:::::::::●∴∴∴
      /::::::─三三─\・
    /:::::::: ( ○)三(○)\    ターン…
    |::::::::::::::::::::(__人__)::::
     \:::::::::   |r┬-|   ,/ .
    ノ::::::::::::  `ー'´   \ 
  /:::::::::::::::::::::
 |:::::::::::::::::  MSKK



乾いた音が建物の壁に反射して響きわたり、次の瞬間MSKKの額には、大きな風穴が開いた

10 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:13:06 ID:eZQbASKA0

「MSKK!!」

ベルジャネーゾは崩れ落ちるMSKKを抱き抱えて叫ぶ
MSKKは頭は銃弾が貫通しており、ダクダクと血を流したままピクリとも動かない
脳を貫かれており、即死していた
クラウドさんは即座に銃弾の飛んできた方を確認する
自分たちがいる路地から少し離れた場所に、着ぐるみサイズの猫が狙撃銃を構えていた

「不意打ちはあまり好きじゃないが、呑気に油断してるおまいらが甘いんだからな」

猫、もといモララーはそう言って狙撃銃をしまうと、今度は右手を軽く開いて前に突き出した
彼の手から赤い光が伸びて、そこには真っ赤に輝く刃が握られていた

「よ、よくも…!」

ベルジャネーゾが怒りを込めてモララーを睨み付ける
だが次の瞬間、モララーは刃を振り上げ、目にも止まらぬ速さでベルジャネーゾへ向かって駆け出す

―――ガギィ…ン!!


鉄同士がぶつかり合う鋭い音が響き、クラウドさんのバールのようなものと、赤い刃が交わった

「ベルジャネーゾさん、早く逃げなよ」

そう言うとクラウドさんはバールのようなものの先端のフックを引っかけ、赤い刃を弾き飛ばした

「路地からでたほうがいいよ」

クラウドさんに促され、ベルジャネーゾは二人分のデイバックを抱えて逃げ出していった


その様子を見てモララーは不敵な笑みを浮かべる

       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧ |へぇ、紳士的なもんだな
 ( ・∀・)< 弱い者は守ってやるってか?
 (    )|どっちにしろ、一人しか生き残れないというのに
 | | |  \__________
 (__)_)

「もうやめなよ、こんなの無駄な争いだよ」

モララーは嘲るかの如く笑うと、飛び退いてクラウドさんから距離を取る

「無駄なものか、優勝すればどんな願いでも叶えてもらえるんだからな!
…でもまあ、こんな初っ端から君みたいな実力者を相手にするのもキツいしな。ここは降りさせてもらうよ」

そう言うとモララーは路地裏の闇へと姿を消していった


その場に静寂が戻り、取り残されたクラウドさんはMSKKの亡骸を背負いあげる

「まずはベルジャネーゾさんと合流しよう、そのあと彼を埋めてあげられる場所を探さないと…」

そう呟いて彼は月明かりの照らす路地をテクテクと走っていったのであった



【MSKK@ゲームハード 死亡】

11 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:13:22 ID:eZQbASKA0
【B-4/1日目・深夜】

【レベル男@ゲームサロン】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:ゲームキューブ@現実
[道具]:基本支給品一式、忍法帳、PDA、お守り@寺生まれのTさん、きゅうり×10@なんJ、イオナズンの巻物@FLASH「イオナズン」
[思考・状況]
基本:生き残る
1:猫(モララー)から逃げる
2:MSKK…

【クラウドさん@ゲームハード】
[状態]:健康
[装備]:バールのような物@現実
[道具]:基本支給品一式、忍法帳、PDA、エルメスのティーカップ@電車男、大盛りねぎだくギョク@吉野家コピペ
[思考・状況]
基本:みんなと協力して、殺し合いから脱出する
1:レベル男と合流する
2:MSKKを埋葬する
3:猫(モララー)を警戒

【モララー@AA(FLASH「Nightmare City」)】
[状態]:健康
[装備]:モシン・ナガンM28(4/5)@現実
[道具]:基本支給品一式、忍法帳(Lv01)、PDA、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:優勝狙い
1:殺し合いに乗る、強者はなるべく後回し
【備考】
※出典元により、自在に赤い刃を作り出す能力を持っています


【支給品紹介】
【ゲームキューブ@現実】
ゲーム機の中でも、最も強力な武器になると言われているハード
持ち手を掴んで振り回せばカドも相まって高威力の鈍器になる
また、耐久面も抜群に高く、階段から落とそうが余裕で機能するぞ!

【バールのようなもの@現実】
殺人犯が凶器として使用することがある、頑丈な鉄の棒
蓋とかをこじ開ける工具のバールに近い形状だが、バールかどうかは断定出来ない

【エルメスのティーカップ@電車男】
電車内で酔っ払いに絡まれている女性を助けたところ、お礼として送られてきた品

【大盛りねぎだくギョク@吉野家コピペ】
吉野家通の中で最近流行している牛丼の頼み方
ねぎだくというのはタマネギが多めに入ってる、そん代わり肉が少なめ
そんで大盛りギョク(玉子)、これ最強
なお、これを注文すると次から店員にマークされる諸刃の剣であるため、素人にはおすすめできない

【お守り@寺生まれのTさん】
夜、金縛り状態でノコギリを持った男が現れるという悪夢に苛まれている人が、Tさんから渡された手製のお守り
枕元に置いて寝たところ、悪夢から身を守ってくれた。寺生まれはスゴイ

【きゅうり@なんJ】
なんでも実況Jの原住民によって信仰されていた野菜

【イオナズンの巻物@FLASH「イオナズン」】
これを読めば誰でもイオナズンを習得できる画期的な支給品
イオナズンは敵全体に100ヒットポイント以上のダメージを与えられる魔法
履歴書の特技欄に書いても恥じないレベルである

一応説明書がデイバックに入っているが、MSKKは気づかなかった
現在、クラウドさんとレベル男が習得している

【モシン・ナガンM28@現実】
フィンランド軍が生んだ最強のスナイパー、白い悪魔ことシモ・ヘイヘが愛用していた狙撃銃
…というと聞こえはいいが、単にソビエト軍の主力武器として使用されていた普通の狙撃銃
装弾数は五発


【出典詳細】
FLASH「Nightmare City」
第三回紅白フラッシュ合戦にてMVPを獲得した、み〜や氏のFLASH作品
2chAAたちが戦うアニメーションで、モララーは敵役として登場する

12 ◆m8iVFhkTec:2012/10/06(土) 12:15:13 ID:eZQbASKA0
以上です
誤字脱字、ご意見、問題点などがありましたらご指摘お願いします

13 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:47:16 ID:Ca37adFg0
日本鬼子、鬼女を仮投下いたします

14 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:48:25 ID:Ca37adFg0
鬼女は激怒した
必ずや、かの邪智暴虐のひろゆきを社会的に抹殺せねばならないと決意した
彼女は家庭においてはごく一般的な可愛い奥様である
だが、インターネットの世界では、未成年犯罪者や不正行為で私腹を肥やす企業などを社会的に抹殺する組織『鬼女』の一人である
たった一枚の写真から住所を割り出し、またたく間に個人情報を暴いてネットに公開する…
そんな彼女たちの情報収集能力は、CIAにも匹敵するとも言われている

もちろん暇つぶしで行うこともあるだろうが、彼女たちの原動力はそれだけではない
『正義感』
既に3人の命を奪い、そして多くの人間に殺し合いを強要したひろゆきの所業は許されるべきではない
絶対に吊るし上げられなければならない!決して逃がしたりはしない!

「待ってなさいひろゆき…アタシから平和な日常を奪った罪、必ず後悔させてやるわ!」

一人で行動しても勝ち目はない、まずはコネクションを作らなくてはいけないだろう
多数派の力こそが、相手を追い詰めるのに最も容易で、何よりも強大なのだから

近くに落ちているデイバックを拾い上げたところで、彼女はすぐ近くに神社があるのに気がついた
こんな道の真ん中で中身を確認するのも良くないし、とりあえず神社内へ行こう
石段を登り、鳥居をくぐったところで、彼女は神社の前に人影があるのに気がついた


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「う、うぅ〜ん…」
日本鬼子(ひのもとおにこ)は小さくうめき声を上げながら目を覚ました

ここは一体どこなのでしょうか?
変な男に突然「殺し合いをしてもらいます」などととんでもないことを言われましたが…

先ほどの変な空間ではないみたいです
ひんやりとした空気から、おそらく室外だとは思いますが…

鬼子は目をこすり、周囲の様子を確認する
やけに眩しく感じていたが、どうやら電灯の光の下にいるようである
木製の床、目の前には木箱…というより賽銭箱が置かれており、天井には大きな鈴とそこから垂れる紅白が織り込まれた紐…
そう、おそらく自分は今、神社の屋敷の扉の前にいるのだ

鬼子は着物の裾をはたきながら立ち上がる
なんとなく賽銭箱の前に立ち、鈴を鳴らしてみた
深夜の静まった世界に、ガシャンガシャンと頼りない音が響く、ついでに手を二回ほど叩いて祈っておく
とりあえず無事に帰れるようにと願っておいた。賽銭が無いのが残念である
目を開けて下を見ると、足元にデイバックが転がっていることに気づいた

あの男、確か名前を「ひろゆき」と言っておりました
罪のない女性と、勇気ある男性、そしてアザラシのような生き物を殺めた非道な人物
まともな人間の所業では無い、おそらく彼は心を『鬼』に取り憑かれた被害者なのではないでしょうか?
もしもそうであれば、彼の心に住まう鬼を退治するのは私の役目です
このデイバックの中には、その「殺し合い」をさせるための武器などが入っているのでしょう
どうか、これ以上被害者を増やさないためにも、私の力になってくれる道具が入っていますように…

願いも虚しく、日本鬼子は困惑せざるを得なかった
デイバックの中に入っていたのはトゲトゲした変な剣、なんか変な雑草、そして画面ばかりでボタンの無い変な機械が出てきた
付属されている説明書に目を通すも
『グラットンソード:高い攻撃力を誇る片手剣。全ステータスが-1されるが、VITが+7される』
『これね、ミキプルーンの苗木』と、意味不明の一言
機械の方に至っては説明書が付いていなかった
剣はともかく、他の二つはどうやって扱えばいいのかさっぱりわからない…

と、その時、石段を歩く足音が響き、一人の女性がこちらに近寄ってきた
鬼子は反射的に剣を女性に向けて、質問をぶつけた

「…貴女は殺し合いには乗っていますか?」
「いいえ安心して、私は殺し合いには反対派よ。アナタのような若い女の子まで巻き込まれてるのに、怒りを感じるほどよ」

女性は柔和な顔でそう言う
そして、自分に向けられている剣をチラリと見て、なだめるような口調で話した

「だから、その物騒な剣を降ろしてもらえるかしら?」
「いいえ、まだ信用には足りませんわ。油断させて闇討ちすることも考えられますもの」

依然として警戒を解かない鬼子に対し、鬼女は大きく息を吐くと静かな口調でこう言った

「…そう、それじゃあ、アタシの思いを聞いてもらえれば信用してくれるかしら」
「ええ、話してみてください」

15 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:49:51 ID:Ca37adFg0
鬼子が了承した直後、女性の顔から柔らかな笑顔が消えた
目をカッと見開いて、歯をむき出しにし、叩きつけるような口調で早口で語りだした

「アタシはね、他人の命を軽々しく奪って平気な顔をするゴミクズみたいな人間が死ぬほど嫌いなのよ!
 アナタ知ってる? 最近のいじめは、『ある一人の子をいじめて、その子が何日で自殺するか』だなんてゲーム感覚で行うところもあるらしいのよ?
 しかも未成年を理由に、犯罪を犯してもテレビでは名前も顔も明かされない!少年院に入っても数年後にはケロリとした顔で出てくる!
 こんなバカみたいな話ほかにあると思う? いじめられて苦しんで、悩んで、そして自殺した子供は未来を奪われたのに、
 ゲーム感覚で『人殺し』をしたクズは、大したペナルティを受けずにのうのうと生きていけるのよ?
 アタシはこんな事絶対許させるべきじゃないと思うの! だからこそ、アタシたちがそいつらを社会的に抹殺しないといけないの!
 この殺し合いだってそうよ! 罪のない人同士で命を奪い合わせて、その様子を見てほくそ笑む奴らがいるってことよね?
 アタシたちはそんな悪党を野放しにしてはいけないの! 必ず報いを与えなくてはいけないの! だから私はこんなふざけた殺し合いには乗らない!!
 絶対に、ひろゆきを縛り上げるの! 絶対にあの野郎の思い通りにさせてはダメなの!! わかった!?」

話している間の彼女は、出会い頭の印象は完全に消え去っていた
その姿はまさに『鬼のような形相』というのに相応しい表情だろう

「…とまぁ、アタシの思いはこんな感じね」

力説が終わったところで、女性の顔は一瞬で元の柔らかな笑顔に戻っていた
何故だか自分が怒られているような感覚に陥っていた鬼子は、思わず安堵の息を漏らした
若干泣いていたかもしれない

「す、スミマセンでした…ご、誤解しておりましたわ…貴女はとても信頼出来るお人柄のようです…」
「わかればいいんですわ」

はぁ…正直この方にも鬼が宿ってるのかと思いましたわ…
でもどうやら悪いお人では無いみたいです、ギャップが恐ろしすぎますけれども…

「おっと、申し遅れましたわ、私の名は日本鬼子と言います。」
「あら、変わった名前ね!えーっとアタシは…」

と、女性は名乗ろうとしたところで何故か言葉を止めてしまった
その様子に不思議そうな顔をする鬼子

「どうかなさったのですか」
「おかしいわ…自分の名前が思い出せないなんて…」

それはまるで、記憶にフィルターが掛かっているかのように思い出すことができなかった

氏名を記入してる時、誰かに名前を呼ばれた時
どれを思い出しても、そこだけぼんやりと掠れていた

「…これもひろゆきの仕業に違いないわ! アタシの日常だけでなく、記憶まで奪い取るなんて…万死に値する!」

彼女は大いに憤慨し、ひどく物騒な単語まで飛び出してきた
またしても顔が恐ろしいことになって来たので、鬼子は慌てて話を逸らそうとする

「そ、そうですわ! 私、この支給品がよくわからないんですの!機械が滅法苦手なもので…」

そう言って鬼子はデイバックを開き、先ほどの変な機械を取り出して見せた

「あら、それがひろゆきの言っていたPDAよ」
「ぴーでぃーえー…ですか。よろしければ私に使い方を指南して頂けませんか?」
「いいわよ、こう見えても昔はSEやっていたから、機械には詳しいのよ」

しすてむえんじにあ…? と呟く鬼子を尻目に、女性は自らのデイバックからPDAを取り出す

ちょうど手のひらに収まるサイズで、電源ボタンのみが側面についている
表側全体が液晶に、裏側にはタッチペンを収納する穴と、カメラのレンズが付いていた

女性は電源を付け、しばらく一人で機能の把握に努めた

「ふーん…」だの「ハァ!?」だの呟きつつも数分後、「OK、簡潔に説明するわ」と口を開いた

「まず、主な使える機能は、カメラ、手書きメモ、ボイスレコーダー、GPSマップ…つまり現在地のわかる地図
 あと2ch、そして忍法帖プログラムね」

16 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:51:11 ID:Ca37adFg0

女性はおもむろにレンズを鬼子に向けて、画面をタッチする

「今写真を撮ってみたんだけど、こんな風にシャッター音が鳴らないみたい
 つまり、盗撮するのには打ってつけだわね」

口調こそ皮肉が込められているものの、表情はニヤニヤとしていた
この機能はもちろん、盗撮よりもスパイ目的に使用するのに非常に都合が良い
そうして、画面左下の『戻る』ボタンで最初のメニューへ飛ぶ

「カメラで撮った写真とか、メモとかはこのデータフォルダに保存されるわ
 あと、肝心のインターネット機能なんだけど、どうも2ch以外のページにジャンプしても、『404エラー』が発生するわ」
「えっ?えーと…、じゃんぷ…? よんぜろよん…?」
「つまり、2ch掲示板しか見れないのよね」
「はあ、なるほど…」
「2chのスレッドは全て閲覧可能だけれど、キーボードやボタンが無いから書き込みが出来ないわね
あと、ひろゆきが言ってた特設板ってのが、この『バトルロワイヤル板』って言うスレね」

鬼子が画面を見ると、以下のように書き込まれていた

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1 名前:ひろゆき:20XX/09/01 00:00:00 ID:??????
  この板では6時間毎に脱落者、禁止エリア、殺害者の実名をこちらに掲示します。
  それ以外にも諸君に伝えたい情報があるときは随時ここでお知らせするので、時々見ていただければと思います。
  なお忍法帖プログラムは『オーナー情報』から行えるので、恩恵を利用したい人はそちらからどうぞ。

  ちなみに開始前に脱落した不運な参加者は
   S県月宮
   荒巻スカルチノフ
   室伏広治
  の三名です。

  それでは、皆様がご活躍出来ることを期待しております。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「禁止エリアとやらがあるので少なくとも六時間毎…
 しかし、いつ緊急連絡が入るかわからないので、時々は確認する必要があるのですね…」

女性はそこでインターネットを閉じて、『オーナー情報』を開く

「忍法帖プログラムなんだけど、ここで自分のレベルの確認と、レベルに応じた恩恵のオーダーが出来るみたいね」

無論、今表示されているレベルは0
誰かを殺すことでレベルが上がり、表示が更新されるのだろう

「…おや、こちらに書かれているのは貴女のお名前では無いのですか?」

オーナー情報の画面上部には『鬼女』の二文字が書かれていた
それを見て、女性は小さくため息をついた

「いいえ、『鬼女』って言うのはアタシがよく利用している既婚女性板の住民の通称よ
 だからこれはアタシの本名じゃないわ…

確かにアタシは鬼女だけれど、これじゃまるで、私自身の存在を否定されてる気分じゃない」
「………」

『鬼女』さんはPDAの電源を切り、寂しそうな顔をして深くため息をついた
なにか慰めの言葉をかけるべきなのでしょうが、私にはなんと言えば良いのか思い付きません
名前を奪われることの辛さは、私には想像することが出来ませんでした

しばらく沈黙が続いたところで、鬼女は気持ちを切り替えたかのように声をあげた

「さぁ、こんなことは後回しよ!早く他の味方を探さないと!」

その時、鬼子はピーンと思い付いた顔をして、そして鬼女の言葉にこう答えた

「わかりました、これからお互いに頑張りましょう! 『おにめ』さん」
「えっ…? おにめ…さん?」

唐突に呼ばれた名前に、鬼女は驚いた表情を浮かべる

「ほら、『鬼女』と言う文字は『おにめ』とも読むことが出来ますわ!
 ですので本名を取り戻すまでは、代わりにこちらを使用して頂くというのはいかがでしょうか?」

17 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:51:33 ID:Ca37adFg0

と、ここまで説明したところで、鬼子は不意に恥ずかしくなってきた

「…あぁ、私としたことが…やはりこれでは安直過ぎますし、お気に召していただけませんわ…」

すると、顔を紅潮させる鬼子に対し、鬼女は微笑んでこう答えた

「ううん、そんなことないわ!素敵な名前を付けてくれて、とっても嬉しいわよ
 それに、鬼子ちゃんとお揃いみたいで、いいじゃない!」
「本当ですか! そう言って頂ければ、私も嬉しいです」

電灯の光だけが照らす、薄暗い神社の中で二人はお互いに微笑み合った
そしてこの二人の鬼は殺し合いを打破するために手を取り合ったのである
これから彼女たちに何が待ち受けるのか…それはまだ誰にもわからない

【A-3 神社境内/一日目・深夜】

【日本鬼子@創作発表】
[状態]:健康
[装備]:グラットンソード@FF11
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ミキプルーンの苗木@ミキプルーンコピペ
[思考・状況]
基本:殺し合いを打破する
1:鬼女と協力する
2:早くPDAを使えるようにしなくてはいけませんね…

【鬼女@既婚女性】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本:殺し合いを打破する
1:鬼子を信頼、協力する
2:殺し合い打倒派の協力者を集める
※自分の本名がわからないため、仮名として『鬼女(おにめ)』と名乗ることにしました

《支給品解説》

【グラットンソード@FF11】
ナイトの武器の中で最高峰と言われる剣
片手剣だが、大振りになるところを見ると、そこそこの重さだと思われる
VIT+7とは、簡単に言えば被ダメージを大幅に軽減出来ると言う効果を意味する
出典元では装備可能レベルが存在するが、本ロワにおいては誰でも装備可能
ただ、他人へ譲渡することが出来ない仕様となっている

【ミキプルーンの苗木@ミキプルーンコピペ】
説明書には苗木と称されているものの、実際は校庭に生えている雑草

18 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:52:47 ID:Ca37adFg0
以上です
修正点や問題点などがありましたらご指摘お願いします

19ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/20(土) 17:34:24 ID:KmCWF9ds0
乙です
拝見いたしましたが、特に問題点や修正点は無いかと思われます

20 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:17:39 ID:3CceV7DI0
やきうのお兄ちゃん、一等自営業を仮投下します
仮タイトルは『自営業「では、教育してやるか」彡(゚)(゚)「えっ」』です

21 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:18:01 ID:3CceV7DI0
J( 'ー`)し「あなたが壁殴り代行さんね」


J( 'ー`)し「私の息子の胃腸壁を殴って欲しいんだけど…」
代行「かしこまりました」

#aa(){{{
          (゚)(゚)ミ
  (  ´・ω)  ノ   ミ 
 γ/  γ⌒ヽ  つ  (  ウッ…
 / |   、  イ(⌒    ⌒ヽ
.l |    l   } )ヽ 、_、_, \ \
{  |    l、 ´⌒ヽ-'巛(  / /
.\ |    T ''' ――‐‐'^ (、_ノ
        |    |   / //  /
}}}




「ファッキューマッマ!!!」

やきうのお兄ちゃんは怒りの言葉を吐きながら飛び起きた

彡(゚)(゚)「な、なんや…夢か…」

今の母親の畜生発言が現実でないことを知り、胸を撫で下ろした
ここ最近、マッマが自分に対して尋常ではないほど辛辣であることを思い出す
以前は、「ご近所に住んでた○○君、課長に昇進したらしいわよ、一方アンタは…」だとか、
「○○さん、もうすぐ二人目が産まれるそうよ。…まぁ、うちは孫の顔は見れなさそうね」とか、
心に突き刺さる嫌みをネチネチと言ってくる程度だった
しかし、今年に入ってからは、食事中に「おい、嫌なやつがメシ食ってるぞ!」とか罵ってきたり、
「母監督は息子選手に戦力外通告しましたwwwwww」とか言って家から追い出そうとしたりと日に日に過激さが増している

まあ、マッマも自分に働いて欲しいからそういう散々な事をやってるだけであって、
まさか、今の悪夢のように本気で息子を殺しに来たりはしないだろう…多分

それにしても悪夢なんて久しぶりに見たものだ
おそらく自分のストレスもマッハなのかもしれないな…まだ働きたくはないが
せっかくだし、スレでも立ててこれをネタとして消費しようかな…と思い、パソコンに向かおうと起き上がった

「…ん? ていうかワイ、なんで外にいるんや」

そこはいつもの自分の部屋ではなく、深夜の草むらの真ん中であった
一瞬、寝てる間に母親に外へ放り出されたかと思った
いや待て、悪夢を見たせいで忘れていたが、よく考えれば何か変なことに巻き込まれてなかったか?
確か自分は変な広い場所にいて、ひろゆきがヘラヘラと現れて、そして…

―――皆さんには最後の一人になるまで殺し合いをしてもらいます。

そうだった…!今自分はひろゆきが言う『殺し合い』に巻き込まれたのだ!
…といきなりそんな事言われても、あまり実感が湧かなかった
もしかすると、何かの冗談かもしれない
…いやでも、現にひろゆきは何人かを目の前で爆殺していたが…では本当なのか?
…寝起きのせいか頭が働かない…ていうか、普段からあんまり頭を働かせて無かっ…



「お前は殺し合いに乗るつもりはあるか?」



突然耳元で聞こえたドスの効いた低い声と共に、やきう兄の思考は停止した
続けて首を腕で押さえ込まれ、カチリと自分の頭に重い鉄のような物を当てられた、

22 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:18:44 ID:3CceV7DI0
寝起きでぼんやりとしたやきう兄の頭は一瞬で覚醒せざるを得なかった
そう、ぼーっとしている間に、背後から軍人か誰かに押さえられて銃を向けられているのだ
自分の命が相手に握られている…その状況は『殺し合い』の場であることを痛感するのに充分だった

「乗るつもりかと聞いている!? さっさと答えろ!!」
「ま、待て! 殺さんといてくれ! ワイは乗るつもりないで!」
「この状態なら誰でも同じことを言う、信用出来ん!」
「ホンマ、ホンマや!ワイはただのしがないニートやからホンマ!助けてくれ!」

やきう兄は必死に命乞いをする
相手に有害だと判断されればそこでジ・エンド、絶体絶命の危機なのだ
自分は無害で、ついでに無学で…といったいらないことまで言う
やがて、やきう兄の必死の思いが通じたのだろう
チャキッと音がして銃が下ろされ、拘束も解かれた

「いいだろう、信用しよう」

恐怖で激しくなった動悸を押さえながら、自分を拘束した相手の姿を見る
そこにいたのは軍人ではなく、ごく普通の初老の男性だった

「いやぁ、驚かせてすみません。でも貴方が殺し合いに乗っているか確かめたかったものでね」

先ほどの威圧感を微塵も感じさせない、人の良さそうな声
おそらくさっきのは声色を作っていたのだろう

「なんや…ひどいやっちゃなぁ…」
「ははは、こう見えても私はミリタリー系には詳しいものでね、稚拙ながら軍人の真似事をさせていただきました
 普段は軍事系漫画を書いてるんですよ。私のことは、一等自営業と呼んでください
貴方は妙な容姿ですが、話を聞く限り信用出来そうでなによりですよ」

そう言って手際よく拳銃の安全装置を付け、ズボンのポケットに納める
慣れた手つきだ。おそらく、普段からモデルガンなどで練習していたに違いない
それにしてもこの男、どうしてそんな拳銃を持っているのだろうか?

「なぁ一等自営業さん、あんたのその拳銃はモデルガンちゃうよな?どこで手にしたんや?」
「おや、貴方にも鞄が支給されてるはずですよ。ほら、そこにあるじゃないですか」

一等自営業が指差す方を見ると、確かにそこには鞄が転がっていた
よく見たら、さっき自分が枕にして寝ていたものだった
これは灯台もと暗しってやつだろうな、うん。いや、断じて自分が抜けているわけではない

やきう兄はデイバックを拾い上げるとそのままひっくり返し、中身をドサドサと全て取り出した
携帯食糧や地図、PDAなどの他に、きのこの山、たけのこの山、PSPが入っていた

「えっ…、ワイのには武器入っとらんぞ…」
「んー…? 説明書にはこのゲーム機が武器だって書かれてますね」
『PSP:私はこのPSPのおかげで、女の子を襲う三人のチンピラを撃退しました
四つの血だるまを見て思う、持っててよかったPSP』

「なんやこの説明! 人をバカにしてるやろ!」
「どうやらハズレ引いちゃったようですね
まぁ、私が拳銃持ってますし、これから協力して生きて帰りましょうよ」

気さくに慰める一等自営業だが、やきう兄は内心穏やかではなかった
(なんでこんなおっちゃんが立派な拳銃を手に入れて、ワイがおもちゃなんや…
欲しいわぁ拳銃…自分の身を自分で守れんのがこんなに不安だとはな…)
この殺し合いに呼ばれた者はみんな凶器を持っているに違いない
そんな中で、自分が丸腰なのは耐えられない
拳銃が欲しい…、こいつが持つ拳銃がどうしても欲しい…
やきう兄は羨ましそうに、一等自営業の拳銃を見ていた




「なぁ一等自営業さん、せっかくやし、ワイにその拳銃の使い方とか伝授してくれへんか?」

23 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:19:45 ID:3CceV7DI0
黄色い変なニート君はそう言ってきた
その言葉に僕は思わず心踊っていた
自分の軍事知識を披露できるとなれば、誰でもウキウキするだろう

「よく聞いてくれましたねぇ、それじゃあ説明しましょう! この拳銃はH&K USPって言って、ドイツ軍によって開発されたハンドガンでね…」

この拳銃にまつわる話や、使い方を説明する
ニート君はとても興味深そうな目をして僕の話を聞いてくれた
生きて帰れたら、ぜひとも僕の漫画も読んで欲しいものだ
きっと彼にも兵器のカッコよさや魅力を知って貰えるだろう

安全装置のかけ方、弾の込め方、そして拳銃の正しい構え方…一通りの説明が終わった
結構詳しく話したし、これでいざという時は彼にも扱えるだろう

「いやーホンマに勉強になるわー。拳銃ってやっぱり、男のロマンやな」
「おお、貴方にもこのカッコよさをわかって貰えましたか!」
「せやな、ワイもその方面にハマりそうやで。 …そんなわけで一度ワイにそれ貸してくれんか? やっぱり実際に手で持って練習してみたいわ」
「もちろんいいとも! モデルガンじゃなく、いきなり本物に触れられるとは、貴方は幸せもんですよ!」
「ホンマか、ほな試してみるわ」

拳銃を渡すと、彼は僕が教えた通りに弾倉に弾を込めていった
その手付きはなかなかのものだった
これは僕の教え方が良かったようだ

「ほんで、こうやって安全装置を外して、こう構えるんやな」
「そうそう、いやぁ覚えが良くて素晴らしいですね
他にも知りたいことがあれば何でもお話ししますよ!」
「いや、もうその必要はないわ」
「えっ、どういう意味で…」

呆気に取られた直後、彼はクルリと銃口をこちらに向けてきた

引き金が引かれ、強烈な破裂音と共に腹部に強い衝撃、そして激しい激痛が走る…

血反吐を吐き、一等自営業は膝をついてそのまま倒れ込んだ

「なっ…何を…?」
「いやーホンマ助かるで。正しい武器の使い方を学んだし、強力な武器も手に入ったしなー」
「そんな…最初からこのために僕の話を聞いていたのか?
僕は軍事系の素晴らしさを君に伝えようと思ったというのに…」
「正直使い方だけでよかったわ
ワイは野球以外にはそれほど興味ないんでね
まぁ、これで生き残れる可能性もぐんと上がったんやし、感謝しとるわ(ニッコリ」
「僕は…君を信用していたというのに…最低なやつだよ!お前は!」

僕の意識が遠ざかっていく
許せない…許せない野郎だ…ふざけるな…!

「ち…ちくしょう!!いつか殺してやる!!!」
「畜生やて? ハハ、よう言われますわ」

僕は黄色い化け物野郎のニヤニヤした憎らしい顔を睨み付けた
しかし、徐々にその腹立たしい顔もぼやけていった…

ふざけやがって…チクショウ……畜生…………







彡(^)(^)「やったぜ」

そう呟いて、手際よく拳銃に安全装置をかける
撃つときはだいぶ緊張と恐怖があったが、終わってしまえばスカッとしたものだ
そう、自分が生きるためには誰かが犠牲にならなくてはいけないのだ、だから仕方ないのだ

24 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:20:08 ID:3CceV7DI0
そうして、一等自営業のデイバックを拾い上げ、ひっくり返す
拳銃以外にも何か役立つ物が入っていればいいのだが…
中から出てきたのは木製のバット、そしてキラキラと輝く粉だった
言わずもがなやきう好きの彼は、思いがけない品に喜んだ
そして粉の方は『ひかりのこな』と書かれていた
説明によると『一定の確率で、相手の攻撃を回避出来る』そうだ
原理はよくわからないが、持っているだけで生き残れる可能性が上がるのは確実だろう

さぁ、さっさとここから離れてしまおう
地図によればこの付近に野球場があるらしい
他の目処も立ってないし、とりあえずそこへ向かうことにした


【F-1/一日目・深夜】

【やきうのお兄ちゃん@なんJ】
[状態]:健康
[装備]:H&K P8@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、きのこの山@現実、たけのこの山@現実、PSP@現実、木製のバット@現実、ひかりのこな@ポケットモンスター
[思考・状況]
基本:生き残り最優先
1:やったぜ
2:野球場へ向かう
3:マッマは流石におらんよな…?









やきう兄が立ち去ってから数分後、小さなうめき声が聞こえた
一等自営業は腹部を撃ち抜かれたものの、すぐには息絶えていなかった
しかし依然として出血は止まっていないため、このままでは力尽きるのは明らかだ
苦痛に耐えながらも一等自営業は、アスファルトに血文字で「黄色 化け物」と書き記す

このまま死んでたまるものか…!絶対にあのクソッタレ野郎に報いを与えてやる…!
僕は甘かったんだ…この場で簡単に人を信用するなんて愚かな行為だったようだ…
あぁ、僕の命が続いているあいだに、誰か『お人好し』が通りがかって助けてくれればいいのだが…
もし一命を取り留めることが出来たならば、必ず…必ず復讐してやる…!

今彼に出来ることは誰かに助けを求めることだけであった
だが、信用することを愚かだと判断した彼の思考は、少しだけ歪み出したと言える




【一等自営業@軍事】
[状態]:瀕死、怒り、精神不安定
[装備]:
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)
[思考・状況]
基本:殺し合いから生きて帰る
1:誰かの救いに期待する
2:黄色い化け物(やきうのお兄ちゃん)を殺す
※数時間このままだと力尽きます
※死んだ時のためにダイイングメッセージを書き記しました
 「黄色 化け物」

25 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:20:20 ID:3CceV7DI0
《支給品紹介》

【H&K USP@現実】
ドイツの銃器メーカー、ヘッケラーアンドコッホ社によって作られたセミオートハンドガン
汎用性が高く、ドイツ連邦軍や、日本警察のSATで採用している

【きのこの山@現実、たけのこの山@現実】
きのこ厨とたけのこ厨によって日々行われている戦争
この戦争によって数多くのきのこたけのこが犠牲になってきたという…
なお、両者の争点は「どちらが美味しいか」である

【PSP@PSPコピペ】
日々の生活に潤いをもたらしてくれる、と言う内容のコピペが主だが、
特に有名なのが「女の子に絡むチンピラを倒す」ネタだろう
PSPキックやPSP裏拳、PSPエルボーにPSPチョップ…どれもPSP要らないし、一人余分に殺ってしまっている

【木製のバット@現実】
やきうで使うバット。一般的にはスポーツで使うが、こういう場ではやっぱり手頃な鈍器に

【ひかりのこな@ポケットモンスター】
持たせると敵の攻撃の命中率を0.9倍にするアイテム
ポケモンでは様々な対戦理論があるが、一部では「光の粉を持たせて攻撃を全部回避すれば絶対勝てるwwwwwwササッwww」と言う、
回避論理が提唱されているとかいないとか

26 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:22:13 ID:3CceV7DI0
以上です
どうにもシリアス系が苦手です

27ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/26(金) 22:50:34 ID:myjPB5LE0
仮投下乙です
本文中や支給品説明ではUSPになってますがやきうのお兄ちゃんの状態表ではP8になっていますね
それ以外は、特に問題無いかと思われます

28 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 23:16:04 ID:3CceV7DI0
指摘ありがとうございます
修正して投下いたしました

今回、武器名は「バイオハザード 銃」で検索して、目に付いたのを採用してます

29 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:10 ID:oC4wYm7A0
川越達也、オエー、マウンテンバイク仮投下します
仮タイトルは「川越シェフがバトルロワイアル中に料理してる画像ください」

30 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:29 ID:oC4wYm7A0


 はい、それではですね、殺し合いの最中ですが、ちょっとしたお料理を作ろうかと思います。
 せっかく、良い"お肉"が手に入ったので、つい我慢できなくなりまして。
 さて、さっそく調理にかかりましょう。
 血抜きと内臓の処理は既に行っていますから、その点は心配ありません。
 なにしろ、始まってすぐに作業に取りかかったので。

「さて、まずやることは……下ごしらえです。臭みが少々あるようなので、香辛料で臭みを消します」

 誰もいない厨房。
 木霊するのは、僕の声だけ。
 傍らに転がるのは、切り落とした鳥のような生き物の頭。
 ――――そう、僕が一番最初に出会った生き物だ。
 名前は分からなかったが、なんとなく鳥っぽかった。
 そう思った瞬間だった。僕が、「いい料理になりそうだ」と思ったのは。
 それから先は、あまり語る必要はないでしょう。

(全く見た事のない生き物だっただけに、肉質や臭みがあるかどうか分からなかったけれど……
 予想以上に、いいお肉でしたね。これは、いい料理になりますよ!)

 僕も、料理人の端くれだ。
 いい料理、美味しい料理が作れると言うのは、素直に嬉しい。
 例え、こんな状況でも。
 だから、僕はここで料理を作る。
 このお肉で、美味しい料理を作る。
 そして、殺し合いに乗ってしまった人達に、食べて貰う。

(僕は、殺し合いなんてしたくない。でも、もしかしたら僕の知らない誰かは、殺し合う気があるかも。
 でも、そんな人だって、美味しい料理を食べれば、気が変わるはずだ!)

 僕が、一番最初に辿り着いたのが、レストランだったのも、幸運だった。
 色んな材料や道具が揃っていたおかげで、こうやって料理ができるんだから……。
 ……おっといけない、そろそろ野菜の用意をしないと。

「……どんな料理になるか、楽しみだなぁ!」

31 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:54 ID:oC4wYm7A0











「一体、何でこんなことに……?」

 当てもない、目的もない、何でこんな事になってるのか分からない。
 でも、じっとしていてもどうしようもない。
 だから……僕は、とりあえず街中を見て回ってみることにした。
 ――――そう思って、歩き出してから少し経った。
 未だに、誰かに会った訳でも無ければ、何かを見つけた訳でも無かった。

(まさか、ここにいるのは僕だけ、なんてことはない……よね?)

 いくら何でも、それはない……と、否定したいところだけど。
 そう言い切れないのが、辛い。
 むしろ、1人の方が危なくないんじゃないか?
 1人なら、襲われる事も、殺されそうになることもない……。
 …………。
 駄目だ駄目だ。
 こんなこと考えてると、すぐに気が滅入ってしまう。

「……せめて、誰かと遭遇すればなぁ」

 街灯が、ぽつぽつと人気の無い道を照らす。
 それが、何だか不安と恐怖を駆り立てるようで、何だか気味が悪い。
 人のいない街が、こんなにも寒々とした物だったなんて、知らなかった。
 この街もきっと、いつもは人の行き交う賑やかな街なのかもしれないのに。
 ……駄目だ。
 やっぱり、1人じゃ心細くて、仕方が無い…………そう思っていた時。
 僕の鼻を、何だかいい匂いがくすぐる。

32 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:07 ID:oC4wYm7A0

(え? まさか、こんな状況なのに、料理をしてる人がいるの?)

 まさか、そんな訳がない。
 だって、今はいつ襲われるか分からない殺し合いの場なのに。
 匂いは今も、僕をしきりに、一軒のレストランに誘っている。
 一体、誰がこんなことを?どうしても、気になる。
 ……それに、何だかお腹が空いて仕方がない。この美味しそうな匂いのせいだろうか?

(とにかく行ってみよう。行ってみなきゃ、始まらない)

 小走りでレストランまで向かい、扉を開く。
 カラン……と扉に取り付けられていた鈴が、小さな音を立てる。
 そして、またまた僕の鼻は匂いに包まれ、少しの幸福感を僕に与えてくれる。
 ……一瞬、ここが殺し合いの場であることを忘れる程、心地いい。
 本当、これが殺し合いじゃなかったら……。
 普通に、食事して行きたいのに。

「誰かいらっしゃるんですか……?」

 少し控え目に、小声で呼びかける
 ……返事はない。

「誰か、いらっしゃるんですかー?」





「いらっしゃいませ。気付けなくてすいません。何しろ僕しかいないので。お席へどうぞ」

 今度は、僕の声が聞こえたようだ。
 厨房があるであろう場所から出て来たのは、白い服を着た、一目でシェフと分かるような人だった。
 ……本当にシェフなのかは分からないけど。

「えっ、あ、いや、そうじゃなくて」
「あら、食べに来たんじゃなかったんですか?」
「いや、そうじゃなくて……その気持ちも、無かった訳じゃないけど……って、それより。
 何で、こんな時に料理をしてるんです? 危ない人に見つかりでもしたら……」
「大丈夫です。そんな人達にも、僕の料理を振舞うつもりなので!」

 …………。
 何て言えばいいんだろう。
 今の状況を理解してないのか、それとも、理解した上で言っているのか。

「本気で言ってるんですか? それ……」
「こんな状況で、ふざける訳ないでしょう! 僕は、至って真面目ですよ」

 少なくとも、本人は至って真面目に考えているようだ。

33 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:34 ID:oC4wYm7A0
「おっと、フライパンを火にかけてる最中なのを忘れてました。……お好きな席で、お待ち下さい。
 もう少しで、出来ますから!」
「……はい」

 とりあえず、近くの席に、適当に腰かける。
 机の上には、既にナイフやフォークが並べられていた。
 そして、それらをおぼろげな光で写し出す、燭台の上の蝋燭。
 いつの間に、こんな物を。そう言えば、店内の明かりが、厨房以外全て消されている。
 不意に、辺りに静寂が戻る。
 聞こえてくる音は、厨房から聞こえてくる調理の音だけ。

 ……さっきは、あの人のペースに飲まれたおかげで、あまり思考が纏まらなかったけど。
 ふと1人になると、やっぱり「気になる事」が現れて来た。
 僕の知り合いは、ここにいるのか?
 ここは、いったい何処なのか。
 何で、僕がここにいるのか。

(どの疑問も、答えの出しようがないじゃないか……)

 さっきまで、何となく浮ついていた気持ちが、急に沈んでしまった。

(……気分転換……って訳でもないけど……鞄、調べてみようかな)

 流石に、さっきまで床に置いていた物を、机の上に上げるのは気が引ける。
 とりあえず、鞄自体は横の椅子に置く事にした。
 まず、「基本支給品一式」だ。
 地図にコンパス、筆記用具に時計。ランタンに、水と食料。
 そして、PDA。
 説明通り、ちゃんと2ちゃんねるにアクセス出来た。
 ……ひろゆきが言っていた通り、出来るのはスレを読む事だけだけど。
 どんなに書き込もうとしても、上手く行かない。
 どこのスレでもいい。もし、書き込む事が出来れば。この事を、書き込めれば。
 この殺し合いを、何とか出来るかもしれない。
 ……書き込んだ所で、殺し合いなんて荒唐無稽な話を、信じてくれる人がいるか、分からないけど。

「……どうしました?」
「うわあっ!!」

34 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:47 ID:oC4wYm7A0

 突然、声をかけられた。
 本当に突然だったお陰で、飛び上がりそうな程驚いてしまった。

「ああ、びっくりした……」
「それはこっちの台詞ですよ。どうしたんです?」
「いえ、料理が出来たので持ってきたんですよ」
「あ……どうも」











「どうも、ご馳走様でした……随分と美味しいお肉でしたね。どこからこれを?」
「たまたま、手に入ったんですよ」

 たまたま?
 たまたま、この店の冷蔵庫にでも、入ってたのかな。
 しかし、答えは僕が想像していた物とは違っていた。

「丁度、大きな鳥と出会ったんですよ。それで僕はピンと来たんです。これはいい料理になる、って」
「へぇ……」

 大きな鳥……一体、どんな感じだったのだろう?
 そして、そんな鳥を捕まえて、さばいてしまうこの人は、一体。
 もしかして、結構強い?その「大きい鳥」が、どんな物だったのか分からないけど。
 何だか、急にこの人が頼もしく見えて来た気がする。
 そんな事を考えていた時だった。突然、

「そう言えば、まだ名前を聞いていませんでしたね。聞かせてもらえませんか」

 と、僕の名前を聞いてきた。
 僕の名前……。名前……?
 あれ?

35 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:09 ID:oC4wYm7A0





 僕の名前、何て言うんだっけ?





「ぼ、僕は……マウンテンバイク……」

 つい、ハンドルネームが口から漏れる。
 でも、僕の「名前」として記憶に残っているのは、これだ。
 じゃあ、これが僕の本名?いや、そんなことはない!
 じゃあ、何で……何で、思い出せないんだ?
 まるで、僕の記憶に、靄がかかっているような。
 誰かが、僕の記憶を隠しているような。
 そんな、奇妙な感覚だ。

「マウンテンバイク?」
「ごめんなさい。どうしても、僕の本名が、思い出せないんです……!」
「……そうなんですか……」
「やっぱり、怪しいですよね。こんな、変な名前」

 がっくりと項垂れる。
 どうしても、本名が思い出せない。
 でも、こんな名前では……怪しい、と思われても仕方が無い。
 そう思っていると……僕の想像していた答えとは、違う答えが返ってきた。

「…………呼びやすいように、"バイク君"でいいですか?」
「えっ?」
「よろしく、バイク君! 僕は、川越達也」
「よ、よろしくお願いします……川越さん」

36 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:22 ID:oC4wYm7A0

 特に何か聞かれる事無く、会話は終わった。
 ……一体、何故?

「あの……どうして、僕の名前の事、聞かないんですか」
「思い出せないんじゃ、聞いてもどうしようも無いじゃないですか。思い出したら。教えて下さい」
「え、あ、はい……」

 僕には、この人が、よく分からない。
 でも、悪い人ではないのは……確か、みたい。



【D-3・レストラン/1日目・深夜】
【川越達也@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜3
[思考・状況]
基本:僕の料理の力で、殺し合いを止める
1:もっと、沢山作った方がよさそうだなぁ……
2:バイク君と行動しようかな?本人が良ければしたい


【マウンテンバイク@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜3
[思考・状況]
基本:殺し合う気はない
1:川越さん……
2:川越さんと行動しようかな?

37 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:50 ID:oC4wYm7A0






 誰もいない厨房の、片隅にあるゴミ箱。
 その中に、それはあった。
 「大きい鳥」の頭――――参加者の1人であった、オエーの頭だ。
 参加者である以上、首には、当然首輪が装着されている。
 なら、なぜ川越達也はそれに気が付かなかったのか?
 気が付いていれば、間違い無くオエーを屠ることはなかっただろう。
 なのに、何故気が付かなかったのか。
 答えは単純である。
 ――――首輪に気が付く前に、良い食材を見つけた、と言う喜びの方が、大きかったのだろう。
 結果、川越達也は首輪に気付く事もなく、オエーを殺害、その肉を調理したのだ。
 それを、本人が知ったら。
 その肉を食べた、マウンテンバイクがそれを知ったら。
 果たして、どうなるだろうか。




【オエー@AA 死亡】
※オエーの頭部はゴミ箱に、肉は冷蔵庫に入っています
※オエーのデイパックは、レストランの厨房に放置されています

38 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:03:34 ID:oC4wYm7A0
仮投下終了です
指摘点などあったらよろしくお願いします

39ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/28(日) 10:14:07 ID:dgvSbB5s0
仮投下乙です
修正点としては・・・川越さんの忍法帖レベルのアップと、
オエーを調理した道具(包丁?)を持ち物に追加、でしょうか
内容は大丈夫だと思います

40 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 19:42:38 ID:oC4wYm7A0
ご指摘ありがとうございました
修正して、投下いたしました

41 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:29:39 ID:NFilQ/tU0
ゆっくりしていってね、八頭身、タケシ仮投下します

42 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:29:51 ID:NFilQ/tU0



「はぁ……」

 真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。
 その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。
 埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。

「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」

 がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。
 ……本当、何で俺がこんな目に。
 いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。
 何で、俺が。
 訳分かんねえよ。

「はぁ……」

 ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。
 いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。
 一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。

(このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)

 俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。
 誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。
 だって、「殺し合い」なんだろ?
 素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。

「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」

 思い出して、軽く落ち込む。
 ……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。
 だが、いつまでも落ち込んでられない。
 これからどうするか、考えなきゃな。
 まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。
 じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?
 とにかく、死なないように、生きるしかない。

「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」

 何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。
 武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。
 そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。
 一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。

43 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:12 ID:NFilQ/tU0










#aa(){{{
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
}}}








「       !       ?       」

44 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:32 ID:NFilQ/tU0










 あまりにも唐突すぎた。
 唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。
 そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。
 ……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。
 何て答えればいいんだよ。

(こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)

 何だったかな、どっかのスレで見たような。
 答えが、喉元まで来ているのに。

「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」
「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」
「はぁ……」

 何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。
 ……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。
 えーっと、こいつらは…………確か…………。

「そうだ!!」

 俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。
 まぁ、そんなことはどうでもいい。
 こいつらの名前を、思い出した。

「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」

 そうだ、そうだった。
 こいつら、あのAAの奴らなのか。
 まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。
 こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。

45 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:57 ID:NFilQ/tU0

「どうだ、合ってるだろ!!」
「な、なんでゆっくり達の名前を……?」
「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」

 俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。
 ……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?
 AAでないなら、何なんだ。
 まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?
 そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。

(一体どうなってるんだよ、これは)

 ……。
 訳が分からない。
 俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。
 ――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。
 何か、武器があるかもしれない。
 もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。
 ……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?
 手が無いんだから、持てないだろ。

「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」
「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」

 未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。
 うぜぇ……。
 できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。
 ――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。
 だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。

46 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:23 ID:NFilQ/tU0

(おいおい、銃って…………本物かな、これ)

 ひんやりとした、鉄の感触。
 間違い無い。
 これは、本物の銃だ。
 ……しかも、結構デカい。

「……!! こ、こっちにむけないでね!!」
「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」

 他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。
 とりあえず、この銃があれば何とかなる。
 こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。
 さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。
 ……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。

「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」
「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」
「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」
「やる前から答えは明確だろうが……」

 ……全く。
 何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。
 俺は、2回目の深い溜息を付いた。






47 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:45 ID:NFilQ/tU0




 暗い屋内。
 僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。
 確か、殺し合いだったっけ?
 ……そんなことよりも、大事なことがある。

(1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)

 1さん……。
 僕の、大切な人……。
 君が、死んでしまったら、僕は……。
 一体、どうすればいいんだい?

「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」

 とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?
 何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。
 沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。
 1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。
 特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。




「…………分からないよ!」
「…………明確だろうが……」



 どこかから声が聞こえた。
 1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?
 ちょっと、会って話を聞いてみようかな。
 ……いや、ダメだ。
 そんなこと、してる暇なんてない。
 僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。
 その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。
 一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。
 僕は、1さんを護る。
 その為には、行動あるのみだ。

(よし……行こう)

 本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。
 でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。
 下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。
 駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。
 とにかく、ここを出てしまおう。

「…………」

48 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:58 ID:NFilQ/tU0

 階段をゆっくり降りながら、考える。
 そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。
 確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。
 1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。
 そこで、何故か僕は気が遠くなって……。
 気が付いたら、あそこにいた。
 そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。

「…………」

 ……こんなこと、考えても仕方が無い。
 僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。
 例え、他の誰かを殺めようとも……。
 僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。









「…………」

 下へ続く階段が無くなった。
 と言う事は、ここが1階か。
 今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。
 下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。

「うーん、出口は……あ、あそこだ」

 ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。
 自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。
 よいしょ、と力を込めてドアを開ける。
 …………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。

「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」

 鞄から地図を取り出して、眺めてみる。
 ……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。
 どこかに、ここがどこか書いてないかな……。

49 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:15 ID:NFilQ/tU0

「ううん、ここはどこだろう?」

 とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。
 ……暗くて、遠くまで見通せないんだ。
 月明かりが、あるにはあるけれど。
 太陽の光には、及ばない。

(よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……)

 そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。
 ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。
 何があるのか、まだ良く分かってない。
 こう言うのは、はっきりさせておかないとね。
 ……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。
 一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。
 これで良し。

(何があるのかな……)

 強い武器があればいいのにな……。
 武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。

「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」

 こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。
 残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。
 他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。
 それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。
 PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。
 それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。
 とりあえず、開いてみると……。

(忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)

 今の所、レベルは0。
 それ以外は、特に変わったボタンは……ん?
 下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。
 ……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな?

50 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:33 ID:NFilQ/tU0

(と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)

 ……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。
 さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?
 とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?
 ……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。
 とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。
 急がないと……。

「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」

 僕は、月明かりの元走り出した。
 ――――1さんを、何としてでも護るために。



【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】
【八頭身@AA】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(7/7)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0〜2(武器は無し)
[思考・状況]
基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。
1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!!
※八頭身の叫びが辺りに響きました。

51 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:46 ID:NFilQ/tU0





 相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。
 全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。
 ……だが、今考えてみれば。
 やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。
 想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。

「ゆっくりしていってね!!!」

 だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。
 と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。
 ……こいつら、今の状況分かってんのか?

(今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)

 俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。
 ……今だって、内心ビビってる。
 こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。
 いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。
 ――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。

「……はぁ」
「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」
「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」
「?」

 うぜぇ。
 本気で、ここらに放置して行こうかな。
 そんな事を考えていた時、



「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
「「!?」」

52 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:09 ID:NFilQ/tU0



 ……何か、大声が聞こえたような。
 いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。

(1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ)

 ――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?
 ……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。

(1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)

 まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。
 それを、確かめる術もない。
 追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。

「…………あいつの事は忘れよう」

 そうそう。
 変な奴には、関わらない方が身の為だ。
 ――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。
 こいつだって、十分「変な奴」だ。

(どうなんのかな、俺)

 ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。
 ……カーチャン、何してんのかな。
 いきなりいなくなったんだから、俺の事、心配してんのかな。

(…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな)

53 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:19 ID:NFilQ/tU0


【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】
【タケシ@ニュー速VIP】
[状態]:健康、不安
[装備]:イングラムM10(32/32)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:殺し合う気は無い。死にたくもない
1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな……
2:カーチャン……べ、別に心配なんか……
※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです


【ゆっくりしていってね!!@AA】
[状態]:健康、ゆっくり
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
共通:ゆっくりしていってね!!!
1:とにかく、ゆっくりしていってね!!!
※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです
※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします



≪支給品紹介≫
【麦茶@ニュー速VIP】
麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。
たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。

【デザートイーグル@現実】
装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。
数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。
それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。

【イングラムM10@現実】
装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。
もはやお馴染みの短機関銃。

54 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:45 ID:NFilQ/tU0
仮投下終了です
指摘点などあったらよろしくお願いします

55ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:11:14 ID:DCPVKg820
乙です

1さんは参加してないんだけど、それには気付いていないということでしょうか?
一条三位を強引に1さんって愛称にすれば…それはそれで面白そうな気がしますけれども

56ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:13:21 ID:DCPVKg820
乙です

1さんは参加してないんだけど、それには気付いていないということでしょうか?
一条三位を強引に1さんって愛称にすれば…それはそれで面白そうな気がしますけれども

57ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:13:57 ID:DCPVKg820
連投失礼しました

58ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 09:36:19 ID:BLIV56lkO
仮投下乙です
特に問題はないので大丈夫です


一条三位…た、たしかに一三だ!!
いや、でもそれは流石にカオス過ぎだろ…

59ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 18:52:56 ID:tzmmkxT.C
投下乙です

このゆっくりは喋るのかw

特に問題点はないと思います

60 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/01(木) 22:17:57 ID:N3zd9RZU0
ご意見ありがとうございました。本スレに投下いたしました。

>>56
流石にそれはちょっと厳しいですね…ww

61 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:22:01 ID:N9amVri.0
電車男、イズン様、グンマーを仮投下します
タイトルは「ヤバイ。最近の若者ヤバイ。マジでヤバイよ。」です

62 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:23:09 ID:N9amVri.0
気がつくと俺は小さな橋の上で横になっていた。
深夜で街灯の明かりでしかわからなかったけど、少なくとも周りの景色に見覚えがなかった。

ああ…なんで俺がこんなことに巻き込まれたんだろう…?
というか、何故あのひろゆきが殺し合いだなんて突然言い出したんだろう…?
もしかしてこれは何かの悪い夢なんじゃないか?俺はそう信じたかった
頬をつねる、痛い…、しかも首にはしっかり3人もの人を殺した首輪が嵌められている

徐々に不安が俺の頭を支配してきた…。嫌だ、殺されたくない…死にたくない…

例えばマシンガンを構えた屈強な軍人と対面したとして、俺に少しでも勝機があるだろうか?
もしくは、かつて何十人もをナイフで斬り殺してきた殺人鬼が襲ってきたら、俺はそれを対処できるのか?
無理です、絶対無理です。叶うわけがないじゃないか…_| ̄|○

昨日までは2ちゃんの住民に応援されながら、エルメスさんとメールしたりデートしたりと幸せな日々を送っていたのにな…
多分、次に会った時が最終決戦。もうお互いの気持ちを確認する時だっただろう…

でもこんなことになった…もう、彼女に二度と会えないかもしれない…

俺は自分の現状に絶望した
不安と恐怖がピークになり、思わず俺は空に向かって叫んだ

「誰か助けてくれ!!!!」




その時、突然すぐ後ろから声がした
「お、落ち着くのです!人間の青年よ」
「ヘアッ!?」

俺は驚いて飛び上がって、しかも変な悲鳴を上げてしまった…

10代くらいの女の子だろう。美しい金髪と派手な格好が、なんとなく神々しい印象を受けた。
俺はてっきり、厳つい男たちばかりが参加してるものだと思っていたんだけど…
まさかこんな幼気な少女にまで殺し合いを強要しているなんて、あまりにも残酷過ぎると思った。

トリアーエズ、その女の子を少しでも安心させてあげるのは、大人である俺の義務だろう。

まずは俺が危険な人物じゃないってことを伝えなければならないだろう。
先ほどの情けない悲鳴も取り繕わないとダメだろう。そんなわけで俺は
「だだ、大丈夫ディスカ?君も殺し合いに巻けこvんmqあsft…」
と盛大に噛んでしまった。もうこれ取り繕えませんよね…_| ̄|○

すると女の子の方はかなり落ち着いた感じで
「安心してください、私も殺し合いに乗っていませんよ」
と、微笑みながら言った。
おそらく、俺が悪い人物じゃないことを見透かしてくれたのかもしれない。

気を取り直してお互いの情報を交換することに

「俺は電車男と言います」
「私はイズン、若さを司る女神です」
「ポカーン」
女神? この子は何を言ってるんだろう?
詳しく話を聞くと、彼女はこれまでの顛末を話し出した

どうもイズン様はアスガルドという所の神々の一人で、
そこにある城が巨神の放った死霊達によって落とされたそうだ
イズン様も死霊に囲まれて、まさに殺されようとした直後に意識を失い、ひろゆきの前に飛ばされたらしい
そして、彼女は最後にこう付け足した
「おそらく、この殺し合いは巨神によって催された娯楽なのだと思います
私達が苦しむ様を見物し、鮭の肴にするつもりなのです!」

普通ならこんな突飛な話なんて、子供の妄想だと言って笑い飛ばすかもしれない
だが、彼女は年齢以上に大人びているというか、威厳のようなものが感じられたし、
なによりも彼女の話し方には、なにか強い説得力があった
なんとなく、彼女の言葉は信じるだけの価値があるように感じたんだ


俺も身の上を語った。
つい最近までただのアキバ系だったこと、エルメスさんとの出会い、
そして、その動向をひろゆきが管理する掲示板「2ちゃんねる」に書き込んでいたことを

63 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:23:50 ID:N9amVri.0
俺が話を終えたあと、イズン様は予想もしなかったことを言った。
「あくまで私の予感なのですが…。そのエルメスという女性も、この殺し合いに呼ばれていると思います」
「えっ…?嘘でしょ?な、なんでエルメスさんが…?」
「この手の死亡遊戯は、なるべく関係の深い者同士を殺し合わせた方が、より波乱や感情といった修羅場を見ることが出来るのです。
貴方にそれだけ関係の深い人物であるのなら、それは呼ばれるだけの条件となり得るのです」

そんな…、もしそれが本当なら、俺のせいで彼女が危険にさらされるということか…?
そう考えた途端に、俺の心に強い罪悪感が溢れてきた
俺が弱音を吐く前にイズン様は
「勇気を出すのです! ここで怖じ気づいては誰も救えませんよ」
と励ました
「私には戦う力は全くありませんが、豊富な知識があります
この知識で、出来る限り貴方に協力します。これから共に頑張りましょう」
神々しい微笑みでそう言ってくれた

そうだ、俺がこんなところで諦めてどうするんだ…
彼女は言ってくれた

「電車さんとなら、安心して電車に乗れますね」

今頃彼女はさっきの俺みたいに、不安と恐怖に襲われているに違いない
だから、少しでも安心させてあげたい。俺なんかじゃ、頼りないと思うけど、それでもだ


「そこにデイバックが落ちています。きっと貴方の力となるものが入っているでしょう」
イズン様に言われて、初めてすぐ近くにデイバックが落ちていることに気がついた

俺はデイバックを拾い上げ、中に手を入れた
確かな武器の感触があった…
どうか彼女を救えるだけの力でありますように…!





剣の柄の部分だけが出てきた。何コレ?

【アクアブレイカー:水の力を宿した剣。その刀身は然るべき時に姿を現す】

「イズン様、然るべき時っていつですか?」
「…わかりません、見たことのない武器です」

なんか拍子抜けした気分です…
これでどうやって戦えばいいんだ…?

他にも何か無いか、デイバックの中を漁る。
すると出てきたのは赤と白のボールカプセルだった
「電車男、気を付けて!その中から魔物の気配がします…!」
「いや、これはきっと大丈夫だと思います」
俺はこのボールに見覚えがあった
間違いない、これは「モンスターボール」だ。
ポケモンというアニメに出てくる道具…いわばフィクション
でも女神がいるくらいだし、あってもおかしくはないだろう、と気軽に考えることにした

投げてみると、ポン!と言う音と共に、カプセルが開いて中から何かが飛び出してきた
みずみずしい魚のような頭に、男らしくふんどしを締めた脚部を持つポケモンがいまーす。そーれーはー?(チラッ

#aa(){{{
                 /!
             ______,イ//_____________イi                , 
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     _,r''""◎  ヽ     _,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._~`''ー-.、    / /
      ゙ヾ,,      |   _,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,..  ~`''=´  |
     ∠´___     ノ_,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,.  _..-‐'''"  \  ヽ
          ~`''ー-.、_______________________________,,...-‐'''"        \ ヽ
                        !    ,_    _ ',
                 ,;-‐'′    `Y´  i
                   /         i   ,!、
               /        _,,,ノ、  ; ヽ、
                ,/       ,;-‐''′`ヽ、    ゙;、
              i'  /_,,;-‐''′     ゙:、    ゙i
              i   `i           ゙:、   ;゙ヽ、
}}}


最近のポケモンは見てないからよく知らないけど、なんだろうこのコレジャナイ感は…
「これはアジです。ポッポと呼ばれるポケモンが突然変異を起こして進化した姿です」
「よくご存じですねイズン様…」
「あ、いいえ、説明書を読み上げただけですよ」
イズン様はそう言って俺に一枚の神を渡した。

どれどれ…と目を通してみる

『わざ
・たいあたり
・すなかけ
・かぜおこし
・アジジェット』

アジジェットもさることながら、コイツはどうやってかぜおこしするのだろう?
なにより、アジの体長は、俺の腰の辺りまでしか無かった。頼りない…_| ̄|○

64 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:24:42 ID:N9amVri.0
「イズン様、支給品が微妙に力になってくれなさそうです…」
俺がそう愚痴ると、イズン様は
「そうですね…、私のバックにはこんな盾が入ってましたが、良ければ差し上げましょう」
彼女が取り出したのは、よく警察隊が持っているような透明な盾
確かライオットシールドって名前だったかな。
「あー、弱音吐いてすいません…。その盾はイズン様が持っていてください
あなたがなるべく安全な方が、俺も安心していられますのでw」

そう答えたが、イズン様は申し訳なさそうな顔をしていた。
俺は話を変えることにした

「そういえばさっきアジのボールを見て魔物の気配が、と言ってましたが、
何かそういう能力があるのですか?」
「ええ、近くにいる者の気配を感じることが出来るのですよ」

なるほど、これは強力な特技だと思った。
つまり、身を隠している相手に闇討ちされる危険性を減らせると言うこと

試しに俺は
「この近くに、他の誰かはいますか?」
と聞いてみた。
彼女は即答
「いませんよ」
その言葉に俺が安堵した直後だった

「ウェェェェェェイ!!!」
掛け声らしきものが響き、こちらに接近してくる軍人らしき姿が見えた。

「いるじゃないか!」
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

まさに想像していた殺し合いの参加者象そのものだった
迷彩柄の軍服を身にまとい、巨大なハンマーを振り回す黒人男性
逃げるまもなく軍人は俺の目の前へと迫る
そして身の丈もあろうハンマーを振り上げ、俺に向かって振り下ろす

こ、殺される…!

ほんの一瞬が、俺にはまるで永遠のように感じられた。


そして








――――ピコッ!




ハンマーが俺の頭部に叩きつけられる
一撃だけでは飽き足らず、何度も、何度も、何度も叩きつけられた


ピコピコピコピコピコピコピコッ…

「ぎゃあああぁぁぁ!!!」
悲鳴をあげる俺の耳にイズン様の助言が届く。
「落ち着くのです!アジを使いなさい!」
そこで我に帰った俺は、その言葉の通りアジに命令を下す
「アジ!アジジェットだっ!!」

俺の声に反応し、アジは水を噴出しながら軍服男に強烈な突進をかました。
相手が倒れ込んだところへ、さらに俺はすなかけを命じた。

顔にモロに砂(どこから持ってきた?)をかけられた軍服男は「メガァァァ!メガァァァ!」と叫んでいた。
すぐさま俺はアジをボールに戻して、イズン様を手を引いて走り出した

「逃げてしまうのですか!? 今がチャンスではないですか!」
「無理無理無理無理!! 今は逃げるんだああぁぁ!」

ハンマーを叩きつけられた瞬間、俺は「死に対する恐怖」を心から痛感した。
今回は何故かピコハンマーだったため無傷だったものの、もしも本物の武器だったら…そう思うと体が震え出しそうだ

「電車男…逃げていてはいけません。私は非力なのです。あなたがもし諦めてしまったら、
私はおそらく何も出来ずに脱落してしまいます…おそらく、エルメスさんもです…勇気を出してください」

イズン様は不安そうな声で呟いた
わかっている、俺がここで怖気づいてはいけないのはわかっている
でも、俺はもう少しだけ心の準備をする時間が欲しいです…
この先生きのこる自信がまだ湧いてこないんですよ…_| ̄|.............○))

65 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:24:57 ID:N9amVri.0

【場所時間】

【電車男@独身男性】
[状態]:健康
[装備]:アジ@おや、ポッポの様子が…
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、アクアブレイカー@Nightmare City
[思考・状況]
基本:生きて帰りたい
1:軍服男(グンマー)から逃げる
2:エルメスがいれば保護する
3:イズン様…信用していいんですかね?

【イズン様@ゲームハード】
[状態]:健康
[装備]:ライオットシールド@現実
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いから生還し、アスガルドへ戻る
1:勇気を出してください…
2:電車男に助言しつつ、脱出策を探す

※バトルロワイヤルを巨神たちによる娯楽だと予想
※原作では遠方の物と対話する力を持っているため、制限がなければ使用できるかもしれない



「メガアアァァ!メガアアァァ!(目が!目が!)」
さて、ここで電車男を襲撃した男について説明しよう
彼は未開の地グンマーの、とある集落で生まれ育った一人の青年である
名前はグンマー。彼らの大地の名にあやかって付けられている
彼の家族も、友人も同じグンマーと呼ばれる。彼らは互いに強い絆で結ばれているため、固有の名前などなくとも意思疎通をとることが出来るのである

彼らの慣習の一つに「成人式」がある
族長によって与えられた試練…それを乗り越えて初めて「一人の男」として認められ村を守る戦士となるのだ
奇しくもグンマーは、その成人式を明日に備えていたところだった
そう、彼はこの殺し合いを「成人の儀」だと思い込んでいるのである

なお、彼が来ている服は「熱光学迷彩服」。熱を発散させないため相手に気配を探られにくい軍服である
それをスーツだと思って彼は着ていたのだが、電車男を襲撃する際、さらに気配を消して接近していたのだ
つまり、イズン様が「いませんよ」と言ったのは、決して彼女がいい加減なのではなく、完全に気配を遮断されていたゆえなのである。

目に入った砂を落とした後、グンマーはハンマーを投げ捨てた

「クッソ、ナンナンスカコノハンマー! マジツカエネージャネーカ!(あぁ、この武器は外れだったようだ)
イミワカンネェシ! ザッケンジャネーヨマジデ!(不覚だった、俺はツイてないな…)」

ゴールデンハンマー…本来であれば見た目に恥じない破壊力と、空中浮遊ができる特殊効果がある強力な武器である
しかし、時おり混じる不良品「ゴールデンピコピコハンマー」は完全なる見掛け倒し、武器というよりもパーティグッズに分類するハズレ品であった

「シャーナイ、モウスデデイクワ…アーマジデセイジンシキトカダルイワー…シネヨゾクチョウ」
(仕方ない、今後は素手で行くしかないな…、村を守る戦士になるためだ、必ず生き残ってみせる!)」

決意を改めたグンマーは、デイバックを担ぎ上げて次の獲物を探して歩き出した



【グンマー@まちBBS】
[状態]:目が充血
[装備]:熱光学迷彩服@攻殻機動隊
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本:優勝して、村を守る戦士になる
1:使えそうな武器を下がる
2:武器が見つかるまでは弱そうな参加者のみを仕留める

※ゴールデンピコピコハンマー@大乱闘スマッシュブラザーズXが橋の真ん中に捨てられています



《支給品紹介》

【アクアブレイカー@Nightmare City】
FLASH「Nightmare City」で、ギコが使用していた武器の名称
公式設定ではないようだが、二次創作において共通している唯一の設定
現在は持ち手だけなため武器として使い物にならないが、何かしらのきっかけで刃が現れるそうな

【アジ@おや、ポッポの様子が…】
VIPにて発見された新種のポケモン。アジから人間の足が生えた奇怪な姿をしている。
得意技はアジジェット。どうやらポッポの進化形。さらに進化すると「アジョット」になる。

【ライオットシールド@現実】
警察や軍隊などで採用されている軽量の盾。ポリカーボネートという透明な素材で作られている
多少の防弾性能があるが、それほど優れていない。どちらかというと鈍器などに対して有効。重さは5キロ程度

【ゴールデンピコピコハンマー@大乱闘スマッシュブラザーズX】
強力なふっ飛ばし性能を持つ巨大ハンマー、のハズレバージョン
見た目も重量も本物にそっくりだが、どういうわけかピコッと音がするだけ
ハズレといっても、振り回している最中に空中浮遊が出来る効果を持つ

66 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:33:07 ID:N9amVri.0
以上です
電車男本家の文章をイメージしたのですが、あんまり再現できた気がしない…
あと、グンマーのキャラはこちらで自由に決めたのですが、これで大丈夫でしょうか?

書き忘れましたが、場所時間は【B-3 橋付近/一日目・深夜】です
その他問題点、修正箇所などがあれば指摘お願いします


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