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囚われの姫騎士

66名無しのごんべへ:2022/01/26(水) 22:36:49 ID:z2EBHWIo0
岩肌に手を付き、スクワットをするが如く上下に動かしていたリリシアだったが、ピタッと腰を止めた。

周りに気を使い、聞き耳を立てながら、叫び声を出来るだけ上げず、いきむ。
そんなことを同時に行なっていては遅々として出産が進まないように感じていたからだ。
出産に集中するために、リリシアは決意する。

「…赤ちゃん、もう少しだけ我慢してくださいまし。場所を変えますわ」

袋小路になっていると耳にしていたリリシアは、覚悟を決めるようにそうお腹に語りかける。
行き止まりで退路を断てば、否が応でも出産に集中せざるをえない。
それに、奥に行けば叫んでも風や反響で別の音に聞こえないかと考えたのだ。

左手を壁につき、一歩進むごとにお腹をなだめるように右手で撫で、必死に苦しげな呼吸をする。
行き止まりにたどり着くまで、かなりの時間がかかりそうに思えたが、リリシアはそれでも必死に歩みを進めていく…


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