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lw´‐ _‐ノv浴室奇譚のようです
30
:
名無しさん
:2020/05/08(金) 20:55:44 ID:IVpDKAJY0
しばらく歩いているうちに、私は閉ざされた室内にいるかのような錯覚を起こした。
枝葉の屋根が湿気を逃さないため、濃密な夜霧が漂い、まるで天然の浴室のようだ。
lw´‐ _‐ノv「でぃちゃーん。普段こんな大変なとこ、散歩してるの?」
(#゚;;-゚)「ロマ、ヨ、ゴ」
lw´‐ _‐ノv「ふーん、そうなんだ」
恐らく彼女は、修行の身か何かなのだろう。
彼女が私の本名を奇跡的に当てたように、私もそう推測するも、違う気はする。
森の中は私たちの気配しかなく、静寂そのものだ。
ローブを纏った二足歩行の猫と私、それからロボット二体。
こんなにユニークな一行は、どんな旅路でもそうそう出会うことはないだろう。
やがて連なる樹木の隙間が、次第に広がりを見せてゆく。
重苦しい森を抜けた先は、それ以上進むことのできない、断崖となっていた。
崖の下方にもやはり森が広がっていて、上空は一面の星空が続いている。
その中でも一層目立っていたのは、異様なほど巨大な満月だ。
明々と輝く月は、自宅の屋根上からの眺めよりも何十倍も大きい。
やはりそれはこの場所が、地球とは別のどこかであることを物語っていた。
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