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アラブ・中東の映画

106さーひぶ。:2009/12/02(水) 21:22:43
東京フィルメックスのコンペティション部門で『ペルシャ猫を誰も知らない』
が、最優秀作品賞に次ぐ「審査員特別賞」に輝いたとのこと、おめでとうございます。
http://www.filmex.net/2009/compe.htm

イラン大統領選の混乱を描いたハナ・マフマルバフ監督の『グリーン・デイズ』、
テロの後遺症を描いたイスラエルのオムリ・ギヴォン監督の『天国の七分間』は
残念ながら観に行けませんでした。

107さーひぶ。:2009/12/17(木) 22:00:31
【『キャラメル』と『シリアの花嫁』が再上映】

今年2月に日本で劇場公開されたレバノン映画とイスラエル映画が再上映されるようです。

>>96-97で紹介したナディーン・ラバキー監督・主演映画『キャラメル』(2007年、レバノン)

>>98-101で紹介したエラン・リクリス監督映画『シリアの花嫁』(2004年、イスラエル・仏・独)

の2本です。

12月28日(月)、東京・池袋の新文芸坐で、交互に上映される予定。

キャラメル(2007/レバノン=仏/セテラ)         11:35/15:20/19:00
シリアの花嫁(2004/イスラエル=仏=独/ビターズ・エンド)9:45/13:30/17:10/20:55(終映22:30)

http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html

109イサム:2010/05/26(水) 21:33:45
最近アラビア語、中近東の社会に興味を持ち始めたものです。
ファーディ・ヒンダッシュ監督の『ノット・クワイト・ザ・タリバン』(Not Quite the Taliban)というドキュメンタリー映画を、この前オランダ旅行中にたまたまやっていた映画祭で見に行ったら興味深かったので紹介しようと思いました。ドバイ社会の薄っぺらい西洋ぶりの若者は実は昔風のアラブ人より視野が狭いという話なのですが、ストーリーの進め方がなかなか面白く、映画中に映画自体の制作工程も記録している感じです。もっと言いますと、リベラルに見えるドバイで、社会の真相を暴く映画を制作、公開をしようとしたらどんな反応を招くのかという流れに変わります。近東と欧米の接触や女性の権利やら現代のアラブ社会やら、色々と勉強になる映画でした。
公式サイトは多少けち臭くて情報が少ないしトレーラーも短いですが、個人的に見れてよかったと思える映画です。日本でも上映されればと思います。
http://notquitethetaliban.netai.net

110さーひぶ。:2010/06/02(水) 20:55:11
イサムさん、興味深い映画を紹介していただき、ありがとうございます。

>ドバイ社会の薄っぺらい西洋ぶりの若者は実は昔風のアラブ人より視野が狭いという話なのですが、
西洋近代化された若者が昔気質の人より視野が狭い、というのは日本などにも当てはまりそうですね。

ぜひ観てみたいとは思いますが、日本では9・11や米イラク侵攻直後のアラブ系作品上映の潮が引いた感じで、
商業上映はなかなか難しいかも知れません。
東京フィルメックス映画祭とかで上映してくれるといいのですが。

111さーひぶ。:2010/09/15(水) 22:00:38
【バフマン・ゴバディ監督『ペルシャ猫を誰も知らない』が劇場公開中!】

>>104-106で紹介した第10回東京フィルメックス「審査員特別賞」受賞作の
『ペルシャ猫を誰も知らない』が8月7日から東京・渋谷のユーロスペースで
劇場公開され、日本各地の映画館で順次上映される予定です。

バフマン・ゴバディ監督は、昨年の映画祭での公開時にはビザ取得が間にあ
わずに来日をキャンセルしましたが、今回の公開前の6月のプロモーション
来日でもパスポートの更新が許可されずに来日を断念したことが報道されて
いました。ゴバディ監督はもともと故郷クルディスタンとクルド人の社会を
描いた秀作をいくつも世に出して来ましたが、台詞がペルシア語ではなく、
クルド語で映画を制作しているので(イランからの)クルド分離主義者だな
どとイラン当局からにらまれていて、映画撮影許可が下りなくなってしまっ
たようです。
投げやりになっていたところに今回のアングラ・ミュージシャンたちと出会
って、当局の目を逃れてゲリラ的に撮影を刊行。カンヌ映画祭で評価された
後で一度はイランに帰国しましたが、拘束されたりして身の危険を感じて、
現在はイラクのクルド自治区に在住。イラクのイラン大使館に何度も頼んで
みましたが、パスポートの更新はイラン国内でと言われて、断念したようです。

主演のアシュカンとネガルもアングラ・ミュージシャンで、ロックを演奏して
いただけで投獄され、釈放されて、出国しようとしているところを監督が依頼
して彼らのセミ・ドキュメンタリーのようにして制作したとのこと。
現在はロンドンを拠点として「テイク・イット・イージー・ホスピタル」
(Take it easy hospital)として活躍、ネット上で彼らが演奏している動画
などを視聴できます。他の出演ミュージシャンたちの多くも海外で演奏している
ようです。いずれは、体制が変化して、自国で演奏できると良いですね。
 公式サイト http://persian-neko.com/
 テイク・イット・イージー・ホスピタル http://en.wikipedia.org/wiki/Take_It_Easy_Hospital
 ペルシャ猫を誰も知らない http://en.wikipedia.org/wiki/No_One_Knows_About_Persian_Cats

112さーひぶ。:2010/10/31(日) 20:15:32
【パレスチナ映画・マシャラーウィ監督『ハイファ』】

第23回 東京国際映画祭(TIFF)が10月23日(土)〜31日(日)と、本日まで開催
されています。トルコ、イラン、イスラエル、ウズベキスタンと、中近東周辺
の映画だけでも観たい作品はいくつも上映されましたが、わずか9日間で平日
昼間の上映が多いこの映画祭は、よほどの有閑な人でもない限り、数多く観る
のはたやすくはないと思います。

というわけで、アラブ圏ではパレスチナの作品が1作だけ上映されたので、
観てきました。今年は、日本を代表する黒澤明監督の生誕100年に当たるので、
「[ディスカバー亜州電影]生誕100周年記念〜KUROSAWA魂 in アジア中東」
と銘打って、黒澤作品に触発されたアジア中東諸国の4本が上映されました。
パレスチナ人ラシード・マシャラーウィ(Rashid Masharawi رشيد مشهراوي)
監督の1996年作品『ハイファ』(Haifa حيفا)(パレスチナ・ドイツ・オランダ製作)。
イスラエル=パレスチナ和平にこぎつけると思われた1993年のオスロ合意を控え、
ガザの難民キャンプの人々が日常の暮らしを送る群像ドラマ。
物語の主役級として、ハイファと呼ばれる心を病んだ中年男が、イスラエルに
占領された地名を「ヤッファ、ハイファ、アッカ!」と叫びながら道化の役回り
を果たし、難民たちの和平への期待と不安の入り混じった葛藤を浮き彫りに
するという話のようです。紛争による難民という「非日常」生活を長く続ける
庶民たちがさまざまな「日常」生活を生きながら、近い将来の平和に希望と
不安を抱くというテーマは、敗戦直後の庶民の生き生きとした姿を描いた
日本の映画作品を想い起こさせてくれました。
パレスチナのアラファトPLO議長とイスラエルのラビン首相がクリントン米
大統領の前で調印する式のテレビ中継を観たガザの人々が街頭に繰り出して
練り歩くシーンは感動的でしたが、この作品が公開された1996年には崩壊して
しまうオスロ合意への想いが反映されていたのでしょうか。
主演のモハメド・バクリ(Mohammad Bakri محمد بكري)は、役作りに当たって
監督と一緒に黒澤の『どですかでん』を繰り返し観たそうです。
(『どですかでん』については、未見なのでコメントを控えます。)

113さーひぶ。:2010/12/31(金) 19:39:15
【イスラエル映画、サミュエル・マオス監督『レバノン』】

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得して、欧米各国でも絶賛されている
イスラエル・フランス・ドイツ制作の戦争映画『レバノン』(לבנון)が
日本でも12月11日から東京・渋谷のシアターNで上映中。
   http://www.theater-n.com/movie_lebanon.html
1月7日には早くもDVDが発売&レンタル開始のようです。

1982年6月に勃発した、イスラエルのレバノン侵攻における戦場の悲惨さを、
自身も従軍したサミュエル・マオス(שמואל מעוז)監督が独特な手法で描写
した反戦的な作品です。(以下、ネタバレ)

冒頭とラストで印象的なひまわり畑が出てくるのを除いて、ほとんどの映像は
4人のイスラエル青年兵と上官たちが戦車内部で交わすやりとり・通信、または
戦車の大砲の照準器(スコープ)から見える光景に限られる斬新な映像です。

レバノンへ侵攻した青年兵たち戦車や狙撃兵たちは、テロリストと呼んでいる
レバノン兵を射殺し、空爆で壊滅したサン・トロペズ(St. Tropez)の街で
残党狩りを行なう。戦車のスコープには、炎上する市街、射殺された人たち
(手足を吹きとばされたり、首がない遺体)、途方にくれている民間人たち
や腹を裂かれて息も絶え絶えに泣いているロバ、などが映しだされる。
 戦車はいつの間にかシリア軍の占領地域に踏み込んでしまい、シリア兵の
放った対戦車弾の直撃によりエンコしてしまう。シリア兵が捕虜となって
戦車に運び込まれるが、方言訛りの強いアラビア語を話すのみで、アラビア語
を解すイスラエル兵にも理解できない。イスラエルに味方するレバノンの
キリスト教右派政党「ファランヘ党」(アラビア語でカターイブ)の兵士が
やって来るが、捕虜のシリア兵を連れ出そうとするかのようにも見えて、
当てになるのかどうかは分からない。
>>114へ続く)

114さーひぶ。:2010/12/31(金) 20:18:56
>>113の続き)
故障した戦車の中で、苦悶する青年兵たち。ある青年は、あと2週間で除隊の
はずなのに、兵役期間を延長されてしまう。上官との連絡が滞り、友軍である
はずのファランヘ兵も当てにならない中、戦車の青年兵たちは禁断の「冥王」
回線にアクセスして、自分たちが置かれた窮状を認識する。
敵の襲撃を受ける中を突破して、ひまわり畑に帰り着くが、運転士の青年
イーガルは絶命していた(了)。

ほとんど全編が戦車の鋼鉄の内部に閉じ込められた閉塞状態で進行するという
前衛的な反戦劇です。娘を射殺されて泣き叫び、火だるまのあげく裸にされる
レバノン女性を戦車のスコープが大写しになる場面も強烈。

イスラエルでは適齢期の全国民に兵役の義務が課せられており、イスラエルの
青年たちが体験する悲惨な戦争の惨禍が主眼となっています。しかしながら、
戦車に指令を下す上官は、ジャミルというアラブ系の名前。友軍であるはずの
ファランヘ党の兵士もアラビア語と英語を話すアラブ人、捕虜はシリア人と、
敵兵も、被害を受ける民間人も、味方にもアラブ系の人間がいて複雑です。
被害をこうむるのも、アラブ人も多いが、イスラエル人も死傷します。
 イスラエルVSアラブという先入観の枠を越えて、戦争の悲惨さを描かれて
いると思いますが、この作品の描写はアラブ諸国では不評かも知れません。

イスラエル版の「ベトナム戦争映画」というところのようです。むごたらしい
場面が少なくないので、戦争映画や暴力映画が苦手な人にはおすすめしません。
この作品により、イスラエルの若者に厭戦感情が広がるように願います。
 レバノン      http://en.wikipedia.org/wiki/Lebanon_(2009_film)
 サミュエル・マオス http://en.wikipedia.org/wiki/Samuel_Maoz
 1982年レバノン侵攻 http://en.wikipedia.org/wiki/1982_Lebanon_War

では、来年は平和な年でありますように。良いお年をお迎えください。

115さーひぶ。:2010/12/31(金) 21:05:52
>>113-114の追記) 映画『レバノン』について、書き落とし。

劇中では
「国際法違反の白リン弾を使うが、これを“火を吐く煙”と呼ぶように」
と、上官ジャミルが隠蔽しようとする場面があります。

白リン弾(白燐弾、White phosphorus、略称WP)とは、非人道的な兵器と
して近年、批判されている砲弾で、イラクではアメリカ軍が使用したとされ、
昨年のガザ攻撃でもイスラエル軍が使用したとされ、危険な化学兵器であるか
否か、激しい論争になっています。どちらかといえば、反戦主義者は危険な
兵器だとし、軍備肯定派はそれを打ち消そうとしているように見えます。
 白リン弾(قنابل الفسفور الأبيض) 
  http://en.wikipedia.org/wiki/White_phosphorus

では、戦争のない平和で良い年を迎えられますように。

122さーひぶ。:2013/12/15(日) 22:04:51
【サウジ初の女性監督による長編劇映画デビュー作『少女は自転車にのって』】

サウジアラビアが生んだ初めての女性映画監督ハイファ・アル=マンスール
(Haifaa al-Mansour/هيفاء المنصور)による長編映画・劇映画としては
最初の作品である2012年公開の映画作品『ワジダ』(Wadjda/وجدة)、邦題は
『少女は自転車にのって』が、この12月7日から日本での公開が始まりました。

日本語公式サイト ttp://shoujo-jitensha.com/(予告編の動画があります)

映画館の設置が法律で禁止され(!!)、映画産業と呼べるものも存在しない
サウジからどうやって女性映画監督が誕生したのか? 彼女は、進歩的な母の
もとで育って、海外の映画のビデオを見まくり、エジプトやオーストラリアへ
留学して映画を学び、アメリカ人の外交官と結婚して現在はバーレーン在住。
進歩的な家庭に育って、留学・国際結婚をすれば、こういう女性も出るんですね。

製作国は「サウジアラビア・ドイツ」となっていて、彼女が脚本・監督を担当し、
他のスタッフたちはドイツ人風の名前です。サウジ政府が欧米から民主化を
求められる中で、全撮影をサウジ国内で行なった初めての映画作品となり、
サウジアラビア政府の検閲も無事に通過して、2014米アカデミー賞外国語映画賞
のサウジアラビア代表に選ばれ、各国の映画祭で受賞している優秀作品です。

あらすじ・感想などは、また後ほど

123さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:07:01
>>122の続き) 『少女は自転車にのって』のサウジ予備知識

 この作品は、一見すると、少女と自転車のほのぼのとした他愛ない話のよう
にも見えますが、その実、男尊女卑の因習が支配するサウジ部族社会の問題を示唆する描写が細かくちりばめられているようにも思えます。
この作品を観るために必要と思われる予備知識をいくつか挙げてみます。

 サウジの女性は、月経が始まる10歳くらいから、家族以外の男性がいる場
所では、アバーヤ(عباءةまたはعباية)という黒いガウンを羽織って身体
を隠し、ヒジャーブ(حجاب)やブルカ(ブルクウ برقع)というヴェールで
頭部や髪の毛、両眼を除く顔面をすっぽり隠さなくてはなりません。
肌を隠すだけではなく、声を男性に聞かれるのも戒められます。

 公的な場所において、男女が同席することは非常に避けられており、
学校教育が男女別学なのはもちろん、結婚式でも男女は別々に集います。
家族以外の未婚の男女が会うこともご法度で、男女の密会がばれれば、
宗教警察によって逮捕され、罰せられます。
(この作品のサウジ国内の撮影現場では、女性である監督と男性スタッフ
たちとの同席は許されないため、監督は現場から離れた車(バン)の中から
モニターを見ながら無線を使って現場に指示を出していたそうです!!)

 少女婚(児童婚)の習慣があり、10歳くらいの幼い少女が、10歳以上
年上の大人(ときには老齢の)の男性に嫁がされることもあります。
夫婦の事をさせられた幼い少女が出血多量で死亡することもあります。
 男性は、同時に4人まで妻を持つことが許されていますが、女性の重婚
は禁止。夫は妻を一方的に離婚できますが、妻にはできません。

 女性は、車の運転を法律で禁じられています。女性の一人旅も不可。
今回の映画の中では、自転車も女の子に好ましくないと描写されており、
学校の校長が「自転車は危ないわ。信心深い娘にはね。」と言います。
>>124へ続く)

124さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:24:02
>>123の続き) 『少女は自転車にのって』のあらすじ
 ワジダ(وجدة)は、首都リヤド郊外に住む10歳の気ままでお転婆な少女。
女子だけの小学校へ通っているが、制服の下はジーンズとスニーカー姿、しかも
ヒジャーブで髪と顔を隠さずに通学するので、戒律に厳しい女校長ヒッサ(حصّة)
からは問題児扱いされている。ワジダは校長から、体を隠すアバーヤで登校しろ
と言われてへこむが、母親は10歳のワジダが「そろそろ嫁がせる時期」(児童婚)
になったと気づいて微笑む。
 ワジダは、自転車を持っている近所の少年アブドゥッラー(عبدالله)と競争して
勝ちたいと思い、ある日見かけた800リヤル(約22,000円相当)の緑色の自転車が
無性に欲しくなる。母親が、女の子が自転車なんてダメと買ってくれないので、
自分でお金を稼いで貯めることにする。手作りのミサンガを売ったり、上級生の
アビールが「兄」(実はボーイフレンド)と密会するのを仲介して報酬をもらった
りして自転車代を稼ぐ。
 上級生アビールが男と密会して宗教警察に逮捕されたというので、手伝った
ワジダは校長から退学させられそうになるが、母が謝罪して助かる。
 足にマニキュアを塗っていたファーティマ(فاطمة)とファーテン(فاتن)
は、校長から「罪深い行為をした」と全校生徒の前で断罪される。
 学校でコーラン暗唱コンクール(مسابقة تحفيظ القرآن الكريم)
が催されることになる。優勝賞金1,000リヤル(約27,000円相当)に目の色が
変わったワジダは、改心して宗教クラブに入部すると校長に言い、コーラン
は苦手だったが、コーラン学習テレビゲームを買って猛勉強を始める。
 ワジダの母は、車で3時間の職場まで通っていたが、女性は車の運転が
禁じられているため、南アジア系の不法滞在労働者とおぼしき乗合自動車
運転手イクバール(إقبال)を雇って通勤や買い物に出かけていた。
ある日、イクバールが辞めたので困り果て、レイラ(ليلى)が勤め始めた病院
職員への転職を思い立つが、顔を隠さずに男性と一緒に働くので、諦める。
 ワジダの父は、たまにしか家に帰って来ない。父の母(ワジダの祖母)
は、ワジダの母が後継ぎの男子を生まないので、第2夫人になる花嫁候補
を探している。家系図は立派だが、女であるワジダは外されている。
>>125へ続く)

125さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:33:28
>>124の続き)
 いよいよ、コーラン暗唱コンクール。宗教語彙や啓示の口頭審問の後、
コーランの朗唱(節(ふし)を付けて、歌うように暗唱する)。

(これより、ネタバレ!)
 朗唱の得意な新婚のサルマー(سلمى)らを押さえて、ワジダが優勝。
校長「賞金は何に使うの?」  ワジダ「自転車を買います。」
あきれた校長は「賞金はパレスチナの同胞に寄付しましょう。」
自転車の夢が消えて、落胆するワジダ。
 ワジダの父と第2夫人の結婚式。それを遠くから眺めつつ、ワジダの母
は泣きながら、ワジダと母娘2人だけで暮らす決意を娘に告げる。
 母から贈られた最高の宝物とともに、ワジダは風を切って疾走する。(了)
         *         *
 かつて、子どもを主人公にしたイラン映画作品が日本でもちょっとした
ブームになりました。宗教や政治体制に抑圧された社会の複雑なテーマを
散りばめながらも、子どもの視点を中心軸にすえることによって、検閲を
くぐり抜けつつ、メッセージ性の強い秀作群になりました。
 ワジダを主人公にした本作も同様に、宗教・部族的な男尊女卑の因習に
よって抑圧されている社会を描いた、サウジの秀作といえるでしょう。
現実の厳しいサウジ社会よりは、かなり理想化されているかも知れません。
しかしながら「アラブの春」が完全に潰されてしまったサウジにおいて、
映画という手段が社会をより良い方向へ変えて行く可能性を示したことは
とてつもない意味があると信じています。
         *         *
12月14日(土)から東京・神保町の岩波ホールで新春ロードショー。
国内各地の劇場で順次公開予定。文部科学省特別選定作品。

ウィキペディア記事
ワジダ ttp://en.wikipedia.org/wiki/Wadjda
ハイファ・アル=マンスール ttp://en.wikipedia.org/wiki/Haifaa_al-Mansour

126匿名さん@サラーム:2014/01/04(土) 20:56:23
ここで語ろう
ttp://jbbs.shitaraba.net/study/9419/


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