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lw´‐ _‐ノv浴室奇譚のようです

1名無しさん:2020/05/06(水) 23:29:26 ID:Zl1yTEtg0


私の家の浴室には、ちょうど六日前から円形の大きな黒い穴が空いている。
浴室の正面、シャワーや鏡がある方とは反対側の壁に、突如として現れたのだ。

本来その位置に空洞があれば、そこからはキッチンが見えるはずだ。
けれどクー姉の料理姿は眺められず、穴からいくら覗いても暗闇が見えるだけだった。

初日は驚いたが、特に実害もなかった。

むしろその穴の向こうに何があるのか想いを巡らせ、ゆっくりと入浴を楽しんでいる。
今ではクー姉も、その穴のフチにフックを引っ掛け、スポンジなどを吊るしている。

黒い穴のことを友人たちに話すと、

(゚、゚トソン「ついに異界の門が開かれてしまいましたか。異形の兵士が押し寄せるのも、時間の問題ですね……」

と、いかにもファンタジーめいた設定を真顔で呟かれてしまった。
表情の読みにくい、とそっとした彼女の顔立ちも手伝って、冗談なのか本気なのか分からない。

o川*゚ー゚)o「異形って、どんな奴らなの?」

同じく私の話を聞いていた、キュッと締め上げられた髪型の友人がそう訊ねる。
髪に痛覚がないことは分かっていても、横髪のアクセサリーでキューっと締められている部分は、見ていて痛そうだ。

2名無しさん:2020/05/06(水) 23:31:05 ID:Zl1yTEtg0

(゚、゚トソン「……邪悪な魂を持ったカピバラですね」

o川*゚ー゚)o「カピバラ!? カピバラの兵士なの?」

そこを詰められるとは予想していなかったのか、友人は言葉を濁しながらとそとそと答える。

(゚、゚トソン「……ええ、カピバラの、何か、そういう商店街から来ました」

目元がシュッと閉じ気味の私としては、カピバラの来訪はどうも懐疑的に思える。
私は手を挙げて会話を制止し、黒い穴について話題を戻す。

lw´‐ _‐ノv「どうしたら穴を閉じられると思う?」

(゚、゚トソン「異界の門に投げ込むんです、カピバラの好物を」

o川*゚ー゚)o「えー、閉じなくていいじゃん! カピバラ可愛いよ!」

すっかり彼女たちの間では、我が家の浴室の黒い穴からは、可愛らしいネズミが現れることになっている。
普段から私は自覚して適当なことを言っていたため、浴室の穴は冗談として捉えられてしまったのだろう。

私の考え方がおかしいのか、彼女たちはいつも逆のことを話すように感じる。
黒い穴から何かが現れるのではなく、私が穴の中へと向かうのだ。

内部に潜入して無事に帰れた暁には、たくさん土産話を披露しようと、私は二人のカピバラ談義を聞きながら決めていた。

3名無しさん:2020/05/06(水) 23:31:36 ID:Zl1yTEtg0



lw´‐ _‐ノv浴室奇譚のようです




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4名無しさん:2020/05/06(水) 23:33:13 ID:Zl1yTEtg0

高校から帰宅した私は、すぐさま制服から汚れてもいいジャージへ着替え、スリッパを履く。
私の部屋は、そこかしこにボルトや機械の部品やらが転がっているので、踏むと痛いのだ。

一口サイズのおはぎを口に放り込み、乱雑な机の上からヘアゴムを探し出す。
見つかったゴムで後ろ髪を縛れば、お気に入りの作業用ゴーグルを掛けて準備完了だ。

lw´‐ _‐ノv「オッケー、グーグル、アレクサ、クローバー、横堀」

(//‰ ゚)「……おはようございマス、シューお嬢様」

部屋の隅で待機状態だった、サイボーグ横堀が動き出す。
横堀以外の端末は設定していないので、特に起動していない。

自律型二足歩行メカ、サイボーグ横堀。

紺のTシャツにベージュのスラックスを着せているので、パッと見は人間に見えるだろう。
が、近づいて眺めれば、メカメカの塊であることが一目瞭然だ。

顔の表面の半分ほどが、皮膚を模した白いシリコンで覆われ、残りは金属の外装そのまま。
製作途中で、「あっ、これ、私の造形技術だとグロくなるな……」と思い、人に似せるのを断念したためだった。

親は出張や赴任が多いため、どうしても私と姉に家事の負担が掛かる。
少しでもラクをしようと、私は帰宅部特権の有り余った時間を駆使して、サイボーグ横堀を製作したのだ。

5名無しさん:2020/05/06(水) 23:34:38 ID:Zl1yTEtg0

(//‰ ゚)「タブレットとの同期を開始シマス」

横堀が安定した膝曲げ歩行で、スクールバッグへと近づく。
それから私が高校に持ち込んでいるタブレットを取り出し、壁に寄りかかって座った。

タブレットにある新規データ、思いついたことをなんでも記したメモなどを、横堀はBluetooth接続で取り込んでいる。
私は机の下から必要な工具類と、炊飯器大の脚式ロボットを手元に引き寄せた。

現在製作中のこの炊飯器ロボットは、その命名権を姉に譲っている。

パーツ代やなんやかんやをお小遣いでは賄いきれず、聡明で美しいお姉様に出資して頂いているためだ。
とはいえ名前が無いのも不便なので、密かに私は仮の名称を付けている。

lw´‐ _‐ノv「プロジェクト歯車王を続行するよ」

(//‰ ゚)「かしこまりマシタ、シューお嬢様」

お嬢様という呼称は、ちょうど私が、"お嬢様と呼ばれてみたいっ娘"最盛期に製作したためだった。
私自身はどこかの令嬢でも何でもないが、泣く泣く家事をこなしていた頃は、優雅な公爵家暮らしをよく妄想したものだった。


https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208807/117_dvfa3r.jpg

6名無しさん:2020/05/06(水) 23:35:27 ID:Zl1yTEtg0

lw´‐ _‐ノv「あれ? タイミングチェーンの合わせマークどこに付けてたっけ?」

(//‰ ゚)「第二サーボ下部とありマス」

lw´‐ _‐ノv「あったあった、ありがとー」

私のメカメカながら、サイボーグ横堀はとても優秀だ。

横堀のAI構築については、主にディープラーニングを行うソフトウェアを利用している。
音声、画像認識、データ分析共に、GUIツールで作成したために、プログラミング面ではさほど苦労はしていない。

とはいえここまでくるのに、どれほどのトライ&エラーを繰り返してきただろうか。
やはり記憶に新しいのは、あのパンツ事件だろう。

画像認識がうまくいかず、横堀は私と姉のパンツの違いを認識出来なかったのだ。
そして彼によって洗濯物が取り込まれるたび、私のパンツがクー姉のチェストへと飲み込まれていった。

何年も履いていない女児パンツを身に纏い、風呂上りに居間をウロウロとしていたところ、

川 ゚ -゚)「シュー、その下着懐かしいな」

lw´‐ _‐ノv「他のパンツが行方不明なんだけど、クー姉のところに行ってない?」

7名無しさん:2020/05/06(水) 23:36:38 ID:Zl1yTEtg0

川 ゚ -゚)「ん……」

lw´‐ _‐ノv「……」

川 ゚ -゚)「ああっ、あれはシューのか! 近頃なぜか増えたような気はしてたんだが」

クー姉の画像認識もうまく働いていなかったらしい。
天体観測以外に殆ど興味を持たない、姉らしいといえば姉らしかった。

川 ゚ -゚)「好きなショーツを持っていっていいぞ、見分けが付かないからな」

lw´‐ _‐ノv「うん」

私も人様のことをどうこう言えない性格をしているが、クー姉も恐らく変人の類いだった。
姉は星空を眺めるために、わざわざベランダから脚立を掛けて屋根に登り、そこで一夜を過ごすこともよくある。

たまに気まぐれで姉に付いて行くも、私はすぐに飽きて手持ち無沙汰になってしまう。

lw´‐ _‐ノv「あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」

適当な星を指差して、どこかで聞いたことのある呪文をそう唱えると、

川 ゚ -゚)「違う。あれはスピカ、アークトゥルス、デネボラだ」

lw´‐ _‐ノv「あれ、そんな歌詞じゃなかったっけ?」

8名無しさん:2020/05/06(水) 23:37:26 ID:Zl1yTEtg0

川 ゚ -゚)「歌詞は合ってる」

lw´‐ _‐ノv「じゃあやっぱり、あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」

川 ゚ -゚)「違う。あれはスピカ、アークトゥルス、デネボラだ」

といった具合で、姉はその季節に見える星を大体網羅している。
見える星にお出かけできるわけでもないのに、何故そこまで熱心になれるのだろうか。

そうは言っても、言語化できない感情のどこかで、姉の嗜好は理解できている気がする。
やはり私たちは似たもの同士なのかもしれない。

川 ゚ -゚)「おーい、シュー」

lw´‐ _‐ノv「……」

川 ゚ -゚)「夕食できたぞー」

lw´‐ _‐ノv「……はっ」

夢中になって製作に取りかかっていたところ、気付けば階下から香辛料の香りが漂っていた。
私はキリの良いところで作業を中断し、美味しそうな匂いの正体を考えながら居間へと向かった。

9名無しさん:2020/05/06(水) 23:38:37 ID:Zl1yTEtg0

キッチンでは姉が、お鍋からスープ状の何かをよそっている。
私が「ポトフだー」と言うと、クー姉はこちらを振り返り、「美味しいポトフだ」と言って微笑んだ。

姉も私もどちらかといえば口数の少ないタイプで、食卓は温かさと落ち着きで満たされている。
この光景が漫画ならば、サラダを咀嚼する「もっもっ」という擬音が、私たちの周囲に飛び交っていることだろう。

そんなことを考えていた矢先、例の浴室の穴について姉がふと話し出した。

川 ゚ -゚)「本当に内部に入るのか? 危険だから止めておいた方がいいと思うが」

lw´‐ _‐ノv「うん。はぐる……今作ってるのは、色々備えて作ってるから大丈夫」

川 ゚ -゚)「親の出張中に妹に何かあったら、私の責任でもあるんだぞ?」

lw´‐ _‐ノv「うーん……」

そう言われてしまうと、返答に窮するしかなかった。
私はもちろん姉を困らせたいわけではないが、好奇心を押し殺せるほど大人でもない。

10名無しさん:2020/05/06(水) 23:39:47 ID:Zl1yTEtg0

スープを口に運ぶ、お互いの小さな音だけが続き、しばらくしてから姉が呟く。

川 ゚ -゚)「……回転円柱体、銀河ハローだ」

lw´‐ _‐ノv「えっ?」

思わず私は聞き返した。
姉の口から耳慣れない宇宙用語が飛び出すのはよくあることだが、さすがにこのタイミングは謎過ぎる。

川 ゚ -゚)「あのロボットの命名権は、私にあるんだろ?」

クー姉はそう言うと、やれやれといった様子で微笑む。
ややあって姉の探索許可が下りたことに気付いた私は、静かに感謝の意を述べる。

lw´‐ _‐ノv「クー姉、ありがとう」

川 ゚ -゚)「危なそうだったら、すぐ戻るんだぞ」

lw´‐ _‐ノv「うん」

川 ゚ -゚)「しかし欲張って長い名前にしすぎたか。略して……ハロー。うん、ハローさんだな」

その名前から漠然と想像して頭上に浮かぶのは、外国人の女性の姿だ。
ハローさんという名称は、どうもイメージに合わない気がする。

lw´‐ _‐ノv(……やっぱり名前は歯車王にしよう)

11名無しさん:2020/05/06(水) 23:41:58 ID:Zl1yTEtg0

夕食を終えて自室に戻った私は、残りの部分の製作に取り掛かる。

歯車王は、簡単な命令と実行を行うシンプル設計だ。
その分頑丈で、穴の探索にはきっと役立つだろう。

しばらく製作に没頭した後、私は歯車王の電源を立ち上げた。
LEDの点灯と共にビープ音が鳴り、歯車王はキョロキョロと辺りを見渡した。

|::━◎┥ ピーッ

lw´‐ _‐ノv「やったー、完成したー!」

(//‰ ゚)「おめでとうございマス」

簡単に動作テストをしたところ、問題はなさそうだった。
組み上がったばかりの歯車王を眺めながら考える。

lw´‐ _‐ノv「横堀ー、今何時かな?」

(//‰ ゚)「午後十時五十分デス」

いつの間にか夜遅くになっていたが、明日は休日のため、就寝が多少遅くなっても問題はない。
私はこのままの勢いで、穴の内部を探索することにした。

12名無しさん:2020/05/06(水) 23:42:43 ID:Zl1yTEtg0

lw´‐ _‐ノv「よーし、横堀、歯車王。ついてきてー」

(//‰ ゚)「かしこまりマシタ、シューお嬢様」

|::━◎┥ ピピッ

ジャージ姿のまま部屋を飛び出し、メカメカたちの様子を眺めながら階段を下ってゆく。
後に続く彼らの、段差を揚々と下る姿に満足を覚え、胸が踊る気分だ。

興奮さめやらぬまま浴室に到着した私は、改めて壁面の穴をじっくりと眺める。
現実を構成する情報が、そこだけすっぽりと抜け落ちてしまったかのような異質な暗闇。

試しに腕を入れてみるも、内部には何も触れるものがない。

lw´‐ _‐ノv「あっ、そうだ! ちょっと待ってて」

私はキッチンに転がっていたジャガイモを持ってきて、浴室の穴の中へと投げ込む。
万が一を考えてのカピバラ対策だ。

やはり特に何も起こらず、カピバラの好物であろうジャガイモは、そのまま暗闇へと消えていった。

lw´‐ _‐ノv「歯車王、ライト点灯」

|::━◎┥ ピッ

13名無しさん:2020/05/06(水) 23:43:41 ID:Zl1yTEtg0

lw´‐ _‐ノv「それでは第一回探索を始めます。サイボーグ横堀君」

(//‰ ゚)「ハイ、シューお嬢様」

lw´‐ _‐ノv「歯車王君」

|::━◎┥ ピッー!

lw´‐ _‐ノv「素直シュール君。……はい!」

選りすぐりの探索スペシャリストが浴室に揃っている。
いずれにしてもできることはやったのだ、向かうしかない。

lw´‐ _‐ノv「それじゃ、行こ〜」

まずは横堀に歯車王の胴体を持ってもらい、穴のフチに歯車王の両腕のアームをしっかりと掛ける。
そのまま穴の内部へと、歯車王を抱えた横堀が進入してゆく。

歯車王のアームで横堀が吊られた状態になったが、重量負荷は問題なさそうだ。
アームのワイヤーロープは、安全荷重規格によると、ここから更に私を三人載せても耐えられる計算だ。

14名無しさん:2020/05/06(水) 23:44:47 ID:Zl1yTEtg0

lw´‐ _‐ノv「よいしょっと……」

私は横堀の頭部をまたがって彼の両肩に座り、肩車の姿勢になる。

肩車された状態で、私は腕をブンブンと前後左右に動かす。
横堀の抱いている歯車王のアームに触れるだけで、本来ならありえない空間が広がっている。

下を見ると、歯車王のライトが前方数メートルを照らしている。
そこには虚空と沈黙があるばかりで、ライトの光の先はやはり漆黒に満たされていた。

lw´‐ _‐ノv「歯車王、腕伸ばしていいよー」

|::━◎┥ ピピッ

歯車王のアームがゆっくりと伸び、私たちは未開の闇へと下ってゆく。
アームは十メートルまでしか伸びないため、そこまで行って何もない場合は、今回の探索は終了だ。

と、突然、上方で金属の擦れる音が響き、全身が一瞬浮いたかのように思えた。
次の瞬間には身体全体が引力の影響を受け、引き摺り下ろされる感覚が濁流のように襲いかかる。

15名無しさん:2020/05/06(水) 23:45:35 ID:Zl1yTEtg0

慌てて上を見上げると、穴を通して漏れていた浴室の明かりが見えない。
どういったわけか、穴が消滅してしまったらしい。

私の動転を反映した、"重力の虹"が眼前に現れたかと思いきや、さながら落下するV2ロケットの如く、底知れぬ深みへと引き寄せる。
実際のところ、その名高い文学作品を読んだフリをして実は読んでいないので、私はこれ以上この事態を文学的に例えようがなかった。

とにかく私は、暗いどこかを落ち続けている。

lw´‐ _‐ノv「わあああうわああああ」

悲鳴を上げることに慣れていないため、自分でも驚くほど抑揚のない、「わあああうわあああ」を発してしまった。

これでも内心、私は焦燥と恐怖でいっぱいだった。
心臓が異常な速さで鼓動し、血液がチャーハンを炒めるように駆け回っている。

それから秒で私は意識を失った。
SNSで決してバズることの無い、悲鳴チャレンジに再度挑戦する間すらないままに。

16名無しさん:2020/05/06(水) 23:46:09 ID:Zl1yTEtg0

続く

17 ◆S/V.fhvKrE:2020/05/07(木) 00:27:35 ID:4AKSrN0M0
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18名無しさん:2020/05/07(木) 07:40:27 ID:o4rQggPk0

面白い
続き気になる

19名無しさん:2020/05/08(金) 20:39:54 ID:IVpDKAJY0


ミセ*゚ー゚)リ「……それで? それで、どうなったの?」

('、`*川「怖いな〜、怪我とかしませんでした?」

lw´‐ _‐ノv「うん。なんだかんだあって、遠近法を使って月から帰ってこれたんだよ」

ミセ*゚ー゚)リ「ええっ? ちょっと待って、話が飛んでるよ!」

lw´‐ _‐ノv「実は、月は別世界との出入り口だったんだ」

('、`*川「なんですかそのオカルト。初めて聞きましたよ」

私は友人たちと話しながら、窓の外に見えるグラウンドや自転車置き場を眺める。
その景色は見慣れたもので、普段見えるものと変わりなかった。

ミセ*゚ー゚)リ「シュー、大丈夫? 穴の中で、別の何かに入れ替わってたりしてないよね?」

lw´‐ _‐ノv「……うん」

カピバラの話をしていた時のことを、私は思い出さずにはいられなかった。
口に出すかどうか迷っていたところ、先に友人が質問を続けた。

20名無しさん:2020/05/08(金) 20:41:01 ID:IVpDKAJY0

('、`*川「話を戻すと、穴に落ちて気を失ったんですよね?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうそう、落ちたとこから話して」

lw´‐ _‐ノv「えっ……」

私としては、適当なキュレーションサイトのように、「いかがでしたか?」でまとめてもいい頃だった。
にも関わらず、二人の釈然としない様子を察するに、そうもいかないらしい。

lw´‐ _‐ノv「いかがでしたか……?」

ミセ*゚ー゚)リ「駄目だよ〜、適当に切り上げようとしてるでしょ」

駄目だった。

仔細を思い出そうと、私は教室のどこでもない中空を見上げる。
友人たちの姿は視界の隅に映っているが、その表情は分からない。

lw´‐ _‐ノv「確か、私を起こす声で目が覚めたんだ……」

21名無しさん:2020/05/08(金) 20:43:55 ID:IVpDKAJY0


穴から落下して意識を失い、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
聞き慣れた誰かの声が、遠くから聞こえるような気がする。

「……シューお嬢様」

(//‰ ゚)「シューお嬢様、目を覚ましてクダサイ」

lw´‐ _‐ノv「お、おは……」

(//‰ ゚)「おはようございマス、シューお嬢様」

意識が戻ると同時に、張り付くような冷たさが半身に伝わる。
うつ伏せで地面に横たわっていたらしく、土や石ころがすぐ目の前にあった。

私はジャージを手で払いながら立ち上がる。

周囲は薄暗いものの、確かに辺りの様子が分かる。
地面から生えたかのような低い位置に、小さな光源が点在しているためだった。

22名無しさん:2020/05/08(金) 20:45:35 ID:IVpDKAJY0

どうやら私たちは、どこか樹海のような場所にいるらしい。
密生した樹木が視界を狭め、絡み合った木の根が地表を覆っている。

そばで待機していた横堀に、私は訊ねる。

lw´‐ _‐ノv「ここ、どこだか分かる?」

(//‰ ゚)「残念ながら、分かりマセン」

lw´‐ _‐ノv「そっか……」

上を見上げても、阻むように木の枝が広がり、どこにも空が見えない。
静まり返ったこの状況を認識すればするほど、孤立感が胸の内に広がってゆく。

lw´‐ _‐ノv「困ったな、なにもかも未知だ……」

(//‰ ゚)「垂直跳躍距離が、約1.5パーセント向上してイマス」

そう言うと、横堀はその場でピョンと飛び跳ねる。
私もそれに習ってジャンプすると、私の後を追って歯車王も飛び跳ねた。

lw´‐ _‐ノv「た、確かに!」

23名無しさん:2020/05/08(金) 20:46:44 ID:IVpDKAJY0

確かにいつもより身体が軽い気もするが、断言するには、あまりにも微妙な差の違いだ。
そもそも自分自身の普段のジャンプ力を知らないため、私が跳躍する意味はなかった。

けれどロボットである横堀は別だ。
自身の性能は把握しているし、横に並んだ歯車王の全長から、ここでの跳躍距離を目測したのだろう。

これは非常に価値のある情報だった。
重力の影響におけるその場所の高さは、公式で計算することができる。

2×高さ÷地球の半径である6400キロメートルの答えが、0.015になるように逆算すればいい。

lw´‐ _‐ノv「ええと……」

公式は覚えていても暗算できなかったので、私は隣の高性能メカメカに計算してもらう。
何度聞いても、横堀はあり得るはずがない同じ回答結果を伝え、私はひどく混乱する。

もし地球環境下の重力であれば、ここはおよそ標高五万メートルに位置しているということになる。

lw´‐ _‐ノv「……」

ふと私は、クー姉におすすめされた小説を思い出した。

24名無しさん:2020/05/08(金) 20:47:52 ID:IVpDKAJY0

「シューの好きそうな機械が色々登場する」と、いつだったか姉から手渡された。
火星に取り残された人物が、持ち前の技術と知識で作物を育て、火星脱出まで生き抜く小説だ。

姉の好む宇宙と私のメカメカと、恐ろしく二人の趣味にマッチしていたのを覚えている。
今となっては、すすめてくれた姉に感謝の気持ちしかない。

この得体の知れない状況で、私はなんとかやっていかなければならないのだ。
急に気力が湧き出し、なんならジャガイモだって育てる気概に満ちていた。

lw´‐ _‐ノv「あっ! そうだ、ジャガイモ!」

カピバラの好物かもしれないジャガイモを、そういえば私は、穴に入る直前に投げ入れていた。
キッチンで適当に選んだ野菜が、今後の私の命運を握ることになるかもしれない。

lw´‐ _‐ノv「ジャガイモ〜! ジャガイモどこー?」

私はジャガイモを求めて辺りをさまよう。
横堀と共に歯車王も、地面をライトで照らしながら探してくれている。

25名無しさん:2020/05/08(金) 20:49:01 ID:IVpDKAJY0

そうしているうちに、地表の謎の光源に近づいていたことに気付く。
よくよく見ると、キノコのような小さな植物が、明るい光を発していた。

本能的な危機感が心臓をドクンと鳴らし、私に恐怖を訴える。
これは放射性物質か何かで、いわゆるチェレンコフ光を発しているのではないだろうか。

lw´‐ _‐ノv「世の中で光っていい食べ物は、イカぐらいのはず……」

(//‰ ゚)「何故食べ物として分類したのデショウカ、シューお嬢様」

lw´‐ _‐ノv「……それもそうだね」

食用ではないにせよ、バイオハザード、生き物危険である可能性は捨てきれない。
発光キノコが急に飛び掛ってくるのではないかと、私は用心しながら後ずさる。

と、何か柔らかいものが、背中にぶつかった感触があった。
後ろを振り返ると、私の身長より少し小さいくらいの、二足立ちの猫がいた。

(#゚;;-゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「ひゃあっ!?」

驚いた私は、思わず叫んでしまった。
ボルトを素足で踏んだりと、吃驚の声はわりと上げ慣れているため、それらしい声が響いたに違いない。

26名無しさん:2020/05/08(金) 20:50:19 ID:IVpDKAJY0

人のように立つ猫は、慌てた私の様子がおかしかったらしい。
口元に笑みを浮かべると、両手(あるいは両足)を胸の前に掲げ、危害を加えるつもりがないことを示した。

lw´‐ _‐ノv「ええと、こ、こんばんは……」

(#゚;;-゚)「マルク、ニ、サナ」

やはり言葉は通じないらしい。
まじまじと猫人間の姿を見ても、通じる要素が見つからない。

全身がレンガ色の毛で覆われ、黒いローブを羽織っている。
ひよこ鑑定士の動画を見たことのある私の識別眼によると、どうやら女性のようだ。

特徴的な猫耳が頭から生えているものの、痛々しいことに片方の耳が欠けている。
私はその耳の欠け具合から、子ども向けアニメの、猫のマスコットキャラクターを思い出す。

「ジバニャン」と名付けて、呼びかけようとした時だった。
目の前の彼女は、自身の胸に片手(または片足)を当てて、

(#゚;;-゚)「ディ」

と、一言口にした。
どうやらそれが彼女の名前らしい。

https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208782/18_evv8ua.png

27名無しさん:2020/05/08(金) 20:51:17 ID:IVpDKAJY0

lw´‐ _‐ノv「でぃ……、でぃちゃん?」

恐る恐るそう言うと、でぃはコクコクと頷いた。

言葉が通じなくとも、ある程度は意思疎通できることが分かり、急に視界が開けたような気分になる。
何か可愛らしい生き物と、異国の地で分かり合えて、嬉しくない人がいるだろうか。

私もジャージの胸元に手を当てて、お淑やかに自己紹介をする。

lw´‐ _‐ノv「シューゼンタール第二皇女です」

(#゚;;-゚)「シュー……」

後半部分は聞き取れなかったのか、略称が奇跡的にも、私の本当の名前と一致してしまった。
「シューゼンタールダイニオウジョデス」と毎回呼ばれるのも何なので、結果オーライだ。

でぃは周囲の森と私たちを指差し、それから肩をすくめて両手を広げる。
ここで何をしているの、と恐らく訊ねたのだろう。

28名無しさん:2020/05/08(金) 20:52:23 ID:IVpDKAJY0

lw´‐ _‐ノv「浴室に穴があって、そこから……」

と言い掛けて、私はジェスチャーに切り替える。
大きな丸い穴から落ちて倒れていたことを、一生懸命動作で表す。

(#゚;;-゚)「マシュ、ク、ナ」

十分に伝わっていると示すかのように、でぃはフンフンと大きく頷いた。
それから彼女は、森の一方を指差して歩き出す。

lw´‐ _‐ノv「ええと、ついて来いってことかな」

(//‰ ゚)「そのようデス、シューお嬢様」

行方不明のジャガイモと、親切そうな来訪者を天秤に掛けて考える。
どう考えても、ジャガイモが私を助けてくれる可能性は低そうだ。

横堀と歯車王に追行の指示を出し、私自身もでぃの後を追った。

29名無しさん:2020/05/08(金) 20:54:32 ID:IVpDKAJY0

樹海は、想像をはるかに超えて歩き辛かった。
スペース管理を怠った電子機器の内部配線のように、捻じ曲がった樹木が無秩序に伸びている。

お互いに入り組んだ根が地面に波を作り、すぐに転びそうになる。
それでもなんとか歩けるのは、例のキノコによって足元が照らされているためだった。

迷いなく歩を進めるでぃの横に並び、私はあちこちに点在している光るキノコを指差す。

lw´‐ _‐ノv「そうそう、でぃちゃん。これは何?」

(#゚;;-゚)「マルク、シ、サニ……」

でぃはキノコを土の部分から手ですくい、片手に持って再び歩き出す。
ランタンの代わりとして、この辺の住民は使っているのだろうか。

私もそうするべきかと考えたが、歯車王のライトがある。
そこらじゅうで待ち構える人食い発光キノコとは距離をとりつつ、でぃの後を追った。

30名無しさん:2020/05/08(金) 20:55:44 ID:IVpDKAJY0

しばらく歩いているうちに、私は閉ざされた室内にいるかのような錯覚を起こした。
枝葉の屋根が湿気を逃さないため、濃密な夜霧が漂い、まるで天然の浴室のようだ。

lw´‐ _‐ノv「でぃちゃーん。普段こんな大変なとこ、散歩してるの?」

(#゚;;-゚)「ロマ、ヨ、ゴ」

lw´‐ _‐ノv「ふーん、そうなんだ」

恐らく彼女は、修行の身か何かなのだろう。
彼女が私の本名を奇跡的に当てたように、私もそう推測するも、違う気はする。

森の中は私たちの気配しかなく、静寂そのものだ。

ローブを纏った二足歩行の猫と私、それからロボット二体。
こんなにユニークな一行は、どんな旅路でもそうそう出会うことはないだろう。

やがて連なる樹木の隙間が、次第に広がりを見せてゆく。
重苦しい森を抜けた先は、それ以上進むことのできない、断崖となっていた。

崖の下方にもやはり森が広がっていて、上空は一面の星空が続いている。
その中でも一層目立っていたのは、異様なほど巨大な満月だ。

明々と輝く月は、自宅の屋根上からの眺めよりも何十倍も大きい。
やはりそれはこの場所が、地球とは別のどこかであることを物語っていた。

31名無しさん:2020/05/08(金) 20:56:50 ID:IVpDKAJY0

でぃは崖の手前で立ち止まり、こちらを振り返る。

景色の良いこの場所で休憩かなと思いきや、何やら彼女は崖を指し示す。
崖に向けられた彼女の腕は、その先へと動き、空を挟んで月で止まった。

lw´‐ _‐ノv「えっ? あの崖から飛ぶの?」

戸惑いを隠せない私の質問に、でぃは肯定の笑顔を向ける。

lw´‐ _‐ノv「お月様じゃなくて、黒い大きな穴から来たんだけど……」

(#゚;;-゚)「エフェソ、ゴ、イサ」

繰り返しジェスチャーで説明するも、月に入れば帰れることを説明する動作を返される。

lw´‐ _‐ノv「うーん……」

確かに遠近法を用いた写真のように、崖から月まで走っていけるようには見える。
けれど実際には月は遥か上空で、崖の先には、絶縁体に等しいほどの困難な距離があるのだ。

32名無しさん:2020/05/08(金) 20:57:57 ID:IVpDKAJY0

その場で立ち尽くしたまま三十分ほど待っても、事態は動かなかった。
でぃは真剣な眼差しをこちらに向けたままだ。

こういう局面には、身に覚えがあった。
意志が固い姉を持つと、次女は譲らざるを得ないのだ。

lw´‐ _‐ノv「横堀、歯車王……、これで壊れても恨まないでね」

(//‰ ゚)「そのようなことはナイと断言シマス、シューお嬢様」

|::━◎┥ ピッ…

心なし歯車王の反応が弱弱しいのは、気のせいだろうか。
こちらの意志が揺らぎそうになる反応はやめて欲しかった。

lw´‐ _‐ノv「でぃちゃんは来る?」

でぃは、どこか悲しそうに首を横に降る。

33名無しさん:2020/05/08(金) 20:58:57 ID:IVpDKAJY0

こんなに早いお別れとは、全く予想していなかった。
私は親切な猫耳の彼女に近付き、ゆっくりと抱きしめる。

lw´‐ _‐ノv「……」

(#゚;;-゚)「……」

「ありがとう」と日本語で伝えても、きっと彼女なら感謝の意を読み取ることができただろう。
ならばこの抱擁は、言葉がなくとも伝わったはずだ。

しばらくそうしてから、私は月への道を振り返る。
ジャージのジッパーを首もとまで上げ、頭に掛けていたゴーグルを装着する。

lw´‐ _‐ノv「よし。横堀、歯車王、帰ろうか!」

(//‰ ゚)「仰せのママニ、シューお嬢様」

|::━◎┥ ピピッ!

34名無しさん:2020/05/08(金) 21:00:01 ID:IVpDKAJY0

(#゚;;-゚)「エッファタ……」

でぃが月を見上げて何か呟いているのを後に、私たちは走り始めた。
このまま崖先の寸前まで、最大限の速度で踏み込まなくてはならない。

太ももの筋肉が熱を帯び、体中の血液がエビフライのように跳ねている。
土と岩の織り成す、崖の境界線を見定める。

新鮮な空気の流れが、後方から私の背中を押してくれている。
つま先の一歩先が空に差し掛かる瞬間、私は月へと向かって跳躍した。

身体は完全に地面から離れ、ここから落ちてしまえば、崖下の森に墜落してしまう。
がむしゃらに手を振りかざしても、空を切るばかりだ。

lw´‐ _‐ノv「わああうわあああ」

もう少しだ、きっともう少しで月に届くはずだ。
だんだんと恐怖に支配されてしまいそうになる。

35名無しさん:2020/05/08(金) 21:01:05 ID:IVpDKAJY0

あらゆる記憶や幻影が、渾然一体となり脳内で暴れている。
浮かび上がった一瞬の着想が、熟慮する間もなく私を叫ばせる。

lw´‐ _‐ノv「歯車王、腕アーム射出!」

|::━◎┥ ピピッ!

後ろを振り向く余裕もなかったが、私の優秀なメカは忠実に仕事をこなしたようだった。
顔の横をかすめて、ワイヤーロープが飛んでゆく。

lw´‐ _‐ノv「横堀、歯車王に掴まってー!」

できる限り大きな声でそう叫び、私自身も歯車王の腕アームをしっかりと握る。
ワイヤーロープは月の中心へと伸びてゆき、その先端が見えなくなった。

|::━◎┥ ピッ

眩しい光の奥で、歯車王のアームが何かを掴んだらしい。
私は細い目をより細め、引っ張られるままに進んでゆく。

息が出来ないほど濃密な輝きが、霧雨のように全身に触れるのを感じる。
ついに私たちは、光の内部へと入り込んだのだ。

透き通るほどの光の流露は、体感しなければ分からないほどの、本当に短い瞬間だった。
すぐさま視界が真っ暗になり、私を押し下げる重力が一段と増す。

36名無しさん:2020/05/08(金) 21:02:31 ID:IVpDKAJY0

月を抜けたことを理解する前に、下方に見覚えのある住宅地が映った。
グーグルマップで何度も見たその場所に、何故か胸が熱くなる。

見慣れた我が家の屋根の上で、望遠鏡を覗く人影が見える。
そんなことをしているのは、きっと姉に違いない。

私より落下速度の速い横堀が、屋根と私の間に挟まるように、自ら位置しようとしている。
私の受ける衝撃を、少しでも緩和しようとしてくれているらしい。

それからは何も考える間もなく、横堀と共に私は、屋根のスレート瓦に衝突した。
後から遅れて、歯車王が隣に落下する音が響いた。

lw´‐ _‐ノv「痛たたた……」

立ち上がろうとするも、全身に力が入らない。
横たわったまま、横堀の上から退くのが精一杯だった。

ノハ;゚⊿゚)「おいおい、驚いたなああ!! シュー、今どこから!?」

横になる私の頭上から、私を心配する声が聞こえる。

打ち付けた身体の痛みと、震えるような脳内の混乱が、内外から襲いかかる。
そのまま私は、しばらく屋根に伏せていた。

痛みか混乱、せめてどちらかが落ち着くまでの間だけ。
そうすれば私は、持ち前の冗談とメカメカを武器に、きっと生き抜くのだ。

37名無しさん:2020/05/08(金) 21:03:06 ID:IVpDKAJY0












.

38名無しさん:2020/05/08(金) 21:04:04 ID:IVpDKAJY0




lw´‐ _‐ノv「いかがでしたか?」

友人や姉が別人となっていて、私が薄ら寒い思いをしたのでは、と感じたかもしれない。

けれどネタばらしをしてしまえば、なんのことはなかった。
ただ単に別の友人たちと、同じく天体観測が趣味の、もう一人の姉に過ぎないのだ。

これが、普段から自覚して適当なことを言う私の、クスッと笑える奇譚である。


終わり

39名無しさん:2020/05/08(金) 21:53:42 ID:fWOdUp5E0
おつ

40名無しさん:2020/05/08(金) 22:06:01 ID:SbR/7ZZg0
otsu

41名無しさん:2020/05/09(土) 13:26:06 ID:U1RcWzM60
おつ。ゆったりと不思議な話だ。
面白かった

42名無しさん:2020/05/11(月) 02:37:51 ID:BjIcPwuI0
��


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