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( ^ω^)ヴィップワースのようです
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タイトル変更しました(過去ログ元:( ^ω^)達は冒険者のようです)
http://jbbs.livedoor.jp/sports/37256/storage/1297974150.html
無駄に壮大っぽくてよく分からない内に消えていきそうな作品だよ!
最新話の投下の目処は立ったけど、0話(2)〜(5)手直しがまだまだ。
すいこー的ななにがしかが終わり次第順次投下しやす
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地面にどっかと座り込んで、真正面から反対意見をぶつけるラッツだったが、それをたしなめたのはショボン。
(´・ω・`)「そう、悲観したものではないよ。抜け道は必ずどこかにある」
爪'ー`)y-「ま、問題も無くはねぇがな」
「問題は……ありすぎだぜ」
爪'ー`)y-「まず第一に、ショボン。お前さん一人の魔法で、この森丸焼きに出来るか?」
(´・ω・`)「たとえ"爆炎の法"級の威力を放つにしろ、風向きや場所、延焼に最適な条件が揃わなければ不可能だ」
川 ゚ -゚)「そして問題は、火を放った後に我々はどうするか……だ」
(´・ω・`)「そこだね。何の考えも無しに火を放っては、山を丸焼きにされて逃げ惑う小鹿も同じだ」
( ^ω^)「何か、打つ手は?」
(´・ω・`)「そうだね─────だが詳しい話しをする前に、まずは……場所を変えようか」
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────ざわ
…… キヒヒ ……
ざわ────
気付けば、随分と長くこの場に立ち止まり話し込んでしまっていた。
その自分達の周辺に、またも風に乗って流れてくる嫌な声と、不愉快な気配が近づきつつあるのを感じる。
( ^ω^)「また……来ようってのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「立てる?クー」
川 ゚ -゚)「あぁ、それほどの傷ではないようだ」
爪'ー`)「大丈夫かい、肩を貸すぜ?」
そう言って手を貸そうとしたフォックスだったが、遠慮がちに軽く首を振ると、細腕をツンの首へと回した。
一瞬どきっとしながらも、ツンもまたクーの腕を自然体のままに受け入れる。
川 ゚ -゚)「いや……こっちでいい」
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从*'ー'从「きゃっ、見せ付けてくれますねぇお二人とも〜」
ξ*゚⊿゚)ξ「ちょっ、そんなんじゃ無いわよ」
(;`ω´)(ふぅむ………)
合流前の別れ際、最後に見た二人の様子は罵声を激しく交し合う険悪なものだったはずだ。
だが、今の二人からはそんな雰囲気が微塵も感じ取れない事に、板ばさみで胃を痛める想いだったブーンは、
どこか符に落ちないものを禁じえなかった。
(´・ω・`)「さて、それじゃあ────」
川 ゚ -゚)「ちょっと、待ってくれないか」
どさ、と足元に置いた布袋をごそごそと漁り、クーが何かを取り出した。
その手に握られていたのは、包帯と薬草だ。
川 ゚ -゚)「手を出せ」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
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川 ゚ -゚)「………少し、痛むぞ」
手のひらを上に向けて差し出させると、クーは手にした薬草をツンの手にすり込み始めた。
手練の動作で両手ともの消毒までも終えると、これまた手馴れた様子で包帯を巻いて行く。
トラップをこじ開けようとして負った負傷部分の治療は、そうして瞬く間に終えられた。
ξ*゚⊿゚)ξ「あっ……ありがと!」
川 ゚ -゚)「お互い様さ」
从*'ー'从(………素敵)
その場に居合わせた少女ワタナベには、二人の真後ろに爛漫と咲き誇る大量の白百合が見えていたようだ。
最も、それは本人の趣味嗜好に伴って都合良く頭の中で形作られた、妄想の類ではあるが。
(;`ω´)(うーん?……うーん)
爪'ー`)「置いてくぜ!ブーン!」
一体この短時間であの険悪だった二者の間に何があったのか。
未だ納得のいかないブーンがいくら頭を悩ませても、女同士の友情というものは理解できなかった。
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乙乙!
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続き来てた、乙でした
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この後クーが正式パーティー加入かな
続きが待ち遠しい
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来てたか!
おつー
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いい趣味してるなワタナベwww
乙!
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まってるにゃん
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ギコ、ドクオ、ミルナ、モララー側と絡めたストーリーも読みたいな
期待大です
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まってます
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( ^ω^)あけおめお
( ^ω^)続き待ってるお
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───────────────
──────────
─────
先導するショボンに続いて、一向は再び森道を奥へ、奥へとひた走る。
川;゚ -゚)(やはり、私の怪我のせいで遅れを取ってしまっているか…)
クーの足の怪我を庇っているために、どうしても速度は出ない。
それゆえに、行く先では人面樹達とは幾度も戦闘を強いられそうになっていた。
極力それを回避しながらここまでやってきたが、一本道となればそういう訳にもいかないだろう。
「どうする、行く手を塞がれちまったぜッ!?」
爪'ー`)「面倒くさそうな奴だな」
そうして、冒険者たちの眼前には今も一体の人面樹が居た。
今まで対峙した奴に比べ、非常に太い幹を有している、単眼の固体だ。
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギギ…ギィ…」
巨体を有するという事は、力も、頑強さも他より優れているという事に他ならない。
様子を伺っているのか、ブーン達の行く手に立ちふさがり、不気味な静けさをたたえて佇んでいた。
(´・ω・`)「だけど、ここは通らなければならない」
先頭に立つショボンが、手を顔の前にかざして詠唱の準備に入る。
やがてその隣に並び立ったブーンが、一言を発した。
( ^ω^)「倒すお」
長剣を手に、ゆっくりと歩み出たブーンの所作は、目まぐるしく瞳を動かす人面樹に凝視されていた。
ぎぎ、と無機質な声を上げているが、そこから動植物としての生気は一切感じられない。
感情も無く、ただ自分達を捕食するという行動原理に従うだけなのだろう。
感情がない分、妖魔以上に性質の悪い存在かも知れない、と思った。
┃#w(;(●);)w#┃「────ギョォッ!」
(;^ω^)「!」
-
人面樹に対し、ブーンが考えと共に剣を構えた時だった。
その左手を模る枝が消えた────────否、急激にしなった。
そこから頭が全身に命令を行き渡らせるのは、電撃的に早かった。
咄嗟に剣の腹を気配が向かってくる方向へと合わせ、難を逃れる。
”ごぎんッ”
鋭く、重い打撃音は手骨にまで響く。
それが、しっかりと握り締めていた柄から剣全体へ、大きな衝撃を伝わらせた。
音が聞こえるまでの間、自分が攻撃を受けた事にも気付かぬ程の速度。
(;`ω´)「────くッ!?」
して、その威力も並大抵ではない。
打たれた一瞬、面々の中では一番の体格を誇るブーンの身体が、側方へとふわりと浮いた。
腕部である枝を鞭のようにしならせて叩きつける打撃は、その図体とは一見見合わぬ速度だ。
これで頭や胸を打たれれば、先だって命を落としてしまったボアードの二の舞となるであろう。
(´・ω・`)【我────魔────】
ブーンが一合で顔に冷や汗を浮かべた様子に、ショボンは即座に魔法詠唱の態勢に入っていた。
だが、人面樹の更なる一撃が、続けざまにブーンの頭部へと振り下ろされる。
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーンッ!?」
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギュオォォーーーッ!!」
(;`ω´)「……く、うッ!」
再び、目の前で火花が散るかのような破裂音。
それと同時に頭上で構えていた剣が、顔のすぐ傍にまで一息で押し込まれた。
膝ががくりと地に着きそうになるほどの膂力────だが、二撃までをどうにか耐えた。
(´・ω・`)「離れろ!ブーン!」
(;^ω^)「───ッ!」
「魔法の矢」、ショボンの口からそう言霊が紡がれると、彼の手先から放たれた光の帯は収束して、人面樹の身を貫いてゆく。
咄嗟の呼びかけで危険を察知し、素早く横手の茂みへと転がり込んでいなければ、ブーン自身も危ない距離だった。
動きを止めたその様子に、「決まった」と、誰もが思い浮かべた事だろう。
だが、次の瞬間には苦虫を噛み潰すような表情で、皆一様に歯を食いしばっていた。
┃#w(;(●);)w#┃「──────ギギ、ギィィィィィイーッ!!」
止まらない────それどころか、ますます凶暴さを増してしまったようだ。
「お、おい、やべぇ!こっち来るぞ!」
(´・ω・`)「…………もう一撃放つには、際どい」
-
ラッツが叫びを上げる中、再び全員の間には緊張が走る。
向こう側が見える程の穴が幹を射抜いているというのに、怯む様子もない。
逆鱗に触れたか、腕を振り回しながらそのままショボン達の方へと前進してきたのだ。
爪;'ー`)y-「ちっ、ブーンが前衛にいねぇと、こうも脆いもんかね」
そう言って顔をしかめながら、胸元から数本のナイフを手にとり、前へと歩み出る。
このパーティーで人外を倒す力となり得るのは、強度を持つブーンの剣か、ショボンによる強力な魔法ぐらいなもの。
だが、その二人を抜きにすれば、対人殺傷力しか持たないフォックスが前線に出るのは、無謀だった。
(´・ω・`)「少しだけでいい、時間を稼いでくれないか」
爪;'ー`)y-「────ったく!とんだ貧乏くじだ!」
そういい残し、フォックスは人面樹の前へと躍り出る。
そのまま、狂ったように両の腕を縦横無尽に撫で付ける懐へと、素早く入り込んでいった。
フォックスが飛び出していった後、彼らの最後尾に控えるワタナベらは、それを不安げな表情で見守る。
从;'ー'从「あ……だ、大丈夫なんですか?皆さん……」
-
川;゚ -゚)「ちっ。私も、この脚さえ万全ならばな───」
ξ゚⊿゚)ξ(………)
何気ないそのクーの一言を、ツンは思慮深く聞いていた。
今この場に居る自分は、彼らのように戦える力は持っていない。
だが、不死者を浄化したり、呪いの類を解呪する事が出来る”奇跡の力”があるのだ。
的を絞り、それをもっと小規模な範囲で扱える事は出来ないだろうかと考えている内に、ふと閃いた事があった。
ξ゚⊿゚)ξ(試してみる価値はある……か)
確かに、何もやらないよりは、遥かにいいだろう。
肩を貸していたクーの足元へとしゃがみこみ、彼女が受けた裂傷の部位へと手を伸ばしてみた。
川;゚ -゚)「お、おい。こんな時に、どうした!」
ξ-⊿-)ξ「………」
そして、祈りの力を両の掌へと込めると、そっとまぶたを閉じこんだ。
この力を身につけた時の事、ショボンの身から魔を取り去り、彼の命を救った時の事を思い出しながら。
(癒しの力にも─────なり得るはず)
──────────────────
────────────
──────
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギョオオォォォォォォォォッーーーッ!」
半狂乱に不気味な声を上げている。
どうやら狙い済まして腕を振るっている訳でもないらしい。
それならば、いくらでもかわしようはあった。
爪#'ー`)「このッ……木偶がッ!」
次々と襲い来る攻撃だが、身にかすらせる事さえ無く、その全てを避け続ける。
そして、時折大きく空いた懐へ向けて手元のナイフを投擲するが、やはり効果は薄いようだ。
襲い来る横薙ぎの一撃は大きく身を反らせて、瞬く間に眼前を過ぎ去ってゆく。
それではかわせないものには、瞬時に身を伏して難を逃れた。
当たってこそいないが、顔や頭上を過ぎてゆく攻撃の余波が起こす風圧から、致死の威力だと分かる。
それでも適度な距離を保つ事と、彼の動体視力と身体能力にかかっては、回避不可能なほどではない。
(# `ω´)「おおおぉぉッ!!」
もはや知覚の範疇から外れていたブーンが、斜向かいの背後から満を持して斬りかかる。
全力を込めたはずのそれだが、太く硬い幹の薄皮を砕き、僅かに幹の内側を露出させただけだ。
-
背後からの奇襲に気付くと、人面樹の荒れ狂う鞭打は後方にまで及び、さらに攻撃範囲が広がった。
反撃を免れるために後方へと飛びのいて、ブーンが再び距離を取る。
(;`ω´)「マジ……かお!?」
爪'ー`)「ブーン、背後からじゃキツいぜ!お前の剣で、こいつの顔面部位を狙うっきゃねぇ!」
体格によって、個体差というものはあるらしい。
弱点と言えるような弱点は、恐らくこの人面樹に限ってはむき出しとなっている一つの瞳ぐらいだろう。
これまで何体か遭遇したそこらの並のものと比べても、ふた回りほどはあろうかという太さ。
当然その体躯が持ち合わせる耐久力や殺傷力という点は、推して知るべきであろう。
爪'ー`)「とは言え……近づけそうにゃあねぇかッ!」
┃#w(;(●);)w#┃「ギュアァォォッ」
爪;'ー`)「っとぉ……」
足元をなぎ払う一撃を、後方へと跳躍。
だが、着地の際に重心を崩し、一瞬よろめいてしまったのだ。
そのフォックスの肩が、詠唱も半ばだったショボンの胸元へとぶつかった。
(;´・ω・`)「魔法の───……くッ」
-
ショボンはまだ冷静だった。フォックス越しにそのまま指先から魔法を放つ。
それでも、詠唱の終わりで逸れてしまった狙いまでは、修正する事が出来なかったのだ。
フォックスの顔のすぐ近くで放たれた光の矢、今度は的に当たる事すらなかった。
光弾は人面樹という狙いから逸れ、明後日の方向へと突き抜け、消えていった。
爪;'ー`)「わりぃ」
苦い表情で、目の前の敵を見据えたまま、辛うじてショボンにそう告げた。
だが、ミスを省みるような時間は、与えてくれそうにない。
┃#w(;(●);)w#┃「ゴオオォォォアァァァアァッー!」
奇怪な怒号と共に、さらに振り下ろされる一撃。
爪#'ー`)「危……ねぇッ!」
(´・ω・`)「!」
”ずんっ”
フォックスの咄嗟の機転、それがショボンの身を突き飛ばした事が幸いした。
刹那遅れて、二人の立っていた場所の地面は人面樹の打撃が地面を大きく穿つ。
-
そうして、敵の左右へと分かたれたショボンとフォックス。
三方向から取り囲んでいる状況ではあるが、その位置関係がまるで良くないのだ。
敵を隔てた後方に位置するブーンとの距離が、遥か遠いものに感ぜられる程に。
フォックスと違いショボンの魔法は有効な武器となり得るが、絶対的に”詠唱”という溜めが必要となる。
ブーンがいくら背後から切り込んでも致命打にはならず、気を引いてくれる事もままならないのだ。
かと言って、この化け物にはフォックスの持つ小振りなナイフでは、致命傷にはなり得ない。
(;`ω´)「ふぅッ!」
再度、危険を承知でブーンが後方から表皮へと斬り込むも、わずかばかりの切れ込みを入れるに留まった。
爪;'ー`)「……んなろぉ……」
なおも凶悪な威力の枝を振り乱して猛りながら、じりじりと距離を詰めてくる。
懐にまで接近し、露出している眼球や口内を刺し貫く事が出来れば打倒が可能かも知れなかった。
しかし、一撃入れては素早く回避に回るのがやっとのブーンのように、
フォックスもまた回避に専念するのがやっとなのだ。
それでも、今は手持ちの札で目の前の敵と正面から戦わざるを得ない。
今や大きくひらけてしまった人面樹の前方には、依頼人のワタナベや、負傷しているクーがいるのだ。
从;'ー'从「あ……に、逃げないと!」
-
(´・ω・`)「3人とも下がれ!大きく距離を保つんだ!」
そう声を荒げた視線の先には、ブーン達の苦戦に息を呑むワタナベの姿。
(´・ω・`)「こんな傍じゃ、流石に詠唱には集中できそうにない」
爪;'ー`)「しゃあねえ………もう一度俺が囮になる。その間にでっかいのを一発頼むぜ」
「きゃあぁぁぁぁーッ!?」
背中に聞こえるのは、助けを懇願するような突然の悲鳴。
後方のワタナベのものだった。考えたくはない、冷や汗がにじみ出る。
最悪の展開、その光景がちらりと三人の脳裏を過ぎった。
焦燥、忘却の彼方へと一瞬飛ばされてしまっていた意識。
だが、それから目を背けてしまっては、どの道状況を打破する事も出来ない。
覚悟を決めて下唇を噛みながら振り返ったブーンらの目に、光景が飛び込んできた。
(;`ω´)「ツン達の……方からも!」
爪;'ー`)「ちくしょう、追ってきてやがったか!」
ワタナベ達の後方から、追いかけてきた一体の人面樹が迫っていたのだ。
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この一体に、時間をかけすぎた。
ただでさえてこずっているというのに、この場の戦力を分散させ、
前と後ろを同時に攻略しなければならない状況に陥ってしまった。
それに、後方のツン達の中に、戦えるメンバーは居ないのだ。
(´・ω・`)「一撃で仕留めて、すぐに戻る」
爪;'ー`)「……任した」
ブーンとフォックスの二人で、どうにかこの大木を食い止める。
その間にショボンが背後の一体を始末する────現状、それしかない。
从;'ー'从「いや……来ないでッ!!」
ワタナベの悲鳴が、前衛で戦う二人の焦燥感をさらに煽る。
彼女らに迫っている人面樹は、ショボン一人に任せるしかない。
┃#w(;(●);)w#┃「ギギィ……」
前門の虎、後門の狼。
この巨大な人面樹には、並の打ち込みでは聞かない。
ただでさえ攻めあぐねているという状況にあって、ツン達にまで追いすがる敵がいる。
沈着冷静なショボンですら、内心には緊張の糸が最大にまで張り詰めていた。
だが─────その時。
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「ツン達の方は、任せたぞ!」
(´・ω・`)「!」
一陣の風────そう錯覚するほどに疾く、軽やかに。
ショボンがツン達の元にたどり着いた時、そこから一人が入れ違いに駆け出していった。
すれ違いざまに横顔を一瞬目で追う事しかできなかったが、クー以外にいないだろう。
裂傷を追った足の怪我を押して、ブーン達の助勢に入ろうというのか。
頑強さに加えて、一撃で人間の頭部を潰せてしまいそうな剛力を備えた相手だ。
負傷した足を庇いながらでは、簡単に餌食とされてしまいかねない。
そうやってクーの身を案じたショボンが振り向き、彼女の背中を目で追った。
そこには既に、人面樹に斬りかかろうと小剣を腰から抜き出して疾駆する、彼女の姿。
一言かけようとしたが、軽やかな身のこなしは、怪我を押して戦列に加わろうとする者のそれではない。
目の当たりにしたショボンは、クーに向かって掛けようとした制止の言葉それらを、ぐっと飲み下した。
(´・ω・`)(無茶をしている、という風でもなさそうか……ならばここは───)
今は、クーに任せるしかない。
あの頑強さだ、決定打を浴びせられるのは恐らく自分の魔法しかないだろう。
こちらを片付けるまでの間、せめて注意だけでも引いてくれればこの上ない。
-
一瞬で思考を巡らせ、答えを導き出すと、目の前からはツンとワタナベがそのショボンの元へ、
追いすがる人面樹から逃れるようにして走りよってきた。
从;'ー'从「ショボンさん……クーさんが!」
(´・ω・`)「解っているさ。二人とも、僕の後ろに下がっていてくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「前は、手強い相手のようね」
「ギギギ……ギヒヒィッ!」
二人を背へと庇うと、眼前の人面樹の前に手をかざす。
(´・ω・`)「二人とも僕の外套の端を掴むのはいいが、体当たりだけはしないでくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「何よそれ?」
(´・ω・`)「さっきは邪魔が入ったんでね───」
「はぁぁーッ!」
背に、クーの気迫の篭った叫びが伝わる。
さっさとこちらを片付けて、自分も助太刀に参じなければならない。
だが今は、ただ精神を集中させて目の前の敵に魔力をぶつけるだけだ。
ξ゚⊿゚)ξ「来るわよッ!」
(´・ω・`)「けど、今度は外さないさ」
-
───────────────
──────────
─────
爪;'ー`)「馬鹿、来るんじゃねぇ!」
気配に気付いたフォックスが振り返ってクーへと叫ぶ。
だが、彼女はただ一点─────目の前にそびえる大木だけを見据えていた。
川 ゚ -゚)(───なめてくれるなよ)
そう、物心ついた時より冒険者として育ってきた自分を、嘗めるな。
生き抜くために身につけた術、手に幾度も血豆を作って独学で励んできた剣技を。
敵は、妖魔化した樹木。
それならば、人に害を為すだけの存在が相手ならば、遠慮はいらない。
(;^ω^)「クーさん!?こいつは手強いお、来ちゃダメだおッ!」
川 ゚ -゚)「大人しく見てなど────」
┃#w(;(●);)w#┃「ッ……ギィィィィーッ!」
自分の元へと掛けてくる気配に気付き、人面樹はクー目掛けて枝を振り下ろしていた。
だが強力なその鞭を、風のあおりを食う木の葉の様に、走りながら軌道修正し、かわす。
川#゚ -゚)「────いられん性質なのでなッ!」
-
一連の流れのままに、腰元から抜き出した小剣をそのまま人面樹の眼へと突き刺した。
入りは浅かったが、逆手で持った剣の柄の底面を、掌で力強く押し込むと、ずぐんと嫌な音を立てて、
さらに奥深くへと刺し込まれてゆく。
┃#w(;(*);)w#┃「ギャッ………ギョオォォォォォォォォーーーッ!??」
川#゚ -゚)「はぁぁッ!」
突き刺した剣の柄を力強く掴み、眼球の内部を引っ掻き回すように、乱暴に剣を動かす。
そうしてぐりぐりと傷口を押し広げられる苦痛に、自分の懐へは伸ばせず決して届かない攻撃を、
近くの地面へ向けて狂ったように繰り返していた。地面が次々に抉られ、砂埃が舞い上がる。
新たな攻め手、クーの登場によって完全に人面樹の不意を突いた。
劇的に向かった風向きは、もはや勝利へと吹いている。
呆気にとられて一瞬立ち尽くしていたブーンに、状況を理解したフォックスが大声で名を呼ぶ。
爪'ー`)「マジか…………ブーンッ!」
(;^ω^)「今、だおねッ!」
┃#w(;(*);)w#┃「ギャッ、ギギギィィッ!!」
川;゚ -゚)「早くしろッ!」
完全に歩みを止めた今が、絶好の好機だった。
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(# °ω°)「んおおぉぉぉ…………」
背後に立ち、首の後ろにまで剣を大きく振りかぶると、低く唸りながら力を溜め込む。
先ほどは意にも介される事のなかった、全力の一撃の構えだ。
だが今度は防御を考えず、ただ一点を攻撃する事のみに全力を傾けられる。
(# °ω°)「おおおぉぉぉぉッ!!」
溜め込んだ力を、一気に解き放つ。
肩から肘、肘から手首、そして手首から腰。
身体中に次々と伝達させて生み出した大きな回転力を、手先の剣へと込め、ぶち込んだ。
┃#w(;(*);)w#┃「────ギョッ!」
軽い音を立てて表皮を砕いた後、剣は幹へと重く切り込んだ。
驚いたようにかん高い奇声を上げた人面樹が、枝全体をばさりと大きく振るわせる。
どうやら、今度はダメージが浸透したようだ。
(#^ω^)「もういっちょうッ!!」
直後、再び力を溜め込んで、同じ箇所を狙い済ました剣の打ち込みを加える。
傷口から外側へ向けて広く外皮が剥がれ落ちると、更に奥深くへと剣が入り込み、幹に亀裂が入った。
-
爪'ー`)「クー!そいつから離れろッ!」
川;゚ー゚)「ふん、ようやくお役御免か───」
フォックスの呼びかけで即座に剣を引き抜くと、後方へと飛びのいた。
そうしてクーの目に飛び込んできた光景は、まるで木こりが木を伐採する瞬間のような場面。
人の四、五人分も胴回りのある大木は、ブーンの剣によって今まさに倒れようとしていた。
(#^ω^)「効かないなら─────」
どっしりと腰を落として広く歩幅を取ると、腰の後ろで剣を構える。
裂帛の気合をその一撃に込め、溜めた力を爆発させるように、横一文字に大きく剣を薙ぐ。
全力を込めた渾身の────────必殺を念じた、会心の一撃。
(#`ω´)「……効くまでやってやるおぉッ!!」
三撃目となる打ち込み、重い破壊音が足元の地面へまで伝わる。
そしてブーンの気迫があたりの樹木へと跳ね返り木霊すると────やがて再び訪れる、静寂。
次にはびきびきと、亀裂を形作る音が鳴り響いてきた。
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┃#w(;(○);)w#┃「ガ───ギ──ゴ」
大きく刻み込まれた傷口、太い幹の7割ほどまで抉り穿った剣を引き抜く。
ばさばさと音を立てながら、幹の上半分が大きく傾いた。
剣につけられた裂け目に沿って自重に耐え切れず傾き、ゆっくりと倒木してゆく。
(;`ω´)「………ふぅぅぅっ」
「いっちょう、あがりだお」
そうブーンが呟くと同時、轟音と共に土煙を巻き上げながら、巨木はついに地面へと倒れ伏した。
肩で息をするブーンをよそに、フォックスが右腕を目の前で小さく掲げる。
爪'ー`)「よっしゃ────良くやったぜ!」
川 ゚ -゚)「喜ぶのは早いぞ。すぐにあいつを援護にいってやらないと……!」
(;^ω^)「そ、そうだったお!」
クーの言う”あいつ”というのは、ショボンの事であろう。
勝利を喜ぶ暇などない、この森には、敵は無限のようにそこら中に居るのだ。
三人が再び奮い立ち、勇みショボンへの助太刀に向かおうとした、その時だった。
-
(´・ω・`)「お見事だったね、クーさん、ブーン」
从;'ー'从「ほっ……どうにか、皆無事ですね」
ξ゚⊿゚)ξ「こっちはこっちで、ド派手に片付いたわ」
悠然とこちらへ歩いてきたショボン、その隣にはワタナベとツンの二人も居る。
ひとまずの危機は、どうにか切り抜ける事が出来たらしい。
爪'ー`)「必死こいて注意引いた俺への労いはなしか?」
(´・ω・`)「……気にはしてないんだけど、誰かさんが僕の手元を狂わせなければ、もう少し楽な戦いだったね」
爪;'ー`)「んぐっ」
先ほどのミスを指摘されてたじろぐフォックスに構わず、ブーンがクーへと詰め寄る。
( ^ω^)「クーさんのお陰で、大助かりだったお!」
川 ゚ -゚)「まぁ……これで少しは借りを返せただろう」
(´・ω・`)「足の怪我は大丈夫なのかい?」
川 ゚ -゚)「あぁ、万全だ」
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気づかないうちに来てた
今日はここまでかな、明日(もう今日かな)続き待ってる
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>>968
なう ろーでぃんぐ
-
ξ゚⊿゚)ξ「あー、こほんっ」
わざとらしい咳払いに気付くと、クーが彼女の方へと振り向き言った。
川 ゚ -゚)「それについては……ツンのお陰でな」
そう言って、怪我をしていた足元の衣服の裾をまくり、露出した足首を皆に見せた。
裾の一部は裂けているものの、その下の素肌には傷など影も形も無かった。
爪'ー`)「へぇ……どういう手品だ?」
ξ゚⊿゚)ξ「”聖ラウンジの奇蹟”の、正しい使い道の一つよ」
川 ゚ -゚)「私自身も驚いたがな……ツンが手をかざすと、傷が”治っていった”んだ」
(;^ω^)「そ、そんな事まで出来るのかお!?ツンってば!」
(´・ω・`)「細胞の再生───修復だって?」
ξ゚⊿゚)ξ「とても小さなものだったけど、ヤルオ神からの言葉が届いたの」
───────────────
──────────
─────
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | ──これは”癒身の法”……そう名付けた、奇蹟の一つ──
\ ` ⌒´ /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ ──いつも話し相手に不自由してるから、またいつでも祈りを飛ばしてくれお!──
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
───────────────
──────────
─────
-
ξ゚⊿^)ξ「”癒身の法”っていう一言しか届かなかったけど、効果はご覧の通りよ」
(´・ω・`)「毎度驚かされるよ、ツン───大陸の大多数が聖ラウンジ信仰なのも、頷ける」
( ^ω^)「やっぱり、君は大した娘さんだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「えっへん」
爪'ー`)「馬鹿、褒めすぎるなブーン」
川 ゚ -゚)「………」
先ほどからある疑念が引っかかり、それがクーの胸中でつかえていた。
今しがたのショボンの言葉の中にもあった────確かに、そうなのだろう。
戦闘で過ぎ去った高揚感の後に、えも言われぬ感情が訪れ、複雑な表情を浮かべる。
ξ゚⊿゚)ξ「?……どうしたの、クー」
胸を張るツンの顔を覗き見ていたクーだが、自分の考えを悟られぬよう紛らわし、俯く。
川 - )「────いや、なんでもない」
心の中で起こるせめぎ合いは、いつの間にか彼女の表情を曇らせていたようだ。
それらをひた隠すため、クーは目線をツンから逸らした。
隠そうとも、決して消せぬ感情ではあるが。
-
(´・ω・`)「─────さて、目的の場所はすぐそこさ」
再び出立を促すショボンの案内の元、冒険者一向は先を急いだ─────
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─────
怪樹達の群を抜け、湖畔沿いの道にぽっかりと口の開いた洞穴。
そこは、迫る人面樹を凌ぐため、ショボンが一度立ち寄った場所だった。
(´・ω・`)「ここを通っておいて良かった」
じめりとした湿気は、肌にまとわりついてくるようだ。
爪'ー`)「どこに連れてくるのかと来てみりゃあ……何の事はねぇ、緑から逃れる為の休憩所ってか?」
( ^ω^)「なんつーか……ニオうおね」
川 ゚ -゚)「これは……」
爪'ー`)「───ははん、なるほどな」
-
煙草を取り出し口にくわえたフォックスが、足元に転がる樽から地面へと染み込んでいる液体を見て、
火打ち石で着火しようとしていた手を止めた。
「お、おい!お前さんがた……まさか本当に───!」
(´・ω・`)「そう、油さ。こいつをそこらじゅうへと振りまいてから、この森に火を放つ」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
冷静に言ってのけるショボンの言葉に、もはや一同から忘れられかけていたラッツが騒ぎ立てる。
どう考えても冷静ではない一言を、さらりと口にした彼に対して。
「はッ!……お笑いだぜ、苦心の末ここまでやってきた挙句、やっぱり森に火を放ちます、だぁ?」
(;^ω^)「心配だという点については、ブーンも同調するお」
「心配どころじゃねぇ、全部燃え尽きた後にゃあ焼死体が7つ発見されるだけだぜ!?」
从;'ー'从「そうですよっ、大体───どこに逃げるんですか!?」
ξ゚⊿゚)ξ「逃げ場のアテはあるの?ショボン」
(´・ω・`)「無いよ」
-
( ^ω^)
爪'ー`)
ξ゚⊿゚)ξ
「………」
その一瞬、洞穴の中に居た面々の表情は一様に冷たく凍りついた。
完全に場の時が止まったのを見計らってから、ショボンは白々しく言い放つ。
(´・ω・`)「冗談。確実な安全性の面では、という意味さ」
爪'ー`)「……次からは止してくれ、本当に心臓が止まる奴だっているかも知れないからな」
(´・ω・`)「───だけど、君たちの誰かも、この一つの可能性に気付いているはずだ」
「どうしろってんだよ!地中に穴ぐらでも掘って、そこに埋まってりゃあいいのか?」
(*^ω^)「おっ!それはいい考えかも知れないおっ!?」
爪'ー`)「お前は黙ってろ」
ξ-⊿-)ξ「う〜む……」
川 ゚ -゚)「この場所に居ても、油が染み込んでいるこの地質では引火の可能性が極めて高いな」
(´・ω・`)(……すぐにたどり着く答えだと思ったのは、ひょっとすると僕だけなのか)
腕組みをしながら長考に入った面々の様子に、ショボンはがくりと首を傾げた。
どうにか考えをひねり出そうとしていた彼らの沈黙を破ったのは、ワタナベだった。
-
从'ー'从「みず、湖…………あっ!」
川 ゚ -゚)「!」
(´・ω・`)「………そう、船だ」
ショボンが思い描いていた、そしてワタナベが連想あそびの要領でたどり着いた答えは────”湖上”
幸いにもこのカタンの森には中央部分に大きな丸型の湖が存在している。
そしてこの場にいる冒険者たちの大半が、この森に足を踏み入れた時、湖上に浮かぶ木船を見かけたのだ。
この怪樹ひしめくカタンの森からの唯一の脱出経路は、森の外にあらず。
森の中、すなわち湖の上に浮かべる船の上にあったのだ。
(*^ω^)「そ────その手があったかぁぁーーーッ!」
全く思い当たらなかったその答えに、とても大きく感銘を受けて叫ぶブーン。
だが、それにはどうしても一つだけ問題点が残されてしまうのだ。
爪'ー`)「確かにそりゃあ………安全とは言えねぇな」
(´・ω・`)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「名案だと思うけど、どうしてよ?」
爪'ー`)「考えてもみろよ……ひぃ、ふぅ────今この場にゃ、何人居るんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ………」
-
「子供は数に入れねぇでも────大人が、6人も……」
ここで、再び一同は沈黙した。
小さな木船ならば3、4人がせいぜいのはずだ。
チャンスは一度、そこで全員が船に乗っかり岸からある程度の距離を離れなければならない。
明らかに定員を大幅に超えてしまうのだ、すぐに沈没してしまう事もありうる。
(´・ω・`)「森に立ち込める熱風で、気流に引き寄せられる可能性もある。岸からは少しでも離れたい」
爪'ー`)「万が一沈没したとして、俺やクーならなんとかならぁな……けど」
ξ;゚⊿゚)ξ「私やワタナベちゃんは正直……ずっと立ち泳ぎしてる自信なんて欠片も無いわ」
(;^ω^)「ブーンも……具足や胸当て……ごてごて重い装備ばっかりだお」
爪'ー`)「まぁ、沈んだら溺れるわな」
(´・ω・`)「外してもらうしかない、か」
(;^ω^)「だけどだけど!この子たちはもはやブーンの旅の相棒で、ちゃんと名前も────」
ξ゚⊿゚)ξ「何馬鹿な事言ってんの。あんたが一番重いんだから、そこは譲りなさいよ」
-
从;'ー'从「ブーンさん……お願いします」
川 ゚ -゚)「ま、少しでも全員の生存率を上げる上での必須事項だろうな」
(;^ω^)「ぐぬぬぅ……」
女子供の説得に負け、ブーンは泣きそうな表情を顔に貼り付けながら、具足や胸当ての紐を自ら解いていく。
衣服とともに、最後に残ったのは身体に麻糸で巻きつけた、鞘に納まる剣だけだ。
(#^ω^)「べらんめぇ!こいつでどうだおッ!」
(´・ω・`)「すまないね、ブーン」
ξ゚⊿゚)ξ「あ………その背中の剣だって、重いんじゃない?」
( ^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ごめん……ダメだった?」
表情は同じだが、その一言に少しだけ雰囲気の変わったブーンに、ツンが少したじろいだ。
( ^ω^)「この剣だけは、譲れんお」
背の剣の柄を一度握りながら言うと、すぐにいつもの雰囲気に戻ったが。
ξ゚⊿゚)ξ(大事なもの、なんだ)
川 ゚ -゚)「で────その作戦、決行はいつだ?」
-
(´・ω・`)「勿論、早いに越した事はない───皆の心の準備は?」
川 ゚ -゚)「私はいつでもいいが……こんな森とは、早いとこおさらばしたいのでな」
爪'ー`)「俺もだ。動くんなら分担だろ。準備は出来てるぜ?」
(´・ω・`)「こき使うようですまないが、これで貸し借り無しにさせてもらうよ───」
「わーったよ」
と、ショボンの台詞にそっぽを向いて一寸子憎たらしい表情を浮かべたフォックスだったが、
どうやら彼は自分の役割を理解しているらしい。
(´・ω・`)「ブーンとフォックスは、この森の東西に分かれてここにある油を撒いてきてくれ」
「なら、俺も手伝わせてもらうぜ!何もしねぇで助かるのは、癪だからな」
(´・ω・`)「ありがとう。ではラッツ、君は北側を頼む」
( ^ω^)「ショボンはツン達とここに残って、この洞窟を見張ってるのがいいおね」
从'ー'从「あ!見張りぐらいなら私だって手伝えます!」
(´・ω・`)「助かる。それじゃあ君は東側の出口を見張って、何かあったらすぐ反対側の僕へと知らせてくれ」
-
良い雰囲気だった。
てきぱきと役割分担が決まっていき、それを担う面々の瞳には、不安を塗りつぶす程の強い光が宿っている。
「畜生、意地でも助かってやるからな」と言いながら、ラッツは自分の頬をぴしゃり張っていたが、
恐らくその心中は、この場にいる誰もがそう頑なに思っている事だろう。
この森に住まう怪樹らを倒して、生き残る。
もちろんそれも─────全員でだ。
(´・ω・`)「よし、十分な休憩時間だったね。始めるとしようか」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あの〜……」
川 ゚ -゚)「私たちは、どうすればいい?」
完全に出遅れたツンが、弱弱しい声を出しながらそろそろと挙手する。
だが、非力なツンに対し”油樽を担いで走り回れ”などとと無茶な事は、当然言える訳もない。
(´・ω・`)「ツンは……クーさんと共に安全なこの場所で待っていてくれ」
ξ-⊿-)ξ「そう、わかったわ(ほっ……)」
(´・ω・`)「クーさんは───」
( ^ω^)「いいんだお、元はと言えばブーンがこの森に行こうと誘ってしまったせいだお」
川 ゚ -゚)「ま……確かに依頼の危険度は大幅に跳ね上がったが」
-
(;^ω^)「随分迷惑もかけたし、道中で危険な目に合わせちゃったおね……」
ξ゚⊿゚)ξ「まぁ、旅のお共は道連れって言うじゃない、確か」
( ^ω^)「───迷惑ついでで申し訳ないんだけどお、どうかここで、ツン達の事を守って欲しいお」
川 ゚ -゚)「ふむ、それは腕を見込まれての事かな?」
( ^ω^)「そういう事ですお、先輩冒険者殿」
川 ゚ー゚)「ふっ……わかった。任せてくれ────無事を祈るぞ」
( ^ω^)「!……ありがとだお」
爪'ー`)(ほぉ……こうしてしおらしくしてれば────なるほど、うぅん……悪くないねぇ……)
ξ゚⊿゚)ξ「何じろじろ見てんのよ、アンタは」
役割を果たす自信が無く名乗り出られなかったツンとは違い、クーは手伝う意思が十分にあった。
が、小気味良く連携して脱出の算段を整えてゆくブーンらの様子をずっと見ていて、機を逃しただけ。
目を奪われていたのだという自覚は、彼女にはなかった。
-
今までクー自身は毛嫌いしていたはずの、”パーティー”という冒険者の集まり。
だがその認識は、今彼女の中で確実にがらりと変わろうとしていた。
いつの時代も同族で殺し合いばかりしているのは、人間の他には妖魔ぐらいなものだ。
だがそれとは逆に互いを助け合い、同じ希望を胸に抱きながら困難へと立ち向かってゆく者もあった。
ブーン達の、真剣みの中におふざけなどをを交えつつも、皆の気持ちが一つになるさまは────
( ^ω^)「よっしゃ、どっちが先に帰ってこれるか競争だお!フォックス!」
爪'ー`)「けっ、なめんじゃねぇよ。俺が狐なら、お前さんはどん亀だぜ」
(´・ω・`)「二人共下らない小競り合いはいいから、役割だけは果たして帰ってきてくれよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「危なくなったら、すぐに引き返してね……」
川 ゚ -゚)(これが冒険者………”仲間”、か─────)
そうして─────人間不信の一面を持つクーの心を、少しだけ氷解させるに至った。
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─────(まずい、スレまたぎそう)
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支援
残り17レスじゃ無理だろうし
きりがいいところで次スレへ移動をおすすめ
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支援
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あれ、今ここって管直人さんいないんでしたっけ?
このスッドレ過去ログに叩き込んでくれる人いるべか
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(´・ω・`)投下途中支援だよ
居ないと思うよ
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ギャプッ
創作版へお引越しするしかないか……
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(´・ω・`)創作板でみんな待ってるよ
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待っててよかった
創作板かどこかでも楽しみにしてる
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今までお世話になりました…
この度やむ無く創作板にお引っ越ししましたので、そちらで5話まで投下完了いたしました。
これまで見て下さいました方々、ありがとー
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今更ながら
手記の名前にニヤッとした
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