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早冬音「ええ? 月伊島に行けって?」

1名無しさん:2015/02/06(金) 19:10:33
早冬音「どういうことよ、春佳姉様」
春佳「学校では斑鳩先生と呼びなさい」
早冬音「どういうことですか、斑鳩先生」
春佳「実はあなたたちの担任が長いお休みを取られることになったのよ」
真冬「そうだったんですか……」
ヒナ「せんせーしつもんです!」
春佳「どうぞ、雲雀さん」
ヒナ「ひょっとして長いお休みっていうのは……」
春佳「……ええ、ご想像のとおりよ」
早冬音「長いお休みっていうか、もう帰ってこないわけね……」
春佳「本家に逆らうつもりだったようですから」
真冬「それはいいんですけどお姉さま」
ヒナ(いいんだ)
早冬音(いいんだ)
真冬「それでどうして月伊に?」
春佳「中学の教員資格を持った人が島にいないのよ……」
春佳「三門唯一の資格保持者はこの世からおさらばしちゃったし……」
早冬音「……裏でえげつないことやってるのに教員資格を気にするって……」
春佳「これでも、あなたたちにはしっかりとした学生生活を送ってほしいという思いがあるのよ」
ヒナ「春佳様……!」
早冬音「なるほど、老婆心」
春佳「早冬音ちゃんも首と胴体お別れしたいのかしら?」
早冬音「冗談ですよぉ、アハハ……」
真冬「月伊の中学校で授業を受けることになるんですか?」
春佳「ええ、そうよ。教師の目途がつくまではずっとそちらに通ってもらいます」
早冬音「はーい了解」
ヒナ「わかりました、春佳様!」
春佳「向こうでは血なまぐさいことはいったん忘れて、中学生活を楽しんでいらっしゃい」
真冬「はい!」
早冬音「……でも月伊って霜月の本拠ですよね?」
春佳「早冬音ちゃん」
早冬音「はい」
春佳「空気を読みましょうね?」
早冬音「……りょーかーい」

2名無しさん:2015/02/06(金) 19:32:29
【月伊島】

早冬音「結局その日に荷物まとめて送りだされるって……滅茶苦茶やるわね」
ヒナ「春佳様は強引ですからねえ。やっぱり千夏お姉様がナンバーワン……」
真冬「早冬音ちゃん、ヒナちゃん、待ってよ〜……」ゼヒーゼヒー
早冬音「真冬、あんた体力なさすぎ」
ヒナ「そうは言っても早冬音様、真冬様は日がな結界を練ってるわけですし」
ヒナ「体術の修練には時間を割けないですし、ねえ?」
早冬音「……まぁ、それもそうか……。ほら、真冬貸しなさいよ」ヒョイッ
真冬「あっ、早冬音ちゃん」
早冬音「ほら、キリキリ歩く。……あ、そうだヒナ、私たちの通うとこって何て言ったっけ」
ヒナ「花菱中ですわ、早冬音様」
早冬音「花菱ね……ってか、その早冬音様とかやめなさいよ」
ヒナ「なんでですの?」
早冬音「同い年の女を様付けで呼ぶって一般的にはおかしいでしょーが……」
真冬「うん、私もそう思うよヒナちゃん。私たちのことは呼び捨てでいいよ」
ヒナ「そ、そうは仰いましても……今まで積み上げてきた習慣はそうそう崩せるものでは……」
早冬音「そりゃそうだろうけど……んじゃあ、せめてさん付けにでもしときなさいって」
早冬音「様は怪しまれること請け合いだわ」
ヒナ「わ、わかりました。それでは早冬音……さんと、真冬さん……で、よろしいですか?」
早冬音「おっけ」
真冬「うん、よろしくね!」
ヒナ「はい!」
早冬音「……さってとー、花菱までどんくらいかしらねー」
真冬「あ、あれじゃないかな」
ヒナ「ええ、おそらくはそうですわね」
早冬音「あんまり乗り気しないなぁ……。あんたたちはどう?」
真冬「私はドキドキして楽しみかな」
ヒナ「お姉様がいない場所に興味はありませんねえ」
早冬音「相変わらずの姉様ビイキね、安心したわ」
ヒナ「お姉様のお付きでない雲雀ヒナに何の価値がありますか!」
真冬「ヒナちゃん、その濃いキャラは花菱ではなるべく隠そうね」
ヒナ「善処いたします」
早冬音「無理っぽい……」

3名無しさん:2015/02/07(土) 01:26:40
甲斐「というわけで明日から三人転校生が来る。こういう事は当日付けで発表するものかもしれんが……」
甲斐「いきなり三人もクラスメイトが増えて戸惑うところもあるだろう。だが仲良くしろ」
甲斐「少なくとも私に手を煩わせるような真似はするな、以上。寄り道せずにまっすぐ帰れ」

甲斐「フッ……」
吉竹「どうでした? 事前告知は」
甲斐「万事抜かりない。後は生徒の問題だ」
吉竹「はあ……私は他人事ですから。いいんですけど」
甲斐「何故聞いた、貴様」
吉竹「聞いてほしそうにしていたので。……はい」
甲斐「何だこれは」
吉竹「コピー。十部」
甲斐「貴様でやれ貴様でェ! 私はこれから出かける用事があると言っただろうが!」
吉竹「女ですか?」
甲斐「馬鹿が、女にかまけている暇など無い」
吉竹「……あんまり一生徒の家庭に入り込まない方がいいですよ、得しないです」
甲斐「一生徒を放った時点で教師としては失格だ。私は常に完璧を目指す」
吉竹「通報された癖に……」
甲斐「黙れっ! ……このまま藍坂を卒業させては私は一生私を許せん。クッ、二年時から担任であれば……」
吉竹「……ばっかみたい……」
甲斐「コピーだ」スッ
吉竹「はいどうも。さっさと行ってください暑苦しい」
甲斐「こことここの表現がおかしいここに脱字が一つそしてこのレイアウトを変更しろ後は及第点だ」バッ
吉竹「うざ」

4名無しさん:2015/02/07(土) 02:01:19
【ホテル】

早冬音「たかが三人だけのためにスイートルーム全貸切とはよくやるわね……」
真冬「ベッドふかふかー!」ボヨンボヨン
ヒナ「……ベッドで跳ねてお胸も跳ねる……」ペタペタ
早冬音「……何やってんのよ」ジトーッ
真冬「早冬音ちゃんも一緒に飛ぼうよ!」
早冬音「飛ばない」
真冬「えー。ヒナちゃんもどう?」
ヒナ「わ、わたしは……その……」
早冬音「ほら、ヒナを巻き込まない。とりあえず部屋の振り分けだけど」
真冬「せっかくベッドがトリプルサイズなんだし、みんな一緒のお部屋でいいんじゃないかな」
ヒナ「分家にはちょっと恐れ多いんですが……」
早冬音「ヒナの言い分はともかく、ワンフロア貸切の意味ないでしょうが。ムダ金じゃないの」
真冬「いいんじゃない? どうせお金なんて有り余ってるし」
早冬音「……」
ヒナ「……」
真冬「ど、どうしたの?」
早冬音「あんたが本家のお嬢様だってこと改めて認識したのよ」
ヒナ「同意です……」
真冬「え? あれ? なんか責められてる?」
ヒナ「責めてはないですけど……」
早冬音「まあいいのよ、あんたの価値観はいずれ私が矯正してあげるわ」
真冬「うん。それで、早冬音ちゃん……部屋はどうするの? 私はみんな一緒がいいな」
早冬音「みんな一緒ってねえあんた、子供じゃないんだから……」
真冬「子供だよ、私たち」
早冬音「いやまあ……そうだけど……。ヒナ、ちょっと何とか言ってやってよ」
ヒナ「ベッド……広い……お風呂……千夏お姉様と同衾したい……」
早冬音「あんたに聞いた私がバカだった」
真冬「いいじゃない、みんな一緒で」
早冬音「あんたこれ修学旅行かなんかだと勘違いしてるでしょ」
真冬「違うの?」
早冬音「違うわよ!」
ヒナ「……あ、すごい、ベッドふかふか」ポヨーン
真冬「でしょー!」
早冬音「でしょー! じゃないっつーの……」
早冬音(月伊に来てる自覚あんのかしらほんと……)
早冬音「はぁ……」
ヒナ「これすごいですね!」
真冬「ヒナちゃん見てて! いま、私は鳥になる!」バッ
早冬音「真冬ァ!」

5名無しさん:2015/02/07(土) 02:07:47
七島「相変わらず台風のようだね、彼は……」
吉竹「馬鹿ですから」
七島「はっはは……いやあいいものさ、熱血馬鹿はねえ」
吉竹「……そうですか? 教師なんてリスク管理が物を言う仕事だと思いますけど」
七島「うん、そういう見方もある、そういう見方もね……。何が正解かは自分で決めるといい」
吉竹「七島先生はどのように?」
七島「はっは。私は彼ほど若くないからねえ……立ち回りで勝負するしかないのさ」
七島「目を付けられないように、綱渡りは生徒だけに見せればいいのさ。警察なんて部外者は門前払いでね」
七島「しかし彼の様に最短距離でゴリゴリ行く方が、きっと解決は早いんじゃないかな……」
吉竹「お二人とも利口じゃありませんね。生徒が卒業さえすれば関係ない話なのに」
七島「なあに、こちとら何しようが定年まで逃げ切りゃ勝ちさ。ひっひっひ」
吉竹「……」
七島「それに吉竹くんも教師として大事な資格を持っている。胸を張ると良い」
吉竹「……なんです?」
七島「女教師と言えば巨乳。その点で言えば吉竹くんは立派に……」
吉竹「無事に定年迎えたいなら黙ってください」
七島「くわばらくわばらと……じゃあお先に失礼」
吉竹「はい」
七島「吉竹さんはまだお仕事ですかな?」
吉竹「明日までに作りたい資料があるので」
七島「……そうですかそうですか、じゃあお先に」
吉竹「お疲れ様でした」

吉竹「……ふぁーあ……」
吉竹(ヒマ……)

甲斐「くそっ……今日も留守とは……一体何をしているんだ藍坂の両親は……」
吉竹「また無駄足ですか」
甲斐「伝言を入れておいたのにも関わらずっ……だ……! かといって藍坂本人に極力負担を掛けたくはない故に行動が制限され」
吉竹「はいはい結局無駄な努力というわけで……お先に失礼します」
甲斐「待て話を聞け知恵を貸せ! 何か明日までにする作業はないのか手伝ってやらんこともないぞ」
吉竹「そんなもの残してないですもうあがります」
甲斐「ぐっ……では何故こんな時間まで残っている」
吉竹「さっき終わったので」
甲斐「明日の転入生のこともある。話に付きあえ」
吉竹「私はそんなに暇じゃないです」
甲斐「食事だ、食事のついでだ」
吉竹「ということは……?」
甲斐「……ということは……?」
吉竹「」マネーサイン
甲斐「守銭奴が!」

6名無しさん:2015/02/09(月) 03:58:44
吉竹「モダン焼きと焼きそばと焼き鳥タレ塩二皿ずつ」
甲斐「貴様には遠慮と言う概念がないのか?」
吉竹「あと生一つ」
甲斐「ああ、その生は食後に持ってきてくれ。こいつの変わった拘りなのだハハハ。ウーロン二つ」
吉竹「は?」
甲斐「ああよろしく頼む以上で」

吉竹「食後にビール飲む趣味はないんですけど」
甲斐「酔った貴様相手に話をするのであれば飯など奢らんわ」
吉竹「ビール一杯ぐらいで酔いませんけど」
甲斐「寝言は寝て言え。……なんなら私は帰っても構わんぞ」
吉竹「……じゃあ皿うどん追加しますけど」
甲斐「貴様……貴様は……そんな風に己の欲も抑えられんからあっちもこっちも無様な贅肉がついているのだ!」
吉竹「お姉さん、皿うどんと豚角煮と煮玉子追加」
甲斐「…………」
吉竹「それで話とは?」
甲斐「ああ、藍坂のことだが……」
吉竹「はい」
甲斐「私としてはどこまでも踏み込んでいく覚悟はある。……しかし藍坂の方はどうかと思ってな」
吉竹「はあ……というと?」
甲斐「……推測に過ぎないからこそ様々な意見が欲しいと言うことを前提として聞け」
甲斐「藍坂は助けを求めている。……少なくとも今の状況から抜け出して……普通の幸せを得たいと思っている」
吉竹「でしょうね。誰だってそう見えますけど」
甲斐「……だが同時に……今の自分を周りに知られたくない見られたくない、同情されたくない不幸だと思われたくない……」
甲斐「そういった感情も強く……あるのではないだろうか、と」
吉竹「さあ……そこまでは」
甲斐「そうした藍坂の感情を察せずに善人面で手を差し伸べるような行為は尊厳を大きく傷つけかねない」
甲斐「故に完璧な問題解決とは言い難い。そんなものはこの甲斐̪志宝の望むところではないというわけだ」
吉竹「ようするに彼女にそういった感情があるかどうかを聞きたいと?」パキッ
甲斐「そんなところだ」
吉竹「ま……大凡二種類でしょうけど。自分が不幸だと思いたくないか……自分を不幸だと見られたくないか」モグモグ
甲斐「藍坂は素直で柔らかい性格だ。根は真面目で根気強く協調性も高い。だからこそ周りからの視線はどうしても気にかかるだろう」
吉竹「甲斐先生は後者だと」カシャン
甲斐「そういうことだ。あと680円を40秒で消費するのは止めろ」

7名無しさん:2015/02/09(月) 04:18:09
吉竹「……そんなこと言っても結局本人以外分からないでしょ」
甲斐「そうだ。だが迂闊に踏み込んでいい領域でもない」
吉竹「迂闊に踏み込んじゃいけない領域に土足で踏み込む馬鹿の台詞じゃないですけど」モグモグ
甲斐「茶化すな」
吉竹「考えても無駄ってこと……どうせ回りくどいことなんて出来ないし、それは悪手でしょう」
吉竹「出たとこ勝負で突っ込んで行って何とかするのが貴方ですし。ただ私を巻き込まないでいただければ」
甲斐「私個人の話ならそれでいい、が……。しかし……そうだな……あまり時間もない」
吉竹「卒業まではひのふの……」
甲斐「その前に修学旅行があるだろう。藍坂の居ないそれを私は認めるつもりがない」
吉竹「積立金は?」
甲斐「金などどうとでもする」
吉竹「貧乏なのにですか」モグモグ
甲斐「貴様の食っているそれは誰の金だ」
吉竹「それはそれこれはこれ。……で?」
甲斐「む?」
吉竹「結局何を相談したいんですか」
甲斐「何か上手く……藍坂にこのことを伝えたい。家庭状況の改善も勿論のこと……出来れば……」
甲斐「進学まで考えてほしい」
吉竹「進学ですか。そこまで面倒見ますか?」
甲斐「こればかりは親の承認もいる。家庭環境を何とかしないことにはな」
甲斐「藍坂は他の生徒に比べ格段にハードな生活を送っているが必ず学校には来る。それも皆勤賞物でだ」
甲斐「藍坂にとって其処が大きなものであることは間違いないのだ。進学しないことでそれを失い……」
甲斐「更に『自分は普通じゃない』という考えが強く根付いてしまう恐れもある」
吉竹「修学旅行も似たような考えと?」
甲斐「そういうことだ。……旅行を通して藍坂の中で意志が生まれればなお良いが」
吉竹「何度も言いますけど卒業まで待てば他人ですよ」
甲斐「……」
吉竹「問題を起こせば甲斐先生の一生に影響します。毎年送り出す一生徒の問題に一々首を突っ込んでいればいずれ確実に」
吉竹「私たちはただ淡々と卒業まで見守ればいいんですよ。その後勝手に個人で解決するかもしれませんし」
甲斐「そうだな」
吉竹「そうです」
甲斐「……」
吉竹「……結局、私が何言ってもやるんですね」
甲斐「ああ、やるね」
吉竹「相談のされがいがないったらないです」

8名無しさん:2015/02/09(月) 04:28:40
吉竹「甲斐先生……」
甲斐「何だ」
吉竹「ここどこですか……?」
甲斐「貴様の家路だ」
吉竹「……いつのまに……」
甲斐「例のごとく飲むなりすぐに潰れてこのザマだ」
吉竹「あー……そうでしたか……」
甲斐「……降りろ」
吉竹「いやです、めんどうくさい」
甲斐「……」
吉竹「……藍坂さんの話は……ちゃんとつきあいました?」
甲斐「少しは参考になる部分もあった。……やはり切っ掛けを手探りする状態だが」
吉竹「ですか。……そういえば転入生……来るんですよね」
甲斐「そうだな。……しかしそれに期待するわけにもいかんだろう。彼女らもこれから大変だろうしな」
甲斐「望みは全ての生徒に最高の学校生活だ。誰かの為に誰かに窮屈な思いをさせたり役目を押しつけるわけにはいかない」
吉竹「……甲斐先生」
甲斐「何だ」
吉竹「……私に何かできることは……?」
甲斐「……そうだな……」
吉竹「……」
甲斐「とりあえずは痩せろ、重くて敵わん」
吉竹「うざ」

9名無しさん:2015/02/09(月) 14:57:03
【職員室】

甲斐「三門の斑鳩女史から話は聞いている。そっちが斑鳩早冬音、こっちが雲雀ヒナだな」
早冬音「ええ。よろしくお願いします」
ヒナ「よろしくです」
甲斐「私は貴様たちの担任になる甲斐だ。……話では転入生は三人だったはずだな? 斑鳩真冬はどうした」
早冬音「昨晩夜更かしし過ぎて体調が悪いとかで……午後には来るかと」
甲斐「……まあいい、登校し次第説教だな」
早冬音「お手柔らかに」
甲斐「……転入生のことは昨日クラスに伝えてある。後は貴様らの心構え次第だが……どうだ?」
ヒナ「大丈夫ですよ」
早冬音「特に問題はありませんね」
甲斐「ならば良い。そろそろホームルームだ、着いてこい」
ヒナ「はーい」
早冬音(お堅そうな教師ね……まぁ三門の元担任よりは数倍良いわ)

10名無しさん:2015/02/09(月) 21:59:04
【クラス】

甲斐「昨日も伝えた通り今日からこのクラスに転入生が来る」
甲斐「仲良くするように。それでは斑鳩、雲雀、入ってこい」

翡翠(斑鳩……?)

早冬音「……」スタスタ
ヒナ「……」スタスタ
甲斐「よし、自己紹介しろ」
早冬音「三門島の鷹月分校から来ました、斑鳩早冬音です」
早冬音「よろしくお願いします」ペコリ

翡翠「……」
ミキ(ほぇー……二人とも可愛い子だなぁ)
摩耶(三門島……ですか)

ヒナ「同じく三門の鷹月分校から来ました、雲雀ヒナでーす。よろしく!」

早冬音「くく……キャラ作りは万全ね」ボソッ
ヒナ「い、いいじゃないですか……三門では息苦しいんですから、ガス抜きです」ボソッ
早冬音「そんなこと言える癖に、何が息苦しいのやら……」クスッ

甲斐「よし、皆仲良くしろよ」
モブ「あれ、転入生って三人じゃなかったんですか?」
甲斐「もう一人は遅刻だそうだ。……それでは斑鳩はあそこ、雲雀はあの席に座れ」
早冬音「わかりました」
ヒナ「はーい先生」

***

早冬音「さて、と……よろしくね」
ミキ「あ、うん。よろしく……」

***

ヒナ「どうも! よろしくです!」
翡翠「…………どうも」
ヒナ(騒がしいのは逆効果っぽい? ま、いいか)

***

11名無しさん:2015/02/09(月) 22:42:10
翡翠(三門の斑鳩っていうとあの斑鳩だろうけど……まあ無害なら)
翡翠(……むしろ少しくらいは内情を知ってた方が……)
翡翠(そもそもこの時期に転入っていうのが胡散臭い)
ヒナ「えーっと……」
翡翠(御浦聡介にでもカマかけるのが最善)
ヒナ「師走さん? でいいのかな?」
翡翠「……ん?」
ヒナ「教科書とか見せてもらえると嬉しいなーって」
翡翠「引き出しの中」
ヒナ「え? ……あれ?」
翡翠「昨日甲斐先生が仕込んでた。向こうとこっちで進行度が違うだろうからってメモ付きで」
ヒナ「そ、そうなんだ……うわ、イラストとか……」
翡翠「……」パラ
ヒナ(あっ……会話終了したことになってる)

ミキ「うーん……ふぁあ」
早冬音「……大丈夫? 何か眠そう」
ミキ「あー大丈夫大丈夫、えーっと早冬音ちゃん?」
早冬音「ええ、よろしく」
ミキ「よろしくー……この時期に転入って大変じゃない?」
早冬音「まあ色々……家庭の事情? ってやつかな」
早冬音(ある意味)
ミキ「……家庭の事情、か。まあとにかく、仲良くしてね」
早冬音「ええこちらこそ」
ミキ「一時間目英語で二時間目体育だけど、体操着ってあるの?」
早冬音「ああ、前の学校のだけど持ってきてあるわ」
ミキ「うちのジャージダサいからそっちの方がいいかも……」

摩耶(ミキは相変わらずすぐ打ち解け翡翠は前途多難と)
摩耶(ふうむ、出番がないのは望むところじゃありませんね……)
摩耶(とはいえもう授業が始まりますから次の休憩時間に……触診もかねて、ふふ)

12名無しさん:2015/02/09(月) 23:05:16
【休み時間】

ミキ「ふう……終わった終わった……」
早冬音「よほど眠かったのね。船漕いでたわよ」
ミキ「あはは……まーねぇ」
早冬音「次は体育でしょう? 怪我しないようにね」
ミキ「あ、うん、ありがとね」
早冬音「ええ……、と、あら……」パカッ
ミキ「さ、流石に堂々とケータイ開いてたらマズいんじゃないかな」
早冬音「ふふ、校則は破るためにあるものよ」
ミキ「はは……早冬音ちゃんってもしかして不良……?」
早冬音「かもね。それより着替えはどこですればいいのかしら?」
ミキ「あ、女子更衣室はこっちだから案内するよ」
早冬音「男子は移動してないようだけど」
ミキ「男子は教室で着替えだからね」
早冬音「あらそう、最高に見ものだわ」
ミキ「え?」


ヒナ「しーわーすさん」
翡翠「……なにか?」
ヒナ「私も更衣室に案内していただけますか?」
翡翠「……」スッ
ヒナ(距離を図りかねますね。真冬様たちとはまた違って難しい)
翡翠「……」スタスタ
ヒナ「あら……」
ヒナ(ミスったかー。仕方ない、早冬音様たちに……」
翡翠「……雲雀さん」
ヒナ「はい?」
翡翠「……案内するけど、着いてこないの」
ヒナ「……おっとぉ! ありがとうございます、師走さん!」

***

モブ「転入生可愛かったなあどっちも」ヌギヌギ
モブ「綺麗めの斑鳩か、小動物系の雲雀か」ヌギヌギ
モブ「なんで女子の隣が女子なんだよなぁ……」ヌギヌギ

ドタドタドタドタ

真冬「斑鳩真冬ッ! ただいま登校しましたぁ! よっろしくっ☆」ガラッ

モブ「…………」
真冬「…………」
モブ「…………」
真冬「お、お着替え中でしたか……」
真冬「失礼しましたッッッ!」

ガラッ ピシャッ
ドドドドドドド

真冬『早冬音ちゃーん! ヒナちゃーん! どこー!?」


モブ「も、もしかしてあの子が最後の……?」
モブ「あ、ああ……」
モブ「……、……い」


「イヤッホォォォォォォォゥ!!!!」

13名無しさん:2015/02/09(月) 23:30:15
摩耶「あら翡翠と雲雀さんお早いんですね」
翡翠「摩耶程ではない。……警告しておくと摩耶の傍で着替えるのはお勧めしない」
ヒナ「へ?」
翡翠「毎度更衣室ダッシュもどうかと思うが」ヌギ
摩耶「何を言うのです翡翠、私は皆等しくクラスメイトの成長をこの目に焼き付けておく必要があります」
ヒナ「……はいっ」
摩耶「はい雲雀さん」
ヒナ「摩耶さん? ってひょっとしてそういう……」
摩耶「あら。あらあら」
翡翠「それならまだいい」
摩耶「残念ながら違います、ただ女人の美しさを理解してこそ己の研鑽に繋がると言う事です」
ヒナ「?」
翡翠「転入生にあまり妙な洗脳を施すのは止めるよう」
摩耶「単純明快に言えば皆さんのエロスが私のエロスを更に磨き上げると言う事ですよ」
ヒナ「」
翡翠「単純明快に言うなら摩耶は変態の一言」
摩耶「男子の妄想の的にされる、性欲の捌け口に(脳内で)一方的に使われる恍惚感……ああ、たまりませんね」
翡翠「無視していい」
摩耶「だから体育の授業は大好きです、嗚呼……しかし、今日は雲雀さんと斑鳩さんがいますから」
摩耶「当面はそちらに目が行きそうですね、ふふ、心躍ります……この私が独占ではなく妄想のローテーション要因にされるという背徳感」
ヒナ「はは……」
翡翠(反応が薄い……普段から変人に囲まれていると見た)
摩耶「というわけで私お友達が少ないので、どうぞよしなに」
ヒナ「あ、うん、よろしくね!」
摩耶「有難う御座います。ところで百合がらみ枠要員に使われることに興味はありますか? 雲雀さん」ズイ
ガラッ
ミキ「あ、摩耶が雲雀さんに絡んでる」
早冬音「……この状況、なんて言ったかしら?」
ミキ「壁ドン?」
翡翠(一向に着替える気配がない)

14名無しさん:2015/02/10(火) 07:50:27
ヒナ「あ、早冬音さm……さん、助けて」
早冬音「いいじゃないヒナ、女の子同士の練習になって」ヌギ
摩耶「さあさあいかがですか?」
ヒナ「ひどい……」
ミキ「翡翠、どうしたの?」
翡翠「摩耶の悪いくせが出た」
ミキ「ああ、うん……」
早冬音「あ、そういえばそちらの二人にはまだ挨拶してなかったわね」
早冬音「改めまして、斑鳩早冬音よ。よろしくね、東雲さんと師走さん」
摩耶「あらあら……自己紹介した覚えはありませんが……」
摩耶「斑鳩さんのような女性に名前を覚えていただいているならば、瑣末なことですね。東雲摩耶です、どうぞよしなに」
早冬音「ええ、よろしくね」
ヒナ「呑気に自己紹介してないで私を助けてもらえませんかねえ……」
早冬音「ファイトよヒナ」
翡翠(斑鳩……いや、考え過ぎか……)
早冬音「師走さんも、驚かせてごめんなさい」
翡翠「いや……別に驚いてはいない。三門には足を運ぶことも多いし」
早冬音「そうね、よく御浦さんや伊吹さんと遊んでるのを見かけてたから」
翡翠「道理で。ただ誤解を訂正しておくと、伊吹おn……さんはともかく、御浦聡介とは遊んでいるわけじゃない。絡まれているだけ」
早冬音「あら、それは失礼」
ミキ「意外なところで接点があるもんだね」
ヒナ「諸島は狭いし三門はさらに小さいですからねぇ」
ミキ「あ、逃げおおせたんだ……」
摩耶「体育の後も着替えがありますから……うふふ」
ヒナ「ジャージで過ごしていいかな……」
早冬音「ダメよ、校則違反」
ヒナ「自分だってガッツリ校則違反してるくせにぃ……早冬音さんのいけず」

ドタドタドタドタ ガラッ

真冬「やった! 間に合った! 斑鳩真冬ただいま着任!」ピシッ
早冬音「……」
真冬「あ、早冬音ちゃん。酷いよ教室に男の子しかいなかったじゃない。恥ずかしかったんだよ!?」
早冬音「寝坊した罰。いいから着替えなさい」
真冬「あ、うん……ってジャージ忘れたっ! どうしよう!?」
早冬音「だろうと思ったわよ、ほら」ヒョイ
真冬「あ、ありがとう早冬音ちゃん!」

摩耶「息があっていますね」
ヒナ「二人は従姉妹だからね」
ミキ「なるほど……」

15名無しさん:2015/02/11(水) 04:26:35
摩耶「……! 真冬さんとはこれから長いお付き合いになりそうですね」
真冬「え?」
摩耶「主に男性の脳内で濃厚なお付き合いをすることになりそうで……ふふ」
翡翠「こういう人間だからあまり気にしなくていい」
ミキ「摩耶は思ったことそのまま口に出しちゃう病気だからね……」
早冬音「竹を割ったような性格は嫌いじゃないわよ」
ミキ「摩耶はもう竹を砕いてるっていうか……クラスメイトに直接『下等な猿』とか言うし」
ヒナ「えー、何か私も一回言ってみたいそれ」
早冬音「言ってもいいわよ、私に」ポンポン
ヒナ「あっ、余命一日を宣告されても無理です」
真冬「私もいいよヒナちゃん?」ポンポン
ヒナ「うん、余命一秒を宣告されても無理です」
ミキ「それは物理的に無理だと思う」
摩耶「何でしょう……お猿さんを見たら子供は『あっお猿さんだ』と言いますよね? だから私も下等な猿を見て『やかましい猿ですね』と言うだけなのですが……」
翡翠「子供と同レベルということになるんだが……」
摩耶「あらおかしい、ふふ」
早冬音「でも東雲さんは男子受けは良さそうだけど? これみたいに」ぐりぐり
真冬「ちょ、ちょっと今脱いでるから転ぶってば早冬音ちゃん!」
摩耶「うーんどうでしょう? 体操服やらなにやらを盗まれることを『男子受けが良い』とするのであればそうかもしれませんね」
摩耶「生意気とか上から目線とか性格が良くないとか売りをやっているとか凌辱したいとかそういった評判のようですねえ」
翡翠「グラビアアイドル故の風評被害もある」
早冬音「グラビアアイドル? へえ……」
摩耶「そうそう、この間私のグラビアが載った雑誌が机に入れてありまして、不思議に思って開こうとしたらバリバリと妙な手ごたえが」
ヒナ「……」
早冬音「……」
真冬「……」
翡翠「本人が気にしてないからあまり気にする必要はない」
ミキ「最初は強がってるだけだと思ってたけど本当に気にしてないどころかむしろ喜んでるんだよね……私は想像しただけで吐きそう」
摩耶「おかしいでしょうか? それだけ私が手の届かない存在だと言う証明でもあると思うのですが……」
ミキ「ま、まあ実際問題摩耶はモテるしね! 告白とかも結構されてるし!」
翡翠「俺だけが東雲をわかってやれる系男子推定50人前後が居るから」
摩耶「ふふ、猿風情が私をわかってやれるだなどど……うふふ」
早冬音(三門だけかと思ってたら月伊も結構あれなのね……)
ヒナ(バリバリ……?)
真冬「……起こして……」
早冬音「何で床に這いつくばってるのよアンタは」
真冬「早冬音ちゃんが脱いでる時にぐりぐりするから絡まって転んでごろんごろんと……うう」
ヒナ「とにかくそろそろ本格的に時間が……」
ミキ「あー、今日何やるのかなー体育」
翡翠「あと二週はマット運動らしい」
ミキ「マット運動ってさあ……退屈だよね……寝ちゃいそうになるのあのマット……」
摩耶「でも淫猥な響きもありますよね、マット運動」
翡翠「それは違うマット運動だから」

16名無しさん:2015/02/11(水) 09:05:48
【体育の授業】

早冬音「マット運動ってほんと退屈よね」
ミキ「それは同感……ふわぁ」
早冬音「球技が良いわよね、やるなら……」
ミキ「あんまり激しい動きないからね」
早冬音「まあ真冬の一部分は激しく運動してるみたいだけど」


真冬「斑鳩真冬、倒立前転行きます!」
真冬「見ててヒナちゃん! 補助はなくとも、私はやれる!」バッ

ボヨンボヨン

ヒナ「それはいいんですけど、真冬さんいつもよりやけに跳ねてませんか?」
真冬「テンション高いからじゃないかな! 今日のわたしは千夏お姉様よりハイだよ!」
ヒナ「いや、真冬さん自身じゃなくて。……というか、下着の線が見えないんですけど」
真冬「えっ!?」
ヒナ「あの……真冬さんもしかして下着外したままなんじゃ」
真冬「そ、そういえば……着替える時になんかきつかったから外したんだっけ……?」
ヒナ「……」
真冬「大丈夫大丈夫、モーマンタイ! ちょっと痛いけど」
ヒナ「全然大丈夫じゃないしそもそも男子の視線とかありますからね!?」
真冬「でも摩耶ちゃんは快感に変えるんでしょ? 私だって!」
ヒナ「真似しなくていいんですってば!」


早冬音「ほらね」
ミキ「もしかして……真冬ちゃんってもしかして摩耶と似てるのかな?」
早冬音「さあ。コスプレが趣味だし、見られることに抵抗はないのかもね」
ミキ「コスプレ……」
早冬音「意外と話が合うのかもね、あのふたりは」
真冬「早冬音ちゃーん、ミキちゃーん、呼んだ?」
早冬音「呼んでない。いいから真面目にマット運動しなさいよ、倒立前転の途中でしょうが」
真冬「ぶー。そういう早冬音ちゃんは終わったの? 先生に怒られるよ」
早冬音「空中宙返りと三回転捻り見せて黙らせたわ」
ミキ「そんなことしてたの!?」


摩耶「……」
翡翠「よっと……、ん? どうした摩耶」
摩耶「いえ、やはり真冬さんは私の見込んだ通りの方でした、と」
翡翠「ああ、男子の視線が向こうに向いてるって?」
摩耶「インパクトのある初登場から衆目の前でノーブラ宣言ですから」
翡翠「そんなことしてたのか……」
摩耶「いよいよ私も妄想のローテ要因ですか……これはますます磨きをかけねばなりませんね」
翡翠「もう何を言っても無駄だと思うのでノーコメント」
摩耶「うふふ、これからの学校生活が楽しみですね」

17名無しさん:2015/02/12(木) 21:38:34
ヒナ「摩耶さんと師走さんはやらないんですか? 運動」
翡翠「体育は別段頑張らなくてもある程度成績は保障されるし」
摩耶「体を動かすのはあまり好きではないので」
ヒナ「現代っ子だなあ、ダメだよそんなんじゃ」
翡翠「体育の授業で張り切る方がちょっと……」
摩耶「今時珍しいですよね」
ヒナ「ま、摩耶さんはほら、男子を誘惑しないと……見て、あの真冬さんを!」
摩耶「揺らせばいいと言うものでもありません」
ヒナ「途端に冷静!?」
摩耶「真冬さんが天真爛漫なように私には私のやり方があるということです……ふふ」
翡翠「マット運動は自分の番が来たら一回教師に見せればそれでいい」
早冬音「楽できるところは楽した方がいいわよ」
ヒナ「早冬音さんまで……あれ? ミキさんは?」
早冬音「あっちの裏のマットで寝てるわよ」
ヒナ「何で!?」
摩耶「さすがはミキですね、発見者の性欲を煽るには絶好の状況を作り出しています」
早冬音「何かあの子、目に見えて疲れてるみたいだけど大丈夫なの?」
翡翠「……ミキは色々あるから」
早冬音「色々?」
翡翠「そう。……色々」
早冬音「……そ。色々ね」
摩耶「そうそう、聞こうとしていたことを忘れていました。御三方に恋人はいらっしゃるのですか?」
翡翠「唐突に女子中学生トークを始めていくスタイル」

18名無しさん:2015/02/12(木) 21:52:29
早冬音「恋人ね……。惚れてる相手はいるわよ」
摩耶「あら、正直ですね」
翡翠「……まさかとは思うが……」
早冬音「御浦さんではないわ」
ヒナ「あのクソ男に惚れる要素なんてないですよ」
翡翠「そこはまあ、全面的に同意するが……」チラッ
摩耶「どうして皆聡介様の魅力に気が付かれないのでしょう?」
早冬音「……え?」
ヒナ「東雲さんの目を覚ましてあげた方がいいと思うんだけど……」
翡翠「もう何度も言ってるけどダメ」
早冬音「そ、そうなんだ……」
ヒナ「まったく理解できない……」
早冬音「まぁあんたの場合は御浦さんが恋敵だもんね」
摩耶「あら……聡介様が恋敵ということは……あらあら……?」
ヒナ「や、その、あはは……」
早冬音「まあ結論から言うと私たち三人に恋人はいないわ」
翡翠「なるほど。……ちなみに男子が聞き耳を立てている件についてなにかコメントは」
早冬音「真冬はねらい目じゃない?」
ヒナ「早冬音さんって真冬さんのことからかうの大好きですよね……」
早冬音「ヒナをからかうのも好きよ?」ポンポン
ヒナ「頭撫でないで下さいよぉ」
早冬音「だって手置きやすいんだもの」

真冬「話は聞いたよ!」ババーン
真冬「そんな面白い話に私を混ぜないなんてひどいなあ。恋バナしようよコイバナ!」
真冬「ちなみに私は好きな人も恋人もいないけど……翡翠ちゃんたちはどうなの?」
真冬「聡介さんとよく遊んでるの見たことあるよ?」
翡翠「さっきも言った気はするが、あれとは遊んでいるのではなく絡まれているだけ」

19名無しさん:2015/02/13(金) 03:08:56
翡翠「私は現状誰かに恋愛感情を抱いたことはない」
真冬「これっぽっちも?」
翡翠「ない。こっちの二人の話で個人的には胸焼け気味なくらい」
摩耶「私は聡介様には相手にされていませんから、あまり惚気ても居ないでしょう?」
翡翠「私としてはそっちの方が安心……とはいえ、不本意ながらも応援はしてる」
摩耶「ふふ、ありがとうございます」
ヒナ「あんなクズのどこが……」
摩耶「……クズ……」
早冬音「ヒナ、程々にしなさいよ。あんただって好きな人を酷く言われたら嫌でしょうに」
ヒナ「う……す、すみません」
摩耶「ふふ、聡介様はクズだから素敵だとは思いませんか? 一生私に養われる駄目ヒモとして過ごしてほしいものです」
早冬音「ええ……」
翡翠「母性本能? にも良し悪しがあると思うが」
真冬「そういえば二人と言うとミキちゃんも?」
翡翠「そっちは全面的に応援している。寧ろ最良」
摩耶「庚薫さん……でしたね。好青年は私のタイプではありませんので私も全面的に応援しています」
早冬音「ん? 庚薫ってあの庚薫?」
翡翠「そう。……まあこの話はミキから聞いた方が面白い、色々な意味で」
摩耶「面白いくらい狼狽して可愛いですよ」
早冬音「へえー、それは面白そうね。あとで試すわ」
真冬「ふっふっふ、それじゃあ昼休みに三人で質問攻めにしよう!」
ヒナ「い、いいのかなあ……」
翡翠「いい。常に惚気させるくらいが理想」
摩耶「……あら? 実技が私の番のようですね。では……ふふ」
翡翠(ロクでもないことを考えている気配がする)

【更衣室】
摩耶「ふふ、みなさんスタンディングオベーションでしたね」
翡翠「体育教師だろうと巻き込んでいくのはある意味流石……いや、悪い意味で」
摩耶「使える者はなんでも使っていきますよ。代わりに使われてもさしあげますから御相子です」
ミキ「また何か変なことしてたんだ……」
摩耶「あら、あの歳で独身の中年男性に当分のネタを無償で提供して差し上げただけですよ? 慈愛ですね」
摩耶「その過程で他の男子も良い反応をしていましたけれど……感情移入と言うのは偉大です」
早冬音「真冬が無自覚、東雲さんが作為的……どっちもタチ悪いわねそれ……」
摩耶「勃ちはいいd
ミキ「つ、次の日本史の吉竹先生も男子に人気あるんだよねー!」
摩耶(台詞の途中で……)
ヒナ「へー、美人の先生なの?」
ミキ「うん、ちょっと無気力っていうか気だるげな感じ? だけど……授業はわかりやすいかな、丁寧で」
早冬音「でも寝るんでしょ?」
ミキ「ね、寝ないよもう……うん、多分」

20名無しさん:2015/02/13(金) 19:20:34
ミキ「…………」
早冬音「結局寝てるじゃないの」
ミキ「うぅ、ん……」
早冬音(色々ある、か……。部外者が踏み込むべき領分ではないでしょうね)
早冬音「……」
真冬「早冬音ちゃん……あれ、ミキちゃん寝てるの?」
ヒナ「日本史は私も寝ちゃいましたよ……」
真冬「あは、実は私も」
早冬音「だからあんたらは赤点ランカーなのよ……」
真冬「えへへ……」
ヒナ「もうお昼ですけど起こさないんですか?」
早冬音「結構気持ち良さそうに寝てるからどうしたものかと……」
真冬「あ、それじゃあさヒナちゃん、声帯模写やってよ」
ヒナ「また無茶振り飛ばしますね!? まあ、出来ますけど……」
真冬「お題は薫先輩で!」
早冬音「ああ……そういえば、薫がどうのこうのと……」
真冬「ビックリして飛び起きちゃうね」
ヒナ「いいのかなあ……」
早冬音「いいんじゃない?」
ヒナ「早冬音さm……さんのそのセリフにどれだけ振り回されてるか……」
ヒナ「あーでももうやけですやっちゃります」

ヒナ「藍坂。随分と幸せそうに寝ているな」(薫声)

ミキ「!?」バッ
ミキ「か、かっかかかかか薫さん!?」
ミキ「な、なんでどうしてここにっ!?」
ミキ「って……」

真冬「かわいい」
ヒナ「そ、そうですね、これはなかなか……」
早冬音「おはよ」ヒラヒラ
ミキ「」

21名無しさん:2015/02/23(月) 23:04:46
ミキ「いやー酷い、あんまりひどい……」
翡翠「授業中にもかかわらず爆睡していたミキサイドに問題がある」
ミキ「ふぐっ……ぐうの音も出ない」
早冬音「ぐうぐう寝てたけどね」
ヒナ「現行犯は私だけど首謀者はこっちのお二方なので……」
真冬「ふふ、ヒナちゃん? 共犯に上も下もないよ?」
ヒナ「は、はい……」
ミキ「そんでもって何で薫さんのことが……」
摩耶「コイバナって女子中学生っぽいでしょう?」
翡翠「面白そうな展開になりそうだったから意図的に口が滑った」
ミキ「そっか口が滑って……意図的に?」
真冬「まあまあ細かい話は食事の席で」ガガガ
ヒナ「給食なんですよね? 花菱中学って」
摩耶「ええ、勿論……あちらでは違ったのですか?」
早冬音「生徒の数が数だから、弁当持参だったわね」
ミキ「へえ、お弁当かあ……」
ミキ(月伊でよかった……まだ……)
摩耶「料理の出来る女性と言うのは素敵ですよね」
ミキ(料理が出来てもお金がないとお弁当出来ないしね)
翡翠「摩耶はある意味では常に自分を高めていると言えなくもない」
摩耶「あら、ありがとうございます」
ミキ「お三人は料理とかするの? 普段……私たちは一応、そこそこ?」
翡翠「家庭科レベルなら」
摩耶「翡翠は物覚えが極端にいいので上達がとても早いですよ」
早冬音「料理ねえ……」

22名無しさん:2015/02/25(水) 20:14:14
早冬音「私は得意ではないわね」
ヒナ「……ぷふっ」
早冬音「あーらヒナちゃん何がおかしかったのかしら?」ニッコリ
ヒナ「あっすいません」
ミキ「この反応はつまり?」
真冬「早冬音ちゃんは料理できなくはないよ。見た目がすっごく悪いだけ」
早冬音「こら、真冬!」
摩耶「あらあら」
翡翠「何でもそつなくこなしそうなイメージがあったが」
ヒナ「味は問題ないんですけどね。早冬音さんって芸術家肌なのか見た目に凝ってヤバいもの作るんです」
早冬音「あんた、真冬が味方だと思ってここぞとばかりに攻めるわね……」
ヒナ「たまには、です」
ミキ「ヒナちゃんはどうなの?」
ヒナ「私は食べる専門なので!」フンス
早冬音「あたしを馬鹿に出来る要素ゼロよね」
摩耶「小動物にご飯を上げる感覚を味わえそうですね?」
ヒナ「さりげに馬鹿にされた!?」
真冬「いやー、必死に頬袋にご飯を詰めるヒナちゃんは可愛いのなんのって」
ヒナ「真冬さんまで!?」
翡翠「かく言う真冬嬢は料理を?」
真冬「ふっふっふ……誰が呼んだか三門の二大女料理人とはこの私のこと……!」
真冬「家庭科の時間が楽しみだね! みんなの頬っぺたをブラジルまで届けてあげちゃうよ!」
ミキ「頬っぺたが落ちるって言いたいのかな?」
早冬音「まあこの子の妄言はともかく、実力は確かだわ。斑鳩一と言ってもいい」
ヒナ「逆に言うと真冬さん以外壊滅的なんですけどね」
早冬音「ヒナ、家帰ったらお仕置き」
ヒナ「理不尽!」
摩耶「三門の二大女料理人ということは真冬さん以外にもうひとり?」
真冬「うん、棗先輩って言うんだけどね」
翡翠「なるほど、把握した」


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