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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
1
:
名無しさん
:2004/11/27(土) 03:12
コソーリ書いてはみたものの、様々な理由により途中放棄された小説を投下するスレ。
ストーリーなどが矛盾してしまった・話が途切れ途切れで繋がらない・
気づけば文が危ない方向へ・もうとにかく続きが書けない…等。
捨ててしまうのはもったいない気がする。しかし本スレに投下するのはチョト気が引ける。
そんな人のためのスレッドです。
・もしかしたら続きを書くかも、修正してうpするかもという人はその旨を
・使いたい!または使えそう!なネタが捨ててあったら交渉してみよう。
・人によって嫌悪感を起こさせるようなものは前もって警告すること。
2
:
名無しさん
:2004/12/02(木) 15:36
2get&試しに投下
潤があまり笑わなくなった。
もちろん漫才中には笑うし、悲しそうな顔もするし、俺と喧嘩なんかしたら怒る。
でも前よりも、感情表現が乏しくなったのは分かる。
本当に小さな変化だからきっと周りの人には解っていないだろう。いつも隣にいる俺だって、解るか解らないかぐらいだ。
それくらい潤は表情を作るのが巧い。…そうやって、いつも自分の本心を隠している。
俺達二人の力は、「言葉」を基にする。
逆を言えば、条件さえ満たせば何だって出来る…たとえ人を殺すことであっても。
さらに石の力は感情にも左右される。
現に感情の揺れにつけ込む「黒ユニット」もいるわけだし、感情が暴走し過ぎて石が芸人の思考を奪うことだってあった。
潤はそれを恐れている。自分の力で他人を傷付けることを。
前に一度だけ潤の力が暴走したことがあった。
原因は何だったか覚えていない。
ただその時俺が見たのは、怒りの色に満ちた潤の顔と橙の閃光。
何とか人に当たることは無かったのだが、辺りの物は強い「存在否定」を喰らって消し飛んでいた。
今でも、もし人に当たっていたらと思うとゾッとする。
俺にとってはそれ以上に、力を使った後の潤の辛そうな顔を見るのが苦しかった。
…それきり潤は自分の感情を抑えるようになった。
自分が辛くても、俺や周りの人の心配ばかりしてくる。
それを見てると余計に泣けてくるんだ。
俺らは立場上、暴走した石を封印したり、黒ユニットと戦うのが使命となっている。
でも、俺はもうわからない。何をして良いのか、何をするべきなのか。わからない、わからないけど…。
手の中のアパタイトが強く光る。「欺き」の力。
俺は決めたんだ。これ以上潤が傷つかないように、俺は全てを護る。
笑顔を護るためなら自分が傷付いても構わない。
誰も悲しむことが無いように、俺はどんなことでも欺いてやる。
3
:
名無しさん
:2004/12/02(木) 15:36
小沢さんってさ、なんでいつも無茶ばかりするんだろ。
ドツキ漫才とか妙な罰ゲームとかは嫌がるのに、石のことになると別だ。
他人を守るってのは分かる。俺だって能力上攻撃を回避できるから、他人の為に前に出る事だって多いし。
でも小沢のは違う。庇うのだ。つまりは自己犠牲。
一般市民とかなら分かるけど、能力を持った俺とか他の芸人まで庇うんだからさ。
ちょっと前に小沢が俺を庇ったことがあった。
敵の発した能力が分からずに戸惑った俺の前にヒラリと現れて。
咄嗟に手を伸ばした次の瞬間には、小沢が血だらけで俺の腕の中にいた。
そっから先はうろ覚えなのだけれど。
俺の石を使った後、すぐに「認められなかった」小沢の怪我が無かったことになってて。
それで辺りの物が吹き飛んでた。
石の力が暴走したのだと分かるのにそれほど時間はかからなかった。
ただ単に俺は、俺を庇ったせいで(もう無かったことになってしまったが)怪我した小沢に腹が立っていた。
なぜ、自分を犠牲にするのだと。
ふとした感情の爆発で、俺の石は暴走して何もかも消してしまう。
俺はそれが怖い。他の芸人だって多分そうだ。
そしてそれ以上に、俺は小沢が怖い。自分を犠牲にしてまで他人を庇うから。
俺の力が発動しないこともある。小沢の命を助けられないかもしれない。
小沢を失う?そしたら俺は、俺はどうする?
失うなんて、到底「認められる」ものか。
手の中の石を強く握る。内部から、熱さにも近い波動を感じる。
―お前をこれ以上暴走させないようにするから。今はただ、俺の力になれ。
シトリンは応えるように僅かに光を放った。
4
:
名無しさん
:2004/12/02(木) 15:36
スピワの小説でしたが、とんでもなく二人が壊れました。
小沢に依存する井戸田と、井戸田に依存する小沢。
これ書いてる私の精神状態おかしいですよねorz
あとなんかホモ臭くなってます。
誰か私に文才を下さい。
5
:
名無しさん
:2004/12/02(木) 22:18
文自体は別におかしくないですよ。でもチョト苦手な人がいると思う
自分の脳内イメージに合って、メンタル的な文が好きな人は好きだと思うよ
自分は嫌いじゃなかった
気を悪くしたらスマソ
6
:
4
:2004/12/04(土) 00:12
>5
早いレス&温かいお言葉有難うございます
精進します
7
:
</b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2004/12/18(土) 14:42
どうも、ロンブー編のものです。
ロンブー編のついでに書いてみた上田さんショートを投下しようと思います。
その日も、上田はラジオの生本番にぎりぎりで滑りこんだ。
「ったく、なんでこんなに忙しいんだかなぁ・・・」なんて、ぼやきながら。
仕方のないことなのかもな・・・と彼は思った。
そのせいか、この日のラジオはマネージャーに愚痴を言う、と言った感じで始まった。
「ホントな、あいつおかしいんだよ!
この間も『開けといてくれよ』って言った日に、あいつ仕事いれやがってさぁ・・・」
ブースには笑いが溢れていた。
仕事の間だけは裏で起こる石の争いなんか、忘れる事が出来た。はずだった。
「メール行くか」
その一言で、上田はラジオあてに届くメールをどんどん読んでいく。
・・・と言っても、ラジオネームに茶々を入れたりして、結局読めるのは番組内でせいぜい6通。
何事もなくメールを読み終わり、曲紹介をする。問題は一切ない。
そしてそのままCMに移る。
「・・・さて。」
上田は改めて、自分の目の前にある紙の束を眺めていた。
「・・・これどうした?多くねぇ?」
「いえ、なんかメールがたくさん届いてて、いっそのこと今読むやつ決めてくださいよ」
はぁ?なんて無茶を言うんだこのスタッフ!
そうはいっても、すぐにCMは終わってしまうし。仕方なしに、紙の束から幾つか選び出す。
CM明けの番組で、リスナーはきっと上田の異変に気付いただろう。
彼のいつもの調子良いだみ声(?)が聞こえてこないのだ。
どうしたんですか?とのスタッフの声も聞こえていないようで、手元の紙を凝視している。
ややかすれ気味の声がやっと耳に届くか届かないか。
「なんで・・・どうしてこんなメールが・・・・・・?」
その場にいた者達は、彼の持つ紙に書かれた文章を確かめようとしていた。
『お前の事は全て知っている
石を持っている事も、それで何をやっているかも
そして、その力さえもこちらは把握している
覚えておけ
我々はお前の力を知っているのだ』
内容が特に彼の動揺を誘ったとは到底思えない。
だが、上田の精神を揺さぶるためには、石という単語だけで十分過ぎた。
その上で『その力さえも把握しているのだ』と言う文章――――
それからは、彼の周りに冷たい雰囲気が渦巻いていた。
これが、間違いであって欲しいと願ってみたものの、あまりにも知りすぎた内容だ。
『黒』か――――
上田はそのメールを印刷した紙をジャージに突っ込み、そのまま家へと帰った。
誰かに話したほうがいいのか?このままやり過ごそうか?
その結論はその日中には出ず終いだった。
8
:
名無しさん
:2004/12/24(金) 20:27
GJ!本スレに投下してもいいくらい。リアルに想像できて面白かった。
9
:
</b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2004/12/25(土) 23:36
>8
感想ありがとうございます。
・・・これ、クリスマスプレゼント替わりに投下しようかな。
・・・なんて、思っただけですよ。
10
:
ブレス </b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2005/01/02(日) 16:18
さんざん言っていた、はねとび編の触り、冒頭を作ってみました。
ただし、メンバーが互いを何と呼ぶか良く分からなかった&
この後話が続くのを前提に作っているために、かなり中途半端です。
ここでの反応で今後を決めたいと思います。
<<Jamping?>>--opening
それは、とある日の楽屋。
西野が、鉛色の瞳で何処か遠くを見ている。
「・・・・・・逃がさへん・・・・・・」
同じく鉛色の身体を、その目線の向こうへ向けながら。
「どないすんねん」
彼のやや下の方から聞こえて来た相方の声に、
「追っかけるしかないやろ」
そう答えた。
「――――だからぁ、鈴木何度言ったらわかんねん?!」
「まーいいじゃねーかよ塚っちゃん」
「良いわけないやろ! 誰か襲ってきた時になんも出来へんかったらどないすんねん!?」
ドランクドラゴンが、いつも通りの喧嘩をはじめている所だった。
お題は鈴木が石の力をいろんなところで乱用しすぎる事。
「・・・・・・そんときゃあ、そんときだよ」
鈴木がポツリと呟く。
だって元々、俺達は戦う気なんてさらさらないのだから。
どんっと強い衝撃音。
一人の男が、壁に叩き付けられている。
その前ににやけながら仁王立ちする男。
「――――インパルスの名に相応しいだろ?」
そう言いながら現れたのは堤下。
いつもの彼とは違う、殺伐としたオーラを漂わせながらそこに立っていた。
「げほっ・・・」
と、軽く咳き込んだのは、ロバートの山本。
冷たい瞳でこちらを睨み続けている堤下。
「・・・・・・今日おかしいよ・・・・・・。」
山本は頭を強打し、くらくらしたその視覚で眼前を見据えた。
「博は?」
「・・・・・・わかんねぇ、便所とかじゃねー?」
そんな、暢気な会話を交わしていたのは別の楽屋にいた秋山と馬場。
「ならいいんだけどねー。」
そして二人は手元の携帯電話と本に目線を戻した。
――――どんっ。
「ねー、今さぁー」
「うん、なんかでっけぇ音したよねぇ?」
「・・・誰かさわいでんな」
二人はお互いを見てから、立ちあがった。
11
:
</b><font color=#FF0000>(4t9xw7Nw)</font><b>
:2005/01/03(月) 16:47
ブレスさんお疲れ様です(本日二回目(ニガワラ)
いいんじゃないでしょうか?続きが見たいです。
ちなみにメンバー同士の呼び方ですが、自分が覚えている限りは
・ドラドラ鈴木→年上、年下に関わらず、相方以外の男子メンバー全員を「名字に君付け」で呼ぶ(例・「山本君」「梶原君」)。
・キンコン西野→相方を「梶」と呼ぶ。
・ロバート山本→ドラドラ鈴木以外の全員から「博」と呼ばれている。
・北陽→ほぼ全員から「虻ちゃん」「伊藤ちゃん」と呼ばれているはず(時々呼び捨てにされる)。
他は普通に名字を呼び捨てで呼び合ってたと思います。今後のお話の参考になれば・・・・・・差し出がましかったらすいません。
12
:
PhamtomW
:2005/01/03(月) 23:37
どうも、本スレでバトロワ書いていた現在執筆中です。
最近新作が多くなってきましたね。皆様の作品いつも楽しみにしています。
自分が書いているバトロワなんですが、あれは番外中の番外なので
今度からこちらのスレに投下しようと考えているのですが、よろしいでしょうか?
13
:
名無しさん
:2005/01/04(火) 07:30
>12
本スレだけ見ている人で続きを楽しみにしている人も多いと思いますので、
本スレ投下で大丈夫なんじゃないでしょうか?
14
:
</b><font color=#FF0000>(4t9xw7Nw)</font><b>
:2005/01/06(木) 01:19
>>11
に追加で、
インパルス板倉→相方以外からは「板さん」と呼ばれる事が多い模様
です。人数が多いので大変だとは思いますが、はねる編頑張ってくださいね。
15
:
ブレス </b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2005/01/06(木) 07:43
>>11
>>14
ありがとうございました。
ものすごい助かりました。
(本人、はねるをあまり見ないため)
ところで、堤下さんの呼ばれ方は
「敦君」でいいんでしょうか?
ここだけいまいち情報が少なくて(汗)
16
:
</b><font color=#FF0000>(4t9xw7Nw)</font><b>
:2005/01/06(木) 16:38
>>15
名字呼び捨て以外で自分が聞いた事があるのは、時々「つっつん」と呼ばれてるとこですね。
相方からの呼ばれ方は普通に「堤下」でよかったはずですけど・・・・・・
17
:
ブレス </b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2005/01/06(木) 17:16
試しに前回(オープニング)とは話の繋がっていない1話目を投下します。
やっぱり本スレに落すのはこれから考えます。
<<Jamping?>>--01/a promise
「へぇー、綺麗な石だねぇ?何処で買ったの?」
その一言を聞いて、不意に板倉が顔をあげる。
「え?・・・あぁ、これ?拾ったんだ」
「ふうん・・・あんまり見ない石だもんね」
彼に近づいてきたのは伊藤。物珍しそうに彼の手元の石を見ている。
「これなんて名前の石なんだろうなぁ・・・・・・」
板倉はそう言いながらも、遠くからのスタッフの声に反応していた。
翌日、携帯に入電。
「・・・って今なんて言ったの?」
『だからさぁ、皆でちょっと、行きたいところがあるの!
はねトびのメンバー皆来てるから、早く板さんもおいでよ!』
相手は再び伊藤。元気良く話しているのが分かる。
「分かった分かった!で、何処に行けばいいの?」
――――しばらくして。
都内某所に、彼らは皆集まっていた。
よく都合良くあったなぁ、スケジュール。と誰かが呟く。
「じゃーんっ」
伊藤が皆に何かを見せつけている。それは、珍しいピンクの石。
「わぁ・・・っ、いいなぁ・・・」
そう言ったのは虻川。
「それに比べて・・・」
目線を自分の手元に落す。手の中には銀色の石が入っている。
「虻ちゃんのも綺麗だよ?」
数名にそうフォローされて、虻川の顔がちょっと嬉しそうに輝いた。
「でさぁ、今日の用件、ちゃちゃっと済まさねぇ??」
めんどくせぇ、と漏らしたのが堤下。
「せやな、何の用やったっけ?」
と続けたのは西野。
伊藤が、そうそうと言いながら今日の目的を話す。
「皆、こう言う感じの石を持ってるって聞いたから、お揃いでアクセサリー作らない?」
この提案に開口一番
「せやかて、俺もうチョーカーに加工してもうたし」
と、西野が一言、自分の首もとの黒紐を引っ張りながら言う。
「あぁ、俺もだ」
堤下も腕にはめている革の腕輪についている石を見ながら言った。
それに続いて「ごめん俺も」と馬場。
彼のケータイにはストラップの形で石が付けられていた。
「あぁ、俺もやったわ」さらに続くは塚地。
石の姿はキーホルダーに変わっている。
「えぇーっ?!いいなぁと思ったんだけどなー」
「まま、残りの皆で合わせればよくない?ね?伊藤ちゃん」
山本がすかさず伊藤に言った。
「・・・っ、そうだけどさー」
ぶつぶつ言い続ける伊藤を、山本がなんとか宥める。
「なぁ?」
不意に、梶原が声をあげる。
「・・・どうしたの?梶原君」
「・・・・・・あんな、もしアクセサリー作るんやったら、普通のじゃないのにせぇへん?」
「え?」
「いやな、皆で合わせるんやろ?したら、普通のアクセやったら他のと被るやろう?
せやたら変わったアクセにしようや」
変わったって・・・、と皆が声を合わせて悩み始めた。
「・・・アンクレットとかは?」
西野が横から突っ込んできた。
「アンクレット、か・・・。なにそれ?」数名から同じような言葉が聞こえてくる。
「アンクレット言うんは、足につける飾りの事やねん。
そんで、皆同じ足の足首につけたったらええやろ?」
同じ事をする事に、絆を感じる。それが、きっと仲間だと思う。
そこにあった「石の加工所みたいなところ」と伊藤が案内した場所で石を加工する。
それから数分。
「これいいなぁ、うん、新しい感じがする」
出来あがったチェーンで結んだアンクレットを、秋山が誉めた。
皆同じで右の足首に、石しか違わないアンクレットをつけている。
「これからは皆、これつけてよ?」
そう伊藤が言った。
「うん」
「分かってるよ」
「もちろん」
口をそろえて皆がそう返した。
虻川がそれを見て「やっぱ皆仲良いよねぇ」と漏らした。
その仲が、引き裂かれる事も知らずに。
18
:
名無しさん
:2005/01/10(月) 16:02
ネタバレスレ沈下のために一旦age
19
:
名無しさん
:2005/01/16(日) 02:58
職人さんたちに触発されて、スピードワゴンの井戸田さんてが能力に目覚める前の
小沢さんが一人で戦ってた頃の話を書いてみたのですが、
自分が小心者なのと設定があいまいなとこがあるのでここに投下させて頂きます。
20
:
19
:2005/01/16(日) 03:05
太陽が真横から照り付けていたので小沢は眩しさに目を閉じそうになるが、
かろうじてそれを思いとどまる。そんな余裕がないからだ。
小沢は住宅地の中の小さな公園で男と対峙していた。
名前は思い出せないがどこかで会ったことがある気がするからお笑い芸人だろう。
男は小沢よりも背が低くどこか頼りない相貌をしていたが、その顔にはふてぶてしいほどの余裕があった。
(こっちは全然余裕ないってのにね…!)顔には出さずに心の中で悪態を吐くと、小沢は男に話しかける。
「君の能力はもう見切ってるよ。光を宝石の中に集め収縮させて矢にする。
集めるのに時間が掛かるから連続して矢はだせない。
光は矢になった時点でどういう訳か、重さになる。つまり当たっても、くるのは衝撃だけだ。
殴られんのと同じようなもんだね、そう思えば恐怖心はない。」
「へぇ、さっきの攻撃だけでよく分かりましたね。さすが売れっ子」
小沢の説明を受けても男は動揺した様子もみせず、逆に感心した声を出した。
それが本心かどうかなんて小沢には分からなかったが、
「君にも観察眼があれば売れるかもね」
とりあえず挑発してみた。
小沢がその男に会ったのは、何ヶ月ぶりかのオフの日だった。
久々に一人で外出すると、首筋あたりにねっとりとした視線を感じた。
嫌な予感がした小沢はそのまま人通りの多い道を避け、
視線に気付かない振りをしながらも目ではどこか戦える場所を探しながら歩き続けた。
小沢が目の前を横切った車に注意を向けた一瞬の、不意打ちだった。
かろうじて反応したので、直撃にはならなかったがわき腹に当たった。
衝撃に息がつまりながらも小沢はなんとかこの公園へと男をおびき寄せたのだ。
痛む脇腹をさりげなく手で押さえながらも男と向き合い続ける。
21
:
19
:2005/01/16(日) 03:09
「余裕ですね、小沢さん」
男が自分の顔前に黄緑色の石をかざすと、石は男に応えるように光りだす。
「でもその余裕、どこまで持つかな?」
それに恐怖心だって、ないわけじゃないでしょ?
と男の嫌味たらしい(少なくとも小沢にはそう感じた)笑みに対抗するように、
小沢も唇の端を上げる。
「そうだね…」
否定はしない。
男の攻撃が時間の掛かるものだとしても、もうそろそろなんらかの対策を講じないとやばい。
小沢はひとつ息を吐くと叫ぶ。
「だから逃げるんだよ!」
同時に身を翻すと、全力で駆け出した。
22
:
19
:2005/01/16(日) 03:13
ちなみに…
男
石…ぺリドット←「太陽の石」と呼ばれてる
能力…光を集めて矢のように放出する。打撃系。
条件…集めた光により威力が決まる。
宝石を対象に翳さないと攻撃できないため、正確に相手に当てるのが大変。
なんか申し訳ないくらい設定が適当ですね…
23
:
19
:2005/01/16(日) 03:16
ただ逃げながら、小沢はふと今日は何曜日かが気になった。
どうでも良い事ではあったが、そんなことでも考えないと足がもつれて転んでしまいそうだったのだ。
後ろは振り返らなかったが、男が付いて来ているのだけは分かる。
(石をかざさないと攻撃はできない。だから追いかけてきているうちは安全)
考えながら小沢は目を付けた脇道に入る。
路地裏のため道が狭かったので置いてあったどこかの料理店のゴミ箱を蹴飛ばすが、
あいにくそれに構ってる暇はなかった。
闇雲に迷路のような路地裏を走るが、行き止まりに当たり否応なく立ち止まる。
ビルの壁を前にしながら、小沢は息を整える。
小沢の入った路地が行き止まりと知っているのかどうやら男は歩いているようだ。
大きな通りから離れているせいか辺りはやけに静かで、小沢の息継ぎと男のゆっくりとした不気味な甲高い靴音だけがやけに大きく響く。(落ち着け、落ち着け)小沢はひとつ深呼吸をすると靴音がする方へと振り向き、ポケットの中のアパタイトを握り締める。
男が小沢の視界に入り、再び二人は向かい合った。間髪入れず小沢は叫ぶ。
「いるんだよ、俺の心の中に君がさ!」
指を鳴らしながら、男に向かって走りだす。
「残念、行き止まりですね」
しかし男は向かってくる小沢に怯んだ様子も見せない。
「日陰に入ったから、光が集めにくいって思ってます?」
男はポーズだけは残念そうにつぶやいた。
「小沢さんは気付いてないようですが…」
男は先ほどの小さな公園でしたのと同じように自分の眼前に石をかざす。
「この石、光を貯めておくことができるんですよ」
男の台詞と同時に光の矢が放出される。
24
:
19
:2005/01/16(日) 03:17
男と小沢の距離は10メートルほどか。
目算すると小沢は眼前に迫った光に話しかけるように、
「そんなことより、パーティ抜け出さない?」
瞬間、小沢の体が消えた。目標を失った矢は小沢の居た場所を通り抜ける。
「なっ…!」
男は呆然と「そんなことまでできんのかよ」と呟き無意識に辺りを見渡す。
「まぁね」
小沢の応える声と、同時に男は顔面を殴られるような衝撃を受ける。
体勢を立て直そうとする間もなく、足が体を支えきれず後ろへ吹き飛ばされた。
25
:
19
:2005/01/16(日) 03:19
「君は気付いてなかったみたいだけど…」
男はかすんだ視界の先に、さっきまで自分が立っていた場所より
右寄りの位置に立つ小沢を見る。
「俺は始めの攻撃で君に暗示を懸けたんだ」
言いながらちょっとだけ体をずらす。
「ガラス・・・?」
「そう、鏡は光を跳ね返す。
窓ガラスだって明るいとこなら十分鏡の代わりになるし、
ここだって完全に日陰ってわけじゃない」
君はフェイントだとでも思ったみたいだけどさ、小沢は微笑んだ。
「君にも観察眼があれば売れるかもね」
男には小沢の声が聞こえただろうか?
思いながら小沢はもう一度ポケットの中のアパタイトを握り締める。
「もうこんな遊び、終わりにしない?」
パチリと小さな音が静かな路地裏に響き渡った。
26
:
19
:2005/01/16(日) 03:22
路地裏を抜け大通りにでると、小沢は眩しさに目を閉じた。
戦っている最中は気付かなかったが、男に攻撃された脇腹が軋むように痛んだ。
「明日仕事だってのに…」
潤に気付かれないようにしないとなぁ、舌打ちしながら人ごみに紛れる様に歩き出す。
いつまでこんな事を続けなければならないのか、見当がつかない。
いつまで傷つくのか、いつまで人を傷つけるのか。
いつまで一人で戦わなければならないのか。
(・・・まぁそんな事考えても詮無いか)
小沢は考えるのをやめた。
歩き続ける小沢の背をただ太陽だけが見ていた。
彼のそばには太陽に照らされて出来た自身の影だけが、
彼を慰めるように寄り添っていた。
27
:
19
:2005/01/16(日) 03:24
小沢さんの能力は2つ同時に発動できるのかが分からなかったので、
没になりました。
思ったより長くなってしまった…
読んでくださった方、ありがとうございました!
28
:
ブレス </b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2005/01/16(日) 20:11
>>19-27
乙!
むちゃ読みやすかったです。
自分もこの位文才欲しいよ・・・・・・。orz
29
:
名無しさん
:2005/01/16(日) 21:41
すげー面白かったです!!
30
:
19
:2005/01/17(月) 20:19
>>28
,29
ありがとうごさいます!
読んでくださるだけでもありがたいのに感想まで頂けるとは…
名無しに戻りますが、次の機会がありましたらまた読んでやってください
31
:
名無しさん
:2005/01/26(水) 20:41:59
ここで連載って可?
32
:
ブレス </b><font color=#FF0000>(F5eVqJ9w)</font><b>
:2005/01/26(水) 21:22:58
>>31
可能ではないでしょうか?
本スレに投下できない小説の置き場なので。
是非やってみてください。
33
:
テスト期間なのに
:2005/01/28(金) 04:39:01
さまぁーずが黒側という記述を見てワンシーンだけ書きたく
なったのでこちらに投下します。
前後は何も考えてません。
さまぁーずとくりぃむ有田話です。
::::::::::::::::::::::::::
収録を終え楽屋に戻る。「よっこいせ」などと親父くさい動作で
座る上田を横目に紫煙をくゆらせ一息つく。
ここの所仕事も忙しかったが、それ以上に例の事で動き回り正直
体が重い。相方も同じなのだろう
「ああーっ、疲れたっ!」
誰に言うでもなく叫んだ後は机につっぷしたまま動かなくなって
しまった。
「あら。」
いつもの習慣で収録中着信がなかったか携帯をチェックすると
大竹からの着信がついている。テニスの話かななどと思いつつ
留守電が入っているようなので再生をした。
留守番メッセージは一件です
ピー
おう、有田。大竹だけど。
おめぇ何留守電にしてんだよ。出ろよ。
まあいいや。
…とりあえずメッセージ入れとく。聞けよ。
…あれだな、家族持ちってのはやっかいだよな。
…三村がよ…まあいいや、細かい事はいいよ。
とにかくコンビだからよ。俺がボケねぇとあいつもツッこめねぇし。
あいつがツッこまねぇと俺もボケっぱなしになっちまうからよ。
つまりはあれだ。
黒…にな。
だからしばらく遊んでやれねぇけど拗ねるなよ。
…まあ、なんだ。
いざとなったら手加減はいらねぇから。
…じゃあな。
ピー
「なんだって?まさか合コンの誘いじゃねぇだろうな。」
いつもの調子で笑いながら問いかける上田に答える事もできずに
携帯を切った。
こめかみの辺りががズキズキと痛む。
ただならぬ空気を察したのか上田の顔色も深刻なものに切り替わる。
「…どうした?」
「…さまぁーずが…」
その一言で察しがついたのだろう。上田が歯軋りするのがわかった。
「くそっ!!」
俺は言い切る事すらできずに携帯を床に叩きつけた。
34
:
名無しさん
:2005/01/29(土) 19:55:35
大竹がかっこいいなあ
35
:
名無しさん
:2005/01/30(日) 00:16:12
文章お上手ですね!続きが凄く読みたいです。
36
:
名無しさん
:2005/01/30(日) 20:47:20
31です。なんとなく思いついた話です。
本スレに投下する自身がないのと、出てくる芸人さんのネタの内容が出てくるのでこっちに投下します。
続き物なのですが、皆さんの顔色を窺いながら投下したいと思っていますorz
+++
Change!!!
+++
収録の帰り、局から出た二人を呼び止めたのは見ず知らずの男だった。
ファンかと思ったのは一瞬。そしてその男が一気に攻撃してきたのもほんの一瞬のこと
だった。
そして今に至る。
「潤、気をつけてよ。」
「オーケーイ。」
人波を避けて廃工場に駆け込んだのは正解だったようだ。
目の前で燃え上がったドラム缶を見て二人…井戸田と小沢は思った。
降ってくる火の玉を避け、物陰に隠れて先程の男の様子を探る。
「(敵は複数か…?)」
小沢は必死に考えを巡らせる。
「(ピンだったら、あんなにフルパワーで攻撃してくるはずはない。石の力とはいえ、無
限にあるわけじゃないし…)」
身を乗り出して様子を窺っていた井戸田が小沢の肩を軽く叩いた。
「小沢さん、どうする?」
「局近いし、時間さえ稼げば誰か『白』が助けに来てくれると思うんだけど…。潤、喉の調子はどう?」
小沢の突拍子もない質問に、井戸田は真意を読み取った。
「アレ、使うのか?」
「仮に力使っても俺の声じゃあそこまで通らないでしょ。」
井戸田は小さな声で発声練習をすると、頷いて石に力を込めた。
37
:
名無しさん
:2005/01/30(日) 20:48:22
>>36
続き
「『恋愛のABCDのDの意味を知ってる…?』」
響き渡る声に、男は攻撃の手を止めた。
小沢が煙の中から姿を現す。手にアパタイトを握り締めて。
男はにやりと笑みを浮かべると、巨大な火の玉を二人目掛けて飛ばしてきた。
「『Dってのはね、Cの後に耳元で囁く…大好きっ』!!」
パチンと小沢の指がなる。と同時に井戸田が横に現れた。
「『甘ーいっ』!!!!」
放たれた井戸田の声が衝撃波となって火の玉を弾き飛ばした。
男が戸惑った隙に、小沢は更に指を鳴らした。
「『誰にも渡さないっ』!!」
「『甘ーいっ』!!」
「『大福』!!」
「『あっまーいっ』!!?」
続けて放たれた衝撃波に、ついに男は倒れ込んだ。
井戸田はゼィゼィと息をしながら喉を擦っている。
「潤…平気?」
「小沢さんこそ死にそうじゃない。」
威力を上げる為に石の力を限界まで高めていた小沢にかかった負担は大きい。
そして井戸田もガラガラの声になっていた。
気を取り直して、ふらふらとした足取りで小沢は男に近付く。
「悪いけど…そんな危ない石は封印させてもらうよ。」
小沢が男の石に手を伸ばした時だった。
「小沢っ―」
咄嗟に井戸田が伸ばした手は空を切っていた。
何処かからの光が、小沢の身体を貫いていた。
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