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仮投下スレ

15 ◆m8iVFhkTec:2012/10/19(金) 16:49:51 ID:Ca37adFg0
鬼子が了承した直後、女性の顔から柔らかな笑顔が消えた
目をカッと見開いて、歯をむき出しにし、叩きつけるような口調で早口で語りだした

「アタシはね、他人の命を軽々しく奪って平気な顔をするゴミクズみたいな人間が死ぬほど嫌いなのよ!
 アナタ知ってる? 最近のいじめは、『ある一人の子をいじめて、その子が何日で自殺するか』だなんてゲーム感覚で行うところもあるらしいのよ?
 しかも未成年を理由に、犯罪を犯してもテレビでは名前も顔も明かされない!少年院に入っても数年後にはケロリとした顔で出てくる!
 こんなバカみたいな話ほかにあると思う? いじめられて苦しんで、悩んで、そして自殺した子供は未来を奪われたのに、
 ゲーム感覚で『人殺し』をしたクズは、大したペナルティを受けずにのうのうと生きていけるのよ?
 アタシはこんな事絶対許させるべきじゃないと思うの! だからこそ、アタシたちがそいつらを社会的に抹殺しないといけないの!
 この殺し合いだってそうよ! 罪のない人同士で命を奪い合わせて、その様子を見てほくそ笑む奴らがいるってことよね?
 アタシたちはそんな悪党を野放しにしてはいけないの! 必ず報いを与えなくてはいけないの! だから私はこんなふざけた殺し合いには乗らない!!
 絶対に、ひろゆきを縛り上げるの! 絶対にあの野郎の思い通りにさせてはダメなの!! わかった!?」

話している間の彼女は、出会い頭の印象は完全に消え去っていた
その姿はまさに『鬼のような形相』というのに相応しい表情だろう

「…とまぁ、アタシの思いはこんな感じね」

力説が終わったところで、女性の顔は一瞬で元の柔らかな笑顔に戻っていた
何故だか自分が怒られているような感覚に陥っていた鬼子は、思わず安堵の息を漏らした
若干泣いていたかもしれない

「す、スミマセンでした…ご、誤解しておりましたわ…貴女はとても信頼出来るお人柄のようです…」
「わかればいいんですわ」

はぁ…正直この方にも鬼が宿ってるのかと思いましたわ…
でもどうやら悪いお人では無いみたいです、ギャップが恐ろしすぎますけれども…

「おっと、申し遅れましたわ、私の名は日本鬼子と言います。」
「あら、変わった名前ね!えーっとアタシは…」

と、女性は名乗ろうとしたところで何故か言葉を止めてしまった
その様子に不思議そうな顔をする鬼子

「どうかなさったのですか」
「おかしいわ…自分の名前が思い出せないなんて…」

それはまるで、記憶にフィルターが掛かっているかのように思い出すことができなかった

氏名を記入してる時、誰かに名前を呼ばれた時
どれを思い出しても、そこだけぼんやりと掠れていた

「…これもひろゆきの仕業に違いないわ! アタシの日常だけでなく、記憶まで奪い取るなんて…万死に値する!」

彼女は大いに憤慨し、ひどく物騒な単語まで飛び出してきた
またしても顔が恐ろしいことになって来たので、鬼子は慌てて話を逸らそうとする

「そ、そうですわ! 私、この支給品がよくわからないんですの!機械が滅法苦手なもので…」

そう言って鬼子はデイバックを開き、先ほどの変な機械を取り出して見せた

「あら、それがひろゆきの言っていたPDAよ」
「ぴーでぃーえー…ですか。よろしければ私に使い方を指南して頂けませんか?」
「いいわよ、こう見えても昔はSEやっていたから、機械には詳しいのよ」

しすてむえんじにあ…? と呟く鬼子を尻目に、女性は自らのデイバックからPDAを取り出す

ちょうど手のひらに収まるサイズで、電源ボタンのみが側面についている
表側全体が液晶に、裏側にはタッチペンを収納する穴と、カメラのレンズが付いていた

女性は電源を付け、しばらく一人で機能の把握に努めた

「ふーん…」だの「ハァ!?」だの呟きつつも数分後、「OK、簡潔に説明するわ」と口を開いた

「まず、主な使える機能は、カメラ、手書きメモ、ボイスレコーダー、GPSマップ…つまり現在地のわかる地図
 あと2ch、そして忍法帖プログラムね」


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