動名詞か現在分詞かということについては『ランダムハウス英語辞典』の説明が明解です。例えば dancing girl。両方あって、前にアクセントなら動名詞で「職業的ダンサー、踊り子、特にアジア諸国の舞姫」の意;後にアクセントなら現在分詞で「踊っている女」の意。dancing master 男性ダンス教師、dancing mistress 女性ダンス教師、dancing school ダンス学校(すべて前にアクセント)と並べてみると、動名詞の場合、「前から限定」修飾する形容詞的用法というよりは、名詞を並べた複合名詞の一部とみなせるのではないでしょうか。「旅行用のカバン」でない「旅行カバン」という感じです。現在分詞の場合、「前から限定」修飾ですが、文脈によってはあるのではないでしょうか。例えば、 I met those girls yesterday, some dancing, the others chatting. One of the dancing girls told me that ... などはいかがでしょう?
△ Look at the sleeping baby. → ◎ Look at the baby sleeping.
* The cat tried to catch the flying bird. → ◎ The cat tried to catch the bird while it was flying.
* The swimming boy is one of our classmates. → ◎ The boy swimming is one of our classmates.
そう考えるとa swimming girlって、とても違和感があります。Girlという大きな枠から、girlの種類を限定して取り出す時って、a beautiful girlとかa fat girlとかであって、swimmingはかなりレアで、大きなグループにならないgirlですよね。そうすると、冠詞がaっていう点にとても違和感があって、the swimming girlが普通じゃないかと。でもそう考えるとthe ですでに“ひとつに決まっている”のに、そこにさらにswimmingという前からさらに限定をつける事に違和感を覚えます。
The swimming boy is one of our classmates.に、違和感を感じるもの同じ理由で、この状況ってたくさん見えているboyの中から“the boy”と言った時点で、たった一人のboy
に限定されてるわけで、たった一つの物をさらに前から限定するって不自然。だから、やっぱりthe boyを後ろから説明the boy swimmingが自然なのではないかと。
でも、そう考えていくと、今度はa crying babyが私には説明できないんだけど。
そして、この説明って、動名詞だとか、分詞だとかで説明する事自体を否定しちゃって、ケンピピさんの問いの答えにはちっともならないと思うんですが、書いちゃいました。
前掲書によると例えば: * a/the sleeping baby はほとんどの場合ダメ。 ◎ a sleeping car (寝台車)とは言うが、 * a sleeping room とは言わず ◎ a bedroom と言う。 * a/the flying bird はまずダメ。 ◎ dancing girls はよいが、 * the dancing room とは言わず ◎ the ballroom などと言う。 * waiting passengers とは言わず単に ◎ passengers と言う。 * the swimming boy は通常は不可。
限定する順序にも気をつけなければなりません。Longman Essential Activator によると例えば、 ◎ a smiling American tourist はよいが * an American smiling tourist はダメ、 ◎ a happy smiling American tourist はよいが * a smiling happy American tourist はダメ。
動名詞の形容詞的用法って、 London Bridge や a London bus の London のようなものだと思うんですよね。 London は当然ながら London だけで意味をなす名詞で、名詞を並べた複合名詞の中では形容詞的に使われています。同じように、 swimming, running, traveling なども、それだけで意味をなす名詞として名詞を並べた複合名詞の中で形容詞的に使われている場合に、動名詞と解釈されるのだと思います。もちろん、中には現在分詞としての解釈もあり得る微妙な例もあるでしょうけど。 -ing は -ing ですからね。
>>7
にやりさんのリンク先で先生の限定イメージを別の言葉で表現してますね
suggestion having the only reason we care about something
indication of what we consider its most important attribute
-lrosa 18th April 2009, 01:49 AM
いただきました。
にゃんこさん、にやり。さん。ちょっと舌足らずな説明でした、すみません。 a/the sleeping baby も a/the flying bird も the swimming boy も、表現としてあるかないかといえば、文脈によってはあるでしょう。写真や絵画の説明とか、そうしていない(そういう性質をもたない)ものとの比較などの文脈においてはあると思います。でも、実際にそのときたまたま目の前で「眠っている赤ちゃん」「飛んでいる鳥」「泳いでいる少年」に対して「前から限定」する必要のない通常の文脈では使えない、ということでしょう。「前から限定」はあくまでそうでないものと区別するための英語の修飾方法ですから、そのときたまたまそうしているという説明を日本語からの直訳で前に置くと変な文になってしまうことが多い、ということでしょう。
パーヤンさん。traveling bag は『ランダムハウス英語辞典』には [1836] とありますから和製英語ではないでしょうが、traveling cap や traveling case や traveling clock と並んでいることから推測すると古くさくてあまり使わなくなったのか、あるいは、traveling bag の種類が増え過ぎてさらに限定しないと意味がなくなったのかもしれませんね。
> バーヤン さん 算数K さん
google.comで地域をU.S、言語を英語に絞って高度検索しましたが、
Results 1 - 10 of about 48,100 English pages for "traveling bag".
ですので、一般的な表現ではないでしょうか。
the sleeping babyはかなりの数ヒットしますので一般的なようですが、
the swimming boyは150ほどですねぇ。。全然使われてませんね。
a swimming boyも同じです。
"sleeping baby" については、例えば赤ちゃん写真展で "smiling baby" や "crying baby" などと分類して展示する場合なら自然ですが、お母さんが赤ちゃんの寝顔を話題にするとき "my sleeping baby" などと言おうものなら "Sleeping Beauty" が想起され「かわいそうに、病気か何かで眠ったままなのかな」と思われてしまうかもしれません。"flying bird" については、例えば飛ぶ鳥と飛ばない鳥についての文脈なら自然ですが、>>2で挙げた* The cat tried to catch the flying bird. のような文なら「飛んでいる間に」ということは伝わらないでしょう。"swimming boy" については、例えば野球少年やサッカー少年と同様に競泳に夢中になっている少年に関する話なら自然でしょうが、>>2で挙げた*The swimming boy is one of our classmates. のような文なら「今そこで泳いでいる」こと以上の意味も加えてしまうでしょう。
このように、 DO-ing が意味する以外のことについてしているかする能力のあるような場合と区別して「限定」する文脈なら DO-ing 前置は自然ですが、ただ単に今そうしているという説明を「限定」せず加えるだけなら DO-ing 後置の方が英語としては自然で日本語からの直訳で前置すると言いたいことが伝わりにくいと思うのです。また、「限定」語の順序>>5についても、後より前の方が「限定」するしぼりがキツくならないと自然に感じられません。要するに、大西先生に倣って言えば、前置と「限定」が tandem に意識されるか否かが、その文脈で前置できるか否か判定する大原則になると考えます。