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箱庭少女の紫蝶々

5來霧 奏 ◆ptZpvaYoVY:2011/08/03(水) 14:52:53 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
*序章†捉えられた少女と……* 

 真っ白になっている肌をスッと触れ、冷たくて、冷たくて手を離した私。妹とお母様の泣き声の聞こえる部屋には、私とお母様と妹、それと……息をしていないお父様、家族四人がいる。
ひんやりとした乾いた空気を打ち破るように「姫様方と優梨様……、そろそろ」と言う声が聞こえる。白銀の髪をゆるりと後ろで結び、白いYシャツに黒い革ジャン、黒い長ズボンをはきいた青年と言うより三十過ぎの男性、若月 優希(ワカツキ ユウキ)は、お父様である神音 海音(カミネ カイト)の下で働く昔風に言うなら“家臣”というもので良く私達の前に姿を表す。優希が色々と喋っている。

「……っ、夢か……、懐かしい、ユメ」

 私はベッドから落ちそうなほど勢い良く置きると本とかがその反動でおち、キッチンからお母様の「音羽(オトハ)、大丈夫ー?」と言う声が聞こえた。




 私達の住むアイスカリアは、外国風な名前だけれど表向きには和名の人が多い。しかし生まれたときに和名と外国的名前の両方が与えられどちらを名乗るかは自分の自由となることが多くある。

 百夜学院(ビャクヨガクイン)に通う高等部三年生の十八歳、薄紫色の髪を肩までのショートカットにし左右を赤いリボンをしていて左目青色の瞳をし、右目には包帯を巻いている。私服は主に巫女服を着ることが多くて、ドレス系統を嫌った私にお母様がわざわざ作ってくれたもので世間には多く知られている、制服は白に黒いリボンと黒いラインのはいったケープを着て薄水色のスカートをはいた私、アイスカリアで一番の権力をもつ神音家の長女、神音 音羽(カミネ オトハ)。外国的名前は分からないけど私にもあるらしい。

「音羽姉様、おはよーございますです!」
「はい。日和(ヒヨリ)、おはよう」

 薄紫色の髪を、私同様に赤いリボンで左右を結び深緑色の瞳を輝かせ、私の真似をした巫女服をきていて唯一違うのは私と違いアームカバーだということ。そんな私の妹、神音 日和(カミネ ヒヨリ)は私より五つ年下の中学一年生の十三歳である。
日和はニコニコと笑って「ねね、お姉様?お兄様、くる?」と問いかける。日和が“お兄様”と呼ぶ、私が一番大嫌いとしているが婚約者である、金髪をキレーに揃えていて、右目薄紫色、左目水色のオッドアイの瞳をし私服のようになっている制服、薄水色のYシャツに黒いベストをきてオレンジ色のネクタイ、青いズボンをはいた少年、意地悪少年であり、神音家と並ぶが少し劣っている星条家ノ一人息子、星条 羽鳥(セイジョウ ハトリ)のことだろう。
名前を口にしたくないほど嫌いだ。憎たらしくて……。私は面倒臭いから「さぁ?来ないでしょうね」と適当に返すと、キッチンからお母様が「なーに言ってるの。来る、って言ってたわよ、羽鳥君」と言いながら朝ご飯を置きながら言う。私は置かれたスープを一口飲みため息をつく。

 お母様と、亡くなったお父様は、何故か、羽鳥を気に入っているようだった。

 一人の城を警備していた奴が、羽鳥がお見えになった、と報告をし日和が嬉しそうに入り口まで走って行く。城の中は広く入り口まで行くのに五分程度掛かり、ぎこちない雰囲気で羽鳥と挨拶を交わすと日和がニコニコと笑顔で羽鳥を見る。羽鳥もニコリと笑って日和に挨拶し私達は学院へ向かう。


「あなたの家へ一度行ってみたいものですね。広いのでしょう?」
「来なくて良いですし、多分羽鳥様の家の方が広いかと」
「まあまあ、音羽様、そんなツンツンせずに……」
「してないですから御安心を」

 本当に嫌い。羽鳥様との“婚約者”という身分も取り消したいのに結婚までいったら私の精神はきっと崩壊します。私はなるべく羽鳥様を先に行かせ、私はゆっくりと歩きポケットにはいっている大切な人からの髪飾りを見つめます。薄紫色の蝶々の形をした髪飾りは私の一番の宝物。




「それでは、音羽様。また帰りに」

 羽鳥はそれだけ言い残し、校門で別れた。


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