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箱庭少女の紫蝶々

1來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/07/30(土) 21:52:19 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp

 初めまして、もしくは今日は。色々と変更させて頂きましてだいたいトリップで誰かは分かると思いますが、來霧 奏(ライム ソウ)と申します。

 今回は、ファンタジーがメインとかいうよりも、特にこれといったメインはないかと思います。
現実的でもあるし、ファンタジーでもありますし、結構取り入れます。しいていうならシリアス一直線ですね。はじめ(序章)からシリアスになると思います。

 今回はぜっっったい、完結作にしたいと思いまして多分一作しかつくらないです、はい。


*注意事項*
†荒らし、暴言、中傷など、周りの人達が見て不快と思われるものは全て無視させて頂きます。
†正直に言いますと、駄作です。更新は非常に亀なうえ駄作という最低な条件揃いですが、宜しければ見て言って下さい
†グロ表現があると思われます。なるべく押さえるように精一杯努力は致しますが、苦手な方はUターンをして頂いたほうが宜しいかと思います。
†英語、ドイツ語、イタリア語など、綴りが間違うこともあるかも知れませんが、多様されると思います。
†一章に二回程度、 † † † † † と言う†×5が現れて話が変わることもあります。
†この小説の、題名、人名など、この小説に出てくる全てのものは何も真似しておりません。

†途中放棄しないようにがんばりますので、感想やアドバイスなど、意見をお願い致します†



 更新はおそいですが、末永くお待ちして頂き、この「箱庭少女(ハコニワショウジョ)の紫蝶々(ムラサキチョウチョ)」を楽しんでいただけると嬉しいです。

2來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/07/30(土) 22:12:57 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp


 きっと私は望んでいたのだと思う。
キラキラと光る太陽がある、青く澄んだ空がある外に行けることに。この閉まった世界から解放されることに。

 だけど私は怖かったんだと思う。
自分が人と違う事が。自分がおかしくなってしまう事が。何よりー……、自分自身が自分に分からないことが。



 彼は私に笑いかけました。だけどそれは、ひんやりとした冷たい笑みで何も分からない私を突き放しました。

 私は、何も分からぬただの小娘にしか過ぎなかったのです。


*Next story†序章 捉えられた少女と…*

3レトロ:2011/08/01(月) 14:15:14 HOST:w11.jp-t.ne.jp
駄作なんてそんな!
凄く上手いですよ!

こうゆー始まり方、大好きですo(^-^)o

頑張って下さい
更新楽しみにしてます(^O^)

4來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/01(月) 15:18:39 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
>>レトロ様

駄作ですよ、何か書いている間にぐたぐだーってなっちゃったりして………

 頑張って更新していきたいと思いますので宜しくお願い致します!
コメントありがとうございました^^

5來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/03(水) 14:52:53 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
*序章†捉えられた少女と……* 

 真っ白になっている肌をスッと触れ、冷たくて、冷たくて手を離した私。妹とお母様の泣き声の聞こえる部屋には、私とお母様と妹、それと……息をしていないお父様、家族四人がいる。
ひんやりとした乾いた空気を打ち破るように「姫様方と優梨様……、そろそろ」と言う声が聞こえる。白銀の髪をゆるりと後ろで結び、白いYシャツに黒い革ジャン、黒い長ズボンをはきいた青年と言うより三十過ぎの男性、若月 優希(ワカツキ ユウキ)は、お父様である神音 海音(カミネ カイト)の下で働く昔風に言うなら“家臣”というもので良く私達の前に姿を表す。優希が色々と喋っている。

「……っ、夢か……、懐かしい、ユメ」

 私はベッドから落ちそうなほど勢い良く置きると本とかがその反動でおち、キッチンからお母様の「音羽(オトハ)、大丈夫ー?」と言う声が聞こえた。




 私達の住むアイスカリアは、外国風な名前だけれど表向きには和名の人が多い。しかし生まれたときに和名と外国的名前の両方が与えられどちらを名乗るかは自分の自由となることが多くある。

 百夜学院(ビャクヨガクイン)に通う高等部三年生の十八歳、薄紫色の髪を肩までのショートカットにし左右を赤いリボンをしていて左目青色の瞳をし、右目には包帯を巻いている。私服は主に巫女服を着ることが多くて、ドレス系統を嫌った私にお母様がわざわざ作ってくれたもので世間には多く知られている、制服は白に黒いリボンと黒いラインのはいったケープを着て薄水色のスカートをはいた私、アイスカリアで一番の権力をもつ神音家の長女、神音 音羽(カミネ オトハ)。外国的名前は分からないけど私にもあるらしい。

「音羽姉様、おはよーございますです!」
「はい。日和(ヒヨリ)、おはよう」

 薄紫色の髪を、私同様に赤いリボンで左右を結び深緑色の瞳を輝かせ、私の真似をした巫女服をきていて唯一違うのは私と違いアームカバーだということ。そんな私の妹、神音 日和(カミネ ヒヨリ)は私より五つ年下の中学一年生の十三歳である。
日和はニコニコと笑って「ねね、お姉様?お兄様、くる?」と問いかける。日和が“お兄様”と呼ぶ、私が一番大嫌いとしているが婚約者である、金髪をキレーに揃えていて、右目薄紫色、左目水色のオッドアイの瞳をし私服のようになっている制服、薄水色のYシャツに黒いベストをきてオレンジ色のネクタイ、青いズボンをはいた少年、意地悪少年であり、神音家と並ぶが少し劣っている星条家ノ一人息子、星条 羽鳥(セイジョウ ハトリ)のことだろう。
名前を口にしたくないほど嫌いだ。憎たらしくて……。私は面倒臭いから「さぁ?来ないでしょうね」と適当に返すと、キッチンからお母様が「なーに言ってるの。来る、って言ってたわよ、羽鳥君」と言いながら朝ご飯を置きながら言う。私は置かれたスープを一口飲みため息をつく。

 お母様と、亡くなったお父様は、何故か、羽鳥を気に入っているようだった。

 一人の城を警備していた奴が、羽鳥がお見えになった、と報告をし日和が嬉しそうに入り口まで走って行く。城の中は広く入り口まで行くのに五分程度掛かり、ぎこちない雰囲気で羽鳥と挨拶を交わすと日和がニコニコと笑顔で羽鳥を見る。羽鳥もニコリと笑って日和に挨拶し私達は学院へ向かう。


「あなたの家へ一度行ってみたいものですね。広いのでしょう?」
「来なくて良いですし、多分羽鳥様の家の方が広いかと」
「まあまあ、音羽様、そんなツンツンせずに……」
「してないですから御安心を」

 本当に嫌い。羽鳥様との“婚約者”という身分も取り消したいのに結婚までいったら私の精神はきっと崩壊します。私はなるべく羽鳥様を先に行かせ、私はゆっくりと歩きポケットにはいっている大切な人からの髪飾りを見つめます。薄紫色の蝶々の形をした髪飾りは私の一番の宝物。




「それでは、音羽様。また帰りに」

 羽鳥はそれだけ言い残し、校門で別れた。

6來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/03(水) 18:38:27 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp

 ざわざわとざわめく教室。ガラリ、とドアをあけて私が教室にはいるとあたりはシン、とする。ひそひそと喋ろうとする人や焦ったような表情をする人もいて反応は様々であるが「おはようございます。音羽さん?」と言う嫌みのようなクールっぽい女子の声がきこえ余計にシン、と静まり返る。

 腰まである金髪を揺らし、ツカツカと私の方まで歩いてきて緑色の瞳で私を睨む。ふわりとゆれる制服は私と一緒のもの………。そんな女子は私の大嫌いな婚約者の面影があったりする、羽鳥の実の姉、星条 小鳥(セイジョウ コトリ)は私をみてフンッと鼻で笑うと「お嬢様が良い気味よね。あ、あなた私の弟の婚約者らしいですわね?」と高らかに笑う。

「……別に。婚約者なんて名前だけですし婚約する気も一切有りませんから御安心を」
「知っていますわよ?私の弟はあなたの母方達に気に入られてるようで」

 小鳥が私に向かって高らかに笑うと、面白くなさそうに低く舌打ちをして無表情になり、淡々とゆっくり途切れずつ喋る

「私はお母様の言いなりになる訳ではありませんし、あなたのことが羽鳥様の次に大嫌いです。………お父様が死んだのは、あなた達、星条家のせいなのですから」
「っ、……ふん、権力と言えどその内私達のものになるでしょうね。……他に言いたいことはあるのかしらね?」

 小鳥はなるべく平静を装い鼻で笑いながら睨みつつ、問いかける。人形のような無表情と冷たい眼差しを送り続ける私。小鳥は一歩後ろへ下がりながら「な、ないのですわね?」と再び問いかけて逃げようとする準備を整えている。ひんやりとした声で「嫌いです。あなたも、羽鳥様も、みんな大っ嫌いで!!何より、あなたとあなたの弟が大っっっ嫌いです!!」で叫ぶ。クラスメイトは唖然とし、小鳥は逃げるようにして自分の席に座る。

 私もゆっくりと席に向かうと、教室に再びざわめきが戻り始めさっきの私達のことなどをひそひそと喋っていたりする。
 カラリ、とドアが開けば担任が立っていてみんな慌てて席につく。
担任は自分勝手にペラペラと喋り、チャイムが鳴ったとほぼ同時に話を終了させた。

 



 ボーっとしていればすでに放課後になっていた。
 サラサラと風が吹き、髪が揺れる。すでに教室には誰にもいなくて、羽鳥様との待ち合わせ時間も三十分以上過ぎているから帰っただろう。自分の席からゆっくりと移動して窓側に近付くと、髪を止めていたリボンがほどけて風で飛ばされる。静かにため息を私はつくと「まあ、いいよね」と一人で呟く。首のチョーカーにふと触れるとケホケホと咳が込み上げてきて、何度も咳き込む。

「そう言えば……包帯代えてない……」

ポツリと呟き、包帯をサラサラと取って行く。窓から見えるグラウンドを見ながら予備で持っている包帯を巻こうとしていた瞬間に再びドアは開く。
振り返ろうか、とも思ったが包帯をしていない。キュッと唇を紡ぎ、相手が誰かは気にしず、ずっとグラウンドを見つめることにしてみた。
数分は無言の間が続く。

「音羽?」
「呼び捨てにしないで下さい」
「あなたは、私のことがお嫌いと聞きましが」
「はい、そうですよ。気付きませんでしたか?私はこの世界であなたが、あなたの家計が大嫌いです」







「………私は、箱庭の少女です。運命は流れるままに決められて、小さな小さな箱庭で行きていく。私に……自由などありません。」






*Next story†第一章 神音家と星条家*

7來夢 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/03(水) 21:46:37 HOST:118.16.154.61

作者「何やらおかしな話になってしまったような……。序章の最後に対話しているのは、音羽と羽鳥です」

作者「何と言うか、私的にはもうちょっとあとから過去ストーリーを入れていきたいのですけど本編で出すか、番外編でだすか……悩み所です」

作者「今回はプロフィールを少し書いてみようかな、と。ストーリーだけじゃ、意味分からないって言う方々も出てきそうですし」




*プロフィール*
「私が嫌いなのは、あなたと、あなたの弟である羽鳥様です」
名前/読み:神音 音羽/カミネ オトハ
性別/年齢:女/十八歳 高校三年生
性格/容姿:家(母と妹)では、ニコニコとした明るく朗らかで周りに流されやすいタイプと思われているが、学校(特に星条姉弟)では冷たく無表情、淡々と喋るなど怖い一面を持ち、どちらが本性かはストーリー中に/薄紫色の髪を肩までのショートカットにし、頭両サイドに赤いリボンで結んでいる。私服は巫女服。制服は白に黒いリボンとラインのはいたケープに薄水色のスカートをはいていて、首には黒いチョーカーをしている。左目青色の瞳、右目は失明として包帯をしている
備考:一人称「私」 二人称「あなた」「〜様」「呼び捨て」 八年前に父親を戦争でなくし、その戦争時に多少巻き込まれ右目失明。 星条姉弟を嫌っていて、婚約者である羽鳥には徹底的に冷たい態度をとる。 アイスカリアで一番力を持つ神音家の“姫”として扱われ、周りからは「姫様」や「音羽のお姫様」などと呼ばれている。

「それでは何故、そんなにあなたは苦しそうなのですか?」
名前/読み:星条 羽鳥/セイジョウ ハトリ
性別/年齢:男/十六歳 高校一年生
性格/容姿:音羽程ではないが、言動が冷たいところがあり余計に音羽に嫌われた。姉である小鳥の血があるせいか憎たらしいところが多くある。一つ一つに笑ったり嫉妬したりなど感情のまま行動し、失敗することも。冷たい言動を投げ付けるも根はとっても優しく(するつもり)、相手の感情を理解出来る人(になる予定)/金髪を首まで伸ばして、深い緑色の瞳をして黒にも少し見える。私服と制服ともはや一緒になっていて、薄水色のYシャツにオレンジ色のネクタイ、黒いベストに青い半ズボンをはいていて、アームカバーとフットカバーをしている。
備考:一人称「私」「僕」 二人称「〜様」「呼び捨て」「あなた」「あなた様」 神音家に継ぐ二番目の権力者の家。音羽の婚約者ではあるが今の音羽は苦手(昔の音羽はめちゃ好き)であり、少し距離をおくことも考えている。ひんやりとした言動は自分をアピールするものかも。神音 海音(音羽の父親)が亡くなる前まではすごく仲が良かった。父親が亡くなり、当時五歳だった日和から「お父様ですか?」と尋ねられたときはキョトンとしたり。日和五歳当時、八歳であったがとても大人っぽく十五歳少し下、とでも見えたらしい。実際今でも冷たい態度はとるものの音羽はまじ好きらしi



作者「取り合えず主役的な人二人を書いてみた」

音羽「………て言うか、ラブコメになりそうですよね、この流れ」

羽鳥「あー、分かる」

作者「それは私を思ったのだよ?((
    何て言うか……これから、「ふぁんたじー!」てきなものを、ね」

羽鳥「何か、僕結構嫌われてませn((」

作者「気のせい。つか羽鳥って一人称僕のほうが逢うんじゃね?」






作者「何か色々と、アドレスや、感想、このキャラクターの一人称や性格、こうした方がよくない?など、意見を言って貰えると嬉しいです」

8來夢 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/04(木) 07:58:09 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
*第一章†神音家と星条家* †作者視点†

 ヒラヒラと木の葉が舞う。空は星空が溢れている薄暗い色になっている。その中をパッと明るいライトが照らし出し、音羽と日和と小鳥と羽鳥が移し出される。
 今日は神音家と星条家を称える祭りの最中で、音羽と羽鳥の正式婚約のことを言ったり、音羽と小鳥の挨拶やらで最初は時間を潰す。

「こんな時間、必要ないと思う」

 音羽はぼんやりと言いました。今は小鳥が喋っているため日和と羽鳥が遊んでいて、音羽は正直面倒臭いように伸びをして「それでは終わりますわ」という小鳥の声を聞いてスクッと立ち上がりニコニコと作った笑顔を浮かべてステージへ出て行く。

「私達、神音家、星条家のために集まって下さり誠にありがとうございます」

 ニコニコと微笑みながら喋っている音羽。
ステージの裏には羽鳥、小鳥、日和の三人がいて「姉さん、僕は先に帰りたいんだけど」と小さくため息を付く。

 やっと音羽が帰ってきて、自由になれる。音羽は特に周りを見歩こうともせずにボーっとしている。そう言えばカップルで何か見るかやれば永遠に仲良くなる、とか言う下らないジンクスがあったな、と考える。

「音羽様はいかれないのですか?」
「面倒ですから行きません。行くのならばどうぞあなた一人だけで」
「そんな事言わずに………」

 正直羽鳥は困ったような表情もするも無理やり音羽を立たせて歩き出す。音羽はひんやりとした視線を送り「離して下さい。私はあなたが大っ嫌いで、口も聞きたくありません」と無表情で告げる。くるりと振り返った羽鳥は悲しそうな表情をして「それならば、あなたはどうしてそんなに悲しそうなのですか?」と問い掛ける。

 キュッと唇を紡ぐ音羽は、キッと羽鳥を睨みつけ「うるさい、です。私は悲しくありません、きっとあなたの思い違いでしょう」とつまらなさそうに言った。

9恋歌:2011/08/04(木) 08:25:28 HOST:KD124209251133.ppp-bb.dion.ne.jp
はじめまして!
恋歌<れんか>といいます。
小説書くの上手ですね♪
最初からはまってしまいました。
俺は、本が好きでいろんな本を読んできたけど
來霧 奏さんが書いたような内容ははじめてです!
これからも読んでいくんでがんばって書いてください。

10來夢 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/04(木) 12:37:07 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
>>恋歌様

 初めまして、コメントありがとうございます!

 いえいえ、全然上手くないですよ!

 更新は非常に遅いですが、宜しくお願い致します!

11來夢 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/04(木) 16:37:51 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp

 風がさらさらと吹いていて、あたりはガヤガヤと騒ぐ声が聞こえる。舞台裏にはすでに音羽と羽鳥しかいない。小鳥と日和は先に帰ってしまったようだ。
ふと音羽の母である、神音 アンネ(カミネ)が濃い紫色のセミロングの髪を揺らし舞台裏にくる。パッと瞬発的に無表情から明るい顔に移す音羽。アンネはオレンジ色の瞳を輝かせながら近付いてくる。音羽はニコニコと笑顔を浮かべると「どうしたの、お母様」と問い掛ける。するとアンネもニコリと笑って音羽の耳元で「あと一週間後、羽鳥君の誕生日でしょう?だから星条家は準備があるらしいからうち(神音家)に泊めることになったのよ」と呟く。
 そうだ、来週は十二月二十四日だ、と音羽は考える。て言うか一週間も準備いらないでしょう、と再び思いつつ「分かった」と呟く。冷たい空気がサァーッと音羽の風にあたる。アンネは手っ取り早くさっさと羽鳥に上手くごまかしをいれて説得する。羽鳥が縦に頷いたところで「じゃあ、準備をしてくるから。今は七時だから、祭りの終わり(九時)までには呼びにくるわね」と言いのこして家へ帰って行った。


 特にやる事もなく、羽鳥の後ろをゆっくりと付いていく。薄い紫色の蝶々の髪飾りを見つめてギュッと唇を噛み締める。

 音羽は髪飾りを再びポケットにしまい、取り合えず羽鳥の後を付いて行く。行く当てもないがぶらぶらと歩く。ふと羽鳥が振り返ると「どっか行きたいとこある?」と音羽に問い掛ける。音羽は表情を一切変えず「ありません。まず終わったらすぐ帰るつもりでしたから」と相変わらずひんやりとした冷たい口調で告げる。
羽鳥はうーん、と考えると近くにあった椅子に座る。音羽に隣に座るように言うが絶対拒否、と言いたそうな顔をして羽鳥も諦める。数分間無言が続き沈黙が訪れる。その沈黙を破ったのは意外なことに音羽であった。

「……あなたは何故、そんなに私にしつこいのですか」
「何で、でしょうね。“婚約者”だからじゃないですか?」
「私はあなたを“婚約者”と認めていません。私にとってあなたは私の知人です。私の婚約者と言える人はーー。………いえ、何でもありません」

 音羽は静かに口を紡ぐ。若干うつむき、羽鳥と決して目があわないようにする。
羽鳥は音羽の言いたいこと、言いたかったことを察したように「そうですか……。では待つとしましょう」と静かに言う。音羽は深くため息を付き「待たれても意味がありませんよ」と呆れたように、確信したように言った。羽鳥が微かに笑みを浮かべると「いつでも待ちますよ。あなたと私が婚約者だと、あなたが思えるようになったら合図を下されば良い」と笑みをずっと浮かべながら静かに言う。

「絶対あり得ません」
「“絶対有り得ない”を可能にさせるのが私流ですからね」

 音羽は深くため息をつくと名前を呼ばれた。ふと声をした方へ見ると暗闇に浮かび上がる金色の髪が見える。音羽は目を見開きギュゥッと強く唇を噛み、苛立ちを押さえる。金髪を太股までウェーブを掛けて伸ばした髪、漆黒の黒い瞳にパーティー用のようなドレスを着た女性、星条 南音(セイジョウ ナミネ)こと羽鳥の母親がいる。

「お……ば様、今晩は」

震える声で挨拶をすると、南音は微笑み「ええ、今晩は。元気だったかしら?」と問い掛けて「ええ、もちろんです」と答える。羽鳥は焦ったような顔をし「で……どうしたの母さん」と用件を早く聞き出そうとする。

「あ、そうそう。もう準備が終わったから帰って来ても良いよ、って音羽ちゃんのお母様から」

 音羽はカタカタと震えながら「あ……了解しました……、すぐ帰ります……。行きましょう、羽鳥様」と言い歩き出す。すよと南音が「ちょっと待って!」と引き止めると、ガックンと音羽の体が揺れゆっくりと、ゆっくりと振り返り「息子を、宜しくね」と南音が言うと「は……い」と小さくお辞儀をして返した。






 風の音が聞こえてきて少し肌寒い。人がいなくなったせいで余計に寒さを感じる。息をはいたり吸ったりすることによって白い息が出て来る。ヒヤリと冷たい羽鳥の手とぶつかり余計に寒くなったように感じたりする。帰る途中でもとことん無言で羽鳥は喋ろうとする気配がない。はぁ、とため息をつく音羽をチラリと羽鳥は見る。珍しく羽鳥の横を歩く音羽を見るも、羽鳥はあまり嬉しいとう気分にはなれずにいた。
音羽は何度もため息を付き面白くなさそうに欠伸をしたりする。

 結局無言同士で家につく。私が玄関をカチャリと開けると、日和が待ち構えていて羽鳥に思いっ切り抱きつく。羽鳥も見ていたアンネも苦笑するが音羽は小さくため息を付き「お母様、羽鳥の部屋どこ」と尋ねる。すると「あなたの部屋の二階よ」と言った。

12來夢 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/09(火) 08:55:20 HOST:i58-94-115-253.s10.a021.ap.plala.or.jp


作者「最近放置気味ですいません……。忙しくって、放置しないように頑張りますが……」



作者「ところで、ラブコメからシリアスモードに変わりましたが、音羽と羽鳥はくっつけた方が良いのかな?」

音羽「良くないです」

作者「そんなこと言ったら、羽鳥が地味キャラになってしまう!!((」

音羽「別に問題無くない?」

羽鳥「いやいやいやいや、僕主人公ですし、貴女ヒロインですよ。駄目です!!((」





「と、まぁ。あの合わない二人が……、ね?」←←orz

13スズラン:2011/08/10(水) 18:26:37 HOST:zaqdadc282e.zaq.ne.jp
読みました!とても面白いです(^・^)

頑張って!早く続きが、見たい(@^^)/~~~

14來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/11(木) 20:29:20 HOST:i58-94-115-253.s10.a021.ap.plala.or.jp
>>スズラン様

 初コメありがとうございます!
面白いなんて、作者としてとても嬉しいです^^

はい、頑張って更新していきたいのでこれからも宜しくお願い致します!!


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 ひんやりとした空気、と言うよりオーラが漂っている。羽鳥の頬にはツーゥッと冷や汗が流れ落ちる。

「……ここ、です。中入ったら上へ上がる階段があるのでそれで上へ上がって下さい」

 ゆっくりとそう告げると「屋敷の中を詮索されては困りますので、外出するならばお母様に言って下さい」と小さく告げガチャリと部屋のドアを開ける。
音羽はササーッと入って行き、羽鳥はその後にゆっくりと付いて行き階段を登り終わると、カラリと二回ドアが開くような音がしてとても明るく楽しそうな「宵(ヨイ)、久し振り」と言う声が聞こえる。

 羽鳥は、スゥッと冷めたような表情をしていき「音、羽の……幼馴染……」とポツリと、小さく小さく呟いていく。
それに比べて明るく、羽鳥の時とは全くちがう対応を“宵”と呼ばれた人にする。ニコニコと笑みを浮かべる音羽は「そう言えば宵の学校は確かもう休みだよね、良いなぁっ」とため息を付いたりしている。


 羽鳥の脳裏にはふと、艶やかな茶髪が浮かび上がった。綺麗に整った顔立ちにサラサラとした茶髪を肩まで伸ばしエメラルドグリーンの瞳をして女顔をした音羽より一つ年下の少年、結月 宵(ユヅキ ヨイ)。
綺麗過ぎる顔立ちのお陰で女子から大分モテていると言われている宵の顔を思い出し羽鳥はギリィッと唇を噛む。キュッと拳を握り締め「結月……宵、フィリル=クーチェリア……」と二つの違う名前を呟く。

「音羽さんの婚約者さんは元気ですか? 相変わらず仲が悪いようで……」

宵がふとそんな事を言う。音羽は表情を曇らせてからチラリと羽鳥を見ると「元気だよ。だけど……」と冷めた表情になると宵は深くため息を付き「音羽さんも相変わらずだね。良い加減にしないと取られちゃうよ?」とわざとらしく笑って見せる。音羽はバッと頬を燃えるように赤くして「バ、バカッ!!宵のバカッ、もうまた明日ね!!」と騒ぎつつ勢い良く扉を閉めるるが、扉の向こうにはクスクスと笑う宵の姿がうつり、はぁっと深くため息を音羽はつく。

「あの人……結月宵でしたっけ。仲、良いですよね」
「………あなたには関係、ないでしょう。まず幼馴染ですから仲が良いのはあたりまえです」

さっきとは大違いでひんやりとして告げる

15來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/11(木) 23:10:23 HOST:i58-94-115-253.s10.a021.ap.plala.or.jp


 ふと音羽の脳裏に"嫉妬"と言う言葉が浮かび上がって、クスリと小さく笑う。すると羽鳥はキョトンとして首を傾げるがニコリと笑って「……久し振りに音羽様、笑いましたね」と呟いた。ハッとしたように音羽が唇に手をあて「べ、別に……、羽鳥様のことで笑った訳ではありません」と言いプイッと横を向き視線を羽鳥から外した。


 †  †  †  †  †  

 初めて“ズレ”を感じたのは、首に黒いチョーカーが付けられたころからでした。

 私は八歳までの記憶がないのです。お母様は「星条家がお父様と琉音を殺したのよ」とずっと言い聞かせてきました。それなのにお母様、妹までもが星条家の人と仲良くするのです。私は可笑しいのではないか、何故仲良くするのか、問いかけたくても……問い掛けられませんでした。


 いつしか私は星条羽鳥という、仇である星条家の奴等を婚約者にしてきたのです。羽鳥と言う少年は、生意気で敬意がなくて私が仇という総称がなくても嫌いだと思いました。でもそれが彼の良い所ではないのかと考えてしまうときはズキリと心が痛み心を封印しました。


 お父様が星条家の誰に殺されたのか聞くと口ごもるお母様達に不信を持ち始めたのは約五年前程でした。



 私はもう長くは生きられないと思います。どうかそのことを、考えて下さい。


  †  †  †  †  †

16來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/13(土) 13:08:29 HOST:i58-94-115-253.s10.a021.ap.plala.or.jp


作者「教えて!宵くんのコーナー!!」

宵「何、そのコーナー」

作者「まぁ宵は無視し、さきに宵のプロフィール公開です!」


*プロフィール*
「好き、なんでしょう?あのお方が」
名前/読み:結月 宵(フィリル=クーチェリア)/ユヅキ ヨイ
性別/年齢:男/十七歳 高校二年生
性格/容姿:おっとりしていてカンが鋭く、ニコニコといつも笑っている。音羽のことはお見通しと言ったような顔をしたりしていて、羽鳥からは敵対心をもたれているらしい、実際は心優しい性格/女顔をしていて綺麗な顔をしてモテていたりする女顔イケメンリア充野郎((/茶髪を肩まで伸ばしていて、エメラルドグリーンのような、ライトグリーンのような艶やかな瞳をしている。制服は羽鳥達のガッコとは違うので、白いYシャツ白いブレザー、黒いネクタイがあり白いズボンを着た、羽鳥達の学校のつぎにお金持ちの学校制服
備考:一人称「僕」 二人称「〜さん」「あだ名」「呼び捨て」 音羽の家の隣に住んでいて、音羽の部屋の隣は宵である。ひんやりとした表情も少々 




作者「宵くんは……きっと羽鳥の敵「にしないで」」

宵「全くこれだから作者は……。僕が優しいのは音羽さんだけだよ」

羽鳥「ないないー((」

宵「君は黙っていてくれる?」

作者「喧嘩やめー!もぅ、このコーナー終了((((」




 何か色々すいません……。これからも頑張って更新していきたいと思っております

17スズラン:2011/08/31(水) 14:18:43 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
最近更新してませんね・・。

どうしたんですか?


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