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貧困スレ

1チバQ:2009/10/21(水) 21:46:08
労働運動スレより独立
非正規雇用・母子家族などなど貧困にかかわるさまざまな話題を収集するスレ
主にルポ系の記事がメインになりそうな予感

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102002000236.html
日本の貧困率15・7% 07年 98年以降で最悪
2009年10月20日 夕刊
 厚生労働省は二十日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。二〇〇七年は15・7%で、七人に一人以上が貧困状態ということになる。十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、一九九八、〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。〇七年の全体の貧困率は九八年以降で最悪、子どもは〇一年に次ぐ水準だった。
 長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
 政府は六〇年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付け増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合。
 全体の貧困率は九八年が14・6%、〇一年が15・3%、〇四年が14・9%。〇七年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。


関連しそうなスレ
労働運動
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1114776863/l50
社会福祉総合スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1225898224/l50
農業総合スレ(限界集落もこのスレの対象かも・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165378/l50
人口問題・少子化・家族の経済学 (母子家庭など)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1148427444/l50
文部スレ (新卒採用問題なども・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116734086/l50

1004チバQ:2020/05/13(水) 10:00:59
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200512-00000055-mai-soci

<明日へ・新型コロナ>「コロナで死ねない」 ネットカフェ閉鎖、受け入れ施設閉所 さまよう派遣労働者


5/12(火) 18:21配信

毎日新聞







<明日へ・新型コロナ>「コロナで死ねない」 ネットカフェ閉鎖、受け入れ施設閉所 さまよう派遣労働者


宿泊していたインターネットカフェが休業したため神奈川県の受け入れ施設に身を寄せ、差し入れの缶コーヒーを飲む朝生克也さん。この日の所持金は235円だけだった=横浜市港北区で2020年4月24日、喜屋武真之介撮影


 「野宿も覚悟していた。4月は寒い日も多かったし、凍死していたかもしれない」。派遣労働者の朝生(あさお)克也さん(56)は寝泊まりしていたインターネットカフェが新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月11日に休業し、一時受け入れ施設となった神奈川県立武道館(横浜市港北区)に身を寄せた。薄布に囲まれた2メートル四方の空間で簡易ベッドに横たわると、毛布にくるまって寒さをしのいだ――。

 故郷を離れ理容師として10年以上働いたが、離婚してからは職を転々とするように。約2年前から自動車部品の積み込み作業などに派遣されて働き、夜はネットカフェで体を休めた。「自由がきいた」が、貯金はほとんどしてこなかった。その中で、突然「住み家」を失った。「普通じゃない生活を選んだ自分の責任。誰を責めるわけでもない」

 自動車メーカーの生産が停止し、予想よりも早く4月半ばには仕事が途絶えた。知人にお金を借りるまで数日間ほとんど食べられず、差し入れの缶コーヒーで飢えをしのいだこともある。「いつ死んじゃってもいい。ただ、コロナでは死ねない。周りに迷惑はかけられないから」。言葉に、孤独感がにじんだ。

 大型連休明けに再び仕事が入るようになると、閉所された施設を出て、不安定な日常へと戻っていった。

     ◇      ◇     

 私たちの社会や行動を変容させる新型コロナウイルス感染拡大の波。その中で生きる一人一人の姿と声を伝えます。【喜屋武真之介】

1005チバQ:2020/05/14(木) 17:52:47
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200513-01664352-sspa-soci

ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町、貧困者たちはどこへ…


5/13(水) 15:54配信

週刊SPA!







ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町、貧困者たちはどこへ…


人けの少なくなった歌舞伎町。「ハイジア前など、定番スポットに立っているワリキリ(援助交際)嬢も客数は激減している」(仙頭氏)


 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。
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ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町

「緊急事態宣言後、しばらくは営業しているネットカフェもありましたが、今やマンボーを除いてほぼすべて休止になり、実質“最後の砦”のような状態になっています。休業要請直後に、ほかの店から出てきたネカフェ難民風の男性に話を聞くと『これからマンボーに移るよ』などと話していました」

 そう語るのは、歌舞伎町の貧困事情に詳しい『裏モノJAPAN』編集部の仙頭正教氏だ。

「3月末まではあのROLANDがオーナーを務める店など、有名店しか営業自粛しなかったのに対し、4月中旬からはほとんどの店が営業自粛に入りました。歌舞伎町は今、ゴーストタウンです。朝方歩くとカラスがドブネズミを襲っている光景を目にしました。彼らもゴミが減って食べるものが少なくなっているのでしょう」

 居酒屋、キャバクラ、ホストクラブ、風俗店……休業要請を受けた業態が苦しいのは言わずもがなだが、それ以外の営業中の施設でもコロナ不況は深刻だ。

「ラブホテルも軒並み客数は激減しています。特に割を食っているのが、ホテヘルに使われていた激安ラブホ。1時間ショートコースの利用が平常時の6分の1まで減っています。また、あるラブホテルではスタッフから感染者が出たそうです。それをオーナーが隠蔽していたので外国人清掃スタッフが大騒ぎ。外国人清掃員たちは一般ホテルでも掛け持ちで働く人が多いのですが、掛け持ちの受け入れ先が減るなかで『コロナ感染者がいるかもしれない』という噂が広まり、働きづらい状況に拍車がかかっているとか」

 また、往時の歌舞伎町にはネットカフェを“仕事場”にして、援助交際で生計を立てる女性も多くいた。歌舞伎町のある居酒屋で働くスタッフは、彼女たちが集団で追い出される光景を見たという。

「休業要請が始まる少し前の夜、キャリーケースを引いた女のコが十数人もネカフェから出てきて、TOHOシネマズの前で座り込んでいるときがありました。見た感じ、家出少女だと思います。そんな彼女たちにスーツ姿の中年男性が数人、声をかけて回っているんです。世も末だなと思いましたね」

 生活に苦しむ人たちにとって、歌舞伎町は一つのセーフティネットでもあったのだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[コロナ貧困の絶望]―

1006チバQ:2020/05/19(火) 15:06:41
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200519-00000031-asahi-ind

高リスクのネカフェ、営業続ける事情 行き場ない利用者


5/19(火) 12:24配信

朝日新聞デジタル







高リスクのネカフェ、営業続ける事情 行き場ない利用者


営業を続けるインターネットカフェでは、マスクの着用やアルコール消毒を呼びかけるポスターが掲示されている=2020年5月18日午後5時25分、前橋市内


 新型コロナウイルスの影響で、群馬県から休業を求められているインターネットカフェ。「感染リスクが高い」というのが理由だが、要請に応じず、営業を続けている店舗も多い。

 金曜日午後9時の前橋市。インターネットカフェ入り口の貼り紙には「マスク着用」の文字。その奥では、ダーツやビリヤードを楽しむカップルらの姿が見える。24時間営業のこの店の向かい側にはゲームセンターがあり、駐車場は8割近く埋まっていた。

 20〜30代くらいの若者客が多い店内で、高齢者の姿が目を引いた。

 「家族との関係がぎくしゃくして……。でも年金が頼りだから、毎日は来られない」。70代の男性はそう話す。軽乗用車の中で生活し始めて1年ほど。車内には着替えの服や、空のペットボトルが散乱する。

 週の半分はネットカフェで眠り、朝を迎えるという。ネットカフェはシャワーが使え、テレビやインターネットも好きなだけ見られる。足を伸ばして寝られるのも快適だ。ただ、1泊すれば、安くても1500円以上するため、残りの半分は車内で寝泊まりする。

 「ネットカフェで過ごす時間は気が楽。営業してくれているのはありがたい。いざとなれば家に帰ると思うが……」と話し、店内に入っていった。

 男性によると、感染が拡大する前と比べて、2割程度は客が減っているという。「感染する心配は特にしていない」と話す。

 この店でアルバイトしている男性は「周りのお店が休業していればその分、お客さんに来てもらうチャンスだと思う。バイトがなくなるのも困る」と話す。

 一方で、「家に帰って、家族にうつさないかが心配」とこぼす。不特定多数の人が出入りしているので、感染しないか不安だ。30分に1回は手を消毒したり、自主的に窓を開けて換気をしたりして注意している。

 全国に約460店舗ある「快活CLUB」の運営会社によると、県内の11店舗はいずれも営業を継続している。広報担当者は「休業しても家賃などの固定費はかかる。社会インフラとして利用されていることも考える必要がある」と話す。

 換気やマスク着用、入店時の消毒を促すなどの対策をとった上で営業しているという。感染防止策として企業で広まっているテレワークに店舗を利用することも呼びかけている。

 また、県内に3店舗あるインターネットカフェ「金太郎」も営業を継続。2店舗ある「自遊空間」は一時休業したが、大型連休明けの7日から営業を再開したという。

 県独自のガイドラインでは、ネットカフェは4段階のうち警戒度が2番目に低くなるまでは休業要請の対象になる。早くても5月末までは休業要請が続くことになる。県の担当者は「ネットカフェは3密の環境になりやすい。営業や外出の自粛を引き続き要請していく」と説明している。(森岡航平)

1007チバQ:2020/05/20(水) 14:32:55
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200520-00010008-nishinpc-soci

「打撃は平等でない」困窮者支援を続ける牧師 コロナ禍で感じること
5/20(水) 10:54配信

西日本新聞

「打撃は平等でない」困窮者支援を続ける牧師 コロナ禍で感じること


「絆(きずな)は傷(きず)を含む。人とのつながりは大変さを伴うけど、楽しいです」と奥田知志さん=北九州市の東八幡キリスト教会


 大型連休前の週末の夜、例年なら酔客であふれる小倉の街は静かだった。この地で困窮者支援活動を続ける牧師、奥田知志(おくだともし)さん(56)は普段通りに繁華街にいた。公園での炊き出しの後、ホームレスの見守りパトロール。「30年以上やってきたけど、こんな夜は初めて」。一変した街の空気を察知してか、ネズミの大群が目の前を横切っていく。


 「今は医療崩壊、感染を防ぐのが第一。ただ、私としてはコロナ関連死を危惧(きぐ)しています」

 経験に裏打ちされた言葉は重い。銀行や証券会社の経営破綻が相次いだ二十数年前の金融危機では自殺者数、ホームレスが急増した。2008年のリーマン・ショック後もひどかった。失業者が「年越し派遣村」に押し寄せた。今回はそれ以上とみる。
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 「災害や危機による打撃は平等ではない。もともと社会が持っていた格差、脆弱性が拡大して露呈するんです」

 政府が呼びかけた「ステイホーム」一つとっても、在宅勤務を選択できず、働かざるを得ない人がいる。ネットカフェが夜の営業をやめ、家のない人々はセーフティネットを失った。

 奥田さんは「ステイホーム」に加え「フロムホーム」を提唱する。家の中からでも支援はできる。理事長を務めるNPO法人「抱樸(ほうぼく)」では、緊急電話相談を実施。市内にワンルーム25室を借り受け、改修を始めた。1億円に設定したクラウドファンディング(CF)も始め、現在1700万円超の支援金が集まっている。

 ゴーストタウンと化した街で「さみしさ」も感じた。人と会わなくなり、飲みにも行かない。そんな状況にだれもが「あの日に帰りたい」のかもしれない。

 「でも戻れないし、もっと言えば戻ってはいけない。『戻りたい社会だったのか』と問うべきだ」
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1008チバQ:2020/05/20(水) 14:33:29

     □  □

 奥田さんが社会への違和を感じたのは関西学院大の学生だった頃。日雇い労働者が集まる釜ケ崎でボランティアをし、豊かだと思い込んでいた日本の別の側面を知った。大阪万博(1970年)で労働力の供給源として栄えた釜ケ崎は、奥田さんと無縁ではない。父が万博工事の多くを担った大手電気設備会社の社員で労働者を雇う側。不自由なく育った息子は、行き場を失った労働者であふれ、死にゆくホームレスもいる街から「自分は何者か」という問いを突きつけられた。

 「ひどい世の中で神様までいなくなっては困る」。牧師の道を選び、88年からホームレス支援を続ける。 その活動は自己犠牲、利他の精神という言葉で語られがちだが、否定する。


 「人間が出会いの中で立ち上がっていく。それは社会にとっても大事だし、僕の幸せにもつながる。自己と他者は分離できません」

 世の中は他者性を失いつつある。「自国ファースト」を標榜(ひょうぼう)する国。それに乗っかる市民の態度。トイレットペーパーの買い占めも「私たちの中から他者がいなくなったから起きた」。

 現代人はなぜ他者との関わりを避けるのか? 奥田さんに問うと「大変だから」と返ってきた。

 「でも」と続ける。「大変さは不幸ではない。人と出会って苦労するのは大変だけど面白い。そこにみんな気付いてほしい」
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     □  □

 心を寄り添わせ、一緒に泣き、笑う。奥田さんがやってきた「伴走型支援」は、感染拡大防止の「3密」と相いれない。炊き出しを中止する支援団体もある中、奥田さんは続けた。弁当に並ぶ列を増やすなど密集を避けた。会話しながら一緒に食べる「抱樸流の炊き出し」はできないが、代わりに弁当一つ一つに手書きメッセージを添えた。

 特別定額給付金の概要が発表された直後、初老の男性が教会を訪れた。10万円入りの封筒を手に「必要な人のために」。ほかにも「国が配る布マスクを託したい」との声も届いた。「社会は捨てたものじゃない」

 作家、五木寛之さんは「朝顔は闇の底に咲く」というエッセーで、朝顔は闇がなければ花を咲かせないと書いた。奥田さんはその文章が好きだ。


 「見える距離は遠くても、心の距離を近く。コロナのせいにするのではなく、夜明けに向けて備えることをしなければいけません」

 緊急事態宣言が解除されても、しばらくは「フロムホーム」の支援を余儀なくされる。ただ、コロナ後に訪れる新しい社会の萌芽(ほうが)も確かに感じている。

 (小川祥平)

   ◇   ◇

 北九州市のNPO法人「抱樸」の新型コロナウイルス感染拡大の影響で支援が必要になる人たちのためのCFは7月27日まで。サイト「READYFOR」で「抱樸 コロナ緊急」と検索する。

1009チバQ:2020/05/20(水) 14:33:52
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200519-00000044-mai-soci

10万円、受け取れない? 住民票ない路上生活者 自治体も対応に苦慮


5/19(火) 15:45配信

毎日新聞







10万円、受け取れない? 住民票ない路上生活者 自治体も対応に苦慮


都の事業が休止され、唯一の収入源を失ったという男性(左手前)。奥は男性や支援団体からの要望を聞く都職員=東京都新宿区で2020年5月1日午後1時54分、斎藤文太郎撮影


 新型コロナウイルスの流行で政府が全国民に10万円を配ると決めたが、受け取れないのではないか――。特別定額給付金を巡り、路上生活者の間でそんな不安が広がっている。対象は住民登録のある人だが、長く路上生活を続ける中で住民票がどこにあるか分からなかったり、居住が不明で市区町村の職権で抹消されたりした人もいるためだ。日雇いの仕事も減り、生活の困窮ぶりは深まっている。

【図解】現金給付10万円 どう受け取る?

 「所持金はもうない。本当に困った」。東京都台東区内の公園で暮らす男性(65)は日銭を稼ぐ唯一の手段だった都の事業が休止され、収入源を失った。政府の給付金に望みを託していたが、路上生活が長年にわたるため住民票がない可能性が高い。住まいを確保すれば改めて住民登録はできるが、手持ち資金がないため難しい。国は路上生活者対策として住居機能があり緊急的に住民票を置くことができる自立支援センターの活用を促しているが、近くに入れそうなセンターはない。

 北海道出身。中学卒業後に建築関係の仕事に就いた。複数の会社を渡り歩き、社員寮付きの会社を辞めた10年以上前に道内で路上生活者になった。5年ほど前に仕事を求めて都内に移った。しかし、年齢もあって思ったほど民間の仕事を受けられず、都が日雇い労働者向けに実施する「特別就労対策事業」で得る月3万円前後の稼ぎが唯一の収入になった。公園などの清掃を都が民間に発注し、労働者は受注企業に雇われ、8000円前後の日当を得る仕組み。求人に比べ求職者が多いため仕事は輪番制で、男性が現場に出るのは月3〜4回だった。

 都は4月以降、求職者の集合場所や現場までのバスが「密」になるなどの理由でこの事業を休止。男性は、体調が悪い日や風雨が強い日だけ利用してきた簡易宿泊所やネットカフェも使えなくなった。炊き出しに通いつつ、即席のラーメンやうどんを自分で買って食べるというささやかな楽しみも失った。「やむを得ないとも思うが、都は日雇い労働者のことなんてどうでもいいと考えているように感じる」と憤る。

 区の担当者は「一時的な資金として社会福祉協議会による貸し付けを利用してもらうことも可能」とするが、男性は「要は借金。仕事がない中で返せるはずがない」と諦め顔だ。生活保護にも拒否反応がある。「体が動くうちは働きたい」との思いに加え、扶養できるかどうかの確認のため区役所から家族に連絡されるのも避けたいという。

 「八方塞がりという感じ。これまでもその日暮らしだったけど、今まで以上にお先真っ暗です」。今は支援団体の炊き出しを頼りに命をつないでいる。

   ◇   ◇   

 一律10万円給付は国の事業だが、実務は市区町村が担う。路上生活者に対して、どのように給付するか。自治体も頭を悩ませる。

 都の2019年夏の調査によると、都内の路上生活者は少なくとも1037人。一方、国が住民票を置く場所として例示する自立支援センターは都内に4カ所あり総定員は約400人。運営する特別区人事・厚生事務組合によると、満床に近い施設が多く、受け入れ可能人数には限りがある。荒川区にも建設中だが完成は7月の予定だ。

 5月8日の新聞各紙には、10万円給付に関する路上生活者の手続きについて「できる限り早く、今お住まいの市区町村に申し出てください」とする政府広報が載った。しかし、台東区の山谷地区に暮らす路上生活者や支援団体がこの日、区役所で給付方法を尋ねると、担当者は口ごもった。「住民登録があれば給付対象になる、という通知しか来ていない。特別な対応が可能かどうかは何とも言えない」。区は近く、職員がチラシを路上生活者に配って住民登録を促す方針という。

 山谷地区を台東区とともに管轄する荒川区の担当職員は「路上生活者を漏らさず把握するのは難しい」と明かす。少なくとも約100人の路上生活者がいるとされる新宿区の担当職員は「住民票がどこにあるかの確認も含め、個別的な対応が必要。どうしたらよいか、庁内で調整する」としている。

 生活困窮者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は「重複での給付を避けるため、住民票によらない給付金の手続きは現実的には難しい」と指摘した上で、「新型コロナは災害と同じ。行政は路上生活者も住民登録しやすいよう、災害時の仮設住宅のように大規模な住宅提供を行うべきだ」と話している。【斎藤文太郎】

1010チバQ:2020/05/20(水) 15:11:09
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200513-00000005-mai-soci

「アベノマスクもらえないよね」札幌のホームレス 支援団体「夜回り」同行ルポ


5/13(水) 8:02配信

毎日新聞







「アベノマスクもらえないよね」札幌のホームレス 支援団体「夜回り」同行ルポ


ホームレスの男性にマスクを手渡す「北海道の労働と福祉を考える会」のメンバー=2020年5月2日午後7時51分、札幌市中央区で真貝恒平撮影


 新型コロナウイルスの感染者が北海道内で確認されて3カ月あまり。この間も、街のホームレスの人たちに食料などを配り歩くボランティア団体がある。「北海道の労働と福祉を考える会」。週末に続ける「夜回り」に同行した。【真貝恒平】

 5月2日、土曜日。ゴールデンウイーク中にもかかわらず、静まりかえった札幌市中心部。ビルの間から漏れる夕日とわずかなネオンに彩られ始めた街に、人影はまばら。

 「それでは行きますか」。午後7時前、副代表の小川遼さん(27)ら3人は菓子パンなどが入った袋を手に、地下街に続く階段を下りていく。

 「こんばんは。お変わりありませんか」。3人はJR札幌駅南口周辺で声をかけながら、菓子パンや温かいお茶を配りながら地下街を進む。感染拡大を防ぐ配慮から、3人ともマスクを着け、距離を取りながら歩く。

 午後8時、ベンチに腰掛ける60代男性にマスクを手渡す。男性は「感染は怖いけど、マスクはなかなか手に入らなくて。ちょうど今使っているのが汚れてきたところで、助かったよ」とほほえんだ。

 さらに進むと、広場に出た。生活用品を詰め込んだキャリーバッグを脇に置き、ベンチで古新聞に見入る60代男性にもカイロやマスクなどを手渡す。「いつもありがとう」。男性は笑顔で受け取り、続けた。「俺のような、(自ら社会との関係を)はじいた人間には『アベノマスク』はもらえないよね」

 同会は1999年設立で今年で21年。大学生を中心に高校生や市役所の退職者ら約30人が登録する。毎月4週目を除く土曜日午後7時から約2時間、約20人が3グループに分かれて同駅や狸小路周辺などを回り、支援を続けてきた。

 ところが、新型コロナの影響で「外出自粛の中で活動するのか」「感染のリスクが心配」などの声がメンバーから上がった。そこで、4月から参加者数を絞り、できるだけ1カ所に集まらないよう3〜4人で移動するなどの対策を取り継続することにした。今月中には炊き出しも行う。

 夜回りを終え、小川さんがつぶやいた。「路上生活者も同じように困っている。こんな時だからこそ、味方であり続けることが大事なんです」。同会の20代の男子大学生も「(政府が配布する)マスクも給付金も今のままでは彼らに届かない。多くの人が余裕をなくしている今だからこそ、誰かが考えてやらないと」と話した。

 ◇一律10万円の給付金「受給のハードルが高い」

 ホームレスを巡っては、一律10万円の特別定額給付金は「受給のハードルが高い」との指摘もあり、「北海道の労働と福祉を考える会」は支援の必要性を訴える。

 路上生活者やいわゆる「ネットカフェ難民」は、居住している市区町村で住民登録を行い、住民票が作成されれば給付を受けることができる。だが、居住が安定していない路上生活者らにはそもそも住民登録が難しく、申請書が届かない。

 こうした懸念を受け、総務省は4月28日付で通知を出した。住民登録が難しい場合、自立支援センターなどの支援団体の住所も利用可能で、ネットカフェでは、店舗管理者が利用者の住所として住民基本台帳に記載することに同意すれば「住所」として認められるとしている。

 同会が札幌市の委託で今年1月に実施した調査では、路上生活者は市内に約40人。20〜30代の若年層が増え、ネットカフェに寝泊まりする人などは反映されておらず、実際はさらに多いとみられる。

1011チバQ:2020/05/20(水) 15:11:42
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200512-05110252-sph-soci

「本当に苦しい」月収200万円→15万円、食事はカップ麺1食…コロナに苦しむ風俗嬢の今


5/12(火) 8:00配信

スポーツ報知







「本当に苦しい」月収200万円→15万円、食事はカップ麺1食…コロナに苦しむ風俗嬢の今


日本有数の風俗街として知られる東京・台東区の吉原


 終わりの見えない新型コロナウイルスの感染拡大の中、全国の性風俗で働く女性たちが悲鳴を上げている。4月7日に厚生労働省が新設した個人事業主やフリーランスを対象とした小学校休業等対応支援金(1日4100円)は、風俗業従事者も対象とされたが、個人事業主に100万円が給付される持続化給付金は対象外となっている。「『身体を売る彼女たち』の事情―自立と依存の性風俗」(ちくま新書)の著者で、一般社団法人ホワイトハンズ代表の坂爪真吾氏(38)に業界の今を聞いた。

 首都圏の繁華街から少し離れた風俗街。5月の大型連休にもかかわらず点灯する看板は少なく、人通りもない。営業を続ける店舗も開店休業状態で、客寄せの「かわいい子いますよ、いかがですか」の声がむなしく響いていた。高級店の前には手入れの行き届いた送迎用の車。男性スタッフは「やることがなくて洗車ばかりさ」と顔を曇らせた。

 ソープランドで4年前からキャストとして働くAさん(25)は、「コロナの影響で他のグループ店も本当にお客が来ない。他の店で働いてる子も(客の指名がなくて)ヤバいって言ってた。そもそも店舗が休業してるところもあるし。(性風俗)一本の女の子は本当に苦しいと思う」と厳しい現状を語る。繁忙期の昨年末には12月だけで200万円稼いだというAさんだが、現在はコロナ禍で月15万円ほどに。同業者の中には東京では指名が取れず、食事はカップラーメン1食でしのぎ、地方都市に出稼ぎする女性もいるという。

 ホワイトハンズが運営し、性風俗従事者の無料相談を行っている「風テラス」によると、昨年2〜5月は296人だった相談件数は、今年は2月〜5月10日までで1239人に達した。「風テラス」発起人の坂爪氏は「圧倒的に多いのは生活困窮の相談で、来られる方の6割が専業で性風俗で働く方。ネットカフェもホテルも休業、雨風しのげる場所がない方もいます」と現状を語った。

 風俗情報サイト「シティヘブンネット」によると、性風俗従事者は全国に約36万人。中には望まぬ従事者もおり、夫のDVから逃げるために子供と家出し、性風俗で生計を立てる女性もいる。SNS上では、税金を納付していないと批判する意見もあるが、坂爪氏は「彼女たちは脱税しようとはしていない。自身が個人事業主であることを知らないことが多い。相談に来た方には、まず所得の申告を促してます」。

 終わりが見えない状況が続くが、坂爪氏は「もう生きていけないと悲観しないでほしい。自治体の生活保護や住居確保給付金など、制度を頼れば生活できる最低ラインは確保されている。悩みを抱え込まないでほしい」と早めの相談を呼びかけた。
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報知新聞社

1012チバQ:2020/05/20(水) 15:40:22
https://digital.asahi.com/articles/ASN5M6Q7DN5MUTFL00F.html?pn=4
子のため、ご飯は2日に一度 困窮ひとり親に手当増額を


有料記事 新型コロナウイルス

岡林佐和、伊藤舞虹
2020年5月20日 8時30分

 新型コロナウイルス拡大の影響でひとり親世帯などの収入が減り、食べるにも事欠く現状があるとして、支援する3団体が19日、記者会見を開き、低所得のひとり親世帯に支給される児童扶養手当を半年間、月4万円増額することなどを提案した。

「ライフライン止まった」「公園の水飲み節約」

 「想像を絶するような相談が相次いでいる。命を失っている方もいるのでは」。NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長は、会見で危機感をあらわにした。「子どもがおなかがすいても食べさせるものがない」、「ライフラインがすべて止まり、死ねと言われているよう」、「子どもに食べさせるため自分のご飯は2日に一度」、「節約のため公園の水を飲んでいる」といった声が連日、寄せられているという。児童扶養手当を受給する694人に聞いたところ、新型コロナの影響で約6割が収入減になり、収入が無くなった人も11%いた。

 同法人など支援団体が提案するのは、子ども1人の場合に満額で月4万3160円が支給されている児童扶養手当について、4〜9月の半年間、月4万円(子ども1人の場合)増額するというものだ。ひとり親でなくても困窮している世帯もあることから、高校生以下の子どもがいる住民税非課税世帯への給付も求めた。低所得世帯の子どもの学習を支援するNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は「毎月、子どもに対してお金が出るということが親の安心につながる。継続的に支援してほしい」と話した。

手当拡充法案を野党提出 与党も前向き

 児童扶養手当の拡充をめぐっては、立憲民主、国民民主、共産、社民、日本維新の会の野党5党が関連法案を国会に提出。与党の自民、公明両党も前向きで、第2次補正予算に向けた検討が進む。加藤勝信厚生労働相は19日の会見で「(ひとり親世帯の)困難が増しているとの認識のもと、しっかりと検討していきたい」と述べた。

 子どもの貧困の問題は新型コロナウイルスの感染が拡大する前から、日本が抱える大きな社会課題として指摘されてきた。日本の子どもの相対的貧困率は2015年で13・9%で、ひとり親世帯に限ると50・8%にのぼる。

児童扶養手当 根本から見直しを

 子どもの貧困の問題に詳しい東京都立大学の阿部彩教授は「従来から貧困世帯を支えるしくみは不十分だった」と指摘。「新型コロナの緊急対策として支援策を打ち出しても、コロナが落ち着けばまた打ち切られかねない。そもそも、不測の事態があったとしても親子が貧困に陥らないよう、児童扶養手当の支給額そのものを引き上げるなど、制度を根本から見直して底上げを図るべきだ」と話す。(岡林佐和、伊藤舞虹)

1013チバQ:2020/05/23(土) 18:33:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbbc5554f50acff441f8e85964b3fb0ddb76bf3d



寮追い出され、所持金わずか 追い詰められる非正規労働者 支援求める人急増
5/23(土) 7:02配信

時事通信
新型コロナウイルスの影響で仕事が見つからず、4月末に契約終了となった派遣先の寮を追い出された男性。かばんに2日分の着替えと洗面道具だけを詰め込み、寮を後にした=19日午後、横浜市中区

 新型コロナウイルスの影響で経済が厳しさを増す中、仕事を失った非正規労働者らが住まいを追い出される事例が相次いでいる。

 所持金も少なく、民間団体が東京都内で開催する食料配布には、感染拡大以降訪れる人が急増。支援者は「新たに困窮する人が出ている」と懸念を深めている。

 横浜市鶴見区で派遣労働者として働いていた男性(46)は4月上旬、月末までの契約が更新されず、会社の寮からの退去を迫られた。当初は「他に移ればよい」と楽観していたが、求人に応募しても対面での面接が受けられず、県外で探そうにも「感染拡大防止から他県の人は採用できない」と断られた。仕事を見つけられないまま、A4サイズのかばんに2日分の着替えと洗面道具だけを詰め込み、5月初めに寮を後にした。

 現在は横浜市中区の簡易宿泊所を仮住まいとしているものの、6月上旬までの宿泊料金を支払った後の所持金は8万円。新たな収入がなければ、続けて泊まることは難しいという。

 男性は生活保護を申請中だが、「約20万円の給料をもらっていたのに、いきなり生活保護になるとは思わなかった」と現実を受け止めきれない様子。「家さえあれば何とかやり直せるのに」と苦渋の表情を浮かべた。

 NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)などが東京都新宿区で実施している週末の食料配布や相談会には、3月以降から参加者が急増。5月16日には通常の2倍超となる約180人が食料を受け取りに来た。

 同法人の大西連理事長は「不安定な雇用環境で働く労働者ら仕事や住居、貯蓄を失った人が来ているのでは」と指摘。「(参加者は)雇用環境が回復するまで増加するだろう」と話した。

 9日の相談会に訪れた男性(57)は、日雇い労働で生計を立て、普段はネットカフェに寝泊まりしていたが、2月ごろから仕事が急減。4月以降は収入がゼロとなったため野宿生活を送っており、雨の日はジャンパーを布団代わりに人家の軒先で寝ることもあるという。「緊急事態宣言が解除されないと状況は変わらない。仕事があればやっていけるのに」と不安を募らせた。

1014チバQ:2020/05/27(水) 18:49:53
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b24caa47697d3ccf29d8a2ac7e495d500053c5f

新型コロナが追い打ち「月収10万円」貧しさの現実

5/27(水) 6:00配信


日経ビジネス


 日本も含めた先進国の貧しさは「目に見えない」。(写真:Shutterstock)
 数年前、40代の男性のインタビューで、思わぬ告白をされたことがあった。

 「お恥ずかしい話なんですけど……、僕、半年前はホームレスやってたんです」

【関連画像】ワーキングプア率=働いている層で世帯所得が相対的貧困線以下の人の割合。阿部彩(2018)「日本の相対的貧困率の動態:2012から2015年」科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基礎研究(B))「「貧困学のフロンティアを構築する研究」報告書)より引用

 目の前に座っているスーツを着た男性は、ごく普通のサラリーマン。その彼から、「ホームレス」という言葉が飛び出して面食らった。というか、私は正直なところ、何の話をしてるのか一瞬分からなくなった。

 河合「えっ……と。それって……」

 男性「派遣切りにあって、次の仕事がなかなか見つからなかったんです。それで家賃も払えなくて、ひと月くらいですけどね」

 河合「で、そのあとが、今の会社ですか?」

 男性「はい。そうです。ハローワークに行くときに、昔、飲みに行ってた焼鳥屋のマスターにばったり会いましてね。『お客さんの会社で体調を崩して入院する社員がいて、時間をかけて採用してる余裕もないから仕事の一部をバイトに頼みたいと言ってた』と、すぐに連絡してくれたんです」

 河合「今、契約社員……ですよね?」

 男性「はい。バイトなのに、上司の人がすごく丁寧に仕事を教えてくれたんですよ。不思議なもんで、そうやって扱ってもらうと自分でもいろいろと工夫するようになって、ひと月後に『契約社員にならないか』って言ってくれたんです。時給が月給になったし、がんばれば正社員にもなれると言われました。生まれて初めて仕事って楽しいって思えました。僕は本当に運が良かった。ホント、運が良かったんだと思います」

 「貧困は簡単に外から見えない」。彼の話を聞き、強く実感した。

1015チバQ:2020/05/27(水) 18:50:13
●新型コロナの影響で貧困問題も表面化

 先週、NPO法人しんぐるまざあーず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長が、新型コロナウイルスの影響で困窮するシングルマザーについてコメントしていた。その内容があまりに衝撃的で、今回は「見えない貧困」を取り上げようと思った次第である。

 赤石氏によると、4月以降、シングルマザーからの相談が急増し、「子供がおなかをすかせていても、食べさせるものがない」「公園の水や野草で空腹を満たしている」などの、驚くべき内容もあったそうだ。

 多くがパートなどの非正規で雇用されているため、自宅待機で収入が減るという人が半数以上。中には、子供の保育園が休みになったと相談したら、「だったら来なくていい」と言われたケースもあった。

 「私たちの感触では、本当にいつ悲惨な事件が起きてもおかしくない」。こうコメントしていた(5月21日付朝日新聞朝刊)。

 新型コロナウイルス感染が拡大した当初から、「今起きている問題はこれまで見ないふりをされたり、だましだましやり過ごしたりしてきた問題が表面化しただけ」と書き続けているけど、貧困問題はその1つだ。

 しかしながら、貧困問題を取り上げると、「公園の水と野草食べるなんて人、本当にいるの?」「昔の方がもっと貧しい人が多かった」というリアクションが少なくない。

 そういった意見が出てしまうのは、貧困問題を語るときに、使われる「相対的貧困」という言葉のニュアンスにあると私は考えている。つまり、「貧困っていっても、相対的貧困でしょ?」と。「その日に食べるものがなくて困ってるわけじゃないだろ」と。つまり、「相対的」という言葉が、貧しさのリアルをぼやかしてしまうのだ。

 ご承知のとおり、相対的貧困は、絶対的貧困=1日2ドル未満で生活する人々(世界銀行の定義)とは異なり、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々」のこと。平たく言うと「恥ずかしい思いをすることなく生活できる水準」にない人々を捉えたものだ。

 その水準の目安となるのが貧困ラインで、日本の場合、122万円程度になる(国民生活基礎調査)。月額にすると10万円(単身世帯の場合)。たった10万円だ。月に10万円の収入では普段から貯金するのは難しい。となれば、今回のコロナ禍のような突発的な出来事に耐えられるわけがない。

 この10万円という金額を念頭に、改めて次の数字の重みを考えてみてほしい。日本の相対的貧困率はG7(先進7カ国)でワースト2位ひとり親世帯に限るとOECD(経済協力開発機構)加盟国35カ国中ワースト1位そして、日本の母子家庭の母親の就業率は、84.5%と先進国の中でもっとも高いにもかかわらず、突出して貧困率が高く、アメリカ36%、フランス12%、英国7%に対して、日本は58%と半数を超えている(OECDの報告より)

●相談に行ったことがさらなる貧困のきっかけに

 日本も含めた先進国の貧しさは「目に見えない」。とりわけ日本では、働いているのに貧困、すなわち「ワーキングプア」が多いので、余計に見えなくなる。

 さらに、貧困の問題は「そういう人はなぜ、生活保護を受けないのだろう?」「シングルマザーの貧困は養育費をちゃんともらえばかなり解決できるのでは?」といった疑問で矮小(わいしょう)化され、個人の責任にすり替えられがちだ。

 数年前、就職氷河期に非正規社員の道を余儀なくされた人たちが、「助けて」と言えずに孤立したり、食事も取れずに餓死するという事件があった。この時代に「餓死する」とは、信じがたい出来事だが、取材する中で、生活保護の相談に行ったことが、孤立の引き金になった人がいることがわかった。

 「まだ、若いんだから、もう少しがんばって仕事探してみなさい」──。

 こう言われたことで、二度とSOSを出せなくなってしまったのだ。

 彼らは一見すると健康に見える。何よりも若い。なので、相談された人も「もう少しがんばって」と励ました。

 だが、彼らの心は既にズタズタだった。藁(わら)をもつかむ気持ちで相談にいったのに、「がんばって」と突き放され、心も体も金縛りにあったように動けなくなってしまったのだ。

1016チバQ:2020/05/27(水) 18:50:33
 実は冒頭の「僕は運が良かった」と繰り返した男性も、そのひとりだった。

 彼は地方の有名国立大学に進学しながらも、就職できずにフリーターの道に進み、結婚もできずに30歳を過ぎてしまったという。

 「正社員の経験がないと、中途採用にも応募できない。年齢的にもどんどん厳しくなり、30を過ぎると応募できる会社自体がなくなる。周りの視線も厳しくなっていきました。『落ちこぼれ』『負け組』などと、自業自得と言わんばかりのレッテルを貼られ、自己嫌悪に陥りました。俺はなんてダメな人間なんだろう、って。ホント、最悪でした」

 生活や将来への不安と、自尊心が限りなく低下し、「もうどうにでもなれ」とホームレスになったときに、たまたま出会ったのが焼鳥屋さんだった。

 弱い立場にならないと見えない景色がある。彼が「僕は運が良かった」と繰り返したのは、その景色を見た経験があったからだ。

 そして、「私たちの感触では、本当にいつ悲惨な事件が起きてもおかしくない」という赤石理事長の懸念も、その景色を実感できるからなのだろう。

●格差拡大で80年代以降先進国の貧困が問題に

 そもそも先進国が相対的貧困を貧しさの指標に用いるようになったのは、1980年以降だ。それまでは絶対的貧困の方が重視されていたのだが、先進国で格差が広がり始めたことで、相対的貧困が注目されるようになった。

 絶対的貧困が「人が生きていく上で最低限必要な生活」を主要な論点にしているのに対し、相対的貧困は「貧困がどの程度社会に容認されているのか?」という問題意識が根底にある。すなわち「広がり過ぎた格差=相対的貧困率」を捉えれば、貧困の背後に隠された低賃金の労働要因、ひとり親世帯や高齢者世帯などの家族要因、病気などの医療要因、学歴格差などの教育要因などを、時代を追って分析すれば「私たちの問題」を具体的に知ることができる。

 例えば、経済格差が拡大し始めた1995〜2001年の厚生労働省の「所得再分配調査」から所得の中央値と貧困線、貧困率を推定すると、中間層の所得水準は、1995年の284万円台から01年は262万円台に落ち込み、貧困ラインは142万から131万円と10万円低下。相対的貧困率は、15.2%から17%に上昇していたことが分かった。

 そこで95年の貧困ラインを基準にして相対的貧困率を推定したところ、01年の貧困率は20%。なんと5世帯に1世帯が貧困ライン以下という、かなり衝撃的な状況になってしまったのだ(「日本の貧困と労働に関する実証分析」橘木俊詔、浦川邦夫)。

1017チバQ:2020/05/27(水) 18:50:52
 また、過去10年間における貧困率の上昇には、「単身世帯(主に単身高齢者世帯)」「高齢者の世帯」「大人1人と子供1人の世帯」の増加が影響していていることも分かっている(「相対的貧困率等に関する調査分析結果について」平成27年12月18日)。

 日本では貧困層の約9割が働いているので、ワーキングプアの割合を年齢階級と性別に見ると、もっと「今の日本社会の問題」が分かる。

 ご覧の通り、男性のワーキングプア率は20代後半から減少し、50代になると増加に転じ70歳で急増する。一方、女性は25〜29歳では低下するがそれ以外は一貫して男性より高く、70代になるとさらに差は広がっていく。

 別の調査からは、この30年間で働き盛り世代の非正規化の問題も指摘されている。男性の25歳〜34歳では4%から14.4%に増加し、そのまま高水準が続いている。

 このような年齢別、性別格差をもたらしているのは、第1に、正規雇用と非正規雇用の賃金格差。第2に、男性と女性の雇用格差による賃金格差だ。非正規社員男性の生涯賃金は約6200万円、これは正社員の約4分の1(正社員男性=約2億3200万円。みずほ総合研究所の試算)。非正規の年収では、男性229万円に対し女性はわずか150万円になってしまうのだ。


 ……とまぁ、数字を立て続けに紹介してしまったけど、とにもかくにも貧困ラインは年収122万円。月々の所得は10万円程度。その生活が、コロナ禍で突然途切れた。今すぐにでもお金が必要なのに、なかなか届かない。いつになったら次の仕事が見つかるか分からないのに、そのあとの支援は決まっていない現状がある。

 個人的には今こそ、「ベーシックインカム(最低限所得保障)」を導入したらいいと考えている。ベーシックインカムの考え方自体は18世紀に生まれたものだが、1980年代以降、格差問題から注目され、「ピケティに次ぐ欧州の知性」と称されるオランダ人歴史学者のルトガー・ブレグマン氏により、さまざまな国で「導入実験」の機運が高まった。

 ブレグマン氏は「Poverty isn’t a lack of character, it’s a lack of cash(貧困とは人格の欠陥によるものではない。貧困は現金の欠如によるもの)」と説き、ホームレスなどは最初から怠惰だったわけではないし、貧困層が薬物をより頻繁に使用するのは、基本的欲求(寝食住)が満たされていないからだと訴えた。

●現状はベーシックインカムを再考する機会

 2年前に、こちらのコラムで取り上げ、みなさんからご意見を募集したところ、たくさんの前向きな意見、懸念点などを書いていただいた(参考コラム下記:「働かなくてもカネがもらえる」から働くんです)。

 残念ながら、サイトが変わってしまいコメント欄が削除されてしまったのでそれを見ることができないのだが、「財源の問題」が多かった。

 ならば、今こそ、困窮している人たちに焦点を絞った追加の経済対策を盛り込み、実証実験も兼ねてやってみてはどうだろうか。


河合 薫

1018チバQ:2020/05/27(水) 21:40:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/bebe1de7d067bc24c52393cf9ef3d5db42a26e52
【特集】仕事も住民票もないホームレスたちに“10万円”は届くのか...「西成・あいりん地区」で弁当配り見守る女性の活動
5/27(水) 16:51配信

MBSニュース
MBSニュース

新型コロナウイルスの感染拡大は、大阪市西成区にある日雇い労働者の街「あいりん地区」にも大きな影響を及ぼしています。日雇いの仕事が激減し、さらには住民票がないホームレスたちにどうやって10万円の給付金を支払うのか、街の現状を取材しました。

「今が一番大変」居酒屋の店主
居酒屋「集い処はな」の店主・尾崎美代子さん

大阪市西成区にある日雇い労働者の街「あいりん地区」で、居酒屋「集い処はな」を営む尾崎美代子さん。店内には手書きのメニュー表がかけられています。

「きょうのメニュー、毎日変えています。一番高いのは造りで350円、あとは300円とか200円です。」(尾崎美代子さん)

18年前に始めた店は、普段は日雇い労働者や地元の住民たちで賑わうのですが、4月以降は客足が激減しました。

「今が一番大変なんちゃう?今、大変よ。(Qお客さんは減った?)そう。(Q何割くらいの減少ですか?)半分くらいじゃない?」(尾崎さん)

店内の消毒を徹底し、客同士の距離を保って営業を続けていますが、会話はやはり新型コロナウイルス一色です。

(尾崎さん)「やっぱり第二波怖いな。また閉鎖になっているの?違うよね?」
 (男性客)「特定のクラブとかディスコだけや。」
(尾崎さん)「ふーん。」

“マスクをしていない人”が目立つ街
「あいりん地区」の様子

「あいりん地区の厳しい現状を知ってほしい」と尾崎さんが街を案内してくれました。

  (記者)「あんまりマスクしている人いないですね?」
(尾崎さん)「いないですね。『体を守らなくちゃ、大丈夫かな?』という気持ちも萎えているのかな。『それよりまず食うことだ』ということじゃないかな。」

萩之茶屋南公園(通称:三角公園)

外を歩くと、マスクをしている人はまばらで、街の中心に位置する萩之茶屋南公園(通称:三角公園)に居る人たちもほとんどがマスクをしていません。

三角公園で話を聞いた男性

男性に話を聞きました。

  (記者)「普段はマスクされますか?」
  (男性)「いや、普段は…。」
(尾崎さん)「しなきゃだめよ。」
  (男性)「第二波とか言ってますけど、この人まずいなと思ったら、僕は(その人の)風下には行かない。」

新型コロナウイルス感染拡大で“炊き出し中止”
尾崎美代子さん

この公園では長年にわたって支援団体が日雇い労働者たちのために炊き出しを行ってきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は中止されています。

(尾崎さん)「毎週火曜日と土曜日に炊き出しやるんですよ。それが大体300食から400食だったんですよね。知っている人がやっているんですけど、ばーっと並ぶので、三密になるから中止になったので、結構困っている人いるんじゃないかな。」

日雇い労働者が大半を占める街ですが、多くの建設工事がストップしている影響で、今は仕事がほとんど無いといいます。ある会社の扉には「コロナの影響で仕事はありません」と張り紙が貼られていました。

  (記者)「この会社だけの話じゃない?」
(尾崎さん)「じゃないと思いますよ、うちのお客さんもそうなので。ゼネコンでも止めているところもあるでしょ。新型コロナウイルスが出たっていうので。うちのお客さんのところの現場は、中国からの資材が入らないからストップしているとか。」

1019チバQ:2020/05/27(水) 21:42:22
弁当とマスクを「無償配布」
手作りのお弁当やマスクの配布を準備する尾崎さん

厳しい生活を強いられている日雇い労働者やホームレスたちのため、尾崎さんは5月初めから手作りのお弁当とマスクの無償配布を始めました。お弁当には白米に玉子焼き、肉団子や野菜炒めなどが詰められていました。

尾崎さん、路上で次々に声をかけ、お弁当とマスクを手渡します。

(尾崎さん)「お父さん、弁当食べ。」
  (男性)「ありがとうございます」
(尾崎さん)「お父さん、野宿している?」
  (男性)「うん。」
(尾崎さん)「この辺?」
  (男性)「うん。」

(尾崎さん)「お兄さん結構若いもんな。」
  (男性)「まあまあまあ。」
(尾崎さん)「まぁ10万円もらえるように頑張りましょうね。」

最近よく話題にのぼるのは10万円の特別定額給付金についてです。

(記者)「今はお仕事は?」
(男性)「仕事なんてあるわけないやんけ。現場全部ストップしている。」
(記者)「生活保護を受けていないのですか?」
(男性)「受けたくないもん、わしにも意地があるわ。」
(記者)「10万円は大きいですよね?」
(男性)「大きいよ、トクソウ(高齢者特別清掃事業)で3万円ちょっとくらい、月に。4万円も出ない。それでわしは生活している。(10万円は)3か月分だから。」

1020チバQ:2020/05/27(水) 21:46:25
遠い10万円給付…「住民登録がない」「どこに登録しているか分からない」「定まった住所がない」
MBSニュース

政府が打ち出した、全国民に10万円を支払う特別定額給付金。対象は「4月27日時点で国内に住民登録されている人」と規定されていますが、ホームレスの中にはそもそも住民登録がない人や自分がどこに住民登録されているのかわからない人がいるのです。

住民票がどこにあるかわからないと話す男性

尾崎さんが声をかけた男性に住民票について聞いてみました。

(尾崎さん)「住民票どこやったっけ?」
  (男性)「何十年もほったらかしのまんまや。」
  (記者)「住民票がどこにあるかわかりませんか?」
  (男性)「うん、最近の住所は堺やけど。本籍地に戻っているんちゃうかな。19歳の頃からほったらかしやから。」

政府はホームレスやネットカフェ難民など住民登録されていない人について、新たに登録を行えば給付を行うとしていますが、ホームレスには住民登録できるような“定まった住所が無い”という問題があります。

“住民登録を抹消させられた”2088人
“住民登録を抹消された”と話す男性

さらに、尾崎さんは「あいりん地区には住民登録を抹消された人が大勢いる」と話します。取材中に声をかけた中にも、実際にそう話す男性もいました

かつてあいりん地区では、約45平方メートルの土地などに3000人以上の住民登録が行われていました。これは日雇い労働者が失業保険の給付を受けるためで、区役所の担当者も黙認してきたものでした。しかし2007年、大阪市は他の場所へ移さなかった2088人の住民票を削除。それ以降、新たに住所登録せずにどこにも住民票がないままのホームレスが存在しているのです。

  (記者)「(当時削除された2088人の)住民票が今も無いかもれない?」
(尾崎さん)「そうですね。それから年も経っているので、亡くなった人もいるだろうけど。」

日本共産党 清水忠史衆院議員

住民登録がない人たちにどうやって10万円を給付するのか。5月20日、国会でもこの問題が取り上げられました。

「住民登録ができないという路上生活者の方々を、どう特別定額給付金からこぼれ落ちないように支えていくのか、支援していくのかっていうのは喫緊の課題。」(日本共産党 清水忠史衆院議員)
「現に居住している市区町村と認めていただけるように、必要な支援が行われるように総務省としても取り組んでまいりたい。」(総務省 斎藤洋明政務官)

1021チバQ:2020/05/27(水) 21:46:52
「住民票無い人にも給付を」大阪市に要望書を提出
尾崎さんらが大阪市に提出した要望書

尾崎さんは現在、支援団体らと共に給付の実務を担う大阪市に対して、「住民票を持っていない人へも支給してほしい」などと要望しています。一方、大阪市は「給付金制度は国の制度で、実際に住んでいる場所に住民登録がされている人にしか給付することはできない」として、話は前に進んでいません。

尾崎美代子さん

「働いていないから、税金も払っていないし、そんな人に(給付金10万円を)やらなくていいじゃないかって思う人もいるかもしれないけど。自分の仕事に誇りを持って何十年生きてきて、何の事情かわからないけど、色んな事情で野宿になったわけだから。住民票がないともらえないかもしれないっていうのは、ものすごく理不尽だと思います。貧しい人の方が今回の新型コロナウイルスも大変なんじゃないかな。」(尾崎美代子さん)

(5月26日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

1022チバQ:2020/05/31(日) 23:41:18
https://news.yahoo.co.jp/articles/ebcb289c89f775b12662ba72aa889227b6a6210e
コロナ失業で「所持金1000円」…生活保護の申請、各地で急増
5/31(日) 13:51配信

読売新聞オンライン
(写真:読売新聞)

 政府による緊急事態宣言が発令された4月、生活保護を申請する人が各地で急増していたことが明らかになった。外出自粛や休業で経済活動が停滞し、生活苦に陥る人が相次いでいる現状が浮かび上がった。宣言は解除されたが、経済の復調には時間がかかるとみられ、今後さらに申請者が増える可能性もある。 (田中文香、戸田貴也)

■イベント激減で警備の仕事減

 「仕事も住む場所もなく、不安だった。生活保護を受けられて安心した」。東京都内の警備会社で働いていたもののイベントの中止が相次ぎ、困窮していた男性(49)は、胸をなで下ろした。

 男性は、新型コロナウイルスの影響で警備の仕事が激減。別の仕事を探そうと3月末に会社を辞めた。ネットカフェやカプセルホテルを渡り歩きながら職探しをしていたが、4月に緊急事態宣言が発令され、転職先として期待していた企業の面接も中止に。所持金も徐々に底をつき始めた。

 東京都豊島区内の公園で行われた民間団体の相談会に参加したのを機に、区の福祉窓口に生活保護を申請した。現在は都の支援事業に頼ってビジネスホテルで暮らし、来月にはアパートに移る予定だが、仕事のめどは立っていない。

 男性は「他にも多くの失業者がいる今、仕事の奪い合いになるかもしれない」と不安を口にする。

 生活困窮の相談を受け付けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」(東京)など18団体が5月に行った電話相談では、相談者99人の2割が「所持金は1000円以下」と答えた。20〜30歳代の若い世代からの相談が目立つという。

 職業訓練校をやめて4月から働こうと考えていた都内の男性(28)は、緊急事態宣言の影響もあって仕事が見つけられず、ネットカフェで寝泊まりを続けた。今月、生活保護の受給が決まったが、「こんなに求人がなくなるとは思わなかった」と肩を落とす。

■京都、外国人客89%減…解雇や収入減に悲鳴

 京都市では、4月の申請件数が388件と、前年比で1・4倍に増加。市観光協会が市内のホテル59施設を対象に行った調査では、3月の外国人宿泊客数が前年比で89%減少したといい、タクシー運転手や宿泊施設の清掃員、飲食店経営者らの申請が相次ぐ。「解雇された」「月収が半減した」と、窮状を訴える声が後を絶たないという。

 仙台市でも、4月の申請は前年比1・4倍の193件に増えた。相談は826件で、前年の2倍以上となっている。市によると、2011年の東日本大震災後も、収入減などで生活保護の相談に来る人はいたが、当時は全国から多くの義援金が寄せられた。同市宮城野区保護課の担当者は「今回は収入の補填(ほてん)が少なく、申請や相談はさらに増えそうだ」と語る。

■夏に申請の「第2波」か

 厚生労働省によると、収入減で家賃を支払えなくなった人に一定期間、家賃相当額を支給する「住居確保給付金」の申請は、4月に8700件に上った。こうした公的支援に頼って生活を維持する「生活保護予備軍」は多いとみられる。

 貧困問題に詳しい明治大の岡部卓専任教授は「生活保護申請の4月の急増は『第1波』で、今後貯金を取り崩して生活する人が仕事を得られず、夏に申請の『第2波』が来る可能性がある。生活保護や給付金の相談を1か所で受け付けるワンストップ窓口を市区町村に設け、国や都道府県が財政支援や職員派遣をする仕組みが必要だ」と提言している。

■車所有でも容認 厚労省通知

 今回のコロナ禍で生活保護を申請する人の中には、緊急事態宣言を受けた休業要請などで一時的に困窮に陥った人も多い。収入が戻った時にスムーズに生活を再建できるよう、厚生労働省は、通常は認めていない車や店舗などの財産の所有を例外的に認めることを決定。4月に都道府県を通じて全国の市区町村に「柔軟な容認」を求める通知を出した。同省は当面、この方針を維持するという。

 また、通常は生活保護の申請があれば、市区町村の職員らが自宅を訪問して生活状況などを調査するが、今回は訪問を通じてウイルス感染が広がるリスクを考慮し、同省は電話での調査も認めている。

1023チバQ:2020/06/01(月) 18:53:45
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/business/nishinippon-1000612953.html
「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら
2020/06/01 06:00西日本新聞

「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら

「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら

(西日本新聞)

 新型コロナウイルスの影響による雇用悪化が底なしの様相を呈している。厚生労働省によると、5月28日時点でコロナ関連の解雇や契約が更新されない雇い止めは見込みを含め九州7県で1356人、全国では1万5千人を超え、派遣社員らがその矢面に立たされている。企業などは休業を経て営業を再開したものの、本来の事業活動レベルには戻っておらず、事態のさらなる深刻化が懸念される。

 「『もう仕事がない』と派遣先の建設会社から言われ、寮を追い出された」(50代男性)、「仕事がなくなり、ご飯を食べるお金もない。親とも縁が切れていて頼れる人もいない。死にたい」(若い男性)-。失業者らを支援する福岡市の団体にはコロナの影響で職を失った人からの悲痛の声が連日、寄せられている。

 厚労省によると、解雇や雇い止めは、2月の282人から5月は1万2052人と大幅に増加。九州7県は、福岡447人▽佐賀89人▽長崎276人▽熊本76人▽大分109人▽宮崎62人▽鹿児島297人-だった。宿泊や飲食、製造業が多く、50人規模の大量解雇をした企業もある。

 「会社に尽くしてきたのに納得いかない」。派遣社員として九州北部の卸関係会社に勤める40代女性は、6月末での契約終了を突き付けられた。派遣社員は四半期ごとの契約が多く、7月からの四半期は、5月には更新の有無を言い渡す会社が多い。女性もその一人。事務職での契約を3カ月ごとに更新し、次回契約は7月からのはずだった。

 4月上旬に同僚が発熱で欠勤し、自身は勤務中に軽いせきが出た。熱は37度台前半。約1週間、自宅待機し、上司に在宅勤務を命じられた直後、派遣会社の担当者が自宅を訪れた。「熱が出ている人に仕事はさせられないと(派遣先が)言っている」。在宅勤務に差し支えはないと訴えたが、職場から持ち帰ったパソコンは取り上げられた。

 時給千円。ほそぼそと暮らしを営みながら、仕事は熱心にこなしてきた自負はある。「同僚は復帰したのに…。私が派遣だから真っ先に切られたのなら悔しい」と唇をかんだ。

 全国の労働局が2月に開設した特別相談窓口には、雇用調整助成金や解雇、雇い止めなどの相談件数が約54万8千件に上り、九州7県でも約6万4千件に上る。厚労省は「コロナの影響が顕在化しており、今後も増えてくると思われる」と話す。

 福岡市の飲食店の男性アルバイト(30)は、店の営業時間短縮に伴い、勤務がコロナ流行前の半分の週1〜3日に減った。最短で1時間勤務もあり、4月の給料は多い月から10万円ほど減り、1万4千円だった。

 同市中央区のハローワーク福岡中央に週2日通い、求人票に目を凝らすが、条件に見合う職はない。雇い止めなどの話を聞くたび、不安が襲う。「先が見えず、精神的にきつい。自分もいつ解雇されるか分からない」 (横田理美、小林稔子、郷達也)

1024とはずがたり:2020/06/04(木) 09:16:53
「口座ない人は反社勢力」と除外
高知市、10万円早期支給窓口で
https://this.kiji.is/641058105512051809?c=39550187727945729
2020/6/4 08:35 (JST)6/4 08:47 (JST)updated
c一般社団法人共同通信社

 国民1人に10万円を配る特別定額給付金を巡り、高知市が生活困窮者に早期支給するための特別窓口を設けた際、金融機関の口座を持たない人を「大半が暴力団などの反社会的勢力」との偏った認識で、除外したことが4日、分かった。申請書に口座がない場合に希望する別の受給手段を書く欄を設けていなかった。

 路上生活者や生活保護受給者の中にも身分証明書がなく、口座がない人はいる。実際5月1〜29日の申請期間中、十数人が訪れた。市は欄外に事情を記入することで受け付けたが、初旬には窓口をたらい回しにされた人もいた。担当者は「一部の人の申請機会を奪ったかもしれない」と不備を認めた。

1025チバQ:2020/06/04(木) 11:34:44
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5b8db7d30c32e7c677ce48ae80fe1ec24057122

仕事失い炊き出しも減 月収3万円の路上生活者「食べられるだけマシなのか…」〈AERA〉




6/4(木) 9:00配信


AERA dot.







東京・山谷で5月下旬にあった炊き出し。新型コロナの影響で回数を増やして平日は毎日行っている。山谷周辺の炊き出しが減ったためだ(撮影/編集部・小田健司)
 緊急事態宣言が解除され、かつての「日常」が徐々に戻りつつある。一方で、雇用や教育格差などの社会の歪みは、今後、さらに表面化する可能性もある。AERA 2020年6月8日号では、コロナ禍であぶり出される格差や貧困を取材した。

*  *  *
 板で組み立てた簡易なテーブル。飯が盛られた容器が150個ほど並べられ、バケツに入った汁ものがひしゃくですくわれ次々とぶっかけられていく。

 5月22日の午前8時。東京・山谷地区の一角を訪れると、炊き出しが行われていた。路上生活者や「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所に身を寄せる人たちが大勢集まっている。

「距離をとって下さい!」
「マスクがない人はいますか」

 順番を待つ人たちに男性が声をかけていた。ただ、これはいつもの風景というわけではない。

「これまで週1で日曜の午後だけやっていたんですけど、4月からは平日も毎日やるようにしたんですよ」

 炊き出しを仕切っている山谷労働者福祉会館活動委員会・山谷争議団の向井宏一郎さん(48)は、そう話す。

 向井さんによれば、新型コロナウイルスの影響で生活困窮者向けの炊き出しは各地で減った。上野などを含めて山谷の付近であった炊き出しも、3分の1ほどになったという。「密」回避のためと言えばそれまでだが、向井さんは逆に増やした。

「仕事と炊き出しの両方が止まるとどうなるか。何とかしないと命がもたない」(向井さん)

■食べられるだけマシ

 15年ほど山谷で路上生活を続けているという男性(75)も話をしてくれた。

 九州出身。生活保護は受けず、周辺で寝泊まりする。都の清掃事業に月に何度か参加し、1回7千円ほど稼いでいた。だが、緊急事態宣言が発令された翌4月8日から事業は止まった。「感染拡大防止のため」(都担当者)だった。

 男性の仕事は今、空き缶を拾って売るだけだ。キロ単価が90円程度で、コロナ前より数十円下がったという。

「1カ月で手に入る現金は3万程度、あちこちの炊き出しに出向いて何とか食いつないでいる。食べられるだけマシだと思わなきゃいけないのか……」

 福岡県北九州市で32年間にわたりホームレスの支援を続けているNPO法人「抱樸(ほうぼく)」の理事長で牧師の奥田知志(ともし)さん(56)が言う。

「ウイルスは金持ちも貧乏人も有名人も平等に感染します。ただ、そこから発生する被害は明らかに格差が出てくる。社会が以前から抱えてきた矛盾や格差、脆弱性(ぜいじゃくせい)が新型コロナのような災害時に拡張して露呈しているのです」

 路上生活者のケースでは、たちまち憲法で保障されている生存権が脅かされる。コロナ禍が社会の歪みをあぶり出しているかのようだ。

 それは、子どもの貧困問題でも同じことが言える。

■孤立しやすい貧困層

 5月下旬の夜、関東地方の母子家庭の困窮世帯で中学生と小学生の兄弟げんかがあった。母親は不在で、兄が刃物を持ち出すまでに発展した。幸い大事に至らなかったが、翌日になっても怒りが収まらない兄の様子を見て、母親が警察に届け出た。

 家族を知る関係者によれば、コロナによる学校の休校後、兄の精神状態が安定せず、母親は「最近は暴力が始まり、まずいと思っていた。次は本当に刺してしまうかもしれない、もう手に負えないと思い、通報した」と話していたという。兄は児童相談所に保護された。

 東京都の川野礼(あや)さん(31)が足立区で開いていた「あだち子ども食堂 たべるば」は、休校に伴い3月以降は区の要請もあって開けずにいる。学校も子ども食堂もない状況を憂う。

「富裕層と比べて社会との接点を持つ機会が少なく、孤立しやすいのが貧困層です」

 別の方法で支援が必要と感じ、川野さんは4月上旬までの1カ月以上、十数世帯に1日1回、昼間に弁当を届けた。それ以降は、孤立を防ぐためにiPadを公共施設から手配して特に生活が困窮している6人の子どもに貸与し、毎晩1時間ほど、テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」で話している。

 保護者が不在の日中、子どもたちは誰とも話をしない。家庭の中のことで、よほどのことがなければ公が介入することもない。川野さんが続ける。

「数カ月間もそうした状況に置かれることの心身への影響は大きく、それはセルフネグレクトや家庭内暴力などの形で表れます。最初から学校と連携して対応できたら良かったのですが、今後の課題にしたい」

(編集部・小田健司)

※AERA 2020年6月8日号より抜粋

1026チバQ:2020/06/15(月) 18:54:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/e16ce34388a6974942460678b1c380e3b3b6bb4e

収入減なのに出費は増える…急を要するシングルマザーへの支援
5/24(日) 8:51配信

週刊SPA!


電話相談は週2回、年間500件以上もの相談が寄せられている
 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。

⇒【写真】企業などから寄せられた物資



助けたいのに手が出せない。追い詰められる「支援現場」
 新型コロナの感染拡大は、シングルマザー世帯への影響も甚大だ。母子世帯を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が会員へ行ったアンケート(調査期間’20年4月2〜5日、回答数215人)では、新型コロナの影響で約半数の世帯が収入減し、6%は収入ゼロという結果になった。同法人の小森雅子氏が話す。

「シングルマザーは就労人口こそ多いものの、そのうち6割以上がパートや派遣社員などの非正規で、雇用状況はきわめて不安定です。また、収入が減る一方で、子供の休校などで出費は増える。日頃からギリギリの世帯では、少しの負担増も大きくのしかかります。『食費や光熱費が増えた』『子供の入学費用とも重なり、生活費が捻出できない』『子供の預け先がないのでパートのシフトに入れない』という声が毎日何件も届くんです」

 政府の緊急経済対策支援では、一人あたり約1万円の児童手当の加算が決定している。

「ただ、児童手当の対象は中学生まで。家計の担い手になる高校生もアルバイトの機会が減っているため、食べ盛りの子供を抱える家庭への負担は大きいままです。不安のなかで労働と育児で疲弊した親からは『子供に手を上げてしまいそう』という相談もあります」

 また、一人親の場合、感染したときのリスクも大きい。

「『私が倒れたら子供はどうすれば』という不安も寄せられています。狭い家の中で子供を放っておきながら隔離できるわけがないし、もし入院となれば身寄りがない子供はどこで預ってくれるのか」

 これまではセミナーや面会を通じた支援も行ってきたが、感染予防の観点から直接会っての手助けができない。そこで、同法人では3月の初めから一斉休校を乗りきるための食糧支援を始めた。

「全国の支援団体と共に、1100世帯にお米を送りました。また就労支援セミナーやイベントが軒並みできないので、電話相談のほかに、Zoomを使って会員同士がおしゃべりする『ママカフェ』も始めています。母親が外に助けを求める機会が減っているし、少しでも息抜きをしてほしいので」

 感染リスクとも闘いながら、支援を続けるべく知恵を絞っている。

1027チバQ:2020/06/15(月) 18:55:11

「経済的に厳しい」「親の帰宅が遅い」など、さまざまな理由で満足に食事をとれない子供たちに対し、無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」にも新型コロナの影響が出ている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事の釜池雄高氏が現状を話す。

「小学校の休校要請が大きなターニングポイントでした。あれによって子ども食堂を休止、もしくは延期する場所が多く出てきた。それでも3割くらいの子ども食堂は継続していたのですが、緊急事態宣言でほぼ休止に。運営者の方々のなかには『苦しんでいる人たちがいるのに、助けられない』というジレンマを抱えている方が多いと思います」

子ども食堂も休業、無念な胸中
 西東京市にある子ども食堂「おひさまキッチン」もギリギリまで活動してきた一つだ。同食堂では中学生以下は一食10円で食事を提供してきたが、緊急事態宣言を受けてついに休業。代表の大熊英樹氏が無念な胸中を語る。

「悔しいですね。やっぱり子供たちを見ているとそう簡単に休みたくなかった。ウチは貧困などに関係なく“子供たちが楽しく集まれる場所”をテーマにしていますが、やはり中には家庭環境がいいとは言えない子や、母子家庭でお母さんが働けない状態の子もいます。どうにもできない今の状況を理解していますが、一度橋を架けておいて『緊急事態だから』という理由で急にやめるのはどうしても心苦しい。『あの子たちはどうしているかな』と、考えてしまう」

 ただ、食堂は開けられなくとも、食材や弁当を家庭に配布するなど、全国各地で、子供の食を守るための動きが出始めているという。

「子ども食堂は民間から始まったフレキシブルな活動なので、その柔軟さが生きている部分もある。今後も状況に応じて、各運営団体が動くと思います」(釜池氏)

「一刻も早く子供たちの“当たり前の日常”を取り戻したい」(大熊氏)

 一人でも多くの子供が、また笑顔になれることを願うばかりだ。

●支援の問い合わせは「NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」まで。メール/cr@musubie.org
<取材・文/週刊SPA!編集部>

1028チバQ:2020/06/17(水) 19:35:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/cccc56107080b8535db2ec6e1af5bae4d85424f1
年収300万円以下・貯金ほぼゼロでも焦りなし…まったり貧困の共通点
6/8(月) 8:53配信

週刊SPA!
※写真はイメージです

 国税庁の発表によると日本の給与所得者の平均年収は441万円だ(2018年)。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、貯金もほぼないが、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす人が増えているという。その実態に迫った。

低価格サービスと働き方の多様化がまったり貧困を生む
 平成30年分の給与所得者の平均年収である441万円(民間給与実態統計調査)は、貧富の格差を含めた“平均値”であり、実際には年収300万円程度(あるいは下回る)の低所得者層が大きな割合を占めているのが現実。そのなかでも、貯金がほぼゼロでも好きなことをして暮らす、はたから見るといつ生活苦におちいってもおかしくない予備軍=“まったり貧困”が増えている。

 彼らに貧困の自覚はなく、むしろそこそこ楽しい現状に満足している様子が窺えるのだ。その理由を貧困問題に詳しい社会福祉士の藤田孝典氏が解説する。

「総務省が発表している『労働力調査』を見ると、非正規社員が労働者全体の約4割を占め、この割合は年々増加傾向にあります。つまり、“非正規雇用”で低賃金という働き方が当たり前になりつつあることが見て取れます。

 また、正社員でも2000年頃の氷河期世代に新卒採用された人は基本給が低く抑えられているため、年収300万円台はザラ。そして社会には、低所得者層をターゲットにした低価格のサービスや商品が溢れ、低収入でも生活するには十分な環境が整っています。結果、“低所得でも問題ない”というマインドが形成されたのです」

 加えて、長期デフレと経済の停滞で、“マシ”が蔓延し、「働けるだけマシ」と考え、低賃金でも納得する人が増えているという。

 また『労働力調査』によれば、非正規で働く主な理由としてもっとも多かったのが「自分の都合のよい時間に働きたいから」で、全体の約3割を占めた。自ら非正規雇用を選んでいる現状もあるのだ。

「終身雇用神話は崩れ去り、給料はほとんど伸びないのに責任だけが大きく、長時間労働や人事権による支配から逃れられない。そんな正社員に魅力がないと考える人は少なくありません。彼らが重要視するのは、プライベートです」

1029チバQ:2020/06/17(水) 19:35:24
まったり貧困が迎える未来は老後破産!?
 とはいえ、非正規雇用・低所得・貯金ナシで好きなことをできるのは“今”だけの話だ。

「日本の年金制度は、マイホームを持ち、老後は夫婦2人での暮らしをベースに構築されています。賃貸や独身という時点で、年金生活は成り立たなくなります。つまり、破産のリスクがあるのです」

 無自覚な貧困は、日本経済全体にも深刻な打撃を与える恐れが。

「今、中間管理職すら非正規社員が担う事例が増えています。中核的な正社員の育成を放棄すれば、当然企業の中長期的な成長はない。このままでは日本経済全体がスカスカになる危険性があります」

 では、そんなリスクを秘めた“まったり貧困”に陥りやすい人の共通点とは? これまで数多くの貧困予備軍の財務状況を改善してきたファイナンシャルプランナーの田中佑輝氏はこう語る。

「自由に使えるお金が多く、浪費癖がつきやすい実家暮らしや社宅族の独身者がまず挙げられます。続いて、“リボ払い”を利用している人も金融リテラシーが低く、貧困に陥る傾向があります。また、転職や引っ越しなどによって収支の状況が変わったのに、生活水準を変えられない人も同様です」

 最初の就職も重要だ。

「大卒なのに新卒一括採用を活用せず、非正規雇用から就職をスタートさせる人もまったり貧困化する可能性が高いですね。正社員という職位と待遇を経験して知っておいたほうがいいかと」(藤田氏)

 さらに、田中氏のところに来る相談者には、ある癖があるとか。

「『子供の養育費で』『部下には奢らなきゃいけないので』など、お金がないのを人のせいにしがちです」

 そんな“まったり貧困”の実態を収録。己の現状と比較してもらいたい。

●まったり貧困の共通点

□自由に使えるお金が多い。実家暮らしや社宅族
□生活が変化しても生活水準を変えられない
□リボ払いやキャッシングを利用している
□お金が足りないことを自分のせいではないと考えている
□大学卒業後に選んだ最初の就職が非正規雇用

【藤田孝典氏】
社会福祉士。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学心理福祉学部客員准教授。専門は現代日本の貧困問題と生活支援。著書に『棄民世代』(SB新書)など

【田中佑輝氏】
ファイナンシャルプランナー。アルファ・ファイナンシャルプランナーズ代表取締役。実践的な資産運用が好評。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』(アスコム)

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/渡辺貴弘>

―[まったり貧困で生きる]―

1030チバQ:2020/06/17(水) 19:36:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/32707ac495c217241b66dd95f9d95593cecb62c6
非正規雇用の40代・月収20万円…それでも正社員を目指さないワケ
6/14(日) 8:55配信

週刊SPA!
鉄道に乗って旅さえできれば満足という中野さんの旅費は5泊6日で3万円ほどだという

 国税庁の発表によると2018年の日本の平均年収は441万円だ。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす無自覚な貧困層が増えているという。その実態に迫った!

非正規雇用でも趣味と貯金には十分で不満ナシ
▼瀬戸際に立つ40代のまったり貧困:中野伸弘さん(仮名・42歳)

 就職氷河期に就活で失敗し、非正規雇用のまま40代を迎えている人は多い。工場で派遣社員として働く中野伸弘さん(仮名・42歳)もその一人。大学卒業後の20年間、派遣社員や契約社員として職場を転々としている。

「今の月収は20万8000円。贅沢には程遠いけど、独り身なので生活には困っていません。現状車がなくても十分生活できているし、若い頃に比べると物欲もないのでおだやかな生活ですね(笑)」

 ギャンブルも一切せず、お酒も1〜2か月に一度、外で飲む程度なのだとか。

「アルコール自体がそんなに好きじゃないので、家飲みもしません。平日は職場と家を往復するだけの生活なので、安月給でも少しずつ貯金もできていて、300万円ほどあります」

 質素な生活を送る中野さんの唯一の趣味が、鉄道を使った旅だ。

「鉄道が好きで、3日以上休みが取れるときは乗り鉄の旅に出ていました。旅といっても移動はJRの普通列車乗り放題の『青春18きっぷ』や周遊券などの割安の切符だし、泊まるのもゲストハウスやネットカフェなので出費は少なめです。今は私のような契約社員でも有休が取りやすいので、旅にも出やすいですね」

 とはいえ、中野さんの職場では、同じ仕事内容でも非正規社員と正社員とで、年収で100万円以上も差があるという。正社員を目指す気はないのだろうか?

「30代半ばまでは何度か正社員を目指して就活もしましたが、失敗続きで諦めました。逆に今は、現状を受け入れたことで精神的に楽になりましたね。それに実家を相続する予定なので、この先も住むところには困らないし、いざとなったら売ってお金にすれば大丈夫かなって。あとは非正規なら雇ってくれるところはあると思うので、老後も細々働き続けますかね」

 相続予定の実家は、一軒家で地方ながら街の中心部から近いという。物欲がなく、淡々と働き続ける意欲がある中野さんならば、低所得でも安定した老後を迎えることができそうだ。

【収入】
月収(手取り)20万8000円
――――――――――――
【支出】
家賃 5万4000円
食費 3万5000円
水道光熱費 1万5000円
通信費 1万円
趣味(鉄道) 4万円
保険料 1万5000円
雑費 2万2000円
貯金 1万7000円
――――――――――――
収入-支出の合計 0円

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[まったり貧困で生きる]―

日刊SPA!

1031チバQ:2020/06/24(水) 10:44:33
https://news.yahoo.co.jp/articles/56570aedc5303c396e635bb08ed635376ffbf582
“自粛警察”が低所得層を苦しめる…広がるコロナの被害

6/24(水) 8:45配信

 富裕の懐にも低所得の懐にも、コロナ禍が大きな波を巻き起こしている。では、こうした中で最もダメージを受けるのは果たしてどの層なのか。マクロ経済学に詳しい経済学者の飯田泰之氏は、各層への影響をこう分析する。


資産家と叩き上げの経営者で明暗
「まず資産が1億円以上ある富裕層では、資産家と叩き上げの経営者でハッキリと明暗が分かれます。株や土地を受け継いでいる代々の資産家たちは株価が下がったとはいえ、全面的に資産がなくなるような資産価格崩壊は起きていないので、致命的な状況ではない。商売をしていても一旦はたたみ、資産保持に重点を置いています」

 一方、ビジネスで成功し、富裕層までのし上がった経営者たちは梯子を外された格好だ。

「一代で富を築いた経営者などの新興富裕層たちは、稼ぎを生み出す商売がすべて止まっていますからダメージはかなり大きいです。ますます純粋な資産家と自力で稼いでいる層で差ができてしまい、上流層が二分化しています」

 活発なビジネス展開で大きな雇用を生み出す新興富裕層の没落は、経済全体にとっても影響が大きい。ただ、彼ら以上に打撃を食らっているのは中流層だと、飯田氏は指摘する。



最も深刻な被害を被るのは中流層

「中流層は固定費の比率が大きいのが特徴です。例えば夫の給料が30万円、奥さんのパート代が10万円の典型的な中流家庭では、住宅ローンは月収の3分の1程度13万円ほどが平均的。子供の養育費、生活費などを含めれば毎月20万円は黙っていても出ていく。残り20万円しか余裕資金がない場合、3割でも収入が減少すれば生活は危機的状況となります」

 夫の給料が自宅待機により2割減少し、営業自粛で妻のパート代がゼロになれば、収入はあっという間に4割減だ。

「普通の不況では徐々に給料が下がっていくので、引っ越しなどで固定費を切り詰めることができますが、ここまで鋭角に減少すると節約する時間もなく、いきなり首が絞まる。ですから、現在は中流層が一番厳しいのです」


低所得層への影響はこれから





未熟練でもOK、過去や経歴を問われない飲食店や、水商売などが縮むと、生き延びるために働いている層の受け皿がなくなるという
 一見したところ影響を受けやすいと思われがちな低所得層については、今は影響の度合いが低いと飯田氏は話す。

「低所得層はもともとお金がないので固定費も低いことは有利に働きます。ただ、営業自粛を強いられている飲食店が軒並み閉店していることはこの層に甚大な影響を及ぼします。飲食サービスのように特別な技能を必要としない、未熟練労働市場が崩壊することは由々しき問題です。同様に、スナックや風俗などの夜の店も閉店が相次いでいますが、これらは都市インフォーマルセクターと呼ばれ、未熟練で経歴を問わず働ける点で、社会に必要なバッファーでした。要するに失業者や社会的弱者の受け皿が消滅しているのです」

 リーマンショック時には、飲食サービスが少なからず派遣切りされた人々の受け皿になった。それを発端に飲食店でのブラックバイトが明るみに出たが、コロナ禍ではそれすら消滅するのだ。

「未熟練労働者を吸収してきた飲食業が縮小すれば、あぶれた労働者が他業種に殺到します。彼らは低賃金でも働かざるを得ないので、この層が従事する職種で賃金の下降圧力が強まり、じわじわ低賃金化が進む可能性があります。このような状況を鑑みると、今最も厳しいのは中流層、そしてこれから徐々に悲惨な状況に追い込まれるのが下流層と言えるでしょう」



「コロナとの共存」というマインド

 緊急事態宣言期間は営業中の店を市民が非難するなど飲食サービスへの風当たりは強かったが、こうした“自粛警察”の善意がますます低所得層の行き場を失わせるというわけだ。

「ウイルスによる死者をゼロにすることはできません。インフルエンザや結核、さらには交通事故でも毎年多数の死者が出ている。それでも我々は経済活動を続けてきたわけです。しかし、“自粛警察”や“コロナ脳”などと言われる人々はこのような視点を持たない。彼らのように異常にコロナだけを恐れる行動は極めて危険であり、社会に悪影響を及ぼしていきます。政治にもこのような大きな声だけを拾わず、経済活動を再開させる決断が求められます」

 我々には「コロナとの共存」というマインドが求められている。

【飯田泰之】
経済学者。明治大学政治経済学部准教授。経済政策、マクロ経済学が専門。著書に『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所)など

<取材・文/真島加代・片岡あけの・山中千絵・沼澤典史・松嶋千春・野中ツトム(清談社)松浦達也 撮影/遠藤修哉(本誌)写真/アフロ 時事通信社>

1032とはずがたり:2020/07/14(火) 16:25:29
名古屋の名東区役所職員刺される 刺した60代を殺人未遂容疑で現行犯逮捕 愛知県警
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0714/mai_200714_4113355020.html
7月14日(火)13時33分 毎日新聞

男性職員が刺され騒然とする名東区役所=名古屋市名東区で2020年7月14日午後1時9分、兵藤公治撮影 写真を拡大
 14日午前11時半ごろ、名古屋市名東区上社2の名東区役所で、女性職員から「男性職員が刃物で刺された」と119番があった。男性は病院に搬送されたが意識はあるという。男性を刺したのは60代の男とみられ、その場で取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。


 愛知県警によると、男性職員は区役所にある生活保護を取り扱う窓口の近くで、背中と足を包丁で刺されたという。【井口慎太郎】

1033チバQ:2020/07/29(水) 10:33:29
https://news.yahoo.co.jp/articles/6edd2ca8162ed5eadfe39dc5638974f8ced50518
ロナ不況で「女性の貧困」が進む。パートや派遣にしわ寄せが
7/26(日) 15:47配信


(女子SPA!)
 コロナ禍で過去最悪の状況となりつつある「女性の貧困問題」。従来からの当事者はもちろん、貧困とは無縁だったはずの女性たちも窮乏に陥っている。本企画ではコロナ禍で経済的危機に瀕している女性たちに密着取材を敢行。彼女たちの切実な胸の内に迫った――。
コロナ禍で、非正規女性がますます貧困に
 コロナ不況は、女性の貧困にどんな未来をもたらすのか。『新型コロナと貧困女子』著者・中村淳彦氏、『ルポ貧困女子』著書・飯島裕子氏、貧困の現場を数多く取材してきたノンフィクションライターの2人がリモートで対談した。

中村:もともとコロナ禍以前から女性が供給過多で「稼げる仕事」でなくなっていた風俗業ですが、コロナ禍でセーフティネットとしての機能を失いつつあります。これからは客を自分で呼べる風俗嬢しか生き残れない。風俗業界内での格差も大きくなりそうです。

飯島:もともと賃金や待遇に大きな開きのあった正規と非正規の格差が更に広がったように感じています。例えば正社員は在宅勤務なのに派遣社員には認めず、緊急事態宣言下でも出社させられたり、休業補償は出せないから有給を消化しろと言われたり。

中村:これまで放置されてきた「女性の貧困」が、コロナでより顕在化した印象もあります。

飯島:そうですね。コロナ禍中の雇用などに関する相談も来るのは6、7割が女性と聞いています。
地方の実家に帰りたくても、コロナで「帰ってくるな」
中村:ルポの事例を読んでも思うけど、女性は真面目なので何事も自分で抱え込んで貧困に陥りやすい。彼氏や親族に背負わされた借金を地道に返したり、行政に相談に行っても追い返されたらすぐに諦めたりしてしまう。

飯島:無理しないで実家に帰れば? と言う人もいますが、虐待や毒親の問題を抱えていることもある。それにコロナだと実家に高齢者がいて、帰るなと言われた人も多かったはずです。

中村:特に地方は今でも男尊女卑の傾向が強いですね。

飯島:現代においても男性が大黒柱で女性のメインは家事育児、働いても家計補助に過ぎないという役割意識は根強く、これが非正規の低待遇や低賃金に結びついています。実際は男性雇用も限界で、共稼ぎでなければ稼げない世帯も多く、シングルマザー含め女性の世帯主が非常に増えているわけですが……。

役所に行って、どんどん支援制度を活用してほしい
中村:今回、かなり意外だったのはコロナ禍で行政がさまざまな支援制度を打ち出したこと。コロナ以前の政府は新自由主義の傾向にあったので、社会的弱者は軽々と見捨てると思っていた。コロナ禍では国民の訴えが届いているように感じましたね。

飯島:どうでしょう、私は単に弱った政権が流されているだけにも見えましたが……。

中村:そういう見方もありますか。

飯島:でも、支援制度の認知が高まり、利用者が増えれば自己責任論から脱する機会にもなります。

中村:自分から動いて、もらえるものはもらうべきですよね。

飯島:はい、どんどん制度を活用して欲しい。特に若者は役所に行くという発想があまりない。行政のほうから積極的な活用を促してほしいところです。
テレワークできない仕事は女性が多い
中村:コロナ禍で社会保障に関しては「大きな政府」になりつつありますが、コロナ収束後については不透明ですね。

飯島:労働市場では格差が広がると思います。テレワークも、できる仕事とそうでない仕事がある。コロナ禍では例えばスーパーの店員や介護職などが“エッセンシャルワーカー”として注目されました。多くは女性非正規ですが、リップサービスだけで賃金や労働環境は何一つ変わりませんでした。

中村:確かにそうした業種の労働環境は改善されていくべきです。ただ、労働市場の新自由主義の流れは止められない。コロナ禍でも稼げる風俗嬢が客を自分で引っ張り生き残ったように、介護職やサービス業も個人単位で仕事や顧客を開拓していく強さが求められると思います。

飯島:にわかに同意はできませんが、善かれあしかれコロナ禍を機会に働き方が大きく変わっていくでしょう。そのなかで誰が脆弱な立場に追い込まれるのか見極め、フォローしていくことが国に求められると思います。

【中村淳彦氏】

ノンフィクションライター。貧困や介護、風俗などの社会問題を取材。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島社新書)

【飯島裕子氏】

ノンフィクションライター。『ビッグイシュー』等で執筆し、大学講師を務める。著書に『ルポ貧困女子』(岩波新書)

―「コロナ貧困女性」号泣ルポ―

<取材・文/週刊SPA!編集部、小野田衛、ツマミ具依、高島昌俊、吉岡俊>
女子SPA!

1034チバQ:2020/08/05(水) 00:00:36
https://diamond.jp/articles/-/242718
沖縄の貧困家庭からやる気を奪い去る「生活保護か車か」の二者択一
みわよしこ:フリーランス・ライター

ライフ・社会 生活保護のリアル〜私たちの明日は? みわよしこ
2020.7.10 4:45
災害に覆い隠される「貧困」の実態
コロナ禍に襲われた沖縄県はいま
 7月の1日から10日までの間に、多様な災厄が日本を襲った。

 2日から始まった九州豪雨は現在も続いており、範囲は中部地方まで拡大している。影響の全貌が明らかになるまでには、数週間程度の時間を要しそうだ。豪雨に襲われている地域の中には、2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨の被災地も含まれている。

 9日朝には、茨城県南部を震源とする最大震度4の地震が発生している。2011年以来、日本周辺の地震や火山活動は活発化しており、6月25日には千葉県東方沖を震源とする最大震度5の地震が起こったばかりだ。6月には震度4以上の地震が7件発生しており、震源は奄美大島から十勝沖までの日本全国に分布している。

 緊急事態宣言が解除されて以降、新型コロナ感染者はジワジワと増加している。自然災害における避難も救助も、新型コロナ以前には考える必要がなかった数々の課題によって、困難化している。

 そして当然、天災は貧困をもたらす。天災は、もともと見えにくい貧困を、さらに見えにくくする。しかし、状況の理解を容易にするために留意すべきポイントは、いくつか存在する。

 今回は沖縄県を取り上げ、貧困に関連するデータを題材として、見えにくい貧困の実態を読み解いてみよう。沖縄県は貧困の深刻さで知られているが、地域による状況の違いが大きく、日本全国の縮図のような様相を呈している。沖縄県を理解することは、災害下の全国各地を理解するために役立つはずだ。

 沖縄県の深刻な貧困状況は、注目を集めやすい。しかし、必ずしもそれがデータに表れるとは限らない。たとえば生活保護率では、大阪府、北海道、高知県に続いて全国第4位である。沖縄県は第1位ではない。

 主要な背景は、大阪府では労働力の流入しやすい「寄せ場」があったこと、北海道では政策的に貧困が放置されてきたこと、高知県では高齢化と人口減少による影響と言えるだろう。沖縄県の場合、これらの要素がすべて揃っているのだが、各地域や各自治体単位で見た場合には、必ずしも明瞭ではない。

 2018年度、沖縄県の生活保護率は2.53%であった。全国の1.67%(2018年)に対して、約1.5倍に当たる。自治体別に見ると、那覇市(3.88%)と沖縄市(3.73%)が高い。しかし沖縄に限らず、生活保護率は概して都市圏で高くなりがちだ。

「車社会化」が
地方を追い詰めた
 都市圏で生活保護率が高くなる背景として、最初に考えるべきことは、生活保護のもとでは自家用車の保有や運転が認められない原則となっていることだ。むろん、自動車を保有していても、生活保護の申請はできる。また、預貯金がほぼなく、収入が生活保護基準以下なら、自動車があっても保護開始となる。

 さらに、「障害のため徒歩での移動が困難」「就労しており通勤に自動車が必要」といった理由があれば、自動車の保有が認められる。しかし、特別な理由がない場合、保護開始から半年を目処として、自動車は処分が求められることとされている。

 公共交通機関が充実している大都市圏では、車を手放しても生活は成り立つだろう。そもそも大都市圏では、一度も自動車を所有したことのない人々も珍しくない。大都市ではなくとも、ある程度は交通インフラが整備されている都市部なら、車を所有していないことによる問題は、「なんとかなるけれど、やや不便」程度のレベルに収まるかもしれない。しかし面積でいえば、日本のほとんどは、車がないと暮らせない地域である。

 ちなみに、今回の九州豪雨で深刻な被害を受けた地域の多くは、自然が豊かで風光明媚、市や郡全体では相当の生活インフラが存在するように見え、しかも人口密度は高くなく、まことに暮らしやすく見えるケースが多い。しかし、広い面積を持つ市や町の中に駅と役所と病院と銀行の集中する地域があったり、国道沿いに大規模なショッピングセンターがあったりする場合、事実上、車がなければ暮らせない。

 車があっても、高齢になって免許を返納する必要に迫られると、暮らしていけなくなる。とはいえ、公共交通網を整備するには、あまりにも面積が広すぎ、自治体に体力がなさすぎる。

1035チバQ:2020/08/05(水) 00:01:28
生活保護利用率が低い地域の
究極の選択は「生活保護か車か」
 貧困は深刻なのに、生活保護の利用が少ない地域がある場合、最初に考えるべきポイントは、「その地域では、車を手放すと暮らしていけない」という可能性だ。車を手放したら最後、就職活動を開始するために「まず車」というハードルを乗り越える必要がある。

 夜間に子どもが体調を崩すと、車で病院に連れていくこともできない。悩んだ末に救急車を依頼すると、「軽症なのに」と責められたり、逆に「なぜ、ここまで放っておいたのか」と責められたりする可能性もある。結局、「生活保護か車か」の究極の選択の末、「車はあっても生活保護以下」という厳しい生活しか選べなくなってしまう。

 しかし現在、厚労省はコロナ禍による失業や収入減少の増加を視野に入れ、生活保護のもとでの自動車の保有や処分について、条件を緩和している。自家用車は、公共交通インフラが住民の生活ニーズを満たせていないという課題を、個人や家族単位で解決する手段の1つである。生活保護世帯を含めて、低所得世帯に対しては公費による「自動車手当」があっても良いはずだ。

「生活保護は恥」という
地域の根深い思い込み
 貧困の深刻さや人口をはじめ、条件が似通っている2つの都市で、なぜか一方は生活保護率が高く、他方は低い場合もある。このような場合に考えるべきことは、「生活保護は恥」という感覚と自治体の姿勢だ。

「生活保護は恥」という意識が強い地域の小学校や中学校に通っている子どもを持つ親は、我が子が学校で生活保護を理由としたイジメに遭う可能性を考慮しなくてはならない。生活保護は世帯を単位として適用することとなっているため、「親は生活保護、子どもは他の制度で」というわけにはいかない。

 自治体は、「子どもさんのために、ぜひ生活保護を」と勧め、生活保護イジメから利用者を守ろうとする場合がある。逆に、「生活保護は恥」という地域の意識を、生活保護を利用させない方向で活用する場合もある。

 沖縄県の市部では、南城市の生活保護率が突出して低く、2018年に0.96%となっていた。ついで、豊見城市が1.16%となっている。また町村部・島しょ部の保護率は、軒並み1%台である。地域の人々に疑問をぶつけると、「この地域の人は働き者」「地域の支え合いが機能している」といった答えが返ってくることもある。しかし、「福祉を利用しにくくする方向に、何か見えにくい力が働いているのではないか」という想像も必要だろう。

就労機会が多い地域は
生活保護率も高くなる
 生活保護に対しては、「働けるのに働かない人が利用する」という偏見が非常に根強い。しかし、その偏見では決して説明できない事実がある。大都市には就労機会が多い。それなのに、大都市の生活保護率は高くなりがちなのだ。

 大都市は就労機会が多いため、地方から労働者を集めやすい。時間の経過とともに、労働者たちは高齢化する。働き盛りの時期の職場が「社保完」ではなかった場合、無年金・低年金高齢者となる。生活保護率が高くなるのは、当然の成り行きだ。

 全国的に、都市部で生活保護率が高くなる背景は、「車か生活保護か」の究極の選択を迫られないことに加え、そもそも就労機会が多いことだ。

 このことを念頭に置くと、沖縄県の中で生活保護率の高さが目立つ那覇市(3.88%)と沖縄市(3.73%)には、同様の背景がありそうだ。北海道や東北や九州や四国から、東京や大阪へと労働力が移動しやすいのと同様に、沖縄県の中では就労機会の少ない地域や島々から、那覇市や沖縄市へと労働力の移動しやすい可能性がある。生活困窮に陥った人々や支援者の話を聞くと、「可能性」ではなく、高い確率で現実である。

 都市には、都市型貧困の問題がある。都市が特有の貧困を生み出すことは、ほぼ宿命である。

1036チバQ:2020/08/05(水) 00:02:38
小さな自治体や区域ごとに
生活環境が全く異なる可能性も

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 さらに細かく見ていくと、陸続きの3つの自治体の中で、1つだけ保護率が非常に低い地域があったりする。保護率が低い地域の生活環境を見てみると、物価も家賃相場も高い。その理由は、リゾート開発の進行に伴う“観光地相場”化であったりする。

 所得が比較的高い人々は、その地域に住み続けることができる。しかし所得が低い人々は、他地域で暮らしながらリゾート地域に通勤していたりする。さらに極端な事例では、リゾート開発の進行があまりにも急激なため、もともとその地域に住んでいた低所得層が、事実上、そこで暮らせなくなる。

 沖縄県では、宮古市の事例が広く知られている。しかし緩やかな形で、類似の事態が進行している地域は少なくない。そしてコロナ禍が襲い、リゾートによって得られるはずの収入が失われたわけである。

 今回の九州豪雨は、沖縄県を襲わなかった。しかし、もともと存在した地域の多様な課題を、新型コロナ禍が深刻にした。観光地や保養地として知られていた地域では、豪雨以前に新型コロナ禍による収入機会の減少があった。また、過去の災害からの復興途上にあった地域もある。そこに、新たな災害が襲った。被災状況は、雨雲のわずかな気まぐれや地形によって大きく異なる。

 一般的に、被災からの復興は、もともとの格差を拡大する。災害前の地域の状況、小さな地域や世帯や個人ごとに異なる被災状況に、復興のスピードや内容の差が重なっていくからだ。ともあれ、スピード感を持って対応したくとも、当面は困難であろう。おそらく、10年単位の時間が必要になる。

 現在すでに取り残されがちな地域や人々を、そのままに取り残すのか。現在の格差をこのまま拡大するのか。被災していない地域の人々には、考える時間がある。

(フリーランス・ライター みわよしこ)

1037とはずがたり:2020/08/21(金) 22:28:45
興味深い。

ドイツでベーシックインカム実験始まる…3年間、毎月15万円を支給。イギリスなどでも議論がスタート
8/21(金) 12:10配信https://news.yahoo.co.jp/articles/67304a061f90525a635bac8149f0be8bfab374ed
BUSINESS INSIDER JAPAN

スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は5月、新型コロナウイルスのパンデミックにより壊滅状態となった経済を立て直す解決策として、ユニバーサル・ベーシック・インカムに言及した。

ドイツ経済研究所によるユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)研究の一環として、120人のドイツ人が3年にわたって毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取る。

UBIは国民あるいは居住者に対して最低限必要な所得を保障する政策で、通常は政府から現金の支給という形で行われる。

暫定的なUBIは、すでにアメリカ、スペイン、デンマークなどいくつかの国で実施されている。

ドイツの研究者グループが、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の効果を明らかにするための実験を開始した。UBIは、国民あるいは居住者に対して最低限必要な所得を保障する政策で、通常は政府から現金の支給という形で行われる。

ドイツ経済研究所が8月18日にUBIに関する3年にわたる調査研究を開始したと、ロンドン・タイムズが19日に報じた。その一環として、120人が毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取る。研究者はその後、1380人の現金支給を受けていない人々の体験と比較分析を行うことになると、Business Insiderでも報じた。

他の国々でも似たような議論がスタートしており、パンデミックをきっかけとしてある種のUBIをすでに導入した国もある。

ロンドン・タイムズによると、5月上旬、スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相は、全国民に政府から現金支給する形のUBIについて、真剣に検討すべき「時が来た」と述べた。同首相はこの件について「建設的な議論」をイギリス政府と行うとした。最終的に国家的な政策として実行するか否かはイギリス政府の判断によるからだ。

アメリカでは3月に連邦議会が「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法案(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security:CARES法)」を可決した。これは景気刺激策の一環であり、資格を満たすアメリカ国民に単発で最大1200ドルを支給するといった内容が含まれていた。だが、これでは十分ではないと指摘する議員もいる。4月には、民主党所属の連邦下院議員が、「緊急資金法案(Emergency Money for the People Act)」を提出した。これは、16歳以上で年収13万ドル未満のアメリカ国民に対し、少なくとも月に2000ドルを6カ月にわたって支給するというものだ。

スペインでは最貧層の100万世帯に対して毎月の収入を保障する計画だとロイターが報じた。同国の経済担当相、ナディア・カルビニョ(Nadia Calvino)は4月、民間テレビ局ラ・セクスタ(laSexta)に対し、政府としてはUBIを「恒久的な支援策」にしたいと語ったとBusiness Insiderが報じた。

その他の国々でも、暫定的あるいは緊急のUBIという形で同様の支援が行われている。例えばフランスでは、自営業者に最大1600ドルを支給している。香港では、6カ月にわたって労働者の給与の50%を政府が負担するとしている。デンマークでは、労働者が解雇されない限り、その給与の75%から90%を雇用者の代わりに政府が負担するとBusiness Insiderが報じた。

[原文:Germany gets a new universal basic income experiment as more countries consider cash handouts amid the pandemic]

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

1038チバQ:2020/08/26(水) 10:24:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb2532c252741c1fa63021d97b34b02456bcd419
「貯金は7月に尽きた」 50代女性 派遣終え5カ月 再就職めど立たず  <新型コロナと沖縄>
8/26(水) 6:04配信
205




生活が苦しくなる一方で「みんなが大変だから焦らない」と話した女性=那覇市おもろまち
 新型コロナウイルス感染症の影響が非正規労働者の不安定な雇用を直撃している。那覇市在住の50代女性は3月末に派遣の契約が切れた。求人が減る中、再就職先を見つけられずにいる。「貯金は7月に尽きた。いつ仕事に就けるか分からないから、借金は増やしたくない」。就職のめどが立たず、先行きが見えない不安を語った。 

 女性は母親と2人暮らし。20代から40代まではホテルで接客をしていたが、8年ほど前にうつ病を患い離職した。以降は生活保護を受給し、約10年かけてようやく働いたところだった。

 2019年9月から病院のデイケアで給食を作る派遣業務に従事し、20年3月末で契約満了となり退職した。感染拡大の影響で求人が減り、就職活動は難航している。以前の職場に戻ることも考えたが、感染拡大でデイケアは利用中止となり、仕事量や就業時間は半減した。「少ない時間を働くよりもスキルを身に付けたい」と別の道を考えた。

 現在、単発のバイトや日雇いの働き口を探しているが、仕事は見つからない。「スキルがないから仕事の幅も狭まる。コロナで現場も教える余裕はなく、企業は即戦力を求めている」と寂しそうに話した。

 離職を機に生活保護を申請したが、貯金や特別定額給付金で預金残高が増え、11月まで受給は先延ばしになった。同時期、県外で働く弟が派遣切りに遭った。「弟には読み書きができない障がいがある。再就職先を探すのは弟の方が大変だ」と、女性は母親の分と合わせた特別定額給付金20万円を弟に送金した。

 預金は7月に底を突いた。見かねた母親が那覇市社会福祉協議会から緊急小口資金を借り入れた。「旧盆が終わるまでの一時しのぎ」と女性はため息交じりにつぶやいた。昨年10月の消費増税、今年6月末までのキャッシュレス決済に伴うポイント還元の終了前にそれぞれ缶詰などの保存食を買い込んだ。光熱費数カ月分は手元に残している。「家賃は2カ月ごとで払うつもりだ。自分を少し追い込めば頑張れる。母の年金で食費はつなぐ。でも、家賃や光熱費は3カ月以上滞納はできない。その間に職を探さないと」と女性は前を見つめた。

 ハローワーク那覇には足しげく通っている。「冬までには仕事を見つけたい」。そう話した表情は期待と不安が入り交じっていた。 (比嘉璃子)
琉球新報社

1039チバQ:2020/08/26(水) 14:22:57
https://news.yahoo.co.jp/articles/efe50ff94442fe35d2f87887098abaa929464ac1
年収800万円男性と結婚した"セレブ妻"が築40年木造アパート暮らしに転落した顚末
8/26(水) 9:16配信
1221




電気代節約のために、やつれた表情で毛布に身を包み暖を取る - 撮影=週刊SPA! 取材班
高年収の男性と結婚し、専業主婦となっても一生安泰とは限らない。週刊SPA! 取材班が、暴力を振るう夫から逃げてレジ打ちのアルバイトをしながら一人暮らしをする元”セレブ主婦”に話を聞いた――。

 ※本稿は、吉川ばんび、週刊SPA! 取材班『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■結婚後22年間不自由なく暮らしてきたが…

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木村 晶さん(仮名・46歳)女性
出身/和歌山県
最終学歴/短期大学
居住地/埼玉県
居住形態/賃貸アパート
年収/120万円
職業/フリーター
雇用形態/アルバイト
婚姻状況/既婚
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 単身で暮らす女性の3人に1人が「貧困」というデータがある(国立社会保障・人口問題研究所調べ)。貧困女性といえば非正規雇用者やシングルマザーなど複雑な事情を抱えているケースが多かったが、千葉県に住む木村晶さん(仮名・46歳)は安泰と思われている専業主婦からある日、一気に転落した。

 「発端は、都内の中堅家電メーカーに勤めていた夫がリストラされたことです。夫は転職活動もむなしく20社以上落ち続け、そのストレスから私に暴力を振るうようになってしまいました。今は、夫から逃れてひとり暮らしをしています」

 結婚以来、専業主婦として22年間不自由なく暮らしてきた木村さんは、手に職をもたないまま転がり放り出されてしまったのだ。
■「24歳までに結婚を」と必死に合コンを繰り返す

 福岡県福岡市で厳格な両親に育てられたという木村さん。バブル景気を眺めて育った彼女は、「将来結婚したら専業主婦になることは当たり前だと思っていた」という。しかし、都内の短大を卒業する頃には就職氷河期に突入し、国文学科を卒業した木村さんの就活は困難を極めた。

 「6歳上の姉が話していた就活とは様子が違い、困惑しました。文系の短大卒では面接にこぎ着けることすら難しかった。でも、母親から『就活は婚活。職場で結婚相手を選び専業主婦になるべし』と教育されていたので、なりふり構わず教授に取り入り、必死で就活しました」

 希望する一部上場企業への就職は叶わなかったが、なんとか彼女は「丸の内OL」になる。

 彼女が就職した1995年当時には、女性の結婚適齢期を指す「クリスマスケーキ」という言葉があった。24歳までに売れないとダメ、25歳になると売れ残りという意味だ。

 「売れ残りの“ケーキ”になるまいと必死に合コンを繰り返しました。そして23歳の頃、5歳年上の男性と出会いました。のちの夫です。顔も学歴もまあまあいいし、中堅家電メーカーの正社員で福利厚生も充実している。この人なら私を幸せにしてくれると思い、必死でアプローチしました。交際から1年後、夜景を見ながらキスをした後、彼がひざまずいてプロポーズしてくれました。トレンディドラマのようなシチュエーションに興奮したのを覚えています」

■人もうらやむハワイ挙式で勝ち組主婦に

 友人・親戚を大勢招き、ハワイであげた挙式を「人生でいちばん幸せな日でした」と振り返り、微笑む。東京・中央区にマンションを借りると、当時の年収800万円代だったバブル世代の夫とともに、外車、高級腕時計を購入するなど、貯蓄よりも消費を優先した暮らしぶりを満喫。友人から「セレブ主婦」と揶揄されたが、木村さんは気にも留めなかった。ほどなくして第一子を妊娠すると、物欲はさらに加速していく。

 「結婚後は、夫の希望もあり家庭に入ることにしました。同期OLたちの『結婚おめでとう』という寄せ書きを見ては優越感に浸っていました。今思えば、あのとき退職せず、会社員を続けていればよかった……」

 2005年につくばエクスプレスが開業すると、夫は茨城県守谷市にある沿線の街へ引っ越しを決める。リーマン・ショックが起きるすこし前のことだった。

1040チバQ:2020/08/26(水) 14:23:16
■リーマン・ショックで夫に異変が…

 「息子も幼稚園に通う年齢になり、子育てするなら郊外のほうがよいだろうと家を購入しました。ニュータウンの中でも新築が立ち並ぶ新しい一画で、日当たりもよく庭の広い戸建て住宅です」

 しかし、転居の直後、夫の会社をリーマン・ショックの波が襲う。大口の取引先から次々と発注を取り消され、数十億円もの減収になったのだ。

 「総務部で社内改革に取り組んでいた夫は急に部署が異動になり、残業が続くようになりました。その頃から、夫の様子が徐々におかしくなりはじめました」

 夫は深夜11時すぎに帰宅すると缶酎ハイを何本も浴びるように飲みはじめ、言葉の暴力も増えていったという。木村さんの両親はすでに亡くなっており、姉は結婚して九州にいる。ママ友にも相談できず、悩みを誰にも打ち明けられないままだった。

 「翌年に、夫は都内の本社から千葉県の支社へ異動になりました。通勤時間は短くなったはずなのに、毎日『疲れた』と口にするんです。毎晩うなされるし、心配でした」

 そんな最中、息子の誕生日会を自宅で開くことになった。

 「お友達をたくさん招いて、楽しくやろうということになりました。息子はとても楽しみにしているのに、夫は仕事を優先して準備を手伝ってくれません。そこで『準備する気あるの? 』と確認すると、いきなり頰を叩かれました」

■結婚当初に夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去った

 以降、夫は手こそあげないが、言葉の暴力は増えていった。帰宅時に風呂が沸いていない、味噌汁がぬるい、話を聞く顔の表情が気に入らない……と、難癖をつけては木村さんに乱暴な言葉を浴びせていく。コーヒーフィルターを買い忘れただけで、腕を強く摑まれて、青あざができたこともあったという。ちょうどこの頃、夫のボーナスは目に見えて減額し、経済状態はよくなかったのだが、夫はこれまでの浪費生活を改めようとはしなかった。

 「そこで家計を助けるためパートに出ることを提案したのですが、『俺の稼ぎが少ないってことか。おまえのやりくりが下手なんだよ! 』と激昂。どこに怒りのスイッチがあるのかわからない状態で、意見なんてできません。毎日、彼の一挙手一投足にビクビクしていて、落ち着く日はありませんでした」

 それでも、長く専業主婦生活を続けていた木村さんには、離婚の選択肢はなかったという。しかし、異動から1年後、ついに夫はリストラされる。その後も求職活動に失敗しては妻に暴言を繰り返す。都内の私立大学を目指していた息子は、「お父さんと一緒に暮らさなくていいならどこでもいい」と、学費が安く寮のある専門学校へ進学を決めてしまった。

 「結婚当初、夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去ってしまいました。我が家にあったのは、理不尽な言葉の暴力と息子の失意の姿だけです。あの子は、家を出ていく日『お母さんも早く逃げないと殺されちゃうよ』と忠告してくれました」

1041チバQ:2020/08/26(水) 14:23:37
■リーマン・ショックで夫に異変が…

 「息子も幼稚園に通う年齢になり、子育てするなら郊外のほうがよいだろうと家を購入しました。ニュータウンの中でも新築が立ち並ぶ新しい一画で、日当たりもよく庭の広い戸建て住宅です」

 しかし、転居の直後、夫の会社をリーマン・ショックの波が襲う。大口の取引先から次々と発注を取り消され、数十億円もの減収になったのだ。

 「総務部で社内改革に取り組んでいた夫は急に部署が異動になり、残業が続くようになりました。その頃から、夫の様子が徐々におかしくなりはじめました」

 夫は深夜11時すぎに帰宅すると缶酎ハイを何本も浴びるように飲みはじめ、言葉の暴力も増えていったという。木村さんの両親はすでに亡くなっており、姉は結婚して九州にいる。ママ友にも相談できず、悩みを誰にも打ち明けられないままだった。

 「翌年に、夫は都内の本社から千葉県の支社へ異動になりました。通勤時間は短くなったはずなのに、毎日『疲れた』と口にするんです。毎晩うなされるし、心配でした」

 そんな最中、息子の誕生日会を自宅で開くことになった。

 「お友達をたくさん招いて、楽しくやろうということになりました。息子はとても楽しみにしているのに、夫は仕事を優先して準備を手伝ってくれません。そこで『準備する気あるの? 』と確認すると、いきなり頰を叩かれました」

■結婚当初に夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去った

 以降、夫は手こそあげないが、言葉の暴力は増えていった。帰宅時に風呂が沸いていない、味噌汁がぬるい、話を聞く顔の表情が気に入らない……と、難癖をつけては木村さんに乱暴な言葉を浴びせていく。コーヒーフィルターを買い忘れただけで、腕を強く摑まれて、青あざができたこともあったという。ちょうどこの頃、夫のボーナスは目に見えて減額し、経済状態はよくなかったのだが、夫はこれまでの浪費生活を改めようとはしなかった。

 「そこで家計を助けるためパートに出ることを提案したのですが、『俺の稼ぎが少ないってことか。おまえのやりくりが下手なんだよ! 』と激昂。どこに怒りのスイッチがあるのかわからない状態で、意見なんてできません。毎日、彼の一挙手一投足にビクビクしていて、落ち着く日はありませんでした」

 それでも、長く専業主婦生活を続けていた木村さんには、離婚の選択肢はなかったという。しかし、異動から1年後、ついに夫はリストラされる。その後も求職活動に失敗しては妻に暴言を繰り返す。都内の私立大学を目指していた息子は、「お父さんと一緒に暮らさなくていいならどこでもいい」と、学費が安く寮のある専門学校へ進学を決めてしまった。

 「結婚当初、夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去ってしまいました。我が家にあったのは、理不尽な言葉の暴力と息子の失意の姿だけです。あの子は、家を出ていく日『お母さんも早く逃げないと殺されちゃうよ』と忠告してくれました」

1042チバQ:2020/08/26(水) 14:25:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/be5520b2227cf4ec77ec2e855a77e83a762dd06e
元ラガーマンの43歳が「100円で朝まで粘るマック難民」に転落したワケ
8/13(木) 11:16配信
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取材中「疲れた」とうたた寝を始めたが、すかさず飛んできた店員に起こされていた(撮影=週刊SPA!取材班)
24時間営業のマクドナルドで寝泊まりする人たちを指す「マック難民」という言葉がある。なぜ彼らは貧困に陥ったのか。週刊SPA! 取材班がマクドナルドで暮らす43歳の日雇い労働者に話を聞いた――。

 ※本稿は、吉川ばんび、週刊SPA! 取材班『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■「平日は合コン、週末はクラブ」だった青春時代

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平田正治さん(仮名・43歳)男性
出身/福島県
最終学歴/大卒
居住地/東京
居住形態/ファストフードで仮眠
年収/110万円
職業/倉庫整理
雇用形態/日雇い派遣
婚姻状況/未婚
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 「マック難民」をご存知だろうか。2006年、ハンバーガーショップ「マクドナルド」が24時間営業を始めた頃に、ネットカフェより安いと“ホームレス未満”の貧困者たちが利用し始めて普及した言葉だ。2019年にはヒット映画『天気の子』でも、主人公がマクドナルドを漂流するシーンが描かれ、“見えない貧困”として現在も続いている問題のひとつである。

 2020年の1月、深夜11時、豊島区の繁華街にあるマクドナルドの片隅で、カラになったロゴ入りカップと、水の入った紙コップをいくつも並べたテーブルに頬杖をつき、平田正治さん(仮名・43歳)が取材に応じてくれた。

 「もともと自分はラガーマン。高校、大学とラグビーに打ち込み、名門校に推薦で入学できました。練習は本当にキツくて大変でしたが、平日は合コン、週末はクラブで遊んで彼女の家で眠る。あの青春時代が、自分の人生のピークだったかもしれませんね」

 強靭な肉体とメンタルが自慢の体育会系……だった。だが、現在は見る影もないほどに痩せ細った体形。聞けば、「この5年で20kgは痩せてしまった」という。
■パワハラ上司に目をつけられ、うつ病に

 「今振り返れば、働いた会社はだいたいがブラック企業でした。25歳で転職した飲食チェーン店では、毎日3〜4時間のサービス残業があり、休日出勤は当たり前。激務に疲れて脱落していく同僚もいましたが、自分は必死で耐え抜いた。でも、35歳のときに転職した、建築資材を扱う『B社』でパワハラ上司に目をつけられてしまったのが運の尽きでした」

 体の大きな平田さんが、体を丸めて頭を下げるほど、上司は上機嫌になったという。毎日のように無理難題を吹っかけられて、転職3年目で心が耐え切れず、平田さんは精神科でうつ病と診断される。

 「産業医の勧めもあり異動願を申請しようとすると、その上司に『俺の査定に響くからこのまま退職しろ』と脅されました。もう一切関わりたくないと思い、言われるがままに依願退職。当時は会社の寮に住んでいたので、住む家まで失ってしまったんです」

■貧困シェアハウスで摩耗する心

 4年前、39歳の平田さんは「すべてを変えたかった」と一念発起して上京。就職活動には新しい住所が必要と、東京都文京区にある古い戸建てを改装したシェアハウスに移り住んだ。8畳一室を薄いベニヤ板で4つに仕切った共同部屋。ひとり用スペースは布団一枚程度で、家賃は月2万5000円プラス光熱費だった。

 「築50年はたっていそうな古い家なので、隙間風がひどかった。僕がいたのは窓際の区画だったので、窓からの冷気で布団が冷え、なかなか眠れませんでした」

 このシェアハウスには年配のフリーターや日雇い労働者が多く、困窮して精神がすり減っているからか、トラブルがよく起きた。平田さんはかつての体育会系の勇ましさは消えて、「すいません」が口癖になっていたと話す。

 「ほかの住人たちがなかなか清掃をしないので、注意をしたら『殺すぞ』と凄まれたこともありました。怖かったですよ。次第にほかのシェアハウスのメンバーに無視されるようになり、風呂の順番を抜かされたり、冷蔵庫の食料を勝手に食われたりするなど嫌がらせが続いたので、半年ほどでシェアハウスを出ることにしました」

1043チバQ:2020/08/26(水) 14:25:32
 まだパワハラによるうつ状態から回復していなかった平田さんにとって、狭い家で見知らぬ人と暮らすという行為はハードルが高すぎた。狭い部屋で暮らしたおかげで、家財道具は片手で持てるほどに減っていた。運悪く、貯金が底をついたこともあり、一時的にネットカフェで暮らした。

 「日雇いをしながらネットカフェを利用しましたが、ここも長くは続きませんでした。そして肌寒い11月の深夜、寝場所を探してたどり着いたのは、明るくて暖かなマクドナルドでした。店内には、楽しそうに談笑する若者グループの脇で、帽子を目深に被って、ひっそりと携帯電話を眺める男が数人いました。前にテレビで観たことがあったんですよね。『行くあてのない者たちが深夜のマックで過ごす』という内容のドキュメンタリーを。あぁ、俺もそうしようと思ったんです」

 うつむいて席に着く彼らの様子に、流転の日々を送っていた平田さんはなぜか故郷に帰るような安堵を感じたという。

1044チバQ:2020/08/26(水) 14:26:10
 まだパワハラによるうつ状態から回復していなかった平田さんにとって、狭い家で見知らぬ人と暮らすという行為はハードルが高すぎた。狭い部屋で暮らしたおかげで、家財道具は片手で持てるほどに減っていた。運悪く、貯金が底をついたこともあり、一時的にネットカフェで暮らした。

 「日雇いをしながらネットカフェを利用しましたが、ここも長くは続きませんでした。そして肌寒い11月の深夜、寝場所を探してたどり着いたのは、明るくて暖かなマクドナルドでした。店内には、楽しそうに談笑する若者グループの脇で、帽子を目深に被って、ひっそりと携帯電話を眺める男が数人いました。前にテレビで観たことがあったんですよね。『行くあてのない者たちが深夜のマックで過ごす』という内容のドキュメンタリーを。あぁ、俺もそうしようと思ったんです」

 うつむいて席に着く彼らの様子に、流転の日々を送っていた平田さんはなぜか故郷に帰るような安堵を感じたという。

■日雇い派遣で働きマクドナルドで寝起き

 「マクドナルドはWi-Fiも使えるし、充電もできる。日中はここに座って、携帯電話で日雇いバイトを検索します。年収は、頑張っても110万円ぐらいでしょうか。時給が高い深夜の日雇い仕事を入れたいんですけど、なかなか巡り合えなくて。仕事のない夜は、24時間営業の店で100円バーガーと水だけで過ごします」

 日雇いバイトの内容は多岐にわたっており、都内であればイベント会場の警備から菓子の袋詰めまでさまざまだ。しかし、うつ病を抱えコミュニケーション能力に自信のない平田さんは、女性や若者の多い職場を避けていて、選択肢が少ない。棚卸しや梱包、警備といった職種を狙って応募を続けている。

 「でも、贅沢は言ってられませんよね。女性が多そうな仕事に行くときは、コインランドリーに併設されるシャワーで、溜まった汚れを落とすように気をつけています。家がないと知られたくないですし、衣服が汚れすぎているとマクドナルドにも居づらいですからね」

 当初は、せっかく上京したのだからと渋谷センター街の店で寝起きしていたが、ここも、うつ思考のため移動を迫られることになる。

 「早朝、机に突っ伏して寝ていると『大丈夫ですか? 』と声をかけてくるボランティアがいるんですよ。僕は初対面で身の上話なんてできないから、気安く確認してほしくない。ああいうの、疲れるから苦手なんです」

 そこで、渋谷に比べて比較的穏やかな下北沢のマクドナルドを“定宿”にした。しかし、平田さんのほかにも店内で寝泊まりする難民客が増えたせいか、半年前、深夜は寝転がる広さのシート席に座れないように変更になったという。

 「マック難民への目は厳しくなっていて、ほかの店舗でも次々と24時間営業を中止しています。横になると店員に起こされるから、寝るときはリュックを枕代わりに座ったまま寝たりします。おかげで、首も肩もボロボロです」

1045チバQ:2020/08/26(水) 14:26:55
■「足を伸ばして眠れることがどれだけありがたいことだったか」

 心身の消耗が激しい平田さんに生活保護など行政に頼る方法を提案すると、冷めた瞳でため息をつき、「何度か申請には行ったんですよ」と打ち明ける。

 「生活保護を申請しても、親類を頼れといって門前払いです。前職の給与は基本給が低かったため、失業保険もすずめの涙。失業してからこの状況に落ちてくるまでの間、どこかでひっかかることのできるセーフティネットがあれば頼りたかった。俺だって就職したい気持ちはある。でも、状況的にできないんですよ。最近は日雇い仕事にもありつけていない。『足を伸ばして眠れる』ことがどれだけありがたいことだったか、身に染みています」

 絶体絶命のサバイバル生活。平田さんは今日も、断崖絶壁の上を歩き続けている。
週刊SPA!取材班

1046チバQ:2020/08/26(水) 14:57:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/70ea1ecc27a230318d1bdf2bde5fe922b7327371
非正規労働者がコロナ不況の餌食に。シフトを減らされ給与もカット…
8/24(月) 15:54配信
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(日刊SPA!)
 緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されたら一段落……そんな安心感は幻想にすぎない。経済対策の効果が切れ、企業の体力が尽き、大量の失業者が生まれる「雇用崩壊」はむしろこれから本格化する。リーマンショックをはるかに超える「コロナ氷河期」。その最悪のシナリオと生き残る術を探っていく。
すでにコロナ氷河期の真っただ中にいる「非正規労働者」
 秋冬以降にリストラ、倒産、失業の波が押し寄せるコロナ氷河期だが、「非正規労働者の元には、すでに氷河期が訪れている」とは労働相談に取り組むNPO「POSSE」代表の今野晴貴氏。

「連携する『総合サポートユニオン』と合わせて年間1500件ほどの労働相談に対応してきましたが、今年は2〜5月末までにすでに約3000件の相談がコロナ関連だけで寄せられています。主な相談は『休業手当関連』『解雇・雇い止め』『3密下での危険な労働』の3点。相談者で最も多いのは40代の女性で飲食や観光といったサービス業が中心ですが、必ずしもそれだけというわけではなく、幅広い業種・年代に影響が出ています」

 同じく生活困窮者を支援するNPO「生活サポートセンター・もやい」にも相談が殺到していると同NPO理事長の大西連氏。

「4〜5月にかけて直接の相談が400人、電話・メールを合わせれば約1000人が生活困窮を訴えてきました。相談日や窓口を倍近くに増やして対応しましたが、こちらも人員的にはギリギリです。相談者はリーマンショックのときは製造業が中心でしたが、今回は業種も年代もさまざまですね」

 5月25日に緊急事態宣言が全面解除されて以降は、一段落したのだろうか?

「休業申請については、一時に比べれば落ち着きましたが、コロナ以前のようには働けない。今度はシフトを減らされたり、給与をカットされたという相談が増えています。もともと非正規労働者には経済的な余裕がありませんから、死活問題です」

 想定外の事態に国の支援も瀬戸際だと大西氏。

「厚労省の貸付事業に携わる全国社会福祉協議会の発表によれば、生計維持の特例貸付が始まった3月25日〜5月30日までの時点で約38万件の申請がありました。東日本大震災が起こった’11年の一年間の申請件数が約7万件。今回は2か月で5倍以上の申請があったことになります」

1047チバQ:2020/08/26(水) 14:57:22
最悪、借金を抱えながら生活保護
 この貸し付け、無利子ではあるが返済の義務がある。

「ですから、もし第2波が来た場合は最悪、借金を抱えながら生活保護を受けることになる。企業も限界で、社会福祉の現場も限界。今後、リストラや倒産などで非正規労働者だけでなく正社員にも生活困窮の波が押し寄せれば、社会福祉が崩壊するのではないかという危機感があります」

 福祉の現場はすでに手いっぱい。正社員が凍りつく頃には、受け皿が粉々になっている可能性もある。

【POSSE代表 今野晴貴氏】
ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書『ブラック企業』で大佛次郎論壇賞を受賞。新著に『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』(集英社新書)

【自立生活サポートセンター・もやい 大西連氏】
同NPO理事長。’10年よりもやいの活動に参加し、’14年より現職。新宿ごはんプラス共同代表。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)など

取材・文/藤村はるな、谷口伸仁、藤野綾子

―[コロナ氷河期の衝撃]―
日刊SPA!

1048チバQ:2020/08/26(水) 14:58:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/802098e8b862b67dcb4457777c33ed9acdf10fba
コロナ氷河期、30〜40代サラリーマンが生き残るためのキーワードとは?
7/28(火) 15:51配信
9




(日刊SPA!)
 緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されたら一段落……そんな安心感は幻想にすぎない。経済対策の効果が切れ、企業の体力が尽き、大量の失業者が生まれる「雇用崩壊」はむしろこれから本格化する。リーマンショックをはるかに超える「コロナ氷河期」。その最悪のシナリオと生き残る術を探っていく。
現役世代が生き残るには、「付加価値」がキーワード
 取材した識者が口を揃えたのが、「コロナ氷河期では10年かけて起こる予定だった変化が1年で起こる」ということ。人材育成コンサルタント・片桐あい氏は「この変化についていけない人と対応できる人で二極化していく」と予測する。

「まず身につけておくべきは、自分の成果をいかに可視化するかという“成果アピール力”。成果で評価するジョブ型雇用が浸透するということは、逆に成果が出なければ簡単にクビを切られるということ。日本では組織の調和を優先して個人の成果をアピールすることが好ましくないとする傾向もありますが、上司の顔を立てれば出世できる世界ではなくなります」

 片桐氏の周囲では、「労働時間の“量”でアピールしていた人が、テレワークでどうアピールすればいいのか悩んでいた」というが、それこそ本末転倒だと指摘。

「仕事の目標やゴールが変わったわけではないのに、上司に働いている姿を見せていないと認めてもらえないという働き方がそもそもの間違い。成果を出すということは、言われた以上に付加価値を加えて返せるということ。組織のために自分の強みを惜しげもなく投資し、成果を出して貢献する。そうした仕事の成果を誇れないというのであれば、それは会社にただぶら下がっているだけの人です」

 この点で、「仕事はカネのため」と割り切りすぎるのは危険だとも。組織人事コンサルタント・曽和利光氏は語る。

「ワークライフバランスは大切ですが、だからといって『与えられた仕事だけこなす』『給料分だけ働く』というのは極端。そもそもその『給料分』が、成果という質ではなく、労働時間という量に依存した話になりがちです。

 これからは会社員といえども、フリーランスに近いマインドが必要になる。どんな仕事に取り組み、どんな過程を踏んでいるかをアピールしつつ、最終的に成果物で周囲を納得させる。こうした仕事への向き合い方ができる人は、テレワークにもすんなり対応しています」

 テレワークで問われるのは「仕事のやり方」ではなく、実は「仕事への向き合い方」なのだ。

「逆に、そのマインドになっていないローパフォーマーに限って出社したがる。最悪のシナリオは、そうした人が集まってオフィスという密室で意思決定や合意形成が進んでしまい、その会社自体がコロナ氷河期で淘汰されてしまうことです」(曽和氏)

1049チバQ:2020/08/26(水) 14:58:36
現役世代の管理職に求められる人材は?
 だからこそ、現役世代の管理職に求められるのは、「理性的かつフェアで、情報共有の場づくりができる人材」だと片桐氏。

「出社、テレワークにかかわらず、社員が情報発信をしやすい場をつくれる人。そして、各人の成果を公平に評価し、それを上役に正当に報告できる人。こうした上司がいれば、そのチーム全体のモチベーションが高まり、信頼関係によって生産性が向上します」

 仏頂面で周囲を威圧し、手柄だけ横取りするような化石上司は、コロナ氷河期によって絶滅する。

▼コロナ氷河期で生き残る人
・ジョブ型移行にも柔軟に対応。仕事の成果をアピールできる
・自分の強みを仕事に投資し、付加価値を創出して貢献できる
・情報発信しやすい場をつくり、理性的でフェアな評価ができる

▼コロナ氷河期サバイバルの心得
・仕事のゴールとプロセスを開示し、周囲にアピールしつつ成果を出す
・仕事の「やり方」より「向き合い方」。単純労働から脱却すべし
・テレワーク組を放置して、出社組の村社会と化せば、会社ごと潰れる

【人材育成コンサルタント・片桐あい氏】
カスタマーズ・ファースト代表取締役、産業カウンセラー。外資系企業を経て独立。著書に『これからのテレワーク 新しい時代の働き方』(自由国民社)

【組織人事コンサルタント・曽和利光氏】
人材研究所代表取締役社長。リクルートの人事採用部門を経てさまざまな業種の人事・採用部門の責任者を担当。著書に『コミュ障のための面接戦略』(星海社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>

―[コロナ氷河期の衝撃]―
日刊SPA!

1050とはずがたり:2020/08/31(月) 22:09:30
「好きな酒のためなら」 西成で障害者ら造るビール人気
2020/08/27 15:00
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/bizskills/ASN8W365SN70PTIL008.html

1051チバQ:2020/09/11(金) 11:21:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/8529e48fd932cccbef6c43fb84988be4e5394aaf
「食費切り詰めるしか…」40年続けた仕事失った80歳 コロナで貧困直面の高齢者
9/11(金) 10:16配信




8月のお盆前に福岡県高齢者能力活用センターで求職の相談をした元試食販売員の女性(手前)。仕事はまだ見つからない
 新型コロナウイルスの流行が高齢者の就労に深刻な影を落としている。全国の65歳以上の完全失業者数は7月まで6カ月連続で15万人超を記録。コロナ禍以前の13万人前後から急増した。高齢者は非正規雇用の割合が高いため解雇されやすい上、細った求人枠も下の世代に流れがち。感染への不安から求職活動をためらうケースも少なくないとされ、老後資金に乏しい人が収入源を断たれて貧困に陥る懸念が強まっている。

【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に

 「食費を切り詰めるしか…」。40年以上、なりわいとしたスーパーの試食販売員の職を失った女性(80)=福岡市南区=は漏らす。

 新型コロナの感染拡大で試食提供が難しくなり、3月に派遣元から休業を言い渡され、退職。すぐ職探しをしたかったが、高齢で感染すれば重症化しやすいと聞き、家にこもった。ようやく8月から求職を始めたが、年齢が壁となり新しい働き口は見つからない。

 夫を早くに亡くし、一人で娘と息子を育て上げた。貯蓄は家族の借金返済などに充ててきた。それでも、月7万円の年金と月10万〜15万円の給与で生活は困らなかった。だが、職を失ってからは一変。預金は底を突き、先月の家賃は滞納している。「接客は得意だし、体も元気。仕事がしたくてたまらない」

    ◇   ◇

 「人生100年時代」を掲げる安倍政権下、高齢者の雇用情勢も改善が続いた。総務省によると、2019年の65歳以上の就業者は892万人。12年から毎年37万〜55万人増え、1・5倍に増加した。だが、今年は7月時点で897万人にとどまっており、伸びの鈍化は明らかだ。新型コロナの収束が見えない中、2〜7月の完全失業者数も15万〜17万人と、過去10年と比べても高水準で推移する。

 高齢就労者の8割は、雇用の「調整弁」になりがちな非正規。企業の業績悪化に伴い、切られやすい立場にある。「その上、若い人たちが職にあぶれたことで高齢者がより働きづらくなっている」。主に60歳以上の就職を支援する公益社団法人「福岡県高齢者能力活用センター」(福岡市)はこう指摘する。

 コロナ禍以前、雇用の受け皿となってきた小売業にも陰りが見える。福岡県内のあるスーパーでは、毎月20人あった新規求人が4月以降、半数以下に。同センターの担当者は、スーパー側から「若い方がいい」と採用枠の大半を若い世代に切り替えたことを告げられた。7月の高齢者向けの就職講座には、想定の1・6倍の約80人が参加した。

 シルバー人材センターは家事や介護補助などの仕事を提供しているが、同県内各センターの4〜7月の入会者は1003人で前年同期に比べ475人減少。一方で、退会者は1769人で84人増えた。

 公益社団法人「福岡県シルバー人材センター連合会」は「感染を恐れたり、家族に仕事を控えるよう諭されたりして諦める人は多い。培った知恵や経験が生かされないのは残念だ」としている。 (大坪拓也)
「地域や自治体の目配り必要」
 戎野淑子立正大教授(労使関係論)の話 就業を諦め、年金で生活をつなぐ高齢者は貧困に陥っても顕在化しづらく、地域や自治体の目配りが必要だ。リモートワークなど新たな働き方に高齢者が対応し、能力を発揮できるよう就労支援の充実も求められる。
高齢者の就労状況
 2018年の就業者総数のうち高齢者は12.9%を占め、産業別では卸売業、小売業が127万人で最多。高年齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用継続制度の導入を義務付けており、法改正で21年4月からは70歳まで就業機会を確保することが努力義務化される。

1052チバQ:2020/09/14(月) 13:10:44
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ae51faaaa238875f02fafe8ab8b7f53ae29dfe2

年金減額、消費増税、非正規雇用増… 生活弱者、一層苦しく 安倍政権7年8カ月




9/14(月) 6:05配信



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北海道新聞







札幌市東区の女性が付けている家計簿。「記入していると涙が出る時がある」
 公的年金の減額や消費税増税、非正規雇用の急増―。2012年12月に誕生し、歴代最長となった第2次安倍政権の政策は、道民の暮らしにどう影響したのか。高齢になっても働かざるを得ない年金受給者や、正社員になれず低賃金にあえぐ労働者ら、厳しい生活環境に置かれている人々の「7年8カ月」をみた。



首相の「成果」実感せず
 「暮らしは守られるどころか苦しくなった」。札幌市東区の女性(74)はそう漏らす。

 NPO法人で長年働く。政権発足時に年金受給者となったのを機に、年金を生活費に充て、給与を貯金しようと考えた。トラック運転手として働きづめだった夫(77)と少しでも余裕のある老後を過ごすためだ。

 だが現実は違った。年金から天引きされる介護保険料は2割増えた。医療保険料も適用されていた低所得世帯向け軽減措置が無くなり、消費税率は10%に。一方、年金は15年度以降に少子高齢化などを理由に計3回、支給額が抑制された。

 4年前に夫が脳梗塞で倒れた。月約10万円の年金は、夫の介護施設利用料も引かれて半分以上が消える。女性は法人からの給与と手元に残る年金の計12万〜13万円から、夫の治療費や生活費を捻出する。

 安倍晋三首相は昨年の所信表明演説で「1億総活躍社会」を掲げ「意欲ある高齢者の皆さんに70歳までの就業機会を確保します」と強調した。だが、女性は「意欲ではなく、生きていけないから仕事を辞められない。口先で良い印象を浸透させ、現実を覆い隠そうとしている」と憤る。

 首相は辞任表明時、「400万人超の雇用を生み出した」と成果を誇った。18年の働き方改革関連法の成立時には「非正規という言葉を一掃する」と宣言。だが生み出された雇用の大半は、12〜19年に約350万人も増加した非正規だ。

 「卒業して以来、私の給料ってずっと同じなんです」。札幌市の契約社員の40代女性はつぶやく。

 「就職氷河期」の02年に専門学校を卒業後、市内の手芸店でアルバイトを続けた。5年後に正社員になったが「固定給になっただけで、ボーナスも無かった」。2年前、パソコン関連企業で契約社員になった。週5日働き、月給は約14万円。時給換算で最低賃金程度の暮らしが20年間、続く。

 政府は昨年、就職氷河期世代の非正規労働者を支援し、正規労働者を30万人増やすと表明。女性も正規雇用の希望を会社に伝えたが、取り合ってもらえなかった。「企業は私たちのような駒をそろえておきたいだけ。国の政策も『はりぼて』ばかり」と諦め顔だ。

1053チバQ:2020/09/23(水) 11:24:19
https://news.yahoo.co.jp/articles/66c070ab4019828ac93084167841e4f7f9b2adb8
「貯金崩しているが…」大企業の非正規、国の支援置き去り
9/23(水) 9:44配信



制度の改正を求める声も

全国展開の飲食店に勤務する九州出身の男性は「この先どうなるのか。不安と焦燥感でいっぱい」と話した=8日午後、東京都内
 全国展開の大手飲食店などで働く非正規労働者が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業手当を受け取れない事態が置き去りになっている。企業側が負担感から支払いをためらうケースや、シフト制で勤務日が定まっていないことを理由に休業扱いにされないケースもあるという。労働者に直接支援金を給付する制度が7月に創設されたが、「大企業」は対象外。制度の改正を求める声も上がる。

【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に

 「どうやって生活していったらいいのか…」

 福岡や佐賀などにも展開する大手飲食店の東京都内の店舗で、アルバイトとして働く20代男性は話した。店は緊急事態宣言中の4〜5月は休業。6月に営業再開したものの、感染再拡大もあってシフトは半分以下に減らされた。もうすぐ振り込まれる8月の給料は、コロナ禍前の約20万円から激減し、2万円ほどになる見込みという。

 休業手当はシフトが決まっていた4月分に限り、6万円を受け取った。それ以降は「休業や時短営業は会社のせいではない」として拒まれている。支払いを求め続けるとシフトに入れてもらえなくなった。「貯金を崩して生活しているが、2〜3カ月で尽きる。不安でいっぱい」と漏らした。
 国は企業に休業手当の支払いを促すため、雇用調整助成金の対象に非正規労働者も加え、大企業への助成率を2分の1から最大4分の3まで拡充した。ただ、飲食業界は内部留保が少ないとされる。新型コロナの影響が長期化する中でコスト増を避けるため、支払いをためらうケースが少なくないという。

 労働政策研究・研修機構の調査では、勤務先から休業を指示された603人の24%に当たる145人が「休業手当が全く支払われていない」と回答。そのうち約70%を非正規労働者が占めた。業種別では飲食店、宿泊業が多かった。
 厚生労働省によると、労働基準法は企業の都合で休業した場合に手当の支払いを義務付けているが、緊急事態宣言や自治体の要請に基づく休業はこれに当たらない可能性もある。シフト制の非正規労働者は勤務日が確定していないため、企業に支払い義務があるとは言えず、労働基準監督署による指導も難しいという。

 7月、休業手当を受け取れない労働者に賃金の8割を直接給付する「休業支援金」制度が始まったが、対象は中小企業に限られる。労働組合「首都圏青年ユニオン」(東京)の担当者は「大企業20〜30社の従業員から相談を受けている。全国展開の飲食店は1社につき千人単位で非正規を抱えており、支援から漏れている人は数万人に上る可能性がある。正社員にだけ休業手当を払うなど非正規差別もある。国は休業支援金の対象を見直すべきだ」と話す。 (久知邦)

1054チバQ:2020/09/23(水) 11:25:06
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/643390/
「2日に1食が当たり前」働く女性の悲痛な声 コロナで解雇や雇い止め
2020/9/10 6:00 (2020/9/11 11:46 更新)
西日本新聞 一面 久 知邦
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働く人の5割が非正規、男性の2.5倍
 新型コロナウイルスの感染拡大が、働く女性に深刻な影響を与えている。女性は雇用者に占める非正規の割合が5割超と男性の約2・5倍高く、飲食店の休業などで解雇や雇い止めとなるケースが目立つ。女性の非正規労働は、アベノミクスの「雇用創出」を支えてきたが、コロナ禍で「雇用の調整弁」とされている実態が鮮明になった。専門家は「男女間の構造的な格差が改めてあぶり出された」と指摘する。
 「仕事が減り、この先どう生きていけばいいのか。子どもたちには2食で我慢してもらい、私は2日に1食が当たり前です」
 シングルマザーを支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京)には、母親からの悲痛な相談が相次いで寄せられている。同法人などが7月に実施した調査では、母子世帯1388人のうち61・5%が非正規で、半数が収入が減少したと回答。平均月収はコロナ禍前から1万2千円減り、10万9千円だったという。
 厚生労働省の集計では、感染拡大に関連する解雇や雇い止めは見込みも含め5万2500人を超えている。同NPOの調査に協力した立教大の湯沢直美教授(社会福祉学)は「生活難で子どもの学費のための貯金がなくなったという声もある。進学断念などで格差が拡大し、固定化する恐れがある」と懸念する。

 苦しいのは母子世帯に限らない。総務省によると、政府が緊急事態宣言を出した4月、国内の雇用者数は7年4カ月ぶりに減少に転じた。男性が前年比3万人減だったのに対し、女性は10倍以上多い34万人減。感染拡大の影響が女性に顕著に表れたのは、国内の非正規雇用者(約2千万人)の7割近くを女性が占めるためだと考えられる。
 個人で加入できる労働組合、総合サポートユニオン(東京)に2月末から寄せられている相談も約3千件の6割が女性だ。休業を余儀なくされた飲食、サービス業などの従事者が多い上に、学校が休校になった子どもの世話のために仕事を休まざるを得ない事情もあったという。
安倍政権「看板政策」かすむ
 統計上は2012年から19年にかけ499万人の新たな雇用が生まれており、安倍晋三首相はアベノミクスの実績としてアピールする。ただ、このうち226万人は非正規の女性。看板政策に掲げた「女性活躍の推進」はコロナ禍を前にかすんでいる。
 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「コロナの影響は長期化しており、女性の従業員比率が高い飲食サービス業などの需要は戻っていない。雇用維持策だけでなく、デジタル関連産業などにも対応できるような職業支援をすることが次の政権には求められる」と話す。
(久知邦)

1055チバQ:2020/09/25(金) 10:41:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/f34f1b7bcdb14d95dac43a95bdb37f7f37b7268a
「私たちは駒」成績トップでも…あっけなく解雇 非正規の苦しみ
9/25(金) 9:55配信




新型コロナウイルスの影響で雇い止めとなり「私たちは駒」と嘆く女性
 新型コロナウイルスの影響による雇用環境悪化の波が九州に押し寄せている。解雇や雇い止めが増えているのは、弱い立場の派遣労働者や契約社員など非正規の人たちだ。営業成績トップでも、残業をいとわず働いても、あっけなく職を失った。コロナ禍での企業の苦境を理解しつつも、突然職場を追われた悔しさと喪失感に苦しむ。「私たちは、人間ではなく駒みたい」

【画像】九州7県 解雇件数の推移の比較

 福岡市城南区の女性(41)は今年1月から商店街の個人商店などに電子決済の導入を促す営業の仕事を始めた。登録した派遣会社は「長く働ける職場」とアピールした。

 自転車で市内の商店街を巡り、飛び込み営業をした。「忙しい」と断られても粘り強く通った。熱心さが評価され、営業成績(導入店舗獲得数)は全国でもトップクラス。「人と話すのが好きだし、給料も良かった」
 政府が緊急事態宣言を出した4月、派遣先から在宅勤務を命じられた。ノルマは「家で1時間に20件以上の店舗に電話」。慣れない業務のため頭痛に悩まされるようになり、5月は3日間の病休を取った。月末、派遣先から「コロナで直接営業は厳しい。営業人員を半分にする」と告げられた。

 成果を出していたはずなのに、6月末に派遣は終了。「3日間の病休」が原因としても納得できない。「いくら頑張っても会社の都合でいつでも切られる存在」と痛感した。年末までは貯金と失業保険でしのげるが、その先は見通せない。思い切って起業するかどうか悩んでいる。
 韓国人の女性(27)=福岡市=は「日本で正社員になるのが夢だったのに」と肩を落とす。中学生の頃から日本に憧れ、昨年7月に市内の免税店で働き始めた。契約社員だったが、日本人の上司から「2年頑張れば正社員」と言われ、急な残業も積極的に引き受けてきた。

 2月ごろから日に日に客が減った。「3日後から来なくていい」。3月、上司にこう言われた。「頭が真っ白。大好きな職場だったのに一方的に解雇されてショックだった」
九州7県 解雇件数の推移の比較
 失業保険で食いつなぎ職探しに奔走するが、入管難民法の規定で働き口は限られる。訪日客が消えた今、あえて韓国人を求める会社はほとんどない。

 「日本にいたい。でも、どうやって日本で生きていけばいいのか分からないです」

(井崎圭)

1056チバQ:2020/10/08(木) 13:57:47
https://dot.asahi.com/dot/2020093000043.html
コロナバッシングされた41歳女性パチンコ店員が「パパ活」をした意外な理由


吉田みく2020.10.4 17:00dot.

 コロナ禍ではパチンコ店に激しいバッシングが浴びせられ、報道でも大きく取り上げられた。その時、従業員はどんな気持ちだったのだろうか。

「お子さんのいる家庭では、『お父さんは悪いことをしているの?』と聞かれたこともあったようです。同僚は『悔しい』と話していました」

 都内在住で、アミューズメント会社に勤務する伊藤文子さん(仮名・41歳)は当時をこう振り返る。伊藤さんの会社は主要都市を中心にパチンコ店を展開しており、4月の緊急事態宣言発令に伴い、全店舗が休業となった。休業補償や有給休暇などを充てることで給料は通常通り出たそうだが、今までに経験したことのない1カ月近い休業期間は、不安で押しつぶされそうだったという。

「このままコロナで失業するのかと、心の底から思いました。実際は、クラスターは発生していません。そもそも、パチンコ店は普段から換気は十分に行われており、3密の環境ではないんです。でも、メディアの刷り込みなどもあり、業界全体が悪者になってしまった。本当に悲しかったです」

 今でも、新型コロナウイルスは収束の気配をみせていない。アミューズメント業界も、今後は業績が大きく下がる可能性も少なくない。見えない敵との戦いに、誰もがおびえている状況だが、伊藤さん自身も考えに変化が出始めたという。

「来店型ビジネスの今後の在り方などを考えるようになりました。それに伴って、自分自身もスキルアップをして知識を増やしていきたいと思ったんです。学びは裏切りませんからね」

 そこで講習会やセミナーなどへの参加を考えているのかと思いきや、さにあらず。伊藤さんが目をつけたのは「パパ活」だった。以前から友人にパパ活の魅力を聞いていた伊藤さんは、このコロナ禍をきっかけに、思い切ってパパ活を始めてみることにしたという。

「経営者の視点を知ることは、私が来店型のビジネスを考えていく上でも重要なはず。パパ活は成功している男性が多く登録していると聞いていたので、私が求めているものとマッチしていると思ったんです」

 早速、伊藤さんはパパ活アプリに登録し、パパ候補の男性へ「いいね!」を押していった。スペック重視で選んでいたので、パパへのアプローチは10人くらいに抑えたという。

 ただ、実際にアプリを使ってみると想像と違うこともあった。ネットなどの情報から、パパ=落ち着いた年齢の紳士的な男性というイメージを持っていた伊藤さんは、想像以上に若い年齢のパパが多いことに驚いたという。

「パパ活のはずなのに恋人募集とか見ると、がっかりしました。私の目的はお手当ではなく、経験談から得られる学び。パパとの会話がかみ合わなくて……。体の関係や愛人探しばかりで疲れちゃいました」

 そんな状況ではあったが、わずかな期待を求めて、伊藤さんは尊敬できるパパ探しを続けた。

「私自身、コロナで先が見えない毎日が不安でした。だからこそ、普段以上に学習意欲が高かったんだと思います」

 しかし、マッチングはするものの、伊藤さんが求めるようなビジネス経験が豊富なパパとはなかなか出会えなかった伊藤さん。中には年収や社会的地位も高くない“普通のおじさん”も多かった。

 かなり難航したパパ活ではあったが、ついに、伊藤さんは1人のパパと食事に行く約束をとりつけた。男性は50代の会社経営者。オシャレなイタリアンレストランを予約してくれたが、正直、伊藤さんの収入でも十分に行けるクラスだったという。伊藤さんとしては、将来のビジネスにつながる体験談を聞けると思っていたのだが……。

「話題のメインは男性のパパ活事情について。『お気に入りの女の子には高額なプレゼントをした』とか『言い寄られて困る』などの自慢ばかりでした。自慢話ほどつまらないものはないですよね。正直期待外れで、私の求めていたものではありませんでした」

 ほんの少しビジネス絡みで聞けた話は、どこかで既に聞いたことがあるような内容ばかり。普段から学習意欲のあった伊藤さんからするとつまらないものだったそうだ。

「『メモは重要』、『多くの人に会って刺激を受けなさい』とか……。薄っぺらいアドバイスにがっかりでした」

1057チバQ:2020/10/08(木) 13:58:29
 男性は1万円程度の食事代を支払ってくれたものの、いわゆる“お手当”というものはくれなかったとのこと。

「もともともらうつもりはなかったので良いんですけどね」

 その後、このパパとは自然消滅。2度目はなかった。

「パパ活に夢を見すぎていたのかもしれません。今はパパ活はお休みして、自宅でビジネス書を読み込むなどしてスキルアップを目指しています」

 このまま会社に居続けることが正解なのか、それとも起業して独立するのが良いのか悩んでいるという伊藤さん。これからもさまざまなことにチャレンジして、自分の視野を広げていきたいそうだ。

 かつては疑似恋愛をして女性が男性からお小遣いをもらうシステムだった「パパ活」が、伊藤さんのように“ビジネス目的”でも利用する人が出てきたのは驚きだった。それほど、コロナは働く人々にとって大きな影響を与えているのだ。

 自分の将来を守るためにはパパ活でも何でも使う――そういう時代になってきたのかしれない。(取材・文=吉田みく)

1058チバQ:2020/10/16(金) 17:58:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/07d22803784f8cfa0452d0c58961eb06f02587c8
「10社以上でクビ」発達障害46歳男性の主張〜上司から「高卒より使えない」と叱責され続けた
10/16(金) 5:21配信
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最近、またしても雇い止めに遭ったアキオさん。自らの仕事ぶりについて「障害者雇用でしたが、やはり作業が遅いと言われました」と話す(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「『早稲田政経卒「発達障害」26歳男が訴える不条理』を読んで自分とそっくりだと思いました。作業が迅速にこなせずクビを告げられるか自分から辞める事を繰り返しています。」と編集部にメールをくれた、46歳の男性だ。

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■「よくそんな暇あるね」と皮肉を言われた

 発達障害のアキオさん(仮名、46歳)は今年6月、働いていた会社を雇い止めにされた。実質的なクビだった。「作業を迅速にこなすことができないんです。気がつくと集中力が途切れて手が止まっていることがあります」。これまで、このようにして辞めさせられた会社は、アルバイトを含めると10社を超える。

 過去に強迫神経症と診断されたこともあり、さまざまな強迫行為を繰り返すことも作業の遅れに拍車をかけた。社内の郵便物を集配する仕事に就いていたときは、回収漏れはないと納得できるまで、空のトレーの前で2分以上確認を続けてしまう。トイレに行ったり、ウェットティッシュで手を拭いたりする回数が多すぎると注意を受けたこともある。実際にティッシュは1日約150枚は使っていたという。
 空気が読めない、明確な指示がないと動けないといった発達障害の特性による“失敗”もあった。仕事が遅れているのに、昼休みにソファーで新聞を読んでいて「よくそんな暇あるね」と皮肉を言われたことや、講演会の準備一式を任されたのに、肝心の講師への案内状を送り忘れたこともある。

 「せっかく大卒を採用したのに高卒より使えない」

 「伝票1枚入力するのに30分もかけないでよ!」

 「今日が初日の新人より(作業が)遅いって、どういうこと?」

 「別の仕事を探してくれないかな……」

 いずれも、アキオさんがこれまで上司や同僚から直接言われたり、偶然耳にしてしまったりした言葉だ。アキオさんが持参してくれた履歴書には「一身上の都合により退職」という言葉が並ぶが、実際のきっかけはこうした退職勧奨や陰口、叱責だったという。自分でも仕事が遅いという自覚はあったものの、自己肯定感は奪われる一方だった。

 アキオさんは千葉県出身。学校の成績は「中の上くらい」で、本や新聞を読むことが好きだった。一方で運動は苦手。引っ込み思案で友達は少なく、要領もよくはなかったという。子どもたちが数人の班に分かれて行う家庭科の調理実習では、何をやっていいのかわからず、てきぱきと役割をこなすクラスメートたちの横で、結局キュウリを洗うことしかできなかったことを覚えている。
 関東圏の私立大学を卒業後、最初に勤めた会社は1年もたなかった。短期間に転職を繰り返すアキオさんを心配した両親から「今回は土下座してでも、続けさせてほしいと会社に頼みなさい」と言われたこともある。

 ある会社を辞めたときは、両親に合わせる顔がないと思い、ネットカフェで夜を明かした。ところが、普段無断外泊などしないのでかえって心配をかけてしまった。翌朝、自宅に電話をすると、同じく一睡もしていなかった母親から「帰っておいで」と泣かれたという。
 学校を卒業するまでは大きな問題はなかったのに、社会人になった途端、歯車が狂い始める――。言い知れない不安はアキオさんだけでなく、家族をもさいなんでいた。

1059チバQ:2020/10/16(金) 17:59:13
■30代になり非正規雇用になることが増えた

 20代半ばで精神科を受診したところ、強迫神経症と診断された。しかし、処方薬の副作用が強く、困った揚げ句別の病院で受診。ところが、そこの医師からは「本当の強迫神経症は、部屋にひきこもって出られなくなってしまうもの。あなたはそこまでではない」という趣旨のことを言われ、診断そのものを否定されてしまったという。当時はまだ医療関係者の間でも「大人の発達障害」への理解は不十分だった。

 30代に入ってからは、転職先の雇用形態は非正規雇用になることが増えた。毎月の手取りは15万円ほど。実家暮らしだからなんとか生活できる賃金水準に落ち込んだ。

 ちょうどこのころ、発達障害のことを取り上げた新聞を読んだ両親から勧められ、再び精神科を受診。その後、数年間にわたっていくつかのクリニックに断続的に通い続けたところ、ある病院でようやく本格的な検査を受け、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を得ることができた。
 「それまで、こんなに困っているのにどうしてとずっと悩んできました。(診断により)原因がわかってホッとしました」

 クビと仕事探しを繰り返す生活に疲れはてていたアキオさんは、障害者雇用枠で働くためにできるだけ早く障害者手帳を取得したいと考えていた。本来、手帳の交付には初診日から6カ月以上経過していなければならない。診断を出してくれた医師に相談したところアキオさんの通院歴を基に、可能な範囲で初診日をさかのぼってくれたという。
 早速、ある有名企業に障害者雇用枠で転職。ただ、その後も順調というわけにはいかなかった。実は今年6月に雇い止めにされたのは、この企業のことだ。1年更新の契約社員で勤続7年あまり。アキオさんのキャリアの中では最も長く働いた会社だった。

 アキオさんはここでも作業時間の短縮などについてノルマを課されたが、結局改善ができず、雇い止めを示唆された。これに対し、普段から新聞を読んでいたアキオさんは労働契約法に基づく「無期転換ルール」の知識があったので、ダメもとで会社に無期転換の申し込みをしてみたという。無期転換ルールとは、有期雇用契約を更新して通算5年を超えると、無期契約への転換を求めることができるというものだ。
 結局、抵抗むなしく雇い止めの決定は覆らなかった。しかし、本来無期契約申込権は5年を超えた時点で自動的に発生する権利であり、申し込みを受けた会社側は拒否することはできないとされている。会社がアキオさんをクビにするなら、いったん無期契約社員にしたうえで解雇をするのが、法律の趣旨に沿った対応のはずだ。

■「国民年金」と「厚生年金」の大きな壁

 アキオさんの月収は約15万円と決して高くはなかった。一方で障害者を雇用する企業にはさまざまな助成金制度など直接的なメリットも多い。会社は障害者を使い捨てたと言われても仕方がない。上司たちには後ろめたいことをしているという自覚があったのかもしれない。アキオさんは退職にあたり「一連の経緯を第三者に明かさない」といった旨の守秘義務を盛り込んだ合意書に署名するよう、求められたという。

 アキオさんは現在、失業保険を受けながら仕事を探している。年齢的に就職活動が厳しくなるにつれ、不安になることがあるという。発達障害に関する初診日の時点で加入していたのが国民年金だったことから、障害年金の受給が難しいのではないか、ということだ。

 障害年金は、初診日に加入していた年金が国民年金か厚生年金かで、対象範囲や受給金額に違いがある。障害年金の等級は障害の重さに応じて1―3級まであるが、3級があるのは厚生年金だけ。金額も1級の場合、国民年金は月額約8万1000円なのに対し、厚生年金は加入期間によっても異なるが、月額で15万円を超えることもある。
 アキオさんの場合、診断日は厚生年金だったが、初診日は失業中で国民年金に加入していた。初診日をさかのぼってもらったことが、あだとなったわけだ。障害者手帳と障害年金の等級の判定方法は別だし、手帳がなくても障害年金の申請をすることはできる。ただアキオさんの障害者手帳は3級。年金受給には、国民年金の「障害基礎年金2級」の判定を得る必要があるが、医師からはそれに相当する診断書を書くことは難しいとの説明を受けている。
 「障害者雇用の給料は高くはありません。わずかでも障害年金で補えると、少しは安心できるのですが……。(身体障害などと違って)発達障害の症状は基本的に変わらないと思うんです。初診日に加入していた年金の種類によって、ここまで手厚さに違いがあるのは、納得ができません」

1060チバQ:2020/10/16(金) 17:59:33
■「せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」

 アキオさんにはファミリーレストランで話を聞いた。質問に対する答えはとても的確で流暢だった。一方でアキオさんは注文したドリアにいつまでも手を付けなかった。私が何度「冷める前に食べてください」と勧めても、スプーンを手に取ろうとしないのだ。話すことと、食べることの2つを同時にこなすことが難しい様子だった。
 また、取材後、アキオさんからは「取材時説明内容の補足」と題した長いメールが何通か届いた。上司らの発言のささいなニュアンスの訂正のほか、障害に対する配慮をしてくれたり、飲みに連れて行ってくれたりした上司もいたので、会社のことをあまり悪く書かないでほしいといったことがつづられていた。初診日をさかのぼってくれた医師についても迷惑がかからないよう、書き方に配慮してほしいとリクエストされた。

 そのたびに返事を書かなければならない私にしてみると、効率という点では決してよいとはいえなかった。一方でアキオさんの優しい人柄も伝わった。ただ10社以上も転職せざるをえなかったキャリアを考えると、こうした誠実さは現在の社会や会社が求めるものではないのかもしれないとも思う。

 発達障害の人の生きづらさについて記事を書くと、時々「発達障害の上司や部下を持つほうの身にもなってほしい」といった感想が寄せられることがある。そうした主張を理解できないわけではない。ただ、発達障害の同僚を持つ大変さに共感できたとしても、結局、社会がたどり着く先にあるのは“排除の理論”なのではないか。

 アキオさんは記事を通してこう伝えてほしいという。

 「面倒かもしれませんが、社会に居場所をつくってもらえると助かります。私のことを理解してほしいとは言いません。せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」
本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト

1061チバQ:2020/10/22(木) 10:35:37
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd6a9892845f72b7339a489f7c03869ca2e4150f
「食べ物ください」コロナで解雇、路上生活の末…恐喝未遂の30歳女に刑猶予
10/22(木) 9:38配信




被告が寝泊まりしていた警固公園。ベンチ(中央)近くにいたという=21日、福岡市中央区(撮影・穴井友梨)
 今年8月、福岡市・天神の真珠販売店。女(30)がカッターナイフを店員に向けて現金を脅し取ろうとした。結果は未遂。恐喝未遂と建造物侵入の罪に問われ、福岡地裁は21日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年2月)の判決を言い渡した。新型コロナウイルスの影響で解雇され、路上生活を経ての犯行。相談は恥だと思っていたという。コロナ禍は弱い立場の人ほど追い込んでいく。福祉、行政は頑張りどころにきている。

【別カット写真】被告が寝泊まりしていた警固公園

 判決によると、被告は8月20日昼、店員の女性にカッターナイフを向け「お金を出してください、切りますよ」と脅迫。通報するそぶりに逃げ出した。判決理由で加藤貴裁判官は「被害者に相当の恐怖心を与えた」と指摘する一方、犯行直後に自首したことなどを踏まえ、執行猶予とした。

 公判での被告人質問などによると、物心がついた時には「久留米市の施設」にいた。中学卒業まで施設で過ごし、飲食店での勤務を転々とした。当時から現在まで、家族とはほぼ絶縁状態。父親の顔は知らない。
夜逃げ同然でアパートを出た
 「辞めてもらえないか」。2月、勤務先のうどん店の店長に告げられた。新型コロナで客足が遠のいていた。休業だと国の支援金制度の対象。解雇の場合は雇用保険などが受け皿になる。被告の保険の状況は定かではない。

 家賃が払えなくなり、相談相手もいないまま孤立を深め、夜逃げ同然で久留米市のアパートを出た。
「私は健康だし、恥ずかしい」相談できず
 福岡市に向かった。都会の求心力に引き寄せられた。中央区の警固公園や周辺で寝泊まりし、紙に「食べ物をください」と書いて路上に立つ日々。現金を差し入れてもらったときにはネットカフェで休んだ。居候をさせてくれた女性もいた。善意が染みた。

 公園を巡回する警備会社の女性(57)はベンチで過ごす被告の姿を覚えている。「ここで寝泊まりしていたら危ないよ」。声を掛けたが返事はない。通りすがった人が「福祉施設に入ったほうがいい」と話し掛ける様子も見掛けたが、しばらくして姿を見なくなったという。

 被告は福祉に頼ってはいけないと思い込んでいた。「私は健康だし、恥ずかしい」

所持金257円
 だが数カ月で限界がきた。所持金257円。「私もおいしいものを食べて、新しい洋服も買いたい」。カッターナイフを握った。高級感があり、店員が1人の店に狙いをつけた。ためらい、ためらい、3度目の入店で声を発した。未遂に終わると交番に駆け込み、一部始終を話し、逮捕された。公判で被告は店や被害者に謝罪した上で、「普通の生活がしたい」と打ち明けた。
届かなかった支援
 新型コロナに関する解雇や雇い止めは非正規社員を中心に6万人を超す。住まいを失うケースの増加も懸念される。自殺者は増加傾向にあり、30代以下の女性が目立つ。

 行政も路上生活をする人たちへの巡回支援をしているが、その網の目から漏れた。「支援が届かず、救えなかった」。国選弁護人を務めた若杉朗仁弁護士は言う。

 今後は一時的に宿泊場所や食事が提供される法務省の「更生緊急保護」制度で生活再建を目指すという。

 「自分で何でもできる人ばかりではないから、さまざまな支援制度がある。相談することを考えてください」。判決言い渡し後、裁判官の説諭にうなずいた被告。また、仕事をしたいと願った。

(森亮輔)

1062チバQ:2020/11/11(水) 10:17:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/c769deff192aeb62ba6d5bae5d97c71e982d6ba8
「水だけで3日」「冬なら死んでいた」コロナ禍に家を失う若年層増加の現実〈AERA〉
11/11(水) 7:02配信
 新型コロナが原因で、家をなくし、ホームレスになる若者が増えている。AERA 2020年11月16日号はその実情を追った。
*  *  *
「これから寒くなるのに、このままでは冬を越せない」

 10月下旬、東京・池袋の公園。男性(43)は、ホームレスになって痛めたという腰に手をやりながら疲れた表情でつぶやいた。

 九州出身で、長野県内の工場で派遣社員として働いていた。だが、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化すると、社員と派遣社員の半数ずつが「人員整理」されることになり男性は対象者になった。9月中旬、「雇い止め」となり職をなくした。

 仕事を求めて同月下旬、東京に来た。ネットカフェで暮らしながら仕事を探したが、年齢が壁となった。10月半ばにはお金が底をつきホームレスになった。公園などで寝泊まりを続けながら何とか暮らしていたが、所持金は100円を切った。

「今は、一日一日を生きるので精一杯です」

 家族とは決別しているので頼りたくないという。頼ったのが、池袋を拠点にホームレスを支援するNPO法人「TENOHASI」だった。冬物の衣類をもらえると聞き、配布場所のこの公園に1時間前から並びジャンパーをもらうことができた。だが、今後のことを考えると不安は尽きない。病気、食事、寝る場所。男性はこう話した。

「僕一人では、どうしようもできない」

■相談が再び増加の傾向

 コロナ・ショックが続く中、仕事をなくし住まいを失い、ホームレスになる人が増えている。

 先のTENOHASIでは月2回、池袋の公園で無料の医療・生活相談、配食などを行っているが、事務局長の清野(せいの)賢司さん(59)によれば、コロナ前、1度の相談で10人程度だったのが、4月と5月は一気に30人近くに増えたという。コロナの感染拡大でネットカフェが休業し、路上に押し出された人たちが多い。20代、30代の若年層が中心で女性も多かった。その後は少し落ち着いたがここ最近、再び増加傾向にあるという。清野さんは言う。

「これからますますコロナの影響で解雇や雇い止めが増えると考えられる。住まいは、生存と精神の基盤。早く手を打たないと、その基盤をなくす人たちが一気に増える」

 生活困窮者の支援活動を20年近く続けているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事長の大西連(れん)さん(33)は、こう話す。

「今は、多くの方がホームレスになる一歩手前で何とか踏ん張っている状態です」

 大西さんは、生活困窮者の支援者・団体の集まり「新宿ごはんプラス」の共同代表も務めている。同団体は、毎週土曜日に新宿の都庁前で生活困窮者やホームレスに弁当を配り、健康・生活相談にも乗っているが、コロナ以前と後で相談件数は2〜2.5倍になったという。日雇いや派遣、アルバイトなど不安定な仕事に就いた非正規労働者が圧倒的に多く、20代、30代の働ける年代が中心。「まさか自分が困窮するとは思わなかった」と声を揃えるという。

■水だけで3日間過ごす

 住まいをなくした人は、命を削るようにして暮らしている。

 新宿でホームレスをしていたという男性(32)が取材に応じた。コロナによって職を失い、住む家がなくなり、2週間近く路上で暮らしていた。

「仕事もなくなって、つらくて、死にたくなりました」

 ホームレスをしていた時の心境をそう振り返った。実際、紐で首をくくったり薬を大量に飲んだりして死のうとしたが、死ねなかったという。

 東京郊外の電気メーカーの工場で派遣社員として働いていたが、8月に体調が悪くなるとコロナの疑いをかけられ、そのまま自己都合での退職扱いとされた。派遣会社が借りていた寮も出ていかざるを得なくなりホームレスに。新宿に来たのはホームレスが多いとネットで見たから。飲食店が集まる歌舞伎町の路上に寝て、体が汚くなったら近くのサウナに行く。お金はなくなり、3日間何も食べず、水だけで過ごしたこともあった。

「冬なら死んでいた」

 幸い、先の「もやい」につながり部屋を借りることができ、11月からは生活保護も受けられるようになった。

 今の望みは何ですか? 記者の問いに男性は、こう答えた。

「普通に生きて、普通に暮らしたいです」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年11月16日号より抜粋

1063とはずがたり:2020/11/18(水) 20:34:32
貯金2000万円でも老後破綻の危機 ハロワ通い61歳男性の不安
https://news.infoseek.co.jp/article/postseven_1612959/
NEWSポストセブン / 2020年11月17日 16時5分

 コロナ危機の長期化は日本社会を「上級」と「下級」へと分断しつつある。中高年は「稼いで老後を乗り切れる層」と「稼ぎたくても職がない層」に二分され、“下級”に転落すると簡単には浮かび上がれないのだ。

 コロナリストラの影が忍び寄ってきている──。来年4月には改正高年齢者雇用安定法で70歳まで雇用延長が努力義務になるため、来年3月までに60代前半の再雇用社員と50代社員を一緒に人員整理したいという企業がこれから増えると予想される。

 あてにしていた再雇用(雇用延長)の収入がなくなれば生活設計が完全に狂い、蓄えがあるから“上級”だと思っていた人も、“下級”への転落が待ち受けている。

 人生100年時代、公的年金とは別に夫婦で2000万円の老後資産が必要──という金融庁の報告書が国民に衝撃を与えたのはほんの1年前。

 ちょうどその頃、大手流通グループ社員だったAさん(現在61歳)は定年を迎えて系列のホテルチェーンで再雇用され、1年更新の契約社員として働いていた。

「退職金と貯金で2000万円近い蓄えがあり、オレは大丈夫。70歳まで働けばあとは年金で生活できると考えていました」

 ところが、コロナの感染拡大でホテルの経営が大幅に悪化。この春、会社から「契約の更新は難しい」と他の正社員と一緒に退職を求められた。医療事務のアルバイトをしている妻も病院不況で月10万円ほどあった収入が3万円以下に減った。

「いまは失業手当をもらいながらハローワークに通っていますが、仕事は全然見つからない。住宅ローンも5年残っていて、年明けに失業保険が切れると、生活費とローンで貯金を月25万円くらいずつ取り崩す生活になる。このまま職がなければ年金をもらえる65歳までに貯金は半分、70歳くらいで底をつくんじゃないかとそんな計算ばかりしています。夫婦のどちらかが病気や要介護になれば老後破綻でしょうね」

 Aさんは諦めたような薄い笑みを浮かべた。

※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号

1064名無しさん:2020/11/29(日) 12:18:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/71e64eee3a5e8370cf4f5629e8f241d98540b0bc
190大学、年度末に休退学増加を予想 コロナで生活苦
11/29(日) 7:00配信

 コロナ禍の影響で、全国の国公私立大のうち少なくとも190大学が、「経済的理由による退学・休学者」が今年度末に増えると予想していることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」でわかった。不況による学生の家計悪化が続き、今後、「経営が困難な大学が増加する」と予想する大学も回答者の8割を超えた。

 調査は9月25日〜11月24日、国公私立の767大学を対象に「新型コロナウイルスによる影響」などを尋ね、82%にあたる631大学が回答した。6〜7月の緊急調査と同じ「就職活動」「経営状態」など14項目の選択肢を示し、「現時点(10月上旬)」と「年度末ごろ(来年3月)」について、特に大きな影響があると考える問題を、学長に五つまで選んでもらった。

 10月上旬で最も多いのは「学生募集」で78%、「授業の実施方法」が60%、「就職活動」が57%で続いた。来年3月の予想については、卒業式などの「行事」75%に「学生募集」55%が続き、コロナ不況で採用を減らす企業が相次いだことを受け、54%が「就職活動」を挙げた。

 不況で家計が苦しくなり、学費を払えない学生が増えるとみる大学も多い。「退学・休学の増加」は緊急調査時の7月に9%だったが、今回は10月に15%、来年3月には30%に急増。特に、国公立より学費が高い私立大は35%に達する。岐阜県の小規模私立大は「すでに経済的理由で退学した者がいる。今後も同様の理由で退学・休学する者も出てくると考えられる」と危機感を募らせる。

朝日新聞社

1065チバQ:2020/12/06(日) 21:28:15
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c4bfdf6107eca31026c69f02abb34e7c81128c7
自助圧力…追い込まれる困窮者 コロナ禍、相談ためらい支援届かず
12/6(日) 10:42配信

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西日本新聞
今年は感染防止のため炊き出しができず、支援団体は弁当などの個別配布を続けている=NPO法人自立生活サポートセンター・もやい提供

 長引く新型コロナウイルスの感染拡大が暮らしを直撃し、仕事や住居を失う人が増えている。困窮者にはこれまで公的支援とは無縁だった若年層や女性も目立つが、給付金などの支援策は相談までの心理的なハードルが高かったり、情報が届いていなかったりして救済につながらないケースもある。困窮の理由も一つではなく、識者は「伴走型」の支援の必要性を訴える。

【動画】「涙が出た」話題になったコロナ終息願う動画

 11月下旬、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(東京)が都庁前で行った弁当配布に160人超が列を作った。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」で知り、初めて訪れた熊本県出身の男性(31)。この数年、日雇いの仕事をしながらその日暮らしを続けてきた。緊急事態宣言が出された春以降、仕事がなく、以前、リゾート施設に住み込みで働いてためたお金も家賃などで底をつきそうだ。記者が行政への相談を勧めても、「年内に仕事が見つかれば何とかなる」と拒んだ。

 同団体によると、毎週の弁当配布に並ぶ人は150〜180人。例年の約2倍で半年以上同じ状況が続く。若年層も目立つといい、大西連理事長は「ぎりぎりの生活をしてきた若者が今回初めて困窮している。これまで日雇いで何とかなった経験からまだ大丈夫と考え、支援につながらない」と危惧する。

 路上生活者らを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」(同)によると、10月末までに相談があった165人のうち6割が30〜40代で、1割超が女性。例年は50代以上が大半で、女性はほとんどいなかったという。コロナ禍の困窮者は多様だ。

1066チバQ:2020/12/06(日) 21:28:41
 ◇    ◇

 厚生労働省によると、新型コロナの影響による解雇などは11月27日時点で約7万4千人。東京商工リサーチの調査では、関連する経営破綻も700件を超えた。第3波を受け、飲食店の営業時間短縮要請などが打ち出され、関係者からは悲鳴が上がる。雇用を取り巻く情勢は厳しい。

 非正規労働者の増加やリーマン・ショックによる派遣切りの問題などを受け、2013年に生活困窮者自立支援法が成立。最後のセーフティーネットである生活保護に至る前段階から公的支援を用意し社会復帰を促せるようになった。政府は新型コロナの感染拡大を受け、個人向けの給付金や家賃補助の要件を緩和するなど支援を強化している。

 ただ、こうした公的支援は当事者に必ずしも届いていない。TENOHASIの清野賢司事務局長は「料金滞納でスマホを止められ、無料Wi-Fiがつながる場所で日雇いの仕事を必死に探している人もいた。検索エンジンのトップニュースに上がらない限り、目にとまらない」と話す。

   ◇    ◇

 心理的なハードルもある。立教大の後藤広史准教授(公的扶助論)は「自立支援法は生活困窮が深まらないうちに利用することを目的に作られた制度。もっと気軽に利用していいはずなのに、最後の手段と捉えている人も少なくない」と指摘する。菅義偉首相が強調する「自助」の意識がすり込まれ、仕事をしていない負い目が利用をためらわせているとみる。

 新型コロナで困窮した福岡県中間市の101世帯の調査をした大阪市立大大学院の垣田裕介准教授(社会政策)によると、相談者に障害やその疑いがあったのは42人で、家族に障害があるケースも少なくなかった。以前から借金があったのは少なくとも69世帯、ひとり親は24世帯だった。

 垣田准教授は「困窮の要因は複合的に絡み合っており、相談につながっても減収に給付金や貸付金を充てるだけでは解決しない。継続的に寄り添い、問題を解きほぐすような支援が求められていることをコロナ禍は改めて浮き彫りにしている」と話す。

(久知邦)

困窮者への主な支援
 新型コロナウイルスの影響で困窮した人を対象とした政府の個人向け貸付制度(無利子)には、緊急小口資金(最大20万円を1回)と総合支援資金(最大月20万円を原則3カ月)の2種類がある。いずれも市町村社会福祉協議会が窓口で、年内までの申請期間は来年3月末まで延長される見込み。家賃を補助する住居確保給付金も4月に受け取り始めた人が12月に期限切れとなるため、受給期間は延長の方向となっている。厚生労働省は年末年始にかけて仕事や住居を失う人が増える恐れもあることから、全国の自治体に臨時の相談窓口を開くなど支援態勢の確保を求める通知を出している。

西日本新聞

1067チバQ:2020/12/16(水) 09:45:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/8af9cae214dd58a4351ee43ad081face29d0caad
母娘餓死 付近住民「生活に困っている様子なかった」 大阪
12/15(火) 23:04配信
2320




大阪府警
 大阪市港区のマンション一室で今月11日、女性2人の遺体が見つかり、司法解剖の結果、いずれも餓死したとみられることが15日、大阪府警港署への取材で分かった。1人は、住人で職業不詳の女性(42)と判明。もう1人は60代の母親とみられ、同署は身元の特定を進めるとともに2人が死亡した経緯などを調べている。

 同署によると、この部屋は母娘の2人暮らしだったとみられる。職業不詳の女性の死因は低栄養症による心機能不全、もう1人の死因は飢餓による低栄養症で体重は約30キロだった。いずれも死後数カ月程度が経過していた。

 マンションの管理会社から「部屋の郵便物がたまっている」と親族に連絡があり、同署員らが駆け付けたところ、2人が室内の床に倒れていた。冷蔵庫に食べ物は入っていなかったという。

 亡くなったとみられる2人の生前の様子を知る近隣住民からは、戸惑いの声が聞かれた。

 近くに住む女性(73)は「あいさつをするくらいの関係だったが、生活に困っている様子は見受けられなかった」と振り返る。

 この女性によると、2人は少なくとも十数年前からこのマンションで暮らしていたが、近隣住民と関わりを持つことはほとんどなかった。最後に見かけたのは今夏で、食料品を持って笑顔で帰宅していたという。

 近くの60代男性は「数カ月前、2人でテレビ番組を見て盛り上がっている声も聞いた」と話した。

1068チバQ:2020/12/23(水) 09:32:23
https://news.yahoo.co.jp/articles/46626fa2918e82582a55433b3261467faf84715e給付金も尽きLINEで「助けて」 コロナ禍の年末 食料配達ボランティアルポ
12/23(水) 6:36配信


訪問した理枝さん(左)に、長男を抱きながら「夫は金銭面の話をするとイライラする。毎日、明るく振る舞っている」と明かすユミさん=2日、本島中部
[新型コロナ 沖縄の今]

 新型コロナウイルス感染拡大で沖縄経済が急速に冷え込む中、観光・飲食関係で生計を立てる世帯を中心に「食べるものがない」という状況がじわりと広がっている。見えづらいSOSをどうすくい取るか。公的支援が途切れがちな年末年始を前に、相談支援窓口までたどり着けない子育て世帯とのつながりを求めて奔走する食料配達ボランティアの活動に密着した。(社会部・篠原知恵)

【写真】「生活できない」塩水飲んで空腹を満たす コロナで失われた日常

 ■運送業の夫、手取り15万円未満

 「2週間前に携帯がまた止まっちゃって」。本島中部の賃貸アパート。生後5カ月の長男をあやし、ユミさん(24)=仮名=が申し訳なさそうに頭を下げた。

 「LINE(ライン)」の未読状態が続くのを心配し、ボランティア団体「女性を元気にする会」代表のゴージャス理枝さん(49)が訪ねた2日午後。食材の詰まった段ボールを手渡すと、ユミさんは「息子の食事優先で1日1食の生活。助かる」と力なく笑った。

 夫(24)は運送業で働き、主な顧客は居酒屋。コロナ禍が直撃した今春から収入は安定せず、やっと自宅待機が解除された今も手取りは15万円を下回る。「来月はまた下がる」という。

 夫の給料日にミルクなど息子の必需品をまとめ買いし、家賃や大型運転免許の取得費用の分割などの支払いを済ませると、残るお金はわずか。夫婦の食べ物はほぼ買えず、理枝さんの食料配達や、妹からのもらいものでしのぐ。最近、携帯電話がよく止まるのは、ガスや電気料金も滞納しがちな窮状があるからだ。

 夫が仕事に出る日中は電話もインターネットもできず、部屋で独り、初めての育児に奮闘する。実家は車で1時間の距離だが車はなく、近所に知り合いはいない。出産直前まで食堂アルバイトでためた貯金も、夫婦の特別定額給付金も尽きた。「こんなはずじゃなかった。未来が見えない」。生活できなくなり、妹に送ってもらい母子で実家に数日間「避難」することが増えた。

 ただ、実家の両親も勤務する観光施設の休業で生活に余裕はない。夫の実家も似た状況で「みんな大変で頼りづらい」と顔を曇らせる。出産直後に訪ねてきた行政の保健師にも、認可保育所の申請手続きで接した行政職員にも、悩みを切り出せなかった。理由は「特に何も聞かれずタイミングが分からなかった」から。

 〈誰にも話していないのか泣きだす〉〈緊急小口資金なども知らない〉

 ユミさんを初めて訪ねた10月末の理枝さんたちの記録。同様に運送業の夫の収入減で困窮した臨月の妹がSNSで理枝さんの活動を知ってつながり、携帯が止まったユミさんの住所も教えていた。

1069チバQ:2020/12/23(水) 17:47:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/92a86cee0b0983ab582fc294b50245578ec5a460
コロナ禍、届かなかった10万円 路上で聞いた諦めの声
12/23(水) 15:29配信
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横浜市西区にある公園のベンチ。中央に仕切りが設けられ、人が横たわれないようになっている=2020年12月18日午前9時24分、横浜市西区、土屋香乃子撮影
 街の様子を一変させた、新型コロナウイルスの感染拡大。神奈川県の路上で暮らす人々にどんな影響を与えたのか、春から取材を続けてきた。

【写真】「もう元には戻れない」コロナ感染、住吉美紀アナが流した涙

 緊急事態宣言が出された4月、生活困窮者を支援する団体の横浜市内でのパトロールに同行した。駅の地下街や公園、高架下などで路上生活者と話をした。炊き出しがなくなったり、図書館などが閉鎖されて日中の居場所がなくなったりと、影響は様々なところに及んでいた。

 ネットカフェで生活していたが、休業要請による閉店で行き場を失い、路上をさまよった男性もいた。5月に川崎市内で行われたパトロールに同行した際、出会った男性は、集めて現金化するアルミ缶の値段が下がったと話していた。

■「誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」

 「住民登録がないから、10万円が受け取れない」。1人10万円の特別定額給付金の支給期間中、取材で出会った路上生活者の多くが抱えていた悩みだ。給付金を受け取るためには、住民登録をしている自治体から住所地に届いた書類で申請する必要があるが、路上生活者は住民登録をしている自治体を離れて生活していたり、そもそも登録地がなかったりする場合が多い。

 「仕方ないよ」「元々もらえると思ってない」。聞こえてくるのは怒りよりも、諦めの声だった。最も支援を必要とする人々に支援が届かない実態が、コロナ禍で浮き彫りになった。

 横浜市によると、今年1月時点で、約380人が市内の路上で生活。コロナ禍を経ても、その数が大きく増えたわけではないという。一方、家賃を補助する住居確保給付金の申請件数は4月以降激増した。目に見えないだけで、路上生活の手前で踏みとどまっている人は少なくないのだ。

 取材を重ねると、街の見え方が少し変わった。ひじかけを設置して人が横たわれないようになっているベンチや、フェンスで囲われた高架下のスペースなどが目に付くようになった。どれも、路上生活者を排除する役割を果たしている。ベンチで寝ることも許さないという街のあり方が、「10万円をもらえるわけがない」という諦めにつながっているようにみえる。

 今月上旬、藤沢市内の路上生活者の「クリスマス会」に参加した。教会の一室に15人ほどが集まり、カレーに舌鼓を打ったり、歌を歌ったり。ビンゴの景品として用意されたのは、保温効果のある下着やレギンス、靴下、カイロなどだ。銀色の保温シートをうれしそうに抱いて帰って行く男性の姿が印象的だった。

 「彼らはこういう季節のイベントからも排除される。でも、誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」。支援団体の男性の言葉がずしりと響いた。彼らのために何ができるか、自問しながら取材を続けたい。(土屋香乃子)


■住む場所に困ったら相談を 横浜市が大みそかまで窓口

 新型コロナ感染拡大による経済不安が広がる中、年末にかけて失業したり住居を失ったりする人が出る恐れがあるとして、横浜市は初めて、通常の役所の窓口が閉じている年末の29〜31日に、住居相談などに応じる臨時窓口を開く。住居がない人のために、年を越せる宿泊場所(約60室)と食事も用意する。

 市によると、窓口は新型コロナの影響などで生活に困窮し、住む場所に困っている人が対象で、中区の市寿福祉プラザ1階に開設する。3日間限定で、午前9時半〜午後2時。各日5〜7人の市職員が対応し、生活保護や住居確保給付金を含む、生活困窮者自立支援制度などを案内する。住居確保給付金に関する相談では、申請書類の提出も受け付け、市役所が開く来年1月4日以降に審査できるよう手続きする。

 すでに住居を失い、寝泊まりする場所がない人には、宿泊場所と食事も提供する。

 市によると、今年5月の大型連休中にも臨時窓口を設置し、76件の相談を受け付けた。年末の閉庁期間中に大みそかまで対応する窓口を設けるのは初めてという。例年、年末が近づくとこうした相談は増えるが、担当者は「今年はいつも以上に多く、危機感がある。感染拡大が止まらない中、失業したり会社の寮から退出させられたりする人がいるのではないか。役所が閉まる年末も相談先を残しておくべきだと考えた」と話す。

 相談は電話やメールでも受け付ける。電話は045・641・0383、メールはkf-seikatsusodan@city.yokohama.jpへ。いずれも開設時間内の対応になる。(松沢奈々子)
朝日新聞社

1070チバQ:2020/12/27(日) 10:06:09
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/bizskills/nishinippon-1000677047.html
「身を粉にして…」最低賃金レベルの給料に耐える非正規労働者
2020/12/26 06:00
 ぱさついた髪が波打つ。「少し天然パーマなんで。面接前に切らないと」。今月、転職を決意した匠(たくみ)さん(44)=仮名、福岡県久留米市=は頭をかいた。面接は身だしなみが大事だけど、理髪店には行かない。節約のため自分で切る。19歳からずっと。長く最低賃金レベルの給料で働き、そうしてきた。

 今の職場は佐賀県にある食品工場。今春から勤め、室温8〜12度の中で味付けのライン作業につく。次々と容器が流れてくるためトイレに行けず、水分は取れない。なのに塩辛い品の味見が多く、具合が悪くなる。

 時給は900円、賞与はない。病気で全盲に近くなった母(74)と暮らすが、年金は月1万円台で食費を1日1400円以下に抑える。親子2人でこの額だ。

 コロナによる不況で、早上がりが増えたため辞めることにした。給料も減り、9月は手取り12万円、10月と11月は14万円ほど。車はなく、通勤に月1万6千円かかるのが惜しい。1日3時間働いただけで帰らされる同僚もおり、決断した。

 新たな道も、険しい。ハローワークに行っても求人は39歳以下が多い。情報誌も「365日、ずっと載っている会社ばかり」。従業員がすぐに辞めていると思い、気が進まない。

 これまでは年末、本業と掛け持ちでアルバイトをしてきた。師走は時給のいい短期の募集があった。勤務先で有給休暇を取り、バイトしたことも。それがコロナの影響か、今年は数が少ない。最近の健康診断で精密検査が必要とも言われた。「もう無間地獄ですよ」。家計を考え、検査を受けるか迷っている。

 なぜこんなことに、と時に思う。高校生の頃に両親が離婚し、母と暮らし始めた。高校卒業後に就職すると、母が重い病気に。昼は通院に付き添うため正社員は望めなかった。これまで働いた12社は、1社を除き全て非正規雇用。社員登用があると聞いて入っても、実際はなかった。生活費を稼ぐだけで精いっぱいで、資格を取る余裕もない。約20年間、最低賃金に近い給料で耐えてきた。

 だから、今年は最低賃金のニュースに落胆した。コロナの影響で、金額は近年の大幅な増額から、わずかな引き上げにとどまった。「非正規の人は昇給がほぼない。最低賃金が上がらないと、給料が上がる可能性はゼロなのに」

 年が押し迫っても求人に目を凝らす。ある工場に電話し、早上がりがないか確認すると、担当者は口ごもった。「会社って、必要な時間帯しか人はいらないんですね。どこも生かさず殺さずですよ」。雇用の調整弁として都合よく扱われる非正規労働者の悲哀を感じる。

 高い給料も車もいらない。ただ母と静かに暮らしたい。「もうそれだけでいいんです」。新天地でかなうだろうか。 (河野賢治)

20年度は1円増

 最低賃金は全ての働き手がもらう給料の下限額のことで、都道府県ごとに異なっている。毎年度見直され、全国平均の時給は4年連続で20円台の増額が続いていたが、2020年度は1円増だった。匠さんの場合、家がある福岡県の最低賃金は時給842円(本年度)、勤務地の佐賀県は792円(同)と、居住地より安い地で働いていることになる。額を全国一律にするよう求める声もある。

1071チバQ:2020/12/27(日) 10:53:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/20451cca4df15a3fde7739a59ad7245a11052106
沖縄で困窮相談が急増 昨年比で5倍のペース 全国よりも多い背景に「観光立県」が影響
12/27(日) 9:11配信

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沖縄タイムス
「自立相談支援機関」への新規相談件数

 生活困窮者の相談に幅広く対応する自治体の窓口「自立相談支援機関」への沖縄県内の新規相談件数が本年度上半期(4〜9月)に1万853件となり、前年同期の2千件に比べ5倍超に急増したことが、26日までに分かった。全国は前年同期比3倍で、県内の伸び幅が顕著。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、困窮の広がりが全国よりも深刻になっている恐れがある。

【沖縄で増える生活困窮者】家賃払えず退去、仕事が見つからない・・・

 沖縄県保護・援護課の担当者は「全国的に飲食・観光業界への打撃が大きく、観光立県の沖縄は全国に比べ、影響がより広く出ているのではないか」とみている。

 自立相談支援機関は県(町村部)と市がそれぞれ相談窓口を設け、県内16カ所ある。生活保護を受けていない困窮者のための「第2のセーフティーネット」とされ、生活や就労など幅広い相談に対応。必要に応じ別の支援機関につなぎ、生活の立て直しを後押しする。

 県内の新規相談件数は本年度上半期だけで例年の年間件数(3千〜4千件)を上回った。上半期の月別では5月の相談が多かった。

 厚生労働省によると、全国の上半期の新規相談件数は39万1717件で、前年同期(12万4439件)の3倍。同省担当者は取材に「新型コロナの影響で収入減や解雇、廃業で困窮する人が増えている。住宅確保給付金など支援制度に関する相談も多い」と答えた。

 政府は新型コロナ支援策で、家賃の支払いが難しくなった人に家賃を補助する住居確保給付金の対象を拡大。「離職」に加え「勤務先の休業などで収入が減った場合」に広げ、需要が高まっていた。今年の年末年始は仕事や住まいを失ったり、食料がなくなったりして行き場のない困窮者が増える可能性がある。

 厚労省は11月、各相談支援機関に臨時開所や年末年始の相談体制確保を検討するよう通知。県内は年末年始、石垣市が全期間、名護市が1月1、2日を除いた期間、臨時的に相談窓口を開所する方針を決めた。

(社会部・篠原知恵)

1072とはずがたり:2021/01/11(月) 23:25:04
沖縄タイムス+プラス 社説 社会・くらし 社説[コロナと生活保護]申請を促す発信もっと
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/689580
社説
2021年1月8日 07:34

 昨年10月分の生活保護申請が1万8621件となり、前年同月と比べ1・8%増えたことが、厚生労働省のまとめで分かった。新型コロナウイルスの影響で仕事を失う人が増える中、9月に続いて2カ月連続の増加である。

 生活保護申請は昨年4月の緊急事態宣言発令に伴う休業要請などにより24・8%増と大きく跳ね上がった経緯がある。きょう8日からは、首都圏1都3県に再び宣言が発令される。

 コロナによる影響は長期化しており、苦しい生活を強いられる人がさらに増えるのではないか。必要な人がためらわずに申請できるよう環境を整えなければならない。

 年末年始に民間の支援団体などが実施した相談会や食料配布には、暮らしが立ちゆかなくなった大勢の人が集まった。那覇市内であった恒例の炊き出しにも、普段より多くの人が訪れた。

 低所得世帯の暮らしを再建してもらう狙いで貸し付ける「生活支援費」の融資決定件数は、3月からの約9カ月間で50万件を超えている。リーマン・ショック時の12倍にもあたる。

 懸念されるのは、2人以上の世帯なら最大20万円を3カ月分まで無利子で借りられる生活支援費など特例制度の利用が限度額に達し、「今後の生活が見通せない」という相談が増えていることだ。

 専門家は「本来なら生活保護を受給した方がいい人が貸し付けを利用しているケースも多い」と指摘する。

 増えたとはいえ申請の数字には反映されていない、保護を必要とする人たちに目を向ける必要がある。

■    ■

 申請をためらうのはなぜなのか。

 思い出すのは10年近く前、人気タレントの母親が生活保護を受けていたことをきっかけに相次いだ「不正受給」報道や生活保護バッシングである。

 結果、貧困の広がりとは裏腹に、本当に困っている人が受けられない「漏給」が見逃され、受給者には厳しい視線が注がれた。

 根深い偏見と自己責任論が幅を利かせる社会のせいだろう。支援を受けることへの抵抗感は強い。 

 生活保護は憲法25条が保障する「生存権」を具体化したものである。

 コロナ禍ではこれまで貧困とは無縁だった働き盛り世代などからも「新たな貧困層」が生まれている。

 誰もが困窮するリスクのある時代なのだ。

■    ■

 田村憲久厚労相は、年末の記者会見で「生活保護を受けることは国民の権利だ。迷わず申請してほしい」と異例の呼び掛けを行った。同省のホームページでは「よくある誤解」として、別居している親族に相談しなくても申請できることなども発信している。

 コロナ禍によって照らし出されたのは、最後のセーフティーネット(安全網)が、きちんと機能していないという社会の脆弱(ぜいじゃく)性でもある。

 命をつなぐ制度の趣旨を社会全体で共有し、もっと積極的に利用を呼び掛けるべきだ。

1073チバQ:2021/01/12(火) 19:29:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/d06a473ca74953c8b30da78a14cdacc31610cb6d
コロナで「困っています」物乞いする35歳 うつむく困窮者に届かぬ支援
1/12(火) 16:04配信




通行人へ金銭の支援を求める男性(35)。「顔を写さないなら」という条件で撮影を許してくれた=東京都のJR新宿駅の西改札付近で2021年1月7日午後8時58分、黒川晋史撮影
 首都圏で新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出された今月7日夜。JR新宿駅(東京都)の西改札付近を歩いていると、一人の男性の姿が目に入った。雑踏の中で柱を背に座り込み、うつむいている。手に掲げていた段ボールの切れ端には「コロナ等で色々困ってます お願いします」と書かれた文字。通行人が「少ないですけど」と足元のおわんに小銭を入れていく。「ありがとうございます」。男性はやっと視線を上げた。

【緊急事態宣言】前回と今回の違いは?

 話を聞こうと声を掛けた。男性は35歳。コロナ禍で職を失い、再就職もかなわなかった。年末年始は友人宅に身を寄せたが、いつまでも頼るわけにはいかず、路上で過ごしながら「物乞い」をしているという。

 都は住まいがない困窮者向けに一時滞在用のホテル1000室を用意しているが、「知人から聞いた」という程度で、詳しい利用方法は知らないという。「とにかくコロナで仕事がない。それだけです」。再び顔を伏せた。

 いったんその場を離れたが、どうしても男性のことが気になった。20分ほど後、都の相談窓口の連絡先を記し、渡そうと現場に戻った。だが、すでに男性はいなくなっていた。「3日前にもいたし、けっこう前から見かけますよ」。そばで待ち合わせをしていた若い男女が教えてくれた。

 ◇都庁前の食料配布に200人超

 男性のような窮状はレアケースなのだろうか。困窮者の支援に取り組む認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長(33)は「同じように困っている人はたくさんいる。特に若い人に多い」と断言する。経済活動が停滞する中で、非正規雇用や日雇いなど不安定な働き方の人たちにしわ寄せが及んでいるのだという。

 厚生労働省のまとめによると、コロナ関連の解雇や雇い止めは8万人に上る。大西理事長が関わる都庁前の困窮者向けの食料配布では9日に利用者が初めて200人を突破。前年の同時期より2.5倍に増えた。

 国や自治体は対策を取っていないわけではない。東京都は12月21日から、年末年始にネットカフェで過ごす人などへ向けてホテル1000室を用意。さらに緊急事態宣言を受け、利用受付期間を2月7日まで延長すると決めた。

 ◇「貧困は自己責任」と考える日本

 田村憲久厚労相は12月25日の記者会見で、生活保護について「本当に困窮された方は受ける権利があるので、迷わず申請をしてほしい」と異例の呼びかけを行った。政府は各種の支援金制度も打ち出し、非常事態に対応する構えを見せている。

 しかし、そうした仕組みを作っても、困窮者本人に伝わらなければ支援にはつながらない。ホテル提供の制度を利用するのはネットカフェなどで暮らす人が多いとみられるが、都はこれまで、今回の提供に関する周知をネットカフェに依頼していない。「今後もする予定はない」(都地域福祉課)という。

 実際、支援現場では「ホテルに泊まれるとは知らなかった」という声が多く聞かれる。都によると、1月4日までのホテル利用者は235人に過ぎない。

 さらに困窮者自身の、福祉に対する忌避感も障壁となっている。大西理事長によると、支援機関へたどり着くことができても、生活保護などへ強い抵抗感を示すケースがあるという。

 大西理事長は「日本では貧困を“自己責任”と捉える人が多い。そうした人も安心して支援制度を使えるよう、説得や働きかけがなされるべきだ」と指摘。「相談窓口を開けて待っているだけでは限界がある。行政機関は民間の支援団体などと協力して、制度をより積極的に使ってもらう方向にかじを切ってほしい」と語る。

 「第3波」で世の中の混乱が続く中、果たして困窮者に支援は行き渡るのだろうか。9日夜、再び新宿駅を訪れたが、物乞いをしていた男性の姿は見つからなかった。【黒川晋史】

 ◇<困った時は>

 ◇東京都の相談窓口「TOKYOチャレンジネット」

(電話0120・874・225、女性専用0120・874・505)

https://www.tokyo-challenge.net/

※就労で自立を目指す人向け。それ以外の場合は地域の福祉事務所や自立相談支援機関へ

◇厚生労働省のリーフレット「生活を支えるための支援のご案内」など

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13694.html

1074チバQ:2021/01/19(火) 11:00:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/da01bbd4fb38cbdeaf2ee67cc6552c6a479342e6
解雇・困窮・DV…コロナ苦境、女性を直撃
1/18(月) 21:36配信
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非正規労働者の減少数推移
 新型コロナウイルスの流行が長期化する中、立場の弱い女性たちが苦境に追い込まれている。生活困窮やドメスティックバイオレンス(DV)に直面し、自殺者も急増。行政支援が届かず孤立する世帯もあり、さらなる状況の悪化も懸念されている。

【表】「4人家族で1カ月に必要な金額」京都総評の試算と内訳

 「新型コロナの拡大は特に女性への影響が深刻で、『女性不況』の様相が確認される」。コロナ禍が女性に与える影響を議論してきた内閣府の有識者研究会は昨年11月に公表した緊急提言で危機感をあらわにした。

 女性たちをめぐる環境の悪化は統計からも明らかだ。昨年11月の総務省の労働力調査によると、アルバイトやパートなどの非正規雇用で働く人は2124万人で、同3月から9カ月連続で減少。同1月以降の減少数は女性が535万人で、男性(279万人)の約2倍となっている。

 厚生労働省によると、コロナの影響に伴う「解雇・雇い止め」は今年1月8日時点で累計約8万人(見込みを含む)に上り、このうち非正規が約半数を占める。外出自粛などにより、女性従業員の多い飲食・宿泊業などが大きな打撃を受けているという。

 特に所得の低いひとり親世帯への影響は大きく、支援団体には、当事者らから「子供たちには2食で我慢してもらっている」「米を買うお金もない」などと悲痛な声が届く。自粛生活で家事・育児や介護の負担増、DVにさらされるリスクも増大。内閣府の調査では昨年4〜11月のDV相談件数は、各月前年の1・3〜1・6倍となった。

 警察庁や厚労省によると、昨年1〜11月(暫定値)の女性の自殺者数は6384人で、前年同時期より752人増加。同6月から6カ月連続で前年を上回るペースで推移する。特に同10月は約9割増の879人に上り、40代が147人で最も多い。原因・動機では、健康問題や家庭問題の増加が目立つ。

 公共政策が専門で自殺問題に詳しい早稲田大の上田路子(みちこ)准教授は「コロナ禍では若い女性の自殺者が増えており、この層に経済的問題など打撃が集中している様子がうかがえる」と説明する。影響が長期化すれば、さらなる状況悪化を招きかねないとして「国は女性たちが直面している苦悩の実態を把握した上で、生活基盤を整えるための具体的支援策を早急に打ち出す必要がある」と指摘する。

■夫の暴力…実家も居場所なく

 「この先、どう生きていけばいいのか」。長引くコロナ禍に、西日本に住む40代の女性は苦しい胸の内をこう打ち明ける。発達障害を抱える幼いわが子2人とともに、夫の住む自宅を離れ、実家に身を寄せて暮らしている。

 女性は結婚を機に仕事を退職。自宅では家事と育児を一人で担ってきた。夫は感情の起伏が激しく、機嫌が悪いと些細(ささい)なことで激高。物を壊し、時に自分への暴力となって返ってきた。子供たちが標的とされることへの恐怖もあり、言われるがままの生活をこなすしかなかった。

 ある日、「口答えした」と難癖をつけられ、手が付けられなくなった。警察に助けを求め、実家に避難するよう言われた。だが、実家にも居場所はなかった。

 両親は「育児は母親がするもの」と支援の手を差し伸べてくれない。食事や洗濯などは別々。家賃を払うようにも言われる。仕事を始めたいが、子供たちが通う療育施設は不定期実施で、見てもらえる時間も短い。そんな苦境に追い打ちをかけたのが新型コロナの感染拡大だった。

 子育ての合間に情報誌やウェブサイトを通じて仕事を探してきたが、経済環境の悪化で求人は激減しており、短時間で柔軟な働き方のできるアルバイトは見つけることが難しい状況だ。夫は離婚に応じず、自治体に支援を相談しても、低所得のひとり親世帯が受け取れる児童扶養手当や、コロナ禍で国が支給を決めた臨時特別給付金も受け取ることはできなかった。

 現在は独身時代にためた貯金を取り崩し、子供の3食を用意するのがやっと。自分は夜に1食を残り物で済ませ、冬服も2着を着回している。DV被害者らを保護するシェルターへの入居を希望しているが、どこもいっぱいで受け入れてもらえない。「妻が子供を連れ去った」と主張する夫から脅迫めいたメールが日々届き、精神的に追い詰められる状況が続いている。

 夜中、子供たちを寝かしつけ、布団に横たわって天井を見上げるとふと思う。「首でもくくれば、楽なのかな」。だが自分がいなくなれば、子供たちはどうなるのか。「どこにも行き場所がない。先を見通すこともできない。死にたくなる思いを打ち消すのに精いっぱいの生活を送っている」。女性はそう訴えた。(三宅陽子)

1075チバQ:2021/01/20(水) 15:23:47
https://news.yahoo.co.jp/articles/27d091fd43709750973a5ed43799c664953f8b8d
所持金600円…「どん底」コロナで職失った33歳 奨学金返済も重く
1/20(水) 11:18配信




炊き出しに訪れた男性。「お金の管理の仕方も勉強したい」と現況を打開する方法を探し続けている(写真の一部を加工しています)
 新型コロナウイルス禍で職を失い、生活に行き詰まる人が後を絶たない。解雇や雇い止めのほか、勤め先の業績悪化でやむなく離職する人もいる。福岡市の支援団体に昨年末、SOSを寄せた男性(33)もその1人。かつて助けられた奨学金の返済で苦しくなり、コロナ禍で職も失って、命を絶つことを考えていた。 

【動画】「涙が出た」話題になったコロナ終息願う動画

 5日、路上生活者などを支援するNPO法人「美野島めぐみの家」が拠点とする同市の美野島司牧センター。新年最初の炊き出しで、男性は白玉ぜんざいや筑前煮をほおばった。「人が作ってくれた食事はおいしい」。卵かけご飯やレトルト食品で耐えてきた体に、温かさと栄養がしみた。

 めぐみの家に駆け込んだのは年の瀬、誕生日の前日だった。「毎年、誕生日にいい思いはしてないけど、今年が一番ひどい」。コロナ禍で失職し、1カ月分の家賃2万5千円を滞納していた。所持金は600円。公的な貸付制度は過去の利用で返済が滞ったことがあり、審査に通らなかった。

 重荷だったのは奨学金の返済。高校と専門学校で建築を学び、5年間で計150万円を借りた。関東で大工やトラック運転手など職を転々とするうち返済が滞った。給料を差し押さえられ、当時の職場を辞めた。

 消費者金融から借り入れて完済したが、生活費が足りずヤミ金へ。実家も困窮して頼れず、借金は170万円まで膨らんだ。2年前に福岡県内に移住。運送会社で正社員になり希望が見えたが、コロナ禍の受注減で退職勧奨を受けた。複数の社員とチームで働く勤務体系で、チームの同僚全てが退社に応じたため、やむを得ず昨年9月に職を離れた。

 唯一の頼りの失業手当は、借金の支払いに充てるため手元にほぼ残らない。家に1人で閉じこもり、業者が夜も取り立てに来る。楽に死ねる方法を何度も探し、精神的に限界になった。弁護士に相談して自己破産の手続きを始めた頃、めぐみの家に助けを求めた。
 寒波が襲っても暖房は使わない。「耐えるしかない」。安定した職を望む一方、できる仕事なら何でもしたい。家族が集まれる家を自分の手で建てる夢もある。だが感染の急拡大からか、仕事は見つからない。「今がどん底。あとは上がるだけ」。自分を鼓舞する。
「苦しいけど、お互いがんばろう」
 昨年末。誕生日の翌日に、無料でWi-Fiが使えるコンビニに向かった。料金滞納で使えなくなった携帯電話がメッセージを受信し始める。「誕生日おめでとう」。母と妹からだった。近況を伝えると母から返信がきた。「苦しいけど、お互いがんばろう」

 厚生労働省によると、コロナ禍に関連した解雇や雇い止めは、見込みも含め累計8万人を超えた。他にも、職を失って追い詰められた人は多いとみられる。

 めぐみの家の瀬戸紀子理事長(76)は「行政の支援が広がったおかげで、炊き出し利用者はさほど増えてはいない」と話す一方、「今後を見通せない状況は変わらない」と警戒を緩めていない。 (小林稔子)

1076チバQ:2021/01/24(日) 12:00:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/47f56e4335dab9d6c190269fa21ee070a58e94c6
飲食店の時短営業で窮地に追い込まれる非正規雇用の人々
1/23(土) 16:05配信

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NEWSポストセブン
2度目の緊急事態宣言と飲食店への時短営業要請が出された東京の夜は早くから暗い(AA/時事通信フォト)

 子供から大人まで、すべての人が対象だった「特別定額給付金」について、新型コロナウイルスの再拡大による緊急事態宣言発令にあわせて、二度目の支給をという声が高まっている。2020年の緊急事態宣言時と異なり、今回は完全休業している店舗などは少ないから、そこまでの必要はないだろう、不満があるなら転職できたはずなどという声も上がるが、経済状況とは個人レベルでもそんな単純に解決できるものではない。ライターの森鷹久氏が、飲食店の時短営業によって窮地に追い込まれている人たちについてレポートする。

【写真】20時までの時短営業

 * * *
 一都三県に加え、大阪や愛知などにも拡大した「緊急事態宣言」。

 飲食店の営業を「午後8時まで」とするよう自治体からの「要請」もあり、多くの店がそれに従っている。売り上げが減るという飲食店には、補償金が支払われる、補償金が増額されるといった議論も具体的になされているが、全く置き去りにされている存在となっている、そこで働く非正規雇用の人たちがいる。

「学校は再開しましたが、バイトは急遽休みに。少しずつシフトに入れるようになり、多少はお金が稼げると思っていた矢先。正直、勉強にも身が入らないです」

 都内の国立大学3年・吉田京香さん(仮名・20才)は四国出身。大学進学のために上京すると、都下のアパートで一人暮らしを始めた。郊外のため家賃は4万円ほどで、実家の両親が負担してくれている。その代わり、家賃以外の食費、通信費、交際費などは、自身のアルバイトによって賄ってきたという。

「レストランと居酒屋のバイトを掛け持ちして、月に12万円程度の収入がありました。レストランは夕方から夜9時まで。そこから深夜の3時ごろまで居酒屋で働いていたんです」(吉田さん)

 学生の身分で月に12万円の金があれば、それなりに豊かな暮らしができた。年に一度は貧乏旅行だけど海外旅行にも行けたし、好きな物も自由に買え、憧れの「東京生活」を満喫できていたと話す。

 ところが昨年4月以降、バイトがゼロになった。原因はもちろん「コロナ」だ。

「3月にはシフトが半分に減らされ、一度目の緊急事態宣言が出された4月にはレストランも居酒屋も、バイトは一人もシフトに入れてもらえなくなりました。夏にはレストランが潰れ、私も学校にも行けず地元にも帰れず。アパートで一人、リモート授業を受けるだけの生活になりました」(吉田さん)

 収入は途切れたが、十数万円の貯金はある。実家からは「加勢しようか」と言われたが、家賃を払ってもらっている手前、また、独立心が高かった吉田さんは、貯蓄を切り崩しつつ、そして家に篭りつつ倹約生活を続けて乗り切ったのである。

 夏の終わり頃には、居酒屋が通常営業に戻り、少しずつではあるがバイトも再開。昨年の12月ごろには、コロナ前と同じようにシフトに入ることもできるようになり、通常授業が再開した大学にも通いながら、久々の日常を懐かしんだ。だが……。

「年明けの緊急事態宣言で、居酒屋は夜8時で営業をしなくなった。夕方までは大学があるし、事実上、またバイトがゼロになってしまいました。お店には補償金も出るんでしょうけど、そこで働いている人、特にバイトで生活しているような学生やフリーターは置いてけぼり。これが春以降も続くなら、学校に通い続けるのも厳しい。就活もあるのに、どうしようという感じです」(吉田さん)

1077チバQ:2021/01/24(日) 12:05:32
 吉田さんのような「一人暮らし」の学生だけが窮地に追い込まれているわけではない。神奈川県在住の浜田聡子さん(50代・仮名)は、認知症を患った母親(70代)と二人暮らし。日中は母親の面倒を見て、夜8時に母が就寝して以降、明け方近くまで近所の居酒屋でアルバイトをし、生活費をなんとか捻出するという生活を送っていた。

「母親は認知症ですが、体は元気。放っておけば家中のものをひっくり返したり、どこかへ出掛けて行ったりするものだから、日中はつきっきりで面倒を見ています。夜は一度寝てしまえば、こちらが起こすまで起きないから、その間に働きに出ていたんです」(浜田さん)

 浜田さん宅の主な収入は、母親の年金が月に10万円強と、浜田さんのアルバイト代が同じく7万円強、合わせておよそ17万円。あと10年ほど残った家のローンの支払いも月に8万円ほどあり、生活費に回せる金額は1ヶ月あたり9万円程度。母親用のオムツ代だけでも月に1万5000円かかるというから、生活はギリギリ。そこに、コロナが追い討ちをかけた。

「昨年春の緊急事態宣言で、当時働いていた居酒屋が潰れてしまいました。店長の計らいで系列の居酒屋になんとか雇っていただきましたが、シフトは以前の半分以下に。それでも秋以降は持ち直して、月に5万円は貰えるくらい働くことができていたんですが」(浜田さん)

 そしてやはり、感染者数が再び増え始めた昨年末ごろから、居酒屋の客足が目に見えて減り出し、またしてもシフトは削られた。年明けに「緊急事態宣言が出るかもしれない」という世の中の雰囲気を感じた頃には、店長から直々に「やめてほしい」と電話が入ったのだった。

「この状態では借金もできないし、借りられても返す宛がない。死んだ父が建てた家に、母親が逝くまでは住み続けたいと思っていましたが、もう売るしかない。築20年経っていて、上物(建物)の価値はほぼゼロ。土地代が数百万にはなると不動産屋に言われました。売却して、そのお金で母親には施設に入ってもらう予定です。でも、コロナだから、入所のハードルがどこも高くて」(浜田さん)

 自身の行く末についても、不安が尽きない。

「母のことが好きでしたから、なんとか最後までと思っていたので情けなくて……。私も一人暮らしとなりますが、収入はゼロになる。もうバイトができる年齢でもありません。恵まれた生活をしていたわけでもなく、静かにひっそり暮らしていただけなのに……。GoToイートが再開されるという報道もありましたが、世間の反応は冷ややか。私だってこの状況で、外食したいとは思わない。ワクチンがあれば、数ヶ月後には良くなっている……どうしてもそう思えず、それまで持たないんです」(浜田さん)

 緊急事態宣言下でも、都市には人が溢れ、通勤客や買い物客が行き交っている。感染が再拡大しているといっても、自分の周囲には感染して死にそうになった人はいないからたいしたことない、そう思う人が少なくないのだろう。本当は、交通事故に遭って救急車を呼んでも救急患者がたらい回しにされ収容先が決まらないなど「医療崩壊」が顕在化している現実もあるのだが、その深刻さは人々には届かない。この状況をよくするには、社会全体で感染対策を徹底するしかないのだが、少しくらい問題ないだろうと考える人が増え、もはや「感染爆発」まで秒読みの状態。同時に、困窮者の数も、爆発的に増えつつあるのだ。

 緊急事態宣言の深刻さを真面目に受け止める人が増えない限り、この不自由な状態は長引くことになる。そしてその裏では、声も上げられず、ひっそりと全てのことを諦めざるを得ない状況へ追い込まれる人が、続々現れ始めている。

1078チバQ:2021/02/03(水) 11:06:46
https://news.yahoo.co.jp/articles/dded716eb711efd6ab61b8ca781a9e55525de54a
路上生活者が建て替えに反発し占拠、駅前のあいりんセンター「まるで廃虚」「早く着工して」
2/3(水) 9:08配信
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(写真:読売新聞)
 大阪府や大阪市が、同市西成区で地域活性化の拠点にしようと計画している労働施設「あいりん総合センター」の建て替えが2年近くストップしている。路上生活者らが「建て替え後の具体像が示されていない」と反発して占拠を続けているためだ。府は昨年、立ち退きを求めて大阪地裁に提訴したが、路上生活者側は徹底抗戦の構えで、着地点は見えていない。
「まるで廃虚」
 関西空港に直結する新今宮駅周辺。外国人観光客を当て込んで、駅北側で星野リゾートの観光ホテル建設が進む一方、南側では、シャッターを閉めたままの「あいりん総合センター」(13階建て)が重苦しい静けさを保つ。敷地の一角では段ボールや毛布が積まれ、約30人が寝起きしている。
 「まるで廃虚。コロナが終息すればにぎわいが戻る場所なので、早く着工してほしいが……」。地元まちづくり団体の関係者がため息をついた。
 センターは1970年、府、市、国が建設。約6000平方メートルの広大な敷地に立ち、職業安定所などの労働機能のほか、病院や市営住宅が併設され、ピーク時は日雇い労働者2万人が利用した。だがバブル崩壊の求人減で路上生活者が増え、付近の治安や衛生状態は悪化した。
 その後、2012年に当時の橋下徹市長が「西成特区構想」を掲げ、建て替えを含めた見直し方針を表明。耐震性に問題があるセンターを再生し、西成活性化の核にしようと考えたのだ。
 14年から住民や有識者らで協議を重ね、病院、市営住宅は近くへの移転が決定。労働業務は別の建物に仮移転し、建て替え後の新施設に戻る案でまとまった。センターは19年4月に閉鎖され、当初は20年頃にも解体撤去し、25年に新施設が完成する予定だった。
募る不信
 ところが、路上生活者はセンター内を休息場所としても活用してきた実態があり、一部が「新施設で休息場所が失われる」などと計画に反発。建物周辺の敷地で寝泊まりを重ね、占拠するようになったため、市は解体工事の入札も実施できない状態に陥っている。

 新施設については、敷地内の南側に従来のセンター機能となる「労働エリア」を整備し、北側に多目的に利用できる「住民の福利・にぎわいエリア」を新設する方針が示されているが、規模や具体的内容は現在も検討中で、「労働機能が縮小されるのでは」との不信を招く一因ともなっている。
 市は占拠を続ける路上生活者に生活保護の受給を勧め、立ち退きを求めているが、「行政の世話にはなりたくない」などとして理解を得られていないという。

1079チバQ:2021/02/07(日) 17:40:24
https://news.yahoo.co.jp/articles/a711c97aac141f8892991acd61c86e94c612dcbe
「生きて苦しむより、死んだほうがマシ」就職氷河期世代、51歳男性の絶望
2/7(日) 11:16配信
希望しても正社員になれなかった就職氷河期世代をコロナ禍が襲っている。労働経済ジャーナリストの小林美希さんは「政府の対策は10年、20年遅い。不本意にも非正規で働いている氷河期世代は、『このままずっと非正規で働き続けるしかない』とあきらめている」という――。

■スキルを身に付けられず中年になった

 「コロナの影響でただでさえ仕事が減っているのに、年齢的に不利な私たちがどうやって正社員になれるのだろうか」

 小野明美さん(仮名、40歳)は諦め顔だ。2004年に都内の短大を卒業した明美さんは、新卒採用では事務職を希望していた。ところが当時は就職氷河期で事務職が非正規雇用に置き換わり始めた頃で、正社員の枠は少なく、エントリーしても全滅。それでもいったんは消費者金融会社に営業事務として正社員入社した。債務者に取り立て(債権回収)の連絡を入れる業務もあり、それがつらくなって入社2年目で退職した。

 「無職でいるわけにはいかない」と、学生時代に経験のあったアパレル販売のアルバイトでしのいだ。一人暮らしの生活費を稼ぐため、シフトがない時は日雇い派遣を入れるうち、本格的な再就職活動ができなくなるジレンマに陥った。そして2008年のリーマンショック。「なんのスキルもない私に正社員は一層とハードルが高くなりました」と明美さんは振り返る。

 アパレル店や飲食店で仕事を続けたが、そもそも正社員は店長など限られた人数しかいない。今はコロナでシフトが減り、いよいよ違う業界に目を向けなければ完全に職を失いそうな状況だ。明美さんは「事務職に転職しようにも経験がありません。今さら氷河期世代を支援するといっても、これから資格をとろうにも日々の生活で精いっぱい」と頭を悩ます。

■できるか?  3年間に30万人を正社員化

 国は就職氷河期の定義を「おおむね1993年卒から2004年卒。大卒でおおおむね37〜48歳、高卒で同33〜44歳」(2019年4月時点)とし、その中心層を「35〜44歳の371万人」としている。同世代は、1991年のバブル崩壊、1997年の金融不安、2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどの影響を受けてきたうえ、今、コロナショックのさなかにいる。

 昨年6月に発表された支援策では、3年間で就職氷河期世代30万人を正社員に移行する目標を立てている。主な支援内容は、ハローワークに専門窓口を設置し、担当者によるキャリアコンサルティングや職業訓練などチームを組んで支援。専門窓口は全国69カ所から82カ所へ、就労・生活支援アドバイザーと就職支援コーディネーターはそれぞれ69人から82人へ、職業相談員は118人から144人体制に強化する。民間ノウハウも活用して正社員への就職につなげるが、どれも過去の施策の寄せ集めとなっている。

 目玉施策として厚生労働省がIT、建設、運輸、農業などの業界団体に委託し、「短期資格等習得コース」の講座を開講し、業界で必要な訓練と職場体験を組み合わせて正社員就職を支援する「出口一体型」を行う。建設や農業はもともと人手不足で外国人労働に頼っている業界だ。ほかにも、造船・舶用工業、内航船員、林業、自動車整備業など深刻な人手不足業界に就職氷河期世代を呼び込もうとしている。理想どおりにいけばいいが、中年層になってからのこれらの業界への転身が進むかは疑問が残る。

1080チバQ:2021/02/07(日) 17:42:53
■助成金受給や再就職に厳しいハードル

 雇用の受け皿を担ってきた飲食業や観光業が大打撃を受けるなか、国は「地域における観光産業の実務人材確保・育成事業」を掲げ、ポストコロナを見据えたワーク・ライフ・バランスの改善を図る。しかし、たとえコロナが収束したとしても観光業は他国の景気や政治状況にも左右されるため、今までインバウンドに依存してきたこと自体が危うかったと言えないか。

 帝国データバンクの「新型コロナウイルス関連倒産」(法人および個人事業主)によれば、2月3日16時現在、全国で985件の関連倒産となっている。業種別の上位は、「飲食店」(158件)、「建設・工事業」(81件)、「ホテル・旅館」(77件)、「アパレル・小売店」(56件)という状況だ。このような厳しい状況を前提とした業界動向や収益構造のなかで正社員雇用ができるのかを問い直さなければ、国の支援策も絵に描いた餅になる。

 コロナで在宅ワークが進む中でIT業界への就職支援も強化するが、専門知識が必要だ。その場合は職業訓練を受けることになるが、受講中の収入減がネックになる。落ち着いて勉強して未経験の仕事に就けるよう、国は職業訓練受講給付金を「給付金支給単位期間」(訓練開始から1カ月ごとに区切った期間)ごとに10万円支給するというが、その要件に、①収入が8万円以下であること、②同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母の世帯の収入が25万円以下であること、③世帯の金融資産が300万円以下であること――などがハードルとなって給付金を受け取りながら職業訓練を受けられないケースもある。

 また、人材ニーズがある業界は、シフト制で深夜、土日祝日の勤務があることが少なくない。子育て中はもちろん、就職氷河期世代の親は高齢で介護や日常生活のサポートが必要な場合もあり、不規則な時間帯の勤務や自宅から遠い職場で働けない事情も生じる。就職氷河期世代が中年となった今、こうした生活変化が起きやすくなっている。

 国は就職氷河期の「中心層」を35〜44歳と強調しているが、それは支援する対象者を少なく見せるもので、実際にはバブル崩壊後に社会に出た45〜49歳(2019年時点/1970〜1975年生まれ)も多く存在する。就労支援の専門家が「ただでさえ正社員採用は難しい」という45歳以上の存在を覆い隠すようなもので、本来は、より重点的に支援すべき年齢層だ。

■切り捨てられた45歳以上

 非常勤の公務員として雇用に関する部署で働く池野良太さん(仮名、51歳/2019年は49歳)も氷河期世代に当たり、「40歳くらいまでならチャンスがあるかもしれないが、45歳以降で正社員になるのは厳しい」と切実な思いを語る。

 西日本に住む良太さん。県内の正社員の有効求人倍率は1倍台であるものの、「就職氷河期世代を採用しようとする企業は、私が知る限り地元でブラックと呼ばれているとことばかり。これでは人が集まるはずがない」という。地元の大手優良企業が募集をかけると、その企業の退職者が手をあげたことで枠がすぐに埋まってしまい、氷河期世代向けの募集は取り消されてしまったという。

 自治体に公務員の氷河期世代の採用枠を作ってほしいと打診しても、「予算の都合でできない」という回答しか得られなかった。良太さんは「だったら、広報宣伝に俳優を起用する費用を削ってでも良い企業を開拓する費用に充てればいいのに。これでは、行政が『対策しました』という言い訳のための事業でしかない」と、いら立つ気持ちが抑えられない。

1081チバQ:2021/02/07(日) 17:43:46
 昨年度は、兵庫県宝塚市が就職氷河期世代を対象に正職員の採用試験を行うと、倍率が400倍超えとなって大きな反響を受けた。

 「これほど倍率の高い公務員試験になったのは、どれだけ多くの人が困っているのかを如実に表しているのだと思います。当事者としても、就職支援に関する立場としても、もっと公務員枠を増やしてほしい」

 2021年度、氷河期世代を対象にした府省の国家公務員の中途採用は157人が予定されている。各自治体でも中途採用がより進むことが期待されるが、地方公務員も年々と非正規雇用が増えているという状況だ。

 良太さんがより矛盾を感じるのは、氷河期世代を支援する年齢区分だ。良太さんは「35歳からの支援にすれば、確かに30代後半は救われるチャンスがあるだろう。この年になって畑違いのところで働くのは難しく、40代のうちとりわけ45歳以降は不利なまま取り残されてしまう」と懸念している。良太さん自身、現在の雇用は非常勤で、来年度の更新はない状態だ。正職員の求人募集を見つけては応募しているものの、決まらなければ4月から無職かもしれない。

 「昼ごはんはパン2つで出費を180円に抑える生活。明日どうやって生活しようという不安が絶えません。地方での生活には車が必要で、生活保護の申請は難しいと思います。政治はもっと本気で対策してほしい。もし仕事が決まらず路頭に迷えば、生きて苦しむよりも死を選んだほうがいい」

 緊急事態宣言下でも一人数万円もかけて会食する政治家に、良太さんら就職氷河期世代の現実は見えているのか。

■「非正規」を生まない抜本改革が必要

 大卒就職率が史上初の6割を下回った2000年からちょうど20年。

 当時、株主至上主義や自己責任論の拡大で若者の雇用問題は軽んじられ、氷河期世代の問題は置き去りにされた。第1次安倍晋三政権(2006年9月〜07年8月)で「再チャレンジ」施策が行われたが短命に終わり、2008年にリーマンショックが襲う。少なくとも就職氷河期世代がまだ30歳前後だった10年前にもっと救いの手が差し伸べられていたら、状況は好転していたのではないか。

 国が策定した「行動計画」は、既存の就職支援の焼き直しの部分が大半を占め、氷河期世代が中年となった今、通用しない面があることは否めない。コロナの打撃は計り知れず、雇用の受け皿が壊れてしまった今、他業界で働くことも視野に入れなければならない状態で、正社員化の即効性を求めることは難しい。じっくり職業訓練に取り組めるよう、氷河期世代の生活基盤を支えなければならない。

 新卒採用も徐々に厳しさを見せるなか、新たな氷河期世代を生まないためには、非正規雇用を生み出す構造そのものを変えなければならない。約20年前、1999年に労働者派遣法が改正され対象業務が拡大。2004年には派遣も含め非正規雇用の「3年ルール」ができて、企業は3年経ったら正社員にするのではなく、多くが雇い止めした。

 厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(2018年度)によれば、派遣労働者約123万人のうち3年が経過する見込みである人は約11万人。直接雇用の申し込みがあったのが約3万人で、実際に雇用されたのは1万4223人にとどまる。

 直接雇用を前提とする紹介予定派遣でも、実際に直接雇用されるケースは多くはない。同調査では、2018年度に紹介予定派遣で働いた派遣社員は3万6791人であるのに対し、直接雇用の紹介があった2万8120人のうち実際に直接雇用に結びついたのは1万9214人でしかないことが分かる。

 非正規雇用を生み出し、それを容認する制度を許す以上、いくら就労支援を行っても不安定な就労はなくならない。就職氷河期世代の支援は就労支援だけでなく、労働法制そのものを規制強化することが必要なのではないか。



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小林 美希(こばやし・みき)
労働経済ジャーナリスト
1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年より現職。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。
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労働経済ジャーナリスト 小林 美希

1082チバQ:2021/02/08(月) 19:03:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/af681fdf536cbd075d9dd663fbb4502b26a8b302
氷河期世代にコロナの寒風 失職、再就職ままならず
2/7(日) 22:46配信
3294




キャリア研修で真剣なまなざしを講師に向ける参加者(手前)=1月15日、大阪市浪速区(須谷友郁撮影)
 新型コロナウイルスの影響で「就職氷河期世代」が苦境に陥っている。バブル崩壊後の厳しい経済状況のため、安定的な職業に就くことが困難だった40歳代を中心とする人たち。政府はこの世代の正規雇用を30万人増やすとの目標を令和元年に閣議決定したが、雇用環境の悪化で解雇される人も出てきた。関係者は「自信を失っていた人たちに、コロナが追い打ちをかけている」と危機感を募らせている。(加納裕子)

【グラフで見る】正社員有効求人倍率の推移

 ■派遣は真っ先に

 「書類選考で『会ってみたいな』と思う人が面接に呼ばれる。書類には自分の強みを書いて、ほかの人と差別化して」

 1月15日、大阪市浪速区で行われた氷河期世代向けのキャリア研修で、キャリアコンサルタントが真剣に語りかけた。参加者4人は深くうなずく。

 研修は厚生労働省の「不安定就労者再チャレンジ支援事業」の一環で、正社員としての就職を目指す35〜54歳が対象だ。オンラインと対面を組み合わせた2カ月間の研修の後、企業とのマッチングを行い、就職後の定着も支援する。

 大阪市内に住む40代男性は、昨年5月末に派遣会社から契約を打ち切られ、再就職先が決まらずに「わらにもすがる思いで応募した」という。それまでは派遣先でパソコンのセットアップの仕事をしていたが、昨年4月以降仕事が減り、業務が縮小されたあおりを受けた。「6月以降は失業保険で暮らしてきたが、今月で切れてしまう。派遣は真っ先に解雇されるので、正社員を目指したい」

 兵庫県伊丹市の40代女性はフリーのデザイナーとして長年働いていたが、コロナで急に仕事がなくなったといい、「正社員には保障があるがフリーにはない。有事に厳しいことを痛感し、雇用形態について考えるきっかけになった」と話す。違う職種も視野に就職活動を続けている。

 ■求人多い職種も

 氷河期世代は1990年代半ばごろからの雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った。不本意ながら非正規雇用で働いたり、就職できずに引きこもりになったりした人もいるとされる。政府は支援が必要な人を約100万人程度と推計、正規雇用者を30万人増やす目標を掲げ、令和元年に行動計画を策定。4年度までに650億円を上回る予算を投じる方針だ。

 だが計画の初年度となる今年度、コロナ禍により就職環境は悪化し、昨年8〜9月には正社員有効求人倍率(季節調整値)は0・78まで落ち込んだ。研修に参加した兵庫県内の40代女性は「昨年11月、経理事務の求人1人に4千人が応募しているのを見て『採用される気がしない』と思った」と打ち明ける。

 大阪労働局の担当者は「コロナ禍が続けば、雇用調整助成金を活用して雇用を維持している企業が倒産し、さらに状況が悪化する可能性もある」と懸念。一方で「介護や保安、建設など、人材不足で求人の多い職種もある」と強調し、ハローワークに氷河期世代向けの専門窓口を設けるなど積極的な支援を続ける。

 研修を請け負う大原学園就職支援センターの篠藤亮事業部長(60)は「不安定な雇用で長い年月を過ごし、能力があるのに下を向いてしまった人も多い。この世代の困難さに、コロナが追い打ちをかけている」と指摘する。研修の講師を務めるキャリアコンサルタントの松本英子さんは「現在の求人状況では自分がやりたい仕事ができるとはかぎらないが、過去の職種にこだわらず、変化を怖がらずに視野を広げてほしい」と強調。その上で「自分に自信を持ち、強みを見つけることが大切だ」と話している。

1083チバQ:2021/02/24(水) 00:15:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd02430ad2e93ecf68ab2d579f15a5ae8955651a
【家族の貧困】非正規公務員のひどすぎる雇用の現実。“公務員”になった娘はカラカラの状態になるまで、働かされていた……
2/23(火) 19:04配信

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サライ.jp
【家族の貧困】非正規公務員のひどすぎる雇用の現実。“公務員”になった娘はカラカラの状態になるまで、働かされていた……

取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代〜80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

東京都八王子市に住む秋元奈津江さん(仮名・70歳)は、35歳の娘がコロナ禍で非正規公務員を雇い止めになり、1月の緊急事態宣言後に、実家に戻ってきた。夫婦水入らずの生活と、年金と臨時収入があったときに贅沢をする生活がなくなったという。

【前編は関連記事から】

娘は1日中自室にこもっており、要介護状態だという
非正規公務員を雇い止めになった娘は、向上心が強く、厳しい条件の相談に対応すればするほど、自分が成長できるようでうれしかったという。

「給料が少なくても、自分がやりたい仕事ができている喜びと、上がっていくスキルに生きがいを感じていた。それが雇い止めになるってことは“あなたは不要です”と宣言されるようなもの。それでポキンと折れちゃった。今は一日中部屋で泣いていたり、寝たり、起きたり……2週間に1回、私と一緒に心療内科の先生のところに通っているけれど、社会復帰はまだ先でしょうね。そもそも娘にもプライドがあるでしょう。それを考えると、働ける就職先はない。まさか前期高齢者の私達が、娘の介護をするなんて思いませんでした」

娘が実家にいれば、なんだかんだとお金がかかる。それに、奈津江さんも夫も失業中だ。

「家族そろって非正規だから保証がないんです(笑)。そうやって笑っていられるのも今のうちですよね。夫は維持費がかかるクルマを手放しました。高齢者の交通事故が問題になっている背景もありましたが、やはりクルマがないと不便。終活がてら、フリマアプリでモノを売ったり、いろんなことをしていますが、働いて得るお金に比べれば微々たるもの」

2度目の緊急事態宣言が落とした生活の影は大きい。

「12月頭に、1月から飲食店の厨房で働くことが決まっていたんですが、緊急事態宣言で、その店の開店が無期延期になってしまったんです。とはいえ、切られたのではなく、待機状態なんです。“解除になったから来てください”と言われれば、行く。でも会社からは“別の就職が決まったらそれはそれでいいです”と言われている。どっちなの?って感じ」

聞けば、このことについて、何の保証もなければ、公的支援も受けていない。これは、最近話題の「実質的失業者」ではないか。

実質的失業者の存在が浮き彫りになったのは、野村総合研究所が20年12月に行った、パートやアルバイトで働く20〜59歳の女性5万5889人の就労実態の調査結果だ。ここから推計すると、仕事が5割以上減り、休業手当も受け取っていない「実質的失業者」は90万人に及ぶという。収入が大幅に減ったにも関わらず、非正規ゆえに公的な支援を受けていないので、統計上に現れなくなってしまったのだという。

1084チバQ:2021/02/24(水) 00:17:13
緊急事態宣言が明けなければ、どうにもこうにもならない
20年4月の1回目の緊急事態宣言は、仕方がないと諦められたし、企業側も余裕があった。

「私も夫も、非正規とはいえ、そこそこ大手だったから、宣言下でも満額の給料をもらえました。でもその後、社員食堂が閉鎖になり、私はクビ。夫は6月末で雇い止め。製造業も厳しいみたいです。2回目の緊急事態宣言は、私達みたいな時給で働く人を直撃したと思う。“ステイホーム”できる人は限られていますから。私達夫婦は、働けない娘を抱えているので、このままだと干上がってしまう」

娘が実家に戻ってきたのは、奈津江さんの呼びかけによるところが大きかった。

「自殺されたら困るから。私にとっては、何歳になっても心の底から愛している娘なんです。今でこそ、穏やかだけれど、夫は昔私に対して手を上げることがあって、夫から叩かれて泣いていると、“ママ、大丈夫?”って赤くなっている私の頬や背中をなでてくれた。いつも私の味方でいてくれたから、今度は私が娘の味方をしたい」

奈津江さんが夫から手を上げられていた年齢よりも、娘の現在の年齢は上だ。娘は子供を授かるどころか、結婚の気配もない。

「父親のDV、兄の無関心を見てきたし、非正規雇用で散々苦労してきたから、男性に対して失望しているんだと思います。恋愛よりも本に興味がある子だったので。私は結婚を機に、造船系の会社の事務職を寿退社しているのですが、今でもあの会社にいて、働いていたら、別の人生だったんじゃないのかな……と思います」

娘の姿を見ると、少子高齢化も仕方ないと思うと続ける。

「これだけ、非正規雇用が不当に扱われている現実を知ると、子供を作るどころか、結婚する気がなくなるんじゃないかな。娘の同級生を見ていても、結婚している人は本当に少ない。子供がいる人はさらに少なく、ちょっとヤンチャだった子だけが、親になっている。非正規が増えれば増えるほど、子供は生まれなくなると思いますよ。コロナになって、それまで“人手不足”と言われていた問題がなくなり、娘がプレッシャーを感じなくなって、よかったとは思いますが」

奈津江さんは、死ぬまで娘を支え続けたいけれど、先立つもの……つまりお金はどんどん減っていく。貯金が尽きる恐怖を感じながら、今日も就職活動をするのだという。

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)、『週刊朝日』(朝日新聞出版)などに寄稿している。

サライ.jp

1085チバQ:2021/03/04(木) 13:15:50
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20210304-00225645/
「性風俗を辞めて生活保護を受ける」新型コロナ禍を契機に新しい人生を歩み始める若年女性たちの闘い
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

3/4(木) 6:02
緊急事態宣言再延長で限界に近づく性風俗店に従事する女性たち
3月3日、菅首相が4都県を対象に緊急事態宣言再延長を検討していると発表された。
今回も2週間程度の営業自粛、行動自粛要請となりそうだ。人々の行動、経済活動にも更なる影響が出るだろう。

昨年からずっと深刻なダメージを受けている飲食店、宿泊、観光、その他サービス業には大きな影響が続いている。
これらの産業は、以前から非正規女性労働者を大量に受け入れているだけでなく、低賃金など不安定な処遇であることも特徴である。
なかには、いわゆる「夜職」という性風俗店などにも勤務しながら、生計を立てたり、子育てをしているひとり親世帯も珍しくない。

日経新聞が「2020年の自殺者数はリーマン・ショック後の09年以来、11年ぶりの増加に転じた。前年比750人増(3.7%増)の2万919人(速報値)で、女性や若年層の増加が目立つ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済的な困窮や外出自粛によるストレスなどが影響したと考えられる。」と報じている通り、女性を生活困窮が襲い、自死にも追い詰めている。

新型コロナ禍によって、もともと相談が多かったところ、今年1月から続く緊急事態宣言によって、主に女性たちからの相談が未だかつてないほどに急増している。
筆者は社会福祉士という相談援助の国家資格を持ち、約20年ほど生活相談を受けてきたが、経験上、これまでにないほど若年女性からの相談が多い。


毎日、筆者はTwitterなどSNSを活用して、生活相談を受け続けているが、少ない日でも20件程度、多い日だと100件を超える相談がある。そのほとんどは10〜30代の若年女性だ。

1086チバQ:2021/03/04(木) 13:16:16
「どうにもならない」と語る若い女性相談者たち
若年女性が相談に来られて話すことは「もうどうにもならない」ということである。

例えば、東京に住む20代女性は派遣社員として、複数の飲食店を経営する企業の経理を担当していたが、新型コロナ禍で仕事に入れる日が減少し続けた。
仕事は一応少ないながらあるので、新型コロナの終息を願いながら、一時的な収入減少を補う方法として、銀行のカードローン、クレジットカードのリボ払いなどで、生活費を工面してきた。
しかし、長期間続く新型コロナ禍によって、家賃滞納もあり、生活福祉資金も借りて生活してきたが「もうどうにもならない」ということで、自己破産手続きと生活保護申請を先月おこなった。

埼玉県に住む20代女性は、夫と2年前に離婚し、保育園に通う子どもを一人で育てている。飲食店でのパートで働いてきたが、生活が苦しく、離婚直後から土日だけ性風俗店で収入を得てきた。
しかし、昨年から新型コロナ禍で、パートの仕事もなくなり、土日の性風俗店も「お茶をひく」(お客が来ない意味)ことがほとんどの日々となった。
貯蓄もすぐに底をつき、子どもを連れて心中も考えたというが、相談に結びついて先月から生活保護受給に至っている。
困窮女性たちと生活保護制度
これまで若年女性が生活保護に頼ることは多くなかった。我慢させ続けてきたのである。
福祉課に頼っても、「若いんだから働きなさい」「夜の仕事でも何でもあるでしょう」「好きな男性いないの?結婚したらいいのに」「家族がいるでしょう。まずは家族に頼りなさい」などと言われ、生活保護は受給できないという相談も相変わらず多い。

以下のTwitterでの相談者の体験談は珍しいことではない。これが福祉の現実である。






当然、生活保護は仕事ができる状態であっても、仕事先がなかったり、仕事探しに困難が伴えば、受給可能である。
親族による扶養は保護に優先するが、扶養義務が果たせない事情があれば、保護申請上は何ら問題がない。
そもそも本人が生活保護を受けたいと申請意思を示せば、申請書を記載させるなどして審査を開始する義務が福祉事務所にはある。

それにも関わらず、福祉事務所は違法、不当に、年齢や稼働能力、親族扶養を理由にして、保護申請を拒絶してきた過去があるということだ。
性風俗に追いやってきた福祉に抗議して変革する若年女性たち
それゆえに、過去の困窮女性たちは誰にも頼れず、自分の身体を危険に晒しながら、性風俗店で病気や障害を抱えながら働いたり、死に物狂いで日銭を稼ぐために売春せざるを得ない環境に追いやられることになる。
援助交際、パパ活などマイルドな言葉で、売春や性の商品化が進んでいるが、そうしなければ生きられない福祉制度のずさんな実態が今でもある。

それに抗議を始め「生きさせろ」「もういい加減に生活保護を受けさせろ」という声が当事者から上がり始めている。
筆者ら福祉専門職も微力ながら、彼女らの生活保護申請に同行する取り組みを続けている。
申請に同行する理由は、常態化している福祉課による違法、不当な行為をその場で牽制、是正するためだ。


これら当事者の体験談は、SNS時代なので、一気に社会に拡散されていく。
若いから、働けるから、家族がいるから、などを理由に福祉課で保護申請をさせてもらえなかった女性たちが赤裸々に実態を語り、その声が同じ境遇にある女性たちに響く。
それによって、勇気づけられた女性や保護申請できるのかと理解した女性たちが福祉課の窓口に殺到し始めている。


虐げられてきた女性が生活保護受給し、保護費を原資に新しい仕事を探し始めたり、新しい人生をどう生きようかと模索する姿が新型コロナ禍で増えていることは希望の一つだ。



世界各地では、10〜30代の若年層、いわゆるZ世代、ジェネレーション・レフトと呼ばれる年代の若者たちが旧来の社会システム、政治システムに転換を迫る行動が活発化している。

社会福祉、生活保護の分野でも、困ったら生活保護を一時的に受けたらいいじゃないか、保護を受けることは何も恥ずかしいことではない、生活保護は生きるための権利だ、と従来の社会規範、市民意識を根本から変える原動力になっている。

若年層の言動は、とても頼もしいことであるし、これら勇気ある情報発信によって、社会や福祉制度をよりよく変えていくために大きな貢献をしてくれている。

もうこれ以上無理に働くことも、心身を酷使して生きる必要もない。
一時的に生活保護を受けようよ、という当事者の女性たちの語りはとても心強いし、これからも一緒に歩んでいきたいものだ。

いま苦しくて困っているのはあなただけではない。
仲間がたくさんいるから、遠慮なく相談してほしい。

1087とはずがたり:2021/03/15(月) 21:15:14

ママ友、母から男児の葬儀代も搾取か 福岡5歳児餓死
3/5(金) 10:46配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3617f7a16ccf1b03ed2516f6b18242407e2a401f
毎日新聞

 福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳男児を餓死させたとして母親と知人女性が逮捕された事件で、知人の赤堀恵美子容疑者(48)が2020年4月の男児死亡後も母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)から生活費を搾取していたことが、捜査関係者への取材で判明した。搾取された生活費には公的扶助として支給された男児の葬儀代約20万円も含まれていたとみられ、県警は碇容疑者が男児の死後も赤堀容疑者を信頼し続け、要求されるままに金を渡していたとみて調べる。

 碇、赤堀両容疑者は、19年8月ごろから碇容疑者の三男の翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事の量や回数を減らし、20年4月18日に餓死させた疑いで今月2日、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。

 捜査関係者によると、両容疑者は16年4月ごろ、子供たちが篠栗町内の同じ幼稚園に通う「ママ友」として知り合った。しかし、碇容疑者は次第に赤堀容疑者の言いなりになり、貯金を取り崩すなどして多額の生活費を渡すようになった。19年5月には夫が浮気しているという赤堀容疑者のうそを信じ、離婚。翔士郎ちゃんと小学生の兄2人との生活が苦しくなると19年9月に生活保護を申請した。

 関係者によると、碇容疑者は、19年10月から翔士郎ちゃんが死亡する20年4月までの7カ月間で生活保護や児童扶養手当などに加え、家賃滞納による強制退居で支給される臨時の引っ越し費用など計約230万円の公的扶助を受給。同5月には事後払いの約20万円の葬儀代を含む50万円以上が口座に振り込まれた。

 しかし、これら収入の大半は、元夫に慰謝料を求める裁判や浮気調査の費用という名目で赤堀容疑者がだまし取ったとみられ、碇容疑者の手元に生活費はほとんど残らず、ガスが止められるほどだった。

 捜査関係者によると、赤堀容疑者は「(元夫に慰謝料を請求した)裁判で勝つためには質素な暮らしをしないといけない」などと言って19年8月ごろから碇容疑者と子供たちに過酷な食事制限を指示。一家は赤堀容疑者が時折差し入れる米やパン、菓子などを分け合ったが、翔士郎ちゃんは10日間水しか与えられないこともあったという。

 県警は、翔士郎ちゃんの死亡時の体重が平均の半分の10キロほどしかないなど不審な点があったことから捜査に着手。碇容疑者は20年6月以降に事情聴取を受けて初めて元夫の浮気調査や裁判が赤堀容疑者のでっち上げだったと知り、調べに対し「だまされた。絶対に許せない。(翔士郎ちゃんを)守ってやりたかった」と話したという。【浅野孝仁、中里顕】

1088名無しさん:2021/03/16(火) 18:49:20
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7e34f4bd047b9f1d19055aaa4aa605ceb03aa61
菅首相、低所得子育て世帯に5万円給付表明
3/16(火) 9:01配信
共同通信
 菅義偉首相は16日、生活困窮者らへの緊急支援策を取りまとめる関係閣僚会議で「未来を担う子どもたちを第一に考え、ひとり親や所得が低い子育て世帯に対し、子ども1人当たり5万円を給付する」と表明した。

1089名無しさん:2021/03/23(火) 06:16:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/a271441c2f5421dc6c8c72258a9542e86b44f514
最低賃金、全国平均1000円早期に目指す=菅首相
3/22(月) 19:40配信
ロイター
[東京 22日 ロイター] - 菅義偉首相は22日の経済財政諮問会議で、賃上げの勢いを中小企業にも広げ、「非正規労働者の処遇改善といった構造的課題にも答えを出すため、最低賃金をより早期に全国平均1000円とすることを目指す」と強調した。今夏にも取りまとめる骨太の方針策定時までに議論する。

また、菅首相は「東京と地方の人の流れが23年ぶりに、7カ月連続で転出超過となった。このような動きを加速し日本全体を活性化し、大企業の人材を地方の中小企業に派遣するために、政府のファンドを通じて金融機関や商社などから、早期に1万人規模の人材をリストアップする」と述べた。「人材を自治体に派遣し、地元の企業を支援する仕組みも始める」という。

  *キャプションを修正しました

(竹本能文)

1090名無しさん:2021/03/30(火) 19:18:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/01bc8c09a59a7982823b8359744336c3491e55b0
生活保護"支給額引き下げ"訴訟…減額取り消しの「請求棄却」判決 札幌地裁
3/29(月) 14:08配信
北海道ニュースUHB
 国が生活保護費の支給額を引き下げたのは生存権を認めた憲法に違反するとして、北海道の受給者らが処分の取り消しを求めた裁判で札幌地裁は3月29日、原告の請求を棄却しました。

 この裁判は、国が2013年から2015年にかけて、生活保護受給者への支給額を物価の下落率などを考慮するなどし、光熱費や食費などの「生活扶助費」の基準額を最大で10%引き下げたことの妥当性を争っているものです。

 原告側は基準額を算定する起点を物価が上がっていた2008年にしたことが、その後下落率が大きくなるため合理的な根拠を欠くことや、生活保護世帯があまり購入しないパソコンやAV機器を指数に用いたことが実態とかけ離れているなどと主張しています。

 判決で札幌地裁の武部知子裁判長は、基準の改定による引き下げは、厚労相に「専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権がある」と指摘。

 その上で、「生活保護が租税を財源として実施されるものであり、基準の改定による財政効果がどのようなものになるかを試算することは不可避と言える。国の財政事情を踏まえた自民党の政策の影響を受けたものであったとしても、直ちに裁量権の範囲の逸脱又は乱用があるとはいえない」としました。

 原告の主張していたデフレ調整の計算方法の是非については「統計学上正当性を欠くとはいえないし、不合理であったと認められない」としました。

 さらに「処分決定後の原告らの生活が最低限度の水準を下回っているとまでは認められない」などとして生活保護法にも憲法にも違反しないとし、原告の訴えを退けました。

 国の削減額は総額670億円にのぼり、全国各地で受給者らが健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法25条に違反するなどとして、引き下げの取り消しや国に慰謝料を求める裁判を起こしています。

 北海道でも131人が国の決定に沿って扶助額を引き下げた札幌、小樽、岩見沢、江別、苫小牧の5市や北海道を訴えていました。

 原告側は、「司法の責任を放棄した不当判決」などとして控訴する方針を示しています。

 判決を聞いた原告からは、「悔しいし、怒りの気持ち。食べているから大丈夫ではない。1品じゃなく2品料理を食べて栄養をしっかりとる。健康に生きたい。しっかり私たちの生活の内容を見てほしかった」、「電化製品を私たちは新品で買えない。訴えたのにわかってもらえなかった」などと話し、悔しさをにじませました。

 この裁判は札幌を含め全国30か所で起こされ、判決の言い渡しはこれで3例目。2月に大阪地裁は違法と判断し減額決定を取り消していて、判断が分かれています。

UHB 北海道文化放送

1091とはずがたり:2021/04/01(木) 19:45:24
食事支援を再延長 貧困家庭の子ども救済へ米国農務省
2021年03月21日
https://www.agrinews.co.jp/p53779.html

 米国農務省(USDA)は、貧困家庭の子どもに無料の食事を提供する支援事業を再延長する。新型コロナウイルス禍の支援策として6月まで予定していたが、食料不安を抱える子どもがますます増え、9月まで延長する。関連事業として農家の余剰作物の買い上げも並行して進めており、好評を得ている。

 同事業は2020年2月に開始。18歳以下の子どもは、学校、公園、地域のコミュニティーセンター、図書館、教会などで食事を無料で受け取れるのが特徴だ。実施期間を21年6月30日までとしていたが、食料不安に直面する子どもの増加を受け、9月30日まで延長する。

 USDAによると、現在国内で約1200万人の18歳以下の子どもが食料不安に直面している。トム・ビルサック農務長官は「子どもが家族の経済状況に関係なく、健康的で栄養価の高い食事をできるようにするために、できる限りのことをする」と話す。

 関連事業として、農家が生産した農産物の余剰分を買い上げ、全国の自治体や学校組織と連携し、地場産農産物を使った食事提供を進めている。新型コロナ禍の影響で農産物の売り先を失った、農家の救済措置としても好評だ。

1092とはずがたり:2021/04/12(月) 14:54:50

人権問題でもあるなあ

孤立防げ、無戸籍の女性餓死 大阪・高石市が1万2000世帯訪問へ
https://mainichi.jp/articles/20210219/k00/00m/040/049000c
毎日新聞 2021/2/19 10:13(最終更新 2/19 10:13) 有料記事 597文字

 無戸籍の高齢女性が餓死した問題を受け、大阪府高石市は18日、学校や高齢者施設などの公的機関と接点がない約1万2000世帯を、4月以降に戸別訪問すると発表した。困窮した高齢者らが支援を受けず孤立するのを防ぐ狙いで、2021年度当初予算案に3000万円を計上した。市によると、全国的にも珍しい取り組みという。

 高石市内の住宅では20年9月、高齢女性が餓死し、同居の息子も衰弱しているのが見つかった。女性は戦災孤児で戸籍を持たず、息子は出生届が出されず小中学校にも通っていなかったという。

1093とはずがたり:2021/04/18(日) 19:47:40

2020-05-24
【最終話】私が釜ヶ崎から去った理由
https://kamakyou.hatenablog.com/entry/2020/05/24/191558

2016-11-17
#1 女子大学院生、大阪・釜ヶ崎へ行く。
https://kamakyou.hatenablog.com/entry/2016/11/17/043153

1094チバQ:2021/04/21(水) 21:49:23
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91961?rct=shinjuku_k
貧困の形 コロナで多様化<新宿共助>
2021年3月17日 06時30分
◆新宿共助 食品配布の会場から
 男性が頭を抱えてスーツケースに座っている。しゃがみ込んだまま震えている女性は、何におびえているのだろうか。寄り添い合う若いカップルもいる。
 六日午後一時過ぎ。都庁前の通路に蛇行した長い列ができた。支援団体「新宿ごはんプラス」が毎週土曜日に無料で配る食品を受け取りに来た人たちだ。二度目の緊急事態宣言が出てから急増した。この日は、三百八人が並んだ。二〇一四年七月に活動が始まってからの最多記録となった。
 記者の私は、ここに一九年九月から通っている。
 今日、明日の食事に困る人たちから生の声を聞き、仕事に生かしたいと思ったからだ。スタッフやボランティアの学生らと一緒になって袋に詰めた弁当やパンを手渡したり、机やいすを並べて相談を聞いたりしてきた。
 しばらくは路上生活者や高齢者ばかりだった。ほとんどは男性。一日に並ぶのは六十〜八十人といったところ。それが、新型コロナの感染拡大で激変した。外見だけでは生活困窮者とは分からない若者や女性が姿を見せる。並ぶ人の表情も日に日に険しくなる。
● ● ●
 「仕事が全然なくなった。首をくくっちゃうよ」
 昨年四月ごろ、スマートフォンに公衆電話から着信があった。出ると、食品配布の会場で会った男性(39)からだ。建築現場で六年ほど派遣労働をしてきたが、コロナの影響で収入が三分の一になったという。悩みをもっと聞きたかったが、テレホンカードの残額がなくなったのか、電話は話の途中で切れた。
 コロナ禍で何が起きているのか。行列に並ぶ人たちに、これまで以上に真剣に話を聞くようにした。「ここに来た経緯を教えてください」「初めての利用ですか」。多くの人たちからは「話せる状態じゃない」「あんたに話して何になる」と拒絶された。あっちへ行けとばかり手を振られたこともある。
 十一月、食品配布の会場の前に工事現場で見るような三角コーンが登場した。都が、庁舎の敷地の範囲が分かるようにと置いたものだ。閉庁日の土曜日、あたりの人通りは少ない。誰かに迷惑をかけているようにはとても見えないのに、どうしてこんなことをするのだろう。無神経に感じた。
 新宿ごはんプラスの共同代表、大西連さんは「これでは、自分たちは排除される存在なのかと思う人が出るかもしれない」と話し、利用者の一人も「嫌がらせのようだ」と嘆いた。
● ● ●
 今年一月、列のなかに若い男性の姿を見つけた。二十八歳。歌舞伎町で五年前から経営していた居酒屋を昨年十一月に畳んだ。「夜の街」と呼ばれてイメージの悪化した繁華街は、GoToキャンペーンの期間中も客足は戻らなかった。「従業員には申し訳ない。感染症対策も経済対策も中途半端で、国には期待していない」。小さく声を振り絞った。 (中村真暁)
 ◇ 
 さまざまな背景の人々が集まる多様性の街に、困窮者の命をつなぐ食品の配布会場がある。貧困の現場を知ろうと、一年半前から通い続ける記者が、この場所にたどり着いた人たちの声を伝える。 (随時掲載)

<中村真暁(なかむら・まあき)>
石川県津幡町生まれ。2009年入社。富山支局、北陸本社経済部などを経て2017年から社会部。主に都内の街ダネを担当。台東区と荒川区にまたがり、生活困窮者が多く暮らす山谷地域での取材活動をきっかけに、貧困問題に関心を持つ。2020年貧困ジャーナリズム賞受賞。

1095チバQ:2021/04/21(水) 21:50:34
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95358?rct=shinjuku_k
「もう2日間、何も食べていない…」コロナ禍で命綱求め集う人々 若者や女性も増え<新宿共助>
2021年4月2日 07時30分
 新型コロナウイルスによる二度目の緊急事態宣言が全面解除され初めての週末となった三月二十七日、にぎわっていたのは行楽客が集まる観光地だけではなかった。東京都新宿区の都庁前。生活困窮者の支援団体「新宿ごはんプラス」が開く無料の食品配布会場では、年齢もいでたちもさまざまな男女が長い列を作った。 (中村真暁)

 毎週土曜日に都庁前の通路が会場となる、困窮者向けの食品配布と暮らしのための相談会には、コロナ禍で仕事を失い、助けを求める人たちが増えている。
 キャップ姿の男性に声を掛けた。三十二歳で、派遣で運送会社の仕事をしてきたが、コロナの影響で、一カ月前に契約を打ち切られてしまったという。
 「会社の寮を退去させられ、友人の家やネットカフェを転々としてきましたが所持金が尽きて、今は三百円しかありません。もう二日間、何も食べていません」
 新宿の食品配布会のことをネットで知り、直前まで寝泊まりしていた江東区の個室ビデオ店から歩いてきた。パンとバナナ、ミニトマト、焼き鳥の缶詰、魚肉ソーセージ、シリアルバーなど栄養価の高い食品をたくさん受け取り、男性は「命綱です」と喜んだ。
 新宿ごはんプラスによると、この日の利用者は三百人。今年三月に入り三百人を超えるようになった。コロナ禍の前は一日の利用者は六十〜八十人ほどで、スタッフとは顔なじみの路上生活者や年配の男性が多かったが様子が変わった。
 若者や女性が増えた。
 大学生の袴谷(はかまや)直輝さん(24)が、携帯電話の料金が払えなくなった人のために設置した無料Wi-Fiの案内をしていた。ボランティア初日だった。「一目では困っているようには分からない人がいた」と意外そうに話した。同じくボランティアスタッフの会社員雨田春香さん(39)も「(コロナ禍で)自分が経済的な影響を受けなかった分、何かしなければと思っている」と、真剣な表情で話した。
 記者の私は、貧困問題を考える手だてにしようと二〇一九年九月から、この場所に通い、集まった人たちの話を聞き続けている。

1096チバQ:2021/04/21(水) 21:50:52
◆「先のこと全く考えられない」 コロナ拡大後、増え続ける利用者

「仕事がなくなり、首をくくっちゃうよ」。毎週土曜日、無料の食品が配られる東京都庁前の通路を訪れる人は、新型コロナウイルスの感染が広がった昨年三月下旬に百人を超えた後、右肩上がりが続く。利用者の表情も日に日に険しくなる。
 昨年四月の緊急事態宣言でネットカフェの休業が相次いだ。支援者団体の炊き出しも感染防止を理由に多くが中止に。居場所をなくした上、数日間、何も食べていないという人が増えた。
 「野宿するしかなくなった」。現場で悲鳴のような声を聞いた。一人一人の声にもっと真剣に耳を傾けなければいけないと思った。
 「ここに来た経緯を教えてください」。都知事選の告示を五日後に控えた昨年六月十三日、野宿生活をしている男性(58)に話を聞いた。「自業自得ですよ。先のことなんて、全く考えられない」と投げやりだった。
 この男性は四国出身。二十六歳で上京し、建築関係の日雇い仕事をしてきた。「路上とネットカフェの生活を繰り返し、もう三十年。頼れる人はいない」。以前、生活保護を利用したが、六畳一間をベニヤ板で仕切っただけの相部屋だった。「自分から出ましたよ。保護費から多額の利用料を引かれる『貧困ビジネス』でしたからね」
 転々としたため住民票がどこにあるのか分からない。十万円の特別定額給付金は受け取れていない。「ホームレスは後回しでしょう。だからもう、無理です」。大きなリュックを背負い、立ち去った。
 無料の食品を受け取る人たちが並ぶ場所に十一月、赤い三角コーンが登場した。都が、都庁の敷地の範囲を示すために置いたものだ。
 利用者からは「嫌がらせのようだ」「みんな歩きにくくなるのに、なぜ置くんだろう」と疑問の声が上がった。新宿ごはんプラスの大西連(れん)共同代表は「自分たちは排除される存在なのだと受け止めた人や、中止と思って帰った人がいたかもしれない」と嘆いた。
 コーンは本紙が報道後、置かれなくなった。理由について都は「コーンにぶつかる事故を未然に防ぐため」だった。
 二度目の緊急事態宣言が出た今年一月以降は、利用者が二百人台に急増した。三月十三日、文庫本を読みながら並んでいた新宿区の男性(62)は初めての利用だった。
 「六年間勤めた社員食堂の料理人を一月に辞めたばかり。ちょうど、都内の感染者が千人を超えていたころだね」
 シフトや収入が減り、若い同僚が辞めようとしているのを見て、たまらなくなった。「嫌な時代でも、続けていればなんとかなるでしょ。将来がある人が辞めちゃいけないよって、代わりにね」
 妻とは離婚し、子どもも遠い土地にいる。所持金が底をつき、最近、生活保護の利用を始めた。「政治家には他の人の立場に立ってほしいね。それができているようには見えないから」

1097チバQ:2021/04/21(水) 21:51:23
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96761?rct=shinjuku_k
思い出が詰まった歌舞伎町で、またホストをしたい<新宿共助>
2021年4月9日 07時14分
◆新宿共助 食品配布の会場から
 二度目の緊急事態宣言の解除から三日後の三月二十四日、夜のとばりが降りたばかりの歌舞伎町で三十七歳の元ホストに取材した。「人とのつながりをくれた街。ここで、またホストをしたい」
 愛媛県出身。高校卒業後に上京した。「二十一歳のときホストになりました。経済的に自立して彼女を支えるためでした。それが、ホストになったらふられてしまいました」
 ホストは辞めた。以前から憧れていたボクサーを目指し、二十六歳でプロ資格を取得した。デビュー戦の会場は歌舞伎町だった。ホストクラブ時代の同僚や客ら知り合いが四十人も詰めかける中、見事、勝利を飾った。
 二十九歳のとき。元彼女が結婚したと知り、急に気持ちが冷めた。「この年になっても生活が安定してない。ダッセーと思った」。街から姿を消したくなり、愛媛県に戻った。
 実家で外出もせず、自室に引きこもる毎日。心配したホストクラブの元同僚が様子を見に来た。「話を聞いてくれて、また来いよって言ってくれた」。再びホストをやろうと思い、一昨年七月に上京した。だが年齢が壁になったのか、なかなか採用してもらえない。昨年三月、やっと働き始めることができたがタイミングが最悪だった。すぐに、緊急事態宣言が出た。
 「客が減り、売り上げに貢献できない情けなさや申し訳なさ、不条理さでいっぱいになり、店は六月上旬に辞めました。それから仕事は探していますが、まだ見つかっていません」
 都庁前の食品配布会場で彼に初めて会ったのは、一月二十三日。寒さの厳しい日に、スマートな黒のスラックス姿が目立っていた。ホストクラブの仕事をするつもりだったから、スーツ以外の服は一着しか持っていない。アパートでは、光熱費を節約するためシャワーを水で済ませている。
 「ボクシングで鍛えてきたから、一人でいるさみしさも耐えられる。ただ、朝起きて生きているだけなら、自分なんていなくてもいいんじゃないのかなって思うこともあるんです」 (中村真暁)

1098チバQ:2021/04/28(水) 22:47:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3510a7710c5b5abca4aa3f830ca900330c50c5b
ホームレス、全国3824人 過去最少、最多は大阪 厚労省
4/28(水) 17:00配信

時事通信
 厚生労働省は28日、2021年1月時点で全国のホームレスの人数が3824人(前年同期比4.2%減)だったと発表した。

 03年の調査開始以降、最少となった。自治体による生活困窮者向けの自立支援策などに一定の効果があったとみられる。

 内訳は、男性3510人、女性197人、性別不明117人。都道府県別では、大阪が990人と最多で、東京が862人、神奈川が687人と続いた。東京23区と政令市で全体の8割弱を占めた。

 調査は、すべての市区町村で実施。自治体職員らが公園や路上などを巡回し目視で確認した。

1099チバQ:2021/05/05(水) 17:23:49
https://toyokeizai.net/articles/-/425660?utm_source=Twitter&utm_medium=social&utm_campaign=auto
51歳女性「年収200万の正社員」までの険しい道
コロナ禍で「ピッキング」の仕事がなくなった
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中村 淳彦 : ノンフィクションライター
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2021/05/04 9:00

この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「コロナで派遣の仕事がなくなり、現在は施設警備の仕事をしています。でもキツいわりに給料が安く、毎日しんどいです」と編集部にメールをくれた51歳の女性だ。
コロナ禍で派遣の仕事がなくなった
三たび緊急事態宣言が発出されて、都内は街灯以外が消灯した。人の流れを抑制することで経済活動が鈍化し、まず生活に直撃するのは非正規で働く末端の労働者たちだ。ため息をついていたところ、山崎美恵さん(仮名、51歳)からSOSとも読めるメッセージがきた。

「コロナで派遣の仕事がなくなり、現在は施設警備の仕事をしています。でもキツいわりに給料が安く、毎日しんどいです。父親と折り合いが悪く、実家にも帰れません。バツイチ子持ちですが、子どもは自立していて頼りたくありません。年齢、体力的にしんどいことが多く、家で泣いてしまうことも。情けない限りです。持病があり、病院代もありますし、生活はキツキツです。お恥ずかしながら薄給のため、交通費も出せず、遠くには行けません」


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美恵さんは、千葉県在住。持っているお金は数百円しかなく、定期券で行ける場所までしか行けないという。

シングルマザーだった美恵さんは、ずっと大手ECサイトの倉庫でピッキングや梱包する派遣労働者だった。コロナによって失業し、あらゆる非正規やパート労働を断られた果てに、昨年5月にようやく施設警備の仕事を見つけている。

「もうずっと収入が低くてボロボロです。コロナの時期に倉庫の仕事がなくなって、ほかの仕事もまったく見つからなかった。最終的に行政に貧困や就労の相談に乗ってもらって、ようやく警備の仕事が見つかって生き延びています。17年前、子どもが10歳のときに離婚して、元夫に養育費を踏み倒されました。それからずっと徹底的に貧しい。普通の暮らしはしたことがありません」

使い古した量産型格安ブランドの春物コートに身を包み、ボロボロのスニーカーを履いていた。お金がないことは見た目でわかった。彼女は賃金があまりに安いことで普通の暮らしができない典型的な非正規労働者だった。

「ピッキングの仕事のお給料は手取り12万円くらい。週4日とか5日やってそれくらい。交通費がでないので2、3万円は交通費です。最寄駅までバスを使って40分かかる団地に住んでいて、バスも1時間に1本とか2本しかない。始業は8時、朝4時に起きて5時12分の始発のバスに乗って通勤です。それで幕張本郷か海浜幕張駅から派遣会社が用意したバスに乗って、海沿いの倉庫に行くんです」

ピッキングとは企業の巨大な倉庫から品物を集める仕事で、企業が派遣会社に依頼して派遣労働者が従事する。労働条件は悪く、最低賃金に近い日当で社会保険は当然、交通費もでなかった。手取り12万円の賃金で交通費がでないと、生活保護の最低生活費並みの収入となる。

「時給は900円くらい。数年間続けたので最終的に1100円まで上がりました。当時は労働者派遣法が改正されてなくて交通費はでません。それで最低賃金に近い時給だったので、本当に苦しかった。ピッキングの仕事をはじめたのは43歳から。その年齢になると普通の仕事はなくて、コンビニもファミレスも断られます。派遣の仕事しかないんです」

1100チバQ:2021/05/05(水) 17:24:21
ずっと前から40代の女性からよく聞くのは「(コンビニ、スーパーなど)パートの面接に落ちる」ということ。人によっては何十件も落ちることもあるという。40歳を一線にして最低賃金に近い仕事でも、相手から選別される立場になるようだ。

美恵さんを含む派遣社員は、長年時給に交通費が含まれる労働条件で働いた。働き方改革で正規、非正規の格差が問題視され、同一労働同一賃金が進み、昨年4月に労働者派遣法が改正された。法改正によって派遣社員にも交通費が支払われるようになった。

「派遣社員は駅からバスで倉庫に運ばれて、言われたままピッキングの仕事をします。東京ドーム何個ぶんかの倉庫をずっと歩く。一日中、端から端まで歩く。終業時間まで延々。持病もあるし、年齢的にもツライ。お昼は食堂もあるけど、みんなお金がないからスーパーのおにぎりとかカップラーメン。お湯のでるところに並んで食べます。栄養のこととか考えたことないです。そんな余裕はなかったです」

コロナ禍で仕事は「週1」に
始発のバスに乗って集合の最寄り駅へ行く、派遣会社が用意するバスに乗って海沿いの倉庫に運ばれ、延々と商品を集める単純労働。派遣労働者に暴言や罵声を浴びせる担当者も多い。ポチるだけで商品が届く便利な社会になり、わかっていたことだが、改めて現場の話を聞くとなかなか過酷だ。そして交通費込み時給900円台、日給7000円台前半の最低賃金に近い報酬が振り込まれる。

派遣労働者は派遣会社に登録、電話かインターネットサイトから仕事の予約をいれる。ECサイトはコロナによる悪影響はなかったはずだが、美恵さんは昨年2月から思うように働くことができなくなった。毎日、黙々と単純労働するだけの派遣労働者には情報も人間関係もなく、どうして働けなくなったのか彼女にはわからない。

「ずっと週5日予約を入れてました。コロナの前は希望通り働けていたけど、コロナ禍になってから入れなくなった。週5日が4日になって3日になった。最終的には週1日に。月収にすると4万円とか。生活ができないどころか、生きていけません。ほかの場所を探して仕事があっても、大網とか館山とか、とても通えないところ」



非正規社員や派遣社員は、企業にとっては雇用の調整弁だ。有事が起こったときに真っ先に非正規や派遣の雇用を切って調整する。人手が足りなくなれば、膨大にある派遣会社に依頼すればいいだけ。支えてもらっているはずの労働者の生活は、企業は知ったことではないという立場になる。

家賃が収入によって変動する市営団地に住んでいる。実際に家賃1万4000円と安い。そのおかげで低賃金でもなんとか生きてこれたが、収入が4万円では家賃と光熱費ですべてなくなる。美恵さんはこのままでは餓死してしまうと恐怖にかられ、必死になって仕事を探した。


働ける場所は派遣しかなかったと話す美恵さん(編集部撮影)
「何件かのコンビニ、スーパー、喫茶店、あとファミレス、漫画喫茶に応募したけど、全部落とされました。たぶん、年齢が理由。働ける場所は本当に派遣しかなくて、派遣で仕事がないとどうにもなりません。最終的には食べ物は買えないし、交通費もなくて仕事もいけない、電気が止められて携帯の充電もできないみたいな状態に。どうにもならなくなって、ずっと折り合いが悪かった父親に、頭を下げてお金を借りました」

コロナ禍となった昨年3月〜4月、どれだけ応募しても最低賃金のパートすら決まらなかった。死も想定にはいってきて就労支援センターに相談、その場で警備の仕事を薦められた。現在は大学の施設警備をしている。

「いまも低賃金で手取り1日7000円くらいだけど、正社員です。すごく苦しいけど、なんとか生きていけています。こんなことになったのは、やっぱり女だからだと思う。離婚したシングルマザーで夫に養育費を踏み倒されたら、もうどうにもならない。死ねって言われているようなもの。普通に生きてきたはずなのに、自分が本当に無価値な人間だって嫌というほど思い知らされました」

先日、世界経済フォーラムが男女格差を測るジェンダーギャップ指数が発表された。日本は156カ国中120位と低スコアだった。相変わらず国際的に男性優位社会であると認められた。彼女は女性、中年、ひとり親と複数のマイナス要因を抱える。始発に乗って出勤して精一杯働いても、普通の暮らしもできない。そんな状況がずっと続けば「死ねと言われているようなもの」と思うのは無理はない。

1101チバQ:2021/05/05(水) 17:24:55
ある日突然、夫が帰ってこなくなった
彼女は地元の商業高校を卒業し、専門学校に進学。新卒で地元の中堅企業に入社している。入社してすぐ3歳上の同僚と社内恋愛し、21歳で結婚。寿退社して23歳のときに長男、27歳で長女が生まれた。

「33歳まで普通の家庭で収入も悪くなかった。ある日、突然夫が帰ってこなくなった。出会い系で知り合った女にハマった。いつもは19時には仕事から帰ってきたのが、帰ってこなくなった。次の日になっても帰ってこない。すぐに浮気と思いました。帰ってこない理由は、それしかないって」

夫は家にまったく帰ってこなくなった。家族は夫の親の持ち家に住んでいて、家賃はかからなかったが生活費がなくなった。小学生と幼稚園の小さな子どもが2人もいる。自分の親も、相手の両親も頼れない。途方に暮れた。


「専業主婦だったので収入が途絶えました。突然無収入です。働いても次の月じゃないと給料がでない。うちの親に子どもたちの食費って名目で借りて、幼稚園の園長先生の家に朝一番で子どもを預けてホテルで働きました。それで一番最後17時半くらいに娘を引き取って、みたいな。一番最初に預けて、一番最後に迎えに行ってました」

ベッドメイクの就労収入は手取り12万円ほど。それに子ども手当。家賃がなかったので、なんとか生活することはできた。

「まったく帰ってこなくなった夫と離婚ってなったのは、出て行ってから3年後です。離婚届のハンコを押しにも帰ってこなかった。離婚してないから児童扶養手当はもらえないし、本当に厳しい。やっと離婚ってなったとき長女が18歳になるまで、毎月5万円の養育費を振り込むという約束を書面で交わしました。届けを役所に提出したのが6月。養育費は7月、8月は払われたけど、9月から入ってこなくなった。連絡がとれない。電話もでない、メールも返ってこない。着信拒否されて、どういうことって」

相手の親に連絡すると、2回ほど肩代わりしてくれたが、すぐに払えないと言われた。家も出て行ってほしいと言われ、現在の団地に引っ越した。

「この頃は本当に苦しくて、悔しくて泣きました。子どもたちが眠ってから泣きっぱなし。ベッドメイクの仕事では2人は育てられない。長男は親に引き取ってもらって、ずっと実家で暮らしています。奨学金で大学に行って就職しました。長女も高校からバイトしながら専門学校で保育士資格をとって家をでました。それで働いても、働いても、まだ普通の暮らしができない私が残った感じです」

「女がそんな仕事してかわいそうに」
美恵さんは結婚し、子どもを生み、朝早く起きて働きながら子どもを育てた。でも苦しい、ずっと苦しい。いったい、なにが問題だったのだろうか。

「シングルマザーに優しい社会であってほしい。いまは別れた相手から養育費を強制的にとれるようになったみたいだけど、そういうことをもっと早くしてほしかった。給料差し押さえとか、徹底的にできるようにならないと、残されたひとり親の女は生きていけないです。世間では養育費を払っている男性が偉いみたいな風潮。とんずらして逃げ得みたいな男性が多すぎる」

いまは警備会社で勤務する。警備の仕事は男社会だ。居心地が悪く、働きづらい部分もある。男性が多い職場に女性が入ると、同僚や上司にマウンティングされ、パワハラを受けがちだ。そのような風景は容易に想像がつく。

「あと男性だから女性だからって言わないでほしい。女だからダメだってめちゃ言われる。女の警備員はダメとか。同僚の男性とか通行人とか。通りすがりのおじいちゃんとかおばあちゃんに、女がそんな仕事してかわいそうにとか。男とか女とか、仕事ができていれば関係ないじゃないですか。女のくせにって言ってくる人がたくさんいて、お前はダメだ、女だからダメだって何度言われたかわからない」

正社員になった今も年収200万円を超えるか微妙だ。餓死することは回避できたが、働いても苦しい低賃金は変わらない。そして、男性たちにパワハラされる悩みが増えた。ずっと社会の底辺近い場所で働く美恵さんは「これだけ男女平等って言われているのに、現実は全然違う」と言っていた。

1102チバQ:2021/05/06(木) 15:28:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad297efe5283eff25c1dce0d68116cf63b096e33
「コロナ感染でクビ」30歳男性が怯える理由
5/6(木) 10:01配信

児童養護施設で育ち、社会を独りで生き抜いてきたヒカルさん。コロナ感染を理由に解雇され、仕事も住まいも失った(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ

■コロナ感染を理由にクビ

 新型コロナウイルスに感染してから1週間。ヒカルさん(仮名、30歳)は隔離された都内のホテルのベッドで天井を見つめていた。熱は39度。枕もとの携帯電話がなった。職場の上司からだ。そろそろかかってくるころだと思っていた。予想通り、上司は淡々と用件を告げた。
 「こういう状況なんで、今月末いっぱいで終わりということでいいかな。社員証とか保険証は後で郵便で送ってくれればいいから」

 ある大手チェーン系列のホテルで、契約社員として働いていたヒカルさんは今年1月、コロナ感染を理由にクビを切られた。療養中に上司からかかってきた解雇を伝える電話はものの2、3分で終わったという。ヒカルさんから特に質問も反論もしなかったからだ。

 「別の同僚も同じ理由でクビになっていたので。上司からの電話だとわかった瞬間、解雇の連絡なんだろうなと思いました。解雇は違法?  そうなんですか……。でも仕方ないです。昔から頼る人もいないので」
 2月なかば、コロナからは順調に回復したものの、収入が途絶えたことで家賃が払えなくなった。住まいは家賃5万8000円のシェアハウス。ホテル勤務時代の毎月の収入は手取り13万円ほどで、貯金をする余裕はなかった。ヒカルさんは自ら不動産会社に連絡し「来月の家賃が払えないので、2月いっぱいで退去します」と申し出たのだという。

 一般的に裁判などで住まいからの強制退去が認められるのは、家賃滞納が3カ月を超えた場合だ。大家側にとっては一定のリスクを強いられる基準とはいえ、借主側にとって住まいを失うことは即命の危険にさらされかねない事態である。昨今は家賃滞納に対して厳しい自己責任バッシングが向けられがちだが、借主側の弱い立場を考えると「滞納3カ月」は妥当な落としどころであろう。ましてややむをえない事情で滞納しそうになったからといって、自ら退去を申し出る必要は、本来はないのだ。私がそう指摘すると、ヒカルさんは「だって大家さんに申し訳ないじゃないですか」と言う。

 取材中、ヒカルさんは何度も「周囲に迷惑をかけたくないんです」と繰り返した。その考え方自体は立派かもしれない。ただ、周囲に迷惑をかけることと、法律や判例で認められた権利を行使することは別だと、私は思う。ヒカルさんは自らの考えを貫いた結果、仕事も住まいも失った。

 ヒカルさんは「他人は信用できないから頼れない」「人に何かを主張したり、求めたりという行為自体が嫌」とも言っていた。こうした価値観は、もしかすると自身の生い立ちとも関係があるのかもしれない。

1103チバQ:2021/05/06(木) 15:29:09
 ヒカルさんは児童相談所内にある施設と児童養護施設で育った。両親と暮らした記憶はない。施設に預けられることになった理由や経緯も知らないという。

 おぼろげに覚えているのは幼少時、自傷行為を繰り返しては病院に運ばれたこと。病院から児童相談所に戻ると、外鍵の付いた部屋に「閉じ込められた」。日々の記憶がはっきりと残っているのは、児童養護施設に移った小学校高学年からだという。

 周囲との摩擦を嫌う温厚なヒカルさんが児童養護施設時代、最も忌み嫌ったのは、誕生日に職員たちから「おめでとう」と言われることだった。自分など生まれてこないほうがよかったと思っていたからなのか、それとも施設を退去させられる18歳が近づいてくることのどこがおめでたいのかという反発心があったからなのか、理由は自分でもよくわからない。ただ、「おめでとう」と言われるたびに、抑えがたい負の感情がわいてきたという。
 「両親のことは戸籍謄本を取り寄せればわかると、聞いています。でも、両親のことを考えるだけで疲れ果ててしまうんです」とヒカルさんは話す。

■上智や立教に行きたかった

 学校の成績は優秀だった。塾など通ったことはなかったが、高校時代の数学は全国模試で全国トップ10に入る水準。ただ家庭環境にもよるが、家族や親族がいなかったり、音信不通だったりする場合、児童養護施設出身者が大学や専門学校に進むことはほぼ不可能である。奨学金を借りるのに必要な連帯保証人がいないからだ。ヒカルさんも大学進学は諦めた。

 「本当は上智や立教に行きたかった。記念にセンター試験だけは受けたんです。自己採点したら、希望する大学にはだいたい行ける点数でした」

 家族など頼れる人のいない児童養護施設出身者にとっての苦難は施設を出た後に始まる。まず賃貸アパートを借りることができない。連帯保証人や緊急連絡先を用意できないからだ。また身元保証人がいないので、就職活動もほかの学生らと比べて極めて不利だ。

 このため、中には施設退所後すぐに生活保護を利用する人もいる。また特に女性の場合、住み込みの風俗店で働き始めるケースも珍しくない。いずれにしても、児童養護施設の出身者たちは社会人生活スタートの時点から、一般的な家庭で育った人たちとは比べ物にならない苛烈なサバイバルを強いられるのだ。
 ヒカルさんの場合はどうだったのだろうか。ヒカルさんは高校時代からコンビニなどでアルバイトをして100万円ほど貯金をためた。しかし、賃貸アパートを借りるにあって、やはり壁にぶつかった。「携帯を2台用意しました」。元からささやくような話し方だったヒカルさんがさらに声を潜めて教えてくれた。

 要は、緊急連絡先に架空の名前と連絡先を記載し、自分がその人物になりすましたのだという。違法行為である。しかし、そうでもしないとアパートを借りられないのだ。私は、児童養護施設出身者へのアフターケアの絶望的なまでの乏しさについて考えさせられた。


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