したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ワタルが書く三流小説

1ワタル:2009/07/29(水) 18:26:56 ID:8rxXRJAk
スレ立てたのはいいけどいいの書く自信がありません・・・
へたくそすぎるかもしれませんが勘弁してください。

25ワタル:2009/07/30(木) 14:14:53 ID:8rxXRJAk
「ケケケケケ!何度やっても無駄ダアー!!」
「果たしてそうかな」
「ケケ?」
カズキは、フライングデビルがワタルの斬撃をよけるタイミングを
見計らい、避けた直後に飛び掛った。
「噛み殺す」
カズキのトンファーが悪魔の骨がむき出しの薄皮に食い込む。
悪魔は、奇妙な断末魔を発したあと、堕ちた。

26ワタル:2009/07/30(木) 14:32:44 ID:8rxXRJAk
「復活したとはいえ、まだ完全に力を取り戻したわけではなかったな」
「すげえ!今のカッコよかった!」
「・・・・・急ぐぞ」
「あ、ちょっと待ってよー」
まもなく二人は村へ到着した。やはり、村は壊滅している。
「遅かったか・・・」
「いや、まだ生きている人がいる!」
そういって、ワタルは倒れている青年のところへ向かった。

27ワタル:2009/07/30(木) 14:48:28 ID:8rxXRJAk
「う・・・助けて・・・」
青年の傷は内臓近くまで達していた。もう長くは無いだろう・・・
「答えてくれ!一体何があった!」
「うう・・・エンペラーと名乗るものが・・・突然やってきて・・・
 この村を・・・どうか、長老を・・・――」
「死んだ・・・エンペラーって何なんだ!?」
「エンペラー・・英語で皇帝と言うことだ・・・奇遇だな
 俺らの国にも皇帝がいた・・・」カズキが言った。
「そういや、この人は長老がどうのこうのと言っていた。
 早く見つけないと・・・」
しかし、もう無駄であった。
このとき、長老は跡形も無く消し飛んでいた。

28ワタル:2009/07/30(木) 15:17:18 ID:8rxXRJAk
このあと二人は長老を探したが、それどころか生存者さえ
いなかった。そして、1度ビッグ・シェルへ戻ろうと思っていると、
向こうから見覚えのある顔が見えた。それはだんだん近づいてきた。
「ワタルさん、カズキさん、聞いてください!!」
「どうした?そういや君は研究所で働いている人だったな。」
「はい、そうです。今、皇帝の死体の検査を行ったんですが・・・」
「で、どうだった?」
「違うんですよ。」
「ん?何が?」
「あの死体・・・皇帝じゃないんですよ」

第3章ー前編終了。

29ワタル:2009/07/30(木) 16:21:37 ID:8rxXRJAk
第3章ー後編

30ワタル:2009/07/30(木) 16:26:02 ID:8rxXRJAk
「そんな馬鹿な!あれは確かに皇帝だ!」
ワタルは即座に反論した。
「いやでも違うんです。言い換えれば、あれは影武者―」
「そんな訳が無い!皇帝は、皇帝は・・・」
「いや、もしかしたらそうかもしれないと思っていた。
 聞いただろう?エンペラーとやらがこの村を破壊したと」
「そんな・・・・・」
「とにかく、一度ビッグ・シェルへ戻りましょう。」
いつの間にか、雨が降っていた。それも、黒い・・・・

31ワタル:2009/07/30(木) 17:39:14 ID:8rxXRJAk
再びビッグ・シェルに戻ってきた二人は、昨日と同じ宿屋の部屋で考えに耽っていた。
「なあ、カズキ。説明してくれよ。皇帝は本当に生きてるのか?」
「恐らくな。影武者を使って自分の死を装い、その隙に逃げ出した。
 そして、何かをたくらんでいる・・・という事だろう。」
「そうか・・・。まあ、今日はとりあえず寝ようぜ。明日また考えればいい。」
「気楽だな・・・」

32ワタル:2009/07/30(木) 21:03:04 ID:8rxXRJAk
次の日
「おい、ワタル。さっさと行くぞ。」
「え?どこに?」
「・・・そういやどこだろう・・・」
「まずは情報収集だな。情報屋といえば・・・そうだ!
 あいつのところへ行こう!」
「その可能性にかけてみるか」
2時間後、二人は郊外にある情報屋の小屋にいた。
「よう、久しぶりだな!」
「あ、ワタル!しばらく会わないうちに背が伸びたな!」
この情報屋の名前はだんちょー(本名は不明)。
表の世界ではあるサーカス団の団長をしているが、
裏世界では情報屋として有名である。

33ワタル:2009/07/30(木) 21:15:24 ID:8rxXRJAk
だんちょーはワタルが小さいときに面倒を見てくれた、
いわば代理の親とでも言うべき存在である。
「ところで、何が知りたいんだい?」
ワタルは、これまでの経緯を話した。
「やはりそうか。今のところ、市民の混乱を防ぐために、死体は
 影武者だったという事は極秘にしてある。それで、
 皇帝の居場所が聞きたいんだな?」
「ああ。頼む。」
だんちょーはパソコンを開くと、ハッキングを始めた。
「だんちょー」の名を持つ者は彼だけではなく、世界中にいる。
その「だんちょー」だちが共有している情報局部は、普通に
アクセスするのは不可能であり、彼らが持っている各パスワードを
入力し、強力なファイアウォール(通称無限の壁)を破らなければ
ならない。

34ワタル:2009/07/30(木) 21:23:17 ID:8rxXRJAk
どうやら、無限の壁を破るのに成功したらしい。彼は顔を上げた。
「そうだな・・・どうやら近隣の町で人が殺されたり、森が焼かれたり
 しているらしい。行ってみたらどうかな?」
「もっと詳しい情報は無いのか?」
「ああ・・・他の「だんちょー」もそこまでは知らんらしい。
 済まないな・・・・・」
やれやれ、と、カズキが肩をすくめる。
「なら話が早い。そこの場所を教えてくれ。」
「そこは、ここから南東に20キロほど行った所にある、
 ニブルヘイムという町だ。」

35ワタル:2009/07/30(木) 21:32:50 ID:8rxXRJAk
黙っていたワタルが、ふと口を開いた。
「そうだ!だんちょーも一緒に行かないか?確か魔導で剣を
 作れたよな?なら戦闘に役立つんじゃないか?」
「悪いが、僕には仕事がある。残念だがいけないよ。」
「そうか・・・・・」
「でも、僕より強い人は知ってるよ!彼ならきっと
 役に立ってくれると思うよ!」
「本当か!?じゃあ紹介してくれ!」
だんちょーは携帯電話を取り出すと、誰かと話をし始めた。
そして、話し終えたらしく、携帯をポケットに入れながら言った。
「OKだってさ。今からここに来るよ。」

36ワタル:2009/07/30(木) 21:40:57 ID:8rxXRJAk
しばらくすると、ドン!と音がして、ドアが倒れた。
そこに立っていたのは、顔色が悪く、目つきの少し悪い、青年。
「紹介しよう。魔導の使い手、Y・Aだ。」
「・・・・・・・・・・・・フッ」
「よろしくな、Y・A!!」
「馴れ馴れしくされる筋合いは無い。」
「おいおい、もっとワイルドに行こうぜー!仲間だろ!?」
「誰が仲間だ。まさかこんな奴らだとは思わなかったな」
「おい、ワタル。こんな面倒な奴を連れて行くつもりか?
 ただでさえ群れるのは嫌いなのに、こんな奴・・・」
「ま、カズキも最初はこんな変な奴だったからな!
 お前も人の事言えないんじゃないの?」
このあと、ワタルがボコボコにされたのは言うまでもない。

37ワタル:2009/07/30(木) 22:02:10 ID:8rxXRJAk
とにかく、事実上Y・Aは仲間になった。
装備も彼が持参しており、それは彼の両親の形見であるため、
装備の変更は必要ないらしい。
「うっ・・・いててて。とりあえず、ニブルヘイムへ行くぞ。」
「・・・ああ。」
「・・・・・・・・フッ」
カズキは内心、これ以上群れるのは嫌だ、と思っていた。
しかし、この先、新たな仲間が一人増えるとは、思いもしなかった。

38ワタル:2009/07/31(金) 19:49:35 ID:8rxXRJAk
ニブルヘイムへの道のりは少し遠かったが、カズキがお金を払うのを渋ったので
歩いていく事にした。
「あー腹減ったなー」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「おい、お前らなんか喋れよ!」
「・・・・・・話す事はないだろ」
「・・・・・・・・五月蝿い」
「ち、なんだよー湿気てるなー」
彼らのムードに合わせるように、空は雲に覆われてきた。

39ワタル:2009/07/31(金) 20:00:11 ID:8rxXRJAk
夕方近くになって、三人はニブルヘイムへ到着した。
「ふう、やっと着いた。今日はもう飯食って寝ようぜ。」
「お前はいつも食べる事と寝ることだな。まあそうするか。
 確か、ここは城下町だったな。明日城に行って王に話を聞こう。
 何か分かるかもしれない。」
「・・・・・・・・」
そして彼らは宿へ向かった。さすが城下町だ。夜になっても
人々の話し声が絶えない。どこからか、美しい歌声も聞こえる、
ような気がする。

40ワタル:2009/07/31(金) 22:12:24 ID:8rxXRJAk
空には星が輝いていた。そして三日月も・・・
カズキは眠れなかった。ワタルはグーグー言いながら寝ている・・・
Y・Aと名乗る彼も起きていた。
「お前・・・・・本当の名前はなんていうんだ?」
「わ・・ら・・・」
「ワタルがうるさくてよく聞こえん。はっきり言ってくれ!」
「分からない。・・・・・思い出せない。」
「思い出せない・・・?何かあったのか?」
「俺は、子供のころ、両親を殺されたらしい・・・・
 そして俺も殺されかけた・・・そのショックで思い出せなくなった
 何もかも・・・・・」
「・・・・・そうか。じゃあ、何故Y・Aと名乗る?」
「親の・・・形見に彫ってあった・・・」
そう言って、彼は首にかけていたペンダントを開いた。
両親らしき二人と、子供。Y・Aだろう。
確かに、裏側に「Y・A」と彫られている。

41ワタル:2009/07/31(金) 22:17:08 ID:8rxXRJAk
「もっと詳しく聞かせてくれ」
「これ以上は首を突っ込むな・・・・・・・・・・・
 もう、思い出せない苦しみに捕らわれたくないんだ。」
「最後に一つだけ聞かせてくれ。何故、俺たちについてきた?
 いやなら断ればよかったものを・・・」
「お前たちと旅に出れば、何かが分かるかもしれない・・・」
「・・・・・」
「話が過ぎた、もう休ませてくれ・・・・」
「ああ・・・」

42ワタル:2009/07/31(金) 22:40:03 ID:8rxXRJAk
――ここはどこ?
―母さん、父さん?何故・・・動かないの?
ねえ、答えてよ!ねえ、ねえ・・・・・・
返事をしてよ!!――
「ハッ!?」
「うなされていたぞ・・・Y・Aさんとやら?」
カズキは笑っているのか、見下しているのか―
ワタルの髪を引っ張りながら言った。
「いててっ!分かった分かった起きるから!」
ワタルはまだ眠いといった感じでベッドから降りた。
「・・・・・・・・・」
「相変わらず喋らないなー。無愛想なんでしょ。」
「・・・・・・・」
「・・・・(こいつ・・・・)

43ワタル★:2009/08/01(土) 18:54:23 ID:???
今日も雲は空を覆っていた。
彼らは、王に会うべく城へ向かった。
途中、壊された家をいくつかみかけた。これも皇帝の仕業だろうか。
数十分後、彼らは城に着いた。門番は居ない・・・・・
扉を開けると、執事らしき人が立っていた。
何故だろう・・・目元が赤くなっている。泣いたのだろうか?
「あの、すみません。王に会いたいんですけど。」
「おい、そんな言い方があるかよ。もっと丁寧な言い―」
「今王に会うことはできません。」
「?何で?どうしても聞きたい事があるんだ!」
「何であろうといけません。お帰りください・・・」
「そうか・・・」

44ワタル:2009/08/01(土) 20:55:14 ID:8rxXRJAk
「仕方ない、諦めるか・・・・・」
「・・・・・・・」
彼らは仕方なく城を出た。
「でもなーなんか城の雰囲気暗くなかったか?お前らみたいに」
「お前らみたいは余計だ。・・・だが確かにそうだな。
 執事も様子がおかしかった・・・」
「ん、誰か出てきたぞ」
城から、兵士の身なりをした人が歩いてきた。
「ねえ、君達。王様に会いに来たんだろ?」
「ああ、そうだよ」
「残念だけど、今王女様が大変な事になってな・・・
 王様も哀しんで誰とも会おうとはしないんだ。」
「・・・詳しく聞かせてくれ」

45ワタル:2009/08/02(日) 18:36:44 ID:8rxXRJAk
「昨日か一昨日だったっけな・・・変な男がやってきてな、
 ビッグ・シェルっていう魔洸都市から王女様にお届けものだといって
 変な箱を渡したんだ。その箱の中には、確かケーキが入っていて、
 王女様は喜んでそれを食べたんだ・・・見かけによらず食いしん坊
 だからな・・・・・。」
「それで、どうなったんだ!?」
「ああ・・・突然様子がおかしくなり出して、何というか、その、
 ひどい痙攣みたいなのを起こして・・・それっきり目を覚まさなく
 なってしまったんだ・・・」
「そうか・・・ところで、君はその王女の傍にいなくていいのか?」
「ああ、その事なんだけどな・・・クビになったんだよ。」

46ワタル:2009/08/02(日) 19:30:47 ID:8rxXRJAk
「クビ?」
「そう・・・クビ。王女様を守る事が出来なかったからな。」
「それなら何で君だけがクビにされるんだ?」
「僕が兵長だたからよ。だから責任を取った。ただそれだけ。」
「じゃあ、俺たちと一緒に行かないか?」
「おい・・・これ以上群れるのはごめ―」
「本当!?いいの!?じゃあよろしくな!!」
「おう!よろしく!」
「何故俺は遮られてばかりなんだ・・・」
「自己紹介がまだだったな。俺の名はゼウス。」
「俺はワタル。そんでこのツンツン君がカズキ。」
「お前・・・いい加減にしろよ」
「それと、このムッツリ君がY・Aっていうんだ。」
「・・・・・・・・」
「じゃあよろしくな。ワタル、ツンツン君、ムッツリ君。」
「お前までそんな事を言うのか・・・・咬み殺すよ」
「・・・・・・・・・」

47クラウド★:2009/08/04(火) 19:05:07 ID:???0
「おい、ワタル。ムッツリって、お前意味分かってるのか?」
「へ?当たり前じゃん。無口で何もしゃべらないって事だよー。」
「・・・それが違うって言ってるだろ。」
「へーそうなんだー間違えちゃったなー。まあ言葉のあやってやつか」
「それも違う。ちょっと耳を貸せ。ムッツリってのはな・・・
 ごしょごしょごしょごしょごしょごしょ・・・・」
「うぇーー!?そうなの?知らなかったー
 ごめんよーY・A!!」
「・・・・・・・・・・・」
「お前ら息合ってるなぁ!漫才なんかやってるぜ!!」
ゼウスはありがたいことに、肯定的に受け止めているようだ。

48見ろ!荒らしがゴミのようだ!:見ろ!荒らしがゴミのようだ!
見ろ!荒らしがゴミのようだ!

49クラウド★:2009/08/05(水) 14:41:54 ID:???0
「それじゃあどこに行こうか・・・。」
「それなんだけどな。俺はある噂を聞いたんだよ・・・」
「何?」
「この町の外れにある神殿みたいなところがあってな、そこには
 魔物がいて誰も近づかないんだ。でも、底の最深部には命の水といわれるものがあるらしいんだ。」
「じゃあそこに行くしかないな。」
「ああ、君たちと一緒なら魔物も倒せるはずだ。行こう!」

50見ろ!荒らしがゴミのようだ!:見ろ!荒らしがゴミのようだ!
見ろ!荒らしがゴミのようだ!

51クラウド★:2009/08/07(金) 16:33:28 ID:???0
三時間後、彼らが着いたのは、小さな神殿らしき建物だった。
しかし、かなり錆びれていて、中は暗くてよく見えない。
「こんなところに入るのかよ・・・・」
「すまないな、皆。だけどここでは引き下がれないぜ!」
「無論行くつもりだ。王に聞きたい事もあるしな。」
「・・・・・」
「ありがとう。」(このY・Aって人、全然しゃべらないな・・・」

52クラウド★:2009/08/08(土) 21:14:20 ID:???0
やはり、神殿の内部も錆びれていた。薄暗く、
今にも何か出てきそうだ。
「こういうところいやだなー。お化けが出てきそうだ・・・」
「衛生的に問題があるな。・・・仕方ないか。」
「さっさと終えてさっさと帰ればいい。。そうだろ!」
そういってゼウスは壊れかけた扉を開いた。いやな音を発しながら
扉が開く。――その瞬間、黒い影いっせいにが飛び込んできた。
「うわああああああ!!出たああああ!!!」
ワタルは驚いた拍子にすっ転んだ。

53クラウド★:2009/08/10(月) 10:03:11 ID:???0
出てきたのは蝙蝠の集団だった。――と思っている暇もなく、蝙蝠はわたるに襲い掛かった。
ワ「ちょ・・・・・やめろ!来るな!」痛てててて!!」
カ「馬鹿かお前は・・・!?・・こいつ吸血蝙蝠か!!」
Y「魔双剣・ディアボロス、バルバトス」
そう言ったかと思うと、Y・Aは両手から怪しく光る剣を発し、
ワタル、いや、蝙蝠に斬りかかった。

55クラウド★:2009/08/12(水) 09:15:12 ID:???0
蝙蝠は音も無く崩れ去った。わたるには一撃も当たっていない。
さすがだんちょーが紹介してくれたほどだ。
わ「助かった・・・・サンキュー! お前結構いい奴じゃんww」
Y「・・・・・・・・・・油断するな・・・・・・・・」
カ「意外と親切、か。・・・」
ゼ「それでもさっきの蝙蝠のせいで傷を負ってるな。
  任せとけ。・・・・・ケアル!」
そう言うと、ワタルの傷がみるみる回復していく。
ワ「お前回復魔法使えるんだな!頼りになるぜ」
ゼ「ああ、一応兵長だからな。」
カ「・・・・俺だって一応使える・・・」

56クラウド★:2009/08/18(火) 08:47:37 ID:???0
彼らは更に奥へ進んだ。
途中、さっきの蝙蝠やら怪しい犬が何度も襲ってきた。
ワ「何でこんな変なところが神殿なんだよ・・・もうちょっとこう、神聖なところというか・・・」
ゼ「昔はとても栄えてたらしいけどな・・・今じゃもう廃墟だ」
カ「さっきから襲ってくるあいつら、目が変だな。凶暴化しているのか、それとも・・・・・」
ふいに、奥から邪悪な気配が漂ってきた。
Y「これは・・・・・・」
ワ「どうした?」

57クラウド★:2009/08/20(木) 16:37:48 ID:???0
良く見ると、曲がりくねった通路の先が、こちらより
どす黒く見えた。いかにも怪しい感じだ。
ワ「やっぱここ、神殿じゃないよな。」
ゼ「気をつけろ。何か邪悪なものがいるに違いない。」
しかし、警戒しながら進むも、何も出てこなかった。
そして、最深部に到達した。
カ「あれが命の水、とやらだな。」
ワ「よっしゃ!早速持って帰るぞ」
そういってワタルが駆け出そうとすると、Y・Aに抑えられた。

58クラウド★:2009/09/08(火) 21:12:49 ID:???0
Y「待て」
ワ「あ?何で?早くとって帰ろうぜ」
カ「いや、何か様子がおかしい」
よく見ると、水面がかすかに揺れている――
と思った瞬間、水が見る見るうちに赤く染まったかと思うと、中から奇妙な怪物が現れた。
ワ「うわ、何だこれ!」
ゼ「まさかこんなものが棲みついていたとは・・・」

59クラウド★:2009/09/08(火) 21:20:31 ID:???0
その怪物はあまりにも醜かった。
そのやせ細ったようなよれよれの皮から、骨がいくつも突き出ていた。
口だと思わしき場所はもごもごと動いていた。
ワ「何だこいつ・・・きめえな」
ゼ「てか、これじゃあ命の水はもう・・・」
カ「とにかく倒すぞ」
Y・Aはすでに動いていた。高く飛び上がり、その怪物の喉元に
手にした魔導剣を突き刺した、かと思ったが、弾かれたように
体制を崩し、そのまま突き飛ばされた。

60クラウド★:2009/09/20(日) 20:05:44 ID:???0
Y・A「チッ」
ワ「何だ今の!?」
カ「オーラのようなものを纏っているな。うかつに切りかかるのは危険そうだ。」
ゼ「どうするべきか・・・」
その時だった。怪物が身を翻したかと思うと、翼を広げて飛び掛ってきた。
ゼ「危ない!!」
すんでのところで直撃は避けられたが、ワタルとカズキはその風圧で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
そしてその先には、怪物の醜体が迫っていた。
二人はもう駄目だと感じた。しかし、その瞬間、ゼウスは何かを囁いていた。
そして、彼の手から放たれたのは、彼の剣でも、ましてや盾でもなく、
一つの火球だった。

61クラウド★:2009/10/02(金) 20:59:28 ID:???0
その火球は、怪物の体に触れたかと思うと、たちまち前進へと燃え広がった。
「グゲアアアアア!!!」
怪物の耳障りな悲鳴らしき鳴き声が辺りに広がった。
ゼ「よかった、やっぱり火が弱点だったんだ」
ワ「危なかったぜサンキュー
  後は俺に任せろ!」
ワタルは剣を翻すと、怪物の頭目掛けて高く跳び上がった。
ワ「火の精霊よ、俺に力を!」
彼の剣が紅蓮の炎に包まれていく・・・
「くらえ!!」
彼の剣は、怪物の脳天を一閃した。

62クラウド★:2009/10/02(金) 21:27:36 ID:???0
どす黒い喀血が飛び散る。
ワタルは返り血を浴びながらも、何とか剣を引き抜いて戻った。
怪物はその場に倒れた。痙攣している所がまた気味が悪い。
カ「お前そんな技を覚えてたのか。」
ワ「ああ、なかなか使う機会が無かったけどな。
  他の属性も使える・・・いてて。」
  さっき着地したときに足をひねった・・・」
カ「そういうところは相変わらずだな。
  ケアルで治りそうだな」

63クラウド★:2009/10/02(金) 21:33:33 ID:???0
ゼ「おかしいな・・・倒したはずなのに・・・」
ワ「?」
ゼ「命の水は・・・どこにあるんだ?
  まさかあの怪物が全て・・・」
カ「ここにはないようだな・・・
  気は引けるがどうせ戻るのだからさっきの道も探索してみよう」
ワ「まあ、他に探す場所も無いし行くか・・・
  あれ?何か忘れているような気がする・・・気のせいか」

64うるせー!:うるせー!
うるせー!

65クラウド★:2009/10/02(金) 21:43:53 ID:???0
Y「・・・・・」
ワ「あ、Y・Aを忘れてたんだ。早く行こうぜ。
  何突っ立ってるんだ?まさか怪物とサヨナラするのは 
  悲しいってか?」
Y「・・・・」
Y・Aは何かを気にしている様子でゆっくりと近づいてきた。
ゼ「早く命の水を見つけないと・・・急ごう」
彼らは最深部の出口へと向かった・・・が、
その後ろでは、怪物がゆっくりと立ち上がっていた。

66クラウド★:2009/10/06(火) 20:05:42 ID:???0
怪物はゆっくりと彼らのほうを向くと、勢いをつけて飛び掛ろうと
身構えた。
しかし、Y・Aは気付いていた。すばやく剣を構えると、突進して
怪物の体を切り裂いた。そこには、確かな手ごたえがあった。
怪物は、もう何も叫ぶ力は無いのか、力なくその場に倒れた。
ゼ「まだ生きていたのか、あいつ!」
ワ「てっきり死んでたのかと思ったぜ!
  お前は気付いてたのか、やるなあ。」
Y「・・・・油断するな」
カ「死体が消えていく・・・ん?
  おい、あれを見ろ!」
ゼ・ワ「?」
彼の指差す方向を見ると、怪物の姿も飛び散った肉片もそこには無く、
中央から一筋の光が差していた。それはだんだん大きくなるかと思うと
やがて水の雫へと変わった。
そして、部屋の中心に小さな水溜りが出来た

67クラウド★:2009/10/07(水) 23:58:21 ID:???0
ゼ「これが命の水か!!
  これで王女様を救える・・・」
カ「良かったな。よし、早く戻ろう。」
ワ「俺もついでにちょっともらっていくかな・・・
  ああ、入れる物がなかった・・畜生!」
彼らはその神殿を後にした。さっきまでの犬やら蝙蝠は操られて
いたらしく、動く事は無かった。
そして影が深くなってきた頃、彼らは街に着いた。
しかし、何か騒がしいようだ。
ゼ「何かあったのか?」
ゼウスは街の人に声をかける。
民「し・・・城が・・・
  あなたのいた城が、一瞬で崩れたんだ!!」

68クラウド★:2009/10/09(金) 18:26:42 ID:???0
ゼ「な・・何だと!!」
ワ「一体何が起こったんだ!?」
ゼ「畜生・・・
  王女様、王様、どうかご無事で!!」
そういうと、ゼウスは城のほうへと必死な形相で走り去った。
カ「俺たちも行くぞ。」
Y「・・・・・気配が・・・」
ワ「気配が何なんだ?とりあえず、急ぐぞ!」
カ「ああ」
彼らも急いで後を追った。

――その頃、粉々に崩れ去った城の前で、狂気に満ちた人が
笑っていた。いや、彼はもう、人という存在を超えていた。
「ククククク・・・ 
    フハハハハハ!!」
かつては魔洸都市の頂点に立ち、皆から崇められていた彼は、
狂気に満ちた目で笑っていた。

69うるせー!:うるせー!
うるせー!

70うるせー!:うるせー!
うるせー!

71クラウド★:2009/10/13(火) 18:04:30 ID:???0
ワタル達は城に着いた。さっきの街の人が言っていた通り、城は瓦礫の山へと化していた。
そして、その前にはゼウスが・・・
カ「ゼウス・・・・・」
ゼ「何で・・・せっかく助けられると思ったのに・・・・   
  畜生、ちくしょおおおおおおおおぉ!!!」
ワ「もしかしたら逃げていて助かってるかもしれないさ。
  まだ、諦めるな!」
ゼ「そのくらい分かってるさ!!
  でも・・・もしこの瓦礫の下に埋まっているとしたら・・・」
ワ「・・・・・」
カ「一体誰がこんな事をしたというんだ」
Y「・・・・」
ワ「・・・・」
ゼ「・・・・」
しばらくの間、そこには静寂が訪れた。
太陽はその身を果てへと沈め、その光は届く事は無かった。
しかし、その黄昏の中には、禍々しい光が差し込んでいた。
その光の元凶は、紅く染まった月だった

72クラウド★:2009/10/16(金) 17:42:14 ID:???0
カ「空気が重いな・・・それに何で月がこんな近くに・・・」
ワ「気分悪いな。ちょっと頭が痛くなってきた・・・」
ゼ「くそっ!何だこの空気は!」
Y「・・・・・破滅の月・・・・」
ワ「ん?お前今何て言った?」
Y「・・・・・・
  月が完全なる紅に染まりし時、終焉は訪れる・・・」
カ「なに言ってるんだY・A?」
ワ「ついに狂ったんじゃないの?」

「彼」は、彼らの会話をずっと聞いていた。そして、さぞ可笑しそうに
「ククククク・・・」
と笑うと、「彼」は立ち上がった。
凹凸の激しい地面を軽くすべるように歩いたかと思うと、
次の瞬間、「彼」はもうその場にはいなかった。

73クラウド★:2009/10/17(土) 21:24:12 ID:???0
静寂は突如、「彼」によって途絶えた。
彼「ククククク・・・フハハハハハハ!!!」
ワ・カ・Y・ゼ「!!!」
彼「この光の中、ここまで来れる強靭な者がいたと思えば・・・
 やはりお前らだったか。」
ワ・カ「お、お前は!!!」
彼「久しぶりだなあ、お前ら。
  再開の感想はどうだね?気分がいいってものだろう。」
ワ「何で、何でお前がここにいるんだ!
  俺の知ってるあなたは・・もう・・・」
彼「うん?もう知っている事だろう?影武者を用意させ、自らの死を装って
  脱走した・・・すばらしいことだとは思わないかね!?」
カ「何故そんなことをしてまで・・・あいつらを殺してまで・・
  何を考えているんだ、皇帝!!」
ゼ「こいつが・・・・あの皇帝か!?
  それに脱走したってどういうことだ!!」
ワ「その事は今度話す。今は黙っていろ・・・・
  おい、皇帝!まさか、この異変もお前の仕業か!!」
皇「流石の鈍いお前でもそれには気付いたか・・・・
  もう、遅い話だがね」
ワ「何だと!!」
ワタルはすばやく剣を構えると、皇帝に向かって突進し、斬りかかった。
しかし、皇帝の体をすり抜け、そのまま地面に倒れこんでしまった。

74クラウド★:2009/10/27(火) 17:59:43 ID:???0
ワ「いてっ!!何で当たらないんだ!」
皇「フハハハハ!無駄だ!
   こちらの世界では私に実体は無い」
カ「おい、それってどういうことだ!
  それにこちらの世界ってなんだ!!」
皇「お前たちにも分かるときが来るさ。
  まあ、そのときにはもう遅いがね・・・ 
  フフフフフ・・・・フハハハハハハ!!!」
ゼ「お前が・・・・この城を・・・・
  王を・・・・王女を殺したのか!!」
皇「さあな。
  そんな事まで覚えているときりが無いのでね。
  まあ、何人かは利用させてもらうがな。」
紅い霧が靡いている。
Y・Aはさっきからしきりに苦しんでいる。
Y「ぐっ・・・・・」
ワ「くそっ、何も抵抗する手段は無いのかよ!」
ゼ「俺の家族を・・・返せぇぇぇ!!」
ゼウスも皇帝に切りかかる。しかし、彼の剣も皇帝の体をすり抜ける。
皇「何度やっても同じ事。愚かな者め。」
ゼウスは諦めず、何度も切りかかった。しかしその眼は、どこか遠くを見つめている、
そんなようにも思える程だった。
カ「倒すべき存在が目の前にいるのに・・・俺は一体どうすればいい・・・」
彼らはもう、戦意などとうに無くしていた。ただ、何かをしなければいけないと、何故かその思いだけに浸っていた。
しかし、それも長くは続かなかった。
月の紅色が次第に薄れていき、それに伴って霧も晴れてきた。
皇「どうやら私のいれる時間は終わったらしいな。
  世界が破滅を迎えたとき、また会おう。」
そう言って、皇帝は月へと飛び去った。
翼など無いはずなのに、黒い羽だけが、ただ、そこに舞い散っていた。

第3章後編ー閉幕


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板