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それは連鎖する物語Season2 ♯2
234
:
Kの人
◆0Dte0ep.fg
:2014/12/17(水) 18:16:33 ID:Tv2mUhQc0
「……四年前はなかったんだがな」
聡治の記憶にある伏神山には、そのような結界は張られていなかった。
本当に近付いてはならない場所には流石に、人払いの結界が張られていたが、山の入り口から張られていた記憶はない。
幸い、配置や札の記述を読む限りは、侵入した事が露見するような構成ではないようだ。
そもそもそのような構成であれば、朝霞が一度挑んだ時点で、大騒動に発展しているだろう。
つまり朝霞はそれなりの深さまでは潜り込んだが、彼女が言うところの地雷原に辿り着き、引き返す事を余儀なくされたようだった。
暫く道沿いに張られた結界を眺め続けていた聡治だったが、このままではどうにもならないと、朝霞に向かって結論を告げる事にした。
「……無理だな。何が無理って夜目が利かないのに符術……ああ、書記魔法の群れを掻い潜れって時点で、そもそも俺には無理だ」
幸い月明かりに照らされているお陰で、道沿いに展開されている結界……その発生源である札は読める。
しかし鬱蒼と茂る森では月明かりが差し込む事はなく、文字通り何も見えない状態になる。
そんな状況下で読み取れという事は、翼も無しに空を飛べ、あるいは玉もないのに球技を始めろと言われる程度に無理なのだ。
仮に操作魔法で、視力強化が出来ればまた話は別なのだが、というところまで聡治が考えると同時、朝霞に肩を叩かれる。
何だと振り向くと同時、目元に激痛が走った。
「――ッ!?」
明確に感じ取った二箇所への衝撃は、宛ら目潰しを受けたかのようであった。
暫く目元を押さえて悶絶する聡治だったが、徐々に収まってくる痛みに、ゆっくりと目を開いていく。
先ほどよりも鮮明に広がる視界は、それこそ、聡治が仮に……と考えていた操作魔法を受けた際の明度であった。
「お、前」
朝霞が何をしたのか理解出来ない程、聡治は馬鹿ではない。
方法は酷く暴力的だが、操作魔法を掛けてくれた事は間違いない事だ。
涙目のまま朝霞の顔を見やれば、褐色の健康的な顔に、嗜虐的な笑みを貼り付けていた。
「これで見えるだろ? なら、もう無理じゃないな」
態とやりやがったな、という抗議の叫びが聡治の喉元まで込み上げて来たが、それをぐっと呑み込んだ。
文句は山ほどあるのだが、一々吐き出して騒ぎにしても面倒なだけなのだ。
「……無理だと判断したらすぐに退き返すぞ」
「その位は、あたしもアホじゃないから分かってる。テメェに言われるまでもない」
赤字覚悟の喧嘩大安売り。
そんなフレーズが脳裏を過ぎり、聡治は大きく溜息を吐き出すのだった。
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