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ゆきぽ いじめ・虐待専用スレ 二匹目
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ゆきぽ(ぷちます版雪歩含む)の精神的・身体的・性的ないじめ,虐待,陵辱,拷問,四肢切断,スカトロ等々、本スレ・キャラスレ・エロパロスレに書けないような妄想を垂れ流す隔離系スレッドです。
虐待以外のゆきぽSSは事前にスレ住人と相談の上で投下の可否を決めて下さい。
虐待ネタが嫌いな方は見ないで下さい。
気に入らないネタがあっても非難せずにスルーしてやって下さい。
ゆきぽ以外のアイマス系いじめ・虐待の話題は別スレでお願いします。
ぷちます! 隔離スレ・SSまとめwiki( http:putimaskakuri.wiki.fc2.com/m/ )
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タヌキモグラの愛でssが意外と多くて驚き。しかもおとなしくて手伝いができるいい子に描写されてるから俺の脳味噌が怒りで爆発しそう。
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愛で厨は、ゆきぽの穴堀りから目を背けてる気がする
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もっとタチが悪いのは、穴堀りまで肯定している愛で廚でしょうね。
感覚が麻痺してるから公園に大穴掘る事の異常さに気付けない。『休憩』の作者さんみたいに。
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茶汲み?雑巾掛け?ふざけんなよクズが。アレは手伝いじゃなくて人間の手間をこさえてるだけだ。
出来損ないが人間のフリをするな。
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本家の『休憩』見てきたけど、寒気がした
やっぱりゆきぽは虐待してこそだよなー
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タヌキモグラの『善意』に人間が合わせてやらなきゃならないのに何がいい話なんだろうな
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人様の作品改変するのはどうかと思うがな
愛で虐うんぬん抜きにしてもあまり感心しない
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おもしろけりゃなんでもいーじゃん★
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「爆竹」
パンパンパンパン
ゆきぽ「ぽんぎゃあああああ!!」
朝早くから何かが破裂する音と共に汚い声を上げてるのは害獣ことゆきぽ。
この害獣は、床に穴を開ける、勝手に肩たたきをする、更には雑巾がけ(かえって床が汚れる)おまけにお茶を飲みまくるときたもんだ。
ゆきぽ「ぷぇぇぇん・・・ぽぇぇぇぇん;;」
P「何泣いてるんだ。遊んでくれって言ったのはお前だろ。だからこうやって爆竹をお前の体に巻きつけて遊んでるんじゃないか」
ゆきぽ「ぽぉー!ぽぇぇぇー!」グスッ
P「あん?こんなのを頼んではいない?やかましい。お前事務所に居て何か役に立ったか?
言ってみろ」
ゆきぽ「ぽぇ!ぽぇぇぇ。ぽぉ!ぱぅー!ぽー。ぽぇ!」フンス
P「何?毎日お茶を運んできて?床掃除して?肩たたきしてあげてるだと?最後のはなんだ?自分は可愛いから癒してるだと?」
ゆきぽ「ぽぇ!」ウナズキ
P「・・・・・」
P「調子こいてんじゃねぇぞ!ごるぁ!」
尻尾の毛を掴み
バン! バン!
床に叩きつけて
ゆきぽ「ぽが!?ぶびぃ!?ぷが!?」
P「いい加減にしやがれぇぇぇぇええぇええええええ!!!」
ブチブチブチ!
ヒューン
ドゴォ!
ゆきぽ「ぽげぇ!」
ゆきぽ「」
P「気絶しやがった」
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P「さて、こいつの尻尾に爆竹を巻きつけてっと」
P「目覚ましにケツの穴に一本爆竹を挿して」
ズボ
ゆきぽ「」ビクン
P「おーい。いい加減目を覚ませ」
シュゥゥゥゥゥゥゥ
バン!
ゆきぽ「ぽ!?ぽんぎゃああああああああー!!」
P「おはよう。そして、自分の尻尾を見てみろ」
ゆきぽ「ぽぇぇぇん・・・ぽ?」
P「何か巻きついてるだろ?そして俺が持ってるこれに火を点けるとそれが爆発する」
ゆきぽ「ぽ・・・・・ぽぃゃあああああああああああ!!」
P「点火」
シュゥゥゥゥゥゥゥ!!
P「ゆきぽー。早く逃げないと爆発するぞー」
ゆきぽ「ぽぇぇぇぇー!ぷぃぃぃぃぃーーーー!!」トテトテトテ
P「相変わらずあれで走ってるつもりなんだろうなぁ」
パン!パン!パパパパパパパパパパパパパン!!!!!!
ゆきぽ「ぽんぎゃアアアアああああああああああああああああ!!!」
P「ははははは。面白いなー。なぁ?ゆきぽ?おまえもそう思うだろ?」
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ゆきぽ「ぽぇぇぇぇん・・・・ぽぇぇぇぇん;;」
P「泣くほど面白いか。それはよかったな。じゃあ次はその臭い口に入れてやるよ」
ゆきぽ「ぽ!?ぽぇーーーー!!」
ゆきぽ「ふが!?ふが!!ほがあああああ」
P「後は全身にも巻きつけてっと」
P「よし。いくぞー。点火」
ゆきぽ「ほがあああああ!ふがあああああ!!ほげぇぇええええー!;;」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ZO☆
パン!パン!パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパンンンンンンンン!!!
ゆきぽ「ほがあああああ!ふがあああああああ!ふんがああああああああああ
!!!!!」
ゆきぽ「」
P「ん?・・・・あ。死んだ」
その後死体を川へ投げ捨てて次のエモノを捜すPであった。
完
ぴよぴよ「ぴぃ!ぴっぴ!ぴー!」
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おつ
せっかく時間を割いて遊んでやったのにお気に召さないとは、ワガママでだらしねぇゴミだなぁ
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年が明けて一週間経った。正月ムードが大分薄れてきて、日常モードに戻って来たように思う。世間も、俺も。
正月気分と決別し、本格的に仕事に取り掛かろうとする俺のズボンの裾を引っ張る奴が一匹。
ゆきぽ「ぽえ〜」クイクイ
P「構って欲しいのか?仕事中だ。後にしてくれ」
やんわりと拒絶の意思を伝える。
ゆきぽ「ぅゅ…ぽ、ぱうー」クイクイ
それでもゆきぽはズボンの裾を引っ張るのを止めない。聞き分けの悪い奴ではない筈なんだが。何か理由があるのだろうか?
P「ふーむ、おーい、ぴよぴよー」
ぴよぴよ「ぴっ?」
俺はぴよぴよを自分のデスクに呼び、iPadを渡した。
ゆきぽの言ってる事を訳して文字におこしてもらおう。
まったく、手間のかかる奴だ。穀潰しの癖に仕事をしている俺とぴよぴよの手を煩わせやがって。
ゆきぽにも俺の意図が分かったようだ。
ゆきぽ「ぽえっ!ぽー…」ミブリテブリ
ゆきぽがぴよぴよに自分の意思を伝えている。普段大人しいゆきぽが、これだけ喋る(?)のは珍しい。
ぴよぴよは黙ってそれを聞いていた。時間にして一分程だっただろうか?ゆきぽの意思表示が終わったようだ。
ぴよぴよはそれを3秒で文字におこした。
『自分も正月らしい事がしたいです』
…おそらく、ぴよぴよの意訳なのだろう。あれだけ喋った内容がこれだけとは。
確かに、アイドル達に飼われているぷち達は、それなりに正月を満喫したようだ。やよは貴音にもらったお年玉の小銭を嬉しそうにしゃぶっていたし、こあみとこまみは羽根つきで顔に落書きをしあって年明け見た時にはまだ墨の跡が顔に残ってたな。響はちびきや他のペット達と一緒に凧上げをしたと言ってたっけ。ちっちゃんは音無さんと一緒にこたつでおせちを食べて過ごしたらしい。音無さんが飲み過ぎて大変だったとか。ちひゃーはお正月の定番の琴の曲をくーくー口ずさんでいたし、まこちーは正月太りしていたな。…これは普段と変わらないか。
確かに、事務所暮らしのぷち達は、そういう事を一切しなかった。
年末にジャンケンで負けて新年の事務所住みぷち当番を任された俺がそう思うんだから間違いない。
ぷち達が起きる時間に餌をやりに会社に来て、ダラダラ過ごして夕方に帰っていた。帰り間際にゆきぽに『穴掘ったら捨てる』と言い含める事も忘れなかった。
…俺でさえ正月らしい事はしてないぞ?主に事務所暮らしのお前らのせいで。
なのに、飼われてる分際でこういう事を平気で要求してくるとは。ゆきぽは大人しくて臆病な割には図々しいところがあるな。尻尾のブラッシングの要求然り、今回の件然り。
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P「…そういう事は正月の内に言えよ。もう正月は終わったんだよ。時間切れだ。以上」
ゆきぽは図々しいので、やんわりとした拒絶では聞かないだろう。今度はキッパリと拒絶した。
ゆきぽ「ぽ?ぽえ」オズオズ
P「だから時間切れだっての!しつこいな。ズボンの裾掴むな。捨てるぞ」ブンッ
少し大きめな声でそう告げ、ゆきぽが掴もうとした方の足を大袈裟に振って明確な拒絶を示す。
ゆきぽが身体をまさぐり出した。穴掘りのサインだ。
P「あ、あと穴掘っても捨てる」
ゆきぽ「ぁぅ…」ピタッ
何だかんだで聞き分けは悪くない奴だ。やっと大人しくなってくれる、と思いきや。
ゆきぽ「ぱう…」ジワッ
ゆきぽ「うぅ…!ぽええぇ〜ん!!ぽええぇぇぇぇ〜ん!!!;;」ボロボロ
大声をあげて泣き出してしまった。
ゆきぽ「ぷあぁぁぁ〜ん!!ひっく、ぱうぅぅぅぅぅ〜!!;;」ボロボロ
恐らくだが、今になって『正月らしい事がしたい』と言い始めたのは、他のぷち達の話を聞いて単純に羨ましかったからだろう。自慢された、と思ったのかも知れない。浅ましい奴だ。
ス◯夫に自慢話されてドラ◯もんに泣きつくの◯太か、お前は。お前は泣きつかれる方(タヌキ)だろうが。
まあ、中身は馬鹿でドジでのろまですぐ道具(スコップ)に頼る泣き虫のろくでなしだから、の◯太でいいや。
ともあれ、ゆきぽの要求は却下してやった。これで終わり、と仕事に戻ろうとした、その時、
クイクイ
何かに引っ張られた。ズボンの裾ではなく、スーツの袖を。
ゆきぽに目を向けるが、俺の足下で顔をクシャクシャにして泣いている。ゆきぽではない、とすれば誰が?
ぴよぴよ「ぴぃ」クイクイ
袖を引っ張っていたのはぴよぴよだった。ごめん。正直忘れてたよ…ここにいたの。
ぴよぴよ「ぴっぴっ」ユビサシ
ぴよぴよがiPadを指差す。
『プロデューサーさん。初詣にはもう行きましたか?』
P「んー、そういえばまだ行ってないな。どうして?」
『まだなら、事務所住みの私達も一緒に連れて行ってもらえませんか?』
泣きじゃくるゆきぽを見かねて助け船を出したようだ。ぴよぴよはいい子だなあ。
漠然と『正月らしい事がしたいです』と言われるよりは、よっぽど分かりやすい。具体的に何がしたいか曖昧なゆきぽの要求に比べると雲泥の差だ。
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P「よし、分かった。じゃあ明日、事務所住みのぷち達を初詣に連れて行ってあげよう」
『本当ですか?』
ゆきぽ「ぷぴぃぃぃ〜……ッ、ヒック、ぅ〜…ヒック」グスグス
P「午前中に時間作るよ。ただ、その時間に起きてない奴は置いてくからな。あふぅにもそう伝えておいてくれ、ぴよぴよ」
ぴよぴよ「ぴっ!」『ありがとうございます。プロデューサーさん』
ゆきぽ「ぽ?ぷぃ〜、ぽぉ〜///」ニコニコ
『正月らしい事ができる』と分かるや否や泣き止んだゆきぽ。本当に単純な奴だ。
ぴよぴよと違ってロクに礼も言えないのが腹立たしい。
俺はいい子のぴよぴよの願いを叶えてやりたくなっただけだ。
P「お前はおまけだ、ゆきぽ。調子乗んなよ。あと、出発時間に寝てたら置いてく。忘れんな」
ゆきぽ「ぽぅ!」コクン
ゆきぽは嬉しそうに自分の段ボールに戻っていった。
これで邪魔者は俺の足下から消えたな。せいせいした。
次の日
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます」
ちっちゃん「めっ」ペコリ
ぴよぴよ「ぴっ」ペコリ
P「おっ、起きてるなぴよぴよ。じゃあ行こうか」
ぴよぴよ「ぴっ?」
そう、はじめから俺はこうするつもりだった。早朝だって立派な『午前中』だ。もしゆきぽが起きていれば連れて行ってやっても良かったが、どうやら就寝中のようだな。残念だ(棒)。
小鳥「ちょっと待って下さい!まだ七時半ですよ?」
午前中に時間を作ってはいるが、やっぱり少し余裕を持ちたい。◯◯神社までは片道30分くらいかかる予定だ。初詣にしては遅めだが、それでも思ったより混雑してる可能性はある。不確定要素がある以上、時間には余裕を持ちたい。業務じゃないから尚更だ。
小鳥「それは…確かにその通りですけど…」
そう、その通りなのだ。ゆきぽに意地悪するつもりは…少しはあるが、時間を無駄遣いしたくないのが正直なところだ。それに、ゆきぽはあくまでおまけに過ぎない。ぴよぴよの提案に乗っかっただけの。
小鳥「で、でも…ゆきぽちゃん、昨日から今日の事、楽しみにしてたんですよ?可哀想ですよ…」
ぴよぴよ「ぴっ!ぴーっ!」オブオブ ユビポチポチ
ゆきぽの為に俺を引き留める音無さん、恐らくiPadを所望しているのであろうぴよぴよ。俺はiPadをぴよぴよに差し出した。
『もう少し待てませんか?』
ちっちゃん「めっ!」カタカタ
ちっちゃんは交通情報を調べているみたいだ。今ここにいるのは、みんないい人達なんだろう。だからこそ『この時間に起きていないゆきぽが悪い』という結論には行き着かない。伊織あたりならバッサリだろうな。まあ伊織もいい子だけれど。
P「そうすると待って一時間、ですかね。それか今起こすかでしょうね」
小鳥「起こすのは…不安ですね」
以前真美と亜美がイタズラでゆきぽを無理矢理起こした事があった。あの時はあの馬鹿、下のたるき亭まで穴掘って突き抜けやがって。
店にいた人全員にボコボコにされてぷぃぷぃ泣いてたっけ。泣きたいのはこっちだったよ…。怒鳴られて頭下げて言い値で損害の賠償をして。
そんな訳でゆきぽを無理矢理起こすのは、事務所内でNGになっている。ゆきぽが自分で時間内に目を覚ませばいいのだが、いつもゆきぽは昼前まで寝ている。多分無理だろうな。
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P「十時くらいまでには事務所に着いていたいから…八時半まで待って起きなかったら行こう。ぴよぴよ、すぐ出られるように準備しといてくれ。…すっかり忘れてたけど、あふぅは何て言ってた?」
『外寒いから行かない、って言ってました』
P「ハハッ、だろうな。俺は今のうちに書類関係やれるとこまでやっとこうかな、っと」カタカタ
午前8時
ガチャ
律子「おはようございます。あれ?プロデューサー殿、早いですね」
P「ああ、午前中に事務所住みのぷち達を初詣に連れて行こうと思ったんだけど…中々起きなくてな。起きるまで手持ち無沙汰なもんで、ちょっと仕事すすめてるところだ」カタカタ
律子「なーんだ。じゃあ起こしちゃえばいいじゃないですか」
一同「えっ?「めっ?」「ぴっ?」」
律子がとんでもない事を言い出した。ゆきぽを無理矢理起こすと、どうなるのか知らないのか?みんなが呆気にとられているのを尻目にハリセンを取り出す律子。それ一番駄目なヤツだから。
P「待て律子!早まるな!」
小鳥「そうですよ!まだ他に道が…」
ちっちゃん「めっ!」ダメダメ!
ぴよぴよ「ぴいっ!」ナイナイ!
スパンッ!スパンッ!スパンッ!
我々の懇願も虚しく、目にも止まらぬ早業でゆきぽにハリセンを叩き込む律子。
俺は目をおおった。が、しかし。
ゆきぽ「…ぽえ〜?」コシコシ
律子「おはよう、ゆきぽ。みんな待ってるわ。早く出かける準備しなさい」
ゆきぽ「ぽえっ!」コクン
律子以外のみんな、馬鹿みたいに口を開いていた。恐らく俺も同じ顔をしていただろう。
小鳥「あの、律子さん?何でゆきぽちゃん、穴掘らなかったんですか?前回真美ちゃんと亜美ちゃんがイタズラして起こした時は、確か…」
律子「ええ、知ってます。多分ですけど、それ『起こした』だけだからだと思います。さっきみたいに三発『起きなさい』『寝惚けちゃ駄目』『穴掘ったら駄目』って一気にやれば大丈夫かなって」
…律子はぷち関連なら不可能も可能にしそうだから困る。まあ、この律子をもってしても、ゆきぽの穴堀りは矯正不可能なので流石にそれは言い過ぎか。
律子「あふぅはどうします?」
小鳥「あぁ、あふぅちゃんは不参加なのでいいです。良かったわねぴよぴよ、ゆきぽちゃん起きられて」
ぴよぴよ「ぴっ!」コクン
忌々しいがゆきぽが起きてしまった以上、連れて行かない訳にもいかない。しかし、初詣に行きたいとお願いしてきたのはぴよぴよだし、寝過ごすところを起こしたのは律子だ。
こいつ自身は何もしていない。ただ『正月らしい事がしたい』と我儘を言い、断ると泣きわめき、初詣に連れて行ってやるというのに準備の為に早起きをするという事すらしない。正直こんな甘ったれを連れて行ってやる事に対して不満は多々あるが…
P「ぴよぴよが嬉しそうだから、仕方ないか…」
車の準備をしながら、俺は一言つぶやいた。
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午前8時50分
何だかんだで8時20分くらいの出発だったので、大体予想通りの到着。
参拝客は殆どいなくて、ほぼ貸切状態だ。平日だし、時間帯も早いし、こんなものなのか?
せっかくだからおみくじもひきたい。確か開始は9時くらいからだったよな…。この神社は石段もかなり長いし、早く着きすぎるということはないだろう。
ゆきぽ「ぽわぁ〜」キラキラ
ぴよぴよ「ぴいぃ〜」ワクワク
神社は初めてだろう。どちらも好奇心いっぱいのようだ。ただ、初詣にもマナーはある。それは守って良い初詣にしなければ意味がない。鳥居を前にして一言。
P「神社に入る前にひとつ。そこの大きな柱の間を通る時は、手前で一回止まって軽く頭を下げるんだ。いつも朝やってるみたいにな」
ぴよぴよ「ぴっ」ペコリ
ゆきぽ「ぽ、ぽっ?」タタッ
『朝やってるみたいに』ぴよぴよは立ち止まってペコリと一礼。ゆきぽは…俺の話聞いてたか?素通りしやがった。いつも朝、やってないからか。
何で止まるの?早く行こうよ。
そんな顔をしていた。
続いて参道の石段。ぷち達には結構な高さだろうな。…大丈夫かな。
P「真ん中は神様が通る道だと言われてる。真ん中は避けて端を通るんだ」
ぴよぴよ「ぴっ!」トテトテ
ゆきぽ「ぽえっ!」ヨジヨジ
これは馬鹿なゆきぽにも理解できたようだ。…しかしゆきぽの登り方、しんどいだろうな。普段甘ったれてるからちょうどいいのかもしれない。俺はここで二匹と約束を交わす。
P「いいか、初詣は神様に会いに行く儀式だ。自分の力で会いに行かなきゃ駄目なんだ。『疲れた』とか言って俺に抱っこして連れてって貰おうとか考えるな。自分の足で正殿まで行くんだ。約束だぞ」
ぴよぴよ「ぴっ!」トテトテ
ゆきぽ「ぽえっ!」ヨジヨジ
同じようなサイズなのに登り方が随分違うな…気になった俺は二匹を先に行かせて後ろにつく。ぴよぴよ、ゆきぽ、俺の順だ。
ぴよぴよ「♪〜」トテ
ファサッ
ぴよぴよ「♪」トテ
なるほど、一歩前の石段に足を掛けたあと羽で浮いてるのか。まあ、自分の力の範疇だからいいか。
石段を半分ほど登り終えた頃、
ゆきぽ「ぷひぃー、ぷひぃー」ヨジ…ヨジ…
ゆきぽのペースが明らかに落ちた。無理もない。
P「ほら頑張れゆきぽ、あとだいたい半分だ」
ゆきぽ「ぷひぃ…ぽえぇ?」
まだ半分もあるの?と顔に書いてある。
P「そんな顔するなよ。石段を登り終えたら一休みしよう。それまで頑張れ」
ゆきぽ「ぷいぃぃ…」
情けない声を上げるゆきぽ。自分の体ほどの高さの石段を百段以上よじ登って尚、あと半分もあるんだから
当然だな。そこで俺はひとつ提案をする。
P「ゆきぽ、石段登り終わるまでスコップ俺に預けとけ、な?」
ゆきぽ「ぷぃー…ぽ?」
P「体に重りつけて登ってるようなもんだぞ、それ。軽くなったらもっと登りやすくなるだろ?大丈夫、石段登り終わったらちゃんと返してやるから」
ゆきぽ「ぽ?ぽー…」
突然の申し出に戸惑っているようだ。無理もないか。ふと時計を見ると、九時になっていた。車に戻る時間の目安は九時半にするか。
となると、余りのんびりもしていられないな。10分経って石段の真ん中あたりというのは良いペースとは言えない。
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P「時間がなくてな…このペースじゃ間に合わない。最悪お前を置いてく事になるが、それでも構わないな?」
ゆきぽ「ぽ?ぽやあーっ!」イヤイヤ
P「だったら頑張って登れ。9時10分までに登りきれなかったら時間切れだ」
ゆきぽ「ぷぴぃっ?ぱうぅ!」ヨジヨジ
ゆきぽのペースが戻った。甘ったれだから尻に火がつかないと本気を出せないんだろうな。だがそれも何時まで続く事やら。
五分経過
ぴよぴよ「ぴぃ〜♪」トテッ
ぴよぴよが登り終わった。
P「おー、ぴよぴよ、お疲れさん。ちょっとそこで待っててくれ。景色でも眺めながらな」
ぴよぴよ「ぴぃ」コクリ
ゆきぽ「ぜぴぃ…ぜぴぃ…」ヨジ…ヨジ…
ゆきぽの本気は1分ともたなかった。今は一段登るのも精一杯といった感じだ。
ゆきぽ「ぽ、ぽ、ぽえ〜え…」オブ…オブ…ダッコー
遂には俺に助けを求める始末。石段を登る時に、『自分の力で』と約束しただろうが。都合が悪くなると平気で約束を反故にしようとするとは…
ガンッ!
ゆきぽ「ぷぎっ!…ぷいー…;;」
きつめのゲンコツを一発脳天にお見舞いする。
P「いいかゆきぽ。お前約束したよな。もう忘れたのか?」
ゆきぽ「ぷいー;;ぐすっ…」
泣けば誰かが何とかしてくれるとでも思っているのだろう。昨日もぴよぴよが助け船を出してくれたしな。味をしめたか。
俺はもう一度、あの提案をする。
P「ゆきぽ、俺はお前を抱っこしないぞ。するとすれば、お前が今おんぶしているソレだな。ソレなら抱っこしてやってもいい」
ゆきぽ「ぐすっ…ぱう…」
P「迷ってるひまはないと思うんだけどな。俺はお前と違って約束は守る。約束通りお前達をここに連れて来たし、約束通り9時10分になったらお前を置いてく。分かるな?」
ゆきぽ「ぽ…」
スッ
決断したようだ。スコップを二本、俺に差し出した。…二本持ってたのか?
P「こうやって近くで見るのは初めてだな…」
割と鍛えてる俺の腕でもかなり重く感じる。これを背負って自分の体ほどの石段をここまで登ってくるとは…化け物だな、うん。
ゆきぽ「んーしょ!んーしょ!」ヨジヨジヨジヨジ
おお、速い!重い道着を脱ぎ捨てた某漫画の主人公のようだ。これはひょっとすると…
9時10分
ダダダダッ!
P「あっぶねっ!ギリギリセーフ!待たせたなぴよぴよ」
ぴよぴよ「ぴっ」
言い出しっぺが遅刻したら締まらないものな。
P「おーい、ゆきぽー。時間だから先行くぞー。追いかけてくるか、そこで待つかはお前に任せるから。じゃあな」
俺は石段の途中て蹲ってぷぃぷぃ泣いているゆきぽに呼び掛ける。
結論から言うと、ゆきぽは時間内に石段を登りきれなかった。
まあ俺は正直、始めからこいつは途中で置いて行くつもりだった。時間は口実に過ぎない。無理なのは分かった上で時間制限を設けたのだ。
昨日から今日の今まで徹頭徹尾甘ったれてたからな。こいつにはいい薬だろう。俺も胸糞悪かったし、いい気味だ。
スコップを預かったのは親切心などではなく、置いて行った後に余計な事を出来なくする為だ。これさえなければ何も出来ないだろう。
ぴよぴよが『ゆきぽを連れて行かなくてもいいの?』と言いたげにしている。
ちなみにiPadは車の中だ。神前にあまりそういった類のものは持ち込みたくない。
P「いいんだよ、ぴよぴよ。最初からあいつはおまけだ。初詣が終わったら拾って帰る。それよりあそこ、手水舎って言って、あそこで手と口を清めるんだ」
ぴよぴよ「ぴぃー!」キラキラ
うん、可愛い反応だ。連れて来てあげて良かった。俺達はゆきぽを置いて、先に進んだ。
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視点変更
P「おーい、ゆきぽー。時間だから先行くぞー。追いかけてくるか、そこで待つかはお前に任せるから。じゃあな」
そう言い残して、Pさんとぴよぴよは去って行きました。
ゆきぽ「ぷいー;;ぷあぁぁぁぁ〜ん!;;」マッテー!
ゆきぽは石段に蹲っていました。疲労困憊、動けません。
ゆきぽ「…ぷぃい〜、ぐす…; ;」
こんなに一生懸命頑張ったのに、何でゆきぽだけ置いてっちゃうの?
『正月らしい事したい』って言ったの、ぴよぴよじゃなくてゆきぽだよ?
などと思っていました。甘ったれで恩知らずの馬鹿ですね。
ゆきぽ「…ぽぇ〜……ぽ、ぽあぁぁぁ〜ん!ぷえぇぇぇ〜んっ!; ;」ボロボロ
一匹だけ知らない場所に取り残された不安とショックで泣き出してしまうゆきぽ。
それを見ている男達が三人。
ヒソヒソ…ヒソヒソ…
「…おい、あれ」
「…宮司さんが言ってたの、あれか?」
「とりあえず捕まえよう」
三人の男がゆきぽに襲いかかります。
ゆきぽ「ぽあぁぁぁ〜ん!…ぽ、ぽえ?」
ガシッ
「お?随分と大人しいんだな」
あっさり捕まるゆきぽ。そのまま捕獲器に叩きこまれます。
ガシャン
ゆきぽ「ぽあっ!」イタイ!
「社務所に運ぶぞ。毛布掛けろ」
社務所
「参道にこんなのがいたんですが」
ゆきぽ「ぽえ〜、ぷぅ〜」ガンガン ダシテー!
「今回の件のとは別の個体かも知れませんが…」
バサッ
ゆきぽ「ぽえ?」ココドコ?
「…断言は出来ないが、私が見たのは多分この尻尾です。神社の中をうろついてたんですか?」
「石段のところで蹲っていました」
三人の男は害獣駆除の業者さんでした。実はこの神社、アライグマの被害に遭っていたのです。アライグマは柱や壁を登るのが得意で、狭い隙間や穴も難なく通り抜けられます。神社の建物の屋根裏にねぐらを作り、糞尿の被害や足音やなき声などの騒音被害を起こしていたのでした。
リーダーのAが宮司さんに確認します。
男A「尻尾を見た、と言うのは宮司さんが直接見たんですか?」
宮司「ええ、ちょうどこんな感じの縞模様でしたね」
男A「そうですか…で、どうします?これ。処分でいいですか?」
宮司「おまかせします…しかし妙ちきりんなアライグマですね」
男A「分かりました。別の個体がいないかそちらも調査します」
ゆきぽは確かにところ構わず穴を掘る害獣ですが、今回の件には関与していません。『人違い』ならぬ『害獣違い』ですが…
男A「Bは俺と被害に遭った建物の調査、Cはそれ処分して捕獲器空けといてくれ」
男B、C「「了解しました」」
どうやら殺処分されてしまうようです。『変なアライグマ』として。
建物の調査に向かう途中、BがAに尋ねます。
男B「大丈夫なんですかね?あれアライグマじゃないでしょ?誰かのペットじゃ…」
男A「かもな。しかし普通リードも着けないであんな所に放置するか?神社だぞ、ここ。そんな馬鹿飼い主の事なんか気にしなくてもいいし、そんなヤツに限って手に余ったら『捨てる』とかぬかすんだよ。いいから気にするな。あれは『変なアライグマ』だ」
同時刻 境内
P「はっくしょん!」
ぴよぴよ「ぴっ?」
P「はは、誰か噂してるな。律子当たりかな」
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男Cは捕獲器を抱えて小走りで石段を下りています。下の駐車場でゆきぽの殺処分をするようです。
ゆきぽ「ぽえ?ぽゆうっ!ぷぅ〜!」タンタン トマッテー!
せっかく登って来たのに!Pさんとぴよぴよから離れちゃう!
そう思ってゆきぽは捕獲器の中で叫びます。ぽてっとした手で捕獲器を叩きながら。
これから何が待ち受けているか、考えもせずに。
男C「変なアライグマって事で処理するって言ってたけど…大丈夫かよ」
Cが最後の石段を下り、鳥居をくぐります。
ゆきぽ「ぽびゃあぁぁぁぁん!;;」モドッテー!
この馬鹿はまだ初詣をするつもりでいるようです。鳥居を見てふりだしに戻った事が分かったのでしょう。一層激しく泣きわめきます。
男C「胸が痛むな…大丈夫、苦しくないから、多分」
男Cはゆきぽが処分される事に対して泣きわめいていると思い、胸を痛めます。
駐車場まで戻って来た男C、殺処分の用意を始めました。ゆきぽが入った捕獲器ごと特殊なケースに入れ、二酸化炭素のボンベをセットします。
ゆきぽ「ぷぃ〜;;ぷぃ〜;;」ダシテー!
男C「悪いな、成仏してくれ」
男Cはゆきぽに手を合わせ、二酸化炭素を注入します。
シュウウウウウ…
同時刻 境内
P「お参りも終わったし、おみくじも大吉だったし、いい初詣だったな。帰ろう」
ぴよぴよ「ぴっ」スッ
P「どうしたぴよぴよ、おみくじなんか指差して」
ぴよぴよ「ぴっ」ミブリテブリ
P「ゆきぽの分も、って事か?」
ぴよぴよ「ぴぃ」コクリ
P「うーん…」
神社の人に尋ねるP。
P「すいません、ここに来てない者の代理でおみくじひくのってアリですか?」
神社の人「一緒に住んでたり、縁の深い方なら大丈夫ですよ」
P「ありがとうございます。なら、ぴよぴよだな。一緒に住んでるし。ひいてやってくれ」
ぴよぴよ「ぴっ」スッ
P「どれどれ…うわっ、『凶』か、初めて見た。一番悪いやつだこれ」
ぴよぴよ「ぴい…」シュン
P「ぴよぴよが落ち込む事はないぞ。えーと、内容は…」
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ゆきぽの入ったケースに、二酸化炭素が充満します。まだメソメソ泣いていたゆきぽでしたが、だんだん息苦しくなってきます。頭痛、吐き気もします。
ゆきぽ「ぽ?ぽ?ぽ?ぽぎいぃぃぃ…」クルシイヨー!
苦しい!苦しいよ!誰か助けて!ここから出して!
P「願望『叶いにくいでしょう』」
体をまさぐり、スコップを探すゆきぽ。錯乱しているのか、頭が悪くて覚えていないのか。スコップはPに預けたままです。頭痛が激しくなってきました。
P「失物『出てこないでしょう』」
ゆきぽ「ぷいぃぃぃ…っ、ぃぃぃぃぃっ」クルシイヨー!クルシイヨー!
Pさん、ぴよぴよ!ゆきぽを助けて!早く来て!
頭痛に加え、目眩がしてきます。
P「待人『現れないでしょう』」
ゆきぽ「ぷぎぃぃぃぃぃ…」クルシイヨー!クルシイヨー!クルシイヨー!
ゆきぽは思います。あんなにお出かけ楽しみにしてたのに…ゆきぽだけ何でこんなに苦しいんだろう…何で…
P「旅行『悪いでしょう』」
苦しいよー!頭痛いよー!気持ち悪いよー!苦しいよー!苦しいよー!苦しいよー!
ゆきぽ「ぁぁぁぁぁぁ…」
ゆきぽ「」
P「悪いことが二重にも三重にも重なる…か。身も蓋もない内容だな」
ぴよぴよ「ぴぃ…」
P「だから気にしなくて良いって。そろそろ戻ろう。ゆきぽも待ってるだろうし」
ゆきぽが殺処分され事を知らないPとぴよぴよ。来た道を戻ります。
P「おみくじに『悩み事の種がなくなる』って書いてあったな。いい一年になるといいな」
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もし、ゆきぽがあんな我が儘を言わなかったら…
もし、ぴよぴよが初詣に行きたいと頼まなかったら…
もし、律子がゆきぽを起こさなかったら…
もし、Pがゆきぽを置いて行かなかったら…
もし、アライグマがこの神社で被害を出していないかったら…
もし、業者さんが来るのが今日ではなかったら…
そんな事を言ったらキリがありませんね。もしかしたら今回の事は神様が自分のお膝元でゆきぽを始末しようと画策した結果なのかも知れません。
何故なら、ゆきぽは神様がつくってしまった、いわゆる「失敗作」なのですから。
変なアライグマ 終わり
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以上です。害獣らしく二酸化炭素で殺処分されるゆきぽを一度書いて見たかったんですけど…うーん、地味ですね。やっぱり「ぽんぎゃあ」が一番だと再認識しました。
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乙です。
本当は狸の尻尾ってゆきぽのソレとは違うんですよね
ゆきぽのはアライグマのに似てますよね
久々に読んでいて面白いSSだと思いました
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乙です
今年もゆきぽに、とって不幸な一年でありますように
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乙
クソゆきぽがスコップを2本持ってたことが
わかった時は殺意がわきました
もっともっともっといたぶってから殺してあげたいです
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乙
原作だと初詣の帰りにゆきぽが鳴き始めたんだよな
あの不快な屁を止めてくださいってお願いしないと
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非常に乙
今年は何匹タヌキモグラが死ぬか楽しみだなぁ!!
それとアライグマって英語でラクーンなんだな。
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>>71
ラクーン・・・、バイオ・・・
ゆきぽって小さいから弾あたるかな?
皆さんは原作・アニメでどのゆきぽのシーンがムカつきますか?
私は、アニメ2期2話の画面いっぱいの笑顔と
アニメ1期の雪歩の膝の上で安らかに眠るシーンです
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前スレでも書いたけど、「いしそつう」ですね。
よくわかっていないはるかさんに乗っかるのはあり得ない行為だと思います。
余談ですが、この後真相を知った律子がタヌキモグラをボコボコにする「いしそつう その後」というSSを考えた事がありましたが、律子がそこまで怒る理由が思い浮かばずボツにしました。
もし替わりに書いてくれる方がいらっしゃったら、是非お願いします。
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アニメしか見てないが全部ムカつくわ。まあ強いて言うなら居酒屋で何の役にも立たずに逃げたシーンだな。ぶち殺してやりてぇ
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>>74
あの話、Pと小鳥さんだから良かったけど、
はしごしてきた酔ったおっさんや、DQNがきたらどうしてたんでしょうね(居酒屋
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>>75
ぷちどるにやさしい世界だからみんなニコニコ見守るんだよw
アニメって原作に流れる毒のようなものを全部ないものとしてるところが微妙なんだよな
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ここはとある田舎の畑。
夏の太陽をたっぷりと浴びた野菜が瑞々しく輝いています。
ガサガサ……
おや?何やら草むらにいるようですよ……?
ヒョコッ!
ピョコピョコピョコ!
ゆきぽ「ぽえ〜!」ニコニコ
子ゆきぽ「「「ぽわぁ〜!」」」キラキラ
草むらから出てきたのはぷちどるのゆきぽ。
瓜二つで同じく白いワンピースを着た子ゆきぽを三匹連れてニコニコ顏で登場です。
親ゆきぽよりずっと小さい子ゆきぽ三匹は大きな目をキラキラと輝かせて口からはよだれを垂らしています。
ゆきぽ「ぽ〜ぇ!」ニコニコ
(さぁ、チビちゃん達。美味しいお野菜だよ。たんとお食べ)
子ゆきぽ「「「ぱぅー!」」」
(お母さん、すごい!)
ゆきぽ「ぽふふ///」クスクス…
誇らしげに微笑むゆきぽ。
小一時間前に夏野菜がいっぱいなった畑を見つけ、巣でひもじいひもじいと泣き喚く我が子を急いで連れてきたこのゆきぽ。
野菜を作ったのはゆきぽではないのですが、まるで自分がこのご馳走をこしらえたかのような振る舞いをしています。
ゆきぽ自身も久々のご馳走を前に舞い上がっているようです。
誰の許可も得ないまま我が物顏で畑に入っていきます。
-
子ゆきぽ「ぽぇぇ〜///」ハムッハムッ!
子ゆきぽ「ぱうっぱぅー///」カリコリ!
子ゆきぽ「ぷりゅ〜///」シャクシャク!
子ゆきぽ「「「ぽゅ〜ぃ///」」」ニパッ
(美味しい美味しい!)
土の上にペタンと座って早速野菜にかぶりつく子ゆきぽ三匹。
真っ赤な瑞々しいトマトに口の周りを汚しながらしゃぶりつく子ゆきぽ。
未熟な歯でカリコリと軽快な音を奏でながらキュウリを食べる子ゆきぽ。
生のカボチャを柔らかい頬っぺ一杯に頬張る子ゆきぽ。
三匹とも何日かぶりの美味しい食べ物に涙さえ浮かべて喜んでいます。
それはそれは幸せそうに野菜を食べていますね。
ゆきぽ「ぽぇ〜///」ハムハム、モグモグ!
ゆきぽ「ぽゅんむ、むゅんぐ……ぽえっ///」ニコッ
それは母ゆきぽも同じ。
こちらはトマトもキュウリもカボチャもナスもトウモロコシも食べています。
ニコニコニコニコ嬉しそうに。
相当お腹が減っていたようです。
4匹は真夏の日差しの中、幸せそうな鳴き声をあげながら野菜を食べ進めていきます。
-
一時間後
ゆきぽ「ぽふぅ〜///」ポンポン
子ゆきぽ「「「ぽぇ〜……ぽぇ〜……zzz」」」スヤスヤ
野菜をたらふく食べた4匹。
ゆきぽは膨らんだお腹を満足げに叩き、子ゆきぽ三匹は満腹になったためかスヤスヤと安らかな寝息をたてています。もちろん、畑に掘った穴に入りながらです。
野菜を見てみると酷い有様。
このゆきぽ親子は一つの野菜を何口か齧ると次の野菜を食べ始めることを繰り返していたらしく、畑中に少しだけ食べられた野菜が散乱しています。
ピーマンやゴーヤなどが手付かずで残っているのが甘ったれたゆきぽの性格を表していますね。
その時、足音がしました。
ザッザッザッ…
農家「「「……」」」
ゆきぽ「ぽぅ?」キョトン
心地よくくつろぐ四匹の元にやってきたのは三人の男性。
白髪の老人に日焼けした壮年の男性、若者がいます。
この人達は親子三世代でこの畑を作っている農家の方々。
三人とも筋骨隆々の体をしています。
無残に落ちた野菜とゆきぽ親子を交互に見た三人。
皆無表情でゆきぽを見ます。
ゆきぽ「……ぽぇ?」クビカシゲ
一方のゆきぽは不思議そうな面持ちで男三人を見上げます。
普段の臆病なゆきぽなら飛んで逃げるでしょうが今は満腹で危機感などどこかに行ってしまった模様。
逃げもせず座ったまま小首を傾げています。
-
農家「「「……」」」
ゆきぽ「…ぽぇ!」ニパッ
グイ、ブチッ
つ スッ
ゆきぽ「ぱーぅっ!ぽえぱぅ〜♪」ニッコリ
(はいどうぞ!とっても美味しいよ!わけてあげる!)
なおも無言の三人を見て、ゆきぽはあることを閃きました。
『そうだ!この人達もゆきぽが見つけたお野菜を食べたいんだ!ゆきぽは満腹だし、少しわけてあげよう!』
途方もなく愚かで傲慢なことを、閃きました。
ゆきぽはなっているまだほんのり青いトマトを一つもぐと、ニパッと花が咲くように笑いながら農家の人々にそれを差し出しました。
相変わらず自分のものではないのに自分のものであるかのように。
少し誇らしげに、何も不安を感じていない顔で。
老農「……なぁ、タヌキモグラ、ここがどこだかわかるかね?」
ゆきぽ「ぽぇ?」キョトン
不意に尋ねられたゆきぽ。トマトを差し出したまま再び不思議そうな顔をします。
-
ゆきぽ「ぽー?ぷぃー?」キョロキョロ
(どこって……ここはゆきぽの見つけたお野菜畑だよ?)
まだ状況を理解していません。
壮農「ここはな、俺たち人間が作っている畑だ。お前のものじゃねぇ」
ゆきぽ「ぽ、ぽえ?」キョロ、キョロ
低く唸るようにそうゆきぽに告げる壮年農家。
ゆきぽはちょっとびっくりしながら周りを見回します。
綺麗に整えられた作物にしっかり耕された土。
よく見れば確かに人間が作った畑です。
ゆきぽはこのときはじめてこの畑が『ゆきぽが見つけたお野菜畑』ではなく『人間が作った畑』だと認識しました。
しかし、ゆきぽは一目散に逃げ出すことも真っ青になって震えることもしませんでした。
ゆきぽ「…ぽー!」スッ
農家「「「……?」」」
座っていたゆきぽが青トマトを置いて立ち上がります。
怯えてはいません。むしろ余裕さえその表情からは感じられます。
-
ゆきぽ「ぽえっ!」ペコリン!
農家「「「………!!」」」
ゆきぽ「ぱぅー!」ニパッ
そしてゆきぽはとった行動は、お辞儀でした。
感謝の気持ちも謝罪の気持ちも感じられない不慣れなその動作。
ゆきぽがこの行動をとったのはお辞儀本来の意味を理解していたからではありません。
ただ、このゆきぽの親、つまり子ゆきぽ達にとっては祖母となるゆきぽに
『人間にはこうやると優しくしてもらえるよ。何をしても許してもらえるよ』
と教えられていたからでした。
だからゆきぽはお辞儀などしたのです。
こうすれば自分達が野菜を食べたことを簡単に許してもらえて、それどころか優しくしてもらえると思って。
お辞儀をし終えてあげたその表情は罪悪感など微塵も感じさせない輝く笑顔でした。
それと、このお辞儀を教えたゆきぽの母親は人間に殺されました。ちょうどこのゆきぽと同じようにお辞儀をして、ニッコリ人間に笑いかけたところをタコ殴りにされて殺されました。
泣き叫びながら殺されました。
そのことをこのゆきぽは知らなかったのです。
-
若農「……」ガシッ!スッ
ゆきぽ「ぽ、ぽえっ!?ぽーっ!」ジタバタ
ニコニコと微笑むゆきぽを若い農家のが掴みました。
優しく掴んでなどいません。
茶色の髪の毛を毟るように掴み、無理やりゆきぽを高く掲げます。
髪を掴まれる痛みと高く上げられた恐怖にゆきぽは甲高く鳴き、短い手足をばたつかせました。
頭の中はチンプンカンプンです。
優しくされるものとばかり思っていましたからね。
若農「向こうを見てみな、タヌキモグラ」
ゆきぽ「ぽう、ぱうぅ!ぽえ
…………………ぽ、え?」ピタ
若い農家の静かな言葉を聞き、ある物を見たゆきぽが暴れるのをやめました。
頭皮の痛みも高いところにいる恐怖も忘れて、30メートル程先にあるソレを目を限界まで開いてゆきぽは凝視します。
ゆきぽ「ぽ……!!?」
それは木の棒に刺された頭でした。
ゆきぽの頭でした。
この、今髪の毛を掴まれているゆきぽのではありませんが、まぎれもなくゆきぽの頭でした。
小さいもの、中位のもの、このゆきぽと同じくらいのもの。
大小様々なゆきぽの頭がそこにはあったのです。
-
ゆきぽ「ぷ…ぁぁ……!!」
愕然とした面持ちで同族の頭を見るゆきぽ。
頭の数は十数子。
皆苦悶の表情を浮かべています。
歯を食いしばり、耐え難い苦しみを受けた表情の頭。
絶叫が聞こえてきそうなほど大きく口を開いた頭。
泣きじゃくり、怯えた表情の頭。
半分以上腐り、表情が分からない頭。
全てのゆきぽが苦しんで最後を迎えたようです。
ベビゆきぽも子ゆきぽも普通のゆきぽも、みんなみんな苦しみ抜いた表情でした。
老農「あれはここ最近この畑に入り込んだタヌキモグラの頭じゃ。ゆきぽの頭は何故か腐っても異臭はしないし蝿もたからんから見せしめとして置いとったが……いやはや、タヌキモグラの間抜けぶりには驚かされるわい」
壮農「まぁ…見えなきゃ意味ねぇわな。まぁそんなことは今更どうでもいい…問題は大事な畑をこんなにしてくれやがったこいつらについてだ」
ゆきぽ「ぽ…ぽ、ぇぇ……」ガタガタ
若農「お前はさっきのふざけたお辞儀で許されると思うか?あぁん?それともアレの仲間入りをすると思うか?どっちだ?おい」
ゆきぽ「ぽぃぃ…ぷぃぃ……!」ガタガタ ブルブル
間抜けなゆきぽはやっと、本当にやっと、自分達が置かれている状況を理解し始めました。
人間の野菜を食べてしまったこと、その人間達が激怒していること、先程のお辞儀が全く意味をなさなかったこと、許してなどもらえないこと……そして、とてもとても苦しくて痛い目にあわされるということを。
-
若農「答えられないか……ま、いいや。親父、爺ちゃん。野菜返してもらおうや」
老農「そうじゃな…きっちりわしらの野菜、返してもらわんとな」
壮農「お前はそいつを抑えてな。暴れるから離すなよ」
若農「分かった」グッ!
ゆきぽ「ぷぴっ!?ぽ、ぽぃー!ぷぃぃー!」
(何するの!?いたいよー!苦しいよー!)
三人が何かを始めるようです。若者が嫌がるゆきぽを地面にしっかりと抑えつけ、年長二人が向かったのはスヤスヤ眠り続ける子ゆきぽのところ。
何が起こっているのか、何をされようとしているのかなんて何も知らずに子ゆきぽ達は幸せそうに寝ています。
壮農「ったく…ふざけやがって…」ガシ、スポ
子ゆきぽ「……ぽぅ?んぅ〜……?」コシコシ
土からスッぽ抜かれて片手で握られた一匹の子ゆきぽ。
眠そうにトロンとした目を腕でコシコシこすっています。何も理解していません。
-
壮農「おら、野菜返せや!」グッッ!!ギュウウッ!!
子ゆきぽ「ぽぶぎゅっ!!?ぅぶっ、ぽあぁぁ!!きゅいい!きゅいぃぃ……!!ぽぉえええぇぇーーー!!」ゲロゲロ!
ゆきぽ「ぽえーっ!!?」
壮年農家の逞しい手がぽこんと張り出した子ゆきぽの柔らかいお腹を思い切り押します。
突然のことに驚いたのもつかの間、子ゆきぽは苦悶の声と表情を見せながら先程食べたばかりの野菜を吐き出してしまいました。
お腹いっぱいで幸せな夢の中にいたのに今はもう地獄の中です。
壮農「まだ残ってんだろ!全部出せ!」ギュウウ!ギュウウウウッ!!
子ゆきぽ「ぅぷ、ぎゃぁぁーー!ぽぎぃー!ぷぎぃー!ぃぎやぁぁぁ!!」グネグネ!
(苦しいよーっ!痛いよーっ!痛いよ、痛いよぉーーっ!!)
更に強く、思い切り子ゆきぽは腹を押し潰されます。
凄まじい苦しみに絶叫しながら子ゆきぽはなんとか手から逃げ出そうと身をくねらせますが、逃げられるわけがありません。
壮農「おらおら!」
ギュウウ!!ミギュウウウッッ!!
子ゆきぽ「ぽぎゃあぁぁぁぁ!ぁぁぁあーーっ!!ぷぅぎ、ぷぅぎいぃぃぃ!」ドロッ…!
吐瀉物が溢れた小さな子ゆきぽの口から黄色い胃液が、次いでトマトよりも真っ赤な血が溢れ出ました。内臓が幾つか潰れたようです。
子ゆきぽは滅茶苦茶に頭を振って苦しみを表現しています。
-
壮農「…よし、全部出たな」ポイ
トサッ
子ゆきぽ「ぶぎっ…ぁ…ぁぁ…ぽぃ…ぃ…」ピクピク
ゆきぽ「ぽ、ぽおぇぇえーーーっっっ!!」
限界まで押され、背中と腹がくっつくとようやく子ゆきぽは解放されました。
腹の中には野菜が無くなったどころではありません。内臓も骨もグチャグチャになってしまいました。
美味しそうに野菜を食べていた口からはトロトロ血が流れていきます。
もう叫ぶ力も無いようです。
子ゆきぽ「」ピクピク
ゆきぽ「ぽやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」バタバタ!
白いワンピースを真っ赤に染めて、苦悶の表情を浮かべてまず一匹目の子ゆきぽが死にました。
親ゆきぽは絶叫して力のかぎり暴れてなんとか我が子に駆け寄ろうとしますが逞しい若農家の腕がそれを阻みます。
老農「次はわしじゃな。どれ……」
子ゆきぽ「ぷやぁぁ……ぽぃぃぃ〜; ;」ガタガタ
次はこの子ゆきぽです。姉妹の断末魔で目を覚ましたのでしょう。
何が起こっているのか理解はしていませんが激しく怯えて老農家の手の中で震えています。
子ゆきぽ「ぽ、ぽぇ〜…ほゅ〜…; ;」ペロ、ペロ
老農「む?」
子ゆきぽ「ぽ、ぽぇ。ぱ、ぱぅぅ?」ニ、ニコ
どういうわけか子ゆきぽが自分を握っている老農家の手を舐めました。
身体相応の小さな舌でペロリペロリと舐め、訝しげな目をする老農家に精一杯の笑顔を向けます。
怯え、震えながらの笑顔。
まるで
『くすぐったいでしょ?えへへ、ゆきぽのこと優しくしてね?』
と言っているかのようです。
この危機的状況を場違いな行動で誤魔化そうというのでしょうか?
愚かですね……
-
老農「はぁ……何をやっとんじゃこいつは」メリィッ!
子ゆきぽ「きゅああ!?ぽ、ぽぇえーー!ぱうぅぅぅ!!; ;」
かえって老農家を怒らしてしまいました。
柔らかな頬っぺたをねじり切らんばかりに抓られた子ゆきぽは味わったことのない痛みに泣き叫んでいます。
ブチチ!
子ゆきぽ「ぽぃぃいぃぃぃぃいぃぃぃぃっ!!ぷぎゃ、ぁぁぁぁぁ!!ぽえぇぇーーーんっ!!」
(痛いよぉー!痛い痛い痛いよぉーー!おかぁさぁーん!!)
ゆきぽ「ぷいぃぃぃぃぃぃーーーっっ!!」
(やめてぇーーっっ!!)
おや。
ねじり切れそうと思っていたら本当に頬肉が切れてしまいました。
白い肌から肉が露出し、血が滴ります。老農家は相当な力で子ゆきぽの頬をつねったようです。
老農「さぁ、野菜を返せ!」ギュッッ!!パキプチッ!
子ゆきぽ「ぼぎぃやっっ!!」ブパッ!!
老農「む??」
子ゆきぽ「」ピクピク…
若農「爺ちゃん、そこ胃じゃなくて心臓だよ……ちゃんと苦しめなきゃ」
老農「おお、そうじゃったか。いや体が小さいからたまに間違えちまうんじゃよ。まいったまいった……」ポイ
子ゆきぽ「」トサッ
ゆきぽ「ぽあぁぁぁぁーーーーっっ!!ぷいぃぃぃっ!; ;」バタバタ!
老農家は子ゆきぽの胃ではなく、心臓を潰してしまったようです。口からは血が溢れるように出てきます。
どの道同じ運命を辿るとはいえ、初めに死んだ子ゆきぽよりは苦しまなかったかもしれません。
頬肉は千切られましたが。
ゆきぽは先程から死に物狂いで暴れますがやっぱり身動きはとれません。
子ゆきぽは残り一匹。
-
老農「今度は間違わんようにせんとなぁ」
子ゆきぽ「ぽやぁぁ〜!ぽぃぃぃ!ぷいぃぃ!んしょ!んーしょ!!」グネグネ!グネグネ!
残った子ゆきぽは狂ったように体を捩りくねらせて裁きの手から逃れようとしています。
子ゆきぽは今だに状況が理解できていません。
若農「ねぇ、そいつは俺にやらせてよ」
壮農「やるっておめぇ、そいつはどうすんだ?」
若農「大丈夫大丈夫!こうやって……と」グイ
ゆきぽ「ぷぎゃ!ぷぃー!」
両手を使ってゆきぽを地面に押さえつけていた若農家が器用に左手と左足を使ってゆきぽを押さえつけます。
右手が自由になりました。
老農「よしよし。そんじゃあこいつはお前がやんな。きっちり苦しめるんじゃぞ」ス
若農「わかってるって!」ガシ
子ゆきぽ「ぽえぇぇーーん!ぴやぁぁぁ!」ジタバタ!
若農「暴れんなよ。自業自得だ。お前らが悪いんだろーが」
子ゆきぽ「ぱぁう!?ぽ、ぽえぇぇ!ぽえぇぇぇ!!; ;」フルフル!
(どうして?ゆきぽ達、何にも悪いことなんてしてないよ!お母さんのお野菜を食べてお昼寝してただけだよ!ゆきぽ達、悪くないよ!)
農家「「「はぁ???」」」
『お前らが悪い』と言われた子ゆきぽ。恐怖に怯え泣きながらも必死に首を横に振っています。
自分達はなにも悪くないよ、と。
子ゆきぽとしては大好きな母親が用意してくれた野菜を食べて眠っていただけという認識なのでしょう。
全く無関係なはずの人達が不当に自分達を虐げているという認識なのでしょう。
何も分かっていない子ゆきぽに農家三人は呆れたような声をあげます。
-
若農「馬鹿だなぁお前。いつお前の間抜けな母親がこの野菜を作ったんだ?これを作ったのは俺たち人間だ。お前の無能な母親は何も用意なんてしてねぇ。勝手人様の野菜を食い散らかしただけだお前らタヌキモグラは。悪者の害獣なんだよ、わかるか?」
ゆきぽ「ぽ、ぇぇぇ………; ;」
子ゆきぽ「ぽぉー!ぷぅぅぅ!ぷぅぅぅぅぅ!」プンスカ!
(お母さんの悪口言わないで!ゆきぽのお母さんは凄いんだよ!このお野菜だって全部お母さんのなんだから!ゆきぽ達は悪くないよ!)
壮農「はぁ……じゃあ聞いてみろや。お前らの母親によ」
子ゆきぽ「ぽぇ!ぽーぇ?ぱぅー!」
(いいよ!お母さん、ゆきぽ達悪くないよね?あのお野菜だって食べてよかったんだよね?)
ゆきぽ「……ぽ、ぇ……」
これで助かるとでも思ったのでしょうか?
目を期待に輝かせながら子ゆきぽが母ゆきぽに問いかけます。
若農家の手の中の子ゆきぽから足の下のゆきぽへの問いかけ。
子ゆきぽは大好きな母親が頷いてくれるものとばかり思っています。
しかし……
ゆきぽ「………ぅぅ……; ;」
子ゆきぽ「ぽ?ぽ、ぽぇ?ぷぃぃ?」
ゆきぽ「………はぅぅ; ;」
ゆきぽはただ啜り泣いて地面を向くことしかできませんでした。
子ゆきぽが不思議そうな顔をして問いかけてきても、頷くことはできませんでした。
若農「本当のことを教えてやれよ。この野菜は自分達のじゃないって。自分は何にもしてないのに勝手に野菜をバリボリ食った盗ぷちだってよ。言っとくが……嘘をついたらただじゃおかねぇぞ」
ゆきぽ「ぽ、ぽぇぇ……; ;」ゾッ
子ゆきぽ「ぽ、ぽぇー?ぽぇぇー!?ぱぅー!?」
(お母さん、大丈夫だよね?ゆきぽ達悪くないよね!?悪いのはこの人達だよね!?)
ゆきぽ「………ぽぅぅ……; ;」フルフル…
子ゆきぽ「………ぽ、ぇ…?」
若農「勝手に野菜食ったんだよな?人様の野菜をお前らは食っちまったんだよな?」
ゆきぽ「……ぱぅ……; ;」コクリ…
子ゆきぽ「……ぽぇ…!?…ぽぇぇ…!?」
ゆきぽは頷いてしまいました。
子ゆきぽではなく農家達の言っていることを肯定してしまいました。
自分達が悪いということ、野菜が人間のものだということ、勝手に貪り食ってしまったのだということを。
-
子ゆきぽ「……ぁ、ぁ……!」カタカタ……
信頼していた大好きな母親が自分の予想と間逆の行動を取ったことがよほどショックだったのでしょうか?
先程まで自信満々だった子ゆきぽは真っ青になってわなないています。
その顔は衝撃と絶望と恐怖に彩られていました。
ゆきぽの頷きは子ゆきぽの死を肯定するものでもあります。死刑宣告を子ゆきぽは受けたに等しいのです。
若農「ってことで盗み食いした野菜は返してもらうぞ。あ、その前に……」
ツプッ
子ゆきぽ「ぷぎっ!!?ぽぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
若農「自分は悪くないだなんて嘘をついた罰だ」
若農家が子ゆきぽの大きな右目に親指を突き刺しました。
声も出さずに震えていた子ゆきぽがけたたましい声で絶叫します。
右目からドロッとしたピンク色の粘液が垂れてきます。
明らかに涙とは別物。
右目はもう見えません。
若農「野菜が母親のだなんて嘘をついた罰だ」
ソプッ
子ゆきぽ「ぷぎゃあぁぁぁぁぁぁーーーっっ!!ぽいっ、ぷいっ、ぽいっ、ぷいっ!!」ビクッビクッ!
左目も潰されました。
あまりの激痛に子ゆきぽが痙攣しています。
若農「よし。野菜返しな」グギュウゥ…!
子ゆきぽ「ぼぶうぃぃ!ぽぃいいぎぃぃぃぃ!あっあっあぁぁーーっ!!うぶ、ぽびゃあぁ、ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」ゲロ、ゲロゲロ……
ゆきぽ「ぽやぁーー!ぽやぁぁぁーー!!」
目を潰された激痛と腹を潰される激痛。真っ暗で何も見えない中味わう地獄の苦しみ。
潰された目からは涙、口からは涎と野菜が出てきます。
あんなに幸せそうに嬉しそうに、そして美味しそうに頬張っていた野菜が子ゆきぽの身体から出て行きます。
同時に子ゆきぽの身体からは魂が抜けて行きます。
若農「出せ!出せ!出せ!」グッグッグッ!!
子ゆきぽ「ぽぎぃぃ!!きゅいぎぎぎぃ……!ぼっ!ぎゃっ!ぎゃっ!!ぎゃっ!!!」ダラー……
血が混じったピンク色の胃液、そして赤い赤い血が子ゆきぽの口から地面に垂れて行きます。
まるで心臓マッサージをするかのように子ゆきぽの腹を何度も何度も親指で押しつぶす若農家。
その一押し一押しに憎しみを込めて、食べる権利などないものに貪り食われた野菜達の無念を込めて。
-
若農「出せ!出せ!」グッグッ
子ゆきぽ「」ガクン、ガクン
壮農「おい、もうしまいでいいぞ。もう何もでねぇだろ」
若農「……そうだね」ピタ
子ゆきぽ「」ダラダラ
ゆきぽ「ぽあぁぁぁーんっ!ぷわあぁぁぁぁーん!!; ;」
最後は他の二匹と同じように血を垂れ流しながらこの子ゆきぽも息絶えました。
痛かったでしょう。苦しかったでしょう。
でも、野菜泥棒の害獣にはこれくらいやらないとなりません。
ゆきぽ「ひっく…ひっくっ…!ぅぅぅ、ぇぐひっく…!; ;」シクシク
老農「最後はお前じゃ」
ゆきぽ「!!ぽ、ぽえっ!?ぽぇぇ!?」
壮農「お前からも野菜を返してもらう。当然だ」
ゆきぽ「ぽやぁ!ぽやぁぁ!ぱぅ!ぱぅー!; ;」フルフル!フルフル!
(やだやだ!痛いのやだよぅ!苦しいのやだよぅ!助けて!誰か助けて!)
農家「「「はぁ…」」」
子ゆきぽ三匹は野菜(あと魂)を奪われて死にました。
次は泣きじゃくっているゆきぽの番なのですがこの間抜けは自分が同じことをされるとまでは考えられなかったようです。
いざ自分も同じ目に合わせられるとわかるやいなら地面に押さえつけられたまま必死になって首を横に振って嫌だ嫌だと訴えます。
目からは涙を流し、柔らかな頬は興奮から赤く染まっています。その様は先に死んだ子ゆきぽよりよっぽど幼いものでした。
その醜い姿を見て農家達は呆れてため息を出します。
若農「誰も助けなんかしねぇーよ。人間はみんなお前らタヌキモグラが大嫌いなんだからな」ガシ!
ゆきぽ「ぷぃぃぃ!ぷいぃぃぃぃ!!; ;」ピーピー!
壮農「子供が死んだんだ。お前を生かす道理はない」ガシ!
ゆきぽ「ぱぅぅぅ!ぽえぇぇーん!!ぽえぇぇぇーん!!; ;」ピーピー!
手足を掴まれて地面に固定されたゆきぽ。たらふく野菜を詰め込んだ腹が天に向かってポッコリ突き出しています。
ゆきぽは泣き叫びながらなおも助けを求めています。三人に情けを請います。
|
|
-
ザッザッザッ……
農家「「「ん?」」」
ゆきぽ「ぽぽ!?; ;」
その時、畑を歩いてくる足音が聞こえました。
少女「あ、いた。何してんの?」
足音の主は1人の少女でした。年齢は十代半ばから後半といったところ。
少女は押さえつけられて今にも殺されそうなゆきぽと農家を目に怪訝そうな顔をします。
ゆきぽ「ぱうーーっ!!ぷぃぃ、ぽいぃぃ!ぱうー!ぱうーーっ!」バタバタ!バタバタ!
(助けて!助けて!この人達が虐めるの!悪い人達なの!ゆきぽ怖いよ!ゆきぽを助けて!)
少女を見た途端、ゆきぽがけたたましく叫びだしました。先ほどあげていた泣き声とは少し違う声音。
少女に助けを求めているのです。
ゆきぽはこの少女が自分を助けにやってきたのだと思いました。自分の助けを求める鳴き声を聞いてやってきてくれた救世主だと思いました。
『この人はゆきぽの味方。これで助けてもらえる。痛いのされなくてすむ』
と思いました。
果ては
『ゆきぽ達に意地悪したこの人達を懲らしめて貰おう。その後にうんとうんとこの人に甘えよう』
とさえ思っていました。
少女「…」
ゆきぽ「ぽーぇ!ぽぉーーぇ!ぱーぅぅぅー!」バタバタ
目尻から涙を流しながらもその口は笑みの形をとります。
助かったという安堵と、これからくるであろう安らぎを期待しながらの笑みでした。
-
少女「うっわキモ!タヌキモグラじゃん!ブッサイクな顔だねー!って……え!?なにこの野菜!?まさかこいつらが食ったの!?うわー最悪じゃん!」
ゆきぽ「ぽえ!?ぽええ!??」
しかし、ゆきぽの笑みは一瞬で打ち砕かれてしまいました。目を見開いてゆきぽは驚きます。
少女「つーかさっきから媚びた声出すなってーの!ウザい!キモい!むかつく!」ガン!ガン!
ゆきぽ「ぎゃ!ぽぎゃあ!…ぽぇ……ぽえぇぇーーん!ぷいぃぃぃぃ!; ;」
少女がサンダルを履いた足でゆきぽを踏みつけます。顔面です。
踏まれたゆきぽは痛いし少女の罵倒が悲しいしでまた泣き出しました。
助けてくれると思ったのに。
優しくしてくれると思ったのに。
この人までゆきぽを虐める。酷いことする。
ゆきぽは先程より盛大に声をあげます。
もう二度と笑うことも安堵することもありません。
少女「お昼ご飯なのに戻ってこないから見にくれば……!お兄、これこいつらがやったんでしょ!?殺さなくていいの!?」
若農「今やるとこだよ…」
壮農「ほら、チビどもはもうやったんだ」ポイ
少女「うわぁ……キモ……でもこうしないとスッキリしないしね!あ!こいつからも野菜返してもらうんでしょ?私にやらせてよ!」
ゆきぽ「!?き、きゅいぃぃぃ!!きゅいぃぃぃぃぃぃ!!; ;」
老農「だ、だいじょうぶかぁ…?成体のタヌキモグラは力が強いんじゃぞ?」オロオロ
〆をやりたいと言い出す少女。おかんむりです。
両手足を壮年農家と若農家に抑えられたゆきぽは聞きなれない鳴き声を出します。
ベビゆきぽや子ゆきぽが母親に助けを求めるときの鳴き声です。
いるはずのない母親に助けを求めているのは余りの恐怖に錯乱しているからでしょうか?
-
少女「だいじょうぶだいじょうぶ!お兄とお父さんが抑えてるし!お腹を踏めばいいんでしょ?教えて爺ちゃん」
老農「おお…分かった分かった。んじゃサンダルは脱いだほうがいいの」
少女「ほいほい」ヌギ
老農「うむ。狙うのはゆきぽの腹、ちょうど胃のあたりじゃ。間違って心臓を潰すなよ。踵でねじり込むように踏むんじゃ」
少女「分かった……」ピト
ゆきぽ「ぽきゅいーーっ!ぷきゅいーーっ!!; ;」グネグネ!
壮若農「「暴れんな!」」グッ!
サンダルを脱いで踵をゆきぽの腹に置く少女。
少女の足裏にはゆきぽの柔らかな腹の感触と体温、そして凄まじい速度で鳴動する心音が感じられました。
恐怖の絶頂にいるゆきぽは踏まれまいと身体を捩りますが無駄なこと。
ググ…
ゆきぽ「ぷきゅい!!ぽぉえぇぇ!ぷぃぃぃ!ぷぃ、ぷぃぃー!きゅいーっ!!; ;」
(やだ、いやだよ!怖いよー!怖いよぉー!お母さーん!)
グググ…!
ゆきぽ「ぽあっ!ぽあぁぁ!うぷ、ぽぎぎ……!!」
ググググッ…!!
ゆきぽ「ぽぉえぇぇぇぇぇぇぇ!!」ゲロゲロ…!
グググググッ!
ゆきぽ「ゲボッガホッ!!ひぐ、ぷぎぃぃ!ぽぎぃぃ!!」
グググ!グググ!メリメリ!
ゆきぽ「ぽあぁーーっ!あぎ、ぎゃあぁぁぁぁ!!あ、あ、あ……!!」タラー……
メリメリ!ポキ、パキ!
ゆきぽ「ぷぁああ!ぶぎ、ぎゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」ダラダラ…ダラダラ…!
(おかあさぁぁぁぁぁぁーーんっ!!)
バチュンッ
ゆきぽ「ぎゃっ」ビクッ
ゆきぽ「ぁぁ………ぁ……きゅ、ぃ………」ビクビク
ゆきぽ「」
ゆきぽの動きが止まりました。
口の周りを吐瀉物と胃液、血でグチャグチャにしながら、最後は大好きだった母親に助けを求めながら、死にました。
-
少女「………死んだ?」
老農「うむ。死んでおるな」
少女「ふぅーっ……案外疲れるもんだねぇ……スッキリしたけど」
壮農「野菜も全部出たしなかなかいい線いってるな。しかしこのチビチビ食われた野菜どうすっかなぁ………ひとまず、こいつらの首切りとってまたゆきぽ避け作るか…」
若農「その前に昼飯食べようぜ。あんま食欲ないけどね……」
スタスタスタ………
ゆきぽ「」
子ゆきぽ「「「」」」
去っていく四人。
残されたのはお腹(一匹は胸)をぺちゃんこに潰されたゆきぽ親子。
ついさっきま齧り頬張っていた野菜はもうその体内にはありません。
嬉しそうに笑っていた顔は苦しみと絶望が張り付いています。
棒に刺さっていた首と同じ表情。
空からは相変わらず夏の日差しが降り注いでいます。
終わり
-
丹精込めて作った野菜を自分のものにしてたのでヘドがでそうになったが殺されて良かった
-
スバラでした!
-
乙
ハエもたからないって気持ち悪い生き物だね
-
実家が胡瓜農家だが害獣どもが食っていたら皆殺しだな
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乙です
野菜じゃなくて害虫を食ってくれるんなら殺すだけで許してやったのに。
-
乙です。
害獣が泣き叫びながら殺されるのは気持ちがいいですね。
「いい気味」って、多分こんな気持ちの事なんでしょうね。
-
赤ん坊のうちに体に金属の輪をはめて首長手長脚長胴長ゆきぽを作ろう
想像するとすげえキモい
-
普通に雪歩になるんじゃね?
-
>>104
雪歩はそんなキモくねーだろw
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>>96
あんた、最高だよ
次回作も期待してるぜ?
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タヌキモグラのスコップは何でできてるんだろうな。あんだけ掘って傷一つ付かないということはまさかアダマンチウム……?
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>>76
アニメスタッフが検索候補に「ゆきぽ 殺す」とか出るのを憂慮したのかな
毒が抜けたら抜けたで不満は溜まるんだけどね〜
-
ゆきぽは世界が優しくなるほど相対的にクズ行動が増えるような気がします。愛でss読むと特に。
まあ、どのゆきぽもクズですが。
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微生物さんも仕事をためらうゆきぽぱねぇな
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>>108
スタッフの中にもコイツやべぇって思った人がいるんだろうな
だが結局ブチ殺されまくっているので、タヌキモグラにとってはどうあがいても絶望
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ゆきぽって現実にいたらかなりきもいなぁ……
巨大な目、巨大な頭、小さな身体、指のない短い手足、鼻はない(鼻穴はある?)、不自然なくらい獣じみた大きな尻尾、奇妙な鳴き声……
あとこいつ描写はされてないけどちゃんと歯があるんだよな
あの口の中に沢庵やお茶で黄緑に変色した歯がズラリと並んでいるのか…あと無駄に足が速い
現実にいたら正直虐めたいとか思う気も失くすほど気持ち悪い生物だな
というか恐怖すら感じると思う
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>>112
可愛がるヤツもいねぇだろうな。
もしなるなら実験用害獣かね。人間に似てるから投薬やら解剖やら、ありとあらゆることに使われそう。
こちらからなら言葉も伝わるし。
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宇宙人として捕獲されるかな
ロズウェル事件みたいに連れていかれるゆきぽの絵が見たい
-
原作やアニメのゆきぽってPやアイドルにストレートに出て行けって言われたらどういう反応を示すのかな?
P「もうお前は飼えない。出て行け、ゆきぽ」
ゆきぽ「ぽやっ!」ヤッ!
律子「あんたが決めることじゃないの。さぁ、早く…」
ゆきぽ「ぽやっ!ぽやっ!」ヤッ!ヤッ!
みたいな感じで駄々っ子になるのだろうか……
-
目を潤ませながらぷぃ〜って泣くんじゃないの?甘ったれてるから
虐待不可避ですわ
-
で、泣きながら穴をブチ空けるんだな。そして二度と笑うことのない日々へ突入。
洗練された淀みない展開でワクワクするね!
-
ゆきぽって店に連れて行ってもらったことってあったっけ?
南極や無人島にはよく飛ばされてるけど
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おつかいに行ったことはあるな
あの犬美を殺そうとしたとき
ゆきぽって店で自分の気に入った物や食物を買ってもらえなきゃそれだけで大泣きしそう
そんでもって店の中に穴を掘る
-
あとラジオの収録に勝手について行ったぐらい
あふぅですら眼鏡屋に連れて行ってもらったのに…
「あふぅ行くよー」
「ナノ!」
「ぽ?」ドコイクノ?
「…ゆきぽは留守番しててね」
「ぽえ!」マカセテ!
なんて厄介払いのシーンが目に浮かぶ
-
子どもの直感的判断は融通がきかない。善行のために自己の欲求を抑えることが困難で、多くの事情を考慮した判断は下せない。道徳判断に著しい限界がある。
昨日の講義の一部でこんな感じのことが出たけど、まさにタヌキモグラ
-
>>117
「『真ん中』のゆきぽ親子」がそれに近いかも。
-
「遠投」
ある日の公園にて
男「ん?」
ベビゆきぽ「ぽりゅぇ〜ぷりゅぃ〜」
数匹のベビゆきぽが駆け寄ってきました。
このゆきぽという生き物は、人間に媚びて食べ物をもらおうとしたり、飼い主だと決めつけてついていったりします。
しかも「自分は可愛いから、食べ物はもらえるし、家に住ませてくれる」というバカ丸出しの勘違いをしているためかなり嫌われています。
ベビゆきぽが男の足元で止まり、男に笑顔を向けています。
ベビゆきぽ「ぽりゅぇ〜」
(食べ物ちょうだ〜い)
男はイラッとしました。こんな可愛くもなく気持ちの悪い生き物が寄ってきたのですから。
男(今日はついてないなぁ…)
そう思っていると、今度は親のゆきぽがやってきました。
ゆきぽ「ぽえ〜ぷい〜ぽ〜」
(ゆきぽの子供たち、可愛いでしょ。い〜っぱい可愛いがってね。)
男は更にイラッとしました。ただでさえ足元にベビゆきぽがいるのに今度は親ゆきぽが来たのですから。
男「…」
男はベビゆきぽの一匹を掴みました。
ベビゆきぽ「ぽりゅ?」
掴まれてないベビゆきぽ「ぽ?」
親ゆきぽ「ぽえ?」
ブンッ!
そして男は掴んでいるベビゆきぽをゆきぽのいる方向へ思いっきりブン投げました。
ベビゆきぽ「ぽああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
男は野球でもやっていたんでしょうか、ものかなり遠くまで飛んでいきました。
それを見たベビゆきぽは驚き、親ゆきぽは
親ゆきぽ「ぽえええー!」
投げられたベビゆきぽを追いかけていきました。
そして男は投げた後、すぐに他のベビゆきぽを捕まえ、次々どブン投げていきました。
全てのベビゆきぽを投げた後。男は
スッキリとした表情で公園を去っていきました。
ちなみに、親ゆきぽはブン投げられ、地面に激突して死んでいるベビゆきぽの寸前で他の人に蹴り飛ばされ、トラックに轢かれて死にました。
終わり
-
「よーし、じゃあ豆まきやるぞー。みんな豆持ったか?」
「「「「「はーい」」」」」
「よし、鬼役は準備できたか?」
「ぷい〜;;」
泣いているこの子の名前はゆきぽ。事務所の経営を圧迫する害獣です。
日頃の行いが祟り、事務所の人達の満場一致で鬼役に指名されたのですが…
P「…まったく、まだぐずってんのかこの馬鹿は」
春香「みんな待ってるんだから、ほら早く」
響「往生際が悪いぞ。ぷち達も待ちくたびれてるさー」
鬼役が動こうとしません。メソメソとその場で泣き濡れるばかり。
ゆきぽ「ぷぃー;;ぷぃー;;」
嫌だ嫌だ。鬼さんの役なんて、ゆきぽやりたくないよ。誰か代わってよ。
とんでもない事を言っています。
P「…もう始めよう。適当にゆきぽに豆ぶつけて終わりでいいや。ゆきぽ、お前はそこにいるだけでいいから」
痺れをきらしたPが豆まきを強引に開始しようとしたその時でした。
やよい「待って下さい。その…私が鬼役じゃダメですか?」
千早「高槻さん?何を…」
やよいが突然、鬼役をかって出ました。やよいは優しい子なので、泣いているゆきぽの事を可哀想に思ったのでしょう。
やよい「嫌だ、って泣いてるゆきぽに、私は豆をぶつけたくないかなーって」
伊織「あんたね、お人好しすぎるのよ!何でコイツが鬼役になったのか考えてみなさい」
貴音「伊織の言う通りです、やよい。それに、私は貴方に豆をぶつけたりしたくはありません」
やよいの提案に、みんな否定的です。当たり前ですが。しかしこのままでは、いつまで経っても豆まきが始められません。
P「分かったよ、じゃあこうしよう。俺も鬼役やるから、やよいにぶつけたくない者は俺にぶつければいい。それならいいだろ?」
Pが代替案を出します。やよいの面子を立てつつ、尚且つみんながやよいに豆をぶつけなくて済むように計らった良い案ですね。
-
ゆきぽ「ぽ?ぷぃ?ぽぉ〜///」ニコニコ
自分が鬼役をやらずに済むと分かったのか、たちまち泣き止むゆきぽ。笑顔さえ浮かべています。
イラッ…
みんなイラついています。この害獣の我儘が通ってしまった事に。無神経にニコニコ笑っている事に。
P「お面は一個しかないのか…律子、般若のお面貸してくれ」
やよいが用意していたお面を、Pが律子のお面をつけて、準備完了。さあ、豆まき開始、の流れでしたが。
ゆきぽ「ぽ?ぽー」クイクイ
P「何だゆきぽ、お前は用済みだ。あっち行ってろ」
ゆきぽ「ぽぇ?ぽぉ、ぷぃー」スッ
豆の置かれたデスクを指すゆきぽ。
律子「…ッ!ゆきぽ、あんたまさか…」
P「お前も豆まきしたいって言ってんのか?!」
ゆきぽ「ぽぅ!」コクリ
イライラッ…
どうやらこの馬鹿は豆まきに参加したいようです。
あれだけ豆をぶつけられるのを『嫌だ』と言っておきながら。
ぶつける相手は自分を庇ってくれたやよいなのに。
みんな、更にイラつきます。
伊織「…ッ!このっ…」
伊織がゆきぽに詰め寄りますが、それをPが制します。
P「待て伊織。…ゆきぽ、それはやよいが決める事だ。やよい、どうする?」
やよいの判断に委ねるようです。
やよいは少し考え、
やよい「仲間外れは可哀想かなーって」
それを聞いた律子が、渋々といった感じでゆきぽに枡に入った豆を渡します。さあ、仕切り直しです。
-
律子「じゃあ始めます。せーの」
一同「鬼はー外」
ペチッ ペチチッ ペチッ
ベッチィィン!
一同「?福はー内」
ペチッ パチッ パツッ
バッチィィン!
豆が鬼役のPとやよいに当たる音に、明らかに異質な音が混じります。この中に、全力投球で鬼役に豆をぶつけている者がいます。
ゆきぽ「ぽ〜えっ♪」ブンッ
ベッチィィン!
P「おい、ちょっと待てお前ら」
やよい「痛い、痛いですー」
お面で視界が狭くなっているので、鬼役には誰が自分達に豆を全力投球しているのか分かりません。
ゆきぽ「ぽーえ♪ぽ〜えっ♪」ブンッ ブンッ
べチィッ!バチィ!
一同「…」
もう誰も豆を投げてはいません。呆然と事の成り行きを見守るばかり。ゆきぽだけが二人に豆を叩きつけています。持ち前の馬鹿力で、手加減なしで。
やよい「痛い、痛いですってばー!」
P「お前らいい加減にしろよ…」
やよいの泣きそうな声が響きます。そのすぐ後にPの唸るような低い声。
アイドル達が誰も聞いた事のなかった、怒りの声。
呆然とゆきぽの狼藉を眺めていたアイドル達の間に、緊張が走ります。
律子「…ゆきぽ、やめなさい」
律子がゆきぽを諌めます。緊張のせいか、怒りのせいか、その声は少し震えています。しかし馬鹿害獣はそんな事お構い無しです。
ゆきぽ「ぱうー///ぽーえっ♪」ブンッ ブンッ
尻尾をパタパタさせながら、ニコニコと笑顔で二人に豆を叩きつけ続けるゆきぽ。鬼退治をしている良い子の自分に酔っているのでしょうか。
あずさ「プロデューサーさん、やよいちゃん、こちらへ!」
いち早く動いたのはあずささん。階段へと続くドアを開け、二人を外に誘導します。
P「あずささん?誰ですか、こんな悪ふざけしてるのは」
やよい「ひどいですー!こんなの、ぐすっ…」
ゆきぽ「ぽーえっ!」ブンッ
事務所を出ようとする三人に豆が叩きつけられます。が、次の瞬間。
パチパチパチッ パラパラ…
ゆきぽ「ぽ?」
千早「あずささん、二人を連れて外へ」
千早がビニール傘を開いて豆を防ぎました。
雪歩「あの、私も行ってきます。やよいちゃん、痛い痛いって言ってたから、怪我でもしてたら大変ですぅ」
雪歩が救急箱を持って三人に続きます。
バタン
-
ドアが締まりました。外へ出る際に落ちたのか、鬼のお面と般若の面が、ドアの前に転がっています。
ゆきぽ「ぽ?ぷー!ぷぅー!」プンスカ
鬼退治の邪魔をされたと思っているのでしょう。千早に向かってぷーぷー文句を垂れているゆきぽ。
静かな事務所に間抜けな鳴き声が響きます。
イライライライラ!イライライライラ!
律子「…貴音、響。ゆきぽ以外のぷち達を連れて向こうの部屋で豆まきやっててくれないかしら?」
貴音「承知致しました。では鬼のお面を…」
律子「これを使ってちょうだい」スッ
律子は自分のデスクの引き出しを開け、般若の面を二つ取り出し二人に差し出します。
響「幾つ持ってるんだ?…まあいいや。行くぞー、みんな」
貴音と響はぷち達を連れて別の部屋へ。ゆきぽも一緒に行こうとしますが、
律子「ゆきぽは残って。さっきは随分活躍したじゃない」ナデナデ
ゆきぽ「ぽえへっ///」にへらっ
ゆきぽ「ぽえっへん!」フンスッ!
ブチッ…
得意げに胸を張るゆきぽの姿は、皆に溜まったイライラを爆発させるのには充分でした。
律子「…ところでゆきぽ。さっき追い払った鬼さん以外に、まだ鬼さんがいるんだけど、退治お願いできるかしら?」
ゆきぽ「ぽ?ぽえっ!ぱうー」コクン
ゆきぽに任せて!とばかりに頷くゆきぽ。
律子「じゃあ、次の鬼役やりたい人」
美希「ミキがやるの」
千早「私がやるわ」
二人が名乗りを挙げました。美希はPを、千早はやよいを傷付けられた怒りに震えています。美希は顔を真っ赤にして、噛みつかんばかりにゆきぽを睨み付けています。千早は対照的に、顔を真っ青にして無表情でゆきぽを見ています。
律子「…赤鬼さんと青鬼さんってとこかしら。お面はつけなさい。豆が顔に当たったら大変だから」
律子が床に落ちた鬼のお面と般若の面を拾い上げ、二人に手渡します。
美希「鬼役やるなら、金棒が欲しいな。あるよね?小鳥」
小鳥「ええ、あまり使う機会の無い物だから使ってみてどうなのか教えてね、美希ちゃん」スッ
ブンッ シャキン
音無さんが渡したのは特殊警棒。非常時用の備えです。
美希「千早さんは?」
千早「私はこのビニール傘で充分よ。律子、始めましょう」
豆まき第二弾が始まります。
-
ゆきぽ「ぽへえー///」
ゆきぽはニコニコしながら嬉しそうに豆をジャラつかせています。
今度の鬼が先ほどの鬼とは全く違う事など、考えもせずに。
律子「それじゃ始めるわよ。はい、鬼はー外」
ゆきぽ「ぽーえっ!」ブンッ!
パチパチパチッ パラパラ…
先ほどと同じようにビニール傘で豆を防ぐ千早。
ゆきぽ「ぽえっ?ぷーぷーぷぅー!」プクー
あんなのずるい!と律子に訴えるゆきぽでしたが、
律子「別にずるくないわ。それより、前見てなくていいの?」
ゆきぽ「ぽえ?」
律子の方を見ていたゆきぽが、ふと前を向いた次の瞬間
グチュッ…
ゆきぽ「ぽ、ぽがあぁぁぁあぁぁぁ!!!」
コトンッ パラパラパラパラッ…
ビニール傘の先端がゆきぽの左の肩の辺りに突き刺さっていました。豆が入った枡を落としてしまいます。
千早「黙って当たってやる訳ないでしょう。馬鹿じゃないの?」
ゆきぽ「ぷいー、ぷあぁぁーん!;;」
先ほどまでの威勢は何処へやら。左側を押さえ痛い痛いと泣き出すゆきぽ。
千早「そんな余裕あるのかしら?鬼はもう1人いるのだけれど」
ブンッ!ボギィッ…
ゆきぽ「ぷぎゃあぁぁっ!あぎゃっ!ぽいぎゃっ!」
美希「さっき追い払った鬼は金棒持ってなかったよね?鬼が金棒持ったらゆきぽなんかただのカスなの」
ゆきぽ「ぃぎぃぃぃぃ〜!ぽ、ぽえぇぇぇ〜ん!ぇうえぇぇぇ〜ん!;;」
左肩を押さえていた右腕を特殊警棒で砕かれました。突然の痛みと恐怖で泣き叫ぶゆきぽ。
美希「小鳥、これちょっと重たいって思うな!ミキは頭狙ったんだけど」
完全に殺る気でいたようです。
ゆきぽ「ぷひぃぃぃぃ!ぅぐっ…ぁぅ…ひぃうー!;;」
この愚かな害獣にもそれは伝わった様子。怯えたような叫び声をあげます。
小鳥「あら、そう?確かアルミ製のがそれより軽いって話だから、一本頼んどこうかしら」
美希「そうして欲しいな。ミキ、こんな重たいの、や」
律子「ふーん、試してみないと分からないものねぇ」
非常時に使う物は使う機会など滅多にありませんからね。使う機会はない方が良いのでしょうが。
-
小鳥「あ、防犯と言えば、防犯用のカラーボールの保管期間が切れそうだったわね。せっかくだから投げたらどうなるか試してみようかしら」チラッ
春香「防災もですよ、防災も!消火器っていっぺん使ってみたかったんだよね」チラッ
ゆきぽ「ぽ、ぽひぃぃぃぃ〜…」ゾクッ
律子「豆まきはもう終わりね。知ってた?節分の鬼って、怪物と言うより疫病神の方がイメージとして近いって事」
ゆきぽ「ぱう〜?;;」
律子「本番はこれから。ゆきぽ、あんたは存在そのものが疫病神だから。大人しく私たちに退治されなさい」
千早「なるほどね。それならわざわざ役になりきってもらう必要ないものね。始めましょ?疫病神の退治」
この流れを良く思わないのは双海姉妹。二人で目を見合わせています。
真美「このままじゃやばいっしょ…」
亜美「ゆきぽが死んじゃうYO…」
双子もゆきぽの振る舞いに腹こそ立てていましたが、
『なにもそこまで…』とも思っています。事態の沈静化を図るべく、『鬼』との交渉を試みます。
真美「あのー、ミキミキ?もうそのくらいで…」オソルオソル
美希「黙るの」ジロリ
憤怒の表情の美希に睨まれます。
亜美「千早お姉ちゃん…」
千早「どうしたの?羨ましいの?貴方達もやりたいの?」グリグリ
ゆきぽ「ぷぎぃぃぃぃ!ぃぃ…ぇうえぇぇぇぇん!;;」
亜美の方を見もせず、千早が言います。ゆきぽの左肩の傷を、尚もビニール傘の先端部でほじくりながら。
『鬼』との交渉に失敗した双子、伊織の元へ向かいます。
真美「いおりん何とかしてよ〜」
亜美「このままだとゆきぽが死んじゃうよ〜」
双子の嘆願を受けた伊織、双子を連れて事務所の外へ。
亜美「ちょっとどこ行くのいおりん?」
伊織「被害者のやよいに話を聞いてみてからよね。そうでしょ?」
外に出ると、Pとやよいが、あずささんと雪歩に手当てを受けていました。
伊織「どう?怪我とかしてない?」
P「ああ、大丈夫だ。ありがとう伊織」
伊織「べ、別にアンタの心配はしてないわよ!大丈夫なの?やよい」
やよい「大丈夫だよ伊織ちゃん。あずささん、雪歩さん、ありがとうございましたー」ペコリ
あずさ「どういたしまして。…結構、痕がついてたわね」
雪歩「ゆきぽは調子にに乗り過ぎですぅ!」プンスカ
大丈夫とは言っても、無傷とはいかなかったようです。
伊織「ほら、やよいに聞いて見なさい」
伊織が双子に促します。
いきなり振られた双子、どう切り出そうか迷いました。
亜美「うーんと、その…」
真美「えっと、兄ちゃん、やよいっち、あの、怒ってる?」
突然の質問に顔を見合わせるPとやよいでしたが、
P「まあ、そりゃあ腹は立つよな」
やよい「鬼さん役かわってあげたの大失敗ですー」
P・やよい「「…あの出来損ないが…」」ギリッ!
双子「「…」」ゾクッ
こんなに怒りを露にするやよいを見るのは初めてでしょう。双子には、やよいのツインテールが逆立って見えました。まるで鬼の角のように。
-
ガヤガヤ ガヤガヤ…ガチャッ
その時でした。事務所のドアが開きます。
律子「後は鬼さんに任せましょ?階段の下にいる地獄の鬼さんに」
ゴロゴロゴロゴロ…ドサッ
ゆきぽ「ぽびゃあぁぁぁぁん!;;えぐっ、ひっく…ぷあぁぁぁ〜ん;;」
ゆきぽが階段から落ちて来ました。身体中真っ白で、ところどころオレンジ色の液体が付着しています。
左肩には穴、右手は有り得ない方向を向いていました。
律子「鬼さん達〜、事務所にいた疫病神、追い出しといたので後はご自由にどうぞ」
春香「消火器ぶっかけたから気をつけて下さい。触ると服が汚れますよー」
小鳥「あ、あと期限切れのカラーボールもぶつけてますから」
真「腕は美希と千早が壊してるんで。スコップは気にしなくて大丈夫だと思いますよ。じゃあ、後はお任せします」
バタン
ドアが閉まりました。事務所の面々も、最後はPとやよいの判断に委ねるようです。
ゆきぽ「ぽわぁぁぁぁぁん!;;ひっぐ、ぱうぅぅぅぅぅ〜!;;」ギュッ
階段から突き落とされたゆきぽ。Pの足元にすがり付きます。消火器の粉まみれの身体で。
P「あーあ、スーツが粉だらけだ。ホント迷惑しかかけないヤツだな」
Pは心底呆れ顔。やよいは汚い物を見る目でゆきぽを見ます。実際汚いのですが。
P「どうする?俺が殺っちゃっていいか?それともやよいが殺る?やよいが決めていいぞ」
Pはやよいにゆきぽの始末について一任します。やよいは少し考え、
やよい「あっ、二人で出来ること、思いついちゃいましたー」
そう言ってやよいは階段を昇ります。
やよい「弟達がプロレスごっこ、よくやるんです。つーぷらとん?とかって言って…」
P「俺も昔はよく観てたな。…そっか、なるほど。ツープラトンなら二人でも、つーか二人でしか出来ないな」
二人で同時に技を掛ける、いわゆるツープラトン攻撃をゆきぽに仕掛けるようです。
やよい「うっうー!つーぷらとんで、ゆきぽを殺しちゃいまーす!」
-
P「よっこらしょ」グイッ
ゆきぽ「ぽ?ぽぇっ?」
Pがゆきぽを逆さに持ち上げ、足で何やら指示を出します。
P「いいか、ここに落とすからな、ここに。で、せーの、で」
やよい「分かりましたー」
P「怪我しないようにな。それじゃ、いくぞ」
やよい「はーい」
ゆきぽ「ぷあぁぁぁぁん;;ぱうぅぅぅぅぅ!!」ヤメテー!
嫌だ嫌だ、やめてやめてとゆきぽは二人に懇願します。恩を仇で返した二人に。
P・やよい「「せー、のっ!」」
ブウンッ ピョン
ゴツッ…グシャアッ!
ゆきぽ「ぽんぎゃあぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!」
ビクンッ…
ゆきぽ「」
当然ですが、聞き入れられる筈はありませんでした。Pはゆきぽを頭から床に投げ落とし、やよいは階段の上からダイブしてゆきぽの顔面を両足で踏みつけました。
渾身の力でゆきぽを叩きつけたP。上半身が勢い余ってまるでやよいのお辞儀のようなガルウィング状態です。
そして、ゆきぽの顔面を踏みつけたやよいがゆきぽの顔の上でいつものお辞儀をします。
Pとやよいの怒りのツープラトン「Wガルウィング」爆誕です。
-
雪歩「フィニッシュも完璧ですぅ!」
伊織「善意を踏みにじられた分、しっかり踏みにじってやったって訳ね。やるじゃない、やよい」
あずさ「あらー…でも、無理もないわよね…」
最期にビクンッと痙攣して、ゆきぽは絶命しました。
やよい「うっうー!やりましたー。それじゃ、ハイ、ターッチ!」
パシンッ
P・やよい「イェイ!」
P「あースッキリした。はらわた煮えくりかえるかと思ったよな、あれ」
やよい「あんなに腹がたったの生まれて初めてですー」
P「最期にスーツが派手に汚れたな。真っ白だ。まあいいか。さ、事務所に戻ろう」
心底スッキリとした表情で事務所へと続く階段を昇る二人。あずささんと雪歩が続きます。
伊織「私たちも戻るわよ。…どうしたの二人とも」
双子がゆきぽの死骸を抱きしめ、動こうとしません。無言で事務所のドア付近を睨み付けます。
双子「「…」」
伊織「『何もそこまで』って顔ね…人の善意を踏みにじった上に怪我までさせたクズが許される訳ないじゃない」
雪歩「みんながここまでしたんじゃなくて、ゆきぽがみんなにここまでさせたんですぅ」
反論出来ない双子。俯きます。
双子「「…」」
伊織「それに、これは被害者のやよい自身が選んだ選択よ。言ったでしょ?やよいの意見を聞いてからだって。第三者がやよいの選んだ結果にケチをつけるのはお門違い、そうよね?」
あずさ「ゆきぽちゃんを止められなかった私達全員に責任はあるのよ?もちろん、真美ちゃんにも、亜美ちゃんにも。くれぐれもやよいちゃんを恨んじゃダメ」
双子「「…」」シュン…
あの時、騒ぎにいち早く動いたあずささんに言われてしまいました。双子はあの時、何も出来ませんからね。まあ、今日は終始、誰かに便りっきり、任せっきりでしたが。
伊織「言いたい事はそれだけよ。私達は戻る。アンタ達は気が済むまでそこに居れば良いわ。ゆきぽの死骸は事務所に持って来ない事。縁起悪いからね」
亜美「ぁ…待ってよ」
真美「真美たちも行くよ」
幼い双子も、納得は出来てないけど理解は出来たようです。
ゆきぽがこうなるのは避けられなかった事。
自分達に事務所の誰かを恨む権利などないという事。
疫病神の始末が終わり、765プロの新しい一年が始まります。
鬼退治 終わり
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以上です。少し早いけど、節分ネタです。『鬼』と言うSSの後追い(セリフも少し頂いてます)です。
ゆきぽに優しさは不要ですね。
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乙です
ぷちますの双子はちょっとお仕置きしないとダメだな。
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あのアホ双子の泣き落としにはちょっとイラッときた。律子もPじゃなくて双子に説教すればよかったのに。
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乙です
双子はぶっちゃけ厄病神を呼び込んだ張本人だからなぁ…
あとモバマスの事務所でけぇ……
ゆきぽ「ぽえへ♪」ニコ
(あっちのお家の方が居心地良さそう///人も一杯いるし、たくさん優しく可愛がってもらえるはず!明日からあっちに住まわしてもらおう)
みたいに765を出て346に行ったゆきぽ。しかし誰にも受け入れられないどころか虐められボロボロになって765に戻ろうとする。しかし時すでに遅し。765はゆきぽを余所者とみなし迫害、事務所にも入れない。路地裏で一人孤独に生き絶えるゆきぽ……
とかちー
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>>136
武内Pが悪鬼スマイルになり、ヤンキー組がマジギレそう・・・・(ゆきぽが荒らした様子を見て
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あと小ネタ
ジョセフ「助っ人を連れてきた」
アヴドゥル「あいつに助っ人なんて無理です!」
「ぽえ?」(ヘリの後ろ座席から顔を出し
ンドゥール(なんかムカつく足音だからこいつから始末しよう
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>>138
確かに囮としてはこれ以上ないぐらい適任だなwww
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ただそのあと、ポルナレフの代わりにアヌビス神拾って敵になります
(アヌビス神 スコップ2刀流
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ゆきぽ「ぽへぇ〜」ニヘラー♪
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尻尾パタパタの時点で無理だわこいつ
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助けてもらったイギーに襲いかかるゆきぽ
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