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『解析概論』輪読
1
:
RSKTTM
:2005/07/26(火) 23:02:10
立ててみました。
書名:『解析概論 改訂第3版』
著者:高木貞治
出版社:岩波書店
交代で解説を行い、他の人がそれに質問、間違いの指摘などを行うことにします。
適宜他の本を参照してもよいことにします。もちろんその場合は、その本を持っていない人でも分かるように書きます。
解析概論持っていない人でもおかしなところがあったらどんどん突っ込んでしまってください。
あ、ちなみに現在僕は所々飛ばして今P57の偏微分と全微分のあたりまでしか進んでないです。やばい(^^;
108
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:17:14
指数函数について
底aが1より大であり,指数tが有理数であるような指数函数a^tの意味と性質については既知として,
xが無理数であるときのa^xを定義し,指数函数を,全実数で定義される函数に拡張する.
無理数xに対して{x_n}⊂Qでlim_{n→∞}x_n=xである増加列{x_n}は存在する(c.f.
>>48
の例の証明).
{a^(x_n)}は増加列であり,x<bなる有理数bが必ず取れるので(たとえばxを十進表記したときの
少数第何位かを切り上げた数をbとすればよい){a^(x_n)}は有界増加列.
定理
>>20
によってlim_{n→∞}a^{x_n}が存在する.命題
>>103
によってこの極限値は
{x_n}のとり方によらず一意に決まる.これをa^xと定義する.
109
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:17:46
全実数で定義された指数函数a^xをa^x=f(x)とおくとf(x)は増加函数である.
証明 xが無理数,bが有理数だとしてx<bであるとする.
lim_{n→∞}x_n=xなる増加有理数列{x_n}をとると,
任意の番号nに対してf(x_n)<f(b)であるので定理
>>17
の証明の後段と同様の議論でf(x)≦f(b)であることがわかる.
またxに収束する減少有理数列も取れるので(たとえばxの十進少数表記の小数第n位を切り上げた数を第n項とする数列),x<b'<bなる有理数b'がとれ,f(x)≦f(b')<f(b)とできる.
このことからx<bなる有理数bについてf(x)<f(b)であることもわかる.
cがc<xなる有理数であるとすると,ある番号mが存在してn>mならc≦x_n<xとできるので
y_n=x_(m+n)とおくと,{y_n}はxに収束する増加有理数列で,すべての番号nでc≦y_n.
ゆえにすべての番号nでf(c)<f(y_n)だから,f(c)≦ f(x).
c<c'<xなる有理数c'が取れることを考えればf(c)<f(x).
r,sともに無理数で,r<sならr<p<sなる有理数pが取れるので(c.f.例
>>48
)f(r)<f(p)<f(s)となりf(r)<f(s)がわかる.■
110
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:19:59
f(x)は連続函数である.
証明 各xに対しp<x<q,q-p<1/nなる有理数p,qをとることができる.
このときf(p)<f(x)<f(q)でありf(q)-f(p)=f(p)(f(q-p)-1)<f(p)(f(1/n)-1).
例
>>27
よりlim_{n→∞}f(1/n)=1だからf(q)-f(p)はnを大きくとれば,
いくらでも小さくすることができる.
f(p)<f(x-0)≦f(x+0)<f(q)であるのでf(x-0)=f(x+0).
またf(x-0)=f(x)であるのでf(x)は連続.■
0<a<1のときはa^x=(1/a)^{-x}と定義する.このときはa^xは連続な減少函数.1^x=1である.
111
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:24:10
f(x+y)=f(x)f(y).
証明 xに収束する増加有理数列を{x_n},yに収束する増加有理数列を{y_n}とする.
fは連続だから定理
>>18
を用いて
f(x+y)=f(lim_{n→∞}x_n+lim_{n→∞}y_n)=f(lim_{n→∞}(x_n+y_n))
=lim_{n→∞}f(x_n+y_n)=lim_{n→∞}(f(x_n)f(y_n))
=lim_{n→∞}f(x_n)lim_{n→∞}f(y_n)=f(lim_{n→∞}x_n)f(lim_{n→∞}y_n)
=f(x)f(y).■
112
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:24:44
f(x)^y=f(xy).
証明 xに収束する増加有理数列を{x_n},yに収束する増加有理数列を{y_n}とする.
f(x)^y=f(x)^{lim_{n→∞}y_n}=lim_{n→∞}f(x)^{y_n}
=lim_{n→∞}f(lim_{m→∞}x_m)^{y_n}
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_m))^{y_n}
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_m)^{y_n})
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_my_n))
=lim_{n→∞}(f(lim_{m→∞}x_my_n))
=lim_{n→∞}f(xy_n)=f(lim_{n→∞}xy_n)=f(xy).
ここでrを任意に固定された有理数であるとしたときのxの関数x^rが(0,∞)で連続であることを用いた.
この事実そのものは任意に固定された自然数nに対して,
xの関数x^{1/n}が(0,∞)で連続であることが分かれば,示される.
実際,x^{1/n}が(0,∞)で連続であるならrが正の有理数のときは命題
>>90
を有限回用いれば
x^rも(0,∞)で連続であるということが分かるし,
rが負の有理数のときは,x^r=(x^{-r})^{-1}なので
これも命題
>>90
によって(0,∞)で連続であることが分かる.
以下x^{1/n}が(0,∞)で連続であることを示す.
任意の正数εに対して|h|をxよりもnx^{(n-1)/n}εよりも小さくとると,
|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x^{1/n}+…+x^{(n-1)/n}|
≦|h|/|nx^{(n-1)/n}|<ε.■
113
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:25:28
a>0,b>0とすると(ab)^x=a^xb^x.
証明 xに収束する増加有理数列を{x_n}とすると,定理
>>18
より
(ab)^x=lim_{n→∞}(ab)^{x_n}=lim_{n→∞}(a^{x_n}b^{x_n})
=lim_{n→∞}a^{x_n}lim_{n→∞}b^{x_n}=a^xb^x.■
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