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【女神転生】ノーライフノットキングのようです(・血・)
1
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/23(土) 21:27:59 ID:cVW9.LuA0
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1575905028/
このスレのスピンオフスレになります。
無駄にスレ増やしてすいません。
2
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:11:14 ID:zXYpadVQ0
-混沌の渇望者-刻の旅
(*´ω`)「ドクオよ、お主はこっちじゃ」
部屋の片隅を指さされる。
(□A□)「おう」
仙人はいつの間にか手にした三鈷杵を持ち、理解不能な言霊を発する。
(#´ω`)「トホカミ エミタマ
アハリヤ アソバストマウサヌ アサクラニ
ヒフミヨイムヤナ コトモチラロネ
ヒコミヒコト カシコミ カイコミモ ハクス
フルベ ユラユラト フルベ」
(;□A□)「うおっ!?」
ドクオの体を赤黒い何本もの手が包んでいく。
(#´ω`)つ「ヤシホヂノシホノ ヤホアヒニマス
ハヤアキツヒメトイフカミ モチカカノミテム
カクカカノミテハ イブキドヌシトイフカミ
ネノクニ ソコノクニニ イブキハナチテム
ハラヘヤレ ハラヘヤレ
…はぁっ!」
力を込めて三鈷杵をかざすと、ドクオの身体は一気に飲み込まれていった。
(;^ω^)「ドクオ君!?」
(*´ω`)「これから少し度をするのじゃ。心配ない
ブーンや、お前はこっちじゃ」
3
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:11:35 ID:zXYpadVQ0
(□A□)「うおっ!」
無機質なデコボコの空間の床に落とされた。
そこら中に薄い緑色の霊体がいる。
「き、君。生身でこっちに来たのかい?」
(□A□)「多分な」
「ヤバいよ、問題大アリだよ。
ちゃんと転写してから来た方がいい。
…時の迷い児になりたくなかったらね」
(□A□)「どーいうことだ、じじい!見てるんだろ!
転写ってどういうことだ!?」
『問題ない。わしの守護神の蔵王権現様によって送りだされたのじゃ。
務めを果たして、肉体が死なずにここまで戻ってこれたらの
ほっほっほ』
(□A□)「そーいう事かい。最初から説明しやがれっていうんだ」
スマホからシュッとおしちが出てくる。
(・▽・)「きっとこの奥にライ様が!感じるでありんす!」
(□A□)「…悪い、忘れてた。ライドウって奴のとこに帰してやる約束だったよな」
ばつが悪そうに頭をかく。
(・▽・)「わちきも一緒に戦うから、心配ないでありんすよ。
ライ様の『かすたまいず』されたモダンなスーパー仲魔でありんすからね」
(□A□)「…トウキョウの時と随分口調が違うな」
(・▽・)「郷に入っては郷に従え、でありんすよ。
ドクオ君の時代のおしちは随分砕けてたでありんすねぇ」
階段を上がっていく。
「グオオオ!」
凶悪な顔をした、巨大な亀の悪魔が出た。
聖女マルタの知恵によって退治されたという、邪龍タラスクだ。
(・▽・)「銀氷属なら炎がよく効くでありんすよ!」
ニワトリ脚で勢いよく突進する。
3WAY方向に撃たれた巨氷の礫も難なく躱す。
4
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:11:56 ID:zXYpadVQ0
羽根に少し掠ったが、意にも介さない。
(・▽・)「氷結半減済み!」
勢いよくアギ・ダインを放つ。
(;□A□)「うおおおおお!!」
最初は龍の圧倒感に圧されていたドクオも、炭化しかけたタラスクの身体にマシンガンを浴びせる。
(・骨・)「うひゃひゃひゃひゃ!」
血と焦げる匂いを嗅ぎつけ、外法ウタイガイコツの集団が現れる。
現代では幽鬼ラフィン・スカルとも呼ばれる。
仲魔のスパルトイと違い、巨大な茶色の頭蓋骨だけで不気味だ。
(□A□)ニア「マハラギオン!」
気持ちいい音と共に吸収されていく。
(;・▽・)「何やってるでありんすか!
あいつの弱点はえーと…衝撃!」
(□A□)「ブーンの専売特許じゃねぇかッ!」
(・骨・)「ペトラァ!」
隙を見て集団が石の雨を降らせてくる。
(・▽・)「どいて!」
ドクオを押しのけ羽根を広げ、雨を全て受け止める。
(;□A□)「おしち先生ッ!」
(・▽・)「わちきに精神攻撃は無効だから平気でありんすよ。
普通の人間が食らうとたちまちカチンコチンコの石像になって砕かれておしまい。
わちきはディアラハンは持っているけど異常回復はないから気を付けておくんなまし」
(□A□)「メデューサのコンクリート撒きかい。よくわかった!
先生下がってな!」
銃を乱射し動きを止め、聖水をありったけぶちまき返して一網打尽にする。
(;・骨・)「な、なんだその攻撃はァ!」
(□A□)「遅い!」
5
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:12:18 ID:zXYpadVQ0
スパイクロッドで頭蓋骨を叩く。
クラクラして動けないようだ。
(;・▽・)「あ、物理も弱点でありんしたか。
そのまま殴り壊してしまえばいいでありんす」
(□A□)「大事な事は先に言ってくれよ先生!」
硬直から立ち直ったガイコツの噛み付きをのけぞって避け、反動をバネにし今度は完全に砕く。
まともに噛まれていたら上下半身が歯形と共に分断されていただろう。
悪魔達との戦いでいくつか銃弾を得た。
(□A□)「色がついてるがこれはペイント弾か…?」
(・▽・)「属性銃弾でありんすよ、ライ様もよく使っておりました。
自分で使えない魔法はそれで補って弱点を突くんでありんす」
(□A□)「ほう。それは面白い」
弾倉とショルダーに詰めて肩にかける。
「閣下 総師千犯の賊類を討…!
集え同志よ!昭…維新の御旗のもと…」
無機質な階段を延々と昇っていくと、延々と熱弁する幽体を見かけた。
(□A□)「あれが時の迷い児ってやつか」
(・▽・)「確かそうでありんすね。
わちきは既にここを通っているから道はだいたい分かりんす」
(□A□)「?どういうことだ?」
(・▽・)「わちきはここで起こった戦いから更に先で飲み込まれて未来の帝都…トウキョウに来たんでありんす
ライ様も今回の事件で、永世無極召喚師までかなり出世しているはずでありんす」
(□A□)(未来の先生が過去のライドウに会う…
タイムパラドックスにならないのだろうか?
ま、気にしても仕方ないか
帰さないとじじいが俺を帰してくれんだろう)
更に先へ進む。
「アカラナ回廊に滞在する存在は、二種類に大別される。
望んでここにやってきた、我々時間旅行者と。
ここにいる事さえ認識しない時の迷い児とにな」
6
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:12:38 ID:zXYpadVQ0
(□A□)「迷い児とやらを高みの見物で笑い者ってわけか。
遠い未来にはそういう悪趣味な技術もあるんだな。
VRなんて目じゃねえな」
「ほざきたまえ。生身で来た君は悪魔に食われ死んで迷い児の仲間になるといい」
銃弾をぶちこむのも勿体ないので先を急いだ。
(□A□)「アカラナ回廊ねぇ。金剛神界の他にもこんな異界があったとはな
悪いが修行にもなりそうだから積極的に戦わせてもらうぜ、先生」
(・▽・)「構わないでありんすよ。わざわざ一緒についてきてくれたお礼でありんす」
「…ノ上日本圏に対シ
今次ノ戦争ヲ終結スルノ…コトニ意見一致…」
(□A□)「…1940年代か」
「時間旅行は当人の記憶を遊離させ、各時代の実態を閲覧する旅。
実態を介入させない理由は二つ。
旅行者の身の安全確保と、正史への干渉を防ぐためだ。」
円柱につかまってぐるぐる回っている悪魔がいる。
敵意はないようだ。
「私の後ろにある物体が見えるかね?
あれは通常『砂時計』。
もう壊されてしまっているが、聞くところでは
物事の記憶を操作したり時空のゆがみを生み出したりするらしい。
本当の名前など誰も知らんし、何の目的で置かれたのかも分からん。
そんな謎の装置だ。無暗に近付かん方が良いぞ。」
(□A□)「御忠告ありがとう」
(・▽・)「あ…!」
砂時計と呼ばれる、大破した巨大な柱に手をかざす。
(□A□)「う…」
燃え上がる戦火、山積みの死体。
キノコ雲と焼け野原が見えた。
(□A□)「ぐ…」
7
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:13:02 ID:zXYpadVQ0
(;・▽・)「大丈夫でありんすか?」
(□A□)「大丈夫だ先生、過去の日本の惨劇がフィードバックしてきただけだ。
いい目覚ましになった」
頭を槍が掠める。
蛮力属ヨモツイクサの奇襲だ。
(□A□)「なめやがって!」
銃で威嚇し、アギ・ダインで焼かれる。
何回か転送装置を通る。
「存命中偉大であった人間は
死ぬと十倍も偉大になる…
存命中偉大で…った人間は
死ぬと…倍も偉大に…」
(□A□)「Conviction is worthless unless it is converted into conduct.」
(・▽・)「?」
(□A□)「トーマス・カーライルの言葉を復唱していやがるんだ、この迷い児。
俺は『信念は、行動に移さなければ価値がない』の方が好きだね
死んでから偉大になって崇められても何の得もありゃしねぇ」
「うひひひひ」
ラグナロク到来の使者、大炎魔王スルトの配下ムスッペルと
インドの蛇ナーガの王、ナーガラジャと交戦になった。
ナーガラジャは火炎が弱点らしいので、おしちに任せた。
ムスッペルは火力だけならおしちより上で、薙いでくるマハ・ラギダインはマハラギオンで弱めるのが精一杯だった。
(;□A□)「ぐおおおおおおお」
賭けに出た。拾った銃弾を撃ち込む。
運よく氷結弾丸だったようで、たちまち凍り付く。
おしちが焼いたナーガラジャの残滓の中の槍を咄嗟に取り、腹部に刺す。
「痛いんぢゃああああ!」
氷結弾を一発だけ撃ち込み、頭を横凪にロッドで砕く。
「あれうほほ」
8
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:13:23 ID:zXYpadVQ0
「ダイヤを溶かしてもっと美しいダイヤを、1ダースほど作ってみせようか?
何も食べる必要がなくなる特別な秘薬、君も飲んでみる?
私はこう見えても、300歳なのだよ…」
(□A□)「見当はついてるが…あんたは何者だ?」
「人は私を…サン・ジェルマン伯爵 と呼ぶよ。
さて、この時代での仕事は片付いたし…次はどの時代に行くのかな。
そろそろ別世界でユダとしての戦いでも始めようかな」
(□A□)「とんでもない大物までいやがったんだな」
「小さな一歩でも
人類にとっては大きな飛躍となり…!
静かな海への着陸準備は
できてい…ね?」
(□A□)「秘薬の次は飛躍かよ。
アポロ11号…か
悪魔召喚プログラムっていうのは果たして人類にとって飛躍になったのかね?ククッ」
元居た時代を思い出し、スマホを撫でながら自嘲気味に含み笑いをする。
「…にございません。
ピーナッツ100個受け取りのことなど。
記憶にございません。闇将軍とは どなたのことで?」
(□A□)「コンピューター付きブルドーザー」
また巨大な柱があった。
修復機能があるのか、あまり壊れきってはいないようだ。
触れる。
トイレットペーパーに群がる人々、山奥の山荘、飛行機が見えた。
トイレットペーパーについてはドクオの時代でも一波乱あった。
新型ウィルスによる影響で製造と供給が遅れ、多くの店で買占めと売り切れが相次いだ。
ウィルス防止策のアルコール類も同様だった。
もっともドクオは父親が飲んだくれのボンクラだった事もあり、先読みに長けるしかなかったので
予測できるものは備蓄しておいた。
(□A□)「!」
柱に残留されていた記憶に吸い込まれる。
橋の下の工事現場で、棘のようなマントで全身を覆った赤い怪人と対峙する。
恐らくライドウが退治した悪魔なのだろう。
9
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:13:43 ID:zXYpadVQ0
「ウガアアアア!邪魔ヲ…スルナァ!」
(□A□)「こっちのセリフだぜ!」
マシンガンを咄嗟に構える。
硬化したマントを広げられ、弾き飛ばされる。
(□A□)「アギラオ!」
放った火炎は、ワープ攻撃の前に空を切った。
「えやぁぁぁぁう!」
(□A□)「後ろか!」
「ヤッハー!」
紫色の光線をまともに食らう。
何故か怒りが全身を支配し、スパイクロッドを手に愚直に突進する。
またワープされ、背後から奇声を伴った光線を食らう。
今度は緊縛の効果があるらしい。
接近され、頭を抱えた怪人による怒りの烈火が炸裂する。
そのまま連発してくる。
(;□A□)「がッ…!」
指も動かせず、火炎による相殺もできない。
やられる。
(・▽・)「アギ・ダイン!」
怪人の背後からおしちが火炎弾を発し、吹き飛ばした。
(・▽・)「ドクオ君は一人で戦ってるわけではありんせんよ!忘れないで!」
「ウ…ウゥぅ…ウアァァァ!
邪魔ヲ… 俺ノ邪魔ヲ するなッ!!」
怪人は怒り狂っている。
全身の赤マントにより、火炎は効果が薄いようだ。
ドクオが動けない間、ドクオにディアラハンを施したおしちが突進して気を逸らす。
精神攻撃である光線を無効化し気にせず肉薄し
烈火を耐性により軽減し、羽ばたきで地道にダメージを与えていく。
(□A□)「ありがとよ、先生」
緊縛が解けたドクオが、棘マントに貫かれそうなおしちを見て冷静にマシンガンを取り直して乱射する。
もちろん銃無効のおしちの特性を考慮してだ。
10
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:14:03 ID:zXYpadVQ0
(□A□)「効かないわけじゃなさそうだしなッ!」
アギラオを放ち更にけん制する。
「俺ハ…俺ハ、悪クナイッ!
車ガ!車のヤツが悪いんダッ!!」
頭を抱え力を溜める。傷が少しづつ治っていく。
(□A□)「…そうか」
車に何かを奪われてここまで怒っているのか。
事故で誰かをか、時代の流れで仕事をか。
だが、同情はしない。
過去の記憶にそれをしても意味などないからだ。
今を踏みしめ果てしない未来(あす)へと手を伸ばす。
ドクオが肉薄し、火炎を放つ。
(□A□)「さあやろうぜ!喧嘩だ!喧嘩ァ!
お前が売った!俺が買った!それで十分だァ!」
火炎をリベットナックルに纏わせ、マントのガードが薄い部分を殴る。
怒りの烈火はマハラギオンで押し返す。
光線は直線的なのでギリギリで躱す。
できなそうなら当たる瞬間にパトラをかけて相殺する。
(□A□)「ワンパターンなんだよ!」
ペンタグラムで光線を跳ね返す。
(□A□)「回復はさせねぇ!男らしくやろうぜ!
魂に火がついちまったよォ!」
(・▽・)「ドクオ君!光線浴びてテンション上がってきたでありんす!
銃を構えて!」
(□A□)「おう!?」
言われるがままにマシンガンの銃口を構える。
(・▽・)「紅蓮熱線!」
おしちの全身とドクオの咆哮から一筋の獄炎が照射される。
怪人はマトモに貫かれ、倒れ際に大量の顔のようなモヤが放出されていく。
景色がアカラナ回廊の無機質なものに戻っていく。
11
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:14:24 ID:zXYpadVQ0
疾風属パワーの軍団を退け、ワープを繰り返す。
次の柱が見えた。
密林の兵士、車の座席に倒れる男、星条旗、足跡。
そして青い星が見えた。
(□A□)「う…暗殺される側の視点で見せるなよな…
そしてベトナム戦争に…アポロ…か?」
ライドウの記憶に吸い込まれはしなかったが、一筋の瞬間だけは垣間見えた。
「…バ バカなッ!
ミーガ、最強のサマナーたるミーがァ!!」
濃い髭の悪魔使いが斃れる。
(□A□)「最強…か…」
90年代エリア。
「へへっ。ここは通さねえぜ」
「流れ者の俺達がやっと手に入れた縄張りなん」
蛮力属のオニとヨモツイクサが道を塞いでいる。
(・▽・)「〜」
おしちの色仕掛けで二体とも骨抜きにされた。
その隙に焼き尽くして骨も残らず灰にした。
(#・▽・)「あ!せっかく人…じゃなかった悪魔が穏便に…」
(□A□)「できるだけ戦うって言ったろう先生よ。
それにいちいち発情させて道譲らせるのも面倒だ」
柱には、携帯ゲーム機を繋いで遊ぶ子供達の姿が刻まれていた。
戦いの記憶が垣間見える。
二人組の鬼神のような悪魔のうち、一体が倒された。
(;´_>`)「ああああ…兄者ぁぁぁァ!
一緒に…一緒にヤタガラスを…って…」
(# ;_>;)「…テ、テメエぇぇぇぇぇ!!
棺桶でなんか寝かせてやらねぇぞぉ…
兄者の力を借りて塵にしてやる!!」
自分にも兄がいて、戦いで死んだらこう怒るのだろうか。
ふと、そう思った。
12
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:14:44 ID:zXYpadVQ0
身体に蛇を纏わせた、妖艶な外法の美女リリスと邂逅した。
撤退した。
(・▽・)「ドクオ君?らしくないでありんすね」
(□A□)「なんかカンなんだが…あの悪魔とは戦ってはいけない気がする」
(・▽・)「まぁリリスは直接攻撃が効かないから厄介で…」
(□A□)「違う…そうじゃねえ」
2000年代エリア。
柱には特になにもなかった。
全身金色の巨大な天使が立ちはだかった。
マハ・ザンダインが二人を襲う。
身が切り裂かれそうだ。
(;・▽・)「流石っにきついでありんすよ!」
(□A□)「弱点は!?」
(;・▽・)「忘れた!」
(□A□)「いちかばちか…だ!」
ドクオはありったけの殺意を抱いてムドを発現させた。
疾風の大天使の身が固まる。
(□A□)「今だ!紅蓮…?」
(・▽・)「熱戦!」
「馬鹿なァッ!」
避けようのない断続的炎に、大天使は溶けて地に堕ちた。
80年代エリア。
「…もう壁なんて意味無…ぜ! 俺ぁ西へ行…!
国家保安や生産ノルマなんて…視だ。アメ車で行動ブッ飛…!!」
(□A□)「ベルリンの壁か。今も昔も対立っていうのはあるもんだな」
(・▽・)「ドクオ君は『いんてり』でありんすね」
(□A□)「こんな事がなきゃ、普通に大学進学しようと思ってたからな。
もっとも俺の時代では余程の馬鹿じゃなきゃ入れるんだが」
13
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:15:06 ID:zXYpadVQ0
(・▽・)「ダイガク?ライ様の書生みたいなもんでありんすかね?」
(□A□)「まぁそんなとこだろうな。どの時代にも悪魔がいて、学生の悪魔使いっているのか」
2010年代エリア。
「な、何やってる!?早く避難したまえ!!
大使がICBMのボタンを押したんだ!
あと30秒もしないうちにトウキョウは…!」
柱には、瓦礫の山と廃墟が並び悪魔が跋扈するトウキョウの記憶があった。
2040年代エリア。
「神への愛を忘れなかったものだけが
千年王国へ行けるのです。
30年前の大破壊は神によって与えられた
試練なのです」
柱では、荒れ果てたトウキョウを駆け抜けていく三人の男の姿が見えた。
(;□A□)「ぐおっ…頭が」
(・▽・)「ドクオ君!?」
(□A□)「いやなんでもない。デジャヴかな」
三人の男のうち一人はメガネをかけていた。自分だろうかと思う。
2070年代エリア。
「共同体社会成立万歳、だよな。
メシア教出身の嫁さん貰えたしよ。
腕に変な機械つけたキチジョウジの高校生が
神と悪魔やっつけてくれたおかげだ」
(□A□)(誰の事だ…?俺かブーンか…それとも
共同体というのも何のことだ)
「2050年前後の歴史には近づかないわ。時間旅行者なら常識中の常識よ。
昔に起きた…やらの余波が残っているとかで、縁起が悪いんだって」
(;□A□)「…だと…?」
箱舟でも起動されるというのか。
そもそもこれらが本当の未来なのか疑わしい。
14
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:15:54 ID:zXYpadVQ0
20XX年代エリア。
「センターは知力に乏しい劣悪人種にもご慈悲をお与えくださった。
ファクトリーで働くという意義だ。
…死ぬまで課せられた、意義だ」
(□A□)「くだらねぇ!」
時の迷い児を思わず焼き払った。
「ライドウ探してるの?
俺もライドウ、知ってるよ。同期のテンプルナイトなんだ。
才能あったよ、出世街道まっしぐらさ。
強さなら五人の伝説のテンプルナイトにも劣らないんじゃないかな。
でも急に『成すべきことがある』とかで、センターから消えちゃったんだ」
光差す道が、長い長い階段の向こうに見える。
(□A□)「いよいよ終点か?先生」
(・▽・)「わちきの記憶だと、確か」
(□A□)「なぁ、先生。
先生って前世は確か好きな人に会いたくて火事起こして死刑になったんだよな」
(・▽・)「…本当に『いんてり』でありんすな」
(□A□)「いや、気分を害したらすまん。
人を好きになるのってどういう事なのかなって思ってよ。
変な事聞いたらすまん」
(・▽・)「生田様の事は今も忘れておりませぬ。
でも今はライ様の仲魔として…好きというか忠誠というか
なんでありんすかねぇ、慕っているというでありんすか」
(□A□)「最後にご教授ありがとう先生。さあ行こうか」
光の先には、広い海と狭い無機質な床があった。
黒マントの学生と赤い制服の女学生が戦っている。
性差、体格差などないかのように互いに拮抗して鍔競り合っている。
その拮抗を、たった一発の炎が打ち破った。
死なない程度にマント学生が女学生を斬り刻む。
レ゚ -゚)「おしち!」
(;▽;)「ライ様!」
15
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:16:16 ID:zXYpadVQ0
「やはり小娘の身体では限度があったようだ」
女学生は手を掲げ、巨大戦艦を呼び出し乗り込んでしまった。
海の向こうから超砲撃を繰り出し、孤島と化した床には大量の悪魔が呼び寄せられた。
戦艦が近づき、戦艦の上から異形の憲兵が機関銃で銃撃を放ってくる。
(;□A□)「テメェで呼んだ悪魔も皆殺しにするつもりかよ!?」
おしちは銃撃無効の特性を活かし、ライドウと思われる青年の盾となる。
レ ゚ -゚)「ベルゼブブ!」
「わかっとるわい!」
ライドウと共に戦っていた、巨大なハエの悪魔が応える。
「ジジ&ヤングで イケイケぢゃあ!!」
レ ゚ -゚)「天命滅門!!」
ライドウが身を翻し、戦艦に刀を突き立てる。
蠅の王が魔力で巨大魔法陣を展開する。
魔法陣の範囲内が万魔の力で、仲魔以外全て滅されていく。
戦艦の大砲も、悪魔も、憲兵も、すべて。
(;▽;)「そろそろ危ないから帰るでありんすよ!ドクオ君お元気で!」
(□A□)「ああ、最後にいいもの見させてもらったぜ、先生!」
(;▽;)「今度会う時には倍返しね!」
おしちが管に戻されていく。
ドクオは名残惜しさを吹っ切るように、光の中から駆けだした。
途中で昔を懐かしむ時間旅行者がいた。
入口の1930年代エリアまで戻してくれるということだが、断った。
おしちからの教えと思い出を胸に、自分の脚でひたすら戻っていく。
邪魔をする悪魔は炎で、弾で、薙ぎ払いながら。
1930年代エリアの最下層まで来た時、後ろからふいに雷撃が飛んできた。
(0倡0)「キサマ…なかなかのカンだな」
(□A□)「テメェ…2010年代あたりから後つけてやがってたな」
(0倡0)「そう、我はヴァルハラに戻らず償いとしてあそこにいたのだ。
取返しのつかないことをしてしまった…と」
16
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 02:16:38 ID:zXYpadVQ0
(□A□)「テメェの償いなんか知るか!」
(0倡0)「我は雷電属トール!キサマが真の戦士が見定める!」
(□A□)「上等だ!」
マハ・ジオダインの隙間を縫うように潜ってナーガラジャの槍を刺し込む!
鮮血が滴る。
(□A□)「甘いんだよ!」
(0倡0)「キサマがな!」
筋肉をがっちり絞めて槍を離さない。
奇策に逃げられずミョルニルによる渾身撃でまともに吹き飛ばされた。
(0倡0)「早くも勝負は決まった!」
トールが突進してくる。ガードを逆手に取った下からの突きで上空に吹き飛ばされる。
(□A□)(裏を読まれた!)
このまま落下死か、ミョルニルによる迎撃で頭、いや全身を砕かれるか。
ふと脳裏によぎったのは、最後に見たライドウのあの攻撃だった。
しかし仲魔がいない。召喚する時間すらない。
(□A□)「死なば諸共よ!」
両手からアギラオとマハラギオンを準備する。砕かれるなら同時にせめて焼き尽くす。
『甘いな』
(□A□)「やっぱあんたか、ドウマン!」
胸から腕が伸びて炎を掲げる。
(□A□)「アギラオ、マハラギオン…アギラオ…インフェルノォ!」
豪速でトールを炎の塊と落下衝撃が襲う。
(0倡0)「見事…だ!
これで我もヴァルハラに安心して帰れる…
トウキョウを…頼む…」
(□A□)「押し付けんな…っての…」
意識が飛び、トールが灰になりドクオは静かにアカラナの空間から消えていった。
-混沌の渇望者-刻の旅 完
17
:
名無しさん
:2021/10/24(日) 14:20:14 ID:gLvaXJ7.0
乙
18
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 20:45:02 ID:zXYpadVQ0
ご愛読ありがとうございます。
ライドウみたいな糞ゲーを偉大な真Ⅰと混ぜんな!と憤った方がもしいらっしゃれば読むのをやめて戴いて結構です。
むしろ自分は超力終盤の繋がりの示唆で感激した感じだったので。
あれがなければアバドン王もコドクノマレビトもスルーしていたでしょう。
19
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 21:27:16 ID:zXYpadVQ0
失礼、言葉が過ぎました。
ちょっと嫌な事があったので瞬間湯沸かし器と化してしまいました。
むしろ今日はマタドール先生がデレて武器落としてくれたのでいい日なんですけどね。
真Ⅱ武器コンプリートまでもう少しなので、本編とこっちが遅筆になるやもしれません。
早乙女の…ときのおきなのジジイッ!
こんごともすみません…
20
:
名無しさん
:2021/10/24(日) 23:22:25 ID:kkczYtrA0
やっぱドクオ好きだなー
21
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/24(日) 23:31:47 ID:zXYpadVQ0
ありがとうございます。
せっかく書くのなら、原作のちょっと情けない部分をオミットして冷静なキャラにしてみようと思いました。
その原作におけるちょっとしたヘタレっぽさや人間味もまた人気なのだとは思いますが。
その分、ブーンが割を食って熱血漢正義漢通り越して激情家になっているような気が…。('A`)
22
:
名無しさん
:2021/10/24(日) 23:38:38 ID:kkczYtrA0
マヨネーズことロウヒーローには訳あって思い入れが強いがブーンなら糞運命をぶち破ってくれそう
しかしそれではお話にならない気もするので一体どうなるのかwktkですわ
23
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 18:49:03 ID:ZJRHgN6M0
>>22
鬼畜餃子、メガCD版だと顔が凛々しくリニューアルイラストだとアルカイックスマイルが素敵なんですが
オリジナルSFCイラストは不気味さしかありませんね。だがそこがいい
糞運命に関しては、お楽しみということで…
結末までちゃんと頭の中で組みあがっております。
24
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 23:08:08 ID:ZJRHgN6M0
-すくいきれないもの-
ブーンは女性になっていた。
かつて大天使ミカエルの啓示を聞き、青髭ジル・ドレと共に戦場を駆け抜け革命を成した女傑。
また、大指揮官アランソン公に恋する普通の少女でもあった。
最期は捕えられ残酷な刑を受け、永い時を経て冤罪、聖人認定された。
最初は意志のない土人形であった。
悪魔の力を取り込み続け、成長を続けていった。
やがて同じく異端とされていた黒き聖母を宿し、意志を持ち現世に降り立った。
よみがえりしジャンヌ・ダルクと共に戦うのは、髪を短く刈った青年サナギだった。
彼は暇つぶしがてらに新興都市で隠れて活動を行うハッカー集団を率いていた。
正確にはリーダーは別にいたのだが、悪魔を召喚しまともな戦闘能力を持つアタッカーは彼だった。
仲間の一人が逮捕され、義憤から『次世代情報モデル都市構想』に首を突っ込む事になる。
多数の悪魔やダーク・サマナーを屠り、いよいよ敵の実態を掴んだところだった。
敵の中枢によるスパムメールにより、リーダーが中枢の男の大企業で働いている事が発覚した。
サナギと幼馴染の少女は意にも介さなかったが、他のメンバーは彼を裏切り者として糾弾し離反した。
そんな矢先、敵組織のアジトの一つを壊滅させている間にリーダーが責任感を感じて本拠地に一人乗り込んだ。
少女は元メンバーを招集し、リーダー救出作戦を考案した。
街の中央にそびえ立つ、トウキョウ都庁に似た二又のモノリスと呼ばれる塔。
いかにも街の住人を奴隷としてしか見ず、餌として見下しているような嫌味な出来。
塔のロックを解きやっと入った中枢には敵幹部がいた。
立派な髭をした威厳ある次官は、赤き肌の魔王に変じた。
少女を狙う一撃を、次官に捨てられた息子を名乗る者が引き受けた。
元メンバー達も誤解が解け、塔の頂上で人の精神を吸い集め攪拌する設備を爆破した。
「ギロチンフェイク!」
腰のコウモリめいた装飾で男を絡めとる魔王。
「食らうか!」
「小僧、終わりと思うな!ギロチンブレイズ!」
全身から、踏みとどまる気力さえ与えない容赦ない赤熱が放たれる。
「ギロチンフィストォ!」
男は会議室中を溶かすような熱の中を突っ込み、魔王からもぎ取った蝙蝠のギロチンで首を狩った。
「グゥ…こ、この私が…この程度の……」
「テメェの首は生きたまま持って帰る。おふくろに会ってせいぜい謝りな」
25
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 23:08:53 ID:ZJRHgN6M0
「フ…フフフフ…ハッハハハハハハ!
これで勝ったつもりなのか?
これで計画を止めたつもりなのか!?
所詮お前達は、カゴの中でもがいているだけに過ぎんのだ。
我らは、全ての主と共にあっ!?」
男が頭を蹴った。
「てめぇらの計画なんて興味ねぇンだよ。
見境なしに発情するグりゴリのゴミがッ」
「それにな…」
男は会議室からは見えない空を見ているようでもあった。
「カゴから抜け出す権利は誰にでもあるのさ」
屋上。
8(□□)「おお、お前らも無事だったか」
ドレッドヘアーに濁ったサングラスをした青年が安堵する。
W゚ -゚)「へへ、やってやったぜ!」
M字頭にセミショートのイケメンが、爆破された設備を前にガッツポーズする。
8(□□)「浮かれてる場合でもない。まだリーダーが見つかっていないぞ」
W ゚ -゚)「分かってるって。この成果見せて挽回しようぜ」
(’ー`)「…」
8(□□)「リーダー!?」
無言でよれよれの咥えタバコのリーダーが現れる。
(’ー`)「…」
W゚ -゚)「リーダー、ごめん。あんたを疑ったりして…」
8(□□)「いや、弁解はしない。もっとリーダーを信じておくべきだったんだ」
(’ー`)「……気にするな。むしろオレは喜んでいるんだ。」
26
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 23:09:14 ID:ZJRHgN6M0
(・蛹・)「離れろ!」
リーダーの頭上から電撃が放たれる。
日本刀を振るい、サナギが咄嗟にシャットアウトする。
(’ー`)「ヒハハハハハー!
やっと貴様らを、このオレの手で殺せるんだからなぁ!」
「リ、リーダー!どうしたのよ!?」
少女が反撃もせず驚く。
(’ー`)「同志が倒れ、残るはこの俺だけか。
獲物を独り占めできるなら好都合だ」
「あんた、リーダーじゃないわね?誰よ」
少女がきつく目を据える。
(;’ー`)「ん?瞳ちゃん…サナギくんも。
どうしたんだ、みんな
僕はいったい…ぐっ!」
(’W`)「というわけだ。
せめて仲間の身体で殺してやるんだ。
感謝するんだな。ヒハハハハハ!」
羽根をいくつも重ね合わせた、歪な腕を持つものが、リーダーを宙づりにしていた。
リーダーの頭頂部は完全に結合している。
「そんな…悪魔に身体を…
あんた達は逃げて。アタシたちが相手をする。」
8(;□□)「しかしあれはリーダーじゃないのか?攻撃するつもりかっ?」
「助けてみるわよ。わからないけど」
W;゚ -゚)「こんな時に俺達は…すまねぇ!」
8(;□□)「リーダーを助けてやってくれ、頼む」
(’W`)「ヒヒヒヒ、この俺を倒すつもりか。面白い
だができるのか?ヒハハハ!情を捨てきれぬ貴様ら人間に、この男を殺す覚悟が!」
二人が行った後、少女は目を一瞬閉じてカッと見開いた。
「やりましょう。サナギ。これ以上、あんなゲスな悪魔に…」
サナギはニヤリと笑い、肯定の意を示した。
27
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 23:09:44 ID:ZJRHgN6M0
ブーン…ジャンヌ・ダルクの役割は、ひたすら敵の熾烈な攻撃をオレルアンの乙女の加護で軽減する事だった。
(’W`)「イビル・トランス!」
悪魔が歪な腕をありえないほど広げ、猛将クー・フーリンの曾祖父、魔王バロールを捕えた。
バロールがツイスターハイキックを放つと同時に、爆弾と化した身体が爆散する。
川;^ω^)「くっ…」
ひたすらメ・ディアラマをかけていく。
バロールの息子かつクー・フーリンの父、魔神ルーグが魔弾タスラムを放つ。
悪魔の頭に直撃するが、まだしぶとい。
サナギはバロールの代わりの補充に、クー・フーリンの師匠、影の女王たる女神スカアハを呼ぶ。
捕まり爆弾と化した者を治療させ、ジャンヌ・ダルクと一緒にメ・ディアラマを唱えさせる。
ふいにサナギが自軍を向いて袈裟斬りを行った。
サナギの得物は妙法村正。トップクラスを誇る名刀であり、時に持ち主を狂気にかりたてる。
ルーグとクー・フーリンが親子でデスバウンドを放つ。
マイケル・ムアコックが解き明かした魔槍ブリューナクと、海獣の骨でできたゲイボルグが唸る。
(;’ー`)「ぐあっ!」
リーダーの顔がゆがむ。手加減していたとはいえ、人間の脚は簡単に消し飛んだ。
(・蛹・)「スカアハ、ラクンダをありったけ」
膠着状態の中でサナギが躍り出る。
(’W`)「この男が死ぬぞ?いいのかぁ?」
腕で獲物と見定めたサナギを爆弾化する。
(・蛹・)「だが!きさまも死ぬんだろ!」
リーダーの腰から下を両断した。
(;’W`)「なっ!貴様は正気か!?」
川;^ω^)(やめるおーっ!)
怯んだ悪魔の翼、腕を斬り、滅多切りにする。
(’W`)「ギャアアアアア」
悪魔が息絶えた頃、解放されたリーダーも、もはや大量の鮮血を撒き散らし息も絶え絶えだった。
ブーンの意識を持たされたジャンヌ・ダルクは、声にならない声で慟哭した。
28
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/25(月) 23:10:22 ID:ZJRHgN6M0
次は、大破壊から逃れたシェルターに意識が飛ばされていた。
ブーンはニュートンというロボット犬だった。
装備を充実、強化すればあの魔獣ケルベロスにも劣らぬ魔犬になるだろう。
いつの日かシェルターに異常事態が発生するようになっていた。
最初は居住区と離れた下層に下級悪魔が出現する程度だったが
悪魔の罠かウィルスか、住人が次々にゾンビ化、憑依されていく非常事態になっていた。
結界で平和ボケしていたシェルターでは、悪魔を浄化する、解呪する術はない。
憑依された人間は害をなす前に殺すしかないといういたましい選択を
訓練を修了したばかりの見習いデビルバスターの若者と、隊長の西野が強いられた。
事態がおさまってからのシェルターの復興に必要な学者を最優先で助けるべく、中層のファームへ向かった。
多数の悪魔とゾンビをなぎ倒し、『それ』は現れた。
「陽子…知多…」
西野隊長が呟く。
見習いデビルバスター隊の一人、葛城は西野隊長の養子でもある。
その妻、西野陽子には優しくしてもらっていたし、一人息子の知多には懐かれていた。
避難途中で悪魔に憑依されたのか、陽子と知多が抱き合ったままゾンビとして融合した哀しい姿がファームにはあった。
「隊長おおおおおおおおおぉぉぉ!!!」
隊の中でも繊細で優しい、早坂が顔を濡らしながら叫ぶ。
「史人君…何かあったら…いつでも…
葛城にいちゃん…僕もねえ…デビルバスターに…」
ゾンビ化した脳から引き出される言葉。
本人たちの意識はとうにないのだ。悪魔の操り人形なのだ。
葛城は心配そうに西野の顔を見た。
「私はいつも言い続けたな…我々はデビルバスターだ…と…
その言葉に…その言葉に…甘えは…ない!!」
西野と葛城は連携し、DBブレイドで立体攻撃を仕掛ける。
やがて西野がゾンビの胸に刃を突き立て、灰になって戦いは終わった。
灰の中から指輪に加工されたダイヤモンドが出てきた。
大破壊前に拵えたものだろう。
「最期まで母さんと一緒にいられて…良かったな。知多」
指輪を拾い、西野はそっと呟いた。
葛城の頬からは決してスプリンクラーの雨ではない水が伝い、ニュートンは激しく咆哮した。
金剛神界の一室に意識が戻ってきたブーンは、ありったけの涙を流して吐しゃ物を吐いていた。
-すくいたかったもの-完
29
:
名無しさん
:2021/10/26(火) 00:23:34 ID:o6QGd2PA0
うおぉぉぉ、悲惨、、、
30
:
名無しさん
:2021/10/26(火) 03:19:21 ID:xtFfNhII0
乙です
31
:
名無しさん
:2021/10/26(火) 03:43:03 ID:l3xQRq/.0
つらたん
32
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:03:49 ID:2D5vX9Ws0
忌まわしき大破壊から25年後。
シンジュクから檻のついた馬車が発進する。
独眼の魔獣ストーンカ二体がそれを引いている。
中には四人の浮浪児が入れられていた。
どこまでも荒地。廃墟。
「今日は四人だけか。シケてんなぁ」
「つまらねぇな。もっと泣けよ!」
二人組の男の一人が酔って、後ろの檻を叩く。
ぴいっ、と唯一の女の子が泣き叫ぶ。
(・d・)「…」
大丈夫か、と声をかけてやる気力もなかった。
みんな親から捨てられ、食事も満足に取れない状態が続いていた。
シンジュクで検分を受け、税金を稼ぐ力もないと判断された浮浪児は『人狩り』に出される。
(・d・)(諦めるな。諦めたら終わりだ)
名をディーという。
四人の子供達の中では唯一、まだ目から光を失っていなかった。
お人好しなテンプルナイトが救出してくれるか、ハプニングで檻が壊れるか。
いずれにしても、武器を持たず扱う術を持たない彼らは自力で脱出はできない。
目的地に付けば、自分達はどうなるのか?
悪魔の生贄に卸されるか、人肉思考の狂人に骨ごと売り飛ばされるか。
(;殺;)「…」
煽られて泣き声を上げた少女は、僅かな涙ももう乾燥した空気で乾きそうになっている。
人狩りに引き渡されるまで、いや、日常ですらろくに水分も取れていないのだ。
水分不足のせいで、恐怖で失禁しないだけ女の子としてはマシといったところか。
ディー含めて、皆頬がこけて唇もカサカサだ。
少女は長髪に隠れて見えないが、額に第三の眼がある。
売り飛ばす前に辱めてやろうとした人狩りも、気味悪がって手を出さなかった。
他の二人は気の強そうだった少年と、特に痩せぎすで気の弱そうな少年。
二人とも無言のままだ。
(・d・)(見ちゃいられないな。こっちのやる気まで下がる)
ディーは空腹の極みで気が薄れそうななか、ハプニングによる好機を待っていた。
そしてその時はきた。
33
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:04:09 ID:2D5vX9Ws0
人狩りにおける忌まわしい噂はいくつもある。
男なら遺物の掘り起こし、女なら売春宿で休みなく働かされるなら命が助かるだけまだマシと言える。
給与代わりの食事を与えてもらえるのなら、の話だが。
最悪にしてやはり最も可能性が高いのは、やはり悪魔への生贄だろう。
俺達を悪魔の贄にし、僅かながらのマッカか宝石を得る。
労働力確保だけなら、わざわざシンジュクから出さずとも何かしら役割はあるはずだ。
(俺、どうしてこの時代に生まれたんだろう)
大破壊直前の時代は、疫病が流行ったりしたとはいえ恵まれていたと聞く。
インターネットというものが浸透し、実際に合わなくてもコミュニケーションが取れる。
もっとも、いい面ばかりではなかったとシンジュクのじいさまが言っていた。
一瞬、意識が途切れた。
自分達を輸送する檻が倒れたと気付くのに、数秒かかった。
とっさに少女と少年二人を庇って下敷きになっているのにも気付かなかった。
(;・d・)「うっ…!」
(;殺;)「大丈夫ですか!?」
(;・d・)「気に…するな」
両肩が外れそうに痛いが、こらえて三人を安全そうな奥に押し込めてやる。
そして頑丈な格子の間から、様子を覗き見た。
黒い大きめな鳥悪魔が8体、鋭い嘴で牛を襲っている。
唯一の目を庇いながら、角で追い払ったり痺れるような吠え声で威嚇するが焼け石に水、多勢に無勢だ。
吠え声、バインドボイスがディー達の耳にも響く。身体が竦んで痺れて動けなくなる。
(・d・)「耳を塞げ!それくらいならできるだろ!」
二人の人狩りは牛から降り離れ、粗末な銃を構える。
「糞ッ!ここらへんはフリアイがせいぜいじゃなかったのかよ!?なんでバイブカ・ハなんか…」
檻を殴って笑っていた男は、涙目で見当違いな場所を乱射する。
子供に銃を突き付けたり撃ち殺したりするのは得意だが、悪魔との戦闘はからっきしのようだった。
シンジュク郊外での選別の時、反抗的な子供や幼すぎる子は撃ち殺されている。
「喋る前に手を動かせ!
運がなかったって事だよ。俺達の家業はそういうものだろう」
もう一人の男は冷静に取りを狙うが、あまり効いている様子はない。
「ああ、通常弾なんかじゃなくていい弾を買っておくんだった!」
「お前が稼ぎをかたっぱしから酒や女買いに費やしたからだろう」
34
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:04:30 ID:2D5vX9Ws0
牛達も四方八方から身体をつつかれ、マグネタイトと魔血を流している。
「…ここらが潮時だな」
冷静男が悟ったように牛黄丹を牛に使う。
「おい!なにやってんだ!?」
男は腕の機械を操作する。
「こいつらまで巻き込むことはない。」
『LEAVE』の音声が流れる。
「今までこきつかってすまなかったな。自慢の脚で早く逃げろ」
アタックナイフをひたすら投げ、突破口を開く。
「おい!!ふざけ…ぎゃあああ!!」
喚いた男が途端に鳥たちに囲まれ、一瞬でボロクズになる。
牛達は隙を見て逃げ出した。
牛の一頭が、一瞬チラリと生きのこっている男を見る。
『アリガトウ…』
そして二頭とも走り去ってしまった。
「お前達もすまない。俺達が悪い事をしている事は分かっている。」
チラリとディー達と目が合う。
「でもこうでもしなくちゃ…生きのこれなかったんだよ。
こうでもしなくちゃ…さ」
自分の心臓に銃を当て、思い切りトリガーを引く。
ドンッという音と鮮血とともに、動かなくなった。
半分が男をついばみ、半数は檻に気付いてつつき始めた。
ディーも檻の奥に隠れ、必死に身を守る。
ガンダンガンダンという耳障りな金属音が響く。
やがて檻が凹み、小さな穴が開き始めた。
少女がひぃっっと小鳥のような悲鳴を上げる。
(;・d・)「やるしか、ないのか」
銃を扱った事はないが、檻が破られた瞬間に出ていき、人狩りの銃を取り撃つ。
自分は恐らく死ぬだろうが、囮になって他の奴らを僅かでも生き永らえさせる事はできるだろう。
くそっ、鳥の悪魔でさえなければ!
35
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:04:50 ID:2D5vX9Ws0
耳をつんざく砲撃が響いた。
檻をついばむ一羽が肉を飛び散らせて吹き飛ぶ。
また一羽、一羽とドルルルルという砲撃音と共に吹き飛ぶ。
穴の上からではわからないので、格子越しに見た。
(・ハ・)「顔を出すな!」
瞬間、男の叱咤が飛ぶ。
軍服のようなコートを着て、重機関銃を手で持って連射している。
鳥が甲高い声を上げ、次々と同種が集まってきた。
数十羽といったところだろうか。
更に獣の咆哮が轟いた。
格子の隙間を狙う鳥に噛み付き、喰らう。
(・ハ・)「『逃がす』な、できるだけな」
(・<_,・。)『了解』
白髪頭に全身緑、鷲鼻の人間の顔をした悪魔が応えた。
背後に迫る鳥を、蠍のような毒尻尾で突きさし貫通し投げ捨てる。
逃げる鳥は、背中に生えた蝙蝠のような翼を飛ばし捕える。
尻尾から出す多量のl針が、一気に数羽を仕留める。
鳥が一斉に、聞くだけで狂乱するようなけたたましい鳴き声を出し始めた。
(・ハ・)「伏せて耳を塞げ!」
(#・<_,・。)『オオオオオオオオオオオッ!』
狂乱のパニックボイスを、妖獣のバインドボイスが上回った。
よろよろと落ちる鳥を機銃が仕留めていく。
( ■∀■)「ヒョウッ!」
おこぼれにあずかろうとして集まってきた邪龍の群れや妖獣アツユを、サングラスをかけた男が素手で引き裂いていく。
硬い甲殻を持つ魔獣タムズも、紙のように。
ふいに、空中から様子を見ていた一羽の凶鳥グルルが梵字を髭の男に放つ。
レベルだけならこの群れの中ではひときわ各段だ。
サングラスの男が立ちはだかり、ムドを平然と受け止める。
( ■∀■)「80点」
そして、通じないと知ると否や飛び去ろうとするグルルをとんでもない跳躍で追う。
まるで飛んでいるかのようだ。
( ■∀■)「テメェだけは逃がしはしねェ。汚らわしいんだよ。消えろ」
36
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:05:12 ID:2D5vX9Ws0
褐色の肌が引き裂かれ、イヤリングと鮮血が血に落ちてきた時、
悪魔の残党は一斉に逃げ出していった。
(・ハ・)「大丈夫か?お前ら」
ディーは虚脱状態から立ち上がり、男を見た。
白髪頭の初老の男だ。
血を拭うサングラスの男は、まだ10代という感じの若さだ。
防具もつけずにマオカラーのスーツで戦っていたようだ。
(;・d・)(この男、デビルサマナーだ)
デビルサマナー。
悪魔と契約し、その力を行使する人間。
幼いディーもそれは知っていた。
何しろもといたシンジュクの支配者オザワも、デビルサマナーだからだ。
(・ハ・)「マンティコア」
大暴れしていた獣に命じ、格子が壊される。
しかしディーを含め皆、外から出ようとしない。
(・ハ・)「心配するな。お前らを悪魔に食わせたり、売り飛ばしたりはしない。
この人と旅をしている時にたまたま居合わせたから助けた、それだけだ」
( ■∀■)「ヒョウッ、よろしくな!」
サングラスの男は四人にエネルギーバーとエナジードリンクを差し出す。
暇のない上級テンプルナイトの緊急食によく使われている。
(;殺;)(;e;)(;j;)「あ、ありがとうございます」
三人は貪るように食べた、食べた。飲んだ。
(;・d・)「うっ」
ディーも手を出そうとしたが、肩の痛みにうめく。
(・ハ・)「ちょっと見せてみろ」
無遠慮に両肩を掴まれ、ゴキゴキと揉まれる。
(;・d・)「ううぅ!」
(・ハ・)「我慢しろ。脱臼などは起こしていないようだな」
襤褸の服を少し脱がせ、傷薬を塗る。
(;殺;)「あの…ごめんなさい。私を庇ったせいで」
37
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:05:34 ID:2D5vX9Ws0
(;・d・)「気にしないでくれ。身体が勝手に動いただけだ。本当だ」
無理に作り笑いをし、残る痛みをごまかす。
(・ハ・)「お前らはどこでつかまってこんなとこまで運ばれてきた?
シンジュクか?」
(・e・)「はい、そうです」
ディーの次に元気がありそうな少年が答える。
(・e・)「あいつら、シンジュクを根城にしてる人狩りグループの一つなんだ。
俺達浮浪児を狙って、寝込みを襲って攫って行くんだ。仲間もいっぱいやられた。
シンジュクの地下にいても、税金が払えないとシセツケイサツが引き渡しちまう」
(;j;)「このっ!このっ!」
痩せた少年が必死に、乱暴だった人狩りの男の死体を蹴る。
(・ハ・)「やめておけ」
痩せて骨ばった肩にそっと手を置く。
(・ハ・)「無駄に体力を消耗するな。もう死んでるんだ」
油を染み込ませた布切れに、ライターで火をつける。
(・d・)「何をするんですか?」
(・ハ・)「火葬する。執念深い奴は悪霊や幽鬼の恰好の人形になる。
ゾンビにならんうちにやる」
燃え布を死体にかぶせると、あっという間に簡易の焚火になる。
(・ハ・)「栄養不足で冷えているだろう。暖まっておけ。
さて、こっちも」
(・殺・)「待ってください」
もう一枚布切れを取り出そうとした時、少女がか細い声で呼び止めた。
(・殺・)「そっちの人は優しくしてくれました。
今焼かれてる人が私を乱暴しようとした時に止めてくれたし、人狩りの事もすまないと謝ってから死んでいきました」
(・ハ・)「わかった。マンティコア」
巨獣が素早く瓦礫をどかし硬い地面を掘る。死体を口にくわえて放り、男が聖水を素早くかけてから土葬した。
(・ハ・)「故郷がどの区か知らんが、まぁ勘弁してもらおう」
38
:
◆MxHvQqijkA
:2021/10/30(土) 23:06:16 ID:2D5vX9Ws0
(・ハ・)「悪い事は言わん。もうシンジュクに戻ろうと思うな」
男は顔のしわを深め、厳しく言った。
(・ハ・)「あそこでジャンク屋をやっている友人からから聞いた話だ。
最近活発になっているマンハントは、オザワの指示らしい。
お前ら浮浪児が目ざわりなので一掃し、人狩りからは上納金をもらえる。嫌なカラクリだ」
(;・殺・)「でも、私達にはほかに行くところがありません。
悪魔に対抗する力なんてありませんから…」
( ■∀■)「じゃあ、お前んとこに居させてやればどうよ」
檻によりかかって焚火で火をつけ葉巻を吸っていた、サングラスの男が口をはさんだ。
(・ハ・)「俺のところ…ですか?」
( ■∀■)「おう。お前子供好きだろ。ちょうどいいじゃん。
しばらくの面倒は俺も見るし生活費も提供してやる。
これ一本に比べりゃ、ガキのメシなんて駄菓子ィみたいなもんよ」
次の葉巻をナイフで丁寧に削っている。
(・ハ・)「…そうですね。ありがとうございます
お前らがこの世の中でも生きていけるように、銃の使い方、悪魔との戦い方、自活の仕方を教えてやる。
悪くない話だと思うが、どうだろう」
焼く前に人狩りから外しておいた機械を調べつつ提案する。
(・d・)「俺の名はディー。俺に、俺に力をください」
(・e・)「俺も!俺はイー!俺も連れてってください!」
(・j・)「僕はジャック。どうかよろしくお願いします」
(・殺・)「あの…何もできない私なんてついていっていいんですか?」
男は初めてきつく目を絞って言った。
(・ハ・)「『私なんて』って言葉を使うな。自分を卑下するな。
それとも君は、そこらの知能皆無の外道どもにも劣るとでもいうのか?」
少女の顔が赤くなった。
( ■∀■)「ヒョウッ!決まりだな。
俺は忙しく遊んでる時もあるからずっとはいられないが、顔見せに言ってやるからなぁ。
とりあえず血まみれのくっせぇ獣に乗るのも嫌だろうし乗せるには足りねえだろ。
みんな行くぜ。トラポートッ!」
奇妙な生活の一年目が始まった。
39
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:38:58 ID:k0uvcgeo0
サングラス男の転送魔法で連れてこられたのは、上部分の階層が崩れたビルだった。
(;・e・)「でけぇ!」
(・ハ・)「ここが俺の…家かな?家ですか?」
( ■∀■)「住んでんなら家だろう?ヒョウッ!」
周りは森に囲まれ、なかなか見つからないようにできている。
(・ハ・)「この北にトウキョウを守護する四鬼神が一体、ゾウチョウテンの社がある。
そのおかげもあって、この周辺に悪魔が出る事はそうそうない。
もっとも、俺のような強いサマナー相手に襲ってくる悪魔などここらではそうそういないがな」
( ■∀■)「何気に凄い事サラッと言うねぇ!」
(・ハ・)「あなたの方がもっと凄いでしょう。なにせ─」
( ■∀■)「おーっとどうでもいい話はストップゥ!
更にどうでもいいけど、お前らくっせぇから身体洗え。獣さんもな」
(・<_,・。)「相変わらず口が悪いな。どうにかできないのか」
( ■∀■)「人生は楽しく!もっと力抜いて行こうぜヒョウッ!
あ、まずは男子禁制な」
(・殺・)「あっ…」
アヤメの顔がカッと紅くなる。
気が早く、ボロの服を脱ごうとしていた。
やはりそういうところは女のl子なのだろう。
(・ハ・)「お前ら男子はまず、服を身繕え。ついてこい」
男がザッザと歩き出す。ディー達は慌てて後を追う。
ビルの部屋をいくつか通り過ぎると、多量の服や防具が置いてあった。
(・ハ・)「ガキの世話をするとは想定していなかったからな。
大きい時は裾を折るなりなんなりしろ」
(・j・)「やっぱり…僕達なんか迷惑ですか?」
(^ハ^)「そんなわけがあるか。だったら最初から悪魔を追い払った時点で置き去りにするさ。
俺は口下手だから」
男は苦笑いした。
(・d・)「どれを着てもいいんですか?」
(・ハ・)「もちろんだ」
40
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:39:36 ID:k0uvcgeo0
(・ハ・)「俺が自分で発掘したブツだ。放射能検査もしてあるから安心していい。
あと、外を出歩くならプロテクターを装着しろ。子供用の防具はない。
そしてかならず複数で行動する事。俺がいない時は森の外から出るな」
(・e・)「分かりました!」
イーが早速着替え終わったようだ。
子供用の髑髏が描かれたいわゆるスカジャンに、擦り切れたジーンズをはいている。
(・ハ・)「ワイルドだな」
(・j・)「僕はこれで…」
ジャックは黒のパーカーに普通のズボン。
頭を隠しておどおどしている。
(・d・)「俺は…これがいいな」
無地のTシャツに綺麗めなジーンズ。
(・ハ・)「そんなんでいいのか?」
(・d・)「俺、何かあると体温が高くなるんです。
外行きの服はまた選びます」
(・ハ・)「そうか。風邪をひかんようにな」
(・殺・)「あの…恥ずかしいです」
露になった背中を向け、アヤメが顔を赤くしたままでいる。
( ■∀■)「これがあるから分からんだろが、明後日の方向見てるから心配ねーよ。
それにガキに欲情するほど飢えてねーし。
見張りに女悪魔召喚しとこか?すっげえおっかなくてあいつら覗きにこれねーよ」
男は極黒のサングラスをコツコツと叩いて大笑いする。
( ■∀■)「ん?」
急に裸のアヤメを正面に向かせ、髪の額部分をまさぐる。
第三の目があった。
( ■∀■)「悪魔との混血か…苦労したろう」
(;殺;)「見ないでくださ…うっ…うっ…」
( ■∀■)「恥じるなよ。お前のせいじゃない。それにその三つ目は後利益があるぜえ」
41
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:40:01 ID:k0uvcgeo0
(;殺;)「え?」
( ■∀■)「インドのすげーつえー神様にも、第三の目を持つのがいるんだ。
それにもし悪魔の血が入ってるなら、魔法が使えるようになるかもな。
四人の中で一番強くなるかもなっ!」
( ■∀■)「俺がこの子になんかしようとしたり覗きしようとしたら、迷わず俺を斬りな」
褐色の鬼女を召喚し、アヤメを安心させる為に命じて男は後ろを向く。
それでようやく、井戸水を組んで体を洗い始めた。
(・殺・)「似合うかな…」
乳首を絆創膏で隠し、ワンピースに身を包んだアヤメが出てくる。
(・d・)(綺麗だ…)
垢を落とした肌は透き通るように白い。
女神という種族にはまだお目にかかったことがないが、きっとこういう類の美しさなのだろう。
く( ■∀■)「すまねえなぁ。ブラとかパンツは後で調達してやっからな」
(・e・)「俺達の分は!?」
( ■∀■)「男は腰巻でいいだろ」
( ■∀■)「…冗談だ!ヒョウッ!」
この一見ふざけた男が、それだけの財力と権力を持つというのか。
(・d・)「そんな事が可能なんですか?
大破壊後にはそういうのを作る会社も軒並み消えたと聞きますけど」
( ■∀■)「別に仕事をしてるわけじゃねえが、色々カネとコネがあんのよ。
黙って世話になっときな。ガキの成長は速いッ!」
全員で外を見て回る。
(・d・)「さっき使った井戸に…畑!
あなたが全部これを!?」
(・e・)「すげーや!」
イーが尊敬の眼差しで男を見上げる。
(・ハ・)「なにも悪魔を戦わせるだけが能ではない。力自慢の仲魔に手伝ってもらうのもまた道だ」
42
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:40:22 ID:k0uvcgeo0
( ■∀■)「悪魔使いは悪魔遣いが荒いってか!ヒョヒョヒョオッ!」
男が傑作とばかりに一人で笑う。
悪魔使いという名称は大破壊前に使われていて、今はサマナーと呼ぶのがポピュラーになっているはずだ。
この男、相当若そうに見えるが大破壊前から生きていて実はかなり歳を取っているのだろうか。
(・d・)「そうだ、お二人ともなんとお呼びすれば…」
( ■∀■)「俺はなー、キョウ」
男の薄い板のようなものから発信音がする。
(・ハ・)「俺は名を捨てた。おっさんでも爺さんでも好きに呼ぶがいい」
『大哥!今どこにいらっしゃるんですかい!?』
( ■∀■)「おー、ビンビンならぬピンピンよ。心配すんな。
あいつンとこ今日は泊まるから、お前らも好きなもん食って好きなとこで寝な。
あとガムコンに補給はこまめにしとけって伝えとけな」
通話を切る。
( ■∀■)「俺の事もテキトーに好きに呼べよ。ヒョウッ」
(・j・)「では、師匠と兄貴で…」
(・e・)「俺もめんどーだからそれで!」
(・d・)「俺は…親父と兄貴でいいですか」
(・ハ・)「まだ父親が恋しい歳だろうしな。構わんよ。
大破壊前は小学校に通っている年頃か…」
(・殺・)「じゃあ、私は…お父さんとお兄さんで」
( ■∀■)「兄貴票で満杯だな!お前ら見る目あるぜ」
兄貴は一人でに踊り始めた。
(・ハ・)「さて…メシの時間にするか。
キョウさんも食っていってください」
( ■∀■)「お断りだね。俺は高級フレンチしか食わないの。なーんちゃって。
すこしはメシのバランスは改善されたのかよ?
ブロブの15年物缶詰なんて食って、腹ぁ下すのはやめてくれよぉ」
ディー達は驚きの連続で、自分達が空腹なのをすっかり忘れていた。
元浮浪児の腹は、恐怖の中で食べたエネルギーバーなどあまり腹持ちにはならなかった。
アヤメが腹を鳴らして赤くなる。一同は爆笑して和んだ。
43
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:40:52 ID:k0uvcgeo0
夕方、ビルの一室の簡易食堂に集まった。
全員で、親父が収穫したイモをふかして食べる。
( ■∀■)「まぁシンジュクで漁るゴミよかマシだろうけどよ。
もっとオシャレに調理できねーのかよ?
毎日これじゃガキどもの心が荒むぜぇ」
(・ハ・)「急ごしらえだから許してください。それにみんなうまそうに食ってますよ」
四人とも幽鬼ガキのように勢いよく食べる。
(・ハ・)「夏になったら塩をたんまり調達しよう」
( ■∀■)「…人の汗から抽出したエリート塩とか簡便な?」
細いジャックが一番最初に満腹になり、天井の光を見渡す。
(;・j・)「電気って電力を使うんですよね?」
(・ハ・)「ああ。ここを開拓する時に色々いじった。やろうと思えば風呂も沸かせる。
大破壊前に習っていた資格が活きた。
電力の調達、貯蓄がこんな僻地では面倒なのであまり使わないが。
だが、所帯が増えたし電子調理もできるようにしておくか」
( ■∀■)「電力なら俺のマハジオンガで一発で溜ま─」
(;・ハ・)「キョウさんのは加減しないと強すぎて蓄電器が壊れるので!」
( ■∀■)「もっといいもん調達すりゃあじゃねえかぁ。
ガラクタ継ぎ接ぎしてやるから粗末なもんしかできねえんだよ」
(・ハ・)「…俺の数少ない趣味ですから」
( ■∀■)「お前は遠慮しすぎなんだよ。あの時からな。
金なんて腐るほどあるからもっと頼ってもいいんだぜぇ?」
(・ハ・)「お返しできる事がありませんよ」
( ■∀■)「別に俺の趣味でメンドー見てるだけだしぃ?
敢えて言うなら、俺の趣味の狩りにたまに付き合ってくれるままでいいぜぇ」
(・j・)「か…狩り…」
ジャックが小刻みに震える。
( ■∀■)「ややや、人狩りするほど金に困ってねぇぞ?
腕がナマらねぇように悪魔大虐殺やってんのさ」
(・ハ・)「キョウさん、あまり驚かせないでください。あんな目にあったんだ」
44
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/03(水) 22:41:12 ID:k0uvcgeo0
寝室はビルから少し離れた地下だった。
(・ハ・)「大破壊より更に前、俺が生まれるずっと前に戦争があった。
その時に使われた、敵の兵器から身を守る防空壕というものを発掘して整備した。」
四方八方がセメント、コンクリートで綺麗に塗られていた。
(・殺・)「戦争?」
(・ハ・)「まぁ、今のメシア教とガイア教の争いみたいなものだな。
さあ、各々簡易だが寝床を用意した。今日はもう寝よう。」
( ■∀■)「俺の私物漁る奴はガキ相手でもぶっ殺してすり潰すからなー。
脅しじゃないぞー」
兄貴が横になり、葉巻を吸う。
(;・ハ・)「キョウさん、火はやめてください!火事になったら蒸し焼きになりますよ!」
( ■∀■)「わあってるわあってる。消火はちゃんとすっから」
数分談笑し、兄貴が葉巻の後始末をすると親父が電気を消した。
毛布は少々カビ臭かったが、シンジュクで怯えながら獣のように半寝するよりずっとマシだ。
(・ハ・)「明日は毛布を洗って消毒して干そう。今日は疲れ切っただろうから早く寝よう」
(・d・)「兄貴」
( ■∀■)「ん?」
(・d・)「兄貴は数えきれないほどマッカを持ってるって言いましたよね」
( ■∀■)「おう。大破壊を見越して万能の電子通貨に変えておいたから損失極小!」
(・d・)「そのお金で、シンジュクを助けられません…か?」
( ■∀■)「うーん。オザワの野郎には一銭マッカも渡したくねぇしなぁ。
それにお前らみたいなガキはともかく、大抵の奴は満足して住んでるしな。
今すぐ救ってやる必要も今はいいんじゃねえか?
人狩りやしょけいライダーどもは弱い奴にイキるだけの雑魚だから、潰してくがなー」
(・d・)「…そうですか。
親父、兄貴、今日からありがとうございます。お世話になります」
甘い匂いが鼻を落ち着かせる。
夜目で見ると、アヤメが毛布ごと隣に来ていた。
何故か安心感を得、目が自然と閉じてきて、深い眠りへと落ちた。
45
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/05(金) 23:27:42 ID:4SbSsmmA0
翌日。
(・ハ・)「それ。お前らも成長して背が伸びたら自分でやるんだぞ」
親父は、鉄パイプで拵えた物干し竿に四人の毛布を干してやった。
(・ハ・)「ここら辺の森は、放射能がある程度浄化されている。
それに布団や毛布を日光に干せば、いい匂いがして気持ちよく眠れるぞ」
( ■∀■)「ベッドまでとは言わねえがよぉ、コンクリートにゴザ引いて寝かせるってのもどうかと思うぜ。
敷布団くらい用意してやったらどうだ?」
朝は弱いのか、兄貴はサングラスの上から目をこすりながら起きてきた。
(・ハ・)「そうですね。もう俺一人の暮らしではないのだし。
よしお前ら、朝食が済んだらちょっと出かけるぞ」
朝もふかしたイモだった。
( ■∀■)「飽きるぜ。他のもんも栽培しとけよなぁ」
(・d・)「いえ、浮浪児をやっていた頃より贅沢すぎてありがたいです」
(・ハ・)「そうだな、今までは俺とキョウさんだけだったから適当に済ませていたが。
これからはもっとバリエーションを増やしてみよう」
( ■∀■)「おいおい、男同士で同棲やってたような言い方すんなよなぁ。
ケツ狙って来たら殺す!」
(;・ハ・)「…行くぞ」
早々に子供達が満腹になったら、兄貴を無視して立ち上がる。
ブッカブーなどの悪魔が近寄ってくるが、親父とマンティコアの姿を見るや否や逃げ出していく。
シンジュクから東のヨツヤに向かった。
男子三人はマンティコアの背に乗り、親父は自分で走り、兄貴はアヤメをお姫様抱っこして尋常じゃない速さで走っていた。
ディーの心に、何かむっという感情が沸き上がった。
(・ハ・)「いたな」
人面獣、アツユの群が現れた。
有無を言わさず機銃を掃射する。
急所は避けていたようで、数体は灰にならず息があった。
(・ハ・)「さて」
腰からアタックナイフを取り出し、生きたまま皮をはいでいく。
赤ん坊のようなおぎゃあおぎゃあという声が響き、四人はいやな顔をして耳を遮った。
特にアヤメは女の子だからか、赤ん坊のような声にいたたまれないようだった。
46
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/05(金) 23:28:02 ID:4SbSsmmA0
更に肉を切り取る。甲高い声が上がる。
ぎょろつく目で睨む人面を見て、親父は
(・ハ・)「すまんな」
片手で軽く謝罪をし、トドメを刺していった。
( ■∀■)「ヒョウッ!俺の出番なしかよ」
兄貴はそこら辺の凶鳥をジャンプで捕まえては裂いていた。
(;・ハ・)「駄目です!キョウさんの力では灰すら残らないではないですか!」
(・ハ・)「ほら、これを四人で触ってみろ」
親父はアツユの灰から出てきた、輝く鉱物を差し出す。
触れてみると、慣れない獣の背に乗ってきた疲れが吹き飛んだ。
(・e・)「すげえ!師匠、これは?」
(・ハ・)「悪魔の宝物の一つ、宝玉というものだ。
そこそこ貴重だからむやみやたらに使うものではないが、今回は勉強がてらだ。
さあ帰るぞ」
布袋に血抜きをした肉と皮を入れ、親父は歩き出す。
( ■∀■)「トラポートッ!」
一瞬でビルの中に戻ってくる。
(・ハ・)「さて、別に覚える必要はないが。
見ておいて損はなかろう」
狩ってきた妖獣の肉から皮下脂肪をそっと削ぎ落す。
そして、何か液の入ったケースに浸しておく。
(;・e・)「うげ…」
( ■∀■)「そう怖がるなって。肉もあるし今日は馳走だぜ?」
(;・j・)「悪魔の肉を食べるんですか!?」
( ■∀■)「じゃじゃーん」
どこからか、コショウ等の調味料を取り出す兄貴。
大破壊後ではそういった贅沢品は希少だとされている。
シンジュクではそういったものを巡って殺し合いすら起きていたのを見た事がある。
(・ハ・)「さて。明日まで漬けて干せばひとまず仕上げだ。
すまんが今日も毛布で我慢してくれ」
47
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/05(金) 23:28:22 ID:4SbSsmmA0
(・d・)「贅沢は、言いません」
兄貴が火を起こし、フライパンという丸薄い機器で肉を焼いてパッパと味付けをしてくれた。
獣肉のステーキの完成だ。
四人とも、水を飲みながらがっつく。
アヤメは少しペースが遅いようだ。
(・ハ・)つ「待て」
厳粛に親父が食事を止めさせる。
(・ハ・)「まず、食べ物を食べる前には『いただきます』と言うんだ。
荒んだ大破壊の世界では廃れた文化だがな」
( ■∀■)「ヒョウッ!大先生!」
(・e・)「すたれ…?」
(・ハ・)「食べ物を食べるということは、なんらかの命をもらうということだ。
悪魔相手とて、感謝を忘れてはいけない」
(・d・)「とにかく、食べ物にありがとうと言えばいいんですね」
「いただきます」
食事が再開された。
( ■∀■)「嬢ちゃん、やるよ」
兄貴が食事用ナイフでステーキを半分切って渡す。
(・殺・)「え…」
( ■∀■)「低級悪魔の肉なんて俺の口にはあわねえな。
それよかもっと肉付けていい女になりな。ヒョウッ!」
むむっ。ディーの感情がまた昂った。
(・d・)「じゃあ、俺もあげる!」
(・ハ・)「お前はいい。男だから筋肉をつけて強くなれ。
もう少し大きくなったら、悪魔と戦う訓練をする」
(・殺・)「あ、改めて、いただきます」
アヤメは親父を真似て両手を合わせ、一生懸命にちびちびとステーキにかじりつくのを再開した。
48
:
名無しさん
:2021/11/06(土) 17:37:32 ID:9CtudkQw0
ヒョウッ!乙!
49
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:43:16 ID:vmwGTQ5U0
親父は根はやさしい男だった。
綺麗な読み書き、算数から数学、咄嗟の身の守り方、逃げ方をまず教えた。
イーが勉強が苦手な上に飽き性で居眠りなどするが、親父は怒らず優しく起こした。
(^ハ^)「しょうのないやつだ」
しかしイーには戦闘の才能はあった。
親父の仲魔のマンティコアやホブゴブリンとの模擬戦で、一番ダメージを与えたのは彼だった。
(・く・)「強いなーお前!アニキには及ばないけどな!」
(・e・)「るせー!まだガキだからだっての!」
様々な紋様を書いた全身をタプタプと揺らしながら妖精は笑った。
(・く・)「その意気だ。男ならでかくなってアニキみたいに強くなれ!」
やがて夜がきて、アツユ肉の残りの食事を済ませ休憩の腹休めに入る。
(・ハ・)「キョウさんほど料理がうまくなくてすまんな」
(・d・)「いえ、親父がやってくれたのもおいしいですよ。
料理好きなんですか?」
(・ハ・)「まぁ、気が向いた時に適当にやってただけだがな。
大破壊前にはコンビニで適当に食べ物を買っていた」
(・殺・)「コンビニ?」
(・ハ・)「まぁ、いつの時間も開いていて食べ物や便利なものが売っている店だ。
まぁシンジュクの闇市みたいなもんか。
武器は流石に置いてなかったがな」
(・e・)「いつでも食べ物食い放題!?すげー!いいな!」
目を輝かせるイーに、親父は苦笑する。
(・ハ・)「まぁスーパーというところと違って、狭いし物価は高いしいい事ばかりではないぞ
そうだ、外の荒野で赤ん坊の鳴き声がしても近付くな」
(・j・)「何故ですか?」
(・ハ・)「俺達がさっきまで食っていた妖獣アツユ。
あれは助けを求める赤ん坊の声を真似、助けようとした人間を襲い食う狡猾なものだ。
それにこの世の中、子捨てをするならマトモな親なら街中に捨てていく。
外に放り出されたらミルクを飲めなく餓死する前に、速攻で凶鳥のエサだ」
親父はアゴに手を当てる。
50
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:43:36 ID:vmwGTQ5U0
(・ハ・)「あのアツユも、元はチュウゴクという大きな国のいい神様だったそうだ。
だが同胞の神に殺されてしまい、英雄コウテイに蘇らせてもらったがプライドが傷ついて自らあんな妖獣になってしまったわけだ。
そして今度は人間の英雄、ゲイに殺されてしまう。
かわいそうな奴なんだよ」
(・d・)「でも襲い掛かってきたら倒すしかない。そうですよね?」
(・ハ・)「まぁ、そうなるな。
そうだ、眠くなるまでこれで遊びながら悪魔の勉強をするといい」
親父は二台の小さい板を差し出した。
(・d・)「これはなんですか?」
(・ハ・)「スマホ、というものだ。
昔は悪魔召喚にも主流で使われていた。
そこの絵をタップ、つまり指で押してみろ。」
液晶を押すと、何かの注意書きと共にアー、アー、という不気味な音と共に画面が変わる。
一人の少年の後ろに、大勢の悪魔がいる絵だ。
(・ハ・)「真ん中のSTART、というボタンを押して好きに遊んでみるといい」
(・j・)「これは…なんなんですか?」
(・ハ・)「ゲームというものだ。
昔は勉強や仕事などが終わった後の暇つぶしにやるものだったがな。
そのD2リベレーションズというゲームは、STEVENという人物が大破壊前からずっと運営している」
(・殺・)「うん・・・えい?」
(・ハ・)「まぁシンジュクにおけるオザワのようなものだな。アレよりはずっと良心的だが」
(・ハ・)「大破壊前、悪魔が本格的にトウキョウに現れる前に配信が開始された。
割と悪魔のデータは現実とは異なるが、悪魔合体の法則はだいたいあっている。
いわばシミュレーションゲームといったところか
一台は俺のだが、好きに遊んでみてかまわない」
(・d・)「もう一台は誰のですか?」
(ハ)「まぁ…弟のだ。
とにかく興味があったらやってみるといい」
その弟の事は聞かないことにした。
きっとこの場にいないということは…。
二台しかないので、ディーとアヤメ、イーとジャックで共有することにした。
ディーの側は親父のだったようで、かなりのゲーム内マッカがたまっている。
ストーリーも進んでいるようなので、アーカイブで見てみる。
タイトル画面の少年を中心に、悪い悪魔やそれを操る組織と戦うストーリーのようだった。
51
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:44:00 ID:vmwGTQ5U0
イー達のデータはまっさらのようで、親父のアドバイス通りに「リセマラ」という行為を互いに繰り返している。
いい悪魔が「ガチャ」で召喚されるまでゲームを最初からやり直すテクニックらしい。
(・d・)「すごい…正義の味方みたいだ。こんな人達が現実にいれば…」
男女いろんな仲間達が、スマホから悪魔を召喚し戦う。
(・ハ・)「STEVENも当初はその話通り、事態が収まるのを想定していたのかもな。
だが現実はご覧のありさまだ。
メシア教の富裕層なんかはこのゲームを数少ない楽しみにしているらしいが」
(・殺・)「でも、悪魔だけを戦わせるなんてちょっとひどい気がします。
これなら師匠達の方がかっこいいです」
(・ハ・)「そう思うか?ならこれをやってみるといい」
親父は一旦スマホを取り上げ操作し、『未来分岐』というメニューを出した。
横顔の少年が、剣を持って鋭い目つきをして立っている。
どうやらこのモードは主人公の少年も戦闘に加わるようだ。
ストーリーを流し見してみる。
(;・d・)「これは…」
(;・ハ・)「そう。こっちは現実通り、ICBMによって大破壊が起きた状態だ。
しかも現実の大破壊が行われるだいぶ前に実装されている。
それが薄気味悪いんだよ。STEVENとやらは予言者かなにかなのか」
(・d・)「親父でも怖いものがあるんですね」
(・ハ・)「まぁな。人間だからな。
今までは向こう見ずで命を投げ捨てて戦ってきたが、お前らがいると慎重にもなるさ。
まぁそれも悪くないがな。おっさんの数少ない楽しみが増えた」
未来分岐をやってみる。
敵悪魔がバリアを張って、なかなかダメージが与えられない。
(;・d・)「強い!」
主人公がやられて死神が現れる。
(・ハ・)「ここは現実と同じだな。悪魔がピンピンしていてもサマナーがやられれば終わり。
もっとも、対価を払えば死神がやり直させてくれるなんて事は現実にはないがな。」
(・ハ・)「バリアを壊してから一斉攻撃に入るブレイクモードも、不評だったが現実の理にかなったものだった。
頭のいい悪魔や大物悪魔なんかは、自分のテリトリーに入って結界を張ってしまう。
それでノコノコ入ってきた奴はいいカモって事だ。
調子に乗ったサマナーが悪魔の巣に入り込んで食われたという例は後を絶たん」
52
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:44:20 ID:vmwGTQ5U0
翌日。
度重なる勉強、模擬戦闘による疲れを癒すために一日自由時間の休みになった。
(・殺・)「見て!昨日お師匠が話してくれた、英雄コウテイよ!」
先に起きていたアヤメが興奮して画面を見せる。
険しくも優しい顔をした黄色の服の男性が、立派なヒゲと黄色い服を来て爪先立ちしている。
(・d・)「かっこいいな」
早速戦闘に入れてみる。
応龍撃破という奥義で、次々と敵悪魔を薙ぎ倒していく。
(・e・)「見せて見せて!すげー!」
(・ハ・)「俺も大破壊前にはずいぶんハマっていたからな。
今はそんなにやっていないが、そこそこ悪魔や英雄は集まっているはずだ」
( ■∀■)「ヒョウッ!いいもんやってんじゃねえか!」
音もなく兄貴がやってくる。
画面を見る。
( ■∀■)「お前サボってたのかよ。俺ランカートップ維持してんぜ!
課金しほーだいっだからな!ヒョヒョヒョ!」
子供のように画面を見せびらかす。
『デュエル』というユーザー同士の戦闘ランキング一位に、「キョウイチ」という名前が載っていた。
(・ハ・)「キョウさん、ご無沙汰しています」
親父が頭を下げる。
( ■∀■)「そうでもねえだろ。今日はいいもんを持ってきてやったぜぇ。
まずはマンモン、アマイモン!」
立派そうなバッグからお菓子をばら撒く。
(・e・)「うめえうめえ!」
いただきますもなしに包装ごとかじりつくイー。
( ■∀■)「全部食うんじゃねーぞ、あと包装取れよっ。
嬢ちゃんはちょっとこっち来な」
(・殺・)「はい」
アヤメは兄貴に連れられてビルの奥へ入っていく。
53
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:44:45 ID:vmwGTQ5U0
(・殺・)「ありがとうございます、兄貴」
少しして二人が出てくる。
(・d・)「兄貴!いったい何を…!」
( ■∀■)「ブラ、パンツ、あとは新しいお服だよぉ!」
(;・ハ・)「こんなに早く手に入るとは。
しかしキョウさん、、まさか採寸はあなたが…」
( ■∀■)「んなわけねぇーだろ!
ちゃんと女悪魔に測ってもらったわ」
ディーの感情が少し落ち着く。
だがモヤモヤは収まらない。
とりあえず感謝といただきますを言い、チョコレートを頬張る。
(・殺・)「おいしいね」
いつの間にかアヤメが隣に来ていた。
(・ハ・)「朝からお菓子ですか…」
( ■∀■)「歯磨きさせりゃあいいじゃねーか。
お前も食えよ。疲労が取れるぜ」
(・e・)「おおー!強そうなのが出たー!」
イーが大声を張り上げる。
初心者召喚ガチャでいい悪魔を出せたようだ。
(;・j・)「イー、うるさい」
( ■∀■)「ガルーダかぁ。俺も大好きだぜぇ。
いっぱい持ってる」
イーの肩を抱き、ゲーム内でのガルーダまみれの悪魔ストックを見せる。
七色の羽根で、爪を研ぎあげている『異世界ガルーダ』という悪魔もいた。
(・e・)「兄貴すげー!やっぱガルーダ強いの?」
( ■∀■)「まぁなぁ。龍殺しのプロでスピードスターだからな。
それに俺は鳥が大好きだ」
(・θ・)「初めまして、みなさん」
いつの間にか、黄金の小さい鳥が兄貴の肩に止まっていた。
(・殺・)「かわいい!」
54
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:45:09 ID:vmwGTQ5U0
( ■∀■)「セキセイインコって種類だ。よろしくな。
元々うちの稼業はちょっとしたヤクザもんでな。
敵対組織のチンピラそもが、雑魚の分際で屋敷に忍び込んでうちの兄弟インコどもに八つ当たりしやがった。
クソチンピラどもをすり潰して、瀕死の兄弟たちを必死に悪魔と合体させて力を集結させたのがこいつよ」
(;・j・)「えっ、じゃあ…悪魔…」
( ■∀■)「なぁにビビってんだよ。お前らを襲ったりしねーから。
兄弟どもが幼い時には、俺もよくピーピーチューチュー鳴いて遊んでたもんだ」
(・θ・)「話通り、本当に美しい人ですね」
小鳥がアヤメの指先に止まる。
(・殺・)「あら」
( ■∀■)「オスメス混ぜて合体したから、今は無性だぜ。
オスなんかは交尾が美しくてな、羽根を綺麗に広げてメスを包んで─」
(・殺・)「交尾ってなんですか?」
(;・ハ・)「キョウさん!
…アヤメはまだ知らなくていいからな」
(・e・)「やったぜ!黄色い星5と強そうな目玉いっぱいの奴が出た!」
(;・j・)「勝手に回すなよ…まぁいいか」
( ■∀■)「どれどれ。黄色いのは女神アナトだな。
魔神バアルの奥さんで、滅茶苦茶獰猛な女よ。
旦那が冥界王モトに殺された時なんか、ブチギレで殺戮の電撃ぶち込みまくってやっちまった。
目玉いっぱいは邪鬼ヘカトンケイルか。
脚は遅いがパワーと守りはピカイチだ。バケモノ的な見た目もイカスだろぉ?
こいつが気に入ったって事はセンスあるぜ。
何せギリシャの偉い神様ゼウスが、戦争に利用した後はビビって閉じ込めちまうくらいだからな!
リセマラはこんなもんでいいと思うぜ」
兄貴はベラベラと夢中になってまくしたてる。よほどこのゲームが好きなようだ。
(・e・)「兄貴すごいっす!いつか兄貴みたいな色々強い男になりたいです!」
( ■∀■)「そりゃあいいが、親父殿はいいのか?ヒョウッ!」
(・e・)「やべっ。もちろん親父みたいな優しくて強い男になりたいです!」
( ■∀■)「あれぇ〜俺は優しくないのかなぁ〜?」
その日は就寝時間になるまで、イーがいじられつつもゲームの指南を受けていた。
アツユの毛皮に綿をつめた敷布団は、臭みもなく気持ちよかった。
今夜はディーがアヤメの隣に行って寝息をついた。
55
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:45:30 ID:vmwGTQ5U0
拾われた春から夏にかけて、ディー達は更に色々な指南を受けた。
トウキョウ湾から塩を汲み上げ除染する作業。
発掘作業。
発掘物を洗って磨いて売れるようにする作業。
兄貴がときたま持ってきてくれる種を植えて育てる作業。
勉強はイーには特別にスマホの計算機を使わせた。
(・ハ・)「まぁ、人には向き不向きがあるからな」
親父はそう笑った。
ある休みの日。
(・殺・)「ねぇ、ディー…」
(・d・)「なんだい?」
(・殺・)「あの時、人狩りに運ばれてきた時、庇ってくれてありがとう」
(・d・)「大した事はしてないよ、それに身体が勝手に動いたんだ」
(・殺・)「本当に優しいんだね、ディーは」
(・d・)「そうかな?正直言うとあの檻で一緒になった時は
こいつらめそめそして情けないな、って思ってしまったんだ」
(・殺・)「でも、見捨てて逃げたりなんかしなかった。そうでしょ?」
(・d・)「まぁ、そうなる、かな?」
(・殺・)「心では思っても、咄嗟に身体が動いちゃうのが本当に優しい人だと思うよ」
(・殺・)「ねぇ、見て」
手にしていたスマホから、D2のスクリーンショットを見せてくる。
アウラゲートという、異界にできたダンジョンの中でのNPCの会話だ。
「き、君!かわいい!かわいすぎる!
け、結婚しよう!俺は君にとって運命の虚人だぜ!」
「でもあなた、自由の為に、旅に出たって言ってた。」
「君に比べたら自由なんてクソ!頼む、俺と結婚してくれ!」
「……結婚したら、私のこと守ってくれる?」
56
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 17:45:55 ID:vmwGTQ5U0
(・d・)「これを見せてどうしたの?
結婚ってなんだろう?」
(・殺・)「よくわからないけど、好きな人同士が一緒に暮らす事らしいよ。
あとはお父さんとお母さんになる事もあるんだって」
(・d・)「へえ。でもお父さんとお母さんにはどうやってなるんだろう?」
(・殺・)「わからない。でも私はディーと結婚してみたいな。
好きだよ、ディー」
(・d・)「俺も」
口づけをまだ知らぬ二人は、手を繋ぎ合った。
出会って一か月ほどで、二人は幼馴染のように仲良くなっていた。
ビルの大広間に行くと、ジャックとイーと親父が小話をしていた。
(・j・)「ところでD2ということは、D1もあったんですか?」
(・ハ・)「いい点を突くな。あったよ。パソコン用のオンラインゲームだった」
(・e・)「ぱそこん…?」
(・ハ・)「これを大きくして、持ち運べないもしくは持ち運びづらい代わりに性能を上げたものだ」
腕に巻かれているハンドベルトコンピューター、COMPを見せる。
(・ハ・)「俺がお前らかそれより少し小さいころに始まってな。夢中になってやってたよ。
楽しかったといえば楽しかったんだが、ガチャがひどかったのと色々不祥事が起こってな…」
(・j・)「どんな感じですか?」
(・ハ・)「D2では悪魔召喚にジェムを使うが、D1は装備を手に入れるのにガチャを使った。
D2ではログインしていればジェムが自然にたまっていったが、D1は現金のみだった。
D1のガチャがまたひどくてな…例えばシンジュクの店で装備を買うだろう。
運が良ければ望んだ装備が出に入るが、大抵は出した金の数十分の一の価値しかない傷薬みたいなものしか当たらないといったところだ」
(;・e・)「それはひでえ」
(・ハ・)「D1の運営は普通の会社だったんだが、運営側が贔屓したユーザーにこっそり当たり装備を渡していたり
戦って競うイベントなんかでは運営側が最高の装備と通常あり得ないスキルの仲魔を使って暴れたりしていた。
顔を焼いて抗議したユーザーなんかもいたらしい」
(-ハ-)「そんなんでも一緒に遊んでいるプレイヤーとは仲が良かったし、楽しかった部分もある。
ついにどうにもいかなくなってサービス終了したところにD2が来たってわけだ」
(・ハ・)「シンジュクの話をしたら行きたくなった。
明日も休みだ。午前中だけシンジュクへ買い出しに行く」
57
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:39:02 ID:vmwGTQ5U0
翌日。
親父を先頭、マンティコアを殿にし、北のシンジュクへ。
(・ハ・)「戻れ」
(・<_,・。)「御意」
マンティコアはCOMPに戻った。
(・d・)「なんで戻してしまうんですか?」
(・ハ・)「オザワは用心深い性格でな。
せっかく悪魔が入らないように封鎖したから、地下街での悪魔連れを禁止しているのさ」
(・j・)「なるほど。サマナーらしき人を見た事がないのはその為なんですね。
せっかく悪魔を使役できるのに、わざわざ高い税金を払ってでも留まる理由がない」
(・ハ・)「お前は頭がいいな。ジャック。
そう、力ある悪魔使いなら自力で住処や集落を作ったりできるからな
オザワに守ってもらう必要がない」
ジャックの頭をなでる。
(;・j・)「や、やめてください恥ずかしい!」
(・ハ・)「はっはっは…
退け!」
手を払う仕草をすると、遠方から火球が飛んできた。
(;・d・)「危ない!」
アヤメを押し倒し、ディーが伏せる。
背中を炎が掠める。
(;・d・)「ぐうう…!」
(・ハ・)「イー、ジャック。二人を下がらせろ。俺がやる」
赤き馬に乗った漆黒の甲冑、堕天使べリスが三体突っ込んでくる。
親父は素早く二体の馬の足を撃ち、転倒させる。
別方向から会心の一撃が迫る。
七星剣を抜き、槍の股に挟んで食い止める。
親父は頭のゴーグルを起動し、べリスの槍を弾き飛ばすと身振り手振りで話し始めた。
やがてべリスはマッカを手渡し、立ち去っていった。
(;・e・)「すげえ…何言ってんのか全然わからねぇ…」
(・殺・)「私…なんとなくわかる」
58
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:39:23 ID:vmwGTQ5U0
(・j・)「なんだって!?」
(・殺・)「あの悪魔が『吾輩の名声を聞いてここまでやってきたのか?』って聞いて
お師匠が返事をしたら気分がよくなってお金をくれたみたい」
(;-d・)「アヤメ…君は一体…ぐぅ!」
(;殺;)「あっ!ごめんなさい!私のせいで…」
(・ハ・)「服が焼け焦げてるな。あと少し深くいってたらまずかった」
魔石を握り潰して背中にかける。
少し痛みが引いた。
(;・d・)「親父…ありがとう…ございます…」
(・ハ・)「次が来ないうちに下るぞ。」
シンジュク東口から降りる。
「我がメシア教会へようこそ。迷える子羊よ、祈りなさい
何の御用かな?」
(・ハ・)「こいつの治療を頼む。それと免罪符40枚、チャーム40個」
「神への気持ちを差し出せば、聖なる品物が与えられよう」
司教が治療を行い、他の教徒が免罪符の枚数を数える。
「終わりました。神への感謝は欠かさぬように」
「うちの品は掘り出し物ぞろいさ、ホントに掘り出してきたものもあるけどね。
っていっても今日はあんたが掘り出したものを売りに来たのか!はっっはっは!」
鎧防具屋の陽気な店主が出迎える。
(・ハ・)「イー、リュック中を全部出せ」
言いながら、自分も手荷物の発掘品を全て出す。
「おや?大将いつから子持ちになったんだい?ははは
いま軽く査定をするから待っててよ」
(・ハ・)「…まぁ、色々あってな。
ガキ用のプロテクターを4つ欲しい」
「買取金額から差し引いてあげとくよ。
とりあえず差し引き31000マッカでどうだい?」
(・ハ・)「納得した」
59
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:39:43 ID:vmwGTQ5U0
四人は服の上から胴体用プロテクターを装着する。
(・ハ・)「また物がたまったら来る。元気でな」
「おい待ちなよ!そこの子…」
(・d・)「え?」
「服の背中だけボロボロじゃないか。穴が開いてる。
そこの古いジャケットでいいなら着ていきなよ。子供手当ってわけさ」
(・ハ・)「ふ…懐かしい用語だ。感謝する」
「子育て頑張れよー」
ハットを揺らし、陽気に手を振る。
(・殺・)「よかったね。いい人で」
(・d・)「ああ。大事に着よう」
隣のジャンク屋へ寄る。
「客か?…なんだ、あんたか」
(・ハ・)「よう、ディス系各種40個、金丹4個を頼む」
「ガキ連れか…まぁ理由は聞かんよ」
店主は手早く品を用意し、発掘品を入れていたリュックやバッグに詰め込んでいく。
「用が済んだらさっさと帰れ」
(・ハ・)「相変わらずだな。じゃあまたな」
外に出る。
(・e・)「愛想悪いおっさんだな!あれじゃ客こねえだろ」
(・ハ・)「防具屋が異様に人がいいだけだ。武器屋なんかもっとひどいぞ。
最初から人を盗人だと決めかかってくるからな。
この時代、客でも疑ってかからなきゃいけない哀しい時代なんだよ」
(・j・)「なるほど…」
(・ハ・)「さて、お前らに少し小遣いをやる。
だいぶ時間が余ったから、正午までに戻ってこい。
シンジュク東口で集合だ」
(・d・)「はい。ありがとうございます」
60
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:40:03 ID:vmwGTQ5U0
(・ハ・)「ただし、メシア教会近くの扉と東側の最も南の建物には近付くな。
何か重要なものでもあるのか、護衛なのか、オザワが悪魔を放ってるんだ」
(・j・)「了解しました」
昨日のうちに書き上げた簡易地図をもらい、四人は自由時間を満喫した。
ディーとアヤメは、回復道場に行きおみくじを買った。
その後、小さいバーでソフトドリンクを飲んでイチャついていた。
(^殺^)「二人ともダイキチでよかったわ。神主さんによると、いい事なんだって」
(^d^)「そうだな!」
その後、11時半を過ぎた頃に他のバーの外でホステスに介抱されていたイーを回収した。
どうやら、武器屋の店員の威圧感など気にせず憧れの武器を見て回り
気分上々になって安酒をイッキしてべろんべろんになってしまったようだ。
西口まで連れて行き、メシア教会で酔いの状態異常を治してから親父に軽く優しくゲンコツを喰らった。
(・ハ・)「馬鹿野郎。ガキがまだ酒なんて飲むんじゃねえ。この不良め。
内臓が悪くなるし、背が伸びなくなるぞ」
(;・e・)「うわぁー!それはいやだぁー!」
そんなこんなでもうCOMPは正午を過ぎていた。
ジャックが最後に戻ってきた。
(・ハ・)「おい。時間厳守と言っ…」
ジャックの後ろには6人の子供達がいた。
みんなシンジュクの浮浪児にありがちな、あってないようなボロボロの服装だ。
(・d・)「ジャック、その子たちは…」
(・j・)「無理を承知で言います。僕の妹や仲間達です。
既に数人、飢えや人狩りにさらわれていなくなりました。
冬になればもっといなくなるでしょう」
(;j;)「どうか僕の仲間達を仲間に加えてください!お願いします!」
ジャックは土下座をした。
(・ハ・)「単刀直入だな。俺は気に入ったが」
(・d・)「…」
(;・e・)「マジかよ…」
61
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:40:23 ID:vmwGTQ5U0
イーは戸惑ったようだ。
両手を落ち着かなげにあわあわと揺らしている。
(;・e・)「今の人数だけでもそこそこカツカツなんだぜ!?
これ以上増えたら…」
こういう時の食糧計算だけは頭が回るようだ。
(・ハ・)「イーの言いたい事もわかる。
俺は単刀直入の態度が気に入った、と言っただけだ」
腕を組んで冷徹に親父は言う。
(;j;)「…」
(・d・)「…」
ジャックとふと目が合う。
このうえなく哀れな懇願と媚びの態度だ。
まるで人狩りに捕まった時に戻ったような絶望感を味わっているだろう。
(・ハ・)「ディー、アヤメ、お前らはどう思う」
ディーも少し悩んでいた。
今のところはなんとかやっていけているが、一気に人数が増えると困る。
ジャックの妹らしき女の子はまだしも、年端もいかない子もいる。
その子たちまで食わせるとなると、労力と時間が足りなくなるかもしれない。
(・殺・)「ディー」
気が付くと、アヤメが両手でディーの左腕をつかんでいた。
(・殺・)「お師匠や兄貴が私達を拾ってくれた事を思い出して。
あの時、お師匠は迷ったりした?」
(・d・)「ああ、そうだな」
親父に振り向いて真摯な眼差しを向ける。
(・d・)「親父、この子達も拾って構いませんか!?
ジャックの妹や仲間なら俺達の妹や仲間と変わりありません!
まだ幼い子もいるみたいですが、その分は俺が食い扶持を補います!」
親父がニヤリと笑った。
(・ハ・)「まさか おんなを えらぶとはな」
(;・d・)「え?」
く(・ハ・)「冗談だ冗談。キョウさんのが感染ったかな…」
62
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:40:43 ID:vmwGTQ5U0
(・ハ・)「これから忙しくなるぞ」
(・d・)「はい!ジャックも顔上げろよ」
(;j;)「ありがとうございます!ありがとうございます!」
東口を上がりいよいよシンジュクを出る時、白服の私設警官に呼び止められた。
「人狩りの連中か!?許可は取ったのか!上納金は!?」
(・ハ・)つ「俺がそう見えるなら、これが答えだ」
背中に背負っていた機銃を構え、とっさに妖獣を召喚する。
「あ、よく見ると護送用の乗り物もなにもないな。ただの観光者か。どうぞどうぞ」
(・e・)「ざまーみろってんだ!」
シンジュク帰りも同じような隊列で歩を進める。
(・ハ・)「しかしこの人数では歩きは厳しいな…小さい子もいるし…ン!」
親父は帰り道から少しそれた方向に何か鉄塊を見つけた。
(・ハ・)「マシンT-95CPみたいだな。壊れている。
これはな、かつての愚かな警察組織が密かに作っていた起動兵器だよ」
アナライズと手探りで判別する。
(・ハ・)「マンティコア。こいつに何人か子供達を入れて引っ張ってくれ。
お前が先頭で俺が殿だ」
(・<_,・。)「フォッフォッフォ!人使いの荒い」
(・ハ・)「お前は悪魔だろうが」
マンティコアとマシンに紐をつける。
屍鬼コープスを召喚し、引っ張るのを手伝わせる。
ホブゴブリンも召喚し、筋力増強用にタルカジャをかけさせつつ小さな子供を一人抱かせる。
「わーおにいちゃんでぶーい!」
(・く・)「あはは。子供は元気が一番だねアニキ」
(・ハ・)「そうだな」
親父も小さな子を一人引き受け、笑顔で抱っこする。
63
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:41:04 ID:vmwGTQ5U0
ラン ゚ -゚)「ジャックの妹のランです。よろしくお願いします」
( ■∀■)「へえ、ジャックとランたんでジャックランタンか!ヒョヒョヒョオッ!」
(;・ハ・)「…キョウさん、開口一番それですか」
暇だからと家に遊びに来ていた兄貴が、スマホでD2を遊びながら大笑いする。
( ■∀■)「そう言うなってぇ。今日も甘味と…新鮮で綺麗な水!」
どう持ってきたのか、子供一人分はありそうな体積のチョコレート群と
ビル内には今や貴重な未汚染の飲料水のボトルが山ほど置かれていた。
(・d・)「いつもありがとうございます」
( ■∀■)「お前はいつも偉いなぁ。お前も真っ先にお礼言えるようならんちゃうといかんかぁ?」
(;・ハ・)「は、はぁ…そうします」
(;・d・)「俺達はお世話になってばかりだから…いてて」
ラン ゚ -゚)「どうしました?ちょっと見せてください」
ランが無遠慮にディーを脱がし、見る。
ラン ゚ -゚)「ひどい火傷。ちょっと水をかけますね。」
染みて悶えそうになるのを堪える。
ラン ゚ -゚)「何か軟膏でもあればよかったのだけれど…ありませんよね
多少は跡になってしまうかもしれません」
(・ハ・)「君は何か医術の心得でも?」
ラン ゚ -゚)「はい。昔、弟を病気でなくしまして…
兄だけは何かがあっても助けたいと思い、捨てられていた医術書を懸命に読んでいました」
( ■∀■)「いいじゃねぇか即戦力・メディック・ヒョウッ!
今度簡単な薬も持ってきてやるからなぁ」
ラン ゚ -゚)「ありがとうございます。兄から聞きましたが、兄貴さんとお呼びすれば…?」
( ■∀■)「兄貴でいいよ。やっぱ若い女の子はものわかりがいいねぇ
さて採寸ばかりだ。ジャック、ちょっと借りるぜ」
ラン ;゚ -゚)「きゃ!?」
ランをお姫様抱っこし、ビルの奥へと向かって行ってしまった。
(;・j・)「…」
64
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:41:26 ID:vmwGTQ5U0
(・ハ・)「慣れろ慣れろ。騙して取って喰うようなお人だったら俺はとっくに縁を切ってるさ。
さて、ディスポイズン、ディスパライズ、ディストーンは一人4個で持て。
金丹は高いから、年長のお前らが一つづつ持っていろ。
この金丹はかの英雄コウテイの祖国、チュウゴクで錬丹術というもので作られたのが始まりだ」
(・e・)「レンたん…?」
(・ハ・)「詳しく覚えなくてもいい。古代では飲んだら死ぬ水銀を使い非常に危険な代物だったが
今流通してるものは材料も多少変わり、瀕死者の蘇生くらいならできるようになった」
(・j・)「蘇生!なんてすごい」
(・ハ・)「だがそれはあくまで、大人か大人に近いくらい成熟した体力のある者に限る。
お前らのような子供ではまだ耐えきれずそのまま死んでしまうだろうが、気休めと御守りに持っておけ
さて、悪いが俺は機械の修復に入る。幼い子達の面倒を見てやってくれ」
(・殺・)「わかりました。でも少しだけ寝室で休ませてあげてもいいですか」
アヤメはディーを伴って地下へ降りた。
イーとジャックは子供達に菓子の包装を解いてやったりし始めていた。
地下へのカギががっちりと閉められる。
(;殺;)「ごめんね…ごめんね…!また私のせいで…
しかも今度は跡が残るかもって!」
(;・d・)「気にするなよ。アヤメに直撃して死んでたよりマシだよ。
まだ俺達は金丹を使えない。だから生き残るのが最優先だよ」
アヤメは唐突に上半身の服と下着を脱ぎ、毛布の上に寝そべった。
(;・d・)「アヤメ…何を!?」
(・殺・)「静かにね。今…ディーが考えてる事…わかるよ。
痛みの中で昔捨てられたお母さんに心で助けを求めてる」
(;・d・)「っ…」
読みは的中した。
まだちょっと燃えるような痛さのなかで、ディーは昔の事を思い出していた。
辛いシンジュク生活で己を捨てたか生き別れた母の事。
寝そべった少女の膨らみが誘う。
(・殺・)「いいよ。来て」
(;d;)「うっ…」
ディーは泣きながら吸い付いた。心の飢えと愛に包まれながら。
アヤメは母のように、頭を撫でながら優しく抱きしめていた。
65
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/06(土) 23:49:15 ID:vmwGTQ5U0
読んでる方はいるのかな?
読まなくても本編にちょっと絡むよ程度のものなので、読まずとも大丈夫です。
メガテン「らしく」なってくるのはもうちょっと先になると思います。
なんかお色気シーンばっかだけど偽典とかあるしいいよね!?
66
:
名無しさん
:2021/11/06(土) 23:58:00 ID:i9FK8bbQ0
乙!
本編もこっちもちゃんと読んでるよ!
更新早くてうれしい
67
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 11:02:10 ID:wm/pKi2Y0
>>66
ありがとうございます!
時間と元気があるうちとインスピレーション湧いた時はモリモリやるようにしています。
D2のモデルは言わずもがな、D1は例の『想像』を英語にしたアレですね…。
ゲーム自体は粗削り&テキトーすぎましたが、カスタマイズ性と真Ⅰ、真Ⅱっぽい雰囲気
やはりフレンド達との思い出は代えがたいものでした。
68
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 22:58:41 ID:wm/pKi2Y0
2年目。
無事に冬を越し、春を迎えようとしていた。
その間に子供達の数は30人を越えようとしていた。
(>■∀■)>「ヒョウゥ!」
地下の寝床は狭くなったので、兄貴が腕を悪魔に変化させ、削岩機のように一瞬のうちに掘り進めた。
腕に金のリングをはめ、爪は鋼鉄のようだった。
こんなもので貫かれたら、上級悪魔も息の根が止まるだろう。
( ■∀■)「せめんと!」
(・ハ・)「はい!」
(・d・)「はい」
練った液体を、兄貴が丁寧に削ってくれた壁面に塗りつける。
( ■∀■)「うわーくっせぇ。扉は開けたまま、換気しつつ乾くのを待つ。退散ッ!」
乾いたら砕けた前の壁の破片と土を取り除いていく。
( ■∀■)「本当は生コン使いてーんだが、なかなかこれは手に入らなくてな。
メシア教の奴ら、何かくそでけー建物を建てるらしい。
その金を迷える難民とやらに使ってやれよなぁー」
(・ハ・)「同感ですね」
(・d・)「そういえば親父、最初のシンジュク買い出し以降はメシア教会で回復を使いませんね。
あそこが一番安いのに、どうしてですか?」
( ■∀■)「安モンには安モンなりの理由があるのさ。なぁ」
(・ハ・)「ああ、メシア教会はあらゆるものが格安だが、それには理由がある。
治療時に、洗脳用の薬剤を少し使うんだ」
(;・d・)「えっ、じゃあ俺…」
(・ハ・)「一回きりならまだ大丈夫だ。いきなり神の教えに傾倒されても不自然だからな。
安いからと徐々に利用していくと、やがて神の教えの説法が心地よく聞こえてくるという。
シナガワの本部なんかは、傾いたやつばっかりになっているだろうよ」
(・殺・)「非道い…」
( ■∀■)「つっても、下っ端にはそういうのは知らされてねぇはずだぜ。
あくまで『治療を助ける薬』って本部から配られてるんだろうよ。
通ってる奴が頭メシアになっちまったら、神のお力だ!って大喜びだろうさ」
(・e・)「下っ端って大変だなぁ」
69
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 22:59:01 ID:wm/pKi2Y0
(・ハ・)「お前らももう、下っ端ではなくなる」
(・j・)「え?」
(・ハ・)「人数が増えたかな。我々の集団に名前をつけようと思う。
これでも夜中悩んだのだ。
ク・リトル・リトルはなんか不気味だし…
エンブリオンはどうだろう」
(・d・)「響きがなにかいいですけど、名前の意味は?」
( ■∀■)「エンブリオは胚っていって、生まれてくる前の赤ん坊の意味さ。
俺もお前らも通った道だぁな。
ク・リトル・リトルってのはクトゥルー神話っていう作り話の主神の一つさ。
最初の書き手は冗談半分で書いてたんだが、引き継いだ奴がガチで信仰しちまった。
それで広まって、ガチで現実のものになっちまったわけさ。
元仲間がトチ狂って召喚したデカイカ野郎と戦ったが、なかなか強かったぜ。
ここらの悪魔と比べると、一秒差で倒れるかどうかって差だけどな」
(;・ハ・)「キョウさんの魔腕の斬り刻みの前では、まずどんな悪魔も持ちこたえられないですって」
兄貴のうんちくは長い。
( ■∀■)「ま、だからク・リトル・リトルは縁起が悪いといいたいんだろう。
ガキを育てるって意味の組織では、エンブリオンはいいんじゃねえの?
鐘三つってとこか」
(・ハ・)「兄貴の許可は下りた。今日からここはエンブリオン拠点だ!
お前達始まりの四人は幹部とする」
(・e・)「よっしゃ!俺達はカンブ!要するに偉いって事ですね?」
(・ハ・)「まぁ、新入りや下級生の面倒が主な任務だがな」
(;・e・)「ありゃ!」
イーは勢いよくずっこけた。
(・ハ・)「そう焦るな。子を育てるのが我々エンブリオンの役目だ。
もっとも文字通りのエンブリオ=赤子は無理だがな。
乳飲み子にやるミルクの確保も、キョウさんですらそうそうできないと思う」
( ■∀■)「言ってくれるねぇ。
牛の悪魔から取れる牛乳や生成した粉ミルクはできるがな。
赤ん坊ってのは母親からの最初のオッパイを飲むか否かで丈夫になるかが決まっちまう。
やっぱ人工物だけで育てるのは難しいわな」
ディーは一年前の夏前、恥も外聞もなしにアヤメに吸い付いたのを思い出した。
自分は母親からミルクをもらっていたのだろうか?
70
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 22:59:21 ID:wm/pKi2Y0
( ■∀■)「それでよぉ、インコの餌やりなんかかわいいもんなんだよ。
産んだ卵をがっちりとホールドしつつ暖める。
孵化したら、親鳥が身体で雛を包んで隠しつつ器用にクチバシで餌をやって…」
(・ハ・)「そしてもう一つ。お前らにもそろそろこれを渡してもいいだろう」
三つのCOMPとスカウターのセットをテーブルに出す。
(・d・)「これは…親父が使っているのと同じ…?」
(・ハ・)「そう。これがなければ普通の人間は悪魔と会話できない。
昔はスマホにプログラムを入れていたが、落としただけでも壊れやすい。
お前らを助けた時に人狩りから手に入れたものと、かつて一緒に行動していた奴の遺品だ」
(・ハ・)「COMPは男三人が装備しろ。
アヤメは…そうさな…アイテムをたんまり持って回復係に」
( ■∀■)「じゃあ、嬢ちゃんはこれを使いな」
兄貴は、数本の試験管のようなものとホルスターを出してきた。
(・殺・)「これは…?」
( ■∀■)「うちのご先祖の親戚が使ってたっていうやつさ。
魔力がある奴にはこっちの方がいいかもしれねぇ。
弱った悪魔に向けて押し当ててキューッと吸い込むだけだから簡単よ。
もっともやられた側は不満たらたらだろうけどな。そこは女の魅力で懐かせちまいな」
(・殺・)「ありがとうございます。でもいいんですか?そんな大事なもの…」
( ■∀■)「まだまだ腐るほどあるから心配すんな。
ちなみにその親戚筋、14代目は歴代最強クラスの超優秀だったが行方不明。
それ以降はひ弱でどんどん倒れてって今は30代目突入くらいだっけな。
だから気にすんな」
(・殺・)「ありがとうございます」
アヤメは一礼し、ワンピースのスカートの腰部分にベルトとホルスターをつけた。
(・殺・)「似合うかな?」
(・d・)「うん、いいと思う」
(・ハ・)「戦闘に赴く際にはそれなりの装備をしていけば大丈夫だな」
( ■∀■)「腰が締まってボディラインがヒョウッ!セクシー!」
(;・d・)「…」
アヤメが褒められて自慢ではあるが、何か複雑な感情が湧いた。
71
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 22:59:55 ID:wm/pKi2Y0
翌日朝。
(・ハ・)「では、留守を頼んだぞ」
(・<_,・。)「ふぉふぉふぉ。任せておけ」
ラン ゚ -゚)「はい」
四人の次に年長のランに、おさない子供達を任せ、五人はシンジュクへ歩き始めた。
(・e・)「街の中ですかい?」
(・ハ・)「ああ。街の地下ではなく上階には、外で生きていけないような悪魔達が身を寄せ合って暮らしている。
残酷とは思うが、そいつらで慣れておけ」
ディーは模造刀をギュッと握った。
イーは釘付き棍棒のスパイクロッドを肩に乗せてイキっている。
ジャックは名前通り、アタックナイフの柄の中身を空洞にして身軽にしたジャックナイフ。
アヤメはありったけの回復道具をリュックに抱える。
(・ハ・)「まだ交渉はしなくていい。俺のやり方を見ていろ。
お前らが力をつけてから、悪魔との会話をさせるからな」
(・d・)「はい」
(・j・)「来た!」
地霊コボルトがスパイクロッドを掲げて走ってくる。
(・e・)「目には目を!歯には歯を!」
この一年間で、コトワザを言えるほどには賢くなったようだ。
お互いのスパイクロッドが交差し、ぶつかり合う。
(・ハ・)「埒が明かん。一旦引いて転ばせろ」
(・e・)「はい!」
あえてロッドごと身を下げる。
力を入れすぎていたコボルトがつんのめって前のめりに倒れる。
(・e・)「おらっ!おらっ!」
ひたすらぶっ叩き、頭を陥没させ、灰になるまで徹底してやる。
(・殺・)「これが…戦い…」
(・e・)「へへっ、どうです?」
(・ハ・)「いい感じだ。模擬戦闘で一番馬鹿力なだけある」
72
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:00:16 ID:wm/pKi2Y0
「ムド!」
(;・j・)「えっ…」
親父が立ちはだかり、御守りで呪殺魔法を吸収する。
御守りは砕け散った。
(・j・)「うわあああああ!!」
恐怖と怒りで、ジャックは俊足で馬型の堕天使、ガミジンの四肢の健を切った。
「ぎゃあああ!いっでえええええええ」
(・d・)「油断するな!」
模造刀で首を狙う。
硬すぎて切り落とせない。
ガミジンが暴れ、模造刀が刺さったまま吹き飛ばされる。
(・e・)「もうひとおし!」
イーがロッドで叩き、無理矢理刀を押し込める。
首の斬り落としが一丁出来上がり、ガミジンは絶命し灰をぽろぽろとこぼす。
(・ハ・)「危なかった。恐らく今のガミジンがここ一番の格上だ」
砕けた御守りを踏みすり潰す。
シュウウ…と呪力が漏れる。
(・殺・)「お師匠、今のは…?」
(・ハ・)「今のは一撃必殺の呪い魔法、ムドだ。
マトモに喰らえば一発であの世逝き。
呪いの力で殺されれば、いかな金丹でも治せない」
(・d・)「そんな危険な魔法があるんですね」
(・ハ・)「ちょっと下に降りよう」
親父についていき、東口から西口に移動する。
「力こそ全て!ガイア神殿へようこそ」
(・ハ・)「こいつら全員の治療と、ペンタグラムとタリスマンを20個づつ」
「金を十分持ってくるのだ。この世に混沌をもlたらさん」
(・d・)「全員治療完了しました」
腕を組んだガイア司祭のもとから立ち去った。
73
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:01:00 ID:wm/pKi2Y0
(・d・)「ガイア神殿もなるべく利用はするな。
メシア教は薬を混ぜた洗脳をするが、ガイア教は魔による力を注ぎこんで混沌中毒にさせてしまう。悪気はないんだろうが」
(・d・)「四人で分けろ。
ペンタグラムは一人が喰らった魔法をそのまま反射、さっき使ったタリスマンは呪殺吸収硬化を持つ。
ペンタグラムは応用が利くが呪殺を反射しても吸収回復はできん。うまく使いこなせ」
(・殺・)「わかりました」
アヤメは両手に五芒星と御守りを持ち、違いをよくよく目に焼き付ける。
狩りが再開された。
(・ハ・)「倒した悪魔はデビルアナライズ機能で情報を見られるはずだ。
できれば暗記しておけ。敵は勉強を待ってはくれないからな。」
(・d・)「はい!」
手早くささっとガミジンの情報を見る。
呪殺反射、魔法全体に強い。
物理にも僅かながら耐性があるようだ。
自分の力がまだ弱いのもあるが、一撃で首を落とせなかったのはそのせいか。
地霊コボルトは物理攻撃に耐性こそないが、火炎、氷結、電撃といった温度魔法に強いらしい。
「地」霊だけに、特に電撃はアースのように受け流してしまうのだろう。
おそらく他の地霊族も似たような感じに違いない。
フクロウの顔をした堕天使アンドラスに斬りかかる。
翼を斬り、たじろいだところで腹を一閃する。
数時間戦いを終え、夕刻になろうとしていた。
(・ハ・)「闇夜の魔物は恐ろしい、と言う。成果物を持ち帰ってずらかるぞ」
(・e・)「ラジャ!」
手早く荷物をまとめ、シンジュクを後にする。
ラン ゚ -゚)「ジャック兄さん!」
(・j・)「ラン!無事だったか!」
ラン ゚ -゚)「大丈夫よ。悪魔一匹来てないわ。
今日は子供達と薬草を摘んで、傷薬に調合していたの」
(・ハ・)「よくやったな、ラン。
お前は医療班リーダーに任命する。まだ一人だけだからリーダーも何もないがな」
ラン ゚ -゚)「ありがとうございます」
74
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:01:21 ID:wm/pKi2Y0
夏が過ぎて秋。
エンブリオン結成初めての、悪魔の襲撃があった。
いつも通りシンジュクでの狩りを終えたディー達は驚愕する。
地霊ブッカブーなどの低級悪魔の死体が血の海と共に乱雑していたのだ。
(;・j・)「ランは!?」
ラン ゚ -゚)「無事よ」
血まみれのマンティコアに抱き守られ、返事をした。
(・<_,・。メ)「数時間前じゃったかのう。
行き場を失った雑魚どもが森に入ってきた。
そこまではいいんじゃが、ニンゲンの匂いに気が付いたようでな」
(・ハ・)「一体たりとも逃しちゃいないだろうな?」
(・<_,・。メ)「当たり前じゃ。
悪態をつくのはやめとけ、このひよっこが!」
ガァと吠え、乱暴に、誇らしげに尻尾に刺さった死体を抜き捨てる。
途端に灰になった。
他の悪魔もグズグズと崩れ落ちていく。
ラン ゚ -゚)「ありがとう、マンティコアさん。
おかげで私も無傷だし、子供達も地下にいて無事でした」
頭を下げ、傷口に薬を塗る。
(・j・)「『ワシの傷は大したこたぁない。下級からの攻撃なんぞ舐めれば治る』と言ってるよ。
マンティコアさん、僕からもありがとうございました」
(・ハ・)「じじいの心配はいい。心配事はこれからだな。
秋を過ぎ冬になると、外の悪魔もマグネタイトや肉を求めてやってくるかもしれん。
防護策を考えよう」
(・ハ・)「ディー、お前はスマホでキョウさんに連絡を取ってみてくれないか。
俺はガラクタどもをいじってみる」
言って、この一年間で拾い集めたマシン達の修理に取り掛かる。
他の幹部は怯えて泣いている子供達をなだめたり、夕食の準備に取り掛かる。
ここ一年でバラエティも増えた。
古米のおにぎりに、疑似小麦粉で作ったパン。
浮浪児として生きてきた子供達には大きな喜びだった。
夜、簡易ライトをつけながら作業をしている親父に、アヤメがおにぎりを持って行った。
(・ハ・)「ありがとう、お前も早く寝なさい。明日から新しい狩場だ」
75
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:01:46 ID:wm/pKi2Y0
( ■∀■)「ヒョッ」
見慣れた顔が、聞きなれたひょうきんな声を出して朝早くやってくる。
(・ハ・)「お待ちしておりましたキョウさん。それは…」
緑基調のマシンに乗りながら、色とりどりの鉄を引っ張ってやってきていた。
( ■∀■)「そこにたんまりたまってる…クククッ、我ながら最高センス!
T95CPの上位互換、T95Dの最新モデルだよ。
知り合いの科学者に無理矢理言ってもらってきた。
去勢済みだから即戦力として使えるぜ。それっ」
マシンの中からパーツをバラバラと投げてよこす。
( ■∀■)「回路やらの互換性はコイツと大差ないはずだ。
俺はそこまで甘やかさねぇから、とりあえずお前が解析して修理しな」
(;・ハ・)「じゅうぶん甘やかしてくれてるじゃないですか。ありがとうございます
ホブゴブリン、マンティコア」
親父は一礼しつつ、鉄類の運搬に仲魔を召喚する。
( ■∀■)「紐は切って構わねえぜ。ジャック」
すぐさま、十八番のジャックナイフ捌きでマシンと鉄を繋ぐものを両断した。
二体の巨魔が紐を引っ張り、ビル近くの奥へ置く。
( ■∀■)「あれでバリケー…砦を作るんだろ?
まったく夕方に無茶な連絡してきやがるぜ。
ディーの坊主だからまだ許したけどよォ」
ケケケと笑う。
( ■∀■)「メシアの連中も鉄を集めるのに必死みたいだ。
かっさらわれないうちに、また持ってきてやるよ。
とりあえず今日は疲れたからこっちで寝るわ」
(・ハ・)「キョウさん、ありがとうございます。
朝食も食ってってください」
アヤメとランが子供達を起こし、朝食の支度を手伝わせる。
「いただきます!」
( ■∀■)「ヒョウッ、少々味は落ちるが米なんざ食ったのは久々だなぁ。いいもんだ。
炊くのにも電力使うんじゃないか?」
(・ハ・)「大丈夫です。キョウさんから頂いたマハジオストーンで蓄電してありますから。
それにいざとなればシンジュクからこっそり盗電できるように地下配線も敷いてあります」
76
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:02:07 ID:wm/pKi2Y0
(・ハ・)「さて、今日からシンジュク入口は卒業だ。
その東のイチガヤ、ヨツヤ方面でやる」
(;・d・)「…」
(・ハ・)「そう、お前らと最初に出会った場所だ。
トラウマ払拭にもちょうどいいだろう、
それに個々の戦い方は板についてきたが、集団戦はちくはぐだ。
統率について学んでいこう」
( ■∀■)「ヒョウ!いってらっしゃい!」
五人に弁当を投げる。
( ■∀■)「小さなドクターの嬢ちゃんが作ってくれたんだ、味わってくえよー!」
マンティコアとホブゴブリンは昨日の事を考え、防衛に残しておいた。
警戒して歩きながら親父は話す。
(・ハ・)「ゆくゆくは幹部のうち一人を防衛の指揮にまわすかもしれん。
他のおさない子供達は戦えもしないし、万が一医療幹部のランが斃れれば一気に守りは瓦解する。
冬の前にある程度た稼いで、食糧を貯えねばならんしな」
(・d・)「はい、親父!」
(・ハ・)「各自、銃の準備はしてきたな」
ディー、イーはアサル?MP5マシンガン。
ジャックはかつての警察組織の基本武装、ニューナンブ。
アヤメは更に小さな拳銃を持っていた。
(・e・)「ジャックもアヤメも小っせえ銃でやんの!だっせー!」
指をさして冗談で笑い飛ばす。
(・j・)「僕は銃よりナイフ捌きの方が得意なの、知ってるくせに」
(・ハ・)「こら。アヤメのデリンジャーを馬鹿にするもんじゃない。
女性がよく暗殺用に使う銃だ。昔たくさんあった映画というものにもよく出ていた。
最近は話を聞かないが、人間専門の伝説のバウンティハンター、サラも愛用していたらしい」
(・d・)「バウンティハンター?」
(・ハ・)「賞金稼ぎだ。依頼を受けて標的を倒し、お金を受け取るんだ」
(・e・)「おもしれえ!将来は悪魔のバウンティハンター部隊でも立ち上げようかな?
悪魔に恨み持ってる奴なんざごまんといるだろ」
77
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:04:25 ID:wm/pKi2Y0
(・ハ・)「ははは、それは頼もしいな。
ここら辺は凶鳥フリアイという不吉を呼ぶという鳥の住処だ。
総じて鳥族には近接の武器による攻撃は不利だ。空を飛ぶからな。
銃で撃ち倒し、仕損じたら落としたところをぶったぎるんだ。
アヤメはとりあえず銃はいい。マハストーンを投げてけん制を頼む。
マハジオ、マハブフのストーンは当たれば敵を凍り付かせたり感電させて動きを止められる」
(;・殺・)「や…やってみます。」
袋の中にはどっさりと色とりどりの石が入っていた。
マハラギとマハブフは自分達で妖精ジャックフロスト、ランタンのコンビを狩って集めたものだが
マハジオストーンは前々から蓄電用に兄貴に買い付けをお願いしていたものの一部だ。
(・ハ・)「だが堕天使べリス…そう、初めて狩りに行った日に襲ってきたやつだ。
あいつにマハラギストーンは投げるな。吸収されて元気になってしまう。
逆にそれ以外には存分に使え。獣系には銃と火がよく効く」
さっそく凶鳥フリアイ達が出た。
ディーとイーはマシンガンを乱射する。
翼だけ撃たれて落ちてきたものはジャックがとどめを刺す。
勇敢に突っ込んでくるものはアヤメがおそるおそるストーンで凍らせる。
外した場合は親父がライフルでフォローしてくれた。
(・ハ・)「散開!」
邪龍コカトライスが大挙して襲ってくる。
(・ハ・)「奴らは麻痺爪による引っかきと石化噛み付きをしてくるぞ!
分断されてそれら状態異常になったら死んだものと思え!」
思わぬ高レベル悪魔の襲来に、親父も参加した。
五人で取り囲み、銃を撃ち、燃える石を投げる。
灰のなかからいくつか、ディストーンを見つける。
(・d・)「店で売ってるだけじゃないんですね」
(・ハ・)「大概は誰かががこうやってたまたま拾ったものをジャンク屋に売って日銭に変えてるのをまた売ってるだけだがな。
地味にディス系のなかであれだけ高いから助かるよ。
だがこれが必要となる局面は、もう既にこちら側が壊滅に近いと思った方がいい」
(・ハ・)「それと龍族は耐久力が高い。
基本的に長期戦は覚悟して、弱点があるならそれをついて早めに処理しろ」
邪龍ワームのテールスイング攻撃で、イーが吹き飛んだ。
すかさずアヤメが回復し、親父がライフルで眉間を撃つ。
(;・e・)「うっ…ちくしょう…」
(#・d・)「だあああああああああああ!」
78
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:04:48 ID:wm/pKi2Y0
それでも倒れぬ巨大ミミズの口の中に、ディーが刀を突きさし貫通させる。
幾多もの戦いをし、いつの間にか午後を過ぎていた。
(・ハ・)「飯にしよう」
親父が周りを見渡して言う。
途中で仲魔にした魔獣ストーンカに見張りを命じる。
自分の分のおにぎりを分け与える。
(・d・)「見張りが増えましたね、親父。
でもなんでいきなりそいつを…?」
(・ハ・)「魔獣ストーンカは前に話した妖獣アツユと違い、ストレートな強さを持つ。
こいつが発するバインドボイスで全員金縛りになんてなれば、全滅は免れん」
(・d・)「バインドボイスにバインドボイスで対抗をするって事ですか?」
(・ハ・)「お前らにもそのうちわかる」
(・e・)「ふうん」
(・ハ・)「ウン万マッカは稼げたな。節約すれば冬は越せるだろう。
もう今日は引き払って、シンジュクで買い出しをしていこう」
(・e・)「また小遣いっすか!?」
目を輝かせる。
(・ハ・)「まぁ1000マッカな。あと毎度言うが酒はまだ禁止」
(・j・)「ははは!」
シンジュク地下街にやってきた。
ディーとアヤメは入場料はかかるが広いクラブで少し贅沢な食事を楽しんだ。
イーは相変わらずまだ手が出ない武器に目を輝かせる。
ジャックは親父と一緒に食糧の買い出しに出た。
「買わないならジロジロ見るな」
(・d・)「これはなんですか?」
「ガキにはわかんねぇのか。ニワトリの卵だよ。孵化間近のな」
(・殺・)「ニワトリ?悪魔かしら」
(・d・)「親父に連絡を取ってみよう」
79
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:05:10 ID:wm/pKi2Y0
COMPによる通信で親父を呼ぶ。
両手に買い物袋を抱えたジャックが細身できつそうに歩く。
(・ハ・)「ニワトリの卵というのは本当か!?
大破壊で淘汰されたと思っていたが…」
ぼろを着た男が大声でがなる。
「本当さ。買わないなら帰れ」
(・ハ・)「いくらだ」
「一万マッカポッキリ。これでどうだ」
(・ハ・)「高い賭けだな。いいだろう、乗った」
代金を払い、ディーに大きな卵を渡す。
(;・d・)「わとと」
大荷物はストーンカに乗せ、一同は帰る。
(・ハ・)「帰ったら、暖房器具あったっけな…?
それで孵化まで待つ」
(・e・)「えっ帰ったら卵料理にするんじゃないんですか!?」
(・ハ・)「はは、気が早いな。
ニワトリっていうのは大破壊前に人々の食糧供給を担っていた生き物でな。
こいつが孵化してメス、つまり女の子だったら卵を産む。
そしたら…わかるな?」
(・e・)「卵食い放題!?」
目を輝かせよだれを垂らす。
(・ハ・)「ふふ、そうなるな。
卵は栄養価も高いから病人が出てもいい薬になる。ランが喜ぶぞ、ジャック」
(・j・)「それはいい土産ですね!」
帰り道、森入り口周辺1キロは焼け野原と化していた。
(・ハ・)「何があったんだ!?キョウさんがいるから中は大丈夫だと思うが…
これだけの火炎を使えるのなら相当の大物悪魔だぞ…」
親父が真っ先に走る。
(;・d・)「親父!待ってください!」
80
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:05:30 ID:wm/pKi2Y0
( ■∀■)「よヒョウッ」
汚れの一片もないマオカラースーツを着た兄貴が涼しい顔でマシンに座っていた。
(・ハ・)「キョウさん!?外の様子は一体!?」
兄貴の背後には、更に大量の鉄があった。
( ■∀■)「ガラクタ集めがてら、そこらの雑魚どもをフッ飛ばしてきたのよ。
これで当分、森周辺に悪魔はわいてこないはずだぜ」
(;・ハ・)「しかしこれだけ目立つ事をすれば…」
( ■∀■)「安心しな。ちゃんとシブヤのターミナル経由で来たし
焼き払った後は焼け残ったグールのコスプレしてう゛ーう゛ー言いながら這って森に入ったから。
カモフラージュは完璧よ」
(;・ハ・)「グールはそんな口調じゃないでしょう確か…」
( ■∀■)つ「あ、すまん。召喚権返すわ」
(・く・)「アニキ!」
(;・ハ・)「ん!?まさかキョウさん…」
( ■∀■)「そ。一旦おでぶちゃんと契約して魔力底上げしてやってから表にマハラギオン一発ぶちかましたの」
陰陽系のデビルサマナーは仲魔の能力をブーストできると聞いたが。
マカカジャを最大までかけてから、魔力が切れるまで連発してもああはならない。
この人はどれだけ底無しなのか?
親父は内心、戦慄していた。
ラン ゚ -゚)「皆さんお帰りなさい。あれ、ディーさんそれは?」
(・d・)「ああ、ニワトリっていう悪魔じゃない鳥の卵さ。
こいつが産む卵は栄養がいいから病人に最適なんだって」
ラン ゚ -゚)「それは助かります!まだまだ痩せ気味の子もいるから…」
( ■∀■)「ん〜?それマジにニワトリの卵かぁ〜?
贔屓目に見てもダチョウの卵に見えるんだが」
(;・ハ・)「き、きっと、放射能の影響で突然変異した種なんですよ」
やはり親父は兄貴には頭が上がらない。
(・ハ・)「さあ、暖房の前に置いておいて、夜は抱いて寝てやろう。
とりあえず飯だ」
早めの夕食をとり、その日は寝た。
81
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:06:13 ID:wm/pKi2Y0
翌朝。
(・ハ・)「しばらく数日間は狩りは休みとする。
みんなできる範囲で、鉄を利用し砦を作り上げよう」
(;・く・)「うんしょ、うんしょ」
朝早くから、ホブゴブリンがタルカジャをかけながら鉄を森入り口の付近に埋めていた。
仲魔を含めた皆で定刻通りにおにぎりの朝食を済ませ、皆ができる範囲での作業を始めた。
兄貴は早朝にはいなかった。本当に神出鬼没だ。
幼い子供達は少しづつ穴を掘り、そこにタルカジャがけのディーとイーが穴に鉄を埋める。
アヤメは暖房の前で卵を抱き、ジャックは専用ナイフで鉄の溶接面をなめらかにしている。
ゴーグル付きマスクを被った親父が、マハラギストーンで鉄をいい塩梅に溶かしつつ溶接していく。
ランは昨日兄貴に教えてもらったという医術を必死に復習していた。
焼け野原を作るついでに、どこかから多少の医療器具も調達してくれたらしい。
ラン ;゚ -゚)「いつ怪我人が出るかわからないんだから、今のうちに…!」
親父と相談し、あまり物音が響かない一階最奥の空き部屋が医療室になった。
ある程度ビル回りに鉄を並べると、
(・く・)「マハラギオン!」
ホブが手加減をした火炎で一斉に溶接してしまった。
ひとまず囲いの砦は完成した。
(・ハ・)「みんなお疲れ。昼にして午後は休みだ」
あらかじめ作っておいた塩パンをたいらげる。
(・d・)「ひとまず完成したね。あとは何が必要か…」
(・e・)「秋のうちにもっとためこんでおきてぇな」
(・j・)「そういえば使われていない鉄の高台がありましたよね?
あれを見張り台にするのはどうでしょう」
(・ハ・)「まぁ、おいおいな。
それとジャック、飢え死にしそうな浮浪児を見かけたら保護する事を任命する。
冬になる前でないと手遅れだ」
く(・j・)「了解しました」
(・殺・)「これからお世話が大変になるね。
あ、孵化したんだ。今寝室に寝かせているよ」
(・d・)「すごいな!」
82
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:06:35 ID:wm/pKi2Y0
子供達がワイワイ遊ぶ中、幹部と親父は地下寝室へ赴く。
「ピィピィ!」
ラン ゚ -゚)「かわいい!これがヒヨコですか?」
(;・ハ・)「あ、ああ…。だが色がピンク?
大破壊よりはるか前、俺が生まれる前に流行っていたというカラーヒヨコならともかく…
普通ヒヨコは黄色のはずだ
それにやはり、でかすぎる」
(・e・)「突然変異?ってヤツじゃねーの?」
(・j・)「ご飯は何をあげればいいのかな」
(・d・)「確かあの胡散臭い売り屋からマニュアルもらってたな。
小さいうちは保温して、煮た穀物をあげればいいってさ」
(・ハ・)「大破壊前は専用の配合飼料なんかも売ってたんだがな。
無事に育つのを祈るしかないか。
幹部アヤメ、頼む」
く(・殺・)「了解しました!」
その日からアヤメは自室にありったけの湯入りの容器を持ち込み、大事に保温した。
「腹が減った!」とピィピィ鳴いた時には起きてご飯を与えた。
子供達が増えてからというもの、幹部たちには私室が与えられた。
各々二階に一部屋づつもらっている。
子供達は地下が自室兼寝床だ。
アツユ狩りで毛皮をしこたま作っているので、敷布団にも困らない。
(・d・)「アヤメ」
(・殺・)「ディー。どうしたの?」
(・d・)「いや、急に顔が見たくなって」
(・殺・)「ふふ。顔だけじゃないでしょ?」
(・d・)「ああ。いいか?」
ディーはアヤメの胸に顔をうずめ、抱きしめる。
(-d-)「なんかヒヨコを育てているアヤメを見てると、お母さんってこういうのかなって」
(・殺・)「かもね」
今度はディーがアヤメの上を脱がせ、吸い付いた。
83
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:06:55 ID:wm/pKi2Y0
三年目。
餓死者も凍死者も出ず、無事に冬を越せた。
数日おきにイチガヤ周辺で狩りを続け、マッカと食糧を備蓄しておいたおかげだった。
兄貴がきてくれる頻度は減った。
それでも時たま、甘いものを土産に持ってきてくれたり
幼い子達の下着類を調達してくれたりした。
(#・e・)「だーっ!ニワトリどころかコカトライスじゃねーか!
鳥じゃなくて龍!龍ですよーっ!」
イーが地団太を踏んでいた。
半年以上育てた結果、体色はピンクのままで頭に兜のようなものとトサカが生えていた。
そして龍族のあかしともいえる、立派な緑の尻尾までついていた。
(;・ハ・)「トサカだけは合ってたな…
今度シンジュクで業者に会ったら抗議して返金してもらうか」
(・殺・)「でも外で見るコカトライスより目つきが険しくないし、丸っこくてかわいいですよ。
今朝卵を産んでたんですが、ほら」
業者から買ったものと同じサイズの卵を持ってくる。
(・d・)「アヤメが一生懸命お世話したからだよ、きっと。
外の邪龍コカトライスと区別して、コカトリスって呼ぼう」
(・j・)「万が一やられるとまずいから、防衛用としては使えないね」
ラン ゚ -゚)「でもこれだけの大きさがあれば、子供達全員にちょっとした卵料理が作れるわね。
それに病人が出た時に卵粥が作れるわ」
ランはあれからも兄貴が遊びに来るたびに医術や民間医療というものの勉強を教わってたらしい。
( ■∀■)『俺は一流大学で色んな学科学びまくってたからな!
窮屈な旧ニホンと違って成績良けりゃ飛び級もすぐだし博士号ももらえる!ヒョウ!』
要するに兄貴はあのナリでも、とても頭がいいということなのだろう。
親父曰く、そういう頭がとびぬけていい人の事をインテリと呼ぶらしい。
ラン ゚ -゚)「それとキョウさんが、卵を産ませるなら栄養とカルシウム必須だっていうから。
骨型の悪魔の骨をいっぱい持ってきてくれました。
これを砕いてすり潰せばいいって」
(;・ハ・)「まるで鳥博士だな」
早速朝食で硬い卵を割って焼いてみた。
フライパンを何回も使ったが、全員に小さな卵焼きを振舞う事が出来た。
(・殺・)「子供達もおいしいおいしいって好評で、よかったわ」
84
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/07(日) 23:09:57 ID:wm/pKi2Y0
コカトリスはデビルチルドレンのを想像してください。(未プレイの方はググってみてね)
真Ⅰのコカトライスは厄介な特技持ちなのに低耐久、貧弱耐性のせいでかみ合わなくてかわいそうな子。
でも3Dだとやたらでっかくて威圧感マシマシ。
85
:
名無しさん
:2021/11/08(月) 00:47:14 ID:p/dCuzhA0
乙!
86
:
名無しさん
:2021/11/08(月) 16:22:00 ID:W1Zr0OZA0
乙です
87
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:44:31 ID:E1owwmEc0
幹部たちが会議室のテーブルに腰を落ち着ける。
(・ハ・)「さて、今日はお前らにいよいよ悪魔交渉を教えに行く」
(・d・)「やった!ついに!」
(・ハ・)「嬉しいか?」
(・e・)「お師匠とようやく少し並べるんだ!嬉しくないわけがねえ!」
(・ハ・)「悪魔というのは恐れすぎてもナメられるし、侮りすぎても隙を突かれる。
常にバランスを保ち、接していくのだ」
(・d・)「はい」
(・ハ・)「俺とて交渉に失敗し手痛い目を見る事はある。
俺が知る中で、悪魔を無理矢理捻じ伏せてしまう悪鬼はキョウさんくらいだ」
(・j・)「兄貴が…ですか?」
(;・ハ・)「そう…あの人は少なくとも、俺と出会ってから一度も傷ひとつ負っていない。
悪魔を瞬殺してしまうからというのもそうだが、不意打ちを受けても後ろに目がついてるようにカウンターで仕留める
まるで戦いを踊りのように楽しんでいる」
(・殺・)「お師匠のように強い人でも失敗する事はあるんですね…」
(・ハ・)「アヤメは今回は見学としておく。
その管の使い方は、今度キョウさんに教わるといい」
(・殺・)「はい」
マンティコアとホブゴブリン、兄貴の手土産のマシンを守備にまわし、シンジュクへ発った。
(・ハ・)「いいな。外の悪魔とは交渉するな。オザワのオフィスや地下の悪魔ともだ
お前らにはまだ荷が重すぎる」
シンジュク入口すぐの弱小悪魔と交渉を試してみることにする。
スカウターをセットし、近くの地霊コボルトに『TALK』コマンドを選び話しかけてみる。
「ニンゲンか?今日の俺は気分が悪いんだ!
今すぐ地獄に送ってやるぜー!」
ロッドを振り回し暴れてくる。
ドン。
一発、威嚇射撃する。
「ぐ…もう一度チャンスをやろう」
88
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:44:53 ID:E1owwmEc0
上から目線が妙にむかつくので、また銃を構える。
「わあ、今のは無し。俺が悪かった!
な、何でも致します!」
コボルトは土下座し、一方的にCOMPに入ってきた。
(;・d・)「え…?」
あっさりすぎた。
(・ハ・)「ここらの悪魔は弱く、外の悪魔に駆逐されて追われた身だからな。
かと言ってお前ら子供にいきなり話相手をさせるわけにもいかん。悪魔だからな。
ここ一年ほど狩りという名目で修行させていたのはその為だ」
(・j・)「なるほど!」
(・ハ・)「実力差がついてくると、ああやって悪魔を服従させてタダで仲魔にできるわけだ」
(・殺・)「なんかかわいそう…」
(・ハ・)「大概は実力差がありすぎると、そそくさと逃げようとする。
今のはあいつから向かってきたんだ。自業自得だ」
悪魔情報を見る。ラクカジャとスクカジャという魔法を持っている。
親父がディーのコンプを覗き込んで、アドバイスを授ける。
(・ハ・)「そうだ、まだ教えていなかったがな。
膠着した状況を打破する、または格上の敵に挑むのならカジャ系を使え。
味方全員の能力を一時的に上げてくれる。俺もよく大破壊前にそれで局面を切り抜けた。
持つ悪魔は少ないが、敵の能力を下げてしまうンダ系も揃えておくと役に立つだろう」
(・d・)「なるほど。ホブゴブリンもマカカジャを持っていましたね」
(・ハ・)「いい観察力だ。その好奇心は役に立つ。忘れるな。
ギンザというところにはホブゴブリンの大群がタルカジャマカカジャとマハラギオンの波状攻撃を仕掛けてくるぞ。
俺の連れているのは合体で作ったんだがな」
次々と悪魔を脅して仲魔にしていった。
「ひぎっ…お、オイラはそんなつもりじゃあ…
みんなを愛しています、お許しください!」
(・d・)「カジャ、ンダ系の魔法持ちが多いみたいですね」
(・ハ・)「だがそのままでは弱すぎて戦力にならんな。
下に行くぞ」
(・殺・)「あ、ここ、回復道場!」
89
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:45:15 ID:E1owwmEc0
(;・d・)「…の隣だね。こんな施設だったのか」
(■┏┓■) 「悪魔が集いし邪教の館へようこそ。久しいな」
(・ハ・)「ああ」
(■┏┓■) 「捨て子でも拾ったのか?ずいぶんと多人数で…」
(・ハ・)「まぁな。こいつらに悪魔合体を頼む」
(■┏┓■) 「まかせておけ。
おお、なかなかのバリエーションではないか。
色々な悪魔が作れるぞ」
(・殺・)「悪魔を合体して別物にしてしまうのですか?なんかかわいそう…」
(・e・)「お前そればっかりなのな」
(・ハ・)「案ずることはない。大抵の悪魔は力に貪欲で、合体で強くなるのをむしろ望んでいる。
悪魔によっては、かわいい悪魔と合体させてくれと自分から懇願してくるのもいるほどだ」」
(■┏┓■) 「さて、ためしに何かやってみるかね?」
(・ハ・)「といっても弱小同士ではたかが知れてるが」
(・d・)「精霊だ。精霊を作ってみたいです」
(■┏┓■) 「ほう、初めてにしては目の付け所がいいな。
精霊は様々な技能を持ち、精霊以外と合体させるとより強い同種族にランクアップもできる。
ランクダウンもしてしまう場合もあるがな…」
(■┏┓■) 「では、合体させるぞ」
次々とデータを送り、堕天使のガミジンとアンドラス、ジャックブラザーズが液体に溶けていく。
そして魔法陣からは…
「私たちは精霊フレイミーズとエアロス。今後ともよろしく」
(・d・)つ「こちらこそよろしく」
精霊二体の希薄な手を両手で取り、握手を交わす。
「ニンゲンは救われねえんだよ…お前もそう思うだろ?」
(・d・)「ああ…救われないな」
「だから、俺が救ってやるって」
笑顔で堕天使アンドラスが仲魔になった。
90
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:45:35 ID:E1owwmEc0
(・ハ・)「悪魔の機嫌がよければこんな時もある。
爺さん系悪魔は酒を持っていると交渉が捗るぞ」
合体に早速ハマり、次々と悪魔を仲魔にしていく。
ジャックは己の腕を信じるようで、脆弱でも補助魔法を多く持つ仲魔を作る。
イーはひたすら力が強そうな悪魔を作る。
アヤメは…
(;・殺・)「むううううう…!」
兄貴の師事も待たず、管による吸引を試していた。
マグネタイトに引き寄せられ、スポッと、コボルトが吸い込まれていった。
「オレの力に惚れ込んだってワケか…
かわいいくせに見る目あるじゃねえかよ。
よっしゃ!腹ぁくくって仲魔になってやるぜ!」
(;・ハ・)「おお。それが正しい使い方なのかわからないが、すごいな」
続いて近くのインプも吸い込む。
「そんなに強くスッたら、アタマがのびちゃうじゃないか!」
(;・殺・)「ごめんね。次からは加減するから」
各々が集めた悪魔を合体させる。
「わたしは悪霊 シェイド 今後ともよろしく…」
(■┏┓■) 「いきなりダーク悪魔とは渋いのう。
合体法則がD2アプリとは違うから気を付けるんじゃぞ」
(;・e・)「悪霊かよ…趣味悪くね?」
(・j・)「でもシバブーやら便利な魔法を持っているよ」
ディーは手頃な妖精と堕天使で天使エンジェルを光臨させた。
サラサラヘアーと簡素な服、清楚な顔、まさに天使。
(・殺・)「綺麗!ねぇ、エンジェルさん私がもらってもいい?」
(・d・)「構わないよ(君の方が綺麗だよ、アヤメ)」
後で帰ったら告白しよう。
はしゃぐアヤメ。かわいい。
ドリアード「悪魔でも、アイしてくれる?」
(・d・)「ああ」
91
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:46:20 ID:E1owwmEc0
女悪魔もアヤメに譲った。
幹部が男所帯のエンブリオンでは、いい友達になれるかもしれない。
(・d・)「そうだ、精霊合体も試してみよう」
みんなの下級悪魔と照らし合わせて、邪教の主にデータを見せてもらう。
悪魔の種族との組み合わせによって、ランクが上下するようだ。
(・e・)「すげえ!筋肉がかっこいいぜ!」
ジャックが拠点の改築に使えそうで作ったブラウニーと精霊の組み合わせを見る。
ヘラクレスと相談し、あえてリンゴ園を抱え持つことになった誇り高き大巨人アトラス。
(;・e・)「こっちはD2で見た通り、全身武器って感じですげえ!
アイアンフィストって特技使われたらどんな悪魔も砕けそうだぜ!」
胸部に豹の頭、人間でいう頭頂部には剣を刺し拳に棘を生やした地獄の豹公フラロウス。
(・j・)「タルカジャが使えて攻撃力も高い…鬼に金棒ってやつですかね?師匠」
風神ヴァーユの子であり、ヴィシュヌ神の化身の英雄ラーマと共に戦った妖魔ハヌマーン。
(・殺・)「エンジェルさんとはまた違う感じだけど、かわいくて強そう!」
全身金で尻尾をはためかせ、緑の鬣と羽根を戴く智天使ケルプ。
(・殺・)「それにほら、兄貴の持っている悪魔に似てるわ!」
ランダム三身合体では、褐色でいかにも強そうな、いや強そうという次元を越えた鬼女が現れる。
(・d・)「これみんな、合体させてください!」
(;■┏┓■) 「残念じゃが、お主らの今の力量では手に負えんよ」
(;・ハ・)「いずれもその種族の最上級悪魔だろうな。
俺ですら仲魔にするのはまだまだ無理なのだ
無理に従えても、反逆されて殺されるのがオチだろう」
(・ハ・)「それと今のうち伝えておくとな、人間と悪魔の合体もできるのだ。
だが絶対に自分で体で試そうとするな。
ガイア教徒とっこうたいなんかは、よくやろうとするな。
合体して人間と悪魔の合わさったものができることは、できる」
(;・d・)「何か裏がありそうですね」
(・ハ・)「そう、人間は肉体も精神も悪魔より遥かに脆弱だ。
合体しても、人間側の精神が破壊されるか悪魔側に吸収されてしまうのがオチだ。
悪魔の意識を掌握できたとしても、その確率は千か万分の一だろう。
ゆめゆめ、自分がその特別な人間などと思うな。
驕るな」
92
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:51:07 ID:E1owwmEc0
吉祥寺でたまたま見つけたランダム三身合体で、まだ見ぬ高レベル悪魔を見て興奮するのは真Ⅰプレイヤーの通る道。
最下級悪魔をランクダウンさせてオーバーフローで最上級悪魔の合体結果を見て驚愕するのも、きっと通る道。
なお、ショボン達のセーブデータを使って実際にシンジュク入口で色々作ってみました。
93
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/08(月) 23:56:30 ID:E1owwmEc0
なお、真Ⅲでバフォメット、魔神Ⅱでアスモデウスを合体結果で見て興奮したクチでもあります。
メガテニストの方の中には好かない人もいると思いますが、某異聞録ではいきなりLV88の大物が出てきたりしましたね。
真Ⅴにも序盤から結果で魅せてくれる高レベル見掛け倒し悪魔がいるのを楽しみにしています。
switch届きました。ヒョウッ!
94
:
名無しさん
:2021/11/09(火) 01:10:49 ID:8pB55H520
乙!
95
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/09(火) 23:48:55 ID:jCgkNQ4I0
帰り際、ストーンカに先頭を任せながら親父が話す。
(・ハ・)「焦る事はない。徐々に力をつけて、強い悪魔を手にしていけばいい。
それと、交渉の際にはマッカとマグネタイトを忘れるな」
(・d・)「散々狩りをした後に、気のように出てきてCOMPにたまるアレですか?」
(・ハ・)「そうだ。悪魔はこの世界にいる時は生体マグネタイトがないと肉体を維持できん。
超高位悪魔や実体のない悪霊は別のようだが」
(・ハ・)「実力差がそんなにない悪魔は、脅しや威嚇で従いはしない。
仲魔になる見返りとしてそれらを要求する事が多い。
やりすぎるな。マッカは悪魔召喚に必須の報酬にもなる。
マグネタイトも仲魔を連れ歩いて行動するのに必要なものだ。」
親父が腕をやると、マグネタイトが少量ずつ減っていくのがCOMPの表示でわかる。
(・ハ・)「そして宝石なんぞ求められたら断り、相手が怒ったら諦めるふりをして引き留めさせろ。
宝石はこの時代では貴重な財源だ。マニアに売ればマッカになる」
(・d・)「わかりました。ゆめゆめ渡しはしません」
戻り夜になり、アヤメの自室。
(・殺・)「ねえディー。お師匠から何か悪いお話を聞いてない?」
(・d・)「どうしたんだい、いきなり?」
(;・殺・)「昔からよく変な夢を見るの。特に最近は。誰かが死んでしまう夢」
(・d・)「ぞっとしないな」
(;・殺・)「エンブリオンは大丈夫よね?崩壊したりしないよね?」
(・d・)「君の予知夢がどうだかは分からないが、俺はみんなの事を守る。
アヤメの事も、これまでも、これからも」
(^殺^)「ありがとう」
(・d・)「正直に言うよ。アヤメは天使エンジェルより美しい。約束通り、いずれ結婚しよう」
幽鬼おしちを狩って出たアメジスト─安らぎ、平穏の石をこっそり手渡す。
(・殺・)「大好きよ、ディー」
(・d・)「俺もだ」
アヤメの胸により深く顔を押し付け、抱き合った。
96
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/09(火) 23:49:17 ID:jCgkNQ4I0
冬のある日の事だった。
貯蓄は十分だが、数日ぶりに狩りと悪魔集めに赴いた時だった。
昼間にランから切羽詰まった叫び声がした。
(;・j・)「ラン!ランが危ない!」
(・d・)「待て!一人で駆けだすな!」
五人は息継ぎをしつつ急いでシンジュクを出る。
拠点は惨劇にと絶望に飲み込まれようとしていた。
十体以上もの邪鬼ウェンディゴの群れ。
飛び散っている肉片と子供達の死体。
恐らく、昼間のうちに子供達を遊ばせていたうちに襲撃されたのだろう。
鬼類は人の匂いや血を特に好むという。
寒い寒い冬には、氷結魔ウェンディゴの恰好の暴れ舞台だった。
(;・く・)「えいっ!えいっ!」
ホブゴブリンが巨体で数人子供達を庇いつつ、マハラギオンで確実に邪鬼に致命傷を与えていく。
しかし魔力が切れればそれでチェックメイトだ。
マンティコアは体中に凍傷を負いつつ、必死に一体一体を噛み砕き、刺していく。
(#・j・)「ランぅぅぅぅぅぁ!」
ジャックが補助魔法の得意なアーシーズを召喚して各種カジャをかけさせる。
(・e・)「アクアンズ!全部吸収してやれ!」
水の精霊を召喚するが、持つのは電撃を跳ね返す特性だった。
仕方なく電撃と回復魔法による補助をまかせる。
(・殺・)「エンジェル!ドリアード!」
回復が得意で耐性に優れた二体を呼び、ひたすら怪我人や仲魔の回復を任せる。
(;・ハ・)「畜生が!」
親父はひたすら機銃を撃ち、弾が尽きれば七聖剣で斬りにまわる。
しかし一番の頼り手のマンティコアは身をかばうので精一杯。
鍛え抜かれた腕と膂力で数体の中に潜り込んで切り捨てる。
だが後続の群れがやってきてブフーラを浴びせかかる。
(・d・)「親父ですら駄目なのか…兄貴もいない…もう駄目か…?」
97
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/09(火) 23:49:43 ID:jCgkNQ4I0
「諦めるな!」
威厳のある声が聞こえる。
(・南・)「南部隊、彼らを援護するぞ!」
「了解!」
緑の軍服を着た厳つい男が指示を出す。
軍用トラックから出てきた部下達が一斉掃射で鬼達を薙ぎ倒す。
指揮を取る男の腕前もすさまじかった。
アサルトライフル一発一発でヘッドショットを決める。
強すぎる増援に逃げ出すウェンディゴ達。
(メ・ハ・)「一匹たりとも畜生どもを逃がすな!」
(・<_,・メ)「わぁっとるわい!」
砦入り口を飛び越え、残党に無数の麻痺針を撃ち込む。
(・く・メ)「よくもおおおおおお!!」
謎の男達の奇襲の隙にマカカジャをかけ終えたホブゴブリンが、麻痺した一団をマハラギオンで溶かす。
(・<_,・メ)「ワシを巻き込むんじゃないわい!危ないのう」
獣特有の俊敏さでとっさに巻き添えを避ける。
(・南・)「君達のような民間人が、いったいどうしてこんなところに居を構えて?」
ディー達はいきさつを説明した。
(・南・)「そうだったのか。子供達を育てつつ悪魔に戦いを挑むとは…
いや、大したものだ。その若さで。
しかし女の子連れで悪魔退治とは、あまり賛成できないな。
危なすぎる」
(・ハ・)「これは我々の問題だ。加勢はありがたいが口を出さないでもらいたい。
それにあなたは何者だ?」
(・南・)「ああ、これは失礼。名乗るのが先だったな。
私は南一等陸佐、自衛隊悪魔討伐部隊の任務にあたっている身だ」
98
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/09(火) 23:50:34 ID:jCgkNQ4I0
(・ハ・)「この時代に自衛隊が残っていたというのか!?」
(・南・)「一応大破壊からの生きのこりがいる。
リーダーらしき方よ、きっと私の言い様に気分を害されたと思う。
しかし、子供が悪魔を倒すなどという事は
到底簡単にできるものではない。
我々の部隊の規模ではとても追いつかないであろう。
残念な事だが、シェルターに引きこもった上層部はそれが分かっていないのだ・・・」
ため息をつく南。
(・南・)「だが、果たせぬと分かっていてもやらねばならぬ。
それが、ニホンを守る我々の使命だからだ。
…うむ、何も言うな。君達にも色々理由があるらしいからな。
止めはしない。だが。決して命は無駄にするな。
いいか、必ず、生きて会おう。
いざとなれば少し北の、ゾウチョウテンの社に身を隠すといい」
南部隊はいくつかのレーションやカンパンを残し、去っていった。
(・殺・)「こんな時代にお師匠や兄貴以外にもこんな立派な人がいるなんて…」
(;e;)「「ちくしょう!ちくしょう!俺にもっと力があれば!」
飛び散る肉片の前で地団太を踏んで泣き叫ぶイー。
(・e・)「…そうだ、それだ」
(・j・)「イー、君も生きのこった怪我人の手当を…」
(・e・)「俺は行くぜ。邪教の館に」
(・ハ・)「この非常時に、何のためにだ」
(・e・)「へへへ、力を得るんだよ。俺がありったけの悪魔と合体する。
今の俺の仲魔どもじゃ役に立たないようだからな」
ディーの鉄拳が飛ぶ。
(・e・)「ぐはっ…何すんだよ!」
(#・d・)つ「馬鹿野郎!今まで何のために、三年間歯ァ食いしばってやってきたんだ!
みんなで生き残っていくためだろう!
親父の忠告を忘れたか!」
(;e;)「ちくしょう!ちく…ぢょう!」
(-ハ-)(…本当は俺の役目なんだが、すまんな。ディー)
99
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:12:10 ID:QUsKNLBE0
ラン ;゚ -゚)「幸いというべきか、身体欠損した子は皆死んでるわ…
私は出血がひどい人に輸血をしてみます、兄さん。
でも血液型を測定する機械も薬剤もないからわからないの。
だからいちはばちかになるわ」
(;・j・)「ああ、頼むぞ」
(・ハ・)「死んでしまった奴らは火葬にするしかないな。
悪霊や幽鬼などの恰好の憑代になるからな…」
(・殺・)「死体、私が貰ってもいいですか?」
(;・e・)「何考えてんだ!イカれてんぜ!
やっぱりこの女、頭がおかしいな」
(・d・)「イー!気が立つのはわかるが言いすぎだ!
アヤメ、どうする気なんだ?」
(・殺・)「邪教の館よ。
何もしないより、いいじゃない」
(・ハ・)「何か考えがあってのことだろう。
俺も行く。マンティコアとホブは回復し次第、警護に当たってくれ。
イーは仲魔を出したまま見張り番。ジャックはランのそばにいてやれ」
(・j・)「了解です」
腕に半透明の管が刺し込まれた、シガツという少女が運ばれていく。
ジャックはランと一緒に担架を運ぶ。
ストーンカにリヤカーいっぱいの肉片を運んでもらい、三人で発つ。
血の匂いにつられてやってきた凶鳥を険しい目と銃口を向けて親父が追い払う。
(■┏┓■) 「邪教の館へようこ…ここは死体安置所でもないのだが?」
(・殺・)「街の中でも同じ反応をされたわ。ここでは子供の死体なんて見慣れてるでしょうに
おじさま、悪魔と人間の合体自体はできるんですよね?」
(■┏┓■) 「ああ。できるが」
(・殺・)「これらは今日悪魔に襲われて死んだ私達の仲間です。
無念が消えないうちに…」
(■┏┓■) 「悪魔と死体の合体か。
興味はそそられるが、ちゃんと悪魔ができるかの保障はできんぞ」
(・殺・)「構いません。お願いします」
「わたしは悪霊レムルース。今後ともよろしく…」
100
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:12:54 ID:QUsKNLBE0
人の頭に細い手足がついた、もじゃもじゃの悪魔が仲魔になる。
(■┏┓■) 「ほう。アンデッド系とは相性抜群のようじゃな。
たまたまかもしれんが」
(・殺・)「今後とも、よろしくね。
おじさま、無理をありがとうございました」
深く礼をする。
(■┏┓■) 「いや、構わんよ。
酔狂で貴重なデータが取れた」
(・ハ・)「相変わらず邪教の親父っていうのは悪趣味だな。まったく」
ディーは真意を測りかねていた。
エンブリオンの仲間。
苦痛を経由して死んでいった仲間を悪魔合体に使うなんて!
(;・d・)「おい、どこに行くんだ。
そこは親父に行くなと言われていた─」
メシア教会横、地下街の更に地下への扉。
シンジュクの中でも特に、オザワオフィス以上に禁じられた地。
(・ハ・)「俺同伴ならなんとかなるだろう。
奥にはオザワの信頼する仲魔が番を張っているが、手前までなら大丈夫だろう。
何をしようとしているんだ?」
地下には外ほどではないが、シンジュク入り口よりは強い悪魔がぞろぞろといた。
親父の威嚇で怯まぬ者は容赦なく倒した。
否応なしに、ディーも親父も仲間の死のはけ口が欲しかったのかもしれない。
そのうち、悪霊レムルースの群体が現れた。
(・ハ・)「悪霊、ゾンビには話など通用せん。倒すぞ」
親父が対幽鬼悪霊用に聖水をかけた七星剣を握る。
(・殺・)「お師匠、待ってください」
管からレムルースを出す。
そして敵がざわめき始める。
一斉に涙を流し、仲魔のレムルースと握手をしたりする。
そしてやがて、紙のこすれたような声で
「仲間ヲ タノム」
と言い残し、少なくないマッカを手渡して崩れ落ち蒸発した。
101
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:13:30 ID:QUsKNLBE0
(・ハ・)「信じられん…悪霊なんぞとコミュニケーションを取れるなど…」
(・殺・)「何故かわからないけど、この地下にも無念で成仏しきれない霊がいっぱいいるのがわかります。
オザワがどんな非道な事をしているのか知らないけど、悪魔に守られている奥には相当数の死体があるはず」
(・d・)「アヤメ…?」
(・殺・)「『悪』霊」なんて言われているけど、生前のそれに惨い事をして悪霊にした者こそ真の悪だわ。
霊的存在という意味では、自然から生まれた精霊と肉体的にはそう変わらないもの」
翌日。
夜明けまで付き添っていたランが泣き出し、アヤメが静かに泣いた。
シガツの脈が止まったのだ。
ラン; -;)「ああ!輸血なんかしない方がよかったのかもしれない!
きっと、血液が違ったんだ!」
(・j・)「ラン…」
親父は泣きじゃくるランの肩に手をかける。
(・ハ・)「お前はよくやってくれた。誰もお前を責めはしない。
むしろ最善を尽くしてくれてちょっとでも長く生きられたんだ。
シガツもきっと喜んでいるだろうよ」
ラン ; -;)「お師匠っ…先生!?」
( ■-■)つ「慰問金だ。ひとまずこれで足りるか」
兄貴がいつの間にか医療室内にいた。
珍しく笑顔ではなく、マッカの札束を親父に押し付ける。
(・ハ・)「カネの問題ではない!強すぎるアナタにはわからないのか!?」
( ■-■)「なんだと…」
親父がカッとなって殴りかかる。
その拳をわざと紙一重でかわし、腕が折れそうなほど締め上げる。
(;・ハ・)「うぐぐぐぐ…!」
( ■∀■)「俺に当たるなよ。金はいくらあっても損はねぇ。
それよか、これ以上犠牲を抑える為に最善を尽くすことだ。
お前もわかってたはずだよな。ガキが増えすぎると、その肉を狙うクズ悪魔だって寄ってくるって」
(;・ハ・)「う…」
102
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:13:50 ID:QUsKNLBE0
( ■∀■)「ハリボテでも砦を作っておかなかったら、もっと被害は増えてたはずだぜ。
ジャック、死傷者何人だ」
(・j・)「死者9人です。傷だけ負った者はいません」
( ■∀■)「この先、もっと助けを求めるガキの声が増えるはずだ。
全員拾って守るつもりなら、もっと防護策やできる事を考えな。
お前が自棄でどうすんだ。おっぱいの嬢ちゃんなんかもう動き出してるぜ」
アヤメはディーと一緒に、シガツの死体を運び出していた。
(;・ハ・)「何を…」
(・殺・)「お師匠。ストーンカを貸してください」
力なくCOMPをいじり、アヤメに付き従わせる。
マンティコアもついてきた。
(・<_,・。)「美味そうな肉じゃのう。…冗談じゃ」
リヤカーを獣達に引かせ、南のシブヤに向かう。
(#・e・)「うでに覚えのあるヤツァでてきやがれー!」
森から離れた場所で、イーがボロボロになりながら悪魔との戦いをしていた。
「い…遺体ご供養の依頼で?」
顔を引きつらせるメシア教徒を無視し、邪教の館に向かった。
(■┏┓■) 「シンジュクのから話は聞いておるぞ。死体合体マニアがおるとな」
話は早い。アヤメはシガツに手を合わせ、合体素材用のシリンダーに入れた。
( ■∀■)「ククク、俺に向かって『邪魔をするな』が第一声だった生意気野郎が今やガキを率いる大将ねぇ」
ソファのカウチに腰かけて葉巻を吸う。
(・ハ・)「…歳は俺のほうが上じゃないですか」
( ■∀■)「お前と同じ名前だったから、あそこまで気にかけてんのか?
命なんて毎日毎秒生まれては死んでいく。この世の中では特にな。
わざわざガキなんて一から育てて熱心なこった。
俺にはまるで、何かの贖罪でもしてるかのように思えるぜ。
なぁ、『ディー』さんよ」
103
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:15:00 ID:QUsKNLBE0
ある日、ジャックに留守を任せてシンジュクに買い出しに行った時だった。
親父はあの日から「全て俺の責任だ」が口癖になり、眠る間もなく機械整備をしていた。
兄貴の知り合いだという科学者を派遣してもらい、大規模な改造をしたりもしている。
(□月□)「この私、D.rバクタにできない事があるという科学的根拠はないのだぁ!」
(-□〇□-)「ヘイ!メシア教徒狩りのボランティアでーす」
悪名高いガイア教徒の狂犬、しょけいライダーの一団だ。
バイクで脅しをかけ、金品、更には命まで強奪するチンピラ。
(・d・)「俺達がメシア教徒でないことは、恰好でわかるはずだが」
(-□〇□-)「どうかな?ガキにしてはいいもんぶらさげてんじゃねーか。
あのおっさんも最近見ないし。ここらで灸をすえておこうと思ってよ」
(・d・)「お灸だと?俺達が何をした」
(-□〇□-)「へへへ。弱いくせにハンドベルトコンピュータなんて持ってよう。
ちょっと見せてくれよ。ついでにシマ荒らしの迷惑料として…」
(・d・)(なんてくだらない!悪魔には手も足も出ないくせに)
(・殺・)「テンタラフー」
アヤメが詠唱すると、うねった不可視の波がライダー達を襲った。
(-□〇□-)「あひゃひゃはひゃ!」
(;-□〇□-)「お前ら、どうしたんだ!?」
(・殺・)「次はマハザンマで精神ではなく身体を壊しますよ。本気です」
(-□〇□-)「目がイッてるメスガキだぜ!逃げるぞ!」
リーダーらしき男は仲間を引っ張ってバイクで逃げて行った。
(・e・)「やりい!置いてったバイクは換金しようぜ」
(・殺・)「移動手段として使うのもいいかもね。一旦持って帰ってお師匠に相談しましょう」
拠点に戻ってきた。
(・d・)「親父。なぜなんでしょうね」
(・ハ・)「何故、とは?」
(・d・)「悪霊ですら同族を思いやりました。でも人間同士は殺しあって足を引っ張ってばかり」
104
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 00:15:32 ID:QUsKNLBE0
今日は真Ⅴ発売日だヒャッハー!
イズンちゃんイズンちゃん!
105
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 22:02:22 ID:QUsKNLBE0
4年目。
ある一団がイチガヤ方面を、トラックを飛ばし悪魔から逃げていた。
(・五・)「もっとスピード上げて!ボクがやる!」
男勝りな女の子が、運転手の男を押しのけてハンドルを握る。
「馬鹿言ってんじゃねえ!しょけいライダーどもに奪われてガソリンもろくにねえんだぞ!」
(-□〇□-)「ヒャッハー!ついでに命もいただこうかぁ!」
悪魔に便乗し、しょけいライダー達もジャッカルのように狐を追う。
(・五・)つ「追い込まれた狐は、ジャッカルより狂暴だよ!
何の動物か知らないけどね!」
少女が助手席から貧相なマシンガンを撃つ。
まともに頭に喰らい、ロクデナシが一人転倒する。
(-□〇□-)「てめぇー!」
怒り心頭のライダーリーダーが、ドラゴンATMを投げつける。
爆発で窓が割れ、後部座席に乗っていた狙撃手が燃える。
(・五・)「テメェはこっちが言いたいよ!ガソリンに引火したらどうすんだ!」
黒いタンクトップ一丁の少女は応戦し、次に投げられてくる投擲物を撃ち狙う。
手ごと爆発し、ライダーのうち一人が喚きながら転倒する。
途端、獰猛な魔獣のうち一体の標的がそれに変わる。
断末魔をあげながら食われていく。
(・五・)「追いつかれたら次の獲物はボクらだよ!どこか街に逃げ込んで…」
「シンジュクは既に支配者がいるって話だぜ!受け入れてくれるわけがねえ!」
(;・鼠・)「追いつかれちゃうっすー!」
後部座席の前方に転がっていた、出っ歯の男が悲鳴を上げる。
(-□〇□-)つ「オラァ!」
鉄パイプ銃が撃たれ!後部のタイヤがパンクする。
「やったらぁー!」
元運転手が拳銃を持ち特攻するが、あえなく悪魔の群れに踏みつぶされる。
(;五;)「ボクは最期まで戦う!こんな奴ら相手に…」
「悪党、成敗ッ」
106
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 22:02:46 ID:QUsKNLBE0
(・五・)「え?」
トラックを取り囲んでいたライダーと悪魔達が、ニヤけながら三体の戦車に轢き潰される。
三体が一斉掃射で上空の妖鳥、凶鳥を片づける。
銀のT95CPが二体と、T95Dが一体だ。
確か奴らは警視庁がかつて作り、大破壊によるショックで手に負えなくなり暴走し
地上で悪魔人間問わず攻撃を仕掛けてくる虐殺マシンのはずだ。
(・d・)「地上型の数が多いな」
(・e・)「合体だ!」
(・j・)「単調すぎますよ!」
(・d・)「いや、一気にカタをつけた方がいい。人が狙われてる」
人型のマシンT93Gが戦車の一体の中から躍り出る。
三体の戦車が可変し、銀のマシンが腕のような変形をする。
緑のマシンは脚のようになり、T93Gを中心に結合していく。
(・d・)「チェンジ!オオツキィー!ワンッ!」
人型ロボを頭部とし、全長3メートルはありそうな巨大ロボットが砂煙と共に立ち上がる。
一蹴りでアツユを一体飛ばし潰す。
両腕の前腕にあたる部分から出てきた機銃が、邪龍ワームどもを蜂の巣にする。
(;・五・)「す、すごい…」
出っ歯の少年と共に、トラックの中に戻り震えあがる。
ミキサーの歯のような掌が、タムズを握り潰し投げ捨てる。
(・d・)「プラズマァッシャー!」
掌の奥から、破魔矢を原動力とした光線を放つ。
いやしきグールどもを蒸発させる。
ブッカブーの群れがブフーラの連発で脚を凍らせる。
(#・e・)「うざってぇ!」
片腕から出てきたイーが、マハラギストーンをありったけ投げつけて黙らせる。
(・d・)「来るぞ!」
邪龍ワームが互いを喰らい始め、やがて無数の触手を持つ怪物になった。
さながら龍王ヤマタノオロチの出来損ないのようだ。
(・五・)「うげぇ!なんだあれ…」
107
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 22:11:16 ID:QUsKNLBE0
鉄の拳でしょけいライダーどもの残党を握り潰していたロボに触手が迫る。
絡め取られ、押し倒され衝撃が来る。
(;・j・)(;・e・)「うわあっ!」
(-□〇□-)『マたてめぇらか!邪魔ばっかりしヤがって!
ハラ決めたゼ、決着つけてヤる!ナメられたままじゃなア!』
以前見逃したしょけいライダーチームのリーダーだろう。
ワーム群に自ら喰われ、意識を融合させている。
(・d・)「オォープンゲットォ!」
ディーがボタンを押し、緊急回避を作動させる。
マシン達は分離し、触手を無理矢理千切り飛ばす。
『いでえいでえいでえいでいでいでおおおおお』
(・d・)「手数はあっちの方が上だ!
パワーで一気に押しつぶせ!」
(・e・)「了解!
オオツキ、チェンジ、スリー!」
マシンが再び集結する。
今度は銀のマシンがキャタピラの両足になり、緑の太い腕が現れる。
「ムド!」
フリアイの一羽がねばつく梵字を当てる。
(・e・)「マシンに呪いなんざ効く科学的根拠はないのだぁ!」
フリアイをリーチ差で殴り潰す。
キャタピラの推進力で一気に突進し、ワーム融合体の顔にナックルを入れる。
(;・e・)「でぉやあああああああああああああ!」
『いでえいでえお前らオマエハにクダ…喰ってやる喰ってやる喰ってやるるるるる』
しょけいリーダーは哀れにも自我を侵食され、自己崩壊し始めているようだ。
手あたり次第に機体の隙間から触手を侵入しようとしてくる。
ジャックの悲鳴が上がる。
(#・e・)「ハンマーァ!パンチ!」
両腕を固め、渾身の降り下ろしを喰らわせる。
触手の顫動が徐々に止まり、うめき声と共に巨大な炎が上がり灰ができあがり始める。
(;・五・)「た…助かった…?」
108
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/11(木) 23:17:05 ID:QUsKNLBE0
しばらく更新が遅れるかもしれません。
真Ⅴ、フィールドの荒れっぷりがすごくて魅了のバステ入りました。
真Ⅰの大破壊後を3Dにしたら、こんな感じだろうなと。
https://www.youtube.com/watch?v=v08Qfrj07jA
今回の戦闘はこれを1.25倍にでもして聞いてください。
耐性に優れたマシンが電撃以外でやられる科学的根拠はないのだ!
109
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/13(土) 20:32:46 ID:H6GnHuAs0
三年目も終わり、四年目の始め、旧ニホンでいう正月を迎えた頃だった。
仲間達を喪った哀しみも徐々に癒え、エンブリオンは冬前に更に大所帯になり50人を越していた。
親父の提案で、希少度の高いもち米を買いそれを蒸して餅というものを作っていた。
これを固め、鍋に入れて色々なものと混ぜたものを「雑煮」といい、年始めにはこれを食べるのが昔の習慣だったらしい。
何故わざわざ柔らかく仕上がった餅を硬くしてしまうのか、ディーにはいまいち意味がわからなかったが。
年の終わりは、ディーとアヤメは自室で抱き合い、吸い付いた。
( ■∀■)「ヒョウッ!あけましておめでとさん!」
兄貴が、紙の小さな袋にマッカ札を入れたものをエンブリオンメンバー全員分作って持ってきた。
(・ハ・)「俺の分もですか…年上なんだけどなぁ」
( ■∀■)「お前も三が日くらい休めよぉ。爆田のジジイもヤサ帰ってゆっくりしてるぜ」
(・<_,・。)「ワシらも休んでいいのかのぉ。いつもいつも防衛と運搬で疲れるわい」
(・く・)「マシンも休ませてやらないとな!」
(・ハ・)「キョウさんには本当に感謝しています。ドクターを紹介してくれたおかげで…」
( ■∀■)「堅苦しいのはいい。ヤれよ」
兄貴は大袋の中からどっさりと、剣になりそうにない木の板とカイトを取り出した。
ハゴイタという板で玉を打ち合い勝負し、凧と言われるカイトを糸で引っ張っり、うまく風に浮かせて遊ぶのだそうだ。
兄貴の周りに子供達が群がり、遊び方を教わると夢中になってやり始めた。
(・ハ・)「…俺も久々に、やるか」
兄貴に誘われ、親父もやり始めた。
ディー達も。
( ■∀■)「そういや嬢ちゃん、悪霊を降ろししまったんだって?
それで正気を保ってるってなかなかだな!ヒョウッ
おっと、俺はこれでも土をついた事はねぇ!」
(;・ハ・)「テニスじゃないんですよ!」
隕石の如き勢いの玉を撃ち出して勝負を終わらせる。
(・殺・)「ええ。悪霊ファントムです」
管から、美しい緑色の歪んだ顔の霊が顔を出す。
だが苦痛に歪んだ顔ではない。
「アヤメ イッショニ イル タノシイ。 チカラ カス」
110
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/13(土) 20:33:07 ID:H6GnHuAs0
( ■∀■)「ほう。ここまで忠誠度…いやその言葉は嫌いだ、懐かせるとはねぇ。
歴代ライドウのお付きのクソ猫の座右の銘は『仲魔と仲間をはき違えるな』で、
仲魔を道具として割り切るのを推奨してたようだが。
それじゃあオザワの腐った糞や、悪魔を使い捨ての爆弾扱いしたっていう初代葛葉狂死と変わりねぇ。
召喚にマッカやマグを払うし合体にも使う契約上の関係とはいえ、
仲魔は粗末にしたくねぇもんだな。
もっとも、初代狂死の我武者羅すぎる狂った生きざまはソンケーしてるんだがな」
(;・e・)「そうだ、アヤメ姉。改めてごめん。
姉ぇの気持ちも知らず、『頭のおかしい女』なんて…」
(・殺・)「もういいのよ。一月に一度土下座に来られてもこっちが困っちゃうわ」
アヤメは苦笑する。
(・殺・)「それにやっぱり、死体とはいえ仲間を悪魔合体素材に使うなんて…」
(・j・)「それはある意味において、とても有効的な手段だ」
子供達が新鮮な遊びに興じているなか、幹部たちは次々と集まってきた。
(・d・)「どういう意味だ、それは」
(・j・)「死体を火葬して灰にして肥料にするというのも、『燃やす』というリソースが発生する。
土葬というのも悪霊の類が憑依しないように聖水をかける手間と費用、
新鮮な血と死体の臭いに敏感な種の悪魔に拠点を嗅ぎつけられる可能性がある。
死体という『痕跡』を丸々残さず、戦力も強化できるなら一石二鳥…」
(#・e・)つ「ジャックてめえ、アヤメ姉の気持ちを…」
イーが詰め寄って胸倉を掴む前に、ジャックナイフを素早く出して牽制した。
(・j・)つ「こんな事は言いたくない。だがエンブリオンの存続の為だ。わかってくれ」
最初のウェンディゴ襲撃以降、たびたび住処を追われた悪魔の襲撃があった。
少数の死者を出しつつ、それらを切り抜けてきたジャックの目つきは冷徹なものに変わりつつあった。
更に兄貴に精力的に勉強や効率のいい組織運営方を学び、もはやエンブリオンの参謀(ビショップ)になりつつある。
( ■∀■)「瓦割り〜」
兄貴が二人の頭をチョップで軽くはたいた。
( ■∀■)「三が日くらいは暗い話はなしにしようや。
頭切り替えて考えねぇと、ぶっ壊れちまうぞ」
(・ハ・)「あの手法はアヤメが自分で決めた事だ。それを俺は止めはしなかった。
つまりリーダー公認ということだ。
ガキどもの死に意味を持たせるためにも、そういう弔いもアリだとは思う」
111
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/13(土) 20:33:28 ID:H6GnHuAs0
(・ハ・)「そういえばドクターは?こんな時だからこそ礼はしたいのですが…」
( ■∀■)「一斉に餅を食うって聞いて、『餅が詰まらない科学的根拠はないのだ!』って元警視庁のラボにこもりっぱよ。
ちゃんと研究費は余分に渡してあるから気を遣うなよっ」
三が日が過ぎた後。
子供達は自室や寝室で休ませておいた。
(・ハ・)「さて、これで無事に四年目を迎えた事になる」
(・d・)「はい!新年もよろしくお願いします」
(・ハ・)「さて、お前らへのお年玉がある」
(・月・)つ「そんな科学的根拠はないがな」
バクタ博士が、豪快に大きな布を取り払う。
(・j・)「これは…」
(・e・)「防衛用のマシンじゃねえか。これがなんなんだよ爺さん?」
(・ハ・)「爺さんはやめろ。偉大なる恩人だ。
お前らにはこの三機に乗って戦ってもらう」
(;・j・)「ば…馬鹿な!
確かに生身で戦うよりは安全ですが、もし故障や最悪爆発があったら…」
(・月・)「そんなアクシデントがないという科学的根拠は」
(・d・)「ないって言うんでしょ。ドクター」
(・月・)「話の腰を折るなぁぁ!
いいか、これはただのマシンではない。
男のロマン、合体ができるのだ!」
(・d・)「合体?邪教の館にでも行くのですか?」
(・ハ・)「ドクター、彼らに言ってもわかりませんよ。
何せこの時代には、モデルとなった漫画やアニメがないんですから。
メシア教徒の説法放送や広告なら腐るほどありますがね」
(・月・)「よろしい。ではオートパイロットで見せよう」
博士がリモコンを押すと、倉庫から鉄塊が三つ出て行った。
そして外に出ると、形状を徐々に変形させ人型になる。
足元には元マシンのタイヤがローラーブレードのように付いている。
112
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/13(土) 20:33:48 ID:H6GnHuAs0
「すげー!なんだあれ!」
「ピカピカのでかい悪魔ー!」
主に男の子達が防空壕から頭を出し、顔を輝かせている。
ラン ゚ -゚)「今は外に出ちゃだめよー!」
二階の医療室から、ランが子供達に呼びかける。
(・ハ・)「こんな時代でも、男は変形物や変身物への憧れがあるのか。
何か遺伝子に刻み込まれてるのかもな…フッ」
巨大な人型ロボが、半膝立ちで立っている。
(・月・)「これは私が大破壊前に思い浮かべていた、マシンの限界を越えた究極形態だ。
生半可な悪魔なら踏みつぶせるし殴り殺せる」
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/shinmegamitenseiif/attach/263/885/0274.gif
(・d・)「しかし人型にしては、頭部がないようですが…」
(・月・)「ああ、これは合体機構なしで当時想定していたものだ。
私の肉体を頭部、中核とし直接制御する。
だが流石にそれでは人間部分を狙い撃ちされて終わるわな」
(;・j・)「欠陥品じゃないですか!そんなもので悪魔と戦えと!?
ブレインとしてはこんなものは承認できませんね」
(・月・)「お前の意見など聞いておらん。
チェーンジ、オオツキィー、ワンッ!」
ドクターが大声を出すと、巨大な人型が分離し三つの戦車に戻る。
そこに等身大のマシンT93Gが躍り出る。
それを中心に再合体が始まる。
(・d・)「おお…」
ちゃんと頭部のついたロボットが姿を現す。
鉤爪状の腕を振りかざし、第二の監視塔予定地の地面を大きくえぐる。
(;・e・)「すげえ!この力ならみんなを守れる!
これが俺達のものになるんですか?」
(・ハ・)「最初の大襲撃で思った。このままではいけないと。
しかし焦って力を手に入れるのもいけない。
故に、悪魔合体に頼らない『護る』力をキョウさんに相談したのだ」
(・月・)「御立派だがまだフレームだけで完成形ではない。
これから操縦を覚え、必要に応じて装備を追加して整えていく」
113
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/13(土) 20:34:26 ID:H6GnHuAs0
(・ハ・)「キョウさんによると、アヤメには超能力者の兆しがあるようだ。
頭部となるコアにはアヤメの念を少し補充しておく」
(;・d・)「アヤメを…コアに?」
(・月・)「安心せい。命を注ぎ込むということではない。
超能力者が日常で漏らす過剰な念力を注いでおくということじゃ。
ハンバーグでいうつなぎというところか。
科学的根拠はないがな!だって私の専門外だもん!」
次の日から、三人の訓練と装備の調整が始まった。
どのような技術か、操縦レバーやスイッチなどはなく音声認識で変形、分離するようになっていた。
厳しめの訓練のせいで、衝突する事もしばしばあった
(・月・)「お前の頭が悪い科学的根拠はある!」
(#つ・e・)つ「うるせーくそじじー!」
殴りかかったイーを、プラズマを帯びた博士の右腕が殴り飛ばす。
ずっと巨大な包帯で隠されていたものは、ハサミ状のメカアームだった。
(・月・)「言っただろう。このマシンは私の考えうる究極の完成形だと。
私は大破壊前に研究していたのよ…自分の体でな!」
遊びに来ていた兄貴以外、皆引いていた。
(・月・)「その馬鹿力を活かさんか!お前の短刀はオオツキスリーじゃ!
他の形態と違い、走行とパワーを特に重視したものだ!
ジャックのオオツキツーは飛行スピード型だが火力が足りん!
オープンゲット、つまり分離を活かして悪魔の弱点を突け!」
(・e・)「チェンジオオツキ!スリー!
いいじゃねえか!気に入ったゼ!」
無骨な人が付いた巨大戦車のような体躯に惚れこむ。
( ■∀■)「何とかとハサミは使い様ってな。
イーは直情だけど正義感あっていいと思うぜ」
(・ハ・)「そうですね。暴走気味になるのがタマにキズですが」
( ■∀■)「問題なのはジャックだな。
少し物事について冷ややかになりすぎじゃねー?
そのうちエンブリオンの為なら、仲間殺しでも平気でしそうなテンプルナイトみたいな目だぜ。
お前もここずっと作業しすぎだ。目にクマできてんぜ、そろそろあいつらに任せて少し休めよ。
何のための幹部指名よ?」
ラン ゚ -゚)「そうです。お師匠、ここ数か月休みを取っていません。医療室で休養と栄養を取ってください」
(#・月・)「よし!仕上げにプラズマ・パワーの投入だ!」
114
:
名無しさん
:2021/11/14(日) 03:50:03 ID:qMGcUu260
乙!
115
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/15(月) 21:56:03 ID:ddb0iw8o0
ご愛読ありがとうございます。
学園の悪魔使い、ぼった…新装版買いました。
結局デビチルも全巻紙も電子も買っちゃうもんなァ…
やっぱり人間が悪魔にザクザク殺されていく無常さは
https://sm.ign.com/ign_jp/screenshot/default/02-25_re2e.jpg
https://www.4gamer.net/games/368/G036838/20210830016/SS/027.jpg
https://sm.ign.com/ign_jp/screenshot/default/01-3-p3-01_ffpx.jpg
('A`)「しかしショウヘイとかいう奴、まだ会ってはいないがかなり小物臭いな。
悪魔は不幸しか呼ばんから狩るといいつつ、女悪魔はべらせてイキってやがる。
刀使いなら、モノも腕もナマクラじゃないかどうか一度お手合わせしてみてェもんだぜ」
http://blog-imgs-62.fc2.com/c/h/e/chemrea/2014021223483170a.jpg
レインはショウヘイさんをパクったわけではありませんッ!
そもそも思いっきり楽しむ為に前情報ほぼ仕入れずプレイしているので。
元ネタは超マイナーなメガテン小説のキャラをベースに、某ライダーのカイザを悪魔合体した感じです。
カオスヒーローと戦えるDLCが欲しい…
116
:
名無しさん
:2021/11/16(火) 22:04:58 ID:VRDjVrV.0
乙!
117
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/18(木) 22:35:47 ID:eBWhILH60
ご愛読ありがとうございます。
投下できず続きで申し訳ないですが、一日一レスは書くように心がけています。
( <●><●>)「そういう場でないのはワカッテマスが、少し愚痴を書かせてください」
二次創作とはいえ書き手が人を批判するのもどうかと思うのですが…
D2の新シナリオもやっぱり正直アレでした…
やはり味方人間のメイン人数が多すぎると、各々に見せ場を作らなければと思って冗長のグダグダになってしまうのでしょうか。
3人で旅する真Ⅰが一番バランスがいいと思います。
イキリ大司教のモナークも、これのどこがifだ!とつまらなすぎてクリア後にカード割りました。
メガテン始祖の西谷先生と伊藤龍太郎先生は尊敬していましたが、泥船に乗せられてしまってかわいそうだと思いました。
学園の悪魔使い復刊は、真Ⅴ記念と同時にモナーク如きにこれが本物だと現実を見せつけるというのもあったのかな、と今は思います。
真Ⅴは少しづつしか進められてないですが、今のところ面白いです。
真Ⅳの尻すぼみ感がなく、ハードでやっていると少しのミスでぶっころなので悪魔との命の殺りあい感があっていいです。
悪魔もデザインがいい!
真Ⅲまでのメガテンをドキドキしながら初見プレイしていたのを思い出します。
反省がちゃんと活かされているな、待った甲斐があったなと感じています。
明日には5年目突入くらいまで怒涛で書き溜めてICBMの如く投下できればと思います。
今後ともよろしく…
118
:
名無しさん
:2021/11/18(木) 23:46:06 ID:aZPOpK.s0
正直長く楽しみたいからゆっくりしていってね
119
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/19(金) 21:06:09 ID:ZdS1ai6I0
ありがとうございます。ゆっくりしてるぜ!
今日は部分月食は、メガテン的には悪魔の反応どうなんでしょうね。
120
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:51:41 ID:REAIZM..0
(・ハ・)「実戦はもう問題ないな。
トラックは牽引し、ガソリンはマシンに」
(・j・)「生きのこったのは二人だけか。オオツキ1号、3号にの乗せていってくれ」
(・e・)「大層な口聞くじゃねえか。てめぇはどうすんだ」
(・j・)「私には私でやる事がある。突っかかるな。
チェンジ!オオツキツー!」
霊鳥のような姿に合体変し、中波したトラックを釣り上げる。
シンジュクに戻る途中で、カメラがズームされる。
離れの小さな森に、赤きマントを外した邪鬼ウェンディゴ数十体の群れがある。
(・j・)「先日に偵察悪魔を出したところ、奴らは何者かの飼い悪魔ということが判明した。
ここで繁殖、増殖を繰り返して尖兵を増やしていると思われる」
(・d・)「何をする気だ?
あの数相手では親父を含めてもきついぞ。
それに動きを封じる氷結魔法の使い手ということを忘れるな」
(・j・)「あの周辺に爆薬をいくつか包囲するように埋め込めさせておいた。
これも私の小遣いの自費から出したものだ。エンブリオンには影響はない」
オオツキ2の腹部が開き、いくつもの地獄玉が降り注ぐ。
(#・j・)つ「鬼(イレギュラー)がぁぁぁ!」
連鎖爆裂で一瞬のうちに草、木が燃え盛り更地になる。
すぐさま溶けていくもの、溶けかけたり大やけどを負いながらも灰をこぼし逃げようとするもの。
(#・j・)「逃がすかァ!」
ありったけの破魔矢ビームを投下。完全にトドメを刺す。
(;・鼠・)「う、うわああああ!降ろしてくれえええええええええ!」
出っ歯の少年は機内で暴れる。
(・d・)「落ちつけ。これから君達を我々の拠点に連れて行く」
拠点。
(・d・)「ようこそ、エンブリオンへ」
(;・五・)「よ、よろしく…」
二人の子供はおぼつかなげに会議室のソファに座る。
121
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:52:03 ID:REAIZM..0
(・五・)「ぼ、ボクはサ…」
(#・e・)つ「どういうつもりだ勝手な事すンじゃねぇ!」
二人の自己紹介が始まる前に、頬を殴る鈍い音が鳴った。
(・j・)「よりにもよって君にそんな事を言われるとはね」
吹き飛ばされたジャックが静かに立ち上がり、
(#・e・)「もし逃がした奴がいたらどうすんだ!
ステルス機能?ってのもないし拠点に帰るのも丸見えなんだぞ!」
(・j・)「私が自力でマッカを貯めて実行した作戦だ。
奴らが集まってエサを一斉に食い始める時間は把握している。
何も考えずに君みたいに直情でやったと思うかね」
(・e・)「てめ…」
(・d・)「二人ともやめろ。二人ともビビってる。
イーも今後悪魔掃討をする時は親父や俺、兄貴やドクターがいれば誰かに相談してくれ」
(・j・)「すまない。喰われた中には私の教え子もいたのでな。
今後また育てた者が犠牲になったら時間の無駄だと判断した」
冷徹に言いつつ、握る手が震えているのを一人だけ見逃さなかった。
(・d・)「いきなりすまない二人とも。あれが日常茶飯事だし、二人は実は仲はいいんだ。
落ち着いてからでいいから、自己紹介と出身地、何故逃げる事になったらいきさつを教えて欲しい」
ソファに座ったまま、両手を組んでディーが諭す。
(・鼠・)「オ、オイラはネズミと言いやす!
き、金の女がいきなり現れてみんなおおおおおおおお鬼に…」
タンクトップの女がネズミと名乗る少年をゲンコツで上から殴る。
(#・五・)「アンタは挙動不審りすぎなんだよ!
ボクが説明する…スーハー…」
(・五・)「改めて、僕はサツキ。
まずは助けてくれてありがとう。
五月に生まれたからこんな名前らしいんだ」
金髪の少女は深呼吸をしてタンクトップをめくり顔の汗を拭く。
対してないが、下乳が見えそうだ。
(・j・)「で?」
(・d・)「急かすな」
122
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:52:24 ID:REAIZM..0
(・五・)「ボク達はアカサカに、小さいけど地下コロニーを作って暮らしていたんだ。
ある時、メシア教のシスターが来たんだ。訪問っていうのかな?
食糧とか色々くれたよ」
(・ハ・)「シブヤ支部からの支援か?唐突だな」
(;・五・)「でも今日の朝にいきなりでかい音が響いたと思ったら…思ったら…」
サツキは声を詰まらせる。
(;・五・)「コロニーの半分くらいが、鬼になってて、噛まれた奴も顔が変わって鬼に…」
─
「救済よ!愚かな者たちに救済を!」
(・・・)「ククク!」
(;・五・)「シスター!助けてください!」
「助けてあげるわ…見苦しく生きている貧しい浮浪児は…
死ねばいいのよ!」
サツキの隣の少年の頭が爆ぜる。
(;・五・)「そんな…」
(・黒・)「下がれ!」
コロニーリーダー、クロエが銃を乱射する。
(・・・)「テトラカーン」
黒き悪魔が障壁を張ると、ありったけの銃弾がクロエを襲う。
戦闘慣れはしているらしく、顔面だけは手で覆う。
だが血が全身をしたたる。
(;・黒・)「武器庫に走れ!トラックに乗れ!」
銃をサツキに放り投げ、ナイフで黒い悪魔に斬りかかる。
黒悪魔はすんでで避け、住人だった鬼を差し向ける。
数体はナイフ捌きで首を切って無力化したが、背後の鬼に肩を噛み付かれ血が滲む。
(;・五・)「クロエ姐ぇー!」
(;・鼠・)こっちでやんす!
ありったけの武器を持ち越した仲間を連れたネズミに先導され、緊急避難ダクトを通る。
(φ黒・)「ああああああああああ…ガアアアアアアア…逃げロ…」
123
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:52:47 ID:REAIZM..0
(;五;)「クロエ姐を置いていくなんて!」
先頭のネズミの背をポカポカと叩く。
(;鼠;)「いつもみたいに力が入ってないでやんすよ。
せめて逃がしてもらったオイラ達が生き延びないと…」
「ぎゃーあ!」
殿の子供が鬼の腕に引き込まれ、ずり落とされる。
(;・鼠・)「早く逃げるでやんす!
ハンスが先に行ってトラックの発進準備をしているはずでやんす」
地下エレベーターに、トラックのエンジンをかけた大人の男が待機していた。
「遅いぞ。早く乗れ!」
エレベーターが昇降し、地上に出る。
カモフラージュ用の土が吹き飛ぶ。
(;・五・)「これからどうすりゃいいのさ」
「シブヤに向かって、保護してもらうついでにあの狂人シスターのやった事について問い詰める。
本当はシナガワ本部に行きたいんだが、瓦礫の山が越えられん」
(;・鼠・)「誰かいるでやんす!」
しばらく走らせると、バイクに跨った複数の人影が現れる。
(;・五・)「避難者かな?一緒に逃げよう!」
「馬鹿野郎!ガイアのクソ野郎どものしょけいライダーだ」
(-□〇□-)「よう。ここを張ってりゃいい獲物があるってリークがあったよ。
今日はあの糞生意気な女リーダーもいないようだな?え?」
「ごちゃごちゃうるせえ!」
ハンスがトラックを急発進させ、ライダーの一人を跳ね飛ばす。
(-□〇□-)「やってくれたな!お代はてめぇら全員の首だ!
男はオザワに売ってガキは臓器用に卸し、女は俺らの慰みモンだァ!」
リーダーが銃でむき出しのエンジンタンクに穴をあける。
そのまま走り去る。悪魔もわらわらと追ってくる。
「希望は…ないのか…
いや、行けるとこまで行くぜぇぇぇ!」
124
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:53:09 ID:REAIZM..0
─
(;五;)「そこで、そこで、助けられて…
ハンスも皆も…うううううう…あああああ!!!」
(;鼠;)「クロエ姐ェ…!ラット、マウス…!」
二人ともおいおいと号泣しはじめた。
(#・五・)「助けてもらってありがとうだけど、今からコロニーに戻る!」
(・d・)「何をするつもりだ?」
(#・五・)「みんなの仇を取る!まだ生きのこってるヤツもいるかもしれないんだ!」
(・e・)「面白れぇ!俺も乗るぜ!」
(・d・)「ラン、鎮痛剤と鎮静剤を。医療室に運んでくれ」
ディーが少女を押え、部屋の隅に控えていたランが首筋に慎重に薬を打つ。
(・五-)「君達もあいつらの手先!?うっ…」
(・d・)「まず落ち着いて疲れを癒せ。ネズミ君と言ったな。
君も疲れているところすまないが、コロニーの見取り図はあるか」
(;・鼠・)「武器以外は置いてきちゃったから今、書くでやんす」
サツキはあっという間に眠りについた。
ラン ゚ -゚)「あら、キョウ兄貴に連絡取れるかしら」
搬送中に、少女のタンクトップから突起が浮き出ているのを見た。
(・e・)「どういうつもりだディー兄ぃ。生存者を助けたくねぇのか」
(・d・)「親父、俺の判断は間違っていると思いますか」
(・ハ・)「策もなくいきなり突っ込むのは無謀だ。鬼…悪魔だろうが、がどれだけ強いかわからん。
感染能力があるようだから、無策で突撃してエンブリオンメインメンバー全滅は避けたい」
(・j・)「同感です。私も数か月かけてウェンディゴどもを一掃する機会を待った」
(・ハ・)「それに恐らく…人間としての生存者はいない。
深夜の次に無防備な朝方の突然の奇襲、そしてリーダーが閉じ込められたままとなれば猶更だ」
会議室を重い沈黙が覆う。
125
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/20(土) 22:53:31 ID:REAIZM..0
翌日。
(^五^)「ふースッキリした!」
朝食の古米チャーハンを貪りながら、サツキは笑顔ではしゃぐ。
(・j・)「熱くなってすぐ冷える。まるで鉄だな。
イッポンダタラという悪魔がいれば、さぞいい材料にされていただろう」
食事のあと、神出鬼没な兄貴が女悪魔に採寸を測らせていた。
( ■∀■)「ヒョウッ!新顔さんのお出ましかい」
(・ハ・)「キョウさん、ご無沙汰しております」
( ■∀■)「嬢ちゃん、上級悪霊とうまく共生してるみてぇだな。
ファントムは強い魔法を持つが魔力がからっきしですぐ弾切れだ。
そこを嬢ちゃんの強い魔力で補って、それを俺から教わらずにやるとは、ヒョウッ!」
(・殺・)「そ、そんな、私はそんな…」
アヤメが赤面する。ディーの心にまた黒いものが走った。
(・五・)「…わかった」
昼前に会議室。
(・d・)「今すぐ突撃しても返り討ちにあうのがオチだ。
慎重にメンバーを選定し、二日後に行ってみる。
君には悪いが、不利と思えば一時撤退も考える」
(・鼠・)「力を貸してくれるだけでも、ありがたいでやんす」
ネズミが一礼した。
(・d・)「かしこまらなくていい、よかったら我々エンブリオンに─」
(・j・)「早計だ。これ以上無駄な食い扶持を増やすのは」
(#・e・)「てめぇ」
ラン ゚ -゚)「兄さん。エンブリオン、いや師匠が私達を見返りなしで受け入れてくれた事を忘れないで」
(・j・)つ「私は無駄に怪我人が出て、お前の負担が増えるのも危惧しているんだよ」
ジャックはかわいい妹の頭を撫でる。
(・e・)「まるでお前マシンにでもなっちまったみたいだな」
126
:
名無しさん
:2021/11/21(日) 02:44:06 ID:p8k9qAuA0
乙!
127
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:43:09 ID:vTVKzP0.0
(・j・)「悪魔相手に人間の感情丸出しで接する君よりマシだよ。さて」
ジャックは目を細めて二人を睨みつける。
(・j・)つ「選定は師匠、私を含めた三幹部、お前達二人とする。
そしてサツキとやら、我々幹部やリーダーがアカサカに赴くとして、どれだけ罠でない保障があるのかな。
お前達二人が悪魔の擬態でないとも限らない」
ナイフを向ける。
ラン ;゚ -゚)「兄さん!」
(・五・)「これでいいのかな」
おもむろにジャックに近づき、ナイフの切っ先を二の腕に当てる。
細く、赤い血が流れる。
(・鼠・)「サツキ!?」
(・五・)「ボク達は悪魔なんかじゃない。赤い人間の血が流れてる。
なんならこの血を調べてくれても構わないよ」
(・j・)「結構だ。ラン、血液の採取と成分分析を」
ラン #゚ -゚)「止血が先でしょ!」
ランは急いで腕に包帯を巻く。
滴り落ちる血を薬剤入り試験管に入れるのも忘れない。
管を揺らし掻き混ぜる。
懐からありったけのマッカをテーブルに出す。
(・五・)「これがボクらの有り金全部だ。
コロニーに行けば、まだ少しはマッカも物資もあるはずだよ」
(・j・)「持ち込んできた銃も、使い慣れた一丁以外は置いていけ」
(・五・)「ボク達が裏切ったり逃げ出したりしたら、即撃ち殺してくれてかまわない」
(・j・)「当然だ」
(・d・)「すまないが、今回アヤメは防衛も兼ね、マシンに魔力を込めておいてくれ。
アカサカにいる相手が膂力のある鬼族だとすると、体力的に不利なのもある」
(・殺・)「…了解」
ラン ゚ -゚)「解析できたわ。悪魔の血は混じってない」
128
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:43:36 ID:vTVKzP0.0
夜、ディーの自室。
(・殺・)「ねぇ、私も行かせてよ」
今夜はアヤメがディーの胸板に縋りついていた。
(・d・)「駄目だ。誰かが残って防衛していないといけない」
(・殺・)「…わたし、最近また夢を見るの。
たくさんの子供達が死んだ夢」
(・d・)「俺の事もかい?」
(・殺・)「…」
身体を離し、目を背けてうつむく。
(・d・)「俺は命に代えても君を死なせるわけにはいかない。
頼む、わかってくれ」
今度はディーがアヤメに抱きついて胸に顔をうずめる。
最近は女性としてのラインがくっきりしてきて、何かこみあげてくるものがある。
(・殺・)「私だって同じよ。あなたや皆を死なせたくないから悪霊の力、子供達の力を身に着けたの」
朝。
(・ハ・)「おい」
(;・d・)「…」
一団の群れの後ろを、合体用ではないマシンがゴツゴツを音を立ててついてくる。
(・殺・)「マシンに念を込めるのは、朝方早く終わらせてきました。
ホブゴブリンさんの他に、エンジェル等の私の仲魔を置いてきたから防衛は大丈夫」
(;・d・)(朝ベッドにいなかったのはそういうことかよ)
(・ハ・)「…まぁついてきてしまったものは仕方ない。
今日は新月、幸いにも悪魔は沈静化する…と思いたい。
ネズミ君、あのマシンくらいなら昇降機に入るか」
(・鼠・)「小型トラックが入るくらいだから大丈夫でやんす」
(・五・)「見えてきたよ!」
129
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:43:57 ID:vTVKzP0.0
明らかに不自然に溝がついた地面が見える。
サツキが手慣れた手つきでスイッチを押すと、隠し扉が開き昇降機が上がってくる。
(;・e・)「ひっ!」
(・d・)「どうした」
(;・e・)「い、いやいきなり鬼がお出迎えかと思ってたから拍子抜けしただけでい…」
(・j・)「君にも怖いものがあるんですね」
(・e・)「う、うるせぇっ!」
イーを皮切りに、各自武器を構え突入する。
鬼の感染を防ぐため、サツキも流石に肌の露出を抑えた重装備になっていた。
電気のついていない薄暗いコロニー内は予想以上に不気味だった。
(・ハ・)「妙だな。COMPのエネミーソナーにも気配がない。セーフティの青のままだ
コロニーの人員はどれくらいだったんだ?」
(・鼠・)「100人前後だったと思うでやんす」
(・d・)「うちのエンブリオンと同程度かそれ以上の規模がお隣のお隣にあったなんて!」
灰の塊はそこら中に散らばっている。
(・ハ・)つ「そこだッ!」
幽鬼ガキに筋肉をつけたような『鬼』が飛び掛かってくるのを、親父は銃撃で腕を吹き飛ばした。
しかしすぐさま立ち上がってくる。腕が瞬時に生えてくる。
(・五・)「それっ!」
サツキが頭を撃ち抜いて追い打ちをかける。
(・五・)「ごめんね…」
(・ハ・)「どういうことだ?」
(・五・)「クロエ姐が戦ってたのを少し見たのを思い出した。
胴体にいくら撃ち込んでも、弾を吐き出して傷が治ってしまうんだ」
(・j・)「頭を破壊しないと不死ということか。まったくウェンディゴの方がまだマシだな。
余計な事を持ち込んでくれたものだ」
(・e・)「へっ、お前もやる気満々だから来たんだろ!」
130
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:44:17 ID:vTVKzP0.0
(・j・)「戦況が不利になっても撤退しなさそうな馬鹿がいるから仕方ないだろう」
(・殺・)「本当に仲がいいわね」
アヤメが殿のマシンの中から笑う。
「ウガアアアアア!」
(#・e・)つ「オラっ!」
飛び出してきた鬼の頭をロッドを陥没させる。
「ア゛あああああああああ…ヤメテ…」
(・d・)「待て。攻撃の気配がない。何か変だぞ」
「タスケテ…タスケ…」
(;・五・)「イザク!何があったの!」
(;・ハ・)「おい!」
どうやら仲が良かったメンバーだったのだろう。
噛まれて感染するのを恐れず、瀕死の鬼の肩を揺さぶる。
「クロエネエと…シンプが…コワい…」
「リカーム」
「ヒギャアアアあ!?」
サツキと話していた鬼が紙のように身体をくしゃりと曲げ、消滅する。
「あーあ、失敗でしたか。申し訳ないですお」
(・d・)「誰だ!」
剣を構え、ディーが肉薄する。
その前に腹に一撃を喰らい、少し吹き飛ばされる。
(黒^Ω^)「落ち着いてくださいお。神の祝福を」
肌の黒い神父がニコニコしながら立っていた。
131
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:44:39 ID:vTVKzP0.0
鬼のいないエリアに結界を貼り、話をする。
(黒^Ω^)「いやあ、この地で異様な気配を感じて駆けつけたのはいいですが閉じ込められてしまってましてお」
神父は頭をかき、バツが悪そうに笑う。
(・五・)「妙に入口が見えるようになっていたのはあんたの仕業か。
灰になっている鬼もあんたの仕業?」
(黒^Ω^)「いやあ、私はガクガクと震えているのが精々でしたお。
悪魔達は殺しあってああなったみたいですお」
(;・鼠・)「鬼達が同士討ちを!?」
(・ハ・)「未感染者がいなくなって見境なくなったか、飢えて喰らいあったか。
この数日間、あなたは生き延びていたというのか?」
(黒^Ω^)「ご覧の通り、気配を消したり結界魔法だけは得意なんですお。
さっきの人、救えなくてごめんなさいお」
蘇生魔法リカームは、真の奇跡とされているサマリカームより数段劣る。
死者を蘇らせるのに失敗すればロストする。
体力のないものに使った場合の末路は、金丹と同じだ。
(;五;)「いや、イザクも楽になれたと思う。
ありがとう、神父様」
サツキが感謝を述べる一方、ディーは銃口を握っていた。
(・d・)「得体が知れねぇな。黒人とやらならともかく、
漆黒の人間なんてこの近辺じゃ見た事もねぇ。
あんた何者だ」
(黒^Ω^)「ほう。さっきのアレを根に持っているのですかお?
聖職者に銃を向けるとは。気に入りましたお。
私はナイトウ神父。ナイ神父と気軽に呼んでくれても構いませんがお」
(黒^Ω^)「そうそう、ひときわ巨大な鬼が他の鬼を屠りながら奥へ向かっていきましたお。
襲ってくる前に逃げた方がいいですお」
(・e・)「冗談だろ坊さん!逃げるのはきれえなんだよ!」
(・j・)「鬼の特性が他の悪魔と著しく違う為、その巨大な鬼がどれだけの力があるのかだ。
鬼は軒並み殺害されていてサンプルも取れない。分が悪いようなら撤退を」
(・d・)「ああ、わかっている。死ぬか感染して鬼になれば元も子もないからな」
アヤメを、守る。生きて、帰る。
(・鼠・)「奥と言えば…物資庫でやんすね」
132
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:45:03 ID:vTVKzP0.0
ひときわ広い物資庫。
(φ黒φ)「ア嗚呼アああああああ!」
(・五・)「アヤメ姉…やっぱりか…一番強かったもんな…」
(φ黒φ)「怖い怖いコワいクルナ来るな食いtuくなア嗚呼あああああ!ァ」
右腕は骨と化していたが、異様に巨大化していた。
腹部と胸部には蠢くものがある。
崩れかけた脚で駆け、腕を振りかぶる。
(・ハ・)「サモン!マンティコア!」
素早く指をCOMPに伸ばし、妖獣を召喚する!
(・<_,・。)「悪魔遣いがあらいんじゃぁ!」
蠍の尻尾で骨巨椀を押し返す。
(φ黒φ)「ア嗚あゝあああああ!!!!!!!」
マンティコアが押されている。
(・<_,・。)「なんてぇ馬鹿力ぢゃ!援護せんかぁ!」
(・e・)「おうよ!」
マシンガンを矢鱈めったら撃ちまくる。
頭に当たり裂けるが、すぐさまチンケな通常弾は弾き飛ばされて排出される。
ストーンカが召喚され、マンティコアと正反対に突進して押しつぶすが、腹部の触手に叩かれる。
(;・鼠・)「あ…あ」
(・ハ・)「蟲毒のごとき戦いの中で独自進化したのか!?
あの人が『生前に』どれだけ立派だったかは分からんが、今は『鬼』だ!その事実は受け入れろ!」
仲魔達に魔石を使いつつ、腕の一振りの囮になって避け続ける親父。
(・d・)(どこまでも果てしなく、続く人間同士の争い。
また明日も俺は殺しながら彷徨うのか)
急に虚しくなり、鋭い骨の先に胸を差し出してしまいたい気持ちになった。
ストーンカが貫かれて炎を上げはじめる。急いでCOMPにRETURNのコマンドを打つ親父。
(・殺・)「みんな離れて!」
アヤメがマシンの機銃をブチ放つ。
133
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:45:23 ID:vTVKzP0.0
様々な物資と共に、クロエが蜂の巣にされていく。
(φ黒φ)「守るマモルまもらなきゃア嗚呼あああああああ!!!!!!!!!!!」
崩れた右足を潰し、とてつもない再生能力でマシンに迫り猛攻の骨攻撃をかます。
マシンが金属音を立ててたわみ、アヤメが悲鳴をあげる。
(・d・)「クソが触るああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
ヤケクソにアタックナイフを腹部に突きさす。
(φ黒φ)「ぐえア嗚ああああああまもるまもまも」
振り向きざまの一撃を、きりもみ回転で咄嗟に避ける。
この状況で生きのこっている自分に、自分に驚愕する。
手ごたえのあるシナリオなら、いつか自分を死に場所に導くだろう。
死んでいないなら、今は死ぬ時じゃない!アヤメを置いて!
(・<_,・。)「無茶しおって!悪魔なら感染しないからええものの!」
足を捻って倒れる身体をゴツゴツした獣の体が支え背に乗せる。
(つ・j・)つ「くらえ!」
両手から次々とマハブフストーンを投げつけるジャック。
イーに降り下ろされた骨の腕が凍り付く。
(;・e・)「なんだ参謀様よォ!不利な時は撤退じゃなかったのかよ!」
(・j・)「勝機は見えた。胸部、腹部だけ再生が極端に遅い。
頭部は無敵だがあそこが実質中枢だと判断する。」
(・e・)「そうかよッ!」
スパイクロッドで凍った骨を砕く。
怯んだ隙にマンティコアが尻尾で胸部を貫く。絶叫が上がる。
(;鼠;)「うああああああああああ!!」
投げナイフをひたすら投げ、注意を逸らす。
(・殺・)「テンタラフー!」
いつの間にかマシンから降りたアヤメが、うねった波をクロエの頭部にブチ当てる。
(・黒φ)「ぎイあああああ!?…ネズ…ミ?」
(#・d・)「うおああああああああああ!!!!!!!!!」
無銘の刀を腹部に突き立て、力任せに引き裂く。
134
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/22(月) 01:45:52 ID:vTVKzP0.0
2メートルはある巨鬼はついに斃れた。
コアを散々に弄ばれ、再生可能エネルギーも残っていないようだった。
(φ黒・)「サツキ…か…?そうか…悪魔に…あのシスターに…」
異形の眼で愛しき弟子を見上げる。
目が人間のものと鬼のものに交互に変わる。
(・黒φ)「混乱魔法で、逆に意識を戻してくれたのか…ありがたい。
自分が強い、このまま皆をまもって行けると慢心してこのザマか…グっ!」
とっさに左腕でナイフを降り下ろす。
(;・五・)「しまっ…」
クロエは蠢きつつある自分の腹部をナイフで掻きまわした。
顔色が大きく変わり牙が生えつつある。
人間としての生が終わり、完全に鬼になりつつあるのだ。
(φ黒●)「サツキ…自分がなくなっていくのがコワい。
気がクルいそうだ…
私の意識が…残ってる討ちにィィィ”!!!!!!!!!!!」
(黒^Ω^)「アーメン。哀れな子羊に神の導きを。リカー」
(・d・)つ「手を出すな」
いつの間にか現れていたすまし顔の神父の頭に、ディーが銃を当てていた。
(黒^Ω^)「ふふふ。二回目ですかお。面白い。ではおやりなさいな、救済を!」
(φ鬼φ)「是異状はもタンぞ…!
私の屍を越えてイケー!強クなれー!」
(五)「先に地獄で…」
かつてもらった、秘蔵のドラゴンATMを取り出す。
何歩か下がる。
投げる。
(;五;)「待ってやがれええええええええええええええええ!」
怒りに任せて投げつける。
私はお前達だけでも守れただろうか…?
そんなつぶやきが聞こえた気がした。
物資庫が燃える。
一行は無慈悲に内部炎上していく基地、いや墓地を去る。
135
:
名無しさん
:2021/11/23(火) 20:16:36 ID:a0fHS5co0
乙!
136
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/26(金) 07:11:02 ID:Fe/YYh7Y0
イズンちゃん!イズンちゃん!
137
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/27(土) 00:53:56 ID:LkHkT0rs0
マリンカリンとテンタラフー喰らって取り乱しました。
失礼致しました。
やっとガーターベル…イズンちゃんとクー・フーリン仲魔にできたので執筆の方進めていきたいと思います。
序盤までやった感想ですが、真Ⅰと真Ⅲの最高の悪魔合体って感じで楽しいです。
真Ⅲでテンポ重視の為に削られ気味だった悪魔会話が豊富で楽しき。
今後ともご愛読ヨロシク…
138
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:39:51 ID:QCdsk55U0
(・j・)「で、どうするね」
テーブルに肘をかけるジャック。
(・五・)「何がさ」
拠点に戻り、会議室に主力メンバーが集まる。
(・j・)「君達の処遇だ。ここに吸収されるか、出ていくか。
シンジュクに行くか、ロッポンギに行くか。
シンジュクならひもじさと引き換えに生きてはいける。
ロッポンギは大破壊後しばらくは歓楽街だったそうだ。
今はどうなっているか知らんが、女の方は売春婦として生きていくのも」
大地震でも起きたかと思うほど、テーブルが揺れる。
イーが両拳を叩きつけていた。
(#・e・)「テメェいい加減にしろ!人の心ってもんがねぇのか冷血ロボット野郎が!」
ジャックが崩した肘をかけなおす。
(・j・)「イー、君がその二人の食い扶持を背負うというなら置いていてもかまわないよ。
年端のいかん子達はともかく、私達と同程度の年齢の者をタダ飯喰らいさせるほど自費も慈悲もない。
動けるマシンを一機オシャカにしかけてしまった事もある。コロニーに残っていたマッカでは到底足りないぞ。
まぁこれはアヤメの独断だから免責とするが、今回は何のメリットもない戦いだった」
(・五・)「…つまり何が言いたいの?」
(・j・)「能なしなら出て行ってもらいたい、と言えばわかるかな」
(・五・)「行くよ、ネズミ。ここまで言われてしがみつくなんてあり得ない!」
(;・鼠・)「え、ああ…」
サツキがネズミの手を取って立ち上がる。
(・d・)「待て。サツキ、君、ライフルは使えるか。遠距離対応用のものは」
(;・五・)「動いてない獣族くらいなら遠くから狙える。スコープありなら」
(・d・)「それなら結構。女狙撃手が欲しかったところだ。
失礼な話ではあるが、女と侮って隙を見せる敵も多い。
そしてネズミも自分のいた基地とはいえ、見取り図の書き方と隠し経路の把握は見事だった。
それらがなければ俺達は脱出時に蒸し焼きか酸欠になっていたかもしれない。
よかったらエンブリオンで暮らさないか」
ディーは両手を差し出す。無言で二つの手が強く握り返された。
(・d・)「ジャック、色々言いたい事はあるが、吸収って言い方はやめろ」
139
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:40:12 ID:QCdsk55U0
く(^d^)「ジャックフロストにマハブフストーンを投げて無駄にした事を思い出してしまう」
深夜。
ディーは親父の執務室に来ていた。
よく整理された部屋だ。
(・d・)「親父。どうしました」
(・ハ・)「まぁ、かしこまるな。ここに座れ
夜遅くですまんな。明日はゆっくり寝る事についやせ」
ベッドを指さす。
(・d・)「失礼します」
こまめに干しているのか、布団はふわっけがあり多少心地いい。
(・ハ・)「ここから見えるか?」
親父は机の上のパソコンのディスプレイを少し傾ける。
金の王冠を被った顔のない悪魔が、鬼と化した人間を中途半端に切り裂いてまわっている。
再生能力と傷付けられた怒りにより、理性をなくした鬼同士で殺しあいが始まる。
(;・d・)「ひどい…これは?」
(・ハ・)「ネズミが防衛用のカメラの録画メモリを引き抜いてきた。
カメラ自体は壊されていたらしいが、見事な手際と判断だ。
彼は偵察役とするといい。逃げ足も速いしな」
(;・d・)「なるほど…あっ!」
顔のない邪悪な神がくぐもった笑いを上げ、カメラにヘラのような手を向けて映像が途切れる。。
握り潰されたのだ。
(・ハ・)「奴は何もかも分かっている。わかっていてあえて人間を弄ぶのだ」
(;・d・)「これを俺達や誰かが見る事を予想してあえて…?」
(・ハ・)「そうだ。そしてこれは俺の罪でもある」
(・d・)「どういうことです?」
(・ハ・)「以前キョウさんが話してくれたかな?
お前らに出会う前の俺達の仲間、というか連れ合いのうちに、クトゥルー信者がいてな。
邪神など災いしか投げつけてこないというのに、よりにもよって主神と従者を呼んでしまった…」
親父は一瞬言葉を途切れさせた。
(・ハ・)「キョウさんは召喚者もろとも主神を瞬殺したが、俺は従者を逃がしてしまった。あの黒いのがそれだ」
140
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:40:40 ID:QCdsk55U0
(;・d・)「でも兄貴は、逃した悪魔はいたことはないって…」
(-ハ-)「黒き神は俺の討伐担当だった。キョウさんは担当以外は追わない。それ以外は気まぐれが発動だ」
フッ、と自嘲気味に嗤う。
(・ハ・)「そこで、だ」
電子チップを二枚、ディーに投げて寄越す。
(;・d・)「これは、COMPのメモリーチップ」
(・ハ・)「挿せ」
拡張用挿入口に挿す。
『なんじゃい、契約が変わったわい!今度はおっさんじゃなくて小童かい』
『アニキぃ…?』
(・d・)「マンティコアとホブゴブリンの声…?」
(・ハ・)「お前に預けておく。そいつらで皆を護れ」
アヤメの夢を思い出す。皆が死ぬという予知夢だ。
(;・d・)「どういうことです…?」
一息置いて、親父は重い声で話し始めた。
(・ハ・)「俺は、あの黒い悪魔を探し狩る」
(;・d・)「えっ…俺も行きますよ!親父の役に立つはずだ!」
(・ハ・)「これは大人の責任、俺の責任だ。
こればかりはお前らを巻き込むわけにはいかない」
(・ハ・)「俺は一人戦う、そんな生き方がいい。
俺は信じた。そう俺の力だけを…
あの頃、自分だけの力だけが全てだった」
(-ハ-)「でもお前達がいて…新しい『教える』喜び、『護る』戦いを知った」
(・d・)「親父」
(・ハ・)「これからはまた、一人きり戦場に行く。
元に戻っただけだ」
(;・d・)「無責任じゃないですか!」
141
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:41:00 ID:QCdsk55U0
(・ハ・)「お前に最近の陣頭指揮を任せたのは、ある意味抜き打ちテストだ。
お前は見事に揉めるメンバーを諫め、先陣に立ち、戦った。新リーダーよ」
(;d;)「親父ィ…」
(^ハ^)「泣くな。男だろ。もう16か17だったか?」
腕で涙を拭う。
(・ハ・)「それにずっと離れるわけではない。まずは奴の情報を集める。
文献も探し求め、奴の弱点を徹底に突いて今度こそ狩る」
(;・d・)「…」
(・ハ・)「サツキ達のいたコロニーが壊滅したのはある意味、俺の責任だ。
彼女らには申し訳ないと思っている。いずれ様子を見て幹部にしてやってくれ」
(・d・)「しかし、なんで俺をリーダーに?」
(・ハ・)「アヤメはサイコメトラーだ。まだ少し自分のカンに頼りすぎるきらいがある。
イーは激情家だし、ジャックはあれ以来自分を冷徹にしすぎているフシがある。
ランには代えが利かないし、幹部の中でお前が適任だと思ったからだ…それに」
(・d・)「それに?」
(・ハ・)ニア「あれを見ろ」
部屋の隅の木箱を指す。
(・ハ・)「オオツキロボ開発と同時進行で、キョウさん秘蔵の武器を解析して
デチューン…つまり弱体化して複製したものだ。
俺がいない間、未曽有の危機がきたら迷わずあれを使え。
機械仕掛けとはいえ鍛冶なんてしたのは始めてだ。
俺の銘は入ってないが、二振りとない剣だ」
(・ハ・)「それに…俺はお前を贔屓していたと思う。
俺も名前が『ディー』だからな」
(・d・)「!」
(・ハ・)「もちろん皆には平等に接してきたつもりだったがな」
く(・d・)「光栄です、親父!」
部屋のドアの向こうで聞き耳を立てる者が一人。
(・j・)「…なんで僕じゃないんだ…一番冷静で頭がいいのは…」
142
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:41:50 ID:QCdsk55U0
某ホテル跡。
綺麗に修復されている。
暗黒召喚師の重鎮二人が会食をしている。
( ■∀■)「クソゲルガー、何の用だ。てめえの顔なんて見たくねぇっての」
( ´)Д(`) 「ククク、そう言うなよ葛葉キョウイチさん。
ジャン・ユーの糞爺がくたばって随分経つから、そろそろ決めておこうと思ってよ。
俺とアンタの二大巨頭、どっちが最高幹部から総統になるかをな」
肥え太った男が、大量の護衛を背に大きな鶏肉のグリルをメインとしたフルコースを貪り食べている。
サングラスの男の食事は、小さなカップに鶏肉の欠片が入ったものだけだ。
( ´)Д(`) 「アンタ鳥が好きだったろう?遠慮なく食えよ」
デブは食べかけの肉入りの唾をスープに吐き飛ばす。
( ´)Д(`)「きったなくて食えねえか?じゃあいらねえよな?」
傍らの髑髏付き錫杖を使い、カップを薙ぎ倒す。
見えない動きで飛び散るスープを躱す。
( ■∀■)「考え事を邪魔すんじゃねえ!」
フォークを投げる。
( メ)Д(`) 「目がぁぁぁぁ!」
( ■∀■)「耳だ!」
テーブルを横にひっくり返し、両手の手刀で耳を削ぐ。
( メ)Д(`) 「ぎゃああああああ!殺れ、てめえらあああ!!」
デブの背後には、二人の男と血だまりと肉塊があった。
(⌒▽⌒)
(`Д´)
サングラスの男は足で杖を砕き潰す。
それを見せる為に片目だけ潰したのだ。
( ■∀■)「豚鼻!
読み違えたな。俺は鳥を食うのが好きなんじゃねえ…
鳥を愛でるのが好きなんだよッ!ヒョホホホホォッ!」
デブ男の鼻を潰し、狂気の笑いをあげて壁際に磔にし、素手で殴る、裂く、潰す。
醜く肥大した喉から出る断末魔を、あえてすぐに止めさせはしなかった。
143
:
名無しさん
:2021/11/28(日) 22:25:36 ID:E/9XTgoU0
乙
144
:
◆MxHvQqijkA
:2021/12/04(土) 22:01:12 ID:v5E9w4vE0
(・c・)『じゃあ兄ちゃん』
(・d・)『あ?』
(^c^)『最後に薬、ありがとう』
(;・d・)『おい!戻れ坊主!シィィィィ!!!!!』
( ゚c゚)『ディー兄ちゃぁぁあああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!』
あの日の爆発音。
(・・・)『罪から目を逸らし、逃げ続けたければそうすればいい。
だがあの子供達がどうなるか、お前は知っているはずだな?
契約を交わした以上、お前は私の物だ。宿命の糸に操られし人形だ。
待っているぞ。待っているぞ…』
(;・ハ・)「ハッ!」
銃を構える。夢だった。
いやに脂汗をかき、ベットと寝巻がベトベトになる。
(;・ハ・)「糞が!」
ガキどもには一度も見せた事がない憤りを、銃を投げ飛ばして発散する。
あいつを守ってやりたかった。楽しげにゲームの話をしながらどこか悲しげで寂しげなあいつを。
なのに俺はしくじった。
一度目は三十年前、二度目は【奴】の召喚時。
だから俺は逃げ出した。ガキどもを拾ってママゴトを
しかし三度目はクロエの…
やるべき事は一つだ。
犯した罪と引き換えに命が欲しいならくれてやる。
闇に堕ちろというなら同じ土俵に登ってやろう。
だが、ガキどもだけは…
未来への希望達が生きるこの世界だけは、奴の好きにはさせはしない。
【奴】は俺を完全にナメている。
かつての仲間の居場所を潰し尽くしたのが挑発と挑戦だろう。
だが、容易く眷属に堕ちる気はない。
ちっぽけな俺の総てと引き換えに、油断しきったあの嘲りが浮かぶような貌なき貌を!
【奴】の世界もろとも壊し尽くす!
(・ハ・)「…行くか」
服を着替え、腰に七星剣を携え、夜が明けないうちにそっと「家」を出る。
145
:
◆MxHvQqijkA
:2021/12/14(火) 21:01:27 ID:CgETzR8Q0
永い間お待ちさせてしまい申し訳ありません。
イズン狂を極めたいのと、体調不良精神バステでしばらく休載します。
(?'A`? ) いやー参ってるところにリアルメシア教の救済勧誘はきついっす、休載だけに
146
:
名無しさん
:2021/12/14(火) 21:12:25 ID:mlOxet7.0
お大事に!!!!!!
147
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:52:39 ID:4ezJCqR.0
あれからどれほど経っただろうか。
「親父」がいなくなってから、ディーが暫定の指導者として戦っていた。
何も悪魔との交戦だけが戦いではない。
シンジュクでの交易、拾ってきてから少し大きくなってきた子供達への防衛指導。
兄貴も最近姿を見せてくれていない。
代わりに変な神父が常駐するようになった。
(黒^Ω^)つ「よくできましたお」
ジャックが勉強を任意で教え、授業に出た子供達には褒美に神父が菓子を配っていた。
(・d・)「ありがとうございます内藤さん。最初は疑ってしまって申し訳ない」
(黒^Ω^)「いいんですお。私も子供達の相手は楽しいですからお。
ところで、このエンブリオンという組織名に意味はあるんですかお?」
(・d・)「卵とかそういう意味だったような気がします。
行き場のない子供達がこれから巣立っていけるような場所…
創設者達はどう思ったかわかりませんが、俺はそういう組織にしたいと思っています」
(黒^Ω^)「ほうほう。子供達が大事なんですおね。
それはそれは…」
神父がより深い笑顔を見せる。
(・五・)「ボス、今日の狙撃訓練終わりました」
数人の子供達を引き連れてサツキが報告に来る。
(-d・)「お疲れ様。隊のみんなで休んでくれ
それとボスはやめてくれ、俺はあくまで暫定だ」
頭を掻いて照れる。
(・五・)「悪魔狩りなだけに?あははっ」
お互いに大笑いする。
(;・d・)「夜の見張りは俺がす…」
くらっと眩暈がして、倒れかけた。
サツキが咄嗟に支えてくれる。
(・e・)b「ディーのアニキ、今日は俺の当番だぜ」
向こうからやってきたイーがサムズアップして肩を叩く。
(;・d・)「そう…だったかな」
(・e・)「アニキ最近動きすぎだぜ。少し安静にしてた方がいいんじゃないの」
148
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:53:07 ID:4ezJCqR.0
(・d・)「そうするか。すまんが任せたぞ」
ラン ゚ -゚)「リーダー、少し頑張りすぎです。2日はゆっくり休んでくださいね」
ランから睡眠薬をもらうと、自室に戻った。
(・d・)「アヤメ」
(・殺・)「ディー、くたくただね」
アヤメがベッドに腰かけて足をぶらぶらしていた。
(;・d・)「おっ」
ふらつき倒れかける。
アヤメが胸で支える。
(;・d・)「すまんな」
(・殺・)「少し気を張りすぎなんじゃないの?お師匠がいなくなったからって全部背負うことないのよ」
(;・d・)「アヤメの胸も張ってるな。このまま寝てしまいたいようだ」
冗談を言いながら、睡眠薬を水で流し込む。
アヤメに抱かれながら、少し感情を吐く。
(・d・)「結局、俺達は子供なんだ。あんな正直胡散臭い神父に頼らなきゃいけない程に」
(・殺・)「それはそうよ。私達中核メンバーはおおよそまだ16よ。
大破壊前ならコウコウ?っていうのに通っている頃」
(・d・)「大破壊前なら18歳で大人扱いになるっていう法律が決まりかけてたらしいな。
あと2年でエンブリオンを立派な大所帯にしないとな」
(・殺・)「今日はこっちはいいの?あっ…」
アヤメの胸元をまさぐり、口に舌を入れる。
(;・殺・)「うぐっ…うっ!」
(・d・)「すまん。書庫にあった本に書いてあったキスっていうのを試してみたんだが…」
(・殺・)「もっと優しく。やってみようよ」
二人でベッドの上に座り込み、改めて再挑戦する。
しばらくするとがくんと糸の切れた人形のように倒れ込み、アヤメを押し倒してしまった。
ランの睡眠薬が効いてきたようだ。
149
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:55:54 ID:4ezJCqR.0
なんだこの官能小説もどき(セルフプリンパドン引き)
本調子ではないですがリカームしました。
これから食いしばりからデスカウンターをかましていきますのでコンゴトモヨロシク…
150
:
名無しさん
:2022/04/05(火) 23:42:59 ID:pHJfpOYs0
otsu
151
:
名無しさん
:2022/04/05(火) 23:46:32 ID:s.hspgVU0
おつつ
152
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/06(水) 23:17:19 ID:QTmH2m8o0
目を覚ました時には二日後の深夜だった。
スマホの時計でわかった。
(-殺-)「zzz…」
アヤメが隣で寝ている。
様子を見ていてくれいたのだろう。
(;・e・)「アニキ、大変…うわぁ!
なんでアヤメ姉まで!?」
(-d・)「どうした。」
(;・d・)「あ、いや、これはなんだ…ずっと寝てたみたいだから心配だったみたいだ」
(・j・)つ「そんな事より緊急事態だリーダー。正体不明の悪魔がシンジュクからアカサカ付近に現れた。
巨躯で辺りを破壊し始めている。
我々のアジトまで侵攻してくる可能性もあるが。どうする
試しに数人送り込んだが、対人、対通常悪魔の戦術が効かず踏みつぶされた」
ジャックがイーを押しのけて入ってきた。
(:・e・)「そうなんだよ!銃もろくに効かねえ!魔法石をブン投げてもダメだった!」
(#・d・)「お前ら!なんで未熟な戦士を向かわせた!」
(・j・)つ「これを見て欲しい。遠目から撮影してもこの大きさだ」
https://pbs.twimg.com/media/DlcKuvGUcAEMcF6.jpg
(;・d・)「おぞましいな…」
(・j・)「ウェンディゴの群れも周囲にいる。部隊を編成しても焼け石に水だろう」
(・d・)「わかった。オオツキロボで出る。整備は大丈夫か」
(・e・)「おう!定期的にじじいに見てもらってるから大丈夫なはずだぜ!」
(・d・)「装甲が貫通される可能性もある。できるだけ防具を着込んで先に搭乗していてくれ。
すぐに俺も向かう」
(・j・)「了解。念のためにサツキの仕込んだ狙撃部隊も呼び出しておく」
二人は早足で出て行き、スウスウと寝息を立てるアヤメを一瞥する。
防具を着込んで歩きつつ、厳重にカギをかけた親父の部屋に入る。
木箱を開ける。
153
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:01:49 ID:OyahfsWY0
(;・五・)「そんな!困るよ!ボクの部隊を囮に使うなんて…」
(・j・)「追い出されたいか?それに別に特攻して死ねというわけではない。
遠方から狙撃して奴の弱点部位を探ればいい」
ドックに着くと、サツキとディーが言い争いをしていた。
(・d・)「ジャック!さっきも言ったが仲間を…」
(・j・)「仲間ではない。仲魔だ。
数人ではなく数体と言うべきだったな。語弊があったのは謝る。
私の部下達に交渉で手に入れさせた弱小悪魔を送り込んだのだ」
(;・d・)「しかし仲魔も仲間のようなものだ。無暗に使い潰すなんて…」
(#・e・)「とにかく行こうぜ!シンジュクをブッ潰されたら元も子もねえ!
ジャックの野郎をぶっ飛ばすのはその後でいいだろアニキ!」
(・d・)「ああ。そうだな
…サツキ、無理はしなくていい。巨大悪魔の取り巻きをそこそこやってくれれば」
(・j・)「まずはオオツキロボでウェンディゴの群れを一掃する。それから巨大悪魔と交戦だ。
側面や遠方から後方部隊が援護。プランは急造だがこれでいいか、リーダー」
(・d・)「ああ、行くぞ!」
三体のオオツキマシンが飛ぶ。
ホブゴブリンはサツキ隊につき、コカトライスは家の防衛にまわす。
(・d・)「チェンジ!オオツキ、ワン!」
人型になったメカが空中からマハラギストーンを濃縮させ放つ。
紫の邪鬼の軍団は一瞬にして溶けつきた。
(・j・)「やはり本体に魔法攻撃は効果が薄いようだ」
着地したオオツキロボと巨大悪魔は二倍ほどの差があった。
火炎を意にも介さずシンジュクビルを触手で破壊している。
(・j・)「行け」
ジャックが無線機で指示すると、地下街入口からとっこうたいとしょけいライダーの軍隊がやってくる。
各々突っ込む、銃を乱射するなど応戦するが抵抗むなしく触手に絡めとられて嫌な音を立てて喰われていく。
154
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:02:30 ID:OyahfsWY0
(;・e・)「うげ」
(・d・)「まさか…仲魔っていうのは…」
(・j・)「奴らは金さえ払って契約すれば従順な仲魔となる。これも作戦の一環だ。
シンジュク周辺にのさばるチンピラも一掃できて一石二鳥。
逃げろ!シンジュクの街から遠ざかれ!」
凡庸なガイア教徒の脚力では触手から逃げることはできない。
全力疾走するライダーのバイクは貫かれ、爆炎とともに焼けた肉となる。
(・e・)「見てられねえぜ!チェンジ!オオツキスリー!」
戦車型のメカが太い腕で悪魔を殴りつける。
「わしゃしゃしゃ」
(・j・)「オープンゲット!」
ジャックが合体を解除する。
先ほどまでの場所に、衝撃で大穴が空いていた。
(・j・)「このマシンはワンオフ物だ。粗末に破損させるな」
(・e・)「おらおらこっちだぜ!獲物はよぉ!」
戦車で触手を撒く。
(・j・)「チッ」
ジャックが空中用に改装されたメカで機銃を撃つ。
悪魔の巨大な羽が穴だらけになる。
だが徐々に穴が塞がれていく。
(・d・)「そうか。異様な耐久だけではなく、再生能力も高いんだ」
(・j・)「アナライズ、未完成だがデータを送る。
先ほどの異様な衝撃波に加え、麻痺毒を持つ牙、触手を巻きつけての破壊攻撃が主なようだ。」
(・e・)「要は近付かなきゃいいんだろ!」
イーが戦車で体当たりをしつつヒットアンドアウェイで寸分の見切りを発揮する。
(・j・)「マグレに頼るのは危険だ。もっと注意深く」
尖ったトサカの生えた人鳥の群れが現れた。凶鳥フリアイだ。
次々と悪魔に突っ込んで喰らわれていく。
(・d・)「ダーク悪魔同士で戦いを…?」
155
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:02:51 ID:OyahfsWY0
(・j・)「縄張りを荒らされて周辺の悪魔も怒り心頭のようだ。少し離脱しよう」
次々と触手に貫かれていき牙で砕かれるフリアイ達。
地霊ブッカブー達もやってきてブフーラの応戦をする。
一瞬触手が凍り、吹き飛ばされる。
コクピットに設置してあるスマホで悪魔に呼びかける。
(・d・)「近付きすぎてもやられる!できるだけ遠距離から放つんだ」
『あぁ?契約もしてねえのに俺様達に命令なんぞ…ギャ』
一体が氷結のつぶてを触手に上乗せで返されてミンチになる。
(・d・)「死にたいのか!このままではこの一帯が奴に食われるぞ!」
恐慌に陥ったブッカブー達は逃げまどいつつブフーラを放っていく。
突如、通信が入った。
ラン ゚ -゚)『リーダー、ランです。今は家からリモートで戦いの様子を見ています。
あの悪魔は、捕食する度に徐々にですが大きさを増しているようです。
あまり野良の悪魔に餌食になられても困るかも』
(・e・)「流石ドクターオペレーター。無事帰れたら悪魔のキスの一つでもしてやっかな」
(・j・)「殺すぞ」
(・d・)「ジャック、マハブフストーンとマハジオストーンの残量はどのくらいだ」
(・j・)「キョウ氏からの供給が絶たれている今、そう余裕はない。
それに一発づつ撃っても焼け石に水というのはリーダーが実感しているはずだが」
(;・e・)「ええい!なんとかならねえのかよ!」
(・d・)「ん?これは…
ジャック、マハブフストーンを一発づつ、違う部位から当ててみてくれ」
(・j・)「リーダーの提案には従うが…」
ジャックは空中からマハブフストーンを投擲してゆく。
頭、羽、触手、腕。
一瞬だけ凍り付くが、すぐに動き始める。
ラン ゚ -゚)『兄さん。やはり頭が一番効果的なようね。コンマ程度の差だけど』
(・d・)「フリアイさん、これ以上は退いてくれ。
人と悪魔として普段争っている仲だが、ここで奴の餌になられても寝覚めが悪いんだ」
『あら、アイツにいっぱい食べられた仲間達の仇は取ってくれるのかしら?』
156
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:03:12 ID:OyahfsWY0
(・d・)「ああ、約束する」
『いいわ、言う事聞いてあげる。次に会う時には倍返しね!』
フリアイの一団は足早に去っていった。
(・e・)「ケッ、逃げ足だけ早いでやんの」
触手に絡め取られた戦車を、ジャックの機銃が援護する。
(・j・)「余り手間をかけさせないでほしいな」
(;・e・)「今回は感謝してやらあ!」
ドンッ。
赤い触手の目玉に、一発の銃弾が炸裂した。
「うごおおおおおじゅるる」
(;・五・)『サツキ隊、援護します!』
(・d・)『今のは通常弾か?ショットシェルか?』
(;・五・)『エンブリオンのお金で神経弾買っちゃった!ごめんね!』
(;・e・)『バカヤロー!あれ地味に高いんだぞ!
俺だって自腹で買って大事に使ってんだぞ!』
(・d・)『この際不問だ。毒針弾はあるか』
(・五・)『一応あるけど、ちょっとだけだよ。
悪魔相手なら睡眠効果で動きを封じられる神経弾の方がいいからね』
(・d・)『そのままスナイパーライフルで交互の弾を目玉に当ててみてくれ。
危なくなったらすぐに退避を』
(・五・)『了解!』
数百メートル先の高台からひたすら目玉を狙い撃つ。
多少再生能力が落ちているような気がした。
残った多数の目玉がギロリとサツキを見つめた。
睨んだのではなく、見つめた。
そのままノロノロと接近していく。
(・d・)「チッ!」
メカを降り、マンティコアを召喚して背に飛び乗る。
157
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:03:34 ID:OyahfsWY0
(・j・)『リーダー』
(・d・)『恐らくはフリアイ達の放った防御破壊魔法、ラクンダが効いているんだ。
俺のマシンは回避優先の自動操縦にしてある。そっちの指揮はお前が取れ』
(・<_,・。)「久々の呼び出しじゃの。ワシに何か妖怪」
(・d・)つ「これで奴の触手を片っ端から滅多斬る。俺を乗せて奴の周りを旋回してくれ」
忍び寄る触手を、ジャックがマハブフストーンを投擲して凍らせる。
そこを切り取っていく。
(・j・)つ「絶止正棒(ゼットセイバー)!」
親父の部屋の木箱にある一振りの剣を持ち出していた。
未曽有の危機がきたら迷わずあれを使え、と言われていたが…
命を燃やせ、怒りを燃やせ。今がその時だ。
やっと形になってきたエンブリオン。
その希望を奪い去る者はどんな奴も許さない。
魂が震える、発ち上がるんだ。
機械で作ったと親父は言っていた。
普通の剣と違い、エネルギーの刃でよくしなる。
強靭だったはずの触手がバターのようによく斬れる。
マンティコアはスレスレのところで攻撃を回避する。
尻尾からの麻痺針で牽制もしてくれた。
(#・<_,・。)「ウオオオオオオオオオオ!」
噛み付こうとしてくる悪魔をバインドボイスで怯ませる。
知性があるかわからないが、触手をだいぶ切り落とされた事で弱気になってはいるようだ。
「ごにょおおおおおおおおお!」
突如、悪魔が家に向かって動き出した。
接近戦を挑んでいたディーは降り落とされそうになり、マンティコアに拾われる。
(・d・)『イー!』
(・e・)「チェンジ!オオツキ!スリー!」
素早く合体し、パワー重視の戦車ロボで足止めをする。
(;・e・)『サツキ!早く逃げやがれ!』
(;・五・)『わ、わかった!』
サツキは駆け足で要塞へ向かう。教え子たちは連れてきていなかったようだ。
158
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:04:07 ID:OyahfsWY0
悪魔が下半身の触手を地面に刺し込む。
肉体の損傷が大幅に回復していく。
(;・d・)『イー!早く引っこ抜け!地面から生気を吸うつもりだ!』
(#・e・)『どおおおりゃあああああ!!』
ギシギシと嫌な音を立てながらも、巨椀が悪魔を薙ぎ倒す。
(・d・)『ジャック!ありったけの氷をぶちこんでやれ!』
(・j・)『!?』
(・d・)『マンティコア!俺を奴の口の中に思いっきり投げ飛ばせ!』
(;・<_,・。)「おいおいお前さんなぁ…」
(・d・)つ『勇気はあるか!希望はあるか!信じる心に!
明日のために戦うのなら!
今が!その時だァ!』
ディーが襲い来る牙を易々とバターのように斬り、口の中に突入する。
(・j・)『オープンゲット!』
合体を解除し悪魔の真上に浮かんだジャックは、全てのマハブフストーンをビームにして撃ち出す。
流石の巨大悪魔も数分は凍り付かざるを得なかった。
(・e・)「おい!アニキが中にいたんだぞ!」
(・j・)「リーダーの決定だ」
数分後、徐々に悪魔の表皮が内側から切り裂かれていく。
悪魔の上顎を寸断して出てきたのは、ディーだった。
(;・e・)「アニキィ!」
(・d・)b「シメは頼むぜ」
(・e・)「チェンジオオツキスリー!
渾身の!ハンマーパンチッ!!」
氷漬けの悪魔の体は粉々になった。
灰にはならず、大量の禍々しい色のマグネタイトが放出、分散されていく。
(・鼠・)『こちらネズミ!ウエノからジオンガストーン諸々仕入れてきたでやんす!』
(;・d・)(;・e・)(;・<_,・。)「「「おせーよ!!!」」」
159
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:16 ID:gkzOBLmY0
(・j・)つと(・e・)
約束の殴り合いをする。
意気揚々と帰還する一行に、緊急通信が入る。
(・d・)『こちらディーだが。何かあったか』
『リーダー!子供達がいきなザザ…り…』
(;・j・)「ラン!」
ジャックは低飛空スレスレで単独でマシンを飛ばす。
道中のブッカブー達が寸断される。
(;・d・)『何があった』
『一部の子供達に角が生えて…他の子供達を…うう…
アヤメさんは念動力で抑えようとして、私は個室に隠れて…ごめんなさい』
(;・d・)『アヤメが前線に!?』
AI操作にマシンを任せ、マンティコアを全力疾走させる。
(;・e・)つ「二人とも焦りすぎだぜ!
サツキ乗れ!」
自分の戦車にサツキを引っ張って乗せる。
(;・e・)「うー、俺のが一番ノロいんだよなぁ…
お前を乗せてるから余計にな」
(#・五・)「自分から乗せといて!」
銃口でイーを思いっきり殴る。
(;・e・)「ばかやろばかやろ!誤射で殺す気か!
漫才やってんじゃねーんだぞ!」
家に真っ先に到着したジャックが銃を構えつつ城門を抜ける。
中庭でネズミが魔法石を投げて必死に謎の悪魔に対抗している。
(・j・)『リーダー。悪魔の襲撃だ。小柄で角が生えている。』
ディーは嫌な予感がした。
160
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:38 ID:gkzOBLmY0
マンティコアが俊足で爪を降り、悪魔を切り裂く。
(・j・)「リーダー」
(・d・)「これは…アカサカシェルターで見た鬼そっくりだ…
頭を噛み砕け!」
マンティコアは再生途中の鬼の頭を噛み砕く。
おぞましい脳漿が飛び散る。
(・<_,・。)「まっず!」
マンティコアはペッペと吐き捨てる。
(・j・)「アヤメとランの通信が途絶えた。リーダーは中へ頼む。
イーが来るまで私達が凌ぐ。」
銃を構えてネズミと並ぶ。
まさか。
ディーの脳裏に嫌な予感が再び。
あの巨大悪魔の散ったマグネタイトは自分のスマホに吸収されなかった。
ではどこに行ったのだ?
(・d・)「マンティコアもここで迎撃だ。
外から便乗して悪魔が襲ってくる可能性もあるからな」
むき身の剣を片手に行く。
建物の中には子供達の死体と散らかった臓物が散乱していた。
(;・殺・)「みんな元に戻って!」
ホブゴブリンが盾になり、アヤメが鬼達に念を送っている。
(:・く・)
肉体と斧をぶんぶんと振り回して鬼を牽制する。
(;・殺・)「お願いホブゴブリンさん!殺さないで!」
(:・く・)「わかってる。でもこれ以上はキツイぜ」
(d)「マハラギオンだ」
(;殺・)「やめて!」
(・d・)「マハラギオン!」
161
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:58 ID:gkzOBLmY0
スマホで強制命令を出す。
鬼達の引っかきに耐えきれなくなったホブゴブリンが炎を出す。
(・d・)「タルカジャ」
炭化した鬼達を、強化魔法をかけた剣で首をひたすら刈り取る。
(;殺;)「なんで…」
(・d・)「アカサカで見たはずだ。
ああなってしまってはもう…」
(・d・)『ラン、応答できるか。今そちらに行く。
どこにいる』
『二階の角部屋にいるわ…複数の音が扉を叩いてる』
泣き崩れるアヤメをホブゴブリンに任せ、二階へ上がる。
階段で背後から飛び掛かる鬼の頭を銃撃で砕く。
(・d・)「あそこか!」
親父からもらっていたデータに載っていた、幽鬼ガキにそっくりな鬼が扉をドンドン叩いている。
手榴弾を抱えた鬼が一体向かって来る。
腹を蹴り返し、ソードオフショットガンを手榴弾に命中させ大半の鬼を一掃する。
銃を投げ捨て、息のある鬼を剣で切り裂き室内のドアを開く。
(・d・)「ラン。無事か」
『アニキ!取り逃した奴が建物に向かっていきやがった!
気ィを付けてくれ!』
ラン ;゚ -゚)「ありがとうございますリーダー。
兄さんは?」
ランは複数の子供達と抱き合い、震えていた。
ラン ゚ -゚)「よかった。
みんな眠っている間に急に…子供達が急に」
(;・d・)「今は話さなくていい。
うぐっ」
鬼がショットガンを持ち、撃ったのだ。
ラン達を散弾から背中で庇う。
幸い最近はいい防具をつけていたので、致命傷にはならなかった。
振り向きざまに滑り込んで首を斬る。
(・d・)「さよならだ」
162
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:50:19 ID:gkzOBLmY0
夜明けの10時ごろ、幹部会議が始まった。
生き残ったある程度の年齢のメンバーは、鬼達による破損個所を悪魔達と一緒に補修している。
(・j・)「私の隊では10人行方不明になった」
鬼達は恐らく子供達が変異したものだろうが、灰になってしまい身元がわからない。
故に行方不明者として扱うしかなかった。
(・e・)「俺のとこは15人だな」
(・鼠・)「地下の寝床もひどいもんでやんす。
逃げ出せた子はいるけど血まみれで臭いでやんすね」
(・d・)「アヤメのところでは6人だそうだ。」
(・j・)「彼女はどこにいる。そしてあの神父も」
ランに手当てされながらディーは続ける。
ランの医療班では犠牲は出なかったようだ。
緊急時があればライフラインの自分達はすぐ避難できるように日頃から教えていたおかげだろう。
(・d・)「アヤメはショックで自室にこもってる。
あの神父は姿を見ないな。ラン、何か知らないか」
ラン ゚ -゚)「深夜だったからわからないわ。
死体がないということは、どさくさに紛れて逃げられたのかもしれない」
(・j・)「サツキの隊では行方不明者は一人だけ、恐らくリーダーを撃った者だろう
よく鍛えた結果がこれとは皮肉だな?」
(・五・)「…」
(・d・)「やめておけ。どこの隊でも犠牲者が出たのは事実なんだ。
それにサツキはこれで二度目だ。トラウマになっていてもおかしくない。
ラン、ありがとう」
自分で巻いた下手な包帯を巻きなおしてもらい、立ち上がる。
(・e・)「アニキ、どこへ?」
(・d・)「アヤメと話をしてくるよ。それと各自、今回の事で遺恨は持たない事」
そしてランに耳打ちをする。
(・d・)(すまないが手が空いてる時でいい、神父が持っていた菓子があれば解析を頼みたい。
あのアホっぽくてお人好しな人を疑いたくはないが、万が一ということもありうる。
悪魔学に精通した人を呼ぶならマッカの用意をしておくから)
ラン ゚ -゚)(わかりました。秘密裏にやっておきます)
163
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:50:48 ID:gkzOBLmY0
アヤメの部屋の扉をノック。
「誰?」
(・d・)「俺だ」
一言で開けてくれた。
やつれている気がする。心なしか。
(・d・)「朝食は…食べる気がまだないか?」
(・殺・)「うん…」
(・殺・)「ごめんなさい」
(・d・)「ん?」
(・殺・)「その怪我…私が躊躇わず戦えていればしなくて済んだかもしれないのに」
ベッドに座る。
(・d・)「意外と大した事はないさ。数日休ませてもらって悪魔狩りでカンを取り戻すよ。
それに多分見てたんだろ?子供達が鬼に変わる様を
仲間が悪魔になったからって即殺せなんて、躊躇するのも仕方ない」
(;殺・)「うん」
早くも半泣きになっている。
(・d・)「ここだけの、あとランとの間だけの話なんだが。
アカサカと今回の件の原因は徹底的に洗うつもりだ。」
(;殺;)「やはり元凶がいるの?」
(・d・)「サツキが助けを求めに来た時の話だと、悪意ある人間か悪魔が噛んでいる可能性が高い。
この家も正直人が頻繁に出入りしているから、いくらでも隙はあるといえばある。
これからは客人にも検問を設置するしかないのかもな…」
(;殺;)「悔しい…悔しいよ…何もできない私が…!」
今回はアヤメがディーの胸に飛び込んだ。
(・d・)「俺もだ。所詮まだ俺達も子供だから。
じっくり、もっと力をつけないといけない」
幼少期編 完
164
:
名無しさん
:2022/04/11(月) 10:45:58 ID:Hx01HWos0
乙
165
:
名無しさん
:2022/04/11(月) 22:09:45 ID:YG4CyVVg0
おつ
166
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:31:35 ID:HpJybzAY0
鬼の惨劇から約2年後。
(・D・)「お疲れ様です」
城門前まで来た商人と、護衛のメンバーを出迎える。
スマホをかざし本人認識をして、取引を始める。
デビルアナライズを流用したものだ。
人間に化けていないか、殺されて成り代わられていないか、悪魔の因子を持っていないかのチェックだ。
「今回はこれとこれとこれですね。一万マッカでどうでしょう」
古米と多少の肉、少量の酒がトラックに積まれている。
(・D・)「これだけの数を調達してくれたんだ。倍出しますよ
超えた範囲はバレない程度に小遣いにでも」
「ありがとうございます。護衛までつけていただいて」
(・D・)「店主によろしく伝えておいてください。もう慣れましたか?」
「いやあまだまだ。買取品の査定も勉強中でして」
男は照れくさそうに頭を掻く。
シンジュクを出禁になったエンブリオンの為にジャンク屋の店主が孤児を拾い、出張販売用と店番として雇ったのだ。
(・D・)「せっかくです。食事でもlされていかれますか?」
男は手を横に振る。
「いえ今回は遠慮しておきます。早く帰らないと親父にどやされるし、ちょっと酒も飲みたいんですよ
本当に申し訳ない。」
男はメンバーに連れられ、空荷のトラックに乗せられていった。
朗らかな顔で手を振ると、リーダーらしき顔に戻り近くのメンバーに指示を出す。
(・D・)「食糧の検品を頼む」
「了解しました」
敬礼をすると、メンバーはリヤカー一杯の食糧を運んでいく。
酒はディーの手の中だ。
自室に戻る。
(・D・)「さて、どうしたものかな…」
今回買取に出せる戦利品はなかった。
ジリ貧だ。
粗悪な酒を煽りながら、掌を額に当て今後の事を考える。
そして、ほんの1,2か月前の事を思い起こしていた。
167
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:31:56 ID:HpJybzAY0
ある時、気分転換にアヤメと二人でシンジュクをぶらついていると、数人の男に囲まれた。
白制服に警棒、オザワ配下の私設警察達だ。
その中心にいる長官が口を開く。
「抵抗は無駄だ。オザワ様が話があるという。ついてきていただけるかな?」
(綾゚ -゚)(どうするの、ディー?
私のテンタラフーで撹乱して逃げられるけど)
(・D・)(ここで騒ぎを起こしたらシンジュクに来れなくなるかもしれない。
ここは従っておくのが得策だ)
ディーとアヤメは両手を上げる。
私設警察ディーに軽く身体チェックを行う。
次はアヤメの版だ。
いやらしい顔つきで、丸みを帯びて女性らしくなったアヤメに手を伸ばす。
まずはノースリーブのジャケットの胸のファスナーに手をかける。
すかさずディーが腕をつかんで押し返す。
(・D・)「彼女は武器を何も持っていない。銃オンチでね。
彼女に触っていいのは俺だけだ」
(綾゚ -゚)「あっ…」
ディーが素早くアヤメの体をまさぐる。
頭、胸、腰、脚、全てに触れていく。
特に膨らんだ胸には少し力を入れた。
(綾#゚ -゚)「ちょっと痛い…!」
(・D・)「すまない。これでいいかな?」
苦虫を噛み潰したような顔をして、長官が口を開く。
「いいだろう。抵抗すれば即座に射殺させてもらう」
そのまま南東のクラブを横に通り、連行される。
喧騒が外からでも聞こえる。
(・D・)(俺達が孤児で虐げられてる間、こいつらは毎日楽しく過ごしてたんだよな。
オザワに媚びを売って、シンジュクから出られないまま)
南西のオザワのオフィスに向かう。
オフィスビル内には悪魔がうようよいる。
威嚇する豹の悪魔や冷ややかな視線をアヤメに向けるガイア教徒の女。
しかし私設警察が同行しているからか、敵としては認識されないようだ。
ドロドロの緑色の、人間を合わせたような何かが蠢いていたりする。
「ようこそ。デートの途中申し訳ないね」
168
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:32:20 ID:HpJybzAY0
( ・ノ∀・)「私はオザワ。知っているかもしれないがこのシンジュクを…」
(・D・)「まずこいつらをどうにかしてくれませんか。銃を向けられていると気分が悪い」
俺はもう18だ。
自分が生まれた日はわからないが、親父に拾われた日を誕生日としていいだろう。
大人同士で対等な話ができる。
( ・ノ∀・)つ「下がりなさい」
スーツにガウンを羽織ったセンス最悪の出で立ちで、ワイングラスを傾けて言う。
私設警察達が一礼してオフィスを出ていく。
(・D・)「要件はなんでしょう」
( ・ノ∀・)「君達の保有するマシンを無償で譲っていただきたいのだよ」
心臓がどくりと鳴った。
(・D・)「何のことでしょうか」
( ・ノ∀・)「とぼける必要はない。
シンジュク外部に取り付けてあったカメラに記録が残っていた。
度々、シンジュクを守ってくれていたようだね。
特に一年半前の巨大な悪魔との戦いは実に素晴らしかった。
テンプルナイトの群れですら」
(・D・)「…それがどうして、譲渡する事に繋がるのですか?」
( ・ノ∀・)「否定はしないのだね。
いいかね、君達のような無知な若者には過ぎた力は危ないのだよ。
私達の方が有意義な使い方ができる」
(・D・)「あれは我々が自分達を守る力です。
あなた方の物にはなりません。
シンジュクに脅威がまた迫れば出撃しましょう。
手を引いていただきたい」
オザワのこめかみがピクッと動き、歯をむき出して笑う。
( ・ノ∀・)「大した自信だな。
君達がシンジュクを守るといっても何ができる。
君らの巣穴は知らんが、シンジュクまで遠くからやってくる間に犠牲者は出るのだぞ?
私の治めるシンジュクにあのマシンを納めれば、即座に防衛に移れる。
君達をヒーローとあがめる民も出ている。それを聞かれれば私設警察にお灸をすえられてしまうのにな。」
(・D・)「…何が治めるだ。支配だろ」
( ・ノ∀・)「民に希望を与えてそれを奪う。ずいぶん非道い事をしてるんだよ。君達はッ!」
169
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:32:42 ID:HpJybzAY0
ディーは壁に思いっきり拳を叩きつける。
と(#・D・)「お前らはなんだ!私設警察を使って俺達に使って暴力を使ってたじゃねえか!」
( ・ノ∀・)「暴力に頼り使うような暴徒になる前に教育をしてあげているだけ…
…ん?お前達はまさかシンジュクの浮浪児出身か?」
(・D・)「そうだ!俺達はまだ幼い頃に私設警察に殴られ虐げられ人売りに投げられた!
どうにか生き延びてこの数年、自分達の力で生きて来たんだ!」
(綾;゚ -゚)「ディー、熱くならないで」
せき止められていた鬱憤は止まらない。
(・D・)「シンジュクから逃げ出して撃ち殺された大人達も幼い目でよく見て来た!
この彼女なんか私設警察に辱められそうになった!」
( ・ノ∀・)「ほう。シンジュクからの脱走者か。それはいけないな。
私の素晴らしいオフィスに来る途中、汚らしい肉塊を見なかったかね?」
(・D・)「まさか…貴様」
( ・ノ∀・)「そう。シンジュクの掟を守れなかった者たちの末路。
屍鬼コープスだよ。
そしてここまで話したということは…わかるね?」
扉を開けて私設警察達がなだれ込んでくる。
入口に集結する奴らを次々とサブマシンガンで掃射する。
血だまりの中から警棒を拾い、長官を殴り飛ばす。
(#・D・)「やれるものならやってみろ!」
次は悪魔達が押し寄せてくる。
「あらぁ、いい男ねぇ。いただきま」
幽鬼マンイーターがオザワ側から噛み付いてくる。
(綾゚ -゚)「テンタラフー!」
アヤメが両手をかざし、悪魔達を昏睡させる。
(;・ノ∀・)>「むっ…精神干渉か!」
オザワもたまわず耳を塞ぐ。
ディーがマンイーターの頭を足で思いっきり砕き、オザワに詰め寄る。
(・D・)「!」
オザワが懐から出した拳銃を咄嗟に避ける。
170
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:33:15 ID:HpJybzAY0
( ・ノ∀・)「私には悪魔召喚の心得もあってね。それっ!」
ボロマントを纏った悪鬼が数体、壁として立ちふさがる。
「マハーブフ!」
寒波の連続に腕、脚がかすかに凍る。
(;・D・)「く…」
( ・ノ∀・)「そっちの彼女はいい体をしているね。
最上級のマンイーターにして私の愛人にしてあげよう」
「マハー…」
「マハジオンガ!」
氷結の渦を、雷撃が打ち消し貫いた。
躍り出てきたのは、ハイレグアーマーにマントを羽織った女性だった。
オフィス入り口をチラリと見ると、焼け焦げた悪魔達が徐々に灰と化していた。
長官はへっぴり腰で逃げ出していく。
( ・ノ∀・)「また君かね救世主様。いい加減しつこいんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ドルミナー」
肉の壁達は感電から立ち直った途端に昏睡して倒れ込んでしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「貴方たちは早く逃げてください!トラポート!」
(綾;゚ -゚)「な、なに!?」
二人の姿が徐々に消えていく。
( ・ノ∀・)「散々君には煮え湯を飲まされたものだが、もう終わりだよ。
君はこの悪魔に勝てない
救世主伝説はここで幕を閉じるのだ!」
気付けばシンジュク地下街の出口にいた。
(・d・)「どけっ!乗れ!」
いきなり現れた人間を見て呆然としているしょけいライダーを蹴り倒し、バイクを奪う。
アヤメを後ろに乗せて、フルスロットルで爆走する。
突風で体についた氷が溶けて飛び散っていく。
(綾゚ -゚)「つめたっ」
逃避行は、数十分が数時間にも感じられるような必死さと緊迫感だった。
171
:
名無しさん
:2022/04/15(金) 13:07:20 ID:7kCAGorc0
乙
172
:
名無しさん
:2022/04/15(金) 21:18:05 ID:rZTR35pw0
おつ
173
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:49:34 ID:6f/N0vP.0
(・D・)「腰が痛い」
(・J・)「は?」
(・D・)「腰が痛い」
(・J・)「…どういう意図だ、リーダー?」
(・D・)「オザワから逃げてきた時に無茶にフルスロットルしたから身体がガタガタだ。
ランから痛み止めの薬をもらってきてくれないか」
(・J・)「別に構わないが…何があったのだ?」
ディーは、事のありさまを洗いざらい話した。
(・J・)「あなたはリーダーであるという自覚がない。
もう少し護衛をつけるなど自愛を…」
(・D・)「わかってるさ。しかしここ最近のシンジュクは何か様子がおかしかったんでな。
偵察でこれ以上メンバーを失うわけにはいかないだろう?」
アヤメとのデートを兼ねていたのはヒミツだ。
(・J・)「兵隊の代わりはいくらでもいる。リーダーの代わりはいない。忘れな」
(・D・)「そしたら次のリーダーはお前がなれ」
(・J・)「…ッ」
(・D・)「時折俺を射る視線、気付かないとでも思ったか?」
(・J・)「だからなんだというんだ!」
(・D・)「俺は別に責めているわけじゃない。親父がいなくなったら俺、俺がいなくなったらお前、だ。
イーは俺ほどじゃないが無茶をしすぎて後先を考えない。アヤメは戦闘スタイルからして精神的に不安定に陥る時がある。
今のうち、参謀候補でも見つけて叩き込んでおけよ」
(・J・)「…ランに薬をもらってくる」
(・D・)「あー…それとな。すまんがランにメディック隊の誰かに看護してもらうように頼んでもらえないか。」
(・J・)「リーダーをか。無防備な間は護衛でも何でも付けるつもりだ」
(;・D・)「いや…アヤメ…にだ。
シンジュクを脱出する際、テンタラフーを最大放出したらしい。
だからこうやって二人とも戻ってこれたんだがな」
(・J・)「了解した。幸いメディック隊は女子ばかりだから特に何もないだろう」
その後、もらった痛み止めと睡眠薬で強制的に眠りについた。
174
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:49:55 ID:6f/N0vP.0
翌日。
幹部内で緊急会議が行われた。
(・J・)「悪い知らせといい知らせがある。どちらから聞きたい」
(;・D・)「ラン!アヤメは…」
睡眠薬でだるい体をマッスルドリンコで起こし、一番遅れてやってきた。
ラン ゚ -゚)「大丈夫よリーダー。魔力…精神力かしら?を使いすぎて軽い昏睡状態に陥っているだけだわ」
(・J・)「いい知らせがそれだ。悪い知らせは…」
(・J・)「ゲリラ行為を行っていた自称メシアがオザワに敗北し、行方不明になった。
つい昨日の事だ。
ついでに言うと、私設警官の警備が強化されたとの情報がネズミからがあった」
ジャックは蔑みの視線をディーに向けた。
全て君のせいだよ、と言うように。
(;・E・)「はぁ!?マジかよブラザー!
例のメシア様はヒットアンドアウェイで持ちこたえてたって話じゃなかったのかよ!?」
(;・鼠・)「マジでやんすブラザー!」
各地から物資を買いあさってきたネズミが入ってくる。
(・J・)「ここは幹部以外立ち入り禁止だが?」
(・D・)「気にするな。情報の共有は大事だ」
(・J・)「何が起きたかは不明だが、事実だ。
オザワが無敵の悪魔を手に入れたという噂もある。
恐らく交渉、調停に赴いて返り討ちにあったのだろう」
175
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:50:15 ID:6f/N0vP.0
(・J・)「顔は割れていないか、エンブリオンの存在、所在地は割れていないか、リーダー?
オザワが盤石の力をつけたということは、独裁と侵略が更に過激化するということだ。
他のコロニー、シェルターも各個撃破され屈服する事になるだろう」
(;・鼠・)「アヤメ姉の為に色々と回復薬を調達していたでやんすが、シナガワ大教会内は大混乱だったでやんす。」
(・D・)「その救世主に助けてもらって、すぐにしょけいライダーのバイクで逃げてきたから大丈夫だと…思う。
バイクも一目につかないところで捨てた」
(・J・)「思うだの確定事項でない事を話すな。あなたは私情でシンジュクに出入りし、捕まった。
メシアが健在なら協力を持ちかけてオザワ打倒も不可能ではなかったかもしれない」
(#・E・)「アニキだけ責めんなよテメー!それに確定じゃない事を話してんのはてめえもだろ」
(・J・)「自己弁護と作戦を寝るのは全く違う事だ」
(;・E・)「とにかくよ、メシア様を助けようぜ!
まだ俺らと同じくらいの女の子っていうじゃん!
オオツキロボで出撃してオザワを脅してさぁ…」
(・J・)「ネズミの情報では、メシアに便乗した反乱分子は見つかり次第処刑されているらしい。
超常的な力を持つ小娘をタダで生かしておく理由があると思うか。
恐らくは処刑されたかガイア教への媚の為に引き渡されたか」
(;・D・)「それに、オオツキロボで出撃してどうする。
用心深いオザワはシンジュク中枢のオフィスの中だ。
地下街を荒らしまわって罪もない犠牲者を出すのは容認できないよ。
それにオオツキロボの存在はあの巨大悪魔との戦闘で把握されていたらしい。
奴はそれを欲しがっていた。奴が何か罠を仕掛けていないとも限らない」
ラン ゚ -゚)つ「あ、ネズミお疲れ様。色々買ってきてくれたのね」
「駄目ですアヤメさん!まだ意識が…」
(綾;゚ -゚)「私が…行くわ…」
付き添いのメディックに引っ張られながら、強靭な意思で部屋に入ってくる。
(綾;゚ -゚)「オザワは私を愛人にしたがっていた。メシアさんがまだシンジュクに捕らわれているなら…
私の身柄と引き換えに…」
(;・D・)「やめろアヤメ!奴は確か幽鬼マンイーターを秘書代わりにしていただろう!
つまり…」
(・J・)「別に戦略としては構わないが」
(#・E・)「てっめ…」
殴りかかるイーをかわす。
176
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:50:46 ID:6f/N0vP.0
(・J・)「はっきり言っておこうか。
アヤメのような能力者をマンイーターにして奴が嗜虐趣味を満たしたり、私設警察の慰安婦にするとは思えん。
屈服させるか洗脳なりして戦力増強に使うのが妥当だろう」
(;・D・)「何よりアヤメが定期的に念を注がなければオオツキロボは出力不足だ」
「アヤメさん、魔法瓶やおみくじが届きましたよ。これで魔力を整えつつお休みしましょう」
(・D・)「頼んだ」
メディックが袋に入った物資をネズミから受け取り、アヤメをゆっくりと立たせる。
(・E・)「そうだ!オオツキロボがバレちまってるなら、いっそ自爆させて…
っていくら俺でも色んな意味でやべーのはわかるわ」
(・J・)「だろうな。やっと脳細胞が活性化し始めたか」
自体が深刻悪化しすぎて段々とダメ学生の暇つぶしの雑談のようになってきている。
(・J・)「しばらくはシンジュクに行くのはやめておいた方が良いな。
ネズミには悪いが、足の速い物、交渉の上手い者を使い周囲で物資調達してもらおう」
(・D・)「しかし資金は…」
(・E・)「俺達の隊が悪魔狩りや発掘で稼ぐよ、アニキ!
見てくれよ、イッパシにそこそこの頭や悪魔を使えるようになったんだぜ」
スマホをタップして現れたその見慣れた姿。
(;・D・)「ウェンディゴ…!」
(・E・)「ビビらないでって。こいつは俺が合体でちゃんと作った味方だよ。
こいつがいる時に同族に話しかけると、センベツに?ってバカにならねえマッカやマグネタイトをくれる時があるんだ。
俺らの縄張りを荒らさないように話し合いもつけてくれるしな。
言っても聞かない馬鹿はぶちのめすしかねえけど!」
(・J・)「サツキがいないようだが」
(・E・)「どうせ仲魔パワーでグーグー寝てるんだろ。狙撃手は集中力がだから仕方ねえや。
アニキも眠そうだし解散!閉廷!また後で色々考えようぜ!」
各々の去り際に、イーに肩を叩かれ、何か渡される。
(・E・)「いつかウェンディゴと会話したらもらったんだ。元気出してくれよな。アヤメ姉へのプレゼントにもいいかも」
ターコイズ。美しい薄いブルーの天然石には、数々の素晴らしい石言葉があったのをまだ知る由はなかった。
177
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 02:19:09 ID:6f/N0vP.0
訂正
(・E・)「どうせ仲魔パワーでグーグー寝てるんだろ。狙撃手は集中力が命だから仕方ねえや。
アニキも眠そうだし解散!閉廷!また後で色々考えようぜ!」
腰が痛い中で書いてみたらこんな話になりました。
頭イーになりますわほんと
178
:
名無しさん
:2022/04/23(土) 13:25:20 ID:tDCojOpY0
おつ
179
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 00:14:21 ID:ZQ1xlkAY0
2048年、冬。
財源も少なくなってきた頃。
(・J・)「本気か?」
(・D・)「ああ。教徒に扮したネズミから聞いた。
三日後にメシア教本部から、シンジュクに物資輸送トラックが来るそうだ」
(・J・)「それを襲撃すると?リスクが高すぎる。
リーダー、私は反対だ」
(・D・)「アヤメにも散々反対されたよ。
護送にはテンプルナイトが乗っている可能性があるからってね」
ディーは苦笑いする。
(・J・)「では尚更反対だ」
(・E・)「俺は賛成だぜアニキ!上から目線のヤな奴らを合法にぶっ殺せるんならな!
最近ストレスたまってたし」
ラン #゚ -゚)「イー!」
(・E・)「いいじゃねえかラン!おめぇは知らねえだろうが
外に出て会えば、有無言わさず襲い掛かってくるか金を強請ってくるような奴らだぜ」
(・D・)「テンプルナイトとも交戦になるだろう。
シンジュクを出禁になった俺達は収入源がない。
今まで切り詰めてきたところだが、ジャガイモ等の収穫物だけでは幼い子供達の栄養に偏りが出る。
オオツキロボでの悪魔狩りも、オザワに目をつけられている以上は不可能だ」
ノ皐゚⊿゚)「この辺の遺物採掘も、やり尽くしちゃったしねぇ」
(綾゚ -゚)「私の念動力も、もしテンプルナイトが大勢だったら撃ち漏らす可能性があるわ。
殺さず資材だけ奪うにしてもデメリットが高いわ」
(;・鼠・)「…」
(・D・)「今まで散々悪魔を殺してきたし、なんなら売られた喧嘩とはいえガイア教徒を殺している。
全て、生きる為だ。
戦って殺す事が罪ならば、俺が全て背負おう。
もちろん抵抗感がある者は辞退しても構わない。」
結局幹部の多数決で決める事になった。
(・J・)ラン ゚ -゚)(綾゚ -゚)
(・E・)ノ皐゚⊿゚)
否定派が勝ったはずだったが、押し黙っていたネズミが手を挙げて拮抗した。
180
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 03:34:47 ID:ZQ1xlkAY0
そこに不意に現れた南一佐が挙手したことで、作戦を決行することになった。
(・D・)「決まりだ。ジャックは隊の編成を、ネズミはすまないがまたメシア教に潜入してトラックの経路を調べてくれ」
─
ディーの自室にアヤメがいる。
(綾゚ -゚)「ねぇ、なんで強硬したんですか」
アヤメはジト目でディーを見る。
(・D・)「わかってるだろ。今年の冬は特に厳しい。
大きく稼いでおかなければ、餓死者も出る」
数年ぶりに久々に現れた南は一人だった。
当然、エンブリオンでも幹部でもない者の挙手にジャックは反発した。
リーダー権限で緊急で幹部にしたのはディーだ。
(・D・)「それに、オザワはいずれ打倒しなければならないのかもしれない。
もし運ばれてくる物資がオザワへの貢物だとしたら、猶更な。
推測に過ぎないが」
(綾゚ -゚)「きっと戦死者がいっぱい出るわ」
(・D・)俺一人でヤツを暗殺するさ。
今回の作戦だって俺が先頭に立って戦う。」
(綾゚ -゚)「そういう事じゃない。あなたは気付いていないかもしれないけれど
その背中にはもう、お師匠以上に命を抱え込んでいるのよ」
急にディーは声のトーンを落とした。
(・D・)(それにジャックは俺を妬んでリーダーの座を欲しがっている。
俺が万が一死ねば、俺以上に優れたリーダーになってくれるだろう。
そうしたら幹部みんなで力を合わせて、エンブリオンをやりくりするんだ)
(綾;゚ -゚)「そんな…なんとなく気付いていたけど…ジャックが…」
(・D・)「親父もどっか行ったまま帰ってこないからな。
正直言うと、ちょっと疲れた。
親父もこんな気分だったのかな」
どっと寝落ちし、アヤメが添い寝をする。
181
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 12:48:14 ID:ZQ1xlkAY0
三日間の間で、各々の幹部はできる事をやった。
イーは悪魔を片っ端から捕まえ合体し量産する。
ジャックはラン以外の各幹部を隊長に、戦える者を選定し編成していく。
アヤメはオオツキロボを増幅器にし悪霊や精霊たちと交信、霊力(魔力)を上げていった。
サツキはひたすら部下に近距離、遠距離でガンナーとして戦えるように鬼教官のようにしごいた。
南がなだめつつ、しごかれた者には優しくゆっくり指南する。
郊外のバラックに二人の男がいる。
(・D・)「本当にお久しぶりですね、南さん。いつかはありがとうございました。
でも、なんで急にここに?」
(・南・)「鬼子母神、鬼女ハリティーの伝説を知っているかな?」
(・D・)「?」
(・南・)「ハリティーは自分達の子供に、他人の子供の肉を与えていた悪鬼だったそうだ。
釈迦というとても偉い神様に見咎められてね、百人いるうちの子供の一人を隠されてしまったんだ。
百人いるうちのたった一人の末子がいなくなっただけで、彼女はひどく悲しんだ。
しかし哀しいか、人肉を好む性質は変わる事がない。」
(・南・)「ハリティーは飢えに耐えながら、代わりの食べ物を模索し始めた。
やがて人肉に似た味がするザクロという果実を食べるようにし、釈迦に末ッ子を返してくれるように懇願した。
そして無事に末っ子を返してもらい、今までしてきた事の謝罪として安産と育児を司る地母神となったんだ。
いつか一緒に鬼子母神社に行ってみないか?」
(・D・)「…何が言いたいんですか?」
(・南・)「今のエンブリオンと状況が似ていると思わないかね?
100人以上の大所帯、他人に害を負わせても食わせていかなければいけない状況。」
(・D・)「…確かに」
(・南・)「戦いでは流血を避ける事は出来ない。
戦いというものはいつもそんなものだ。綺麗なものなどありはしない。
だが、血を流しすぎるのはよくない。いかに合理的に目的を達成できたとしてもだ。
あまり無理をするな。私が君と共に戦おう。
無言で二人は手を握りあった。
(;・D・)「南さん、力、強い」
(;・南・)「すまん、つい」
182
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 16:35:59 ID:ZQ1xlkAY0
いよいよ前日の朝。
(・鼠・)「リーダー、経路がわかったでやんす。
シナガワの本部から西を突っ切って、シロガネダイ、シブヤを経由してシンジュクに飛ばすようでやんす」
(・J・)「なに?ギンザ方面からではないのか?」
珍しくジャックが虚を突かれる。
(・D・)「ギンザ方面からでは連絡通路を通れるトラックのサイズは限られる。
それに確か、ロッポンギを通るには結界が張られているはず。
だから足止めを食ってしまうんだろう」
(・E・)「でもよぉ、シロガネダイの向こうは海だらけだろ。
どうやってトラックで進むつもりなんだよ?」
(綾゚ -゚)「強力な念動力者でもなければ、トラックを浮かせるのは無理ね」
(・鼠・)「それが、詳細は不明だけど新型の耐水マシンを使ってトラックを持ち上げて
そこから上陸するらしいでやんすよ」
(・D・)「…敵はテンプルナイトだけではないということか。出発時間は?」
(・鼠・)「深夜零時、らしいでやんすよ。予定通りトラックは三台」
(・J・)「では作戦を公表する。
イーの第一部隊が先頭を務め、サツキの第二部隊が狙撃で援護、アヤメの第三部隊が撹乱。
…そしてリーダーと南一佐が伏兵。異存は」
無言の沈黙。
(・D・)「、ということでいいな。各自参加メンバーは11時まで眠っていてくれ」
要点だけ話し合って打ち合わせは終了した。
二人だけ残る。
(・D・)「俺だけでやれますかね?南さんの足を引っ張ったりしません?」
(・南・)「あくまで不測の事態が起こった時だけの役割だ。気を負う事はない。
エンブリオンのリーダー、ディーよ」
南はごつい手で笑いながら肩を抱く。
183
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 17:03:45 ID:ZQ1xlkAY0
(・J・)『…標的がシロガネダイに上陸したのを発見。
例のマシン電源を切って置いていくようだ。
確認できるテンプルナイトは三人』
ジャックが瓦礫の中でスコープを使い、斥候を務める。
戦闘メンバーは隊ごとに散り散りになり、シンジュク地区手前の朽ち果てた巨大道路の上で待ち伏せする。
(・D・)『了解した。ジャックはトラック群が離れ次第、マシンをハッキングできるか試してみてくれ』
(・南・)「流石だな。リーダーが板についてきている」
(・D・)「やめてくださいよ。まだまだ親父には及ばない」
照れ隠しにヘルメットを掻く。
(・J・)『トラックが出発するようだ。シブヤに寄る様子はない』
(・D・)『よほど時間厳守のようだな。奴さん達は。
シナガワから送られてきているテンプルナイトだ、ここらのとはきっと腕が違う。
抜かるなよ!』
目標が通り過ぎようとした時、サツキ隊の銃弾が雨あられと降り注ぐ。
タイヤを撃ち抜かないように。
「なんだ!?」
「敵襲だ!」
先頭の車から2人のテンプルナイトが出てくる。
盾を貫通し、狙撃を受けて倒れる。
ノ皐;゚⊿゚)「やった!」
184
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 22:35:33 ID:ZQ1xlkAY0
暗闇で獣がごちる。
(・<_,・。)「暇じゃのう。早く人を石化させたいわい」
(・D・)「今日は殺人をしに来たわけじゃないんだ」
止まった一台目に後続の二台目、三台目が追突する。
二台目まではそこそこいいトラックのようだったが、三台目だけはやけに粗末だ。
ジャンク屋の見習いが時たま乗ってくるリヤカーのような軽トラだ。
(・D・)(あれには大したものは積んでいないだろうな)
話しておかなければならない。
まだシンジュクの警戒態勢がもっと厳重になる前の話だ。
面が割れるデメリットを避け、買い出しは一人で行く事になっていた。
地下街の隅で泣いている少年がいた。
手足はヒョロヒョロで、戦闘には向いていなさそうだ。
(・E・)「どうしたよ、オイ。」
「…」
(・E・)「泣いてちゃわかんねえって」
少年によると、両親はウエノ出身というだけでガイア教徒扱いされ過激派のテンプルナイトによって殺された。
その時暮らしていたのはシブヤだった。
彼は悪魔からの襲撃から逃げのび、シンジュクに逃げ込んだのはいいが今度はシンジュクから出られなくなり
古い住民や私設警官にいじめられる日々だという。
(:-E-)「頼むおやっさん!古い付き合いだと思ってこいつを雇ってくれねえか!」
いつも短気で喧嘩っ早いイーが、いくら馬鹿にされてもジャンク屋の親父に頭を擦り付けて頼み込んだ。
「だからなんで俺がそいつを引き取らなきゃいけねえんだ。お前らのところでやれよ」
(;・E・)「こいつの体じゃ戦闘員には向いてねえ!かといってここで浮浪児のままいたら私設警官に殴り殺されちまう!
こいつ足だけは早いみたいなんだ!なんか使えねえか!?」
「…まぁ最近ここも出入りの規制が激しいしな。お前らも売り買いに来るのがめんどくせえだろう。
うちには跡継ぎのガキもいねえな。俺の子って事にしといて見習いで雇ってやる。
そこのおめえ。おめえはどうすんだ、おめえの話だぞ。」
少年は涙と鼻水に塗れた顔を上げる。目には光が宿っていた。
「お願いします。イーさんも、ありがとうございます!!」
ブンブンと手を握られ振られる。イーは帰ったらジャックにしこたま怒られた。
185
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 23:02:43 ID:ZQ1xlkAY0
(#・E・)「お前らはそこで見てろ!うっだらあああああ!」
部下を残し道路から飛び降り、積み荷を確認しに出てきたテンプルナイト達に飛び込む。
ノ皐#゚⊿゚)『イー!俺が撃ちにくいだろうが!』
「ガイアの手の者か?」
体格のいいテンプルナイトが問う。
しかし相対する相手がまだ子供だと見て取り、驚愕する。
「隊長!」
他のテンプルナイトが、イーのアタックナイフによる攻撃を弾く。
それが自分の腹に向けられたものだと察し、ハッとした隊長が指示を出す。
「総員、私に続け!」
第二車両の荷台から次々とテンプルナイトが押し寄せてくる。
「子供だろうと容赦はせんぞ!」
(・E・)「容赦されるいわれはねえぜ!」
チェーンソーを振りかざし、プラズマソードをがりがりと削っていく。
左右からも、テンプルナイトが迫ってくる。
「なんだ、足が…!」
仕掛けておいたマハブフストーンが発動し、トラバサミのようにテンプルナイト達の足を止める。
プラズマソードを折られた騎士はそのまま首筋を斬られ、血の噴水を出して倒れ込む。
イーが後退すると、サツキ達の狙撃がテンプルナイト達の頭を撃ち抜く。
隊長は咄嗟に、トラックの脇について逃れる。
三台目の布をかけただけの粗末な荷台から、数名のテンプルナイトが飛び出してくる。
(綾゚ -゚)「テンタラフー!」
後方からアヤメが悪霊の力を解放し、たちまち聖堂騎士団達は錯乱する。
イーは隊長格を引きずり出し、胸にナイフを突き立てる。
(・E・)「ケッ。」
レ -)「…サマナーか」
186
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 23:39:22 ID:ZQ1xlkAY0
荷台から一人の男が躍り出る。
テンプルナイトとはまた異質な雰囲気で、全身にレインコートのようなものを被っていて顔が見えない
レ -)「貴様ら、誰の命令で動いている?
ダークサマナーに雇われたか?」
(・E・)「誰だかしらねーが、不意打ちとはいい度胸じゃねえか。
次はおめーの番だ、死んでもらうぜッ!!」
レ -)「…まだ幼いようだな。
過ぎた野心は身を亡ぼすぞ」
(#・E・)「やかましいんだよぉォッ!
この状況が分かってんのか、タコ!」
レ -)「…タコは嫌いだな」
(・E・)「調子乗りやがって!」
素早くスマホから氷結系の悪魔を召喚する。
地霊ブッカブー、邪鬼ウェンディゴだ。
(・E・)ニア「やれッ!こいつを殺っちまえッ!」
氷結が降り注ぐ前に、二体の悪魔は光を受けて消滅した。
(;・E・)「何が起こったってんだ!?
うわああああああ!」
闇雲にチェーンソーで斬りかかる。
単調な動きを見切られ、半身で避けられる。
レ -)「動揺して攻撃を外すなど、戦士として失格だ。
悪魔を使役するもの…処刑す」
イーに向けた十字架の銃剣を、宙に振りかざす。
サツキ隊の一斉射撃を一振りで防御した。
『BURST MODE』
そのまま道路上を撃つ。悲鳴が上がる。
(;・E・)『サツキッ!この野郎!』
電源が切れかけのチェーンソーを振りかぶる。
脚底で止められ、そのまま踏まれて折られる。
レ -)「手詰まりだ。死ね」
突如、黒い影が姿を現した。
187
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:08:39 ID:Pq3GbDxY0
マンティコアに騎乗したディーと南だった。
(・<_,・。)「ひよっこが!早く逃げんかい!」
男との間に割って入り、疾風の速さで尻尾を振りかざしイーを一台目の運転席に乗せる。
(・D・)『イーはそれに乗って逃げろ。俺がこいつを引き留める』
(;・E・)『すまねえアニキ。どけっ!』
助手席のテンプルナイトを突き飛ばし、エンジンをかける。
マンティコアが勝手にスマホに戻る。
(・D・)「なにっ!?」
『奴はごっどさまなぁじゃ。悪魔を強制的に魔界にレッツゴー!させてしまう厄介な能力持ちじゃ』
(・D・)「ゴッド…サマナー…?」
レ -)「貴様はゴッドサマナーの存在を知っているようだな。
だがそいつは逃がすか!」
銃剣で一台目のガソリンタンクを狙い撃つ。
それが別の銃弾に阻止された。
レ -)「やるな…」
(・南・)つ「私の存在を忘れてもらっては困るな。
あまり無益な血を流させたくない。これ以上はお互い痛み分けの撤退にしないか」
レ -)「何をいまさら。襲ってきたのlはそっちだろうが。
それに貴様からも悪魔の臭いがするぞ」
十字架から光る剣を伸ばし、超速で斬りかかる。
(・D・)つ「南さんッ!ゼットセイバー!」
咄嗟に秘剣を出し、受け止める。
(・南・)「ディーくん」
南を横目で見ながら言う。
(・D・)「あなたは年上で経験豊富な戦士だが、エンブリオン幹部である以上は俺が守ります。
今のうちに他のトラックを奪取して逃げてください」
(・D・)『こちらディー。敵の大将がおいでなすった。総員退避しろ。
運転できる者はトラックを奪って逃げてくれ』
188
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:28:30 ID:Pq3GbDxY0
レ -)「フン、気を取られているとこいつが頭を切り裂くぞ」
光刃がジリジリと迫る。
今受けているのが普通の鉄製の剣ならば、とっくに焼き切られていただろう。
(;・D・)「くっ…!」
レ -)「あんなゴミクズどもを逃がして殉教でもするつもりか!?
道を違えなければ貴様も筋のいいゴッドサマナーになれていただろうに」
思わず力が入る。
(・D・)「あんたは知らないかも知れないが、みんな親から捨てられたり悪魔に住処を奪われた子供達だ。
癖のある奴ばかりだが、俺達はみんな一緒に生死をかけてここまで生きて来たんだ!!!」
(#・D・)「それ以上、何か言うなら許さない!!!」
一瞬だがゼットセイバーの力が勝った。
数歩だけ相手を押し戻す。
レ -)「フン、性質の似た剣か。
つまりはエネルギーが切れた時点で生死が分かたれることになるな」
男は怯まず構えなおす。
「テンタラフー!」
レ -)「精神干渉か。残念だが俺には効かん」
片手で手榴弾を取り出し、地面に放る。
(綾;゚ -゚)「キャ!」
(・D・)『アヤメも早く逃げろ!』
(綾゚ -゚)『でも…ディーを置いていけないよ!』
レ -)「ゴミクズ同士の庇いあいか。実に美しいことだ。
下らん感傷ごと順番に焼き斬り殺してやるから、首を洗って待っていろ」
(・J・)『リーダー、ここで全員撤退させるのは愚策だ。
相手はかなりのつわものなのだろう。あなたが死ぬぞ』
(;・D・)『俺が死んで皆を生かせるなら、それでいい』
189
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:47:41 ID:Pq3GbDxY0
(・E・)「よし!かかった!」
イーは全速力でUターンし南方向に飛ばす。
レ -)「おっと」
(;・D・)「うおっ!」
二人の間にトラックが突っ込んでくる。
危ういところだったが、お互いが離れ鍔競り合いの膠着状態は解ける。
レ -)「仕切り直しか。だがそちらはいつまで持つかな」
(;・D・)「…」
見ると、棒状の剣が消えかかっている。
充電は十分したはずだ。この男との闘いでかなり消耗してしまったという事か。
手書きの説明書によると剣の出力は、ロー、ミディアム、ハイ、アルティメットの4段階に調整が可能らしい。
今がアルティメットなので、出力を下げれば長持ちはするだろうが男の剣を受けられるかが怪しい。
「ウオオオオオ!」
物陰から誰かが飛び出し、拳を突き出した。
(・南・)「私はこの子達を何年も見守ってきた!
侮辱するなら、私が許さん!」
余裕ありげにガードの体制を取るが、そのまま吹き飛ばされ宙に浮く。
レ -)「…チッ!先の小僧との戦いで意外と体力を消耗してしまったか!」
ジェットブーツで足を地面に留める。
素早く回り込んだ南に羽交い絞めにされ、身体を締め上げられる。
レ -)「わざわざ敵の陣地に入るとは、バカめ」
銃剣を後ろに向け撃つ。
南の拘束が緩まる。
更にジェットブーツの促進による蹴りが顔面に入る。
(;-南-)「ぐっ」
レ -)「闇の中で、老いさらばえろ」
完全に拘束を解かれ、ガントレットで腹筋に殴りを入れる。
何かが折れる嫌な音が聞こえる。
追い打ちで光弾を連射され、トラックの向こうに吹き飛ばされる。
(;・D・)「南さんッ!」
190
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 01:03:01 ID:Pq3GbDxY0
怒りのあまり男のレインコートの胸倉を掴む。
(・D・)「許さねえ」
レ -)「ほお」
(・D・)「テメエだけは許さねえ」
レ -)「オイオイ、悪魔も召喚できないひ弱なサマナーに何ができる」
その時、物陰から巨体が現れた。
https://i.imgur.com/S2Vi4Pt.jpg
ごつい鎧を身に纏った恐ろしくも芸術的な姿の悪魔は、男を張り倒す。
レ -)「なに!?」
いきなり現れた高位悪魔の出現に、男も狼狽したようだ,。
(・D・)『今がチャンスだ!アヤメ!二号に乗り込め!』
(綾゚ -゚)『…わかった!ディーも生きて帰ってきてね!』
アヤメは素早く乗り込み、必死にエンジンをかける。
レ -)「させる…ガッ!」
悪魔に連続で張り倒され、男は動くことができない。
(増・д・)「ウオオオオオ!」
三号車を持ち上げ、男に投げつけ下敷きにする。
レ -)「クソっ」
今がチャンスだ。
(;・D・)「うおおおおお!」
銃であからさまに見えているをエンジンタンクの蓋を撃つ。
三号は爆発、大炎上。
191
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 01:51:54 ID:Pq3GbDxY0
アヤメの二号車も無事にエンジンがかかったようだ。
炎を避け、フラフラしながら走り去る。
いつの間にか、加勢してくれた悪魔はいなくなっている。
(;D;)「やったか…しかし…南さん…すまな…」
倒れ込むディーを、誰かが支える。
(・南・)「大丈夫かね、ディー君」
(・D・)「南さん!?生きて…」
く(;・南・)「面目ない。あの男にやられて気を失っていた。
さっきの爆発で目を覚ました。
軍人失格だな」
苦笑いする
(・南・)「で、あの男は?」
大炎上する軽トラックを指さす。
(・南・)「そうか…できれば殺したくはなかったが…
あれだけの強敵だったのだ、手加減などできなかった。
自分を責める必要はないぞ、リーダー」
(・D・)「恥ずかしいですが、エンブリオンの仲間達を馬鹿にされて頭に血が昇ってしまいました。
俺の方が力が強かったら、命乞いされても殺していたかもしれません」
(・南・)「それは君が真に仲間を思っているという証拠だ。
オザワなど見てみろ。人も悪魔も使い捨てじゃないか。
誇っていいんだ、その怒りは」
(・D・)「とりあえず、帰りましょう。
みんな怪我がないといいんですが」
192
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 20:52:23 ID:Pq3GbDxY0
(綾; -;)「ディー!」
気が付くと医療室のベッドの上。
頭には包帯が巻かれている。
(・D・)「泣きすぎだよ、アヤメ」
飛びついてくるアヤメの頭をなでてなだめる。
(綾; -;)「だって夜明けから三日間も寝てたのよ!?
もうこのまま目を覚まさないかもって…」
(;・D・)「三日!?みんなは無事なのか!」
ラン ゚ -゚)「おはようございます。
焦って逃げて転んで怪我した子とかはいるけど、大事に至ってはいないわ。」
(・D・)「それはよかった」
(;・E・人)「すまねえアニキ!俺のせいだ!」
(・D・)「藪から棒にどうした、イー」
上体を起こして出迎える。
(;・E・)「あの変なマント野郎の代わりに、アニキを吹き飛ばしちまったんだ!」
ラン;゚ -゚)「南さんがあなたを担いで蒼白で帰ってきた時はビックリしたわ。
医療班のみんなの仲魔で回復魔法をかけたんだけど…それでも目を覚まさなくて」
(:E;)「すまねえ…すまねえ…」
土下座して頭をこすり合わせる。
(・D・)「ラン、医療班の仲魔にも攻撃特化の仲魔を一体は入れておけ。
痕跡は恐らく消してあると思うが、メシア教の報復がここまで来るかもしれないかな。
今回の詫びに、イーに合体で適任な仲魔を見繕ってもらおうか」
(・E・)「! やるよアニキ!何でもやる!」
途端に顔を上げて喜ぶ。やはりちょっとアホでいい奴だ。
ラン ゚ -゚)「さあさ、リーダーは怪我人なんだから出てった出てった」
ランが皆を追い出す。
193
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:10:19 ID:Pq3GbDxY0
ラン ゚ -゚)「さてリーダー。聞きたい事があるのだけれど」
(・D・)「何かな?」
ラン ゚ -゚)「隠さずに話して。もしかして、帰ってくる途中で頭痛で気を失ったんじゃないかしら」
(・D・)「御明察。よくわかったな」
ラン ゚ -゚)「医学書で調べたんだけどね、車の衝突事故って普通はひどい後遺症が残るものなの。
脳が揺れる脳震盪、脳挫傷、体中が後から痛くなってくるむち打ち症とかね。」
(・D・)「あの男との戦いに夢中で覚えていないが、俺がイーのトラックに撥ねられたっていうのは本当らしいな。
よく死なずに済んだもんだ」
苦笑いして肩をすくめる。
ラン ゚ -゚)「それでね…提案なんだけど…
しばらく休んではどうかしら。
アヤメ姉の報告によると、以前から何日も動いては何日も寝るというのを繰り返していたというし。」
(・D・)「嬉しい申し出だが、断る」
ラン#゚ -゚)「リーダー!」
(・D・)「まぁそう怒るな。あの襲撃がうまくいったかどうか、確かめておく必要があるしな」
ベッドから完全に体を起こし、よろよろと立つ。
ラン ゚ -゚)「どこへ行くの?」
(・D・)「お前の兄貴のところさ。強奪品がどれだけか確かめておきたい。
それと一番強い痛み止めをくれるか」
ラン ゚ -゚)「…」
何も言わずに、瓶をそのまま手渡してきた。
そして数粒飲み、瓶はポケットに入れた。
(・D・)「悪いがこの事は誰にもナイショにしてくれな。」
194
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:32:55 ID:Pq3GbDxY0
(・D・)「ジャックか」
(・月・)「おお、久しぶりだな」
(・D・)「科学的根拠爺さん」
(・J・)「リーダー。無事で何よりだ」
振り返るジャック。
(・D・)「何をしているんだ?」
(・J・)「先日のマシンの解析を頼んでいる。
残念だが私には最新鋭のマシンを操れなかったからな。
解体して持って帰ってきた」
(・月・)「時間はかかるが、いい仕様にして組み立てなおすことはできるぞ!
出来ない科学的根拠はないに等しい!」
(・D・)「ジャック。トラックと積み荷は」
(・J・)「あそこに」
顎で指す方向の二台のトラックを調べる。
空荷だ。
(・J・)「どういうことだ、と聞かれる前に言っておこう。
リーダーが昏睡している間、私なりに考えた。
荷物をそのままにして、万が一メシア教に嗅ぎつけられても困る。
マッカは貯蔵庫、武器類は武器庫、弾薬は最低限のものを残してジャンク屋の使いに売った」
(・D・)「マッカの額は?」
(・J・)「約50万マッカだった。
正直、リーダーをチップにしての賭けにしては期待外れだ」
(・D・)「でもこれで冬はどうにか乗り切れるな。
引き続き、できる事を頼む」
次は武器庫で手入れをしているサツキに会う。
ノ皐゚⊿゚)「おーリーダー!生きてたかー!」
(・D・)「お前もな。無事だったか」
195
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:47:44 ID:Pq3GbDxY0
ノ皐゚⊿゚)「あの変な野郎に撃たれたけど、ビビって身を隠してどうにか生きてたよ!
それよかリーダー!体の方は大丈夫なのか!」
(・D・)「三日も寝てたらしいからな。ビンビンだ」
ノ皐*゚⊿゚)「あんなバケモノみたいに素早いヤローに引けを取らないなんて、やっぱすげーよ!」
尊敬の眼差しで見つめてくる。
それがディーには痛かった.。
(・D・)「奴の死体は確認できたか?」
一番気がかりだったのはそれだ。
ノ皐゚⊿゚)「手下の連中と一緒に確認に行ったんだけどさぁ、焼けた死体は発見できなかったよ。
まぁトラックの下敷きになって爆発大炎上に巻き込まれたんだ、骨も残ってねえさ!」
男らしく豪快に笑う。
女なのだが。
夕食。
作戦成功祝いに、久々のストーンカ肉のステーキが出た。
(;・D・)(ぐっ…)
飲み込もうとするが、強い嘔吐感が勝った。
急いで水を飲んで誤魔化す。
ラン ;゚ -゚)「リーダー!?」
(・E・)「サツキの調理担当分が当たったんじゃねえの?」
ノ皐#゚⊿゚)「ンだとこら!ギガスマッシャーの巣にするぞ!」
(;・D・)「大丈夫だ。寝すぎたせいか食欲がないだけだ」
バラすなよ、と目くばせをする。
ラン ゚ -゚)「…そうね。数日間絶食状態の人って急に固形物を胃に入れるとショック状態を起こすの。
後で点滴で栄養を取りましょう」
古米に手を付けず、ステーキは9割残して去る。
(綾゚ -゚)「私が食べるわ。命に失礼だもの」
196
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:02:27 ID:Pq3GbDxY0
その後数か月、日を挟みつつリハビリとして悪魔狩りによく出かけた。
だが眩暈がして銃の昇順を外したり、剣戟の途中で吐き気を催したりした。
魔獣ストーンカの突進を止め、尾で串刺しにしたマンティコアが言う。
(・<_,・。)「いい加減に公表したらどうかのう、ひよっこよ。
お前は前任のディー程じゃないがよく頑張ったと思うとるよ」
(;・D・)「ハァ…あ…お前からそんな事…言って…もらえる…なんてな」
頼りがいのある妖獣の背に乗り、帰還する。
ラン ゚ -゚)「ちょっと来て」
砦で待っていたランに、病室に連れて行かれる。
ラン ゚ -゚)「幹部ではなく主治医として言います。休養してください」
(・D・)「それはダメだ」
ラン ゚ -゚)「戦闘に支障も出てるんでしょう?今の状態じゃ無理よ。
どうにか腕のいい医者を…」
(・D・)「それもダメだ。エンブリオンの資金を個人的に使う事は許されない。
親父だって同じ立場だったらそうする」
頭がモヤモヤする。
兄貴の葉巻を幼い頃に吸わせてもらった時のような。
ラン - --)「そうね…そうやって意地になるところがお師匠そっくりよ。
私だってお師匠を尊敬している。でも、今会えたら言いたい事があるの。
当時の私達は非力だったかもしれない。でも無力じゃない。
皆の力を頼ってほしかった。なんで勝手に出て行っちゃったの。
リーダーだからって自分だけで全部背負い込んで、帰らぬ事になってしまうなんて…」
ラン ゚ -゚)「そんなところまで真似しないでね。私、そんなところまでは尊敬できない」
(・D・)「わかった。死なない程度に頑張るよ」
「そうだぜ!」
197
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:17:31 ID:Pq3GbDxY0
病室の入口には、幹部の面々が立っていた。
(・D・)「お前達」
ラン ゚ -゚)「ごめんなさい、リーダー。でももうバラしちゃった」
下を出して少し笑う。
(・D・)「何故だ…!何故だ…!」
(綾゚;-;)「ディーは私達の事、信用できない?
それとも自分を信用できないの?」
アヤメに抱きつかれる。言葉が出ない。
(綾゚ -゚)「じゃあ、ディーを信じる私を信じて。
私…ディーよりディーの事知ってるから。」
(・E・)「そうだぜ!俺達が十年来の付き合いなんだぜ!」
(・J・)「数々の挙動の不振さ、気付いていないとでも思ったか」
ノ皐゚⊿゚)「俺とネズミは新参だけどよぉ、だいぶ力はついてきたはずだぜ。
俺達も信用しちゃくれねえのかい?」
>…
(-D-)つ「観念した。そろそろ限界か…」
アヤメに抱かれるディーの手から灰がこぼれる。
(綾;゚ -゚)「ディー!?」
(;・D・)「俺もやっぱり失敗作だったというわけか」
198
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:47:59 ID:Pq3GbDxY0
(;・J・)「失敗作?どういうことだ?」
(・D・)「…俺はずっと前に死んでるんだ。
親父に拾われる前の、シンジュクで浮浪児やってる頃にな」
一同が唖然として沈黙する。
(・D・)「アヤメ達と会うずっと昔の頃だ。
親から捨てられ、訳もわからず外に出てとっこうたい達にリンチされ殺された。」
(・D・)「そして邪教の館で、禁断の死体合体の素材にされた。」
(;・E・)「死体合体だぁ!?そんなの聞いた事ねえぞ!」
(・D・)「今考えると、自我のない従順な悪魔兵士でも作りたかったんだろう。
だが実際は失敗だった。俺と似たように殺された仲間は…魔法陣から変な肉塊として出てきた
俺は…合体の儀式の最中に失敗しシリンダーから弾き飛ばされ、息は吹き返した。息はな
覚えているのはそこまでだ」
ノ皐;゚⊿゚)「リーダーは悪魔…ってこと?」
(・D・)「いや、多分合体が失敗に終わったせいで悪魔のデメリット…灰になる事だけ引き継がれたんだろう。
悪魔も瀕死体だったからな」
改めて自分の掌を見る。
意識するほど灰化が進んでいるようで、思わず目を逸らす。
(綾゚ -゚)「お願い。ディーは一度リーダーを降りて、ゆっくり休んで。
私達幹部が協力してエンブリオンを運営するわ」
(・E・)「そうだ!俺とサツキが悪魔を狩って稼ぐぜ!」
(・J・)「…数か月前の襲撃が功を奏したか、冬を凌いでも貯蓄は十分にある。
無理せず悪魔狩りと交易をしていれば、食うには困らないだろう」
(・D・)「みんな…すまん」
ラン ゚ -゚)「きっと諸々の後遺症の治療法も見つかるわ。
いや、見つけてみせるから!」
(・J・)「とりあえずしばらくはアヤメはリーダー、いやディーのそばにいてやってくれ。
精神安定剤がまずは必要だろう」
アヤメは小さくうなずき、弱弱しいディーをおんぶした。
199
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 21:33:04 ID:qK5o..R.0
2049年、某日。
うだるような熱さは、調子の悪さによるものか。
自室のベッドで安静にしているディーは思った。
時々、アヤメがディーをおぶって散歩デートに出かけた。
(綾゚ -゚)「雪は嫌い」
(・D・)「なんで?」
(綾゚ -゚)「両親が焼け死んだのが、雪の日だったから」
アヤメは雪が嫌いだった。
アヤメはシンジュク生まれでなく、移民のようなものだった。
六回目までは楽しかった。
七回目のクリスマスの日、アヤメは両親を失った。
あの日、アヤメは両親と一緒に決して質はよくはない食材を買いに行った時
暴徒達による放火に巻き込まれた。
両親は建物からアヤメを突き飛ばし、代わりに悪魔の炎に巻かれた。
https://i.imgur.com/gvb91SN.jpg
メシア教の上級戦士達が駆けつけ、多大な被害を出しながらも悪魔と暴徒達は討伐された。
真っ黒に焼け爛れたお父さん、お母さんの死体。
いつの間にか雪が降り始めていた。
焼死体の発する熱が雪を解かす。
それは、両親がまだ生きているかのように感じられた。
そしてどこかの業者に引き取られ、シンジュクにぶち込まれるに至る。
200
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 21:52:50 ID:qK5o..R.0
あの話はだいぶ前だったような気がするから、今は冬は終わっているのだろう。
ディーは正反対に雪が好きだった。
雪に当たると、徐々に灰化していく自分の身体が癒されていく気がした。
だから雪の日の夜中には、こっそりフラフラになりながらも浴びに行った。
護衛は相棒がついていてくれる。
─
(・<_,・。)「ワシは氷結には強くないんじゃがのお」
(-D・)「すまんな。もう少し寝かせてくれ」
獣の背に乗ったまま、まどろみに身を任せる。
ああ、心地よい。
リーダーでなくなった事でディーが気付かないうちにつけていた枷と
生きる気力が同時に失われれていっていた。
(・<_,・。)「ひやっこくて気持ちいいからって雪は食うなよ。
ひよっこにはわからんと思うが、放射能が含まれてるかもしれんからの。
死にたければやるがいい」
(D)「こんな何もできない体だが、まだ死ねないよ。
アヤメを残しては」
─
最近は立つのも億劫だ。
他の皆は諦めてしまったが、ディーだけは親父の行方を探っている。
はー、と溜息をつきながら、マンティコアは二日に一度はそこら中を走り回る。
人間に狩られかけたことも何度もあったという。
しかし上級の妖獣、全て返り討ちだ。
召喚師が稼がないので、帰りは悪魔を適当に狩ってマグネタイトを補充している。
時々悪魔ハンターを斃した時に装備を持ち帰り、エンブリオンの財源とする。
組織の要である悪魔が独断で行動しているのも、それで言い訳はつく。
今日も頭が割れるようだ。
その時、大声が響いた。
ラン;゚ -゚)「どいてどいて!怪我人よ!」
201
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:01:33 ID:qK5o..R.0
外を覗くと、メガネの男が担架に運ばれていく。
ディーは重い腰を上げる。
誰か新人が悪魔にやられたのか。
鬼の事件以来、ディーは自分以外のメンバーが死ぬのは心底イヤだった。
だからあの謎の男との戦いでも、自分だけ残った。
(・D・)「よっ。薬を貰いに来た」
ラン ゚ -゚)「リーダー。ごめんなさい、ちょっと待ってね。
アヤメ姉が外で怪我人を見つけてきたの」
ランは背を向けたまま答える。
「動かないでください!」
(□A□)「余計な事をするなよ。かすり傷だ」
迷彩服を着た男は迷惑そうに言う。
本当にかすり傷程度のようだ。
(綾;゚ -゚)「でもあんな数の悪魔相手に無事なわけがありません」
(□A□)「お前ら脆弱と一緒にするな。俺はな、生まれた時代が違うんだよ」
202
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:17:37 ID:qK5o..R.0
物珍しい来客を食堂に誘う。
(・E・)「おっ見た事ねえ銃だ。これマシンガン?」
(□A□)「大破壊前に流通していたMP5だ。あとベタベタ近づくな、暑苦っしい」
イーは物珍しい銃を手に取り興奮している。
ノ皐゚⊿゚)「すげーなこれ!どこで手に入るんだ?
シンジュクじゃ売ってるの見た事ねえよ」
(□A□)「そりゃねえだろうな。大破壊前のブツだぜ」
ノ皐゚⊿゚)「じゃあ型落ち銃ってコトか!?
そんなんで悪魔数十体を相手にしてたって、これマジ?」
(□A□)ニア「俺の主武装はこれだ」
指先をメラメラと燃やす。
ノ皐;゚⊿゚)「あぶね!引火するだろうが」
思わず殴りかかるサツキの拳を正面から握り止める。
ノ皐;゚⊿゚)「な…俺のウルトラパンチを…」
サツキは女の子とはいえ腕っぷしはそこらの男子よりいい。
タンクトップに筋肉のしっかりついた二の腕でわかる。
(□A□)つ「甘いな。そんなド正面から戦ってんのか、お前ら?
そんなんでよく生きていけるもんだ」
(・J・)「失礼する」
ジャックが入ってきた。
(・J・)「我がアジトの外で暴れていたというのは君か。
正直、素性のわからないものは出て行ってほしいのだがね」
ジャックがナイフで脅しをかける。
(□A□)「ほう。俺とやるのか。後悔するぜ」
ドクオは折りたたまれた小さく長い入れ物から何かを取り出した。
ディー達は知るよしもなかったが、単車の免許証だった。
「鬱田 ドクオ」という名前と顔写真がある。
(□A□)「俺は異世界から来た。大破壊を経由してな」
203
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:33:58 ID:qK5o..R.0
(;・D・)「生まれた時代が違うって、そういう事ですか?
でも異世界って?」
(・E・)「しっかしよぉ、なんかガテンがいかなくねえか?
だってよぉ、大破壊前生まれなんだろ?
40過ぎの親父には見えんぜ」
(□A□)「どこにあるかわからないなんたら神界に、なんたら回廊を通ってな。
俺は大破壊前の2019年でICBMを確かに食らった。
そしてなんたら神界で目が覚めた。」
(□A□)「そして悪魔をひたすら倒して、力をつけた。
そして…俺は帰ってきた。
オザワとその血族を皆殺しにするために…」
(・南・)「大破壊の影響で、次元の裂け目でも…?
君にとっては、つい昨日の出来事というわけか」
(□A□)
男が少し口端を上げて笑った気がした。
(・D・)「オザワ?オザワって言ったのか?」
(□A□)「そうだが?
大破壊前の本人とも限らんが、少なくともあの血縁の可能性は高いだろう」
(綾;゚ -゚)「シンジュクは辞めた方がいいわ。
あそこにはオザワの雇った人売りや、人を容赦なく殺す私設警察が山ほどいるもの」
(□A□)「…詰めが甘いぜ、お前ら。
虫も殺せねえようなマシンじゃ、悪魔の襲撃は防げねえ」
男が明後日の方向を見て呟く。
204
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:45:50 ID:qK5o..R.0
(□A□)「どっかでメカニックでも見つけて、マシンの自動化をやっておけ。
そうすりゃこの廃墟もマシになるだろうよ」
入口の砦を手で叩いて言う。
(綾゚ -゚)「あの…!」
(□A□)「あ?」
(綾;゚ -゚)「もう少しここに留まりませんか?」
(□A□)「…俺に用心棒になれってか?」
(綾゚ -゚)「…行くところがなければ」
(□A□)「悪ィがツレが二人ほどいるんだ。探さなきゃいけねえ。
それにシンジュクには武器が売ってるんだろう?新調もしたいしな」
(綾;゚ -゚)「じゃ、じゃあせめてこのオニギリを持って行って…」
(□A□)「いらん。こんな子だくさんのとこから取れるかよ」
包みを押し返し、逆にいくつかの武器を押し渡す。
(□A□)「お節介だったが、世話になった礼だ。それとこれとこれを土産としてもらっていくぜ」
いつの間にかボロバイクに跨り、右手には酒瓶を持っている。
(・J・)「物資を勝手に持ち出すな」
っ-l--゙
(□A□)「拉致したのはお前らだろうが」
っy=
男は走り去っていく。
205
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:58:22 ID:qK5o..R.0
約一か月後。
使いを出し、ジャンク屋のバイトを呼んだ。
「うわあ、こんないっぱいのプラズマソード!
これどうしたんですか?」
(・D・)「あー、知り合いにもらってな」
「ああ、それと一度シンジュクに来てもらえませんか?
店長がお話があるようで」
(綾;゚ -゚)「え…それはちょっと」
「今は大丈夫なんですよ。
幹部の皆さん、どうぞ」
乗ってきたトラックを指さす。
「よう、久しぶりじゃねえか」
(・D・)「どうも。なんか雰囲気がかわりましたね。」
「ほっとけ。すぐ酒飲みに行きたがるアホの面倒見るので疲れてんだ」
ジャンク屋主人は多少嬉しそうだ。
「さて、いつも通り裏口にまわんな」
ディー達が入ると、バイトは素早くシャッターを閉めた。
「税金の束縛はなくなったが、今度は悪魔が出てきやがって怠いったらありゃあしねえ。
おっ、なんだこの大量のプラズマソードは。
支給されたもん無くした青い顔のテンプルナイトが高値で買ってくれそうだぁな。
特別に高く買ってやるよ」
ラン ゚ -゚)「で、幹部総出で呼び出すなんて何の話なの?」
「知らねえのも無理ねえか。オザワがどっかの馬の骨にタマぁ取られたって話だ」
206
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 23:08:02 ID:qK5o..R.0
(・D・)「!?」
散々自分達を苦しめてきたオザワが、死んだ!?
ディーを始め、全員が驚愕していた。
オザワは最強の悪魔を手に入れ、シンジュクの支配者としての地位を盤石にしていたはずだが…
(;・E・)「どんなバケモノだよ、そいつは」
「年上には敬語を使え。どいつもこいつもなれなれしい…
まぁ噂の噂だから話半分で聞いとけよ」
親父はおしゃべりなおばさんに性転換した。
「どこから湧いて出たのか素性はまったくわからん。
三人組の、お前らくらいの歳の男三人でな。
恐ろしいことに三人とも綺麗なスマホ持ちのサマナーだったそうだ。
そのうち一人は背の高いメガネで神経質そうな男でよ…」
「そいつはオザワと因縁があったらしく、シンジュク中を嗅ぎまわって悪行の証拠を突き付けたらしい。
そして奴のオフィスを襲ったらしいが、奴の召喚した悪魔にあっけなくやられて逃げ帰った。
そして命までは取られなかったのを感謝し、奴に屈服して私設警察入りするのかと思えば…」
「そいつは…邪教の館で悪魔と合体しやがったそうだ。」
207
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 23:27:02 ID:qK5o..R.0
初期メンバーの四人は目を見張る。
人間と悪魔の合体は、人間側の意識が保てない禁忌の術だから絶対にやるなと親父から言われていたからだ。
ラン ゚ -゚)「噂にしては、いくらなんでも眉唾物じゃない?」
「俺だってこの目で見たわけじゃねえ。
だが、三人が再びオザワんとこに行って奴を殺ったのはマジだ。
しかも合体した男がタイマンで悪魔ごと滅ぼしたって噂もあらぁ。
そんな芸当、悪魔と合体した化け物…超人や魔人、ダークサマナーじゃなきゃできねえわな」
(綾゚ -゚)「オザワがいなくなったということは、施設警察も…?」
「そういうこった。もうシンジュクの出禁も解除されて税金もなくなり自由の街さ。
もっとも悪魔も自由になっちまったけどな」
ノ皐゚⊿゚)「ざまあ!散々威張り腐ってた奴らもひどい目にあってるんだろうな!」
「ああ。長官は火炙り…というより部屋ごと焼き尽くされて名目上は行方不明。
更に部屋の中で炭化しかけたオザワの生首が見つかったそうだ。
流石に売り物にしようとは俺は思わなかったがな」
「他の奴らも見つかり次第リンチされてるらしいぜ。
逃げ出そうにも外には悪魔がワラワラ、今度は住人が出て行こうとする奴を見張りしてるしな
自業自得っていうのはこのことだ」
(・J・)「しかし悪魔が出てくるようになっては、また別の地獄だな
独裁が混沌に変わったに過ぎない」
「そーなんだよ。だからよリーダー、いや今は休養中の元リーダーか?
今すぐってわけじゃあねえが、エンブリオンの中から腕っぷしの立つヤツを少し用心棒に回しちゃくんねえか?
給金も買取価格もハズムぜ。どうよ?」
(;・D・)「俺にはその権限は今はない。幹部全員で決めさせてもらう。それでいいですか?」
「頼んだぜ。何せあいつは逃げ足だけ早くて戦闘の役には…あっ、あの野郎また酒か!
今日は閉める。用が済んだらとっとと帰れ」
ノ皐゚⊿゚)「自分が呼んだくせに」
頭痛がする、また指から微かに灰がこぼれた。
食糧を調達し、サツキをなだめながら岐路につく。
トラックの中で居眠りしつつ考える。
長官室を焼き尽くしたという炎。
炎使い。
何かが引っかかった。
208
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:00:26 ID:wsiqK6720
更に半月後の深夜。
女子達が一斉に行方不明になる事件が起きた。
親父が残していった「ハーメルンの笛吹き」のようだった。
(綾;゚ -゚)「う…」
自室で寝ていたアヤメが突然直立に立ち上がる。
緊縛を受けたように体の自由が効かない。
見ると、自室等や相部屋から次々と女子ばかり出て行っている。
一人にひっしに念を送ってみる。
一瞬振り返るが、目はうつろで、また歩き出してしまった。
やがてアジトの砦にまで来ると、一人の女子が銃で簡易セキュリティシステムを破壊した。
これで出入りは自由というわけだ。
恐らくこの手際はサツキ隊の子だろう。
(綾:゚ -゚)(ダメよ…そんな事しちゃいけない)
地下防空壕の幼い子達も這い出てくる。
アヤメは必死に抗うが、足を止められない。
(綾;゚ -゚)(助けて…ディー、助けて…!)
209
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:28:02 ID:wsiqK6720
そこはかつて、アカサカで最も高い高層を有したホテルの跡地だった。
目を覚ますアヤメ。
(綾゚ -゚)「ここは…?」
(・ハ・)「この地に客人とは、珍しいものもあったものです
まあ、私が呼んだのですがね。クククッ」
(綾;゚ -゚)「そのお顔は…お師匠!」
顎髭もあるが、あの顔立ち。
(・ハ・)「お師匠…?違いますね。
私は高貴なるヴァンパイア、ラプトキア」
(綾;゚ -゚)「お師匠は悪魔だったの…?」
(・ハ・)「そう、私はこの時を待っていました。
貴方達が熟れていい果実になるのをね…」
(・ハ・)「古来より悪魔は数あれど、私の眷属はあなたがたの世界と特にかかわりが深い。
普段は魔界に住んでいますが、ニンゲン界にこのような別宅も有しています。」
(綾;゚ -゚)「私達をここまで連れて来たのはあなたですか?
何か私達に用事でも?」
(・ハ・)「貴女達は徒党を組んで、私の領地を荒しまわっている。
思い上がったオザワも消え、ロッポンギの統治者気取りのベリアルがいなくなった事で、この一帯は再び私のものになりました。
他人の領地に住むのなら、貢物は必須でしょう」
他の子達も起きてきた。幼い子などは無理矢理歩かされてクタクタだ。
(綾;゚ -゚)「貢ぎ物とはマッカですか?マグネタイトですか?」
これじゃオザワの税金と同じじゃない。そう思う。
(・ハ・)「貴女達全員の血で贖ってもらいましょうか。」
(綾;゚ -゚)「なっ…」
(・ハ・)「お嬢さん、あなたは特に美しい。
しかもあの拠点に住んでいた女性たちは皆処女だ。匂いでわかる。
私と交わり花を散らし、血を貪らせる生贄となるのです」
(綾;゚ -゚)「悪魔の男の人っていつもそうですね!私たちのことなんだと思ってるんですか!?」
つと
「ただの餌だ」
210
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:46:52 ID:wsiqK6720
乾いた銃声が響く。
(#ハ・)「ガ…!」
(・パ・)「アヤメ。大丈夫か」
っy=
続けざまにヴァンパイアの顔面に銃を放ち続ける。
https://pbs.twimg.com/media/D7d6vPSUYAEUPwa.jpg
(丶´皿`)「おのれ…貴様…」
激昂し、青白いヴァンパイアの本性が見えた。
撃たれた箇所が徐々に再生していく。
(綾;゚ -゚)「本物の…お師匠?」
(・パ・)「ああ。遅くなってすまなかった。
こいつは親のヴァンパイアをゴッドサマナーに殺され、逃げだしたクズ野郎だよ。
おまけに俺に擬態して愛娘達を穢そうとはな」
(丶´皿`)「しつこい野郎だ!ここまで追ってくるとはな!」
ヴァンパイアの魔法をかわしつつ、肉薄する。
(・パ・)「間抜け野郎が。なんでバレたと思う?
いるのは分かってんだ。出てこいよ、センセイ」
急に手に出てきた手を咄嗟に避ける。
誰かがアヤメの後ろから到着する。銃を撃つ。
ノ皐#゚⊿゚)「てめー!俺だけ誘拐しなかったって事は、俺は女として見なされなかったって事か!
俺も処女だぞ!ぶっ殺す!」
( ^Ω^)「フハハハハハッ、ご苦労だったな。
そろってここまで来てくれるとは。
こちらから出向く手間が省けたというものだ。
役立たずどもは皆やられたようだしな」
(綾゚ -゚)「内藤神父…!」
(丶´皿`)「ニャルのセンセイ!助けてください!」
( ^Ω^)「いいだろう。哀れな貴様の願いを聞いてやろう。
だが…奴らを放っておいていいのかな?」
突如、上から轟音。
211
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:02:35 ID:wsiqK6720
https://www.youtube.com/watch?v=v08Qfrj07jA
(丶;´皿`)「なんだ!?」
「チェーンジ!オオツキィ、ワン!」
寂れた最上階を突き抜け、オオツキロボが降臨する。
(綾;゚ -゚)「みんな!」
(・D・)「危機一髪だったな。アヤメのスマホにGPSを入れておいたのさ!」
(・J・)「せっかく救助に来たのだ、メンバーを潰すなよ。特にイー」
(・E・)「わかってらあ!チェンジ!オオツキスリー!」
渾身のハンマーパンチが吸血鬼に炸裂する。
(丶#皿`)「バカな…セキュリティは破壊してオスどもには悪魔の軍勢を送っておいたはずなのに…」
(・E・)「ある人の助言でな!射程圏内の悪魔を掃討するようにマシンを改装しといたのさ!」
(・J・)「チェンジ!オオツキ、ツー!」
腕のドリルがヴァンパイアに追い打ちをかける。
しかし、ぬめっとした手で止められる。
( ^Ω^)「なかなかやるな。だが、ここまでだ!
ここのホテル全体が生贄の魔法陣なのだ!」
内藤神父の肉体が裂け、名伏しがたい姿に変貌する。
(・・・)「我は邪神ニャルラトホテプ!男どもはまとめて死んでもらおう!」
https://pbs.twimg.com/media/EwdAHspVkAU5V7i.jpg
黒い翼から放たれる異界の風でオオツキロボが転ぶ。
ノ皐#゚⊿゚)「てめえかああああああ!よくもクロエ姐ぇを!」
っy=
(・・・)つ「テトラカーン!」
ありったけ放った散弾を全て返される。
オオツキロボが咄嗟に庇った。
(・パ・)「焦るなサツキ。そういうところは母似だな。
俺も奴には借りがある。じっくり追い詰めてやろうじゃないか」
(丶´皿`)「アスモのセンセイ!」
212
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:23:39 ID:wsiqK6720
http://f46.aaacafe.ne.jp/~aqul/aton/mt/74.PNG
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「人の子よ、ここまで来たのは見上げたものだな。
それもここまでだ、我が力見るがよい!」
奥の部屋から三つ首の悪魔が突進してくる。
(;・D・)「ぐおっ!
ジャック、オオツキツーの機動力で避け…」
(・E・)「いや、ここはこれだ!」
チェンジ、オオツキスリー!
無骨な戦車型マシンで押し返す。
(・パ・)つ「乱戦になってきたな。
アヤメ、お前は女の子たちを避難させろ」
(綾;゚ -゚)「はい。みんな!」
大きく手を振り、意識のある者を誘導する。
意識が戻っていないものは、数人がかりで持ち上げて建物の外に出す。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ジオラオン!」
オオツキロボがビクッと跳ねる。
電撃には弱い。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ブフダイン!」
ボディ全体を軽く氷漬けにされてしまった。
(;・E・)「くっ!うごかねー!」
(;・J・)「ペンパトラを使える仲魔はいなかったか…?」
(;・鼠・)「はやく乗るでやんすよ!」
ネズミの用意したトラックに、若い順から押し込まれる女子達。
(・・・)「ククク、美しい友情だな。
さて、近隣の建物にはまだ少しニンゲンが住んでるみたいじゃないか。
建物ごと叩き潰せば、どれだけ恐怖の絶叫を上げるかな」
(;・E・)「くそっ、やめろこの野郎!」
(・・・)「いいぞ、もっとだ!もっと恐怖し、憎悪しろ!
それこそが糧となるのだ!」
(・D・)「くそ、なんて奴だ…内藤め」
213
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:37:06 ID:wsiqK6720
https://www.youtube.com/watch?v=1HvUwr8XOV0
???「…」
「あれが魔王アスモダイよ」
???「あんな不細工イキリが魔王?ちょっと拍子抜けだな」
穴だらけになったホテルから邪神が三つの眼で見つめる。
(・・・)「ん?」
赤い出で立ちの男と、かわいい女の子が現れる。
(;・D・)「あ、あれは?」
???「マハラギオン」
クトゥルフの悪魔達ごと建物を焼き払う。
???「マハラギ」
続いて二棟目。
???「マハラギオン!」
主戦場にも放つ。
三つ首と邪神に反射される。
???「火炎反射か…面倒だ」
(・E・)「…なんてことしやがる!」
ノ皐;゚⊿゚)「敵の足を止める為に、わざと街を破壊してるのかよ…
クレイジーだぜ」
(;・D・)「やめろぉっ!まだ人がいるかもしれないんだ!
やめろぉっ!」
イズ#゚ー゚)ン「ドクおオオオオオォォォォッ!」
('A`)「…」
214
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:48:48 ID:wsiqK6720
(・パ・)「なんという戦い方をするんだ」
(・J・)「だが、少なくとも敵ではないようだな。
今は奴らを叩くことが先決だろう」
(・・・)「…なんだよ、あのイレギュラーは。
クククククッ、すごい、すごいな。
感じるぞ、圧倒的な憎悪と渇望を。
この憎しみ、普通じゃない!
面白い、面白いぞ貴様!」
(;・D・)「ドクオって、あの時のメガネ男か?」
超人は返答の代わりをする。
('A`)「…油断するな。まだ敵がくるに違いねぇ」
っy=
(・・・)「雑魚の処理は我々がする。
アスモダイ卿は奴を頼めるか」
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「よかろう。叩き潰してくれる」
かじりついていたオオツキロボを投げ捨て、突進する。
(・E・)「動けるぞ!」
(・J・)「チェンジ、オオツキ」
(・・・)「させるか」
また風を吹かせ、分離寸前の結合部にダメージを与える。
(・J・)「ツー!」
(;・D・)「無茶だ!合体事故が起こるぞ!」
無理矢理可変、合体する。
(丶´皿`)「あまいわ!マハジオンガ!」
ヴァンパイアもどきの存在を忘れていた一行は、直撃を受ける。
215
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:57:37 ID:wsiqK6720
(丶;´皿`)「ぐああああああ!」
しかし二人分のダメージを返されたのは向こうだった。
(・・・)「ペンタグラムの仕込みか。読みが甘かったな」
(;・J・)「ぐうううあああああああ!!」
(・D・)「どうした、ジャック!?」
(;・J・)「電子機器の異常で右腕が…挟まれた…」
(・E・)「大丈夫かよ!?
でも、このまま棒立ちだとやられるだけだぜどうするアニキ!」
(・J・)「私の誤判断だ…ツケは…自分で払う」
ジャックは右腕にナイフを突き立てる。
血が噴き出す。
(・J・)「ふぐううううううう!」
コクピットの映像を見ていた二人が叫ぶ。
(;・D・)(;・E・)「やめろ!」
(;・J・)「第二波が来る…暇は…ない…
オープン…ゲット!」
(・・・)「マハザンマ!」
両手から放たれる衝撃波を分離で避ける。
(J)「ぐがあああああああ!」
二号機から転げ落ちたジャックの腕は、無惨に切断されていた。
216
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:11:06 ID:wsiqK6720
(#・E・)「ジャック!てめえら…許さねえ!」
剣を構える。
ラン ゚ -゚)「にぃに!」
トラックに少女たちを詰めていたランが駆け寄り、建物の外に出す。
ラン ゚ -゚)「ひどい出血!応急手当を…」
(・パ・)「ラン、ジャックを頼む。イー、冷静に銃で追い詰めるんだ。奴の魔法は見ただろう」
っy=
(・E・)「わかったぜ!お師匠!」
っy=
(・D・)「…が」
(・パ・)「ディー?」
(・D・)「ジャックの痛みは俺が背負う!」
っ-l--゙
ペンタグラムを張りながら、突撃していく。
邪神の致死の風を防ぐ。
(・D・)「まずはお前だ!」
っ-l--゙
ヴァンパイアもどきに銀のナイフを刺そうとするが、腕を掴まれる。
召喚した妖獣はトラックを守らせている。
(;・鼠・)「ラン姐とジャックアニキを連れて一回戻るでやんす!御無事で!」
(^a^)「どうぞどうぞ、お逃げなさいな」
(・パ・)「貴様もか!エー!」
っy=
トラックの進路を邪魔するエーを撃つ。
悉く避けられる。
(^a^)「戦いに来たわけじゃあ、ありませんよ。
決着をつけたいなら本部で、ね」
男は一瞬でかき消えた。
「ぐあああああああああ!」
217
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:21:28 ID:wsiqK6720
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ブフダイン!」
('A`)「ブフーラ」
相殺。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「何のため三つもクビがあると思う!
ニンゲンの限界だ!」
二つの首から続けて氷塊が放たれる。
('A`)「マハラギオン!」
着弾前に溶かす。
だが少しかすり、身体が一瞬止まる。
('A`)「魔王の名は伊達じゃ…」
続いて電撃三連を食らい、凍った体によく通電する。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ニンゲンにしてはよくやったな。死ね!」
巨体で体当たりをされ、三つ首の殴打を受ける。
('A`)「て、てめぇ…」
('A`)「皆殺しにしてやるぜッ!」
っ-l--
ムラマサで、噛み付いてこようとする右首を切断する。
( ´艸`)( ゚д゚ )「バカなッ!」
('A`)ニア「その怯み、いただき」゙
っy=
ブフーラが足元を凍らせ、胴体を黄金銃が貫通する。
口から何かを出そうとする両口をブフーラで塞ぎ、タルカジャをかける。
横凪ぎで一気に首を寸断する。
灰になった魔王は崩れ落ちる。
218
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:31:23 ID:wsiqK6720
(丶´皿`)「ブラッドスチール!」
(D)「ぐおおおおお…あ…」
首筋から血を吸われ、がくりと膝をつく。
(;・パ・)「ディー!」
(・E・)「アニキ!」
(・・・)「あー…やってしまったな。
吸血なんかしなければ勝っていたのに」
(丶´皿`)「どういうことですか?」
(・・・)「見てみればいい」
ガクガクと立ち上がるディー。
目は血走り、牙が生えている。
(・・・)「あとは『親』としての責務を果たすといい。
諸君、また会おう!いい見世物だった!」
邪神はぬめった翼で飛び立つ。
(・パ・)「待て!」
っy=
セミオートで撃つが、もはや遠ざかっていく。
(・E・)「お師匠!アニキが!」
(つ ゚血゚)つ「ウオオオオオオ!」
ヴァンパイアもどきを素手で引き裂き、断末魔の声を楽しんでいる。
(丶´皿`)「ギャアアアあ!?」
一分にも満たない蹂躙のあと、血を吸い返す。
あとはヴァンパイアもどきの元の姿であったであろう老人が、ミイラのようにカスとなっていた。
それも夜風に灰として消し飛ばされた。
219
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:32:14 ID:wsiqK6720
今回はここまで
見てくださってる人いるのかなぁ…
220
:
名無しさん
:2022/05/22(日) 10:51:39 ID:MSEr25n60
乙乙乙
221
:
名無しさん
:2022/05/23(月) 20:25:00 ID:OQsxLeEU0
乙乙
まさかのドクオ登場だ!
ショボン達と合流する前にそんな事してたんだなあ
やっぱ普通の人達に比べるとかなり強いんだねぇ
222
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/24(火) 00:23:03 ID:0fnRwPRM0
>>220
ご愛読ありがとうございます。
正直、読んでいただいて感想いただけるのは結構励みになります。
個人的な解釈では、平和な現代からいきなり悪魔との
デスサバイバルに引きずりこまれた大破壊前生まれの人間の方が
物心ついてから既に悪魔が隣人的存在で、
対処法もある程度あって慣れてしまっている大破壊後生まれの人間より強いと解釈しています。
わたしがどっくん贔屓めなのもありますが。
こっちの方はもうラストまで突っ切ります。
こんごともよろしく…
223
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/24(火) 00:25:20 ID:0fnRwPRM0
('A`)「伝言だ。
>>221
さんへのレスを忘れていたとよ。
('A`)「応援してくれてるのに、間抜けな作者で申し訳ねえな。オザワの首いるかい?」
つ(゚ノД゚)
224
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 22:41:26 ID:jwK.sv7.0
('A`)「助けてやったんだ。勝手で悪いが少しの間、滞在する。
こいつは俺の女だ。手出した奴は撃つなり斬るなり焼くなりしてやるからな」
イズ*゚ー゚)ン「ょ、よろしくお願いいたします…」
ズンと重い空気が走る。
(・パ・)「痴話喧嘩は終わったのか」
('A`)「まぁな」
二人で屋上に行く。
(・パ・)「やっぱり…生きていたのか」
('A`)y-「お互いにな。吸うか」
(・パ・)つ「大破壊後ではロクに手に入らないからな。大事にいただこう」
一本取る。
('A`)「詰めがあまいぜ、ディー」
(・パ・)y-「なに?」
('A`)「虫もブチ殺せねぇような兵隊じゃ、悪魔は倒せねぇ」
(;・パ・)「だったら俺達の仲間になれ!俺達は多くの同志を必要としている!」
('A`)「お前らの大義なんか知るか。勝手にやってくれ。
それよか、あの威勢のいいのはお前のガキか。立派に育ったもんだ」
(;・パ・)「気付いていたのか…あいつにとっては、生まれてから辛い事続きだったはずだ」
('A`)
ノ皐゚⊿゚)「ん?あの野郎、上から俺達の事睨んでるぜ!喧嘩か?」
(;・E・)「ガチで殺されるぜ。やめとけよ」
225
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 23:14:40 ID:jwK.sv7.0
イズ*゚ー゚)ン「はい、どーぞ!お口に合うかしら?」
https://i.imgur.com/pV1va9J.jpg
女神は小さい子供達と既に打ち解けている。
レシピ本を秒で読み、普通のリンゴを即栽培し、女子陣と共にアップルパイを作った。
パイシートなしで作るアップルパイは本当に面倒だ。
朝起きてきた子供たちが芳香で防空壕から出てくる。
「おお、おいしそー!」
「おれのだ!」
ノ皐゚⊿゚)「俺のもでもある!」
イズ;゚ー゚)ン「まだいっぱいあるから!」
(*・E・)「アホかサツキ!すんませんどうも(かわいいなぁ。悪魔とは思えん)」
ラン ゚ -゚)「本当に色々ありがとうございます。最近皆沈みがちで…」
イズ*゚ー゚)ン「いいのよ。私だって楽しいし。子供達はかわいいし。
小麦粉とバターがあってよかったわ。
ところでお兄さんは大丈夫?」
ラン ゚ -゚)「あ…」
イズ;゚ー゚)ン「あ…ごめんなさい。私にも兄がいたから心配で」
ラン ゚ -゚)「ありがとうございます。緊急搬送して止血と輸血は済ませたので…
今はリー…ディーと一緒に眠っています」
イズ*゚ー゚)ン「無事に目を覚ますといいわね」
ラン ゚ -゚)「ええ。ところでイズンさん…」
イズ*゚ー゚)ン「なぁに?」
ラン;゚ -゚)「黄金のリンゴというもので、兄の腕は治せないでしょうか?」
イズ*゚ー゚)ン「ごめんなさい…普通の人間には黄金のリンゴの効果は強すぎるのよ。
あれは神が若さを維持する為のエネルギーだから…わかるでしょ?」
ラン ゚ -゚)「いえ…すいません。無理を言ってしまって」
イズ*゚ー゚)ン「こちらこそ何もできなくてごめんなさい」
ラン ゚ -゚)「とんでもない。イズンさんの回復魔法のおかげで、随分と怪我人が治りました」
226
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 23:36:01 ID:jwK.sv7.0
('A`)「呑気なもんだな。いつもああなのか」
(・パ・)「いや。俺はしばらくあの邪神の手がかりを掴むのに奔走していてな。
顔を見せたのはあのヴァンパイア襲撃の時にようやくだ」
('A`)「間抜けな野郎だったな。まさかお前の仇を護衛にしていたらハーレム作り損ねるなんてよ、ひひ」
(・パ・)「笑いごとじゃないぞ!重傷者が二人もなんて…
いやお前のせいじゃないな…俺のせいだ」
('A`)「なぁ。『私はお前の父だ』って映画ばりに告白しちまえよ」
(;・パ・)「馬鹿を言うな!クロエ…あいつの母親を置いてけぼりにしていったなんて言えるはずが…」
('A`)「謝るなら早ければ早いほどいいと思うけどな。
溝も深まるのが早いんだぜ?」
(・パ・)「年寄りみたいに達観しやがって。しかし本当にここにいてくれないか?
他に行くあてもないんだろう?
オザワを倒してメシアを解放したというその実力を見込んでなんだ」
('A`)「話に尾ひれがつきすぎてやがる。
俺はオザワのタマを取って秩序を崩しただけだ。
…シーの事、引きずってるのか?」
(・パ・)「まぁな。だからこんな幼稚園みたいな事し始めた。
あいつはもう戻ってこないってのにな
だがエーが生きているという噂を掴んだ。その為に俺はここを空けなきゃならない」
('A`)「だから用心棒になれってか?どいつもこいつも…
俺にはやることが山ほどあるんだ」
(・E・)「しかし妙だよな。オザワ殺しの生ける悪魔合体、ドクオさんか」
アップルパイを頬張りながら二人が言う。
ノ皐゚⊿゚)「何言ってんだイー?そしてなんでさん付け?」
(;・E・)「強い男には尊敬の念を示すもんだぜ!
だってよぉ、ドクオさん達は大破壊ミサイルの爆心地にいたんだろ?
お師匠は兄貴に守ってもらって助かったらしいからわかるが…」
(;・E・)「それになんであんなに若いんだ。
お師匠と同世代には見えんぜ」
227
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/27(金) 00:02:29 ID:waBze.qc0
('A`)「俺は…あの時見た」
(・パ・)「あの時?」
─
(;・∀・)「死ねやァ!小僧!」
っ-l--゙
(□A□)「それは!こっちのセリフだぜ!!」
っy=
オザワの肩を弾丸で貫き、ナイフ裁きをマシンガンで防ぐ。
そこで閃光。
(□A□)「詰みだ。アギラ…」
(;□A□)(なんだこの光量は!ここは地下だぞ!
ショボンの奴、何かしくじ)
( ;∀;)「うわあああああああ!どきやがれ小僧!
ブレードの野郎!一人でシェルターに逃げやがったな!」
(;□A□)「うぎぎぎぎぎ…うわあああああぁぁぁ!」
─
('A`)「その時、俺は破壊の光ではなく優しげな光に包まれた。
そして打ち捨てられた空間、いや現世と隔離された空間で目覚めた」
─
金剛神界
(□A□)「…た 助けてやる
ミヤズ 今助けてやる」
うなされて蹲るドクオの首元を何かがかすめる。
地霊ツチグモの脚だった。
https://pbs.twimg.com/media/FCInaAmVgAM9rwC.jpg
(□A□)「このファンシーな壁紙…どうやら夢じゃねえようだな」
(□A□)「平安京のデビルバスター、源頼光が相手じゃなくて悪かったな!」
っy= っy=
(□A□)「邪魔する奴は誰でも倒す!うおおおおおおおおおおおおオ!!!」
228
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/27(金) 00:18:23 ID:waBze.qc0
─
(*´ω`)「ドクオよ、お主はこっちじゃ」
荒れ果てたトウキョウを駆け抜けていく三人の男の姿が見えた。
「共同体社会成立万歳、だよな。
メシア教出身の嫁さん貰えたしよ。
腕に変な機械つけたキチジョウジの高校生が
神と悪魔やっつけてくれたおかげだ」
「2050年前後の歴史には近づかないわ。時間旅行者なら常識中の常識よ。
昔に起きた…やらの余波が残っているとかで、縁起が悪いんだって」
(;□A□)「…だと…?」
─
(□A□)「俺は時の回廊で、様々な時代を見た。生まれる前から本来の最期までだ」
https://www.youtube.com/watch?v=aYL6qurL9pU
─
(;▽;)「そろそろ危ないから帰るでありんすよ!ドクオ君お元気で!」
(0倡0)「我は雷電属トール!キサマが真の戦士が見定める!」
(・前・)「ご苦労だったな。ここを通れば元の世界に戻れる…」
(・後・)「だが、俺達に勝てねば…ここは通さん!」
(´・ω・`) 「これで決める!ブーン!」
(;^ω^)「はいお!」
(□A□)「アギラオ!」
─
(□A□)「そして俺は…帰ってきた。
オザワの一族を今度こそ根切り…皆殺しにする為に。そして糞運命をブチ破る為に」
(;・パ・)「信じられない話だ…が
現世と隔離されていたから歳も取っていなかったのか。
大破壊も、お前にとっちゃつい昨日の出来事ってわけだな」
('∀`)「フッ」
https://i.imgur.com/LlXTw3Q.jpg
229
:
名無しさん
:2022/05/29(日) 12:07:26 ID:/TxGgu9A0
乙
本来の最期って言ったらあれだよねぇ
それをぶっ壊すってことはドクオも生存ルートクルー?
230
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 21:27:40 ID:J55sSvzM0
翌日の食堂。
(・パ・)「お客人には少し席を外して…いや、構わんか。
間接的に助けてくれた恩人だ」
('A`)「俺の気持ちを変えるつもりか?無理だね」
(・パ・)「エンブリオンの諸君!私はライシン。
かつてのリーダーでもあった。顔を知らない者も多いであろう」
演説が始まる。
(・パ・)「オザワの独裁の瓦解により、周辺の悪魔が活性化した。
それによって悪魔にエンブリオンの家族達が連れ去られた事は皆知っているだろう」
一呼吸置く。
(・パ・)「二代目リーダー、ディーは悪魔と勇敢に戦い、攻撃を受けなんらかの変化が起きた。
多少は悪魔と化したかもしれない。
そして幹部にして現リーダーのジャックは腕を失った」
会場が一気にざわつく。
(・パ・)つ「だが、差別やいじめをしてはいけない!
皆を助け、守る為に必死にやったのだ。
それを馬鹿にする事は誰にも許されない」
多少暗い雰囲気になったまま食事になったが、イズンのリンゴがおまけとしてついた事による喜びの方が幼い子達には嬉しかった。
イズ*^ー^)ン「みんな嬉しそう」
(・パ・)「イズンさんのおかげです。ありがとう。
食事が終わり次第、幹部とドクオさん達は集合してほしい」
231
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 21:41:53 ID:J55sSvzM0
(#・E・)つ「てめえジジイ!のせいだ!」
(・月・)「あまいわ!」
>
機械の腕で受け止める。
(;・E・)「チッ。てめえがロボのメンテを怠ったせいで、ジャックはなぁ!」
(・月・)「私のせいという科学的根拠はない。
そもそも長らく私を呼ばずほったらかしにしておいた方が悪いのだ」
(・血・)「イー、よせ。ジャックに障る
すいませんドクター」
(-J-)
ジャックは会議室のソファーに寝かされている。
服の下の右袖がブカブカになっている。
ラン ゚ -゚)「…兄さん」
(・月・)「おお、これはひどいな。
機械の義手を作るか?時間はかかるがな。
8000マッカやら5000マッカなんぞ取る気はないぞ。サンプルを取らせてくれるならな」
ラン ゚ -゚)「お願いするかもしれません。
…でも、兄の気持ちが落ち着くまで待ってください」
(・月・)「ええよええよ。一応、腕周りの寸法から始めるかの」
断面にメジャーを当てる。
(・月・)「しかしディーよ。いい面構えになったな」
(・血・)「よしてください」
(・月・)「ん?そこにいるのは…」
232
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:11:06 ID:J55sSvzM0
(・月・)「お前が悪魔合体に成功したという男かぁー!」
歓声を上げドクオに飛びつく。
(^月^)「えー体しとるのぉ!宮本明を思い出すわい!」
つ(;'A`)と
(;'A`)つ「なんだこのきったねえジジイは…!」
頬ずりされて軽く投げ飛ばす。
(;月;)「うひょぉー!うおおおおーん!」
歳柄にもなくひょうきんに泣き出す。
(・月・)「おっ、見た事のない悪魔だな!モテモテじゃな!」
イズンを見る。手は流石に取らない。
しかし籠の金のリンゴを手にする。
(・月・)つ〇「ん?こいつはなんだ?」
イズ;゚ー゚)ン「初めまして。それは神々に献上する黄金のリンゴです
人間の方は食べられませんよ」
(・月・)「んー、あんたがそうか!
メシア教で召喚された北欧の悪魔の一体っていうのは!
リンゴリンゴとうっさかったからのぉ」
(・E・)「じじい、メシア教の仲間なのか!」
(・月・)「冗談じゃない。私の腕を見込まれてマシンの開発やらを依頼されてるだけだ。
思い入れなんかないよ。
ああ、丁度いい。このリンゴ、少し分けてもらえんかな?」
イズ;゚ー゚)ン「いいですけど、人間には意味がないどころか…」
(・月・)「そんなのは知らん!科学的根拠などない!
加工すれば面白いことになりそうじゃからのう」
('A`)つ
(・月・)「なんだその手は?改造してほしいのか?」
('A`)つ「リンゴ持っていくならマッカ。金には困ってねぇが、タダほど高いもんはねぇ」
(・月・)つ「お安い御用!」
233
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:31:57 ID:J55sSvzM0
(・パ・)「そろそろ本題に入っていいかな」
('A`)y-「そうしてくれ」
(・E・)「ドクオさん、それタバコって言うんですよね!兄貴が吸ってたのと似てる!
俺にも一本くれませんか?」
('A`)つ「いいぜ。食後に吸ってみな、トぶぜ。
兄貴がいるのか?」
(・E・)つ「あざっす!
いや、本物の兄貴じゃないんですが、俺達が小さい頃に色々助けてくれて。
そういやドクオさんと同じくらい強かったし、雰囲気も似てるっすね」
('A`)「ふうん」
(・パ・)「では気を取り直して。
先日の戦いの損害をまとめる。
オオツキロボは回収できたものの大破、ジャックは合体事故に巻き込まれ右腕を欠損。
幸い拉致されたメンバー達に被害はない。
そして…」
(・血・)「俺のヴァンパイア化ですね」
234
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:56:17 ID:J55sSvzM0
(綾゚ -゚)「わかるの」
(・血・)「ああ。自分の体だからな。
代わりに、変な悪魔祓いの男で負った後遺症は綺麗サッパリ消えた」
(綾;゚ -゚)「よかった。本当によかった…!
ずっと面会謝絶だったからもうダメかと…」
アヤメが抱きつく。
(;・血・)「み、皆の前だ。やめておくんだ」
ラン ゚ -゚)「ディーにはどんな血液型の輸血も可能でした。
それがヴァンパイアという悪魔の特性なのですか?」
(・パ・)「ああ。夜魔ヴァンパイアは通常、あらゆる生物の血を吸いつくし体内で自分の血液に変換する。
だから実質血液型はないに等しい。
しかし妙だな」
親父が顎に手を当てて首をかしげる。
(・パ・)「ヴァンパイアは仲魔を増やす為、人間の血を吸ってエキスを注入し、従属させ『子』とするのだ。
『親』のヴァンパイアが倒されたら『子』のヴァンパイアも灰になって死ぬはず。
先に交戦したのは中途半端なもどきだったから、親ヴァンパイアが倒れても生き永らえたんだろう。
だがディーの場合は、『親』となるもどきを殺してもそのまま生きている」
('A`)y-「俺もチラッとしか見てねぇが、吸血されて速攻で殺したから影響がなかったのか。
血を残らず吸い返したから持ち堪えたのか」
(・血・)「もう一つの可能性があるかもしれません」
235
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:11:19 ID:J55sSvzM0
(;・パ・)「なに!?そんなことは聞いていないぞ!」
(・血・)「…すいません。あの頃はいっぱいいっぱいで
話すと皆に心配をかけると思って」
(・E・)「どんな過去があってもアニキはアニキだよ!」
ノ皐゚⊿゚)「そうさ!」
(・血・)「皆…」
(・く・)「アニキ!助けてくれぇー!」
(・パ・)「久しいな、ホブゴブリン。どうした」
(;・く・)「悪魔の大群が押し寄せて…隔壁がどんどん破られていってるよ!
マンティコアの爺さんが奮闘してるけど…数が多すぎる」
(・E・)「じじいがいねえぞ!」
('A`)つ シュッ
つ
(・パ・)「俺達も出るぞ!
それとディーとサツキ、お前達には個別で話がある…
だから…
ハジをかくなよ!」
236
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:26:58 ID:J55sSvzM0
邪鬼ウェンディゴの群れが数百体寿司詰めになっている。
門の前で白衣が立っている。
(・ウェン・)「ぎゅぐいyぎうぎぎぃうyふ!?yぐyぎゅぐ!」
(つと)「だーれだ」
と(・月・)つ「私だぁー!プラズマッシャー!」
白衣をはだけ、全身からプラズマ搭載小ミサイルを発射し、先頭の数体が焼け焦げる。
(・パ・)「博士!くそっ…こんな数では…」
門外の防衛マシンは、ウェンディゴ達がへばりついて凍り付いている。
('A`)「…」
報を聞いて真っ先にイズンをお姫様抱っこし、跳躍したドクオが話しかけているようだ。
ノ皐゚⊿゚)「(デブのホブー!もっとはやく疾走れー!」
(;・く・)「ハァ…ハァ…」
('A`)「何が目的だ。雁首揃えてきやがって」
ドクオがスマホも起動せずに話している。
もはや悪魔の身となって会話程度なら必要ないのだろうか。
親父が慌ててプログラムを起動する。
(・ウェン・)「オールドワンを倒したあのマシンがなくなったって?
ニャルラトホテプの野郎に聞いたぜ」
(・パ・)「それで、何が欲しいのだ」
(・ウェン・)「お前ら全員の首だ!
ニャルの野郎に言われたのもあるが、うちの同族を悪魔質にして散々絞り取りやがって!」
237
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:41:11 ID:J55sSvzM0
(・血・)「…イー、お前作り直してなかったのか」
く(;・E・)「すまねえアニキ!めんどくさくって後回しにしてた」
(・血・)「金で済むならいくらでもやろう。
だから怒りを収めてくれ」
(・ウェン・)「その上から目線が気にいらねェな!
やっぱりお前ら皆殺して全部貰うわ」
('A`)「イズン」
イズ*゚ー゚)ン「みんな元気になぁーれ!」
女神がリンゴを握り潰し、宙に放る。
(;・E・)「わお!なんか力があふれて…」
ドクオが門の外に出る。
(・血・)「ドクオさん!危な…」
('A`)「マハラギオン」
一瞬で数百体の邪鬼が溶け去る。
(ェン・)「あ…が…」
('A`)「おっさんのディー。一体残したから鹵獲しとけ。
ニャルがうんたらほざいてたから尋問で情報を引き出せ」
焼け野原からサツキの部下がウェンディゴの両腕を切って無力化する。
(〜W〜)
https://pbs.twimg.com/media/DlcKuvGUcAEMcF6.jpg
(・血・)「あいつは…また現れたのか!」
('A`)「お知り合いか」
(・血・)「俺が行きます。ヴァンパイアの血を継いでいるなら多少の被弾は…」
ドクオが手で制する。
と('A`)「二度も死ぬ必要はねぇよ。アモン」
238
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:55:18 ID:J55sSvzM0
(・亜・)「デビルウィング!」
ドクオを抱え、敵のもとへ飛び立つ。
('A`)「うおらあああ!」
っ-l--゙
魔剣ムラマサが一瞬のうちに目玉や触手を8回斬りつける。
(・亜・)「ドクオ!狙われているぞ!」
('A`)「そりゃそうだろうよ。戦ってるのが俺達しかいないんだから」
(〜W)「ウググ…」
オオツキロボで戦った時より、再生速度が鈍い。
触手でドクオたちを絡めとる。
と(・亜・)つ「バトルウィング!」
羽根を一気に広げ、触手を切り裂き吹き飛ばす。
(・パ・)「食らえ!」
っy=
マシンガンで脚を狙う。
('A`)「焼け石に水だ。やめておけ!」
('A`)「だる。リンゴの効力が効いてるうちにやるぜ」
(・亜・)「応!」
('A`)(・亜・)「「インフェルノ!」」
巨大悪魔の頭上から巨大な火球が降り注ぐ。
頭、胴体、脚。
地面まで貫きめり込み、内部から焼き尽くす。
>外道 オールドワンにトドメを刺した
('A`)「アナライズ…っと。外道か、つまらんな」
239
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:59:36 ID:J55sSvzM0
本日はここまで。
来週もお楽しみに。
>>229
ご愛読ありがとうございます。
メガテンですからねぇ、しかも癖が強いカオスヒーロー。
結末もどうぞお楽しみに!
240
:
名無しさん
:2022/05/30(月) 09:13:40 ID:SqnxXA9k0
乙です
241
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 20:24:18 ID:3hRAyt0k0
(;・E・)「すげえ!ドクオさんすげえっす!」
('A`)「俺が強いのは当たり前だ。昔あった外国の超ムズ宝くじを、命をチップにして大当たりしたようなもんだからな。
それでいて努力も怠らん。
強くなる方法、教えてやろうか?」
(;・E・)「是非お願いします!」
ドクオは両腕に力を込める。
('A`)「見せつけろ!サイドチェスト!手に入れろ!チャンピオンベルト!」
つと
(・E・)「えー、見せつけろ、チャンピオンベルト…」
つ と
('A`)「マジメにやれよ。焼くぞ」
(;・E・)「ひぃー!すいませんっした!」
('A`)「ははっ、冗談だよ。
しかし近接戦闘で戦うタイプなら、力と体力を重点的に伸ばすのを忘れるな。
敵に先手を取られないよう、脚も鍛えておけ。
戦場では凍らされたり感電したり最悪麻痺なんて食らったら、終わりだからな」
く(・E・)「肝に命じまっす!」
('A`)「お前、名前はなんだっけ」
(・E・)「イーっす!こっちの乱暴モンはサツキで銃使いっす!」
ノ皐゚⊿゚)「てめー!あとで蜂の巣だ!」
('A`)「イーにサツキか。銃使いなら、
…特にアドバイスはないな。」
ノ皐゚⊿゚)「お前のアドバイスなんていらねーよ!」
('A`)「昔の親父に似て喧嘩っ早いな。
あえて言うなら瞬発力、動体視力を鍛えろ。
敵に合わせて銃や弾を臨機応変に使い分ける事を忘れるな。
神経弾で全て片付けようとするな。神経が鈍くて効きにくい悪魔もいるからな」
ノ皐゚⊿゚)「親父を知ってるのか!?
てか知り合い!?
ドクオさんって呼んでいいすか!」
('A`)「いずれわかるさ、いずれな。
勝手にしな」
242
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 20:56:44 ID:3hRAyt0k0
(・パ・)「協力、感謝する」
親父が深々と頭を下げる。
(・血・)「ありがとうございます。俺に気を遣ってくれて」
('A`)つ◇
(・血・)「え?」
('A`)「派手に戦うのに邪魔だっただけだ。やるよ。
奴の体からぶっこ抜いてきた。
アメジスト…謙虚って意味がある」
(;・血・)「親父、どうしましょう。もらっちゃっても…」
(・パ・)「戴いておけ。一度言ったら聞かない男だ」
(・血・)「ドクオさん。ありがとうございます」
('A`)「お守りにするなり金に代えるなり好きにしろ。
ただ、ラグのショップで道具と交換はするなよ。ぶっちゃけぼったくりだ。
どうしてもっていうんなら、精霊と交換して戦力を高めろ」
(・血・)「わかりました。大事にします」
('A`)「悪魔のくせにお行儀がいいな。ちょっとつまらん
もっと欲望を解放しな」
(・血・)「…」
('A`)「乗れ」
ボロバイクを指さす。
(・パ・)「どこへ?」
('A`)「回復道場。奢ってやる」
「ううむ。この状態は私でも難しいな。申し訳ない」
('A`)「そうか。ディー、帰りに好きなもん選びな」
「我が道場に寄付をしていただきたい」
243
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 21:23:19 ID:3hRAyt0k0
翌日。
親父の私室。
ノ皐#゚⊿゚)つ「ふざけんなッ!」
(#)パ・)「…」
親父が吹き飛ぶ。
ノ皐゚⊿゚)「俺を騙してたんだなッ!クロエ姐…が母さんだったのも!
テメーが薄汚い種だったのもな!
俺は今まで、あんたがシェルターを『終わらせて』くれた救世主だと思ってたんだ!」
(#)パ・)「…言い訳はしない。
お前がクロエの中にいると知っていれば、アカサカを離れたりはしなかった。
クロエを愛していたのは本当だった」
ノ皐⊿)「テメーが離れなきゃクロエ母さんは死ななかった!俺がテメーを殺してやるッ!!」
っy=
親父は厳格さを抜いた優しげな声で、
と(・パ・)つ「…やれよ。抵抗はしねえ」
ノ皐゚⊿゚)「最期の最期で潔いなッ!だが母さんと同じ天国には行かせねえッ!」
(・パ・)「俺が撒いた種だ…報いは受けるさ。
だが、一つだけ…忠告がある。」
ノ皐゚⊿゚)「今更。なんだよ。殺してエンブリオン除隊されても覚悟はしてる!」
(・パ・)「こんな俺の命でも、奪えばお前は、俺と同じ重みを背負う事になる。
そいつだけは覚悟してくれ」
ノ皐゚⊿゚)「命乞いかよ!二転三転してんじゃねー!」
(・パ・)「それと…できればでいい。殺すのを少し待っていてくれないか。」
ノ皐゚⊿゚)「なんだと?」
(・パ・)「アカサカシェルターを壊滅させたニャルラトホテプ、あいつは俺がケリをつける。
憎しみをお前達が背負う必要はない」
ノ皐゚⊿゚)「い、命乞いってことか…」
銃を持つ手が震える。
(#・パ・)「奴がいる限り、エンブリオン、いやトウキョウに平和は訪れない。
俺は…もう二度と背中を見せない。
犯した罪にも、自分にもだ!」
244
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 21:49:05 ID:3hRAyt0k0
(-パ-)「お前達は立派になった。俺がいたら足手まといだろう。
俺が事を務めて帰ってきたら、遠慮なくこの老兵を銃殺刑にしてくれ」
ノ皐#;⊿;)「ふざけんじゃねー!勝手ばかり抜かしやがって!
絶対生きて帰ってこい!この手で殺してやるッ!」
大粒の涙を走らせながら走り去っていく。
数分後。
(・血・)「親父。何かありましたか。顔が…」
(・パ・)「気にするな。それよりまず、検査の結果を聞かせてくれ」
(・血・)「…」
(・パ・)「そうか。長らくここを離れていてすまなかったな。
その真実を話そう」
(・パ・)「…お前に重傷を負わせた奴は、ゴッドサマナーと言ったんだな?」
(・血・)「ええ。マンティコアが存在を知っていました」
溜息をつく。
(・パ・)「すまん。多分俺の同僚だ」
(・血・)「どういうことですか?」
(・パ・)「俺は色々と仇を探すために、ゴッドサマナーに入隊していたんだよ。
その間も、できる限りエンブリオンにも支援物資は送っていたが…」
(・血・)「…そうだったんですね」
(・パ・)「責めないのか」
(・血・)「親父だって人間です。事情だってあるでしょう。
それに、親父抜きでもなんとかやってこれましたよ」
(・パ・)「…そうか、嬉しいが寂しい気持ちだな」
(・血・)「まぁこれからはできればまたいてほしいですけどね」
(・パ・)「そうだな。…それと、お前の症状なんだが」
245
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 22:35:54 ID:3hRAyt0k0
中庭。
イズンが子供達と遊んでいるのをドクオが眺めている。
('A`)
('A`)「…後ろに回っても無駄だぜ。なんだ」
m(・血・)m「ドクオさん!単刀直入に言います!
その妖刀ムラサマ、俺に譲っていただけませんか!」
('A`)「…は?」
─
(・パ・)「お前の症状はおそらく、施設でも治せないような重度のCURSEなのだろう」
(・血・)「カースというのは?」
(・パ・)「呪われた状態ということだ。
もどきに血を吸われた事で中途半端にヴァンパイア化してそうなったと見るのが妥当だろう
歩いていて痛みは感じないか?」
(・血・)「時たま感じますが、すぐに消えてしまいます」
(・パ・)「ヴァンパイアの不死性が呪いのダメージを相殺しているのだろうな。
だがポジティブに考えるのなら、悪い事ばかりではない」
(・血・)「例えば?」
(・パ・)「まず、呪いが邪魔して感電など他の軽い状態異常にはかからなくなる。
ある意味、呪いに守られているといってもいいな」
(・パ・)「あとは、悪魔が落とす武器なんぞには装備すると呪われるものがある。
最初から呪われていれば、デメリットはないというわけだ」
─
('A`)「で、俺のこの刀を欲しいと。あとムラマサな」
(・血・)「はい!どうしても…タダなんてもちろん言いません」
期待の眼差しで見つめる。
246
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 23:04:32 ID:3hRAyt0k0
('A`)「やだね」
(;・血・)「…どうしても?」
('A`)「考えてやらなくもないが…俺を強さで納得させる奴じゃないとイヤだ」
(・血・)「わかりました!」
つ つ
飛び掛かる。
一瞬で組み敷かれて椅子にされる。
('A`)y-「一応の恩人だからって手加減してないか?殺らなきゃ殺られるぜ。
それに、このムラマサの逸話をお前は知っているのか?」
(;・血・)「ね、ネットで…呪いの刀だと知りました」
('A`)「浅いな。元々はそんな刀じゃなかったはずだ。
最初はトクガワって幕府…まぁ組織にムラマサに関する不幸が相次いで忌み嫌われるようになった。
そこから伝説で尾ひれがついて…本当の呪いの妖刀になっちまったわけだ。さて」
('A`)凸「全力でこいよ。殺すつもりでな」
(・血・)(呪いの体を駆使すればみんなを守れる…それを最大限生かす為には…)
(・血・)「手に入れるしかないんだっ!」
っy= ドドド
('A`)
っy= ガガガ
ディーのやぶれかぶれで放った銃弾を、黄金獣で軽く押し返す。
(血)「が…まだまだぁ!」
っ-l--゙
無銘の刀を咄嗟に取り、斬りかかる。
半身で避けられ、刀を掴まれる。
('A`)「これが力だ」
アッサリと刀は折られ、胸元に切っ先を突き刺される。
イズ;゚ー゚)ン「ドク」('A`)「気にすんな。どうせ不死身だ」
みるみるうちに、肉が盛り上がり刀だったものが摘出される。
('A`)「まぁいきなり業物使おうなんざ無謀だぜ。
自分で集めて慣らしてみれば?」
247
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 23:25:00 ID:3hRAyt0k0
(;・E・)「アヤメ姉」
(綾; -;)「ごめんなさい」
医療室で泣いている。
(綾; -;)「わたし、何もできなかった。
みんなが助けに来てくれるのはわかってたけど、足がすくんで身動きが取れなかった。
ジャックなんてあんなになってまで必死に戦ってくれたのに」
(-J-)「そんなことは、ない」
ラン ゚ -゚)「兄さん!」
(;-J-)「不測の事態に備えていなかった私の落ち度…うおおおおっ!」
(・E・)「そうだよ!あの状況じゃ仕方なかったんだ!敵が強かったんだ!」
ラン ;゚ -゚)「待ってね!今麻酔を…」
「幻肢痛、というやつか」
ドクオが腕を組んで立っていた。アヤメの足元に重い何かを落とす。
ラン;゚ -゚)「医療室にこんなものを持ち込まないで!」
('A`)「何もできない、と言ったな。
自分で何もしないまま、何もできないなどとほざく奴は愚の骨頂だ。取れ」
アヤメはおそるおそる拳銃を取る。
('A`)「オザワが命乞いによこしやがったベレッタだ。やるよ」
(綾゚ -゚)「…あ」
('A`)「敵を撃てるようになれ、とは言わない。一応石化効果のメデューサの弾が入ってるがな。
だが性格と魔寄りの筋力的にお前には難しい。
だが敵に取り囲まれたとき、そいつを自分の頭か口にくわえて、危害を加えるなら撃つ、と脅すことはできる」
(綾゚ -゚)「ありがとうございます」
('A`)「…」
('A`)「俺は拳銃は弱くて大嫌いだ。狙撃隊の誰かに使い方を教わるんだな」
それだけ言って、ドクオはアルコールを一瓶持って去っていった。
248
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 23:34:14 ID:3hRAyt0k0
中庭。
(・血・)「くっ」
イズ*゚ー゚)ン「気にしないで。あの人多分昔からああいう性格なのよ。友達もきっとそんないないわ」
(・血・)「俺は無力だ」
スマホが発光し、見慣れた妖獣が現れる。
(・<_,・。)「若いの、呪いの武器が欲しいのかい。
変わっとるのぉ。
まぁディーのじじいが入れ知恵したんじゃろうが」
(・血・)「何の用だ。ちょっと放っておいてほしいんだがな」
(・<_,・。)「何も言わずワシの腹を捌け」
(・血・)「え?」
(#・<_,・。)「いいから!やらなきゃ噛み殺すぞ!」
マチェットを持ってくる。
妖獣の皮膚は硬かった。
何度も何度も叩き切る。
(;・<_,・。)「うご…!」
少々の臓物と一緒に、カルシウムの鞘に包まれた何かが出てきた。
イズ;゚ー゚)ン「大変!妖獣さん元気になーれっ!」
黄金のリンゴを握り潰して腹に押し込む。
(<_,。)「ワシの秘蔵のお宝、妖刀ニヒルじゃ。お前にやるぞ」
249
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/30(月) 23:36:51 ID:3hRAyt0k0
>>240
ご愛読ありがとうございます。
本日はここまでです。
魔剣ムラマサ女性専用装備なの忘れてた…
ここまで来たらもはやノリで行くしかねぇ!
こんごともゴアイドクよろしく…
250
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 21:00:55 ID:p4BT6ey20
ジャックの欠損
右腕→左腕
に読み替えお願いいたします。
251
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 21:13:48 ID:p4BT6ey20
(・南・)「こんにちは。見舞いに来たのだが…」
手提げ袋を持って南一佐がやってきた。
(;・血・)「フンッ!フンッ!…南一佐。ご無沙汰しております」
っ-l--゙
庭で妖刀ニヒルの素振りをしていたディーが応対する。
(・南・)「ディーくん、吸血鬼になったと聞いたが…大丈夫なのかね?」
(・血・)つ「はい。体に異常はありません。むしろあの時より漲っています。
今は親父もいますので、どうぞ」
(・南・)「お邪魔します」
(・パ・)「南一佐。お久しぶり」
(・南・)「どうも、何年振りかな」
(・E・)「あ、どうもっす。その手にあるのは?」
(・南・)「悪魔用のメロン、まんだらメロンを人間でも食べられるように改良したものだ。
今は昼過ぎだろう。皆で食べよう」
(・パ・)「おお!メロンなど久しく食ってないな…
ありがたくいただこう」
イズ*゚ー゚)ン「みんなー、おやつよー!」
切り分け、どうにか人数分に足りるようにした。
(・南・)「かわいいお嬢さんだ。悪魔用のまんだらメロンも裏においてきた。今持ってくる」
(・J・)「…」
ジャックは医療室で、ランにスプーンで食べさせてもらっている。
ラン ゚ -゚)「にぃに、早く元気になってね」
252
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 21:39:08 ID:p4BT6ey20
(・パ・)「うまいな」
(・血・)「うまい」
(・E・)「うまいっ!」
(・南・)「喜んでもらえてよかった。大破壊前は自由に食べられたものだ、楽しんで味わってくれ。
ところでジャック君は…」
皆、一様に口をつぐむ。
(;・南・)「すまない、変な事を聞いてしまった。
意識は戻ったのかと心配していたのだが」
ノ皐゚⊿゚)「ラン姉ちゃんがこのメロンってやつ持っていったから、医務室で食うんじゃない?
目はもう覚めてるよ」
(・南・)「それは…幸いだ。
先の戦いは酷い有様だと聞いていたから。
駆けつけていければよかったのだが」
(-パ-)「気持ちだけで嬉しい。急な事態だったからな。
俺など何もできなかった」
(;・鼠・)「それが!子供達の証言によると、
でっかくてごっつい悪魔が護ってくれたそうでやんす!
オイラたちが着いたらすぐに逃げ去っていったとかで」
(・パ・)「それは初耳だな、ネズミ。まぁ大した情報でもないといえばないが」
(;・鼠・)「ご報告忘れ、すいませんでやんした」
('A`)「監視カメラを見てみればいいじゃねーか」
─
https://pbs.twimg.com/media/E_dNuF9VUAgSntN.jpg
「フハハハ!生きのいい子供達が揃っているな!楽しいサバトの始まりだァ!」
「うわぁー!」
「ディーにいちゃん達助けてー!」
https://pbs.twimg.com/media/FUVA5NbVsAA7SAc.jpg
(増・д・)「罪のない子供達を襲うとは卑劣!私が相手になろう!」
「面白い客人だ!サバトマオン!」
悪魔は次々と下級悪魔を召喚する。
253
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 22:03:10 ID:p4BT6ey20
ラルウァイ、コカトライス等を次々と召喚するが鬼神の怒りの一撃によって屠られていく。
「…お前たちはしてはいけない事をしてしまった。
このレオナルド様を侮辱したのだ!」
(増・д・)「いくぞ!」
幻惑の魔法を放つ間もなく、肉体を引き裂かれ絶命する。
「おじちゃんだーれ?」
「ありがとう!」
(増・д・)「元気に育てよ、子供達」
つと
鬼神は砦を一飛びで飛んでいった。
─
('A`)「ふーん、強いじゃん」
(・E・)「目の付け所がまずそこっすか!そこに痺れる憧れるっす!」
(綾゚ -゚)「子供想いの優しい悪魔も結構いるんですね…
あっ、イズンさんごめんなさい」
イズ*゚ー゚)ン「気にしないで。好きでやってることだから」
('A`)「フン」
(・パ・)「レオナルドに禁呪サバトマオン…デーヴァ教か!」
('A`)「あのインチキ宗教か」
(;・E・)「お二人とも盛り上がっちゃってるとこすいませんけど、ディーヴァ教って?」
(・パ・)「ああ。大破壊前の2013年にできたと言われている宗教だよ。
逆さ十字を信者の証として身に着けていたんだ」
('A`)「人間を生贄にして悪魔に媚びてるって噂もあったよな。今も活動してんのか」
(・パ・)「いや、大破壊後にガイア教と対立して潰し合い壊滅した。
教祖のバエルは行方知らず。
襲ってきたのは、ニャルラトホテプに唆された残党だったんだろう」
(・血・)「別動隊がいたとは…やられた!
あの悪魔が来てくれなかったら危ないところだった」
(#・月・)「むむ、私の防衛システムが信用できない科学的根拠はないのだ!」
254
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 22:24:31 ID:p4BT6ey20
(・パ・)「…」
─
20年前、シブヤ。
まだメシア教が手を入れていなかったころだ。
ζ(´ー`*ζ「ここより先は、バラム様の神殿となっております。
バラム様のありがたいお言葉を頂くのに、感謝の気持ちとして300マッカほどいただいております」
(・ハ・)つ「二人で600マッカだ」
ζ(´ー`*ζ「ありがとうございます」
(*゚ー゚)「バラム様のお言葉をお聞きになって?ほんと、素晴らしいのよ」
(・黒・)「街中こんな感じだ。みんな洗脳されてるね」
(・ハ・)「さっさと片付けるぞ」
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「我が言葉こそ真実なり。信じて疑うこと無かれ!
さあ!我に従うのだッ!」
祭壇を駆け上る。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「うおおぉ!?なんだ、きさまらはァ!
神聖なるミサを汚し、あまつさえワシに歯向かう気か!?」
(・ハ・)「クロエ、知恵は足りてるだろうな」
(・黒・)「じゃなきゃここに来れないだろ!
ディーヴァ教幹部・邪神バラム、覚悟!」
(・ハ・)「来い!ホブゴブリンッ!」
(・く・)「アニキ!うまく報酬もらえたらいいメシをおごってよ!」
(・ハ・)「勝てたらな!」
っ-l--゙
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「勝てる気か小僧!我が力の前にひれ伏すがいい!」
─
(・パ・)(我ながら無茶をやってきたな)
255
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 23:02:50 ID:p4BT6ey20
翌日。
(・θ・)「朝早くから申し訳ありません。ドクオ様はいらっしゃいますか」
('A`)「俺だが。喋るセキセイのルチノーなんて珍しいな。ああ、インコって喋るんだっけ」
っy=
イズ;゚ー゚)ン「ちょっとドクオ!鳥さんがかわいそうじゃない!」
「とりさんだー!」
「あくまいがいではじめてみたー!」
(・血・)「あの子は確か兄貴の…
おはよう。キョウの兄貴は息災ですか」
(・θ・)「私はルチノーを超越した黄金なのです。
相変わらず絶好調ですよ。
本日は我が主から手紙を預かってきました」
そう言うと、脚に掴んでいた小さな手紙を渡す。
('A`)「ご丁寧にどーも。なになに…
『明日の昼にゾウシガヤで待つ』。随分アバウトだな。
挑戦状か?」
(・θ・)「そう取っていただいても構いません。
ではよろしくお願いします」
小鳥は飛び去って行った。
すぐさま凶鳥が襲い掛かり血しぶきが舞うが、墜落してきたのは凶鳥のほうだった。
(・E・)「すげえっす兄貴!あの兄貴から挑戦状なんて!
もう行っちゃうんすか?」
('A`)「いや、仲魔で飛べるから歩かずギリギリで行く。
どうせあっちも時間設定テキトーだろ。
目には目を、歯には歯をだ」
ノ皐゚⊿゚)「だよな!さっすが兄貴!肝座ってる!」
(・E・)「あ、せっかくだからこのクソ鳥、焼いて食おうぜ。
…あ!」
(;・E・)「そういやコカトライスは無事か!?
ずっと忘れてたけど!鳥じゃないけど!」
(`・?・´ )「ゲンキダゾ!タマゴモ ウムゾ!」
256
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 23:47:26 ID:p4BT6ey20
翌日の昼前。
('A`)「じゃあ経つわ。世話したし世話になったな」
(;・E・)「本当にマジでギリギリで行く気だよこの人…デンジャラァス!」
ノ皐゚⊿゚)「そこに痺れる憧れるぅ!」
('A`)「…お前らいつの時代のマンガ発掘したんだよ。まぁ、達者で強くなれよ」
(・パ・)「本当に色々とありがとう」
('A`)「気にするな。ただ、俺の邪魔になりそうな奴。
俺の敵になりそうな奴がいるなら、そこに行って戦う。それだけだ」
横目でディーを見る。
('A`)「そして、その中にはお前らも含まれているのを忘れるな。
俺に危害を加えるなら燃やし尽くす。俺の何かを奪うなら覚悟と鍛錬を忘れるな。
まだお前らは俺と戦えるレベルではない」
(;・血・)「…」
(・パ・)「少し俺も用がある。シナガワに出向かなければ怪しまれるだろうからな。
ネズミ、無理せず情報収集を頼んだぞ」
く(・鼠・)「はいでやんす!」
ノ皐゚⊿゚)「…帰ってこいよ」
(・パ・)「ああ」
親父はシブヤターミナルを目指す。
('A`)「で、お前はどうするんだ。
ガキどもに懐かれてるみたいだしな。残るか?」
イズ;゚ー゚)ン「あー!泣かないで!また時々戻ってくるから!ね?
リンゴの木も植えておいたから、お世話をしてあげてね。
またみんなでおいしいアップルパイを食べましょう?」
泣き始める幼い子達をなだめる。
('A`)「アモン、スフィンクス、召喚。飛べ。イズン」
二人とも空を飛び始める。
イズ;゚ー゚)ン「なに?」
('A`)「そのうちブラギのクソ野郎を召喚して、好きなだけぶっ殺させてやる」
257
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/03(金) 23:50:16 ID:p4BT6ey20
(・J・)「邪魔者は消えたようだな。会議室に集合しろ」
(・E・)「お目覚めか。まだ寝てていいんじゃないのか?」
(・J・)「黙れ」
>会議室
(・J・)「元リーダー、ディーは追放する」
258
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 00:04:35 ID:vnA9YFgc0
ラン ;゚ -゚)「にいさん…?」
(・J・)「ディー。君はやはりヴァンパイアになったそうだな。
危険だ。頼むから出て行ってくれ」
(綾゚ -゚)「どういうこと…」
(・J・)「ヴァンパイア、吸血鬼は血を吸う。
それだけで危険な存在なのだ」
(・血・)「…俺はまだ一応、あの戦い以来血を吸ってはいない」
(・J・)「そのうち衝動が暴走し、手あたり次第にやるかもしれない?
否定できるか?」
(・血・)「できないな。俺の体は未知数すぎる。自分の体なのにな」
(・J・)「ロッポンギの結界が解けたらしい。
どこへなりとも好きに行くがいい。追いはしない。食糧は渡さない。
好きに悪魔の血でも好きに啜ればいいさ」
(#・E・)「ジャック!」
サツキが止める暇もなく、イーは飛び掛かっていた。
(;・E・)「うお」
https://pbs.twimg.com/media/FUU2qF3UAAADFsv.png
右腕から素早くナイフを取り出す。
ノ皐#゚⊿゚)「ジャック、てめェー!」
っy=
(#・E・)「起きてきたと思ったらなんだいきなりよぉ!
何年もリーダー張ってきたアニキの気持ちも考えろよ!
アニキが血吸いなら、テメエはクソゴミカタワだろうが!」
(・J・)「黙れと言っている」
っ-l--゙
ナイフの切っ先が頬をかすめる。
(メ・E・)「てめェ…本気かよ」
ノ皐゚⊿゚)「イー!今のうちに離れろ!」
っy=
(・J・)「撃てるのか?」
259
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 00:24:07 ID:vnA9YFgc0
(・J・)「やめておいたほうがいい」
( )
っy=
( )
っy=
( )
っy=
( )
っy=
( )
っy=
いつの間にか十数人が、銃を構えて包囲していた。
ジャックの部下、寝返ったイーの部下達が保護色の服で待機していた。
(・南・)「君には戦士としての誇りはないのか…?」
ラン;゚ -゚)「兄さん、ディーが元に戻れるように治療方を見つけ…」
(・J・)「それを待つというのか!?
我が妹よ…世の中を見渡してみろ。
例えばシンジュク、受け身の人間ばかりではないか」
(・J・)「どれだけの人間が自分だけの判断で動いているというのだ?
私のように自ら汚れ役になり、ディーという戦力を失うリスクと
暴走の危険を天秤にかけ、卑怯と言われても組織に身を捧げる。
そんなヤツがどれだけこの世の中にいるというのだ!?」
(・血・)「サツキ、銃をおろすんだ。皆もだ。ジャックもナイフをしまってくれ。
そうだな…俺のような危険を持った爆弾なんか置いておけないよな。
元リーダーとして最後にケジメはつける。一人で出ていくさ」
フッと自嘲する。
(・E・)「ジャック。俺ァ正直ちょっと頭がいいからって鼻にかけるお前がむかついてたけどよ。
嫌いじゃなかったぜ」
(・J・)「ディー以外の除隊は認めない。敵襲が来れば死ぬまで戦え。
私の駒としてな」
(・E・)y-「馬鹿な手下どもの面倒見なきゃいけねえし、サツキや皆をおいてはいけねえよ。
でもテメーがそういう態度なら俺は言う事を聞かねえ。
気に入らないならさっさと撃ち殺しやがれ!」
(・J・)「無駄な事は嫌いな主義でね」
260
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 00:44:42 ID:vnA9YFgc0
(綾゚ -゚)「私は出ていきます」
(・J・)「そんな勝手は認められないぞ」
(綾゚ -゚)「ディーに向かってその仕打ち。
どうせ、悪霊の力を借りて戦う私も化け物として見下していたんでしょう?」
(・南・)「私も彼らについていこう。君の独裁ではメシア教と変わりがない。
それに元々私は外部の者だからな」
(;・J・)「くそっ!殺さなければいい!二人を撃って止めろ!」
部下達は軽く昏睡している。
(;・J・)「テンタラフーを使ったな。組織のものに手を上げたな」
ノ皐゚⊿゚)「先に手を出したのはそっちじゃんか。
俺も残ってやるからありがたく思えよ。裏切りモンはぶっ飛ばしてやる!
歯ァ食いしばれクソ虫野郎どもl!」
サツキは倒れているメンバーの一人を壁に立たせ、サンドバッグにする。
(・く・)「…俺はディーについていくよ。マンティコアも一緒でいいでしょ?
頑張って戦ってきたりしたのに、悪魔ってだけで差別される場所なんていたくないよ」
『腹が痛い。勝手にせい』
(;・J・)「だめだだめだだめだ!行く事は認められないぞ!
またあの邪神が気まぐれに襲来してきた時高レベルの悪魔がいなければ…僕達は死ぬんだ!
悪魔は兵器だ!それをわかってない!」
(・血・)「…わかってるとも。少なくとも、今のお前が俺を人間だと思っていないことは」
(・J・)>「なら怪物め!死ね!」
ジャックの左腕からドリル状のものが出てくる。ドクターに作ってもらったのだろう。
(・南・)つ
南一佐が掴む。握り潰す。
(・J・)「…悪魔め」
ジャックの歪んだ目の奥に、憎悪と恐怖が悪魔合体したような色がゆらめいていた。
(・南・)「悪魔に、人間への同情などを期待する方が間違っているとは思わないのか」
ジャックが口汚い罵りを発して壊れた腕を床にたたきつけた。
三人は背を向けて、門を出た。
261
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 01:00:29 ID:vnA9YFgc0
深夜。
ランの自室。
優しくて冷静な兄は変わってしまった。
全てではないが悪魔が憎い。
オモチャを壊すように平然と人を傷付け、命を奪う事を楽しむ悪魔が。
ふとベッド横の棚のプランターを見る。
このところ兄の看病につきっきりで面倒を見ていないスズランが枯れていた。
それが兄の心が枯れてしまったようで、涙が出た。
ラン ; -;)
「ラン」
背後からジャックが肩を掴んだ。
(・J・)「今度は普通のサイバネアームにしてみたんだ。
お前に涙は似合わない。白衣の天使よ」
ラン;゚ -゚)「に、にぃや」
兄と二人きりの時しか基本発しない呼び方だ。
ベッドに押し倒される。
ナース服を破ってジャックの手が入ってくる。
ラン*゚ -゚)「に、にぃや。嬉しいけど、こういう強引なのはちょっと」
下着が引き裂かれ脱がされ、大事なところがあらわになった。
やめて、にぃや!
ランは必死に抵抗した。
覆いかぶさるジャックの顔に爪を立て、胸を叩いた。
(・J・)「お前しかいないんだ。助けてくれ、ラン」
ジャックの囁きが、抵抗する力を奪った。
ラン ; -;)「うわ゛ああああああああ!」
大きく足が広げられ、引き裂かれるような初めての痛みが全身を貫いた。
ランは掌で、枯れた花を握りしめた。
262
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 01:02:07 ID:vnA9YFgc0
今回ここまで。
やっと本編とリンクできそうです。
263
:
名無しさん
:2022/06/04(土) 10:29:29 ID:ZSMmWsFo0
乙、
264
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 23:17:15 ID:vnA9YFgc0
<゜;)))彡「おぼえてろ!」
妖魔イソラを追い返し、ディー達は南へ行く。
(・血・)「南さんの威迫はすごいですね。そこらの悪魔なんかひとっとびだ。」
(・南・)「そうでもないさ」
つつy=
小機銃で掃討したイソラの仲魔の瀕死の肉塊を血抜きする。
(・<_,・。)「人間の肉の方が好みなんじゃがのう」
(綾゚ -゚)「文句を言いながら食べないで」
水筒の水で肉を洗い、簡易のサバイバル用発火装置で肉を焼く。
妖獣は腹に包帯を巻いている。
(・血・)「よく治しておいてくれ。生半可な傷じゃなかったんだ。
女神イズンさんが咄嗟にリンゴを詰めこんでくれなかったらどうなっていたか」
(・<_,・。)「ふん。あんな小娘の力なんぞ借りずとも余裕でイケるわ!」
(・血・)「逝かなくてよかったよ。これ以上死人は御免だ」
(・く・)「しかしさ、ディーは随分とドライだね。
急に追い出されちゃって普通ハイって出ていく!?
何年もアニキの代わりにリーダーやってたじゃん…」
(・血・)「ジャックは冷静で正解だと、俺は思うんだ。
驕るわけじゃないが、確かに俺に流れるヴァンパイアの血がいつ暴れるかわからない。
奴のように魔法が使えるようになったわけではないのが幸いだが」
自分の掌を見る。
(・血・)「ふっ、家の隅に干からびるまで監禁されるよりマシかな」
食事が終わり、仲魔達はスマホに戻る。
(・南・)「今日も私が見張りをしよう」
(綾;゚ -゚)「そんな!悪いですよ…二日連続なんて」
(・南・)つ〇「ふふ、ビットボールにドローン機能をつけたものを失敬してきた。
私が居眠りしても、こいつが教えてくれるさ」
https://pbs.twimg.com/media/Dw4c1JXUwAElbOb.jpg
(・血・)「抜け目がないですね」
265
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 23:42:57 ID:vnA9YFgc0
(・E・)「数日もの拷問によく耐えたな。やるじゃねえか」
両腕を切断された邪鬼ウェンディゴが歩かされている。
https://pbs.twimg.com/media/FUai_9mUAAUKcUk.png
「ち、畜生…俺の同胞達が黙っちゃいねえぜ」
ノ皐゚⊿゚)「オラ、黙ってキリキリ歩け!お前のお仲魔に会ったらそこで解放してやるよ」
っy=
サツキが背後から銃を突きつける。
─
('A`)「そいつを念入りに拘束。んでイー、お前は邪教の館でウェンディゴを作り直してこい」
('A`)つ□「レシピは転送してやる。あとの素材調達はお前がやりな」
(;・E・)「はいっ!」
('A`)「手の空いてる奴でグロ耐性ある奴は俺についてこい」
ドクオが向かったのは、使い物にならなくなったオオツキロボ三号機。
('A`)「そこにそいつを横に寝かせろ。ロウソクは…あるな。
うまくくくりつけて、頭上にロウが垂れるようにしろ」
ノ皐;゚⊿゚)「ド、ドクオさん。これに何の意味が?」
('A`)「昔、戦争ってもんがあった時によく使われた拷問の手だ。
人間相手なら拘束して水滴をピチョン、ピチョンと垂らすだけで数日で発狂するんだが。
こいつは氷や水の類を吸収して逆効果だ。反対に滅法弱い弱火でじっくりやるのさ」
─
「おい貴様!俺達の仲魔に何しやがった!ぶっ殺してや…」
数体のウェンディゴが現れた。
(・E・)つ□
イーが、スマホで仲魔のウェンディゴを見せつける。
「あ、ああ…その中の仲魔を頼むぜ。こっちは連れて帰る…」
ノ皐゚⊿゚)「どこに帰るか知らんが、そいつによーく話を聞いておけ!
そして俺達の村を襲おうなんて二度と思うな!」
サツキが威嚇とばかりにダダダダ、と銃を鳴らす。
266
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/04(土) 23:44:20 ID:vnA9YFgc0
本日はここまで。
短くて申し訳ない。
起きたら全力全開で書きます。
>>263
ありがとうございます!
267
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 20:00:07 ID:tguBt1jM0
ロッポンギ。
バーの一室。
(丶´iii`)「いらっしゃいませ!ビストロハングリーへようこそ!」
(;・く・)「くっせ!」
https://pbs.twimg.com/media/FUd6NzmaMAM8eSV.jpg
(*゚ー゚)「アンタは下がってなさい!お客様、失礼致しました。
当店では、お客様に満足して頂ける料理を豊富に取り揃えておりまぁす!」
(・血・)「外は酷い有様だったが、ここは安全なのですか?」
(*゚ー゚)「はぁい!ここを仕切っていた大物悪魔が退治されたとかで、
この街を人間の手に取り戻す為に戦う戦士達の憩いの場でぇす!」
(丶´iii`)「さあメニューをどうぞ!
オススメがフォアグラ・ニライタメ定食、キャビア丼、トリュフの土瓶蒸し…」
(*゚ー゚)つ「だからアンタはちょっとまだ黙ってなさい!見習いなんだから!」
(;・南・)「その…失礼だが…そちらの店員はゾンビでは…」
(*゚ー゚)「安心してください!穿いてますし理性もありますよ!
悪魔やゾンビ達との戦いで死んでしまったけど、理性を保ったままゾンビ化したうちの弟でーす!
レベルは1のままだから悪魔に焼かれでもしたらお陀仏!もう成仏確定でーす!」
(綾゚ -゚)「…テンションが高いですね」
(*゚ー゚)つ□「こんな時代だからテンション上げなきゃやってられませーん!
さあさ、改めてメニューをどうぞ!」
(・南・)「…タブレットか。時代は変わったな。
大破壊前で、ウィルスが蔓延する前は非電子のメニュー表がまだ多かったものだ」
(・血・)「…えーと、どうすればいいんですかこれ?」
(・南・)「君達が使っているスマホと同じだよ。
食べたいものをタップして注文を確定すれば、料理を作ってもらえるはずだ。
…えぇと、全部セット物のようだな」
(・血・)「どうしようか…俺の手持ちは大半がエンブリオンに預けていてあまりない」
(・南・)「全部注文してしまえばいいじゃないか。テイクアウト…持ち帰りもできるようだし」
バッグの中からマッカ札束が出てくる。
(;・血・)「南さんのお金じゃないですか。スタミナ定食1500マッカ、ユーカリスト3000マッカ…」
(・南・)「全部君の金だぞ」
268
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 20:23:04 ID:tguBt1jM0
(;・血・)「え?」
(・南・)「出てくる時、荷物をまとめたろう。
ボロ金庫から半分ほどくすねてきた。リーダー特権だ。君のお金だ。
私は自分の手持ちを管理しているから心配しなくていい、好きに使ってくれ」
バッグを放る。
(綾゚ -゚)「まぁ正直、いきなり追い出されたんだしこれくらいは…」
(・血・)「…」
ディーは長年のストレスと責任感により、我慢する事に慣れてしまっていた。
(#・血・)「よーしヤケクソだ!マンティコアの回復祈願も兼ねてフルコースッ!」
たまらずスマホから飛び出してくる。
(・<_,・#)「獣をダシに使うでないわッ!…食うがな!」
素早くタブレットで一括選択し確定する。
(*゚ー゚)「珍味ディナー2000マッカ、スタミナ定食1500、UMAディナー3500、ユーカリスト3000、ゴージャスセット2500マッカ!
消費税プラスで13750マッカ頂きまっす!」
(・血・)つ「あいよッ!」
https://pbs.twimg.com/media/FUd6PLmacAExthk.png
(丶´iii`)「まいどー」
(・南・)「消費税は10%のままなのか。事前支払いなのだな」
(*゚ー゚)「まぁ、たまーに無銭飲食や強盗目的でやってくる人がいるんですよ。
そういう人は…」
(綾゚ -゚)「そういう人は?」
(*゚ー゚)「武器屋のお兄さんに売り渡して加工してお・く・す・りにしてもらっちゃいまーす!
さて可愛い弟妹達よ!お客様の為にフルコースを仕上げやがれッ!」
「「「「応ッ!」」」」」」
カウンターの奥から姿は見えないが声が響く。
(*゚ー゚)「お待たせしました!ごゆっくりどうぞ!」
一同「いただきます!」
269
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 21:10:26 ID:tguBt1jM0
(・血・)「…あの、店員さん?」
(*゚ー゚)「はい?」
(・血・)「ゴージャスセットが明らかに食えない代物なんですが」
フナムシワームの踊り食い、ウジピラフ、ウマ悪魔のから揚げ、アズミの握り寿司。
(*゚ー゚)「ああ、そちらは悪魔さん用のゴージャスセットでぇーす!
悪魔との交渉に使えるかもしれませんよ?テイクアクトに致しますぅ?」
(・血・)「あー、…お願いします。誰も食わないよな?」
(・血・)(やられたぜ!悪食悪魔にとってはゴージャスといえばゴージャスなんだろうな!)
(・く・)「…」
(・<_,・。)「…同情に同上」
(*・南・)「うん、いけるな。酒はシュテンにも分けてやりたい」
ユーカリストの葡萄酒を嗜む。
(綾゚ -゚)「人魚のお造り…おいしいけど、人魚ってなんですか?」
https://pbs.twimg.com/media/EgB_L1kU8AQ8nwX.jpg
(*゚ー゚)「はぁい!鬼女マーメイドを捕獲して刺身にしましたぁ!
不老不死は怪しいけど、寿命が延びますよぉ!…多分」
タブレットから悪魔の画像を見せる。悪趣味では?
(・血・)「かわいい悪魔だ。この悪魔を売った方がいい値になるのでは?」
(*゚ー゚)ニア
「あー、それがですねぇ。ここの材料に使っている悪魔はDASUから卸されてるものなんです。
大概が瀕死体かつ状態異常で仕入れられるので、売り物にならないですね。
ほら、それの手羽先なんか」
南一佐の提案で飲茶方式で取り分けて食べる中、マンティコアがかじりつくものに店員が指を指す。
(*゚ー゚)「ペガサスの手羽先なんですけど、すごいメジャーで上級悪魔じゃないですか。
なんなら万全状態ならこのロッポンギで無双できますよ。
それをわざわざ瀕死にして卸してくるなんて、安値だから助かりますけど意味が分からないですよねぇ」
(・南・)「ご馳走様でした。宿屋はあるのかな?」
(*゚ー゚)「ないです」
270
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 22:37:05 ID:tguBt1jM0
(・十・)『死ね!』
つ→
武装した男が心臓を貫かれる。
別の男が鉄パイプを改造した銃をぶっ放す。
「くっそー、マトモな武器がないのかよ!」
「仕方ねえだろ!チャンコロ野郎はがめついってじいちゃんが言ってた!
割引なんてしてくれねえよ!」
悪魔と会話する為の端末もアプリも持っていないようだ。
(綾゚ -゚)つ「テンタラフー!」
堕天使ベリスが錯乱し馬から転げる。
その隙に男達が精一杯リンチする。
しかし槍の反撃、アギラオの追撃で二人の男が裂かれ、焼かれる。
(・血・)つ「やめろ」
肩に手を置く。
(綾゚ -゚)「でも」
(・血・)「彼らは彼らの都合で戦っているんだ。
俺達が手を出しちゃいけない」
(・<_,・。)「めんどくさいだけじゃろ?」
(・血・)「それは…」
(・<_,・。)「まぁワシも何の縁もない奴らを助ける義理なんかないわな。
ワシがとっても優しいから忘れてるじゃろが、破壊大好きダーク悪魔の妖獣じゃぞ?」
他の場所では、女戦士が魂返りでコープスの集団をチリにする。
しかし背後に控えていた幽鬼マンイーターに噛みつかれ、引き込まれる。
「あ゛!ああああああ!助げ」
目が合う。
(;・血・)「…」
今度は南一佐が肩に手をかける。
(・南・)つ「ディー君。私も、多くの人を護りたいと思っている。
だが、キリがないのだ。今のトウキョウでは悪魔の絶対数の方が多い。
無力感を感じず、自分のできる事をする事だ」
271
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 22:57:02 ID:tguBt1jM0
(´・ω・`) ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)
三人の人間がターミナルに歩いていく。
(綾゚ -゚)「あっ!」
(・血・)「アヤメ?」
(綾゚ -゚)「服装は変わってるけど、あの人はメシアよ。
シンジュクで私達を助けてくれた…」
(・血・)「…?
ああ!助かっていたんだな」
二人は駆け出す。
( ^ω^)「誰だお!」
っy=
男がニコニコ顔のまま銃を構える。
ドンドンドン
(血)「う…ぐ」
(´・ω・`) 「ブーン!!」
しょぼくれた顔だが意志の強そうな男が怒鳴る。
(;^ω^)つ「あ、あ…ごめんなさいお。トリガーが…
今サマリカームを」
(・血・)「必要ないです」
銃弾がボコボコと体から排出されていく。
(;^ω^)「お…」
(´・ω・`) 「君たちは何者だ?」
(・血・)「すいません、申し遅れました。
俺達はそこのメシア様に助けられた者です」
(綾゚ -゚)「メシア様!あの時はありがとうございました!」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさいね。あまり昔のことは覚えていないの。
それにメシアと呼ぶのはやめてくれる?あまり好きではないの」
272
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 23:18:29 ID:tguBt1jM0
(綾;゚ -゚)「…ごめんなさい」
川д川「彼らの感謝の気持ちは本物だよ。そう邪険にするなよ」
フードから長髪が見える男がなだめる。
(・血・)「何かお礼がしたいのですが…何か欲しいものはありますか?
マッカとか」
_
ξ゚⊿゚)ξ「やめてちょうだい!かつての私はきっと見返りの為に人を助けていたわけじゃないわ」
それはそうですよね、と思う。
彼らは装備、仲魔の質が桁違いだ。
マッカもマグネタイトも、宝石すら不自由はしていないのだろう。
(綾; -;)「ごめんなさい…」
川д川「ツンさん、辛辣すぎじゃないか?性格変わったな」
ξ゚ー゚)ξ「…ごめんなさい。でも本当にいいの。気にしないで」
彼らの手元を見る。立派なスマホがある。
(・血・)「あなたたちはサマナーですか?」
(´・ω・`) 「僕と彼はね。君もかい?」
(・血・)「はい。
そうだ、じゃあせめていいものを…」
テイクアウト用の袋を渡す。
(;^ω^)「ちょっと臭いですお」
(・血・)「ロッポンギの街で買ったものです。人間は食べられそうにないですが
ゲテモノ好きの悪魔との交渉に使ってください」
ξ;゚ー゚)ξ「あ、ありがとう…」
(´・ω・`) 「ありがとう。こっちも何かお返しを…
いい武器があったかな」
(;・血・)「そんな、畏れ多い。ただのお礼ですから」
川д川「…君は呪われているな?しかもかなり強力な」
ドキッと心臓が鳴る。
273
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/05(日) 23:31:34 ID:tguBt1jM0
(・血・)「隠してもしょうがないですね」
川д川「ショボン君、あれを渡してはどうかな。
持て余していただろう」
(´・ω・`) 「ああ、あれか。どうぞ」
つ←
禍々しい槍を渡す。
槍の柄をこっちにちゃんと向けてくれる。
(・血・)「これは…」
つ→
(´・ω・`) 「呪いの武器、ランスオブカースだ。
なんで呪われているのかわからないが、既に呪われているならデメリットはないだろう。
よかったら使ってくれ」
(-血-)「ありがとうございます」
(´・ω・`) 「じゃあ、頑張ってね」
三人と仲魔達は去っていく。
(・南・)「待ってくれ。少し」
(´・ω・`) 「はい?」
(・南・)「ここから西の、四天王の館に行った事はあるかな?」
(´・ω・`) 「はい。なんとか生きて帰ってこれました」
(・南・)「そうか。引き留めて悪かった。
…うむ、何も言うな。どうやら君たちにも理由があるらしいからな。
だが決して命は無駄にするな。必ず生きてまた会おう」
(´・ω・`) 「会えたら、ですね。今のトウキョウは広いですから」
274
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/06(月) 00:24:22 ID:j/dtWYEc0
ターミナルを経由してシンジュクへ向かう。
「そうかい、ジャックの野郎がねぇ…
馬鹿な事したもんだな。
どんだけお前が苦労してまとめてきたかわかってねぇんだよ」
ジャンク屋に事情を話す。
(・血・)「あいつもきっとメンバーを守るのに必死なんだと信じたいです。
だから、エンブリオンが来てもこれからも御贔屓に頼みます」
「御大将の頼みだし俺も商売だからな。別に差別しようなんて思ってねえよ。
だがジャックの奴、行き過ぎるとオザワみたいになっちまうぞ。
あとここに泊める気はねェ。女の子連れてんだ、配慮しろよ」
親父が帰ってきたとの知らせで、御祝儀にいくつかのアイテムをもらった。
(・血・)「ジャンク屋もだめか…」
(綾゚ -゚)「ターミナル部屋はどうかしら」
(・血・)「他の人に迷惑がかかるかもしれない。
それにまだとっこうたい等のチンピラがうろついてる。
アヤメが襲われるような危険は冒せないよ」
(・南・)「おあつらえ向きの場所がある」
南一佐は、ターミナル近くの壁を素手で破壊し穴を作った。
そして三人とも入った後、瓦礫で内側からバリケードを作る。
階段を下りながら話す。
(・血・)「ここはなんですか?」
(・南・)「大破壊前に、元凶達を止めようとしていたレジスタンス組織の元アジトだよ。
オザワが君臨するようになってからは、気に食わない奴を閉じ込める牢獄になっていたらしいが。
オザワ亡き今はその人らも皆解放されたようだな」
奥の牢をこじ開ける。
(・南・)「ここ地下にはオザワ一派に殺された幽霊が未だ多くいるが
オザワに虐げられてきた、霊能力者?のアヤメちゃんなら交流ができるだろう。
それにアプサラスなどの女性悪魔も多い。種族は違えど同姓として守ってくれるだろう。
私が話をつけてこよう」
南一佐が大柄な体を動かす。
ディー達は安心して眠りについた。
275
:
◆MxHvQqijkA
:2022/06/06(月) 00:24:45 ID:j/dtWYEc0
今回はここまで。
276
:
名無しさん
:2022/06/06(月) 00:46:14 ID:uotwHEyM0
おつおつ
277
:
名無しさん
:2022/06/06(月) 08:42:15 ID:ddz64Iio0
乙です
278
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/02(火) 23:34:05 ID:LVBN52hw0
GW- Gods of the War -
279
:
名無しさん
:2023/05/02(火) 23:37:42 ID:G6zl.3K.0
ニヤリ
280
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/02(火) 23:49:56 ID:LVBN52hw0
2019年未明。
https://www.youtube.com/watch?v=seXNRF8FF5U
神が下した審判か。
はたまた悪魔のいたずらか。
トウキョウに、突如核兵器が降り注いだ。
人も、悪魔も、平等に殺した。
しかし生き延びる者もいた。
と( ■∀■)つ
(・d・)「…どけ。見物野郎」
( ■∀■)「ヒョウ!」
サングラスの男は、覆いかぶさった状態から飛び降りる。
( ■∀■)「せっかく助けてやったのに、つれねぇなぁ。
見ろよこの無残なデカラビアをよぉ!」
☆「うう…テトラカーンでも防げぬとは…」
体が半分データ化している。
( ■∀■)「ケケケ。あきらめな。
ウランとか核物質には、人間以上に悪魔の体は弱いのさ。
何せ体中のデータとうデータを破壊しちまうからな」
男は黄金の銃型COMPに仲魔を戻す。
( ■∀■)「しかしよく生きてたもんだ。
まぁ生きてたとしても、インフラは間違いなくガッタガタだろうよ。
しばらくは放射能入りのお水を飲むしかねーわけだ」
(・d・)「エー!エーの野郎は何処にいる!?
俺と戦ってた奴だ!」
( ■∀■)「知らんねえ。何せあのドでかいフラッシュだ。
死体も残さず消えたんじゃね?」
(・d・)「そんなわけがあるか!奴は卑劣な奴だ!
仲魔の命を捨ててでも逃げているはずだ!
この手で殺してやる!」
281
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 00:21:42 ID:Jge/3nHQ0
(;・d・)「あ…ちょっと待て…ブーン…まさか…」
(;-d-)「すまん。俺が復讐ばかりに囚われたばかりにお前まで…
安らかに…いや、生きていてくれ。
生きてたら俺が助けてやる」
( ■∀■)「望み薄と思うがなぁ。
何せ爆心地のトウキョウでどいつもこいつもノーガードでドンパチやってたんだぜ?
どっか別の安全な場所に転移されたとかでもなけりゃ、な」
(・d・)「あいつには天使がついてたはずだ。神様なんて信じるわけじゃないが、
あんな生マジメな奴がこんな理不尽で殺されてたまるか。
俺は行く」
男がマオカラースーツの煤をはらい、立ち上がって両腕をすくめる。
_,
( ■∀■)「どこ行こうってんだ?
あと礼くらい言ったらどうだ?
まぁいいけどよ。気まぐれで助けてやったんだから」
(・d・)「その上から目線が気にいらねえな…!
俺は仇を探し出して殺す。
てめえが邪魔しなきゃ、道連れにくらいはできてたかもしれねえんだ。
まだ近くにいるはず…」
( ■∀■)「…あ、そう。
とりあえず外出ようや」
https://www.youtube.com/watch?v=MZXxbUlIyNU
イチガヤ駐屯地跡。
( ■∀■)「ひょー、地下で戦ってて正解だぜ。
三階構造の建てモンが俺らを守ってくれたんだ。
にしても最悪の年明けだぜ」
スマホをいじる。
(・d・)「正月か」
( ■∀■)「おせち職人も軒並み死んだろ。モチでも探してくるか?
俺の地元じゃ、1月終わりが正月なんだけどな」
(・d・)「中国か香港の生まれか?」
( ■∀■)「いんや。生まれは日本だよ。だからこうやって観光がてら帰ってきたらこれだよ!!」
282
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 00:41:47 ID:Jge/3nHQ0
(・d・)「そうか。じゃあな」
そこらのボロ布を纏い、去ろうとする。
と(■∀■)「待て待て待て。何もわからん状況で歩き回るつもりか?
仇だって生きてるか死んでるかわかんねえんだぞ?」
(・d・)「…死体を確認するまで俺の歩みは止まらない。
こうしてる間にも、誰かを食い物にして楽しんでるかもしれないんだ」
( ■∀■)「…なぁ、手を組まないか」
(・d・)「なんだと?」
ディーが思わず振り向く。
( ■∀■)「ヒョウッ!復讐鬼になりきれない、正義漢たあ気に入ったよ。
俺には金がある。力もある。
お前の生き甲斐を手助けしてやろうっていうんだよ」
(・d・)「復讐こそ俺の生き甲斐」
( ■∀■)「それで復讐果たしたら、抜け殻になっちまうだろうよ。
まー、なんかあるだろ。
腕の立つ嫁さん見つけるとかさ」
( ■∀■)つ「ほら、食えよ」
いつの間にか、レーションを差し出してくる。
二人は歩く。
( ■∀■)「名前なんて言うんだ?
俺はキョウ。それ以上でもそれ以下でもない。」
(・d・)「ディー…だ。20歳。
大学をやめた後、力仕事を転々としてきた。
スマホいじってたら、STEVENって奴からの迷惑メールが来てた。
それからだ。悪魔使いになったのは」
( ■∀■)「ふうん。波乱バンジョーだね。
俺は17か18歳だ。双子の兄弟を探しにニホンに来た。」
(・d・)「俺より年下だろ、敬語くらい使えよ」
いきなり、男がディーのアゴをくいっと持ち上げる。
283
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 01:26:35 ID:Jge/3nHQ0
( ■∀■)つ「俺ははっきり言ってお前より頭はいいし、腕も立つ。
なんなら悪魔召喚もな。
サマナー…悪魔使い同士じゃ、強い方が上なのさ」
(;・d・)「ぐ…!」
( ■∀■)「ヒョウ!まぁ焦るな兄弟。
この道じゃ俺の方が長い。
といっても上下関係なんかつけねえから安心しな!」
(・d・)「…とりあえずトウキョウに何が起きたのか把握したい。
しばらくは共同戦線ということにするしか、なさそうだな…」
(・d・)「シンジュクは割と原型をとどめているな。
アカサカは焼け野原だというのに…
なぁ、キョウ」
( ■∀■)「ん?」
(;・d・)「あのレーション、思わず食っちまったが…
放射能汚染とか大丈夫なのか?」
( ■∀■)「男がこまい事気にすんな。
濃度はともかく汚染されてたとしても、そんな時間は立ってねえ。
ポズムディで治せばいいだろが」
(;・d・)「テキトーな奴だ…」
( ,'3 ) 「メシを…メシをくれえええええ…」
地下街には、飢えて傷ついた人々が多く倒れていた。
「くるしい」
「さむい」
(・d・)「…よく生き残ったもんだ」
( ■∀■)「ここはメシア教の奴らが在留してたからな。
神のご加護でも効いたんじゃねえ?」
284
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 09:24:59 ID:Jge/3nHQ0
(・d・)「そのメシア教の奴らは?どうして目の前の奴らにメシをやったり助けようとしないんだ?」
素朴な疑問がうっかり口から出る。
( ■∀■)「ヒョウ!お前、こいつらを助けたいのか!
俺らの食うものだってないっていうのに」
(;・d・)「揚げ足を取るな!」
( ■∀■)「メシア教も所詮はお組織で成り立ってるカルトよぉ。
教祖様たちはフラッシュ焚かれる前に、どっかに避難してんだろ。
シェルター、とかな。」
( ■∀■)「ほら、メシなんて口に出すからあいつらがこっち見てるぞ」
(・d・)「いや、半分違う」
奥を見ると、男が一人で悪魔達を引き寄せて戦っている。
「ふっ!はっ!」
アタックナイフとサブマシンガンを使いわけ、悪魔達を次々と撃破していく。
(幽W鬼)「グアアアアッ!」
つ つ
https://pbs.twimg.com/media/FA7X8oKVgAgRzxX.jpg
目のない中級幽鬼が、背後から襲い掛かる。
====(・d・)つ「チッ!」
駐屯地跡からちょろまかしてきた手榴弾を、反射的に走って投げる
(幽●鬼)「ごガァ!!!!!!!」
ボン
巨大な口は男の代わりにパイナップルを頬張り、派手に爆発する。
(・G・)「なんだあんたは!?
まぁいい、これも何かの縁だ!
こいつらの一掃を手伝ってくれ!!」
(・d・)「俺達に戦える力があると思うのか」
(・G・)「装備見りゃあ、分かる。
身のこなしもな」
285
:
名無しさん
:2023/05/03(水) 11:19:51 ID:HFaSGNQg0
おつ
286
:
名無しさん
:2023/05/03(水) 11:59:54 ID:Q/EwdU5g0
乙です
287
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 22:19:39 ID:Jge/3nHQ0
数十分後。
( ■∀■)「いやいややるやる」 パチパチパチパチ
つと
(・G・)「あんたが一番よくやるよ。素手で悪魔を引きちぎるなんてな…
ちょっと失礼」
鼻のごつい男は、集まっている人々の方に駆け寄る。
(・G・)「みんな!悪魔はとりあえず大丈夫だ!
足りないかもしれんが、これを食べておいてくれ!」
バックパックからレーション等を出し、雑に放り出す。
(# ,'3 ) 「もっと柔らかいもんを出さんかい!」
「ありがとう…」
「もっといいものをよこせ!」
く(;・G・)「ちょ、チョコレート味もあるぞ。
そんな美味くないけど…」
「足りない!全ッ然!」
「お前らなんなんだ.…?化け物を倒せるなんて…
お前らも化け物の仲間なんじゃないか…?」
「近寄るな!」
(;・G・)「あ…う…」
(#・d・)「ふざけるなッ!」
288
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 22:30:49 ID:Jge/3nHQ0
柱を叩いて群衆を恫喝する。
(・d・)「お前らはあの化け物…悪魔に対して何か立ち向かおうとしたのかッ!?」
ざわ…
「そんな事言ったって…人間があんなものに勝てるわけないだろ!」
「おまえらが異常なんだ!
軍の支給物まで持ち込むなんて…
お前らが自衛隊を倒してトウキョウを滅茶苦茶にしたんじゃないのか!?」
(・d・)「黙れ!俺の知ってる奴はなぁ…
中学生で、あの悪魔達と渡り合ってたんだよ!!
やってみてもないのに、なんでできないと言える!?」
「死んだら責任取ってくれんのかよ!!あんたが!!」
ディーと群衆は徐々にヒートアップしていく。
と(;・G・)つ「収めてくれみんな。
…ろくなものがないのと数が足りないのは許して欲しい。
また何か持ってこよう。
それと、トウキョウをこんなにしてしまったのは俺達ではない。
自衛隊は、この悪魔達からむしろトウキョウを守ろうと…」
「信じられるか!」
(-G・)「ぐ!」
瓦礫の欠片を投げられ、頭から血を流しうめく。
(#・d・)「お前ら…」
( ■∀■)「調子こいてんじゃねーぞ。
さっきの悪魔みてえに生首を引き抜いてサッカーボールにしてやってもいいんだぜ?
何もしねえ乞食の分際でほざくな」
群衆は怖気づいてしまい、後ずさっていく。
(;-G・)「ありがとう…庇ってくれるのは嬉しいが…
一旦引き上げよう。」
289
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 23:25:02 ID:Jge/3nHQ0
シンジュク郊外の瓦礫街。
男の治療を済ませる。
(・G・)「すまん。助けてもらってばかりだ…」
(・d・)「気にするな。何もしてない奴らがむかついただけだ」
( ■∀■)「ヒョウッ!見回ってきたが、邪教の館や回復道場は無事みてえだな。
あいつら本当に人間ん?」
( ■∀■)「それとあんた、軍の人間だな?
クッソボロボロになってるが、今はぶっ壊れちまってるイチガヤで見た覚えがあるぜぇ」
(・G・)「…洞察力が鋭いな。
俺はジー、という。
ゴトウ司令官の部下だった男だ」
男は語り始める。
(・d・)「演説をしていたあの男か。
悪魔との共存を望んで、クーデターを起こしたらしいが?」
(・G・)「まあな。あの人々の前では悪魔退治の為に発起したとウソを混ぜたが、そういうことだ。
俺はゴトウ司令官の熱烈な信者だった。無論、部下の中は司令官を危険視してる奴はいたがな」
https://pbs.twimg.com/media/FvNF5l8aAAAoUZT.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FvNF7WxaEAcM8RZ.jpg
(・G・)「俺はあの方が決起した時の熱にやられてしまったのだ。
どうしようもなく、な」
(・d・)「トウキョウ中を封鎖して、逃げ遅れて困った人の事を考えた事がなかったのか?
あれがなければ、疎開できた都民だっていたかもしれないんだぞ」
(・G・)「…弁解はできないな。申し訳ないとは内心思っていた。
だが司令官は、トールマンの動きを封じればただちに解除せよと言っていた」
(・d・)「アメリカ大使をか?狂ってやがる」
(・G・)「司令官は、トールマンが在中米国軍を使ってニホンを支配しようとしていたのを危惧していたんだ。
事実、大使館周りにはこの俗世に降りてこないような天使がウジャウジャいたよ」
(・d・)「憶測で!」
( ■∀■)「お前なにもしらねーのな。
WW2でニホンが大負けしたのは、天使を初めとするヘブライ神族の加護があったからって噂があるんだぜ。
もっとも、眉唾程度の噂だけどな。ホントに」
290
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/03(水) 23:57:47 ID:Jge/3nHQ0
(・d・)「しかし噂は噂だろう。
そんな事で軍を動かすなんて」
口ごもる。
(・d・)「…でも実際、このザマだからなトウキョウは。
悪魔が暴れてもこんなにはならないだろう。
いったい、なにがあったんだ」
(・G・)「憶測だが、やはり米軍が
悪魔を次々と召喚して国を護ろうとした司令官をおそれて核を撃ってきたのだろうと思う。
ところどころの放射線量、これは核でしかあり得ない」
ジーは懐から機械を取り出した。
(・G・)つ□「ガイガーカウンターだ。311の時に需要があっただろう。
私物だが、駐屯地地下に置いておいて運がよかった。
ちゃんとあの食糧も、これで測ったんだぜ」
( ■∀■)「ヒョウ!まだ在庫はあるのかい!?」
(・G・)「残念ながら、俺保有はこれしかない。
どこかで発掘していくしかないだろうな」
(・d・)つ□「召喚。ポズムディ」
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/541/1289/0152.gif
(・G・)「おお!さっきの強そうな悪魔か!」
(・d・)「仲魔、という。今のところの俺の最高戦力だ。
被曝してだめな食糧も、この子の魔法を使えば多少毒は抜けるだろう。
…毒が原因で死ぬ奴なんてもう見たくはないからな」
(・G・)「ありがたい!これで彼らに多くの食料を…」
(・d・)「待て。あんた全く何も口にしてないんじゃないか。
他人に施す前に自分を満たす事だぜ」
ブラウニーを手渡す。
(・G・)「…大義はあれど、こんな事になってしまったのは俺達自衛隊にもあると思う。
だがこの心遣いはありがたくいただこう」
( ■∀■)「素直な奴だぜ!」
(・G・)「ところで、毒で死んだ者が身内でいるのか?
俺はアンタたちのことを良く知らない。
俺の事は喋ったんだ。
よかったら喋れる範囲で聞かせてほしい」
291
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/04(木) 00:50:37 ID:0uT/NCsQ0
─
(・G・)「なるほど、キョウさんは留学生であんた…ディーさんはデビルハンターって奴なんだな。
それで…聞きにくいんだが…
悪魔と勇敢に戦っていたという中学生は?」
(・d・)「キチジョウジで死んだよ。解放戦線の途中でな。
クソ野郎にハメられて毒受けて…」
(・G・)「…すまない」
(・d・)「気にしなくていい。包囲網さえ張られてなきゃ、あいつも普通の生活ができてたのかもしれないけどよ。
あれは警察と自衛隊両方の仕業だったし、悪魔も結界を張って脱出できないように絡んでた…らしい。
悪いのは組織全体の事だ。あんたやゴトウだけが悪いわけじゃない…」
(・G・)「ありがとう。俺達のやったことは決して正義とは言えないとは思うが
ゴトウ司令官の、ニホンを守りたい気持ちは本当だったと信じているよ。
だから俺はあの人が守ろうとしたニホン国民を助け…」
(・d・)「そういや、あのクソ野郎の居場所を知らないか?
エーっていう人を馬鹿にしたような青びょうたんで、核が降る直前までイチガヤで交戦していたんだが」
(・G・)「すまんが、大使館にそういう奴がいたということしか聞いていないんだよ。
それが君の仇なんだな」
(・d・)「ああ。奴がこれくらいでくたばるとは思えねえ。
片腕をぶった切ってやったはずだ。目立つはずだぜ、見つけたら教えてくれ。
野郎は俺の手で…!」
(・G・)「ところで、自衛隊屈指の大男、南をのゆくえを知らないか?
若くして一佐にまでなって、武術の腕なら正直ゴトウ司令官より上だった男だ」
( ■∀■)ニア「質問に質問で返すなァー!」
(・d・)「それは俺も知らないな。
悪いが、エーの野郎を追うのにあちこち走り回ってたから」
(・G・)「そうか…なら仕方ないな。
息災でいればいいのだが。そうそうくたばるような男ではない」
( ■∀■)「ヒョウ?ずいぶん、信頼を置いてるんだな?」
(・G・)「…旧友だよ。さて」
ジーは立ち上がる。
(・d・)「どこに行くんだ?」
(・G・)「解毒してもらった食糧を分けに行く」
292
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/04(木) 01:00:13 ID:0uT/NCsQ0
>>279
>>285
>>286
キュ*゚ー゚)「ニヤリがとうございます。エナジードレイン♪」
293
:
名無しさん
:2023/05/04(木) 01:04:34 ID:0JpvnrqY0
乙う
294
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/04(木) 21:24:26 ID:0uT/NCsQ0
(・d・)つ「おい、待て」
肩に手をかける。
(・d・)「流石にあんなに言われてまた行くなんてどうかしてるぜ!
あんた、人が良すぎる」
( ■∀■)「いえてるぜ。今回は青二才の方が正しい…
それに、かわいそうだと思ったからってポンポンくれてやってたら奴ら調子に乗り出す。
くれてやれる食糧が無くなったら、あんたの肉まで食いかねん」
(^G^)「はは。餓鬼じゃあるまいし。
俺は大丈夫なんだ。
じゃあな…あろがとう」
ジーは歩き始める。
と(・d・)つ
(・G・)「お、おい」
(・d・)「行かせんぞ。やつらが棒切れでも握るなり
石投げて援護なり、僅かなりとも戦う意思があるなら話は納得できる。
だが、俺が見たのはただブルブル震えて不平不満をこくだけの姿だった。
挙句にはタダでもらう食糧に不満があればあんたに石を投げてきた。
なんかムカつくんだよ、そういうの」
(;・G・)「あんたには関係ないだろう…ムキになるなよ」
(・d・)「あんたはよくても俺がムカつくの!!」
(;・G・)「ううむ…困ったな…
でもせめて子供や御老人には優先的にあげたいんだ」
( ■∀■)「タダか…そうだ!」パチン
b
(・G・)「な、なんだいきなり」
>シンジュク地下街
( ,'3 ) 「やっと来たか!遅いぞ!」
295
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 09:15:46 ID:eoBqRwbs0
「何をしていたんだ!腐れた野郎め!」
「俺達は待っていてやったんだぞ!」
「自分だけで食べてきたんでしょう!女性最優先とは思えないの!?」
「怪我人だっているんだ!!もっと奉仕しろ!!」
「「「よこせ!よこせ!よこせ!よこせ!よこせ!」」」
( ■∀■)「愚 か ァ 」
https://pbs.twimg.com/media/FvTUfmGagAAj2Yq.png
キョウの声からは、あらゆるものを凍り付かせるような厳かさが含まれていた。
( ■∀■)「ヒョウ!せっかくタダでいただけるチャンスをフイにしてどうすんだ?
こいつの堪忍袋の緒がブチ切れる前にやめとけよ
…そうだよな、タダだからありがたみがなくつけあがるのさ。
ここからはビジネスだ」
「ビ…ビジネス?」
( ■∀■)つ ドサッ
頭陀袋と募金箱を乱暴に降ろす。
「うお!前よりグレード上がってやがる!」
( ,'3 ) 「ワシのものだ!ワシのな!!」
( ■∀■)「よーし、お前ら、好きなだけ取っていい。
ただ、
金 を 入 れ ろ 」
296
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 09:39:32 ID:eoBqRwbs0
「か、金だって!?金を取るのか!」
「困ってる私達に対して失礼だと思わないの!」
( ,'3 ) 「…」
( ■∀■)「へっ。どうせ食い物売ってるような店やメシ屋なんて、もうねえんだ。
けちけちすんじゃねえぞ」
(・d・)つ「俺に勝てたらタダで好きなだけ持っていっていいぜ」
つ y=
拳銃を愚衆の前に放り投げる。
( ■∀■)「うんうん。力こそ全てだ!ヒャッハー!!
こいつだって人間だ。撃てば殺せる」
(・d・)「ただし、俺が死んでしまえば除染手段がほぼなくなるぞ」
ざわ…
「え…?除染!?」
「こいつら、俺達に毒入りを食わせる気だったのか!!」
( ,'3 ) 「金まで取ってか!?強盗と変わらん!!」
大柄は鼻の男が前に出る。
(・G・)「みんな、すまない聞いてくれ。
この食糧は俺達三人で危険なところから持ち帰ってきたものなんだ。
俺達はボロボロだ…
回復施設を使うにも金がかかる。
だから、俺の事はいい。
この二人と食糧への感謝の意味でお金を入れて欲しい…
気持ち次第でいい。1円でも。
子供や本当にお金のない者からは取らない。
ただ、お礼を言ってくれ」
「こういう時は女子供はタダじゃないの!?レディファーストって言葉を…」
( ■∀■)「ヒョウ!そのlナリと態度でレディー名乗るんじゃねえ。けけけ。
チヤホヤしてほしいならヨーロッパに行け。
レディファーストの語源教えてやろか?毒見役だよ。
タダでいい。特別に毒入りのブツを食えや」
297
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 09:54:36 ID:eoBqRwbs0
キョウは一個毒レーションを取り、どうぞどうぞと女性の口元に差し出す。
「うう…なんで私がこんな目に…払います!
千円払います!」
(;・G・)「い、いや、本当に1円でもいいんだよ。
財布と相談して無理せずくれればいい」
「いいわ!これ以上耐えられない!
はやくこれを除染してちょうだい!できるものなら!
ウソだったらSNS拡散してやるから!!」
女性は募金箱に千円札をぶっきらぼうに捻じ込む。
(・d・)「契約成立だ。ヤクシニー」
ヤク*゚ー゚)シニー『はいよ。ポズムディ』
「ぎゃあ!肌が紫だ!バ、化け物!?」
闘いの鬼が双剣を振りかざす。
(・d・)「食ってみろ」
「…うっ!」
一口噛み砕いて飲み込んだ女性が呻く。
「大丈夫ですか!?
やっぱり詐欺だったんだな、コノヤロー!!」
「違うわ!!おいしい!!毒もなさそう!
お金を払ってちゃんと食べるものはおいしいわ!」
( ,'3 ) 「遅効性の毒じゃなかろうな…」
( ■∀■)「じじいは疑り深くて困る。
お前らみてえなカス乞食、毒殺して誰が得すんだ。
せいぜい死肉を貪る系の悪魔だろうが」
(・G・)「安心してほしい。前に配ったものは検査して除染されてないものを選んだ。
だから数が少なかったんだ…」
「そういうことだったのか…」
( ■∀■)「初回限定サービスってやつだ!
ここからは有料だぜ!さあ腹減ったなら腹え払え!」
( ,'3 ) バッ
298
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 10:12:15 ID:eoBqRwbs0
老人が素早く動き、袋に抱きつく。
( ,'3 ) 「一円玉入れたぞ!!これで全部ワシのものだ!!
さあその美女に毒抜きをさせろ!!契約だぞ!!」
(;・G・)「すまないがご老人。モラルの意味も含めて、一回につき一人一つにしてほしい。
皆に行き渡らせたいのだ」
( ,'3 ) 「そんな要求を後出しするな!!契約違反だ!!」
(;■∀■)つ「じじいー。何年生き恥晒してんだ…?
流石におれでも暗黙の常識くらいわかる、ぜっ!」
老人を蹴り飛ばす。
「ひでえ奴だな!」
( ■∀■)「ひでえのはどっちかな。
他の全員餓死してもいいって考えだぜ。こりゃ」
「違う!この爺だ!
1円しか入れてないのに独り占め!?
転売するつもりだったんだろ!!」
「死ね!」
比較的若い男達が、老人を囲って殴る蹴るの暴行を始める。
( ■∀■)「醜いなー」
( 。゚3 )「ぐふえああああああhがsfだああ!!!!」
「待て!!」
群衆が声の元を見つめる。
(#・G・)「不和を起こすのなら、この食糧を焼き尽くして食べられなくする。
キョウさんもキョウさんだ。この状況を楽しまないでくださいよ!」
く( ■∀■)「へいへい。自衛隊四天王はこわいなー」
(・G・)「立てますか」
老人に肩を貸す。
( 。゚3 )「お…おのれ…この仇は必ず…」
299
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 10:39:08 ID:eoBqRwbs0
( ■∀■)ニア「わはははは、じじいーオレに負けた罰だ!!
最後尾で並んでもらおうかぁぁー!!」
( 。゚3 )「ワ…ワシの食糧…」
(・G・)「今ここにいる人達の分の食糧は十分にあるはずだ。
そして一つ、約束してほしい」
「なんだ??」
(・G・)「ここでの食糧配布を、SNSはじめとしたネットでまだ拡散はしないでほしい。
一気に殺到されてしまうと、配りたくても足りなくなる」
「わかった…」
「そうよ!他から呼び寄せて私達が飢えることはないのよ!!」
配給が始まる。
子供達から優先だ。
ヤク*゚ー゚)シニー『はい募金どーも!ポズムディ!』
「お姉ちゃん。お兄ちゃん。あ、ありがとう、ございます…」
(^G^)つ「はい、どうぞ。いい子だね。
どうか、その気持ちを忘れないでくれ」
(・d・)「…子供か…」
( ■∀■)「ん?なんか言ったか?」
(・d・)「…なんでもねえよ…」
>配給は無事に終わった
( ,'3 ) 「ぐぐ…口がひゃれてくへない」
(・G・)「このご老人に手を出すのは禁止だ。
破れば、心苦しいが食糧配給をやめざるを得ない。
確かに彼のした事は許しがたいが、極限の空腹という状況だ。
君達もやっていたかもしれないという事を忘れないでくれ」
「わかりました」
「おじーちゃん、いたくない?」
300
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 22:52:45 ID:eoBqRwbs0
>外に出ますか?
( ■∀■)「ヒョウッ、小儲け小儲け」
つ□ と
募金箱に貯まった金を眺めて笑う。
( ■∀■)「しかぁしあんた、そんなイカつい顔lして結構奥手だな。
歯向かう奴はぶっ飛ばすくらいできるだろうよ」
(・G・)「国を護る者として、国民にそんな事は絶対できない!
自衛隊は壊滅したが、ゴトウ司令官の志は俺が継ぐ。
彼ができなかった事を、俺がやる」
(・d・)「…なんでガキにはただでやったんだ?
あいつらだってこの破壊前には普通に買い物くらいしてただろうに」
(・G・)「うーむ…子供は未来の宝だ。
悪魔に将来対抗できる可能性の伸びしろがあるのも、体力のある若い子達だろうな。
今はそれでいいか?」
(・d・)「まぁいいぜ。ガキの方がいい戦士にはなりそうだ…」
( ■∀■)「で、どうすんの。
お前が悪魔をいちいち一掃して遺物探して施してやんの?
人間なら体がもたねーぞ。人間ならな」
(・d・)「俺も手伝いたいがな、あいにく優先すべき事はいっぱいあるんだ。
あまり長く留まってはいられない…」
(・G・)「いいんだ。俺が好きでやってるだけだから。
ここまで色々手助けしてくれただけでも、ありがたいんだ」
(・d・)「誰だッ!」
背後を振り返る。
泪 ゚ -゚)「こんばんは。いい月ね。
傷だらけなんてウソじゃない。
駐屯地跡の悪魔なら、そこの男がみんな無傷で倒してしまった。
無双、というのかしら」
( ■∀■)「ヒョ!?俺に興味があるのかーい、お嬢ちゃん」
ボディスーツに身を包んだ少女がいた。
301
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/05(金) 23:14:44 ID:eoBqRwbs0
泪 ゚ -゚)「どうかしら」
(・d・)っy= 「ずっとつけていたのか」
泪 ゚ -゚)「女の子に銃を向けるの?野蛮ね」
(・d・)「黙れ。俺達のあとをつけていたのか」
ディーはきつい目で睨み据える。
泪 ゚ -゚)「人聞きの悪い事を言わないで。
私は観察させてもらっていただけよ。
こんな世の中で、命を張ってでも人を助けるようなお人好しがどんな顔してるのかを」
泪 ゚ -゚)「ねえ、あなた。
世界はもっと強く美しい者が生きる混沌であるべきだと思うの。
弱者に施すなんて馬鹿らしくない?」
(;・G・)「…俺はそうは思わない…助け合いこそが楽しいのだ」
つと
泪 ゚ -゚)「そう。
そこの貴方は、どう?
私の為に、死ねる?」
(;・d・)「…は?」
泪 ゚ -゚)「いえ、あなたは私の運命の人ではなかったようね。
言い方を変えるわ。
大事な人の為に、心臓を捧げる覚悟はある?」
(・d・)「言ってる意味がわからんな…。
だが真に愛するべき者の為なら、命を賭けてもいいと思える。
真に憎むべき者を殺すのも同じだ」
泪 ゚ -゚)「そう。あなたにとっては、愛と憎しみは表裏一体なのね。
とにかく何かをガソリンにすれば高速で走り出す。
そういう車みたいなタイプね。
せいぜい事故を起こさないように気をつけなさい」
少女が去り際に、ディーに少し近寄る。
泪 ゚ -゚)つ
パリィ
( ■∀■)つ (・G・)つ「「フン!!」」
302
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/06(土) 00:20:50 ID:0yqfsOOE0
三本の腕が交錯する。
泪 ゚ -゚)「何をするの」
つ
( ■∀■)「何をするのじゃねーよ。
今、心臓抉り出そうとしてたろ」
((・d・))ゾクッ
(;・d・)「マジで…?」
と(・G・)「ああ。下がっているんだ」
泪 ゚ -゚)「まぁ、いいエンジンがあるなら欲しいと思ってね。
気に入らなかったら返すから。
すぐ道場に行けば生き返るでしょ」
( ■∀■)「今の音を殺す動き、タダもんじゃあねえな?
ガイア教のアサシンですら難しいって聞いてるぜ。
見かけによらんが、ガイアの者か?」
泪 ゚ -゚)「今のチンピラ集団になんか興味ないわ。
これは私の技よ」
( ■∀■)「ヒョウ!すごいもんだな。
だがかわいいお嬢ちゃんの頼みでもこいつは渡せねえな。
おれのかわいい舎弟だから、な!」
泪 ゚ -゚)「ふうん。まぁいいわ。
私の運命の人じゃないから。
そうじゃなきゃ、いくら強い心臓でも一時しのぎにしかならない…」
( ■∀■)「臓器密売キチガイか?
うちのシノギを邪魔するなよな〜」
泪 ゚ -゚)「私は運命の人が生まれてくるまでひたすら待つの…。
あなた達ではないみたいだけど、焦る必要はない。現れればわかるから。
せいぜい頑張ってね、弱気を助ける英雄さん達」
(・d・)つ「待ってくれ!エーという男を知らないか!?」
泪 ゚ -゚)「近付くなんて懲りない人ね。知らない。
でもこれは情報料としてもらっていくわ」
女は一瞬でかき消えた。
(;・G・)「うっ!?」
つ
303
:
名無しさん
:2023/05/06(土) 23:47:53 ID:.AG2veS20
おつ
304
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/07(日) 00:41:33 ID:yyWnxDts0
(・d・)「どうした!?まさか」
(;・G・)「いや…溶けかけのチョコを盗られた。
食べようと思っていたんだが」
(;■∀■)つ「そんなことか!!」 ドテッ
つ
( ■∀■)「クソみたいな情報の提供代ってことか。
だが実力は見た目以上にあるようだな。会ったら注意するこった…」
ザッ
(・G・)「君達になんのお返しもできずに、すまないな。
もうそろそろ、自分の道を行きたまえ」
(・d・)「待て。これからどうするんだ。あんた」
(・G・)「もちろん、シンジュクの人々を護る。
おかげさまで、住人達と衝突しないようにできそうだ
この箱を借りていいか?」
(;・G・)「あっ、どうしよ…」
(;・d・)つ「貸してみろ」
募金箱にかけられたカギを器用に開ける。
く(・G・)「ありがとう。ではこのお金は君達のものだ。
よい旅を」
( ■∀■)「待て。手を組まねえか」
流石にジーも訝しげる。
_,
(;・G・)「…どういう意味かな?」
( ■∀■)「いやいやね、まだ8割がたは解決してねえだろ。
俺達がいなくなって、解毒はどうすんのかって話よ」
(・G・)「カウンターで測定して、汚染が進んでいない物を配るしかないだろうな。
いつまでもつかわからんが、そうしたらまた別の駐屯地にでも行くか」
( ■∀■)「いや、もっと重要なもんがあるぜ。
飲み水だ」
305
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/07(日) 01:24:54 ID:yyWnxDts0
(・G・)(・d・) 「「!!」」
( ■∀■)「お前らバカだろ。
人間の体の50%くらいは水分でできてんだよ。
赤ん坊やガキならもっと含有量は高い。
パサパサのメシで、奴ら喉くらい乾いてるはずだぜ。
そこがチャンス!」
(・G・)「チャンス?」
( ■∀■)「ヒョウ!水を解毒したもんを売りつけるのさ。
最初は1円募金でいいが、水とメシは必須のブツだ。
奴らが欲張れば欲張るほど、金を上げてでも買いたくなってくるはずだ。
いいビジネスじゃねえか?ケケケ!」
(;・d・)「えげつねえな…。
とはいえ、俺達も安全に水分補給しなきゃならないしな…
ヤクシニーにポズムディばっか唱えさせてちゃ、回復代でそのうち赤字だ」
(・G・)「金儲けの為というのは、少々いただけないが…
安全な水があれば、これも活用できるだろう」
ジーは胸元からパウチの袋を取り出した。
(・G・)「干し飯だ。自衛隊だけでなく、緊急時に民間人も食べられるように非常食セットの中に入っているんだ。
付属の水に浸せば食べられる。お湯も沸かせるようになれば温かいご飯を…」
( ■∀■)「ずぅいぶんと、古風な言葉使うじゃねえか。忍者かよ。
アルファ化米ってゆーんだぜ、そういうのは。
ちなみにアルファ化…むしたり炊いた米やパンを食うと消化不良を起こす鳥もいる。
消化された際のねばつきで、そのう…鳥の胃だな!それにひっついて炎症をおこしちまうのさ。
別に今回の件とはまーったく関係ないけどな!」
(;・G・)「…神意、いや真意が読めないな、あんたは。
まるでこっちの予想を超えてのらりくらりとかわしてしまう雰囲気があるよ。
もし手伝ってくれるのなら、無理のない範囲で…」
( ■∀■)「まーまー、みなまで言うな。通りがかった船だ。
沈む泥船からイカダくらいにはグレードアップしてやるぜ。
提示したビジネス放棄とか、ありえねーから!」
>シンジュク地下街 朝
306
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/07(日) 01:27:37 ID:yyWnxDts0
妖怪心臓抜き
>>303
ご愛読ありがとうございます。
即興ですがコンゴトモよろしく…
307
:
名無しさん
:2023/05/07(日) 02:15:12 ID:7bIAyuOw0
乙!です
308
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/09(火) 21:31:23 ID:9ZGvsiOQ0
( 3 )
(;・d・)つ「おいじいさん、じいさん!?」
脈を測る。ライトで瞳孔を見る。
(-G-)「駄目だ。もう…」
(#・d・)「て、てめぇらぁ〜!」
「ち、違う!俺達じゃない!」
「朝にはもう動いてなかったのよ!!」
「そ、そうだ!あのガキどもが何かしたんじゃないか!
妙に優しかったもんな!!」
(;``)「ぼ、僕達、なにもしてないよぉ…」
「もういい!!」
野太い怒号が響いた。
(・G・)「失った命は戻ってこないんだ…
先日のリンチ、そして老衰がが原因だろう…
御歳も相当だっただろう。施設に運んでも蘇生の見込みは…」
[ ,'3 ) 「兄貴いいいいい!!」
大なきで追いすがる老人がいた。
そっくりな顔と言動から、おそらく弟であろう。
[ ,'3 ) 「起きてくれよおおおおお!!!
ワシにはもう兄貴しかいないんじゃあああああ!!」
「…」
「…」
「…」
(・G・)「そ、そうだ。今日は水を持ってきたんだ…」
( 。゚3 ) カッ
309
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/09(火) 21:54:11 ID:9ZGvsiOQ0
( 。゚3 )「水!みずううううううう!!!!!」
老人の目が見開き、血走る。
[ ,'3 )「兄貴ぃぃぃぃぃぃ!」
( 。゚3 )「飯!水!よこせええええええ!!!」
(・d・)っy=「落ちつけ」
( ,'3 ) 「…」
(・d・)「聞き分けがいいじゃねえか。生きてて何よりだぜ。
今日は、これだ」
ポリタンク20Lを、ドンと置く。
「ちょっと!そんな乱暴に…割れたらどうするのよ!」
(・d・)「安心しろ。比較的柔らかめのだ。
ちょっとやそっと乱暴に置いたくらいじゃ、ビクともしねえ。さて」
(・d・)つ゜「水はタダでいい。
なにせこのタブレットを入れなきゃ、水を飲んでも毒で死んじまう。
さてお前ら。これ買うか?」
─
手頃な入れ物を見つけ、水を採取し終えた頃。
( ■∀■)「さて。おれはチョット野暮用があるから出るぜ。
少しの間、お前らだけで頑張りな」
(・d・)「お前の方が年下だろうが。上から目線で!」
( ■∀■)「もう歳だの年功序列って時代じゃなくなったのよ。
やるか?一瞬で内臓ぶち晒してやるぜ!ヒョウ!」
(・θ・)「キョウイチ様。そろそろ会合のお時間が…」
( ■∀■)「おう。そろそろ行くぜ」
( ■∀■)つ゜「さてと、これを使いな」
(・G・)「…?これは一体?」
310
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/09(火) 23:47:27 ID:9ZGvsiOQ0
( ■∀■)「うちの実家…は、色んな方面に手出しててな。悪魔関係で。
そいつは解毒剤のサンプルだ。
どんな汚染された水でも、浸せばたちまち聖水に!
ヒョウッ!」
(・d・)「ケッ、多角経営は破滅するぞ」
つと
( ■∀■)「ご心配なく。ちゅーか、大学中退ごときに心配されるほど落ちぶれちゃねーから!
最初から行くなって話だよ!」
(#・d・)「…」
(・θ・)「キョウイチ様」
( ■∀■)「おう。じゃあ俺、そろそろ行くから。
生きてたらまた会おうぜ!」
と( ■∀■)つ「ヒョウッ!」
(・θ・)
神鳥に乗り、男は飛び去った。
(・G・)「…自由奔放な人だな…。
いつも行動を共に?」
(・d・)「ふん。自分勝手なだけさ」
─
(;・d・)
ドッドッ
( ■∀■)『いいかディー。見極めの練習をしろよ。
悪魔交渉と同じだ』
ディーの胸は早鐘のように高鳴っている。
住民とうまく交渉できなければ、ジーやキョウの築いた面子を潰す。
(・d・)「さあどうする。
食糧と同じで、金はいくらでも構わんが…条件がある。
全員が払うことだ」
311
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/11(木) 20:15:28 ID:8cTP8r0I0
「なんだ、同じじゃないか」
(゚∀゚)「ヒャハは!そういうことか!!」
気の狂った男が可笑しそうに笑う。
( ・d・)「何がおかしい」
(゚∀゚)「金のねえガキや爺どもをここで振るい落すつもりなんだろ?
んで肉料理にすると!
悪魔の肉よかよっぽどええで!鍋売れよ!」
こいつ、悪魔の肉を食っているな。
いや、このイカレ具合は人間の肉すら食って頭がスポンジになっているのかもしれない。
ディーは妙な直感を信じた。
(・d・)「そういう意図じゃないんだがな。
この男、キレると悪魔も八つ裂きにするぜ。
実力は見ているはずだがな」
バン
空砲が鳴る。
(゚∀゚)っy= 「アヒャ!?それは脅しと取っていいのね!?
正当防衛せーとーぼーえー!」
(;・d・)(このイカれ具合…キョウとは別ベクトルでやべー奴だな)
(・G・)「おれや彼を殺せば今後、物資は手に入らない。
住人の人達を殺せば私達は今後一切物資を持ってこない。
明らかに無駄な殺生ではないかと思うが」
(゚∀゚)「アヒャ?それなら他所行って奪えばいいじゃねーかよ!!
トウキョウレイダーをなめるなよヒャハはは!?」
(・G・)「君は悪魔を甘く見すぎている。
対策もなしに軽装で勝てるような相手ではない。
人間同士の喧嘩とは訳が違うのだぞ」
(・d・)っy=゙ 「らちがあかねえ。ジー。こいつはヤバい。殺す、いいな」
つ-l--゙
(;``)「だ…出します!」
(゚∀゚)「アヒャあ?」
312
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/11(木) 20:22:20 ID:8cTP8r0I0
(;``)「おじいさん達の分も、僕たちの分も、お金を出します!!
だから…ケンカしないで!!」
(゚∀゚)「アーつまんねえの、ヒャ。
一文無しどもで焼肉パしようと楽しみにしてたのによぉ。
死ぬか?糞ガキ」
(;``)
子供が狂人に詰められる。
[ ,'3 )「待て」
子供の前に立ちふさがる老人。
(・d・)つ「おいよせ!やめろ!」
[ ,'3 )「貴様が何者か知らんが、小さい子に手を出すなどみっともない。
わしらの分も。子供達の分も、わしが出す。
このおいぼれでいいなら、撃ちたいなら撃つがいい!」
(゚∀゚)「ア…ヒャ。
さめちまったよ。誰が干物ジジイの肉なんざ喰うか。
払えばいいだろ、払えば」
(・d・)「ふん。ファッションキチガイめ。
払うならお前も客だ。飲んでいけ」
ポト、と錠剤を容器に入れる。
( ,’3 ) 「うう…」
[ ,'3 )「兄貴、ゆっくり飲むんじゃぞ…
ありがとうな、子供達」
(;``)「こ、こちらこそ…ありがとうございます!
守って…くれて…」
(・d・)(思い出した。あいつやべーぞ)
(・G・)(ん?)
313
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/11(木) 21:40:55 ID:8cTP8r0I0
(・d・) (殺人、強盗、何件もやらかしてた死刑囚のはずだ。顔を見た事がある。
核ミサイルで刑務所が破壊されて娑婆にでてきたんだろう)
(・G・) (まずいな…お金を払ってもらった以上、出て行けと言うわけにもいかないし…
凶悪犯よりヤバい悪魔が闊歩しているのが今のトウキョウだ。
出て行ってもらって死なせるのも心苦しい)
「ああ、水よ!」
「なんてこった!うますぎる!」
人々は群がり、紙コップに水を入れて汲み、飲む。
砂漠で干物になる寸前にオアシスを見つけたとしたら,、このような歓喜天なのだろう。
(・d・)つ「あー、並んで汲め。
あと給水機残しておくが、一気にガブ飲みするな」
(^^)「おいしいです!お兄さんありがとう!」
(``)つ「おじいさんの弟さんの弟さん、だいじょうぶ?」
( ,’3 ) 「…」
[ ,'3 )「すまんな。兄者はちょっと疲れているんだよ。
」
(・G・)「皆さん、ご協力感謝する。
安心して食糧や水の供給ができそうだ…」
(゚∀゚)「アヒャ。肉喰いてえ…
クソが!邪魔しやがって!」
(・d・)「不満なら出てけ。ほれ」
狂人が入れた分の金を返金しようとする。
(゚∀゚)「俺はここが気に入ったアヒャ。
しばらくいさせてもらうぜ。
外でモンスターに喰われるのはやだしな!」
(;・G・)「と、トラブルを起こしてさえくれなければ、俺はそれでいい…
肉も調達できるように努力しよう」
(゚∀゚)「アヒャ!早くもってこい!」
314
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 01:51:01 ID:Pbb03zNM0
>シナノチョウ某所地下
( ■∀■)「キョウイチさまのおでましだぞ〜。どけよ雑魚が」
構成員達を手でしっしと追い払い、席に座る。
( ´)Д(`) 「なんだ本当に生きていやがった。
お前なんか最高幹部の器じゃねえのによ」
( ■∀■)「お言葉返すぜ。ゲルガー。
糖尿でくたばってたのかと思ったぜ」
( ´)Д(`) つ 「これを見ろ!お前が道草食ってた間に手に入れたのだ!!」
杖を見せてくる。
( ■∀■)「豚に真…女神転生だな。
なんだそりゃ」
( ´)Д(`) 「サタンの錫杖だよ!ここの教団をガサ入れして見つけた!!
まさかこんなカルト宗教が隠し持ってたとはな。
これで大魔王サタンと契約を結べる!!
悪魔召喚王に俺はなれるんだ!」
( ■∀■)「ふうん…そんだけで先住民皆殺しにしたん?
別にいいけど。もう帰っていい?」
( ´)Д(`) 「お前の自慢してた資産もレートが大暴落確定だ。
これからは悪魔の通貨を流通して、DASHが世界の覇権を握る!!
俺が次の総統だ!」
( ■∀■)「お好きにどうぞ」
( ■∀■)「あ、あとな」
振り返らず背中で語る。
( ■∀■)「うちも大概カルトじゃね?」
>京浜第三シェルター
https://www.youtube.com/watch?v=eYewll8nVqk
( ■∀■)「…」
シェルターのエアロックはICBMの余波で破壊されている。
315
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 02:05:54 ID:Pbb03zNM0
エレベーターで移動し、PCをいじる。
( ■∀■)「起動しねえか…ま、令和の時代だ。
今どきはスマホゲーだわな」
( ■∀■)つ「センダー!ヒロコー!
750マッカのおっさん!いないかー!」
>悪霊グールが出た!
( ■∀■)つ「ま、片っ端から殺ってけば当たるか。成仏してくれよ」
つ
https://pbs.twimg.com/media/Fv8UzOgaQAIwNtl.png
紙のようにゾンビ達をあらかた切り裂いたあと、強盗にでくわす。
「なんだ、だせえグラサン野郎!」
「ここぁ俺たちのナワバリだぜぇ」
( ■∀■)「お前らがシェルターのロック解除したのか?」
「へへ、でっけえ光が落ちたあの日から俺達はここに住んでるのさ。
入口なら既に壊れてたぜ」
「いるのはあーうー言ってるだけのゾンビばっか!
盗り放題だぜ!!
ヒャッハー!!」
( ■∀■)「いいもんはあったか」
「ワルサーだの糞古いゴミ銃ばっかだぜぇ。
何の為に貯蔵してたか知らねえけどよぉ、こんなもんで外のバケモンに対抗できるとでも思ってたんかね?
まぁアンティーク愛好家にでも売りつけるか。
メシならやらねえぞ。
さっさと出てけ!」
「いやまて…こいつ身なりがいいから殺して身ぐるみ…」
「そりゃいいな」
( ■∀■)「誤算だったな…バケモノは目の前にいるぜ?」
>狂人パンクスの集団が出た!
https://pbs.twimg.com/media/Fv8UzOgaQAIwNtl.png
316
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 02:06:25 ID:Pbb03zNM0
https://pbs.twimg.com/media/Fv8U0quaEAE8OwY.png
317
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 12:54:55 ID:Pbb03zNM0
>シンジュク地下街 数日後
( ■∀■)「ヒョウ!なに辛気臭いツラしてんだよ」
(・G・)「キョウさん、実は…」
─
大破壊前にレジスタンスアジトだった、地下の地下を会議室代わりに詳細をはなす。
( ■∀■)「ふうん。変な動きしたらぶっころしゃ、いいんじゃね?
ソイツも外の悪魔が怖いからガタガタこんな豚小屋で蹲ってんだろ。
奴らと同じ同じアナのムジナってやつさ」
(;・G・)「しかし彼を殺してしまえば、他の人にも動揺が広がる。
ただでさえご老人リンチ事件が起きたばかりなのに…」
(;・d・)つ 「つか臭せ!お前血だらけじゃねえか!」
( ■∀■)「すまん脱ぐわね。覗いちゃいやん!」ヌギヌギ
つと
プシュー。
消臭スプレーをぶっかけ、コンバットスーツを脱ぎ捨てる。
あとはいつものマオカラースーツの男がいた。
(;・d・)つ 「無作為にすす捨てんなよ!
というか誰かにやられたのか?
あんたにしては珍しい」
( ■∀■)「あ?返り血よ…
じゃなかった、女の子の日だったのよ」
(・d・)「そうか。聞いて損した」
(;・G・)「そうだったのか!!
女性を先陣に立たせるわけにはいか…」
(;・d・)「真に受けるな!」
( ・d・ ⊂彡☆))G´)
( ■∀■)「で、そのキチガイをどうしようと俺を待ってたわけかい?健気だねぇ」
318
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 13:17:31 ID:Pbb03zNM0
(・d・) (お前もキチだけどな…)
( ■∀■)「野郎に悪魔召喚プログラムっを分けるんだ!
金は免除して用心棒に仕立て上げろ」
(;・d・)「正気かよ!?それこそキチガイに刃物だろうが!!
人肉を喰いたがる奴だぞ!」
( ■∀■)「はぁーん?そういうことは 先に言えや 法蓮草!字余り!」 カタカタ
m m
キョウはビジネスバッグからノートPCを取り出し、プログラミングを始めている。
(・G・)「キョウさんの事だ、何か考えがあるんだろうが…
そうだ!俺にもそのプログラムを分けてくれないだろうか。
ここ数日、ディーさんが悪魔と話をしているのが羨ましくてね…」
( ■∀■)「うん。そのつもりよォ。ちょっと待ってろ。そいつ連れてこい」
m m
(゚∀゚)「アヒャ?新鮮な人肉ってこれか!?」
( ■∀■)「開幕から失礼な野郎ですね!
人を指さしてこれとは何ですか。
つーかお前ら、どんな誘い出しして連れてきたんだよ?
あとで説教部屋逝きな」
(゚∀゚)「アヒャ!人肉人肉!!!!!!!!!!!」
つ=lニニフ
男が肉切り包丁で突貫する。
( ■∀■)「ほあちょ!」
( ■∀■) (;゚∀゚)アヒャ
つ
腹パンチ一発で、男は蹲り黙った。
319
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 13:40:16 ID:Pbb03zNM0
(゚∀゚)「アヒャ…!あhyshshっさあああああ!?」
( ■∀■)「さて、これでお前さまの命はおれが握った。
風前の灯火ってやつだ。死ぬか?
こんな世の中だしなぁ…」
(;゚∀゚)「アあああああ!人肉をまた喰うまで死にたくないう…ヒャ!!」
( ■∀■)「逃がすかよ。首捻るぞ?」
つ(゚∀゚)と
(・d・)「そいつがこの街のドンだ。
仮にも死刑囚だった身だ。カーストは理解できるよな?」
((((゚∀゚))))「あ、アヒャ!」
( ■∀■)「金払いのいいお前にプレゼントがある。
これで無法もんのチンピラの肉くらいは喰えるかもしれねえな?
おら、スマホ貸せ」
USBケーブルでPCとスマホを繋ぎ、プログラムを転送する。
( ■∀■)つ□ 「はい完了。これで入れたアプリを使えば、
お前もバケモノと話ができるし食人のお仲間に引き込めるぜ」
(゚∀゚)「まじ!?アりがとうございますヒャ!!」
(・G・)「ただし約束してほしい。この街の人や一般人は襲わないこと。
悪魔…バケモノに人が襲われている、そうならそれを使って守ってあげてほしい。
代わりに食糧のお金免除すること、じゅうぶんな休息と寝床を約束しよう」
( ■∀■)「ほら話が理解出来たら行っていいぞ。わんわんって鳴いてみろ」
========(゚∀゚)「アヒんャわんわん!!!!!!!」
─
(・d・)「…あれで本当に大丈夫なのか?」
( ■∀■)「安心しろ。奴の召喚アプリにだけはガチガチの縛りを入れてある。
合体不能プログラムが仕込んであるから邪教の館で戦力の安易な補強はできねえし
ゾンビ兵どもは少しでも不審な動きをしたら射殺するように刷り込み済み。
ツチグモには、あいつよりここの哀れな乞食どもを護るように言ってある。
そもそも、街にとって不審な事をしようとしたら察知してスマホごと自壊する。完璧だろ。」
https://pbs.twimg.com/media/Fv-0h0saYAA7ey5.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Fv-0jfmaEAAi-21.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Fv-0k2DakAAeedv.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Fv-0mH-aEAE9xtQ.jpg
320
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/13(土) 15:39:29 ID:Pbb03zNM0
(;・G・)「スマホ巻き添えとか結構むごくない?」
( ■∀■)「なに言ってやがる。なんで死刑囚なんぞがスマホ持ってんだ?
答えは聞いてない!」
─殺して、奪った。
二人の脳裏には、それしか正解がなかった。
(・d・)「でもどうするんだキョウ。万が一ヤツが暴走したとする。
悪魔召喚プログラムがなくても、奴の力は普通の奴らには十分脅威だぞ。
そうなったら…」
( ■∀■)つ「あんたが首をひねるんだ」ポン
(;・G・)「お、おれが…人間を…」
( ■∀■)「万が一はあるもんだ。
奥が一、兆が一になるように、インストールしてやろう」
キョウイチは充電口にケーブルを投げ挿してスマホを奪い取り、素早くアプリデータを移す。
(;・d・)「なぁ、普通にスマホ借りれねえのか?」
( ■∀■)「あんたのは普通の召喚プログラムだ。
ほれ返すぜ」 ポイ
(;・G・)「あわわ!」
つつ □
(・d・)「普通の返し方できねえの?」
( ■∀■)「あとはお前がレクチャーしてやれ。
おれは寝る。さっさと出てけ」
ファサァ
( ■∀■) ))
/つ( ̄ヽO⌒ヽ ))
`ノ ) \
(_ノ\ヽ ノ )
ノ /
(( (__ノ―-″
( ■∀■) 〜♪
/ _ノ⌒⌒ヽ_
( ̄(_人//⌒ ノ ヽ)
⊂ニニニニニニニニ⊃
321
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/14(日) 10:45:29 ID:Q9Y.x5IQ0
(;・d・)「ちっ…もう勝手に寝てやがる。のび太かよ」
(・G・)「色々と忙しかったのだろう。ほっといてあげよう」
( ■∀■)「zzz…」
チリン、と鈴の音がした。
>シンジュク地下街
(-d・)「さて、野郎の様子を見て…どうせろくな事にならんだろうが」
(;・G・)ニア 「あ、アレを見るんだ!」
(゚∀゚)「アヒャあああああああ!!」
(メд°)「ごげああああああ!!!」
(゚∀゚)
つ=lニニフ(メд) ザックザック グチャ
男が、とっこうたいを解体している。
[ ,'3 )「ひえええ…どっちも怖い…」
(°д;)「ガイア仮神殿まで逃げるぞ!」
(゚∀゚)つ 「逃がすなアヒャ!」
(丶´iii`)っy= ドドドド
https://pbs.twimg.com/media/D5X3tM1U0AU_eOE.jpg
逃げた一人ががゾンビアーミーに蜂の巣にされる。
(°д°)「うわああああ!!」
と(・G・)つ「そこまで!!」
322
:
◆MxHvQqijkA
:2023/05/14(日) 11:03:45 ID:Q9Y.x5IQ0
(#゚∀゚)アヒャ
(;д;)「ひええええええ!!」
残党が西の方向まで逃げていく。
(゚∀゚)「アヒャ!?なんで邪魔する!?
おれあいつら狩っただけ!」
(・G・)「逃げていく相手を追撃する意味はないだろう。
ここにはガイア教徒もいるのだ。怨恨をのこしたくはない」
(・d・)「訳を聞こうじゃないか。一部始終を見た奴はいるか?」
若い男が手を上げる。
「あ、あいつらが急に襲ってきたんだ。
それをあの男がバケモノを呼び出して…」
(・G・)「正当防衛の迎撃というわけか。
アプリも正常起動しているようだし、本当と信じてもよさそうだと俺は思う。
君はどうだ?」
(・d・)「ちびすけ。お前は何か見たか」
(``)「え、えっと…
『弱いやつが食い物持ってるなんて生意気だ!』って…
大人の人たちが殴られてたよ」
(・d・)「そうか」
(゚∀゚)「ア。正当報酬だ。火をよこせヒャ!
あの野郎、火を使えるバケモノを入れてなかった!」
(・d・)つ「ほらよ」
安ライターを放り投げる。
(・d・)「貴様のようなイカレなら生でもいけると思うがな。
外に出ろとは言わん。せめて出入口で焼け」
(゚∀゚)「アりがとうヒャ。
てめえら、その肉を持ってこい」
ゾンビ達が仕留めたとっこうたいの死体を引きずる。
(``)「ねぇお兄ちゃん、あのおじさんは何をしにいくの…?」
323
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/19(金) 22:59:57 ID:udhbOGkc0
(;・G・)「き…きっとお葬式に行ったんだね。
向こうが悪いとはいえ、死んでしまったから…」
(``)「怖そうだったけど、あのおじちゃんいい人なんだね!
僕も死んだおじいちゃんのおそうしきやってもらおうかな」
(;・G・)「え…?
バケモンにやられたのかい?」
(``)「ちがうの。変な光がふってきた時に、かぶってきたの。
お父さんお母さんも動かなくなっちゃった」
(;・G・)「…」
俺たちのせいだ、とは言えなかった。
>夜
(・d・)「遅いな…」
皆が寝静まった頃に出入口に出た。
手元に拳銃を持つ。
非常用シャッターの前に、、スペアリブの残骸が散らばっている。
(゚∀゚)アヒャ
目を開けたまま寝ている。
(・d・)つ「おい起きろ」ユサユサ
(゚∀゚)「アヒャ?」
(・d・)「うまかったか」
(゚∀゚)「アヒャ!!」
口に肉片がこびりついている。
(・d・)「にしてもくさいな.。
異臭が漂うからどうにかしてくれって苦情が出てんだよ。
…にしても、外に放り出したら悪魔どもがたかってきて危ないな」
324
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/19(金) 23:32:13 ID:udhbOGkc0
ディーは座り込む。
(・d・)「アヒャ倉威。何十犯も暴行、殺人、強盗に手を染めて有無をいわず死刑を言い渡された。
つと 合ってるな?」
(゚∀゚)「ア?ヒャ!!!!!
周りが俺をイライラさせるのが悪いんダ!
食わなければ生き残れない。そうだろ?」
(・d・)「それは同意する。人肉嗜好っつーのが意味わからんがな」
(゚∀゚)「アヒャ。話がわかるるる…!
どうせ、俺と同じ、同類の肉を食うんだ。
文句、ねねえだろう?」
(・d・)「」それはいいが、せめて食いカスの処理をしとけ。
あとお前の被害者や遺族がやってきたら有無言わず引き渡すぞ。
ただでさえこの集落は弱い奴が多いんだ。トラブルは避けたい」
(゚∀゚)「アヒャ…決闘裁判んンんんn…!!
燃える…!
返り討ちちいちにして肉を焼く…!?」
(・d・)「つきあってられんな…」
(゚∀゚)「アヒャ!あの肉には礼を言っておけけええ!!!!!
楽しみが増えたたたたたた…」
>外
(゚∀゚)アヒャ
つ●Ⅲ●
(;・d・)「よく素手でつかめるな…」
頭蓋骨などはアヒャにまかせ、腕などの骨を手袋をつけて運ぶ。
「キェェェェ!!」
https://img-wiki.com/upload2/img/2920.jpg
(・d・)っy= 「臭いをかいで待ち伏せしてたか!
やつらはハーピー、かわいい見た目だが油断するなよ!」
(゚∀゚)「アヒャ!鶏肉鳥肉ニクニ国苦肉!!!!!!!!!
召喚!!」
(・d・)つ 「召喚、久々に頼むぜ!ゴブリンッ!」
325
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 09:50:17 ID:esUFDT2M0
>早朝
(・G・)「おはよう。よく眠れ…」
く(-d・)「すまん。奴の狩りに付き合っていたうえに監視で寝不足だ。
悪いがあんたで頼めるか」
(・G・)「あ、ああ…すまないな。
俺に任せてくれ!」
(・d・)「キョウは?」
(・G・)「俺が起きた時には地下部屋にはいなかったよ」
(・d・)つ□ 「気まぐれな野郎だな…召喚」
ヤク*゚ー゚)『やっほ!』
(・く・)『…よろしく』
(・G・)「…?」
(・d・)「奴らが起きたら、ヤクシニーに解毒させて飯を配ってくれ。
ゴブリンはタルカジャっていう筋力アップ魔法を使える。
ただ他個体とちがって気が弱い奴だ。
前線には出さないやってくれ」
く(・G・)「了解した!お借りする!」
ヤク*゚ー゚)『よろしくね、鼻のでかいおにーさん』
(;・く・)『よ…ろしく…』
(・G・)「鼻…」
─
(・G・)「皆さん、おはよう。
並んでお金を入れてから取っていってくれ」
「ねぇ…いつまでお金を取り続けるの?
ずっとこのままじゃ…」
[ ,'3 ) チャリン
326
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 11:20:22 ID:esUFDT2M0
[ ,'3 )「お前さん達は、買い物する時に金を払った事がないのか?
いやなら出ていけばいいじゃろう。
食いぶちが減ればその分多く食える。
お兄ちゃん、悪いが兄貴と子供たちの分ももらっていくよ」
(・G・)「ああ、かまわない」
ポズムディを連発して、食料を浄化していく。
ヤク;゚ー゚)「ちょっと疲れたんだけど」
(・G・)「ご苦労様です。すまないが、配布が終わるまで待っていてくれ」
ヤク*゚ー゚)「はーい」
[ ,'3 )「さあ兄貴、食えるか…」
( ,’3 )「…置いといてくれ…」
[ ,'3 )「子供たち。さあ、ゆっくり食べなさい」
(``)「ありがとうおじいちゃん!
…でもいいの?お金…」
[ ,'3 )「ほほほ。じじいは金があるんじゃよ。
じゃが君らとちがって体が動きにくい…。
だから、兄貴の面倒を見るのを手伝ってほしいんじゃ」
(``)「いいよ!おじいちゃん達に死んでほしくないもん!」
>ガイア仮神殿
( `Д´ )「生きる者はいつか死ぬ。形あるものはいつか壊れる。ガイア…仮神殿にようこそ」
つと
https://pbs.twimg.com/media/FwiYpBvaUAI1INs.png
(・G・)「すいません。仲魔の回復を…」
奥から人が飛び出してきた。
(°д°)「あーダメだダメ!」
327
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 12:57:43 ID:esUFDT2M0
昨日逃がしたとっこうたいの一人だった。
(°д°)「こいつは俺達に襲い掛かって仲間を殺した奴の仲間だ!
司祭、こんなやつを治すことはねえ!!」
(`Д´ ) 「あ、そう。
どっちが先に仕掛けたのだ?」
(・G・)「私は当事者ではないが、そちらが集団で無防備な人々を襲ったと聞いている。
私の仲間はそれを撃退しただけ。正当防衛だ」
(`Д´ ) 「地下街にいる人たちのことか?」
(・G・)「そうです」
(°д°)「でたらめを云うんじゃねえ!!
あいつをけしかけてきたのはてめえらだろうが!?」
(・G・)「私はちゃんと止めたぞ。
君たちに襲われてケガした人も出ているんだ。
痛み分けということで許してはくれないか」
(°д°)「ふざけんな!
ケガ程度とダチが死んだのはでけえ違いだ!!
糞ッ死体を返しやがれ」
(・G・)「すまないが、仲間が丁重に火葬を済ませてしまった。
君たちが逃げていなければ、引き渡せたんだが…」
(°д°)「クソが!ロストじゃ復活もできねえ!!
今すぐぶっ殺しの許可をくれ!!司祭!!」
(`Д´ ) 「…うむ。双方の言い分もわかる。
ここは血闘裁判で決めるのはどうだ?」
(;・G・)「なに?」
(`Д´ ) 「ほんの数日前に、もはや二ホンの秩序は完全に崩れ去った。
うちのガイア教徒が無武装のものを襲ったのは正しい。
だが、そちらが武力で抵抗したのもまた仕方ないこと。
よって我がガイア教団の法にのっとり、強い方の言い分を正しいとする。
なに、死ぬまで戦えとは言わぬ…」
(;・G・)「戦えというのか!」
(°д°)「もらったぁ!」
328
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 13:15:04 ID:esUFDT2M0
とっこうたいが先制攻撃を仕掛ける。
模造刀によって制服が裂ける。
(・G・)「ぐ…」
と
(°д°)「どうしたどうした!?元軍人さんよ!」
つ-l-
https://pbs.twimg.com/media/EZKg9VLUYAETi56.jpg
下手糞な太刀筋だが、不意打ちのうえに空拳のジーにはどうしようもなかった。
(メG)「い…や…だ…」
(°д°)「ああん!?」
(メG)「おれは人を傷つけるのは…
いや…だ…」
(°д°)「じゃあ抵抗せず死ね!!
あの野郎と、街の雑魚ども丸ごと殺してやるからよ!!
俺も出世間違いなしだァ!!」
グッサ
(メG)
-l-と(#°д°)「死ね!!」
模造刀がみぞおちに大きく刺さり、鮮血が噴き出す。
ジーは倒れ伏す。
─殺せ、殺せ。国防のさまたげになる者は殺せ。
それが神でも悪魔でも、 人間でも─
(°д°)「ははは!俺の勝ちだ!
司祭様!俺をエリアリーダーに認定してくださいよォ!
ゴトウにかわって、ここをガイア教のメッカにしてやる!」
(`Д´ ) 「…やれやれ。首を撥ね飛ばしてからそういう事はいいなさい。
もう手遅れのようだが」
( G )
つ と
(°д°)「え?」
329
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 14:25:31 ID:esUFDT2M0
背後にまわり、男の頭蓋骨をわしづかみにする。
シュークリームを握りつぶすより簡単だった。
パーン、と音がして頭蓋骨が爆発し、目と脳漿が血と混じって飛び散る。
( G )「…」
─
(・G・)「…ここは」
(`Д´ ) 「覚えていないか?うちのチンピラが迷惑をかけた。
君は刺されて二度も倒れたのだ。
わしとの交渉ができる体ではなかったのでな。
まずは迷惑料代わりにいやしてつかわしたわけだ」
(・G・)「ありがとうございます。彼は?」
(`Д´ ) 「ほれ」
指さす先に肉塊。
(;・G・)「うげ…」
吐き気がこみあげる。
(`Д´ ) 「何を戸惑っておる。あれは君がやったのだぞ。
深く刺されたときには終わりかと思ったが、まさかの大逆転劇!
わしもああいう手合いにはほとほと困っていたところだ…
ガイア教の名のもとに暴れまわるだけのカスだ。気にするな」
(・G・)「やめてください。人が死んだのに」
(`Д´ ) 「待て。何か用があって来たのではないのか?
勝った方が正しい。君は我が仮神殿を好きに使ってよい」
(・G・)「そうだ!仲魔の魔力補充を…」
>神殿外
(;・G・)「あれをおれがやっただと?俺はいったい、何なんだ…」
つ と
330
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 18:22:45 ID:esUFDT2M0
>翌日昼
∩( ■∀■)「よっ」
(・d・)「キョウか。何をしていた」
ギロッと睨めつける。
( ■∀■)「お前ら俺のお母さんかぁ?
遊びに行ってただけだよぉ」
( ■∀■)「どうしたジー。元気ねぇぞ」
(・G・)「あ、ああ…どうも」
(・d・)「昨日からずっと元気ねぇんだ。
俺が起きた時にはすでに」
( ■∀■)「熱でもあったかぁ?ん?」
『( ■∀■)つ「あんたが首をひねるんだ」ポン』
く(;・G・)「うわああああああああ!!」
(・d・)「ジー!!
どうしt」
(・G・)「な…なんでもない…
キョウイチさん」
( ■∀■)「ん?」
一呼吸おく。
今聞かなければ、またどこかに行ってしまう。
(;・G・)「人を…正当防衛で殺してしまっても…
俺は汚れないもんなんでしょう…か」
( ■∀■)「汚れねえ人間なんていねえよ。
哺乳類はみんな母親の血にまみれて生まれてくる。血で作られた乳を吸う。
鳥類だって母鳥のクソと一緒に卵で出てくるんだ。
気にすんな」
331
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 18:38:05 ID:esUFDT2M0
(・d・)「人と鳥を一緒にする奴があるか。
ただ、同委は同意だ。
俺たちは悪魔を殺して生きてきた。
今更人も悪魔も関係ねえよ…」
(・G・)「そう…か…
そうだな」
( ■∀■)「そいや、あの基地外はどうした?」
(・d・)「アヒャのことか。特に問題なく、つつましく用心棒やってるよ」
嫌味たっぷりに言う。
(・G・)「ああ。まるで自分から隔離されたがっているようだ。
シャッター前で寝ている。
要請が来ればちゃんと駆けつけてくれるが…」
( ■∀■)「クウネルコロスで満足してんのか。ちいせえ奴だなー。
このクソ荒れた世界を征服したいとか、ねえのかね?
喜んで支援してやるぜっ」
(・d・)「ふざけろ。ただでさえ人手がいねえんだぞ。
てめえは頭数に含められねえし
…聞けよ!」
( ■∀■)つ「ヒョー!親愛なる子供達!こっちに来るのだー!」
なになに、といった感じで角に集まってくる。
( ■∀■)つ「チョコに飴だ。ここで食っちまいな。大人どもにはナイショだぞ」
つ
(``)「わー!ありがとう黒メガネのおじちゃん!」
(#■∀■)「お・に・い・さ・ん!」
332
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 19:06:34 ID:esUFDT2M0
ニア( ■∀■)「あとこれサングラスだ!」
(・G・)「キョウさん」
( ■∀■)「んあー?」
(・G・)「差別をするのはどうかと思うが…」
( ■∀■)「こいつらーはな、育ち盛りでこれから芽生える年だ。
大人どもにあまーい飴やったとして、対価を払えるか?
悪魔と戦う用心棒にもなれそうにねえが」
(・d・)「同意だな。どうもここの奴らは気にくわねえ。
鉄パイプ一本でいいから悪魔に立ち向かうような事でもありゃあ、
俺は手を貸してやってもいいがな
しかしお前、ガキどもを悪魔使いに仕立て上げるつもりか」
( ■∀■)「まさか。決めるのは本人の意思だ。
だがこれからの世、一般人で生き抜くのはむつかしいぜえ。
サマナー…悪魔使いになるか、メシア教の奴隷になるか、勉強して偉い人になるか、だ」
確かに、現時点で教育施設もあらかた壊滅しているであろう今勉強に精を出してなりあがるというのは難しい。
官僚などのシステムも破壊されてしまっているだろう。
もはや、安息して眠れるような地位はそうないのだ。
だが…
(・d・)「メシア教の奴隷ってのはどういうことだ」
( ■∀■)「何も知らねえんだな。メシア教のやつらはICBMをぶちこんだ連中と手を組んでた。
お偉いさんは事前にシェルターにこもってたのさ。
お前の仇、エーだったか?
に指示を出してたトガイン・ブレードもそうだって噂だ」
ガタッ
(・d・)
その眼には、怒気がはらんでいた。
333
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 19:24:18 ID:esUFDT2M0
(・G・)「で…ディーくん?」
(・d・)つ ガサガサ
(・d・)つy= チェキッ
( ■∀■)「どした。怖いツラして」
_,
(・d・)「決まってんだろ。ブレードって名前は俺もあの時チラッと聞いた。
そいつがってことは、野郎も避難してるかもしれねえってことだ。
ぶち殺しに行くのよ。
ジー、急にすまねえな」
( ■∀■)「ま、待て待て待てまーて!!
エーの奴がいるとは限らねえし、無策で行ってもハチの巣にされるだけだって!
なんでシンジュクやらのメシア教の警備が手薄か、わかるか?」
(・d・)「…」
(・G・)「…戦力の集中というわけか」
( ■∀■)「そ、そ!
きっと拠点本部には高位の魔導士やらが腐るほどいるんだろうぜ!
一人じゃぶち殺されるだけだって」
(・d・)「…畜生が」
壁を蹴る。
(・G・)「…ちょっと話を聞いていいか?
何故そんなにエーという奴にこだわる?」
─
334
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 23:08:30 ID:esUFDT2M0
(・G・)「なるほど…当時疲弊していた状態で聞いたからか、今なら明晰にわかる。
キチジョウジ解放戦線に参加していたエーが裏切者で、君の大事な子を死なせる遠因を作ったのだな」
(・d・)「ああ、おまけにメシア教に取り入って隠れ蓑にしていやがったと。
どこまでもケツのきたねえ野郎だ」
(・G・)「…それほどまでにやられたのなら、復讐は何も生まないなんて言えないな。
仇を討ってからが、君の人生の再開なのかもしれない」
業というものは肉体を絡めとり、鎖を断たずに逃げ出そうとすれば骨から肉を引きはがすだろう。
この大破壊を生き延びた三人の強者はそれを本能でわかっていた。
( ■∀■)「ま、そーゆーわけだからよ。
気が向いたらメシア教の偵察してやるよ。
お前らは集金しつつ悪魔狩りで力をつけろ」
葉巻を吸い捨てると、スーツに両腕を突っ込んで歩く。
(・d・)「ポイ捨てすんな!!」
( ■∀■)「あぁん?
ロハでやってやろうつってんだ。
掃除くらいお前がやってくれよ」
(・G・)「最低」
ヤク*゚ー゚)『サイテー!』
(・く・)『さ、サイテー…』
─
配給が終わって、二人は一息つく。
(・d・)「さて、ガイア神殿に行くか」
(・G・)「え?」
(・d・)「俺の勝手で悪いが、奴が在籍してるかもしれんメシア教の世話になりたくねえ。
理屈じゃあそこが一番安いってわかってるんだがな…
回復道場は高いしな。問題あるのか?」
(;・G・)「い、いや…」
335
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 23:27:26 ID:esUFDT2M0
(^d^)「あ!わかったぜ。この前のとっこうたい襲撃の件だろ?
また襲ってきたら俺がぶっ殺してやる」
(;・G・)「いや…」
>ガイア仮神殿
(・d・)「仮神殿ね…雰囲気は悪くねえな」
(`Д´ ) 「おや…先日の…
体の方はあれから大丈夫かな?」
(・d・)「ん?昨日にでも来たのか?」
(`Д´ ) 「さよう。あの解体ぶりは凄まじく…
まるで人間でないかのような…」
と(;・G・)つ「ストップ!何もなかった!さあ、仲魔の魔力補充を…」
─
と(`Д´ ) 「終わったぞ。これを取っておけ」
>如来像を手に入れた
(・G・)「これは…?」
(`Д´ ) 「先日のそちの戦いぶりには感服した。
それは混沌の精神を持つ者に多大な恩恵を授けるもの。持っていけ」
(・d・)「ふ、懐かしいブツだな」
>仮神殿外
(・G・)「すまん、ディーさん。
俺はしばらく遠出する」
(・d・)「…なに!?
お前が始めたボランティアだろうが!!」
336
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 23:55:42 ID:esUFDT2M0
(・G・)「落ち着いて聞いてくれ。
別にここを離れるわけじゃない。
…そろそろ、イチガヤ駐屯地の食料が尽きそうなんだ」
(・d・)「なに!?
なんで早く言わねえ!!」
胸倉をつかむ。
(・G・)「あの大閃光の日に大盤振る舞いしてしまったのがあるんだろう。
君たちと会う前の話だ…すまない」
(・d・)「で、これからどうするつもりだ」
(・G・)「何も駐屯地はイチガヤだけじゃない。
メグロにでも遠出してたんまり持ち帰ってくるよ。
すまないが留守を頼む」
(・d・)「勝手な事を…いいぜ。
キチガイが出たら撃ち殺す。
迷いなくな!」
(・G・)「…それでいい。
荷造りしたらすぐ行くよ」
─
>イチガヤ駐屯地跡地
(-G-)
つと
嘘だった。
計算して、地下に埋まっている食料にはまだ余裕があった。
意識はあったが、人の頭を果実のように潰した感覚は残っていた。
暴走して巻き込みたくなかった。
ここで尊敬する三島由紀夫のように自死したかった。
だが自分がいなければディーに自分勝手な事を押し付けることになる。
彼にも自由がある。
怒って出て行ってしまえば、住人達は餓死か悪魔に食われる事になる。
(∩G∩)
https://pbs.twimg.com/media/FwlFWp-aYAIVQVx.jpg
2020年 大破壊の序章
完
337
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/20(土) 23:56:56 ID:esUFDT2M0
>>307
おつありです!
ゴールデンウィークまでに終わらなかったよ…
338
:
名無しさん
:2023/05/21(日) 02:20:35 ID:5ULoUIHg0
オツ
339
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/21(日) 23:33:27 ID:sNpBlU..0
おまけ
2020年時点でのディーとジー
https://pbs.twimg.com/media/FwqK13qaQAE_EIC.png
https://pbs.twimg.com/media/FwqK4RyaAAMPcb_.png
340
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/22(月) 23:15:54 ID:5Ry7aQXY0
コロナ・ショット!2021-2022
<゜)))彡「貴様…まさか吾輩を倒して名声をあげようとでも?」
https://pbs.twimg.com/media/FwvLfhuWYAsE7Hs.png
(・d・)「まぁな。一応ソロモン72柱なんだろ」
<゜#)))彡「俺様の力を思い知れ!!」
エイの姿を取った堕天使はヒレをばたつかせて暴れ始めた。
(・d・)つy= 「だろうな」 ドン
威嚇射撃。
<゜;)))彡「ひー!ルシファーさま、お助けー!」
https://pbs.twimg.com/media/FwvLjAxWIAIYi4P.png
逃げ出そうとする悪魔のヒレに切れ込みを入れる。
そしてかがみこんで顔を近づける。
(・d・)「お前の道は二つだ…わかるよな?」
<゜)))彡「く、くそう。貴様ナニもんだ?
これで見逃してくれよ…」
口の中からねばついた硬貨を吐き出す。
==<゜)))彡「くらえ!フォッグブレス!!」 ブシュ
(-d・)「ちぃ!ジー!そっち行ったぞ!」
霧の嵐をくらい、銃口がおぼつかない。
(・G・)「どっせい!!」
つ<゜)))彡と ジタバタ
しばらくうなだれていたが、やがて力なくうなだれ、こうべを垂れる。
<゜)))彡「わ…わかりました。
このフォルネウス、今日からあなたのしもべ。
なんなりとお申し付けください!」
https://pbs.twimg.com/media/EL9t9GSVUAAikBD.jpg
341
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/23(火) 22:28:03 ID:oabDkGqo0
(・d・)「いいね、あんた。
悪魔相手には甘くするとつけあがる。
ぶちのめしてわからせた方がいい時もあるんだ、奥手すぎるよ」
(;・G・)「あ…悪魔も人間も、命の重さに1グラムの差もなく…」
フーッ
合成タバコをふかす。
(・d・)「あんた、それで誰か守れるつもりか。
味方だと思ったやつが裏切ってきたら?
それでまず犠牲になるのは、屈強なあんたじゃなくてガキどもなんだぞ」
(・G・)「…」
(・d・)「俺は正直、キョウの野郎も信用できないと思ってる。
何考えてんだあの野郎」
(・d・)「だから、さ」
チャキ、と弾丸でお手玉をする。
(・d・)「襲ってくる奴はぶち殺す。
友好的な奴は引き込む。
うだうだ考えずにこれでいいんじゃねえか?
…悪いな。気が滅入るような事言ってよ」
(・G・)「いや、すまない俺こそ。
ろくに仲魔を集められないばかりに…」
シンジュクの集落では、問題が起こっていた。
悪魔の徘徊対策に手が追い付かないだけでなく、奇病が流行っていた。
崩壊前にも流行っていた、インフルエンザにも似たものだ。
幼い子供や老人ほど病魔という名の「悪魔」の毒牙にかかっていた。
342
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/23(火) 22:49:26 ID:oabDkGqo0
─
(``)「ゲホッ!ゲホッ!」
(;・G・)「大丈夫か!!」
(・d・)つ「触るな。近づくな」
(#・G・)「貴様…ッ」
(・d・)「そのガキは隔離だ。
アヒャ、ゾンビ使って小部屋にぶちこんどけ」
(゚∀゚)「アヒャ!りょーかい!」
召喚されたゾンビアーミーが丁寧に子供を運んでいく。
(・d・)つ「黙れ」
壁ドン(誤用)をして威嚇する。
(・G・)「病人を見殺しにする気か!!
しかも子供だぞ!?」
(・d・)「黙れっていってんだ。
ほかのガキどもに感染しない可能性がどこにある。
…対策は考えるさ」
人々を集めて演説ごっこをする。
(^d^)「諸君!今クソガキが一人天に召された!
これから火葬してやるからありがたく思え。
それから、これからは感染確定した奴は即処分する。
くれぐれも濃厚接触…
いやらしい事は控えることだな!
ここは俺の街だ!!」
343
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/23(火) 23:04:36 ID:oabDkGqo0
「少し信じてたのに!独裁者!」
「この前もじいさんが死んじまって…
金取るなら最低限の安全は保障しろ!」
(・d・)「アヒャ」
(゚∀゚)アヒャ
(・d・)「文句言うやつはこの場で殺していいぞ。
逃げようとするやつは入念に心臓を撃て」
「な…んだと」
(゚∀゚)「ア!りょうかいヒャ
撃たれたい奴はいるかーぁ!」
獲物を見定めるそれで、たじろぐ人々を舐めるように見つめる。
人々は黙り、解散する。
(;・G・)「…君は、自分が悪になってまで二次感染をふせごうと…」
(・d・)「俺は自分が感染させられるのが嫌なだけだ。
勘ぐるな
アヒャ、業務に戻れ。
人は撃つなよ」
く(゚∀゚)アヒャ!
(・G・)「しかしどうしたものか…さっきので君の人望はガタ落ちだぞ。
何か解決策を示さなければ…」
(・d・)「あるさ」
手元にはスマホ。
344
:
名無しさん
:2023/05/24(水) 12:47:05 ID:7juu8qls0
乙
過去編のディーはまだエーと決着をつけられてないんだよね〜
現代編は何年間後なのかわからないけど、随分長い戦いだ
345
:
名無しさん
:2023/05/24(水) 15:12:06 ID:tVu1N3Z.0
乙
346
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/24(水) 22:49:00 ID:inbcrRcU0
(・d・)つ□ 「これだ。DDS-NETを開いてみろ」
(;・G・)「D、D、S、NET…こうか?」
つ□と
(・d・)「見る前に串をさしとけ」
(・G・)「…串?
アヒャさんに借りてくる!!」
==(・G・)と
つ
─
(;・G・)「バーベキューの串は持ってないってさ…」
(・d・)「天然かっ!?
Proxy略して串…いやこれも傍受されるからだめだな。
VPNって検索してとりあえず無料のを入れとけ。何もないよりマシだ」
(;・G・)「…それを介さないと見られないほど危険なサイトなのか?」
(・d・)「ネット全体がそうだがな。
おかしいだろ。核でトウキョウが吹っ飛んで電話会社も軒並み壊滅してるはずだ。
なのになんで、ネットが使える」
(・G・)「わからんっ!!」
(・d・)「どっからかwi-fiが飛んでんだよ、トウキョウ全土でな。
どこのお人よしの大富豪がサービスしてんのか知らんが、暗号化がされてねぇ。
ってことは、提供元から俺らの情報ダダ洩れの可能性が高いってことだ」
(・G・)「身元がばれれば、ここも危険に…?」
(・d・)「そうだよ。
とりあえず二人で片っ端から、ウィルスに関しての情報を探すぞ」
>数時間後
(・G・)「ディーさん!あったぞ!」
347
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/24(水) 23:16:44 ID:inbcrRcU0
https://youtu.be/aY6Pn5PYQyk?t=175
(・G・)「えーっと読むぞ…
トウキョウ崩壊前から流行っていた新型ウィルスは、新薬実験用にファイヤー社がばらまいた可能性大。
今や進化した新株も発生し、歯止めが効かない。
事業を引き継いだメシア教も、対応に難航している様子。
…と」
(・d・)「眉唾もんの陰謀論だな。
…なんでそこでメシア教が出てくる!?」
(・G・)「よくわからんが慈善団体みたいだからな。
大恐慌でうまくいかなくなったファイヤー社が委託した可能性がある」
>メシア教会シンジュク支部
「ようこそメシア教会へ…またあなたがたですか。
ウィルス患者を連れてきてこないでもらいたい。
感染したら困るのでね」
(・d・)つ 「お決まりのセリフはいいぜ偽善者。
メシア教総本部はどこにある」
「粗暴な無教徒に教えることはなにもありませんよ!」
胸倉をつかまれてなお、たじろがない。
(・d・)「いいだろう。お前の信仰心どれだけか…試してやるよ」
つy=と
「な…!」
(・d・)つy= 「あんたらは神の為なら喜んで死ねるんだろう?
ここで抵抗して脳漿飛び散らせて殉教といこうや」
銃口を当てられた眉間にしわが寄る。
(;・G・)「待ってくれ!俺たちはただこの街の人たちを助けたいだけなんだ!
メシア教との理念とも一致していなくはないはずだ!
おしえてくれれば…ワクチンやら薬を教会にも寄贈しよう!
だからどうか…頼む」
348
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/24(水) 23:37:34 ID:inbcrRcU0
「…シナガワにありますよ。
さっさと今日は出て行ってください」
(・d・)「待てよペテン野郎、一つ聞かせろ。
ワクチンとあんたらのとこの治療技術をあわせれば、ウィルス発症者は完治するんだったか?
神の奇跡だったか?」
ふん、と鼻で笑う。
「私は支部の者なのでね、保障はできませんが…
新型ワクチンと信心をあわせれば、おそらく」
(^d^)「ぎゃはははは!信心だってよ!
お前らの信心がこの未曽有の大混乱を引き起こしたんじゃないか?
…トガイン・ブレード」
「!」
顔色が変わったのを見逃さなかった。
(・d・)「何か知ってるな?オイ
シナガワにブレードとかいうやつもいるんだな?」
「わ…私は末端なので…
ゴッドサマナーという悪魔退治組織の長で、大使護衛の為に来日してきたというくらいしか…」
ジーが肩に手を置く。
(・G・)「よさないかディーさん。おそらくこの人は本当に何も知らされていないんだろう。
追及してもかわいそうなだけだ」
ほっと司祭は胸をなでおろす。
「理知的な人がいてよかったですね!
このままでは、シブヤからテンプルナイツを呼ぶところでした!」
(・d・)「せいぜい朗報を楽しみにしてな。
いくら神にいのっても、感染せんとは限らんからな」
「この、蛮族がッ!」
349
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/24(水) 23:40:03 ID:inbcrRcU0
>>344-345
おつありです!
こうやって感想いただけるのが一番の励み…
四文字「誰がハゲだ!」
350
:
名無しさん
:2023/05/25(木) 00:29:46 ID:/FHOMJJE0
おつです
351
:
名無しさん
:2023/05/25(木) 01:53:18 ID:bEy/3d/o0
つまんね
面白いと思ってるの糞作者?
お前がコロナで死ねばよかったんじゃね?
352
:
名無しさん
:2023/05/25(木) 02:17:37 ID:izZTxASA0
コロナで死ねばよかったのはまさにお前の方だ的なレスがありそうなのでフライングする
このスレが好きだが何でもいいからとんでもなく当たりたい気持ちにも共感してしまうから全員無事でいろ
353
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/27(土) 12:51:36 ID:HSZGlSe20
(・d・)「それを言うなら不心得者だろ」
─
(・d・)「さて、テンプルナイツとやらを呼ばれる前に作戦会議と行こうぜ」
(・G・)「ああ、皆を理不尽に死なせるわけにはいかん!!
ところで」
プルルルルル
(・d・)□ 「なんだよ、うっせーな…」
テレビ通話だった。
(■∀■)『ハロー。元気してるぅ?』
(・d・)「なんだお前か。用がないなら切るぞ」
(■∀■)『いやね、困りごとがあるんじゃないかと思ってな?』
(・d・)「ふん。ほんと気まぐれだな。腹が立つ」
─
(■∀■)『ふうん、そっちにもウィルスが飛んでんのか。
難儀なこったねぇ』
(・G・)「他人事ではない。あなたも感染するかもしれないんだぞ」
(;・d・)「おいこら顔を寄せるな」
(■∀■)『俺の心配はいいの。それよか…』
顔の表示が消え、スマホにカタログのようなものが写し出される。
(・d・)「なんだこりゃ?」
『キョウイチ様の新たなビジネスだ!ヒョウッ!
初回限定だ。好きな悪魔を選びな!』
カタログをスワイプして数分試案したあと、答える。
(・d・)「これがいい。人間に化けられるか?」
http://ifs.nog.cc/hkaityo.hp.infoseek.co.jp/dq/imaged1/073-50.gif
354
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/27(土) 13:06:38 ID:HSZGlSe20
『鬼女ナアス。まさかナースっぽい語感だけで選んだんじゃねーだろーな。
そいつの正体知ってんの?』
(・d・)「アホどもを安心させられるなら一時しのぎでもいい。
それよか、人間には化けられるのか?」
『できるぜぇ。むしろできない悪魔の方が少ないんじゃね?
じゃあDDSデータ送っといてやるから、あとは頑張りなっ!』
>一時間後
__
仁´ ╋./ ハイ、コンニチワ
〃,从 从,)
ハリ,,^ーノリ )
/ "^Y^",7
(__ l : l
/___ヽ
. (( (/.ヽ)
(・G・)「みなさんに紹介したい。
外部から連れてきた、ナースのしぃさんだ。
もし怪我か何かをしたら彼女にも言ってくれ」
[ ,'3 )「おひょ!美人で若い女じゃあ!」
(・d・)「手ぇ出すなよじじい。撃ち殺すぞ。
しっかし兄が死んだっていうのに呑気なもんだな」
[ ,'3 )「それが聞いてくれやディーさんや!
兄貴が息を吹き返したんじゃ!
簡易検査でも陰性!
ほら、兄貴…」
[ ,'3 )「…」
(;・G・)「なにぃ!?確かに死亡確認はしたはず…」
(・d・)「生きてたんならいい事じゃねえか。
せいぜい再感染しねえ程度に仲良くしてくれや…」
(゚∀゚)アヒャ チョットチョット
アヒャが手招きをしている。
355
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/27(土) 13:28:30 ID:HSZGlSe20
「なんで私たちが閉じ込められなきゃいけないのよぉ!」
「差別だわ!差別!」
(・G・)「どういうことか説明してもらえるかな?」
(゚∀゚)「アヒャ!こいつら検査したら陽性だった。
だから閉じ込めた!」
「別に汚らわしい男と致したわけじゃないのよ!
いたって健全!」
(;・d・)「あのなぁ…男女じゃなくても濃厚接触は成立しちまうんだよ。
頼むから少しの間くらい我慢してくれ」
─
(・d・)「そういや、野郎からの電話の前に何か言いかけてなかったか?」
(・G・)「ああ、実は…」
(・d・)「駐屯地地下にマスクがあったのか。
さっそく配ってもいいか?」
(・G・)「もちろんだ。カウンターでも特に染み込んでいる様子はなかった。」
─
住民達にマスクを配り、アヒャには引き続き警護を命じた。
『生きたければ濃厚接触厳禁!!』
(#・d・)つ「さて、でかでかと貼っておきゃ抑止力にはなるだろう」
つ
ぼろ布にマジックで大きく文字を書いて貼り付ける。
(・d・)「そういや疑問だったんだが、駐屯地にワクチンはないのか?」
(・G・)「探せば残っているんじゃないか?
我々自衛隊は護国の要!
その自衛隊員がかかってしまっては、救助活動すらろくにできないからな!
俺も接種済みだ」
356
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/28(日) 10:24:52 ID:aM20Xpfw0
(・d・)「…」
(#・d・)「もっと早く思い出せ!!」
つ(;・G・)と イタイイタイヤメテ!
>イチガヤ駐屯地跡
(・く・)「久々に呼んだ?」
(・d・)「ゴブリン。魔力尽きるまでタルカジャを頼む。
んでお前も発掘に参加するんだ」
(;・く・)「ええ…俺もっすか…」
(・d・)「ひたすら瓦礫を掘り返し、あかない扉があったらこじ開ける。j
時間との勝負だぞ」
(-G-)「この無駄な力を発揮できること、運に感謝する…」
(・d・)「ん?何か言ったか?」
(・G・)「いや、何でもない。
早く発掘をすすめよう。
ゴブリンさん、頼む」
(・く・#)「タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!
スクカジャ!スクカジャ!スクカジャ!」
>発掘開始
(・d・)つ「どっせい!」
つ
地下の瓦礫をどかす。
(・d・)つ 「ゴブリン!リキ入れて働かんかい!」
(;く;)「ひぃ〜!召喚料と見合わないよぉ〜!」
(・d・)(こいつの弱腰は変わらんな…)
357
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/28(日) 10:52:00 ID:aM20Xpfw0
─
>威圧的
(#・く・)「俺は今気分が超絶悪いんだー!
今すぐ地獄に送ってやるぜ〜!」
(・d・)つy= ドドドド
威嚇射撃がゴブリンの体をかすめる。
(;・く・)「ひっ!」
(・d・)つy= 「もう一度チャンスをやろう」
(;く;)「わあ!今のはなし!な、なんでも致します!」
https://pbs.twimg.com/media/FwvLkc3X0AQ0GJ_.png
>妖精 ゴブリンは仲魔になった
(・d・)「お前、何の芯もないのかよ。
売った喧嘩だ。せめて戦って死ね」
(・く・;)「お、おいら、ほかのゴブリンとちがって気が弱いんだよ…
合体で強くしてくれないかなァ…」
ディーはスマホでアナライズデータを確認する。
(・d・)「タルカジャ・マカカジャ・スクカジャ…
この魔法ってなんだ?」
(・く・)「タルカジャ味方の筋力を上げる魔法で…マカカジャは…」
(・d・)「よし、決めた。
お前はしばらく合体させん。
タルカジャ役になれ」
(・く・;)「ちょ…おいらなんてちょっと強い悪魔に殴られたら殺されちゃうよ!!」
(・d・)「俺の後ろに隠れてろ。それだけでいい…」
(・く・)「兄貴ぃ!」
─
(・d・)□ 「もしもし。1階はどうだ」
『…ダメだ。もともと隊員の休憩所やら受付を兼ねてたからな。
核が落ちる前にトガイン・ブレ―ド部隊に荒されて何も残っていない』
358
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/28(日) 23:27:28 ID:aM20Xpfw0
『他のフロアも探してみる。
ゴトウ司令官の部屋が残っていれば、何かあるかも…』
(・d・)□ 「了解。気を付けて進んでくれ。
ぼちぼち死肉漁りが出てきてるから、なッ!」
(・d・)つ-l==) ( )「ギャアアアアア」
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/561/1397/0226.gif
背後に迫る幽鬼グールを、振り向きざまにチェーンソーで両断する。
血が吹き出て、マグネタイトと灰に変わる。
(・d・)「人にも悪魔にもなりそこなった分際で血は出るのか。胸糞が悪い」
『聞こえてるぞ。あまり無用な戦闘は…うわ』
ガラガガガラ ドシャ
通話越しに轟音が鳴る。
(・d・)□ 「新手の悪魔か!?」
『いてて…いや、3階跡地のゴトウ司令官の部屋に何かないかと踏んだんだが…
心配ない。崩れていて足を踏み外しただけだ』
(・d・)□ 「びっくりさせんなよ。
まぁあんたの強靭さなら大丈夫だと思うがな…」
(・く・)「ラクカジャ持ちの悪魔いた方がよかったんじゃない?」
─
(;・G・)「さて…ここは二階かな…ディーさんと分断されてしまったようだが…
どこもかしこも核のせいで床の地盤が緩んで、地下になってしまっている」
きしんで開かない扉を無理やり開けて脱出路を探していく。
(;・G・)つ「どっせい!…ん!?あの木箱は!」 ギギギギギ
つ
https://pbs.twimg.com/media/FxLbZmuacAEsMxA.png
(・G・)□ 「おーい!ディーさん!合流しよう!マップアプリに俺の位置情報を送るよ!」
359
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/29(月) 23:57:07 ID:ud4h0aNc0
>シンジュク地下街
ハリ,,^ーノリ「さあ、治った…と思うわ!
私はみんなの白衣の天使!
よろしくネ!!」
https://pbs.twimg.com/media/FxLbYBUacAEesb1.png
(``) 「ちゅうしゃ、思ったほど痛くなかったよー」サスサス
つ
(・d・)「よく我慢したな。
さあ、ワクチンを打った奴は金を受け取って回復道場へ!
それでウィルスは抑えられるはずだ」
人々は護衛悪魔に連れられ、列を作り歩いていく。
「キャー!美人さんありがとう!」
「ねぇ…よかったら…乙女の園に…どう?」
ハリ,,^ーノリ「今忙しいから、あとで、ね♪」
(・G・)「…しかしよく考えたな。悪魔を看護婦に仕立て上げて安心感を誘うとは」
つと
(・d・)「あとで調べたが、あれはドゥルジ・ナスという最古の宗教…ゾロアスター教の大悪魔の分身みたいなもんだそうだ。
本来は疫病やらを司るやべーやつだそうだが、災い転じて福となすってやつだ。
ワクチンだって、ウィルスを瀕死にしたもんを薄めてぶち込むだろ。
奴の病魔の力をうすめてワクチンに混ぜる…似た原理だ」
(・G・)「流石だなぁ。
ワクチンのアンプルは割れてなかったが、常温保存されていたからどうなるかと思ったよ。
国民を憂いた、ゴトウ司令官のご加護かもなぁ」
(・d・)「お花畑なこと言ってねぇで行くぞ。飯だ」
ミ ^Д^彡
(・G・)「司令官?」
(・d・)「おい!幽霊でも見えたのか!?」
(・G・)「…いや、なんでもない。腹減った!」
コロナ・ショット!2021 終
360
:
名無しさん
:2023/05/30(火) 01:40:37 ID:oImylMEE0
おつ
361
:
名無しさん
:2023/05/30(火) 08:25:42 ID:GejL718s0
乙です
362
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/30(火) 22:19:32 ID:a71Wq7Nk0
2022年、末期。
『よっ』
(・d・)□ 「よぉ」
(・G・)「お疲れ様です」
キョウイチの声。
ディー達は、かつてのヤクザ事務所に居を構えていた。
備え付けのコンピューターの磁器異常を直し、監視カメラと連動できるようにした。
(・d・)□ 「なんだこんな夜中に。イライラしてくるんだが」
『どっちにしても起きてるじゃねえか。警備員』
まぁ、確かに。
返事をする気力も失せていた。
正論を言われると答えるのが面倒くさい。
この数日、配給時以外はずっと事務所にカンヅメだ。
あくびをしながらディーは答える。
(・d・)□ 「で、なんの用だ。
くだらねえ事だったら殺すぞ」
『ヒョウ!いいねいいね!イライラしてきて目が覚めたんじゃねえの?
正直に答えろ。
そっちに、不自然に死から蘇った奴はいるか?』
363
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/30(火) 22:34:34 ID:a71Wq7Nk0
(・d・)□ 「そりゃ、いるだろ。
体が吹っ飛んだり、内臓ぐちゃっれてなきゃ、殺されたばかりの人間も金さえ出せば蘇る。
そういう世の中になっちまったろ。
メシア教の奴らは、自然死は神の摂理が〜どうこううるせぇけどな」
『一年ですっかりやさぐれちまったなぁ、オイ。
元々か!』
(・G・)「ありがたい事だ。助からない命も助かる」
『じゃなかった!
はーなーしーを、はぐらかすな。
回復施設や組成魔法で蘇った奴の事じゃねえ。
誰も手を施さなかったのが、ゾンビみてえに蘇ったって話だよ。
あったっけ?』
(・G・)「今、録画ビデオのアーカイブを探ってます。
ちょっと待っててください」
『お!?心当たりありか?』
(;・d・)□ 「ちょ、お前ジー!」
(・G・)「隠し通してもしょうがないだろう。
キョウさんも何か警告を遠回しにしてくれてるんだろう。
ですよね?」
『さあな。
神の味噌汁だ。
それらしいデータがあったら折り返せ』
(・d・)□ 「なんで俺たちの集落の問題に首を突っ込む?
ゲスト野郎は引っ込んでろ」
『俺のポケマネから支援してやったのを忘れたか?
それに、俺の信用にかかわる問題なんだよ』
(・G・)「どういうことですか?」
『あー、俺の実家ね…悪魔商売やってんだよ。
それでね…』
364
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/30(火) 23:07:16 ID:a71Wq7Nk0
─
DASU会合。
( ´)Д(`) 「よう。ノロマのキョウイチちゃん。
鳥悪魔のケツでも追っかけまわしてたのか?
コカクチョウのケツとかそそるよな!」 クチャクチャ
( ■∀■)「いつも食ってんなおめー。糖尿で死ねばいいのに」
( ´)Д(`) 「死ねばいいって思ってんのはお互い様だろ。
さて」
( ´)Д(`) 「在庫整理をやらせてた時の話だ。
GUMPが一丁ねえんだよ。
計算ミスったと思って、担当はぶち殺した、だが」
( ■∀■)「本当になくなってた…ってか?
俺に関係ある?
間抜け話をわざわざ聞かせに呼んだのか?
一人死んだせいで、一丁なくなった分の帳尻は合うんじゃねえの?」
( ´)Д(`) 「あれは大事な商売道具だ。顧客に卸す為のものだ」
( ■∀■)「じゃあ大した性能は出せねえはずだ。
お前が食っちまったんじゃねーの、ケケケ」
(# ´)Д(`) つ ドン!
前世紀の象徴、大理石のテーブルがたたかれる。
( ´)Д(`) 「俺はお前がちょろまかしたんじゃないかと…思ってるんだが!?
お前はDASU最高幹部として、仕事をろくにしていない。
小遣い稼ぎの為に適当に売り払ってるんじゃないかとな!」
( ■∀■)「俺の総資産額って、知ってるぅ?
それに男なら、バーッとバラ撒かなきゃな!
一丁ごときで何の影響が…」
365
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/05/30(火) 23:22:30 ID:a71Wq7Nk0
( ´)Д(`) 「我々独自の技術が流出されたら困るんだよ!!
万が一…解析でもされてもな!
ゴッドサマナーに現品が渡って、我々のアジトが特定でもされてみろ…
ただでさえあのクソどもがのさばって仲間達を狩っているんだ。
これ以上ヘタはうてんぞ」
( ■∀■)「俺がやったっていう証拠は?」
( ´)Д(`) 「やってない証拠もないだろう。
きさまは一匹狼だ。何も背負わん野のけだもの。証人がいないだろう」
( ´)Д(`) 「それに…GUMPの無駄な流出は…
ジャンユーおじいちゃんにとっても悪い話になるんじゃないか?」
( ■∀■)「…チッ。ここでジャンユー爺の話出すかよ。
食えねえ野郎だな。
で、俺に何をしろと。」
( ´)Д(`) 「いくらお前でも、買い物したりはするだろう。
そういうコミュニティからあたってみろ。
身の潔白は自分で証明してみせろ。 もし盗んだ奴がいるというなら…始末しろ。
じゃなければお前を殺すことになる」
( ■∀■)「へいへい。やってやるさ。
お前ごときに舐められんのも、シャクだからな。
ところで。
二ホン円撤廃の件は進んでんだろうな?
ルキフグス卿との交渉は?」
( ;´)Д(`) 「ぬ…少しづつ進めているわ!!
いきなり今の通貨を撤廃してしまえば、新通貨がインフレを引き起こす!
そんなこともわからんのか!?」
( ■∀■)「まぁいいや。サタンの錫杖でせいぜい頑張って足なめててくれや。
ところで…」
( ´)Д(`) 「あ?」
( ■∀■)「最後に棚卸したのはいつだ」
( ´)Д(`) 「去年だが」
( ■∀■)「アホか!もっかい洗いなおせ!」
─
366
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/06/02(金) 01:21:08 ID:mC3sJz4o0
( ■∀■)「というわけでな、お前らんとこに密輸されたんじゃないかと思ってさ」
(・d・)□ 「ちょっと待て。そのGUMPってやつには自動死者蘇生の効果でもあるのか?」
( ■∀■)「詳しいことは企業秘密。
ただ、何も知らない奴が持っててもロクな事がないってのは確かだ」
(・G・)「まず一つ、見つかった。
一年ちょっと前のだ」
映像が再生される。
─
( 3 )「コヒュ」
小部屋の中で、老人の息の根が止まった。
(゚∀゚)「アヒャ。くたばっちまった。
食っていいか。」
(・d・)「ダメだ。外で火葬するしかない。
アヒャ、お前も離れろ」
(・G・)「すまない…」
[ ,'3 )「兄者あああああああああああああああ”!!
ずっと一緒って…約束…」
数時間後の映像に移る。
( 。゚3 ) カッ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
内側から湧き上がるような雄叫びが響く。
「ちょっと、何!?夜中に!」
[ ,'3 )「あの声は若いころの兄者だ!
生き返ったんだああああああ!!!!!」
─
367
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/06/02(金) 01:57:02 ID:mC3sJz4o0
(・G・)「次の映像、いきますんね」
倒れたアヒャがギギギと声を出して起き上がる。
『蘇生…なのぉ?これ』
(・d・)□ 「今年の夏だな。
熱中症でやられてるところに悪魔に不意打ちを受けたんだ。
ありったけの氷結魔法で凍らせてほっといたら、立ち上がって動き出した」
『本当に人間かあ?あいつ。
ちょっと怖くなってきたんですけど』
(・G・)「今の冬の時期はきびきび動いてくれていますよ。
おかげで悪魔の迎撃はしばらく任せられそうです」
(・d・)□「ただ電撃には何故かすこぶる弱いみてえだ。
関電状態が俺達より長く続く。
そこは通電しにくく、感覚が鈍いゾンビどもがカバーしているようだが」
『他の死亡者は?』
(・d・)□「…体力のないやつは、回復施設でも無理だった。
ロストして灰になったよ」
(・G・)「子供はよく狙われる。か弱くてやわらかいのだろうか…?
内臓まで貪りつくされたら…もう…」
『そっか。まぁ弱い奴が死ぬのはしょうがねえよなあ?
動物も悪魔もそれで生きてんだ。今更人間だから枠から外れる事はできねえ。
だがガキを狙うのは卑怯だな!ヒョウ!』
(・G・)「とりあえずキョウさんの探しているものを持っているのは、アヒャかお爺さんということになるか。
ブツの参考画像をもらいたいのだが」
『オーケー。送っとくぜ』
(・d・)□ 「見当違いだったら、殺すからな」
368
:
名無しさん
:2023/06/02(金) 07:07:48 ID:9VnXIopU0
おつ
369
:
名無しさん
:2023/06/02(金) 12:16:47 ID:taPSj4Y20
オツ
370
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/06/05(月) 17:55:14 ID:KQ4Og6WQ0
>翌朝
[ ,'3 )「やめちょくれ!?兄貴が何したんだ!」
(・d・)つy= 「抵抗すりゃあ、殺す。ちょっと身体検査するだけだ」
( ,’3 )「…」
老人兄はゆっくりと進み出て服を脱ぎ始める。
(;・G・)「いやいや、いや!服の上からのボディーチェックと、部屋の中を見せてもらえればいいから!
じじいのサービスシーンとか誰得…」
ディーが銃を構え、ジーが身体検査をしていく。
(;・G・)「ん?胸に生えているこの突起は?」
[ ,'3 )「TKBじゃねーぞ。兄貴が戦争中に食らった弾の跡だ、多分」
みすぼらしき服から、黒いとんがりが見えていた。
(・G・)「部屋の中からも上着からも、銃型COMPらしきものは発見できなかった。
一時保留で、シロとする」
ディーが静かに銃をおろす。
(・d・)「いいか。俺はお前ら住人を信用しちゃいねえ。
処刑人なら二人はいるからな。俺含めて
それを忘れず粗末に生きろ
次はあのイカレ野郎だ!」
ゲプ
(゚∀゚)「アヒャ。お前らか。食うか?」
371
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/06/05(月) 20:43:36 ID:KQ4Og6WQ0
肉を差し出している。
(・d・)「いらねーよ、そんなもん」
(゚∀゚)「アヒャ!食わんと戦えるもんも戦えねえぞ!」
合成たばこを取り出す。
(・d・)y- 「しかしお前がこの二年間、暴走なしでやってこれるとは思わなかったぞ。正直」
(゚∀゚)「ア!アホどもがやってきてくれるから退屈せずに済むから、ヒャ!」
(・G・)「退屈?」
(゚∀゚)「イライラするんだよ。うまく何かいかない時、退屈を感じるとき。
だからアヒャッてぶち殺してぶち殴る」
(・G・)「…凶悪犯め」
(゚∀゚)「アヒ?お前らに言えた事か?悪魔を殺してる奴らが。
生きるっていうのは、ほかの誰かの命を奪うことだろ。
世界を学校のクラスに例えるなら、席って有限だろ。
そして二ホン組はクラス分けなんてできねえほど狭い。
他の何かを貪って生きてるのは、ここにいる誰もが同じだ。
地下のゴキブリどももなァ」
(゚∀゚)アヒャ
つ=lニニフ□-)
包丁に肉片がくっついている。
(-□〇□-)つ- 「ヒャッハァー!!」
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/549/1342/0183.gif
https://www.youtube.com/watch?v=qalFLyKBwT
鉄パイプ攻撃が頬をかすめ、バイクの体当たりがジーを転倒させる。
(・d・)つつy ─(-□〇□-)→ 「カスが!」
ボウガンがレイダーライダーの頭を貫通する。
朝焼けの向こう側から、次々と排気音が聞こえてくる。
(゚∀゚)アヒャ!
(・d・)「今夜のおめえの夕食は決まりだなッ!行くぞ!」
372
:
暫定代替酉
◆03wMVVeZNo
:2023/06/05(月) 22:02:32 ID:KQ4Og6WQ0
(・d・)つ-l==)
つ-l==)
ギりりりりりり。
銃で怯んだレイダーの首をチェーンソーで切っていく。
(゚∀゚)「アヒャ!首捨てるな!食うから!」
つ→(-;〇□-)
近くの海から拾ってきた銛で、頭蓋骨を砕いていく。
怖気て逃げる者には散弾銃。
(;・d・)「喰うのか…」
つ-l==)
─
(・d・)「あーあ、ショットガンで吹っ飛ばすから頭は食い物にならねえんじゃねえのか?
胴体やれよ。寄〇獣でも描いてあったぞ」
(゚∀゚)「アヒャ!内臓も食えるところは喰う!肉に弾入ったら喰いにくい!ペッ」
(・G-)「あんな汚い奴らの内臓なんてやめておけ。
汚染されているものを食べたら、蓄積するぞ」
(・d・)「起きてたなら加勢しろよ」
く(・G・)「すまん。今起きた…不意打ちとは汚い奴らだ」
(・d・)「悪魔も人も、命の重さは1gも変わらないんじゃなかったのか?」
(・G・)「まぁそうなんだが…流石にああいった奴らはな。
現に戦う力もない人々が襲われて殺されている…」
─
「いやー!セクハラー!」
(;・G・)「い、いや…怪しいものを持っていないか検査を…」
「そう言って私たちの純潔を奪うのね!ちかん!ごうとう!ひとごろしー!」
(#・d・)「ええい、もういい!女ならいいんだろ女なら!
黒い銃を持ってないか徹底的におさわりしろ!」
ヤク*゚ー゚)「はぁい」
ハリ,,^ーノリ「はいはい検診のお時間でーす♪」
373
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/05(月) 22:32:13 ID:KQ4Og6WQ0
>数日後
(;``)「ゲホッ!ゲホッ!」
(;・G・)「凄い熱だ!
まさかまたあのウィルスが…ワクチンは定期的に打ってたはず!!」
(・d・)「触るんじゃねえッ!
全員食料持たせて各所に隔離!外に出すんじゃねえゾ!」
カチャカチャと、壊れかけのベルトを締めなおす。
(;・G・)「どこに行くんだ!
こんな非常時に!」
(・d・)「あほんだらが!決まってんだろ…
メシア教本部だ。
アヒャ!アヒャはいるか!?」
(゚∀゚)□ アヒャ
(・d・)□ 「ちょいとシナガワまで遠出する。
留守番してろ」
(゚∀゚)□ アヒャ!
>空中
(・d・)
<゜)))彡と(;・G・)
堕天使フォルネウスに乗って掴まり、瓦礫の街を空中遊泳する。
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/165/416/shinjuku2.png
(;・G・)「きっつい…」
(・d・)「我慢しろ。あんたの膂力ならなんとかなるだろ。
手を離したら海や大穴に真っ逆さまで死だ」
(・d・)「キリキリ泳げよフォルネウス。
ところで、お前に聞きたいことがある」
<゜)))彡「な、なんだ…」
(・d・)「エーという奴の仲魔だったりしたか?」
374
:
名無しさん
:2023/06/06(火) 00:47:05 ID:yR1nm0Uw0
おつ
375
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/07(水) 00:36:59 ID:GL79KFKI0
<゜)))彡「し…知らんが…」
(・d・)「そうか。ならいい」
(l・G・)「随分と納得するんだな。あっさりと」
(・d・)「悪魔は約束を破れない。特にこいつみたいなソロモン72柱はな。
こいつは人間じゃない。だから信用していい」
(・d・)つy= 「おっと、悪魔使いが荒いからってふり落とすんじゃねえぜ。
ドタマぶちぬくぞ」
<゜)))彡「わたぁー!や、やめてくれぇ〜!」
(;・G・)「頼むぞさかなクン。ここで墜落死なんてごめんだ」
<゜#)))彡「一応、エイの悪魔だ!」
(;・G・)「すまん」
─
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/182/427/ginza.png
(・d・)□ 「お疲れ。戻れ」
『ほっ』
ボロボロに寂れたトウキョウタワーを目印に、降りる。
(・d・)「無様なもんだぜ。スカイツリーに追い越されたとはいえ、二ホンの象徴だったのにな」
(・G・)「争いは何もうまない。全て死に、壊れる…」
(・d・)「いや、生むぜ。憎しみをな」
(・G・)「…」
(・d・)
(□=□)(・G・) (・Д・川 パカラッパカラッ
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/182/427/ginza.png
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/182/427/ginza.png
妖獣アツユと堕天使べリスの馬に乗り、南に進む。
(・G・)「ふう、やっと楽ができる」
376
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/07(水) 00:37:48 ID:GL79KFKI0
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/556/1371/0209.gif
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/546/1321/0124.gif
377
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/08(木) 00:14:34 ID:7kvaBy1E0
狂 `皿´)「異教徒め!ここは通さ」
https://pbs.twimg.com/media/Eaamvu_UMAAEbwe.jpg
ドン
(・d・)「三下お決まりのセリフ、ご苦労様です」
つy=
(;・G・)「いいのか?」
(・d・)「あいつらじゃ話にならん。もっと上の奴に用がある。スピード上げろアツユ!」
(・Д・川「おうよ!アギラオ!」
(□=□)「アギラオ!」
火炎多重攻撃が、狂信者たちを焼き払う。
(・G・)「なんでシナガワにまで来たんだ?
子供たちが苦しんでいる」
(・d・)「アホか。ワクチンを取りに来たんだろうが。
DDS-NETでの情報を忘れたか?」
(・G・)「あっ…そうか」
ワクチン開発会社、ファイヤー社。
世界大恐慌によって会社の単独での維持が難しくなり、メシア教に開発を委託したという。
そこになら最新のワクチンがあるに違いない。
眉唾情報でも、ディー達は縋るしかなかった。
>大聖堂前
https://www.4gamer.net/games/017/G001723/20150220101/TN/001.jpg
(;・d・)つy= 「けっ、次から次へとわいてきやがる。ゴキブリが」
つ-l==)
狂信者たちは突っ込むことしか知らない。
向かってくる者はみな、肉片にされた。
流石のディーも顔が青く、息も荒くなってきている。
身なりのいい部隊が待ち構えていた。
(▽口▽十)「異教徒め。ここから先は流石に通さんぞ」
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/537/1257/0177.gif
378
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/08(木) 00:15:08 ID:7kvaBy1E0
本日休載
379
:
名無しさん
:2023/06/08(木) 21:16:20 ID:IDjOc1wk0
乙
380
:
名無しさん
:2023/06/11(日) 11:49:13 ID:oP4VCxBQ0
テンプルナイト。
メシア教に殉教の誓いを立て、洗礼を受けた上級戦士である。
狂信者とは格が違う。
>TALK
(・G・)「あなたがここのリーダーか。手荒なことは避けたい。
ワクチンを譲ってくれないだろうか?」
(▽口▽十)「馬鹿が!ここまでに我らの同志をどれだけ殺してきた?
この背信者め」
(・d・)「話にならねえな。力づくで通るしかねえよ」
ディーが進み出ると、7人のテンプルナイトが陰から現れた。
(▽口▽十)「行くぞ!タルンダ!」
(▽口▽十)「タルンダ!」
(▽口▽十)「タルンダ!」
(▽口▽十)「タルンダ!」
(▽口▽十)「スクンダ!」
(▽口▽十)「スクンダ!」
(▽口▽十)「スクンダ!」
(▽口▽十)「スクンダ!」
== (・d・)つ -l==) ガクッ
なりふり構わず切り裂きに行くディーの体勢が崩れる。
-l==)狂 ;`皿´)「ぎゃあああああ!」
取り落としかけたチェーンソーが投げつけられ、そこらの狂信者の首筋をえぐる。
(▽口▽十)「打撃力を下げるタルンダ、動きを抑制させ命中を下げるスクンダ。
これがあわさって重加速という現象を引きおこす」
隊長格らしき者の指揮で、テンプルナイトが一斉にディーに襲い掛かる。
381
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 12:21:26 ID:oP4VCxBQ0
(□=□)「アギラオ!」
ベリスが、ディーを取り囲んだ騎士の背中を焼く。
(▽口▽;十)「ぎ!」
(□=□)『いくら重加速とやらといえど、止まっていれば当たるだろう』
(・Д・川『お前頭いいな!俺もアギラオ!』
(▽口▽#十)「堕天使…神に許されぬ存在…
そんなものを使役するとは、まさしく邪教!」
激昂した隊長が、叫ぶ。
(;・G・)つ(・d・)
つ
「ディー…君!大丈夫か!」
ジーが怪力で引き戻す。
(・G・)「なる…ほど…な…
魔法…攻撃…なら…威力は…」
重加速の影響で喋りもスローになる。
一番最前線で戦ったディーが、一番そのあおりを受けている。
(・Д・;川『てめえええええ!!
今すぐ地獄に送ってやるぜー!』
取り囲まれて脇腹を刺されるアツユが叫ぶ。
ゼロ距離火炎でテンプルナイトが炎上する。
(□=□)
つ─(口十)→
ベリスの会心攻撃が、焼け悶えるテンプルナイトにとどめを刺す。
打撃攻撃の威力は減衰したが、堕天使の鎧に決定的な攻撃を通せもしないテンプルナイツ。
戦いは膠着していく。
(▽口▽十)「馬だ!馬を狙え!」
(□=□)『!!』
382
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 13:12:49 ID:oP4VCxBQ0
(;・G・)つ==〇 「おおおぉぉぉぉらあああああ!!」
ディーの指示を受け、地獄玉を投げつける。
テンプルナイトは燃えるを通り越してドロドロに溶ける。
(・d・)□
スマホをタッチする指も遅くなっている。
(;・G・)「まだかディー君!」
(・く・;)(・d・)「兄貴」 「焦…るな!」
<゜)))彡== □と(・d・)「い…けっぇー!」
勢いよく飛び出したフォルネウスが、包囲網に電撃の雨を降らす。
<゜)))彡『ベリス避けろ!
マハジオ!!』
(▽口▽十)(▽口▽十)(▽口▽十)(▽口▽十)「「「「があああああああ!!」」」」」
小隊が一斉に焼けこげる。
(▽口▽;十)「ぐ…」
つ
(・d・)「ま、だ、生きてた、か。決着を、つけようぜ」
つ-l==)
落ちたチェーンソーを拾い、徐々に肉薄していく。
と(▽口▽;十)「待て、待て!私の負けだ!」
ポロン、と。
焼けこげたロザリオを落として戦意喪失の意を示す。
(・Д・#川『てめぇ新入り!俺まで殺す気か!』
<゜)))彡「はっはっは!許せ許せ!」
383
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 13:48:18 ID:oP4VCxBQ0
(▽口▽十)「その悪魔…データベースによるとフォルネウスだったか。
強いな…以前討伐した時は我々を一撃で屠るような雷撃の強さはなかったはず」
(・d・)「鍛え方が違うんだよ」
(・く・;)(俺がマカカジャかけてたんだけどなぁ…)
戦闘終了し、全ての補助効果が消え去っていく。
(・G・)「ディー!降参したならもうやめだ。
騎士殿…安心してほしい」
ゆっくりと立ち上がる隊長。
(▽口▽十)「貴殿らは、わが同胞を退けてまで何をしに来たのだ」
(・d・)「ワクチンだ。ここにあるんだろ?
戦利品としてよこせ」
(▽口▽十)「ははは!異教ながら豪快なやつ!気に入ったぞ!
大司教がいらっしゃる本堂まで案内しよう」
歩いている中で、隊長はひっきりなしに話しかけてくる。
(・G・)「私達の住んでいる集落でウィルスがまた発生した。
だからワクチンを分けてほしいのだ。
特に子供や老人が苦しんでいるのは見るに堪えない」
(▽口▽十)「義賊というやつか。
真に邪悪ではないようだが、堕天使という悪の象徴を使役しているのはいただけんな。
どうだ。私の推薦でテンプルナイトになっては?
堕天使も、悪魔合体とやらを駆使すれば神聖の象徴たる天使に転生できると聞いた」
(・d・)「あいにくメシア教の奴らは好かなくてな。
俺たちの住処でも、蛮族やらずいぶんな差別をされたよ」
─
>メシア教大聖堂本堂
「どなたですか、そちらは」
(▽口▽十)「は、大司教様。こちら、我々テンプルナイツ11隊を破りし剛の者達です。
子供達のためにワクチンを取りに来たと聞きます。どうかご慈悲を…」
「フン」
384
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 13:59:15 ID:oP4VCxBQ0
(‘_L’) (▽口▽十)「ガ…ブレード…!?」
つ
鷲鼻の男がナイフで隊長のアバラをこじ開ける。
(‘_L’)「失態だな隊長。情にほだされてけがらわしいサマナーを連れてきたか」
(▽口▽;十)「が…ぼ…」
口から血の泡が溢れ出てくる。
(‘_L’)つ 「ふん」ブチィ
隊長は心臓を切り取られ動かなくなった。
(‘_L’)「ヘブンの材料にまわしておけ」
「はっ」
白衣を着た集団が死体を回収していく。
(#・G・)「何をする!」
目が怒りに燃える。
(‘_L’)「メイガァス!」
(・V・)「リムドーラ」
ブレードと呼ばれた男の背後に潜んでいた魔術師の特大衝撃ダメージが一行を襲う。
意識がなくなった。
─
(-d)「生きてっか、ジー」
(・G・)「なんとかな。だが仲魔はやられてしまったようだ」
二人とも体を縄で縛られ動けない。
(‘_L’)「ふん、いい体だ。こいつらもヘブンに…」
385
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 15:23:15 ID:oP4VCxBQ0
『早計です。少し待ちなさい』
スピーカーから声が聞こえる。
青暗い部屋の中に自分たちがいる殊に気づく。
(・d・)「牢屋…か…」
『申し訳ありませんがね。戦闘能力などない私が直接お会いする事はできないのですよ。
お話ならここで聞きましょう』
(・d・)「表の大聖堂はフェイクで、ここが本拠地ってわけか。
そうなんだろう?地下シェルターの教祖さんよ」
『む…?何故断言できるのです?』
(・d・)「反響音でわかる。普通の室内と違って音が吸い込まれるのが弱くエコーが残響してんのさ。
それにこんな湿った部屋の材質は地上でそうそう使えるもんじゃない」
『なかなか頭が回るようだ』
(・d・)「それに戦闘力のないらしいあんたが、あんなスカスカでみすぼらしい表の聖堂にいるとは思えん。
いくら周りを聖堂騎士で固めても、ライフルに熟練したスナイパーに上から狙われたら…ドン!」
『むぅ…やりますね。目的は私の暗殺ですか?』
(・d・)「場合によってはそうなるかもしれんな.。
おとなしくワクチンを渡してくれればおとなしく帰」
ドカッ
(;・d・)「ぐ!」
無防備のまま、腹を蹴られて悶絶する。
更に足で頭を踏まれる。
(‘_L’)「あまり調子に乗るなジャップ。
この状況で間抜け大司教の暗殺などできると思うか?」
暗がりで顔は半分程度しか見えないが、あのテンプルナイトの心臓をえぐったトガイン・ブレードその人の声だろう。
周囲には威圧感のある気配が多く感じられる。
おそらくメシア教の戦士が集まっているのだろう。
386
:
名無しさん
:2023/06/11(日) 19:46:50 ID:hhjmT9o20
おつおつ
投下頻度凄い
387
:
名無しさん
:2023/06/11(日) 20:05:32 ID:g.y30SsI0
オツ
388
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/11(日) 22:39:37 ID:oP4VCxBQ0
(‘_L’)「言っておくが、あの馬鹿のような育て方はしていないぞ。
味方だろうが敵もろとも刺し殺すように教育された者達だ。
いや、調教、か…ククク!」
(・d-)「なぁ…その片足、不自由なのか?かわいそうに…」
(‘_L’) ピク
踏みつけている足がイライラでびくついている気がした。
(・d-)「うちの集落に流れ着いてきた奴が元アレ部隊らしくてな、言ってたんだよなぁ。
イチガヤで暴れてたゴトウを、戦ってた小僧から奪ってトドメ刺して手柄奪って
キレられて膝ぶち抜かれた間抜け将校がいるってな」
(#‘_L’)「黙れ!!」
ディーが簀巻きのまま蹴り飛ばされる。
(-d・)「いてて…なんで怒ってんのかなぁ…
噂話だよ、噂話」
『トガイン、本当ですか?
あなたが悪の枢機卿ゴトウを討伐したのではないのですか?
何の為にメシア教の息のかかったアメリカ軍兵やゾンビ兵を貸し出したと…』
(#‘_L’)「黙れ黙れ黙れ!!馬の骨の言うことなど信じる気か!?
私が優秀な指揮でゴトウを討った英雄なのだ!!
殺してヘブンに変えてしまえ!やれぇ!」
( G)「あんたが…ゴトウ司令官を…」
(▽口▽十)つ-l----
テンプルナイト達が闇から現れ、剣を二人に振るう。
(# G)「ぬぐぐぐぐぐ…」
つと
と(#・G・)つ「どぉりゃあ!!!!!!」
馬鹿力で縄を引きちぎり、手近なテンプルナイト二人をラリアットに巻き込む。
389
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/13(火) 23:31:31 ID:61ngST3Y0
https://www.youtube.com/watch?v=Clkz6GxYHi
(#・G・)と 「ふぅぅぅぅぅ…!」
つ
テンプルナイトの腕を掴み、ぶん回す。
(#・G・)つ ==(▽口▽;十)「ぐわあああああああ!」
ブレードの真横にいる隊が吹っ飛ぶ。
(#・G・)つ「君たちに恨みはないが、その男に盲いて従うなら…」 ボキボキ
つ
掴んだままの騎士の腕から嫌な音がする。
(;口;十)「ぎゃああああああ!!ブレード様」
U
-l---- ポロッ
(;・d・)「ジー!俺の縄を解け!
早く!」
(;・G・)つ「応!」
手でひっつかんだだけでブチッと縄の一部を引きちぎる。
(・d・)つ-磁---- 「いただきだ!マヌケが!!」
テンプルナイトの標準装備、プラズマソードを落ちたそばからかすめ取る。
狼のような身のこなしで、数人の首を切り裂く。
「ぐえ…」
(・d・)□ 「金丹!召喚!」
(;‘_L’)「な!奴らの持ち物は全て没収したはず!?」
サブスマホの改造テザリングによって本体のプログラムにアクセス。金丹はジャケットに一つ忍ばせておいた。
(・Д・川「呼んだか!ディー!」
(・d・)つ「いちかばちか!おみくじだ!」
運が良い。僅かだけ、アツユの魔力が補充された。
(#‘_L’)つy= 「調子に乗るな…」
390
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/13(火) 23:52:07 ID:61ngST3Y0
(・G・)つと(‘_L’;) 「拳銃ごときで俺に勝てると思っているのか?」
https://pbs.twimg.com/media/FyghTHSaQAEr9sW.jpg
怒涛ののままに進軍し、怯むブレードから拳銃をチョップではたきおとす。
そしてそのまま手首をひねり、投げ飛ばす。
(;_L’)「ぎゃあああああ!!
殺せ!肉片にしろおおおおおお!!」
---l--と(▽口▽十)
---l--と(▽口▽十)
---l--と(▽口▽十)
---l--と(▽口▽十)
---l--と(▽口▽十)
一団が迫る。
(・d・)つ-磁---- 「なめるな!カスどもが!」
うまく手持ちの剣一本で受け流し、一人の胸に刺す。
その勢いで回転斬りをし、背後を取った者を袈裟斬り。
死体を盾に他兵の動揺を誘う。
---l--と(▽口▽十)「怯むか!同胞とともに散れ!」
勇敢な一人が、仲間の死体と共にディーを突き刺す。
(口 十) ==と(・d・)「あらよっと」
と
早くも死後硬直が始まった死体に剣が突き刺さったままで一瞬狼狽する兵士。
その隙を見て、首を切り落とす。
首があった個所から鮮血のスプリンクラーが繰り出され、
目潰しされたテンプルナイトは次々と切り伏せられていく。
(;・G・)「ディー君!相手は人間だ!
あまり殺すな!」
(;・d・)「はぁ!?今更そんな事気に…」
つ-磁---- ジジジッ
(;-d・)「ぐわっ」 ガラン
電撃が走り、思わず唯一の武器を取り落とす。
(‘_L’)「ははは!愚民にしてはよく持ったと言っておいてやる。
その剣はな、神に殉教を誓った者が本来使いこなせるものなのだ。
このまま…そうだな。戯曲のサロメを知っているか。
サロメの末路のように、集団で押し潰してフィニッシュだ!」
391
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/14(水) 00:17:34 ID:Ere1XAQY0
(・Д・;川「ディー!アギラ…」プスン
と(▽口▽十)「マカジャマ…」
詠唱が止まった。
魔封を食らったのだ。
(‘_L’)「デカブツもだ、動くなよ。
ジャップにしてはよくやったとほめてやる。
せめて半死半生でヘブン行きにしてやろうか」
https://www.youtube.com/watch?v=Udd9TYOoh-s
(・d・)「イキってんじゃねえぞ。ヘブン(天国)行きはテメエだ」
つつy=(;‘_L’)
いつの間にか首をホールドし、こめかみにブレード自身が落とした拳銃が当てられていた。
>TALK
(・d・)「てめえら聞け。確か仲間が死んでも攻撃を続けるんだったな?
じゃあ…
指揮者のこいつがくたばるとしても、俺を巻き添えに殺れるか?」
(▽口▽;十)「う…」
奥で待機していたテンプルナイト隊が怖じ気づく。
(;‘_L’)「ぶ、武装を解け!無能ども!!
まったく!私の命は貴様とどれだけ比類のならぬ価値があると思って…」
ヌッ
(・ G ・)「トガイン・ブレード。
人間も悪魔も、命の重みに違いはない」
ホラー映画のように眼前に迫った。
(;‘_L’)「Fuck!!
シェルターに逃げ込んでいただけのモグラどもとは思えんな…」
392
:
名無しさん
:2023/06/14(水) 01:00:00 ID:cVYVvNL60
おつ
393
:
名無しさん
:2023/06/14(水) 14:47:57 ID:.aTpYCno0
乙です
394
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/14(水) 21:55:13 ID:Ere1XAQY0
(・G・)「モグラ…シェルター?なんのことだ。
俺たちはあの日以来地上で暮らしてきた…お前ら卑怯者と違ってな」
>連絡通路
(・d・)つy=(;‘_L’) 「キリキリ歩け。おれはそんなに気が長くない」
(;‘_L’)「あのれ…あの無能どもがあぁぁぁぁ…」
(・G・)「自分の命を賭してでも、部下を守って自分も生き残るのが常識じゃないかな、ジェネラル」
ジーがギロッと睨む。
自制心を保たなければ、首に手をかけて殺してしまいそうな勢いだ。
ディーが脅しという汚れ役を買ってでてくれなければ、きっと実行していただろう。
(・d・)つy= 「さて歩きながら尋問だ。ワクチンは本当にあるんだろうな?」
(‘_L’)「…教祖に聞くがいい」
カチッ
撃鉄が引かれる。
(・d・)つy= 「SIG SAUER M17か?ガチガチの軍用だな。
悪魔には物足りんだろうが、人間のドタマ吹っ飛ばすには問題なさそうだな」
(;‘_L’)「わぁ!ある!最新式のものが!
私も接種した!保証する!」
(・d・)「最初から言えってんだ。
次。ヘブンって何だ?」
(;‘_L’)「接種した者の士気を上げる薬品だ。
テンプルナイト以上の者にはもれなく支給されている」
(・d・)(返事があいまいだな…何か隠して)
(;‘_L’)「ついたぞ。いい加減に開放しろ」
(・d・)つy= 「ジー、よぉく縄をしばっとけ」
(・G・)「ああ」
「勇敢な戦士の皆さん、ようこそ」
395
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/14(水) 22:24:09 ID:Ere1XAQY0
ファンタジーで王族が使うようなベッドから、布越しに厳かな声が聞こえてくる。
「まずは我々の非礼をお詫びいたします。
しかし、先にわが教徒達に手を下したのはそちらであるという。
ここはひとつ、痛み分けということで─」
(#・G・)「ふざけるなッ!」
大きな声が響く。
(#・G・)「この男、トガインブレードは正義の名のもとに我がゴトウ司令官を抹殺した!!
その償いは血をもってしても償われん!!」
「…はて、ゴトウさんには悪いことをしました。
しかしロッポンギに駐屯していたトールマン大使は、魔界の王ルシファーを招致しようとしていたとか。
彼が各研究所で未熟な技術を使い暴走召喚を起こし、トウキョウを悪魔あふれる混沌の地にしてしまったのがその証拠」
(・d・)「その地を更に混沌にしちまったのが、あんたらメシア教団とアメリカ軍じゃないのか?
あの日以前はそんな話を小耳に挟んだぜ」
(#・G・)「話し合いの道はあったはずだ!!先に仕掛けてきたのはお前たちだ!!
お前たちが子供達や親を殺し…人々の平穏な日常を…」
「─して、ゴトウさんの仇を取りたいのでここまできたのですか?」
(・G・)「…!」
(・d・)つ「ジー抑えろ。俺達が命張って来たのは何のためだ」
(・G・)「…
お願いがあってきました。
貴殿の兵らを殺めてしまったのはお詫びする。
ワクチンを…分けていただきたい」
頭を下げ、ジーは懇願する。
(‘_L’)「殺れ!!」
(・V・)「リムドー」
「やめなさい!!!!!!!!!」
396
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/14(水) 23:10:16 ID:Ere1XAQY0
「トガイン。これ以上私に恥をかかせるつもりですか。
戦士が恨みを抑えて頼んでくれているのですよ?」
(‘_L’)「チッ…!」
(・d・)「カンがいいな教祖様。
俺たちも実はウィルスに罹患しててな。
そこの魔術師様に体を破裂させられたら、底辺暮らしで濃縮されたウィルスと毒がこの部屋に充満するとこだったぜ」
(;‘_L’)「恥がないのか、ジャップという汚物は…!?」
ポーカーフェイスのまま堂々と恐ろしいことを言う。
しかし旧型のウィルスのワクチン接種はしたものの、新型ワクチンの接種はまだ済んでいない。
ありえない話ではないのだ。
「ふむ…危険を冒してまでここまで来た理由はそれですか。
必要なのはあなた方二人分だけですか?
悪魔を連れているようですが、純粋な悪魔はウィルスにかからないそうなので」
(・d・)「いや、俺たち含め60人分のウィルスが欲しい」
(‘_L’)「大きくでたな。豚が」
(・d・)つy=(‘_L;) 「てめぇは黙ってろ。アメ豚が」
「まず、トガインをこちらに引き渡していただきたい。
お話はそれからです」
(#・G・)つ ドン
巻かれたまま押され、受け身も取れず倒れ転がる。
(‘_L’)「く…屈辱…」
(・d・)つ 「捕縛も解くな。そいつ、銃を隠し持ってた」
「わかりました、メイガス他一同、トガインには手を触れずに」
「我々がファイアー社からの委託を受けて製薬しているのはご存じですか」
(・d・)「ホットペッ…DDS-NETで見た」
「なるほど、話が早い。確かに我々は新株ウィルス用の対応ワクチンを開発して保持しています。
ケルベロス株のね」
397
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/14(水) 23:43:16 ID:Ere1XAQY0
(・d・)「ケルベロス?」
「ギリシャ神話に伝わる犬の悪魔はご存じでしょうか?
悪の魔王ハデスに使えし、唾液に猛毒を持つ三つ首の怪物です。
神の怒りたるICBMが落とされる前世紀…大破壊前後としておきましょうか。
その悪魔ケルベロスが暴れまわっていたという目撃情報があったのです。
不可解なことに、悪魔を狩って人間を守っていたそうで。
我々の正義の象徴たる天使も、ね」
(・d・)「手を変え品を変え首を変え…だからケルベロス株ってわけか」
勝手な話だ。
ディーが知っていたケルベロスは、お人好しのお坊ちゃまの仲魔としてキチジョウジを救った…はずだ。
天使にはいろいろあるが、聖書では軒並み神が悪と断じた人間を殺す使徒として知られている。
きっと世間一般で知られているような善良な天使、守護天使もいるのだろうが。
要は使う者のモラルの問題だ。
(・d・)「くれんのかくれねえのか。即決しろ。金はある」 ドン
U
□
ケースの中に札束が入っている。
流出COMP探索の為の、キョウイチからの援助だ。
「おお…!」
ざわめきが教徒達からあがる。
(・d・)(文字通り現金な奴らだ)
「さて、60人もいらしゃるとはそこそこのロケーションのようだ。
全員罹患者なのでしょうか?」
(・G・)「いえ、私達は総勢30人。重篤なのは…子供達です。
二回打ちたいのです」
「医療従事者はいらっしゃる?」
(・G・)「はい」
(‘_L’)「それぽっちの金などいらんわ。
全員が重病ではないのだろう?
ワクチンの代金だ。健常な者をここに送ってこい」
398
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/15(木) 00:12:03 ID:llzEhvsc0
(・d・)「…は?」
(‘_L’)「お前達は重症患者を救いたいのだろう。
ワクチンの要らない奴は代償にこっちはもらう。
使い道はあるぞ。労働力に慰安婦…ヘブンの素材だ」
(・d・)つ「てめぇが決める事じゃねえ!
金じゃ売れねえってか…」
簀巻きにされたままのブレードが偉そうな演説をかます。
(‘_L’)「今や金よりもヒトが重要視される時代なのだ。
メシア教が世界を支配すれば、カネの価値などいくらでも操作できる。
それに二ホン円は私の趣味ではない。ジャップの淹れたまずいコーヒーほどの価値もない…」
(・d・)「てめぇの物差しで決めるんじゃねえ…」
(‘_L’)「クローン人間の技術にはまだまだ時間がかかる。
なので不本意な出来損ないの浮浪のゴミでも、人を使わなければいけぬことがあるのだよ。
ジャップの工場もそうだろう。結局大破壊直前まで、機械全自動化には至らなかった。人手がいるんだ、ともかくな」
(・d・)「そんな大層に不出来なもん集めて何するつもりなんだよ」
(‘_L’)「この大聖堂建設の本格的着手、ゆくゆくは世界を制するカテドラルの設立…
そして使えなくなればヘブン行き…」
「トガインッッ!!」
穏やかな声がまた獣の雄叫びに変わる。
「人の命は尊いものです。この方達がどこのコミュニティからはるばるいらっしゃったかわかりませんが
我がメシア教の理念は人を救済すること。
立場を利用しての脅迫は許されませんよッ!?
…さて」
声色が戻る。
「あなた方は弱き人々を助けようとする、素晴らしき勇者です。
それを称え、最新鋭のワクチンをお分けしてもよいと思っています。
弱き者達の為に、祈れますか?」
バッ
(-G-)「お願いします。非礼はいくらでも謝ります。どうか…ワクチンを…」
m m
399
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/15(木) 00:27:42 ID:llzEhvsc0
(-d-)「お願いします」
m m
「…よろしい。あなた方の誠意は伝わりました。
これからも世の中の困っている人々の為、辛いでしょうが戦っていただきたい。
医療班に、ワクチンの準備を」
(‘_L’)「ははは!無様だ!
今どきは矮小な雑魚妖精ですら小ばかにされれば怒るのに!!
偉大なるジャップ様はだんまりか!?」
(-d-)「…あのな…毛唐野郎」
m m
(‘_L’)「む?」
(・d・)「ロクな死に方できねえぜ。きっと」
m m
>上空
(・d・)「アヒャも連れてきて暴れさせとけば良かったな」
(・G・)「ありがとう。ディーさん。俺の気持ちを汲んでくれて…」
と(;・d・)「やめろ。礼言われっとケツがかゆくなる。仕事してた頃はブレードみてえなカスはごまんと相手にしてきた。慣れてるよ」
今度はフォルネウスの背にはジーが乗り、尻尾にはディーが掴まる。
教祖の計らいで治療部門に仲魔を回復してもらい、没収されたスマホや装備を返却された。
と(・d・)「いいか。落とすんじゃねえぞ…おれに土下座までさせたんだ。…なぁ」
(・G・)「承知している、大事に運ぶ。…ん?」
(・d・)「そのうちトガインの糞野郎をぶっ殺そうぜ…メシア教に全員がいたとしても、奴のパワハラで全て歪められちまうよ。
ゴミはゴミ箱に。仇には敵討ちだ」
(・G・)「ディーさん…」
その時、スマホに緊急アラームが届く。
と(;・d・)□ 「なに!?」
(・G・)「どうした?」
(;・d・)「アヒャの野郎の反応が途絶えやがった…」
400
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/15(木) 00:36:48 ID:llzEhvsc0
×全員
〇善人
401
:
名無しさん
:2023/06/15(木) 01:45:17 ID:Qgp.LfWc0
おつ
402
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 00:18:26 ID:Zpt7IOgI0
と(;・d・)「急ぎやがれエイ野郎!この尻尾引きちぎるぞ!」
<゜;)))彡「これ以上は吾輩の体がもたん!」
と(#・d・)ニア「あそこで降ろせ!」
瓦礫の山を指さす。
<゜)))彡「えっ…」
と(・d・)「降ろさねえなら無理やり降りる!!」
<゜)))彡「ちょっと待て!今降下する…」
─
アツユとベリスを召喚し、全身全速で走るように命ずる。
(・Д・川「悪魔使いが荒ぃんだよ!」
(□=□)「…」
(・d・)「うるせぇ!走り切ったら今回の戦闘には出なくていい!」
(;・G・)「なにを急いているのだ!君らしくもない…」
(・d・)「馬鹿か!?アヒャの反応が途絶えたってことぁ、シンジュクに何かあったって事だ。
あの野郎のスマホの仕掛け的に反乱起こしたって事はねぇだろうがな!」
>シンジュクエリア
(;・d・)「おいガキども!!レズども!!返事をしろ!」
スマホに仲魔を収納し、階段を下りながら声が枯れそうな勢いで叫ぶ。
(φ∀゚)
(・G・)「ディーくん!」
(・d・)「何だ!!」
(;・G・)「アヒャの…死体だ」
403
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 00:54:06 ID:Zpt7IOgI0
(・d・)「チッ!」
見るまでもない。
目はやられ、顔はズタズタに裂かれている。
(・d・)「アヒャは基地外だが、腕は確かなはずだ。
ここら辺で太刀打ちできる野良悪魔はそういねえ…
スマホ、どうだ」
(;・G・)「ダメだ。壊れてる。こういう場合は…?」
(・d・)「仲魔も契約解除でロスト…だろうな。
キョウの野郎はプログラムもぶっ壊れるって言ってたしな」 スタスタ
(;・d・)「おい!誰でもいい!いねえのか!
ワクチンだぞワクチン!
助かりたい奴は声をあげろ!」
(;・G・)「恩着せたいわけではないが、私達が命をかけて取って来たものだ。
どうか接種してほしい…」
大声もただコダマとしてむなしく響くのみだった。
(・d・)「ラチがあかねえ!
二手で探すぞ…」
(;・G・)「ああ!」
─
[ ,'3 )つと(;・G・)□ 「おーい!ディーさん!」
(・d・)□ 「見つかったか!?」
(;・d・)「きったねぇなぁ…じいさん、他の奴らは?」
小水を多少漏らしてしまっているようだ。
[ ,'3 ) 「助けてくれ…兄貴が…ワシの兄貴が…
悪魔にさらわれてなってしまったああああああ!!」
404
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 01:21:13 ID:Zpt7IOgI0
(・d・)「いいか爺さん。あんた一人だけなら正直どうでもいいんだ。
ほかの奴は?」
(;G・)「ディーさん…言いにくいんだが…
ついてきてくれるか…」
(・d・)「言い濁すとはめずらしいな…まさか…」
─
血と臓物と苦悶が、一か所に集められていた。
(;・d・)「うげ…」
流石の冷血漢ディーも吐き気を催す。
今まで嫌々守ってきて情がわいてきたような奴らが、一か所に纏めて殺されているのだ。
隔離していた子供たちもわざわざ引っ張りだされて。
[ ,'3 ) 「…生き残ったのはたぶんワシだけじゃった…。
子供達を守る事もできずに…
不甲斐ない…」
(・G;)「御老人。今は犯人のヒントが欲しい。
用心棒のアヒャが一方的にやられるような強力な悪魔が襲撃に来た?」
[ ,'3 ) 「兄貴が…頭の中で声がすると…
そして腹が減ったと…部屋を出て行って…
あああああああああ!!!
思い出せない!!!!
思い出したくない!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(・d・)「チッ使えねぇジジイだな!」
(・G・)「仲間達が殺されてしまった上にお兄さんが攫われたんだ。半狂乱になってしまっても仕方ない。
監視カメラの映像を見てこよう」
(・d・)「あり得ないとは思うが、この弟じじいが犯人の可能性がある。連れて行くぞ」
405
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 01:56:16 ID:Zpt7IOgI0
>監視室
(・d・)「今日の午前中朝から早送りで再生していくぞ…じじいは錯乱してアテにならん」
(・G・)「了解だ」
m m
>映像
( ,’3 ) 「う…ウ…」
[ ,'3 ) 「兄貴、大丈夫か?」
( ,’3 )「腹が減った…」
[ ,'3 )「もうすぐ配給の時間だ!少し我慢しよう。
子供たちだって満足に食べられない日もあるのに、我慢してるんだ。
地獄のジンギスカンを生き抜いてきたワシらにはまだまだへっちゃら!
そうじゃろ?」
( ,’3 ) 「弟者よ…どうしようもナインダ…
腹が…ヘッタ…ソウダ…ガキドモ…
飽食の限りを尽くしてキたガキども…」
( 。゚3 )「ワシは腹がヘッタんだアあああああああああああ!!!!!」シュウウウウ
突如、老人の体から蒸気がほとばしる。
まるで、飢えと現状の理不尽から怒りの活力がわいたかのように。
[ ,'3 ) 「うわっ!」
弟が目を覆うと、何かがいた。
9m(゚m゚)
https://pbs.twimg.com/media/FKp_RDJaQAEV9Ut.jpg
[ ,'3 ) 「兄貴…なのか?なんだその黄金バットみてえなコスプレは…」
(゚m゚)m9 「どけ!」ドン
[ ,'3 ) 「ぐわっ!
何をするんじゃ…」
406
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 02:23:18 ID:Zpt7IOgI0
https://www.youtube.com/watch?v=jpDXgoqzzj8
>配給広間
「うあっ」
不意を突かれ、若い男の胸が手刀で貫かれる。
「悪魔か!番人は何をし…」
言葉が終わらぬうちに、かいなの一振りで中年男の腹が裂かれる。
手にした臓物を、不思議そうに一瞬見つめると仮面の下からむさぼり始める。
「うっわくぁ!!!!!!」
「助けてくれえええええ」
(゚∀゚)□ 「アヒャ!悪魔め!おまえの肉はうまそうだな!召か…」
ボン
(゚∀゚)「アヒャ?」
一瞬、何が起きたか双方わからなかった。
ただ、アヒャのスマホが爆破しもう悪魔を呼べない事実だけが残った。
(゚∀゚)「アヒャひひゃhさああああはははは!!」
つ=lニニ
包丁の刃先はあっさりと握られ折られ、顔面を鋭い爪が貫く。
「ぎゃあああああー!!
用心棒がやられた!!」
9m(゚m゚)「何が何だかよくわからんが…力がみなぎってくる…
見ろ…お前ら若者に復讐する為に…
神が俺に力を与えてくれたあああああああああ!!!!!!!!」
407
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 02:33:10 ID:Zpt7IOgI0
>子供部屋
9m(゚m゚)「かわいい子供達よ…朝ごはんを持ってきたよ。
扉を少し、開けておくれ」
(;``)「ゲホッ!ゲホッ!
おじいちゃん!元気になったの!?」
9m(゚m゚)「ああ。たくさん食べて、元気になったよ。
だから坊やたちもいっぱいお食べ…」
「なんかおかしいよ…開けないほうがいいよ、ユウスケ」
(;``)「でもおじいちゃんがせっかく食べ物を持ってきてくれたんだ。
もらわないとシツレーって、うちの死んだおじいちゃんが言ってた」
ガラッ
9m(゚m゚)「いい子だねぇ。
俺はお前らみたいなガキが嫌いなんだ。
食事の時間だよ…
ショータイム!!!!」
(;``)つ 「うわああああ!!」 ドン
病気の子供が親友を突き飛ばした。
「ユウスケ!?」
(;``)「イサムくんは元気だから逃げて。
きっとおじいちゃん、アクマに化けられちゃったんだ…
早く!!」
「ユウスケえええええええ!!!」
https://pbs.twimg.com/media/Fyrh6-rakAIJ5gz.jpg
突き飛ばされた拍子に小部屋から出られたイサムという子は、大粒の涙を流しながら逃げていく。
>映像はここで途切れている
408
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 09:13:06 ID:Zpt7IOgI0
( G)「…行こう」
(・d・)「どこに」
( G)「おじいさんを、取り戻しに」
[ ,'3 ) 「頼む…兄貴を…兄貴を…」
ジーは強く肩を掴む。
(^G^)b 「大丈夫です。お兄さんはきっと連れ返してきます!
だからこの部屋で待っていてください!」
>元・ヤクザオフィス通路
(・d・)「どうすんだ。あてでもあんのか」
つと
( G)「どっちの」
(・d・)「どっちもだ。ジジイを元に戻す方法、ジジイの居場所」
( G)「…ある。前者は…ある。
後者は…こことシブヤの間にある増長天の社だ」
(・d・)「何故わかる?お前あそこには行ったことないだろう。
俺は何度か、修行に行ったからジジイが変身したのがサンニ・ヤカーってのはわかる。
正直社の悪魔の中じゃ弱いほうだぜ」
( G)「何故かわかるんだ…俺の中の…何かが…」
>外
(;-□〇□-)「あっ!俺たちのバイクを!
てめぇら、噂の人間狩りか!?」
(・d・)「2ケツすっから1台でいい。もらってくぜ。
嫌なら命ももらうだけだ。
あとシンジュクの地下にはどんだけ寒くても入るんじゃねえぞ。身が凍る思いをするぜ」
(・d・)(G )
とと
ブーン
409
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/16(金) 23:48:03 ID:Zpt7IOgI0
https://www.youtube.com/watch?v=FBAIPJ188ec
>増長天の館
ガラッ
寺のような建物は、あっさりと入口を開けた。
まるで獲物を食らう肉食獣のように。
と(・d・)「入口ヨシ。銃構えろ」
つy=
(・G・)「…ここは」
(・d・)「悪鬼魑魅魍魎の巣だ。それも半端ねえ奴らのな。
俺は何度かお忍びで行って、死にかけたのを繰り返した…」
(・G・)「…そんな事をしていたのか。ここで?
何故俺に相談しなかった」
少し怒りを含めた質問。
(・d・)「銃構えろって言ってんだろ。
別に俺が死んでも、もうあんたとアヒャだけで十分やっていけただろ。
こうしてる間にも、エーの糞野郎は更に力をつけてるかもしれねえ。
だから俺はそれ以上に強くなる」
(・G・)「勝手な男だな。君は。
もうあのシンジュクに関わった時点で、君一人の体ではないんだよ」
(・d・)「勝手はどっちだ。
キョウの支援なしじゃ瓦解するような腐れコミュニティー作りやがって…
俺を縛りつけるな」
警戒して牛歩する。
(・G・)ニア 「あれか?君の戦っていた悪魔たちというのは」
特徴のある形の灰が広がっている。
指を舐めながら、観察する。
(・d・)「妖魔テング、邪鬼ラクシャーサ…はっきり言って雑魚だな。
b 蟲毒皿ぶん投げれば勝手に死んでくれるようなボーナスだ」
(・d・)「この程度の奴らを殺して粋がってる奴はさっさと駆除しねえとな。
お前もそのつもりで来たんだろ…」
410
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 00:23:37 ID:8l6cfy9g0
( G)「俺は…」
言い淀む。
(・G・)「俺はできる限り無力化して連れて帰るつもりだ。
全力は尽くす。
御老人との約束だからな」
(・d・)「嘘だな」
(・G・)「何故言い切れる」
(・d・)「お前映像見てから、下向いてばっかじゃねえか。
わかんだよ、2年も付き合ってたら嫌でもな」
(・G・)「…まだ彼が完全な悪魔になっていない前に、助ける。
悪魔召喚プログラムで」
(・d・)「…骨の髄まで悪魔になった野郎を浄化するプログラムなんか搭載されてねえよ。きっと。
幽鬼ふんじばってメシア教会でお祈りしてもらうか?
きっとそこの死体どもと同じ末路になると思うがな」
>入口に戻る
9m(゚m゚)「よく来たな。まさかこんな早く来るとはな…
クソガキども!」
シンジュクにあったボロ椅子を玉座にして偉そうに座っている。
住民虐殺後に盗んできたのだろう。
(・d・)「ふん。これでハメたつもりか?」
つy=
9m(゚m゚)「今のワシに銃ごときが効くとでも?
まぁ悪霊どもよりは肉体ある分効き目はなくはな…」
(#・d・)「かかったのはテメェの方だッ!」
b
ズドン
411
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 00:44:04 ID:8l6cfy9g0
凄まじい爆発で悪魔が外に吹き飛ぶ。
9m(゚m゚)「ぬ…ダイナマイト!仕掛けておったのかぁ!」
と
(・d・)「ここには定期的に修行に来ててな。
いざって時の脱出路確保用だよ」
(・d・)つ-l==) 「さて、ショウタイムだ!カス野郎が!」
つ-l==)
ディーが走り寄って肉薄する。
手のひらの薄皮一枚。
(・d・)つ-l=9m(゚m゚)「フン!」 バキィ
つ-l==)
(;・d・)「何やってやがる!銃で援護しろ糞野郎!」
つ-l==)
電動したままの一本が折られた。
(;・G・)「く!」 ドン
つつy= っ
9m(゚m゚)「ん?何かやったか?ゴミムシ!」
仮面に命中させるはずだった弾丸は、腕一本で止められた。
9m(゚m゚)「ワシが戦時中の頃は、銃を当てるのにはもっと気合が入っていたぞぉ?
直々に鍛えてやろうか?死んでヤカーにしてからだがなぁ!?」
(・d・)つ 「断る!」
徒手空拳で黄金の仮面を殴りつける。
9m(#゚m゚)「調子に乗るなクソガキがァ!」
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-B6_aMAMCblo.png
412
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 01:07:47 ID:8l6cfy9g0
( ゚d゚)「ガ!」
つ-l==)
一瞬失神しかけるも、残ったもう一本で渾身の一撃を放つ。
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-DdbaQAEukCk.png
9m(゚m゚)「ん?ガキの遊びか?」
飛んでくるトドメの殴りを、獣じみたカンで後退して避ける。
(;・d・)「人を喰ったからか…ここの養殖モンとは耐久が段違いだ!クソが!」
つ-l==)
と(・G・)「俺が出る。後ろで少し休んでくれ…ディアラマ」
(;・d・)「魔法!?お前いつの間にそんなもん…」
と
((((・G・)「わからん。ここに急に…」 スタスタ
(;・d・)「ジー!やめろォ!逃げろォ!ジーィ!」
つ
>TALK 友好的
(・G・)「話すにも遠くからでは無礼だと思ってな。少し攻撃を止めていただきたい」
9m(゚m゚)「フン!下等生物の人間がワシに釣り合う交渉ができるとでも?」
(#・d・)「テメェだって人間だったじゃねえか!!」
(・G・)「まず、あのシンジュクの惨劇は貴方が起こしたと見ていいのかな…?」
つと
9m(゚m゚)「ああその通りだ!全員俺がやった!!
気持ちいいぞぉ!人でなくなる瞬間ってのはよォ!
クソみてえな肉体の殻がやぶれて、開放されたんだ!」
(・G・)「何が不満だったのか、教えてもらえるかな…
私としては最善を尽くしてきたつもりだったんだが」
ふふん、とサンニ・ヤカーが笑う。
413
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 01:45:09 ID:8l6cfy9g0
9m(#゚m゚)「この国はクソッタレダ、だ!戦争を死力を尽くして戦った老人を蔑ろにしすぎた!
感じてたんだよいつもいつも…ワシに向けられるクソガキどもの侮蔑の視線をな!
人間ん、誰しも歳取ればァ!
シワもシミも出て醜くなるだろうがァ!」
(・G・)「…子供達はあなたの面倒をよく見てくれていたと思うが…
殺す必要はなかったのではないか?」
9m(゚m゚)「知ってるか。純潔の赤ん坊を喰えばエイズから解放されるって迷信。
いや、犯せば、だったかな?
ちょっと試してみたくなったんですよぉ…
あいつらも心の底ではきったねえジジイの面倒見たくねえとか思ってたんだろう。
責務から解き放たれてよかった!うん!ワシこそが善人だ!」
(;・d・)(思い込み…自己否定…破滅願望…精神科でも行ってろよ)
(・G・)「…最後に聞きたい。女性は…」
9m(゚m゚)「まだ続けるのかぁ?いい加減飽きてきたんだが」
(・G・)「そう言わず頼む」
9m(゚m゚)「犯して殺して喰って喰って喰ってやったよ。これでいいか?
ババアもレズも幼女も平等にだ!」
https://pbs.twimg.com/media/FyweyQlagAEo-e6.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Fywezd4acAEfVH8.jpg
( G)「そう…ですか…」
9m(゚m゚)「そろそろ死体にしてやるか。
オーイ!兄弟よ、ちょっと来いや」
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-EdsaMAE2i6K.png
>サンニ・ヤカーは仲間を呼んだ!!
(;・d・)「兄弟だと?シンジュクにまだ弟が残ってんじゃねえか
アレだけ殺してねぇのはどういうこった?」
9m(゚m゚)「ああ、いたなぁ老いぼれが。俺の気持ちいいタイムを止めに入ったなら殺してただろうな。
たまたま見逃しちまってたかー。お前らを片づけたら探しにいくさ。
さー、これで2体2だ!『平等』だなぁ?」
( G)「…」
414
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 02:02:57 ID:8l6cfy9g0
(;・d・)と 「クソが!」
つ
( G)「…弟さんを残したのは、身内の情…人の心が残っていたというわけではないのですね」
9m(゚m゚)「それがどうした!?
優しさじゃ飯は喰えねえ!
世の中の真理だろうが!!」
( G)「そうかも…しれない。だが…」
9m(゚m゚)9m(゚m゚)「「さあ、ショータイムだ!!」」」
ドゥ
https://www.youtube.com/watch?v=0hIKoMhNUI4
(#;G;)「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-SKTaQAAWvqj.png
9m(゚m゚)「な、なんだ…?急に物腰が…」
9m(゚m゚)「どうせただの人間だ!呪い殺してやれ!
パララアイ!!」
(#・G・)
>サンニ・ヤカーの目が怪しく光った
>ジーは跳ね返した
(゚m゚;)「ば…馬鹿な…人間ごときが…?呪殺反射…?
聞いていないぞ兄弟!!?」
(・G・)「ディーさん。こいつらは俺がやる」
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-LRhaIAEo6my.png
(;・d・)つ 「待て!相手は二体だろうが!!
ここは俺に地の利がある」
(#・G・)「いいから、動くな!!」
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-PICagAEe8Ep.png
415
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 02:14:44 ID:8l6cfy9g0
外からズルズルと、増援を引きずっていく。
9m(゚m゚;)「わ…ワシに…なにか…?」
( G)「タルカジャ」
( G)「タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!タルカジャ!
タ ル カ ジ ャ !」
( G)
つ(;m;)と 「ひ…」
ブチュン
https://pbs.twimg.com/media/Fx7-FasakAgGQr4.png
ジーは両手の膂力だけで、黄金の仮面ごと頭を握りつぶした。
9m(゚m゚)「あ…ああ…お前…ほんとに人間か…?
あいつはいいが、ワシは元人間だぞ!
悪魔狩りを生業とする貴様らのターゲットとは違うだろうが!!」
( G)つ 「人の心を失ったお前は…人間じゃないだろ?」
つ
元老人は後ずさりする。
9m(゚m゚;)「くそっ、おぼえてろ!」
>サンニ・ヤカーは逃げ出した
(;・d・)つ「く…待ちやがれ!足が!!」
つ
「キョウちゃんキーック!!」
416
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 02:42:28 ID:8l6cfy9g0
9m (゚m゚)「え」
首が寸断され、切り離された肉体だけタール状の水を流しながら走り続けている。
やがて残滓も溶け去っていく。
( ■∀■)つ( ,’3 ) 「うっわあああああああワシの屈強で美しい肉体がアあああああああああああ!!!!!?」
元のみすぼらしく卑屈な老人の顔に戻っていた。
(;・d・)と 「キョウ!」
つ
( ■∀■)「お前に聞きたいことは一つだけだ。だから生首だけ生きたまま残してやったんだ。
あの能力と肉体の消え方、ダークサマナーの技術だな?
黒いCOMPを誰からもらった?素直に答えりゃあ…」 ボソッ
( ,’3 )「だ、誰が素直に…」
( ■∀■)「じゃあ生首サッカー決定な。
頭蓋骨砕けて脳漿吹っ飛ぶまでは長持ちするぜえ」
( ,’3 )「ヒィィィィィィィ!
ある日、部屋に誰か入ってきて…なにか埋め込んだ!
それしか知らん!」
( ■∀■)「あっそ」
グシャ
生首を踏みつぶす。
( ■∀■)「あーよかった。安もんのスポーツ靴履いてきて
お前ら生きてたんか。ぶっ潰れでよけりゃ、持っていきな」
(・d・)「おいしいとこだけ持っていきやがって。相変わらず気に食わねえ奴だ」 ガッ
((#)d・)と(■∀■ )
((#)d・)「てめぇが!全部仕組んでいたんじゃねえのか!!
2年も!無駄にした!!」
( ■∀■)「無駄なこーとはやめとけよ。俺が真犯人だっつーんなら
わざわざお前らに頭下げて捜査頼むかよ。下げてねえけどな!」
(;G;)「キョウさん。俺、俺…」
つと
417
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 02:54:17 ID:8l6cfy9g0
( ■∀■)つ 「みなまで言うな。よく戦ったみたいだな」
─
>シンジュク監視室
[ ,'3 )「…」
(・G・)「あの…遺品…です…申し訳なかった…」
つつ
潰れた頭を入れた袋を渡す。
( ■∀■)「お前まじめだけど、空気読めないとこあるよなー、ヒョウ!」
(・d・)「ここの映像だ」
ザザ…
『こんばんは』
( ,’3 )「な、なんじゃ君は!?警備員を呼ぶぞ!」
『しーっ。今日はあなたにプレゼントを持ってきた。
このままではあなたは新型ウィルスを食らって死ぬ。老体でそれは避けられないことだ』
( ,’3 )「な、なんじゃと…わしの人生とはいった…い…」
『だがこれがあれば、死の運命を克服し更に超人的な力を得られる。
さあ…』
( 。゚3 )「ごああああああああ!!!!!!」
寝たままの老人の胸に、黒い銃が吸い込まれていく。
ローブの男は立ち去っていった。
[ ,'3 )「うーん…兄貴、どうしたんだ?」
( ,’3 )「何でも…ない」
>映像はここで途切れている
( ■∀■)「ふうん、誰かがGUMPを盗んでジジイにぶち込んだのか。
俺じゃねえ証拠はいくらでも出てくる。
関係ありそうな映像をコピーさせてもらっていくぜー。じゃあな!」
418
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 03:10:01 ID:8l6cfy9g0
(・d・)「相変わらず神出鬼没だな。あいつ神かなんかじゃねえのか」
[ ,'3 )「おお、兄貴…」
老人は袋の中を見て慟哭する。
( G)「申し訳なかった…もう人の心を失っていては…どうしようも…」
[ ,'3 )「ええんじゃ。お主さんらが奮闘してくれたのはボロボロの姿からしてわかっとる。
正直、兄貴には身勝手で傲慢なところがあったからな。
でももう少しだけ、みんなが…優しくしてやれれば…もしかすると…」
─
(・d・)「本当に出ていくのか」
[ ,'3 )「ああ。お主らを恨んでることはない。
ただわしは、人間が信じられなくなった。
悪魔とやらに外で殺されても構わん。放浪して嫌なことを忘れる…」
─
(;-□〇□-)「おげええええええ!!」
レイダーが惨劇の場を見て嘔吐している。
(・d・)「なんだいたのか。ってか入るなって言ってたような」
(;-□〇□-)「なんだよこの殺し方は!?人間業じゃねえよ!!」
(・d・)「そりゃ悪魔の仕業だからな。
まだここらにいるかもしれんぞ?
俺とかな」
(;-□〇□-)と 「ま、まだ何も盗んでねえ!許してくれ!さいならー!!」
つ
>レイダーライダーは逃げ出した
(・d・)「悪霊が入り込んでゾンビ化しないうちに焼いてやるか。
アヒャの死体がねえぞ」
(・G・)「ああ…死んでいなかったのかな。
無事だといいんだが…」
(・d・)「殺しても死なないような奴だろうし大丈夫じゃねえか?
大破壊のどさくさに紛れて、死刑囚用の独房から脱獄したような野郎だしな」
419
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 03:25:05 ID:8l6cfy9g0
>missing rink
ギギギ
『再起動』
(φ∀゚)アヒャ ひょこっ
とぼとぼ
とぼとぼ
>大聖堂
「命が惜しければ去れ!」
(φ∀゚)アヒャ!
「よく帰ってきてくれましたね。
ロボットサマナー、アヒャ倉威」
「マイトレーヤ、この者は」
「大破壊前に造っていたロボアーミーですよ。
死刑執行代わりに本物のアヒャと戦わせてみたら見事に圧勝。
ICBMにも見事に耐えきった。
これからは生身の人間よりロボットに戦わせた方がいいのかもしれませんね。
さて、メモリーの抽出を行いましょう。
座りなさい」
(φ∀゚)アヒャ!
「どうです?」
「よほど酷い衝撃を受けたのか、半分以上…特に大破壊直後のメモリが欠落。
ただ戦闘経験データは抽出できそうです」
コロナ・ショット!2022 終
420
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/17(土) 23:05:00 ID:8l6cfy9g0
2022年時点のジー
https://pbs.twimg.com/media/Fy1HitAaAAA3oKJ.jpg
421
:
名無しさん
:2023/06/17(土) 23:07:23 ID:q1ZUpC2A0
乙乙
422
:
名無しさん
:2023/06/18(日) 01:07:52 ID:9qh6zCwg0
おつつ
423
:
名無しさん
:2023/06/18(日) 23:57:59 ID:dFmdpxhY0
乙
424
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/19(月) 01:14:04 ID:6c/AKAxk0
クトゥルフのよびごえ 2025
廃バス。
(-G-)
「起きろ!」
上半身裸のジーが上半身を起こす。
(・d・)「やっと起きたか」 ジュージュー
悪魔の肉が焼かれる匂いがする。
(・G・)「ディーくんか…」
(・d・)「あまり動くな。まだ腹をぶち抜かれた跡が残ってる」
(;・G・)「…」
つと
包帯が雑に巻かれている。
(・d・)「お前あの日以来やっぱ変だぞ、時々な。
悪魔との戦闘中に急に動かなくなったりよ。
まだあの事を引きずってんのか。
ほれ」
悪魔肉を雑に焼いたものが差し出される。
(・G・)「…いただきます」
人
(・G・)「君の方はどうなんだ。
迷いなく悪魔を殺せるか」
(・d・)「言うまでもないだろ。情けかけときゃこっちが殺られる。
元人間だろうがなんだろうが、人の心を失っちゃ悪魔だ。
それはあんたの言葉だと思ったが?
まぁいい。動けるようになるまでおとなしくしてな」
ディーはバスを去る。
425
:
名無しさん
:2023/06/19(月) 01:27:03 ID:6c/AKAxk0
クトゥルフのよびごえ 2025
廃バス。
(-G-)
https://pbs.twimg.com/media/Fy6odzOaMAAToRh.jpg
「起きろ!」
上半身裸のジーが上半身を起こす。
(・d・)「やっと起きたか」 ジュージュー
悪魔の肉が焼かれる匂いがする。
(・G・)「ディーくんか…」
(・d・)「あまり動くな。まだ腹をぶち抜かれた跡が残ってる」
(;・G・)「…」
つと
包帯が雑に巻かれている。
(・d・)「お前あの日以来やっぱ変だぞ、時々な。
悪魔との戦闘中に急に動かなくなったりよ。
まだあの事を引きずってんのか。
ほれ」
悪魔肉を雑に焼いたものが差し出される。
(・G・)「…いただきます」
人
(・G・)「君の方はどうなんだ。
迷いなく悪魔を殺せるか」
と(・d・)「言うまでもないだろ。情けかけときゃこっちが殺られる。
元人間だろうがなんだろうが、人の心を失っちゃ悪魔だ。
それはあんたの言葉だと思ったが?
まぁいい。動けるようになるまでおとなしくしてな」
ディーはバスを去る。
426
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/19(月) 02:08:45 ID:6c/AKAxk0
クトゥルフのよびごえ 2025
廃バス。
(-G-)
https://pbs.twimg.com/media/Fy6odzOaMAAToRh.jpg
「起きろ!」
上半身裸のジーが上半身を起こす。
(・D・)「やっと起きたか」 ジュージュー
悪魔の肉が焼かれる匂いがする。
(・G・)「ディーくんか…」
(・D・)「あまり動くな。まだ腹をぶち抜かれた跡が残ってる」
(;・G・)「…」
つと
包帯が雑に巻かれている。
(・D・)「お前あの日以来やっぱ変だぞ、時々な。
悪魔との戦闘中に急に動かなくなったりよ。
まだあの事を引きずってんのか。
ほれ」
悪魔肉を雑に焼いたものが差し出される。
(・G・)「…いただきます」
人
(・G・)「君の方はどうなんだ。
迷いなく悪魔を殺せるか」
と(・D・)「言うまでもないだろ。情けかけときゃこっちが殺られる。
元人間だろうがなんだろうが、人の心を失っちゃ悪魔だ。
それはあんたの言葉だと思ったが?
まぁいい。動けるようになるまでおとなしくしてな」
ディーはバスを去る。
427
:
◆MxHvQqijkA
:2023/06/19(月) 02:26:20 ID:6c/AKAxk0
>シンジュク地下街
かつてレジスタンスの拠点だった場所で、若者達が特訓に励んでいる。
(;``)つ 「ハッ!ハッ!」
(・D・)「ご苦労。やってるようだな」
く(` `)「リーダー!お疲れ様です!」
(・D・)「手ぇ止めんな!」
つと
https://pbs.twimg.com/media/Fy6oflCaQAA8rBL.jpg
(;``)「はいっ!」
─
(・D・)「よし、今日はこの辺だろう」
悪魔の肉を焼いたサイコロ状のものを配る。
(` `)「…あの。ディーさん」
(・D・)「あ?」
(` `)「これ食えば力はわくのは実感できるんですけど、やっぱり悪魔の肉はちょっと…」
(・D・)「いいか。お前らが戦う相手は悪魔だ。
そして大破壊前のように普通の食料はあまり手に入らない。
だったら食うしかないだろう。
食わなきゃ勝てない、勝てなきゃこっちが食われる。
嫌なら出てけ」
https://pbs.twimg.com/media/Fy6og3KaYAAUNVv.jpg
(・D・)「いいか、ここからスポーツ生理学の話をする。
サンドバッグ叩き程度でも筋肉はぶっ壊れる。
だがそこに十分な栄養を叩きこんで十分休めば、筋肉はより強く再生する。
回復魔法や傷薬にも回復量に限界があるからな。
悪魔に一発もらっても大丈夫なように耐久を鍛えとけ。
食ったら寝ろ。
別に眠気がくるまでスマホ見ててもかまわない」
(;``)「はいっ!」
428
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:05:41 ID:1wCY7v820
>寝室
(´・つ・`)「つーかヤーマン、普通に地道に鍛錬なんてちょーめんどくさくね?」
https://pbs.twimg.com/media/GCcX6RFaAAAmb2Y.png
(;``)「そうかな・・・?大事だと思うけど・・・。」
く(´・つ・`)「だいたい、ベッドもなくてショボい布団で休息。
翌朝4時起床で夜までサンドバッグ殴りだろ?
なーにが『悪魔に一発もらっても大丈夫なように』だ!
もっと俺はスーパーマンみてえにバッサバッサと悪魔相手に無双してえんだ!
鍛えるなら悪魔の攻撃を避ける『俊敏さ』だろ!」
「まず、悪魔の気配を感じられるようになってからだな」
(・G・)
つ(д)と ギャアー
厳つい男が、紫で腹が出た悪魔の顔面を引き裂く。
(;´・つ・`)「じ、ジーさん」
見回りだ。
(・G・)「さて問題。今の悪魔はなんでしょう?」
(;``)「・・・ガキ。満たされない飢えを満たすために何もかも食べる幽鬼。」
(・G・)「正解。あの程度の悪魔に不意を喰らうなら、まだ地上では戦えないな。
格の段違いな悪魔、人間でありながら人間を狩る処刑ライダーまでいる。
そんな奴ら相手の前に放り出されて今すぐ戦えるかい?」
_,
(´・つ・`)「武器さえくれれば戦えますよ。あのディーのガキがケチりさえしなければ・・・」
(・G・)「厳しいことを言わせてもらえば、武器武器と簡単に言うが扱いにも慣れが必要だ。いわゆる練度というやつだ。
刃物類は基本的にリーチが短いし、一歩間違えれば自分の体を斬ってしまう。
銃は威力もあるしお手軽に見えるが、本当に熟練した扱いができなければ反動で肩がはずれる。
弾詰まり(ジャム)が起きれば撃てなくなるし、暴発すれば自分のアタマが最悪吹き飛ぶ。
ああ、シブヤのジャンクショップで手りゅう弾などの使い捨て兵器を買おうなんて考えちゃダメだ。
あれもあれで下手すれば持っている腕が爆風で吹き飛ぶ。
お金と命の無駄だよ。」
429
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:06:03 ID:1wCY7v820
(;´・つ・`)「でも、ジーさんなんか悪魔を素手で引き裂いたりできるじゃないですか!
俺を付き人にしてくださいよ!」
(:・G・)「あれは俺が嫌な意味で特別なだけだ。誰もができる事じゃない。
子供達の頭を気軽に撫でられない怪力がそんなに欲しいか?」
(;``)「それは嫌ですね・・・」
(´・つ・`)「ヤーマン日和ってんじゃねえ!
世の中は力なんだよ!
悪魔を殺せる力さえあれば、こんなとこで燻ってねえでも食うには困らねえ!
金だって女だって好き放題だ!ドリームなんだよ!」
(・G・)「ちょっと君は自意識過剰みたいだな」 ぐりぐり
つ(;・つ・`)と
(・G・)「いいかい?君達は大破壊・・・トウキョウがICBMの雨に見舞われてから地方から移動してきただろう。
その時の地元の様子はどうだった?」
(;``)「・・・緊急速報が流れてから、悪魔が出てくるようになりました。それで・・・」
(´・つ・`)「家族もご近所もぶっころされちまった!!
だからこいつや皆と逃げてきたんだよ。
途中何度も何度も仲間がぶっ殺されたり腹減りで死んで・・・
だから俺は英雄になりたいんだ!!
悪魔なんか全部ぶっ殺して世界に平和を取り戻すんだ!!」
(´・つ・`)「なァ!ジーさん達もその為にこうやってデビルバスターの養成をしてるんでしょう!?
いい加減に俺にも稽古つけてくれよ!!
(;・G・)(敵討ちに囚われているようだな・・・
世界の覇権を握りたいなんて事は考えていないようだが・・・さて、どう説得したものか?)
(・G・)「とりあえず今日は寝なさい。
明日もまたトレーニングだからな。
その件、ディーにかけあってみるよ」
(*´・つ・`)「やった!流石はジーさんだぜ!あの石頭とは違わあ!」
>翌日
430
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:06:29 ID:1wCY7v820
(・d・)「もう一回、言ってみろ」
(#´・つ・`)「うるせェ!もうこんなお遊戯はごめんだっつてんだよ!!
来る日も来る日もアマチュアボクサーの真似ばっか!!
こんなんで悪魔なんかいつまで経っても倒せるかよ!?」
「うわ始まったよ・・・」
「ここで適当にハイハイ言ってやってりゃ、食うには困らないのにな・・・」ボソッ
(・d・)つ ブンッ コロン
刀を投げ落とした。
(;´・つ・`)「うわ危ねえ!!殺す気か!!」
つと
(・d・)ニア 「その模造刀をくれてやる・・・気に入らないなら出ていけ。
そんなもんでも、地下街や階段上にいる悪魔なら死に物狂いでいけば倒せるだろう。
外はどうだか知らんがな・・・」
(´・つ・`)「ああやってやんよ!!ヤーマンも一緒に」
(・d・)「そいつを連れていく事は許さん。俺の教えに従順だ。
逝くならお前ひとりで。それとも道連れがいないと怖いのか?クククっ」
(#´・つ・`)「上等だカス!!!!!!!!!!!!!!!
一人で英雄になってきて・・・
やんよ!!!!!!!」
(・G・)「ディー、ちょっといいか。少し話が・・・」
(・d・)「ああ・・・」
>二人は去っていった
(・d・)「マナブ以外は鍛錬を続けるように・・・」
─
(・D・)「貴様の処遇が決まった」
431
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:09:10 ID:1wCY7v820
(;´・つ・`)「へへっ、なんだよ。直々に俺を殺すんだな!?
しょせん、テメエも悪魔は外のガイア教徒と変わらねえ!!
気に入らない奴は排除するんだろうが!!」
(;``)「マナブ君!!違うんだよ!!」
(;´・つ・`)「へへ・・・やってやる・・・やってやるぜ・・・!」
つ-l----
(・D・)「何を勘違いしてるか知らんが、刀を収めろ。
お前は今日から夜警をジーとやれ。」
(´・つ・`)「へっ・・・へへ?」
男のひきつった顔が固まる。
く(・G・)「えーっと・・・つまりだ。
俺と一緒に夜に見回りをしてくれないかって事なんだ。」
(・D・)「こいつは元自衛隊のプロだ。危機管理能力にしては俺以上。
これ以上のワガママは聞けないぞ。」
(´・つ・`)「・・・ケッ!理解らず屋にしては気が利くじゃねえか!!
少し見直しといてやらあ・・・」
(;・G・)「どうする?夜まで寝ておくかい?」
(*´・つ・`)「いやこの時間まで寝れませんよ。
体力消費しないように、部屋でシコってます。
高揚感がマジパネェ!!」
(;``)「・・・ちゃんと消臭しておいてね・・・」
─
「・・・起きろ!」
https://pbs.twimg.com/media/GCc2UzpbsAANt-u.jpg
432
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:09:49 ID:1wCY7v820
と(・G・) ガラッ
(;´・つ・`)「やべ!ジーさんすんまっせん!」
(;・G・)「いや別に怒ってないからね?初日だしとりあえず俺の傍を歩いてくれてればいいから」
(´・つ・`)「あ、ちょっと洗ってきていいすか・・・」
(・G・)「手か?」
(;´・つ・`)「えっと・・・ナニを・・・」
(;-G-)「水もタダじゃないんだ。こっそりやってきてくれ・・・」
─
く(´・つ・`)「お待たせっす!」
(・G・)つ「ああ。じゃあ、これを着て。ないよりマシだから。」
>フルヘルム
>サバイバーベスト
>リベットナックル
>コンバットブーツ
>を手に入れた
(*´・つ・`)「あざっす!」
(・G・)「歯がゆいと思うけど、ディーからもらった刀は今日は振るわないでね。
おいおい使い方を教えていくから。」
く(´・つ・`)「了解す!」
─
>無残に喰い散らかされた体がある
(´;つ・`)と 「うげ・・・」
(・G・)「こんなことで吐いてたら、立派なデビルバスターになれないぞ。
とりあえず、夜が明けたら埋葬に行こう。」
>サラサラと何かをかけた
(´・つ・`)「なんすか、それ?」
433
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:10:10 ID:1wCY7v820
(・G・)「魂返り、だよ。
せめて成仏できるようにと、悪霊にでも憑依されてゾンビにならないようにね・・・」
(´・つ・`)「なるほど・・・」
(・G・)「悪い日には1日1人はこうやって死んでいる。
寝室から深夜に出た奴は、こうなるのが大半の末路なんだ」
(´・つ・`)「不意打ちってことっすか」
(・G・)「そういう事になるな。
それに、大半の訓練生はまだ悪魔召喚プログラムを付与されていない。
出会い頭に殺される」
(´・つ・`)「なんすかそれ。そういやネットで無差別にアップロードされてた事があったなあ。
俺は胡散臭くて入れてないけど」
(・G・)「悪魔と電子機器越しに会話し、仲間に引き込むこともできるアプリだ。
ディーや俺はそれを使って悪魔を使役している。」
(;´・つ・`)「なんすかそれ!そんな便利なもんあるなら早くくれりゃ・・・」
(・G・)「自分も戦力になれる・・・と言いたかった?」
(;´・つ・`)「はい・・・」
(・G・)「武具もそうだが、悪魔召喚プログラムだって慣れが必要なんだ。
俺もディーにもらった時にはよく会話に失敗して襲われていたものさ。」
(´・つ・`)「無双怪力のジーさんが・・・?嘘っすよ!」
(・G・)「マジだ。会話ができるといっても、人間同士のコミュニケーションと同じで
相手の機嫌を損ねると、当然怒る。
少なくとも相手の腹の虫を収めるには、防御でもして一発食らってやるしかないだろうな。
よくディーが言うだろ?
『悪魔に一発もらっても大丈夫なように耐久を鍛えとけ』って」
(;´・つ・`)「そーゆー事だったのか・・・てっきり新手の嫌がらせかと」
(・G・)「それに、仲魔・・・仲間に出来る悪魔の事なんだが。
会話で仲魔になるならないというのがある。
先日君達を襲おうとしていたガキは、会話はできても仲魔にはならん狡猾なやつだ。
契約には文字通り命を差し出さなきゃならん。そこら辺も覚えないとな」
434
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 02:10:36 ID:1wCY7v820
(@Д@)
https://pbs.twimg.com/media/GCcX7QdakAEna6G.png
(・G・)「早速お出ましだ。幽鬼 ガキが一体出た!・・・ってな。
さて問題。この悪魔は会話で仲魔にできるか否か?」
(;´・つ・`)「で、できるわけねえ!先日襲われかけたんだぞ!!」
(・G・)「はい正解」
つ(@Д @)と ギャアー
(・G・)「まあ、いきなり襲ってくる悪魔もいるが、仲魔になりえる悪魔でも機嫌が悪い事もある。
その変も見極めが大事だな。
夜魔・・・いわゆるサキュバス、インキュバス、リリム、インプといった夢魔は
長年意思疎通が不可な種族とされてきた、だが
人間の精力・・・要は君が出しまくってたアレが欲しいだけで
別に話はできるし仲魔にできるのが近年わかった。」
(#´・つ・`)「なんであのクソヤローはそういう事教えてくれないんですか?」
(;・G・)「君のようなやつが先走りしない為だ。
許可がおりるまで、くれぐれも悪魔召喚プログラムを持ち出そうなんて思うなよ。」
(´・つ・`)「了解っす。ジーさんが言うなら仕方ねえや。」
(;・G・)「その素直さをディーにも向けてやってくれればな・・・
あいつは悪い奴じゃない、ちょっと色々あって冷徹を装ざるを得ないだけなんだ。」
(´・つ・`)「ケッどうだかな!
何かの八つ当たりでやってるだけだろ!あんなの」
(#・G・)「あいつの何を知っ・・・!
いやすまない。つい血がのぼって・・・」
(;´・つ・`)「あ、すんません。思い込みで言いすぎました」
(・G・)「あまり頭に詰め込みすぎても疲れるだろう。
今日は戻って寝るといい。朝から夕までの訓練はしばらく免除だ。言っておく。」
く(´・つ・`)「ありがとうございます!」
─
(;--)「ん・・・マナブ君か。早いね。」
435
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/29(金) 23:02:00 ID:1wCY7v820
(´・つ・`)「おっ起こしちまったか、悪いなヤーマン。」
(;``)「気にしないで。ジーさんの付き人仕事は?」
(´・つ・`)b「出だしグッド!初日で俺がしんどそうだからって、次の夜まで休んどけって。」
優しいよなァーどっかの誰かさんと同じようによォー!!
(;``)「ま、マナブ君。僕たちはいさせてもらっている側なんだから・・・
ね?」
(´・つ・`)「そんなの関係あるかってーんだ!!
大破壊前なら立派なパワハラだぜ、あいつのやってる事は。
リュウケンかよ!!」
(;``)「・・・いつまで地元から盗んできた本を大事に読んでるんだい?」
(´・つ・`)「いいじゃねえか!持ち主一家は全滅、俺が読んでやった方が浮かばれるってもんよ。
それにこの漫画、妙に大破壊の事を予言しすぎな気がして魅力的なんだよな・・・」
(´・つ・`)「っと熱弁すまん!お前は朝早だったよな。さっさと寝ようぜ。」
(--)「うん・・・おやすみ」
昼
>マナブは栄養食を食べている
(´・つ・`)「甘くてうまいけどよ、水ねえと口カラカラなのはいただけねえな。
目玉焼きとか喰いてえよお!」
「キャーッ!!!」
(´・つ・`)「なんだ真昼間から!?」
>外に出た
川``)「た・・・助けテ・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GCcX7_HagAEQ_Qh.jpg
436
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 01:55:02 ID:QTAG19m20
ばたり、と女性は倒れた。
(´;つ;`)「ぐえっ!!」
と
https://pbs.twimg.com/media/GCcX8zTaEAA_hbV.jpg
(:´・つ・`)「って、吐いてる場合じゃねー!!
誰かー!!
サボリ魔はいねえかー!!」
「おお、学ばないくん、呑気でいいねぇ。」
呑気に嫌味を言う訓練生に詰め寄る。
_,
(´・つ・`)つ「オイこらテメエ、人が死ん・・・死にそうねんで!
さっさとこの人を回復道場に運べ!!
ツケはディーで!!」
「お前は!?」
(´・つ・`)「増援が来るまで攪乱する!さっさと行けや・・・
ヤーマンッ!」
「わ、わかった」
休憩中の男たちが、女性の四肢を掴んで運ぶ。
(#´・つ・`)「うつ伏せにして、担架使えやせめて!!」
>辺りをうかがう
(´・つ・`)「あの背中のズル向け、爪でああなるもんじゃあねえな・・・
だとすると・・・」
消化液が飛んできた。
すんででかわした。
(;´・つ・`)「あぶねえご挨拶だな、オイ」
437
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 02:09:15 ID:QTAG19m20
https://www.youtube.com/watch?v=eNWpFSAlLv0
( ゚ д ゚ )「グゲエエエエ」
https://pbs.twimg.com/media/GChxHGhawAAqSCH.jpg
(´・つ・`)「食らいやがれ!!」
つ-l----
粘液の肉体は、やんわりと模造刀程度は受け止めてしまう。
https://pbs.twimg.com/media/GChxH5caMAAlPG8.jpg
(;´・つ・`)「手ごたえはあった!あの女を襲ったのはてめえか!!」
つ-l----
https://pbs.twimg.com/media/GChxI-bbsAAg4LU.jpg
(´・つ・`)「俺は女子供に後ろから手を出す奴はでえきれえなんだ!」
(´・つ・`)「この連撃!か・わ・せ・る・かーっ!?」
つ-l----
シュバ、シュバ、シュバ。
粘液悪魔の溶解液、触手を避け
着実にダメージを溜めていく。
(;´・つ・`)「へへ・・・だいぶ参ってきたんじゃねえ?流石のカチカチさんもボロボロだぜ」
つ-l----
>スライムの冷たい手が触れた
https://pbs.twimg.com/media/GChxJ4na8AAionQ.jpg
(´・つ・`)「なにぃ!」
一瞬の油断が命取り。
触手に体を巻き取られた。
(´-つ-`)「寒い・・・からだが溶け・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GChxPOHaQAA8PdB.jpg
438
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 08:05:47 ID:QTAG19m20
「こういう時はな、こうするんだ」
>火炎ビンを投げた
( ゚ дξ「グゲエエエエ・・・」
スライム本体の顔半分が溶ける。
(・D・)「ヒーローぶった餓鬼が」
つy=Σ
>スライムにトドメを刺した
─
( ・D・⊂彡☆))つ´)
乾いた音が響く。
(#´・つ・`)「なにしやがる!!」
(・D・)「勝手な事しやがって。お前ふざけてんのか。
お前の命なんぞより、模造刀の方が今は大事だ。
くたばるにしても武器は置いて逝け」
(#´・つ・`)「なんだと!!俺はテメエみたいなマヌケの代わりに人を助けたんだぞ!!
早くもっとついてりゃあ・・・」
(・D・)「ああ、あの人な。死んだよ。
惨い生き永らえかたをさせるもんだな。
お前はここに人を苦しめる為にここに来たのか?」
(´;つ;`)「く、くそっ!」
>マナブは走り去った
(;``)「あの・・・お言葉ですが・・・
ちょっと言い過ぎでは?」
439
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 09:07:55 ID:QTAG19m20
https://pbs.twimg.com/media/GChxQAJbkAAXbxI.jpg
(・D・)「いや、あれがいい。
ここでマグレで勝ち星上げて悲惨な死に方されるよかな。
お前同室だったか?
伝えてやれ。自主謹慎で引きこもるもよし、また夜警するもよし。と」
─
(;・G・)「で、また今日もやるのかい?」
(´・つ・`)「当たり前!あんな高慢野郎に見下されて黙って引きこもっていられるか!!」
(・G・)「心意気は買うよ。でも無茶しないでね。
はい、新しい防具」
(´^つ^`)「あざっす!」
(・G・)「さて、夜警しながら話していこうか。
どこから話していいものかな・・・」
─
(;´・つ・`)「なに!あんなクール野郎にそんな過去が!?」
(・G・)「そうだ。俺が直に見た話ではないが、
彼を助けて自爆した少年は、肉の欠片すた残らなかったそうだ。
そして、三年前にここで起きた大惨事を知っては?」
(´・つ・`)「まぁ小耳には挟んでます・・・」
(・G・)「あれは俺もみたが、酷いものだった。
老若男女問わず殺されていたんだ。
1人の嫉妬と無力感に苛まされた老人1人によってね・・・」
(;´・つ・`)「でも、俺をブン殴る意味がなかったじゃないすか!殴られ損っすよ!!」
(・D・)「理由なら、ある」
440
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 12:38:21 ID:QTAG19m20
(;´・つ・`)「わぁッ!?」
(・D・)「夜中に幽霊でも見た顔だな」
(;・G・)「ディー、今日も行くのか?体を休めた方が・・・」
(・D・)「誰かがやらなきゃいけない。だから警備はジーの方に任せてるんだ。
せいぜい足を引っ張るなよ、ガキ」
>ディーは去っていった
(;´・つ・`)「気に食わねえ奴・・・!
でも、何も文句を言う気が出なかったや・・・」
(・G・)「君達は、自分たちが食べているものがなんだか知っているのか」
(´・つ・`)「サイコロステーキみたいな悪魔の肉っしょ?」
(・G・)「他は?」
(´・つ・`)「カロリーバー」
(・G・)「出所はどこだと思う?」
(´・つ・`)「考えた事もないっす」
(・G・)「・・・あいつがな、イチガヤの駐屯地後からたびたび持ってきているんだ。
昔は二人がかりで行っていたが、例の事件以降は俺が夜の見回りになった。
もっとも満月はこの前のように、悪魔のパワーがアップする。
昼でも警戒を強めるんだぞ。」
(´・つ・`)「この前の・・・?スライムっすか」
(・G・)「そうだ。月並みだが、君は防戦に徹して誰か増援が来るまで待つべきだったのだ。
ディーも本心ではたいたわけではない。
君のような前途ある若者を失いたくないだけなのだ・・・」
(´・つ・`)「前途ある?俺がっすか?」
(・G・)「そうだ。見も知らぬ女性を咄嗟に救助し、自分は戦いにまわる・・・
この誰もかれもが自分で精一杯な時代、なかなかできる事じゃない。」
(*´・つ・`)「やった!!ジーさんのお墨付きだぜっ!」
441
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 14:24:57 ID:QTAG19m20
>回復道場
(・D・)つ「代金だ。遅れて悪かったな」
( )人「寄付感謝」
泪 ゚ -゚)「ありがとう。また助けてくれたのね・・・」
(・D・)「あんたか・・・なんでスライムなんぞにやられてたんだか。」
泪 ゚ -゚)「・・・私は満月は調子が悪いのよ。忌々しい半身のせいでね!
それに・・・念願の子が生まれたの。」
(・D・)「あんたの子か?そりゃおめでたいこって。悪魔に食われないうちに早く行ってやれよ」
泪 ゚ -゚)「私のじゃない。それに・・・
生まれたというより、その子に愛おしい魂が宿ったといえばいいのかしら。」
(・D・)「あんた悪魔だろ。治療も終わったしさっさと出て行ってくれないか」
泪 ゚ -゚)「ふふ、悪魔を自警団につかっておいて、悪魔アレルギー?
面白い人ね。」
>女はクスッと笑った
泪 ゚ -゚)「あなた、ゾンビどもとは違う意味で、生きてるニオイがしない。
・・・まるで仇を討ったあと、自分も死のうとしているんでしょう?」
(・D・)「・・・治療代はいらねえ。さっさと失せ」
泪 ゚ -゚)「じゃあお礼にいい事を教えてあげる。
邪教の書・・・ネクロノミコン・・・
その断片は未だに紛失せず残っている。
大事な人を蘇らせたいなら・・・
それを集めれば・・・
復活も、叶うかもしれないわね。」
https://pbs.twimg.com/media/GCkSn6daoAATMZl.png
442
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 16:15:24 ID:QTAG19m20
(´・つ・`)「・・・あのサイコロコロステーキは?」
(・G・)「・・・君は備蓄の賞味期限、数量が無限だと思うかね?
科学に精通している彼は、自分の体で試したんだ。
食べても大丈夫な悪魔、精力がつく牛の悪魔。
この数年で生成機を作り出し、あの肉を生産しているんだよ。
ま、あんな脳筋理系なんて無茶苦茶だがな・・・」
(´・つ・`)「ちょっとあのヤローの事、尊敬してやってもいいかもな。」
>イチガヤ方面
く(;・D・)「ふう・・・この変で発掘でもすっか。
いつまでもあそこに頼ってもられないしな」
ガラクタの山を掘り返す。
そこから使えそうなものを取り出して売り、マシな食料に変えるのだ。
>掘り返せど掘り返せど、マシンT93Gの破片しか見つからない
(・D・)「ん?隠し扉があるな・・・土で巧妙に隠されているが・・・」
>土を払いのけた
「誰だ!!」
入口から銃口がのぞく。
(・D・)「先住民がいたのか。
荒らしはしないから、ほっといてくれや。」
=yと( )「問答無用!撃つ!!」
(・D・)つy= 「仕方
・・・ねえなッ!」
443
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 17:11:25 ID:QTAG19m20
(・D・)「すまねえな。ご相伴に預かって」 ガツガツ
つ と
(・黒・)「別に構わない。それだけ食い意地が張っているということは、ロクに食ってないんだろう。
略奪者でもなさそうだし、他の者に分け与えているのだろ?」
(・D・)「・・・初対面の奴に言われたくねえな。
餓死しない程度には喰ってる」
(・黒・)「私はクロエ。こう見えても女だ。」
(・D・)「・・・ディーだ」
(・黒・)「咄嗟に銃を構える腕は確かだ。
私と組まないか?」
(・D・)「生憎、俺にはまだ育てなきゃならないヒヨッ子どもがいるんでな。
邪魔じゃなきゃまたくる。・・・手土産持ってな。
(・黒・)「それは楽しみだ。弾薬がいいな」
─
(・D・)「ジー」
(・G・)「なんだ?」
(・D・)「あのガキは資質はありそうか?」
(;・G・)「向こう見ずで突っ走りなところはあるが、正義感は強いよ。」
(・D・)「・・・じゃあ、銃での戦い方も教えといてやれ。
あれは俺には手が余る。お前に任せる」
(・G・)「了解、立派な戦士に仕上げてみせるさ」
ドサッ
(;・G・)「なんだこの量は・・・」
(・D・)「しばらくこっちに帰ってこれない日が続くと思う。
悪魔肉は持ってくるから、技量のある奴にヘブンの生成を教育してやってくれ。
誰でもできる簡単なお仕事だ」
444
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 17:56:47 ID:QTAG19m20
(・G・)「それはいいが、何をするんだ?」
(・D・)「今まで働いてきたんだ。ちょっとは息抜きさせろや。
それと新規開拓だ」
(・G・)「頑張れよ」
( )b 「ああ」
>それから足しげくクロエのもとへと通った
>食べられる悪魔を狩って肉をシンジュクに運んだ
( ■∀■)ノ「ヒョウッ!お久しぶりじゃねえかー!」
(・D・)「キョウか。今更何しに来た」
( ■∀■)ノ「仕事がひと段落したんでね。スパルタつけてたとこ。」
(・G・)「ディーさんの訓練はすごいぞ!
みんな見違えるほどに強くなった!
悪魔召喚プログラムも配布したんだ!」
(・G・)と(・D・#)「無許可で配ったんか!!」
( ■∀■)「ヒョウ。ちゃんとノウハウは教えてある。
裸一貫で悪魔と戦うなんて時代遅れだぜえ。
ここではおれさまが一番偉いッ!力で白黒つけてもいいんだぜえ?」
(・D・;)「外でもめごとは起こすなよ・・・」
(;´・つ・`)「ディーさん、もしかして寝てないっすか?」
(・D・)「ああ・・・」
( ■∀■)「ジー。添い寝してやれや。
語ることもいっぱいあんだろ?」
(;-D・)「野郎となんて御免だぜ・・・
と思ったが、睡魔には勝てん」
445
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/30(土) 22:30:48 ID:QTAG19m20
─
起床
つ(-D・)「む・・・」
(・G・)「起きたか。ずいぶんイビキがひどかったぞ。」
(・D・)「おかげさまでな。で、話ってのは?」
(・G・)「キョウさんが、全員に悪魔召喚プログラムを配布・・・コピーした。
武器もどこから調達したか分からんが、たんまりあった。」
(;・D・)「頭が痛い事してくれるぜ」
(・G・)「だがそのおかげで、少年たちは自衛手段を取れるようになった。
夜警も交代でやることになった。」
(・D・)「あー、そういえばさ、あいつどうした?ドレッドのふざけたガキ。」
(・G・)「マナブ君なら、メシア教の用心棒志願に行ったよ。
テンプルナイツは深き狭い門らしいからな。」
(・D・)「・・・そうか。元気にしているといいな。」
(・G・)「ずいぶんと淡泊だな。」
(・D・)「あいつが道を見つけたなら、それでいい・・・
卒業生は追わない主義なのさ。
それよか行く途中で悪魔に殺されたり、新歓でたらふく飲まされる方が心配だ」
(・G・)「ふっ、相変わらず優しいな。」
(#・D・)「・・・
ほっとけ!」
446
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 02:25:06 ID:aAAuLeew0
─
それから、こっそりとディーとクロエは会い続けていた。
酒について語りあかしたり、悪魔狩りの効率的な方法を教え合っていた程度。
(・黒・)「今日は神経弾か。上物だな。
前はショットシェルなんて使えないブツだったからな・・・」
(;・D・)「悪かった。大破壊から数年経っても、物資は乏しいままなんで」
( ■∀■)「ヒョウッ!男の言い訳は見苦しいぜ!」
箱をたんまり持ってきた恭一がやってきた。
=yと(;・黒・)「どこから入ってきた!?まさか手引き・・・」
( ■∀■)「ヒョウッ!おれは神出鬼没なのさ。
レイディの住処に入られたくなかったら、魔法禁止結界でも張っとくこったな!
もっとも、ガキの着替えなんか興味ねーがな」
==( ■∀■)と
==つ
予備動作なしで撃たれた銃撃を全て余裕でかわす。
( ■∀■)「何すんだ。ヒョウ。引き裂いちゃうぞ〜?」
(;・黒・)つy= 「いきなりの訪問に警戒しない方がおかしい!」
( ■∀■)「ヤレヤレ。
・・・今日はそんな話をしに来たんじゃねえ。
クトゥルー、呼び出すんだろ?」
447
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 02:57:43 ID:aAAuLeew0
(・黒・)「魔神クトゥルー・・・?伝説のムー大陸に眠っているという?
眉唾ものだ。
トウキョウに呼び出せるとでもいうのか?」
( ■∀■)「ところが、そーでもないんだよなあ。
どこのバカか知らんが、国立博物館に置いた奴がいる。
あらかた、大破壊後に召喚して覇権を握るつもりだったんだろうがな。
取りに来ないってことは死んだってことだろ。
顔もしらねー奴の遺品は有効活用しないとな!タッポイ!」
(;・黒・)「・・・頭のねじが外れてらっしゃる?」
─
『邪教の書・・・ネクロノミコン・・・
その断片は未だに紛失せず残っている。
大事な人を蘇らせたいなら・・・
それを集めれば・・・
復活も、叶うかもしれないわね。』
─
(;-D-)「俺は、かけてみたい。
一縷の望みに・・・」
(・黒・)「どういうことだよ?」
─
(・黒・)「なるほど。大破壊前に死んだ子供を生き返らせたいと・・・。
でもそれは、エゴじゃないか?」
(・D・)「何が言いたい・・・」
448
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 03:41:29 ID:aAAuLeew0
自殺
449
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 17:49:16 ID:aAAuLeew0
(・黒・)「死んだ本人が望んでいるのか?それを。
最高位悪魔と取引をしてでも・・・。
私もクトゥルーの存在くらい知っている。
忌まわしいものの首魁を前に、発狂せずにいられるか?」
(・D・;)「できるだけ対精神コーティング装備をして望む・・・」
( ■∀■)「ヒョ!チョコレートより甘いなあ。ああいう輩は、内側から攻めてくるんだ。
よほど確立した意志か折れない精神がないと、いくらガワを着飾っても無理だぜ。」
(・D・)「それでも俺は・・・
あいつを諦めきれない・・・
死なせちまった償いを・・・
エゴでもいいからしたいんだ・・・」
(・黒・)「よほど大事な子だったんだね。
準備が万端になったら、私も協力してやってもいい。
弾の礼だ。」
m(・D・)m 「ありがとう。その時はよろしくお願いします」
( ■∀■)「んじゃ行くか。遺跡に。」
(・D・)「・・・?何言ってんだお前」
( ■∀■)と「ゲルガーの豚野郎がルルイエ本を欲しがってたんだが、俺がすり替えておいたのさ!」 スパイダーマッ!
つ
( ■∀■)「そんなに欲しいならお前にやる。俺はクトゥルー如きはいらねーんだよ。
豚は血眼になって召喚したがってるがな」
─
>国立博物館
https://www.youtube.com/watch?v=xAzjuYmGhcE
(;・D・)「・・・6年経っただけでこんなにも風化するのか」
( ■∀■)「そりゃ、管理人いねーもん。」
450
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 18:17:34 ID:aAAuLeew0
博物館には。ボロボロの書物や壺、
胸像などが置かれていた。
まるでこの空白の6年間にかじりつくされたように。
「ヴおおおおおお!」
( ■∀■)ニア「アギ」
https://pbs.twimg.com/media/GCqksOlaoAAnMch.jpg
>ゾンビは蒸発した
(;・D・)「・・・すごい威力だな」
( ■∀■)「持て余してんのさ。早く焼き豚を造りたいね。
・・・あった!」
禍々しい本を手渡す。
(;・D・)「そっちの組織に絡まれて抗争にならないだろうな?」
( ■∀■)「気にすんな。愚鈍な豚にはわかんねーよ。
最初は読んでもわかんねーと思うから、ネットでクトゥルフ語探して翻訳しながら読みな。
それとジーだっけ。あのごついおっさん。
あいつには引き続き訓練をさせておけ。
じゃあな!ヒョウ!」
>風のように消え去った
(;・D・)「神出鬼没な奴め!」
>二か月後
451
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 18:36:26 ID:aAAuLeew0
https://www.youtube.com/watch?v=aYL6qurL9pU
(・D・)「諸君、今日は集まってくれてありがとう。
今回は完全に俺の公私混同になってしまう。熾烈な戦いが予想される。
嫌な奴は辞退してくれ。」
「嫌なもんか!」
「大型悪魔を討ち取ったとなれば、おれ達の名声も上がる!
ガイア教にもデカいツラさせねえ!」
(;``)「ジーさんに受けた恩は返す!」
(・黒・)「みな、いい目をしている。
私も教官をしてみたかった。」
(・D・)「辞退者なしか。じゃあ読むぞ」
手が汗ばむ。
https://www.youtube.com/watch?v=l9sqm65zIH0
(・D・)「・・・くとぅるー るるいえ うがふなぐる ふたぐん・・・
・・・ふんぐるい むぐるうなふ・・・
いあいあ はすたあ・・・!」
https://pbs.twimg.com/media/GCqqE4Tb0AAVT67.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GCqqHpAasAAhta6.jpg
博物館からパクってきた青銅の箱から光が満ちる。
>箱から クトゥルーが出てきた
https://pbs.twimg.com/media/GCqkuYxacAAbYEy.jpg
452
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 19:13:51 ID:aAAuLeew0
>TALK
イ<●>3<●>カ 「なんだ貴様・・・ただの人間か?
面白い・・・何か用か?」
https://pbs.twimg.com/media/GCqkvXfaMAAyFzH.jpg
(;・D・)「ネクロノミコンの力で、俺の大事な人を蘇らせてほしい・・・」
イ<●>3<●>カ〜□ 「契約書に汝の名を記すがいい・・・」
(・D・)「わかった・・・」
ぬちゃりとした触手から、紙を受け取
(・G・) スッ (;・D・)
□と つ
(・D・)「何をする!せっかく召喚に成功したのに・・・」
(・G・)「ディー!これは罠だ!!考え直せ!!
本当に契約が履行されたとしても、君の望み通りに蘇生するとは考えられない!
邪神とはそういうものだ!!」
イ<●>3<●>カ 「ククク・・・ひどい言われようだな。事実だからしょうがないけど」
(#・D・)つ「お前には何か秘策があるのか!せっかくのチャンスなんだ!
何もしないなら、俺に渡せ!」
https://pbs.twimg.com/media/GCquAw_aoAAUKgk.jpg
(・G・)「お前だってこの数か月、何もしなかったろ?
夢にすがっていただけか?」
https://pbs.twimg.com/media/GCquDExaIAAJQLf.jpg
(;・黒・)「やめねえか!悪魔との会話中だろ!」
イ<●>3<●>カ 「契約するのか、しないのか?」
(・D・)つ「すまないがもう一枚くれないか?」
>ディーは契約書に名を記した
イ<●>3<●>カ 「ハハハ・・・契約成立だな。では・・・
血だ!血を捧げよ!!!!!」
453
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 19:47:57 ID:aAAuLeew0
https://www.youtube.com/watch?v=EFoZQ0pvSyE
〜イ<●>3<●>カ 〜 「ロスト・サニティ!!」
https://pbs.twimg.com/media/GCqkwP4aUAA58vt.png
「ぐあ!!!!」
「があああああ!!!!」
まともに食らったものは吹き飛ぶか、緊縛と魅了で動けなくなった。
「うわああああああ!!!
あんなものに勝てるわけないだろ!!!」
逃げ出すものもいた。
(・・・)つ 「逃がすか!!!」
(;・D・)「交渉決裂の上に伏兵か・・・くそ!」
(・G・)「ウダウダ言っても仕方ない!!突破するしかない!」
( ■∀■)「はいよ」
(・黒・)つy= 「ダメだ!硬すぎて銃は・・・」
(;・D・)つ-l==) 「ウオオおおおおおお!!!!」
つ-l----
(・黒・)「ディー!?」
(;・D・)つ-l==) 「俺の責任だ!!命で突破口を切り開く!!」
つ-l----
ズバッ
イ<X>3<●>カ 「蛮勇だけはほめてやろう」
(・D・)「ぬかせマヌケ!右目は潰してやったぜ!」
454
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 20:03:21 ID:aAAuLeew0
イ<X>3<●>カ 「罠にかかったのも気付かずにな。ロスト・サニ・・・」
〜 (;・D・) 〜
(;・黒・)「あの距離で打ち込まれたら、確実に・・・!」
つ(;・G・)「どけえええええええ!!!!」
と
無慈悲にもおぞましき一撃は放たれた。
(-持・)「ぐ・・・」
ディー・・・だった悪魔の体が過負荷のダメージでデジタルの粒子に消えてゆく。
イ<X>3<●>カ 「馬鹿め!人間を庇って自己満足か持国天!
貴様の力なら、工夫しだいで私にも勝てたというのに!」
(・D・)「ジー・・・お前・・・」
(-物...:.;::.. 「・・・すまない。私は本当は鬼神ジコクテン。騙していて悪かった。
でも、自衛隊で国防をやっていたのは本当なんだぜ・・・」
(;・D・)「喋るな!!今・・・」
(-..:.;::.. 「この国を・・・こどもたちを・・・頼・・・」
>ジコクテンはロストした
(;D;)「てめえ!ぶっ殺す!!!!」
( ■∀■)==イ<X>3<〇>=>
「おせえよオセ。なんつって。」
異形の手が、大いなる邪神を串刺しにしていた。
( ■∀■)つ〇 「戦利品パールかよ。しょっべえな。
女!そっちの逃げたのを追え!!」
455
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 20:14:28 ID:aAAuLeew0
=yと(・黒・;)「ダメだ!私のアサルトライフルでは届かない!
ディー!射程距離のあるものを・・・」
( D )
( ■∀■)「・・・失神失禁してんぜこいつ。
あーあ、逃げられちまう。」
(;・・・)ニア 「貴様たちの事、覚えておいてやろう!」
>ニャルラトホテプは逃げ出した
─
「ディー、起きて!」
https://pbs.twimg.com/media/GCqqI_kasAAMIlo.jpg
(-D-)「ここは・・・」
(・黒・)「私のアジトだ。まったく、何が準備万端だ・・・」
顔を洗いに行く。
(;``)「あの・・・ディーさん・・・」
(・D・)と 「生きていたのか」
(;``)「皆、死にました。体を吹っ飛ばされたり、引き裂かれて・・・」
( ;;)「僕、何もできず・・・怖くて」
https://pbs.twimg.com/media/GCqw6zTaAAAdJad.jpg
(-D-)「自分を責めなくていい。悪いのは・・・俺だ。
悪いが少し1人にさせてくれ。」
https://pbs.twimg.com/media/GCqw9QjbgAA9Riy.jpg
456
:
◆MxHvQqijkA
:2023/12/31(日) 20:25:00 ID:aAAuLeew0
ロッカーが並ぶアジト。
ディーは欠落した記憶を探り当てる。
https://www.youtube.com/watch?v=8ERb61yDyf4
つ(・D・)と 「ジーがいない・・・どこに行った・・・?
いつも一緒だったじゃないか。」
『■$ル▼練ヴォォォ・・・・・・■■・・・・・・』
https://pbs.twimg.com/media/GCqqQ2lbkAAv3ar.jpg
(・D・)「ひっ!?どこから声がする!?」
見てはいけない見てはいけない見て
はいけない見てはいけない見てはい
https://pbs.twimg.com/media/GCqqRiNaoAAqW0P.jpg
しかし。
https://pbs.twimg.com/media/GCqqQE8asAE78JD.jpg
(;・D・)つy= 「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
ニャルラトホテプ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
殺すぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
2025 クトゥルフのよびごえ 終
457
:
名無しさん
:2024/01/03(水) 18:05:14 ID:GLCmZ1Tw0
おまえが石川震災で殺されれば良かったのに
458
:
名無しさん
:2024/01/03(水) 18:07:29 ID:GLCmZ1Tw0
コロナネタにしたりしてさ、
お前が死ねば何人かは反動で助かったんじゃないの?
なんで生きてんの??
459
:
名無しさん
:2024/01/04(木) 00:25:48 ID:/bDSnVLo0
>>457-458
人死にを出しにして人に死ね死ね連呼するの最高に救いようのないゲボ野郎って感じだね!
460
:
◆MxHvQqijkA
:2024/01/12(金) 20:28:01 ID:iZ0OS9GQ0
2026年。
(・q・)「あうー」
地下アジトには妙な生物がいた。
ディーが復活に焦がれたあの男児そっくりである。
だが圧倒的に色々と足りていなかった。
一番は、インスマスのような顔。
あの邪神の契約履行の、多数の命と一人の男の精神力を対価とした
贈り物であることは明白だった。
( ゚D゚)つ「よしよし腹が減ったか。よくカンデオン食うんだぞ・・・」
(・q・)「あうー」
それは時々給餌するディーの手を噛んだ。
だが他の者にはもっとひどいことをした。
だから世話を見られるのは、精神の壊れたその男しかいなかった。
(;``)「お、置いておきますディーさん・・・」
甲斐甲斐しい男が、食料を持ってきて去っていく。
あれからディーはダメだった。
悪霊相手に銃をかまえ、ヒト型相手には剣やチェーンソーを振るう。
( ゚D゚)つy= 「死ね!!ニャルルルルルルル!!!!!!!!!!」
飛行系の悪魔にだけはちゃんと銃を当てられた。
461
:
◆MxHvQqijkA
:2024/01/12(金) 20:28:27 ID:iZ0OS9GQ0
>2027年
(;・黒・)「もうダメじゃなかろうか。アイツは狩りには同行させられないよ。
確かにしょけいライダーとかウザったいけど、無駄に殺していたら
ガイア教団に喧嘩売っているようなもんだ。」
(;``)「やっぱり僕が食料調達に行きますよ。
アカサカから駐屯地後まで行くのは大変ですけど・・・」
(;・黒・)「しかしあんただけに任せておくには荷がね・・・」
( │ )「ククク・・・私がお供しましょうか?」
https://img.atwiki.jp/shinmegamitensei1/attach/107/319/0252.png
>魔王メフィストが 一体出た!
(;``)つy= 「誰だ貴様!」
( │ )ニア 「チッチッチ。ファウストの戯曲を知らんのですか?
地獄の大公、メフィストフェレスですよ。」
(;``)「そのメフィストフェレスが何の用だ。
ここには精神の壊れた男と、女性、そして俺しかいないぞ!」
( │ )「kyouichiの遣いで来たのですよ。
何か私にできる事がありませんか?
ククッ」
(・黒・)「その悪魔、なんだって?」
(;``)「キョウイチさんの遣いで来た、メフィストフェレスと言っています」
(;・黒・)「まずい!絶対に頼み事なんてするなよ!!
逸話によれば対価は魂だ!」
( │ )ニア 「チッチッチ。気のお早いレディだ。
対価ならkyouichiからたんまり前払いで頂いておりますから。」
(;``)「じ・・・じゃあ、食料調達の手伝いをしてくれ!」
462
:
◆MxHvQqijkA
:2024/01/12(金) 20:29:01 ID:iZ0OS9GQ0
>2029年
シンジュクはオザワと名乗る男に占拠された。
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1575905028/359
( ■∀■)ノ 「よっ」
(・黒・)「キョウイチさんか・・・悪魔を貸してくれて助かるよ。
でもシンジュクが・・・」
( ■∀■)「ああ。チンピラが乗っ取っちまったってな。
せっかく古き良きヤクザが管理してくれてたのに・・・
メフィの言う通り、お前らが乗っ取った方がマシだったんじゃねえか?
おーいディーちゃん。生きてるかー!?
ああ、なんとかなぁ!」
( ゚D゚)「・・・?」
(・q・)「あう?」
( ■∀■)「ああダメじゃこりゃ。4年経っても廃人か・・・」
(・黒・)「あんたのツテでなんとかならないのかい?
頼んでばっかりで申し訳ないが。」
( ■∀■)「だーかーら、言ってるだろ。
肉体の損傷は回復道場かサイバネで補強できってけど
クソミサイルで専門医が極端に減っちまった今じゃきついのよ。
無理に治しても、完全にぶっ壊れちまうだけだ。」
(#``)つy= 「元凶が何を!」 バン
==(■∀■)「ヒョ!あぶねえあぶねえ。
自業自得を人のせいにするのはよくないぜ。
確かにあの書をくれてやったのは俺だがな。
リスク承知で召喚したのは、あいつだぜ?」
463
:
◆MxHvQqijkA
:2024/01/12(金) 20:29:27 ID:iZ0OS9GQ0
ロックアームをかけられ、男は動きが封じられた。
( ■∀■)「だいたい、リスクを最小限に抑えてたはずのあいつがなんであんなデカい博打に出た?
まずはそこから論点だろ」
(・黒・)「確かに・・・俺と出会ったばかりの頃はぶっきらぼうだが部下想いで
あんなものを得るために人を犠牲にできるような奴じゃなかった。
何があったんだ・・・?
そんな事、この数年で考えもしなかった」
( ■∀■)「おっと、この坊ちゃんが考えてるのとは別で俺はそそのかしてなんかいないぜ。
鬼畜ダークサマナー野郎のキョウイチさまでも、ズッ友を負け戦に行かせるわけねえだろ。
止めはしたぜ。」
(・黒・)「わかってる。アンタが忠告してたのは俺も聞いてる。
だから恨んじゃいない・・・」
「うわああああ!シー!!!!!」
( ・q・ )「う、ああ
うあ・・・」
( ゚D゚)つ「どうした!?どこか痛いのか!?」
( ・ q ・ ) ドロッ
>インスマスの子は溶けて崩れ落ちた
( ;D;)「ま・・・待て・・・バカが!また俺を・・・
俺だけを・・・
生き残らせるつもりかぁーっ!!」
https://pbs.twimg.com/media/GDo2elDacAAZSWp.png
464
:
名無しさん
:2024/01/14(日) 05:40:52 ID:lcK3AiT20
乙だ!
465
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:40:01 ID:4hJpeltU0
∩( ■∀■) ∩ 「わぁ!金色のインコだ!ありがとうじーちゃん!」
https://stat.ameba.jp/user_images/20161023/07/bearlove18/fe/c5/j/o0480064013779636305.jpg
(´ m `)「ほほほ。金でも黄色でもなく、『ルチノー』じゃよ。
こっちは青の子。オーストラリアから裏ルートで取り寄せた。
大事に育てるんぢゃぞ。恭一。」
(*■∀■)「うん!ありがとう、じーちゃん!」
恭一は生まれた時から一人だった。
生まれた瞬間には母がいたのかもしれない。
だが、物心ついた時には誰もいなかった。
売られたのだ。
だが大陸の裕福な老人が引き取り先なだけあって、暮らしには苦労しなかった。
( ■∀■)「ねぇじいちゃんは、なんでおれの事を拾ってくれたの?」
(´ m `)「・・・うーむ。お前さんがかわいいからじゃよ。
親を恨んではいかん。お金がないのに子を産んでしまう人もいるのじゃ。」
( ■∀■)「そっか・・・おれは爺ちゃんとこいつらがいればいいよ!」
(´ m `)「そうかそうか。」
(;■∀■)「わー!じいちゃん大変だ!!」
(´ m `)「どうした?」
茶をすする老人の元に少年恭一が走り寄ってきた。
(;■∀■)「ノリがピー助にいじめられてんだ!
乗っかられて悲鳴あげてるよ!」
トコトコ
(´ m `)「・・・これは、交尾じゃよ。
何も心配はいらん。」
( ■∀■)「えっいじめじゃないの!?」
466
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:40:26 ID:4hJpeltU0
(;■∀■)「おっ、じいちゃん!ノリがあっためてた卵が割れた!
このピンクのなに!?」
(´ m `)「ほほほ。雛じゃ。人間の赤ちゃんみたいなもんじゃよ。
恭一も、こうやってお母さんから生まれてきたんじゃ。」
( ■∀■)「えっ人間って卵から生まれんの!?」
(;´ m `)「・・・
まあ、似たようなもんじゃな。
いずれ恭一もお嫁さんができればわかるよ。」
( ■∀■)「そっか!ノリはお母さんになったのか!
ヒナたちも元気で育てよー!!」
─三年後
( ■∀■)「うわあああああー!ジャンユー爺ちゃん!!」
(´ m `)「どうした?」
( ■∀■)「ノリが・・・ノリが目閉じたままカゴの床で寝てて動かないんだ!!
昨日までなんにもなかったのに!!」
(´ m `)「・・・寿命じゃな。背黄青鸚哥にしては短いが・・・
たくさん卵を産んで疲れたんじゃろう…。
恭一のせいではないよ。」
( ■∀■)「でも・・・でも・・・健康診断だって定期的に・・・」
(´ m `)「・・・恭一は学校じゃろ。もう心臓は止まっておる。
お前さんは仲良く遊んでやってご飯のお世話もやっていた。
とりあえず今日は、腐らないように冷凍庫に入れておいてやろう。
明日は学校が休みじゃろ。一緒に庭に埋めような。」
( ■∀■)「わかったよ・・・爺ちゃん。
子供たち!元気で育つんだぞ!!」 グスッ
467
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:40:56 ID:4hJpeltU0
─翌日朝
(;■∀■)「あ・・・あ・・・
ジャンユー爺ちゃん!!!!!どこにいるんだ!!!
みんな、みんな死んでる!!」
(^0_0^)「ここまで待ってた甲斐があったな!ヒャハは!?
まだ死んでねえ!でもお星さまになるんだよもうすぐ!」
https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-832/rssitem-7227322/349e890b462f0b62e0b32dc557abce1217dd61e3.jpg
ヽ(●Д●ノ「恭一さま。あなたにも死んでいただきたいのです。」
(;■∀■)「セバスちゃん!?どういうことだ!?
お前うちの執事だろ!?
こいつは誰だ!」
ヽ(●Д●ノ「こいつは坂野。インコ殺しのプロフェッショナルですよ。
実は私はジャンユーの老いぼれに反目する組織からのスパイでね。
あなたの精神は強すぎた。付け入る隙もない。
だから、あなたがペットと仲良くなっているという弱点に目をつけた。
今の貴様は精神的多大ショックを受けているはずだ。
殺すのは容易。」
( ■∀■)「おれはただの捨て子だ!
こいつらはペットじゃない・・・家族だ!
なんでこいつらを巻き込む必要がある!!」
ヽ(●Д●つy= 「貴様が、運悪く『葛葉』の血だからだ。」 ジャキッ
(#■∀■)「そんなの関係ねえ!クズはお前らだ!
返せよ…ノリたちの子供たちとピー子を返せよォ!!
卵から一生懸命、ろくに寝ずにあっためて食べ物あげて育てたんだぞ!!」
ヽ(●Д●つy= 「言ってくれるじゃないか。銃を突きつけられて物怖じくらい、しろよ。
だいたいクズなことやってんんのは、ジャンユーだって同じじゃないか。l
はは、まさか知らないとでも?
無知は罪だな。死ね。
鳥ごとき、人間さまに比べればゴミのような」
468
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:41:19 ID:4hJpeltU0
ブチッ
==( ;∀;)「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
ヽ(;●/ /Д●ノつy= 「なに?銃弾よりも。はや
うべ」
二人の男は、恭一が発現した天魔によって微塵にされた。
(;■∀■)「はぁ・・・はーはー・・・
まだ息はある・・・なんとか助けてやれないか・・・!」
>屋敷裏庭
(-┏┓-) 「悪魔が集いし・・・
おや、坊ちゃま。
ここには立ち入らないようにと、ジャンユーから言われていなかったかね?」
(;■∀■)「頼む!!おれの家族のインコたちが死にそう・・・なんだ!
なんとかならねえのか!?」
(-┏┓-) 「・・・残念だが、ここは悪魔を合体する場所。
通常の生物ではなんとも」
( ■∀■)「なんとかならねえのか!?
悪魔・・・ってのは聞いた事はある。」
タッタッタ
(-v-)
(;-┏┓-) 「鳥の死体・・・これをどうしろと?」
( ■∀■)「おれには葛葉っていう血が流れてるって聞いた。
おれの血を媒体にして・・・こいつらみんな悪魔合体してくれ!」
469
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:41:43 ID:4hJpeltU0
(-┏┓-) 「・・・確かに輸血装置もジャンユー氏の意向によりある。
それみよって合体シリンダーの中にそなたの血を素材として注ぐことはできる。
だが・・・ヘタをすれば死ぬのだぞ?」
(#■∀■)「関係あるかッ!!
命を張って家族を助けられねえんなら、死んだ方がマシだァ!!」
(-┏┓-) 「では腕を出せ・・・悪魔合体ができるまで、極限まで搾り取るぞ!」
─
https://www.youtube.com/watch?v=e9Lclohgdcc
(;■∀■)「がああああああああああああああああ!!!!!!」
(-┏┓-) 「もうそろそろやめておけ・・・」
(#■∀■)「まだだあああああああ!!!!」
顔はとうに青ざめているが、我慢と提案の憤りによって赤く染まってもいる。
ヴワアアアアア
(-┏┓-) 「なに!?本当に・・・!?」
魔法陣から厳かな霊鳥が現れた。
羽(・v・)羽 「わたしは れいちょう ガルーダ
こんごとも よろしく・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GIEsDgWbsAAe2qE.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GIEr_IVagAAQF4b.jpg
470
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:42:07 ID:4hJpeltU0
─
く( ■∀■)「・・・」
廃墟の一角。
ボロボロのベッドから目が覚めた。
( ■∀■)「ジャンユー爺・・・
愛していたよ、おれも・・・」 ボソッ
誰もいない場所で一人ごちる。
いや、いた。
(・D・)「・・・」
( ■∀■)「生気のねえツラだな!
どっかいい酒の出る店でも行くか?ん?」
(・D・)「・・・酒は今はいい。吐きかねない。」
( ■∀■)「・・・そうか。
あんま気に病むな。
クトゥルフの邪神どもの手ってのはああいうもんだ。
おまえの記憶が戻っただけでも・・・」
(#゚D゚)「うるせえ!お前の口車に乗って・・・乗ったのは俺の意志だが・・・
あいつを二度も苦しめて殺した。
そんな俺に、生きる価値なんてねぇんだよ・・・」
( ■∀■)「・・・
きやがったな!!」
『マッスルパンチ!!』
巨大なコブシの跡が、キョウイチの真横にボコッと現れた。
471
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:42:28 ID:4hJpeltU0
( ■∀■)「ヒョウ!ツメがあめえよ。」
( )「・・・」
何者かは、つかつかと余裕の態度で歩みを進めてくる。
(・D・)つy= 「倒すのか?」
( ■∀■)「いや・・・」
==( ■∀■)と「逃げるんだよォーッ!!]
==つ
https://i.ytimg.com/vi/cSSKYYKCtAw/maxresdefault.jpg
(・D・)つy= 「なんだと!?きさま」 バン
==( )
>何者かに銃撃は効果がなかった
と( ■∀■)「仕方ねぇなぁ…見せてやる…ムドオン!」
死死死死死死
死 ( ) 死
死死死死死死
何者かが無数の梵字に囲まれた。
だが、全く聞いている素振りはない。
なおも距離を詰めてくる。
( ■∀■)つ〇 「えんまくだんッ!」
ボンッ
「チ・・・逃したか・・・やはりニンゲンが素体では本領を発揮し切れん。
だが必ず神・魔・人はオレが殲滅してやる・・・」
https://pbs.twimg.com/media/CSN36N2UkAAabd7.jpg
472
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:42:50 ID:4hJpeltU0
廃墟が、ぐしゃりと潰れた。
(;・D・)「なんだ、ありゃあ・・・」
( ■∀■)「巻き込んですまねえな…おれを狙いに来た暗殺者だ。」
(・D・)「お前を?どういうことだよ?」
( ■∀■)「おれがいる会社・・・会社って言えばいいのか?
まぁそこでやらかして追われてるってわけよ。
・・・まぁ巻き込んじまった以上は話しておくか。
あれ自体はダークサマナーの人間だが、肉体に魔神ダグザの加護を得てる。
神や悪魔を滅する・・・要は殺すのに特化した悪魔だ。
・・・だからおれお得意の悪魔パワーも打ち消されちまう。」
(;-D・)「面倒なことに巻き込んでくれたな…」
( ■∀■)「そういうな。お前が廃人になった時にたんまりメシを持ってきてやったのはおれだぜ。
おれたち二人ならぶっ殺せる!!」
(・D・)「どう倒せっていうんだ。仲魔の攻撃も効かず、銃だって効かなかった。
終わりのないおにごっこでもやれっていうのか?」
( ■∀■)「まー銃の威力が足りなかっただけだろ。いいもの見繕おうぜ。
とりあえずあのふざけたヤローをぶち殺すまで、女のとこには行かない方がいいな。」
(・D・)「・・・元からもう戻る気はない。
おれの私欲でひどい迷惑をかけてしまった・・・
どういう顔で会えばいいんだ」
( ■∀■)「ままええわ。とりあえずシンジュクで酒だ。
一応悪魔禁止区域になってっからあいつも入ってこれねえはずだ。
ヒョウッ!」
2030 Vengeance ケルトとギリシャとヘブライと
473
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:43:17 ID:4hJpeltU0
三日後
□( ■∀■)「もしもし、お前らか。
・・・そうか。」
(・D・)「どうしたんだ」
( ■∀■)「メシア教のゴッドサマナーどもに、四聖獣が軒並み殺られたらしい。
念入りに神格を貶めてからな。
しばらくは復活も召喚もできないだろう。
・・・あ。四聖獣知ってるか?」
https://pbs.twimg.com/media/D7o0O1CUwAA8CRX.jpg
https://pbs.twimg.com/media/D7o0L27UcAANNpQ.jpg
https://pbs.twimg.com/media/D7o0NK5U8AAA86I.jpg
(・D・)「流石に知ってる。馬鹿にするな。
中国の四神だろ。
青龍、白虎、朱雀、玄武だろ?」
( ■∀■)「ぱちぱちぱち。ごめいとーう!」
つと
(・D・)「なんかムカつくな」
( ■∀■)「どういう意味かわかるか?」
(・D・)「・・・悪魔だから?」
( ■∀■)「そう!唯一神とその人形たる天使様以外は全部邪悪な悪魔だ!
異教の神なんて許されない!
そうゆーこと。奴らにはな。」
(・D・)「・・・俺には分からない。神にも人間に友好的なものとそうでないものがいる。
なんで、他教の神だからって差別されなきゃいけないんだ?」
474
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:43:41 ID:4hJpeltU0
( ■∀■)「そりゃまあ、こんなに悪魔あふれる世の中だ。
なんでこんなに祈りを捧げてるのに唯一神様やメシア様は現れて助けてくださらないのか!?
って疑問を教徒どもから払拭するためのスケープゴートに使われてんのさ。
やつらが崇めてる唯一神様だって、神殿っていうアパートでバアルと同居してたいやらしい神だったのにな!
ヒョウッ!!
ガキ捨て神YHVHさま、サイコー!!」
(・D・)「なんのことだ・・・話が飛躍しすぎてわからんぞ。」
( ■∀■)「唯一神に反目する最強のカオス悪魔、ルシファー。
やつは元々はハゲの右腕たる最強の大天使だったそうだ。
だがハゲが自分達を差し置いて人間を贔屓したから叛逆した、自分がハゲになり替わろうと愚かにも無謀な戦いを挑んだ。
諸説あるが、おれはこう考えるぜ。
ハゲによって神格を食われて悪魔に堕とされていく神々や
ハゲの都合のいい奴隷に過ぎない人間の為に戦った、ってな。」
https://pbs.twimg.com/media/GIHL1yAbEAACrhg.png
https://pbs.twimg.com/media/GIHL2-MaUAA-i0V.png
(・D・)「考えすぎじゃないか…?ルシファーだって悪魔なんだろう。」
( ■∀■)「ルシファーがアレというより、ヤハゲがトチ狂ってるって考えもアリだな。
アダムとリリスが性的な問題で夫婦喧嘩しただけで悪魔扱いで追放、
アダムとイブが知恵の実食っただけで追放。
効率的に考えれば、人間の始祖が『知恵』を得たなら、神に従順な敬虔な人間になるよう指導すべきだろ?
短絡的でバカなんだよ。
もしもこの僕が神様ならば!全てを決めてもいいなら!
7日間で世界を作るような真似はきっと僕はしないだろう。
きっともっとちゃんと時間をかけて また きちっとした計画を立てて♪」
https://pbs.twimg.com/media/GG5ROCba4AAuy-B.jpg
(・D・)「・・・
お前の話は長いんだよ・・・」
( ■∀■)「お前が喋らなさすぎ!」
475
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:44:06 ID:4hJpeltU0
オザワが治めるシンジュク地下街。
二人は酒を煽りながら核心を突いたようなバカ話を繰り広げていた。
( ■∀■)「そろそろ出るか?」
(・D・)「まだ飲み足りねえ・・・」
テンテロテロリン♪
□( ■∀■)「ん・・・なぁにぃ?
わかった。おれは視察に行く。
お前らは下がってろ。」
(・D・)「なにがあった?」
( ■∀■)「タカオ山あんだろ?ハチオウジの山。
あそこに神殿が立ってるんだとよ。
前触れもなくだ。」
(・D・)「タカオ山・・・大破壊以前は観光地としても大人気だった。
神殿とは、悪魔の仕業か?」
( ■∀■)「まぁそうだろうな。
誰にも勘付かれることなく神殿建てるなんざ、人間業じゃねえ。
お前はここで宿を取れや。
オザワのアニキのオフィス内なら部屋あるだろ。」
(・D・)「しかし…神殺しダグザ付きの暗殺者に目をつけられた・・・
クロエたちが心配なんだが・・・」
( ■∀■)「ヒョウ!酔いすぎて記憶ブッ飛んだか?
メフィストがいる限り手出しはさせねえし、
お前がしばらくあっちに行かなきゃ済む話だろが。」
(・D・)「・・・お前も気をつけろよ」
( ■∀■)「いらねー御忠告ありがとさん。善意として受け取っておくぜ。
マスター、ボトルキープ込みで10万マッカだ!」
476
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:44:29 ID:4hJpeltU0
>タカオリンポス神殿
Σ^│ ´Σ 「ククク、何か悪魔を纏ったもんが近づいてきやがる。
ゴミだと思っていたが、オルトロスやらギリシャのバケモンを次々となぎ倒して向かってきやがる。
どうやらオレに用がありそうだ。
せっかくの客人だ。オレが直々にもてなしてやらねとなァ!」
https://pbs.twimg.com/media/GIHeJj9a4AAjq7w.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GIHecEFaQAAU-WU.jpg
>井上ワープ
( ■∀■)「よぉ」
神殿の柱に腰掛けるものがいた。
とΣ^│ ´Σ 「誰だ、お前は」
平然と柱に雷を打ち込む。
( ■∀■)「ヒョウ!ごあいさつだね。
手土産はもっと多い方がよかったかな?」
ごろごろと、束ねていたものを投げ捨てる。
汚らわしいもののように、黒白の悪魔はイカヅチで焼き捨てた。
https://pbs.twimg.com/media/GIJAntcboAAsB5B.png
Σ^│ ´Σ「もっと面白いもんはねェのかよ。興覚めだぞ?オイ。
オレを誰だと思っていやがる。
全知全能の主神─」
( ■∀■)「ははーゼウス様、お目にかかれて光栄でございます!
じゃ、サシで殺りましょうや。」
Σ^│ ´Σ 「いい根性だな、オイ!
いいだろう・・・」
477
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:44:50 ID:4hJpeltU0
Σ^│ ´Σ「来いよ!アレス、姉上、アテナ!」
https://pbs.twimg.com/media/GIHevgIbUAAaUPB.jpg
( ■∀■)「む、眷属召喚か。
戦の主神にしちゃ、せこい奇襲だな、おい。」
Σ^│ ´Σ「何言ってやがる。体中に何体も悪魔飼ってる野郎がよ。
これでもハンデつけてやってるつもりなんだぜ?オイ。
産むのか?んん?
はっきり言ってオレがアテナを産んだ時はすげー痛かったんだぞ。
頭の中で暴れまわっていてえからカチ割ってよぉ・・・」
ア・д・)つ╋━━ ==(■∀■ ) スッ
「戦いの最中に会話など無粋!!」 「おめえの親父に言えや」
https://pbs.twimg.com/media/GIJLyRcbEAALajV.png
肘鉄で破壊神アレスをいなす。
ア-д・)と 「グ!!!百戦錬磨の我がァ!」
https://pbs.twimg.com/media/GIJL0CebEAAcg6X.png
(-│-)つ→ 「下がっていろ、愚弟よ」
鋼鉄の女性型仮面を被った処女戦神が弓矢をつがえて連射する。
https://pbs.twimg.com/media/GIJL1OLboAEyTJr.jpg
== と(■∀■)つ == 「カバディ!カバディ!」
(-│-)「ぐふ」
https://pbs.twimg.com/media/GIJL25yakAA3z2O.png
Σ^│ ´Σ「ヒットアンドアウェイが上手いじゃねえか。
オレを直に殺しにくるなんざ、ティホン以来だな、オイ!」
( ■∀■)つ 「ヒョ!フィニッシュだ!」
ゼウスの胸が貫かれた。
478
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:45:46 ID:4hJpeltU0
はずだった。
( ■∀■)つ 「なぁにぃ!?なんだぁこのブヨブヨはぁ!?」
Σ^│ ´Σ「失礼だな、オイ!オレはマッチョマックスだぜ!」
謎の感触に阻まれ、魔神ゼウスを貫いて葬ることはかなわなかった。
デ゚▽゚ メつ 「ハーベストォ!」
https://pbs.twimg.com/media/GIJNjYkacAARFN4.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GIJNkeLbgAAu9Mk.jpg
パラスアテナとアレスにも、既に同様のバリアが張られたようだ。
https://pbs.twimg.com/media/GIJNlS-aoAAUkdY.jpg
Σ^│ ´Σ「いや悪いな!オレはいらないんだが姉上が勝手に張っちまってな!
この防壁がある限りは攻撃は届かないんだ!オイ!」
( ■∀■)「・・・攻撃自動反応型か。
厄介だな、おい!!」
==( ■∀■)と
==つ
>山のふもと
>回り込まれた!
Σ^│ ´Σ「判断の速さは買うけどよ。
デカい口叩いて乗り込んできて撤退かよ、つまらねえな、オイ。
とりあえずオレの知恵の代替として使えそうだから
見逃してもいいが・・・いや、どっちにしても同じだな。
ここで殺すか。んでハデスに死体戦士にでもしてもらおうか。」
https://pbs.twimg.com/media/GIJPedkbQAAcsSJ.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GIJPfpha0AAhlyG.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GIJPhQEb0AAzrk2.jpg
479
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:46:23 ID:4hJpeltU0
とΣ^│ ´Σ「ヒトなど腐るほどいる。一人くらい殺したところで・・・
がァッ!?」
https://pbs.twimg.com/media/GIJQ02ebAAAKi_q.jpg
>ゼウスの背後を何かが急襲した
(`・Ⅲ・´)「ギリシャ勢か・・・手間が省けていい。殺す」
https://gorillawiki.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/bravefrontier/upload/origin/2019/07/20190716194333878.png
ア・д・)「貴様、なにやつ!」
Σ^│ ´Σ「ああ?なんか聞いた事あるな・・・
神と悪魔を見境なく殺しまくってるキチガイがいるってな。
ケルトのダグザか。」
(-│-)「父上お下がりください。異様な殺気を感じます。」
(`・Ⅲ・´)「主神ゼウス・・・オレは貴様を殺す。
当然だ。 真実は覆い隠され誤びゅうだらけ・・・
もはやこの宇宙に価値などない。
天地、宇宙も破壊できる雷霆ケラウノスを持つゼウス・・・貴様の宇宙も然りだ。」
https://pbs.twimg.com/media/GIJR4FtboAEFVba.png
Σ^│ ´Σ「へえ、一介のおかゆ神ごときがオレとやるっていうんだ?
いい度胸だな、オイ!
ケラウノスに焦がされて泣いて逃げるんじゃねえぞ?」
(`・Ⅲ・´)「そこの男を追って来たが、手間が省けた。
神も悪魔も関係ない。仏も祖も餓鬼も老害も。
この世のすべてを殺し、しがらみを断ち切る・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GIJR43ZbwAAEZbv.png
ア・д・)ニア 「父上!あの男が逃げていく!」
Σ^│ ´Σ「・・・チッ!ほっとけ!山の外じゃ『今の』ケラウノスも届かねェ。
それよかこの大口叩きの方が楽しそうだ。
お前らは全力でかかれ!姉上はひたすら防壁を頼むぜ!」
デ゚▽゚ メ「ハーベストですの!!」
480
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/08(金) 21:46:54 ID:4hJpeltU0
==( ■∀■)つ羽(・θ・)羽
「いや助かったぜガルちゃん。インド最高のお前の速さならあいつらも追いつけめえ。」
「恐縮です。しかし奴らはどうするので?」
「あー、今回は偵察ってことでいい。クソゲルガーに問いてえこともできたしな。」
─
( ■∀■)「この辺でいいだろ。お疲れガルちゃん。」
(・θ・)「キョウイチ様、どうかご自愛を。」
( ■∀■)「ありがとな」
ザッザッ
( ■∀■)「おかしいね・・・バリケードもあるのに荒らされた形跡がねェぞ。
ヒョッ!罠ダンジョンかぁ!?」
(` `)「!」
https://pbs.twimg.com/media/GIJgwbybwAAuvLM.png
==( ■∀■)「あっガキ!待てぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
ガラッ
( ■∀■)「ここかぁ…もう逃がさね…」
月-ー゚)「ん…」
女がソファで眠っていた。
月;゚д゚)「!!!」
https://pbs.twimg.com/media/GIJgxJsbYAASYtj.png
https://pbs.twimg.com/media/GIJgx-ybcAAK1jv.jpg
(;■∀■)「ま、待て!!荒らしじゃねえ!悪魔じゃねえ!
とりあえずメシでもどうだ!?」
481
:
名無しさん
:2024/03/09(土) 01:30:45 ID:l/QuEMjM0
乙だ!
482
:
名無しさん
:2024/03/09(土) 04:15:08 ID:exc.g1PY0
おつ
483
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 09:11:10 ID:78qdNjWA0
>某日
https://www.youtube.com/watch?v=Jwi0F52nqdg
あの日、堕ちた巨大な雷を人々は忘れはしないだろう。
いい大人はともかく、多感な赤子ですら本能的な恐怖に泣きおののいた。
落ちた雷光は、消えることなく留まり
やがて人の形を成していく。
https://pbs.twimg.com/media/GJZMGrIaoAAVf6l.jpg
〇「これじゃ手足もなくて窮屈で仕方ない。顕現!」
https://megaten-akuma.com/wp-content/uploads/%E3%82%BC%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%80%80%E6%97%A7Ver.jpg
Σ^│ ´Σつ
https://pbs.twimg.com/media/EE4JNpFU4AEJGif.jpg
最高神が手をかざすと、三体の悪魔が現れた。
デ゚▽゚ メ 「お久しぶりですわ、ゼウ」
ア・д・)「何用だ、わが父よ!」
デ゚▽゚ メ「ちょっと、神が喋ってる時に被らせないでくださいます!?」
ア・д・)「うるせーロリババア!!」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMNrBbEAAZ-gu.jpg
(-│-)「控えろアレス。我らが主神と妃に無礼が過ぎる。」
ア・д・)「黙れパラスアテナ!汝こそ、嫡男たる戦神の我に対して無礼だろう。
姉だからといって調子に乗るな!」
(-│-)「無礼者には無礼で返すのみ。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMOhtaEAApRDF.jpg
デ゚▽゚ メ 「お二人ともその辺になさい。見苦しいですわ。
・・・ロリババアって、若くて美しいってことでいいのですわよね?」
ア;・д・)「・・・チッ!」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMPyDaQAAus0H.jpg
デ゚▽゚ メ 「それでゼウス、私たちを呼び出したのは?」
Σ^│ ´Σ 「またトロイア戦争を起こす。
その為に姉上達の力が欲しい。」
https://pbs.twimg.com/media/GIHezcUbAAAKdnX.jpg
484
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 09:35:23 ID:78qdNjWA0
(-│-)「・・・意図は?」
デ゚▽゚ メ 「本気ですの?」
Σ^│ ´Σ 「俺らの領土ギリシャもそうだが、バカの雷神トールがミサイルなんぞ打ち込んで10年くらいか。
人間どもはプロメテウスが命をかけて託した火の技術やもろもろ使って、悪意ある戦いを繰り広げてやがる。
だったらその悪意を断つために、人類そのものを減らせばいい。」
デ゚▽゚ メ 「そのために、また大戦を起こすんですの!?」
Σ^│ ´Σ 「その通りだ。再び人類を二分し・・・っと。
今のニンゲンはロウとカオスって思想に分かれてプチ戦争してんだったな。
ちょうどいい。どっちかの派閥が滅ぶまで焚きつけて戦わせるわ。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMUUSbwAAqYEa.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJZMVG8aEAAQevD.jpg
デ゚▽゚ メ 「わたくし戦いは大の苦手ですのよ!
それに戦争なんてハーベストじゃ全然ありません!わっ!」
ア*・д・)「我は賛成だな。戦争は大の得意だ!」
Σ^│ ´Σ 「落ち着け姉上、オレの目的は人類を減らすことで、滅ぼすことじゃねえ。
アテナ、お前の意見を聞いてないが?」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMWDpa8AALXIT.jpg
(-│-)「このトウキョウという地、あまりにも業が深いようです。
都市の守護女神として捨ておくわけにも参りません。」
Σ^│ ´Σ 「ハッハッハ!!流石はオレの娘にしてオリンポス12神よ!
オリオン座を見てめそめそ泣いてるアルテミスたあ、大違いだ!!
じゃあちょっくら、オレの力を蓄えるための下準備を頼むぜ。」
(-│-)「と、申しますと?」
Σ^│ ´Σ 「オリンポスだ。どっかの山を神殿にする。
テキトーに見繕って、ヘパイストスにでも建てさせとけ。
アクロポリスの黄金比で頼むぜ!わっはっは!!」
(-│-)「お任せを。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZMdiGbUAA6eJL.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJZMctBawAAL3ix.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJZMeftbwAArjYr.jpg
デ゚▽゚ メ「わたくしは?」
485
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 11:29:43 ID:78qdNjWA0
Σ^│ ´Σ 「大戦争によって疲弊した土地には、最高峰穣神である姉上による癒しが相応しい。
ただでさえ今のこのトウキョウは核の余波のプルトニウムってのが残ってて、オレら神や悪魔でも長いするとあぶねえしな。
それらを除去する意味でも肥沃な土地の到来を頼むぜ、姉上。」
デ゚▽゚ メ 「そういうことですの。
腕がなりますわね。」
Σ^│ ´Σ 「さてと、オレも動かにゃ最高神の名がすたるぜ。
ガイアのばあさんとハデスを出し抜いて、怪物どもを呼ぶとすっか。
さあ、おっぱいはじめるぜ!!
トウキョウトロイア大戦争を!!」
https://pbs.twimg.com/media/GJZWVDRboAAqDIr.png
https://pbs.twimg.com/media/GJZMWvCa4AAc1WU.jpg
https://img07.shop-pro.jp/PA01377/967/product/111813960.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJZMfSAaoAA00kh.jpg
─
( ^^)φ φ(^^ ) ガツガツ
( ■∀■)「ヒョオッ!、目を輝かせてよく食べるねえ〜。」
月;゚ー゚)「・・・あっ、がっつきすぎよ・・・」
( ■∀■)「いやいいよ。嫌味に聞こえちまったか?
むしろもっと食え。このご時世にガキが気持ちよく食ってるのは見てて気分がいい。
・・・どれくらい食ってなかったんだ?」
月 ー )「・・・ずっと眠っていたので、よくわかりません」
( ■∀■)「そっか」
https://pbs.twimg.com/media/GJZnHrFagAAWIPQ.png
https://pbs.twimg.com/media/GJZnJQnaIAEENPv.png
月゚ー゚)つ□ (^^ ) フキフキ
「もう。こんなに汚して・・・」
( ■∀■)「家族ってのは・・・いいもんだよなァ・・・」ボソッ
https://pbs.twimg.com/media/GJZnKiPacAAcOoP.png
486
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 11:53:29 ID:78qdNjWA0
月゚ー゚)「? 何か言いました?」
( ■∀■)「ヒョウッ!?なんも言ってねえぞ。
姉ちゃんもハラ減ってるだろうに。食え。食わなきゃ殺す。」
月゚ー゚)φ 「はい。いただきます・・・」
─
( ■∀■)「まだあるが。もういいのか?」
月゚ー゚)人 「はい。大丈夫です。
ご飯・・・ありがとうございました。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZnLw8b0AAoW9I.png
( ■∀■)「じゃあ余った分は置いて行くわ。
また来ていいよな?興味がわいた。」
月゚ー゚)「お待ちしております。
そういえば、お名前は・・・?」
( ■∀■)「ねーちゃん、自分から名乗るもんだぜ。
ジャン・恭一。流れのサマナーだ。」
_,
月;゚ー゚)「サマナー・・・ですか?」
あからさまに嫌悪感のある顔が一瞬見えた。
( ■∀■)「嫌いか?この時代じゃ立派な職業のひとつだぜ。」
月゚ー゚)「ああ、そうなんですね。
私は藤野深月。17歳です。
こちらは弟の優(まさる)、隆司(たかし)です。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZnRBNawAA6LWa.png
( ■∀■)(こんな状況でも自己紹介優先か・・・
親が狩りにあった一般メシア教徒か?
育ちのいい家庭だったようだな。)
( ■∀■)「ヒョウッ!おれは17か18だからタメだな!
みっちゃんって呼んでいいか!?」
月;゚ー゚)「あ・・・はい・・・大丈夫です。」
487
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 12:20:15 ID:78qdNjWA0
( ■∀■)「じゃ、またな!ヒョウ!」
月゚ー゚)「あ、ちょっと待ってください!」
( ■∀■)「ん?」
月;゚ー゚)「恭一さん、せめて弟だけでもどこかに避難してあげられないですか?
このままじゃかわいそうすぎて・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJZnTTIaoAAQ-AZ.png
( ■∀■)「みっちゃん、外は悪魔がウヨウヨしてんだ。
食料があるうちは、ここにいた方がむしろ安全だぜ。
シンジュクに行けば悪魔は出ないが、アホのオザワとチンピラどもにいじめられちまうぜ。」
月;゚ー゚)「そ・・・そうですか・・・」
>がっくりうなだれている
( ■∀■)(弟たちは躾けられてるにしても大人しすぎる。
深月にしても引きこもって現実逃避している印象がある。
頭は良さそうだが・・・三人とも追い詰められすぎてある意味狂っちまってるのかもな・・・)
https://pbs.twimg.com/media/GJZnU7eacAA-LkZ.png
( ■∀■)「じゃ、今度こそな」
月;゚ー゚)「・・・ありがとうございます!
色々とわがまま言ってすいませんでした・・・」
( ■∀■)つ「いいよいいよ。元気でな。また来るけどな!」
https://pbs.twimg.com/media/GJZnWQDbAAAQpJb.png
─
>DASU(ダークサマナーユニオン)本部
( ´)Д(`) 「キョウイチ!!ようやくGUMPを取り戻したようだな。
ひょうきんなマヌケにしては速いじゃあないか。」
く( ■∀■)「こりゃどうも。ゲルガー様。お褒めの言葉へへへ。
(テキトーなガラクタを改造しただけだけどな!ロクに精査しねえから気付かねえだろうけど!)」
488
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 12:40:44 ID:78qdNjWA0
( ´)Д(`) 「ところで次にテメエに指令を与える・・・」
( ■∀■)「だが断る(誤用)。
おれとお前は同じ最高幹部同士。命令する権限ねえだろっ。」
( ´)Д(`) 「フン・・・ジャンユー総帥のお気に入りだからってイキリやがって・・・
DASUの仕事もしねえで、他になにしてるってんだよ?
女でもできたか?それとも家庭でも持ったか?」
( ■∀■)「こんな世の中だ。テキトーに生きてテキトーに散る。
そんな生き方も悪くないと思ってな・・・」
( ´)Д(`) 「まぁいい。ここ最近、高名な悪魔やサマナーを狙う暗殺者がいるようだからな・・・
テメエが死んでくれりゃあ俺が必然的に次期総帥になって嬉しいもんだがな。せいぜい気をつけろ。」
( ■∀■)「・・・そういやタカオ山にお前ら、なんかしたか?
悪魔がやたらのさばってるらしいんだが。」
( ´)Д(`) 「頭わいたか?どこにでも悪魔はいるだろ。
だが最近やたら、ギリシャ悪魔が襲ってくるって報告が相次いでるな。
ハーピーからオルトロスまで色々だ。
会話には耳も貸さんし、厄介なことこの上ない。」
( ■∀■)(どうやらゼウス達はこのデブが召喚したわけじゃなさそうだな・・・
インテリぶったバカだから、読心術使わんでもすげーわかる。)
( ■∀■)「そっか。お前らも気をつけろよ。ヒョッ!」
>トラエストを唱えた
ヽ(`Д´)ノ「行っちゃいましたね」
( ´)Д(`) 「・・・
出ていくのになんでわざわざトラエスト使うんだ?あいつ。
歩かんと運動にならんだろ。」
ヽ(`Д´;)ノ(あんたには言われたかねえだろうな・・・)
ヽ(`Д´メ)ノ(嫌われてそう)
489
:
露出ないのに尻がセクシー
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 12:52:19 ID:78qdNjWA0
(`・Ⅲ・´)「見つけたぞ・・・いつかのサマナー。
首はオレがもらう・・・」
>魔神ダグザが一体出た!
( ■∀■)「うるせえッ!!」
>トラフーリ
>エストマ
羽(・θ・)羽と( ■∀■)
「ったく、ストーカーめ。おちおち散歩もできねえぜ。」
「恭一様。私が始末しましょうか?」
「いんや、ガルちゃんも『神鳥』でしょ。まずスピードじゃ負けないと思うが、
神殺しになってるダグザ相手に今挑むのはまずい。
裏で意図と糸を引いてる何かを暴いてからだ。
ギリシャ悪魔ももう無差別侵攻を始めてるらしいし、
あのデブの言葉を借りるなら、厄介なことこの上ない。
うえない・・・飢えない・・・
あっ!!」
>藤野家
既に二日経っていた。
月;゚⊿゚)「あ・・・」 ぐぅ…
https://pbs.twimg.com/media/GJZqBtHa4AAC4D0.png
(;■∀■)「スマンスマン・・・遅くなっ・・・
あれ?もう無いの?
一週間分くらいは用意してたはずなんだが・・・
消費速すぎィ!」
490
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 13:08:04 ID:78qdNjWA0
人(^^ )「ごちそうさまでした。カレーおいしかった。」
https://pbs.twimg.com/media/GJZqJBMbUAAZY0g.png
( ■∀■)b「ちゃんと御馳走様言えるのいいねいいね!
そんなお前らに土産だッ!」
キョウイチが指をパチンと鳴らすと、食玩やお菓子が降ってくる。
https://pbs.twimg.com/media/GJZqK6QbcAAkFLg.png
(^^)(^^) 「すごいすごい!!これ手品!?」
( ■∀■)「ヒョッ!これのことか?
おれ専用の十万億土に・・・ああ、一種の異空間だな。
そこにあやつタイム用に置いておいただけだぜぇ。
大破壊前の貴重なブツだが、空間内ならモノは腐らねえから賞味期限も気にすんな!」
( ``)「じゅうまんおくど?」
( ■∀■)「まぁ、手品だ!おにいさんはマジシャンなのだー!ははは!」
月゚ー゚)「もう・・・二人とも。お礼がお先でしょ?」
(^^)(^^) 「「おにーさん、ありがとう!!」」
月゚ー゚)「恭一さん・・・ちょっとお二人でお話を・・・
二人ともお部屋で大人しく遊んでいてね?」
(^^)(^^) 「はーい!!」
>廊下
( ■∀■)「で、なんだ話って?」
月;゚ー゚)「あの・・・本当に感謝しています。
ただ・・・あの・・・もうすこし・・・できれば・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJZqMLwbMAAJ4xy.png
( ■∀■)「ああ、もっと食料持ってこいって話ね。」
491
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 13:32:36 ID:78qdNjWA0
月;゚⊿゚)「あ・・・あの・・・っ!
ごめんなさい!すいませんでした!!
助けてもらってるのに・・・!
私は我慢できます・・・でも弟たちには・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJaE1sNbsAAWYJS.png
( ■∀■)「・・・少し聞いていい?みっちゃん」
月;゚ー゚)「・・・はい?」
( ■∀■)「みっちゃん達はメシに困ってる割に服装は奇麗だな。
外の難民ども、なんならデビルハンターやサマナーですら、大半はボロの防具一丁って事が多いのに。
あと、あれ」
月;゚ー゚)「ッ・・・」
キョウイチは壁を指さす。
( ■∀■)ニア 「玄関にも張ってあったけど、高位悪魔をも気付かせない破魔の札だよねアレ。
それで悪魔から嗅ぎつかれずに生き延びてるのは納得できた。
でも、なんでそんな高級品持っててこんな暮らししてるんだ?
富裕層のメシア教徒の子で、親を悪魔に殺されたとかか?
でもスマホで連絡だの取ってテンプルナイトに救助にきてもらって、
相応の保障が受けられて住居もシナガワ本部にもらえるはずだ。
その礼儀正しさ、この時代ではメシア教以外じゃ納得できんのよ。
・・・正直に話してくれるな?」
月;゚ぺ) コクッ
https://pbs.twimg.com/media/GJaHOPRbUAAKRBe.png
ふた呼吸ほど置いてから、深月は話し始めた。
月;゚ー゚)「信じられない話かもしれないですが・・・
わたしたちは『このトウキョウ』の人間ではないんです」
492
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 13:54:56 ID:78qdNjWA0
─
あの日まではわりかし平穏だったのに─
月゚ー゚)「暴動?」 フキフキ
つ( ``)と キョトン
(´・ム・`)「いや・・・ニュースが」
『ここで緊急ニュースです・・・
首都圏で大規模な暴動が起きました。』
月;゚ー゚) (` ` )
「おねえちゃん、ぼうどうってなに?」
「うーん・・・すごい喧嘩・・・かな」
「ケンカなんてやだね。みんな仲よくすればいいのに。」
「そうだね・・・でもそう考えられないひともいるんだよ」
月;゚ー゚)(現代のトウキョウで暴動なんてありえない・・・
悪魔の仕業かも・・・)
深月は、生まれつきの魔力を見込まれ
とある対悪魔用組織で巫女として戦っていた。
他の巫女たちよりは攻撃能力は劣るが、回復と慈愛の力は秀でていた。
https://megaten5.jp/resources/img/story_character/chara4_c60cd8cc613389576edbcbc1408cd740.png
https://megaten5.jp/vengeance/resources/img/story_character/sec3_chara3_img_0419b421986585c848e4da93ff096132.png
『原因不明の暴動がギジドウマエ駅にも発生しており・・・』
(;´・ム・`)「・・・!近くじゃないか!!
みんな!大事なものだけ持って避難するぞ!!」
トンテントテテントンテン♪
月;゚ー゚)□ 「はい、藤野です」
https://pbs.twimg.com/media/GJaHowPaIAAofWC.jpg
493
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 14:11:19 ID:78qdNjWA0
『私だ。夜にすまない。
混沌の悪魔ラフムが蘇り、トウキョウに顕現してきた。
眷属悪魔に殺された人間は、ゾンビ化することが確認されている。
『彼』に撃退されたラフムは一度撃退されたが、縄印学園に逃げ込んだ模様。
敦田くん、太宰くんも向かっている。
家族の避難を優先して構わない。藤野くんもサポートとして学園に向かって欲しい』
https://pbs.twimg.com/media/GJaIAJMaMAA2_cB.jpg
(´・ム・`)「・・・お電話変わりました、父です。
私と家内も深月と共に増援に向かいます。
ただ・・・幼い子達の避難だけ先にさせてください。」
『了解しました。御自分達の身を優先に、行動してください。』
家を出る。
(;``)「お、おねえちゃ・・・あれ何・・・」
隆司が指差す先には、無数のゾンビが。
=yと(;´・ム・`)「・・・げろ
逃げろッ!!
この数ではお前達を庇いながら戦えないッ!」
==(;``)と(;``)と月;゚д゚) 「「「うわああああああッ!」」」
https://pbs.twimg.com/media/GJaHqWpa0AEQFMe.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJaIBL2bcAAq5X8.jpg
はっ
月;゚⊿゚)「あれ・・・ここは・・・
そうか・・・議事堂のターミナルを使って・・・
事故で投げ飛ばされたんだ・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJaHrjQbsAA0pxh.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJaH_YcaUAAkTR-.png
─
494
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 14:40:34 ID:78qdNjWA0
( ■∀■)「ふうん・・・転輪鼓型ターミナルが採用されてるのか。」
月゚ー゚)「・・・知っているんですか?」
( ■∀■)「ああ。でもこっちのトウキョウじゃほとんど採用されてないぜ。
転送事故が多いんだ。
ガイア教幹部の誰かが愛好家だったらしいがね。モノ好きだな!ヒョウッ!」
https://img.aucfree.com/c835322827.1.jpg
月゚ー゚)「その・・・メシア教とかガイア教って・・・秘密裏に動いてる教団ですよね?
こっちのトウキョウではそんなに堂々と表立って動いてるんですか?」
( ■∀■)「みっちゃんとこのトウキョウは、2019〜2020年にICBMっつー核が落ちた?」
月゚ー゚)「いいえ。たまにダアト・・・魔界から悪魔が出てくるくらいで、平穏そのものでしたよ。」
( ■∀■)「・・・ちなみにみっちゃんの所属してたっていう組織は?」
月゚ー゚)「悪魔対策組織べテル。『神の家』という意味です。」
( ■∀■)「・・・
ごめんみっちゃん。こっちはICBMっつー核が落とされてな。
べテルが壊滅して、メシア教がうまいこと台頭してんだ。
だからこっち側じゃべテルの支援は受けられないと思うぜ。」
「そんな・・・」
深月の顔が絶望に染まった。
( ■∀■)「メシア教に助けを求めるのも、あぶねーからやめときな。
表面上じゃ慈善団体みてえに見えるが、所詮はカルト宗教!ヒョッ!
イニシエーション(洗礼)と称して何されるかわかったもんじゃねえぜ。
特にみっちゃんみたいなかわいくておっぱいでかい子はな。」
月;゚ー゚)「そんな・・・これからどうやって生きていけば・・・」
( ■∀■)「ちなみに使えるスキルはどんなん?」
495
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 14:57:40 ID:78qdNjWA0
月;゚ー゚)「え、えっと・・・攻撃魔法はてんでダメで・・・
メディア・ディアラマ・メパトラ・力のドナム(味方の物理攻撃一度だけ二倍)・ハマ・・・くらいです。」
(;■∀■)「ぜ、絶望的に噛み合ってねーなッ!ヒーラーがチャージ付与使えてもアタッカーがいない今じゃ持ち腐れだ。
べテルにいた頃は仲間と組んでうまくやっていけてたんだろうが・・・
まぁ頑張って生きてくれ・・・
そこに毛布置いておくから。
冬までに助けが来るといいな!ヒョウッ!」
月;゚⊿゚)
https://pbs.twimg.com/media/GJaE3GBboAAXufL.png
深月がキョウイチの手を取る。
月;⊿;)「助けて・・・ください・・・お願いします・・・!」
https://pbs.twimg.com/media/GJaE5lBa0AAoY0k.png
( ■∀■)「ヒョウッ!この顔で頼まれたらオチねえ男はいないだろうな。
だがおれはゲイだ。残念だったな(大嘘)」
月;゚⊿゚)「あ」
https://pbs.twimg.com/media/GJaE65SbwAAGnP_.png
>キョウイチは手を振りほどいた
( ■∀■)「だいたい、ハッキリ言ってやるが。
他人に命を賭けさせてる自覚があんのか?
こっちのトウキョウじゃ、食料得るのだけでも大変なの。」
月;゚⊿゚)「で・・・でも・・・恭一さんは謎空間からいくらでも食べ物が・・・」
( ■∀■)「おれのおやつだからアレ。滅多なことじゃやんねーよ。
・・・まぁ助けろっちゅーなら助けてやるよ。」
月゚⊿゚)「! 本当」 「その代わり」
https://pbs.twimg.com/media/GJaHPtQaAAESmDs.png
( ■∀■)「────。」
月///)「っ・・・!!」 カァッ
https://pbs.twimg.com/media/GJaHPtQaAAESmDs.png
496
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 15:14:39 ID:78qdNjWA0
月///)「っ・・・!!」 カァッ
https://pbs.twimg.com/media/GJaHSELbQAAeO2j.png
月#゚⊿゚)「男のサマナーの人っていつもそうですね・・・!
私たちのこと何だと思ってるんですか!?」
https://pbs.twimg.com/media/GJaHTbwbQAA5A8N.png
( ■∀■)「じゃあ逆に聞くけど、みっちゃん他に何ができんのよ?」
月゚⊿゚)「そ・・・それは・・・食べ物と引き換えに回復を」
( ■∀■)「いらねーよ、そんなの。おれは無敵だ。」 ドヤッ
月;゚⊿゚)「じゃ、じゃあ・・・何か・・・なんでも・・・
だって・・・そんなのやれなんて・・・」 ギュッ
https://pbs.twimg.com/media/GJahEO-b0AAiLMi.png
緊張で大きな胸を押さえる。
( ■∀■)「みっちゃんはありがとうって言っとけば済むのかい?
自分が助けてもらって当然とか思ってない?
べテルの聖女時代もそういう事してたの?」
月;゚⊿゚)「そ・・・そんなこと・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJahGnbaEAAcfnb.png
( ■∀■)「ヒョッ!ここにはべテルの加護も食糧庫もないんだ。
かわいい弟たちの為にも、何かを犠牲にしろ。」
月;゚⊿゚) ドクン…
https://pbs.twimg.com/media/GJahH9ZbYAAoIY4.png
月 ⊿)「手・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJahJX2asAAqkjl.png
497
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 15:45:07 ID:78qdNjWA0
月;⊿;) じわ・・・
https://pbs.twimg.com/media/GJajbUcbgAAyXTG.png
( ■∀■)「ヒョッ!初めてだからな・・・
ゆっくりでいいぞ。」
月 ; -;)つ カチャカチャ
https://pbs.twimg.com/media/GJajXHLaEAAmhvH.png
月 ⊿) グスッ グスッ
https://pbs.twimg.com/media/GJajfgebgAAakS3.png
( ■∀■)「・・・て」
月;゚⊿゚)「え?」
( ■∀■)「それに銃弾。
込めて。」
https://pbs.twimg.com/media/GJal2gLacAAeKSI.png
月;゚⊿゚) 「は、はいっ!」
つy=と
月゚⊿゚)「次は・・・これを・・・?」
( ■∀■)「握って上下にしごいて。
マガジンキャッチつって、弾倉を外すための補助的なもんだよ。」
https://pbs.twimg.com/media/GJal04BbgAAkhyq.png
( ■∀■)「基本的な装填やらは覚えたか。
じゃ、ちょっとだけ外出ようか。」
月;゚⊿゚)「え?でも・・・」
( ■∀■)「なに、いきなりみっちゃんに実戦ヤラセないよ。」
498
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 16:00:11 ID:78qdNjWA0
>外
( ■∀■)つy= ヽ(`Д´)ノ
ドン
月;゚⊿゚) ビクッ
https://pbs.twimg.com/media/Esu3VY_U4CYixE9.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GJajibRaQAAExVv.png
一人でやかまし布教活動という名の騒音まき散らしをしていた、きょうしんしゃを撃ち殺した。
( ■∀■)「先戻ってな。こいつのクビを建物前にさらしとくわ。」
>中
月;⊿;) 「ひどい・・・何もしてないのに撃つなんて・・・
手を汚すなんて・・・私には・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJajbUcbgAAyXTG.png
( ■∀■)「・・・ヒョウ!先手必勝だよ。
物腰やわらかに近づいてきて、数にもの言わせて『寄進しろ!』って迫ってくんだ。
茂美とメシア教怖いでしょう・・・」
月;⊿;)「でも・・・殺しなんて・・・」
( ■∀■)「できねえって?
べテル時代も、自分達人間の生活を守る為に悪魔を殺してたんだろ?
みっちゃんはサポーターだったろうけど、間接的に殺しをしてんのさ。
ハマはアンデッド系に抜群だけど、お札のおかげでここには寄ってこれないからな〜。
代わりに退魔が効かない人間族に破魔は効かない。
ただし所詮は人間よォ。
頭か胸撃ち抜けば、ズドン・・・だ!
あとこれも持っとけ。予備の銃だ。
暇があったら安全装置の外し方をもっと練習しときな・・・また明後日な!」
https://pbs.twimg.com/media/GJal0GbagAAokdL.png
月 ⊿)「・・・」
つy=と
499
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 16:13:15 ID:78qdNjWA0
キョウイチの修行は続いていた。
( ■∀■)「だからこうすんだって」
━━╋と
月;゚皿゚)「ひっ」
https://pbs.twimg.com/media/GJal1qTa0AA8dpT.png
居合斬りの練習。
( ■∀■)「人間にはチャカで十分だが、銃の効果が薄い悪魔もいる。
ましては無効吸収ならワンアクション無駄に、反射なら最悪自分が死ぬ。
そこで刀剣類なんだが・・・リーチが短けりゃ相手に肉薄されて意味がねえ!
だからリーチの長い武器で斬る!
速攻で勝負をつけられるように、居合抜きを覚えるんだ。
刃こぼれ防止に研ぎと、粉をポンポンつけるメンテナンスも忘れるなよー。」
そして時たま、弱い悪魔相手に戦いの練習をするにも至った。
月;゚⊿゚) (・/ /W・) スパッ
━━╋と
(・・・どうして私がこんなことを?二人を守るためとはいえ。
本当に外は危険なの?
なんであの人は紙みたいに悪魔を切り裂けるの?)
https://pbs.twimg.com/media/GJamJT7bkAAlRIh.png
( ■∀■)つ 「ヒョウッ!ヌキ手!なんちゃって!」
つ
月;⊿;)「ん゛っ・・・」 ゾクゾクッ
https://pbs.twimg.com/media/GJamLyQbgAA-Dhz.png
キョウイチの舞って解体するようなな戦いぶりに、深月はエクスタシーすら覚えるようになり
下着をときたま濡らすようになった。
(危険と言っているのになんで余裕綽々なの?
あんなにいっぱい新鮮な食料をもってこられるの?
もう・・・わからないよ・・・)
500
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 16:33:14 ID:78qdNjWA0
数日起きにやってきて食料を持ってきて、戦闘の指南をするキョウイチ。
彼の戦いに見惚れる危険性を感じ関わりたくないのと、
食料関係で頼らずにはいられぬせめぎあいが彼女を疲弊させていった。
やがてはキョウイチがやってくる度に、戦慄と恐怖を覚えるようになった。
https://pbs.twimg.com/media/GJamM9LaIAALV-_.jpg
─
( ■∀■)「ヒョウッ!元気かね!」
(^^)「わーお兄ちゃん!
ね、またインコと遊んでいい?」
( ■∀■)「いいぜぇ。
あと名前は『ガルちゃん』な」
「あとにしなさい」
ガチャ
( ``)「お姉ちゃん」
https://pbs.twimg.com/media/GJayZFebYAA0t0n.png
( ■∀■)ノ 「よっ、みっちゃん!」
月゚⊿゚)「・・・まーくんは?」
( ``)ニア 「あっちであそんでる」
月 ⊿ )「・・・じゃ、行こっか・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GJayaB-bwAAIpjw.png
く(;■∀■)「あれぇーガン無視?
月の日かなんかか?深月だけに!ヒョッホッホ!
あっそうだ、アレ用品買い足しておかねえとな・・・」
501
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 16:41:27 ID:78qdNjWA0
( ■∀■)yー 「ほな、外で葉巻ふかしてくっか。
んでその後、必要なもんリストでも書くか・・・
神経弾はマストアイテムだしなー。」
チーン
( ■∀■)「ん?エレベータの音?」
「ねぇお姉ちゃん、本当にお外大丈夫?」
「大丈夫だよ。早く行こう。ね。」
( ■∀■)「おーい。何してんだ?リュックなんか背負って」
月;゚ぺ) ビクッ
https://pbs.twimg.com/media/GJaycTJagAAaDw5.jpg
==(;``)と(;``)と月;゚⊿゚) ダッ
( ■∀■)つ「ヒョ、ま!外に出る気か!?
今日は満月、あぶねーぞ!?」
月 ⊿)「うるさい・・・えるの・・・」
月>⊿<)「・・・家に・・・
家に帰るの!!」
https://pbs.twimg.com/media/GJaydjaakAAAXWN.jpg
502
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 17:14:17 ID:78qdNjWA0
( ■∀■)「おい!今夜はMAJIでYABAIって・・・
あれ!?」
月>⊿゚)「大丈夫!家に帰るの!
ここが別のトウキョウなんて嘘で・・・
アトラクションみたいなもので・・・
外にもう少し出たら・・・
お父さんとお母さんのいるおうちに帰れるんだから!!」
https://pbs.twimg.com/media/GJayiAlbUAAcqFG.png
べテルも健在で・・・タオちゃんにも、ヨーコ先輩にも会えて・・・
月^⊿^)「まーくん、たっくん、おうちに─」
https://pbs.twimg.com/media/GJayjASbYAAVsTh.jpg
きっと大丈夫。
バンッ
https://pbs.twimg.com/media/GJa-L1XbUAAK2k4.png
503
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 17:22:16 ID:78qdNjWA0
月;^⊿^)「え?は・・・はは・・・」
(#■∀■)「みっちゃーーーーーーーーん!!
なんでお札はがしたの!!!
って・・・お前は・・・」
ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)
ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)
ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)
ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)
ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)ア・д・)
キョウイチが前に立つ。
( ■∀■)つ Σ 月>⊿゚)「あっ!?」
「お姉ちゃんを、よろしくな」
( ;;)つ月;゚⊿゚)「まーくんっ・・・!」
( ;;)「お兄ちゃんに・・・よろしくって・・・
言われたから・・・!」
https://pbs.twimg.com/media/GJayjymbsAAL-F9.png
( ■∀■)ニア ポチポチ
エレベーターのボタンを押す。
月゚⊿゚)「あ」
https://pbs.twimg.com/media/GJayk_bbUAAxpG6.png
504
:
◆MxHvQqijkA
:2024/03/24(日) 17:27:19 ID:78qdNjWA0
( ■∀■)「行け!!」
月゚⊿゚)「あ、恭一さ」
https://pbs.twimg.com/media/GJay1Q1a8AA42Ui.png
完全にドアが閉じた。
─
息も絶え絶えで、上昇したエレベーターから出た。
( ;;) ( ;;) 「お兄ちゃん・・・
死んじゃった・・・
の・・・?」
(みんな死ぬ、みんな死ぬ)
(私が殺してしまった)
月;⊿;)「う゛
あ゛
ああ゛ーーーーーーーーーー!!!」
https://pbs.twimg.com/media/GJay171b0AA3-x3.jpg
>葛葉恭一、散る─!
https://pbs.twimg.com/media/GJay2sNbMAAFQAj.png
505
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:23:31 ID:WC125hNo0
>アジト
( ` `)つ「どうぞ」 コトン
(^黒^)人 「ありがとありがと!
さ、頂くか!」
>酢の物の和え物と肉とパンが並べられている
( ` `)「しかし姉御が肉だけじゃなくて、珍しいですね。」
(・黒・)「馬鹿野郎。肉食女子だって、バランスよくメシを食わなきゃいけねえだろうが。
二人がいなくなって数か月・・・
キョウイチさんは定期的に悪魔経由で生存確認できてるけど、
ディーの野郎は行方知れず・・・
俺たちが、ここを守らなきゃいけねえだろうが。」
( ` `)φ「そうですね。しかしそろそろ、米も欲しくないですか?
といっても、シンジュクの闇市で古米がバカ高い値で売られてるって噂くらいしか・・・
あの人に言って、なんとか・・・いや・・・」
(;・黒・)と「馬鹿野郎。頼り切ってばかりでどうするんだ。
礼なんて気持ちでいいって言ってくれてっが、こっちも返すもん返さなきゃなんねえだろ。
そのうちこっちも野菜でも栽培して・・・げっ!」
>クロエはトイレに駆け出した
>・・・
>ものすごい嗚咽と吐く音が消えた
(;・黒・)「いやすまんすまん。心配かけたな」
( ` `)「ちょっとお腹失礼しますよ・・・
アッー!!!!!」
506
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:23:59 ID:WC125hNo0
(;``)「なーんで隠してたんですかー!!!!!
これってーーー!!!!
いつの間にーーーー!!!」
>アカサカ周辺
(・ハ・)つy= ドン
>幽鬼 グールにトドメを刺した
ディーは追跡者ダグザに追われ、建物の破片を頭に受け記憶喪失が進んでいた。
恭一と仲魔ゴブリンの事以外はさっぱり忘れていた。
その為に、記憶を取り戻すために、医者を探す為に
シンジュクを拠点にしつつマッカを稼いでいた。
(・ハ・)「収穫はオニキスか・・・売ろうにも買い取ってくれるところがないんだよなぁ」
つ◇
シンジュク配下の者が悪魔を倒して日銭を稼ぐには、月が一周するごとに
マージンを納めなくてはならない。
故に、必死になって休むのも忘れてひたすら悪魔を狩るしかなかった。
納めずとも、もしくは最低限のマージンだけで済ませる事もできるが
ただ地べたに座り込むだけの浮浪者と化す。
オザワの支配下では、子供ですらなんらかの仕事をこなさなければ
「生きる」権利すら与えられないのだ。
そして無作法に悪魔を狩り続ければ・・・
Y(・∀・)Y「オマエ デビルバスター カ?」
噂は広まり、悪魔にも目を付けられる。
507
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:25:42 ID:WC125hNo0
(・ハ・)(魔獣タムズ・・・尾から麻痺を放出してくるはずだ・・・
下手に敵対するよりは・・・)
>TALK
>友好的
Y(・∀・)Y 「ぐっぐっぐっぐ・・・」
(・ハ・) 「ふっ、俺を食おうというのか?
半端には死なん。そのハサミの片側でも砕いてやるさ」
Y(・∀・)Y ニヤリ
>タムズにバカにされた
(・ハ・)「ははは!ハッタリだと思うか!?
もう俺には失うものなど多分ない!
悪魔の世界にはない言葉だろうが。 窮鼠猫を噛む。ってやつだ」
Y(・∀・)Y バキッ
>タムズは岩を持ち上げると砕いてみせた・・・
(#・ハ・)つ「ふんッ」
>ディーも見事に岩を砕いた
https://pbs.twimg.com/media/GMuRgzFbYAAgMoE.jpg
Y(・∀・)Y「デキルナ・・・ナカマ・・・カ?」
(・ハ・) コクリ
Y(・∀・)Y「981MAG!モットクレ!
アメジスト!」
(・ハ・)つ◇ (どうせ使い道なんぞないし・・・)
Y(・∀・)Y「マンゾク・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GLnhGoRbwAACbvA.jpg
>魔獣 タムズは 仲魔になった
つ(;>ハ・)と 「ぐ!ちょうど満月になった…か!!
頭が・・・割れ・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GLng6xMbsAAuzVR.jpg
508
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:26:02 ID:WC125hNo0
>生と死の狭間
『助けて…
ディー…助けて…』
https://pbs.twimg.com/media/GLng59mb0AA1-_n.jpg
なんで毎度毎度、満月になるとおれの頭を割に来る女がいるんだ。
─
( ■∀■)『悲鳴?聞こえなかったぜ。
お前ついにイカレたか!
イカだけにクラーケン焼きでも食うか?ヒョウ!』
https://pbs.twimg.com/media/GLng9vpaYAAvyMw.jpg
─
キョウイチも話を聞いてくれないし。
記憶だけじゃなく、脳が壊れてるんじゃないのか…?
>ディーは迷宮をさまよい歩いた
>球体に出会った
(;・ハ・)つ「人か!?悪魔か!?誰でもいい!
助けて…助けてくれ!」
「話をしたいなら、格の違いを考えろ」
https://pbs.twimg.com/media/GLng_aqasAA0H6j.png
>厳かな顔の球体に触れた瞬間、肉体に電撃が走った
>ディーはまた意識を失った
>・・・
「・・・起きろ!」
509
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:26:39 ID:WC125hNo0
Σ^│ ´Σ
>白黒の悪魔がこちらを覗いている
(;・ハ・)つy=「誰だッ!」
Σ^│ ´Σ「おーやっと起きやがった。
誰だ、じゃねえよ。
こちとら球になってこっそり満月の散歩を楽しんでたら、ニンゲンが話しかけてくるんだもんよ。
オレはゼウス。名前くらい聞いた事あんだろ?」
(・ハ・)「ギリシャ最高神・・・オリンポス十二神の頂・・・」
Σ^│ ´Σ「おーおー。わかってるじゃねェか。
北欧のキチガイがドカンとミサイル落としてから、そういう有識者がいなくなったもんかと思ってた。
なかなかやるじゃないの。」
(・ハ・)「デビルバスター、デビルサマナーとして・・・
悪魔の出自を覚えておくのは当たり前の事だ。」
Σ^│ ´Σ「ほう、デビルバスターか!
じゃあ、オレを狩るんだな?
あの迷宮ダイダロスから意識を連れ出して、起きるまで雑魚悪魔から守ってやってたオレを!
しかも最高神とあって挑むか!
それくらい骨があるヤツじゃねえと、ムラムラが治まらねえ!からな!」
(;・ハ・)「ま、待て!俺にはあんたと戦う氣は・・・」
Σ^│ ´Σ「問答無用!
お前ほどのこの時代の有識者とは戦ってみたい!」
>魔神ゼウスが一体出た!
510
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:27:29 ID:WC125hNo0
Σ^│ ´Σ
⊂ ヘ グリグリ
| |『ESCAPE』
(__)
グシャ
Σ^│ ´Σ「逃げ道は踏みつぶさせてもらった。
3手、猶予をやる!戦いの準備をしやがれ!」
https://pbs.twimg.com/media/GLnhHc_boAI53Rr.jpg
(・ハ・)「くっ!やるしかないのか…!
・・・さっそく頼むぞ、タムズ。
アツユ
銃弾装填・・・」
とΣ^│ ´Σ 「もう準備はいいのかぁ!?いくぜ!」
https://pbs.twimg.com/media/GMuRhf-bcAA6990.png
>ゼウスは飛び掛かってきた
(;・ハ・)つy= 「うおお!!」 ドドド
>ゼウスは銃弾をものともせず着地した
https://pbs.twimg.com/media/GMuRiLYboAA97W3.png
とΣ^│ ´Σ 「フンッ!!」
と
『万物粉砕』
https://pbs.twimg.com/media/GMuSGswakAAS794.png
Y(;・∀・)Y「グオッ!!ヨロイガ・・・!」
511
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:28:12 ID:WC125hNo0
>TALK
Σ^│ ´Σ 「うーむ、あわれわれ。
オレには劣る程度のイケメンだったが、イノシシにぶっ殺されてサソリの神になっちまったんだっけか?
同じ主神クラスでも雲泥の差がついたな、オイ!」
Y(#・∀・)Y「ウ、ウルサイ!バカニスルカ!!」
https://pbs.twimg.com/media/FKGeQBlagAAyY0P.jpg
Σ^│ ´Σ「へへっ、まあそう怒りなさんな。/褒め言葉のつもりだったんだぜ。」
Y(・∀・)Y「ナンダト・・・!?」
Σ^│ ´Σ「サソリになる前の優男だったなら、今のオレの一撃に耐えられなかっただろうよ。
堅牢さは素直に賞賛するぜ。そこは。嫁も美人だろう?」
Y(・∀・)Y「マァ・・・ナ・・・ツマヲホメラレテ、ワルイキガスルオトコ、イナイ。
オレサマ、イシュタル、アイタイ・・・」
https://pbs.twimg.com/media/FKGePhaaMAEzxuJ.jpg
Σ^│ ´Σ 「泣かせるじゃねえの。
じゃ、冥界で会うんだな・・・」
(・ハ・)つy=Σ^│ ´;Σ
「お喋りはそこまでだ」 「な!ニンゲン!」
>ディーのガンが火を噴いた
>ゼロ距離の一撃!
>ゼウスを眠らせた
https://pbs.twimg.com/media/GMuVJsYbMAApBH9.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GMuVJsYbMAApBH9.jpg
512
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:28:51 ID:WC125hNo0
(・ハ・)「いくら神でも、眠りには勝てまい。
人間の英知をなめるな!」
『アニキ、俺にも戦わせてよ!』
(;・ハ・)「いや、ダメだ!奴が目を覚ましたら真っ先に殺される!
今のメンツで叩いて殺す!!」
(・Д・川「立ったまま寝てやがる。アギラオ!」
>ゼウスは眠っている!
https://pbs.twimg.com/media/GMuVK2cawAAoQgl.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GMuVLlna4AAa3UO.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GMuVQjCacAAmbYg.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GMuVROgbUAA6lt3.jpg
Y(・∀・)Y「タムズノコトイエナイ・・・マヌケナネガオ・・・
マヒバリ」
>ディーの銃が火を噴いた
(;・ハ・)「うまいところ麻痺まで持っていければいいんだが・・・」
Σ^│ ´Σ「ふあー。よく寝た・・・
ここまで気持ちいい眠りは、テュポーンに幽閉された時くらいだぜ・・・」
https://pbs.twimg.com/media/GMuVSDiaoAANldM.jpg
(・ハ・)「も、もう起きたのか!?」
とΣ^│ ´Σ「ニンゲンを舐めすぎちゃいねえが、お前らも神をナメすぎだな。
生理現象である眠りにはかかるがよ、麻痺るわけねえだろうが!
寝起きの礼だ・・・テンタラフー・・・
も、神の手ならこうなる!」
『狂乱の神輝』
https://pbs.twimg.com/media/GMuVSDiaoAANldM.jpg
513
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:30:30 ID:WC125hNo0
https://pbs.twimg.com/media/GMuRppObwAAH9Og.png
>ディーを狂わせた
(;・ ハ ・)「ぐあ・・・手元がおぼつかん・・・
こ、ここここの・・・試作型簡易悪魔合体プログラムで・・・」
Σ^│ ´Σ「混乱状態であがこうとするとは、なかなかやるじゃねえか、オイ!
せめて敬意を表して、アダマスで首をハネてやる・・・」
ドシドシ
>ゼウスは近づいてきた
(;◎ハ◎)「ゆゆ、許せアツユ!!
悪魔合体!!
妖獣タマモ!!」
>ゼウスは腕を振り上げた
>タマモが盾になった
https://pbs.twimg.com/media/GMuRT_MaMAAjrj4.png
スパッ
(・ハ・)
つ メ
「ぐ・・・
ぐああああああ!!」
514
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:31:20 ID:WC125hNo0
脂汗が浮かぶ。
(;・ハ・)「な、なぜだ。タマモは剣攻撃反射。貫通するはずが・・・」
Σ^│ ´Σつ> 「このアダマスは鎌。剣じゃねェ。
それ以前に、アダマスは万物を断ち切る逸品だ。
このオレが全能神たる所以もわかっただろう。」
(;・ハ・)つy= ドドドドドド
「わあああああああ・・・」
==Σ^│ ´Σ==
「逆転されたらそんなもんか?正直がっかりだな。」
https://pbs.twimg.com/media/GMuRoFXbcAAC05t.jpg
https://pbs.twimg.com/media/GMuRo1RaMAEDHj0.jpg
とΣ^│ ´Σ 「じゃあ死・・・
オイ!
お前、ガキがいるじゃねえか!?」
>ゼウスは首元で鎌を止めた
(;・ハ・)「・・・?
俺は男だが・・・?」
Σ^│ ´Σ「いや、お前の腹にじゃねえわ!!!
神、ニンゲン問わず多くの女と子を成してきた最高神をなめるなよ。
オレは確かにニンゲンから見りゃ、ふしだらな主神かもしれん。
だが産ませたガキは、オレの血に恥じぬ立派な神になれるように手助けはしてきたつもりだ。
アレスだけは失敗作に近いがな…(ボソッ」
515
:
◆MxHvQqijkA
:2024/05/04(土) 19:32:09 ID:WC125hNo0
(;・ハ・)「は、はぁ・・・
しかしそんな記憶は・・・」
Σ^│ ´Σ「興が削がれたぜ。父親としての『責任』から逃げるんじゃねぇぞ、オイ!
・・・カストールの墓参りにでも行ってくるか」
>ゼウスは逃げ出した
(;・ハ・)「た・・・助かった・・・のか・・・」
☆「おやおや、噂のゼウスと戦って生きていられる人間がいるとは・・・」
Y(・∀・)Y「ダレダオマエ!」
☆「デカラビアです」
Y(・∀・)Y「ウソヲツケ!ソンナキモクナイ!!モットカワイイ!!」
☆「・・・豊穣神タムズ。元の姿を、力を取り戻したくはありませんか?
私ならその手伝いができますよ。
近々、イシュタルの魂も現世にやってくる兆しが見えます。」
Y(・∀・)Y「ナニ!?ホントウカ!
オレサマ、ツレテッテクレ!!
コノニンゲン、ヨワイ!コレイラナイ!サヨナラ!!」
>交渉で貢いだMAGとマッカを返された
(・ハ・)「・・・なんだったんだ・・・」
>悪魔が話しかけてきた
羽(*^ー^)「あの大神相手に立ち回るなんて、すごいニンゲンね!
あとあたしの友達がいるのね!可愛がってあげて!」
https://pbs.twimg.com/media/GMuRf-eawAA7v8P.jpg
(・?・)「オマエ ツヨイ! イイミセモノ ダッタ!
センベツヤル ゲンキダセ!」
https://pbs.twimg.com/media/GMuRVyZbIAAx32E.jpg
(・ハ・)「・・・あ、ありがとう・・・」
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