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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

701ニコロワγ流星群(後編) ◆FbzPVNOXDo:2015/04/09(木) 16:35:07 ID:IFhDCkRI0





アルセーヌの到着はあまりにも遅すぎた。
遊星の乗るデルタイーグルの到着から、数分ほどの遅れであることは
その足で走ってきたことから考えて、常人には真似できない恐るべき速力なのは間違いない。
けれども、全ては後の祭りだった。アルセーヌは当事者であることは出来なかった。

「シャーロック……」

その小さな亡骸を見て、アルセーヌは体に力が抜けていくのが感じた。
自らの宿敵であり、そして可愛い後輩でもあるシャーロックの死。
考えたこともなかった。ミルキィホームズの誰かが、シャーロックが死ぬなど。
何処かで期待していた。いや思い込んでいた。
いずれアルセーヌとトイズを取り戻したミルキィホームズが、その因縁にケリをつける決戦で対峙するのだと。
こんな、こんな幕切れなどある訳がないと。

「すまない。俺がもっと海東を警戒していれば……」

遊星はアルセーヌ不在時に起きた全ての事を話した。
直接殺したのはさやかだが、実質的に殺したのは他でもない海東純一だということ。
そして、シャーロック・シェリンフォードは遊星達を助けるために、最後まで戦い続けたことを。

「頑張ったわね。シャーロック」

マスクを外し、髪を下ろす。
今は、この時だけはアルセーヌではなく、アンリエット・ミステールとして。
シャーロックの亡骸を一度だけ優しく撫でた。

「あれ、一体何がどうなって……シャーロックちゃん!?」

瓦礫を押しのけ泉研が這い出てくる。

「研、生きていたのか……」
「何とか、さっきまでは意識を失ってたんだけど……。
 それよりもシャーロックちゃんが、何てことだ!」

拳を強く握り締める。
自分が意識を失っていた内に一人の少女の命を失わせてしまった。
ヒーローとしてあるまじき失態。悔しさと後悔に身を震わせる。

「星君め許さないぞ!」
「違う。海東が」
「星君!!」

「……待て。ムラクモと星君は何処だ?」

そういえばと遊星は辺りを見渡す。
あの二人の姿が何処にも見えない。まさか瓦礫の下に埋まったままなのか。

「あの二人は逃げたよ。はっきりと僕は見たんだ。
 追いかけて、滅ぼしてやらないと」
「逃げた?」
「間違いない。あの二人は殺し合いに乗っている!」

研の決め付けっぷりはどうかと思うが、確かにあの二人もそうとう怪しくなってきている。
警戒するに越したことはないだろう。


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