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それは連鎖する物語Season2 ♯2
1
:
数を持たない奇数頁
:2014/09/05(金) 21:07:09 ID:LUyN3zHI0
つまりリレー小説なのだ
176
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 20:19:22 ID:TE3619920
俺じゃああいつらを扱いきれない
177
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 20:33:39 ID:3zm5GINc0
実はこの夜会話イベントは、先に三馬鹿が邸内に侵入してるのをソウジが見つけて少し話をする
その後、部屋に戻ったら朝霞がいて登山計画の話をする
あれ、じゃあ地雷原を抜けてきた三馬鹿って実は何げに凄くない?ってソウジが考える流れにするつもりだったが、俺には書けなかった…
178
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 21:20:31 ID:htF7xwgI0
たたりん乙
これはそろそろソウジ死ぬな
新主人公の設定でも考えておこう
179
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 21:29:10 ID:TE3619920
また新キャラ出てきたんですが
180
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 22:08:04 ID:cTqyg5Vw0
たたりんおっつおっつ。
暇な時にでもwikiに纏めようかなぁ。そろそろ文庫本1冊くらいにはなってそう
181
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 22:22:53 ID:3zm5GINc0
ドネルクラル編で一巻
実家編(仮)で二巻でいいじゃないか
182
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 22:25:54 ID:/icVoA760
朝霞とエロ本の辺りまでで大体65000文字辺りだから、多分丁度今くらいで一冊になると思う
183
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 22:28:50 ID:TE3619920
自分なりの文章にアレンジしてドネルクラル編を書くのも楽しいかもな
184
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/13(土) 22:32:16 ID:cTqyg5Vw0
(おっ、連鎖版の競作か?)
185
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/14(日) 23:16:03 ID:I3VhgwF60
そういや結界の地雷原はどことどこを隔てるんですかね?
186
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/14(日) 23:20:20 ID:glWR7u1.0
あ、ごめん、そのへん書いてなかったね
伏神の家周辺以外の山全部のイメージだった(一般人は立ち入れないので問題はない)
特に魔界人の集落周辺は特に厳重
187
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 14:41:04 ID:bBEsXoXg0
ちょっとみじかいけど、早くKの人の話が見たいという個人的な欲望と
未読本を積みすぎたという個人的な事情によって投下を敢行する(今から投下するとは言ってない)
6時ごろにやるわ
188
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 15:35:23 ID:fIV6ghss0
相変わらずはええなwwwwwwww
wktk
189
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:07:43 ID:bBEsXoXg0
6時ごろ(大嘘)
投下しますな
190
:
1/2
:2014/12/15(月) 20:08:19 ID:bBEsXoXg0
リリリ、リリリ、と静寂を侵すでもなく、寧ろ彩るような虫の声に聞き入るかのように、彼女は眼を閉じ、身動ぎもしない。
艶めく黒曜石の如き黒い髪。どこか陶磁器めいた無機質さを湛えた白い肌。
総身を包む瀟洒なドレスから覗く手足は、彼女の名前を象徴するかのように昏く、鈍い輝きを放っている。
半機人の少女――クロガネは一人、深夜の伏神山でひっそりと、静寂の渦中にいた。
「……これは、少々予想外の事態ですね」
誰にともなく、クロガネは呟いた。
周囲に人影はない。
だが彼女の言葉は夜闇の漆黒に溶ける事無く、「彼」の耳朶を打っていた。
「全面的に同意だヨ、01《ゼロワン》。いやはや、まさかこんな東の辺境に《竜》がいるとは。それも1や2では利かないほど。
対策室の情報収集能力というのも、存外当てにならない。これでは作った意味がない」
電子的な通信手段によるものではない。それは紛れもなく肉声だった。
クロガネ以外の何物もいないはずのだというのに、「彼」の声は真実、周囲の大気を震わせていた。
「結果論的な物言いになってしまいますが、やはり貴方についてきて頂いて正解でした、室長」
「もうセンセイとは呼んでくれないのかい? おじさんは寂しいヨ」
おどけた調子で言う「彼」にクロガネは心底面倒そうにため息を吐いた。
あからさまにうんざりとした表情を浮かべる彼女を見たら、ソウジなどの普段のクロガネを知っている人間は驚くことだろう。
楽しそう、というわけではないが、今の彼女は驚くほどに喜怒哀楽に富んでいた。
恐らく彼女自身も自覚しているわけではないのだろう、その仕草はこの上なく自然であった。
「阿呆なことを言っていないで、早急に対象の護衛に向かってください。私は《竜》を追います。
下手をすれば、貴重な《龍憑》のサンプルが失われる事態になりかねませんからね」
「サンプル、か。無機質な呼び方だね。お前もすっかりウチの連中と似てきてしまった」
「……室長」
「ああ、ああ、分かったヨ。怒らないでおくれ。はあ、若者に酷使されるのも老人の宿命かな」
肩を竦めているのであろう事がはっきりと分かるような声音で言い、「彼」はクロガネのそばを離れる。
周囲には、誰もいない。当然、誰かが走り去る音もなどするはずもない。
だというのに、鬱蒼と茂る樹木の間から降り注ぐ月光は、確かに「それ」を浮き彫りにしていた。
起伏に富んだ山肌を難なく駆ける影を。
疾走する影「だけ」を。
「さて、01ご執心の男の子か。ここはセンセイとして、しっかりと見極めなければね」
心の底から楽しそうに、「彼」は笑う。
人の形を失いながらも、一つの執念と、己の内で蠢く竜の力のみで存在を維持する異形。
人間でも、魔人でも、天使でも、機械でも、幽霊でもない第六の存在。
第六世界対策室長にして、悠久の時を生きる《竜憑》。
ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間の
191
:
2/2
:2014/12/15(月) 20:09:09 ID:bBEsXoXg0
「彼」が去り、真に一人となったクロガネは依然として眼を閉じている。
比喩ではなく、瞼の裏に映し出される光景をただぼう、と眺めていた。
先日、伏神ソウジに渡した指輪から送られてくる彼の生体情報が、そこには所狭しと表示されている。
プライバシーを考慮して、映像・音声の類は送られてきてはいないが、彼の体内全てをリアルタイムでモニタリングしているので
少なくとも今どういう状態なのか、何をしているのかは完全に分かってしまう。
ソウジはこの事実を知らないのだ。
故に、クロガネはなんだか悪いことをしているような気分になるが、これもソウジの安全のためだと己に言い聞かせる。
これで彼が、いわゆる思春期の男性によくある「アレ」でもしていたら、その罪悪感も一入だったろうが、幸いにも今の所はそのような情報は送信されてきてはいない。
そういった類の現象に嫌悪感やいらぬ羞恥心を抱かないのだから、半分とはいえ機械の体というのは便利な物だ。
いつもは少々疎ましく感じることもあるが、今日ばかりは感謝しなければ。
網膜に映る情報は、ソウジが未だ深い眠りについていることを示している。
ジ・エンドも向かったことだし、今ばかりはいいだろうと、クロガネは瞼を開けた。
伏神山。腐っても霊地と呼ばれるだけの事はあり、青白い月光に照らされるそこは、どこか神聖な静謐が満ちている。
その光景を美しいと思えないのは、自分の半分が機械だからだ。
その様な言い訳は通用しないということを、彼女は知っていた。
機械人にも、芸術家はいる。詩人はいる。作家はいる。コメディアンだっている。
だからこの心の冷たさは、自分自身の問題なのだろう。
鈍く輝く己の腕を撫ぜると、指先のセンサーがその冷たく、つるりとした触感を生体脳に伝達する。
本当にそれが冷たいという感覚なのだろうか。
稼動年数10年。「調整」に要した時間を含めれば、生誕14年。自我が目覚めて以来抱いてきたその不安は、今尚褪せる事無く彼女の胸にあり続ける。
彼女はずっと、人間に憧れ続けてきた。
国際的な定義での「人間」ではない。生身の体と、感情などという非合理なタスクを保有する機・霊界以外全ての世界に存在する生物。
それになりたいと、ずっと、ずっと思い続けていた。
過去形だ。恐らくこの先ずっと、彼女の些細にして見果てぬ夢は、膨大な過去の底に埋もれたままだろう。
学園に編入し、自分と対策室員、研究者を除く人間に接したとき、彼女は悟った。
人であるのは、自分にはあまりにも荷が重過ぎると。
「普通」の人間に比べて、自分の心はあまりにも無味乾燥で、ズレていて、機械的だった。
何となく同じように振舞えるだけで、喜怒哀楽を理解できていない存在が名乗るには、人間というものはあまりにも重過ぎる。
こんな両腕では、支えきれないほどに。
「……仕事もせずに何をやっているんでしょう、私は」
クロガネは軽く息を吐くと、その思考をすぐに外へと追いやった。
いっそ完全な機械ならば、こんな感傷に浸る事もなくなるのだろうか。……いや、より一層人への渇望が強くなるだけだろう。
クロガネはまるで踊るような足取りで――結界をかわすためだ――その場を去る。
まぎれもない「人間」が一人、そこにはいたが、それに気付いているモノが果たして存在したろうか。
変わらぬ調子で鳴き続ける虫々の声が、真夏の夜空に音高く響いた。
192
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:10:14 ID:bBEsXoXg0
以上、短いね
あと一個目の最後間違えた
×ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間の
◎ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間のように、くつくつと。
193
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:23:04 ID:VaxfmItE0
西口おっつおっつ。
年末に向けて忙しい時期だから、ちょいと遅れるかも分からんが年内にはどうにかするわ
194
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:25:20 ID:wARm7Ds60
大丈夫、18時128分だ(彼真顔)
西口おっつおっつ
そして「竜は一体二体ではない」という辺りが俺の考えてる展開とマッチしててシンクロ二シティ
195
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:33:23 ID:bBEsXoXg0
今更だけど学校いってたら竜に殺されかけて、里帰りしたらそれと似たようなのがうじゃうじゃいるとかソウジくんハードすぎるな
196
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/15(月) 20:37:04 ID:wARm7Ds60
よくあるよくある
197
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 10:28:08 ID:Es3piGSc0
旅行や観光の先々で死体に出くわす小学生グループを思うと全然序の口ですよ
198
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 18:34:34 ID:dy3bx9tY0
俺の番で大きく動かすべきか、無難に遠投するかで区切る場所が変わってきそうだなぁ
199
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 18:53:04 ID:p80IZB5g0
一応、それぞれの動きを俺の偏見主観で纏めると、
ソウジ&朝霞→夜のスニーキングミッション(未定)
劔&夕霧→明日から革命起こすわ(確定)
三馬鹿→真夏の夜のエロ本探索
伏神家→革命に気付いてないっぽい?
ってところじゃないかな
200
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 18:58:41 ID:dy3bx9tY0
とりあえず(時間的な意味で)夜の登山中。
兄夫婦と三馬鹿と伏神家の動向にはあまり触れない感じかなぁ
201
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 18:58:54 ID:1d/yIvTk0
ポケモンオメガルビー、一応殿堂入りしたぁ
あぁ^〜カガハルええんじゃ^〜
カガリに詰め寄られるハルカ想像すればメシは何杯でもいける
202
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 18:59:12 ID:1d/yIvTk0
ごめん、スレ間違えました
203
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 19:29:38 ID:z9VSx6K60
俺はKの人のがっつり長文が読みたい(人間の屑)
204
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 19:54:12 ID:5bCIopAo0
カガハルだと思うじゃん?
デルタやったらたまげるで
205
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:03:32 ID:1d/yIvTk0
別にいいよ
どっちにしろ二次創作でイラスト描くんで
206
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:15:55 ID:1d/yIvTk0
しかし最近のポケモンは変に重苦しいな
XYやったことないけど重いらしいし
半分読み飛ばしてるわ
207
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:21:30 ID:z9VSx6K60
たぶんソウジくんとエクリエルは論者
208
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:22:45 ID:1d/yIvTk0
ヤウジとヤクリエルですなwwwwwwww
209
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:27:31 ID:dy3bx9tY0
>>206
XYは過去の戦争で云々、ポケモンの生体エネルギーを使った兵器云々ってのが関わってたりする
敵方の目的は「この世界の幸福は上手く分配されてないから、生存者を選んで再配分する」って感じだったか
BW辺りからストーリーが重くなったような気がするなぁ……
210
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:40:59 ID:z9VSx6K60
「アドライグ」を「ウェールズの赤き龍」っていうととってもかっこいい
211
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:48:15 ID:1d/yIvTk0
>>209
まぁ元々、初代の頃から重い話はあったけど、BWからその上にクドい演出が入ってきて、俺はなんか嫌になったわ
特にBWは散々引き伸ばした挙句勝手に終わった感あって、2やる気起きんかったから買ってない、XYも同じ動機で買ってない
オメルビもミツル戦までにモチベ保てずに惰性で戦ったわ正直
グラードンイベが頂点であと惰性
個人的な感想でごめんね
212
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:52:55 ID:dy3bx9tY0
個人的に何が不満かって、リメイク前では波乗り入手時点で入手できた冷ビ(捨てられ船にて入手可能)が入手できなくなってた事だな
開始前「普段通りキモクナーイ。草四倍? 冷ビ拾えるから楽勝っしょwww」
開始後「冷ビ拾えないじゃないですかー! やだー! ……レベルをあげて物理で殴るか」
とかそんな感じだったわ
とりあえず競作に関しては今8kb。
朝霞がどれだけ伏神家の情報知ってるかで変わってくるんだよなぁ。主に設定との兼ね合いを利用した無茶苦茶理論で
213
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 20:57:10 ID:1d/yIvTk0
そういやなんか冷凍ビーム拾えてなかったな
冷凍パンチとかどこだっけ? まぁエッジとメガシンカあるしいいや・・・みたいな感じで進めてた
しかし、流石に強いメガラグさん
214
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 21:27:58 ID:1d/yIvTk0
にしてもなんやこいつ、この・・・ヒガナ?
勝手に現れてなんか凄いことしてるけど、相変わらず主人公が蚊帳の外やな
Lを思い起こさせる鬱陶しさがあるわ
215
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 21:29:55 ID:vr23cYTU0
グラカイ倒したあとにちょろっと出た程度でいっさい伏線なしにアホみたいに現場をかき乱してったよな
216
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 21:37:51 ID:1d/yIvTk0
もう一つの世界とか急に言われても・・・ねぇ?
加えて「想像力足りないよ」とか「期待してないよ」とか大誤算に好き勝手言いやがってこのガキャ〜・・・
Lさんの時から思ってたけど、最近のポケモンは上から目線で論破するのが好きなんかね
217
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 21:51:56 ID:tvxtGAxA0
ヒガナ「隕石がもう一つの世界に行ったらそこの人達死ぬよ」
俺「いや、知らんがな(´・ω・`)」
ヒガナ「装置グシャー」
俺「何やってんのこのサイコ女!?」
218
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 21:55:21 ID:1d/yIvTk0
レックウザ「きたで」
ヒガナ「おっしゃ! ゲンシカイキや!」
レックウザ「え? ムリムリ」
ヒガナ「なんでや! なんでゲンシカイキでけんねん! うわああ私今までなにしてきたんやあああああ」
俺(なんかすげーことなってんぞ、帰っていいかなぁ)
ピカー
レックウザ「あ、それそれ」
俺「え? 俺?」
レックウザ「お前とならゲンシカイキできるわ」
ヒガナ「あ、じゃ、代わりにお願いしまーす」
俺「えぇぇぇえぇ・・・???(ドン引き)」
219
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:06:02 ID:tvxtGAxA0
あれ誰が一番の功労者かって言ったら、隕石探してくれたマツブサ/アオギリのお陰だよね
220
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:09:41 ID:z9VSx6K60
お前らポケモンの話はそこまでにしておけよ
俺がわかんないから(人間の屑)
221
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:11:43 ID:1d/yIvTk0
すんまへん、スレ誤爆から完全にポケモンの話になってしまった
なにはともあれカガリちゃんもデレてくれてよかったよかった(百合厨)
222
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:13:27 ID:tvxtGAxA0
リレー地方
男主人公:ソウジ
女主人公:アサカ
ライバル:ダニアン
博士:ダグダエル
闘ジム:ルカ
電ジム:クロガネ
鋼ジム:ダン
妖ジム:エクリエル
悪ジム:アシュリー
?ジム:?
?ジム:?
?ジム:?
炎四天王:アドライグ
草四天王:ウロボロス
霊四天王:ファブニル
地四天王:ボヮンロン
竜四天王:ヴェイパー
三つの?ジムに三馬鹿入れようと思ったが思い付かなかった
223
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:14:21 ID:tvxtGAxA0
ごめんよ、つい興が乗ってしまって…
224
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:17:16 ID:z9VSx6K60
なんで四天王が五人いるんですかね?
225
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:18:22 ID:vr23cYTU0
竜チャンピオンの間違いです!五人目の四天王なんていない!
226
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:35:27 ID:1d/yIvTk0
そう言えば一つ謝らなくてはならないことが・・・
しばらくここの本編のまとめが出来ない状況が続いてすみません
私情も色々あるのですが、自分の方で今WindowsWriterが使えない状況もありまして・・・
媒体をメモ帳に変えさせてもらってよろしいですかね
227
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:37:56 ID:z9VSx6K60
いいんじゃね? ほぼ好意でやってもらってたわけだし
228
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:45:44 ID:XeK0QAVU0
ありがとうございます〜
229
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 22:46:20 ID:vr23cYTU0
ありがてぇ、ありがてぇ
230
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/16(火) 23:06:57 ID:1d/yIvTk0
http://ux.getuploader.com/saraswati2/download/321/%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%EF%BC%9A%E5%9B%9B%E5%91%A8%E7%9B%AE.txt
というわけで三周目まではまとめていたので、四周目のまとめをば
じわじわまとめていきます
wikiの方にもまとめて頂いてるようなので、流用してもらっても構いませんで
231
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 18:04:11 ID:Tv2mUhQc0
【速報】俺氏、暴れる
とりあえず9000文字超えたからそろそろ自重しようと思う。誤字脱字確認したら投下するんだぜ
232
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 18:13:57 ID:zTg6iOYc0
きたああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!
233
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:16:18 ID:Tv2mUhQc0
月が淡い微笑みを湛える夜天の下、聡治と朝霞は屋敷を抜け出す。
攻略とは要するに、朝霞は正規の道以外――つまり監視の目を潜り抜けて、魔界人の集落へと潜り込みたいのだと、聡治は受け取っていた。
夕暮れ時に集落の規模を確認した限りは、あの領域だけで全ての食料を賄う事は出来ないのだ。
詳細こそ不明ながら、少なくとも物資の遣り取りの為に安全な道が存在する事は確かであろう。
勿論その道がどの道かは聡治には分からないし、仮に知っていたとしても、監視の目を潜り抜けたいのなら使う道理はない。
ただその場合確実に言えるのは、そんな道は間違いなく関係者か、あるいは魔法的に監視されている為、通れば露見する。
故に地雷原とも呼称出来る立入禁止区画……正確に言えば、伏神家の屋敷とそこへ到る為の道、一部の登山道を除いた場所を、攻略する必要があるのだ。
聡治がその地雷原を攻略する必要性は一切ない。
精々朝霞からの評価が良くなる程度の利点しかなく、その利点も大きな物ではない。
零が百になれば心が動くかもしれないが、零が一になる程度では、大した動機にはならない。
むしろ欠点の方が大きい、というよりも大き過ぎる為、本音を言えば申し出を断り、久方振りの実家での安眠を満喫したいのだ。
それでも聡治が動いてしまったのは、多大な好奇心故の事だ。
四年という歳月の間に、伏神家は大きく変化している事は、聡治も理解している。
表面的な部分では懐かしさを感じるのだが、一歩踏み込んでしまえば、何とも言えない不気味さを容易に感じ取る事が出来る。
それに……と、聡治は自身の左腕へと視線を向けた。
――妙に疼くのだ。
意識を向けなければ気にならない程度なのだが、それでも、伏神山に近付くに連れて、違和感が徐々に増してきているように、聡治は感じていた。
左腕と言えば夏季休暇の前、禁書事件の際に真川敦……ではなく、彼を殺めたドネルクラルによって一度切断された。
その事件の際に白龍の左腕が一時顕現し、あれ以降一切の反応がなかったのだが、今はこうして違和感を訴えている。
ならば左腕が疼く原因はと考えるが、流石に、近くに竜がいるからという安易な事ではないだろうと、聡治は考える。
聡治に分かるのは左腕が違和感を訴えている事と、その違和感は伏神山へ近付くに連れて増してきているという事だけだ。
黙々と考えながら敷地を抜け出し、暫く歩けば文字通りの意味での伏神山であり、ここから先は、例えるならば地雷原だ。
考え事をしながら踏み抜いて死ぬのは馬鹿馬鹿しいと、溜息と共に思考を入れ替えた聡治は、改めて眼前の光景に意識を向ける。
――確かに、朝霞が言う通りに、異常な密度での警戒が行われているらしかった。
ぱっと視界に映っただけでも、両手では数え切れないだけの札が樹の幹に貼り付けられている。
通りからでも見える場所である為か、流石に朝霞が言っていたような殺害を目的とした物は構築されていないようだ。
精々、近付きたくないと感じる程度の畏れを芽生えさせる程度の物であり、それにしても、その結界が張られていると知っていれば、意味を持たない程度である。
234
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:16:33 ID:Tv2mUhQc0
「……四年前はなかったんだがな」
聡治の記憶にある伏神山には、そのような結界は張られていなかった。
本当に近付いてはならない場所には流石に、人払いの結界が張られていたが、山の入り口から張られていた記憶はない。
幸い、配置や札の記述を読む限りは、侵入した事が露見するような構成ではないようだ。
そもそもそのような構成であれば、朝霞が一度挑んだ時点で、大騒動に発展しているだろう。
つまり朝霞はそれなりの深さまでは潜り込んだが、彼女が言うところの地雷原に辿り着き、引き返す事を余儀なくされたようだった。
暫く道沿いに張られた結界を眺め続けていた聡治だったが、このままではどうにもならないと、朝霞に向かって結論を告げる事にした。
「……無理だな。何が無理って夜目が利かないのに符術……ああ、書記魔法の群れを掻い潜れって時点で、そもそも俺には無理だ」
幸い月明かりに照らされているお陰で、道沿いに展開されている結界……その発生源である札は読める。
しかし鬱蒼と茂る森では月明かりが差し込む事はなく、文字通り何も見えない状態になる。
そんな状況下で読み取れという事は、翼も無しに空を飛べ、あるいは玉もないのに球技を始めろと言われる程度に無理なのだ。
仮に操作魔法で、視力強化が出来ればまた話は別なのだが、というところまで聡治が考えると同時、朝霞に肩を叩かれる。
何だと振り向くと同時、目元に激痛が走った。
「――ッ!?」
明確に感じ取った二箇所への衝撃は、宛ら目潰しを受けたかのようであった。
暫く目元を押さえて悶絶する聡治だったが、徐々に収まってくる痛みに、ゆっくりと目を開いていく。
先ほどよりも鮮明に広がる視界は、それこそ、聡治が仮に……と考えていた操作魔法を受けた際の明度であった。
「お、前」
朝霞が何をしたのか理解出来ない程、聡治は馬鹿ではない。
方法は酷く暴力的だが、操作魔法を掛けてくれた事は間違いない事だ。
涙目のまま朝霞の顔を見やれば、褐色の健康的な顔に、嗜虐的な笑みを貼り付けていた。
「これで見えるだろ? なら、もう無理じゃないな」
態とやりやがったな、という抗議の叫びが聡治の喉元まで込み上げて来たが、それをぐっと呑み込んだ。
文句は山ほどあるのだが、一々吐き出して騒ぎにしても面倒なだけなのだ。
「……無理だと判断したらすぐに退き返すぞ」
「その位は、あたしもアホじゃないから分かってる。テメェに言われるまでもない」
赤字覚悟の喧嘩大安売り。
そんなフレーズが脳裏を過ぎり、聡治は大きく溜息を吐き出すのだった。
235
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:16:50 ID:Tv2mUhQc0
伏神山の山中は足場が悪い。
霊山として扱われているのは良いのだが、逆に言えば人の手が殆ど加わっていない山は、自然の思うが侭に隆起と陥没をした地形となっている。
ただでさえ札を見つけてはそれを読み取りながらである為、足取りは遅々としており、体力と精神力だけは経過時間以上にごっそりと削られていく。
昼間に朝霞が到達したのは、里までの道程の二割程度であった。
逆に言えばその段階から既に致死率の高い符術が仕掛けられていたという事であり、実際、伏神山に入って暫くも歩かない内に、それらに出くわした。
種類も豊富である為に、聡治が覚えていないような構成の符術は迂回し、覚えている物は解除して進む。
聡治の体感的には既に半日程経過したように感じられていたのだが、胸元から取り出した携帯電話の表示を見る限りは、数時間程度しか進んでいなかった。
何度も迂回を強いられた為に、歩数で言えば往復する程度には進んだものの、距離としてはようやく折り返したかどうかというところである。
携帯電話の湛える朧気な光を眺めた聡治は、目潰しされずともこれで確認出来たのでは? と考えるが、もう遅い。
そもそも、最後に充電したのが五界統合学院の寮を出る前であり、電池は切れ掛かっている。
下りは速いだろうが、それでも時間的には間に合わない。昇った事は露見するだろう。
言い訳を考えておこうかとも思う聡治だったが、言い訳の思考に気を取られて、致死性の高い物を見落として命を落とす事ほど、馬鹿らしいことはない。
「っと……また密度が上がってきたな」
先ほどまでは、まだ解除せずに通れる道があったのだが、最早一々解除しなければ通れないほどに、札は密集している。
不幸中の幸いなのは、密度を上げたが故に、複雑な物が一気に姿を消している事である。
尤も、それは解除出来なかった物と比べればの話であり、何の知識もない者が解除出来る程単純という訳ではない。
何の知識が無い者が見れば、樹の幹に変な文字の書かれた札が貼られているだけにしか見えないだろう。
「……ん?」
「どうした?」
「……いや、何でもない」
自身の思考の何処かに違和感を感じた聡治だったが、何に違和感を感じたのか理解する前に響いた朝霞の声に、それを思考の隅に追いやった。
何にせよ、今は目先の地雷原の処理が優先される。
変に迂回を求められない為、ここからは一気に進む事が出来るだろう。
札を剥がし、あるいは構成を変化させて無力化させていると、視界が僅かに良くなっているのを感じ、聡治は頭上を見上げた。
鬱蒼と茂る木々の隙間から覗く空は、夜天の漆黒から群青色へと移ろいつつある。
もうじき夜が明けると思うと、里帰り早々、徹夜で地雷処理をしていた事に気づき、聡治は溜息を吐いた。
ただ、明るくなる分には困る道理は……抜け出したのが露見して怒られる事を除けば、ない。
明るくなれば、幾ら山が木々に覆われていると言っても、操作魔法の補助無しで見る事は可能だ。
そうすれば数時間も操作魔法で視界を確保してくれている朝霞の負担もなくなる。
「……負担、も」
やや眠気で鮮明さを欠いた思考に浮かび上がった事柄を、そのまま流しそうになるも、聡治は必死に掴み上げた。
自分で使うならまだしも、他人に数時間連続で操作魔法が使えるほど、朝霞の実力は高かっただろうか?
学院での授業態度は……そもそも授業であまり見かけない為詳しくは知らないが、たまに見る朝霞は、確かに操作魔法には長けていた。
自分で使うならまだしも、他人に操作魔法を掛けるのは中々に負担が大きい。
根本的に操作魔法というのは、生体を魔力で補助する技術全般を指す。
動作の補助として扱えば身体能力強化、逆に負荷を与えれば弱化となる。魔法というよりも、最も初歩的な魔力操作を突き詰めていった結果の技能と言える。
操作魔法は他人に掛けるのも可能ではあるが、対象が持っている魔力の干渉や、想定外の挙動を起こされる事で、補助の心算が負荷になる事もある。
眼球だけの補助ならばいけるのか? と思う聡治ではあるが、操作魔法などまともに使えなくなって久しく、朝霞の実力を全て知っている訳でもないので断言は出来ない。
何にせよ、今更、朝霞の真偽を問うたところで事態が変わる訳でもない。
質問は、全てが終わってから。
ひとまず目先の地雷を処理しようと手を伸ばすと同時、伏神山の何処かで爆音が轟いた。
236
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:17:08 ID:Tv2mUhQc0
劔が目を覚ましたのは、空がまだ漆黒から群青色へと移ろいつつある、夜とも朝とも区別がつかない時間であった。
普段であれば空が群青色に染まりきり、山の稜線から朝日が顔を覗かせる寸前が劔の起床時間であったが、今日だけはそうではなかった。
今日の事を想い、神経系が鋭敏になっていたという訳ではない。
ただ単に伏神山に響いた爆音――それが、劔の耳朶を打ち据えたからに他ならなかった。
反射的に飛び起きれば既に、閨を共にしていた夕霧は窓際に寄り、伏神山の方角を眺めている。
「何があった」
何にせよ普段通りの朝ではないと、出来る限り声を荒げずに問い掛けながら、劔は夕霧の傍らに立ち、山の方を見やる。
伏神山の一角では濛々と煙が立ち昇っていた。宛ら、何かが爆発したかのように。
思わず間の抜けた表情を浮かべそうになった劔だったが、脛から響いた痛みにはっと我に戻る。
ちらりと視線を横に向ければ、鋭く目を細めた夕霧がおり、先ほどの痛みは夕霧が蹴っ飛ばした為の物らしい。
何にせよ冷静に戻った劔は、状況把握の為に思考を廻らせる。
どう考えても山中に仕掛けていた指向性対人符術が作動した規模の爆発であり、つまり誰かが伏神山へと立ち入ったという事に他ならない。
誰が、というのは分からない。
麓には人払いの結界がある為、何も知らない部外者が迷い込んだという事はなさそうではある。
ならば魔界人集落から誰かが逃亡したのか、とも考えたのだが、それもなさそうであった。
場所が明らかに集落からは離れており、そこへ辿り着くにしても幾つかは絶対に解除しなければ辿り着けない場所だ。
符術に精通している者がいれば話は別だが、山中に仕掛けられた物は別として、集落周囲は忌々しくも、本来の出入り口以外には複雑な物が仕掛けられているはずなのだ。
そうなってくれば、可能性は必然的に絞られてくる。
「まさか――」
「――劔様っ!」
脳裏に過ぎった想像を口にしようとする寸前、転がり込むように侍従の老人が部屋に飛び込んで来る。
普段であればありえないような行動を見て、劔は、自身の表情が思わず歪んでしまったのを感じ取っていた。
「急ぎでも来室の知らせは欲しいところだが」
「申し訳ございません! しかし、早急に知らせねばならない事故にっ」
侍従が叫ぶ様に告げたのは、屋敷のどこにも、聡治の姿が見当たらないという事であった。
また、伏神山への侵入者に関しての緊急会議が開かれる為、そこへ急いで欲しいというのは、考えてはなかったが、十分に予想出来る事であった。
想像通りの出来事が起きている事に、劔は思わず顔に手を当てて仰天する。
その体勢のままで大きな溜息を吐き出すと、ゆっくりと開いた目を細め、目先に迫った決断に対する思考を廻らせる。
――本来であれば、神前式の際に行動を起こすべく、計画を練ってきたのだ。
しかし、伏神山に侵入者が現れたとなれば、御意見番の者達は確実に集まる事であろう。
表向きには心配を装って。
本音では、本家の勢力を口論にて削ぐ為に。
237
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:17:22 ID:Tv2mUhQc0
「……夕霧」
十年来の好敵手、そして現在は婚約者である女性の名前を呟けば、分かっているという言葉が短く、そして鋭く返ってくる。
「すぐに行くと伝えておいてくれ」
「畏まりました。その、聡治様は」
「何とも言えん。捜索だけは続けてくれ」
了解の返事も程々に、慌しく去っていった侍従から劔は視線を外し、夕霧へと視線を向ける。
決意の済んだ美しい顔立ちではあるが、僅かながらに戸惑いを隠しきれていない様子である。
心配は要らないと微笑みを投げ掛けた劔に返ってきたのは、脛蹴りという肉体言語であった。
「事は計画通りにすべきだと思うのだけど」
「かもしれないな。ただ、都合が良いと言えば都合が良いんだ」
それに、という呟きの直後。
出来れば口にしたくない恥ずかしい言葉ではあるが、それでも、言わなければ伝わらない事だと、紅潮しかけた表情を隠すように、劔は視線を逸らす。
何を言わんとしているのか察しが付いたらしく、夕霧は大きく溜息を吐くと、呆れた表情を浮かべた。
「気にしなくても良いわ。最初からそういう式だって覚悟は決めてたから」
そういう式というのは、伏神家の膿を搾り出す為の決起の事だ。
幾ら女性に疎い劔でも、神前式が女性にとって憧れの式である事は、流石に理解している。
ただでさえ申し訳なく思っていたのだ、好意を知ってしまったのなら、尚更。
式を紅く染める必要がないのならそれに越した事はない。
この決起自体で式が破綻するのだが、それでも、いつかは式を開き直す事だって可能なのだ。
劔はそっと、夕霧の体躯を抱き寄せる。
柔らかな女体の感触は、力一杯抱き締めてしまえば壊れてしまいそうなほどに儚く感じられる。
かつてはそれも含めて女性が苦手であったのだが、夕霧とだけは、幾度となくぶつかりあってきた為に、そうでない事は理解している。
下手をすれば、もう二度と味わう事のないその感触。
常人よりもやや体温の低い身体を抱き締めれば、不思議と、身体の深奥で疼く不快な熱も引いてくる。
「劔」
「俺は負けんさ。……俺にはこいつがある」
視線の先にあるのは劔自身の右腕ではあるが、そこに宿るのは人間の力ではない。
劔はかつて――そう、聡理を失った日。喪失感を埋めんとばかりに擦り寄ってきた竜を、無理矢理に押さえ込んで、己の力としていた。
竜の名前を、劔は知らない。名乗った気もするが、単純に興味が無かった為に覚えていないのだ。
流石に、竜の全てを解き放つ事は危険である為出来ないが、全身に薄らと、あるいは右腕限定で顕現させる事は、これまでの訓練で可能となっている。
伏神家の膿は、流石に腐っても御意見番であり、実力が高い者も多い。
それでも所詮は人間の身であり、元から劔は高い実力を備え、更に竜の力を帯びれば、負ける道理はない。
それに……と、呟いた劔は視線を夕霧に戻し、手触りの良い銀髪を指先で梳き、撫でる。
「護るべき者を護る時の男ってのは、不思議と、誰にも負ける気がしないからな」
そんな劔に対する夕霧の返事は、照れ隠しの脛蹴りであった。
238
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:17:59 ID:Tv2mUhQc0
爆音はあの一度きりであり、伏神山は再び静寂に包まれていた。
爆音の際に、聞き覚えのある声が、無事に下山したら朝霞に踏んで貰うだのと言っていたのを聞いた。
そして木々の隙間から、それぞれ金、橙、黒の頭髪が覗いたのは、間違いなく聡治の幻聴と幻視だ。
どうにも聞き覚え、そして見覚えのあるそれらだったが、決して知り合いの物ではないのだと、聡治は現実逃避を行っていた。
確か伏神山にエロ本を探しに行くとは言っていたが、まさか本当に探しに行っているはずがないのだ。
あれは伏神山に住まう物の怪であり、爆音が響いたのは、経年劣化を起こした札が誤作動を起こしたのだろう。
そう結論付けて、魔界人集落を目指して淡々と処理を続けて、十分ほどが経つ。
迂回路を探す必要が無い分は、処理の時間を含めても、十分もあれば相当進む事が出来る。
木々の隙間から開けた地が垣間見え、もう少しで地獄のような夜も終わると、聡治が安堵の溜息を吐こうとする寸前。
ぞくり――と、まるで電流が流されたかのように、聡治の左腕が跳ねた。
違和感止まりだったそれが、いきなり感じた衝撃に、聡治は左腕を押さえた。
幸い、その衝撃は一度だけであり、暴れる左腕を抱える滑稽な様を、朝霞に見られる事はなかった。
ちらりと視線を向ければ、朝霞は怪訝な視線を向けてきているが、直に興味もなくなったらしい。
ついと視線を逸らした先は、木々の奥に見える魔界人集落だ。
視線を周囲へと向ければ、流石に集落周辺という事もあってか、規模は小さいながらも複雑かつ殺傷性の高い物が張り巡らされている。
流石にそれを処理する事は出来ず、もしも処理するならば、多少集落に影響は出るが、物理的に作動させて処理する他になかった。
「悪い、俺の知識で解除出来るのはここまでだ。見た感じ、一帯を囲むように貼られてるから、迂回も出来ん」
「そうか……チッ、目と鼻と先だってのに」
ちらりと視線を向けて来た朝霞が、何を言おうとしているかは、大体予想がついた。
登頂前に言っていた、聡治を前面に押し出す感じで行けば、どうにか行けるのでは? とでも言いたいのだろう。
「三人分引っ掛かれば通れる道が出来るが、生憎俺達は二人しかいないからな」
聡治は敢えて、物を投げて作動させるのも無理だと言わない。
確かに物体の動きを感知して作動する物もあるのだが、山に仕掛けられているのは対人用だ。
厳密に言えば実体を持つ人間に対して作動する物であり、殆どの霊界人と大体の機界人は引っ掛からない。
前者は基本的に実体が無いので、実体を顕現させた状態で突っ込まない限りは大丈夫だ。後者は生体部品を多用していなければ引っ掛かる事もない。
つまり範囲内で石が横切ろうが動物が入ろうが作動せず、その代わり子供が入り込んだ場合でも作動するという物である。
「集落の様子ならここからでも見えるだろ? これで勘弁してくれ」
あふっと欠伸を漏らしながら視線を集落へと向ける聡治だったが、流石に夜とも朝とも判別出来ない時間のせいか、人気はない。
建物自体は木造であり、そして夕方見た通り、自活出来そうな領域とは言えなかった。
ただ予想とは異なり、集落一帯を囲むようにしてある。正規の道など、そもそも存在しないようであった。
ならば、どうやって集落の食料を賄っているというのだろう。
一々周囲の結界群を解除している訳でもないだろうし、山中を突っ切って食料を運ぶのは非効率的だ。
そもそも――この集落に誰かが住んでいるのだろうか?
239
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:18:33 ID:Tv2mUhQc0
「なぁ、朝霞……お前」
視線を集落から、横にいる朝霞へと戻せば、しかし、聡治の視線の先に朝霞はいなかった。
ふらりと、まるで誘われるような素振りで地雷原へと歩んで行くその背を見つけ、聡治は反射的に叫び声を上げた。
「馬鹿、止まれ!」
作動範囲内に入ったのを視認した聡治は、直後に訪れるだろう惨劇から目を背ける。
身を伏せて衝撃に備えるも、その衝撃どころか、爆音さえ響く事はなかった。
恐る恐る身体を起こして朝霞の方を見やれば、範囲内にいるにも関わらず、符術は発動していなかった。
経年劣化で破損しているのか、とも思う聡治だったが、見た限りはどれも正常なはずであった。
「朝、霞?」
呆然と呼び掛ける聡治の声に反応してか、朝霞はゆっくりと振り返った。
切れ長の紫の眼に、健康的な褐色の肌。そして新雪を思わせる白く輝く澄んだ銀髪。
それらは朝霞と同じ物だったのだが、その顔は朝霞の物とは異なっていた。
尊大さなどどこにもなく、御伽噺で語られるような、淡く儚いという言葉が良く似合う悲しげな表情。
「ちょっと待て……お前は誰だ? そもそも、何で作動してないんだよ」
震える声で問い掛けた聡治の言葉は、雪女らしき女性に届く事ない。
ただ短く、唇を動かして何かを告げた直後、まるで春先の陽光で雪が解かされるが如く、その女性は姿を消した。
助けて――聡治が聞き間違えてなければ、確かに、目の前で消えた女性はそう告げていた。
いよいよもって、夢でも見ているのか。先程のはやはり幻視だったのか。
脳内を蠢く、不快とも感じられる思考の錯綜に立ち尽くす聡治だったが、懐から響く無機質な電子音に、はっと我に返る。
携帯電話の背面には見慣れない数列が並んでいた。
一瞬、脳裏を過ぎったのは夏季休暇前の、ドネルクラルからの呼び出しだ。
ただ奴は既に死んでおり、そもそも、背面に表示される数列は、一切似ていなかった。
「も」
『この馬鹿! テメェ今どこをふらついてんだ!?』
鼓膜を叩いたのは甲高くも威圧感のある、それでいて喧嘩腰の口調であり、間違いなく朝霞の物だ。
「っ……電話で大声出すなって。……そもそも、何で俺の電話番号知ってんだよ」
『そんな事は後だ、大変なんだよ! だから、早く戻って来い!』
「状況が分からん。せめて何がどう大変なのか」
『劔さ』
「……あ? おい、朝霞? 兄さんがどうしたんだ? おい……くそ、こんな時に充電切れかよ!」
突如として途絶えた声に、携帯電話を見れば、ついに充電が切れて沈黙してしまっていた。
今まで持ったというべきか、それとも、重要な情報が伝わる寸前に切れやがったというべきか。
どちらでも構わないと、携帯電話を懐に戻した聡治は、踵を返して山を駆け下りていく。
魔界人集落の件も気になるのだが、やはり身内の事の方が、聡治にとっては優先される事であった。
胸元はざわつき、そして、比例するかのように左腕の違和感が再発している。
「一体、何が起きてやがる……」
そんな聡治の独白は、誰が答えるでもなく、伏神山に溶けて消えた。
240
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 18:19:47 ID:Tv2mUhQc0
ぱっと見直したけど劔→夕霧の呼び方って「キリ」だったかな。まぁ真面目な雰囲気だったから名前で呼んだという事にしておこう
241
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 18:35:12 ID:zTg6iOYc0
Kの人乙
夕霧こんな可愛かったのか(池沼)
242
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 20:03:29 ID:d4pLbK/Y0
乙ポニ
まさかの最初から朝霞偽者説
しかしごく短期間での執筆なのに早い・長い・上手いと三拍子そろってる
すげぇ
243
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 20:15:08 ID:Tv2mUhQc0
ちなみに今週一杯貰っていいのなら誰とは言わんが死人が出てた
そうそう、そろそろwikiにまとめて来ようと思うんだけどちょいと提案がある
ホモショタドラゴン(赤)とかは龍って表記だけど、序盤だと竜になってんのよね
wikiに纏めるにあたって龍に直しておこうと思うけどどうよ
244
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 20:25:48 ID:d4pLbK/Y0
最初は竜表記で、気付いたら龍になってたよね
編集しちゃっていいと思います
245
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 20:30:08 ID:Tv2mUhQc0
あとついでに俺個人の今まで投げた分での誤字とか、表現の修正やらもやっておこう
ここをこう直してくれってのがあったら対応しておく
246
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 20:51:22 ID:Tv2mUhQc0
というか禁書事件編、もう少し編集すりゃ普通の文庫本1冊分くらいになるのね……(2014.06/30のどあにんまでで大体9万文字)
247
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 21:12:47 ID:y81cW2yo0
LLDより長いのか……
248
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 21:18:12 ID:Tv2mUhQc0
ちなみに今日の俺の分まで、全部合わせて15万。容量的には311kbほど
まぁ誰が何日に書いた一文が差し込んでる事を考慮したら15万を少し下回るくらいかな
とりあえずメモ帳にまとめ終えたからwikiに反映してくる
ログインできないのは本当に面倒だなぁ……
あ、暇があったら誰が何文字かってのも出してみるわ
部分部分で(俺が)見やすいように改行したり ◇ 入れたりしてるから厳密な量じゃなくて大体の量で
249
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 21:31:28 ID:Tv2mUhQc0
とりあえず編集してみた。各編はひとまず仮称で
250
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 21:41:24 ID:zTg6iOYc0
Kの人がぶっちぎりで多いんじゃないですかね
251
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:00:38 ID:Tv2mUhQc0
そう思うじゃん?
◇ ◇ ◇ ◇ 152005
西口:36306文字(23.9%)
Kの人:47126文字(31.1%)
クロ:15520文字(10.2%)
タタリ:33671文字(22.2%)
どあにん:19382文字(12.8%)
(参考資料:ノベルチェッカーを利用した人力調査)
◇ ◇ ◇ ◇
15万文字の内訳は大体そんな感じ。改行やら空白やらで全文ぶっこんだ時とは微妙に差はあったりする。
割合は結構細かな数値を四捨五入してるからぴったり100にはならなかった
252
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:05:00 ID:vsF.QP9Q0
俺と西口が僅差な事に驚いたが、まあ最初の頃はけっこう書いてたわ俺
最近の更新で少しずつ量が減ってきてるだけだった
253
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:09:05 ID:Tv2mUhQc0
タタリは盛り上がってる部分でパスが回ってくるとテンションが上がってる風に感じた
逆に自分から流れを作るってところでは無難なパス回しが多かった感じがする
クロが少な目なのは間違いなく俺がキラーパスを抛っているせいだと思う
254
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:09:42 ID:Tv2mUhQc0
(そうでもなかった)
255
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:10:09 ID:zTg6iOYc0
改めて一番最初の文読み返してみたらちょっと笑った
誰だこいつ
256
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:31:26 ID:vsF.QP9Q0
あー、確かにテンションに任せて書けるところはけっこう筆が乗るかも
後のこと考えたりしてるとちょっと難産かな
といいつつ設定の説明をする時が一番速筆になるという設定厨ぷり
257
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 22:49:48 ID:p/njgTTg0
乙乙
最近読めてさえいないまずい
ギリギリ10%いってて良かった
でもよく考えると確かパスしてないでここまで少ないとなると申し訳なさでいっぱいです!
本当すいません
258
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/17(水) 23:41:23 ID:zTg6iOYc0
まず楽しむのが第一だから、義務感を持ちすぎるのは逆によくない
適度にリラックスしていこう
259
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/18(木) 15:40:51 ID:dcSYIeuc0
ところで次ってクロたんよな?
37ニキまだ本調子じゃないっぽいし?
260
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/18(木) 15:45:45 ID:AzHFGuZU0
だぜ。
ぶっちゃけ今回は兄さん大暴れする所まで書こうか悩んだけど、流石に進め過ぎな感じしたから自重した
261
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/18(木) 17:09:41 ID:dcSYIeuc0
俺も兄さん大暴れを想定してるぜ
まあ兄さん大暴れっていうか爺ちゃん大暴れだけど
262
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/18(木) 21:12:46 ID:LJCl69tI0
多分今のお兄ちゃんってクソ強いよね
263
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/18(木) 23:31:58 ID:Nl6g/VdI0
よっしゃあ読み終わったぞ!
大変なところで回って来てしまったえらいこっちゃ
つーか文章のレベル高すぎて俺だけ浮いてるパターンだわこれww
264
:
どあにん
:2014/12/22(月) 22:37:32 ID:L8pHNnOQ0
紅白提出したんでローテ復帰しまーす
迷惑かけてスマンカッタ
265
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/22(月) 23:05:49 ID:DynYwu9o0
よっしゃーこれで勝てる!
266
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/23(火) 07:33:00 ID:idY5tgwM0
ふぇえ…ぉにぃちゃんぃなくてさびしかったょぅ…
267
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 01:39:11 ID:L3dcf60g0
そういや、今の所くっころしそうなキャラが一人もいないな
よし、次はくっころ系男キャラを増やそう
268
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 08:19:27 ID:ZXmAqevs0
劔夕はくっころ系っぽくないか?
269
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 08:59:03 ID:L3dcf60g0
いや、あの二人は敵に捕まった途端に自害しそう
270
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 09:07:45 ID:L3dcf60g0
いや、でも朝霞とダミアンはくっころしそうだな
271
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 09:15:14 ID:ZXmAqevs0
朝霞はともかくダミアンは自死するって選択肢は選ばないんじゃないかな
どんな手を使っても生き延びる事を優先して考えると思うが
272
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/25(木) 11:23:51 ID:EpTXNmjk0
本気でくっころ言う人は今のところいないと思う
言いそうな連中は相手に生殺与奪を委ねる前に行動を起こしそう
ネタ含めてならアシュリー辺りがにやにやしながら言いそうな気はする
273
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/26(金) 22:04:48 ID:QUGQu.s20
次の手番回ってくるまで、旧競作の設定で話かいてよう
274
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/26(金) 22:26:47 ID:3bmHHXjg0
ぶっちゃけ筆が進まないなら学院に留まる連中の話でお茶を濁してもいいと思うんだぜ
275
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/26(金) 22:33:35 ID:pj5E5COE0
話は大体思いついてるんだけどどうもPCが目の前にあるとVIPに行ってしまって
あとなんか辻褄合ってるのかどうかわからんくなって遡って色々読んでた
>>273
なんと懐かしい
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