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囚われの姫騎士

42名無しのごんべへ:2020/04/19(日) 13:35:09 ID:jb/DmEDk0
(それでも……このままの生活をずっと送るわけにはいかない!)

 リスクを飲み込んだうえで、リリシアの決意は固かった。




 そして、運命の日が訪れる。
 城内で感じられたザルディスの重々しい気配が消えた。
 リリシア、タリア共に隠し通路へと覚束ない足取りで向かい始める。

(お腹が…まさか…、今なの?)

 ここ数日、リリシアは自身の身体に初めて経験する違和感を覚えていた。
 そして今日、固く張ったお腹が何処か張り詰めているのを感じ取る。

「はぁ……はぁ……」

 産み月に入った二人の妊婦の足並みは遅々として進まない。
 臨月の妊婦が無理を押しての強行軍である為だが、なによりもリリシアよりも遥かに大きなお腹を抱えたタリアがその速度を大きく落としていた。
 タリア自身、お腹が重荷になっておりここ数日間自身で歩くことすら億劫になっていた。その為、姉であるリリシアの肩を借りながら一歩。また一歩と進むほかなかった。

「お姉さま、わたしを置いていってください」
「タリア!?」

 隠し通路の入り口を目前に足を止め、息を整える。
 あと少しだ。と、意気込むリリシアに妹の声が刺さった。

「このままでは、二人とも捕まってしまいます。私を置いていけば姉さまだけでも脱出できるはずです」
「でも……」
「ご決断を。私は、私のせいで姉さまが悲惨な目にあう姿を二度と見たくないのです」

 迷うリリシア。
 その迷いを断ち切るようにタリアは言葉を強めた。
 互いの視線が交わり、言葉なくただ時間だけが過ぎる。

「……ごめんなさい、タリア」
「ありがとうございます、お姉さま」

 折れたのはリリシアであった。
 支えていた妹の身体から離れ、隠し通路へと進む姉の後姿をタリアは毅然とした態度で見送る。
 姉は振り返らない。決意が鈍ってしまうから。
 妹は手を伸ばさない。敬愛する姉の幸福を願うが為に。




「っぁ、ぅ」

 リリシアの姿が隠し通路へと消え、入り口が閉ざされた時、タリアは力尽きるように地面へと倒れこんだ。
 既に限界であった。
 朝より定期的に張りを強めていたお腹は、いま痛みを伴ってタリアを襲う。

「……幸福を祈っています。お姉さま」

 か細く紡がれた言葉は、最後まで姉を思うものでそれをかき消すように見回りの魔族の声が廊下へと響き渡った。



『タリア、バッドエンド√が脳裏に過りました。姉は脱出し、子と共に人類の為に。妹は魔に堕ち、孕み袋として魔族繁栄の礎に。なんてどうでしょう』

43名無しのごんべへ:2020/04/19(日) 21:49:39 ID:PeE67a2w0
「うっ、はぁはぁ・・」
痛い、でもタリアのためにも絶対に脱出しなければ!
しかしリリシアは知らない、そんな思いとは裏腹にゆっくりと着実に出産が進んでいることに

その頃、タリアの方というと
「あぁぁぁー、ううっ! 痛いっ はぁはぁ 」
強くなる陣痛に対してタリアの子宮口はまだ開いていなかった
「んんっー、あぁぁぁぁー、お願い暴れないで!」
タリアの中にいる胎児が突然暴れ出したのだ
タリアは気づいていない。2年間のオークの精液と女神の加護によってお腹の子がリリシアの子と渡り合えるほどに成長していることに。

44名無しのごんべへ:2020/04/20(月) 03:43:23 ID:gk5p0H6E0
「はぁ、はぁ…ここまで来たら安心ですわ…っ、ふぅーっ」


 隠し通路から出てすぐに空間移動魔法を使い、数回空間移動をしたリリシアはようやく寂れた小屋について身体を休めた。
 この小屋はその昔、リリシアとタリアが魔法の練習をした場所。
 魔力感知をさせないという特殊な術がかけられたその場所を「出産場所を特定させないため」に使うなんて昔のリリシアとタリアがには知らなかったことであろう。

 「ふぅーっ…ふーっ…長く歩いたからか、お腹の痛みが強く…ふぅーっ…」
 
 魔力を使えば痕跡が残る。それを逆手に、反対方向に空間移動をし、そこからこの小屋まで歩くという策を実行していた。
 そのせいかいつもより長く歩く事になり、リリシアの出産は加速度を上げて進もうとしていた。

「なに、タリア様が公開出産をしたいと」

一方、魔王の城。
リリシアが逃げたという話を聞き予定より帰りを早めたザルディスに部下が公開出産についてタリアから提案があったことを伝えた。

「はい、いかがしますか」

その言葉にザルディスはしばし考えた。

(おそらくリリシア様の出産のための時間稼ぎにするつもりだろう。乗らなくてもいいが、人間に絶望を与えてもよかろう。)
 そこまで考えてザルディスは答える。
「公開出産を許可する」と

45名無しのごんべへ:2020/04/20(月) 11:40:01 ID:YXF8Mz3s0
「ッあぐ…ぎっ、いぃッ、あッ!? いッ……!!」

 玉座の間、横たわるタリアの口から悲鳴が漏れる。
 供物に見立てられ、最低限の装飾品を身に纏う肌身を下卑た魔族達の視線が舐めまわす。

「は、はひっ、…ぁ、ふぅっ」

 ふと、陣痛の波が収まり、苦し気に息を整える彼女を狡猾な笑みを浮かべて眺めていたザルディスが声を掛けた。

「タリア様、一つお伝えしなければならないことがあります」

(この期に及んでなに? まさか、姉さまが?)

 動くのも億劫そうにせめて視線だけでも、と睨み付けるタリア。
 それを受けてザルディスは益々笑みを深める。

「おぉ! 気丈にも振る舞わんとするタリア様、だがしかしお伝えしましょう。胎に双子を抱えたタリア様、あなたはその子供の顔を見ることが出来ずに死ぬ運命(さだめ)にあるのです」
「っぇ……?」

 呆然とするタリア。
 その表情を待っていたとザルディスの口から笑いが漏れる。

「人間は脆いのです。体格の違う異種族である魔族を正産期まで育て産み落とすことが果たして出来るでしょうか? 否、出来ないのです」
「本来であれば、母体の保護機能をもってして最低限生存できる機能が発達した段階で、あなたは出産しなければいけなかった。しかし、偶然にもあなたは今日まで産気付く事無く、今日を迎えました。ええ、『偶然』にも」

「ザルディスッ!!」

 我を忘れるかのような怒りがタリアを飲み込む。
 その様な偶然があるものか。陰で糸を引いていたに違いない。その確信が彼女にはあった。
 タリアの怒号などそよ風と言わんばかりに受け止めたザルディスはなお、狡猾さを隠すことなく続ける。

「本来であれば、あなた達姉妹が私の前で苦しみ抜き、あなたは出産を終えることなくリリシア様の前で死ぬ。心の折れたリリシア様に私は言うのです。『一つだけ助かる方法がありますよ』と」
「タリア様、折角なのであなたに選ばせてあげましょう。人の身で苦痛に呑まれて死ぬか。我が魔族の秘術で、『半分だけ魔族となって生き延びるのか』」

 まぁ、まだ時間があるようなのでゆっくりと考えるといいですよ。
 ザルディスの残した選択。タリアは自身の命が燃え尽きる前に選ばなければならなかった。

46名無しのごんべへ:2020/04/20(月) 14:17:05 ID:p9h/XcPs0
しかし、そう簡単に逃げられても面白くない。
ザルディスも魔王だ。一国の姫の考えることなど手に取るように分かるし、魔力感知も並大抵のものではない。
ザルディスはリリシアの方にも兵をまわす事を考えていた。
「リリシアは魔法の小屋辺りにいるだろう。2個小隊ぐらいで向かうといい。」
(これぐらいで捕まってくれるなよ。まぁ、どちらでもいいのだがな)

「ううっ、んっ、んぁぁぁぁぁぁぁ!!」
タリアの胎児はだんだん下がってきておりタリアはもう我慢の限界であった。
「はぁはぁ、あっ、んんーーーーっん!」
そのとたんタリアの股から温かい水が流れ出した。
「はぁ、痛い...ううぅ...あぁぁぁぁーー、はぁはぁ、んんんーー!!」
しかし胎児が大きいためかそれ以上はなかなか進まない。

『リリシアは思った以上に出産に時間がかかり、出産中に敵に見つかり、出産後 疲弊しながらも敵を倒し、ギリギリ逃げ延びるというのはどうでしょう。』

47名無しのごんべへ:2020/04/22(水) 07:38:18 ID:FThfCug20
胎児の頭が骨盤の入り口で止まってしまったのだ。
タリアは本能的にもっと足を開いた。
「っぁ、んぅんんんーー!!ふぁっ...あ''あぁぁぁぁぁーーー」
息む度に走る股を砕かんとする様な激痛がタリアを襲う。
タリアは悲鳴を上げた。
限界まで開いてもなお、まだ足りないと胎児は徐々に徐々にタリア
の骨盤を押し開こうとしている。

「ふぐっ...っぁあ...ぁぁああっ!」
ギシギシとタリアの胎児は骨盤を無理やり開いていく。
少しずつ、少しずつではあるけれど、児頭は姿を現し始めていた。
「はぁはぁ、んぅんんんんんんーーーー!!ぐぅっ...ぁぁあああああ
ああーーーー」
タリアは顔を真っ赤にし、息んでいた。

49名無しのごんべへ:2020/04/27(月) 13:14:27 ID:IVyLwPb60
「あ゛あ゛、んん゛ん゛ん゛ーーー!!」
タリアは必死になって息んでいた。しかしタリアが息むのをやめると、胎児の頭は再び
隠れてしまう。

「あ゛あ゛あ゛あ――!!!」

タリアの口から苦しみの声が漏れる。
タリアの陰部は盛り上がり、限界まで開かれた膣口を胎児がさらに拡大させようとしている。

「はぁ...はぁ...はッ、ん゛ん゛ん゛ーーーー!!」

 息む度にタリアの膣口は限界まで引き攣れ、裂けてしまいそうな鋭い襲う。
 でも止める事は出来ない。体が、本能が、息めとタリアに訴えてくる。
 タリアは陣痛の波に合わせ息んだ。

「ん゛ん゛ん゛ん゛―――」

めりめりと音を立てる様に大陰唇が開かれる。
陰部を突き出す様に息みながら、タリアは痛みと共に胎児が動くのを感じた。

「ん゛ん゛ん゛ーー、ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 さらに強い痛みがタリアを襲う。
 強く結ばれた口からは悲鳴が飛び、大陰唇は裂けて血が流れた。
 それでもタリアは息み続けた。

「あ゛あ゛あああああああああああああ―――んぅぅ!?」

しばらく息んでいるとやがて胎児の頭は引っ込まなくなった。発露したのだ。
大きなお腹に遮られて見えないが、タリアには確かに股間に何かが挟まった感覚があった。

「ふ''ァッ!!ん゛ん゛ンンンンーーー!!!いだいィィィィー!!!」

悲鳴を流しながらも息むタリアに答える様に胎児の頭は徐々に排出され、ついに羊水をひっかけながら顔面が全て飛び出た。
やっと胎児の頭が出てきたが、タリアの胎児は大きく肩甲難産になっていた。

50名無しのごんべへ:2020/04/27(月) 17:26:44 ID:oxc/QPmY0
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…」

 タリアは体力を戻すかの如く息を整える。
 そしてようやく出た赤ちゃんの頭を触る。

「大きい…」
 率直にタリアはそう呟く。よくこんなに大きな赤ちゃんが育ったと改めて感じた。
 大きなお腹で見えないが、触った感じはおおかた人間に近い。
 あえていうなら、鼻はオークに似ているだろうか。
 人間に似たその頭を撫でて、ゆっくりと手をお腹に戻した。
 ドレスが赤く染まる。裂けた会陰の血だと直ぐに分かった。
 出産でタリアが命を落とす。ザルディスに言われたそれを改めて思い出す。

(いやだ…オークの血をひくとはいえ、ここまで人間に近い私の赤ちゃんを抱けないなんて。
 それに…例え半分魔族になってもお姉様に会いたい。例え…例えお姉様やその子供に倒される存在になってでも)

 タリアは決心した。半分魔族になったとしても生きる、と。
 そして周りで出産をニヤニヤしながら見ていた魔族に伝える。

「ザルディス様にお話しください。『魔族の秘術の準備をしてください』、と」

それだけ話して、タリアは再びいきみを再開した。

(お姉様…どうか、どうかご無事で)

出産を迎えているであろうリリシアの無事を心で願いながら。

51名無しのごんべへ:2020/04/28(火) 14:19:42 ID:YUZQOIfo0
しかし胎児の肩はまだつっかえており無理に息むのは胎児にとってもタリアにとっても危険だった。
そのことも知らずにタリアは息んでいた。

「!!!ん!!?」

そんな時、タリアの二人目の胎児はもう生れようと降りて来ており、一人目の胎児の体を押し出そうとしていた。
(もう、出ようとしてるの?ちょ、ちょっと待って!!)

「ん う'' ゥッ!!?」

タリアは突然来た陣痛に対して咄嗟に両太ももを腹部に引きつけて息んだ。
偶然か必然か、タリアが太ももを掴んで息んだことにより胎児の肩が解放され、徐々に体が出ようとしていた。
(もしかしたらザルディスに頼らなくても産めるかもしれない。)
そう思うと決心は揺らぎ、タリアはその事に淡い期待を寄せ始めていた。

「ングゥゥゥゥゥ!ん゛ん゛ん゛んんんんーー、ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!」

タリアは、必死に息みを加えていた。
大陰唇や小陰唇が裂けた影響もあるのか、胎児の肩は少しづつ抜けようとしていた。
タリアは、太ももを持っていた手を離し、股間に手をやり、頭と肩を支えながら再び息むのだった。

「ん゛、うぁ、あ゛ああ゛ぁ!?」

引き裂くような痛み。思わず口から悲鳴があがるもタリアは息む。
羊水と同時に血液が少し流れている。
胎児に添えた手が少しずつ生まれてくる命を感じた。

(あと、少し。あと少しで)
「生まれーーっぅあ!?」

ズルんと、肩が抜けた胎児はそのまま力強くタリアの手の中に生まれ落ちた。
オギャア、オギャア!!
元気な男の子だった。
難産であったのにも関わらず、元気に泣く声にタリアは安心したようだった。

「はぁ…はぁ…、生まれたァ……」

生まれ落ちた赤ん坊を胸に抱き、笑みをこぼした。
生まれた子供の姿は完全に人間でオークの血を引くとは思えなかった。

「良かった..............ゥッッ!!」
歓喜に浸かっていたのも束の間、タリアは再び現実に引き戻された。二人目の胎児が生まれようとしているのだ。

「ん、んん゛ん゛ん゛ーーー!!」

タリアは二人目を生み出そうと息むが、タリアの体力は底を尽きかけており息みも弱々しくなっていた。
(やはり人の身でこの子たちを産むのは無理なの?でもこの子たちを置いてはいけない。ザルディスに頼るしかないの?」
ところがザルディスにはもともとタリアにそんな秘術を施すつもりは無く、
タリアは気が遠くなって来ていた。
その時、タリアは自分の体の中に温かいものが流れ込んでくるのを感じた。
胎児も疲れているはずなのに、母親を死なせまいと自分の魔力を送って来てくれたのだ。
タリアの体力は少し回復した。

「ふ う''ッ !!んんんンンンンーーーー!!!」
(この子たちの為にも、こんな所で死ねない!)

タリアは全力で息んだ。二人目の為か、一人目よりは進みが早かったが、二人目も巨大児の為、
やはりどうしても骨盤辺りで引っかかってしまうようだ。
(どうして、どうして出てくれないの?)
残りの体力が尽きる前に産まなければならないと、タリアは焦燥に駆られていた。
タリアは一人目が太ももを上げる事で出産が進んだことを思い出し、再び太もも強く抱えて息んだ。

「んぐゥゥゥゥゥ!早く、はやぐう゛ま゛れ゛でえ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!」

効果があったのか胎児の頭が一気に出て来た。

「ん゛ん゛ん゛ん゛――、あ゛あ゛あああああああああああああ―――!!!」

タリアは残りの体力を振り絞り、今までに無いくらい強く息んだ。
ズリュウリッ!
残りの羊水と共に2人目の胎児がいきよいよく飛出した。

ふぎゃあ、ふぎゃあ!!
二人目は女の子のようで魔力を使い果たしたからか産ぶ声は少し弱々しかった。

「二人ともありがとう....」
(お姉様、私、ちゃんと産めました。だからどうかご無事で)
タリアは二人を抱くと、強い眠気に襲われた。

その頃リリシアの方というと、まだ魔法がかかった寂れた小屋の中で痛みを逃していた。
もう日は沈み、空には月が昇っていた。
早く産んで逃げなければいけないのに強くなる陣痛に対してリリシアの出産は一向に進む気配が 無かった。

52名無しのごんべへ:2020/04/29(水) 15:36:38 ID:b2NvLikA0
「ふぅー、ふぅー、ううっンンンンーー」
(なんで、どうして出てくれないの?)
そんな時、やっとリリシアの出産にも兆しが見え始めた。

「はぁ、ハァッ!ああっ!!」

パンッ!!バシャー!!
水風船が割れたような音と共に温かい羊水がリリシアの股を伝った。
(やっと生まれるのですね。)

53名無しのごんべへ:2020/10/16(金) 17:27:43 ID:S760VwcI0
 いくら魔力を感知されないように特殊な術がかけられていると言っても、場所が特定されないという保証はない。
そのため明かりを点けずにいるために、部屋の中は真っ暗になっていた。
「くぅ……っ! んんっ、ぅうんん……ンッ!」
 迫りくる陣痛の痛みに耐えるリリシアは、ザルディスが派遣した軍隊が迫っている事を知らなかった。
ザルディスはすでにこの小屋の存在を察知していて、リリシアがここにいるだろうと当たりをつけていた。
司令官を務める魔物は、1分隊を斥候として小屋の周りに派遣し、残りの隊は、小屋を囲うように配置させた。
「よし。者共、準備をしろ!」
 斥候から報告を受けた司令官は、小屋に突入する命令を下した。
小屋の近くにある湖には、水棲の魔物を配置。空には翼のある魔物を複数配置。完全に包囲した形になった。
 魔物が迫りくる事を未だ知らないリリシアは、激しくなる陣痛の波に翻弄されていた。

54名無しのごんべへ:2020/10/17(土) 13:26:14 ID:jHGSWY6E0
「突撃ィィィ!」

司令官がそう命令し、火矢が小屋に放たれる。同時に魔物が小屋に攻め入る。

「司令官!小屋はもぬけの殻です!僅かに魔力の痕跡があります!」
「何!?しまった、気付かれて移動魔法を使われたのか!
 …まもなく出産を迎える身体ではそう遠くにはいけないはずだ!しらみつぶしに探すぞ!」

司令官が慌ててそう話し魔物に命令をする。
魔王軍による周囲の捜索が始まろうとしていた。


───────────────────────

話は少し遡る。

陣痛に翻弄されつつ、いきみを加えようと考えていたリリシアが周りの魔力が増えつつあるのを感じていた。

「魔王軍に見つかって、しまいましたか」

陣痛に翻弄されつつリリシアは身体を起こした。

そしてそのまま手をかざし、魔力をつかい移動魔法のゲートを生じさせた。

「ぐぅぅっ…まだ、まだ生まれてはなりません」

そうお腹に話しながらお腹を抱えつつ立ち上がる。
腰に愛用の王家に伝わる剣をさし、意を決してゲートを潜った。

「ゔ

55名無しのごんべへ:2020/10/17(土) 14:20:05 ID:jHGSWY6E0
反映されなかったので台詞からです、申し訳ありません
────────────────────────

「う゛う゛ぅぅぅぅ…っ!」

ゲートをくぐった瞬間、リリシアは崩れ落ちる。
それでもなんとか身体を起こし、腰にさしていた剣にすがりながら腰を動かしはじめた。

『複数を相手にして戦うのは無理がある、身を隠しながら個別に倒すなら可能性はありそう』…そう考えて移動魔法を使用したリリシアだが、その反動は大きいようだ。
剣にすがりつきながら楽な姿勢がないか腰を動かすしか出来ず、
なかなか立ち上がることが出来ていなかった。

「けれども…こうしているうちに魔物は近づいて来るはず。
身を隠す場所を探さないと」

そう呟いてリリシアは意を決して立ち上がると、おぼつかない足取りで隠れられそうな場所がないか探しはじめた。

56名無しのごんべへ:2020/11/15(日) 18:02:51 ID:D4PifG6E0
「グルルル…グギャッ!?」

何かを探すようにウロウロ歩いていたオークが急に前に倒れる。
背後から現れたのは、血糊で濡れた剣を持ったリリシアだった。
どこか隠れて休める場所がないか、と歩みを進めながら魔王軍の部下を1人ずつ倒していたのだ。

「フゥッ、フゥッ、フゥッ……むぅぅぅ!?」

息を整えていたリリシアが急に腕を噛み始めた。
叫び声で魔王軍に見つからないように、と声が出そうになるたびに腕を噛んで声を出さないようにしていたのだ。
いくつも腕に残る歯型が痛々しかった。


「ふぅ、ふぅ…ふぅーっ、ここなら、少し休めますわ」

それから少し歩いたリリシアは木々が少ない開けた場所に出てそう呟く。
小川が流れているのを見つけたリリシアは、陣痛に耐えながら歩いて疲労が溜まった体を癒そうと小川に近づいた。
喉を潤し、張り付く服を脱いで小川で汗を流しながらリリシアは周りを伺う。

「あそこなら…洞窟があるかもしれませんわ。魔王軍に見つけられずに産めるかも…」

少し先に山があるのを見つけたリリシアはそう呟く。
幸い、距離はそこまで遠くはない。小川に沿って身を隠しながら進めばここで産むよりは見つかりにくいだろう…リリシアはそう考えていた。

「あと、少し…ですわ。あとっ、少しィィ…」

いきみの衝動はひっきりなしに襲ってくる。
精神的にも体力的にも限界に近いリリシアだったが、
『ここで産んで楽になりたい』と言う本能に逆らうように小川からあがり、
体を乾かす間も惜しむように服を着たあと身を隠しながら山の方へと進み始めたのだった。

57名無しのごんべへ:2020/11/30(月) 00:45:12 ID:.1gFVx.20
「もう…もう、無理ですわァァァッ!」

山に向かい進み、人1人が通れる入り口の洞窟に入ってすぐにリリシアはへたり込んだ。
ずっと不快に感じていた服を脱ぎ捨て、リリシアは一糸纏わぬ姿になる。
そして再び剣を支えに腰を動かし始めた。
『早くいきめ』『産んでしまえ』…身体からの命令、いや悲鳴とも取れる本能を抑えるように腰を動かし続ける。

「ここで産みたいですわァッ、でもっ、入り口では、魔王軍に見つかりやすいはず…
あと少し、あと少しですのっ!あと、少しィィィ」

なんとか気力を振り絞り立ち上がるリリシア。 
少しでも見つかりにくい場所に服を移動してから、リリシアは奥に進むため手のひらに魔法の灯りを灯した。
体力的にも精神的にも疲労しているからかその明かりは薄暗いほどだが、
それでも足元や少し先を見る程度はできる。
僅かな明かりを頼りに、リリシアは出産できそうな場所がないか探すために奥の方へと最後の気力を振り絞りながら歩き始めたのだった。

58名無しのごんべへ:2021/05/25(火) 21:18:44 ID:d/C4xc1A0
何とかして安全な場所で産みたい...
しかし、お腹は正直で尚も開いた子宮口から赤ちゃんを産み出そうとする。
当然、場所がどこだろうと関係なくだ。
一歩歩く度にお腹がきしみ、同時に子宮が収縮しいきみたくなってくる。
しかしお腹の痛みに耐えながらも、リリシアは一歩ずつ歩き続けた。

「うっ......こ、ここまで来れたら最低限の距離は確保できたはず。後はここから更に進めるか...ですわぁっ!」
そうして更に数歩は進んで距離を稼ぎ、ようやく安全そうな場所を見つけそこについたときだった。

60名無しのごんべへ:2021/05/26(水) 01:02:52 ID:WHmc6YWY0
「う゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛!!!」

今までとは比べ物にならない激しい陣痛に襲われ、リリシアはお腹を抱えながらへたり込んだ。
魔法の灯りは消え、周りは光るコケが淡く照らすだけだった。
(魔王軍からの目に入りにくくなった今、ここで産み落とすしかないですわ)

覚悟を決めたリリシアは、淡く光る岩壁に寄りかかりながら大きく股を広げる。

「ん゛ん゛ん゛う゛う゛ぐう゛ぅ゛ぅ゛!!!」

今まで我慢していた分を上乗せする様に、頬を赤らめながらリリシアはいきむ。
少しずつ胎児の頭が下がり始めたのを感じていた。

61名無しのごんべへ:2021/09/26(日) 20:55:57 ID:dxUuAi4w0
「はぁ、はぁ、ハァァ……」

リリシアがいきみ始めてからどれくらいの時間が過ぎただろう。
薄暗く日が差さないジメジメした洞窟では時間の感覚が分かりにくい、とリリシアは考えていた。
赤ちゃんは確かに降りてきている。だがなかなか頭が現れない。

「少し、体勢を変えてみましょう」

岩壁を背もたれにするようにいきんでいたリリシアは、ゆっくりと立ち上がり手を岩壁につける。
重力を借りて出産を進めようと考えたのだ。

「ぐぅぅっッ!」

立ち上がってすぐリリシアがうなる。
リリシアの思惑通りズン、と赤ちゃんの頭が下がったからだ。

「ん゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ァァァ!!」

重力の力を借りるように、スクワットの要領で上下に腰を動かしながら息みを強くするリリシア。
その声は既に姫騎士らしからぬ、母親になる為の荒々しい叫び声になりつつある。

それから何回かのいきみの後、リリシアは股に違和感を覚えた。
壁につけていた手を離しそこに触れると、わずかに頭の先に触れた。


リリシアの出産は、いよいよ終盤へと駒を進めていた。

62<削除>:<削除>
<削除>

63名無しのごんべへ:2021/12/25(土) 19:00:25 ID:KRRVcNac0
「ああぁ……! なぜ……!?」
 リリシアは、腰を上下に動かしながら悲観の声を上げた。
手に触れていた胎児の頭が陣痛と一緒に引っ込んでしまったからだった。
最初は陣痛の波に合わせて、赤ちゃんの頭が出たり引っ込んだりする。
陣痛が収まっても頭が引っ込まなくなるのは、次の段階になってからである。
しかし、ずっと剣の道を進み、性教育など受けてはいないリリシアは、何故か赤ちゃんが引っ込んでしまったと思い、悲観したのだ。

 両手を岩肌につき、スクワットの要領で腰を上下に動かす。
さっきは一気に赤ちゃんが下がったのだ。この方法で間違いないだろう。何らかの理由で赤ちゃんが引っ込んでしまったが、
このまま続ければ、産まれてくるだろう。
リリシアはそう考えていたが、リリシアは知らない。
早くも魔王軍はリリシアの居場所を嗅ぎつけ、洞窟の入口にまでやって来ている事を……。

64名無しのごんべへ:2021/12/29(水) 11:06:24 ID:5sXpFR2A0
「んゥゥゥ!ふぅ、ふぅ、ふぅ」

岩肌に手を付き、腰をゆらめかせながら陣痛に合わせていきむ。
そんな時でも、リリシアは耳だけは集中して周りの音を聞いていた。
カツン、カツン。
遠くから近づいてくる足音と思われる音を聞き、リリシアは慌てて岩陰に隠れた。
声を上げないように、腕を猿轡がわりに噛みながら。

(まさかもう敵襲か?こんな時に……)

リリシアは自分の迂闊さを呪った。
いや、まだだ。まだ見つかってはいないはず。
私は今ここにいる事がバレていないはずだ。
だから大丈夫な筈なのだ。
自分に言い聞かせる様に心の中で呟き、リリシアは隠れ続ける。
リリシアの岩陰から少し離れた分かれ道。そこで魔物らしき声が聞こえてきた。

「リリシアって姫様はこの洞窟に本当にいるんだべか」
「ああ、逃げ込むとしたらここだべな。けんど、どこさ行ったか」

どうやら2匹のゴブリンらしい。
彼らは手に松明を持ち、松明の明かりでリリシアのいる方といない方の分かれ道を交互に確認しているようだ。

「うーん、こっちにはいなそうだっぺよぉ?」
2匹のうち1匹が言うと、残った一匹も同意するように言った。
「ならあっちかぁ? けどあそこは行き止まりだし……」

彼らが話していた通り、実はリリシアがいる場所は袋小路になっている。
だが、リリシアはその事を知らないため、彼らの会話を聞いて焦っていた。
もし見つかったら、戦う事も出来ず、逃げることも出来ない。

(神様、お願いします。どうかご加護を)

リリシアは神頼みをしながら、必死に隠れ続けた。
声を上げないように噛んでいた腕に、歯型がくっきりと浮かぶ。

「逃げるとしたらやっぱこっちだべなあ」
「んだ、奥から風も来ているしどこか外に逃げたはずだべ」

リリシアの願いが届いたのか、2匹のゴブリンはリリシアのいない道を進んでいくようだ。
遠くに行く足音を確認して、ようやくリリシアは口から腕を離した。

「んっ。ふぅ…また、魔物が来るかもしれない…気をつけながら産み落とさねば」

岩陰に隠れたままそう呟き、出来るだけ叫ばないよう気をつけてリリシアは再び出産に挑み始めた。

65名無しのごんべへ:2022/01/15(土) 17:31:24 ID:JjTHMqB20
「ん゛……、ん゛ん゛……ッ! ん、ぁあああ!」
 なるべく陣痛が起こらないようにと力を入れていたため、次に来た陣痛の波は、今までにない激痛をリリシアにもたらした。
見つからないようなるべく声を出さないでおこうと思ったのの、絶叫とも言える声が口から溢れ出る。
「はぁ、はぁ……。なぜですの?」
 荒い息を吐きながら、絶望に落胆の声を漏らすリリシア。
ずっと出産が始まらないようにと祈っていたからなのか、今までにない激痛だったにもかかわらず、赤ちゃんが下がってきた感触が一切なかった。
絶望感に打ちひしがれながら、大きく膨らんだお腹を撫で擦る。
だが、のんびりもしていられない。
ゴブリン二匹はどうやら戻ることなく、洞窟を進んでいったらしい。
しかし、王女であり、魔王ザルディスとの子を孕んだリリシアを追うため、ゴブリン二匹とは考えにくい。
いくつかの魔物はリリシアの剣の錆になったが、それでも予想される追手には程遠い。
いつ大群で押し寄せてくるとも限らない。
焦ったリリシアは、岩肌に手を付き、再びスクワットの要領で腰を上下に動かし始めた。
「くっ……。はぁあ! 来た! 来たッ! 来ましたわっ!」
 赤ちゃんが次第に下がってくる感覚があり、リリシアは我を忘れて叫んだ。
それが後になってリリシアに災難をもたらすとは知らずに……。

66名無しのごんべへ:2022/01/26(水) 22:36:49 ID:z2EBHWIo0
岩肌に手を付き、スクワットをするが如く上下に動かしていたリリシアだったが、ピタッと腰を止めた。

周りに気を使い、聞き耳を立てながら、叫び声を出来るだけ上げず、いきむ。
そんなことを同時に行なっていては遅々として出産が進まないように感じていたからだ。
出産に集中するために、リリシアは決意する。

「…赤ちゃん、もう少しだけ我慢してくださいまし。場所を変えますわ」

袋小路になっていると耳にしていたリリシアは、覚悟を決めるようにそうお腹に語りかける。
行き止まりで退路を断てば、否が応でも出産に集中せざるをえない。
それに、奥に行けば叫んでも風や反響で別の音に聞こえないかと考えたのだ。

左手を壁につき、一歩進むごとにお腹をなだめるように右手で撫で、必死に苦しげな呼吸をする。
行き止まりにたどり着くまで、かなりの時間がかかりそうに思えたが、リリシアはそれでも必死に歩みを進めていく…

67名無しのごんべへ:2022/02/23(水) 22:06:16 ID:C4N.qYNk0
「はぁっ、はぁっ…もう、無理ですわ…」

激しい陣痛に耐え、脂汗を浮かべ、ようやく行き止まりにたどり着いたリリシアは、壁に右手を当て産み落とそうと腰を動かす。

「むゥゥゥゥ!!」

左腕は時折声をあげそうになった時に口元で噛ませたため
すっかり歯形だらけであり、今も新しい歯形が出来ている。

それでもリリシアは腕を噛み続ける。少なくとも、叫び声を上げないように。

(なんで…生まれて、こないの)

リリシアはとうとう焦りを覚えた。
無理をして歩いたせいか、体力の消耗が激しい。
それに、精神的な疲労も蓄積している。
そのせいか、リリシアの出産は停滞気味になって来ている。

だが、リリシアはそれを気にする余裕がない。
無事に赤ちゃんを産んであげたい。
早く産んで楽になりたい。

腕を噛んで叫び声を耐えつつ、リリシアは必死に腰を動かし、陣痛が強まるときは少し股を広げながらいきみ続ける。

まだまだ、出産は長引きそうに思えた…

68名無しのごんべへ:2022/03/05(土) 18:47:50 ID:g5mCKeWw0
リリシアは、少しでもお産を促そうと壁の方に向かった。
「んんん〜っ!ふうぅ〜〜っ!!」
お腹を壁に当てると、壁に押しつけて赤ちゃんが出るのを補助したのだ。
壁が子宮を押したことで、再び出産が進み出す。
リリシアは一定感覚でお腹を押しつけ、腕を噛み続けて赤ちゃんを産み出そうとした。
しばらく繰り返していくと、ようやく膣口から頭が見え隠れし始めた。
(よし…もう少しね……)

69名無しのごんべへ:2022/03/21(月) 18:48:04 ID:gQPnfyRg0
(大きい…ですわね)

股ぐら、腰にかけて生じる感覚。
平均的な赤ちゃんの大きさはリリシアは知らないが、それでもその感覚は大きいとリリシアは感じていた。
魔王軍からの逃避による精神的な疲労と肉体的な疲労も相まって、余計に大きく感じてしまう。

「でもっ、もう少しっ、ですわっ!」

リリシアは体勢を変え、背中を壁に預ける。
そして大きく股を開き膝を抱えるような姿勢をとりながらいきみを強めていく。

「ンゥゥゥゥ!?」

唇を噛み締め、汗が目に入らないよう目を閉じて必死にいきむ。
少しずつ、少しずつ頭が抜けていく感覚。
そして、ようやくその時が訪れようとしていた。

「ンゥゥゥゥアァァアァァ!?!?」

一際大きい叫び。
それと同時にズルっ、と頭が抜け出したのである。

「ハァ…ッ、ハァッ…」

ようやく一息をついたリリシアは放心してしまう。
だが、再びリリシアは陣痛で唸り始めた。
ようやく頭を出すことに成功したが、まだお腹に残る身体は普通の赤ちゃんよりも大きく、苦労するのは目に見えて明らかだった…

70ジャック:2022/03/29(火) 16:13:56 ID:wX7Hw.1o0
「やはりここだったかぁ!」
 洞窟にこだまする野太い声。
その声に驚いて声のした方に目をやると、オークの集団がこちらにやって来る所だった。
背中を壁に預け、膝を抱えるような姿勢をとっていたため、近づいて来る魔物の集団に気付けなかったのだ。
驚きと後悔に目を見開くリリシアをよそに、オークの集団は近づいてくる。
そして固まったままのリリシアの両手を拘束し、あっという間に自由を奪った。
「リリシア姫。迎えに来ましたよ」
 オークの中でも群を抜いて背の高いオークが臣下の礼をとった。
「な、何を……。くぅう……! んんっ! ぁあん!」
 やっとの事で言葉を吐き出そうとしたリリシアだったが、始まった陣痛に言葉を続ける事が出来ない。
「それにしても見事だな……」
「んんっ! んっ……。いや、いやぁあ! ちょ、ひゃぅんんっ!」
 立ち上がったオークがたわわに実ったリリシアのおっぱいを鷲掴みにした。
不意を付かれたリリシアはそれに反応してしまう。
リリシアの反応に満足したのか、オークはなおも力を込める。
「ひゃぅんん! ぁ! ぁあ! んんっ……!」
 もう一人のオークがしゃがみ込んで、胎児が出たり入ったりしている所を弄りだした。
身体を捩って抵抗しようとするものの、自由を奪われたリリシアはオークたちの蹂躙に抗う術はなかった。

71名無しのごんべへ:2022/03/29(火) 22:39:04 ID:sSH5.2kI0
(このままでは…赤ちゃんが、殺されてしまうかもしれないですわ)

胸を揉まれ母乳を溢れさせながら、リリシアはそう考えてしまう。

ようやく胎児の頭が抜けたというのにオークに見つかり、両手を縛られ、身動きが取れない。
魔王の血と『女神の加護』により膨大な魔力を持つ人間の最後の希望になるであろう赤ちゃんを、今死なせるわけにはいかない。
赤ちゃんを産んで身軽になれば…逃げる機会はいつでも作れるハズだ。であれば…

リリシアは覚悟を決めて、オークの集団に向け語りかけた。

「お願いですわ…赤ちゃんは、無事に産ませてください。私なら、なんでもしますから」

「ほう、『なんでも』と」 

胸を揉んでいたリーダー格であろうオークがニヤケ顔でリリシアを見つめる。

「では…口でしてもらうことにするか」

オークはニヤケ顔を続けながらイチモツをリリシアの顔前にさらけ出した。

(臭いッ…しかも、太くて大きい…ですが、赤ちゃんの命を守る為、仕方ないですわ)

オークを睨みながら、リリシアはそのイチモツを頬張る。

「おぉ…リリシア姫の口はこんなに気持ちいいのか。おい、リリシア姫のいう通り赤ちゃんが無事に産まれるようアソコを広げてやれ」

胎児が出ようとしていたアソコを弄んでいたオークに向け、リーダー格のオークが命令する。
その指示を受けるようにオークはアソコを大きく広げさせた。

大きな赤ちゃんの身体が少しずつ現れようとしているのを感じながら、リリシアはフェラチオをはじめていた。

72名無しのごんべへ:2022/04/01(金) 00:19:05 ID:Zd2E0oIM0
最初はいやいや舐めていたがリリシアだったが、しだいに熱を帯びていくようになる。

(はぁ、オークの精液なんて嫌なのにどうしてこんなに欲しくてたまらないの)

オークの体臭を嗅いで性的な興奮が高まり何もしていないのに乳首が親指ほどの大きさまで勃起してしまう。

73ジャック:2022/07/17(日) 09:03:52 ID:MSP7WOwQ0
 オークはとても性欲が強い種族だ。
低級の魔物のため、出来るだけ後代を残すようにと性欲に特化した生物となっていた。
そのため体臭にはどんな種族でさえも発情させる能力を獲得していた。
それは強い精神力をもったリリシアでも例外ではなかった。
ようやく児頭が出たり入ったりする排臨という状態になっていたが、次第に性的興奮を隠しきれないほどになっていた。
(おかしい……。なんで……?)
 陣痛の痛みが襲う中、オークの体臭のせいとは知らないリリシアは、自然と身体がオークを求め始めていることに気付いていた。
「ボス、赤ん坊の頭が引っ込んじまいましたぜ。チャンスです」
 リリシアの膣口を大きく広げさせたオークが声を上げた。
リーダー格の、ボスと呼ばれたオークは、リリシアにフェラチオをしてもらいながら、軽く頷く。
そのオークはリリシアの腰を掴み、ギンギンにいきり立ったペニスをリリシアの膣に差し入れた。
「ぅぐぐぐ……、んはぁああっ!」
 リリシアの腕ほどあろうかというオークのペニスに、空気が押し出され、うめき声を上げる。
陣痛の波の間に苦しそうに顔を歪めたリリシアに、動きを止めるオークではなかった。
「ぅわぁあああっ! ふぅんっ! ぁああっ! ふぁあああんっ!」
 そればかりか、腰の動きを早めたオークに、艶やかな声を上げるリリシア。
リーダー格のオークのペニスを咥えこんだリリシアの顔は、興奮で紅く染まっていた。

74名無しのごんべへ:2022/07/21(木) 00:00:10 ID:IaBpIyc60
「やめっ、やめでぇぇ!赤ちゃん死んじゃう!赤ちゃん、死んじゃう!」
「ああん?俺たちの知ったことじゃねえよ。姫様が死なないように頑張るべきだろ」

オークの腰振りは一向に止まらない。
このままでは魔王の種ではあるがカルディア王国の正当な血脈を引きつぐ、人類の希望になり得る赤ちゃんを死なせてしまうかもしれない。
仕方なくリリシアはお腹に手を当て必死にヒールを唱えることを繰り返した。

「おっ、締まりが良くなったじゃねぇか。やっぱり好きものか?」
「…だまり、なさい」

ヒールの影響か、オークのペニスに対する締め付けが強くなる。
オークはその締め付けを味わうように腰をリズミカルに押し付ける。

「俺たちが満足したら産ませてやる。それまでせいぜいヒールをかけ続けるんだな」

ブヒヒヒと笑うオークに対し睨みつけながら、リリシアは陣痛も気にせず赤ちゃんのためにヒールをかけ続けていた。

75名無しのごんべへ:2022/09/09(金) 08:59:24 ID:ltFnjsyI0
しかし、魔力にも限界がある。
次第に頭がクラクラとして、視界がぼやけ始めた。
「くぅううっ! ふぅうんっ! ふぁああんんっ!」
 開いた口から漏れ出る声に次第に艶やかな音色が交じるようになった。
オークはそれを聞いてさらに腰の動きも激しくなる。
 限界が近づいて尚、半ば無意識にヒールの魔法をかけ続けるリリシア。
その度にリリシアの膣は、キュっと締まる。
「ぁああんっ! くぅううっ! あんっ! あんっ! ぁああっ!」
 リリシアは朦朧とする意識の中、オークの体臭にやられて、無意識に腰を動かしていた。
だらしなく開いた口からは艶やかな嬌声だけが出てくる。

76名無しのごんべへ:2023/03/09(木) 22:29:23 ID:LY86JGsE0
「おおぉ、凄い締めつけだな。さすがは王女サマだな」
 リーダー格のオークは感心したように呟く。
リリシアの腕ほどはありそうな太いオークのペニスを、リリシアの膣はぎゅうぎゅうと締めつけていた。
「ぁああっ。ふぁあ……、ふぁああっ! ぁあんっ! あんっ! あんっ!」
 リリシアは無意識のうちに自分から腰を振っていた。
そして身体を仰け反らせて、白い喉を見せながら激しく喘いでいる。
その度にふたつのおっぱいがぷるんぷるんと揺れ、少し遅れてまもなく産まれようとしている子供を宿したお腹がぶるんと揺れる。
半ば無意識になおもヒールの魔法をかけ続けていたが、魔力が無くなりかけ、また意識が朦朧としてきたため魔法の効果が切れ始めていた。
そのせいか、胎児はズンズンと響いてくる振動に、子宮口を突き破って侵入してきそうな剛直に、ゴロゴロと激しい胎動を寄越している。
「ぁああっ! ふぁああ……っ。ぃいいっ!」
 あまりの激しい胎動に両手でお腹を抱えながらも、リリシアは無意識のうちに腰を振っていた。

77熊猫:2023/09/18(月) 07:38:00 ID:IDhRITQo0
**************************************************************************************
当掲示板管理者の熊猫です。
直近書き込みである「2023/03/09」から約6ヶ月が経過しておりますが、
その後の投稿がない状態が続いております。
一週間後の09/25 24:00まで待ちます。
それまでに投稿がないようでしたら、「落ちた」ということで、過去スレに移動させていただきます。
(3行以上のストーリー的に何か進展があるような投稿のみとし、それに当たらない投稿はノーカンとします)

各位よろしくお願いします。

 くまねこ
**************************************************************************************

78名無しのごんべへ:2023/09/25(月) 23:58:22 ID:cD8GOP3A0
「ぁああああっ…ぁぁぁ」
意識を失いかけているリリシア
「っつううううううううう!」
もどかしくなった胎児が一際大きな陣痛をリリシアに寄越したのか、リリシアの失いかけていた意識が戻りかけていた

79名無しのごんべへ:2023/09/26(火) 00:11:05 ID:CzpN4iVM0
リリシアは出産している最中という事を忘れかけていた
(はっ!今はなんとかしてお腹の中の子を産んであげなければならないのですわ!)
それほどまでにオークの体臭には性欲を高める効果があるのだが、リリシアは抗おうとしていた
「っつうう!(この子をなんとしても産まなくては!)」
再びの陣痛と共に胎児が降りて来るのを感じながら、リリシアはどうやってこの状況を打破すべきか思案を巡らせていた

80名無しのごんべへ:2023/09/26(火) 00:13:17 ID:Qwu0N6Fk0
「よしよし、もっと締めつけてやらねばな。これならどうだっ」
オークは調子良さげにお腹の様子を手探ると、位置を確認後指でリリシアのおへそを思いっきり突いた。
ドンッ!!
「ひゃあんっ!!」
今の攻撃でリリシアの手が止まり、お腹にかけ続けていたヒールの魔法も途切れてしまった。
よほど腹圧がかかっていたからか、今のリリシアにとっては最大の弱点だったのかもしれない。
その衝撃が子宮に一気に伝わり、オークへの締めつけもいよいよ最大のものとなった。
「よーし、出すぞおおお!!」
「(だ……ダメェ!)」
リリシア大ピンチ!!
そして一気にリリシアの子宮に放たれる時だった。

81名無しのごんべへ:2023/12/08(金) 18:40:43 ID:Fe0otmlQ0
 オークのペニスがビクビクと不気味に脈動したかと思うと、濃厚な白濁液を出産が進むリリシアの子宮めがけて放たれた。
「ふぅああ……っ。あんっ! あっ! あっ! んっ! んん……ッ!」
 オークの精液も催淫作用が含まれている。
陣痛の痛みに喘ぎながら、どくどくと精液を注がれながらリリシアは激しく腰を振ってしまっていた。
もはやヒールの魔法をかける気力も残っていなかった。
いよいよ産まれようと排臨状態にあったものの、引っ込んだ拍子にオークのペニスによって子宮へと戻された胎児が、
子宮でゴロゴロと激しい胎動をよこした。
魔王ザルディスによって孕まされたその子は、オークの精液に含まれる魔力を吸収し、さらにその身体を大きくさせていた。
その大きさは、7キロほどになっていて、もはや胎児レベルではなく、新生児も超え、生後一年の幼児と言えるレベルになっていた。
狭くなった子宮が更に広がり、リリシアに痛みを与えたが、その痛みですら快感に感じる有様だった。
 さらに射精が終わった後も、オークはペニスを引き抜こうとはしなかった。
射精が終わり、元気がなくなったとはいえ、ヒトのフルボッキ状態に匹敵する大きさと太さを維持していたため、栓の役割を果たすには十分だった。
それをオークリーダーは熟知していた。
性欲の塊のようなオークは、リリシアを出産させようとは元々考えていなかった。
魔王の子を孕んだ誇り高き姫騎士を蹂躙する。それだけしか考えていなかった。

82名無しのごんべへ:2024/02/17(土) 13:57:35 ID:QUs7zhR60
「うぅ……お、お腹が大きすぎて……」
リリシアのお腹は、もう既にタリアのお腹を多少超えるレベルに膨張していた。
同じ割合でおへそも広がり、腹圧が増加したのもあって周りに黒い中心線がくっきりと浮き出ている。
大きく迫りだした下腹部よって、リリシア自身のフットワークも悪くなった。
「無駄なあがきはよしたまえ。まだお前にゃ利用価値があるからな」
「くっ!」
リリシアは必死に振りほどこうとした。
しかし、大きく膨張しすぎたお腹が 、ボテンッボテンッと一拍遅れて揺れて、振りほどけないばかりか身体を運ぶリズムでさえ乱されていた。
それに先ほどのオークに攻撃されたとこが腹圧のかかったおへそなのか、お腹が揺れる毎に皮膚が引っ張られ、その都度残っている感覚に襲われていた。
ミリッ
「っ、っあうんっ……!」
たちまちリリシアのお腹は、引き伸ばされたおへそに受けた感覚だけで蝕まれていった。
「(ゃば、い…お腹全体が感じすぎて…)」
オークは更にリリシアのお腹を、おへそから下中心にかけて素早くなで回していった。
「はあんっ!!(ダメッ……またお腹、を…効いてるのが、オーク達に知られて……)」
そしてオークはリリシアの胸をわしづかみにした。
「くふぁ…っ」
「へへ、指先に魔力の感覚が残っておるが、よほど腹が効いてるみたいだな……むしろ胸よりも自己主張が激しいぜこりゃ」
「!!」
オークは更なる刺激を加えようと、再びおへそを弄りだした。
「はぁうんっ!ああっ……(おな、か……必死に力入れても…感じて……子宮が弾けそう……)」
「腹は一段と膨張してるな……それとももうここらで終わりかぁ?」
と指でリリシアのおへそをグリグリと刺激させていく。
「んっ……ぐふぅん…………ダ、メ……おな、か…っ!ダ…メ」

83名無しのごんべへ:2024/02/17(土) 14:00:59 ID:QUs7zhR60
「……ううん…もうちょっと、んっ!お腹が感じるのっ……ちょうだい♪」
散々お腹に刺激が加わったリリシアはいよいよ、お腹全体の感覚にすっかり飲まれてしまっていた。
その言葉にオークはお望み通りと指で再びおへそを突き、リリシアはビクンッと激しく悶える。
「んうっ!」
「身体は正直のようだな。ただ……据え膳食わぬは男…いや、オークの恥(おへそをクリクリしながら)」
「…っ!ふっ…ふぅっ」
「見事なレベルで大きくなったリリシアの腹を(へそをグッと押し込みながら)」
「ぐ……んぅ〜っ!」
「じっくりと味わってやる」
オークは何度も何度も、リリシアを快感に飲ませようとお腹をおへそから下っ腹にかけて丁寧に弄くり回した。
「あうっ!……ほおっ!……うっ!……んうっ!……はあんっ!……ふぅんっ!……ひぐっ!……」


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