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囚われの姫騎士
51
:
名無しのごんべへ
:2020/04/28(火) 14:19:42 ID:YUZQOIfo0
しかし胎児の肩はまだつっかえており無理に息むのは胎児にとってもタリアにとっても危険だった。
そのことも知らずにタリアは息んでいた。
「!!!ん!!?」
そんな時、タリアの二人目の胎児はもう生れようと降りて来ており、一人目の胎児の体を押し出そうとしていた。
(もう、出ようとしてるの?ちょ、ちょっと待って!!)
「ん う'' ゥッ!!?」
タリアは突然来た陣痛に対して咄嗟に両太ももを腹部に引きつけて息んだ。
偶然か必然か、タリアが太ももを掴んで息んだことにより胎児の肩が解放され、徐々に体が出ようとしていた。
(もしかしたらザルディスに頼らなくても産めるかもしれない。)
そう思うと決心は揺らぎ、タリアはその事に淡い期待を寄せ始めていた。
「ングゥゥゥゥゥ!ん゛ん゛ん゛んんんんーー、ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
タリアは、必死に息みを加えていた。
大陰唇や小陰唇が裂けた影響もあるのか、胎児の肩は少しづつ抜けようとしていた。
タリアは、太ももを持っていた手を離し、股間に手をやり、頭と肩を支えながら再び息むのだった。
「ん゛、うぁ、あ゛ああ゛ぁ!?」
引き裂くような痛み。思わず口から悲鳴があがるもタリアは息む。
羊水と同時に血液が少し流れている。
胎児に添えた手が少しずつ生まれてくる命を感じた。
(あと、少し。あと少しで)
「生まれーーっぅあ!?」
ズルんと、肩が抜けた胎児はそのまま力強くタリアの手の中に生まれ落ちた。
オギャア、オギャア!!
元気な男の子だった。
難産であったのにも関わらず、元気に泣く声にタリアは安心したようだった。
「はぁ…はぁ…、生まれたァ……」
生まれ落ちた赤ん坊を胸に抱き、笑みをこぼした。
生まれた子供の姿は完全に人間でオークの血を引くとは思えなかった。
「良かった..............ゥッッ!!」
歓喜に浸かっていたのも束の間、タリアは再び現実に引き戻された。二人目の胎児が生まれようとしているのだ。
「ん、んん゛ん゛ん゛ーーー!!」
タリアは二人目を生み出そうと息むが、タリアの体力は底を尽きかけており息みも弱々しくなっていた。
(やはり人の身でこの子たちを産むのは無理なの?でもこの子たちを置いてはいけない。ザルディスに頼るしかないの?」
ところがザルディスにはもともとタリアにそんな秘術を施すつもりは無く、
タリアは気が遠くなって来ていた。
その時、タリアは自分の体の中に温かいものが流れ込んでくるのを感じた。
胎児も疲れているはずなのに、母親を死なせまいと自分の魔力を送って来てくれたのだ。
タリアの体力は少し回復した。
「ふ う''ッ !!んんんンンンンーーーー!!!」
(この子たちの為にも、こんな所で死ねない!)
タリアは全力で息んだ。二人目の為か、一人目よりは進みが早かったが、二人目も巨大児の為、
やはりどうしても骨盤辺りで引っかかってしまうようだ。
(どうして、どうして出てくれないの?)
残りの体力が尽きる前に産まなければならないと、タリアは焦燥に駆られていた。
タリアは一人目が太ももを上げる事で出産が進んだことを思い出し、再び太もも強く抱えて息んだ。
「んぐゥゥゥゥゥ!早く、はやぐう゛ま゛れ゛でえ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!」
効果があったのか胎児の頭が一気に出て来た。
「ん゛ん゛ん゛ん゛――、あ゛あ゛あああああああああああああ―――!!!」
タリアは残りの体力を振り絞り、今までに無いくらい強く息んだ。
ズリュウリッ!
残りの羊水と共に2人目の胎児がいきよいよく飛出した。
ふぎゃあ、ふぎゃあ!!
二人目は女の子のようで魔力を使い果たしたからか産ぶ声は少し弱々しかった。
「二人ともありがとう....」
(お姉様、私、ちゃんと産めました。だからどうかご無事で)
タリアは二人を抱くと、強い眠気に襲われた。
その頃リリシアの方というと、まだ魔法がかかった寂れた小屋の中で痛みを逃していた。
もう日は沈み、空には月が昇っていた。
早く産んで逃げなければいけないのに強くなる陣痛に対してリリシアの出産は一向に進む気配が 無かった。
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