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( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
804
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 21:41:30 ID:IpPUIiRg0
おつ
恨んでなくてよかった
805
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 21:46:27 ID:bzN4gqik0
切なぁ……乙。
806
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:18:00 ID:IpPUIiRg0
三十七本目、頂こう
807
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:18:56 ID:IpPUIiRg0
.,、
(i,)
|_|
808
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:19:55 ID:IpPUIiRg0
ζ(゚ー゚*ζ引っぱるようです
.
809
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:20:51 ID:IpPUIiRg0
『それ』を初めて認識したのは、ひと月ほど前だろうか。
っζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「……ん?」
最初は視界の隅に何かがよぎる、というものだった。
だから本当のところは、いつ頃からあったのか分からない。
次に気付いたのは、通学途中。
ζ(゚ー゚*ζc
゛
ζ(゚ー゚*ζ「?」
後ろから髪を引っ張られ、振り向いた。
誰も、いない。
ζ(゚ー゚*ζ(……気のせい?)
次はカバン。
ζ(゚д゚;ζ「きゃっ!」
从 ゚∀从「どした?」
ζ(゚、゚;ζ「誰かが手を掴んだの!」
从 ゚∀从「はあ? カバンの中でどーやって掴むってんだよ」
ζ(゚、゚*ζ「……」
ζ(゚、゚*ζ(でも、本当に誰かが掴んだんだもの)
.
810
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:21:45 ID:IpPUIiRg0
家で、学校で、道で、段々と『それ』は場所も頻度も増えていく。
授業中も、掃除をしている時も、ご飯の時も。
引っ張るだけ、撫でるだけだが、気味が悪い。
暫くして、休みの日に友人と遊ぶ約束をして、待ち合わせ場所に向かっている時だった。
信号が青になる。
ζ(゚ー゚*ζ....
!?ζ(゚ー゚;ζヾ⊂
横断歩道の途中で、強く髪を引っ張られた。
ζ(゚、゚;ζ「いっ、」
あまりの勢いに、耐え切れず尻餅をつく。
――その目の前、ほんの数センチ先を、車が走り抜けた。
ζ(゚- ゚;ζ「……うぇ」
ぞっとした。もし、引っ張られてなかったら。
ぱぱ、と短くクラクションが鳴る。
慌てて立ち上がり、横断歩道を渡りきった。
.
811
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:22:38 ID:IpPUIiRg0
ζ(゚ー゚*ζ(もしかして、助けてくれたのかな)
そう思うと、何だかほっとした。
『あれ』は自分を守る為に、傍に居てくれるのかもしれない。
気味悪く思っていたのが申し訳ないくらいだ。
相変わらず髪を引っ張られながら(手や足を掴まれたりもするけど、これがダントツで多い)
『それ』と共に生活を送っていた。
最近は頻度はあがっていない。ただちょっと、力が強くなってきた気がするけど。
.
812
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:23:59 ID:IpPUIiRg0
ζ(゚ー゚*ζ「ふう」
お風呂からあがって、髪にドライヤーをかける。
終ったら保湿とブラシ。
明日は何だったかな、そうだ数学の宿題あったんだ。
П〜♪
ケータイが鳴る。
ドライヤー片手に、もう片方の手を伸ばして、
ζ(゚ー゚*ζ「あっ」
ベッドからケータイが転がり落ちる。
滑るようにベッドの端から降りて、ケータイに手を伸ばす。
瞬間。
風が頭の上を薙いだ気がした。
首を捻ってみると。
大きな手が、あった。
ぎらりと輝く鋭い爪。
『それ』は中途半端に開いていた。
まるで何かを握り損ねた、とでもいうように。
.
813
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:25:01 ID:IpPUIiRg0
ζ(゚- ゚;ζ
ち、と確かな舌打ちを残して(そうとしか聞こえなかった)、手は消えた。
けむくじゃらで、爪が尖ってて、そして、指と指の間には。
あれは、ああ、
――髪に繋がった、しゃれこうべ、だった。
.
814
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:25:44 ID:IpPUIiRg0
(
)
i フッ
|_|
815
:
名も無きAAのようです
:2013/08/15(木) 22:27:58 ID:bzN4gqik0
おうふ……結局しゃれこうべはデレを連れてこうとしてたのか
乙乙
816
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:42:19 ID:TB6qx7aU0
乙
38本目、いただきます。
.,、
(i,)
|_|
817
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです1/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:43:30 ID:TB6qx7aU0
乳の親(ちーのうや)
外見は優しい顔立ちの女性で、洗いざらしのような黒髪を長く垂らしており、乳房が非常に大きい。
国頭村や大宜味村には、小児を葬るための童墓(わらべばか)という墓があるが、
ここには乳の親がいて、葬られた子供に乳を飲ませて養うと信じられている。
そのために6歳以下の子供が死ぬと、乳の親に頼むために重箱を盛って祀るという。
一方で今帰仁村などでは、童墓や水中にいる乳の親が、まだ生きている子供を奪い去るといわれる。
幼児に鏡を見せると、水面を鏡と思って水面に行きたがり、
その挙句に乳の親に引きずり込まれるので、鏡を見せるべきではないとされている。
( ・∀・)「こんな妖怪もいるんだって、じいちゃんが教えてくれたんだ」
( ゚∋゚)「へー、なんか良い奴なのか悪い奴なのかよくわからんな」
( ・∀・)「沖縄の妖怪は特にそういうのが多いよ。人の善悪では判断しきれないようなの。
諸島だしいろんな文化とも触れていたから、独特な話が派生したんだろうな」
( ゚∋゚)「なるほどね。ん? どうしたジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「いや……誤解じゃなければ乳房が大きいと聞えたような」
818
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです2/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:44:27 ID:TB6qx7aU0
( ・∀・)「ああ、特別に大きいと伝えられているらしいけど」
_
( ゚∀゚)「ほほう」
(;・∀・)「……」
(;゚∋゚)「おい、落ちつけよジョルジュ。妖怪だぞ?」
_
( ゚∀゚)「ふふ、私は紳士なのでな。形さえ良ければ差別はしない」
大学一年の夏休み、三人は沖縄に旅行に来ていた。
高校生活では味わえなかった長期の暇な時間、有意義に使わなければもったいない。
そういう意気込みで唐突に旅行に来たものの、現実には男三人のむさいものとなっていた。
沖縄についたのはお昼過ぎ。それから軽く食事して、ホテルに移動し、荷物を下ろした。
そこでこれからどうするか話し合っていたのだが、妙に疲れていて乗り気になれず、
お寺出身のモララーが中心となり、いつの間にか妖怪談義に興ずるようになっていたのである。
_
( ゚∀゚)「あー、お墓に行けば見えないかな」
(;゚∋゚)「なんという罰当たりな」
_
( ゚∀゚)「いいじゃん、女っ気のない旅なんだし、肝試しみたいで夏っぽいだろ?
でも簡単には会えないだろうなー子どもとか連れてないし」
(;゚∋゚)「目的が不純過ぎてなんも言えねえ……」
( ・∀・)「あ、妖怪に会いやすくなる方法ならあるよ」
819
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです3/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:45:27 ID:TB6qx7aU0
モララーは自分の鞄の中からお札を取り出した。
( ・∀・)「じいちゃん特製の呪いのお札だ。妖怪を呼び寄せる力があるらしい。
とはいえ本気で呪い殺すものでもなく、旅行が盛り上がるかなーってことで持たされたんだけど」
_
( ゚∀゚)「おおー! なんてぴったりな! これ持ってれば飛び出してくるに違いない」
(;゚∋゚)「モンスターじゃないんだぞ」
( ・∀・)「まあまあ、本人楽しそうなんだから、いいじゃない」
気分を良くしたジョルジュは寝ていた身体を弾ませて立ちあがる。
_
( ゚∀゚)「じゃ、ちょっと墓探してくるわ」
( ・∀・)「夜までには戻れよー」
( ゚∋゚)「こっちは明日以降の予定組んでおくから」
_
( ゚∀゚)「おー」
ジョルジュは元気に返事をして、煙草とライターをポケットに入れた。
呪いのお札も折り曲げていいとのことだったので、ポケットに詰め込んだ。ご利益が薄れるものでもないしいいのだろう。
それからサンダルに履き替えて、部屋の外へ出ていく。
夏の暑さと潮の香りが、南国らしい空気を醸し出していた。
820
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです4/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:46:27 ID:TB6qx7aU0
ホテルの入り口の傍に枝を広げた大きな木があった。ぱっと見ではいくつもの細い木が絡まっているようにも見える。
ガジュマルの木という名前ということをホテルに到着したばかりの頃モララーに教えてもらっていた。
熱帯地方に生息する樹木であり、幸せを運ぶと言われているそうだ。
お墓探しは適当に道行く人に聞いた。やはり最初は不思議がられたが、観光客慣れしているのか気軽に教えてくれた。
もっともさすがにそこまで熱心に妖怪に会おうとしているわけでもなかった。
お墓への散歩がてら、沖縄の雰囲気を浴びて楽しみたいというのがジョルジュの本音であった。
養鶏場の角を曲がったところで潮の香りが一層強くなった。
ここが海沿いの街であることを自覚する。ここは岩場だが、海水浴場も近くにあったはずだ。
あまりにも混んでいて味気なければ、車を借りて沖縄を回ればいい。
どうにしたって、観光シーズンなんだから女子と触れ合える機会はあるだろう。
だいたい元々は大学で知り合いたての女子も連れてこられるはずだったのだ。
それが急用で来れなくなり、しかたないから高校時代の友人を連れてきた。部屋で待っている二人には悪い話だ。
しかし、だからといってずっと悶々としているわけにもいかない。
この散歩が終わったらさっさと気持ちを切り替えて楽しまなきゃなあと、ジョルジュはぼんやり考えていた。
たまには真面目に考えるのも悪くない。
もちろんこの状況に大きな乳房が加われば文句なしなのだけど。
そんなわけで足取りは軽い。
821
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです5/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:47:41 ID:TB6qx7aU0
海からかなり近い場所に、お寺と墓地があった。
海難事故等で亡くなった名前知れずな方々のお墓もあるらしい。
そういや水に子どもを誘いこんだりするんだっけかなと思いだし、期待を込めてお札をひらひらさせてみる。
そのままお墓をぐるっと回ってみたものの、何かが起こる気配も無い。
モララーは境内の椅子に腰を下ろした。呪いのお札はすでにいくつも折り目があり、虚しさを感じさせた。
良く見れば文字の並びが綺麗すぎる気がする。もしかしてプリンターを使ったんじゃないだろうか。
異様に薄っぺらいのも単なるコピー用紙だからか。
ジョルジュは弱々しく息を吐いた。本当に軽く吐いたのに、そのお札は手元を離れて飛ばされてしまった。
これじゃ妖怪も出てこないだろうなと、頼りなさげに空中を漂うそれを目で追いかけながら思う。
すると、お札が人の前に落ちるのが見えた。
自分以外に境内に誰かいたかなと首を傾げた。
ノパ⊿゚)「にーにー、落ちたよー!」
見知らぬ少女はさっと屈んでお札を取ると、ジョルジュに元気よく声を掛けた。
ぼさぼさの赤い髪型が象徴的な、肌の浅黒い子どもだった。
822
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです6/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:48:27 ID:TB6qx7aU0
ジョルジュはつい本能的に、少女のボディラインをチェックした。
が、すぐに目を閉じて頭を振る。さすがに子ども相手にはまずい。ロリに走るつもりはない。
目を開けたらいつの間にか子どもが目の前に来ていて驚いた。
緑色の衣服が目に映る。
ノパ⊿゚)「一緒に魚を捕ろうよー!」
_
( ゚∀゚)「へ?」
言葉を前に、小さな手によって袖が握られ、ぐいぐいと引っ張られた。
境内を後にして、道を進んでいく。
少女は海へと向かっていった。
_
( ゚∀゚)「岩場で魚捕るの? 危ないぞー」
ジョルジュの声にも子どもはまったく関心を示さなかった。
岩場について、海へと出っ張ったところで立ち止まる。
少女は目を輝かせてジョルジュを振り返った。
ノパ⊿゚)「わーがとってくるから、やーは見ててねー」
そう言うと間髪いれずに、少女は走り出してしまう。
転んだら危ない、そうジョルジュが思う前に、さっさと少女は服を着たまま、姿勢正しく海へと飛び込んでしまった。
_
(;゚∀゚)「……え、素潜りなの?」
823
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです7/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:49:26 ID:TB6qx7aU0
唖然としていること、数秒。
今度は海からしぶきがあがって、何かが飛び出してきた。
それは空中を回転しながら弧を描いてくる。
びたーんっと気持ちのいい音を響かせてジョルジュの横に叩きつけられたそれは、まぎれもなく魚であった。
_
(;゚∀゚)「……捕ったのね」
海水を滴らせながら跳ねている、腹の赤い不思議な魚を眺めつつ、ジョルジュは呟いた。
そしてこうも思う。これはどう考えても普通じゃない。
あの子もまた妖怪の類なのではないだろうか。
そうか、きっと呪いのお札の効力であの子が出てきてしまったんだ。
だったらあれがちーのうや? でも乳房は別に大きくないよな。
子どもだしな、成長でもするのかな。あれ、妖怪って成長するの?
わからないことだらけである。
とにかくすぐに殺しにかかってくるような妖怪ではないことだけは確かだ。
今も海の上に上半身を出して、ジョルジュに向けて手を振っていた。
とりあえず妖怪と会えたのならば好都合だ。ジョルジュはポジティブに考えることにした。
上手くいえばちーのうやと会わせてくれるかもなあと思いながら。
日が傾くまで時間が過ぎた。
よほど魚が好きなのだろう。
モララーに聞けばどんな妖怪か教えてくれるだろうな。
824
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです8/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:50:27 ID:TB6qx7aU0
しかし時間がかかり過ぎだ。
ジョルジュは既にわずらわしさを感じていた。
そろそろこの場から退却したいのだが、どうしたものか。
ノパ⊿゚)「はー、疲れたー!」
少女は岩を上ってジョルジュの元へと歩いてきた。
全身水浸しのまま、にーっと楽しそうに笑っている。
その足取りは元気であり、跳ねているようにも見え、とても疲れたようには見えなかった。
少女はジョルジュの隣であぐらをかいた。
良く見れば衣服は葉っぱを重ね合わせて作られているようだ。
小さな艶やかな葉であり、どうもどこかで見たような気がした。
ノパ⊿゚)「食べよー」
少女はさっと魚に手を出した。
未だに跳ねまわろうとする魚を強引に手で抑え込む。
随分と力があるように見て取れた。
しかし食べるということは、そのままかじりつきでもするんだろうか。
うろことか痛くないのかなと思いつつ、ジョルジュは眺めていた。
ノパ⊿゚)「ではー」
少女は魚の左側面を上にする。
片手で魚を抑え、もう片方の手を高く上に伸ばす。
人差し指がぴんと伸ばされ、一瞬それが一本の棒のように見えて、そして……
振り下ろされた指の先が勢いよく魚の左目に差し込まれた。
825
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです9/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:51:27 ID:TB6qx7aU0
骨の砕ける音がした。
流体物が噴き出すのが見てもわかるし、音も聞こえてくる。
少女は肩から下の部分を熱心に動かしていた。
その激しい動きに連動するように、魚も痙攣を始めている。
さっきまでの跳ね方とは種類が違う。もっと荒々しく、最期の力を振り絞る跳ね方。
きっと魚に発声器官があれば耳を劈く悲鳴が聞えたことだろう。
ノパ⊿゚)「できたー!」
少女は魚の左目に手を突っ込んだ。もはや原型は無い。大きな穴ができている。
魚はもはや生きてはいなかった。
少女の手が思いっきり引かれ、魚の左目が取り出された。神経が何本も切れる音がする。
少女は魚の左目を自分の前に持っていき、口を開けた。
ゆっくりと口の中に、大きな目を入れていく。
少女の口は小さく、一定限度に達すると歯で目を噛みちぎった。
水晶体が陽光を反射して綺麗に光っていた。
少女は口の中でじっくりと目を咀嚼していた。表情はとても恍惚としている。
ふと、ジョルジュと目があった。少女はきょとんとして、それからはっとして、目をジョルジュの前に持っていった。
ひび割れて、崩壊を始めようとしている目玉がジョルジュに向けられた。
輝きのないそれがさっきまで生物の中にあって機能していたなんて、にわかには信じ難かった。
ようやくジョルジュの痺れた思考が戻ってきた。
少女の手を払いのけると、喚きつつ猛然とジョルジュは駆け出した。
826
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです10/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:52:26 ID:TB6qx7aU0
普通じゃないにも程がある。
吐き気がこみ上げてくるのを必死に堪えた。
見た目が子どもだから油断していた。そんな自分を後悔した。
ノパ⊿゚)「おじさんー」
後ろから声が聞えてくる。
振り返るわけにもいかない。あの手で掴まれたら最期、どうなることか。
さっきの魚の姿が頭に何度も蘇る。
岩場に足を取られそうになりながら、階段を上り、道路へと戻った。
無理をして走ったため、サンダルが切れかかっている。
大丈夫かなと心配になり、足元に目をやった。
鶏がいた。
(;´∀`)「あ、ちょっと! 捕まえてくれモナ!」
養鶏場から声がする。
鶏が逃げ出したのだろう。周りにはもう二、三匹鶏が歩いていた。
時間があれば拾ったかもしれない。でも今はそれどころじゃない。
ノパ⊿゚)「どこー」
背後から声がする。
彼女が階段を上ってきているのか。
827
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです11/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:53:26 ID:TB6qx7aU0
ジョルジュは咄嗟に足元にいた鶏を階段に向けて投げ込んだ。
(;´∀`)「あ! お前、何をするモナ!」
養鶏場の人が怒鳴ってきたが、耳には入らなかった。
それと同時に悲鳴が聞こえてくる。少女の悲鳴だ。
上手いこと鶏に襲われでもしてくれたのか。よかった。
ジョルジュはサンダルを放りだした。
もう頼りない状態になっていたからだ。
アスファルトの上を裸足で走りだす。
ホテルを目指す。部屋に入ってしまえば大丈夫だろう。
まさかこんなに夏らしい経験をするなんて思いもよらなかった。
モララーやクックルたちに話してやろう。あいつらどうせ暇しているから。
坂道を駆けのぼり、曲がり道を抜けていく。
道行く人はきっと怪訝そうな顔を向けているだろう。
よくは見えないけど。
ようやくガジュマルの木が見えてきて、ジョルジュは速度を緩めた。
すでに息切れをしていた。煙草を吸いすぎたからか、体力は随分と落ちたようだ。
後ろを恐る恐る振り返る。坂道の上には誰もいない。
上手く少女を撒けたようだ。
828
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです12/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:54:27 ID:TB6qx7aU0
荒い息づらいのまま、ゆっくりとガジュマルの木に近づく。
とにかく日陰に入りたくなった。あの大きな枝の下ならば涼しいだろう。
根元に辿りついて、木を背にして座りこむ。
坂から上り切ったところがちょうど見える。
ここからなら少女が現れても、急いでホテルのロビーに逃げ込めるだろう。
ポケットから煙草を取り出し、火を付けた。
煙が立ち上る。
ロビーにはきっと誰かいるだろうし、妖怪だって簡単には人を襲えないはず。
頭では無理やり結論付けているが、実際はここで休みたいだけだった。
やれやれ、酷いことに巻き込まれた。
ただ俺はただ乳房を見たいだけだったのに。
☆ ☆ ☆
( ゚∋゚)「なあモララー、ジョルジュ遅いなー」
( ・∀・)「あいつのことだし、女の子でも追いかけまわしてるんじゃないの?」
( ゚∋゚)「ありえる。なあ、もっと別の妖怪の話ないか?」
( ・∀・)「うーん、それじゃ、有名どころでいくか」
829
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです13/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:55:27 ID:TB6qx7aU0
キジムナー(キジムン)
沖縄諸島周辺で伝承されてきた伝説上の生物、
妖怪で、樹木(一般的にガジュマルの古木であることが多い)の精霊。
多くの妖怪伝承と異なり、極めて人間らしい生活スタイルを持ち、
人間と共存するタイプの妖怪として伝えられることが多いのが特徴。
「体中が真っ赤な子ども」あるいは「赤髪の子ども」「赤い顔の子ども」の姿で現れると言われることが多いが、
また、手は木の枝のように伸びている、一見老人のようだがよく見ると木そのものである、などともいう。
跳びはねるように歩く。 男女の性別があり、
大人になって結婚もすれば、子どもを生んで家族連れで現れる、あるいは人間の家に嫁ぐこともあるなどとされる。
魚介類を主食とする。
とくに魚の目玉(左目)が大好きで、目玉だけがない魚の死骸があったら、それはキジムナーの食べ残しと伝えられる。
また、グルクンの頭が好物だともいう。 自ら海に潜って漁をする。
( ゚∋゚)「グルクンてなに?」
( ・∀・)「タカサゴっていって、沖縄の県魚なんだ」
( ゚∋゚)「へえ。てか、話長いな」
( ・∀・)「もうちょっと掻い摘んで話そう。
基本的には人間と共存して暮らしている。漁師には大量をもたらす嬉しい妖怪でもある。
その他にも人々に良いことをもたらす面もあったりするんだ」
830
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです14/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:56:27 ID:TB6qx7aU0
( ・∀・)「言ってみれば沖縄版の座敷わらし」
( ゚∋゚)「ほー、島国でも似たような伝説があるってのは面白いな。
でも良いことをもたらすってことは、例えばジョルジュがおっぱい欲しいって思っていたら叶えてあげたりするのか」
( ・∀・)「あー……ある意味正しい」
( ゚∋゚)「ある意味?」
( ・∀・)「まあまあ、まだ続きがあるんだ」
☆ ☆ ☆
横にサンダルが落ちてきた。
すぐには頭が働かなかった。ずっと坂の方に目を向けていたからだ。
ジョルジュはそのサンダルが自分のであることを確認した。
背筋が凍る。歯が震えだす。
時間をかけて、顔を真上へと向けた。
赤い髪が見えた。
木の洞から、例の少女が顔を出して、ジョルジュを見下ろしていた。
無表情で。
ジョルジュは思わず煙草をそのまま木に投げた。
少女はさっと木から下りる。
ジョルジュは立ちあがって、身構え、少女と向かい合った。
831
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです15/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:57:28 ID:TB6qx7aU0
ノパ⊿゚)「ここ、わんぬやー」
_
(;゚∀゚)「……家ってこと?」
少女はこくこくと頷く。
ノパ⊿゚)「にーにー、ゆくさー」
_
(;゚∀゚)「? な、なんのこと?」
ジョルジュにとってわけのわからないまま、少女は首を横に振った。
相変わらず冷たい目線が突き刺さってくる。
もう彼女に何を言っても無駄なことは明白だった。
と、焦げ臭いにおいがするのに気付いた。
_
(;゚∀゚)「あ」
少女の後ろで火が見えた。
先程投げた煙草の残り火のために、ガジュマルの木が燃えはじめたのだ。
逆光のため、少女の顔はわかりにくくなった。
眼だけが赤く光っている。
ふと、少女は自分の脇に手を伸ばして、もぞもぞと動かした。
葉っぱでできた衣服が肌蹴る。ちゃんとした陽光の下ならば少女の素肌が見えただろう。
ジョルジュはうっかりその上半身を凝視してしまっていた。
832
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです16/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:58:27 ID:TB6qx7aU0
すると、異変が生じた。
少女の上半身の、ちょうど胸のあたりがみるみるうちに膨張し始めたのである。
_
(;゚∀゚)「お、おお……」
ジョルジュは呆気にとられ、言葉にならない声を発した。
小難しい思考はかき消される。二つの目線が目の前の二つの膨らみに集中する。
光の加減をこれほどに憎んだことがかつてあっただろうか。
少女にとって不釣り合いなそれは、まさしく自分の追い求めていたものであった。
容姿とのバランスなど大した問題ではない。
ジョルジュにとってはその膨らみだけが判断対象であり、自分を満たす存在だったからだ。
そのもののみの張り、色艶、弾力、可動域、大きさ、硬さ、力強さ、膨らみ具合、垂れ具合などなど
各要素の組み合わせた総合評価によってその神聖さは図られる。
容姿を蔑にしても膨らみによりその女性全てを愛するという度量、気概、そして信仰心が彼にはあった。
敬虔な信者が神と対峙するが如く、腕を広げ、全身をわなわなと震わせる。
_
(;゚∀゚)「おっぱいだ……」
ジョルジュにとっては偉大なるその名前を口に出す。
恍惚とした、あるいは赤子のような無邪気な表情を浮かべた。
833
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです17/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/15(木) 23:59:26 ID:TB6qx7aU0
もはや他の俗な考えはいらなかった。
少女が歩み寄ってくる。それに伴って豊満な幸せの塊が上下に揺れる。
ああ、私の元に来てくれるというのか。
ジョルジュはもう逃げるという選択肢を打ち消していた。
そうだ、どうして私はこの妖怪から逃げたのだろう。
本当はとても心優しい良い妖怪かもしれないじゃないか。
たまたま魚の目玉が大好きな妖怪だっているかもしれないのに、ちょっとグロかったからって逃げていいはずがない。
人間だって千差万別なのだ、偏見は良くない。
現に彼女は私に対して裸体を晒し対峙してくれているのだ。あまつさえ近づいてきている。
つまり彼女は、あのおっぱいは、私を許してくれているのだ。なんと慈悲深いことか。
ジョルジュは身をかがめ、少女を受け止める体勢へと移った。
乳房の膨張は拡大の一途を辿っており、ジョルジュの全身を包み込むには十分すぎる大きさへと変貌していた。
これぞ人間には真似できない妖怪ならではの技巧ではないかと、ジョルジュは感心し垂涎する。
褐色の肌が顔に触れ、温もりがジョルジュを包み込んでいった。
息もできないほどの昂揚感が頭の中でスパークする。
流れ出るアドレナリンを堰き止められない。目の前が真っ暗になり、そして……
☆ ☆ ☆
( ・∀・)「一度キジムナーに好かれるとうっとおしいほどについてこられてしまう。
物語の多くの主人公はそのうっとおしさから、キジムナーと縁を切ろうと画策するんだ」
( ゚∋゚)「なんだか勝手な話だな。それで、どうするんだ?」
834
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです18/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 00:01:22 ID:YdZR4Pzo0
( ・∀・)「キジムナーと縁を切るには、そいつらが嫌いな蛸や鶏、鍋蓋、放屁などをぶつけなくちゃならない。
でもキジムナーと仲良くなってからこれらのものを使うと逆にキジムナーを騙したことになって恨まれてしまう。
それと、住処を燃やすこともやっちゃいけない。これがもっとも恨まれる。
一度キジムナーに恨まれた人には大きな復讐が待っている」
( ゚∋゚)「復讐?」
( ・∀・)「そう。なんだか人間臭いやつだろ。しかもそんじょそこらの妖怪よりよっぽどえげつないやつ」
( ゚∋゚)「なんだよ、もったいぶらずに教えろよ」
( ・∀・)「まあそう急ぐなって。そもそもやり方は一つじゃない。
ただ不運が続くように呪われることもあれば、人に化けて隙を見て目玉を焼きつぶしに襲いかかることもある。
海沿いにいりゃ引きずり込んで怖い目にあわせたりするよ」
( ・∀・)「それと、他にも言い伝えがあるんだ。
お話の種類によるけど、雄のキジムナーにはその体格に不釣り合いな睾丸が、
そして雌のキジムナーには不釣り合いな乳房がある場合もある」
( ・∀・)「その場合、キジムナーはそれぞれの膨んだものを利用して、裏切り者の人間の顔面に押し当てるんだ。
そのままものすごい力でそいつを窒息死させるんだとさ」
835
:
( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです19/19
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 00:02:27 ID:YdZR4Pzo0
( ゚∋゚)「なーるほど、雌のキジムナーに絡まれていれば、どっちにしろジョルジュには幸せだというわけか」
( ・∀・)「そういうこと。あの呪いのお札もキジムナーにはぴったりな意味だと思うし」
( ゚∋゚)「なんて書いてあったんだ?」
( ・∀・)「妖怪さん、お友達になりましょう」
( ゚∋゚)「呪いっぽくないな」
( ・∀・)「そんな本気で呪われるようなこと書かないさ。でも人間と遊びたいキジムナーはよってくるかも」
( ゚∋゚)「そしたら今頃ジョルジュは楽しんでいるかもなー。
あれ、なんか窓の外明るくないか?」
( ・∀・)「あれ、なんだろ……うわ、ホテルの前の木が燃えてる!」
(;゚∋゚)「ええ!? ここ大丈夫か?」
(;・∀・)「さすがに何かあったら連絡が来るだろうし、もう消防隊来てるみたいだから大丈夫だろうけど。
誰だろう、煙草とかの残り火かな。危ないことしやがるぜ」
「まったくなー」
最後に誰の言葉が聞えたのか、結局二人はわからないままだった。
〜おわり〜
836
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:05:10 ID:9OyKUJDU0
くそううらやましい
837
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 00:05:38 ID:YdZR4Pzo0
(
)
i フッ
|_|
なんかムラムラして勢いで書いた。
きっと明日には羞恥心で消してしまうから今のうちに投下する。
ゆくさー=うそつき
838
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:06:30 ID:HotGtFBA0
沖縄の妖怪は本土と一味違って危ないのが多いよな、乙
839
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:06:34 ID:54Y4jdIk0
間髪いれないようで悪いけど39本目いく
.,、
(i,)
|_|
840
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:09:07 ID:54Y4jdIk0
某日、地元の夏祭りにて。
ナンパ目的で祭りに臨んだジョルジュは、さっそく好みの女の子を見つけた。
(゚、゚;トソン「で、デート?」
_
( ゚∀゚)「ここで会ったが何かの縁! たのんます、名も知らぬ可愛い人!」
(゚、゚;トソン「え、えぇぇ……?」
_
( ゚∀゚)「! じゃ、じゃあ、せめて写真だけでも!」
_
( ゚∀゚)「花火を背景に! あ、きた! じゃー撮るから!」
(゚、゚;トソン「え、あ、ちょ……」
_
( ゚∀゚)「はいしゃがんで、笑ってー!」
(゚、゚;トソン「あ、え……、……こ、こう?」
カシャッ
http://imepic.jp/20130815/860640
.
841
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:10:11 ID:54Y4jdIk0
_
( ゚∀゚)「やっべ、花火撮り逃した」
(゚、゚トソン「え、ええと…?」
_
( *゚∀゚)「いやあ、ひと夏の思い出をありがとうございます!」
(゚、゚トソン「あ、その……はい」
_
( ゚∀゚)「じゃ、縁があったらまた会いましょう! そんときはデートでも!」
(゚、゚トソン「………」
_
( ゚∀゚)「…?」
(゚、゚トソン「そ、その……」
_
( ゚∀゚)「あ、はい」
(゚、゚;トソン「え、えっと、い、いまから………、……その。」
(、 ;トソン「暇だったり……ゴニョゴニョ」
_
( *゚∀゚)「!!! 暇!! 暇ですとも!!」
(゚、゚;トソン「よっ、よかったら、ちょっと山道でも散歩したいなー、って……」
_
( ゚∀゚)「ここら、祭りで騒がしいすもんね。 俺でよかったら、喜んで!」
(、 *トソン「………!」
.
842
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:11:03 ID:54Y4jdIk0
――― 初見で、いや、せめて写真の時点で気づくべきだったのになあ。
のちにジョルジュがのこした、誰にも聞かれることのない言葉である。
.
843
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:12:26 ID:54Y4jdIk0
(
)
i フッ
|_|
※
顔がでかく四肢がちいさいのは、不気味さを演出してるんじゃなくてただの画力不足です。
女子中学生が描きそうな絵だけど、まあわかる人にだけでもわかってもらえたら幸いです。
844
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:27:19 ID:JCijkI5w0
死装束ってことか
乙
845
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 00:31:31 ID:54Y4jdIk0
もうひとつ
細かいからこっちはどうでもいいんだが
846
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:16:06 ID:D1A5bmlw0
投下してもいいのかな……
847
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:19:18 ID:NLn1zrRs0
こいや
848
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:19:28 ID:Ql9jkjn2O
いいんじゃないかな
849
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:24:05 ID:pSzcEu2I0
おいまだか
850
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:24:53 ID:D1A5bmlw0
おk、じゃ投下します40本目!
.,、
(i,)
|_|
851
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:25:39 ID:D1A5bmlw0
( ><)「ある朝のことなんです!」
( ><)「僕が中学校に入学して二年目の夏休み!」
( ><)「その初日に友達と遊ぶために起きたら」
((●))
( ><)「ちっこい目玉のお化けが僕の前にいたんです!」
((●))「おい若太郎!やっと見つけたぞい!」
( ><)「彼……かれ?が言うには、僕はこの目玉の息子だというんです!」
( ><)「しかし!しかしですよ!?」
( ><)「『若手 若太郎』14歳!僕には父と母がいます!こんな奴が僕の父親!?」
( ><)「ありえないんです!」
( ´ー`)「え?若太郎は僕らの息子じゃネーヨ?そこらへんに落ちてたから拾ったヨ」
( ><)「これから宜しくなんです目玉の……いや、『父さん』!」
852
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:26:23 ID:D1A5bmlw0
( ><)ビビビの若太郎のようです
.
853
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:27:10 ID:D1A5bmlw0
( ><)「前々から変だなぁとは思ってたんです!」
( ><)「なんか皆には見えないものが見えていたり!」
( ><)「たまたま抜け落ちた髪の毛が妙にトゲトゲしくて、床に突き刺さったり!」
( ><)「聞けば僕は、ナントカ族の生き残りなんだそうです!」
( ><)「で、なんの生き残りでしたっけ父さん」
((●))「ビビスカテルソ=霊長=ソネスベルグ=幽霊族じゃ!」
( ><)
( ><)「幽霊族の生き残りなんだそうです!」
((●))「略すな若太郎!!」
( ><)「うっせー!!長ったらしいのは大っ嫌いなんです!!!!!!」
854
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:28:12 ID:D1A5bmlw0
( ><)「そんな父さんが、僕に使命を言いました!」
((●))「お主はここらで悪さをしている妖怪を退治できるほどに成長したようじゃ!」
((●))「じゃから、妖怪がらみで困った人がいたら、助けてやってほしいのじゃ!」
( ><)「今までさんざ放っておいた人げ……妖怪が何をとも思いましたが……」
( ><)「その言葉を聞いた僕は、その言葉に打ち震えました!」
( ><)「なんか力が有り余ってたので!」
( ><)「日頃のうっぷんやストレスを妖怪にぶつけるには絶好だったので!」
( ><)「僕は快く了解したんです!」
( ><)「でもそんなことよりまずは遊びに行かなきゃなんです!」
( ><)「もう待ち合わせ時間が予定より30分も過ぎてるんです!」
855
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:28:53 ID:iMXVWuVI0
おいなんか始まったぞ……
856
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:28:55 ID:D1A5bmlw0
公園
( ><)「僕は公園へとやってきました!」
( ><)「公園では友達がイライラしながら僕を待っててくれたのですが」
∧_∧
(*‘ω‘ *)「遅いっぽ!ビロード!」
∧_∧
( <●><●>)「もう時間が間もなく1時間になることはワカッテマス」
((●))「こ、こやつら……妖怪じゃ!!」
( ><)
( ><)「何言ってんだこいつ!」
857
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:29:58 ID:D1A5bmlw0
( ><)「こちらも前々から違和感を感じてましたが!」
( ><)「なんか猫耳付けてるなーとは思ってましたが!」
( ><)「僕と同級生の椿歩(ツバキ アユム)ちゃん!」
( ><)「通称ちんぽちゃん!」
( ><)「同じく同級生で苗字が同じの若手升(ワカテ マス)くん!」
( ><)「通称マスかくん!」
( ><)「僕の友達が妖怪だなんて、信じられるわけがないじゃないですか!」
((●))「何を言っておる!こやつ等は凶悪な妖気を放っておる!」
((●))「ここいらの人間たちが『よくタンスの角に足の小指をぶつけている』のも、こやつらの仕業じゃ!」
( ><)「凶悪だとのたまっている割には、凄く地味なことしかやってない気がするんです!」
858
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:30:53 ID:D1A5bmlw0
((●))「こんなことをするのは奴らしかおらん!妖怪……」
((●))「妖怪……妖怪……」
((●))
((●))「妖怪『よくタンスの角に足ぶつけるようになる』じゃと思うな!」
( ><)「こいつ、絶対分かんなかったから適当に言ったんです!」
( ><)「そして、即席で作ったネーミングにしてはクソが付くほど悪いんです!」
(*‘ω‘ *)「ふふふ、よもやバレちゃ仕方ないっぽ!」
( <●><●>)「いかにも!私たちが妖怪『よくタンスの角に足ぶつけるようになる』……」
バアアーーーーーーーーーーーーーアアン!!!!!
(*‘ω‘ *)「「通称妖怪『タン足』!!」」(<●><●> )
( ><)「名前が当たっててしかもこのネーミングの悪さ!」
( ><)「もう救いようがないんです!!」
859
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:31:49 ID:D1A5bmlw0
(*‘ω‘ *)「それで?」
( ><)「え?」
( <●><●>)「私たちが『タン足』だから、どうしようっていうんです?」
( <●><●>)「『タン足』でも、侮れないですからね!?」ゴオォォ
( ><)「うわっ!なんかマスかくんから黒い煙が!これが妖気というものなんですか!?」
( ><)「でも『タン足』って言うだけで威圧感が無くなるんです!クソネーミングに感謝なんです!」
(*゚ω゚ *)「短足の何が悪いってんだああああああああああああああ!!!!」ゴォォオォ!!
( ><)「うわぁ!なんか勝手にちんぽちゃんが怒り始めたんです!ならどうしてそう略した!」
((●))「彼奴等を放ってはおけん!今こそお主に宿る力を発揮するんじゃ!」
( ><)「僕に宿る力!?それはいったい何なんです!?」
((●))「知らん!なんか内側に潜んでるっぽいのを外に出すイメージをすれば出るはずじゃ!」
( ><)「こいつクソほども使えない親父なんです!もう勝手にやるから黙ってろなんです!」
860
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:33:02 ID:D1A5bmlw0
( ><)「う……う……」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
\ ヽ ! | /
\ ヽ ヽ / / /
\ | / /
ゴワァァァァ!!! ,イ
 ̄ -- = _ / | --'''''''
,,, ,r‐、λノ ゙i、_,、ノゝ -  ̄
゙l ゙、_
.j´ . . . . (. ゴワァァァァァ!!!
─ _ ─ { (><#) /─ _ ─
). c/ ,つ ,l~
´y { ,、 { <
ゝ lノ ヽ,) ,
(*‘ω‘ *)「なっ……!」
( <●><●>)「これは!強大な妖気が発せられている!」
(#><)「くらえぇぇぇ!!!必ィィィィ殺ッッッッ!!!」
パァァン!!
(#><) 「レイガン!!」
⊂彡☆))゚ω゚ *) 「なんでっぽべらっ!?」
パァァン!!
(#><) 「体内電気!!」
⊂彡☆))0><●>)「関係ねぇべふ!!」
861
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:35:40 ID:D1A5bmlw0
( ><)「はぁ……はぁ……」
(#)ω; *)「痛いっぽ……」
( #)><●>)「な、なぜ!私たちに手加減をしたんですか!貴方なら私たちを……!」
( ><)「それは!しょうもないからに決まってるじゃないですか!」
((●))「どストレートに言うのぉ若太郎」
( ><)「それに!今までずっと遊んできた人間……じゃないけど!」
( ><)「『友達』を!消せるわけが無いんです!」
(#)ω; *)
( #)><●>)
( #)><―>)「……まったく、あなたという人は」
(*><)「……えへへ」
「さ、遊びに行くんです!」
「痛いっぽ、これは弁償を要求するイタァ!!」パァン!!
「全くもう……」
862
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:38:09 ID:D1A5bmlw0
( ><)「その一件以来、僕たち三人は『若太郎ファミリー』として活躍を始めました!」
( ><)「今日も今日とて、妖怪に困ってる人間のために学校に通いつつ頑張ってるんです!」
( ><)「クソほども使えない目玉の親父!」
( ><)「同じくちんぽちゃん!」
( ><)「同じくマスかくん!」
( ><)「戦闘要員は僕しかいないけど、相手にストレスぶつけてるので気にしてないんです!」
( ><)「ちなみに、ビンタでどんな妖怪も張り倒すので、こんな名前で人間には伝わってるそうです!」
( ><)「『ビビビの若太郎』」
( ><)「夜中に乾いた張り倒した音が鳴り響いたら、それは僕かもしれないんです!」
( ><)「それでは!またどこかでなんです!」
( ><) ビビビの若太郎のようです
(
)
i フッ
|_|
ギャグパクリスペクトしました鬼太郎さんごめんね
863
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:40:23 ID:Uvn0Cjjk0
綺麗にまとめやがったwwww乙!
864
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:40:23 ID:E7uFVXSk0
くそわろたwwww
意外と言う子なビロードも可愛いなprpr
865
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:40:59 ID:u5jfw6AE0
乙
テンポが良かったと思う
866
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:45:37 ID:NLn1zrRs0
そういや本家鬼太郎のビンタの擬音はビビビだなwww
乙乙
867
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:51:39 ID:tghfWQP.0
乙
ワカッテマスのあだ名がひでぇ
868
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 01:54:21 ID:E7uFVXSk0
>>440
間違ってからすまん
左胸のとこに血みたいなの着いてないか?
単に浴衣の模様かも分からんが
869
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:10:53 ID:NLn1zrRs0
>>868
俺はトソンに影が無いのが気になったな
あと、背後のサンドワームみたいなトゲトゲしたの何だろうかと
870
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:14:51 ID:rA6TgEHU0
乙! ネーミングセンスに吹いたwww
次、投下しても大丈夫かな……?
871
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:22:17 ID:NLn1zrRs0
こいやこいや
872
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:22:55 ID:rA6TgEHU0
では、41本目……いただきます。
.,、
(i,)
|_|
('A`)はしあわせな村の一員になるようです
873
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:24:34 ID:rA6TgEHU0
行方不明になったはずの親戚から手紙が来た。
内容はとても簡素なもので、家族に対する謝罪もなければ安否を確信できる言葉もない。
あったのは記録――日記だけだった。
('A`)「このあたりのはずなんだが」
手紙には村の場所と、その村での出来事が記されていた。それだけだ。
まあ、親戚の行方を知る手掛かりになる何かがないかと、ダメもとで来てみたってわけだ。
家族の中で一番暇だった俺が。うるさいニートで何が悪い。
('A`)「帰りたい」
見渡す限り木。右も木。左も木。上も木。
生き物の姿はどこにもなく、背の高い針葉樹林が静かに立ち並んでいる。
足元はぬかるんでいて歩くたびにピシャピシャ音を立てる。
道中で拾った緑の実をかじる。独特の甘さが口の中に広がった。首筋を掻く。
('A`)「何もなさそうだし……帰ろうかな」
874
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:25:35 ID:rA6TgEHU0
森は静かに葉を揺らすばかりで、村のむの字はどこにも見当たらない。
そもそも手紙の内容だっておかしかったのだ。きっとだれかのいたずらだったに違いない。
んで、俺はありのままを伝えればいいんだ。責められはしないだろう。手掛かりは何もなかったと。
さて、日が落ちる前に森を抜けなければ。木の実を口の中に詰め込む。
針葉樹林は日中でも薄暗い。日が暮れてしまえば帰れなくなってしまうだろう。
180度回転して来た道を戻る。
足が止まる。
('A`)
……グス……ッウ……ッ……
(;'A`)
人の声が聞こえた。子どもの泣き声、のようだ。
放置して帰るのも良心がいたむので、とりあえず声の方を覗いてみる。
(;<;*)「いたい、あつい。あついよ」
いたのは男の子だった。
膝に顔をうずめて泣きじゃくっている。
875
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:26:44 ID:rA6TgEHU0
('A`)「お前、迷子なのか?」
(;<;*)「うぇ……ぅ……あ、れ?」
男の子が立ち上がる。
どうしてここにいるのか分からないようで、あたりをきょろきょろ見渡している。
('A`)「……俺はドクオ。お前は?」
とりあえず自己紹介をする。幹の陰から。
びくりと身体が揺れる。初めて俺のことを認識ようだった。
男の子は涙でいっぱいの目をこする。ちらりと見えた目は森を映したような深緑をしていた。
(う<‐*)「おとじゃ。…………どっくん。どっくん」
('A`)「どっくん……まあいいけど。お前このままじゃこの森で凍死すっぞ。ほら、ついてこい」
伸ばした手を弟者の手が握る。
じめっとした感触に手を引きそうになる。さっき涙を拭っていたから当然だろう。深呼吸する。
ブチ。弟者が一歩進むと同時に何かが抜ける音。
(・<・*)「どっくん、いっしょ。いく」
876
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:27:39 ID:rA6TgEHU0
俺の手をぎゅっと握り、満面の笑みを浮かべる。
それは年相応のもので、不思議と安心感がある。
怖さなんてどこかに飛んで行ってしまった。
('A`)「まったく、お前のせいで道忘れるところだったじゃねえか」
目印を幹に貼る。
ここを左にまっすぐ進めば森の外に出られる。
(・<・*)「おなかすいた」
('A`)「とりあえず出てからな」
(;<;*)「おなか、すいた」
(;'A`)「あーもう。分かったから泣くな、頼むから泣くな」
子どもに泣かれるとどうしたらいいか分からない。
首筋を引っ掻く。
(・<・*)「ごはん、ごはん」
('A`)「今これしかねえぞ」
リュックの中からおにぎりを出す。ここに来る前コンビニで買ってきたものだ。
弟者は渡されたおにぎりを見て首をかしげている。
877
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:28:41 ID:rA6TgEHU0
(・<・*)?
('A`)「どうした」
(・<・*)「これ、なぁに?」
('A`)「おにぎり、だ」
(・<・*)「おにぎり?」
弟者はおそるおそる、おにぎりのにおいを嗅ぐ。
それでもよく分からなかったようで耳をぴくぴくさせていた。
('A`)「米で作ったボールって言ったらいいのかな……
なんだお前おにぎりも食べたことないのか?」
(・<・*)「うー、だって、これ、はじめてみる、もん。
これ、あにじゃに、わたしてくる!」
そう言い残して弟者は森の奥に消える。変な子どもだ。
急に現れたと思ったら消えた。第一あいつは迷子じゃなかったのか。
まあ……道を知っているみたいだし大丈夫そうだ。
878
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:29:56 ID:rA6TgEHU0
かといって、このまま放っておいてしまうのもなんだか気が引ける。
追いかけようとしたら今度は背後から荒い呼吸が聞こえた。
慌てて振り返ると眉の垂れたおっさんがこちらを見ていた。
ハァハァ(;´・ω・`)「おや、鬱田さんじゃないですか」
(;'A`)
顔面汗だくの変なおっさんだった。やけに息が荒いのも気持ちが悪い。
ここに住んでる人たちは急に現れるのがマナーなのだろうか。
というか、なぜ俺の名前を知っているんだこいつは。
(;´・ω・`)「ああ、驚かせてしまってすまないね。僕はショボン。
君のおじいさんの友人で、君のおじいさんも昔はここの村の人だったんだ。
君も小学校に上がるまではここの村に住んでいたんだよ?」
('A`)「え……そうなのか?」
(;´・ω・`)「ハァハァ覚えていないのも無理はないよ。ここはすっかり寂れてしまったからね」
('A`)「それはそうだとしても……なんでそんなに汗だくなんだ」
(;´・ω・`)「さっきあそこで薪を割っていたんだ。
どうせ宿もないんだろう、僕の宿にくるといいハァハァハァ」
なぜだろう、身の危険を感じる。
(;'A`)「い、いや、それは悪いよ流石に」
(;´・ω・`)「遠慮しなくてもいいのに。君のおじいさんと僕はとっても仲がよかったんだよ。
来てくれたら村の超極秘の秘密も見せてあげるよ? ハァハァハァ」
879
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:30:56 ID:rA6TgEHU0
半ば強制的に連れられた建物は、それはそれは大きな宿だった。
弟者とは宿の案内が終わってからまた合流することにした。
(´・ω・`)「まだ近い昔の話、この村に双子が生まれたんだ。
しかし不幸なことにこの村では双子というのは忌み嫌われる存在だった。
双子は村から追放され、なすすべもなく死んでしまった」
案内された地下に降りると、長い廊下が出現する。その両脇には蔦が絡んだ扉が何枚も並んでいた。
(;'A`)
不気味だ。薄暗いから、という理由だけでない。
壁や扉、床、天井、ところどころに植物の根っこや蔦が張り巡らされている。
今にも何かが襲い掛かってきそうなほどこの場の空気はどんよりしていた。少し、息苦しい。
(´・ω・`)「この蔦は――ああ、いや、中で話そうか」
ショボンさんが近くのドアノブをひねる。
重い音を立てて、ゆっくりと部屋の中に廊下の光が差し込む。
(´・ω・`)「どうぞ」
まるでお茶を出すような声色だった。
880
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:31:58 ID:rA6TgEHU0
(;'A`)
部屋いっぱいに広がる植物の根。そして部屋の中心におかれた寝台には人――らしきもの。
蔦と根っこでがんじがらめにされていて、人間らしい原型はほとんどなかった。
ほとんど骨と皮であるせいだろうか。
近づいて顔を見てみると、それとどことなく探している親戚に似ているような気がした。
(´・ω・`)「これこそが呪いさ」
('A`)「のろ、い?」
(´・ω・`)「そう。呪われた村人はこうやってヤドリギのご飯にされてしまうんだ。
でも、不思議なことに幸せな顔をしているだろう」
蔦から垣間見える顔は確かに笑顔だった。
同時に感じる強烈な違和感。首筋をひっかく。
('A`)「ああ……どうしてこの人は笑ってるんだ。
普通は歪んでてもおかしくないのに」
死因は知らないが、笑いながら死ねるなんてことはほとんどないはずだ。
納棺前に穏やかだったりするのは、だいたいが手を加えて表情を整えているからだ。
(´・ω・`)「至極簡単なことさ。幸せだからだよ」
ショボンさんは当たり前であるように断言した。
881
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:32:47 ID:rA6TgEHU0
(´・ω・`)「双子はね、みんな幸せになってほしいと願う優しい子たちだったよ。
だから呪いと言っても恐ろしいものではないんだ。
幸せになるおまじない。永遠に幸せになるための手段とも言える。
ほらごらん、幸せな顔を見れると幸せな気持ちになれるだろう?」
有無を言わさないような雰囲気に言葉を呑み込む。
ショボンさんってこんな人だったか? 昔の記憶を手繰るが何も思い出せなかった。
心の中で親戚に別れを告げ、部屋を出る。
廊下に連なるたくさんのドアの向こう側にも、きっと同じしあわせな光景が広がっているのだろう。
('A`)(あれ……端っこのドアだけ蔦で埋め尽くされてる)
(´・ω・`)「ちなみに廊下の端に見えるあの蔦のドアのなかはね、ついさっき亡くなった人の部屋なんだ」
痒い部分が痛む。ガリガリ。
('A`)「その部屋にも――あるのか」
(´・ω・`)「うん。見るかい?」
('A`)「……いや、いい」
(´・ω・`)「まあ、見せられないんだけどね」
('A`)「なら聞くなよ」
ショボンさんはくすくす笑うと、次は一階に案内してくれた。
882
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:33:42 ID:rA6TgEHU0
こちらは先ほどと雰囲気が変わり、テレビにソファ、生け花、と落ち着ける空間だった。
ただし、人は俺たち以外にだれもいない。
(´・ω・`)「部屋の準備をするからちょっと待っててね」
ショボンさんを見送ってからソファに座る。
思っていたよりも疲れていたようで足が石のように重かった。
('A`)「……気味悪ぃ」
一番驚きなのは、あんな光景を見たにもかかわらず平然としている自分である。
仮にも、この宿の地下には死体があるのだ。それなのに、どうでもないことのように受け入れてしまっている。
変なこと続きで心身ともにもう限界なのかもしれない。親戚も――あんな形で発見することができたしな。
('A`)「やっぱり圏外かよ……お決まりだな」
気分転換に誰かの声が聴きたくてスマホを取り出すが、このザマだ。
充電が勿体ないので電源を落とす。
( _ゝ )
刹那、暗くなった画面に映る顔。
反射的にふり返るとそこにはショボンさんがいた。
スマホをポケットの中にしまう。しん、こきゅう。
(´・ω・`)「おまたせ、部屋の準備ができましたよ」
('A`)「ありがとう」
883
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:34:47 ID:rA6TgEHU0
案内された部屋は、ごく普通の部屋だった。窓からは外の森がよく見える。
部屋の中には鉢がいくつか置いてあって、どれも念入りに手入れされているのか青々と茂っていた。
ショボンさんが入口付近の苗木に笑いかける。幹に巻きついた蔦を撫でる手つきが優しい。
(´・ω・`)「さっきはありがとうな。
でも、もっとおいしいものがいいなァ」
('A`)「……木の実か何かのことか?」
(´・ω・`)「あ、ああ。こいつはとっても美味しい実をつけるんだ。
君もここに来る途中で食べただろう?」
(;'A`)「えっ。どうしてそれを知ってるんだ」
(´・ω・`)「簡単な事さ。ここに来る人は必ず食べてるからね。
お礼を言ってあげるとすごく喜んでくれるよ」
ショボンさんは最後ににこりと笑う。
(´・ω・`)「鬱田さん、ずっとここにいてもいいんですよ?」
('A`)「いや……俺には家があるし、無理だよ」
(´・ω・`)「そう。とりあえず、今晩はどうぞごゆっくり」
884
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:35:45 ID:rA6TgEHU0
* * *
タダで泊まれるということで、結局ショボンさんの好意に甘えさせてもらった。
気味悪いことには気味悪いが、このまま家に帰る元気がないのも事実だった。
引き出しにあったライターをポケットに入れる。何かあったときのためだ。
('A`)「おっとと」
つまずいて転ぶ。その拍子に机の上の荷物を床にばらまいてしまった。
(;'A`)「っち、ついてねえな」
適当に拾い上げカバンに詰めなおす。
入口付近にまで転がったティッシュを拾ったとき、少しだけ湿っていることに気が付いた。
('A`)「……なんか零したっけか?」
手さぐりで湿っているところをたどるとどうやら部屋の外に続いているようだった。
カツンカツン。音は窓の方からだ。カツンカツン。あーはいはい急かすなって。
振り返ると窓の外で黄緑色の耳がぴょこぴょこ動いていた。
(・<・*)「どっくん!」
カツカツと窓を叩いていたのは弟者だった。
ぴょんぴょん跳んでいるからか顔が引っ込んだり出てきたりしている。
('A`)「そっち行くからちょっと待ってろ」
(・<・*)「うん、まつ! やくそく!」
満面の笑みが見えて、消えた。
885
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:36:36 ID:rA6TgEHU0
外に出て弟者の姿を探す。嵐のような子だからな、もしかしたら森の中に隠れているかもしれない。
自室の窓の下に姿がないことを確認して森の中に一歩踏み込む。
後ろから何かに抱き着かれた――黄緑色の耳がぴこぴこ動いている。
(*'A`)「おまたせ」
(・<・*)「えへへ、どっくんだぁ」
ぎゅっと手を握られる。
(*'A`)「これからどうするんだ?」
少しの間でも、あの場所から離れられることが嬉しかった。
それに、この無邪気な笑顔を見ているとなぜか安心する。
(・<・*)「うーん……」
弟者が首をかしげる。何も考えていないあたり本当に子どもなんだなとほっこりする。
唇をへの字にまげて悩んでいる弟者の目を見ていると――ショボンさんが言っていた言葉が浮かんだ。
(*'A`)「木の実美味しかったぞ……ありがとな」
近くの木を撫でるとなぜか弟者が笑顔になった。
(・<・*)「ありがとうー」
(*'A`)「なんでお前が礼言うんだよ」
(・<・*)?
886
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:37:16 ID:rA6TgEHU0
(・<・*)「そうだ! いっしょに、いこ!」
ぐいっと森の中へ引っ張られる。
思っていたより力が強く、抵抗も虚しく引きずられてしまう。
(;'A`)「ど、どこにっ!?」
(・<・*)「ごはん、おいしかった! あにじゃも、ありがとういってた!
あいたいって! どっくんと、なかよしに、なりたいって!」
弟者はぴょんぴょん跳ねながら兄者という人物について説明しだす。
進んでいる森の先には人の住めそうな場所があるなんて想像ができない。
(;'A`)「あにじゃって?」
(・<・*)「さすがなきょうだい、だよ!」
周りの景色に蔦が増える。それと地面はだんだんぬかるんできて進みにくい。
きょうだい、という言葉に思考が止まる。可能性がないわけじゃない。
弟者は、もしかするとショボンさんの言っていた――「ここだよ!」
(・<・*)「ここ。ぼくと、あにじゃの、おうち!!」
887
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:38:28 ID:rA6TgEHU0
たどり着いたその空間は少し開けた場所だった。
周りを背の低い木に囲まれ、蔦がそれぞれの木をつなぐように伸びている。
中でも大きな木が一本。その木の根の半分は湖に浸っている。
それは綺麗な湖だった。限りなく透明で、手にすくうと薄水色をしていることが分かる。
底を覗く。思ったより深かった。
('A`)(吸い込まれそうだ)
水面に手を入れる。ぴちゃぴちゃと掻き回せば波紋が暴れる。
身体が前に傾く――落ちる、そう思った瞬間、手首を捕まれた。
( ´_ゝ`)「やだっ、そんなまじまじと見ないでどっくん」
Σ(;'A`)ビクゥ!!
湖の中から男が出てきた。正しく言えば水が男の形になった。
どことなく弟者にそっくりな容貌。にっこり笑みを浮かべるところは特にそっくりだ。
( ´_ゝ`)「こんにちはどっくん。俺はァ弟者のお兄ちゃんです。
湖に住んでるよ! つかもう湖is俺って感じなんだけどね。
綺麗って思ったでしょ、ね、綺麗でしょわたしっ」
言っていることはただの変態のそれだが。
おかげで、というかそのせいで、というべきか。目の前の事実にたいした驚きを感じない。
888
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:39:11 ID:rA6TgEHU0
('A`)(こんな幽霊嫌だな……)
( ´_ゝ`)「あふん」
('A`)(なにこいつきめぇ」
( ´_ゝ`)「どっくんとやら、本音が見え」
('A`)「ドクオです」
( ´_ゝ`)「ドクオくん、本音が見え」
(・<・*)「なになにー?
あにじゃ、きもいの?」
('A`)「うん、弟者くんはあんなふうになっちゃダメだよってことだよ」
( ´_ゝ`)「登場してからわずか数秒でこの仕打ち!
ドクオくんったら辛辣なんだからっビクンビクン」
(・<・*)「あにじゃ、うるさい」
( ´_ゝ`)「いやん、実の弟まで冷たい!ハァハァ」
('A`)
( ´_ゝ`)「ああ、ごめんなドクオくん。そしておかえりこの村へ。
俺、お前に聞きたいことがあって、それで弟者に連れてきてもらったんだよ。
俺は水がないと動けないからなァ、ほんとめんどくさい身体」
889
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:40:01 ID:rA6TgEHU0
( ´_ゝ`)「ドクオくん、幸福とはなんだと思う?」
('A`)(急に真面目な話になったな)
ショボンさんと蔦に絡まれた人の表情が頭に浮かぶ。
幸せ、とはなんだろう。
('A`)「……」
答えることができなかった。
( ´_ゝ`)「幸福っつうのはなァ、実はとても単純なものなのだ」
(・<・*)「みんな、なかよし!」
( ´_ゝ`)「例外の俺たちにはそれが許されなかった。
双子だからって理由だけで、村中から石を投げられたよ」
('A`)(双子……やっぱり弟者は……)
(・<・*)「んー!! いたいの、だめ! しない! かなしい」
( ´_ゝ`)「ははは、弟者は優しいな。酷いことたくさんされたのにな。
そんで、森に追放された俺たちは、残念ながらただの子供だった。
何もできるはずがなかったんだ」
(・<・*)「なか、みずのなか。あにじゃ、みずのなか」
( ´_ゝ`)「ふふふ、生憎俺は泳げなくてな。
そして弟者は餓死して木の養分になったんだよな。
ちなみに弟者が小さいままなのは弟者の“ヤドリギ”の成長に関連してるっぽい」
890
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:41:11 ID:rA6TgEHU0
(う<⊂*)「しくしく。さみしい。かなしい」
( ´_ゝ`)「悔しいことにな。なぜみんな仲良くなれないんだろうな。
先入観ですべてを決めてしまうんだろうな」
(・<・*)「ね。なんでなんで?」
( ´_ゝ`)「知るすべなど俺たちになかったが、一つだけわかったことがある」
(・<・*)「きらきら! あにじゃとまた、いっしょ!」
( ´_ゝ`)「優秀だからな俺らは、やっと気付けたのだ。
不幸者が率先して幸せな世界を作ることが、しあわせになる一歩なのだとな」
(・<・*)「らっき、はっぴ! みんな、なかよし、しあわせ!」
( ´_ゝ`)「うぬ。簡単に言うとそういうことだ」
(・<・*)「いいでしょ!」
( ´_ゝ`)「どうだドクオくん。俺たちの理想のために、お前の力を貸してくれないか」
(;'A`)「……具体的には何したらいいんだよ」
( ´_ゝ`)「んーそうだなァ。ずぅっとしあわせになってくれるだけでいいわ。
村人みんなと仲良しこよししててくれ」
891
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:42:41 ID:rA6TgEHU0
(・<・*)「でも、このままだと、けんかするよね?
だから、おてつだい、する!」
見てるだけで幸せになれるしな、と兄者は付け足す。
それは要するに、俺にあの寝台の人間のようになれと言っているのだろう。
蔦の餌食になれと――おまじないをかけられろと。
(;'A`)「……断ると言ったら?」
( ´_ゝ`)「そいつァ聞けないな。ドクオくんもこの村の住人だったわけだし」
(・<・*)「だめだよ。どっくんは、いっしょ! やくそく、した!」
( ´_ゝ`)「というわけだドクオくん。悪い話ではないと思うぞ?」
(・<・*)「ね、どっくんもしあわせになろう?
おいしいきのみ、たくさん。ずうと、あそべる。いっぱいいっぱいたのしいよ!」
弟者が俺の首筋に手を添える。
何かが巻き付くような感覚に近いそれに、ぞわりと全身に鳥肌が立つ。
(;'A`)
とっさにはねのける。
しかし弟者はあの笑顔のまま、また俺に手を伸ばしてきた。
892
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:43:31 ID:rA6TgEHU0
このままじゃやられる。
何かないかとポケットを探る。あった。ライターだ。
ライターで紙に火をつけて弟者に突き出す。
(;'A`)「いくらお前でも、これ以上近づいたら燃やすぞ」
(・<・;)「ど、どっくん! あぶない、やめて?」
弟者が後ずさる。ばかめ、子供とはいえ油断しすぎだ。
弟者だけではない。兄者は俺に情報を流しすぎた。
弟者の正体が分かってしまうぐらいに。
(;'A`)「じゃあな!」
一番大きい木の幹に燃えた紙を投げる。
火はすぐに木に移り、木を――弟者を燃やし始めた。
(;<;*)「あ゛………ああ、っ……あああああ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁあああ」
兄者はあっけにとられているのかじっと俺と弟者を見ているだけだった。
(;<;*)「あつい! あついよ! あ、づぃいいい゛い゛い゛いいいい!!!!」
( ´_ゝ`)「……」
金切り声をあげて弟者が地面に崩れ落ちる。
やはりあれが“宿り木”だったようだ。木はものすごい勢いで燃え始める。
ライターをしっかり握りしめ走る。
893
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:44:34 ID:rA6TgEHU0
(;'A`)ハァハァ
方向感覚が分からないがとどまっているよりマシだろう。
やはり兄者は湖から動けないようだった。しかし問題は弟者だ。
ここは森の中。言わば弟者の中でもある。宿り木を燃やしたとはいえ、油断はできない。
数十歩先の草むらが揺れる。弟者の上半身が見えた。
(;'A`)「くっそ、ついてくんなよ!!」
半分ただれた身体。手で草をつかんで這いながら追いかけてくる。
走る。蔦につまずき転ぶ。痛み。
(;<.:#_「どっく……あづ……ぃ、」
苦しそうに弟者の手が伸ばされる。
(;'A`)「そ、りゃっ、燃えてるから、なぁ!」
捕まったら終わりだ。反射的に立ち上がり駆ける。
しかし、これ以上走り続けるのも限界だった。
不幸か幸いか来るときに残した目印が目に入った。
この目印を左にまっすぐ抜けるだけだ――行ける、逃げ切れる。
894
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:45:22 ID:rA6TgEHU0
木の根っこを蹴り、蔦を千切り、がむしゃらに走る。
(;<.:#_「いだぃ……ぁ、い……あづ………」
聞こえてくる弟者の声はほとんど虫の息だった。
ライタ−を点ける。ポケットに残っていた紙を燃やす。後ろに投げる。
(;'A`)「じゃあな、可哀相な双子さん!」
薄暗い空間に強い光が差し込み、その光は辺りに広がり、俺自身を包む。
森を抜けたのだ――逃げ切ったんだ。
俺は、怪物から逃げ切った。生きている。
(;'A`)「ははは……案外あっけないものなんだな」
静まりかえった森を眺める。怪物は、もういない。きっと焼け死んだのだろう。
安心したせいか、首筋が猛烈に痒くなり爪を立てる。チクリと神経に染みるような痛み。
変な虫にでも噛まれてしまったのだろうか、帰ってから病院に行くとする。ガリガリ。
895
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:46:02 ID:rA6TgEHU0
家に帰ろうと歩きだした瞬間、足先に何かがぶつかった。
それは俺が食べていた木の実だった。ガリ……ガリガリ。
(*'A`)「……」
弟者とガリ同じ色をした、木の実。ガリガリ。
蹴り飛ばす。ガリガリガリガリ。いきのびた、うれしい。
(*'A`)「かゆい」
首がカリカリ痒いガリガリミチミチ痒いガリガリなんだろうこれ。
ぽちゃん。遠くでガリガリ何かがミズの中におちるおと。
ガリガリガリガリガリガリせかいがガリガリガリガリぐるりとマワって、
896
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:46:50 ID:rA6TgEHU0
じぶんのせなかがみえた。
もっとおいしいもの、でーきたっ( < *┃
897
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:47:34 ID:rA6TgEHU0
* * *
蔦で埋め尽くされた扉が開かれ、暗い部屋に光が差し込む。
男は寝台の上のヒト――ドクオの首に手を伸ばす。
(´・ω `)「弟者」
男はドクオの首から生えた蔦を愛おしそうに撫でる。
まるで小さな子供の頭を撫でるように、優しく、何度も。
その蔦はドクオの身体に細かい根をゆっくりと張りつけていく。
( _ )「よく頑張ったな」
その声に答えるように“寄生木”は葉を揺らす。
男はドクオの上に土をかぶせる。
顔だけ出ているせいでドクオの表情はありありと見ることができる。
何かに勝ったような――幸せそうな顔を。
( ´_ゝ`)「可哀相に。どっくんも最後まで気が付けなかったんだなァ」
ドクオから生える蔦の果実を手に取ると、男は楽しそうに微笑んだ。
まだ実ったばかりのその果実は、森と同じ深緑色をしている。
898
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:48:53 ID:rA6TgEHU0
風も振動も、何もない部屋で葉が揺れる。男はそれを見て幸せそうにケタケタ笑う。
( ´_ゝ`)「まったく食いしん坊だな弟者は。
そうだなァ、そろそろ次の人を呼ばなければな」
( ´_ゝ`)ガリガリ
男は果実をかじる。
緑色の果汁が床に滴る。
( ´_ゝ`)「なァ弟者よ、お前の言うとおりしあわせの味はたまらなく美味しいな。
しかし俺はこうやって、ずっと幸せでいる皆の顔を見るだけでも幸せだよ。
どんな世界でどんなことやってるのかなぁってサ、考えるだけで」
( ´_ゝ`)ガリガリガリガリガリ
( ´_ゝ`)「むらのみんなでしあわせになるために。
ふたりのしあわせなむらを、つくるために
これからもがんばろう、さすがなきょうだい」
しばらくの沈黙の後、まるで頷くようにしてドクオの首が転がり落ちていった。
899
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:49:42 ID:rA6TgEHU0
(
)
i フッ
|_|
おそまつさまでした。
900
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 02:53:03 ID:NLn1zrRs0
無邪気な弟者が怖いぜ……
乙乙
901
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 09:35:41 ID:peuP/VV20
>>840
胸がない…つまり…
902
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 11:30:31 ID:Uvn0Cjjk0
>>901
わろた
903
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:34:37 ID:QEDEh49o0
あれ、きょうって投下していいよな・・・?
間違ってたら悪いがスルーしてくれ、投下します
904
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/16(金) 18:36:00 ID:9knS33ZI0
投下オーケーだよ!
どんどん投下してよ!
支援するよ!
905
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:36:40 ID:QEDEh49o0
たぶん42本目もらいます
.,、
(i,)
|_|
906
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:38:48 ID:QEDEh49o0
('A`)「ふえー外あっちー」
( ´ω`)「疲れたおーアイス食べたいおー」
('A`)「夏休みまで部活あるとか聞いてねーよ……」
( ^ω^)「それ毎日言ってるおwwwwwwwwww」
('A`)「はー、しっかし……どうせ大したことしねーんだからサボればよかったかな……」
( ^ω^)「〆切近いしちょうど良かったお?
みんなやばいから静かだしはかどったお」
('A`)「ざんねーん俺もう書き終えてまーすwww
……なー、そういえば最近モララー見なくね?」
( ^ω^)「あー、そういえば見ないおねー。
サボりかお?」
('A`)「俺らはちゃんと来てんのに……アイツちょっとイケメンだからって調子に乗って……ヤリチン野郎……。
あ」
((( ´∀`)テクテク
( ^ω^)「モナーだお」
('A`)「おーい、モナー!」
907
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:40:41 ID:QEDEh49o0
( ´∀`)「おっ、ドクオ、ブーン。
今日は部活モナ?」
( ^ω^)「そうだお〜夏休みまで部活あるとか聞いてないおw
〆切近いしまじつらw」
('A`)「お前も部活?」
( ´∀`)「そうモナ、秋のコンクールに向けて描き始めてるモナよ。
今から帰りモナ?
一緒に帰ってもいいモナ?」
( ^ω^)「もちろんだお!」
((( ^ω^)
((( 'A`) テクテク
((( ´∀`)
('A`)「あ、そういえば、モナーってヤリチン野郎の幼馴染みだったよな?」
( ´∀`)「ヤリチン……ああ、モララーのことモナ?
そうモナ」
( ^ω^)「ヤリチンで通じるモララー乙wwwwwwwwww」
('A`)「最近部活来ねーんだよアイツ」
( ´∀`)「モララーの親御さんに聞いたんだけど、モララー、家に帰ってないみたいモナ」
908
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:42:20 ID:QEDEh49o0
(;^ω^)そ「えっ、それやばくないかお?」
( ´∀`)「代わりにメールは来たらしいモナ。
夏休みだし彼女のとこ泊まるって」
('A`)「死ね。氏ねじゃなくて死ね」
( ^ω^)「えっ、彼女?
でもモララーこないだ……」
(*'A`)「おっ、おいおい噂をすればだぜ」
ζ(゚ー゚*ζ))テクテク
(*'A`)「はー可愛いなデレたんデレたんも部活帰りかな。
なんであんな可愛いのにモララーなんてクソ野郎の彼女なんだ……」
( ^ω^)「確かに可愛いんだけど……」
(*'A`)「ちょっくらデレたんに真実を聞きに行くという口実のもとお喋りしちゃおうぜ」
( ^ω^)「ドッくん話聞いてお。
夏休み入る前にヤリチン氏がデレ嬢をフッたらしいお?」
(;'A`)「えっ、はあ!?!?」
( ´∀`)「それモナーも聞いたモナ」
(;'A`)「はああ!?!?!?」
(;^ω^)「声でかいお」
909
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:43:25 ID:9knS33ZI0
これはモララー死んでてほしい支援
910
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:43:59 ID:QEDEh49o0
ζ(゚ー゚*ζ「あれっ、こんにちは、鬱田くん、内藤くん、大前くん。
もうこんばんはかな、部活帰り?
なんのお話ししてるの?」
(;'A`)「えっ、えっと……」
( ´∀`)「モララーの話モナ」
(;^ω^)そ
ζ(゚ー゚*ζ「そうなの?」
(;'A`)「えっえっえっと、だ、大丈夫だよデレたん!
デレたんならもっといい男捕まえられるから!!!
例えば目の前の誰かとか!!!!!!」
ζ(゚ー゚*ζ「……?」
( ´∀`)「モララーと別れたって聞いたモナ」
(;^ω^)そ「んなあっさり」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、そういうこと!」
(;^ω^)そ
911
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:45:11 ID:QEDEh49o0
ζ(^ー^*ζ「ふふ、ありがとう、鬱田くん。
でも大丈夫だよ、戻ってきてくれたから」
(*'A`)「女神……」
( ^ω^)「戻ってきた?」
ζ(^ー^*ζ「うん、モララーくんがね、やっぱりデレじゃなきゃダメだって気づいてくれたの。
だから今はモララーくん、デレのお家にいるよ」
('A`)「さよか……」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、だから大丈夫だよ、ありがとう。
じゃあ、またね!」
ζ(゚ー゚*ζ))テクテク…
('A`)「行っちゃった……」
912
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:47:11 ID:QEDEh49o0
( ^ω^)「そう気を落とすなお。
どっちみちドクオに振り向いたりはしないと思うおwwwwwwwwww」
( ´∀`)「どんまいけるwwwwwwwwww」
('A`)「お前ら覚えてろよ。
モララーは氏ね」
( ´∀`)「wwwwwwwwww」
チャッチャカチャカチャカ チャッチャン\パフッ/
( ´∀`)「おっ、噂のモララーくんからメール来たモナ」
( ^ω^)「笑点wwwwwwwwww」
Sent 2013/8/16 18:47
From もら
To もな
SUB 無題
たいへんだ!
すっかり部活に行
けてない(笑)
てか、宿題多くね?
間に合うかな〜
金曜までだっけ?
さっぱり分かんないし
レベル高すぎじゃね(笑)
たぶんヤバイわ(笑)
913
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:49:06 ID:QEDEh49o0
( ^ω^)「夏休みの宿題かお?」
('A`)「金曜までのとかあったっけ?」
( ´∀`)「部活サボってるわりに宿題やる気はあるモナねwww」
ブーン、メールヨ!ブーン、メールヨ!
( ^ω^)「あ、僕にもメール来たお」
('A`)「ツンの受信ボイス……だと……」
( ´∀`)「まず爆発すべきはブーンじゃないモナか?」
Sent 2013/8/16 18:49
From モララー
To ( ^ω^)
SUB 無題
デレの作る料理は
レベル高いんだ(笑)
くださいって言われ
ると困る
って言うか(笑)
手加減して作って
るらしいけどな(笑)
914
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:51:18 ID:QEDEh49o0
( ^ω^)「ノロケかおwwwwwwwwww」
( ´∀`)「ムカつくモナwwwwwwwwww」
('A`)「爆発しろ」
ブーッ ブーッ
('A`)「うわ俺にもメール来た」
( ^ω^)「普通にバイブだお」
( ´∀`)「面白味もなにもないモナ」
('A`)「うるせえマナーをわきまえてんだよ俺は!」
Sent 2013/8/16 18:51
From 爆発しろモララー
To 鬱田ドクオ
SUB 無題
こんど遊びに行こうな!
ろっぽんぎとか
さ来週くらいに!
レンタルビデオを見
るのは飽きたんだよ(笑)
915
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:52:17 ID:QEDEh49o0
( ^ω^)「デートのお誘いだおwwwwwwwwww」
( ´∀`)「なぜドクオにwwwwwwwwwwなぜ六本木wwwwwwwwww」
('A`)「デレちゃんと行けよクソ」
( ´∀`)「てか登録『爆発しろモララー』ってwwwwwwwwww」
('A`)「爆発しろ」
( ´∀`)「……ま、元気そうでよかったモナね」
( ^ω^)「心配して損したお」
('A`)「爆発しろ」
( ´∀`)「モララーの親御さんに彼女と仲良くしてるみたいですwって伝えとくモナ」
(;A;)「爆発しろ……クソ……」
( ^ω^)「ついに泣いたwwwwwwwwww」
これ以降、モララーからメールは来なかった。
916
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 18:54:21 ID:QEDEh49o0
(
)
i フッ
|_|
おわり!支援ありがとう
どうしてもモララーを葬らねばと思って書いた
917
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 19:02:33 ID:9knS33ZI0
乙ー
モララー死亡確認
これはスッキリ
918
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 19:06:17 ID:MtocwBUc0
一本目のメールやっと読めた
監禁かい、ざまぁ
919
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 19:09:07 ID:b5BlkvGw0
いいじゃん、ヤンデレ。 乙
920
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 19:09:25 ID:tghfWQP.0
乙
よく殺った
921
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 19:58:03 ID:kz.EQHHQ0
あれ…モララーの扱い、酷すぎ…?
922
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:00:57 ID:YdZR4Pzo0
43本目をいただきます。
.,、
(i,)
|_|
923
:
証言のようです 1/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:02:19 ID:YdZR4Pzo0
ギコの証言
――発見時の状況を教えてください。
(,,゚Д゚)「ああ、俺はタクシーの運転手でよ、その日もいつものように客をせっせと運んでいたんだ。
駅でひどく酔っ払った客を拾っちまってさ、家はどこだって聞いたら、郊外の方だったのよ。
一部だけど山道も通らなきゃでさ、なんとなく嫌な予感がしてたわけよ」
(,,゚Д゚)「とはいえせっかくのお客だし、もちろん運ぶ。
国道を進んで、山の方へ。街灯の間隔がだんだん離れていってさ、見えにくいったらしかたない。
山道だしもっと配慮してくれとは思ったね。まあそんなところ夜中に走る奴ほとんどいないからかもしれないけど」
(,,゚Д゚)「で、山道をとろとろ走ってた。落っこちたりしたら洒落にならないし。
そしたら後ろで客がわめきだすのよ。どうしたーって聞いたら、なんかもごもご言いだす。
ああ吐きたいんだなって思ってさ、しかたないから止めたんよ」
(,,゚Д゚)「その客すごい速さで車出ちゃってさ、道を逸れて山の方へ行っちゃったのな。
おいおい逃げられたか? とも思ったけど、それ以前にあんな酔ってちゃ危ないだろうと。
それで、俺も仕方ないから車降りて、その客を追った」
(,,゚Д゚)「おーいって言いながらススキの中を進んでいく。なんかびちゃびちゃ聞こえるしさ、居る方向はだいたいわかったんだ。
それで近づいているうちにさ、ふっと横目で何か見えた気がしたのね。それでつい見ちゃった。
右にあった木陰にさ、何か黒いものがあってさ。よく見たらビニール袋がこう、どさって置いてあって」
(,,゚Д゚)「興味本位っていうのかな、なんだろなーって思って近寄って、袋の入口が緩んでるのに気付いた。
何かやばいものでも誰か隠したのかなって、思っちゃった。それで見た、わけですよ。
まさか本当に死体が入ってるなんてなあ……もう、あんまり思い出したくもないよ」
(,,゚Д゚)「そっからは怖いからもう車入って警察呼んで震えてたよ。
え、客? さあ、置いてきちまったからわからねえな」
924
:
証言のようです 2/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:03:24 ID:YdZR4Pzo0
ツンの証言
ξ゚⊿゚)ξ「あら、刑事さん。お久しぶりです」
――お久しぶりです。
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、待ってください。壇にのった方がいいみたい。
背が低めなもので……これでよし、と」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、もう一人の方は?
え!……そうなんですか、お気の毒に」
――被害者と出会った経緯を教えてください。
ξ゚⊿゚)ξ「ちょうど一年前の子どもの日です。
山の方にあるお寺で、小さなお祭りがあったんですね。
こいのぼりをあげたり、柏餅を食べたり、ちょっとした出店も並んだり」
ξ゚⊿゚)ξ「その中で、ぽつんといるのを見かけて。
随分と寂しそうだったから、わたあめを買ってあげたんです。
そしたら、あの、良い方は悪いんですが、懐いちゃったんですよね、きっと」
ξ゚⊿゚)ξ「それから街でたまに見かけて。
向こうも嬉しそうにするから、つい返事もしちゃいました。
でも正直そこまで親交があったわけでは……はい、すいません、期待に添えなくて」
925
:
証言のようです 3/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:04:37 ID:YdZR4Pzo0
ドクオの証言
――被害者と出会った経緯を教えてください。
('A`)「理由……理由か。
特にないって言ったら、刑事さん怒るかな。
いや、別にないってこともないと思う、うん」
('A`)「なんかさあ、俺、仕事なくしたばっかりでさ。
次の仕事探すのもだるくて、街をさまよっていたのね。
そして空き家があることに気付いて、不思議と親しみを感じたんだ」
('A`)「ああ、見捨てられたんだな、俺と同じだなって、つい思っちゃってさ。
そしたらさ、裏庭の方から鳴き声が聞こえたんだ。弱弱しい、犬だったかな。
それでさ、見に行ったら、これくらいの小さい女の子がしゃがみこんでるの」
('A`)「よくよく見てみると手にパンのかけらとか、牛乳とか持ってた。
ああ、きっと給食の残り物を集めてあげてるんだなって、気付いた。
大したことないんだけどさ、すごく優しいなって思って、思って……」
――どうしました?
('A`)「あ、いや、なんでも。
それでしぃちゃんに話しかけて、犬の世話を一緒にするようになった。
だから一緒に街を歩くこともあったんだ」
('A`)「別にやましいことは何もないだろ? ほんとだぞ。
だからほら、早く」
926
:
証言のようです 4/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:05:38 ID:YdZR4Pzo0
モナーの証言
――被害者のことを聞かせてください。
( ´∀`)「しぃちゃん……亡くなったモナね。なんだかあまり実感がないんだモナ。
夏休み頃まで普通に遊んでいたんだモナ。私のお寺に遊びに来たりしていたモナ。
ちょっと小柄だったけど、元気で優しくて、かわいい子だったモナ」
( ´∀`)「あなたはどうしてしぃちゃんのことを……
いや、そういう仕事モナね。仕方ないモナ」
――事件のあった日やその直近では、何か変化はありましたか?
( ´∀`)「特には……夏祭りもお盆も終わっていたから、見かける用事もなかったんだモナ。
強いて言うなら街で、しぃちゃんと会ったくらいだモナ。
しぃちゃん、何か少し挙動がおかしくて、気になったんだモナ」
( ´∀`)「それで話しかけてみたモナ。でも、何でもないよというばかりだったモナ。
じゃあ何をそんなにおびえているの? ときいても、そんなことないって。
妙に強気だから変だとは思ったモナ。でもそれっきり、しぃちゃんはどこかに行っちゃったモナ」
( ´∀`)「今思えばあの会話が、しぃちゃんとの最後の会話になっちゃったんだモナ……」
927
:
証言のようです 5/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:06:39 ID:YdZR4Pzo0
スカルチノフの証言
――意識はあるのでしょうか。
ミセ*゚ー゚)リ「ええ、目は覚めているはずなんです。
ただやはり、事件のとき同じ家の中にいたことがショックだったようで、精神的におかしくなっていて。
今でもたまに、はっと目覚めては、その、喚いたりいろいろ」
ミセ*゚ー゚)リ「もちろん、以前までがいい生活だったわけでもないでしょう。
同居人はあまりこの人の世話をしていなかったようですし、だから新年早々この施設に送られて」
ミセ*゚ー゚)リ「聞きたいことがあれば言ってください。たとえ今聞こえなくても、私の方から後で伝えます」
――事件があったとき、何か目撃しましたか?
/ ,' 3「……お、おにじゃ」
ミセ*゚ー゚)リ「やっぱり起きて……スカルチノフさん?」
/ o゚ 3「鬼じゃああ、鬼があおるぅぅぅぅ」
ミセ*;゚ー゚)リ「スカルチノフさん!?」
/ o゚ 3「うわぁああああぁあぁ、鬼じゃあ、鬼があぁあ」
ミセ*;゚ー゚)リ「すいません、今日は無理みたいです。
まさかこんなに取りみだすなんて……」
928
:
証言のようです 6/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:07:39 ID:YdZR4Pzo0
モララーの証言
( ・∀・)「正直に話すと、俺はあいつ、いつかやらかすと思っていたね」
――と、言いますと?
( ・∀・)「古い付き合いだからわかるんだよ。
あいつは、ドクオは筋金入りのロリコンだってな」
( ・∀・)「例えばさ、あいつは馬鹿みたいに甘えん坊なわけよ。もう甘えたくてしかたがない。
それでいて馬頭されるのは気に食わない。自分で抑え込める相手じゃなきゃ気が済まない。
だから普通の女じゃ満足できない。アニメにいるような、小さくて大人びた子どもみたいな女が好み」
( ・∀・)「死んじゃった女の子も、どことなくそんな雰囲気があったんじゃないの。
もうだいぶ前の話だから、よく覚えてないけど」
――他に気になることはありましたか。
( ・∀・)「最近連絡取ってなかったからなあ。
やっぱさ、社会人になると友達と遊んでる暇もないわけですよ。
まあ、ドクオは仕事が無くなっていたらしいけど、少なくとも俺は暇じゃない」
――ずいぶん嫌っていたんですね。
( ・∀・)「いや……嫌いというわけじゃないよ。そりゃあ、あんなことになったのはショックだったし。
でも率先して会いたいやつかと言われればちょっと、うん、いいかなって」
( ・∀・)「あ、宅急便? いや、いいんだ。きっとチョコかな。まったくいまだに送ってくるんだから」
929
:
証言のようです 7/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:08:39 ID:YdZR4Pzo0
ショボンの証言
(´・ω・`)「このバーはお客さんがほどほどで、話が聞き取りにくいからね。漏れる心配もないだろう。
だいたい今の時期は花見で外に行ってるものさ。と、まずは薬を飲むか」
(´・ω・`)「さて、まずは僕の考えをお話しさせてくれ」
(´・ω・`)「去年の夏、一人の女の子が亡くなった。
そしてその犯人と思しき人物が、去年の暮れに亡くなった。
その人のそばには遺書が置かれていた」
(´・ω・`)「その記述から、死亡したドクオがしぃちゃん殺しの犯人だとわかった」
(´・ω・`)「確かに悔恨からの自殺は考えられないことじゃない。でも気になることはある。
一つはドクオの腕と足に若干の縄の後があったことだ。
どうしてそういう痕がついたんだろうな。そのような趣味があったとすればまだ可能性はあるが」
(´・ω・`)「もう一つ、当時ドクオと同居していたスカルチノフという老人だ。
先日老人ホームから精神病棟に移されたそうだ」
(´・ω・`)「人が殺される現場を目撃したというなら、トラウマをかかえるのも納得できる。
しかしどうしてこんな時期に移されたんだろうか。
何かしらきっかけがあったと考えるべきじゃないかな」
――これからどうするつもりですか。
(´・ω・`)「まずはドクオの近隣住民と接してみよう。
私の疑問は証拠に欠ける。もっと有力な情報があれば良いのだが」
930
:
証言のようです 8/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:09:38 ID:YdZR4Pzo0
ロマネスクの証言
――被害者の死亡した状況を教えてください。
( ФωФ)「ええ、私が経営しているバーにはテーブルがいくつかあるんです。二人用の小さいのが。
ショボンさんは特にあの窓際のテーブルがお気に入りのようでした。
お店に来るといつもあそこに腰掛けて、煙草に火をつけるんです」
( ФωФ)「窓際に座ったのはきっと、私たちに煙をなるべく吸わせないようにしていたからなんでしょうね。
そういう心配りがとても御上手な方でした」
( ФωФ)「そのショボンさんが唐突に苦しみだした。
私もはっきりと見ていたわけじゃないんですが、カクテルにはまだ手をつけていませんでした。
その前の、水を少し飲んでいただけで」
――水をですか。
( ФωФ)「ええ、どうも彼はお酒を飲む前に薬を飲まないといけなかったみたいで、お酒を飲む前にそれを飲んでいたんです。
そうまでしてお酒を飲むとは、よっぽど日々心労が溜まっていたんじゃないんでしょうかね。
しかしなんでも死亡した原因はそのクスリに何か仕込まれていたからだというじゃありませんか。なんとも、辛い話です」
――他に気付いたことはありましたか。
( ФωФ)「そういえば、何ヶ月か前に、ショボンさんは誰かと来ていたような。
お連れさんマスクをしていたし、うつむいていたし、それに私は何度も来ない限りお客さんをじろじろ見ない主義ですので
その人がどんな人かまでは記憶していないんですけどね」
――日付はわかりますか。
( ФωФ)「ええと、確か3月の……」
931
:
証言のようです 9/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:10:39 ID:YdZR4Pzo0
ワカッテマスの証言
――この状況を説明してください。
( <●><●>)「自分で覚えていないんですか?
あなたはバーの店主、ロマネスクさんを殺そうとしたところを取り押さえられ、ここに拘禁されているんです」
( <●><●>)「あなたの手記、読ませていただきました。これですよね。
手記を取ることが癖なんですか? 今もまるで何かに書きつけるような手つきですね。
そこには何もありませんよ?」
( <●><●>)「あなたは自分の娘のしぃさんが亡くなってから、関係者の話を一年間収集していましたね。
収集する中で、犯人であるドクオを殺し、またそれが見破られそうになると上司であるショボンを殺した」
( <●><●>)「それで、今度は覚えている可能性のあるロマネスクを殺そうと、あ、おいよせ!!」
(;<●><●>)「誰か! 誰かこいつを抑えつけてください!!」
(;<●><●>)「ああ、手記がばらばらに。復元する必要がありますね……」
(;<●><●>)「それにしてもあなたはずいぶん変わってしまった」
( <●><●>)「見た目のことじゃないですよ。むしろ春先まではもう少し長めの髪型をしていましたので、若干変わりましたが。
それだけじゃなくてですよ、今手記を取ろうとしたときは相当怖い顔つきでした。
娘を殺されてからよほど精神的に参ってしまったようですね」
( <●><●>)「さっきのあなたの形相は、それこそまるで、鬼みたいでしたよ」
932
:
証言のようです 10/10
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:11:56 ID:YdZR4Pzo0
時系列(上から下へ)
8月 しぃ殺害事件
9月 ギコの証言
10月 モナーの証言
11月 ドクオの証言
12月 ドクオ監禁殺害事件
1月 スカルチノフの証言
2月 モララーの証言
3月 ショボンの証言
4月 ショボン毒殺事件
5月 ツンの証言
6月 ロマネスクの証言
7月 ワカッテマスの証言
〜おわり〜
933
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/16(金) 21:13:51 ID:YdZR4Pzo0
(
)
i フッ
|_|
お化けとかじゃないけど、良かったのかな。
934
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 21:16:19 ID:eD6uAaO.0
乙乙。ミステリーっぽくて良いね
935
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:17:36 ID:6SsLGCtkO
ちょっと不吉な数字の四十四本目もらうぞー
.,、
(i,)
|_|
夜の校舎のようです
936
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:19:10 ID:6SsLGCtkO
放課後、野球部の掛け声を聞きながら屋上で横になったところまでは覚えている。
( ^ω^)(やらかした……)
頭を掻きながら携帯電話を開き、内藤ホライゾンは溜め息をついた。
午後10時。
とっくに日は落ち、辺りは暗い。こんな時間の中学校の屋上なんかに、当然ほかの人間はいない。
実に5時間ほど眠っていたことになる。
有り得ない。とも言い切れない、自分の寝汚さに嫌気が差す。
ここ最近は両親のせいでよく眠れなかった。
毎日のように深夜まで離婚の話し合いをしていて、大体喧嘩に発展するからだ。
それが息子──自分の押し付け合いだというのも分かっているので、知らないふりも出来ない。
中学2年生など、まだまだ子供である。
両親の不仲、秒読み段階の離婚、厄介者として扱われる自分。
これで不安になるなと言う方が無茶だ。
おかげで寝不足が続き、家に帰るのも億劫になり──こんなところでぐっすり寝入ってしまった。
937
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:20:14 ID:6SsLGCtkO
( ^ω^)(……あ)
時間を確認するためだけに開いた携帯電話。
画面を見ている内、両親から電話もメールも来ていないことに気付いた。気付いてしまった。
この時間になっても帰宅していない自分に、両親は何も訊いてこなかった。
( ;ω;)「……おー」
勝手に涙が落ちた。
両親のことは好きだ。
まったくの優等生とは言えないが、親や目上の者の言うことはそれなりに聞いて、
これといった悪さもせずに──立入禁止の屋上に忍び込んでいるのはともかく──生きてきた。
それでも親は自分を煙たがる。
2人とも、仕事こそが我が人生だと言い張るような人間だ。
離婚後に子供を引き取って、仕事に何らかの支障を来すのを嫌っているのだろう。
彼らにとって、息子は既に人生の障害となっていた。
( ;ω;)「うー、……っ、ううう……」
自分以外に誰もいないと分かっていても、内藤は声を殺して泣いた。
家で泣くときと同じように。
938
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:21:10 ID:6SsLGCtkO
──帰らないと。
一頻り泣いた後、内藤は顔を上げた。
さすがに朝までここにいるわけにもいかない。
携帯電話をポケットに突っ込み、枕にしたせいで少し潰れた鞄を拾う。
( ^ω^)(先生達、帰る前に屋上の見回りとかしなかったのかお……)
右手でフェンスに掴まりながら立ち上がる。
視界の端にちらつくものがあって、何気なくそちらを見た。
ここからは校庭が見下ろせる。
いくつか設置されている外灯が、淡く運動場を照らしていた。
その中央に、人がいた。
真っ赤な──コートかワンピースか、とにかく赤い服を着た女性が、
こちらに背を向けるようにして立っている。
ゆらゆらと左右に揺れているのが不気味だった。
939
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:22:19 ID:6SsLGCtkO
( ^ω^)(……変質者?)
嫌だなあ。
真っ先に思ったのは、そんな感想。
学校から出るには、校庭の傍を通らなければならない。
あの変質者(と決まったわけでもないが)に近付くのは、なるべく避けたいところ。
内藤はその場に留まり、赤い服の女が立ち去るのを待った。
しかし待てども待てども、女はそこで揺れ続けていた。
仕方ない。昇降口で靴を履き替えてから、どこか適当な窓から外に出るか。
そう結論を出し、内藤はフェンスから手を離した。
不意に、鼻にむず痒さを覚える。
夏といえど、夜中に屋上に居続ければ体も冷える。
鼻と口を押さえ、内藤は控えめなくしゃみをした。
その瞬間。
校庭の女が、ぐるりと勢いよく振り返った。
940
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:23:22 ID:6SsLGCtkO
子供の落書きのような顔をしていた。
比喩でも何でもない。
凹凸の無い、のっぺりとした白い顔に、
ぐしゃぐしゃと乱雑に塗り潰されたような左右非対称の目と、大きく開いた赤い口だけがあった。
内藤の思考が止まる。鞄を取り落とす。
女は顔を内藤に向けたまま、よたよたと歩き出した。
校舎へ向かってくる。
内藤から見て斜め下の辺りで校舎にぶつかった女は、
やはり内藤を見上げたまま壁に手をついた。
そして──壁を、よじ上ってきた。
素手と素足をぴったりと壁にくっつけて、女は慎重に登っていく。
有り得ない。
あの顔は何だ。お面をつけているようには見えない。
人間が何も使わずに手のひらと足の裏だけで壁を登れるわけがない。
そもそも──大して視力の良くない自分が、何故この距離とこの時間で、相手の姿をこうもはっきり把握出来るのだ。
内藤の脳は、ようやく事の異常性を理解した。
回り出した頭が警告する。
941
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:24:39 ID:NdsF8Rds0
ひえええこわい
私怨
942
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:25:21 ID:6SsLGCtkO
(;^ω^)(──こっちに来てる!)
内藤は落とした鞄を拾いもせずに、屋上の入口へ駆けた。
ドアを開け、暗い階段を一段飛ばしで下りていく。
とにかく、早く昇降口へ──それだけを考えていた内藤だったが、
3階と2階の踊り場に着いた瞬間、足を止めた。
窓の向こうに女がへばりついている。
内藤を凝視し、
〈ぎゃはっははははははははははひひひははははぁああはははははぁはあひひあはあひひひひひひぃいぃいぃいいいぃい〉
狂ったように笑って、右手で窓を叩き始めた。
足から力が抜けかける。
内藤は手すりに掴まり、2階へ下りた。
それに合わせて声も下がってくる。
階段から離れ、廊下を走った。
このまま昇降口へ向かえば、間違いなくあの女も来る。
玄関以外から逃げるとしても、まずは撒かなければならなかった。
943
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:26:20 ID:6SsLGCtkO
(;^ω^)(ど、どうしよう、どうしよう、どこに行けば──)
からから、遠くで音が鳴った。
聞き馴染みのある音だった。
窓を開けるときの。
また、笑い声。
屋内にいるかのような反響の仕方。
どんどん大きくなる。
それの意味するところを察し、内藤の心臓が潰れそうなほど痛んだ。
(;^ω^)(入ってきた……!?)
どこかの窓の鍵が開いていたのか。
いや、そんなことはどうでもいい。
内藤は左手を見た。男子トイレ。
こんな場所は嫌だ。しかし、ここしかない。
振り返って、まだ女が視界に入らないことを確認してから、男子トイレに飛び込んだ。
944
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:27:26 ID:6SsLGCtkO
いざというときのため、一番入口に近い個室に入る。
震える手で鍵を閉めかけて、思い直した。
代わりに、いつでも飛び出せるように把っ手を握る。
トイレに逃げ込むなんて、あまりにもお約束だ。
けれど、他の隠れ場所を探す余裕などなかった。
乱れる呼吸を必死に抑える。
笑い声と、ぺたぺた響く足音が異様な速さで近付いてくる。
それはすぐに男子トイレの前までやって来て、そして通り過ぎた。
遠ざかる。
内藤は長く息を吐き出し、ずるずると座り込んだ。
.
945
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:28:20 ID:6SsLGCtkO
どれほど経ったか。
内藤は恐る恐る、扉を開いた。
いつまでも隠れているわけにもいかない。
顔だけを出し、辺りを確かめる。
声は聞こえてこない。
今、どこにいるのだろうか。
いなくなってくれれば、それが一番いいのだが。
(;^ω^)(……階段下りて……窓から出て、走る)
頭の中でシミュレーションを行う。
途中で女に会ったらどうしよう。逃げるしかない。
深呼吸。
隠れていたい気持ちと、いずれここで見付かったら危険だという気持ちが混じり合う。
決心し、一歩、個室を出る。
男子トイレを後にして、内藤は階段の方へ目を向けた。
946
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:28:59 ID:6SsLGCtkO
(;^ω^)「──……あ……」
壁の向こうから顔が覗いていた。
床に側頭部をつけるようにして、顔の上半分だけを出した女がこちらを見ていた。
女が身じろぎする。
内藤は後ろを向き、駆け出した。
少し進んだところで、廊下は左手に折れていた。
行くしかない。角を曲がる。
理科室や家庭科室のプレートが下がっている。特別教室棟だ。
一番近くにあった理科室の引き戸へ手をかけたが、鍵が掛かっていた。
他の教室も同じだろう。
後方から足音が聞こえる。心臓が跳ねる。
泣きそうになりながら再び走ると、一つだけ、教室の入口が僅かに開いているのを発見した。
被服室。
迷いながら振り返る。
女はまだ曲がり角まで来ていない。だが、足音の近さからして、もうそこまで迫っている。
考える暇はなかった。
947
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:30:30 ID:6SsLGCtkO
被服室に入って、内藤は教卓の下に潜り込んだ。
縮こまり、早く通り過ぎろと祈る。
ああ、こんなことなら、屋上など行かず、さっさと家に帰っておけば良かった。
そうすれば、きっと今頃、両親の険悪な雰囲気から逃れるために友人と下らないメールなんかして──
(;^ω^)(メール……携帯!)
そこでようやく、彼はポケットの中、携帯電話の存在を思い出した。
両親に、いや、いっそ警察にでも電話すれば、きっと学校に来てくれる。
多少怒られることなど、今の恐怖に比べれば何ともない。
内藤は携帯電話を取り出し、開いた。
足音が大きくなる。
はっとして、携帯電話を胸元に押しつけた。
大丈夫だ。トイレに隠れたときも、奴は廊下を過ぎ去っていくだけだった。
いま数秒間だけやり過ごせば、あとは電話をして、助けを待てばいい。
汗がこめかみを伝って落ちる。
家庭科室の前で、足音が止まった。
948
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:31:49 ID:6SsLGCtkO
(;゚ω゚)(……何で止まるんだお……)
足音が室内に入り込む。
女は机や戸棚を叩いて回っているようだった。
〈……うー、ん、んー……んー……んー……〉
先程の笑い声とは正反対の、低く静かな唸り声が漏れている。
内藤は口を押さえ、体を一層縮めた。
来るな。来るな。出ていけ。早く。
一際大きな物音。
続けて、かちかちと軽やかな音が鳴った。
──金属が擦れる音だ。
鼓動が激しさを増す。
戸棚に並べられた裁縫道具の数々を思い浮かべ、指先が震えた。
949
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:33:06 ID:6SsLGCtkO
そのとき。
内藤の携帯電話が鳴り響いた。
唸り声が止まる。
体が動かない。ああ。今さら腰が抜けるなんて。
呆然としながら、携帯電話の画面を見る。
父の名前と番号が表示されていた。
950
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:35:27 ID:6SsLGCtkO
( ;ω;)「……父さ、ん」
こんなときなのに──嬉しかった。
現実逃避としての感情だったのかもしれないが、それでも。
父が電話をくれた。
夜中になっても帰らない自分を心配して。
電話を。
内藤は泣いていた。身に迫る恐怖から。
口元だけは笑っていた。正しい理由など分からないけれど。
通話ボタンを押し、携帯電話を耳に当てた。
( ;ω;)「と、父さ、父さん、助け……」
『──……ホライゾンか?』
( ;ω;)「うん、うん……」
最近、父と会話らしい会話をしていなかった。
家に帰って、たくさん話をしたい。
両親が自分を嫌っていても、自分は2人が大好きなんだと伝えたい──
『……番号を間違えたな。お前に掛けるつもりじゃなかったんだ』
それだけ言って、電話は切れた。
951
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:37:14 ID:6SsLGCtkO
教卓の上から、逆さまの顔と手が下りてくる。
右手に大きな針。
内藤は、それを眺めることしか出来なかった。
夜の校舎の片隅で、笑い声とも泣き声ともつかぬ声があがって、消えた。
952
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:39:19 ID:6SsLGCtkO
(
)
i フッ
|_|
おわり
まぜこぜブーンの仮タイトルその5
あと3つ、期間中に書き上げられるかどうかどきどきしている
953
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:43:06 ID:NdsF8Rds0
乙
ブーンかわいそうに…
すんげえ怖かった吐き気する
質問なんだけどスレ立てして投下したいんだけど、蝋燭を2レス目に置いても平気かな
954
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:46:27 ID:cFCJkVMo0
一番重い
乙
955
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:46:36 ID:6SsLGCtkO
>>953
大丈夫だと思うぜ
956
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 22:54:46 ID:NdsF8Rds0
>>955
ありがとう
蝋燭戴きました
出張版白澤図のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1376661049/l30
957
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/16(金) 23:08:55 ID:9knS33ZI0
そろそろ次スレかな?
958
:
名も無きAAのようです
:2013/08/16(金) 23:45:06 ID:NdsF8Rds0
>>956
45本目いただきましたー
(
)
i フッ
|_|
959
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:10:21 ID:adaBwzoE0
>>958
明日もあるし早めにスレを立てるにこしたことはないと思う
960
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/17(土) 00:13:11 ID:z2vK43pU0
>>959
オケ
では建ててこよう
建て終わったらこっちの残りは......まあ雑談ででも埋めますかな
961
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/17(土) 00:18:56 ID:z2vK43pU0
('A`)百物語のようです2013( )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376666266/
次スレですよ次スレ
そして区別つけやすいようにと思ってAA変えたら被った......だと?
962
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:22:06 ID:adaBwzoE0
スレ立て乙!
まさか、スレタイ被るとは思ってなかった・・・・・・
963
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:24:02 ID:L3Cn/5uk0
わらた
すごい偶然だな
964
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:25:30 ID:adaBwzoE0
スレタイが絶賛かぶったけれど、蝋燭いただきました
本数は数日後、投下が終了してから報告に来ます
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376666020/
('A`)百物語、のようです
965
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:43:06 ID:qSKF/Y560
あっちのスレに投下したらいいのかな
966
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:45:28 ID:cFWX8/8Y0
短いならこちらでも……
と言いたいが蝋燭の本数が混乱するかもしれないので次スレオススメ
967
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:10:57 ID:qSKF/Y560
>>966
把握。ありがとう
968
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:27:57 ID:cfzxS0Fk0
44本目夜の校舎読んでから胃が痛い
969
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 18:40:21 ID:FhzumnpM0
この調子だと百超えはちょっと難しそうだな……
今日と明日合わせて七十行くか行かないかくらいか?
970
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/17(土) 18:59:00 ID:hD8NOr4s0
今49本
残り二日
ま、まだ最終日の滑り込み組がいるから......うん......
971
:
◆mzkz/7EEZc
:2013/08/18(日) 17:59:56 ID:/Dc6L.Ck0
本数は減ってるがレス数は大して変わらない気が。読み応えある。
簡単に連絡。
誤字脱字や蝋燭AAズレは気づいた範囲で勝手に直してます。
三十九本目や四十二本目は無題にしていまってるけど、タイトルこれが良いというのがあれば言ってもらえると。
最終日も読むの楽しみにしてんよー
972
:
名も無きAAのようです
:2013/08/18(日) 22:53:48 ID:d2aVlMrMO
まとめ作業お疲れ様です
もう最終日か……
973
:
名も無きAAのようです
:2013/08/18(日) 23:47:15 ID:v1eOSk.g0
百に届かなかったって考えたらあれかもしれないが
単純に考えて六十を超える短編が一週間で投下されたって考えたらそれだけで充分すごいぞ
974
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/19(月) 00:12:50 ID:8w2TZKmM0
そういや締めの挨拶しようか悩んでたけどするとしたら朝七時か......
975
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 00:26:07 ID:ZHgI82JMO
目覚まし時計を10分前に5つくらいかけとけよ
976
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/19(月) 00:45:42 ID:8w2TZKmM0
作品まとめ
>>184
1 (,,゚Д゚)道しるべのようです
>>204
2 仕事が終わるようです
>>210
3 ( ^ω^)猫又のようです
>>228
4 ゾンビ从'ー'从
>>234
5 (・∀ ・)タタリのようです
>>244
6 lw´‐ _‐ノvバイト先で起こった出来事のようです
>>264
7 ξ⊿)ξ枕元に佇むようです and
>>444
支援絵
>>286
8 ξ゚⊿゚)ξ人と鬼の異文化交流のようです(^ω^ )
>>327
9 少女たちの談話のようです
>>346
10 彼は帰りたいようです
>>359
11 川゚ -゚)の初恋のようです
>>375
12( ^ω^)カウントダウンのようです
>>407
13 ( ^ω^)少年、のようです
>>426
14 でぃのお鍋の代わりのようです
>>441
15 ジェイソン・クールのようです
>>449
16 ばんぶぅーぱにっくのようです
>>467
17 桜の樹の下には、のようです
>>498
18 ξ⊿)ξ夢で終わらせてくれないようです
>>511
19 ( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )
>>534
20 ( ФωФ)君へ、のようですlw´‐ _‐ノv
>>534
21 (´・ω・`)滴るようです
>>568
22 バケネコアーカイブのようです
>>603
23 ヤマノケ
>>607
24 こっちを見ているようです
>>634
25 ( ´_ゝ`)夢≒現実のようです(´<_` )
>>647
26 ひとりかくれんぼのようです
>>670
27 ζ(゚ー゚*ζそれいけデレちゃん!巫女さんは妖魔バスターのようです
>>685
28 彼女はゴスロリで徐霊師で…
>>741
29 金縛りのようです。
>>746
30 大塚係長の陰謀のようです(百物語特別仕様)
>>749
31 (,,゚Д゚)書き溜めが消えるようです
>>756
32 十物語のようです
>>762
33 逃げてなどいないようです
>>771
34 川 ゚ -゚)お迎えのようです
>>774
35 ノパ⊿゚)の本当にあった田舎の怖い話のようです
>>781
36 (,,゚Д゚)心霊調査のようです
>>807
37 ζ(゚ー゚*ζ引っ張るようです
>>816
38 ( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです
>>839
39 ( ゚∀゚)(゚、゚トソン 祭り 無題
>>850
40 ( ><)ビビビの若太郎のようです
>>872
41 ('A`)はしあわせな村人の一員になるようです
>>905
42 ( ・∀・)メール 無題
>>922
43 証言のようです
>>935
44 夜の校舎のようです
>>956
45 出張版白澤図のようです
977
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/19(月) 00:46:35 ID:8w2TZKmM0
>>975
うへぇ......
勘弁してくれぇ......頑張るけどさ
978
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/19(月) 00:55:42 ID:8w2TZKmM0
作品まとめ訂正版
>>184
1 (,,゚Д゚)道しるべのようです
>>204
2 仕事が終わるようです
>>210
3 ( ^ω^)猫又のようです and
>>757
支援絵
>>228
4 ゾンビ从'ー'从
>>234
5 (・∀ ・)タタリのようです
>>244
6 lw´‐ _‐ノvバイト先で起こった出来事のようです
>>264
7 ξ撿)ξ枕元に佇むようです and
>>444
支援絵
>>286
8 ξ゚撿゚)ξ人と鬼の異文化交流のようです(^ω^ )
>>327
9 少女たちの談話のようです
>>346
10 彼は帰りたいようです
>>359
11 川゚ -゚)の初恋のようです
>>375
12( ^ω^)カウントダウンのようです
>>407
13 ( ^ω^)少年、のようです
>>426
14 でぃのお鍋の代わりのようです
>>441
15 ジェイソン・クールのようです
>>449
16 ばんぶぅーぱにっくのようです
>>467
17 桜の樹の下には、のようです
>>498
18 ξ撿)ξ夢で終わらせてくれないようです
>>511
19 ( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )
>>534
20 ( ФωФ)君へ、のようですlw´‐ _‐ノv
>>534
21 (´・ω・`)滴るようです and
>>682
支援絵
>>568
22 バケネコアーカイブのようです and
>>757
支援絵
>>603
23 ヤマノケ
>>607
24 こっちを見ているようです
>>634
25 ( ´_ゝ`)夢≒現実のようです(´<_` )
>>647
26 ひとりかくれんぼのようです
>>670
27 ζ(゚ー゚*ζそれいけデレちゃん!巫女さんは妖魔バスターのようです
>>685
28 彼女はゴスロリで徐霊師で…
>>741
29 金縛りのようです。
>>746
30 大塚係長の陰謀のようです(百物語特別仕様)
>>749
31 (,,゚Д゚)書き溜めが消えるようです
>>756
32 十物語のようです
>>762
33 逃げてなどいないようです
>>771
34 川 ゚ -゚)お迎えのようです
>>774
35 ノパ撿゚)の本当にあった田舎の怖い話のようです
>>781
36 (,,゚Д゚)心霊調査のようです
>>807
37 ζ(゚ー゚*ζ引っ張るようです
>>816
38 ( ゚∀゚)o彡゜沖縄旅行のようです
>>839
39 ( ゚∀゚)(゚、゚トソン 祭り 無題
>>850
40 ( ><)ビビビの若太郎のようです
>>872
41 ('A`)はしあわせな村人の一員になるようです
>>905
42 ( ・∀・)メール 無題
>>922
43 証言のようです
>>935
44 夜の校舎のようです
>>956
45 出張版白澤図のようです
979
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:18:55 ID:ucLaDKns0
まぜこぜさん見てるかわからんが42本目だよ
もしよければそのまま( ・∀・)メールのようですとかにしといてくれれば嬉しいです
まとめおつかれさまです!
980
:
◆953BOunJPk
:2013/08/19(月) 06:47:40 ID:Ck9IqzEc0
ギリギリ滑り込みですが、短い短いお話を投下させて頂きたく思います。
短いのですぐ終わります。では、朝の46本目を。
.,、
(i,)
|_|
981
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 06:50:04 ID:FaRalWggO
>>980
次スレあるぞ
982
:
◆953BOunJPk
:2013/08/19(月) 06:51:46 ID:Ck9IqzEc0
僕の部屋に数日前から君が澄んでいる。
君は部屋の片隅、ベッドの上に縮こまって座る。
lw´‐ _‐ノv「ご迷惑はお掛けしませんから」
電話越しに住んだ声が僕に云う。
983
:
◆953BOunJPk
:2013/08/19(月) 06:53:16 ID:Ck9IqzEc0
>>980
おや、しまった。
1000まではいかないと思いますが、移動した方が良いのでしょうか。
984
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 06:56:47 ID:FaRalWggO
>>983
移動したほうが蝋燭のカウント楽じゃね?
985
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 06:56:47 ID:NYxUas4g0
混乱するし向こうに書けばいいんじゃないかな
986
:
◆953BOunJPk
:2013/08/19(月) 06:58:00 ID:Ck9IqzEc0
了解です。失礼しました。
ですが、もう間に合わなさそうですねぇ。
987
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 06:59:35 ID:NYxUas4g0
蝋燭立てとけば時間オーバーしても良かったはず
988
:
◆953BOunJPk
:2013/08/19(月) 07:00:48 ID:Ck9IqzEc0
蝋燭頂きました。
皆様、ありがとうございます。失礼しました。
989
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 21:58:50 ID:J85SBWFg0
感想、結構数があるので申し訳ないのですが、
余裕があれば配達をお願いします
(,,゚Д゚)道しるべのようです
怪奇現象そのものもそうだが、
得体の知れない出来事をあっさりと受け入れてしまう大人たちに、いい知れない恐怖を感じた。
自分の常識が通用しない世界は、一体どこからはじまっているのだろう。
すぐ目の前の親戚さえ不気味に思えたんじゃないか。
ギコの戸惑いに深く共感する。
( ^ω^)猫又のようです
猫又AAのかわいらしさ、志村後ろ的な古典的でコミカルな展開と、
オチとのギャップに惹かれた。
ブーン系のホラーとはこういう作品を言うんじゃないだろうか。
ばんぶぅーぱにっくのようです
軽いノリに反して、かっこんかっこんの様子を想像すると結構ゾクッとくる。
音で攻められるのに弱いので印象に残った作品。
990
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 21:59:28 ID:ccZPtwc20
はいたつはまかせろー
991
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:00:10 ID:J85SBWFg0
( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )
理解が及ぶまでなかなか時間がかかったが、
自覚のないままいなくなるよりもずっと良かったと個人的には思う。
最後に詫びる気持ちを持って、逝けたんじゃないかな。
遺す者たちを想って、出来ることがあった、というハッピーエンド。
自己満足といえばそれまでなんだけど。
(´・ω・`)滴るようです
ちょっとどんくさく子供っぽいショボンをブーン系では久々に見た気がする。
あのラストの後に、あの支援絵!
本当に引き立ちました。イラストまで含めて良い恐怖を味わえる作品でした。
ヤマノケ
ヤマノケと娘の不気味さはなかなかのモノだが、
あの人の体格の良さはそれ以上の存在感を放ってる。
……そろそろ性別とか超越した存在になりつつあるね。
992
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:01:03 ID:QmNEnQvI0
>>991
いってくる
993
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:01:32 ID:J85SBWFg0
こっちを見ているようです
終始ウキウキの川д川と冷静すぎる( ゚д゚ )のおかげで
まるで緊張感を感じないけど、状況的には相当怖いはずなんだけど。
川д川入りDVDはどこで手に入りますか。
ζ(゚ー゚*ζそれいけデレちゃん!巫女さんは妖魔バスターのようです
意図はしてないんだろうけど、ζ(゚ー゚*ζ「かなりエロい」の後、
('A`)が社会的に死んだと書いてあるのを先に読んでしまって、
ドクオてめーデレに何したんだよ、と期待を胸に画像開いたらこれだ
何作品かはこういうのが読みたい。
('A`)は静かに去るようです(´・ω・`)
完全に出オチwwww完全に出オチwwwwwww
タイトル通りでそれ以上何もないww
強いて言うならこういう(´・ω・`)も大好きです。
994
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:02:34 ID:J85SBWFg0
川 ゚ -゚)お迎えのようです
決意だけを話し、不安を表に出さないクールであり、
クールの決断を受け止め、ただ後押しできる家族であり、
いたずらに感情をぶつけず、互いを理解し、笑って送り出そうと努める各々の強さを感じた。
だからこそ、本心を押し殺せなかったドクオが、
悟られてしまってもまだ取り繕おうとするドクオが、たまらなく愛おしい。
想うが故、気丈に振る舞おうとする彼らに、幸せになってもらいたいと素直に願えた。
祭りの後に降る雨は、きっとやさしくあたたかかったのだろうと思う。
夜の校舎のようです
百物語と聞いて読みたいと真っ先に思うのはこういう作品。
恐怖と絶望による諦観から笑いさえ生じるこの感覚を求めてるんです。
読後しばらく胸の奥に残る重みがとてもとても心地よい。
他に良い作品ないものですかね。もっと味わいたい。
鬼の話のようです
とても綺麗にまとまっている。
序盤の少しだけ気にかかっていた一言が意味を持ったときの快感。
さらっと読んだときに気持ちよく騙してくれる作品は良い。面白かった。
995
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:03:15 ID:J85SBWFg0
川д川家事は割と得意なようです
イラスト特有の力強い恐怖だけじゃない。
貞子のしたことをしっかり想像してしまうと、もう。
描いてくれてしまった方が楽になれるのに。くそう。
('A`)百物語、のようです おまじないのはなし
落差。やりきれなさ。
短編としては今回で一番長いかな。
じっくりと、しっかりと浮かれさせてくれたお陰で、後に来る反動がキツイ。
誰を恨めるわけでもなく、ただただ悲しい。
発散するアテがない、抱えることしかできない辛さを経験できる。
ただ、乱暴に傷つけには来ていないと思った。
優しいというか、嫌らしいというか。
暴力的に抉りにくるのも好きだけど、
こう、程ほどで止まってくれるのもまた良い。
そんなにビクビクしなくて済む、読みやすい作品ではないかなと思う。
996
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:04:13 ID:J85SBWFg0
( ´_ゝ`)赤珊瑚、呪術、忘れた言葉のようです
物語と関連性があると思えない単語の羅列に
頭の中の引き出しを片っ端から開けられ、ひっくり返されるような感覚に陥った。
しかし、それにしてはひどくあっさりとした読後感で、
冒頭の異常な空間・状況など、本来気にすべき事を押し流されてしまったようだった。
何が言いたいかというと読んでいて楽しい。してやられた感じ。
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです
愛すべき馬鹿。くっだらないオチが素晴らしい。
笑わせに来た作品では一番好き。
ドキッとさせるような地の文書けるからこそ映えるんだろうな。
997
:
名も無きAAのようです
:2013/08/25(日) 22:05:49 ID:J85SBWFg0
( ^ω^)百物語のボーナスタイム、のようです
リアタイで読んでて思わず吹いたwww
蝋燭消せばいいってもんじゃねえよと思ったものの、
本数を気にしている方々もいたようなので、ちょっと良いアイデアかもと感心もした
この換算でいくと、今回は120を超える蝋燭を消せたみたいだから企画大成功だよ
運命の女性のようです
言葉ではダメだったんだろうと思う。
亡くなってしまっても向き合いすぎてしまうくらい想っていたのに。
なぜあの時出来なかったのだろうという後悔に飲み込まれてしまった。
こうすることでしか、もういない彼女に向けての贖罪を表現できなかったんでしょうね。
何より自分のために、そうするしかなかったんでしょう。
不器用で、切ない。
以上ここまで。配達ありがとうございます。
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