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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

449大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:49:17 ID:Bp792GWg0

愛さえもいらなくなったあの世界のように。


だが、それでも絶望には呑まれない。


必ず希望はある。





そんなプラシドを飲み込む巨大な影が。





ブルーベリー色の全裸の巨人が。






「S・トリガー『地獄門 ヘル・ゲート』!」





どこからとも無く微かに聞こえた声とともに突如、青鬼をも飲み込む巨大な影が。


青鬼を呑み込んだ。






^ ^ ^ ^

450大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:52:58 ID:Bp792GWg0


「便利なもんだ。こんな紙切れにこれほどまでの力があるとはな」

「しかし相変わらず気持ち悪い化け物だ、こんなモノを去勢した所で何になるんだ」

青鬼を飲み込んだ影が霧散し、またどこからとも無く声が聞こえた。
プラシドは視界の端の声の主に目を向ける。
その男はかのアカツキの様な軍服を着用し、見知らぬカードを手に持っていた。

途切れながらの声でプラシドが問う。

「…お前は…誰…だ…」
「その…カードは…」

軍服の男が上半身だけのプラシドの存在に気がついた。
だが、その男は一言も話さずプラシドへ背をむけた。
軍服の男は何かを手に取り耳に当てる。通信機器の類だろうか。


「聞こえるかカルロ?そちらの様子はどうだ」


「なら主催に連絡して穴掘る道具でも送ってもらえ」


その言葉から、その態度から、プラシドが軍服の男の正体を察するのは容易であった。

プラシドはテケテケのような歩きでありながらも必死でその男に近づこうとした。


(…こいつは…主催者…?)


(何故俺を…)


「いや、残り志村と江頭に任せてある。終わったら主催の所に戻っていろ」


「俺はまだ仕事がある。切るぞ」


プラシドの手が男に触れようとしたその時、男は通信を切った。
同時に男はその空間から消え、プラシドの手は空を薙いだ。





大破したオデッセイと上半身だけのプラシドただ一人が、そこに残された。

451大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:53:56 ID:Bp792GWg0


【青鬼4(青鬼B)@青鬼】一時退場

【ホンダのオデッセイ@課金騎兵モバマス予告集】大破

【巡音ルカ@VOCALOID】死亡


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)(一丁のみ下半身の腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:今のは…?
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……ルカ…。
6:青鬼を最優先で警戒
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※No.の精神汚染は本ロワでは無効です。
※プラシドのデイバック及び下半身、ルカのデイバックが大破したオデッセイの中に残されています。




¥  ¥  ¥  ¥

452大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:54:41 ID:Bp792GWg0




「後はあの少女アサシンか…」

軍服の男クックは、依頼内容のメモを再確認する。
2体の青鬼と少女アサシンの回収を行う。
回収後三人は参加者として正式登録し直し定時放送の際に再入場させる。
内2体の青鬼は増殖能力を削除。それまでに増殖する可能性のある死体は回収、処置を施し元の場所に戻す。
目的遂行の助けとして余りの支給品を渡すので好きに活用してよい。
但し、参加者との接触はできるかぎり控える事。
他の参加者の手中にあったり協力している場合は致し方ないが、断じて傷つける事の無いように。
メモに描かれたゲームバランスの調整の概要はだいたいそんな感じであった。

そのうち2体の青鬼と少女アサシンの回収を行うのが自分への依頼内容である。

この依頼に対しクックもまた多くの疑問を抱いた。
なぜ主催は最初からこんな事になる可能性もあると気づけなかったのか。
青鬼は増殖能力を削除とあるが、何をする気なのだろう。シモでもちょん切るのか。
何故自分だけベネット達と一緒に蘇生しなかったのか。


「まあ、今気にする事でもないな」

今は依頼の遂行が優先である。
そういう事はベネットに聞けばわかるかもしれない。

気を切り替え、妙に大きな双眼鏡で目標を確認する。
この双眼鏡も支給品となる筈が没になった物である。
覗きのレンズが少し汚れているが、一応使用に耐える物ではあった。

渡された余りの支給品はデイバックにまとめて入れられており、クックはそれを背負う形でここへ来た。
これではまるで参加者の様である。
だがそれも、クックにとっては満更でもなかった。
死んだ筈の自分が蘇ってメイトリックスと再び戦えるのは千載どころか万載一隅の好機である。

あの時、自分はメトリックスと戦い、よく解らないスイカバーのような物が胸を貫き、その命を失った。
元グリーンベレーを自負しておきながら。
それはクックにとって一番受け入れがたい事実であった。

もう一度、メイトリックスと戦いたい。
今度はスイカバーもルームガールもいない場所で。

453大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:55:59 ID:Bp792GWg0
「参加者が二人…やはり協力してると見て間違いないな」

レンズには映ったのは三人の少女。
そのうち質素な衣装をしているのが少女アサシン。
残る二人が暁美ほむら、鹿目まどかであろう。

位置情報の時点からだいたい見当はついていたがやはり協力者がいた。
こうなると面倒である。
戦闘になれば、誰かが傷ついてしまう。自分が犠牲を負う意味も無い。

そうなれば残された手段は話し合いである。
こちらには支給品という取引材料がある。
このデイバックの中にどれくらいの没支給品が入ってるかは知らないが役に立つ物も多いだろう。


クックは、メイトリックスとの戦いを経たからか以前と比べだいぶ慎重になっていた。
主催である以上、今の所命の心配をする必要は無い筈なのだが。


冷酷ながらもその目に闘志の宿る元グリーンベレーが足を踏み出した。


…要はチキンになったとも言えるけどね。


【クック@コマンドー】 主催追加確認

【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

【カルロ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:ジャック及びメアリーの死体の回収


【志村けん@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:四条雛子の死体の回収


【江頭2:50@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:我那覇響の死体の回収

454大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:57:24 ID:Bp792GWg0


【アイテム及びキャラクター説明】
【カルロ@コマンドー】
「見てこい、カルロ!」 でお馴染みのアリアスの兵士たちの一人。
アリアスには「私の兵士は皆愛国者だ」と敬意を払っている一方、
ベネットからは「口だけは達者なトーシローばかり」「ただのカカシですな」と酷評されている。
動画内での彼らの呼び名も専らカカシである。

【志村けん@コマンドー】
カルロと同じくアリアスの兵士たちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が志村けんに似ていた事から命名。

【江頭2:50@コマンドー】
カルロと同じくアリアスのカカシたちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が江頭2:50に(ry

【デーモン・ハンド@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のクリーチャーを1体破壊する。
発売当初から幅広く使われ、黎明期のデュエマを支えてきたS・トリガー付きの呪文。
ジャギを襲った青鬼を回収した。

【地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のタップされていないクリーチャーを1体破壊する。そのクリーチャーよりコストが小さい、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
デーモン・ハンドの相互互換と称されるS・トリガー付きの呪文。
プラシドを襲った青鬼を回収した。

【雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん】
「艦隊これくしょん」に登場する艦娘の一人、雪風の常備する双眼鏡。駆逐艦娘に分類される。
他の駆逐艦娘が魚雷やら単装砲やら連装砲ちゃんやらの武装を持っているのに対し、雪風のみ双眼鏡である。
この理由は担当デザイナーが「史実では多くの軍艦の最期を見てきたとされるので見ることしかできないアイテムとして」とされている。
覗きのレンズが汚れていたのは、雪風の涙のあとが原因。

455 ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:59:40 ID:Bp792GWg0
以上
誰もいないとは言え予約無しの投稿…お許し下さい!
書いててジャギ知的に書き過ぎたかなーと思った(小波感)

456名無しさん:2015/01/03(土) 11:26:37 ID:.oDSWKkY0
一年ぶりの投下サスガダァ…
やっぱりクックもいたか
青鬼は仕方ないね♂ホラゲロワに帰れ状態だったし

457名無しさん:2015/01/03(土) 17:10:14 ID:YZEd72y.0
投下乙です
ジャギ様が目覚め始めた・・・
そしてプラシドはどうなるのか

458名無しさん:2015/01/03(土) 22:12:04 ID:zNGfSpJc0
投下キター

459名無しさん:2015/01/03(土) 23:08:00 ID:nCP4eTfA0
投下乙です。

やはりクックもいたか…。
それにしても志村に江頭ww。

460名無しさん:2015/01/04(日) 21:00:00 ID:ESRFgVRg0
投下乙っす!
ジャギ様奮闘しかし止まらない青鬼無双・・・誰か何とかしてくれえ

461名無しさん:2015/01/05(月) 20:35:10 ID:htiwufrI0
ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201501052030510000.jpg
今大体こんな感じかな
キャラが密集しててマーダーもいる北西部が激戦区になるなあ

462名無しさん:2015/01/07(水) 18:02:56 ID:WOFP8TIY0

投下来るなんてここ最近一番の感動だわ
少し涙ぐんでる

463 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/10(火) 20:27:07 ID:pbtwBC6Q0
久しぶりに投下します

464幕間2:2015/02/10(火) 20:30:28 ID:pbtwBC6Q0
森の中を一台の無骨な車が走る。
その運転席に乗る、一昔前の洋風さを醸し出す男性がハンドルを握る姿が逆に不自然さを醸し出す。

「ふむ、中々に便利だな」

運転席の男性、ケイネスはこのような移動手段があったのだと関心する。
以前ならば見下していたが、科学技術も侮れない物だ。
もしかすれば、根源に至るには科学的なアプローチも必要なのだとすら思えてくる。
徐々に、魔術師としての欲求が沸きあがってくる。そこには地位や名声も関係無い純粋な心情があった。

「おい、そこの車の奴!」

頭の中で如何に科学と魔術を組み合わせるか、計算していたケイネスがふと我に帰る。
前方に二人の筋肉モリモリマッチョマンを見つけたのだ。

「君は、メイトリックスか?」
「そういうアンタは、ディアズに殺された女の……」

車を止めたケイネスの顔僅かに歪む。
失言だったとメイトリックスが後悔するのを察したのか、もう一人の筋肉モリモリマッチョマン、フランクが口を開く。

「あんたは殺し合いに乗ってないって事でいいんだな?
 なら、早速で悪いが聞いてくれ。ちょっとばかし厄介な奴を探しているんだ」

フランクは先ほど遭遇しトチ狂っていた肥満気味の少年の話をする。

「見ていないな。そんな特徴的な子供なら、会えば印象に残るはずだが」
「そうかい。あいつはかなりヤバい、早く見つけ出さなきゃ何をするか分からん」

ヤクでも決めていそうな、あの少年の事だ。
咄嗟の弾みで、人を殺すことも有り得る。考えれば考えるだけ、負の連鎖しか思い浮かばない。
さっさと見つけ拘束でもするのが一番だ。

「なるほど、私も協力したいところだが、少し寄りたいところがあってね」
「寄りたいところ?」
「うむ」

ケイネスは豪華客船に向かっていることを話す。
更に言えば脱出に使えるかもしれない事も付け加える。

「船か……動かせないこともないかもしれないが」
「本当か? メイトリックス」
「ああ、だが人数が足りないと思う。流石に一人や二人ではな」

すると、ケイネスは小さく笑みを浮かべ水銀を操作する。
水銀がうようよと、うねる様を二人に見せながら、ケイネスは口を開く。

「安心してくれ、人数なら私が補おう。君が知識を提供してくれれば問題ない」
「なるほど、そいつは良い。だが、ケンの奴は……」
「しょうがない。それは俺が引き受ける。
 メイトリックス、あんたは彼と一緒に船へ向かってくれ」

キチガイ係りにフランクが立候補した。
確かに、ケンを探すのも大事だが、何より脱出の足も必要だ。
しかも、禁止エリアになるのなら尚更、急がなければならない。
作業を分担するのは悪い案じゃない。

「分かった。頼んだぞフランク」
「ああ、お前も頼むぞ」

メイトリックスがケイネスの車に乗り込み、フランクが急いで駆け出す。

「名乗り遅れていたが、私はケイネス・エルメロイ・アーチボルト。
 四条雛子、我那響、アカツキ、カズマ、不動遊星、ランサー。彼らは殺し合いには乗っていない。
 特に遊星は技術者らしい。あと、ランサーという騎士を名乗る男に出会えば、私が探していると伝えてくれ。
 それから、ブルーベリー色の巨人に気をつけてくれ。神出鬼没で人を食う、何らかの方法で人を同種にする化け物だ!」

フランクが手を上げ了解の合図をする。
それを見たケイネスはアクセルを踏み車を出した。

465幕間2:2015/02/10(火) 20:31:01 ID:pbtwBC6Q0



【H-4/1日目・日中】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中) 魔力消費(極小) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、その為にエスポワールに向かう。可能であれば船も動かす。
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:エスポワールに向かい、可能であれば船を動かす。
1:士、イーノックと合流する
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける
3:なんだこいつ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。


【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小)
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンを追いかける。
2:情報と協力者を集める。
3:ロックオンと男声の女を警戒する。
4:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
5:ミキサーが欲しい…
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。

466 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/10(火) 20:31:57 ID:pbtwBC6Q0
短いですが投下終了です
タイトルは思いつかなかったので適当です

467名無しさん:2015/02/10(火) 20:33:51 ID:BHF2EpMM0
yumeyume

468名無しさん:2015/02/11(水) 06:38:33 ID:dGKVPfSU0
久しぶり乙!
何だか自分も書きたくなってきた

469 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:19:19 ID:aYgn4m.A0
投下します

470自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:20:38 ID:aYgn4m.A0
「な、なんて力だ……!」

星君と龍昇ケンの戦いは星君の劣勢だった。
それほどまでにカブトボーグの力は凄まじい。
……この力に対抗するには、本来のジュラル星人の姿に戻れればあるいは。
そう考える星君だが、現状の手札にないものを思っていても仕方ない。

「止めだぁ! 行け! エレクトリカル・スピードワゴン!!」
「くっ……!?」

エレクトリカル・スピードワゴンの発する青いオーラを起爆剤とした爆発が星君を襲う。
それに巻き込まれた星君は、溜まらず吹き飛ばされる。

「しょうがない」

地の石を強く握り締める。
キルリアに力を与えた、この石を使う時が来た。
新たに力が加われば、この少年など相手にもならないはずだ。
現に握るだけで力が沸いてくる。これならば―――

「まだまだ! エレクトリカル・スピードワゴン!」

ケンが何も知らずカブトボーグを走らせる。
対する星君は地の石の力を借り―――



「待ちなさい。そこまでです」


二人の戦いはそこで中断された。




――――

471自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:21:11 ID:aYgn4m.A0
厄介なことになったと、海東は心の中で舌打ちをした。
早苗たちを上手く誘導し、光写真館へ向かうまではよかった。
しかし、その道中で殺しあっている参加者に遭遇したのは、不運以外のなにものでもない。

(勿論、想定していなかったわけではないが……)

早苗に表向きは正義の仮面ライダーとして行動している以上、殺し合う参加者、それが小学生ほどの子供たちともなれば、尚更止めなければ不自然だ。
うまく言葉で巻いて、無視することも出来たが、不信感を抱かせる可能性もあった。
こうして不本意ながら、仮面ライダーグレイヴこと海東純一は、ケンと星君の戦いに介入する羽目になった。

「なんだこいつ!?」

その張り付いた笑顔に、ケンは色んな意味で戦慄を覚えた。
怪しいを擬人化したかのような存在だ。ケンの中での警戒度はマックスになった。

「駄目ですよ! 君たちみたいな、子供が殺しあったりなんかしたら!」
「うるせーぞ、おま……あっ(一目惚れ)」

そんな張り付いた笑顔のニーサンの横に居たのは天使だった。

「ふつくしい……」

緑色の長髪、透き通るような白い肌、神秘的でありながら、明るく何処か天然さを感じる雰囲気。
ああ、女だ。今まで出会った連中が、走馬灯のように駆け巡る。
今まで会ってきた連中は禄でもなかった。それもあり、やっとまともで美しい女性に出会えた歓喜にケンは打ち震えた。

「いや、いかんいかん。どうせお前も、変な生き物が化けているんだ!!」
「え? 何言ってるんですか、あなた!?」

早苗はいきなり、変な生き物呼ばわりされて困惑する。
当然だ。初対面で、変な生き物呼ばわりなど、失礼極まる。

「君も、金属バットなんて物騒な物はおろしましょう」
「……」

そして、星君は乱入者達を一通り観察していた。
顔が変に歪んでいる男、明るくやかましい女、目つきの悪い少年。
さて、彼らは一体どのようなグループなのか。
まず分かるのは、やかましい女は殺し合いには反対ということだ。これはほぼ間違いない、もし演技であるなら大したものだ。
歪んだ顔の男も、何を考えているか分からないが、少なくとも今すぐに事を起こすことは無いだろう。
残った目つきの悪い少年も、顔の歪んだ男とあまり変わらないと、見ていい。

「聞いてください、僕は彼に襲われたんです」
「襲われた、ですか。マーダーらしい」
「まあ、聞いてください。僕の話を」

流石にケンに加え、新たに現れた三人を相手取るのは無理がある。
ここは上手く相手をあしらい、戦闘を回避した方が良い。
そこで星君は、まず自分が殺し合いに乗っておらず、むしろ襲われた被害者なのだと強調した。

472自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:21:46 ID:aYgn4m.A0
「お前みたいな、可愛い女の子が人間な訳ないだろうが!!」
「か、可愛い? ありがとうございます……じゃなかった、一体どうしたんですか?」
「ああ、聞いてくれ!」

ケンも、自分が如何に被害者であるかを語り始める。


そうして、二人の言い分を纏めると、星君と名乗る少年はケンと名乗る少年に襲われた。
ケンは、目の前で女の子が変な生き物に変身したのを見て、この場に居る女の子はみんな変な生き物で、みんなボコボコにしようと決意し星君を襲った。
どう見ても、ケンが悪いのは誰から見ても明らかである。

「こらケン君、駄目です!」
「何でオレばかり。……でも、もっと叱られたいかも」

話を聞いた早苗は一先ず、二人共怪我が無かった事に安堵し、若干どころかほぼ百%悪いケンを叱るだけに留めた。

「まあいいや。早苗、だったけ?
 俺と一緒に来いよ。天才の俺と居ることを許してやるよ。どうやら、化け物や男の変身じゃなさそうだしな」
「年上を呼び捨てしちゃいけません!」

それにしても随分上から目線の子供だと、早苗は思った。
もしかしたら、凄く酷い家庭環境で育ったのかかもしれない。

(だとしたら、私が正しい方向に、導いてあげなければあげませんね)

早苗は謎の使命感によりケンの更正を決意した。


そして早苗を除く残った三人は、ケンの言動が意味不明すぎてついていけなかった。
女は人間じゃないだの、みんなボコボコにするだの。
正常な人間とは思えない発言の数々だ。

(こいつは早急に切り捨てたいな)

海東は対主催として振る舞い、集団の中に潜むなかで自分の真意に感付く者なども想定し動いてきたが、流石にキチガイまでは考えていない。
早苗が居る以上、表立って殺すのはむずかしいが、何とか理由をつけて別行動を取りたいところだ。

473自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:22:41 ID:aYgn4m.A0
(こいつと組むのはごめんだ)

ムラクモも、同じ思考であった。
もうキチガイはもこみちで十分である。

(こいつらも、何とか殺したいが……何よりも、このキチガイを始末しなければ)

星君からすれば、ここに居る全員は殺しの標的であるが、流石に人数的に不利だ。
ならば、一時的に誤魔化し体制を立て直すべきだが。何をしでかすか分からない、ケンを放置するのはごめんだ。

彼らの考えは、ただケンを排除したいという一点だけ共通した。

「そんなマセちゃって、碌な大人になりませんよ」
「おいおい早苗、良いのか? 俺は首輪を外せるんだぜ」

普通ならばキチガイの狂言だと思われる発言。

「なんだと!?」

だが、その時ムラクモが誰よりも早く反応した。

「首輪を外せるというのは本当なのか!?」
「あ〜ん? まあね、俺天才だし」
「じゃあ、今すぐ……!!」

そう言い掛けたところで、ケンは右手の人差し指を口の前に持って行き、左手の人差し指で首輪を指差した。

(盗聴されている? 首輪にか!?)

「外してやっても良いけど、まっ俺の部下になるならな」

ムラクモは一度、速水もこみちというキチガイに遭遇している。
その際、彼の言動は滅茶苦茶だったが、見事首輪を外してみせていた。
あの時の経験が、ムラクモに妙な信憑性を与えてしまう。

(キチガイには、何か特殊な力があるのか……)

この少年も、もこみちのような存在である可能性は否定できない。
キチガイにはキチガイであるが故の、特殊技能があるのかもしれない。
ならば、今は黙って行動を共にするのも、今は致し方ないか。

対して、海東と星君はただのケンの妄言だと流していたが、ムラクモの反応で些か見方が変わってくる。
あの無感情な少年が、あそこまで必死になるとは余程のことか、いや所詮は子供大した考えもなく騒いだだけなのか。

(ん? あの玩具、カブトボーグか)

ケンの手にしたクワガタの玩具、あれはリュウセイの持っていたカブトボーグに似ている。
何より思い返せば、リュウセイの話していた友人の名前と特徴とも一致している。

「そうか、早苗さん! 彼は龍昇ケン、リュウセイ君の死んだはずの友達では!?」
「あっ、本当に?」

言われてから気付いた早苗が尋ねると、ケンは何処か誇らしげに頷く。

「ああ、リュウセイの友達だよ俺は。凄いだろ?」

主催の放送に紛れ、尚且つ生きていた少年。

(彼のあの首輪、まさかフェイクか?)

首輪を外したが目立つのを避け、機能の死んだ首輪を付けておく。
そうして、主催には死んだと思わせておく。そう考えれば辻褄は合う。
海東の中で、本当に首輪の解除も、可能ではないかとすら思えてきていた。

「ねえ、たなびたいことがあるんだ。ちょっと。僕も一緒に居て良いかな。一人じゃ心細くてネネ、いいだろう?」
「良いですよ星君! 仲間は多いほうが良いですから」

ムラクモと海東の顔色が変わったのを見て、星君もまさかという疑念に駆られる。
ここは一旦彼らに混じるのも、一つの手かもしれない。幸い早苗は来る物拒まずといった様子だ、集団に紛れるのは然程難しくなかった。
それどころか、もう仲間といった始末だ。
早苗の返事を聞きながら、星君は内心ほくそ笑んだ。

首輪の解除が出来るなら、それに越した事はない。
海東もムラクモも星君も、自らの思惑を隠し集団に紛れ込む。
何も知らないのは、東風谷早苗ただ一人。



まあ全部深読みで、ケンの妄言なのだが、彼らは知る由もなかった。

474自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:23:08 ID:aYgn4m.A0


【G-04/1日目・午後】


【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN、AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 0:ケンに首輪が外せるのなら利用する。今は様子見。
 1:光写真館に向かう。
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗とムラクモと行動を共にする。
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限を何とかしたい。
 6:ディケイドにも制限が?
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
 8:光写真館に少し興味。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小)
[装備]無し
[道具]基本支給品
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:ケン君は首輪を外せるんでしょうか、ケン君が生きてると知ったらリュウセイ君喜びますね。
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "
10:ケン君は更正させなきゃ(使命感)
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。
※奇跡が制限されているかどうかは不明ですが、とりあえず簡単な奇跡は起こせるようです。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、オレンジジュース(元は支給品の水)
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
0:このキチガイが首輪を本当に外せるのなら……
1:早苗はいつか絶対に殺す。
2:海東を警戒。
3:無力な少年を装い4人と行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。

475自分から騙されていくのか(困惑) ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:23:27 ID:aYgn4m.A0

 【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:この連中に紛れ込みケンの言葉か本当か見極める。本当なら何としても首輪を外す。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。

【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得、早苗に惚れた
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:首輪を外したがってるけど、こいつらどうしよっかなあ。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
3:早苗は可愛いし、変な生き物や男じゃなさそうだから一緒に居てもいいかな。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています、ただし若干都合の良い解釈もするようです
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
※彼の言ってる事は全て妄言です。

476 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/11(水) 15:23:42 ID:aYgn4m.A0
投下終了です

477 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:15:21 ID:rl2TyImA0
投下しまぁす

478 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:17:29 ID:rl2TyImA0



閃光。



それは、白昼堂々地上に現れた第二の太陽とも言える位のまばゆい光。
修正テープ、もといDイーグルに搭乗する遊星の背後を光が覆う。

「!」

「何だ!?」

その威圧に押され、遊星は思わずDイーグルのスピードを緩める。
無意識に振り返る頃には既にその閃光は消え去っていた。
だが、天を覆わんとする巨大なキノコ雲は、閃光の正体が爆発による物だと理解させ、そしてのその爆発の威力の凄まじさを十分すぎる程物語っていた。

「なんてことだ…」

遊星は畏怖する。
あれだけの爆発に参加者が巻き込まれては骨どころか塵も残らないだろう。


ここは殺し合いの場だ。

そんな主催者の声が聞こえてきそうなほどこの爆発は遊星に現実を痛感させた。

(まずい…あの方角は…)

距離的に考えて先程の東豪寺麗華と美木さやかの二人には大きな被害は無いだろう。
しかし権兵衛達と別れた場所は爆発のあったエリアに近い。もしかすると巻き込まれているかもしれない。

引き返すべきか、進むべきか。
遊星は苦渋の選択を強いられる。



「勝治、すまない」

遊星は爆発の様子より少年の探索を先回しにした。
爆発の規模こそ尋常ではないがあちらには複数の人がいる。
対する少年は一人かもしくは誰かに連れ去られている状態だ。
ならば急いで少年を見つけ出し一刻も早く勝治と合流するのが一番良い手段だと遊星は考えた。

何度か人に出会い、遅れを取ってしまったが相手は怪我人である。自ら歩いているならそう遠くへは行っていない筈。
しかし、今となってはそれは考えにくい。
今や少年がいなくなってから2時間近くが経とうとしている。
他の参加者と情報交換を行い自分も探してなお見つからないというのはさすがにおかしい。
そもそも5分足らずの間に自分たちの視界に入らない程遠くまで歩けるだろうか。
そういう考慮から、現在遊星は少年が誰かに連れ去られたと考えていた。

運が良ければ彷徨い歩いている所を誰かが保護した可能性も無い訳ではない。
そうであれば協力者も増えることになり一番良いのだがこの場所の性質上、それは期待しない方が良いだろう。
むしろ誰かの人質にされている可能性もあるし、そうなれば場合によって戦闘もあり得る。
最悪の事態も十分に考えられた。


(俺は…どうしたらいい…?)

479伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:18:38 ID:rl2TyImA0


:::





「おおきいねぇ…」

それがエスポワール号を見た相性祐子の最初の一言だった。

所変わってここは豪華客船エスポワール号の前。
人に出会えた喜びからテンション上がりまくりでつい走って辿り着いた二人。

その大きさたるや例えるならマンションを2個纏めたかのような大きさである。
(映画版のカイジにて撮影に用いられた客船ふじ丸は全長167m、全幅24m、デッキ8層、総トン数23235トンに及ぶ日本最大級の客船である。一応参考程度に)
(恐らくゆっこはそんなことは知るはずもないだろうが)
自分がこんなに大きな船を操るのかと思うと改めて認識し、緊張した。

「早く乗ろうよ!時間がないよ!」

ゆっこが支給された時計を確認すると13時06分。
既にこの場所が禁止エリアに指定されるまで1時間を切っている。
止めていた足を船内へと再び進める。

もしかするとここに他の参加者も避難しているかもしれない。
そう思うとゆっこは自然とまた急ぎ足になった。










「また貸し切りみたいだね」

「うん!てかもう慣れた!」

やはりというかまたしても船内は誰もいないようだった。
ぼっちに関してもはや何も言うことが無い。

迷子になりそうな程広い船内だったが幸い入り口に地図があったのでそれほど迷うこと無く操舵室にたどり着けた。
豪華客船というだけあってか個室や調理場等めぼしい場所もたくさんあったが今はあまり時間がないので後で調べることにした。




’’’’’



「なぁにこれぇ」

そんな訳で操舵室に来たのだが、その操舵室の光景に二人は困惑せざるをえなかった。
豪華客船と名がつくだけあり、操舵室もまさに豪華客船であったのだ。
6つの座席を180度囲んだ機器の山脈。
奇妙な文様が映し出されたモニターの雲。
難解なボタンとキーボードの海。
見ただけで脳が理解を拒否するような計器の数々。
思わずゆっこが真顔で呟く。

「えっと…どうすればいいんですか」

「なんで他人行儀になるのさ」

バリカンが突っ込みを入れる。

変に弄って自爆スイッチを押すなんてことは無いだろう。
だがどこがどうなっているかがわからないうちは余り触らないようした方がいいかもしれない。


(まだだ…まだあきらめるな相生祐子!)


動かす方法が無いのではない。動かす方法が見つからないだけだ。
ではその動かす方法を探せば良い。
多少暴論かもしれないが自分みたいな船の操作方法を知らない人間もこの争いに参加させられている以上、誰でも船の操作ができるようになっているべきではないのか。
ボタン一つで操作できるとか船の操作マニュアルがどこかに存在する可能性もある。
ゆっこは状況的に前者はまず無いと考え、後者の可能性に賭けることにした。

「よし!説明書を探そう!」

「エ゛ェー!?」

本日4回目のバリカンのエ゛ェー!?である。



現在時刻13:23分。
ゆっこ達は説明書を探し当てられるのだろうか。あるいは最初から…

480伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:19:46 ID:rl2TyImA0

【H-1/1日目・日中】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:説明書を探す
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


共通:ガイドブックで見逃している箇所があるかもしれません。

481伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:20:33 ID:rl2TyImA0

////





逡巡する遊星とそれを見つめる小さな者が一匹。


遊星はなぜか小さなそれに気づいた。


なんだろうか、そう思う意識さえ持てず。


気がつけば遊星はDイーグルを停め、降り、歩み寄っていた。


何が遊星をそうさせたのだろうか。


それは一体何なのか。


そう。




「ヴォー・・・」




それはクッソ汚い淫獣に他ならなかった。

朝方、星君の襲撃から生き残った淫夢くんはたまたまここまで移動していたのである。

野獣先輩、そしてディーノ、このロワで参加者のホモは死滅したが、一方で支給品によるホモは未だ健在なのだ。


猿とも栗鼠ともムササビとも見られる奇妙な動物だ、見ればどこか愛らしさもある。
遊星としてもどこかこの獣を放っておけないでいた。
よく考えてみればこの島にはなぜか植物こそ辺り一面に生い茂ってはいるが、野生動物の類いは虫さえも存在していないのだ。
今まで余りそういったことは気になっていなかったが、初めて動物を見ると大きな意味がある事のようにも思えた。

(!)

そして遊星に一つの考えが浮かぶ。
もしかするとこの場所は天然の島ではなく、人為的に作られた島なのではないか。
もしくは惑星、次元単位で主催者が作り出した可能性もある。
ならば何故ここに動物がいるのか。首輪は無いので恐らく参加者でもない。
そうなると支給品、あるいは他の参加者が何らかメッセージを送る目的でこの動物を利用したのだろうか。


「ヴォー・・・」


淫夢くんが声を上げると、素早く飛び上がり遊星の肩にちょこんと乗った。
そして、おもむろに背負ったデイバックを叩く。

「…連れて行ってほしいのか?」

「ヴォー・・・」

淫夢くんがうなずく。
元々メ蟹ックな遊星は動物には詳しくないのだがこの動きで人懐きがよく、知能の高い動物だとわかった。
遊星は淫夢君をひょいと持ち上げ体を探る。これといって特別な物は無いようだ。
単純に誰かが逃がしたか、或は用済みなのか。
捨てる訳にもいかないので遊星はデイバックのチャックを開けると、淫夢君がサッと体を入れ、遊星のデイバックから首だけ出した状態になった。

「気に入ってくれたようだな」

安住の地を得られた喜びからか、淫夢くんはゆっくりと腕を上げガッツポーズをとった。

完全勝利の瞬間である。

3回目の寄り道を終えた遊星は三度Dイーグルに跨がり、アクセルをかけ発進する。

482伏線回収した淫夢くんUC ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:21:26 ID:rl2TyImA0


【F-02 南東/一日目・日中】



【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。先程の爆発との関連も考慮
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
8:少年を見つけたら勝治のもとへ急いで戻る
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。


【淫夢くん@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(微小)
[思考]:基本思考:ヴォー・・・
0:ヴォー・・・
1:ヴォー・・・・
2:ヴォー・・・・・
3:ヴォー・・・・・・

483 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/12(木) 18:23:59 ID:rl2TyImA0
投下終了
今になってこれ別々のSSで良かったなって思ってたり

484 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/12(木) 18:47:43 ID:aXAebu920
投下乙です
淫夢くんとか凄い懐かしい
クッソ汚い害獣を保護する遊星は蟹の鑑

自分も投下します

485妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/12(木) 18:54:13 ID:aXAebu920
「く、そ……」

両手を使い、必死にもがくプラシド。その様はまさにテケテケ、安っぽいホラー映画のようだ。
だが、そんな努力もむなしく、対して距離は進んでいない。
元々、人間の両手は歩くために、付いている物ではない。従って、人間をモデルにしたロボットであるプラシドも、手だけでは移動は困難だ。
そこでまずは、下半身を治そうと考えた。運のいいことに、代用できそうな部品は今目の前にある。
首から下のないルカのボディ、大破したオデッセイ。同じロボットであるルカは尚更、オデッセイも幾つか納品は代用できるはずだ。
もっとも、ルカのボディはブルーベリー色の巨人になる可能性もあるが、恐らく純粋な生物ではないルカはそうならないと、プラシドは推測している。
事実、殺されてから数時間経っているのに、ルカのボディに異変はない。

「はあ……はあ……、よしオデッセイの大破で若干痛んではいるが使えそうだ」

元の仲間であったルカのボディを使うのに、何も感じない訳はないが、ここでグズグズしている暇もない。
頭部をなくした以上、メモリーは完全にいかれ、仮にルカを復元したとしても、それはルカと同じ容姿をした別の何かである。
そんな自己満足で済ますのならば、いっそ自信のパーツとして使わせてもらう。
ルカのディバックを開き、自分の下半身のボディを確認したあと、ルカのボディを入れた。
自分のディバックも回収したいところだが、燃えてしまっていた。中身のカードは灰になっている。

「くっ、エクシーズカードが……」

よりにもよってインヴェルズはまだしも、希望王のカードが燃えるとは皮肉の以外の何物でもない。
やはり希望など、絶望に飲まれる物なのか。沸いてくる絶望を打ち払うかのように、プラシドは内心舌打ちをしながら作業を続けた。
その後、大破したオデッセイから、使えそうなものを部品見つけ回収。これだけの作業に数時間掛かってしまうとは、我ながら情けなくなる。

「あとは、……道具か」

遊星とは違い、即席で道具無しで機械を弄れる程の技術はプラシドにはない。
あるのは自分達を創ったゾーンの技術、それも見よう見真似だ。

(市街地に向かえば、道具があるとは思うが……)

このテケテケの状態で市街地にたどり着くのに、どれ程時間が掛かるか分からない。
それでも行くしかない。せめて自分の居る場所が、禁止エリアに指定されないことを祈るばかりだ。

「うんざん……」

ふと奇妙な声が聞こえる。
見れば、巨大な雲の入道がプラシドの周りをうろちょろしていた。
そいつは非常に困った様子で、金色の法輪を見つめている。

486妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/12(木) 18:55:16 ID:aXAebu920

「お前は?」
「うんざん!」
「なるほど、うんざんか」

うんざんと名乗る入道―――というか「うんざん」としか言えないのだが―――は、助かったと言わんばかりにこちらに寄ってくる。
そしてジェスチャーで、何とかプラシドに金色の法輪から離れないことを教えた。

「そうか、お前も移動手段に……お前自身は持てないのか?」

首を横に振る。
どうやら持てないらしい。首輪のないところから支給品らしいが、どうやら参加者のように自立させないための処置だろう。

「なら、俺がしばらく持とう。代わりに俺の足の変わりになってくれないか?」
「うんざん!」

今度は首を縦に振る。了解と見たプラシドは金色の法輪を手に取る。
すると、雲山はプラシドを掴み上げた。

「良し、まずは市街地に寄ってくれ。俺の足を治すための道具が必要なんだ」
「うんざん!」
「それと出来る限り、人に見つからんように頼む」

プラシドの指示を聞き、可能な限り体を縮めながら雲山は市街地へと向かった。

(他の参加者に出会えたのは幸運だったな)

まどか達との戦いの後、カズマの後を追っていた雲山だがサーニャが誤って金色の法輪を落としてしまった。
そこで雲山はカズマは愚か瀕死のサーニャにも気付かれず、置いてけぼりを食らい途方にくれていた。

(あの青年もサーニャ殿も無事だと良いが……)

目的地は学校といっていた。
サーニャの事は気になるが、カズマと一緒ならば戦闘に関しては問題はないだろう。
あれで、中々骨のある男だと雲山は評価している。それよりも、今はプラシドの用事を済ませてやるのが先決だ。

こうして移動手段が乏しかった二人は、互いの欠点を補い合いながら市街地へ向かった。

【D-05/1日目・夕方】

【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、ルカのボディ@VOCALOID、
    プラシドが使えそうだと思ったオデッセイの残骸のパーツ@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:市街地に向かい、道具を調達し下半身を治す。
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……ルカ…。
6:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:今はプラシドの用事を済ます
2:サーニャ達の事が気になる

487 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/12(木) 18:56:51 ID:aXAebu920
投下終了です
正直に言うと雲山のことは当時忘れてました

488名無しさん:2015/02/12(木) 21:58:09 ID:ByP5T/OM0
投下乙です

すげえ、投下来てるぞ
じっくり読ませてもらいます

489名無しさん:2015/02/13(金) 19:08:23 ID:OcgCOVQk0
投下乙です!
ひさびさに勢い戻ってきた!

490名無しさん:2015/02/14(土) 18:31:38 ID:jDjqBnKA0
投下乙

早苗さんの周り爆弾まみれでワロタ
あと、ここまでデタラメ言えるケンってやっぱキチガイだわ

491 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:41:26 ID:iQvSJkO20
投下します

492最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:42:20 ID:iQvSJkO20
「大丈夫ですか? 勝治くん」

シャーロックが、ペットボトルのキャップを開けて勝治に手渡す。
申し訳なさそうな顔をしながら、勝治はペットボトルを受け取り喉を潤した。

「うん、ごめんね。こんなことしてる暇ないのに」
「そんなことありませんよ。私も疲れてきてましたし」

シャーロックと勝治は権兵衛と離れた後、しばらく走り続けていたが勝治の発作が始まったのを見て、シャーロックの提案で近くの手頃な日陰で休憩をすることになった。
勝治はそんな暇はないと反対したのだが、今にも死にそうな勝治の顔を見たシャーロックがどうしても譲らないので、渋々その提案を受け入れ体を休めている。

「そうだ、休憩がてら暇だし、この辺で少し殺し合いで分かっている事を整理してみないかい?」
「整理…ですか?」
「うん、君のお爺さんも、難解な謎に挑む時は良くやってるからね。
 ここは名探偵のやり方を踏襲しようと思うんだ」

そう言うと、勝治は筆記用具を取り出し文字を書き出す。

「まず分かっているのは―――」


殺し合いを開いた連中は、優勝した者にあらゆる願いを叶えることが出来ると豪語している。
→嘘か本当かは不明。本当であるならば、恐ろしい力を持っている可能性がある。
 メイトリックスと呼ばれた男との会話から、死者の蘇生は可能?

死人でもない者が二回も呼ばれるなど、故意なのか故意でないのか分からない不可解な放送。
→遊星さんの仮説では、主催に何か異常が起きている。

幾つか書いてみるものの筆は進まない。

「参ったな、言いだしっぺの僕が分かってることのほうが少ないや」
「あっ、勝治くん。私も書き出していいですか!」

シャーロックは必死に権兵衛の書いたメモを思い出し再現していく。
その時、不思議なことが起こった。
奇跡的な確立で、お馬鹿なシャーロックがメモを完全再現することに成功したのだ。

[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
?参加者の人数
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い


「凄いよ、シャーロックちゃん! 流石名探偵だ!」
「そんなことありませんよ。全部、権兵衛さんのメモを覚えたまま書いただけですから」

493最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:42:45 ID:iQvSJkO20

シャーロック自身、内心奇跡だと思いつつメモを勝治に渡す。
それを勝治が清書しそれを元に二人は考察を始めていく。

?参加者の人数

「まず、分かっていることから進めよう。参加者の人数は70人、名簿を信じるならこれは間違いないよ」
「ふむふむ、人数は何か関係があるんですかね?」
「主催が管理しきれる上限……、かな?」
「今でも、十分ガバガバだと思うんですけど(名推理)」

?主催者が参加者へ情報を伝える手段
★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。

「権兵衛さんが、わざわざ重要とまで記してるんだ。これは考察する余地があると思うよ」
「うーん、普通にスピーカーじゃないんでしょうか?」

シャーロックは過去二回、定期放送を耳にしているが、正直な話ただの放送にしか聞こえなかったというのが率直な感想だ。

「でも権兵衛さんは、スピーカー等の通信機器は無しと書いているんだ。
 それに僕個人の疑問だけど、機器を使った放送にしては非常に音質が良すぎる気がする」
「あっ、言われてみれば……。まるで、目の前でお話を聞いているような感じでしたね」
「つまり、放送の手段は、何らかの超常の力を使っているはず、メモの通り通常の放送とは違うと見て間違いないかもしれない」

?放送の時間
?禁止エリアの選定方法

「放送は、六時間に一度という認識でいいと思う」
「これは疑う余地もありませんね」
「問題は禁止エリアだけど、一見バラバラであまり意味があるとは思えない」
「でたらめに決めてるとか、じゃないでしょうか」
「だとすれば、主催の目的は娯楽として楽しんでるという可能性が高いかもしれないね」

こうして幾つか話し合いメモを書き加えていき新たなメモを作成していく。



[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?
→娯楽目的?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
→通常放送とは違う別の手段
?参加者の人数
→名簿の通りなら70人
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法
→でたらめ? 娯楽目的ならおかしくはないかもしれない

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
→放送に別の手段を使ったのはほぼ確定。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
→放送手段そのものは未だ不明

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い

首輪について追記
・遊星の推測では勝治の首輪に何らかの異変、少なくとも主催側に何か異常が起こっている可能性がある。

494最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:43:07 ID:iQvSJkO20


「一応色々書いてみましたけど、確定的なものはありませんね」
「焦ることはないよ。まだ推理の材料が足りないだけさ」

落ち込むシャーロックを勝治が慰める。
今はまだ勝治の言うとおり、推理などできる段階などではない。それこそ予知能力者でもない限り不可能だ。
だとしても、シャーロックは自分の力不足に苛立ちを覚えてきてしまう。

「せめて、トイズが戻れば……勝治くんを守るくらいは」

サイコキネシスのトイズ。以前とは違い、現在は戦闘に応用し強力な武器にもなり得るまでに高められたトイズが戻れば……

「権兵衛さんの時に戻ってさえいれば、一人にしなくても済んだかもしれない。なのに……」

あの場で一人でも戦えるものがいれば、話は別だったかもしれない。
だが過ぎてしまった事だ。シャーロックが悪いわけじゃない。

「……シャーロックちゃん、シャーロック・ホームズには女性説があるのを知っているかな?」
「え?」

唐突にそんな事を言い出した勝治にシャーロックは目を丸くする。

「おじいちゃんは男なんですけど……」
「熱狂なファンには、そう考えた人も居るってことさ、面白いことに論文まで書かれてるらしいよ。
 権兵衛さんならもっと詳しいかもしれないけど、確かその中の根拠の一つにホームズが荒事は基本的にワトソンを頼ってるから、女性なんじゃないかというのがあってね」
「それが、一体……」
「あのホームズだってこんな説が出るくらい、ワトソンに頼るんだ。シャーロックちゃんも一人で抱え込む必要なんかないんだよ」

そうだ。いつもシャーロックの周りには仲間が居た。
一人では困難な事件も仲間と共に解決してきた。例えトイズがなくとも、ミルキィホームズの四人が揃えば超えられないことなんてなかった。

「ごめんなさい勝治くん、私……」
「大丈夫、それに権兵衛さんは頭が良いからね。今頃あの変な女をやっつけてるよ」

そして、ここにも仲間が居る。それはとても幸運な事であり、頼もしいことだ。
シャーロックの顔に明るさが戻ってくる。それを見た勝治は一安心した。

「行け、ダークサイド・プレジデント!」

二人の仲を裂くように一機のカブトボーグが飛来した。

「勝治くん!!」


――――

495最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:43:25 ID:iQvSJkO20


私は早々に学校から離れた。
理由は簡単だ。あのオリーブオイル使いが逃がし、尚且つ戻ってこなかった黄色タイツとおっぱい女が気になるからだ。
あいつらが他の仲間を集めて、学校に乗り込んでくる可能性は十分にある。流石にこんなボロボロの状態で戦闘は避けたい。
今は弱い人間を狩って、体力を回復するしかない。
そう考えて、光学迷彩スーツを使いながら移動していると、二人組みの美味しそうな子供を見つけた。
少し前にあった大爆発の方からやってくるのを見る限り、誰か戦える大人が殺し合いに乗った奴の足止めをしている内に逃げてきたに違いない。
あいつらなら簡単に狩れるだろう。
一つだけ問題があるとすれば、あの病弱な子供はあまり美味しくなさそうだ。……というか、変な病気を映されそうで困る。
その点、ピンクの幼女は非常に健康そうで美味しそうだ。もう涎が止まらない。
さっさと病弱なほうを始末して、あの幼女を食べてしまおう。

私はダークサイド・プレジデントを取り出し、少年へと投げつける。
少年は溜まらず吹っ飛ばされていく。
良し、これで残るは幼女だけだ……。凄くオイシソウ。

「勝治くん!!」

少年へ駆けていく幼女をひょいと服を掴んで持ち上げる。
別に怪力自慢の鬼じゃないが、軽く持ち上がってしまった。

「な、何!?」

まず、服を脱がせる。
こんなもの食事の邪魔にしかならない。幼女が悲鳴を上げる、随分いきの良い人間だ。これは期待できる。
さて、どんな風に調理しようか。

「やめてください何を……

幼女の服を全部破き、髪飾りも全部取っ払う。
生まれたままの姿になった幼女は非常においしそうだ。
それにしても美味しそうだ。良い事思いついた、丸焼きにしよう。
バックの中から肉焼きセットなるモノを取り出す、これで美味しいこんがり肉を作ろう。
早速、学校から調達した油をぶっかけてやる。幼女は完全に泣き出している。生きたままの調理も中々楽しいものだ。
そして塩コショウ、醤油と調味料を掛けて味を調える。
下準備はできた、後は美味しく焼くだけだ。
幼女を棒に括りつけ火のうえにかざす。

「熱い、熱い……助けて……い、や……」

幼女が暴れだすがきつく縛ったので問題ない。
何処からか陽気な音楽が流れ出す、この肉焼きセットの効果だろう。
さて、焼き具合を見て調整しなくちゃならない。

「私、焼かれて……食べられるの……? 嘘、そんなの……」

涙が良い感じに塩味を濃くしてくれる。良い食材だなあ。
完成が待ち遠しい。


―――――

496最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:43:58 ID:iQvSJkO20


なんだ……あの女は……。
胸を押さえながら、僕は襲撃者を睨んだ。
シャーロックちゃんを掴みあげた女……シャーロックちゃんには見えていない?
そうか、霊感の強いものにしか見えないんだ。そこへ来ると、僕は常に死に触れているお陰で見えるのかもしれない。
いや、こんなこと言っている場合じゃない。早くシャーロックちゃんを助けなきゃ。

「ぐ? ああ……」

胸が苦しい! こんな時に発作が……もう先は長くないと思っていたけどこんな時に……。
くそ、もう少しだけ持ってくれ僕の体!!

「あれ、は……」

僕を攻撃したダークサイド・プレジデントがそう遠くないところに落ちている。
恐らく、あの女はボーガーじゃない。投げたまま回収もままならないんだ。
カブトボーグさえあれば僕だって……!

「早く、早くしないと……」

シャーロックちゃんの服を脱がして調味料を掛けている。間違いなく猟奇的なキチガイだ。
あのままじゃ、本当にシャーロックちゃんが物理的に食われるかもしれない。

「も、う少しだ……」

健常者なら何てことない距離も、今の僕にはとても遠くに感じた。
それでも伸ばした手は、時間は掛かったが届いた!

「頼む、ぞ……ダークサイド・プレジデント!!」

チャージを行いあの女へとダークサイド・プレジデントを叩き込む。
あの女のチャージインと違い、僕のは上手くいった。女は吹き飛び残ったのはシャーロックちゃんだけだ。
よし……あとは、シャーロックちゃんは解放して……。
視界が……意識も……、駄目だこんなところで倒れられるか……!!

「駄目です、勝治くん! 無茶しないで―――」

シャーロックちゃんの声が聞こえる。大丈夫さ、僕は君を守るまで死にはしな、いさ……。
あの吹っ飛ばされた女が戻る前に、何としてでも君だけは逃がさなきゃ……。

「勝治くん……! 勝治くん!!」
「ご、めん、裸、見ちゃった……。僕のジャンパーで、良ければ着ていてく、れ……」
「そんな場合じゃ、勝治くんしっかりして!」

結ばれたシャーロックちゃんを何とか解放して、ジャンパーを羽織らせる。裸はよりはマシだ。
あとは―――

497最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:44:57 ID:iQvSJkO20

「邪魔するな、病弱な人間! お前は食べたくないんだ!」

あいつを倒すだけだ!

「逃げましょう、勝治くん!」
「そうは、いかないよ……。君が、狙い、なんだ……。僕が残るしか……ない」
「じゃあ、私も戦います!」

シャーロックちゃんがバックに手を突っ込み支給品を取り出す。
だが、出てきたのは白い二枚のカード、一枚はミニカーみたいな絵柄のカードともう一枚は何の絵柄もない不思議なカードだけだった。

「なんで……他には何か……何か……」
「シャーロックちゃん、逃げるんだ……。僕が何とかするから」
「だって、勝治くん……あなた死ぬ気じゃ……」

心配そうな顔を浮かべるシャーロックちゃんに僕はできる限りの笑顔を浮かべた。

「君(ホームズ)を守るのは、僕(ワトソン)の役目だからね」

あのキチガイ女がでかい楊枝を持って駆けてくる。
僕はダークサイド・プレジデントで応戦する、もう喋ってる時間はない。

「早く行くんだ、シャーロックちゃん!!」

いつもより荒げた僕の声に驚きながらシャーロックちゃんは走っていく
そう、それで良いんだ。

「待て、人間!」
「行かさないぞ!!」

あのキチガイ女の前にダークサイド・プレジデントを回りこませる。
キチガイ女め、辱めてやる!



――――

498最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:45:25 ID:iQvSJkO20


にとりのスタイリッシュ爪楊枝をダークサイド・プレジデントが弾き突き進む。
ダークサイド・プレジデントの突撃をにとりが避ける。
光学迷彩の恩恵も勝治の前では無駄。

「チッ」
「ぐっ……」

更ににとりは先の戦いでのダメージも回復しきってはいない。そして勝治も死に掛け。
お互いに健康とは言いがたい体調。戦いはまさに拮抗していた。

((このままじゃ埒が明かない))

にとりの弾幕をカブトボーグで弾き続けても、にとりにはたどり着けない。
逆に、にとりの弾幕もカブトボーグの前では意味がない。
互いに攻め切れぬなか、痺れを切らしたにとりが氷輪丸を抜く。

「氷!?」

爪楊枝の弾幕に加え、氷の弾幕まで展開される。
流石の勝治もこれは捌ききれない。
走らせていたダークサイド・プレジデントを自分の元に戻し必殺技を放つ。

「轟雷必殺デンジャラス・サンダー・アルティメット!」

電撃を纏ったダークサイド・プレジデントが弾幕を打ち落としていく。
だが、突然その動きが鈍くなり弾幕の一つが勝治へと直撃する。

「ぐ、ああっ!」

何とかよろめきながら立ち上がるのも顔色は悪く、胸を押さえている。
再び発作が始まってしまった。
ここで拮抗は崩れだす、残された時間の少ない勝治とダメージを負っているだけのにとりではにとりの方が有利になる。

「諦めろ人間、無駄に寿命を縮めるだけだ」

にとりからすれば勝治はとても食えた相手じゃない。
戦う理由もなければ暇も無い、シャーロックを追いたい。

499最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:45:42 ID:iQvSJkO20

「そうかもしれないな……だが、僕は!」

ダークサイド・プレジデントが再び加速する。

「まだ、やる気か! お前に構っている暇は無いんだ!」
「悪いけど、文字通り最期まで付き合ってもらうぞ!」

最期―――それこそ勝治の命の尽きるとき。
だが、それは勝治の命だけではない。

(僕は死んでも構わない、でもお前も道連れだ!)

もっともそんな願いも空しく、また心臓の発作が起こる。
全身が悲鳴を上げている。もう戦うな、さもなくば死ぬと。

―――分かっているさ、それでも……!

まだ、やりのこしたことがあるのだろう? まだ死にたたくないだろう。

―――そんなこと。

人の本能は死を逃避するものだ。
勝治の覚悟をあざ笑うように、体は死を拒んでいる。

膝が崩れ、地に着く。

―――動け、動くんだ!

両手がを地に着き、顔すら俯いてしまう。

―――顔を上げろ、まだ戦いの途中だ!

意思が肉体が、離反していくかのような感覚。

―――まだ、死ぬわけには……僕は……。


にとりは笑う。
少し手を焼いたが、こいつは死にかけだ。
とはいえ、また邪魔をされるのも面倒だ、止めを刺そう。
スタイリッシュ爪楊枝が勝治へと振りかざされ―――赤いカブトボーグにより弾かれる。

500最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:46:04 ID:iQvSJkO20

「なっ!?」
「戦え! 勝治!!」

そこに居たのは、天野河リュウセイ。
赤いカブトボーグはトムキャット・レッド・ビートルだと分かった時、勝治は糸が切れたかのように倒れる。

「リュウセイ、くん……」
「立ち上がれ、戦え勝治! これはお前の戦いだ!!」

体に力が入らない、もう本当に限界だ。

「ごめん、僕はもう……」
「このままむざむざ負けていいのか! お前のボーグ魂はそんなものなのか!! 勝治!!!」

―――負ける。
そうだ、死よりも恐ろしいものは敗北だ。
死んでも良い、でも敗北という形で死ぬのだけはそれだけは……!

「心配するな勝治! 死んでも俺たちは親友だ!」

リュウセイの激動が勝治に力を漲らせる。
まだだ、まだ負けるわけにはいかない。

「それに忘れたのか! 勝治、お前の体は、健康だーーーー!!!!」

勝治は立ち上がる。
ボーグバトラーとしての魂を燃やし、その誇りの為に。

「うぉおおおおおお!! 僕はもう死ぬことなど怖くはない!!!」
「なっ、そんな……!」

今まで死に掛けだった筈の少年が再び熱き闘志を宿し立ち上がる。
にとりからすれば理解できない。一体何だ、何なのだこの人間は。

「食らえ! これが僕の全身全霊のデンジャラス・サンダー・アルティメットだ!!!」

ダークサイド・プレジデントの背後に謎の青い騎士が現れ、ダークサイド・プレジデントが青いオーラを纏い加速する。
にとりは咄嗟にスタイリッシュ爪楊枝で防ぐが、青騎士がその手の剣を振りかざし、楊枝はとうとう負担に耐え切れず破壊された。

「そんな、馬鹿な……」

青騎士に斬られたにとりは力尽き倒れた。

501最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:46:30 ID:iQvSJkO20










「リュウセイくん……」
「勝治、よくやったな!」

勝治はリュウセイの顔を見て安堵の顔を浮かべる。

「僕は、ちょっと疲れたよ……」
「おいこんなところで寝るなよ冗談だろ? ……勝治?」



勝治は安らかな顔でそのまま息絶えた。


【スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ】破壊
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡





「リュウセイくん……」
「……シャーロックか」

にとりから無事逃げ切れたシャーロックはリュウセイ達と合流、にとりの事を話しすぐさまリュウセイは駆けつけた。
だが、もう手遅れだった。

「彼が勝治くんか」

遅れてやったきた研とアルセーヌも目の前の事態を見て全てを把握する。
この少年は息絶えたのだと。

「研、アルセーヌ、シャーロック。もう行くぜ」
「? でも、埋葬は……貴方―――」

アルセーヌは呆気に取られるが、リュウセイは勝治をダークサイド・プレジデントを側に置くだけに留める。

「あいつにはこの手向けだけで十分さ。
 それよりもこう言うだろうぜ、このふざけた殺し合いを一刻も早く止めってくれってな!」

リュウセイはそう言い拳を静かに震わせた。
齢十年を生きたリュウセイだが、ここまでの怒りを感じたのは生まれて初めてだ。

「必ず、あの主催者共は俺が叩き潰してやる……!」
「その通りだよリュウセイくん、こんなキチガイロワイアル許せることじゃない」

リュウセイの怒りに研が賛同する。

「行くぜみんな、こんな殺し合い一秒でも早く止めてやる」

502最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:47:37 ID:iQvSJkO20
>>501はこっちとに変えてください

「リュウセイくん……」
「勝治、よくやったな!」

勝治はリュウセイの顔を見て安堵の顔を浮かべる。

「僕は、ちょっと疲れたよ……」
「おいこんなところで寝るなよ冗談だろ? ……勝治?」



勝治は安らかな顔でそのまま息絶えた。


【スタイリッシュ爪楊枝装備@東方無問題シリーズ】破壊
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡





「リュウセイくん……」
「……シャーロックか」

にとりから無事逃げ切れたシャーロックはリュウセイ達と合流、にとりの事を話しすぐさまリュウセイは駆けつけた。
だが、もう手遅れだった。

「彼が勝治くんか」

遅れてやったきた研とアルセーヌも目の前の事態を見て全てを把握する。
この少年は息絶えたのだと。

「研、アルセーヌ、シャーロック。もう行くぜ」
「? でも、埋葬は……貴方―――」

アルセーヌは呆気に取られるが、リュウセイは勝治の側にダークサイド・プレジデントを置くだけに留める。

「あいつにはこの手向けだけで十分さ。
 それよりもこう言うだろうぜ、このふざけた殺し合いを一刻も早く止めってくれってな!」

リュウセイはそう言い拳を静かに震わせた。
齢十年を生きたリュウセイだが、ここまでの怒りを感じたのは生まれて初めてだ。

「必ず、あの主催者共は俺が叩き潰してやる……!」
「その通りだよリュウセイくん、こんなキチガイロワイアル許せることじゃない」

リュウセイの怒りに研が賛同する。

「行くぜみんな、こんな殺し合い一秒でも早く止めてやる」

503最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:47:57 ID:iQvSJkO20

【D-2/一日目・午後】

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流できたが……。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは一時休戦?
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

504最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:49:38 ID:iQvSJkO20
>>503はこっちで何度もすいませんね

【D-2/一日目・午後】

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流できたが……。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは一時休戦?
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

505最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:50:07 ID:iQvSJkO20

【権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの】
[基本的な疑問]
?ここは何処なのか?
?主催者は何者なのか?
?殺し合いの目的は何か?
→娯楽目的?

[小さな疑問]
?主催者が参加者へ情報を伝える手段
→通常放送とは違う別の手段
?参加者の人数
→名簿の通りなら70人
?参加者の選出方法
?放送の時間
?禁止エリアの選定方法
→でたらめ? 娯楽目的ならおかしくはないかもしれない

★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
→放送に別の手段を使ったのはほぼ確定。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
→放送手段そのものは未だ不明

[首輪について]
?首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
?殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
?集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
?以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い

首輪について追記
・遊星の推測では勝治の首輪に何らかの異変、少なくとも主催側に何か異常が起こっている可能性がある。

【フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's】
二枚セットである。
ミニカーの絵柄のカードがフォーミュラ・シンクロンであり、何も書かれていないのがシューティング・スター・ドラゴン。

フォーミュラ・シンクロン
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 200/守1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
(1):このカードがS召喚に成功した時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):相手メインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

シューティング・スター・ドラゴンを呼び出すために必要なカードであり、スターダスト・ドラゴンと共にチューニングすることで初めて真価を発揮する。
逆言えば、それ以外はこのロワではまったく使う機会はないだろう。


シューティング・スター・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500
シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」
以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。
●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。
このターンこのカードはその中のチューナーの数まで
1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。
その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。
●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、
その効果を無効にし破壊する事ができる。
●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、
相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。
エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

簡単に言えば、不動遊星版バーサーカーソウル。プラシドをプラ/シドにした。
五枚カードを引き、チューナーモンスター引いた数だけ攻撃できる。
その他にも破壊効果を一度だけ無効化、相手の攻撃を無効化し自らの姿を消し再度戻ってくるなどの効果がある。
今ロワでは、シンクロモンスターは直接召喚できるが
このカードは強力な為、フォーミュラ・シンクロンとスターダスト・ドラゴンがなければ使用できない。
召喚時にのみカードの絵柄が浮かび上がる。

506最期の戦い ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:50:26 ID:iQvSJkO20




「スタイリッシュ爪楊枝まで……」

にとりはリュウセイたちが去ったのを見てよろよろと起き出す。
ただの弱者だと侮ったのが間違いだった。もっと体の回復に専念すべきだった。

「まずは体を休めて……人間め……くっ」

重い体を引き摺り森の中を目指す、市街地よりは隠れる場所も多いはずだ。
早く身を隠さなければ、何処で殺し合いに乗った連中に出会うか分からない。


【D-2/一日目・午後】

【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)(回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品×1(確認済み)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
0:森の中に入って身を隠す場所を探して体を休める。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:美味しかったな…。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。

【肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ】
肉が焼ける。






【D-2/一日目・午後】

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

507 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 01:51:25 ID:iQvSJkO20
投下終了します

508名無しさん:2015/02/15(日) 03:34:33 ID:Z/cqZKAY0
喫茶店

509名無しさん:2015/02/15(日) 04:19:53 ID:F5OXfZy.0
投下乙

今度こそ詐欺じゃないと思ったらやっぱり詐欺じゃねーか!
結局誰一人死んでねぇwwwww

510名無しさん:2015/02/15(日) 14:19:11 ID:knICCNCI0
今気づいたけど、時間が午後になってるのはミスかな?

511 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 15:03:16 ID:iQvSJkO20
時間を進めすぎてしまいましたかね?
自分としてはミスのつもりではないのですが
進めすぎと感じられるのなら修正しておきます

512名無しさん:2015/02/15(日) 15:28:48 ID:knICCNCI0
>>511
そうではなくて、sm146の時間が夕方なのに今回の話は午後なので時間が遡っているという事です。

513 ◆FbzPVNOXDo:2015/02/15(日) 15:39:49 ID:iQvSJkO20
アッ!
本当だ
すいません時間逆行してますね

【D-2/一日目・午後】を【D-2/一日目・夕方】にお願いします

514名無しさん:2015/02/15(日) 15:40:36 ID:knICCNCI0
>>513
了解です

515 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/15(日) 21:07:35 ID:XyMSRi4A0
投下入ります

516人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E:2015/02/15(日) 21:09:27 ID:XyMSRi4A0



自らの信念に従い、この殺し合いを止め、主催を打倒する。



そんなスタンスとして行動したはいいが、それにはあまりにも情報が少なさ過ぎた。

自分と同じような考えを持った者は確実にいるだろうがそれがどこにいるのか。
どの人物が危険でどの人物が安全なのか。
自分の事を知っている者がいるのかどうか。

イカ娘は現在このロワに於いて典型的な弱者の立場に於かれていた。
理由として、自分のバックは襲撃者に奪われあかりのバックは置いてきてしまった事。
(最もあかりのデイバックにはあの玩具の剣と基本支給品しか無い様だったのでさほど重要だと思っていなかった)
これは何か重要で一定の大きさのある物を手に入れた時手に持ったりするしかない事になる.
その上、もし戦闘になったとき一切の支給品無しで戦わざるを得ない。

さらに協力者もいない事。
つまり、何か情報を得たときに相談する事もできないし、怪我しても自分で治療するしかない。
死亡しても誰も弔ってはくれない。

そして参加者との出会いが乏しい事。
イカ娘が出会ったとのは少なくともあかりとあかりを襲った人物の二人のみである。
上述のような参加者の情勢など知る由もない。

こういった状況の自分はある程度の戦力こそあれど、先程の様な殺人者の恰好の的である。
一刻も早く参加者と出会い、情報を得たかった。

とは言え、無計画に歩き回ればまた先程の襲撃者に出会う可能性もある。
信念に従いこの殺し合いを止めるとはといっても現状では無謀極まり無い。
ある程度行き先の目星をつけておくべきだろう。

(一度、海の家を見てみるでゲソ)

先程、民家で地図を確認した際に見つけたある筈の無い自分の拠点。
参加者の拠点としては微妙な所だが自分を知る者がいるなら一度は立ち寄っているだろう。
まずはこの海の家が本物かどうか確かみてみる事にした。








___









ー時は経ち、時刻は午後3時半を回る。



「どういう事ゲソ?」



イカ娘は訝しんだ。
当然、目の前の建造物に対して放った言葉である。

イカ娘が2時間程をかけて辿りついたI-04の砂浜には自らの侵略地、海の家れもんがそこにあった。
何の寸分の狂いも無く、どこと無いくだびれ具合の何から何まで自分の拠点に酷似していた。
強いて違いを挙げるとすれば背景が違う事ぐらいである。





「栄子!千鶴!たける!いるのかゲソー!出てきてほしいでゲソ!」

イカ娘が声をかける。返事は無い。
どうやら人の気配は無いようだ。

イカ娘が様子を見ながら慎重に足を踏み入れる。

(本当に…れもんとしか言い様が無いでゲソ…)

主催者とやらは殺し合いをさせたい筈だ。こういった施設はオブジェクトでしかない。
ならば何故ここまで精巧な偽物を作るのか。

だが、イカ娘はもうこの家を偽物と認める事はできなかった。
自分の破壊した壁の穴の修理跡までそっくりなのだ。
イカ娘は既にこの家が本来の場所から持ち出してきたものと断定していた。
深海でも見た事の無い技術である。

「騒ぎが終わったら元の場所に戻さないといけないでゲソ…」

やる事が一つ増えたようだった。

517人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E:2015/02/15(日) 21:10:12 ID:XyMSRi4A0






内部を探索してみたが特に気にかかるものが二つ程あった。

まず、座席の一つに血がべったりと付いていた。
黒ずんで固まっており、だいぶ時間が経っている物のようだ。
汚れているのは宜しくないと思い、備え付けてある雑巾で拭くが、全く落ちない。
仕方が無いので騒ぎが終わった後で栄子達に相談する事にした。

なお、これは早朝に士郎が支給品を確認しようとしてクマに噛まれ、その際に飛び散った血である


次にかき氷機の下に置かれ、水の溜まった皿。
誰かが作りかけのまま放置したのだろうか。こちらもそれなりの時間が経っている事がわかる。

この溶けたかき氷は杏子が士郎に作ろうとしたが、クマに襲われ製作が中断したかき氷である。


…少なくとも2人の人間がここには来ていたようだ。
血痕とかき氷機の距離は離れている。
怪我をしたからかき氷を食べるというのも考えにくい。
恐らく二人組が来て一人がかき氷を作っている間にもう一人が襲われたか、或はかき氷を作っている途中に何かに気づき、その場を離れた時に誰かに襲われたか。


(色々と、遅かったみたいじゃなイカ…)

イカ娘は後悔した。
何故もっと早くこのスタンスで行動しなかったのか。
何故もっと早くここに来れなかったのか。

先刻の定時放送で残り人数は32人と言っていた。
そして参加者は70人。既に半数以上が死んでいる。
理論上は参加者に出会える確率も初期から半分以下に下がっているのだ。
現にここまでくる道中、一人も参加者に出会う事は無かった。



「他の人を探すしか無いでゲソ」

ここから海は近い。イカ娘にとって泳ぎなど朝飯前、脱出だけなら簡単にできるだろう。
…でも、根本的な解決にはなりませんよね?
逃げた所で殺し合いが終わる訳ではない。
それ以前に逃げるにしてもここがどこかもわからない以上、どこへ行ったらいいかもわからない。

今のイカ娘にできる事は、参加者を捜す事だった。
あかりのような犠牲者は、もう生みたくない。


(あかり…)






数十分後、イカ娘は恐らくもうここに人は来ないだろうと思い、移動する事に決めた。

せめて食料調達だけでもと思い、冷蔵庫からすぐ食べられそうな物を取り出しいくつかはポケットに入れた。
ポケットにはいりきらなかった分は食べられるうちに食べておこうとここで自分が食べる事にした。
一応焼きそばの材料など調理すれば食べられる物もあったのだが、何時襲われるかわからないので缶詰などの簡便だけに留めておく事にした。
だが、固いパンと水だけの基本支給品よりは幾分かマシであろう。



遅めの昼食を終えた後、イカ娘は次の行き先を考える事にした。
ポケットから地図を取り出し改めて確認する。
デイバックは奪われてしまったのだが、なんとか地図だけは持っていた。
民家を飛び出した際、道に迷ったらすぐ取り出せるようにと何気なく地図をポケットに入れておいたのが功を奏した。

イカ娘は気になる場所をいくつかマークした。
1つ目にショッピングモール。
2つ目にゲキド街。
3つ目に見滝原中学校。

1つ目のショッピングモール、その言葉を聞くと多くの人で賑わう場所だ。
食料も豊富だろう。医療器具の類いもあるかもしれない。
だが一つの問題点としてこの施設は北東にあり、あかりが殺された場所に近いエリアを横切る事になる。
もし先程の殺人者がまだ近くにいたら戦闘は避けられず面倒な事になる。

2つ目のゲキド街、町というからには市街地のような物だろう。
ショッピングモール同様に多くの物が得られる可能性もある。
こちらは北西にあり例の殺人者と出くわす確率が相対的に低い。

3つ目の見滝原中学校、
学校という物を自分は余り見た事が無いが有事の際の避難所として指定されているのをよく見かける。
もしかすると、他の参加者が避難しているかもしれない。
こちらも北西にあり、道程としてはゲキド街の先だ。



(よし、北西にむかうでゲソ!)

北東のショッピングモールは前述の理由から探索を諦め、北東のゲキド街と中学校を探索する事にした。
大まかな予定としては町を探索し、得られる物が余り無ければ学校に向かうつもりであった。







イカ娘は海の家を後にする。
名残惜しいが、ここにはもう用は無い。

(…もしかすると自分は生き残れないかもしれないゲソ)

(でも、それまでに絶対主催者には一矢でも報いてやるし、この海の家も元の場所に戻しておくゲソ!)

(だから栄子、千鶴、たける、今は待っていてほしいでゲソ!)

518人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E:2015/02/15(日) 21:14:12 ID:XyMSRi4A0

【I-05/午後 海の家れもん付近の砂浜】



【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者を捜す
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
4:できればバックが欲しい
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※この場所から北のエリア、H-05には多くの死体が転がっていますがイカ娘がそれに気がつくかどうかは不明。

519 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/15(日) 21:18:13 ID:XyMSRi4A0
以上になります
メタ的な話だけど南東にはもうイカ娘しかいないから大きく動かしてしまった

520名無しさん:2015/02/15(日) 23:53:51 ID:9oJYWexs0
投下乙

イカちゃん真っ当に対主催してるなぁ
個人的にはこの移動はアリだと思う
あと気になったのはれもんI-05ではなくI-04じゃない?
そして死体が散乱してるのもH-05ではなくH-04だな

521 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/16(月) 05:20:02 ID:atowZFpg0
>>520
そうだったごめん
【I-05/午後 海の家れもん付近の砂浜】は【I-04/午後 海の家れもん付近の砂浜】
H-05には多くの死体が〜はH-04には多くの死体が〜
でお願い

522 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:02:50 ID:Mw.JsC7A0
投下いきます

523殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:04:59 ID:Mw.JsC7A0



「水…水…」


森の中を水を求めて彷徨う幽鬼が一人。
世紀末の吸水主こと、ケンシロウである。


ロックオンの水を奪い、血を吸い、それでもなおケンシロウは水を貪欲に求め続けていた。
これほどの飽くこと無き渇望と、屍人化によるどこかおぼつかない足取り。
それが先ほどケンシロウを幽鬼と著した拠り所である。



しかしながらその屍人化も大分息を潜めてきたようだった。
すでに堕辰子が元の世界に帰ってから6時間近く経過している。
少しずつ、赤い水を飲む前の記憶とこのロワに参加する前の記憶を取り戻していた。



水。


ボウガン。


水。


ジャッカル。


水。


そして水。



…結局屍人化時とそれ程思考に差がないように思えるのは仕様である。


ケンシロウにとって殺し合いなどには毛頭興味はなかった。
誰が誰を殺そうが誰が主催に歯向かおうが知ったことではない。
目の前に水さえあればそれでいい。
だが、水を横領するような者がいるならばたとえ幼女であろうと北斗懺悔拳も辞さない。





徐々にケンシロウは思考が回り始め、ただ森を徘徊していても、水や血と出会える可能性は低いことに気がつき始めていた。
行き当たりばったりでは満足に水は得られない。
何か人の集まりそうな場所は無いかと森の少し開けた場所を探し、そこで辺りを見回す。


「…あれは…街…」

ケンシロウが目を付けたのは西南西の方角の市街、ゲキド街である。
幸いこの場所より標高の低い場所にあり、西向きの斜面のようなので夕日のお陰でギリギリ全容を見渡せる。
見る限りそれ也の規模はあるようだ。

街ならば水には事欠かないだろう。
早速ケンシロウは街へゆっくりと足を運ぶことにした。

524殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:05:55 ID:Mw.JsC7A0




$$$$








(意外とおいしいなぁ…)



森の茂みの中で何かを頬張る少女。

河童の妖怪、河城にty…にとりは行動を食べ物探しから回復に切り替えていた。


先ほどの人間との戦いでかなりのダメージを負った上、結局逃がしてしまった。
狙撃銃もスタイリッシュ爪楊枝も破壊され、残された武器は折れたユキアネサと現地調達の刀剣位である。質も良い物とは思えない。
こんな状況に置かれてもまだ食料調達を続けよう物なら今度こそ命を落としかねない。

とりあえず、今は休憩と回復に専念し、食料探しは後回しにする。
時間はまだ余裕があるし、しっかり休んで回復してからでも食料探しは十分間に合う。
それに加え今は夕方である。夜になってから食料探しをした方が不意をつきやすい。


(野菜もあるしけっこうヘルシーだね)


先ほどからにとりが口にしているのは、確認済みの自分の最後の支給品である。
説明書には「風の谷のナウシカ風シチュー」と書かれていた。


にとりは休息の間、できるかぎり回復を早める為に食事をとることにした。
そのうち、一人分の基本支給品とこのシチューを食べ、残りはお弁当として手をつけずに取っておく。


食べてみれば、クリームのまろやかな風味と隠し味のチーズによる滑らかな口触り。
にとりがそのシチューを口にする分には、何のことも無い。ただのおいしいシチューである。









ただ、その形と色合いが明らかに食べ物のそれではなかった。

目に突き刺さる程鮮やかな青緑色。

奇妙な甲殻類のような生物を模したと思われる独特の盛り付け。


妖怪であるさすがのにとりとしても、これには食欲が失せた。
赤黒い鮮血の色や新鮮な内臓のピンク色ならまだ食べる気にはなったのだが。

だが、今のこの状況となっては見た目に吝嗇をつけている暇など無い。
説明書を読む限り、毒は無いようなのでとりあえずそれを信用して食べているのだ。

風の谷という場所は聞いたことが無い。
もしかするとそこにナウシカという妖怪がいて、その妖怪の食べる物なのかもしれない。
見た目はともかく味に文句は無いのでもしそうだとしたら会ってみたいものである。







(ごちそうさま!)



毒々しいシチューを平らげ、にとりが手を合わせる。
どうやら毒は無いという表記は本当だった様だ。
見た目は悪いが思ったよりボリュームがありお腹も十分満足したし、心なしか疲れも取れてきた気がした。
後はこの殺し合いについて考察でもしながらもう少し休もう。

にとりがそう思った時、

525殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:06:58 ID:Mw.JsC7A0



「?」



何か森の奥で只ならぬ気配を感じ、思わず身構える。

(誰かくる…人間?)

にとりはそっと気配の先を見つめる。
しばらくして、気配の在処から影が浮かび上がってきた。
その影は大きな人影のようであったが、どこか力なくふらふらとしていた。
服装からして昼の大男とは違う様だが、どうやら手負いの様だ。


にとりは悩む。

(どうしよう…怪我してるみたいだし…)

おぼつかない足取りを見るにそれほど体力は残っていなそうだ。
自分もまた手負いだがあれなら仕留められるかもしれない。食料調達にはうってつけだ。
それに体積が大きい。先ほどの幼女のような新鮮さは無いだろうが回復にはもってこいであろう。

(いけるかな…?)

にとりはユキアネサを構える。


大きな影が森の開けた所で立ち止まる。

(よし!今なら襲え…)

影が夕日に照らされ、その姿を現す。


その姿は




















……


………


やめよう。



あぶない。



きけんだ。




にとりの心の中でそんな声が響いた。

夕日に照らされた男の姿は、とてもにとりの求めるおいしい人間のそれとは思えなかった。

まず、その体が口元から腹の辺りまでべったりと血に染まっていた。
自ら吐血したにしては妙ではないか。
立った状態で吐いたなら顔を前に出し、屈んだ状態になるからあそこまで血がかかることはほとんどない。
寝てる状態なら顔を横に向けるはずから服に血は余りかかりにくいし、もしあれほどその体位で吐いたにしても、地面に染み込んでしまう分を考えれば命に関わる程の血が必要である。
そこまで口から血を吐けるのは流石におかしい。

ならば考えられるのは他者の血である。
口から垂れているのが他者の血であるならば話は早い、あの男は誰かの血を吸ったのだろう。
匂いは人間に近いが血を吸うような人間はいない。妖怪かなにかと見ていい。

これだけならむしろにとりは協力者と思い、馴れ馴れしく声をかけていただろう。
血を吸う種族なら幻想郷にも普通にいる。朝方放送で呼ばれたレミリア・スカーレットがそれに当てはまる。

526殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:08:33 ID:Mw.JsC7A0



そして、もう一つのその男の特徴がにとりが本能から危険と判断した最大の理由だった。



目から血が流れていた。
それだけである。

目と口から溢れる血、うつろな目。その顔は断じてまともな者とは言え無かった。
それは吸血鬼や妖怪と言うよりもおぞましい幽鬼の類い、
狼憑きめいて貪欲に餌を探し求めるそれの目である。
目から血が流れるというのは尋常なことではないだろう。
おそらく目は見えているようなので怪我をしているとも思えない。

さきほどの病弱な子供もそうだが、ああいうものも食べたらまた変な病気をうつされそうである。
だが、その180cmを超えるを超えるような体躯におぞましく血塗れた顔はその少年と比べ物にならない程、にとりに身の危険を感じさせた。



話の分かるような相手じゃない。


あれは確実に殺し合いに乗っている。



あれが人間ならともかくも妖怪なら体格差でこちらの方が不利だ。
今戦いを仕掛けるのも得策とはいえないだろう。

光学迷彩を発動しているお陰か、幸いこちらには気付いていない様だ。
ならば今の所は息を潜め、この場所で男が去るのを待つしか無い。






やがて男が一点を見据えると、何かを決めたかのようにその方角へと歩んでいった。

(あっちは確か街の方角…)

参加者を探しにいったのだろうか。否、殺害対象と言った方が相応しいか。
このままでは街に参加者がいたら危険な目に遭いかねない。餌の人間が減ってしまう可能性もありうる。
できることならば、街に先回りして参加者に警戒を呼びかけるか街から逃がしておきたい。
だがそこまでする体力は余り残されていない。
多少回復したとはいえにとりはまだ飛ぶことも満足にできないのだ。

(ここは待つしかないか…)

不本意だが今は市街地は諦め、ここで自身の回復を待つしか無い。
気配を殺し、茂みの中でじっと男が過ぎ去るのを待つ。
気づかれぬことをにとりは祈るばかりだ。




そう思う間に男の影は森の夕闇に消えていった。




時刻は18時となり、定時放送のサイレンが鳴り響いたのはそれから間も無い話である

527殺し合いやめますか?人間やめますか? ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:10:28 ID:Mw.JsC7A0

【D-03/一日目・夕方】



【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中…
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×3
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。




【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!!】
[状態]:疲労(中〜大)、ダメージ(大)(両方とも回復中)
[装備]:光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
[道具]:基本支給品×2(食料少し消費)
     お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達、工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達
     肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
0:しばらくの間ここで体を休める。
1:さっき走っていった妖怪(美樹さやか)を探す。
2:聖…。
3:他の参加者を探す。
4:首輪の解除法を模索する。主催者に知られずに調べる必要がある。
5:殺し合いに乗っている強い参加者を警戒。
6:他の参加者と会ったら、一緒にお弁当を食べよう。
7:入道(雲山)と鳥の妖怪(松風)はあの人間(ティンカーベル先輩)を食べようとしてたのかな?
8:オリーブオイルを探しておく?
9:人間……大好き!!
10:美味しかったな…。
11:今は街に向かわないようにしよう。
※人間を見るとにちょりになって襲い掛かります。
 人間以外にはいつものにとりで接します。が、少し怪しいかも。
※首輪が何らかの方法で主催者に情報を送っていることに気付きました。
※右代宮譲治が犯人だと知りました。
※疲労が激しく、弾幕が自由に扱えない状態です。休息すれば回復します。
※もこみち達の情報交換を盗み聞きしています。
※ケンシロウを危険視しています




【支給品紹介】


【風の谷のナウシカ風シチュー@『風の谷のナウシカ風シチュー』を作ってみた】
味は普通のクリームシチュー。
元はクラムチャウダーだったのだがアサリが無かったのでシチューに。
王蟲の抜け殻と腐海をイメージしたものであり、青色1号のせいで毒々しい程色が青白い。
盛り付けも同様であり、王蟲の体はパンと卵焼きでできている模様。
参考動画
://www.nicovideo.jp/watch/sm13802408
※サムネの時点であっ(察し)となる可能性高

528 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/21(土) 18:11:42 ID:Mw.JsC7A0
投下終了します

529名無しさん:2015/02/21(土) 21:55:01 ID:tUpFrxlM0
投下乙です
にとりは2連続でキチガイ遭遇か
ケンシロウはもうこれスタンス分からないな
街にはプラシドも向かってたがオイルまで飲みそう

530名無しさん:2015/02/22(日) 21:42:05 ID:QhPvTak20
投下乙です

ケンシロウは原典からのハンデが酷過ぎるからなあw
そしてにとりはここで脱落するかも…

531 ◆J/0wGHN.4E:2015/02/28(土) 23:29:23 ID:ARWsndWQ0
拙いけど支援絵投下します
ttp://imgur.com/Sch0WMa

532名無しさん:2015/02/28(土) 23:30:26 ID:ARWsndWQ0
酉の外し忘れ失礼

533名無しさん:2015/03/01(日) 05:18:34 ID:s1NVyBvc0

以外とイケる…?

534名無しさん:2015/03/02(月) 20:00:14 ID:Jq8ZR0r20
すげえ過疎してたと思ったのに
……一体何が始まるんです?

535名無しさん:2015/03/03(火) 17:16:51 ID:esqHC2ak0
チャー研がようつべで無料配信だってさ
おかし、ニコニコ配信じゃないじゃねえか!

536名無しさん:2015/03/03(火) 17:47:29 ID:Wib3TO4U0
>>535
カブトボーグも無料配信される可能性が微粒子レベルで存在する……?

537名無しさん:2015/03/03(火) 19:41:28 ID:uohZQfK.0
淫夢を配信しよう(提案)

538名無しさん:2015/03/03(火) 19:58:58 ID:Zc8u6grs0
申し訳ないがyoutubeに野獣の咆哮をを響き渡らせるのはNG
hotgooでやってどうぞ

539名無しさん:2015/03/03(火) 20:39:36 ID:esqHC2ak0
野獣先輩は人間の鑑だから是非未来を担う子供達に見て欲しい
このロワの野獣モやっぱり対主催の鑑だし

540名無しさん:2015/03/03(火) 22:59:37 ID:A0gBIomA0
>>539
スタンスコロコロ変わってたんですがそれは……

541名無しさん:2015/03/04(水) 19:54:21 ID:LFy4Q2FY0
野獣は愛ゆえに悩み葛藤した参加者の鑑なんだよなあ

542 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:47:53 ID:MMQBWWsw0
投下でーす

543おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:50:15 ID:MMQBWWsw0



「その顔はもう慣れたな…」

「まぁ、とりあえずその武器を下ろしてくれると助かる」


筋肉モリモリマッチョマンなカメラマン、フランク・ウェストは目の前の男に対し、そう言い放った。



「…何者だ」

目の前の男―ランサーは槍と剣を構えつつ、しかし冷徹に返した。
先程のメイトリックスと大して変わらない反応である。
ここまで出会う人間が警戒するとなるとさすがのフランクも自分の見た目に非があるのだろうかと思い始めてきていた。


ランサーとしても流石にその男には怪しい所があった。
先ほどのクッソ汚いホモと体格が似ているのも理由の一つだ。
だがランサーが警戒する理由は彼の得物にあった。

ガタイのいい男の手に握られた、どす黒くべっとりと血塗れた鋸。
それは如何なる形かで何者かを殺めたという動かぬ印である。


「フランク・ウェスト、ジャーナリストだ。殺し合いには乗っていない」

フランクはそういって手に持った鋸を足下に放り投げ、敵意の無い事を証明する。
それを見たランサーは片手の剣をゆっくりと下ろす。もう一方の槍は構えたままである。
男はまだ警戒を解ききっていないようだ。

ランサーとしても先ほどのホモの様に素手で襲いかかってきたり、或はまだ武器を隠している可能性も考えられるが故の行動であった。


「…その鋸は何故そこまで血塗られている?」


男は再び問う。


「最初からこんな感じだった…とは言っても信じてくれるような顔じゃなさそうだな」

「お前のイケたお顔を傷つけるような真似は間違ってもしないさ、お前がこの殺し合いに乗っていない限りはな」

「とりあえずこれについて調べたくてな…こいつがある以上はお前も俺も奴らの飼い犬だ」


フランクはおもむろにデイバックからイワークの首輪を取り出し、ランサーに見せる。
同時にデイバックも足下に投げる。


「当然既に死んだ奴からとったものだ、鋸はそれにしか使っていない」

それを聞いた男はやっともう一方の槍を下ろした。
ようやく警戒を解いてくれたようだった。


「俺はランサー。我が騎士道に掛けて、殺し合いには乗っていない」

「少し前に厄介な殺人者に出会ってな…失礼だが君がそいつの容姿に少し似ていたので先程の様な無礼な態度を取ってしまった、容赦願いたい」

544おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:51:57 ID:MMQBWWsw0

「いや、別にかまわないさ。わかってもらえたならそれでいい」





出会いも一段落した所でフランクが情報交換を始める。
できれば探し人の手がかりが見つかればいいのだが。

「ケンという子供を見なかったか?言動がまともじゃない奴だ」

「ケン?」

それを聞いてランサーはピンと来た。
言動がまともじゃない所に心当たりがありすぎる。

「まともじゃないというかかわいそうなお友達というか…そういえばどこに行った?」

ランサーが思い出したように周囲を見回す。
どうやら手応えありの様だ。

「近くにいたのか?」

「ああ、前までずっと一緒に行動していた…しかし先ほどの殺人者との戦いに気をとられて逸れてしまったみたいだ、すまない」

「それっていつ頃の話だ?」

「2〜3時間程前だ、少年の足という事も考えれば恐らくまだそれほど遠くには行っていないだろう」

「フランクだったか、俺もケンを探そうと思っていた所だ、良ければ協力する」

「OKだ」

フランクとしては一人では心細いという事は無いのだが、協力者が増えるのは有り難い。
何よりこういった情報を得る事は、この先生きのこる上で必要不可欠である。

「そうか、ありがたい。後俺からもいくつか質問をしたい」

「ケイネスという男を見ていないか?デコの広い壮年だ」


立場逆転。
今度はフランクがそれを聞いてピンと来た。
デコの広い壮年に心当たりがありすぎる。

「ああ、それならさっきもう一人の俺みたいないい体した奴と一緒にクルマに乗って船に向かったぞ」

「何、本当か!?」

ランサーはここに来てやっと望んだ答えが得られた。
一方でただ事ではないどこか大袈裟なランサーの反応にフランクは動揺する。

「それなんだが…今向かっても直接出会うのは難しいと思うぞ」

「どういうことだ?」

「何しろ今は夕方だ、今頃船は禁止エリアに指定されているはず。おそらくは船をもう動かしているだろう」

「ここからだと様子が見えないからな…俺としてもケンを見つけたら向かいたいと思うが」



ランサーはしばし、迷った。
やっとの事でフランクから自らのマスターであるケイネスの居所をつかめたのだ。
一刻も早く合流したいのが彼の本音というものである。

フランクと協力し、ケンを見つけてから船に向かうか。
あるいは直接自分が船の様子を見に行くか。
自分が船の様子を見に行った後でフランクと合流する手もある。





「…わかった、私もケンを見つけたら向かおう」

545おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:54:17 ID:MMQBWWsw0

ランサーの答えは、フランクとの協力だった。
考えてみれば、弱い少年を捨て置いて勝手に主の所へ向かうのは自分の騎士道精神が許さないというものだ。
そのうえ少なくともマスターはまだ死者として呼ばれてはいない。
おそらく自分同様の制限も課せられてはいるだろうが、ケン程非力な人間ではない筈だ。
単独行動ならともかく今は協力者もいるようだ。一刻を争うという事はない。


次に二人は自分たちの存在する世界について説明し合った。
フランクの語るゾンビ地獄と化したショッピングモール。
そしてランサーの言う願いを叶える聖杯戦争。
お互い、聞けば聞く程理解しがいたい奇妙な説明ばかりが交わる。
半信半疑な話ではあったがこんな状況に置かれては信用せざるを得ないのが現状であった。

続いて支給品の調べ。
先の人探しと同様お互いにとって興味深いものがあった。

フランクが最初にデイバックから取り出したのは、あの腐っている訳でも焦げている訳でもないのに何故か真っ黒な林檎。
ランサー曰く、魔法に関連する器具かもしれない、マスターの方が詳しい筈との事。
あの男に魔法が絡んでいるのかと思うとフランクは少し妙な気分になった。
フランクの世界では魔法使いなどという者は大抵キチガイだからだ。
そして叩くと助っ人が召喚されるとかいう太鼓。
これは完全な召喚魔術の触媒との事。
二時間という短い時間とは言え、詠唱無しで100人も呼び出せるのは非常に強力なもので、もし主催が作ったのであれば主催者側にそれほど上位のキャスターがいる事になる。
フランクには魔術の類いは理解が低いが、この支給品が間接的に主催の絶対性を示す物でもあるという事を知覚した。
次にGrand Theft Auto: San Andreas Cheatsと書かれた書類。
これもまた呪文の類いである可能性があるらしい。
ランサーに指摘されて初めて気がついたが、大文字で区切りが無いため分かりにくいがよく見るとどれも英単語のようである。
グッドバイクルーエルワールド、カンガルー。

「C、V、Y、K、X、Y、M、…これはなんて読むんだ?」

「すまないが俺にもわからん」


この間、フランクを対象にチートコードが発動したのだが二人は当然知る由もない。
この支給品には説明書の類いは存在していないのだ。
幸いこのコードは水中で息が無限に続くようになるコードである。
中には使用者の首輪が爆発したり、周囲1エリアにいる参加者が無条件で使用者に襲い掛かるコードも存在する故、知らぬ間にフランクは命拾いしたのである。


立場は変わりランサーの支給品の番である。
はじめにシーザー・カエサル・エンペラーなる昆虫を模した玩具。
何故か同義語を三つも並べたネーミングに疑問を覚える。
それほど価値のある物には見えないが捨てずにとっておいたらしい。
次の刺々しい形をしたスター。
ディーノが士に致命傷を与えた物だがランサーによってその際に付着した血は拭き取られていた。


この事はランサーは知らないがニオイも血によって流されていた。

そして北米化パッチ。
これも魔術と関連性があるかもしれないとの事。
さっきからかもしれないが多いが実際ランサーはそういった魔術関連の情報をケイネスから聞きかじった位しか持ち合わせていないのである。

フランクは少し興味を持って試しに付けて見たが、これと言った変化は無かった。


これは決して故障ではない。
ただフランクの出典世界のゲームであるデッドライジングはそもそも洋ゲー色が強く、北米化パッチを付けても大した変化はないのだ。
敢えて言うならば、攻撃時のゾンビの欠損表現や内臓露出描写が追加される程度である。

それからディケイドライバーとライダーカード一式なる物。
一見玩具のようにも見えるが実際に士はこれで変身し、ディーノを倒した。
これがどういった原理で変身するのかは士亡き今、知る術は無い。
だがやはりケイネスを頼ればわかる可能性もあるし形見という意味でもとっておかねばならない。

最後に其為右手なるもの。
取り出して見れば人間の腕が出てきたのだからフランクは少し驚いた。
死体そのものは見慣れているが、デイバックからいきなり手が出てきたらさすがのフランクも眼を疑う。
士のデイバックに入っていた物で、異能の力を回数限定で無力化するらしい。

支給品を回収した際ランサーは説明書を見て、言い知れぬ怒りを覚えていた。
主催のこのような殺し合いを娯楽感覚で行い、剰えその一環で人の腕をもぎとって支給する行為、許される物ではない。

546おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:57:16 ID:MMQBWWsw0




「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」

ランサーがフランクに渡したのは先ほどまで自分が持っていたハイリアの盾である。
普通盾を捨てるというのは戦士において致命的な事にも見える。
だがランサーにとって盾というものはあくまで攻撃を防ぐ為の防具でしかなく、武器として扱うには鈍器レベルの性能しか無い。
元より俊敏の高いランサーとしてはこういったチート盾も片手が空いているからという理由で装備したに過ぎない。
止むなく攻撃を受ける場合も本来は槍や剣でいなせば十分なのである。
最もランサーがあまり盾を使い慣れていないという点もあった。
普段は二刀流や二槍流で戦う事がほとんどだからである。

「そうか、大切に使わせてもらおう」

フランクは満更でもない様子だった。
彼にとってはマネキンの胴体でも一撃でゾンビを殺せるだけの力があるのだ。
それなりの耐久度のあるものなら何でも武器になり得る。
それはこの盾でも何ら変わらない。


こうした流れでランサーはプラシドの剣とゲイ・ボルグを装備した形となった。

剣と槍というのは見かけの上では非常にアンバランスに思えるかもしれないが、実は以外と理にかなった戦闘スタイルでもあるのだ。
剣では届かない間合いの敵をリーチに優れた槍で補いつつ、柄の長い槍では対処しづらい至近距離や死角の敵には剣で迎撃する。
無論、二刀流最大の強みである「右と左でどちらから攻撃が来るかわかりにくい」といった点も持ち合わせている。

元々ランサーの真名ディルムッド・オディナ―ケルト神話に登場するフィアナ騎士団の随一の戦士―は二振りの槍(ゲイ・ボルグとゲイ・ジャルグ)に加えて二振りの剣(モラルタ、ベガルタ)を持ち、所謂セイバー適性も持ち合わせていた。
第四次聖杯戦争に於いてケイネスはディルムッドをセイバークラスとして召喚したかったがセイバークラスは既に召喚されてしまっていたので、ディルムッドはランサークラスで顕現した。
このためランサーは剣技こそ優れていたが今回は剣を持っていなかった。

ランサーがこのような片方づつの装備を試みるのも初めてであったが、「輝く貌」の異名をもつ戦士は伊達では無い。
速くもランサーは振るっただけで剣と槍の複雑な組み合わせによる主要的な動きを掴み始めていた。

尚、これはランサー程の腕前があっての話である。
良い子の皆さんは真似しないように。



「それともう一つ、聞きたい事がある。もう一人の俺みたいないい体した奴といっていたがそいつの名前は何だ?」

「あいつは確かメイトリックスって奴だ。おそらく俺よりは頼りになるだろうな」


メイトリックス、聞いた名である。


「―――待ってランサーさん。最初に主催者に一人を殺したメイトリックスっておじさんと
 変な仮面の姿に変身する人は殺し合いに乗っているから気をつけて。私とほむらちゃんも襲われたの……」

あの時まどかという少女から聞いた証言である。
それを聞いてその当時のランサーはあっさり信じてしまった。

それから数時間後、
危険人物と言われていたうちの一人である変な仮面の姿に変身する人―士はいざ出会ってみれば正義感の強い男と分かり、これと言って殺し合いに乗った様子でもなかった。

547おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 19:59:08 ID:MMQBWWsw0

そしてその士の仲間だというメイトリックスも今ケイネスと行動を共にしている。
マスターであるケイネスがこんな殺し合いなどする器ではない。
つまるところメイトリックスもいわゆる対主催の人間の筈だ。

複数の人間が嘘をついてまで参加者を殺し合い反対派と嘯くメリットなどあるだろうか。
否。嘘をついているのは、まどかという事になる。
だが、あのような年端も行かぬ少女がそんな仲間割れを引き起こさせるような事をする意味があるのか。
嘘でなかったとしても勘違いという可能性もある。
何らかの事故で敵対してしまったのかもしれない。
そうなれば説得し、誤解を解く必要があるだろう。
ランサーはケイネスとの合流後に余裕があればまどか達を説得しておく事にした。



話が一段落し、二人でケンを探そうとした矢先、

「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

唐突に何者かが会話に割り込んできた。






&&&







遊星と別れて数時間、東豪寺麗華と鬼柳京介の肉体を借りた美樹さやかは南へ向かっていた。
理由は当然学校にいた襲撃者などの危険人物から離れる為である。


学校は当然あの透明の何かがまだうろついている可能性もある故一刻も早く離れたかった。
戦闘経験のある麗華としてもそのような敵をさやかを守りながら戦うのは流石に分が悪い。

そして町にいた眼から血を流しながら水を求める男。
あれもかなりの戦闘力を持っている上に話が全く通じない。
見た目といい戦う以前に余り関わりたくないキチガイの類いだ。

それに加えて遊星と別れてすぐに起こった背後の大爆発。
その爆風はさすがに命を脅かす程のものではなかったが、北でまたろくでもない事がおこっていると感じさせるには十分すぎた。

とはいえ、南へ向かうとはいっても具体的な所までは決めていない。
ゲキド街へ向かい人を探すという手もあるが人が見つかる確証はないし、会えたとしてそれがまともな協力者である確証もない。


現に今まで麗華が出会ったまともな対主催参加者は精々遊星位であった。
漠然と歩いていてもここが島である以上いつか海に着くだけである。
どこかでスタンスの転換点としなければいけない。

そういった思索が麗華の脳内で巡る中、出会った二人の騎士はちょうどいい転換点と言えよう。






%%%

548おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:00:04 ID:MMQBWWsw0





「…それと、これはお前に渡しておこう。俺には現状不要だ」


少し離れた場所で二人を観察する麗華。
最初は一方が警戒こそしてたが今や完全に分かち合い、話し合いや支給品確認を進めている様だ。
奇妙な恰好だがこの殺し合いには乗っていないと見て間違いないだろう。

こういう場を生きのこるにしても一人だとつらい物がある。
協力者が特段必要という訳ではないのだが、情報は無いよりはあった方がいい。
危険人物や安全な施設を知る事ができればそれはサバイバルの上で大きなアドバンテージとなる。


(そろそろ潮時だな)

麗華が茂みを抜け、二人のもとへ近づく。
後からさやかが麗華に隠れるようにそっとついていく。



「おい、そこのコスプレの二人、聞いてるか?」

麗華が口を開く。
フランクとランサ-の視線が声の方向に注がれる。

「そんな顔するな、今アンタらと戦う気はないよ」

そういって麗華は二人の警戒を解くため両手を上げる。
自分としてはこんな儀式をする意味などあるのだろうかと考えつつさやかにも同様の行為を促す。

「アンタら、人を探してんのかい?」

「知っている事があるのか?」

「いや、ケンやケイネスって人は知らないね」

「ただ一度多くの人に出会って情報を集めたいと思っていてね、盗み聞きで悪いけど聞く限り船の方にも行きたいんだって?」

「ああ、協力してくれるのか」

「そのつもりさ、そうすればすこしはゆっくりケンって奴を探せるだろう」


思わぬ協力者であった。
同時にランサーにとってまたとないチャンス。

「感謝する。それと名乗り遅れたが俺はランサー、もしケイネスと出会えたなら探し人を見つけ次第海岸に向かうと伝えてくれ」

「俺はフランク、ジャーナリストだ。」
 
「それと、四条雛子、我那響、アカツキ、カズマ、不動遊星、ジョン・メイトリックス、ロックオン・ストラトス、アンリエット・ミステール、今俺が言った人間は殺し合いには乗っていない」

「特に遊星は技術者らしい。もしかするとこの首輪について何か知ってるかもしれない」

「遊星?それってもしかして蟹みたいな頭してなかった?」

「俺はケイネスから聞いただけだからわからん、もしかして会ったのか?」

「ああ、3〜4時間前に変なバイクに乗ってきた。それと海東という奴に気をつけろとも言ってたな」

少し遅れた自己紹介に呼応して麗華も自己紹介を返す。

「あっそうだ(唐突)こっちも自己紹介位はしとかないとね。」

「ウチは東豪寺麗華、そっちは美樹さやか。事情があって男の体になってる、決してコスプレじゃないから」

「後それと遊星から聞いたんだけどシャーロック・シェリンフォード、権兵衛、東風谷早苗、松岡勝治も安全らしい」

ついでに遊星から聞いた早苗達の特徴を付け加える。





「じゃあもう行くけど、一つ言っておきたい事が」

用を済ませた麗華とさやかは背を向けながら二人に話す。

「学校の方に透明の敵が居るらしい。気をつけてな」

敵という言葉でフランクが再びピンと来た。
ケイネスの伝言を思い出したのだ。

「すっかり忘れていたが敵で思い出した。ブルーベリー色の巨人には注意してくれ。
 神出鬼没で人を食う、何らかの方法で人を同種にする化け物らしい」

麗華がそれに返事をすると、フランク達も踵を返し、ケン探しを再開した。

549おかげさまでフランク達はドラゲナイことになってるんです ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:02:16 ID:MMQBWWsw0




【G-03/1日目・夕方】

【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小) チートコード発動
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、ハイリアの盾@ゼルダの伝説、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンを追いかける。
2:情報と協力者を集める。
3:ロックオンと男声の女を警戒する。
4:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
5:ミキサーが欲しい…
6:さっきのコスプレ発言は割とブーメランっていう。
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。
※水中で息が無限に続くようになりました。ただし本人は気づいていません。
※チートコードはアルファベットを一つ一つ読み上げないと発動しないようです。
※チートコードに発動期間があるかどうかは不明。

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケンを探す。
2:まどかの証言は嘘かまどかの誤解ではないのか?
3:ケイネスとの合流後、まどか達を説得する。
4:あの鎧のデザインいいな…
※まどかの証言はもうほとんど信じていません。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。

550 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/05(木) 20:03:22 ID:MMQBWWsw0
投下終わります

551名無しさん:2015/03/06(金) 17:46:11 ID:KHHt6t1o0
投下乙

続々とエスポワール集結してきてるなぁ
これが対主催の要となるか……

552名無しさん:2015/03/07(土) 15:47:00 ID:Rv/9tBdA0
投下乙です

553名無しさん:2015/03/07(土) 23:01:24 ID:uCI15UnE0
投下乙です
ちゃくちゃくと対主催が集まって何より
マーダーが休止状態の今がチャンスなのかもしれない

あと現在位置表を弄ってみたんですけどどうもうまくいきません
誰か詳しい方更新していただけるとありがたいです

554名無しさん:2015/03/08(日) 22:46:48 ID:cKZJXtmUO
前のを更新してみました
ttp://uploda.cc/img/img54fb9c02da852.jpg

★・・・マーダー ●・・・支給品
トゲみたいなのはおおよその進行方向です

555 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:46:47 ID:qGqtw/Ro0
投下します

556「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:49:23 ID:qGqtw/Ro0
「鹿目まどかだな?」

俺は出来る限り、相手を刺激しないように話しかけた。
鹿目まどか、主催の一人を既に殺害したことのある参加者だ。気を抜けば俺も殺されかねない。
まどかは怪訝そうに俺を見ている。そして俺がただの参加者ではないと気付いたのだろう。
明らかな殺意、敵意を向けていた。元グリーンレベーの俺すら一瞬怯みかけるほどだ。
こいつは生まれながらにしての、邪悪という奴なのだろう。

「おじさん一体誰?」
「俺はクック、主催の一人だ」
「主催? よくのこのこと、参加者の前に姿を見せられるね。殺されても文句言えないんじゃない?」
「俺としても、参加者の接触は避けたいところだ。だが生憎そうもいかん、そのアサシンの少女を回収しなくてはならない」
「回収?」

俺はアサシンの少女を次の放送後、正式参加者として加入させるために回収しなければならない皆を、簡単にまどかに説明してやった。
まどかの顔に不満そうな色が見られる。間違いなく異論を唱えるはずだ。
その前に俺は先手を打つことにする。

「もちろん、ただでとは言わん。お前に面白い支給品を渡してやる」
「支給品?」
「そうだ」

まどかの顔色が変わっている。
アサシンの少女が消えようとも、それに変わる戦力さえ渡せば納得はしてくれるかもしれない。
とはいえ、生半可な戦力では取引にはならない。

「タイム風呂敷だ。
 今近くにとある参加者が居る。アサシンの穴埋めにするには少しじゃじゃ馬だが、まあ交渉の材料にはなるだろう」
「それって、どういう……?」
「自分で考えるんだな」

俺は困惑しているアサシンの少女の腕を掴む。
さて後はこの場からの退避だけだ。
とはいえ、些かまどかに贔屓してしまったという思いもある。別れ際に一つ条件を付け加えることにした。

「そうそう忘れるところだったが、こちらの事情とはいえ、お前には少し贔屓しすぎた。
 そこで、だ。ちょっとお前にはハンデを負ってもらう」
「ハンデ?」
「第四回放送までに三人、お前が殺せ。でなければ、お前を殺す。手段を選ばずにな」

首をかき切るような動作をし、俺はニヤリと溜まらず笑みを浮かべてしまった。
まどかへの処置は主催でも意見が分かれていたところだ。
主に譲二の単独行動で接触し、結果として戦力を増強してしまったという事実。そして今の支給品の支援、これぐらいのハンデは当然だ。
まどかは舌打ちし、俺を殺そうとするがもう遅い。俺の体は透け、奴に干渉など……

「え、やめ―――」


「これで、二人で良いよね?」
「何?」
「まどか!?」

俺が掴んでいた少女は腕から先がただの肉片へと変わっていた。
まどかはパッチを付け、ラオウの姿へと変身し拳に付いた血を払っていた。

「……良いだろう。だが残り二人だ」

あの躊躇の無さは軍人として見習いたいものがある。
俺は感心しながら了承し、この場から離脱した。



【アサシン(少女)@Fate/Zero】死亡



【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

557「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:49:47 ID:qGqtw/Ro0





「ほう、メイトリックスは殺し合いに乗ったのか」
「はい、カズマ、サーニャって人に妙な仮面の姿に変身する男達もです」

情報交換を終えたわし達は、他の参加者との遭遇を求め市街地方面へと急いでいた。
それが役数分くらい前のことだっただろう。
今、現在数時間歩いた甲斐もあり、運よくまどかとほむらと名乗る二人の参加者に遭遇することが出来た。

「それで命からがら逃げてきて……」

腕を切られ機嫌の悪かったギルガメッシュだが、幸いにも相手が腕を治す道具を持っていた事で上機嫌に戻ってきていた。
確かタイム風呂敷と言ったか、これは見覚えがある。ドラえもんの秘密道具だ。こんなものまで用意するとは思わなかったが。

「お願いします。一緒に来てくれませんか、私達不安で不安で」
「ふっ、まあ良い暇つぶしにはなるだろう」

それにしても、現役JCだ。わしは今歓喜に震えている。
とにかく運が良い。
話の方向性も一緒に行動する方向で纏まっているようだ。やったわしにも春が来たかも知れん。
……と言いたいところだがわしはすこし違和感を感じていた。最早直感に近いがこの少女から何かが違うという感じがする。
封印された記憶の関係なのか、わしはこの娘達を何処かで知っている気がする。そうアニメ、やはり何処かでみたな。
ともかく警戒した方がいいかも知れん。


―――――



ギルガメッシュは右腕の調子を確認する。
確かに以前のまま動く、あのタイム風呂敷とやらは本当に物の時間を巻き戻せるらしい。
面白い道具だと思った。
もっとも、何よりも面白いのはこのまどかとほむらの関係だ。
見ていて飽きない。この退屈な殺し合いの中ではとても上質な愉悦だろう。こいつらは良い酒の魚になると。

「なあ、グレーテル?」

まどかとほむらには聞こえないよう声を抑えながらグレーテルへと話しかけた。

「な、何が……」
「気付いているであろう。あの歪な関係を……。中々に面白いとは思わぬか?」
「関係って……?」
「あの依存した歪な関係は、後に何らかの劇を生み出す。
 それが喜劇であるか、悲劇であるかは分からぬが……。付き合うのもこの殺し合いの中での余興と考えれば面白い」
「そんなこと……」
「とぼけるな。お前は存外に目利きは効く。奴も中々上手く隠しているが、それでも奴の本性をそう見破れぬほどの節穴ではない。
 お前は何処かで刺激を求めているのだ。そう、愉悦をな」

ククク…とギルガメッシュは笑いを堪えている。

「違う、私は……私は……」



―――――

558「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:50:03 ID:qGqtw/Ro0




まどかに課せられたハンデ。
二人殺さなければ、自身の命が奪われると言うまどかのみの変則ルール。
首輪を爆発させられるのだろう。
厄介なことになってしまったとまどかは考える。少し調子に乗りすぎたかもしれない。
ほむらの言った首輪解除の方法も、何処かで試せるうちに試して色々検討するべきだ。
ともかく今は戦力が必要だ。不穏な男だがギルガメッシュは雰囲気から実力者と感じ取れる。
クックの言った通り、タイム風呂敷で腕を治したお陰か味方に引っ張れたのはラッキーだろう。

「とにかく、誰でもいいから早く殺して……」
「落ち着いて、まどか」

そっと、ほむらがまどか手を握り締める。

「焦っても大事な事を見落とすだけ、まだ時間はあるものじっくり作戦を考えましょう」
「……ほむらちゃん、ありがとう。たまには役に立つね」

最後の台詞はまどかとは到底思えないものだが、それでも一瞬だけまどかの顔が元のまどかに戻った。そんな感じがした。
希望的観測が行き過ぎただけの幻聴なのか、あるいは……。

「一応、ギルガメッシュには殺し合いには反対と言う姿勢を見せてるんだもん。
 何とか他の参加者を、殺し合いに乗っている風に見せないといけないよね」
「まどか。いっそ、ここで全員共殺すのはどう?」
「それも考えたけど、確実に行きたいの。
 下手に戦いを挑んで重傷になったら目も当てられないでしょ? それこそ時間もあるみたいだし。
 それに殺し合いに乗った参加者だと思われたら、後に殺し合いに反対派が主催を倒せそうになった時に、仲間になりづらいからそれだけは避けたいの」

まどかは優勝が目的ではなく生還が目的だ。
あまりに派手に暴れて、残った参加者全員から警戒されるのは避けたい。

「とにかく理由を付けて、メイトリックス達を殺すか。先に悪評を流しておかないと……」

何はともあれ、他の参加者の同行まで漕ぎ付けたのは上出来だ。
あとは上手く立ち回れば……。

【G-6/一日目・夕方】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立つ確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。

559「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:50:19 ID:qGqtw/Ro0

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:ギルガメッシュと共に市街地へ。ケイネスを探す。
7:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。




【タイム風呂敷@ドラえもん】
包んだ物を未来か過去の姿に変える。

560「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/22(日) 02:52:05 ID:qGqtw/Ro0
投下終了で
あと>>558だけこっちで

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。

561名無しさん:2015/03/22(日) 07:01:26 ID:cqOMZs0w0
投下乙
それと細かいけどちょっと誤字発見
×元グリーンレベーの ○元グリーンベレーの
×良い酒の魚に ○良い酒の肴に
まどかの思考状況7番目の目立たないように〜の目が一個多い
まあwiki収録時に修正しとけば良いと思うけど

562名無しさん:2015/03/22(日) 12:12:33 ID:k2PWTkFc0
乙です
強化はされたがその分ハンデも負ったか
主催も相変わらずカツカツ状態だしどこまでやれるか

563名無しさん:2015/03/22(日) 16:15:26 ID:unYdxRJA0
投下乙です

564名無しさん:2015/03/23(月) 00:56:36 ID:iGHlss5M0
投下乙です

ムラクモや星君といい続々と危険人物紛れ込んでいくなwww
そしてまどかに課せられた縛りが今後どう影響するか……

あと疑問なんですが、アサシンが持ってた支給品はどうなったんですかね?
クックやまどかの状態表にも書かれてないので

565 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:47:19 ID:tAvGiWS.0
ご指摘ありがとうございます
wikiに直接直しておきます

あとアサシンの支給品はまどかに手に渡ったという事でこれも修正しておきます
すっかり忘れてたorz

566 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:57:49 ID:tAvGiWS.0
本編のほうはwiki収録時に直してくださったようです
ありがとうございます

567 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:08:24 ID:Ud8G8Q4w0
投下します

568ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:36 ID:Ud8G8Q4w0
「嘘……」

サーニャが目にしたそれは人とは思えない食いカスだった。
無残に散らばった血に塗れた服、髪の毛が生え所々肉片の付いた髑髏の数々。
如何な方法を以って殺せばこうなるのか、最早人の所業とは思えない。

「うっ……おえっ」

涙よりもサーニャを襲ったのは強い吐き気だった。
エイラと思われる髑髏を見つけたとき、反射的に意の内容物が逆流し吐瀉物として外部に排出される。
愛らしい小顔は見るも無残な白貌の骨へと変わり、残った髪と二つの目玉がギョロリとこちらを睨んでいる。

「エイラ、そんな……」

それをエイラと呼びかけるのに躊躇いすら生まれた。
死んだという覚悟は出来ていたが、これはあまりにも酷すぎる。
怒りや悲しみを飛び越え、嫌悪感を感じた。

「ガキか」

男の声がサーニャ耳を鳴らす。
半ば逃避的にエイラから目を離し振り返る。

「あなた、は……?」
「少なくともそいつらを殺した下手人じゃねえな」

ヘルメットを被っている為、その下の顔は分からないが、何処か声は皮肉が込められている。
サーニャは不快な印象を抱きながら、その男に現状の説明を求めた。

「俺が来た時にはこうなってた。もし誰かの仇討ちでもしたいんなら残念だったな」
「そうですか……。もうここには、透明の殺人鬼も居ないみたいですね」
「あ? 透明の殺人鬼だと?」

ヘルメットの男、ジャギは透明という言葉に反応する。
忘れもしない。あの姿を隠しジャギとドラえもんを襲撃してきた卑怯者に間違いない。
妙な苛立ちが、ふつふつと再び燃え上がってきたジャギは咄嗟にサーニャの胸倉を掴む。

「ちょっ、何を―――」
「おい、その透明の殺人鬼の事を教えやがれ!」
「わ、私も会った訳じゃありませんけど……姿が見えない殺人鬼に襲われた人が居て、彼らは……」

サーニャから手を離しジャギは舌打ちをする。
ほんの少し前まで、ジャギの探していたドラえもんを殺した卑怯者はここに居たのだ。
何というすれ違いだろう。あともう少し早くに学校に来てさえ居れば。

569ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:53 ID:Ud8G8Q4w0

「あの野郎、かならず見つけ出して……」
「貴方も……もしかして」
「ちっ、てめえには関係ねえ」

サーニャの目にはジャギは誰かの為に怒る。
善人のように一瞬映ってしまった。
だからだろう。

「……そうそう、忘れるところだったが俺の名前はケンシロウ、お前を殺す男だ」

その唐突な豹変ぶりと自らの殺害予告に気を取られ、反応が遅れたのは。
ジャギの手に握られた刃物が真っ直ぐサーニャの顔目掛け振り下ろされる。
瞬きする暇もなく、視界が冷たく銀色に輝く鉄に覆われる。

「そ、んな―――」

刃物がサーニャの顔をかち割り、赤く染まろうとしたその瞬間。
壁を薙ぎ払い粉砕し、突き進む男の轟音と咆哮が木霊する。

「衝撃のファーストブリット!!」

まるでミサイルのようだとジャギは錯覚した。
壁があった筈の向こう側から、こちらへと一直線に突っ込んできたのは一人の男だ。
その右腕をアルターで武装し壁を突き破り、ジャギへと殴りかかるカズマ。
ジャギはサーニャから離れ、高く後方へ飛ぶ。
カズマの右腕の軌道からジャギが外れ、その拳は誰も居ない唯の壁へとぶち当たる。
ビスケットのように音を立てながら壁は崩れ去った。

「てめえか? 透明の殺人鬼ってのは!」
「生憎と人違いだ」
「そうかい、でも殺し合いには乗ってるんだろ?」
「だったら?」
「ボコる! 徹底的にだ!!」
「面白え、やってみなこのケンシロウ様を相手によ!」

互いに啖呵を切ったところで、ジャギはカズマの首元にあるはずの物がない事に気づく。

「お前、首輪は……」
「あ? んなもん外した」
「そうか。……特別サービスだ。そいつの外し方を教えれば見逃してやる」
「絶対にノゥ!」
「イエスと言いやがれ!」

ジャギの刃物とカズマの拳がせめぎ合い火花を散らす。
普通の拳ならば血を噴出し、肉が裂けるところだがアルター、シェルブリットの姿となったカズマの拳は刃をものともせず受け止める。
そのまま数度打ち合い、ジャギの蹴りがカズマの腹へと放たれる。
空気を無理やり吐き出されるような感覚と息苦しさを同時に味わいながら、カズマも負けじと左拳でジャギ鳩尾へとストレート打ち込む。

「埒があかねえ、撃滅の―――」

また、あれがくる。
ジャギの体をピリピリと刺激する威圧感。
それが最初に放たれた、あのミサイルのようなものだと予感させる。

「セカンドブリット!」
「うおおおおっ!!」

だがそれはミサイルでありながらミサイルにあらず。
如何に威力が桁違いであろうとも、人の手により放たれた拳であることに違いはない。
ならば、そこに武術の挟み込む余地は確実にある。
殴りかかるという、人のもっとも基本的な戦闘スタイルは何年、何千年も前から研究され尽くされてきた。
故に、それに対する対策など腐るほど編み出されてきている。

570ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:10:58 ID:Ud8G8Q4w0

「なっ!?」

殴りかかったカズマの力を受け流し、腕を掴み。あらぬ方向へと投げ飛ばす。
北斗神拳ですらない一本背負い。
予想外の出方にカズマも一瞬混乱しながらも辛うじて受身を取るが、流されたセカンドブリットの衝撃がモロに身体を流れかなりのダメージを負う。

「ぐっ、が、あ……」

痛みで動きの遅れたカズマへジャギの刃物が振りかぶる。
カズマは無理やり右腕を動かし、肘で地面へと叩きつけその反動で跳躍した。
刃物は空を斬り、ジャギは天井を睨む。

(あいつにただの拳はきかねえ。なら―――)

再び拳を構え、カズマは天井近くでジャギを見る。

「はっ、また懲りずに殴りかかる気か!」
「抹殺のラストブリット!!」

アルター粒子の噴射で勢いを付けたカズマはジャギではなく、その真上の天井を殴りつける。

「これなら投げられないだろうが!」

崩れ、砲弾のようにジャギに降り注ぐ天井の中を掻い潜り、カズマはサーニャを連れ離脱、半壊した学校から校外へと飛び出した。


「はあ、はあ……おい無事か姉ちゃん?」
「ええ、何とか。それよりもカズマさんは大丈夫なんですか!?」

サーニャの横で気丈に振舞うカズマだが額に汗をかき、目は少しうつろ気味だ。
ここに来て連戦の疲労がピークに達したのかもしれない。

「それよりも、下がっとけ。多分、あのヘルメットくたばってねえ」

左腕で汗を拭いながらカズマは崩れた瓦礫の山を見つめる。
すると目の前の瓦礫から物音が響く。

「!? そこ―――」「違います、あっち!」

カズマが振りかぶった瞬間、サーニャの声で別の方向を見たカズマが捉えたのは、別の死角から不意を付こうとしてきた五体満足のジャギだ。
すぐさまカズマは追撃を中止し、ジャギの攻撃をかわし後方へ飛ぶ。

「ちっ、あのアマ……」
「良かった、私の魔法が役に立って」

ジャギは舌打ちをする。
サーニャの姿が先ほどとは打って変わり、猫のコスプレのようなものに変わっている。
恐らくは何らかの得意な索敵能力を使い、こちらの居場所を察知したのだろう。
こうなると奇襲はまるで役に立たなくなる。

「一応、礼は言っとくぜ姉ちゃん」

サーニャへ一瞥くれ拳を握りなおす。
あのヘルメット男には普通の拳は通用しない。
ならば、更に火力を上げ触れさせなければいい。カズマの周辺の物質が分解され粒子となりシェルブリットへと集まっていく。
シェルブリット第二形態。
もう疲労など気にしている場合じゃない。全力でなければ叩き潰せない相手だ。

571ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:11:43 ID:Ud8G8Q4w0

「まだ、そんな隠し玉を持ってやがったか」

まいったとしか言いようない。
あの拳は流せない。もはや拳でありながら人のそれではない。
触れるだけで、消し飛びそうなほどのエネルギーを纏っている。

「正面から受けるしかねえってか?」
「もっとだ、もっと輝け! シェルブリットバースト!!」

右腕のプロペラが回転し拳が勢いを付けジャギへと向かっていく。
ミサイルどころか、光り輝くそれは隕石のよう。
ジャギは小細工は捨て、自身の体の秘孔を突き肉体を強化する。
咄嗟の思いつきのアドリブだが上手くいった。あとは迎え撃つのみ。

「ぐ、おおおおおおお……」
「この、野郎ォ……!」


骨が軋み、皮膚は裂け、肉は悲鳴をあげる。
だがジャギはその両腕でカズマのシェルブリットバーストを受け止めた。

「ぬ、ぐうううううう」
「うおおおおおおおおおお」

もっとも僅かながらジャギをカズマが圧している形だが。
二人は連戦を繰り広げ、疲労が溜まっているのは共通している。
問題はその二人を縛る制限だ。かたや首輪を外し本来の力を発揮できるカズマ。かたや魔法戦士の力を得ながらも、しかし制限を受けているジャギ。
そこで地力で二人の間には差が生まれてしまっている。

「畜、生ォ……!」

力が徐々に抜けていく。
シェルブリットバーストが既に眼前にまで迫り、寿命のリミットを数えてすらいるようだ。
どうして止められない。何が足りない。冷静に己と敵の戦力を分析し得た結果、自らを縛る首輪の存在に気づいた。
これだ。これがどうしようもなく人の力を奪い去っている。

「邪魔、なんだよ……首輪(てめえ)は!!」

無理やり引きちぎり、そしてボンっと軽く鈍い爆発音が響く。
カズマが逡巡した次の瞬間、シェルブリットが押し返される感触が伝わってくる。

「お前、まさか……!」
「はっ、これでお前と対等って訳だなァ!!」

首輪を千切った瞬間、秘孔を応用し首周りを硬化させ爆発を耐えた。
一か八かの賭けだが勝った。
ここからが本当の勝負の幕開けだ。

「もっと輝け!」
「しゃらくせえ!」

受け止めたシェルブリットへ真下からの膝打ちを叩きつける。
わずかにジャギへの狙いが反れた瞬間、カズマの顔面へと頭突きを叩き込む。
だが、カズマも負けじと左肘で首輪のなくなった首元へ肘打ちを打ち込む。
カズマは鼻血を噴出し、ジャギは潰れた声を捻り出しながら。それでも二人は退かない。

「面白えな、ほんとに何なんだろうなあ!」
「ごちゃごちゃ、うっせえんだよ!」

顔を歪ませた二匹の獣が更に殴り合い互いを血に染めていく。
あまりにショッキングな光景にサーニャは目を背ける。

「なんで……あんな、あの人たちおかしい……」

殴るのは痛いことだ。殺しあうのは悲しく辛いことだ。
それなのにあの男たちは笑っている。互いに楽しんでいる
理解できない。どうして? 味方であった筈のカズマすら恐ろしく感じてしまう。
なんで殺し合いを楽しめるのか、どうして……?
おかしい、理解できない。人が死んでいるのに、しかも自分たちがそうなるのかもしれないのにどうして。
段々、不快さと腹正しさすら沸いてくる。

―――こんな人達にエイラは殺されたの?

ふとサーニャの脳裏をエイラの目玉と髪が残った髑髏が過ぎる。
戦いが殺しが好きな人たちにエイラは殺された?
そう思ったとき、無意識の内にカードを掲げていた。

「なっ? アルターが!?」
「なんだあ?」

その絵柄に描かれた一体のドラゴンが召喚され、再び姿を消した時カズマのシェルブリットが解除されジャギの拳を食らい吹っ飛ばされた。
覚えているのはここまでだ。あとは無我夢中で走って逃げた。

572ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:09 ID:Ud8G8Q4w0

「ごめんなさい。ごめんなさい……」

サーニャは走る。
エイラの悲惨すぎる死、男達の血みどろの殺し合いから逃れるように。



【c-03 /1日目・夕方】

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
0、……。
1、エイラの仇を討ちたい。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒
6、エイラを殺したのは……
7、あの人たちはおかしい

※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。



「どうなってんだ……クソッ!」

あの時、一体のドラゴンが現れたかと思えばカズマのシェルブリットを打ち消した。
ジャギはサーニャが、あのドラゴンで攻撃してくるものとばかり思っていたが、そうではなかったことに疑問を持つ。
スターダスト・ドラゴンの特殊効果は自身を墓地に送り相手の破壊効果を無力化するもの。
サーニャがそれに気づかず発動させカズマのアルターを解いた事など知る由もない。

「ちっ、とにかく今は休むか」

あの少女はジャギと戦っていた男の仲間の筈がどのような心変わりがあったのか。
何にせよジャギには関係の無いことだ。
休息のはずがとんだ戦闘になってしまったがやっと静かになった。
少し休ませてもらおう。幸い学校内の治療用具がありそうな場はまだ無事だ。

【c-03 見滝原中学校 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷、首輪解除
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)とカズマは次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あのドラゴンは…?
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

※学校が半壊しています。

573ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:41 ID:Ud8G8Q4w0



「あいつ…」

c-03から離れた場所でカズマは悪態をつく。
理由は分からないが人の喧嘩を邪魔されたのは非常に腹立たしい。
文句の一つや二つ言ってやりたいところだった。
あの戦いの間に少女の中で、何があったのか想像もつかない。
追ったほうが良いのだろうか。しかし、学校でアカツキ達を待たなければならないのもある。
そうなった場合、またあのヘルメットと戦う羽目になるだろう。それは別に構わないカズマだが。

「だが、ちっと疲れちまったな」

流石のカズマも疲労困憊だった。このまま連戦は避けたいところだ。
一先ず一眠りすることする。あとのことは寝たあと決める。
そう決め、目を閉じ眠りに落ちた。


【c-04 /1日目・夕方】

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除 、睡眠
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:今は寝る。今後のことはあとで決める。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かったが……。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
6:あいつ(サーニャ)はどうしちまったんだ?
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

574 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:13:00 ID:Ud8G8Q4w0
投下終了です

575名無しさん:2015/03/25(水) 01:57:27 ID:qoC1Ha8.0
投下乙

よし、これでおほむの秘孔で首輪解除出来る説は立証されたな!
オリーブオイルで解除出来た時点で最早、首輪なんてあってないようなもんだからま、多少はね?

576名無しさん:2015/03/25(水) 14:28:15 ID:pdyJMWqM0
投下乙

577名無しさん:2015/03/25(水) 16:19:26 ID:m3IWKemY0
さすがジャギ様つよい

578 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:28:32 ID:q9aC/MPE0
投下でーす

579アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:29:45 ID:q9aC/MPE0


時刻は13時38分。


「無いなぁ…」


「勝手に提案しておいてのその態度ですかい」


相生祐子は嘆息を漏らし、操舵室の椅子に座りこんだ。

先ほどからマニュアルの類いを見つけるため、しらみつぶしに操舵室内を調べて回ったが、梨の礫であった。
とは言え二人はたったこの15分間しか探してなかったのだが。

祐子の信念は熱しやすく、しかし冷めやすかった。


(何が船の操作法知らない人の為にマニュアルがあるだよチキショー!!)


(っていうかそんな意味不明な理論思いついたの誰だよ!!…あ、私か)

いちいちテンション上がっては後悔を繰り返す祐子も、研とは別の方向でキチガイである。





「…そろそろ逃げる事も考えないといけないんじゃないの?」

ふとバリカンがゆっこに声をかける。

いわれてみればそうである。
何だかんだで探し続けてみればこの場所が禁止エリア指定されるまで20分程しか無くなってしまった。
それまでにここを出るか船を操作するかしてこのエリアから逃げなければならないのだ。
さもなくば、自らの首輪が爆発してしまう。


殺し合いを強いるための参加者に課せられた首輪という枷。
その首輪の爆発、普段のゆっこにしてみればそんな物はトリックに過ぎないだろうと受け流していた所である。
しかし、あのゲーム開始時に見せられた「見せしめ」はゆっこに首輪の恐ろしさを植え付けるには十分だった。
今の今まで生きていた人間が首輪の爆発とともに物言わぬ首無き死体へと変わる。
それは、ゆっこが今までもこれからも断じて経験する事も無かった非日常。
後20分、ここに居るだけで自分も同じ立場におかれてしまう。

主催側の手によって見事にゆっこはこのゲームが「殺し合い」であると刷り込まれてしまったのだ。


脱出は確かに重要だが、それは命ある事が大前提である。
このまま動かし方がわからない首輪がまま爆発して死ぬよりはここから離れた方が良い。
船に未練は残るが背に腹は代えられない。


「なんでこんな首輪なんか…」

「首輪?」

忌まわしき首輪に手をかけて、ふとゆっこが気づく。

確かに自分にはこの首輪がはめられている。
だが、この目の前に居るロボットはどうだろうか。
彼(?)は参加者とやらではなく一介の支給品という存在である。
つまり、参加者に課せられるべき首輪が無いのだ。
例え禁止エリアに指定される時間になってもバリカンには何ら影響は無い。

580アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:30:37 ID:q9aC/MPE0


「バリカン!良い事思いついた!」

「え?」

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」

この時点でバリカン何か嫌な予感を察した。
また面倒な事を言い出しそうな雰囲気とバリカンは思ったのだ。

「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


またしても無茶振りを押し付けられた。とバリカンは感じた。
同時にゆっこは善は急げといわんばかりに出口へと駆け出していた。

「あー…うん」


慌ててバリカンは引き止めようとした。
が、ふと操舵室の備え付けの時計を見れば時刻は既に13時42分。
はっきり言ってもうあまり時間に余裕は無い、ここで判断がもたついては彼女の命に関わるだろう。
そう判断し、半ば仕方なくゆっこの話を承る事にした。


「その必要はない」

「!?」


駆け出すゆっこの足は、目の前の声によって遮られた。





/////






「これがエスポワールとやらか…」

「豪華客船の名には恥じないな」


それが、二人の目前の豪華客船への感想。

運良く何事もなく船に到着したお陰で何とか25分近くの余裕を作れた。
これなら船を操作してこのエリアを出られるだけの余裕はあるだろう
メイトリックスとフランクは君島の車から降り、辺りの様子を調べながら船に入る。



「ケイネス、こいつを見てくれ」

桟橋に足を踏み入れたメイトリックスが言い放つ。
ケイネスが指差した先を見れば、桟橋に泥汚れがついていた。
豪華客船という名に合わせて桟橋も蒼く美しい物であったが、その汚れは余りにも場違いであり、とても目立つ。
そしてその泥汚れは、靴の形で列をなしている。


「足跡か…」

「ああ、大きさからして女か子供だ、それにまだ中に居る可能性が高い」

「たしかに、これは入ってきた足跡だが、出てきた足跡は見られない」

実際、汚れの列は一列しかなく、その隣に杖のような物をついた跡がある位である。
そうだとしたら奇妙な形の杖だ、とケイネスは思った。

「もしかするとケンとやらがここに逃げ込んだのではないか?」

「違うな、ケンの靴は子供の運動靴だ、もっと複雑な形の足跡をしている」

「この靴はローファーかなんかだろう。普通は学生とかが履く物だ」

やはり早くに禁止エリアに指定されるだけあって、ここに来る人間は少なかった様だ。

「どちらにせよ、急ぐ必要があるな」


ケイネスはこの男が信頼に値する人間という程ではないが、少なくともある程度の信用をおいていた。
根拠の一つとしてこの軍人らしい判断力、洞察力の高さ。
サーヴァントのマスターであるという性質上、戦闘では基本的に後衛つく事がほとんどであるため、ランサー同様に前線経験に富んだ人間の存在は有り難い。
サーヴァントではない為ランサーと違い命令を下す事はできないが、そんな事を不満に思う程ケイネスは傲慢ではない。
協力し合える存在が居るだけで、少なくとも彼には十分なのだ。

581アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:32:34 ID:q9aC/MPE0


「ん?」

「どうした?」


ケイネスが訝しむと、それに呼応してメイトリックスも聞き返す。
だが、すぐにケイネスがなんでもない、といった素振りで返した。

普通ならば気づかない物である。
蒼い桟橋についた青い滴り跡など。
ましてや足跡のその下にあるのだ、メイトリックスでも気づかなかったのも道理である。
だがケイネスは気づく事ができた。その滴り跡に残されたわずかな魔力のお陰で。

それが何を意味するのか、少なくとも今の彼らには知る由もないだろう。





これだけの大きさを誇る客船、参加者の身を隠すにはうってつけだろう。
とは言え彼らにとって今は操舵室以外に用はない。
当然のように寄り道もなく二人は操舵室をまっすぐ目指した

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」


操舵室から漏れる声。
やはり予想通り人が居た、それも女性。

「…もう一人居る様だな、敵対者じゃなさそうだが」

やはり年を取ったかとメイトリックスは思った。


「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


操舵室に入ると席で騒ぐ少女が一人、球体の何かに話しかけていた。
ロボットの類いだろうか。
どちらにせよ彼女達には船を動かす算段はないらしい。
わかっていた事だが自分が動かす他にないだろう。

「その必要はない」

「!?」

メイトリックスは少女を引き止め、尚も続ける。

「船は俺たちで動かす。君たちは休め。OK?」



「えっ…誰?」

突然の救世主に対するゆっこの反応は、困惑であった。
目の前に筋肉モリモリマッチョマンの変態が薮から棒に現れれば致し方のない事だろう、とケイネスは思った。

「俺はメイトリックスだ、後の事は船を動かしてから説明する」

メイトリックスはゆっこに最低限の紹介をした後ケイネスに指示を出した。

「ケイネスだったか、まずは船のタラップを上げてきてもらえるか?」

「了承した」

そう言ってケイネスは操舵室から出た。
そして徐にメイトリックスは操舵室の席に座り、計器を弄り始めた。

582アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:33:33 ID:q9aC/MPE0

(すごく…歴戦の戦士っぽいです…)

自分では触れる事も気が引けるような計器をメイトリックスはまるで使い慣れた物のように動かしている。

「そ、そういえば筋肉のおじさん、おじさんは最初のあの時また娘がどうとかって言ってたけど…」

「また人質にされた、君よりも幼いだろう」

「また?」

「ああ、そうだ。少し長くなるがそれでも構わないなら話そう」

ゆっこが頷いた。

船を動かす準備をしながらメイトリックスはゆっこにベネットとの因縁や娘について大まかに話した。
(要はコマンドー本編の全容である)



「外したぞ」

ちょうどメイトリックスの話が終わる頃、その声とともに先ほど部屋から出て行った壮年が戻ってきた。
メイトリックスに言われた仕事を終えた様だ。


「随分と早いな、例のヘンテコな金属を使ったのか?」

「そうだ、ついでに車も積んでおいた」

「有り難い、ここからは一人じゃ難がある。俺が指示するから手伝ってほしい」

「それと祐子、君の話も後で聞いておきたい。船を動かすまでは取り敢えず休んでいてくれ」


わかったという間にケイネスはヘンテコな金属―月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を取り出し、詠唱を始める。

「トゥットゥルー!!メタルまゆしぃでーす!」

可愛らしい声とともに水銀がうねる。

「よし、じゃあまずはそこの2番目のレバーを下げるんだ…」

ケイネスはメイトリックスの指示通り、水銀を操作する。
そして、その度に可愛らしい声が水銀から漏れる。





「私たち、完全に蚊帳の外だね」

「仕方無いでゲス」

現在、ケイネスとメイトリックスは操舵室で機械と格闘を繰り広げている。
ゆっこ達はそれを操舵室の片隅から遠巻きに見ている形だ
ぼっちを完全に脱却したのは有り難いがどうにも疎外感は拭えなかった。

「船の中、見てくる?」

ここでゆっこが提案する。
今の所、彼女らがあの場に入れる余地は無い。
しかし、彼らに最低限の協力ぐらいはしたい。
そこで自分にもできる事といえば、船の探索であった。

「わかった、一緒に行こう」

バリカンも賛成した。


こうして、二人きりの時間がまた始まった。

583アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:35:17 ID:q9aC/MPE0







【I-01/1日目・午後 船内】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります








† † †

584アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:39:57 ID:q9aC/MPE0








「よし、何とか出たな」

ケイネスとメイトリックスが船の計器と戦う事十数分。
どうにか禁止エリアという峠は越えたようだった。

「終わったか…」

溜め息まじりに言うケイネスの声は大分疲れているようだった。
参加者に賭けられた制限のお陰でかなり魔力の燃費を悪くされているという点に加え、
ケイネスにとって水銀で細かい機器を丁寧に操作するのは骨の折れる作業であった為である。

「取り敢えず、岸へ戻った方が良いのではないか?」

ケイネスの問いかけにメイトリックスは頷く。
メイトリックスとしてもそのつもりであった。
船に乗っただけで脱出できてしまう程ガバガバ運営な主催ではないだろう。
何より自分たちに付けられたこの首輪の存在がある。
下手に出れば奴らはこの首輪を吹っ飛ばすだろう。それこそケイネスの愛人のように、何の戸惑いも無く。
今は船を動かせる事を確認できただけで十分だ。

航路を西へと変え、船を停められる場所があれば停めておく事にした。


一段落した所でケイネスは座席に深く座り込む。
そして、ふと気づいた。




「…そういえばあの2人は何所へ行った?」





【I-01/1日目・午後 船内・操舵室】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。
1:士、イーノックと合流する。
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:なんだこいつ?
4:そういえばあの2人(一人と一匹?)は何所へ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

585アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:43:23 ID:q9aC/MPE0








ーー何故桟橋に青い滴り跡があったのか。



ーーー何故。




それは、




希望の船の、ある一室。





黎明に放たれた、小さな悪夢がーー





ねぇ あそぼうよ こ43lr76+*<'しろいもの

たくさん あるん6bi,uc5f6e7;@p/fr

あたらしい おようふ@.]9-^]\9,gyしいなぁ

to;097

ずっと あなrywj7q;ずっと あなたに ついてくね

254876 0ni@kv:h;d]cy@p/_いてくね わた]_t[@g/sうち すぐそこ6ch,gc;:x

vy/_[:@/e7c6ju:/




言うなら、それはー






※船のどこかの部屋が【青い人形の部屋@Ib】と化しています。

586 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:44:36 ID:q9aC/MPE0
投下完了です

587名無しさん:2015/03/26(木) 04:47:20 ID:cO09s8wA0
投下乙

588 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:05:12 ID:9Bho4KFc0
投下します

589 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:17:08 ID:9Bho4KFc0
ちょっととらぶったんで中止します

590 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:27 ID:9Bho4KFc0
行きます

591 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:56 ID:9Bho4KFc0
『よう大佐? 聞こえるかベネットだ。
 殺し合いも中盤、第三回放送を始める。
 まず死亡者の発表からだ。


 ありがとウサギ
 巴マミ
 四条雛子
 日本鬼子
 我那覇響
 アカツキ
 ルシフェル
 権兵衛
 右代宮譲治
 ロックオン・ストラトス
 男色ディーノ
 門矢士
 巡音ルカ
 松岡勝治
 アサシン…ああ、こいつは前に呼ばれた奴とは別の正規参加者として加入の予定だった補欠だ。あまり気にするな。

 言い忘れるところだったが、青鬼って奴が二体ほどまた参加者として加入する。覚えておけ。

 さて、禁止エリアだが指定の前に今まで禁止エリアになった場所に踏み入ったら首輪が爆発することになっていたが、
 もう一つ別個に新しいルールを付けることにする。それは―――」

ベネットの台詞に合わせるように、今までに指定された爆音を巻き上げ、禁止エリアが大炎上し消滅していく。
もしこの中に人がいようものなら生きて出ることなど到底不可能だ。

『こういう事だ。
 これは禁止エリア内に人が入った瞬間爆発する仕掛けになっている。
 つまり、この島内が全て禁止エリアになる前に、殺し合いを終わらせなければならないって訳だ。
 まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精精がんばるんだな』




「ごくろうだったね。ベネット」

放送を終えたベネットの額は汗でぬれていた。
決して放送に緊張したわけではない。それは依頼者(クライアント)からのプレッシャーによるものだ。
姿を現さなかった、全ての現況が今目の前に居る。その事実に動揺と緊張をベネットも隠せない。




「そう、私が真の主催者であり君達のクライアントである―――ニコニコテレビだ」



テレビに顔の付いた謎の生命体。
なんだこいつは……たげたなあ……。

592 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:22:33 ID:9Bho4KFc0

「あんたが俺たちを行き返らせた……」
「その通り、君たちに二度目の正を与えたのは私だ。
 それより、立って話をするのもあれだ。席に着きたまえ、夕飯には少し早いがチキンでも食って話そうじゃないか」

ベネットの前に広げられたテーブルとその上に置かれたチキン。
これは少し前まで生きていた。生きて意志を持ち、ニコニコテレビに殺し合いの廃止を訴えていた。
もっともそれが聞き入れられるはずも無く、殺されチキンにされてしまったが。
確か名前は、ニワンゴと呼ばれていたとベネットは記憶していた。


【ニワンゴ@ニコニコ動画】死亡


その他にも死体の山だ。
彼らは全員生きて、そして二ワンゴと同様に殺し合いを止めようとした。
そして殺される。一つ違うのは食されもせずベネット達に後始末をさせているということだけだ。

「ニコニコマスコット達の惨殺は中々いい再生数だな。
 まっ殺し合いに比べれば微々たる物だがね」

【ニコニコマスコット達@ニコニコ動画】死亡

「話すことと言っても特に無いんだがね。ベネット何が聞きたい?」
「一つ、あんたは本当に殺し合いをさせる気があるのか?
 例えば速水もこみち、例えばカズマ……あいつらは首輪を外しやがった。
 そして松岡勝治、あいつは何なんだ」
「首輪に関しては予想外だった。こちらとしては再生数が伸びてうれしい誤算だったがね。
 まあ、対策としてエリアそのものを爆発させれば問題ない。
 勝治君は彼自身の持ち味だよ」

ベネットは心の中で舌打ちをする。
まるで話しにならない。そもそも質問をしても、更に謎を深めるようなことばかりこいつは言う。
再生数とは何だ? 首輪に関して大した束縛を期待していないのか? 一体こいつは何なんのか?

「まだ質問は? あるなら受け付けよう」
「色々あるが、単刀直入に聞く。この殺し合いの目的は何なんだ?」
「そうだな……強いて言うなら細分化したジャンルの整理、及びついでに再生数を上げること、かな」
「細分化…? 何の事だ一体!?」
「増えすぎたという事だ。増えすぎた余分な物は排除すべきだろう?
 そして、ただ排除するのはつまらない。せっかくなら娯楽として消化すべきだ」

ニワンゴであったチキンを食べながらニコニコテレビは答えていく。
ベネットはただ黙って話を聞く事しか出来ない。

「質問はこれで終わりにしようか、まだ全ての種明かしには早すぎるからな」
「待ってくれ、まだ聞きたいことは―――」

その時、クックが慌てた様子でベネットへと駆け寄ってくる。

「なんだ? 忙しい後に……」
「メイトリックスの娘が逃げた」
「何!?」

こんな時にと怒りを露にするベネットに対し、まるで嘲笑うかのようにニコニコテレビは口を開く。

「怖いのか? メイトリックスの娘が」
「何?」
「仮にも、お前を殺した男の娘だからな……」
「―――ねぇ……あいつの娘なんか怖かねえ!! 俺が見つけ出して半殺しにしてやる!!」

そう叫ぶとベネットは駆け出し、クックもそれに続いた。

593 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:00 ID:9Bho4KFc0



主催者及び依頼者【ニコニコテレビちゃん@ニコニコ動画】確認



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスの娘を見つけ出して半殺しにする。
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
1:メイトリックスの娘を探し捕まえる。
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

594 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:33 ID:9Bho4KFc0
放送の少し前、カルロ、志村、江頭は任務を終え暇を持て余していた。
と同時に男だらけの主催陣営にも飽き飽きし、性欲も持てましていた。
そう思いながら歩いていると、ちょうどジェニーが監禁されている部屋へと辿り着く。
戦場では、捕虜の女を犯すなんて良くあることだ。そう考えた三人は早速ジェニーを犯すことに決めた。

「な、何するの!? やめて離して!!」

逃げようともがくジェニーの服をひん剥く。
少し幼いがこの際どうでもいい。さっさと犯してやろうと三人はジェニーの体を触りまくる。

「嫌……パパ!!」

純潔は汚され、処女は散る。
一人の少女は無理やり大人(おんな)へと咲き乱される。
初行為を血で濡らし、頬を伝う涙。






コキャッ
ズドンッ! ズドンッ!


【カルロ@コマンドー】死亡
【志村けん@コマンドー】死亡
【江頭2:50@コマンドー】死亡


カルロの首は百八十度捻じ曲がり、志村と江頭はカルロの持っていた銃で銃殺。
無我夢中で抵抗していたジェニーは咄嗟に手をカルロの首に回し、思いっきり捻った結果首がひん曲がりそのまま銃を奪い二人を殺害したのだ。
こう見えてジェニーはメイトリックスは護身術を習っていたこともあり、土壇場での爆発力は父譲りだったのかもしれない。
こうしてジェニーは処女(はじめてのころし)を散らした。

「私だって……パパの娘なんだから!」

ジェニーは三人の武装を奪い、カルロの持っていた何でも入るディバックに全て突っ込むと部屋を出た。




【ジェニー@コマンドー】
[状態]:健康
[装備]:銃
[道具]:カルロ、志村、江頭の武器
[思考・状況]
基本思考:本部からの脱出。パパと合流したい。
0:とにかく逃げる。






※禁止エリアのルールが変更され、首輪ではなくエリアそのものが爆発し消滅します。

595 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:48 ID:9Bho4KFc0
タイトルは第三回放送で

596 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:59 ID:9Bho4KFc0
投下終了です

597名無しさん:2015/03/27(金) 03:57:14 ID:St5Tv3Mc0
投下乙

遂に黒幕のお目見えか……
にしてもエリアごと爆破とはその発想は無かったwww

598名無しさん:2015/03/27(金) 08:45:45 ID:oa/1TQoE0
投下乙です。

コマンドー見たこと無いから知らんけどこの娘強くね?

599名無しさん:2015/03/27(金) 10:02:44 ID:fesTO8Do0
祝☆第3回放送
>>598
://www.nicovideo.jp/watch/sm15868274
(元ネタ動画を)見てこいカルロ

600 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:05:19 ID:zcibUdVY0
投下します

601これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:07:22 ID:zcibUdVY0
「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」

第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。

『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』

もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。



「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
 必ず滅ぼしてやる!!」

研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。

「勝治くん……」

そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。

「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」

地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。

「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」

シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。

「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」

怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。

「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」

そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。

602これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:21 ID:zcibUdVY0

「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
 とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」

「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――

「こマ?」

リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。

「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ

真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。

「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ


次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。

「アッ!」
「おっ、外れた」

リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。

「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」

そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。

「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
 こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」

「実は、私もその説を少し考えていました」

アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。

「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
 多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
 さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」

リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。

603これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:42 ID:zcibUdVY0

「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
 さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」

何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。

(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)

「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
 あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」

意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。

(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
 まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
 モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
 この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと) 

まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。

(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)

ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。

「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」

「……」

かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。

604これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:09:03 ID:zcibUdVY0

(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)

首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。

「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」

リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。

「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」

その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。

(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)

しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。



「水」

四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。

「水? 支給されてますよ―――え?」

シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。

「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」

赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。

「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」

トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。

「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」

相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。

「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」

唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。

「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」

ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。

「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」

そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。






「み、水……」

そしてすっぽかされ行き倒れた。

605これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:01 ID:zcibUdVY0

【D-3/一日目・夜】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

606これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:40 ID:zcibUdVY0






そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。

「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。

「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」

色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。

あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。


【D-02周辺 /一日目・夜】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。

607 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:11:06 ID:zcibUdVY0
投下終了です

608名無しさん:2015/03/28(土) 03:52:14 ID:7cQSsa6E0
投下乙

怒涛の首輪解除で草
もう(侵入しても死なない禁止エリアなんて意味)ないじゃん……

609名無しさん:2015/03/28(土) 09:26:31 ID:cOb3qFww0
投下乙!
オラなんだかケンシロウのことが好きになって来たぞ!!

610名無しさん:2015/03/28(土) 17:36:04 ID:fYaG7MXI0
投下乙!

611 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:06 ID:VHcLlfrM0
投下します

612友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:51 ID:VHcLlfrM0
「ちっ、安全らしい連中が随分死んじまったな」

放送を聞き終えた麗華はたまらず舌打ちをした。
先の放送で、フランクとランサーから聞いた殺し合いに反対する者たちの名が、半分近く呼ばれた。
つまりそれだけ殺し合いに積極的な連中が、幅を利かせているということになる。
いつ自分がそんな連中に襲われる番になるか、分かったものじゃない。

「杏子にマミさんまで……」

そしてさやかもかなりのショックを受けていた。
頼れる魔法少女の先輩、巴マミの死は未だに信じられない。
その両目に涙が沸いてくる。

「泣いても始まらないだろ。こう言っちゃあれだけど、あんたの言ってたまどかって娘は無事みたいだしさ」
「……そうだね。まだまどかに転校生だって無事なんだ、ここで泣いてる場合じゃないよね」

涙を拭うとさやかは意を決したように笑顔を作る。

「私から言っといて何だけど、大丈夫、か……?
 無理してるみたいな」
「平気平気、さやかちゃん復活。早くまどか達に会わなきゃ」
「そう……」

どう見ても無理をしている。
麗華はもっと良い言い方があったんじゃないかと後悔したが、今更どうも言えない。

(ああ、くそっ。なんで私がこんな悩まなきゃいけないんだよ!)

一先ずまどか達を探しがてら悩みを振り払うように歩き始める麗華。

「あっちょっと待ってよ麗「さやかちゃん!?」―――え?」

聞き間違えるはずがなかった。
それは、その声こそは他の誰でもない唯一無二の親友でいてさやかの探し人の―――

「まど、か……?」
「さやかちゃん! さやかちゃんだよね!!」
「まどか!!」

その時のさやかの顔はどんなに泣き崩れていたか分からない。
友に会えた嬉しさや、鬼柳の容姿をしているさやかを一目で看破してくれた嬉しさ。
様々な歓喜がさやかの中を駆け巡り、さやかはまどかへと一直線に走り、その両腕を広げ抱きしめた。

「まどか、まどかなんだね!
 私こんな姿なのに分かってくれるの!?」
「うん、分かるよ。だって私達友達だもん」

こうして二人の友人は美しく再会した。



――――

613友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:18 ID:VHcLlfrM0


「と、言う訳。私の言った連中は殺し合いに乗っていない。あとケンってのを探してる」

再会したまどかとさやかは、互いの連れを交え情報交換を始めた。
誰が危険で誰が安全か。ここに至るまでの経緯を互いに話し合う。

「嘘、メイトリックスって人殺し合いに乗ったわけ?」
「うん変な仮面の人と一緒に襲われたの」
「おい、ちょっと待て。仮面の奴は知らないけど、メイトリックスは安全だって聞いたぞ」

麗華が口を挟む。
確かランサーとフランクの話では、メイトリックスは殺し合いには乗っていないと言っていた。
この食い違いに麗華が怪訝そうにまどかを睨む。

「あの人は……口が上手いの。私達も最初は娘を助ける為に協力して欲しいといわれたもん」
「ええ、まどかの言うとおりだわ」

まどかの連れの一人であるほむらも会話に参加しまどかを擁護する。
麗華の疑惑は消えないが、少なくともさやかは嘘とは断定しきれていない。
さっきあったばかりの参加者よりも、親友の証言のほうが信用できるのは当然のことだ。

「待ってよ。何かの間違いなんじゃ」
「親友同士の話に口を挟んで悪いが、ワシもさやかちゃんと同じ意見だな」

今まで話を聞いていた閣下もまた違和感を感じていた。

「じゃあ、誰かが変装してたってこと?」
「そうだよ。じゃなきゃランサーさんやフランクさんが、嘘を吐いてるってことになるよ」

まどかは心の中で舌打ちをする。
どうやら、ランサーは自分の言葉を信じてはいないらしい。少なくとも、メイトリックスを危険人物とは想定していない。
幸いなことに、自分からメイトリックスの悪評を聞いたとは流してはいないようだが。
ここは、一先ず自分の勘違いであったとすませるしかないだろう。本来なら、メイトリックスを殺すように上手く誘導するつもりだったが仕方ない。

「分かったよ。さやかちゃん……」
「うん、何とかメイトリックスさんに会って確認してみようよ」

不本意ではあるが今は話を合わせるしかない。

(まあいいや。ともかく今は自由に動かせる駒が必要だもん)

友好的な関係を築けたのは良かったものの、ギルガメッシュや閣下は扱いづらくグレーテルは戦力にならない。
ここでさやかの存在は非常に貴重な人材になる。

「ところで、今ランサーと言ったな」
「えーと、ギルガメッシュさん……ですよね? ランサーさんと知り合いなんですか?」
「そやつが探している、ケイネスという男に用がある」
「ケイネス? そういやフランクが前まで一緒に居たって言ってたな。
 今は船のはずだ」
「ほう」

思いもよらぬ場所に居るなと言いたげな顔で、ギルガメッシュは笑みを作る。
そのまま地図を開き、指でエスポワールの位置をなぞりながら思案を巡らせ始めた。

「船から会場の脱出か……」
「そうか、それなら」
「脱出できる、とでも思っていたのか? アホか?」
 
ギルガメッシュの呟きを聞き歓喜の声をグレーテルが漏らすがすぐに一喝される。

「そ、そんな……」
「……だが目の付け所は悪くないかもしれぬな」
「え? それって」

さやかとまどか、ギルガメッシュとグレーテルのやり取りを見ながら麗華はちょっとした苛立ちを感じていた。
―――何やら胸糞が悪い。
一言で言い表せばこう特に理由はないが、ともかく何か気にいらない。
特にまどかという女は何かが気に入らない。

614友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:42 ID:VHcLlfrM0

(訳がわからないけど……何なんだこれ)

そんな変わった感覚に襲われたせいか、まどかがさやかにそっと耳打ちをしたのに麗華は気づけなかった。

「ちょっと、私トイレ……」
「なん……だと」

モジモジとした様子でまどかが草むらへ駆け込む。閣下のテンションが上がるが

「ごめん、私も」

鬼柳(さやか)で下がる。



「なるほど、そうか」

辺りを歩き回り、考え込む動作を見せたかと思えば納得しギルガメッシュは笑う。
閣下はトイレでも覗き込んでるのかと疑うが、そういう様子ではない雰囲気だ。

『結界だ』

一言、紙にそう書き込みギルガメッシュは全員に見えるように投げた。



――――

615友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:17 ID:VHcLlfrM0

「はぁ…はぁ…」

ギルガメッシュ達から離れたさやかの息は荒い。顔も真っ赤に染まっている。
さっきからさやかはおかしな気分だった。
正確にはまどかを抱きしめたときから、ドキドキと興奮が止まらない。
さやかも年頃の女性だ。これが何なのかは理解できる。

「これ、勃起……だよね?」

必死に隠していたが股間の盛り上がりは明らかに異性と刺激をを求めていた。
さやかの精神を押さえ込み、男の肉体がまどかを求めている。

「……良いんだよ、さやかちゃん」
「まど、か」
「私で思いっきり気持ちよくなって」

衣服を乱し誘惑的な姿をさらすまどか。
理性は弾け、考えるより先に手が伸びる。

「まどか……まどか!!」

雄と雌が交わり、そして――――







―――――



結界。
この殺し合いには結界が貼られているとギルガメッシュは筆談で伝えた。
そして今、皹が出来ているとも。
たったそれだけを伝え、ギルガメッシュは筆談を打ち切った。

話を伝えられた面子が目を丸くするなか、まどかとさやかが帰ってくる。

「ごめんね。遅くなっちゃった」
「大か」
「…コロス」
「すいません……」

閣下の呟きがほむらに聞こえ睨まれる。

「!? まどか……」
「どうしたのほむらちゃん」

まどかに近づいたとき、変なにおいがした。
この匂いは、そうこれは少し男臭い。

(美樹さやかと一緒に……まさか……)
「ほむらちゃん? 分かってるよね」

頭が真っ白になるのを必死に考え塞き止める。
これは何らかの手段として行った行為、だから自分を捨てた訳じゃないしこれはこれは―――

「とっても仲が良いんですね。さやかさんとまどかさん」

グレーテルの一言が今度こそほむらの思考を遮り頭を真っ白にした。

―――仲良し? 何を……?

―――私が一番長く居て、守ってきて

あの時、まどかと再会し行為を行ったとき、まどかの顔は快感で満たされていなかったかもしれない。
けれど今は、何処かしら満足そうな顔をしている、ように見えた。
勘違い? 気のせい? 

(そうよ、そうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよ。勘違い気のせいだわ)

「ほむらちゃん?」
「何? 何でもないわ。何でもないわまどか」
「そう?」

そんなほむらの心境も知らず、まどかは内心ほくそ笑む。
今さやかは、ある種の恋愛に似た錯乱状態のようなものだ。その衝動に戸惑いを感じながら、発散したいと考えている。
そこに付け込む隙はある。ある意味ほむら以上に従順な僕になってくれれば万々歳だ。

(私の体をはったんだから、ちゃんと役に立ってもらわないと本当に殺すからね。さやかちゃん)



――――――

616友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:36 ID:VHcLlfrM0


「仲が良い、か。お前も中々やるようになったじゃないか」
「え?」

それは皮肉や他意など一切含まない。
ギルガメッシュからグレーテルへの心からの賛美だった。

「分かるだろう? あの三人は良い愉悦になる。
 お前は、それを更に良くする為に劇薬を放り込んだのだ」
「あの三人ってまどかさん達のこと? そんな、違う。私はそんなこと」
「もう隠す必要などないだろう。
 ―――第三者としての観測、いや傍観者とでも言うべきか。それがお前の本質であり、起源だ。
 今まではそれに気づかされる環境に居なかっただけ、だがこの場でお前は自身と見つめあい。気づき始めている」

否定したかった。
こんな王様気取りで全て見透かしたような発言、全てが見当外れの大間違いだと。

「それの何が悪い? 
 人が娯楽を楽しむのは当然のこと。それがお前は他人の不幸を見ることに特化していただけだ」
「そんなこと……」
「良いだろう? お前は散々不幸を味わってきたのだ、ならば今だけでもその分の蜜を啜る価値はあると思うがな」

分からなくなる。
自分の本質が何なのか、何もかも分からない。
ギルガメッシュの言っていることは出鱈目なのか、的を得ているのか、自分が本当は何をしたいのか。




―――――



閣下は既にここの面子に見切りをつけ始めていた。
まずまどか、さやか、ほむら、この三人の関係性は非常に危うい。
まどか自身は上手くやれていると思っているかもしれないが、閣下から見ればそれは火に注いでいるようにしか見えない。
おそらくこのまどかという少女自体人の心が理解できないのかもしれない。閣下はそう考える。
そしてギルガメッシュは優秀ではあるが、それ故に自信に溢れそう遠くない内にポカをやらかすと予想できる。
ありがとウサギとの戦いからもそれが伺えた。
その尻拭いが、自分にまで及ばないとはどうして言えようか。間違いない、セル編のべジータみたいにこいつは絶対何かやらかす。

(何処か別の参加者と会えれば、そっちに乗り換えたいところだが)

最悪、一人で別行動というのも取るべきかもしれない。
とはいえギルガメッシュの言っていた結界というキーワードが気になる。
しかし、当の本人がそれ以上の事を話さない以上、聞き出すこともできない。

(結界……。駄目だ、わしの今の知識では何も思い浮かばん。
 やはり魔術師、ケイネスとの合流が先決か)

幸い船に居る事は分かっている。
何処かうまいこと先回りし合流したいところだ。



―――――

617友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:57 ID:VHcLlfrM0


「おい、さやか。お前大丈夫か?」
「え? 何、が」
「いや、前からモジモジしてると思ったら何か今度は悟ったみたいな顔して」

麗華はさやかの挙動不審さを見て訝そうにまどか達に聞こえないよう話しかける。

「何でもない、から」
「いやでも……」
「何でもないの。……本当」

まるで、拒絶されているかのような。
自分のある領域に踏み込んで欲しくないということなのか。
ともかく無理には聞き出せない様子だ。

(待て待て、そもそもこんな奴他人なんだ。私の知ったことじゃない。
 そうだ、別にほっときゃ良いじゃん。まどかって奴も居るんだし)

考えれば成り行きで共に行動していたが、自分が気にかける必要などもうまるでない。
あとは大親友であるまどかとやらに任せればそれで自分はお役ご免。
もう何も気にかけなくても良い。

(私一人で船に行くのもありかな。空飛べるし)


―――――



心は女なのに、それなのにまどかに強く惹かれてしまう。
これはいけない事だと思うのに、男の体が反応する。
それは今まであった友情と恋愛、発情へと変わった瞬間だった。

(まどか……まどか……)

まだ、あの行為がなければそれは戸惑いで終わった筈だった。
だが超えてしまった。だからもうこの思いは止まらない、止められない。

(まどか……こんなこと……)

どうすれば良い? こんなことさやかは誰にも相談できない。
麗華にだって言えば引かれる。転校生だってそうだ。
このままでは本当におかしくなりそうだ。

(こんなにまどかが好きになっちゃうなんて……)

この体は他人のものだ。
鬼柳、遊星にも合わす顔がない。もうさやかは分からない。
ただ今は、まどか笑みにそっと身を任せることしか出来なかった。

618友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:28 ID:VHcLlfrM0
【F-4/一日目・夜】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×3、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃん、さやかちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
10:さやかを上手く利用できる駒にする。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。
8:まどかの一番は私よね? 私よね?

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました

619友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:54 ID:VHcLlfrM0



【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらとさやかの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※何か気づきましたが詳細不明です。結界とか言い始めてます。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:こいつらがやらかす前に何とか別れたい。船に居るケイネスと会いたい。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


※さやか達と情報交換しました。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っている?
7:もうさやかは放っといても良いだろうし一人で船に行こうか……
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:謎の戦車を警戒。
2:まどかと会えて嬉しい…けど
3:メイトリックスは殺し合いに乗ってる? 会って確認したほうが良いかも知れない
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

620 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:05:12 ID:VHcLlfrM0
投下終わります

621名無しさん:2015/04/01(水) 16:00:24 ID:m9b.5f760
投下乙

こいついつもセックスしてるな(まどか)
このメンバー総じて不安定な上に、ステルスマーダーばっかの早苗さん組も近くにいるので今後に期待

ちょっと謎なのが、さやか達はG-03から船を目指していたはずなのに、何故逆方向のF-04に居るんですかね?

622 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:11:03 ID:VHcLlfrM0
言われてみれば反対側じゃん(困惑)
【F-4/一日目・夜】を【F-3/一日目・夜】で

623名無しさん:2015/04/01(水) 17:24:01 ID:m9b.5f760
>>622
それでも南西にある船に対して北に行っちゃってるので微妙っすね
G-03かG-02辺りじゃないでしょうか

624 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:30:00 ID:VHcLlfrM0
ありがとうございます
じゃあ【G-2/一日目・夜】で

625 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 12:58:21 ID:Zg9kHjMA0
短いですが投下します

626どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:02:31 ID:Zg9kHjMA0
「くっ、マミさん、権兵衛さん……それにまた僕の名前まで」

息を吹き返した勝治は放送を聞き、マミ、権兵衛の死に胸を痛める。
そしてシャーロックの無事に安堵し、また放送で呼ばれた自分の名前に疑問を抱いていた。

「シャーロックちゃんはリュウセイくんが付いてるから安全だろうけど。
 僕はそうもいかない……。早く頼れる仲間を見つけなきゃ」

ここに来てから、勝治は同行者と毎度毎度必ずと言っていいほど逸れている。
幸い、カブトボーグは近くに置いてあったので戦闘はこなせるが、それでもやはり心もとないのも事実。
この殺し合いの打破は一人では困難だ。それを理解していた勝治に焦りの表情が見えはじめた。

「うんざん、うんざん!」

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

そんな勝治の願いを叶えるかのように、ケンタウロスのような姿をした変な男と雲の妖怪が勝治へと爆走してきたのが目に入った。



――――


無事、ゲキド町へと辿り着いたプラシドは下半身の修復を始めていた。
自分が予め持ってきていたパーツと、更にゲキド街で現地調達した道具を上手く使い修復を続け、何とか三回放送が終える辺りには修復が完了する。
即席の修理だった為、かなり足に違和感を感じるが仕方ない。何より、違和感があったところでさほどの問題はなかった。

「う、うんざん?」
「フッ、驚いたようだな。これが俺の真の姿だ」

プラシドの下半身はオデッセイと合体していた。
足のあった部分に、大破したオデッセイの無事な車体とタイヤがあるのだ。その姿はまさにケンタウロス。
プラシドはオデッセイの無事な部分と、自信のDホイールとの合体ギミックを上手く使い、擬似的なオデッセイとの合体を果たしていた。
無論、合体解除も可能だ。その時は通常の人間形態になる。
なお、足の部分が壊れていた為、ルカの足のパーツになった結果、とんでもない美脚になってしまった。
上半身と下半身のバランスがまるで取れていないが、ここは我慢するしかない。

「感謝するぞうんざん。俺が何とか足を直せたのもお前のお陰だ」

三回放送で流れた仲間達の名前がプラシドの心に響く。
少ない付き合いだったが、悪い奴らではなかった。自分がもっと早く復活していれば、死なずに済んだかもしれない。
そのどうしようもない。だがプラシドに付き纏うことをやめない後悔が沸く。

「うんざん……」
「……慰めているのか? そうか、すまないな」

「俺もセンチになった」プラシドはそう嘲笑する。
何処かの蟹頭の絆厨が移ったのかもしれないと、何処か皮肉気にプラシドは思った。

「良し、ここに用はない。早く行くか」

プラシドのタイヤが回り加速する。
それに引っ張れるように付いていく雲山。

こんな時だが、少しプラシドは気分が良かった。
誰も居ない夜道を一人突っ走るのは、中々気持ちのいいものだ。ましてや市街であればなおさらだ。

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

だからだろう。
こんな大声を出してしまったのは。
だからだろう。目の前の少年に気づくのが遅れたのは。

「あっ」
「うわああああああああああああ!!!」

その病弱そうな少年を轢いてしまいプラシドは大転倒。
カラカラと空しい音が響かせながらクラッシュ。
幸い上半身が吹っ飛んだり、ボディに異常はなかったが問題は轢かれた側の方だ。
大急ぎで体を起こしたプラシドは少年へと駆け寄るが、もう遅い。手遅れだ。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


「うおおおおおお!! これが絶望だと言うのか!!」

みすみす一人の少年を死なせたことに罪悪感と後悔しか浮かばず叫ぶプラシド。
何ということだろう。己自身が殺人者になるとは。こんな、こんなことなど――――

「うんざん」
「何だ? 今それどころじゃない!」
「うんざんうんざん」
「だから、うるさいぞ」
「うんざん!!(マジギレ)」
「何、息をしている……?」

なおその少年は気絶しているだけだった。
幸いバックがクッションとなって外傷もない。


この時期になると事故が増えると聞きます。
ドライバーの皆さんは勿論のこと、歩行者の方も交通事故に気をつけましょう。

627どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:08 ID:Zg9kHjMA0


【E-02/1日目・夜】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:希望の番人化、オデッセイと合体した真の姿、ルカの美脚
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:生きているのか!? この少年!
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:宙、ルカ、雛子、鬼子、響、アカツキ……
5:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。
※ケンタウロスみたいな真の姿になりました。人間形態の時は美脚です。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:プラシドについていく
2:サーニャ達の事が気になる


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん、マミさん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

628 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:31 ID:Zg9kHjMA0
投下終了で

629 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:03:46 ID:BMwVZHXA0
投下乙
勝治の死亡は最早ノルマですね…間違いない
遅れましたが自分も投下します

630 ◆qPqX2r.h0A:2015/04/02(木) 21:04:52 ID:BMwVZHXA0


「ここにも…あったゲソ…」


深海の侵略者、イカ娘はそういって地面に落ちていた「それ」を拾う。
そして自分の触手を器用に扱い、近くの地面を掘る。
次に、自分の手で拾った「それ」―肘から先の無い人の腕をそっと穴に入れ、土を被せる。

付け足しておくとこの腕は爆☆殺されたディーノの残骸である。
最もそんな事はイカ娘にとっては知る由もない。

だが、また自分の知らない所でこうして罪も無いであろう人々が無惨に死んでいく様は、イカ娘の心を強く痛めつけた。

もうこの作業にも慣れてしまった。
海の家れもんから街へ向けて歩みだした矢先、イカ娘を迎えたのはおぞましい死屍累々であった。


最初にイカ娘が見つけたのは氷漬けになったバラバラ死体。
その死体を見るに30くらいの男性のようであり、死顔は苦しみに歪んでいた。
人は死ぬ瞬間、こんな顔をするのだろうか。
イカ娘はついそんな事を考えてしまい、背筋が凍った。

幸いデイバックを身に付けていたようなので埋葬した後で失礼ながら頂く事にした。
ついでに首輪も何かあった時に備えて回収しておく。

氷漬けの死体が土に埋まっていく瞬間、その男の死顔がどこか誇らしい表情に変わった…ような気がした。


次に見かけたのは指先や足で辛うじて人とわかる死体の残骸。
ここまで酷いともはや爆死にしか見えないのだが何故か周囲に焦げたような後が無い。
まるで内側から破裂していったようにも見える。
しかしそれでも、何とか残っていた残骸を埋めていく。

道中、血塗れた槍を見つけたので一応拾っておく事にした。


3番目にイカ娘が目にしたのは緑色の肌をした幼い少女のような死体と顔の無い猫のような動物であった。
少女の死体の方は首を折られたことが死因のようであり、死体の損壊は少ない。
年齢はあかりよりも幼いくらいであろうか。
動物の方は何らかの力によって顔から上が無惨に抉られている。

その幼い少女の死体はそれほど無惨な形ではないが、むしろイカ娘はそれに目を合わせたくなかった。
イカ娘にとってこんな幼女までこの殺し合いに参加させられているとは考えたくはない。
こういったものを見る事になるなら、まだ原型のわからないくらいバラバラ死体の方が良かった。


そして先ほど埋めた5つ目の死体。
腕だけは何とか見つかったがそれ以外は梨の礫であった。

「こんな事をする理由が…何所にあるんでゲソ…」


人だって自分だって魚や家畜を殺し、自らの糧としている。
それは自然の摂理であり、生きていく為に必要な事。
ただ殺すだけ殺して、命であったものを無為に捨てる。
人として、生物にとして、この上無い愚行である。
それを剰え人間という同族に、これだけ凄惨に殺めておいて野に捨て置く。

イカ娘は人間ではない、故に人と価値観も死生観も異なる。
だがそれでも、許せない物は許せない。
人にしろイカにしろ、このような惨い行いが許される摂理などあるのだろうか。断じてあり得ない。

自分は無力だ。
だから、誰にでもできる事を誰よりもできるようにしたい。
その怒りと悲しみは決意となり、イカ娘の歩みをより確かな物にした。






¶ ¶ ¶

631レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:06:34 ID:BMwVZHXA0
(酉がおかしくなってました、すいません)









「ここが光写真館ですね」

うさんくささに定評のある男、海東が言った。

遠目に見ると少し大きな民家程度の認識であったが、近くで見れば意外と豪華な外装であり、館と言った印象はある。

「へぇー、以外とゆっくりできそうじゃん!」

「でも大事なのは中身さ、酷かったらおっさんでも怒るからな」

何とあつかましいキチガイであろうか。
大人への態度だとか接し方という物すら何一つ録に学んでいない様だ。
育ちの問題なのか或は脳に障りでもあるのか。
そんな思いを心に抱きながらも、海東はまったくもって平静を乱さない。表情は緩み気味だが。

「こら、紹介してもらっておいてその態度はダメですよ!」

早苗がケンを宥める。

「いえいえ、構いませんよ」


何故光写真館に5人が向かったのか。
わずかに時は遡る。



§ § §



「せっかくの部下なんだ、命令ぐらいしてもいいよな!」

唐突にケンが声高に言った。

「俺ちょっと疲れたからさ、休むトコとかない?」


このキチガイはどこまで自己中心的な人間であろう。
こんな戦の場において悠長にちょっと疲れたから休むなどとふざけた真似を。
貴様のような者の為に安息など毛頭も要らぬ。
首輪の解除の真偽はともかく、用が済めばこいつから真っ先に殺してやる。


「わかりました、近くに光写真館という施設があります。」

「私が知る限りではそれ也に休む空間はあるので行く価値はあるかと思われます」

「私も一応それが私の知る光写真館なのか確かめたいのです。いかかでしょうか?」


心の中で半ギレするムラクモとは対照的に海東は妙に協力的であった。
何故海東とやらはこのキチガイにここまで協力的なのか。
いや、それ以前に気になる言葉が出てきた。
「私の知る光写真館」とはどういう事なのか。
自分が地図を確認する限りでは何所にでもあるような施設と聞いた事も無いような施設の2種類しかなかった。
奴が元々この場所を知っていたのか。いや、それはないだろう。
ではなぜなのか。

こんな疑問を持つ者がもう一人。星君である。
先ほど自分が訪れた光写真館というものを、奴は知っている。
自分が訪れた時はホモ向けAVを見て一人シコシコ自慰行為に耽っているクッソ汚い野獣がいたくらいだったがあの施設に何か特別な物でもあるのだろうか。

632レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:07:45 ID:BMwVZHXA0



「じゃあわかった、行ってやるよ」

「行ってやるよじゃありません!大人の人には敬語を使いなさい」

しつこく早苗が指導する。

このままでは早苗をこのキチガイから引き剥がすのは難しそうだ。
と、海東は思った。
だが、これで良い。少なくともこれで自分の目的の一つである光写真館を調べる事ができる。
首輪の取り外しの真偽だけでなくあの二人の情報についても聞いておいて損は無い。


こうして一行は光写真館に向かう運びとなったのだ。



「よし、合格!」

ケンが海東を認める。

「早速飯でも食おうぜ!」

「ってわけで早苗、何か持ってないか?」

早速ソファに座り込み、ごく自然な流れでケンは物乞いをする。
現在ケンの所持品は愛機であるエレクトリカル・スピードワゴンしかない。
デイバックなどの支給品はクッソ汚い野獣に略奪されてしまったのだ。

助けってもらった分際で何を抜かすか、とムラクモがまた心の中でキレる。


「私ので良ければどうでしょうか」

そういって海東は自分のデイバックから食料品を取り出し、ケンに見せる。

「お、じゃ遠慮なく頂くぜ!」

それに答えるようにケンは海東の食料に手を伸ばす。
が、その手は第三者によって阻まれた。

「ありがとうは?」

早苗である。
そういわれて、嫌々ながらもケンは海東に感謝する。

「はい、ありがとうございます」

「良いんですか海東さん」

「買いませんよ、それより私はここをもう少し調べたいので」

そういって海東は隣の部屋に入っていった。







「ふむ、見事な再現具合…いえ、本物でしょうね」

海東が独り言を呟く。
配置されている写真、部屋の作りや模様、調度品の位置、どれをとってもオリジナルと何ら変わりはない。

「ん?」

奇妙な違和感を感じた。
妙にイカ臭い、元々こんな匂いはなかったはずだ
ふとこの部屋の片隅を見る。すると何か奇妙な跡があった。
大分乾いてはいるが何かを零したような跡である。臭いの原因はこれであろうか。

633レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:08:44 ID:BMwVZHXA0

ここでまた海東はもう一つ異変に気がついた。
零し跡の側には再生機があるのだが、よくみるとDVDが差さったままなのだ。
そしてそれに接続されているテレビも電源がはいっている。
入り口に面した四人の居る部屋にもテレビはあったがあちらは電源が切れていた。

「だれかが、ここにいたんですかね。」

そういうことになる。
何のDVDかはわからないが興味を持ったので取り敢えず再生してみた。


〜真夏の夜の淫夢〜

第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」


テレビに映像が映し出され、そのようなテロップが流れた後二人の男が映し出される。


「ん〜。いい時には結構いくね」

「う〜ん・・・」

「結構楽だった?」

「こ↑こ↓」

「へぇ〜、すっごい大きい・・・」

ガチャン!ゴドンッ!
乱暴な音を立てて映像の扉が開く。

「入って、どうぞ

「おじゃましまーす」

ギィー、ガッタン!
閉まり音も何所か乱暴である。

「いいよ上がって」

「あっ・・・」

「こっちも大きいっすね〜・・・」

「まずウチさぁ、屋上、あんだけど・・・焼いてかない?」



(クッソ汚いし長いので少し中略)

(なお、この間海東は普通にホモビに見入っていた模様)



「これ以上やると気持ちよくなっちゃう。もういいよ。ヤバイヤバイ」

「喉渇いた・・・喉渇かない?」

「あー、喉渇きましたね」

「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」

「はい」



何か嫌な予感がしてきた。
テロップの時点で疑わしかったがこれはもしやただの同性愛者向けのAVではないのか。

634レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:09:40 ID:BMwVZHXA0




「ああ、気持ちイイ・・・。」

「イイよぉ・・・ハァ、ハァ・・・・アアッー、アッ、ンアッー、ンッ・・・ォゥ、ォウ」

「オォン!アォン! ハァ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ・・・」

「アアッー!ハァハァ、イキすぎィ!イクゥ、イクイクゥ・・・」

「ンアッー!」

「ウン、ウン、ウン、ウン、フン、ウン、ウン、ウン」

「ウンッ!ウンッ!ウンッ!ンッ!・・」

「イキそ・・・」

「いいよ、来いよ!胸にかけて!胸に!」

「アッー、胸にかけて、アッー!・・・ファッ!?」


〜二人は幸せなキスをして終了







ーー結局最後まで見てしまった。

「私の知る写真館には、こんなDVDはなかったはずだが・・・」

この床の零れ跡の正体も何となく理解できた。
これは恐らく映像にも映されていた体液という事になる。
余り想像したくないが、何者かがここでこれを見ながら自慰行為に耽っていたのだろう。
だからといって床を汚染したまま放置するのはいかがな物か。


心のどこかで無駄な時間を過ごしたと思う一方で気がかりなものが一つあった。
あの役者の中で遠野という人物を襲った男は田所と呼ばれていたのだ。


『野獣先輩…いや田所と言った方が良いか』

ここで海東は記憶を巡らせる。
第2回放送のたしかそのような死亡者が呼ばれていた。
田所と言った方が良いか、という呼び方をする事はつまりその呼び名が本来あるべき名である事を示す筈だ。
名字だけなら偶々という可能性もあり得るが、先ほどのテロップには「野獣と化した先輩」表示されていた。
これを略すれば参加者名簿にも記載されている「野獣先輩」となる。
憶測の域を出ないが偶然にしては奇妙な一致である。

もしこれが実際の参加者の情報であるならば他にも、参加者の情報を知る事ができる物もあるかもしれない。
ステルスマーダーとして行動する自分にはこれほど有益な物は無いだろう。

「いいヒントだ 感動的だな」


といった理由で海東は早速再生機とテレビ回りの引き出しなどを漁ってみた。




& & &

635レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:10:47 ID:BMwVZHXA0




「飯の味に関しては流石にどうしようも無いか」

またしてもケンが不満を漏らす。

ムラクモはもうこんなキチガイに一々心の中でつっかかるのは面倒なのでやめる事にした。

「呑むが良い、オレンジジュースだ」

「腹の足しにはなるだろう」

割り切ったような表情で早苗がオレンジジュースに変えた水をデイバックから取り出しケンに差し出す。

あの女の事なのだから毒など入ってはいないだろうが、警戒に越した事は無い。
実際に毒がはいっていたにしてもこうして渡してしまえばキチガイも処理できるのだから一石二鳥だ。

ケンにジュースを取り出した後、ムラクモも食料品を取り出して口に運ぶ。
凡人というものはいつも周囲に流されてばかりでまったくもって芯が無い。
流石に自分もここで周りに合わせて食べておかなければこの女に妙な情をかけられてしまうだろう。
それは正直言って癪に障るのでそういう庇護念はしばらくはこのキチガイに向けてもらいたい。




『首輪の話だが、どうなった?』

食事時が一段落した所でムラクモ支給品のメモに書いた文字をケンに見せる。
所謂筆談である。
これで首輪に盗聴機能があったとしても大丈夫な筈だ。

「あ、わりぃ、ちょっと飯食った跡だからさ、食休み、休ませて」

素っ気ない返事とともにケンは寝込んでしまった。
同時にムラクモは、手に青筋を浮かべながらメモ用紙を握りつぶした。



「おや、星君どうしたんですか?」

早苗が問いかける。
その目線の先にはその場を離れようとする星君の姿があった。

「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

そう答えると海東とは別の部屋に入っていった。


運のいい事もある物である。
海道や星君とも分断できた事だしさっさと首輪の話を聞き出したら、いっそ早苗ごとこのキチガイを殺してしまおうかとムラクモは考えていたが、ふと思いとどまった。

海東という男、おそらくは黒と見て間違いないだろうが何故こんな無力そうな女を殺さないでいるのか。
このキチガイと違って首輪の解除の話みたいな有益な情報も持っていない。
自らの手を汚したくないにしても自分が見ていない間に何時でも殺せたはずである。
何か生かす理由が?



ムラクモが自らへ問いかける。

636レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:11:36 ID:BMwVZHXA0

そして、その答えが出るのは比較的早かった。



ーなるほど、そういう事か。

確かに、生かしておいて得策かもしれない。
これからも、たくさんの仲間を引き入れるのならば。
あの男、実際何を考えているかは審らかではない。
が、スタンスとしては自らの手を汚さずこのゲームに乗る。
これが一番早苗を生かす理由を含めてしっくりくるという物だ。

早苗を生かす理由。
推測に過ぎないが海東はあの女を自分の潔白のシンボルにしたいのではないのか。
まず第一印象の時点で海東を心から信頼できるような人間はそう多くはないだろう。
だが早苗はそんな海東に憧れの念すら抱いている様だ。
早苗という女ははっきり言って頭の程度はそれほど高くなく、疑う事すら知らない。
騙すのもさほど難い事ではないだろう。
信頼されている人間が居れば、それだけでその人物の信頼性を大きく引き上げる事になる。

東風谷早苗、考えてみればこれほど良い駒もなかなかないというものである。
精々自分もそれに肖らせてもらうとしよう。


…ガチャリ。

「!」



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」





⌘ ⌘ ⌘






「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

少し面倒な事になった。
星君はそう思う一方で丁度いい余裕ができたかもしれないと感じた。

海東という男は元々ここに住んでいたような素振りは無いのにこの光写真館を知っていた。
あの男が何か特別なのか、それてもこの施設に何か彼に知り得る要素があるのか。
本来なら自分が彼に詰め寄るのが一番手っ取り早い話である。

だがあの男の表情が、星君にそれを躊躇わせた。

637レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:12:37 ID:BMwVZHXA0

              /. : /⌒ヽ ∨,.≦三==:.、ヽ. \
             ,.イ. : /∠⌒ヽヽ_彡' ⌒ヽ`ヽ ヽ ':, ヽ
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       ,' .: : : : : :儿_,.-='≧:.    .;≦三ニ:.ヽ'ミ人. :. . ヽ、._ ',_
     、i .: : : : : ;レ'イ'´_,..,_`ヽ.   .:  _,..,_ `ヾ\:.≧==ニ二 > 、
     ヽ._彡.: : : リ ;'_イ'じノヘ ';:. . : ∠じリ>.、_ \≧==ニ ='⌒ヽ  
     ._,.イ.:: : ノ.: .:`¨¨⌒ ;:':; . : ::. . .::⌒     :乂 ー-=彡ヘ ':.   
     ≧=ー .:彳.:: .:      ,' .:; .: :  .:: .      .:从':.、: : .ヽ、)′ 
     三:._彡'.::从:: .:    .イ:::;'  .:   , 、: .      :|lヽヽ`:.、: . 〉  
     /.:/.: ;厂ヘ.: : :. / `'ヘ、_ , -:'  \     :リ ヽ \`:.、
      乂 .:: :人__八 : .′ _,..,_    _,,..、 〉    从_ .ノヽ冫〉
      ヽ: ;' .: : : :∧  : <L.T^Y^レイ:/     .:////イ′
       ヽ\ : :/. :ト、 .   \`'┴ イ/   . :,イ|// . : : :/
        \|l : : :ノ| ';.丶   `¨¨ ´   , : , '  |/, : : ; ;'
            〃: :〈│: '; .ヽ: .        ,.:' :/  .:|八: :ノノ
          八:、;ゝノ: : : : . ヽ、: : . ._.; .;' : : '   . : |、彡'
            ` 爪: : : : : : : : : : : : : :      . : ;ハ、
            ,イ│\: : : : : .            . :/  |:.\


↑常にこんな顔をしているのだ。怪しすぎる。
何だあのいかにもうさんくささの漂う貼り付けたようなにやつき方は。
まるで『私は何か企んでいます』と書いてあるような物だ。
元々人間なんてハナから信用していないが、あの顔はその不信感に一段と磨きがかかっている。
今はこうして穏健派を装って居る以上、今あの男が本音を吐くとは思いがたい。
何か都合の悪い事でも聞かれれば適当な嘘を吐いて自分たちを混乱させてくるだろう。
できるだけ、海東に依存するのは控える。
そして、解決できる謎は自分で解決していく。

そう思ったが故の、この館の探索行動であった。

考えてみればこの人間の集まりで利用できそうな者は少ない。
ムラクモといっていた少年だが彼も少し妙だ。
海東程露骨ではないがあの目つき、産まれもって身に付いているにしては鋭すぎる。
それは非力な少年の眼というよりは獲物が隙を見せる瞬間をじっと待ち続ける蛇のそれに近い。
仕草や歩き方も気になる事がある。
背丈からしてだいたい年齢は10にも満たないであろうが、それにしては隙がない。
常に周囲に気を配り続けており、後ろに立っていても見られているような気分だった。
結果的に見れば、恐らく何らかの訓練を受けていると見て間違いない。
悟られない程度には警戒しておくべきだろう。



そんな事を考えながら星君が入った海東とは別の部屋。
少し広いが物置きの様だ。
棚にはDVDやらBDやらが仕舞われており、下の方には今では珍しいVHSなどが所狭しと敷き詰められている。
床に置かれたカゴを見るとフィルムが入っていた。
星君は直感的に匂うと思い、DVDやらBDやらがはいった棚の方から気になる物が無いか探した。


「…?」

638レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:13:27 ID:BMwVZHXA0

見つけた。気になる物を。

[人造昆虫 カブトボーグ V×V]とパッケージに書かれたDVD。
問題はそのパッケージイラストである。
さっき自分が戦っていた人間ーーケンというらしいーーがこのパッケージイラストに写っている人物のそれではないか。
ケンという奴はこうして人間達の間でメディアにもよく顔をみせているのか。
となるとこの殺し合いに参加させられる人間は一定の世間への知名度を参加者の判断基準にしているのだろうか。
だがそれなら何故自分が参加させられている?
美少年の転校生という芝居書きの元で泉研に近づく予定はあったが、テレビに出た覚えは無い。
仮にそんな事をしたらかえって動きにくくなる。
自分はジュラル星人の中でも単体で見ればかなりの強さを持つエリートとと自他ともに認めている以上、そんな事をする理由も無い。
何はともあれ、内容も含めて後ほどケンに聞いてみる事にしよう。
そうして人造昆虫 カブトボーグ V×VのDVDをデイバックに入れる。
ついでに同じ物もいくつかあったのでそれも纏めていれておいた。

デイバックにDVDを入れた後、軽く外の様子を確認し、見ている人間が無い事を確かめた。
その上で星君は物置き探しを再開する。
今度は先ほどの棚とは違う棚を漁ってみた。
見るとこちらの棚の上には妙な物がある。
透明のケースの中に入れられた精巧な人形のようだ。
大きさは8センチから15センチ程であり、どれも綺麗に並べられている。

ここでまた一つ、気がかりな物を見かけた。
ケース内に並べられた人形の内の一体だが、それが早苗とか言う女の容姿と一致する。
緑の髪、白い装束、青い袴、どれをとっても大きさ以外は本人と瓜二つだ。
彼女もまた精巧な玩具が作られる程、人間共の間で著名な存在なのだろうか。
逆の考え方もある。
彼女らがこのような作品を模した服装を着ているとしたら。
となると海東も何かの人物の模倣をしているのだろうか、その割にはただのフォーマルな服で見分けがつきにくいが。

これも機会があれば早苗に聞いてみる。
早苗という人間は海東やムラクモと違って表情や目つきに一切曇りが無い。
根っからの正直者で今も穏健派として動いている。
あの女なら嘘を吐く事は無いだろう。実際駒として利用できそうだ。
早苗の人形をデイバックに入れ、星君は再び棚の中を探す。

こちらにもDVDやBDが入っている様だが、ちらほらゲームソフトの類いも見られる。

…[Fate/Zero]

…[日常]

…[DEAD RISING]

…[HUNTER×HUNTER]

…[探偵オペラ ミルキィホームズ]

…[THE IDOLM@STER]

…[チャージマン研]

!?

ハッと気付いたような顔で[チャージマン研]のDVDを見つめ直す。
星君が驚くのも無理は無い。
何故か、理由はそのDVDのパッケージイラストにあった。
見間違えようが無い。それは自らの宿敵である泉研が大きく写し出されているのだ。
何故研がここに。否、やはりと言うべきなのだろうか。



…ガチャリ。

639レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:15:19 ID:BMwVZHXA0

「!」

物音。
同時に星君は部屋の扉の方に目を向けるが、異常や変化は無い。
ここではない別の部屋からの物音の様だ。恐らく入り口の広間からだろう。
扉の向こうから声が漏れる。

「…すまない、ここにスカートを履いた少年が…」


誰かが来た。
どうせ人間だろうが口ぶりからして襲撃が目的ではないだろう。
取り敢えず目欲しい物はそれなり見つけた事だし探索はもう切り上げても良い。
DVDをデイバックに入れ、来訪者を確認するために星君は部屋を出た。





♩  ♩  ♩





「ヴォー…」

結局こんな日暮れまで探してしまったが、未だ音沙汰はない。
麗華達と別れてから三、四時間は経っただろうか。
遊星はどこか施設に居るのかもしれないと踏んで道中ホテルや王宮も見て回っていた。
だが両方とも蛻の殻であった。
建物を見ても半壊しており、安全は保証できそうにない。
皆ここを拠点にしている可能性は低いだろう。

そういった事情の中遊星が地図で見つけたのは光写真館と呼ばれる場所であった。
写真館と言うと美術館や博物館のような施設のイメージが沸く。
人が落ちつける場所かと言われると微妙だがそういった場所にも医務室の類はあるだろう。



「ここが…光写真館…」

今、遊星の目の前にある建物こそ光写真館である。
外見としては民家が二つくっついたくらいの大きさに少し洒落の利いた外装が施されている様だ。
一見床屋のようにも見えるそれは美術館や博物館のような施設のイメージを持っていた遊星を意外に思わせた。
それなりに急いでここに来たつもりだが時計を見るともう5時15分を回っている。
次の放送はここで聞く事になりそうだ。

窓から光が漏れている。
中には人が居ると見て間違いないだろう。
遊星はDホイールから降り、入り口のドアを開ける。



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」




「誰…ですか?」

東風谷早苗が素っ気なく返した。

まずい、順番が逆になってしまった。自己紹介を先にしておくべきだった。
とは言え、自分が探し求めていた人間を見つけ出す事ができたのは大きな成果である。


当のスカートをはいた少年、ムラクモにも自分の事は覚えてくれていた。
恐らく、表情からしても確実にスカートを履かせられた事をまだ怒ってはいる様だが。
ムラクモの事は権兵衛が言っていた早苗達が見つけてくれた。
今生きているかはわからないが彼には感謝しておかなくてはなるまい。
早苗達は今参加者達を味方につけ大きな集団になっている。
自分が協力しない理由は無い。

640レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:16:22 ID:BMwVZHXA0


現在遊星は早苗達の中に溶け込み、情報交換を進めていた。
今までであった人物、自分の居た世界の話、この会場に対する推測。
恐らく教えても問題ないだろうと判断した範囲まで遊星は話した。

情報交換の中で泉研には気をつけてほしいと星君に教えられた。
話からして朝方出会った黄色の少年の事だろう。
確かにあれは正義の味方という割には容赦がないというか、キチガイ染みた様子だった。
やはり殺し合いに乗っていたのか。

教えても問題ないだろうという範囲を選択する、砕いていえば全部教えない事であるが端から見ればそれは妙かもしれない。
別に遊星は早苗を疑っているわけではなかった。

問題は自分がこの館に入りしばらくして部屋から出てきた男ー海東純一というらしいーだ。

『海東には気をつけてください。明確な根拠があるわけはありませんが……あの男は怪しいです」

遊星は記憶を掘り起こす。
昼頃出会った権兵衛が自分との別れ際に聞かされたセリフである。

(海東純一か…確かに怪しいな…)

いわれてみれば確かに怪しい所がある。
早苗の憧れる人物だというが…



        __ ,.,.,. -‐==ミ            x==‐- .,.,., __
       /.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::}         {::::::::::::::::::::::::.:.:.`ヽ
.      /''"´ ̄ ̄   ```: .、      〃´´´     ̄ ̄`ヽ
     /    _, ==ミ     ::ヽ           , ==ミ,_      ヽ
        〃_xく(:::じ::)`ヽ   .:::       ,ィ (:::じ::)`ヾx_
        ^ニ二二ニ''^ ノ .::}      ^ニニ二二ニ´
          ⌒>‐--   彡 .::|      ヾ..   --‐<⌒
        /           .:::|                   ヽ
                    .::::|  i
               /^ヽ.:::::|  i    ヽ
                 {  〃 .:       }
           /   ー-、      .-‐ ''     \
              /       ヽ. __ ,ノ          ヽ
          {           、_              }
             ::__.:.:.:.:.:.:.:.J.:.:.:.:.:.:.:.__;:
             ヽ i^Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y^i .ノ
                    \!._{__|__}_.!/
                      、:::::::::::::::::::::::::::,
                    `二二二二´



↑常にこんな引きつったような笑顔をした人間を信じろと言う方が難ではないのか。
雰囲気からして、少年少女達を纏める冷静な大人、と言った印象を受けるがそれには表情が場違いである。
人は見かけによらないとは言うが、初対面の人間には正直第一印象でしか判断できない。
権兵衛もまた同じ気持ちであったのだろう。


一応本来の海東はこんな朝から晩までオリジナル笑顔を振りまくような人間ではないのだが。
このバトルロワイアル会場はニコニコ動画バトルロワイアルであるという事を忘れてはならない。
奇妙なハサンダンスが強化されていたアサシン同様、知らぬ間にニーサンにもニコニコ補正がかかっているのだ。
こんなうさんくさい表情に本人が気づかないのも、その補正の一環である。

641レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:17:40 ID:BMwVZHXA0







情報交換を一通り終えた後、遊星は本題に入った。
いつの間にかケンも起きている。
ちなみに遊星のデイバックから顔だけ出していた淫夢くんは今、早苗の膝の上で可愛がられている所だ。

「その動物、なんて種類かわかるか?」

その言葉に合わせて遊星は話し合いの間に予め書いておいたメモを見せる。

【突然で悪いが早苗以外は静かに各自で筆記用具を用意してほしい】

それを見て一同はおもむろに筆記用具を取り出す。
少しだけ、早苗は遅れて取り出しながらこたえる。

「え、えっとなんでしょうか…リスザルかキツネザルか…アイアイにも見えますね」

【やはり盗聴機能?】

ムラクモが最初にメモに書いてみせた。

「生き物には、詳しい人はいないのか?」

【はい、まずはコレを見てほしい】

そう書いて、遊星はまたメモを渡す。
それは昼頃権兵衛達にみせたメモであった。
一同がそれぞれ回し読みしていく。


彼らのメモに対する反応は多種多様。
だが、大局としては勝治がここまで放送で呼ばれる事への納得であった。


皆がメモを回し読みしている間も遊星はメモに綴る。
遊星は以外と字は丁寧に書く方であった。

【とりあえずここで放送がおわったら勝治の首



ガタンッ!






「誰か居るんじゃなイカ!」


物音。そして同時に放たれる声。
遊星含めた一同が二人目の入り口の訪問者へ再び目を向ける。



「どうした!?」

思わず遊星が訊く。

642レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:19:43 ID:BMwVZHXA0
声の主は奇妙な青髪の少女であった。
早苗もその姿を見て遊星に続いて反応する。

「あらかわいい、お名前は何でしょう?」

「あ、イカ娘でゲソ!」

青髪の少女は早苗の問いかけに対しイカ娘と名乗った。




イカ娘が言うに元は街に向かう予定だったが通行ルートでここを見つけ、明かりが付いていたから様子を見に来たらしい。
こんな一人で歩いていてよく誰にも襲われなかったものだ。

そしてイカ娘は今まで出会ったあかりや襲撃者の事、南の海の家れもんの事、自分も持ち物の事を包み隠さず話した。
出会った時点でまだ彼らが味方どうか確定していないのに自分の手の内を明かしてしまった辺り、いかにしてイカ娘が追いつめられているかが伺える。
そこに遊星達が疑う余地はなかった。


「で、君のさっき首輪を回収したといっていたな。それを見せてくれないか?」

「わかったゲソ」

話も一区切りついた所で遊星の提案にイカ娘が答える。
本来なら壊れているはずの勝治の首輪で解析してみたかったが、無人の首輪なら尚安全だ。
これならもし爆発機能だけは作動していたとしても、人が死ぬ事は無い。

「ありがとう」

早速遊星はデイバックから工具を取り出し、イカ娘から受け渡された首輪の解析を始めた。





♯ ♯ ♯





(((こいつは使えそうだ)))

星君、ムラクモ、海東の三人の中では無駄に洗練された無駄の無い無駄なハーモニーが発生していた。

星君としては自らの警戒対象たるムラクモや海東もこいつを利用する気だろうと考えていた。
それにしても奇妙な髪だ。
先ほどの遊星は頭に蟹でも乗っけているのかと思いきやその蟹と一体化したような髪型であったのだ。
そしてこのイカ娘もイカと一体化したような髪型をしている。
まさか二人は人間ではないのだろうか。
もしそうなら協力をあおげるかもしれない。
特に遊星は利用価値が高いだろう。



「みんな!見てくれ!」

唐突に遊星の声が響く。
見ると遊星はやはりメモを皆に見せた。

643レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:20:51 ID:BMwVZHXA0




『早速イカ娘の持ってきた首輪を解析してみた

 だが思ったよりかなり簡単な構造

 さっき見せたメモのように勝治のが壊れていたとしても十分納得いくレベルに

 この首輪の正確な機能もわかった

 まず爆弾とそれを起動する装置(以下爆破起動装置と書く)

 この装置は恐らく主催者側が任意で起動する事もできるのだろう。

 禁止エリアに入った際に警告するスピーカー 全て自動音声の様だ

 次に動きを感知する装置 これは参加者の生死を知る為の物だろう

 ついでにこれが一定以上の強い力を感知するとさっきの爆破起動装置に働きかけるようになっている様だ

 そして盗聴機能 これはみんなも薄々感づいていたと思う

 さらに位置情報機能もついていた 爆破起動装置とも接続さされていた事から禁止エリアと同期をとる為の物であるようだ。

 ここまで書いたがこの割に首輪の分解や解析などの行為に反応して爆発するような対策プログラムは付いてなかった

 結論を言ってしまえば爆弾の調達はともかくこのレベルなら自分でも作れるような物体だ

 つまり、みんなの首輪は自分なら解除できる』



皆がメモを読み終わる頃、遊星はもう一つの物を皆に渡した。
取り外した遊星の首輪である。

「おお!すげーじゃん!ほんとにく…」

首輪の解除という事実に興奮しうっかり声を出そうとするケンの口をムラクモが押さえる。
反対の手で「よくやった」と書いたメモを遊星に見せる。

「ああ」

と、言うわけで早速遊星は一同の首輪の解除に取りかかった。
最後に海東の首輪も解除した後で丁度第3回放送の時間となった。






〒 〒 〒






「ふむ、やはりこの首輪が原因だった様だ」

644レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:21:44 ID:BMwVZHXA0

光写真館のトイレで星君が呟く。
しかしそれは参加者としては「星君」だが皆の知る「星君」ではない
星君は首輪を解除された事で急に体が軽くなった気がしたのだ。
もしやと思いトイレに入り、変身を解除してみた。
すると即座に手足が細長くなり、肌は赤黒く変色し、着衣は霧散し。
星君はいわば本来の姿、ジュラル星人のそれに戻った。

しかし、今はこの姿で行動するメリットは無い。
少なくとも早苗や遊星を生かしておく必要がある間は。
そして十秒と経たず、星君は元の少年の姿に戻り、トイレから出た。

(それにしても海東は何を…)

参加者の中に潜り込む中で避けては通れない海東の存在。
このまま行けば確実に隙を見て誰かを殺すはずだ。
とは言え、誰を殺すかはかなり見極めた上で行うだろう。
早苗は海東の事を大分信用している様だし、遊星も首輪を解除する技術があるのだから早々に捨てるとは考えがたい。
そうなれば、自分かムラクモかイカ娘か。
自分をが狙われる事似関しては遊星と接点を深めていけば奴はそう簡単に手出しはできないはずだ。
その線で行けば遊星に探されていた人間の様だしムラクモも殺害対象から外れるか。
それなら問題はイカ娘かー

そうだ。
一人忘れていた。
ケンという奴の存在を。
あいつはキチガイだ、泉研と同様に。
名前が同じなのはそういう繋がりがあるのだろうかと問いたくなるレベルに。
いくら上辺で仲間を集めると言ってもキチガイまで欲する事は無いだろう。
何よりケンと自分は海東が来るまで殺し合っていた関係だ。十分亀裂が生まれる原因にもなる。
そもそも自分が彼を生かす理由も首輪を解除できるかもしれないという話に付いてきただけだ、奴も同じ考えである可能性は低くない。
総じて、海東にとってイカ娘以上に殺すメリットと殺さないデメリットが大きい。

わかったぞ。
海東はケンを殺す気だ。

自分としてはそれに反対する理由も無いし、むしろ有り難い。
このゲームで問われている事は「一番殺したのは誰か」ではなく「最後まで生きのこったのは誰か」である。
無理に点数を稼ぐ必要は無い。
それに海東の真意を探れるきっかけになるかもしれない。
思い通りに事が進めば、人はつい気が緩みやすくなる物だ。

ならば泳がせてみるか。







‡ ‡ ‡

645レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:22:41 ID:BMwVZHXA0







 …まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精々がんばるんだな』

同時に西から爆音が押し寄せる。
それきり、放送は聞こえなくなった。

(ディケイドが死にましたか…意外ですね…)

海東は最後の順番で遊星に首輪を解除してもらった。
そして外し終わった直後で放送の時間となった。
解除した首輪は遊星が何かに使えるかもとデイバックに入れた。


「なるほど、そういう事だったか…」

解除した首輪を前に遊星が呟く。

「落ち着いて下さい、遊星さん」

「まあここら辺の事は読めてたようなものでした」

「彼らはハナから首輪に拘束力を期待していなかった。という事ですね」

「悔しいが…そういうことだ」

(この男はもう用済みではありますが…まだこの技術を利用する機会は十分にあるでしょう)

(しかし、このキチガイは…完全に不要ですね。殺しても問題ないでしょう)

海東はケンを見る。
首輪を解除した事でまだ浮かれている様だ。
考えながら、遊星と話を続ける。

(先ほど訊いた限りではあのリュウセイの仲間のようですね…)

(友人を山車にすればこいつを誘き出して殺す事もできるでしょうが…)

(不動遊星…少しばかり邪魔ですね)

この不動遊星という男、先ほどから常にこちらを視界に入れている。
端から見ればそういった嗜好の人間にもみえる。
ちょうどあのAVの野獣と化した田所とやらの目もあんな感じだった。
だがそうではないだろう。
自分の事をかなり警戒している様だ。
これでは少し動きにくい。



「遊星さん、たなびたい事があるんだ」

不意に遊星に向けられた声は、星君からだった。
当然ながら遊星が答える。

「何か用があるのか?」

「うん、ちょっと来てほしいんDA」

646レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:26:21 ID:BMwVZHXA0

「わかった、できれば早くしてくれ」

そういって星君と遊星は先ほど星君が調べた物置きに入っていった。

珍しい事もある物だ。
だがこのチャンスを逃さない手は無いだろう。
幸い早苗とイカ娘はあの獣に夢中だ。

手招くようにケンに声をかける。

「ケンくん、ちょっと訊いても良いかな?」

「ん、なんだおっさん?」

「まあついてきてほしい、リュウセイ君の事について君からいろいろ訊きたくてね」



そういって海東は目立たないようにケンを館から連れ出した。

電磁サイリウムを後ろ手に持ちながら。



「で、リュウセイがどうかしたn…」








(腹パン)

強烈な痛みがケンの腹部を襲う。
それが海東の拳によって行われた。と知った時にはもう遅かった。

頭が痛い。否、痛いを通り越した何か。

ー何かで叩かれている。

ーヤバい、ーこのままじゃ死ー


「てめっ…!」

ケンはそれでももがく。

だが。










【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 死亡】








(思ったより手こずりましたね…)

647レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:27:15 ID:BMwVZHXA0

今はもう「ケン」ではなく「死体」に成り果てたそれを抱かえ、海東は心の中で呟いた。

(ブレイブバックルの制限が解けていないようなのは困った所ですね…)

首輪とは別に課せられているのか、ブレイブバックルの制限が解けた様子は無い。
とは言え変身しては目立つ可能性があるので解けたとしてもここでは使わなかったであろうが。
変身して殺すのではなく、豚の屠殺のようにケンの頭に電磁サイリウムを叩き付けて殺す事になった。
結果としては十分良い方だろう。
返り血も付かないので大分怪しまれにくい。



(どのみち此処にはもう未練は無いですし、ここから動いてしまえば死体は見つからないでしょう)

そう思い、ケンの死体は裏の草むらにでも隠す事にした。
落ち葉の山を掘り返して遺体を置き、その上に枯れ葉や枯れ草を積み上げる。
これで遠目にはわからないだろう。
我ながら完璧



「見てしまったぞ」





…ではなかったようだ。

厄介な事になった、が。

「そう敵意を向けなくて良い、むしろお前の判断は正しい」

「そいつが本当に首輪を解除できたかは最早どうでも良い事だからな」

「私はあなたを殺そうと考えている所なのに…妙に友好的ですね」

「当然だ…今お前を失うのは少々惜しい気がしてな」

「私の部下になれ。見逃してやる」

これは交渉という物だろうか。
だが海東は目的の為なら手段を選ばない人間である。そこに恥も外聞も無い。

「参りましたね…」





「…いいでしょう」

故に交渉は成立した。
そしてムラクモはフン、と小さく笑いを漏らした。


やはりこうするだろう、とムラクモの予想は当たっていた。
キチガイには何か特別な力がある。
などという憶測を付けてこのケンというキチガイに興味を持ち、殺さず様子を見ていた。
だが遊星の手によって首輪が外されてしまった以上この男は不要。
最も首輪が無くても主催側は参加者をいつでも殺せるとわかった以上遊星の助力も徒労に終わってはいるのだが。



§ § §

648レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:28:24 ID:BMwVZHXA0



(まずい…海東から目を離してしまった)

星君との話を終えた遊星は急いで広間の部屋に戻る。

しかし、そこに海東の姿は居ない。
そしてケンとムラクモの姿も無かった。

(遅かった!)

「海東は何所に行った!?」

「えっ…そういえばいませんね、何所へ行ったのでしょう?」

「クソッ!」

遊星は舌打ちし、入り口の扉を開けようとする。
ノブに手をかけようとした瞬間、逆側にノブがひねられ扉が開く。
つまりそれは、向こう側の人物が遊星より先にドアを開けたという事。

「遊星さん、ケン君が…!」

ドアを開けたのは海東であった。

「ケン君が…だと、お前」

遊星は怒りをあらわにする。
こうも速く動いてくるとは思わなかった。

「ケンがリュウセイの所へ行くと言って、一人で何所かへ行ってしまったんです」

「それは本当なんだろうな」

遊星は疑ってかかる。

「念のため此処の辺りを調べさせてもらっても良いか?」

「そう疑うな、この男は間違っていない」

いつの間にか海東の隣に居たムラクモが会話に割って入る。

「俺も見た。北の方に走っていくケンをな」

「そうか…」

「だが何故止めなかった?」

「止めたられたならこんなに騒いでないだろう」

再びムラクモは答える。

「実際ケンは一人で突っ走るような奴だしね」

星君も会話に加わる。
一応納得したのか、遊星は口を閉じる。

「…わかった、北の方に向かったんだな?」

「はい」

間を置いて遊星が振り向く。

「みんな、ケンがリュウセイって人の所に勝手に行ってしまったらしい」

「探しにいきたいが此処で別れると危険だと思う。だから一緒についてきてくれないか」

「大丈夫だ、問題ないゲソ」

イカ娘が遊星の呼びかけに応える。

「よし、じゃあ準備ができたら行くぞ」


こうして陰謀渦巻く一行は見事遊星らの籠絡に成功した。
星君、ムラクモ、そして海東の真意は何なのか。
それを皆が知るのはそう遠くない未来であろう。

649レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:30:19 ID:BMwVZHXA0



【H-04 光写真館前/1日目・夜】



【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。首輪解除
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品(一食分消費)、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN
   AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 0:取り敢えずここを離れる。
 1:街にでも向かってみましょうか
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗達と行動を共にする。 特に遊星は生かしておいて損はない
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限は首輪とは別にかけられている様だが…。
 6:ディケイドは死んだか…
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。
※ブレイブバックルの制限は支給品として独立してかけられている為解けていません


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小) 首輪解除
[装備]無し
[道具]基本支給品 (一食分消費)
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:ケン君を追いかけないと
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:権兵衛さん…
8: \  /
9: ●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
10:" ▽ "
11:ケン君は更正させなきゃ(使命感)
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:早苗はいつか絶対に殺すが利用できるなら生かす。
2:海東を警戒しつつも一時的に協力。
3:無力な少年を装い彼らと行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。

650レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:31:08 ID:BMwVZHXA0



【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド、首輪解除
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:海東の目的を知る為、敢えて泳がせてみる。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
4:遊星とイカ娘は人間なのだろうか。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。
※遊星に何を頼んだかは後の人にご一任します。


【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、殺人者への怒り、強い決意、首輪解除
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
    毘沙門天の槍、ドーピングコンソメスープ×2本@魔人探偵脳噛ネウロ、ATTACK RIDEてれびくん@仮面ライダーディケイド
    観葉植物くん@真夏の夜の淫夢、DMカードセット(氷結界の龍ブリューナク、グングニール、トリシューラ)@遊戯王DT
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者と協力する
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※ポケットに入るだけの食料品はデイバックに入れました。
※首輪探知機は見落としました。


【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り、首輪解除
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
解除した首輪×7、分解した首輪
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:ケンのもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。先程の爆発との関連も考慮
3:ありがとウサギ…
4:首輪の構造の簡素さに疑問。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。


【淫夢くん@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(微小)
[思考]:基本思考:ヴォー・・・
0:ヴォー・・・
1:ヴォー・・・・
2:ヴォー・・・・・
3:ヴォー・・・・・・

651レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:32:06 ID:BMwVZHXA0











: : :











海東がミスを犯していたのだろうか。
もしそうなら海東がもっと入念に首をおるなど処置をしておけば良かった話である。

だがそうだったにしても、死ぬ死ぬ詐欺とは簡単には破れない物である。
しかし本来ならケンには死ぬ死ぬ詐欺は余り起こっていない。
首輪の解除による制限の無力化か、それともニコニコ補正か。

ただ、はっきり言えるのは写真館の裏にはまだ小さな命の灯火が残っているという事である。



【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 生存確認】



【H-04 光写真館裏/1日目・夜】



【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得、早苗に惚れた 、疲労(小)、首輪解除、意識不明
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:あのニヤついたおっさんは殺す。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
3:早苗は可愛いし、変な生き物や男じゃなさそうだから一緒に居てもいいかな。
4:あのムラクモって奴もカツミ並みにスカート似合ってたな。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています、ただし若干都合の良い解釈もするようです
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
※彼の言ってる事は全て妄言です。
※生きてました。

652 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:33:44 ID:BMwVZHXA0
投下終わりになります
長くなったので>>640までを前編、>>641からを後編でお願いします

653名無しさん:2015/04/02(木) 23:06:54 ID:4W0Bv0cs0
投下乙

うわあ・・・
盛り上がってみりました

654名無しさん:2015/04/02(木) 23:18:05 ID:Zg9kHjMA0
投下乙です
華麗なまでのマーダー達の結束
これもう(どっちが対主催か)わかんねえな

655 ◆K.6zmCzCcE:2015/04/03(金) 15:33:20 ID:vrE2MDPs0
投下します

656 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:33:46 ID:vrE2MDPs0
なんか変になりましたがもう一度

657 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:34:09 ID:vrE2MDPs0
いけますね
じゃあ投下します

658首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:35:01 ID:vrE2MDPs0
「くそっ!」

メイトリックスが思いっきり壁に拳を叩きつけ叫ぶ。
第三回放送で呼ばれた仲間、門矢士。
まどか達に襲撃され分断された後、もっと別の場所を探し再会できれば彼は死ななかったかもしれない。
あるいはフランクと合流した時、早くに二手に分かれていれば、いや船に向かうときフランクに士のことを伝えていれば。
もっとも、メイトリックスもあの短時間に様々な事があった。主にケン絡みで。
エスポワールも禁止エリア指定され時間がなく一杯一杯なのもある。

だが二回放送でイーノックの名前を呼ばれた時に、もっと最悪の事態を考えられたのではないか。
メイトリックスの中でそんな疑念が生まれる。

「メイトリックス、気持ちは分からないでもない。
 だが……」
「分かってる。こういうことは戦場でもよくあった」

流石は軍人というべきか。
後悔や動揺はしたものの、すぐさまやるべき事を理解し切り替える。
だからこそ彼は優秀な兵士として、ここまで生き延びてきたのだろうとケイネスは思った。

「ところで、あの少女の事だが」

【首輪と会場について、いくつか気付いたことがある】

何気ない会話に紛れ、一枚のメモをケイネスはメイトリックスに渡す。
頷きながらメイトリックスも会話を続けながらケイネスのメモに目線を落とした。

【首輪は解除可能かもしれない】

「ああ、いつの間にか居なくなっていたが」
「変な機器を触られる前に、探しておいた方が良いかもしれない」

そのままケイネスのメモが綴られ、首輪の内部構造などの詳細がメイトリックスに伝えられる。
ケイネス曰く水銀を首輪内に忍び込ませ、内部を探ったところ科学的な技術が多いことが分かった。
魔術的なものは、魔力などの参加者に制限を掛ける部分のみ。それ以外はいたって神秘の欠片もない。

【だが、私はその手の知識が皆無だ。君の知識を借りたい】
【分かった。この内部構造なら、地雷の撤去の要領で可能な筈だ。
 先ずは―――】

再び首輪に水銀が忍び込み、メイトリックスの指示に従い。首輪の爆弾の無力化及び解除を始めた。


数分後、分解された二つの首輪が転がり、ケイネスとメイトリックスの二人は筆談を止めていた。

659首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:35:27 ID:vrE2MDPs0

「何とか、取れたが。しかし随分思い切ったことをしたな。
 そのスライムみたいなのを忍び込ませても、首輪が爆発しないと確信でもあったのか?」
「いや、私も賭けだった。だが少し心当たりが出来てね。
 あの三回放送だ。
 わざわざ首輪の爆破からエリアの爆破に切り替えた辺り
 こいつを外した参加者か、あるいは元々首輪に大した期待を奴らはしていないかのどっちかだと思った。
 どちらにせよ。試してみる価値はあるだろう?」
「なるほどな。これでエスポワールで脱出……したいところだが」
「無理だろうな」

しかし首輪が取れて一段落付いたのものの、主催はこの会場をいつでも爆破出来るという事に変わりはない。
恐らくエスポワールで脱出しようとした瞬間、そのエリア一帯は炎上するはず。
二人はそれを理解していたのか、首輪の解除でもそう喜びの色は見せなかった。

「エリア爆破もそうだが、何より結界が厄介だ」
「結界? またファンタジーな」
「エスポワールから、海の向こうを見て確信した。あれは上手く見せてるが。あの先はハリボテだ。見えない壁に包まれている。
 この島から出ることは不可能だ。その結界を破らなければ」
「でも、お前は心当たりがあるんじゃないかのか? さっきの言いぶりでは」

ケイネスは少し間を置き、辺りを警戒してから静かに口を開いた。

「この場は一時期、異界になっていた」
「イカイ? なんだそりゃ」
「説明すると長くなるが、大雑把にいえば世界が浸食されたとでも言おうか。
 ともかくこの島がちょっとおかしくなっていたと思えばいい。
 ほら、やかましいサイレンの音だの。色々心当たりがあるだろう?」

思い返せば気にする暇がなかったが、確かにこの島は何かがおかしかった期間があった。
それは確信に変わる前に元の世界に戻ってしまったが。

「その原因は“神”が居たからだ」
「神? そりゃ随分と大袈裟な」
「私も便宜上もっとも当てはまりそうな言葉で、そう呼んでいるだけだ。どちらかと言えば邪神の類だろう。
 幸いな事に、その神はこの場がお気に召さなかったらしい。大した害も残さず帰って行った」
「待て? 帰った、だと? それは」
「結界を破り、次元を超えたのだ。
 その時の歪がまだ残っているとしたら? 次元の裂け目が残っているとしたら?」

メイトリックスは高ぶる感情が抑えきれなくなってくる。
脱出困難に見えた会場に、抜け穴があるのだとすればジェニーの奪還にも繋がる。

「だが、問題が二つ。歪はあるが我々が通るには些か小さいものだ。 
 結界に自己修復機能がある。これが曲者で完全にではないがほぼ修復しかけている。
 事実私も、エスポワールに乗ってじっくりと見えない壁を観察しなければ、気付けなかった。
 何か、強力なエネルギーをぶつけてやらなければ、穴はこじ開けられない。
 もう一つ、仮に穴をこじ開けても、主催本部の座標を固定しなければならない。
 そのまま、飛び込めば次元の裂け目の中で迷子だ。下手をすればその神の世界にも繋がりかねん」

強力なエネルギー。
メイトリックスに一つ心当たりがある。
バックからセイバーのカードを取り出すと、ケイネスにセイバーが放ったエクスカリバーの事を話した。
ケイネスもカードから、あのセイバーが召喚されることに驚いていたが、話を聞き何やらブツブツと考え込む。

660首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:36:16 ID:vrE2MDPs0

「いけるかもしれない。
 君の言ったそのビームを放つ剣が、もしあの聖剣ならば……だが一度召喚して確認しなければ」
「おい、召喚と言っても一度出したら半日は使えないんだぞ?」
「話を聞く限り、それはカードの魔力切れによるものだ。私が補給してやれば、すぐとは言わずとも数時間で使用可能になると思う。
 多分、現界時間も伸ばせる」
「分かった。ともかく、カードはお前に渡しておく。
 こいつは召喚した奴に従うらしい。くれぐれも気を付けてくれ」

エネルギーに関しては解決出来るかもしれないが、問題は座標だ。
こればかりは、メイトリックスには完全にお手上げでケイネスに任せるしかない。

「次の放送で、奴らの声が何処から発せられているか逆探知し、そこから座標を導き出してみようと思う」
「大丈夫か?」
「君は気づいていないかもしれないが、ここの放送は全て魔術的なもので行われている。
 ならば、奴らのいる座標のヒントになるかもしれない。
 それに幸い、この結界の自己修復機能のおかげで、パッと見は完璧だ。
 奴らはこのことに、気づいていない。座標のことまでは思いつかないはずだ。
 まず君に因縁のある連中は全員、神秘関連に気付ける筈がないし
 バックに控えているような連中は、直接会場を見に来るわけではないからなおさらだ。
 あの神の存在は奴らにとっても、イレギュラーだったと考えるべきだろう。
 だが、時間の経過と共に気づかれる可能性は高くはなる。早めに座標は特定しなければ」

そう言うとケイネスは何やら胡散くそうな礼装を作り始めていた。
魔術にからきしなメイトリックスだが、それが逆探知用の装置なのだろうという事は何となくだが理解できる。
それからさらに地図を眺め、しばらくそれと睨めっこしていると思えば顔を上げ声をあげた。

「よし、メイトリックス。F-5だ。
 神が居たのはあの辺りだと思う。なら次元の穴はそこにある。そこへ向かおう」
「分かった。船はヨコハマ埠頭に止めようと思うが良いか?」
「ああ、構わない」

「そうそう忘れるところだったが、あの少女の首輪も外してやらなければ」
「そうだな、探して来よう」

661首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:36:34 ID:vrE2MDPs0

【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画、首輪解除
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
0:F-5へ向かう。次の放送で主催の位置を逆探知する。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
8:結界の歪をこじ開けるのにセイバーを利用する。
9:あとで祐子の首輪も外してやる。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。
※会場にの結界に歪があることに気付きました。主催側はまだ気づいていません。
※会場からの脱出、主催本部に乗り込むには。強力なエネルギーと座標の正確な特定が必要です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。 その後、F-5へ
1:士、イーノック……
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:あの2人(一人と一匹?)を探す
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

662首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:37:02 ID:vrE2MDPs0





「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込み。でかい人形に遭遇し。
気付けば、まったく見覚えのない空間に放り出されていた。



「あれ? どこ行ったでゲス?」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻った。



【???/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります

663 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:37:35 ID:vrE2MDPs0
投下終了です

664 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:51:27 ID:vrE2MDPs0
すいません>>662はこっちにすり替えで
間違えて把握して書いてた部分を投下してしまいました

「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込んでいた。
人形に囲まれた、エスポワールにはまったく不釣り合いな部屋だ。

「あれ、バリカンも居ない……」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻ってしまった。

「ちょっと、鍵も開かない……あれ?」

何か背後から気配がする。
そんな気がした。そうだ気のせいだろう。
ともかくゆっこは部屋から出る方法を探し始めた。



【青い部屋/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります

665名無しさん:2015/04/03(金) 21:22:19 ID:SViDrqxs0
投下乙です

666名無しさん:2015/04/04(土) 22:48:09 ID:YkjQ7OhY0
投下乙
ゆっこェ……

667 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/06(月) 16:06:04 ID:T5Dmc71A0
投下します

668サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo:2015/04/06(月) 16:06:53 ID:T5Dmc71A0
「ロックオン、死んだのか」

耳障りな三回放送を聞き、フランクはロックオンの名に反応する。
一番最初に出会った参加者の一人であり、一番最初にフランクをこの場で裏切った参加者だ。
今更、死んだところで何の感傷も沸かないが、だが同情くらいはしてやろうと思う。
少なくとも、この殺し合いに巻き込まれた点では被害者の一人だ。
誰に殺されたのか知らない為、仇なんかは取れっこないが主催者を奴の分までぶっ飛ばしてやるぐらいはしてやるつもりにはなった。

「知り合いか?」
「まあ、少しな。だがろくな顔見知りじゃないが」

ランサーが気遣ってくれる様子だが、フランクは気にするなと言いたげな顔で首を横に振る。
それよりも今はケンを探すのが先だ。あんなキチガイを放って置く訳にはいかない。

「……誰、か」

ふと前から誰かが走ってきている。
暗くなってきたため、顔が良く見えない。もしかしたらケンかもしれないと二人はその人影を凝視する。
するとそのシルエットが段々と鮮明になりはっきりする。

「あれは」
「ケン、ではないな」

それはケンのような肥満気味なだらしない体格ではなくむしろ逆。
細身ながら、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいる。
男のみならず女でさえも、見取れるような可愛らしい顔。
ケンのようなふざけたキチガイとは正反対の、美少女が顔を恐怖に歪ませ走っている。
ランサーとフランクはそれが誰かに襲撃され、命からがら逃げてきた参加者だと判断、二人も急いで駆け寄った。

「大丈夫か君?」
「あの、私……」
「安心してくれ。騎士道に誓い、我々は殺し合いには断じて乗っていない」

少女は走ったためか、極度の緊張のためか息が荒れ、呂律が上手く回っていないながらもサーニャと名乗る。
そして先ほど襲われたケンシロウというヘルメットの男の事を話した。

「ケンシロウか、わざわざ名を名乗ってまで殺しまわるとは、余程腕に自信があると見えるな」
「それよりも、よく君一人で逃げ切れたな」

フランクの何気ない質問にサーニャは一瞬固まった。
そう彼女はカズマの事に関しては何も話していない。
罪悪感からの逃避からか、自分のせいで要らぬ怪我を負わせ、そのまま放って置いたことを知られたくなかったのか。
口に出す気にはなれなかった。

669サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo:2015/04/06(月) 16:07:56 ID:T5Dmc71A0

「私、一応軍人…ですから」
「軍人? まだこんなに幼いじゃないか」

フランクは首をかしげる。
ランサーはあまり気にしていない様子だが、フランクからすればこんな可愛らしい軍人なんて見たこともない。歳も幼すぎる。

(これも平行世界って奴か? だとしたら、ろくな世界じゃないな)

女子供が軍人として戦うなど、あまり治安の良くない世界なのかもしれない。
あまり気分が良くないが、フランクはそれを振り払う。今はそんな事を気にしている暇はない。

「しかし学校か。俺も直接見たわけではないが、設備は揃っていそうな場所をそんな輩に陣取られては厄介だな」
「はい、それにあの周辺には透明な殺人鬼も居るらしくて」
「透明? まさか麗華が言ってたやつじゃないか?」
「不味いな。ケンもそうだが、殺し合いに反対している者たちが傷を癒そうとしているところへ、そんな連中が集まっているのだとしたら」

ランサーは舌打ちをする。
次か次へと殺し合いの火種が転がり込むこの状況。
主催者が意図しているのかと疑わずにはいられない。

「フランク、俺はそのケンシロウとやらと透明の殺人鬼を倒しに行こうと思う。
 お前はサーニャと一緒にケンを探してくれ」
「おい一人で大丈夫なのか?」
「駄目、一人じゃ絶対駄目!!」

一人で戦場へ向かおうとするランサーへサーニャが大声をあげ引き止める。

「みんなで、みんなで行った方が絶対に良いです」
「だが」
「一人で相手を出来る様な人じゃないんです。特に透明の殺人鬼は何人も殺してます!」

確かに腕は自信があるが、そうまで言われると考えてしまう。
強く引き止められ少し考え込んだ後、渋々ランサーはそれを承諾した。

「分かった。みんなで行こう。
 幸いここに居る者は全員、腕に覚えが少なからずあるらしいからな。
 事実、君も俺の黒子を遮断している辺り、かなりの魔術師らしい。後方支援は任せた」
「はい。私もウィッチの端くれです。足は引っ張りません」

二人のやり取りを見ながら、フランクは何か引っかかっていた。
最初あれだけ混乱していたサーニャが、透明の殺人鬼の話をして、それを倒すといった瞬間人が変わったかのようになった。
そんな風にフランクには感じ取れた。
フランクがゾンビ騒動の最中に助けた、怯えた被害者が銃を渡した瞬間、調子に乗り始めた事もあったので言うほど気にはならなかったが。

(俺とランサーが居ることで自信が付いたって事か?)



ランサーが透明の殺人鬼を倒しに行くと聞いたとき、これは使えるとサーニャは思った。
あのケンシロウもそうだが透明の殺人鬼も、サーニャ一人の手には余るが前線で戦う騎士が居れば話は別だ。
自分が後方支援に回れば、そう勝てない相手でもないとサーニャは考える。

(待ってて、エイラ。仇は絶対に討つから)

今まで恐怖、錯乱に襲われていた少女は一転し復讐の憎悪に燃えていた。
カズマの消息が気になるが、それは後回しでもいい。それにあんなおかしい人にはもう関わりたくない。
それよりも、今は復讐だ。誰に先を越されるか分からない。焦りすら沸いてくる。

(どんな手を使ってでも、その殺人鬼は殺す。何を利用してでも……。
 だからごめんなさい。ランサーさん、フランクさん)

罪悪感は沸かない。
ランサーもフランクもカズマのような、おかしい人たちの仲間だとサーニャは思い込んでいた。
剣と槍を得意げに持った青年、血の付いた鉈を持った腕っ節の強そうな男。
そんな凶器を持った人たちは、おかしい人たちに決まっている、と。

思えばここはおかしい人達が多い。まどかもほむらもマミだって襲ってきた。
ここはそういう場所なのかもしれない。そうサーニャは思えてきていた。

だから、そんな人たちは利用してしまえば良い。
おかしい人たちにはおかしい人たち同士、潰しあってもらえばそれで良い。
その後、残った善良な参加者達とここから脱出すれば良いだけだ。

(待っててねエイラ、すぐだからすぐに―――)

670サーニャ・リベンジャー ◆FbzPVNOXDo:2015/04/06(月) 16:08:21 ID:T5Dmc71A0


【E-03/1日目・夜】


【フランク・ウェスト@デッドライジング】
[状態]:疲労(小) 弐度の火傷(小) チートコード発動
[装備]:ナイトの防具一式@FF11、ハイリアの盾@ゼルダの伝説、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、鋸@School Days
[道具]:イワークの分含めた基本支給品、林檎@Bad_Apple!!、
太鼓@1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービー、チートコード@GTA SA、血塗れの私服、医療道具一式@ニコロワγ、イワークの首輪
ミックスジュース(青、白、緑)×6@デットライジング
[思考・状況]基本思考:殺し合いには乗らない。生還する
1:ケンも探すが、一旦ケンシロウ(ジャギ)と透明の殺人鬼の討伐を優先。
2:情報と協力者を集める。
3:一応、イワークの首輪を持ってきたが……
4:ミキサーが欲しい…
5:この娘(サーニャ)、大丈夫だろうか。
※参戦時期は、少なくともショッピングモールからの脱出前からです
※ミルキィホームズ、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※ケイネスと情報交換しました。
※水中で息が無限に続くようになりました。ただし本人は気づいていません。


【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケンも探すが、一旦ケンシロウ(ジャギ)と透明の殺人鬼の討伐を優先。
2:まどかの証言は嘘かまどかの誤解ではないのか?
3:ケイネスとの合流後、まどか達を説得する。
4:あの鎧のデザインいいな…
※まどかの証言はもうほとんど信じていません。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
1、エイラの仇を討つ。その為にランサーとフランクを利用。
2、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
3、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
4、まどか達を警戒
5、エイラを殺したのは……
7、おかしい人たちには潰しあってもらいたい
8、カズマの消息が気になる
※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。

671 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/06(月) 16:08:59 ID:T5Dmc71A0
投下終了です

672名無しさん:2015/04/06(月) 22:43:19 ID:dmAbXa4c0
投下乙
これはサーニャがかき乱してくれそうな予感

673名無しさん:2015/04/08(水) 22:20:45 ID:hUrZeNKw0
投下乙です
相変わらず復讐目的のキャラは厄介だな

674 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:17:04 ID:IFhDCkRI0
投下します

675ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:18:16 ID:IFhDCkRI0
「フムフム、透明の殺人鬼。それに味方の勝治くんやリュウセイくん。
 色々情報ありがとうでゲソ」
「いや俺も味方が出来るのは心強い」

デルタイーグルを走らせながら、遊星とイカ娘は出来る限りの情報交換を交わしていた。
といっても、ろくに参加者に会えなかったイカ娘に、遊星が今まで起きた事柄を教えるという形だったが。
何はともあれ、危険人物、味方になるはずの者、警戒すべき対象。全ての認識を遊星とイカ娘は共通することとなる。

「居ないな。ケン、一体何処へ」
「海東の言ってたことは、本当なんでゲソ?」
「……あの少年が擁護してた以上、ほぼ間違いはないと思うが」

実際はムラクモと海東、更に星君も加え全員が口裏を合わせていたのだが、遊星に気づく術はない。
今はただ海東の言うとおりに、ケンの行方を捜すことしか出来なかった。

「辺りも暗くなっている。
 もしかしたら、何処かで見落とした可能性もある。一度、光写真館に戻った方が良いかも知れない」
「そうでゲソね」

ケンも気になるが、海東の胡散臭さも相当気になる。
何よりあの場には海東を除けば、クッソ汚い害獣と女子供しかいない。
遊星の目が離れている隙に、何をしでかすか分からない。
ここは一度、元の場所へ戻るべきと遊星がデルタイーグルを止めた時、そのライトが数人の人影を照らした。

「おい、何だあの修正テープみたいなバイクは?」
「あの蟹頭は人間のものじゃない。ジュラル星人に組する宇宙人かもしれない!」
「待ちなさい二人とも、勝手な行動は」
「あれって……遊星さん、遊星さんですよね!?」

勝治の言っていたリュウセイの特徴に当て嵌まる少年が一人。
星君の言っていた泉研なる危険な少年が一人。
露出過度で目のやり場に困るおっぱいが一人。
そして、勝治のジャンバーを羽織った以外、ほぼ全裸の見覚えのある少女が一人。

「シャーロックか!?」
「はい、遊星さん!」

どうやら様子を見る限り、シャーロックはリュウセイと合流できたようだ。
一先ず安堵の息が遊星から漏れた。

「だが、そのジャンバーは……」
「その、透明の人に襲われて、物理的に食べられるところだったのを勝治くんが助けてくれて……でも」
「まさか」

あの三回放送は間違っていなかったということなのか。
遊星の心中に重い衝撃が走った。

「そうか……俺がもっと早く着ていれば」
「そんなこと、遊星さんが悪いんじゃありません」

そんな二人の会話を見て、シャーロックの知り合いと判断したアルセーヌとリュウセイは警戒を解いたが、研はそうもいかず変装していた。
アルファガンを構え遊星へと突きつける。

「なんでゲソ? その銃は?」
「黙れ! お前たちはジュラル星人の仲間だな!」
「それはこちらの台詞だ。お前は危険だと星君から聞いた」
「なんだって!?」

星君という名に研は強い関心を示す。
間違いない。あのジュラル星人の星君だ。ということはこいつらはやはりジュラル星人。
今、ここで葬っておかねば大変な事になる。

676ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:19:28 ID:IFhDCkRI0

「おい研! 銃を下ろせよ!」
「リュウセイくん、騙されちゃ駄目だ。星君はね、ジュラル星人で危険人物なんだよ。
 そんな奴の仲間なんて、信用できない」
「待ってください研くん。遊星さんは悪い人じゃありません。
 もしそんな悪い人なら、私が最初に会った時に殺されてますし、勝治くんともずっと一緒に行動してたんですよ?
「いや、もしかしたらその勝治くん自体、ジュラル星人の成り代わりかもしれない。
 考えても見れば、放送で何度も呼ばれるなんて異常だよ」
「異常なのは、お前の頭だ!」

アルセーヌは遊星を怪訝そうに見つめる。
シャーロックの証言ならば、そう危険な人物ではないはずだ。
しかし、研の言う星君という危険人物と関わっているのも事実。

「分かりましたわ。ともかく彼らの無実をなんとか証明する方法から考えましょう。
 研くん。何かジュラル星人の判別方法はありませんの?」
「……奴らは鏡に映らない。あとはアルファガンで撃てば大体、正体を現す」
「アルファガンは却下ですけど、手鏡なら私の支給品にありますよ!」

シャーロックが手鏡を取り出し遊星とイカ娘を映す。
そこには紛れもなく、左右反転した遊星とイカ娘があった。
研は渋々アルファガンを降ろし、遊星たちは胸を撫で下ろした。

「でもよ。遊星さん、研が殺し合いに乗ったってのは多分嘘だぜ。
 俺もずっと行動してたけど、そんな様子じゃない」
「そうですわね。それには私も同意ですわ」
「なら、星君が嘘を吐いてるって事なのか?
 だとすれば、あいつはまさか」

リュウセイやアルセーヌの話を信じれば星君が嘘を話したことになる。
当然、その理由はもう考えるまでもない。

「待て、ケンに会わなかったか? 放送で呼ばれてたが、リュウセイの友人のケンも生きていたんだ。
 あいつはお前を探すと言って、飛び出したと海東に聞いたんだ」
「海東さんに? 
 でもケンなんて見てもないぜ。
 というか、生きてたのかあいつ。しぶとい奴だぜ」

憎まれ口を叩きながらも、何処か嬉しそうな表情をリュウセイは見せた。
だがそれも一瞬ですぐさま疑問の色に変わる。

「いきなり言われても、信じてもらえないかもしれないが、実は俺は権兵衛から海東を警戒するよう言われていたんだ。
 そして、さっき海東と早苗、少年……名前はムラクモと言うらしいが。後は星君、ケンに出会った。
 その時に、海東と星君、ムラクモはケンはリュウセイを探しに出て行ったと口を合わせていた。
 だがもし、星君が殺し合いに乗っていたのなら……」
「ちょっと待って、ムラクモだって!? そいつも危険だ!」

研が再び叫び、またジュラル星人かと呆れかけるが、予想外なことに飛び出たのは速水もこみちの名前だった。
もこみちがオリーブオイルで首輪を外し、そこでムラクモと戦闘になったこと、その際なんらかの要因で幼い容姿になってしまったこと。
何より、ムラクモが殺し合いに乗った危険な思想を持つ参加者だということを、研はもこみちから聞いたままに説明する。

「あのオリーブ男の言うことを信じるのかよ」
「そうですよ。あれこそキチガイです」

もこみちと交戦経験のあるリュウセイとシャーロックは当然、怪訝そうな顔をした。
だが、逆にまともだったもこみちとの交流があったアルセーヌは、その話にはある程度信憑性があるのではないかと考える。

677ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:20:17 ID:IFhDCkRI0
 
「一旦、話を整理しましょう。
 まず遊星さんは、権兵衛さんとやらから海東という人物が危険だと聞いた。
 ですが、シャーロック達の話では海東は仮面ライダーという正義の味方らしい。
 更に、星君、ムラクモなる子供達も研君の話では危険らしい」

「海東さんが危ない奴だって!? 良く分からないけど仮面ライダーはいい奴なんじゃないのか?」

アルセーヌの話を聞きリュウセイが頭を抱える。
一体何が正しくて、何が間違っているのかまるで分からない。
もう面倒なので、全員ぶっとばせば良いのではないかとすら思えてくる。

「ここは最悪のケースを考えた方が良いかも知れませんわ。
 研君も遊星さんも、二人の話が本当であった場合。つまり三人とも殺し合いに乗ったと仮定すると……ケンくんは恐らく―――」

それは最悪のシナリオだった。
殺し合いに乗った三人が口裏を合わせる理由などそう多くはない。
リュウセイもそれを察し、力なく顔を俯かせた。

「まだですわ。そんな中に早苗さんという女性が一人で居る。
 今、彼女はこの島の中で最も危ない場所に居ると言っても、過言ではありません」
「不味いでゲソ! 早く戻った方が良いんじゃなイカ!?」

何処までの話が本当なのかはまだ定かではないが。
少なくとも早苗が危ないということだけは、この場にいる全員がはっきりと理解できた。

「とにかく、早く光写真館に戻ろう!
 あそこから離れていたとしても、あの人数じゃそう遠くへは行っていないはず」
「遊星さん、私は構いませんから。この子達を」

遊星がデルタイーグルに跨る。
この場でもっとも速く移動できるバイクだが、生憎と大人と更に子供数人を乗せることは出来ない。
それを察したアルセーヌが子供たちを乗せて先に行くよう促す。

「ちょっ、苦しいで、ゲソ……」
「速く出して下さい。遊星、さん…苦しい」
「なんてキツさなんだ、おのれよくもこんなキチガイバイクを……!」

シャーロック、イカ娘、研が遊星の後ろに無理やり乗り込むがあまりのきつさに窒息しそうだった。
もう安全など知ったことではない乗り方に、遊星は不安を覚えたが今はどうしようもない。
そんななかリュウセイは一人、バイクにも乗らず別の方を向く。

678ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:23:39 ID:IFhDCkRI0

「リュウセイ、乗らないのか?」
「悪い、先行っててくれ」

その面持ちは真剣そのものだ。
何かあったのかと聞こうとした瞬間、黄色いカブトムシが飛来しリュウセイがトムキャットで弾く。
そのカブトムシは地面へと着地し、その車輪を回転させながら小さい砂煙を巻き起こす。

リュウセイは目線で遊星たちに行けと合図する。
それを見た遊星たちは戸惑いつつも頷いた。
遊星がデルタイーグルを発進させ、アルセーヌが駆け出す。
そして、遊星達が去ったその直後。

「やるな。リュウセイ」
「生きてたのか、ケン!」

黄色いカブトムシが跳ね、その主の手へと帰って行く。
そう龍昇ケン。その人の手へ。

死んだ筈のケンが生きていた。
そのことに喜びは感じたが様子がおかしいことにリュウセイは気づく。
目は血走り、顔は凶悪な表情に歪んでいる。
明らかにまともじゃない。何かが外れ狂っている。そんな様だ。

「俺を殺しかけた海東の仲間のお前達も、全員殺し合いに乗ってるんだろ?
 天才の俺には分かってるんだぜリュウセイ?」
「何だと?」
「ぜってえ許せねえぜ。早苗以外全員皆殺しだ」
「待て、俺たちは殺し合いには乗っていない!」
「嘘だ!!」

リュウセイは何か話が食い違っていると誤解を解こうと訳を話そうとする。
だが頑なにケンは話を聞き入れない。
雛見沢症候群と同じ症状である。
自前で発症するのか(困惑)、これもうわかんねえな。

「殺してやる……そして早苗と結婚する!!」
「訳分からないが、良いぜ? 好きにしろ。ただし―――俺にボーグバトルで勝てたらな!!」
「良いだろう! 俺が勝ったらリュウセイ、お前は死に早苗は俺の嫁だ!!」
「ああ、勝てたら早苗だろうが、何だろうがくれてやる。
 ただし俺が勝ったら早苗は諦めて大人しくしてろ!」

たまたま都合よくあったボーグ台で二人は向かい合い、使用するカブトボーグをかざす。

「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」
「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

ルールの復唱を終え、横のチャージ台にカブトボーグの後輪を擦り付けチャージを行う。
ボーグバトルにてチャージは非常に重要だ。その試合中のエネルギー源はここでしか補充できない。
よってこのチャージを疎かにした者は必然的に敗北者となる。
当然、彼らはそのことを知っている。故にそのチャージに対する素振りを常に怠らず、実践では咆哮をあげ全力でチャージをする。

「チャージイン!」
「チャージイン!」

そしてフィールトへカブトボーグを投げ込むチャージイン。
これもまた非常に重要だ。このチャージインをミスればそれだけで即敗北に繋がる。
幸い両者とも良いチャージインだ。
二体のカブトボーグは勢い良く走り、そして火花を散らした。





―――――

679ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:24:21 ID:IFhDCkRI0






海東に襲われてからしばらく経ってケンは何とか息を吹き返した。
辺りはもう真っ暗で、不気味に木々や草が生い茂るのみ、落ち着いた光写真館からの落差が激しい。
ケンは頭を擦りながら、海東に襲われ意識を失うまでの事を思い出す。

「あの、おっさんゆるさねえ!!」

こんなことになってるのに、誰も探しに来ないのは恐らく全員グルなのだろう。
海東もさることながら蟹頭もイカもムラクモも星君も淫夢くんも。
更にそんな海東と知り合いらしいリュウセイもグルに違いない。ケンはそう考える。

「待ってろ、早苗……みんなぶっ殺して助け出してやるからな!!」

早苗さんは別なのか(困惑)
この人頭おかしい(小声)

しかしそう意気込んだものの、海東の周りには流石に人数が多い。
何かしら、味方が必要になる。
ケンは光写真館へは直接行かず、敢えてその周辺をうろついてみる事にする。

「ねえ、誰か居るみたいだよ」

しばらくして、女の子と声と一緒に何人かの人影が見えてくる。
あれだけの人数で行動しているということは、殺し合いには反対派であることに間違いない。
上手く誘導すれば、海東達を倒しに行ってくれることは間違いないだろう。

「助けてくれ! 殺し合いに乗った海東ってのに襲われたんだ!!」





まどかはその話を聞いた時、笑みを抑えるのが大変だった。
ケンという少年が話す海東とその取り巻きが殺し合いに乗っているという話。
実にタイミングが良い。この無力な少年を襲った危険人物の討伐という名目で、堂々と殺しが行える。
話を聞く限り、まどかに課せられたハンデ分の人数は優に殺せるはずだ。

「こんな子を…絶対に許せない」

話を聞いていたさやかは既に怒りで周りが見えていなさそうな様子だ。
乗せるのは簡単だ。
もちろん、ほむらも自分の命令一つで簡単に動いてくれる。

「みんな、そんな殺し合いに乗った人たちなんて許せないよね。やっつけにいきましょうよ!」
「分かってる。そんな事許せない」
「……ええ」

わざとらしく愛らしい声をあげながらまどかは呼びかける。
ほむらは静かに頷き、さやかは力強くそれに答える。

「ちょっと待て、本当にそんな場所に行く気?」
「そうだ。わしもそんな連中と戦うのはごめんだ」

乗り気な様子じゃない麗華や閣下が気になるが、まあ別に居ても居なくてもそう変わらない。
どちらにしろ、さやかとほむらはまどかに従う気満々なのだから。

「そろそろ飽いてきたところだ。少し付き合ってやっても良い」

予想外なのはギルガメッシュが以外にその事に反発しなかったことだ。
だが、これで戦力は十分すぎるほど揃った。連中の討伐に不備はないだろう。

「麗華、来たくないならそれでもいいよ。世話になったねありがとう」
「さやか……?」
「私は魔法少女として、弱い人たちを守らなきゃいけないから」

言いたいことだけ伝えると麗華の話などまるで聞かずさやかは駆け出した。
追おうにも、その速度は人のそれではない。何より麗華にはもう追う気が失せてきていた。

680ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:24:48 ID:IFhDCkRI0

(そうか、私が居なくても大丈夫か)

何かと面倒を見たがもう平気らしい。
あれならほっといても良いだろう。

「じゃあ、私はあんた達とここでお別れね。悪いけど一々喧嘩ふっかける趣味はないから。
 私は船の方に行ってみるわ」
「待ってくれ、わしも気になってたんだ。一緒に行かないか?」

おっさんが待ってましたと言わんとばかりに、息を荒げながら迫ってくるさまに一瞬引く。
でも同行者が居てくれるというのは悪いことではない。
とはいえ、おっさん十代の女子という絵面的にはあれだが。

「分かった。麗華さんたちは船に行くんだね?
 グレーテルちゃんは良いの? こっちは危険だと思うけど」
「いえ、私は……皆さんと一緒で」
「そう」

ついでに一番使えなさそうなグレーテルも押し付けておきたかったが、そうもいかないらしい。
まあ海魔の餌ぐらいにはなるだろう。

「ところでおっさん、支給品を寄越せよ」
「お前人のモノを…!」

話が纏まりかけたところでケンが閣下のバッグを強奪し勝手に中身を漁る。
自分も武器補充しないと不味いと考えたのだろう。
強奪は基本。
すると中から見知った黄色のカブトボーグを見つけた。

「おお、俺のキー・オブ・ザ・グッド・テイスト!」
「いやわしのだ」
「うるせえ!」

(腹パン)

海東にやられたのと同じように閣下に叩き込み閣下が腹を抱える。

「こいつは貰っていくぜ。あと早苗だけは殺し合いに乗っていないからな? 殺すなよ!!」
「ま、待て。ところでお前、その首輪どうやって……」

痛む腹を抑えながら閣下が疑問を口にする。
それはこの場にいる全員が抱いていたものだが、こいつはろくでもない答えしか返さなかった。

「適当に考えといて!」

そのまま嵐のようにケンは去っていく。
ろくでもないキチガイだったと閣下は思った。今時の子供はどうかしていると。

「チクショーめ!!」

閣下の悔しげな叫びが夜空に響いた。

681ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:25:03 ID:IFhDCkRI0

【F-2/一日目・夜中】

【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
0:麗華と共に船に向かう。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:船に居るケイネスと会えればギルガメッシュの言う結界や首輪に関して意見を貰う。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※一応ケンの話を聞きました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
0:もうさやかは放っといても良いだろうし船に行く
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はもう他人。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っているかどうかも船に行って確認してみる
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


―――――

682ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:25:21 ID:IFhDCkRI0





「死ね、リュウセイ!!!」
「くっこいつ!!」

リュウセイとケンの戦いはリュウセイの劣勢だった。
ケンの言う通り、その自称天才は伊達じゃない。
チャージ、チャージイン、ボーグのキレ、速度、パワー。全てが断トツに跳ね上がっている。
トムキャット・レッド・ビートルにキー・オブ・ザ・グッド・テイストの体当たりが突き刺さった。
フィ―ルド外に押し出されまいと辛うじて、トムキャット・レッド・ビートルは踏ん張る。

「何だぁ? おめえ弱くなっちまったかぁ?」
「なんだと!?」
「いや、俺が強くなりすぎたのかもな。―――キー・オブ・ザ・グッド・テイスト!!」

押される力が緩んだかと思えば、キー・オブ・ザ・グッド・テイストはトムキャット・レッド・ビートルから距離を取り始めた。

「何の真似だ!?」
「ここで倒しちゃ面白くない。俺が如何に天才なのか教えてやる」

するとケンはエレクトリカル・スピードワゴンを取り出し、チャージするとトムキャット・レッド・ビートルへとチャージインをした。

「何!?」
「教えてやる! 天才の俺の手に掛かれば、二体のカブトボーグの操作も自由自在だ!!」

二体の華麗な連携を取りトムキャット・レッド・ビートルを追いつめる。
トムキャット・レッド・ビートルがエレクトリカル・スピードワゴンの背後を取ったかと思えば
キー・オブ・ザ・グッド・テイストが更にその後ろを取り追撃する。
そのキー・オブ・ザ・グッド・テイストの隙を突き、真横から突撃を喰らわせるとエレクトリカル・スピードワゴンの角に受け止められる。

「ちくしょう! かわせトムキャット・レッド・ビートル!!」
「無駄無駄! 天才の俺に勝てるわけないんだよ!!!」

多分、凡人でも二対一なら強いと思うんですけど(名推理)

流石のリュウセイも防戦一方だ。
まるで勝機が見えてこない。
普通の二対一ならば相手のその連携を崩せばいい。
つまり仲違いさせ揉めている間に倒せばいいが、相手はケン一人である以上、それは不可能。

(どうする……。何か、何か手はないのか)

リュウセイは戦況を観察し、今までに見たケンの言動を頭の中で思い返す。
弱点とは思わぬところで、相手が口にしているものだ。
何か相手の脆い部分、何でもいい。リュウセイの頭が高速で回転し続ける。

「お前、早苗と結婚するとかどうとか言ってたよな?」
「あ? それがどうした? 俺たちは結ばれるんだよ!!」

冗談はよしてくれ(タメ口)

683ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:25:45 ID:IFhDCkRI0

「俺は早苗と結婚する! そして―――夜のシークレットバトルをするんだ!!
 聞け! これが俺たちの新婚初夜だ!!



ケン『お前のことが好きだったんだよ!』

早苗『え、何それは…(ドン引き)』

ケン『暴れんなよ……暴れんなよ……』

早苗『う、羽毛…(気絶)』スタンガンバチッ

ケン『この辺がセクシー……エロいっ!』

ケン『もっと舌使ってホラ』

ケン『ちょっと歯あたんよー』

ケン『こいつ玉とか舐め出しましたよ、やっぱ好きなんすねえ』

早苗『アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アッーンン!!(高音)』

ケン『イキ過ぎィ!イクイクイク……』

ケン『いいよ来いよ!胸にかけて、胸に!』

ケン『ンアッー!(野獣の咆哮)』

ケン『早苗のお尻の皴は2いt「お前、変な妄想しすぎだろ! レッドレッド・メテオバースト!!!」「何!?」


その妄想に気を取られた瞬間、エレクトリカル・スピードワゴンが弾き飛ばされ場外まで吹っ飛んでいった。

「何しやがるてめえ!」
「これで一対一だな」
「嵌めやがったなぁ!!」

ハメてたのはケンなんだよなあ。
そんなことは置いといてケンは怒りを抑え、笑い出した。

「フフフ、馬鹿な奴だ。これでお前は苦しんで死ぬ羽目になるんだからな?」
「何だと?」
「奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席」
「一体なんだそれは?」
「お前にも破る事は出来ない。それはさも恐ろしい究極の必殺技なんだ!
 この技は三日三晩、あらゆる必殺技を叩き込むという恐ろしい無敵の技。
 こいつを使えばお前は確実に死ぬ。
 三日三晩もこんな殺し合いの場で打ち続けられないから使わないがな」

それは脅しではないことがはっきりとリュウセイには伝わった。
そのチャイナクックなんちゃらは間違いなく今まで味わった中でも最強の必殺技だ。
だが―――

684ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:26:41 ID:IFhDCkRI0

「……出せよ」
「何?」
「出せよ。その満漢なんとかってのを。お前は結婚するんだろ? 早苗と!
 なら、前が早苗に相応しい男かどうか、俺が試してやる!!」
「し、しかし……」
「ケン、本当はお前、俺に負けるのが怖いんじゃないのか?」

リュウセイの挑発にケンに残っていた僅かな理性が弾け飛ぶ。

「……後悔するなよ。チャイナクック・マーベラス・満漢全席、三日三晩分の攻撃を全てこの一撃に込めてやる!!」
「来い! 全て受け切ってやる!!」

黄色い閃光がトムキャット・レッド・ビートルをリュウセイをエリア一帯を包み込む。
本来の正史で辿る筈だったチャイナクック・マーベラス・満漢全席とはまた違う。
その三日三晩分の威力が込められたチャイナクック・マーベラス・満漢全席はエリアの半分を消し飛ばした。

閃光が止み、土煙と共に立っているのは龍昇ケン。そしてキー・オブ・ザ・グッド・テイストのみ。

「……それだけか?」

いやもう一人と一体が立っていた。
天野河リュウセイとトムキャット・レッド・ビートルが。

「そ、そんな馬鹿な……」
「いい加減、目を覚ませケン。
 早苗はお前と結婚する気なんか更々ないし。まず無理だ」
「なんで、なんでそんなことが言えるんだよ!!」
「何故なら、お前は見た目が太っていて女性受けが悪い!」
「ギクッ」
「勝治みたいに話術も、甘いマスクもない!!」
「ぐわあ!」
「成績が悪い!」
「ごわっ!」
「屁が臭い!」
「づあああ!」
「口も臭い!」
「あがあがががあ!!」
「妹の方が賢い!」
「あややややややあああああ!!」
「お前の家のラーメンだって不味い!!」
「どうわあああああああああああ!!!」

「そして何よりも、俺に負けたお前は天才でもなんでもない。
 天才になったつもりの底なしの大馬鹿野郎だからだよおおおおおおお!!!!!」
「そうだったのかああああああああああ!!!!!」

「行け、俺のトムキャット・レッド・ビートル!
 アルティメット・レッドアウト・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!」

勝敗は―――着いた。


ケンは死んだ。
あのボーグバトルの余波に巻き込まれ命を落としてしまったのだ。
だがリュウセイは泣かない。
ケンはボーグバトルで死ねたのだ。ボーガーとして本望だった筈だ。
確証はないがそうである筈だ。それここなら警察に捕まる心配もない。
全部、主催者に責任を押しつけてやればいい。

「ケン……。お前は大事な事を勘違いしていたんだ。
 愛っていうのは、そいつを愛することを愛っていうんだ……。
 だけど、お前が愛していたのは早苗じゃない。早苗を好きなお前を愛していだけなんだ」

物言わぬ死体になったケンにそう言い。
リュウセイはフィ―ルド外に飛ばされたキー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴンを拾う。
そして光写真館へと急いだ。

「待ってろ。みんな」



【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡

685ニコロワγ流星群(前編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:26:56 ID:IFhDCkRI0
【F-3/一日目・夜中】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
    キー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグV×V      
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:光写真館へ急ぐ。
1:もこみち死んだのか。
2:勝治、ケン、権兵衛…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
※海東、ムラクモ、星君が危険人物と聞きました。





―――――

686ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:27:33 ID:IFhDCkRI0






「光写真館にいつまで居ても始まりません。ここは市街地の方へ行ってみませんか?」

海東の提案に反対するものは誰もいなかった。
星君、ムラクモは元より、早苗もケンやリュウセイ達と合流するには、人の多い場所の方が良いと思い賛同する。
よって四人は準備を済ませ、そして光写真館を発とうしたその時だった。

「問題かも大変かもヤバイかも♪問題かも大変かもヤバイかも♪」

三羽のやかましい鴨が窓を破り光写真館へと飛び込んできた。

「え? 鴨、一体どうし―――」

その鴨たちは口調とは裏腹に、非常に怯えた助けを求める顔をしているように早苗には見えた。
鴨たちの体が膨れ上がり、破裂する。
爆弾を仕込まれていたのかとムラクモが警戒するが、それは爆弾などという兵器ではなかった。
人でもなければ獣でもない。鴨たちの体を食い破り出てきたのは、海魔。
触手をうねらせ海魔達は海東たちへと襲い掛かる。

「ウェイ!」
「電光機関解放!」

星君は金属バットで、ムラクモは電光機関を使い海魔達に応戦していく。
だが、いくらいそう階級は低いといえども、金属バットごときでは海魔はそう簡単には倒せず
ムラクモは本来の力を出し切れず防戦一方。
早苗も弾幕を撃ち援護するが三体も相手では不利だ。

「仕方ありませんね。―――変身」

グレイブバックルから、四角いカードのようなビジョンが飛び出すと、それは海魔の触手を弾く。
海東は走ってそのビジョンを潜り抜ける。
潜り抜けたその先には、海東純一ではなく仮面ライダーグレイブの姿があった。
形成は逆転。いわば怪物退治のスペシャリストである仮面ライダーが相手では如何に海魔でも手も足も出ない。

「試してあげよう。お前たちの力を」
「ウェヒヒヒ、じゃあ試されてあげる」

グレイブのボディに衝撃が走る。
見れば目の前にはフリフリした衣装に身を包んだ少女と、同じくフリフリの衣装を着た見覚えのある男がいた。

「これは一体どういうことでしょう?」
「あんたが海東でしょ? ケン君を襲ったというのは分かってるんだから!」
「何?」

続けざまにフリフリ衣装を着た男、さやかは剣を振るいグレイブへと斬りかかる。
しかし初撃では不覚を取ったが、二撃目からはそうもいかない。
さやかの剣撃を同じく剣の形をした「グレイブラウザー」で受け止めた。

(あの男は殺したはずだ。それにこの姿、剣はあの少女の……どういうことだ?)
「ああああああああ!!!」
「くっ」

海魔とは比べ物にならない強さだ。
更にまどかも後方から援護し二対一の状況。
海魔にまで手が回る状況ではない。

「皆さん、何とか撤退して……ぐわっ」
「海東さん!」

早苗も海東の援護に向かおうとするが海魔に遮られる。
何より、早苗には一つ引っかかる事があつた。

『ケン君を襲ったというのは分かってるんだから!』

あの乱入者は何故ケンのことを知っていたのか。
その言葉が本当ならばケンは……。

(いえ、それよりもまずはこの場を何とかしないと!)

687ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:28:04 ID:IFhDCkRI0
海魔に苦戦しながら星君、ムラクモは舌打ちをする。
間違いない。海東はしくじった。
あのフリフリ衣装の男の言っていたことから、推測すればすぐに分かる。
事態が事態だからか、問い詰めこそしていないが、早苗も既に勘付いていてもおかしくない。
ならばもう、早苗には用はない。海東がクロだと分かればどっち道、自分たちもかなり怪しまれる。
あの時、遊星にケンが飛び出して行った事を信じさせるために、口裏さえ合わせなければと後悔するがもう遅い。
今は、どんな手を使ってでも生還することが優先だ。

(ムラクモ、分かってるだろ?)
(ああ、癪に障るがここは撤退が一番だ)

幸い、自分たちの相手は海魔だけだ。
その動きには規則性が少なからずあり、人間並の知能を持った相手との戦闘に比べれば逃走は図りやすい。

「僕の動きに合わせろ」
「良いだろう」

もう何度目になるか分からない海魔の触手の攻撃。
星君が思いっきりバットを振りかざし触手を払う。
そして触手が払われ、ガードが手薄になった本体へムラクモの拳が突き刺さる。
電光機関の力を借りた拳は海魔を突き抜け、気色の悪い体液を撒き散らしながら貫通した。

「よし! 今だ!」

仲間が一体殺され僅かに海魔達が狼狽えたその隙に星君とムラクモは全力で駆け逃走を図る。
だが、その足元に光線が発射された。
この光線には見覚えがある。忘れるはずもない、星君の仲間を何人も葬り去ってきたあの憎き怨敵のもの。

「見つけたぞ! 星君!」
「チャージマン研か!」

最悪のタイミングで最悪の奴が現れた。
星君はそんな自分の運の悪さに呆れてしまった。

「早苗、無事か!? それになんだこの騒ぎは!?」
「遊星さん!」

研に遅れてデルタイーグルから飛び降りる遊星。
もうかつての光写真館は面影もなく、無残に戦闘の余波で破壊されている。

「さやか? あれはさやかか!」
「え? 何で遊星さんが!」

(腹パン)

「があっ!?」

別の方向へ気を取られているさやかにグレイブは腹パンを食らわせる。
たまらず、さやかは吹っ飛ばされた。
更にまどかが放つ弓矢をグレイブラウザーで弾きながら下がる。

688ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:28:25 ID:IFhDCkRI0

「ご無事でしたか、遊星さん」

姿形が変わっているが、声でそれが海東だと遊星は判断した。
これが仮面ライダーとやらの姿なのかもしれない。

「何がどうなっているんだ一体?」
「彼女らが、襲ってきたんです」
「でも、あの男の人、ケン君がどうこうって……」
「なんだって?」

遊星と早苗の疑いの目は海東へと向く。
さてどうしたものか。

「これには事情があります」
「信用できないな。お前、本当はケンをどうしたんだ?」

その疑いは確信に近い。
少なくとも遊星は海東が、どう言おうと信じる気は更々なさそうだ。

(困りましたね。身を潜めるつもりでしたが……)

大幅に計画がずれてしまった。
こんな事なら、もっとよくケンの死を確認すべきだったかもしれない。
完全に自分のミスだ。

「死んで貰うしかないな。お前ら全員」
「お前、何を―――」

その声は今までとは全く違う、背筋が凍りそうなほど冷たい声。
海東はティバックへと手を伸ばす。
何かすると気付いた遊星が止めようとするが、足で腹パンされ吹っ飛ばされる。

「こ、のおおおおおおお!!!」

先ほど腹パンを喰らったさやかが痛覚を遮断し、痛む体を無理やり動かす。
ともかく事情は分からないが、海東を止めた方が良いことだけは分かった。
手放した剣を再構築し、そのまま海東へと剣を振りかざす。

だが、その時

「案外、思ったよりも私は人望が厚かったようですね」

仮面の下で海東は笑っていた。



―――――

689ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:28:46 ID:IFhDCkRI0




デルタイーグルで光写真館に辿り着いた時、もうすでにその場は戦場になっていた。
真っ先に研が飛び降り、その宿敵を見つけると一目散に駆けて行く。
続いて遊星が降り、イカ娘にシャーロックを頼むと言って早苗の元へ走る。
こうして光写真館の外で、二人は遊星たちを待つこととなった。

「貴方たちも彼らの仲間ね」

少女の声が響く。
いや、少女というよりその姿は異様な程の大男で、その肉体は丸太のように太い。
声だけが少女だ。
更に犬耳を生やした少女にバイクスーツを着た男。
犬耳はともかく男の方もかなり厄介だとイカ娘は覚る。

「一体、何でゲソ?」
「悪いけど、邪魔してもらっては困るの」

少女、ほむトキが駆けその剛腕をイカ娘へと放つ。
イカ娘は触手を盾代わりに、それを受け止めながらも衝撃を殺しきれず後退。
狙い撃つかのようにバイクスーツの男、ギルガメッシュの投擲した石がイカ娘の足を貫通する。

「げ、ゲソ!」

痛みで頭が真っ白になるイカ娘に止めを刺そうと、ほむトキが手刀を刺すがイカ娘は辛うじて回避。
ほむらはギルガメッシュへ一瞥し石を投擲するよう合図を送る。
だがギルガメッシュは退屈そうに欠伸をしているだけだった。

「何をしているの!? こいつらがまどかの邪魔にならないように殺さないと!!」
「飽きた。そんなすぐに殺しては、あまり面白味がない。
 そんなイカ一匹、お前一人で仕留めろ。少し我を楽しませるが良い」
「何、馬鹿な事を……!!」
「おいグレーテル、 ヨツンヴァインになれ。あくしろ」
「え?」

ギルガメッシュは横でオドオドするグレーテルをヨツンヴァインにし、その背に座り込むと酒を取り出しのんびり飲み始める。
完全に見物モードへと入っていた。
ほむらは舌打ちをしいずれ殺してやると心の中で毒づく。
逆にイカ娘はチャンスだと、あの気紛れな王様に感謝した。

(シャーロック、悪いけど私一人じゃ限界があるでゲソ。
 誰か応援を呼んでくれなイカ?)
(分かりました。すぐ遊星さんか海東さんに知らせてきます)


イカ娘がシャーロックに耳打ちをしそれに答え、急いで応援を呼びに走るシャーロック。
ほむらは行かせまいと、手を伸ばすがその先をイカ娘の触手が遮った。

「邪魔を、するなああああ!」
「こっちの台詞でゲソ!」



―――――

690ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:29:06 ID:IFhDCkRI0



鈍い感触がさやかの手に流れる。
それは何かを斬った時の感触だ。特に魔女の体や触手なんかを斬った時に近い。
ただ違うのは、赤い鮮血がさやかの顔を濡らし、一人の少女が苦痛に染まった顔をさやかに見せている。
それだけだった。

「ぁあっ……」

声が上手く出ない。
自分は、何をしでかしたのか理解するまでに時間がかかる。

「シャーロック!!」

遊星の叫びが頭の中に響き渡る。

ああ、そうか。私は……。

海東の手から、血に染まったシャーロック・シェリンフォ―ドが手放された。
もう声を出す力もないのかその小さな体はぴくぴくと震え、その眼はどうしてと訴えているようだ。
その表情が、さらにさやかの心を抉る。

「良い剣だ。感動的だな」

さやかは溜まらず膝を付き、顔を俯かせる。
海東に斬りかかった時、海東はイカ娘の応援に来るよう伝えに来たシャーロックを掴み盾にした。
さやかはその攻撃を止めることができず、その何の罪のない少女を斬り殺した。

「だが無意味だ」

海東はティバックからソレを取り出した。
支給品としてはあまりにも規格外のソレを。

「私はお前に感謝しているんだ。私はお前のおかげでコイツを取り出せた。今度は私がお前を救ってあげよう」

ただし死という形でな。そう海東は心の中で付け加える。
物理法則を無視し、飛び出してきたのは巨大な戦車だ。
光写真館をその大きさで内部から破壊しながら、その戦車は光線を無差別に放つ。
壁はもちろん、天井も床も光写真館という建物そのものが光線により瓦礫と化し、降り注ぐ。

「早苗、こっちだ!」
「はい!」

光写真館から脱出しようと早苗の手を引こうとする遊星とその手を握ろうとする早苗。

(腹パン)

「うっ……」

しかし、その早苗の腹部に強い衝撃が走り、遊星の手を握る前に意識が飛ぶ。
早苗の腹にパンチ叩き込んだ海東は、ぐったりと倒れた早苗を海東が抱き抱えた。

「海東、何の真似だ!」
「申し訳ございません、このような誘拐で」

追おうとする遊星だが瓦礫と戦車に阻まれ進むことができない。
海東はそのまま姿を消してしまった。

「くそっ」

何とか光写真館が崩れる前に飛び出せた遊星。
イカ娘と戦っていたほむらが、手を止め驚愕の表情で遊星と光写真館を見る。
ただ一人、ギルガメッシュは笑いながら楽しそうに酒を飲み、グレーテルは椅子のままだったが。

「な、何でゲソ? ただごとじゃないじゃなイカ?」
「まどか、まどかああああああああああ!!」

叫びながらほむらは倒壊した光写真館の瓦礫に飛び込んでいく。
もし、あの下にまどかが生き埋めになっていたのだとしたら? そうだ早く掘り出さなければ。
まどかは寂しがり屋だ一人になんてさせておけない、早く助けなければ。
ほむらにまともな思考はなく、焦りとまどかを失う恐怖心だけがほむらを突き動かす。

「戦車は。……消えている?」

691ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:29:40 ID:IFhDCkRI0

瓦礫の山から海東の取り出した戦車は姿を消していた。
恐らく、全員殺せたと考えた海東が再びティバックに入れ持ち去ったのかもしれない。

「シャーロック……」

ほむらの横で、同じように瓦礫を退け遊星はシャーロックを探す。
イカ娘も遅れて触手で手伝う。
あの出血量では助かっていないだろうが。それでも死体だけはちゃんと埋葬してやりたかった。

「あまり、面白い見世物ではなかったな」

落胆した様子でギルガメッシュは呟く。
あの巨大な戦車が現れたまでは盛り上がったが、それ以降はろくに面白味がまるでない。
そんな瓦礫を掘るだけでは、まったく娯楽にもならない。
何より、もっと期待していたものが見れないのが実に腹正しい。
こうなれば自分が盛り上げてやろうとギルガメッシュは考える。
ついでに、首輪のない蟹頭に聞きたいこともある。やっとギルガメッシュその重い腰を浮かせた。

「……何?」

その瞬間、胸に空洞が出来ていた。

「ぐ、まさ、か……」

ピンク色の矢のような物が奔りギルガメッシュの胸を貫く。
そこまでグレーテルは理解できた。
だが、その後。胸の空洞から触手が生え始めたという現象に、既知感と驚愕が入れ混じった感覚を感じる。
海東達を襲撃する際、ティバックの中で騒いでいた浜口優かもをまどかに無理やりひったくられ、海魔にされたときと同じ光景。

「貴様、よもやそこま、ガ――!!!???」

英雄王の肉体は完全に食い尽くされた。

「ほむらちゃん、そいつら殺すから手伝って!」

まどかの声が聞こえる。
上空からだ。
瓦礫の下ではなく上空にまどかは浮いていた。
とうの昔に、あの倒壊から逃れていたのだ。

「まどか!」
「ウェヒヒヒ、参加者を媒介にした海魔はかなり強いと思うよ?」

まどかは確かに支給品よりも参加者を媒介にした海魔物非常い強力だ。
その大きさも先の戦車の倍はある。
まどかは知る由もないが、ギルガメッシュの魂は並のサーヴァント以上のもの。
ゆえに、ここまでの海魔を生み出してしまった。

もしギルガメッシュがまどかに興味を示さなければ、こんな目には合わなかった。
もしギルガメッシュが、最初からやる気があればあんな矢などかわせていたかもしれない。
何にせよ、この殺し合いの英雄王の物語はここで終わってしまった。




【ギルガメッシュ@Fate/stay night】 死亡

692ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:30:21 ID:IFhDCkRI0
海魔はその巨体を以てして遊星たちを押しつぶそうとする。
僅かに動いただけで足元にはクレーターのような窪み、島中に轟きそうな地響き。
ただの人間の遊星はもちろん、イカ娘でもあんなものに潰されては一たまりもない。
遊星はデルタイーグルに飛び乗り、イカ娘は自前の身体能力で回避し海魔から距離を取る。

「まずい。どうすればいい!?」

その海魔を倒すには、あまりにも遊星たちには装備が無さすぎる。
せめて、リュウセイ、アルセーヌ、研が居れば話は別だが。
今この場で戦えるのは遊星とイカ娘しかいない。研は光写真館の倒壊から姿を見失っている。

「何か弱点があれば」

海魔、そして上空からのまどかの弓矢を避けながら遊星は推察していく。
まずあの海魔はイカのようなタコのような姿をしている。
ならば、炎に弱いのではないか? だが試そうにも、あんな巨体を燃やし尽くす程の炎なんて調達できない。
レッド・デーモンズ・ドラゴンが使えるのならあるいは。
だがそのレッド・デーモンズ・ドラゴンも使用制限により今は召喚できない。

「まどかに命を差し出しなさい!!」
「しまっ―――」

デルタイーグルに強い衝撃が走り、デルタ―グルがクラッシュする。
勢いに乗せられたまま遊星は放り出され地面を転がる。

「逃げるでゲソ!」

イカ娘が大声で遊星に叫ぶ。
遊星が吹っ飛ばされた先にはあの海魔が迫ってきていた。
体を強く打ち付けた為か、逃げようにも体が思うようにいかない。
救出に向かおうするイカ娘だが、ほむらの巨体が遮る。

「俺は気にするな、お前一人で逃げるんだイカ娘!!」

この場で遊星が死ねば残りはイカ娘ただ一人だけだ。
イカ娘と殺し合いに乗った二人、そしてこの化け物。どうなるかは考えるまでもない。
ならばせめてイカ娘だけでもの逃げて、リュウセイ、アルセーヌと合流した方が良い。
遊星は覚悟を決め、目を閉じた。

「なんで……」

まどかの乾いた声が、その場に居た全員の心境だった。
結果として海魔が遊星を殺すことはなかった。
その動きを無理やりに引き留められ繰りそうに呻いている。

693ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:31:02 ID:IFhDCkRI0

「遊、星さん……」
「シャーロック!?」

瓦礫が浮遊し退けられていく。
手も使わず軽々とそんなことを行える人物などただ一人しかいない。
シャーロック・シェリンフォード、ただ一人だけだ。

「トイズ、戻った……みたい、です……」

もっともその命は尽きかけている。 
さやかに斬られた傷は未だに血を吹き続け、口からは何度もせき込みながら血を吐いている。
おそらくは、このトイズの使用の負担も重なっているのかもしれない。

「シャーロック! やめろ!!」
「遊星、さん……私が止めている内に……」

逃げろと言いたかったのか。
けれども、傷口の激痛からかそれは紡げない。
残った最後の力を振り絞り、自分のディバックを遊星へと投げる。
この中には、権兵衛の残したメモが入っている重要なファクターだ。遊星に渡すことで何かあるかもしれない。

最後にまた大きく血を吐く。
その時、シャーロックの中で何かが途切れたような気がした。
何か大事な命に直結する何かが。




――――権兵衛さん、早苗さん、リュウセイくん、勝治くん、遊星さん
    
    ごめんなさい。みんなが支えてくれたけど私は死んでしまうみたいです。本当にごめんなさい。
    でもリュウセイくん、早苗さん、遊星さんならきっとこんな殺し合い壊してくれるよね。


――――ネロ、エリーさん、コーデリアさん、アンリエット会長。
    
    ミルキィホームズの事はお願いします。みんななら大丈夫だと思うから。 


――――小林先生。
    
    私、先生みたいな探偵にちょっとでも近づけたのかな……。




【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】 死亡

694ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:31:46 ID:IFhDCkRI0




「あーあ、あの屑ガキほんと邪魔だったなあ。死んでせーせしたけど」

海魔の動きが戻っていく。
シャーロックのサイコキネシスの拘束が緩み、再びその身は自由となった。
早く逃げなければ踏みつぶされるだろう。
だが、そんな事はどうでも良かった。
今あの女は何と言った? 

「屑だと……?」

屑と確かに屑と言っていた。

海魔が迫る。だが関係ない。
遊星はそこに立ち尽くし、まどかを睨む。

「屑でしょ? あんなガキ」

悪びれる様子もなくまどかはあざ笑う。

「クズ、クズ、クズ。ウェヒヒヒ、何度でも言ってあげる」

「何度も何度も屑とばかり…他に言葉を知らないのか?」

シャーロックとは決して長い付き合いだった訳じゃない。
通算すれば数時間も一緒にいないかもしれない。
だが彼女の強い意志と、その信念は痛いほどに伝わる。そんな誇り高い少女を侮辱されたまま、終われる訳がない。

「お前なんかにシャーロックを貶されてたまるか!!」

シャーロックのディバックが投げられたとき、確かに感じていた。
確証はないが確信はある。この中に切り札が入っていると。
ディバックを開け、取り出せたのは二枚のカード。

(シューティング・スター・ドラゴン、駄目だ。今は使う事が出来ない。だが―――)

非常に強力なカードだがそれ単体では使用できない。
スターダストドラゴンの強化形態でもある為、そのスターダストドラゴンがなければ召喚不可能だ。
だがもう一枚は違う。

「集いし願いが新たな速度の地平へ誘いざなう。
 光さす道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロン!」

遊星の口上に導かれるようにカードの絵柄が実体化しモンスターが現れた。

695ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:32:20 ID:IFhDCkRI0

「そんな雑魚で私の海魔が倒せるわけないじゃん」

まどかは鼻で笑う。
フォーミュラ・シンクロンは凛々しい目をしながらもその姿は小柄でミニカーのようだ。
どう見ても海魔に勝てる様子はない。

「それはどうかな?」

フォーミュラ・シンクロンがその召喚に成功した時、カードを一枚引くことができる。
麗華からレッド・デーモンズ・ドラゴンを譲り受けたとき
カードが実体化することを聞いていた遊星はモンスターの効果もある程度再現されると考えていた。
その考えは当たっていた。

本来ならばシンクロ召喚に成功した時限定だが、それはこの殺し合いにおいて実体化もシンクロ召喚として扱われる。
支給品として出す際、主催側が施した特殊な裁定だ。
そしてそのカードは本来のデュエルならばデッキ(山札)から引くことになるが、この殺し合いにデッキは存在しない。
故に、そのカードは支給品の予備軍よりランダムの使用者の元へと送られるシステムになっていた。

遊星の手に新たなカードが握られる。


「俺の引いたカードは―――死者蘇生!!」

参加者は蘇らせることが出来ないが、墓地に送られたモンスターを蘇らせる強力なカード。

「蘇らせるのは―――」

再び、王者の鼓動が今ここに列をなす。
天地鳴動の力を纏い、そのドラゴンは墓地より舞い戻る。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン!」

王者の咆哮だけでその海魔は怯む。
格が明らかに違う。本能的に海魔は理解していた。
これは自分よりも上の食物連鎖の頂点に位置するのだと。
今、殺される側に居るのはこの自分自身なのだと。

「ちょっと、何よ……何で動かないの!!」

こんな、こんなところであんな訳の分からないドラゴンに邪魔されてたまるか。
もうこんな化け物には頼らない。自分自身で遊星を殺す。
まどかは上空から遊星へと急下降し弓矢を向ける。

「お前の魂、借りるぞジャック。―――灼熱のクリムゾン・ヘルフレア!!」

レッド・デーモンズ・ドラゴンから放たれる灼熱のブレス。

「駄目、逃げてまどか!!」

ほむらの叫びも空しく、その灼熱はまどかを包み込む。

「熱い、熱い、熱い熱い熱い熱い熱い!! ほむ、らちゃ……」
「待っててまどか私が……!!」

海魔は蒸発し、まどかの悲鳴が炎に飲まれる。
ほむらはなりふり構わず炎に飛び込み。
それが遊星が見た二人の最後の姿だった




―――――

696ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:32:42 ID:IFhDCkRI0





「どうやら、勝敗は着いたようですね」

海東は光写真館のあった場所に現れた海魔とドラゴンの戦いを離れた場所から見届けていた。
自分の戦車も大概だが、あの二体の生物も中々に厄介だ。
おそらく海魔はまどか、ドラゴンは遊星のものだろう。
早急に対策を練った方がいいかもしれない。

「とはいえ、私のグレイブバックルや電光戦車のように、使用制限を掛けられている可能性は十分にある。
 あまり気を取られるほどでもないかもしれません」

それよりも、と海東は早苗へと視線を戻す。
彼女の扱いを考えなければならない。
もう、どう言い繕っても自分を信じはしない。
そもそも仮面ライダーというだけで、早苗が無条件で信じ込んでくれたのが奇跡に近かったかもしれない。
世の中には色々なライダーが居る。
その力をイライラ発散の為に使うものや。
ライダーの力楽しみだけで使う、薄汚いオルフェノクという怪人の仲間がいると風の噂で聞いたこともある。
どの道、自分は疑われていただろうと海東は開き直った。

「か、海東さん! あなた一体……!?」
「おや、もう目が覚めました」

これは意外だったと言わんばかりに海東は言う。
きちんとした拘束をする前に、目覚めるとは思いもよらなかった。
思った以上に、体がタフなのかもしれない。

(腹パン) バチィ

「いい目覚めだ。感動的だな。だが無意味だ」

腹に一撃お見舞いし、電磁サイリウムで止め。
ケンを殺しきれなかったことから、そう殺傷力は高くないのだろう。
早苗は再び気絶した。

「この電磁サイリウムは、早苗さんが私を信頼し譲ってくれたものでしたね。皮肉なものだ」

感情が篭っていない声で淡々と述べ海東は早苗の拘束を始めた。
もちろん猿轡も忘れない。
そして早苗のディバックの中身を確認し、それらを自分のディバックに移す。
空になった早苗のディバックに早苗そのものを入れ、そのディバックも自分のディバックへと入れた。

「貴方は人質になって頂きます」

グレイブバックルと電光戦車の力は一時的に失われ、仲間という利用できる駒がない以上。
海東には修羅場を切り抜けるカードが必要になる。
それが早苗だった。

697ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:33:18 ID:IFhDCkRI0

「遊星が追ってきたとしても、あるいは他の連中が私を殺し合いに乗っていると知らされているとしても、早苗を盾に使えばそう手出しはできない」

しかし、ある意味このの切り札は、海東が追い詰められている事を示している。
海東はもし自分を知らない参加者と遭遇すれば、無害な参加者を装うつもりだ。
とはいえ既に殺し合いの参加者は半数を切った。
あの場に居た連中の数、更にあの場には居なかったがあの場に居た誰かと面識のある参加者。
そこまで考えると、完全に騙せる人間は殆ど居ない。

「私も追い詰められましたか。だがこれで逆にやりやすくなったとも考えるべきか」

元々、優勝を狙っていた以上殺し合いに乗った参加者がこれ以上戦力を増大させるのは避けたいところだった。
むしろさっさと潰しあって欲しいぐらいだ。
集団に紛れながら、海東はそのことに焦りと憤りを感じていたのも事実。
かえって、堂々と参加者を殺せる立場はそう悪くはないかもしれない。

「あの首輪を外した時は、あのまま主催を倒しても良いかと思いましたが。
 やはり逆らうのは、危険すぎますからね」

ティバッグを担ぎ何処へ向かうか思案する。
出来れば共闘者が欲しい。生きていれば、星君やムラクモと合流できればすべきだろうか。
だが、一度犯したミスでこちらへの信頼は下がっている可能性は高い。
役に立たないと殺される可能性も高い。慎重に接触すべきか。


「とにかく、今は遊星に会わないことを祈りましょう」

698ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:33:45 ID:IFhDCkRI0
【H-05/1日目・夜中】



【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。首輪解除
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド(二時間変身不可)、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品(一食分消費)、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN(4時間使用不可)
   AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
    早苗の基本支給品 (一食分消費)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
0:取り敢えずここを離れる。
1:表向きは対主催と偽りたいが、恐らく人数的に完全に騙せないので殺しまわる事も算段に入れる
2:早苗はいざとなったときの人質兼盾。
3:何処に向かうかは検討中。遊星たちとは会いたくない
4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
5:星君、ムラクモとの合流すべきか? 念のために警戒はする。
6:グレイブバックルの制限は首輪とは別にかけられている様だが…。
7:ディケイドは死んだか…
8:AIを搭載した電光戦車は切り札。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。
※ブレイブバックルの制限は支給品として独立してかけられている為解けていません



【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小) 首輪解除、腹部に(腹パン)の痛み、気絶 海東のバックの中で拘束中
[装備]無し
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:……
1:海東さんは……。
2:ムラクモを守りたい。
3:ケンくんはもしかして……。
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:権兵衛さん…
8: \  /
9: ●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
10:" ▽ "
※海東を危険人物だと認識しました。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。




―――――

699ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:34:09 ID:IFhDCkRI0



「倒壊に巻き込まれるのは二回目だ」

自嘲気味にムラクモが吐き捨てる。
同様に星君も大きいため息を漏らしていた。
光写真館倒壊時、なんとか二人は瓦礫に混じり研の追跡を撒く事に成功していた。
とはいえ、やはり二回も生き埋めにされかけるのは良い気分ではない。
ムラクモは複雑な心境だった。

「チャージマンから逃げられたんだし結果オーライさ」

互いに殺し合いに乗ってると分かったムラクモは、星君と共闘関係を結ぶことにした。
やはり、この弱体化した体で一人で殺しあうのに無理があると考えたからだ。
それに対し星君も同意見で制限は解けたが、残り三十人近くと一人で戦うのはごめんだった。

「どうする? また他の参加者を騙し紛れるか?」
「いや、チャージマン研が僕らの悪評をばら撒くに違いない。
 何より、海東のミスで遊星たちは、僕らが海東と口裏を合わせたことを疑っているのも辛い。
 奴の巻き添えで僕らも疑われているはずDA」
「では殺しまわるか?」
「それもナンセンスDA。
 もっと利用できるものは利用しなきゃ」

星君が凶悪な笑みを浮かべる。
そこには、人の情というものがまるでない。
全く別の生命体と話しているようだとムラクモは感じた。

「私が、私が……殺したの……?」

フリフリ衣装を着た男がこちらへ走ってくる。
星君はそれを鼻で笑う。
とても都合が良い。あれは駒になると言いたげに。

「ねえ、提案があるんだちょっと」

静かに冷たく、だがはっきりと聞こえる声で星君は言葉を紡ぐ。

「君の間違いは、全てやり直せる」
「……え?」

その言葉は美樹さやかにとって何よりの救いだった。



「そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」



ムラクモもまたさやかに気づかれぬよう、その無表情な顔に笑みを浮かべた。

700ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:34:26 ID:IFhDCkRI0
【G-4/一日目・夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:星君と一先ず組む。
2:海東とは合流すべきか、だが……。
3:無力な少年を装うのは難しいか。
4:怪我の回復にも専念する。
5:オリーブオイルはもう要らないか
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
7:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、遊星達、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
4:さやかや他の参加者を利用し殺し合いを進める。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い 、混乱、精神的ショック(大)、シャロを殺した罪悪感
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:私が殺したの……?
2:みんな生き返らせる……?
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。
※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。




―――――

701ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:35:07 ID:IFhDCkRI0





アルセーヌの到着はあまりにも遅すぎた。
遊星の乗るデルタイーグルの到着から、数分ほどの遅れであることは
その足で走ってきたことから考えて、常人には真似できない恐るべき速力なのは間違いない。
けれども、全ては後の祭りだった。アルセーヌは当事者であることは出来なかった。

「シャーロック……」

その小さな亡骸を見て、アルセーヌは体に力が抜けていくのが感じた。
自らの宿敵であり、そして可愛い後輩でもあるシャーロックの死。
考えたこともなかった。ミルキィホームズの誰かが、シャーロックが死ぬなど。
何処かで期待していた。いや思い込んでいた。
いずれアルセーヌとトイズを取り戻したミルキィホームズが、その因縁にケリをつける決戦で対峙するのだと。
こんな、こんな幕切れなどある訳がないと。

「すまない。俺がもっと海東を警戒していれば……」

遊星はアルセーヌ不在時に起きた全ての事を話した。
直接殺したのはさやかだが、実質的に殺したのは他でもない海東純一だということ。
そして、シャーロック・シェリンフォードは遊星達を助けるために、最後まで戦い続けたことを。

「頑張ったわね。シャーロック」

マスクを外し、髪を下ろす。
今は、この時だけはアルセーヌではなく、アンリエット・ミステールとして。
シャーロックの亡骸を一度だけ優しく撫でた。

「あれ、一体何がどうなって……シャーロックちゃん!?」

瓦礫を押しのけ泉研が這い出てくる。

「研、生きていたのか……」
「何とか、さっきまでは意識を失ってたんだけど……。
 それよりもシャーロックちゃんが、何てことだ!」

拳を強く握り締める。
自分が意識を失っていた内に一人の少女の命を失わせてしまった。
ヒーローとしてあるまじき失態。悔しさと後悔に身を震わせる。

「星君め許さないぞ!」
「違う。海東が」
「星君!!」

「……待て。ムラクモと星君は何処だ?」

そういえばと遊星は辺りを見渡す。
あの二人の姿が何処にも見えない。まさか瓦礫の下に埋まったままなのか。

「あの二人は逃げたよ。はっきりと僕は見たんだ。
 追いかけて、滅ぼしてやらないと」
「逃げた?」
「間違いない。あの二人は殺し合いに乗っている!」

研の決め付けっぷりはどうかと思うが、確かにあの二人もそうとう怪しくなってきている。
警戒するに越したことはないだろう。

702ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:35:36 ID:IFhDCkRI0

そういえばと遊星は辺りを見渡す。
あの二人の姿が何処にも見えない。まさか瓦礫の下に埋まったままなのか。

「あの二人は逃げたよ。はっきりと僕は見たんだ。
 追いかけて、滅ぼしてやらないと」
「逃げた?」
「間違いない。あの二人は殺し合いに乗っている!」

研の決め付けっぷりはどうかと思うが、確かにあの二人もそうとう怪しくなってきている。
警戒するに越したことはないだろう。

「だが、あいつらの前に海東だ。
 さやかも気になるが、あいつは早苗を攫った。何をするか分からない」
「いや、星君を抹殺するのが先だよ。ジュラル星人を生かしていいことなんて一つもないんDA!」

星君を早く追いたい研と早苗の救出したい遊星。
肝心なところで意見が食い違ってしまう。

「いえ私も遊星さんの意見に賛成ですわね」
「そんな、でも……。
 分かったよ。じゃあ僕一人でも星君を倒して見せるさ!」
「待つんだ! 一人じゃ危険だ」

そう言うと研は星君を追うために駆け出した。
追おうとする遊星だが、変装した研とは身体能力が桁違いの上、早苗のこともある為、深追いできない。

「遊星、研のことは私に任せるでゲソ」
「イカ娘!?」

それを察したイカ娘が研の後を追う。

「大丈夫か二人とも……」
「あの二人もかなりの実力者です。大丈夫でしょう」

不安はあるがそれだけにかまっている場合じゃない。
遊星は転倒したデルタイーグルを立て直し、異常がないのを確認し始める。

「リュウセイはどうする? ここにくるまで待つか?」
「いえ、それでは遅すぎます。それまで早苗さんと言う人が無事である保障もありません」
「そうだな。あいつには悪いが、ここは早苗の方を優先しよう」

デルターイーグルを触りながら遊星はひとつ気に掛かっていた。
海東はアルセーヌにとってシャーロックの仇に当たる存在だ。
果たして、彼女は冷静でいられるかということ。そして、狡猾な海東がそれに気づかないかということ。
だが自分一人の戦力では、海東に勝てそうもないのも分かっている。
今はアルセーヌに頼るしかない。

「大丈夫か? その……」
「私は冷静ですわ」
「そう、か」

それでも聞かずにはいられなかった。
もっとも全てを言い切る前に悟られてしまったが。

「良し、何処にも不調はない。いけるぞ」
「では行きましょうか」

デルタイーグルにエンジンを掛け遊星とアルセーヌが乗り込む。
デルタイーグルのエンジン音がH-04に響き渡った。

703ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:36:10 ID:IFhDCkRI0
【H-04 光写真館跡/1日目・夜中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り、首輪解除
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
解除した首輪×7、分解した首輪、シャロの基本基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
  フォーミュラ・シンクロン(二日目朝まで使用不可)&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
DMカード死者蘇生@遊戯王デュエルモンスターズ(二日目夜中まで使用不可)
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:海東を追い早苗を奪還する。
2:星君、ムラクモを警戒。
3:ありがとウサギ…
4:首輪の構造の簡素さに疑問。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:ケン、やはり……
8:さやか、大丈夫なのか……
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。
※フォーミュラ・シンクロンは制限で一度使うと12時間使用不可能です。
※死者蘇生は制限で一度使うと24時間は使えません。


【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除 、冷静?
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:海東を追い、倒す。
1:施設を巡り調査する。
2:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
8:シャーロック……
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。


【H-04/1日目・夜中】

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:星君を追い、倒す。
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。




【死者蘇生@遊戯王デュエルモンスターズ】
使用不能になったモンスターカード一体を召喚できる。
参加者は復活できない。

704ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:36:31 ID:IFhDCkRI0
研を追うイカ娘。
だがその道中に行き倒れている少女を見つけた。

「この娘、あの偉そうな奴に椅子にされてたでゲソ……」

事情は分からないが、あんな扱いをされていたのは間違いなく被害者だろう。
保護するべきだと、イカ娘は思った。
イカ娘はこの娘を背負うと研の追跡を再開した。



【H-04/1日目・夜中】

【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、殺人者への怒り、強い決意、首輪解除
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
    毘沙門天の槍、ドーピングコンソメスープ×2本@魔人探偵脳噛ネウロ、ATTACK RIDEてれびくん@仮面ライダーディケイド
    観葉植物くん@真夏の夜の淫夢、DMカードセット(氷結界の龍ブリューナク、グングニール、トリシューラ)@遊戯王DT
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
0:研を追いかける
1:他の参加者と協力する
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※ポケットに入るだけの食料品はデイバックに入れました。
※首輪探知機は見落としました。


【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い、気絶
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:……
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました





―――――

705ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:36:57 ID:IFhDCkRI0


「し、死ぬかと思った……!!」


【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】生存


ケンは奇跡的に生きていた。
息を吹き返し安堵の息を漏らしながらケンは思い返す。
リュウセイの容赦のない攻撃を。

「リュウセイのやつめ。友達にあんなことを最低だぞ!」

最初に負けた奴が死ぬとか言い出したのこいつなんだよなぁ。

ともかくケンは怒りに身を任せ、この殺し合いから脱出したら警察に通報してやろうと考えた。

「あり?」

腹から腕が生えていた。
遅れて激痛が走り、叫びそうになるが声がでないことに気づく。
何かが首に噛み付いている。気づいたときには息も出来ない。


「ほら、まどか。頑張ってこいつの首を食いちぎって? 
 そうすれば二人殺した事になるんだよ」
「も、む、ひぃ。こおおひて」
「ほら、噛まないと。痛いい痛いよ?」

ケンの首に齧りついているのは四肢のないピンク髪の女の子だった。
そいつは殺してくれと悲願する。
けれども胸を貫いた女声の大男がその芋虫みたいなピンク髪の女の体を突いた瞬間、叫び声をあげ噛む力が強くなった。

「チャー、ハン……」

完全に止めを刺されたケン。
最後に思い浮かべたのはチャーハン。
死ぬ前にまた一度食いたかった。





【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】マジで死亡

706ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:37:23 ID:IFhDCkRI0





「もおやらよおお。こおひえ、ほうあひゃん」

呂律が上手く回らない。
全身に火傷をおったせいか。
四肢が欠損している。あの豪華に焼き尽くされたせいだ。
もう死にたい。でも殺してくれない。

「安心して、まどかと私はずっと一緒だから」

四肢のない芋虫のようになったまどかをほむらはぎゅっと抱きしめる。
もう二度と離すものかと。あなたは私の大事な人だからと。

あの時、レッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃からまどかを救い出したほむらだったが。
その惨状は悲惨すぎるものだった。
もう風前の灯、死ぬのは時間の問題だった。

だがほむらはそこで以前の首輪の解除を思いつく。
参加者の力が首輪で制限されていたのは分かっていた。ならば、それを外し生命力を底上げすればあるいは。
まどかにとっての不幸と、ほむらにとっての幸福はそこから始まる。
パッチを付け秘孔を突き肉体の強化、首輪を引きちぎる。
結果、ほむらは首輪を外してしまったのだ。

そして魔法少女はソウルジェムを砕かない限り死なない。
さらに絶望によって起こる魔女化も、螺湮城教本により魔力が供給され続け起きることもない。
つまり鹿目まどかは永遠にこの芋虫のような肉体で生き続けることとなってしまった。



「愛してるわ。まどか」


まどかの頬に口付けをする。
もうずっと二人っきりだ。自分の邪魔をする者は全て殺す。
その愛こそ全てだった。

707ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:37:48 ID:IFhDCkRI0
【F-3/一日目・夜中】


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、首輪解除
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN、鹿目まどか
    螺湮城教本@Fate/Zero(まどかに魔力供給)
[道具]:基本支給品一式×4、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜4
    キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本思考:まどかとずっと一緒に居続ける。邪魔するものは全員殺す。
1:何があってもまどかを守る。
2:まどか愛してる。ずっと一緒よ。
3:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
4:まどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどかまどか

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(重傷)、四肢欠損、芋虫、呂律が回らない、全身大火傷、絶望、ほむらの装備、首輪解除
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:殺して……
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※永続的な魔力供給により魔女化できません。

708 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:38:53 ID:IFhDCkRI0
投下終了です

ぬわああん疲れたもおおおおおおん

709 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:41:45 ID:IFhDCkRI0
>>707
すいません
まどかのソウルジェム消えてました

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(重傷)、四肢欠損、芋虫、呂律が回らない、全身大火傷、絶望、ほむらの装備、首輪解除
[装備]:ソウルジェム
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:殺して……
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※永続的な魔力供給により魔女化できません。

710名無しさん:2015/04/09(木) 17:49:02 ID:oCBPpDCs0
投下乙
予約の時点で波乱は予想出来たが
、ここまでとは……

まず、リュウセイvsケンの原作さながらのボーグバトル
バトルそっちのけで精神攻撃に走るリュウセイさんといい本当に氏のボーグ愛が光る闘いだった

そして、写真館の混戦
芋虫と化したまどか、完全に墜ちたほむら、これまた闇落ちフラグが立ったさやかとまどマギ勢の悲惨っぷりが……
AUOはやっぱり慢心には勝てなかったか……


話は変わりますが、祝☆投下数50作突破!おめでとうございます!
今のニコロワγは氏が引っ張っていると言っても過言ではない
本当に投下乙です!

711名無しさん:2015/04/09(木) 18:01:20 ID:.S8jsypY0
水を差すようで悪いんだけど淫夢くんは何所へ?
多分早苗のデイバックの中辺りが考えられるけど

712名無しさん:2015/04/09(木) 19:30:40 ID:R7i8YyOo0
ガラス

713名無しさん:2015/04/09(木) 22:06:52 ID:QPLFgO7s0
投下乙です

リュウセイさんがリュウセイさんらしくて良かった。ケンは死ぬ死ぬ詐欺発動せずようやく死んだぜ
シャロはよく頑張ったよ、蟹さんも格好良くていいゾ〜これ
まどかはとうとう悪行のツケを払う時が来たってハッキリ分かんだね

714名無しさん:2015/04/10(金) 00:16:21 ID:3QtfbE1E0
各々が全力で戦ってるのに慢心で死んだAUOは恥ずかしくないの?(嘲笑)

715 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:37:11 ID:riY5ofZg0
遅れましたが投下します

716 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:38:42 ID:riY5ofZg0



河城にとりは急いでいた。

理由は先ほどの定時放送にある。

まず死者の放送で聞き知った名が呼ばれてないのは幸運であった。
だが本題は禁止エリアにある。
今時分が居るエリアは恐らくE-03、2時間後に禁止エリアに指定されている、
しかも何故か今回からエリアごと爆発する仕様になった様だ。
こうなっては首輪を解除できても意味は無い。
とにかく早く此処から離れなくてはならない。

しかし、この移動方向というのが厄介であった。
南には先ほどの危ない男が、北には厄介な少年が、西は此処より一足早く禁止エリアとなり、東にはヘルメットがまだうろついているかもしれない。
出会わなければどうという事は無いのだがこちらの損傷が小さくない以上当然接触は避けたい。

その上ヘルメットやあの肉付きの良くて美味しそうな女は光学迷彩で見えないにもかかわらず気配でこちらの存在に気がついていた。
つまり光学迷彩があれば安心というわけでもない。
こうなると隠密行動は決して簡単とはいえなくなる。

加えて「ゲーム」が始まってから20時間が経とうとしている。
既に参加者は半分を切り、その分殺し合いに乗った者が大きく動いている事になる。
恐らく、非力で襲いやすい人間のいくつかもそれらの牙にかかってしまったのだろう。

もっと早くから積極的に動いておけば良かった。
そうは思っても全ては後の祭り。
自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。




(でも何所に行けば良いかなぁ…)

北や西は学校を避けるとしてもヨコハマ埠頭という場所も一応見てはおきたい所があるがそれ以外に目欲しいところは余り無い。
何より埠頭は禁止エリアになるD-02を迂回して通るとどうしてもE-02の街に近づいてしまう。
南へ行くだけならE-03を通れば良いかもしれないが。
ただ街の方も一応調べてはおきたいので次の放送の時間の頃には向かっておく事にした。

閉ざされた世界、幻想郷の住人であるにとりは必然的に現実世界の知識に疎い。
故に、施設に対する固定的な認識は人間のそれと異なる。
例えば幻想郷には海が無いため、にとりは埠頭の名前こそ文献などで見る機会はあるかもしれないが実際に目にした事は無い。
施設が人より面識が狭く、身を休めそうな施設が何所なのかはわからない。
だがそういった場所で人間が潜み、身を休めている可能性は十分に考えられる。

まず最寄りのMOCO'sキッチン収録スタジオという場所はすぐ禁止エリアに指定されてしまうので論外。
同様の理由でアザディスタン王宮、冬樹市ハイアットホテルも却下。
そうなれば残っているのは少し遠いがこの木なんの木、ロイドの店、光写真館である。

館だとか店だとかいうものには一応聞き覚えがある。
館と言うとあの吸血金の姉妹が居るという紅魔館。
店と言えば香霖という男の経営する香霖堂を思い出す。
木に関しては一本松や一本杉のようなシンンボルマークめいた存在なのだろうか。
だとすれば行く価値があるのはロイドの店か光写真館の二つになる。
とちらにしても此処から禁止エリアの端を通り抜けながら向かえばあの化け物と鉢合わせする事は無いだろう。


(それにしても何でまたあの人間は呼ばれてるんだろう…)

にとりはふと先刻戦闘する事になった少年の事を思い出す。
途中乱入してきたもう一人の少年は確かにあの美味しくなさそうな奴を勝治とよんでいた。
おそらく参加者の名簿からして松岡勝治の事なのだろう。
だが松岡勝治という名前は奇妙な形で聞き覚えがある。
一度目の定時放送で何故か二回も名前を呼ばれ、二回目、そして先ほどの三回目の定時放送でも一回ずつ呼ばれていた。
一回目の連続呼びぐらいであれば手違いで片がつく話だが流石に三回も四回も呼ばれては誰だって違和感を覚える。
放送機器の故障、運営の確認ミス、原因はいくらでも考えられる。
だが状況からすれば、やはり主催とやらが意識的に行っているのではないか。
だがそうだとしたら何故そんな事をする必要があるのか。
問題の趣向が少し変わってくるが、もしかすると実際に勝治は死んでいるのかもしれない。
そしてその度に蘇生する。いわばほぼ不死身の存在。
突飛な考え方ではあるがこれならあの勝治の容姿にも説明がつく。
不健康で不味そうな顔立ちもあれが吸血鬼やゾンビの類いだとすれば合点が行くという物。
少なくとも人間でないのはほぼ確実であろう。光学迷彩も効いていなかった。
だがそれで良いのだろうか。
あれだけ主催者は殺し合えと言わんばかりの姿勢をとっているのに関わらず不死身の存在を参加者に入れている。
そんなチート同然の存在を何故許しているのか。

717新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:40:05 ID:riY5ofZg0


よくよく考えてみれば勝治は意外と重要な協力者になれたのかもしれない。
食欲に負けて彼らと敵対などしなければもう少し有利に事が運べたのかもしれないのだが。
これも今考えた所でやはり手遅れである。
もうしばらくは隠密行動を強いられるだろう。




- -




「!?」

一人夜の森を駆け抜けるリュウセイは驚嘆した。
遠方から何かが崩れ落ちるような轟音が響き渡る。
恐らく光写真館の方角からであろう。

ケンとの熾烈な戦いの後、辛くも勝利したリュウセイ。
そして大幅に遅れながらもアルセーヌや遊星達の後を追わんとした矢先の出来事である。

嫌な予感しかしない。
せめて自分が辿り着く頃には手遅れ、という事になっていなければ良いのだが。

正直言って自分としてはこんなことは考えたくない物である。
だが、アルセーヌが言っていたように自分も常に最悪の事態を考えておいた方が良い。
ケンも、勝治も、今はもう居ない。
自分にはもう心から頼れる人間などいないのだ。

例えばもし、彼らが死んでいたら。
あるいは散り散りになってしまったら。
自分は何所へ向かえば良いか。
彼らに何を伝えれば良いのか。


そして、自分が本当に死んでしまったら。


何を伝えるべきなのか。


つい、そんな事を考えてしまった。
人は死という概念に囚われるとつい深くのめり込んでしまう。
多くの宗教家や哲学者がそうであったように。
リュウセイもそんなボーガー哲学の世界に足を踏み入れてしまった。
そしてこういった深い思索は周囲への注意を殺し、視界を狭くする。
故に


「ッ!」


否。
しかしと言うべきか、リュウセイは不意打ちを見切った。




「ファッ!?(驚愕)」


にとりはついそんな声を漏らしそうになった。




にとりが施設に向かう途中で単独行動している人間を見かけたのはこの上無い不幸中の幸いであった。
それが黄色と茶の髪をを持った幼子。
さっきの本物の妖怪じみた生命力の少年の会話から察するにあれがリュウセイなのだろう。
出会った事のある者ならある程度隙の作りようはあるというもの。
それに自分の技が有効な相手だとわかるのも有り難い。
あの会話の流れからして彼には自分の光学迷彩が通常通り発動していたからである。
この機会をみすみす逃す手が何所にあろうか。

718新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:41:09 ID:riY5ofZg0


(…やるなら今しかないよね)


獲物を見据えたにとりは再びユキアネサを構え、走るリュウセイの足音に合わせて歩み寄る。

半歩ずつ、半歩ずつ、そしてまた一歩。
風の動きにも等しく聞こえるほど自然な足取りで。


あと5メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あと4メートル。

まだリュウセイは気がつかない。
にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。
にとりの顔が歪む。

ハヤク、ハヤクタベタイ。

ーだが、ここでバレては戦闘は避けられない。
そうなってはさすがに人間とはいえ自分の命が危ない。
此処は我慢と言わんばかりに表情をぐっと引き締める。



あと3メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。

息遣いが聞こえぬようにそっと息を止める。



あと2メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あとすこしで1メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

今なら襲える。

そう思い、にとりがユキアネサの刀身を斜め上段に挙げる。

後は斬りつけるだけ。


だから、それを振り下ろす。


それで、この命を頂く。


振り下ろされたその刃は。




「!?」

719新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:42:24 ID:riY5ofZg0




その細い首を、リュウセイの首を、

かき切らなかった。


「ファッ!?」


にとりは困惑した。


理由は不意打ちが失敗した事ではなく。

また始めから自分の存在がリュウセイに気付かれていた事でもなかった。


何故?
一つ、それはにとりの攻撃が空振った事。
そして二つ、"自分の攻撃は空振ったのにも関わらず"リュウセイは背後からの攻撃を受け止めた事。
つまり、にとりはリュウセイを襲ったが、別のそれがリュウセイを先に襲ったのである。



ーー「それ」は



ーー青かった。



「危ねーな!何だお前」

咄嗟にトムキャット・レッド・ビートルを取り出し、青い腕を弾いた。


「闇討ちするヤツが最強になっちまったら世も末だぜ!」

リュウセイの襲撃者に対する反撃の言葉。
その言葉は、にとりに向けられた物ではない。
そのリュウセイの眼前にあるのは、

ブルーベリーみたいな色の青いツナギを着たいい男であった。


「YA☆RA☆NAI☆KA」

(やらないか)



そんな声が聞こえてきそうな程に、いい男だった。

「YA☆RA☆NAI☆KA」



その男は不気味な程ただの一言の言葉も発さず、じっくりと舐めるようにリュウセイを見ていた。
負けじとリュウセイも対抗してにらみ返す。
暫し静寂が続く。


その静寂はリュウセイによって破られる。


「おまえは…まさか、マンソン!?」


人違いなんだよなぁ…



だがリュウセイの見たその鬼の貌は阿部さんのそれではなく、かつて共に戦った仲間。

720新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:43:24 ID:riY5ofZg0


そう、シドニー・マンソンのものであった。


それはリュウセイの幻覚であろうか。
実際ケンとの戦いの消耗は決して小さくなく、疲れからそういったことが起こっていても大異は無い。
だが、そのリュウセイの目はしっかりと目の前の敵に焦点を合わせていた。



「マンソン!?俺たちは仲間じゃなかったのか?」

リュウセイが問う。
マンソンは応えない。

「くそっ… なんで… なんでこんな事になっちまったんだ!」


リュウセイは困惑を露にする。
だがマンソンは沈黙を続ける。


シドニー・マンソン。
嘗ての自分の仲間であり勝治やケンらと共に「いつもの四人」として悪の組織ビッグバン・オーガニゼーションに立ち向かった掛け替えの無い存在。
そんな仲間が何故自分にボーグを向けているのか。

いつの間にか鬼のその手には一つのボーグが握られていた。
彼の愛機である緑色のクワガタボーグ、「ハウリング・ロデオ・ドライブ」
嘗て共に戦った仲間として、忘れようの無い物である。

本来の阿部鬼はただ野性的に男を襲うだけの存在なのだが、このクワガタボーグを手にした事によって鬼にも知能が芽生え始めていた。
ボーガー補正とは凄まじい物である。


「…いや、違う…当然なんだな」

何かを悟ったような表情。
それはリュウセイの心の中の動かぬ決意。(端から見れば謎会話だが)

「…勝治も、ケンも、みんな今はもう居ない」

「…マンソン、俺はもう一人でも…迷わない!」

常に最悪のパターンを想定して行動する。
例えば仲間が敵になった時でも。
リュウセイの決意は揺らがない。
マンソンはその言葉に対し、一瞬だけ目を伏せた。
それが自らの行いを恥じての事なのか、或は自分の意志に敬意を払っての事なのかはリュウセイに知る由はなかったが。


「…あくしろよ」


「ボーグバトルだよ!俺にはもう余り時間はないんだ!」


「俺には頼りたい奴はいない、でも頼られるのは上等なんだ!」


それを聞き入れたのか、マンソンは歩き出した。
偶然設置されていたボーグ台に向けて。
続いてリュウセイも相手側の場所に立ち、お互いに愛機を掲げる。

一体この島にボーグ台は何個あるんですかねぇ…
この島、なんか呪われてんじゃないの?




「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

リュウセイが高らかに宣言する

「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

流石にこの時だけはマンソンもルールの復唱をした。
その声は当然ながら良い男のそれではあるのだが、リュウセイは気づいていない。

721新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:44:50 ID:riY5ofZg0

「うおおおおおおおおおお!!!!」

二人がチャージホイールを回す。
三回のチャージはボーグバトルにおいて最も良く使われる形式だ。
そのチャージの力が強すぎても、弱すぎてもいけないのだ。
だがマンソンもリュウセイもそんなミスをする事はまずない。
リュウセイとて、生まれながらにしてのボーガーである。
伊達に出生後間もない頃、産婦人科の先生を相手に初ボーグバトルを申し込んではいない。
マンソンもまた天才ピアニストでもあり、その才能を惜しげもなく発揮した戦闘スタイルの持ち主。



「チャージイン!!」

そして、フィールドへボーグを同時に投擲する。

放たれたボーグは直線、時に奇妙な弧を描き、或は規則的に曲がり、フィールドを駆け巡る。
そして機械の角と顎が激しく衝突し、(何故か)火花を散らす。
その姿こそ、正にボーグバトルである。



「マンソン!」


そう簡単に倒せる相手ではない。
リュウセイは相手に反撃を与えないように常に攻撃の手を緩めないように戦うが、それでもマンソンはどこかで隙を見つけてバランスに揺さぶりをかけてくる。
こちらが攻めているはずなのに、いつの間にか攻められている。
攻められるたびにどうしても攻撃の手が緩み、そのペースはやがて頻繁になっていく。

(いつものリズムだ!リズムを忘れるな!)

マンソンはこんな状況でもいつものリズムを忘れていない。
リュウセイもマンソンから教えられたいつものリズムは覚えているはずだった。
だがさっきのケンとの戦いによる疲労やダメージ、先ほどの異変による不安や焦り。
それら単体では微々たる物だが、積もり積もった結果としてリュウセイのいつものリズムを乱す元になっていた。

さすがは自称ではない天才ピアニストと言った所だろう。
自分はこうしてチャージやスピード、小回りに僅かな乱れを作ってしまった。
それは力だけではどうにもならない致命的な戦力差を生み出す要因になっていた。



「お前のいつものリズム、完璧だな!」


「だけど、リズムが乱れたからといって、勝ち負けが全部決まるわけじゃない!」



例え乱れてもリズムは絶対に忘れない。
そして勝負を決めるのはリズムじゃない。



自分のーー



「行っけぇ!!!俺のトムキャット・レッド・ビートル!!!」



       V

722新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:47:12 ID:riY5ofZg0


そのとき、何かが光った気がした。
実際にはトムキャット・レッド・ビートルが金色に光っていた。



その姿こそトムキャット・レッド・ビートルの強化体。

「「トムキャット・レッド・ビートルV」」であった。


…本来ならばそこらへんの謎ショップに売っていた物なのだが。




突如として起こったリュウセイのカブトボーグの進化。
だが、それでもマンソンはいつものリズムを崩さない。
その中でマンソンのリズムはフィナーレを迎えようとしていた。

突然、マンソンがピアノを弾きだす。
必殺技の時間である。
類稀なマンソンのピアノの才能を生かしたあの技。



「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!」



リュウセイはもう揺るがない。
トムキャット・レッド・ビートルVが光を増した。

「行くぞマンソン!」

「スーパー・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!!」




              _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._
           ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。
.        ,ィ升ヲナ'´           `゙'<弖心、
.        ;夕フア´                \ホi心.
       んfiУ                ▽ij∧
       从j'Y                   ∨iハ
.       斤W                      ㌣い
     |友カ        謎メーター       }ソ川
.       い叭                   仄ガ
.     Wi从                  从ノリ
.      ∀t△                 ∧fリ/
       ゙マじへ、             /リiУ
        \夊i㌧、_             ,.イ!刋/
         `マ才i[[≧ェ。。.。。っ夭テ少'゚
           `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´




「行っけぇぇぇぇぇええ!!!」



トムキャット・レッド・ビートルVが紅のオーラをより厚く纏う。
爆風とも言える風がフィールドに吹き荒れる。
その衝撃は凄まじく、周囲の木を数本幹から折り曲げた。


旋律はかき消され、グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモのエネルギーをハウリング・ロデオ・ドライブごと弾き返した。
マンソンもその風に耐えきれず、数十メートル程吹き飛ばされた。




ーー

ーーー


勝敗はついた。

戦いが終わったからなのか、既にトムキャット・レッド・ビートルは元の姿に戻っていた。

723新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:48:26 ID:riY5ofZg0



「流石に…疲れたぜ…」

軽く息を吐き、トムキャット・レッド・ビートルを回収する。
早く光写真館に行かなくては。




そう思い、踵を返そうとした。

「ん?」


背中から腹部にかけての部位に違和感を感じた。
見ると腹になにか金属が刺さっていた。
何故か痛みは感じなかった。
代わりに全身を一瞬にして凍り付かせてしまいそうな程の寒気がリュウセイを覆った。
後から刺された、そう思った時には手遅れで。



「…やっと人間を捕まえられたよ」

「特段美味しそうじゃ無いけど食べられるうちに食べておかないとね」

リュウセイの腹を貫いたのは、にとりのユキアネサであった。

にとりの不意打ちが失敗した後、リュウセイとやらが知り合いらしい乱入者と突然謎バトルを繰り広げた際には完全に置いてけぼりになっていた。
だが諦めたというわけではない。
幸い、リュウセイはまだ自分には気付いていない。
ならばまだ隙を狙う機会はあるだろう。
人間の隙として一番多いのは戦いの後。
勝者でも敗者でも戦いが終わったと思えば必然的に気が緩む。
そう思い、にとりはこの謎バトルが一区切りつくまで待っていた。

それが何とか功を奏した様だ。

さてこれをどう調理しようか。
他の参加者に見つかっては厄介なのでできるだけ早くできる調理法が良い。
まあでも取り敢えずは生で頂いた方が良いだろう。






にとりはやっとまともな食べ物が手に入ったという高揚感からか気が緩んでいた。
にとりは妖怪だが欲しい物が手に入れば浮かれるのは人間と同じである。
紫やレミリアのような位の高い妖怪であればそうではなかったかもしれないが。



故に「それ」ににとりが気が付く事はなかった。

「え?」

にとりが最初に感じたのは背中の違和感であった。
遅れてやってくる尋常ならざる痛みによってそれが不意打ちだと知覚した瞬間、にとりは命を壊された。

心臓を握りつぶされた。
にとりにはそれを理解する事はできなかった。
正確にはその暇がなかったのかもしれないが。


「…あっ…」



ーーー此処で私、終わっちゃうのかな?


ーーーこんな事になるなら食欲を我慢して人間と本当に仲良くしてれば良かったかな。


ーーーでも、もう遅いんだよね。

724新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:49:32 ID:riY5ofZg0


自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。
しかしそれもできなかった。

不意打ちばかりしてきた妖怪は、鬼に不意打ちを喰らいその生を終えた。
皮肉ではあるが、それもまたバトルロワイアルである。


【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!! 死亡】




- -




下手人たる鬼はその手に付いた女の血をさも恨めしそうに拭い払った。
その表情は、正に悪鬼羅刹の如く。
反対の手で既に事切れたにとりの頭を掴み、乱雑に投げ捨てる。

リュウセイの体からユキアネサが抜けたが、血は吹き出さなかった。
ユキアネサの魔力により傷口が凍り付き、出血がおさえられたのだ


(マンソン…?)

体温が奪われ意識が薄らいでゆく。
崩れ落ちるリュウセイの体をマンソンが支える。
その顔は既に鬼から優しさで包み込んでくれそうな雄々しくも慈悲深い父の顔になっていた。
舐めるようにマンソンはリュウセイの体をさする。


リュウセイにとってそれは一瞬、介抱だと思っていた。
だがその手が下半身に向かっていくにつれ、自分の大切な何かへの危機を感じた。

リュウセイその真意を知ったとき、既にリュウセイのズボンは下ろされ、そして服は乱され、




       ______      
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 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i  
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 |'. (|       彡|          |)) |
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   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|  


'llllllllllllllllllllllllllll                     llll
    ,,,,,,,llll'''  ,,  ,,,   ,,,,                llll
    lll'''''     ''ll,, 'll   lll'  lllllllllllllllllllllllllllll    'lll
    ,lll'      ''   ,,lll'                  ll
  ,,,,lll''         ,,,,ll''              ,,,
 ''''''           llll''''




【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V GAME ♂VER】


此処まで述べるのが遅れてしまったが、何故この鬼が阿部鬼へと姿を変えていたのか。
理由は単純である。
見た目や思考まで殆ど同じな同名の参加者が居ては当然変化に欠ける。
その分、参加者の個性が失われ面白みが薄れてしまう。
それに同じ名前で同じ姿では参加者だけでなく、主催側まで混乱する原因となるからだ
こうした理由から青鬼の外見はいい男になった。
なおあくまで外見的な部分を弄っただけなので体の構造は青鬼と大差無い。

ともあれ性欲を満たした鬼は、また新たな男を求めて放浪を始めた。

725新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:54:04 ID:riY5ofZg0





【F-04/一日目・夜中】



【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩と背中に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除、肛門裂傷、仮死状態
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
    キー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグV×V      
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:たいせつなものをうばわれた。
1:光写真館へ急ぐ。
2:もこみち死んだのか。
3:勝治、ケン、権兵衛…… 。
4:早苗達と合流。
5:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
※海東、ムラクモ、星君が危険人物と聞きました。
※またしても生きてました。
※幸い刺し傷は急所を外したようですが長く放置すれば命に関わるでしょう。
※光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
デイバック(基本支給品×2(食料少し消費) お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達
工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達、肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ)が付近に落ちています。

【阿部鬼@阿部鬼】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、不明支給品0〜2、ハウリング・ロデオ・ドライブ
[思考・状況]
基本思考:???
1:すまない、ホモ以外はかえってくれないか!
※増殖♂能力は削除されています。
※男性を見かけると襲い♂ますが、女性には基本的に興味を示しません。
※ただし自身の補食(意味深)を妨害された場合は女性であっても殺害対象となり得ます。
※基本的に言葉は発しないようです。


【支給品解説】
「ハウリング・ロデオ・ドライブ@人造昆虫カブトボーグV×V」
いつもの四人としてリュウセイとともに活躍したシドニー・マンソンの愛機。
緑のカラーリングをメインとしたクワガタボーグである。
必殺技は「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ」





ーで、マンソンって誰だよ。

726 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/12(日) 16:56:53 ID:riY5ofZg0
投下終了です
Fbz氏も偉大すぎるほどに乙

727名無しさん:2015/04/12(日) 22:01:53 ID:dvMUvhRc0
投下乙です
流石に出展も違う別キャラ出すのはどうかと思います
何故阿部鬼になったのかの理由も、はっきり言って無茶苦茶

728名無しさん:2015/04/12(日) 22:17:28 ID:HU6jbFM.0
投下乙と言っておきながら文句を言うのか(困惑)

729名無しさん:2015/04/13(月) 03:40:58 ID:5CwCrtvo0
投下乙
個人的にはこっちでもいいけどな

730名無しさん:2015/04/14(火) 20:57:30 ID:zIOAUAm.0
投下乙
グレーだが悪くないと思うぞ

731名無しさん:2015/04/15(水) 23:39:01 ID:1XLVfnLE0
乙です
青鬼と阿部さんが合わさって最強に見える

732<削除>:<削除>
<削除>

733名無しさん:2015/04/16(木) 22:44:03 ID:7Uhd/PFM0
偶然でしょ(適当)

734名無しさん:2015/04/16(木) 22:57:25 ID:4ad421aw0
認定兄貴オッスオッス!
そういえば放送後でまだ動いてないのってジャギとカズマだけ?

735名無しさん:2015/06/12(金) 02:32:15 ID:Mkb9WLJI0
保守

736 ◆J/0wGHN.4E:2015/07/04(土) 22:21:18 ID:.s2iTrvs0
投下します

737 ◆J/0wGHN.4E:2015/07/04(土) 22:26:46 ID:.s2iTrvs0



「…そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」

それは、他でもないさやかにとって救いの光であった。


「みんな…生き返らせる…」

さやかは星君の吐いた言葉を呟く。
なおも星君は続ける。

「うん、始めのあのとき主催者は『優秀者には何でも一つ願いを叶える』と言っていただろう?」

だが、同時にそれはある種の悪魔の囁きのようにも感じられた。

「君や僕たちが、優勝して願いを『生き返らせてみんなを元の世界に返してほしい』と言えばこの殺し合いは実質無かった事にできるんDA」

「そうすればあの遊星やらを殺す事になっても、少しの間『痛い思い』をしてもらう程度の感覚で済む」

ムラクモが付け加える。

「痛い…思い…」

さやかは与えられた情報を反芻するのが精一杯であった。
それだけ、さやかの心理的葛藤は大きいのだ。

「で、でも…本当に願いを叶えるなんて…」

あるはずが無い。

心の中で言ったのかも判らない程小さな声でさやかが言う。

「信憑性に関しては保証できるはずだ。あれほど高度な制限能力を持つ首輪を作ったかとおもえば、
 首輪を外されてエリアを爆破したりする辺り主催者の絶対性が伺える」

ムラクモが小さく付け加える。

「最もそれが主催の狙いなのかもしれないけどね」



なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。

誰も不幸にならない方法がこんな所にあったなんて。



さやかの心の迷いは、すっかり息を潜めていた。
殺すのではなく、少しの間痛い思いをしてもらう。
さやかにとって一番幸福な解釈であり、救いの光であった。



「…わかった」

さやかが応えた。










ーー



「…でもやっぱり私、殺し合いはしたくない」


「軟弱かもしれないけど、例えやり直せるとしても私は、もう間違いは犯したくない」


「…ごめんなさい」




さやかの言葉尻は、途切れる事は無くはっきりしている。
その様子を見て星君は心のなかで軽く舌打ちした。

(使えないな)

そう星君が思った矢先、ムラクモが僅かな笑みを浮かべて前に出た。

(もう少し子供向けの脚本でいくとしよう)




「無理に殺し合えとは言っていない。」

「え?」


「我々はあくまで協力を求めているのだ。

 必ずしも優勝しなければいけないのではない。

 あの主催どもの場所に殴り込みを掛けて脅せばもっと簡単に願いを叶えられるかもしれぬ。

 彼奴らはああ見えて、何故か命が惜しい様だからな。」

「協力…」

さやかにとっていムラクモの打診は想定外だった。
先ほどの星君の誘いとは違って、今度はれっきとした対主催の考えである。
さやかかにとって、犠牲無しでみんなを救う考え方。いわば正義。

「人数が大いに越した事は無い。どうかね?」


ムラクモが手を差し伸べる。
もうさやかに否定の色は無かった。


添えるようにさやかはムラクモの手を握る。

交渉は成立した。


(正義とはこれまた便利なものだ)

ムラクモはまた人とは思えぬどこか邪悪な笑みを浮かべた。

738現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E:2015/07/04(土) 22:34:44 ID:.s2iTrvs0



ーー





時は少し過ぎ、現在3人は北に向かっていた。

協力関係も築けた事なので情報交換でもすべきかとと思ったが、そうもいかない。
自分達の居るエリアであるG-04は23時から禁止エリアに指定される。
そして現在時刻は10時になろうかという時である。故にまず此処から離れなければならなかった。



「…いいのか?」

歩きながら星君がムラクモに問う。

「ああ、姑息的手段とは言え表向きは対主催を装っていた方が動きやすい。

 元より先ほどの騒動のせいでかなりの数の参加者が固まってしまった。

 故にこの周辺で参加者を殺して回るのは分が悪い」

「敢えて考えるならはっきり孤立していると言えるのは海東くらいだろうな。無論生きていればの話だけど」

星君が口にした海東という孤立した存在。
だが二人ともその存在に手を出す気にはならなかった。

「生きているとして奴は追われの身だろう。それに奴があんな切り札を持っていた以上、ただで死ぬとは思えん」

「アフターケアも考えているだろうね。人質とか」

「うむ。ちょうど良すぎる奴が居るからな」

東風谷早苗。
現人神を名乗る奇妙な少女。
彼女は海東に信頼を寄せており、海東が生き残るには良質な手札となり得る。

「こちらが海東を殺める分にはいっこうに構わないし、早苗の命もどうなろうと知った事は無いが、

 海東が死ねば、どのような形であれほぼ確実に早苗は死ぬ。

 そして早苗が死んだとあれば、今度は自分達が遊星らに追われる事になるだろうな」

「厄介な事だ」

こういう形で人質が活きるようになった事は海東も計算済みだったのだろうか。
星君はそのような事を心中で呟いた。



「…それとさやかだが、少なくとも今晩の内は生かしておく」

唐突にムラクモは星君の顔に近づき、さやかに聞こえないように話す。
今、さやかには10m程はなれて後を歩かせている。
現在の所はさやかは周囲に気を配っているようであり、こちらに意識が向いている気配はない。

「…何か理由が?」

「今から話す。まず私らが向かっている場所だが、目的地は学校と埠頭だ

 学校は単に此処から離れていて人が群がりそうな場所だからだ。

 もしだれかいたならば、我々は被害者の振りをする。海東がやった。海東に脅されたとな。

 チャージマン研が広めていくだろう私らへの悪評を海東に擦り付けるのだ」

 「安全である事を装うと同時に遊星に出会ったときの為か」

 「そうだ、騙し切れたならそれで良い。

 実際の所、私の凶行を直接見た者は既に死んだもこみちくらいなのだ。

 だが二人きりでは遅かれ早かれ何処かに襤褸が出るだろう。海東を利用していた事実はそう簡単には覆せん

 そのためのさやかだ。要は気休めなのだがな」

 「なるほど、一時的とは言え信用している第三者が居れば印象操作として機能しそうだしね」

 「だが所詮はその場しのぎに過ぎない。誤摩化し切れなくなった時や攻め時だと思ったらさやかも含めて構わず殺す

 今晩の間は周りを戦いやすい環境に変えておくという事だ」

星君は感嘆を漏らす。

 「うん それで埠頭の方は?」

 「まあ似た理由だ。埠頭と言えば船の着く場。

 主催どもはあれだけ大それた仕掛けを持っている辺りエリア外にもそういう小細工はしているだろう。

 此処から出るのは難しいだろうが脱出を試みようとする人間が集まっていく可能性がある」



 「…それと攻め時に付いてだが、大体4回目か5回目の放送が境目になるだろう。

 それぐらいの時間帯になれば残り人数も20人を切ってくる。

 そうなると参加者の消耗もそれなりになるだろう。寝首を掻くには丁度いい」

 「それまで遊星や研との接触は避けるべきかもしれないな」

 「少々癪だがそういう事だ」

言い終えるとムラクモが星君から離れる。
さやかにはこの邪悪な会話に感付く気配はない。
それきり2人の会話は途切れ、3人は学校へ歩みを進めた。

739現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E:2015/07/04(土) 22:35:55 ID:.s2iTrvs0


【f-4 南部/一日目・真夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さやかには対主催を装い、一時的に利用する。
2:星君と一先ず組む。
3:海東とは合流すべきか、だが……。
4:無力な少年を装うのはあくまで一時しのぎ
5:怪我の回復にも専念する。
6:オリーブオイルはもう要らないか
7:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
8:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
1:遊星や研との正面からの合流は避ける。
2:チャージマン研は最優先で抹殺する。
3:チャージマン研、遊星達、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
4:これから毎日、不意討ちしようぜ!
5:さやかや他の参加者を利用し殺し合いを進める。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い 、混乱、精神的ショック(大)、シャロを殺した罪悪感、小さな救い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
0:とりあえず2人に協力する。
1:私が殺したの……?
2:みんな生き返らせる……?
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。
※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

740 ◆J/0wGHN.4E:2015/07/04(土) 22:39:10 ID:.s2iTrvs0
投下完了です

741名無しさん:2015/07/05(日) 06:35:12 ID:6XOfOqEs0
投下乙

742名無しさん:2015/07/20(月) 08:57:30 ID:0EW0jglw0
乙です
星君とショタクモの利害関係コンビ好き

743名無しさん:2016/03/25(金) 17:52:21 ID:lbnKIO0k0
1年近く更新なし・・・
読み手としては辛いなあ
どうしようか、このスレ

744<削除>:<削除>
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745名無しさん:2016/05/13(金) 22:11:05 ID:LMtJGL/QC
続き待ってます・・・

746名無しさん:2016/05/14(土) 00:58:36 ID:wlHYriY60
一々ageんなよ

747名無しさん:2016/06/08(水) 22:44:34 ID:cpy60POs0
あら懐かしい

748<削除>:<削除>
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